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■議事録一覧■

中央環境審議会 野生生物部会
会議録


1.日時

平成21年2月2日(月)10:00〜11:54

2.場所

中央合同庁舎5号館 環境省第1会議室

3.出席者

(野生生物部会長) 山岸  哲
(委員) 加藤 順子
鷲谷いづみ
(臨時委員) 石井 信夫  石井  実  石坂 匡身
磯崎 博司  磯部  力  市田 則孝
神部 としえ  是末  準  土屋  誠
福田 珠子  三浦 慎悟  山極 壽一
(環境省) 黒田自然環境局長
水谷外来生物対策室長
柏木官房審議官
神田国立公園課長
奥主総務課長
渡邉自然環境計画課長
星野野生生物課長

4.議事

【事務局(須藤)】 おはようございます。本日はお忙しい中、ご苦労さまでございます。予定の時刻になりましたので、中央環境審議会野生生物部会を開催させていただきます。
 本日の出席者数でございますが、19名中、現在15名のご出席であり、「中央環境審議会令」により、定足数を満たしておりますので、本日の部会は成立しております。
 また、本日は、委員の改選後初めて行われます会議でございますので、事務局より本日ご出席の先生方をご紹介させていただきたいと思います。
 私の方でお名前を読み上げさせていただきますので、よろしくお願いいたします。
 まず、こちら側中央より山岸部会長でございます。
 続きまして加藤委員でございます。
 そのお隣、鷲谷委員でございます。
 反対側、窓際に移りまして、石井信夫委員でございます。
 そのお隣、石井実委員でございます。
 そのお隣、石坂委員でございます。
 そのお隣、磯崎委員でございます。
 そのお隣、磯部委員でございます。
 そのお隣、市田委員でございます。
 そのお隣、神部委員でございます。
 そのお隣、是末委員でございます。
 そのお隣、土屋委員でございます。
 そのお隣、福田委員でございます。
 そのお隣、三浦委員でございます。
 最後に、山極委員でございます。
 皆さんどうぞよろしくお願いをいたします。
 続きまして、お手元にお配りしました資料の確認をさせていただきます。
 まず、一番上に名簿がございますが、この名簿が若干変更がございましたので、後ほどまた差しかえさせていただきます。この名簿に続きまして、議事次第、その裏側をめくっていただきますと、こちらに資料一覧がございます。例によって資料数が多うございますので、資料番号のみ、読み上げさせていただきます。まず、資料1、諮問でございます。1枚紙でございます。その次、別添案の資料1−1、次、1−2、1−3、1−4、1−5、1−6。次、1枚紙で、資料の2でございます。その後に別綴じとして2−1、2−2、2−3。続きまして、資料3、1枚紙で資料4、その次に別綴じとして資料5、資料6、資料7、最後に資料8が2枚紙でございます。
 以上、これが全資料でございます。もし資料等に不備がございましたら、事務局の方までお申し出いただければと思います。
  それでは、山岸部会長、よろしくお願い申し上げます。

【山岸部会長】 おはようございます。本年1月に行われましたの中環審の委員の改選によりまして、引き続き、野生生物部会長を仰せつかりました山岸でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
 それでは、ただいまから、平成21年第1回野生生物部会を開催いたします。
 本日の審議に先立ちまして、黒田局長よりごあいさつをお願いいたします。

【黒田自然環境局長】 おはようございます。自然環境局長の黒田でございます。きょうは月の初め、また週の初めの午前中からということでございますが、多数の委員の先生方にご出席いただきまして、この野生生物部会を開いていただくということで、本当にありがとうございます。また、常日ごろから、自然環境行政、とりわけ野生生物行政に関しまして、ご指導、ご協力をいただきましてまことにありがとうございます。この場をお借りして御礼を申し上げます。
 さて、本日でございますが、諮問案件といたしまして、種の保存法に基づきます国内希少野生動植物種の保護・増殖事業計画の策定についてご議論をいただきたいと思っております。
 昨年、オガサワラシジミなど、小笠原諸島に生息にする昆虫と植物、9種類を当審議会にお諮りをいたしまして、国内希少野生動植物種として指定をさせていただいたところでございます。この9種すべてにつきまして、また、法に基づきます保護増殖事業計画を策定したいと考えておりまして、これにつきましてお諮りしておるものでございます。
 小笠原につきましては、世界自然遺産の登録候補地として、既にユネスコの世界遺産委員会に対しまして、世界遺産委員会の世界遺産暫定リストというものがございます。候補地でございますが、これに登載を既にしております。これまで、小笠原に関して、世界自然遺産としての価値の評価であるとか、あるいは、保護・担保措置について検討を進めてきているところでございます。
 私どものスケジュールといたしましては、来年の1月に推薦書をユネスコの方に出して、さらに、ポジティブな見通しとしては、平成23年の夏の遺産委員会で審議の上、登録と、こういうスケジュールをもって進めているところでございます。
 今後、国指定鳥獣保護区であるとか、あるいは国立公園、こういうものの計画につきましても、また充実をさせるなど、各課にわたって努力を重ねていきたいというふうに考えております。
 そういう流れもございますので、今回の保護増殖事業計画の策定は、この世界遺産の登録という面におきましても、非常に大きな意味があるものと思っております。どうかご審議のほどをよろしくお願いしたいと思います。
 また、本日は遺伝子組換え生物の使用によって、生物多様性への悪影響が生じることを防止する目的で策定されておりますカルタヘナ法につきましても、ご議論をいただきたく思っているところでございます。
 この法律は、平成16年に施行をされております。それ以前までは、文部科学省、農水省、経産省、厚労省など、各省のガイドラインで遺伝子組換え技術あるいは生物の安全性の管理を行っていたものでございますが、各省が協力して、一つの仕組みとしてつくり上げたものでございます。法の施行は、こういうふうに関係6省庁が連携して行っているところでございます。例えば、除草剤に強いトウモロコシ、ダイズ、こういった農作物を初め、各分野でこの法律に沿った形で、遺伝子組換え生物が使用されているという現状にございます。
 平成16年の法律の施行から5年を経過いたしまして、運用状況などを見直す時期になっております。後ほど、カルタヘナ法の施行状況についてご説明させていただきますので、これからの検討の方法等につきまして、ご議論をいただきますようよろしくお願いを申し上げます。
 あわせて、今回新たに野生生物部会に参画いただきます先生方もおいでになりますので、本日は野生生物に関しまして、各種施策の概要について、改めてご説明をさせていただくとともに、最近の話題について、幾つかご報告をさせていただきたいと思います。
 最後でございますけれども、生物多様性条約の第10回締約国会議のことでございます。
 ご案内のとおり、2010年10月に、愛知県名古屋市で開催されることが決定されております。開会まであと620日ぐらいでございます。長いようでもありますが、私どもとしては、もうすぐだということで、少し焦っているところでございます。我が国はホスト国、議長国として、このCOP10が実りある会議となるように、最大限の努力をしていきたいと、こういうふうに考えておりますし、また、それは大きな責務だろうと思います。関係省庁あるいはNGOなどとともに意見交換を行ったりしておりますし、条約事務局ともだんだん緊密な連絡がとれるようになってきておりまして、準備は本格的に動き出したと、こういう認識でいるところでございます。
 委員の先生方に、こういうCOP10の面でも、またご指導を賜る局面が多々あろうかと思います。これらにつきましても、どうぞよろしくお願いをいたしたいと思います。本日、どうぞよろしくお願いします。ありがとうございます。

【山岸部会長】 それでは、これより本日の議題に入らせていただきます。
 まず、1月22日に、環境大臣より中央環境審議会に対して、オガサワラハンミョウほか8種の保護増殖事業計画の策定についての諮問がなされましたこと。これを受けまして、同日付で、中央環境審議会会長より、本件を本野生生物部会に府議されたことをまずご報告申し上げます。
 それでは、議題の1ですが、初めに、オガサワラハンミョウほか8種の保護・増殖事業計画の策定についての諮問内容について、事務局からご説明いただきます。

【星野野生生物課長】 野生生物課長の星野でございます。諮問内容を詳細ご説明する前に、種の保存法に基づきます国内希少野生動植物種指定の考え方、さらには、保護増殖事業計画作成の考え方について、簡単に説明させていただいて、その上で、諮問内容の詳細を担当の中島係長より説明いたします。
 まず、スライドをごらんください。種の保存法、これは絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存のための法律でございます。この法律の条文に、個体が本邦に生息し、または生育する絶滅のおそれのある野生動植物の種であって、政令で定めるもの、これを法規制の対象とするということがございます。さらに、この政令の制定・改廃に当たっては、中央環境審議会の意見を聞くということになってございます。
 昨年の野生生物部会におきまして、今回、保護増殖事業計画をお諮りする9種、主に小笠原に生息・生育する9種の動植物種についてお諮りをして、種の保存法に基づく国内希少野生動植物種に指定したところでございます。この種に指定いたしますと、捕獲等の規制、それから譲り渡し等の規制、さらに輸出入の規制がかかることになっております。
 国内希少野生動植物種の指定の要件でございますけれども、種の保存法ができました平成4年に閣議決定をした基本方針がございます。この基本方針作成に当たっては、審議会のご意見を伺い、そして閣議決定したものでございます。ここにございますように、人為の影響によって存続に支障を来す事情が生じている、そのように判断される種につきまして、以下の四つの要件に該当するものが選定の対象となるということでございます。
 一つ目としては、個体数が著しく少ないか、または著しく減少しつつあるという点でございます。
 二つ目は、全国の分布域の相当の部分で、生息地・生育地が消滅しつつあるということでございます。
 三つ目といたしましては、分布域が限定されていて、かつ、生息地、生育地の生息・生育環境の悪化があるという種でございます。
 四つ目といたしましては、分布域が限定されていて、生息地・生育地において、過度の捕獲または採取があると、こういう四つに該当するものを選定するということが、基本方針で定められているところでございます。
 希少野生動植物種につきましては、国内で絶滅のおそれのある種について科学的な情報に基づいて選定をしております。レッドリストと申します。このレッドリストをもとにいたしまして、人為の影響によって、ただいま申し上げましたような要件に該当する種を、順次、国内希少野生動植物種に指定しているということでございます。
 このレッドリストの最新のものは、平成18年、19年に、10の分類群につきまして定めております。統一的な基準に基づきまして、既存の分布、生育に関する科学的知見を専門家の方々に評価していただいて、分類しているものでございます。
 中央に赤で囲んだところ、絶滅危惧という分類でございます。大きく分けると、I類、II類、さらに詳細の判定ができるものについては、IA、IBというふうに区分してございます。これが、いわゆる絶滅のおそれのある種ということでございます。最新のリストでは、動物植物等を含めて、3,155種が掲げられております。
 これらの種のうち、特に法律による規制の必要性が認められる種につきまして、環境省によって生息状況等を把握するための調査を行っております。この調査は、分類群や地域的なまとまりを考えながら実施してきてございます。平成19年度は、島嶼域の昆虫・植物、そして平成20年度には、島嶼域の哺乳類について調査を進めてきてございます。こうした調査結果に基づきまして、選定要件に該当するか否かを判断いたしまして、国内希少野生動植物種に指定しているということでございます。
 これが、現在の指定状況です。81種を指定してあります。動物につきまして58種、植物につきましては23種指定しております。
 希少野生動植物種に指定をすることによって、捕獲等が規制されるわけでございますけれども、さらに、生息地の保護のために、生息地等保護区という指定の制度がございます。これに指定されますと、工作物の設置等の行為が規制されてくるということでございます。さらには、人為的に繁殖の支援ですとか、生息環境の整備、これらの取り組みが必要なものにつきましては、保護増殖事業計画を策定いたしまして、事業を実施いたします。今回お諮りいたしますのは、まさに、既に指定された種につきまして、この保護増殖事業計画を策定する、そのためのご意見を伺うということでございます。
 同じく基本方針の中に、保護増殖事業に関する指針がございます。保護増殖事業計画は、国内希少野生動植物種のうち、その個体数の維持、回復を図るために、その種を圧迫している要因を除去または軽減するだけでなく、生物学的知見に基づき、その個体の繁殖の促進、その生息地等の整備等の事業を推進することが必要な種を対象として実施するということで、要件が定められております。
 国内希少野生動植物種、現在、81種ございます。これらについて、どのような考え方で、保護増殖事業計画をつくっているかということでございますが、左側に書いてございます。新たに国内希少野生動植物種を指定する際に、あわせて保護増殖事業等の必要性についても検討をしております。
 その検討の結果、基本方針に定める要件に該当する種については、指定後、速やかに保護増殖事業計画を策定することとしております。今回、昨年指定いたしました9種については、必要があるというふうに判断いたしまして、計画の案を作成したというところでございます。
 右側でございます。現在、81種のうち、保護増殖事業計画が策定されていない種もございます。これらにつきましては、生息状況と科学的な知見の収集に務めているところでございます。緊急性、事業の実効性等を踏まえまして、保護増殖事業の必要性等につきまして検討するということでございます。基本方針に定める要件に該当する種につきましては、順次、保護増殖事業計画を策定することとしております。
 ここに現在、保護増殖事業の対象となる種、81種を全部書き上げております。そのうち、赤字で書いてございます38種が、現在、保護増殖事業計画が策定されている種でございます。青字で書いたものが、今回新たに計画をつくり、ご意見を伺っている9種でございます。
 概要の説明は、以上とさせていただきます。この後、中島係長より、諮問事項の内容についてご説明させていただきます。

【中島係長】 それでは、諮問事項の詳細について、私の方からご説明をさせていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。
 諮問事項1が、オガサワラハンミョウ等、6種の保護増殖事業計画の策定についてでございます。諮問事項2が、オガサワラシジミ等、3種の保護増殖事業計画の策定についてとなっております。
 今回、保護増殖事業計画を策定する9種でございますけれども、先ほど課長からご説明申し上げましたとおり、主に小笠原諸島に生息・生育する種でございます。いずれも昨年の8月の政令改正により、国内希少野生動植物種に新たに加わった種でございます。
 この諮問事項1と2に分かれていることでございますけれども、星のついている三つが天然記念物に指定されておりますため、諮問2として環境省、農水省、国交省、文科省4省の共同諮問となります。そして、印のついていないものが、環境省、農水省、国交省、3省の共同諮問になります。具体的な計画の内容については変わりませんので、9種まとめて説明をさせていただきます。
 今回、お示しする保護増殖事業計画でございますけれども、9種ございまして、限られた時間でございますので、ポイントを絞って説明をさせていただきたいと思います。
 この保護・増殖事業計画の項目立てや内容につきましては、9種共通の部分が多くございますので、オガサワラハンミョウの保護増殖事業計画を例に、最初に概要を説明させていただきたいと思います。
 お手元の資料の別添案の1−1をごらんいただきたいと思います。1枚めくっていただきまして、計画の詳細が書いてございます。
 計画の構成は、第1が事業の目標、第2が事業の区域、そして第3が事業の内容というふうになってございます。
 まず、第1の事業の目標には、前段に各種の生息状況や生態等を記述してございます。
 そして、目標はこちらの一番下のところに書いてございますけれども、今回策定する9種については、すべて「本種が自然状態で安定的に存続できる状態とすることを目標とする。」としております。
 そして、第2の事業の区域でございますけれども、東京都小笠原諸島における本種の生息地といたしまして、この生息地には、かつての生息地も含むことにしております。また、人工繁殖を行う種については、この飼育及び人工繁殖等を行う区域についても、この事業の区域に含めることとしております。
 そして、第3が具体的な事業の内容になってまいりますけれども、まず、こちらのオガサワラハンミョウの計画を見ていただいてもわかりますとおり、小笠原諸島が固有の生態系を有していることにかんがみまして、島外からの外来種の持ち込みについて留意するとの記述をすべての種に共通して入れております。
 以降の項目立てにつきましては、既存の保護増殖事業計画に従いまして、今回の9種も共通した構成となってございます。
 まず、一つ目が、生息状況等の把握といたしまして、生息状況の把握に努めるとの内容になっております。生息状況や生息環境、また外来種等、種の存続を圧迫する要因の把握に努めることといたしております。
 そして、二つ目でございますけれども、生息環境の維持や改善に関する内容を記述してございます。対象の種に関しまして、直接的または間接的に影響を与える可能性のある外来種の防除などを含めました生息環境の保全に関する内容を記述しております。影響を与えている外来種の違いなどによりまして、それぞれ異なった内容が記述されております。
 三つ目が、飼育及び人工繁殖等の実施に関する記述となっております。これはオガサワラハンミョウ、オガサワラシジミ、そして植物4種の計画のみに含まれております。
 この4以降ですけれども、生息地における密猟等の防止。また、5が普及啓発の促進。そして、6が効果的な事業の推進のための連携の確保となっておりまして、これら4から6に関しましては、すべての種の保存に関して重要な内容でございますので、9種に共通した記述となっております。これが計画の概要となります。
 それでは、これからは各種の説明とそれぞれの計画のポイントについて、説明をしてまいりたいと思います。前の方をごらんください。
 まず、1種目でございますけれども、オガサワラハンミョウでございます。オガサワラハンミョウは、小笠原の兄島にだけ生息しております甲虫でございます。かつては、ここに書いておりますとおり、父島にも生息しておりましたけれども、グリーンアノールやオオヒキガエルなどの影響を受けて絶滅をしております。また、この兄島においても、この種が裸地環境に生息しますことから、モクマオウなどの外来樹種の繁茂等による生息適地の減少などの影響を受けまして、個体数が減ってきております。このような状況を受けまして、昨年の8月に国内希少野生動植物種に指定されております。
 そして、オガサワラハンミョウの保護増殖事業計画の主な事業の内容でございますけれども、まず、生息適地となります裸地の減少を防止するために、モクマオウ等の外来樹種の防除の実施をいたします。これが、写真がモクマオウの伐採の様子でございます。そして、既に、個人の方ですけれども、飼育や人工繁殖等の実績がありますことから、これは必要に応じて飼育及び人工繁殖等も実施してまいります。そして、何といいましても、父島でのこの種の絶滅に関して、大きく関与をしたオオヒキガエルやグリーンアノールが、幸いなことに、兄島にはまだ侵入しておりませんので、兄島への侵入を防ぐという観点から、渡島者やガイド船等の事業者に対して、普及啓発を実施してまいります。
 続きまして、オガサワラシジミでございます。右に写真がございますとおり、チョウの一種でございます。現在の分布状況でございますけれども、母島のごく限られた地域に、ごく少数生息するのみとなっております。過去、ほんの30年ぐらい前までは、小笠原諸島の多くの島で普通に見られた種であるというふうに聞いております。
 この種の生息を脅かす主な要因といたしましては、この写真にありますグリーンアノールによる捕食というのが挙げられております。また、この種が生息していくために、食樹、かなり限られた種を食樹をすることが知られておりまして、こういった食樹がアカギ等外来樹種の侵入によって、植生の変化をすることで減っていくといった、こういったことも要因として挙げられております。
 そして、この保護増殖事業計画の主な内容でございますけれども、先ほど申し上げましたとおり、本種の生育には、コブガシ類とかですとか、あとオオバシマムラサキ等の食樹が欠かせないということが知られておりますので、これらの種の生育状況をしっかり把握していくということが、まず一つ目に挙げられております。
 また、二つ目でございますけれども、このような食樹を被圧するアカギ等外来樹種の防除を実施していくということを挙げております。
 ここに写真を挙げておりますけれども、これはアカギなんですけれども、根本に薬剤を注入して、枯殺をしているような様子でございます。そして、捕食者となりますグリーンアノールの防除を実施。これはオガサワラシジミ、母島にしかおりませんで、このグリーンアノールというのが、かなりもう広範にわたって侵入しておりますので、こういったオガサワラシジミが生息する重要な生育地を囲ったりすることで、グリーンアノールのフリーエリアをつくることを考えております。また、既に東京都の多摩動物園で、飼育の実績がございまして、飼育及び人工繁殖等も必要に応じて進めていきたいというふうに考えております。
 続きまして、3種目でございますけれども、次のオガサワラトンボとオガサワラアオイトトンボは、生態とか生息環境が非常に似通っておりますため、計画の内容がほぼ共通した部分が多くございますので、まとめて説明をしてまいります。
 まず、オガサワラトンボの現在の分布状況でございますけれども、兄島と弟島のみとなっております。このオガサワラトンボの生息を脅かす要因といたしましても、グリーンアノールによる捕食。そして、この種は繁殖の場所として池沼を使いますが干ばつなどの影響によりまして、この池沼が減少しているということが、生息を脅かす要因として挙げられております。また、愛好家の方に非常に人気の高い種でもございまして、こういった捕獲というものも影響を与えている可能性が指摘されております。
 続きまして、オガサワラアオイトトンボでございますけれども、こちらは弟島のみとなっております。生息を脅かす要因としては、先ほどのオガサワラトンボとほぼ同一でございます。
 この2種の保護増殖事業計画の主な事業の内容でございますけれども、まず、外来種等による影響の軽減といたしまして、ノブタ、ウシガエルの防除が挙げられております。これは弟島にしか分布しておりませんので、これらの種の防除を進めてまいりたいというふうに考えております。また、間接的に影響を与える可能性のあるアカギですとかモクマオウとか、そういったものの外来樹種の防除を行いまして、本来の植生を回復させていきたいというふうに考えております。
 また、この2種に関して、非常に特徴的な内容になっておりますけれども、ここのトンボ池というふうに書いてある写真がございますけれども、人工的な池を設置することによりまして、先ほどの干ばつなどの影響を軽減させるということで、繁殖環境の確保に努めてまいりたいというふうに考えております。
 この写真にあるとおり、とんぼ「池」というほどでもなくて、衣装ケースのようなものに水をためたものなんですけれども、こういったものを試験的に設置することで、これらの種が繁殖をしたり、発生をしたりというような、よい状況が確認をされております。
 また、先ほどハンミョウのときにも申し上げましたけれども、弟島及び兄島へのオオヒキガエルやグリーンアノールの侵入に関しては、必ず防止しなければなりませんので、普及啓発等を重点的に実施してまいりたいと考えております。
 そして、昆虫の最後になりますけれども、ハナダカトンボでございます。分布の状況ですけれども、現在は弟島、兄島、母島に生息するのみとなっております。生息を脅かす主な要因としては、外来種のグリーンアノールによる捕食。そして、こちらの種は、先ほどのオガサワラトンボ等とは違いまして、流水環境に生息することが知られております。そして、この流水環境の変化ということが、脅かす要因として挙げられております。そして、こちらの種も人気が高い種でございまして、愛好家による捕獲も影響として一つ挙げられるところでございます。
 ハナダカトンボ保護増殖事業計画の主な内容でございますけれども、まず一つ目が、外来種等による影響の軽減でございます。動物でいいますと、ノブタ、ウシガエルの防除、そしてアカギ、モクマオウと外来樹種の防除を積極的に行っていきたいと思います。
 また、これも先ほどのトンボ等と共通した内容でございますけれども、侵入の防止のために、普及啓発等を重点的に行ってまいりたいと思います。
 続きまして、植物の方の保護増殖事業計画の概要を説明をさせていただきます。
 この植物4種に関しましては、こちらも共通した内容が多くなっておりますので、こちら4種まとめて説明をさせていただきたいと思います。
 まず、それぞれの種の説明をしてまいります。まず、1種目ですけれども、シダの一種であるヒメタニワタリでございます。分布の状況といたしましては、小笠原諸島の母島、そして隔離分布をしておりまして、大東諸島の北大東島に生育をしております。生育を脅かす主な要因といたしましては、これははっきりしていないところでもあるんですけれども、アフリカマイマイによる食害があるのではないかというようなことが挙げられております。また、母島において、台風などの影響を受けまして、生育地の崩落ということが起きたということがありまして、こういったものも影響を与えているというふうに考えられております。現在の生育個体数でございますけれども、小笠原諸島の母島で50株程度、そして北大東島で50株程度でございます。
 そして、2種目でございますけれども、コヘラナレンです。分布状況ですけれども、兄島、父島の数カ所のみとなっております。こちらの生育を脅かす主な要因といたしましては、何といいましても、ノヤギによる食害が大きく挙げられております。こちら、2点目でございますけれども、先ほどと同じように、台風等による生育地の崩落ということが影響を与えたというふうに言われております。こちらの現在の生育個体数でございますけれども、父島で25株程度、そして兄島では10株程となっております。
 そして、3種目でございます。シマカコソウです。分布状況は、兄島、父島、母島、妹島のごく限られた岩場に生育するのみとなっております。こちらの生育を脅かす主な要因といたしましては、ノヤギによる食害が挙げられております。こちらに食べられた写真を載せておりますけれども、このような影響を受けて、枯れてしまった株が多くあると聞いております。そして、現在の生育個体数でございますけれども、父島、兄島、妹島、それぞれで、もう数株程度を残すのみとなっております。そして、母島には10株程度あると確認をされております。
 そして最後、4種目のウチダシクロキでございます。こちらの分布状況としては、父島の3カ所のみでございます。父島に関しましても、ノヤギが広範にわたって分布をしておりますことから、このノヤギによる食害というのが非常に重篤であって、大きな影響を与えているというふうに言われております。また、干ばつ等による乾燥化の影響も受けているというふうに言われておりまして、1980年の異常小雨の際に、非常に数が減ったということが確認をされております。現在の生育個体数でございますけれども、3カ所あわせても20株程度になってしまっているということが確認をされております。
 そして、この4種の保護増殖事業計画について、まとめて説明をさせていただきます。
 まず、一つ目でございますけれども、まず生育状況等の把握をしっかりしていきたいというふうに考えております。特に台風ですとか、生育地の崩落ですとか、あと、ノヤギの食害ですとか、外来植物の侵入等、固体群の維持に影響を及ぼす要因について、しっかりと把握に努めてまいりたいというふうに考えております。また、生育地における生育環境の維持改善といたしましては、ヒメタニワタリに関しては、アフリカマイマイの食害の防止を進めてまいりたいというふうに考えております。また、コヘラナレン、シマカコソウ、ウチダシクロキ、3種につきましては、先ほど種の概要について説明した際にも申し上げましたとおり、ノヤギの影響というのが非常に大きいということが知られておりますので、ノヤギの侵入防止柵の設置をするなど、こういった食害の防止に努めてまいりたいというふうに考えております。
 そして、3点目でございますけれども、既に東京大学の小石川植物園の方で人工繁殖の例がある種ばかりでございますので、それぞれの種の状況に応じて、また生育地の状況に応じて、以下を実施してまいりたいと思います。
 まず一つ目が、人工授粉、そして播種です。ヒメタニワタリに関しては胞子のサンプルがありますけれども、補完的に実施してまいりたいというふうに考えております。また、生息域外における人工繁殖の実施。そして、必要に応じて、野生復帰についても進めてまいりたいというふうに考えております。
 以上が9種の保護増殖事業計画の概要について説明を申し上げました。そして、保護増殖事業計画を策定して以降の保護増殖事業の進め方について、簡単にご説明をさせていただきます。
 まず、昆虫の5種につきましては、外来種の防除でありますとか、既に小笠原において進められている事業が数多くございますし、あと、関係する実施団体、関係省庁ですとか、東京都等の地方自治体等が既にございますので、こういった主体とも十分に役割分担に努めて、あと、有識者の助言を得ながら、効果的な事業実施を進めてまいりたいというふうに考えております。
 そして、植物の4種に関しましては、平成16年度に、ムニンノボタンですとか、ホシツルランなど、8種の植物の保護増殖事業計画を策定いたしまして、既に保護増殖事業を進めているところでございますので、この8種に加える形で、4種の保護増殖事業についても、十分に有識者からの助言を得ながら進めてまいりたいというふうに考えております。
 私からは以上でございます。

【山岸部会長】 ありがとうございました。それでは、ただいまのご説明につきまして、ご意見、ご質問がございましたらご発言願います。山極委員。

【山極委員】 二つほど質問をさせていただきたいのですが、最初に、今、絶滅しているけれども、以前、生息している地域も考慮に入れるということをおっしゃいましたけれども、現在の脅威というのは、ほとんど外来種からの捕食圧、あるいは食樹の減少ということだと思います。そういうものを除去した後で、実際に以前生息していた地域にも帰す計画がおありなのかどうかということと、それから最後に、実施計画についてご説明いただきましたけれども、具体的には、例えば地元のNGOの方々、先ほどのご説明の中で、アマチュアの方の飼育実績というものをご紹介いただきましたけれども、どういった形で巻き込んでいくのか。非常に地元の方々の協力が必要だと思うんですけれども、そのあたりをどう考えておられるのか、ちょっとご意見を伺いたいと思います。

【星野野生生物課長】 ご質問、2点についてご説明いたします。
 1点目、捕食圧等が下がった後、もとの分布地にも帰すのかどうかということでございますけれども、先ほど、この保護増殖事業計画を実施した後の専門家の検討体制もご紹介いたしましたけれども、今、小笠原で科学委員会という組織がございまして、さまざまな科学的な検討を行っております。植物につきましては、既に保護増殖事業計画がある種がありまして、それに基づく検討会もございます。そういった専門家の検討の場でご議論いただく中で、とりあえずは現在の生息地の保全を最重点に行いながら、その後の段階、もしくは、それと並行した形で、どういう取り組みが必要なのかということもあわせて検討していきたいと思っております。現時点で必ずどこどこに戻すということまでの計画はございませんけれども、今回の保護増殖事業といいますのは、その種を安定して存続させるための必要な計画を網羅的にかき出すという計画でございます。その方向性に基づいて、さまざまな検討を今後行っていくということでございますので、今後の検討の中で、そういう可能性も検討するということになると思っております。
 2点目、地元のNGO、アマチュアの方々とのかかわりでございますけれども、小笠原につきましては、この野生生物保護だけではなくて、自然再生という観点、または国立公園の管理という観点もございまして、環境省の職員も現地に駐在しております。東京都の職員、森林を管理する職員等と一緒になって、地元の方々といろんな協議の場がございますので、そういった場を通じて、この保護増殖事業計画に沿った形で、どのようなご協力をいただけるか検討していきたいと思っています。

【土屋委員】 ちょっと似たような質問になって恐縮ですけれども、生息地における生育環境の維持等についてもお話しいただきましたので、質問させてください。
 やはり、理想的には、生息地・生育地が健康的な状態で維持されて、そこにこれらの生き物が生息しているという状況が取り戻されることが願われるわけですけれども、その中で、具体的な方策として、それぞれの種にどういう計画がおありなのかが、少し不鮮明だったような気もします。ヤギなどで言えば、私たちはイメージを持ちやすいわけです。ある区域を囲ってしまえば、その中でこういう生き物が健康的に暮らすことができるでしょう。ただ、アフリカマイマイの食害を防止するという記述とか、あるいはグリーンアノールやオオヒキガエルを何とかして除去したいというようなことは、ちょっと具体的な方策が我々の想像しにくいところですので、何か案がありましたら、お教えいただきたいと思います。

【中島係長】 それぞれの外来種の防除につきましては、既に世界遺産関係の委員会ですとか、自然再生の事業の方で進めているところでございますけれども、まず、グリーンアノールに関しましては、ゴキブリホイホイのような粘着式のものを木に設置して、個体の捕獲に努めている区域がございましたり、また、そういったことでは間に合わないような地域に関しましては、こういった柵で囲って、グリーンアノールのフリーエリアをつくったりということをしております。
 アフリカマイマイにつきましては、一部農業被害があるところなんかに関しましては、そういったものの防除ということが行われているようなんですけれども、今回、影響を与えている可能性のあるヒメタニワタリ、非常に分布が限られているということがございまして、またはっきりした話ではないんですけれども、アフリカマイマイの影響があるかもしれないということでございまして、しっかり生育状況を確認していく中で、柵で囲ったりですとか、あと、何か個体にくっついているような場合は、除去したりというようなことをしてまいりたいなというふうに考えております。
 そして、オオヒキガエルに関しましては、父島と母島に生息をしているところでございまして、これは囲い込みをして、個体を捕獲をするということをしております。
 以上でよろしいでしょうか。

【山岸部会長】 よろしゅうございますでしょうか。
 それでは、石井実委員、続きまして。

【石井(実)委員】 昆虫が今回5種も入っているということで、大変喜んでいます。小笠原の昆虫は、徹底的にグリーンアノールに痛めつけられておりまして、ほとんどこれが入った父島と母島は、固有種が壊滅状態というふうになっているんですね。残っている小さな島でいろいろやっていただくということなんですけれども、質問は三つあります。
 一つは、今、土屋委員からも言われたことなんですけれど、グリーンアノール、これはかつては数百万匹いるというふうに言われていましたけれども、これ、本当に根絶できるのかという見通しですね。これがいなくならないと、幾ら何かやってもむだではないかという気がしているんですけれど、昆虫については、もうほとんどこいつに食べられているというふうな感じがします。これが1点目です。
 それから2点目が、トンボの中で、人工池をつくったらどうにかなる種というのは、展望が何となく開けているような気がするんですけれど、ご説明にあったハナダカトンボでしたか、これは渓流性のものなんですね。これに関しては、そういうやり方が通用しないので、やっぱり自然環境を守らなければいけないと。そこで心配しているのは、小笠原の昆虫の危機要因の中で、干ばつというのをかなり聞いているんですけれども、これは一体どういう要因によるのか、解析ができているかということと、それがどうにかならないと、どうしても流水環境というのは維持できないんですね。川がもうなくなっているというふうに言われていますけれど、渓流のようなものというのが。その辺について、ちょっとコメントをいただければと思います。
 最後は、オガサワラシジミなんですけれども、具体的で本当に申しわけないんですけれど、オガサワラシジミはルリシジミの仲間ですから、花とか実とかを食べるんですね。一応、寄主植物としては、ご紹介があったみたいに、オオバシマムラサキとかコブガシなんかを食べていますけれども、私の感覚では、ルリシジミの仲間というのは、ほかの植物の花とか実でもいけるのではないかというふうに思っているんですけれど、それを開発すれば、かなり保護増殖も弾みがつくというふうに考えているんですが、この辺、もうちょっとコメントをいただければと思います。

【星野野生生物課長】 グリーンアノールにつきましては、もうかなり侵入していて、600万匹を超えるのではないかという話もございます。それらについては、侵入していない島への侵入の防止に最大限の努力を払うということで、港での注意喚起、それからシーカヤック等、利用者に対する普及啓発等を行っているということでございます。また、既にかなりの数入った父島、母島では、先ほど申し上げましたようなトラップを用いた捕獲を精力的にやっておりますし、それらの島の特に重要な地域については、侵入の防止柵を設置して、アノールのいない生息環境を確保するというような取り組みをしております。
 委員ご指摘の根絶の見通しということでございますけれども、現時点では、とりあえず新たなところへ侵入を防止、それから重要なところを守るということを最大限にやりながら、できる範囲の努力をしていこうと思っておりまして、根絶の可能性等については、また専門家の場でご議論いただきたいと思っております。
 それから、ハナダカトンボの件でございます。委員ご指摘のような点も踏まえて、小笠原関係各省、地元の自治体も含めた検討の場がございますので、そういう場でこのハナダカトンボの産卵環境の保全のあり方、引き続き検討させていただきたいと思います。
 オガサワラシジミについてのご提案をいただいた点についても、今後、具体的な保護の方策を検討する中で、その可能性についても、委員を含めた専門家のご意見をいただきながら検討していきたいと思っております。

【鷲谷委員】 質問というよりはコメントのようなことになってしまうかもしれないんですけれども、この法律による保護増殖回復計画であるがゆえに、当然なのかもしれませんが、やはり個体群とか生息地という言葉は出てきているんですけれども、個体レベルに視点を置いて、とりあえず危機を回避する、絶滅することをそんなに長期的な視点ではなく回避する計画になっているのではないかと思うんですね。特に、自然環境の変動に由来する要因をかなり重視しているというのは、まさにそういうことでして、もし個体群の維持、生息環境ということだとすると、また個体群の視点が重要ですので、小笠原のように台風がしょっちゅう影響を与えるところ、それから亜熱帯で乾燥することも多い場所では、干ばつとか台風などによって、局所個体群が絶滅するというのは、自然の個体群のダイナミズムなんですね。ですけれども、余りに少なくなって、局所個体群の数が少なく、個体数も少なくなっているので、1回のそういう災害のイベントが非常に大きな意味を持ってしまうようになっている現状があるわけです。もちろん、生息環境と個体群のダイナミズムも含めて維持を図るということになると、また違う計画になると思うんですが、それは余りに土地利用のことから、あと、水環境、人の水利用にかかわって変化していることとか、そういうことを視野に入れなければならなくなるので、この法律ではこういうことをやっていきながら、足りない知見も補っていくという段階なのではないかと思います。本来だったら、局所個体群は絶滅するのが当然、ときにですね。だけれども、その絶滅が全体の絶滅につながるということは、かつてはなかったんだけれど、そういう現状に、外来種の影響もありますし、非常に少数の集団しかなくなってしまっているということで、こういう応急的な保護増殖対策というのも重要になっているのではないかと思います。

【山岸部会長】 それでは引き続き、石坂委員、どうぞ。

【石坂委員】 動物についての飼育とか人工増殖とか、植物についての人工繁殖とか、生育環境の維持改善とか、そういうことに努めるというお話があって、それを具体的にどう進めていくかと、今、若干補足説明があったので、ある程度見えるんですけれども、必ずしも、余りご説明に具体性がないので、もう少し、そういう政策の一覧性というのでしょうか、どういうシステムでやっていくのかということについてのご説明をしていただきたいなというのが一つです。
 それからもう一つ、いずれにしても、こういうことをやっていくためには、お金がかかるんですね。そうしますと、これは環境省ももちろんでしょうけれども、国土省もそうでしょうし、農林水産省もそうでしょうし、それから東京都もそうだと思いますけれども、そういうところの予算措置がどうなっているのかということのご説明をいただきたいと思います。

【星野野生生物課長】 1点目の点でございます。植物につきましては、小笠原で既に希少種保護増殖事業も進めているところでございますので、専門家の検討の場がございます。その専門家の検討の場で、具体的に今回追加をする種についての保護増殖事業の具体的な進め方についても、ご相談をしていくつもりでございます。ただし、既に先ほどもご説明いたしましたように、東京大学の小石川植物園で、今回指定する植物の種の人工的な栽培に取り組んでいただいておりまして、その実績を踏まえながら、先行して進んでいる種の方法を参考にしながら、今回新しく計画をつくる種についても栽培をして、それを現地で、どのような形で帰すのか。また、現地の植物の保護のための取り組みを、これまで自然再生事業の一環として行っておりますけれども、それをどのような形で拡充していくのか。その専門家の会合の場で種々ご議論をいただきながら、関係省庁と、また地元自治体と役割分担をしながら進めていきたいと思っております。
 昆虫につきましても、環境省の分科会ということではございませんけれども、小笠原地域で専門家による科学的な検討の場がございます。そういう検討の場で、既にさまざまなご議論をいただいておりますので、それらの議論を含めながら、今回の計画策定を受けて、今やっている取り組みの充実の具体的な方策を検討していきたいと思っております。
 予算の点でございますけれども、昨年新たに種を指定をして、さらに今回ご答申いただければ、官報告示をして、この保護増殖事業計画を確定したいと思っております。やはり確定をいたしますと、それに基づいて、環境省だけではなくて関係省庁、さらには、それぞれの種の保全にかかわっている地元の自治体も含めて、予算をできるだけ確保する努力をするということになります。私どもとしても、来年度の予算で、新たに計画策定する種の保護増殖事業の充実をするための取り組みを進めていきたいと思っておりますし、小笠原につきましては、自然再生のための事業が既に以前から入っております。その自然再生事業の経費をこの希少種の保全に、より効率的に利用していくという観点からの検討もしながら、総合的に予算の確保に努めて、種の保存を行っていきたいと思っております。

【山岸部会長】 次の議題もありますので、特別のご意見がなければ、進めたいと思いますが、よろしゅうございますでしょうか。
 それでは、今の議題につきましてお諮りいたします。
 オガサワラハンミョウほか8種にかかわる保護増殖事業計画の策定につきましては、今いろいろご意見もいただきましたが、それを考慮の上、事務局案で適当と認めてよろしいかどうでしょうか。お諮りいたします。
(異議なし)

【山岸部会長】 ありがとうございます。それではご異議もないようですので、本件は適当と認めることとし、この事務局案を当審議会の答申案としまして、中央環境審議会会長に報告することといたします。ありがとうございました。
 それでは、2番目の議題、「遺伝子組換え生物小委員会におけるカルタヘナ法の施行状況の検討について」について、事務局からご説明をお願いいたします。

【水谷外来生物対策室長】 それでは、外来生物対策室長、水谷でございます。私の方からご説明いたします。資料の5をごらんいただければと思います。
 資料5ですけれども、カルタヘナ法の施行状況の検討についてというタイトルでございます。
 カルタヘナ法という法律ですけれども、遺伝子組換え生物を使うことによって、他の野生生物に対する悪影響が生じないかといったことを管理するための法律ということで、平成16年に施行されております。今回、法の施行から5年が経過するということで、そこの背景のところに書いてございますけれども、「5年を経過した場合において、法律の施行状況について検討して、必要があると認めるときは、その結果について所要の措置を講ずる」という規定が法律の附則にございまして、この規定に基づいて所要の検討をしていただきたいということで、野生生物部会の下にあります遺伝子組換え生物小委員会の中でご検討いただければというふうに考えているところでございます。
 2番目の検討のイメージでございますけれども、平成21年の2月から、遺伝子組換え生物小委員会の中でご検討いただき、施行状況について、小委員会の検討の結果を取りまとめていただければというふうに考えているところでございます。
 次のページをごらんいただきますと、遺伝子組換え生物小委員会についてですけれども、この法律をつくるときに、この小委員会、野生生物部会のもとに設置しておりまして、平成14年1月に設置されております。この小委員会の中で、5年後の施行状況の検討をしていただければというふうに考えているところでございます。
 カルタヘナ法という法律、この審議会の中で余り議論されることがないので、この機会に、若干パワーポイントでご説明させていただければと思います。前のスライドをごらんいただければと思います。
 カルタヘナ法という法律ですけれども、カルタヘナとは何ぞやということなんですけれども、南米の地図が背景にございます。コロンビアのカルタヘナというところで、このカルタヘナ議定書という生物多様性条約のもとにある議定書が採択するための会議が開かれたということで、この地名をとってカルタヘナ議定書というのができ、その議定書の国内の実施のための法律ということで、2003年にできた法律をカルタヘナ法というふうに言っておりますが、正式名称は、「遺伝子組換え生物等の使用等の規制による生物の多様性の確保に関する法律」という名称になっております。
 生物多様性条約のもとのカルタヘナ議定書と、カルタヘナ法の目的について、黄色のところに目的が書いてございますけれども、現代のバイオテクノロジーによってもたらされた遺伝子組換え生物、これに関して、これを利用することによって、生物多様性への保全に悪影響を及ぼさないようにすることを目的として、必要な措置を図るというのが議定書の目的、それを受けてつくられたカルタヘナ法の目的になっております。
 現在の遺伝子組換え技術の利用について、若干ご説明いたしたいと思います。各種試験研究分野、ここではかなり昔からいろんな研究が行われています。左下の方の工業分野ですけれども、酵素の生産ですとか、実験用の試薬の生産、こういったものを遺伝子組換えの微生物によって行うといったような使用が、かなり以前から多く行われています。
 右上、医療分野ですけれども、インスリンとかインターフェロンとか医薬品について、これも遺伝子組換え微生物に生産させるといったような使い方。工業分野、医療分野、こういった分野、ほとんどが工場のタンクの中で、遺伝子組換えの微生物を使って物を生産するといったような使い方が、かなり以前からされておりました。医療分野では、遺伝子治療といった分野でも、遺伝子を導入するために遺伝子組換えウイルスを使うといったような使い方がされております。
 右下、農業分野、工場などでの使用よりも、最近行われるようになったものですけれども、環境中で使う分野でございます。除草剤とか害虫に強いトウモロコシとか、ダイズ、ナタネ、ワタであるとか、こういったものが実用化されておりまして、青いバラ、紫色のカーネーションであるとか、自然では発色しないような色を発色させるような花といったような、こういったものも実用化されております。
 農作物について、現在で組換えのものがどのぐらい使われているのかという資料でございます。この10年間で、組換え作物の栽培面積というのが非常に増加しているという状況で、2007年現在で遺伝子組換え農作物が栽培されている国というのが、緑色で塗ってあります。現在、23カ国で農作物が栽培され、日本では栽培されていないという状況です。
 日本に入ってくる農作物がどうなっているのかということを若干見ていただきますと、ダイズ、トウモロコシ、ナタネについての日本への輸入量、2007年の輸入量ですけれども、ダイズの輸入量のうち一番の輸入相手先の米国で、右下に見ていただきますように、どのような栽培が行われているのかというと、9割、アメリカのダイズの9割が遺伝子組換えに今なっていると。トウモロコシ、ナタネに関しましても、最大の輸入相手国であるアメリカ、カナダに関しましては、7割、8割が遺伝子組換えのものになっているということで、現状ではかなりのものが遺伝子組換えのものになっているという状況でございます。
 この遺伝子組換え技術の規制の経緯というのをごらんいただきますと、一番右の上の方から、1973年にこの技術、初めて成功しまして、その後、科学者による自主規制をしていくべきではないかというような議論から、自主規制の時代というのがずっとございました。1970年代から、実験で、左の上の方にNIHの実験のガイドラインを踏まえて、国内でも実験の指針ができ、それから真ん中の方ですけれども、工業利用、産業利用に関するガイドラインがOECDでつくられて、それを踏まえて、当時の通産省、厚生省で工業化指針、それから医薬品の製造指針、そういったものがつくられてきました。
 その後、環境中で使うような、農地などで使うようなものにつきましては、1980年代の後半、終わりぐらいに、農水省の方で農水分野における組換え体の利用の指針、こういったものがつくられていって、こういったガイドラインに沿った形で、国内で利用が進められてきたというところでございます。
 その後、1992年に生物多様性条約が採択されますけれども、この条文の中で、8条の(g)、8条の(h)というところがありますけれども、遺伝子組換え生物の利用による生物多様性の影響を管理、制御する必要があるということが、8条の(g)でうたわれ、これを契機に、カルタヘナ議定書というのが検討されていくことになります。
 ちなみに、8条の(h)というのは、同じところで並んでいますけれども、生態系、種を脅かす外来種の導入防止、制御、撲滅の必要があるといったような条文がありまして、遺伝子組換え生物、それから外来種というものが、その地域に生態系にいなかったものを導入することによって、その地域の生態系に悪影響を及ぼさないようにしようという、同じような観点で規制が必要だということが条約の中でうたわれています。
 2000年にカルタヘナ議定書が採択されます。国内では、この2000年のカルタヘナ議定書を受けて、カルタヘナ法を制定しまして、それまで各省のガイドラインで管理をしていた遺伝子組換え生物、遺伝子組換え技術に関しまして、新しい法律で規制をするという体制になってきたというのが、これまでの経緯でございます。
 遺伝子組換え生物が生物多様性に及ぼす影響というものについて、簡単に農作物、植物に関して、どんな観点で影響が及ぶのかということをご説明したいと思います。
 1点目ですけれども、組換えの植物が在来種の集団の中に入ってきて、在来種を圧迫していくという在来生態系への侵入の影響。それから二つめですけれども、組換えの生物が近縁種と混ざってしまう、交雑してしまうと。交雑種に置きかわってしまうというような在来種との交雑による影響。それから3点目、遺伝子組換えの植物から出されます有害物質によって、在来種が影響を受ける。それから、在来の昆虫が影響を受けるといったような有害物質の産生による影響。こういった3点が主な影響と考えられておりまして、こういった影響が生じないように使っていこうというのが、カルタヘナ法の考え方でございます。
 カルタヘナ法での規制の概要について、ざっとご説明いたします。カルタヘナ法の規制自体は、右側、六つの省の名前が書いてありますけれども、財務、文科、厚労、経産、農水、環境、この6省で共管の法律になっております。この法律では、遺伝子組換え生物の使い方に応じてそれぞれ措置を決めております。上の段が第1種使用、下の段が第2種使用と書いてありますけれども、第1種使用というのは、環境中、例えば農地、オープンなところで使う使用。第2種使用というのは、実験室、工場の中での使用。そういった二つのタイプに分けて措置を決めています。まず、第1種使用、上の方ですけれども、環境中、例えば農地などで使いたいという場合には、使いたい人が、環境中で使うことによって、生物多様性に影響が生じるかどうかということを評価して、影響がないと認められたものが使用できるというような形になっています。使いたい申請者が生物多様性への影響を評価して、評価書をつくると。それを専門の学識経験者によって、評価が妥当かどうかという検討をして、妥当であれば、主務大臣がそれを使ってよいという承認をすると。こういうプロセスを経て、実際に使われているということでございます。第2種使用に関しましては、そういったプロセスではなくて、また後ほどご説明します。
 第1種使用、実際にどんな分野で使われていて、どんな審査がなされているのかというのを、ちょっと見にくい図ですけれども、ご説明いたします。
 研究開発の分野、農林水産の分野、医薬品等の分野、主に三つの分野が、今、国内で実施されておりますけれども、例えば研究開発の分野では、申請者が生物多様性影響評価書といったものを添付した申請書を文部科学省、環境省に出すと。それに対して、学識経験者の意見を聴取して、影響がないと認められれば、必要に応じてパブリックコメントを実施して承認していくと、こんなスタイルになっています。研究開発、農林水産、医薬品、それぞれの分野で、申請書を受ける役所が違いますし、学識経験者の意見聴取というステージで、どんな検討会なり審議会に意見を聞くのかといったタイプが違ってございます。農林水産分野ですと、農作物、林木であれば、生物多様性影響評価検討会というのが設けられていまして、この下にある分科会、例えば農作物の分科会で検討して、総合検討会で評価をして、その評価書が妥当であるかどうかを判断していると。それぞれ審議会、それから検討会といった場で意見を聞いて、評価の妥当性を判断して、影響がないと認められれば承認されるというようなシステムになっております。
 一番下に、この5年間で承認されたものの数を書いております。一番左の研究開発、これはオープンフィールドでやる研究ですけれども、6件。農作物、これが一番多くて118件、それから医薬品等、これは遺伝子治療用のウイルス、これが10件ほどこれまで承認されているというのが、この5年間の実績でございます。
 これまで第1種使用でしたけれども、第2種使用、下の方ですけれども、環境中で使わずに、実験室とか工場の中で使用するといった場合ですけれども、法律の上では拡散防止措置のもとでの使用というふうにいっています。使用者が遺伝子組換え生物の性質に応じて定められております、環境中に拡散しないようにするための措置というのをとって、それぞれ使ってくださいという仕組みになっています。この拡散防止措置というのがよくわからないと思いますので、次のスライドで。
 第2種使用の拡散防止措置の例ということで、実験室の場合の例を見ていただきたいと思います。P1レベル、P2レベル、P3レベルというような形で、段階に分かれて施設のタイプ、それから管理の方法というのが決められております。P1、P2、P3と、段階が上がるにしたがって、管理が厳しくなるというようなレベルに分かれているということでございます。例えば哺乳動物に対して感染性の高いウイルスというようなものを使う場合には、P3レベルということで、その室内から外に出ないという措置を厳重にとった上で使ってくださいというような、使う生物の性質に応じて、どのレベルの措置を施設で使ってよいのかといったことがあらかじめ決められております。
 あらかじめ決められている生物もあるんですけれども、決められていない場合には、それぞれ関係する大臣、役所に申請をして、どのレベルで実験をすればいいのかといったようなことを確認するというような仕組みになっています。
 第2種使用の流れですけれども、大きく研究開発の分野で使われる場合と、産業上の利用がされる場合と、二つのパターンがあります。左側が研究開発ですけれども、拡散防止施設、例えばP1、P2、P3といった措置があらかじめ決められている。この生物を使うときはP2でいいですよと、決められている場合には、その決められた措置をとってやってもらうと、上の方の矢印の方に行きます。どのレベルで扱っていいのかわからないというような場合には、下の矢印の方に向かっていきます。使用者はどういった措置を講じて実験をすればいいのかということに関して、主務大臣、研究開発の場合は文部科学大臣、産業上の利用の場合は事業を所管している大臣に対して確認の申請というのを行います。このものであれば、P2でいいよといった確認を受けて、使用者は使っていくというような流れが下の方でございます。この確認をするときにも、各省は学識経験者に意見を聞いて、それぞれの措置が妥当であるかどうかというのを判断するというような仕組みになってございます。ここでも審議会なり検討会といったものの中で意見を聞くというような仕組みになっております。
 現在、この5年間で確認をした件数というのが、一番下にございます。研究開発が830件ぐらい。農林水産分野が100件ぐらい。医薬品も100件ぐらい。工業分野で600件ぐらいといった形で、この5年間だけですけれども、このぐらいの確認がなされて、第2種使用が行われているというようなことが、これまでの法律の運用の実態ということでございます。
 この5年間の施行状況というのは、ざっと今見ていただいたんですけれども、関係6省で運用していますこの法律施行後、5年たって、実際にどんな運用をしているのかといった実績を踏まえまして、これまでの法の運用で改善が必要と考えられる点、それから今後の課題について、この野生生物部会の下にあります遺伝子組換え生物小委員会で検討していただきたいというのが、今回の議題でございます。以上です。

【山岸部会長】 ありがとうございました。ただいまご説明にありましたように、カルタヘナ法が施行されて5年経過しておりまして、この施行状況の検討を行う必要があるとのご報告でした。この部会でやるのも大変ですので、本部会に設置している遺伝子組換え生物小委員会において検討を行うことを今ご提案いただいたんですが、それをご承認いただけるでしょうか。よろしゅうございますか。
(異議なし)

【山岸部会長】 それでは、異議がないようなので、今回ご検討いただく小委員会のメンバーについての案を委員の先生方にご配付願います。
 今、配付しているんですが、目の前に出ているスクリーンに出ているものと同じですよね、当然。同じだと思います。専門委員として参加いただく方々が、ごらんのとおりに非常に多いのですが、メンバー構成や何かについて、事務局でちょっとご説明いただけますか。

【水谷外来生物対策室長】 今、お手元にお配りしておりますが、前のスクリーンでも同じ名簿を出させていただいております。お手元の名簿には書いていないんですけれども、前のスクリーンでは、専門委員の方々の後ろに、括弧して赤書きで文字が書いてあります。今回、遺伝子組換え生物小委員会でご検討いただくという中で、中央環境審議会の委員、臨時委員の先生方に4名ほど加わっていただきたいと思いますけれども、これまでの運用の実績という点で申しますと、各省で審査を行っている審議会、検討会の中で、具体的な案件をご審議いただいている先生方に、審査の中での問題点といったことを指摘していただきたいということもございまして、専門委員として6名の方にご参画いただきたいというふうに考えております。右側のスクリーンで見ますと、右側の赤字で書いてありますが、文科1種、農水1種とか書いてありますのが、1種、2種というのが、先ほどの第1種使用、第2種使用の違いであります。例えば文科1種というのは、文部科学省で持っています1種の検討会に参画されている先生といった形で、ざっと下までありますけれども、それぞれの役所で持っております検討会、審議会の中で、実際にご審議いただいている先生方に、法律の運用上の問題点なりを指摘していただきたいということで、ちょっとイレギュラーではありますけれども、専門委員として6名の方に参画いただきたいというふうに考えているところでございます。

【山岸部会長】 ご説明ありがとうございました。遺伝子組換え生物小委員会のメンバーにつきまして、この案のとおりでご承知いただけますでしょうか。
(異議なし)

【山岸部会長】 よろしゅうございますか。それでは、異議なしと認めまして、小委員会の委員長は、お隣にお座りになっている三菱化学安全科学研究所の加藤順子委員に小委員会の委員長をしていただきたい。何かこれは部会長が指名していいそうですので、していただきたいと思いますが、ご異議はございませんでしょうか。
(異議なし)

【山岸部会長】 ありがとうございます。それでは、加藤委員、よろしくお願いいたします。
 それでは、このメンバー、小委員会で検討していただき、検討結果を報告していただくということにいたしたいと思います。
 次に、報告事項ですが、事務局より幾つか報告事項があるようなので、お願いいたします。どうぞ。

【星野野生生物課長】 それでは、報告事項に移らせていただきます。お手元にお配りしました資料6、7、8に基づきましてご説明をさせていただきます。
 資料6は、野生生物保護施策の概要でございます。私ども野生生物課で行っております業務の全般について、簡単に概要のご説明をさせていただきます。
 希少種の保護という分野の取り組みでございます。先ほども少し触れさせていただきましたが、絶滅のおそれのある野生生物の種のリスト、レッドリストを定期的に作成して、公表してございます。現在のリストは、平成19年8月までに作成を終了いたしまして、全部で10分類群についてリストを公表したところでございます。
 リスト自体は、2枚あけていただいた資料の後ろになります。レッドリスト掲載種数表というものがつけてございます。動物が八つの分類群について、そして植物等が二つ、維管束植物とそれ以外と分けて、合計10の分類群につきまして、絶滅のおそれのある種の評価を行ったということでございます。これを見ていただきますと、絶滅したもの、野生の状態で絶滅しているもの。そして、絶滅のおそれのある種については三つのランクに分けております。それから、絶滅のおそれのある種には至らないけれども、それに次ぐような状況ということで、準絶滅危惧。さらには、情報が十分でないために評価ができないという種、情報不足という種を掲載しております。以上あわせると、掲載種類がこのリスト全体でいきますと、4,777種。このうち絶滅のおそれのある種に判定されたものが、中央の網掛けのところの3,155種ということでございます。
 なお、それ以外にレッドリストの附属という形ではございますけれども、絶滅のおそれのある地域個体群についても、一番右になりますけれども、資料として公表しているということでございます。このレッドリスト、今年度から次の見直しに取りかかっているところでございます。5年に一度改訂をするという方針で準備を進めておりまして、来年度までの間に、選定の手法、対象をどうするかという検討を行いまして、平成22年度に、現地調査も含めた情報収集、既存情報の収集が中心になりますけれども、情報収集を行いまして、平成23年度、24年度にランクの検討。そして、24年度末までに公表を目指して作業を進めるということでございます。
 続きまして、絶滅のおそれのある野生動植物種の保存に関する法律でございます。概要は先ほどご説明いたしましたが、2枚あけていただきますと、法律の概要の表がございます。国内に生息する種につきましては、レッドリストを作成をして、そのうち絶滅のおそれのあるとされたものについて、さらに詳細な調査を行って、種指定をしているということでございます。
 一方、国際的に重要な種もございます。これは絶滅のおそれのある希少な野生動植物の国際取引を規制する条約、ワシントン条約といっております。これによりまして、商業目的の国際取引が禁止されている900種について、さらには二国間の渡り鳥条約で絶滅のおそれのある鳥類の保護を相互の国で行うという規定がございますので、これらに基づきまして、種の保存法の中で、国際希少野生動植物種に指定をいたしまして、輸出入の禁止等を行っているということでございます。
 生息地の保護に関する規制で申し上げますと、生息地等保護区、現在9地区指定しているところでございます。また、保護増殖の実施に関しましては、先ほどご説明したとおり、現在38種でございますけれども、本日、9種についてご答申いただきましたので、あわせて47種について、保護増殖事業計画が策定されるという状況でございます。
 また2ページ目にお戻りいただけますでしょうか。国際的な取り組みでございます。ただいま申し上げました希少な野生動植物の国際取引を規制するワシントン条約以外に、特に水鳥の生息地として国際的に重要な湿地に関する条約、通称、ラムサール条約と言っております。これに基づいて、重要な湿地の保護を取り組んでございます。現在は、必ずしも水鳥の生息環境でなくても、湿地として重要なところを国際的に守ろうということで、国際基準ができておりまして、現在、我が国では37カ所がこのラムサール条約の登録湿地としております。
 さらに、二国間渡り鳥条約を、アメリカ、オーストラリア、中国、ロシアとの間で締結しておりまして、明日からハワイで日米、そして明後日は、同じくハワイで日露の渡り鳥条約の会議を開催する予定でございます。
 そのほか、条約という法的な拘束力のある枠組みではございませんけれども、広範な、ものによっては1万キロ以上もわたる渡り鳥の保全のためには、繁殖地、中継地、そして越冬地、各国の生息地間の協力が非常に重要になってまいります。そういう観点から、各国政府、そして国際機関、NGO、それらが連携したフライウェイ・パートナーシップという取り組みを東アジア地域で行っております。日本とオーストラリアが中心に立ち上げた仕組みでございますけれども、この仕組み基づきまして、シギ・チドリ類ですとか、ツル類、ガンカモ類の保全のための情報交換、また、それらの種類が生息する地域の管理者の研修等の取り組みを行っているところでございます。
 また、普及啓発の関係で申し上げますと、毎年5月、愛鳥週間という期間中に、今年は5月10日でございますけれども、「全国野鳥保護の集い」を開催いたしております。今年は北海道の釧路市で開催する予定で、現在、準備を進めているところでございます。
 次のページをあけていただきます。私どもの野生生物課に鳥獣保護業務室という室がございます。この室では、野生鳥獣の保護管理を行っております。「鳥獣の保護及び狩猟の適正化に関する法律」、通常、鳥獣保護法と呼んでおりますが、この法律に基づきまして、鳥獣の捕獲規制、鳥獣保護区の指定、また、著しく数が増加したり、または減少した鳥獣の保護管理のために特定鳥獣保護管理計画の策定、これは都道府県知事が行うものですけれども、そういった制度をつくって、野生鳥獣の保護管理に努めております。また、狩猟免許制度の適正化もあわせて、この法律の中で行っているというところでございます。
 鳥獣保護区につきましては、現在、国が指定している鳥獣保護区、69カ所、都道府県が指定している鳥獣保護区が3,815カ所、合計で364万ヘクタール、国土の1割程度のところが鳥獣保護区になっております。
 また、近年、特に一部の鳥獣がふえて、農作物被害等が深刻な問題となっております。適正な保護管理を行うため、科学的、計画的な管理を行うため、都道府県知事が特定鳥獣保護管理計画を策定できるという制度が導入されております。この制度に基づきまして、現在、各都道府県によりまして、合計99の個別の種に関する計画ができているところでございます。
 また、狩猟に関しましては、現在、狩猟鳥獣49種、鳥類29種、哺乳類20種、これらについて、冬場を中心とした一定の期間内に、狩猟免許を持った方々による狩猟が行われているということでございます。狩猟免許者数は近年減少しておりまして、約19万人ということでございます。
 また、鳥獣被害が非常に大きな問題になってございまして、これは農水省専管の法律でございますけれども、平成20年2月に、「鳥獣被害防止特別措置法」という法律が制定されました。鳥獣による農作物被害を防止するための取り組みを市町村長が積極的に行うため、それを支援する法律でございます。この法律と鳥獣保護法は、相互に基本方針や計画等について連携を図りながら、また整合性をとりながら進めているというところでございます。
 また、鳥インフルエンザに関しての取り組みもしてございます。鳥インフルエンザに関しましては、平成16年、養鶏場で発生いたしまして、また19年にも発生いたしました。また、平成20年4月から5月にかけては、秋田、青森、そして北海道で、オオハクチョウから高病原性鳥インフルエンザウイルスが検出されるという事態がございました。
 平成16年の発生以降、当初は西日本を中心に、水鳥のふんの調査等によるサーベイランスを行っておりました。また、ウイルス伝幡にかかわる可能性が高いと言われる渡り鳥につきましては、衛星発信器の装着による飛来経路の解明等も行ってきたところでございます。オオハクチョウで発生したことを受けまして、さらに野鳥の監視体制の強化をいたしまして、全国でふん便調査を行う以外に、今年度からは死亡鳥類の調査も新たに項目として追加してございます。近隣諸国との情報交換、連携強化にも取り組んでいるところでございます。また、昨年、都道府県に対する対応のマニュアルを整備して、野鳥における鳥インフルエンザウイルスの保有状況の調査等、迅速な対応を図っているところでございます。
 次をあけていただきますと、外来種対策でございます。外来生物対策室の関係でございます。
 外来生物に関しましては、「特定外来生物による生態系等に係る被害の防止に関する法律」、通常、外来生物法と呼んでおります。この法律に基づきまして、生態系や人の生命・身体、そして農林水産業に被害を及ぼす外来生物を規制しております。この法律は、平成17年6月に施行された法律でございます。
 この法律に基づきまして、現在96種類が特定外来生物に指定され、輸入ですとか、譲り渡し、野外に放つこと、そういったことが禁止されております。
 また、特定の条件を満たした場合には、特定外来生物でも飼育等ができることになっておりまして、この許可が現在までに1万8,000件なされております。このうち、セイヨウオオマルハナバチ、農作物の受粉のために使われますけれども、これが1万4,000件ということでございます。
 また、既に国内に入ってしまった特定外来生物につきまして、被害が生じていたり、また、そのおそれのある場合には、国や地方公共団体、それ以外の者が防除のための事業を実施するということになってございます。
 環境省では、特に重要度の高い地域として、奄美大島、沖縄本島北部地域におけるジャワマングースの防除事業を実施しております。また、アライグマ、オオクチバス、カミツキガメ等、これらにつきましては、防除のモデル事業を実施いたしまして、その成果を地方公共団体等が有効に活用できるような形で取りまとめをしているというところでございます。
 また、外来生物、ペットとして飼っていても、それを野外に放つということが非常に大きな問題を生ずるということがございます。そのために、この外来生物法の概要を取りまとめたり、子供向けのわかりやすい解説書をホームページで掲載しておりますし、チラシやパンフレットを作成して、配布をしているところでございます。外来種の適切な取り扱いについて、国民の理解と協力を得るということが非常に重要でございますので、普及啓発に努めているということでございます。
 次は、遺伝子組換え生物対策でございますが、先ほど外来生物対策室長からご説明したとおりでございます。
 次に、資料7をおあけいただけますでしょうか。これは先月公表いたしましたものでございます。絶滅のおそれのある動植物種の生息域外保全に関する基本方針、これを策定いたしまして、公表いたしました。
 生息域外保全につきましては、希少な生物、絶滅のおそれのある生物の保全は、本来の生息地で行う。これは生息域内保全と言っております。これが基本でございまして、そのためのさまざまな取り組みを進めているところでございますけれども、それを補完するような意味合いで、生息域外保全も非常に重要な取り組みという位置づけがございます。これまで環境省では、鳥類、トキですとか、シマフクロウ等々に関して、生息域外保全の取り組みも行ってきているわけでございますけれども、日本動物園・水族館協会、さらには日本植物園協会でも、絶滅のおそれのある種の生息域外保全にそれぞれの立場で取り組んでいただいております。また、都道府県ですとか、NGO等においても、さまざまな生息域外保全の取り組みがこれまで行われてきたというところでございます。
 この生息域外保全に関しまして、統一的な考え方がこれまで示されてこなかったということがございます。それぞれの考え方で進められてきたわけでございますけれども、必ずしもよい方向でない結果が生ずる例もございました。そういったこともございまして、日本動物園・水族館協会、そして日本植物園協会の協力を得まして、昨年度、生息域外保全に関する基本的な考え方を取りまとめました。この考え方に基づいて、もちろん環境省は生息域外保全の取り組みを進めるわけでございますけれども、日動水、そして日本植物園協会も、この方針に沿って取り組みを進めていただくということでございます。
 また、その他の生息域外保全を進めているさまざまな主体につきましても、この方針に沿って事業を実施していただくように、関係した方面に現在呼びかけているところでございます。
 内容、詳しい点は省略いたしますけれども、そういう趣旨で作成したものでございます。
 最後の資料でございます。資料8をおあけください。これはトキに関する取り組みでございます。トキに関しましては、1981年、昭和56年に、佐渡に残された5羽のトキすべてを捕獲して、人工的に飼育・繁殖をするという決断をいたしたところでございます。
 その後、日本産のトキ、95年には1羽まで減少してしまいました。一方、その全5羽を捕獲したその年、中国で絶滅したと思われていたトキが、中国の山奥で見つかったということもございます。日中の協力の成果で、中国のトキは順調にその後個体数を増やしてきたということでございます。
 99年には、中国から友(ヨウ)友(ヨウ)・洋洋(ヤンヤン)、つがいのトキが日本に贈呈されまして、これを出発点として、トキの飼育、そして繁殖が順調に進んだということでございます。昨年9月には、飼育しているトキのうち、10羽を佐渡におきまして放鳥をしたということでございます。
 次のページをあけていただきますと、野生復帰の取り組みの経緯でございます。2002年から地元の方々も含めたさまざまな検討を行いまして、佐渡でトキを野生復帰されるためにはどうしたらいいのか。さらには、トキをきっかけとした佐渡の地域づくりをどう進めていったらいいのかという議論を地元の方々と進めて、方向性を地元の議論の中から出してまいりました。2004年には、トキの保護増殖事業計画を改訂いたしまして、トキの野生復帰を保護増殖事業計画の中に新たに位置づけたところございます。また、2007年には、野生復帰させるための訓練の施設が完成いたしまして、そこで訓練を行って、昨年9月に10羽を放鳥したということでございます。
 トキを野生に放つということは、野生に放されたトキが自然の状態でえさを食べられるということが大事でございます。そのために、佐渡に住んでいる方々、農民、地域住民、NGO、大学、佐渡市、新潟県、関係省庁、それぞれの主体が協力をして、トキのえさ場となるようなビオトープの整備、そして水田に江という水路を脇につくりまして、中干しをして、水を水田から落としても水生生物が生きていけるというような水田の環境づくりをしたり、これはトキだけではなくて、佐渡の生物多様性を高めるという取り組みを積極的に進めていただいておりまして、そういう取り組みの中で、昨年9月に10羽のトキを放鳥したということでございます。2015年ごろに、小佐渡の東部地域で、60羽のトキが自然の状態で定着できるということを目的に取り組みを進めているということでございます。
 最後のページでございますけれども、これは10羽放鳥したトキのその後の確認地点でございます。10羽のうち1羽は死亡してしまいました。もう1羽は、放鳥直後から位置の確認ができていないものでございます。残る8羽についての情報でございます。このうち3羽が同じ場所で、この大きなカラーの地図で見ますと、緑色の丸を打ったところ、緑色は個体番号13番の雄の個体でございますけれども、これと7番、9番が同じところで一緒に過ごしているということでございます。そのほか、この加茂湖周辺には、4番、そして1番の個体がいるということで、合計5羽の個体が加茂湖周辺にいるということでございます。また、佐渡の南部、赤泊地区、羽茂地区にそれぞれ1羽ずつトキが生息しているということでございます。
 生息状況、どのようにえさを食べているかということも、環境省の職員、専門家、そして地域のトキモニターという、トキを観察していただいている方々の観察結果によりますと、おおむね、えさはうまく食べているというような状況でございます。
 1羽は、放鳥後、新潟県の本土で確認されました。11月8日に関川村で確認されまして、その後、新潟市、見附市、三条市、長岡市を経て、現在、魚沼市、かなり雪のあるところでございますけれども、魚沼市に生息しているというところでございます。
 最後のページをあけていただきますと、これは放鳥したトキに個体識別できるようなマーカーをつけてございます。左右の羽、それぞれ2カ所に色をつけているほかに、カラーのリングをつけております。また、金属の足輪もつけて、これらを総合して、個体の識別を行っているということでございます。
 以上、ご報告させていただきました。

【山岸部会長】 随分たくさん報告事項がございましたが、どれでも結構ですから、何かご質問がありましたら、この際、賜りたいと思いますが、ご発言願います。

【鷲谷委員】 質問ではないんですけれども、生息域外保全に関する基本方針ですが、こういう方針をきちんと定めて、必要な域外保全をしていくということが重要だと思うんですが、もしかすると、ちょっと抜けているかなと思う視点がございまして、それは、分類群によっては、飼育環境に順化するだけではなくて、世代時間が短いものなどですと、飼育環境に適応、自然選択によって適応して、遺伝的にも飼育環境に合ったものに集団がなってしまうという可能性があって、それは家畜化、ドメスティケーションという英語であらわされる原因なんですけれども、野生復帰ということを最終的な目的に置くとすると、それはできれば回避すべき現象なのではないかと思うんですね。それは、飼育環境特有の自然選択がなるべく働かないような配慮によって可能なこともあると思いますので、どこかに似たようなことが書いてあるとは思うんですが、それを拡張解釈するなりして、ドメスティケーションの問題にも留意していただいた方がいいのではないかと思います。
 以上です。

【山岸部会長】 何か今の点について、ございますか、事務局の方。

【星野野生生物課長】 ご指摘いただいた点も踏まえて、この基本方針を普及していく際に、そういった点も含めて伝えていきたいというふうに思っております。

【山岸部会長】 ほかに何かございますでしょうか。
 どうぞ、三浦委員。

【三浦委員】 レッドリストをつくってきて、また今年から改訂作業というか、検討作業に入るというご報告をいただきまして、お願いが一つあるんですが、幾つかありますけれども、大きな点では、いわゆる絶滅危惧のI類、II類、IA類、IB類といったようなこのカテゴリー分けを、もうちょっとなじみ深いというか、感覚的にわかるような用語に変えていただきたいなということが一つと、もう一つは、それぞれの分類、タクソンでの種数が必ずしもここのと整合性がないというか、もちろんそれは亜種をどう考えるかといったようなところが入っているとは思うんですが、なるべくそれぞれの学会が日本産のものについてのまとめの種数と整合性がとれるように努力していただきたいなということ。この2点を要望したいというふうに思います。

【山岸部会長】 よろしゅうございますか。それでは、それはご検討ください。
 山極委員。

【山極委員】 こういうことを聞いていいかどうかわからないんですけれど、私、ゴリラを研究しておりまして、ボン条約というのがございまして、これは複数の国を移動する動物に関する国際協定です。これ、事務局から国際ゴリラ年に今年指定されたんですね。何かしなければいけないと思っているんですけれど、実は、日本はこれに加盟していないんですね。多分、クジラの問題が尾を引いているんだろうと思うんですけれど、これに関して何か将来的にどうするとかというようなことはございますか。ちょっとお聞きしたいんですけれど。

【星野野生生物課長】 ボン条約につきましては、いろいろこの審議会でもご意見をいただいているところでございます。一昨年、策定いたしました第3次生物多様性国家戦略の中で、ボン条約に関する記述もございます。その中で、具体的な現在の状況の説明を書いているところがございまして、我が国については、「本条約で捕獲の禁止される動物につき意見を異にする部分があるため、本条約を批准していない」というのが現状でございます。
 また、「ボン条約に係る国際的な動向を踏まえながら、本条約に関連する協定や覚書、これらを含めて、本条約への対応の必要性について検討し、絶滅のおそれのある移動性野生動物種の保全を図ります」という記述を国家戦略の中にしております。
 現時点で、この条約本体については、いろいろ問題があるということではございますけれども、この条約に基づく幅広い取り組みが行われております。それらの取り組みについて情報収集をしながら、今後の対応を考えていきたいと思っております。

【市田委員】 ボン条約の話が出たので、やはり一言申し上げたいと思うんですけれど、これは本当に長い間の議論だと思うんですけれども、一時は環境省、少し積極的だった時期もあったんですけれども、このごろは慎重な方向にずっと曲がったなという感じがあります。
 数々の問題点があるのは私もわかりますけれども、ただ、やはり世界100カ国近くがここに加盟をして、いろいろやっているときに、日本みたいな大きな国が入っていないというのは、やはりこのまま放っておいていいことではないとは思うんですね。ですから、今、課長さんがおっしゃられたように、直接条約に入るという検討もあるでしょうし、それに関係しているその下の協定などを含めて、どういう形で対応していくかというかということについては、ぜひ積極的にお考えいただけたらありがたいと私も思います。よろしくお願いします。

【山岸部会長】 よろしゅうございますね、それで。
 ほかに何か。

【福田委員】 私のことは、そんなに難しいことではないんですけれども、外来種のところなんですが、やはりアライグマとかカメとか、そういうものを持ち込んで飼えなくなってしまったから、構わずいろいろなところに捨ててしまう。殺してしまうのはもちろんよくないです。かわいそうですから。自分が見えないところならばよいというのがとても多いのです。私、山側に住んでいるのですが、沢の水も昔はきれいで飲めたんですけれども、アライグマがいるから飲めないとか、近くに金魚を放してしまったのでホタルが飛ばなくなってしまったと。皆さん、そんなに悪気がなくてやっていると思うんですけれども、そういうことをきちんと、もうちょっとホームページとかそういうチラシだけではなくて、教育的なものとして、そういうものはよくないんだということをきちんと教えていっていただかないと、もっともっといろんな、本当に大変な希少動物とか生物というだけではなくて、もっとたくさんあったものが、身近にあったものがだめになっていくということもあるんじゃないかなと思っておりますので、その辺のところはよろしくお願いしたいと思います。

【山岸部会長】 課長、よろしゅうございますね。何かコメントはございますか。

【星野野生生物課長】 しっかりやっていきたいと思います。

【山岸部会長】 ほかに何かございますでしょうか。事務局、何かございますでしょうか。ございませんか。なければ、座長の言うのもおかしいんですけれど、私もひとつお願いをしたいんですが、本日、保護増殖事業計画が論議されたんですが、やっぱり事業ですから、評価できないとおかしいと思うんですよね。評価するには何を評価するかというと、目標を評価するわけですよね。ところが、ここに書かれている目標は、きょう九つ見ると、本種が自然状態で安定的に存続できる状態にするという目標なんですが、これではやっぱりどうしていいかわからないんじゃないかと思います。そこが鷲谷さんや、石井さんや、石坂さんや、山極さんや、土屋さんや、みんなおっしゃったことなんじゃないかと思うんですね。ぜひ、事務局の方で、ここへ今書けとは私は申し上げませんが、お勉強されて、今後の保護増殖計画を出すときには、どうしたらいいのかというのをご検討いただきたいと思います。
 偉そうなことを申し上げましたが、それでは以上で、あとは柏木審議官よりごあいさつをいただきたいと思います。

【柏木審議官】 官房審議官の柏木でございます。本日は熱心にご審議をいただき、まことにありがとうございました。
 本日の審議事項のうち、保護増殖事業計画、これはいずれも小笠原諸島の希少な動植物に関係するものですが、目下、世界自然遺産への登録に向けた準備ということで進めておりまして、そういった準備の取り組みの一環というような意味合いもございますので、これらを踏まえまして、来年の1月に具体的に推薦書が世界遺産委員会に提出できるよう、努めていきたいというふうに思います。
 それから、もちろんでありますけれども、保護増殖事業計画に基づきまして、既に進められている取り組みもございますけれども、これを踏まえ、地元あるいは専門家の先生方とも協力して、一層取り組みを進めてまいりたいというふうに思っております。
 それから、もう一つのカルタヘナ法の関係でございますけれども、これは本日、小委員会を設置していただきましたので、早速、小委員会での検討をスタートさせたいというふうに思います。
 このほか報告事項で、最近のトピックその他についてご説明させていただきました。その際に、幾つか貴重なご意見をいただきましたので、これは今後、参考にさせていただきたいというふうに思います。
 最初の局長のあいさつのところでも、COP10の話、来年の話が出ておりましたけれども、まさに生物多様性保全への取り組みが重要になっている。さらにまた重要になっていくというような局面になっております。とりわけ、野生生物の関係でいきますと、絶滅するということは、生物多様性の損失に直結する重要な問題でありますので、私としましては、そういった絶滅のおそれのある種に対する対応を含めて、これからまた野生生物の保護施策の一層の推進に努めていきたいというふうに考えているところでございます。委員の皆様には、引き続き、またご指導、ご協力をいただく場面、多々あろうかと思います。どうかよろしくお願いをいたしまして、簡単ですが、閉会のごあいさつというふうにさせていただきます。本日はどうもありがとうございました。

【山岸部会長】 以上をもちまして、本日の野生生物部会は閉会とさせていただきます。
 どうもご協力ありがとうございました。