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中央環境審議会野生生物部会
外来生物対策小委員会(第1回)会議録


     
  1. 日時  平成16年6月23日(水)15:00〜16:57

  2. 場所  経済産業省別館10階 1028号会議室

  3. 出席者
    (小委員長)岩槻 邦男
    (委員) 阿部  永  大塚  直  
      加藤 順子  鷲谷いづみ  
    (専門委員) 青木  満  太田 英利  大矢 秀臣
      岡  敏弘  小林 達明  糠谷  明
      細谷 和海    
    (環境省)    小野寺自然環境局局長
     盛山総務課長
     名執野生生物課長
     東海林動物愛護管理室長
     上杉生物多様性企画官
    (農林水産省)  菊池環境政策課長
     釘田国際衛生対策室長
     大村検疫対策室長
     佐藤技術対策室長
     岡田野菜課課長補佐
    (水産庁)  長畠生態系保全室長

                       
  4. 議事

    【事務局】 それでは定刻となりましたので、中央環境審議会野生生物部会外来生物対策小委員会を開催していただきたいと存じます。
     本日の出席数でございますけれども、中央環境審議会運営規則による定則数を満たしておりますので、本日の小委員会は成立をしております。今回は第1回目の小委員会ですので、開会に先立ちまして事務局より委員の先生方のご紹介をさせていただきたいと思います。
     まず、本小委員会の委員長には、先日6月8日に開催されました野生生物部会において岩槻野生生物部会長が指名をされておりますのでご紹介申し上げます。岩槻先生です。よろしくお願いいたします。
     続きまして、委員の皆様を委員長に近い側から順にご紹介を申し上げます。
     青木委員でございます。
     阿部委員でございます。
     太田委員でございます。
     大塚委員でございます。
     大矢委員でございます。
     岡委員でございます。
     加藤委員でございます。
     小林委員でございます。
     糠谷委員でございます。
     細谷委員でございます。
     鷲谷委員でございます。
     続きまして、環境省及び関係省庁の出席者につきまして、ご紹介をさせていただきます。
     まず、小野寺自然環境局長でございます。
     盛山総務課長でございます。
     名執野生生物課長でございます。
     上杉生物多様性企画官でございます。
     東海林動物愛護管理室長でございます。
     続いて農林水産省関係の方でございますが、順次ご紹介させていただきます。
     菊池環境政策課長でございます。
     釘田国際衛生対策室長でございます。
     大村検疫対策室長でございます。
     佐藤技術対策室長でございます。
     岡田野菜課課長補佐でございます。
     長畠生態系保全室長でございます。よろしくお願いいたします。
     続きまして、お手元にお配りをいたしました資料の確認をさせていただきたいと思います。議事次第の次に資料一覧がございます。その後ろに引き続き資料がついてございますので、順次確認をお願いしたいと思います。
     まず最初に、同小委員会の委員名簿。次に資料1−1といたしまして、特定外来生物による生態系等に係る被害を防止するための基本方針の案の作成について(諮問書)でございます。続きまして資料1−2が、外来生物対策小委員会の設置について。資料1−3が、外来生物対策小委員会の運営方針について。続きまして資料2−1が、特定外来生物被害防止基本方針の案の作成について。資料2−2が、特定外来生物被害防止基本方針に係る記述のポイント。資料2−3が、外来生物対策小委員会における審議スケジュール及び審議事項(案)でございます。その後ろには、参考資料の1から4番までがそろってございますが、漏れ等がございましたら事務局の方にお申し出をお願いいたします。よろしゅうございますか。
     それでは、岩槻委員長よろしくお願いをいたします。

    【岩槻委員長】 それでは、外来生物対策小委員会をこれから始めさせていただきます。移入種対策に関する措置のあり方についての答申を求めるための小委員会から引き続き、この小委員会にお加わりいただいている先生方もいらっしゃいますけれども、新しく形成されたこの小委員会に新しく入られた先生方とご一緒に、いろいろとご協力を賜りたいと思います。よろしくお願いいたします。
     それでは議事に入ります前に、小野寺自然環境局長がお見えになっていますので、ごあいさつをお願いしたいと思います。よろしく。

    【小野寺自然環境局長】 お暑い中、ありがとうございます。小野寺でございます。大変大事な審議をきょうから始めるということで、くれぐれもよろしくお願いいたしたいと思います。
     もうくどくどしく説明はいたしませんが、かなり内容のある議論を今度の国会で衆参にわたってしまして、その上で法律が既に成立、公布されております。法律ができたというのは本当に第一報に過ぎないわけで、これを具体的にどう動かすかというのは、これからにかかっております。
     後で説明があると思いますが、法律の中に基本方針をつくるということになっておりまして、その骨格を余り時間がないんですけれども決めて、その上で具体的な種の問題とか、防除の問題とかというのが、その基本方針に基づいて具体的に決められていくという、こういう手順になっております。事務局としては来年の4月にはスタートさせたいというふうに思っておりますので、逆算しますと、そんなに時間は実はない。一つ一つの手順が、かなり議論を丁寧にやる必要がありますし、また議論もかなりいろんな立場で出るということでありますので、申しわけありませんけど、そんなに時間のない中で何とか議論を重ねていただいて、何とか基本方針の原案をおつくりいただきたいと。これはお願いすることのみでありますが。
     それから、私の感じでは非常に国会でも前向きの議論を、むしろ賛成と反対が結果的には民主党が反対するという形で分かれましたけれども、実際、答弁に立っていた私の感じからいきますと、お互いにどうすればよくなるかということで前向きの議論がむしろできたというふうに思っております。
     私もできるだけ安全な答弁ではなくて、考えてなるべく言えることは言おうというようなことを一つ一つ決断しながら答弁をしてきたつもりであります。そういう意味で、きょう後で説明があると思いますが、基本方針をまとめるためのポイントの何枚紙がというのがありますが、法律に書いている基本方針をまとめる際に何を書けというのは、これは法律要件といいますか、項目だけ書いてあるんで、そんなに中身にはかかわってないわけですけれども、そういう前提、または私が国会その他で答えたということには、審議会の既にいただいてある答申もそうでありますし、またいろんなNPO、NGOを始め、議論を並行して行いながら環境省が言ってきたことというのも整理を一応してあるという、そういう性格を持っております。もちろんこれが何か決まりということではなくて、これを参考にしていただいて議論をして、またここでもできるだけ限られた時間の中ですけれども、いろんな方のご意見を聞きながら次のステップに行きたいというふうに思っております。大変難しいテーマをお願いするわけでありますけれども、何とか生物多様性、あるいは国土の自然環境保全のためにやれることはやるつもりでおりますので、ご協力をお願いいたしたいと思います。
     それから、最後になりますけれども、これは農水省と私どもで共管の法律でありますが、農水省の植物研究を始め、いろんなセクション、それから財務省の何といっても外国から入ってくる税関関係については、ここまでの中で極めて協力的にいろんなことを言っていただいて、これからもまた一緒にやるつもりでありますので、最後にちょっとつけ加えさせていただきました。どうぞよろしくお願いいたします。

    【岩槻委員長】 どうもありがとうございました。既にご案内のように中環審から移入種対策に関する措置のあり方についての答申を昨年12月にまとめさせていただいて、それに基づいて特定外来生物による生態系等に係る被害の防止に関する法律というのが先日成立しているわけですけれども、今の局長のごあいさつにもありますように、これについての基本方針の案をこの小委員会でつくるということなんですが、専門委員に初めて加われた方もありますので、これまでのその経緯について簡単に事務局の方から整理をして紹介させていただいたらと思いますので、事務局の方からよろしくお願いいたします。

    【野生生物課長】 では、私の方から、この諮問の中身と小委員会の設置についての経緯をご説明させていただきます。資料1−1から1−3を使って、着席したままでご説明させていただきます。
     資料1−1が諮問書でございますけれども、ことしの6月3日に環境大臣と農林水産大臣連盟で中央環境審議会に対して諮問をさせていただいております。これは後ほどこの法律の概要をご説明いたしますけれども、法律の目的の中に農林水産業に係る被害の防止というのがございまして、この部分につきまして農林水産省と共管という、先ほど局長のごあいさつの中にもありましたけれども、そのためにこの連名の諮問ということになっているところでございます。
     それから、この基本方針の案の作成でございますけれども、法律の第3条にございます。ただ、この法律、6月2日に公布されたところでございますけれども、まだ施行されておりません。公布から1年以内の政令で定められた日から施行するということになっておりますけれども、附則の第2条に施行前であっても基本方針の案を作成することができるという条文がございまして、それに基づきましてこの諮問はさせていただいているところでございます。
     次に、資料1−2でございますけれども、中央環境審議会の議事運営規則第8条に、部会に小委員会を設置することができるというところがございます。これに基づきまして外来生物対策小委員会、これが6月8日に開催されました野生生物部会で設置が決定されたところでございます。同じ第8条に小委員会のメンバー、それから小委員長については、部会長が指名するということになっておりまして、お配りしておりますリストの委員の先生方が指名されたところでございます。あわせて岩槻部会長が小委員長もやられるということになっております。
     それから、この小委員会の目的でございますけれども、基本方針の案の作成について検討を行うということが目的になっております。
     それから、この小委員会の議決については、部会長の同意を得て、野生生物部会の決議とすることができるというふうにしております。
     それから、資料1−3でございますけれども、この小委員会の運営方針、これは野生生物部会とか、その下につくりました他の小委員会の運営方針を準用させていただいておりますけれども、まず会議の公開・非公開につきましては、原則として公開するということにしております。ただし、著しい支障があったり、不利益をもたらすおそれがあるような場合には非公開とすることができるということになっております。
     それから、2番目の出席者でございますけれども、代理出席は認めないということになっております。
     それから3点目、議事録でございますけれども、議事録を作成いたしまして、その会議に出席した委員の了承を得ることによって議事録となるということで、小委員会に属する委員の方々に配付するということにしております。
     それから、その会議録については公開するということ。
     それから、議事要旨も作成して、これも公開するということで、この公開については環境省のホームページへの掲載、あるいは環境省閲覧窓口への備えつけによって行うというような形で、運営方針につきましても6月8日の野生生物部会で決定されているところでございます。
     以上、諮問と小委員会の設置についてご説明させていただきました。

    【岩槻委員長】 どうもありがとうございました。ただいまの説明に何かご質問、ほかにございますでしょうか。今のような了解で、この小委員会を進めさせていただくということでよろしいでしょうか。
    (異議なし)
     それでは、第一の議題はそういうふうに取り扱わせていただきます。
     早速、二つ目の具体的な内容、特定外来生物被害防止基本方針の案の作成についてに入らせていただきたいと思いますが、これも事務局の方から最初にご説明をお願いいたします。

    【生物多様性企画官】 それでは私の方から、まず法律の概要について簡単にご説明をさせていただきたいと思います。
     お手元の参考資料の1という1枚で法律の概要という紙を用意してございます。今回のこの特定外来生物による生態系等に係る被害の防止に関する法律でございますけれども、生態系、人の生命もしくは身体または農林水産業に係る被害を防止するということを目的としておりまして、これらに係る被害を及ぼし、または及ぼすおそれのある生物について特定外来生物として指定をいたしまして、その飼養、飼うことや輸入等を規制をするというのが一つの目的でございます。
     もう一点は、既に野外に出てしまっているような特定外来生物について防除を進めるための枠組みを整備をするということでございます。
     それから3点目が、そうしたおそれを及ぼす疑いのある生物について未判定外来生物として指定をいたしまして、一定期間輸入を制限し、その間に主務大臣が特定外来生物に該当するか否かの判定を行うという仕組みを導入をしているという、大きく三つの点がこの法律の内容ということになっております。
     あと、お手元に特定外来生物による生態系等に係る被害の防止に関する法律案、参考資料という冊子を用意してございます。これの附せんを振ったところに法律の条文がございますので、そこに沿ってちょっと簡単に法律の中身についてご説明をさせていただきたいと思います。
     1ページめくっていただきますと、第2条に定義ということがございます。この法律では、まず外来生物という場合に海外から我が国に導入されることにより、その本来の生息地、または生育地の外に存することとなる生物、これを外来生物というふうに定義をいたしておりまして、こういう外来生物のうちで生態系等に係る被害を及ぼし、または及ぼすおそれがあるものとして政令で定めるもの、これを特定外来生物というふうにしてございます。この特定外来生物に係る政令を定める際には、この第2条の3項にございますように、生物の性質に関し専門の学識経験を有する者の意見を聴くということになっておりまして、科学的な知見を踏まえて政令指定をするということになってございます。
     この特定外来生物の取り扱いにつきましては、次の1枚めくっていただきまして4ページ、第2章に規制の中身が書いてございます。まず、特定外来生物でございますが、許可を受けた場合以外には飼養してはいけないと。ここで言う飼養の中身でございますけれども、飼うこと、それから栽培、保管、運搬ということで、そこで飼うことだけではなくて持ち運びをするということも一応規制の対象になっているということでございます。
     第5条に許可を受ける場合の要件等について記述がございまして、学術研究の目的その他、主務省令で定める目的で許可を受けなければならないということでございまして、第3項にございますように、その生物の性質に応じた基準に適合する施設を有していることが必要であると。そういうちゃんと管理ができるかどうか、そういうことを見て許可がされるということになっております。
     それで、この特定外来生物については次のページ、6ページに移りますけれども、第7条にございますように、許可を受けた者以外は輸入をしてはならない。輸入が禁止をされるということ。
     それから第8条にございますように、譲り渡しもしくは譲り受け、売買を含めまして、やりとりをすることが許可を受けた者以外は禁止をされるということになっております。
     それから第9条にございますように、そういう飼養等をしている特定外来生物については、屋外に放ったり、植えたり、またまいたりということが禁止をされているということでございます。
     それから7ページの方に移りまして、第3章が防除に係る規定を整備している部分でございます。この特定外来生物が野外に存することで生態系等に係る被害が生じるおそれがある場合にあっては、その被害の発生を防止するために必要があるというときに主務大臣等は防除を行うということにしております。
     次のページに移っていただきまして、その防除をするにはということでございまして、関係都道府県の意見を聴いて防除対象ですとか、防除の区域、期間、あるいは防除の方法等を公示をいたしまして防除を実施するという形にしているところでございます。
     さらに1ページをめくっていただきまして、11ページに第18条という条文がございます。防除の実施は主務大臣等だけではございませんで、地方公共団体、あるいはそのほかの民間の団体等による防除についても規定がございます。第18条の第1項でございますけれども、地方公共団体は防除を行う場合に11条2項で国の方が公示をした防除、それに適合するものについて主務大臣の確認を受けることができるということになってございます。
     それから第2項の方で、国、地方公共団体以外のものの防除でございますけれども、主務大臣の認定を受けることができるということになっております。国が公示をして進める防除、あるいはこうした確認、認定を受ける防除につきましては、第4条の第2号におきまして、本法の許可を要することが必要でないということとされておりまして、また8ページの方にございますけれども、第12条に鳥獣の保護法の規定の適用除外という条文が位置づけられてございます。
     また国、地方公共団体につきましては、第13条、土地への立ち入りの権限、あるいは第16条になりますけれども、原因者負担の規定という条文が適用を受けるという形になってございます。
     以上が防除の規定でございます。
     13ページ、第4章が未判定外来生物の規定でございます。生態系等に係る被害を及ぼすおそれがあるものである疑いのある外来生物、これについて主務省令で未判定外来生物として指定をいたしまして、その輸入をしようとする者についてはあらかじめ主務大臣に届け出をしなければならないということとされています。主務大臣は、その届け出があった場合には6カ月以内に被害を及ぼすおそれがあるか否かを判定をするということになっておりまして、この22条の判定に基づいて被害のおそれがあるという判定がなされますと、第2条に基づいて特定外来生物に政令でもって指定をするということになるわけでございます。この判定の結果、特に問題はないという判断がされますと、その旨の通知が届出者に行きまして、次のページの第23条にございますけれども、それまでの間は輸入が制限されるわけでございますが、通知が行った段階から輸入ができるようになるという仕組みになってございます。
     そのほか第5条雑則といたしまして第25条が、まず税関における輸入のチェックに際して対象となる生物の確認、同定を容易にするという観点から、特定外来生物等に該当しないことの確認が容易にできる生物以外のものについては、外国政府の機関等に発行されたその種類を表する証明書をつけてもらうということになっております。その証明書でもって種類判別をできるだけスムーズにするようにするということにされております。
     また、第25条の2項でございますけれども、そういった証明書の添付を要する生物については主務省令で定める港及び飛行場以外では輸入ができないということとされます。
     このほか第27条で、科学的知見の充実を図るための必要な措置に努めること、あるいは28条、国民の理解の増進を進めることといった規定を設けているところでございます。
     以上が法律の全体的な概要でございます。
     お手元の次、参考資料の2を見ていただきたいと思います。来年の春ごろを予定しておりますこの法律の施行に向けて、どういった事項を整理していかなければいけないのかということを簡単に整理したものでございますけれども、きょうから審議をお願いすることになっております特定外来生物被害防止基本方針の策定という中身については、後ほどもうちょっと簡単にご説明をさせていただきたいと思いますが、個別具体のまず特定外来生物の指定というのが政令事項という真ん中にくぐってございます。これに伴って例えば飼養等の禁止をどういうふうに行っていくのか、飼養等の禁止の特例ですとか、飼養等の目的、許可の申請内容、施設の基準と、そういったような飼養等の取り扱いの中身、あるいは未判定外来生物の届出の方法、届出事項、種類証明書不要生物の例えば証明書の種類、輸入場所の指定ですとか、あるいは防除の手続、こういったことについて主務省令で定めるということにされております。今回の基本方針につきましては、こうした政令事項、あるいは省令事項をこれから定めていくに当たっての基本的な考え方を明らかにしていただくものという位置づけになっているところでございます。
     法律第3条の方でこの基本方針の規定がございますが、1から5まで五つの事項について定めるということにされております。[1]番、特定外来生物による生態系等に係る被害の防止に関する基本構想。ここでは、例えば問題の背景ですとか、外来生物による被害の概要がどうなっているのか、あるいは被害防止の基本的な方針と、こういったことが想定をされているところでございます。
     それから第2項といたしまして、特定外来生物の選定についての基本的な考え方ということでございます。選定をするに当たっての前提条件、あるいは判定をどのように行うのか、優先度の考慮はどうしたらいいのかと、こういった中身になるかと思います。
     それから第3項といたしまして、特定外来生物の取扱いに関する基本的な考え方ということで、飼養等の目的の考え方、施設基準の考え方、あるいは個体の識別の措置のあり方といったようなことが位置づけられたということになるかと思います。
     それから第4項といたしまして、特定外来生物の防除の考え方ということでございまして、公示をする内容の考え方、あるいは確認認定をする際の考え方、緊急的な防除、あるいは計画的な防除の考え方、こういったことが考えられるということでございます。
     それから第5項、その他重要事項といたしまして、未判定外来生物、種類名の証明書、調査研究、普及啓発といったような中身について、こちらの方で考えていくということが想定をされております。
     以上が法律の概要と、それを施行するに向けてこれから整備をしていかなければいけない基本方針、主務省令との関係ということでございます。
     それで、資料の2−1に戻っていただきたいと思いますけれども、先ほど野生生物課長からご説明いたしましたように、基本方針の案の作成について小委員会を設けていただいて検討が始まったということでございますが、3、今後の進め方というところにございますように、これから3回程度の小委員会を開催していただきまして、できれば我々としては9月中には案の諮問をいただけるようなスケジュールで作業を進めていけないかなというふうなことを考えているところでございます。
     それで、この基本方針が決まった後、個別の特定外来生物の選定等について専門家の意見を聴いて検討を開始をするというようなことになっているということでございます。
     以上で法律の概要と基本方針の案の作成の進め方の部分についてのご説明を終わりたいと思います。

    【岩槻委員長】 どうもありがとうございました。基本方針の内容そのものについては、また後でご説明いただくことにして、法律とその基本方針の枠組みということについて、今ご説明いただいた範囲で何かご質問かコメントがございますでしょうか。
     鷲谷委員どうぞ。

    【鷲谷委員】 不勉強で、こんな質問をして申しわけないんですが、植物防疫法との関係というのはどのようになっているんでしょうか。簡単に教えていただければと思います。

    【岩槻委員長】 企画官からお願いします。

    【生物多様性企画官】 法律上、明確な規定はないわけでございますが、あとまた資料の2−2の方でも簡単にご説明をしたいと思っておりますけれども、基本的には植物防疫法で、例えば害虫というのは厳しく輸入がコントロールされております。そういう部分については、植物防疫法の方でしっかりやっていただくと。ただ、植物防疫法ではし切れない部分があれば、こちらの方でいずれちゃんと受けてやるというような関係にあると思っていただければいいと思います。

    【岩槻委員長】 よろしいでしょうか。ほかに。どうぞ、糠谷委員。

    【糠谷委員】 今の質問とも関連するんですが、既存の法律とこの法律がどちらが優先するとかしないとかというのは、先ほど鳥獣の法律か何かありましたが、そういうものはどういうふうになっているのか、ちょっと教えていただきたい。

    【岩槻委員長】 それでは、そうしたら企画官から。

    【生物多様性企画官】 今の植物防疫法の話がございましたけれども、対象とする生物について、例えば輸入規制をどうするか、あるいは国内の流通をどういうふうに管理するのかという観点で、既に一定のきちっとした規制がなされている部分については、そちらの法律で既にもう例えば規制がされているのであれば、それでできる部分はお任せをするという考え方になっておりますが、例えば昨年できております遺伝子改変生物の規制法、通称カルタヘナ法という法律がございますが、こういった遺伝子改変生物についても例えばそちらの法律で審査等ができるということで対象としてはそちらにお任せをする、そんな考え方の整理になっているかと思います。

    【岩槻委員長】 よろしいでしょうか。ほかにどなたかご発言。よろしいでしょうか。先ほどのご説明にありましたように、全体で3回ぐらいのこの小委員会で基本方針の案を詰めるということで、しかもその間にパブリックコメントの期間を設けたりしますので、短い期間に集中的に議論を結ぶ必要があるわけですけれども、そういうことなんで。
     早速、それでは基本方針の検討の進め方について、もう少し詳しく事務局の方からご説明いただいて、それに沿って議論を詰めていきたいと思います。よろしくお願いします。

    【事務局】 野生生物課で外来生物法の担当をしておりますホリカミ堀上と申します。どうぞよろしくお願いいたします。私の方からは基本方針の案の作成についてご説明させていただきます。座って失礼いたします。
     基本方針の内容につきましてですが、資料2−2に記述のポイントとしてまとめさせていただきました。昨年来、審議会の答申をいただいて、その後、法律に係る政府内部の検討、それから国会での審議、そういった経緯を踏まえて、一応その中でいろいろと基本方針の中身について議論をしてきておりましたので、それらを踏まえて一応このポイントとして私どもの方で作成させていただいているというところでございます。
     先日の8日ですが、野生生物部会の中でもこの資料をお配りしておりますが、基本的には同じでございます。部会の中で幾つかご意見をいただいておりまして、そこについては若干修正をしておりますけれども、基本的には同じ内容になっております。委員の方々にはあらかじめ配付させていただいておりますので、お目通しいただいているかとも思いますけれども、この資料に沿ってご説明をさせていただきたいと思います。
     まず1ページですが、第1の基本構想についてでございます。この項目、背景それから課題認識、被害防止の基本的な方針と、この大きく三つの内容に分けられるところでございます。内容につきましては、基本的に昨年12月に出された審議会答申の中身に沿った内容になっておりますので、ご承知の方は多いと思います。
     背景としまして、外来生物が人為的に持ち込まれ問題視されたと、そういう状況になった事情について記述をいたします。本来、存在しなかった生物がある地域に人為的に持ち込まれることによりまして、持ち込まれた地域の生態系等に被害を及ぼす、そういった事例が各国、あるいは日本の中で報告されてきたところであります。これらの問題につきましては、一般的に「外来生物の問題」として指摘されているところでありますけれども、この法律では海外から我が国に導入される、そういった外来生物について対処をすると、そういうことにしておるところであります。
     次に、課題認識ですけれども、外来生物による被害の内容、それから採るべき対策の内容、これらについて記述するということにしております。生態系等に被害を及ぼし、または及ぼすおそれがあるそういった外来生物につきましては、適切な管理を行うことが重要と。このような外来生物による被害が確認された場合には、早期に当該外来生物の防除等の措置を採ることが必要であると、そういった認識をここでお示しするということにしております。
     そういったその背景、あるいは課題認識を踏まえて被害防止の基本的な方針を立てるということでありまして、本法の特定外来生物について適切な管理と防除を行っていくと、そのことを記述するということにしております。対策として第一義的に導入の際の予防が重要であるということ。輸入時点でチェックをするということと国内において適正な管理をしていくと、その二つがきちんと確保されることが必要であるということであります。それから、国土保全等の役割を果たしてきておりますいろんな外来生物がありますが、それについてはこの法律での規制の検討をするに当たっては、十分その役割についても考慮するということをここで述べております。それから、防除につきましてですが、早期の防除の必要性、緊急的な防除ということと、それから、もう既に蔓延しているような場合には計画的な防除をしていく必要があると、そのことの必要性を述べているところであります。それから、特定外来生物に指定されていない外来生物であっても、状況をきちんと把握した上で、もし被害のおそれが確認できるといった場合には特定外来生物の選定について検討していくということを述べております。
     2ページ目になりますけれども、特定外来生物による被害にさまざまな関係者がかかわるということでありますので、普及啓発が非常に重要であるということ、それから、外来生物対策を支える基礎的な調査研究、技術開発の推進が必要であると、そういったことをここで記述しようということであります。
     以上が第1でありまして、3ページ目が第2の特定外来生物の選定に関する事項になっております。特定外来生物につきましては、政令で指定をするということになっておりますけれども、その指定の候補を選定するに当たりましては、選定の前提となる事項、あるいは被害判定の考え方、選定の際のさまざまな考慮の事項、それから学術経験者からの意見の聴取、そういったことにつきまして、ここで基本的な考え方をお示しをするということであります。
     まず最初の選定の前提となる考え方でありますけれども、対象としましては審議会答申で出されていたことと同様なんですが、おおむね明治元年以降に我が国に導入された外来生物ということにしております。それから、特定外来生物につきましては、輸入の際に税関でチェックをするということを考えておりますけれども、目で見て識別ができるかどうか、そのような大きさ、あるいは形態を持っているかどうかというものが重要になると思っております。8日の野生生物部会におきましては、菌類、細菌類、ウイルス等は対象としないというところまで書く必要があるんですかというご意見もいただいておりましたが、現状で微生物のような小さなものまでをなかなか見分けるということは困難でございますので、そこは識別が容易にできるようになるまでの間は対象としないということを、ここで当分の間という言葉を補っております。それから、先ほどもお話がありましたが、ほかの法律で対象にしているような場合でありますけれども、例えば遺伝子組換え生物に関する法律、あるいは植物防疫法、輸入あるいは国内での取り扱いについて、この外来生物法と同じような規制をしいているという場合には、そちらの方で対象にしていただくという考えでおります。
     それから、次に被害の判定の考え方でありますけれども、ここは生物と一口にいっても非常に広いということでありまして、動物と植物ですとか、あるいは動物の中で哺乳類、昆虫類、それぞれ性質が違うということでありまして、一律基準をつくるというにはなかなかいかないということでありまして、ここでは被害の程度をどう考えるかと、あるいは被害に係る知見をどう活用していくのか、そういった考え方を記述するということが求められるというふうに考えております。生態系への被害に関しましては、ここは当初、生態系に回復不可能な被害をということを実は部会のときには書いていたんですが、委員の方からちょっと不可能という言葉で限定し過ぎではないかというご意見もありましたので、回復困難な被害ということについて、ここで見るということで一応整理をしております。
    それから、人の生命、身体の被害に関しましては、人に重度の障害の危険がある毒を有するような場合、あるいは重症を負わせるような、そういうおそれがある外来生物がいる場合にはそれを選定するということでありまして、直接的な危害について対象とするということで、病気のような感染症についてはここでは対象としない。これは法律の目的が違うということでありまして、病気については病気を見ている法律の方で対象にしていただくということで考えております。
    それから、農林水産業への被害に関しましては、農林水産物に重大な被害を及ぼす、あるいは農林水産業に支障を及ぼすまたは及ぼすおそれがあるような外来生物を選定していくということにしておりまして、感染症と同じように家畜の伝染性疾病に関することについては、この法律でいう被害には含まないというふうに考えております。それから、次の二つの丸ですけれども、被害についての知見についての考え方でありますが、生態系等に今現在被害を及ぼしていると、そういったことが確認されている場合はもうその知見があるということで、そこは選定に十分活用できるわけですが、生態系等に係る被害が国内で確認されていないような場合、そうであっても例えば国外で被害が確認されているとか、あるいは問題点が指摘されているような、そういう状況があればその情報を十分参考にして我が国の状況に照らして選定していくというようなことを考えていく必要があるということで書いております。
     次に、特定外来生物の選定に当たっての考慮事項でありますけれども、ここでは外来生物の生態的特性、あるいは被害に関しまして、現在の科学的知見がどの程度あるのかと、あるいはその防除に必要な技術ですとか、体制整備がどの程度できているのかといったことも現実問題としてありますので、その辺の事情も勘案した上で優先度を考慮していくという考え方を述べております。それから、もう一つ、これは4ページ目にかかりますけれども、外来生物が古くからいろんな形で利用されてきたという状況がありますので、そういったその状況を見ながら、いろんな利用について社会的な、あるいは経済的な影響が出てくるということもございますので、そこは慎重に考慮することが必要であるということをここで述べさせていただいております。
     それから、もう一つは四角のところですが、特定外来生物の選定に係る意見の聴取。さまざまな学識経験者からの意見をお聴きしていくわけですけれども、実際にその聴き方としてどういう体制、あるいは方法、どういう場所でどんな形で聞いていくのかといったことについて、ここで考え方を示すということであります。あるいは、そのパブリックコメントの意見募集、それからWTOとの関係、こういったところについてもここで考え方を整理しておきたいということでございます。
     次、5ページ目ですが、ここは第3としまして特定外来生物の取扱いに関する基本的な事項であります。特定外来生物による被害、答申の方でもさまざま言われておりましたけれども、不適切な飼い方ですとかあるいは栽培、あるいは意図的な放出、そういったものがもともとあって、それで被害が出ていくわけですけれども、適切な管理ができるかどうかというところが非常に重要になるということであります。このため、適切な管理ができるかどうかというところをきちんと見て許可をし、許可したものについて認めていくということでありまして、ここでは特定外来生物の飼養、輸入その他の取扱いにつきまして、飼養等の目的としてどういう目的であれば許可できるのか、どういう目的だったら許可できないのか、それから飼養等を行う施設の基準の考え方、個体識別の措置のマイクロチップの導入ですとか、そういった考え方、それから許可の条件などの飼養等の許可全体に係る基本的な考え方をここで整理いたします。それから、処分等の措置を行うというときに適切な処分ができるかどうか、動物愛護的な考え方ですけれども、その適切な方法により処分するといった取扱いに関する考え方もここで述べたいということで示しているところであります。
     6ページですが、ここから防除ということでありまして、大きく二つに分けておりまして、国が公示するその防除の中身ということと、実際に防除を実施するに当たってのことということで大きく分けております。防除の公示に関しましては、国が関係都道府県の意見を聴いた上で被害が生じている、あるいは生じるおそれがある地域を防除すべき区域として設定をするということにしております。それから、その内容として捕獲、あるいは採取、それから防護柵の設置、そういったその具体的な方法を書くと。それから、捕獲などをした固体の処分の方法についても明らかにしていくということで考えております。特に特定外来生物のうち鳥獣の捕獲を行う場合につきましては、鳥獣保護法の適正な管理、適正な捕獲という考え方を踏まえまして、こちらの法律でも適切に進める必要があるということで、その辺の考え方を明らかにしたいということで考えております。それから、地方公共団体または民間団体に対しては確認、認定を受ける場合がありますけれども、その確認、認定の要件といった中身について考え方を記述したいということで考えております。
     それから、防除の実施に当たっての内容ですけれども、防除の実施に際しましては必要に応じて計画を、防除実施計画とここで言っておりますが、計画を定めて計画的に防除を進めていくということを示しております。それからここでも、捕獲した外来生物の処分に関しましては、動物愛護管理法の考え方に沿って適切に行うということ。それから、地域の関係者間の合意形成をどういうふうに行っていくのかということと、もう既にさまざまな国の計画なり地方公共団体、あるいは民間団体の取り組みがなされている場合には、そことの調整をきちんと図ろうということなど、そこで実施に当たっての具体的な考え方を述べていきたいというふうに考えております。
     それから、第5としまして7ページでありますけれども、その他重要事項ということでございます。まず、未判定外来生物でありますけれども、これは被害を及ぼす疑いがある外来生物であって、現時点では知見がないけれども、将来どうなるかわからないというものについて、ここで考え方を書いていくということであります。特定外来生物と似た生態的な特性を持っているというような外来生物につきましては、恐らく特定外来生物と同様の被害を及ぼすんじゃないかというような仮説が立つわけですが、そういった疑いがあるというものを未判定外来生物として選定をしていくということで考えております。輸入しようとする方がいた場合に届出を求めていくということになるわけですけれども、その未判定外来生物に関する生態的な特徴ですとか、そういった情報を提出していただくということについてもこの中で書いていきたいと。届出事項の内容をここで整理するということで考えております。それが未判定外来生物。
     次は証明書の添付を要しない生物ということでありますけれども、特定外来生物か未判定外来生物、そのどちらにも該当しないというものがいるわけですが、それをその外見からきちんと判断できるかどうかなんですけれども、よく似た生物もおりますので、輸入のときに税関においてチェックすることができるかどうか非常重要になります。このため、見た目が紛らわしい生物につきましてはその生物の種類名を証明書として添付していただきまして、それをその税関で判断していくということになると思います。特定外来生物、あるいは未判定に割と仲間として近い属、あるいは科といったところは基本的に外見上似ている場合が非常に多いということでありますので、証明書を添付しなくてもいい生物というのは、原則としてその特定外来生物の仲間ではないような生物ということで選定していきたいということであります。それから未判定外来生物、あるいはその証明書を添付しなくていい生物というのは、特定外来生物を決めるときにその周辺がどうかということで考えていきますので、基本的にはその特定外来生物を選定する際に未判定、あるいは種類名添付についても基本的に同時に調整しながら作業していきたいというふうに考えております。
     その他としまして科学的知見の充実、あるいは国民の理解の増進といったところが基本的なこの外来生物の対策を進めていく上で重要なところですので、その内容についてきちんと記述すべきということであります。
     一番最後にその他というのがありますが、特定外来生物を既に例えば飼っているといった場合にすぐに規制をすることができないような場合がありまして、そういった場合の経過措置の考え方ですとか、あるいは意図的でなくて持ち込んでしまってふえていくような場合、その非意図的導入についての問題の考え方をここで書いておく必要があろうということであります。部会でも海域の生物について持ち込まれて問題が起きているというようなお話がありましたけれども、例えばバラスト水の話とか、そこはバラスト水に含まれる生物の移動に関しては、この外来生物法では対象にしないということでこの前部会ではお答えしておりますが、そのことについてもここでは触れておきたいというふうに考えております。
     ちょっと以上、若干簡単ではありましたが、記述のポイントについてのご説明ということであります。
     部会でのいろいろな意見につきましては参考資料の4にまとめておりまして、大きく六つほど意見が出ておりました。一つ目としましては、先ほど中身を少し変えまして、ちょっと細かい内容でしたが、生態系被害の観点で内容が狭過ぎないかというようなお話。それから、特定外来生物とか未判定外来生物の選定というのは、余り狭くならないように広く指定すべきではないのかといったこと。それから海域の生物に関する問題の話。それから、生態系への被害というのはいろんなとらえ方があって、どれだけその影響について考えていくのかといったお話。それから、ちょっとこれも細かいですが、菌類、細菌類、ウイルスの話と微生物のお話がありました。それから、この法律では対象にならないわけですが、国内由来の外来生物についてどういう対策が行われるのかといったお話が部会の中では出ているところであります。
     それから、資料2−3に戻っていただきたいんですが、一応今回このポイントということで考え方を示しておりますが、第2回以降の小委員会でのその検討の内容でありますが、きょうこのポイントで一応ご議論いただきまして、その議論の内容を踏まえた案を事務局の方で策定させていただきまして、それを7月5日第2回の小委員会でお出しすると。その案についてご議論いただきまして、その案をパブリックコメントの募集にかけるということであります。パブリックコメントを1カ月間行いまして、その間に意見交換会等も実施した上で、そこでのいろいろな意見、あるいは示唆を含めて内容を再度見た上で、8月下旬ぐらいに第3回の小委員会を開かせていただきたい。その中で最終的に基本方針の案として固めていくということで考えております。
     以上、基本方針の作成に関することについての説明をさせていただきました。
     ちょっと申しおくれました。参考資料の3につきましては、昨年1年かけて小委員会の中で議論をしていただきまして、その中で実はいろんな方面からヒアリングをしております。そのヒアリングの概要につきまして対象ごとに簡単に整理をしておりますので、適宜ご参照いただければというふうに考えております。
     以上です。

    【岩槻委員長】 どうもありがとうございました。今、最後のところでスケジュールのお話があったんですけれども、次に設定されています第2回の小委員会では基本方針の中間案みたいなものをつくらないといけませんので、ある程度その法律の枠組みに沿って基本方針というのをどうまとめるかという議論に集中的に対応しないといけないと思うんですけれども、きょうは第1回目ですし、今ご説明いただきましたポイントについて、冒頭の局長のごあいさつにも野生生物の保全について広い見地からというお言葉もありましたので、この外来生物の問題を法律に沿って基本的な基本方針に盛り込むために何を考えたらいいのかというところまで少し広げて、しばし自由討論をさせていただきたいと思うんですけれども、今のご説明に対する直接のご質問でもいいですし、ご質問を込めてでもいいですし、今申し上げましたようなもう少し広い範囲のご発言でも結構ですけれども、しばらく自由に。太田委員からまず……。

    【太田委員】 これは前の委員会でもさんざん議論になったところなんですが、海外と国内というふうに最初から分けて、それは法律的には仕方がない部分ももちろんあるだろうと思うんですけど、日本という国は生き物の分布から考えたら、もう明らかに非常に異質なものの集合体になっていまして、琉球と本土、あるいは本土と小笠原の間でもう生物相はがらっと変わってしまうし、琉球の中でも北の端と南の端ではいるものが随分違うというような、そういうことはもうさんざん、研究者の業界でも常識というか言うまでもないことですね。実際に沖縄本島で定着して問題を起こしているそれら、例えば競合の問題とか、遺伝子浸透の問題とか、捕食の問題とかということになると、これはやっぱり遠く離れた国から連れてこられたものをさることながら、結局隣の違う生物地理学的に違うエリアから持ち込まれたものというのが多いと言って多分差し支えないんですね。
    そのことについて念頭においてみたとき、先ほど説明があった中の背景の一番最初の第1の背景のところの一番下のところに書いてある「本法は、海外から我が国に導入された外来生物」云々というところ、それから最後にご説明があった参考資料4の一番下の、これは野生生物部会における意見のところで出た疑問として出ている「ノネコ等の国内由来の外来生物による」云々というところですね。これはかなり重要な問題でして、国内でこういう国内の移動というのは具体的に税関を通すわけでもないし、やりようがないという、もちろん技術的な、技術的とはいっても極めて実行上難しい問題があることは承知しているんですけど、例えば農作物に関して沖縄でミバエが蔓延していたころは、とりあえず形上は、例えばウリ類は琉球から本土に持っていってはいけないとか、今でもアリモトキゾウ虫という農業上の害虫がいまして、そのために芋類は持ち込んではいけないとか、そういう国内レベルの移動の規制というのは一部やられているわけですね。ですから、ここまで絞られてしまったものをもう一度戻すのはもちろん難しいのだとは思うんですけど、せめてそういうことがまだ継続的に考えないといけない問題であるという表現はどこかにやっぱり盛り込まれるべきだと思うんですよ。
     ですから、例えば先ほどウイルスとか、あれのところで当分の間という表現をおっしゃいましたけど、だから例えば一番最初の背景のところの3番に、最後のところの2行目ですね。本法は、例えば当分の間海外から我が国に導入される外来生物が引き起こす問題について対処するものであることとか、とにかく問題がまだ残されているということ。非常に琉球なんかに住んでいて、この関連する問題を見ていて怖いのは、ここでもう全体の大枠が決まってしまって、あとはこの大枠の中の議論をすることに全部が費やされて、その問題が残っているということを認識がもう意識されなくなるんじゃないかなということがやっぱり非常に怖いんですよね。それをどこかでやっぱりこれからまだまだ関係省庁とそれから関係する研究者や、それから各関連業界の方々との間の議論で改善されていくべきものの問題が残っているということはやっぱり表現するべきだと思うんですけど、いかがでしょうか。

    【岩槻委員長】 どうでしょう。上杉企画官からお願いします。

    【生物多様性企画官】 昨年、審議会の方から措置のあり方についてをご議論していただいたときにも、いわゆる地域個体の問題については相当議論があったところだと思います。
     昨年の答申の中でも、これは触れている部分でございますけれども、一律全部なかなか国内由来のものということで在来種自体を流通管理をしていくというのは非常に難しい面があるという点もございまして、ただ片方で非常にこういう種等の多いような重要な場所について言えば、いろいろ国立公園等の制度でもって特別な管理を考えたらどうかということを昨年の答申の中でもいただいているところでございます。我々の方といたしましては、今国土の中で一番そういう重要な生態系の地域を占めている面積で見ますと、やはり自然公園が非常に大きい部分でございますので、この自然公園法については、そういうその地域にいない生き物の持ち込みについてどういう形で規制をしたらいいのかというようなことの制度的対応についても検討を始めております。具体的には、自然公園法の施行例というものを改正をして、そういう規制措置を導入できないかというようなことを検討しております。そういう意味で全部ということにはなかなかいかないかもしれませんが、少なくとも重要な生態系に係るような場所について既存の保護制度をうまく活用しながら対処できるところをしていきたいというようなことを考えているところでございます。

    【岩槻委員長】 太田委員どうぞ。

    【太田委員】 それもちょっと伺ってはいるんですけど、ただ今の国立公園の指定エリアが、固有生物の集合体がいるところ、独自の生態系を有するところを全部きれいにカバーできているかというと、もう琉球の島嶼率を見たら全然そんなことはないんですよね。例えばこういうものは、別にそれは環境省さんがどうこうというんじゃなくて、もう我々の自然に対する理解というのがそういうものなんですよ、前提として。
     例えばついこの間まで海の中にごく最近沈んで、それから浮かび上がってから人間が持ち込んだり流れついたりしたような、その辺にいる本当に普通の生き物しかいないとずっと思われていた八重山と、沖縄の間にある宮古諸島という一番生物学者に注目されてこなかった場所ですね。もちろん国立公園とか、そういうものとも全く縁のないような場所ですよ。でもそこにいる生き物というのは、ほとんどが背骨を持ったものに関しては、実は調べてみたらこういう種で、しかも実際にはもうイタチの食害でめちゃめちゃになっていて、もう今まさに滅び去ろうとしているという状況が例えばあるわけですよね。そうすると、そういうものに対して国立公園法の運用では絶対対処できないと思うんですよ、今の状態ではね。ですから、もちろんそれをだから誤解しないでいただきたいんですけど、それではだめです、それではだめですと言っているつもりは全くなくて、ぜひやっていただきたいんですが、それだけではまずいですということを申し上げたいんですよね。ですから、それをあれするための将来に対する課題ということで先ほど申したように、一方でもちろん国立公園法等で対処するということも大事だと思うんですけど、もう一方で国内のそういった一般的な問題についても継続して議論していく必要があるということをやっぱりどこかに残していただきたいと、そういうことを申しているんです。

    【岩槻委員長】 太田委員の意見はどういうふうにそれを盛り込むかということを含めて検討に値することだと思いますので、非常に重要なことだと思いますので、ぜひご発言の線に沿った方向で検討させていただきたいと思います。
     大塚委員、先ほど手を挙げておりましたけど。

    【大塚委員】 3点ございまして、2点はちょっと質問でございます。今の資料の2−2についてちょっと質問させていただきたいのですが、5ページの第3の最初の丸でございますけれども、この個体識別措置についての質問でございます。先ほどもご説明にありましたようにマイクロチップの導入というのが考えられているわけですが、マイクロチップなしの場合でも許可されるかどうかというあたりについて、ちょっとこの辺でお伺いしておきたいところがございます。つまりマイクロチップがない場合に、実際に例えば後で原因者責任を問おうとしても無理になるわけですけれども、しかし許可しなければならない場合はあるかもしれないし、そもそもそうするとマイクロチップが入らないものについては特定外来生物にならないということになってしまっては、やや特定外来生物が非常に狭くなるという問題もありますので、この辺どう考えるかというのがかなり重要な問題だと思いますが、この内容についての話ですけれども、今どういうふうにお考えかということをお伺いしたいという点でございます。それが第1点でございます。
     それから第2点でございますが、7ページの第5の未判定外来生物の二つ目の丸でございます。輸入しようとする者に求める届出事項の内容について情報の提出を求めるというお話がありましたが、これはちょっと確認でございますけれども、具体的に今どういうことをお考えになっているかということについて、ちょっとお伺いしておきたいということでございます。
     それから第3点は、少し意見にかかわる点でございますけれども、例えば3ページの最後のところで選定の際の考慮事項として先ほどご説明がありましたように、防除に必要な体制等を勘案した優先度を考慮するということがございます。今回の法律は非常に規制をきっちりやるという法律で、そういう点は非常にすばらしいというふうに思っておりますが、他方で防除と輸入のところを全部一つにして一貫した規制をするという考え方をとったために、現在既に日本に入ってしまっている特定外来生物について輸入を規制するということも、防除が非常に難しいと輸入を規制するということも、この体制のところを勘案すると非常にしにくくなる可能性があるというふうに考えておりまして、しかし、それは法律がそうなっているから仕方ないとも言えるかもしれませんが、この辺について体制を勘案した優先度を考慮するということを非常に重視すると、特定外来生物の選定は非常に難しくなるということもあり得ますので、この点についてどうお考えかということを、これは多少意見も入っているんですけれども、お伺いしておきたいということでございます。

    【岩槻委員長】 堀上補佐の方から。

    【事務局】 ご質問の点ですけれども、個体識別に関しまして、確かにマイクロチップが入るものと入らないものはもう既にあると思いまして、そもそも法律上はそこのところは外来生物について、その許可を受けていることを明らかにすることというふうな義務づけというふうになっておりまして、必ずしもマイクロチップでなくても、その許可を受けていることが示せるような、例えば標識をつけるとか、飼っている場所に、あるいは飼っている施設に何かわかるような標識をつけるとかということでもあり得ますし、あるいは写真を撮ってそれをつけるとか、そういった幾つか技術的なことがあると思っております。
     それから2点目の未判定の情報の提出ですけれども、先ほどある程度情報を出させるという、そのある程度の中身につきましては、まさにこれから実はちょっと検討していかなきゃいけないんですが、内容としては例えば入れようとしている生物の原産地ですとか、あるいはその生態ですとか、分布の状況ですとか、そういったその生物にかかわる、生物の特質にかかわるいろんな情報をできる限り出していただければというふうに考えているところです。

    【生物多様性企画官】 3番目の点でございますけれども、実際に考慮すべき中としまして、そういう実施体制、フィージビリティみたいなことは非常に重要なポイントではないかというふうには考えております。ただ、その防除の方は、例えば技術的になかなか難しい面がある、あるいは金銭的、人為的な面でも難しい面がある、あるいは地域でどういう合意を図っていくのかと、いろんな面でさまざまな課題を克服しないとなかなか防除を進めるのも難しい点があるんじゃないかと思うんですけれども、片方でその規制をきっちりやることで予防的に新たな被害を防いでいくことができるものもあると。そのあたりは総合的に考えた上で必要な種をきちっとやっていくという考え方に立っているつもりといいましょうか、そういうことでやっていく必要性があるんではないかというふうに考えられると思います。
     ただ、個別の種をどう選定していくかということについては、学識経験者の方のご意見を聴いて決めていくということになっておりますので、その際に個別にやはり状況を見ながら検討するということが必要ではないかと思っております。

    【岩槻委員長】 大塚委員、よろしいでしょうか。

    【大塚委員】 最後のところはそうするとあれですか、防除にかなり大変なものであっても、輸入の管理とか規制ということはあり得ると思ってよろしいんですか。すみません。なかなか聞きにくくてしようがない。申しわけない。

    【岩槻委員長】 よろしいんですか、そういうことで。
    では、細谷委員。

    【細谷委員】 大塚委員の3番目の意見をもう少し掘り下げるような形でお伺いしたいなと思っております。
     お手持ちの資料の2−2の、この2ページから3ページにかけての書きぶり、とりわけ3番目、選定の際の考慮事項。繰り返しになりますけれども、私どもの務めというのがこの辺がどう運用していくのかというのが今後の課題になっていくかと思うんですが、大塚委員から防除に必要な体制等を勘案した優先度を考慮するということで、今企画官から総合的にその場合をケースバイケースで判定されるということではありますけれど、実際に打つ手のないような外来種の優先度が結果的には低くはなり得ないんだという、この点でございますね。ですから、どこを見ても技術的な開発であるとか、実際に駆除に投資する面も含めて、その辺が抜けているわけですから、実際にはこういった点で対応されなくなるおそれが出てくるんではないのかというのが一つ危惧されます。これがまず第1点。
     それから第2点目ですが、その後ろの方ですけれども、最終的に特定外来生物の指定による社会的・経済的影響について慎重に考慮することを記述すると書いてありますが、そもそも論として基本的には生物多様性の保全から来ている限りにおいて、こういったときにもちろん私たちは大きな視点で見なきゃいけませんが、この場合には農業生物は極めて明確にイメージできます。しかし、それを押しなべて経済的というような表現で各項にくくる場合、これを単に経済とするだけではなくて、その中身、食料を確保する場合、あるいはレジャーとして発展させる場合、こういった社会的、あるいは経済的な状況を瞬時に考えられるものでしょうけれど、そういった場合にそのような影響を具体的に把握、あるいは判定するそのアイデアをお持ちなのか、その辺ですね。その2点についてお聞きしたいんですが。

    【岩槻委員長】 これも、そうしたら企画官から。

    【生物多様性企画官】 1点目の点は、先ほど大塚委員の答えにお答えしたのと多分同じようなことになってしまうんですけれども、そこに引っ張られて本当にきちんと管理すべきものが指定をされないかということについては、まさに総合的に見るということでしか考えようがないのかなというふうには思います。ただ、これは本当に個別の種を見ないとなかなか物が言いにくいところがあると思いますので、恐らく個々の具体的なケースをいろんな情報を集めて検討するということが必要になると思いますし、いずれにしろ既に入ってしまっているものは結構数が多くございますので、その中でどういう順番で何を見ていくのかということにもつながってくるかと思うんですけれども、それは個別の種の実際の政令指定をどう考えるかという中で個別に判断していかざるを得ないかなというふうに考えております。
     それから2点目の社会的・経済的影響についてというところにつきまして、これも多分本当に個々のケースごとにどういう利用がなされているのか、どういう例えば個別の種について規制をかけることでどういう社会的に影響が出るのかというのも本当に個別にさまざまなケースがあるんではないかというふうに思われます。まさにそれぞれの事情というのをよく情報を集めて、それなりに関係者、いろんな方がいると思いますので、当然その方々からの情報も得て、いろいろ検討していく必要性があるものだろういうふうに思っておりますので、なかなか基本方針の方では基本的考え方を中心に定めるということになっているわけですけれども、個々具体のケースすべてを分析的に記述するのはなかなか難しい面もあるのではないかというふうには考えておりまして、やはり個別の種をどう見るかというときには個々のケースバイケースでいろんな観点から見ていくことが必要だろうということだろうと思います。

    【岩槻委員長】 今の問題提起というのは、やはり非常に基本的なポイントだと思うんですけれども、今回きょうのはこれは、そのポイントを整理するという段階でこういう問題があるということを並べていただいていますので、次回基本方針を定めるときには、それこそ「てにをは」まで非常に重要になってきますので、そのときにはその表現まで含めてもう少し詰めさせていただきたいと思いますけれども、きょうはそういうゼネラルのディスカッションだけでと思いますが、よろしいでしょうか、そういうことで。
    岡委員の方で何か。

    【岡委員】 同じ箇所なんですけれども、法律をどう考えたらいいのかという法律解釈の原則にかかわることだと思うんですが、今のところの社会的・経済的影響について慎重に考慮する及びその前の1ページにあります国土保全上の役割を果たしている外来生物についてはその役割について考慮するというあたりは、仮に被害がある、また被害のおそれがあったとしても社会的・経済的影響が大きければ、あるいは国土保全上の役割が大きければ選定しないことがあり得るというふうに読めるんですが、法律の第2条は第2条を読む限り、被害があり被害のおそれがあれば選定するものとしか読めないんですよね。とすると、被害がある、あるいは被害のおそれがあれば選定しておいた上で社会的・経済的影響というのは、この選定にかかわるところではなくて、次の規制基準にかかわるところあたりで考慮すべきというのが法律の原則じゃないかというふうに私は読むんですが、その点どうクリアしたらいいんでしょうか。

    【岩槻委員長】 これも企画官から。

    【生物多様性企画官】 第2条にございますように、確かに種の選定に当たって意見を聴く先というのは、生物の性質に関し、専門の学識経験を有する者というふうにもちろんなっているわけでございますが、この特定外来生物の指定自体は政令でもって定めるということになっております。これは非常に厳しい規制をする中身、罰則も非常に重いものでございますし、譲渡、譲受まで含めて非常にかちっとした管理をするようなものという点もございます。そういう意味で政令で指定をする。つまり政府の全省庁がちゃんと適切な規制対象であるという認定をしたものという位置づけをしなきゃいけないものだということになっております。現実に個々のまたケースケースで見ないと、なかなか難しい面もあると思いますけれども、個別の種についてどういう、つまり扱いをしたらいいのかということについては、そういう意味でいろんなやはり観点からのチェックがそこでは入ってくる、そういう位置づけになるということが言えるわけでございまして、法律上の目的としてはその被害の防止を図るためにどうしていったらいいかということをもちろん見ているわけですけれども、その個々の種、生物について規制の対象にしていくかどうかということについては、その専門家の意見を聴いた上で政府として決めていくという構造になっていくということでございます。

    【岩槻委員長】 岡委員、今のことでしたらどうぞ。

    【岡委員】 もしそういう趣旨であれば、法律の条文の中に社会的・経済的影響も考慮して定めるというふうに書いてあれば私は納得するんですけどね。そういうふうに書いてなくて、被害及び被害のおそれとだけ書いてあって、それで政令で定めると書いてあるんですよね。日本の法律というのは政令で定めると書いてあるだけで、そこにこの条文に書いていないいろいろな要因というのは考慮していいですよというふうに普通読むんですか。

    【岩槻委員長】 上杉企画官。

    【生物多様性企画官】 今のこちらの答えた中身で、要するに現実の運用に際して規制対象をどういうふうに決めていくかという中で、いろんな観点は当然考慮して政府として決めるということでございまして、目的としてはもちろん被害の防止を図っていくということであるということであります。

    【岩槻委員長】 むしろ今三人の方からご指摘されていることというのは、要するに法律に沿ってやればいいんですけれども、それが表現としてどうなるか、こういう表現になったらせっかく危険なものを指定しようと思ってもできなくなるんじゃないかという危惧だと思うんですけれども、今度次回のときにつくるこの枠組みで、どうしておけば今心配されるようなことがない担保ができるその表現になるのかという、むしろ表現をお考えいただいておいて、次回にそういう方向でもう一回検討していただければと思いますけれども。
     鷲谷委員、今のことに関係することですか。今のことでしたら。ちょっとお待ちください。

    【鷲谷委員】 このような問題に関しては、社会的・経済的影響というものを固定的にとらえないということが重要なんではないかと思うんですね。規制がかかってくるということで代替手段のニーズが生じると。それによって、必要は発明の母という言葉もありますけれども、新しくて画期的な技術が開発されて、環境にいいだけではなくて、もしかしたら経済的なコストも下げることができ、もっと社会的ないい波及効果のあるような技術が開発されるかもしれませんね。それを見て社会的・経済的影響というのはダイナミックなものだという捉え方をするということがもちろん考慮しなければならないことではあるだろうとは思うんですけれども、決定的なものとして見ないということはとても重要なんじゃないかなと思います。

    【岩槻委員長】 少なくともこの表現を読む人が科学的な事実よりもこっちの方が大切だと読んでしまえば困りますので、そういうとられ方をしないような表現にはする必要があるかと思うんですけれども。
     大矢委員お待たせしました。どうぞ。

    【大矢委員】 すみません。細かいことで何点かお伺いしたいんですが、まず7ページのところで証明書の添付という、証明書という言葉が何回か出てまいります。通関時に非常にわかりやすくてということなんですが、これを外国の政府機関に発行を協力依頼するということなんですけれども、今まで私がかかわってきている中で、外国でそういう種の特定というようなものの証明書を見たことがないんですけれども、それはどのようにお考えになっているのか、これが一つ。
     それから2番目に5ページのところで学術研究等とありますけれども、私は動物を輸入している立場から動物園や何かは学術研究の機関に入るのか。動物園の目的というのは種の保存と繁殖なんですね。特定外来生物を輸入を禁止しようとしている中で、動物園の中で繁殖という意に反する行為を行わなければならなくなると。そういうときに認められるのかどうか。
     それから第3点、その下に処分等の措置とございますけれども、このご説明の中では感染症法とか、家伝法とか、そういったものについては該当しないとあるんですが、国際法であるワシントン条約だとか、渡り鳥条約はどういうふうに判断するのか。もしワシントン条約に該当しているものが万が一紛れ込んで入った場合に、処分ということになると非常に国際的な問題に発展する。そのときに、それではそれを解決するまで、どういう方法で、それをだれが管理するのか。動愛法の方の問題にも触れてくると思うんですけれども、そのことについて以上ご説明をいただければと思います。

    【事務局】 1点目の外国政府の発行についてですけれども、実際に発行しているものも、さっきおっしゃったワシントン条約のようなものもそうですが、必ずしも生態系とか、そういうたぐいのものでなくても、植物防疫法でもそうですけれども、出されている証明書は実際にはあります。ただし、出していない国もたくさんあると思いますので、そこはこれからいろいろ呼びかけをした上で出していただけるような形に呼びかけをしたいと思っています。

    【大矢委員】 そうすると、例えば原産地証明書用交付なんかの中に学名が記章されていればいいというような物の判断でよろしいんでしょうか。

    【事務局】 はい。そうです。2点目の学術研究以外でどうかというようなことで、動物園に関してどうかということでありますけれども、基本的に展示の目的とか、あるいは教育ということも含み得るというふうに考えておりまして、動物園であれば展示ということでありますし、繁殖ということであれば学術研究的なところもありますでしょうから、そのあたりの目的で読めるんではないかなというふうに考えております。

    【大矢委員】 そうするとふやしちゃいけないものも、そういう特定の中ではふやしていいという相反する物の考え方の中で処置していいわけですね。

    【説明者】 この法律の趣旨からすると、きちんと管理できるかどうか、適正に管理して外に放さないように飼えるかどうかということになりますので、ふやし方というのもむやみやたらにふやすのはだめだと思うんですが、きちんと計画的に外に出さないように、しかもふやしたものが後から追いかけていけるような、人に渡ってもですね、そういうような整理ができていればいいと思います。

    【大矢委員】 そうすると、この先ほどの説明の中に譲渡の禁止というのがございますけれども、動物園の中ではふえ過ぎると動物園間の譲受、譲渡というのがございます。それは今ワシントン条約の一表のものに関してはご許可をいただいて動かしているんですけれども、それと同じような方法で動かしていくことは可能になるという基本的な物の考え方でよろしいんでしょうか。

    【説明者】 渡す方と渡される方が許可をとっていれば、それは可能であるというふうに考えています。
     3点目のその処分の措置ですけれども、ワシントン条約に定められているものがどのくらい選定されるかというのはこれからなんですけれども、仮に選定されるとしたら双方の種の保存法とこちらの法律と双方の規制がかかるということでありまして、なおかつ国内に入ってきたものについて希少なものであるから殺してはいけないということであれば、これもやはり外に出ないようなきちんとした管理をするということで適正に管理できるところが飼っていくということになろうと思います。基本的には両方の規制がかかっていくというふうに考えていただければと思います。

    【大矢委員】 そのことについては、いろいろとまた問題があると思いますけど、本日は議論を避けますけれども、やっぱり安易に入れてくるということを慎むような方法論を考えないといけないかもしれませんね。

    【岩槻委員長】 ほかに。それではどうぞ、小林委員。

    【小林委員】 私は、この法律は基本的には規制法であるということで、国民の自由を制限という非常に大事な法律だと、責任のある法律だというふうに思っております。
     そういう観点で少し質問したいんですけれども、一つは問題の認識として生態系への被害という言葉がございます。この生態系への被害とは何かということなんでございますが、例えば人の生命、身体への被害、それから農林水産業への被害、こういうものは比較的わかりやすい事柄だと思いますが、この生態系の内容として3ページの真ん中辺には「在来生物の種の存続又は我が国固有の生態系」というふうな言葉がございますが、在来生物の種の存続に関しては、いわゆるレッドデータありきと。あるいは法律で言えば種の保護法が対応するのかなというふうに見ておりますが、我が国固有の生態系というのはどういうふうな考え方で使われているのか、ちょっとお聞きしたい。

    【岩槻委員長】 事務局の方から、それじゃどなたか。

    【事務局】 この法律自体というか、もともと生物多様性の保全というのが目的としてあるわけですけれども、生物対策国家戦略をつくったときにも、その生物多様性、三つのレベルで遺伝子、それから種、生態系という、それぞれの保全を図ると。それはその地域ごとにきちんとやっていかなきゃいけないということが国家戦略の中でも示されております。基本的にはそこから考えて、この法律自体はできているということからすれば、日本の中の各地域の生態系それぞれを適切に守っていくということがこの法律の目的ということになろうと思いますが、ただ具体的にどういうところというのは、また具体の種との関係というのもありますので、基本方針上は一般的な書き方にどうしてもならざるを得ないということで、それぞれ地域ごとにある生態系をきちんとその地域の状況に応じて守っていくということが基本的な考え方です。
     ただ、何度も言いますけれども、個々の種がどうなるかということで、日本全国に蔓延するものもありますし、例えば沖縄だけというのもありますし、それぞれに対象が変わってくるということで、基本方針上はこういう表現をとりあえず使わせていただいています。

    【岩槻委員長】 定義は非常に難しいことだと思うんですけれども、生物多様性条約で生物多様性というのを遺伝的な多様性、種の多様性、生態的多様性という、その三つのレベルで整理をしておりますけれども、その生態的な多様性というものをここでは我が国固有の生態系という表現になっていると理解してよろしいんじゃないでしょうか。

    【小林委員】 ただ、その法律の運用ということでいきますと、これは幾らでも解釈はできる。それに対する被害を与える種ということで挙げようと思えば無数に挙がるし、縮小しようと思えば幾らでも縮小できるということで、非常に大事な点だと思うんですね。ですから、これが基本方針の中にあるのか、あるいはもっと細かいところにあるのかわかりませんが、この考え方というのはちょっとはっきりさせていただかないといけないんじゃないかというふうに思っております。
     それと、もう一つなんですが、防除の場合、地方自治体の意見を聴くというふうなことが6ページに書かれていたと思うんですけれども、これは防除に関しましても、これは基本的に国全体をこれは扱う法律ですので、いわゆるスクリーニングですが、どういうところをどういう考え方で防除するのかというふうなことも基本方針の中か、あるいはレベルはわかりませんが定めていく必要があるのではないかと思います。

    【岩槻委員長】 堀上補佐からお願いします。

    【事務局】 どういうところというのは恐らく生態系の被害をどう考えるかというのと多分裏腹の関係にあるんですが、先ほど申しましたとおり、生物の生存とそれから生態系の保全ということからして、国としてどういうところをやらなければいけないのかというのがまず考えるべき対処だと思っておりまして、例えば希少な生物の生息地であるとか、国としてきちんと見なければいけないその生態系であるとか、そういったところを基本的には考えるわけですが、ただその一方で、かなり全国に蔓延しているような場合にどういうふうにそれを見るのかということもありますし、各地域の問題もそれぞれ各地域で対応している地方公共団体の方がいるとすれば、そこの意見もくみ上げた上でやっていかなければいけないということで、基本線は基本方針に何とか書いていきたいと思いますが、また個別に運用の点でも必要なところが出てくるというふうに考えております。

    【生物多様性企画官】 ちょっと補足をいたしますと、参考資料2で少し構造があるんですけれども、個別の種が政令で指定をされ特定外来生物となるということになりますと、その種ごとに必要があれば防除の公示をすると。基本方針では、むしろその公示ではどういうことを書くべきかというような基本的な考え方を明らかにする、そういうのが基本方針だと思いますけれども、個別にどの種、全国で蔓延しているけれども、どういう防除を考えていったらいいのかということについては、むしろこれは公示の中で明らかにすることになると思います。
     ただ、さらに個別の地域ごとに見ていきますと、それぞれの地域の事情というのに応じて、例えば自治体の方で一生懸命やるということもあるかもしれません。そういうものについては必要に応じて防除実施計画というふうな、さらに個々の具体的な進め方を見ていくというふうに、より具体化していくような階層的な考え方も必要ではないかというふうに思っております。基本方針では、そういう全体的な考え方を明らかにしていくということが必要ではないかというふうに思っております。

    【岩槻委員長】 よろしいでしょうか。ほかに。どうぞ糠谷委員。

    【糠谷委員】 議論を戻してしまって申しわけないんですが、先ほどの議論がありました3ページから4ページのところの考慮の知見なんですが、私は農産物をつくる方といいますか、いろんな動物だとか植物を使って、食糧生産の方なんですけど、やはりこの場合にもちろんそういう生態系を保全するという、この法律の趣旨は十分尊重しつつ、やはり食料をどう確保するかという観点からも少しその辺、指定は指定でしっかりやって、その辺いろんな考え方、やり方があると思いますので、その辺をまた最終的には考えていただきたいというのが意見でございまして、特にお答えはいただきません。そういう希望があるということです。

    【岩槻委員長】 ほかにいかがでしょうか。どうぞ細谷委員。

    【細谷委員】 今の点と、これは私の考え方なんですが、押しなべて農業生物の外来種と考えてしまうとなかなか進まないんですが、実際のところ今後問題となるのは、もちろん人間のコントロール下にあるものの農業生物ではなくて、環境放出、生態系に放出するという、その辺は非常に明確であって、外来生物、その辺を絞ればおのずと議論しやすくなっていくんではないかなというふうに考えておりますし、今までの議論の過程もそれを前提にお話ししてきたんじゃないかなと、そういうに考えておりますけれども。

    【岩槻委員長】 はい。どうぞ。

    【小林委員】 ただ、実際にはそんな簡単ではございません。例えば牧草に使われている種類のものが緑化に使われていたり、同じ種がですね。というようなことは幾らでもございます。ですから、いろいろ実際には問題が出てくると思われます。

    【岩槻委員長】 よろしいですか。ほかに。それでは、どうぞ青木委員。

    【青木委員】 私は地方の代表という形になろうかと思いますので、視点を変えて幾つか要望なりを述べさせていただきたいと思います。
     まず、地方の目から見ますと一番重要な問題は、防除の体制整備をどうやってやっていくのかという具体的な話になってくるんじゃないかなと思っています。それぞれの地方によって、この法律に基づいてやる対応、対策というのは異なるとは思うんですが、体制整備についてやはり法律をつくるからにはある程度のものを国の方で用意いただかないと、なかなか地方としては理念は理解できるけれども、実際の対策ができないと。なかなか最近はどこの都道府県も予算が厳しいですし、補助金も国の方から相当カットされて苦しい状況ですので、その辺はやはり特別地方交付税化の問題ですとか、何らかの対応をこの基本方針の中に盛り込む必要性が高いんではないかなというふうに考えています。これは何も外来種の規制だけの問題ではなくて、鳥獣の有害捕獲の問題ですとか、あるいはこの場合も出ていますが、捕獲した個体をどうやった形で適正に収容していくのかと、その辺の経費をだれがどういう形で見るのかという視点はやはり忘れていただきたくないというふうに考えます。
     それから、あと2点ほど。これは意見ですけれども、一つは科学的知見の蓄積というのが7ページにありますが、「各分野の調査研究を推進すべきことを記述」とあるんですけれども、これは各分野ということはもちろんそのとおりなんですが、これは全国レベルで見た場合の調査研究のことで、地方の情報の集積という観点を明確に入れておいた方がいいのではないかなと。例えばレッドデータブックについては今47都道府県ほとんどできていると思いますが、あるいは国が主導してああいう形になったんですが、そういうことも期待できると思いますので、そういう視点が一つ必要なのかなというふうに思います。
     それから3点目は、国民の理解の増進という形で環境教育、あるいは各種教育機関との連携という視点で書いておりますが、もちろんこれは必要なんですが、この問題というのは特定外来生物の生死を扱う非常に微妙な問題が最終的には絡んでくるということを考えますと、その二つだけじゃなくて、私は究極的には家庭教育から始まるとは思いますがなかなか国がそこまで言及するのは難しいと思いますので、例えば生涯教育の必要性ですとか、そういう視点も追加しておく必要があるんではないかなというふうに考えています。
     以上です。

    【岩槻委員長】 事務局の方から。特に第1のところなどは、今コメントはそういう意見を聞いておくということでよろしいですか。
     それでは、ほかに。阿部委員どうぞ。

    【阿部委員】 未判定外来生物の範囲の問題ですが、これは特定外来種の方を除けば本来はすべてが入ると思うんですが、ここではどの範囲までのことを考えておられるんでしょうか。基本的には、日本に定着する可能性のあるもの、その生態系の攪乱の原因となり得るものは本来すべてだと思うんですけれども、ここでは必ずしもそうではないんじゃないかと思うんですが、どういうふうにお考えでしょう。

    【岩槻委員長】 堀上補佐から。

    【事務局】 その生態系等に関する被害と、先ほどのその判定の考え方とも絡みますけれども、そういう被害をもたらすものとして特定外来生物がまず選定されますが、その未判定というのはそれに当たるかどうかはよくわからないけれども、そういう疑いがあるものであると。疑いがなければ全然指定の対象にならないという生物も一方でいて、ただ疑いがあるものが特定外来生物の周辺に、まだ日本には入ってきていないけれども、これから入るかもしれないというものがあろうと。そういったものを指定するということになりまして、これは特定外来生物としてどういうものが選定されてくるかということにもよりますし、どういう被害がこれから出てきそうかということにもよりますし、そのあたりをいろいろ総合的に判断した上で未判定外来生物というのは選定されていくというふうに考えています。

    【阿部委員】 そうしますと、被害という定義が問題になる。何を被害と見るかということが問題になると思いますね。多様性国家戦略の中での基本的なところは在来種で構成される生態系が基本だということになっているわけですから、入ってきて目に見える特段の害があるかないかの判定では本来はないはずなんですね。ですけれども、ここではそうすると被害がということになりますと、何をもって被害と呼ぶかということがきちんとしていないと、やはり問題が残ると思うんですが、いかがでしょう。

    【岩槻委員長】 上杉企画官。

    【生物多様性企画官】 個別の被害の考え方というのは、むしろ特定外来生物の選定の基本的考え方のところで考え方を整理していただくということかというふうに思っております。いずれにせよ法律上規制をしていくと具体的に権利制限を、権利を制限していくという中身になりますので、ある一定程度の科学的知見をもって、つまり疑いがあるということをある程度言っていくようなものが対象になっていくということになるんではないかというふうに思っております。
     これは似た生態的特質を持っている、つまり被害を及ぼすおそれが本当にどうあるのかどうか、それが既にはっきりしているものであればいいわけですけれども、はっきりしていない部分ということになりますので、結局知見を全部集め切れない場合には、その生態的特質が似ているものということが一つのキーワードになっているということだというふうに考えております。

    【岩槻委員長】 太田委員どうぞ。

    【太田委員】 かなりそれは危険なあれですよね。生態系が似てるといっても、生態的特性が似ているといっても項目は山ほどあって、そのどれくらいが似ているか。一つ違っただけで、実は例えば冬季の体温性が一つ違った、低温耐性が一つ違っただけで定着能力があるものとないものとに分かれるとかね。そういう、例えばそれは生態というよりも生理かもしれませんけど、そういう問題があるので、その危険性の評価というところで、もちろん現実的には、特に今危なそうなものから抑えていかないといけないというのは、現実的には操作上の作戦かもしれないんですけど、基本的にやっぱりそのもう一方で、基本的に野外に逸脱した場合に繁殖個体群をつくってふえていきそうなものということと、それからそもそもどれだけ策をあれしても維持管理が人間のコントロール下での維持管理、逸脱の防止が移出の防止が難しそうなもの、その中に本軸でもうとにかくかかってきそうなものをとにかく抑えていかないと、その予防原則というのをやっぱり相当意識してかからないと、外へ出てから自治体の方にどれくらい負担が行くかとか、そういう議論も今ありましたけど、外に一回逸脱して定着してしまってから何とかしなくてはいけないという状況が生じることを考えると、かなりやっぱり擁護原則よりに寄った考え方ですべて対処するべきだと思います。これは意見です。

    【岩槻委員長】 ほか。加藤委員どうぞ。

    【加藤委員】 やっぱり今のお話にも関連するんですけれども、特定外来生物として指定するというのは、かなり真っ黒いというところでないと指定できないのではないかと思うんですね。そうすると未判定外来生物というところはネズミ色なんですけれども、輸入のときには規制がかかってくるわけですが、既に国内に入っていて、ちょっと真っ黒というところまで行かないんだけれどもどうだろうかという状態もあり得るのかなという気がしまして、そのネズミ色の部分をどうやって見ていくかというのが、この仕組みの中でなかなか難しいところなのかなという気がしています。先ほどのノネコのお話もやっぱりはっきりはかからないわけで、そういう部分があるという意識を持って書かないと、何か抜けてしまうかなというのをちょっと心配しています。

    【岩槻委員長】 はい、どうも。ほか、いかかでしょうか。
    きょうの議論は大体よろしいでしょうか。議論を伺っていまして、特に冒頭に太田委員が発言された、この外来種法は国外からどういうふうに規定して、前の小委員会の一番最後のところでも議論しましたように、外来種というのは生物学用語としては国内の移動も生態系以外の移動も入るわけですけれども、この法律では国外から入るものを外来種という規定をして、そういう方向で法律ができておりますので、これに対する基本方針を議論するときには、その線で議論せざるを得ないんですけれども、ただ太田委員が提唱されたその問題点というのは、特に生物に関係する人は皆さん非常に深刻な問題として意識していることだと思うんですよね。ですから、基本方針をつくるというときには、その方針の中にはなかなか盛り込みにくいことなんですけれども、何か答申に附帯決議みたいな形で、そういう問題をその問題点として列記するというようなことがあり得るかどうかということを、むしろ事務局の方にお伺いしたいんですけれども。
     といいますのは、先ほど青木委員がちょっとおっしゃっていた種の保存法ができたために、レッドリストは今全国各県でできていますけれども、あの法律もできたときには、これではどうしようもないという生物学者が非常に多かったんですけれども、しかしやっぱり国が法律をつくるということで絶滅危惧種に対する対応というのは随分国民の理解ということまで含めて進んだと私は思っているんですけれども、それと同じように今度の外来種法もいろんなところでどういう形で整うかというのでつくっていただいて、そのためにその外国からというところだけになったんですけれども、太田委員もそのことは先ほど十分理解しているとおっしゃっていましたけれども、そういうものができること、特に先ほども定義が難しいとおっしゃっていた生態系というようなことが表に出てくる法律というのは、法律としては非常に画期的じゃないかと思うんですけれども、そういうものができたというのは関係者がいろいろご努力いただいたということでまとまったんだと思うんですけれども。ただ、それで完全だというわけではないので、先ほども強い口調で太田委員がおっしゃったようなことを、ここでは何らかの形で記録に残しておいた方がいいように思うんですけれども。
     事務局の方にお伺いしたいんですけれども、そういう形で何か残す工夫というのがあるかどうかということ。これは局長、お願いします。

    【小野寺自然環境局長】 何かもう一回国会が始まったのかと思って、思わず立って答弁しようかという気持ちになっています。非常にいい審議会になっていると思います。
     今の小委員長のお話は、工夫は幾らでもする余地があると思います。ただ、法律で国内同所については一応対象にしないということになっていますので、その法律の枠内の基本方針について、いきなりそこが非常に強く出るというのは枠組みからするとちょっと違うと思うんですね。だから、そこはちょっと書きにくいんで。ただし、おっしゃっていることは私は全く同じ考えですから、それをそうではなく、つまり今のままで枠組みの中でやると限りなく弱めた表現で書くということになるんですよ。そうするとどうも趣旨が伝わらないんで、何か別の処理の仕方ですね。注意喚起の仕方とか、その問題としては同じか、もっと大きいぐらいの問題があるというようなことをその小委員会の見解、あるいは何かとして書いておくというのは大事なことだと思います。
     それから、きょう議論を伺っていて、何かすごく我々も無理なことをお願いしているんじゃないかと思うんですが、法律だけ読んでいてもわからない。あるいは基本方針の抽象的、定性的な議論だけでもわからない。それで特定外来生物がだんだん決まってきて、未判定外来種もそれぞれ決断して決まってきて、いざ動かすときに全体の一部がきっと見えるということだと思うんですよ。だから、今その法律がばっと説明だけされて、その特定外来種が何十種で未判定が1,000のオーダーだと思いますけど、そういうことが割とはっきりしていないと、ついつい定性的な経済との調整とか何とかというところで、また何だかゼロに戻っちゃって、あいまいな形になるんじゃないかという議論が一方で出てくるのは当然だと思うんですね。ただし、いろんな問題があることはわかっていながら、割とスピードを速めてその法律に取り組んで、議論がなかったわけじゃありませんけどここまで来たというのが、我々環境省の事務局のある種の決意表明であるというふうにまずお受けとめいただいて、その中で原理原則は、これはもう私ははっきり決意していますけど、その生態系、あるいは生物多様性にということを第一に考えたいというふうに思っています。
     ただ法律の、お読みになればよくわかりますけれども、物すごい規制とセットなんですね。そのときに私権、あるいはその他の公益なりというものとどう調整していくかというのは条文に書いてあろうがなかろうが、それはある程度はその制度上、あるいはその行政上やっぱり調整の余地はある、あるいは残るということは仕方がないと言っちゃうとあれですけど、やる気をまず持っていますと、頑張れますということの上で、その調整は仕組みとしてはそれはやらざるを得ないだろうと思います。
     ただし、それをずるずるとか、何かということはやらずに、きょうのこういうものも全部公開ですし、物すごくデリケートになって特定の種については両論があるというのは、我々の今の考え方では両方の者の意見を聴いて、こういう場で聴いていただいて公平に判断する、みんなが考えるという形にしたいというふうに思っています。

    【岩槻委員長】 どうもありがとうございました。きょうはそういう意味で、今までの議論と重複するということも多少覚悟した上でフリーにディスカッションをしていただいたんですけれども、きょうのディスカッションを生かして次回までに基本方針の枠組みを考えていただくということで、次回はそれを議論していただきたいと思います。
     それで、今のここの委員会は何度も言いますように、この法律の枠組みに従って作業を進めるという目的なんで、それ以外のことをかえって薄めるような形になって、主張を薄めるような形になって出でたんではしようがないかと思いますので、何か太田委員のご主張が、太田委員のご主張だけではないんですけれども、そういうのが生きるような形がもしあるとすれば、そういうのを事務局と……。

    【太田委員】 最後に一言。例えば逆にこれだけはお伺いいただきたいんですけど、外来種の問題ということで、ネコやコイの放流や、そういったことを持ち出すときに、やっぱり国の法律というのがどういうふうに対応しているかというのは絶対我々生物学者がどれだけその地域にいてしゃべりたてても、その国の法律にどう書いてあるかの一文一句がはるかに効果を、効力を持つんですね。だから、これがすべてじゃなくて、こういう部分も課題であるということは薄めることになってはもちろん困りますし、その枠がもうそうなっているということは私も本当に理解しているつもりなんですけど、そこのところだけは何とかお考えください。

    【岩槻委員長】 認識は、それほど違っているつもりじゃないんで、どうしたらいいかということを多少委員長の責任で事務局と相談をさせていただいて、もし何かの形でアクションをとった方がいいようでしたら、そういうふうにやらせていただきますし、そうすることがかえってマイナスになるんだったら、それはもう一回引き下がるかもしれませんけれども、そういう形でちょっと検討をさせていただくように宿題にさせていただきたいと思います。
     ほとんど時間が来たんですけれども、その他ということで何かこの際ご発言がございますでしょうか。特にご発言はございませんか。
    (なし)
     事務局の方から。

    【事務局】 それでは、事務局の方から一言だけ申し上げます。先ほどの今後のスケジュールのところでも少しご説明をいたしましたですが、次回、第2回の小委員会につきましては7月5日月曜日の午後2時から、本日と同じこの会議室で行うこととなっておりますので、よろしくお願いしたいと思っております。
     以上でございます。

    【岩槻委員長】 局長も先ほどご発言いただいたので、もうよろしいですね。
     それでは、きょうはこれで閉会にさせていただきたいと思います。どうも長時間ご議論ありがとうございました。