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議事録一覧

中央環境審議会野生生物部会
第2回遺伝子組換え生物小委員会 議事概要


1.日時

平成14年2月15日(金)10時〜12時

2.場所

環境省第3会議室

3.出席者

(小委員長) 岩槻 邦男
(委員) 磯部 力 市田 則孝 岩熊 敏夫
大塚 直 鷲谷 いづみ 大井 玄
加藤 順子 鎌田 博 矢木 修身
山野井 昭雄
(環境省) 小林自然環境局長
松原審議官
塩田総務課長
黒田野生生物課長
水谷野生生物課補佐

4.議事概要

【説 明】
●事務局より、前回委員会での課題になっていた、[1]遺伝子改変生物のリスクの検討に人の健康へのリスクの考慮が入った経過、[2]海外での遺伝子改変生物の規制に関する制度、について資料により説明。
● 鎌田委員より、遺伝子組換え技術についてと、遺伝子組換え生物の環境への影響についての考え方について説明。
・ 遺伝子の構造と生物内での働き方、自然界での遺伝子組換えの事例とその応用
・ 遺伝子組換え技術の利用のタイプ(ゲノムDNAへの組み込みか否か)
・ 現在の実験、実用化までの規制の仕組み(植物の場合)
・ 現在の規制対象(セルフクローニングとナチュラルオカレンスを除外)
・ 安全性評価の方法(ファミリアリティと実質的同等性)
・ 組換え体による影響(遺伝子拡散、侵入、有害物質産生等)

【議 論】
● 組換えというプロセスは自然界でも生じることだが、大量に使用される、自然に存在するものと別の環境で使用されることにより問題が生じる。水平伝達については、予測の不確実性が高いことも問題。
● 植物から微生物に水平伝達することがあるかについては、組換え食品から腸内微生物への水平伝達の可能性は無視できるとされている。
● ナチュラルオカレンスをリスク評価の範疇外とするのは疑問。アルビノ個体は自然にもまれに生じるが、組換えでアルビノ個体を大量に増殖して環境中に出すことが評価されない。
● 組換えによって生じるリスクと組換え体の利用方法によるリスクは分けて考えるべき。
● 外来種による影響をどう管理するのかという問題と一緒に考えないと、現実の運用では困るのではないか。

【説 明】
● 事務局より「遺伝子組換え生物による生物多様性への影響について」(資料3)により、生物多様性への影響が生じるプロセス等について説明。

【議 論】
● 微生物による環境影響の中で、新規物質の生産による影響が指摘されているが、実際に検討するのは複雑で、困難。また、微生物が環境中に放出される場合の評価は決定的に難しい。
● 影響が生じる過程を示すフローの概念的な整理は必要。
● 生物多様性条約では人と自然との関係が着目されている。生物多様性へのリスク評価には、例えば地域の生物多様性を形成してきた農の営みのあり方の変化といった多様な視点を含める必要がある。
● 遺伝子改変生物は、それを使う技術体系と一体として評価されるべき。
● リスクの評価が技術的に困難な場合、具体的な事例に照らして、リスクが起こりそうかどうか判断することが重要になる。事例を示すことが説得力がある。

【説 明】
● 事務局より、リスク評価のフロー、評価に関する行政、専門家、市民の関わり等について資料3、資料1により説明。

【議 論】
● リスク評価はサイエンスであるべきで、国際的に共通の項目で実施すべき。
● リスクと便益は相対論では整理できない。リスクの部分には絶対的な基準があるべき。
● リスクのありそうなものの評価については、判断の合理性、公正性、透明性の確保が必要。考慮すべきこととそうでないことの整理、リスク評価が困難な際に取るべき手法の整理が必要。
● 同じ目標を達するための代替手段がないのか、緊急の公益侵害への対応といった観点もリスク便益評価には必要。
● 簡単に原状回復ができそうにないものに対してはシビアに対応すべき。
● リスク評価に際しての専門家の委員会は、行政のリソースが足りない現状では不可欠。委員会の中立性は重要。
● 利用後の原状回復が困難なことから、利用する場合には隔離して利用する段階から徐々にモニタリングをしながら利用を進めていくべき。
● リスクと便益はタイムスケールが違うので同列には比較できないが、リスクがよくわからない場面が多くでてくるであろうから、市民も含めたコンセンサス会議等を活用して判断することが必要。