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中央環境審議会野生生物部会
第6回遺伝子組換え生物小委員会 会議録


1.日時

平成14年6月28日(金)10:02〜11:23

2.場所

経済産業省別館1028号会議室

3.出席者

(野生生物部会長) 岩槻 邦男
(委員) 市田 則孝 岩熊 敏夫 大塚 直
鷲谷 いづみ
(専門委員) 加藤 順子 山野井 昭雄
(環境省) 小林自然環境局長
松原審議官
黒田野生生物課長

4.議事

【事務局】予定の時刻を少し過ぎております。中央環境審議会野生生物部会第6回の遺伝子組換え生物小委員会を開催していただきたいと存じます。
本日は、磯部委員、大井委員、鎌田委員、矢木委員はご欠席ということです。
それでは、岩槻委員長、よろしくお願いいたします。

【岩槻委員長】おはようございます。第6回目になりますけれども、今日もまた活発なご意見をお願いしたいと思います。最初に、資料のご説明をお願いいたします。

【事務局】お手元の資料ですけれども、議事次第、その下に資料1として中間報告案が束になってございます。その束の下に資料2としまして「カルタヘナ議定書関係審議会等連絡会議概要」、その下に参考資料1として、第5回小委員会における意見等の概要がございます。もし資料の不備がございましたらお申し出いただければと思います。

【岩槻委員長】そろっておりますでしょうか。
それでは、早速本題に入らせていただきますが、この前までに大体大まかな議論というのはまとまっていて、その後4省の審議会等連絡会議というのを1回持たせていただいて、そこでのご意見も踏まえて中間報告案としての最終案を事務局の方でつくっていただいているということなんですけれども、この案についてまずご説明いただいてご議論をいただきたいと思います。事務局の方からよろしくお願いします。

【事務局】それでは、まず参考資料の1につきましては、前回の小委員会でいただきました中間報告の案に対する文言の修正についてのご意見をこちらの方でまとめさせていただきました。それから、第5回の小委員会後に個別にご意見をいただいた点もございますので、それも含めて参考資料1に意見の要旨をまとめさせていただきました。これを踏まえて資料1、中間報告案を修正させていただいております。
それから、委員長からご紹介がありましたけれども、前回の第5回小委員会の後、6月7日にカルタヘナ議定書関係の四つの審議会・懇談会の連絡会議を開催しております。その概要につきまして資料2にまとめてございます。この小委員会からも岩槻委員長を始め何人かの委員の方にご参加いただきましてありがとうございました。
会議につきましては岩槻委員長に進行をしていただきまして、各審議会の中間報告の案を四つ、中間報告・中間とりまとめといった形で現在までの段階の案ができているということで、その資料をつけさせていただきました。これは大部にわたるので省略させていただいておりますけれども、中身につては一番下のホームページの方に掲載しておりますので、ご覧いただければと思っております。
それから、資料2としまして、カルタヘナ議定書関係審議会等中間報告案等の概要ということで、四つの中間報告案・とりまとめ案の中で、何がそれぞれ記述されているのかというのを、横並びで並べて見られるような形に整理した資料です。資料1の報告案本体、報告案の概要、これらをもとにして議論をしていただきました。
議論の意見交換の中身につきましては、資料2の頭から2枚目に簡単にまとめてございます。報告書の中での記述に関しましては、二つ目の丸ですけれども、用語について使い方に注意したらいいのではないかといったご意見をいただいております。あとはリスクとベネフィットの考慮の考え方でありますとか、遺伝子組換え生物はさまざまなものがあるのでそれらを網羅するような仕組みにしてほしいとか、幾つかご意見をいただきました。
最終的に、連絡会議としてのまとめとして、四つの点をまとめていただきました。
1点目は、各審議会・懇談会の中間報告(案)に書かれている基本的な制度の枠組みについては、それぞれ違う点はないということ。それから、それぞれの審議会・懇談会で分野ごとにこれまで検討してきたわけですけれども、その内容について相互に確認する機会であったということ。それから、言葉の定義など、もう少し検討が必要とされた点について、報告書、報告案を必要に応じて検討すべきこと。さらに、今後制度化に当たっては、4省で方向性が違わないということなので、内容を4省で検討すべきということ。それから、それぞれの中間報告について7月を目途として時期を合わせてパブリックコメントを求めることということで、その連絡会議をまとめていただきました。
そういったことで、それぞれの審議会で議論している中身、大まかな方向性というのは違いがないだろうというご確認をいただきました。
資料1の中間報告案の説明に移らせていただきます。前回いただきましたご意見、連絡会議でのご意見を踏まえまして、何点か、前回から修正させていただいております。前回の案から今回変わったところを見え消しの形でお示ししておりますので、修正しました点について一つずつ簡単にご説明させていただければと思います。
まず、パラグラフ(5)ですけれども、議定書の概要のところで、これは前回鎌田委員からご意見があったと思いますけれども、報告案のトーンが全体に規制をすべきということが強く出過ぎているのではないかと。現代のバイオテクノロジーの可能性についても触れておくべきではないかというご意見がございまして、このパラグラフ(5)の部分で、議定書でも冒頭で述べられておりますので現代のバイオテクノロジーの可能性についての記述をつけ加えております。
パラグラフ(6)ですけれども、これにつきましてはリスク評価の定義の関係ですけれども、生物多様性への悪影響の可能性を評価するというのがリスク評価であろうということで、ここは言葉の正確性を確保するという意味で変えております。
それから、パラグラフ(9)ですけれども、これは前回不稔生物とは何ぞやという話がありまして、議定書に書いてある言葉をそのまま英語として引き出しまして、この定義は何なのかというのはまだ必ずしもはっきりはしていないのですけれども、不稔性の生物というふうに訳すのが一番直接的なんだろうということで、議定書の言葉を直接引いてくるような形で書かせていただいたという修正です。
それから、パラグラフ(14)ですけれども、これはまず上の方で、予防的なアプローチのところでprecautionary approach″という言葉、原語をそのまま盛り込ませていただいております。連絡会議の中でも予防的アプローチというのはいろいろなところでいろいろな使われ方がしているのでどういう定義で使うのかをはっきりさせるべきということで、リオ宣言で言及されている「予防的なアプローチ」という整理はされておったのですけれども、原語をここにもう一つ付加しまして解釈に余り幅がないようにしているところでございます。
その下のパラグラフ(14)の後半部分ですけれども、これにつきましては、予防的アプローチについて、もとの文章では影響を受けやすい特定の受け入れ環境を有する国や途上国においては予防的なアプローチがよいのだという表現になっていたのですが、それはやや限定的ではないかと。別に影響を受けやすい受け入れ環境を有する国や途上国だけでなくても予防的なアプローチは適用されるべきなんだろうということで、限定的な書き方を変えたというところでございます。
それから、4ページですが、パラグラフ(20)です。ここにつきましては、食品としての安全性の評価の話が書かれておりましたが、飼料の安全性評価も制度もあわせて書くべきということで追加させていただいております。ここは完全に落ちておりました。
パラグラフ(26)(28)(29)(30)のあたりは、各省の指針に基づきまして表現を正確にしたというところです。ガイドラインで書かれているような表現に修正したようなところがほとんどでございます。
それから、パラグラフ(48)(56)、IVの遺伝子改変生物による生物多様性への影響の評価の部分の中身ですけれども、もともとは危惧されるフローとして図1、図2を示した上で、そのフローにある「危惧される影響」が生じないことが必要という表現になっておりましたけれども、ここも鎌田委員のご意見だったと思いますが、「危惧される影響」が生じないことというのではなくて、ここではどんな手順で影響を考えていけばいいのかということを検討しているところなので、「危惧される影響」について検討することが必要という表現の方がよいのではないかということで修正させていただいております。
さらに、パラグラフ(74)、ここは山野井委員からご指摘いただきまして、フロー図の中で微生物等による物質循環機能への影響といったのが「危惧される影響」に入っていると。
例えばバイオレメディエーションの場合などにつきましては、物質循環機能に影響させること自体が目的になっているようなものもあるので、そこはちょっと書き分けをしないといけないのではないかというご指摘をいただきまして、やや複雑な表現になっておりますけれども、なお書きとしてパラグラフ(74)を追加させていただいています。
「なお、環境修復を目的として、利用地点で定着させ、物質循環機能を変化させることなど、影響のフローに示されている『危惧される影響』を生じさせることを意図して遺伝子改変生物を導入する場合にあっては、その導入により生じさせることを意図している影響以外の影響について、『危惧される影響』として検討することとなる」と、やや回りくどい表現ですけれどもこんな表現で、そもそもの導入の目的にしている効果というんですか、影響というのか、それと「危惧される影響」は別ですよという整理をさせていただければということで追加しております。
それから、パラグラフ(74)を入れた関係で全部一つずつパラグラフがずれております。
新しいパラグラフ(75)ですけれども、ここは加藤委員から個別にご意見をいただきまして、影響の評価に必要な情報というのは幾つかあるけれども、ここで行おうとしている影響の評価というのは、生物多様性への影響の評価である、と。そのためにはデータの中で重く見るべきデータが幾つかあるのではないかということで、受容生物/親生物の生物学的特性なり、利用する環境での他の生物との相互作用等の生態学的な情報をかなり重要視して収集すべき情報として収集していくことが必要であろうという、ややメリハリをつけた方がいいのではないかというご意見をいただきまして修正させていただいております。
それから、新しいパラグラフの(84)ですけれども、微生物に関しましてはなかなかよくわからないものが多いので、当面よくわかっているものだけでやりましょうというような書き方をしておったのですが、そうはいっても微生物に関する知見の集積というのはあわせて進めるということを姿勢としては書くべきなんだろうということで修正させていただいております。
Vに関しましては、新しいパラグラフ(103)、13ページです。環境放出利用について、もとの文章では事前に影響の評価を行い、軽減措置を講じるということが書かれておりました。事実としてはそういうことをやるわけですけれども、何のためにやるのかということを書かないと、単に評価を行い、何らかの軽減措置をすればよいのかもしれないというような疑義が生じるので、目的をはっきり書くべきというご意見をいただいたと思います。生物多様性の影響を防止するためという目的を入れさせていただいております。
それから、パラグラフ(105)、事前の評価で予測できない影響の範囲はなかなかわかりにくいということで、ここは恐らくはフローに出てきた「危惧される影響」というのが生じた際には緊急時の対応計画というのに基づいた対処が必要になってくるだろうということで、予測できなかった影響という、ちょっとあいまいな表現は削っております。
さらに、パラグラフ(106)ですけれども、行政が判断するときに専門的見地からの意見を聴取する必要があるということを述べているパラグラフですけれども、意見を聴取する専門家の中立性というのが肝要ではないかというご意見がございました。中立性、中立的であるということを加えさせていただいております。
さらに、パラグラフ(106)の一番下に、前回の資料では参考資料ということで本体とはちょっと別に用意していた図を図4として一番最後のページに入れさせていただいています。
14ページの、新しいパラグラフ(111)は、文章を明確にするということで、ちょっと前後をひっくり返しまして文意が明確になるように修正しております。中身は変わっていません。
パラグラフ(114)ですが、ここは鷲谷委員からご意見をいただきました。「影響が生じるおそれのある生物」という表現は適当ではないのではないかということで、「適切な指標種などを用いて」という形で表現の修正が必要ではないかというご意見をいただきまして修正しております。あと、図1、図2は修正はしておりません。そのままです。
図3につきましては、別途岩熊委員からご意見をいただいたことを踏まえて修正させていただいております。修正点は一番下のモニタリングから下のところを修正しております。
まず第一に、そのモニタリングと継続利用の関係ですけれども、モニタリングの結果「危惧される影響」などの確認がなされない場合は継続利用をすればいいという一方通行の、上から下だけの矢印だったのですけれども、モニタリングをして継続利用をして、影響が確認できるかどうかというモニタリングをして継続利用をしていくと、これは行ったり来たりという関係になるのではないかというご指摘がありまして、矢印が行ったり来たりというような形になっております。
さらに左側の、危惧される影響が確認された場合という形で、先ほどの文章の中の整理とも整合させているところですけれども、モニタリングで何か予測できないような影響が確認された場合というような書き方になっていましたけれども、ここで確認すべき点は、フローの中でいう危惧される影響が実際に起こっているかどうかというのを確認するべきなんだろうということで、文言を修正させていただいております。そこが図3の修正点です。
さらに、図4につきましても、1点修正しております。申請書を行政当局が受理した後、専門家による意見聴取という矢印が右側に行ったり来たりという矢印が1個ある。それとともに、市民に対して情報公開という矢印があって、当初の案では右から左の矢印がなくて、本文には意見を聞くべきだというふうに書いてあるのに矢印がないのはおかしいというご意見がありました。点線ですけれども、矢印をつけ加えさせていただいております。そこの点が修正点でございます。
ここの点線は、いろいろな思いを込めておりますが、一つはどんな形で意見をお聞きするのかという形が余りはっきりしていないと。例えば前回の小委員会でも若干申し上げましたけれども、環境アセスメント法のように、手続として市民の意見を聞かなければいけないということを法律にかっちり書くのかというやり方も当然あるのですけれども、そこまでかっちりした意見の聞き方だというふうに今決めてしまう必要もないだろうと。パブリックコメント程度はやるべき、何らかの形で意見を聞くべきというようなことであろうと思いますので、今の段階ではこの点線の形で図に追加させていただければと思っております。決して、やらないという意味での点線ではありません。資料の説明は以上でございます。

【岩槻委員長】どうもありがとうございました。前回のときに大分議論をした上での文言の修正ということになってはいますけれども、これでいいかどうかということを含めて、また新たな問題点も当然出てきていいと思うのですけれども、しばらくフリーに、さまざまなディスカッションをしていただけたらと思います。どなたからでもどうぞ、ご発言をお願いいたします。大塚委員。

【大塚委員】申しわけありません。基本的にはこれで私も賛成なのですけれども、言葉の問題で二つほど気になることがありましたので指摘をさせていただきますが、一つは2ページの1行目の「認識にたち、」と書いてあるのですけれども、これは内容的には現代のバイオテクノロジーが非常に有意義であるという話なので、その後輸出入に関する手続が規定されているということで、「たち、」だけではちょっと意味が通じないような気がしますので、「たちつつ」とか、何か「つつ」ぐらいは入れた方がいいのではないかという、これは全く表現の問題ですけれども、「たち、」だけでは意味が通じにくいというふうに思います。
それからもう一つは、9ページのパラグラフ(74)のところですけれども、これは新しく加えられて、言わんとすることは私もわかるのですが、ただ「『危惧される影響』を生じさせることを意図して」というのは、どうなのでしょうか。一定の範囲内であればそういう影響を起こすということで、バイオレメディエーションのことをおっしゃっているのでしょうけれども、それはそこから外に出なければ「危惧される影響」は多分ないので、表現を考えていただかないといけないのではないかという感じがするのですけれども。その土壌の範囲であれば「危惧される影響」ではないわけですよね、多分。その土壌の範囲でバイオレメディエーションをするのであれば「危惧される影響」ではないと思いますので、外に出るから多分問題なのだろうと思うのですけれども、ここは「危惧される影響」を生じさせることを意図するということは、非常におかしい感じを受けますので、表現を考えていただかないといけないのではないかと思いました。以上です。

【岩槻委員長】何か答えられますか。

【事務局】パラグラフ(74)のところは、表現をどうするか大分悩んでいて、確かに「危惧される影響」を生じさせることを意図しているというのは、何か変な表現だなと気がついておるのですけれども、ここで「危惧される影響」は、例えば物質循環機能を変化させるようなことを意図して遺伝子改変生物を導入する場合にあってはというようなことだと思いますので、「『危惧される影響』を生じさせることを意図して」という表現をとるような感じで、例えば環境修復を目的として利用地点に定着させ、物質循環機能を変化させる場合にあっては、その導入により生じさせることを意図している影響以外の影響について、「危惧される影響」として検討する、それで意味がわかれば……。

【大塚委員】私はそれでいいのですけれども、ほかの先生の……。

【岩槻委員長】大塚委員が具体的にこう書いたらいいというご提案。

【大塚委員】今のご提案に賛成ですけれども、ほかの先生方、どう思いますか。ご意見いただければと思いますが。

【山野井委員】今のご指摘の、上の方に書いてあるのは、これは「危惧される影響」と書いてありますので、「危惧される影響」の目的となるのはバイオレメディエーションですから、これが一緒になってしまったらこれはバイオレメディエーション的なことをやるべきではないという、それは危惧されるが故に避けるべきだということになってしまいます。そうするとそれはまずい。だから、私は別にそこでこの文章で違和感がなかったんですけれどもね。例えばこれを読めば、パラグラフ(65)と(73)とは違うということはわかりましたけれども。ただ全体としてちょっとわかりにくい文章かもしれませんね。

【鷲谷委員】すみません、ちょっといいですか。言葉の問題なのですけれど、文言のニュアンスで、英語だと同じ言葉でもいいのかもしれないのですけれど、「意図している影響」を「効果」にした方がわかりやすいような気がするのです。「意図している効果……」。

【事務局】そうしますと、「なお、環境修復を目的として、利用地点で定着させ、物質循環機能を変化させる場合などにあっては、その導入により生じさせることを意図している効果以外の影響について、「危惧される影響」として検討することとなる。」というような感じでしょうか。

【岩槻委員長】よろしいですか。これはもともと山野井委員のご提案の件、よろしいですか。大塚委員もそういうとこでよろしいですか。それでは次に、山野井委員、どうぞ。

【山野井委員】このパラグラフ(13)でしたかね。いわゆる人の健康に関する部分の文言なのですが、パラグラフ(13)の上から5行目、「健康影響の範囲には、生物の多様性に関係したものを対象とすることが妥当である」と。つまり、多様性を変化させるということを通じて健康に影響を与えるという内容ですね。これは多様性に対する議定書ですから、確かに上位概念としては多様性を変化させるということがあって、それが人の健康に影響を与えると、こういうふうにとれるわけです。それが国際的に通用する人の健康と多様性との関係の中の解釈として、これで各国ともこの解釈をしているのかどうかという、ここが一つ非常にポイントとしてあるのですけれども、いかがでしょうか。

【事務局】ここの部分の解釈を明確に議定書の上ではしていないということで、さらには交渉の過程でも詰まった議論をしていないということなので、実は国によっては健康影響の範囲の中にかなり幅広く、食べたときの影響も入れてしまうというところがあるかもしれない。そこは共通な理解として、ここまでがこの議定書でいう人の健康影響ですよというかっちりした整理というのは、実はされていないという状況です。
ただ、これは議定書の交渉過程から、IUCN他が作っている議定書のコメンタールを見ていると、今ここに書いてあるような表現、こういうふうに理解するのが妥当ではないかというようなコメントはされていて、ただそれを締約国会議でこうですよと決めるわけでもないですし、通常、生物多様性条約のもとでの議定書だという議論の枠組みを考えると、こういうことが妥当なのではないかと、こういう内容になるべきではないかという解釈でございます。

【山野井委員】そうしますと、パラグラフ(87)ですが、この中間案の中での統一性が必要との観点からして一寸問題があるように思います。ここでは「人への非意図的暴露の結果、遺伝子組換え生物の病原性の発現などの健康影響が生じる場合、影響があると判定すべき」と書いてありますが、ここには多様性という言葉が一つも出ていないのですよね。ダイレクトにそのLMOが人の健康を害するような何物かを発生するのかどうかはわかりませんが、そういうことであればそれはノーだと、こういうふうになるので、多様性を通じて健康にという最初のパラグラフ(13)と意味が違うように思うのですが、これはどうでしょうか。

【事務局】多様性という観点で言うと、パラグラフ(13)の「具体的には、」というところも、これは多様性に関係したものかどうか、例えば植物の花粉がアレルギー反応を引き起こすというようなことは、多様性に関係しているのかどうか、これだけでもやや詰まってしまうのですけれども、そこは割り切って考えて、環境を経由した影響は、一応影響として考えましょうと。人が直接摂取するというような健康影響は入らないけれども、環境を経由して人がそれに接するといったことに起因する影響は考えましょうということでこの中で整理してみたいと思っております。

【山野井委員】環境というのは、多様性を変化させるという前提における環境ですか。ただ、その植物なり動物なり微生物なりがあるということだったら別に多様性とは関係ないのですよね。その意味で、国際的にどういうふうに解釈するかというのはよくわかりませんが、とにかく、この文言の全体の中で統一性がないと、よく考えるとこれは違うニュアンスにとれたものですから、それでご質問させていただきました。環境というふうに考えればいいのですかね。

【事務局】そこは厳密に考えると多様性を変化させて、その結果として人の健康に影響が生じると、これは概念的にあり得ると思います。そういう、間接的な影響というのだけがここでいう、人の健康影響ですよという整理をすることもできないことはないと思うんですけれど。
ただ、IUCNのコメンタールにも実は植物の花粉がアレルギー反応を起こすといった、こんなことは一つの例示として書かれていまして、厳密に多様性に影響を及ぼして、その結果として人の健康に影響が生じるという、そこまでいくと、恐らく何が原因になっているのかというところから、余りはっきりしない、間接的な影響がいっぱいまざってくる可能性があると思いますので、そこまで広げるのはやや厳しいのかなと思います。ここでは一つの割り切りとして、いっぺん環境に出て、人がそれに接した場合の影響という形でとらえようという整理なのですけれども。

【山野井委員】多分、LMOですから、これは実際にやるときに、一般的なモニタリングの問題になったときに、やはり人の問題が出てくると思うのですよね。そのときにここにある生物の多様性に関係したものを、というような言葉が一体何を意味するのかと。ダイレクトなのかインダイレクトなのかということを含めて、そういうことが問題になる可能性はあるなという気がするものですから。

【事務局】そうですね。そういった意味ではむしろこのパラグラフ(13)の生物の多様性に関係したものという表現には、どれが入ってどれが入らないのかわからなくなってしまう。そちらの表現を修正するべき、修正した方が統一性はとれるかもしれないという。

【山野井委員】あいまいなんですね。

【岩槻委員長】このことについて、ほかの委員の方、どなたかご意見ございますか。

【大塚委員】今のお話だと、今の生物の多様性に関係したものというところだと、環境を経由したものというふうに変えても構わないということなのでしょうか。そういうご趣旨ですか。

【事務局】その方が文意ははっきりするだろうなと思います。

【岩槻委員長】山野井委員はそういうことでよろしいですか。

【山野井委員】そうですね。つまり解釈が分かれると困るので。私が読んでみたときに、ちょっとこれ、最後ぎりぎりの話になったときに、かなりややこしい話になるという気がしたものですから。

【小林自然環境局長】要するに、直接口に入れて影響するとかということなど、何が対象外だと考えるのかをもうちょっとはっきり言っておけばよいのでは。

【岩槻委員長】加藤委員が何か手を挙げていらっしゃったけれども。それに関連して。

【加藤委員】私もその環境経由ということでよろしいと思うので、それを「生物多様性に関係した」という言葉をどうしても入れなければいけないということでなければ、素直に言わんとしていることを言ってしまったらいいのではないかなと思うのですけれども。

【山野井委員】もう一点よろしいですか。パラグラフ(105)ですか、これは環境放出利用を行おうとする者が、産業利用としての輸入国になっていますよね。つまり、輸出国とか輸入国とか書いていないのですが、もし、試験研究を含めて言いますと、試験研究は輸出国の方になるんですよね。つまり、例えば研究はある国でやって、生産は他の国に適しているというようなケースって、あり得るでしょう。そうすると、その「環境放出利用を行おうとする者が」という意味は、実際にその国の土地を使って生産をされるというのであればこれは輸入国ですけれども、つまり拒否権を持っている方ですよね、入れるか入れないかと。だけど、それがどういう性質を持っているかという試験研究というか、もう少し前の段階まで含めてこれを言うのであれば、これは必ずしも輸入国とイコールではないというふうにもとれるわけですよね。研究開発した輸出国の可能性もありますよね。
変な話ですが、例えばある先進国で研究をやって、これをつくるのはここが一番いいといって別の国に持っていくというときに、ここには輸出国、輸入国と書いていないのですけれども、これは両方を含めていることですか。
つまり私の質問は、試験研究と実際の生産との区別に関しては、これは普通は生産の方を指していると思いますけれども、しかし試験研究をやればそんなことをやらなくてもいいのかと言えばそういうわけではないですよね。実際に例えば開放系でしたら圃場試験をやりますよね。

【事務局】ここのパラグラフ(103)からの環境放出利用のところは、とりあえず、ここでは輸出入の話は直接的にはしていないところでして、当然その産業利用も試験研究の場合でも環境放出をする場合は、環境放出利用を行おうとする者が影響の評価をして確認をとるということが必要になってきますと。例えばそれは日本で試験研究としてやろうと、そのやろうとしている人はアメリカの企業であるかもしれませんけれども、そうであれば日本国内で試験研究をしようとすれば、当然その日本国としての影響評価の確認というのはされなければいけないということなので、確かにそこに輸出入の手続は絡んでくると思いますけれども、ここではそのときの輸出入の手続をどうしようということではなくて、環境放出利用をする前に確実に生物多様性の影響の評価をしてくださいということを述べているという整理です。

【山野井委員】ここというのは、実際、産業的なレベルのことを考えて言っていると、そう考えてよろしいわけですね。

【事務局】いや、両方です。

【山野井委員】両方。試験研究も入っているのですか。わかりました。

【岩槻委員長】よろしいでしょうか。それでは、ほかにご意見ございますでしょうか。

【鷲谷委員】訂正も大体いいのではないかと思っているので、とてもマイナーなことを言ってしまうのですけれども、11ページの一番上、パラグラフでいうと(74)の中に入っているのでしょうか。10ページから11ページにかけてなんですけれども、その「微生物に関する知見の集積につとめつつ」という言葉が入りましたが、微生物に関する知見というと余りに広過ぎるような気がするので、限定があった方がいいのではないかと思うのですが、この[1]が微生物相への影響というタイトルになっていますので、微生物相や恐らくフロラだけではリスク評価はできないと思うので、「微生物相や微生物群集とその動態に関する知見」というぐらいに限定をする必要があるのではないでしょうか。

【岩槻委員長】それは、その前に「微生物には同定されていないものが数多く存在することから」というのを受けてということですか、そこまで限定するというのは。

【鷲谷委員】「微生物に関する知見」と言ったら何でも微生物に関する知見になってしまうので、リスク評価に必要な知見の蓄積が必要ですよね。ですから、その内容を限定する必要があるのではないかということです。微生物を利用するための研究はたくさんあって、知見も蓄積していると思いますので、そういうものをさらに蓄積するということではなくて、ここでのリスク評価に寄与するためには微生物相に対する知見であるとか、微生物群集とその動態に関する知見とか、そういうものが今欠けているので、そのことを一言二言、限定しておいた方がいいのではないかという意見です。

【岩槻委員長】パラグラフ(84)がそういうことを議論しているところであるということから、事務局の方はそれでよろしいでしょうか。

【事務局】この部分は鷲谷委員のご意見をいただいて直したところです。今のご意見をいただいて、「ただし」の中の文章に「知見の集積につとめつつ」というものを突っ込んでしまったのでちょっと整理が悪かったかと思うのですけれども、ただし書きとしては、では、「ただし、微生物には同定されていないものが数多く存在することから、当面は機能がよく知られている微生物への影響を中心に判定すべき」というもとの文章は生かして、「なお」として今鷲谷委員がおっしゃった「微生物相や微生物群集とその動態に関する知見の集積に努める必要がある」ということを加えておくということでよろしいでしょうか。

【岩槻委員長】その方がわかりやすいような気がしますね。では、この線でお願いします。そのほかいかがでしょうか。山野井委員、どうぞ。

【山野井委員】あと二つぐらい……。全体的によくできておりますのでよろしいのですが、ちょっとあいまいな点があるものですから。
一つは、パラグラフ(83)「遺伝子改変生物と交雑し得る近縁の野生生物の種・亜種が存在し、」と書いてございますが、一番近いのは、例えば遺伝子組換えのコーンを栽培したときに、その近くに遺伝子組換えをしていないコーンを栽培していた。そうすると、これは野生というよりは栽培種だと思うのですよね。この交雑の方がはるかに可能性が高いわけですね。そうすると、野生だけ区別しますと非常に難しいので、そこはどう考えるかというのが1点です。実際に最もそれが起こりやすいと思うのですよ。
それからもう一点は、パラグラフ(112)です。「モニタリングにより予測できなかった影響が出現した場合」ということなのですが、特にその場合に当該生物の特性に関する新たな知見ということが、もしそれが環境上に大きな影響を与えたという場合に、これは見逃していたという責任問題なのか、あるいは開発時点、あるいは栽培時点においてそのときの最新の科学的な知識をもっても予測し得なかった問題であって、やむなしの問題であるというふうに考えるのかという問題です。つまりもし責任があるとしたらどこにそれがあるのかという問題です。こういうことがもし起こるかもしれませんけれども、その場合のことです。
最後に、それに関連してやめなさいと、これは中止ですといったときに、もとに戻すという責任はあるのかどうか。やめれば自然に戻ることをもって期待しているというのが前提条件ならばそれで結構なのですけれども、相当時間がかかるかもしれませんね。そういうことなのでしょうか。もとへ戻すことに対しては何も手を打つ必要はないので、ただ黙っていればもとに戻るであろうということに国際的にはなっているのかどうかという。以上です。私の質問でございます。

【事務局】1点目ですけれども、新しいパラグラフ(83)の近縁の野生生物、これはここで言っているのはあくまでも野生のものだというふうに限定して考えています。隣に栽培している栽培品種との交雑というのは、ここでは考えていないという整理です。そこは図1のフローの中では恐らく産業への影響というところでカバーされる話だと思います。栽培品種間の交雑ということに関しては。ここのパラグラフ(83)で触れているのは、あくまでも野生生物、近縁の野生種をターゲットにしているということです。
それから、新たな知見が得られたときにそれが見逃されていたのかどうかということですけれども、恐らく実際に評価するときに当然利用しようとする人が最初の情報は出すわけですけれども、それが情報として最も正確なのかどうかということも含めて専門的知見からチェックをしてもらうということになると思いますので、その段階で知られている知見が別にあるのであれば、その専門的な知見を得る場で出してもらうべき話だと思いますので、そこはひとえに申請者が悪いという話ではないだろうと思います。

【山野井委員】それはさっき、もしそういうことがあったとしても、だれが考えてもそれは予測できなかったというのはしようがないわけですよ。もし予測できるとしたらどの段階であればやむを得ないのか。でも、そういうのは起こしたわけですから、何らかのその後の対応をするときに一つの例としてきちっとしておく必要があるような気がするものですから。

【岩槻委員長】関連して、いかがですか。どうぞ、大塚委員。

【大塚委員】これはちょっと法律の問題になって、今からこんなことを言い出すのは結構大変なのですが、一応申し上げておきます。山野井委員のご指摘は本当に重要なご指摘だと思います。これは当時予測していなかった問題だけれども、その人が起こしてしまった責任ということになりますが、法的には無過失責任の話になるのです。これまた、原状回復ができなったときにどうするかという話、あるいは原状回復をどういうふうにやるかという非常に大きな問題と関係してきますが、無過失責任で民事の損害賠償という話もあり得るわけで、ドイツなんかはそういう制度をつくっていると思うので、そういう制度は多分将来的には考えることがあるんだと思うのですが、今回はそういうことまで対象に議論されていたのかどうかよくわからないのですけれども。というのは、結局モニタリングをどういうやり方でするかということも関係してくるのですけれども、例えば予防を基本とした考え方でやった場合に、どうしても何か起こってしまったら、ではどうするんだ、原状回復なんかできないよというときが実際出てきます。その場合は無過失賠償責任みたいな話があり得るわけですよね。ただ、今回はそこまでは余り対象にしていなかったと思いますけれども、そういうことをやっている国もありますので。加藤委員とか、ご存じだと思います。以上です。

【岩槻委員長】そのほかのご意見はいかがでしょうか。何か、別件で。どうぞ。

【加藤委員】よろしいですか。二つあるのですけれども、一つは図3なのですが、モニタリングの後、危惧される影響が確認された場合、緊急時対応をし、というところで「再評価必要か?」となっているのですが、これはモニタリングで危惧される影響が確認されるのでなくて、その一つ手前の箱、図1、図2のフローでいいますと、もう一つ手前の箱のところに出ているようなことが確認されたときに、既に考えられているということが実際ではないのかなと思いまして。ですから、この箱の中に危惧される影響が確認された場合と書くのがよろしいのかどうか。
それから、ではそれが、危惧される影響が確認された場合には緊急時対応になるというのはわかるのですけれども、その手前の箱のところがわかったときには、緊急時対応ではなくてもう一度再評価になるかもしれないので、このモニタリングの後の箱の整理をもう少し考える必要があるのではないかという気がしたのですけれど、いかがでしょうか。

【岩槻委員長】その影響が確認された場合という、影響があるかもしれないと思われた場合ということですか。

【事務局】「つながる現象」でしょうか。

【小林自然環境局長】「可能性が高まった」とか「可能性がある」とか、そういう……。

【岩槻委員長】だから、確認されたというのは何かもう決定的にそうなってしまったという印象を与えるということなのですよね。だから、確認されたというよりも認識されたとか……。

【山野井委員】「可能性が予見された」。

【岩槻委員長】「認められた」だけでも大分違いますね、ニュアンスは。

【事務局】ニュアンスとしては、危惧される影響につながる現象が確認された場合とかというような感じですよね。ここのところで整理ができるかどうか。

【岩槻委員長】起こってしまってからという、確かにおっしゃるとおり、そういうことですよね。だから、ちょっとここの表現を改めていただくということ。2点とおっしゃいましたけれども、もう一点は。

【加藤委員】もう一点は図4のフローなんですけれども、前回の議論で申請書の受理の後の箱のところで、市民のところに情報を公開して意見聴取というので、意見聴取の矢印が新しく加わっています。
それであと、もう一つ、新たな知見が得られた場合という下のところの箱があるのですけれども、ここのところで専門家とのやりとりだけの矢印になっているのですけれども、ここの部分についても市民に対して情報を伝えるとか、あるいは市民からの意見を聞くとか、何かここのところにも市民とのかかわりのプロセスが必要なのではないかなと。少なくも、情報の公開ぐらいは必要なのではないかなというのが一つです。

【岩槻委員長】事務局の方から。

【事務局】新たな知見の中身が何なのかということによって、すべからくそれを情報公開するというのがよいのかどうか、そこがちょっと判断のつきかねるところです。
ただ、新たな知見が得られて、例えば専門家の意見を聴取して、申請者に利用の変更等の指示を、何らかのまた新しい決定を行うというフローになっておりますので、その何らかの変更の指示を行うといった中身について何の情報も出さなくてよいのかというと、ここは確かに矢印が欠落しているのではないかなという気はしています。その前の段階で新たな知見というのが何なのかが余りはっきりしないところで、その情報を、どんな形で公開するのかというのは、ちょっとやり方が、イメージがつきにくいので、とりあえず新たな知見によって新しい前の決定を何らかの形で変更するといったようなことが起これば、そこについての決定内容というのは公表しますという矢印をつけ加えるということでどうでしょうか。

【岩槻委員長】何か今の、その上の点線もそうなんですけれども、完全に意見を聴取するとか、完全に意見を公開する、そのための完全な方策ということが考えられるので線が入りにくくなっているみたいなんですけれども、そこら辺の表現が難しいところなんですよね。隠すという意味で点線が出ていないわけではないのですけれども、もし非常に小さいことまで全部何らかの筋に乗せた公開の仕方をしないといけないということになると、それも大変は大変なんですよね。だから、ここら辺はどういうふうに表現したらいいかということかと思うのですけれど。岩熊委員、どうぞ。

【岩熊委員】今のに関連するのですけれども、図4で市民からの請求があればどの段階でも公表できると、こういうような申請があるとか、一番上は。こういうような申請が今受理されている段階だとか今検討されている段階だとか、最後の方では何らかの知見が今得られているのでもう一度検討しているとか、そういうような請求があればそれに応じていつでも情報提供できるというスタンスはあるということでよろしいですね。
ですから、書き方は、やはり矢印の入れ方は市民からの意見をもっと幅の広い矢印にするのかとか、そういうような形にしていただけるとわかりやすいかなと思います。

【岩槻委員長】大塚委員。

【大塚委員】ここの情報公開は、開示請求があったときに初めてするのではなくて、こちらから公表するわけですよね。ちょっとそこは確認しておきたいと思うのですけれども、今うなずいてらっしゃるのでそういうことだと思います。開示請求の話だと情報公開法みたいな話になってしまうので、市民から開示請求がないと何もしないということになりますので、そうではなくて、公表するというご趣旨かと思いますが。
新たな知見が得られた場合の先ほどの加藤委員のご議論ですが、これはだから、結局新たな知見がどれほど重要かによって変わってくるというのが先ほどの事務局のご意見かとは思うのですが、情報の公表ぐらいはしてもいいのではないかと私は思ってはいるのですけれども、それは新たな知見が重要かどうかによって変えるということもあってもいいかもしれませんけれども、どうでもいいようなことだと新たな知見とわざわざ言うのかどうかもよくわかりませんが、その辺のすみ分けというか、区分けみたいなことが、もしお考えがあれば、私としては大変ありがたいと思いますけれど。

【岩槻委員長】これも決して基本的には公開しないという意味で線が出ていないのではないと思うのですけれども、テクニカルな問題でだと思いますので、そこは何かそのことがわかるような表現ができると一番いいのですけれども。
何か具体的ないい提案がありましたら、どういう表現がいいかという、特に図表になってしまいますと、線が入ってしまうと完全にそれで逆に義務づけられてしまうことにもなりますので。

【小林自然環境局長】まず、何かこんな知見があるんだけれども、委員たちどうですかと聞いても、いや、大したことないよというそういう情報しか得られなかった場合は何も決定しないのだろうから、何か影響があって申請者に利用変更等を指示という前に、何か決定機関みたいなものがあるのではないか。

【大塚委員】ちょっといいですか。上の方の専門家による委員会等への意見の聴取のところで情報公開するように見えるのですけれども、ここは本当にそうなのかどうか、よくわかりませんが。それと同じようなことを下でもしていただければいいのではないかなとは思いますが。

【事務局】上との並びだと専門家による委員会等への意見の聴取ということをするときには、並行して情報も公開し、専門家以外の方で専門的知見を有している方の意見もお聞きしましょうという態度をするべきだということであれば、同じセットで矢印を下にもつけるべきということになりますね。

【岩槻委員長】先ほど事務局が言われたような場合ですと、だから専門家による委員会に送付したけれども、そこでわざわざ取り上げることがないというものは公表しなくてもいいけれど、下のように意見の聴取をやるということになれば上と同じように公表するという、そういう矢印の書き方だったらいいのかもしれませんね。

【事務局】ボックスの申請書受理と右の矢印の関係は、余り厳密な関係ではなくて、意見を聴取するときに情報公開をするという意味を特にこれは持っていません。同じタイミングでやりますということを意味しているだけなので、言葉と矢印は特に関係はないというつもりなのです。

【大塚委員】何のために情報公開をするかということが提供側の問題になっているのですけれども、市民に情報公開すること自体にある程度の価値があると思うのですけれども、もう一つ重要な価値というのは、専門家による委員会というのはどうしても、官庁と何らかの関係がある委員の方がなられることが基本的には考えられるので、在野の科学者の人に意見を聞くという意味が本当はあるわけですよね。一般の市民ではなくて自然科学者の方でこれに関心を持っておられる方の意見が出てくるという可能性をそれなりに評価するということが多分あるんだと思うのですけれども、そういうふうに考えればやはり専門家による委員会に意見を聴取するときに、同時に市民に情報公表をしてほかの人の意見も聞くということはそれなりの意味を持ってくるんだろうと思うのですけれども、私はそういうふうに受け取ったのですが、もしそういうふうに考えるのであれば下の方でも同じことをされるのは、一つの方法ではないかというふうに思いますけれども。

【事務局】意見を聞く趣旨は、今、大塚委員がおっしゃったとおりだと思います。矢印とボックスの関係というのは余り厳密に考えていなくて、委員会等への送付と同じようなタイミングで公開できるものについては情報公開をすると。余り矢印の上下関係は、時間の経過とともにこれが起こるというイメージで書いてはいないので、固まりとしてとらえていただければと。
ただ、意見を聞く趣旨は、メンバーになっていない専門家というのは在野におられるだろうからその方々の意見を聞くべきということで意見をお聞きすると。そこの趣旨は大塚委員がおっしゃったとおりだというふうに理解しております。

【岩槻委員長】どうぞ、市田委員。

【市田委員】そうしますと、もう一度確認したいのですけれども、この情報公開と意見というのは、ここのブロックということでなくて、全体に関して情報公開はするし、そしてその意見を聞く機会もあるんだと理解してよろしいということですか。

【事務局】申請書受理というところのステージでという、申請書受理から申請者への回答の前まで、このブロックでという。全体ではないです。

【市田委員】そうすると、新たな知見が得られた場合は、なぜそんなに秘密にしておかなければいけないのですか。

【事務局】ですので、委員会等への送付をして意見を聴取するのであれば、同じような形で矢印を下の新たな知見が得られた場合のボックスにも追加をしましょうということでいかがでしょうかと。

【山野井委員】委員会は公開にすべき。

【事務局】まだそこまでは……。

【岩槻委員長】公開である方が望ましいですよね。科学的なことを議論するわけですから、特に秘密にしないといけないということは多分ないのではないかと。しかし、どんなことが起こるかまだわかりませんけれども。

【山野井委員】万一のことが、いろいろあると思うんですけれどもね。

【事務局】まだ具体的にその手順、タイミングとか、方法まで細かくは詰めていません。例えば公開に関して一番こちらが気にしているのは、例えば企業の秘密情報というものとのバランスをどういうふうにとっていくかというようなこともありますので、一概に今の段階で公開ということは決められないだろうと。もう少し具体的に検討していきたいと思っています。

【岩槻委員長】しかし、ここの委員会全体の今までのあり方が、やはり情報はできるだけ公開すべきであるという言い方なので、だからテクニカルにそれができない場合はそれはやむを得ないのでしょうけれども、基本的にはそういうことだということだったら、ここのところも公開の形にしておいて、将来、今おっしゃったような、例えば企業秘密にかかわることだとかで公開できない部分は、これはやむを得ないことがまた将来起こるかもしれませんけれども、それはそのときに修正するということで、ここでは基本的には公開であるという表現の仕方をしていただくというのがやはりいいと思いますね。
それでは、そういうことでここはまとめさせていただきたいと思います。

【事務局】その申請書受理の下にぶら下がっているボックスと同じ中身と矢印を新たな知見が得られた場合の右側のぶら下がりのところに置くと、こういうふうにしたいと思います。

【岩槻委員長】そのほか何か。

【岩熊委員】公開の方法なんですけれども、公開の方法は基本的には積極的に情報を流す、それから記者レクもやるとか、どういう形がこの場合の公開に当たるのか。それとも、公に人を、希望者があれば募って意見を聴取する形なのか。その辺がよく見えてこないのですけれども。単にホームページに載せる程度とかということなのか、新聞等を通じて流すか。

【事務局】よろしいでしょうか。先ほどちょっと申し上げましたとおり、まだ全体どういう制度にするかということもこれからでありまして、できるだけ公開性を保つようにとは思っておりますが、具体的にどうやるのかについては、もう少し全体の仕組みを考える中で詰めていきたいと、そういうふうにさせていただきたいと思います。

【小林自然環境局長】今の段階では、この小委員会では14ページのパラグラフ(110)の公開のところですね、そういう措置をご提言いただくということでご了解いただけないかということでしょう。

【岩槻委員長】今、岩熊委員がおっしゃったような、それが具体的にどうあるかということを配慮されたために、最初から100%公開という形になっていないというのは、そういうことでひっかかっているだけで、テクニカルに何があり得るかということがわかっていないということだけだと思うのですけれども。だから基本的な考え方としては公開であって、テクニカルには最終的にはまだこれから先に詰めるという、そういうご了解をこの委員会としては持っていただくというのがいいのではないかと思いますけれども。ほか、どうぞ。

【市田委員】全体的というか、一つ質問したいのですけれども、先ほど山野井委員もおっしゃっていたことに関係するのですけれども、この報告書というか方向性というのは、影響の予防について考えているということですので、影響が出てしまったものについてそれをどうするかということは含まないということなのですか。つまり影響が出たら使うのをやめるのはもちろんいいのですけれども、だけど、そこに影響は残っているわけですね。その影響がどんなものかわからないのに議論をしているからなおさらわからないのですけれども、もしその影響がすごく大きかったような場合にどうするのかなと。やはりその辺の問題の検討がこの次のステップとして要るのではないかという気が私はするのですけれども、そこら辺はちゃんと、どこかに含まれているのですか。

【事務局】影響が起こったらどうなるのかということのご質問なんだと思いますけれども、基本的にはどんな影響が出るか、なかなか予測しがたい部分もあるので、予防的にやりましょうというのがこの仕組みの根底になっていると思いますので、とりわけ影響が出て緊急時に何かしなければいけないということが起こり得るのだったら何ができるかということは申請者に書いていただいて、それをやっていただくということは一つあり得ると思いますけれども。それ以上、その段階で全く予期していなかったようなことが起こり得るのかどうかということですよね。
影響が起こりそうだということが最初からわかっているのであれば、そこは予防的に最初の評価の段階でどうするのかという考えを決定のときに反映されるのでしょうし、現に今何が起こるかわからないという議論をし始めると、ではそれに対して何をここで書くべきかという話になってきますので、そこはかなり難しいのではないかなという気はしておりますが。
とりあえず、今、申請の段階でこんな措置を講ずればとりあえず出したものが回収できるとか、ある程度措置が考えられるものについては、一応こんな措置を講じる可能性がありますということで申請者に出していただいて、実際に何か起こったときにはそこまではやっていただくと。それ以上のことが起こった場合には、そこはもう申請者の責任ではないだろうということなので、そこはそういった影響が起こるにもかかわらず、起こることが予見されていたにもかかわらず許可してしまった行政が悪いのかもしれないし、そのときにどうするのかというのは起こった事象に応じて考えることしかないんだと思いますけれども。

【岩槻委員長】先ほど大塚委員がおっしゃった無過失責任を問うかどうかという問題にもかかわってくるかと思うのですけれども。

【大塚委員】今、そこまで事務局はおっしゃらない方がいいのではないかと私は思いますが。経済産業省から既に出ている中間報告でも、「必要に応じた措置命令権限を規定し、」というふうに、事業者に対して措置命令をかけると言っておられますので、ただこの措置命令がどこまでのことを含むかということがまさに問題ですけれども、今、市田委員がおっしゃった、利用をやめるのは当然だというところまでのことを言っているのか、あるいは原状回復のことまで含めて言っているのかということが問題で、例えば別に廃棄物の不法投棄の場合の原状回復を措置命令で行うことがありますので、広く理解をすれば原状回復も入っているんだろうと思うのですけれども、経済産業省のペーパーでもそういうのが出ていますので、環境省の方でもそれを扱われることは本当は差し支えないというふうに私は思いますが。
それから、今、事務局がおっしゃったような、行政が許可をしたからそれで行政だけの責任でという話は、必ずしもそういうことにはならないかもしれませんので、今はそこまでは立ち入らない方がいいのではないかと私は思いますけれども。

【岩槻委員長】ということでよろしいですか。
そのほか、特にございませんでしょうか。前回までにも随分いろいろな角度からの議論をいただいていて、きょうも大分小さい問題ということまでおっしゃって発言していただいたわけですが。中間案の取りまとめとしては大体これまでにいただいたご意見で、今のこの案を基本として多少文言の修正をするということでよろしいでしょうか。
その場合、最終的な文言の修正は事務局の方にお願いしますけれども、座長にお任せいただくということできょうのところはよろしいですか。
今日欠席の委員の方にも一応この情報は流してということになると思いますので、そういう取り扱いにさせていただきたいと思いますが、よろしくお願いします。
(了承)

【岩槻委員長】そうしますと、その中間案をまとめてほかの三つの省の審議会とあわせてパブリックコメントをいただいて、今日がおしまいではなくて、その上でまたもう一回お集まりいただいて最終的に報告書をつくっていただくということになると思いますけれども、そういうことで一応中間案は今の段階でまとめさせていただくということでご了解いただいたということで、まとめさせていただきたいと思います。
それでは、一応これで中間案のまとめの段階まで来ましたので、局長から何か最後に。

【小林自然環境局長】今年の1月から合計6回にわたりましてご審議いただきまして、本当にありがとうございました。遺伝子改変生物が生物多様性に及ぼす影響の防止のための措置についてというテーマでご検討いただきました。関係省庁でも同様な審議会なり検討会などを行っておりまして、その辺と平仄をあわせまして時期をそろえて7月ごろを目途にと思っておりますけれども、パブリックコメントによりまして国民のご意見も伺った上で最終報告をまとめていただきたいと思っております。
先般、関係省庁の局長の会議があって、この問題、国内制度をどういうふうにするかと、どうしても新しい法制度が不可欠であろうということでございますので、来年の通常国会を目指しまして国内措置をつくる、制度をつくるための法案を提出したいと、こんなような意気込みで早速作業に入りたいと、こういうふうに思っているところでございます。
この国内措置につきましては、あくまでもきっかけとしてカルタヘナ議定書にどうやって国内的な担保をとるかというところがきっかけで、合意ができているのはそういうところで、そういう意味で国内制度をどういう仕組みにするかという点で、まだまだ関係省庁でも議論があります。
今日も一番最後のご議論の中で、出てしまって影響があるという場合はどうするかということもあるのですが、どこまで今回の法律の制度でやっていくか。法律的に対応する部分と行政的に対応する部分は、もちろんあると思います。これはこれからの関係省庁との話し合いの中でどういう制度をつくるかということと大きなかかわりがあると思いますので、その辺はまた最終報告あたりまでには関係省庁との話し合いの結果をまた踏まえ、パブリックコメントでの国民の皆さん方のご意見を踏まえて取りまとめをしたい。
とりあえず、中間報告はきょうの段階でこういうことで取りまとめていただくということで、本当にありがとうございました。また、次回に結果報告を申し上げたいと思います。
本当にありがとうございました。

【岩槻委員長】どうもありがとうございました。
それでは、これで本日の審議を終わりにさせていただきます。どうもありがとうございました。