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中央環境審議会野生生物部会
会議録


1.日時

平成24年12月13日(木)10:00〜12:07

2.場所

中央合同庁舎第5号館22階 環境省第1会議室

3.出席者

(部会長) 山岸 哲
(委員) 加藤 順子鷲谷いづみ
(臨時委員) 石井 信夫石井  実磯崎 博司
磯部  力神部としえ小長谷有紀
桜井 泰憲佐々木洋平土屋  誠
三浦 慎吾山極 壽一
(環境省) 伊藤自然環境局長
星野大臣官房審議官
中島野生生物課長
関根外来生物対策室長
堀内鳥獣保護管理企画官
上河原総務課長
亀澤自然環境計画課長
奥田生物多様性地球戦略企画室長
牛場生物多様性施策推進室長
大友農林水産省地球環境対策室長

4.議事

【事務局】 おはようございます。予定の時刻になりましたので、中央環境審議会野生生物部会を開催させていただきます。
本日の出席者数でございますが、数名の委員の方、少し遅れておりますが、21名中11名のご出席をしていただきましたので、中央環境審議会令第7条による定足数を満たしておりますので、本日の部会は成立をしております。
続きまして、お手元にお配りいたしました資料のご確認をさせていただきます。
一番上が式次第、続きまして、野生生物部会の委員名簿、その裏に本日の座席表をお配りさせていただいております。
次に、配付資料でございますが、上から資料1−1、「特定外来生物による生態系等に係る被害の防止に関する法律」の施行状況の検討について。資料1−2、外来生物法の施行状況等の検討を踏まえた今後講ずべき必要な措置について(外来生物対策小委員会報告)。資料1−3、外来生物法の施行状況等を検討を踏まえた今後講ずべき必要な措置について(案)。続きまして、資料2−1、絶滅のおそれのある野生生物の保全につき今後講ずべき必要な措置について(諮問)。資料2−2、絶滅のおそれのある野生生物の保全につき今後講ずべき必要な措置について(答申パブコメ案)。それから、資料3−1、絶滅のおそれのある野生生物種の保全戦略 構成案。資料3−2、絶滅のおそれのある野生生物種の保全戦略 骨子案。続きまして、資料4、鳥獣の保護及び狩猟の適正化につき講ずべき措置について(諮問)。資料5、小委員会の廃止について(案)。
続きまして、参考資料1−1、外来生物法の施行状況の検討に関するパブリックコメント実施結果について。それから、参考資料1−2、外来生物法の施行状況の検討に関するパブリックコメント意見・対応一覧。参考資料2−1、点検結果を踏まえた今後の希少野生生物の国内流通管理について。参考資料2−2、点検結果を踏まえた今後の絶滅のおそれのある野生生物の保全について。参考資料3、鳥獣保護法に基づく希少鳥獣の見直しについて。参考資料4、「猛禽類保護の進め方」(改訂版)の公表について。参考資料5、アホウドリ新繁殖地形成事業による聟島での人工飼育個体の産卵について。
資料は以上になります。もし資料に不備がございましたら、事務局に申し入れください。
それでは、議事の進行を山岸部会長にお願い申し上げます。

【山岸部会長】 それでは、ただいまから平成24年度の第3回野生生物部会を開催いたします。
本日の審議に先立ち、伊藤自然環境局長よりご挨拶をお願いいたします。

【伊藤自然環境局長】 おはようございます。自然環境局長の伊藤でございます。
本日は、皆様方にはご多用中のところ、本野生生物部会にご出席賜りまして、誠にありがとうございます。また、日ごろから野生生物の保護を始め、自然環境保全の観点につきまして、さまざまなご協力、ご理解をいただいておりますことを改めてお礼申し上げます。
本日の部会では、主要3点について、ご議論いただきたいというふうに考えております。1点目は、外来生物法の施行状況等を踏まえた今後講ずべき必要な措置についてでございます。平成17年に施行されました外来生物法の施行状況につきましては、外来生物対策小委員会をこの部会のもとにおいて検討することを、今年の5月のこの部会でご了解いただきました。
小委員会では、4回の会合を開催し、ご審議をいただき、検討結果を取りまとめていただいたところでございますが、本日、この検討結果をもとに、野生生物部会としてのご審議をいただきまして、できますれば、外来生物法を所管する環境大臣及び農林水産大臣に対して、意見具申をいただければというふうに考えております。
と申しますのは、いろいろご議論賜った過程で、やはり早急に法改正も含めて検討すべきではないかと、こういったことも中には含まれております。この野生生物部会、そして、中央環境審議会として、ご意見をまとめていただければ、これを十分踏まえて、私どもとして、今後の政策に生かしていきたいと、こういうふうに考えている次第でございます。
二つ目は、絶滅のおそれのある野生生物の保全につき今後講ずべき措置について、諮問をいたしたいと、それに関するご議論をいただきたいというふうに考えております。昨年度、絶滅のおそれのある野生生物の保全に関する点検作業につきまして、部会長を務めていただいております山岸先生、それから、石井先生を中心に、点検会議を設けていただきまして、今年の3月にその結果を取りまとめていただきました。
この結果を踏まえて、今後、早急に講ずべき措置などについて、ご議論賜りたいというふうに考えております。その中でも、私ども、特に罰則の強化を初め、早急に取り組まなければならない課題があるのではないだろうかというふうに、この点検結果も踏まえて、考えておりますし、また、きちっとした保全戦略というものも構築していく必要があるのではないだろうかと、こういうふうに考えております。そういった点についても、ご議論賜ればというふうに考えております。
それから、3点目は、鳥獣の保護及び狩猟の適正化につき講ずべき措置について諮問いたしたいと、こういうふうに考えております。ご承知のとおり、シカ、イノシシなどの野生鳥獣による自然生態系への影響や農林水産業への被害が深刻化する中、狩猟者の減少、高齢化等による鳥獣保護の担い手不足が大きな課題となっています。
こういった状況を踏まえまして、今後の適切な鳥獣保護管理の推進に向けて、審議会としてご議論いただきたいと、こういうふうに考えている次第でございます。
本年は新しい生物多様性保全の国家戦略も、先生方のご努力により、策定いただきました。その中でも、野生生物の保護というのは非常に極めて、今後、ますますその重要性が高まるというふうに考えております。この野生生物部会でのご議論を十分に我々としても踏まえて、しっかりとした野生生物の保護の施策を推進していきたいと、こういうふうに考えておりますので、ぜひよろしくお願いいたします。

【山岸部会長】 ありがとうございました。
それでは、早速、これより本日の議事に入らせていただきます。本日は、審議事項5件、今、局長からお話があったように、報告事項1件を予定しています。時間が限られていますので、よろしく議事のご協力のほうをお願いします。
では、早速ですが、1の審議事項ですが、外来生物法の施行状況などを踏まえた今後講ずべき必要な措置について。
これにつきましては、本年5月の野生生物部会において、外来生物対策小委員会で本件の検討を行うことが了承されました。小委員会としての検討結果がまとまっております。本案件は、諮問を受けたものではありませんが、小委員会での検討の結果、法制度の見直しを初め、今後の外来種対策を方向づける重要な内容が含まれておりますので、中央環境審議会からの意見具申として、法律を所管する環境大臣及び農林水産大臣に提出することが適当と考えております。既に小委員会で、委員長、石井先生のもとに、熱心にご検討いただいたものであることから、本案につきましては、本日、取りまとめたいと考えております。
それでは、事務局から、これについて、ご説明をお願いいたします。

【事務局(東岡)】 外来生物対策室の東岡と申します。資料1−1から1−3について、ご説明をさせていただきます。
まず、資料1−1をご覧ください。これは検討の背景でございます。外来生物法の附則第4条では、法の施行、平成17年6月1日から5年を経過した場合において、法律の施行状況について検討し、必要があると認めるときは、その結果に基づいて所要の措置を講ずるものとしております。外来生物法は、5年以上が経過しておりますので、COP10の成果も踏まえて、今年度から施行状況の検討を開始いたしました。
検討の経緯でございますが、5月10日に野生生物部会において、外来生物対策小委員会での検討を了承していただきました。6月から外来生物対策小委員会で計3回の審議を受けまして、それから、9月18日から1カ月間、パブリックコメントをいたしました。その結果を参考資料1−1、1−2に付けておりますが、後程ご覧いただければと思います。
そのパブリックコメントの結果を踏まえ、11月14日に第4回外来生物対策小委員会において報告書案の取りまとめをしていただきました。それで、本日、野生生物部会で検討結果の最終的な取りまとめをお願いできればと思っております。
この裏のページが、小委員会の委員のメンバー構成を記載しております。
資料1−2でございますが、これは外来生物対策小委員会において、12月4日付で今後講ずべき必要な措置について、報告書案が適当であると取りまとめていただいたものになります。
資料1−3が、本体資料になりまして、最初の検討の背景は先ほどご説明したとおりでして、1ページの16行目、用語等の整理と検討対象の範囲でございますが、本報告では、導入により、その自然分布域の外に生育または生息する生物種。これは亜種と変種を含みますが、これらについて、外来種の用語を用いた。
また、外来種のうち、我が国に自然分布域を有しているが、その自然分布域を超えて国内の他地域に導入される生物種については、国内由来の外来種の用語を用いた。外来生物法においては、海外から人為的に導入される生物を外来生物と規定しておりますが、これは上記に関わらず、法律用語としてその定義によっております。
また、外来種問題ではございませんが、30行目。同じ種であっても、遺伝的形質が異なる集団(個体群)が導入されることにより生ずる遺伝的攪乱の対策についても、検討の対象としております。
次のページをご覧ください。2ページ目の上についているのが、先ほどご説明したものの概念図でございまして、上の赤かオレンジで示されているものが、外来種問題というふうに整理をしております。国外由来の外来種、または国内由来の外来種がある。その下のほうに、緑のもの。これは国外、国内に関わらず、同じ在来種であるのですが、遺伝的形質が異なるものが移動されることによって、遺伝的攪乱が起こる場合。そういったものを概念図で説明しております。
その下、外来種問題の基本認識でございますが、我が国は豊かな生物相を有しており、地域固有の多様な生態系が形成されております。
7行目、人間活動の発展に伴い、人為によって意図的、非意図的な自然分布域外に導入され定着し、分布拡大する生物が増加しております。こうした外来種により生態系の被害ですとか、農林水産業の被害、人の生命、身体への被害など、さまざまな影響が及ぶ事例が見られます。
次のページ、1行目。これらの問題というのが、我が国の生物多様性を保全する上で重大な問題となっております。
3行目、一方で外来種の中には、古くから家畜、栽培植物などとして利用され、重要な役割を果たしているものもございます。今後、既に我が国に導入されたか、または導入されようとしている生物について、生態系等に関わる影響等を評価し、我々の社会と個々の生物等の適切な関わり方を考えていく必要がある。
外来生物法の施行により、輸入規制ですとか、あと各地の防除が活発化するなど、一定の効果が見られました。しかし、防除に当たっては、目標ですとか、目標達成のための計画が明確でなかったり、効果が不十分であったりするものもございました。
また、さまざまな外来種の分布や生息状況、被害状況などは網羅的には把握されておりません。また、非意図的な導入、それから、地域ごとのきめ細やかな対策、効果的な普及啓発など、外来種問題には今後解決すべき多くの問題が存在しております。
20行目、外来種対策をめぐる主な動向ですが、これは法施行後の主な動向を記載しております。
23行目、自然公園法、自然環境保全法の改正により、これらの地域での動植物の放出等の規制が強化されております。
30行目、鳥獣保護法の基本方針の変更により、被害を及ぼす外来鳥獣については積極的な狩猟、有害鳥獣捕獲を推進し、被害の防止を図ると改正されております。
次のページ、4ページ目、6行目に、平成22年10月に開催されたCOP10におきまして、愛知目標が採択されております。その中で、外来種に関するものとして、2020年までに侵略的外来種とその定着経路が特定され、優先順位がつけられ、優先度の高い種が制御され、または根絶される。また、侵略的外来種の導入または定着を防止するために、定着経路を管理するための対策が講じられると。そういった目標が設定されました。
14行目、そのCOP10を受けて改定した国家戦略において、外来種による影響が、近年深刻化していることを踏まえた対策強化を進めるということとされております。
こうした状況を踏まえまして、29行目、短期的に講ずべき事項とは報告を受けて概ね1〜2年程度、中期的に講ずべき事項とは愛知目標の目標年である2020年を念頭に、概ね5年程度に進めていくべき事項として整理しております。
2番、外来種対策をめぐる現状と課題でございますが、次のページへ行きまして、現在105種類の特定外来生物が指定されておりますが、9行目、特定外来生物の指定は属レベルと種レベルで行われておりますが、例えば、種レベルで特定外来生物に指定されたグリーンアノールについては、同種が含まれるアノリス属の全種が未判定外来生物に指定されており、これまで3度、6種について未判定外来生物の輸入届出がありましたが、検討の結果、その届け出があったたびに、種レベルで特定外来生物の追加指定がなされております。
また、17行目、植物では、特定外来生物に12種が指定されておりますが、未判定に指定されたのは2種のみで分類群によって指定状況に差がございます。
20行目、規制は課せられておりませんが、要注意外来生物が148種類、公表されており、インドクジャクなど地域的な影響がある一方で、広く飼養等をされているなど、法的規制をかけることによって大きな社会的影響が懸念されるものですとか、植物防疫法に基づく規制の対象となっているアカボシゴマダラなど、他法令に規制がなされているとして、特定外来生物の指定対象となっていないものもございます。
27行目、特定外来生物との交雑個体については、法的な位置づけが整理されていないため、特定外来生物であるストライプトバス、ホワイトバスの交雑種であるサンシャインバスが、現在、釣り堀等に導入され、野外への逸出が懸念されております。
また、33行目ですが、アカゲザルと在来種のニホンザルとの交雑個体が確認され、防除が進められておりますが、外来法の根拠が不明確となっております。こうしたさまざまな交雑個体が確認されております。
次の6ページ、4行目、また、近年定着が新たに確認された外来種として、特定外来生物や未判定外来生物に指定されていないイネ科の植物スパルティナ・アルテルニフロラ(ヒガタアシ)が、国内の2地域で相次いで定着していることが確認されるなど、今後の拡大が危惧されております。
11行目、飼養等許可の現状と課題ですが、特定外来生物の飼養等許可の件数は、一定数が継続して更新されているため、飼養等許可の有効件数は大きく変動しておりません。
16行目、特定外来生物の指定に伴う代替種の利用、例えば、セイヨウオオマルハナバチの代替種としての在来種の利用は限定的であり、一方で、例えば、在来種であっても、人工増殖の過程で偏って遺伝的形質を持つ集団の代替利用が行われ、無秩序な放出が行われた場合は、遺伝的攪乱のおそれが指摘されております。こうしたセイヨウオオマルハナバチの飼養等許可については、今後の方針が明確に示されておりません。
24行目、セイヨウオオマルハナバチの飼養状況については、調査対象の2〜3割程度で施設の不適切な管理状況が確認されているなど、管理状況を改善するための体制や取組が不十分でございます。
32行目、これは輸入規制、水際対策、非意図的な導入対策の現状と課題ですが、我が国は、動植物を生きたまま大量に輸入していることから、外来種が導入され、定着するリスクが常に存在しております。例えば、中国産のアサリは、日本のアサリと亜種レベルで遺伝的分化を示しておりますが、両者の交雑個体が確認されております。
7ページ目、また、4行目でございますが、特定外来生物のカワヒバリガイは、中国から輸入されたシジミ類に混入して持ち込まれるなど、水産動植物の増殖用として輸入される種苗等に外来種が混入し、定着している場合もございます。
また、8行目、釣り用の生餌が大量に輸入され、野外に放出されていますが、これらの実態を把握されておりません。
12行目、ミシシッピアカミミガメ、クワガタムシなどの要注意外来生物は、依然として少なくない量が輸入されております。
意図的に導入される外来種については、農林水産省の植物検疫、動物検疫、または税関などの協力により、外来生物による輸入規制の一定の効果が上がってきております。
非意図的に導入される外来種、19行目ですが、輸入品に混入、付着しているものなどがあり、これらについては、モニタリングなどにより早期発見に努めております。
しかし、例えば、アルゼンチンアリなどの侵入、分布拡大の経路はほとんど特定されておりません。これらの対策も有効なものとなっておらず、通関時の検査等において特定外来生物が非意図的に混入・付着していることが確認された場合の消毒方法などの具体的ガイドラインが整備されていないなど、特定外来生物を確実に取り除くための手段が、法的に明確化されておりません。
28行目、バラスト水対策については、バラスト水管理条約の発効に備え、処理装置の承認、基礎情報の収集などの準備が進められております。
32行目、外来種の国内他地域の導入を防止ための対策については、実態把握や規制はなされていないのが現状でございます。ただし、貴重な生態系を保全する観点から国立公園などの一部において対策を実施しておりまして、例えば、尾瀬、白山などで、登山口にマットを敷設したり、次の8ページですか、小笠原諸島におきましては、新たな外来種の侵入や島間での拡散を防止するための方策についての検討を進めております。
5行目、国による防除の実施、防除に係る確認・認定の現状と課題でございますが、生物多様性条約の指針原則におきまして、外来種対策については予防を優先すべき。また、既に導入されている場合には、初期の発見と迅速な防除が定着を予防するために重要であり、初期侵入の場合はできるだけ速やかに根絶を行うべきで、根絶が困難な場合には、封じ込めや長期的な低密度管理を行うべき。
我が国においても、国、地方公共団体などが中心となって対策を実施しております。環境省では、国立公園などの保護地域などにおいて防除を優先的に推進しており、例えば、沖縄ですとか奄美大島では、マングースの防除により、捕獲の影響を受け、絶滅が危惧されているヤンバルクイナやアマミトゲネズミなどの希少種の生息状況が回復するなど、防除の効果が確認されているものもございます。
また、農林水産省では農林水産業被害の防止のための防除の取組、国土交通省では河川管理行為などの一環としての外来種の防除などを実施されております。
また、環境省、農林水産省では、広域に定着している外来種について、防除マニュアルを作成して公開するとともに、防除手法についての協議会、研修会などを通じて普及を図っております。地方公共団体、民間団体などの防除の取組が現在、活発化傾向にございます。
30行目、しかし、効果的な防除を進めるための体制や資金、技術等は十分とは言えない現状にございます。また、33行目、特定外来生物を全国レベルで根絶した事例ですとか、広域に分布している外来種の封じ込めの達成に至った例は、まだございません。また、特に広域に、次のページに行きまして、9ページ目、特に定着している外来種につきましては、侵入初期の地域や分布の拡大状況に関する情報の収集や発信ができておりません。
5行目、地方公共団体などが早期防除に取り組む場合は少なく、農作物被害などが顕在化してから対策を実施する場合が多く、こうした分布拡大の防止のなどの封じ込めが実現できていないというような状況でございます。
10行目、国内由来の外来種対策の現状と課題ということで13行目、対策の実施に必要な分布情報や生態系等に係る被害の科学的知見は十分に得られていない場合が多く、対策が進展しておりません。
16行目、保護地域については、自然公園法、自然環境保全法の改正により、動植物の放出等の規制が強化されております。国立公園では、防除やその影響を調べるための調査が、一部で実施されております。
24行目、しかしながら、保護地域や国土の一部にすぎず、特に亜熱帯地域の島しょ等においては、国内由来の外来種の影響が懸念されております。また、地方公共団体では、外来種の規制に係る条例が11都県、また独自外来種リストが13都県で作成されるなど、国内由来の外来種対策の一定の進展が見られております。
32行目、生物の導入による遺伝的攪乱の現状と課題ということで、外来種問題と同様に、生物を導入することによる問題の一つでありますが、しかし、種レベルでなく遺伝的レベルの多様性保全の問題であること。
次のページに行きまして、あらゆる生物種において想定されること。また、科学的知見が十分明らかになっていないことなどから、外来種問題とは異なる側面もございます。遺伝的攪乱を招く行為としては、具体的には在来種の自然分布域内への別の遺伝的形質を有する同種の導入、在来種の形質を改良した系統の導入を行う際に影響が懸念されております。
18行目、これらの問題について、科学的には十分に蓄積されていないのが現状でございます。
23行目、各主体の協力と参画、普及啓発の現状と課題ということで、外来種対策を進める上で、国、地方公共団体などの役割というのは、必ずしも明確になっておりません。特定外来生物の防除は国で一律に進めるべきという意見もございますが、外来種問題はさまざまな主体が関わる社会経済活動に伴って生物が導入されたことに起因するものでございます。我が国の生物多様性への影響のみならず、社会経済活動にも深刻な影響を及ぼす可能性があります。そうしたことから、多くの主体が連携して、社会全体で取り組まなければ解決は見込めない問題でございます。
34行目、外来種について、餌づけが行われたり、捕獲や防除に理解が得られない等、外来種問題の対応・対策について国民の理解や協力が十分に得られている状況には至っておりません。また、特に道徳教育や環境教育、次のページ、が行われている中で、外来種の防除を行わなければならないということについて、十分な理解が得られていない状況がございます。
また、地域固有の生物多様性を保全し、農林水産業などの被害を防止するために、外来種対策が重要であることの科学的・社会経済的な根拠を丁寧に説明することにより、理解の促進を図る必要がございます。
8行目、また、博物館、水族館、動植物園などにおいても、普及啓発に係る活動が行われておりますが、今後、種の同定、防除手法への助言などについて、より一層の協力が期待されております。
13行目、調査研究でございますが、外来種全般の生息の現況と動向、その影響に関する情報をはじめ、以下のような分野についての取組が不十分である。侵入初期の分布情報の収集、また、低密度段階からの捕獲やモニタリング手法の開発、また、効率的な防除技術の開発など、そういった分野で不十分であると指摘されております。
28行目、外来生物法の施行状況等を踏まえた今後講ずべき必要な措置としまして、(1)特定外来生物の効果的な選定。短期的に講ずる措置としましては、外来種ブラックリスト、これは仮称でございますが、19ページに説明をつけております。参考資料の4ですが、これは仮称でございますが、愛知目標を踏まえ、我が国の生態系等に係る被害を及ぼす、または及ぼすおそれのあるものでありますが、特定外来生物の指定候補となるような科学的知見の集積に努めるようなもの。また、全国的に蔓延しているが、重要に生態系に侵入した場合の被害が懸念されるもの。大量に飼育されている個体が、法指定によって大量に遺棄されるなどの弊害が想定されるもの。代替性がなく、既に大量に利用されて、利用に当たっては注意を要するもの。また、我が国における自然分布域外での導入により、被害が懸念されるもの。国内由来の外来種ですね。そういったものをリスト化し、最新の定着状況や具体的な対策の方向性、利用上の留意点について、わかりやすく示すことを想定しておりまして、これは9月に閣議決定された国家戦略の主要行動目標の一つにもなっております。25年度を目途に作成予定としております。
また、11ページの33行目に戻っていただきまして、これらのブラックリストなど、これは仮称でございますが、それらの作成を通じて、法規制が必要なものについては、追加的に特定外来生物に指定していく必要がございます。
次のページ、12ページに行きまして、4行目、特定外来生物、未判定外来生物の指定に当たっては、科学的評価を踏まえ、予防的観点から、種レベルではなく、属レベルでの特定外来生物の指定を積極的に検討する。
また、近縁種については、予防的観点に立ち、未判定外生物の積極的な指定を検討する。特定外来生物を緊急に指定できる体制を確保する。他の法令で規制されている種についても、同等の規制がなされていない場合は、指定を検討する。
18行目、特定外来生物に指定されていないものの、地域的に大きな被害を及ぼしている外来種については、ブラックリストなどに選定し、外来種防止行動計画、後ろの19ページをご覧ください。参考5、愛知目標を踏まえ、2020年までに特定外来生物も含めた外来種全般に関する中期的な総合戦略として、国、地方公共団体などの役割、防除の優先度の考え方、非意図的な外来種対策の考え方を整理し、外来種対策の実施方針を明らかにすることを想定しております。これも国家戦略の主要行動目標の一つとして、25年度を目途に策定予定でございます。
また、12ページに戻っていただきまして21行目、こういった行動計画において、対策の考え方を整理する必要がございます。
23行目、交雑個体については、法的な位置づけを整理するとともに、実効的な規制の仕組みや監視体制を検討する必要がございます。
また、31行目、我が国の生態系に大きな影響を及ぼしているにもかかわらず、大量に遺棄される弊害が想定される外来生物については、段階的な規制の導入などの経過措置を講じた上で、特定外来生物の指定を検討すべきである。
次のページへ行きまして、飼養等許可の適切な執行管理の推進としましては、セイヨウオオマルハナバチの施設の適正な管理の推進、また特定外来生物の指定に伴って、代替種の開発の促進、野外の放出については、防除の推進に資するものを許可制にするなどの変更を検討するべき。
22行目、輸入規制、水際対策、非意図的な導入対策につきましては、モニタリングの強化ですとか、マニュアルの充実、また、非意図的に導入された場合の法的な措置などについて、講じる必要があるとしております。
次の14ページ。4行目、非意図的に繰り返し導入される特定外来生物については、分布状況、侵入経路を特定して、輸入業者との協力を得ることも含めて、より効果的な対策を検討する必要がございます。
13行目、他地域の導入防止の対策については、貴重な生態系を保全する観点から、現在、小笠原諸島で行われているような施策などの検討結果も踏まえ、必要に応じた対策の強化を検討すべきである。
21行目、防除につきましては、防除の優先度の考え方を踏まえて、科学的、客観的に把握し、評価することを踏まえ、防除手法を順応的に見直しながら、実施する必要がございます。
33行目、国は、関係省庁や地方公共団体等が連携して取組ができるような、情報交換や成果等を共有する枠組みの構築を指導していく必要がございます。
次のページへ行きまして、9行目、特に生物多様性の保全上、重要な地域の外来種の防除に当たっては、野外に逸出したヤギ等の家畜、犬・猫等の管理も含めた対策を講じる必要がございます。
また、中期的に講ずべき措置としては、分布情報の基礎情報の収集・集約を進め、初期防除の重要性の周知徹底、分布拡大の情報提供を推進する必要がございます。
24行目、国内由来の外来種対策の推進。ブラックリストの策定等を通じて、科学的知見の蓄積、外来種行動計画において、対応の考え方の整理をすべきであると。
次、16ページ。導入による遺伝的攪乱への対応ということで、科学的知見の蓄積に努め、行動計画の策定を通じて、広く普及啓発を図る必要があると。
11行目、7.各主体の協力と参画、普及啓発の推進ということで、外来種対策は社会全体で取り組んでいく必要があり、国、地方公共団体等の役割を明確化して、主体と連携して推進していくべきであると。
30行目。各主体の行動指針を明らかにした行動計画の策定を通じて、国と地方公共団体の情報共有など、民間団体、市民による活動参加などを促進する必要がございます。
次のページ。普及啓発に当たっては、さまざまな主体との連携、調査研究の推進につきましては、課題の中で挙げた分野についての調査研究の推進。そのほか、生態系が攪乱された地域で、外来種の侵入しやすい状況にございますので、被災地域においては、個体数増加や分布拡大が懸念されている種もございます。生態系の遷移について把握し、震災復興においても生物多様性に配慮して進められるよう、情報提供などを行うことを検討するべきであると。
すみません、長くなりましたが、以上でございます。

【山岸部会長】 ありがとうございました。
私も小委員を務めさせていただきましたが、かなりホットな議論があったと理解しております。そのホットな議論をまとめられるのに、非常にご苦労された石井信夫委員、何か補足などございましたら、お願いいたします。

【石井(信)委員】 ありがとうございます。
特に新しくつけ加えるようなことはありませんけれども、この報告をまとめるに当たって、やはりもう言葉の使い方から始まって、概念整理とか、議論がいろいろありまして、まとめるのが大変でした。
それでも、外来生物問題の現状と課題、それから、今後の方向性については、一定の取りまとめができたのではないかなと思っています。そうやって整理してみると、国外から来る生物だけではなくて、国内由来のものとか、あとは遺伝的攪乱の問題とか、外来生物問題というのは広く深い話だなということが、この報告の中でも整理できていると思います。
当然、現行の外来生物法で、その仕組み上、不十分な点とか、カバーしていない問題とか、いろいろありますので、いろいろ踏み込んだ提案をこの報告の中でしています。言うまでもなく、立派な文章をまとめるというのが目的ではなくて、野外で起こっていることをどうやって解決したり、改善したりしていくかということが重要です。それで、昨日も、この報告に引き続いてのアクションとして、外来種被害防止行動計画の1回目の会議がありました。それを途中から傍聴したのですけど、何もかも手をつけると、大変なことになりそうだなということで、環境省としては、問題点を絞って、メリハリをつけた対策というのをどう打っていくかというのが大事だなというふうに考えました。
報告については、以上のようなことですので、ご審議よろしくお願いしたいと思います。

【山岸部会長】 ありがとうございました。
それでは、今の石井委員の補足も含めまして、審議事項1について、ご意見、ご質問がございましたら、ご発言いただきます。
山極委員。

【山極委員】 大変わかりやすくまとめられていて、本当にご苦労の跡がにじんでいると思います。1点だけ質問させていただきます。
5ページの下のところに、特定外来生物のアカゲザルと在来種のニホンザルの交雑個体、これは外来生物法上の根拠が不明確であると書いてあるのですけれども、これはどういうことなのかちょっと、説明をしていただければと思うのですけど。

【事務局(東岡)】 外来生物法の定義におきまして、外来生物というのは生息地が外にあるものというふうに定義をしておりまして、交雑個体につきましては、その生息地というものがそもそも存在しないということで、この定義に当てはまらないのではないかというような観点からの指摘を受けておりまして、現在の外来生物法の定義では、これらが対象にできないというような解釈をされております。

【山極委員】 そうすると、アカゲザルについては防除できるんだけれども、交雑個体については難しいということなのですか。

【事務局(東岡)】 現在の外来生物法の枠組みにおいては、そういった観点の防除ができないと。現状においては、鳥獣保護法の有害鳥獣として対策がとられているような現状でございます。

【山極委員】 そうですか。和歌山とか千葉とか、今、結構その防除で駆除していると思うのですけれども、これは、では、要するに何かの猿害駆除という理由でやっているわけですか。

【事務局(東岡)】 現状におきましては、農作物被害の観点から、有害鳥獣駆除を進められております。鳥獣保護法を根拠にしております。

【山極委員】 そうですか、わかりました。そうすると、今後は、こういった交雑個体というのは、もちろん、ニホンザルとアカゲザル、あるいはタイワンザルに限らず、いろんなことが出てくると思うのですけれども、それについての法的な整備を進めるということなのでしょうか。

【事務局(東岡)】 はい、そういったことを検討しております。

【山岸部会長】 よろしゅうございますか。ほかにどうでしょう。
どうぞ、土屋委員。

【土屋委員】 非常にご苦労されてまとめていただいたことがよくわかります。ただ、その中で、種名が書いてあるところは、確かに具体的でよくわかるのですが、そうではない表現が幾つかありますので、どういうふうにこれからこれを運用していかれるのかをお聞きします。例えば、外来種の中でも、特に影響が大きいと考えられる種とか、種を特定しないで表現している場合があります。あるいは、地域についても、生物多様性の保全上、重要な地域とか、似たような表現がありますが、これは何か別のリスト等があって、これから具体的な対応をしていかれるのか、あるいは、その都度、何か議論をされるのか、どういうふうにまとめられたか教えてください。

【山岸部会長】 はい、どうぞ。

【事務局(東岡)】 行動計画の中で、国が防除を実施すべき対象種ですとか、対象地域というものを議論する予定にしておりまして、その中で、生物多様性保全上、重要な地域というのはどういったところか、影響が大きいものはどういったものか規定したいと考えており、外来種の中で特に侵略性が高いものについては、現在、侵略的外来種リスト、この中では、外来種ブラックリスト(仮称)というふうに記載させていただいておりますが、その中でリストアップすることを考えております。

【山岸部会長】 よろしゅうございますね、土屋さん。
三浦委員、どうぞ。

【三浦委員】 やっぱり指摘したいのは、この問題は広く深く進行しつつあって、それで、国がやる部分は、それなりの展開があるということは認められるのですけれども、やっぱり基本的には、それぞれの地方公共団体や市町村がこういう、この法律にいかに加わってくるのかというところが、やっぱり基本的に大きな問題であって、国による防除の推進及び地方公共団体の防除に関わる確認ということで、14ページにありますけれども、果たして、33行の国は関係省庁や地方公共団体と連携して取組ができるようということで、情報の交換とか、それから、成果の共有物という、そういう枠組みを構築するというレベルで、果たして、深く浸透している問題を、解決の方向ということではなくて、これに対応していくという、掘り起こしていくという枠組みとして、この文言だけで果たして、あるいはその施策的なオプションは、こういう枠組みで十分なのかどうなのか、もう少し国が踏み込んで、もうこれは指示とは言いませんけど、指摘できるような枠組みというのはないんだろうかというふうに思うのですが、いかがでしょうか。

【山岸部会長】 どうぞ。

【事務局(東岡)】 現状におきまして、行動計画の中で、各主体の役割というものを明記したいと思っております。その中に、行動指針として、それぞれの主体においてどういったことをやっていただきたいかということを明記したいと思っており、地方公共団体においては、地域の生物多様性を保全する観点からの防除ですとか、農林水産業を保全する観点からの防除、そういったものをやっていただきたいと明確に位置づけたいと思っております。
また、ここに記載されておるような情報交換の場でございますけれども、現在、地方公共団体がそれぞれ独自の判断で防除がなされておりまして、それらの危機意識が共有されていないとか、どういったところに、今、外来種が分布しているかとか、そういった情報も共有されていないということが現状でございますので、例えば、環境省の出先機関である地方環境事務所が、各ブロックごとに、地方公共団体の方に集まっていただいて、現在、広域に分布する外来種については、現在、どういうふうな分布状況にあって、もう既に拡大しているところはどこなのか、もう既に防除を行わなければならない地域はどこなのか、そういった情報を提供することで、防除を推進したいと考えております。

【三浦委員】 残してきた実績というのは、あるのですかね。

【事務局(東岡)】 まだ実績は少ない状況でございますけれども、アライグマのモデル事業というものを、現在、環境省でやっておりまして、例えば、九州ですとか四国のモデル事業においては、それぞれの地域の地方公共団体の方に集まっていただいて、現在、アライグマの分布がどういう状況にあるのか。そして、アライグマを防除するには、どういった形で防除していただければいいのかと、そのマニュアルを紹介したりとか、普及啓発のパンフレットをつくったりすることで、防除を進めていただくようなことを現在進めているところでございます。

【山岸部会長】 いいですか。
今、お話にあった、後段の情報の収集の件なのですが、出先とおっしゃいましたが、やっぱり環境省には、それをまとめる生物多様性センターというのがあるので、生物多様性センターの仕事や何かにきちんと位置づけていただけるとありがたいと思います。
ほかにございますか。よろしゅうございますか。
それでは、本議題について、お諮りいたします。外来生物法の施行状況などを踏まえた今後講ずべき必要な措置につきましては、ただいまご説明がありました、事務局案のとおり、中央環境審議会からの意見具申として適当と認めてよろしいでしょうか。

(異議なし)

【山岸部会長】 ありがとうございます。
ご賛同いただきましたので、本件は適当と認めることにいたします。
では、引き続きまして、審議事項の2と3ですが、絶滅のおそれのある野生生物の保全につき今後講ずべき措置についての諮問内容と、これに関連しました議題3の保全戦略の内容をあわせて、事務局から、説明をお願いいたします。

【事務局(荒牧)】 野生生物課の荒牧でございます。よろしくお願いいたします。
資料2−1から資料3−2まで、駆け足になりますが、通しで説明をさせていただきたいと思います。
まず、資料2−1でございます。諮問でございますが、先ほど、局長よりの挨拶でもお話しいたしましたように、昨年度、点検していただきまして、そのことを踏まえ、絶滅のおそれのある野生生物の保全について今後早急に講ずべき措置について、この審議会の意見をいただきたいというものでございます。
具体的な答申案につきましては、資料2−2につけさせていただいております。1枚紙裏表という形になっておりますが、これについては、昨年度の点検の結果を基本としてのご意見とさせていただいております。
参考資料2−1と2−2に、昨年度、点検の中から各検討会にいただきました提言をつけさせていただきましたので、そちらもご参考にしていただければと思います。二つの点検をさせていただいており、一つは、国内に生息している絶滅危惧種の保全に関しての点検、もう一つは、国際的な協力が必要な絶滅危惧種についての国内での流通も点検ということで、大きな二つのテーマがございました。
そのうちの国内流通に関しての講ずべき措置として、点検の中では、いろいろ、今後、検討していくべく課題というものもいただいてきたところですが、具体的な種の保存法の問題点として明確に対応すべきということも、ご指摘をいただいたところでございます。
具体的には、1の(1)、(2)に挙げておりますが、国際的な、具体的に言いますと、ワシントン条約で強い規制がかかっている種につきまして、その中でも流通が可能となっているものについては、登録票をつけることによって、国内の流通も可能としているという制度がございますが、この登録票の管理方法等については、改善が必要であろうというご指摘をいただいております。
例えば、その対象物、生きた個体ということも含めまして、それを商業的な目的で陳列する場合、登録票と常にセットでなければいけないということが、法律上、求められているところでございます。インターネット上の写真を掲示しての陳列ということも、陳列の対象に含めるという形ではございますけれども、その登録票の扱い、どこまでのネットでの公表が対象となるのか、整備が不十分であるというところについて、しっかりと対応するということを求めているものでございます。
また、登録票の記載事項の変更ですとか、手続のところでも、明確になっていない部分があり、これについての改善を求めるというものでございます。
もう一つ、罰則の強化ということで、希少であるということが高額で取引をされる原因にもなっているところでございます。違法な取引が発生している、また、それの再犯も起きているという状況でございますので、現在の法律の罰則の制裁では弱いと言わざるを得ないということで、違法行為の抑制に十分な効果を発揮する懲役や罰金等の罰則の強化を検討すべきとさせていただいております。
二つ目、国内に生息する絶滅危惧種についての講ずべき必要な措置につきましては、9月に公表させていただきました第4次レッドリストにおいて、引き続き、多くの種が掲載されたという状況等を踏まえまして、さらに今後、その保全を進めていく必要があるというところでございます。
これを踏まえまして、この後、ご説明させていただきます、裏のページに回っていただきまして、絶滅のおそれのある野生生物種の保全戦略を作成するということの答申ということをいただきたいと思っております。
戦略においては、その保全の優先度ですとか、効果的な保全対策といったこと。それから、各種制度の効果的な活用、知見や技術の蓄積、保全体制の整備といったことの基本的な考え方と具体的な施策の展開方法についても示すものとするとしております。
具体的な内容については、これに引き続き、ご説明をさせていただきますので、そちらでご議論いただければと思います。
この答申案につきまして、ご賛同いただけましたら、なるべく早い段階でパブリックコメントにかけさせていただきまして、次回の野生生物部会で答申という形をいただければと考えているところでございます。
続きまして、資料3−1、3−2、ご説明をさせていただきます。先ほど、答申案にも記述をさせていただいております、保全戦略でございますが、資料3−1に構成案、資料3−2は中身の骨子ということで、要旨を記述したものをご用意させていただきました。
構成案のほうでございます。大きな流れとしましては、戦略を策定する背景と、この戦略の目的を第1章、第2章に記述した上で、第3章ではレッドリストの結果と昨年度の点検結果による現状と課題を記述して、第4章、基本的な考え方について整理をし、第5章として施策の展開を記述していくという形を考えているところでございます。
早速、骨子案のほうをご説明させていただきます。
第1章の背景でございます。一つ目のポツ、昨年度の点検結果を踏まえて、今後取り組むべき課題等を提言いただいたところでございます。
二つ目、国家戦略が本年9月に閣議決定いたしましたが、その中でも、愛知目標に対応する国別目標として、絶滅危惧種の保全に関する目標というものが定められております。
三つ目、その個別の国別目標に対応する具体的な施策の一つとして、国家戦略上にこの保全戦略というものを、保全の進め方や保全すべき種の優先順位づけ等を盛り込んだ形で作成をするということが記述されたところでございます。
第2章の目的でございます。我が国の国家戦略に基づいて、環境省が自らの取組を中心に策定するという位置づけを考えてございます。絶滅危惧種の保全の目的としては、その種の絶滅を回避し、最終的に本来の生息・生育地における種の安定的な存続が確保されることでございます。この戦略では、その保全の取組の全国的に推進するために、基本的な考え方と、早急に取り組むべき施策の展開を示していくというものです。
また、この保全戦略の進捗状況というものにつきましては、国家戦略の点検や見直しに合わせて点検を行っていくという体制を考えております。
めくっていただいて、2ページ目でございます。第3章に現状と課題を整理してございます。第4次レッドリストの成果、現時点で全分類群についてのリストが整ったという状況ではないのですが、現時点で3,574種が掲載をされたというところでございます。第3次リストよりも増加したということで、状況としては依然に厳しい状況になっているということが明らかとなりました。
また、二つ目の点検結果による現状と課題というところでございますが、昨年度の点検では、減少要因に関しての全国的な傾向を見て、さまざまな多岐にわたる減少要因が抽出されたところでございます。
また、点検では、それらの減少要因に対応する対策に関連した代表的な制度を整理して、その一部については、例えば、保護区のカバー率といったような対応状況を点検いたしました。その結果としまして、レッドリスト作成、また、種の保存法の制定以降、さまざまな法律が制定をされてきたと。あるいは既存の法律においても、保全対策の強化が行われているというところ。地方公共団体におきましては、現時点で31の都道府県が希少の野生動物種の保護等を目的とした条例等を策定しているという状況でございます。
3ページは一覧となっております。
飛ばしていただきまして、4ページに参ります。このように、既存の制度が整備されてきたところではございますが、既存の制度の十分な活用がされてきたとは言えないということで、その種の特性や減少要因の状況に応じて、さまざまな制度を効果的に活用することが重要という課題をいただいております。
また、制度運用強化のための技術、人員、資金等の確保が重要であること。それに加えて、保全に取り組む種の優先順位を明らかにした上で、具体的な施策を計画的に実施することが重要であること。さらに必要な情報の蓄積と関係者間の共有といったことの重要性が求められたというところでございます。
第4章、基本的な考え方。点検会議の提言をもとに、ここでは絶滅危惧種の保全に当たって、基本的な考え方を記述してきたものです。また、環境省として整備をしてきております、域外保全及び野生復帰の考え方についても、それをもとに整理をさせていただきました。
この章では、環境省が保全を推進していくための基本的な考え方を示すという位置づけではございますが、具体的な個別の法律等の制度活用に関する考え方を除けば、地方公共団体等で行われている保全においても参考となってくると考えております。
まず、一つ目、提言でいただいております、優先度の考え方でございます。詳しいことは提言のほうに記述がございますけれども、概要としてここで示させていただいているのは、種の存続の困難さと対策の効果の大きさの視点で評価をして、保全に取り組む種の優先度を決定していくということで、種の存続の困難さに関しては、レッドリストのカテゴリー、いわゆるランクというものを基本にしていく。ただし、その種の特性や減少要因といった、個々の種の置かれている状況も踏まえて、同じカテゴリーの中でも優先度が異なることがあることについても考慮をしていくと。
また、そのカテゴリーで高いという状況でなくても、急激な状況の変化によって、緊急対策を要すると判断される種についても、優先的に取り組むとしております。
対策効果については、その生息、生態系に対する効果や社会的な効果、あるいはその他の絶滅危惧種に対する保全の普及効果等を含めるとしております。これ以外に、環境省が指導して、保全に取り組む際に、考慮すべき事項等も記載しているところでございます。
2ポツ目、効果的かつ計画的な保全対策の考え方。(1)としまして、種の特性や減少要因を踏まえた対策の選定ということで、実際の対策に当たっても、その種の特性や減少要因を踏まえまして、対策を組み合わせて実施していくことが重要としております。
5ページに入っております。例えば、捕獲圧のある種に対しての流通、捕獲規制であるということですとか、場の保全が必要な種に対してのその地域の開発規制や、自然再生による改善等といったこと。また、それらの場の改善等というところだけではなくて、その種の積極的な個体数の回復・維持といったものが、必要なものに対する保護増殖の取組といったものが、対策として考えられるというところでございます。
図の下に参りまして、保全の実施に当たっては、適切な範囲、いわゆる保全ユニットということを明確にしていくことが肝要であること。次のポツとしまして、また、地域住民の理解、協力というのも重要であって、対象種によります農林水産業などへの被害がある場合には、被害の軽減など、社会との共生をした形の保全を図ることの重要性を記述しております。
また、生息域外保全と野生復帰の考え方としましては、生息域外保全は、基本的には生息域内での保全の補完としての位置づけであるということ。目的設定を明確にした上で実施をしていくことが重要であって、基本的には、当該種の生息域内での種の存続が困難である種が優先されていくことと考えております。
一方で、早い段階から技術を蓄積していくということが重要なことも記述しておるところでございます。
また、野生復帰につきましては、その実施した場合の効果と悪影響の可能性というものを十分に検討して、必要性を評価した上で、計画的に実施する必要があるということを記述しております。特に絶滅種の野生への再導入を図っていくといった場合には、多面的な検討が必要であって、具体的には絶滅してしまった国内種との同一性、再導入先の生態系に果たす役割、または悪影響、その具体的な再導入の方策、定着可能生育環境があるかどうかといった条件ですとか、地域の理解、合意形成等の社会的な条件、あるいは、その導入をする種の原産国の同意や、あるいはその原産国における生態系の影響といった、さまざまな要素が考慮しなければいけないものであると整理をしてございます。
三つ目、各種制度の効果的な活用ということで、関連するさまざまな制度を相互に組み合わせた効果的な活用を目指すということをしております。まずは絶滅危惧種の保全を直接的な目的としております種の保存法に基づいて、捕獲、流通規制が必要な種を初めとして、効果的な種の指定を一層促進していくこと。同法による生息地等保護区につきましては、その特性を踏まえまして、小面積でも特に重要な区域を保護していくことが有効な種についての種指定とともに、その区域指定といったものを推進していくこと。
さらに、7ページに入ります。保護増殖につきましては、その個体数の積極的な維持・回復が必要な種について取り組んでいくということを記述しております。種の保存法以外の保護区制度につきましては、それぞれの枠組みですとか、目的を踏まえて活用していくということとして、国立公園につきましては、生態系を広く保全する施策として有効であるということが考えられますので、ゾーニングの際の絶滅危惧種への配慮、あるいは具体的な規制をかける動植物指定においてのレッドリストにおける絶滅危惧種の考慮といったものを記述しております。
鳥獣保護区については、特に希少鳥獣の生息地の保護と観点から、区域の指定・更新を行っていくこと。また、先ほど議論いただきました、外来種の影響、また、シカ等の中・大型哺乳類等の影響等があるというような場合には、その絶滅危惧種の重要な生息・生育地において効果的な防除等を行っていくということが重要であること。特にシカ等の動物につきましては、鳥獣法に基づく都道府県や市町村の捕獲等の取組との連携が重要であるということでございます。
それから、積極的な生息域の改善といったものが必要な場合について、自然再生推進法や生物多様性地域連携促進法の活用のほか、さまざまな制度を活用して、また、多様な主体との取組の連携を図っていくということを記述しております。
さらに、行動域が広い種ですとか、二次的自然環境に生息する種に関しましては、保護区域による規制だけでは不十分な場合等が考えられますので、持続的な農林水産業の推進や開発時の絶滅危惧種への配慮が重要でございます。
基本的考え方の四つ目、知見及び技術の集積と共有というところで、科学的知見や保全手法、技術等の蓄積等、関係主体間の共有が重要であること。また、保全の進捗状況を評価するための仕組みも重要であるということを記述してございます。
8ページ目に参ります。保全の体制等のあり方としまして、制度の運用のための強化が重要であるというところから、具体的な取組の主体となっております、地方環境事務所を中心に、人員や予算の確保に努めていくこと。また、効果的な関係者の連携体制の整備ですとか、国民の関心と理解を高めていくことが不可欠でございます。
具体的な取組を行っていく中でも、さまざまな主体の参画や理解の促進につながる方法をとっていくということも重要でございますので、例えば、保護増殖事業等において、その事業の目的に影響を与えない形での対象種の公開といったことも検討をしていくということが考えられます。
第5章、具体的な施策の展開でございます。
1ポツとしまして、絶滅危惧種に関する情報及び知見の充実ということで、4項目立ててございます。
一つ目は、基本的な情報となります、生態及び生息・生育状況等の情報の蓄積。そのためのモニタリングや体制の整備といったことも検討をしていくということでございます。
二つ目、レッドリスト及びレッドデータブックの整備として、引き続き、この定期的な見直しをしていくということと、現在、海洋生物についての評価方法を検討しており、具体的な絶滅のおそれの度合いを評価するということにしておりますので、将来的には、その既存のレッドリストと海洋生物のレッドリストの統合といったことも含めて、相互の関係性を整備していくということを考えております。
三つ目、絶滅危惧種保全重要地域の抽出ということで、絶滅危惧種が集中する地域ですとか、ある特殊な環境に依存している種について、生存に不可欠な地域の抽出というものを行っていくこと。例えば、特に具体的な検討に対しては、その地域の環境の改善によって回復が見込まれる特性を持つ種というものを考慮していくと。これらの情報については、情報の取扱いに十分注意をしていくということを記述しております。
四つ目、保全状況の評価でございます。現時点における絶滅危惧に陥っている要因。また、多様な主体による保全状況といったものを、種ごとに収集して整理をしていくということを記述しております。
また、9ページ目のポツに入りまして、絶滅危惧種の保全に関する点検は、10年程度を目途に定期的に実施していくこと。種の保存法の執行状況についても、定期的な点検・見直しをしていくということを記載しております。
情報整備と同時に、2ポツ目、実際の保全対策の具体的な推進ということを記述してございます。
(1)優先度の考え方を踏まえた保全の取組ということで、絶滅TA類、またはT類で、特に絶滅のおそれが高く、法的規制の不十分な種から、種指定を初めとする種の保存法の活用の効果を進めていくことを考えております。また、検討に特に捕獲圧がある種ですとか、個体数の増加の困難な種などについては、TB類も含めて検討をしていきたいと考えております。「○種」と書いてございますが、この検討の母数を少し整理して、種数をお伝えできるような形で書いていければと思っているところでございます。また、カテゴリーに関わらず、急激な減少等で緊急な対策が必要な種についても、種指定の検討を実施していきたいと考えています。
それから、我が国の中でも特に重要な生態系、固有種も多い小笠原諸島や奄美・琉球諸島というところにつきましては、自然公園や外来種対策といった取組と連携をしながら、効果的な絶滅危惧種の保全方法を検討していきたいと思っております。
さらに、整備していきます、絶滅危惧種の保全重要地域の抽出ですとか、保全状況の評価といった結果を踏まえて、さまざまな法律等や制度を活用して保全を図っていくということを考えております。また、絶滅危惧U類(VU)の中でも全体的に減少傾向にあるといった種につきましては、保全に関するガイダンスを作成をするということを検討しております。
(2)保全手法及び保全技術の開発と普及ということで、保全技術と保全の手法、こういったものの不十分なものから必要な開発と普及を推進していきたいと考えております。種を対象としたものもそうですが、その生息環境の観点から、その分類群を横断して対応していく必要があるような場合につきましても、その地域における取組の情報等を収集して、課題と保全方法といったものを検討して発信をしていきたいと考えております。
また、域外保全につきましては、関係団体や研究機関との連携をして、手法技術の蓄積をしていきたいと考えております。
10ページ目でございます。多様な主体の連携及び社会的な理解の促進ということで、実際の対策を進めていくために、関係省庁や地方公共団体との適切な役割分担や、連携体制といったことを行っていきたいと考えております。
具体的には、保全戦略に示します基本的な考え方を初めとした、保全においての重要な考え方、あるいは具体的な手法といったものを地方公共団体と共有することで、地方公共団体における取組を支援していきたいと考えております。
また、重要地域ですとか保全状況の評価に関する情報につきましても、その情報管理の体制を形成した上で、関係行政機関との共有を図っていくということを考えております。さらに、これらのうち、公表することが適切であるものについては、公表を行っていくということを考えております。
域外保全及び野生復帰の考え方といったことについては、地方公共団体に限らず、さまざまな保全に取り組む主体と共有するということが重要であって、関連機関との連携もして、普及広報を図っていきたいと考えております。
地域における直接的な監視活動や保護増殖といった、個々の保全の取組においても、さまざまな絶滅危惧種の知見を有する方々との連携を促進するとともに、地域住民等と効果的な連携体制の検討を進めてまいります。また、その一環として、保護増殖事業等の取組において対外的に紹介することを通じて、企業を初めとする多様な主体の参画や協力を募るマッチングの仕組みも検討していきます。
また、広く普及広報を行っていくということで、保護増殖事業等の取組を公開する際には、その事業に対する影響、または効果というものを検討して、さまざまな関係者と合意形成を図りながら、公開の方法を検討していきたいと考えております。
長くなりました。以上でございます。

【山岸部会長】 ありがとうございました。
続けてやってもらったのですが、実はこれはちょっと性質が違うので、最初に、答申・パブコメ案というものの中に、後に説明された戦略を作成することが有効であるということを認めてもらわないと、先に進まないわけで。
まず、先に、この答申・パブコメ案だけにつきまして、ご意見とかご質問がありましたら、ご発言を願います。

【土屋委員】 パブコメ案だけというと、ちょっと質問しづらいのですが、後ろの戦略とも関係しそうですので。でも、パブコメ案のご説明に関しての質問に、なるべく限定して言うようにします。
国内流通管理という言葉が出てきて、その中で、ワシントン条約という言葉もお使いになりました。ただ、実際に生き物を移動させるときの手続については、担当は別の省庁ですけれども、それはどういうふうに考えたらいいのでしょうか。

【事務局(荒牧)】 輸出入の際には、外為法ということで、経済産業省さんの管轄になるのですけれども、ワシントン条約附属書Tに掲載されている種が国内で流通する際には、この種の保存法の規制の対象ということになりますので、環境省のほうで所管をしているという形になってございます。

【土屋委員】 そうすると、この登録票等というのは、環境省独自で決められるものと考えていいのでしょうか。

【事務局(荒牧)】 そうですね。登録制度につきましては、当方の所管という形になっております。

【山岸部会長】 よろしゅうございますか。
それでは、この答申案をパブリックコメントにかけて、恐らく次回の部会は2月ごろになると思いますが、答申案のご了承をいただきたいと思いますが、よろしゅうございますでしょうか。

(異議なし)

【山岸部会長】 ありがとうございました。
それでは、今、土屋さんも言ったように、これは深く、その後のことと関わっているので、ちょっとこれは先走り過ぎるのですかね。ということになると思いますが、保全戦略の骨子案で、これも実は初めてご覧になったものではないと思います。もう白表紙になって、できているものですよね。

【事務局(荒牧)】 はい。点検の提言を。

【山岸部会長】 ですから、もうなじみのあるものだと思いますので、ご意見がありましたらお願いいたします。
はい、どうぞ。

【土屋委員】 白表紙になってできているものと言われると、ちょっと質問がしづらいのですが、先ほどの登録票等の件に関して質問いたしますと、この国内流通管理に関しては、このパブコメ案の大きな二本柱の一つであるということですが、保全戦略の中に、その内容が具体的に見えてこないような気がするのですが、そこはどういうふうに見ればいいのでしょうか。

【事務局(荒牧)】 すみません。説明をさせていただくべきところでございました。
流通管理に関しましては、法律に関する直接の改正内容ということになってまいりますので、この答申をいただきましたら、法律改正の検討に向けて、さらに進めていきたいというふうに考えております。今回の保全戦略につきましては、国内に生息します、絶滅危惧種の保全についてどうしていくのかということにフォーカスをしてご議論いただいて、まとめていきたいと思います。
すみません。あと、もう一つ、補足なのでございますが、考え方のベースは、先ほど、座長にお話しいただきましたように、昨年度の提言を踏まえまして、作成をしてきているところでございます。新しいところが、どこかにあるのかという点では、施策の展開のところでは、それを踏まえて、では、環境省として、今後、何に着手していくのかということを書かせていただいておりますので、その辺りに特にご意見をいただけるとありがたいと思います。
よろしくお願いいたします。

【山岸部会長】 それは何ページですか。

【事務局(荒牧)】 8ページの途中から始まります、第5章の施策の展開というところでございます。

【山岸部会長】 わかりました。
それでは、山極委員。

【山極委員】 8ページのところにも書いてあるのですけれども、こういう戦略を進めるに当たっては、情報の管理、提供、普及啓発及び規制の強化を、一体となって進めるべきだと思うのですね。情報というのは非常に難しいです。
今の日本の社会を見ていると、例えば、子どもたちがこういう絶滅危惧種や希少種を見かけるのは、動物園や水族館とか、公共団体とも限らない、私設の施設であることが多いですね。そういうところでは、非常に間近に見られたり、あるいはさわれたりすることが多いですね。そこで、本当に情報が適切に提供されているのかどうか検証する必要があります。
例えば、マニアの人たちは、希少動物を実際に自分の手にしたいと思ってしまうわけですよね。ですから、下手に情報が提供されると、ああ、こんな罰則ぐらいだったら、取りに行ってみるかみたいな話になってしまう。そういう行為を防止するようなことを、きちんとやっているのか検証する必要があるということです。私設の植物園とか水族館とか動物園において、こういう情報の提供を環境省が義務づけるとか、あるいは適切なガイドをするとかというようなことをしないと、本当に情報が適切に普及されているのか。しかも、その情報を得た人たちのマナーについて、きちんと規制が行われているのかということが確かめられないと思います。私はそれほどきちんとできていないような気がするのですけれども、その辺の対策はどのように打たれるつもりなのか。もう少し具体的にお聞きしたいと思うのですけれども。

【事務局(荒牧)】 どのようにその種についての情報発信をしていくかというところは、まさに大きな宿題だと思っておりまして、動物園関係も含めて、さまざまな方といろいろと協議をしていきたいと考えておりますが、規制をかけるという部分につきましては、先ほど流通のほうでの罰則の強化のところで、答申案のほうで記述させていただいておりますが、この罰則強化の検討に当たりましては、単に流通だけではなくて、国内種の捕獲、採取も含めて、少し検討していきたいと考えております。

【山岸部会長】 よろしゅうございますか。

【山極委員】 あまり十分ではないとは思いますが。

【星野審議官】 少し補足させていただきますけれども、日本動物園協会の中に、種の保存の委員会というのがございまして、環境省の野生生物課とも定期的な会合を持って、動物園の公的な役割として、種の保存に責任を果たしていくということもございます。それで、日動水の中でも加盟している園にそういう考え方を徹底させて、希少種の保存という意味でも、トキの関係で長年協力いただいているほか、ツシマヤマネコの飼育、繁殖の協力をいただいり、希少種の保全という意味でも大きな役割をこれまで果たしてきていただいておりまして、動物園で一般の方に対する希少種の保存、保全についての普及で一定の役割をこれまで果たしていただいているとは思っているのですけれども、今後、ただいまのご指摘も踏まえて、一層、環境省との協力関係を強化して、各動物園でしっかりと対応をしていただけるようにしていきたいと思います。

【山極委員】 一言だけ。そういった公共の場所で、そういった情報の普及をする場合には、もう少し文章とか掲示の内容をわかりやすく、子どもたちにもわかるようにしていただきたいと思います。
大体は難しくて、あまり見ないのですよね。ぜひ心がけていただきたいと思います。

【山岸部会長】 よろしゅうございますか。
そうしたら、桜井さん。次に、鷲谷さん。

【桜井委員】 ちょっと水系、要するに、水の中の生物のところは、ちょっと私もこれではわからないのですけれども、例えば、両側回遊といって、海から川、川から海へ行くような生物とか、それから、例えば、トビウオのように、イトヨリとかトビウオのようなものとか、それから、浅海域のアサリとか、湿地帯のところとか、そういったところも入っているのでしょうか。
これの非常に重要な点は、もし海を全部入れてしまうとすると、これは物すごい膨大な作業で、私は恐らく不可能だと。悪いですが、不可能と言ったら怒られますけれども、非常に長引いてしまうので、できるだけ少し里地・里山・里海に近いような部分のところについては、もう少し通産省さんと協議されて、組み込んでいくということをしていただきたいのですけれども、それは進んでいるのでしょうか。

【事務局(荒牧)】 まず、対象というところなのですけれども、レッドリストの中では、陸上の水域も対象になっておりまして、回遊性の魚類も含めて、淡水魚類という形で挙がっております。このリスト、約3,500種の中にも、やはり水生の生き物、干潟といった浅海域も含めて、対象となっておりますので、それは現在の中でも進めていきたいと思います。
一方で、海洋性の生物につきましては、今のところ、レッドリストを作成しておりませんで、今後、進めていきたいと思っておりますので、ちょっと同時進行という形になりますけれども、取り組んでいきたいと考えているところです。

【桜井委員】 ただ、魚類については、まだ現時点では第三次リストになっていますよね。ここはどうなのですか。

【事務局(荒牧)】 すみません。今、ちょっと作業中でございますが、年度内には発表して更新をさせていただきたいと思いますので。それを受けまして、この保全戦略のほうも、修正をかけさせていただきたいと思います。

【山岸部会長】 よろしゅうございますね。
それでは、鷲谷委員、どうぞ。

【鷲谷委員】 ちょっと感想のようなことになってしまって、申し訳ないのですけれども、戦略を立てるに当たっては、保全の活動の現状というのもしっかり踏まえて、それに基づく戦略をつくっていくことが必要なのではないかと思いますが、印象として、脊椎動物の絶滅のおそれのある種が対象になって主に考えられた戦略のような印象があります。
その脊椎動物のほうは、それなりに行政の役割も今まで大きかった分野ではないか、行政とか研究者がかなり関わっての活動が多く展開されていた分野ではないかと思うのですけれども、昆虫や植物などですと、行政というよりは、本当に地域に根差した活動というのが、私もほとんど把握したりはしていないのですけれども、いろいろな場面で、そういうことをしている人たちとお会いする機会が多いものですから、恐らくたくさんのそういう草の根的な保全の活動というのがあると思うのですね。それで、そういう方たちは、きっと科学的な情報が十分利用できないこともあるかもしれませんし、他の活動から学ぶ機会なども、ないことも少なくないように思うのですね。そういう草の根で保全活動をしている人たちの活動が報いられます、評価されるということが必要だと思いますし、やる気のある人たちが一層キャパシティを大きくして、有効な保全活動にしていくような。今までは行政の手があまり差し延べられていなかった、自主的活動ということが多いのではないかと思うのですけれども、そういう。
この戦略の中にということではないのですけれども、一方で、そういう活動に目を向けることも、これからは必要になっていくのではないかと思います。

【山岸部会長】 9ページの(2)ですかね。保全手法及び保全技術の開発と普及の中に、いろいろなところと連携するというようなことを書いてありますが、その中に、そういうものをお考えいただきたいというご意見ですかね。

【鷲谷委員】 こちらだと、何か、地域住民は協力者という位置づけのような印象、流れとしてですね。主体は、むしろ行政とか、割合大きな何か組織を持っているようなところが主体であって、協力とか理解してもらうという言葉が多いのですけれども、むしろ主要な主体が地域の人々であって、そういう活動をされているということもあるかもしれないというふうに思います。
これを直していただく必要はないとは思うのですけれども、そういう世界が広がっていることも念頭に置きながら、こういう行政が進んでいくといいのではないかという感想を持ちました。

【山岸部会長】 ありがとうございました。
はい、どうぞ。

【小長谷委員】 もう少し先の話、今、言うべきことではないと思ったのでしたのですけれども、もうずっと流れができましたので、一言、それに加えておきたいと思いました。
こういう、いかにも答申案は答申の世界のガイドラインであって、これが社会に浸透するときには、ブレイクダウンをしていかなければいけないと。そのときには、地域化ということが一つ必要だし、それから、種ごとを事例にする、例えば、メダカを事例にする、アライグマを事例にするというふうに、一つに落として説明していくという、ブレイクダウンの手法があると思います。
そのときに、もう皆さんがつくることを放棄すると。いつもここに来てびっくりするのは、あの後ろの方々の多さですね。いろいろな委員会があるけれども、こんなにたくさんの方々が見に来て、ウオッチしていらっしゃるわけですから、ああいう方々を使って、使ってと言うと失礼かな、あそこに科学的知見がないわけではなくて、皆さん、すごく熱心になさっていて、パブリックコメントに書かれるだけではなくて、もう子ども向けのマニュアルはそちらでつくっていただくということぐらいまで、できるわけですね。何でもかんでも自分でする必要がなく、そういう種のレベルや地域のレベルにブレイクダウンするときには、そういうところを使うという、そういう意味、事例を描きながら、今、先生がおっしゃったような10ページというところをすればいいのではないかなと思いました。

【山岸部会長】 ありがとうございました。よろしくお願いします。
ほかに何かありますか。

【土屋委員】 すみません。また細かいところに戻ってしまいますが、9ページの我が国の重要な生態系というところに、奄美・琉球諸島という言葉が使われています。奄美・琉球諸島といってしまうと、北琉球である種子島、屋久島、あるいはその周辺が除外されてしまいますけれども、生物学的にはそこも含めたほうが、圧倒的に重要性を強調できますので、別の言い方がいいのではないかと思いますので、ご検討ください。

【山岸部会長】 よろしゅうございますね。
三浦委員。

【三浦委員】 二つほど、注文というか。一つは、種の保存法が出ると、いつもお願いしているのですけれども、やはりこれは十分に浸透しないというか、その一つとしては、カテゴリーのTAとか、これはもう繰り返し言いますけれども、やはり日本語で浸透させるような、CRのENの、TAのTBの、それから、U類と、こうくるわけですから、これはやはり基本的に見直していただきたいと。これは繰り返しお願いしています。
それから、もう1点は、これは保全戦略なのですから、リストの数が多くなっているという格好のものではなくて、多様な主体の連携の中で、この間、ある一定の期間の間にランクが下がったようなもの、つまり成功事例を入れていくということをしないと、この法律の目標にどう向かっているのか、多くのものはリストアップされているだけの話という話ですから、そうではなくて、こういう取組をして、そして、こういう要因を除去して、それで、カテゴリーをダウンさせたといったようなものもぜひ入れていっていただきたいと思います。よろしくお願いします。

【山岸部会長】 関連してですけれども、三浦さんのあの意見は、僕も5、6回聞いていて、そういうふうにならない理由は何なのですか。誰が聞いても、そっちのほうがいいと思うのだけれども。

【事務局(荒牧)】 すみません。実は技術的な課題が一つございまして、レッドリストは、今、環境省がやっているのが、やり方が選択できるような形になっているのですが、定量的な評価と定性的な評価がございまして、定性的な評価をするときに、TAとTBを分けることができないので、TAプラスTBという、T類という形の整理をしていることがございます。ですので、実はランクがもう一つありまして、CRやEN以外に、T類と言わざるを得ないものがあるというところが、少しちょっと難しい点だなと思っております。
また、ただ、名称につきましては、ちょっとこれまで長く使ってきたというところがあるのですけれども、いろいろ改善点ができないのかというのは、レッドリストのほうの検討会でも議論していければいいなと考えているところでございます。

【山岸部会長】 もう法律的に絶対だめだというわけではないのですね。

【事務局(荒牧)】 そういうわけではないです。

【山岸部会長】 やったらいいのではないのかな。

【星野審議官】 IUCNで決めている基準を準用しているというのがございます。それで、IUCNで使っているような表現になっているのですけれども、過去は別な言い方をしていた時代もあります。
私どももいろいろなところでわかりにくいという話を伺っていますので、先ほどのご意見もございますし、こういうのを決めて、国民の一人一人がわかりやすく認識していただくというのが一番大事だと思いますので、全く変えるということ以外の方法も含めて、副題といいますか、対応関係を明確にさせた上で、よりわかりやすい表現を使っていただいても、厳密な意味で、どこに位置するかがわかるような工夫とか、例えば、そういうことも含めて、一般の方にわかりやすいようなものにする努力はしていきたいと思います。
ちょうど、この保全戦略がいい機会ではありますので、今までの長年にわたる三浦先生のご指摘を踏まえて、また、山岸部会長からもそういうお話がございましたので、検討させていただきたいと思います。

【山岸部会長】 ありがとうございました。
山極委員。磯崎さんのほうが、先だったですね。すみません、見落としてしまって。

【磯崎委員】 今、三浦さんが触れた、後半のほうですが、あれは私も何度か触れているのです。今回の戦略で、1ページ第2章の二つ目の丸印で、最終目標は安定的な存続、つまりこのリスト、絶滅のおそれのあるというカテゴリーから外れることというのがここに入っています。これがもう少し後ろの施策とかで細かく、具体的にこれを目的とするということは、何をするのか。それで、リストアップされている個々の動植物について、何をしたらこの目的達成ができるかというのが、個々の動植物のところに入ると、最終目標とつながるということになってきます。それから、まだもうちょっとそういう状態になるのは、将来なのかもしれないのですが、要するに、ダウンリストをしていくときの手続に、あらかじめ合意ができていたほうが、実際にその場面になってからというときよりも、今のうちに原則をつくっておいたほうが確実になると思います。ですから、後ろの施策とか、第5章辺りでも、これを受けた施策というのが出てこないといけないと思います。
それと、あと同じように、もう一つなのですが、6ページ、(2)の三つ目の丸印の生息域外保全のところで野生復帰の話が出ていて、既にコウノトリとかトキとかで、そういう状況も現れているのですが、9ページの一番下の丸印では、施設内での域外保全の、その技術開発の話しか出てこないのです。6ページの今の三つ目の丸印の後半を受けた、野生復帰のときに、この第5章の施策として何をするのか。そのための基準とか手続とか合意形成の手法とか、そういうのもここに出てこないといけないと思います。

【中島野生生物課長】 前半のお話でございますけれども、現在の案で、施策の展開の中で、絶滅危惧種の保全状況の評価という、(4)、8ページでございますけれども、ここに、これは保全状況の評価ということだけなのですが、種ごとにどういう状況であるかということなのですが、さらにどういうことをやるべきなのかというところも含めて、記述していくような形にしていけばいいかと思います。少し工夫をしたいと思います。
後半のほうは、確かに抜けている部分でございますので、これもちょっと追加を考えたいと思います。

【山岸部会長】 さっき、ちょっと僕が口をすべらせてしまって、白表紙ができているなんて言ってしまったもので、言いづらくなってしまっていると思いますが、どんどん言ってください。まだこれはこれから変えて、もう一度、お諮りするものでありますので。今は十分、その機会だと思いますので。
それでは、山極委員。

【山極委員】 これは答えにくい質問かもしれないのですけれども、8ページの一番上のところに、保全の体制等のあり方というのがありますね。ここに、「保全の取組の主体となる地方環境事務所を中心に人材や予算等の確保に努める」とあるのだけれども、前から思っているのですけれども、保全に非常に関心のある若い人たちは多いのですけれども、そういうポストがなかなかないのですね。これをどういうふうに進めるつもりなのか。ただ人材確保といっても、どういう人材なのか。予算といっても、地方に丸投げなのか。あるいは環境省自体がどういう方面での予算を確保しようとしているのか。
地方環境事務所って、非常に偏っていますよね、地域によって。しかも、重要性も違うし、多分、方針も、恐らく国のやろうとしている方針と、地方のやろうとしている方針が大分変わってくる可能性があるのですよね。その辺の、言うなれば、パーステクティブというのですかね、何かお持ちならば、もうちょっと具体的に示していただいたほうがいいのかなという気がするのですけれども。

【中島野生生物課長】 確かに答えにくいお話なのですけれども、ここの8ページの5の2行目に書いてあります、地方環境事務所は、これは環境省の出先事務所でございますので、これは環境省と一体でございます。国の制度の中では、本省と地方事務所という分けがありますので、一応、地方環境事務所とは書いてありますけれども、環境省のことであります。
一方、都道府県なり市町村のほうでこういった取組をしていくときに、同じような問題といいますか、話が出てくるわけですけれども、それを両方、国がやっていくことと、地方がやっていくことというのを両方見渡して、何かを書くということは今回はしておりませんで、国が自らやるところについてのみ、言及しているということであります。
最近の国と地方の関係が、以前とは少し違った形に今なってきておりまして、なかなか地方のやるべきことみたいなことを、国が勝手にやるのはどうかというような意見もあり、最近では、まずは国がやるべきことをしっかり書くというような流れになってきておりますので、今回も一応、そのような形になっております。

【山岸部会長】 それでは、石井実委員、どうぞ。

【石井(実)委員】 9ページの2番の、絶滅危惧種の保全対策の推進の(1)の4ポツなのですけれども、ここにU類について、その中でも広域に分布していて、全国でさまざまな取組がなされているものに関しては云々というふうな表現があるのですけれども、まず、この4行目にある、保全に関する「ガイダンス」って、「ガイドライン」の間違いではないかな。「ガイダンス」でいいのですかね。
それから、もう一つは、なぜ、多分、絶滅危惧U類ぐらいだったら、広域分布で全国にもまだまだたくさん数がいるから、いろいろな取組があるという意味だと思うのですけれども、このU類に、ここは限る必要は別にないのではないかと私は思うのですけれども、いかがでしょうか。

【事務局(荒牧)】 ありがとうございます。
「ガイダンス」というのは、ガイドラインといったときに、ある意味、指標的な、ルールブックみたいなことを想定されると、ちょっとトゥーマッチかなと思いまして、何らかこういった取組の、先ほど、優良事例という話が出ていただきましたけれども、優良な事例、こういったやり方があるよといったご紹介ですとか、そういうニュアンスも含めて、一応、今のところ、「ガイダンス」とさせていただいているところでございます。文言で、もしこういったほうがよりわかりやすいというのがあれば、いただければと思います。
あと、VUに限定する必要はないということは、おっしゃるとおりで、ちょっと書きぶりを検討させていただければと思います。

【石井(実)委員】 ガイダンスの作成という、日本語のつながりって、何か変な感じで、ガイダンスだったら、開催か何かするのかなという。何か人に説明会を開く。妙な感じなのかなと思うのですけれども、どんなものがいいのですかね。

【中島野生生物課長】 ちょっと言葉は工夫をしてみたいと思います。

【小長谷委員】 何か、リファレンスドックみたいな。ケーススタディで、そのいろいろな地方の取組を、いろいろと見られるみたいな。

【山岸部会長】 ご検討ください、いずれにしましても。
それでは、さまざまな意見を頂戴したのですが、本日、今いただいた貴重な委員の皆様のご意見を、事務局で、もう一度、再整理していただいて、次回の部会では戦略本体の案をご論議いただきたいと思いますが、よろしゅうございますか。

(了承)

【山岸部会長】 ありがとうございました。
そうしたら、次に、審議事項4に行きたいと思います。
次に、鳥獣の保護及び狩猟の適正化につき講ずべき措置についての諮問内容について、事務局から、ご説明ください。

【事務局(松本)】 鳥獣保護業務室、松本と申します。よろしくお願いいたします。
鳥獣の保護及び狩猟の適正化につき講ずべき措置につきまして、諮問の概要と今後の進め方につきまして、ご説明申し上げます。資料4をご覧ください。
まず、諮問の理由でございますが、近年、シカ、イノシシなど野生生物の生息地の拡大や個体数の増加に伴いまして、希少な高山植物の食害や森林内の樹皮はぎ、農林水産業等への被害というものが深刻な状況となっております。そうした中、鳥獣捕獲の中心的な役割を果たしている狩猟者につきましては、その減少、高齢化が著しく、鳥獣捕獲の担い手の不足ということが大きな課題となっております。こうした中、鳥獣保護管理に携わる人材の育成や、将来にわたって適切に機能し得る鳥獣保護管理体制の構築というものが求められております。
また、平成19年4月に鳥獣保護法の一部改正を行った際、附則の中で、施行後5年を経過した場合において、法律の施行状況の検討を行い、必要があると認めるときは所要の措置を講ずるというふうに定められております。
こうしたことを踏まえ、今般、鳥獣の保護及び狩猟の適正化につき講ずべき措置について、中央環境審議会への諮問をさせていただいたところでございます。
なお、資料2ページのとおり、本件につきましては、野生生物部会に付議されているところでございます。
続きまして、今後の進め方について、ご説明申し上げます。資料の3ページをご覧ください。
中央環境審議会議事運営規則の第8条に基づきまして、野生生物部会には鳥獣保護管理小委員会が設置されております。本件につきましては、この小委員会にて検討をいただくことについて、本日の部会でご了承をいただきたいと考えております。
ご了承をいただけましたら、来年1月以降、小委員会におきまして施行状況の検討、検討内容についてのパブリックコメントを行い、小委員会で報告を取りまとめ、来年の秋ごろを目途に野生生物部会に報告をさせていただきたいと考えております。
なお、この小委員会での検討を行うに当たりまして、小委員会の設置に関する野生生物部会決定を改正する必要がございます。資料の4ページをご覧ください。
改正の内容は、小委員会の検討事項の中の2番として、鳥獣の保護及び狩猟の適正化につき講ずべき措置というものを追加するというものでございます。この件につきましても、あわせて、本日、ご了承をいただきたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。
なお、5ページに小委員会の運営方針、6ページ、7ページに中央環境審議会の議事運営規則をお示ししてございますので、それぞれご確認いただければと思います。
説明は以上でございます。

【山岸部会長】 ありがとうございました。
ただいまの説明につきまして、ご意見、ご質問がございましたら。
はい、どうぞ。佐々木委員。

【佐々木委員】 ありがとうございます。猟友会です。
大変、鳥獣被害が出ておるということで、その中で、一番問題なのは、担い手の問題でございまして、大変ハンターが激減しておると。我々も非常に責任を痛感いたしております。環境省も、担い手の育成のために、今年は8都県でフォーラムを開いて、いろいろやっております。
何とか担い手をと思いながらも、今、実際に狩猟に携わる者、銃を持ってやる、あるいは「わな」というふうにありますけれども、「わな」については順調に推移をしております。銃については、ご覧のとおり、大激減をしております。それは何かというと、銃刀法なのですね。銃刀法が非常に厳し過ぎる。今現在、銃を持っている人も、この間、特措法でやっと、ある技能講習ということを議員立法で提示してもらったのですが、もしそれが通っていなかったら、恐らく半分以下になったでしょう。それほど銃刀法が厳しいわけでございまして。銃刀法は、簡単に言えば、彼らに言わせれば、銃を、安全・安心だけを議論するのですね。ですから、銃に対するニーズとは一切関係ないという状況でございますので。
その中で、どうやって担い手を育成するかということですね。大体、我々が銃を持つ場合は、警察署に行って、申請を受けるわけですけれども、その申請がだめなのですね。受けさせてもらえないのですよ。銃の試験を、持つための、受けさせてもらえないのです。申請の段階で、普通は試験を受けるのに、申請は誰でも出すではないですか。ですけれども、申請の時点で、いろいろ詰問を受けて、ああ、やめたというふうになって。1割、2割ぐらいですね、せいぜい申請した人も、実際に銃を受けようとする人は。それほど厳しいものであります。
ですから、今回、こうやってまた鳥獣法を議論していただくということは、大変ありがたいと思いますし、ただ、その中に、銃刀法があります。今、農水省の特措法もあります。そういう中で、どのように連携をとって、この審議会に警察庁が来てもらえるものなのかどうか。実際に警察庁も、銃のニーズについて、しっかりと認識してもらいたいと思うのですね。その辺が、この委員会としてどういうものなのか、この辺のご見解をお願いできればありがたい。要望も含めてですけれども、お願いします。

【中島野生生物課長】 鳥獣の保護管理を進めていく上で、狩猟のさまざまな規制が深く関係しているということでございます。どのような内容を議論いただいても自由であり、銃刀法についても話題に上がって当然と考えております。
仮に銃刀法自体の話ということになりますと、これはまた別途、検討をしなければならないということになるかもしれません。その辺りは警察庁と連携をしながら、お話を進めさせていただきたいと思います。

【山岸部会長】 ほかにございませんか。もしないようでしたら、原案のように、野生生物部会の中に鳥獣保護管理小委員会を置いて、3ページに示したようなタイムスケジュールで今後進めていくということをご了承いただけますでしょうか。

(了承)

【山岸部会長】 ありがとうございました。
ご賛同いただきましたので、今後、野生生物部会鳥獣保護管理小委員会において議論を進め、その結果を報告していただきたいと思います。
それでは、ご苦労さまでした。
審議事項5の小委員会の廃止について。

【中島野生生物課長】 それでは、私のほうから説明をさせていただきます。
資料5をご覧いただきたいと思いますけれども、この野生生物部会の下に、現在、四つの小委員会が設置されております。この中に、2年間ぐらい開催されていないものがございまして、今の中央環境審議会全体の方針として、2年間開催されていない小委員会は、一旦、廃止するということになっております。
なお、小委員会は部会の決定によって設置されておりますので、廃止するにはまた部会の決定が必要ということでございます。形式的ではございますけれども、小委員会の廃止をお諮りしたいということでございます。
具体的には、「遺伝子組換え生物小委員会」と「移入種対策小委員会」、この二つについて、廃止をご了承いただければと考えております。よろしくお願いいたします。

【山岸部会長】 ただいまの説明のとおりですが、ご意見、ご質問がございましたら賜りたいと存じます。

(異議なし)

【山岸部会長】 よろしいですね。では、事務局の案のとおり、二つの小委員会を廃止するということをお認めいただいたということにさせていただきます。ありがとうございました。
それでは、報告事項が1件ございます。
鳥獣保護法に基づく希少鳥獣の見直しについての内容を、事務局から、ご説明ください。

【事務局(松尾)】 鳥獣保護業務室の松尾です。
参考資料3をご覧ください。これに沿って、ご説明いたします。
鳥獣保護法に基づく希少鳥獣の見直しということで、現在、作業を進めております。今年8月末に公表されました、環境省第4次レッドリストを踏まえ、鳥獣保護法に基づく希少鳥獣の指定解除並びにそれに伴う狩猟鳥獣の見直しを行うとともに、最新の学問的な知見に基づきまして、希少鳥獣等の種名等の変更、学名の表記などが変わっているものもありますので、これらの変更を行うために、鳥獣保護法の施行規則の改正を行う予定にしております。
希少鳥獣につきましては、鳥獣保護法の第7条の規定に基づきまして、特に保護を図る必要がある鳥獣ということで指定されております。希少鳥獣については、捕獲または殺傷が環境大臣の許可対象ということになりますし、また、都道府県による希少鳥獣に係る特定鳥獣保護管理計画の作成ですとか、保全事業を実施しようというときには環境大臣への協議が必要になります。
希少鳥獣の指定の考え方ですけれども、これは鳥獣保護法に基づく基本指針におきまして、環境省のレッドリストで絶滅危惧TA、TB、またはU類に該当する鳥獣を希少鳥獣の対象とすることを基本としております。
具体的に、今回、新たに絶滅のおそれが高まったということで希少鳥獣の対象に位置づけられたものについて、16種類を以下の表のとおり上げております。
次のページを見ていただきまして、逆に絶滅のおそれが軽減された等の理由で、希少鳥獣の指定を解除する対象となったものが14種類ということで上げております。
次の3ページですけれども、これら希少鳥獣の見直しをしていく中で、ウズラが、今回、新たに希少鳥獣の指定の対象になりましたが、こちらは、今、狩猟の対象ということで、狩猟鳥獣という位置づけもありますが、希少鳥獣の対象となったことから狩猟鳥獣の対象には合致しなくなったということが考えられますので、ウズラの狩猟鳥獣の指定を解除するということを今考えております。
狩猟鳥獣の対象種の考え方は、その下にお示ししております。この中で下線部「当該鳥獣の捕獲等がその生息の状況に著しい影響を及ぼすおそれのないこと。」については、希少鳥獣の対象になったことを踏まえ、合致しなくなったのではないかと考えています。このため、現行、狩猟鳥獣は49種類、鳥類は29種類ですけれども、これが、ウズラの分を解除とするということで、48種類、鳥類が28種類ということになるという考え方です。
続きまして、4ページですけれども、このウズラについては、現在、生息状況があまりよくないということで、捕獲禁止措置がかけられております。これは狩猟鳥獣に対する措置ですので、今回、ウズラの狩猟鳥獣の指定解除を行うことに伴い、この捕獲等の禁止もあわせて解除をするという内容です。
続きまして、冒頭申し上げましたように、学名等を最新の知見に基づいて変更します。
今後のスケジュールにつきましては、現在、本件について、パブリックコメントを実施しているところです。これが12月18日までとなっております。その後、狩猟鳥獣の案件につきましては、1月に公聴会を開催して、関係者の方々からご意見をお聞きします。その後で、この野生生物部会でのご審議をいただければと思っています。最終的に、本件については、4月に改正省令を施行したいというスケジュールで考えております。
以上です。

【山岸部会長】 今の件、よろしゅうございますか。これは2月に諮問されるという。
佐々木委員。はい、どうぞ。

【佐々木委員】 狩猟者の立場からの意見をちょっと言わせていただきます。
レッドリストということなので、これは狩猟鳥獣解除というのは当然だと思っておりまして、それについては何の異議もございません。ただ、これから、我々狩猟者として、そういうウズラにせよ何にせよ、狩猟鳥であると、いろいろな意味で確認し合って、狩りに行っても、ああ、ウズラが飛んでいるということ、今まで禁止状態だったのですが、かなりその辺は我々も注意しながらやっておったのですが、もしそれが外すとなると、ああ、もうこれは関係ないということで、だんだん薄れて、情報収集というか、例えば、モニタリングについて、どういうふうになるものなのか、心配。
あるいはウズラといっても、やはりインフルエンザの媒体でもあるし、そういう意味では保護管理というのはきちんとする必要があるので、その辺がどういうふうなのかなと、ちょっと心配で申し上げております。
以上です。

【山岸部会長】 何か。中島課長……。

【佐々木委員】 いや、いいですよ。

【山岸部会長】 いいですか。それでは、そういうご意見があったということで。
それでは、本件、よろしゅうございますか。

(異議なし)

【山岸部会長】 それでは、その他とあるのですが、何かありましたら。

【中島野生生物課長】 参考資料4と5といたしまして、先日公表いたしました、猛禽類保護の進め方と、それから、アホウドリの産卵についての資料を配付しておりますので、参考にしていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。

【山岸部会長】 以上で、本日の議題は終了いたしましたが、全体を通じて、ご意見、ご質問ございますでしょうか。

(なし)

【山岸部会長】 ほかにご意見などがないようでしたら、星野審議官から、最後に、ご挨拶をお願いいたします。

【星野審議官】 自然環境局を担当しております、大臣官房審議官の星野でございます。
本日は多くの議題につきまして、熱心なご審議、そして、ご助言をいただきまして、誠にありがとうございました。
第1の議題では、外来生物法の施行状況等を踏まえた今後講ずべき必要な施策について、ご審議いただきました。本日は、意見具申の形でのご提言をまとめていただいたところでございます。外来生物保護法におけるさまざまな課題に対して、実行していかなければいけない事項をご指摘いただいたところでございます。環境省としても大変重く受け止めているところでございます。今後、関係省庁とも連携いたしまして、対応を検討して、着実に施策を推進してまいりたいと考えているところでございます。法制度に関わるご指摘につきましては、環境省としまして、関係省庁とともに、まずは法改正が必要な部分をしっかりと詰めていきたいと思っております。
二つ目、ご審議いただきました、諮問案件であります、絶滅のおそれのある野生生物の保全についての今後講ずべき措置につきましては、本日ご審議いただいた内容を踏まえまして、パブリックコメントを行わせていただき、次回の野生生物部会でご審議の上、答申をいただければと考えておりますので、よろしくお願いいたします。
三つ目の議題でご審議いただきました、絶滅のおそれのある野生生物種の保全戦略の骨子案につきましては、たくさんのご意見をありがとうございました。今後、さらに、この部会でご審議をいただきまして、環境省としての保全戦略を作成したいと考えておりますので、引き続き、ご指導のほど、よろしくお願い申し上げます。
四つ目の議題でございます。諮問案件、鳥獣の保護及び狩猟の適正化につき講ずべき措置につきましては、今後、鳥獣保護管理小委員会におきまして、ご審議をいただきますので、よろしくお願いをいたします。
五つ目の議題では、二つの小委員会の廃止につき、ご決定をいただきまして、ありがとうございます。
また、最後に、報告事項としてお知らせをいたしました、鳥獣保護法に基づく希少鳥獣の見直しにつきましては、次回の野生生物部会で諮問させていただき、ご審議の上、答申をいただければと思っておりますので、よろしくお願いいたします。
本日は長時間にわたり、ありがとうございました。来年もまたよろしくお願いいたします。

【山岸部会長】 それでは、本日の野生生物部会を終了いたします。ご協力ありがとうございました。