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■議事録一覧■

中央環境審議会 野生生物部会
会議録


1.日時

平成21年10月6日(火)16:00〜17:35

2.場所

中央合同庁舎5号館 環境省第1会議室

3.出席者

(野生生物部会長) 山岸 哲    
(委員) 加藤 順子    
  鷲谷いづみ    
(臨時委員) 石井 実 石坂 匡身 磯崎 博司
  市田 則孝 神部 としえ 是末 準
  齋藤 勝 土屋 誠 福田 珠子
  三浦 慎悟    
(環境省) 鈴木自然環境局長
渡邉官房審議官
塚本野生生物課長
吉野鳥獣保護業務室長
牛場外来生物対策室長

4.議事

【事務局(須藤)】 予定の時刻になりましたので、中央環境審議会野生生物部会を開催させていただきます。
 本日の出席者数でございますが、現在19名中13名の出席であり、「中央環境審議会令」により、定足数を満たしておりますので、本日の部会は成立しております。
 続いて、お手元にお配りしました資料の確認をさせていただきます。例によって多うございますが、次第の後に名簿がございまして、その後からでございます。資料1−1、資料1―2、資料1−3、資料2−1、資料2−2−1、資料2−2−2、資料2−3−1、資料2−3−2、資料2−4−1、資料2−4−2、資料2−5−1、資料2−5−2、資料2−6−1、資料2−6−2、資料2−7−1、資料2−7−2、資料2−8−1、資料2−8−2、資料2−9、資料2−10、資料2−11、それと参考資料の1、参考資料の2でございます。
 もし資料に不備がございましたら、事務局の方にお申し出ください。
 それと、最後の参考資料2につきましては、今年2月2日の野生生物部会において、部会のもと設置されました遺伝子組換え生物小委員会で検討することとなった、カルタヘナ法の施行状況の検討結果でございます。
 本件につきましては、8月26日に加藤小委員長から山岸部会長にご報告され、部会の委員の皆さんにも書面でご報告させていただいたものでございます。改めてこの場で配付させていただきます。
 それから、今回人事異動がございましたので、ご紹介をいたします。
 7月14日付で自然環境局長が黒田大三郎から鈴木正規に、自然担当の大臣官房審議官が柏木順二から渡邉綱男となりました。後ほどごあいさつさせていただきます。
 また、7月15日付で野生生物課長が星野一昭から塚本瑞天となりました。
 それでは、山岸部会長、よろしくお願いいたします。

【山岸部会長】 それでは、平成21年度第1回の野生生物部会を開催いたします。
 本日の審議に先立ちまして、鈴木局長よりごあいさつをお願いいたします。

【鈴木自然環境局長】 ただいまご紹介にあずかりました鈴木でございます。本日は足元の悪いところ、またお忙しい中、ご出席いただきまして、ありがとうございます。
 部会長初め委員の皆様には、日頃から野生動物の問題のみならず、自然環境保全全般にわたりまして、さまざまなご意見やご協力をいただいておりますことを、この場をお借りしてお礼申し上げます。
 早速ですが、本日の審議事項ですけれども、議事次第に書いてありますように、二つございます。国内希少野生動物種の追加の話と、国指定鳥獣保護区等の指定でございます。最初の議題につきましては、オガサワラオオコウモリの追加をお諮りするものでございます。また、二つ目の議題につきましては、小笠原群島等につきまして、保護区域の拡大や新たな指定の内容となっております。よろしくお願いいたします。
 また、最後に報告事項としまして、私も参加いたしましたけれども、先週29日、トキの放鳥を行いました。昨年と違いまして、今年はソフトリリースということで、全羽が出ていくまでに若干時間がかかりましたけれども、おかげさまで全20羽、ケージから出ることができまして、ただ1羽が藪に突っ込んで、その後、保護するということになっておりますけれども、今のところ19羽が外に出て、幸い去年と違って、余り散らばらずに大体出たところの近くにいるようですので、今後、群れをなして、自然のもとで繁殖ということが期待できるのではないかな、というような話も含めましてご報告をさせていただこうと思っています。
 いろいろと盛りだくさんでございますけれども、どうぞよろしく願いたします。

【山岸部会長】 ありがとうございました。
 それでは、これより本日の議題に入らせていただきます。
 ただいま局長からご説明がありましたように、まず、9月28日に環境大臣より中央環境審議会に対し、国内希少野生動植物種の追加について、並びに、国指定鳥獣保護区及び同保護区特別保護地区の指定についての2件の諮問がなされたこと、これを受けまして、同日付で中央環境審議会会長より、本件を当野生生物部会に付議されましたことをご報告申し上げます。
 それでは初めに、国内希少野生動植物種の追加について、事務局からご説明をお願いいたします。

【浪花主査】 野生生物課の浪花と申します。オガサワラオオコウモリの国内希少野生動植物種への追加についてご説明いたします。座って説明させていただきます。
 まず初めに、国内希少野生動植物種について簡単にご説明いたします。国内希少野生動植物種は、種の保存法の第4条に規定されておりまして、この個体が本邦に生息または生育し、絶滅のおそれのある野生動植物の種であって、政令で定めるものとなっております。
 政令の制定または改廃につきましては、中央環境審議会の意見を聞かなければならないことになっております。
 ちょっと字が小さくて恐縮ですが、現在の国内希少野生動植物種は、81種指定されておりますが、こちらが現在の一覧となっております。この81種にオガサワラオオコウモリを追加したいというふうに考えております。
 国内希少野生動植物種に追加されることによる法律上の効果ですが、大きく三つございます。一つは、個体等の取り扱いの規制ということで、指定されることにより、捕獲また譲渡し等が禁止されることになります。
 二つ目が、生息地の保全のために保護区を設定することができるようになりまして、その保護区内でのさまざまな行為を規制することができるようになります。これは保護区を設定することにより規制がかかることになります。
 三つ目が、保護増殖事業による保全ということで、環境省と関係省庁によって、保護増殖事業計画を策定いたしまして、その計画に沿って種の保全のための保護増殖事業を実施することが可能になります。この3点が政令で定めることによる効果になります。
 国内希少野生動植物の選定の要件ですが、法律の第6条をもとに策定されております。希少野生動植物種保存基本方針がございまして、こちらに国内希少野生動植物種の選定要件が記載されております。
 内容は、本邦における生息・生育状況が人為の影響により存続に支障を来す事情が生じていると判断される種で、以下のアからエに該当するものを選定するということで、アからエについて説明いたしますと、個体数、生息地、その面積、環境の悪化、捕獲や採取圧の観点による選定条件が定められており、このアからエのうちいずれかに該当するものが、国内希少野生動植物に選定されることになっております。
 具体的な国内希少野生動植物種の指定、選定までの手順ですが、まず環境省のレッドリストが評価の基礎データになります。このリストの中で絶滅危惧I類又はII類が絶滅のおそれのある種となるものですが、この絶滅のおそれのある種のうち、特に法律によって先ほどの効果の部分の指定が必要であると考えられる種について、環境省は、より詳細な生息状況の把握のための調査を実施しております。その結果をもとに、先ほどの選定要件に合致しているか、また、その指定によって効果が認められるかということについて、確認できたものにつきまして、国内希少野生動植物種の指定に向けた手続を開始します。
 それでは、オガサワラオオコウモリの概要について、ご説明いたします。学名はプテロプス・プセラフォンで、環境省の最新のレッドリストでは、絶滅危惧IA類で、最も絶滅のおそれがある種にランクされています。
 分布状況は、小笠原諸島の父島・母島・北硫黄島・硫黄島・南硫黄島のみに生息しております。本種は小笠原諸島の固有種であり、小笠原諸島固有の唯一の哺乳類でもございます。
 生態は、うっそうとした樹林帯に生息しておりまして、主に植物の果実や花の蜜、葉を採食しております。特に冬季には集団でねぐらを形成する傾向があるというのが大きな特徴になります。
 こちらの写真が集団でねぐらを形成している状況で、冬季は特にこのように団子状になっております。
 現在の生息数ですが、父島が最大となっておりまして100から160個体と推定されております。母島につきましては、現在数個体ということで、とても少ない状況になっております。北硫黄島は数十個体、硫黄島は数個体、南硫黄島は100個体というふうになっております。
 生息を脅かす要因ですが、まず、ねぐら形成周辺域の開発がございます。先ほど申したとおり、オガサワラオオコウモリはねぐらを形成するのが特徴でございまして、その周辺には民有地等が含まれておりますので、開発圧にさらされているところが一つの要因となっております。
 また、オガサワラオオコウモリは、現地でエコツーリズムの対象種にもなっておりまして、観光客等がねぐらに接近して、生息環境を乱しているという状況がございます。
 それから、これは大きな要因なのですが、小笠原の農家、家庭菜園において、鳥やオオコウモリの食害を防止するためにネットを張るのですが、そのネットへオオコウモリが絡まってしまって死亡するというケースが見られております。
 こちらがオオコウモリがネットに絡まっている状況で、特にこのビニール製のゆるいやわらかいネット、そのネットの張り方についても、ぴんと張っている状況であればまだ絡まりにくいのですが、ゆるくなっている状態だと絡まりやすいという報告が出ております。
 最後に、選定要件の該当項目の確認ですが、これまで説明させていただいた状況から、アとウに該当すると考えておりますので、オガサワラオオコウモリを国内希少野生動植物種に追加したいと考えております。
 以上でご説明を終わります。ご審議のほどよろしくお願いいたします。

【山岸部会長】 ご説明ありがとうございました。
 ただいまのオガサワラオオコウモリについてのご説明につきまして、ご意見・ご質問などがございましたら、ご発言をお願いいたします。どうぞ。鷲谷委員。

【鷲谷委員】 この件については賛成なのですが、質問が二つほどあります。
 一つは、事故防止の方策なんですけれども、ネットの張り方について説明にもありましたけれども、ネットの張り方だけなのでしょうか。もう少し根本的な事故防止の対策というのは考えられないのでしょうかということなのですけれども、二次林などにえさが十分あれば、人が育てている果樹とか野菜とか、そういうようなものに誘引されることはあまりないように思われるんですけれども、そういう二次林等の生息環境を向上させるような対策などはお考えなのでしょうかという、一つというか、二つの質問です。

【山岸部会長】 それでは、事務局。

【浪花主査】  事故防止のための防護さくということで、オガサワラオオコウモリの事故対策の防止ということで、ネットの張り方、具体例等を挙げさせていただいたのですけれども、具体的な今後の対策については、この後の保護増殖事業計画の方で検討したいと思いますが、事務局の方で考えている案といたしましては、既存の在来のえさ場の再生を検討しておりまして、かなり外来種等も入っておりますので、そういった在来の種の森林を形成していくということが一つと、あとは、新しいえさ場というのをつくって誘導できるのかということも検討してみたいというふうには考えております。

【山岸部会長】 鷲谷さん、よろしゅうございましょうか。
 それでは、次、土屋さん、三浦さんの順でどうぞ。

【土屋委員】 小笠原の中でもかなり離れた場所に数が多いという、しかも、北の方と南の方ですね、分布的に離れていることに興味があるんですが、もともとほかの島にも多かったんでしょうか。そして、もしそうであって、それが少なくなった原因がはっきりしていて、今後の保護策に何か生かされるような工夫がされているのでしょうか。もしそうであれば、そのあたりを今後に生かせると思いますのでお聞かせください。

【山岸部会長】 それでは、その件について。

【浪花主査】 生息状況の変化につきましては、以前からこの5島に生息しておりますが、安定的に生息しているというわけではございません。特に硫黄列島につきましては報告数が極めて少ない状況ですので、その生息数の変化が報告されていないんですが、例えば、父島につきましては、1970年頃の小笠原の返還当初につきましては、ほとんどいかなったというふうに報告されております。逆に、1970年当初、母島は数百個体いたというふうに言われております。その後、70年を峠に母島が急減いたしまして、父島、母島とも生息数が少ない状況が続いたんですが、1990年代ごろから父島の方がふえ始めて、現在の100から160個体というふうになっております。
 なぜ母島が減少して、父島がふえたかということにつきましては、これまでの研究報告ではなかなか報告されていないということで、詳しい状況は判別できていないのですが、今回の種を指定するに当たって、オガサワラオオコウモリの生態を調査し、今後の保護増殖につなげたいと考えております。

【山岸部会長】 よろしゅうございますでしょうか。
 それでは、引き続いて、三浦委員どうぞ。

【三浦委員】 まず、国内希少野生動植物に指定するということについては、大賛成であります。ぜひ、加えていただきたいというふうに思います。
 それで、この指定によって、幾つかの効果ということで三つほど書いていただいているんですが、この1番目と2番目と3番目で。
 1番目については、実質的な効果はそれほどないということで、特に2番目にかかわるようなことで、この種の最大の死亡要因としては、やはり防鳥ネットにかかるというところがありますね。ここのところを基本的に解決していかないと、この種の回復というのはやっぱりデッドロックにならざるを得ないというか、フルーツバットですから、それなりにパパイヤだとかバナナだとかがあれば、これは寄っていかざるを得ない。鷲谷委員の方から、今、そのほか森林でのフルーツをもうちょっとフルーツフルにしろということがあったとしても、やはり人間がそういうものをつくれば、そこへ誘引してくるということですから、だからその対策を、もうちょっと網を太くして細かくするとか、ここのところをこれからも検討というか、死亡要因を落とすということに努力していただきたいということです。しょせん、数万頭のレベルには回復しないわけですから、とにかくもう数百頭のレベルで、持続的にこれ存続させていく必要があるということが重要だと思いますね。
 それと、3番目のところで、保護増殖事業ということで書かれているんですが、実際に捕獲して、それを人工的に繁殖をさせて、世代をつないでいけているのかどうなのかについて、お聞きしたいのですが。

【浪花主査】 保護増殖事業計画については、これから事務局で詰めていかなければならないところは多々あると思うんですが、現段階の事務局の案としては、その域外保全の取り組みについては余り大きな割合を占めていません。まずは生息環境の保全であるとか、減少要因の除去というのを考えております。
 希少種は、守らなければいけないというのが通説と思うんですが、オガサワラオオコウモリは、食害とも絡んでいて、農業者とうまくやっていかなければならないというのが、一番大きな柱になると思います。現場に小笠原自然保護官事務所がありますので、もちろん環境省本省からもバックアップいたしまして、農業との共生を実現していければいいと考えています。

【山岸部会長】 よろしゅうございますでしょうか。
 それでは、齋藤委員、引き続きまして、どうぞ。

【齋藤委員】 今の三浦委員のお話と関係があるのですけれども、まだまだ今この個体数がいるわけですが、保護増殖に積極的に、今、域外保全では考えていないとおっしゃいましたけれども、これぐらいのときに、ロドリゲスオオコウモリの例もありますので、少し早目に手を打つことは考えていらっしゃらないのですか。

【浪花主査】 保護増殖事業の内容は、これから検討していく段階ですので、具体的に本日ちょっとお示しできないのですが、保護増殖事業計画につきましては環境省だけでなくその他省庁も入ってきますので、関係省庁等、また先生方の意見をお伺いしながら、あらゆる可能性を検討していきたいと考えております。

【山岸部会長】 ほかにございませんでしょうか。
 はい、どうぞ、福田委員。

【福田委員】 今の先生方の意見と同じようなことになってしまうんですけれども、生息を脅かす要因として、観光客等のねぐら林への接近というのがありまして、その前に効果として、立ち入り制限地区の指定も可能となっておりますが、どのようにしようかということ、そういうことは考えていらっしゃるんでしょうか。後手後手に回ると、やっぱり屋久杉みたいなことになったりするんじゃないかなと思って、ちょっと不安なんですけれども。

【浪花主査】 今は観光客がねぐら林に入って荒らしているという部分がありますが、小笠原村の観光協会の方で自主的な観光ルールができており、環境省といたしましても、それをバックアップする形で、もう少しオガサワラオオコウモリの生態に配慮した利用方法のあり方というのを普及していきたいと考えております。
 立ち入り制限地区と、この[2]番の生息地等保護区の指定に関する部分に関しましては、次の議題の鳥獣保護区の方と絡んできまして、今回、鳥獣保護区の方につきましても同時に指定するということで、鳥獣保護区と種の保存法とを駆使して生息地を守っていきたいと考えております。

【山岸部会長】 よろしゅうございますでしょうか。
 はい、どうぞ、石井委員。

【石井(実)委員】 保護増殖を考える場合には、遺伝的多様性というのが重要かなと思うんですけれども、私、こんなに広い範囲に生息しているというのを、初めて今回知ったんですけれども、これお互いに個体が移動し合って、交換しているような状況なんでしょうか。それとも、各島ごとに少しずつ遺伝的に違うとかということになっているんでしょうか。

【浪花主査】 これまでの研究報告等を参照いたしますと、島間の移動について報告されているものはなく、テレメトリとかアルゴスとかで調査した事例もないので、交換状況について現段階では不明です。
 距離からして、硫黄列島と小笠原群島はさすがに交雑はしていないと思います。いろいろな報告書を見ますと、小笠原群島と、南硫黄島はそれぞれ100頭程度いるんですが、かなり大きさも違っていたりとか、父島の方につきましては主に夜行性なんですが、南硫黄島につきましては昼間も動いているという報告もありますので、生態がかなり変わってきているかもしれない、そういったものや、遺伝的多様性も含め、オガサワラオオコウモリの生態を、もう少し調査したいと考えております。

【磯崎委員】 悪影響を与えている要因で、周辺での開発というのがあるんですが、この周辺開発というのが、農地、農業用で今先ほどから問題になっているようなネットとか、そういうレベルだけなのか、それとも、それ以外の開発行為が関係しているか。
 その場合ですと、農業以外のところでの調整というのが必要になると思うんですが、それと、それらと関係してなんですが、恐らく将来なんでしょうが、生息地等の区域指定の考えとかというのがありましたら、その2点ちょっと教えてください。

【浪花主査】 開発状況につきましては、農地というよりは、むしろ分譲地の開発が周辺で行われているという報告を受けておりまして、特に2003年度、2004年冬なんですが、その分譲地の開発の影響で、小笠原の父島のねぐらが移動したという報告も受けておりますので、やはりそのねぐらが、報告によれば繁殖の場所にもなっているという報告もございますので、その保全のためにも、やはりその周辺域の開発ということであっても、守っていかなければいけないと考えております。
 あともう一つは、生息地等保護区の設定につきましては、今回は小笠原につきましては、ほかに別にオオコウモリだけではなくて、貴重な鳥類もおりますので、鳥獣保護区で設定することによって、幅広く守りたいと考えております。この件につきましては、また次の議題の方でご説明したいと思います。

【是末委員】 生態等についてちょっとお伺いしますが、主に植物の実や蜜、葉っぱを食するというふうに書いてありますが、このどの物を食べたら一番繁殖するかとか、どれを好むのかとか、そういう採食に対しての調査等は行っておるのでしょうか。

【浪花主査】 今回の環境省の調査では、繁殖にどう食べ物が影響するかまではしていないんですが、採食状況につきましては、6割が栽培植物で2割が外来種ということで、その他が小笠原固有種と在来種となっています。
 採食の中身ですが、果実が42%、花蜜・花粉が25%、葉っぱが25%になっています。ですので、栽培植物が6割、果実が4割ということで、かなりオガサワラオオコウモリのえさが栽培植物に依存していると、これは父島についてですが、ということは考えられます。

【山岸部会長】 一つ教えてくれますかね、2枚目のパワーポイント。オガサワラオオコウモリの指定には、全く私は異存はないし賛成なんですが、ちょっとパワーポイントで国内希少のリストを出してもらえますか。
 これを見ていて気がついたんですけれども、僕は鳥の研究者だからうれしいことなんだけれども、やたら鳥が多いですよね。これは母数を反映しているんですか。例えば、爬虫類とか両生類とか魚類・哺乳類は、魚類は知らないけれども、哺乳類は鳥よりは少ないからいいんですけれども、昆虫・植物はどうしてこんなに少ないのか、ちょっと不思議なんですが、何かわけがあるんですか。鳥を減らせというんじゃなくて、ほかのものが少な過ぎるじゃないかという感じがするんですけれどもね。

【浪花主査】 鳥につきましては、平成4年の法律制定前に特殊鳥類法というのがあって、要は渡り鳥条約の通報種というのがごっそりここに来たということで、実は鳥類38種あるうち、ワシミミズク以外は平成4年に指定されています。ワシミミズクだけは平成9年に指定されて、あと、ルリカケスも入っていましたけれども昨年削除しているという状況で、鳥類だけをどんどん追加していったというわけではなくて、その最初の渡り鳥条約の通報種が最初にごっそり入っているというのが、鳥類が多い原因ではないかと思います。

【山岸部会長】 それに関連して、その後の後の後のパワーポイントを出してください。これで一体、今日入って82種になるんですけれども、あの黄色いのは全部で何種あって、そのうちの決まっているのが、今日の入れて82種ですか。そのうちで今度は調査まで行っているのが何種で、調査まで行っていないのが何種でという、僕いつも言うんですけれども、今日でなくてもいいんですが、その全体像を教えていただいて、今後、日本のそういう野生生物全体を、どういうふうに持っていくのかというビジョンなりなんなりを、もう少し明確にお示しいただきたいというのが、前々からの私の希望なんですが。今日じゃなくて結構ですから、いつかまた、それをまとめてお示しください。
 部会長が余計なことを言いましたが、ほかにありますか。どうぞ、三浦さん。

【三浦委員】 話題も次にせっかく移っているんで、種の保存法の検討の際でいいですけれども、I類のAとかBとか、VUとかっていうのは、やっぱりちょっと日本語にしてほしいなと。一番最初そうだったんですけれども、レッドデータの際のカテゴリー分けとして、委員からそういう要望が出ていたということで、ぜひ入れてもらいたいんですが、I類、II類、A、Bはやめていただきたいなというふうに、ぜひお願いします。
 それと、カテゴリーのランクを、これは人間の感覚ですけれども、やっぱり危機種とか、そういうのをぜひ入れてもらいたいと。そういう点では、大半としてはWWFが出していますけれども、やっぱり一緒のカテゴリーにする方向で、全体としてもレッドデータについてはカテゴリーを、調査に基づいて分けるということで、今、部会長がおっしゃったことも合流させるような格好で、ご検討いただければ幸いだと、委員からそういう要望が出ていたということでお願いいたします。

【浪花主査】 レッドリストにつきましては、平成20年度から改定を始めておりまして、24年度を目途に、現在、改定作業をやっておりますので、そちらの方と、また相談してやっていきたいと考えております。

【山岸部会長】 よろしくお願いいたします。
 それでは、一応これでご意見・ご質問は終わったと判断いたしまして、この議題についてお諮りいたします。
 国内希少野生動植物種の追加については、事務局案が適当と認めてよろしいでしょうか。

(異議なし)

【山岸部会長】 ありがとうございます。それでは、お認めいただいたということで、この事務局案を審議会の答申案として、中央環境審議会会長に報告することといたします。
 それでは引き続きまして、次に、国指定鳥獣保護区及び同特別保護地区の指定についての諮問内容について、事務局からご説明お願いいたします。

【事務局(西野)】 環境省野生生物課の西野です。よろしくお願いいたします。座って失礼いたします。
 それでは、国指定鳥獣保護区及び特別保護地区の指定についてご説明させていただきます。お手元の資料の2−11にパワーポイントを打ち出したものがございますので、そちらもご参照ください。
 まず、今回諮問させていただく案件のリストですが、11件ございます。上から、小笠原群島鳥獣保護区、こちらは既に指定されておりますが、区域の拡大を計画しております。
 同じく、小笠原群島の鳥獣保護区の中の特別保護地区、こちらも区域を計画してございます。
 続いて、北硫黄島鳥獣保護区及び特別保護地区、こちらは新規指定を計画しております。
 続きまして、南鳥島鳥獣保護区、こちらも新規指定でございます。
 下に行きまして、紀伊長島特別保護地区、こちらは現行の区域から変更はなく、再指定でございます。
 続きまして、四国にあります剣山山系鳥獣保護区及び同特別保護地区でございます。こちらは鳥獣保護区の保護の区域の拡大を計画しておりまして、特別保護地区については再指定でございます。
 続きまして、やんばる(安田)鳥獣保護区及び同特別保護地区、こちらも新規指定でございます。
 最後に、やんばる(安波)鳥獣保護区、こちらも新規指定でございます。
 まず、鳥獣保護区の制度について概要をご説明させていただきます。現在、国指定鳥獣保護区は、全国で69か所ございます。
 まず、鳥獣保護区に指定されますと狩猟が禁止されます。存続期間というのが20年以内というふうに定められておりまして、その後20年たった後の更新というのも可能になってございます。
 鳥獣保護区の中に特別保護地区を指定することができます。特別保護地区に指定されますと、鳥獣保護区の狩猟の禁止に加えまして、建築物などの工作物の新築・改築・増築や、水面の埋立または干拓、木竹の伐採が禁止となりまして、行う場合には許可が必要となります。
 さらに、特別保護地区の中に特別保護指定区域という制度がございます。こちらにつきましては、特別保護地区の中でも特に重要だという場所につきまして、先ほどの特別保護地区の規制に加えまして、火入れですとか、木竹以外の植物の伐採、あるいは、車馬の乗り入れ、または、撮影・録音・録画などが規制の対象となります。
 次に、個別の計画についてご説明いたします。まず、小笠原群島鳥獣保護区及び特別保護地区についてご説明いたします。
 まず、位置ですが、ご存じのとおり小笠原、東京都の小笠原村にございまして、今ご説明します小笠原群島鳥獣保護区、それから後ほどご説明いたしますが、今回、北硫黄島の鳥獣保護区と、南鳥島についても鳥獣保護区の新規指定の計画でございます。
 区域図、ちょっと見づらくて恐縮なんですが、斜線部が特別保護地区、赤い線が鳥獣保護区の範囲を示しておりまして、今回、鳥獣保護区につきましては、拡張するのがまず海域でございます。各島の沖合1キロの海域について、鳥獣保護区の区域を拡張するという計画でございます。
 こちらが父島ですが、父島につきましても、海鳥の繁殖地になっている島々の沖合1キロを、それぞれ鳥獣保護区の区域を拡大するとともに、父島については従来の保護区は一部除外区域がございました。この青い点線の部分なんですが、こちらについては除外されていたんですが、今回、全島に鳥獣保護区を広げるという計画でございます。
 また、特別保護地区については、従来は海鳥の繁殖している岩礁ですとか島だけだったんですが、先ほどもご説明したオガサワラオオコウモリの冬場のねぐらがちょうどこのあたりにございまして、ねぐら及びその周辺に特別保護地区を新たに設置する計画でございます。
 また、ねぐらの中心部3ヘクタールほどなんですが、この場所につきましては、規制の厳しい特別保護指定区域を今回設置する計画でございます。
 こちらは母島の様子でございます。
 写真です。こちらは父島の二見湾の様子でございます。下が母島、南崎の写真でございます。
 こちらの写真がちょっと見づらくて恐縮なんですが、ちょうどオオコウモリが冬におりますねぐらの森の様子でございます。
 こちらの真ん中に写っているのがオオコウモリでございます。
 そのほか、アカガシラカラスバトですとか、クロアシアホウドリ、カツオドリの仲間も生息しています。
 指定区分につきましては、希少な鳥獣が多数生息しているということから、希少鳥獣の保護区といたしておりまして、面積は2万58ヘクタール、特別保護地区については1,345ヘクタールとなっております。特別保護指定区域につきましては、3ヘクタールを指定する計画でございます。
 存続期間は、本年11月1日からの10年間を考えています。
 次に、公聴会の実施結果についてご説明いたします。本年8月25日に小笠原村にて行いまして、10名の方にご出席いただいてご意見いただきました。
 結果ですが、賛成は6名、条件付き賛成がお2人、反対意見が1名、未回答が1名です。
 条件付き賛成の方には、公聴会の場で事務局より説明をいたしまして、賛成ということで同意をいただきました。未回答の方につきましても、後日、ご意見を伺いまして、同意を得ております。
 反対意見の方に対する対応ですが、反対意見をいただいて、公聴会の後に協議を行わせていただきまして、反対の理由をお伺いしたんですが、鳥獣保護区指定計画そのものではなくて、ノヤギの駆除が小笠原で行われているんですが、その実施方法ですとか、合意形成の手法に対して不満があるということでございました。そのようなご意見をいただきましたので、今後、意見調整の場を設けて十分調整させていただきますということをご説明いたしまして、それならということで同意をいただいておるところでございます。
 続きまして、北硫黄島鳥獣保護区及び特別保護地区について説明させていただきます。
 写真がちょうど海の上から撮った島の写真でございます。
 北硫黄島ですが、周囲が8キロほどでございまして、火山島でございまして、アカオネッタイチョウですとか、アカアシカツオドリなどの海鳥の集団繁殖地となっています。
 区域につきましては、島とその沿岸、沖合300メートルにつきまして鳥獣保護区に指定いたしまして、島の中につきましては、同時に特別保護地区に指定することを計画しています。アカアシカツオドリやアカオネッタイチョウのヒナの写真でございます。
 指定区分は集団繁殖地の保護区ということでございまして、面積、鳥獣保護区は海域も含めまして860ヘクタール、特別保護地区は557ヘクタールでございます。存続期間は、本年11月1日から20年間を考えています。
 公聴会の結果ですが、先ほどの小笠原と同様、8月25日に行いました。こちらでも反対意見をいただいておりますが、意見の内容は、先ほどの小笠原の保護区と同じご意見でございました。こちらについても調整を行いまして、同意を得ています。
 続きまして、南鳥島鳥獣保護区についてご説明いたします。
 写真が上空から撮った島の写真でございまして、こちらにあるのが飛行場です。現在、海上保安庁と気象庁の職員の方が駐在されています。周囲に広がっているのがサンゴ礁です。
 区域ですが、島及び島の沖合400メートルにつきまして鳥獣保護区に指定することを考えています。島の中にあります飛行場の範囲につきましては、関係機関と調整をした結果、鳥獣保護区から除外してほしいということでしたので、飛行場の範囲につきましては鳥獣保護区から除外する計画になっています。
 全景の写真です。
 コアホウドリや、セグロアジサシの集団繁殖地の様子です。
 指定区分ですが、集団繁殖地の保護区で、面積は395ヘクタール、存続期間は本年11月1日より20年間を計画しています。
 公聴会の結果ですが、同じく8月25日に行いまして、反対意見が1、賛成6、未回答1です。
 先ほどの北硫黄島及び小笠原と同じ状況でして、今後、意見調整の場を設けるということで同意をいただいています。
 続きまして、紀伊長島鳥獣保護区の特別保護地区の再指定についてご説明いたします。
 位置につきましては、紀伊長島町、現在、紀北町と大紀町でございます。三重県の熊野灘に面している海にある島々ということになっておりまして、ここにカンムリウミスズメが繁殖している場所です。
 区域につきましては、こちらの斜線になっております小さい島々、無人島なんですが、こちらでカンムリウミスズメが繁殖しておりますので、こちらの島々を特別保護地区に、従来より指定されていたんですが、今回、継続して指定する考えです。
 特別保護地区の区域に変更はございませんが、鳥獣保護区の区域につきましては、ここの紀伊長島、現在の区域ですと、島の対岸の陸域が、ちょっと見づらいんですが、点線部陸域が指定されてございました。ただ、こちらの陸域につきましては、非常にシカやイノシシの農林業被害が深刻であるということ、あるいはサルによる人身被害も多発しておりまして、地元の役場、あるいは農協、猟友会から、海鳥の保護については理解できるが、陸域については鳥獣保護区の指定を外してくれないかというようなご意見、要望を強く受けていたところでございます。今回、鳥獣保護区の区域につきましては、海域は変更ございませんが、陸域については、今回解除する計画です。
 写真ですが、こちらのような島々が特別保護地区に指定することを計画しておる島々です。赤野島のこの辺、ちょっとはげ山のようになっているんですが、カワウが飛来してきて、カワウの害によって木が枯れつつあるということで、今後、カワウの対策というのも必要になってくるかと考えています。
 カンムリウミスズメの写真でございます。
 指定区分は、集団繁殖地の保護区でございまして、特別保護地区の面積は71ヘクタール、存続期間は20年間と考えています。
 公聴会は8月28日に行いまして、全員から賛成をいただいております。
 続きまして、剣山山系鳥獣保護区と同特別保護地区の指定についてご説明いたします。
 位置につきましては四国の高知県及び徳島県にまたがる山岳地となっています。
 区域につきましては、この青い線が県境を示しておりますが、標高1,000メートル以上の剣山を中心とする山岳部になっていまして、この赤い斜線部が特別保護地区でございます。特別保護地区については再指定としておりまして、区域の変更はございませんが、今回、この点線部が従来の線なんですが、徳島県側の約1,700ヘクタールを鳥獣保護区の区域を拡張する考えです。
 こちらが風景でして、このような山岳部で、植生はブナ林ですとか、下に行きますと、スギ、ヒノキの植林地があるという場所でございます。
 全国的に問題になっているんですが、剣山山系でもニホンジカによる食害、こちらが深刻化しておりまして、こちらの写真は皮をむかれて枯れている木の様子でございます。
 こちらは環境省の調査で自動撮影カメラで撮影したツキノワグマの写真とクマタカの写真でございます。
 指定区分は、森林に生息するツクノワグマやクマタカなどの鳥獣の大規模な生息地ということで、大規模生息地の保護区、面積は1万1,817ヘクタールが鳥獣保護区でございまして、うち1,200ヘクタールが特別保護地区と考えています。存続期間は20年間を計画しています。
 公聴会につきましては、8月24日に行いまして、全員の賛成をいただいています。
 続きまして、やんばる(安田)鳥獣保護区と同特別保護地区の指定についてご説明いたします。
 位置につきましては、後ほど説明する安波の保護区と一緒に出ておりますが、沖縄本島の北部、国頭村に位置しております。
 区域図ですが、斜線部、こちらが特別保護地区でございまして、そこから海に向かいまして鳥獣保護区のエリアが広がっているというエリアを考えています。この特別保護地区の区域につきましては、現在、県指定の鳥獣保護区のエリアとなっておりまして、今回、県指定の鳥獣保護区から国に移管し、さらに区域を広げるという計画になっています。
 ヤンバルクイナ、ノグチゲラ、ホントウアカヒゲやケナガネズミなどが生息しています。
 ここの地域では、ご存じのように、マングースによる希少種への被害が報告されておりまして、環境省や沖縄県が対策をとっているという状況でございます。
 指定区分につきましては、希少鳥獣の生息地ということで、面積は1,279ヘクタール、うち220ヘクタールが特別保護地区となっておりまして、存続期間は20年間を計画しています。
 やんばるの安田鳥獣保護区につきましては、鳥獣法に基づく保全事業という制度がございます。こちらは鳥獣保護区の中で特に鳥獣の生息環境が悪化するなど、特に必要な場合に保全事業というものを実施することができまして、それを行うためには、まず鳥獣保護区の指定計画の中に保全事業の目的や内容の概要を示した指針というものを盛り込む必要があります。今回、安田の鳥獣保護区につきましては、関係機関との調整等がつきましたので、指定と同時に保全事業の指針についても記載しようと考えております。
 事業の目標は、ヤンバルクイナなどの希少鳥獣の生息環境を適切に管理し、安定的に生息できる環境を維持改善していくこと、その区域につきましては、鳥獣保護区全域を考えておりまして、概要なんですが、一つは、鳥獣の生息地の保護に支障のある動物、こちらはマングースなどを想定しておりますが、侵入防止のための施設の設置、あるいは希少鳥獣の生息状況のモニタリング、この事業自体が環境省だけで行うということではなくて、地元の自治体と共同して行うという制度になっておりまして、既存の取り組みが既にされておるんですが、保護シェルターの維持管理や住民への普及啓発、これらは国頭村の取り組みとあわせて環境省でも取り組んでいこうと考えています。
 公聴会の実施結果ですが、8月26日に行いまして、8人の方全員から賛成をいただいています。
 最後に、やんばる(安波)鳥獣保護区の指定についてご説明いたします。
 先ほどの安田鳥獣保護区よりは南にございまして、赤い線が鳥獣保護区の区域でございます。森林です。そして、現在、この区域、同じ区域が県指定の鳥獣保護区に指定されておりまして、県指定の鳥獣保護区から移管する計画です。
 指定区分は、希少鳥獣生息地の保護区でして、面積は465ヘクタール、20年間を計画しています。
 公聴会につきましても、8人の公述人の方全員から賛成意見をいただいております。
 続きまして、公告縦覧の結果ですが、8月10日から23日の2週間をかけて、鳥獣保護区の指定計画を環境省野生生物課や関係の地方環境事務所、関係地方公共団体におきまして縦覧いたしまして意見を募集するという手続ですが、特に意見はいただいておりません。
 同時に、8月7日から9月6日にかけましてパブリックコメントも実施しております。意見の総数は10件いただいております。
 意見の内容ですが、小笠原群島鳥獣保護区につきましては、漁業による海鳥の混獲防止対策を行う必要があるという意見、漂着ごみの定期的調査・回収を行う必要があるというご意見、オガサワラオオコウモリの事故防止、農業被害対策が必要であるという意見、冬季ねぐらについて買上制度の導入が必要であるというご意見をいただいております。
 漁業による混獲防止対策につきましては、まずは実態の把握が重要かと考えているところです。漂着ごみにつきましては、父島及び兄島につきましては本年度回収の予定がございます。ほかの地域につきましても、今後検討したいと考えています。事故防止・農業被害対策につきましては、先ほどの種指定のところでも説明がありましたが、今後、保護増殖事業を行う過程におきまして検討していきたいと考えています。買上制度の導入につきましては、必要性等を検討しながら、今後の検討課題と考えています。
 北硫黄島につきましては、漂着ごみについてのご意見をいただいております。こちらについても、まずは実態の把握を進めたいと考えています。
 南鳥島につきましては、地域ネコというご意見をいただいているんですが、ノネコが生息しておりまして、海鳥類のひなを捕食しているのではないかと指摘されて、ノネコの適正管理の指導徹底が必要であるというご意見をいただいています。
 この点につきましては、南鳥島に駐在されている関係機関の方のご協力が必要で、関係機関とお話をして対策を検討している状況です。
 今後の手続ですが、本日、答申をいただければ、10月の下旬に官報告示を行いまして、11月1日より施行したいと考えています。
 説明は以上でございます。よろしくお願いいたします。

【山岸部会長】 ありがとうございました。
 ただいまのご説明につきまして、ご意見とかご質問があったら、どうぞ。
 それでは、市田委員から。

【市田委員】 三つほど質問をさせてください。
 最初の保護区の制度の問題ですけれども、特別保護区の中にもう一つのさらに指定地域を設けて、そこで撮影とか、いろんなことの禁止ができるというご説明だったんですけれども、禁止行為をコントロールする中に釣りも入りますか。

【西野係長】 いえ、釣りは入りません。

【市田委員】 それは入れられないということですか。

【西野係長】 今現在、法律上は、釣りというのは行為規制には入っていません。あくまで鳥獣の保護区ですので、おそらく禁止行為の中には入っていないのかと考えております。

【市田委員】 わかりました。では要望したいんですけれども、ご存じのように、特に岩礁地域とか島の繁殖地、海鳥の繁殖地で一番問題なのは、結局、釣り人なんですね。それを規制する方法がなくて、いろいろ議論があったと思うので、今日、それを見たら、そういう制度ができているので、その中で規制ができるのかなと期待をしたんですけれども、もし、それがまだ実現していないとすれば、やっぱり、釣り人が入ることによりかく乱というのは非常に大きな問題がありますので、それは今後の課題として、ぜひ、お考えいただけたらなという気がいたします。
 それから、あと二つ、もしわかったらで結構ですけれども、一つは、小笠原の中でオオコウモリの話が中心に出てきましたけれども、あそこは同時にアカガシラカラスバトなんかも注目すべき鳥なわけです。それで、たしか4年ぐらい前だったと思いますけれども、保護増殖事業がスタートしていると思うんですけれども、それが、今、どうなっているのか、もしわかったら教えていただきたいということと、それから、もう一つ、もう一つは簡単です。
 やんばるのシェルター、新しい保全事業が始まって、そこの中でヤンバルクイナのためのシェルターの維持管理みたいなところが書いてありましたけれども、あれは国頭村が独自に最初はつくったものですけれども、それについて環境省も、これから一緒に維持管理についてもやっていくんだというふうに理解してよろしいんでしょうか。

【西野係長】 保全事業ですけれども、指針を、今回、お諮りしている状況でございまして、具体的にどういうふうにやっていくかというのは、今後、村とも調整し、うまく役割分担をしながら進めていくことになるかと思います。現在は、一緒にやっていくとかそこまでは決めていないんですが、今後調整していくという状況です。

【市田委員】 これも要望させてほしいんですけれども、あそこはつくるだけはつくったんですね、7,000万か何かかけてつくったんですけれども、維持管理費がないのにつくったという計画なんですね。でき上がった後はとても苦労して、募金を集めたりしていて、募金も最初のうちは集まりやすいんですけれども、2年、3年続くと、なかなか難しいという状態があると思います。だから、その辺をよく含めて村の方とご協議をいただければ、ありがたいと思います。

【浪花主査】 アカガシラカラスバトについてご説明いたしますと、生息数が極めて少ない状況ですので、保護増殖事業計画を立てて、経年的に生息調査を行っているということが一つ、あとはノネコによる捕食が現認されているということで、ノネコの捕獲ないしはノネコ対策の柵の設置を行っていると聞いております。

【市田委員】 保護増殖事業の議論があったときに、山口先生からちょっとご発言があったと思うんですけれども、要するに、今、何羽いるから、将来どのぐらいにふやそうとか、それをふやす目的で事業をやるわけですよね。調査を通じて、前に生息していた数と今と比較してどうかということまでわかっていますか。

【浪花主査】 東京都も含めて各関係省庁でやっていますが、そこまではまだ把握できていません。まだ始めて年数が少ないんですが、アカガシラカラスバトはかなり数が少ないので、関係省庁と連携して取り組みを進めていきたいと思います。

【山岸部会長】 よろしゅうございますか。
 それでは、土屋委員、どうぞ。

【土屋委員】 項目が非常に多いので、説明も大変であるということはよく理解できるのですが、この話題になると時々申し上げることですが、なぜこの範囲を特別保護区にしなければいけないかとか、なぜこの範囲を鳥獣保護区にしなければいけないかという科学的な根拠もそろそろ議論しなければいけない時代になっているのではと思うのです。
 今回、それをしようとも思いませんが、今回、新たに指定するとか、拡大するとか、継続するとかということについて、我々が判断しなければいけないとすれば、なぜ拡大するのか、なぜ新規に指定するのかという理由をご説明いただかないと、我々は判断の根拠がないのですよ。
 また、一つ一つ説明していただくと、えらく時間がかかってしまって、大変だろうと思いますけれども、どうしたらいいか、私もちょっと困っているのですが、例えば、今までこういうふうに保護をしてきて、こんな困っている事態があるので、こう拡大したいとか、あるいは、県が管理していたものを国が管理するに当たって、どんな理由があるのかと。そのあたり少しご説明いただけると、評価しやすいのではないかと思うのですが、いかがでしょうか。

【西野係長】 すみません。説明が足りませんで、申しわけありません。
 まず、小笠原の鳥獣保護区の区域を広げる件ですが、一つは海域につきましては、海鳥類の繁殖場所は既に保護されているんですが、採餌、えさをとる場所、海でえさをとるような場所につきましては、今、鳥獣保護区の網がかかっていないという状況でございましたので、区域を今回広げるということでございます。
 1キロにしている根拠は、こういう海鳥類が利用するような岩礁が1キロの範囲に広がっているということから1キロで考えています。
 陸域の父島、母島について広げるという件につきましては、オガサワラオオコウモリをはじめ、希少な鳥類が生息していて、鳥類やコウモリは島全域を利用しているということから、保護区としましては全域にするのが望ましいと考えています。
 今回、新規指定を行います北硫黄島及び南鳥島につきましては、平成19年に策定しました鳥獣保護区の指定計画が環境省にございまして、その中でリストアップされており、それぞれアカオネッタイチョウやアカアシカツオドリなどの集団繁殖地として重要で、国を代表する、あるいは国際的に重要な場所であるという判断から、今回、指定を計画しているところです。
 紀伊長島につきましては、特別保護地区の区域は変更ないんですが、カンムリウミスズメの繁殖地として引き続き重要であるという判断から再指定を考えています。
 区域を広げます剣山山系につきましては、四国のツキノワグマが環境省のレッドリストでも絶滅のおそれがある地域個体群と指定されており、生息数が十数頭しかいないと推定されております。その十数頭がこの剣山山系の周辺に生息しているということから、保護の強化を図るという意味で区域を拡大するものでございます。
 やんばるにつきましては、もともと県指定の鳥獣保護区ですが、安田につきましては、県指定の鳥獣保護区から区域を広げ、さらに保護を強化したいと考えています。
 県指定から移管する理由につきましては、やはり、国を代表するような希少種、ヤンバルクイナですとか、ノグチゲラが多数生息しているということから、県指定で不十分というわけではないんですが、国を代表する場所を国の鳥獣保護区にするということが鳥獣保護法の中にもうたわれておりますので、沖縄県と相談の上、今回、国指定に移すということを計画しています。
 以上でございます。

【山岸部会長】 よろしゅうございますか。
 ほかにございますでしょうか。
 それでは、これ以上特段のご意見、ご質問もないようですので、この議題についてお諮りいたしたいと思います。
 国指定鳥獣保護区及び同特別保護地区の指定については、ただいまご説明いただいた事務局案が適当と認めてよろしいでしょうか。

(異議なし)

【山岸部会長】 ありがとうございます。ご異議がないようですので、本件も適当と認めることとし、この事務局案を当審議会の答申案として中央環境審議会長に報告することといたします。ありがとうございました。
 それでは、引き続きまして、報告事項が二、三ございますので、事務局より報告願います。

【塚本野生生物課長】 野生生物課長、塚本でございます。
 お手元の参考資料1をご覧下さい。今回は、2回目の放鳥になります。9月29日10時半に、ネットで囲ったところの一部を開け、トキの自由に任せて飛び立たせるソフトリリースを行いました。
 今回は20羽を放鳥しました。29日は2羽、30日は11羽、1日が3羽と順番に出ていきまして、3日までの5日間をかけて全部出ていきました。詳しい時刻等は、資料の裏側に書いてありますので、ご参考にしてください。
 後ろのカラープリントをご覧下さい。緑色のネットの中に4週間入れ、現場に慣らして、ネットをあけました。
 去年、放鳥したトキは、佐渡にオスが4羽、本州の方にメスが3羽いますが、今年、放鳥したトキは、放鳥場所の周辺で群れをつくりそうになっているそうです。去年放鳥したオス2羽が新穂にずっといるんですけれども、その近くに今回放鳥したメスが行って、今は3羽で共に行動しているのが観察されているそうです。これからそういう状態がだんだん増えてきて、これから冬になりますけれども、群れを形成してくれるといいなと思っています。
 資料の一番最後に、放鳥したトキのカラーリングですとか、発信機をつけた個体の番号などを入れていますが、これを皆さんにお配りして、トキを見たら、ぜひ情報を寄せてほしいとお願いをしています。皆さんからの情報を集めて、トキが今どうなっているのかホームページで公表しています。
 以上でございます。

【山岸部会長】 ただいまのご報告に対して、何かご質問ございますでしょうか。よろしゅうございますか。
 それでは、遺伝子組換えについては冒頭ご説明があったので、もし、何か小委員会の委員長の加藤さんの方でつけ加えることがあったら。

【加藤委員】 特にございません。

【山岸部会長】 特にございませんでしょうか。
 それでは、最後に、各委員の方々から、今日の問題でなくても結構ですから、どんなことでもご意見、ご質問などがありましたら承りたいと思います。
 それでは、神部委員、どうぞ。

【神部委員】 今回で、私、会議、3回目出席させていただいております。神部と申しますけれども、イルカという名前で歌っております。
 質問ではないんですけれども、私はIUCNの親善大使を2004年からさせていただいておりまして、私は歌手ですので、歌をつくって歌うということをさせていただいております。
 それで、私はもちろんいろんな歌も歌っていますけれども、もうずっと小さいころから、いろいろなすべての生き物がとても好きな人間なので、そういうものをテーマにしてつくって歌うということをさせていただいておりました。それですので、IUCNの方から声がかかったのではないかと、自分ではそう解釈しています。
 それで、本当にそういう意味においては、親善大使としては歌うことしかできないんですけれども、もちろん会議に出席させていただくというのは、本当に日ごろ、先生方がいろいろ研究されたり、いろいろなことを思われていることについて、そのご意見を伺うことで、いつも一番思っているのは、今の地球がどうなんだろうということを、極力本当にリアルな姿で知りたいというのが、私自身の気持ちでもあります。そのことをコンサートやラジオ、いろんなものを通じて、一般の皆様にお伝えするというのが、私のできる仕事といえばそういうことかなというふうに、自分では解釈しております。
 そして、また、来年のCOP10に向けましても、昨年、ちょうどバルセロナで世界自然保護会議がございまして、私は余り語学が堪能ではないので、いつも歌でごあいさつさせていただきたいということで、昨年、バルセロナでもイルカのコンサートということを会議場でさせていただきました。
 それが終わってから、スイスの本部からも、来年から、また日本の方は名古屋に向けてCOP10、いろんなことを頑張っていかれると思いますが、我々としては、もちろん会議も大切なんですが、一般の皆さんに、そのことを広く知っていただいて、そして、一人でも多くの皆さんに、この地球、そして、いろいろな生物のことを身近に感じていただくためには、コンサートを聞いてわかったんだが、歌の力は大きいんではないかという、うれしいことも言っていただきまして、私もいろんなことで、できることがあればと思いまして、小冊子をつくってお配りしたり、コンサートでは必ずお話をさせていただいております。
 そのお金もどこからも出ませんので、コンサート会場に集まっていただけるお客様からいただいたり、ロビーにある募金箱からつくらせていただくという現状がございまして、今日も持ってまいりましたけれども、これは小学生の皆さんにもわかっていただけるものをつくりたいということで、生物多様性条約とはこういうことですよというようなものをつくらせていただいております。
 そういうこともあって、私ができることはコンサートかなと思いまして、来年の秋には会議に合わせて名古屋で大きなコンサートを開きたいと思っておりまして、それには、やはり、IUCNの会員でもあります環境省の皆様、そして外務省の皆様にも大きな力をいただかなくては、私一人ではとてもできないので、もう本当に一人でも多くの皆様と手をつないで、そういうことができて、本当に一般の皆様に何か少しでもご自分らしい形で、地球をもっともっと愛していただくという形につながっていったらいいなと思っておりました。そうしたところ、大変うれしいお話をいただきまして、先週なんですけれども、地球生き物応援団という形で、COP10に向けまして、一般の皆様にアピールするという応援団の一人に、5人目として、私を加えていただけるという報告を受けましたものですから、IUCNの本部の方でも、ぜひ、今回は日本国内に広める意味でもそうですし、IUCNは本当に皆さんに知られていないので、アピールできるいい機会でもあるということを言っていただきましたので、ありがたく引き受けさせていただきたいと思っております。
 それにつきましては、本当に先生方が日ごろ、研究されているいろいろなこと、そういったことも私も教えていただきたいと思っております。イルカという私の名前は、海のイルカは世界をつなぐ生き物と言われているんですけれども、本当に海のイルカに少しでも足元に近づけるように、いろいろな形で皆様とのかけ橋になれたらいいなと思っております。今日は貴重なお時間をいただきまして、ちょっとご報告とごあいさつさせていただきましたので、何かございましたらどこへでも駆けつけますし、昨年はやんばるにも入ってきまして、ヤンバルクイナに会うことができました。地元の皆さんにもびっくりされたんですけれども、そういった形で、いろいろなところにも出かけていきたいなと思って、そして、感じたことを歌につくって、いろんな方に聞いていただければと思っております。
 来年は、回る命というテーマで親善大使としてのアルバムづくり、そして、小さい子供たちにも知っていただきたいと思っていますので、絵本もつくりたい、そしてコンサートもやっていきたいと思っておりますので、何かそういう要望がございましたら、お声がけ、よろしくお願いいたします。
 貴重なお時間、ありがとうございました。

【山岸委員長】 ありがとうございました。生物多様性の小委員会で生物多様性が全然広まらないという論議をしているんですが、非常に心強い話だと思います。何かご意見、ありますか。どうぞ。

【渡辺審議官】 審議官の渡辺です。ありがとうございました。
 来年10月、生物多様性条約のCOP10なんですけれども、COP10がある節目の年ということもあって、国連が来年1年間を「国際生物多様性年」に指定しました。日本の中でも生物多様性の問題を、どう社会に広く浸透させていくかが非常に大きな課題ですが、それは日本だけじゃなくて世界全体でも、とても大きな課題になっていて、たくさんの分野の人たちが立ち上がるための1年にしようということで、国連が「国際生物多様性年」に指定をした年ということになります。
 日本の生物の現状や課題、あるいは地球の今の姿、今の課題というのを、わかりやすく、たくさんの人に伝えていくということは、とても大変だと思いますので、COP10のときのコンサートのみならず、多様性年1年間を通じて、審議会の委員の皆さまにもご協力いただきながら、いろいろな活動が展開できたらなと思います。ご協力、よろしくお願いします。

【山岸部会長】 どうぞ。

【市田委員】 すみません。今日は山岸委員長と、それから土屋先生と問題提起があったので、一言言わせていただきたいんですけれども、小笠原のオオコウモリを守ろうとか、それから、安田を保護区にする、それぞれ一つ一つを見れば、反対するものはもちろん何もないわけで、すばらしいことですけれども、なぜ、今、安田なのかとか、なぜオオコウモリかというと、それは私たちにはわからないんですね。事務局の方でいろいろご検討なさっていらっしゃるとは思うんですけれども。各都道府県の鳥獣事業には国が定めた5年計画というのがあって、それに向かって動くからわかりやすいんですけれども、ご承知のように、国にはそれがないから、だから、一体どこを向いて行くのかというのがわからないわけですね。そういう問題提起が4年前にも何年前にも何回か、この審議会でもあったと思うんですけれども、大体2年されると、皆さん全部かわられちゃうことがあって、忘却のかなたに行っちゃうということが繰り返されてきていると思うんです。
 現在の日本全体を見たときに、もう今すぐこれをやらなきゃいけないとか、この虫を何とかしなきゃいけないというのは、ある程度なくて、そういうのは大体緊急的なものは少しできてきたと思うんです。それは皆さんのご活躍の結果だと思いますけれども、だとすれば、そろそろ全体を見て、どうしようかという話し合いがあってほしいなと、こう思うんです。
 そういう意味で、今回、環境省の自然保護局の幹部の皆さんもずらっとかわられたという、いい機会でありますので、これから2年間ぐらいは多分代わられないという前提の中で、親善大使もいらっしゃいますので、ぜひ、全体を見て、何かやれる議論の場みたいなもの、あるいは、そういったことをお考えいただけたらなと思って、今日、せっかく問題提起があって、このままいくと、そのままいっちゃうなという気がするので、もう一度、しつこいようですけれども、申し上げたいと思います。
 以上です。

【山岸部会長】 よろしゅうございますでしょうか、事務局の方。よろしくお願いいたします。
 ほかに何かございますか。
 ちょっと時間があるようなので、私も要望なんですが、次のレッドリストの見直しというのはいつなんですか。

【塚本野生生物課長】 現在、レッドリストの見直しの作業を行っています。5年ごとに見直すことにしていますが、目標は24年度中にはレッドデータブックを出版したいと考えています。ご協力よろしくお願いいたします。

【山岸部会長】 今の市田さんの言った全体像にかかわることなので、よろしくお願いいたします。
 ほかに何かございますか。
 事務局、何かございますでしょうか。
 では、特別ないようですので、最後に、渡辺審議官よりごあいさつをちょうだいしたいと思います。

【渡辺審議官】 長時間にわたりまして大変熱心なご審議をいただき、また諮問案件については答申をいただきまして、ありがとうございました。
 今日の議題の中で、オガサワラオオコウモリ、小笠原の鳥獣保護区ということで、小笠原諸島関係の案件がございました。7月の合同部会でご報告させていただきましたように、小笠原諸島につきましては、年明け1月に世界自然遺産候補地としてユネスコに正式な推薦をするための準備を、今、進めているところです。
 今日、ご答申いただいた国内希少種の指定、それから、国指定鳥獣保護区の強化という対策を1枚加えて、保護対策の強化を推薦の際にご説明をしていければと思っています。
 オオコウモリの議論にありましたように、生活とか生産活動とつながった深いかかわりを持って、父島に関して言うと、生息をしているという状況があります。そういう中で、オオコウモリの安定した生息の存続と地域の暮らしとの両立をどう図っていくかという課題についても、これは地域の関係者と手を組んで、知恵を絞って解決策を見つけていけたらと考えています。そういうことによって、小笠原の野生生物の保護対策の強化を遺産の取り組みの中でも位置づけていけたらというふうに考えています。
 それから、先ほど、神部委員の方からもありました、来年10月にCOP10があります。その開催も見据えて、今、合同部会の方で生物多様性国家戦略、昨年、生物多様性基本法ができ、それに基づいて法定の生物多様性国家戦略をつくろうということで、合同部会、そして小委員会の方で議論を進めていただいているところです。
 COP10の中では、節目の10回目ということもあって、非常に重要な議題がたくさんあります。2010年以降、生物多様性条約がどういう目標を持って、どういうことに重点を置いて、条約として活動していくかという条約の戦略計画、そして新しい世界目標を決めていくと。そういった重要な議題も含めて多岐にわたる議題が議論されることになります。そういった国際的な議論も見ながら、そういった議論も受けつつ、国内の野生生物の対策をきちっと成果を積み重ねていくことが、とても大事だというふうに思います。
 山岸部会長からもありました3,000を超えるレッドリストに掲載されている絶滅のおそれのある種、それについて、どういうグループが急がれるのか、どういう対策が優先度が高いのかというようなことをしっかり全体を見渡して、優先度の高い取り組みに手を打っていく。その結果として、3,000を超える絶滅のおそれのある種の状況が一歩でも二歩でも早く改善されていくような対策をどんどん打っていくということに、是非、COP10の機会も通じて、そういう取り組みが前進できるように頑張っていかなければいけないと思っています。
 そういう面でも、今日、いろいろな意見をいただきました。いただいた意見も受けて、野生生物対策が前進できるように、私たちも努力を続けていきたいと思いますので、委員の皆様には引き続きいろんな形でご指導、アドバイスをいただけたらと思います。
 本日は長時間にわたりまして、どうもありがとうございました。

【山岸部会長】 どうもありがとうございました。
 私も、この部会は諮問されたことに答えればいいんだということは、よく存じております。諮問されないことばかり申し上げていて、非常に申しわけないんですが、どうも長時間にわたってご論議をいただきまして、ありがとうございました。
 以上で、本日の野生生物部会を閉会させていただきます。どうもありがとうございました。