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中央環境審議会 野生生物部会
会議録


1.日時

平成23年7月13日(水)13:30〜15:15

2.場所

経済産業省別館10階 1028会議室

3.出席者

(野生生物部会長代理) 山岸 哲
(委員) 加藤 順子
鷲谷 いづみ
(臨時委員) 石井 信夫 石井 実 磯崎 博司
市田 則孝 神部としえ 小泉 透
小菅 正夫 小長谷有紀 桜井 泰憲
佐々木 洋平 土屋 誠 中静 透
福田 珠子 三浦 愼悟  
(環境省) 渡邉自然環境局長
亀澤野生生物課長
牛場外来生物対策室長
塚本自然環境計画課長
宮澤鳥獣保護業務室長

4.議事

【事務局】 それでは、予定の時刻になりましたので、中央環境審議会野生生物部会を開催させていただきます。
 本日の出席者数でございますが、委員21名中、現在14名の先生が出席をされておりますので、定足数を満たしております。
 また、鷲谷委員、神部委員からは、多少、遅れてくるというご連絡をちょうだいしております。
 続いて、お手元にお配りした資料の確認をさせていただきます。議事次第の裏側に、配付資料一覧をつけております。資料1−1、鳥獣の保護を図るための事業を実施するための基本的な指針について(諮問)、1−2、第11次鳥獣保護事業計画の基本指針の主な変更点について、1−3、鳥獣の保護を図るための事業を実施するための基本的な指針について(鳥獣保護管理小委員会報告)、資料1−4、鳥獣の保護を図るための事業を実施するための基本的な指針、資料1−5、鳥獣の図るための事業を実施するための基本的な指針一部を改正する告示新旧対照表。
 それから、参考資料の1でございますが、高病原性鳥インフルエンザへの対応状況について、2東日本大震災による国指定鳥獣保護区の被害状況について、3、トキの野生復帰に係る最近の動きについて、4、アホウドリ新繁殖地形成事業について、5、平成23年度秋・国指定鳥獣保護区及び特別保護地区の指定予定について、6、生物多様性保全活動促進法について、7、海洋生物多様性保全戦略の策定について、8、小笠原諸島の世界自然遺産登録についてでございます。
 不備がございましたら、事務局までお申しつけください。
 それから、今回、委員に異動がございましたので、ご紹介をいたします。7月11日付で、是末委員が退任され、佐々木洋平委員が、中央環境審議会臨時委員として任命され、当野生生物部会において、審議に加わっていただくこととなりました。佐々木委員から、一言、ごあいさつをお願いいたします。

【佐々木委員】 大日本猟友会の会長の佐々木洋平と申します。よろしくお願いいたします。

【事務局】 ありがとうございました。それでは、以降、山岸部会長、よろしくお願いいたします。

【山岸部会長】 それでは、ただいまから、平成23年度第1回野生生物部会を開催いたしたいと思います。
 午前中の鳥獣保護管理小委員会から、ご出席の先生方には、大変、長丁場になりますが、よろしくお願いいたします。
 本日の審議に先立ちまして、渡邉自然環境局長より、ごあいさつをお願いいたします。

【渡邉自然環境局長】 自然環境局長の渡邉でございます。本日は、野生生物部会に大変お忙しい中、また、とても暑い中、お集まりいただきまして、ご参加いただきまして、ありがとうございます。
 前回、この部会の開催は2月でございました。前回の野生生物部会を開催した後に、3月11日に、東日本大震災が発生をし、各地に大きな被害をもたらしたところでございます。被災した地域の方々が、それぞれの地域の暮らしを取り戻すことができますように願いますと同時に、環境省も全力で被災地の支援に当たっていきたいというふうに思っています。
 私たちに、今回の震災を通じて、自然というのが、今まで豊かな恵みを与えてくれる、だから、その自然をうまく守り、持続的に利用していくことを進めようというふうに強調してきたわけですけれども、そういった豊かな恵みを与えてくれる自然が、時に大変厳しい災害をもたらすこともあるということを、改めて知ることになりました。
 こういった面もある自然と、どうつき合っていけばいいのか、あるいは、より深いところから、人と自然の共生のあり方を考えていくということが、求められているように思います。
 昨年10月、愛知県名古屋市でCOP10が開催されて、新しい世界目標であります愛知目標も合意をされました。その長期ビジョンには、人と自然の共生ということも、盛り込まれたところであります。
 この愛知目標を受けた、日本の新しい国家戦略を、COP11が来年の秋にインドでありますけれども、それまでに策定するということを目指して、新しい国家戦略づくりを進めていきたいと思っています。
 この野生生物部会、そして自然環境部会の合同部会で、ご審議をお願いしていきたいというふうに考えております。その中でも、愛知目標を、日本としてどう受けとめて、日本の戦略に盛り込んでいくかということに加えて、こういった災害も受けて、災害リスクを減らしていく国土管理と生物多様性の保全というのを、どう両立させ、どう結びつけていくかというようなことについても議論をし、国家戦略の中に盛り込んでいくことができたらというふうに思っていまして、今後、同部会の審議の中で、皆さんにも、いろいろご意見・ご提案をいただいていけたらというふうに思っております。
 本日の議題は、冒頭、山岸部会長からご紹介いただきましたように、鳥獣の保護を図るための事業を実施するための基本的な指針ということで、各都道府県が、鳥獣保護法に基づく、いろんな業務を行っていく上でのベースとなります、鳥獣保護事業計画というのを策定する、そのもとになるのが、今日、ご議論いただく指針でございます。昨年10月に、中央環境審議会に諮問をいたしまして、鳥獣保護管理小委員会を設けて、4回にわたって検討していただいてきました。今日、午前中に、4回目の小委員会が開かれて、小委員会として、基本指針についての取りまとめをしていただいたというところでございます。
 この野生生物部会では、小委員会としての取りまとめた案についてご議論いただいて、最終的な決定をいただければというふうに思っています。どうぞよろしくお願いいたします。
 あわせて、最近の自然環境行政の動き、かなり多岐にわたる話題がありますけれども、それについても、ご報告をさせていただけたらというふうに思います。限られた時間での開催でございますけれども、さまざまな観点から、ご審議いただければというふうに思います。どうぞ、よろしくお願いいたします。

【山岸部会長】 ありがとうございました。それでは、これより、早速、議事に入らせていただきます。
 資料の扉をごらんください。そこに、本日は、審議事項1件、その白丸で書いてあるとおりですね。それから、報告事項が、[1]から[8]までございます。ただし、報告事項は、事務局の都合により、[6]、[7]、[8]を[1]の前に報告させていただいて、それが済んだら、[1]、[2]、[3]、[4]、[5]と戻ることにさせていただきますので、よろしくお願いいたします。
 まず、審議事項ですが、昨年10月4日に中央環境審議会に対して諮問されました、鳥獣の保護を図るための事業を実施するための基本的な指針につきましては、野生生物部会に設置されております、鳥獣保護管理小委員会で検討が進められてきたところでございます。本日、午前中にも、最終回の第4回目の小委員会が開かれ、基本指針について、小委員会としての結論を得ましたので、内容について、事務局から報告願います。

【事務局(山本)】 鳥獣保護業務室の山本です。よろしくお願いいたします。それでは、資料1−1から資料1−5までを使いまして、ご説明を申し上げます。
 資料1−1ですけれども、こちらが、環境大臣から中央環境審議会への諮問書となっております、昨年の9月27日に諮問をさせていただいて、それが、中央環境審議会から野生生物部会に付議されているということでございます。
 それで、資料1−2が、主な変更点について。これをメーンでご説明をさせていただきますけれども、資料1−4が全文で、答申をいただく予定の案でございます。
 それから、資料1−5は、現行の基本指針と、今回の改正案を比較した、新旧対照表になっております。参考に、お手元でご確認いただきながら、見ていただければと思います。1−2と1−3について、主にご説明をさせていただきます。
 まず、1−2で、全体像について、ご説明をいたします。基本指針についてでございますけれども、先ほど局長のごあいさつの中でも触れたとおり、鳥獣の保護及び狩猟の適正化に関する法律に基づいて、5年置きに環境大臣が定めるものとなっております。これに基づいて、都道府県知事が、鳥獣保護事業計画を定めるということとなっております。
 現在の鳥獣保護事業計画の計画期間が、今年度の3月までとなっておりますので、来年度以降の新計画の策定に向けて、この基本指針を都道府県等に対してお示しをするということでございます。
 これまでの経緯と今後の流れでございますが、昨年、10月4日の野生生物部会において諮問をいたしまして、小委員会での議論をするということについても、ご承認をいただいたところです。
 それから、11月から小委員会での議論をスタートさせまして、11月11日に1回目、12月22日に2回目、そして4月25日の3回目で、ここで概ねの結論をいただきました。その後、パブリックコメントですとか、都道府県担当者会議を実施いたしまして、今回、修正案をお示しして、本日の午前中に結論をいただいたという流れになっております。
 それから、今回、本日の部会において、ご答申をいただきましたら、8月の半ばに告示を行う予定となっております。
 主な変更点についてですけれども、幾つか柱を立てて、四つの柱で変更点を整理しております。一つ目は、生物多様性の保全という観点で変更した部分でございます。鳥獣の保護管理が、生物多様性の保全において重要であること、また、前回の基本指針の後、生物多様性基本法ですとか、COP10の成果がございましたので、そういったことも踏まえて、推進をしていく必要があるということ。
 それから、外来生物対策においても、重要な役割を果たしているということを認識いたしまして、以下の変更を加えているということです。
 一つ目、鳥獣保護管理は、生物多様性基本法の趣旨を踏まえること。また、鳥獣保護管理が、COP10の新戦略計画(愛知目標)の達成に向けて、重要な要素であるということについても、明記をしております。
 また、鳥獣保護事業が適切に実施されなければ、シカの増加などによって、植生被害や裸地化などが起こるといったことからわかるように、生物多様性が損なわれるおそれがあるといったことを明記しております。
 次のページでございますが、外来鳥獣の捕獲促進のために、有害鳥獣の捕獲許可において外来鳥獣等について捕獲数の制限をなくす方向での見直しを行っております。
 二つ目としまして、特定鳥獣の保護管理の推進ということで、例えばシカですとか、イノシシですとか、そういった特定鳥獣の管理においては、科学的・計画的な保護管理が重要ということで、特定計画の制度ができてから10年以上がたって、一定の成果はございますけれども、まだまだ人材の確保や育成、個体数調整を促進するための方策などの課題が、引き続き、明らかになっているという状況でございます。
 それを踏まえまして、新たな体制を検討することの必要性ですとか、地域ぐるみの活動を推進していくことが重要であるといったことから、以下のような変更を加えております。
 一つは、前回の基本指針後にできました鳥獣被害防止特措法ですとか、生物多様性保全活動促進法との連携・活用を記載し、地域ぐるみの活動推進の必要性を示しております。
 それから、鳥獣保護管理をめぐる現状と課題の中に、有害鳥獣捕獲の項を設けまして、地域ぐるみで有害鳥獣捕獲を図るために、狩猟者と地域住民が連携・協力して、実施をしていくこと。狩猟者による技術指導等を一層推進することが重要であることですとか、鳥獣行政と農林水産行政の一層の連携が必要であるといったことを、お示ししております。
 また、狩猟者の確保には、引き続き努めていくとともに、新たな個体数調整の体制についても、検討を進めていくことが必要であるということ。
 また、効果的な個体数調整のための捕獲技術というものが、これから新たに検討したり、情報収集を行っていく必要がありまして、それを技術ガイドラインなどによって、普及を図るということが重要だということです。
 それから、確保を図るべき人材としまして、地域に応じた高度な捕獲技術を有する人材という方々も、確保を図っていく必要があるということを記載しております。
 また、都道府県の鳥獣部局と、最近、とみに役割が増していると言われている、鳥獣被害防止特措法に基づいて被害対策を実施する市町村との連携が重要であるということですとか、また、鳥獣保護区においても、鳥獣を保護するという観点はもちろんですけれども、増え過ぎた鳥獣の捕獲といったような、農林業被害対策のための捕獲は、適切に実施することが必要であるということを明記しております。
 また、必要な捕獲を適切に促進していくという観点で、複数人で銃器を用いないで、罠で有害鳥獣捕獲を行う場合については、その従事者の中に、狩猟免許を有しない者を補助者として含むことができるという規定を、追加をしております。これは、もともと特区として認定をされていたものの全国展開を図るといったものでございます。
 そのほか、細かいところ、技術的な話でいけば、空気銃の性能が上がったことを踏まえまして、空気銃による有害鳥獣捕獲、個体数調整のための捕獲の対象鳥獣を拡大しております。
 それから、感染症への対応といったことも、一つの大きな課題として、柱を立てております。ご承知のとおり、高病原性鳥インフルエンザが、昨年来、各地で感染が確認をされており、また鳥獣の感染症対策というのは、生物多様性保全にとっても重要であるり、また、産業との関係も大きいことから、社会的・経済的なニーズも踏まえて、積極的に推進していくということでございます。
 具体的には、鳥獣保護管理をめぐる現状と課題に、感染症を設けまして、公衆衛生、家畜、動物愛護管理行政の担当部局と連携して実施することを明記しております。
 また、今までは、人獣共通の感染症についての記載がメーンだったわけですけれども、昨年、拡大した口蹄疫に関しては、人への影響は、ほとんど考えにくいですけれども、経済的には、非常に重要なものになってきますし、鳥獣も感染し得るということで、そういった感染症に関する情報収集といったことも、加筆をしております。
 また、傷病鳥獣救護においても感染症対策は重要であるということですとか、餌付けをすることによって、感染症を広げてしまう可能性、人が鳥獣と近づき過ぎるということによって、感染症を拡大してしまうという可能性もありますので、そういったことに配慮をしっかりするということ、そういったことを記載しております。
 また、その他としまして、時代に即した鳥獣保護管理の促進を図るための変更ということで、幾つか変更を加えております。一つは、愛がんのための飼養目的での捕獲ということで、今まで愛がんのための飼養目的の捕獲につきましては、これまでの審議会でのご議論の中でも、基本的には、廃止の方向で進んでいくことが望ましいというご指摘を受けておりましたので、現時点でも、メジロのみが許可対象となっていたわけですけれども、それにつきましても、密猟を助長するおそれが指摘をされておりますので、原則として、許可をしない方針をお示ししております。また、今後、廃止を検討することについても、明記をいたしました。
 それから、地方分権一括法案に基づく変更もございます。地方分権一括法案が、現在、衆議院で審議中ということでございまして、その中で、鳥獣保護事業計画ですとか、特定鳥獣保護管理計画の項目の変更など、もともと都道府県に義務づけしていたものを、必要最小限にしていくという観点での変更がされておりますので、そちらに基づいて変更をしております。ただし、まだ、実は法案が成立しておりませんので、一部は保留して告示を行って、成立後に改正法に基づく修正を行うという措置をとりたいと考えております。
 大部にわたる指針についての変更点、簡単にまとめてご説明をいたしましたけれども、続いて資料1−3を、お手元にお願いします。小委員会の報告といたしましては、この指針については、今、ご説明をしたような内容で適当であるということでございますが、一方で、引き続き検討を要する課題、基本指針だけでは、なかなか解決ができないような課題についても、幾つか挙げられておりまして、それについては、今後、適切に対応するようにという報告をいただいております。
 6点ございます。一つ目ですが、シカ等による生態系や農林水産業等への被害が増大する中で、課題の解決に向けて国が指導力を発揮するための方策について検討を行い、適切な措置をとること。
 二つ目は、狩猟者の減少や高齢化、中山間地域の過疎化等が懸念されている中で、将来にわたって適切に機能し得るような、個体群管理の体制について検討を行い、適切な措置をとること。
 三つ目、鳥獣保護管理に携わる人材の確保と育成を一層強化するための方策について検討を行い、適切な措置をとること。
 四つ目、広域に分布する鳥獣の適切な管理に向けて、広域で連携した取組を推進するための方策について検討を行い、適切な措置をとること。
 五つ目、傷病鳥獣救護のあり方について検討を行い、適切な措置をとること。
 最後は、鳥獣の保護及び狩猟の適正化に関する法律の施行状況について、時代に即して検討を行い、適切な措置をとること。
 こういった中身で、基本指針できなかった部分についても、引き続き検討するように、というご指示をいただいておりますので、事務局としても、これは今後、課題として検討を進めていきたいと思っております。
 駆け足になりましたけれども、事務局からの説明は、以上でございます。

【山岸部会長】 ありがとうございました。ただいまのご説明につきまして、ご意見・ご質問がありましたら、どなたからでも結構ですから、ご発言ください。
 なお、このネームプレートを立てていただければ、挙手のかわりになりますので、ご意見のある方はプレートをお立てください。
 磯崎先生、それじゃあ、最初にお願いいたします。

【磯崎委員】 すみません、途中で触れていた外来鳥獣については、積極的に捕獲をということなんですが、具体的にその捕獲手法であったり、捕獲に関連した手続基準とかというのが、別に備えられているのかどうか。それから、その関連で、特定外来生物対策法、その法律との関係はどうなっているのか。それについて、お願いします。

【山岸部会長】 それじゃあ、お願いします。

【事務局(山本)】 外来鳥獣に関しても、今まで鳥獣保護法の捕獲許可で捕獲をしている数が、かなりの数にのぼっております。その有害鳥獣捕獲として、外来鳥獣の捕獲をしているわけですけれども、そのときに、これまで有害鳥獣捕獲というのは、現に被害を及ぼしている場合に許可をするですとか、被害を低減させるために、捕獲数は最小限とするといったような許可基準になっておりまして、それは在来鳥獣を前提としている許可基準だったものですから、外来鳥獣に関しては、そういったリミットをし、適切な数をしっかり、根絶に向けて捕獲していくようにというような変更を加えております。法律上、枠組みが別ということではなくて、許可基準の考え方を、今回変更したということでございます。
 特定外来法との関係ということであれば、今までと特に変わりはなく、双方の法律を使って、できることをしていくというようなことでございます。

【山岸部会長】 磯崎先生、よろしゅうございますでしょうか。

【磯崎委員】 はい。

【山岸部会長】 それでは、ほかの問題でも結構です。
 小菅委員、お願いいたします。

【小菅委員】 資料1−3のところの5番目に、傷病鳥獣救護のあり方について、今後、今回は盛り込まなかったけど、これからは検討していくというお話でしたけれども、これについては、私、都道府県の対応に、非常に大きなばらつきがあるというふうに感じているので、その辺、環境省として、きちんとした方針を出していくべきなのではないかというふうに、ずっと考えていました。
 それで、救護して、野生復帰とか、いろんなことの、いわゆるメニューがありますよね。いろんなことをやっているメニュー。その中に、やっぱり有効利用というか、繁殖に向かって、どこかへ集めて、きちんとそれを繁殖研究していくというのも、ぜひ入れておいていただきたいと思うんですよ。というのは、希少動物になってしまってから、数が少なくなってしまってから、さあ、いざやろうと思っても、なかなか手につくものではないので、その前、まだまだ十分たくさん、いわゆる傷病なんかで人の手に入るような個体が、まだまだ多い状況であれば、それを生かして、その繁殖の研究をしっかりやっていくということも、ぜひ、その中の考え方の中に入れていただきたいなというふうに思いますので、ぜひ、それも含めて、ご検討いただければというふうに思います。

【山岸部会長】 ほかに、何か。三浦委員、どうぞ。

【三浦委員】 今回は、基本方針ということで、本体の法律である鳥獣保護及び狩猟の適正化に関する法律の方が、変わっていないんですけれども、これを変える予定があるのかということと、それから、基本的な指針の最後ですね、施行状況について、時代に即して検討を行い、適切な措置をとることって、非常に重要なことで、今の時代、大きな被害問題を抱えながら、人間と自然というか、人間と野生動物の関係も、もっと変化していく中で、率直に言えば、この法律そのものも、時代に対応していないのではないかというふうに思うわけです。ぜひ、その法律の改定を望みたいというふうに思います。さまざまに、いろんな点で、大きくかえていく必要があるように、私は思うんですけれども、よろしくお願いしたいと思います。

【事務局(山本)】 法律に関する今後の見込み、見通しということですけれども、前回の改正法の附則の中で、改正法施行後、5年を経たときから、施行状況について見直しを行って、必要な見直しを行うことということになっております。それが、施行が19年ですので、来年度、24年度が5年ということになります。このため、来年度以降、検討をしていくことになっております。
 今、ご指摘の点につきまして、今後、ご意見をいただきながら、検討していきたいと思います。

【山岸部会長】 はい、ありがとうございました。
 そのほかに。どうぞ、土屋委員。

【土屋委員】 今、ご報告いただいた資料の1−2と、それから新旧対照表を合わせながら見ていますと、ご説明いただいていない部分が、結構あって、そちらの方で気になる点が出そうな気がしますので、これだけで報告はよかったのかというところが、ちょっと気になります。
 例えば、新旧対照表は、資料1−5ですが、13ページに、新の方、左側の方に、真ん中あたりに、「また、餌の豊凶等の要因により、年によって被害状況及び集落等への出没状況の大きく異なる種については」というくだりがあります。そういう状況があることは、よく理解しておりますが、疑問はその後で、捕獲数が大きく変動する傾向にあることから、長期的な視野を持った保護管理に努めるものとする。何となく言っていることはわかるんですが、具体的にどういうことをしようとされているのか、あるいは、どんな議論が行われてきたかということを、少しご説明いただければうれしいのですが、いかがでしょうか。

【山岸部会長】 どうぞ、事務局。

【事務局(山本)】 この点につきましては、近年、クマなどですけれども、出没状況が大きく違って、捕獲数も年によって大きく違っている種類があるということで、1年の捕獲数だけを見て、管理をしていくということではなくて、数年間の中での捕獲頭数の評価をして、管理のあり方を考えていくといったようなことが必要になるだろうということで、ここに考え方を示しております。
 具体的なところにつきましては、引き続き、鳥獣種ごとのガイドラインなどでも、そういったところに対応した方針を示していくことになるかと思います。

【土屋委員】 そのガイドラインに、これから記述されるということですか。それとも、現在のものが、もう既に利用できるということでしょうか。

【事務局(山本)】 現時点で、もうある程度、そういった考え方は示しておりますが、引き続き、そこはしっかり視野に入れて、見直しも図っていくという趣旨です。

【土屋委員】 それは今日の資料にあるのでしょうか。

【事務局(山本)】 いえ、全体的な考え方を基本指針の中で示しているということですので、個別の種についてのご説明はここにはございません。

【土屋委員】 そうすると、理解ができないところがありますので、後ほど勉強させていただいて、疑問がありましたら、また質問させていただきます。

【山岸部会長】 そのほかにございますか。この委員の中で、6人が午前中に、もうこれでよしと言ってしまった人がいるわけで、意見が出づらいんだと思いますが。
 どうぞ。

【石井(実)委員】 不勉強による、ちょっと恥ずかしい質問、何かわからないんですけど、資料の1−2の一番最後の部分、よくわからないんです。地方分権一括法案ですよね。これが今、審議されているということはわかるんですけど、これが通った場合に、それに即して変更する、具体的には、どんな変更になるんでしょう。
 そして、二つ目の○では、今は保留しておいて、それが通った後で、改正法に盛り込むということですけど、二段階になっちゃうんですかね。

【事務局(山本)】 もともと、この改正法案が通ることを想定して、小委員会の方ではご議論をいただいておりました。つまり、改正法が通った後で、小委員会の結論を得て、告示をするという予定にしていたわけですけれども、その改正法案が、審議の関係で通っておりません。今、通っていないという状況にありますので、必要最小限、現時点での法律と合わない部分をもとに戻して告示をして、それが通ったら、また最初にご審議いただいていた案で告示をするということを、せざるを得ないという状況になっております。タイミングの問題でございます。

【石井(信)委員】 手続論なんでしょうけど、かなり変わってしまうものなんですか、これ、一括法案と。

【事務局(山本)】 ポイントとしては、二つです。例えば、特定鳥獣保護管理計画を都道府県が作成をするときに、公聴会を開くことというのが、もともとの鳥獣法でございますが、改正法ができると、それは公聴会の開催は義務づけではなくて、利害関係人の意見聴取は必要ですが、公聴会は、例示として挙げるにとどめる、ということが一つ。もう一つは、項目として、書くように努めるという項目が、出てくるということです。今は書かなければいけない項目として示している部分が、書くように努める、都道府県の判断で書くというようなところが、主な点です。

【石井(実)委員】 わかりました。今、お聞きする範囲だと、大きな変更ということでもなさそうですね。了解しました。

【山岸部会長】 よろしゅうございますか、石井委員、それで。

【石井(実)委員】 はい。

【山岸部会長】 それでは、ほかに、ございますでしょうか。
 今、お答えいただいた点って、具体的に資料に載っているんですか、2点って。1−5にあるんでしょうかね。

【事務局(山本)】 1−5の中には、あるんですが、ただ、もとに戻しているので、現行の基本指針とは、変更がなくなってしまっています。すみません。

【石井(実)委員】 見えないですね。

【山岸部会長】 どうぞ、磯崎委員。

【磯崎委員】 パブリックコメントについてなんですが、何か特色がある意見であったりという、ちょっと、概略でいいですけれども、説明をお願いします。

【事務局(山本)】 パブリックコメントをたくさんいただきまして、提出者としては、延べ人数ですけれども、4,242名からいただきました。意見数が、4,544件。取りまとめた意見としては、194件の意見になっております。
 主な意見としましては、相反する意見というか、お二つの意見が対立するような形での意見も、結構多くございまして、鳥獣保護区での有害鳥獣捕獲について、捕獲を推進すべきという意見と、鳥獣保護区ではとるべきではないといったような、異なる考え方のご意見があるものが多くございました。
 それから、具体的なものとしましては、一つは、先ほどの小委員会報告の中にも加えましたけれども、傷病鳥獣救護について、国として、しっかり方針を示すべきですとか、安易な傷病鳥獣救護が、むしろマイナスになっている、鳥獣と人との関係を近くし過ぎてしまうことが、弊害になっているというようなご意見。傷病鳥獣についてのご意見が、幾つかございました。それを受けて、先ほど小委員会でご審議がありました。
 それから、愛がん飼養の取り扱いで、今回、廃止の方針を示して、原則として許可しないこととして、今後、廃止の方針について検討するという記載になったわけですけれども、その点について、今すぐにでも廃止をすべきというようなご意見がありました。
 そのほか、有害鳥獣捕獲の許可対象者について、今回、法人として許可を受ける場合に、従事者に捕獲免許を持たない人も含んでいいというような規定を設けたわけですけれども、その点について、賛成する意見もありましたけれども、反対をする意見というのもございました。あくまでも、狩猟免許をしっかり持っている人がやるべきだというご意見もございました。
 主な点としましては、そういったところがございます。

【山岸部会長】 よろしゅうございますでしょうか。
 中静委員。

【中静委員】 改正の方に関しては、もっともなことだと思いますが、資料1−3の、この議論がどういう議論だったか、ちょっと教えていただきたいんです。例えば、「国が指導力を発揮するための方策」というのは、具体的にどういう面でという議論があったのかということと、それから、「将来にわたって適切に機能し得るような個体群管理の体制」というのは、もう少し具体的には、どういう議論があったのか、ちょっと、ご紹介いただけるとありがたいんですが。

【事務局(山本)】 1点目の、国が指導力を発揮するための方策ということですけれども、近年の流れとしましては、地方分権で、地方の自主性を高く尊重していくという流れがあって、鳥獣保護法については、多くが地方の自治事務ということになってきております。
 さらに、最近では、鳥獣被害防止特措法の流れの中で、市町村への権限委譲が大きく起こっているということで、それぞれの地方で、それぞれに取組をされているわけですけれども、かなりのばらつきが出てきているというようなことが、言われておりますので、その点について、国として、どうやって関わっていくべきか、しっかり議論して、方針を示していく。また、実際に対応していくようにといったようなご意見がございましたので、こういった記載になっております。
 もう一つの将来にわたって、適切に機能し得るような個体群管理の体制ということですけれども、まだ、なかなか具体的な形ということで、お示しできる状態ではないんですけれども、ご意見としては、プロハンターというような形で、職業として、きちんと高い技術を持った人が育つような形を検討していくべきですとか、今回も少し、考え方としては入れていますけれども、地域ぐるみでしっかり捕獲を推進していくといったようなことの促進といったようなご議論がございました。

【山岸部会長】 そのほかに、ございませんでしょうか。
 土屋委員。

【土屋委員】 メジロについて、教えてください。先ほどのご説明の中で、メジロも今後、禁止するような方向で検討するというお話がありました。それで、規則の中には、今後は廃止を検討するという文言がありますが、一方で、これは新旧対照表の46ページには、メジロは、許可対象者当たり1羽は、とってもいいということになっていて、一見、矛盾するような表現になっているのですが、これは見る人がわかりやすくするために、もう少し工夫はできないものでしょうか。

【事務局(山本)】 今回、原則として、許可をしないということですが、都道府県知事が、特別の事由があると認める場合については、今回の指針の中では認めてもいいですよという、原則外を残している形になっております。ただ、その原則外で捕獲をする場合であっても、ある程度の条件をつける、毎年とっていいわけではなくて、5年に1回なんですといったようなことで残しておりますので、原則として認めないけれども、認める場合には、こういった条件で許可をしましょうという指針になっております。
 実際に、これを許可基準としていくのは、都道府県の鳥獣保護事業計画ということになりますので、その中で明示されていく。県民に対して、それぞれの県において示していくのは、鳥獣保護事業計画ということになるので、その中で、また工夫をしていただくことになるのかなと思います。

【土屋委員】 都道府県との関係は理解しましたが、規則の中で、今まで1世帯1羽までと書いてあったものが、少し長目に記述されましたので、何となく強調されて、とってもいいのだというふうに理解しやすくなったような気がして、質問いたしました。

【山岸部会長】 ほかに、ご意見はございますでしょうか。
 (なし)

【山岸部会長】 それでは、ご意見もございませんようですので、この議題について、お諮りいたします。
 鳥獣の保護を図るための事業を実施するための基本的な指針につきましては、鳥獣保護管理小委員会の案を適当と認めてよろしいでしょうか。

(異議なし)

【山岸部会長】 ありがとうございました。ご賛同いただきましたので、本件は適当と認めることとし、この案を当審議会の答申案として、中央環境審議会会長に報告することといたします。ありがとうございました。
 それでは、引き続きまして、報告事項が8件あるんですが、先ほどもお知らせしたように、[6]からお願いいたします。

【塚本自然環境計画課長】 計画課長の塚本でございます。所用がありまして、早く抜けなければいけないので、失礼させていただきます。
 お手元の参考資料の6と7と8をごらんいただき、まず、参考資料6でございます。生物多様性保全活動促進法についてというタイトルでございますが、昨年12月10日に、ちょっと、法律の名前が長いですが、「地域における多様な主体の連携による生物の多様性の保全のための活動の促進等に関する法律」、略称で、生物多様性保全活動促進法と言っておりますけれども、法律が成立いたしました。
 里地や里山を守る、あるいは外来種を駆除するというような活動をなさっているNPOがやろうとしている活動を、後押しをしていこうというのが趣旨でありまして、そういう活動をなるべく促進をしていく上で、国がどんな役割ができるのか、地元の市町村は、どんな役割ができるのかということを、明確にした法律でございます。
 これにつきましては、法律の中に基本方針を定める規定があるものですから、昨年度から、基本方針を検討してきておりまして、現在、パブリックコメントが終わったところでございます。この基本方針につきましては、8月2日に予定しております最終回の検討会で基本方針の内容を固め、これに基づいて、今年の10月から法律を施行しようと、そういう準備をしているところでございます。
 続きまして、参考資料7でございます。海洋生物多様性保全戦略でございますけれども、これは昨年度、4回ほど検討会を行い、関係省庁で取りまとめまして、今年の3月29日、海洋生物多様性保全戦略を決定しました。この戦略そのものは、資料にあるとおり、今年の5月27日に、政府の総合海洋政策本部会合で、環境大臣から報告をいたしまして、政府の中で了承されております。
 内容は、資料に三点あげてありますけれども、海洋保護区の制度を整理いたしました。それにより、既存の制度でカバーされているのが、国家管轄圏内海域のうちの8.3%という算定をしたこと。それから、COP10で定められた愛知目標の中で、沿岸域・海洋の10%を保護区にするという数値目標が出ていますので、そのすき間の1.7%を、今後既存の保護区制度を活用して、設定の推進を図っていこうというようなことが明確になりました。
 最後に、参考資料8の小笠原の自然遺産登録でございます。本部会でも、オガサワラオオコウモリの種の指定のご議論をいただきまして、その生息地も含めて、地図にありますとおりの世界遺産区域を推薦しておりましたが、6月24日、日本時間ですと夜の11時近くでしたけれども、第35回の世界遺産委員会の審議でお認めいただきまして、最終的には、6月29日に世界遺産一覧に記載をされました。
 具体的には生態系が非常に特異なものであるということが評価されまして、日本の自然遺産としては4番目になりますけれども、自然遺産になりました。今後は、外来種対策ですとか、エコツーリズムの取組を強化するというような奨励事項を示されておりますので、それらを踏まえながら、関係者の皆さんと一緒になって、小笠原の世界遺産としての価値を守っていく努力をしたいと思っております。
 以上でございます。ありがとうございました。

【山岸部会長】 かなり急いで、3件まとめてやってしまったんですが。じゃあ、ご意見・質問は一つずつにしましょうか。
 まず、最初の生物多様性保全活動促進法について、何かお聞きになりたいこととか、ご意見がありましたら。審議事項ではありませんが、承っておきます。

【小長谷委員】 本質的なことではないんですけれども、今後のためにちょっと、聞かせておいていただきたいんですけれども、法律の名前は、文字数の制限はないんですか。

【塚本自然環境計画課長】 すみません、特に定めはないと思いますが、なるべくわかりやすいようにしなければいけないとは思っております。

【山岸部会長】 他にございませんようでしたら、海洋生物多様性保全戦略について。こちらはいかがでしょう。
 どうぞ、土屋委員。

【土屋委員】 これについて、幾つか議論があることを承知しているのですが、ちょうど資料が添付されておりますので、それを見ながら、質問させてください。5ページというところです。
 海洋保護区のカテゴリーの中の一番下の、共同漁業権区域というのを保護区というふうに見た考え方について、ご説明いただきたいのですが、漁業権が設置されて、漁師の皆さんがそこで漁をしているという状況ですけれども、それは保護区ではなくて、皆さんが自主的にいろいろ管理をしながら、人間の需要を満たすような努力をする場所であるというふうに、私たちは考えていました。
 保護区という観点から考えると、ちょっと、これは当てはまらないのではないかということで、いろんな人から意見をいただいていますし、ディスカッションをしているところですけれども、どういう考え方で、これが保護区のカテゴリーに入れられたか。また、その妥当性について、ご説明をいただきたいと思います。

【山岸部会長】 はい、どうぞ。

【塚本自然環境計画課長】 どういうものが入るのかということについての議論の過程では、まず、生物資源を持続可能な状態にするような仕組みは、すべからくこの中身に取り入れましょうということを決めまして、共同漁業権の区域につきましても、魚をとり過ぎないですとか、資源を管理するというようなことがありますので、広い意味での海洋保護区に入るであろうという議論の上で入れたものでございます。

【土屋委員】 果たして、今ご説明いただいたような形で、その漁業権の区域が利用されているかというところは、かなり疑問なところがありますが、仮にそのようにカテゴライズして世界に発信した場合、恥ずかしくないようなまとめ方であったかどうかというところは大変気になりますので、ご検討いただけるものならご検討いただきたいと思います。

【渡邉自然環境局長】 1点補足でございます。同じ資料の3ページの第4章、基本的視点の下に囲って書いてありますが、環境省では、この戦略をつくる検討会を設けまして、その検討会で国際的な海洋保護区の定義も参考にしながら議論をし、日本として海洋保護区の定義を、こんな形でまとめました。保全と生態系サービスの持続可能な利用を目的として、さまざまな方法で管理される、明確に範囲が特定された区域ということで定義をして、それに基づいて、その5ページに上がっていますのは、保全と持続可能な利用に関して、例えば開発行為、あるいは漁獲という行為に対しての採捕規制、そういった何らかの制度を持つものを幅広くリストアップしたという整理でございます。
 この戦略本体の中にも、これでよしとするわけではなくて、こういった仕組みがあることを前提として、海洋生物多様性の保全と持続可能な利用という観点から、例えば管理の充実を図っていく必要があると。あるいは、さらにいろんな制度、目的の違う制度を組み合わせることによって多様性の保全の充実を図っていく必要があるという議論がなされて、この戦略の中には、そういうこともきちっと指摘をされたところでございます。
 環境省の制度もあれば、水産資源保護サイドの制度も、この中には入っているわけですけれども、この戦略を受けて、例えば国立公園、あるいは国指定鳥獣保護区を使って海洋生物多様性の保全に寄与できるような保護地域の拡充・強化を図っていきたいというふうに思っていまして、例えば知床の世界遺産地域で国立公園の仕組みと漁業者の漁業権の仕組みを重ねることで海の生態系の保全と持続的な漁業の営みの両立という計画をつくることができましたけれども、まさにそういった方法も参考にしながら、MPA、海洋保護区の範囲を広げると同時に、その中身の管理の強化に力を入れていきたいというふうに思っているところです。そういった旨を、この海洋の戦略の中には強調して記述したところです。

【山岸部会長】 追加の説明、ありがとうございました。
 では、桜井委員、お願いいたします

【桜井委員】 私も、この保全戦略に関わった委員の一人なんですけれども、海洋保護区の定義そのものは、確かに持続的利用が可能ということで、要するに持続可能性を持った漁業があるところでも、その生態系の保全がされているのであれば海洋保護区であるということはよろしいんですが、ちょっと私も、これ、我々の仲間で議論していた中で、この国家管轄圏内海域の約8.3%という形で、かなり強引に、最後の共同漁業権区域を入れてしまっているというところなんですけれども、果たしてこれを、そのまま入れ込んでいいのかというのは、まだ議論は進んでないと思ったんです。およそこれは入りますよという推定はいいんですけれども、じゃあ具体的に、例えば知床のように、保全との両立を考えながら委員会をつくって議論するとかいうことがない状態で、いわゆる共同漁業権の区域をすべて保護区ですというふうには、即できる状況では、私はないと思っています。ということは、やはり、こういった海洋保護区を名乗る以上は、それのための定義に合った細かな基準があって、それをクリアしたからこそ、そこは海洋保護区と名乗っていいですよというような仕組みがないと、これだともう、既存のものはすべて海洋保護区ですよという議論になってしまって、おれたちは、この漁業をやっているのは、海洋保護区でやっているんだという話と安易につながりかねないので、やはりここはもうちょっと慎重にやっていただきたいなと思います。これ、環境省だけでなくて、特に水産庁サイドの方で、これもう、下手すれば200海里全部海洋保護区と言いかねないこともあり得るわけですから、ここはやはりもう少し慎重にやっていただきたいと思います。
 以上です。

【渡邉自然環境局長】 貴重なご指摘、ありがとうございます。
 まさに、この5ページのところは、少し先ほど申し上げたような開発規制なり採捕規制がある区域を持った制度というのは、幅広く拾ってみると、こういうことということでありますので、今、桜井先生からご指摘があったように、定義で示した考え方に合うように、既に指定されたところも、その管理の充実というのを水産庁さんも含めて関係省庁で、そこをしっかり連携を図りながら強化されるような方向に持っていくことこそ意味があるのではないかなと思っています。そういう意味で努力していきたいと思います。よろしくお願いいたします。

【山岸部会長】 三浦委員。

【三浦委員】 今の点について要望したいと思うんですけれども、いずれにしても、漁業権設定されている場所であっても、これは資源の持続的な利用の観点から当然そうしているという話ですから、海洋保護区は日本の周り全部なんだっていう言い方だって可能だと思うんですよね。実際には、もうそうでない場所も漁業権が設定されているところではあるわけですから、余り底抜けないような格好で、その共同漁業権が設定されているところであっても、やはりそこに排他的な、いわゆるバッファーとコアといった、コアをどこにつくるんだという、その共同漁業権があるところであっても、排他的に漁業的な利用は限度を持っているといったようなカテゴライズが私は必要なのではないかなと思うんですが、こういう方向での環境省の取組というのがあるんでしょうか。

【渡邉自然環境局長】 まさに知床の取組が、その一つの例になると思うんですけれども、こういった漁業サイドの取組があって漁業権が設定されているところと、国立公園の海域の区域というのを重ねて、しかも、その国立公園の制度で海域公園地区というのも法律を改正して設けられましたので、そういった海域公園地区の設定と、こういった漁業権区域の設定というのをうまく重ねることで、まさに生態系の保全という要素と持続的な漁業ということを両立させるような管理につなげていく。そういう意味では、この部会でいえば国指定鳥獣保護区がありますし、もっと面積的に大きいところとしては、今後、国立公園の海の部分について積極的に取り組んでいく中で、こういった漁業の仕組みとの重ね合わせで、漁業者の人にも参加してもらって、研究者の人にも参加してもらうことによって、その保全と持続的な利用を両立するようなMPAに育てていくというようなことを環境省の側からも水産庁と連携をして進めていくことが今後のポイントかなというふうに思っています。

【三浦委員】 それについての特別の名前は存在しないで、要するに海洋保護区一般の話なのか。でも、求められている10%って、その海洋保護区一般の中の、特に、それに最も、先ほど定義をもうちょっと明確にした方がいいというのがあったんですが、そこが10%であることは、これは、外向けには、一般的には、そういう要請なわけですよね。だから、その部分が一体全体、二つに分けるような予定というのがあるんですか。それかもう、一括して、それが海洋保護区なのか。

【渡邉自然環境局長】 定義は一つで、その中にいろんなタイプの保護区があって、その場所の特性に応じて、ここに上がっているような手段をうまく組み合わせることで、その場所の海洋生態系の特徴に合わせたMPAを、例えば国立公園一括で実現するわけじゃなく、国立公園と漁業の仕組みの制度を重ねることで、そこの場所の海洋生態系に即したMPAというのを育てていくという、そんな考え方を目指すべきかなと。定義は一つにまとめたということです。

【三浦委員】 わかりました。

【山岸部会長】 ほかに。よろしゅうございますでしょうか。[7]に関する、海洋生物多様性保全戦略について。
 よろしいようでしたら、では8番目の小笠原の世界遺産について、何かご質問・ご意見ございますでしょうか。
 福田委員、さっきご心配されていましたが、よろしゅうございますか。

【福田委員】 ありがとうございます。世界遺産に登録されたのはとってもうれしいし、テレビで見ましても、とってもすばらしいことなんですけれども、ここで押すな押すなというふうにいくかどうかわかりませんけれども、みんなが入ってきて、今問題になっている、いろんな外来種とか、そういうものが入ってくるとか、屋久島もそうですね、皆さんが行って、木も枯れてしまったものもあるなんていう話もありますので、その辺のところに、もう先手を打つというか、そういう何かの基準というか、そういうものを設けられるというお気持ちはあるんでしょうか。

【塚本自然環境計画課長】 世界遺産委員会の方からも、資料の4ページ目ですが、我が国への要請事項ということで、外来種対策をしっかりやりなさいですとか、アクセスなどについてはアセスメントをしっかりやりなさいというようなご指摘を受けております。登録に際しても、関係省庁や地元の小笠原村、東京都庁も含めまして関係者で協議会をつくって、どんな対策が重要なのか、どういうことをやっていったらいいのかということを常々相談をしておりました。その相談をしながら遺産登録に向けていろいろ進めたこと自体が、IUCNの方から、こういうやり方は非常にすばらしいという評価も受けておりますので、その関係者の方たちと、これからも引き続き相談をしながら具体的な対策をやっていくのだと思います。
 具体的には、島外からの外来種の侵入を防ぐためにはどんなことができる。カタツムリが重要なんですけれども、カタツムリを食べてしまうウズムシというのがおり、それを防除するためには、海水をジャバジャバと歩くと、そのウズムシが死ぬそうですので、そういう施設をしっかりつくったらどうかとかいうような具体的な相談も始めているところなので、関係者の方たちと、今後のことも含めて相談をしながら取り組んでいきたいと思っております。

【山岸部会長】 関連して、省としての人の張りつけとか、そういうことはできるんですか。

【塚本自然環境計画課長】 現在、2名、レンジャー行っておりますけれども、必要に応じて足りない部分があれば増員しなければならないと思いますし、都の職員の方、都レンジャーと呼ばれる方もいらっしゃいますので、皆さんで協力しながら、できるところから一生懸命やっていきたいと思っております。

【山岸部会長】 ありがとうございました。ほかに何か小笠原の世界遺産について。土屋委員。

【土屋委員】 ちょっとしゃべり過ぎですが。奨励事項の中に、観光客といいますか、来島者が増加することで観光管理を確実に実施しなさいというところがあります。いつぞやの委員会で話題になりましたオガサワラオオコウモリも、話題になってくると、それを見に来る人が増えてくると。それでかなり問題になっているやにも聞いておりますけれども、その管理について、今後どのようなプロセスで、どんなことが行われていくのかということがわかっておりましたら、ご教授ください。

【塚本自然環境計画課長】 これも、地元というか、役場とも相談しながらなんですけれども、例えば南島という島があるんですけれども、そこは1日100人以上入れないように、先着順なんですけれども、100人以上入れないようにというようなことを地元が決めております。
 それから、オオコウモリも、営巣地の近くまで道が行っているものですから、夜、見に行く方もいらっしゃいます。いらっしゃいますけれども、それに対価を払っても見に行きたいという方の需要に応えられるような、観光協会などの方々による、利用のガイドラインというか、自主規制みたいなものも決めてありまして、コウモリではありませんが、例えば鯨ですと、何十メートルの範囲には近づかないようにしようですとか、あるいは子どもがいる場合には、ちょっと離れて見ましょうというような自主的なガイドラインを定めていらっしゃって、そういうものをみんなで守りましょうということをやっていますので、実際、観光に携わる方たちとの合意形成を図りながら、そういうような対策を進めていくようになるんだと思います。

【山岸部会長】 よろしゅうございますでしょうか。
 それでは、三浦委員。

【三浦委員】 これも自然遺産への指定は非常に喜ばしいことだと思うんですが、これまで、この委員会では、小笠原固有の幾つかの植物種とか、メグロ、それからコウモリ、これ種の保存法の指定をやってきましたよね。それで、今回、リコメンデーションでは、遺産価値のクライテリアがたしか三つ、あったと思うんですが、うち、中でも注目されたのは、自然遺産としての陸産貝類の進化の舞台だということですよね。陸産貝類、これ100種近くいたはずなんですが、これに対する手当は、どうなさるつもりなんですか。これ、そのままホールで、いう格好で、その方針はありますか。一種も指定してなかったですよね、これ。

【渡邉自然環境局長】 100種ぐらい固有種がいて、9割ぐらいが固有なんですけれども、一番基本は、まず生息地を保護するということで、それは小笠原に関しては国立公園で大幅な保護計画の強化をして、規制の厳しい特別保護地区の範囲が非常に広くなっています。そうやって生息環境を保護すると。
 それから個々の種について、種の保存法を適用するか。これは、今後、野生生物課における検討になるんじゃないかなというふうに思っています。
 一番の脅威は、やっぱり、さっき課長から話しましたように、ニューギニアヤリガタウズムシの侵入と。これが父島の一部に入ったところではカタツムリに、陸産貝類に大きな、相当な影響が及んでいると。これが広がらないようにするというのが、多分最大優先事項になると思います。そういう意味で、島の外から持ち込むことの規制とか、父島から母島に行ったときに持っていかないようにするために、海水による、それを殺処分するような施設を設けるとか、そういった形で、このプラナリア対策をどう実行あるものにしていくかというのが、優先度としてはかなり高いかなと。個々の種の増殖については、今後の検討課題にしたいと思います。

【三浦委員】 目玉商品を指定しながら、それでその外来のウズムシ類ですか、それを特化するような格好で、そのほかに外来種だらけだというところもありますけれども、でも一番のあれでしたよね、今回、プライオリティーが高かったやつですから、それについては何としても100種を全体としての進化を認知するような方向って非常に重要なんじゃないかなと思うんですけれども。

【渡邉自然環境局長】 小笠原については科学委員会という組織がありますので、科学委員会の助言も得ながら、しっかりやりたいと思っています。

【亀澤野生生物課長】 外来種対策も遺産登録をきっかけに拡充・強化はしたいと考えていまして、予算についても来年度に向けて増額要求をしたいとは思っています。

【山岸部会長】 何か外来生物対策室長の方からコメントありますか。

【牛場外来生物対策室長】 いや、もう大体、今おっしゃっていただいたんですけれど、小笠原は御存じのように国立公園ですので、全国的に外来種対策を進める中でも重要な地域だということで、予算的にも優先的に入れて、現地でも管理を密にして、関係者と連携しながら進めていきたいというふうに思っています。

【山岸部会長】 どうもありがとうございました。
 それでは時間もありますので。本来の順番へ。塚本課長、どうもご苦労さまでした。

【塚本自然環境計画課長】 ありがとうございました。

【山岸部会長】 本題の順番に戻りまして、[1]の高病原性鳥インフルエンザへの対応状況について、これをお願いします。

【事務局(山本)】 参考資料の1をごらんください。前回の2月15日の野生生物部会においてもご説明を差し上げましたけれども、高病原性鳥インフルエンザ、昨年から今年の3月ぐらいにかけて、各地で感染が見られました。先日の2月15日以降も、3月まで、ずっと断続的に感染が確認をされたところでございます。逐次警戒レベルというものを設けて監視を行ってきたんですけれども、結果的に6月1日付で国内全域のレベルを1として通常時に戻しておりまして、現時点では感染については落ち着いているという状態です。
 それで、全く想定を超える感染事例が見られたということで、現在、次のシーズンに向けたさまざまな検討を行っております。昨シーズンのデータの整理をして、分析をしているところでございまして、それを受けて、今後、次のシーズンに向けて、都道府県向けに鳥インフルエンザの検査ですとか監視について示しているマニュアルの見直しを行っていくという予定でございます。
 それから、6月23日には、鳥インフルエンザウイルスは、渡り鳥が運んでくるということが指摘をされておりますので、極東地域の渡り鳥ですとか獣医防疫の観点での専門家の方に集まっていただいて、情報共有の場を持ちました。
 今後も、そのネットワークは維持をして、情報共有が速やかに図れるように、引き続き努めていきたいと思っております。
 [1]については、以上です。

【山岸部会長】 では、今の鳥フルの話について、何かご質問ございますでしょうか。小菅委員。

【小菅委員】 今、資料をずっと見せていただいているんですけれども、猛禽類の中ではハヤブサが随分目立つんですが、これ、ハヤブサの何か種の特異性みたいなのは報告されているんでしょうか。

【事務局(山本)】 現時点で、まだ、その分析は済んではおりませんけれども、ハヤブサですので、二次感染ということだろうと考えています。最初の水鳥類、カモ類の感染については自ら持ってきた可能性が高いかなとは思いますけれども、ハヤブサについては日本で感染した個体を食べたことによって感染をしたのだろうという推測になります。ただ、猛禽の中でもなぜハヤブサかというところについては、現時点ではまだ整理ができておりません。

【小菅委員】 確かに、これはハヤブサですからね、多分、鳥か何かをとって、食べて、その辺から感染したんだろうとは推測はされるけれど、それにしてもハヤブサって、そんなにどこにでもたくさん見えるものでもないにもかかわらず、こんなに多いというのは、何か種の特異性みたいなのがあるのかなというのが、ちょっと疑問なのと。
 あと、同じように、マガモ、カルガモというのは、結構かなり数がいるのに、オシドリというのがまた散見されるんですよね。こういうものの種の特異性みたいなのも研究されている方はいらっしゃるんでしょうか。

【事務局(山本)】 研究されている方もいらっしゃいます。また、今までこれだけの事例があったことが、そもそもないので、今回の事例を受けて、研究者の方とも相談をして、研究の部分でやっていただける部分があるかどうか、行政的に何ができるかといったところは相談しながら進めたいと思っております。

【小菅委員】 よろしくお願いします。

【山岸部会長】 専門家会合には、今の話は出なかったですか。

【事務局(山本)】 まだそこまで、種類別の話まではしてはいないです。今後、また国内の専門家での議論は引き続きやっていきますので、その中では議論していただきたいと思います。

【山岸部会長】 今のご指摘、大事だと思いますので。
 ほかに何かございますか。

(なし)

【山岸部会長】 それでは、ありがとうございました。引き続き[2]へまいりまして、東日本大震災による国指定鳥獣保護区の被害状況について。近藤専門官、お願いします。

【事務局(近藤)】 鳥獣保護業務室の近藤と申します。どうぞ、よろしくお願いいたします。
 それでは、報告事項[2]の、東日本大震災による国指定鳥獣保護区の被害状況について説明させていただきます。お手元の参考資料2をごらんいただきたいと思います。
 最初に、岩手県の沿岸部にございます三貫島、日出島の国指定鳥獣保護区につきましては、オオミズナギドリ、ヒメクロウミツバメ、クロコシジロウミツバメなどの海鳥類の重要繁殖地となっております。今般の東日本大震災により局所的に津波により浸水した箇所、崩落箇所が確認されておりますが、繁殖地、植生等への影響は、ほとんど見られなかったところでございます。
 希少鳥類ヒメクロウミツバメ、クロコシジロウミツバメの繁殖状況は例年と同規模でありましたが、今後も繁殖期のモニタリングを継続する予定でございます。
 1ページ目の写真は、三貫島のオオミズナギドリの営巣地の様子でございまして、平年並みに営巣している状況でございます。
 次に、仙台地のちょうど東側にございます仙台海浜鳥獣保護区の蒲生干潟につきましては、津波の影響を受け、大規模な地形の変化が見られ、現在も変化が続いている状態でございます。震災後も渡り鳥、シギチドリ類、カモ類の飛来状況につきまして、継続的に観察を行っており、例年と大きな違いはない状況でございます。今後につきましても、定期的な渡り鳥の飛来状況、地形等のモニタリングを継続する予定でございます。
 2ページ目につきましては、仙台海浜鳥獣保護区の蒲生干潟の震災前と震災直後の写真でございます。干潟に土砂が堆積している状況と、砂浜が後退している状況がごらんいただけると思います。
 3ページ目につきましては、蒲生干潟の震災後、5月18日の写真でございます。干潟と川がつながっている状況、3月12日の写真と比較して干潟が形成されつつある状況、砂浜の幅が拡大している状況がごらんいただけると思います。
 以上で、報告させていただきました。

【山岸部会長】 ありがとうございました。
 東日本大震災による国指定鳥獣保護区の被害状況について、何かご質問ございますか。
 ございませんでしたら、ありがとうございました。
 そしたらば、[3]のトキの野生復帰に係る最近の動きについて。中屋専門官。

【事務局(中屋)】 野生生物課の中屋と申します。よろしくお願いします。
 参考資料3の方を見ていただけますでしょうか。
 トキの野生復帰に係る最近の動きということで、1枚の資料をつくらせていただいております。これは、実は先日、7月6日に、佐渡におきまして、山岸先生も入っていただいておりますトキの野生復帰分科会というのがございまして、そこの要約をしたものでございます。
 まず、野生下での繁殖状況としましては、これまで野生下に放鳥ということで4回実施されております。第1回目から4回目までございまして、第1回目は20年9月から10羽、2回が19羽、4回目が18羽という、合計60羽が、これまで野生下に放鳥されております。このうち、今年の繁殖期に佐渡の方におきまして7ペアの営巣が確認をされております。なお、すべてのペアで産卵が確認されておるんですけれども、羽化が確認できたペアはおりませんでした。ただし、7ペアのうち2ペアにつきましては有精卵の可能性があるというケースがございまして、それぞれ1個ずつ回収されております。
 真ん中に写真があります、これは佐渡の羽茂という地区、両方とも羽茂という地区でございますけれども、左側の写真につきましては抱卵と見られる様子の確認の写真、それから右側の砲には巣材を運び込む、そのペアの様子というような写真をつけさせていただきました。
 それから、今、野生下での繁殖状況でございましたが、飼育下ということで、7月9日時点でございますが、佐渡の佐渡トキ保護センター、それから野生復帰ステーション、こちら、中心的な飼育をしているわけでございますが、こちらの方で飼育数が139羽。それから分散施設ということで、全国ございますが、出雲と、それから石川と多摩の方に分散施設がございまして、これらの合計数が50羽でございます。それらを合わせますと、飼育下でのトキの数というのは189羽ということになります。
 それから3番目でございますが、今後の野生復帰に向けた放鳥につきましては、先ほど申し上げましたように4回の放鳥をしておりますが、また今後、多くのペアが形成されることを期待しまして、今後も放鳥を実施する計画でございまして、第5回目を、放鳥を今年の9月に実施する予定でございます。
 以上でございます。

【山岸部会長】 ありがとうございました。
 何かご質問ございますでしょうか。小菅委員。

【小菅委員】 今のご説明で、2ペアで有精卵の可能性があって、卵、採卵したとおっしゃっていましたけれど、結果、どうだったんですか。

【事務局(中屋)】 有精卵の、検査としては有精卵だったんですが、実際には、それがヒナ等に成育したということではございません。ヒナは産まれませんでした。

【小菅委員】 それともう一つ、これは環境省として、飼育下個体群で、どのぐらいの数のトキを持っていこうということを今予定しているのかということを、まず教えてください。

【事務局(中屋)】 それにつきましては、2015年を目標に、60羽を定着しようと。

【小菅委員】 すみません、飼育下個体群です。

【亀澤野生生物課長】 飼育下は、現在189羽ですけれども、施設の規模からすると、大体、これぐらいを維持するのかなというふうに思っています。そんなに多くは増やせないかなと思っていますが。

【小菅委員】 施設の状況で数を決めるんですか。それとも、今後、これからトキをどうするかということを決定した上で必要な数を決めるのか。僕は、環境省のこれからの方針、本当に野生でしっかりとトキを、そこに生き継がせるということをゴールにするのであれば、飼育下の個体群は何羽ぐらい用意しておけばいいというふうに判断されているんですかという質問です。

【亀澤野生生物課長】 確かに施設の方から規定されるものじゃないと思うんですけれども、今後、放鳥は、今年の秋、それから来年の春も、当面はやりたいと思っていますが、その後、中期的・長期的にどういうふうに考えていくのかという工程表をつくるべしというのは先週の検討会でも指摘をいただいていますので、そういうものをつくった上で放鳥トキをどう考えていくか、あるいは飼育下のトキの数をどうしていくかというのを考えていきたいと思っています。

【小菅委員】 やっぱり、放鳥していくという事業をちゃんとやるんであれば、それを、例えば飼育下に置いておいて、どんどん出してしまって、飼育下が枯渇してしまったら何もならないので、飼育下に最低何羽の繁殖個体群を持つかということを、まずしっかりと決める必要があると思うんですね。それで、それをもとに、どのようなペアリングをして繁殖させていくかということを計画的にやっていく必要があると思います。
 それともう一つ。多くの人たちが、国がトキをしっかりやっていくということは、多分聞くと、そうだねという話は聞こえてくるんですけれど、しかし残念ながら、どこで何をやっているのかということが全然、多分意識の中には入ってきてないのではないかと思います。それは、例えば、今も分散施設というのは、今、3カ所ですか、そこでやっているけれど、そこではまだ、もちろん公開はされていませんよね。僕は、やっぱり、もうちょっと国がトキについて、こういう考えで、要するに増やして野生復帰させようとしているんですよということを、やっぱり多くの人に知ってもらう機会をつくるのが必要だと思います。それと、やっぱりこれ、税金でやっていることですからね、それは佐渡のトキかもしれないけれど、これは日本のトキなわけですよね。だから、日本の多くの人たちが、やっぱりトキをしっかり身近なものと考えて、それを絶滅させてしまったということも含めて、しっかりと今後どうしていくかということを多くの人が考える、そのきっかけを、やっぱり環境省がしっかりとつくっていくべきではないかというふうに考えています。ぜひ、その方向で行っていただければと思います。

【亀澤野生生物課長】 ありがとうございます。飼育・繁殖の今後の方向につきましても、中長期的な視点で計画づくりをしていきたいというふうに思います。
 それから、まさにご指摘のとおり、佐渡のトキということでなくて、日本のトキですので、日本の中でどうしていくかというような視点を持って、公開とかいうことも含めて、国民の皆様にご理解いただけるように努力してまいりたいと思います。

【山岸部会長】 大変貴重な意見なので、反映させてください。
 ほかに、トキについてございますでしょうか。
 それでは続きまして、4番目のアホウドリの新繁殖地の形成事業について、お願いします。浪花さん。

【事務局(浪花)】 野生生物課保護増殖係の浪花でございます。私の方から、参考資料4のアホウドリ新繁殖地形成事業についてご説明いたします。
 まず、アホウドリの概要ですけれども、最新のレッドリストに絶滅危惧<2>類ということで絶滅のおそれが増大している海鳥です。繁殖地については伊豆諸島の鳥島と、尖閣諸島。形態的な特性については、色彩等は、隣の写真にあるとおりですが、翼を広げると大体2メートルを超えてくるということで、大型の鳥類というふうになっております。減少要因と個体数の推移ですが、1890年以前は数百万羽いたと言われておりますが、羽毛の採取による乱獲によって1949年の調査で絶滅と言われておりましたが、その2年後に伊豆諸島の鳥島というところで約10羽が確認され、現在、徐々に増えてきているという状況になっております。
 裏面のページに行っていただきまして、今回説明させていただく聟島における新繁殖地形成事業ということですが、経緯としましては、先ほどの説明いたしました伊豆諸島の鳥島というところで保護増殖事業が成功しておりまして、随時個体数が増えてきておりますが、鳥島自体は火山島でして、噴火によって土砂が流れて繁殖地が被害を受けるという状況もございました。そのため、非火山島での新しい繁殖地の形成が必要ということで、小笠原諸島の聟島を新しい繁殖地して形成するための事業を開始しております。
 新繁殖地形成事業の概要ですが、すみません資料が間違っておりますが、平成19年度からの5カ年事業でして、山階鳥類研究所が中心となって、環境省や米国の支援を受けて実施している事業になります。やり方としましては、鳥島のヒナを、写真のとおり箱に詰めて、その後ヘリで移送しまして、聟島の方に持っていって、そこの聟島の中で3カ月間人工飼育をして巣立たせます。それで、概ね二、三年で戻ってくるんですが、戻ってきて新しい繁殖地として形成するという事業になっております。
 現在の移送状況と巣立ちヒナの帰還状況ですが、平成20年から始めていまして、今現在55羽移送をしております。あわせて、幾つかのヒナに衛星発信器をつけておりまして、ヒナが巣立った後の移動状況についても判明してきておりまして、アリューシャン列島並びにベーリング海を頻繁に利用しているほか、遠くはアメリカの西海岸まで飛来しているという状況もわかってきております。そして平成23年、この前の2月に、初めて聟島を巣立ったヒナが帰還したのが確認されております。最終的に、今回の、今シーズンで確認された個体が以下のとおり7個体となっております。事業自体5カ年事業ということで、今年度も移送事業をやりまして、今後、聟島の帰還状況をモニタリングしていきたいというふうに考えております。
 以上です。

【山岸部会長】 ありがとうございました。
 聟島のアホウドリについて、何かご質問ございますでしょうか。イルカさん。

【神部委員】 物すごく初歩的な質問で申しわけないんですけれど、今、鳥島から聟島に移送して、そしてそこからというお話、ほかの報道などでも、私、大変興味深く拝見させていただいていたんですけれど、戻ってきたときに、また鳥島に戻ってしまう鳥というのはいなかったんですか。

【事務局(浪花)】 おりまして、このうちの、例えば、すみません、どの個体かすぐちょっと出てきてないんですが、最初に鳥島で確認されていて、実はまた聟島に戻ってきて、また鳥島で確認されたという個体もおりまして、必ずしもここにずっといるというわけではないようです。

【神部委員】 では、もちろん、生き物ですから自由なので、それは人間がヘリで運んではいますけれども、自分たちの意思で、どこに行くかはまだちょっと定着はなかなか難しいという感じでしょうか。

【事務局(浪花)】 そうですね。ただ、今回、帰ってきた個体、3歳と書いてある個体が6個体いると思うんですが、10羽中6個体、聟島に確認されていますので、恐らく聟島というところから巣立ったと認識はあるのではないかというふうには考えております。

【神部委員】 その、生態的に、何か記憶をたどって戻ってくるものなのか何なのかわからないんですけれど、そうすると、そこで巣立った幼い鳥たちが、そこへまた、自分のふる里と思って戻ってきて、そこに定着するということが増えてくる可能性にかけるという感じでしょうか。

【事務局(浪花)】 そういうことになります。

【神部委員】 ということは、またもとに戻った鳥に関しては、もう自由にさせておくという感じですか。またヘリで再び輸送はしないと。

【事務局(浪花)】 そうですね。一度戻ってきているということは、聟島の認識はしていると思いますので、それをあえて。

【神部委員】 しつこくはしないということですか。

【事務局(浪花)】 はい。

【神部委員】 わかりました。

【山岸部会長】 よろしゅうございますでしょうか。
 それでは最後に、平成23年度秋・国指定鳥獣保護区及び特別保護地区の指定予定について。木村係長、お願いします。

【事務局(木村)】 野生生物課計画係の木村と申します。平成23年度秋・国指定鳥獣保護区及び特別保護地区の指定予定についてお知らせさせていただきたいと思います。
 毎年秋に開催していただいております審議会において、毎年鳥獣保護区の指定についてご審議をいただいているところでございます。今年秋に予定している案件について前もってお知らせさせていただきたいという趣旨で、このたびお知らせさせていただきます。
 資料5にございます鳥獣保護区の一覧が、この秋に指定等を予定している鳥獣保護区の一覧でございまして、二段になっているものは、下の方が特別保護地区という形になっております。裏面をごらんいただきますと、地図になっておりまして、こちらは既存の鳥獣保護区と今回指定更新等を予定している箇所を合わせて示したものでございます。
 今年度予定している鳥獣保護区の特徴でございますけれども、今年は更新の期間になる鳥獣保護区が多くございまして、8件が区域の拡大も含めて更新という形になっております。拡大に関しましては、既存の鳥獣保護区の周辺でも生息が確認されているものについて拡大するものというものが含まれております。また新規指定に関しましては、沖縄県の宮古島の方にあるところなんですけれども、与那覇湾と池間の二つということになっておりまして、いずれも渡り鳥の集団渡来地となっておりまして、与那覇湾につきましてはシギ・チドリ類の繁殖が確認されております。池間鳥獣保護区については、渡りルートの途中にある淡水性の湿地がありまして、そちらの方でマガンやヒシクイが訪れるほか、オオクイナの繁殖が確認されているというところでございます。この2件が加わることで、全部で79カ所の鳥獣保護区という形を予定しております。
 秋にかける案件の現時点での予定ということでございますけれども、各鳥獣保護区の指定計画書等、詳細の情報については、また秋の審議会の前に皆様に資料を送付させていただいて見ていただきたいというふうに考えております。今回は、案件の紹介ということで簡単な情報のみお知らせさせていただきたいと思います。また、秋のご審議のときによろしくお願いいたします。
 以上です。

【山岸部会長】 この[5]の案件について、何かご質問ございますか。桜井委員。

【桜井委員】 非常に簡単な質問なんですけれども、ユルリ・モユルリ島のところですけれども、これはエトピリカとチシマウミガラスだけですか。それともゼニガタアザラシは入っていますか。

【事務局(木村)】 こちらの方、岩礁の方も含まれるような形になりますので、そちらのアザラシのいるところも保護区にかかってくるという形になっています。

【小菅委員】 天売島なんですけれども、随分昔のことで、その後、ちょっと僕、状況わからないから質問するんですけれど、あそこにノネコというか、ノネコがたくさんいて、水鳥というか、卵をとったりヒナをとったりしている状況というのが随分前にあったんですけれども、その猫の対策というのは、もう既にとられていますか。

【事務局(木村)】 今回、指定に当たって、その猫というのが大きなトピックとして、ちょっと私の方で情報としては、ちょっと聞いておりませんでして。聞いているところによると、天売島の島があって、その周りにある岩礁の方で繁殖がたくさんされているということですので、もしかして、そのネコの影響というのが昔あったのかもわからないんですけれども、ちょっと今のところはネコの話は、ちょっと聞いてはいなかったですけれども。

【小菅委員】 ウミガラスの営巣地の高い絶壁のところまで猫が行って、そしてヒナを食べちゃったとか、そういうような状況が実はあったんだけど、それで現状、なかなか繁殖厳しいですよね。そこにいる個体も、かなり少なくなってきて。かなり野猫の、いわゆる捕獲圧というか、それがあるんじゃないかと。それに対する対応というのも、ちょっと頭に入れておかないと、地域だけ指定して、これ、だめなのではないかなと思うものですから、ちょっと調べてみてください。

【事務局(木村)】 わかりました。今のところ、繁殖が進むように、デコイですとか、あとは音声を流して繁殖させるようにというような活動もされていますので、恐らくノネコの方も何か対策されたのかなと思います。それちょっと確認させていただきますので。

【山岸部会長】 そのほか何かございますでしょうか。
 ございませんようでしたら、一応事務局からの報告はそれとして、そのほかにまだ事務局から何かございますでしょうか。

【事務局】 特にございません。

【土屋委員】 すみません、一つお願いがあるのですけれども、発言してよろしいですか。

【山岸部会長】 どうぞ。

【土屋委員】 今日の話題ではないのですが、ご検討いただけるものであれば検討していただきたいと思うことがあります。過去に何度かの委員会で、種の保存法、その他で、こういう生き物は貴重である、保存しなければいけないという議論をしてきたわけです。それで、一般的な言い方をしますと、ある法律で守らなければいけないと決められたときに、その法律が有効になるのは官報に載ってからだと伺いました。これは多分環境省の方に聞いたので、確かだと思うのですが。ところが、この会議である決定をした後、マスコミの方もご協力を得て、この生き物の生息場所は、ある程度あいまいな言い方で発表していただいておりますので、それは一つの努力だと思うのですが、大変残念なことに、マニアは、我々よりも相当知識があって、名前が出たら、もうそれがどこに住んでいるか知っているというふうに複数の方から言われております。それで官報に発表される前に、もう集めてしまうという事実があるそうです。そうならないような工夫ができないのかどうかということをご検討いただければと思います。

【山岸部会長】 その事実は、環境省でも押さえていますね。

【亀澤野生生物課長】 前回、2月の審議会のときに、ゲンゴロウ等を指定をしたときに、そういうお話をしたと思うんですが、そういうこともあって審議会をできるだけ遅らせて、その後のパブコメの期間も通常よりは短い期間でやってという形はとりました。それから、そういう動きが察知されたところについては、緊急避難的に地元の研究者の方々の協力も得て、水族館等に緊急避難をするというようなことをやったところもありますけれども、おっしゃるとおり、制度的には、ちょっと穴の部分でもありますので、今後、制度面で何らかのカバーができるかどうかというのは、今後検討していきたいと思っております。

【山岸部会長】 そういう注文でもいいんですが、ありますか。福田委員。

【福田委員】 先ほど、ちょっと言い忘れちゃったんですけれども、この小笠原のことですけれども、これは環境省と文化庁と林野庁ですよね。どうぞ横の連携をうまくやっていただきたいということ。求めていることは同じでも、何かそこに行くまでがいろいろと違ったりすると足の引っ張り合いを、やることではないと思うんですけれども、何か違ってくるような気がするところが、ほかのところでございますので、どうぞよろしくお願いします。

【渡邉自然環境局長】 ありがとうございます。小笠原に関しては、とりわけ環境省と林野庁、あと天然記念物が少しあって文化庁も関わって、あと行政という意味からは、東京都と小笠原村、これが行政機関として、今回、遺産の推薦登録に向けてかなり一丸となって動くことができました。その行政と科学委員会の研究者と、さらに地域のNGOも含めたコミュニティーのパートナーシップを組んで協働して取り組んだ、その取り組み方が、今回の世界遺産委員会の中でも国際自然保護連合から、ほかの地域にも参考になるというふうにも評価していただいたんで、そういう、小笠原でもそういう関係を、さらに強化したいし、そういった小笠原の例、あるいは知床もすごく似たような面があって、かなり、ちょっと役所の縦割りを超えて前に進むことができたなと思うんですけれども、そういったことをほかの地域にも、ぜひ広げていきたいなと思っています。
 ありがとうございます。

【山岸部会長】 それでは、どうも長時間にわたって、お暑い中ありがとうございました。これにて審議会を終わりたいと思います。
 ありがとうございました。