- 事務局から[資料1]について説明。
- 委員意見なし
- 事務局から[資料2]~[資料3]について説明。
- 委員意見
<資料2-1,2-2について>
- ○パブコメの意見と対応案は膨大なもので、とてもこの場で確認しきれるものではないが、これで決定されてしまうものなのか。
→(事務局)1週間メドでご確認いただき、お気づきの点があればご連絡頂きたい。
<資料3_「はじめに」について>
- ○P2L9に「人為によって意図的・非意図的に自然分布域外に導入され、野生化する」と記述されているが、「野生化」「定着」は区別して使われているのか。区別されていないのであれば、「定着」に統一するのがよい。
→「定着及び分布拡大」とするのが良いだろう。
→(事務局)ご指摘どおり修正する。
- ○P3L27などで、「動植物の放出等」という表現があるが、法律上は「放つこと」となっているのではないか。あるいは「放逐」という言葉が用いられていたと思う。「放出」は表現として適切か。適切ならよいが。
→(事務局)今回、放つこと・まくことなども含めて、「放出」と表現している。
- ○P2の図について。「在来種Bと同種の国外の集団」が「在来種Bの別集団(個体群)が生息する地域」に矢印が向かっているが、これが、国内の「在来種B」としてあるところに入るとどういう整理になるのか。
→遺伝的な特徴が異なる集団であれば、ご指摘のような移動についても遺伝的攪乱の問題となると考えられる。
- ○「遺伝的攪乱の問題」としてあるが、これにきちんと名前をつけるべき。ここでは決まらず、宿題になるかも知れないが。
→(事務局)まずは、「生物の導入による遺伝的攪乱の問題」として整理させていただいている。何かいい案があればご教示頂きたい。
- ○P2の図で表したいのは「外来種問題」なのか「遺伝的攪乱」なのか?同種・亜種等が混乱しており、再整理すべきである。
- ○便宜的に種とか亜種を用いて制度としているが、本来的に進化的ユニットで考えるべき問題である。現時点ではこの表現で良いが、これを課題として認識すること。図では国内外来種も含めて問題と認識していることを表しているが、国内・国外外来種をともに制度的にきちんとやるならば、説明責任、すなわち、導入をとめようとする方(許可する方)に責任があるのか、導入しようとする方に責任があるのかの説明をきちんとするべき。
- ○P2の図で遺伝的攪乱をわざわざ記載しているのは、国内の移動も問題であるということを示し、ここから対策をスタートさせる、という意識の表れと考える。なぜ生物を移動してはいけないのか、という問題意識を表した図。ブラッシュアップさせる必要はあるが。
- ○この図は、赤い方(外来種問題)はエコロジカル、緑の方(遺伝的攪乱の問題)はジェネティックな問題として、これはこれで整理されていると考える。
- ○今の法制度でカバーできないものもあぶりだすというのが、本報告書であり、それを図化したものだろう。保全生物学的に望ましいものとするには、各委員のご意見のとおりだが、できるだけ微修正ですませるのがよいだろう。
<資料3_「特定外来生物の選定」について>
- ○P12L4の「代替種の開発」は、基本方針の記述に合わせて、「代替物の利用可能性」としてはどうか。
- ○P5L15からの段落、修正前の記述では、植物では特定外来生物も未判定外来生物も少ない、という表現だったが修文に伴い、それが読み取れなくなっている。分かるように修正するべき。
→(事務局)前回、小林委員から種数が多ければよいという問題ではないというご意見があり、修文を行っている。12種が多いか少ないかについては、別途きちんとした評価が必要なものであり、ここでは事実のみの記述としたい。
→「一次生産者であり、生態系の土台となる植物では」として、特記しているのに、少なくとも文章のつながりとしておかしい。
- ○P6L1にスパルティナ・アルテルニフロラが例示されているが、「ヒガタアシ」の和名も用いられるようになっているので、併記するべき。また、スパルティナ・アングリカは特定外来生物に指定されているが、近縁のアルテルニフロラは要注意外来生物にすら指定されていないという例。だからこそ同属のものは予防的観点に立って指定しておくべき事例ということを示すべきではないか。
- ○P5で交雑の事例が挙げられているが、L31で現象を分けて書くべきである。前段は食害を含む利用種の問題であり、後段は日本の生態系の中で起きていること。また、事例をもっと多く書くべき。タイリクバラタナゴとニッポンバラタナゴなど。
→(事務局)文章の流れの整理についてはご意見のとおりにする。例示についてはどの程度挙げるべきか、他とのバランスもあるので検討する。
<資料3_「飼養等許可」について>
- ○P13L4クロマルハナバチ等の利用についての記述で、「これらの利用方針を」とあるが、クロマルハナバチだけを指しているのであれば「これら」という言葉は不適切ではないか。また、この一文が非常に長いので、L4「影響に留意」までで一旦文章を区切るべき。
→(事務局)クロマルハナバチは北海道では使えない。他の代替種の可能性もあり、「これら」。また「クロマルハナバチ【等】」としたい。
- ○P6L10~16の一文が長い。L12「限定的である【。】一方で…」と区切るべき。
- ○P6L21「飼養している農家のない大雪山や知床の一部地域等【にも分布を拡大している。】」に修正。
<資料3_「輸入規制・水際対策・非意図的導入対策」について>
- ○P6輸入規制、水際対策にところで、アサリと併記してサキグロタマツメタも例示するべき。また、カワヒバリガイが、輸入されているシジミに付着しているということも含めて書くべきである。
→(事務局)水産庁と調整して、書ける部分は書きたい。
- ○P7L22「…土砂や植木の運搬などの移動の実態把握や規制はなされていない」を「…土砂や植木の運搬などの【外来種の】移動【に係る行為】の実態把握や規制はなされていない」に修正。
- ○P7L15~17で、「権限が不明確」から「手段が法的に位置づけられていない」と修正されている。これについて法制度化は容易でないのではないかと思うが、法制度上、権限がないということを言い切ってしまうことによって、運用で実行できなくなるということが危惧されるが、この修文でよいのか。
→(事務局)特定外来生物は輸入してはならない、ということは法律上に明記されているが、輸入や移動はできないことから廃棄や消毒については行政指導で実施している。不適切な表現があれば修正したい。植防法では命令をするという強い権限を持たせており、植防法のような制度を目指したいと考えている。
→この部分は、外来生物法の中でシステムとして抜けているところではあるが、農林水産省と環境省で昨年から話し合いも進めてきている。そうした取組が重要である。
- ○輸入指定港の見直しは短期的措置に移すことができるのではないか。
→(事務局)現状では輸入指定港以外で大きな問題はないと認識している。状況を勘案してまず把握することが重要と考えており、原案のままとしたい。
→記載については承知。しかし、羽田空港は貨物量が増えており、検疫的に問題がある地域からの輸入が多い。きちんと輸入指定港として、体制を整えることを検討して欲しい。
- ○P7にバラスト水の記述はあるが、どこかに船底付着の話も記述するべきである。
<資料3_「防除」について>
- ○P8L21,26,31「定着する外来種」を「定着している外来種」に修正。
- ○P8L27~29の文の構造がわかりづらい。周知と促進が並列で並んでいるからわかりにくいのではないか。わかりやすいようにするべき。
- ○P14L34~35出先機関の役割の重要性を記述しているが、この役割をもっと具体的に記述できないか。
→(事務局)具体的には、その前の一文に記述していることを想定している。
- ○P8L26「侵入初期の地域等の分布拡大に関する…」文章のつながりがおかしい。
- ○P15L4~、小規模の防除であっても、その間の運搬等については飼養等の規制がかかってくるものではないのか。ここで想定しているもののイメージがわかない。
→(事務局)個人の庭において植物を刈り取って、ゴミに出すまでの運搬等を行うケースなどを想定している。
→ボランティアはそれに該当しないのでは。
→(事務局)ブラックバスであれば、現行でも水のないクーラーボックスに入れることで運搬の禁止には当たらないとしている。植物でも密閉した容器に入れる等、そのような運用ができないか整理を想定している。
- ○P14L29~31について、「特に」がどこに係るかわかりにくいのと、根絶間近の当たりの表現を修正した方が良い。「特に根絶が望ましいと判断される場合は、通常根絶間近で一頭当たりの捕獲コストは増大するが」と修正すべき。
<資料3_「国内由来の外来種」について>
- ○P9L3~4科学的知見が十分に得られていないことと、生きた生物の移動に関する考え方や普及啓発は原因と結果ではなく、並列の書き方にするべき。
- ○P15L31自然公園法が生物多様性の保全の中核的制度という記述があるが、この文脈の中でこれは正しいのか。
→(事務局)この記述のとおり認識している。
- ○P9L13については、特定外来生物の調査なども実施しているので、「国内由来の外来種について【も】」とすべき。
<資料3_「遺伝的攪乱の問題」について>
- ○P10L10「野生復帰」としたのはパブリックコメントの意見を受けたものか。増殖・放流まで入ってくるのではないか。
→(事務局)パブコメの意見ではないが、希少種の野生復帰のガイドラインを環境省で作成しており、その定義に基づいて整理をしたもの。
- ○域外・域内で目的と概念が違うということを説明するべき。
→(事務局)「域内に戻す場合」ということをについて後ろの語句説明で記述する。
- ○P16L4「地域個体群の生物多様性を減少させる」という記述があるが、減少だけでなく、変質も問題である。「生物多様性を減少・変質」と記述するべき。
- ○P10L4「例えばゲンジボタル等のように、地理的に遺伝的形質が異なることもあり」とあるが、これでは、地理的に異なることがまれにある、という意味にとれる。そうではなく、「ゲンジボタル等で典型的に見られるように、多くの種において地理的に遺伝的形質が異なる」という趣旨に修正すべき。
- ○P15か、P16になると思うが、水産業における種苗放流の問題について記述するべき。P6に若干の記載があるのみである。種苗放流は保全ととらえられているという問題がある。特に第5種漁業権は、殆どが外来種を対象としており、これを増殖しているという問題について、環境省と水産庁で方針を出すべき。
→(事務局)P14L11に種苗放流について今後の措置を記載している。
→P14L11の記述のみで足りると考えているのか。
→(事務局)そのとおり。
- ○野生復帰に人工繁殖が入ってくるのならば、P10に記述するべきではないか。
→(事務局)水産庁と現状以上にどこまで書けるか調整したい。
<資料3_「各主体との連携、普及啓発」について>
- ○いくつかの地域で、生物多様性地域戦略の作成を手伝っているが、外来種問題について議論していると意見が合わなくなってくる。学校の先生が「たくさん生きものがいた方がよい」という主張をすることが多い。学校・教育機関という言葉が全く出てこないが、普及啓発にあたっては最も有効であり、踏み込んで記述するべきである。
→教育については文部科学省が相手になるので遠慮しているのだろう。大事だということは書くべきではないか。
→同じ議論は生物多様性国家戦略の作成のときもあった。遠慮は無用、書き込めば良い。
→(事務局)書きぶりについては検討したい。なお、学習指導要領等にも外来種問題を取扱うことは書き込まれている。これに基づいた教育ははじまったばかりであり、先生がどこまでやっているかはまた別問題であるが、こうした取組が進んでいることもご紹介しておきたい。
- ○P10L27~28「外来種問題に係る正しい理解」とあるが、「【適切な】」または「【科学的な】理解」と修正するべき。
- ○P10L32について、動物園や水族館での取組が進められていることが記載されているが、博物館も記載して欲しい。
<資料3_「その他」について>
- ○P17、(9)として震災対応が記載されているが、中期的な措置ということでよいのか。急速に震災への対応が色々進められている中で、この部分については様子見ながら、というように受け取られるが適切か。
→(事務局)環境省では鳥獣被害のモニタリング等も検討が行われているところ、こうした中で外来種についても状況を把握していくことができないかなど検討していきたい。
- ○P17L15、アライグマが特出しされており、違和感がある。もうすこし漠とした書き方でよいのではないか。
→アライグマは生態系の上位にあるものであり、影響も大きい。きちんと挙げておくべきである。
→もうひとつ、ふたつ、例示できればよいのではないか。
→震災・津波のあとで植物・昆虫など、在来種が復帰してきているプロセスもある。論理的に見れば、こうした在来種の回復が進めば、外来種より先に在来生態系が回復するとも考えられるが、一方で新たな防潮堤を作るといった人為的な攪乱も今後生じるなかで、生態系が変化していく。こうしたプロセスを確実に把握して対応していくべき。保全だけを最優先で語れない問題であり、「短期的」と位置づけるべきではない。
- ○P17L16「必要に応じて」を削除。「外来種の侵入状況等も含めて遷移に配慮し」といった趣旨の記述にするべき。