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中央環境審議会野生生物部会
第9回遺伝子組換え生物小委員会 会議録


1.日時

平成21年3月25日(水)10:00〜12:10

2.場所

中央合同庁舎第7号館 9階 共用会議室−2

3.出席者

(小委員長) 加藤 順子
(委員、臨時委員) 磯崎 博司 磯部  力
(専門委員) 鎌田  博 近藤 矩朗 武田 和義
  中村 和憲 野本 明男 吉倉  廣
(環境省) 柏木大臣官房審議官
  星野野生生物課長
 
水谷外来生物対策室長
  宇賀神外来生物対策室長補佐

4.議事

【宇賀神外来生物対策室長補佐】 おはようございます。予定の時刻になりましたので、中央環境審議会野生生物部会遺伝子組換え生物小委員会を開催させていただきます。本日の出席者でございますが、鷲谷委員がご欠席でございますので、委員及び臨時委員4名中3名出席いただいております。中央環境審議会議事運営規則に定める定足数を満たしておりますので、本日の小委員会は成立しております。中村委員につきましては、ご出席と伺っておりますので、後ほどいらっしゃるというふうに考えております。
 また、平成14年1月8日、野生生物部会決定遺伝子組換え生物小委員会の運営方針に基づき、本議事は一般傍聴の方も含む公開の会議となっております。議事録につきましても、委員の皆様にご確認いただいた上で公開となりますので、ご承知おきください。
 では、まず初めに、事務局より、お配りしました資料について確認させていただきます。
 お手元の資料をご確認ください。
 1枚目、議事次第でございます。後ろに配付資料一覧がついております。もう1枚目、小委員会名簿、裏面に座席表があります。[資料1]、遺伝子組換え生物等の規制による生物の多様性の確保に関する法律(カルタヘナ法)の施行状況の検討について(案)ということで、ホチキスどめになってございます。[参考資料1]、カルタヘナ法の施行状況の検討について、一枚紙でございます。最後に、[参考資料2]、遺伝子組換え生物小委員会の設置について、裏面は運営方針についてでございます。資料等に不備がございましたら、事務局にお申しつけください。
 それでは、以降の進行を加藤小委員長にお願いしたいと思います。よろしくお願いします。

【加藤小委員長】 おはようございます。きょうは年度末の大変お忙しい中をお集まりいただきまして、ありがとうございました。
 それでは、これから本日の議事に入らせていただきたいと思います。本日の議事は、議事次第にありますように、カルタヘナ法の施行状況についてです。カルタヘナ法施行5年後の実施状況の検討について、本小委員会での検討が2月17日に第1回目がなされまして、本日は2回目になります。前回は法律の5年間の施行状況について、事務局からご説明をいただきました。その後、各委員のご意見をいただいたところです。そのときにご欠席だった武田委員からも、別途、事務局に意見を伺っていると聞いております。それで、このようにご意見を取りまとめて、本日の資料として準備されています。この資料につきまして、さらにご意見をいただいて、委員会の報告の形を整えてまとめるというのが本日の趣旨でございます。
 それでは、事務局から資料の説明をお願いいたします。

【水谷外来生物対策室長】 それでは私から、[資料1]、[参考資料]に沿って、内容についてご説明させていただきたいと思います。
 まず、[参考資料1]を見ていただければと思います。2の検討のイメージのフローのところですけれども、前回2月17日に小委員会でご議論いただきまして、今回、もう一度ご議論いただくと。今回ご議論をいただいたものをもとにしまして、小委員会の検討結果の取りまとめをさせていただき、それについてパブリックコメントという形で意見を伺うと。その上で、必要な修正があれば修正をして、最終的には、中央環境審議会の野生生物部会に報告いただくというような流れになっているところでございます。
 [参考資料2]は、前回つけ忘れてしまった資料ですけれども、この遺伝子組換え生物小委員会の設置について、平成14年に決めた内容です。[参考資料2]は表と裏とありますけれど、裏側に遺伝子組換え生物小委員会の運営方針ということで、会議の公開・非公開の決め方、考え方とか、会議録の整理の仕方といったものが整理されております。これに沿って進めさせていただければということで、前回おつけするべき資料でしたけれども、前回おつけできなかったので、今回、[参考資料2]としてつけさせていただきました。
 それでは、[資料1]のご説明をさせていただきたいと思います。[資料1]、とりあえずこの小委員会の報告のような形、この上に表紙をつけて、小委員会の報告とさせていただけるような、そんな体裁にしてみたものでございます。
 全体の構成としましては、1、2、3、4となっていまして、1は1ページから14ページまでです。前回の小委員会で、事務局からご説明しました法律制定の経過とか法律の概要、これまでの5年間の施行状況について、前回のご説明の内容をまとめたものです。15ページの4番の施行状況の検討というところに、前回ご意見いただきました内容を項目別に整理させていただいて、まとめさせていただいています。全体の構成は、そんな形になっております。
 1ページ目から簡単にご説明させていただきたいと思います。
 1ページ目、まず法律制定の経過からですけれども、最初にカルタヘナ法制定前のガイドライン時代の話と、技術が誕生したところ、それからガイドラインでの管理が始まっていって、我が国でそのような国際的な動きを受けて、国内でもガイドラインに沿った形で組換えDNA技術が用いられてきたといったカルタヘナ法制定前の状況について説明したものです。
 二つ目の固まり、カルタヘナ議定書に対応した国内措置の検討というところで、生物多様性条約の中でバイオテクノロジーの規制の必要性が位置づけられ、それを受けた形でカルタヘナ議定書が採択されたという経緯。採択された議定書の中で、何が具体的に決められたかということで、栽培用の種子などについては事前の通告により同意手続が必要であること、食料、飼料、加工用のものについては、バイオセーフティクリアリングハウスに対して情報を提供するといったようなことが決められたという経緯を説明してあります。
 2ページ目にいきますが、輸入国はリスク評価を実施し、リスク管理を行う必要があるといったことが議定書に定められています。そういう議定書の採択を受けまして、我が国がどうしたのかということについて、次の段落にまとめております。
 平成13年度より、議定書に対応した国内措置のあり方について検討し、文部科学、農林水産、経済産業、環境の4省で検討が進められて、平成15年にカルタヘナ法が公布され、その後議定書を締結して、平成16年2月に施行されたという経過が説明してあります。
 2ページ目の2、法律の概要ですけれども、そういった経過を経て、でき上がった法律の概要について、簡単にまとめさせていただいています。
 目的については、議定書の円滑な実施を確保するということが、一つ大きな目的になっています。
 二つ目に、遺伝子組換え生物の使用等に係る措置ということで、環境中への拡散を防止しないで、環境中で行う使用を「第一種使用等」、環境中への拡散を防止しつつ行う使用を「第二種使用等」と大きく二つに分けて、それぞれ承認なりの仕組みを設けたというような、求める措置の内容について簡単に説明しております。
 その他の規定、いくつかの規定があるということを一番下に加えております。
 3ページ目ですけれども、法律の概要はこれまで説明したところですけれども、法律の運用に当たって、政令、省令、告示、通知、かなり細かいものが、関係する省の共同であったり、単独であったり、さまざまな形で出されています。そういった中身について概要を説明して、詳しくは4ページ、5ページ、図2−1、図2−2で詳しく説明しております。図2−1は法律の概要について、ざっと説明した図です。図2−2で、関係する法令について、何が今あるのかという、法律、政令、省令、告示。それから6ページ目にいきまして、これまで出されている通知類について整理しております。こういったものに沿って、法律の運用がなされているというところでございます。
 7ページからが施行状況ということで、法律が施行された後、現在まで5年の間にどんな状況になっているのかということを簡単にご説明しています。7ページの施行状況、第一種使用規程の承認のところですけれども、図3−1のところにありますが、研究開発、農林水産、医薬品の三つの分野で、実際の承認が行われている。それぞれの承認をするに当たって、どんなプロセスでやっているのかというものを簡単にまとめたのが図3−1です。この中で、学識経験者の意見を聞いた上で、必要に応じてパブリックコメントを実施してやっていくというようなことを示しております。現在まで、平成21年2月末までに、実際にはどんなものが承認されているのかというものを図3−1、承認件数というところでまとめておりまして、その内容については、次の8ページ、9ページの表3−1で、具体的にどんなものが各分野で承認されてきたのかというものを示しております。
 10ページ、11ページには、表3−2としまして、承認にあたってのパブリックコメントの実施状況ということで、やや細かいですけれども、各回の実施結果についてお示ししております。
 続いて12ページ。11ページまでが一種使用ですけれども、12ページからは二種使用に係る拡散防止措置の確認について、これまでの5年間の状況について説明しております。図3−2で二種使用に際しての流れを示しておりまして、あらかじめ拡散防止措置が定められていない場合には、主務大臣の確認を受けて使用してもらうと。確認を受けるときに、学識経験者の意見を聞いてやっているというような、現在の確認をする流れというのを図3−2に示しております。参考までに、確認を行った件数というものを分野ごとに数字を挙げております。
 12ページの下の方ですけれども、施行以降の不適切な使用事例ということで、具体的にわかったものを挙げています。
 13ページの図3−3に、第一種使用に係るものと第二種使用に係るものということで、それぞれ農作物、観賞魚、それから第二種使用は件数が多いので、グラフの形で、どういう目的で使っていたのか、どういう内容でちゃんとした措置がとられていなかったのか、どういう主体がやっているものであるのかと。前回の資料にお示しできなかったのですけれども、「発生年」という言い方がいいかどうかわかりませんが、いつ、そういう不適切な使用事例が確認されたのかといったものをまとめています。この中で、発生年に関しましては、施行直後の事例が結構多くて、それに対する対応策として、法令の説明会とか解説書の作成、ホームページを通じた情報提供により周知徹底を図ったといった対応についても、12ページに記述させていただいています。
 14ページは情報提供についてですが、議定書、法律の中身についての紹介をしている、環境省がつくっております「日本版バイオセーフティクリアリングハウス(J−BCH)」について、ざっとご説明して、実際にそこのホームページにどのぐらいアクセスが、どんな方からあるのかといった中身を前回資料でお示ししましたので、それについて簡単にご説明しています。
 J−BCHに関しまして、官公庁からのアクセスが非常に多いという傾向にあるということです。このJ−BCH以外に、研究者向け、農林水産分野の分野別のページも作成されているという現状を示しているところです。
 14ページまでが、前回資料に沿ってご説明させていただいた内容をコンパクトにまとめた部分です。15ページ、16ページが、前回ご議論いただいた中身を、若干こちらで項目に分けまして整理させていただいた部分です。
 15ページですけれども、一つ目の固まり、法の施行状況ということで、各委員のご意見を余りモディファイしない形で、ここに載せたつもりでございますので、ご覧いただければと思います。
 法の施行状況に関しましては、二種使用に関しては、具体的にご意見いただきまして、指針時代の経験も豊富であって、その後実績を積み重ねて、審査も軌道に乗ってきたという事実があり、現時点で法律の枠組みの修正は必要ないけれども、運用方法や情報提供に関して改善が必要な点があるのではないかというご指摘があったと理解しております。
 あと、項目別に、第一種使用に係る生物多様性影響評価ということで、その中でいくつかご意見をいただきまして、第一種使用規程に関しましては、産業利用に対しまして研究開発の承認件数が非常に少ないと。研究開発の段階から、徐々に産業利用に向けて実用化していくといった考え方が重要なのだけれども、なかなかこの仕組みでは、それを前提としたような対応ができていない可能性があるなというご意見をいただきました。
 2点目も関連しているのですけれども、一定の条件の中で行うような研究開発の第一種使用と、一般栽培を目的としたような産業利用の第一種使用では、使用のスケールとか、それに伴う影響の程度は異なってくるのではないか、そういった二つのものを、同じデータを求めることが効率的ではない場合もあるのではないかと。これから遺伝子組換え技術の重要性が高まっていくことが考えられる中で、研究開発、産業利用といった使用の状態を踏まえた効率的な評価をしていく必要があるのではないかというご意見をいただいたというところです。
 3点目、実際にその農作物に関する評価の中で必要とされているデータについては、結構これまでの経験、蓄積された知見がありますので、少し点検して、効率的にやっていけるところもあるのではないかというようなご意見をいただきました。
 なお、この部分は、前回この小委員会の場でご意見いただいたものに加え、その後、個別に武田先生のところにヒアリングに行かせていただいて、武田先生からいただいた意見もこの中に入れさせていただいております。
 15ページの一番下の固まりですけれども、新たな使用形態への対応ということで、何点かご意見をいただきました。
 一つ目が、植物工場みたいな一種、二種の中間のような形が、これから使われていくというか、そういう形態のものが出てくると考えると、そういったものをどう取り扱うのかといった、これまでの審査とは違った観点が必要かもしれないというご意見。
 それから、具体的に、微生物の第一種使用というものが出てきた場合に、どんな評価をするのかというのをある程度頭の中で整理しておかなければ、なかなかすべてのプロセスを明らかにしなければいけないといっても現実的ではないと。現実的な評価の仕方を考えておく必要があるのではないかといったご意見をいただきました。
 次の16ページ、情報提供に関しましては、カルタヘナ法に基づく評価は「生物多様性」への影響を評価するということで行われているわけですけれども、実際には、申請者、一般の方に、その目的が十分理解されていない。結果としては、申請者から出される評価書が必ずしも生物多様性への影響評価という観点からすると、ずれているようなものがあるのではないか。そういうことがあるので、情報提供をしっかりしていくべきではないかというご意見があったというところです。
 次ですけれども、カルタヘナ法に基づく評価や審査についての情報提供は重要でありますけれども、J−BCHなどのアクセスを見ていくと、一般の方のアクセスが余り多くないということもありますので、そういった情報提供、一般の方への情報提供にも有効なものとしていく必要があるのではないかというご意見がありました。これに関しましては、実際には情報提供という形ではないですけれども、例えば農水省さんでは、遺伝子組換え技術の理解を深めるためにコミュニケーション会議といったものも行って、そういった面での情報提供も実際に行っているという実態がございます。前回の会議の中ではご説明できませんでしたけれども、補足的に説明させていただきます。
 次の部分、科学的知見の集積ということで、生物多様性影響評価に関する知見、まだまだ十分ではない面があるのではないかと。知見の収集は法律にも規定されており、しっかりやっていかなければいけないのではないかというご意見をいただきました。それに関しまして、前回の委員会の中でも、これまでも各省の研究事業による知見の集積が行われて、一種使用に関してですけれども、それを随時、影響評価に反映していっているという事実もあることをご紹介いただきました。引き続き、知見の充実を行う必要があるということです。
 これも前回、事務局でコメントしていませんでしたけれども、知見の集積に関しまして、例えば農水省さんでは、前回の資料でお見せした遺伝子組換え技術の情報サイトがありますけれども、その中に、遺伝子組換え生物における安全性確保研究の取り組みという項目がございまして、その中に、実際に組換え生物の安全性確保に関する研究はどんなことをやっているのかといった紹介もございますので、また、そういった部分をご覧いただければと思います。
 一番下の固まり、その他ということで、あまり項目に整理しにくかったものをその他のところに入れさせていただいています。
 1点目が、セルフクローニング、ナチュラルオカレンスの扱いについて、食品安全委員会、食品安全審査のやり方と取り扱いと、カルタヘナ法での取り扱いが違っているというか、手順が違っているので、そこがちょっとわかりにくいですねという指摘もありました。
 2点目ですけれども、遺伝子組換え生物が微量混入しているものの取り扱いについて、実際に売っている、使っている現場では、若干混乱が見られるというご指摘でした。
 3点目、議定書ではヒト用医薬品が対象外なんですけれども、国内法では対象としていると。例えば緊急に組換え技術を使ったワクチンとかを使わなければいけないといった場合に、なかなか今の一種の承認を受けてといったことをやっていたのでは間に合わない場合もあるのではないかと。そういった場合の対応も考えておかなければいけないのではないかというご指摘をいただきました。これに関しましては、既に施行規則の5条の中で、それに関するような規定もございます。お手元の分厚い資料をまたお開きいただければと思うんですけれども、カルタヘナ法の施行規則、5番が振ってあるところ、この1ページ目です。第5条のところで、法第4条第1項のただし書きで「主務大臣の承認を受けなくても、第一種使用をしてもいい」としている適用除外の事例が、第5条で6項目並べられておりますけれども、その1項目に、人の生命若しくは身体の保護のための措置として緊急に遺伝子組換え生物等の第一種使用等をする必要がある場合として主務大臣が別に定める場合は、一種使用の承認の手続を踏まなくても使うことができるという規定がございます。そういう緊急のときには、こういった規定を使って対応することは可能ではないかとは考えているところでございます。
 以上、前回ご議論いただいた中身を、ざっとこちらでまとめさせていただきました。不十分な点もあるかもしれませんけれども、こういった形でまとめておりますので、ご検討をよろしくお願いいたします。

【加藤小委員長】 どうもありがとうございました。それでは議論に入る前に、今のご説明の内容について、何かご質問等ございましたら。

【吉倉委員】 一番最後のところは、私が発言した内容で、ちょっと発言の意図と違うところがあると思うので、ちょっと言いたいのですが。16ページの一番下のクラスター、上から2番目の遺伝子組換え生物云々というやつで、「含まれる可能性がある旨を情報提供する方が現実的とも考えられているようである。」ということなのですが、私が申し上げたのは、もしも私の発言を反映されているのだったら、「旨を確保した方」が企業にとっては楽であると。これが現実的だと云うより、むしろ非現実的かもしれないのです。
 それからもう一つ、最後の第5条適用なんですけれども、実際、インフルエンザのワクチンの輸入のときにトラブルが起こって、延々と二、三カ月、実際上はもっとかかったかもしれないのですが。この5条はあっても適用されていないか、あるいは緊急というものが定義されていないので、実際は使われないのか。そこら辺は今の説明だと、5条があるからいいという話ではないと思います。医薬品がどうかという話を申し上げたので、カルタヘナ・プロトコールの中でのエグゼンプションとの関係で申し上げたので、5条関係で申し上げたわけではないです、これは。ただ、そういうこともありますよという。

【水谷外来生物対策室長】 緊急の場合、例えば人の生命、人の健康にかかわるような緊急な場合については適用除外があるので、この規定をうまく活用すれば、緊急事態に対応できるのではないかということで、今ご説明させていただいたのですけれども。
 実際に、主務大臣が別に定めなくても、その緊急事態に受けるというふうになっていないので、実際に、どういう場合に主務大臣が定めるのかというあたりが、はっきりはしていないのですけれども、そこは運用の中で、できるものはできるのではないかなと考えております。

【吉倉委員】 既にあった事例なので、考えていただきたいと思います。

【水谷外来生物対策室長】 わかりました。

【加藤小委員長】 その事例について、後でもう少し具体的に伺った方がいいかもしれませんので、議論の中で取り上げさせていただきます。

【吉倉委員】 この前話したので、いいと思います。今の件。

【加藤小委員長】 具体的にどういうことが…。

【吉倉委員】 パンデミックでの組換えインフルエンザの輸入です、株の。たしか議事録に出ていると思います。

【加藤小委員長】 それ以外に、何かご説明についてご質問等ございますでしょうか。

【磯部委員】 ちょっと質問なのですが、この文章は公表されて、広く非専門家も読むことが想定されているわけですよね。この制度の施行状況に関して、専門家が5年たって検討して、こういう状況であるという文章としてあるわけですよね。そうしますと、最後の施行状況の検討としてまとめられている箇所のことですが、確かに「一つ一つの意見を拾いました」ということにはなっているのですが、例えば、最初の法の施行状況の2番目の丸で、「改善が必要な点がある」と書かれていて、それでは、どこをどう改善すればいいのか。これでは言いっ放しという感じにもなりますよね、そういうふうに受け取られてしまうのではないかと。このままだと、改善が必要だという意見もあったという感じになって、それだけでは無責任ではないかという印象がちょっとします。意地悪な物の見方をしたら、どこに改善が必要で、それをどうしようというのか。ちょっと落ちつきがよくないかなと思います。
 それから、これはまたレベルの違う話で、16ページの上から2番目の丸、バイオセーフティリアリングとありますね。

【水谷外来生物対策室長】 「ク」がないですよね。

【磯部委員】 そうですよね。私の知らない新しい言葉なのかなと思ってしまいました。
 もう一つ、同じように素人的で恐縮なのですけれど、13ページの図3−3、これは不適切使用のグラフなのですが、心配でしようがない不安な人たちの目から見ると、ここの不適切使用の円グラフの内容は気になると思うんです。しかしながら、それぞれの事案がどんなことだったかの説明がありませんよね。どこかを見れば書いてあるのかもしれないのだけれど。一番多かったのは「情報提供せず」ですよね。ついでに些末な話で恐縮だけれど、円グラフは普通は大きい方から並べると思うのですが、この並び方には何か意味があるのですか。「情報提供せず」が一番大きかったと、文章には書いてあるのですよね。その次が「確認を受けず」で、素人考えでも、それは本質的に深刻な話ではなくて、もっと取り扱いに注意しなければいけないという問題として理解できるのですが、「拡散防止措置とらず使用、9」とか「事故時の対応が不適切」という表現だけだと、どんな事故があって、どんな不適切さだったのか、心配な人は心配ですよね。その説明はどこにも出てきませんよね。この種の問題に基本的にネガティブに考えている方や不安な方が見て、ちょっと文句をつけたくなるような部分があるのではないかという心配です。
 以上でございます。

【加藤小委員長】 ありがとうございました。

【吉倉委員】 もう一つよろしいですか。少し話が先にいったので聞きたいのですが、8ページと9ページに、承認状況というのがあるのですが、この場合、どのぐらい実際に実験されたかという点です。隔離ほ場は全部やられているし、それから遺伝子治療は厚労省の関係でやられたのは知っているのですが、ほかのものについて、この確認されたものの中で、実際に行われたのはどのぐらいか。数字、わかっていると思うのですが、知らせていただきたい。

【水谷外来生物対策室長】 隔離ほ場は試験をやったということですけれども、その上の使用、栽培等というところで、実際にそれぞれがどれぐらい入ってきたのか、輸入されたのかといった情報はないですが、入る可能性があるということで、承認がとられているので、物として全く入っていないというものはないのではないかなとは思っていますけれども、輸入に関しますと、実際にどのぐらいの量が入ってきているのかといったものについては、情報がないということです。

【吉倉委員】 そうすると、これは栽培ではないんですね。要するに、コモディティの輸入ですね。

【水谷外来生物対策室長】 輸入を主たる目的にして、承認をしていると。国内栽培がないというのは、本文の中でも書いておりますけれども、実際に栽培が承認されていた物であっても、国内で栽培しているという事例はないということです。

【吉倉委員】 ついでに、その関係なのだけれども、第一種使用の定義は、環境中への拡散を防止しないで行う使用等ですよね。多分このカルタヘナ・プロトコールの担保法ができるときに、いろいろ議論されたのだと思うんですが、隔離ほ場というのは、隔離という名前のとおり、拡散を防止して行うやつですよね。これがなぜ第一種使用なのか。これはどういう理由なのですか。

【水谷外来生物対策室長】 名前として「隔離ほ場」という名前にしていますけれども、拡散防止しているという状態とは考えていない。この法律でいう拡散防止措置をとっているという理解ではないということです。オープンフィールドであるということですので。

【吉倉委員】 隔離ほ場というのは、どうして隔離という名前がついているのですか。隔離じゃないんじゃないですか、そういう話であれば。現実を私は知らないのだけれど、どういう状況でやられているものを隔離ほ場と定義しているのですか。

【加藤小委員長】 関係した方で、お答えになれる方いましたらお願いします。

【鎌田委員】 じゃあ私から。現在、日本で行われているものは、関係者以外が立ち入らないようにフェンスを張るのが大原則で、そこにどんなものが栽培されているか等の表示をきちんとしなさいというのが、法で定められて規定されている問題で、隔離ほ場という言葉が余りよくなくて、我々は「環境影響試験ほ場」という名称をあえて使うことが多いと。そこでは、植物だと花粉が出るといけない。花粉が飛んでいくので、そういう意味では隔離ができていない。そういうふうな規定で、第二種ではないという言葉を使っていると、そういう状況です。

【農林水産省農産安全管理課】 先ほどの栽培に関してお話がありましたので、修正も含めて、申しわけありません。8ページに、食用、飼料用、切り花の用に供するための使用、栽培等の欄がございまして、その中にバラ2件がございます。こちらにつきましては、昨年承認が下りたところでございますけれども、これにつきましては、商業栽培が開始されていると聞いております。ですので、7ページの国内での商業栽培は行われていないというものにつきましては、食用としての農作物については商業栽培が行われていないというのが正確でございまして、そのような表現に改めるか、もしくは観賞用の花卉については、あるいは一部国内での商業栽培が開始されているというのが適切な表現と考えております。
 以上でございます。

【加藤小委員長】 ほかにございますか。かなり中身の議論に入ってしまっているかなという気もしますので、質問が特にございませんでしたら、今のでおしまいにいたします。
 これが小委員会の報告のたたき台のもとになるものなんですけれども、いろいろなご意見があるかと思うのですが、一番ご意見のありそうな、つまりこの法律はどうであるのかという評価に係る部分ではなくて、その前の、先回の資料をもとにつくられた14ページまでの部分について、例えば構成ですとか、記述内容とか、そういうことにかかわることでご意見ございましたら。先ほど磯部委員から、不適切なというところについては、もう少し説明が必要であるというご意見をいただいておりますけれども。

【吉倉委員】 ちょっとよろしいですか。今聞いた8ページの「農作物の食用、飼料、切り花に使用、栽培等」と書いてあるのですが、これはかなり誤解を招く表だと思うんです。というのは、ほとんどがコモディティだとすれば、コモディティは、カルタヘナ・プロトコールでは別のアーティクルに入っている項目でもあるし、栽培とコモディティの輸入を一緒くたにするというのは、非常に具合が悪い。これは分けるべきだと思うのです。要するに、使用のための、コモディティとしての輸入ということであれば、それは一種利用としているのかもしれないけれども、その辺は正確に、カルタヘナ・プロトコールで別に扱っているものは、別の表にすべきだと私は思いますけれど。

【水谷外来生物対策室長】 第一種承認を受けるときに、飼料を…。

【吉倉委員】 いや、構わないのですが、ただ、カテゴリーとして全然違うものだと思うのです。

【水谷外来生物対策室長】 全部、パッケージで承認を受けているので。

【吉倉委員】 いや、ただ、これは栽培のためのものか。

【中村委員】 これはあくまでも承認された案件で、実際に栽培されているかどうかという表ではありません。実際承認されているのですから、書きぶりとしては、こうしか書けないのではないですか。

【吉倉委員】 栽培も入るのですか。

【水谷外来生物対策室長】 栽培できる状態で承認されているということなので、書き方としては、こういう形になるということです。

【加藤小委員長】 承認としては、カルタヘナ法のもとでは、これが事実なんだと思うのです。あとは、この資料を見る人が、実際に栽培されているかどうかという情報を必要としているかどうかということだと思うのです。もし必要であれば、それを実際に栽培されている、されていないということを書き込むことは可能なのですか。

【中村委員】 それは先ほど言ったように、文章の中身に書き込まれているのだから宜しいのではないですか。

【水谷外来生物対策室長】 そこは若干事実関係の違いはありますけれども、そこを細かく書くことは……。

【吉倉委員】 私は、非常にトリッキーな表現だと思います、この表は。

【水谷外来生物対策室長】 わざとそういう意図を持ってつくったわけではなくて、そういうタイプとして栽培まで含めた形で承認されているという、事実としてはそうなっているということです。あえて加工したわけではないということをご理解いただければ。

【加藤小委員長】 それを分けて書くことがトリッキーになる可能性は…。つまり農作物が栽培されていないのだということを強調することになって、どうなのかという問題も、もう一つはあるのかなと。そこのところは、ここで議論をするというよりは、2案つくっていただいて、ご意見を伺うということでいかがでしょうか。つくること自体は問題ではないと理解してよろしいですか。

【水谷外来生物対策室長】 表はこの形にさせていただいて、本文の文章の中で、そこをどう変えてくるのかというところは検討させていただければと思います。

【加藤小委員長】 はい。では、そういう方針でつくってみてください。それ以外の部分で。

【鎌田委員】 今のことに関して、一つだけ。よく新聞なんかにも話題が出る組換えナタネのこぼれ種の件が出てきて、多分、今のこととかかわっていて、何となくこぼれ種は何か栽培を認められていないものが落ちているようなとらえ方をした記事になったりするので、今、明らかに栽培はオーケーだから、別に違法でも何でもないということが、本当はもっとわかるようにしないといけないと思います。吉倉先生が言われた、確かにコモディティの部分と栽培の部分は、世の中の人が見たときの感覚がかなり違って見えていると。でも、法律上はそうなっていないとしたら、そこをきちんと説明しないと、今のように、こぼれ種みたいなものが違法のように見られてしまうのは、おかしいだろうと思うので。

【水谷外来生物対策室長】 そこの事実関係みたいなものも含めて、本文の中に若干書かせていただくということでよろしいですか。

【加藤小委員長】 はい。お願いします。
 それ以外に、14ページまでのところの記述内容、構成ですけれども。

【磯崎委員】 私も今の指摘と同じように、特に議定書と国内法で食料、加工、飼料用について、国内法ではその区別をしないでというのは、今のところに書くか、あるいはカルタヘナ法の概要説明のところに書くかで、はっきりさせておいた方がいいかと思います。特にカルタヘナ議定書から、あるいはそっちを知っている人の場合は、なぜ国内法の手続がこうなっているのかというのを理解するときに、特に産業界でこの分野を扱っているときも、議定書ではこうなっているのにという疑問が最初に出てきてしまうと思うので、法律を説明する段階で、そこをはっきり書いておいた方がいいのかなと思います。

【加藤小委員長】 それ以外、よろしゅうございますか。
 それでは、15ページ、施行状況の検討という部分に入りたいと思います。ここのところは、先回のご意見、それから武田委員のご意見を分類して、整理をして、事務局でまとめたという状況になっています。先ほど磯部委員もおっしゃっていましたように、言いっ放しになっている、あるいは位置づけがどうなっているかわからない、据わりが悪いというご意見がございまして、この小委員会としては、問題があるところ、例えば、情報提供、運用方法に改善が必要な点があるのであれば、どこをどう改善するのがいいのであろうかというところまで、次につなげる道筋までは、やはり書いておくべきだろうと思います。それはあえて今回の資料には入っていないようですので、それも含めてのご議論をいただきたいと思います。
 書かれている中身について、先ほど吉倉委員から「意図が違うように書かれているのではないか」というご意見がございましたけれども、それ以外に何かございますでしょうか。あるいは、そのときにはおっしゃれなかったとか、あるいは今読んでみて気がついて、こういうことも入れた方がいいのではないかということがおありでしたら、おっしゃってください。

【野本委員】 16ページの一番最後の丸ですが、カルタヘナ議定書では、ヒト用医薬品は対象外と。ところが、国内法ではこれを対象とされている。これはどういう議論でこうなったのでしょうか。対象外としてもらった方がずっと楽なんですが。

【水谷外来生物対策室長】 議定書は組換え生物の輸出入に関して、どういう手続をとるかということで、国際的に輸出入するときの手続の対象にするかどうかということを決めているわけですけれども、国内で、例えば遺伝子組換え生物を使ったときの影響を考えるときに、輸出入は別にして、国内で影響を考えるときに、何の手続もしないでいいのかどうかということは、議定書からそのまま引っ張ってきて、議定書で輸出入の手続上要らないと言っているからといって、国内で何の手続もやらなくいいのかというのは、ちょっと議論が別なのだろうということで検討された結果、国内法の対象にして扱うという整理をされたというふうに聞いておりますけれども。

【野本委員】 ここの対象外というのは、輸出入に関して対象外ということですか。

【水谷外来生物対策室長】 議定書自体は、基本的に輸出入の手続を決めたものなので、それぞれ通告しなければいけないとか、事前に通報しなければいけないとか、そういう手続から除きましょうということは決まっていますけれども、実際にそれを国内法でどう扱うのかというのは、それぞれの国で判断できると考えております。

【野本委員】 そうしたら吉倉先生、問題となったWHOからのインフルエンザワクチンの種株、あれは輸出入の話だから。

【吉倉委員】 輸出入、エグゼンプションじゃなくて…、ちょっとややこしいのですが、要するに医薬品で、最終的な医薬品だという理解だと、あれは種なので医薬品ではないという理由、話なんですよ。それが一つなのです。最終的な医薬品ではないという理解。だけど、それを輸入しないと医薬品ができないので。それでは間に合わないのではないかということなのです。特にパンデミックインフルエンザが非常に緊急な問題でもあった時、今もそうですが。輸入するときは、別に医薬品として輸入されてはいないのです。種を輸入したのです。そういう意味では、「医薬品が対象外だが」というのは、この話と、それから後の文章は余り正確ではないのだけれども。そういうことです。

【野本委員】 要するに、ワクチンの種ウイルスだから、この第5条の規定も、まともには当てはまらないですね。緊急の場合と言われているけれど、今が緊急の場合なのかどうかということですね。

【吉倉委員】 そうなんです。さっき言ったように、緊急の場合の定義がないから、緊急の場合に間に合わない。簡単に言うと、そういうことなんです。

【水谷外来生物対策室長】 そこは適用除外の規定がありますので、そこはうまく使う。そういった場合の対応のためにある規程だと考えていますので、うまく使う方向で考えていければなとは思っておりますけれども。

【磯部委員】 磯崎さんに質問なのですが、カルタヘナ議定書というのは、専ら輸出入を対象にしているのだという理解でいいのですか。それとも、そこを主要なフォーカスにしてはいるけれども、締約国に対しては、さらに国内的な措置をとることを規範的に要求しているとは理解しないのですか。

【磯崎委員】 ただし、より厳しい措置をとってもいいという文章が、それぞれの項目に入っていますので、例えば今の医薬品のところであっても、危険性評価手続の対象にすること、それについては妨げないという書き方をしています。ですから、原則として輸出入が対象なのですが、あともう一つは、輸出入のときに、入れた後、どういう使い方をするかも分けています。ということは、国内で、さっきから議論になっているように、開放環境で使うのか、それとも封じ込めされた中で使うのかで、輸出入そのものの許認可のレベルが変わってくるので、その段階で、国内でどういう使い方をするかまで輸出入審査に入っています。今のように、幾つかで適用除外されている場合でも、もうちょっと厳しい措置をとってもいいですよ、例えば、さっき議論になっていた通常の場合と、それから飼料、食料、加工品の場合とでは、カルタヘナ議定書では手続が全然違う、2種類の手続があるんですが、そのルーズな方の手続が適用されるものについても、国内でより厳しい措置をとってもいいという言い方はしています。

【磯部委員】 「とってもいい」にとどまっていると。

【磯崎委員】 そうですね。義務づけではありません。

【磯部委員】 義務づけではないことはわかりましたが、なるべくとる方が望ましいという要請は含んでいるんですか、まったく含んでいないのですか。

【磯崎委員】 それはない。客観的に考えていると思います。

【吉倉委員】 今の先生のコメントなんですが、カルタヘナ・プロトコールにはアネックスVというリスク評価の付録がついているのです。輸入後、投入された国での環境評価が、どこかのアーティクルに入っているのですね。そういうことで言うと、この法律の目的は輸出入なのだけれども、実際上は、輸出入もさりながら、今の日本のカルタヘナ担保法の使い方で言えば、輸出入よりは、むしろ後の方が重いんじゃないかと思うんです、実際の担保法の中で。というのは、それまで指針でやったものが、みんな担保法の下に入ったので、そういうことになったのだと思うのです。
 先ほどのより厳しいというのは、今度はトレードの話になるので、WTOで、SPS協定の中での話だろうと思うのです。必要以上に国内プロテクティブな、非関税障壁になるようなものになると、そっちでひっかかるのだろうと思うのです。だから議論の場が別に移るのではないかというのが、私の解釈です。

【水谷外来生物対策室長】 今の吉倉先生のお話で、リスク評価のやり方が決められているというのは、議定書の上では、輸出入すると、輸出国が輸入国に対して、環境中で使うやつは事前に通告しなければいけない。通告を受けたところは、国内で使ったときのリスク評価をした上で是非を判断しなさいと。輸出入との関係で、リスク評価をちゃんとしなさいということで、特にリスク評価に当たっては、このアネックスVを参考にしなさいというので、国内での措置は結構重いのですけれども、あくまでも議定書上は、輸出入との関連ですべて書かれている。リスクのかかる手続の一環としてやれという書き方になっております。

【磯部委員】 それはわかりました。先ほど、緊急の定義がないというお話がありましたけれど、一般論で言うと、緊急という概念というものは経験的にはきっちり定義しない方がいいというか、しようがないんですね。きちんと定義をしたら、した途端に、これは入るのか、入らないのかという議論になりますので、そういう意味では、本質的に一種の不確定な概念なわけです。これこれの事態が緊急だというふうにリストアップができるような性質のものではないのだろうと思うんです。といって、恣意的な解釈をしていいということではないんですよ。そういう柔軟な概念としてとっておくことに意味があるのだろうと一般論としては思います。それから先ほどの議論でちょっと気になったのですが、今緊急かどうかという事態と、その緊急に備えるために必要だということとは区別されますよね。後者の方は、普通の意味での緊急の概念には入らないのだけれど、やはりそれは必要ではないかという議論が必要なわけですね。たしかに、いずれ緊急の事態が来ることがかなりの蓋然性でわかっているときに何もしないというのは、一種の不作為でしょうし、ひょっとすると責任を問われかねないわけで、法律論としては容易ではないかもしれませんが、そこはやはり課題ではあるかなという気がします。

【加藤小委員長】 今のは、医薬品そのものをどうするかということではなくて、緊急の前段階みたいなものをどうするかということで、緊急の定義はここにはないし、書かない方がよろしいという解釈だと思うんですけれども。前段階のようなものについて、緊急ではなく…。

【磯部委員】 いずれ緊急事態が、かなりの蓋然性で予測されるという場合。

【加藤小委員長】 いずれ予測されるような場合を、どういうふうにいうのかということですね。

【磯部委員】 言及した方がいいのか微妙ですね。後から「あのとき、なぜ何もしなかったんだ」と言われるとつらい。

【中村委員】 そういう蓋然性がある場合は、あらかじめそれを予測した上で、先に申請をしておかれたらいいのではないですか。

【加藤小委員長】 その申請をしておいて、蓋然性があるのと実際に起こる幅がどれくらいか。その幅が、審査に要する時間をカバーできるかどうかというところになるのかなと思うんですけれどね。

【中村委員】 どんどん前倒しで申請を出しておいて、それで何ら問題なさそうな気もしますけれど。その間、間に合わないものについては。

【加藤小委員長】 今度は緊急のところへ行くと。

【中村委員】 そうですね。

【加藤小委員長】 では、それ以外のところでご意見ございますでしょうか。

【鎌田委員】 ここに書いていなくて、先週、その話が耳に飛んできたので。今の国内法の対象は、科を超える細胞融合と遺伝子組換えとなっているけれども、これからクローンをここの中に入れるかどうかの議論が、国際的に進む可能性があるという話が出てきて、今の法律の中では、それはもちろん入っていないのだけれども、国際法自身が変わっていくと、これからどういうふうにそういうことに対応していくのか、これも考えておかないと。クローンがここに入ってくると、また全然違う議論になってしまいかねないと、ちょっと心配をしているのですが。国際法が先にどんどん変わっていくと、国内法が追いつくのかという。

【加藤小委員長】 おっしゃっていらっしゃるのは、カルタヘナ議定書が変わるという意味ですか。

【鎌田委員】 そうです。カルタヘナ議定書のモダンバイオテクノロジーという言葉の中身が、どこまで広がっていくのかという議論にまたなってしまうので、何かそれが来月あたりから議論が始まると、ちょっと話を聞いて。
 それから、既に議論されている「責任と救済」みたいな問題も、国際法で「責任と救済」のことが決まると、こっちまで全部影響するので、そこら辺のことも、今のというよりも、これから検討しておかないと対応できなくなるかなと、ちょっと心配をしているんですが。

【吉倉委員】 今のお話は動物のことですよね。例えばバナナとか、あんなのは大体クローンでしょう、そもそも。

【鎌田委員】 だから、動物に限定されていくのかどうかが、まだこれから議論が始まるので。

【吉倉委員】 それは変な話になりますね。

【鎌田委員】 と思うんです。

【吉倉委員】 ジャガイモも変だし、バナナもみんな組換えになって、実におかしいと思うんですが。

【鎌田委員】 そういう議論が始まるので、どうしたらいいかなということだと聞いていまして、今の話が植物はクローンだらけだから、今さら法律の枠を全部かけるのかという話になってしまうので。現実にはクローン牛だとかの話から、ひょっと出てきたことだと思うんですが。

【水谷外来生物対策室長】 実際には議定書の締約国会議の中で、変えるべきというか、仕組みを変えるのであれば、議論がされていくことになるわけなんですね。議論の途中に我々も関与していく中で、どんな形になるのかを見ながら、国内法でどう対応すればいいか、これでやるのか、また別でやるのかとか、いろんな方法があると思うんです。国際的な議論が常に前にあるので、それを受けて、国内法をどうするのかというのは、議論を見ながら対応を考えられるのかなと。今、そこまでの対象のものを変えるということが議論されているわけではないので、またそれが上がってくることがあれば、そのときに対応を考えようかなと思います。

【鎌田委員】 もう1件だけよろしいですか。前回もちょっと一種と二種の間の一.五という議論をさせていただいたんだけれども、先週、中国へ行って、中国の具体的な事例をまた調べてきて、中国だと、そこは生物多様性が非常に全国でいうと広いので、たくさんあるので、農作物も地域限定栽培許可みたいな形をかなりとっていまして、日本でこれからいろんなものが出てきたときに、そういうことを想定するのかどうか、許認可をするところではかなり大きな違いがあると思うので、何かチャンスがあったら一度検討していただければと思いますが。

【水谷外来生物対策室長】 地域というのは、例えば北海道ではとか、そういう意味での地域なんですか。

【鎌田委員】 そうですね。中国では省に限って、何とか省ではこれはオーケーとかという、そういうやり方をしていると聞いていますが。

【加藤小委員長】 それは今の枠組みで、日本ではできるようになっているんですか。

【水谷外来生物対策室長】 できません。できないというか、使用規定の中で、北海道でしか栽培してはいけないと書くことができますけれども、現実に担保できないので、そういう使用規定をつくったとしても、ほかに持っていってしまうことを防ぐ手段がないので、多分管理できない。そんな使用規定は、現実には難しいかなと思います。使用規定をつくることは物理的には可能ですけれども、実際にそれを守ることが、みんなができるかどうかという意味で…。

【中村委員】 鎌田先生のおっしゃるのは、栽培をより可能にするためには地域限定した方が良いということですか。

【鎌田委員】 場合もあるのではないかと。

【中村委員】 その辺が想定できるかどうか。そうなってくると、むしろ逆に首が絞まってくる方向に動いていきそうな気もしないでもないですが。

【鎌田委員】 というよりも、先ほどの話で、日本では第一種使用承認はとれたけれども、具体的にどうやるかという話が今のところ全然ないんです。今の中国の事例だと、栽培する側も、だれがやってもいいのか、それとも許認可があって、栽培許可を国との間で、ここの畑でやりますよとかという形を実際にとっていると。日本で第一種というのは、今の理解だと、いつでも、どこでも、だれがやってもいいよという規定になっていると思います。これからもずっとその形でいくのか。

【中村委員】 だけど、既にこれだけ承認が下りているわけですよね。

【鎌田委員】 でも、具体的な栽培事例は1例もないわけですね。

【中村委員】 それは法律の問題とはまた違う問題でしょうから。

【水谷外来生物対策室長】 栽培は、国内どこで栽培しても大丈夫という。

【鎌田委員】 いつ、どこでも、だれがやってもいいということですよね。

【水谷外来生物対策室長】 限定すれば、さらに承認できるものが増える可能性はないことはないでしょうけど、組換えのものは余り考えにくいのですが、例えば我々外来生物対策室でやっている外来生物法というのがあって、これは北海道にいないものを北海道に持ち込んだら影響があるかもしれない。あとは、南の方であれば定着するかもしれないから、南の方では使ってほしくないとか、物によって心配するエリアが違うんです。ただ、現実には、沖縄とか南西諸島ではリスクがある。でも本州では大丈夫というものを国内に輸入してオーケーかと言われたときには、国内移動をとめる手段がないので、それは全部だめにしなきゃいけませんねということで、生物多様性影響という意味では、場所ごとに影響が違うという外来生物でも、なかなか地域を限って使っていいというのは、国内での移動の管理は現実には難しいので、そのアナロジーでいくと、地域限定は現実的には難しいと思っております。

【鎌田委員】 前回、話した一.五みたいなことを考え出すと、一.五でやるときには、やっぱりある地域で、生産物そのものは、多分、生物多様性影響はないけれど、生産の段階は気をつけてねというたぐいの考え方ってあると思うんですが。

【吉倉委員】 ちょっといいですか。中国のことを考えると、地域限定というのは非常によくわかるんです。砂漠だらけのところもあるし。それはそれとして、中国の地理的条件が今の話には関係しているんだろうと思います。一つの省が日本の国より大きいぐらいですから。
 それはそれとして、鎌田さんが言われた、隔離ほ場は承認されたものは全部やられていると。それから出るものは、今まで一回もやられていないと。そうですね。これから2件出るかもしれないけれど。バラとかね。

【水谷外来生物対策室長】 食料の商業栽培ということで、されているものはない。

【吉倉委員】 そうすると、隔離ほ場を実際に見たことがないから、どんなものかはよくわからないのだけれども、屋根がついているのか、屋根がついていないのか。何かの会議のとき、屋根がついていないと消費者団体から怒られるとか、そんな話も聞いたことがある。
 それはそれとして、隔離ほ場から一歩外へ出るときには、商業栽培と全く同じレギュレーションがかかるんですか。

【水谷外来生物対策室長】 一種使用ということなので、一種使用の承認が要りますということで、別に商業栽培だからということで手続が違うわけではない。前回いただいたご意見を15ページに書いていますけれども、一定の管理下で行う研究を一般栽培の商業利用における評価と同じことをやって、本当に効率的なのでしょうかということはありますけれども、手続上は同じ手続を踏まなければいけない。ただ、評価をどうするのかというのは、ケース・バイ・ケースで判断するべきものかなとは思っております。

【吉倉委員】 一種利用における環境影響に関する管理というものは、今はないと考えていいんですか、文言上は。要するに、一たん、一種利用が認められれば、確認されれば、その後は一切管理からは外れると。どういうことなんですか。

【水谷外来生物対策室長】 要するに、こういう使い方をするという使い方を決めた一種使用と、どんな使い方でもいいですよという、使い方自体も承認申請者が決められるわけなので、例えば、ここのほ場で、一定の管理のもとに、この期間だけ使いますという使い方をする。そういう前提で評価を受けて使っているというのが今、隔離ほ場試験。

【吉倉委員】 それは隔離ほ場だからいいんだけれど、そこから出るときに。

【水谷外来生物対策室長】 その次に出るときも、一定の条件のもとに使いますよということで承認を受けることは可能ですけれども。

【吉倉委員】 それはどこかに書いてありますか。

【水谷外来生物対策室長】 そういう意味では書いてはいませんけれども、別にそうしてはいけないとは書いていないので、使い方は申請者が自由に決められます。ただ、実際にそれで管理できるかどうかという話で見ると、そんな管理できないじゃないですかと、いくら書かれても現実的じゃないですねという話で、評価のときに、本当にそれで大丈夫ですかという審査はされます。

【吉倉委員】 今の話を逆の立場から見ると、隔離ほ場から、要するに管理した状況では、現実的には出せないと、そういうことですね。

【水谷外来生物対策室長】 ええ。申請者が管理できますという状態になれるんだったらいいですけれど。

【吉倉委員】 どこまで管理するか、その内容もわからない。要するに、何かを管理した状況で、隔離ほ場から外へ出すということは、今の枠組みの中ではできないと。

【水谷外来生物対策室長】 できないというか、管理可能かどうかというところは評価されます。管理可能じゃないのに管理しますといくら言っても、なかなか現実的には難しいです。普通に使ってもいいという形で評価を受けた方がいいのではないですかと、評価の中では、そういう言い方をされる可能性は高いです。

【吉倉委員】 ということは、やっぱり隔離ほ場から外に、現実的にスケールアップができないということですね。そうだと思います、今のお話だと。そう解釈せざるを得ない。

【加藤小委員長】 隔離ほ場というのは明確に定義されていたんでしたか。つまり、ある隔離ほ場はかなり管理がきつくて、それからもう少し広くなっても、隔離ほ場という言葉は使わなくて、ある広さで、ある時期で管理して使う、それを少しずつ大きさを広げていくということはできるのですか。

【水谷外来生物対策室長】 大きいところでやるという実験計画があれば、そういう計画でありますという申請をすることは可能ですので、この中でやらなければいけませんということをあらかじめ決めているわけではないんですけれども。

【農林水産省農産安全管理課】 隔離ほ場の要件につきましては通知の中で決めておりまして、どの通知かといいますと、第一種使用等農林水産分野の植物の方でございます。この通知の中で、隔離ほ場の要件を細かく定めております。細かいので全部は申し上げられませんが、次に掲げる設備を有することということで、先ほど鎌田委員からもお話がありましたように、フェンスその他部外者の立ち入りを防止するための囲い、あるいは隔離ほ場であること、部外者が立ち入り禁止であることについて見やすいところに掲げた標識ですとか、それから、次に掲げる事項を順守するための作業要領を定めることということで、遺伝子組換え農作物及び比較対象農作物以外の植物の隔離ほ場内における生育を最小限に抑えること。といったような作業要領なども具体的に定めるようにということで、隔離ほ場の要件を定めております。

【磯崎委員】 分厚いファイルの15番、21ページ、別表6。

【農林水産省農産安全管理課】 これは樹木の方でして、農作物は14ページの別表の3にございます。

【中村委員】 これは隔離ほ場であっても、少なくとも原則的には第一種利用に属するもので、いわゆる植物の拡散防止措置はとっていないということになりますね。

【農林水産省農産安全管理課】 花粉などは、当然飛ぶ可能性があるということでございます。

【中村委員】 これはあくまでも植物の拡散を防ぐのが目的になっているわけで、そこに人が入ってくるとか、例えば何かとの交雑を防ぐようにとか…。そもそも隔離ほ場というのはどういう目的でつくられているのですか。

【農林水産省農産安全管理課】 隔離ほ場というのは、前段階の実験室でやった栽培特性が試験で得られているわけですけれども、それを環境中に出したときに、同じような環境特性、動態を示すのかどうかというのを試験するためのほ場ということでございます。

【中村委員】 あくまでも試験用ということなのですね。

【農林水産省農産安全管理課】 はい。ですので、先ほど鎌田委員がおっしゃったような試験ほ場という形で位置づけられているというのも、そういう意味だと。

【加藤小委員長】 質問ですけれど、これは試験でなければいけないということではないんですね。例えばアメリカですと、医薬品をつくるような植物は、実用化のための、つまり法律全体から除外してもらうような申請をしないで、毎回野外試験の個別の申請をして栽培し、その植物からの収穫物をとって医薬品をつくるということがやられているわけです。ここの隔離ほ場の、ここに書いてある、一定の管理があるという条件の中で、実用のものを栽培したとしても、それは第一種使用として問題があることにはならないわけですね。

【農林水産省農産安全管理課】 問題にはなりません。隔離ほ場の要件だけを決めており、試験栽培に限るといった規定はしてありませんので、これが実際に産業利用ということで、隔離ほ場の要件を使うということは可能だと思います。

【吉倉委員】 ちょっといいですか。読んでいるとおもしろいんですが、防風網をつけると。それから、くつなどに付着したのを防ぐ。簡単に言うと、泥はみんな滅菌しろという話ですよね。基本的に封じ込めに非常に近いんじゃないですか。泥はそのまま出てはいけない。これが一種利用ですかね。僕は非常に不思議に思うんです、これを一種利用というのが。

【鎌田委員】 細かく言うと、法律化の前に、中で使ったものを…。

【吉倉委員】 指針のときのものですよね。

【鎌田委員】 規定があったので、それがそのまま利用されていて、現実には鳥は飛んでくるし、枝はどこかへ飛んでいくし、それはもちろん想定の中でやらなければいけない。だから変な形なんですね。だから、これは第一種だというのだったらば第一種という形で、もっときちんとすべきだと思うし。

【農林水産省農産安全管理課】 補足になりますけれども、第二種にしてしまいますと、完全な封じ込め、閉鎖系、花粉も何も出ないということになってしまいますので、隔離ほ場の場合は、防風網を設けたり、なるべく泥を落とすとか、そういうことをした場合でも、可能性として、それが微量であるとか、検出可能かどうかは別にして、出る可能性があるということで、第一種使用、環境中への放出が考えられ得るということで、第一種使用に位置づけているものでございます。

【近藤委員】 実際にこれを審査する立場では、隔離ほ場の試験は、申請案件に応じて実は変えているんですね。例えば、試験用の試料、材料を得たいという場合には、それはもう完全に外に漏れないようにする。ですから、二種に近いような形で栽培してもらって、その材料を実験に使ってもらう。この隔離ほ場試験というのは、次の開放系での利用の前段階の試験と位置づけられていますので、そういうことを目的にする場合には、必ずこの隔離ほ場試験をやらなければいけないことになっていまして、その場合には、むしろ実際の自然環境に出たときに起こり得ることを想定した試験計画をしなければいけないと考えています。ですから、鳥が来ないとか花粉が飛ばないという条件は、むしろ好ましくないわけで、その場合に、花粉が飛んで外に何か影響を与える、生物多様性に影響を与えるような可能性があるときには、しっかりモニタリングをすることが義務づけられています。
 ですから、この隔離ほ場試験というのが、余りはっきりした定義はなくて、大きく言うと二つの使い方がされていて、そこで栽培したものを実際に使うというものと、それから一般の環境中で使うときのための考えられる危険性といいますか、生物多様性影響という意味の危険性を試験する、そういう部分が入っています。もちろん、一般で使う要件を満たしていないわけですから、多様性影響に関する危険性はちゃんとモニタリングする。危ない場合はそれをやめる。そういうことが条件になっています。ですから、この文章で見る隔離ほ場というのだけでは、わからないだろうと思いますが。

【加藤小委員長】 そうしますと、運用上、管理をきつくするか、あるいは管理をかなり緩くするか、その幅があって、その幅の中で使うことができているということですか。

【近藤委員】 ただ、影響がある可能性のある場合にはモニタリングをしっかりするという意味では、やっぱり管理がきついのだと思います。一番管理が緩いのは、先ほどコモディティがどうかという話がありましたけど、日本国内で栽培する可能性がないもので、しかも栽培したとしても、日本では生育できないようなもの、生物多様性影響は考えられないものに関しては、隔離ほ場での試験計画のところで、それほど厳しいことは要求しないということはやっています。

【加藤小委員長】 ありがとうございました。だんだん時間が少なくなってきたのですけれども、今のところは、例えば15ページの第一種使用に係る生物多様性影響評価の2番目にかかわるところかなと思います。
 全体をまとめる方向を考えなければいけないので、この項目立ての中に書かれていることで、コメントしていただくことはございますでしょうか。

【磯崎委員】 15ページの真ん中の項目、三つ目の丸ですが、「農作物の」というので、「蓄積された知見を踏まえた点検も必要」と言っているのですが、ここで点検をしているわけですので、ここの趣旨は、つまり今回の点検では不十分だから、そういう点検をせよというのか、あるいは点検が必要ではなくて、ほかの項目のようにデータとか知見を組み込んでいけばいいと、そういう点検をしたという趣旨なのか。この三つ目の丸印の趣旨がはっきりしないのですが、これはだれですか。

【水谷外来生物対策室長】 武田先生とのお話の中で出てきた話なんですけれども、後者です。蓄積された知見を踏まえて求めるデータを常に効率的にやっていくべきではないかという趣旨で。

【武田委員】 私、1回目、先約があって参りませんでしたので、どういう議論があったのかよくわからないので、発言を控えていたのですけれども、カルタヘナ法本体について云々するつもりはないんですけれども、それを受けて、実施する段階で、今ちょうど議論をやっていた調査項目等のところが、非常に重たいというのが実施者の意見なんですね。これが日本の遺伝子組換えに関する基礎研究を停滞させているというか、そういう受けとめ方もされていて、これは由々しいことではないかと。
 つい最近も、近隣のある国に材料を持っていって、そこで試験をしてデータをとってきたという事例があるんです。これはやっぱり情報が漏れる可能性もあるし、もちろん遺伝子が漏れる可能性もあるし、何より不経済ですし、そういうことで、日本のこの分野の研究が遅滞するようなことがあると、非常にまずいというふうに思っているんですね。
 最初の項目の二つ目も、これも私の発言に関連していることだと思うんですけれども、やはり要求事項が重た過ぎるのではないのかと。調査項目も花粉のサイズだとか、種子の休眠性だとか、そういうものが組換えで変わるとは常識的に考えられないし、そもそも作物というのは休眠性がないから作物なのでして、野生生物としての特性みたいなものを云々するときの調査項目が、そのまま入ってきているなという感じがします。もっと軽量化していいだろうと。
 それから、2段目のパラグラフについては、非常にたくさんの人が、非常にたくさんの実験をやっていまして、既にスタンダードなデータがあるんですね。そうすると、個々の申請者がもう一回ゼロベースで、全部データをとり直さなければいけないというのも非常に非能率ですし、その辺のところを考えていく必要があるだろうと。
 ですから、あくまでカルタヘナ法本体そのものに対するクレームではなくて、実際に、なぜ日本国内で組換え研究がここまで遅れているのか。ご覧になっていただくとおわかりでしょうけれども、研究用はユーカリ6件しかないんですね。たった一つの大学が2回、三つずつ申請してきたというのが、日本のGMOの研究ベースでの今までの申請状況なんです。あとは加工用に輸入したものが、途中でこぼれ落ちたとき。つまり、こぼれ落ちて芽が出るというのは意図しない栽培なので、それを恐れて、栽培のケースを想定していろんなことをやっている。これも非常に不毛な努力じゃないかと、我々は審査しながら思っているわけなのですが、全体を通じた発言の趣旨はそういうことでありまして、カルタヘナ法そのもの対するクレームではなくて、それを国内で実際に試験栽培させるときに、もっと機動的になっていいのではないかという趣旨の発言でございます。

【吉倉委員】 私も最後の丸について、どう解釈するかということなんですが、見ていて、一種使用したときにどういう生物多様性影響が出るかという段階が、今、日本ではできない状況だと思うんです。要するに、開放系のときにデータをとるのは、一体どうやったらいいのかと。今、武田先生がおっしゃったように、そんなのはやってみなければわからないデータを最初から要求されては、一体どうやってやるのか。要するに金魚みたいに、金魚鉢の中を泳いでいるだけで、出られないですね、金魚は。出たら死んじゃうんだけれども、日本の場合は。そういう状況がある。この辺のところは、一種利用を使って生物多様性影響を研究できるようにするというのが、日本の場合、まず第一歩じゃないかと私は思うんですね。そうしないと本当の一種利用、商業利用の認可が下りないと思うんです。

【加藤小委員長】 大事なご意見だと思うんですけれども、具体的に、武田先生がおっしゃっていらっしゃったのは、この厚いファイルの中のどこというところをお教えいただけますか。

【武田委員】 付箋の15番、承認申請するときのいろんな項目が別表に並んでおりますね。その中で組換え体として必要な情報、エッセンシャルな部分もあるんですけれども、少し用心深過ぎているというのでしょうか。不必要な、しかし、それをデータとするには非常に大変な実験をしなければいけない。しかも再現性が低くて、試験してもらっても信頼性のあるデータが全然出てこない。例えばの話、変動係数が50%もあるような、標準偏差の大きさが平均値の半分ぐらいあるような、つまり何十回と実験を繰り返さなければ信頼できるようなデータが出てこないような、例えば土壌微生物の数とか、こんなのは常識的に考えてみてもおわかりだと思いますけれども、物すごくサンプリングエラーがありますから、それをデータにしてどうするんだと言いたくなるようなアイテムが非常にたくさんあるわけです。この辺の見直しを、この委員会の使命ではないので申し上げるのはちょっとあれなんですけれども、これを踏まえて、ぜひ次の段階で、農水なり環境省がこれを考えて整理していただかないと、実際に申請する方は手が出せないという実感があると思います。

【吉倉委員】 私ばっかり言ってなんですが、カルタヘナ・プロトコールのアネックスVというのは、基本的には、コンベンショナル・オーガニズムとの比較におけるアセスメントなんですよ。それが原則なんですよ。こうなると絶対安全の精度で、なぜこういうゼロからのデータを求めるのか。要するに、親株と組換えとを比べればいい話で、カルタヘナ・プロトコールの精神から言えば。その辺の項目が、オーバーレギュレーションになっている理由じゃないかと思うんですが。

【武田委員】 全く同感です。

【加藤小委員長】 事務局、何かありますか。

【水谷外来生物対策室長】 基本的に出していただいているデータは、農作物の場合は、非組換えのものと組換えのものの比較という意味で、このデータを出していただいているというところです、実態上やられているものは。

【鎌田委員】 申請する側として見ると、例えば既存の農作物と同等の比較だと言うのだけれども、例えば、ある組換え体の花粉がどこまで飛んでいくのかなんていう話になったときに、それは具体的に組換え体を出してみなければわからないですよね、そんなもの。少なくとも花粉のサイズだとかが変わっていないからいいだろうという言葉で、結局、置きかえざるを得ないわけですよね。実際に関係を出さないとわからない部分がいっぱいあるのに、それを代替するための、何だか知らないけれど、ありとあらゆるデータを出さないと比較になっていないじゃないかと言われてしまうというね。

【吉倉委員】 そういう考え方がおかしいと思うんですよ。要するに、最終的にデータを出して、それでコンベンショナルを調べるということは、全部開放系でやったデータを出さないと出ないという話なんです。実際そうでしょう。ということは、私は食品の関係なのだけれども、要するに食品の安全性でも、食ってみなければわからないと。10年も20年も食っても、まだわからないかもしれない。どういうことかというと、やっぱりコンベンショナル・カウンターパートは、組換えと組換えでないものを比べる。遺伝子は何を入れたか。それの意図した影響と意図しない影響で、要するにプロダクトで比べるのではなくて、でき上がったものを全部調べるのではなくて、そういうことをやってもわからないわけですから、実際は。導入した遺伝子はどういう影響を及ぼすかということで、こういうものを予測するというのが原則だと思うんです。それは全部調べて比べないといけないという仕組みになっている。それが、さっき言った金魚鉢の中をぐるぐる回って外へ出られないという状況になっているんだと思うんです。

【近藤委員】 誤解が結構あるなというふうに思うんですが、まず、すべてを必ず調べなければいけないとは考えていません。それから、先ほど花粉のケースにしても、花粉が飛散することによって影響のある場合だけ花粉について議論をしますし、それについては、既存の論文等のデータとか、それから独立行政法人の農業環境技術研究所等でやられたデータをもとに議論をしてもらうということで、自分で実験をするのではなくて、そういうデータに基づいた、特に一番重要視しているのは、ちゃんと審査された論文というものを最大限に活用してこなくて、その中で議論をするということであって、必ずしも自分で実験をするということではないということ。
 それから、武田先生が先ほど言われた例は、そのとおりだと思うんですが、土壌微生物、そういう試験なんてやってもしようがないではないかとか、あと休眠性。休眠性も、こういう項目がありますけれども、休眠性の試験は難しいですから、ほとんどやっていないわけですよね。それをやったかのように書いている方が問題だと。いつもそこがひっかかるのですが、じゃあ初めからなくせばいいじゃないかという話にもなるんですが、そういったマイナーな変更は必要だと思いますけれども、基本的には、今ここで議論されたようなことは、ほとんど踏まえて審査をしていると思います。

【吉倉委員】 とはいえ、今までの話を聞くと、このレギュレーションがどうなっているのか、審査はどうなっているか、そういうことに関して非常に不透明だと。それから、文章上、申請する側はどうやっていいかよくわからないという話だと思います。だから、レギュレーションのオパシティですね。確かに融通無碍にやるというのは、いいんだけれども、一つのやり方ですからね、ケース・バイ・ケースで。ただ、逆にそうであることがイノベーションを抑えるという結果にもなる。その辺は、特にリサーチのイノベーションを考える上では、いかに透明であるか、どういう扱いをされるかというのは、はっきりしないとまずいんじゃないかと思います。

【加藤小委員長】 今のご意見、この丸1と丸2にかかわったところかなと思うんですけれども、研究が少ないということと、それから項目が多いということと、重なっている部分と重なっていない部分とがあるのかもしれないんですが、どこまで実際に、どういうふうに評価されているか。評価結果はホームページにアップされているんですね。それを皆さんがごらんになれば、もう少し具体的にどうやっているかがわかって、ここはこの程度までやればいいのかなというのがわかることもあるのかもしれませんが、それが十分伝わりにくい、伝わるような格好になっていないということも問題なんですか。つまり、具体的にこれを解決するために、この項目を全部変えなさいということなのか、あるいは、どういうことをしたら、今突っかかっている問題が解決するのかということなんですけれど。

【中村委員】 私はどちらかというと微生物が中心で、今のお話にかかわるところだと、15ページの下の丸に、似たような意見を出してあります。例えば入れた微生物が土壌微生物にどう影響するかという話になってきても、これはなかなか評価が難しいところがあります。ある程度のことは調べられますけれど、それが本当の意味での多様性がどうなるか、こうなるかという話をすることは非常に難しい。
 ただし、最初にこういった評価項目をつくっていくときには、やっぱり安全を担保するために、吉倉先生がおっしゃるように、相当オーバーレギュレーション的なイメージでつくらざるを得ないところがあります。私も法律づくりにかかわって、ここまでやらせなければいけないのかと実際に思いながらつくってきているわけです。より簡素化するためには、今ある情報を最大限に有効活用することが重要です。それともう一つは、これだけいっぱいいろいろな申請が上がってきているわけですから、その中の新しい知見を取り入れて、一端オーバーレギュレーション的につくったものも随時見直して、ディレギュレーションしていくといいますか、そういった見直しの流れをつくることも重要です。それは基本的に法律の改正とは違うところでもできるわけですから、その辺、ある程度まめにやっていけばいいのかなと思います。今回、全部ガラガラポンして何とかしましょうというよりは、そういった見直しをまめにやっていったらどうなんでしょうか。

【近藤委員】 審査する側は、逆なんですよ、心配が。こういういろんな細かいことが決められていて、申請者側からすれば、これを調べればそれでいいんじゃないかと、あとはどうでもいいじゃないかという考え方もあるんですね。先ほど、吉倉先生が言われたように、入れた遺伝子は何か、それがどういう影響を与えるかということが一番重要だと考えているんですが、そこがわからなくてもいいじゃないか、ここに決められた試験だけやればいいじゃないかというのが、我々の悩みの種で、なかなか理解してもらえない。こちらは、入れた遺伝子がどういう影響があるかということを科学的に考えて審査したり、それから、生物多様性がどうかということを考えて審査したいんですが、そういう考え方じゃなくて、ここに書かれている項目さえ試験すればそれでいいじゃないかという申請者もいらっしゃって、そこでなかなか意見が合わないで困っているというのが現状で、そういう意味では、こちら側の考え方が十分に伝わっていないということで、そこに問題があるのかなとは思います。どうやって伝えたらいいのか。先ほど申請書の概要とか、審査結果の概要は、ホームページが公開されているわけですよね。ですから、それを見ていただければ、ある程度わかるはずだと思うんですが、多分それを読み切れないというところがあるんだろうと思います。解説をつけないとわからないというところがあるんだと思いますけれども。

【加藤小委員長】 それをつければ、かなり解決がつく可能性のある問題もあるということですね。

【中村委員】 実際問題、審査にこれだけパスしてきているものがあるわけですよね、現実は。それなのに使えないというのは、これは法律云々の問題じゃないところに相当問題があるような気がしますけれどね。

【加藤小委員長】 15ページのところ、かなりの議論をしていただいておりますが、大体こういうことをすべきであるとか、した方がいいのではないかとか、今回の点検を踏まえた、次につなげる道筋についてのご意見もある程度出てきたので、作文は難しいかもしれませんが、それをつくっていただくと。
 その次、15ページの一番最後、16ページのあたりで、何かご意見ございますでしょうか。

【吉倉委員】 15ページの上の丸ですけれど、一種と二種の中間のものが必要だと書いてあるんですが、さっきの隔離ほ場が、まさにこれなんじゃないんですか。この丸は要るんですか。

【鎌田委員】 隔離ほ場だけではなくて。

【吉倉委員】 何を思っているのか、よくわからない。

【鎌田委員】 特殊な温室栽培とか、いろんなことを想定されているケースがあるようなので、温室も、それを隔離ほ場とみなすのかという話になってしまうと思うんですが、多様な形態での栽培方法が、これから商業栽培でもとられつつあるだろうと思うので、そこら辺を…。

【中村委員】 私の専門は微生物ですけれども、微生物の場合は、1匹でも逃げれば、増殖する可能性がある場合は、わっとふえますよね。ですから、どっちかというと一種か二種かのグレーなところは余りないのではないでしょうか。植物の場合、そういった中間的なところが少しあるので、大分状況は違うのでしょう。こういう概念は、何となく微生物の方には余り入れたくない気がいたします。

【加藤小委員長】 「一種と二種の中間のような」という言葉をとってしまうと、意味は違ってきますか。要するに、新しい使用形態への対応ということになりますけれども。

【吉倉委員】 そうですね。一種と二種の中間というのを削ってしまって。

【加藤小委員長】 削って。要するに、新しいいろんな利用形態、用途も違うとか、つくり方とか、つくる設備のあり方も違ったりするものに対して、違った観点が必要かもしれないと。そういうものについては前広に検討しておきなさいとか、そういうことでよろしいのでしょうか。

【鎌田委員】 そうですね。

【加藤小委員長】 16ページの情報提供あたりはいかがでしょうか。これは有効なものとしていく必要があると、皆さん思っているわけですけれども、どうやったら有効になるかというところについて、例えば何かご意見があったら、それを盛り込むということもできるかと思うんですけれども。

【鎌田委員】 一つだけよろしいですか。食品なんかだと、最近コミュニケーションがすごくきちんと書かれて、パブリックコミュニケーションをきちんとやろうというふうになっていて、このことはそのことにかかわっているんですね。こういう生物多様性だとか組換え体の扱いを、パブリックに対してどうやってコミュニケーションしていくのか、きちんとした視点が入って、それを環境省あたりが積極的にやっていただくという形がとれればいいのではないかと思うんですよね。そうすれば必然的にバイオセーフティクリアリングハウスも有効に活用されるだろうと思うし。

【加藤小委員長】 いかがですか。

【吉倉委員】 フォーマルにはコーデックスのリスクコミュニケーションの定義でいいんだろうと思うんです。あれを使えば。リスクアセスメント・マネジメントのすべての、何かごちゃごちゃと。繰り返しませんが。フォーマルにはそれでいいんだろうと思うんです。それから双方向だとかね。それを書けばいいんだろうと思うんですけど。それが役に立つかどうかは私は知らないけれども、文章的には、それを書けばいいんだろうと思うんです。

【農林水産省農林水産技術会議事務局】よろしいでしょうか、補足として。農林水産省といたしましては、遺伝子組換え農作物にかかわるコミュニケーション活動を行っておりまして、消費者とか農業者だとか、そういう加工流通業者の方などを中心に双方向のコミュニケーションというものをやっておりまして、それにもそれぞれのレベルに応じて、大規模コミュニケーションとか、小規模コミュニケーションとか、連携コミュニケーションとか、この三つを軸にしまして、大規模コミュニケーションは、国民とかマスコミへの情報提供の発信ということで、平成20年度も盛岡と福岡で開催をさせていただいております。参加者が100名前後でございます。小規模のコミュニケーションといたしましては、平成20年度、30回行いました。これの主な目的とか対象は、ステークホルダーごとに濃密な意見交換を通じた理解の促進ということで、消費者団体とか食品産業界、また地域生協さん等を対象に行っております。こちらにつきましても30回ということで、代表的な場所としては東京、神戸、福岡、高松等で開催をさせていただいておりまして、1回の参加者は、幅はありますけれども20名から30名、少ないところでは十数名ということでございます。また、連携コミュニケーションもございまして、こちらも平成20年度に20回行いまして、こちらは中高生、学生さんを対象といたしました出前実験講座、ブロッコリーからのDNA抽出実験とか、そういうことを行いまして理解の促進をしているところです。こちらもいろんな場所で開催をしておりまして、近隣では千葉、遠いところでは松本とか仙台、東北でも行っております。こちらの参加数は多少少ないですけれども、十数名を対象に行っているというのが、農林水産省が自ら行っている双方向のコミュニケーションの実情でございますので、ご紹介させていただきました。

【加藤小委員長】 ありがとうございました。そういうふうに、いろいろなところでやっているんですが、最終的にまだ足りないということであれば、そういう活動はあるけれども、さらにいろいろ創意工夫して情報を伝えていくということが必要ということでしょうかね。余りいいお答えはないかもしれませんが。
 その後の科学的知見の集積。

【吉倉委員】 これは、ここへ書いていないんですが、さっき中村さんがおっしゃった微生物生態学の近ごろの進歩は凄まじいですよね。耳学問ばかりなんですが、非常に生態というものが、どういうものかというのがかなり進歩しましたね。そういうものの背景で今のLMOの話はしないといけない。環境影響するのはLMOだけじゃないですからね。気候変動だって、人間が地球上に住んでいることが悪い影響をしているわけですから。そういうことで、文章にすれば、最新の生態学の知見を背景にLMOの評価をすると。なおかつ、生態学の研究を推進すべきだというような文言を入れていただくと、私はいいと思います。一種利用も、そういうことのために使われなければいけないわけです。環境モニタリングのためのバイオセンサーもそうですね。やっぱり一種利用をしないと、何の役にも立たないのですよ、研究段階から。そういう簡単な文章を1行入れていただけるといいと思うんです。

【加藤小委員長】 おっしゃる意味は大変よくわかります。今日は鷲谷委員、ご出席でないですけれども、鷲谷委員が前回ご発言なさったのも、そういうことを踏まえてのお話だと思いますので、そこはちょっと修文をお願いいたします。
 その次、その他のところですが、これはこの報告書の中でどう扱うべきか、ちょっと難しいのですが、こういうご意見があったということで、どうすべきというところは出てきますか。さっきのワクチンの話は、ちょっと議論いたしましたが。例えば、わかりにくいという指摘もあるということでしたら、わかりやすくなさいというのが、報告書の記述になるんでしょうか。

【吉倉委員】 私は、この項目は削除した方がいいと思います。理由は言わないけども。

【水谷外来生物対策室長】 1番目の。2番目はどうですか。

【吉倉委員】 2番目は、もう少し議論した方がいいと思う。

【野本委員】 2番目については、経産省と東大の医科研で話し合いがなされていて、どういう精製法を使用したというような情報を出してくれれば、それでいいという方向で話し合いが進んでいます。だから、そのポイントはクリアできるんじゃないかと思うんですが。

【加藤小委員長】 そうすると、削除できるかなというご意見と受け取ってよろしいのですか、この報告書の中で。

【中村委員】 載せた方がよろしいんじゃないですか。載せておいた上で、これを受けて、例えば経産省といろいろ検討をやっていることを説明した方がよいと思います。

【吉倉委員】 ただ、現実的と考えられているようであるというのは、これは先ほどの話で…。

【中村委員】 要するに、企業はシールを張ってしまった方が楽だということで張っちゃうのですよね。ところが、いざ使う側は、それが張ってあると、単なるタンパク質なのに全部組換え生物を扱うのと同じ扱いをしなければいけない。使う方が、どうにかしてくれないかという話が強いんですよね。ですから、この件は、野本先生がおっしゃったような精製の段階でどういう精製法を使ったか、きっちりそれがわかれば、場合によっては外すことができないか、張らなくても済むんじゃないかと思います。完全にゼロにするというのは、なかなか難しいところなんですけれど。悩ましいと思うのですけれども、それは経産省の一つの検討マターになるんじゃないでしょうか。

【吉倉委員】 要するに、可能性があるという文章は、あるということと違わないんですよ。

【中村委員】 難しいですね。

【吉倉委員】 ええ。だから、可能性があるということを書くのが、業者としてはいいと。それで止めておいていただいたらどうですか。後の検討は任せることにして。

【加藤小委員長】 あえて書くとすれば、担当部局で対処してくださいということですかね。書かなくてもいいと思いますが。

【吉倉委員】 書かなくてもいいんじゃないですか。削ってもいい気がするけど。

【中村委員】 野本先生のご意見でもあるし、入れておいてもよろしいのではないでしょうか。

【水谷外来生物対策室長】 こういう事実があるというところを記載する。

【加藤小委員長】 はい。
 3番目は、先ほどの議論を踏まえて、文章を膨らますか。

【野本委員】 さっき、カルタヘナ議定書は輸出入に関しての話で、国内法は輸出入じゃないから必要だと。

【中村委員】 輸出入プラスアルファ、国内の他の部分ですね。そこも含めるということですよね。

【野本委員】 それが、ここではわからないですね。

【吉倉委員】 さっきの話は、こちら側の話は、ちょっと言い方が悪いけれど、トリッキーなんですよ。要するに、輸出入だけのところで話されましたでしょう。ところが、輸出入するときは必ずリスクアセスメントを伴うんです。除外しない限り、リスクアセスメントしなければいけないです。そういう仕組みになっているわけです。

【野本委員】 わかりました。

【吉倉委員】 だから、そこら辺はもっとニュートラルに、カルタヘナ議定書ではヒト医薬品は対象外になっているけれども、今後、カルタヘナ担保法の中でどう扱うか検討すべきだと。一応そういうことで書いたらどうですか。本当は、カルタヘナ担保法の国内法をつくるときに、これを検討すべきだったのだろうと思うんです。私の理解は多分間違っているだろうと思うんですけれども、カルタヘナ法は医薬品を除外しているので、そもそも担保法のまな板に載らなかったというのが現実じゃないかと。私の誤解だろうと思いますが、そうだろうと思います。

【水谷外来生物対策室長】 状況としては多分そうで、議定書の中で扱われていないので、国内法を検討する中に、最初から入っていたわけではなかったと。

【吉倉委員】 それが今、逆にひっかかっているんだろうと思います。そういうようなことで、役所として無難な文章をつくられたらどうでしょうかということです。

【野本委員】 私が不思議に思っているのは、WHOから配られた種ウイルスは、どこの国にも配られているわけですね。ほかの国で全然問題になっていないのに、なぜ日本があれを認めるのに、あんなに苦労して認めたのかというのが非常に不思議に思うんですね。ほかの国は違うんじゃないでしょうか、国内法が。

【吉倉委員】 それと、WHOで種(タネ)ウイルスも医薬品としてくれという発言をしたようなんですよ。ところが、ほかの国はそんなのは当たり前で、指定もくそもないと。どこの国もその議論に乗ってこなかったんですね。やっぱり変なんです。そういうことなんです。

【野本委員】 日本の法律はきつ過ぎるような感じがします。

【吉倉委員】 でも、そういう担保法ができる過程のことも考えて、医薬品について一切触れないというのは問題かもしれない。あるいは、今の担保法は医薬品を対象としないというのを初めから入れるかですね。もしも審議の過程がそうであればね。この国内担保法は。このカルタヘナ担保法の対象には、医薬品は対象にしないというのも一つのやり方。ただ、これは法を変えなければいけないから面倒くさいので。

【水谷外来生物対策室長】 過去の事実として、そういう選択ができたということは書けるかもしれないですけど。

【吉倉委員】 今はできないよ。

【水谷外来生物対策室長】 検討するということは、なかなか辛いかもしれませんね。

【吉倉委員】 ただ、取り扱いをどうするかというのは、今後考えないといけないと思いますけれどね。

【水谷外来生物対策室長】 ここで書かれている、吉倉先生からご紹介のあったWHOのワクチン株の、それについていろいろ検討がなされたとかという事実関係は残しておくべきなんですか。

【吉倉委員】 それは農水にも、環境省にもそれが残っているんじゃないですか、議事録が。

【水谷外来生物対策室長】 いや、ここに記述しておいた方がいいということですか。

【吉倉委員】 いや、それは書く必要はないだろうと思うんですね。ただ、ヒト用医薬品についてカルタヘナ法で言及しているのに、国内法では一切言及していないわけですよね、担保法は。

【水谷外来生物対策室長】 議定書で言及しているにもかかわらず、カルタヘナ法では…何と言うんですかね。

【吉倉委員】 一切、触れていないんですよ。その除外条項について。

【水谷外来生物対策室長】 という意味では触れていない。

【吉倉委員】 ええ。それを今後どう取り扱うかについては検討するということでいいんじゃないですか。実際にやるかどうか知らないけれども。

【水谷外来生物対策室長】 どこまで検討ができるか。難しいので。

【吉倉委員】 難しいですよね、これ。でも、そういうことは事実だと思うんですよ。担保法とこれとを比べれば、すぐわかりますから。

【水谷外来生物対策室長】 医薬品に関しては何らかの記述をしておくべきだと。議定書と国内法の違いがありますよと。

【吉倉委員】 違いますよと単に書いて、「言及された」でもいいし。

【加藤小委員長】 今の点については、それでよろしいですか。磯崎先生、法律の方から何かございますか。

【磯崎委員】 あるいは、ときどき議論になっていたように、医薬品なのか、ウイルスの種株なのかで、議定書でも除外しているのが医薬品という書き方をしているので、国内法の場合も、その区別でどう対応したらいいかと。論点としてはそれですね。それとあと、さっき議論になっていたのが緊急性ということですから、緊急性への対応という論点と、それから医薬品なのか種株なのかの違いというか定義の論点と、それについて鳥インフルエンザとのかかわりで、今後適切な対応ができるような取り扱いをすることですね。それが求められたとか、そんな書き方ですか。

【吉倉委員】 実際は、すったもんだやって、かなりするっといくようになったんです。あのときは何カ月かかったか、ちょっと覚えていないですが、合意に至るまで。5省の委員会で、ファーストトラックで決めるようになったので、鳥インフルエンザに関しては、一応クリアされたと思うんです、今のところは。ただ、今後どういうことが起こるかわかりませんから。

【野本委員】 これからワクチンというと、組換えウイルスがたくさん出てくると思うんですが、新しいワクチンはですね。これらは、ヒト医薬品とは言えないものかもしれません。この辺のところを整理しておく必要はあると思います。今、クリアできたのは鳥インフルだけですから。

【加藤小委員長】 貴重なご意見、ありがとうございました。では、今の両委員のコメントも含めて、事務局で、今後の対応方針、考えるべきことの芽がちゃんと見える形で修文をしていただければと思います。
 ちょっと時間を過ぎておりますが、よろしゅうございますでしょうか。

(なし)

【加藤小委員長】 そうしましたら、今回の議論を踏まえた修文を事務局でしていただいて、それを各委員にお送りして見ていただいて、また戻していただくと。それで整えたものをパブリックコメントに出すという手順になります。パブリックコメントの後、重大なご意見があった場合には、もう一回開くということがあるかもしれません。その点につきましては、事務局と私とで相談をして、判断をさせていただきたいと思います。
 では、今日はご議論ありがとうございました。では、事務局にお返しをいたします。

【宇賀神外来生物対策室長補佐】 本日は、ご熱心にご議論いただきまして、ありがとうございました。今後につきましては、今、小委員長からご連絡いただきましたような形で進めさせていただき、パブリックコメントに進めさせていただきたいと思います。予定については、また追ってご連絡させていただきたいと考えております。
 最後に、大臣官房審議官の柏木よりごあいさつをさせていただきます。

【柏木大臣官房審議官】 官房審議官の柏木でございます。本日はお忙しい中をお集まりいただき、前回に引き続き、ご熱心にご討議をいただきましてありがとうございました。
 この小委員会の目的は、カルタヘナ法の施行状況の確認といいますか、点検ということでございます。そういう意味では、皆様方にはそれぞれのご専門の立場、それから実際に審査を行っていただいているご経験とか、あるいは、逆に申請者としての立場から、さまざまな角度から貴重なご意見をいただいたと思っております。
 そういうことで、おかげさまで一応の取りまとめが、若干修正はありますけれども、できたというのは、先生方のおかげであると思っております。お礼を申し上げたいと思います。これから最終的に取りまとめるに当たって、また個々にいろいろご意見を伺ったり、お世話になることがあろうかと思いますが、どうぞよろしくお願いします。
 それから、言わずもがなでありますけれども、今回検討いただいて、さまざまなご指摘いただいた点については、関係省庁において必要に応じて対応を検討して、カルタヘナ法が円滑に、効果的に機能していくよう進めていきたいと考えております。
 先生方には、今後ともいろんな場面で、このカルタヘナ法の運用についてご指導をいただくことになろうかと思いますけれども、引き続きよろしくお願い申し上げます。
 本日はどうもありがとうございました。

【宇賀神外来生物対策室長補佐】 以上をもちまして、本日の遺伝子組換え生物小委員会は閉会といたします。どうもありがとうございました。