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中央環境審議会野生生物部会
第4回移入種対策小委員会
会議録


  1. 日時   平成15年5月27日(火)10:03〜11:40

  2. 場所   環境省 第1会議室

  3. 出席者 



    (小委員長)  岩槻 邦男    
    (委員)  阿部  永  大井  玄  岡島 成行
       大塚  直  加藤 順子  児玉更太郎
       小寺  彰  山岸  哲  鷲谷いづみ
    (専門委員)  太田 英利  大矢 秀臣  細谷 和海
    (環境省)   岩尾自然環境局長、    
       小野寺審議官    
        福井総務課長、  黒田野生生物課長、  渡邊鳥獣保護業務室長
        上杉生物多様性企画官、 河本野生生物課長補佐


  4. 議事

    【事務局(河本)】 それでは、予定の時刻を若干過ぎておりますけれども、中央環境審議会野生生物部会移入種対策小委員会を開催していただきたいと存じます。
     本日の出席者数でございますが、中央環境審議会運営規則によりまして定足数を満たしておりますので、本日の小委員会は成立をしております。
     なお、石井委員及び小林委員はご欠席と伺っております。また、児玉委員は若干おくれてご到着ということでございます。
     それでは、会議が始まります前に、お手元にお配りをしました資料の確認をさせていただきます。議事次第、それから資料一覧がございますけれども、そのあと委員名簿、それから座席表の方を各委員の方にお配りをさせていただいております。
     資料ですが、右肩に資料ナンバーを打ってございます。資料1−1から資料1−5まで、それぞれ片面1枚のものが5つ続いて出てまいります。それの次に資料2−1という横長になったものが1枚ございまして、そのあと資料2−2、非意図的導入について(基本的な考え方)というのが片面で1枚、それから次の資料2−3というのが同じく1枚もでございます。それから資料2−4というものが両面印刷で1枚ございます。そのあとに資料2−5、2−6と、1枚もので片面印刷のものがございます。その次が資料3の関係でございますが、資料3−1として横長のものが1枚、それから資料3−2として片面印刷のものが1枚、それから資料3−3としてモニタリング事例と書いておりますが、両面印刷のものが1枚でございます。最後に資料4ということで、全体スケジュールに関する資料がございます。
     お配りしておりますのは以上でございますけれども、もし資料に不備等ございましたら、途中でも構いませんので、事務局の方までお知らせくださいますようお願いいたします。
     それでは岩槻委員長、よろしくお願いを申し上げます。

    【岩槻委員長】 おはようございます。第4回目になりますけれども、中央環境審議会野生生物部会移入種対策小委員会を始めさせていただきます。
     第3回の前回は長時間かけてヒアリングをやっていただいたのですけれども、そのヒアリングのことを思い出していただきながら、きょうは第2回に引き続いて意図的導入の問題から始めて非意図的導入の問題へ移っていくという、そういうスケジュールであります。きょうもよろしくお願いいたします。
     早速、本日の議題に入らせていただきたいと思いますけれども、意図的導入に当たってのリスク評価のあり方についてというのを最初に第2回に引き続いて議論していただくのですが、事務局の方から最初にご説明をお願いいたします。

    【事務局(河本)】 それでは、議題1について、資料のご説明をさせていただきます。
     資料1−1と書いたものでございます。リスク評価に関する基本的事項(案)でありますが、これはリスク評価につきまして、第2回でもご議論いただきました、あるいはそのときにもお示ししている資料が幾つかございましたけれども、そういったものを整理いたしまして、基本的事項として1枚にまとめさせていただいたものでございます。
     まず、そのリスク評価の目的ですが、「リスク評価は、移入種を意図的に導入することに伴い導入先の生物多様性への影響及び導入によって生ずる生物多様性への影響を、事前に判断するために行う」ものである、という形で整理をしております。
     基本的事項として、丸で6つほどございますが、6点ほどに整理をさせていただいております。
     まず、リスク評価は、移入種を導入しようとする者(導入者)が、みずから情報を入手した上で実施をするということが1点目。
     それから、移入種を導入することによる影響の予測及び評価は、科学的な情報に基づいて実施をしていくということが2点目。
     それから、導入の可否ですが、これは導入者が提出をする導入あるいは使用計画書、それとリスク評価書、この2つをもとに行政機関が審査をする。それで、専門家等の意見も聞いた上でこれを判断していくということが3点目です。
     それから、導入ですが、生物多様性への影響が少ないと認められる場合に承認をする。導入(使用)計画を変更しないと影響が大きいと考えられる場合には、行政機関が計画の修正を指示する。影響が少ないと認められるように修正がされれば承認をする。そういう形でやるということが4点目であります。
     5点目として、過去の使用実績等から、生物多様性への影響が小さいと明らかに判断できるものは、承認を得る手続きは不要とするということ。
     それから、承認された導入(使用)計画は、公表する。それとともに、同じ導入(使用)計画に従う場合には、リスク評価を含めて承認を得る手続きは不要とする。これが6点目であります。
     手続き面ですけれども、3というところですが、手続きの流れ、それから実施主体につきましては、フロー図に別途まとめさせていただいております。
     また、在来種の分布域外導入、これについても都道府県が実施できるように検討をしていくという形にまとめております。
     それから4つ目のリスク評価の対象ですが、これも別に考え方を整理させていただいております。後ほどまたご説明をさせていただきます。
     それからその他といたしまして、リスク評価を要する行為の範囲並びにリスク評価の評価項目、評価手法及び行政機関による審査基準、そういった細部につきましては、別途、生物学等の研究者、各方面の専門家、行政関係者等の意見を聞いた上で検討していくという形にしております。
     それから、リスク評価と並行して、導入(使用)に係る移入種の現物の確認を行う必要性、その実施方法、それについても別途検討をしたいというふうにしております。
     これがリスク評価に関する基本的事項として整理をさせていただいたものでございます。この中で、リスク評価の手続きということで、次の資料1−2というところにフロー図を示させていただいております。
     これは移入種を導入しようとする者と、それから国等の審査機関、この2つに分けて流れを示したものですが、まず移入種の意図的導入を行おうとする場合には、その導入をしようとする者が情報収集を行った上で生物多様性への影響評価を実施する。その上で、導入(使用)計画書とその影響評価の結果をあらわした生物多様性への影響評価書、この2つをあわせて承認申請をするという形であります。
     それを受け取りました国等の審査機関の方ですが、1つは定着の可能性、それから2つ目は危惧される影響が生じる可能性、この2点について判断をしていくということになります。ここでは学識経験者の意見を聞きながら判断をしていくということです。
     その際に、影響の可能性がある、あるいはその可能性は否定できないという場合には、その下の方へ進みますが、影響の軽減措置をとる。それが十分かどうかというところの判断が次に出てまいります。ここについても学識経験者の意見をもとに判断するという形になっております。その上で修正の可能性があるかどうかということですが、導入(使用)計画について修正をするかどうかということについて、導入(使用)する者の側に確認をすると。その上で導入計画の修正をするということであれば、改めて影響の軽減措置が十分かどうかということについて再度判断をしていくという形になります。
     その上で、さらに影響の軽減措置を図る必要があるということであれば、それも不承認という形になろうかと思いますし、十分であるということであれば承認という方に流れていくと、そういうふうになっております。
     なお、承認の前にはパブリックコメントという形で、一般の方々からもご意見を伺うと、そういう場面を設定することとしております。
     これが手続きの流れでございます。これがリスク評価全体像ということでご理解をいただきたいと思いますが、それでは、続いてそのリスク評価の対象をどういうふうにするかということです。
     第2回の委員会でもご議論いただきましたが、資料1−3というところに再度整理をさせていただいております。
     前回はタイプ1、タイプ2、タイプ3と、その3つについて考え方をお示しをいたしまして、委員の皆さんから意見をいただきましたけれども、前回の資料と変えておりますのは、タイプ1、タイプ2のところで、それぞれタイプ1のところであれば「影響を及ぼしていることが確認されている種」ということで前回お示ししておりますけれども、皆さんの方からそれの近縁種といったものも含めるべきだというご意見がございましたので、「種(亜種)及びその近縁種」という形で文言を修正しております。タイプ2についても同様であります。
     それで、この表でございますが、まず区分として移入種と在来種の分布域外導入ということで2つに分けております。
     いわゆる国内移動というものも対象とすべきということで、この場でご意見をいただいておりましたが、在来種についてそれを動かすという場合には、それは在来種の分布域外導入という考え方で、この表でいうと下の半部のところですけれども、そちらの方で位置づけをしております。それ以外のものについては移入種ということで、導入しようとする地域はどこであろうがこのリスク評価の対象の考え方に沿って対処していくと、そういう整理になっております。
     在来種の分布域外導入の方については、導入しようとする地域によって対処は変わるだろうというふうに考えておりまして、それが一般地域、これは括弧して重要管理地域以外とありますけれども、この重要管理地域といいますのは、対応方針で言っておりました要注意地域と同じ意味で、生物多様性の観点から特に重要な場所と、そういう位置づけですけれども、その重要管理地域以外の一般地域では、例えばある都道府県において生物多様性に影響を及ぼしているとか、あるいは、またはそのおそれが高い在来種、その近縁種というものについてリスク評価をしていくということが考えられるのではないかというふうに思っております。
     重要管理地域というところでは、それぞれの地域に生存している種以外の種についてリスク評価の対象としてはどうかというふうに考えております。
     それで、タイプ3というところで整理をさせていただきましたものについてご説明を申し上げますが、タイプ3のところでは、食性、交雑性、移動性等から見て、導入した場合に我が国の生物多様性に対する影響が生じる懸念が大きいものとして指定する分類群に含まれる種、それを対象とするというふうに考えております。ここで指定をする分類群につきましては、星印1のところに書いてありますが、当面、哺乳類、鳥類、爬虫類、両生類、魚類及び昆虫類とするということで、これは前回の委員会でお示しをしたものと同じでございます。
     「ただし」として、生物多様性への影響が他法令により判断されているもの等は対象外とするということで、その星印2のところですけれども、何を対象外とするかということで、ちょっと整理をさせていただいております。
     1つは、我が国において長年にわたって自然環境下で飼育をされている実績がある、定着をしても生物多様性への影響が極めて少ないというふうに認められるもの。そういったものは対象外としてもいいだろうということで、例えば家畜とか家禽、こういったものが該当するかというふうに思っております。
     それからもう一つが、生物多様性への影響について判断済みであるものということで、これは既に移入種対策としてリスク評価を行って、その上で無条件で導入(使用)が承認されている、そういったものについては改めてリスク評価を行うことは必要がないだろうということ。
     それからもう一つは、一定の導入(使用)条件のもとで承認されているものについて、その承認されている条件等がほぼ同じ形に従ってそれを使っていくと、あるいは導入するという場合には、たとえその導入者(使用者)が異なっていてもリスク評価は不要にする。ただし、その使用条件が異なれば、導入者(使用者)や導入する種が同一であっても、これは改めて評価をしていこうと、そういう形にしてはどうかというふうに考えております。
     一番下のなお書きは、前回にもお示しをしておりますけれども、科学的知見の集積等に応じまして、そのリスク評価の対象となる種の範囲については適宜見直しを行っていくと、これを1つ注釈としてつけております。
     これがリスク評価の対象についての考え方でございます。
     次の資料1−4ですが、これは今ご説明申し上げましたものを図解したものでございます。I、II、III、IVという4つのカテゴリー、これは何度も出てきておりますが、対応方針の中でまとめたカテゴリーです。それらについて、生物多様性への影響が確認されている種というのが黒い色で色分けをされております。対応方針ですと、−aという形で表現をしていたところですが、その中で我が国に定着しているもの、あるいは導入されているが定着していないものについては、タイプ1に当たる。それから、まだ我が国に入ってきていないもの、国外では影響があるというふうに考えられているものについてはタイプ2である。それからタイプ3というのが、言ってみれば一番あいまいとしたところでありますが、そこについては評価対象外を除いた部分がタイプ3になろうというふうに考えております。
     その考え方、タイプ3というのは、その他除いたものというふうなことで申し上げましたけれども、次の資料1−5というところを見ていただきたいのですが、分類群ごとのリスト化の可能性と書いておりますけれども、その下の参考というところを見ていただきたいと思います。
     移入種リスト、全体を考えたときに、非在来種と在来種に分けられるかと思いますが、その中の非在来種について、先ほどタイプ1、タイプ2、タイプ3という形でご説明を申し上げました。そのタイプ3の中で、リスク評価の対象外になるというものが出てくるということでご説明申し上げたわけですが、それぞれを[1][2][3][4]、それから在来種については[5]というふうに置きますと、その下に書いてありますけれども、分類ごとにまず[5]、つまり在来種のリストを特定している。それから[1][2]、これは影響があるというふうに考えているところですので、言ってみればブラックリストという形になります。これについては、現時点の知見をもとにリスト化を図っていくという形になります。
     したがって、[3]のところ、つまりタイプ3で評価対象とするところといいますのは、この[1][2][4][5]以外の部分という形で特定をされると、こういうふうに考えております。この[1]のリスト化の可能性ですけれども、それらの分類のもとに、今、種をリストアップするとすればどういう状況にあるかということで、聞き取り等をいたしましたものを適当にまとめたものでございます。
     関連として、上に書いてありますが、二重丸で示しているものは既にリスト種の候補、そのまま使えるかどうかはわかりませんが、ほぼこちらの方が描いているものと同様のリストがあるものが二重丸。それから、おおむね1年以内にリスト評価の対象ということでリストをつくることができるかどうかということですが、可能であろうというのが丸であります。それから、そのリスト化に相当の年数を要するものを三角、リスト化についてかなり困難ではないかというものをバツとしておりまして、それぞれそこに出していただいた形でリスト化の可能性を示させていただいております。
     こういった対象をもとにしまして、そのリスト評価の対象というものをお示しするということでございます。
     とりあえず、リスト評価全体の組み立て方、考え方と、それから、特にリスト評価の対象についての考え方についてご説明を申し上げました。私の方からは以上です。

    【岩槻委員長】 どうもありがとうございました。
     前々回の議論も踏まえて事務局の方で整理をしていただいたことをご説明いただいたのですが、まだいろいろご意見があるかと思います。どなたからでもご質問、ご意見、どちらでも結構ですのでご発言をお願いしたいと思います。
     細谷委員、どうぞ。

    【細谷委員】 近畿大学の細谷でございます。前回休みましたので、ひょっとしたら議論を蒸し返して、委員の皆様にご迷惑をおかけするかもしれませんけれども、基本的なところなので、初めに改めて確認させていただこうかなと思うのですが。
     資料1−1、2番目、基本的事項、これは最初のところですのでまだ論議ができるかなと思うんですが、基本的な事項でスタンスについてお伺いしたいんですが、下から2つ目、「過去の使用実績等から、生物多様性への影響が小さいと明らかに判断できるものは、承認を得る手続きは不要」ということをうたっておられるんですが、例えば私、魚のことしか知りませんけれど、ブラックバスは今、言うまでもなく皆さん大きな問題になっていますけれども、20年間芦ノ湖に隔離されていて全く湖外に出なかったというような過去のそういう実例がございまして、そういった中で生息環境が社会的な情勢、それから自然環境の人工化でいかようにも変わり得るにもかかわらず、過去の使用実績のみによってこのような手続きをとる必要はない、と。その辺の判断基準をもう一度ご説明いただけたらと思うのですが。

    【岩槻委員長】 事務局の方から。

    【事務局(河本)】 かなり簡潔な形で書かせていただきましたので、確かに今細谷委員がおっしゃるように解釈の仕方が幾つか出てこようかと思います。
     この過去の使用実績等から云々というところで、その影響が小さいと明らかに判断できるものという書き方にしておりますが、おっしゃるとおり、どういう管理のもとでそれを使っていったかということは判断のための1つの要素かというふうに思います。
     ブラックバスの例を今お話しいただきましたけれども、人工的にその環境をつくり出して、その中でずっと使ってきたので影響がないというものであれば、それはあくまでそういう状況下での生物多様性への影響ということになろうかと思いますので、それをもって日本全国、一般的な地域において、すべてその結果を流用するという形にはならないというふうに思っております。

    【岩槻委員長】 私もこの文面を読んで、過去の実績というのは、例えば封じ込められた状態において安心だったというのが、外へ出して安心ということには決してならないのではないかと思うんですけれども。

    【細谷委員】 管理の仕方いかんかなという感じもしますけれども。ですから、節々でまた確認あるいはモニタリングができるというふうなところは、含みはあるわけですよね、これは。そういうことですね。

    【事務局(河本)】 すみません、ちょっと説明不足で申しわけございません。
     ここで言っておりますのは、資料1−3というところを見ていただきたいのですが、タイプ3についてのご説明をしております。その中で、影響外とするものとして、生物多様性への影響が他法令により判断されているもの等というふうに書いております。その他法令により判断されているものということで、下の方にまた詳し目に書いておりますが、既にそのリスク評価を行って、無条件で導入(使用)承認という形になったもの。あるいは、一定の導入条件で承認されたものについて、同じ形で使う場合ということで書いております。
     そういった、既に判断をしたものというのが1つと、それからもう一つが、その上の1というところに書いていますけれども、星印2の1ですけれども、長年にわたって自然環境下で飼育されている実績があって、定着をしても生物多様性への影響は極めて少ないと認められるものということで、例として家畜、家禽というものを挙げてありますが、そういったものについて、先ほど最初にご質問のありました基本的事項の丸の5番目、過去の使用実績等から云々というところに記述をさせていただいているところであります。

    【岩槻委員長】 よろしいでしょうか。指摘をされますと、明らかに判断できるものという、明らかに判断をだれがするのかというあたりがご指摘の意味かとも思いますけれども。そういうことが、もっと先に整理されるときにはきっちりわかるようにしておいた方がいいのかもしれませんね。

    【事務局(河本)】 すみません。もう一つだけ念のために申し上げておきますけれども、例として挙げられました芦ノ湖のブラックバスとかの件ですが、そういったものについても導入をするという場合にはちゃんとリスク評価をしていただいた上で判断をするということですので、現状をもって容認をしていくということは今のところ考えておりません。

    【岩槻委員長】 鷲谷委員、どうぞ。

    【鷲谷委員】 対象外とするものについて、今のこととちょっと似ているんですけれども、生物多様性影響評価で、やはり限られた知見に基づいて最初は評価せざるを得ないということで、その判断が新たな知見などによって変わったり、あるいは社会的な条件、自然的な条件が変化することによって、最初の判断の時点ではそれほど影響がないと思われたものが、影響が認識されるようになったりということもあるように思うのですね。ですから、1回影響評価を受けて判断をしたらもう変えられないということではなくて、何か順応性というのをこの制度の中に取り入れる必要があるのではないかというふうに思います。

    【事務局(河本)】 ちょっと説明書きのところには特に出てこなかったのですが、今おっしゃったもの、もちろん時間がたてば新たに知見なりそういうものが出てまいりますので、それらによって一たん承認したものが実は不適切であったという場合が出てこようかと思います。そういうことについては、適宜よく見直しをするということは、前提として考えております。

    【岩槻委員長】 どうぞ。

    【小寺委員】 ちょっと教えていただきたいことがあるのですが、ここで導入という概念を使っていらっしゃるんですけれども、国外から移入種を持ってくる場合は導入というのは非常につかまえやすいと思うのですが、これ、国内でどういう形で導入というものを認識、つかまえられるのか、そこをちょっと教えていただきたいのですけれど。

    【岩槻委員長】 事務局から。

    【事務局(河本)】 今回、こういう全体の組み立てを考えるときに、実はカルタヘナ議定書の国内担保法
    の法律をつくっておりますが、そちらの方を実は見本としていろいろ考えておりまして、そちらの方では使用することについての承認という形で使用の可否というものを判断、あるいは導入の可否というものをやっているわけですが、それとほぼ同じような形でとらえることができないかというふうに1つは思っております。
     つまり、国内から国内に移動させるという場合、つまりそれは意図的に持っていくわけですから、何らかの目的を持ってある場所でそれを使うということを考えるわけですね。したがって、ある場所にその生物を持っていきますという、そういう意図が働いたときにはまずどういう形で使うかということについて承認をとっていただきたい。それでもし承認を得ずに使うということがあれば、それは何らかのペナルティーの対象になる。そういった形で導入の形について認識というか、こういうものが導入に当たりますと、あるいは導入の把握としてはその申請が出ているかどうとかというあたりでとらえていくというふうなことを考えております。
     それから詳細につきましては、資料1−1のところで、一番下のその他というところに書いてありますけれども、リスク評価を要する行為の範囲などを含めまして、また細部につきましては別途関係者の方々の意見を聞きながら検討していきたいというふうに思っています。

    【岩槻委員長】 よろしいですか。小寺委員、どうぞ。

    【小寺委員】 ちょっとその点、つまりカルタヘナ議定書を恐らく念頭に置いていらっしゃったと思ったのですが、カルタヘナ議定書の場合、輸入というのが主な対象になっていると私、考えているのですけれども、この場合やはり国内の移動というものが今おっしゃったように結構大きな問題として存在すると思うんですよね。その場合、今後の議論になると思うのですけれども、カルタヘナ議定書とやはり異なる手法というものを使っていかないと、ちょっとつかまえるのが難しくなるというような点があるのではないかなと、そう思ったということであります。

    【大槻委員長】 ほかに。
     では、黒田課長。

    【黒田野生生物課長】 その点について。カルタヘナ議定書は輸出入――輸出も含めて、日本の場合は輸入が主ということで、輸出入についてのルールを決めるということですが、カルタヘナ議定書の国内担保法として今国会でご審議いただいている、国内のカルタヘナ法と呼んでおりまして、ちょっとわかりにくく、カルタヘナ法とカルタヘナ議定書ということですが、国内のことについては必ずしも輸入のコントロールということではございませんで、これ、条文上の規定でいきますと、「使用等」といって、使うことなどということで、幅広く行為を抑えようということで、条文を読み上げますと、「『使用等』とは、食用、飼料用その他の用に供するための使用、」使うことですね、それから、「栽培その他の育成、加工、保管、運搬及び廃棄並びにこれらに付随する行為」ということで、行為としては非常に幅広く使われておりまして、捨てることが使用か、とかいうこともあるのですが、少し幅広くとらえる必要があるということでございます。移入種に関してもこれに準ずる形で、例えば移入種に関しては加工というようなものは余り出てこないだろうし、使うということだけではなくて、飼う方の飼養というようなことも考えないといけないということで、その辺は移入種としての実態を踏まえた形で範囲を定義していきたいと思っています。
     基本的には国内のものというのはなかなかつかまえるのが難しいわけですが、例えばイメージとしては、ある都道府県で、そこの都道府県には全然、一定の、在来種なんだけれども本来的には分布していない種があって、それが入ってくるといろいろ生態系に悪影響を及ぼすものがあると。ということであれば、その都道府県なら都道府県において、それはちゃんと事前に、県内に持ち込むときに、持ち込むというか導入なり使用なりするときにリスク評価をするというような、かなりきつい仕組みになると思いますけれども、そういうものをやっていかないといけないのかなというふうに考えております。

    【岩槻委員長】 よろしいでしょうか。ではそのほかの。鷲谷委員、どうぞ。

    【鷲谷委員】 1年以内に制度をつくっていくということですと、おおむね基本的にはこのようなリスク評価が現実的かと思うのですけれども、ちょっと表現とか、専門家は意識しているのだけれども抜けてしまっていると思うことがあるので、それについて発言させていただきたいのですが。
     1つは、タイプ3の影響評価から維管束植物が外れているんですね。それに関して、タイプ3というところの説明では、「食性、交雑性、移動(拡散)性等からみて、導入した場合に我が国の生物多様性に影響が生じる懸念が大きいものとして指定する分類群」というふうになっているのですが、生物多様性影響ということから見ると、決して維管束植物が影響が小さいわけではないんです。時に生態系そのものをがらっと変えてしまうようなこともありますし。ですから、影響でこのタイプ3の評価をするものとしないものと分けるのはどうかと思うのですね。
     それよりも、テクニカルな難しさの方なのかな、ここから外れているのは。つまり在来種のリストが完備していないということですね。それがないと、やはりタイプ3については評価が難しいと思いますので、何かそういう表現を工夫していただいて、タイプ3の評価、できればほかの分類群にも、そのうちには適用できるようになっていけばと、外来種問題についていろいろ考えている者としては思うんですけれども、それは維管束植物、今三角ですね。これは、こういうリストについては生態学が頑張っても難しいので、岩槻先生のお声がけで、分類学の方でぜひリストを完備していただけたらというふうに思います。
     それからもう一つは、専門家が意識している問題として、郷土種とか郷土在来種と呼ばれて、種子などが輸入されて法面緑化などに広範に使われている植物の移入の問題というのがあります。ヨモギとかメドハギとかヤマハギとか、そういうものが、日本にも在来種としてあるわけですけれども、中国や韓国などから種子が入ってくるんですね。国内のものとはやはり系統の違うものですし、そういう意味では交雑の問題が生じますし、その種だけではなくていろいろなものが混入して、ヨモギといってもさまざまなタイプのヨモギが混入していたり、ヨモギの種子の中にキク科の野生の、しかも日本にもある野生の植物が混入していたりして、実際に交雑が起こっているというデータなども、キクタニギクについては一番研究が進んでいるのだと思いますけれども、起こっているんです。
     それは今、制度の中には全く入っていない、在来種であればもうリスク評価の対象にならないということになりますので、何か、在来種、外来種ということにかかわりなく、国外からの生きた生物の持ち込みに関して……、もしかしたら何かカテゴリーを限定してでも評価できるような仕組みがこれに加えられるといいのではないかという、そんなふうに思います。

    【岩槻委員長】 リストのことにつきましては、何をもってリストが完成されたと言うかというのは非常に難しいことなんですけれども。いずれにしても、維管束植物は数も多いですし、まだ、種や亜種の認識が科学的に確認されていないものが幾つかあるわけで、そういうものの検証までということになりますと、やはり1年以内にそういう研究が完結するとは、残念ながら思えないので。
     今ある知見を修正するということならそんなに難しいことではないんだと思いますけれども、在来種のリストとして完成するということになりますと、やはり三角印にならざるを得ないというだと思いますよね。
     そのほか、鷲谷委員のコメントに対して事務局の方から。

    【事務局(河本)】 ちょっと表現の問題で、維管束植物が、今おっしゃった在来種リストができないという理由ではなくて、このタイプ3のリスク評価の対象というところに書かれた文言をもって対象にならないと、そういう誤解がないようにということでございますので、そこの表現はちょっと考えさせていただきます。
     それから2点目の、要するに在来種で同じ種が国外にある場合、それを国外から日本に持ち込む、そういうことかと思いますけれども、今、鷲谷委員からいろいろご説明のあったご懸念、非常によくわかりますし、今、日本でも実際にそういったところでは問題視をされているということも承知をしておるんですが、まずちょっと参考までに専門家の委員さん方にお伺いをしたいのですが、植物以外のほかの分類群で、日本と同じ種が海外に分布をしている。それを国内に持ち込むことで何か問題が生じるとか、そういったような問題は何かございますでしょうか。

    【太田委員】 例えば、よく飼養されるクサガメというカメがいますよね。あれは日本にもとから、こっちにもとからいたかどうかも、実はまたちょっと別な話で怪しくなってきているのですけれども、それはちょっと置いておいて、もとからいるタイプがいるわけです。少なくとも明治以降にいたと、ずっといると思われるタイプがいるわけですけれど、それプラス、最近になって中国南部からかなりキンセンガメとか、そういった商品名で大量に子ガメが輸入されていて、それは種としては、分類学的にはクサガメとしかとらえられていないのですが、体色も、それから体の成長したときのサイズも随分違いまして、入ってきたものが両方混生し、あるいは中間型が出てくるというような、そういう、まだ完全に集団遺伝学的にはとらえられていないんですけれど、そういう現象はもう既に関東一円で見られています。
     種として……、何というか、自分は分類学専門なんですけれども、種とか亜種とかということは、どうしても必要に迫られて、皆さんは、既成事実というか基準として考えられて、基準だからそんなに動いてもらったら困ると考えられるかもしれないですけれども、分類学というものも一種の学問でして、その学問の中でとらえられる種とか亜種というのは、全部、これ仮説なんですね。仮説というのは、さらに調べていけばより変わるのは当たり前で、ただ、今変わる傾向としては、新しいツールがツールで見れば見るほど、より細かくやはり多様性というものはこういうふうに実は枠があったんだと、そういうものが新しく出てくる。
     だから、今我々が基準にしようとしているその種のリストというのは、多様性のミニマムの部分だというふうに考えるべきで、それ以外の部分がこれからどんどん出てきますから、先ほど鷲谷先生がおっしゃったのはまことにごもっともで、そういうことを少し……。
     あと、振り返ってみて、ああしまった、そうだったのかということにならない、何がしかの対策というのは絶対必要だと思います。

    【岩槻委員長】 細谷委員、どうぞ。

    【細谷委員】 私の場合は魚類を専門としているのですけれども、今太田先生の問題提起の中で、なかなか種か亜種か判断が難しいと。ここで仮に生殖的隔離がない集団というふうに魚の場合を考えますと、それを同種と考えたときに、魚の場合、私がつかんでいる限りにおいては2つのファクター、まず海産業ですね。これは瀬戸内を中心に海産種苗が不足しているために、大陸から――中国や韓国から種苗を輸入するということが一般化されていて、皆さんご存じかもしれませんけれども、その例がタイリクスズキであるとかシマスズキであるとか、日本のスズキとは違うものが日本の沿岸でふえてきているとか、あるいは、現状問題になっていませんけれども、そのほかサワラであるとかマダイであるとかカサゴであるとか、こういった種苗が大陸からどんどん今入れられている。これがまず1点。
     淡水魚については、霞ヶ浦の甘露煮の材料として、フナが適当なサイズが好まれるわけですけれども、そのサイズから外れるものの中に、従来日本になかったような遺伝子型を示すフナが二、三報告されています。察するに、中国産の種苗が何らかの形ではねられて混入してきている可能性もあるのではないかと。今後詰める必要はあろうかと思いますけれども、そういったところで、別種ではないけれども、同種の中で明らかに外国から来たものではないかという事例は少なくはないと、魚類についてはそういうふうに感じています。

    【岩槻委員長】 ほかにいかがでしょうか。
     今、太田委員がおっしゃった、種の認識の問題、もう歴史的な事実になってしまったことですけれども、ムニンノボタンが非常に危険だから増殖しましょうという事業をやったときに、あの事業が始まる直前までは母島のボタンとムニンノボタンは種としては区別されていなかったんですね。ですから、そのときに、もし分類学的な知見に余りかかわらない人が母島のボタンを父島へどんどん植えていたら、恐らく混乱が生じていたでしょうね。たまたまそのときに、そういう事業を始めるというときに、種の構造を詳しく調べて、母島のボタンは違うものだということに気がついたからそういう混乱を招かなかったですけれども。ですから、今同じ種と認識されているからどこのものを持ってきても安心だということは余り言えないという、そういう前提でいろいろな物事を考えた方がいいとは思います。
     大井委員、どうぞ。

    【大井委員】 全く素人でございますので、ちょっと外れたことを言うかもしれません。
     ただ、この外国種が拡散する場合には、当然、一番大きな要因になっているのは人為的な行為であると。それは人為的な導入もあるし、あるいは人為的な拡散もあると。これは先ほど課長がおっしゃいましたように、地方自治体における、都道府県における協議会だとか、そういうようなものにおいて相当規定が厳しくなるということをおっしゃいましたけれど、これを読んでおります限り、つまり人為的な危険要因というのが非常に大きく働いているんだという、そういう印象を受けないわけなんですね。何かそういうようなものにちょっと触れた文言を入れておかれた方が、環境省としてもそこら辺を含めて、最初から非常に危機感を持っていたんだということを示す上において大切なのではないかと、そのように感じます。

    【岩槻委員長】 何かコメントありますか。特にコメントがなければ……。

    【事務局(河本)】 それは、今回の資料についてというよりは、全体を通してという、そういうことでよろしいのでしょうか。わかりました。

    【岩槻委員長】 ほかにいかがでしょうか。
     意図的導入の問題は一応議論は今回で、また後でもちろん整理するときにほかのものと照らし合わせながらもう一回振り返ることにはなると思うんですけれども、意図的導入だけを扱う議論は一応これで終わりになるのですけれども、こういう形でまとめるということでよろしいでしょうか。それでは……、どうぞ、大矢委員。

    【大矢委員】 すみません。私の場合は、動物園とかペットの絡みになるのですけれども、意図的導入、ペットの場合なんかは、意図的、愛玩用として飼っていたのが逃げてしまったとかなんとかということが非常に今問題になっている事例の中に多いと思うんですけれども、それとアライグマみたいに意図的に逃がしてしまったという場合があると思うんですけれども、このリストの原案が出て来ない限りはペットの業界としては余り発言ができない状態ではございますけれども、ペットとして飼う、その辺をどういうふうに位置づけるかということをひとつご提議申し上げておきたいと思います。
     それからもう一点は、今も太田先生とちょっと話していたのですけれども、動物園と名がついていれば何でもいいんだというわけにはいかないと思うのですけれども、少なくとも日本動物園・水族館協会に加盟している園館についてはどうするかとか、何かその辺のことも含めてご検討いただければありがたいかなと思います。

    【事務局(河本)】 リストが出てきた上で、また業界としてのご意見をいただくという、そういうことですね。わかりました。
     あと、その管理のあり方として、動物園・水族館協会の方に入っているかどうか、そこはたしか施設の基準みたいなものを設定されていたかと思いますけれども、そういったものは実際、そのリスク評価をしていく上でどういう管理がされるかということで大きな要因になりますので、1つの基準となっているところで飼育するのかどうかというのが1つの見きわめになろうかというふうに思います。

    【岩槻委員長】 ほかにご意見がないようでしたら……。

    【事務局(河本)】 委員長、すみません。先ほど、鷲谷先生のご意見、その後ほかの分類群の方の状況、ご意見をお伺いしまして、その上でどうするかということなのですが、資料1−3のところで、その対象となる種の考え方を、移入種と在来種の分布域外導入と、2つに分けて考えをさせていただいているわけですが、多分、今伺った話からいたしますと、やはり国外から入ってくる、日本に、本来、種として認識されているもの、それについて何らかの措置が必要だろうということは、いろいろな分類群を通じて、多分共通の問題なのかなというふうに思います。
     したがって、それについてはこの区分とちょっとまた別に考え方を整理しなければいけないのかなというふうに思います。この移入種と在来種の分布域外導入という、その間に入ろうかと思いますが、そこについて、では導入しようとする地域、それからリスク評価の対象をどう考えるかということを急ぎ、試案をつくらせていただきたいと思います。

    【岩槻委員長】 よろしいですか。先ほど申しましたように、いずれ、まとめのときには非意図的な導入も含めて議論の対象にもう一回になりますけれども、意図的導入に関する議論は一応これで打ち切らせていただいて、次の非意図的導入の方に進ませていただきたいと思いますが。
     本日の議題では、非意図的導入に係る考え方についてというのと、移入種の侵入状況のモニタリングについてというのが2つ目、3つ目の議題となっておりますけれども、両方ひっくるめて事務局の方から最初にご説明をお願いいたします。

    【事務局(河本)】 それでは、資料2−1以下についてご説明を申し上げます。
     まず、非意図的導入についての考え方でございますけれども、資料2−1としてまとめましたのは、生物多様性条約の締約国会議の方へ出されました指針原則、それと移入種の対応方針について、この2つのところで、その非意図的導入というものがどういう記述がされているかということについて、関係部分を抜き書きしたものでございます。
     それで、中身についてはもう見ていただければおわかりいただけるかと思いますので、かいつまんでご説明申し上げますと、指針原則の方では非意図的導入について、すべての国で何らか対処するための適切な対策をとるべきであるということ。
     それから、非意図的導入をもたらす共通の経路を特定していく必要があって、その上で侵略的外来種の非意図的な導入のリスク分析、それはそういった経路に対して適切に実施されるべきであるということが書かれております。また、その経路についても、漁業、農業、林業云々ということで、さまざまな分野の活動がかかわっているんだということが記述されております。
     それから、対応方針の方では、非意図的導入に対する考え方ということでまとめております。
     我が国への非意図的導入の経路の特定と経路ごとに侵入による影響について調査が必要ということで、主たる経路を農業、水産業、海運それから建設事業と、それぞれの分布別で簡単にまとめさせていただいております。
     それから、このうち移入種の流通拠点となっている場所における定期的なモニタリングについて検討が必要ということを書いております。
     それと、国内移動については、特に島しょ、島ですね、そちらの方の要注意地域、先ほど重要管理地域ということでご説明しましたけれども、そういったところへの資材等の輸送に際して非意図的導入に注意を払う必要がある。そして、経路につきましては、経路となっている事業を行っている者が配慮すべき事項を明らかにする必要があるということで、対応方針の方ではまとめをされております。
     こういったことを踏まえまして、非意図的導入について、考え方を次の資料2−2というところでまとめさせていただいております。
     移入種の導入というふうに見ますと、非意図的導入と意図的導入に分かれるわけですけれども、意図的導入の方につきましては今までご議論をいろいろといただいてきたところです。
     非意図的導入の方ですが、現状というのが実はそれほど明らかになっていない。導入ですとか定着の現状を明確にしていくというのは技術的にもまだ困難なところがあるだろうというふうに考えておりますし、非意図的導入によって導入をされる生物は、無脊椎動物ですとか海生生物に多く見られるなということは、大体既存の資料からもうかがえるところではあります。
     それの特徴といたしまして、人や物資に付着・混入する場面が非常に多くの場面に出てくる。したがって、要するに予想が簡単にはできないということですけれども、そのため非意図的に導入をされるすべての移入種を事前にチェックをしていくということは極めて困難であるということが一番大きな特徴として言えようかと思います。
     ただし、移入種の意図的導入に伴うもの、それからバラスト水を媒体とするもの。そういったものについて対応することは、ある程度可能なのかなというふうに考えております。
     これをちょっとご説明申し上げたいと思いますが、資料2−5というところを見ていただきたいと思いますけれども、非意図的導入と言われておりますものの導入パターンのイメージということで3つのパターンに分けて考えてみたんですが、1つは導入元から導入先まで、いろいろ、物ですとか人にまじった形で、要するに紛れ込んで入ってくるもの。付着・混入・随伴という書き方をしておりますが、そういうものが主体かというふうに考えておりますけれども、これについては導入時のチェックというものが非常に難しいと。したがって、対処の仕方としては主要経路における監視、モニタリングですね、これによって対処をしていくというやり方になるのかなというふうに思っております。
     それから、Bとして書いておりますが、これは導入元から移入種自体を意図的に導入する。その際、導入しようとする移入種自体にくっついてくるもの、これは寄生的なものが主体になろうかと思いますが、そういったものが1つは考えられます。
     それからCとして書いていますのは、あるところから移入種を意図的に導入する。その意図的に出た移入種自体が非意図的にほかのところへ行ってしまう。こういう形が考えられるのかというふうに思っております。
     このBとCについては、意図的導入時のリスク評価を先ほど対象とご議論いただきましたけれども、そのリスク評価をやっていくことで、このBとCのパターンについてはある程度は対処をすることができるというふうに思っております。
     こういうパターンをイメージして、先ほどの文章を書かせていただいたわけですけれども、それで資料2−2というところに戻っていただきたいと思いますが、この非意図的導入に対して考えられる対処方法ということで、今の2つに分けた形で整理をしております。
     まず、移入種を意図的に導入する。それに伴って入ってくる非意図的の導入についてですが、これは意図的導入のリスト評価をするときに想定をされる非意図的導入について評価をしていく。それで、意図的導入の実施に当たっては、その非意図的導入防止のための措置をその評価に従って実施をしていく。そういう対処が考えられると思います。
     それからもう一つの、先ほどのパターンで言いますとAと書いたところですが、人とか物資に付着・混入をしてくるもの。これについては、地域ですとか、特に注意すべき移入種に応じて監視地点を特定をしていく。その地点において監視(モニタリング)を実施していきまして、そこから得られた情報を一元管理をして分析をしていく。その結果、異常があるということであれば早期に対応していく。早期対応といいますのは、その移入種の駆除でありますとか侵入防止のための措置をとると、そういったことが考えられますけれども、こういう措置をとっていくことになろうというふうに考えております。
     これが非意図的導入についての基本的な考え方ということであります。
     資料2−3というところにありますのは、これは参考までにということですけれども、非意図的導入というのがどういう定義をされているのかということについて、対応方針に書かれているものを抜き書きをしております。箱書きで書いてあるものが対応方針に書かれているものであります。その対応方針のところで参考にしたのが指針原則ということで、英文ですがその下に記述をしております。
     あと、IUCNのところでも、非意図的導入とは、ということで定義をされておりますのが、参考としてその下に記述をさせていただいております。
     あと資料2−4ですが、両面印刷になっておりますけれども、これは非意図的導入としてどういうものが見られるかということで、これは生態学会の方で出されました外来種ハンドブックの中にいろいろ種の事例が書かれておりますが、その中で非意図的導入に当たると思われるものを抜き書きをして、整理をさせていただいたというものであります。
     ここで見る限り、やはり昆虫類あるいは無脊椎動物、それから海産・汽水産の生物と、そういったところで多く非意図的導入のもの見られるのかなというふうに考えております。
     それとあと、資料2−6というところで、国際海事機構におけるバラスト水問題検討進捗状況というものがございます。
     これ、日本海難防止協会というところで出されておりました資料を引用いたしまして、そこにちょっと加筆をしたものですけれども、バラスト水、これは船舶が空荷のときに安全確保のために重しとして積載する海水のことですけれども、これにまじって生物が出ていくということで、そのバラスト水問題ということが国際的にいろいろと議論をされているということであります。
     現在はバラスト水の中の生物処理をどのようにするか、一番簡単なのはバラスト水自体を公海上かどこかで交換をしてしまうというやり方がありますけれども、それ以外にも水流の力、あるいは紫外線とかオゾンとか熱とか、そういったものを使って生物を処理していくと、そういった技術もあるということで、どういう技術を用いていくかというふうな話、あるいは生物の除去率をどのようにするかといった話。それから、バラスト水を交換するとすれば、どういった海域で交換をするかと。そういったところについて、関係国の間でいろいろ議論が行われているということでございます。
     それで、2003年の秋――その表でいいますと一番下ですけれども――ことしの秋にはバラスト水の条約は採択される予定ということでございまして、非意図的導入を考えるときに、どうしてもバラスト水ということは非常に大きなウエートを占めているわけですが、まずそのバラスト水対処、これはどうしても国際間での取り決めということがまず先立つものかと思いますので、こちらでの条約の中での採択されると、こちらの方を基本に対処をしていくのかなというふうに考えております。
     非意図的導入に関しては、以上でございます。続けて、モニタリングの関係についてご説明をさせていただきます。
     資料3−1というところですけれども、先ほどと同じく指針原則、それから対応方針のところでどういうふうな記述がされているかというものを表にまとめさせていただいております。
     指針原則の方ではアンダーラインを引いておりますけれども、モニタリングは新たな侵略的外来種の早期発見のために重要であると。モニタリングには標的を絞った調査と全般的な調査の両者を含むべきである。地域社会を含むほかのセクターの参加によって、そのモニタリングの効果が上がると、そういったことが書かれております。
     対応方針の方でもほぼ同様の記述をしておりますけれども、このモニタリングにはその侵入状況、定着状況、拡散状況などを一定の地点、期間で監視をする、これが一般的なモニタリングということですけれど、それと要注意地域など特定の地域に着目をして早期発見、早期対応を図るために目標を絞ったモニタリングをやっていく。この2つのモニタリングがあるだろうということを書いております。
     そのうち、一定の場所で行うモニタリングについては、「また」のところに書いてありますのは、これは意図的導入についてのモニタリングですけれども、これは目標、期間を限定して導入者の責任で行うモニタリング、これについて検討が必要ということを書いております。
     それから、目標を絞ったモニタリング。これは要注意地域等のモニタリングですけれども、これについてはボランタリーな調査への参加を促進するとともに、情報判別、それから集約する地域の各種施設の協力を得ることが不可欠ということについて記述をしております。
     侵入状況のモニタリングをどのように行っていくかということで、これも基本的な考え方を資料3−2というところにちょっとまとめをさせていただきました。
     モニタリングをどのように行っていくかということで、まず地点として3つぐらい分けられるのかなというふうに思っています。
     1つは、移入種の導入経路のうち主要な地点、例えば空港とか港湾、そういったものが当たるかと思います。
     それから2つ目として、生物多様性の保全という観点からチェックをしていくべき場所があるだろうということで、国立公園ですとか自然環境保全地域であるとか、そういったところが挙げられようかと思います。
     それからそれ以外の地点ということで、I、II、IIIと、3つを挙げております。
     このうちのI、IIについては、国が主体となってモニタリングを実施していくということが基本かなというふうに思っておりますし、それ以外のところは、例えば都道府県が主体となってモニタリングをしていくということも考えられようかというふうに思います。
     こういった行政機関だけがモニタリングを行っていくというのではなくて、それに加えて既存の組織――環境省関係でいいますと、自然公園指導員ですとか希少野生動植物種保存推進員等、こういった方々がいらっしゃいますけれども――こういう方々の支援、あるいは民間団体の方々のご協力と、それによって活動を補助していただくということが必要かと思います。
     そういったモニタリングによって移入種情報を管理していくということが一方で非常に重要なことになってくるわけなんですが、モニタリングの結果ですとか各種調査データ、これらについて、情報をまず一元的に管理をしていくということ、それから、収集したデータの中から、移入種の侵入状況ですとか拡散状況、それを分析していく作業が必要になってまいります。その上で対応すべき移入種対策の中身について提示をしていく。こういう流れで対応していくことになろうかと思います。
     この情報をもとに早期対応、移入種の駆除、侵入防止措置と、そういったものをとっていく、そういう流れを考えているところであります。
     それでは、実際にモニタリングをやっている例がないかということで、資料3−3というところで、西表島でやっておりますオオヒキガエルのモニタリングの事例の紹介をちょっとさせていただきたいと思います。
     これ、西表島の方でオオヒキガエルが非常に分布を広げておるということで、それに対して対応するためにやっているものですけれども、この裏面の方を先に見ていただきたいと思いますが、オオヒキガエルの生態ということで簡単にまとめさせていただいております。
     もともと、中南米が原産のカエルなんですが、サトウキビの害虫駆除の目的でいろいろな島に入られたと。日本では小笠原ですとか南北の大東島、石垣島に既に定着をしていることが知られております。
     これは繁殖については、流水ではなくて止水で行われるということで、これの一番大きな特徴として、食性、食べる物が、陸産の貝類ですとか、ムカデ、ヤスデ、クモ、ゴキブリなど、非常に何でも食べるという、そういう状況であるということと、それと耳の後ろに耳腺がございまして、その中に強力な毒成分が含まれている。その毒で外敵から守っているわけなんですが、これは移入種対策という観点で見てみますと、まず小動物を無作為に食べていくということで、生態系の攪乱が問題であるということと、それからこのオオヒキガエル自体毒を持っておりますので、これを丸ごと補食をしてしまいますと、捕食をした動物自体が死亡してしまう可能性がある。特に西表島には、イリオモテヤマネコですとか、あるいはカンムリワシといった希少種がございますので、そちらへの影響が懸念をされる。そういうことでモニタリングを実施しているということでございます。
     表の方に戻っていただきたいと思いますが、現在行っておりますのは、既に導入されたオオヒキガエルの監視・駆除ということで、まず監視ルートの確定というのをしております。西表島の島の中に、潜在的な繁殖場所としまして、池とか水田、そういった止水域のところが169カ所ほどあるということで、それをもとに繁殖しそうなところのマップをつくっております。
     その一方で監視の体制を組まなければいけないということで、西表島の住民の方々の中から実際行っていただく方々を募集をいたしまして、週に一、二回、日没から夜間の約1時間ですが、その止水マップをつくりましたものをもとに見ていただいていると、そういうものでございます。今まで、昨年の2月から実施しておりますが、延べで言いますと月別調査回数1,138回に及んでおりまして、実際4個体ほどが島の中に侵入をしていたということで捕獲をしております。
     一方で、このオオヒキガエルがどういう形で西表島に入り込んできたかということを特定していかなければいけないということで、その2のところに書いてありますけれども、考えられるのは、西表島の中で確認されたものはかなり大きなサイズのものだけということですので、島内で繁殖しているのではないだろうと。つまり、別の場所から持ち込まれているんだろうということがまず考えられたと。隣に石垣島という島がございますが、石垣島の方では、昔、意図的に持ち込まれて定着をしている、しかも高密度で生息をしているということですので、こちらから何か紛れ込んで侵入をしている可能性が高いのではないかと。こういう当たりをつけまして、実態調査、聞き取り等を行いましたところ、調査結果というところに書いていますが、西表島における工事件数の増加とオオヒキガエルの侵入数の増加、これは目撃数ですけれども、これらの関係が認められると。そういうことで、U字溝などのコンクリートの二次製品があるんですけれども、これに紛れ込んで入り込んでいるのではないかということが考えられたわけでございます。
     現在、このモニタリングについては継続をしておりますけれども、今年度はさらにそれの充実ということもありますけれども、輸入元の石垣島の方での対策というものもあわせて考えていく必要があるのかなというふうに思っておりますし、石垣島から西表島へ運び込まれる資材についてのチェックと、そういったことについて考えていきたいというふうに思っているところです。
     モニタリングの事例ということでご紹介申し上げました。ちょっと長くなってしまいましたけれども、非意図的導入それからモニタリングについての説明は、以上でございます。

    【岩槻委員長】 どうもありがとうございました。
     今の2つの件につきまして、どちらからでも結構ですけれども、ご質問、コメント、ご意見。太田委員、どうぞ。

    【太田委員】 非意図的導入の中で、なかなかつかみどころがなくて対策が難しいというのは現実そうだと思うんですけれども、かなりやはり1つ大きな共通性を持って抑えられている1つが、多分その意図的な導入物について入ってくる非意図的なものという、これは動物でも植物でもあると思うんですけれども。これがかなり抑えられるかどうかというところが1つのポイントになると思うんですが、それについては、例えば意図的導入の方で審査の中にそれについて入ってくるものに対する対策というものを入れてしまうというのは1つやりようではないかなという気がするんですけれど。
     例えば、クワガタ自体はもう問題だろうと思うんですけれど、例えばクワガタにダニがついて入ってきて、それがまた問題になっていますよね。それから琉球の方だと、ヤシが入ってくる。ヤシの木、あの並木用の。そうすると、根っこについている土は一生懸命調べるんですけれども、それは植防の方で。ところがリブアキシルの中に入っている生き物はほとんどチェックしていないんですよ。ヤシが持ち込まれた後でヤシのあたりを調べると、非常に何かおもしろい、いろいろな陸貝がとれるとか、日本で今まで記録されていなかったヤモリがいたとか、そういうことが現実にあるわけですよね。
     余り、参考になるかどうかはあれなんですけれども、例えば琉球で私の同業者って、ほとんど海洋をやっている人ばかりなんですけれども、彼らはハワイ大学やグアム大学と提携してサンゴやウニの研究をしているんですけれど、サンゴはハワイでとって、グアムまで持っていって実験しようとすると、すごく大変だというのをいつも愚痴で聞かされるんですけれど、それはなぜかというと、サンゴそのものは許可が出ても、サンゴの中に何かほかのものが入っていないかというチェックにものすごい時間の労力と経費を要して、チェックされるんだそうです。ウニの場合も、ウニのとげの間に何か小さいエビが入っていることがあるとかというので、コウチョウ海水に一緒につけたりとか、何かいろいろな処理がそれなりにもう、向こうのどのレベルの法かはわからないですけれども、法でとにかくそういうチェックが義務づけられているらしいんですね。
     だから、そういう形で、意図的に移動するときのチェック項目で、非意図的導入を招かないという対策、ある程度のガイドラインを示して対策を盛り込むことで、かなりの割合のものが食いとめられるのではないかなという気がしますけれども。
     それからあと、国内に関しては、陸域のものについてはかなり大きな問題になっている、今問題になっているんだろうなと思うのが土の移動で、例えば八丈島では最近、昔は全く記録されていなかったブラーミニメクラヘビという、単為生殖するミミズみたいな蛇が大量発生しているんですけれども、それはどうも土を沖縄から持っていったことに起因しているらしいという話があります。これはコンファームされた情報ではないですけれど。
     それからヤシの木も、沖縄から今度は八丈島の某ホテルに植林されて、しばらくしたら今度は八丈島にいなかったはずのヤモリが今度は八丈島で見つかり出したとか、そういうことも起こっています。
     そういう形の対策で、もう個別に非意図的導入の主要な原因になりそうなものを思いつく限り挙げていって、それに網をかぶせるような対策をとるしかないのではないかなという気がします。

    【岩槻委員長】 どうぞ、阿部委員。

    【阿部委員】 今の太田委員と同じような例なんですけれども、北海道でも非意図的に導入されたものはたくさんあるんですが、原因のよくわかっていないものとしてはイタチとかジネズミとかいうものがありますけれども、実は戦後に各地で、ツチガエルという、本州以南にしかいなかったカエルがあちこちで定着をしまして、それが今分布を拡大しております。最近調べられたものによりますと、どうもコイを生きたままタンクで運んできて、幾つかの拠点があるらしいんですが、そこからコイを持ってきたものにどうも一緒についてきたということらしい。
     ですから、コイを飼っているところでしか最初は見つかっていないわけです。そういうことから、どうもそういうことが現実に起こっているようですので、ぜひそういう、生きた、今大型のタンクで、車でコイの稚魚を運んできますので、そういうものと一緒に入ってきたらしいということがわかっております。
     そういうことからも、生きた、意図的導入に付随して非在来種が移入される場合があると思いますので、それのやはりきちんとしたチェック体制が必要ではないかというふうに感じます。
     以上です。

    【岩槻委員】 ほかにいかがでしょうか。小寺委員、どうぞ。

    【小寺委員】 非意図的導入の例を拝見していますと、この中にいわゆる輸入した農産品というようなものに付随して入ってくるというような例が結構挙がっているのでございますけれども、この種のものの輸入については、ご案内のようにカルタヘナ議定書のときにも相当に大きな問題になったわけですけれども、その際は一応モニタリングの国際的な基準というようなものがあるので、それに乗っかることによって一定の措置をとることができたと思うんですけれども、生物多様性のこの種の非意図的導入との関連で、いわゆる農産品の輸入を行うというような場合のモニタリングの措置みたいなものについて、国際的な基準というようなものがもう既にあるのか、それとも、その点はどうお考えになっているのか、ちょっとそのあたり教えていただければ。

    【岩槻委員長】 それでは、事務局の方からお願いします。

    【事務局(河本)】 生物多様性への影響という観点では、多分ないと思います。農産物あるいは植物等を輸入するときに、植物防疫という形で農産物への影響があるかないかというのはしっかりとしたシステムがございますけれども、その生物多様性への影響という観点では、特に、国際的なものはないと思いますが。

    【岩槻委員長】 小寺委員、どうぞ。

    【小寺委員】 ということになりますと、これはどういう形で日本でこの種のものまでターゲットにした場合に、どういう基準……、つまりある意味で検疫がより強化されたみたいな形になるのだろうと思うんですけれども、その場合の基準づくりというのはどういうようにお考えになっているのかなと、こう思ったということです。

    【事務局(河本)】 あくまでも、それは国内の生物多様性への影響があるかないかという、言葉で言えばそれにしかならないんですけれども、あとは個別に審査をした上で判断をしていくということですので、一言でこうだというふうな基準を設定するというのはちょっとなかなか難しいのかなというふうに思いますけれども。

    【岩槻委員長】 パターンとしては資料2−5のBのパターンということですから、今、具体的な例を挙げていただいたようなものに対してどういう対応ができるかということを詰めていくということに尽きると思うんですけれども。
     ほかに。山岸委員、どうぞ。

    【山岸委員】 資料3−2についてなんですが、この侵入状況のモニタリングをどうするかというのは、これ見ただけでも大変だなと、こう思うわけで、I、空港・港湾なんかは、これ、できますよね。割にできる。II、IIIになると、書くのは楽だけれども実際どうやるのかというと非常に難しいんですが、今、環境省がもう既にお持ちになっている渡り鳥のバンディング・ステーションなんていうのは、このIIの非常にいい場所になるんだと思うんですね。渡り鳥が網にひっかかって、外部寄生虫を持ってきたり、もっとひどいことを言えば、今問題になっている病原菌などを持ってくるわけですから、そんなもののモニタリングをするところは、おたくがお持ちになっているバンディング・ステーションしかないわけで、もう少し、ただ輪っかをつけることをさせているだけではなくて、そういう移入種という面からも、こういうことまでやってほしいというようなことをやらせると、これは物すごくいいモニタリングの、もう既にある場所としてできると思うので、恐らくこれを書いたときには意識されていなかったと思うんですが、意識されて書かれるといいと思います。
     以上です。

    【岩槻委員長】 細谷委員、どうぞ。

    【細谷委員】 何度もすみません。山岸先生のお話とも絡みがあるんですが、これ、前回にも確認させていただいたと思うんですけれども、資料2−5のBのパターン、目的を持って農産物を導入したらとんでもないものがくっついていたと。これは目に見えるものについてはある程度環境省で論議ができるでしょうけれども、例えば病原菌の話が今山岸先生からお話が出てきましたが、こういったもの、例えば水産であれば、鮎の冷水病であるとか、それから宇治川水系のメタキルキャリアの話ですね。こういったものはなかなか目に見えなくて、その体のサイズが小さくなればなるほど、防疫という方面で守備範囲が農水の方へ移っていくというふうに感じるのですね。
     このBのパターンは恐らくかなり大きなターゲットだと思うんですけれども、これは前回確認させていただきましたが、そのときは農水とうまく調整ができるんだというふうにおっしゃっていましたけれども、防疫というものにかかわってくる部分で、これは確実に農水との間ですり合わせが可能なのでしょうか。

    【岩槻委員長】 難しい質問ですけれども、事務局の方から。

    【事務局(河本)】 ご懸念はよくわかりますけれども、そこは農水省の方ともいろいろ話はさせていただいておりますので、どこまでできるかはわかりませんけれども、そこの調整はさせていただきます。

    【岩槻委員長】 細谷委員の発言としては、できるでしょうかという質問ではなしに、できるでしょうねという確認でないと、ここでの意見としてはと思いますけれども。

    【黒田野生生物課長】 では。内容は余り変わらないんですけれども、先ほど来ご議論をいただいている、意図的導入に伴って非意図的に入ってくるものとか、そういうものを、1つはどこでモニタリングするかということと、だんだん詰めていくと、先ほど山岸先生から鳥類の観測ステーションの活用というようなこともお話がありましたが、一番初めの基本的事項のところにも一番下に書いてあるんですけれども、どうもカルタヘナ議定書の国内法では、結局リスク評価を、影響評価書とどんな使用をするんだという使用規程というものを出してもらって、それから影響評価書を出してもらって、それで判断する。いわば基本的には書類で判断をして、そこで問題ないとすると、それで輸入なら輸入ができる、あるいは国内での使用ができると、こういうことで、文書でチェックをするということが基本でございます。ただ、移入種の場合はどうもそれだけでは危ないと、こういうふうに我々も考えておりますが、ではそうなると、環境省に直ちにそういう手段とかツールもありませんし、すなわち体制とかお金とか、そういう問題が出てまいります。
     それから一方で、これも先ほど来お話の出ている植物防疫であるとか動物検疫であるとか、それぞれ観点が違いますけれども、水際でやっている機関もあるということなんですね。そういうところで、どういう形で連携し、一緒にやっていけるかという話を、一応そういうことを検討していますということで、事務ベースで意見交換をしていますけれども、まだどういう形でやるかというところまで、結論といいますか、きちんとした案をつくるというところまではいっておりませんで、しかしながらこういうものがやはり重要だということで、何とかそちら側に近づけていきたいということで今後努力していくつもりです。

    【岩槻委員長】 ほかにいかがでしょうか。大矢委員、どうぞ。

    【大矢委員】 今の課長のご説明の中で、農水とのすり合わせの問題なんですけれども、輸入された鳥獣類に何か付着したものを、そこで非意図的導入をされたものをそこでとめるとなると、検疫という問題が出てくると思うんですね。仮に消毒をするにしても、短時間ではできないだろうと。そうすると、そういうスペース的な問題、ただでさえ、今、動検の方でもスペースがないと言っているような状況、それから厚生労働省の方で今感染症の問題でプレーリードッグなんかも輸入禁止にして、近いうちに何とか輸入できる方法を模索しようということにはなっているんですけれども、結局農水がネックになっているというような部分があって、かなりその辺は難しい問題があるのではないかなと、そんなような気がいたします。

    【岩槻委員長】 小寺委員、どうぞ。

    【小寺委員】 1点質問なのでございますけれども、この意図的導入の場合は、その侵略性の有無によって導入してもいい場合もあるという、だから、当然、特定のものについては輸入なり移動ができるんだろうというように思うんですが、この非意図的導入を見ると、生物多様性条約の指針原則を読むと、何かもう、非意図的導入というのは一切やめるべき、つまり最小限にするというようなことが書かれていて、つまり侵略性の有無というような、そういう、何か判断基準が置かれていないように読めるんですね。
     ところで、これは指針なのでこれを参照に日本で非意図的導入ということを考えられているわけですが、その場合、やはり一切というか、できる限り非意図的な導入を防ぐんだという、そういうポリシーでいらっしゃるのか。この種のものはいいけれどこの種のものはだめだと、こういう切り分けをして、非常に集中的にモニタリングをし、そして非意図的な導入を最小限にするんだと、こういう措置をとられるのか、ちょっとそのあたり教えていただいた方が、非意図的導入と意図的導入の違い、フィロソフィーの違いみたいなものがわかって、ありがたいんですが。

    【岩槻委員長】 事務局の方からどうぞ。

    【事務局(河本)】 非意図的導入であっても、やはり影響の程度というものはもちろん判断すべきものだというふうに思っています。
     ただ、意図的導入の場合には事前にその影響の中身というのが判断できますけれども、非意図的導入の場合にはそれが判断できないという、そこの違いがありますので、非意図的導入についてはモニタリングをしていく上でまず侵入状況を確認しましょうと、あるいは、その影響の程度の確認をしていきましょうと。そこで判断をしていきたいということです。だから、基本的に非意図的導入はすべてだめというふうな考え方ではありません。

    【岩槻委員長】 いかがでしょうか。岡島委員、どうぞ。

    【岡島委員】 コメントに近いんですけれども、先ほど山岸先生がお話ししたことに関連して、モニタリングのことなんですよね。
     西表島のこのオオヒキガエルはなかなかおもしろいななんて思って聞いていたんですけれども、3−2の既存の組織、民間団体、国及び地方自治体の活動を補助するというところと、次の情報の管理、この辺のところがうまく機能すると、ちょっと似ているようなもので緑の国勢調査なんて昔やっていたものもありましたけれども、一般の人が参加できる仕組みをうまくつくると、これはある意味での非常に移入種の話からずれてしまうもしれませんけれども、環境教育的にも非常におもしろい形ができるのではないかなと思っております。
     なぜかというと、今、私はこの移入種そのものに対する専門家ではないので、ずっと何回か聞いているんですけれども、やはり難しいんですね。きょうここにいらっしゃる方は本当に専門家で、後ろで聞いていらっしゃる方も興味のある方。だけど、一般の国民はほとんど興味が――ブラックバスとか特別なものはありますけれども――基本的なことがちょっとわかりにくいということがあって、一般の人の意識の向上というようなことも含めて、例えば今いろいろ話が出ていましたけれども、現場レベルで、港湾で働いている人とかいろいろな人の、現場レベルである程度の意識がないと、それは幾らやってもなかなか難しいところも出てくる。そういう意味で、何となくウェブサイトを使ったり、この情報管理を易しく出してみたり、それから民間団体などとうまく対応したりして、ソフトの部分なんですけれど、この辺、案外、やりようによったら結構おもしろくならないかなと、このヒキガエルのを見ていて、なるべく多くの方がこの移入種の問題について、少しでも、入門のところでもいいし、ある特定のものでもいいですね、ブラックバスでもいいんですけれど、そういったものについて考える、触れるチャンスを、この3−2のモニタリングのところなんかでうまく使えないかなというような感想を持ちました。コメントですけれども。

    【岩槻委員長】 いずれにしても、この移入種の問題というのはできるだけ広く知ってもらうというのは、ご指摘のとおり非常に重要なことなので、対策の中にはそういう部分もぜひ盛り込んでいただくようにしたいと思います。
     そのほかのご意見はいかがでしょうか。
    ( な し )

    【岩槻委員長】 特にご発言がないようでしたら、今、議論をしていただいたような形で、事務局の方でもう少し先のステップへ進んでいただくようにお願いするということでよろしいでしょうか。まだ茫漠とした状態ですから、これをどういうふうな具体的な形に積み上げていくかというのは非常に難しい作業だと思いますけれども、事務局の方で、次回はヒアリングになりますので次々回までになりますか、もう少し進んだ案をつくっていただいて、また議論を続けていただきたいと思います。
    ( 了 承 )

    【岩槻委員長】 議題では4番目がその他となっているのですけれども、委員の方から、この際、何かご発言ということはございますでしょうか。
    ( な し )

    【岩槻委員長】 特にございませんでしたら、事務局の方から。

    【事務局(河本)】 それでは、1点だけご説明をさせていただきます。
     お配りをしている中に資料4というのがありますけれども、移入種対策小委員会の審議スケジュール、審議事項であります。
     第2回のときに全体のスケジュールについてご説明申し上げましてご了解をいただいたのですが、実はちょっと若干変更をさせていただけないかというふうに考えております。
     次回、第5回、6月9日というふうに設定をさせていただきましたが、そこでヒアリングの第2回目を予定しております。魚あるいは藻類の関係のヒアリングでありますけれども、そちらの方をちょっと充実した形にしたいというふうに思っております。その関係がございまして、実は6月9日で、定着している移入種の防除のあり方、それの第1回目についてもご議論いただくという予定でしたが、それを第6回の方に繰り下げをさせていただいております。
     そうした関係もございまして、全体を9回で考えておったのですが、1回ちょっと小委員会の回数をふやさせていただきまして、9月の中旬にもう一回分設定をさせていただけないかなというふうに思っております。
     それで第7回のところで、例えば第1回から第6回の小委員会の論点整理をさせていただくとか、そういった形で中身をちょっと充実した形にさせていただけないかなというふうに思っております。
     そうした形で、全体については今まで10月上旬にというふうにお願いをしておりましたが、10月下旬ということで、若干おくれる形になりますけれども、全10回でこの小委員会のご審議をお願いできないかなというふうに考えております。
     それとあと日付でございますが、各委員さんの方のご都合を伺いまして、第5回、次回については6月9日、それから第6回については6月30日、それから第7回については7月31日というふうに組ませていただいております。その点についてもちょっとご確認をお願いしたいと思います。この資料については我々の方からこういう形でいかがでしょうかということで、ちょっとお願いをさせていただきたいということでございます。

    【岩槻委員長】 初めの約束と違うじゃないかとおっしゃらずに、次回、少し充実したヒアリング、時間もちょっと長くなりますけれども、ヒアリングをやらせていただくということで、回数が1回ふえるということになるのですけれども、今のようなスケジュールでよろしいでしょうか。よろしいって、積極的によろしいかどうかは知りませんけれども、ご了承いただけたらと思います。

    【岡島委員】 9日と30日は時間はもう決まっていますか。

    【岩槻委員長】 9日は1時半から5時というふうに、僕のノートには書いてあるんです
    けれど。たしかそうですよね。

    【事務局(河本)】 6月9日ですけれども、ヒアリングということで午後1時半から5時まで、ちょっと時間が長いですけれども、お願いをしたいというふうに思っております。

    【岡島委員】 30日は。

    【事務局(河本)】 あと、6月30日は14時30分から16時30分までの2時間をお願いしたいというふうに思っております。それから7月31日ですが、これは午前ということで10時から12時、きょうと同じ時間設定でというふうに思っております。

    【岩槻委員長】 8回、9回に関しては日程調整からやっていただけるということですね。ということで、ご協力をお願いしたいと思います。

    【山岸委員】 すみません。6月30日は何時から。もう一回言ってください。

    【事務局(河本)】 6月30日が、月曜日ですけれども、14時30分から16時30分です。

    【岩槻委員長】 それでは、きょうはちょっと時間が早いですけれども、これで終わりにさせていただきたいと思います。どうもご協力ありがとうございました。