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中央環境審議会 野生生物部会
会議録


1.日時

平成20年7月11日(金)10:00〜12:02

2.場所

中央合同庁舎5号館 環境省第1会議室

3.出席者

(野生生物部会長) 山岸  哲
(委員) 大塚  直 加藤 順子 鷲谷いづみ
(臨時委員) 石井 信夫  石井  実  石坂 匡身
石原  收  磯崎 博司  市田 則孝
是末  準  齋藤  勝  桜井 泰憲
高橋 佳孝  土屋  誠  西岡 秀三
速水  亨  三浦 愼吾  山極 寿一
和里田義雄    
(環境省) 桜井自然環境局長
黒田審議官
星野野生生物課長

4.議事

【事務局(須藤)】 予定の時刻になりましたので、中央環境審議会野生生物部会を開催させていただきます。本日の出席者数でございますが、26名中20名の出席であり、中央環境審議会令により、定足数を満たしておりますので、本日の部会は成立しております。なお、ちょっと事務局でお配りしました座席表に訂正がございます。山極委員が申しわけございません、抜けておりましたので、山極委員を外来生物対策室長の席に座っていただきまして、審議をさせていただきたいと思います。
 続いて、お手元にお配りしました資料の確認をさせていただきます。ちょっとたくさんあって申しわけないんですが、読み上げますので、ご確認の方をお願いいたします。
 まず、国内希少野生動植物種の関係資料といたしまして、資料番号のみ読み上げさせていただきます。1枚紙で資料1−1、1−2、三、四枚で資料1−3、それから資料1−4。続きまして国指定鳥獣保護区等の指定関係資料といたしまして、クリップどめしております資料2の関係でございますが、資料2−1、2−2−1、2−2−2、2−3−1、2−3−2、2−4−1、2−4−2、それから資料2−5、2−6となっております。そのほかに参考資料といたしまして、参考資料のそれぞれ1、2、3、4、5、6となっております。また後ほど資料に不備がございましたら、事務局の方にお申し出いただければと思います。
 なお、今回事務局に異動がございましたのでご紹介いたします。7月4日付で鳥獣保護業務室長が猪島康浩から吉野ダイスケ室長となりました。

【吉野鳥獣保護業務室長】 吉野でございます。どうぞよろしくお願いいたします。

【事務局(須藤)】 事務局からは以上でございます。
 それでは山岸部会長、よろしくお願いいたします。

【山岸部会長】 それではただいまから、平成20年度第1回の野生生物部会を開催させていただきます。本日の審議に先立ち、桜井局長よりごあいさつをお願いいたします。

【桜井自然環境局長】 おはようございます。自然環境局長の桜井でございます。委員の皆様ご多忙のところ、朝からお集まりいただきまして、大変ありがとうございます。また日ごろから自然環境行政の推進につきまして、ご助言、ご支援、ご協力を賜りまして、大変ありがとうございます。この場をかりまして厚く御礼を申し上げたいと思います。
 前回の野生生物部会は、昨年の10月に開かせていただきました。この間、昨年の10月以来、自然環境行政にとりましても大きな動きがございましたので、簡単にご紹介をさせていただきたいと思いますが、昨年の11月には第3次の生物多様性国家戦略というものを閣議決定いたしまして、今後5年間にわたる生物多様性の取り組みについて、政府全体の考え方をまとめたところでございます。また、さきに通常国会、この国会では議員立法によりまして、生物多様性基本法というものが成立をいたしました。各党全会一致で成立をいたしまして、この本日の参考資料の方におつけしておりますけれども、簡単にご紹介をさせていただきますが、国会としても生物多様性の取り組みというものを大きく宣言をしてきたという方向性が出されております。
 それからまた、ちょうど9日まで洞爺湖でのG8のサミットが開かれておりまして、専ら環境問題に関しましては地球温暖化ということが報道されておったわけでございますが、生物多様性につきましても、その中で1項目議論をされておりまして、生物多様性の取り組みというものが首脳間での合意事項にもなっておるところでございます。これに先立つG8の環境大臣会合というのが5月に神戸でございまして、そこでは神戸からの行動の呼びかけという形で、これまた各国G8諸国が生物多様性について今後どういう取り組みをするかということについて、かなり詳細な合意を得たところでございます。
 また5月には、生物多様性条約の締約国会合の第9回がドイツのボンで開かれまして、そこでもさまざまな議論がなされましたが、次の第10回の生物多様性条約の締約国会合は、我が国で2010年に名古屋市で開催するということが決定をされたところでございます。今後、生物多様性について、2010年に向けて、もちろんそこから先もございますけれども、さまざまな取り組みを政府としても、あるいはまた政府だけではなく民間も含めまして、国を挙げて、いろんな場で議論を展開していくということになっていくのではないかというふうに考えておるところでございます。
 以上が、この間の展開の簡単なご紹介でございますけれども、本日2件の諮問をさせていただいておりまして、ご審議をお願いしたいと思っております。一つは種の保存法に基づきます国内希少野生動植物の指定の関係でございます。オガサワラシジミを初めといたしまして、小笠原諸島に生息・生育いたします昆虫・植物、それから9種の国内希少野生動植物種への追加などについてお諮りをしているところでございます。
 それからもう一つは、鳥獣保護法に基づきます国指定鳥獣保護区の関係でございます。新たに鳥獣保護区に指定するところ、あるいは変更などをお諮りしておるところでございます。限られた時間ではございますけれども、よろしくご審議を賜りますよう、お願いいたします。どうもありがとうございました。

【山岸部会長】 ありがとうございました。それでは、これより本日の議事に入らせていただきます。
 まず、7月4日に環境大臣より中央環境審議会に対し、国内希少野生動植物種の指定などについて、及び国指定鳥獣保護区及び同特別保護地区の指定についての2件の諮問がなされましたこと、これを受けまして同日付で、中央環境審議会会長より本件を本野生生物部会に付議されましたことをご報告いたします。
 初めに、国内希少野生動植物種の指定などについての諮問内容について、事務局からご説明をお願いいたします。

【事務局(中島)】 おはようございます。野生生物課で保護増殖係長をしております中島と申します。私から今、部会長の方からご紹介がありました諮問事項の1、国内希少野生動植物種の追加等について、ご説明をさせていただきます。まず国内希少野生動植物種の追加について、ご説明をいたします。
 まず、この種の保存法に基づく国内希少野生動植物種がどういったものであるかというようなご説明を簡単にさせていただきます。この法律上の規定でございますが、種の保存法の第4条の第3項に基づきまして、その個体が本邦に生息し又は生育する絶滅のおそれのある野生動植物の種であって、政令で定めるものとされております。この政令の制定または改廃に当たりましては、中央環境審議会の意見を聞かなければならないというふうになっております。この国内希少野生動植物種に指定されますと、以下、下の方ですけれども、三つ挙げてございますが、捕獲等の禁止、また譲り渡し等の禁止、輸出入の禁止などが個体にかかってまいります。
 また、この国内希少野生動植物種の種の保存をする仕組みといたしまして、二つございますけれども、まず一つ目が生息地等の保護ということで、この生息地等保護区ということを設定いたしまして、行為等の規制を行うことができることになっております。また二つ目でございますが、環境省と関係省庁が一緒に保護増殖事業計画というものを策定いたしまして、国による保護増殖事業の実施、また地方公共団体や民間団体等とも協力して保護増殖事業というものを実施していくことというふうになっております。
 この国内希少野生動植物種の選定要件、どういったものがなるかということでございますけれども、告示してございます希少野生動植物種保存基本方針というものに規定されております。選定要件を簡単にご説明申し上げますと、その本邦における生息・生育状況が、人為の影響により存続に支障を来す事情が生じていると判断される種で、以下のいずれかに該当するものを選定するということになっております。下のアからエに該当するものですけれども、個体数とか生息地面積また環境の悪化ですとか、あと捕獲や採取圧という観点による選定要件が定められております。
 この国内希少野生動植物種を指定するまでの、実際の手順でございますけれども、まず一つ目といたしまして、環境省のレッドリストによる評価というものが基礎データとなってまいります。この環境省のレッドリストにおいて、絶滅のおそれのある種と判断されているものに関しまして、特に法律による規制が必要であると考えられる種について、また環境省で生息状況等の把握のための調査を実施いたしまして、先ほどの選定要件に合致しているかどうか等について詳しく検討を重ねてまいります。それで、選定要件に確かに合致しているということが確認される種について、国内希少野生動植物種の指定に向けた手続を開始することとしております。現在、国内希少野生動植物73種、こちらに書いておりますけれども、資料の方にも添付をさせていただいております。今回、この73種に追加いたしまして、9種の新たな国内希少野生動植物種を指定したいというふうに考えてございます。
 時間もございませんので、簡単にこの9種についてご説明をさせていただきます。まず9種のうち動物の方は昆虫5種を選定しております。こちら種名が書いてあるんですけれども、政令には学名の片仮名書きと、括弧書きで和名を併記することとしておりまして、政令にはこのような書き方がされることとなります。5種でございますけれども、すべてが小笠原に生息する昆虫でございまして、オガサワラハンミョウ、オガサワラシジミ、オガサワラトンボ、オガサワラアオイトトンボ、ハナダカトンボの5種を選定しております。これは2007年、昨年の8月に公表いたしました環境省のレッドリストにおきまして、すべて絶滅危惧I類、一番危険性が高いと言われているランクに分類されているものでございます。この5種につきまして平成19年度、昨年度に環境省において、特に詳しい生息状況等の調査を実施いたしまして、いずれも人為の影響によって存続に支障を来す事情が生じているということが確認されております。
 それでは一種、一種簡単に紹介してまいります。まず一つ目、オガサワラハンミョウでございますけれども、これは体長が1センチから3センチ程度の甲虫でございます。これも小笠原群島の固有種でございまして、今までの分布状況としては兄島と父島に生息していることが確認されていたんですけれども、この父島の情報というものは戦前の1931年のものでございまして、それ以降記録がございませんので、父島では絶滅したものと考えられております。ということで、現在の生息地としましては兄島の1地点のみということになっております。この生息個体数でございますけれども、昆虫はなかなか生息個体数を推定することが難しいんですが、数百頭レベルというふうに考えられております。
 この生息を脅かしてきた要因としましては、何といいましても外来種の樹木、モクマオウ等の繁茂による生息環境の喪失ということが言われております。このオガサワラハンミョウですが、裸地のような環境に生息するものとされておりまして、こういった外来樹種が繁茂することによって、その裸地環境が奪われていることということが挙げられております。また愛好家にも大変人気が高い昆虫でございまして、愛好家による採取行為ということもそれなりに影響をしているかなというようなことが言われております。過去ですけれども、年間100個体以上捕獲したというような記録もございます。以上のような状況によりまして、先ほどご説明いたしました国内希少野生動植物種の選定要件、アとウに合致することというふうに判断しております。
 次に2種目でございますが、オガサワラシジミでございます。これは小型のシジミチョウでございます。これも小笠原群島の固有種となっておりますけれども、過去は今パワーポイントで挙げておりますとおり、それなりに幾つかの島に分布していたんですけれども、現在の生息地は母島のごく限られた地域のみということになっております。食餌植物がオオバシマムラサキとかコブガシなどに大変限られているということが知られております。
 これの生息を脅かす要因でございますけれども、何といっても一番大きい要因として考えられるのが、外来種のトカゲですね、グリーンアノールと呼ばれるものの捕食が挙げられております。また2点目ですけれども、先ほどのモクマオウと違って今度はアカギですけれども、アカギという外来樹種の侵入によって、先ほど申し上げたような食餌植物が被圧されて、植生が変化しているということが影響として挙げられております。このような状況によりまして、このオガサワラシジミにつきましても選定要件のアとウに合致することが確認されております。
 次に3種目でございます。オガサワラトンボでございます。これも前に挙げておりますとおり、それなりに島に分布していたんですけれども、いろんな影響によって絶滅した島が多くなってまいりまして、現在の分布状況としましては父島列島の兄島と弟島の数カ所のみに生息するのみとなっております。生息個体数については不明なんですけれども、ごく少数というふうに考えられております。池沼を生息地としているトンボでございます。
 これの生息を脅かす要因といたしましては、先ほど挙げましたけれどもトカゲですね、グリーンアノールによる捕食ということが挙げられております。また干ばつや、小笠原全体にちょっと乾燥化が進んでいるというような話がございますけれども、これによる池沼の減少ということがあります。またこれも愛好家の人気が高い種でございまして、愛好家による捕獲ということも影響として挙げられております。これにつきましても選定要件のアとウに合致することが確認されております。
 次にオガサワラアオイトトンボでございます。これは弟島と父島に生息をしていたんですけれども、現在の生息地としましては弟島のみとなっております。父島の最後の記録ですが、1980年代が最後の記録とされておりまして、それ以降は確認事例がございません。これもオガサワラトンボですね、先ほどご説明したのと大体一緒でございますけれども、グリーンアノールや、また池沼の減少、愛好家による捕獲などが要因として挙げられております。選定要件も一緒でございます。
 昆虫の最後になりますけれども、ハナダカトンボという種でございます。これは現在弟島と兄島と母島に生息をしておりまして、過去は父島と姉島の記録がございます。しかし、この母島につきましては、先ほど申し上げましたグリーンアノールの影響によりまして、現在、大変減少傾向にあるということが挙げられておりまして、しっかりした生息が確認されているのは、現在は弟島と兄島というところのみになっております。このハナダカトンボは池沼ではなくて、流水環境に生息している種でございまして、グリーンアノールによる捕食の影響のほかに、ダムの建設などによる流水環境の変化ということも挙げられております。またこれも愛好家による捕獲も確認されております。選定要件についても同様の合致が認められております。
 次に9種のうちの植物4種について、ご説明を申し上げます。4種でございますけれども、ヒメタニワタリ、コヘラナレン、シマカコソウ、ウチダシクロキと、これも小笠原に生育する種でございます。ただし、ヒメタニワタリにつきましては、南西諸島の北大東島とあと中国の海南島にも隔離分布していることが確認されております。この4種すべてが環境省のレッドリスト、2007年に出したものですけれども、絶滅危惧IA類ということで、最も厳しいランクに掲載されております。この4種につきましても、平成19年度、昨年度に生息状況等の調査を実施いたしまして、いずれも人為の影響によって存続に支障を来す事情が生じているということが確認されております。
 一種目はシダでございますけれども、ヒメタニワタリで、現在生息が確認されているのは、母島に2カ所とあと北大東島、国内の生息地はこの3カ所のみというふうになっております。それで生息を脅かす要因としては、最も大きいとされているのがヤギによる食害です。また台風によって生育地が崩落したことも、直接的な影響を与えたというふうに言われております。また、愛好家の方の人気の高い種ということで、園芸用の採取もあったのではないかということが挙げられております。選定要件としては先ほどと一緒でございますけれども、アとウを挙げております。
 次にコヘラナレンです。これは分布状況としては兄島と父島の数カ所のみというふうになっております。生育個体数、ここで挙げておりますけれども、父島で25株、兄島で10株ということで、大変もう減少している状況にあることが確認されております。生息を脅かす要因としては、ヤギによる食害が最も大きいというふうに考えられております。
 次に3種目、シマカコソウでございますけれども、分布状況としましては、兄島、父島、母島、妹島の乾いた岩場に成育しているということが確認されております。シマカコソウ、漢字で書くとこういう漢字になりまして、夏は枯れて、11月末ごろから芽吹くというふうに言われております。現在の生育個体数ですけれども、ここに挙げておりますとおり、もう大変少なくなってきております。この生育を脅かす要因としては、これもヤギによる食害が一番大きいというふうに挙げられておりまして、ちょうど現地の保護官が写真を送ってくれたんで、ここに挙げておりますけれども、これがヤギによる食害を受けた状況になっております。
 次に4種目ですね。ウチダシクロキという木、ハイノキ科の樹種です。これの分布状況としては、もう既に父島の3カ所のみというふうになっておりまして、すべて数えましても20株程度しかもう生育していないということになっております。これもヤギによる食害が最も大きな要因だというふうに考えておりますとともに、先ほども申し上げましたけれども、乾燥化の影響というのが小笠原ではいろいろ挙げられておりまして、そういったものも影響しているのではないかというふうに考えられております。これが今回、国内希少野生動植物種に選定いたしました9種のご説明でございます。
 これをちょっと簡単にご説明いたしますけれども、国内希少種を選定するときに、卵や種子についても必要なものは規制をしなくてはいけないことになっているんですけれども、卵につきましてはオガサワラシジミのみ、ほかのものは卵を確認された例がないために、オガサワラシジミのみの指定としております。また種子については、ヒメタニワタリはシダ植物で種子繁殖をしないので、この他の3種の種子についても規制をかけることとしております。
 次に、国内希少野生動植物の削除について、ご説明を申し上げます。先ほどの追加の逆になりますけれども、指定を解除する種といたしまして、このルリカケスを挙げております。ルリカケスは奄美大島とその周りの島ですね、加計呂麻島、請島、枝手久島の固有種でございます。大変美しい鳥でございます。このルリカケスにつきましては、平成5年に種の保存法の制定当時でございますけれども、国内希少野生動植物種に指定いたしました。しかし、かなり奄美大島の状況がなかなかよくなってきているというか、マングースの防除活動なんかも進んでおりまして、だんだんいい状況になってきているということがございまして、平成10年公表のレッドリストにおきましては、絶滅危惧II類とされていたんですけれども、18年の12月に出したレッドリストには掲載致しませんでした。このことによりまして、先ほど申し上げました選定要件の存続に支障を来す事情が生じているということには判断されないということになりますので、選定要件には合致しないということで、今回このルリカケスの指定を解除することとしたいというふうに考えております。指定の解除につきましては、今回が初めての事例となります。
 次に3件目でございますけれども、特定国内希少野生動植物種の追加についてご説明を申し上げます。この特定国内希少野生動植物種と呼ばれるものは、太い字で書いてございますけれども、国内希少野生動植物種のうちで商業的に個体を繁殖することが可能であって、また繁殖個体に流通が見込まれる種については、この特定種というものに指定をして流通を認めることというふうにしております。これまでの指定実績としては、一番下に挙げておりますけれども、アマミデンダ等の植物6種について特定種の指定をしております。今回オキナワセッコクといって、沖縄のやんばる地域に生育する種でございますけれども、これは平成14年の国内希少種の指定当時は、特に繁殖の実態というのはなかったんですけれども、採取規制が行われて以降、園芸業者さんですとか、あと地元の農業高校などでこの繁殖というのが進めてこられまして、その技術がかなり確立されたということが認められましたので、今回オキナワセッコクを特定国内希少野生動植物種に追加したいというふうに考えてございます。これが下の写真が栽培の様子でございます。
 すみません、駆け足ですが、最後4件目で、これは軽微な変更となりますが、最新の知見によりまして、政令の表記について変更をしたいというふうに考えております。まず一つ目でございますけれども、平成9年に国内希少野生動植物種に指定いたしましたワシミミズクでございますけれども、この際、ワシミミズクはいろんな亜種があることは当然、環境省としても把握をしていたんですけれども、日本に生育するもの、大変数が限られておりまして、どの亜種であるかということが確定できなかったために、種のブボ・ブボとして指定をしております。
 しかし、この種のワシミミズクというものはかなり広く全世界で分布をしているものですから、種全体に現在規制がかかっている状態で、流通なんかも一切の規制をかけておりますものですから、これは余り適当ではないとご意見をいただいていたものでございます。今回改めて専門家にご意見を伺ったところ、国内に生育するものはブボ・ブボ・ボリソウィという亜種と考えるのが適当とのご教示をいただきました。これは鳥学会で出されている鳥類目録にもこのように書かれております。このことを踏まえまして、今回種のブボ・ブボから亜種のブボ・ブボ・ボリソウィに指定を改めたいというふうに考えております。
 また二つ目ですけれども、オガサワラシジミの追加にあわせまして、これまで政令では鱗翅目を使用していたんですけれども、最近ちょう目というのが使われる頻度が高まってきておりますので、今回ちょう目に改めたいと考えております。
 資料1−4をごらんいただきたいと思います。本件につきましては、政令改正事項になりますことから、国民の皆様の広いご意見をいただくために、パブリックコメントの募集ということを行ってまいりました。表が総括したものでございますけれども、裏に皆様からいただいたご意見について取りまとめてございます。本件の事案に係るご意見としましては10件ございまして、ヒメタニワタリの分類に関するご意見と、あと特定国内種とすべきではないかというご意見と、あとルリカケスの削除についてございますけれども、再考すべきではないかというようなご意見をいただいております。
 ちょっと時間がないのでご説明申し上げませんけれども、環境省の考え方としましては、1番右に書いておりますとおり、政令案、当初案のとおりしたいというふうに考え方を整理しております。すみません、急ぎ足でございましたけれども、以上でございます。

【山岸部会長】 一番最後の点は駆け足だったんですが、ご質問、ご意見があったらそれに関連して、またお答えいただくということで、何かご意見、ご質問ございますでしょうか。どうぞ、石井委員。

【石井(実)委員】 小笠原の5種の昆虫ですけれども、本当に危機的な状況にありまして、選定していただいて助かりますということで、全く異議はございません。それで、選定したからにはこれをすべて外来種絡みで、オガサワラハンミョウを除くとグリーンアノールが原因になっているんですね。これは今も対策を講じていただいていると思いますけれども、現状はどうなっているのか。それから、今後どのようにしていただけるのかということですね。
 それからちょっとついでになんですけど、最後に鱗翅目をちょう目にしていただいたのは、これは結構なんですけど、やっぱり平仮名じゃなきゃだめなんですかね。こだわりとしては片仮名で「チョウ目」と書いていただきたいなと思うんですけども。

【山岸部会長】 今の2点、どうぞ。

【星野野生生物課長】 グリーンアノールの関係、お答えいたします。グリーンアノールにつきましては、これまで父島、母島で侵入が確認されておりまして、両島においてトラップを用いた捕獲をやっております。また、父島列島の場合には特に隣接する兄島、弟島への新たな侵入を防止することが非常に重要でございますので、船つき場周辺での捕獲、そしてシーカヤック等で無人島へ行っている方々がいますので、そういう方々への普及啓発をしているところでございます。また母島につきましては、特に森林環境、重要なところを重点的にアノールの侵入を防止するさくを設けまして、そのさくの中を駆除するといった対応をしているところでございます。
 この小笠原における外来種対策、これは小笠原世界自然遺産候補地として、今、推薦に向けた取り組みをしているところでございますけれども、専門家による科学委員会を設置いたしまして、特に外来種の問題をどうしていくかということを専門的立場からご議論いただきまして、この3年間、どういう対策を講じて一定の成果を得るか、またそれ以降、長期的に世界遺産としての価値を将来にわたって維持できるような対策をどうすべきかということの検討をしているところでございます。

【山岸部会長】 石井委員、よろしゅうございますか。

【事務局(中島)】 あと表記についてですね。仮名が一般的だというのは当然認識しているんですけれども、政令に記載する場合、漢字又は平仮名書きということになっておりまして、そのような記述をさせていただいております。

【石井(実)委員】 グリーンアノールについては、去年ですか、昨年ぐらいの段階で600万という推定個体数を聞いたことがあるんですけども、例えば量的なものというのは少しは減っているんでしょうかね、なんかその辺も気になっているんですけど。

【星野野生生物課長】 2004年の時点で600万個体を超えているんじゃないかという推定数がございました。その後、これは捕獲器、いわゆるゴキブリホイホイといったようなあれの改良型のものを考案いたしまして、父島ですと港の周辺、それから地域の方々の協力を得まして、ご自宅の庭だとか、いろんな場所にこれを設置して、かなり効果が上がっているというふうに聞いております。

【山岸部会長】 よろしゅうございますか。

【石井(実)委員】 小笠原の昆虫の本当に強力な天敵ですので、どうぞよろしくお願いいたします。

【山岸部会長】 それでは、鷲谷委員、どうぞ。

【鷲谷委員】 今、話題になっている小笠原のトンボ類に関してなんですけれども、もちろんグリーンアノールの対策というのを第一に考えないといけないと思いますが、個体数も非常に減少していることから、リフュージアになっている弟島等で生息環境を維持するために、ある程度、人為的な管理をするということも必要なんではないかと思います。ボランティアの方たちが池の状態を維持するような管理をしたりということがあると聞いておりますが、そういうようなことが継続されるということも絶滅を防ぐ上では重要な点かもしれませんので、どうぞよろしくお願いいたします。

【山岸部会長】 いいでしょうか、何か。どうぞ。

【星野野生生物課長】 小笠原のトンボ類のうち、特にオガサワラトンボ、オガサワラアオイトトンボにつきましては、先生ご指摘のように、産卵環境をいかに維持していくかというのが重要だということでございまして、トンボ池をつくるといったような、産卵環境を創出するという取り組みを地元でやっておりまして、今回、国内希少野生動植物種として指定をいたしますけれども、引き続きそういった取り組みを積極的に進めていきたいと思っております。

【山岸部会長】 どうぞ、速水委員、お願いします。

【速水委員】 ありがとうございます。さっきの昆虫類と同じように、この植物がみんなヤギにやられていますよね。さっきもヤギに食害されたものが映っていたんですけど、さくの対策とかというのは個体数が物すごく減少してきたら、もう完全にさくで囲い込むみたいなことっていうのは、当然やられているんでしょうか。

【星野野生生物課長】 小笠原のノヤギについては、大きな問題でございました。東京都などの事業によりますと、多くの島で駆除が進んでおりまして、現在、ノヤギが残っているのは父島、兄島、弟島、この三つの島になっております。現在、東京都では兄島においてノヤギの駆除を行っておりまして、兄島についてはほぼ根絶に近い状況になっているというふうに聞いております。今後、弟島において駆除を検討しているというところでございます。また父島におきましては、環境省の事業として、ヤギの侵入防止柵の建設を現在準備中、今年度中に着工という予定でございます。また、小笠原村でも年間数百頭の駆除を行っているというところでございます。引き続き、ノヤギの対策に力を入れてまいりたいと思います。

【山岸部会長】 三浦さんが挙がっているみたいなんで、三浦さん先にどうぞ。

【三浦委員】 ちょっと質問なんですが、非常に重要な点だと思うんですが、説明が十分でなかったのかもしれませんけれども、確認したいと思うんですが、ルリカケスの指定解除については、これは個体数基準として1,000羽を突破したからだというのが主な理由ということと、それからもう一つオキナワセッコクについては、人工増殖が可能になったということが指定の理由という、そこのところがちょっと確認としてよくわからなかったものですから、お願いしたいと思います。

【山岸部会長】 では以上2点について、もう少し詳しくご説明ください。

【星野野生生物課長】 ルリカケスにつきましては、昨年度、生息状況の調査等をやっております。その結果、どんなに少なく見積もっても成熟個体が1,200羽を下回ることはないだろうということがあります。これは5年間続けてきたラインセンサス、一定の距離を毎年繁殖期に歩いて、周辺の生息状況を見て、どのぐらいの密度でいるかという確認をしておりますし、それ以外にルリカケスが生息できる環境、2次林並びに天然林でございますけれども、そういう森林がどのぐらいあるかということ。さらには営巣の密度、これは2次林の中に巣をかけて、どの程度の間隔の場合に利用されているか。およそ500メートル程度の間隔だろうと言われています。
 そういったさまざまな調査の結果、これは成熟個体を最低2羽を中心とした群れ、2羽から7羽ぐらいと言われておりますけれども、今申し上げたような調査の結果、少なくとも奄美で群れの数で最低600から700はいるであろうと。かつ、群れといって最低は生息個体2羽ですので、その2羽を使って最低の600を使ったとしても1,200という数字になってくるということが一つでございます。
 それから、以前レッドリストにルリカケス、絶滅危惧種に挙がっておりましたけれども、当時との生息状況を比べても、森林の状況が全般的に見て、当時に比べて回復されているというようなことがございます。したがって、ルリカケスの存続に支障を及ぼすような事情ということは当たらないと。さらにレッドリストの1,000という基準がございますけれども、それを上回る、どんなに少なく見積もっても生育個体が1,200羽ということが確認されたものですから、それらを理由に今回、国内希少野生動植物種の指定を外すということでございます。
 オキナワセッコクにつきましては、実際流通もされているということではなかったか、ちょっとそれは中島の方から。

【事務局(中島)】 すみません、私から申し上げます。三浦先生がおっしゃっていただいたように、繁殖技術が確立されたということがございます。当然、デンドロビウム属はそれなりに繁殖が簡単な分類ではあるんですけれども、オキナワセッコク、法規制前は山どりできたということで、繁殖実績がなかったものですから、14年の指定当時は特定種としなかったんですけれども、それ以降、山からとれないということもあってですか、かなり繁殖というのが進めてまいりまして、現在、十分技術が確立しているということは確認されたという点でございます。

【三浦委員】 そのことは指定になるわけですか。

【事務局(中島)】 特定……。

【三浦委員】 いやいや、国内希少種としての指定の理由になったわけですよね。

【星野野生生物課長】 特定種という制度なんですけれども、これは国内希少野生動植物種の中で、人工的に繁殖・増殖をさせて、かつ商業的な利用がなされる可能性がある。そういうものについて確実に野生の状態からとってくるんではなくて、人工的にふやしたものを一定のルールのもとに流通をさせる、それが野生の状態の指定種を守る手段として有効なものというものについては特定種に指定をして、一定の条件下で取引が可能になるという仕組みなんです。既に、この仕組みに該当しているのは6種ありますけれども、今回このオキナワセッコクについても、そういう技術的なめどが立ったということ、またこれについては取引される可能性が強いということもありますので、そういったことを考えますと、今回特定種に指定していくことが野生の状態のオキナワセッコクを守る上で、非常に重要な手段になるということを考えまして、今回指定をしようということでございます。

【三浦委員】 特定が一番頭についているやつですね。

【星野野生生物課長】 はい。

【山岸部会長】 では、市田委員。

【市田委員】 素朴な疑問なんですけれども、これらの希少昆虫は保護されるのはとてもいいことだと思うんですけれども、チョウのところは数百個体とこう書いてあって、トンボのところは不明(ごく少数)というのと、不明(少数)と、こうなっているんですけれども、これは調査をしたけれども、わからないくらい少ないということなんでしょうか、それとも何となく少ないから指定しておこうと、こういうことなのでしょうか。もし後者だとすれば、今後ちゃんと調査をやって、保全対策を立てようというような考え方があるのでしょうか。つまり何が根拠なのかがちょっとよくわからないんですけれども。

【星野野生生物課長】 小笠原につきましては、環境省の自然再生の事業の対象地として、小笠原の自然環境の状況をかなり詳しく調査をしております。そしてその中で今回、指定をしようという種についての情報も明らかになったということがございます。さらに小笠原は世界自然遺産登録を目指して、専門家からなる科学委員会を環境省、林野庁共同で設置して、専門家の方々の指導、助言を得ながらさまざまな調査をやっております。そういう中から、これら今回小笠原に関して、昆虫等指定対象といたしましたけれども、これらについての情報が明らかになってきたということです。

【市田委員】 それで、やっぱり全くわからない。ただし少数と、それだけ調べてもごく小数しかわからないということですか。

【星野野生生物課長】 個体数の正確な把握が、書けるものはもちろん推定値、専門家の調査で出てくるものは書いておりますけれども、数値として出せないものはこのような表現になっているということです。

【山岸部会長】 それでは石井委員、お願いいたします。

【石井(信)委員】 ありがとうございます。今回の追加とか削除について異議はないんですけれども、ルリカケスについてパブコメにあったように、存続を脅かす原因の一つと考えられるマングースの問題が解決していない状況で削除をするというのは、ちょっと慎重さを欠くのではないかと、そういう考え方があると思うんです。私は今回、削除するということは、長期的に見たら単なる一時的な回復ではないのだということを、将来にわたって環境省としては保障すると、そういう環境省の決意を示したというふうに受けとめて、今回削除すると。将来マングースの状況がまた悪化して再指定というようなことにはしないのだということをお考えなんだろうなと、そういうふうに受けとめました。そのことをちょっと確認したいなと思います。

【星野野生生物課長】 今回のルリカケスの指定解除、先ほど来ご説明していますように、全体の生息状況が種の保存法の指定の要件に該当するほどの状況ではないという判断でございます。マングースにつきましては、確実に成果が出ていると認識しております。同じ程度の捕獲活動をかけてとれるものが全体的に少なくなっているということ。さらには、分布していると言われていた周辺部分では捕獲ができなくなって、捕獲ゼロという場所も出てきているということ。さらにはアマミノクロウサギ等、マングースがふえることによって影響を受けていた野生動物の分布が復活してきているというようなこともわかってきてございます。こういう状況で、環境省として満足しているということではございません。マングースにつきましては、今後も力を入れて駆除に努めていきたいというふうに思っております。奄美における生息環境の保全が図られるよう、今後とも努力していきたいと思っております。

【山岸部会長】 ありがとうございました。よろしゅうございますか。それでは大塚委員。

【大塚委員】 1点お伺いしたいんですけど、小笠原の方のこの四つの植物でございますが、先ほどご説明いただいたように、株が非常に限定されているということですが、これに関して生息地等の保護区とか、あるいは立ち入り制限地区をその中で指定するというようなことは考えられないわけではないと思うんですけれども、パブリックコメントでも聞かれていますが、直接関係ないというお答えになっているんですけども、一応、関係はあるんじゃないかと思いますので、私の方から状況をお伺いしたいと思います。

【星野野生生物課長】 生息地が限定されている種も、今回指定するものの中にございます。今回、植物について指定を考えている種につきましては、現地における生育状況をしっかりと把握をこれまでしてきておりますし、既に種の保存法で指定された種について保護増殖の取り組みを行っておりますけれども、それらの種と同様に、これらの種についても保護増殖の取り組みをしていきたいというふうに考えております。

【山岸部会長】 よろしゅうございますか。
 それでは土屋委員、その次に高橋委員の順序でお願いいたします。

【土屋委員】 私もルリカケスについては同じような疑問を持っておりましたけれども、それ以外の指定種について、特に異存はありませんが、確認したいことが1点ございます。小笠原の状況と沖縄の状況は、かなり類似したものがありますので、その活動をいろいろ勉強させていただいているところですが、先ほどスライドの中でご説明いただいたヒメタニワタリについては、ヤギによる食害が重要であるというご説明でした。ただ資料の方ではアフリカマイマイによる食害であると書いてありますので、これはどちらが正しいか。それから、沖縄では特にアフリカマイマイは農作物に対する害が話題になっておりますが、もしこういう在来種に影響が大きいとなりますと、また議論の内容も変わってまいりますので、確認したいと思います。

【事務局(中島)】 1点目については、私の方からご説明をさせていただきます。ヒメタニワタリですね、スライドの方が間違っております。ヤギは母島にはおりませんので、アフリカマイマイの間違いでございます。申しわけありませんでした。

【山岸部会長】 よろしゅうございますか。それでは、続いて高橋委員。

【高橋委員】 直接関係ないことかもしれないんですけれども、植物の個体数を見ると物すごく少ないということは、もうもともと少ないし、そういう歴史を持っているのかもしれないと思うんですけれども、そうなるとすべての個体が、恐らく特定できているんだろうなと思うんですね。
 ここにリストアップされている、これまでの植物種についてもそうなのかもしれないんですけれども、そこまで行くんだったら、いっそのこと私たちの諮問調査みたいなもの、あるいは国勢調査みたいにして、もうその種、そこにあるその個体そのものの何か遺伝解析みたいなものを網羅的にやる、データベースとしてとっておくというふうなことは、余り重要ではないというか、関係はないことなんでしょうか。

【星野野生生物課長】 小笠原の植物につきましては、東京大学の小石川植物園で以前からムニンノボタンですとか、ムニンツツジ等の増殖研究をしていただいておりまして、既に現在指定されている幾つかの種については、環境省からの委託事業として小石川の植物園で増殖等の取り組みをしていただいております。今回指定するものについても、そういった取り組みが既にされておりますので、今後小石川植物園の研究者の方々とも相談しながら、現地の状況を十分把握して必要な取り組みをしていきたいと思っています。

【鷲谷委員】 今、植物の個体に関して問題提起があったものですから、植物の個体に関して絶滅との関連で検討するときには、遺伝的な個体を重視するべきだということをここで言っておきたいと思うんですけれども。恐らく、ここで何株というのは生理的に独立している範囲とか、なんか枝の数とか、そういうものを株として考えていることが多いんではないかと思いますけれども、「個体数」という言葉を使うときは、より厳密に見てわかることも、多年草というのは栄養的に拡大していますので、何株もあるように見えても、1個体という場合が少なくないんですね、あるまとまりとしては。
 それは目である程度、確認できることもありますけれども、先ほど話題になったような、今はもう遺伝マーカーを使えば簡単に個体を識別できますので、そうやって識別して、その個体数をベースにして絶滅などを考えていった方がいいんではないかというふうに、一般論ですけれども、思います。

【山岸部会長】 いいですか。ありがとうございました。特段、これ以上ご意見ないように思うんですが、特にルリカケスの場合には、解除という特殊な事情がありますので、きょう、ここで出ました問題を、よく環境省におかれましては地元にご説明いただいて、誤解のないようにお進めいただくようにということで、この議題につきましてお諮りいたします。
 国内希少野生動植物種の指定などについては、ただいまの事務局案が適当と認めてよろしゅうございますでしょうか。
(異議なし)

【山岸部会長】 ありがとうございました。それではご異議もないようですので、本件は適当と認めることとし、この事務局案を当審議会の答申案として中央環境審議会長に報告することといたします。
 では続きまして、国指定鳥獣保護区及び同特別保護地区の指定についての諮問内容について、事務局から説明願います。

【事務局(小川)】 環境省野生生物課の小川と申します。よろしくお願いいたします。
 私からは国指定鳥獣保護区及び同特別保護地区の指定について説明させていただきます。資料は2−1から2−6に指定計画書案、公聴会、公告縦覧及びパブリックコメントの結果資料をお配りしております。
 諮問案件は次の3件になっております。化女沼鳥獣保護区及び同特別保護地区の新規指定、2件目は西之島鳥獣保護区及び特別保護地区の新規指定、3件目は瓢湖鳥獣保護区について、瓢湖特別保護地区の区域の拡張でございます。
 次になりますけれども、鳥獣保護区制度でございます。鳥獣保護区は鳥獣保護法第28条に基づき指定するものでありまして、区域内では狩猟が禁止されております。また、鳥獣保護法第29条に基づき、鳥獣保護区の中に鳥獣の生息地を保護する観点から必要な区域を特別保護地区に指定することができます。特別保護地区内においては建築物・工作物の新設・増築、水面の埋め立て・干拓、木竹の伐採の三つの行為について、環境大臣の許可が必要になっております。
 それでは諮問案件ごとの説明に入ります。まず国指定化女沼鳥獣保護区及び同化女沼特別保護地区の指定でございます。位置についてでございますけれども、化女沼鳥獣保護区は宮城県北部の大崎市に位置しております。赤線で囲まれた区域が鳥獣保護区でございまして、化女沼の水面及びその周辺の湖畔からなっております。化女沼は平野部にある丘陵の谷に灌漑用ため池として維持されてきたものでありまして、平成7年に沼の南側にダム堰堤が建築されて、今の形になっております。赤の斜線の区域が特別保護地区でございまして、鳥獣保護区の中でもダム水面の区域というふうに考えてございます。
 湖畔にはアカマツ、クリ、コナラ等が分布し、浅いところには広範囲にヒシ、ヒルムシロ等の浮葉植物が繁茂し、汀線部にはヨシ、マコモ、ショウブ等の抽水植物が生育しているなど、多種多様な植生を有してございます。このような自然環境を反映しまして、化女沼はヒシクイ、マガン、オオハクチョウ等のガンカモ類を初めとする渡り鳥の主要な渡来地となっております。特に亜種ヒシクイでございますけれども、毎年2,000羽以上、マガンは毎年3,000羽以上の越冬が確認されております。このように、当該区域は渡り鳥の飛来地として重要であることから、新たに鳥獣保護区に指定し、飛来する鳥類の保護を図ると。特に水面は鳥類の休息、採餌の場として重要であることから、特別保護地区に指定し、その生息地の保護を図る考えでございます。スライドが出ましたので、見ていただければと思います。
 指定区分は、集団で渡来する水鳥等の渡り鳥の保護を図るための集団渡来地の保護区になります。鳥獣保護区の面積は78ヘクタールで、そのうち特別保護地区の面積は34ヘクタールというふうに考えております。存続期間は平成20年8月1日から平成29年10月31日までの9年3カ月というふうに考えております。化女沼について公聴会の実施結果でございますけれども、本年5月28日に宮城県大崎市で開催しました。指定に際して公述人7人のうち賛成6名、あと湖水の利水・治水に支障がないことという趣旨の条件つきの賛成1人の意思表示があったところでございます。
 続きまして、西之島鳥獣保護区及び同西之島特別保護地区の指定について説明いたします。位置でございますけれども、東京都の南方約1,000キロ、小笠原諸島父島の西方130キロに位置しております。島の全域を鳥獣保護区とし、同じ区域を特別保護地区とするというふうに考えてございます。火山活動による溶岩及び砂礫質の噴火堆積物からなる低地になっております。西之島は南北600メートル、東西600メートルほどの大きさの無人の海洋島になってございます。西側の旧島台地、大きい写真の左手が旧島です。旧島台地がありまして、あと1973年に火山噴火で新島ができました。それが写真の右手の方にあります。この新島台地が溶岩によって形成されて、その間に火山堆積物で形成された低地が広がっているというような地形状況になっております。旧島と低地部分には、スベリヒユ、オヒシバ等の草本群落が見られております。
 西之島には、これまで環境省レッドリストで絶滅危惧IB類のアカオネッタイチョウ、II類のアオツラカツオドリ、オオアジサシ、オーストンウミツバメを初め、オオアジサシ、セグロアジサシ等、海鳥類が集団繁殖しているということが確認されております。最近の調査によるそれぞれの種の繁殖状況でございますけれども、これらオナガミズナギドリなどの海鳥類は、主に草本群落が見られる旧島台地や低地部分で繁殖していると。またオオアジサシは砂礫質低地での繁殖が確認されております。新島についてはまだ植生もなく繁殖は確認されておりませんけれども、植生が拡大すれば将来的には利用されるものと考えております。このように、当該区域は海鳥類の集団繁殖地として重要であることから、新たに鳥獣保護区及び特別保護地区に指定し、鳥類及びその生息地を保護する必要があるというふうに考えているところでございます。
 指定区分等でございますけれども、指定区分は集団で繁殖する鳥類の保護を図るための集団繁殖地の保護区でございます。面積は29ヘクタールで、特別保護地区も同様です。存続期間は平成20年8月1日から39年10月31日までの19年3カ月というふうに考えております。公聴会の結果でございますけれども、6月3日に遠方でございますので、東京都内で開催いたしました。公述人全員から賛成の意見をいただいております。
 続きまして、瓢湖特別保護地区の指定について、ご説明いたします。瓢湖は新潟平野のほぼ中央にある新潟県阿賀野市に位置しております。黒線で囲まれた区域が既に指定されている鳥獣保護地区で、灌漑用ため池とその周辺の水田という構成になります。その中でちょっと小さいですが、黒い点線で囲まれた区域が現在の特別保護地区、そして赤い線が今回拡張を考えております隣接して増設されております三つの池で、東新池、あやめ池、さくら池がこの三つの池がちょっと見にくいんですが、ございます。そこを新たに指定したいというふうに考えております。
 東新池では、オニビシやハスが生息しており、あやめ池、さくら池ではオニビシ、ヨシ、マコモが繁茂しております。鳥類ですが、今回拡張する区域は瓢湖と一体的にねぐらや採餌場としてコハクチョウ、オナガガモ、マガモ等のカモ類に多く利用されています。毎年コハクチョウは6,000羽以上、白鳥類、ガンカモ類は1万8,000羽以上が渡来しております。
 指定区分等でございます。集団で渡来する渡り鳥の保護を図るための集団渡来地の保護区です。保護区の面積は281ヘクタールですけれども、特別保護地区についてはこれまでの8ヘクタールから24ヘクタールに拡張しようというふうに考えてございます。存続期間は、全体の指定期間とあわせまして27年10月31日までの7年3カ月になります。公聴会の結果については、本年5月28日に阿賀野市で開催いたしまして、公述人全員から賛成の意思表示をいただいております。
 続きまして公告縦覧の結果でございます。20年5月7日から21日まで2週間に行われ、その結果、特段の意見はございませんでした。さらにパブリックコメントも5月9日から6月8日にホームページ等で実施しておりますけれども、意見件数はございませんでした。今後につきましては、答申をいただいた後、官報告示を7月下旬、施行を8月1日というふうに考えているところでございます。
 以上で鳥獣保護区・特別保護地区の指定についての説明を終わらせていただきます。ありがとうございました。

【山岸部会長】 ありがとうございました。ただいまの説明につきまして、ご意見、ご質問がございましたらどなたからでも結構ですので。それでは和里田委員。

【和里田委員】 今の説明で、存続期間がそれぞれ違うんですが、それの詳しい原因、根拠、ご説明がなかったんで、それを伺いたいと思います。

【事務局(小川)】 化女沼は9年3カ月、西之島は19年3カ月、瓢湖は先ほど説明したのでおわかりかと思いますけれども、なぜその二つが違うのかということだと思います。西之島は鳥獣保護法におきまして指定期間は20年以内となっておりますので、その中で一番長い期間と。通常10月31日であわせておりますので、そこにあわせて3カ月という数字が出たというものでございます。化女沼でございますけれども、これについては今回、非常に鳥にとって重要な湖面部分を特別保護地区に指定するということを優先していましたけれども、地元で事前に調整していく中で、周辺の水田も多く使われているですとか、周辺区域についても区域の見直しを進めていくべきだという話がございまして、20年にせずに、10年程度にして、そのときに見直すようにしようというふうに同意を得たところでございます。それでちょっと少なく9年3カ月というふうになった経緯がございます。

【山岸部会長】 和里田委員、よろしゅうございますか。
 それではほかにご意見、ご質問ございませんでしょうか。どうぞ土屋委員。

【土屋委員】 一般的なことなんですが、前にも鳥について同じような質問をしたことがあります。鳥についてはある特定の場所に集まるということのほかに、羽を休めるという意味では近隣の池、その他移動して活動していることが普通なんですけれども、保護区の設定あるいは保全に対する活動はより広範囲にいろいろ調査をしながら、案件を議論していかなければいけないというふうに思っているんですけれども、最近の環境省のいろいろな進め方について、どういう活動をしておられるのか、ご説明いただけると大変ありがたいと思います。

【山岸部会長】 これは課長から、どうぞ。

【星野野生生物課長】 鳥類は広範囲に環境を利用しているということでございます。鳥獣保護区の指定の作業の中では、特に鳥獣保護区の指定目的を考えまして、集団繁殖地ですと、まさに繁殖に利用されている重要な場所ですとか、集団渡来地となると、集団的に渡来しているまさに最も重要な地域ということを核に、指定の作業を続けております。しかしながら、例えばマガンの類ですと、休息をする水面だけではなくて、周辺で採餌しているところもございます。そういう観点では、最近はそういったところも含めた地元の理解を得る取り組みをしております。
 直近の例でございますと、3年ほど前、宮城県で蕪栗沼というところがございます。これは水鳥の重要な生息地なんですけれども、採餌場としての周辺の水田も含めて、蕪栗沼及び周辺の水田ということで鳥獣保護区に指定をしている場合もございます。最近は水鳥のそういった採餌場としての水田の重要性、またそのことを農業者も十分なご理解を得られるような状況になってまいりましたので、そういった保護すべき鳥類がどういう環境を利用しているのか、また周辺も含めて保護区の指定が可能な場合にはそういう取り組みもしていきたいと思っております。

【土屋委員】 大変でしょうけれども、なるべく多く情報を集めてご検討いただくようにお願いします。

【山岸部会長】 そのほかに、どうぞ磯崎委員。

【磯崎委員】 内容について異論はないんですが、西之島の場合で現状というか、背景なんですが、悪影響を与えるような人間活動であったり、利用の度合いとか、何かそちらの方からの原因、状況というのがあるのかどうか、ちょっとそこだけお願いいたします。

【山岸部会長】 それでは、ご説明お願いします。

【事務局(小川)】 特にこの西之島鳥獣保護区につきましては、鳥獣の繁殖に非常に重要だということで指定したいというところでございまして、委員おっしゃったような人為活動が加わっているとか、外来生物が急激に入っているとか、そういったものは現状では確認されておりません。重要なものを順次指定していく中で、今回、西之島をお願いしたいというものでございます。

【山岸部会長】 ほかにいかがでしょうか。どうぞ、加藤委員。

【加藤委員】 今の磯崎委員のご発言にちょっと関係するかもしれないんですが、指定そのものについては、全く反対はなくて賛成です。ただ指定をするときに、例えばそのことによって、行政的な費用が非常に発生するものなのかどうなのか。要するに、今、磯崎委員がおっしゃっていらっしゃったように、特にそれを指定しなかったとした場合に、放置しておけばどんどん悪いことが目に見えて起こるのではなさそうな場合に、指定をすることによって余分な行政的な費用とか、管理の手間とか、そういうものが加わるのかどうなのか、加わらないのであればもう全く問題はなくて、大事なところはどんどん指定していけばいいということになると思うんですけれども、そこに費用が加わるということになってきますと、そのときに適切性というのの判断を、天秤をかけて考えなければいけないことになるのかなということを思いまして、ちょっとその点だけお伺いしたいと思います。

【山岸部会長】 どうぞ、お願いします。

【星野野生生物課長】 鳥獣保護区の中でも場所によりまして、今説明いたしましたように、西之島につきましては、特段、人為的な問題等が起こっていないということでございます。ただし、指定した場合に定期的にそこの自然の状況をモニタリングすることは必要だと思っております。ただ、西之島について毎年やるのかというと、そういう必要はないと思っております。機会をとらえて、予算的な範囲の中で指定したところについては定期的にモニタリングをして、状況の確認をしていく。何か特別な想定していない事情があった場合には、それなりの対応が必要とは思っておりますけれども、当面、今回、西之島を指定したことに伴って、特別に何か大きな負担が出てくるということではないということをご理解いただきたいと思います。

【山岸部会長】 加藤委員、よろしゅうございますか。それではほかにございますでしょうか。
 これ以上、特段のご意見、ご質問もないようですので、ただいまの議題についてお諮りいたしたいと思います。
 国指定鳥獣保護区及び同特別保護地区の指定については、ただいまの事務局案が適当と認めてよろしいでしょうか。
(異議なし)

【山岸部会長】 ありがとうございました。
 それではご同意いただきましたので、本件は適当と認めることとし、この事務局案を当審議会の答申案として中央環境審議会会長に報告することにいたします。
 引き続きまして、事務局より幾つかの報告事項がございます。全部で6件ほどですか。順次説明いただいて、その後、ご質問などがございましたらご発言いただきたいと思います。どうぞ。

【事務局(亀澤)】 生物多様性地球戦略企画室長の亀澤でございます。私は参考資料1に基づきまして、さきの国会で、議員立法で成立しました生物多様性基本法について、ご説明をいたします。座って失礼いたします。
 2枚ほどめくっていただいたところに審議経過というのがございます。ここに載っておりますのは国会に提出されてからでございますけれども、提出前の動きとして、まず民主党が生物多様性基本法案をまとめた上で、4月に衆議院に提出しております。それと並行して検討を進めていた与党の方でも、与党案がまとめられまして、5月の連休明けから1週間程度の与野党協議で調整が整った結果として合意に達したものが、いわゆる委員長提案として、改めて国会提出されておりますが、それがこのページにあります5月20日の国会提出のところでございます。その後はここにありますように、衆参ともに全会一致で可決、5月28日に成立し、6月6日付で公布、同日付で施行されているところでございます。
 また2枚ほどめくっていただいたところに、生物多様性基本法の構成というところがございますけれども、これに基づきまして、法律の概要を簡単に説明させていただきます。法律の目的といたしましては、生物多様性に関する施策を総合的かつ計画的に推進することでありまして、それを通じて豊かな生物多様性を保全し、その恵みを将来にわたって享受できるという自然共生社会、その実現とあわせまして地球環境の保全への寄与を掲げているところでございます。
 それから基本原則として、保全と利用をバランスよく推進するという考え方のもとで、保全の原則とともに、利用については、生物多様性に及ぼす影響を回避または最小とするよう、国土や自然資源を持続可能な方法で利用するということが掲げられております。その右側にありますように、保全や利用に当たっては、わからないからといって何もしないのではなくて、早目早目に対策を講じるという予防的取組の考え方とか、あるいはモニタリングをしながら、対応方法を柔軟に見直していくという順応的取組といった考え方も盛り込まれているところであります。
 それから五つ目の四角で、生物多様性戦略というところがありますけれども、これにつきましては国に生物多様性国家戦略の策定を義務づけております。これによりまして、これまで生物多様性条約を直接受けて策定しておりました国家戦略が、法的な位置づけを与えられたことになります。それから地方公共団体による地域戦略につきましては、定めるよう努めなければならないという形で努力義務ですけれども、そういう規定がされております。地域の戦略につきましては、動物・植物が県境にかかわりなく移動とか分布をしているということもあって、例えば隣の県と共同で策定するとか、そういう柔軟な形での規定になっております。
 それから、その下に基本的施策というところがありますけれども、これにつきましては13項目にわたって盛り込まれております。地域とか種の保全など、保全に重点を置いた施策、それから企業活動とか有機農業なども念頭に置いた持続可能な利用に関する施策のほか、右側にありますように、共通する施策として多様な主体間の連携・協働、基礎的な調査ですとか科学技術の振興、教育を含む国民理解の増進とか、計画立案段階を含むアセスや国際的な連携などが盛り込まれているところでございます。この各条項は国が必要な措置を講ずるという規定になっておりますけれども、地方公共団体につきましては、国に準じた施策、あるいはそれぞれの地域の条件に応じた施策を講ずるという形で、別途、規定が置かれているところでございます。
 5ページ目以降に条文が載っておりますけれども、これについては後ほどごらんをいただければと思います。
 以上でございます。

【山岸部会長】 ありがとうございました。それでは何か。まとめて質問いただきますか、どうしましょう。

【星野野生生物課長】 まとめて。

【山岸部会長】 では6件、ご報告いただいて、どこからでも後はまとめてご質問いただくということにしたいと思います。そうしましたら、2番目のトキの野生復帰に係る最近の動きについて、お願いいたします。

【事務局(中村)】 それでは参考資料の2番になりますけれども、トキの野生復帰に係る最近の動きについてということで、ご説明させていただきます。野生生物課の中村と申します。よろしくお願いいたします。
 資料に沿いましてご報告申し上げたいと思います。まずトキについて、(3)の経緯のところでございますけれども、日本のトキ、中国からトキをいただきましてから順調に数がふえてきております。昨年2007年には中国より新たに2羽の「華陽」、「溢水」というトキが提供されて、ことしより繁殖に参加しているところでございます。現在、ちょうど繁殖期がほぼ終わりになったところでございますけれども、きのう現在でトキ合計122羽まで増加いたしました。
 内訳ですけれども、佐渡トキ保護センターに83羽、訓練を行っております野生復帰ステーションの方に28羽、あと昨年12月に鳥インフルエンザのための緊急措置として、多摩動物公園さんの方に飼育をお願いしておりますけれども、こちらの方が11羽となってございます。過去からの個体数の推移を下の方のグラフに示しておりますので、ごらんいただければと思います。
 裏面にまいりまして、現在のトキの野生復帰の取り組みということでございます。(1)の経緯でございますけれども、2007年ですけれども、ごらんいただきたいんですが、昨年野生復帰ステーションが完成いたしまして、この中に昨年の7月ですけれども、順化ケージで5羽のトキの訓練を開始いたしました。ことしに入りまして2月にさらに順化ケージに10羽を追加し、また繁殖ケージの方には8羽移送ということで、訓練を進めてきております。野生復帰の予定している地域でございますけれども、新潟県の佐渡島の南東部、ちょうど4分の1ぐらいの大きさのところですけれども、こちらの方で野生復帰を進めてまいりたいと考えているところでございます。
 訓練の状況でございますが、飼育下のトキが自然状態で自立して生きていけるようにえさを食べたり、飛んだり、天敵から逃げたり、そういった訓練を実施しているところでございます。現在、成鳥15羽が訓練を進めておりまして、実はこの繁殖期にその訓練のつがいができまして、ちょうどヒナが2羽生まれたという状態でございます。
 生息環境の整備でございますけれども、こちらの方は環境省だけではなくて、農水省、国交省、また新潟県佐渡市、さらには地域の住民、NGO、皆様がビオトープづくりですとか、田んぼと水路を行き来するような魚道の整備ですとか、そういったものに取り組んでいただいております。
 今後の予定でございますけれども、2008年秋の試験放鳥開始ということでございます。実は本日、環境省の方から新潟県佐渡市と同時ですけれども、9月25日に試験放鳥を行うという発表をさせていただいたところでございます。そういった中で放鳥を繰り返し行いまして、2015年ごろに60羽を定着させるという目標に向けて、事業を進めてまいりたいということで、現在、試験放鳥後のモニタリング体制などにつきまして、専門家の皆様の意見を踏まえながら、鋭意準備を進めているというところでございます。
 以上でございます。

【山岸部会長】 ありがとうございました。この件につきましても、後からご質問ありましたら承りたいと思います。
 それでは3番目の緊急指定種の指定について、お願いいたします。

【事務局(中島)】 中島でございます。緊急指定種の指定についてご報告を申し上げます。参考資料3をごらんいただきたいと思います。
 参考資料3の裏側を見ていただきたいと思います。先ほどご審議いただきました、種の保存法に基づく国内希少野生動植物種の指定でございますが、こちら政令改正事項となりまして、このように審議会を開いていただいたり、いろいろな手続が必要となってまいるんですけれども、2番の○の二つ目にございますとおり、新種ですとか、あと初めて我が国で生息していることが確認された種ですとか、また再発見種であるとか、そういった種に関しまして、そのような国内希少種の指定の手続をとっていると、種の保存に関して重大な支障があるというような認められる種に関して、緊急指定種というような制度がございます。この指定は、緊急的な措置でございますので、緊急指定種の指定は期間3カ年が限度となっておりますけれども、これまで緊急指定種の指定例としましては、平成6年にワシミミズクと3種を指定した例がございます。
 表に戻っていただきまして、ことしの3月に新種といたしましてタカネルリクワガタという、写真を載せてございますけれども、大変きれいな昆虫が発見をされまして、これが11月に新種として記載された種なんですけれども、新種記載以降、ネットオークションなんかで取引が確認をされたりということで、あと先生方の研究によって大変分布域が限定されているということも確認されておりまして、まさに緊急指定種としての指定の対応が必要ではないかということになりまして、3月24日に緊急指定種としてこれを公示し、26日の施行をしてございます。これが平成6年以降、14年ぶりの指定となったわけでございます。
 先ほど申し上げましたとおり、緊急指定種3カ年の年限がございますので、この種につきましては環境省の方で生息状況等の調査を行ってまいりまして、3カ年の年度内に国内希少種とすべきかどうかというようなことについて、検討をしてまいりたいというふうに考えております。
 以上でございます。

【山岸部会長】 ありがとうございました。それでは引き続き4番目の報告事項、ラムサール条約湿地の指定について。

【事務局(小川)】 小川でございます。私から参考資料4、琵琶湖ラムサール条約湿地の拡張について、ご説明させていただきます。
 ラムサール条約湿地は現在、全国33カ所が登録されております。資料裏をめくっていただきますと、位置図が表示してあります。簡単ですが、このように全国に33カ所あるというものでございます。本年10月28日から11月4日に、韓国の方でラムサール条約の第10回締約国会議が開催されることになっております。これにあわせて我が国におきましては、幾つかの湿地の新規登録と区域の拡張を予定しているところでございます。本日は、条件が整いました琵琶湖の拡張についてご報告させていただくということで考えているところでございます。
 琵琶湖は、平成5年にラムサール条約に登録されたところでございます。区域図の琵琶湖全体に大きくかかっております。これが区域指定していたところでございますけれども、今回、拡張部分は琵琶湖国定公園第2種特別地域の382ヘクタールと、ここの拡張区域と囲んであります黒い丸の中になります。琵琶湖の該当する基準といたしましては、湿地タイプで我が国を代表するもの、また絶滅のおそれのある、動植物のライフサイクルの重要な段階を支えていると。あと定期的に2万羽以上の水鳥を支えているという条件が琵琶湖に該当しているところでございますけれども、当該区域につきましては、ちょっと小さい航空写真で申しわけないんですけれども、このような区域になっておりまして、大規模なヨシ群落が発達しているということで、基準1の湿地タイプ、湖沼で我が国を代表するという基準に資するものということで、これを加えてまいりたいというふうに考えたところでございます。
 今後につきましては、10月ころ官報に指定の告示をいたしまして、条約事務局に通報し、10月28日からのCOP10の期間中に条約事務局より登録していただくというふうに流れがあるところでございます。
 私からは以上でございます。

【山岸部会長】 ありがとうございました。では続きまして、5番目の高病原性鳥インフルエンザ発生への対応について、お願いいたします。

【事務局(徳田)】 鳥獣保護業務室の徳田でございます。よろしくお願いします。それでは参考資料5につきまして、ご説明をさせていただきます。
 野鳥にかかる高病原性鳥インフルエンザの発生への対応についてということで、これまで我が国におきましては平成15年度、それから平成18年度に再度家禽から発生をしまして、本年4月の下旬から5月の上旬にかけて、今度は家禽の発生がなくて、オオハクチョウから高病原性のH5N1の鳥インフルエンザが確認されたところでございます。これまで環境省といたしましては、一番最初に平成15年度に発生をしたときに踏まえて、平成17年度に、都道府県がどういうふうに対応すべきかというマニュアルを作成して、都道府県に配って周知をしていたところでございます。
 プラス渡り鳥の飛来解明ということで、人工衛星の追跡、あるいは国内での生きた野鳥をつかまえる、あるいはガンカモ類のふん便を採取するということで、モニタリングを進めていたところでございますが、ガンカモ類のふん便の採取、あるいは生きた野鳥のサンプル採取につきましても、どちらかというと西日本を中心に進めていたところでございますが、本年の発生がその参考資料を1枚めくっていただきまして、青森・秋田の十和田湖、それから北海道の野付半島、それから北海道のサロマ湖で、今般オオハクチョウからH5N1の高病原性の鳥インフルエンザウイルスが確認されたところでございます。
 ということで、国内の野鳥のサーベイランスを全国をターゲットにして、もう一度見直すというようなこともいろいろ指摘を受けておりまして、現在、専門家会合あるいは今回のその感染経路の調査ということで、ワーキンググループを立ち上げていろいろ検討をしているところでございます。サーベイランスの見直しも含めまして、8月の末をめどに、17年に都道府県に周知したマニュアルを改訂して検査方法、あるいは回収検査方法、それから国内のモニタリングをどういうふうに進めていくかと、あと対応についてどういうふうにするかということについて、都道府県がきっちり対応できるようなマニュアルを作成するということで、現在、進めているところでございます。
 以上でございます。

【山岸部会長】 ありがとうございました。最後に、それでは鳥獣被害防止特措法に係る環境省の対応についてお願いいたします。

【事務局(久保)】 鳥獣保護業務室の久保でございます。よろしくお願いいたします。それでは参考資料6、鳥獣被害防止特措法について、ご説明させていただきます。
 この法律の正式名称は、「鳥獣による農林水産業等に係る被害の防止のための特別措置に関する法律」という名称となっております。この法律は、議員立法で国会に提出されたものでございまして、所管官庁は農林水産省でございます。ただしこの法律、鳥獣保護法とかなり密接な関係がございますことから、検討の過程で環境省も深くかかわってきたところでございます。この法案自体は、昨年の12月に国会に提出されまして、12月14日に参議院本会議において可決、成立し、12月21日に公布され、本年2月21日から施行されている法律でございます。
 3ページをごらんになっていただきたいんですが、法律の概要を簡単に説明させていただきます。目的としましては、鳥獣被害の防止のための施策を総合的かつ効果的に推進することによって、農林水産業の発展及び農山漁村地域の振興に寄与するということを目的としているところでございます。またこの被害防止対策に当たっては、地域の実情に精通した市町村長が計画を策定して、それに基づき対策を実施する旨が規定されているところでございます。農林水産大臣は、この対策が適切に実施されるために基本指針を定めることというふうに規定されているところでございます。この基本指針を定めるに当たっては、環境大臣と協議の上、鳥獣保護法の基本指針との整合性を確保するという規定も盛り込まれているところでございます。
 あと鳥獣保護法の関係する部分としましては、4番目の鳥獣の捕獲の許可権限の委譲ということで、市町村長が被害防止計画を策定し、その計画の中で鳥獣の捕獲許可権限を行使したいと盛り込まれた場合は、都道府県知事が同意した場合に限り、許可権限が委譲できるという規定が盛り込まれております。ちなみに、市町村長への許可権限はこの法律に限らず、地方自治法に基づいての許可権限が委譲できる仕組みになっておりまして、現在においては約9割の市町村が有害捕獲許可については、既に委譲されている状況でございます。
 そのほかに、この法律の附則でございますが、次の4ページをごらんいただきたいんですが、附則関係ということで9の2でございます。鳥獣保護法の一部改正ということで、この鳥獣被害防止特措法の附則において、鳥獣保護法の改正が行われております。内容としましては、環境大臣及び都道府県知事は、鳥獣の生息状況等について定期的に調査をする旨の規定が、この附則によって盛り込まれております。
 条文の内容は7ページになっておりますが、7ページをごらんになってください。7ページで、この附則によって鳥獣保護法第78条の2ということで、「環境大臣及び都道府県知事は、鳥獣の生息の状況、その生息地の状況その他必要な事項について定期的に調査をし、その結果を、基本指針の策定又は変更、鳥獣保護事業計画の作成又は変更、この法律に基づく命令の改廃その他この法律の適正な運用に活用するものとする。」という条文が新たに追加されたところでございます。このように、農林水産省所管の法律でございますけれども、鳥獣保護法とかなり密接にかかわるところから、重要な部分については環境大臣と協議するような仕組みが設けられているところでございます。
 以上でございます。

【山岸部会長】 ありがとうございました。ただいまの説明につきまして、ご質問、ご意見を伺いますが、何番目の報告だったかということを、だれに言いたいかということをはっきりさせてからご質問いただきたいと思います。それではどうぞ、名札をお挙げください。それでは西岡委員。

【西岡委員】 温暖化に関してでございます。生物多様性基本法の中でも事の重大さについて触れられてあると思います。現在、もう既に農業関係では相当の影響が出ているという状況があり、かつまたIPCC等の報告でも今後10年、20年、この温暖化が続くという状況にあるかと思います。
 きょう、審議がありました生息域であるとか、それから種の指定等々も、これによって大きく全体が変わる可能性もあるわけでございますけれども、質問といたしましては、全体の例えば観測あるいは影響評価、さらに適応策、そしてその対応についてどのように進めておられるか、簡単でよろしいんですけれども、お聞きしたいと思います。

【山岸部会長】 亀澤室長、お願いできますか。

【事務局(亀澤)】 ありがとうございます。温暖化の関係に関しましては、基本法の中にも盛り込まれておりまして、第20条の中では基本的施策として、温暖化との関係が書いてございます。生物多様性の保全が地球温暖化の防止に資することも踏まえて、多くの炭素を吸収し固定している森林とか湿原、そういうものを保全するとともに、あとは間伐とか採草等、そういう多様性を保全するための管理、そういうものから出る資源を利用する。そういうこともあわせてやっていくということで、多様性の保全と地球温暖化の防止、そういうものをリンケージをつけてやっていきましょうということでございまして、これに関しましては、こういう基本法の規定もありますし、さきの洞爺湖サミットでも、お互いの関係をきちんと考えていこうというようなことが入っておりますので、そういうことを踏まえて適応策、緩和策も含めて、今後、具体的な検討を進めていきたいというふうに思っております。これに関しましては昨年の11月に閣議決定をいたしました第三次国家戦略の中でも、そういうことを進めていくということが入っておりますので、具体的には今後、予算も確保して進めていきたいというふうに思っております。

【山岸部会長】 ありがとうございました。それでは山極委員、お願いいたします。

【山極委員】 生物多様性基本法についてですけれども、この第20条で最後のところに、「生物の多様性を保全するために必要な管理が促進されるようバイオマスの利用の推進その他の必要な措置を講ずるものとする。」と。この部分は、例えば昨年11月に日本学術会議から提案があったバイオ燃料のことに関する提案、例えば現在エタノールのガソリンへの混入利用によって、いわゆる熱帯雨林地域の森林破壊が進んでいる。あるいは食料の値段の高騰というものが懸念されるという状況が、非常に加速しているわけです。これについて、いわゆる利用管理の放棄によって大量に生育するササ、タケ、ヨシ、オギ、ススキなどのバイオマスをセルロース系エタノール生産に利用すれば、原料や土地の他の用途との競合がないばかりか、第2の危機の解消を実現することができるというのはもう提案があったわけですけれども、これに関連するものとして理解していいのかどうか、あるいは環境省が、具体的にそういったような施策を考えていらっしゃるのかどうか、ちょっとその辺のことをお聞きしたいんですけれども。

【山岸部会長】 それでは亀澤室長。

【事務局(亀澤)】 学術会議からご提案をいただきましたことを踏まえて、昨年11月に決定をした国家戦略の中でそういう草木質系の資源、それをバイオ燃料として利用するということも含めて、そういうことが進めば、里地・里山の管理の推進にもつながるということで、生物多様性の保全上も効果があるというようなことを国家戦略にも入れておりますが、その考え方を踏まえたものが第20条に盛り込まれているというふうに考えております。
 そういうセルロース系のバイオ燃料に関しましては、農林水産省もその推進ということを進めておりますけれども、それ以外のススキとかそういうものも利用するようなことにつきましては、農林水産省とも連携をとりながら、環境省の方でも研究を進めていきたいというふうに思っております。

【山岸部会長】 よろしゅうございますか。それでは石井実委員。

【石井(実)委員】 私は参考資料の3なんですけれども、よろしいですかね。
 中島係長にちょっとお伺いしたいんですけど、緊急指定種でタカネルリクワガタが入ったということで、お示しいただいた資料は3月24日の、これは報道提供資料ですよね。この時点では下の方にあります分布のところですけれども、「これまでの調査から、我が国のある山系の非常に限られた地点にのみ」ということで伏せてあるんですね。大変きれいなクワガタなんですけれども、かなり類似した近縁種が多くて、多分一般の人はとったときに、これかどうかってわからないと思うんです。それで弁護士でアマチュアの昆虫愛好家から私がちょっと指摘を受けまして、現在どうなっているかわからないんですけど、このように指定するときに、地域を伏せてやるのは違法ではないかと。例えば知らずにとった場合に、それがたまたまこれだったら罰せられるのかどうかということも含めてなんです。現在、まだ今の段階でも産地は伏せているのかということ、それから違法というのは言い過ぎかもしれませんけど、こういうやり方でいいのかというのは、ちょっと見解をお聞かせください。

【事務局(中島)】 申し上げます。確かに緊急指定種の指定をするときに、この生息地の取扱については、省内でも十分検討してまいったところでございます。
 先ほど石井先生がおっしゃった内容については、当然、故意でないものは罰することができないという刑法の規定がございますので、故意でないものは罰せられるということはありません。しかし、この緊急指定種を指定して以降、ルリクワガタの愛好家の方はいっぱいいらっしゃいますので、たまたまとったときにどうするんだとか、せめてどこら辺にいるということを教えてもらえれば、そこは避けて捕獲をするんだけれどもという、善意の方のご連絡が環境省の方にも寄せられたところでございます。
 指定時には、産地データが公表されていなかったものですから、環境省から積極的に産地を公表して言って、この法律上の規定をするということにはならなかったんですけれども、その新種記載をされた先生なんかとも相談をさせていただいて、この間、一応鞘翅学会の学会紙の方でどの地域に生息しているかということは公表されたように聞いております。

【石井(実)委員】 私の気持ちとしては、最初にご相談を受けたときも、伏せた方がいいとは私も言っていますし、これ本当に限られたところにしかいませんので、そこを言ってしまったら、全滅する可能性というのはあるとは思っているんですね。ですから逆に、法律の方を少しいじったらどうかなというふうに思うんですけど、この緊急指定の場合に、特にこんな場合には産地を伏せることができるって、今言ったように、これ故意でなくてとった場合には云々みたいな話というのはできないんでしょうかと、逆に思ったりするんですが。

【星野野生生物課長】 今、中島からもお答えしたとおり、これは告示をして効力が発生すると。その要件としては、分布域を細かく書くということは要件になっておりません。どういう種を指定するかということだけでございますので、その後の附帯的な情報をどこまで出すかというのは、ケース・バイ・ケースで考えていきたいと思います。
 タカネルリクワガタについては3月時点と、今説明申し上げましたように、状況も変わっております。専門家の専門紙の間では分類方法も詳細な、どういうところを見ればこの種になるのか、違いもはっきりとした検索表のようなものも出されておりますので、今の時点では、愛好者の間で問題が起こるということは少ないんじゃないかなと思っております。非常に限定されておりますので、環境省として積極的に出すということは考えておりませんけれども、少なくとも、専門紙の中で記載されているような表現であれば、我々も問い合わせがあればしたいと思います。

【山岸部会長】 それでは桜井委員、お願いいたします。

【桜井委員】 最後の鳥獣被害防止特措法についてですけれども、ちょっと私が十分理解していないからなのかわかりませんが、この法律と、それから鳥獣保護法との整合性の問題で、例えば海獣類の中でトドは農林水産省のマターになっていまして、鳥獣保護法になっていませんね。こういったものも含めて、陸生のものも含めて、例えば駆除等の問題が起きたときに、従来ですと、国あるいは都道府県がある程度、一定のルールをつくってやるんですけれども、この場合にはもうそういった駆除とか、そういう被害対策も含めて、市町村でも可能であるというふうに考えてよろしいんでしょうか。

【事務局(久保)】 ご説明させていただきます。参考資料6の6ページを開いていただきたいんですが、鳥獣被害防止特措法と鳥獣保護法との関係ということで、先ほどご説明しましたとおり、基本指針については、農林水産大臣の基本指針と鳥獣保護法上の基本指針との両者の整合性がとられるよう、両大臣が協議して定めるということになっていますので、ここでの齟齬は生じないということです。
 あともう一つ、この法律はいわゆる鳥獣の被害防止対策については、市町村長が自主的に定めることができるとなっておりまして、具体的に計画を策定した場合は、農林水産省のいわゆる支援制度、補助金でございますとか、そういったものが通常の補助金よりも高い補助率等で支援されるというようなものとなっております。鳥獣保護法上で、その被害防止計画の中身が、各都道府県知事が定める鳥獣保護事業計画に即したものであるかどうかというのは、計画をつくる過程で必ず都道府県知事と協議することとなっております。
 当然、鳥獣保護事業計画にそぐわないものでありますと、都道府県の方から修正の協議とかというのを市町村長にして、そこは整合性をすり合わせるというふうになっておりまして、さらに特定計画が定められている場合は、その特定計画の計画内容とも市町村が定める被害防止計画が整合したものかどうかというのは、都道府県知事が判断して、最終的に問題ないということであったら同意するという形になっております。
 さらに捕獲許可権限の委譲についても、これについても都道府県知事の同意がない限り、権限の委譲はできないということになっておりますので、その辺の齟齬は問題ないというふうに考えております。

【山岸部会長】 よろしゅうございますでしょうか。そうしましたら市田委員、三浦委員の順序で意見をいただいて、そこで終わりにしたいと思いますが、いかがでしょうか。では鷲谷さん先に、どうぞ。

【鷲谷委員】 希少種の生息地に関する情報の扱いについてなんですけれども、もちろんケース・バイ・ケースですべて考えていかなければならないことだと思うんですけど、ある程度の一般論というか、そういう原則はあるんではないかと思うんです。それで、もちろん、従来問題になるような行為を防ぐという観点から、希少性が高い分布の範囲が狭いものというのは、なるべく隠すという姿勢だったと思うんですけれども、一方で多くの目でそういう悪い行為が起こらないように監視するとか、広い人々が参加して保全するとか、そういう観点、あるいはさっきおっしゃったような間違っての捕獲採集などを防ぐという観点からは、ある程度情報を出しておいた方がいいということもあって、そのバランスを考えながら、ケース・バイ・ケースで判断するということだろうと思うんですけれども、悪意を持つ人の行為を防ぐという観点ですと、その範囲が少し広く情報提供されていれば、そんなには特定できない、そこにアプローチできない。だけれども、その実際の分布よりもやや広い範囲での情報提供があれば、注意する人は注意ができるということだと思いますので、これは空間的なスケールをどのぐらいのスケールで情報提供するかという問題だと思いますので、次第に一般論も整理されていかれるのがいいんではないかと思います。
 以上です。

【山岸部会長】 ありがとうございました。ご参考にしてください。それでは市田委員、どうぞ。

【市田委員】 ありがとうございます。資料の1の亀澤さんのところを中心にご質問というか、お願いをしたいと思うんですけれども。今六つの報告があって、短い間に物すごくいろんなことが行われているということがよくわかったんですけれども、特にこれからこの多様性保全の国家戦略を進めるに当たって、いろんなところで議論があって、いろいろやるのは結構なんですけれども、どういう順番でどういうプライオリティでやっていくんだというところが、一体どこで議論されて、どうやって決まっているんだろうかというところが一つ問題だという意見がありますね。それなんか、昨年の沖縄で開かれた太平洋学術会議でも、そういったところが問題になって、やるのはすごくすばらしいことですけれども、どういう順番でどういうプライオリティでやるんだろうかと。
 イギリスの国家戦略なんかを見ますと、400種類のターゲットの種類があって、それぞれの種類についてどういうことを、例えば今20羽しかいないとすれば、それを10年後には50羽にするんだとか、そういう50羽にするとすれば、そのために何をしなきゃいけないかということが全部書かれていて、なおかつ、それについてそれはどこの省が担当するとか、どこの団体が担当するということまで全部書いてあって、なおかつそれを総括する係まで決まっているわけです。そういうふうにしていくと、一生懸命頑張ってやったことについての達成度がわかってくるわけです。
 今回、この審議会にも年に1回どさっと資料をいただいて、いろんなことをやっているとお聞きすることができて、すごいなと思うんですけれども、一体全体どこに向かって、どこまで行っているんだろうかというのが私たちには見えてこないわけです。そういうことを言うと、少しお役所には嫌われるんですけれども、でもやっぱりもうここまで来たら、そろそろ具体的な数値目標とか優先順位の決め方とか、そういったことを定めて、そういう方向で議論が進んでいかないのかなという気がするんです。
 鳥獣保護区の指定も決して反対しているわけではないですけれども、西之島などが保護区になるのはすばらしいことだと思うけれども、でもあそこへ行こうとしてもなかなか行かれない場所ですから、言い方は悪いですけれども、放っておいても何の変化もないんですね。やることについてはすばらしいですけれども、一体どの優先順位でやるかというあたりの論議が、そろそろ始まってほしいというか、していただけないものかなと、こう思って、あるいはもうやっていらっしゃるかもしれませんけれども、その辺のお考えを少しお尋ねできればと思います。

【山岸部会長】 どうしますか、お答えになりますか。

【星野野生生物課長】 十分ご意見を踏まえて、対応させていただきます。

【事務局(亀澤)】 昨年の11月に閣議決定をした国家戦略の中では、第1部、第2部と分けて、第2部の方は行動計画という形で、660の具体的施策について、それぞれ何省がやる、あるいは何省と何省が連携するというところまでは書き込みました。それはこの今後5年間程度の間にやるというものをすべて書き出しておりますので、それについては毎年の点検の中でどこまで進んだか、一部34の施策については数値目標を入れてありますから、それで評価をしたいと思いますし、今入っていないものについても、具体的にどれぐらいの面積を指定したとか、できるだけ数値であらわすような形で審議会の方にご報告をした上で、さらに、この部分はもっと重点的にやるべきだというようなご意見もいただければと思います。

【山岸部会長】 ご不満でしょうが、それでは次に三浦さん。

【三浦委員】 すみません。桜井委員から特措法の話が出たんで、ちょっと一つは要望と、一つは質問をしたいというふうに思います。やっぱりこの法律の一番大きな問題点は、鳥獣保護事業計画、なかんずく特定鳥獣保護計画制度との整合性をいかに図っていくのかということです。それで各市町村は独自に防除隊等々を創設することができるということで、これは県の庁議ということですが、法律的に論理的にいけば市町村が走るということも可能なわけです。ミクロなスケールといいますか、そういうスケールでの鳥獣の管理というのが先行することが一番心配しているわけです。
 それで特に市町村にそういう鳥獣担当の専門家というのがいないわけで、一つの要望としては、鳥獣保護法上の人の配置と、それから今回のこの特措法による人材をどう担保していくのかといったようなのを、これは法律、こういうような格好でそういう人材の確保というところに、そういうものをつくり出してもらいたいということが一つと。
 それからもう1点、これは質問なんですが、実際に現在、時間的にはそれほどたってはいないんですが、市町村の中でこの防止計画を半年足らずでつくっているところが、農水も盛んにつくるように働きかけてはいるようですけども、具体的にどれぐらいあるんでしょうか。

【事務局(久保)】 それではまずご質問の方の今、現時点でどれぐらい計画が作成されているかという数値的なものについては、まだ私どもも、農水省の方から具体的な数字を聞いておらず、お答えすることはできないことをご勘弁願います。

【星野野生生物課長】 もう一つ、人材育成の方を私から。今回特措法、鳥獣法と十分整合をとるということで、基本方針、それから県の事業計画レベル、特定計画をつくっている場合には特定計画との整合性というのをしっかり法律の中に書き込んでおりまして、機会をとらえて都道府県にしっかりと指導していきたいと思っております。
 人材確保の観点なんですが、従来からその必要性、我々も十分認識しておりまして、人材育成のための検討も開始しております。人材を登録して、そういう登録された人材を有効に都道府県、市町村で活用してもらう、そういった取り組みを進めておりまして、今後とも人材育成は非常に重要だということで、さまざまな検討をご指導いただきながらやっていきたいと思っております。

【山岸部会長】 つけ加えることはありますか。いいですか。
 それではご意見いただけなかった委員の方、何かございますでしょうか。結構でしょうか、石坂委員、石原委員、是末委員、齋藤委員、よろしゅうございますか。
(なし)

【山岸部会長】 それでは事務局、そのほかに何かございますでしょうか。

【事務局(須藤)】 特にございません。

【山岸部会長】 それではちょっと、まあまあ時間どおりだと思うんですが、以上をもちまして本日の野生生物部会を閉会としたいと思います。
 ご協力ありがとうございました。