本文へジャンプ

■議事録一覧■

中央環境審議会野生生物部会
第8回遺伝子組換え生物小委員会 会議録


1.日時

平成21年2月17日(火)10:00〜12:00

2.場所

中央合同庁舎第7号館 9階 共用会議室−2

3.出席者

(小委員長) 加藤 順子
(委員、臨時委員) 磯崎 博司 磯部  力 鷲谷いづみ
(臨時委員) 鎌田  博 近藤 矩朗 中村 和憲
  野本 明男 吉倉  廣  
(環境省) 黒田自然環境局長
  柏木大臣官房審議官
水谷外来生物対策室長
宇賀神外来生物対策室長補佐
 

4.議事

【宇賀神外来生物対策室長補佐】 おはようございます。予定の時刻になりましたので、中央環境審議会野生生物部会遺伝子組換え生物小委員会を開催させていただきます。本日の出席者数でございますが、委員及び臨時委員4名中3名に出席いただいております。中央環境審議会会議運営規則に定める定足数を満たしておりますので、本日の小委員会は成立しております。
 本日の審議に先立ち、黒田自然環境局長よりごあいさつ申し上げます。

【黒田自然環境局長】 おはようございます。自然環境局長の黒田でございます。
 今日は朝から、お忙しい中、遺伝子組換え生物小委員会ということで、ご出席いただきまして誠にありがとうございます。
 この小委員会では、中央環境審議会の野生生物部会の先生方に加えまして、関係各省庁の審議会あるいは検討会で、カルタヘナ法に関する個別案件の審査という形で、この法律の運用にかかわっていただいています先生方にも、専門委員としてご出席をいただいたところでございますが、それこそ先生方には日ごろから、このカルタヘナ法の運用につきまして、いろいろご協力をいただきましてありがとうございます。改めて御礼を申し上げたいと思います。
 ご案内のとおり、遺伝子組換え技術、あるいは遺伝子組換え生物全体に関しましては、平成15年にカルタヘナ法、正式名称は「遺伝子組換え生物等の使用等の規制による生物の多様性の確保に関する法律」という非常に長い名前でございますが、この法律が制定されまして、その翌平成16年から施行されておるところでございます。
 このカルタヘナ法は、生物多様性条約のカルタヘナ議定書の採択を受けまして、我が国において、それまで関係各省によるガイドラインで運営されていたところでございますが、これを踏まえまして、6省共管の法律をつくって、そういう形で整備をした法律でございまして、早いものでといいますか、本法に基づく管理に移行して、もう既に5年が経過したと、こういうところでございます。
 この法律に基づきまして、遺伝子組換え生物の使用承認などの個別の審査をお願いしておるところでございますが、やり方として、研究開発あるいは産業利用という段階ごとに、また産業の分野ごとに、関係する省庁で分担をしながら行っていると。5年たちまして、法施行後、この5年の間に、例えば環境中で使用する第一種使用につきましては、農作物で118件でございますし、全体では137件が審査・承認されてきているところでございます。こういったことで、この法律による手続の事例というのは着実に増えているという実態にございます。
 5年、5年と申し上げておりますが、本制度につきましては、法律の附則で、法施行から5年を経過した段階で施行状況の検討をしなさいと、こういうことが義務づけられておるところでございまして、そういう時期に至っているということで、この検討をこの小委員会にお願いをしたいと、こういうことでございます。
 そういう手順は、この小委員会で施行状況の検討をお願いすることにつきましては、2月2日に中央環境審議会の野生生物部会を開催して、ご了承いただいたところでございます。この小委員会での検討の結果につきましては、そういったことでございますので、野生生物部会に報告をしていただくことになりますし、その後、必要があれば関係各省で法令であるとか運用の修正、こういったことも行っていくと、こんなふうになろうかと思っております。
 今日は第1回ということでございます。委員の皆様方には、これまでいろいろな個別案件でお気づきの点等も多々あろうかと思います。カルタヘナ法の円滑な運用について、幅広いご意見をいただき、これから、今後、うまくこの法律が作用していくようになるといいなと、こういうふうに考えておるところでございます。限られた時間ではございますが、どうぞよろしくお願い申し上げます。ありがとうございます。

【宇賀神外来生物対策室長補佐】 それでは、まず初めに事務局より、本日、ご出席の先生方をご紹介させていただきたいと存じます。
 私の方からお名前をお呼びいたしますので、よろしくお願いいたします。
 まずは委員及び臨時委員の方をご紹介いたします。
 正面中央より加藤小委員長でございます。
 続きまして、磯崎委員でございます。
 続きまして、磯部委員でございます。
 続きまして、鷲谷委員でございます。
 次に、専門委員の方のご紹介をいたします。
 鎌田委員でございます。文部科学省及び当省に係る第一種使用について、個別案件の審査にご協力いただいております。
 近藤委員でございます。農林水産省及び当省に係る第一種使用について、個別の案件の審査にご協力いただいております。
 中村委員でございます。文部科学省第二種及び経済産業省第二種使用について、個別案件の審査にご協力いただいております。
 野本委員でございます。文部科学省第二種使用について、個別の案件のご審査にご協力いただいております。
 吉倉委員でございます。厚生労働省及び当省の第一種使用、文部科学省第二種使用並びに経済産業省第二種使用などについて、個別の案件の審査にご協力いただいております。
 皆様、どうぞよろしくお願いいたします。
 なお、武田委員につきましては、本日、ご都合によりご欠席です。武田委員は、文部科学省及び当省の第一種使用、並びに農林水産省及び当省の第一種使用について、個別の案件の審査にご協力いただいております。
 続きまして、お手元にお配りした資料の確認をさせていただきます。
 資料1枚目、議事次第でございます。めくりまして、裏に配布資料の一覧がありますので、あわせてご覧ください。1枚目、座席表でございます。めくっていただきまして、小委員会委員名簿。続きまして資料1、カルタヘナ法の施行状況の検討について。資料2−1、カルタヘナ法制定までの経緯。資料2−2、カルタヘナ法の概要。資料2−3、関係法令全体図、両面でございます。資料2−4、第一種使用規程の承認の流れ等。続きまして資料3−1、第一種使用規程の承認状況、こちらも両面でございます。3−2、第一種使用承認にあたってのパブリックコメント実施結果、両面でございます。資料3−3、カルタヘナ法に係る不適切な使用事例。資料3−4−1、日本版バイオセーフティクリアリングハウス、ホッチキスどめで2枚になってございます。資料3−4−2、分野別の情報提供ウェブページ、両面でございます。参考資料1、カルタヘナ議定書について、ホッチキスどめ2枚になってございます。最後に参考資料2、カルタヘナ議定書締約国会議の経緯。
 以上でございます。もし資料に不備等がございましたら、事務局にお申し出ください。
 それでは加藤小委員長、よろしくお願いいたします。

【加藤小委員長】 加藤でございます。今月の2日に野生生物部会が開かれまして、その席で小委員長を仰せつかりました。不慣れではございますけれども、どうぞよろしくお願いいたします。
  カルタヘナ法の検討が始まりましたのが、多分、2001年、2002年あたりだったと思います。各省庁がいろんな委員会をつくりまして検討をいたしました。私も、そのときに加わらせていただきまして、ここにご出席のかなりの先生方と、そういう席でもご一緒させていただいたというふうに記憶しております。2003年にカルタヘナ法ができまして、2004年から施行ということで、もうそれから5年もたったかなというので、今、ちょっと時間の経つのが早いのにびっくりしているような状況でございます。その間、いろいろな経験が積み重なっていきまして、また、法の中でも、附則の中で見直しをせよということで、今回の委員会ということになっていると思います。
 本日の会合というか、この会には、実際の個別案件の審査に携わっておられる専門委員の先生方、たくさんご参加いただいておりますので、その経験をお話しいただいて、それをもとに、カルタヘナ法の所期の目的、生物多様性を確保するということにおいて問題があるのかないのか。あるいは、それに伴って手続上何か副作用みたいなものがあるのかないのか、そういうところをご議論いただいて、そして、それに対してどういう対応をしていったらよろしいかということを検討するという会というふうに理解しております。
 どうぞ皆様、ご協力をよろしくお願いいたします。
 それでは、これから本日の議事に入らせていただきます。
 本日、議事二つございますが、まず1番目、カルタヘナ法施行状況の検討についてということで、事務局の方からお願いいたします。

【水谷外来生物対策室長】 野生生物課の外来生物対策室長の水谷でございます。私の方から、資料1でご説明いたしたいと思います。座って説明させてください。
 資料1でございます。カルタヘナ法の施行状況の検討についてということで、この小委員会で何を検討していただくのかということを簡単にご紹介したペーパーでございます。
 1番目の背景でございますけれども、もう既に局長のごあいさつでも申し上げましたけれども、カルタヘナ法の附則の7条というところで、「この法律の施行後五年を経過した場合において、この法律の施行の状況について検討を加え、必要があると認めるときは、その結果に基づいて所要の措置を講ずるものとする。」という附則がついてございます。最近作成された、あるいは改正された法律には、大体、こういった附則がついておりまして、5年といったような年限を区切って、施行状況を検討して、必要な措置を講ずるといった規定がございます。この規定を踏まえまして、今回、施行後5年たったところでございますので、これまでの施行の状況を検討していただきたいということでございます。
 2番目の検討のイメージですけれども、先ほど加藤小委員長の方からご説明がありましたけれども、2月2日の中央環境審議会野生生物部会で、この5年を経過した場合の検討ということについて、部会の下にあります遺伝子組換え生物小委員会で検討するということをご了承いただきました。この小委員会自体は、法律をつくるときに、環境省中央環境審議会の中に設置されたものでございまして、平成14年に設置されています。その小委員会の中で検討するということをご了承いただきました。この小委員会自体は14年に設置されていますけれども、そのとき、小委員会の運営方針というのがあわせて決められておりまして、本来、今日お配りすべきところでしたけれども、ちょっと資料を失念しておりました。
 小委員会の運営方針について簡単にご説明いたしますと、会議については原則公開ということになります。公開することによって公正かつ中立な審議に著しい支障を及ぼすおそれがある場合、それから特定の者に不当な利益もしくは不利益をもたらすおそれがある場合などに非公開とすることができるという規定がございますけれども、原則公開ということになります。あとは会議録を正確に記載して、出席いただいた委員の方々の了承を得て配付するという形になっております。でき上がった会議録につきましては、環境省のホームページへの掲載などによって公開するというような規定になってございますので、よろしくお願いいたします。
 そういった形で、この小委員会での検討を2月2日にご了承いただきまして、今日2月17日、第1回目の小委員会ということで、施行状況について、こちらの方でこれまでの5年間の施行状況を簡単にご説明いたしました上で、ご議論をいただければと思っております。
 既にご案内ですけれども、第2回目を3月25日に一応予定しております。今日、いただいたご意見を集約した形で、次の回ができればというふうに考えておりますけれども、最終的には、小委員会での検討の結果を取りまとめて、パブリックコメントという形で皆様のご意見をお伺いして、野生生物部会に報告するというような形で検討の流れをイメージしております。野生生物部会への報告の後は、必要がある場合は、関係各省で法令改正等の措置を講じていくというような流れを想定しているところでございます。
 以上でございます。

【加藤小委員長】 ありがとうございました。
 この検討の流れというか、枠組みというか、そういうことのご説明でしたけども、何かご質問ございますでしょうか。よろしゅうございますか。
 このパブリックコメントを受けた後は、この会合は開かれないで上に行くという理解でよろしいんでしょうか。

【水谷外来生物対策室長】 中身に応じて。

【加藤小委員長】 中身に応じて、パブリックコメントの後で、またここで議論をする必要があるようなことは、ここへ戻してくると。

【水谷外来生物対策室長】 はい。またお願いすることもあり得ると思っております。

【加藤小委員長】 ということでございます。よろしゅうございますでしょうか。
(なし)

【加藤小委員長】 それでは、このような流れで進めていくということでご了解いただいたということです。
 続きまして議題の2、カルタヘナ法の概要及び施行状況ということで、それにつきまして、事務局の方からご説明ください。

【水谷外来生物対策室長】 お手元の資料で、資料2−1から順番にカルタヘナ法の概要と、それからこれまでの施行状況についてご説明したいと思います。
 まず、資料2−1でございますけれども、もう既にご承知のことでありますけれども、これまでの経過ということで簡単にまとめております。
 1970年代から、最初は「組換えDNA実験ガイドライン」といったようなものをベースにして、国内でも「組換えDNA実験指針」を策定して、これを改訂に改訂を加えて少しずつ管理をしながら、この技術を使っていこうといったことが行われていたところです。産業利用につきましては、1986年のOECDの「組換えDNAの安全性に関する考察」、これを踏まえまして関係各省で工業化指針、医薬品製造指針といったガイドラインを設けて、でき上がったものの管理、でき上がる過程での管理といったことを行っていると。その後、屋外での使用に関しましては、1989年、農林水産省さんの農林水産分野における組換え体利用指針、こういったガイドラインに基づいて行われてきたと。ガイドラインに基づいて、少しずつ改訂を加えながら、この技術、それから遺伝子組換え生物についての取り扱いを行ってきたわけですけれども、1992年の生物多様性条約、それから2000年のその条約を受けましたカルタヘナ議定書の採択を受けまして、我が国では、これまでのガイドラインを法律による管理に移行しようということで、2003年にこの法律ができたという経緯でございます。
 資料2−2でございますけれども、今の法律の概要です。
 これも既にご承知かと思いますけれども、関係6省の共管ということになっております。第一種使用、第二種使用という形で、環境中への拡散を防止しないで行う使用等と、拡散を防止しつつ行う使用等と、この二つにカテゴリーを分けまして、それぞれに必要な手続を行って使っていこうというような仕組みになってございます。
 次、資料2−3です。関係法令全体図ということで、表裏の資料を用意してあります。
 関係各省で運用されていましたガイドラインを束ねたということもありますので、かなり多くの関係する省令、告示、通知といったものが、この法律のもとに体系化されているという形になっております。
 お手元にお配りしています関係法令等という、紙ファイルでちょっと分厚くて恐縮なんですけれども、ここに書いてあります法律、政令、省令、告示、それから裏の通知類、解説類、順番にこのファイルの中にとじてあります。1番から24番までありますけれども、必要に応じてお手元に置いて見ていただければと思います。全体図としましては、法律があって、政令があって、省令が6省共同の施行規則と産業利用に当たっての拡散防止措置を定める省令、それから研究開発に当たっての拡散防止措置を定める省令の3本。それから告示としまして基本的事項、それから一種使用についての生物多様性影響の評価をどうやってやるのかという生物多様性影響評価実施要領、これは9番ぐらいになりますけれども、さらに二種使用に関しまして、産業上の使用等に係る省令に基づく告示、これは経済産業省、厚生労働省、それぞれ10番、11番のあたりですね。それから研究開発等に係る省令に基づく告示というのが12番。さらに資料2−3の裏に行っていただきますと、その下の細かい通知類というのが、医薬品等の分野、農林水産分野、一種では13、14、15、16といった個別の通知。さらには第二種使用では酒類製造分野、農林水産分野、研究開発分野、18、19、20ぐらいですね、といった通知類で、細かいことを幾つか決めております。さらに、この法律を理解していただくための解説類として、幾つか関係する各省でつくっていただいています。全般については21番ですか、ホームページにも載っていますけれども、法律全体の解説。それから、経済産業省さんの方で鉱工業分野について、解説をしていただいたものが22番ですね。さらに、研究開発分野で研究開発の省令、二種の省令を解説していただいたものが、文科省さんの方でつくられていますが、23番。二種の確認申請をわかりやすく説明したものが24番と。こういった形で、法律から個別の通知、それからそれぞれ実際にこの法律に基づいて手続を行っていただく方の便宜を図った解説類まで、こういったものが出されておりまして、このような中身、このような通知類、解説類まで含めまして、この法律が運用されているという実態でございます。
 ファイルの方はまた、ちょっと分厚いので、会議のたびにここに置いておきますので、必要なときにご覧いただければというふうに考えています。
 次に資料2−4でございます。実際に第一種使用規程の承認、それから第二種に関しましては、必要に応じて拡散防止措置の確認といったような手続がなされますけれども、どのような流れで行われているのかというのを、ちょっとわかりにくい図ですけれども、説明したものが資料2−4です。
 上の方ですけれども、第一種使用については、研究開発、農林水産、医薬品等、この三つの分野で現在実際の承認というのが動いております。それぞれ関係する役所に申請書、生物多様性影響評価書を添付した申請書を出していただいて、研究開発であれば文部科学省と環境省、農林水産分野であれば農林水産省と環境省といった形で、それぞれの役所が申請書を受けます。
 その上で、法律で規定されております学識経験者への意見の聴取をするというステージがあります。ここにつきましては、それぞれの分野でいろいろやり方があります。
 研究開発分野であれば、「研究開発段階の遺伝子組換え生物等の第一種使用規程承認に係る学識経験者からの意見聴取会合」という会合を設けまして、そこの会合に諮って、その中で評価書に書かれていることが妥当であるかどうかといった検討をしていただいていると。農林水産の分野では、これも農作物・林木等と動物用医薬品と手続が二つ大きく分かれておりまして、農作物・林木等では、「生物多様性影響評価検討会」というのを設けまして、その下にまたさらに農作物、林木、微生物、水生生物といった分科会を設けて、分科会で議論した上で、さらに総合検討会で検討をして、評価が妥当かどうかという判断を2段階でしていただいていると。
 動物用医薬品の方は、「薬事・食品衛生審議会」の方でご議論いただくということで、その下の「動物用組換えDNA技術応用医薬品調査会」の中で検討していただいたものを、部会の方でさらにご検討いただくといった形をとっていると。
 医薬品の方は、遺伝子治療の臨床研究の場合と医薬品の場合と、大きくというか、扱う審議会が違うということで、二つのやり方をとっていると。遺伝子治療臨床研究では、厚生科学審議会の科学技術部会の下に「遺伝子治療臨床研究作業委員会」を設けて、その中でご議論いただき、部会でまたご議論いただくといったような形。医薬品ですと、独立行政法人の医薬品医療機器総合機構の中に専門委員会を設けまして、そこで事前審査をしていただいて、その上で薬事・食品衛生審議会の生物由来技術部会の方でご議論いただくと。
 それぞれの分野においてやり方は幾つかありますけれども、大体、生物多様性影響評価書がついた申請書を、2段階ぐらいのステージでご検討いただいているというところです。その後、影響がないというものについては、パブリックコメントを実施して、役所の方で承認の可否を決定するという形になっていまして、下に数字がありますけれども、これまで研究開発で6件、農作物が118件、医薬品、これはもう遺伝子治療臨床研究用がほとんどですけれども、10件といった形で、第一種使用の承認がこの5年間でなされているという状況です。
 下の方が第二種使用の流れですけれども、第二種使用につきましては、あらかじめ拡散防止措置が決められているか、決められていないかということで手続が変わってきまして、決められている場合は、その措置をとってそれぞれの使用者に扱っていただくと。決められていない場合は、この下の矢印の方に行きまして、どういった拡散防止措置をとればいいのかといった確認を、関係する主務大臣に申請すると。研究開発であれば文部科学大臣、産業上の利用であれば、事業の中身に応じましてそれぞれの所管する大臣が確認をするという状況になっています。
 このときの確認についても学識経験者の意見を踏まえて検討しているところですけれども、ここは必ずしも法律で意見を聞きなさいということは決められてはいませんが、実態上、意見を聞いているという状況でございます。ここも審議会、それから例えば農林水産分野であれば、動物用医薬品以外であれば拡散防止措置確認会議といった会議を設けて、それぞれ確認案件についての審査をしていただいているという状況でございます。確認を受けたものについては、その確認を受けた拡散防止措置をとって使用等を行うと。
 一番下に確認を受けた件数ですけれども、これまで各省からお聞きしたところ、研究開発では833件、産業上の利用では農林水産で100件程度、医薬品も100件程度、鉱工業で600件程度といったものが、確認の申請が上がってきていると。当然、確認を受ける必要もなく使われているというものが多数ありますので、全体がどのくらい使用が行われているのかといった数字はちょっとわかりませんが、確認を受けた件数というのがこのくらいあるという状況でございます。それぞれの審議会なり、検討会議なりにご参加いただいて、日ごろからご検討いただいている専門委員の先生方には、ここで改めてお礼を申し上げます。
 これがこれまでの5年間の施行状況でございます。多くは、それ以前のガイドラインを踏まえて、法律が制定されたときに少し形を変えて、今の形になったというようなことだというふうに理解しております。
 ここまでが法律の概要のご説明です。
 次が、資料3−1から先が、この5年間にどんなことが起こったのかといったご説明になります。まず、3−1ですけれども、一種使用規程の承認の状況でございます。
 農作物の食用、飼料用、切り花の用に供するための使用、栽培といった一般使用できるものというのが75件、こういった作物品種、こういった中身のものが承認されております。
 その一般使用の前の隔離ほ場での栽培試験というものが、その下の段にあります。これまで45件承認されております。既に試験を終えたものもありますけれども、こういったものが上がってきているというところでございます。
 裏に行っていただきまして、農林水産分野ですけれども、動物用医薬品も1件、猫白血病対応の生ワクチンということで、1件承認されているものがございます。
 次が研究開発ですけれども、これは文部科学省さんの方に申請が上がったものとしてユーカリが6件。
 その下が厚生労働省さんの方に上がったもので、遺伝子治療用のウイルスを使うということで、ここに挙げた10件のものが既に承認をされているというところでございます。
 第一種使用規程の承認につきましては、ここに挙げたものが、これまで5年間の間で承認されたものです。農作物に関しましては、その前のガイドライン時代に承認を受けていたものを、もう一回この法律に基づいてというのもありますので、この5年間に新しく出てきたものというわけではありませんけれども、この法律に基づいて、この5年間承認したものというのがこういった中身になっております。
 資料3−2でございますけれども、第一種使用規程の承認に当たっては、必要に応じてパブリックコメントを行うという規定があります。実際にパブリックコメントを行った結果、どのくらいの意見が寄せられたのかといったものを3−2でまとめています。1回のパブリックコメントで何件も一緒に聞いておりますので、実施時期、平成16年度であれば1、2、3とか分けておりますが、例えば2回目であれば、2回目のときに来た意見というのが243件だったというふうに理解していただければと思います。大体が何件か一緒に、セットにして意見を聞いておりますので。
 ざっと見ていただきますと、平成16年度の2回目におびただしい数が出て、このときはイネがあったというせいもあるのかもしれませんけれども、このときの意見の数というのは多くありますけれども、それ以外は数件程度という状況であります。
 平成20年度に若干また50件程度というのが、裏に行きまして34回目、35回目ぐらいにありますけれども、ちょっと、なぜこういうふうに意見の数が増えたり減ったりするのかというのは、私どもあまり解析ができていません。ただ、34回目の前の33回目のときに、意見を募集するときのタイトルがすごくわかりにくいと。第一種使用規程の承認についてと書いてあって、作物名すら書いていなくて、何の意見を聞いているのか全然わからないじゃないかというご意見があって、34回目から、タイトルの中にダイズであるとかトウモロコシであるとか、何に対する意見を募集しているのかということを書いたということもあるんですが、そのせいでこんなに増えたというのもちょっと考えにくいんですが、それ以降、若干、34、35とふえています。ただ、36回でまた減っているので、それほど違った中身のものがパブリックコメントにかかっているわけではないので、どういう形でこの数が左右されているのかというのは、ちょっと我々も解析が不十分ですけれども、全般には、余り意見の数は多くないというふうに理解しています。
 これがこれまでのパブリックコメントを実施した結果でございます。
 次は資料3−3ですけれども、この5年間の間で不適切な使用事例と書いてありますけれども、第一種使用、第二種使用、それぞれちゃんとした措置がとられていないんじゃないかということで、注意を受けたりといったような件数がどれだけあるのかというものをまとめたものです。
 第一種使用は、農作物と観賞魚がそれぞれ年に1件ぐらいあるといった状況で、観賞魚につきましては、未承認のものをそれと知らずに国外から輸入した、輸出した方も知らなかったということなんですけれども、そういった形で国内に入ってきてしまったと。これは見てすぐ結構わかりやすいので、ペットショップなどで売られているのを見つけて、それを回収したりといったようなことがございました。
 第二種使用は件数が多いので、グラフでまとめています。目的、研究開発等が多いです。内容については、拡散防止措置をとらないで使ったとか、確認を受けずに使ったとか、一番多いのは情報提供をしないと。相手に遺伝子組換え生物を譲り渡すときに、ちゃんと組換えのものであるとか中身というのを、情報を提供しなさいという規定が法律にありますけれども、それがとられていなかったといった事例が一番多いです。一番下、主体ですけれども、こんな割合になっていると。
 ただ、この第二種使用は全部で69件ありますけれども、これは年次ごとに整理していなくて申しわけないんですけれども、平成17年に51件あって、その後、18年は4件、19年が7件、20年が7件ということで、大半が平成17年のもので、それが情報提供せずという45件、これが入っています。法律施行の後に、若干情報提供、譲り渡すときに情報がちゃんと提供されていなかったといったケースが多く見られたということで、文部科学省さんの方から注意をされたといった事例が多くカウントされています。こういった事例を踏まえて、例えば文部科学省さんの方では説明会をして、必要な措置の中身についてご理解いただくといったような努力もしたというところでございます。そういう意味では、平成17年、法律施行して間もなくのころの不適切な使用事例というのが多くありましたけれども、最近は、それほど数が多いわけではないという状況でございます。
 続きまして、次々に資料の説明で恐縮ですけれども、資料3−4−1というのをご覧いただければと思います。先ほどの不適切な使用事例もありますけれども、なるべく法律の中身と、実際今、どんなものが使用承認されているのかといった情報を提供しようということで、日本版バイオセーフティクリアリングハウス(J−BCH)というものを法律の施行とともに運用を開始しているところであります。その運用実績について、資料3−4−1で、平成19年度の環境省の調査業務の中でやったものを抜粋しております。
 ホームページのトップページは、3−4−1の1枚目にありますようなトップページで入っていただくような形になっています。
 このアクセス数と、どんな人がアクセスしているのかというのを解析したのが次のページからです。トップページ、非常に地味なので、余り一般向けに何かわかりやすいページではないのかなという気はしますが、実際、アクセス数を見ていただきますと、図2−2は、アクセス数は、これは2006年から2007年ですけれども、そんなにばらつかずに一定ぐらいずつありますねというところですが、次のアクセスログの解析のところですけれども、表2−1とか図2−3を見ていただきますと、どういった方がアクセスをしているのかといった中身を解析したものです。IPアドレスなどに基づいて大体分類したというもので、必ずしも正確ではないですけれども、アクセス数が一番多いのは、環境省も含むんですけれども、官公庁が多いと。次に一般のプロバイダ経由の方があり、さらにはバイオ、食品、医療、化学関係の民間企業の方というのが多いというのがわかります。大学研究機関というのは意外と少ないということで、これは恐らく文部科学省さんのページなりに、第二種使用についての解説なり手続というのが多くあるので、そちらの方にアクセスされているのかなと。J−BCHの方は、一種使用でどんなものが承認されているといった情報は多いんですけれども、二種使用に関しては情報がそれほどないということもありまして、こういう差が出ているのかなと。あとは公的機関・自治体の方も若干アクセスをいただいているという感じですが、メインユーザーは官公庁、要は関係省庁がアクセスするというのが一番多いのかなというのが現在の実態です。海外からも若干アクセスがあります。0と書いてあるところは、リクエスト数上位10位をカウントとしているので、何かいきなり10位以下になると0になるらしいんですけれども、必ずしも、実際の数字は0じゃないということなんですが。
 この数年間のアクセス実績をまとめたところ、やはり官公庁、官公庁の中でも農林水産省、環境省が最も多いということで、実際にこのページに書き込むといった作業も含めて、官公庁がアクセスしている数が一番多いと。一般のアクセスというのは、まだ余りそれほど多くないということが言えるのかなと思っております。これからもう少し、ホームページ自体、情報はそれなりに入れているつもりではありますけれども、アクセスしやすいような形に改善できればというふうに考えているところです。
 これが環境省の作っていますJ−BCHのページですけれども、資料3−4−2で、次の資料で分野別のそれぞれの省で情報提供していただいているページについて、トップページを張っております。表が文部科学省さんの研究開発に関する情報というところでございます。裏の方が、農林水産分野に関しまして、農林水産省さんの方でカルタヘナ法関連情報と遺伝子組換え技術の情報サイトというものがあります。
 主な情報提供についてのページというのは、J−BCH、それから各省でつくられているページというのがありまして、こういったものを通して、カルタヘナ法に関する情報、それから遺伝子組換え技術、それから遺伝子組換え生物についての情報というのを発信しているところですけれども、これまでの情報発信というのが十分だったかどうかというのは、ちょっと我々もなかなか評価が難しいところであります。
 以上が資料のご説明で、参考資料として最後に二つつけておりますけれども、カルタヘナ議定書の概要と、参考資料2で、これまで4回、カルタヘナ議定書の締約国会議が開かれていますけれども、その経緯、それから簡単な中身を紹介しています。これについての説明は省かせていただきます。
 以上、カルタヘナ法の概要と、これまで5年間どんなことが行われてきたのかといったことをざっくりとご紹介いたしました。以上です。

【加藤小委員長】 ご説明、どうもありがとうございました。
 それでは、今、ご説明いただいた内容について、何かご質問がございましたらお願いいたします。

【鎌田委員】 これのクリアリングハウスの英語版というのは、できているんでしたっけ。

【水谷外来生物対策室長】 はい。

【鎌田委員】 それは年中更新されていますか。

【水谷外来生物対策室長】 しています。

【鎌田委員】 何かできるだけ早く情報が欲しいという、海外の方からのそういう要望がありましたので。

【水谷外来生物対策室長】 なるべく早く、日本語も英語もセットで両方つくっていますので、でき次第載せるようにしています。

【加藤小委員長】 それは、カルタヘナ議定書のページからリンクしてこられるようになっているんですよね。

【水谷外来生物対策室長】 なっています。カルタヘナ議定書ができた後にできましたBCH、バイオセーフティクリアリングハウスの方からもリンクできるように、個別の遺伝子組換え生物について日本の評価結果といったときには、ここに飛んでくるような形に一応なっています。

【鎌田委員】 それはあれですか、例えば農水省とか文部科学省とかの個別のところも全部、下にも入れるようになっているのか。

【水谷外来生物対策室長】 カルタヘナ法に基づく例えば一種の承認をした場合には、このJ−BCHに各省さんにデータを入れていただくということで、関係省庁は全部アクセスして書き込みできるような形でサーバをつくっておりますので、随時書き込みをしていただいているという状況です。

【加藤小委員長】 ほかに何か。

【磯部委員】 私、専門が法律学なものですから、中身のことは全然素人なんですけれども。制度の運用実態に関してちょっと勉強のために伺いますが、法律レベルで書いてあることは大体わかっているつもりなんですけれども、これだけのものを拝見すると、制度が成長して順調に運用されているということなんだろうとは思いますけど。例えばパブリックコメントの話が今日ありましたけれども、パブリックコメントを実施するかどうか、必要に応じて実施というのは、これは根拠規定は、法律には何か国民の意見を聞くというような抽象的な条文はありましたけれども、実施するかどうかという具体的な根拠規定は、法規としてはどのレベルにあるんですか。

【水谷外来生物対策室長】 今、ご指摘いただいた法律では、確かに国民の意見の聴取というのが法律の35条ですか、ここに漠然と書いてあります。これは特にどういう手順でということは書いていません。さらに基本的事項ですね、告示です。8番の基本的事項の中で、どこかにあるんですけど。

【磯部委員】 それもどこかにあるんですか。

【水谷外来生物対策室長】 基本的事項の第1の1の……、2ページ目の8番、この冊子の8番の2ページ目の下から3分の1ぐらいのところに、「ハ.国民の意見の聴取」というのがありまして、ここに「第一種使用等の内容及び方法に応じ、当該承認の申請に係る使用規程等を公表し、提出された意見及び情報を考慮する」と。これを一応各省の共通ルールとしてパブリックコメントをやっているということで。特に、一般使用するようなものについては、必ずパブリックコメントをすると。特定の病院で、患者さんに遺伝子治療をするといったようなものについては、パブリックコメントの対象にはしていませんけれども、一般使用するようなものについては全て実施しています。

【磯部委員】 そのことはどこかに書いてあるんですか。

【水谷外来生物対策室長】 そこは、この中の内容及び方法に応じというところで。

【磯部委員】 法律の解釈ですね。

【水谷外来生物対策室長】 はい。それぞれの所管しているところで。

【磯部委員】 要するに書き物にはなっていないと。法律学的にはちょっとおもしろい話ではありますが、それで、しかし必ず義務付けたらいいというものでもないのかもしれないので、その話はよくわかりました。
 次に、資料3−3で不適切な使用事例というのがありますよね。こういうのはどういうふうに情報が発覚して、その後どうなさるわけなんですか。そういうものの法制度的な組み立てはどうなっているのかというところに関心があるわけなんですけれども。

【水谷外来生物対策室長】 発覚はいろいろありますが、観賞魚なんかは、売っていたよ、みたいな通報があって、ほとんどが何らかの情報を受けてということになります。第二種使用に関しましても、こういう不適切な使用が行われているのではないかという情報の提供があって、それをもとに関係する省庁で調査に行きます。必要があれば、もし野外に何か出てはいけないものが出ているようなものであれば、回収命令とか措置命令というような規定はあります。関係する省庁で、法律に基づいてやる行為としては報告聴取とか立入検査というのがありますので、それに基づいて報告を受けて、必要があれば立入検査をして、その上で必要があれば措置命令とかというのもありますけれども、これまでの例では、そこまでの必要がなかったので、厳重に注意をして、これからそういったことを行わないでくださいと。

【磯部委員】 始末書か何か。

【水谷外来生物対策室長】 そういった形で。

【磯部委員】 行政指導レベルで終わると。

【水谷外来生物対策室長】 はい。指導をさせていただいているという状況です。

【磯部委員】 なるほど。制度的に何か欠陥、欠けているところがあるとか、こういうのがあったらもっとというような要望は、今のところはないと考えていていいんですか。

【水谷外来生物対策室長】 そうですね。

【磯部委員】 じゃあ、制度としてはうまくできていて、余り問題ないという。

【水谷外来生物対策室長】 なかなか問題あるとは言いにくいんですけど。

【磯部委員】 これぐらいの見直しで、もうちょっとソフトな手法できちっと書いてあった方がいいとか、そういうのは別にないですということですね。ハードな何とか命令とかというものがあれば、それを背景に背負って指導ができるからそれで済むと。

【水谷外来生物対策室長】 はい。というふうに理解しておりますけれども。

【吉倉委員】 ちょっと今の件ですけれども、こういう、多分今、先生がおっしゃったのは、不適切な使用事例というのは、要するに二種利用でそれが閉鎖系じゃなくて外へ出しちゃったという、そういう話だろうと思うんですね。これは、そもそもカルタヘナ法の下にこの組換えを入れるときに、そういう漏れるというのをどう取り扱うかという議論が、経済産業省も文科省も両方ともあったと思うんです。結局、漏れるということを、第二種使用の範疇で逃げるというぐあいにして考えるのか、あるいは逃げたものは不法な一種利用か、どっちで考えるかということになるんです、これは。それで、これは今のような事例の場合、私自身としては両方引いちゃったんですが、基本的にはやっぱり不法な一種使用と。そういう一種使用であれば、一種使用のリスクアセスメントの枠組みがありますから、それでそういう漏れた事例について一種利用の中のリスクアセスメントのフレームワークで評価してもらって、影響があったかないか、それで報告をもらうと。そういうふうな整理で私自身はやってきて。だから、考え方なんです。
 それで、要するに二種利用について、漏れたときまで入れていくと、これはややこしくて、要するに全てのものについて逃げたときの、要するに一種利用になった場合のアセスメントを全部やらなきゃいけないですね、これ。だから、そこの辺、法律の方からそういう考え方でいいのかどうか、ちょっとよくわからないんですけど、そこら辺の漏れるというのを、この二種利用の中に考慮するとえらい大変なんです。

【磯部委員】 おっしゃる意味はわかりました。

【吉倉委員】 全部一種利用になったときのアセスメントまでやらなきゃいけない。だから、今のような整理で、だから考え方としては、一種利用というのは二種利用を、要するに封じ込めの手段をとらないのが一種利用なんですね。だから、手段で言うと、二種利用は境界があるわけです。一種利用は、ちょうど補集団になるわけです。そういうような考え方で、漏れちゃったときは一種利用のリスクアセスメントでやって、それでどうなるかという、そういうようなことで調査もやっていただいたと思います。

【磯部委員】 実際的にはそれでいいのかもしれませんけど、理屈からいくと、ちょっと変な感じもしますけど。漏れちゃったものが、そこから一種の範疇に入るというのは。

【吉倉委員】 別にそうはあからさまには言わないですけど。漏れちゃったときにどうアセスメントをやるかというと、やっぱりそういうふうな枠組みが全くないんじゃ困るので、やはり一種利用の不法にやったときにどうかという、そういう後始末になるんじゃないかというぐあいに思いますけども。どうやってその影響を評価するかということになる。

【加藤小委員長】 吉倉先生、実際にそういうふうに二種使用で漏れた場合に、それは一種使用になるわけですか。

【吉倉委員】 加藤さん、済まないけど、要するに別に一種利用したとは言わないんですよ、どういう場合にも。ただ、どういうぐあいに二種利用を不適当に外へ出したときのアセスメントをどうするかというと、そういう考え方でいいのではないかという。枠組みですね、アセスメントの。

【加藤小委員長】 アセスメントの枠組みはそうであるとして、ただ、そのときに突き詰めたアセスメントまでしないで、その段階で何らかの措置をとるというようなことがやられているんですか。実際にアセスメントまでされているんですか。

【吉倉委員】 かなり正確な評価をもらっていたと思いますけど、事例のときに。

【中村委員】 経済産業省の第二種利用のように、例えば組換え微生物をタンクで使う、そこから例えば漏れた場合、漏れた場所がわかれば即、それを殺菌剤等でみんな殺すことができるわけですよね。そうすると、第一種利用のリスクアセスメント云々も、そこに持ち込むという必要はほとんどないと思います。そもそもが、第一種利用、第二種利用というのは、利用の形態で分けているわけですから。意図的に外に出して、そこで出すことによって効果が上がるような組換え体の使用は一種利用、初めから閉じ込めた場合には、それはもう閉じ込めないと意味がないわけですから、特に大腸菌の組換え体なんていうのは、外で利用のしようもない。だから、そこはもうちょっと考え方をクリアに分けておいた方がよろしいんじゃないでしょうか。

【吉倉委員】 いや、そこで殺してやれば、別に出ているわけじゃないから何も問題はないですよね。

【中村委員】 いえ、コンテインメントからもう出ているわけですから、環境に出るケースがあります。

【水谷外来生物対策室長】 実際、法律上は、例えば二種で拡散防止措置をとって使ってくださいというのがあって、何らかの理由でそれができなかったときに、外に出る可能性がありますよねと。そのときは、拡散防止措置をとってくださいということ自体は、例えば研究開発分野であれば文部科学省さんの方でお願いするんですけれども、出たときどうするのかという話は、環境省と文科省と両方で影響があるのかどうかと。アセスメントというところまでのことをいうかどうかは、言い方は別にして、ただ……。

【中村委員】 そこまでいくと非常に大変なことだと思いますけどね。

【水谷外来生物対策室長】 出て本当に影響がないのかどうかというところは調べた上で、あれば何らかの措置をとってもらわなければいけないので、一種的な見方をして、影響があるのかどうかというところは見るという。それで命令をかけるときには、二種使用をちゃんとやっているかどうかというところについては、文科省さんでしっかりやっていますけれども、出たときどうするのかというのは、文科省と環境省と両方で責任を持って見ましょうという。まさに出てしまったら、限りなく一種使用に近くなってしまうので、そのときに一種使用的な見方をして、影響があるのかどうかというところを一応見た上で次の対応を考えると。

【中村委員】 経済産業の、例えば二種使用の場合にはGILSPという基準がありますよね。GILSPというのは、完全に出ないというわけではないが。出ることを容認しろとは言っていないわけですよね。

【加藤小委員長】 ですけど、そこで規定されている拡散防止措置というのがあるわけですから、それを超えた場合には、やっぱり。

【中村委員】 超えた場合にはそうでしょうね。

【加藤小委員長】 超えた場合ですね。今、事務局の方でご説明いただいたのは、第二種使用で漏れた場合は、第一種使用を担当している環境省が関与して対応を考えるということで、その関与する中身は、アセスまでするかどうかということは別問題として、とにかく……。

【中村委員】 そういう枠組みというのは、それは理解できますけど。

【加藤小委員長】 そういうことですね。第一種使用を所管している環境省が関与して、その対応を考えて措置をとることを考えると。そういう枠組みというふうに理解してよろしいんでしょうか。

【水谷外来生物対策室長】 という枠組みになっているということで、二種から出てしまったら一種的な扱いになるというのは、吉倉先生がおっしゃるとおりです。

【加藤小委員長】 ということだそうですので。法律的にどうであるかどうかお考えいただいて、またヒントなり何なりございましたら。

【磯部委員】 今言ったことで条文みたいなもので書くには、とてもとても難しい話ですから。

【吉倉委員】 今の件は、もう中間報告のときに非常に面倒くさい話で、すったもんだを延々とやった話なんです。今、GILSPをどうとらえるかというのも、これもすぱっと言える話……、さっき加藤さんがおっしゃったとおりでして。

【加藤小委員長】 じゃあ、今の件はこれでよろしいのかもしれません。
 またほかのことで何かご質問。

【吉倉委員】 ちょっと、これは質問なんですけど、この資料3−1なんですけれども、農産物の食用、それからほ場とか、そういうのは、これは相当な件数があるわけですね。ところが、研究開発というのは6件でユーカリ一つですね。これは普通に考えれば研究段階があって、それでこういう切り花とかたくさん出ているわけです。何でこの研究開発、極端に言えば1件で、こっちの応用の方は100件を超すような数になっているけど、一体、これはどういうことなのですか。これは一体研究開発に……、そうすると、考えられるのは、これはどこかで認可されたものが日本で入ったと。日本ではさっぱり研究はうまくいかないと。そういうぐあいに解釈できるけど、これはそういう解釈でいいんですか。

【加藤小委員長】 それは事務局にお尋ねしてお答えがありますか。

【水谷外来生物対策室長】 農作物の場合、例えばアメリカで開発されたものを日本で使うというので隔離ほ場試験をするというようなケースが多いんで、件数がかなり出てきていますけれども、産業化を目的とした試験ほ場での栽培は一応農水省さんの方でという仕切りの中で今分かれているという状況ですね。

【鎌田委員】 私の方からよろしいですか。今のことにかかわって。

【加藤小委員長】 皆さん、各先生方の審査の経験も踏まえて、いろいろなうまくいっている、いっていない、あるいは問題がある、ない、そういうところのご意見をいただこうと思っているんですけど、だんだんちょっとその中身に近づいているのかなという感じがするんですけれども。ですから、それはちょっと後に回しまして、ほかのことで何か資料についてご質問ございますでしょうか。

【磯崎委員】 3−2のパブリックコメントなんですが、ここで出ている意見は、恐らく大多数がそうだと思うんですけれども、いわゆる専門的な、実際にコメントに出された組換え体その他についての専門的な意見と考えていいんですか。それとも、この数が多いところでは、一般論的な遺伝子組換えをどうするかというような基本的な事柄についてのコメントというのも入っているんでしょうか。

【水谷外来生物対策室長】 基本的な事柄に対するコメントが半分ぐらい入っているというふうに理解していただければと思います。

【磯崎委員】 それは数が多いところについてですか。それとも、数の少ない……。

【水谷外来生物対策室長】 数少ないところもそういうのが入っていますね。数少ないところは個別の評価書の中身についてという意見は多いんですけれども、その中にも若干今の段階では使うべきではないといったような全般的な意見も時々見られます。

【磯崎委員】 それから、そのコメントのときに特定の団体とかから同じ書式、パターンでとか、そういうのも見られるんですか。

【水谷外来生物対策室長】 それはあんまりないですね。ちょっと、ここの243件のやつをそんなにちゃんと見ていないんですけれども、同じパターンで、名前書いてみたいなやつは、ここではあんまりないですね。

【磯崎委員】 次に3−3なんですが、第一種のこの不適切なというところの、農作物のこの3件について、これはどんな形で見つかって、どんな状況だったんでしょうか。

【水谷外来生物対策室長】 大体が使用者の方から情報提供があって、こういうような承認を受けていないものを一緒に輸出した可能性があるといったような情報提供があって、それに基づいて調べていくということです。それ以外の方法で見つかるのがなかなか現実的には難しいのかなと。

【磯崎委員】 この場合は、実際に農場でトウモロコシ、そのトウモロコシが根づいていたというか、栽培されていたケースですか。

【水谷外来生物対策室長】 例えば飼料用として入ってきたものの中に入っている可能性があるという情報を、アメリカの会社からもらって、実際に水際で検査をすると若干出たりするので、それについては戻してくださいといった対応をとるというのが基本的なパターンです。ということで、あんまり野外に出てということではなくて、むしろ入ってくる、輸入されるものの中に混入されている可能性があるという情報があって、それについて調べたりしています。

【磯崎委員】 わかりました。カルタヘナ議定書の中で分かれている、飼料、食品、加工品という、そっちの部類の中でということですか。

【水谷外来生物対策室長】 いずれも、そうですね。

【加藤小委員長】 よろしいですか。ほかに。

【鎌田委員】 これはもともとカルタヘナは国際法なので、諸外国との間で何かいろんな意見の相違とか、それから、言葉の解釈上で何かトラブルというのは、特に今まではなかったですか。

【水谷外来生物対策室長】 議定書自体は遺伝子組換え生物の輸出入について幾つか規定を設けていますけれども、一番議定書の根幹になるAIA手続という、環境中で使うものについては事前に通告をして、輸入国がオーケーと言わないと輸出しちゃいけませんよという規定がありますけれども、それに基づいて実際手続がされたのがこの5年間で1件だけです。先ほど承認されていた動物用医薬品、これをフランスの会社が日本に入れるときに通告をしたという1件だけなので、余りAIA手続に関しては事例がないので、ずれている、ずれていないとかという議論にもまだなっていないというのが現実ですね。

【吉倉委員】 ちょっとすみません、今のところで。資料3−3の農作物なんですが、これはカルタヘナ議定書だとさっきおっしゃったように分かれているわけですね、食品と。日本の法律の中ではこれはどういうぐあいなんですか、担保法の中では。

【水谷外来生物対策室長】 一種、二種に分かれている中で言えば全部一種です。

【吉倉委員】 それで、一種で食品と、それから、そうじゃないものとは区別しているんですか、していないんですか。

【水谷外来生物対策室長】 この法律上、していないです。

【吉倉委員】 していないですね。

【水谷外来生物対策室長】 はい。食品でも飼料でも。

【吉倉委員】 ということは、ある意味ではこの法律というのは、担保法というのは、議定書とはかなりずれていると。

【水谷外来生物対策室長】 議定書の中では環境中に出すものについてはしっかりアセスメントしなさいというのがあり、それでAIA手続に基づいてしっかり国内で審査をして、承認しなさいと。FFP、それ以外の飼料、加工品などについてはそれぞれの国で判断してよいということになっているので、議定書から外れているわけではなくて、議定書の範囲の中でできる措置を講じているという理解でこの法律がつくられていると思います。

【吉倉委員】 さっき鎌田さんがおっしゃったように、これは外国との関係でトラブルのもとになり得る部分ですよね、これは。

【水谷外来生物対策室長】 そういう意味では、FFPについてしっかり国内で審査をして、承認をするという仕組みをつくったからといって議定書違反にはならないと。議定書ではそこまでやることは認められているので、そのやることに関しては、みんなバイオセーフティクリアリングハウスというところに情報提供しなさいと。それぞれの国でどんな措置を講じているのかというのを、みんな情報共有しましょうということになっていますので。

【加藤小委員長】 だんだんこの法律あるいはこの仕組み自体の見直し、何か問題があるかないかというところの核心に迫ってきているような気がいたしますので、それでは、各先生からそのあたりについて、今までの審査のご経験あるいはそれ以外のことも含めてご意見をいただきたいと思います。
 それでは、まず最初に鎌田先生、お願いします。

【鎌田委員】 吉倉先生は先ほど基礎の部分での研究開発のところが少ないという件に関してですが、文科省の方の第一種の方の委員会のことになると思うんですが、多分これはかなり個人的な意見というふうに皆さんが思っているかどうかわからないんですが、基本的に言えば、現在の申請が6件で、実際に2回だけ審査会が開かれまして、それの中では審査の過程で、今やっている産業利用と同じような感じの審査の仕方になっているというのが一つ。要するに何かを申請しようとすると、つまり細かいデータを全部出していかなきゃいけない、そうすると大学の先生方がなかなかそこまで追いついていかないという、かなり現実的な側面が今あるだろうというふうに思います。
 それから、実際に許可するときも、結局産業利用とある面似たようなところまでの、きちっとした影響評価をきちっとどこまでやるかというところになると思うんですが、そこら辺もかなり厳しい状況にはなっているというのが、多分、なかなか大学の先生方は基礎研究の中でこれを申請できていない。それで、大学の先生方に聞く限りではやっぱり申請していきたいと。大学だけじゃなくて農林水産省なんかの研究者の方もやっぱり途中の段階で、例えば太陽光がふり注いでいる環境の中で、この組換え体はどんなふうに育つかを見てみたいという単純なことをやろうとすると、産業利用と同じことを要求されているというふうに言われていまして、そうすると、書類が余りにも大変だということになってしまって、どうも皆さん申請をしりごみされているというのが多分、一番現状では大きいだろうなと。
 それは将来の一つ希望としては、やっぱり法律を変えるというよりも多分審査の仕組みの問題だと思うんですが、やっぱり基礎研究はある一定のリスクを持った状況でしか、もちろん基礎研究だからできるわけがないんですが、そこを産業利用とは切り分けをしないと、ある一定のリスクを持っているけれども、例えば隔離ほ場だからちゃんと管理ができるという、そういうような仕組みをある程度切り分けてやらないと、多分ここの基礎研究開発のところの、いわゆる隔離ほ場試験なんかの植物だと、なかなかできない状況になっていると私自身は思っていますが。

【吉倉委員】 ちょっと今ので質問ですが、結局、先生がおっしゃるのは、実際一種利用をやってみないととれないようなデータまで一種利用については要求されていると。

【鎌田委員】 そのとおりですね。

【吉倉委員】 だから、要するに卵が先か、どっちかわからないけれども、絶対これは先へ行かないと。そういう仕組みになっていると、そういうことですね。

【鎌田委員】 はい。

【加藤小委員長】 昔、組換え体の野外試験をアメリカなどで始めようとしていたときに、ケース・バイ・ケース、ステップ・バイ・ステップというようなことが言われていまして、小さなところから、情報をとりながら先へ進めていく、その前の情報を使いながら次の段階の評価をするというような話があったかと思うんですけれども。今の仕組みの中ではその辺は書き込まれている、あるいは運用の中で使われているんでしょうか。

【水谷外来生物対策室長】 なかなか難しいですけど。さっき言われた隔離ほ場試験をやらないと得られないデータまで出せと言われても、なかなか実際には難しいということで、実際には隔離ほ場試験の計画の中で、この隔離ほ場試験の中でデータをとりますよというところで、それまでの温室のデータなりなんなりを踏まえて、隔離ほ場試験でデータをとりますという申請も当然あり得ますので、そこは温室でやったもの、データを踏まえて次に行くという、そういう仕組みになっているとは思いますけれども、必ずしも鶏、卵の話にすべてがなっているわけではないと思うですが。ケース・バイ・ケースなんだと思いますけれども。

【加藤小委員長】 近藤先生は農水で評価をやっていらっしゃいますよね。農水での評価に関連して何か、今のにかかわるようなお話がございますか。

【近藤委員】 今の件に関して言えば、先ほど鎌田さんが言われたように、どちらに対しても同じような試験が必要だということで、ですから、大学の方でもこちらの農水の方に出される方もいらっしゃるわけです。それは研究開発にカウントされていないわけですね。それから、例えば独立行政法人でも、別にそれを一般に使用することは目的ではなくて、研究目的だけれども野外で栽培しなきゃいけないということで隔離ほ場試験を出されるケースも非常に多いわけです。本来、それは研究開発に入れるべきだと思うんですが、たまたまくくり方が文科省が研究開発で、農水省だと産業利用みたいなことになっている、そういうふうになっているだけで、正確に研究開発とそうじゃないのと分けているわけではないですね。
 ですから、これを、特に大学の方がどちらに出すかというのは、それは申請者の考え方によっていて、我々ちょっと判断できませんけれども、そのために区分が違うというのは変な感じはしますね。特に、独立行政法人の申請って、ほとんど隔離ほ場試験だけなんですね。そこで、研究用の試料を得るという。

【加藤小委員長】 そうすると、農水省に行くのか、文科省に行くのかというところの仕切りは余りはっきりしていない。それでもって研究開発と産業利用というふうな区別はできない状況になっているということなんですね。

【近藤委員】 そう思います。

【鎌田委員】 ただ、今のことに関して言うと、さっきの大きな絵がありましたが、あれで見ると、多分何か大学の先生方は何となく資料2−4になるんですか、やっぱり農林水産省の下で何かをやろうとすると産業利用であると。本当は文部科学省の下にあれば、今度はやっぱり基礎研究としての研究開発というふうに仕組み上はできているはずなので、そこら辺を皆さんがきちっと理解されていないということなのか。

【近藤委員】 大学の先生でも、農水省、環境省の方に出される方は、将来的にはこういう産業利用は考えているということだと思います。ですから、そういう意味では別に矛盾はないんですけれども、ただ、実際申請の段階では研究開発でいいと思うのは随分ありますよね。

【加藤小委員長】 そうすると、やっぱり最終的な利用目的から考えれば、純粋な研究というものは農水省の方には来ていない感じという理解ですか。

【近藤委員】 いや、そうでもなくて。独立行政法人の方のはみんなこちらに来ていますので。

【加藤小委員長】 そうすると、その仕切りの問題と、もう一つは評価の中身というか、詳しさの程度とか、それから、例えば小さなスケールでやる場合には管理がしやすいとか、そういうことがあるわけですけれども、そのあたりを評価の中にどういうふうに勘案していくのかとか、そういう問題になるということですか。

【近藤委員】 どうでしょうか、例えばこちらの方に来るものでも、隔離ほ場全体ではなくて、その中の温室みたいなところ、一応漏れることも想定はしているんでしょうけれども、一応そういったほ場全体を使うんじゃないものも入ってきているんですよね。ですから、余り明確な仕切りというのは必ずしもあるわけではなくて、ですから、最終的に産業利用を目的にしているものは農水、環境の方に来ているという感じですね。あとは、独立行政法人はみんなこっちに来るという。

【加藤小委員長】 その辺の道案内というか、ルートとか、評価の程度とか、そのあたりがもう少し見えるようになると研究開発も進むと思われますか。

【近藤委員】 どうでしょうか。やはりどの道厳しいですよね。審査項目がたくさんありますし、厳しいので、それは特に評価書を書く場合は大変なので。

【鎌田委員】 評価書が、だから、リスクを負ったものを書くかどうかという形で、多分それでかなり違うと。

【加藤小委員長】 何かほかにご意見ございますでしょうか。じゃあ、鷲谷先生。

【鷲谷委員】 生物多様性影響評価を支える科学の進展状況がどうかということに関してなんですけれども、初期に総合検討会に一時参加させていただいたことがあります。そのときに、提出されるデータや知見が生理的なレベルのものとか、個体レベルの知見に限定されていまして、生物多様性影響となりますと、野生生物の集団とか群集レベルでの影響を予測する必要があるわけですが、そのための遺伝子流動とかドリフトとか、セレクションなどを含めた遺伝子動態の予測に資する、それはもう実験してどうのということではなくて、そういう個別の知見に基づいたモデルというのがすごく重要なんですけれども、そういう理論的なところが非常に弱いという印象を受けたんですね。それで、恐らく環境省の環境研究・技術開発推進費とか、農水省のプロジェクトでそういうジーンフローなども含めたリスク評価に資する研究なども実施されたのではないかと思うのですが、どのような知見が得られて、評価の科学的な側面が評価されたのか。特に、やっぱりピアレビューを経た知見というのが重要だと思うんですけれども、具体的に法律との関係で言えば、第3条、それから、第34条に基づく進展状況が現状で十分なのか。さらにリスク評価のための科学的知見の充実というのを評価していかなければならないのかという、その辺、具体的に担当されている方のご判断を伺えればと思います。
 遺伝子組換え生物そのものの知見ではなくて、遺伝子が生態系に出ていくことに関する予測の水準を上げることができるような知見が蓄積しないと、この34条の要件を満たすことにはならないようにも思うんですが、そのあたりがどのぐらい5年間で発展したかというのが一番気になるところです。

【近藤委員】 その前にちょっと一つ、今の件にかかわるんですけれども、生物多様性影響の評価ということで、評価書をつくってもらうということになっているわけですが、そこの部分の理解がなかなか行き届いていないですね。最近もそういうことで、会議で問題になったりしているんですけれども。これまで5年間いろんな案件をやってきて、もともと先ほどもご説明がありましたけれども、ガイドラインのときに多くのものが承認されていて、それは環境影響ということだったと思うんですが。それとこの生物多様性影響評価というものの違いというのはなかなかわからなくて、申請書の書式はかなり似ているんですよね。その違いというのが、申請者側もよくわからなくて、それで、最初のころは分科会の方で大分議論をして、当初は大体朝10時から夜の9時半とか、そんな感じでなかなか明るいうちに帰れないという、そんなような状況が続いて、委員の中でもいろんな議論がありました。
 大体、委員の中では大まかなコンセンサスは得られてきていても、やはり軸はもう一度確認しなきゃいけないというようなことで、委員会の中でも難しかったです。ましてや、申請者がどのくらい理解しているかというとかなり怪しいところがありまして、当初はそれでも除草剤耐性とか害虫抵抗性ということで、似た案件である程度書式が固まってくると、毎回同じような書式で書かれてくるということで、固まってきつつあったわけですが。最近また違った形の申請がふえてきますと、結局我々の判断、やっぱり理解してもらっていなかったなという、1件1件膨大な時間を費やしたり、それから、あるいは残念ながらこれじゃだめですというようなことで、申請者は、何で、前と同じじゃないのかと。前と同じじゃだめなんですね。1件1件内容が違うと評価の仕方は違うわけですが、なかなかその辺が理解していただけていないということが今現在の問題です。ですから、今、鷲谷さんが言われたことは大事なことなんですけれども、なかなかそのこと自体を理解してもらえていないということが一番、今問題です。
 それから、知見に関しては、おっしゃるように環境省とか農水省の研究費で少しずつやられていると思います。それほど大きな予算では多分なくて、規模としてもそんなに大勢の人が関わっているという感じではありませんけれども、少しずつ知見は得られてきて、その得られた知見に関しては委員会で報告していただいています。そういったことに基づいて、評価書も、そういった知見を利用してくださいという形では、少しずつは進んでいると思います。ただ、遅いというふうには思いますが。

【磯部委員】 不承認になるというケースはあるんですか。

【近藤委員】 不承認というか、不備なんですね。特に、生物多様性影響評価になっていない。先ほど鷲谷さんが言われたように、個体レベルの話だけであったりとか。

【磯部委員】 そういうときは補正を命ずるということになるんですか。

【近藤委員】 ええ。これではまずいので、書き直してくれという。

【磯部委員】 どこがまずいかの理由はよくわかるように言うんですか。

【近藤委員】 それが、これまでは個々に指摘を、数十件であってもしてきたんですが、最近はちょっとしきれないといいますか、もともと根本的にこれまでの内容と違うような申請案件ですと、それまでの書き方で書かれるとまるで違うわけです。ですから、個々には指摘……、やろうと思えばできないことはないんですけれども、それをやっていると大変なことと、それから、我々が評価書を書くわけじゃないので、大まかな指摘しか、むしろ最近は、以前は非常に細かいところ、数十件指摘をして、それを全部事務局の方で書きまして、申請者に送って、その申請者の方から、個々の案件に関してはこのように改善したという、それをつくっていただいて、再審査をするということになっていたわけですが、最近のは、それではちょっと対応できないくらい内容が変わってきているので、これからどういうふうにやっていくか、また、新たな問題かと思っています。

【磯部委員】 ちょっとこれは承認件数だけのデータなので、最終的にはすべて再審査して、ほとんど承認になっているというのがこれでわかるんですけれども、最後までだめというのも。

【近藤委員】 途中で取り下げているものもあります。

【磯部委員】 そういうのもあり得ると。わかりました。

【近藤委員】 はい。途中の1回目の審査で、これはちょっとという感じで取り下げたものもあります。

【磯部委員】 ありがとうございました。

【野本委員】 一つ、いいですか。これは改正できるかわからないんですが、私、ウイルスを研究しているんですけれども、この法律の中ではウイルスを生物としてしまっていますね。これが大混乱のもとで、昔のガイドラインであったときの書き方と全然違っています。微生物学の講義の中でも、コアカリキュラムではウイルスは生物じゃないぞと言っていて、同じ講義の中でバイオセーフティになると、これは生物だと言って、大変な混乱なんです。ウイルス研究ではどのウイルスでもリバースジェネティクスといって、ミューテーションを導入し、新しいウイルスかというようなものをつくります。したがって、ウイルス研究者は何をやるにしても全部申請書を出さないとならない。レプリケーション可能なウイルスであれば大臣確認になるわけですね。これは研究阻害の何物でもないというのがウイルス学会の強い意見なんです。

【加藤小委員長】 先生、今おっしゃっていらっしゃるのは、二種使用ですね。ですけれども、そういうふうにして新しくできてくるものが非常にリスクが高まるということはいかがなんでしょうか。

【野本委員】 可能性はあります。だけれども、それはガイドラインで十分危険性についてカバーされていました。法律になってから、むしろ安全性を無視して、生物多様性への影響ということに力点が置かれるようになって、安全性を無視したような申請書が出るようになりました。むしろ、法律さえ守っていればいいだろうというような、申請書が出てくるようになって、大変危惧しています。

【加藤小委員長】 ちょっとその中身とか、実際の審査の状況とかというものを、私が承知していないんですけれども。具体的には法律の定義と一般の定義と違うということはよくあることではありますね。化学物質審査規制法の中では元素も化学物質ではないんですね。ですけれども、学校で習う化学物質では元素も化学物質ですので、そういう法律の中の用語と、実際の日常、あるいは生物の学問の体系の中で定義されている言葉とで違うということはなくはないんですが。

【野本委員】 だけど、これは大きな定義の違いですよ。

【磯崎委員】 そこはカルタヘナ議定書の定義で入ってしまっていますので、もう法律より前に……。

【野本委員】 それをそのまま受ける必要はなかったんじゃないですか。

【加藤小委員長】 あとはむしろその中でどうやって過重にならないように、だけど、リスクのあるものは落とさないようにという仕組みに、あるいは手順にしていくかということなのかなというふうに思いますけれども。

【磯部委員】 それは我々の学問だと実定法上の概念と理論上、学問上の概念というのはずれるのがむしろ当たり前で、だから、我々飯を食っているようなもので。そこは大いにむしろ活用していただくように学生にたたき込んで。

【加藤小委員長】 先ほどの農作物あるいは植物の第一種使用のお話がかなり出てきましたけれども、あと、第二種使用あるいは先ほどちょっと出ました一種になっているけれども、栽培を目的としていないFFPと呼ばれるカテゴリーについて、何か審査その他でお気づきの点ございますか。

【鎌田委員】 これは食品安全委員会の方の問題だと思うんですが、一つは前からちょっと出てきているのは、セルフクローニング、ナチュラルオカレンスをどこまでというのが、これも非常に微妙なグレーゾーンになってしまいまして、食品安全委員会の審査のときには、今は仕組みが、何しろ全部一度法律の中に入れて、組換え体として入れておいて、必要に応じてセルフクローニングと判定して外すという仕組みに今なっていまして、そこら辺も多分コモディティ的なものなんかでは多分環境影響評価はないんだけれども、さて、食品になると突然話が変わるというので、ある意味業界側も混乱している部分がもちろんあると。特に最近では、組換え微生物による有用物質生産なんかになってきたときに、それが非常に微妙なところになっているので、これも多分法律上の問題じゃなくて、多分解釈上の問題とか運用上の問題だとは思うんですが、そこは今非常に気にはしているところで、やっぱりグレーゾーンと呼ばれるような形がどんどんふえてきてしまっているというのは、どうしていったらいいのか、ちょっとよくわからないというのがあります。
 それから、もう1件が、これをまだ、これから多分経済産業省なんかはどういうふうにされるのかわからないんだけれども、植物なんかだと生産自身は例えば植物工場でやると。だけど、つくったものは例えば、プロダクトは医薬品として使うというようなケースが出てきて、そこら辺を植物工場で現実にやるには完全密閉型の、余りにもコストが高い、産業的にはもう少し今の隔離ほ場ではないけども、それから、特定網室でもないと、一種と二種の中間というのか。だから、要するに外で栽培するとかじゃなくて、ある特殊な温室みたいなところで栽培して、プロダクト自身が生きたままで物が出ることはない、市場に出ることはないという、そういう生産方式というのを今考え出されつつあって、そこら辺が今まだ、ここだと一種と二種しかなくて、現実に対応できるかと言われると、なかなか難しいかなという。
その件では、いわゆる産総研の北海道センターの方に、一応完全閉鎖型の植物工場というのをつくって、それが多分日本で一番最初の施設ですけれども、そこで、いろいろ今具体的にラクトフェリンをつくるイチゴだとか、犬の治療用インターフェロン生産イチゴだとか、いろいろつくり始めています。多分その辺である程度の評価が出てくれば、もうちょっとどこまで緩めるかという議論もできるのではないか。例えばイチゴだったらば花粉は飛ぶけれども、ジャガイモだったら花を摘んじゃえばいいとか、そういった話もいろいろ出てくると思います。それはある程度経験を積みつつ、それこそ委員長が言ったように、ステップ・バイ・ステップじゃないですけれども、そこまで厳密にやらなくても安全な方法があるのではないかと、いろいろ議論が出てくるような気もしています。
ついでに、一応経済産業省の工業化の方の状況ですけれども、鉱工業利用ということになると、今のところ想定されるのが微生物ぐらいしかなかなかないんですね。そういうことで、産構審の方では一種利用はまだ1件も事例がありません。全て二種利用です。二種利用は全てファーメンターを使って培養するとか、あるいは小さな三角フラスコでやるとか、そういった事例がほとんどでございます。ですから、大体がGILSP、それとカテゴリー1ぐらいのところの申請しかまだ出てきておりません。
 それと、あとはなるべく煩雑な審査を少なくしていこうということで、今ポジティブリストをつくっています。例えばホストについては、これはもう1回承認されている、ベクターも承認されている、そういったリストを整備して適宜見直していますので、その組み合わせで、今までに承認されたものについては、その組み合わせの中で使用する場合はもう大臣確認申請をする必要がない、大臣確認がなされていると見なすというシステムになっています。ある意味経済産業省の方の工業化の第二種使用についてはあんまり問題がなく、どんどん簡素化の方向に動いて、それなりに進んでいるような気がいたします。ただし、一種利用に関しては、一種利用そのものがなかなか難しい。組換え体の一種利用をやる前に、組換えていない純粋培養微生物を使ってバイオレメデーションに使いましょうというような、開放系における純粋培養微生物の利用についてはガイドラインができており、安全確認するようなシステムができていまして、それについてはもう4件でしたか、既に確認されています。ただし、それが実際現場でどのぐらい利用されているかというのはなかなかフォローしきれていないところがございますので、このような利用がどんどん進んで、いい成果が出てくれば、場合によっては、非常に大変な組換え体の第一種利用まで申請してくる企業が出てくるのではないかというような気もします。しかしながら、微生物の生物多様性影響、特に導入微生物の環境微生物に対する影響とか言い出すともうきりがないところがありますので、本当に、微生物の鉱工業利用の第一種使用といいますか、その申請が本当に上がってくるかどうかというのは、今のところちょっと疑問ですね。とりあえず経済産業省の状況はそんなところです。

【野本委員】 今、各種精製タンパクに関してですが、バキュロウイルスを使って発現させるタンパク質はものすごく多いんですよ。それで、ウイルスを完全に除けているかどうかという判定が難しくて、したがって、コンタミしているであろうという前提のもとに販売されているんです。だから、それを買った者は、必ずP1で使わなきゃいけない。恐らくバキュロで発現させた純粋なタンパクも、立体構造解明にはSPring−8にも行くわけですよね。そういう施設もP1にしなければなりません。ある種のテストをつくって、このテストで陰性だったらウイルスなしと認めるというような規定が必要なんじゃないかなと思います。今のようにネガティブだということを証明しろというような状態だと、いつまでたっても証明できないんです。

【吉倉委員】 ちょっと今のは、要するに業界はそういうマイナスにチェックするよりは書いた方が楽なんですよ。だから、そういうことは、検査ということは絶対オプションとしてないと思います、経済的に成り立たないから、という話だと思うけれども。だから、もうちょっとそれは、各委員会の話だから、今度はそれを文科省の委員会で検討する話だと思います。
 さっき、ちょっとこれイチゴの話とか、それから、今度たしか経済産業省でイネの閉鎖系が出るのかな。まあ、いいや。そういうのがあると、これは要するに1993年にOECDでスケールアップのドキュメントを出したよね。スケールアップは今のこの日本の仕組みの中でどこにもないんですね。だから、今のまま行くと、これは永遠にイチゴにしろ、イネにしろ、閉鎖系でやると。絶対野外には出ない、それでスケールアップはしない、そういう仕組みを今確立している最中だと思います。要するに、産業利用は一切しないという仕組みに今なっていると思います、これ、実際は、現実は。そんな面倒くさいことをやるぐらいだったら、外国でやってもらった方がはるかにいいですから、これは。だから、そういう状況だというのはやっぱり認識しておくべきであろうと。だから、もしも日本でやるのが面倒くさかったら、もう外国で開発する。それで、日本で今の件数、たくさんありましたから、それで産業利用でもう経験のあるものだけ日本でやる、日本では開発しないと、そういう状況に僕はなりつつあると。
 それから、今の微生物の場合でも、微生物の生態学というのは、ここ二、三年で非常に発展して、それで、プラスミドが移るとか移らないとか、あんなことを言ってもしようがないと。我々が知らないホリゾンタルトランスファーというのはもういっぱいある。それを今の指針というのは、全部わかることとして指針ができているわけですね。そういうことであれば、そういうことがみんなわかったときでないと、それじゃあ、この申請をすることができないと。それもやめると、ブラックボックスですから。プラスミドでもなきゃファージでもない、よくわからないけれども、例えば汚染土壌のところに外からし尿を入れて、セレクションマーカーをつけておくと、1週間か10日するともうその汚染土壌の中にいる、例えばトルエンを分解する遺伝子を入れた生物が移っている。メカニズムはよくわからない。ホリゾンタルなジェネティックトランスファーが頻繁に起こっているということを申請前の前段階で全部知ることは絶対できない。知らないことまで知らなきゃできないというような、今の状況というのは、工業利用というのはそもそもやるなという話だと思います。

【加藤小委員長】 日本でできなかったら外国でというお話が今、吉倉先生のコメントの中にありましたけれども、例えば外国では日本とは違ってできる道が開かれているということ……。

【吉倉委員】 一つはカルタヘナプロトコルに加盟していない国はこれに拘束されませんから。

【加藤小委員長】 ちょっとそこまで行ってしまうと、前提が崩れてしまうのですけれども、例えば具体的に、ここにこれがあるからまずいとか……。

【吉倉委員】 いや、現実がやっぱりこの数字が示していると思うんですよ。これだけ、先ほど近藤先生がおっしゃっていた、研究も出ていないわけじゃないという話なんですけれども、実際上は産業利用はこれだけ認可されているわけですね。これでもう、要するに、それはどこかでやっているものを日本に持ってきてやっていると。だから、これはうまくいく。だから、このスキームを、この資料3−1のような数字をずっと先まで持っていくということになっているんだと僕は思う。要するに、外でやったものを日本に入れると、そういう話だろうと私は思いますけど。

【近藤委員】 今、ちょっと誤解があるようなんですが、農作物の場合に、外国のデータだけでいいことはなくて、必ず日本の隔離ほ場試験をやらなければいけないんですね。これもちょっとまた問題があるかと思うんですが、日本でできないものがあるんですよね。ですから、それが以前のガイドラインのときに承認されて、まだこちらの方に上がっていないものもあるんですけれども。日本でできないものをどうするかという問題は、まだペンディングですね。ただ、今までは、すべて日本で隔離ほ場試験をやっていますので、外国でやればいいというものでは今のところはないんですね。

【鎌田委員】 よろしいですか。今の吉倉先生の話にもかかわっていて、最近EUの状況調査というのをずっとしているんですが、EUはかなりカルタヘナでいうと外に出さないから厳しいというふうに皆さん思われているんですが、現実問題の、日本で言う、多分研究開発に当たる隔離ほ場試験的なものは、実は日本なんかよりはるかにたくさんやっていて、実情としては多いと。多分、研究開発ということと産業利用はやっぱり全く区別をしている部分があって、そこら辺は多分基準もある程度変えていっていると思います。それでもやっぱり産業利用というところが、先ほど、EUでは産業利用をしようとすると、途端に厳しくなると。だから、そうすると開発会社はみんな結局外に出ていって、結果アメリカ等に行ってしまって、産業そのものが、もう組換えを産業としては使わないみたいな形に逆になってしまったと。日本はそれを、吉倉先生は選んでいるんじゃないかとおっしゃるんだけれども、いや、それではやっぱり困るんじゃないかと、逆に言うと。そういうフィックスの仕方は本当にいいんだろうかというのは。

【中村委員】 吉倉先生のご意見の件ですけれども、微生物の第一種利用の件では、いわゆる評価の項目というのはちゃんとあるんですよね。ただし、その項目が少なくとも具体的じゃないんです。生物多様性影響については、例えば元素循環にかかわる微生物に対して影響はどうかとか、そういう漠とした話なんですよね。ですから、もうわかることを全部やらなきゃいかんということではなく、どういう項目に対してどこまでやればいいんですかという、その落としどころがある程度定まってくれば、そうそうめちゃくちゃ最後の最後までやらなきゃいかんという話じゃないと思うんですよね。例えばもうちょっと実質的同等性とか、そういう概念を導入できないものでしょうか。かたやクロロピクリンで土壌燻蒸して、土壌微生物を皆殺しにしているわけですよね。また、場合によっては、どこかに堆肥をぶち込んで、それこそあらゆる微生物をいっぱいぶち込んで、普通に農業をやっている。そういうのと比較してどうなのかというような概念を上手に使えるようになれば、もう子細にわたって遺伝子がどこまでどう動いて、何がこうのというところまでやらなくても、評価できるような落としどころを見つけられるんじゃないかなという気もしています。その辺のコンセンサスがうまくとれるかどうかということだと思いますけれども。

【吉倉委員】 だんだん話が、雰囲気があやしくなったんですが、実際私が審査している限りでは、この5年間でカルタヘナプロトコルの中でどういうぐあいに審査するかというのをかなりみんな慣れてきて、それなりに、少なくとも開放系は知りませんけれども、閉鎖系についてはかなり慣れてきたと。それから、考え方も大体定着したという、そういう意味では非常に問題があるということではないと。私が申し上げたのは、今表に出てこない、こういう数字を見るとちょっとわかるような、潜在的な問題があると、放っておけば。今後の日本の科学産業に影響するようなことがあるかもしれない。特に今、地球環境のこういう問題があると、やはりこういう組換え技術をどううまく使うかというのが大切ですから、そういうアプローチが仕組みの上でできない状況というのはやはり考えた方がいいだろうと。ただ、仕組みとしてはだんだんにカルタヘナプロトコルの中でみんな慣れてきたように私は思います。

【加藤小委員長】 多分、根本からひっくり返すようなことではなくて、恐らくその情報がもっと行き渡るとか、解釈の仕方が定着していくとか、あるいは管理の仕方なども勘案しつつ、考えるとか、いろいろ運用とか、そういうようなところでできる部分もあるのではないかと。できない部分もあるかもしれませんが、それはこの法律自体の外側にある問題もあるかと思いますので、お話を伺っていると、そんなふうな感じもいたしますが、ちょっともう時間がだんだん押していますので、今回の議論の中でいろいろ糸口も出てきたところをまたじっくりお考えいただいて、そして、ご提案をいただきたいなと、事務局の方にも意見を言っていただきたいなというふうに思います。
 まだ、ほかにご意見は。

【吉倉委員】 もう一つ、FFPの問題と、あと、医薬品が除外されているんですね、カルタヘナの議定書の中では。これは日本の場合、やはり同じことで、これは除外規定がないんですよ、この場合は。それで、非常に困ったことが、こういう事例を言っていいのかちょっとよくわからないんですが、いわゆるWHOがワクチンの種株を配りますね。それがいわゆる遺伝子のリアソートメントを使っていて、ある意味では組換えに入ると。日本がそれをタネにして、製薬メーカーがつくると。普通、ワクチンというのはそういう閉鎖系P2とかP3は閉鎖系になっていないので、要するに工業利用にはそれをやはり、ある意味では、完全な第二種利用にできないんですよ。それはどういうことかと言うと、そういうWHOが配ったような種のものを、要するに日本で生産に使うときに、いわゆる一種利用のあれにするか、あるいは先ほどナチュラルオカレンスするかというのですったもんだやったことがあって、それで、これは一つの例なんですが、そういう医薬品を除外というものを仮に考えないと、パンデミック、インフルエンザとか、そういうのを考えたときに、これはカルタヘナプロトコルの担保法でのったりと審査をやっていたのでは間に合わない。この辺はやっぱり少し考える必要があるかなと、医薬品の除外というか、エグゼンプションについてはもう少し明示的にしなきゃいかんじゃないか、こういう危機管理の上で。その辺、ちょっとさっきのFFPと同じようなことでひっかかっているところです。

【鎌田委員】 もう1点だけよろしいですか。これも食品安全委員会の方でもう既に審査基準がつくられたんですが、組換え微生物を食品開発、または、食品添加物開発に使う中で、今までは高度に生成されたタンパクだけだったんですが、組換え体をそのまま含んでいる食品というものの審査基準はもうでき上がっておりまして、そうなったときに、生きている組換え体が入っているものと、それから、全部殺した場合というのが分かれていまして、今度は生きているやつは、さて、アメリカで多分開発されることを想定されて、それも急いでつくっているんですが、そうすると、それはいろんな形で、多分知らないうちに入ってくるだろうと。それは日本では、さて法律違反になってしまうんだろうかというのは、これもやっぱり知らないうちに入ってきたものをどうするのという話になってしまうんですが、そこら辺も食品安全委員会は食品の安全のことしかやらないので、環境を通して返ってくるものというのは全く意識されていないので、これも責任省庁の問題から含めて、一体どこがどういうふうに対応しながらどう考えるのか、まだ、ちょっと解決できていない問題です。

【中村委員】 それは環境を経由して入ってくるということは、例えばアメリカで開発された生きた組換え体が、例えばそれを食べた人間が帰ってきて、それで、日本に広まっていってと、そういうことなんですか。

【鎌田委員】 はい。そういうことも想定されています。体の中に入ったものは、いろいろお聞きしたら、法律上は適用除外があるんだけれども、日本に帰ってきてでも、例えば排便として広がっていくとかということになると、さて、だれが管理するんだろうねというのは、これは大問題で、なかなか管理し切れないですね、微生物になると、もう。

【加藤小委員長】 ありがとうございました。いろいろ難しい問題も出てきて、つくったときに想定をしなかったようないろんな利用が出てきているということかと思いますけれども、いろんなご意見、それから、未解決の問題、工夫の余地があるところ、いろいろご指摘をいただきましたので、事務局の方でそれを整理していただいて、そして、詳しく情報収集をする必要があればもう一度内容を確認していただいたり、所管の省庁とも協議をしていただいて整理をしていただけたらと思います。
 それから、本日の議論で、触発されてまた思いついたこととか、言い忘れたこととか、あるいはもう少し詳しく言っておきたいこととかおありかと思いますので、そういうことは事務局の方にご連絡いただきたいと思います。
 それから、今日ご出席でなかった武田先生のご意見もお伺いするようにされますね。

【宇賀神外来生物対策室長補佐】 はい。

【加藤小委員長】 わかりました。じゃあ、そういうことで、本日の議論の中身を整理していただきたいというふうに思います。
 それじゃあ、議論はここまでにしまして、事務局の方から何かございますでしょうか。

【宇賀神外来生物対策室長補佐】 本日はご熱心な議論をしていただき、ありがとうございました。今、小委員長からもご発言がありましたが、今日の会議でご指摘いただけなかった点、あるいは後でお気づきになった点がございましたら、来月、3月6日めどにメール等で事務局までお送りいただければ次回の資料等に反映させていただきたいと思いますので、よろしくお願いします。
 次回の小委員会の日程でございますが、先ほど資料に出てまいりましたとおり、3月25日の水曜日、午前中を考えてございます。年度末、大変お忙しいところでございますが、追って文書で正式なご案内をさせていただきますので、よろしくお願いいたします。
 事務局からは以上でございます。

【加藤小委員長】 ありがとうございました。それでは、本日は熱心なご討議をどうもありがとうございました。
 以上で、本日の遺伝子組換え小委員会は閉会といたします。また、25日、よろしくお願いいたします。ありがとうございました。