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中央環境審議会野生生物部会
第8回移入種対策小委員会会議録


  1. 日時  平成15年8月27日(水)14:00〜16:50

  2. 場所  経済産業省別館9階 944号会議室

  3. 出席者
    (小委員長)岩槻 邦男
    (委員) 阿部  永  大塚  直  加藤 順子
    鷲谷いずみ    
    (専門委員) 石井  実  太田 英利  大矢 秀臣
      小林 正勝    
    (環境省)     小野寺自然環境局長
      小沢審議官
      盛山総務課長、黒田自然環境計画課長、名執野生生物課長
      上杉生物多様性企画官、山岸野生生物課長補佐


                        
  4. 議事

    【司会】 それでは、予定の時刻になりましたので、中央環境審議会野生生物部会移入種対策小委員会を開催させていただきたいと思います。
     本日の会議出席者数でございますが、中央環境審議会令に基づきます定足数は満たしておりませんけれども、本日はヒアリング主体で、特に決議等行う予定ではありませんでしたので、事前に委員長と相談の上、ヒアリング等を行うことといたしました。
     なお、大塚委員、太田委員につきましては、ご出席いただける旨、ご連絡をいただいておりますので、後ほどご出席されると思います。
     会議が始まります前に、お手元にお配りした資料の確認をさせていただきます。
     初めに、議事次第、資料一覧、小委員会プログラムがございます。それから委員名簿がございますが、その後からが資料でございます。最初にいろいろパンフレット等がございますが、本日の意見聴取者の資料について一式お配りしてございます。その後、資料1といたしまして、移入種対策小委員会中間報告案の考え方(案)ということで、裏表の1枚紙がございます。参考資料といたしまして、日本産野生生物既知種数と移入種の割合の目安等の資料がつけてございます。
     以上でございますが、資料に不備等がございましたら、事務局の方までご連絡いただきたいと思います。
     なお、委員の先生方につきましては、第6回の小委員会議事録、第7回の議事概要についてお配りしてございます。後ほど修正等がございましたら、ご連絡いただければと思います。
     それでは、委員長よろしくお願いします。

    【岩槻委員長】 それでは、ただいまから移入種対策小委員会を開催させていただきます。お暑いところをお集まりいただきましてどうもありがとうございます。
     本日は、先ほどご紹介がありましたように、ヒアリングと、それからその後、資料に基づいた議論をさせていただきたいと思いますけれども、まずその第1部のヒアリングの方から始めさせていただきたいと思います。
     この委員会、これまでにも4月の第3回小委員会で愛玩用哺乳類、産業用昆虫類など5つの分野についてお話を伺いましたし、6月の第5回小委員会でも釣魚類、観賞魚類、藻類の3つの分野についてお話を伺って勉強させていただいた次第です。きょうは三回目のヒアリングとして、動物愛護と倫理の問題についてのご意見を伺わせていただき、その勉強をさせていただいた上で、最終的な案をまとめる上での参考にさせていただきたいと思っております。
     早速、そのヒアリングに入りますけれども、その前にこのヒアリングの進め方について事務局の方から、ご説明をお願いしたいと思います。よろしくお願いします。

    【司会】 ヒアリングにつきましては、お手元の資料にございます小委員会プログラム(ヒアリング)という1枚紙がございますが、動物愛護と倫理についてかかわりのある方々から、それぞれの立場における意見をお伺いしたいと考えております。
     進め方でございますが、まず各発言者の方からお1人15分ずつ位でプレゼンテーションをしていただき、3名の方が終了した後に、各発言者と委員の先生方との間で質疑応答や意見交換を行ってくださるようお願いいたします。発言の順番及び時間配分については、この資料、プログラムにお示ししたとおりでございます。
     以上がヒアリングの進め方についてでございます。

    【岩槻委員長】 それでは、早速ヒアリングに入らせていただきたいと思います。お出でいただいた3人の方々にはよろしくお願いいたします。お願いいたしますと言いながらあれですけれども、時間のことがありますので、15分のうちに収まるように、できるだけご協力をお願いしたいと思います。
     それでは、最初に地球生物会議の野上さんからよろしくお願いいたします。

    【地球生物会議 野上】 地球生物会議の野上と申します。私どもの会議の活動の簡単な紹介は、お配りしましたこの資料のパンフレットにあるように、様々な動物の保護に関わる運動に取り組んでおります。特に、野生動物と飼育動物の接点に関わる部分の活動が多いのですが、その中でこの移入種問題も活動の一つとなっております。
     それから、今日のヒアリングで動物愛護についてというお話がありましたが、動物愛護という言葉についての定義をきちんとしておかないと、今後いろんな理解を進めていく上で、支障を来す場合もあるのではないかと思いまして、当会の会報の抜き刷りを一部用意いたしました。これが動物保護活動における用語の定義という資料でして、紙1枚の二つ折りになっています。
     動物愛護、動物福祉、動物保護、あるいは動物の権利、自然保護、そういうものがきちんと理解されていないと、いろんな問題ですべて動物愛護という形になってしまいますと、やはり問題が生ずるかと思いますので、ぜひお時間のあるときに読んでいただきたいと思います。
     それから、もう1冊資料集を作りまして、これもお手元に配付しております。『移入種・外来種対策における予防原則と動物福祉の必要性』というこのピンク色の資料集です。これは私どもの会でこれまでいろいろこの移入種問題について動物福祉の観点から、何回か勉強会等してきまして、そういうものを取りまとめたものです。
     後、新しい資料として、イギリス政府のレポートで、「非在来種に関する政策の見直し」という翻訳の資料もつけておりますので、ぜひ海外の事例等を参考にされるときに読んでいただければと思います。今日の話の中でもこの資料集の中で若干触れることがあるかと思います。
     それでは、パワーポイントを使って説明させていただきます。
     今回、私どもの会が招かれた理由は、恐らく動物愛護という観点だと思いますが、その中の大きな理由の一つがやはり社会的な合意形成をどうしていくかということに関わっているのではないかというふうに理解しています。
     特に、移入種の問題、哺乳類の問題になりますと、それが拡散した場合に捕獲しなければいけないというときに、様々な観点から議論が起こりますし、種類によっては反対であるとか、そういうことも出てくるわけです。そういうときにどのように社会の人々に訴えていくか、そういうことをぜひ考えていただきたいと思います。
     移入種問題、特に哺乳類については、人が飼っている動物、それが遺棄されたり、逃げ出してしまう、そういうことが原因の大半を占めているということは、環境省の報告でも言われています。どういうところから逃げているかということですが、私どもの会では、長いことペットショップチェックとか、ズー(動物園)チェックとか、動物取扱業者の問題についていろいろと調査をしてきました。私自身もいろいろペットショップ等回ってみますと、本当にありとあらゆる動物がペットとして売られている。それについて販売する側は何の説明もしない。非常に安易な形でペット、特に野生由来の動物が大量に売られているという現実があります。
     そういうものが結局捨てられてしまう、逃げ出してしまうことをどうして防止したらいいかということを対策として考えなければいけないと思います。
     第1はやはり飼育者の責任といいますか、飼ってはいけないものを飼ってしまうということ、そこに規制をかけなければいけないのではないかということです。それから、流通の管理です。ペットショップで売るべきでないものも何でも売ってしまうということ。それから、もしそういうものが逃げ出した場合には、早く発見して、早く回収しなければいけない。そういう対応が必要であろうと。それから、一般社会全体ですが、こういうものを飼っていいのか、あるいは安易に捨ててはいけないという、そういうことを普段から啓発普及する活動、こういうものがないと、この移入種問題の原因を、水道で言えば蛇口を閉めるということにはならないのではないかというふうに思います。
     動物は物ではないということなのですが、私どもの会で先日、『命はモノですか』という、動物の流通に関わる実態調査をしたビデオを作成しました。生き物というものが単なる商品として取り扱われている。現在の法律でも動物は人か物かということになりますと、物ということで法的に定義されてしまうんですけれども、そういう単なる物として流通してしまうことに、どこかで歯止めをかけないといけないのではないかと思います。
     野生動物を移動させることのリスクについて。これはかねがね言われていることですが、そういう珍しいペットを捕るということは、外国の生産地、生育地を破壊するということを意味しています。珍しいペットを捕るために、外国でその動物を捕りつくしてしまうために、海外の生態系に対して大きな責任を生ずると。それから、輸送してくるときにかなりの部分が死んでしまいます。それから、日本に来てからでも飼育は困難ということで死んでしまいます。さらに最悪なのが結局飼えない、大きくなって持て余したというようなことで捨ててしまう。その結果、捨てられると大半死にますが、中には生き残って、日本の生態系に悪影響を与える。こういう発生の原因から結果に至る一連の流れ、こういうものにいろいろな問題があるということを、やはり一般の飼育者が知らないということに大きな問題があるように思います。
     私は移入種問題の重点対策としては、まず第1に予防原則ではないかと思います。この予防原則というのは、今申し上げましたように、動物を安易に飼育できるということ、それをどこかで食い止めなければいけないということです。それから、次に動物福祉ということですが、正しい飼い方をする。飼った以上は最後まで責任を持って飼育する。そういう動物の保護の観点からの教育。それから、3番目に今言ったような様々な問題、環境問題を引き起こすということです。4番目が普及啓発。こういうものを同時にやらない限りは、移入種問題というものは多分大きな道筋は出来ていかないのではないかと思います。
     これはミドリガメの例なんですが、つい先日、ある方からホームセンターでミドリガメのプレゼントをするという計画があるというお電話をいただきました。ミドリガメというのはペットショップで1匹380円程度で売られているものでして、ホームページ等で見ますと、本当にいろんなホームページでプレゼントとして、お客さんに無料で手渡しているところがたくさんあります。たまたまこれは事前に発見しまして、13のチェーン店で全部で1,500匹のミドリガメを小さな子供たちに無料であげましょうというキャンペーンでした。無料でもらうということは、要するに無料でその辺に捨ててしまうということになりやすいので、こういうことはぜひやめていただきたいということで、私どもの方でこの会社にすぐにファクスを入れました。そのことがこの資料集の11ページに載っています。
     幸いこの要望書を送りましたら、もう即日夜に会議を開き、またその次の日の朝もこの会社で会議を開いてくださって、朝、私が事務所に出るとすぐに電話がかかってきまして、ご主旨はよくわかりました、すぐにプレゼント計画を中止することにしましたというお返事をいただきました。
     この会社の方といろいろとお話をしたんですが、やはりミドリガメは一つの商品に過ぎないわけです。カメの販売にこういう問題があるとか、あるいはカメが捨てられてこういう問題が起こっているということはどこからも聞いたことがなかったし、初めて聞いた話で、非常にいい指摘をしていただいたということで逆に感謝されたわけですが、こういう実態、例えば、ホームセンターなどで売られているペットについて、そういう教育がきちんとなされているか、情報が末端まで届いているかというと、そういうことはほとんどないわけです。ですから、こういう部分をどのように監視していくかということが、これから大きな問題になるかと思います。
     ミドリガメは、縁日などでもよく見かけるもので、本当に大量に海外から輸入されてきて、日本の国土にばらまかれているというのが現状だと思います。東京都内の池でもほとんどがミドリガメというか、ミシシッピアカミミガメで占拠されているわけでして、ここに至るまでの原因はどこにあったかということです。それはやはり動物の移入、流通、飼育の規制について、今まで何ら我々の社会が監視してこなかったということの現れではないかというふうに思います。
     動物を飼えなくなったらどうするかということなんですが、日本では犬や猫あわせて年間50万匹が飼い主が飼えなくなったということで、保健所等に持っていって、ガス室で殺されているわけです。犬や猫でさえ50万匹、一応保健所の引取り制度があるのでそこに持っていくんですが、その他の動物については、ほとんど捨てられてしまうということになっているのではないかと思います。
     しかし、現在の法律、動物愛護及び管理に関する法律では動物は捨ててはいけませんと、新しい飼い主を探して譲渡しなさいということを法律で奨めているわけです。
     動物を捨てるとどうなるか、なぜ動物を捨ててはいけないと法律で定められているかと言いますと、もちろん動物愛護法には生態系に関する観点はありません。しかし捨てることによって餌が取れなくなるとか、人に迷惑をかけるとか、そういう観点で動物虐待になるので捨ててはいけないというふうに規定しているわけです。しかし、新たにそのことが他の生物にも迷惑を及ぼしている、あるいは生態系にも迷惑を及ぼしているという観点をやはり動物愛護法の中にも入れて、そういう観点で動物を捨ててはいけないという普及活動をする必要もあるかと思います。
     それについては資料集の20ページをご覧ください。実は動物の愛護ですとか、福祉の団体は、動物を捨てることに対して非常に強いキャンペーンを行っています。これは犬や猫に限っているんですが、犬や猫を捨てることは犯罪だというポスターを自分たち自身で作って、全国の警察ですとか、自治会、町内会に配布していただいています。現在の動物愛護法の中に遺棄というものの定義がないために、警察もどうやって対処していいかわからないということがあったわけですが、新潟県で初めて遺棄というものの基準をつくりまして各保健所に通知しました。その結果、保健所から警察にかなりの通報が行くようになって、子猫を捨てて書類送検になったということが新聞でも報じられています。こういう観点でも、この動物愛護法の中で遺棄というものについての警鐘を鳴らすといいますか、きちんとした定義をするということが、遺棄の防止策の一つになるのではないかと思います。
     動物愛護法では飼育を規制しています。その一つは正しい飼い方をしなさいということです。動物の生理、習性、生態にかなった飼い方をするということが正しい飼い方です。そういう飼い方をしなさいと。それから、数が増え過ぎないように繁殖制限をしなさいということを個人の飼い主に定めています。それから、動物取扱業を届出制にしなさいと。取扱業は施設の基準、飼育基準を守りなさいと。それから捨てると罰金30万、こういうことを定めています。
     さらに、その下にある動物愛護条例、都道府県レベルの条例では、危険動物といってワニですとか、カミツキガメとか、そういうようなものを飼育の許可制にしています。それから、東京都はそういう危険動物は個体登録制にしている。北海道はさらに危険動物の中に移入動物というものも加えまして、フェレットですとか、アライグマとかは届け出なさいと言っています。それから、鳥取県は余りにも数を多く増やし過ぎますとやはり捨てたり、逃げたりしますので、飼育頭数の制限を定めるという条例を作りました。さらに、大阪府と愛知県と東京都では、動物取扱業が届出制だけではきちんとした指導ができないということで登録制にしています。こういうふうに自治体レベルでも現在の動物愛護法が非常に弱体で困るということで、独自に愛護法を超える条例を作っているところもあります。
     要となる動物愛護管理法というのは、飼育動物に関する法律でして、様々な他の法律とも関連しています。感染症予防法ですとか、種の保存法、鳥獣保護法、あるいは家畜伝染病予防法、そのような様々な人間が飼育するすべての動物に関わる法律ですが、移入種についても、移入を水際で防ぐ、それから捨てないようにする、そういうことについては、やはり動物愛護法が非常に大きなウエートを持っているということをご理解いただきたいと思います。
     問題の所在と対策ですが、やはり一つは野放しのペット販売。これを規制しなければいけないと思います。それについては、動物取扱業者を規制するしかありません。これは現在の法律になったときに、届出制から許可制にしてほしいということを私たちはずっと望んでいるわけでして、次の法改正のときには、この動物取扱業の規制の強化が必要と思われます。
     それから、さらに飼育困難による遺棄です。捨ててはいけないという強硬なキャンペーンをする必要があると思います。その点でも動物愛護法を強化しなければいけません。
     予防原則ということです。やはり生物多様性条約の指針にも書いてありますように、予防するということがまず第一になければいけない。予防するためには、何をしなければいけないかということで、今申し上げましたようないろいろな対策を取る必要があるかと思います。
     最後に、これは神奈川県の博物館で行われている移入種展示会について、子供たちがそこに書いたメモなんですけれども、「移入動物よ消えろ!出ていけ!」というようなことを書いています。これは非常に短絡的な発想でして、何もその動物が悪いわけではなくて、人間が持ち込んできたものです。ですから、このような動物自体が悪であるかのような言い方で子供たちが理解していることは、かなり問題になっているように思います。
     移入種だけを悪者にした撲滅、根絶、排除、駆除といった言葉が持つ社会的な意味合いについて、環境省の方々はもっと注意していただきたいと思います。
     琵琶湖博物館が発行している『外来生物』という冊子では、「連れてこられた生物たち」というふうに言っていて、非常にいい表現だと思ったんですが、この最後の章に動物福祉について長くいろいろと書かれています。これは大変参考になるかと思います。
     移入種対策は確かに生態系の観点から取り組まなければいけない問題ですが、その発生の原因ということを考えると、社会学的なアプローチなしには解決できないだろうと思います。ですから、問題の原因がどこにあるかについて情報公開をする、それから幅広い分野の人々が関与して議論する、普及啓発、環境教育を進める、そのような土台の上に社会的な合意形成を作っていくということではないかと思います。
     その際に、いろんな行政機関が縦割であるので、その縦割行政の改善をして、幅広く様々な分野の人たちが自分自身の問題として関わっていく、そういうことによってこの問題の解決の糸口が出てくるのではないかというふうに思っています。
     以上です。どうもありがとうございました。

    【岩槻委員長】 どうもありがとうございました。
     初め説明がありましたように、質問は3人の方のプレゼンテーションを伺った後でまとめてやっていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
     二つ目の話題は、社団法人日本動物福祉協会の山口さんからよろしくお願いいたします。

    【日本動物福祉協会 山口】 私は日本動物福祉協会で獣医師調査員ということで、実際に動物が飼われているところ等、いろいろ出掛けたりいたしまして、動物の虐待がないかどうか等を調査している者でございます。
     私どもの協会の活動につきましては、皆様のお手元にオレンジ色のパンフレットをお配りさせていただいておりますので、それをお読みいただければ大体のところは、お分かりいただけるのではないかというふうに思っております。
     私ども協会は、昭和20年代から活動が始まりまして、先ほど野上さんの方からかなり丁寧にご説明のありました、動物の愛護及び管理に関する法律の前の法律、動物の保護及び管理に関する法律の制定の時から関わってまいりまして、その改正法、動物愛護及び管理に関する法律につきましても、一生懸命改正については会員、職員一同動きました。
     その関係からも、この移入種対策を考えるというときに、そのために私はここに呼ばれたわけですけれども、私は平成12年12月1日施行の動物愛護法の法の理念においては、飼育下にある動物だけではなくて、野生動物も含め、すべての命を対象にしていると考えております。ということは、この法律を抜きに、この移入種対策を考えることはできないのではないかというふうに思っております。すなわち、どんな状況であれ、動物を人道的に扱わねばならないということが自明の理と思っております。
     先ほどもご説明のありましたように、この移入種問題の主な原因は、人間がペットとして、動物や昆虫を飼育して逃がしたり捨てたりしたことが、原因となっていることが多いということは皆様もご存じだと思いますけれども、その原因の基となっているのは、やはり私どもの方にも毎日のようにペットショップの苦情が転がり込んでくるわけですけれども、そういう動物を輸入あるいは販売するペットショップ等、動物取扱業を厳しく規制しない限り、この問題は何の解決にもならないというふうに思っております。
     この問題を放置しておけば、穴があいた船に乗って必死になって水を汲み出しているようなもので、そのうち沈むということになりかねないと思います。この動物愛護法によれば、今は法律においては届出、東京においては登録制になっておりますけれども、結局は東京においての登録制でも何の規制にも現状ではなっていないということがあります。
     指導に向かわれましても営業停止も何もございませんので、「はい、改善いたします。」のみで、何の解決になっていないのが現状ということです。ですから、やはり幾ら規制緩和の時代といえども、命に関わるもの、日本の野生の生態系に関わるものであれば、これはやはり厳しい規制、私たちは許可制にしたいというふうに思っております。これをしなければ問題解決にはならない。
     許可制になれば、やはりその許可取消しということもありますし、営業停止もあれば、強い行政指導もできるということで、予防策には一番よいのではないかというふうに思っております。
     そういう面におきましても、皆様のお手元にも配付されているとは思いますけれども、日本獣医師会の方からも、環境省の自然環境局長あてに要請書を出させていただいておりまして、その中にもこの移入種対策については、動物愛護管理対策との整合性の確保ということで、動物愛護法を基にやってほしいというふうに申入れをしております。私自身も獣医師でございますので、日本獣医師会の会員でおりますけれども、やはり私もこの意見にはその通りだというふうに思っております。
     たくさんの動物を飼っていらっしゃる方から、あるいは保護なさっている方からの苦情をたくさん受けている私どもの団体といたしましては、野生動物については輸入を原則として禁止してほしいというのが私達の要望でございます。輸入だけではなくて、私はあちらこちらで動物関係の学校でも授業を持つことがあるんですけれども、そのときに生徒さん達に言っておりますことは、野生動物を決してペットとしては飼わないようにということをお願いしております。その理由として五つ挙げております。
     一つは、現在、外国であればその現地で絶滅には瀕していなくても、ペットとして日本に輸出することによって、どんどん野生から捕獲することによって、絶滅に手を貸すということになります。
     二つ目は、輸送のストレスです。動物は輸送のストレスに大変弱いです。特に野生捕獲の動物はストレスに弱い。ということは、輸送の途中で衰弱したり、あるいは死亡に至るということもあります。これは動物自体にはっきり言いまして虐待だということです。
     三番目で、家庭で飼うこと自体、野生の成育環境をそのまま与えられることはありません。ということは、自然なその動物の持つ習性を発揮できず、多大なストレスをかけるということになりますので、これ自体虐待に通ずるということです。
     四番目、これは飼い切れなくなって、先ほどのスライドにもございましたけれども、捨てたり、あるいは逃がしたりということで、日本の環境に合わなければ死んでしまいますけれども、合ってしまえば大繁殖して日本の野生の生態系を崩すということです。
     五番目、これは未知の病原体の持込みということで、これに関しては厚生労働省の方が対策を講じていらっしゃいますけれども、アウトブレイクという映画があったように、いつ何時このことが起こるかわかりません。
     その五つの理由から、決して野生動物をペットとしてはいけないということを、私ども協会として皆さんにお願いしております。
     そういうことからも、この基になる動物取扱業の厳しい規制というのが、本当にこの移入種対策を考えているのであれば、是非とも必要なことであるというふうに思っております。それから、その飼われている、飼育されている動物の個体登録をして、その繁殖の抑制と個体を管理するということも、とても大切なことだと思います。こうすることによって、万が一その動物がそのもともと飼われている方から、よその手に移っても追跡できるということになります。
     それから、もう一つ大切なこと。これは私どもの協会でも力を入れていることですけれども、急がば回れで、情報を公開して、地域住民の意識を上げること、人々の意識を上げることでいろんな対策が採れるのではないかというふうに私たちは思っておりまして、この移入種対策の中にはいろんな方法があるのではないか。先ほどの予防もそうなんですけれども、それ以外にも命をとらないで対処できる方法もあるのではないか。いろんな方法を探っていただきたいということで、生態系からの排除ということは、それは殺すということとはまた別の問題ではないかというふうに考えております。人間が引き起こした問題を、もともとは人間がペットとして野生動物を飼って、それを逃がしたり、捨てたりということがほとんどの問題の原因なわけですから、その人間が引き起こした問題を動物だけに責任を取らせないでいただきたい。人間の英知を集めて、最もよい、動物にとっても人間にとってもよい方法を、そして人道的な方法を考えていただきたいというふうに思っております。
     私たちは、教育は力なりと思っております。そのときそのときの刹那的な、一時的な対処ではなく、継続的にこの問題を終わりにさせようというのであれば、教育は一番基本となる方策であると思います。そういうこともありまして、皆様のお手元にもお配りしました、これは私どもの協会のニュースレターの後ろに、毎年、子供の読む漫画を作っているんですけれども、子供に対してですので、詳しい説明は書いておりませんけれども、ミドリガメとプレーリードックの『チャックの夢』ということで、原産地から日本に連れてこられて、全く違う環境で飼われること、それ自体が動物にとっては悲しいことなんだよということで、幸せではないんだよということを漫画にして書かせていただきました。こういう子供たちもしっかりとそういうことが分かってくれる社会になっていけば、この問題はまたその場、その場の対策ではなしに、継続してずっと将来に渡ってよい方向に行くのではないかというふうに思っております。
     詳しい動物愛護法の説明は、先ほどの野上さんの方からご説明いただきましたので、私の方は追加して言うこともございませんので、先ほどの野上さんの説明にお任せいたしますけれども、私どもはやはり移入種対策法の関連法よりも、その上に一番基本となる動物愛護法を基にして、移入種対策法も考えていただきたいし、その動物愛護法の中にあります動物取扱業の規制を、やはり改正して厳しい規制に持っていっていただきたいと。それによってこの移入種対策法は生きるのではないかというふうに思っております。
     私の説明は以上で終わらせていただきます。どうもありがとうございました。

    【岩槻委員長】 どうもありがとうございました。
     それでは、第3番目のプレゼンテーションを、ヤンバルクイナたちを守る獣医師の会の長嶺さんによろしくお願いいたします。

    【ヤンバルクイナたちを守る獣医師の会 長嶺】 ヤンバルクイナたちを守る獣医師の会長嶺と申します。私は座ると落ち着かないので、立たせてお話をさせていただきます。
     私たちの多くは、開業をしている小動物の獣医師で構成されています。それに様々な獣医職を持つ方々が参加されて、約20名ぐらいの会を形成しています。
     私自身は、日ごろはどういう仕事をしているかと言いますと、いわゆる動物病院で、ちょっと変な話なんですが、移入種の治療をしているということが多くて、実際、移入種の問題とそれから愛護すべき動物、飼育動物のこの狭間に立っているという、そういった日常を送っています。
     移入種というのは非常に多くの問題をはらんでいると思いますけれども、やんばるの現場で起こっているのは、ペットとの兼ね合いです。ここを中心に、特に猫にスポットを当ててご説明をしたいと思います。スライドお願いします。
     やんばるというのは、有名なので皆さんご存じかもしれませんけれども、沖縄島の北部地域、ここの地域をやんばると言います。那覇空港、皆さん沖縄行かれたときに行くと思いますけれども、なかなかずっと北の方の森の中に入る機会は少ないと思いますけれども、那覇からだと約2時間半、場所によっては3時間かかるような地域です。
     このような深い森を形成しています。
     こういう非常に豊かな森の中で、どういう動物たちが暮らしているかと言いますと、イシカワガエルですね。ノグチゲラ、アカヒゲ、これはケナガネズミと言います。なかなかケナガネズミはご存じない方が多くて、非常に大きなネズミです。体長がこんなにありまして、しっぽを加えるとこんなに大きい、日本で最大のネズミ。もう1,000頭以下しかいないのではないかとそういうように言われています。みんなに人気のあるヤンバルクイナです。そして、この森の中にもうひとつ猫が住んでいます。同じようなこういったところに猫も出没すると、こういった現状です。
     その中で調べていくと糞が出てきます。そういった中で調べていくと、こういうふうにアカヒゲが糞の中から出てくる。それから、ケナガネズミも出てくる。これは爪です。ノグチゲラも地上性の鳥ですけれども、基本的に他のキツツキよりも地面を動くことが多いので、よく食べられてしまうと。もちろんヤンバルクイナも食べられていると。そういうことから私たちはヤンバルクイナたちを守る獣医師の会という名前にしてあります。
     今のやんばるの現状ですけれども、現在81年に発見されてからわずか15年、それでどんどん生息域が北へ北へと押しやられています。これは右側のスライドで見ていただけるとわかるんですけれども、赤い斑点、これがマングースの捕獲地点です。これは沖縄県の調査に基づくものなんですけれども、どんどん北上しています。それに合わせてヤンバルクイナの生息域の南限がどんどん北へ上がっていると。それから、もう一つは青い斑点。これが猫の捕獲された地点です。目撃地点を合わせると非常にたくさんの猫が森の中で暮らしているということが分かると思います。
     これは分かりますか、カエルがいるんですけれども、やんばるで起こっている今の問題は、環境破壊という問題もありますが、恐らくこのままの現状でいきますと、環境破壊ではなくて、森がそのまま残ったとしても、多くの野生動物が絶滅するだろうと、こういう危機感を持っています。
     海外での事例ですけれども、グアムクイナという鳥は1981年に2,000羽いたものが、約5年間で移入種のナンヨウオオガシラというヘビ類による捕食で20羽まで減少してしまいました。ヤンバルクイナが今、まだ確定はついていませんけれども、1,000羽前後いるかいないか、そういうふうに言われていますので、それからすると非常に危機的な状況にあると思います。
     この問題の原因は何か、確かに猫であるということが言えると思いますけれども、なぜ猫が森の中にいるのか、そこを十分考えないと、この移入種問題というのは解決できない、そういうふうに思います。
     現在、沖縄県では年間約15,000頭の犬や猫が処分されています。これは保健所で、愛護センターで処分されてしまうんですけれども、全国的に言えば年間50万頭の犬や猫が処分されてしまっているという現状があります。
     さらに、これ以外にも森の中にいるもの、それから捕獲されないもの、そういったものを含めると、ものすごい多くの動物たちが捨てられているといった現状があります。私たちはこの問題は恐らく単純に排除するだけでは解決できないだろう。これだけの数の動物たちが捨てられている根本原因を叩かない限り、すなわち動物をきちんと飼う、適正飼育をしていかない限り、この問題は解決できないということで立ち上がりました。その我々の活動のコンセプトが、クイナも猫も守ろうということです。そのときにちょうど国頭村でも非常に犬や猫の問題で困っている地域がありまして、やんばるのずっと北の方なんですが、安田と書いて「あだ」という地域があります。この地域の人たちと一緒になって活動してきました。
     人口が250人ぐらいの漁業と農業、それを中心とした非常に小さな村ですけれども、太平洋とそれから海を山に囲まれる小さな小さなきれいな村です。そこにはヤンバルクイナも当然ながら住んでいて、多くの住民がそれを愛でていると、そういった地域です。
     約3年前までは観光シーズンになりますと、物すごく多くのごみが捨てられていく、それから同時にペットも捨てられていくと。これを子供たちはいつもいつも目の当たりにしてきた、こういった現状があったんです。そこでまず最初に動いたのが子供たちでした。
     子供たちはここにもありますけれども、様々な看板を作ったり、ごみ拾いをしたり、それから比較的近くで起こるヤンバルクイナとか野生動物の交通事故、こういったものを目の当たりにして、看板作りをするような活動を始めました。これが村の入り口にある看板です。これが子供会の手によって、ヤンバルクイナよりと書いてありますけれども、子供たちの手によって作られています。
     それで、大人たちもこれはいけないと、何とかしたいということで、安田区活性化委員会というものを結成されまして、その中で彼らが行ったことは、日々捨てられていくものに対して拳を上げなかったんです。まずは動物がどのように飼われているか、今の現状はわかったと。では、我々も動物を飼っているわけだから、我々はどうしようかと。そのときに彼らはまずは自分たちがきちんと飼うルールを作ってみよう。それができない限り人には言えないのではないかとそういうふうに考えたんです。
     そういったときに、我々もその活動を始めておりましたので、区長さんたちと相談しまして、ではまずは適正飼育の活動をしてみようということで、まずは増やさない、繁殖制限を加えるということから、不妊手術や去勢手術を実施すると同時に、マイクロチップを導入しまして、村の猫すべてにマイクロチップを導入しました。それを公民館の方で管理しまして、それが台帳になって今も使われています。これは今、マイクロチップをリーダーで読んでいるところです。それから、適正飼育のパネル展です。それから、ヤンバルクイナの野生動物の現状という、こういった活動を住民とともにやっていき、周知を図っていくという活動をしています。
     これが少し遠くて見えにくいかもしれませんけれども、安田区猫飼養に関する規則。これは昨年の5月1日に施行されました。これは非常に目的が立派でして、この規則は動物愛護の精神に基づき、これは決して動物を排除していないんです。飼い猫の適正飼育について必要な事項を定めることにより、安田区の環境汚染、保持並びに自然環境の保護・保全を図ることを目的とする。こういった大きな目的の中で、どのように猫を管理していこうかと。一度人の手を放れて、森に入ってしまったら、これはどこからか入ってきたものと全く変わらない立派な移入種です。そういった意味では、これをどのように自分たちが管理していくか。そのときに、まずは自分たちの中で飼い主責任を明確にするということです。それをまず1番の作業として挙げています。飼い主に対しマイクロチップの埋め込み処置を指示し、その個体番号の届け出を持って飼養登録証を交付すると。登録料とか発生するんですけれども、こういったルールを作ってあります。
     それと同時に、我々も行楽シーズンには森の中に入って行きまして、ペットを捨てないでというキャンペーン、防止パトロールをしたり、そういった活動をしています。
     我々だけではなくて、行政、県の方もやりましたし、これはすごかったんですが、名護警察署が検問みたいなものをやりまして、行楽地に来る動物を連れている車に特にチラシを配って絶対捨てないようにと、そういったことは許されませんよということで検問をしたんです。これが一昨年ですから非常に効果がありました。やはり警察というのはすごいなと思ったんですけれども、その翌年の特にゴールデンウイーク明けの収容頭数が激減したという結果が出ています。
     それから、北のやんばる地域だけではなくて、都市域、結局捨てられるのは都市域から捨てられるということが、もう周知のように言われていますので、ここで我々が獣医師会とともにやりましたのが、那覇市民ができるヤンバルクイナを守る活動、こういったシンポジウムを開催しました。これはどういうことかというと、動物をきちんと飼うというそれだけなんです。責任を持って飼うということ。それにはどういったシステムがあるよという紹介をしたり、それから、獣医師会では移入種のシンポジウムをしたりという啓発活動を行っています。
     一昨年の春、1月からまずは環境省からスタートしたんですけれども、実際、先ほど分布図にもありましたように、猫が非常にたくさんおり、しかも明らかに日常的に様々な野生動物、希少野生動物を食べているという結果が出ましたので、それに基づいて環境省はノネコの捕獲を開始しました。
     そのときにやはり出てきたのが猫を殺さないでという、そういった反発です。これは当然だと思います。確かに非常に困難なことに対してアクションを起こしたということは非常に大切です。そこから移入種を排除するということはよかったんですけれども、ただ説明が足りなかったし、合意形成がやはり少なかった。そういったときに当然ながら、意見交換がないままいくと、非常に多くの抗議を受けると。
     ここでやはり大切なのは、現在、沖縄県が行っている捕獲事業の中で捕獲をしています。そのかわり様々な他の動物も混獲されてしまいますよとこういった情報を公開しています。これ沖縄県の自然保護課がやっていますけれども、ヤンバルクイナを守ろうということでやっているんですが、ヤンバルクイナがかかってしまったり、個体数13羽が捕獲されています。それから、ケナガネズミもかかっています。天然記念物クラスの動物もかかっているということです。そういったときに、万が一、傷病が起こったときには、獣医師会の我々もそれにはやはり参加して保護し、収容して、また里に放していくという活動をしています。
     そういった問題が起こっている中で、沖縄で起こってきたことが、猫の愛好団体の方から、今度は逆に猫と環境問題というパネル展をしたいというような動きが出てきました。やはりそういった認識が深まってくると、必ずしも排除することに関しては反対ではないんです。これだけたくさんの動物が捨てられている現状はもうわかりますから、それをどうしていこうかと。それを単純に処分してしまうということが、どう説明ができることなのかということなんです。そういった中で発生を抑えるために猫の愛好団体が、我々の方にその相談をしまして、猫も守っていこうと。それから猫自体がこんな環境問題を引き起こしているんだよ、ということをアピールする機会を彼らが考えたということです。
     これまでに捕獲されたノネコが平成13年から15年の7月末までなんですが、環境省が44頭、それから沖縄県がすぐ飼い主が分かった例などを除きますと179頭を捕獲して、非常に誇らしいことなんですが、沖縄県ではまだ1頭も処分されていません。すべて民間のボランティアの方が収容しています。これがどこまでいけるのか、これはまだわかりませんけれども、こういった実績が出ていることは事実です。
     今、そういった活動の中で環境省の動物愛護管理室がモデル事業を策定しまして、準備委員会を立ち上げ、新たなシステムを作っていこうということで、今モデル事業のテストパターンに入っています。
     これはこういった冷暖房つきの車に飼い主がいる猫をまず預かりまして、それを了解を得た上で不妊手術や去勢手術をしていくと。
     車で北の方からずっと南部とか、那覇とか、あるいは中部の沖縄市とか、そういったところまで動物病院まで動物を運びます。すべてマイクロチップを挿入します。リーダーテージを読み取って確認し、それを管理していくと。
     こういったことを2年間続けまして、最終的に何を目標としているかというと、適正飼育の周知徹底、それから条例研究、条例に結びつけたいと、その中には動物愛護の問題、それから生態系への問題、監視責任を明確にするということです。それをきちんとやった上で、それでも飼えない人に対しては、罰則を適用していきたいと、こういった条例を考えています。
     移入種対策の法律というものが今、考えられているということですけれども、この動物愛護法と表裏一体でいかないとこの問題は解決できないのではないか、とそういうふうに思います。移入種問題の多くはペットが由来です。人の手に渡った時点からペットになる。それは動物愛護法に基づいた扱いをしなければなりません。当然のことながら、原則として導入しないというこの姿勢は貫く必要があると思います。
     それから、輸入業者、販売業者の登録なり、届出、こういった制度をきっちりしていかないと、もう目の前でたくさんのかわいい動物が売られているわけです。これは飼いますね。それはしかも東京も、今は沖縄も全く同じ種類が同じ量だけ売られています。非常に小さな島嶼生態系では、非常に弱い生態系は、場合によっては本当に脆く崩れてしまいます。条件付きで導入する場合には、それをきちんと個体識別をするということです。それから飼い主も明確にして、それを守れない者に関しては、やはり罰則規定を適用しないと、もはや生物の多様性は守れないのではないかとそういうふうに思います。
     それからもう一つ、実はよく学校、子供たち相手に授業をすることがあるんですけれども、それは沖縄県の中学校の先生が、移入種問題に関する研究の中でアンケートを取ったのをやらせて、ちょっと見にくいと思いますけれども、「動物を飼ったことがありますか」と聞いたときに、90%の子が飼ったことがありますと。ところが、その動物はどうしましたかという答えの中で、逃がしたか捨てたというのが66%あります。この現状では、とてもではありませんけれども、このまま大人になってしまいます。ですから、飼育動物の教育と、それから環境に対する教育、もちろん移入種も含めて、こういった教育を充実させていかなければいけないのではないかと、そういうふうに最近特に感じています。
     スライドの方はこれで終わります。
     やんばるの現状をビデオがありますのでお願いします。
    (ビデオ上映)
     以上です。どうもありがとうございました。

    【岩槻委員長】 3人の説明者の方、できたらこちらへ移っていただけますでしょうか。
     それでは、3人の方々から非常に貴重な事例報告と様々な説明をいただいたんですが、今のプレゼンテーションに関して委員の方々から、どなたからでも結構ですが、ご質問、コメント等がありましたら、是非ご発言いただきたいと思います。いかがでしょうか。
     どうぞ、石井委員から。

    【石井委員】 これは野上さんでも山口さんでもいいんですけれども、動物愛護法の、私、実は余りよく知らないのでちょっとお聞きしたいんですけれども、この動物の範囲というのは、どのあたりなんでしょう。例えば、私、昆虫が専門で、昆虫のペット化したクワガタ虫が放されることがちょっと問題になっているんですけれども、これは、哺乳類、鳥類、両生・爬虫類ぐらいのところまでなんでしょうか。

    【地球生物会議 野上】 哺乳類、鳥類、爬虫類までです。前の法律のときは、爬虫類は入っていなかったんですが、1999年の改正のときに、爬虫類、つまりペットショップで大変爬虫類が売られているということがありまして爬虫類が含まれたんです。しかし、国会の附帯決議では魚ですとかも、たくさん熱帯魚等が売られている現状等も省みて、次回の改正のときには再検討をするようにということが附帯決議に入っています。

    【岩槻委員長】 大矢委員、どうぞ。

    【大矢委員】 大矢でございます。皆さんが動物を原則輸入禁止というような表現をかなりされていらっしゃるわけですけれども、野生動物が禁止、山口さんは野生動物ということをおっしゃっていらっしゃいましたけれども、野生動物を禁止なのか、それとも繁殖されたもの、例えば小動物なんかで、そういった人工的に繁殖されたものまで禁止を訴えられているのか。それから、犬、猫やなんかの取扱いについては、どういうふうにお考えになっているのか、その辺ちょっと。野上さんと、山口さんと両者からお願いしたいんですが。

    【地球生物会議 野上】 繁殖個体の問題は、例えばワシントン条約のとき、非常にわずらわしいことになっていまして、本来は野生であるのに繁殖個体だと偽って入れてしまう。それがなかなか証明できないという事件が結構あります。それから、捨てられて野生化する場合には、繁殖個体であろうが、もともと野生であろうが関係がないので、原則として野生由来、あるいは野生の動物は輸入を制限するのが好ましいと私自身は思っています。

    【日本動物福祉協会 山口】 私も基本的には一緒ということです。犬、猫の件に関してはとおっしゃっていますのは、私どもの適正飼育というのも先ほど長嶺先生がおっしゃっていましたけれども、もう昔から私たちの方は、犬も猫もできるだけ屋内で飼いましょうというふうに言っておりますし、不妊・去勢手術は毎年二つの県を決めて助成金を出して、今もキャンペーン中ですけれども、キャンペーンを致しております。とにかく生まれて、もらい手のない子が捨てられるということが一番の捨て犬、捨て猫の問題になっておりますので、それを防止したいということで、実際お金も使ってやっているという現状でございます。

    【大矢委員】 私は野生動物を、動物園動物をペットにするということは反対の立場なんですけれども、例えばハムスターだとか、モルモットだとかそういうような小動物は、人と動物とのかかわり合いの中で、コンパニオンアニマルというような言葉も出てきますけれども、多くの人々が癒されているという現状もあるわけです。そういうことについては、どういうふうに考えていらっしゃいますか。

    【地球生物会議 野上】 ハムスターとかモルモットが逃げ出して日本で野生化するということは余りないではないかと思うんです。割合と死んでしまうということですから。ただ、人が今、動物に癒しを求めているということは、間違いのない事実ですし、飼育する人も大変増えています。そこに適正な飼い方、あるいは本来飼える動物なのかどうか、という判断がないために、このような乱脈なアナーキーというか、めちゃくちゃな状態になっているんだと思うんです。
     動物取扱業者の方々は、そういうことについてやはり責任があるのではないかというふうに私は思っています。

    【大矢委員】 確かにおっしゃるとおり、販売する側にとっても、きちんと説明をして、そして単なる商品ではない、生きているものなんだから、こういう飼い方をして、こういう餌をやって、こういうふうにしなさいよという説明をしなければいけない、そういうことが今、私どもの業界でも声を大きくして言っている最中なんですけれども、私は一つここで申し上げたいのは、例えば、テレビや何かで、一つの動物がかわいいといって取り上げられると。それがブーム的になる。売る方も、もちろん問題があるかもしれませんけれども、それを強く求めて、値段をつり上げてでもほしいといって、アメリカで今チワワがもう大量に処分され始めている、という現状があるんです。それは日本でテレビにチワワが出て大人気になったという情報がアメリカに行って、アメリカのブリーダーたちがチワワを物凄くくたくさん。ところが、もう日本ではチワワは下降気味になってきているというようなそういう現状があるんですが、そういうことについてはどんなふうにお考えですか。野上さん、どうですか。

    【地球生物会議 野上】 もう既にチワワ自身がその辺の街頭に、町に捨てられていまして、保護されているという状態になっています。ですので、一つのブームがあるとワッとそれを飼ってしまうという日本人の問題というか、先ほどから繰り返して言いますように、教育、普及啓発、正しい飼い方、飼い主の責任、そういうものが余りにも足りないということなんです。それについてやはりきちんとできるのは、この動物愛護管理法しかないんです。正しい飼い方、それからその動物の流通についてのコントロール。ですから、その動物愛護法できちんと飼い主責任、流通責任を問うような仕組みにしていかなければいけないのではないか、ということなんです。

    【大矢委員】 動愛法は確かにそういうふうに動管法から改正されて、前進していると思うんですけれども、残念ながらそれが一般の飼育されている人たちも含めて、啓蒙はされていないのではないかな。もっと一般の人たちにわかりやすく、例えば、先ほどもあったように、動物を捨てたら30万円罰金ですよとか、そういうようなことを果たして何人の人がそういうことを分かっているのか、そういうことを行政も含めてもっと啓蒙していかなければいけないのではないかなと思うんですけれども。

    【地球生物会議 野上】 それは、この法律の中に動物愛護推進員とか、動物愛護監視員を設けて、普及啓発活動を進めるというのがあるわけです。これに基づいて地方自治体がそういう制度を設けて、民間から公募して正しい飼い方を普及しようというところが、今、始まったばかりということです。法律が改正されてまだ3年しか経っていませんので、今後そういう方向に政策的に進めていく、プッシュしていくという方向が大切ではないかと思います。

    【大矢委員】 今、動愛法を見直そうという運動の中に、動物推進員を置かなければいけないという、置いてもいいから置かなければいけないというふうに変わってきているということで、各地方自治体でまだ置いていないところが、非常にたくさんあるということで、そういう現状もあると思うんですけれども、それはそれで私も賛成できると思うんです。
     それから、最後に私は他の厚生労働省の方でも申し上げているし、他のところでも申し上げているんですけれども、動物の輸入業者の登録制、許可制を訴えているんです、逆に。ということはなぜかというと、密輸等が非常に多い。例えば、ミドリガメなんかを輸入して、今はご存じのように自由に輸入できますから、縁日に出して売れなければ、そのまま捨ててしまうというような現状が見聞きされていると。そういうことをなくすためにも、きちんとした正しいというんでしょうか、登録ではなくて、許可制に持っていってもいいのではないかな、ということを私は訴えているということを申し上げて、私の質問を終わりたいと思います。

    【岩槻委員長】 他にいかがでしょうか。どうぞ、太田委員。

    【太田委員】 今までお三方がおっしゃられたことは、水道の蛇口を閉めるべきであるという点において、多分一つのこの外来種問題の根本的な解決につながることだと思いますし、先ほどもご指摘があったように、例えば子供の心が殺伐としてくるとか、そういうことと関係して、できるだけ命の尊厳というものを考える形で、いろんな対策というのは立てられるべきであるということも、まさにおっしゃるとおりだと思うんですけれども、今から蛇口を閉めて、これから増える部分については、それで食い止めることができると思うんですが、現実にやんばるにはあれだけの猫がいて、幸い猫は捕獲されて1頭も処分されずにきっちりと飼い主というか、管理者が見つかってそこで飼われているということなんですけれども、例えば、マングースの場合はそうはいきませんよね。それから、もう既に石垣島では、推定頭数何十万頭という数にオオヒキガエルが増えてしまっていますし、尖閣や伊豆諸島ではヤギが大量に繁殖して、在来の固有種も含めた植物をかなり壊滅的にしてしまっているという現状があるんですが、お三方に伺いたいんですが、具体的に今のっぴきならない状態になっていると、そういう状況に対して、どのようにすれば、先ほど、排除とか、駆除という言葉はいけない。私もそれが非常に安易に使われる状況というのは絶対よくないと思うんですが、それが繰り返されてしまいますから、それで最後は解決すれば済むという考えで、無用な殺生が繰り返されるという意味で、それはいけないと思うんですが、しかし、一方で現実にそういう状態がもうあちこちで生じている。北海道のアライグマもそうですが、そういうものに対する対策。どうしても最終的には捕獲という形になってしまう。それもその飼い主のあてのない捕獲です。管理者のあてのない捕獲が多いですから、それがどういうことになるかという行き先が見えていると思うんですが、そういうことに対してはどういうふうに考えられますか。お三方のご意見を伺いたい。

    【ヤンバルクイナたちを守る獣医師会の会 長嶺】 おっしゃるように、確かに本当に現実問題としては、やんばるの中でもマングースが非常に大きな問題として上がっています。現在、実際捕獲されていますけれども、非常に難しいところがありまして、例えば、捕獲して単純に言いますと、収容したくても、人獣共通伝染病、サルモネラ、それからレプトスピラ、こういった問題が横たわっています。非常にしかも高確率で感染していると。これを安易に一般の方に里親に出すということも難しいと思うんです。
     結局、今は殺処分もしているということなんですが、専門家だけではなくて、やはり市民も交えて合意形成を得てからどうしていくことなのか。原則、殺処分というところからスタートするのではなくて、やはりそういったところからスタートしていかないと、この問題は根本的には解決できないのではないかと。オオヒキガエルなんかも、行けば幾らでもいます、石垣島なんか。こういった動物を種毎、種毎できちんと議論をしていくことが、やはり必要ではないかと私は思います。

    【日本動物福祉協会 山口】 私どもの協会も長嶺先生と基本的には一緒で、どんな状況であれ、やはりその動物の人道的取扱いということに関しては、譲ることはできないということが基本原則です。

    【地球生物会議 野上】 やはり先ほどの話に何回も出てきますように、情報公開と議論と合意形成。そういう下でみんなが理解してこういう方法が必要だということをみんなが納得していくということが、非常に重要ではないかというふうに思うんです。
     現在の社会で野生動物、あるいは生態系の保全に反対などという人は、ほとんどいないと思います。ただ、そのやり方についての議論が起こるわけであって、それがちゃんと正しい、合理的な、あるいは客観的な形で情報が公開されて、これしかないんだということが理解できれば、そんなに難しい問題ではないのではないかと思います。
     それから、どんなときにでも助けたいという人がいるのであれば、助けるためにはどういう方法があるかを、むしろそういうところから意見を出してもらって、その人たちの気持ちを救えるような方策を考えていく、代案を出していくことも必要ではないかと思うんです。そういう手続の問題ではないかと思うんです。

    【岩槻委員長】 よろしいですか。どうぞ、太田委員、続けて。

    【太田委員】 ただ、例えば、先ほど長嶺先生が出された、グアムクイナのケースだと、ヘビが見つかり出してから鳥が全くいなくなるまでに25年か、せいぜい30年しかかかっていないんです。それは例えば、離島、固有種が非常にたくさんいる離島に放されたヤギが、そこの植物を食べ尽くしてしまうのにかかる時間も、かなりそれとコンパーブルな、それに相当するような時間というのが予測されていますし、ですから、もちろん合意形成も重要ですし、一部の専門家だけで決めてしまうのではなくて、というのは確かに社会的には非常に大事な内容だと思うんですけれども、本当の意味で、例えば、沖縄で猫、マングースの捕獲が決まったときに、多くの方がそれが主な原因となっている証拠を見せろということを随分おっしゃったんです。それはちょっと話の脈略は随分違いますけれども、ブラックバスに関しても議論の中で、あれが固有の淡水生物層を破壊しているという証拠を見せろということをおっしゃる方が多いんですけれども、現実問題としては、グアムの例でも、ヤギの例でもそうなんですけれども、証拠を見せる、そしてもう十分に議論を尽くして、合意形成を試みる間に手遅れになってしまうということは、僕は十分あり得ると思うんです、現実問題として。そのところは、私は余りゆっくり構えていられないのではないかな、という気が個人的にはしています。

    【岩槻委員長】 特に説明者側の方からは、それに対するコメントはございませんか。

    【地球生物会議 野上】 議論をしていて時間がかかるということではなくて、本当にそれが正しい解決であれば、そんなに時間はかからないのではないかと思うんです。その議論をしていつまでも経って2年も3年もというのが、むしろ今までのやり方であって、本当に早期に解決しなければいけないときは、素早くやる必要があると思います。
     でもそのためには、やはりきちんとした手続で、みんなが納得して賛同できるような仕組みを作っておかなければ、長い目で見たときに成功しないということを申し上げたいんです。

    【ヤンバルクイナたちを守る獣医師の会 長嶺】 やはり、私もその件に関しては同じ意見です。ただ、先ほど大矢先生がおっしゃった、どれだけの国民が捨てたら30万円の罰金かということが分かっているかということもありました。ただ、現実は捨てたらいけないということを知っていても、それが例えば、特に犬なんかは監察があれば、それを外して捨てるんです。そうすると、捨てた人がこれから後どれだけたくさん出ても、今の現状では、その人を摘発することは到底無理な現状がある。そこもきちんと抑えないと、やはり個体識別、飼い主責任の明確化という部分をきちんとしていくこと。それから、安易に飼えない状況を作り出すことが、大切ではないかなと思います。

    【岩槻委員長】 大矢委員、どうぞ。

    【大矢委員】 今のご指摘の問題に関して私どもの方は、マイクロチップをもっと簡単なもので、安価なもので、それからリードもどれでも共通にできるようなものができれば、マイクロチップの導入を考えたらどうだろう、ということを業界の方でも真剣に考えているんです。
     それと同時に、マイクロチップよりも、もっと違った形のものでできるのであれば、それがいいだろうということで、今、検討をしている最中なんです。それができれば輸入、それから販売、それから末端、すべて追っかけていくことができる。これは移入種の問題だけではなくて、感染症法の問題からも何かあったときには、その一群が全部抑えられるというようなことも併せて今、検討している最中です。

    【岩槻委員長】 鷲谷委員。

    【鷲谷委員】 太田さんとやり取りのあった点についてなんですけれども、外来種に関する研究をしている研究者は、やはり外来種対策は時間が勝負だということを強く感じているわけです。というのは、今年だったらまあ多少の労力で問題を解決できるんだけれども、1年たつと20倍の労力をかけなければならない。3年たったらそれが1,000倍以上になるかもしれないということを常に、そういう問題を目の前にしているものですから、つい言葉も余り気にせずに、ちょっと嫌なイメージの言葉と受け止められたような言葉を使ってしまったりもするんですけれども、恐らくそのこと、そういう外来種問題というのはそういう問題なので、あるいは野生の生物、外来種も含めて、生体というのはそういうものだということを私たちがきちんと説明をしていく責任があるんだと思います。それをもう少し頑張れば、外来種対策にそんなに時間はかけてはいられないということを、広く合意形成することにつながるのかなと思います。まだまだ研究者の方も努力不足なのではないかと反省しました。

    【岩槻委員長】 小林委員、どうぞ。

    【小林委員】 最初のペーパーの中で、撲滅とか、根絶とか、排除とか、駆除とありました。私も何となく使っているし、意味合いとしては割と受け入れていたんです。
     一方で動物を駆除するとか、撲滅するとかというと、何か非常に宗教的な嫌なイメージが湧くというのか、何か私の父、母から教わってきたことと違うような感じがしたりと非常に複雑な感じがしていました。
     そして、先ほど、言葉の一人歩きみたいな感じが問題だよと。ですから、やはりここで大事になるのは、教育、子供も含めた、または若いお母さん、お父さんも含めた部分での教育がかなり必要であると。これをもっともっとやはり徹底しなければだめだと。
     その一方で、先ほどから、出ているように、即それこそ捕獲したり、駆除したりしなければならない作業もあるわけです。ですから、その両面から行かなかければならないので、どうしても片方では教育があって、片方では捕獲するということが両面作戦で行かないと、合意形成だけに時間をかけていても、これまた大きな問題があるというふうな感じがします。
     もう一方では、輸入する、またはそういうものを持ってくるものの許可制、これをもっともっときっちり、または罰則規定を厳しくするとかというふうなことが必要ではないかと。全く変わった意見で申し上げますと、最近は飲酒運転すると30万取られる。これはもう常識のように日常会話で話しています。ところが、動物がどうのこうの、放したら30万というのはほとんどの方が言わない。これはやはり逆に言うと、PR不足というような感じもします。これはこれに関係する、多くの方に、そういう機会を多く与えるということが大切なのかなという感じがします。
     一方で、環境省さんが何かをやるというと、撲滅だ、排除だというと、そのタイトルがバーンと表に出てしまうと、新聞の黒字がそこへ行ってしまうと。そうすると、何か悪いことをするとか、いじめているとか、そういうことになるので、例えば、新聞だとか、雑誌だとかそういうマスコミも含めて、なぜそこに必要なのかというようなことをもっと国民に広く普及といいますか、指導といいますか、そういう意味での啓蒙活動をしなければ、変な愛護だけとか、変な何か宗教的な発想だけとか、ということにとられてしまうというふうな気がします。そういう点では、かなり多方面からそういう指導、教育をしていかなければいけないのかなというような感じがしています。
     以上です。

    【岩槻委員長】 鷲谷委員、どうぞ。

    【鷲谷委員】 両方の問題でちょっとむしろ教えていただきたいと思うんですけれども、私たちこういう言葉はテクニカルタームとして、翻訳語として使って、余りその言葉がどういうふうに受け取られるかということまで思いをいたすことができなかったんですが、どんな言葉だったらコミュニケーションがスムーズに行くと思われますか。同じようなことを表現するとしてですけれども。

    【地球生物会議 野上】 撲滅という言葉は殴って滅ぼすというような、そういう言葉が使われるんですが、これはやはり社会的にもいい言葉ではないと思うんですけれども。生態系から排除するということであれば、分かりやすいと思うんです。排除することはイコール殺すことではないと。あるいはそこで殺したくない人も、では参加して、あなた自身なら生かす方法をどういうふうに考えますかという手続を設けるということだと思うんです。
     駆除という言葉は既に鳥獣保護法では、有害鳥獣駆除という言葉をなくして、有害鳥獣捕獲という言葉に変えたくらいです。
     それから、屠殺場という言葉、これも屠殺がよくないというので、平仮名で「とちく」になってしまっているわけです。それがいいか悪いかは別問題として、やはりその言葉が持つ社会的イメージに対して、配慮を必要としている時代になっているのは間違いので、もう少し正しい用語で、しかし誤解を与えない、そういうのをぜひ考えていかなければいけないというふうに思っています。

    【鷲谷委員】 ちょっとお伺いしたいと思うんですけれども、こういう言葉を使って、努力のあり方というのも表して、根絶だったらもう1個体も残らないようにしようとか、そういう面もありますので、そうしたら、生態系の排除とか、生態系からの完全排除とか、そういうような言い方だったらよろしいでしょうか。アクションを分類しないといけないということもありまして、いろんな言葉の使い方をしているんですけれども。

    【地球生物会議 野上】 生態系に被害が出ているときに、そこから排除すべきだということに反対の人は余りいないのではないかなと思うんです。それくらいは、やはり社会全体が認めていると思うんです。その排除の仕方を議論すればいいのではないかと思うんですけれども。

    【岩槻委員長】 大体予定している時間になったんですが、どうしてもこれだけはというご発言がもしあれば。石井委員、どうぞ。

    【石井委員】 長嶺さんに聞いたらいいのかな。猫の話が重点的にされていましたけれども、犬というのもやはり同じようなことになっているんでしょうか。

    【ヤンバルクイナたちを守る獣医師の会 長嶺】 やんばるでは、犬は実は捨てられる数は多いんですが、猫ほどの狩猟能力がないということがありまして、あとは非常に人間についていきます。ですから、しっぽ振ってそのまま捕獲されてしまうとかということがあります。
     とは言っても、まだ確証は得られていないんですけれども、新聞をひもといていくと、犬に襲われていたヤンバルクイナとか、そういった事例は実際はあります。

    【石井委員】 それから、安田区の取組みですか、沖縄本島ばかりではなくて、例えば、西表とかいろんなところで問題になっていると思うんですけれども、そういう他の島での取組みというのはあるんでしょうか。

    【ヤンバルクイナたちを守る獣医師の会 長嶺】 私たちの会ではないんですけれども、九州地区の獣医師連合会で作っている、ヤマネコ保護の協議会がありまして、そちらの方では対馬と西表の方で不妊手術の活動、それから普及啓発の活動、あとは登録制度の活動、そういったことを毎月毎月島に、無獣医村ですから、両方とも、そちらの方に行ってそういった活動をしています。

    【石井委員】 それから、最後にお三方にお聞きしたいんですけれども、私のうちも猫を飼っていまして、それで庭に出すときには首輪か何かつけて出ないようにしているんですけれども、それでも脱走するんです、家の中から。
     例えば、猫を虐待的でなく飼おうと思ったら、家の中で、やはり首輪をつけるなんていうのはよくないのではないかと思うんですけれども、脱走という概念と捨てるという概念は、動物愛護法でどうなっているのか。脱走しないように虐待でないように飼うというのはできるのかというのをちょっとお聞きしたいです。

    【岩槻委員長】 はい。

    【動物愛護管理室長】 動物愛護管理室長の東海林でございます。よろしくお願いいたします。
     確かに脱走、逸走と遺棄といいますか、放置についてはなかなか難しいところがございます。簡単に申せば、ある意図を持って放置するといいますか、野外に放置する、つまり放逐するといいますか、飼うことの責任をそこで止めてしまうというところが遺棄に当たりまして、脱走、逸走の方は過失的なところがあるというようにお考えいただければいいのではないかと思います。

    【岩槻委員長】 石井委員、よろしいですか。

    【石井委員】 問題はやはり脱走でも遺棄でもどっちでもいいんですけれども、外に出られると困るわけなんでして、そっちの後の方の質問でちょっと聞きたいんです。

    【日本動物福祉協会 山口】 猫の方も、私たちは室内飼いを奨励をしているわけですけれども、十分室内で、そのかわり猫は犬よりも三次元的に動きますから、その辺の猫の習性をよく理解して、その習性を発揮できるような家具の配置とか、いろいろ考えられた上で室内飼いはできます。私も今飼っている猫は外でつかまって、大人でつかまって、3歳ぐらいでうちに来た。2頭ともそうなんですけれども、それからでもずっと家の中だけで飼っておりますけれども、十分馴れておりまして外へは出ません。大概の管理でそれはできると思いますけれども。

    【岩槻委員長】 どうぞ、鷲谷委員。

    【鷲谷委員】 ちょっと違う問題になるんですけれども、法律ではどの範囲までが動物ということがあるんだと思うんですが、今日お話になったことは、分類群に限定される話でしょうか。それともあらゆる生き物ということなんでしょうか。外来種問題、あるいは動植物の扱いでいろんな管理が必要になってくると思うんですけれども、それを分類群で区別しなければいけない面と、あらゆる生命といって一緒に扱う分とあるかもしれないんですけれども、愛護等をお考えの方たちは、その辺りどういうふうに整理していらっしゃるのか、ちょっとご意見を伺いたいと思います。
     私たちはどちらかというと、一つの原始的な細胞からすべての生物が進化してきたということで、人も細菌も同じ生き物という見方をしがちなんですけれども。

    【地球生物会議 野上】 法律が、動物愛護管理法では鳥類と哺乳類と爬虫類ですが、問題が起こっている動物については、例えば、条例でその範囲を広げている場合もあるわけです。例えば、危険動物であればもっと範囲を広げて毒グモとか、サソリとかも危険動物として飼育を許可するか、あるいは禁止しなければいけないと思うんです。移入種については、今後リスク評価等がされますので、事前にリスク評価をされた昆虫類や魚とかについては、飼育規制をするべきです。
     それから、希少動物についてはそれなりのもっと幅を広げて植物も含めるとか、それぞれの法律の目的によって、それぞれの対象とする動物、あるいは植物の範囲を決めなければいけない。しかし、飼育している動物、生き物について、現実に誰が行政で保護管理できるかと言いますと、今のところやはりそれは動物愛護行政の担当ではないかと思うんです。
     例えば、この移入種法が地方自治体に下りたときに、鳥獣保護法の担当の人ができるかというと、恐らく何のノウハウもありませんし、そういう方々がペットショップに行って動物を見分けたり、これはどうとかっていうことは大変なエネルギーのロスになると思われます。そういう意味で、現実にこの動物愛護法が所管している地方自治体は、大体、生活衛生課というところで、公衆衛生ですとか、感染症対策とか、食品衛生とかもやっているんですけれども、そういう観点で動物の愛護もやっているんですが、ここが一番人員もいますし、経験もあるので、そういうところでやってもらいたいと。

    【鷲谷委員】 すみません。私の説明が不十分だったのでお聞きしたかったのが、動物の福祉とか、愛護といった場合に、こういう分類群での差というのをお考えになるのか。本質的な問題としてです。法律は、今はそうかもしれませんけれども、それぞれ個人的なお考えでもいいと思うんですけれども。

    【岩槻委員長】 鷲谷委員がおっしゃっている、その生命の生き物ということと、動物愛護というのとは違う概念なんじゃないんでしょうか、僕自身はそういうふうに今のお話からも伺えるんですけれども。

    【鷲谷委員】 その動物愛護とか、動物の福祉ということが、対象が分類群である程度限定されるのかどうか、ちょっとお考えを伺いたい。

    【岩槻委員長】 説明者の方からそうしたら、どなたからでもコメントをいただけますでしょうか。

    【地球生物会議 野上】 動物愛護法の趣旨が動物虐待を防止するということにあるので、痛みですとか、苦しみですとかそういうものについてです。

    【鷲谷委員】 では、神経系の動物ということを基礎にしていらっしゃるわけですね。

    【地球生物会議 野上】 いらっしゃるというか、法律上はそうなっているのではないかと思っているんですが。

    【岩槻委員長】 特によろしいですか。

    【日本動物福祉協会 山口】 私どもにしますと、やはりすべての命ということなんですけれども、英国の実験動物の方の規制している法律の中でも、胚の分割の段階で、これ以上の胚の分割したものについては、その法律に係るというふうな書き方されておりますので、海外においてはその辺りから概念の中に入れているというところもあると思います。

    【岩槻委員長】 よろしいですか。多少時間が押してきているんですけれども、特にご発言がなければ、これでプレゼンテーションを終わりにさせていただきたいと思うんですけれども、よろしいでしょうか。
     それでは、野上さん、山口さん、長嶺さん、貴重な時間をお割きいただきまして、どうもありがとうございました。ご説明いただいたことをできるだけ委員会での議論に生かしていきたいと思います。どうもありがとうございました。
     それでは、多少時間が押してきておりますので、10分間休憩をさせていただきたいと思います。45分ぐらいからですか。
    休憩 午後3時35分
    再開 午後3時45分

    【岩槻委員長】 時間ですので再開させていただいてよろしいでしょうか。それでは、お約束の時間になりましたので、再開させていただきます。
     一番最初から多少ずれ込みはしましたけれども、この小委員会としましては検討結果に関して11月に報告を取りまとめるというそういう予定で、10月には中間報告案の検討を終えて、パブリックコメントを求めるようなことをやりたいというふうに、スケジュールを皆さんにもご了解いただいていると思います。
     次回10月2日に委員会を予定していただいているんですけれども、そのときに中間報告をまとめるというその前段階として、前回、少し議論をしていただいたんですけれども、今日はその中間報告案の基本的な考え方について議論をして、それから1カ月ほどの間に肉付けをしていただいて、中間報告案そのものを検討したいという、そういうふうに進めさせていただきたいと思っておりますけれども、まずその報告案の考え方について、事務局からご説明をお願いしたいと思います。

    【生物多様性企画官】 それでは、資料1に基づきましてご説明をさせていただきたいと思います。座ったまま失礼をさせていただきます。
     移入種対策小委員会中間報告案の考え方(案)ということでございまして、中間報告に盛り込むべき内容の考え方を、大まかに骨格として、整理をしたものというふうにご理解をいただければよろしいかと思います。
     大きく1、移入種の現状と問題ということと、裏のページになりますけれども、2、移入種対策に関する措置の在り方ということで、今、何が起こっているのか、どういう問題点があるのかという現状なり、問題なりを述べる部分と、今後、必要となる措置の考え方、具体的な措置の内容の在り方という、大きく2部構成という形にしてございます。
     移入種の現状と問題の1番目、移入種とは何か。定義の議論でございます。移入種の定義、なかなか難しいところもあるかと思いますけれども、ここでは移入種とは、自然分布域に移入された、または移入される種で、当該自然分布域の在来種のいずれにも属しない種をいうと。
     在来種につきましては、日本国内において生態系の構成要素となっている日本産の種をいうと。ただ、実体的に在来種を捉えるのは非常に難しい部分がございますので、ここでは実体にどう捉えるかということで、日本産の種のリストの中から、概ね明治時代以降に導入されたと推定される移入種を除いた種という実体的な捉え方について付け加えてございます。
     2番目といたしまして、我が国における移入種の状況でございます。
     我が国で確認されている移入種、これは参考資料の方にある程度の種数ということで載せてございますが、これは環境省が昨年まとめました「移入種の対応方針について」の中に載っている資料を、ここに掲載してございますけれども、脊椎動物で108種、昆虫類で246種、維管束植物で1,553種という種数が挙げられてございます。
     それから、移入種の定着について見てみますと、例えば、昆虫類で見ますと、定着種数というのは非常に増加の傾向にあるということがわかります。これは同じ参考資料の2ページ目に、日本に侵入した昆虫種数の過去100年間の種類数ということで、資料を載せてございます。
     移入種が定着から一定期間を経過した後、急激に分布を拡大するようなことがあるということも言われてございます。
     それから、我が国への生物の持込み実態でございますけれども、平成14年貿易統計によりますと、脊椎動物で年間約190万頭、そのうちの4割がカメ目、げっ歯類が占めているということでございます。
     また、植物については、繁殖用の種、果実及び胞子の輸入量ということで見ますと、約8.4万トンとなっております。
     それから、(3)移入種による問題点でございます。
     移入種による影響ですけれども、生物多様性への影響、それから人の財産等への影響、人の健康への影響というような問題が指摘されてございます。
     生物多様性への影響の中身といたしましては、在来種の捕食、それから在来動植物種との競合・駆逐、土壌環境の攪乱、あるいは交雑等による遺伝的な攪乱等といったことが指摘されております。
     この移入種の導入の経緯でございますけれども、天敵あるいはペット、家畜、緑化植物等への利用を目的として意図的に導入される場合と、人や物資の移動に伴いまして非意図的に導入される場合があります。この移入種の導入の経緯につきましては、同じ参考資料の7ページに幾つかの種類につきまして、導入の経緯を整理した表を付けてございます。
     (4)移入種に対する取組みの現状と課題ということでございます。
     平成13年12月に総合規制改革会議の答申が出されておりまして、その中で外来種による悪影響を回避するための仕組みの整備ということが明記されております。
     また、昨年3月に決定をされました、新・生物多様性国家戦略におきましても、移入種問題は生物多様性の三つの危機の一つであるということで、その対策を進める旨が記述されております。これにつきまして、同じように参考資料の9ページに関係部分の抜粋を付けてございます。
     それから、平成13年の内閣府の世論調査でございますけれども、移入種問題について認識をしている人の割合ということで見ますと、国民の関心度合いで見れば知っている人の割合は相当高いことが言えるかと思いますけれども、一方で年齢別には、若い世代の方では知っている割合が非常に低いということもございまして、移入種問題に関する認識というのが、一般的に幅広く浸透しているとまでは言えない状況があるのではないかということでございます。
     これら、海外から持ち込まれる動植物に対しましては、既存の法制度でも幾つかの制度がございます。これは参考資料の13ページに各法令による動植物の規制についてということで、一覧表を載せてございますけれども、例えば、感染症法、あるいは植物防疫法等におきまして、それぞれの観点からの動植物の規制等がございますが、これら各既存の法制度につきましては、生物多様性の保全ということは、目的には入っていないのが現状でございまして、そういう観点からも生物多様性の保全をも観点に入れた新たな包括的制度が必要であるこということが、当委員会でも指摘をされているところでございます。
     移入種対策に関する措置の在り方でございます。
     (1)基本的考え方。移入種対策そのものをどういうふうに考えていくのかということでございますけれども、まず原則的な考え方といたしまして、生物多様性条約の指針原則にも位置付けられております予防、早期発見・早期対応、それから防除といった考え方を基本的な考え方とすべきではないかということでございます。
     その際、移入種につきましては、海外から入ってくるものだけではなくて、国内での自然分布域外への移動ということもございますので、そういった移入種の全体像を視野に入れて対応策を検討すべきであろうと。
     3番目といたしまして、既に多くの移入種が我が国に持ち込まれておりまして、それが定着して顕著な問題を生じているケースもございます。また、顕著な影響までは生じていないけれども、注意深く監視していくことが必要なケースもございます。さらに、今後、新たに導入するに際してチェックが必要なものというものもあるだろうということで、移入種によりまして、それぞれ取るべき対策というものに幅があるのではないかということでございます。
     それから、4点目といたしまして、この移入種対策につきましては、公共的な団体だけではなくて、動植物を扱うすべての主体が移入種に係る問題を認識し、それぞれの立場で必要な対処を行えるようにしていくということが、重要ではないかということでございます。
     (2)制度化を検討すべき事項でございます。
     これは、今までの小委員会で関係者の方からも、いろいろ仕組みについての原則的な考え方等を示してきたところでございますが、それをちょっと包括的に整理をしてございます。
     1点目といたしまして、既に定着し顕著な問題を生じているか、あるいはそのおそれが高い移入種については、徹底的な管理が行えるようにすべきではないか。また、必要性に応じ、計画的に防除を実施するようにできる体制をとっていくべきではないかということでございます。
     2点目といたしまして、我が国に意図的に持ち込まれる移入種につきましては、あらかじめ当該移入種の生態、あるいは利用形態等から見て、生ずる可能性のある生物多様性等への影響が評価をされ、その結果を踏まえて持ち込みが実施されるようにすべきではないかということでございます。
     3点目といたしまして、我が国に意図的に持ち込まれた移入種あるいは非意図的に持ち込まれた移入種、両方含めまして、生物多様性等への影響が懸念されるものについては、その状況を監視し、問題が生じた場合には早期な対応がとれるようにすべきであるということでございます。
     4点目といたしまして、固有種が多く生息するなど、特に移入種に対して脆弱である地域に関しては、別途、当該地域の特別な管理ができるような仕組みというものを考えるべきではないかということでございます。
     それから、5点目といたしまして、普及啓発あるいは調査研究の推進が重要であるということでございます。
     (3)制度化に当たって配慮すべき事項。
     一つ目といたしまして、既存の他制度、1の最後のところで申し述べましたように、今既に動植物に関し、移入規制等の制度がございますので、そういった他の制度との整合性、あるいは連携・協力体制の構築といったことに留意が必要ではないかと。
     それから、2点目といたしまして、今日のヒアリングの中でもお話がありました防除に当たって、動物愛護の観点に配慮が必要であるということでございます。
     以上が資料1、それから参考資料についてのご説明でございます。

    【岩槻委員長】 どうもありがとうございました。
     前回のまとめを多少修正してこういうふうに要点をサマライズしていただいたんですが、重要なことで欠けていることとか、問題があるとかというようなことがありましたら、是非発言をお願いいたします。
     阿部委員、どうぞ。

    【阿部委員】 2番目の移入種対策に関する措置の在り方のところの(2)の丸の二つ目ですが、これはちょっとこの書き方ではよくわからないんですけれども、要するに移入しようとするものを少なくとも全種類を対象にしないと、それは何か特定の在来種、特に土着種とか、あるいは人間に対して影響があるかどうかということ、もちろんそれがこれに対象になっているんだと思うんですが、本来の生物多様性保護という観点は、移入種の存在そのものが問題だということになっているわけですから、少なくとも全種類を対象にしないといけないと私は思うんですが、それで、だからそれの評価をすべきだというふうに思いますが、その点はこの文書の中ではどういうものが意図されているのかということをお聞きしたいんですが。

    【岩槻委員長】 事務局からどうぞ。

    【生物多様性企画官】 まずこれは移入種の定義のところの(1)に書いてございました。今、ここの制度化で想定しておりますのは、例えば国内から国内に行くもの等を含めた言葉として、この移入種という言葉が一応定義されておりますけれども、制度を考えるに当たっては、どこまでそれが踏み込めるのかということが、一つの焦点になるのではないかと思います。そういう意味で、移入種のうち特に海外から来るものについては、もちろんどういう種類を対象にするのかという観点で言えば、基本的には全種類をリスク評価の対象にすべきであろうということが、この委員会でもずっと指摘を受けていることでございますので、一応基本的な考え方はそういうことであろうと思います。
     ただ、定義のところでございますように、実態的にどれが移入種であるということが特定できるか、できないかというのは一つの問題点としてございます。これは今までの委員会の中でもご説明をしているところだと思いますけれども、在来種のちゃんとした種のリストができているかどうかとか、あるいはその中で移入種がどれくらい既に国内に定着しているかということがわかっているかどうかとか、個別の分類群ごとにその状況を見ながら、対象となるものを見ていく必要性もあるかというふうに考えているところでございます。

    【岩槻委員長】 よろしいですか。

    【阿部委員】 そうしますと、とにかく例えば、外国から輸入されるものは当然すべて対象になるというふうに理解していいわけですね。

    【生物多様性企画官】 ここで言っておりますのは、意図的に持ち込まれるものとして、持ち込もうとする際に、その移入種が持っているリスクの評価がされた後でなければ、持ち込まれないような仕組みを考えていこうと。

    【阿部委員】 先ほどからもたびたび問題になっておりますペットで今、自由に輸入されているものは膨大な数があるわけですが、そうしますとそれは全部対象になるというふうに理解してよろしいんでしょうか。

    【生物多様性企画官】 ペット利用かどうかというような目的には、関わりなくということになると思います。

    【阿部委員】 わかりました。

    【岩槻委員長】 鷲谷委員、どうぞ。

    【鷲谷委員】 移入種の定義ですけれども、括弧の中を亜種、変種、又は遺伝的に識別可能な系統というふうにした方が、今、問題になっていることに広く対処できる、クリプティクインデーションと言われて、亜種とか、変種とか分類学的には区別できないんだけれども、海外系統が入ってきて、外来種的な振る舞いをするということが起こり始めていると思いますので、それの方がいいと思います。抜けがないということです。

    【岩槻委員長】 おっしゃるとおりです。正確にはそういうことですね。
     その他いかがでしょうか。加藤委員、どうぞ。

    【加藤委員】 ちょっと先に聞きますけれども、移入種による問題点のところですけれども、今日も話題になっていましたけれども、くっついてくる病気とか、くっついてくる生物は、これはどこに入るのかなということをちょっと思いまして。非意図的に入る生物ですけれども、その移入種にくっついて入ってくる生物のことをどこでどういうふうに読むのか。

    【鷲谷委員】 一言、言っていいですか。それに関してなんですけれども、こうした方がいいのではないかという、先ほど、生態系の多様性の影響というのを見たときに、その問題がこれまでの議論の中ではあったと思うんですけれども、ここには明示されていなかったので、競合・駆逐の間に、病気や寄生生物の持ち込みというのを一言入れておいてもいいんじゃないでしょうか。何を例にするかは。どうしてこうちょっと迷うかと言いますと、他のものよりはデータできちんと研究されている事例が多くないんです。ですけれども、関心を持たれていまして、だんだんデータも増えてきていると思います。データがあるもの、アライグマはいいですか。イヌ科の恐らく移入種は、イヌ科の在来種に病気を移す可能性があると思いますし、あとセイヨウマルハナバチの病原性のダニの持ち込みなどがわかっていますね。

    【岩槻委員長】 (3)の二つ目の丸の2行目の最後のところに付け加えるということですね。

    【鷲谷委員】 駆逐の後ぐらいで。

    【岩槻委員長】 加藤委員がおっしゃっていたのは、それはそれなんですけれども、もうちょっとバクテリアとかそちらの側、ついて来た方のことではないんですか。

    【加藤委員】 同じです。

    【岩槻委員長】 同じでよろしいんですか、はい。
     他にいかがでしょうか。大塚委員、どうぞ。

    【大塚委員】 私は法律関係なので、2の措置の在り方のほうがすごく気になりますが、(2)の制度化を検討すべき事項というふうに、非常に一般的な書き方がしてあるので、ちょっとよくわからないところが多いように思いますけれども、特に防除の方の話は、前回もしたところですので、恐らくそれが引き継がれているんだろうと思うんですが、二つ目の意図的に持ち込まれる移入種についての予防について、ちょっとこれだけではよくわからないような気がします。これは恐らくこれからまだ追加されるということなんでしょうか、あるいはこれでもうおしまいということなんでしょうか、ちょっとその辺がよくわかりませんが、例えば、リスク評価のようなことをするのは誰かという問題ですが、これは恐らく行政が考えられているのではないかという気もしますけれども、そこはどうかという問題とか、あるいは防除について計画を立てるときに、輸入した人とか、あるいはいろんな主体が関わるという話が前回も出ていましたけれども、移入種を輸入した人というのは、予防のところでは極めて大きな役割を果たすべきだと私は思っていますが、その辺はどういうふうになるのか。つまり、誰が評価をするかですとか、誰が計画をするのかという辺りが、非常に大きな問題ではないかと思いますが、その辺はどういうふうにお考えなのかをちょっとお伺いしたいということです。

    【岩槻委員長】 先ほどの阿部委員の質問の中にもそういう意味があったのかと思いますけれども、もう少し具体的にここのところをもしご説明いただけるのなら、お願いできますでしょうか。

    【生物多様性企画官】 現時点で制度的にどのような仕組み方ができるのか、ということについては、並行して内部で検討しているところでございます。そういう意味で今のリスク評価をどういう形で、つまり誰が評価をするのかというところについても、先ほどのどういう種を対象にするかというところも併せてだと思いますけれども、まだ少し検討中というのが現状でございます。それから、この防除の方の計画の主体ということについても、基本的には同じでありまして、対応すべき種によって計画主体をどういうふうに考えたらいいのかということであろうかと思いますので、そこも今少し検討をしている最中という状況でございます。

    【岩槻委員長】 大塚委員の方からこうしたらどうかなみたいな。

    【大塚委員】 個人的な意見を申し上げておきますが、防除の方は恐らく行政がかなり絡まなければいけないし、いろんな主体が絡む必要が非常に出てくるんだろうと思うんです。その地域の問題ということになりますので、先ほどもいろんなご議論があったようですし、防除の方はそうだと思いますが、予防の方は、正にこれから入れるかどうかという話なので、入れようとしている人の責任というか、役割というのが物すごい大きいと思うんです。そこは防除と予防は少し役割分担が違ってくるのではないかということを特に申し上げておきたいと思います。
     つまり、入れなければ、輸入をしなければいろんな問題は発生しないわけですから、そういう意味では正に入れようとしている人が大きな役割を果たさないといけないというところがあるだろうというのが、これは私の意見ですけれども、申し上げておきたいと思います。

    【岩槻委員長】 どうぞ。

    【審議官】 制度的なことは正に検討中ですけれども、おっしゃるとおり輸入業者等に届出を出させて、それで審査をするというような形を取るとすれば、その届出自体も一つの法的な義務ですので、ただ抽象的に外国のものだからということで済むのか、もう少し蓋然性として、多様性に対する影響を持ちそうな何らかの条件を付して義務付けるのか、恐らく法的に言うと何らかの蓋然性があるから義務付けるという形になるのではないかと思うんです。その場合はですから、そういう業者の義務を課すときのメルクマールという意味と、それからもう一つは、そういうメルクマールを決めること自体一つの評価でもあるという部分がありますので、その辺の具体的な対象をどう絞り込むかという辺りは、もう少しよく考えてみたいと思いますが。

    【岩槻委員長】 太田委員、どうぞ。

    【太田委員】 2の対策に関する措置の在り方の制度化のところ、(2)の一番最後に、非常に簡単に普及啓発、調査研究を推進すべきことというふうに書いてあるんですけれども、ここは今日はその議論が出ましたし、それから前回もそういう議論が出たんですけれども、かなりやはり広い意味での社会に対する普及啓発ということと、それからある意味より固定化して、より効果的だと思われる、例えば小学校における環境教育とか、そういったそれは多分文部科学省と調整しながら制度化をしないと、環境省さんの方だけではいけないのかもしれないですけれども、そこは少し区別して、両方きっちりやるというような形にした方がいいと思うんですけれども。社会教育というだけではなくて、学校教育でもきっちり扱うような、まさに今カリキュラムとしては環境教育というのはあるようですので、それを充実させるというような何か姿勢をここで入れておいた方がいいと思います。

    【岩槻委員長】 課長、どうぞ。

    【名執野生生物課長】 今日の段階では、中間報告案に盛り込むべきものの考え方の案をお示しして、どんなものが重要なもので抜けていないところがないかどうかとか、あるいはここの考え方は違うのではないかというようなご意見を伺い、今日のご意見を基にして文章化をしていきたいと考えておりますので、今の太田委員のご意見はそのときに考えていきたいと思っております。

    【岩槻委員長】 もうちょっと後でと思ったんですけれども、今後の進め方としては、今日この基本的なことについて議論をしていただいて、その議論を踏まえて事務局の方でこれに肉付けをした中間報告案のようなものを、今度10月2日が委員会の予定なので、その半月前ぐらいには各委員のところにお届けいただいて、それでそれについてのコメントを集めて中間報告案に持っていきたいという、進め方としてはそういうふうに事務局の方でも検討いただいているということなんですけれども、そういうことを前提にもう少し議論を詰めていただけたらと思います。
     ですから、今のように具体的にこういうことを盛り込めというのも、今ご発言いただいておいた方が、そういう原案ができてからよりは、スムーズになるかとは思います。
     どうぞ、小林委員。

    【小林委員】 (2)の制度の方なんですが、そこに生物多様性への影響の評価という項目があります。これは植物で見た場合、想像するには、例えば遺伝子組換えの評価と同じようなリスク評価をやっていこうというような考え方があるのかどうか。といいますのは、多様性への影響ですから、動物ですと動くと影響があるというのも何となくわかりますが、植物の場合、勝手に動くということはまずあり得ない。それが種子となったり胞子となったりして動くので、そのリスク評価には物すごい時間がかかるような気がするんです。片方で遺伝子組換えのようなものですと、従来のものとはっきり違うわけですから、これは健康がどうの、あれがどうのという議論ができるわけです。一般的には植物の海外からの導入については、その評価というのは非常にまちまちな評価になりやすい。この辺どのような、これから制度として決めるんでしょうけれども、どのような制度化をしていくか、お願いします。

    【岩槻委員長】 これは事務局から。

    【生物多様性企画官】 遺伝子組換え生物と必ずしも全く一致するものではないとは思いますけれども、考え方としてはかなり似たような意味での評価と仕組みというのは、あり得るというふうに思っております。特にここで言う影響で言いますと、まさに問題点のところで書きましたような捕食だとか、競合・駆逐だとか、あるいは土壌の攪乱ですとか、遺伝子レベルでの攪乱というような幾つかの問題を生ずる可能性、それはもともと生物の生態等から見てどうかというふうな観点。あるいは海外での実例による情報ですとか、様々な観点からの情報を踏まえて評価をしていくということが、考えられるというふうに考えております。

    【岩槻委員長】 生物多様性への影響ということをもし評価するとしますと、なかなか一般には認めていただけないことなんですけれども、移入種が入ること自体は既に影響しているということなんですよね。そういう意味では、何を持って入ってもいいかというのは、そのものが入っても安全だという確認が得られてから入れるのが、本来の生物多様性への影響を考えるなら在り方なので、さっき太田委員の今日のスピーカーとのお話の中で、ブラックバスを輸入する人がどんな影響があるか証拠を出せとおっしゃるという話があったんですけれども、これは全く本末転倒であって、安全だという証拠をまず出していただいて、輸入していただくというのが本来なんですよね。もし生物多様性への影響というのを危惧するということを認めていただくんならそういうことだと思うんです。ですから、ここで言うリスク評価というのも、理想的にはそういう形で進むべきものだ、というふうに言わざるを得ないと思うんですけれども。
     その他特に。石井委員、どうぞ。

    【石井委員】 これまで議論されたかどうかちょっとわからないんですけれども、今日お話を伺っている中で、ペットの持ち込み、野生生物を持ち込む場合に、持ち込まれた日本の方の問題もあるんですけれども、現地の方の生物多様性に影響を与えるということがあるんじゃないかと思うんですけれども、これをどこかに盛り込んでおいた方がいいのか。それともそれは今回作る法には関係ないのか、ということをちょっとお聞きしたいんですけれども。

    【岩槻委員長】 それ、事務局から。

    【生物多様性企画官】 日本の国内での制度ということで言いますと、他の国でどうするかというところまでは直ちにはなかなか及びにくいと思いますけれども、一般的な考え方として、原産国での生態系への影響があり得るということを、現状問題点なりで何か書けるかどうかを工夫してみたいというふうには思います。

    【岩槻委員長】 石井委員、どうぞ。

    【石井委員】 ワシントン条約のようなものがありますよね。それはやはりある程度、現地の方の生物多様性に配慮したものだと思うんですけれども、例えば、大きな1の一番端っこのところに書いてある、新たな包括的制度というのには、ワシントン条約みたいなのが視野に入っているのかどうか。
     私が知りたいのは例えば、今、起こっている昆虫のクワガタの輸入問題なんかの場合ですけれども、それは現地で人を使ってクワガタムシを捕るわけです。それが向こうでかなり希少な種だったりする場合もあって、それであればあるほど価格が高くなったりするという問題があるんですけれども、これをやろうと思ったら、例えば(2)の制度化の中に、意図的に入れようとする場合には、入ったときにどうなるかという検討ばかりではなくて、それが現地でどういう、それを捕ること、影響を与えるかという、どういう由来の生物であるか、個体であるかというものの届け出とか、何かそういうものを盛り込む必要があるのかなと思ったりもするんですけれども、どうなんでしょう、この辺。

    【生物多様性企画官】 まずワシントン条約との関係で申しますと、これは国際条約に基づいて、日本だけでなく国際的に取り組むそういう意味での義務が我が国にもかかっているということへの対応になるかと思いますが、移入種で入ってくる、そういう意味でワシントン条約対応種ということであれば、当然、国内でもワシントン条約に伴う規制というのは、別途当然かかる話になりますので、そういうのと、つまりワシントン条約対応種でないものということで見ていきますと、国外での状況を我が国の国内法として何らかのことを及ぼすというのは、基本的には難しいことかというふうに思います。
     ただ、先ほどのように、このリスク評価をする際の仕組みの中で、今お話がありましたような、例えばリスク評価のベースとしまして、どこで捕れどういう種が来るのかという情報というのは非常に必要な情報ということであれば、そういうことをリスク評価の際には情報としてベースにすることが出てくる、そういうことは考えるんだというふうに思います。

    【石井委員】 もう一押ししておきますと、例えば今のお話の中で、ワシントンに入っている昆虫というのは割と少ないんです。トリバネとか何か特殊なものですけれども、少なくとも当該輸入個体の原産地におけるステイタス、いろんなエルベトクとかあると思うんですけれども、そのぐらいのリスク評価の中にそれを入れることはできないんでしょうか。その個体は、その種は現地においては絶滅危惧種であるとかというような評価を入れるとか。

    【岩槻委員長】 関連してですか、大矢委員、どうぞ。

    【大矢委員】 今の石井委員のお話なんですけれども、ワシントン条約に絡むものというのは、ワシントン条約の表1のものについては、国内に入っても国内法で規制されますけれども、2以降のものについては国内法では規制されない。
     それから、現地の問題ですけれども、それぞれ現地で規制されているものについては、それぞれの国での輸出規制がございますので、その辺でリスク評価ができるのではないか。
     ただ、規制されていないものは、1カ所で集められるということはあり得ない。州をまたがって集める場合、それから地域をまたがって集める場合というのが非常に多いんです。例えば、一つの種類の鳥類なり、哺乳類なりを100匹なら100匹を輸入したいという場合、そこだけで捕獲するということはあり得ない場合が多い。あちこちから集めてくる。そして、輸出地が、ポートは国原産地になって出てくる。ですから、その先については分からない場合が多い、これが第1点。
     それから、第2点は、現在の輸入の関連で、原産国が途中でトランジットすると変わってしまう場合が往々にしてある。この問題は十分に気をつけていかなければいけない問題ではないかなと思っています。

    【岩槻委員長】 石井委員のご指摘されることは非常に重要なポイントで、日本が輸入することによって、原産地の絶滅を促進するようなことというのは、やはり厳に戒めないといけないことですから、それは重要なことなんですけれども、だけどそれが具体的に日本の制度の中でどう肉付けされるかということになると、幾つかご説明があるように難しい問題も出てまいりますよね。
     ですから、やはり先ほど事務局からご説明があったように、総論のところではそれは非常にはっきりやはり書いていただく必要があるかと思うんですけれども、もしここに書くとすれば、現地で絶滅危惧と認められているようなものは、モニタリングのときの条件の一つにするというようなこと。こちらからそれが本当に絶滅危惧、その地域で絶滅危惧かどうかということの調査をやってから入れるというようなことは、ほとんどテクニカルに難しいということなんではないんでしょうか。

    【石井委員】 そうなんですけれども、でもそれはやはり輸入する業者の義務という形ではできるのかなと思うんです。
     それからもう一つは、例えば同じクワガタの種であっても、どこの亜種かとか、亜種レベルに分かれていなくても、どこの個体群かというのもかなり気になるところなんです。先ほどの大矢委員の話なんか聞くとますます不安になってくるんですけれども、個体ごとにこれはどういう由来の個体なのかというのを書いてもらった方が、入ったときに何が起こるかというのも管理しやすいのではなかろう。詰まるところやはり国内でのリスク評価にもつながってくるのではないかと私は思うんですけれども。

    【岩槻委員長】 大矢委員、どうぞ。

    【大矢委員】 おっしゃるとおりだと思うんですけれども、非常に現実としては難しいと思います。それで、例えば今、委員長がおっしゃいましたように、輸入業者が現地の方をチェックするといったって、これは非常に不可能に近い状態。そのたびに現地へ行って、自分がチェックするなんてできない、そんなことは。あり得ないです。かつて日本にキュウカンチョウが大量に輸入されたときに、輸入業者がバンコクへ行って、それぞれ出張所みたいにつくって集めたんですけれども、外国人はバンコクから出ることが禁止されました。山には入れませんでした。それはいろいろな問題があって、外国人、特に日本人が中に入ると現地の価格が暴騰するとかいろんな問題、それ以外の問題もあったんですけれども、とにかくそういうことができないというのが現状なんです。ですから、向こうのペーパーを信じるしかなくなってしまうということが現状です。

    【岩槻委員長】 はい、大塚委員、どうぞ。

    【大塚委員】 国内法の話ですので、それを前提に話した方がいいと思っていますけれども、ただ輸入するときに、何が輸入されているかというのが、正確にわからないと困るということは当然あって、いろいろ難しい面も多分あると思うんですけれども、先ほどおっしゃいました、大矢委員がおっしゃったトランジットとかという問題もあるんだろうと思うんですけれども、何の種の何々の何で、どこから入った、入ってきたのか、どこにいた生物なのか、リスク評価との関係で、日本の国内でどういう対応をするのかということの関係で必要な情報であれば、できるだけ詳しく出していただくようにしないと、この制度がそもそも動かないのではないかというふうに思いますので、それは私の意見ですけれども、申し上げていきたいと思います。

    【岩槻委員長】 太田委員、どうぞ。

    【太田委員】 とにかく、はっきりわかるようなケースだけでも、つぶしていくような形でやらないと、例えば、セマルハコガメって日本では天然記念物になっているんですけれども、ペットの関係のところへ流れるに当たっての決まり文句は、台湾産ですということだったんです。ところが、実は台湾はもう1987年か88年ぐらいの国内法で厳重に保護を指定して、台湾国内でも捕ると罰金なんです。商業目的では許可がとれないカテゴリーの法律で、保護をしているんです。それで、何かそういう話になったのかどうかわからないですけれども、某組織に頼まれて流通しているものについて調べたら、今度はそれがマレーシア産ということで来ているんですけれども、セマルハコガメはマレーシアにいないわけです。だから、そういう感じで飛んでいきますので、その辺は難しいでしょうけれども、少なくとも種だとか、分類群のレベルで明らかなものだけでもかなり抑えていくことは必要だし、それはある程度やはりこれは違うではないかということが言える形にはできると思います。

    【大矢委員】 一つの解決策として、原産国の輸出証明書なり、検疫証明書なりを添付されるということを義務付ければ、ある程度その辺の確保はできるかと思います。今、太田委員がおっしゃいましたように、台湾産のものがマレーシア産になってどこになってという、その辺が現実の問題として密輸入で外国で動いていたものが、第三国から出てくるというケースが往々にしてある、それは否めない事実であるんです。そのときに、きちんとした検疫証明書なり何なりを出させれば、それが密輸入で入ったものというのはそこで発覚するでしょうから、そこから先には動かないということも、ある部分では確保できるかもしれません。ですから、一つの方法として検疫証明書というのを視野に入れるべきかもしれません。

    【岩槻委員長】 どうもありがとうございました。他に。大塚委員、どうぞ。

    【大塚委員】 さっき、小沢審議官がおっしゃったことと、それから先ほど座長がおっしゃったことと関係して、ここでもしできたらある程度議論していただいておいた方が、後でスムーズなのかなと思ったんですけれども、予防のところのこの2の(2)の二つ目の丸のところで、先ほど審議官がおっしゃった、例えば、届出義務を輸入業者にかけるとして、どの程度までの範囲のものについて、あるいはどういう条件のものについて義務をかけるかというのは、かなり重要な問題ではないかと思うんです。それで、私は生物学的な知識が十分ありませんので、ここでご議論していただいた方が個人的にはいいと思っていますが、さっき座長がおっしゃったように、本来は安全だとわかったものだけを輸入すべきだというのは、これはまさに予防原則というか、予防的アプローチの考え方なんですけれども、それだとかなり範囲が広がる可能性はあると思うんですけれども、一方で、余り蓋然性がないものについてまでそういう義務をかけるのは、法的にどうかという問題がございますので、その辺の範囲の確定というのが、実はこの制度全体に及ぶかなり重要な点ではないかというふうに思っていますが、もしご意見とか聞かせていただけると本当はよろしいのではないかと思いますけれども。

    【岩槻委員長】 どなたかご発言いただけますでしょうか。阿部委員、どうぞ。

    【阿部委員】 ちょっと関連するんですが、生物多様性への影響というのを評価するわけですが、その影響がどういう観点でやるか、これはその生物が定着するかどうかというのを最低限の基準に私はすべきだと思うんです。これは他の動物を捕食するとか、人間に、例えば産業に有害だとかという問題だけではなくて、日本の国土に定着するかどうかというものを最低限であるべきだと。それは、多様性保護という観点からすれば、その辺が入るべきだと思うんです。だけど、ここではちょっと曖昧になっておりますので、その評価の基準の最低限は少なくともそこにすべきではないかというのが私の意見です。

    【岩槻委員長】 他にご発言ありますか。
     それでは、その他のことについても。大塚委員、今のことはよろしいですか。

    【大塚委員】 はい、どうぞ。

    【岩槻委員長】 他のことについてもどなたかご発言ございますでしょうか。
     加藤委員、どうぞ。

    【加藤委員】 ちょっと忘れてしまったというか、ぼんやりしているんですけれども、これは、どういうところで何に使うために持ってくるかというところは、どういう仕組みになっていたのかな、ということをちょっと思っていまして、輸入ということに対して非常に厳しい規制をかけようとしているというふうに理解しているんですけれども、その場合に、例えば、今、鷲谷先生がいらっしゃるんですけれども、学問研究のためにある程度少なく実験室で使うために入れる、というようなケースがあるのかどうなのか。そういう場合に、これにかかってくるんだろうかどうなのかということを考えまして、その辺がどうなっていたかお教えいただけますでしょうか。

    【岩槻委員長】 事務局から何かご発言ありますか。

    【生物多様性企画官】 この段階ではそこまで具体的な仕分けは書いてございません。前回までの委員会の中でも、動物園とかをどうするんでしょうかというご指摘もございました。その辺も含めて、例えば、入れるのを認めるケースとして、どういうのがあるのだろうかということについて、制度を検討する中で、一つの大きな視点だというふうに考えております。

    【岩槻委員長】 大矢委員、どうぞ。

    【大矢委員】 以前、動物園のことについて私が質問させていただいたんだと思うんですけれども、あのときは確か動物園とか、研究用については、別途、考えようというような話があったと思うんです。
     それから、関連なんですけれども、現在、日本では生き物は自由にどなたでも輸入できる。並行輸入みたいな形で、半分素人みたいな、そういう言い方をしたら失礼かもしれませんが、そういう方がバンコクのサンデーマーケットか何かへ行って、適当に何でも買ってきてしまう。飼い切れなくなってポイっというのは、現状の中にあるということをご認識いただいて、そういう者に対しては、どうするのかということも、議論の中に含めておいていただいた方がいいのではないかなとそんなふうに思います。

    【岩槻委員長】 今おっしゃったように、それは非常にシリアスな問題なので、それがどう立法と結びついてくるかというのは、非常にこの制度のポイントだと思いますので、ぜひ何とか形をつけていただきたいと思いますが。
     太田委員、どうぞ。

    【太田委員】 先ほど阿部委員がおっしゃったこと、定着する可能性があるということが最低限の考えだということについて、私もすごくリーズナブルな基準だと思うんですけれども、ただ日本は、北から南まで長くて、高山もありますし、環境がいろいろありますので、そういう考え方をする場合に、例えば本土だったら定着しないけれども、沖縄に持っていったら増えてしまうということが、いっぱいあり得ると思うんです。そこをだから許可した上で、だけどこれはその場所から移動してはいけないよという、新たな国内法で規制できるのか、それとも許可するときは常に日本のどこでもということでやるべきなのか、その辺ちょっと何か今考えて非常に混乱してきたんですけれども、どういうふうにお考えですか。
     持ち込まれてからもちろん許可をとって、例えば東京なら東京で飼うということで、ここだったら増えないからいいでしょうとしたとして、それを例えば小笠原の親戚に譲ったら向こうで増えてしまったということは、絶対現実としてあると思うんです。だから、それを追いかけて正確にできなければ、日本全体を最初から網にかけておく、日本全体の環境を考えておくしかないんでしょうけれども。

    【岩槻委員長】 大矢委員、どうぞ。

    【大矢委員】 今のご指摘の問題なんですけれども、例えば、ペットとして輸入が許可された場合には、先生がおっしゃるように北海道から沖縄までペットショップは何万軒とあるわけですから、そのほとんどに行くということは十分想定されるわけですから、地域限定となると非常に難しいのではないかなと思います。
     それと、やはりペットショップは、それで生活をしているわけですから、許可されたものであれば販売をしたいということが当然出てくるわけですから。

    【岩槻委員長】 よろしいですか、太田委員。
     どうぞ、石井委員。

    【石井委員】 面倒くさいことばかり言うようなんですけれども、これを見ていて移入種問題の大きなものの一つに、バラスト水に一緒に付随してくるものがありますよね。これはこういうので排除できるのかなというのと、それから私なんかやっている農業分野なんかでは土壌と一緒に持ち込まれてくるもの。いろんなシードバンクなんですけれども、こういうのもこういう感じのものでブロックできるのかなと思うんです。目に見えるものをやはり扱っていますね、どう見ても。その辺ちょっとお考え聞かせてください。

    【岩槻委員長】 シード的なことですね。何かご発言。

    【生物多様性企画官】 バラスト水につきましては、別途、今、国際的な条約作りの動きがございます。今回のこの議論とは別に、バラスト水そのものをどう規制していこうかということで、国際的に条約作りをしようという動きがございます。一応、バラスト水についてはそちらの制度がどうなっていくのかということで対処していくことになるのではないかと思いますが、土壌の部分は、土壌そのものは生き物としてはなかなか捉えることは難しいと思いますので、今回で言いますと、非意図的導入として見れるかどうかというようなことだというふうに考えられると思います。

    【岩槻委員長】 土壌は植防の方でひっかかる。

    【石井委員】 いろんな砂浜なんかに持ち込んで来る、和歌山の白浜なんていうのは、オーストラリアやなんかで砂買っているみたいですけれども。安いですから。

    【岩槻委員長】 時間のことばかり言いますけれども、また予定の時間がちょっと過ぎているんですけれども、中間取りまとめの骨子について、特に忘れていたけれどもこれは追加すべきである、これは書いておくべきであるというご発言があればですけれども、もし今までのご発言でよければ、先ほど言いましたように、事務局の方ではそういうふうに2週間かそれぐらい前に皆さんに肉付けをしたものをお届けをいただくということでよろしいですね。

    【生物多様性企画官】 今日いただきました意見、あるいは今までの小委員会の中でいろいろご議論いただいたこともできる限り反映できるようにしながら、肉付けをしていく作業をこれから進めたいというふうに思っています。その上で、できれば9月中旬くらいには先生方の手元に、とりあえず素案のようなものでお送りをいたしまして、1回ご意見を文章上でいただくようなことを考えたいというふうに思っております。
     それを踏まえてさらに10月2日にお示しをするというような段取りで考えたいと思っております。

    【岩槻委員長】 帰りの電車の中でもお気付きになることがあれば、その文章化される前におっしゃった方がいいと思いますので、ぜひ事務局の方へご連絡いただけたらと思います。それから、2週間前ぐらいには文章化されますから、その頃になったらもうちょっと手遅れ、手遅れではない、まだ後で議論ができるんですけれども、それから、参考資料もこれまでのもので、こういうふうに作っていただいているんですけれども、関連の段階なので、これよりももっといい資料があるというようなことがありましたら、ぜひそういうのも事務局の方へご連絡いただけたら、答申がますます確実なものになるかと思いますので、お気付きのことがありましたら、ぜひご連絡お願いいたします。

    【大塚委員】 ちょっと1点だけいいですか。

    【岩槻委員長】 はい。

    【大塚委員】 質問というか、今、石井委員が言われたことで、ちょっと私が気になったことがあるんですけれども、土壌と一緒に持ち込まれるもので微生物というのはあると思うんですけれども、例えば、土壌改良のバイオレメディエーションみたいなので入ってくる生物というのは当然あると思うんですが、この移入種には微生物は入ることはお考えでしょうか。あるいは、もうそこまではちょっと、とても難しいという感じでしょうか。ちょっとそれだけ確認しておきたいんですけれども。

    【生物多様性企画官】 基本的には植物自体も前回までのお示しした中で対象種として、例えば在来種リスト作りというのが、まだ完全にはできていないということで、なかなか何を導入、移入するものだという特定がしにくいものは当面対象には、なかなかしにくいかなというふうなことを考えております。

    【岩槻委員長】 微生物、特に病原の微生物に対しては、植物防疫法なんかで割と規制されていて、ですから、土壌も海浜のものは持ち込んでいいんですけれども、普通の土壌は基本的にはだめですよね。

    【石井委員】 微生物なんでも、微生物の幼生なんていうのは微生物ですから、大きくなったら。

    【鷲谷委員】 バチルス菌などを輸入して、川に撒いたりということは行われているようなんですけれども、そういうのはどうしていくかですよね。

    【岩槻委員長】 それは、どういう場合に持ち込まれているんですか。

    【鷲谷委員】 だから、衛生害虫をコントロールするために、殺虫効果のある毒素をつくるバチルス菌そのものを撒くというようなことが実際には行われているんだと思います。在来種、外来種の概念をどうするかということが問題になってしまって、すぐどうしたらいいかという提案ができないんですけれども、そういう問題も視野に入れたいような気はいたします。

    【岩槻委員長】 問題点としてはそういうことも含まれているという、そういう視点でということですね。
     それでは、中間報告案の考え方については、議論をこれで打ち切らせていただいて、議事次第にはその他というのがあるんですけれども、委員の方からその他で何かご発言ございますでしょうか。

    【岩槻委員長】 特になければ事務局の方から。

    【司会】 それでは、冒頭お願いいたしましたように、第6回の小委員会の議事録及び第7回の議事要旨につきまして内容をご確認いただきまして、できれば9月12日までに事務局まで修正等ございましたら、ご連絡いただければと思います。
     それから、次回の小委員会につきましては、10月2日、木曜日の1時から環境省第1会議室で開催する予定でございますので、よろしくお願いします。
     それから、野生生物部会の委員の方につきましては、同じ日10月2日に、11時から野生生物部会を開催させていただきたいと思っておりますので、よろしくお願いいたします。

    【岩槻委員長】 局長は何かおっしゃっていただけますか。

    【小野寺自然環境局長】 遅れてまいりまして申しわけありませんでした。1時間ほどでしたけれども、議論を聞かせていただいて、非常に真剣かつおもしろい議論になっていると思って感心をしております。この今、議論していただいた、特に措置の在り方のところについては、これはあくまで審議会の責任でまとめるペーパーですので、割と大胆であって性格上いいと思います。
     ただ、今、法律の議論を事務的にしているところの悩みを申し上げますと、一つはここの場で議論しているほど生物多様性に対する何らかの影響が、社会的に問題があるというところが、立法論として成立するかどうかというのは、相当悩んでいるというのが悩みの一つです。
     つまり具体的に義務、規制、罰則、あるいはそれと裏腹に予算上の措置を採るということは、ある種の広い合意がなければ成立しないということであります。したがって、ある私的な権限を規制する際に、それに見合う公益ないし、私的財産への侵害というものをどう考えるかというバランスの中で考えなければいけないので、おっしゃっていることは物すごくよくわかっているし、私も網羅的広範囲にやりたいということではあるんですけれども、法律として最終的にそれでまとめられるかどうかというのが、今、私を含めて事務方の議論の中で悩んでいる一つです。
     2番目は実効性の問題があります。法律として理論的に大儀をつくるというのは、書けば書けるということなんですが、実際に通るかどうか別にして、体系を作るということはできると思うんですが、これは非常に実際上は新しい分野で、ある移入種の分布実態、あるいは輸入実態、それからリスクの問題、それも今後どうなるか、あるいはどなたかがおっしゃったように、ここでは安全だけれども、そうでないところへ行くと地域によってというようなことがあって、専門家の層の厚さも含めて、実効的に一体何をし得るのかということなんだと思うんです。
     水際である程度把握するというのは、それでもまあ頭の中で考える限り、それなりにできるのではないかと思うんですが、今、入っているものをではどうするのか。もしその定義を阿部先生がおっしゃったように、そこで定着するということを前提にすると、今あるものがものすごい広範に捉えなければいけないということになって、これから入ってくるものへの対応と、今あるものへの論理的な関係をどうするか、というようなことも発生すると思うんです。発生してもいいんですけれども、それを実際的に誰がどういう形でやるのかというところが、つまり具体的な実際の対応です。行政ないし、行政以外も含めてですけれども、そこをせっかく法律を作るのならば、実効性が担保されるものにしなければ意味がないということがあって、その2点で今、事務局でさんざん議論しているところですけれども、悩みとしてはそこの二つが深い悩みとしてあります。
     そうは言いましても、時間も限られた中で、何とか形を作っていきたいということには変わりはありませんので、この審議会、小委員会の報告としては、場合によっては両論併記ということがあってもいいんですから、割と広範に記述をしていただいて、それと無関係にとはもちろん言いませんけれども、十分踏まえた上で法律の策定作業は同時並行でやらせていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。

    【岩槻委員長】 どうもありがとうございました。ここでの議論でもしばしば出てくるような本当にやらないといけないことと、実際どこまでやれるだろうかということの一番根本的なことをご紹介いただいたということですけれども、ある意味では、教育普及活動は国民大衆よりも、もっと別のところで重要なところがあるのかもしれないという、そういうことも含めてですけれども、ただ環境省としてもこの問題を非常に重点的に扱っていただいて、いろいろご配慮をいただいているようなんで、その意味では我々も一生懸命に考えることにやりがいがあるということで、もうしばらく案がまとまるまでご協力いただきたいと思います。
     今日はこれで終わりにさせていただきます。どうもありがとうございました。