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議事録一覧

中央環境審議会野生生物部会 会議録


1.日時

平成18年12月6日(水)15:30~17:10

2.場所

中央合同庁舎5号館 環境省第1会議室

3.出席者

(野生生物部会長) 岩槻 邦男
(委員) 鷲谷いづみ
(臨時委員) 石井 信夫 石井  実 石原  收
磯崎 博司 市田 則孝 大井  玄
齋藤  勝 佐々木洋平 立花 直美
速水  亨 三浦 愼悟 山岸  哲
和里田義雄
(環境省) 冨岡自然環境局長
黒田審議官
星野野生生物課長
鍛冶国立公園課長
猪島鳥獣保護業務室長
鳥居外来生物対策室長

4.議事

【司会】 それでは、予定の時刻となりましたので、中央環境審議会野生生物部会を開催していただきたいと存じます。
 本日の出席者数でございますが、まだお二方ほどお見えではないのですけれども、一応過半数を占めておりますので、中央環境審議会運営規則により定足数を満たしておりますので、本日の部会は成立をしております。ほどなくお見えになられると思います。
 続きまして、お手元にお配りをいたしました資料について確認をさせていただきます。配付資料一覧を読み上げさせていただきます。
 中央環境審議会野生生物部会委員名簿、その次に諮問事項関係でございますが、資料1、狩猟鳥獣の捕獲等をする期間の設定について(諮問書)。資料1-1猟区における狩猟鳥獣の捕獲等をする期間の変更案。資料2、対象狩猟鳥獣の捕獲等の禁止又は制限について(諮問書)。資料2-1、とらばさみ及びくくりわなの禁止・制限に係る背景。資料2-2、わな猟具について。資料2-3、対象狩猟鳥獣の捕獲等の禁止又は制限を定めることについて。資料2-4、公聴会意見概要。
 続きまして報告事項関係でございますが、資料3-1、鳥獣の保護及び狩猟の適正化に関する法律施行規則の一部を改正する省令案(概要)。資料3-2、パブリックコメントの実施結果について。資料3-3、施行規則の一部を改正する省令案に対する意見の要旨と対応の考え方。資料4、第10次鳥獣事業保護計画の基本指針の概要~現行基本指針からの主な変更点について~。資料5、クマ類の出没等の対応のために―クマ類出没対応マニュアル(暫定版)―。以上でございます。
 もし、資料等に不備がございましたら事務局までお申し出お願いいたします。
 それでは、岩槻部会長、よろしくお願いをいたします。

【岩槻部会長】 それでは、本日の議事に入らせていただきます。
 本日は、審議事項が2件と報告事項が3件準備されておりますので、議事の進行についてご協力お願いしたいと思います。
 それでは、議事に入る前に、冨岡自然環境局長からごあいさつをお願いいたします。

【冨岡自然環境局長】 委員の皆様には、ご多用中のところご出席いただきまして、まことにありがとうございます。また、先ほど開催されました鳥獣保護管理評議員会から引き続きご出席の先生方には、まことに恐れ入ります。
 先ほど部会長が申し上げましたように、本日は審議事項2件、それから報告事項3件でございます。内容につきましては、本日の議事次第に書いてある5項目でございます。何分限られた時間でございますので、ご審議方よろしくお願い申し上げます。中身につきましては、後ほど事務局からご説明申し上げますので、私の方からは省かせていただきますが、1つだけ申し上げますと、この秋はクマの大量出没がございまして、いろいろ新聞等でも報道されておりますが、国会でも大変多くの議論がなされておりまして、私どももそれを踏まえまして緊急対応マニュアルといった対応をさせていただいておりまして、そのご報告もさせていただきます。
 以上、簡単でございますが、ご審議方よろしくお願い申し上げます。

【岩槻部会長】 どうもありがとうごいました。
 それでは、早速本日の議事に入らせていただきます。
 審議事項の2件についてですけれども、中央環境審議会に対して環境大臣から諮問を受けているところですけれども、いつものようにこの2件が野生生物部会に付議されておりますので、そのことをまずご報告させていただいて、まず1番目の狩猟鳥獣の捕獲等をする期間の設定についてという諮問について、事務局の方からお願いいたします。

【星野野生生物課長】 お手元にお配りしております資料1が諮問書でございます。読み上げさせていただきます。
 諮問第206号、平成18年12月1日、中央環境審議会会長鈴木基之殿、環境大臣若林正俊。狩猟鳥獣の捕獲等をする期間の設定について(諮問)。鳥獣の保護及び狩猟の適正化に関する法律第11条第3項において準用する同法第3条第3項の規定に基づき、狩猟鳥獣の捕獲等をする期間を別表第1のとおりとすることについて、貴審議会の意見を求めます。
 以上でございます。

【事務局】 続きまして、資料1-1をごらんになってください。今ご説明しました件について、概要版としてわかりやすく書いてあります。
 まずこの法律において、狩猟期間とは、10月15日から4月15日と定まっております。そして第12条で、環境大臣は狩猟鳥獣の保護を図るため、必要があると認めるときは、狩猟期間の範囲内においてその捕獲等をする期間を限定することができるとされております。これに基づいて、現在、放鳥獣猟区を除きまして、北海道以外につきましては、11月15日から2月15日、北海道につきましては10月1日から1月31日までとなっております。放鳥獣猟区につきましては、北海道以外につきましては、11月15から3月15、北海道につきましては10月1日から2月末日となっているところです。それを今回の変更の案といたしましては、猟区につきまして1カ月前に延ばして10月15日から3月15日まで前1カ月、後ろ1カ月延ばす。それから放鳥獣猟区についても同じく前1カ月延ばすという同じ期間になっております。北海道につきましては、前に半月、それから後ろに猟区につきまして1カ月延ばすという案になっております。
 今回変更する理由ですけれども、鳥獣保護管理の捕獲の担い手となります狩猟者の育成及び狩猟者の事故なり、違反といった行為がないような観点から、猟区を狩猟者の訓練、もしくは技術向上の場所として位置づけまして、技術的にすぐれたガイドと一緒に狩猟を行うことなどによって、経験の浅い狩猟者の育成の場として猟区を活用していきたいという考えでございます。
 1枚めくりまして、裏側に参考としまして、猟区について説明をさせていただいております。猟区とは管理された狩猟、秩序ある狩猟を行うため、放鳥獣等により積極的に狩猟鳥獣の保護繁殖を図る一方、猟場の一部を区切って、その区域内で排他的に入猟者数、入猟日、捕獲対象鳥獣及び捕獲数の制限等を行う区域のことを言っております。
 猟区については、対象狩猟鳥獣が捕獲対象となっておりまして、設定者としては国、地方、民間等となっております。放鳥獣猟区というのは両区の一形態でございまして、放鳥した鳥獣のみが捕獲対象となっている場所でございます。設定状況といたしましては、猟区は34猟区、14.3万ヘクタール、13県となっております。放鳥獣猟区につきましては3猟区、0.2万ヘクタールとなっているところでございます。猟区の管理規程につきましては資料にあるとおりですので、ごらんになっていただければと思います。
 あわせまして、今回の変更点についてのパブリックコメントの結果としまして、ちょっと飛びますが、資料3-2の2枚目、鳥獣の捕獲等をすることができる期間の延長という、一番上の5番目のところに出ております。これに関しましては、53件の件数がありまして、どういった意見が出たかをご紹介いたしますと、猟区の設定、狩猟期間の延長は、地域住民の十分な理解を得てから実施して、広く周知を図ってほしいと。これにつきまして、猟区変更に関しては、知事の認可が必要となっておりますし、また土地所有者の承認というのも改めて必要になってきているところです。
 続いて経験の浅い狩猟者の育成にとうたいつつ、結果として趣味の狩猟期間が延長になるおそれがあるんじゃないかということなんですけれども、この後ご紹介します西興部村猟区での狩猟者育成の取り組みですとか、そういった取り組みをやっているところもありますので、そういったものを推進していきたいと考えています。
 狩猟期間の延長は安全確保に問題があるので反対と。猟区においては排他的にほかの、雑多に狩猟者が入るのではなく、1日の入る入猟者数が1日10人までとかと決まっていますので、より安全で安心であると考えております。
 続いて狩猟期間の延長には反対。
 それから、経験の浅い狩猟者の育成が目的の一部なら、地域間格差のないように、猟区のような場所を設定して狩猟期間の延長を図るべきというご意見が出ているところでございます。
 事例といたしまして、西興部村の猟区を先進事例としてご紹介させていただきます。平成16年に猟区を設定いたしまして、設定者は西興部村猟区管理協会となっておりまして、設定面積が3万812ヘクタールとなっております。最大積雪深は100センチ、人口1,200人、森林が9割、農地が5%といった場所になっております。
 運営形態としましては、西興部村猟区管理運営委員会としまして、村ですとか農協、森林組合とかも含めた委員会の指導のもとに、猟区管理協会というところが運営しております。地域住民ともあわせた合意形成なり協働ということで運営されているところでございます。
 活動目的としましては、特に安全な狩猟をガイドつきの狩猟によって実現するですとか、狩猟技術を次の世代の狩猟者の育成につなげ、育成の取り組みを行うといったことになっております。
 活動の柱は入猟事業、狩猟者育成事業、環境教育事業となっておるところでございます。
 その入猟事業についてちょっとご紹介いたしますと、1日の入猟者数を2組、6名に制限しております。捕獲制限につきましては、1人1日1頭として、追加で1頭ということで、最大1日2頭がとれることになっております。地元ハンターのガイド同伴が必ず義務となっているところです。初心者には捕獲技術、それから解体技術まで指導していただけるということで、安全でゆったりとした秩序ある猟場が実現していると。さらに初心者ですとか高齢者でも、初めて来るハンターでも安心して利用できて、かつ必ず高い捕獲効率、獲物がとれると、獲物がとれるチャンスが多いということになっています。
 それから、注目すべきモデルとして、狩猟者教育事業というのも取り組まれております。狩猟セミナーとして、初心者等を対象に、ベテランハンターなり、学識経験者が講師となりまして、野生動物の管理医学ですとか、狩猟技術、それから実技としては捕獲方法、それから解体・料理まで講習している内容となっております。猟区では一般のハンターが入れないということで、自由で安全な講習が可能という取り組みがされています。これが取り組みの写真で、シカの牧場を活用してシカの生態の講義等が行われているところです。
 猟区の期間の変更については、ご説明は以上で終わらせていただきます。

【岩槻部会長】 どうもありがとうございました。
 今の説明につきまして、何か質問かコメントがありましたら、どうぞご発言ください。
 山岸委員どうぞ。

【山岸委員】 質問なんですが、資料の1-1、どうでもいいことなんですが、これは北海道以外と北海道と、上から下まで日にちは通っているんでしょうか。2月15日の北海道以外と北海道と、ちょっとずれていますが、直してください。

【岩槻部会長】 よろしいですか。
 ほかはいかがでしょうか。
 特にご発言ございませんでしょうか。
 どうぞ、齋藤委員。

【岩槻部会長】 結局どのぐらいのものというのが獲物として推定できるかどうか、ちょっとこれは実際やってみなきゃわからないことがたくさんあるかもしれませんけれども、推定としてはどれぐらいでしょうか。

【事務局】 推定は、ちょっと試算できにくいんですけど、現在実績としましては、全国の猟場での、獣類は約800頭、それから鳥類につきましては1,500羽がとられているところです。

【岩槻部会長】 いいですか、齋藤委員。

【立花委員】 今の北海道の例は非常にすばらしい、理想的な例が出たと思うんですけど、全国の猟区でもこういう動きが次第にふえていく、あるいはふえるように指導とかされているんでしょうか。

【事務局】 狩猟者団体の方にも、こちらからこういったことについてお願いをしておりまして、狩猟者団体の方も狩猟者が少ない、もしくは定着がなかなか図れないということがありますので、狩猟者団体の方から猟区の延長のお願いが来ていまして、そういった暁にはそういった取り組みも進めていきたいというふうに聞いています。

【立花委員】 多分そういう教育の仕組みがしっかりしていないと、この猟区を延ばす、今おっしゃられた理由というものがなかなか実現できないというふうなとらえ方を、しばらくしてからまたこれをチェックするとなると、なるんじゃないかと思いますので、その辺をしっかりやっていただきたいなと思っております。

【岩槻部会長】 ありがとうございます。
 ほかはいかがでしょうか。
 パブリックコメントに対する対応についてもご説明いただいたわけですけども、その対応の仕方に関してもよろしいでしょうか。
 特にご発言がないようでしたら、皆さんこれでいいというふうにお認めいただいたと解釈させていただきます。
 三浦委員どうぞ。

【三浦委員】 これは北海道以外と北海道もそうですけれども、10月15日というのは、これはちょうど繁殖期ですよね。それで、前に、10月15日に延ばすことによって、猟区で、例えば雄をとって、かなりにおいの強いものですよね。食べるなどという行為で、果たしてインセンティブがあるんだろうかという……。

【事務局】 食べる獲物としてちょっと有用かという判断はあれなんですけども、猟区の変更なり認可の申請のときは、鳥獣の保護繁殖上問題がないかということが勘案されますので、あと猟区では何をとるかというのは鳥獣の種類を定めますので、そういったところで場所場所に応じたコントロールが可能になるかと思っています。

【岩槻部会長】 よろしいでしょうか。

【三浦委員】 今、例に出された北海道の、あそこはシカですよね。シカ猟ですもんね。そちらの方の要望としても、シカを撃つに際して前に延ばしてほしいという要望なんですか。大きな雄はかなりにおいがあって……。

【鳥居外来生物対策室長】 今、パワーポイントで見ていただきました西興部村は確かにエゾシカ中心にああいう活動をしているんですけども、今回の猟期を前倒しして延ばす主な理由は、むしろハンターの育成というところにねらいを置いていまして、西興部村を例として、猟区というものはこういうものですよということで見ていただきましたけれども、あくまでねらいは獲物を食べるということよりは、むしろハンターの育成に力点を置いているということで、もちろんシカだけでなくて、例えばキジとかヤマドリとかという、鳥類なんかも対象にした措置であるというふうにご理解いただければと思います。

【岩槻部会長】 よろしいでしょうか。
 それでは、佐々木委員どうぞ。

【佐々木委員】 今の当局の説明のとおりだと思いますが、我々ハンター初心者は、特に射撃場での実砲射撃訓練はやるんですが、猟野でのハンティングというのは全く初めてだということで、なかなか不安があって、その辺もなかなか事故等々につながるんじゃないかと心配もございます。そういうことで、やはりインストラクターといいますか、指導者を脇に、一緒にやることによって、ハンティングをすることによって、自分自身も安心して狩猟ができるというようなこと、あるいはまた、やっぱりそれでもって初めて狩猟が楽しいなという興味もわいてくるんだろうというように思います。そういう意味で、前倒ししてこうやって1カ月延びたということは、私ども猟友会として非常に感謝をしているわけでございまして、事故のない、信頼されるハンターになるように努力したいと、このように思っております。

【岩槻部会長】 どうもありがとうございます。
 というようなことなんですが、いかがでしょうか。
 山岸委員どうぞ。

【山岸委員】 多分、猟には4つ足だけじゃなくて鳥なんかも関係すると思うんですけど、前倒しにすると、渡り鳥なんかの、来た直後の、ちょっと休んだ方がいいなというような時期に引っかかることはご検討なされた上でしょうか。

【岩槻部会長】 これはどちらから。じゃあお願いします。

【事務局】 影響が、場所場所で全然、北から南まで違うと思うんですけれども、何をとるかということは猟区の設定者も決めれますし、また認可を受ける方もそういった視点で対象の狩猟鳥獣についての影響というのを判断するということになっておりますので、そういった影響があるような場所とか種類については勘案されるものと考えております。

【岩槻部会長】 よろしいでしょうか。
 ほかはご発言ございませんでしょうか。
 和里田委員どうぞ。

【和里田委員】 素人でわからないんですけど、先ほどの説明で聞き落としたのかもしれませんけど、これはこういう形で決めるということですけど、そもそもここへ計画として上がってくる過程において、どういう過程、だれがそういうものを求めて、それをだれがどう判断して、どう決めてここへ出てきているのか、そこのところを教えていただきたいんですけど。

【岩槻部会長】 鳥居室長。

【鳥居外来生物対策室長】 お答えいたします。
 今回の法改正に絡みまして、鳥獣の保護管理に係る制度の一連の見直しを行ってまいりました。その中で、狩猟者の育成というものが非常に重要であると。今鳥獣の保護管理の担い手となっている狩猟者の高齢化、あるいは減少、そういった課題がある中で、狩猟者の育成をしていく必要があるというのが大きな考え方で、背景としてございます。そういう中で、先ほど佐々木委員もおっしゃいましたけれども、じゃあ実際にフィールドで若手のハンターを育てていくためにはどうしたらいいかというような中で、猟友会からも要望がある中で、今回こういう形で猟期を前倒しすることによって、猟区を活用して、若手のハンターといいますか、狩猟者を育成していこうというふうに考えた次第でございます。

【岩槻部会長】 よろしいでしょうか。
 和里田委員どうぞ。

【和里田委員】 ただ、まだ随分長い歴史これをやってきているであろうに、急に若手が育たないとか何とかということは起きるわけじゃないと思うんですが、何か非常に現代になって極端にこうしなきゃだめだという要素というのはあるんですか。

【岩槻部会長】 鳥居室長どうぞ。

【鳥居外来生物対策室長】 先ほどご紹介いたしました一連の制度の見直しの中で、平成18年2月に答申をいただきまして、その中で狩猟免許者の資質を高めていくことというようなことがうたわれてございます。狩猟者の減少、高齢化のスピードが、最近特に拍車がかかってきているということもあって、これに何とかブレーキをかけたいというような思いもありまして、今回こういう措置をさせていただきたいというふうに思っている次第です。

【岩槻部会長】 よろしいでしょうか。
 速水委員どうぞ。

【速水委員】 私自身は、こうやって狩猟者が、若い方がふえて、若いというか狩猟者がふえて、その技術が上がっていくのは大変結構なことだと思って、先ほど質問したのと似たようなことなんですけど、こういう期間を延長する過程で、例えば本当にそういう指導をしながら狩猟が行われていく、新しい狩猟者が育成されていくという実態の数字というものは、何か例えば全国の猟区の中でこういう数が実際に行われていますよとか、そういうものというのは何か調べたりとか、わかる手段というのはあるんでしょうか。そうしないと、こうやって猟期を延ばした形の結果をどう評価するかということも含めて何かあれば、簡単で結構ですが、お教えいただければ結構かと思います。

【岩槻部会長】 それでは、佐々木委員からまず。

【佐々木委員】 ちょっと今、詳しい数字は持っていないんですが、実は今我々組織として、新規狩猟者が2、3年で辞めていくケースが非常に多くなってきたということなんですね。それはなぜかというと、やっぱり今いろいろ仕事の関係、その他もろもろいろいろあるんだろうと思いますけれども、一緒に免許をとって、先輩、あるいはそういう人たちと一緒に行くタイミングというんはなかなかないんですよね。そういうことで、我々も一緒に行こうといっても仕事の関係で行けなかったり、先輩と一緒に猟に行く機会というのは非常に少ない、そういうことで、どうしても狩猟をやりたくて実際とったんだけども、ゲームにも当たらんということは、鳥とかそういうのに当たらんということになりますと、やっぱりやめちゃおうかということになっちゃう。そんなこんながあって、どうしてもそういう猟区ですと、先輩と一緒に行って、もちろんゲームにも当てられるということで楽しいなと、すごい感動もまた覚える、そうすることによって狩猟に対する興味がわいて持続するというふうに、そういう率が非常に下がってきたということで、我々は今回のこの猟区の前倒しについて、非常に期待をしているという状況でございます。
 以上です。

【岩槻部会長】 事務局から何か説明されますでしょうか。

【事務局】 ちょっと全国の例ではないんですけども、西興部村のこの猟区については約4割前後が初心者の方が来られています。あとほかの猟区につきましても、基本的にはガイドつきということで、案内料というのが定められているところでございます。

【岩槻部会長】 よろしいでしょうか。
 この問題は狩猟者の確保ということは、後でご報告をいただきます鳥獣保護事業計画の基本指針でも触れていることですし、期間の延長だけが対策ではもちろんないと思うんですけれども、期間の延長もその一環として、これは諮問されて、法律の改正を必要とするということでここにかかっているということですけれども、それの一環として出てきているというふうにご理解いただいて、特にご異議がなければこの形でよろしいでしょうか。

(異議なし)

【岩槻部会長】 それでは、この件に関してはお認めいただいたということで、報告をさせいただきます。
 もう一つの諮問事項は、対象狩猟鳥獣の捕獲等の禁止または制限ついてということですけれども、これについても諮問書の朗読からお願いします。

【星野野生生物課長】 それでは、まず資料2にお示しでございますので、朗読をさせて、その後内容の説明をさせていただきます。
 諮問第207号、平成18年12月1日、対象狩猟鳥獣の捕獲等の禁止又は制限について。鳥獣の保護及び狩猟の適正化に関する法律第12条、第5項において準用する同法第2条第6項の規定に基づき、対象狩猟鳥獣の捕獲等の禁止又は制限を別表第2のとおりとすることについて貴審議会の意見を求めます。
 以上が諮問書でございます。内容については別途ご説明させていただきます。

【事務局】 それでは、事務局の方から、対象鳥獣の捕獲等の禁止又は制限について、説明させていただきます。資料の方は資料2-1から2-4までございます。資料2-1から2-3までに関する事項を、パワーポイントの方を用いてご説明させていただきます。
 まず今回ご審議いただく内容の関係法令につきましては、まず鳥獣保護法第12条第1項第3号の規定に基づいております。また、施行規則の方は第10条第3項の規程でございまして、環境大臣が禁止する猟法の見直しということで、今回ご説明させていただくのは、とらばさみ及びくくりわなの制限についてということでございます。
 まず見直しを行う背景でございますけれども、今回の改正鳥獣方の国会審議におきまして、付帯決議として衆参両院におきまして、くくりわな及びとらばさみについては人への危険及び錯誤捕獲を防止する観点から、一層の制限について検討することという付帯決議がついたところでございます。
 また、本年2月の中央環境審議会答申におきましても、くくりわな及びとらばさみにつきましては、錯誤捕獲の発生や、人や財産への危険性があることから、猟具の構造基準の見直し等を図る必要があるということで、今回見直しを行い、改正案をご説明していただくことになったというところでございます。
 まず、わなについてですが、よくご存じのない方もいらっしゃるかと思いますけど、まず主なわなの種類についてご説明させていただきます。まずとらばさみについてですが、ちょっと見にくいんですが、この輪の部分にとらばさみが設置されているところでございます。今捕獲するために開いた状態になっております。真ん中のストッパーを獲物が踏むことによって、こういうふうに足なんかが挟まれて捕獲が可能となると。これは紙筒を用いたものでございます。こうやって捕獲するという猟法でございます。
 続きましてくくりわな、これは今ここで例で申し上げるのはばね式くくりわなと申しまして、現物の方はこちらの方にありますけれども、地面の方にこれを、輪の方を置きまして、動物がこの輪の中に足を突っ込むことによってストッパーが外れて、このアームがはね上がって足をくくって捕獲できるというものでございます。
 続きまして、これは箱わなです。イノシシ等の捕獲に主に用いられているものでございますが、鉄製のおりを捕獲したい場所に置きまして、中にえさ等をまきまして、獲物を寄せて、中に入った状態でストッパーが外れて、戸が瞬時に落ちて捕獲ができるというようなわなでございます。
 今回改正案としてご説明させていただく内容は、まず1つ目としまして、ツキノワグマ、ヒグマを捕獲する場合でございます。現行の禁止猟法、現行でツキノワグマ等を捕獲する場合の猟法として禁止されておりますのは、おし、はこわな、及びくくりわなを使用する方法となっております。おしにつきましては、また後ほどご説明させていただきます。
 2つ目としましてはとらばさみであって、鋸歯のあるもの、または開いた状態の内径さの最大長が12センチ以上のものを使用する方法が、現行で禁止猟法と定められているところでございます。今回改正案では、これをまず、ツキノワグマ、ヒグマを捕獲する場合にあっては、わなを使用する方法については禁止猟法とすると。これまでくくりわな、はこわな、はこおとし、とらばさみ、囲いわななど、すべてのわなによる捕獲のうち、囲いわなについては可能であったというところでございます。囲いわながこれまでよかったという理由としましては、囲いわなというのは先ほどのはこわなで天井がない状態でございますので、クマなんかは非常に木登りなんか巧みでございますので、天井さえなければ、仮にかかったとしても脱出して逃げ出せるということで、結果として捕獲できないであろうという考え方にもって禁止猟法となされていなかったわけでございますが、最近は囲いわなをかなり高く設置することによって、本来脱出できるであろうというクマも捕獲される実態が見受けられましたので、クマ類の保護を図る観点から、わなを使用する方法についてはすべて禁止猟法とするということを考えております。
 続きまして2点目としまして、イノシシ、ニホンジカを捕獲する場合でございます。現行の禁止猟法におきましては、おしを使用する方法、そしてとらばさみ、先ほどと同じように鋸歯のあるものや内径長が12センチ以上のものは使用する方法が禁止猟法となっていたところでございます。今回の改正案では、まずくくりわなであっては下記の要件に1つでも該当するものを使用する方法ということで、4つの条件を考えております。1つ目が、輪の直径が12センチメートルを超えるもの、2点目としまして、締めつけ防止金具が装着されていないもの、3点目としまして、より戻しが装着されていないもの、4点目がワイヤーの直径が4ミリメートル未満であるもの、これを禁止猟法とする。加えてとらばさみを使用する方法も禁止猟法とするということを考えております。
 理由としましては、まずくくりわなについては、これまで本来捕獲対象とは考えていなかったクマ類が捕獲されるということは、かなり実例が報告されておりまして、そうした場合に、これにつきましては、これまでクマ類等の錯誤捕獲の防止の観点からの検討会を、2回にわたって2つの検討会を開催しまして検討を進めていたところでございます。その中で、成人のクマの大体の平均の足の大きさというのは、大体平均16センチであると。小さいものも13センチぐらいまでであれば小型の個体があるので、12センチであれば錯誤捕獲の可能性が極めて低くなるというような検討結果がございましたので、そういった観点から12センチメートルと設定させていただいたものでございます。締めつけ防止金具につきましても、これについては後ほどご説明しますけれども、締めつけ状態が続くことによって、血管等の流れがとまって、放獣した場合であっても錯誤捕獲個体に、結果として傷がついて、野生における生活が厳しい状態になってしまうというような事例がございましたので、それを防止する観点から加えたものでございます。
 より戻しの装着につきましても同様な理由でございます。ワイヤーの径も4ミリメートル未満を禁止猟法とさせていただいたのは、ワイヤーが細いと肉に食い込んで、やはり結果として錯誤捕獲個体に傷がついてしまうというような状況が見受けられまして、検討会等で、4ミリメートル以上であれば傷もつかずに、放獣するときも大丈夫ではないかというようなご意見等がありましたので、そういった検討結果等を参考に設定させていただいたものでございます。
 3つ目としましては、1と2以外で、先ほどの鳥獣を捕獲する場合、これまではおしをする方法、とらばさみの鋸歯、12センチ以上のものを使用する方法が禁止猟法となっていたところでございますけれども、今回の改正案では、くくりわなであっては、輪の直径が12センチメートルを超えるもの、締めつけ防止金具が装着されていないものについては禁止猟法とするというふうに考えております。あと、とらばさみを使用する方法そのものを禁止猟法とするというふうな改正案を考えているところでございます。
 先ほどご説明がおくれましたおしですが、これは絵でごらんいただければわかるように、まずえさ等で捕獲対象の獣類を誘って、えさをくわえて引くか、または人が近くに潜んでいて手綱を引くことによって支柱が外れて、戸板や格子が落下し、獣類を抑えて捕獲する猟法でございます。抑えてとありますけど、結果として圧殺死させて捕獲する方法ということで、これまでは通常の狩猟においては獣類を圧殺死させるということで、通常の狩猟ではこれは用いられていなかったところでございます。あと、ただしこのはこおとしにつきましては、さん等があって、圧殺死するまでに至らないものについては、これはおしではないというような扱いをさせていただいておりました。
 それで、今回の省令改正案によるくくりわなの構造企画、具体的な例でご説明させていただきますが、輪の径が12センチ以内であること、あとワイヤーの径が4ミリメートル以上である、あとここに締めつけ防止金具があることということで、今、現物の方をごらんいただいておりますが、これは何が問題であったかというと、これはよく通称地獄結びというもので、こういった結び方は、獲物がかかって締まったとき、暴れるとどんどんどんどん締まっていきまして、1回締まると緩まないと。結果として血液の流れがとまって、その輪の先からが壊死してしまうと、そういった状態が見受けられましたので、こういった金具、この金具であれば逃げようとすれば締められますけれども、力を緩めればまた緩みまして、血液も流れるというような金具ですので、こういったものの装着を義務づけるということを考えております。これが新たなくくりわなのイメージ図ということで、これはイノシシの例ですけれども、かかったとしても締めつけ防止金具、またより戻しは、これはどんどん暴れますとワイヤーが絡んでいって、余計ワイヤーが締めつけられて、動物も余計暴れて傷がつくということで、より戻しがあることによってワイヤーの方も、絶えずそれほど足の締めつけが続かないような状態が保てるということで、装着の義務づけを考えるところでございます。これらの構造企画の見直しによって、環境省としましては、適正な狩猟の実施と、鳥獣の保護管理の実現を達成したいというふうに考えているところでございます。
 引き続きまして、資料についてご説明させていただきます。
 まずお手元に配付しました資料の4、これはわなの禁止及び規制につきましては、資料の2-4の方をごらんいただければよろしいかと思いますが、わなの見直しにつきましては、法律の方で公聴会を開催して、利害関係者の意見を聞いた上で審議会の意見を求めることというふうに義務づけられておりましたので、先月、11月22日に公聴会を開催したところでございます。ご意見を伺ったところは、まず保護団体の方々3団体、農林業関係の団体さんが2団体、あと狩猟関係団体さんが2団体、あと都道府県の各ブロックの代表県の方々6県の方々にご意見を伺ったところでございます。
 公聴会の意見としましては、賛成が8件、条件つき賛成が4件、賛否保留が1件というような状況でございます。条件つき賛成の内容につきましては、1つは、いわゆるくくりわなそのものの全面禁止、将来的には全面禁止する方向を条件に賛成するというご意見、もう一つは、規制が強化されると鳥獣による農林業被害の対策について影響が出るので、規制を設定すること自体は、狩猟においての規制はいいけれども、いわゆる狩猟における規制が有害捕獲等の基準にそのまま準用されて、結果として有害捕獲の方に影響が出てくることは反対であるというような条件をいただいて賛成という意見でございます。
 あと保留につきまして、下から3番目の全国農業協同組合中央会さんのご意見です。これにつきましては、中央会さんの方は47都道府県の農協の中央会にアンケートをとったということで、47都道府県中26県から今回の改正案に対する意見が得られまして、5県から反対と。11県からは意見なしということ。あと下の方にありますけど、回答があった26県のうち、5県からは賛成があったというような、反対5県、賛成5県ということで、関係団体から意見を聞いたところ、ちょうど同数ということで、中央会としての意見は保留させていただくというような回答をいただいたところでございます。
 あと、パブリックコメントの方でございますが、これにつきましては資料3-2でご説明させていただきます。資料3-2の裏の方でございますが、裏の方の禁止する猟法の見直しにつきましては、寄せられた意見は88件ございました。主な意見はここにごらんになるように、くくりわなも全面禁止にすべきであるという意見ですとか、あとやはり農林業被害等のことを考えると、わなの規制は除外してほしいという両方の意見をいただいたところでございます。これについては、全面禁止すべきというような意見につきましては、今回錯誤捕獲の防止等の観点から規制を設定することによって、適切な狩猟の実施に努めたいということで回答するということと、あと規制の除外ということについては、やはり錯誤捕獲がある実態等を踏まえれば、ある程度の規制を設定して、それによって適切な鳥獣の保護管理を図る必要性があるということで、それらのパブリックコメントに対する回答とさせていただいたところでございます。
 以上でございます。

【岩槻部会長】 ありがとうございました。
 それでは、ただいまの説明につきましてご質問、コメント、どうぞご発言ください。
 この件につきましては、特にご発言ありませんでしょうか。
 三浦委員どうぞ。

【三浦委員】 有害捕獲についてはどういう方向で行くのかというところをお聞きしたいんですが。

【事務局】 まず有害捕獲の場合におきましては、とらばさみにつきましては、狩猟においての使用は禁止するということでさせていただいているところですけれども、これまでのとらばさみの使用実態とかを、私どもの方でも調査させていただきましたし、あとこれは農林水産省さんの方も関係するということで、独自にアンケート結果をとられたというふうに、その結果もいただいております。それらによると、やはり例えばとらばさみについては養鶏場の、ニワトリなんかを飼っているところとか、鶏舎の周りについて、やっぱりイタチとかタヌキとかで捕獲されてしまうという実態があって、とらばさみについて非常に有効であると。と申しますのは、とらばさみは、購入費用が手ごろな価格で、ほかの、代替する猟具になるとかなり値段が高価になると。1万円前後する。6,000円から1万円というような状況なんですが、それを幾つか買ってわなにするというのはやっぱり負担がかかるというようなご意見もありましたので、許可捕獲の場合には場所が特定できるということと、あと捕獲する期間も許可者の方で条件づけられるというような適切な管理ができるということで、とらばさみにつきまして、使用する場合は今ソフトキャッチといってゴムを装着できる部品が販売されておりますので、こういったゴムを装着したとらばさみを使用することを条件に許可するということで、基本指針の方で書かせていただいております。
 またくくりわなにつきましては、これについては基本的にはクマの錯誤捕獲を防止する観点からというわけですから、九州なんか、全くクマがいないということはまだわかっていないわけですけれども、クマ類の錯誤捕獲の可能性は極めて小さいので、そういったところにつきましては、場所が特定できるということ、あと時期、あと捕獲の期間等ははっきりわかるということで、知事の判断のもとによってそれは考慮した上で知事が判断するという扱いにさせていただいております。

【岩槻部会長】 よろしいでしょうか。
 ほかいかがですか。
 佐々木委員どうぞ。

【佐々木委員】 とらばさみについては、錯誤捕獲防止ができないということで、私もそれでいいと思いますが、問題は、許可ということですが、販売者の方の、売り手側の方のあれはどういうふうなことになりますか。お伺いします。

【事務局】 とらばさみについては、くくりわなも含めてという……。

【佐々木委員】 とらばさみ。

【事務局】 とらばさみですね。とらばさみの販売につきましては、これまでホームセンターの中央団体さんである日本DIY協会さんに販売する場合は、いわゆる狩猟免許を持っているかとか、捕獲許可証を持っているかどうかというのを確認した上で販売してくださるようお願いしたところでございます。今回につきましても、狩猟においてとらばさみの狩猟が禁止されましたので、あくまでも許可捕獲を持っているかどうかを確認した上で販売していただくように再度お願いすることも検討しておりますし、そういった場合の、例えば店内にポスターとかそういったものを掲示していただくようなこともお願いすることも検討しております。また、都道府県等についても、都道府県も県内のそういった団体等にそういった働きかけを行っていただくよう、今後会議等でお願いする方法を考えております。

【岩槻部会長】 三浦委員どうぞ。

【三浦委員】 狩猟の猟具としては禁止する一方で、許可捕獲と有害の捕獲については、ある意味では買うことも含めて自由のままですよね。それで、これは先ほどの例も含めて、許可捕獲の場合は、これは行政が許可していくわけですから、中のソフトキャッチするような部分も含めて、もう少し何と言いいますか、許可権限を持っているようなところが、わなについても管理するような格好で、もう幾らでも買えるという状況は、やっぱり許可をするという観点からするといかがなものかということで、今の現状のままというお答えだったんですけども、もう少し改善の余地があるのではないかなというふうに思うんですが。

【事務局】 その点につきましては、実はまだ要望段階なのでまだはっきりしたことは言えないんですが、来年の事業の中で、とらばさみの構造企画の、いわゆるもっと仮に錯誤捕獲があった場合であっても、捕獲個体の損傷等を抑える構造ができないのかどうかというのを、ちょっと技術的に検討する予算も今要求しているところでございます。そういったものが、予算が通ればそういった面で、現行のとらばさみに何らかの構造の改造を加えて、極力損傷のないような器具にできないかどうかというようなことも今検討しているところでございます。ただ、販売に当たっては、この辺については今後、いわゆる販売に規制を加えるということですので、警察庁さんとの関係も出てきますので、その辺についてはなかなか難しいところもございますので、今すぐどういうふうにするというのはちょっとお答えしづらいところもございます。

【岩槻部会長】 三浦委員どうぞ。

【三浦委員】 ただ、とらばさみ状のやつで、そこにソフトキャッチするような道具をつけたとしても、全部とは言いませんけれども、これはやっぱり将来的に言うと、私も紹介させていただきましたけれど、EUやカナダの人道的なわな基準からいって、このとらばさみ状のものは、もう国際基準、すべてとは言いませんけれども、そういうところからすれば、非常にやっぱり問題のある猟具であるということで、基本的な将来的に管理者もこれをどう扱っていくのかというところはやっぱりきちんと知っておいた方がいいんではないかというふうに思います。

【岩槻部会長】 ほかのご意見はいかがですか。
 速水委員どうぞ。

【速水委員】 山村なんかで見ていますと、このくくりわなというのはかなり頻繁に使われて、許可をとりながら使っているんですけど、今回くくりの構造が随分思いっきり変わったなというふうに思っているんです。特に12センチ以下4ミリ以上となると、例えばウサギ対象に使ってみるとかというふうなものには、4ミリ以上あるとほとんど使えない状態になりますよね。

【事務局】 4ミリ以上はシカとイノシシを対象で、ウサギ等はより戻しと締めつけ防止金具装着の義務づけのみになります。

【速水委員】 わかりました。ありがとうございます。

【岩槻部会長】 ほかのご意見はいかがでしょうか。
 幾つかのコメントがありましたけれども、それを踏まえてご意見が……。もしよろしければ、これはこの形で中央環境審議会会長の方に上げさせていただくというふうに判断させていただいてよろしいですか。
 佐々木委員どうぞ。

【佐々木委員】 ちょっと1つ要望なんですが、私は前からちょっと要望しているんですが、このわな等々の個数の問題ですね。一応30個以内ということになっていますが、果たしてこの30個というのは、一日見回れるということで一応決められているんですが、私はちょっと非常に将来要望として、30個というのは果たしていかがなものかなというふうに思うんです。やっぱり一日見回れる範囲というのはちょっと多過ぎるんじゃないかなというふうに思います。これを決めたときの状況も私ども知っていますが、ちょっと根拠がないような決め方であったなというふうに感じるんですが、その辺も含めて、将来個数について、ひとつご検討していただきたい。要望でございます。

【岩槻部会長】 そういうご要望も伺ったということで、この件につきましてはこの形で取りまとめさせていただいてよろしいでしょうか。

(異議なし)

【岩槻部会長】 それでは、どうもありがとうございました。
 諮問案件2件に関しましては、そういうことで結論を出させていただいて、あとは報告が3件なんですけれども、3件引き続いて事務局の方からご報告をお願いいたします。

【事務局】 続きまして、報告事項につきましてご説明させていただきます。鳥獣業務室の中澤と申します。
 まず報告事項のうちの(1)施行規則改正案に対するパブリックコメント結果の概要について、それから(2)の鳥獣保護事業計画の基本指針についてと、この2点についてご報告させていただきたいと思います。
 資料は、まず3-1、それから3-2、それから資料3-3、これを先にまとめて、(1)の報告事項としてご説明させていただきたいと思います。
 まず資料3-1でございますが、これは今回、今ほど2件の省令改正についてのご審議をいただきました。それ以外に諮問事項以外の省令改正についてのご報告でございます。
 まず1番目といたしまして、法定猟法の見直しということで、これにつきましては、とらばさみを法定猟具から除くというものでございます。
 それから2番目、鳥獣の捕獲等の許可申請書類の資料の見直しということで、捕獲等の許可申請書の記載事項に、例えば免許状の番号をつけるとか、あと添付書類のことを変更していると、そういったような変更をしているものでございます。
 3番目、これは語句修正でございますが、鳥獣法ではこれまで「人為的に移入された鳥獣」というような言い方をしておったところでございますけれども、外来生物法の方で導入というような言葉を使っておりますので、それに合わせまして鳥獣法でも導入というような言葉を用いるということでございます。
 それから4番目、鳥獣の捕獲等の際に用いる猟具への氏名等の記入、これは今般鳥獣法改正で許可捕獲をする際の猟具にも設置者の名称等を、標識をつけなくてはいけないと、そういった法改正がございました。実際の中身をどうするかということで、ここに書いてございますとおり、住所、氏名のほか、許可証とか従事者証に記載された許可者名、それから有効期間、許可証、従事者証の番号、それから対象鳥獣、そういったものをここで記入していただくということでございます。
 それから続きまして、2ページ目の5番と6番は、今ほどご審議いただいた中身でございます。
 それから7番目でございます。特定輸入鳥獣の種及び標識の交付申請の手続でございます。これも今般の鳥獣法改正で、特定の輸入鳥獣につきまして、国内産と紛らわしいものについて標識をつけるというようなことになったわけですけれども、まずその対象種をどうするかということで、3ページの(1)、標識の対象とする特定輸入鳥獣、これはここに記しているような鳥類21種を対象種としているということでございます。
 それから(2)、(3)関係は、これの標識の申請にかかる手続関係でございます。(4)も手続関係、これは手数料の内容でございます。
 それから続きまして4ページ目でございます。4ページ目にございますのは、8番として保全事業というものでございます。これも今回の鳥獣法改正で、鳥獣保護区の中で鳥獣の生息環境を悪化した場合に、環境改善を目的とした保全事業というものを実施することができると。法律を改正して位置づけたわけでございますけども、その中身として、ここに書いてある[1]からら[6]の項目を新たに規則の中に位置づけさせていただいたというものでございます。
 それから9番目でございますけども、特定猟具の種類ということで、これも今般の法律改正で、これまで銃猟禁止区域、銃猟制限区域という制度がございました。それを今度わなにまで広げると。そういったわなに広げた場合に何を対象とするかということで、くくりわな、はこわな、はこおとし、囲いわなということでございます。
 それから10番目が、危険猟法の見直しということでございます。これは危険猟法というもので、鳥獣の捕獲を行ってはいけない危険猟法ということで、今の法律では「据銃、陥穽その他危険なわな」というふうにあったんですけども、そのその他というところがなかなかあいまいだということもございまして、ここで生命または身体に重大な危害を及ぼすおそれがあるわなといったようなことで、新たに規定させていただいたということでございます。
 それから11番目が狩猟免許の申請の手続の関係でございますけれども、医師の診断書のかわりに、銃刀法の許可証があれば、それで足りるということにしています。
 それから12番以降につきましては、今回法律改正で、「網・わな猟免許」を分離したことに伴う免許試験等の中身の修正でございます。
 5ページ目の13番目でございますが、これは狩猟免許の更新制度を見直しているというもの、それから14番目につきましては、狩猟免許を狩猟者が違反した場合に、これまで免許を取り消した場合は環境大臣に報告があったんですけども、免許の停止されたものについても環境大臣に通知するというようなことで、新たに通知したというものでございます。
 それから6ページ目でございます。15番の狩猟者登録の申請書類の見直しということで、これは免許の効力の有無を確認するために、免状の写しを添えるといったことを新たに規定しているというもの。
 それからあと16番目が、これは事務的な話でございますけれども、先ほどの特定輸入鳥獣、それから保全事業についての手続について、中央環境事務所に委任するといったような手続。
 17番目以降につきましては、これまでの関係の中身で自然公園法に関係してくるものの調整をしているというものが主な今回の改正事項ということになります。これにつきましても、同様にパブリックコメントを実施しておりまして、それは資料3-2でございます。資料3-2で、全体で393件の延べ意見数がございました。意見の提出者は123団体ということになっております。
 例えばここで書いてございますけども、2番目で、「項目別の主な意見とのべ意見数」ということでございますが、代表的な意見ということで、これはそれぞれ個別の項目ではなくて、全体的な意見として来たものでございます。例えばツキノワグマの捕獲を禁止する区域を全国とするというような意見をいただいています。
 それからその下1番目でございますが、法定猟法の見直しということで、とらばさみは狩猟で禁止することに加えて、使用禁止にすべきであるといったこと、それからあと3番目のところで、移入された鳥獣のところですけども、それは改正するべきではないといったこと、それから4番目、鳥獣の捕獲等の際に用いる猟具への氏名等の記入につきましては、許可の有効期限というのは最長3カ月ぐらいにすべきではないかといったようなこと、裏に行きまして、5番、6番は先ほどご審議いただいた中身でございます。
 それから7番目にございますのが、特定輸入鳥獣の種及び標識交付申請でございますが、対象とする特定輸入鳥獣には猛禽類を含めるべきといったような意見をいただいています。
 それから8番目の保全事業の中身ですけれども、「施設の設置」とすると「環境改善」としてイメージされるヨシ原の再生とか間伐などが実施されないというようなご意見もいただいています。
 それから12番でございますけども、網・わな猟の双方において、錯誤捕獲のおそれの高い鳥獣の知識、それから放鳥獣の方法について習得を図るべきではないかといったようなパブリックコメントの意見をいただいているところでございます。
 それで、申しわけございません。ちょっと時間の関係がございますので、個別の回答につきましては資料3-3を見ていただければと思います。
 引き続きまして報告事項の2番目の基本指針でございます。資料4をごらんいただければと思います。これは先ほどこの野生生物部会が始まる前に、鳥獣保護管理小委員会の方でご議論いただきまして、ご審議いただき、原案について決議いただいたということでございます。
 資料の4でございますが、ここでは主な変更点、概要について記述しているものでございます。例えば、ここに書いてございますけども、鳥獣保護事業の実施に関する基本的事項で、第1の「鳥獣保護及び狩猟の適正化に関する基本的な考え方」でございますけれども、やはり鳥獣による農林業被害等が非常に深刻な状況にある中で、一方で絶滅のおそれのある地域個体群も生じていると。そういったものをきめ細かに保護管理していくためにはどうしたらいいか。そういったものを決め細かに保護管理していく必要があるといったことをまず基本的な考え方としているということでございます。
 第2の「鳥獣保護事業のきめ細かな実施」でございますけども、鳥獣を区分して、それの区分ごとに応じた保護管理を進めるといったこと、それから広域に移動するもの、それから地域的に取り組むべきもの、そういったものについてきめ細かに実施していきましょうということを第2で回答がございます。
 2ページ目に参ります。「特定計画制度の推進」でございます。ここでは特定計画につきまして、現行都道府県の単位でつくるものについて、それをより効果的に動かすために都道府県を越えて広域的に移動するもの、さらにはもっと細かく地域的に取り組むべきもの、そういった今の特定計画を上に広げる、それからもっと細かく実施していくと、そういった中身について新たに記述しているということでございます。
 それから第4が「人材の育成」でございます。ここはいろいろと制度が整っているけれども、それをきちんと動かせる人材の育成が必要ではないかということでございまして、例えば研修をより効果的に実施していくもの、それからあと鳥獣保護管理についての教育を行っている大学等との連携を図る。さらには鳥獣保護管理に関する専門的な人材確保等の仕組みを整備すると。これは来年度の環境省の予算要求の中に入れているものでございます。
 続きまして第5の「鳥獣保護区の指定及び管理」でございますけれども、これは先ほど申しました保全事業、鳥獣保護区の保全事業というものを適切に実施していくということ、それから狩猟の適正化でございます。先ほど猟区のところでもいろいろとご意見をいただきましたけれども、鳥獣保護管理等にきちんとした知識を持った指導者を育成していくと。量の部分、それから質の部分、両方こういったものを目指すべきではないかといったようなことが書いてございます。
 それから第7が「傷病鳥獣の取扱」でございます。傷病鳥獣について、個体から環境モニタリングをしていくようなことですとか、関係行政機関、民間団体が連携して対応していくといったようなことを書いてございます。
 それから3ページ目が、第8として「鳥獣への安易な餌付けの防止」でございます。これについては新たに1項目起こして、例えば鳥獣のえさへの依存とか人身被害、農作物被害を誘引しないようにということで、安易なえづけを行わないような普及啓発を図るということ。
 それから「国際的取組」でございますが、二国間渡り鳥条約、それから東アジア・オーストラリア地域におけるパートナーシップの枠組みに基づいた国際的取り組みを推進していくということ。
 第10は、「人獣共通感染症」の課題でございます。これは第9次の期間中に起こりまして、ご存じのとおり高病原性鳥インフルエンザのときに、渡り鳥がそれに関与しているのではないかといったようなこともご指摘を受けました。そういった関係できちんとした調査を図っていきましょうということでございます。
 それから第11でございますけれども、「関係主体の役割の明確化と連携」ということで、国、都道府県、それから市町村、さらには事業者、市民、民間団体、専門家等のそれぞれの役割を果たしていくといったようなことを書いてございます。
 それから第2部、3ページの2部でございますけれども、この第2部につきましては、都道府県が鳥獣保護事業計画を策定する際の主な、即して定めるべき起案とする中身をこれに書いているものでございます。
 次期の鳥獣保護事業計画の期間は、平成19年4月1日から24年3月31日までというふうで。基本的にこの後の項目は、これまで述べたことを中心にして書いている内容と中身でございます。
 以上、取り急ぎ説明させていただきましたが、報告事項の1番と2番でございます。

【岩槻部会長】 引き続き3番目もどうぞ。

【事務局】 それでは最後に、クマ類の出没対応マニュアル暫定版ということでご説明をさせていただきたいと思います。
 お手元に資料の5というところで、クマ類の出没等の対応のためにという、クマ類出没対応マニュアル(暫定版)というものがお手元にあると思います。本年度クマ類の捕獲は4,000頭を超えている状況でございます。全国的、過去からの経緯を見ましても、かなり大量出没ということが言えると思います。2年前の16年度にも北陸地方を中心としてかなり大量に出たわけですが、本年度は長野県、あるいは群馬県、それから福島県等々、富山県も含めまして、少しちょっと違った形で地域で出ております。環境省といたしましても、この捕獲数が大量にふえているということを受けまして、先般11月の10日に専門家に集まっていただきまして検討会をいたしまして、そこにお示ししてある対応マニュアルを暫定的にまとめたところでございます。この対応マニュアルにつきましては、大きく2つに分かれておりまして、1つは、一般の市民の方に対する注意喚起、それからもう一つは、都道府県の鳥獣行政を担当されている方への注意ということでございます。各都道府県におきましては、既にガイドライン等出没対応の注意事項につきましてまとめられているところではありますが、やはりこういう大量の出没について、国としてももう一度そういうことについてしっかり管理を強化していただきたいという意味でまとめさせていただいたところでございます。この対応マニュアルにつきましては、ちょっと見ておいていただきたいと思いますし、この11月10日にホームページにも掲載しているところでございます。
 完成版につきましては、本年度の末に完成して都道府県に配るというふうに考えているところでございますが、2回目の検討会を明日、あさってで長野県で、現地の検討会を行いたいというふうに考えているところでございます。また、そういうようなことについては報告はさせていただきたいというふうに考えております。
 以上でございます。

【岩槻部会長】 どうもありがとうございました。引き続き3つ、いずれも鳥獣に関するご報告をいただきましたが、今の報告につきまして何か質問かコメントがありましたら、どうぞご発言ください。
 市田委員。

【市田委員】 1つ、省令の改正のところでお尋ねしたいんですけれど、45番で施設の整備というのがあって、これは環境の改善というイメージが入らないということに対して、施設でよろしいという答えなんですけど、これは施設というのはどうしてそういうふうに施設という言葉にこだわっているんですか。やっぱり私も生息地とか採取地という言葉はいっぱい使うけど、施設って、余り聞いたことが。例えば干潟が施設だと言うんですか。

【鳥居外来生物対策室長】 これは法律の方に掲げられた文言でございますけれども、いろいろ法律に掲げる用語ということで、前例とか既に書かれているような類似の例とかというのがいろいろあるんですが、こういう施設の整備の関係ということになってしまいますと、どうしても、例えば自然公園法においても、植生復元施設とか、動物繁殖施設とかというのがあって、それと同じような考え方といいますか、用語の使い方ということでこういう形になってございます。実際には施設といっても、例えばコンクリートの何か施設をつくるということでは余りなくて、どちらかというと生息地、市田先生がおっしゃったような生息地の整備という考え方でおります。例えば大雨が降って土壌が流出して、鳥類の繁殖のための場所が土壌が流れてしまったというようなところにおきましては、例えばその土壌が流れないような土どめの柵をしたり、植生復元するための植栽をしたりというようなことを施すということを想定をしておるところでございます。

【市田委員】 そうするとやっぱり施設という言葉は余り適当じゃないんじゃないかという私は気がしますが。

【鳥居外来生物対策室長】 その辺につきましては誤解のないように、きちっと施行通知なりで各都道府県なり地方環境事務所の方に通知をしたいと思いますし、今後この保全事業を行っていくに当たりましては、やはりその後の維持管理も含めまして、地域の合意形成みたいなものも必要になってくるということで、この運用につきましては、地域の関係自治体だけでなくて、専門家とか関係団体の意見を聞きながらやっていくということをきちっと施行通知の中にも入れこんで、その上でさらにモニタリングもきちっとやっていくということで、1つは自然再生みたいな考え方でもあるんですけれども、これは従来鳥獣保護区がどちらかというと指定をして、鳥獣の捕獲を禁止するというだけにとどまっているんでなくて、一歩踏み込んで、環境の悪化が見られるようなところについては、人為的な手を加えた上で、鳥獣の生息環境をより改善していこうという趣旨で今回設けたものでございますので、当然その趣旨に沿うような形で運用していきたいというふうに思っております。

【岩槻部会長】 鷲谷委員からも同じ意見がございます。

【鷲谷委員】 法律との関係で施設という言葉を使うというのはわかるんですけれども、ここの書き方とパブコメの答えで、なかなか鳥居室長がお答えになったようなイメージをかもし出すのは難しいと思うんです。それで、また個別の、この今の表現の仕方だと、何々施設の設置、何々施設の設置と、個別の目的に資する人工的な構造物を、それぞれの目的を特定してつくっていく印象があると思うんですが、鳥獣の生息環境を向上させるということを考えますと、例えば水辺の植生帯というような施設であれば、1から4までの機能のすべに役に立つ施設ということになります。ですから、取り戻すべき機能の方を列記して、それらの1つもしくは複数に寄与する施設というような書き方をした上で、先ほどのご説明のような内容をパブリックコメントのお答えとしても記した方がいいんではないかと、そういう施設こそ意義が大きいというのは多くの方がきっと感じているところだろうと思います。やっぱり余り単機能で、それだけに答えるというふうにするとむだも多いかもしれませんし、トレードオフでほかのことと矛盾したりということもあると思いますので、自然の中で生きている生き物の環境をよくするという観点ですから、自然のシステムに習った形で、多様な機能を向上をさせるような施設という考え方も、ある程度明確にしておくことが必要なんではないかという気がします。

【大井委員】 ちょっとお願いがあるんですけどよろしいですか。

【岩槻部会長】 今の直接は、よろしいですか。まず……。

【鳥居外来生物対策室長】 今鷲谷先生がおっしゃったことは、私ども十分認識しておりますので、そういった機能、単一的な機能だけにこだわるといろいろ弊害も出てくると思いますので、もちろん私ども生態系の回復といいますか、そういった観点から取り組んでいきたいというふうに思っておりますけれども、どうしても法律用語になってしまいますとこういうふうになってしまうんですが、そこはきちっと運用の方をしっかりしていきたいというふうに思っております。

【鷲谷委員】 機能を列記してというのは無理ですか。まず機能を列記して、それらの1つ、もしくは複数に寄与するような施設というような表現というのは、法律との関係で適切ではないんでしょうか。

【鳥居外来生物対策室長】 機能というのを鳥獣が、繁殖をする場、それからえさをとるとか、ねぐら、休息をとるとかという……。

【鷲谷委員】 そういうものはわかります。それからあるいは環境改善とかありますよね。そういうものの中の幾つか、1つでもいいかもしれないし。

【鳥居外来生物対策室長】 法律本文には鳥獣の生息地の保護及び整備のために行う事業ということで、根っこは生息地の保護及び整備であるということは明確に法律本文に書かれてございますので、そこは間違いのないようにしていきたいというふうに思っております。

【鷲谷委員】 その表現になると、1つずつある機能ごとにあるタイプの施設であるというふうに読めてしまいますよね。ちょっとそういう法律上の書き方の工夫、法律にのっとった上での、ここでの書き方の工夫で誤解がないようにするということは難しいでしょうかという質問なんですけど。それはテクニックの問題なんでしょうか。

【鳥居外来生物対策室長】 1号、2号、3号、4号、5号、6号とこうあって、それぞればらばらにやるんではなくて、もちろん複数の号にまたがるような機能を有する、あるいは生態系の機能の回復という観点からやっていきたいと思います。

【山岸委員】 ちょっともうわかんなくなっちゃったんだけど、この[1]の施設、[2]の施設、[3]の施設と、[4]の施設というのは同じなんですか、違うんですか。

【鷲谷委員】 違うように読めてしまうので、いろいろな機能を1つの、例えば水辺の植生帯だったらそれで持つことができる方が……。

【山岸委員】 同じなんですか、この施設というのは。

【鳥居外来生物対策室長】 結果として同じになる場合もあります。といいますのは、例えば先ほど申しましたように、繁殖の施設であれば鳥が営巣する場所の土壌が流出している場合はそれを食いとめるとか、あるいは例えばシギ・チドリ類が……。

【山岸委員】 [4]の施設というのは、浄化場をつくるという意味じゃないんですか。

【鳥居外来生物対策室長】 これは水質を改善するための施設ということで、例えば浄化場といいますか、当然水質が悪化することによってえさとなる生物が少なくなっているということもございます。そういうものの場合は、例えばハードな施設だけではなくて、ソフトな施設、ソフトなといいますか、植栽等においてそういう機能が期待できる場合は植栽を施すなり何なりということも。

【山岸委員】 ハードの施設も入るんですね。そうすると1番も入るんですね。2番も入るんですね。ハードの施設が。

【鳥居外来生物対策室長】 考え方としては入りますけれども、ハードの施設といっても、何かすごいコンクリートで何かやるということではなくて、土どめとか植生復元のための施設だとか、そういったものを想定しているということでございます。

【山岸委員】 ちょっとますますわかんなくなりますね。

【大塚委員】 追い詰めてはいけないのかもしれませんが、ですのでちょっとマイルドに行きますが、これは実際の省令案というのは出てきていないのでちょっとわからないんですけども、4ページの8の[1]から[6]、最後に等と書いてあるんですけど、これは最後はどういう形になるんでしょうか。[1]から[5]は施設だけになっているので、ただ全体は事業なので、別に施設に限る必要な多分ないということは、先ほどのご議論のとおりだろうと思うんですけれども、最後の等のところは省令ではどういうふうになる予定でいらっしゃるんでしょうか。

【鳥居外来生物対策室長】 これはこのとおり省令にはなるんですが、この等は法律に定めてあるのですが、捕獲または殺傷を意味します。

【大塚委員】 これは[6]だけが等ということですね。

【鳥居外来生物対策室長】 等は殺傷を指しております。

【大塚委員】 事業としては、やっぱり施設の設置しかないというふうに思われてしまいます。

【鳥居外来生物対策室長】 6号につきましては捕獲でございますので……。

【大塚委員】 6はいいんですけれども、それ以外の事業は、何か事業ということに法律ではなっているのに、省令では施設の設置になってしまうというのは、ちょっと言葉としてもどうかなという感じはいたしますけど、どの辺が本当の理由なのかをもし教えていただければありがたいですが、あるいは種の保存法の保護増殖事業の方は、ちょっと私が省令がどうなっているか今手元に六法がないのでわからないんですけれども、ほかの法律との関係で、施設の設置というのにかなり思い入れがおありなのかというあたりもちょっともし、何か教えていただければと思います。

【鳥居外来生物対策室長】 もう一度ご説明いたしますと、例といたしまして自然公園法でいきますと公園事業というのがありまして、保護のための施設というのを公園計画上位置づけてございますが、その中に、例えば植生復元施設だとか、自然再生施設だとか、動物繁殖施設というものが、これは自然公園法の場合は政令上だったと思いますけれども、位置づけられてございます。それにならって書いたということでございます。

【岩槻部会長】 今の件はよろしいでしょうかというのもおかしいですけれども……。
 そういう議論があったということを、一応記録しておいていただいたらというふうに思いますけれども。
 齋藤委員どうぞ。

【齋藤委員】 時間もあれなもんですからお願いなんですが、実はクマのマニュアルができるわけですけれども、これは完成版ができますと来期は何とかなるかもしれませんけれども、今期はもう途中でこれをつくるわけですが、ぜひクマに関しては環境省さんの方も大変な対策をやっていると思うんですが、ぜひしっかりやっていただきたいと。4,000頭という数は生半可な数ではないような気が私はするんですが、ぜひ絶滅を招くようなことがないように、地方自治体とも連絡をとって、しっかりやっていただきたいなというのが私のお願いでございます。

【岩槻部会長】 ありがとうございます。
 三浦委員どうぞ。

【三浦委員】 私もクマについてちょっと発言したいんですが、その前にちょっと確認なんですが、第10次の基準のところで、4ページの第4の鳥獣捕獲及び鳥類の卵の採取等についてですが、ここでクマ類の捕獲を目的とする場合には、はこわなに限ることと、こうありますよね。それでこれは先ほどの許可捕獲の場合については、とらばさみは過渡的には残すと。ここは確認ですけど、4ページのこの記述はいかがですか。

【事務局】 4ページの記述は、有害捕獲申請がなされた場合の許可基準の考え方なんで、狩猟ではないということで。

【三浦委員】 そうですね。そうするとやっぱり基本的にはドラム缶ではなくてはこわなにということで許可していくということですね。

【事務局】 一応一番効果があるということで。

【三浦委員】 それに関連してなんですが、もう1点クマ類の出没対応マニュアルなんですが、これについて要望なんですけれども、確かに10月末現在で4,300頭の中間報告が出ていますから、多分11月で5,000頭になっているような勢いだったと思います。それで、最後の方の「行政担当の皆様へ」という括弧なんですが、最後の方の記述で、捕獲おりの常設化を避けると、最後のページの上から2段目なんですが、これはもとよりだめですよね。それで、今回の大量の捕獲というのは、やっぱり特に市町村は、多数のドラム缶わなを持って、出没というと条件反射的に出していって、それをずっと継続して使うということで、危険だということで、もうそういう実態で、それで次の段階で出没対応マニュアルに続いて、何かもう少し捕獲のわなの設置の基準みたいな、ずっととれる限りは置いておくという格好になっているのが現実ですし、先ほどの数についても一部の市町村はまだ報告がないといったような状況がありますので、これを次の段階、多分5,000頭というのはやっぱり主要な個体群に対して大きなインパクトを与えるという、そういう観点からぜひお願いしたいというふうに思っています。

【岩槻部会長】 どうもありがとうございました。
 特に何かおっしゃいますか。

【磯崎委員】 一番最初に議論した猟区の期間の延長との関係もあるんですけれども、狩猟者の育成と、それから技術の向上ということで、例えばなんですが、講習の義務づけのような形で、せっかく延長したこの猟区での経験というのを、講習のような形で義務づけるという、そういう考え方はどうなんでしょうか。

【事務局】 講習につきましては、免許の更新のときには講習を必ず都道府県知事が開催するということでしています。そしてその講習の際に、これまでの猟具の扱いとか法令の知識に加えまして、鳥獣保護管理の知識についても改めて講習内容に加えるということにいたしました。免許の取得のときにも、これまでの試験分野に加えて鳥獣保護管理に関する知識も加えるということにいたしております。
 あと講習の前には、これは狩猟者団体が開催しています講習会等を受ける方がほとんどですので、そういった中でも、そういった分野についても合わせて説明が行われますので、そういったところは期待したいと思います。
 それと、あと国の方との基本指針におきましても、猟区等との活用を図っていくというふうに考えておりますので、またそういったところを活用しながら何らかの取り組みをしていきたいと考えております。

【岩槻部会長】 鷲谷委員どうぞ。

【鷲谷委員】 三浦委員のご発言の続きなんですけれども、年間5,000頭ぐらいの個体が捕獲されるということに関して、地域個体群やメタ個体群動態という観点から、この数をどう考えたらいいのか、そういう個体群動態へのインパクトを持ち得る数なのかどうなのかということに関して、どこかで科学的な検討が行われているのか、あるいはそのような検討を行う計画があるのかどうかということについて、もしかしたら三浦さんがよくご存じないですか。でしたら事務局の方に伺いたいと思います。

【岩槻部会長】 事務局の方でお答えいただけますか。

【事務局】 5,000頭という数はかなり多い数で、今までも2,000頭、あるいは3,000頭というのが何年間に1回ぐらいあって、クマ類の捕獲数というのはかなり変化が多いことは確かなんですが、やはり5,000頭ということについては、環境省としてもきっちり受けとめた上で、どういうふうに具体的にその5,000頭という数について分析をしていくかという計画はまだはっきりは固まっているわけではありませんが、このクマ類出没対応マニュアルでおいでいただいている専門家の方ともお話しをさせていただいて、分析できるような資料をまず揃えるような形で、そのためのデータを各都道府県から、どれだけお持ちかというアンケートを、まず今することにしておりまして、それが集まった上で国としてどういうふうなことをしていかなければいけないかということを判断して進めていきたいというふうに思っているところです。

【事務局】 追加でご説明させていただきますけれども、研究面におきましては、研究関係の予算で環境省の一括計上予算があるわけで、その中で、予算は環境省で実施省庁は農林水産省の技術会議さんの方で実施主体としては森林総合研究所の研究員の方、あとそういった分野を研究している大学の研究者、民間の方々と、そういった協働で、本年度から5カ年計画でクマの出没状況等に関する分析を、例えばえさとなる森林の面からとか、動物の行動関係とか、あとその他さまざまな要因から、複数の研究者の方による研究がことしから始まったばかりでございます。これが5カ年間の予定。当然ことし恐らく5,000頭を超えるんじゃないかといわれるぐらいの捕獲がありましたので、これ来年度以降どういった影響を地域個体群に与えていくかというのは当然重要なテーマとなってきますので、その面からも研究がなされるというふうに考えております。

【磯崎委員】 ありがとうございました。

【岩槻部会長】 よろしいですか。
 ほかに何かご発言はございますでしょうか。
 予定の時間をちょっとオーバーしてしまったんですけども、特にご発言がなければ、これできょうの部会を閉じさせていただいてよろしいでしょうか。

(異議なし)

【岩槻部会長】 それでは、どうも長時間ご協力ありがとうございました。これで部会を終わりにさせていただきます。