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■議事録一覧■

中央環境審議会 野生生物部会
会議録


1.日時

平成24年5月10日(木)14:00〜16:00

2.場所

中央合同庁舎第5号館22階 環境省第1会議室

3.出席者

(委員長) 山岸 哲
(委員) 加藤 順子 鷲谷いづみ
(臨時委員) 石井 信夫 石井  実 磯崎 博司
磯部  力 小泉  透 佐々木洋平
土屋  誠 福田 珠子 三浦 愼悟
(環境省) 渡邉自然環境局長
小林大臣官房審議官
亀澤野生生物課長
関根外来生物対策室長
堀内鳥獣保護管理企画官
奥田生物多様性地域戦略室長

4.議事

【事務局】 定刻となりましたので、中央環境審議会野生生物部会を開催させていただきます。
 本日の出席者数でございますが、加藤委員はまだ到着されておりませんが出席という連絡をいただいております。委員21名中12名の出席であり、中央環境審議会令により定足数を満たしておりますので、本日の部会は成立しております。
 続いて、お手元にお配りしております資料を確認させていただきます。
 一番上が議事次第、続きまして、中央環境審議会野生生物部会委員名簿、裏面が本日の座席表になっております。
 資料1−1は、国指定鳥獣保護区及び特別保護地区の指定について(諮問)です。
 資料1−2は、国指定鳥獣保護区等諮問案件一覧。
 資料1−3は、国指定鳥獣保護区及び特別保護地区指定状況。
 資料1−4は、国指定渡良瀬遊水地鳥獣保護区指定計画書(案)。同じく、国指定円山川下流域鳥獣保護区指定計画書(案)。同じく、国指定荒尾干潟鳥獣保護区指定計画書(案)です。
 資料2−1は、対象狩猟鳥獣の捕獲等の禁止又は制限を定めることについて(諮問)です。
 資料2−2は、案件の概要。
 資料2−3は、検討の経緯。
 資料2−4は、検討の結果。
 資料2−5は、公聴会の意見概要。
 資料2−6は、パブリックコメント結果の概要です。
 資料3は、「特定外来生物による生態系等に係る被害の防止に関する法律」(外来生物法)の施行状況の検討について。
 それから、参考資料1は、パワーポイント資料で、ラムサール条約湿地の新規登録候補地についてという資料です。
 参考資料2は、野生下でのトキのふ化(ヒナの誕生)についてという資料です。
 そのほか、本日のパワーポイント資料を二種類つけさせていただいております。
 もし、資料に不備がございましたら、事務局にお申し出ください。よろしくお願いいたします。
 それでは、議事進行を山岸部会長にお願いいたします。

【山岸部会長】 それでは、ただいまから平成24年度第1回野生生物部会を開催いたします。
 本日の審議に先立ちまして、渡邉自然環境局長より、ごあいさつをお願いいたしたいと思います。どうぞ。

【渡邉自然環境局長】 ありがとうございます。自然環境局長の渡邉でございます。
 平成24年度第1回目の野生生物部会ということになります。お忙しい中、ご出席いただきまして、本当にありがとうございました。前回が、3月の末に野生生物部会を行わせていただきました。植物三種について、種の保存法に基づく国内希少種に指定ということで答申をいただいたところであります。
 今日、今年度第1回目の部会でございますけれども、三つのことについて審議していただければと思っております。
 一つ目は、国指定鳥獣保護区の関係でございます。
 渡良瀬遊水地、そして、兵庫豊岡の円山川の下流域、九州有明海の荒尾干潟、この3カ所について、新たに国指定鳥獣保護区への指定をしようということで、この諮問についてご審議いただければというふうに思っております。
 この3カ所については、ラムサール条約湿地への登録を、さらに目指していこうということを予定している場所でもあります。
 また、一昨年、生物多様性条約のCOP10が行われました。その中で、新しい世界目標として愛知目標というのが合意されました。その愛知目標の中で、保護地域の拡充というのが大切な目標として掲げられています。そういった愛知目標の実現に向けても、大きな意味を持つというふうに考えております。
 そういった国指定鳥獣保護区の指定についてのご審議というのが、一つ目でございます。
 それから二つ目は、鳥獣法に基づきます狩猟鳥獣の捕獲の禁止、あるいは制限について、その定めについてということでございます。前回の3月の野生生物部会で、少しご議論していただきました。今回は、狩猟鳥獣の見直しに関する検討会での検討結果も踏まえて、また、公聴会、そしてパブリックコメントの結果も踏まえて、答申をまとめていただくご審議をお願いできればというふうに思っています。
 3点目は外来生物法の関係です。外来生物法が施行されてから5年を経過したわけですけれども、5年を経過した際に、法律の施行状況について検討して、必要があると認められるときは、その結果に基づいて所要の措置を講ずるというふうに規定されています。その規定も受けて、今回、外来生物法の施行状況の検討について、どう進めていくか。具体的には、野生生物部会のもとに外来生物対策小委員会というのを設置して、具体的な施行状況の検討を進めていければというふうに考えております。そういった検討の進め方についてご審議をいただけたらというふうに思っています。
 以上、三つの点が審議事項ということで、ご議論をお願いしたい点でございます。
 そのほかに二つほど報告事項ということで、今日ご審議いただく国指定鳥獣保護区の指定、3カ所をご議論いただくわけですけれども、ご了承をここでいただければ、この3地区も含めて、全国で9カ所の湿地について、本年7月にルーマニアのブカレストでラムサール条約の第11回目の締約国会議があります。このCOP11でラムサール条約湿地登録候補地にしていこうということで、その状況についても事務局のほうから報告していきたいというふうに思います。
 そして、もう一つは、佐渡の野生でのヒナの誕生のニュースがありましたけれども、その経過と現在の状況についても報告していければというふうに思います。平成20年に野外での放鳥を始めてから、今年が4年目ということになります。野外で産卵が確認できてから3シーズン目ということになりますけれども、3シーズン目にして初めて野外でのふ化が確認できたということになりました。
 二つの巣で5羽のヒナがふ化したことが、これまでに確認されています。このトキの野生復帰、野外での定着に向けたいろいろなプロセスの中で、私たちとしては非常に大きな一歩を進めることができたのではないかというふうに感じております。今後さらに、巣立ち、そして野外での定着に向けて、ハードルはたくさんあるというふうに思っておりますけれども、一歩一歩着実に取組を進めていければというふうに思っているところでございます。
 本日は限られた時間の中ではありますけれども、審議事項につきまして、さまざまな角度からご意見をいただき、ご審議をいただければというふうに思います。
 どうぞ、よろしくお願いいたします。

【山岸部会長】 それでは、早速、議事に入らせていただきます。
 ただいま自然環境局長よりごあいさつがあったように、本日は、審議事項が3件と報告事項が2件、予定されています。
 まず、第1の審議事項です。国指定鳥獣保護区及び特別保護地区の指定についての諮問内容につきまして、事務局よりご説明いただきますが、今回は、今申しましたように、3地区の指定についてお諮りいたしますので、1カ所ずつ、説明が終わったところで意見を受けつけたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
 それでは、事務局、お願いいたします。

【事務局(尾ア)】 野生生物課計画係の尾アと申します。本日、諮問させていただく案件につきましては、委員の先生の皆様方の中でも、深く関わっていらっしゃる方が多いので、とても恐縮なのですけれども、私のほうから説明させていただきます。座って失礼いたします。
 国指定鳥獣保護区及び特別保護地区の指定について、委員の皆様には事前に指定計画書をお送りしております。今日は、その内容について、お配りしておりますスライドを主に使用しまして、説明いたします。
 資料1−2にも一覧がございまして、そちらに概要も載っておりますので、あわせてご覧いただきたいと思います。
 まず、国指定鳥獣保護区の法律上の規定について説明いたします。
 鳥獣の保護及び狩猟の適正化に関する法律に規定されており、国際的又は全国的な鳥獣の保護の見地から、その保護のため重要と認める区域を国指定鳥獣保護区に指定できるとされております。
 この区域の中では狩猟の禁止という規制がかかります。また、その鳥獣保護区の中でも特に必要があると認める区域につきまして特別保護地区を指定することができるとなっておりまして、特別保護地区の中には、狩猟の禁止に加え、建築物、そのほかの工作物の新築等、水面の埋め立て、干拓等について規制がかかります。
 鳥獣保護区の指定区分は、四つございまして、大規模生息地、集団渡来地、集団繁殖地、希少鳥獣生息地がございます。こちらは、鳥獣の保護を図るための事業を実施するための基本的な指針に、要件が定められており、これにのっとって指定しております。
 このような形で、現在、全国、北海道から沖縄まで指定されております。今回の指定案件については、3カ所、渡良瀬遊水地、円山川下流域、荒尾干潟を予定しております。
 これが一覧となっておりまして、渡良瀬遊水地は鳥獣保護区のみで、ほかの2件につきましては、特別保護地区の指定も行いたいと思っております。
 指定までの主な手順につきましては、自治体や利害関係人等との調整を経て、公聴会についてもご意見をいただきながら、パブリックコメントを踏まえて、本日、中央環境審議会の諮問ということで、部会を開かせていただいております。
 今回指定されますと、鳥獣保護区としては現在79カ所ある箇所数が82カ所になります。面積といたしましては、このように増加することになります。
 それでは、ここから個別の鳥獣保護区の説明をさせていただきます。
 まずは、渡良瀬遊水地鳥獣保護区です。こちらは、茨城県、栃木県、群馬県、埼玉県の4県、4市2町にまたがっております。存続期間は、平成24年6月1日から平成43年10月31日まで、上限期間は20年となっておりますので、19年4カ月という存続期間としております。面積は、鳥獣保護区のみで2,861ヘクタールです。他法令による規制区域としましては、河川法による区域となっております。
 指定区分は集団渡来地でして、チュウヒやシギ・チドリ類、ツバメがその指定の種類となっております。そのほかにも、このような主な生息鳥獣がおります。また、植物層としては、この場所は本州最大級のヨシを主体とする湿生草地として非常に特徴的な場所です。
 詳しく鳥獣の状況を説明させていただきます。
 指定計画書を作成するに当たって、参考とした調査に基づきご説明いたします。種構成は、冬鳥が多く夏鳥が少なくなっております。それは、夏鳥は樹林性の種類が多いため、樹林の少ない遊水地では夏鳥の種類が必然的に少なくなり、また、遊水地の湿地植生にチュウヒやコチョウゲンボウ等の多くの冬鳥が渡来することが起因しています。過年度の調査結果と比較しますと、年度別には、ほぼ同様の確認種数となっております。
 また、特筆すべき鳥類の生息に関する事項としましては、この場所は国内最大級のチュウヒの越冬地となっております。また、国内最大級、約10万羽のツバメのねぐらともなっております。
 植生の概況としましては、先ほども申しましたように国内最大級のヨシ原環境となっております。近年においては、東日本大震災の関係でヨシ焼きは中止されていましたが、毎年3月にヨシ焼きを実施しております。ヨシ焼きの実施によって、立ち枯れしたヨシやオギ等が除去され、それによって日照条件が改善され、そのことによって植物の生育が良好になっていると考えられています。
 渡良瀬遊水地を取り巻く状況といたしましては、皆様もご存じのように、この場所は足尾銅山による鉱毒事件に深く関連した場所です。そのことをもとに遊水池の計画が策定されるようになりました。度重なる洪水を調節するため、遊水地を調節池化する、そのような計画が策定されるようになりました。
 渡良瀬遊水地は、本来の目的は治水であると認識しております。治水を目的として、さまざまな検討がなされてきて、国土交通省の関東地方整備局利根川上流河川事務所において、渡良瀬遊水地湿地保全再生基本計画として取りまとめられています。
 この渡良瀬遊水地は全域が国土交通省管理の河川区域となっております。先ほども述べました基本計画に基づき河川環境への配慮がなされています。既にこの場所は特定猟具使用禁止区域に指定されており、銃猟が禁止されております。今後、鳥獣保護区として指定されることによって、まず、本来の目的は治水であるということをもとに、ヨシ焼きなど、人が利用することによって、チュウヒ等の希少な鳥類や植物等が、生息、生育する環境が保全されてきた背景を踏まえ将来にわたっても良好な湿地環境が保たれるよう、モニタリング等を実施してまいりたいと考えております。
 さらに、後ほど報告させていただきますけれども、この場所も、ラムサール条約湿地としての指定を目指しており、より一層ワイズユースを進めていくことも期待されます。
 また、通常は法律に基づき公聴会を開催しておりますが、この場所は、過去さまざまな、足尾鉱毒など住民の方々の強い思いもあり、地方環境事務所で個別に丁寧な地元説明会を開催して、地元の方々への理解を深めてまいりました。
 公聴会は昨年度末に開催し、意見につきましては、公述人37名のうち、賛成30人、条件つき賛成3名、どちらでもない2名、反対1名、未提出1名となっており、反対意見としては、渡良瀬遊水地の本来の目的は治水であり、現状のままでよいといった意見も出されました。
 このことにつきましても丁寧に説明を重ね、本来の目的が治水であることを私どもも認識した上で、鳥獣保護区としての保全を図ってまいりたいという考えで理解をいただいております。
 以上で、渡良瀬遊水地鳥獣保護区の説明を終わります。

【山岸部会長】 ありがとうございました。ただいまの説明につきまして、ご意見、ご質問がございましたら、ご発言願います。
どうぞ。石井信夫委員。

【石井(信)委員】 ありがとうございます。確認された哺乳類の中にアライグマがいます。それで、この環境を見ると、いかにもアライグマが好きそうで、たくさん住みつきそうなところなのですね。保護区設定の目的が、鳥類の、特に繁殖場所の保護ということなので、下手をすると、アライグマをそのままにしておくと、非常に大きな影響が出る可能性がありますので。実際に調べてみないとわからないことも多いと思いますけれども、そういう可能性を念頭に置いて、特にアライグマについては十分な注意を払って、この保護区の管理を考えていただきたいと思います。
 あと、公述人意見の中に「アライグマは土手を崩壊させるので対策」と出ているのですけれども、余りこういうことは、私は知りませんでしたけれども、治水上の問題もアライグマが起こしている可能性があるので、そのあたりにも注意を払っていただきたいと思います。
 質問なのですけれども、もし、現在のアライグマの状況とか影響とかで、わかっていることがあったら教えていただきたいのですけれども。
 以上です。

【山岸部会長】 ありがとうございました。事務局、どうぞ。

【事務局(山崎)】 環境省野生生物課の山崎と申します。
 公聴会等で、そういったご意見を聞いておりましたが、この区域でアライグマについて特段大きな影響というのは、現状では生じていないとは聞いております。しかし、区域内での目撃情報がありましたので、今後の状況については注視していきたいと考えております。

【山岸部会長】 よろしゅうございますか。
 いかがでしょうか。この地域で研究されてきた鷲谷委員、何かご意見はございますか。

【鷲谷委員】 長年こういうことで、しっかり保護しながら持続可能な形で利用していくことができればと思っていましたので、今回、指定ができますことを大変うれしく思っております。
 もう説明にありましたけれども、関東低地のなごりの湿地に近い状態で、絶滅危惧種が集中しています。50種と書いてありましたが、国のリスト以外のものも含めて60種ぐらい。ここで何もしないと、その絶滅危惧種を保全することも難しいのですが、火入れをして、利用もこれだけなされていますので、そういうことが続いていけば、守ることができるものがあると思いますし、かなりデータも蓄積していて、市ごと、あるいは立地ごとに細かい管理の計画なども立てようと思えば立てることができる、科学的な知見は蓄積しております。
 以上です。

【山岸部会長】 ありがとうございました。
 それでは。どうぞ、石井実委員。

【石井(実)委員】 単純な質問で恐縮なのですけれども、公聴会で出ている意見の多くというのは、それからご説明の中でも、遊水地の本来の目的は治水、だから治水が最優先ということになっているのですけれども、私が聞きたいのは、治水と、それから鳥獣保護というのが両立するかということなのですけれども、どのようにお考えでしょうか。

【山岸部会長】 それについては、鷲谷先生が答えてくれるそうですから。
 どうぞ。

【鷲谷委員】 完全に同じ方向を向いているといってもいいのではないかと思います。
 主に、私は植物を念頭に置いてお話をしているのですけれども、植物の多様性や、昆虫等の多様性もありますし、鳥類に関しては、冬の間などに余り強過ぎる人為が加わらないということで条件は確保できると思うのです。
 治水のためにどういう計画があるかというと、湿地を再生するという計画があります。遊水地という性格上、長年にわたって土砂が堆積していて、湿地の植物の生育には適さない条件になりつつあるところもあるのです。掘削によって湿地再生を目指しているのですが、いろいろな実験も行われていて、植物の多様性を確保するために、そんなに一挙に湿地再生するというのではなくて、少しずつ、おそらくこれから湿地再生が進められていくと思います。
 それが、容量を確保する洪水時のことと、今言ったような絶滅危惧種等を含めた生育条件を確保することと、もう一つ、残念ながら、先ほどアライグマのお話がありましたが、アライグマは、まだそんなに問題になっていないのですけれども、外来生物としてはセイタカアワダチソウなどが、立地の条件が変化しつつあるということもあって、かなり侵入しています。その対策としても、掘削などによる湿地再生というのが有効ではないかと、私たちは考えております。

【山岸部会長】 よろしゅうございますか。

【石井(実)委員】 鷲谷先生に答えていただいて、よくわかったのですが、これは、今言われている湿地の再生の実施主体というのですか、環境省のほうで責任を持ってやられているのでしょうか。

【鷲谷委員】 治水のための事業ですから、国交省。

【石井(実)委員】 国交省のほうでやっている。そうですか。
 というのは、永続するわけですね。

【山岸部会長】 ええ。それと、私も関係したので、ご説明すると、これは遊水地でして、治水といっても、大水が来たときに越流して、ほとんどがヨシ原へ水が入っていくという感じですから、しょっちゅう必要なわけではないですよね。大洪水が来たときに広がっていくということで、それが引いてしまうと、また非常にいい環境になるわけです。
 それでいいですかね。

【鷲谷委員】 それもそうですし、土を取ることによって水位などを上げるという、植物によっては乾燥が進み過ぎているということもありますので、越流したときに水浸しになるということも、かく乱として意義があるのですけれども、越流していないときも、もう少し水位を高くしないと湿地として維持が難しいので、そのためにも掘削というのは意義がある。
 で、掘削の履歴がわかっていて、過去の掘削が現状の植生にどういう影響を与えているかも、かなり詳しく分析しています。どういう点にだけ注意しないといけないかということも詳しくわかっているので、そういう指針に基づいて、必要があればアドバイスを私たちがしていくこともできるようになっています。

【山岸部会長】 よろしゅうございますね。

【石井(実)委員】 私ばかりで恐縮なのですけれども、ここの地域が、一番、公聴会で意見が出たのですね。
 一つ気になったのはカワウの被害が大きくなっているということが出ていますね。それで、「カワウの対策をどのように行うのかを明確にしていただきたい」というふうな意見になっているのですけれども、これについては、どういうふうにお答えになって、どういうふうにされるのでしょうか。

【山岸部会長】 事務局、どうですか。

【事務局(尾ア)】 カワウにつきましては、関東地方環境事務所が主体となって、関東地域の1都10県で、カワウの広域管理協議会というものをもっておりまして広域的な取組みを進めておりますが、、この公聴会の場での回答としましても、渡良瀬遊水地においては今後は過去の歴史も理解し、一般の方々にも説明してご理解いただきながら進めていきたいと回答させていただいております。

【山岸部会長】 よろしゅうございますね。
 それでは、次に2カ所目の国指定円山川下流域鳥獣保護区及び同円山川下流域特別保護地区について、ご説明願います。

【事務局(尾ア)】 続きまして説明させていただきます。円山川下流域鳥獣保護区及び同特別保護地区の概要です。
 区域は、兵庫県の豊岡市を貫流する円山川の下流域の区域となっております。河口から約12キロの範囲です。存続期間は、先ほどと同様に平成24年6月1日から平成43年10月31日までです。面積は鳥獣保護区が550ヘクタール、そのうち特別保護地区が125ヘクタールとなっております。
 他法令による規制区域としては、自然公園法による地域として山陰海岸国立公園にも指定されております。
 指定区分は、希少鳥獣生息地として、コウノトリが対象となっております。そのほかの主な生息鳥獣として、このようなものがあります。
 鳥獣保護区の状況として、コウノトリについて説明させていただきます。コウノトリにつきましては、部会長の山岸先生がとてもお詳しいので簡単に説明させていただきますけれども、現在、豊岡で飼育されているコウノトリは94羽でございまして、ヒナについては野外に4羽、飼育下で4羽おります。
 放鳥及び巣立ちにつきましては、平成17年より計10回、計27羽を放鳥されました。そのうち、10羽が収容もしくは死亡したため、現在は17羽生息しています。
 ペアにつきましては、現在それぞれ異なる場所に、8組のペアが成立しています。
 この図のとおりに8ペアが生息しています。一番上の丸の部分が戸島湿地という場所でして、この場所が最も繁殖が安定しており、毎年連続して二、三羽のふ化が確認されております。このため、このコウノトリの生息環境として、この戸島湿地を含む円山川下流域が、特に重要な場所として位置づけております。
 コウノトリの保全状況としては、自治体や地元NPOにて各種活動がなされており、非常に地元の取組が盛んなところであり、このことによってコウノトリの生息環境が維持されてきました。
 鳥獣被害について少し説明させていただきます。
 農業に対する被害については近年減少傾向にありますが、林業に対する被害は、面積、金額ともに増加傾向にあります。これにつきましては、自治体が防鹿柵を設置し、対策を行っております。
 コウノトリの歴史について簡単に説明させていただきます。
 コウノトリについては、かつては日本中に広く繁殖、生息しておりました。1971年には野生下で絶滅し、その後、ロシアから幼鳥が送られ、人工繁殖に成功してきました。この兵庫県豊岡市というのは日本最後の生息地となった場所でもあり、積極的にコウノトリを野生復帰させる取組を実施してこられました。
 同様に公聴会を実施させていただきました。円山川下流域鳥獣保護区におきましては、公述人11名のうち、全員賛成意見となっております。こちらにつきましても、後ほど、ラムサール条約湿地への登録を目指しており、皆様、そのラムサール条約湿地への登録の期待も非常に大きい意見が出ております。
 この場所は、もともと地元での取組が積極的な場所であり、ラムサール条約湿地に指定されることによって、より一層利用推進がはかられていくことも期待したいと思います。
 以上で説明を終わります。

【山岸部会長】 ただいまのご説明について、何かご質問はありますか。
 1点いいですか。ちょっとしたケアレスミスだと思うのだけれども、20ページかな。「国内に183羽が野外にいるとされている」と書いてあるでしょう、最初のところ。これは、合計が183羽で、94羽が飼育、それを引いたものが野外になります。直しておいてください。

【事務局(尾ア)】 はい。申し訳ありません。

【山岸部会長】 ほかに何かありますか。どうぞ、土屋委員。

【土屋委員】 大変初歩的な質問で恐縮なのですが、特別保護地域を決めるときの根拠というのはどういうものかということを、勉強のために教えていただきたいのですが。
 資料を読みますと、どの道路からどこまでを決めるというふうには詳しく書いてありますが、どういう根拠でここにしたかということが、私には読み取ることができなかったのですが。これはどうやって決めていくのでしょうか。

【事務局(尾ア)】 特別保護地区というのは、鳥獣の保護プラス生息地の保護という目的がございまして、この円山川下流域においては、特にコウノトリが生息している場所であったり、採餌として利用しているような場所を選定して、特別保護地区として指定させていただいています。

【土屋委員】 もう少し続けてもよろしいでしょうか。
 もし、そうであれば、この資料の中にも、コウノトリがここでこんな活動をしているという情報まで含めていただくと、私たちは大変よくわかります。

【事務局(尾ア)】 ありがとうございます。

【山岸部会長】 ほかに。
 どうぞ、三浦委員。

【三浦委員】 確認したいことがあります。
 今のスライドの鳥獣保護区の状況、農業と鳥獣被害というところですが、大きな加害種がイノシシとシカであるということなのですけれども、この鳥獣保護区の中で捕獲は現在行われていないのですか。
 それから、「その他」とありますけれども、これは一体何でしょうか。

【山岸部会長】 どうぞ、事務局、お答えください。
 それでは、時間を差し上げますので、今の質問に。

【鷲谷委員】 私が全体をよく知っているわけではないのですけれども、この地図の一番小さい部分は田結地区という地区です。そのあたりのことに関して申し上げますと、シカなどの被害は大変激しかったです。「かった」と申しますのは、もう、すべての水田の耕作が放棄されているのです。
 それで、シカの対策は、きっとこの保護区ぎりぎりのところまでは、かなり徹底した対策が行われています。その田結地区の人たちは、こういうことを大変歓迎していらっしゃいまして、農業はもうしていないのですけれども、湿地としての環境を維持するために協働活動がとても盛んです。すべての集落の全戸から人が出て、コウノトリの生息や、ほかにも植物の絶滅危惧種なども見られたり、トンボなどもとても豊かな場所なのですけれども、そういう生物多様性豊かな湿地を守るための協働活動を、集落をあげてやっていらっしゃいます。
 場所によっては、鳥獣被害で苦労されているところもあるかもしれませんけれども、それを突き抜けてしまったようなコミュニティもあるということを、ご報告しておきます。

【山岸部会長】 もう一つの質問の、「その他」とは何であるか。

【事務局(尾ア)】 先ほどの駆除につきましては、県で実施されておりまして、シカ、イノシシ、それぞれ実施しております。
 「その他」につきましては、すぐにわかりかねるのですけれども、この鳥獣類リストからありますとおりノウサギなどもあり、おそらくノウサギによる網をかじるなどといった被害もあるのではないかと推察されます。

【小泉委員】 ウサギではないんじゃないでしょうか。確認してください。

【事務局(尾ア)】 確認します。

【山岸部会長】 ほかに何かございますでしょうか。
 それでは、よろしいようでしたら、時間も押していますので、3カ所目に移りたいと思います。
 国指定荒尾干潟鳥獣保護区及び同荒尾干潟特別保護地区について、説明をお願いいたします。

【事務局(尾ア)】 続きまして、荒尾干潟鳥獣保護区及び同特別保護地区につきまして、説明します。
 区域は、熊本県の荒尾市と玉名郡長洲町の一部にございます。存続期間は、先ほどと同様です。面積につきましては1,823ヘクタール。うち特別保護地区は754ヘクタールとなっております。
 指定区分としましては、集団渡来地。ハマシギ、シロチドリ等のシギ・チドリ類や、クロツラヘラサギ、ツクシガモ、ズグロカモメ等が指定の対象となっております。そのほかにも多数のシギ・チドリ類が、この場所には渡来しております。
 荒尾干潟の特徴としましては、この場所は有明海の一部であります。有明海には、荒尾干潟以外にもシギ・チドリ類を初めとする渡り鳥の渡来地が多く存在しております。有明海は国内有数の渡来数の規模ではあるのですけれども、この場所は、今まで国指定鳥獣保護区の指定がなかった区域であり、今回、初めてこの荒尾干潟が国指定鳥獣保護区として指定されることになります。
 荒尾干潟については、野鳥の会と地元での保護活動が非常に盛んであり、こちらにつきましてもラムサール条約湿地としての登録を目指しておりますが、ワイズユースとしてより一層の利用も期待されます。
 渡り鳥の状況について、説明いたします。
 こちらは、有明海の中でもモニタリングサイト1000になっている4カ所について比較したものです。モニタリングサイトになっている場所は、大授搦、荒尾干潟であります荒尾海岸、白川河口、不知火干潟がございます。大授搦につきましては、いずれも国内1位となっております。荒尾海岸につきましては、大授搦よりは数が少ないのですけれども、この有明海という場所全体が非常に大きな渡来地となっており、荒尾干潟が国指定鳥獣保護区として、まず指定されたことによって、有明海全体への足がかりとなればと考えております。
 そのほか、詳細な種類につきましては、同様にモニタリングサイト1000になっております4カ所で比較いたしますと、クロツラヘラサギやツクシガモ、ズグロカモメといったレッドリストに載っているような種につきましては、荒尾海岸は、ほかのサイトと比べると数としては少ないのですけれども、一般種であるハマシギやキアシシギ、ダイゼンなども含めると非常に渡来数が多くなっており、集団渡来地として非常に重要な区域と考えられます。
 公聴会を実施した結果、公述人11名中、賛成意見が11名でした。この場所につきましても、ラムサール条約湿地登録への地元の期待も非常に大きいですので、鳥獣保護区になり、その後、ラムサール条約湿地に登録されることによって、より一層、地元の活動が推進されればと思っております。
 以上で説明を終わります。

【山岸部会長】 ありがとうございました。
 どうぞ、ご意見がございましたら。ご質問、ご意見。
 どうぞ。土屋委員。

【土屋委員】 資料でご提示いただいている鳥の数等は、平成20年のものが主ですけれども、過去、例えば10年とか20年、あるいはもっと長期間にわたって、鳥の数がどうなったかというような情報はあるのでしょうか。

【事務局(尾ア)】 モニタリングサイト1000において、過去から調べられているものがあります。

【土屋委員】 その結果はどういうものでしょうか。

【事務局(尾ア)】 非常に安定して、多く渡来している状況です。

【土屋委員】 その変化の状況も、うまく伝えながら、ここは大切な場所であるということを訴えていくと、もっといいのではないかという感じがしたものですから、お聞きしました。

【事務局(尾ア)】 ありがとうございます。改善します。

【山岸部会長】 何か、委員の方々が遠慮をされているので、座長がまた一発言いたいのですけれども。
 資料1−3というのがありますよね。ここに日本全国の保護区や特別保護区の一覧表がありますよね。この中には、今回されるのが四角で3カ所出ているのですけれども、今、環境省でご苦労されて、検討されている保護地区の場所とか、そういうものを書き込まれると、非常に先生方は判断できる。そんなことは諮問していないのだから、おまえら考えなくていいといえば、それはそうなのですけれども、今、資料を見せてもらっただけで、大授搦なんて、ずっといいわけですよね、ここよりも。では、なぜそこにいかないで荒尾へ来るのかなんていうのは、さっぱり僕らはわからないですよね。

【事務局(尾ア)】 地元の理解が得られたところというのが一番大きくて、理解が得られたところから進めていった結果、まずは荒尾干潟からという状況でございます。

【山岸部会長】 そういうことだと思うのですが、それでいいかどうかというのが一番の問題になるところだと思います。
 今後、もし余裕がありましたら、今、環境省で考えておられる候補地みたいなものを挙げられて、それで、ここはこういう理由でだめで、ここになったのだというようなことを言ってもらえれば、皆様も納得できるのではないかという感想を持ちました。委員の方々は、どうでしょうか。
 そういう資料はできますか。

【渡邊自然環境局長】 ありがとうございます。どんな工夫ができるかですけれども、前回の国内希少種の三種を指定したときも、どういう考え方でこの三種に至ったのか、どういう分類群のどういう状況のものを優先して考えたのかという、そこの三種に至るプロセスを少し説明する試みを、前回、導入したわけですけれども、国指定鳥獣保護区でそういう、今回、諮問していただく場所は、全国の中でどういう位置づけで出てきたのかというあたりの情報を、何か工夫してお示ししながら議論していただけるようなことを、考えてみたいと思います。
 説明の中にもありましたけれども、有明海という場所は渡り鳥にとって非常に重要な場所で、今まで国指定鳥獣保護区の指定がなかった場所。環境省とすれば、有明海における鳥獣保護区の指定というのは、大変重要な課題として、今までも位置づけられてきた場所です。その中で、今回、幾つか有明海の中でも重要な干潟があって、その中で安定している場所の一つであり、かつ地元の合意も得られたところ、指定の作業を進めさせていただいたというのが、荒尾についての経過でございました。
 今後の諮問の中での情報提供の仕方は工夫していきたいというふうに思います。

【山岸部会長】 ありがとうございました。今のお答えも含めまして、今までの3件の説明全体を通して、もし、言い残されたご質問とかご意見がございましたら、再度ここで賜りたいと思います。
 よろしゅうございますでしょうか。
 それでは、この議題について、3件総括してお諮りいたします。
 国指定鳥獣保護区及び特別保護地区の指定につきましては、本、事務局案のとおり、適当と認めてよろしゅうございますでしょうか。

(異議なし)

【山岸部会長】 ありがとうございました。ご賛同いただきましたので、本件は適当と認めることとし、この案を当審議会の答申案としまして中央環境審議会会長に報告することといたします。ありがとうございました。
 次に、対象狩猟鳥獣の捕獲等の禁止又は制限を定めることについての諮問内容について、事務局からご説明いただきます。

【事務局(山本)】 鳥獣保護業務室の山本と申します。座って説明させていただきます。
 諮問案件、対象狩猟鳥獣の捕獲等の禁止又は制限を定めることについてのご説明でございます。
 本件は、前回の部会において諮問いたしまして、幾つかご意見をいただいておりますので、そのご意見への対応も含めて、本日はご説明させていただきます。
 まず、お手元に配っている資料のほうで、資料2−1で諮問内容のご確認をお願いいたします。狩猟鳥獣のうち、別表第1に示している捕獲等の禁止又は制限の対象とされている鳥獣について、ご意見をいただくものでございます。
 また、あわせて狩猟鳥獣についても検討いただくこととしております。
 資料2−2に、今回の事務局案を示しております。
 現行において捕獲等を禁止している狩猟鳥獣の、ウズラ、ヤマドリの雌、キジの雌、小笠原、奄美地方及び沖縄県のヒヨドリ、三重県を初めとする17県のツキノワグマ、北海道のシマリスについて、生息状況等の明らかな改善が見られないということで、捕獲等を禁止する期間を、さらに5年延長することとしたいと考えております。
 背景や経緯等について、パワーポイントでご説明させていただきます。
 まず、狩猟鳥獣について、非常に基本的なところで申し訳ございませんけれども、簡単にご説明いたします。狩猟鳥獣とは、その肉または毛皮を利用する目的、それから生活環境などの被害を防止する目的、その他の目的の捕獲の対象となる鳥獣であって、その捕獲等が生息に著しく影響を及ぼさないと、そういったものを環境省令で定めてございます。
 現在、定めているのが、鳥類29種類と獣類20種類、計49種類となっております。
 狩猟鳥獣の見直しにつきましては、昨年9月に改正して告示いたしました鳥獣保護法に基づく基本指針の中で、記載があります。
 まず、赤字のところですけれども、狩猟鳥獣としての価値、生息状況、繁殖力等の生物学的な特性、地域個体群の長期的な動向、当該種による農林水産業等への被害の程度などを総合的に勘案して、見直しを行うものとする、とあります。基本指針を5年ごとに見直す際ということで、時期としては前後しておりますけれども、今回ご議論をいただいているものでございます。
 狩猟鳥獣は、狩猟の対象として資源的価値を有するもの、また、被害が相当程度認められ、一般に狩猟の対象となり得るものとして、その捕獲等による個体数の抑制が期待できるもの。それから、狩猟鳥獣とした場合に、当該鳥獣の捕獲等が、その生息の状況に著しい影響を及ぼす恐れがないことという方針に基づいて、見直しを行うということになっております。
 また、あわせて保護管理の考え方ですとか、捕獲等の制限に関する記述がございますので、ご紹介いたします。
 主に三つ目ですけれども、国は全国的な狩猟鳥獣保護の見地から、レッドリストですとか、全国の捕獲数の情報等に基づいて、捕獲等の制限を行うとともに、必要に応じて狩猟鳥獣の指定解除の検討を行うということとしております。
 狩猟鳥獣の変遷を表にしております。鳥類については、当初、昭和20年代は40種類以上が指定されておりまして、ここ30年ぐらいは29種、30種程度で推移しているという状況です。獣類につきましては、昭和24年当初に17種類だったものが、現在は20種類ということで、最近では被害を及ぼすものが加わってきているという状況にございます。
 狩猟鳥獣は、今の49種でございますけれども、その狩猟鳥獣のうち、さらに捕獲等の禁止、制限をしているものがございます。特に、保護を図るために必要があると認める場合には、狩猟鳥獣のままで、捕獲を禁止したり制限したりするということがあります。区域または期間を定めて捕獲を禁止するということと、または数を制限するということがございます。現在の指定の状況、禁止または制限の状況ですが、禁止については上の五つの欄に記載されているものでして、期限を定めて禁止しております。それが、24年9月14日までで今回切れるということで、ここが重点的な議論の中身となってございます。制限については、主に、一日当たり何羽とってよいとか、そういったところが制限されているという状況です。
 今回、検討してまいりました経緯を、簡単にご説明いたします。
 先ほどから申し上げているように、5年ごとの見直しということと、現在行っている捕獲禁止措置が9月で期限が満了する、ということで、検討してまいりました。ここに示しておりますように、昨年度1月から検討委員の事前のヒアリングですとか、都道府県の意見聴取、また、関係団体のヒアリングを経て検討会を開催、部会での諮問、その後、パブリックコメントの募集、公聴会ということで、今日に至っております。
 検討会につきましては、以下、ここにお示ししている5名の先生方に検討委員になっていただきました部会の中からは石井先生と三浦先生に入っていただいて、石井先生に座長をしていただきました。
 また、関係団体のヒアリングといたしましては、ここにお示ししているように自然保護関係の団体、NGOと狩猟団体、また農業関係の団体からご意見をいただきました。
 こういったご意見とあわせまして、49種についての情報を整理いたしまして、また、都道府県版のレッドデータブックの記載状況なども勘案いたしまして、検討会で検討してまいりました。
 49種すべてについて、こういった情報を整理して、検討会で提示して、ご議論いただいたわけですけれども、今日は幾つか、例示でお示ししたいと思います。
 こちらのマガモについては、その分布の情報と、毎年1月に実施しているガン・カモ調査の個体数の推移の情報ですとか、あとは捕獲数の推移、こういった情報をお示ししたところです。キジについては被害の面積などの情報もお示ししております。
 シカについても、被害面積ですとか捕獲数の推移です。基本的に狩猟鳥獣の狩猟数は減少傾向にあります。狩猟者の減少が理由と考えられますが、シカについては大きく増加してきているところです。
 ノウサギについても、こういった情報をもとに議論をいただきました。
 こういった情報をもとに検討会の中でご議論をいただきまして、先ほど申し上げたように、現在、捕獲禁止措置をかけているものについて、さらに5年の延長をするという結論をいただきました。
 ただ、検討の過程で、引き続き検討を要する課題が幾つかあるので、それをしっかりやっていきなさいというふうに検討会からは提言をいただきましたので、そちらをご紹介したいと思います。
 一つ目は、モニタリング手法についてですけれども、モニタリング手法が確立していない狩猟鳥獣、特にウズラ、ヤマドリ、ヤマシギについて、モニタリング手法を検討し、地方公共団体等に対して適切に指導をするということ。
 二つ目が、狩猟鳥獣の考え方や情報収集のあり方等について検討すること。また、狩猟鳥獣における外来鳥獣の位置づけについて検討すること。
 この外来鳥獣の位置づけについての検討というところにつきましては、狩猟鳥獣が持続可能な利用を前提にしているものですから、持続可能性を考慮する必要のない外来鳥獣が、その中に入っていることについて、少し整理をしていく必要があるだろうというような趣旨でございます。
 ニホンザル、ニホンジカ、クマ類については、鳥獣保護法に基づく特定計画による計画的な管理を推進することということで、これは、一部の都道府県から、例えばニホンジカの数の制限を撤廃してほしいですとか、ニホンザルを狩猟鳥獣にといったようなご意見がございましたけれども、そういった種については特定計画を定めて適切に管理をしていくべきだといったようなご意見でございます。
 それから、前回の部会で諮問させていただいたときに、ヤマシギについてのご意見が出ましたので、そこについては少し、その後の検討内容などについて説明させていただきたいと思います。
 前回、ヤマシギについては個体数が減少しているとの情報があるので、狩猟鳥獣の指定を解除する、または捕獲禁止措置をとるべきではないかといったようなご意見をいただいたところです。
 内容について説明に入ります前に、前回の事務局説明の訂正をさせていただきたいと思います。
 前回、ヤマシギについて、ハンターさんに捕獲の自粛をお願いしているというふうにご説明を申し上げましたけれども、それはガン・カモ類の一部の種類についてでして、誤りでございました。捕獲についての制限は、一日5羽までということのみでございます。お詫びをして訂正させていただきます。
 それでは、ヤマシギについての説明に移ります。
 ヤマシギの生息状況につきましては、この図のとおり、主な繁殖地は北海道でございます。また、冬期は本州と九州に広く分布をするという状況でございます。
 現状としましては、環境省のレッドリストでは未掲載でございます。前回、捕獲を禁止すべきというようなご意見がありましたので、5年前に捕獲を禁止したウズラについても、今回、対比して書いておりますが、前回捕獲を禁止したウズラについては準絶滅危惧種として掲載されております。都道府県のレッドリストでは28の都府県で何らかの形で掲載されておりますが、検討会の中で指摘があったこととして、繁殖地の北海道では未掲載ということで、一つポイントになるかと思います。
 28の都府県で掲載されているうちの京都府では、県知事の判断で捕獲の制限や禁止をしております。また、第6回の自然環境保全基礎調査の鳥類繁殖分布調査では繁殖が確認された区画が34ございました。ウズラについて前回禁止をしたときには5区画でございますので、それに比べれば、安定しているという状況かと思います。捕獲数は、近年、1,000羽弱で推移をしてございます。
 それで、前回ご意見をいただきまして、時間の関係で、検討会を新たにもう一度追加で開催するということは適いませんでしたけれども、検討委員のうち、鳥類がご専門の尾アさんと川路さんにご意見を伺って、対応について確認いたしました。
 ご意見を踏まえて、対応としましては以下にお示ししているとおり、減少傾向にあるとの確定的な情報はないということで、今回の見直しで規制を強化する理由はなくて、現状どおりとしたいということでございます。
 ただ、一方で、狩猟者からの情報提供ですとか、いずれにしてもモニタリングの強化をする必要というご意見は、お二人、双方の委員の方からいただきました。狩猟者からも、捕獲数を報告してもらうだけではなくて、もっと細かな目撃数の変化などに関する情報も収集していくようなことも検討すべきだと。また、狩猟者だけではないモニタリング手法も検討して都道府県に示していくといったことも重要ということで、現状どおりでいいけれども、しっかりモニタリングについては考えるようにということで、考えていくということにしたいと思います。
 また、レッドリストの見直しですとか、モニタリングなどで状況の変化が認められた際には、5年ごとということにかかわらず随時見直しを行っていくこととしたいと思います。
 次に、部会以降に公聴会やパブリックコメントの募集を行いましたので、概要をご説明いたします。
 公聴会においては、6団体6県に意見を聞いております。いずれも賛成または条件つき賛成というご意見でございました。賛否と合わせて提出された意見としましては、ツキノワグマについて、被害対策の充実・強化ですとか地域個体群の保護についての意見、また、鳥獣全般による農林業被害への対応を要望する意見をいただいております。
 次に、パブリックコメントの結果についてご説明をいたします。
 4月6日から5月7日までの期間で実施をいたしまして、意見の提出は4者、延べ意見数は6件でございました。捕獲期間の延長については、賛成のご意見が2件でございます。また、ツキノワグマについて幾つかのご意見をいただいております。「全国的に減少しているので捕獲を全面禁止すべき」といったご意見がございましたけれども、これにつきましては、ツキノワグマについては各県において調査が行われておりまして、全国的に減少しているというデータはございませんので、現在の捕獲を禁止している県のままとしていきたいと考えております。
 また、「ツキノワグマについて被害があるので捕獲すべき」といったようなご意見もございました。ただ、これについては、今回は狩猟における捕獲禁止措置ということでございますので、都道府県知事等の判断で捕獲許可による捕獲は可能という旨、回答いたしたいと思います。
 これらを踏まえまして、今回の対応について改めてご説明いたします。
 捕獲を禁止しているウズラ、ヤマドリの雌、キジの雌、ヒヨドリについては区域を定めてということになりますけれども、禁止の継続。ツキノワグマについても、区域を定めて禁止を継続していくということ。シマリスについても、北海道について禁止を継続ということで、現在、5年間と定めていた捕獲禁止措置について、さらに5年の延長をしていきたいと考えております。
 また、検討会での宿題ですとか、前回の部会でのご意見も踏まえまして、狩猟鳥獣についての今後の取組も、あわせてご説明します。
 一つ目ですけれども、狩猟鳥獣のあり方ですとか情報収集のあり方について検討するようにといったようなご意見を多くいただきました。今年度中に検討会を設置いたしまして、具体的な検討に着手をしたいと考えております。検討結果につきましては、必要に応じて、今後行う予定の法施行状況の見直しなどにも反映していくということになるかと思います。
 二つ目でございます。狩猟鳥獣のうち、特にウズラ、ヤマドリ、ヤマシギなどの狩猟鳥獣について引き続きモニタリング手法に関する知見の集積を行って、都道府県などに対して情報提供を行っていきたいと思います。一部、既に着手をしておりますので、それについては引き続き進めていきたいと考えております。
 また三つ目については、今回の案件の狩猟鳥獣というよりも、その鳥獣保護管理全般の話になりますけれども、特定鳥獣保護管理計画に基づく計画的な管理を促進していきたいと考えております。
 対象狩猟鳥獣の捕獲等の禁止または制限を定めることについて、事務局からの説明は以上でございます。よろしくお願いいたします。

【山岸部会長】 ご苦労さまでした。ありがとうございました。
 それでは、検討会の座長であられる石井先生、何か追加のご意見がございましたら、ここで。

【石井(信)委員】 特に、ヤマシギについて補足したいと思います。
 前回、市田委員からご指摘があって、検討会ではきちっと議論したんですけど、私が準備不足で、そのことがきちっと伝わらなくて申し訳なかったと思っています。
 それで、多少重複しますけれども、ヤマシギについてなんですけれども、検討会では、主な繁殖地の北海道で、特に減少とか、そういう状況は見られない。それから、北海道から、この種の取り扱いについて要望があったというわけでもないということで、例えばウズラのように全国一律の禁止ということではなくて、鳥獣保護上、都道府県単位の捕獲規制とか禁止というのが可能のようですので、それは地域の実情に応じて、必要なら禁止の措置をとってもらうのが適当だろうというふうに判断しました。
 あと、このヤマシギというのは伝統猟法の対象ということにもなっていますから、文化多様性の保全という観点からも、狩猟鳥獣として残しておくというのが適当だろうという考え方もありました。
 それで、検討会全体の、この狩猟鳥獣の見直しに関する考え方としては、資源的な価値があるものについては、深刻な絶滅の危機にあるというようなものは別なんですけれども、減少傾向にあるからという理由で指定から外していくということではなくて、必要に応じて捕獲の制限とか禁止をしながら、きちっとモニタリングをして、減少原因を調べて、例えば、ウズラなんかは、草原的な環境が減少しているのでウズラが減少しているというようなことがあるわけですけれども、過剰捕獲が原因でなくてですね。
 そういうことを明らかにして生息状況を改善して、資源が回復してきたら、また狩猟の対象にしていくというようなことの方が、実質的な保全上の効果が上がるんじゃないかという考えをしています。ここら辺については、例えば猟友会なんかが、もう少し積極的な活動をしていただけるといいなという期待も、ここで述べておきたいと思います。
 それから、最後ですけれども、前回、狩猟鳥獣から外すとか、禁止すると、捕獲データがなくなっちゃうので残しておいた方がいいというような、そういう言い方をしましたけれども、それは、事実として、ヤマドリの一部なんかに関して、そういうことはあるんですけれども、それは完全に本末転倒な言い方なので、これは私も不適切な発言だったと思いますので、それは取り消したいと思います。
 そうでなくて、狩猟鳥獣のモニタリング、それから体制の整備です、そのための。それが非常に重要な課題なんだということは先ほどもご紹介がありましたけれども、その点を私も強調しておきたいと思います。
 以上です。

【山岸部会長】 ありがとうございました。
 事務局及び今の石井座長のご説明も含めまして、この件について何かご質問・ご意見がありましたら賜ります。
 どうぞ、小泉委員。

【小泉委員】 ツキノワグマに関して、これは諮問事項へのコメントということではなくて、意見として聞いていただきたいと思います。
 今回、狩猟鳥獣から外すということで、基本的に、都道府県がツキノワグマに対応するということになっているわけですけれども、有害捕獲、それから特定計画の中で取り扱うということになると思うんですが、引き続き、国として、環境省としてツキノワグマの保護と管理について、どう関わっていくべきか検討を続けていただきたいというふうに思います。
 一つは、特に西日本においては都道府県の県境にクマの分布域が集中しているということがあります。したがって、広域というよりは、要するに自治体間で、どういうふうに連携をとらなければいけないかということが非常に大きくなると思います。このときに、国の果たすべき役割というのは大変大きいと思いますので考えていただきたいと思います。
 それから、クマというのは、シカやイノシシと生物学的な特性が違いまして、どんどん増えるというわけではないし、木の実りのフェノロジーといいますか、年変化のようなものに応じて繁殖が大きく影響を受ける。したがって、増えたりもするが減ったりもするというような、大変デリケートな、扱いにくい動物だというふうに理解しています。
 したがって、こういった動物の取り扱いについては国が一定の科学的な見識をもとにして、その方針を示してあげるというのがいいのではないかというふうに思います。
 以上、2点。

【山岸部会長】 ありがとうございました。よろしゅうございますね。

【事務局(山本)】 説明が不足していたかもしれないので補足なんですけれども。
 ツキノワグマを狩猟鳥獣から外すということではございませんで、今まで禁止している三重県、奈良県、和歌山以下17県の県で、狩猟の禁止ということでので、まず、そこは補足させていただきます。
 また、今いただいたご意見については、しっかり考えていきたいと思っております。

【小泉委員】 よろしくお願いします。

【山岸部会長】 いかがですか。土屋委員、どうぞ。

【土屋委員】 ヤマシギのところでご説明いただいたのですが、減少傾向にあるという確定的な情報はないということでした。でも、こういう議論をするときの一番基本的な情報というのは、個体数の推移だと思います。
 それがなくして、善し悪しは、議論できないと思うんですが。国として、環境省としてでしょうか、こういう鳥獣についての個体数の推移の情報というのは、本当にお持ちじゃないんですか。

【事務局(山本)】 残念ながら、個体数の推移についての情報は持ち合わせておりません。分布につきましては、基礎調査で定期的に把握してきておりますけれども、個体数については、なかなか難しい状況にございます。
 ということで、調査手法について整理して、都道府県に示して、できる限り、今後情報収集に努めていきたいというふうに考えております。

【土屋委員】 そうであれば、一体どういう根拠で、こういう決め方をしてきたのかなと疑われてしまうかもしれないと、心配があるんですけれども。
 それは、なければしかたありませんが、各都道府県には、いろいろな情報があるかもしれません。ぜひ、情報収集にお努めいただいて、こういうところでご披露していただけるといいかと思います。

【山岸部会長】 何か、大日本猟友会の方からご意見ありますか。佐々木委員。

【佐々木委員】 特にないんですが、さっき、石井さんがおっしゃったとおり、地域の実情に合わせて、ヤマシギにしても、いろいろ、それぞれ地域によって違うわけですから、そこでいろんな調整をすればいいんだろうと思います。
 また、我々、猟友会として、なかなか情報を上げるような、このごろ、どっちかというと狩猟も、鳥猟から大物猟になってきている関係で、割合にその辺が、非常に猟友会の皆さんも疎くなっているのかなという思いがします。
 極力、これから、その辺も含めて、保護と管理という我々の重要な役目もありますので、その辺も含めて指導していきたいと思っております。ありがとうございました。

【山岸部会長】 よろしくお願いします。
 ほかにございませんでしょうか。

(なし)

【山岸部会長】 ございませんようでしたら、この議題についてお諮りいたします。
 対象狩猟鳥獣の捕獲等の禁止または制限を定めることという、このことにつきましては、ただいまご説明があった事務局案のとおり、適当と認めてよろしゅうございますでしょうか。

(異議なし)

【山岸部会長】 ありがとうございました。ご賛同いただきましたので、本件は適当と認めることとし、この案を当審議会の答申案といたしまして、中央環境審議会の鈴木会長のほうに報告することといたします。
 それでは、続きまして「特定外来生物による生態系などに係る被害の防止に関する法律」(外来生物法)の施行状況の検討についての内容について、事務局からご説明いただきます。

【関根外来生物対策室長】 外来生物対策室長の関根でございます。着席して説明させていただきます。
 資料3をご覧いただければと思います。
 外来生物法でございますけれども、平成17年6月に施行されております。
 この法律の附則の第4条に、法律が施行された後5年を経過した場合に法律の施行状況について検討し、必要があると認めるときは、その結果に基づいて所要の措置を講ずるものとしているという規定がございまして、今回、この規定に基づく検討を行いたいと考えているものでございます。
 施行が平成17年6月でございますので、実際は、現在が平成24年5月ということで、もうすぐ7年になるということでございます。2年ほど検討が遅れてしまった理由といたしましては、ちょうど施行後5年に当たります平成22年には、生物多様性条約の締約国会議COP10が開催されたというふうなこともございまして、その結果も踏まえる必要があるだろうというふうなこと。それから、現在、新しい国家戦略の検討が進められておりますけれども、その状況も踏まえて検討を行った方がいいのではないかというふうなことで、2年ほど遅れてしまいましたけれども、このタイミングで検討に着手をしたいと考えているものでございます。
 検討の進め方でございますが、2.検討のイメージのところに記載しております。本日、この野生生物部会で、この部会のもとに外来生物対策小委員会が置かれておりますけれども、この小委員会で検討を行うことをご了承いただければと考えております。
 ご了承をいただけましたならば、下に書いてございますように、来月6月から月1回程度の間隔で小委員会を開催いたしまして、ご議論いただいて、その中でパブリックコメントという手続も行った上で、年内には検討結果を取りまとめたいと考えております。
 取りまとめた結果につきましては、野生生物部会に報告させていただくほか、その結果を受けて法令の改正などの必要な対応をとっていきたいと考えております。
 2ページ、3ページのほうに中央環境審議会の議事運営規則をつけております。3ページの第八条のところに小委員会に関する規定がございまして、部会は必要に応じ、その定めるところにより、小委員会を置くことができる。2項では、小委員会に属すべき委員、臨時委員又は専門委員は、部会長が指名する。3項で、小委員会に委員長を置き、部会長の指名により、これを定めるといったような規定がございます。
 この規定に基づきまして、4ページ目にございますけれども、外来生物対策小委員会自体は平成16年6月に設置をされております。これは法律が成立した直後でございますが、法律に基づく基本方針の案を作成いただくということでご審議いただいたところでございます。この4ページの2.のところに、基本方針の案の作成ということで、小委員会で検討を行う事項が定められているところでございます。
 5ページのほうでも、会議の公開の方法ですとか運営方針について、これも同時に、平成16年6月に決定されているところでございます。
 今回、施行状況の検討を行うに当たりまして、その根拠となる規定がございませんので、6ページのほうにお示ししておりますけれども、外来生物対策小委員会で既に定められている事項に加えて、今回の法律の施行後5年を経過した場合における施行状況の検討と、その結果に基づくそれの措置について、検討いただくということを追加させていただきたいと考えております。
 したがいまして、本日、ご審議をお願い申し上げますのは、1点目は小委員会で検討することについてご了承いただきたいということでございます。2点目といたしましては、ご了承いただける場合に、その根拠となる、この6ページの記載事項について決定いただきたいということでございます。
 7ページ以降につきましては、ご参考までに、外来生物法の概要の資料をつけてございます。法律の目的といたしましては、特定外来生物の飼養、輸入等について規制を行うとともに、野外などに存在する特定外来生物の防除を行うことにより、生態系、人の生命、身体または農林水産業に係る被害を防止するということでございます。
 左側の縦の列に記載しておりますけれども、特定外来生物といたしまして、現在、105種類の生物を指定しております。この特定外来生物につきまして、飼養・輸入等の規制を行うほか、野外に定着しているような特定外来生物につきましては、国のほか地方公共団体、民間の団体による防除が行われております。
 それから、真ん中の縦の列に未判定外来生物が書いておりますけれども、特定外来生物の近縁のものとして約3,500種類が指定されております。これらについて、輸入者に届出義務を課しておりまして、輸入する際に主務大臣の判定を受けて、その判定で被害を及ぼすおそれがありと判定されたものについては特定外来生物に指定して、輸入を規制するというふうなことになってございます。
 法律が施行されてから、これまでに19種類の生物について判定を行っておりまして、いずれも被害を及ぼすおそれがありということで特定外来生物に指定されております。
 それから、一番右側の縦の指定されない生物につきましては、規制は当然ございませんけれども、現時点で、その知見が不足していて特定外来生物の指定には至らないけれども、その取り扱いについて注意を要する外来生物などにつきましては、要注意外来生物という形でリストアップして注意喚起を行っているところでございます。
 8ページにつきましては、今ご説明申し上げました特定外来生物105種類を掲載しております。
 9ページでございますけれども、法律の柱の一つでございます防除について事例を二つほど上げております。
 一つ目は、奄美大島におけるマングースの防除でございます。法に基づく防除といたしましては平成17年度から行っておりますけれども、捕獲自体はそれ以前から行っておりまして、平成12年度には約3万頭ぐらいと推定されていた個体数が、平成22年度には約400頭というふうな推定のところまで減少してきております。
 下の図で、網目状に細かい線が描かれておりますけれども、これがわなを設置した地点でございます。平成22年度においては、この中で点を打ったところで捕獲されているということで、わなを設置しているけれども、ほとんどもう捕獲されないというところもかなり出てきておりまして、部分的には根絶に至っているというふうに考えております。これに伴いまして、アマミトゲネズミやケナガネズミといった希少種も増加、分布拡大というふうなことも確認しております。
 このように進展が見られるものがある一方で、課題の多いものといたしまして、10ページに上げておりますアライグマの事例でございます。
 下の折れ線グラフでございますが、法が施行されてから地方自治体、民間団体においても防除に取り組む事例というのは増加してきておりますが、上の地図に示しております、これは23年度に実施をしたアンケートの結果でございますけれども、その回答を見ますと、大幅に増加した、やや増加したという県が多く、生息数、生息域の増加が抑制できていないというふうな状況でございまして、このような広域に定着している外来生物の防除を今後どのように進めていくかということについては大きな課題と認識しておりまして、小委員会でもご議論いただければと考えているところでございます。
 私のほうからの説明は以上でございます。よろしくお願いいたします。

【山岸部会長】 ただいま事務局からご説明がありました審議事項3の説明につきまして、ご意見・ご質問がございましたら、名札を立ててください。
 どうぞ、三浦委員。

【三浦委員】 小委員会を設けて検討するということについては大賛成であります。
 それで、今、最後のほうでご報告があったんですが、マングースは、それなりに成功していると。全体的に見ると、この法律はどうだったのかという評価がなされる。
 そこを踏まえた上で新しい枠組みをつくっていく必要があるんではないかなという気がしますけれども、そのときに、私は、もともと世界にいる野生動物を日本に持ってくるということをオーケーとした上で、この法律の枠組みというのは、三つに分けて、特定外来種と、未判定と、指定されないということの枠組みですよね。これは少し考えていく必要があるんじゃないかなというふうに思うんですが。
 基本的には、これは可ではなくて不可であって、その中で入れていっている、これは昔の議論にまた戻りそうな話なんですけれども、そこのところを、原則は不可ということで、じゃあ何が可なんだろうかといったような枠組みにし直していくことが、これからますます、TPPも含めて、そういう状況にある中で、大きな枠組みの変更というのが必要なんではないかというのが率直な感想なんですが、いかがでしょうか。

【山岸部会長】 いかがでしょうか。

【関根外来生物対策室長】 法律の制定時にも、そういった議論がございましたけれども、いろいろなものを輸入している日本という国の性質上、なかなか、そういった厳しいものというのは、現実的にはなかなか難しいのではないかというふうな判断があったというふうに承知しております。
 また、小委員会のほうでも、そういった判断で間違いないのかどうかといったことについてもご議論いただければというふうに考えております。

【山岸部会長】 ほかに何かございますでしょうか。

(なし)

【山岸部会長】 それでは、よろしゅうございますか。この議題についてお諮りいたします。
 「特定外来生物による生態系などに係る被害の防止に関する法律」(外来生物法)の施行状況の検討についてにつきましては、ただいまご提案がありましたように、小委員会で議論を進めるということにしてよろしゅうございますでしょうか。

(異議なし)

【山岸部会長】 ありがとうございます。
 それでは、ご賛同いただきましたので、本件は適当と認めることとし、この案に基づき外来生物対策小委員会において議論を進め、その結果を本会に報告していただくことにいたしたいと思います。
 外来生物対策小委員会に所属する委員については、中央環境審議会運営規則に基づき、部会長である私から指名させていただきたいと思います。
 小委員会のメンバーについては、今から委員の方々にご配付をお願いいたします。
(資料配付)

【山岸部会長】 お手元に渡ったでしょうか。それでは、今お配りした資料にお示しした委員の方々を、私としましては小委員会委員に指名させていただきたいと思います。
 さまざまな観点からご意見をいただきたいことから、野生生物部会の委員、他の部会の委員のほかに、専門委員を9名加え、合計16名の構成となっております。小委員会の委員に指名させていただいた方々には、ご多忙のところ大変恐縮でございますが、小委員会の議論にご協力いただくようお願い申し上げます。
 次に、小委員会の委員長についてでございますが、中央環境審議会議事運営規則に基づき、これも部会長が指名することになっております。
 委員長は、外来種問題に詳しい石井信夫委員にお願いしたいと思います。どうかご了承いただきますようお願い申し上げます。よろしゅうございますでしょうか。
 それでは、先ほど重い意見が三浦さんからも出ているんで、小委員会では、そういうことも含めまして十分ご議論いただくように、重ねてお願い申し上げます。
 続いて、報告事項が2件ございます。
 まず、ラムサール条約湿地登録候補地について、事務局から説明をお願いいたします。

【事務局(山崎)】 自然環境局野生生物課の山崎と申します。今日審議いただく内容ではないのですが、若干お時間をいただきまして、ラムサール条約の関係につきましてご報告させていただきたいと思います。
 ラムサール条約につきましては、本年7月にルーマニアにおいて第11回の締約国会議が開催されます。その会議の時期にそろえまして、日本から、新規に条約湿地として登録したいというふうに考えています候補地について、ご報告させていただきます。
 まず、ラムサール条約について説明させていただきます。
 ラムサール条約につきましては、1971年にイランのラムサールにおきまして、湿地及び水鳥の保全のための国際会議において採択されました。正式名称は「特に水鳥の生息地として国際的に重要な湿地に関する条約」ですが、通称としまして「ラムサール条約」と呼ばれております。現在の締約国は160カ国、全体の登録湿地数は2,006カ所となっております。日本は1980年に加盟しまして、現在37カ所を登録しております。
 ラムサール条約の目的でございますけれども、湿地の保全と賢明な利用となっています。賢明な利用については「ワイズユース」というふうに呼んでおりますけれども、湿地を単に守っていくということではなく、湿地生態系からの利益を継続的に享受しながら湿地を守っていくということを目的としております。
 現在の日本での登録状況ですけれども、先ほど申しましたとおり、最初の登録は1980年になります。北海道の釧路湿原を第1号として登録しております。その後、順次登録を追加しまして、現在37カ所。日本におきましては、原則としまして3年に1回開催されます締約国会議の場において登録するような方法を通例としております。
 ラムサール条約が対象としています湿地というのは、非常に広い概念でございます。さまざまなタイプのものを対象としているんですけれども、日本につきましては、もともと大変水が豊富ということで、当初から、いろんな水域を有しております。そういったことで、日本におきましては、条約の趣旨にものっとって、様々なタイプの湿地を登録しております。
 例えば湿原とか、河口干潟であったり、水田につきましては人工的なものではあるんですけれども、条約上、生態系の重要な湿地として対象としております。それとか、マングローブ林とかサンゴ群集、それと、変わったものとしては地下水系というものまで対象として登録しております。
  まず、ラムサール条約につきましては、登録に当たりまして一定の基準をクリアする必要があり、ラムサール条約においては国際基準を定めております。
 まず最初の基準につきましては、1980年の第1回締約国会議のCOP1の場で採択されました。大きく三つの基準がありましたが、基本的には水鳥を対象とした基準でございまして、その後、最新の状況では、2005年に開催されましたCOP9までの間に、順次、基準が拡充されまして、水鳥に限定しなくて、例えば魚介類とか、そういった、いろんな生物も対象にしております。大きく分けますと、基準1というのは湿地自体のものを対象としたものでして、2から9までについては生物種を対象としているものです。
 実際に、登録に当たっての日本での要件なんですけれども、まず第1の要件としましては、先ほど申しました条約の国際基準、1から9までありますけれども、9個の中のどれかに該当すること。
 それに加えまして、日本の場合は、国の法律により、将来にわたり自然環境の保全が担保されていること。「法的担保」と呼んでます。
 3番目としまして、自治体のみではなくて、住民の方も含め地元から登録への賛意が得られていること。
 この三つがそろった段階で登録するというふうにしております。
 今回、7月にCOP11が開催されますけれども、それまでの経緯について簡単にご説明いたします。
 まず、2007年に第3次生物多様性国家戦略が作成されましたが、その中で、概ね5年間の目標としまして、10カ所の新規登録をするということが掲げられました。その後、2008年のCOP10の場で4カ所が登録されております。その後、COP11に向けまして、2010年にラムサール条約湿地潜在候補地検討会を開催しまして、調査データや専門家のヒアリング等の結果をもとに専門家の先生等に検討していただきまして、科学的・客観的な見地から国際基準を満たす湿地ということで、「潜在候補地」と呼んでますけれども、これを172カ所選定しまして、公表いたしました。その後、潜在候補地の中から残る要件、法的担保措置と、それと地元からの賛意等を勘案しまして、COP11に向けた候補地について検討してまいりました。
 その結果、今日、鳥獣保護区の指定について審議していただきました3カ所も含めて、全部で9カ所を今回登録地として、COP11での登録に向けて進んでいきたいというふうに考えております。
 まず、北海道の大沼から、先ほど審議していただきました渡瀬遊水地、それと立山弥陀ヶ原・大日平、中池見湿地、東海丘陵湧水湿地群、円山川下流域・周辺水田、宮島、荒尾干潟、それと与那覇湾、この9カ所について、要件がそろったので進めていきたいというふうに考えております。
 それぞれの湿地につきましては、簡単に説明させていただきたいと思います。
 お配りしていますペーパーにも張ってございますけれども、非常に小さくて見づらくて申し訳ないのですけれども、共通のものとして区域図面を掲載させていただいております。
 まず大沼ですけれども、北海道の七飯町にございます。面積は1,236ヘクタール。大沼、小沼、蓴菜沼、3湖の総称として「大沼」というふうに考えております。
 大沼につきましては、駒ヶ岳の火山に伴いまして地盤沈下しまして、泥流によるせきとめ湖として形成されたもので、屈曲の多い湖岸線を有しております。現在でも高い自然性を有していることから、基準1に該当するというふうに考えております。
 次に、渡瀬遊水地ですけれども、これは、先ほど鳥獣保護区の指定のほうでご審議いただきましたけれども、4県にまたがる場所にございます。登録の範囲としましては2,861ヘクタールです。周辺地域につきましては、度重なる大規模な洪水被害に見舞われてきた地域でございます。
 鉱毒事件等の社会問題等もございましたが、治水事業によって遊水地化が行われております。遊水地として管理されていく中で多様な生態系が形成されていったところでございます。現在では700以上の植物が確認されているというふうに聞いております。
 次に、立山弥陀ヶ原・大日平でございます。面積としましては574ヘクタールでございます。中部山岳国立公園の特別保護地区にもなっております。弥陀ヶ原につきましては、火山活動により形成された溶岩台地が、高山性の寒冷な気候と豪雪、それと豊富な水、さらには強風の影響のもとで形成されました雪田草原でございます。
 次に、福井県の中池見湿地でございます。面積は87ヘクタールでございます。もともとは水田として利用されていた経緯もございますけれども、近年では休耕田化しております。1992年に、民間企業によります液化天然ガス基地の建設計画等がございましたけれども、その後、計画は中止になりまして、現在では湿地部分については敦賀市に寄附されております。
 中池見湿地につきましては、絶滅危惧U類のデンジソウやオオアカウキクサなど多様な水生・湿生植物が確認されております。また、特徴的なこととしましては40メートルにも及ぶ泥炭埋積物も確認されております。
 次に、東海丘陵湧水湿地群でございます。愛知県の豊田市にございます。面積は23ヘクタール。東海丘陵湧水湿地群は、花崗岩質の土岐砂礫層の小規模な崩壊部等から湧水する小規模な湿地の集合で、湿地群というふうになっております。
 そういった湧水での湿地ですので、栄養が余り豊富でない湿地になっているんですけれども、そういった特異な湿地で、非栄養のもとで成育する東海地方にございます、ここに独特の東海丘陵要素というふうに呼ばれていますけれども、そういった植生が見られる場所でございます。
 次に、円山川下流域・周辺水田でございます。これにつきましても、先ほど鳥獣保護区のほうで審議していただいておったところと、ほぼ一致する場所でございます。
 円山川下流域の周辺水田は、河口から16キロ上流まで汽水域が広がる、非常に傾斜が緩やかな流れでございます。そのため、周辺には非常に湿地帯というか、水位が高い場所が存在しまして、先ほどの説明にもありましたように、放鳥しましたコウノトリが繁殖する人工湿地や、その他水田等、いろんな湿地が存在しております。水田では環境創造型農業に取り組んでいる農家の方も多くいらっしゃいます。
 また、コウノトリでない種類につきましても、絶滅危惧種のヒメシロアサザやオオアカウキクサ等の水生植物等も確認されております。
 今回、先ほどの説明とも若干重複するんですけれども、コウノトリの最も繁殖に成功しているところが戸島湿地の人工巣等の繁殖つがいなんですけれども、ここの行動圏を図示したものが右図の範囲です。そういうことを踏まえまして良好な環境が保たれている場所として、川の上流のほうまで一体的に指定、登録したいというふうに考えております。
 次に、宮島でございます。名称としては「宮島」と言ってますけれども、面積につきましては142ヘクタール。島の南部の海岸沿いの部分を考えております。この部分につきましては、島固有種のミヤジマトンボの生息が確認されているところです。
 生息地を守る観点から、繁殖する場所、生息する場所、それらを一体的に、今回登録をしたいというふうに考えております。
 次に荒尾干潟ですけれども、これにつきましても、先ほどご審議いただいた中身でございます。まず、大変豊富な底生生物がいるということから、水鳥の生息地、ガン・カモとかシロチドリの越冬地、中継地として非常に重要な場所でございます。
 そういった中で、希少種の、例えばズグロカモメにつきましては毎年100から200羽程度、ラムサールの基準につきましては1%基準ということで置いているんですけれども、世界の生息数の1%以上を定期的に支えている湿地というところに該当するということで、ここの部分を登録したいというふうに考えております。
 最後になりますけれども、宮古島の与那覇湾でございます。面積については704ヘクタール。宮古島の南西部に位置しております。宮古島最大の干潟でございまして、沿岸域にはマングローブ林が発達しております。湾内には広大な藻場が分布しているなど多様な自然環境を有しております。そのため、当該地域もシロチドリ等、多くの渡り鳥等の採餌の場所、休憩地や繁殖地としてなっております。
 特徴的なところにつきましては、メダイチドリがほぼ毎年200羽以上飛来しているような場所でございます。
 ということで、9カ所のご説明については、非常に短時間で申し訳ないんですけれども、こういうことで考えております。
 登録に向けて、今後の予定ですが、まず、鳥獣保護法に基づくものとしましては、本日審議いただきまして、答申をいただきました3カ所につきましては、今月中に官報告示の形で国指定鳥獣保護区の指定を行います。
 その後、条約の流れになりますが、6月中に官報告示の形で「国際的に重要な湿地」の指定ということを行います。これは条約に定められているもので、締約国は登録に当たって国際的に重要な湿地を指定するということを定められていることから行うものです。
 それを指定しましたら、ラムサール条約事務局に国際的に重要な湿地を指定したということを通報いたします。それをもちまして、スイスにございますラムサール条約事務局のほうで管理しています登録簿に登録して、登録をもってラムサール条約湿地となったというふうに考えます。
 締約国会議につきましては、ルーマニアのブカレストのほうで7月6日から13日の間に行われますけれども、その間、7月7日を予定しておりますけれども、各自治体への登録認定証の授与式の開催を予定しております。
 以上で説明を終わります。

【山岸部会長】 ありがとうございました。
 ただいまのラムサール条約湿地登録候補地について、事務局からの説明につきまして、ご意見・ご質問はございますでしょうか。

(なし)

【山岸部会長】 よろしゅうございますか。ありがとうございます。
 では、続いて最後の報告ですが、野生下でのトキのふ化、ヒナの誕生について、事務局からご説明をお願いいたします。

【事務局(中屋)】 野生生物課の中屋と申します。よろしくお願いします。
 時間も迫っておりますので、簡単にご説明させていただきます。資料は、手元の資料だけでございます。一番最後の参考資料2という資料を見ていただきたいと思います。
 ご存じのとおり、4月22日、日曜日でしたですけれども、佐渡の野生下のトキのペアから、ヒナが1羽、まず生まれました。23日の朝刊に大きく張り出しがありまして、これまで、このように大きく張り出されたのは初めてのような形で、非常に明るいニュースが流れたというようなことです。
 次の日の23日には3羽が、同じペアの中から確認されまして、現在、2ペアの中で、最初のペアが3羽、二つ目のペアで2羽ということで、今、5羽のヒナがすくすくと育っているというような状況でございます。
 下の真ん中にございます写真のとおり、これは一組目のペアでございますけれども、現在、ライブ中継といいますか、ネット中継もさせていただきながら、かなり全国の皆さんに見ていただけるような状況になっております。
 それで、参考としましては、野生下でヒナが誕生しましたのは51年以来36年ぶりだということでございます。このまま無事に育ちますと、昭和49年以来の38年ぶりというようなことになります。
 それから、産卵につきましては、今も6ペアが抱卵しておりますので、またさらに増える可能性もございますけれども、大体産卵から約30日程度でふ化するというようなことでございます。ふ化から約40日程度で巣立ちをしておるような状況でございます。
 あと、次のページにつきましては参考資料でございまして、今お話させていただきました二つのペアの状況が上の2段に書いてございまして、その他の6ペアの状況が下の表になってございまして、それぞれ、ふ化想定日も5月上旬から下旬にかけて、さらにヒナが生まれる可能性がまだ残っておるような状況でございます。
 以上でございます。

【山岸部会長】 ありがとうございました。
 ただいま、うれしい知らせがあったんですが、国内の情報発信の話があったんですが、実は、サイエンスの5月4日号に、世界に向けてのトキのふ化の発信がされていますので、ぜひご覧いただければと思います。
 何か、トキのことでお聞きになりたいことありますでしょうか。

【石井(実)委員】 現在、放鳥の対象になって、その一部は野外で繁殖しているものなんですけれども、もとはというと中国の何個体に由来尾するものなんでしょうか。
 それで、今般、中国から2個体が、またいただけるというか、借りられるというんですか、ということになっているようですけれども、これは、また近親交配等の関係で、どういう意味があるんでしょうか。

【事務局(中屋)】 中国の始祖といいますか、すべてが中国の個体のほうから繁殖を、今、国内での繁殖数は250ぐらいになっていると思いますけれども、それらの祖先は、すべて中国からの個体でございまして、5羽から、それらがすべて育ってきております。
 それで、その5羽の血をすべて受け継いでおりますので、非常に血が濃いという状況になっておりますですから、ニュースにありますように、中国から新たな個体ということで、そういった個体が入ることによって血の濃さを薄めるといいますか、そういった遺伝的な多様性を高めるという意味で、非常に意義のあることであるというふうに考えております。

【石井(実)委員】 それで、最初の5羽と、今回の2羽というのは、中国内での産地は少し違うということなんでしょうか。

【事務局(中屋)】 産地としましては、陝西省の洋県というところに飼育下の個体を繁殖させているところがございまして、今回、いろいろと中国とも調整しておるんですけれども、その5羽の遺伝子については、もう既に遺伝結果を日本の専門家の方々が分析していただいておりますので、それと見比べるために、遺伝の分析を、新たな2個体等も含めて分析しながら、なるべく遠い血にしようというようなことで考えておるような状況でございます。

【山岸部会長】 課長、何か今のことで。

【亀澤野生生物課長】 昨年末の日中首脳会談の際に、中国の温家宝総理から日本へのトキの新たな提供について積極的に検討したいというお話があって、それ以後、中国の国家林業局との間で具体的な協議・調整を進めてまいりまして、近く正式な合意に至る見込みで、今現在は最終調整中です。
 報道されているように、2羽の個体をいただけるというような形で調整しておりますけれども、固まり次第、発表していきたいというふうに考えているところでございます。

【山岸部会長】 よろしゅうございますね。
 それでは、ほかにご意見がなければ、ごあいさつを審議官から賜ることになっていたんですが、何か、国会で呼び出されたようで緊急に座をあけられましたので、本日は以上をもちまして野生生物部会を閉会とさせていただきたいと思います。
 ご協力、ありがとうございました。