■議事録一覧■

中央環境審議会野生生物部会
第7回移入種対策小委員会会議録


  1. 日時  平成15年7月31日(木)10:00〜12:20

  2. 場所  新宿御苑インフォメーションセンター レクチャールーム

  3. 出席者
    (小委員長)岩槻 邦男
    (委員) 阿部  永  大井  玄  大塚  直
    加藤 順子  山岸  哲  
    (専門委員) 石井  実  太田 英利  小林 正勝
      細谷 和海    
     (環境省)小野寺自然環境局長
    名執野生生物課長
    黒田自然環境計画課長
    上杉生物多様性企画官
    河本野生生物課長補佐
    山岸野生生物課長補佐
             
      
  4. 議事

    【司会】 それでは、若干予定の時刻を過ぎましたけれども、ただいまから中央環境審議会野生生物部会移入種対策小委員会を開催していただきたいと存じます。
     本日の出席者数でございますが、中央環境審議会運営規則による定足数を満たしておりますので、本日の小委員会は成立をしております。
     なお、鷲谷委員、岡島委員、児玉委員、小寺委員及び大矢委員はご欠席というふうに伺っております。
     また、会議が始まります前に、7月1日付で環境省の幹部の異動がございましたので、ご紹介をさせていただきたいと思います。
    初めに、自然環境局小野寺局長でございます。

    【小野寺自然環境局長】 小野寺です。よろしくお願いいたします。

    【司会】当野生生物部会の所管課長でございます野生生物課長ですが、前黒田課長が自然環境計画課長に異動になりました。

    【黒田自然環境計画課長】 また、よろしくお願いいたします。

    【司会】 野生生物課長、名執課長でございます。

    【名執野生生物課長】 名執でございます。よろしくお願いいたします。

    【司会】 続きまして、お手元にお配りをしました資料の確認をさせていただきます。 資料一覧がございますが、小委員会、委員名簿に続きまして、資料1が、移入種の防除に関する基本的事項(案)以降、1−4までございます。資料2が1から9までございます。それから、資料3が、3−1から3−3まででございます。移入種対策に関する論点整理(案)等でございます。そのあと、先生方には、資料4といたしまして、第5回、第6回の小委員会の議事要旨をおつけしております。それから小委員会の審議スケジュール及び今までの審議状況となっております。それから、参考資料の1から6までと、番号は付してございませんが、ブラックバス等外来魚問題に関する関係者の取り組みについてという資料でございます。
     以上でございますが、もし資料に不備がございましたら、途中でも構いませんので、事務局までお知らせいただきたいと思います。
     それでは岩槻委員長、よろしくお願いします。

    【岩槻委員長】 おはようございます。第7回目になりますけれども、移入種問題の対策小委員会を始めさせていただきます。
     第6回は、既に定着している移入種の問題について、一般的な議論をしていただいたのですけれども、今日はそれの詰めの議論もしていただくということですけれども、前回は、もう一つ、地域を対象とした移入種をどう取り扱うかという議論をしていただきました。今回は、議事次第にありますように、定着した移入種の防除の在り方について、もう少し継続して議論をしていただくと同時に、移入種に関しては非常に重要な問題であります、普及啓発とか調査・研究の在り方というようなことについても、議論をしていただきたいということです。それから、第7回になるのですけれども、6回目までのこの委員会で議論をしてきたことを中間的に整理していただいておりますので、その整理の仕方についても、議論をしていただければというふうに思います。
     それでは、具体的な議事に入ります前に、小野寺自然環境局長から、ごあいさつをお願いします。

    【小野寺自然環境局長】 特段のあいさつはありません。今までと同じ、私も自然環境局にずっとおりましたし、引き続き、よろしくお願いしたいと思います。
     移入種の問題は、最近の最大の案件と言ってもいいと思います。私も危機感をかなり持っていまして、8月の頭には局内に相当強固なチームをつくって、制度的な検討をしたいというふうに思っています。審議会でご検討いただいていることは、検討をさらに深めていただきたいと思っていますけれども、全体のスピードを見ますと、この審議会の審議と併せて制度的な検討を始めないと、間に合わないかもしれませんので、ちょっと作業としては前後するかもしれませんけれども、事務方のチームの検討は、随時ご報告したいというふうに考えています。かなりスピードアップしてやりたいというふうに思っておりますので、よろしくお願いいたします。

    【岩槻委員長】 どうもありがとうございました。これまでの委員会の中での委員のご発言の中にも、この問題の重要さと同時に、緊急性ということは、たびたび訴えられていますので、そういうふうに事務局の方でも、弾みをつけていただけるというのは、この委員会の議論のためにも非常にプラスになるのではないかと思いますけれども、どうぞよろしくお願いいたします。
     それでは、早速、委員会の方の議論に入らせていただきたいと思いますが、先ほど申しましたように、今日は、最初は定着している移入種の防除の在り方についてということで、前回の議論を踏まえて事務局の方から、まずお願いいたします。

    【事務局(河本)】 それでは、事務局の方から、資料1−1から1−4まで、ご説明を申し上げたいと思います。
     まず、資料の1−1でございますが、これは前回の小委員会で事務局からお示しをいたしました論点と、それから各委員の先生方からいただきましたご意見、これを踏まえまして、さらに検討を加えた上で、基本的な考え方として整理をさせていただいたものでございます。
     順次ご説明申し上げますが、まず、防除の目的をどのように考えるかということですが、移入種の侵入や定着によりまして、在来の生物多様性に影響が生じている場合、あるいはその影響を生じるおそれが高い場合、こういうときに当該移入種の駆除、排除、それから、分布域の封じ込め、それから被害防止に力点を置いた影響緩和、こういった管理を行うことで移入種の影響の除去を図る。これを防除の目的というふうに置いております。
     それから、実施主体及び役割分担。これについて、前回幾つか意見をいただいておりますけれども、まず、防除を行う主体については、行政が担うのが一般的ではありますが、行政以外であっても、その必要性を認める者が主体となって、関係者間の合意形成を図った上で主体的に取り組める仕組みは、整備をしておく必要があろうということを1つ挙げております。
     それと、防除の必要性を判断するための現況調査ですとか防除計画の策定、それから防除事業の実施、こういうことについては、関係行政機関だけではなくて、学識経験者や地域住民、NGOなど、さまざまな立場にいる方々との協力体制、これに配慮をしていくということであります。
     それから、実施の手順ですが、防除の実施の手順について別紙フロー図と書いていますが、それの裏面の方に、防除に関する実施フロー図(案)というものをつけさせていただいております。
     これは前回お示しをしました図にちょっと加筆・修正をさせていただいたものですが、中心となります実施主体、これは、国、地方公共団体、関係団体あるいはNGOの方々が実施主体になり得るわけですけれども、その現況調査によって、防除の必要性というものの根拠のデータを得る、あるいは、それ以外にもモニタリングでありますとか、あるいは環境アセスメント関係の調査関係と、そういったところで防除の必要性がどうかということについてのデータを得ることができるわけですが、その上で対策の必要性を判断し、もし必要であるということであれば、計画の策定を行う。その策定されました計画の中身に沿って防除の事業を実際に行い、結果の検証の結果、必要があれば、さらにその計画策定のところまで戻るような形でフィードバックをしていく。その実施主体と、それとは少し離れた形になるという位置づけで右側の欄がございますが、関係行政機関であるとか学識経験者、住民の方々、そういう方々と、各段階において協力あるいは意見をいただくと。そういう形で進めていくのがこの防除の手順かというふうに考えております。
     次に、防除の必要性の確認について、当然、その現況調査ですとかモニタリング結果の判断ということが必要になってくるわけですけれども、生態系の変化要因の具体的な根拠、あるいは食物連鎖の定量的な把握、これを詳細に行っていくのは、技術的にも困難な面がございます。生物相の変化それから当該移入種の生態的な特性、そういったことをもとに科学的な検討を行いまして、専門家の意見も踏まえた上でその必要性を判断していくというのが適当であろうというふうに整理をしております。
     それから、防除の計画ですけれども、これは科学的かつ効率的な防除を行うということと、関係者間の合意を得るということ。それを目的として作成をするということで、計画に基づく実施については関係法令の許認可を緩和すると、そういった措置も検討が必要というふうにしております。
     それから、防除計画の中身でありますが、防除による保全の目標、それから実施内容、実施範囲、それから計画期間、そういったことを定めることといたしまして、例えば、防除の実施後に隣接地域から移入種が侵入してきて、防除の効果が薄くなる。そういったようなことのないように、防除を行って得られる成果の永続性ということにも、留意をする必要があります。また、防除後の生物多様性への二次的な影響ということについても、考慮が必要ということを整理をしております。
     それから、5点目ですが、移入種の繁殖力が強く、固有種や希少種の絶滅のおそれが高いと、そういった場合も考えられるわけですが、そうした緊急性を要する場合は緊急防除と、仮にそういう言葉を置いておりますが、それの在り方については、別途検討する必要があるということを挙げております。
     それから次に、原因者の責任等ということで、特に原因者責任については、前回も多くの意見をいただいておりますが、生物多様性への影響が明らかな移入種の導入後の管理が不適切であった場合、そういうことが考えられるわけですが、そうした防除事業を実施するに至った原因者が明らかな場合であれば、そのものに対して防除に関する経費の負担を求めると、そういった仕組みについても検討の必要があろうということです。
     それからもう一つ、防除事業の結果、捕獲した動物の処分という話が出てきますが、これは動物愛護の観点も踏まえた上で、考え方を整理していくということで考えております。
     これが基本的事項としてまとめたものでございまして、これについての過不足について、ご意見をいただければというふうに考えておりますが、これに対して参考となる資料を、1−2から1−4に整理をさせていただいております。
     1−2は、前回、事務局の方からお出しいたしました論点、これはそのままの文章をそこに書いておりますけれども、それから、それに対して委員の方々からいただきました意見について整理をしたものを右側の欄に書かせていただいております。前回、事務局の方から出しましたのが、防除実施に至る根拠あるいは防除による影響の検討といったこと、それから2つ目としまして、移入種対策の検討及び防除計画の策定ということですが、その意見の収集先をどういうふうにするか、あるいは情報提供のシステムをどうするかといったことについて、論点を出させていただいたところです。
     そこの意見の収集先というところの右側にございますが、特に合意形成の話につきまして、多少強引であっても、早急にできるようなシステムをつくっていかないと、議論をしている間に希少種の方の、例えば絶滅のおそれが出てくるとか、そういった形で、手遅れになるのではないかというふうな意見もいただいたところでです。
     ここのところにつきまして、ちょっと順番が逆になりますが、資料1−4というところを見ていただきたいと思いますが、緊急に対処すべきということで、緊急防除のような話、そういった規定が関係するものがあるだろうか、ということでちょっと探してみまして、3つほど例を引っ張ってきていますが、1つは植物防疫法という法律がございます。この中で、「有用な植物に重大な損害を与えるおそれがあるような場合」につきましては防除を行う、という規定があるのですが、ただ、その防除をするには、30日前までに次の事項を告示しなければならないということで、その第17条の第2項というところに4つほど項目が挙げてあります。ただ、その次の18条というところの第2項というところを見ますと、アンダーラインを引いていますが、「緊急に防除を行う必要があるため同条第二項の規定によるいとまがないときは、……同項による告示をしないで、……有害動物若しくは有害植物が附着し、若しくは附着しているおそれがある植物若しくは容器包装の消毒、除去、廃棄等の措置をさせることができる。」と、そういった規定がございます。
     それと、それの次のページでございますが、森林病害虫等防除法という、そういう法律がございまして、これも同様ですけれども、森林病害虫等のまん延の防止ですとか、それから松くい虫の関係での特別伐倒駆除と、そういった措置について、命令をしようとするときには、20日前までにその事項を公表しなければならないということになっていますが、アンダーラインのところでございますが、「ただし、」ということで、「森林病害虫の駆除又はそのまん延の防止のための措置を緊急に行う必要があるときは、この限りでない。」と、こういった、緊急の場合の規定がございます。
     それから、防除ではないのですが、その次のページ、絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関する法律というところで、これは国内希少種、国際希少種の指定を行うという手続がありますけれども、その場合は、第4条第6項というところに書いてありますが、環境大臣はその制定あるいは立案をするときに中央環境審議会の意見を聞かなければならない、というふうになっております。ただ、緊急指定種という規定がございまして、その中で、国内希少種、国際希少種以外の野生動植物の種の保存を特に緊急に図る必要があると認めるときは、緊急指定種として指定をすることができる、と。その指定をするときは、野生動植物の種を官報で公示しなければならないということで、この緊急指定種については手続が若干簡易な形でできるというような規定がございます。
     こういったものを、ちょっと参考にはなろうかと思いまして、3点ほど挙げさせていただきました。
     資料1−2の方に戻りますが、当方からお出しいたしました論点として3つ目に挙げましたのが防除事業の実施ということで、実施者及び実施体制というところです。これについては、委員の方から、民間、NPO、NGOが主体で動くと行政の反応が鈍くなるのではないかと、そういったような意見もいただいております。
     それの裏側にまいりますが、(3)というところで、原因者の責任追及というところがございます。これにつきまして、委員の先生から、環境汚染では汚染者がその除去に責任を果たすのが一般的ではないかと。あるいは、EUの環境損害に係る指令案を参考にしてはどうかということで、お話をいただいております。
     この原因者責任の方につきましては、資料1−3のところで、参考になるものを3つほど挙げさせていただきました。
     環境関係の法律を引っ張ってきておりますけれども、1つは土壌汚染対策法ということで、これは土壌の特定有害物質による汚染で人の健康に係る被害が生じたときということで、その場合、アンダーラインが引いてございますが、当該土地の所有者に対して、汚染の除去、汚染の拡散の防止その他の必要な措置を講ずべきことを命ずることができる、と。そういう規定がございまして、それの次の第8条というところに、その第7条の命令を受けた土地の所有者等は、当該土地の所有者等の以外の者の行為によるものであるときは、その行為をした者に対して、当該命令に係る汚染の除去等に要した費用を請求することができるということで、費用負担についての規定がございます。
     それから、その次に、「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」ということで、これも同様でございますが、生活環境の保全上の支障ということについて、その支障の除去又は発生防止のための措置を命ずることができるということがございまして、それについて同様に費用請求の話が、3ページ目の中ほどでございますけれども、これは一般廃棄物の方でございますが、第19条の7の第2項というところで、「市町村長は、支障の除去等の措置の全部又は一部を講じたときは、当該支障の除去等の措置に要した費用について当該処分者等に負担をさせることができる。」と、そういった規定がございます。
     それから最後に、それの裏側の水質汚濁防止法というのがございますけれども、こちらの方でも、人の健康に係る被害が生じ、又は生ずるおそれがあると認めるときには、その地下水の水質の浄化のための措置をとることを命ずることができるというのがありまして、これについては、第19条のところで無過失責任というのがありますけれども、「人の生命又は身体を害したときには、当該排出又は地下への浸透に係る事業者は、これによつて生じた損害を賠償する責めに任ずる。」と、そういうふうなものがございます。
     あと、前回、大塚委員の方から指摘がありましたEU指令につきましても、ちょっと調べさせていただきましたけれども、「環境損害の予防と回復に関する環境上の責任について定めた指令」というのがございまして、これは資料を準備することがちょっとできなかったのですが、環境損害について、環境の分野を横断的に扱っておるということと、それから、環境損害の中には生物多様性ということが明記をされておるというところが、特色かなというふうに考えておりますが、同様に、無過失責任であるとか、そういった規定があるということで、参考にさせていただきたいというふうに思っております。
     以上が防除関係でございますが、最初の資料1−1に示しました基本的事項につきまして、ご意見等をいただければというふうに思います。よろしくご審議をお願いしたいと思います。

    【岩槻委員長】 どうもありがとうございました。この件についての議論のことは、資料4に前回の議事概要がついていますので、それも参考にして、思い出していただきながら議論を進めていただけたらと思います。
     ただいまのご説明に対して、ご質問、コメント、ございましたら、どうぞご発言をお願いいたします。加藤委員、どうぞ。

    【加藤委員】 防除に関する実施フロー図なのですけれども、対策の必要性の判断という四角がありますけれども、これは判断するのがどなたなのかなということと、それからもう一つ、計画策定して、それからその次に防除にいくところ、その間は何も計画の妥当性というか、それの判断というようなプロセスがあるのかないのか、その辺のところをちょっとお伺いしたいと思います。

    【岩槻委員長】 事務局から。

    【事務局(河本)】 対策の必要性の判断は実施主体が行うということでありまして、現況調査ですとかモニタリング結果、あるいはその他の調査の結果、そういった状況から、防除の必要があるかどうかということについて判断をする。必要があるということであれば、その実施主体が計画策定、防除と、そういった流れで防除を行っていくということで、基本的にその必要性の判断は、その主体が行うものというふうに考えています。

    【岩槻委員長】 ご質問の意味は、誰が、ということですよね。誰がその判断を行うのか。

    【加藤委員】 今のお話ですと、実施する人が主体だということですね。

    【事務局(河本)】 それから、計画というか防除に至る段階ですが、その計画策定ですが、その計画策定自身、妥当かどうか、ということをどのように判断をするかということだと、そういったご質問かと思いますけれども、それも基本的には、実施主体の方で自主的に計画を策定した上で、それが妥当がどうかは、みずから判断をするということですが、そこのところに右側の欄からの意見というのがありますけれども、関係行政機関、学識経験者、住民と書いていますけれども、関係する方々、あるいは利害関係者といった方々の意見も聞きながら、その計画策定について合意形成を図っていただくということで、特にその計画自体が妥当であるかどうかを判断するという段階は、特に考えておりません。合意形成を図っていただくということを考えております。

    【岩槻委員長】 よろしいですか。
     大塚委員、どうぞ。

    【大塚委員】 ちょっとまだ意見をまとめていなくて、細かいところでの質問で恐縮ですけれども、今、加藤委員が聞かれたことも、私もちょっと気になりますが、それは、この計画に関しては、一々承認をしたり確認をしたりするようなことは、特に必要ないというお考えなのかもしれませんが、事業者に基本的に、事業者というか実施主体に基本的に任せておいていいということなのでしょうか。ちょっとその辺の理由を、もしお聞かせいただけるとありがたいと思います。
     それから、この実施主体というのは、いろいろな、国、自治体とか関係団体、NGO等ということになっているのですが、ちょっとたくさんあり過ぎて、計画をだれが策定するのかよくわからないようなところもあるのですけれども、これは皆さんの合意でというお気持ちなのかもしれませんが、だれが絶対にやらなくてはいけないのかという、その最後のところは決めておかないと、制度としてはかなり難しいのではないかなという気がちょっとしています。例えば、移入種の話だと、やはり輸入をしてくる人とか、国内の移動でしたら移動する人は必ず実施主体になると思うので、そういう人は少なくとも中心的な役割を果たさないといけないのではないかということが直感的には思いますけれども、その辺はどういうふうにお考えなのかなということが、ちょっとお伺いしたいところでございます。
     それから、これはちょっと細かくて恐縮なのですけれども、3の実施手順の3つ目の丸ですけれども、計画に基づく実施には関係法令の許認可を緩和するケースというのは、例えばどういうケースをお考えなのかをお伺いしたいと思います。
     今のところ、気が付いたのはそのぐらいです。

    【大槻委員長】 では、事務局からお願いします。

    【事務局(河本)】 まず、計画の承認なり確認なりということですが、基本的には合意形成というところで考えていますけれども、どうしても、例えば、場所が国で管理している場所であるような場合が多いというふうには思いますけれども、そういうところであれば、どうしても関係行政機関が絡んでくるというところで、そこで一定の、恐らく行政の側の承認なり確認なりという趣旨でご質問いただいたのかと思うのですが、実質的にはそういうところで、行政関係者も関わる、あるいはオーケーという判断をするという段階が、入ってくるかというふうに思います。
     それから、実施主体の中で誰がやるかということで、導入者が中心になるべきではないかというふうなお話がございましたけれども、そのお考えは、まさに原因者責任の追求の話と絡んでいる話ですけれども、その人がある程度主体となって動けるような方であれば、この中に入って、中心となって動いていただくということは、当然考えられると思います。それはケース・バイ・ケースで、考えることは可能かなというふうに思います。
     それから、実施手順の3番目に書いております許認可の緩和する等の措置ということで、具体的に例としてどういうものがあるかということですが、例えば鳥獣保護法の中で、鳥獣については、捕獲についての許可が必要であるというふうなものがございますし、国立公園内であれば、自然公園法の方で許認可の手続が必要になってくるわけですけれども、そういったものについて移入種を捕るということであれば、この計画に沿ったものであれば、緩和の措置を取るということを、例としては考えております。

    【岩槻委員長】 よろしいですか。どうぞ、大塚委員。

    【大塚委員】 最後の点はよくわかりました。
     最初の2つの点なのですけれども、ここは発想の問題で、根本的な問題なので、よくご議論いただくとありがたいと思うのですけど、私は、やはり移入種の問題というのは、基本的には導入者が、ちゃんとやる気にならないとどうにもならない問題で、導入者中心で考えるべきだと思っています。原因者の責任というのは、これは不適切なことがあった後で、回収するかとか、そういう話なので、これはまた結構お金のかかる話ですので、ここまでどういうふうにやるかというのは、実は4番の方は、実際に仕組みを作ろうとすると、かなり難しいと思っているのですけれど、未然防止の方は、そんなに金のかかる話ではないので、まさに導入者にやってもらわないと、NGOとか、行政もですけれど、横からいろいろなことは言えても、実際にやる人がやってくれないとどうにもならないので、むしろカルタヘナ法みたいな発想と似ていると思うんですね。ひょっとすると、これ、自然再生法と同じ発想で、みんなでやろうという話をお考えなのかもしれないのですけれど、自然再生法は、まさに今から元へ戻すということで、みんなで合意して、この地域の関係をどうするかという話で、みんなで合意してやる話ですけれども、この話は、実際に導入する人がちゃんとやってくれないと、どうにもならない。最後はそこが決め手で、実際にやる人がやってくれないと、どうにもならない話なので、実施主体というのは、基本的には導入者が、特に未然防止の方は、実施主体は、導入者がやらないとどうにもならないというところをちょっと強調しておきたいと思います。

    【岩槻委員長】 何か、事務局の方からご発言はございますか。

    【事務局(河本)】 未然防止、例えば、入れる前にリスク評価をしていくとか、そういったことは、当然導入者の方が主体となってやる話であって、それは行政なりの方が審査で判断をしていくと、そういった手続になりますが、ここは、特に防除ということですので、実際に定着して影響を出してしまったものについて、どう考えていくかということで、場合によっては、導入者がいなくなっているとか、あるいは実態がなくなっているというふうな、そんなケースも考えられるものですから、もちろん、そういう人たちに責任を持ってちゃんと処置をしなさいというのが本来ではありますけれども、ここの場合は、必ずしもそれができない場合もあるということで、その合意ということを考えて、組んでおります。

    【岩槻委員長】 大井委員、どうぞ。

    【大井委員】 法的な対応について、ちょっと感想を言わせていただきます。
     現在、動植物が日本に入ってきている状況というのは、1つには、物流がかつてに比べてみて非常にたくさん入ってきているということ。それから、2番目に、日本は島嶼国であって、大陸のようなある種のバッファがないということ。それから、3番目に、現在の貿易の基本的な、これはWTOの規定に表れておりますが、消費者を、それを優先する、と。しかしながら、消費者優先というのは、基本的には、人間活動に比べてみて非常に環境が広くて、そして資源も多いという、そういうような場面においては、非常に有効に作用いたしますけれど、狭いところで、汚れやすくて、そして資源が少ないところでは、つまり、閉鎖系においては、非常に危険な前提であると思うのですね。
     この資料3それから4で法的な対応というのを拝見いたしますと、まず第一に、資料3ですが、土壌汚染対策法、あるいは廃棄物の処理及び清掃に関する法律、それから水質汚濁防止法、これはいずれも、健康に影響があるときには気をつけないといけない。しかしながら、私たちが今論議しております生物多様性というのは、人間の健康よりもはるかに広い概念でございまして、それが傷害されるときには、将来的に人間の健康も非常に影響を受けるであろう、ということであって、現実の対応として、健康だけ、健康のラインを、それを基にして対応するというのは、これは余り現実的ではない。
     それから、この資料1−4を拝見いたしますと、植物防疫法ですか、それから森林病害虫等防除法、それから絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関する法律、これ、いずれも拝見しますと、例えば昭和25年、防疫法ですね。それから防除法も、これも昭和25年。これは、物流がはるかに少なかった時代、そのときにできた法律でございまして、従いまして、今みたいに格段に物流量が増えているような状況には、対応できないんじゃないかというおそれを、私のように素人がこう申しますとあれですけれど、そういうふうに感じます。
     従いまして、環境省といたしましては、各関係省庁に対して、こういうようなことについて、つまり生物多様性ということが、いかに将来的に健康に影響してくるか、あるいは将来的に環境保健に影響してくるかということを、もう少しきちんとご了解いただくような、そういう働きかけが必要になるんじゃないかと、そういうように考えるわけでございます。

    【岩槻委員長】 何かご発言を。

    【事務局(河本)】 生物多様性の重要性について、きちんと理解をしてもらうという、そういうご趣旨のご意見でございましたけれども、関係省庁で生物多様性について国家戦略をつくりまして、その中で生物多様性を基本として、どういうふうな施策を立てていくかということを整理しておりますので、全く認識をされていないということはないと思いますし、生物多様性ということを基本に考えたときにどういうふうな施策をすべきかということについては、各省庁とも一応整理はしていただいているというふうに、我々は認識をしております。

    【岩槻委員長】 よろしいですか。
     他にご意見、コメント、ございますでしょうか。阿部委員から、まず。

    【阿部委員】 既に定着している移入種の防除に関して、この原因者の責任とか何かは追及できるというのは、具体的に採用できるのでしょうか。なかなか難しい面があると思いますし、それから、こういう防除計画を原因者中心にしてやらせるとしましても、現実には非常に難しい。現に、もう定着しているやつの防除は、始まっている部分もありますけれども、それを見てみましても、膨大な計画でない限り、それは不可能だと思うのですね、防除そのものが。それを原因者にやらせるというのは、事実上どこまでできるか、というのが非常に疑問があると思います。ですから、そこのところをきちんと整理しておかないと、原因者にやらせるといいましても、なかなか実際上は、行政が関わってやらない限りは、実効あるものにはならないだろうというふうに、私は思っております。
     以上です。

    【岩槻委員長】 ご発言ありますか。

    【事務局(河本)】 おっしゃるご意見はよくわかります。関連した話で、前回、大塚委員の方から、カルタヘナ法の中で行政代執行に関する規定が入らなかったのは、どうしてだろうかということで、当方から調べてご回答申し上げます、というふうに言っていたのですが、幾つか調べまして、基本的には行政措置の命令を出すというものが基本にあって、それが効かない場合には、別に行政代執行法という法律がございますので、そこで行政代執行をするということは可能な形になっているのですけれども、例えば、土地の絡んでいるものなんかですと、非常に権利関係が複雑な場合が多いということもありまして、原因者がはっきり特定できない場合が非常に多いということで、そういうのは、各法律の中で代執行に係るような措置、それを規定している場合が多い。ただ、原因者がはっきりわかるような場合、まさにカルタヘナなんかは、誰が導入したというのが、はっきり分かっておりますので、そういう場合については、特に各法の中で規定をしなくても、代執行法の方で対処ができるだろうと、そういう判断もありまして、カルタヘナの場合は含んでいないと、そういうふうな整理でございます。
     先ほどのご意見の話からいたしますと、例えば、廃棄物法の関係なんかですと、まさにおっしゃったとおりで、原因者にどこまでやらせることができるのかということで、結局は環境保全のために、行政が基金をやるという形になっておるわけですけれども、それについても、先ほど見ていただいたとおり、廃棄物の関係の法律の方で、そういったことについては規定があるということで、同様の考え方で移入種についても対応はしていくのかな、というふうには思っております。

    【岩槻委員長】 よろしいでしょうか。

    【大塚委員】 今の点で。

    【岩槻委員長】 今の件についてですか。それでは、大塚委員。

    【大塚委員】 事務局がおっしゃったとおりで、私も賛成ですけれども、この問題について、要するに原因者に対して、責任を追及すること自体はあきらめないようにしていただいた方がいいと思います。というのは、やっぱりそれが結果的な未然防止につながるという面がありますのでただ、おっしゃるように、では、実際に特定できるかどうか、その膨大な費用が払えるかという問題がまさにありますので、そのときはもちろん行政が二次的には出てこられるようにしておくのは、当然だと思います。でないと、今度は原因者がわからないとか、原因者に資力がないときに、お手上げになるのかという大問題が生じますので。だから、2段階で考えるのがよくて、最初から行政が出ていくというふうにすると、原因者は何も責任を負わないということになってしまって、未然防止に全然つながらないという、何か広がってしまったら、もう後は知らないという、最初からそういう態勢になってしまいますので、そこは気を付けて、原因者に第一義的に責任を負わせるけれども、特定できないときそれから資力がないときは行政が出ていくと。行政代執行で基本的にいいと思いますけれども、そういう仕組みの発想が非常に大事ではないかというふうに思います。

    【岩槻委員長】 よろしいですね。
     石井委員、どうぞ。

    【石井委員】 この資料の1−1にある移入種の防除という場合のこの移入種なのですけれども、例えば、防除の目的の1つ目の丸ですけれども、1つしかありませんけれども、移入種の駆除・排除といいますと、これは例えばある移入種が入った場合、ブラックバスならブラックバスを日本国内から全部排除する、というふうに見えるのですけれども、これは例えば、個体群みたいな、移入種の特定の個体群について言っているのか、それとも、移入種を対象とする場合は、すべからく日本から排除する、ということを言っているのか。このままだと全部やるというふうに見えてしまうので、例えば、当事者が誰であるとかというのは、判断が難しくなるのではないかということですね。
     それからもう一点は、同じ移入種の問題なのですけれども、問題になっているタイワンザルなんかの問題で、タイワンザルそのものは移入種というふうに判断されるのでしょうけれども、その結果ニホンザルとの交雑でできた、その雑種の個体というのは、移入種の側に入れて=―もちろんそうなのだと思うのですけれども=―いくのかどうかです。遺伝子の汚染に関わって、実施の手順の中にある排除の判断ですけれども、その基準をどうするかというのは、かなり難しいかなというふうに、これはちょっと感想ですけれど、思ったりしております。最初の方の移入種というのは、この場合はもう全部なのか、それともやはりある特定の個体群のことを言っているのか。それから雑種をどうするのか。ちょっとお答えいただきたいと思います。

    【岩槻委員長】 余分なことかもしれませんけれども、「……駆除・排除や、」以後の文章ではそういうことも、ほのめかしてあるとは思うんですけれども、事務局の方から明確なお答えをお願いします。

    【事務局(河本)】 文章で誤解を生じるようであれば、修正したいと思いますが、基本的に種を特定して、それを全国すべてということではなくて、その影響が発生した場所で、いかにその影響を抑えていくか、ということを考えていますので、先ほどの種なのか個体群なのかというご質問に対しては、個体群というふうに考えております。
     それと、交雑個体が移入種に当たるのかどうかということですが、基本的に在来種でないということで、移入種と同じ扱いにすべきかとは思いますが、そちらの定義の関係、それについては、別途また整理させていただきたいと思います。

    【岩槻委員長】 表現についてはともかくとして、内容はそういうことということで、よろしいですか。
     他にご意見ございますでしょうか。どうぞ、太田委員。

    【太田委員】 実施手順のところで、2番目の、これは言わずもがなかもしれないのですけれども、これは防除が必要であるという判断というのは、かなり迅速に、しかも適切にやらないといけない問題で、ここでは非常に詳しい科学的データの集積に基づくことが望ましいけれども、現実問題として、それはほぼ困難、私もほぼ不可能だと思いますけれど、そういう状況下で判断を下すのを、具体的にどういう考え方でとらえられているかということと、同様にこの項目の一番最後の、緊急性を要するかどうかというところも、これも言ってみれば判断の問題で、その判断によって成功する場合、それから、もう手遅れになる場合とか、いろいろ関わってくる極めて重要な部分だと思うんですけれど、この辺は具体的にどういう手順を考えられていますか。

    【岩槻委員長】 事務局からお願いします。

    【事務局(河本)】 必要性の判断、緊急性の判断ということですが、これはもちろん、例えば行政の方で一方的に判断をするということではなくて、ここで言っていますのは、あくまでも実施主体の方での判断ですね。フロー図に示しておりますけれども、そちらの方で、必要とあれば防除をするということであります。仮に行政がやるということであれば、通常の例で言いますと、検討会なりなんなり、あるいは専門家の先生、複数の方々から意見を聞いて判断をしていくというスタイルを、普通はとっております。ですから、ここの場合、ストレートに、ここは誰がということは、ちょっと言えないのですけれども、基本的には、これは実施主体の判断、この仕組みとしてはですね、となります。

    【岩槻委員長】 どうぞ、太田委員。

    【太田委員】 実施主体で、行政以外のところが=―国以外と言った方がいいのかな=―判断する場合、やっぱりどうしても場所、個人、組織によって、温度差が出てくると思うんですよね。特に緊急性を要する判断のような場合には、例えば、非常に取り組みの熱心なところもあれば、そうでないところもある。そういう組織の違いによる温度差が、対策が後手に回るか、適切に行われるか、ということに出てくる何かを残してはまずいと思うんですよね。ですから、実際に動く防除の作業的な部分で、いろいろな組織が動くということについては、おっしゃるように、いろいろ主体的に動くところに任せるというのは、現実的だと思うんですけど、すべきかどうか、それから、どれぐらいの緊急性が必要かということについては、行政の方で何か統一したシステムを作っておく必要があるような気がするんですよね。そうでないと、あるエリアでは、例えば早急にアライグマの防除を始めて、功を奏した。だけど、例えば別のところでは、例えば、主体となる自治体が非常に動かなくて、それがまた増えてしまったとか、そういうことが生じ得ますので、できれば、その辺のこの必要性それから緊急性の判断については、全国で統一した何か機構を作った方がいいような気がします。

    【事務局(河本)】 ご趣旨はよく理解できますけれども、今おっしゃった全国統一の判断なり基準、そういったものを作ってしまうと、逆にそれが足かせになるような場合もあるかと思いますので、設定するというご趣旨は分かりますけれども、それの作り方ですとか、それの出し方ですとか、それの解釈の仕方ですとか、そういったところは十分気を付けてやって行かなければいけないなというふうに思います。
     基本的には地域に応じて事情は違うわけですので、その地域の事情を踏まえて、これについてはすぐやるべきであると、これはしばらく様子を見た方がいいんじゃないかと、個別の判断で出てくるかと思いますので、非常に、統一的なものを作ろうとすると、かなり大雑把な、一般原則的なものしか出てこないのかなと。もし、細かなものを考えておられるのであれば、それも各地域ごとに何か作っていくというふうな仕組みが必要なのかもしれません。そこはまた、ちょっと検討させていただきます。

    【岩槻委員長】 大変難しい問題だと思いますので、それが具体的に、どういうふうに実現できるのかというのは、もう少し検討が必要ではないかというふうに思いますけれども。
     大井委員、どうぞ。

    【大井委員】 勝手なことを申し上げるのですが、先ほど局長が非常に緊急性というものを感じているとおっしゃって、まさに緊急事態であるということは、私たちも認識しておりますが、この1−1の資料を読ませていただいて、私の直観でございますが、このステップでやっていって、本当に有効な手であるかどうかということになると、恐らく、そうではないという感じがするのですね。もっと緊急性という、つまり環境省が感じておられるような緊急性というものを、もっと正面切って国民に訴えるような、そういうことが付け加わらなければ、1−1にありますことは科学的にも堅実でございますし、常識的にも堅実である、法律的にも堅実である。そういう意味において、とても現実的で、そのご苦労をよく私も理解するものでございますが、もう少しドラスティックなアピールがなければいけないんじゃないかと思います。
     ニュージーランドのこの資料がございますが、ニュージーランドは、島嶼国家であるという意味において日本と非常に似ているようなところがあって、ここでバイオセキュリティーですか、生物安全保障というような、こういうような概念を出して、非常に啓蒙活動を強くしている。私は、そういうある種の新しい概念、直接的に国民にアピールするような、琴線に訴えるような、そういうようなものを持ち出していくということが、今やっておられることにつけ加えて、やはり必要なのではないかというふうに思うんです。

    【山岸委員】 今のことに関連で。

    【岩槻委員長】 今の話は、もう既に2つ目の議題の普及活動の方に入っていますので、そちらのご説明をいただこうかと思ったのですけれども、今ご発言された方がよろしいですか。

    【山岸委員】 今の方がいいです。

    【岩槻委員長】 それでは、どうぞ。

    【山岸委員】 私も、今、大井委員の言われたことと全く同じ印象を持っているのですが、この資料の1−1というのは、ちょっと甘いんじゃないかという考えがあります。皆さん、ほかの委員の方にも手紙が届いているんだと思うのですが、この会に来る前に、2通も3通も、NGOやその他のところから手紙が来るわけですよね。片や、このフローチャートには、非常に美しく、協力とか意見とか合意とかという言葉でまとめられて書かれているんですが、一体こういう、例えば、野生生物保護法制定をめぐる全国ネットワークが考えているような法規制を何らかしようとか、それから、今、民主党の環境部門会議で考えておられるような外来生物種規制法案をつくろうとかという、そういう動きは、当然、委員に来るぐらいだから、事務局の方にも行っていると思うんですよね。そういう意見が反映されてこういう資料1−1ができたのか、それはそれで置いておいてこういうものができているのか、その辺はどうなっているんですかね。ここで言っちゃいけないことなんですかね。

    【事務局(河本)】 いろいろ、今おっしゃったようなものは、当然我々の方も情報としては承知をしておりますし、いろいろな意見があることを踏まえた上で、こういったものはつくっております。全く無視しているわけではございません。

    【山岸委員】 それでは、付け加えます。これは意見ですから。
     もし、そうであるなら、聞いているのなら、この資料1−1の基本的事項、移入種の防除に関する基本的事項の中の最優先事業として、そういう法規制に取り組むんだというのが、あってしかるべきではないのでしょうか。さっき、局長がそんなようなことを申し上げていましたね。プロジェクトチームをつくって、今並行してやっておられるということを。その辺のことを大井先生もおっしゃりたかったんですかね。

    【大井委員】 私は臨床医でございますので、基本的には人間の心理というものに触れることが多いわけですが、そういう観察から見ますと、この1−1にあるような案で、余りうまくいかないだろうということを考えるわけで、これはある種の資料をもって、こうこうこうだというような、そういう迫力がございませんけれど、私が今まで見てまいりました限りでは、大体、人間はこれでは動かないだろうという、そういう感じなのです。

    【岩槻委員長】 どうぞ。

    【小林委員】 この会議に何度も出てきた議題を蒸し返すような発言で申しわけないのですが、この問題はほとんど、例えば、土壌にしても、廃棄物にしても、これはだれが見ても汚いとか、危険だねとか健康に悪いねという、即、生活というか、人間の健康に結びつく問題が多い。ところが、この野生生物は、かわいいというところから入ってしまっている。そうしますと、今、大井先生もお話ありましたように、かわいいのがどうして悪いのという感じになりますから、2番目のテーマの啓蒙運動、これはもう学校教育から、小学生、幼稚園の問題から、家庭の若いお母さんから、かなりのバックボーンでアピールしないと、理解できない。一方では、法的にかなり規制していかないと、必要と認めた者が主体となって、その必要と認めた人が全体の何割いるかというと、合意形成というと、多数決でやったら負けちゃう可能性がある、というところから見ると、かなり強力な、法的な整備をしないと動かないというふうな感じがします。
     以上です。

    【岩槻委員長】 私が発言するのは余りふさわしくないのかもしれませんけれども、この小委員会が設けられて検討していることというのは、私の理解では、最終的にはどういう法規制ができるかということを、むしろサーベイすることだと思うんですよね。それをサーベイしていく過程で、例えば今小林委員がおっしゃったように、世の中の考え方というのと、必ずしも我々の考え方とが一致していない部分があって、それをどう乗り越えていくかというのが、むしろ我々に与えられている課題なのであって、ですから、法規制がある意味では非常に簡単にできることだったら、そんなに難しい議論を重ねる必要はないと思うのですけれども、例えば、愛護の問題も含めてですけれども、この問題に関しては、一般に理解していただくということを含めて、非常に難しい問題がたくさん絡んでいるために、1回や2回の検討ですぐに法律には結びつかないという悩みをこの委員会の中で持っているのが、現実じゃないかと思うんですね。その意味では、いろいろなところで検討が進んでいるというのは、僕も承知しているのですけれども、それと同時に、ここでもそういう検討が進んでいる、というふうに理解していいんじゃないかと。むしろ、その意味では、法律的な規制ができるような形に持っていけるのは、ここが一番、日本の今の制度の中では近道なところなので、だからこそ、緊急にそういう議論を詰めていかないといけないのではないかというのが、私の理解なのですけれど。ただ、その問題に関して、次の議題が普及活動になっていますけれども、世の中の理解の度合いだとか、非常に難しい問題が絡んでいますので、多分、お役所の方で法律の原案をつくられても、それがすんなりすぐに通るとは限らないでしょうから、だから、そういうものがどう理解していただけるか、ということも含めての検討が必要なんじゃないか、というふうに理解しているんですけれども。
     大塚委員、どうぞ。

    【大塚委員】 今、小林委員とか太田委員とかが先ほど言われたことと私も似たような感覚を持っているのですけれど、私がさっき最初に質問させていただいたこととも関係しますが、この実施主体が余り多いと、船頭多くして船山に上ってしまうのではないか、という気もするんですよね。とにかく、だれか中心にやらなくてはいけなくて、今いろいろご懸念があるように、合意に時間がかかってどうしようもないというケースが、実は相当多くなるのではないかという懸念があって、これは、私は、国がここまで出てくるわけには多分余りいかないので、都道府県にしてもらうしかないかなと思っていますけれども、都道府県が中心になって計画を作るとか、そういうふうにしないと、何か非常にいろいろな人たちを集めて、みんな実施主体で対等にしていたら、意見が違っちゃって、どうにもならないのではないか、ということが結構多いのではないか、という感じがします。その辺について、事務局はどうお考えか、ちょっとお伺いしたいということが1点です。
     全然別の話として、さっき廃棄物処理法の措置命令が参考資料で出ていたんですけれども、これはそれほどは広がっていない場合のケースだと思うのですけれど、原因者に対して、措置命令をかけるということも、考えられないわけではないわけですよね。そのときだと、原因者が計画を立てるということに恐らくなるのですけれども、しかし、恐らく、私が先ほど都道府県とか、あるいはここに国とか自治体とか書いてあるのは、そんな原因者が計画を立てるほどの規模の問題ではなくて、もっと広がってしまった場合に、原因者に計画を立てさせるぐらいでは、済まないというふうに多分お考えなのだろうというふうに思います。考え方としては、原因者に措置命令をかけるとすれば、原因者に計画を立てさせるという考え方も全くないわけではないので、その考え方と国とか自治体が出ていくという、基本的には都道府県だと思いますけれど、そういう考え方と、2つあり得る。どっちかが中心にならないとどうしようもないと、私は思っています。
     以上です。

    【岩槻委員長】 先ほどの大井委員の発言にも、普及活動に関する部分が大分入っていますので、今日は特にその後で、これまでの議論をサミング・アップして、着地点をどう見出すかというような議論も進められることになっていますので、第2の議題の方へ移らせていただきたいと思いますけれども、よろしいでしょうか。
     それでは、事務局の方から、移入種に関する普及啓発及び調査研究の在り方についての件について、説明をお願いいたします。

    【事務局(河本)】 それでは、資料の2−1から先にご説明申し上げます。
     ちょっと資料自体多くなっておりますが、ご議論いただきたいのは資料2−1という初めにお示しをいたしましたもので、普及啓発及び調査研究に関する基本的事項でございます。事務局の案として、普及啓発及び調査研究関係は、今回初めてお出しをさせていただくわけですが、まず、普及啓発につきまして、基本的な考え方として、その枠囲いの中にありますようなことを整理しております。
     移入種問題それから移入種対策の必要性については、国民の間に十分な理解・認識が得られている状態ではないだろう。そのため、特に生物多様性の保全の観点から、様々な移入種対策の施策を行う。それについて社会の共通認識が形成されることが望まれる、ということが、まず基本的なことであります。
     各論として、5点ほど整理をいたしております。
     1つは、動植物を野外に放つような行為が見られるわけですが、これが在来の生物の生息に対する脅威となる、あるいは生態系を乱す行為となる。それについて十分に認識をしてもらう必要があるということ。在来種と同様に移入種を飼育しようとする場合には、野外に出さない管理、これを徹底する必要があるということです。
     それから2点目が、海外から導入した生物を国内で頒布しようとするような場合には、相手方にその当該生物の性質ですとか、成長後にどのようになるのか、あるいは寿命がどれぐらいなのか、といったことも確実に伝えていくということが、必要であろうということ。
     それから3点目が、業として移入種を用いる場合、これは移入種の生態的な特性を理解した上で使用していく必要がある。さらに影響が大きいものについては、管理を厳重に行う必要があるということです。
     それから4点目が、国民の共通の理解を深めるという点では、学校教育の場での配慮ですとか、移入種問題が生じている地域における住民・事業者への情報提供、こういったものが求められるであろうということ。
     それから5点目が、移入種対策制度を設定して実施に移す。それに当たりましては、制度を円滑に運用する。そのために普及事業が必要である。例えば、事前にリスク評価をというふうなことを実施するのであれば、必要な情報収集を支援していくようなシステム、これを構築していく必要があるだろうということでございます。
     それから、調査研究の方ですが、これは基本的な考え方について、枠囲みの中に記述をしておりますが、我が国の移入種問題ですけれども、持ち込まれている生物の実態ですとか、野外への定着状況、全国的な分布、それから詳細な生態的特性と、そういったものを細かい点まで見ますと、まだまだ未解明の部分が多いということがございます。幅広い分野で着実な調査研究を進めていく必要がある、というふうに整理をしております。
     各論として3点ほど挙げておりますが、国内で分布しない生物を導入する場合には、導入後の在来の生物多様性への影響を判断するためには、事前に情報収集が必要となってくる。そのために海外の情報収集データ整理を円滑に行う国際的な協力体制―それから情報管理システム、それが必要であろうということです。
     それから、移入種の防除に関しては、同一の種であっても、地理的条件ですとか動植物相によって、地域によって非常に異なってくるということで、全く同じ手法で進めていくということはできないわけですが、いろいろな事例から知見の蓄積を図っていくということで、効果的な手法に係る研究というのが、必要だろうというふうに考えております。
     それから、移入種の利用に頼るということを避けるために、在来種による代替利用、これの研究の促進ということも、必要であるということで、1つまとめております。
     以下、これについての参考資料ということで、その下につけておりますけれども、資料の2−2は、各テーマごとにお示ししていますが、生物多様性条約の中の指針原則の該当する部分と、それから、昨年8月の対応方針について、それの該当部分ということで示しております。
     最初のところ、指針原則の5のところですが、調査とモニタリングということで、一番上の方に、「問題に対処するための充分な知識の基礎を築くために、適当な場合には、各国が侵略的外来種に関する調査及びモニタリングを実施することが重要である」というふうなことが書いてございます。
     それから、その次のページにいきますと、指針原則の6というのがありますが、教育と普及啓発ということで、指針原則の方では、侵略的外来種についての普及啓発の推進について書いてありまして、「各国が侵入の原因と外来種の導入に伴うリスクについての教育と普及啓発の推進をすることが重要である」ということが書いてあります。
     同じく対応方針の方を見ますと、意図的導入の場合に、その動物取扱業を行っている方とか、事業として生物を流通させている者に対しての普及啓発、あるいはその理解と協力を得ることが必要というふうなことを書いてありますし、非意図的導入に関しましても、主として要注意地域と書いています―=前回の委員会では重要管理地域という言い方をさせていただきましたけれども―=そういったところへ、脅威となる種についての地域住民、事業者への情報提供というようなことが書いてございます。
     あと、次のページでは、情報交換というところがありますが、ここは外来種の予防、導入、モニタリング、影響緩和の活動をする際に、利用される情報を編纂し普及させるために、インベントリーの開発であるとか、そのデータベースのネットワーク、そういったものについて支援すべきである、ということが書いてありまして、同じく対応方針の方でも、移入種についてのデータベースの構築ですとか、ベースラインデータの収集と、種に関するデータベースの確立と、そういったことについて、まとめております。
     それで、普及啓発の在り方を考えていくに当たりましては、国民の方々の一般的な認識はどうなのかということを足がかりにしていく必要があるわけですが、資料2−3と2−4に世論調査の関係部分についてお示しをしております。
     まず、資料2−3は、動物愛護に関する世論調査ということですが、これは外国産ペットに対する考え方と、それから、飼えなくなったペットの処置について調査を行ったものです。
     1枚めくっていただきますと、下の方のページ番号で言いますと26ページというところですが、外国産の野生動物の飼育についての質問がございます。それの次のページ、裏側ですけれども、図の12と書いたものがございます。
     これを見ていただいた方がよくわかるのですが、選択肢として外国産野生動物の飼育について、個人の責任で自由に飼ってもよいのか、規制により問題ないものに限定すれば飼ってもよいのか、あるいはペットとして飼うべきではないのかと、そういった選択肢に対する回答例がありまして、年齢別で言いますと、飼ってもいいという人が、若い世代ほど多いというのが、特徴として非常によくあらわれているかと思います。
     それから、それの中で外国産野生動物は飼育すべきでない、と答えた方に対する追加の質問がありまして、それは29ページと書いてあるところを見ていただきますと、下にグラフがございますけれども、一番多かったのは、野生動物は自然のままにしておく方がいいという、そういった理由でありました。ここの委員会で検討いただいております生態系への影響ということは、順番で言いますと4番目、32.4%の人からそういう回答をいただいたということでございます。
     それから、1枚めくっていただきまして34ページのところには、飼えなくなったペットの処置ということでございまして、これも飼えなくなった場合、新たな飼い主を探すのか、あるいは保健所などに引き取ってもらうのか、動物愛護団体に連れていくのか、あるいは自然の中まで放しに行くのかと、そういった選択肢で世論調査を行われていまして、35ページのところにグラフの形で出ておりますが、今回、当方、ここの委員会で特に問題とすべきかというのは、自然の中まで放しに行くというところかと思いますけれども、これを見る限りでは、割合としては非常に少ないパーセンテージであるということは、ここから読み取れます。それが動物愛護の関係です。
     それから、資料2−4といいますのが、自然の保護と利用に関する世論調査。これは移入種についての意識調査をやったものですけれども、1枚めくっていただきますと質問の票が入っておりまして、Qの14、15、それから、それの裏側の16、17と、その4つが移入種に関する質問でございます。
     結果の方をざっと申し上げますと、下のページ番号で言うと58ページという3枚目の紙でございますけれども、そこのところで移入種問題について知っているかと。そういった問いに対しては、よく知っている、知っている、合わせて何とか過半数ぐらいということで、幅広く浸透しているという状況では、今のところはないようであります。
     それから、60ページというところで、動植物の持ち込み制限について聞いておりますけれども、これは、ぜひ持ち込みの制限はすべき、あるいは、できればした方がいいというものを合わせると88.2%ということで、これについてはかなりの方が制限について賛成というご意見を持っていらっしゃるということです。
     それから、1枚めくっていただきまして、登録制について聞いております。これは飼育者等の責任を明らかにするという目的での登録制ですが、これについても86.6%の方が登録制にした方がいいと、そういう意識を持っていらっしゃるという結果でした。
     それから、さらにもう一枚めくっていただきまして、64ページというところで、これは生態系を守るために移入種の駆除を進めること、これについてどうかということで聞いていますが、これも、ぜひ移入種は駆除すべきである、あるいは、できれば駆除した方がいいというのを合わせますと73.8%ということで、かなり多くの方がこれについても同意をしておられるということが読み取れます。
     こうしたことが根底にあって、ではどういう形で普及啓発を進めていくかということで、施策の事例ということで、ニュージーランドの事例を資料2−5というところに、ごく簡単にまとめさせていただいております。
     ニュージーランドでは、先ほどご意見にもございましたけれども、移入種に対する対処法がかなり進んでおりまして、大きく分けて3つの普及啓発に分類しておりますが、1つは一般的なバイオセキュリティーということについての理念ですとか、一般情報の普及啓発ということで、これのパンフレット、ポスターといったものがつくられております。
     それから、2つ目が監視ですね。移入種の監視ということについての普及啓発というのもありまして、これについては、ツチバチですとか、あるいはアカヒアリとかオオヒキガエル、マイマイガと、そういったいろいろなパターンのパンフレットがつくられているようで、それについては参考におつけをしておりますけれども、こういったものによって、実際に市民の方からそういった侵入種が発見をされているということがあります。
     それから、3つ目の普及啓発の分野として、駆除、防除についての技術ですとか留意事項についてやっているということで、フクロギツネの関係は、POSSUMS(ポッサム)という資料を参考に後ろの方につけさせていただいております。
     それから、一般的なポスター類、入り口の横のところにちょっと掲示をさせていただいておりますけれども、かなりいろいろな形でポスター類が作られておりますので、後で見ていただければというふうに思います。
     それから、資料2−6というところでは、国内等の事例、国内だけでなくニュージーランドも含みますね、普及啓発の事例ということで幾つかありますけれども、1つは、軽井沢にアライグマが侵入していますというのがありますが、これはピッキオというNGOですか、任意団体の方々がつくっているものでして、軽井沢で非常にアライグマが多いということで、こういうものをボランティアの方たちでつくって、店なんかに置いて持っていってもらうという形で啓発を図っているというものです。
     それから、オオヒキガエルの関係で下敷きを委員の方々にお配りをしておりますが、それは西表島に石垣島から入り込んでおりますオオヒキガエルについて、地元の方々に理解をしていただくということで、これは西表島の方の全家庭にその下敷きを配布して啓発を図っていると、そういう事例でございます。
     それから、先ほどPOSSUMS、ニュージーランドの事例、これの実際に駆除のためのトラップ、ティムス・トラップと書いていますが、これについてのポスターというか、パンフレットもつけております。こういった事例があるということで、これは参考までに紹介をさせていただきます。
     それから、資料2−7というところですが、これは調査研究の関係ですけれども、必要な事項ということで、移入種関係、データの整理あるいは、情報システムの整備ということを言われていますが、データベース、実際に作られているものもございまして、今作られておりますのが参考としてつけておるわけですけれども、2−7の維管束植物というやつは、これは研究者の方々が集まって作られているものでして、植物で大体現在100種ぐらい作られているということです。それぞれ移入種の特性ですとか、影響と対策といったものをデータとして入れているということです。
     それから、それの後ろにありますのは、IUCNの方で作っておりますグローバル・インベーシブ・スピーシーズ・データベースということで、これはインターネットで検索ができる形になっていますが、特徴ですとか影響ですとか分布ですとか、この例はヌートリアですけれども、こういったものが現在作られております。現在120種類余りのデータが作られているということでございます。
     それから、資料2−8でありますが、調査研究の1つとして防除技術というものの知見を集めていく必要があるだろう、ということがあるわけですけれども、挙げておりますのが、外来魚関係の防除技術事例ということで、この資料自体は、既存の資料から拾って整理をしたものですけれども、単純に外来魚の駆除といっただけではなくて、いろいろな技術があるということで、こういったデータがあるということです。
     それから、それの裏側のニュージーランドのフクロギツネの駆除対策というのがありますけれども、それの一番下の方、主な駆除手法というのがありますが、ワナですとか毒物、そういったものについて幾つかの手法があるということで、こういった防除技術についても、整理をしておく必要があるだろうということで考えております。
     それから、最後に2−9というものですが、これは調査研究のテーマの1つとして言われております、在来種利用についてということですけれども、現在行われておりますものを、ごく簡単に概要をまとめたものです。
     1つは、ヒアリングのときにもありましたセイヨウオオマルハナバチ、トマトの受粉に使っているというものですが、在来のマルハナバチを使えばいいじゃないかということで、そこの3の在来種利用の研究というところで書いていますが、研究の内容として、商品としての適正の研究、それから、安定的・効率的な飼育増殖技術の開発ということで研究が進められておりまして、平成10年に在来のマルハナバチの商品化ということが、実際に行われているということです。
     それから、次の紙では法面緑化の関係ですけれども、これも在来郷土種の利用を進めることで、シナダレスズメガヤ等の牧草類を使わないで済むようにしようではないかということで、いろいろな緑化技術について開発がされておるということでございます。
     ちょっと長くなりましたけれども、普及啓発、調査研究関係の基本的事項とそれの参考資料について、ご説明をさせていただきました。よろしくご審議をお願いいたします。

    【岩槻委員長】 どうもありがとうございました。
     今のご説明にご質問、コメント、ございましたら、どうぞご発言ください。阿部委員、どうぞ。

    【阿部委員】 普及啓発の資料2−1の1番目の丸の1番のところに、在来の生物の生息、「野外に放つ行為が在来の生物の生息・生育に対する脅威となり、」ということで、生態系を乱す行為であるということを認識ということを書いてありますが、こういう場合でなくても、例えば、完全に生態的地位が空いていて、そこにすぽっと入るようなものであっても、本来、群集構造、歴史的に形成された群集構造を変更すること自体が、多様性保護の理念に反することであるということであるわけですから、本来、あらゆるものは駄目だという事をきちんと啓蒙する必要があるんではないかというふうに思うんですが、こういう、何か在来種に脅威になるものだけをというふうなことでは、ちょっとまずいんではないかと、私は思います。

    【岩槻委員長】 ご発言はよろしいですか。

    【事務局(河本)】 はい、ご意見はよく理解しておりますが、ただ、一から十までだめという、一方的に決めつけることもできないのかなというふうに思っていまして、そこは例の未然防止といった話で対処はしていきますけれども、基本的に野外に放すことで影響が出てくるということですので、ここに書いてあります野外に出さない管理を行うということを徹底するということが基本かなというふうには思っております。

    【岩槻委員長】 阿部委員、よろしいですか、今の。

    【阿部委員】 あらゆるものを出してはいけないということであれば、結構だと思いますが。基本的な理念は。

    【岩槻委員長】 私、翻訳したらいけないのかもしれないけれども、阿部委員のこれに対するコメントは、法的規制をどうするかという問題ではなくて、一般原則として生物多様性ということを乱す行為になるので、それがまずいけないんだということを前提にして、その上で、具体的に何か起こったときにどう対応するか、というのがこの文章のつながりになっているという、そういうご質問の意味だったと思います。

    【事務局(河本)】 わかりました。

    【岩槻委員長】 そういうふうになっておれば、問題ないと思うのですけれども。
    太田委員、どうぞ。

    【太田委員】 前にも、一番最初の委員会の頃に一度発言させていただいて、余りちょっと、場には当てはまらない議論だったので、余り言わなかったのですけれども、この普及啓発で4番目に、広く国民の共通の理解を得るためにというところで、何かちらっとしか書いていないのですけれども、学校現場での教育というのは、物すごく大事ですよ。合意形成という意味からも、これが一番決め手ですね。
     例えば、小学校で、今、環境教育をやっていると言っていて、環境教育は何をやっているかというと、川にニシキゴイを放しているのですよ。冗談じゃなく。これが要するに、魚のいない川よりも、魚のいる川の方が気持ちいいでしょうというアピールでやっていて、それが自治体の何か環境教育賞かなんか、そんな賞までもらっているんですよね、現実に。そうすると、小学生が小学生のころにそういう環境教育を受けて、ところが、いざ社会に出てみると、いや、外来種はいけないから除去しようといって、今度は川のニシキゴイを例えば捕っていったとしますよね。そうすると、もうそれがしみついている人にとっては、そんなことやったらかわいそうじゃないかとか、そんなのとんでもない話だというふうになりますよね。私はとにかく、もう周りの状況を見ていると、学校教育、中でも小学校の環境教育というのにかなり、これはもちろん文部科学省のあれなので、なかなかやり難いのかもしれないのですけれども、ここに行って、それで現場の先生と話し合うと、そんな難しい内容は小学生には教えられないと言うんですね。要するに、命は大事だ、殺してはかわいそうだというのは教えられる。これは道徳としても教えられる。人間の話にもなる。だけど、生物の多様性、在来の生物云々かんぬん、そんなの、ちょっと現場では教えられませんよということなのですけれど、それをちゃんとやらないといけないと思うんですよね、その小学校の段階で。それは多分文科省に、=こんなことを言ったら怒られるかもしれませんけれども、=任せているだけじゃ、できないと思う。だから、外来種の問題の脈絡から、こうこうこういうものでということを理路整然と、それもわかりやすく、こういうふうに、だから説明してくださいというような事例も含めて、それをちゃんと示すようなことをやっぱりやるのは、ここに挙げられている中でも、僕は一番重要じゃないかなと思います、根本的なところで。

    【岩槻委員長】 大井委員、どうぞ。

    【大井委員】 全く同意見でございまして、2−4、自然保護と利用に関する世論調査、それから2−3、動物愛護に関する世論調査、これをやっていただいて本当によかったと思うんですが、これを拝見いたしますと、例えば、動物愛護についての世論調査について見ますと、27ページをごらんください。外国産野生生物の飼育ということで、これは個人の責任で自由に飼ってよい、あるいは、飼ってもよいという、それが20代、つまり20歳から29歳までの人たちでは、圧倒的にその以前の年代よりか大きいわけですね。それから、その次に、自然の保護と利用に関する2−4の方をごらんください。例えば、58ページで、移入問題についての認識というのを見てみますと、20代の人たちは、70代の人たちとほとんど同じぐらい、物を知らない。つまり、知識がないわけでございます。それから、動植物の持ち込みの制限についての意向、60ページをごらんください。ここでも20代の人たちというのは、断然、そういうような意味において、ぜひ持ち込みは制限すべきである、というような意見は少ないわけで、つまり環境省はこれから対応する人たち、ジェネレーションというのは、最もエゴセントリックであって、最も環境問題について知識が乏しい、そういうような人たちが、これから主流になってきます。私のように、これからもう少ししたら死ぬような者にとっては、こんなことは余りいいんですけれど、これから10年、20年で、それだけの時間的な余裕があるかどうか、私は存じませんけれど、これを見てみますと、慄然とするような数字になっているわけですね。そうすると、今、太田委員がおっしゃいましたような意見というのは、極めて緊急性を要するような、そういうふうな対応であって、文科省にこのまま任せておくのでは、とてもではないけれど、私たちが考えるような生態系の保護というのは、達成できないだろうと思います。

    【岩槻委員長】 他にご発言。
     細谷委員、どうぞ。

    【細谷委員】 お二人の先生がおっしゃったことの補足になると思うのですが、移入種の問題は、詰まるところは、これは生物多様性保全ということに置きかえられると思いますので、その辺は生物多様性と言えば、言うまでもなく生態系多様性、種多様性及び遺伝的多様性ということで、当然教育を進めるべきでありまして、その典型的な事例が、皆さんご存じのようにメダカだと思うのですね。ですから、太田先生がおっしゃったように、ニシキゴイもそうですし、例えば、メダカがいなくなったから、すわ、ヒメダカを放流して、それがほほ笑ましいニュースとして伝わるのが今の現状ですが、当然、これが南北集団があって、それぞれが300万年前に分化して、地域特性があって、それぞれが純、サブ、ユニットに分かれるということは、もう大体メダカを保護しようという方々は理解していただいて、メダカにおいては、大体収束しているかなという感じはするんですね。いずれにせよ、移入種の問題は、当然生物多様性に関する教育を今後充実していく必要がある、ということだと思うのです。
     それと、もう一点、少し話が変わりますが、きょうの議事の今の項目は、移入種に関する普及啓発、そこは今お話ししましたが、後半部、調査研究のあり方ということで、今後の事務局の方向性が出ているんですけれども、移入種の問題、調査研究というふうにとりたてた理由、当然、移入種の問題は、1つ難しい言葉で言いますと、インシチュ、つまり、生態系のその場においてモニタリングをしていくという姿勢はよくわかります。しかし、その一方で、エクスシチュ――施設内研究が全く出てこない。わずかに、資料2−8に、オオクチバス、コクチバス、ブルーギルの防除技術事例というものをお出しになっているのですけれども、施設内あるいは研究室内における駆除技術開発の方向性が、全く見えてないということが気になります。例えば、オーストラリア、ニュージーランド等は、オオヒキガエルの繁殖阻害技術開発であるとか、不稔化技術開発とか、こういったものを当然並行して進めていようかと思うんですが、その辺の話が、方向性が全く見えてこなくて、結果として、移入種は定着したらそれでおしまいよ、というような理解にも通じかねない。確かに、コストや技術面で相当なエネルギーを使うとは思いますが、その辺の並行したエクスシチュ、=施設内研究、そういったものの方向性を、ぜひとも、この調査研究というこだわりではなくて、研究というレベルの中で、2つのフローとして展開していただきたいなという感じがいたします。

    【岩槻委員長】 事務局、何か発言されますか。よろしいですか。
     他にご発言はありますでしょうか。
     普及教育の問題は、私も非常に関心がある問題なんですけれども、先ほどからご発言があるように、学校教育というのが非常に重要だというのは言うまでもないことなんですけれども、ただ、学校教育だけにエネルギーを注いでいると、必ずしも完全でない部分が出てくる危険性もあるのですね。僕は、この世論調査というのは読み方が、非常に難しいものだと思うのですけれども、例えば資料2−4の64ページ、この数字だけを言いますと、駆除した方がいいというのが圧倒的過半数だという数字になりそうなのですけれども、非常に怖いのは、20代の駆除すべきではないという意見が、5人に1人いるということなんですよね。実はこういう人が子供を育てるわけですよね。日常生活で子供にそういう意見が伝わってくるというのは、非常に恐ろしい問題だと思いますので、学校教育というのが非常に重要だというのは、実は僕、兵庫県にコミットするようになってから、兵庫県の博物館は学校教育と一緒に学校の先生が余りご存じないことが多いですから、どういうふうに自然史教育をやったらいいか、というようなことを模索中ではあるのですけれども、それだけではやっぱり尽きない部分がありますので、やはり生涯教育全体として生物多様性の問題というのは、これはお役所だけに期待することではなくて、いろいろな立場での普及活動が、それがない限り、この移入種の問題の最終的な解決は、あり得ないと言ってもいいぐらいだと思いますので、環境省としてそれをどう構築していくかということは、事務局でもご検討いただかないといけないかと思いますけれども、それと同時に、我々もいろいろな立場で対応していかないといけないのではないかというふうに思っています。そういう、非常に重要な問題だと思っているのですけれども。
     石井委員、どうぞ。

    【石井委員】 普及啓発の中の学校教育の場のところが重要だというのは、私も全く同感なんですけれども、例えば、普及啓発の項の中で欠けているものというのですか、当たり前なんですけれども、どれが移入種なのかというのが、一般の人には実はわかっていない部分もあるのじゃないかと思うのですね。それをしっかり教えなければいけないのかなと思うのですけれども、その部分をぜひとも盛り込んでいただきたいと思うんですね。
     それから、アンケート、私、大変興味深く思うのですけれども、例えば、動物愛護の方のアンケートの35ページの、この飼えなくなったペットの処置というのが、自然の中などに放しに行くというのは、すごく少ないんですね、0.1%という。どうして、それなのに、世の中、アカミミガメがいっぱいいたりするのかと思ってしまうんですけれども。アンケートが20代以下、未満はないですけど、やはり学校現場で、私の子供なんかのドリルとかを見ていますと、飼えなくなったペットみたいな話があって、それをどうするか選択が幾つかあって、「自然の中に放しに行く」。それが正解になっていたというのをちょっと脅威に思ったことがあるのですけれども。だから、やはりこのもっと下の方の世代というのは、まず放しに行ってしまうんじゃないかと。もう一つは、それを外来種だと思っていないから、別に放してもいいんじゃないかと思っているのではないかというところが結構問題だなと思ったりします。
     それからもう一つは、逃げるんですね。私も実はやってしまったのですけれども、ゼニガメ、子供が持ってきたやつを庭で厳重に管理しながら飼っていたんですけれども、大雨の日に池がオーバーフローしまして、いなくなってしまったんですね。そういうことというのも結構あるのかなとちょっと思ったりして、ここを見ていたのですけれども、どうして0.1%なのに、こんなに自然の中に多いかということですね。
     もう一つ深刻に思うのは、いろいろなシンポジウムを組むときに、移入種問題なんか、タイワンザルを取り上げたいと思うのですけれども、ちょっと引いてしまうのは、ホームページで見ていると、愛護団体からの意見がすごく多いですね。それはこの委員会で議論している話と余りかみ合わない議論になっていると思うんですね、愛護団体の意見というのは。この普及啓発の中に、その愛護団体に対する対処というのは、どんなふうに盛り込むのかというのは、かなり重大な問題だというふうに思っているのですけれども、いかがでしょうか。

    【事務局(河本)】 愛護関係につきましては、次回の委員会でテーマとして取り上げておりますので、そこでまたご意見いただきたいと思います。

    【岩槻委員長】 それから、今のこの読み方ですけれど、「自然の中に放しに行く」というのは非常に少ないとおっしゃるんですけれど、1%なんですよね。0.1は、その他で1%ですよね。日本人1億人おって、1%だと100万人ですよね。100万人の人が自然の中に放しに行くというのは、非常に恐ろしい数字だと、僕は読み取るのですけれども。

    【石井委員】 理想的には、これがゼロだったらいいわけですね。

    【岩槻委員長】 ええ。そうでないと困るわけですよね。

    【石井委員】 ゼロにするように普及啓発があると。

    【岩槻委員長】 はい。ということだと思いますけれども。
     太田委員、どうぞ。

    【太田委員】 まず、アカミミガメが多いということについては、もう答えは簡単で、カメは野外にいるからカメは在来種という、こういう発想です。これは冗談のようですけど、実際に池にカメを放流する会がありまして、その放流するカメというのはミドリガメで、これは外来種だからだめですよといったところ、いや、これはたくさんいるから在来種なんだという、そういう考え方です。まず、そこが根本的な問題ですね。
     それから、ちょっとだけ補足をしますと、沖縄でマングースそれからノネコの除却を始めるとき、いろいろ愛護団体その他議論ありまして、私もいろいろ言ったせいか知らないのですけれども、外から電話がかかってきますよね。私が非常に当惑したのは何かというと、いわゆる民間の一個人の愛護団体の人からのご意見、それはもちろん丁寧に聞かなければいけないことなのですけど、非常に印象に残っているのが、学校の教育現場の人からの、抗議に近い電話が多かったんです。つまり、命を大事にしろというふうに子供たちに教えている一方でこういうことをやられると、どういうふうに教育していいかわからない、どうしてくれるのだといって、それは先生の教育者としての資質の問題で、私には関係ないですよというふうにしか返事のしようがない。こちらも、ちょっとそういうことで抗議されること自体が、非常に驚きだったんですけれども。
     それでちょっと補足したいのが、環境教育ということ自体が文科省の枠組みの中でも、極めて新しい科目なわけですよね。学校の先生、教える側が、まず、非常にきちっと理解していないというのが顕著だと思うのですよ。沖縄県に関しては、県の教育研修センターというのがありまして、そこでもうボランティア科目でも、何かやろうかというような話に今なりつつあるのですけれども、とにかく教える側の新しい教師、研修、それが物すごく必要ですね。これは新しい人は、どんどんそういうのが大学の教育課程の中でも、習ってから出てくるからと考えられるかもしれませんけれども、これから多分向こう何十年かは、もう既にそういうあれを受けていない人が、実際問題として環境教育、学校の現場でやることになるわけですので、そこら辺も併せて文部科学省に強く要請する、ないし何か具体的に取り組むような、そういうことが必要になってくると思います。

    【岩槻委員長】 加藤委員、どうぞ。

    【加藤委員】 私も今の太田先生のお話と関わるのですけれども、やはり先生方は戸惑いがあると思いますね。命を大事にというふうにいいながらも、片方でそういうことがある。だから、やっぱり教育のときに、人と自然の関わりの問題と、それから、命を大事にという話との関わりと、それから、自然と親しむという教育も、子供の教育ではあるわけですね。例えば、昆虫採集みたいなものもあるわけですし、植物採集みたいなものもある。それから、今度は、今、夏休みですけれども、例えばアゲハの幼虫を連れてきて、自分の家で飼って、観察をして、チョウチョが出てきたら、それは外へ出すということもあるわけですから、そういうことの中で、その問題を整理しないと、先生方も、何をどう教えて、どう対応していいか、わからないだろうと思います。
     ですから、例えば先ほどのお話で、移入種問題の場合には、何は放しちゃいけない生き物なのかということが明確になっていないと対応できないし、どういう生き物は――そういう表現がいいかわからないのですけれど――ある場所においては有害な生物というふうになっているのか、ということがわからないと、やはり現場の先生方は大変混乱するだろうと。そこのところの整理の仕方を環境省サイドがわかりやすい格好で提供していかないと、非常に難しいんじゃないかなと思います。

    【岩槻委員長】 学校の先生の資質の問題じゃなくて、学校の先生は消毒もやられるでしょうし、むしろそういうことを勧められるでしょうし、毎日、食物は食べていらっしゃるでしょうから、命というのは、いかに大切に扱っているかというのは、本当はそういうことからお説きいただければ何でもないことだと思うのですけれども、それは我々のように簡単には話は広がらないみたいですから。だから、そういう意味での普及活動というのが非常に重要だということだと思います。
     大井委員、どうぞ。

    【大井委員】 いやいや、全く今の賛成しますので。

    【岩槻委員長】 そうですか。
     細谷委員、どうぞ。

    【細谷委員】 次回に動物愛護について論議されるということで、少し気になることがございます。今、太田委員からあった事例は、よくよく考えると、この会議の本質にもかかわってくるかなというふうに思っています。
     つまり、命の問題は、確かに教育の手段として極めて重要な教育目標であることは、私も思います。実際にこの問題は、ブラックバスの問題でも、キャッチ・アンド・リリースという形で具体的に問題化しておりますし、それから、ノネコの問題、タイワンザルの問題、すべて関わってきますが、しかし、この全体の会議の本質、生物多様性について、どう保全し、考えるか、法制化するかという大前提がございますから、その限りにおいては、これ、確認していただきたいのですが、基本的にはヒューマニティーの入る余地はないというふうに、私は個人的に思っております。多様性の問題、これは命の問題にかかわってくると、サイエンスとも関係がありません。私個人は、もちろん動物を愛護するという視点はございますけれども、この問題の本質は、基本的にはヒューマニティーを入れて論議すべきではない、というふうに考えております。
     ですから、その辺、次回、動物愛護という項目について論議するという点では、事務局がどのように生物多様性の保全の本質と整理されているのかなということを、逆にお聞きしたいところなのですが。

    【岩槻委員長】 今のご発言もちょっと気になるのですけれども、ヒューマニティーという言葉をどう定義するかということですよね。おなかのすいている人に食物を与えることは悪いことなのかという。ですから、そういう定義の仕方はちょっと難しいのではないかと。

    【細谷委員】 そうですね。ヒューマニティーという言葉が悪いかもしれませんが、例えば、命がもう絶対的であるとか。

    【岩槻委員長】 僕はヒューマニティーという言葉にそういう概念はないと思うのですよ。

    【細谷委員】 そうですか。

    【岩槻委員長】 ただ、それが今の、「命の尊重」と言われる言葉に非常に偏っている部分があるのではないかという、それはありますね。

    【細谷委員】 そういうことですね。

    【岩槻委員長】 だから、そういう事実はしっかり認識しないといけないと思うんですけれども。おっしゃっていることの意味はよくわかるのですけれども、言葉遣いがちょっと。

    【細谷委員】 そうですね、ターミノロジーが。どういうふうに言うのでしょうかね。

    【大井委員】 人間中心主義ではいけないということ。

    【細谷委員】 ということでしょうかね。

    【大井委員】 つまり、人間も生物も。ヒューマニティーには、そういうのは入って
    いないですよ。人間中心主義とは。

    【細谷委員】 その辺は専門ではないのであれなのですが、何と申し上げていいのか。

    【石井委員】 一言では、多分言えないんじゃないかな。

    【岩槻委員長】 おっしゃっていることの意味はよく、恐らく皆さん共通に理解なさっていると思いますので、それはこれからいろいろな議論を進めていく上で、柱にしないといけないということは思っています。
     石井委員、どうぞ。

    【石井委員】 それに関連して1つ。
     命の大切さというのは、やっぱり教育では教えているというので、今のところかち合っていますけれども、もう一つ、私なんかが授業で外来種問題を扱って、外来種を入れて、いろいろなことが起こるのはまずいという話をすると、それとアナロジーになっちゃうのですけれども、それはいろいろな外国から、人が日本に入ってくること。そこで国籍を得て、いろいろ働くこと。これはいけないのか。それで混血が起こって、二世さん、三世さんが生まれる。それは排除しなくてはいけないのかと。そういうさっきのヒューマニティーの話になってしまうのですけれども、教育とバッティングするところは、命と差別という問題があると思うんですね。だから、教育の大きな柱の2つにこれはバッティングする可能性があって、かなり厄介だなというふうに、いつも思っております。

    【大井委員】 その問題については、ここでよりも次の会だと思います。ただ委員長がさっきおっしゃったことが、非常に大切だと思います。もう一度繰り返してみますけれども、我々は、生物を、命を殺してでないと生きていけないわけなので、他の命によって支えられているわけなので、つまり、今、大切さというのは、そういうような他の命も大切である。そして、我々だけが勝手にそういう命をおろそかにするということは、それは許されないということであって、命が大切であるといって、条件なしにぽんとやりますと、非常に恐ろしいことになる、と。例えば、「命は地球よりも重いんだ」。これは本当にあほくさいあれなのですけれども、そういうようなものが出てまいりますので、次回に、そういうことについては。

    【岩槻委員長】 はい。先ほどのご質問で、次回はどういう議論をするのかというものについて、それではお答えいただけますか。

    【事務局(河本)】 次回は、予定表をつけさせていただいておりましたけれども、動物愛護それから倫理というキーワードでお話を、第1回の小委員会でしたか、いただいておりましたので、それについて、やはり移入種対策を考えていく上で1つのテーマになるだろうということで、ヒアリングをさせていただきたいと思っておりますが、動物愛護の観点をいかに配慮していくかということについて。一方、例えばいろいろ、実例もお話しいただきましたけれども、ノネコによって、例えば希少種が食べられていると、そういった厳然とした事実もあるわけですので、その辺との対比といいますか、その辺のご意見をいただきながら、最終的にどういうふうに結論を持っていくべきかというあたりをご議論していただきたいと思っております。明確に、今、こうこうこうと、はっきりとそのテーマなり討議事項まではちょっと描けておりませんけれども、次回までにしっかりと詰めさせていただきたいと思います。

    【岩槻委員長】 よろしいでしょうか。この普及啓発とそれから調査研究というのは、議論をする時間帯は今日だけなので、本当はこれだけの議論では、まだちょっと未消化だと思われるかもしれませんけれども、愛護に関することは、先ほどからありましたように次回に議論を続けていただくということで、今日のご意見をおまとめいただいて、これをまとめて何かするというのは非常に難しい作業になりますけれども、事務局の方でご処理をいただけたらなというふうに思います。
     それで、時間が随分押してしまったんですけど、多少時間を延長させていただいてよろしいでしょうか。ご都合のある方は、もうやむを得ませんので、ご退席いただけたらと思いますけれども、多少、時間をいただきたいと思うのですけれども。
     それで、きょうの3つ目の議題が、先ほど言いましたように、これまでの第1回から第6回までの論点を整理して、それで着地点をどう見出すかという宿題をつくるということなのですけれども、まず、事務局の方からご説明をお願いいたします。

    【事務局(河本)】 それでは、資料3−1を見ていただきたいと思います。
     各先生方の方に、移入種対策の課題整理というタイトルで、事前に資料を送らせていただいたのですが、今回、さらに事務局(案)、それから各委員からいただいております意見、そういったものを検討いたしまして、移入種対策としてポイントとなる論点という形で、もう一度再整理をさせていただきました。
     それで、順次ご説明を申し上げます。まず、移入種対策を進めていく上での基本的な考え方ということで、3つのキーワードを用意しておりますけれども、1つは、移入種対策においては、生態的に影響を及ぼす移入種の環境下への導入を未然に防止する。それが第一である。導入時のチェック体制を整備することが必要であるということで、その未然に防止をするということが1つ。
     それから、2つ目が、導入時のチェック体制を構築しても、多様な移入種経路が存在いたしますので、移入種の侵入を早期に発見していく監視体制を整備することが必要と。早期に発見をしていくということが2つ目。
     それから、3つ目が、監視等によって侵入が発見されまして、生態系それから経済活動に看過し得ない影響が生じている。そういうのが判明している場合ですとか、あるいは、今、制度を考えていただいていますけれども、その前からこのような状況が生じているという場合には、その影響を緩和するために、移入種駆除等の管理を行う、あるいは重要な生態系を保全するための措置をとっていく、そういうことが必要であろうということで、その影響の緩和ということが3つ目のキーワードかというふうに思っております。
     それぞれについて各論ということで、以下書かせていただいておりますけれども、まず、未然防止という観点から、2番目の導入前の導入種のチェックというところで、6点ほど挙げさせていただいております。
     1つは、植物防疫法などの産業保護を目的とする制度、それから、感染症法などの公衆衛生を目的とする制度、こういうのがございますけれども、生物多様性の保全を主目的としたものではないということで、移入種対策を実施していく上では、これら既存の制度だけでは足りないであろうということで、これについては、矢印で書いておりますのは、小委員会でのご意見あるいはその検討状況についてまとめたものですけれども、生物多様性の保護を視野に入れた包括的な法制度の必要性について、ご指摘をいただいているところでございます。
     それから、2つ目ですが、意図的に移入種を導入するに当たって、これは事前に生物多様性の影響を判断した上で実施していくような制度、これが必要だろうということで、これに関してはリスク評価についての基本的な事項について、今まで検討していただきまして、今までの検討資料は、それの後ろに、ホチキスで束ねたものがございますけれども、一番表が右肩に第4回小委員会資料1−1というふうに書いて、リスク評価に関する基本的事項がございますけれども、これは過去の小委員会でお示しをした資料を、もう一度同じものを載せているものでございます。リスク評価に関しては、これの一番下のところにページ番号がございますが、1ページ、2ページのところでお示しをして、ご検討いただいたところであります。
     それから、3点目に、あらゆる種を対象に事前に影響評価、これを義務付けるのは非常に困難なことがございますので、その対象種の絞り込み、それが必要であるということで、これもリスク評価の対象種の考え方についてご検討いただいておりまして、それも3ページ、4ページのところに、再度載せさせていただいております。
     それから、4点目が非意図的に導入される移入種ですが、これは意図的導入の事前の影響評価の中で併せて検討すべきであろうということで、これは非意図的導入に係る導入パターン、それから、非意図的導入に対しての対処の基本的な考え方、ということで整理をさせていただいております。これは5ページ、6ページのところに、その資料についてお示しをしております。
     それから、5点目ですが、事前に生物多様性への影響評価を行うための情報技術については、その時点の最新の知見を用いて実施をすべきであるということ。
     それから、6点目に、国外からの動植物の導入に対して制限を課す場合に、WTOに抵触する可能性、これも考慮をする必要があるだろうということで、6点ほどの論点に整理をさせていただいております。
     これ以外に、詳細な事項としてご指摘もいただいておりまして、主なものを3つほど挙げておりますが、1つは事前チェックをするということで、意図的導入に伴って侵入する寄生生物とか病原菌、これについても評価すべきであろうということ。
     2つ目ですが、移入種の導入の可否に係る基準として、いわゆる、その生物の特性だけではなくて、動物園・水族館、そういった中で導入後の管理体制が整っている場所に持ち込むという場合もあるわけですが、そういう、要するに野外に出ないという観点ですけれども、そういったことについても整理すべきではないかということは、ご意見としていただきました。
     それから、導入後に逸出した場合、根絶、あるいはその回収する容易性あるいは難易度、それも評価ポイントではないかということで、意見をいただいておりました。
     それから、次の早期発見という観点から、3の移入種の監視、それから管理も併せて整理をしておりますけれども、1つ目は、移入種による影響、これは不可逆的でありまして、定着した種は、そのままおいておけば等比級数的に、個体数を増やす可能性があるということもあるわけですけれども、影響のある移入種が確認された場合には、早期に当該移入種の排除等の対応をとる必要がある。農林水産業や人の健康に関する制度はございますけれども、生物多様性の保全を目的とした制度ではないということです。
     これについては、先ほどの導入前のチェックと同じですが、生物多様性の保護を視野に入れた包括的な法制度ということについて、指摘をいただいております。
     それから、2点目ですが、特定の地域、それから、それ以外でも必要な地域については、それぞれ移入種の分布状況ですとか侵入状況については、モニタリングを行っていく必要があるということで、これについてモニタリングの仕組みについて、添付資料の7ページ目につけていますけれども、その仕組みについて整理させていただいております。
     それから、生物多様性に影響を及ぼす移入種を管理下で意図的に導入する際には、逸出や野外への定着はないか。これは、導入者あるいは管理者に定期的に監視をさせる、そういう仕組みも構築していく必要があるだろうということで挙げさせていただいております。
     それから、管理の面ですが、導入時には導入した人が生物の特性等を把握した上で導入されるというふうに考えられるわけですが、譲り渡し等によって、導入後に移入種の飼養者、管理者が変わる場合、その適切な管理方法も併せてそれを伝えていくというふうに、そういう確実な手法を検討していく必要があるだろうということ。
     それからもう一つ、管理関係ですが、既に飼育・栽培下にある移入種、これについても逸出する、あるいは放逐・遺棄といった、そういったことが考えられるわけで、それの影響が大きいと考えられますので、移入種対策を考える上では、その管理の徹底というものが不可欠である。これの対応策について検討する必要があるということを挙げております。
     それから、次に、影響緩和についての観点で2つ、4と5というところですが、4の影響のある移入種の防除ということについては、本日ご意見をいただきましたので、また、基本的事項というところでも整理をさせていただいております。
     それから、5の特に保全すべき地域における対策。これは「重要管理地域」という言い方で資料を提示させていただいたものですが、移入種による影響が大きく、重要な生物多様性を有している地域については、移入種の排除をする。それから、在来の生態系を回復していく。そういった移入種対策も必要であろうということで、重要管理地域の管理の基本的な考え方について、前回の委員会で整理をさせていただいております。
     それから、予防的な見地からの積極的な対策、これをとるべきではないかということですが、現行の自然環境保全の制度法制で言いますと、目的に応じて非常に限られた場所しか対処ができないという、そういう課題もございます。どういう場所について重要管理地域としていくかといった選定のガイドラインですとか、実際にどういう管理を行っていくかということについては、前回、資料をお出しさせていただいております。
     それから、3点目ですが、地域を指定して移入種による影響を防止しようとする場合には、その指定地域の周辺から移入種が侵入することを考慮する必要があるだろうということ。これは指摘をいただいた事項ですが、それをそのまま論点という形で整理させていただいております。
     それから、全体にわたって必要な視点ということで、調査研究、普及啓発という話が出てくるわけですが、これは本日のご意見、それから、次回に動物愛護の話がございますので、そういった議論を踏まえて、再度整理をさせていただきたいというふうに思っております。
     以上が、第1回から第6回、それから、本日も含めて移入種対策についての論点として、整理をさせていただいた中身でございます。
     あと、時間の関係もございますので、後ろにつけました資料の簡単な紹介だけさせていただきますが、資料3−2としてつけましたのは、今までの事務局から出したものに対する各委員さんからの主な指摘をまとめたものです。
     資料に若干間違いがありますので訂正いただきたいのですが、事項のところの意図的導入に当たってのリスク評価というのがございます。それの3番目のところに別紙1とありますが、これは別紙1というのは、先ほどの参照資料のところの1ページ、2ページのことでございます。それから、その次の欄の別紙2のとおりとありますが、これは同じく参照資料3ページ、4ページのことでございます。申しわけございません。訂正をお願いいたします。
     それから、資料3−3でございますが、これは今までに行われました小委員会の議事概要であります。第1回から第4回までを束ねたものでございます。
     それから、参考資料として、その後ろにさらにつけさせていただいておりますが、参考資料1として挙げていますのは、移入種対策をとる必要性に関するデータとして、補足の意味で用意をさせていただいたもので、花粉症の原因植物となっている移入種の事例についてのリストでございます。
     それから、参考資料2は、同じく必要性の根拠となるデータということで、参考にしていただければと思いまして、人畜共通感染症についての資料です。
     それから、参考資料3としてありますのは、これは移入種対策を求める専門家の方々からのご意見・ご要望ということで、今までに各学会から出されました意見・要望の提出状況、我々の方で把握できる範囲で整理をさせていただきました。
     それから、参考資料4ですが、これは対応方針を取りまとめた際に、移入種による影響事例というのをまとめておりますけれども、その後、日数もたっておりますし、最近は移入種関係の情報もいろいろ出てきております。都道府県へのアンケート等も我々の方でとらせていただきましたが、そういった情報を対応方針のところに追加をする形で充実をさせていただいたというものでございます。これのまとめは環境省の方での取りまとめということでございます。
     それから、参考資料5ですが、ヨーロッパ各国が移入種対策について、どのような制度を持っているかということで、簡単なヒアリングを行いました。それぞれの国によって、ちょっと状況が違いましたり、あるいは、我々の方で現地の語学がわからなかったりして、必ずしも一定の基準で整理をできてはいない、その意味ではまだ不完全な資料なのですが、基本的にはEUの規制ですね、それを基本としてやっていますが、各国それなりに既存の法令なりで移入種問題には対応しているということを特筆事項のところで記述させていただいております。
     それから、最後の参考資料6ですが、これは天敵農薬と言われておりますけれども、それを導入する際の環境影響評価ガイドラインということで、天敵農薬についても、農薬取締法の登録が必要ということですけれども、そちらの基準に近い形で運用されていると、そういうものでございます。
     以上、参考としていただければということで、ご用意をさせていただきました。ちょっと長くなりましたけれども、よろしくお願いいたします。

    【岩槻委員長】 どうもありがとうございました。
     委員の方から、時々、進行の遅さといいますか、いらいらが出てきたりしていますけれども、ここまでで大体最初に宿題となってきた課題というのは一通りサーベイしてきた。毎回100%議論が出尽くしたとは言えないのかもしれませんけれども、サーベイしてきて、あと、次回、先ほど予告がありましたように愛護の問題を議論したところで、報告をまとめるということなんですけれども、その報告をまとめる、まとめ方の基になる、今までの議論の、事務局でまとめていただいたサマリーがこれなんですけれども、これでは具合が悪いというご意見だとか、何か誤解があるとかというようなことがありますと、案をまとめる上で具合が悪いので、このまとめの案に対して、コメント、ご質問等ありましたら。
     山岸委員、どうぞ。

    【山岸委員】 今までのあれを見て気が付いたんですが、もちろん、合意を得るように啓発・調査して、いわゆる除去をやっていくのは大事なのですが、どこまで合意を得るように努力するのか、未来永劫やっていくのか、どこで一体見切ってどういうふうにするのかというのは、一度この会で、今後、ちょっと話し合っておいた方がいいのではないでしょうか。

    【岩槻委員長】 事務局の方から何か。

    【事務局(河本) ご議論いただけるのであれば、どうぞお願いしたいと思います。

    【岩槻委員長】 私は、委員長としてではなく、個人的には、この種の問題というのは、議論をし始めるとまさにエンドレスで、解決できるまで待っていたら永久にできないということだと思うのですけれども。ですから、きょうも関係する法律を多少集めていただいていますけれども、この範囲でできることというのは、現に今やるべきことでしょうし、それから、ここで新しい法律としてまとめられることというのは、できるだけ早急にまとめていただいて、これに対する対応をしていただくべきだと思いますし、それでもできない問題というのは、将来に向けて検討していくというふうに、当然のことを言っているみたいですけれども、そういう進め方で。ですから、我々のこの委員会でまとめた報告に基づいて、今できる最大限の対応というのはぜひやっていただかないといけないというふうに思います。ただ、それと、今、現行法ででもやれることというのを、黙って指をくわえているということではないと思います。これも現場でいろいろな取り組みが行われていることだと思いますけれども。
     法律の中には緩和という言葉も出てきましたけれども、実際、僕も現場でいろいろ話を聞いていますと、むしろ、よかれと思ってできた法律が、足かせになっている部分というのもあるみたいなので、そういうことも含めての早急な検討をぜひお願いしたい、というふうには思っているのですけれども。
     私が口火を切らない方がよかったかもしれませんけれども、どうぞ、ご自由にご発言いただけたらと思います。
     阿部委員、どうぞ。

    【阿部委員】 この資料3−1の2番の導入前の導入種のチェックの3つ目の丸のところですが、対象種を絞り込むことは、当然必要だとは思うのですが、先ほども申しましたようにあらゆる種に関して、何らかの検討をしないといけないのではないかと思うのですね。対象種を絞り込むこと、そのこと自体はいいと思うのですが、あとのものはフリーというわけにはいかないのではないかと。ですから、それに関しても、何らかのチェックは必要であろうというふうに思います。そうしておかないと、先ほども申しましたような多様性保護という観点から、どういう種であれ、定着してしまえば、多様性破壊の1つにはなるわけですから、それはきちんとしたチェックをしておく必要があるかなと。移入に関して、何らかの形で登録なり何かが必要ではあるとは思うのですけれども、いかがでしょうか。

    【名執野生生物課長】 先ほどもご指摘あった点と共通しているかと思いますけれども、基本的には、対象となるのは全部というふうに考えております。そのうち、ここに書いてあるのは、対策が必要というのでしょうか、そういう種について絞り込んでいく。そんな考え方でいきたいというふうに考えているところでございます。

    【岩槻委員長】 よろしいですか。
     他にご意見、いかがでしょうか。石井委員、どうぞ。

    【石井委員】 3−1の1番の1つ目の丸なのですけれども、この「生態的に影響を及ぼす移入種の環境下への導入」というのは、あいまいで、日本語として熟していないのかなと思うのですけれども、「生態的に」というところと「環境下」というところが特にわからないのですけれども、これは一番根本的なところなので、ご説明いただきたいのですけれども。

    【事務局(河本)】 「生態的に」という言い方が、分かりにくかったかもしれません。基本的には生物多様性に対する影響ということで、その中の生態系という、とりたてて、意識して書いたわけではございません。「生物多様性」というふうに、では修正させていただきます。

    【石井委員】 では、そう書いたらいいですよね。

    【岩槻委員長】 その方がいいですね。

    【事務局(河本)】 それから、「環境下への導入」ということですが、これは「管理下への導入」との違いという意味で、こういう言い方をさせていただいたのですが、極端な話、実験室の中で非常に厳重な管理の中に持ち込みますということであれば、生物多様性への影響というのは基本的には起こらないだろうと。そういうことからいうと、野外へ持ち出すところという意味で、「環境下」という言い方をしています。ちょっと分かりづらければ、また修正をさせていただきます。

    【石井委員】 「環境下」というのは、何か主語が変わったら全然違ったものになってしまいますので、だから、野外なら野外の方がいいんじゃないでしょうか。

    【事務局(河本)】 はい、わかりました。

    【岩槻委員長】 どうぞ、阿部委員。

    【阿部委員】 WTOに抵触するというところの件ですが、生物多様性条約の基につくられた生物多様性国家戦略に基づいた制限であるわけですね。それがWTOによって規制されるということは、どういうことなんでしょうか。前も説明があったかもしれませんけれども、ちょっとそこのところが、何かよくわからないのですが。

    【岩槻委員長】 では、事務局から。

    【事務局(河本)】 生物多様性条約の世界とWTOの世界が全く違うということで、言ってみれば、ダブルスタンダードみたいなことでいろいろ問題が起こるということなのですけれども、ニュージーランドなんかは、かなり厳しいやり方をしていまして、先日、ちょっと調査をかけまして、ニュージーランドの方は、WTOについてどう考えているのかというふうなことを担当の方に尋ねましたら、何も恐れる必要はないと。自分の国の生物多様性を守るためにやっているんだから、そんなWTOなんて触れるわけはないじゃないかと、自信を持ってやればいいじゃないかと、そんなふうなことを担当官から話を聞きまして。非常にそれは正論ではあるのですけれども、一方で、日本の場合は非常に貿易量が多い、あるいは貿易なくしては成り立っていかない国だということもありますので、これはちょっと意識しておかなければいけないのかな、というふうに考えておりますけれども。

    【名執野生生物課長】 ちょっと補足させていただきますと、もう先生方ご存じのこととは思いますが、特に大塚先生はお強い分野ではないかと思いますけれども、環境に関する諸条約で、特に輸入規制を課しているもの、輸出入規制を課しているものと、それからWTOというのは、これからいろいろ議論されていくことになると思います。WTOの原則というのは、貿易自由化ということでございますので、輸出入に関して何らかの規制を国内法でも課していくことになると、やはりWTOとの調整というのは必要になってくるので、そういう趣旨で、ここには書いたものでございます。

    【岩槻委員長】 よろしいですか。
     大井委員、どうぞ。

    【大井委員】 間違っているかもしれませんが、私が理解している限りでは、貿易自由化というのは、基本的に環境のコストは入れていないわけなので、つまり、私たちが論議していることは、環境にいろいろコストがある。生態系を破壊する。いろいろございますけれども、そういうものを踏まえて経済のことも考えていかないといけない。ですから、ニュージーランドがやっているような方針というのは、私はWTOよりももっと進化した形であると、そのように理解しています。

    【阿部委員】 私もそう思うんですが、ここのところはよくわからなかったので、教えていただきました。

    【岩槻委員長】 よろしいですか。
     大塚委員、何かコメントありますかね。

    【大塚委員】 先ほど事務局がお答えになったことでよろしいかと思います。私も、発想としては大井委員がおっしゃるようなことは、大変よくわかるのですが、一応、別の、WTOと、それから多数国間環境協定の1つなのですけれども、生物多様性条約とは別の世界の話なので、その間の調整が問題になる可能性はあります。環境保護に関する問題については、例外だという規定自体はまだなくて、入れた方がいいという意見は多いのですけれども、今はまだなくて、人・動物・植物の生命・健康の保護に関する問題については例外として扱うという規定があって、人・動物・植物の生命・健康の保護というところの動物とか植物のところに、今の生物多様性の問題が入るかというと、ちょっとそこが解釈が非常に難しいということが、GATTの20条との関係ではございます。それらが環境保護は例外だというふうに入っていればいいのですけれども、今はまだそうなっていないものですから、GATTにかかったときに、そこが議論される可能性はあるということです。このように、もし、WTOにかかればパネルでいろいろな議論をすることになると思いますけれども、それほど気にし過ぎる必要はなく、ただ一応念頭には置いて議論をしないといけないということだろうと思います。
     

    【岩槻委員長】 ほかに、ご意見、コメント、ございますでしょうか。
    ( なし )

    【岩槻委員長】 十分議論が尽きたとは、決して言えないのだとは思いますけれども、先ほど山岸委員からご発言がありましたように、十分議論していたらいつのことになるかわかりませんので、今の段階でこういうふうに、委員会としてこの方向でまとめさせていただくということで、事務局に原案を作っていただくようにお願いしたいと思います。
     きょうは、1、2、3の議題は終えたんですけれども、その他というのが議題には書いてあるのですけれども、どなたか、この際何か、ちょっと時間が超過していますけれども、発言しておきたいということはございますでしょうか。

    【石井委員】 1つ、質問、よろしいですか。

    【岩槻委員長】 はい。どうぞ、石井委員。

    【石井委員】 私の分野でちょっと気になっているのですけれども、チョウの輸入の話をやっていましたよね。あれがどうなったか、一番新しいことをご存じでしたら、お教えいただけないでしょうか。

    【事務局(河本)】 承知している範囲で言いますと、たしかメガネトリバネアゲハだったと思いますが、あれについてどうするかということで、農林水産省の方で、ただ今ご検討されている最中だということで、まだ結論は出ていない状況ですね。

    【石井委員】 どっちの形勢が有利なのかと。

    【事務局(河本)】 そこまでは承知しておりませんので、申しわけございません。

    【岩槻委員長】 よろしいですか。よろしくないかもしれませんけれども。
     他に、特にございませんでしょうか。太田委員、どうぞ。

    【太田委員】 参考資料の3として、「移入種対策に関する学会の意見・要望提出状況一覧」というのがありますけれども、これ、この他にも、ヤンバルのネコの問題とかマングースの問題とか、いろいろな学会から要望書が出ていると思うのですけれども、これは何で外してあるのですか。

    【事務局(河本)】 すみません。これはすべて網羅した資料というわけではなくて、とりあえず把握できた範囲でということでやっていましたので、漏れがございましたら、再整理をさせていただきます。

    【太田委員】 環境庁長官、環境大臣あてに確実に出しているはずなので。例えば、一部を例として、例えばというのがあるのであれば、そういうことが分かるような書き方をしていただかないと、学会組織からこの程度しか出てないのか、というふうに見られる場合もありますから、その辺をもうちょっと気を付けていただきたいと思いますね。

    【事務局(河本)】 わかりました。申し訳ございません。

    【岩槻委員長】 他、よろしいでしょうか。
     事務局の方から、そうしたら。

    【司会】 はい。それでは、まず、委員の先生方には、資料4といたしまして、第5回、第6回の小委員会の議事要旨をお配りしてございますので、内容をご確認いただきまして、修正すべき点がございましたら、できれば8月15日までに、事務局の方にご連絡をいただければというふうに思います。
     それから、次回の小委員会のスケジュールでございますが、第8回の移入種対策小委員会を8月27日水曜日の2時から、経済産業省別館の9階944会議室で開催させていただきたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。
     内容につきましては、先ほどお話がありましたように、動物愛護及び倫理に関するヒアリングと、それから、若干お時間をいただきまして、本小委員会の中間報告の考え方について、ご議論をお願いしたいというふうに考えております。
     それから、その次の次の第9回の小委員会でございますが、ご都合をお伺いしておりましたけれども、10月2日の木曜日の午後に行いたいというふうに考えております。
     そういうことも含めまして、5月にご了解いただきましたスケジュールと比較しますと、お配りしております資料の裏面になりますけれども、スケジュールの部分を変更させていただくということになりますけれども、それでよろしいかどうか、よろしくお願いします。

    【岩槻委員長】 スケジュールに関しては、そういうことなのですけれども、初めよりも最終報告がちょっと後ろへずれ込むことになりますが、そういうことでご了解いただけますでしょうか。

    【事務局(河本)】 あと、すみません、先ほど議題の3のところで、参考資料でちょっと紹介するのを忘れておりましたけれども、1つ、冊子で、ブラックバスと外来魚問題に関する関係者の取り組みについて、というものを各委員さんの方にお配りをしておりました。これは水産庁の方で事務局をしております「外来魚問題に関する懇談会」というところで、中間報告という形で取りまとめられたものでございますので、またご参考にしていただければというふうに思います。失礼しました。

    【岩槻委員長】 どうもありがとうございました。
      それでは、最後に名執課長から、ごあいさつをお願いいたします。

    【名執野生生物課長】 本日は、移入種対策につきまして、貴重なご意見をいただきまして、ありがとうございます。特に防除、それから普及啓発、調査研究というところについて、ご意見いただいたわけですけれども、私ども事務局が用意した中で、いろいろ漏れていた点等も含めて、貴重なご意見をいただけたというふうに思っております。
     私、7月1日から、前任の黒田課長に代わって、野生生物課長を務めているんですが、1カ月たったわけですが、まだ勉強不足で、本来、私がお答えすべき点も的確にお答えできず、申し訳ありませんでした。
     冒頭、小野寺局長の方からも、お話しいたしましたけれども、8月の頭から、移入種対策チームというのをつくりまして、制度的な検討、非常に緊急を要する話だということで、この小委員会でのご審議と並行して、制度的な検討も進めていきたいというふうに思っております。
     防除のところのお話で、これは法制度ということを第一に書くべきではないか、というご意見がございましたけれども、これは、防除だけでなくて、導入前のチェック、監視、それから管理、普及啓発、すべてについて言えることではないかと思います。
     それから、今日、防除のところで示したフロー図、これでは動かないというようなご指摘もございましたけれども、もし制度を整備していった場合、どうしたら動くような制度になるのかという点についても、引き続きご審議いただきたいというふうに思っております。
     事務局といたしましても、必要な資料等をまた準備いたしますので、ぜひ移入種対策について、総合的な対策の在り方ということについて、ご審議いただければというふうに思っております。
     本日は、長時間ご審議いただきまして、ありがとうございました。

    【岩槻委員長】 どうもありがとうございました。
     20分も超過してしまいましたけれども、どうもすみません、ご協力ありがとうございました。これで、きょうの委員会を終わりにさせていただきます。