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中央環境審議会 瀬戸内海部会 企画専門委員会現地ヒアリング(東部) 議事録


平成24年2月23日(木)

開会
議題
(1)
趣旨説明及び現地ヒアリングの進め方について
(2)
関係者からのヒアリング
(3)
全体討議
閉会

○富坂閉鎖性海域対策室長  定刻より多少早いですけれども、関係の方がみんなおそろいですので、ただいまから中央環境審議会瀬戸内海部会企画専門委員会の現地ヒアリングを開催いたします。
 委員の皆様、また発表者の皆様、また傍聴者の皆様におかれましては、お忙しい中、御出席を賜り、誠にありがとうございます。私、委員会事務局を務めております環境省水・大気環境局水環境閉鎖性海域対策室長の富坂と申します。座長にお渡しするまでの間、進行を務めさせていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。
 ヒアリングの実施に当たりまして、まず企画専門委員会の松田治委員長より御挨拶をいただきたいと存じます。松田委員長、よろしくお願いいたします。

○松田委員長  企画専門委員会の委員長を仰せつかっております松田と申します。
 現地ヒアリングの開催に当たりまして、一言御挨拶を述べさせていただきます。
 本日は会場の皆様、大変多数、雨模様の中でございますけれどもお集まりいただきまして、本当にありがとうございます。それから、本日御意見をお伺いする8名の方々、ちょうど今、スクリーンの前面に並んで御着席いただいておりますが、大変お忙しい中、御出席いただき、また資料の準備、あるいは日程調整などで多大な御協力をいただきました。厚く御礼申し上げます。
 さて、将来、瀬戸内海をどうしていくかという問題につきましては、一部、参考資料の中にも紹介されておりますが、ここ数年、かなり総論的な論議が進みました。そのような状況の中で、昨年7月には環境大臣からこの中央環境審議会に対しまして、「瀬戸内海における今後の目指すべき将来像と環境保全・再生の在り方について」という諮問がなされました。この実際的な調査審議を、瀬戸内海部会の中に設けられましたこの企画専門委員会で行うことになったと、こういう次第でございます。
 それで、この企画専門委員会に与えられた課題は非常に大きく言うと2点あるというふうに理解しております。先ほど申し上げましたようなこれまでの議論の中で、単に水、水質だけがきれいならばよいという、そういう「きれいな海」ということから、より包括的に「豊かな海」という方向へスタンスを変えていこうという、総論的にはかなりそういった「豊かな海」への方向性がクローズアップされてきております。
 しかしながら、では、豊かな瀬戸内海とは具体的にどういうものなのかということは、まだその焦点が絞られておりません。これが一つ目の課題です。皆様御承知のとおり、瀬戸内海は多島海・多島美を誇る景勝地でもございますし、また水産資源の宝庫として、人々がその恵みを長い間享受してきたわけではございますけれども、御承知のように、特に1960年代から70年代にかけては非常に悪くなりまして、瀕死の海と言われるようにもなりました。それで1973年には全国に先駆けて、いわゆる瀬戸内法という地域限定の法律もできたところでございますけれども、その後、皆様あるいは関係者の努力によって、水質的にはかなり改善されてきたと認識されております。
 一方で新たな課題として、栄養塩の適正管理ですとか、あるいは俗に海離れと言われているような人々の海への無関心、特に若い人が海に興味を持たなくなったというような問題、あるいは、一昨年のCOP10でもクローズアップされた生物多様性の問題、それから森・川・海の一体的管理というような問題、そういった新たな課題も出てきているわけでございます。このような課題に対応した豊かな瀬戸内海の実現を求められているわけですけれども、瀬戸内海といっても非常に多様性が高いものですから、この湾・灘ごとに実際にどういった豊かな海をつくっていくか、そういった方向性についての整理が必要な状況になっております。ですから、1点目の課題は、豊かな瀬戸内海とはどういうものかということです。
もう1点は、この豊かな瀬戸内海を実現して、あるいは将来的に長く持続的に引き継いでいく際に、具体的にはどのような取り組みを進めたらいいか、これを明らかにしたいと、そういう課題が二つ目でございます。より広い視点に立った取り組みと、それから地域に応じたきめ細かな取り組みの両方の面が必要であると思っております。
 そこで、この企画専門委員会では、この瀬戸内海に関連するさまざまな分野の方々から、幅広く御意見を伺うことが必要と考えまして、このたび瀬戸内海の西部、中部、東部の3カ所において現地ヒアリングを開催することとなりました。実は先週月曜日には、西部海域を対象にして北九州市で、それから先週火曜日には中部海域を対象にして高松でこの現地ヒアリングを行わせていただきまして、大変有意義な御意見を伺ってきたところであります。本日はその3回目ということで、瀬戸内海の東部海域、主に大阪湾、播磨灘、紀伊水道を対象として、8名の方々から、もちろんより広い御意見でも結構ですけれども、御意見をちょうだいしたいということであります。そういうことで、瀬戸内海と一言で言っても様々な多様性がありますので、このあたりの特徴も踏まえたお話をお伺いできればと思っております。
 それから、本日のような瀬戸内海での議論が、日本の閉鎖性海域、あるいは沿岸海域全体に及ぼす影響といいますか、あるいはそういった全体の中での位置づけについて触れさせていただきます。瀬戸内海は1973年に早くも瀬戸内法ができたことでもわかりますように、非常にある意味では環境管理の実験海域的なトップランナー的な役割を日本の中でも果たしてきたといいますか、あるいは課せられている、そういう状況でございます。従って、本日の議論を含む瀬戸内海の議論は、今後の日本のその他の閉鎖性海域や沿岸海域にも生かされるものと確信しております。ということで、今日これからお伺いする皆様の御意見につきまして、できるだけこの瀬戸内海の今後の在り方の具体的な施策に反映していきたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。
 最後に、本日のこの現地ヒアリング開催に当たりましては、関係自治体並びに環境省地方環境事務所の皆様に大変な御協力をいただきました。この場を借りて御礼申し上げます。それでは、本日はよろしくお願いします。今日は御参加、ありがとうございました。

○富坂閉鎖性海域対策室長  松田委員長、ありがとうございました。
 続きまして、本日の現地ヒアリングに御出席の企画専門委員会の委員を御紹介させていただきます。
 兵庫県立大学自然・環境科学研究所教授の中瀬勲委員でございます。

○中瀬委員  よろしくお願いします。

○富坂閉鎖性海域対策室長  埼玉県環境科学国際センター研究所長の木幡邦男委員です。

○木幡委員  木幡邦男でございます。よろしくお願いします。

○富坂閉鎖性海域対策室長  木幡委員には、本日の現地ヒアリングの座長をお願いしております。
 先ほどごあいさついただきました広島大学名誉教授の松田治委員長です。
 大阪大学大学院工学研究科教授の西田修三委員です。

○西田委員  西田でございます。

○富坂閉鎖性海域対策室長  徳島大学大学院ソシオ・アーツ・アンド・サイエンス研究部教授の浜野龍夫委員です。

○浜野委員  浜野でございます。よろしくお願いします。

○富坂閉鎖性海域対策室長  また、本日は中央環境審議会瀬戸内海部会の岡田光正部会長にも御参加をいただいております。

○岡田部会長  岡田でございます。よろしくお願いいたします。

○富坂閉鎖性海域対策室長  委員の皆様、本日はよろしくお願いいたします。
 事務局は、私、富坂。それから、同じく閉鎖性海域対策室の主査の千野でございます。よろしくお願いいたします。

○千野閉鎖性海域対策室主査  よろしくお願いします。

○富坂閉鎖性海域対策室長  続きまして、本日ヒアリングをさせていただく方々を発表順に御紹介させていただきます。
 兵庫県立農林水産技術総合センター水産技術センター所長の反田實様でございます。

○兵庫県立農林水産技術総合センター水産技術センター反田所長  反田です。よろしくお願いします。

○富坂閉鎖性海域対策室長  大阪湾広域臨海環境整備センター環境課長の樋口進様でございます。

○大阪湾広域臨海環境整備センター樋口環境課長  樋口でございます。よろしくお願いします。

○富坂閉鎖性海域対策室長  神戸市立須磨海浜水族園園長の亀崎直樹様でございます。

○神戸市立須磨海浜水族園亀崎園長  亀崎です。

○富坂閉鎖性海域対策室長  大阪府漁業協同組合連合会副会長の札野政雄様でございます。

○大阪府漁業協同組合連合会札野副会長  札野です。よろしくお願いいたします。

○富坂閉鎖性海域対策室長  明石浦漁業協同組合代表理事組合長の戎本裕明様でございます。

○明石浦漁業協同組合戎本代表理事組合長  戎本です。よろしくお願いします。

○富坂閉鎖性海域対策室長  豊かな森川海を育てる会会長の島本信夫様でございます。

○豊かな森川海を育てる会島本会長  島本です。よろしくお願いします。

○富坂閉鎖性海域対策室長  奈良県立大学地域創造学部教授の西田正憲様でございます。

○奈良県立大学地域創造学部西田教授  西田です。どうぞよろしくお願いします。

○富坂閉鎖性海域対策室長  大阪湾見守りネット代表の田中正視様でございます。

○大阪湾見守りネット田中代表  田中でございます。よろしくお願いいたします。

○富坂閉鎖性海域対策室長  続きまして、お手元の資料の確認をさせていただきます。
 議事次第に続きまして資料1、現地ヒアリング等出席者名簿でございます。資料2、趣旨説明及び現地ヒアリングの進め方でございます。資料3としまして、本日の意見発表資料。3−1から3−8まで、途中3−2の次に1枚補足の資料がございます。それから参考資料1、参考資料2でございます。御確認をお願いします。不足がございましたら事務局にお申しつけください。よろしいでしょうか。
 本日のヒアリングでございますけれども、中央環境審議会の運営方針に基づき公開とさせていただいております。また、本日の議事録についてですが、委員の皆様に御確認いただいたものを、本日の発表資料とともに環境省ウェブサイトにて公開をさせていただきます。よろしくお願いいたします。
 なお、プレスの方はこれ以降の写真撮影等はお控えいただきますよう、よろしくお願いいたします。この後の進行につきましては、座長の木幡委員にお願いしたいと思います。よろしくお願いします。

○木幡座長  御指名いただきましてありがとうございます。本日の現地ヒアリングの司会役を務めます木幡でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
 本日御発表いただきます現地関係者、関係機関の方々におかれましては、御多用の折、出席いただきまして誠にありがとうございます。また、傍聴の方々、お足元の悪い中を御参加いただきまして、誠にありがとうございます。
 皆様のふだんの活動や経験などを踏まえた御意見をお伺いして、今後の諮問に関する審議に反映していきたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。
 失礼ながら座って進行させていただきます。
 本日は16時30分の終了を予定しております。少し長丁場になりますが、途中で休みも予定しておりますので、円滑な進行にぜひ御協力をお願いいたします。
 それでは、最初に、今、松田委員長からのお話がありましたように、本日のヒアリングのもとになりました中央環境審議会への諮問ですとか、その背景、これまでの審議の概要を事務局から簡単に御説明をお願いいたします。

○富坂閉鎖性海域対策室長  事務局の環境省の富坂でございます。
 資料2に趣旨説明及び現地ヒアリングの進め方という資料を用意してございます。
 まず、本日ヒアリングを行います瀬戸内海についてということで、瀬戸内海環境保全特別措置法に瀬戸内海の範囲というものが決められております。関係府県としてこれらの府県、それと内陸でございますけれども京都府、奈良県というところについても関係府県ということでございます。本日のヒアリングにつきましては、委員長の御挨拶にもございましたように、特に東部海域、大阪湾、播磨灘、紀伊水道を中心とした海域についてヒアリングをお願いしておるところでございます。
 瀬戸内海の環境保全の取り組みにつきましては、先ほどの瀬戸内海環境保全特別措置法に基づきまして、水質の保全、それから自然海浜の保全といったことについて施策を行っているところでございます。また、瀬戸内海環境保全基本計画というものを法律の中で定めることになっておりまして、この中で掲げられております二つの大きな目標像ということで、下の赤いところでございます。世界においても比類のない美しさを誇る景勝地、また国民にとって貴重な漁業資源の宝庫であると、こういった特徴を有する瀬戸内海を保全していくということで、水質保全、自然保護といったことが施策として進められてきております。
 こういった背景を踏まえて、中央環境審議会の諮問ということで、こちら瀬戸内海における今後の目指すべき将来像と環境保全・再生の在り方についてということで、諮問をさせていただいているところでございます。これまでの瀬戸内海の環境保全につきまして、フォローアップあるいは論点整理という形で、これまでどのようなことが行われてきたのか、今何が問題なのかといったような議論が積み重ねられてきておりまして、特に水質改善中心の環境保全の在り方というものが現在問われているということがございます。または、環境問題と言ったときに、これまでの公害問題というものから海洋保全、あるいは生物多様性といった新しい概念といったものが、環境の問題にもいろいろ含まれてきているといったようなところがございます。
 今回、諮問の議論の中心となっておりますのが、きれいな海から豊かな海へということでございますけれども、この豊かな海というものにつきましては、一律の指標あるいは方向性というものがあるわけではなく、非常に多様性を持った概念であるということがございます。こちらはこれまでの論点整理、フォローアップということで、こういったキーワード、きれいな海、美しい海、生産性の高い海、人々の生活を潤す海、生物多様性の高い海、また健全な海と、こういうキーワードとして掲げられてきておりますけれども、これらすべてが同時に条件として満たされるかと言われると、なかなかそうでもなく、あるいは具体的な取り組みとしましても、それぞれの取り組みの中で少しずつ異なるものがあるであろうと。そういったものを一つの方向性として議論をさせていただきたいと、このように考えているところでございます。
 今、事務局としまして整理しています取り組みの基本的考え方ということで、この6点を整理させていただいております。一つ目、水質管理を基本としつつ、豊かな海へ向けた物質循環、生態系管理への転換を図るということです。それから2番目、藻場、干潟、砂浜等の失われた沿岸環境と悪化した底質環境を回復する。3番目、白砂青松、多島美と表される瀬戸内海の自然景観及び文化的景観を保全する。4番目、地域における里海の創生を進める。5番目、瀬戸内海の生態系構造に見合った持続可能な利用形態による総合的資源管理を進める。6番目としまして、防災と環境保全の両立を進めると、この6点を現在整理しているところでございます。これらにつきまして、企画専門委員会の中だけでなく広く関係者からの意見聴取を行いたいということで、既に昨年の12月に広域的な関係機関からのヒアリングを行っております。自治体それから研究者、漁業関係者、関係省庁といった方々からヒアリングを行っているところでございます。そして今回、より現場に近い関係者の皆様からのヒアリングということで、西部海域、中部海域、そして本日の東部海域につきまして、事業者、漁業関係者、NPO、学識経験者、行政のそれぞれの方々からヒアリングを行っているところでございます。さらに、広く一般の市民の方からの意見を募集しようということで、今月末までということでございますけれども、パブリックコメントに準じたような形で意見募集をさせていただいているところでございます。
 今後の予定でございますけれども、瀬戸内海部会におきまして、今年の夏ぐらいを一応目標としておりますけれども、目指すべき将来像と環境保全・再生の在り方について答申という形で方向性をまとめたいということを、事務局として考えておるところでございます。それ以降、具体的な瀬戸内法に基づく基本計画の変更でありますとか、あるいはそれ以外の方策について、必要があればさらなる検討を加えていくと、このような予定としているところでございます。
 最後に、本日の現地ヒアリングの進め方について、御説明をさせていただきたいと思います。本日は、先ほど御紹介をさせていただきました8名の方々から、順にそれぞれの取り組みの内容や御意見について御発表いただこうということでございます。発表の持ち時間はお一人10分とさせていただきます。恐縮ですけれども、8分が経過した時点でベルを1回鳴らさせていただきますので、目安としてください。
 また、お一人お一人の発表の後で、本日出席の委員から御発表内容について確認や御質問をさせていただく時間をとらせていただくということにしております。質疑応答を含めまして一人当たり15分という形で進めさせていただきたいと思っております。皆様の発表時間を確保するため、御協力をよろしくお願いいたします。また、8名の方々から御発表いただいた後、全体討議としまして時間がございましたら、本日、会場にお越しいただいている方々からも御意見をいただくこととしたいと思っております。よろしくお願いいたします。残りの資料は参考ということでございますので、またご覧になってください。
 以上でございます。

○木幡座長  どうもありがとうございました。ただいま御説明がありましたように、各発表者の方々には大変短い時間で恐縮ですけれども、発表時間は10分ということで時間をお守りいただくよう御協力をお願いいたします。8分、残り2分で鐘が鳴りますから、鐘を聞いたら、ぜひ取りまとめに移るような形でお願いします。あと5分で十分な時間とは言えませんけれども、御意見をぜひ、活発な討論をお願いします。足りない部分は最後にまとめで総合討議の時間もあるようですから、そちらを御利用いただけたらと思います。また、発表の方々には、御発表の際にちょっとお手数ですけれども、前の発表席のほうへお移りいただくようにお願いいたします。
 それでは、早速ヒアリングを始めたいと思います。最初に、兵庫県立農林水産技術総合センター水産技術センター所長の反田様にお願いいたします。よろしくお願いします。

○兵庫県立農林水産技術総合センター水産技術センター反田所長  兵庫県水産技術センターの反田と申します。よろしくお願いします。
 今日は播磨灘の栄養塩環境と兵庫県漁業の実態及び窒素供給の取り組み事例というテーマで発表させていただきます。
 ここに示しておりますのは、兵庫県のノリ漁場です。こちらのほうが私どものセンターで行っております海洋観測の定点なのですけれども、今回は主に播磨灘の観測点の平均値、主に窒素になりますけども、そのデータを使ってお話をしていきたいと思います。
 播磨灘は、やはりきれいになっていると思います。このH8の観測点ですが、一番透明度が悪かったのは1970年代なのですが、その後、徐々に改善してきています。最近では戦前の終わりごろの透明度に近づいているということで、年平均が9mぐらいになってきています。ただH4、少し沿岸部の透明度は、このようにそういう傾向が見られません。透明度による解釈というのは難しいのかなという気はしています。ただ、灘全体の平均値の透明度は確実に上昇していますので、やはりきれいになっているのだと思います。ちなみに去年のちょうど2月、1年前ですけれども、このH8で透明度19.7mを記録しております。そういう状況になってきています。
 次に、栄養塩の話ですが、播磨灘の表層の栄養塩といいますのは、大体こういう季節変化をたどります。12月に一番高くなるのですが、ちょうどそのころにノリ養殖が始まります。その12月の表層の栄養塩濃度をずっとつないでいきますと、こういう形でかなり激しく減少してきています。ノリの色落ちの閾値というのは、大体3μMと言われていますので、最近はノリ養殖開始時点でも3μMを少し上回る程度ということで、ノリ養殖にとっては非常に厳しい栄養塩環境になってきています。ちなみに今年は急に上がっているのですが、これは9月の雨がかなりきいているのかなと今考えております。そういった窒素不足によって、大体平成8年ごろから色落ちが頻発するようになりました。特に最近は毎年のように起こっております。それによりまして、生産量、生産金額も近年かなり落ち込んできております。
 ノリはこういう状況なのですが、この栄養塩の長期的な低下がノリの色落ちに関与しているのは間違いないと思うのですが、一方で生産力の低下や漁獲量の減少につながっているのではないかという危惧を我々も抱いていますし、漁業者の方はもっと強く抱いているというのが現状です。
 それで、これは漁船漁業全体の漁獲量、兵庫県の漁獲量ですけれども、1995年ごろを境に急激に減少してきております。6万トン台であったものが最近では3万トン台というような状況です。その中の小型底曳き網、これはイカナゴぱっちというのは除いているのですが、それを見ていますと、やはり1995年ごろを境にかなり急激な減少に転じております。右側のほうは経営体数と、1経営体当たりの漁獲量なのですが、それも1995年ごろをピークに落ちてきています。こういうのを見てみますと、このあたりで漁業実態に大きな変化は見られませんので、乱獲が絶対ないかと言われると、ないとは言い切れないかとは思いますけれども、やはり漁業に内在している要因以外の環境等、そういった問題が関与している可能性はあるのだろうと思っています。
 その栄養塩と漁獲量の関係ということなのですが、現時点では明確ではないのですけれども、その影響が心配されます。例えば、これは播磨灘のイカナゴの0歳魚、いわゆるシンコと言われているものの漁獲量と、冬場のDINの変化です。水色の線がDIN、赤い線が漁獲量なのですが、漁獲量のほうは年変動が非常に大きいです。これは資源管理の問題もあるのですが、ただ3年平均のラインをつなぐと栄養塩の変動とかなりよく似た変動が出てまいります。それから右側のほうは、これは水環境学会誌に発表しましたけれども、灘別の小型底びき網の漁獲量とDINの関係です。大体DINの変動の2年後を追うような形で漁獲量の変動がそれを追随する変化を示しております。こういうことから栄養塩との関係も心配しております。
 その栄養塩の供給につきましては、外海水、それから底泥、それから陸域と三つの大きな要素があるのですが、現状ではそのシェアというのはなかなか明らかになってないと思います。ここでは播磨灘北部の4河川からの流入負荷を計算しました。これは濃度と流量から計算したものです。窒素負荷量が黒いほうです。一方、播磨灘のDINの濃度は赤い方です。これを見てみますと、ここで大きく負荷量は低下していますけれども、これはこのときに揖保川、昔は皮革排水がかなり流入していたのですが、それが浄化センターに入るということで、かなり水質が改善された。それによる反応ですけれども、DINのほうもそれを追うような反応が見られるということで、これ以外の情報も集めていますが、やはり播磨灘については、特に北のほうからの陸域負荷の影響はかなり及んでいるのではないか、影響していると考えております。
 こういった栄養塩の問題を背景に、兵庫県では漁業関係者を中心にさまざまな窒素供給の取り組みが行われています。ダム放流、池干し、施肥、海底耕耘、浄化センターの栄養塩管理運転などです。その幾つかを紹介します。
 ため池の池干しです。兵庫県はため池が日本で一番多くて4万以上あります。近年は農業者が高齢化しているということで、ため池の管理ができてないと。それと、池の水の栄養塩濃度が一般的に高いということで、海への栄養塩の供給を目的に、漁業者が農業者に声をかけて協働で池干し作業を行っています。海へ供給する窒素の量というのはそれほど多くはないのですが、こういう取り組みが新聞などで報道されるということで、海の現状を一般市民の方に知っていただくということで、非常に意義があるのではないかと思っています。
 それから、播磨灘に面する4カ所の浄化センターでは、栄養塩管理運転が行われています。この4カ所です。淡路の2カ所は小さいのですが、本土側の2カ所は規模が大きいです。ちなみにBのところの浄化センターでは、ノリ養殖時期には排出栄養塩濃度を上げて、夏はむしろ下げるというふうな形で、年間の全窒素の排出量をイーブンにするという取り組みが行われています。技術的には可能なのですが、通常運転よりも現場の技術者の労力は要るようです。それと、これによる運転コストの増加というのは今のところ報告されておりません。
 それから、漁業者は海底耕耘にも取り組んでいます。これは当初、泥から栄養塩を巻き上げようという意図で行われたのですが、私も水産庁の環境生態系保全活動で一緒に乗りましたけれども、こういうふうにごみがたくさん上がってきます。そのようなことで、海底をきれいにするという意味では非常に意義ある活動ではないかなと思います。
 このようなことをまとめまして、最後に簡単に私の提案を述べたいと思います。
 栄養塩管理に向けた灘・湾規模の実証研究事業の推進。現在、ヘルシープランがありますけれども、より大きな規模で行えないかと。順応的管理の考え方に基づく管理手法の提示につなげられないかということ。それが一つです。
 それから、今回紹介しませんでしたが、最近多くの漁業者の方から砂の供給が減った、海の砂が小さくなってきているというふうなことを聞きます。ただ、それに関する科学的情報というのは非常に少ないのではないかと思いますので、そういった面での調査研究の推進が望まれます。
 それから、3番目は環境省、国交省、農水省の連携による瀬戸内再生事業の推進。現在、大阪湾再生推進会議というのが一つこういう形ではあると思うのですが、例えば河川ダムの堆積砂を海岸、漁場整備に活用していくということを考えたときに、そのような連携が必要だろうということで、瀬戸内海の再生を目標として、それぞれの省庁が独自の事業を一つの目標に向かってつないでいくという形で、協議会の設置などがあればいいのかなと思います。
 それから、海底ごみの処分システムの確立。これは先ほど申しましたけれども、海底をきれいにすることができる漁業者の力というのは非常に貴重だと思います。こういった力を瀬戸内海の環境再生のために漁業者の潜在的な力を公として利用するようなシステムづくりができないのかなと。これができれば、海底は多分かなりきれいになっていくだろうと私は思っております。
 それから、最後にこれは意見で、まだ私も頭を整理できてないのですが、大阪湾を他の瀬戸内海から切り離すということでいいのか。これはなぜかと言うと、大阪湾の西部では平成15年ぐらいからノリの色落ちがやはり起こっています。一昨年などもかなり色落ちしております。だから、播磨灘と同じような問題が生じています。湾奥部の環境改善が進まないのは、人工的な地形の複雑さによるのではないかなという思いがあります。ですから、いわゆる富栄養化対策における制度的な問題と地形的な問題というのは、少し整理して考えていったほうがいいのではないかなというのが私の意見です。
 これで一応終わりですけれども、個人的には兵庫県漁業にとって1990年代前半、いわゆる漁獲量がターニングポイントを迎える少し前の段階ですけれども、それは漁業にとって非常によい時代であったなと思います。魚がある程度とれる、ノリもそこそことれる。一方、透明度を見てみますと、その当時と今の透明度はそんなには変わらないと感じています。それから、例えば播磨灘でいえば赤潮の発生、延べ発生件数は最近年と当時ではそれほど大きくは変わってないということから、これは私のかなり個人的な感覚ではありますけれども、兵庫県の漁業にとっては1990年代前半というのはよかったのではないかと思っております。
 どうもありがとうございました。

○木幡座長  どうもありがとうございました。
 ただいまの意見発表に対して、委員の先生方、御質問等ありますでしょうか。

○浜野委員  イカナゴ0歳魚ですけど、何を主に食べているのでしょうか。

○兵庫県立農林水産技術総合センター水産技術センター反田所長  イカナゴの0歳魚は、生まれたてというのは結構コペポーダの卵を食べ たりしているのですが、その後、ノープリウス、そして大きくなるといわゆるコペを食べます。

○浜野委員  ありがとうございました。

○木幡座長  よろしいですか。他にはないでしょうか。

○中瀬委員  ありがとうございました。先ほどの池干しの話で、明石とか淡路に私もよく行かせてもらうのですが、結構高齢化されているでしょう。これからどうしたらいいのでしょうか。

○兵庫県立農林水産技術総合センター水産技術センター反田所長  先ほどの写真、私はちょっと現場へ行っていないのですが、池の中にいっぱい入っているのは全部漁師の方で、上のほうで眺めてはるのが農業者の方という、そういう構図になっているのです。だから、漁業者の方が積極的な気持ちでやっていこうという間はいけると思うのですが、これをどういう形でつないでいくかというのは課題だと思います。特に農村と漁村とのつながりという文化的な面で、非常に私はいい取り組みであろうと思っています。

○中瀬委員  ありがとうございました。

○木幡座長  西田先生、手短にお願いします。

○西田委員  わかりました。生産量が大分落ちているというお話ですけれども、気象の影響とか、それに伴ってプランクトン種が変わってきたとか、生物生態系の何か様子が変わってきたとか、そういうことはありませんか。今日は漁業のお話でしたけど下の話はいかがでしょうか。何かそういう情報をお持ちでしょうか、水温の話とか。

○兵庫県立農林水産技術総合センター水産技術センター反田所長  漁業、漁獲量ではなくて、もっと下のとこですね。実を言いますと、クロロフィルなどを解析してもあまり関連は見つけにくいのです。それと、動物プランクトンは、実を言うと同定分析に非常に時間がかかるということで、うちのほうでも長年のデータはとってない。最近ようやくとり出したという段階なので、それらの間を本当はつないで、いわゆる物質循環のところを順番に詰めていかないといけないのですが、その部分は現在抜けています。
 あと気象関係との相関。例えばイカナゴでも、色々な要素との相関をとりましたが、栄養塩しか有意な相関が出てきませんでした。水温とも相関は出ませんでした。

○西田委員  ありがとうございます。

○木幡座長  それでは、反田様、どうもありがとうございました。
 続きまして、大阪湾広域臨海環境整備センター環境課長の樋口様、よろしくお願いいたします。

○大阪湾広域臨海環境整備センター樋口環境課長  皆様、こんにちは。大阪湾広域臨海環境整備センターの樋口でございます。
 私は、今回、事業者の立場ということでございます。我々のセンターといいますのは、近畿2府4県から発生しております廃棄物の海面埋め立てを大阪湾でやっている事業者でございます。ご覧の写真は、我々は四つ処分場を持っているのですが、このうちの一番新しい平成21年10月に開業した大阪沖処分場でございます。ここでフェニックスと言いますのは、昔の伝説のよみがえる不死鳥の話のことでございまして、ごみとなって燃えてしまって一旦死んだものが、新たに土地となって蘇るということを意味しております。
 我々のフェニックスセンターができました設立の経緯というものを御説明したいと思います。まず、もともと大阪湾の界隈といいますのは、海面埋め立てをして過去からいろいろ栄えてきた経緯があります。江戸時代も含め、明治、大正とずっと土地を増やしてきた経緯がございます。それで、1970年代の高度成長に伴いまして、臨海部開発の必要性とか、経済活動が大きくなりまして廃棄物の処理というのが問題となりまして、この両方をうまくクリアする仕組みが必要だということになり、それで広域臨海環境整備センター法というのが1981年、昭和56年に制定され、翌年の3月に、当大阪湾広域臨海環境整備センターが設立されたという経緯がございます。
 我々の事業スキームというのに特徴があるのですが、これにつきまして簡単に御説明したいと思います。
 今、近畿2府4県の地図がありまして、少し色の黒い部分があります。2府4県、168市町村のエリアから、我々は発生する廃棄物を海面埋め立てしています。真ん中に赤い点が四つほどありますが、これは四つの処分場でございます。まず、港湾管理者から海面処分場の外側の護岸の建設の委託を受け、建設費用は港湾管理者が負担します。それから処分場の排水処理施設であるとか、廃棄物の揚陸施設などの処分場の関連施設を市町村から負担していただき、それから埋め立て処分による土地の造成をやります。それで当然、我々は処分代をいただいて埋め立て処分をやりまして、それからでき上がった土地につきましては、再び港湾管理者にお返しします。港湾管理者はその土地を活用して港湾整備等に使うという、こういう仕組みでできたセンターでございます。
 現在、我々には四つの処分場がございまして、まず最初、平成2年1月から受け入れている一番古い尼崎沖処分場、それから次に平成4年1月に受け入れ開始しました泉大津沖処分場。それから、平成13年12月に受け入れ開始しました神戸沖処分場。それから、平成21年10月に受け入れ開始しました大阪沖処分場の四つでございます。今現在、廃棄物を受け入れている主力といいますのは、この神戸沖と大阪沖が主でございまして、尼崎沖、泉大津沖の管理型区画は、もうほぼ廃棄物の受け入れはとまっているというような状況でございます。
 実際、我々が受け入れているものの廃棄物の種類は、概ね大体3種類ございます。いわゆる一般家庭から出てくるものを市町村のごみ焼却炉で焼いた灰です。それからあと上水道、下水道の事業から発生する汚泥。それから産業廃棄物ですね、事業活動から出てくる産業廃棄物。基本的にはこれはもうできるだけリサイクルとか焼却処理して、できるだけ減量化したものが海上輸送され、まず受け入れ基地で受けまして、海上輸送の上、海面埋め立て処分するということになっています。
 例えば平成22年度では、一般廃棄物が大体受け入れ量では23%、上下水道汚泥が5%、産業廃棄物が約3割、残りが陸上残土、しゅんせつ土砂ということでございます。それで、これまでの累計として約5,252万m3ぐらい受けまして、我々の受け入れエリアには、約2,000万人の市民の方がおられますが、そこから発生します廃棄物の約6割。それから産業廃棄物につきましては約5割を担っているというところで、我々としては地域のいわゆる適正処理に大きく貢献していると考えている次第でございます。
 それでは、我々はこうやって海面埋め立てをやっているのですが、環境に対してどういう対策をとっているのかということでございます。まず一番ベーシックなところ、基本的なところでございますけれども、まず最終処分場というのは一旦受け入れしますと、非常にまずいものが入りますと、それを除くというのは非常に難しゅうございますので、まずは受け入れの検査で化学検査等を実施しまして、安全な受け入れをやります。それから、周辺への影響としましては、粉じんの飛散であるとか、あと最終処分場、海面埋め立てしますと余水が出てきますので、それの排水処理が大きなポイントでございます。それから、当然そういう対策がきちんとできているかどうか環境監視をやるということで、こういう適正な廃棄物の処理というのが、まず一番の基本でございます。
 しかし、そればかりでよいのかということです。当初平成の初めのころはそれでもよかったのですが、平成十何年かになりまして、地球環境であるとか、生態系の話とかいろいろ出てきまして、我々を取り巻く環境も変わってきまして、求められる対応としては、やはり環境影響の最小限化、例えば放流水の水質をきれいにしとけばいいというわけではなくて地球環境への対応とか、積極的な環境の創造、例えば海域の環境修復・再生、後で出てきますけども、最初の尼崎沖、泉大津沖の護岸は垂直護岸でございますけれども、神戸沖、大阪沖には緩傾斜護岸を導入して、できるだけこういう修復を図るとか。あと地域社会との連携ということで、いわゆる環境づくりにおける連携、協力の推進、こういうところが求められてきているということでございます。そういうのを踏まえまして、センターにおきましては環境負荷の少ない健全で持続可能な循環型社会の形成の一翼を担い、美しい大阪湾の再生や都市環境の創造に貢献していくため、環境管理計画、こういう三つの施策を中心とする計画をつくりまして、具体的なアクションプランを作りました。
 一つは循環型社会の形成の取り組みということで、ごみの発生抑制とか、いわゆる自然エネルギーの導入ですね。それからあと、ここに自然との共生ということで、いわゆる緩傾斜護岸の導入による環境の修復とか再生。それからあとコミュニケーションの強化ということで、いわゆる地域社会との連携ということで、例えば海域再生等に関する研究機関への研究助成を行うということもやっております。例えばCO2の削減では、主に今までやってきているところは、処分場で重油をたくような自家発電を商用電力にかえたりとか、排水処理施設用の電源を太陽光発電で一部賄ったりとかいうようなことでございます。それから、自然との共生では、この緩傾斜護岸の採用ということで、例えばこういう緑の線のところ、神戸沖とか大阪沖のこういうところでは緩傾斜護岸を導入しております。それから、導入しただけでは非常にだめでございまして、我々センターとしましては導入したことによって、緩傾斜護岸で、藻類の繁茂状況がどのぐらいに変わったかというようなことを調査しまして、それらをまとめて報告書のようなことをまとめています。また平成24年度以降も継続調査を考えています。
 これは緩傾斜護岸における環境創造効果を一旦、評価しまとめた冊子でございます。中ではこういう絵なんかも入れまして、こんな生物がついていますよというようなことを、わかりやすくまとめております。
 それから、例えばこういう護岸1km当たりの藻の着生面積についても、護岸のできた時期と比べて、例えば関空なんかと比べまして、大阪沖はこの辺ですが、同じぐらいのレベルではないかなということで、場所をうまく選んでやれば、多様な生態系をつくれるのではないかというようなことです。
 これは市民活動、地域社会との連携でございますけれども、市民活動助成であるとか、大学とか試験研究機関への研究助成というのをやっておりまして、こういうところでも直接、事業とは関係ないかもしれませんけども、色々なところでやっております。特に海域再生の研究の助成につきましては、例えば平成23年度はこの9件、合計1,500万円、このような方々を助成対象としております。こういう研究助成対象の選考に当たっては、瀬戸内海研究会議にも大変お世話になっている次第でございます。
 それから、地域の例えば中学校とか高校などと連携をいたしまして、徳島大学の協力も得て尼崎沖の垂直護岸でワカメを育成しまして、とったワカメで肥料化をしたりとかいうようなことで、いわゆる地域との連携をとった環境教育も含めて、人づくりも含めた学習イベントを実施しているということでございます。
 それから、我々の処分場、今の取り組みでございますけれども、計画では平成33年で終わりでございます。こういう大きい処分場をつくるには10年ぐらいかかるのですけども、もうないから次の処分場という前に、まず自ら、例えば受入量の抑制とか、こういう地域の、近畿全体での、埋め立て量の減量化目標とかいうのに合わせるような方向で、できるだけ今の受入期間を延伸しようということで、今、民間産業廃棄物の受入量を3割削減しまして、できるだけ延ばすということで、平成33年までというのを平成39年までということで、6年間の延伸というようなことを考えている次第でございます。
 我々は埋め立てをやっている事業者ですけども、今後、埋め立て容量の確保というのは当然なのですが、海域環境の再生とか創造とか、環境教育の場の提供であるとか、的確な廃棄物の処分場を確保することによって、基幹産業等を支援するとか、あと研究開発の整備とか、それから積極的な情報の発信とか、こんなのが要求されていくのではないかと。それから、ひとつのこういうような色々な新たな処分場計画の方向性に関する懇談会なんかで、例えばということで出ていますが、真ん中あたりのところを、例えば処分場にして、周りにこういう水の浄化ゾーンであるとか、干潟であるとか、自然エネルギーのゾーンとか、こんなようなものも考えられるのではないかと、色々なアイデアも出て、今後いろいろ考えていきたいと思います。
 ちょっと時間も来ましたので、発表をとりあえず終わりたいと思います。どうもありがとうございました。

○木幡座長  ただいまの意見発表に対して、先生方、御意見はございませんか。

○浜野委員  永遠に続くのですか、この処分場をつくるっていう、今後の計画というのはどのぐらいまであって、どうなのですかね。

○大阪湾広域臨海環境整備センター樋口環境課長  今は計画上では平成33年までの計画がありまして、それ以降については、まだ未定です。ですから、課題としては、やはり我々の事業としては一番大きな課題でございまして、廃棄物の埋め立て量というのは絶対にちょっとゼロにはなかなかならないというとこがありまして、いつかは確保しなくてはなりませんが、その前に、今やれることをして、受入量とか、関係者にもできるだけ減量化を勧めていって、受入期間を少しでも長くしようと、まず6年間の延伸を図っています。そうしないと、仮に次の処分場の候補地とか、あの辺がいろいろ見つかっても、いろいろ関係者のなかなか御理解を得られないのではないかということで、頑張っているところでございます。

○木幡座長  よろしいですか。

○浜野委員  はい。

○中瀬委員  ありがとうございました。最後のこのスライドの前のスライドは非常にすばらしいと思うのですが。私も尼崎の埋め立て工事の横のビオトープをされるのに、少しだけお手伝いをしているのですが、ぜひ既存のところでも緑地をさらに質的な改善なんかが結構できると思うので、ぜひ頑張ってやっていただけたらと思います。ありがとうございました。

○大阪湾広域臨海環境整備センター樋口環境課長  ありがとうございます。

○西田委員  先ほど環境修復とか環境創造のための緩傾斜護岸を含めた、そういう環境改善のことをおやりになっているという話ですけども、それは必ず義務づけられているわけではなくて、そちらフェニックスの事業として、そういう取り組みをしましょうということなのでしょうか。

○大阪湾広域臨海環境整備センター樋口環境課長  そうですね、実を言いますと、これ神戸沖と大阪沖をつくるときに、環境アセスメントとか最初の協議のところで、そういうのを配慮していただきたいというような意見もいただいたので、それで導入したというところでございます。ただ、我々の場合、関空と違うのは、最初に緩傾斜護岸を作ったときに、特定の生物を植えつけるということはせずに、生えるに任せてつくっているというとこがありまして、その辺が特徴かなというとこがあります。

○西田委員  ありがとうございます。

○木幡座長  今のに関連で、関空だと何かテラス式に少し平らな部分のようにしていましたけど、今の傾斜は1対2ぐらいだったですか。

○大阪湾広域臨海環境整備センター樋口環境課長  はい、そうです。

○木幡座長  それで、最後の図は、ちょっとまたテラスが出てきたりしているが、その辺の配慮というのは何かあるのですか。

○大阪湾広域臨海環境整備センター樋口環境課長  そうですね、平べったい板みたいなものを22〜27度と入れているのですが、大阪沖、神戸沖でも形態を少しずつ変えております。できましたらその辺の成果も踏まえて、もし次の処分場をやる機会があったら、次に一番よさそうなものを、またこの辺の地形も生かしたいなということで考えています。

○木幡座長  どうもありがとうございました。ほかよろしいでしょうか。
 それでは、どうも樋口先生、ありがとうございました。

○大阪湾広域臨海環境整備センター樋口環境課長  どうもありがとうございました。

○木幡座長  続きまして、神戸市立須磨海浜水族園園長の亀崎様にお願いいたします。よろしくお願いします。

○神戸市立須磨海浜水族園亀崎園長  神戸市立須磨海浜水族園の亀崎でございます。
 今日はちょっと大型動物、私は専門がウミガメですので、ウミガメとあとクジラの仲間のスナメリの話を少しさせていただきたいと思います。
 日本というのを地球規模で見ますと、皆様よく御存じのように、黒潮が南のほうから当たる海域です。そういう海域というのは世界に色々なとこがありまして、北アメリカのフロリダだとか、ブラジルだとか、南アフリカだとか、オーストラリアだとかあるわけなのです。今日お話しするアカウミガメの話は、そういうところに産卵するカメでして、これ矢印で示したところがアカウミガメの産卵地なのですけれども、そういうところに位置するものなのです。今日の話は瀬戸内海です。私、実は瀬戸内海に関心を寄せたことがあまりないのですが、これを機会にちょっと見てみますと、これはアメリカのフロリダ半島です。緯度的には日本の南、日本のほぼ沖縄あたりに位置するのですが、ここには内海がないじゃないかとお思いかもしれませんけども、そこを拡大すると、こういうところがあります。有名なケープケネディ宇宙センターというのがここにありまして、これに内海があります。インディアンリバーラグーンと言うのですけども、広いところでこの距離が5kmとか10km、そのあたりです。ですから、瀬戸内海よりは随分狭い内海です。
 ところが、瀬戸内海よりも狭い内海に何がいるかというと、バンドウイルカがたくさんいるし、アメリカマナティもたくさんいるし、アカウミガメもアオウミガメも、また、たまにはクジラなんかも入ってくる海があるわけなのです。それに対して日本の瀬戸内海というのは一体どういうふうになっているのかというお話です。今日の話には三種の動物が出てきます。スナメリ、アカウミガメ、アオウミガメです。いずれも国の基準でスナメリは水産庁の希少種、下の2種も環境省のレッドデータブックに載っております。
 それで、まずスナメリの話なのですけども、スナメリというのは漁業対象種ではないものですから、なかなか調査というのは行われていません。非常に少ないのですけれども、唯一、かつての数と比較できるような資料が、この粕谷さんのおやりになった2002年の仕事なわけです。粕谷さんは1976年から1978年及び1999年から2000年にかけて、飛行機を使った調査をされているわけです。1976年から1978年、スナメリを見つけたところは黒丸で点点と記してあります。ぽつぽつ黒丸が目立つわけです。それに対して1999年から2000年に同じようなところを飛びまして、スナメリを見つけたところでプロットしていくと、本当に減っているわけなのです。やはりこれを見ても、スナメリは減っているに違いないということがわかるわけです。
 須磨水族園も私が一昨年園長になりまして、ちょっとスナメリでも探してみるかということで、お金がないのであまり長距離は飛ばせませんですけども、午後びゅっと行って、びゅっと帰るという、そういう航路でスナメリを探しに行ったわけです。2010年の11月と2011年の11月に2回飛ばしたのですけども、2010年の11月は、この赤いバッテンをしたところで6群21頭のスナメリを確認しております。こういう形で見えるわけですね。ところが、2011年はちょっと減ったとか、そういうわけじゃなく全く見れませんでした。ほかにもデータを収集しておりまして、いろいろなところから目撃したという情報を集めております。定期航路の船員から情報を集めたり、海上保安庁の船舶から情報をいただいたり、あとは県の水産試験場等の調査船からデータをいただいたりして、一応このようなデータが集まってきております。死体の漂着のデータも集まってきております。こういうことを見ると、スナメリというのは激減しているものの、まだ細々と瀬戸内海には生きているということは明らかなわけです。
 一方、ウミガメの話です。これはアカウミガメの話なのですけども、アカウミガメというのは、先ほど世界地図で示しましたように、太平洋、大西洋、インド洋と生息するカメなのですが、北太平洋ではこの日本にしか産卵地がありません。去年ですけども日本全体で8,986回の産卵が確認されていまして、1万8,069回の上陸も確認されたと。実際の産卵というのは、この上陸と産卵の間ぐらいだとは思うのですけども、1万4、5千回ぐらいの産卵があるのではないかと思われています。産卵の中心というのはどこにあるかというと南九州でして、全体の6割か7割は南九州にあります。瀬戸内海の産卵はというと、これは実は少なくて、去年は瀬戸内海域に面した産卵は3カ所で14回しか見られなかったわけです。大分と徳島であっただけです。
 もうちょっと古い記録を探ってみようということで、過去22年間に記録されたアカウミガメの産卵海岸を落としたのがこの図です。大分、愛媛、徳島、それから兵庫県でも明石、淡路島の洲本、由良あたりでも産卵します。あと泉南なんかでも産卵をしているわけです。このような現状で瀬戸内海の産卵地というのはあまりないという話になるんですけども、実は西村三郎さんという方が1967年に論文を出しておられて、その方が日本の産卵地の分布を記録されているんですけれども、神戸の舞子から須磨海岸、それから大阪の高石浜、それから別府湾というのはウミガメの産卵地だというふうに記載されているわけです。御存知のように、これら3カ所とも今は、砂浜はほとんどなくて、それが消滅してしまったわけです。基本的に瀬戸内海から我々はウミガメの産卵地を奪ったと言っても過言じゃない状況なわけです。
 じゃあ、その瀬戸内海というのはウミガメにとって全く関係のない場所なのかというと、実は先ほどフロリダの話をしたときにもちらっと触れましたけれども、狭い浅海域の内海というのは、多分ウミガメやほかの大型動物にとってゆりかご的な、実に過ごしやすい海域じゃないかと考えられるわけです。カメも実はそういう海域を求めて入ってきているのではないかと思われます。我々は日本ウミガメ協議会というところで集めているデータなのですけども、色々なところでカメが発見されたといっては調査をしているわけですけども、これはアオウミガメ、アカウミガメなのですけども、実は発見されるカメというのは、死んでいるほうが多いという現状があるわけです。大分はこのようにちょっと生きているほうが多いのですけど、それ以外はみんな死んでるほうが多いわけなんです。つまり、瀬戸内海というのはウミガメが入り込んでも、なかなかそこで生きていけるような環境ではなく、ほとんど事故死してしまうのだという現状があるわけです。
 以上のようなことをまとめますと、再度確認させていただきますと、内海は中型の海洋動物にとって非常に重要な生息環境である。瀬戸内海もかつてはもっとイルカやウミガメのいた海だった可能性が高い。それはフロリダなんかの例を見てです。現在でも、スナメリ、アカウミガメ、アオウミガメが生息しています。スナメリの数は急速に減少し、アカウミガメの産卵する海岸の多くも消失してしまいました。瀬戸内海域で発見されるアカウミガメ、アオウミガメは大分県を除くと死亡しているほうが多いと。多分、多くの原因は漁業の混獲と考えるのが妥当ではないかと我々は考えております。
 今後の私の瀬戸内海管理の方向性の私案なのですけども、多くの方がおっしゃられることとそう変わりはないので、かいつまんでお話しさせていただきますけれども、ある程度、漁業の管理が必要じゃないのだろうかと。漁期だとか、漁獲量だとか、漁業海域だとか、その辺の制限をする必要があるのではないだろうかと。それから、先ほど来言われていますように栄養塩の管理なんかも少し考えたほうがいいのではないかと。あと、もう皆さんも御理解いただいていると思いますけれども、海域の垂直対流の維持なども、人工物の問題なんかも加味しながら検討するほうがいいのではないだろうかと思うわけです。でも大事なことは、要するに漁業生産を最大限にすれば、実はもっと豊かな海が実現するわけで、そのあたりが重要じゃないかと考えるわけです。
 あとは、これも皆さん御指摘のとおり、日本人が誇れる美しい海にすべきではないかと。景観を保全し生物多様性の保全を考える。特に今日お話ししました、少しはスナメリやカメのことも考えていただければと思うわけです。それから、海洋利用の多様性の復元、これちょっとわかりにくいかもしれませんけども、海で遊んでいると何か事故が起こる。そうすると、あそこの責任、ここの責任というような話になりまして、ついつい人は海から離れていく。そうじゃなくて、もっと自己責任型の海の利用の仕方、そういうものを復活させるべきじゃないかと思うわけです。あと、モニタリング体制の国の支援が大切じゃないかと。それは決してコンサルタント会社ではなく、心ある人材によるモニタリング体制を何か維持するようなシステムが必要ではないかと、こう考えるわけです。
 理想論を述べましたけども、やはりすぐ着手していただきたいと思うのは、考えて動く機関の創設だと思っています。縦割り型の行政から脱却して、幅広い分野の人間が現段階の問題点を抽出して、将来の方向性を議論する、それが肝要かと思います。
 以上でございます。

○木幡座長  どうもありがとうございました。
 ただいまの意見発表に対して、御質問、ご意見はございませんか。

○松田委員長  大変広範な御提案を含む発表をありがとうございました。スナメリは食物連鎖のトップのほうで生態系全体を反映している面もあり、なぜ減ったのか、あるいはどうして増やしたらいいか、そう簡単ではないと思います。今のお話ですと、ウミガメのほうが色々な、例えば混獲とか、あるいは産卵する砂場がなくなったとかの直接阻害要因があるわけですが、スナメリの場合はどうでしょうか。もちろん研究が進んでないので難しいとは思いますが、今後スナメリが今よりはもとに近い形で生活できる海を考えた場合には、やはり最後のお話にあった資源全体の底上げというか、そういうようなことが必要となるのでしょうか。

○神戸市立須磨海浜水族園亀崎園長  そうですね、だから餌のことを考えると、資源量を増大させることが重要なのと、あとはやはりスナメリが死ぬ理由というのは、底曳き網とやはり流し網が多いんですよね。その密度がやはり高過ぎる。それをやめろと私は到底言いませんけども、その密度を下げるだとか、あとスナメリにとって重要な海域というのを早目に抽出して、その部分だけはちょっと時期的に避けていただくとか、そういう制限を設けていただくということが肝要かと思っています。

○松田委員長  ありがとうございました。

○浜野委員  スナメリとかウミガメの死亡原因の中で漁業に起因するものが多いわけなのですが、その一方で、その研究者たる亀崎さんが瀬戸内海管理の方向性として、漁業生産を最大限にする政策が重要ということを言われているわけですけど、そこら辺のお考えに至っている背景というのは、そういうものをお伺いしたいと思います。

○神戸市立須磨海浜水族園亀崎園長  それはとり過ぎてしまうと、努力量あたりの漁獲量というのは下がってきますよね。当然、それが今、結構その現状に陥っているようなところがあるのだろうと思います。ですから、あまり漁に出ずとも、もっともっとたくさんとれるような、その辺のバランスというのを、私は専門ではないのでそれ以上のことは言えませんけども、その辺を模索していただきたいと考えています。そうすれば、漁獲努力量が下がれば、多分、混獲も下がるだろうという、そういう論理です。

○浜野委員  はい、ありがとうございます。

○西田委員  素人の質問で申しわけないですけれども、ウミガメとかの、写真をお見せいただくと、結びつくのはきれいな海というイメージを考えてしまいますが、お話によると、むしろウミガメなり高次の生態系トップの生き物については、水質よりはやはり餌のほうが問題で、下水処理場の処理能力を少し落とすなりして汚濁物質の排出規制をもう少し考えたらいいのではないかと。落とすことによって海が若干汚れても、栄養分が増えて餌が増える、そのほうが生息に対してはプラスになると考えるのですか。

○神戸市立須磨海浜水族園亀崎園長  きれいの定義がまた難しいのですけども、ただやはり餌のほうが重要だと思っています。ですから、クロロフィルが多くて緑に濁っていても、そこにベントスが多ければ、それなりにカメも来るのだと理解しています。

○西田委員  わかりました。ありがとうございました。

○木幡座長  ほかにないようでしたら、じゃあ次に移りたいと思います。
 亀崎先生、どうもありがとうございました。

○神戸市立須磨海浜水族園亀崎園長  どうもありがとうございました。

○木幡座長  続きまして、大阪府漁業協同組合連合会副会長、札野様にお願いいたします。

○大阪府漁業協同組合連合会札野副会長  大阪府漁連の札野と申します。こういう場所は不慣れなもので、どうかよろしくお願いいたします。
 我々大阪湾は、かつては食い倒れの町大阪の食文化を支えてきた大阪湾でして、淀川や大和川などからの栄養豊富な水が流入し、砂浜や藻場、魚礁などに多様な水際で魚介類が生息いたしておりましたところでございます。今は大阪湾では栄養が不足しているといいますか、偏り過ぎているわけなのです。といいますのは、大阪湾はもともと懐の深い海でした。ところが最近は開発が進み、海岸線が埋め立てで沖合へ出過ぎて、潮の流れが変わってきたわけなのです。大和川、淀川からの水も湾奥にその水が回らないので、南部のほうには水が流れていかないのですね、南のほうには。それで、南部のほうは栄養塩不足でノリの色落ち。ところが湾奥では栄養が豊富で、逆にちょっと困っているわけなのです。やはり大阪湾というのは昔から母の海、稚魚を育てる海ということで、やはりプランクトン関係、赤潮発生が絶対必要なのです。これは、やはり稚魚は赤潮を餌にして大きくなっていくもので、この赤潮がなくなったらほとんどが死滅しているというような状況です。これは今これから始まるイカナゴ漁も一緒なのですが、潮の流れは大阪湾全体が緩いもので、昔は洲本沖で潮目、潮筋というのが物すごくあったのです、30年、35年昔。それが今の大阪湾では潮目というのはないのですね、それはそれだけ水の流れが緩いと。昔はそういうふうな流れがあったもので、イカナゴ漁というのは潮目をほとんど網を引くのです。それが今、そういうのがないので、確かに潮の流れがないのだなと、こういうふうに思っております。そこにもって春先のシラス、イワシシラスなのですが、これは大体太平洋側から春先は入ってくるわけなのですね。これも黒潮の関連で少ないとき、多いときはあるのですが、これも太平洋から入ってきたときは確かにそこそことれるのですが、これは盆を過ぎますと、やはり大阪湾でとまる、ちょっと大きくなったシラスの親ですね、カタクチイワシなのですが、これが湾奥で産卵するわけなのです。卵が孵化すると、これは、今度秋シラスに変わるのですが、そのときに赤潮発生がないと、やはり不漁です。ところが赤潮がたくさんあるときはそこそことれるわけなのです。ですから、やはり赤潮というのは大事ではないかなと僕らは思っております。
 それと、プランクトンがなくなるとどうしてもほかの魚にも影響があると思うのです。これは、やはりシラスが順番に大きな魚に捕食され、それがまた順繰りで、餌がなくなると大阪湾には魚がいなくなるということを危惧しております。
 そういうことで、水質の関連で栄養塩不足なので何とかこれは、どういうふうに言ったらいいのか私らはわからないのですが、やはり南部のほうにも栄養塩を出すということは大和川、淀川だけじゃなしに、ほかの南部のほうにもそのりん、窒素ですか、こういうのを何とか流すような工夫はないものかと。それか、また大阪湾の水全体をうまく南部のほうにも配るというのですか、そういうことはできないだろうかと、そういうことを考えております。やはり赤潮の発生が多いときは、チリメン等が物すごく大漁になるのですが、もうなくなったら本当にこれからの漁師はどうなるのかなといつも思っているわけなのです。  それと、我々、泉大津なのですが、開発によりまして砂浜がもうなくなってきたので、もともとは臨海線、浜寺から以南ですね、これが物すごい砂浜でよかったのですが、これは本当に自然浄化機能が大きく失われたのが砂浜の消失の結果なのです。それで、これからもちょうど泉北、臨海の関連で埋め立て用に砂を掘りとられ、深掘というものがありまして、そこには夏場が来ますと、皆さん御存じの青潮、これが発生しまして、全体の貧酸素系の水が海上に浮かんできて、ほとんどの周辺の魚が死んでしまうわけなのです。これはもちろん栄養塩分の関連とはまた違うかもわかりませんが、やはり深掘を何とか、ここでは話は別としましても、青潮で硫化水素が発生しております。ですから、これを国交省にもお願いし、埋め戻しということをお願いしているのですが、この埋め戻しでもやっとのことで、浚渫土砂での埋め戻しということになっております。浚渫土砂も普通で言えば、何か産廃になるらしいのですが、今のところ試験的にということでお願いしているわけです。そして試験的に徐々に岸和田は今、埋め戻しが豊富になっているのですが、これからもそれの浚渫土砂だけでは100年からかかるわけです、大阪の今の泉州沖の埋め戻しには。そういうことで、こんなことを待っとったら大阪の漁師は皆死んでしまうと思います。ですから、ここでもし言えるのであれば、国に何とか代替砂ですか、そういうので埋め戻しをお願いしたいなというのも一つなんです。
 先ほど、園長先生が言っていましたスナメリも35年、40年前には大阪湾に豊富におりました。大体コノシロがいる所にはスナメリがたくさんおりました。僕らが現役で行っているときは、スナメリもよく見かけました。そして、またウミガメもバッチによく入るのですよ。袋のところに詰まって、逆向きに出したりしまして、酒を飲まし逃がすというようなことをようやっていました。やはり、今の海はきれい過ぎて魚が育ちません。やはり、海は昔のような醤油をまいたような赤いような、そういうような水であればこそ魚が豊富におりましたけども、今はもう本当に底まで見えるようなきれいな透明さがあります。これではやはり魚もちょっと住めないのではないかなと思います。
 それと、先ほども言われていましたように傾斜護岸ですね、これは確かに必要だと思います。今の関空島は傾斜護岸をつくり、やはり魚。もちろん採捕禁止区域という形になっていますので、もちろん魚をとるわけにいきませんが、その浸み出し効果で、確かに今までなかった大阪湾の魚も、マメアジが大きいアジになり、それが浸み出してとっているということもありますので、確かにこれからの開発をもしされるのであれば、傾斜護岸ですか、緩傾斜護岸が必要と思います。
 聞き苦しくて申しわけございません。ありがとうございます。

○木幡座長  ありがとうございました。
 ただいまの意見発表に対して御意見、御質問がありますでしょうか。大変、貴重なご発言をお受けしたと思いますけど。

○岡田部会長  ありがとうございました。赤潮がもっと必要だという御意見を承りましたが、昔、今のお話では昭和57年とか60年ごろはとれたと。そのころの赤潮の状態と、それからそれ以前、御記憶にある範囲で、できる限り昔の赤潮の状態、それと今の赤潮、大体どんなイメージでしょうか教えていただければ。どのくらいたくさん出るかという意味において。

○大阪府漁業協同組合連合会札野副会長  私らが現役で沖へ行っている時、40年前後になるのですが、そのときは夏場が来ると、ほとんどもう行くとこ行くとこ真っ赤でした。それは確かにちょっと異常かなと思うのですけどね。ですけど、やはりチリメンジャコをとっている人間としては、赤潮発生するその二、三日後には豊富に大漁なのですよ。これは不思議と私のおやじから聞いたことなのですが、赤潮がね、昔の人ですから、これはイワシの卵やと。だからふ化して、それがそういうふうに漂っているのだというような感じを聞いとったものですから、僕らもてっきりそのように信用していました。確かに赤潮が発生した二、三日後には物すごくチリメンジャコは大漁でした。ですから、やはり今の言っているイカナゴにしても、今ちょっと大きくなると、子持ちのシラスが市場に出ていると思うのです。この子持ちではなく、あれはプランクトンなのです、赤潮なのです。そういうことで、やはり稚魚のえさというのはこの赤潮に関係しているのではないかと、僕はそういうふうに思っているわけなのです。

○岡田部会長  ありがとうございました。

○浜野委員  魚がとれなくなっている間に時代がちょっと変わってきましたから、今、魚離れも進んでいる中で、醤油色の海から、もし今その醤油色が再現されたとして、とれた魚が果たしてその値段で売れるかというのを心配するのですが、いかがお考えですか。

○大阪府漁業協同組合連合会札野副会長  確かにそうなのですけどね。本当に醤油の海、昔からそのままの流れだからそういうふうに何ともないのですけが、今現在考えますと、やはり水の色がきれいなもので、急にそういうふうな醤油のような色になれば、やはり大阪湾の魚もちょっと売れにくいなというのはわかります。やはり水がきれいとね、僕ら漁師感覚としましたら、魚は物すごくよく見えているのですよ、目が。網の目をきっちり見ていますから。だから、きれいな水だったら網を張ってもかかりません。実際そうです。そういうことなのです。だから、きれいなとこには魚は住めないのではないのですが、とれないから、そう見えると思うだけです。

○松田委員長  どうもありがとうございます。関空のところが採捕禁止になっていて、そこでは藻場に色々な生物が集まっているだけでなく、浸み出し効果ということを実感されているというお話があって、大変興味深く伺いました。そうすると、やはりある種の保護区みたいなものをつくることは、全体的にも漁業資源を増やす上で効果があるとお考えでしょうか。

○大阪府漁業協同組合連合会札野副会長  そう思っています。今500m四方が採捕禁止区域なのです。だから、そこにはたくさんの魚がおります。大きくなったら、やはり浸み出しというのは、見えていることは見えています、確かに。

○松田委員長  ありがとうございます。

○木幡座長  ほかはよろしいですか。
 それでは、札野様、どうもありがとうございました。

○大阪府漁業協同組合連合会札野副会長  ありがとうございました。

○木幡座長  ちょうど今、真ん中に来たので若干の休憩をしたいと思いますが、どうしますか、時間は。10分間の休憩をとって3時5分から再開したいと思います。申しわけないですけれども、私の時計でちょうど今55分ですから、あと10分たったら再開ということでよろしいでしょうか。では、10分間の休憩をいたします。

○千野閉鎖性海域対策室主査  兵庫県漁連さんから色落ちしたノリとそうでないノリのサンプルをいただいていますので、一般傍聴の方も、10個ぐらいでしたら受付のほうにありますので、声をかけていただければと思います。
(休憩)

○木幡座長  それでは、時間になりましたのでヒアリングを再開したいと思います。
 休憩時間の間に委員の方々にノリが配られておりますので、参考にしていただきたいと思います。
 それでは、引き続いて明石浦漁業協同組合代表理事組合長の戎本様よりお願いしたいと思います。

○明石浦漁業協同組合戎本代表理事組合長  明石浦漁協の戎本です。今日はこのような機会を与えていただきまして、ありがとうございます。それでは、始めさせていただきます。
 兵庫県明石市は明石海峡に面し、古来より漁業が盛んに行われてきました。その明石海峡や西に広がる播磨灘が私たちの主な漁場ですが、明石海峡の潮流によってつくり出された複雑な地形は、多くの産卵場、育成場をもたらし、日本有数の豊かな漁場が形成されています。特に潮流によってできた広大な砂の浅瀬は鹿の瀬と呼ばれ、先人たちが大切に守ってきたおかげで、今も瀬戸内海最大のイカナゴの産卵、生息地となっています。そして明石海峡で育った魚は豊富な餌を食べて育ち、早い潮流でおのずと鍛えられ、身が引き締まります。これらによって質のよいことで知名度が高い明石ダイや明石ダコを初めとし、四季折々に約100種類もの魚が水揚げされています。また、兵庫県は全国有数のノリの産地であり、ノリ養殖業は本県瀬戸内の生産額の約4割を占める主要な漁業となっています。その中で明石は県内生産の4割近くを占め、大変重要な地位を担っています。
 この瀬戸内海は、私が子供のころは高度経済成長に伴う埋め立てと、また工場などからの排水による汚染が進み、瀕死の海と言われました。このため昭和40年代には漁業者が有害物質や赤潮の大規模な発生などの環境問題を取り上げ、海をきれいにしてほしいと必死に訴えてきたことを聞いています。その結果、水質の規制に関する法律がつくられるとともに下水道整備も進み、そのおかげで海の水はきれいになっていきました。これに伴うように漁獲量もノリ養殖生産量も増加し、明石の浜は大変にぎわってきました。この当時の明石を含めた兵庫県のノリの養殖は、生産のピークが3月から4月で、この時期は24時間態勢で刈り取りと加工を行わなければ追いつかない状態でした。
 ところが10年ほど前から色落ちが頻発するようになりました。ここ数年、漁期初めの12月はまだ良質なノリがとれますが、1月になると色落ちが顕著になり、年々発生する時期が早まっています。そして、本来ピークを迎える3月になっても色が戻らず、明石ノリ、そして兵庫ノリの特徴である黒々したノリがとれなくなってきたのです。今、皆様のお手元にお配りしているのが、この2月10日に出荷されたノリです。見ていただければ正常なノリと色落ちのノリの差がはっきりとわかると思います。
 色落ちが起こり始めた当初、漁業者にはこの原因がよくわかりませんでした。しかし、県漁連ノリ研究所や水産技術センターでの調査研究から、海中の溶存態窒素、つまりノリが必要とする栄養分が減ってきたことを知りました。私自身、そのときに初めて栄養塩という言葉を知り、いかにノリ養殖にとって大切なものかがわかったのです。それまでは黒いノリがとれる海がごく当たり前であったということです。今漁期は、昨年の9月に台風や長雨などまとまった降雨があったので、栄養塩が潤沢な量で推移し豊漁になると見られていました。しかし、今年も栄養塩が下がり、今現在、色が急速に落ちてきています。
 こうした厳しい状況の中ではありますが、この1月後半から毎週のように20mm程度の雨が3度降り、河川の流入量が増えたおかげで、その都度色落ちは一時的ではありますが回復しています。実際、ノリ研究所などの調査では、海域の窒素濃度も上がっていることから、河川からの栄養塩の供給の重要性を実感しています。
 一方で漁船漁業に目を向けると、平成に入ったころから徐々に魚がとれなくなってきました。当時、自分たちはこの原因が漁業者によるとり過ぎではないかと考え、減船や漁獲量の制限、週休二日制の導入といった自主規制にも取り組んできました。また、稚魚や二枚貝の放流を行うなど、水産資源の保護や増殖を進めてきました。このような漁業者の努力にもかかわらず、目立った漁獲量の回復は見られず、特に3年前から急激な落ち込みを見せています。これは明石だけのことではなく、兵庫県の瀬戸内海海域すべてに言えることです。特にカレイ、ヒラメ、アナゴといった底物が減り、明石を初め兵庫県でも最も盛んな底びき網漁業の経営は既に限界に達しています。そして、かつて明石の海を埋め尽くしたと言われるウチムラサキを初め、アサリやタイラギなどの二枚貝も全くとれなくなりました。本県瀬戸内ではイカナゴは最も水揚げされる魚の一つであり、春を告げる魚としてなくてはならない重要な魚です。しかし、五、六年前から船びき網漁業者の間では、イカナゴが太らないという声が聞かれるようになってきました。現在、その原因の一つとして、イカナゴの餌がなくなってきているのではないかと考えられています。イカナゴの餌となるのは動物プランクトンです。その動物プランクトンの餌となる植物プランクトンを支えているのは、御存知のとおり窒素やりんなどの栄養塩です。つまり、ノリの色落ちも魚が少なくなったのも、この栄養塩の減少に原因があると確信しています。
 以上、述べてきましたように、栄養塩の減少によって海の生産力そのものが弱まり、魚や貝が育ち、海草が茂る豊かな海は消えてしまいます。そして、瀬戸内海の新鮮な海の幸を消費者に届けることができなくなるのではと心配しています。健全な海の生態系を維持するためには、まず生物が成育できるのに十分な栄養塩が必要です。また、栄養塩に加えて生物の生息に必要なのが砂です。先ほど話しましたイカナゴであっても、二枚貝であっても、きれいな砂がないと育ちません。しかし、最近、海の底から砂がなくなってきています。
 以下の写真は、この2月12日にモニタリング調査をした際、たまたま撮影できた海底の様子です。砂がほとんどなく海底の粘土がむき出しになっている状況が確認できます。本来、砂は山から川を通して海に供給されるものですが、多くの川にはダムや堰がつくられ、これが砂をせきとめ海へ流れてきません。兵庫県の千種川ではたまった砂を漁場造成に活用する取り組みが始まりましたが、ほとんどは処分地などに運ばれてしまいます。その砂を海に運んでくることができないのでしょうか。当然、海は漁業者だけのものではないとはわかっています。下水処理施設を整備し、海の汚濁を防ぐことは大切なこともわかっています。しかし、その浄化処理技術は、今や海に必要な栄養分を取り除くレベルに到達しています。また、利水や治山治水は人の命と暮らしを守る重要なことです。しかし、ダムは海に必要な栄養塩や砂の供給を断っています。
 そこで、私が環境施策に望むのは次の2点です。一つ目として、栄養塩や砂が川から海へ流れ、循環し、藻場や干潟に富んだ瀬戸内海が再生する仕組みづくりをすること。しかしながら今現在、漁業生産が極めて厳しい状況に達していることから、二つ目として、それまでの間、下水処理施設において規制の範囲内で窒素排出量を緩和する社会的実験の実施など、早急な対策を講じること。これらの実現のためには、所管も地域も広範囲にわたることから、関係省庁と府県は十分に連携して取り組んでいただきたいと思います。そして、瀬戸内海が未来永劫に豊かな海となるように願っています。水産基本法において漁業の役割は、国民への水産物の安定供給と位置づけられています。タイやタコ、イカナゴやサワラなど、瀬戸内海の新鮮でおいしい海の幸を食べたいという声にこたえることが漁業者の使命だと思っています。私は、おいしい魚を届けながら、漁業が将来においても家族を養い、子供を育てていける産業であってほしいと願っています。そのためにも瀬戸内海を水産資源が豊富な海、すなわち豊かな海として再生されるよう、私たち漁業者が海の防人としての役割を果たしてまいります。
 以上で私の発表を終わります。御清聴ありがとうございました。

○木幡座長  どうもありがとうございました。
 ただいまの意見発表に対して、先生方、御質問はございませんか。

○松田委員長  どうもありがとうございました。この写真の1と2の砂がない海底のところは、最近撮られた写真ということですが、場所はどのあたりでしょうか。

○明石浦漁業協同組合戎本代表理事組合長  場所は明石港の西側に明石川があるのですけど、それのちょっと西側になるのです。

○松田委員長  岸からどのぐらいの距離、あるいは深さはどのぐらいですか。

○明石浦漁業協同組合戎本代表理事組合長  多分、深さは4、5mだと思います。岸からは300〜500mぐらいの間だったと思います。

○松田委員長  明石川の河口のすぐ真沖側というあたりですか。

○明石浦漁業協同組合戎本代表理事組合長  沖のちょっと西側です。

○松田委員長  ありがとうございました。

○明石浦漁業協同組合戎本代表理事組合長  これもたまたま調査に入ったときに、その日にうちの漁業者が、たまたま潜水でとった人間と会うたときに、組合長、砂がありませんと。これぐらいしかないのですというのを聞いて、ちょっと写真を見ますと、この写真が見つかったのです。

○松田委員長  ありがとうございます。

○浜野委員  ノリの色が落ちるというのは、例えば雨が降った後にまた回復するというのがあるのですが、これを読みますと、すごく見る見る回復するようなイメージなのですけど、物すごく早いのですか、色変わりをするという。

○明石浦漁業協同組合戎本代表理事組合長  早かったら、雨が降って水が出た明くる日には、やはり沖で手ごたえがあるぐらい変わったときがあります。

○浜野委員  見た目にも。

○明石浦漁業協同組合戎本代表理事組合長  見た目に変わります。

○浜野委員  1日で変わってしまうこともあるのですか。

○明石浦漁業協同組合戎本代表理事組合長  そういうときがあるのですね。ずっとそうではないのですけど。だから、1月に入って3回降って、3回ともやはりはりそれの、大きい小さいはあるのですけど、やはりはり幾らかの回復があります。それでまたずっと下がってきて、また雨が降って上がるような感じで。今日も、またちょっと雨が降っているので、幾らか回復しているのと違うかなというような感じはあるのですが。

○浜野委員  それはどの漁師も同じように感じているものなのですね。

○明石浦漁業協同組合戎本代表理事組合長  多分そうだと思います。本土側というのは、結構、川とか陸域からの水が入るので、そういうとこはそういうのはあると思います。淡路側は、また僕らとはちょっと違うかもわからないのですけどね。

○浜野委員  雨以外でそういうような変化に気がつかれたことってありますか。何かこういうときに。

○明石浦漁業協同組合戎本代表理事組合長  あとは反田所長の発表の中にもあったのですけど、ため池の水、かい掘りするときの水を出したときに、明石でも漁業者が行って一緒にやったのですが、そのときに堰ではないですが、倒して水がどっと出たときに、そのときは2時間ぐらいかけてずっと海に流れていったのですけど、それをずっと追いかけたときに、ちょっと水の色が変わりました。そのときにノリ研に水を測ってもらうと、やはりかなり高い数字が出てていたので。そのときはまだ量的には、ため池の一つなので少なかったため、ノリの回復までは至っていないのですけど、栄養塩は確かに窒素濃度は上がっていました。

○浜野委員  ノリ自体には見えなかったのですか、それは。

○明石浦漁業協同組合戎本代表理事組合長  そのときにはまだ池が一つ、二つでしたので。

○浜野委員  それがここにある大規模な社会実験のようなものをやはりしてもらいたいというような要望だということですね。

○明石浦漁業協同組合戎本代表理事組合長  はい。

○浜野委員  ありがとうございます。

○岡田部会長  ありがとうございました。年代が明確に書いてないのですが、子供のころ汚い海もあったというのですよね。40年ぐらいからだんだんときれいになってきて、漁獲量も、それからノリ生産量も増加して一番賑わったというのは、1990年ぐらいと考えていいですか。30年ぐらい前。

○明石浦漁業協同組合戎本代表理事組合長  あれは多分、僕が漁師して10年ぐらい、ですから20年ちょっと前ぐらいまでだと思うのです。僕が漁師をしたときは、僕は子供のときに、幼稚園のときに多分水泳、海水浴が禁止になったというのを覚えており、それからは汚い海だなというイメージがありました。それから漁師、僕は高校を出て漁師したときには、もう汚い海のイメージが全くありませんでした。

○岡田部会長  そのころはノリ生産量もだんだん増えてきてピークに達して、魚もとれていたのですよね。

○明石浦漁業協同組合戎本代表理事組合長  そうだと思います。やはりそのときは漁師が儲かり出したというか、そういう時期だったと思うのです。ですから、僕らの年代の跡継ぎというのがかなり入ってきたということもあって、組合員もかなり増えてきたことと、若い人間がかなり入ってきたというのもあると思うのです。ただ、同じ人間で生産高が上がっただけではないと思うのですけど。

○岡田部会長  それが残念ながら長続きしなかったという理由は、そのころから栄養塩管理が進み過ぎたのか、その辺の理由を直感で結構ですが。

○明石浦漁業協同組合戎本代表理事組合長  直感は、そのときはここにも書いていますように、とり過ぎたのかなというイメージがあったのですけど、後から思ったときに、やはりそのころからそういう兆しがあったのではないかなというようには思っています。

○岡田部会長  そうすると、管理して漁獲そのもの、ノリ養殖もですね、それなりに管理して栄養塩を少し回復する、それから砂も供給するようにすれば、そのときと同じようになるかは別にして、かなり回復するだろうと、こういうふうに思われていると考えていいですか。

○明石浦漁業協同組合戎本代表理事組合長  そうだとは思います。ですから行き過ぎてしまったのではないかなということで。

○岡田部会長  はい、わかりました。ありがとうございました。

○木幡座長  できたら手短にお願いします。

○中瀬委員  来月早々、東播磨でため池協議会の総会があるのです。池干しの話が非常に興味があって。もし、あの全ため池が協力したいと言ったら対応できますか。

○明石浦漁業協同組合戎本代表理事組合長  頑張ります。

○木幡座長  それでは、戎本様、どうもありがとうございました。  引き続きまして、豊かな森川海を育てる会会長の島本様にお願いします。

○豊かな森川海を育てる会島本会長  皆さん、こんにちは。豊かな森川海を育てる会の島本です。
 私どもが神戸の住吉川流域で取り組んでいます森川海の自然再生活動から、豊かな海づくりについて考えてみたいと思います。
 住吉川というのは、六甲山の山頂から神戸の市街地を経て大阪湾に注ぐ都市河川です。活動のコンセプトは、住吉川流域の森川海を一体とした自然再生と都会に本来の豊かな自然環境を取り戻すこと。実施主体は、ここに書いています五つの市民団体で組織する住吉川流域連絡協議会です。
 それでは、活動内容を簡単に紹介します。まず、上流の森では落葉広葉樹を植樹して多様な混交林とし、防災機能が高く生物多様性に富み、川や海に豊かな栄養をもたらす森づくりを目指しています。多様な混交林からなる森は、落葉広葉樹の落ち葉などに由来する豊かな栄養を、下流の川や海にもたらします。六甲山では国土交通省による六甲山系グリーンベルト整備事業が実施されていますが、私たちもこの事業に協力して、住吉川上流の五助の森で植樹活動を行っています。この3年間で延べ400名が参加して、コナラ、アベマキなどの落葉広葉樹の苗木230本を植樹してきました。
 次に、川では川と海を回遊するアユを指標種として、アユの住みやすい川づくりを通じて生物多様性に富んだ川づくりを目指しています。阪神地区は六甲山から多くの中小河川が大阪湾に注いでいます。
 住吉川は典型的な都市河川ですが、生き物の生息環境から見た住吉川は、ご覧のように直線的なコンクリート護岸とか多数の堰など、都市河川特有のいろいろな問題を抱えています。それでも毎年春になると、このようにアユの稚魚が遡上してきます。
 季節ごとにこのような調査を実施してきました。これは3年前の生息状況ですが、横軸は河口からの堰の番号、それから縦軸はこの堰と堰の間に生息するアユの尾数を示しています。特徴的なこととして、河口から9番目に大変落差の大きい堰があるのですが、この堰がアユの遡上を妨げて、半数以上のアユがこの堰を越えられないまま下流にとどまっていました。この堰を越えられないアユというのは、この下の写真のように、春からもうほとんど成長できないまま一生を終えてしまいます。
 それで、私どもは調査結果をもとに河川管理者の兵庫県と協議をしまして、昨年の2月に、この堰にこのような魚道を完成しました。下のグラフは魚道設置前と設置後の比較ですが、設置後はアユの分布は全体に上流にシフトして、生息尾数も3倍近くに増加しました。このように、物理的な障害を一つ取り除くだけで、海と川の物質循環のパイプを太くすることができるということです。
 次に海ですが、港湾区にあるため産業利用が優先され、住民が近づきにくい河口域を、安全で快適に潮干狩りや磯遊びが楽しめる、生き物を育む里海づくりというものを目指しています。
 住吉川の河口は、このように一見、コンクリートの護岸に囲まれた魅力のない都会の海ですが、潮が引きますと、このように上流から流れてきた砂でできた河口干潟が広がります。ところが、この部分が、荷揚場になっている関係で航路浚渫をするため干潟が広がらないとか、住民は護岸があるので近づけないとか、夏には貧酸素水が発生するなど、大阪湾の縮図のような問題を抱えています。
 この断面は、この部分の断面なのですけれども、浚渫のためにここが深く掘れているわけです。この3カ所で底生生物を調べてみたところ、上流からの砂が堆積する上層、中層は、アサリを主体に多くの種類の多くの生き物が生息しますが、この浚渫して深く掘れた海底は底質が泥となり、生物は極端に少なくなります。
 最も生息量の多いアサリは、春にはこの干潟全体で80万から100万個体、3トン以上生息しますが、夏の終わりには急速に減少します。この原因を調べるために、海水中の酸素濃度を調べてみますと、このように底層は極めて厳しい貧酸素状態でした。事実このころ干潟では窒息して死にかけているアサリをよく見かけました。この貧酸素こそ瀬戸内海をはじめとする内湾域における最も深刻な環境問題です。
 さて、河口干潟の機能ですが、まず川と海をつなぐ汽水域で、生物多様性に富む極めてかけがえのない貴重な環境だということですね。それから、次に水質浄化機能の非常に高い場所です。この住吉浜の底生生物による有機懸濁物の除去機能を、これと同等の下水処理施設に換算しますと、建設費で9,300万円、維持管理費が年間600万円程度の下水処理施設に相当するということが計算されました。
 次に、景観とか遊びといった機能ですが、これは市民にとっては本来大変重要な機能で、市民が海と触れ合う貴重な場所ということです。私たちは毎年、春の大潮の日に住吉浜祭りを開催しています。都会では人と海のかかわりが希薄になっていますが、このような機会を通じて多くの市民が身近な海に親しむということは、豊かな海づくりにとって大変重要なことだと思います。
 以上が活動の概要です。
 さて、豊かな海づくりについて考えてみたいと思います。まず、現状分析ですが、水質管理だけでは豊かな海はつくれないということは明らかです。むしろ行き過ぎた流入負荷削減は生物生産を縮小させ、貧しい海をつくりつつあります。そして、最も深刻な問題は生態系を破壊する夏季底層の貧酸素化であり、貧酸素化の解消こそが豊かな海づくりの中心的な課題だと思います。
 豊かな海を再生するには、まずこれまでの水質管理だけではなくて、物理条件や生物条件を含めた総合的な管理と新たな指標が不可欠だと考えます。
 次に、豊かな基礎生産である植物プランクトンをより高次の動物群集に転化させる生態系の再生が不可欠です。植物プランクトンを現在のように無効に海底に沈降させてヘドロとするか、生態系に取り込んで魚に転化していくか、そこが豊かな海づくりの分岐点で、そのために生態系を破壊する貧酸素対策は急務だと思います。貧酸素対策には浅海域の再生が必要です。特に大阪湾は過度の埋め立てによって物理環境が劣悪な状態です。大阪湾の沿岸は、ほんの50年前までは河口を中心に白砂青松の広がる美しい海岸でした。この埋め立てで喪失した干潟や砂浜などの浅海域の復元が最優先かと思います。
 最後に、この企画専門委員会が昨年10月にまとめられました六つの基本的な考え方には賛同いたします。その上で、その取り組みを推進するための対策は多々あるのですけれども、ここでは二つの提案をしたいと思います。
 まず、最優先課題であります浅海域の物理環境の改善のために、河口域の保全と干潟の復元を提案します。私たちの体に自然治癒能力が備わっているように、自然も自己修復能力を備えています。森川海のつながりから河口に干潟が形成されることや、そこで営まれる高いレベルの物質循環と水質浄化能力というのは、その一例です。住吉川の河口では、自然の摂理に従って形成される河口干潟を航路浚渫のために削り続けています。港湾管理者としては当然の行為かもしれませんが、これを我々の体に例えますと、けがをしたときに傷口を治そうと自然にかさぶたができますが、それを無理やりはがす、またかさぶたができる、またはがす、それを繰り返すうちに傷口が化膿して、貧酸素とか硫化水素といった毒素をまち散らす。何かそんなふうなことを連想します。そんな矛盾を強く感じます。これまで自然の摂理を無視して力ずくで地形を変えてきた国土づくりというのは、環境面でも財政面でも、もう破綻を来しているのは明らかです。もちろん防災や経済活動との調整は必要ですが、自然の持つ自己修復機能を最大限に生かした海岸管理、特に貧酸素の発生源となっている大阪湾奥での河口域の保全と干潟の復元を提案します。
 二つ目は市民力の活用です。海岸への市民の自由なアクセスを確保することは、海づくりへの重要なポイントと考えます。これまで都市住民は無理に海から遠ざけられ、結果として人と海との関係が希薄になってしまいましたが、これからの時代は市民が海と触れ合う機会を増やすことによって、望ましい海づくりに向けた市民力が自然発生的に立ち上がってくると思います。その市民力を最大に活用することが、これからの行政の重要な役割ではないかと思います。
 私からの報告は以上です。どうも御清聴ありがとうございました。

○木幡座長  どうもありがとうございました。
 具体的な提案をいただいたのですが、残念ながらちょっと時間が押しているので、質問がもしございましたら二つぐらい。

○中瀬委員  ありがとうございました。島本さんのとこの流域協議会は五つの団体、山のほうから海までで構成されていますね。この5団体各々がすばらしい活動をされている上に、この住吉川でまとまって活動しようという、そういうふうになられた動機といいますか、きっかけはどういうところから始まったのですか。

○豊かな森川海を育てる会島本会長  きっかけは偶然ですが、森は森、川は川、海は海でそれぞれやっていたのです。それでたまたま私が海で活動していたときに森川海で一緒にやりませんかと声をかけたら、それぞれの団体が非常に気持ちよく一緒にやりましょうと、ごく自然発生的に賛同を得られたというわけです。

○中瀬委員  ありがとうございました。

○松田委員長  大変すばらしい活動報告を、ありがとうございました。最後の御提案、特に自己修復機能を生かした河口域の保全というのがあって、大変同意するものなのですけれども。河口域はちょうど森川海の結節点でもありますし、非常に重要性は高いと思います。一方、河口域はちょうどその行政上の管理区分もいろいろ複雑です。そういう意味で、これまで御苦労されていると思うのですが、何かここが難しいとか、そういう何かありましたら率直な御意見を伺いたいと思います。

○豊かな森川海を育てる会島本会長  松田先生のおっしゃるとおりで、住吉川流域でも森は国土交通省管理、川は県管理、海は神戸市管理になっていまして、非常に統一した話がしにくいというのがあります。
 それと、特に港湾区域ということですので、どうしても船舶航行、産業利用が優先されます。最近、川のほうは河川法に環境保全が盛り込まれ活動がやりやすくなりましたが、海のほうは、もちろん港湾部局も環境保全の努力はされていますが、なかなか実態として現実にそこで経済活動をされている業者がいますと、なかなかテーブルにつくこと自体を非常にためらわれるという傾向があります。私どもは、何も経済活動をやっちゃいけないとか、そういうことを言うつもりは毛頭ありません。経済も防災も大事ですから、幅広い関係者が集まってまずは話し合いのテーブルにつくきっかけが必要と考えています。森や川は全然問題ないのですけども、港湾区域というのは先生がおっしゃるとおり難しいし、私どもも一番今、苦慮しているところです。

○松田委員長  ありがとうございました。

○木幡座長  よろしいですか。まだ質問があろうかと思うのですが、この後の総合討論に回したいと思います。
 それでは、次の発表に移りたいと思います。島本さん、どうもありがとうございました。
 続きまして、奈良県立大学地域創造学部教授の西田様よろしくお願いします。

○奈良県立大学地域創造学部西田教授  奈良県立大学の西田です。私は、景観の観点から話させていただきます。美しい里海を目指す景観のあり方と題して、私なりに考えたことを話させていただきます。
 六つの基本的考え方の一つ、自然景観及び文化的景観の保全とは何か。この基本的考え方の一つをどう考えればいいのか。何ができるのか、私はちょっとそういうことを考えさせていただきました。豊かで美しい里海の景観の継承。これが大切なのだろうと思います。豊かで美しい里海の景観というのは、じゃあ何なのかと。瀬戸内海らしい独特の風土性を示す景観だろうと思います。さらに瀬戸内海は景観多様性を維持しております。そういう自然景観から人文景観まで、多様性を維持することが重要です。さらに島嶼景観をこれからは重視すべきだろうと思います。島嶼は疲弊しておりますが、島嶼内部の景観というのは独特の景観を残しております。極めて瀬戸内海らしい景観だと思います。さらに、大切なことは従来の法令から抜け落ちてきたところの景観を、何とかすべきだろうと思います。
 ここでちょっと過去の写真集をざっと見て、瀬戸内海らしい景観とは何かということを考えてみたいと思います。
 1930年代は島々の風景や帆船の風景、さらにさまざまな人の生活、そういう風景がしきりにとらえられてきました。
 1960年代、こういう島の花の風景、除虫菊とかですが、そういうものがしきりに瀬戸内海らしい風景としてとらえられました。島の隅々まで非常にきれいに耕され、手入れがされていました。もちろん漁業の風景、さまざまな養殖の風景、こういうものもしきりに瀬戸内海らしい特徴としてとらえられてきました。産業景観も1960年代には非常にポジティブな形でとらえられていました。これはもちろん高度経済成長を歓迎する国民のある種の見方のあらわれだろうと思います。
 1980年代、緑川洋一は養殖の風景など、瀬戸内海らしい風景を決定付けます。このほかにもいろいろな風景をとらえていますが、養殖の風景は瀬戸内海らしい独特の風景としてとらえていきました。
 つい最近ですが、1998年には、こういう干潟の風景とか、それまでなかったアマモの風景が初めて出てきます。干潟はもう少し古くから出てきていますが、アマモの風景、藻場の風景というのは、現在、一つの風景として評価されていくわけです。これは現実に消失しつつある風景であり、失われゆく風景だからこそ、風景として評価が起きているわけです。
 さらに2005年の『瀬戸内の楽園』という写真集ですが、これは段々畑、棚田などをとらえております。これはもともと伝統的な風景です。
 この写真集は、花の風景、生簀の風景、こういうものをしきりに瀬戸内海らしい風景としてとらえていきます。
 瀬戸内海環境保全協会が2007年に、『瀬戸内海は語る−せとうち風景写真集』というのを公募で選んで出しました。私は、これは非常に瀬戸内海らしい風景をよくとらえていると思いますが、こういう花の風景は、やはり瀬戸内海に不可欠な風景となっています。もちろん漁業の風景、漁港の風景、養殖、生簀の風景、こういうのも連綿として瀬戸内海らしいものとしてとらえられているわけです。干潟の風景、港湾の風景がとらえられ、さらに産業景観も一時期は悪の元凶のように見られていましたが、徐々にシルエットで美しい風景として浮かび上がってきています。
 2010年に瀬戸内国際芸術祭というのが開かれました。約90万人の人々を島々に集めました。私は、これは風景論から見て画期的な出来事だと評価をしております。瀬戸内海の七つの島で行われて、そこに大勢の人たちが訪問した。何が画期的かというと、従来の多島海は外から眺めていました。特に内陸部の展望地から遠景のパノラマの風景として見る、そういうものとして多島海は評価されていたわけです。箱庭のような島々が浮かぶ遠景の風景として眺められていました。しかし、2010年の芸術祭は、人々に衝撃を与えたというか、新たな発見を促しました。それは瀬戸内海の島々の内部にこんな未知の風景が残っていたのかと感動させたわけです。瀬戸内海の島々の近景の風景がこんなにおもしろいのかということを、現代アートのプロデューサー、ディレクター、アーティストたちがうまく引き出しました。それで多くの人々を引きつけたと私は見ております。
 精錬場の跡も現代アートとしてよみがえっていくわけですが、民家の空き家が活用されたり、工場跡が活用されたりして、風景としてとらえられていくわけです。
 これは豊島ですが、現代アートの美術館が遠くに見えます。豊島は環境問題で産業廃棄物不法投棄で知られたところですが、ここに田園の風景など、こんなに瀬戸内海らしい風景が広がっているのかと、人々に再発見を促しました。ここには水田の棚田が広がっております。豊島というのは豊かな島と書くように水が豊かで、瀬戸内海では珍しく湧水池があります。こういうところも新たな魅力として浮かび上がってきたわけです。また、ため池の風景も新たな見方でとらえられました。さまざまな島の内部の風景が浮かび上がってきたわけです。
 女木島、男木島はふだんあんまり行くことがないですが、こういうところも非常に大勢の人々が行きました。ここの町並みがいかにおもしろいか。きっと若者たちの心をとらえたのだと思います。それは現代アートがきっかけとなって、瀬戸内海の島嶼の生業の風景を発見したわけです。
 私は大きな流れとして、自然の観点で評価する自然史の風景から、人間とのかかわりで自然を評価する人類史の風景へという、自然の風景の評価の変化が起きているのだろうと考えています。里地、里山とか農業の人類史の風景はその典型だと思います。従来、瀬戸内海の景観は、貴重な景観、つまりグローバルな価値、あるいは国、地方レベルの価値を持ったものを、自然公園法とか文化財保護法が保護してきたわけです。最近、文化財保護法の文化的景観とか景観法の景観計画区域とか、歴史まちづくり法とか、新たな景観を評価する動きがあります。これらは地域固有性とか地域らしさを評価する方向に向かっていると思います。
 大切なことは、豊かで美しい里海というのは、私は基本的に瀬戸内海の風景の遺伝子とでも言うべき生業の風景を継承していくことだと考えます。もちろん生業ですから、この継承はなかなか簡単ではありません。しかし、農の風景、工の風景、商の風景、暮らしの風景、これこそ瀬戸内海を特徴づける風景だろうと思います。さらに新たな風景として干潟、藻場、養殖、そしてコンビナートも、今若者の心をとらえています。産業社会から情報社会に枠組みが変わる中で、産業景に新たな価値づけが起きているのだろうと思います。
 最後ですが、瀬戸内法の限界、環境省の限界などもあるでしょうが、私は景観資産の登録、つまり瀬戸内海らしい景観をリストアップしていくことを提案したいと思います。従来漏れ落ちていた農林漁業景観、産業景観、交通景観、さらにウェットランド、湿地などをまず景観資産登録としてリストアップして、それを地域活性化とかツーリズムに生かせないかと思います。そうすることでNPOとかボランティア関心も得るだろうと思います。さらに理想論を言えば、景観資産地区、特に島嶼景観をエコミュージアム化するような島ごと保全を進めるべきです。それはどんどん疲弊していく島でどこまでできるかということがありますが、疲弊していくからこそやる必要があるんだろうと思います。さらに沿岸景観資産地区、ランドスケープネットワーク(景観遍路回廊)なども、地域活性化やツーリズムに貢献できるのではないか思います。
 以上です。ありがとうございました。

○木幡座長  ただいまの意見発表に対して、先生方、御質問はありませんでしょうか。

○中瀬委員  西田先生、ありがとうございました。先生のお話を聞いて二つの側面を感じていまして、教えていただきたいのですが。先ほどの1998年、藻場、アマモの風景ということで、ある意味で言うと生物多様性にかかわる風景が、従来型の瀬戸内の風景論に加わってきたという、いわゆる従来の美しい風景に加えて多様性の風景というのが出てきたというお話をお伺いし、そのとおりだと思います。それと、瀬戸内国際芸術祭の場合は、先生も御指摘されていましたが、私が連想すると負の遺産活用ですね。広島のほうに行ったらハンセン氏病棟があった島の公園化とか、結構新しい風景づくりが瀬戸内で起こっているような話を今お聞かせいただいて、そこへ女性、若者等々がすごく行っているというお話も今お伺いしました。
 そういう意味では、結構従来型の我々の持っていた風景論が、かなり瀬戸内でも変容しつつあると。それがどうこれから変容していくのかなというのは、これから皆で議論しなくてはいけないのですが、そういう方向性の話を、ひとつ先生の御所見をお伺いしたいということと、それともう一つは生業の風景論をされていましたが、まさにこれは多自然居住地域の限界集落問題と同じような問題を内在していると。そうすると、これの維持管理、運営を本当に小規模集落の人々だけにお任せするのか、ちょっとNPOとか言っておられましたが、いわゆる伝統というか。逆に言いますと先ほど新しい風景論と言いましたが、もう一つの小規模集落等々が保有してきた、地形とともに保有してきた伝統的風景を、どうこれから考えていくのかという方向性について、ぜひ先生の御意見を伺えたらありがたいと思います。

○奈良県立大学地域創造学部西田教授  私は、基本的に風景の見方はどんどん変わっていくと考えております。このスライドは私が提示している風景の見方の大きな変遷を表す図ですが、今、人間とかかわってきたウェットランドとか里地、里山とか農業景観の評価というのが、きっと進んでいるのだろうと思います。それを科学的理論も支えている。生物多様性とか文化的景観の理論が支えて、風景の見方の変遷を後押ししている。ますますそういう人間とかかわってきた風景、人類史の風景が私は見直されていくと考えますし、それは瀬戸内海にとっては追い風だろうと思います。瀬戸内海はまさに人類史の風景の蓄積した場です。瀬戸内国際芸術祭が非常に成功したのは、色々な観点がありますが、私は、一つはやはり20世紀が見向きもしなかったそういう人類史の風景、集落、漁港、さらに干潟とか、そういうものに目を向けたからだろうと考えております。問題は、疲弊していく中でどう保全していくのかです。つまり、今どこも、こう言ったら何ですが、島々の人口はきっとますます減っていくだろうし、景観も、どんどん植生なんかは移り変わっていくだろうし、農業景観も非常に荒れていくだろうと思います。そこでやはり、それでも、そこには瀬戸内海らしい貴重な景観が残っているよということを訴えていくことが大切で、訴えていくことによって守っていこう、棚田を維持しようというような動きが芽生えてくるのではないだろうかと思います。そのためには、まず景観資産登録が大切なのだろうと思います。従来の法令では価値付けられてこなかった、瀬戸内海らしい風景の新たな価値付けが大切なのだろうと思います。

○中瀬委員  ありがとうございました。

○木幡座長  中瀬先生、よろしいですか。今までの自然科学とまた違った立場で、大変興味深いお話を、私もたくさんまだお話を聞きたいのですけども、進行の都合もありますので、もしよろしかったら後で質問させていただいていいですか。西田先生、どうもありがとうございました。  続きまして、大阪湾見守りネット代表の田中様にお願いいたします。

○大阪湾見守りネット田中代表  大阪湾見守りネット代表の田中でございます。よろしくお願いいたします。
 まず見守りネットとはどういう組織かということですが、こういうふうに書いております。平成17年にスタートしております。設立は11月になります。その前のきっかけは、<ほっといたらあかんやん>という名前がついておりますが、大阪湾フォーラムという形で立ち上げた、その中心メンバーが、これから緩やかなネットワークをつくっていこうということで、2月にやったフォーラムから11月に設立となっております。
 二つ目、三つ目、四つ目と、大阪湾再生のプロセスがありますから、それにかかわっていくネットワークということで位置づけられております。現在10名程度の運営委員会を設定して進めております。何を目指しているのかと書いておりますが、一番上の丸、魅力と活力のある、美しいという表現は、やはりこの当時ですね。今から振り返ってみると、美しいだけではいけないなとつくづく思います。豊かなとなってくるのでしょうか。そう思っております。
 こういう状況です。会員の登録は170ほどですが、各多様な団体から御参加いただいておりますので、100名、200名を抱えている団体とかたくさんございます。運営委員会としては、私は代表でございますが、副代表の方がもうそうそうたる、私なんかが何で代表なのかと思うような組織でございますが、一番上の上甫木教授は府大の大学院の先生です。後から出てくるようなことを大いに推進していただいております。それから、一番下、來田(らいた)さんと読みます。NPO法人釣り文化協会の方です。それから、ちょっと上、山西と書いてある、この方は大阪市立自然史博物館の館長様ということになっております。この3名が副代表で、あともう本当に多様なメンバーの方が運営委員会を構成しております。
 図に書いたらこんなものかなということですが、一番下に書いてある、この指と〜まれと書いてありますが、要は、「何をしたいねん」「これをしたいねん」「何でやねん」というような声を上げて、もうばらばらにやっていたら大阪湾はもうどうしようもないと。もう「ほっとかれへん」というので、だれかが言い始めるとどんどん、やはり先に指を、この指とまれの指を上げないとみんながかかっていけないということだと思います。それでどんどん声を上げて、具体的な取り組みを進めていこうという形でやっております。
 事業内容ですが、1番目、情報発信、メーリングリストを持っておりまして、情報交換をやっております。後からちょっと詳しいやりとりなども御紹介します。フォーラムは年1回。平成23年2月もやりましたが7回実施しております。今度の3月で8回目のフォーラムを計画しております。それから3番目、調査・研修会。これは大阪の帆船「あこがれ」を使わせていただいて1日研修とか、淡路島の成ヶ島で実際の1泊研修とかもやったり、アマモが再生した成ヶ島での、これは環境省さんのほうのお仕事のかかわりもありますが、実際にどういうふうに復活しているのかという潜水をしたりも含めての調査。あるいはフィッシングショーがこの前ございましたけれども、あそこで「ちりもん」というのを、これはちょっと間違いですね。実は片仮名です。登録商標されております。ですから平仮名じゃなくて「チリモン」って片仮名であります。チリメンモンスターという、ちょっと時間があったら御説明しますが、それの実施。チリメンモンスターはもう北海道から九州まで、あちらからこっちから声がかかりまして、出前で、あちこちでやらせていただいております。それから4番、こういうような行事やイベント、それから国交省さん絡みが多いので、こういうような表彰とかをいただいております。
 実際にこういうスタートがフォーラムでございます。博物館をスタートにしております。これはもう1回目から、実は10回までイメージしておこうということで、スタートはやはり博物館でやろうということで、実は今度、8、9、10回目も博物館でゴールにしようというような、そういう流れを考えて進めております。
 2回目、それから3回目と進んでいって、大阪湾をぐるっとあちこちを一周します。岸和田の自然資料館でやったときは、その成果を、これは波打ち際の自然史という形でまとめておりますけど、こういう出版物にまとめるとかいうような形もとっておりまして、すごいですね、これ。私が住んでいる泉南市の男里川という小さな川なのですけど、50年以上調査されている方がいます。そういう方の業績が埋もれているわけです。それを皆さんで確認して、すごい成果が埋もれるのではなくて、活用できるように皆さんと一緒に考えていけるようにという場にしていきたいということでもやっております。
 平成20年度になりましたら、これは第4回をやりまして、先ほど上甫木教授という名前が出ましたが、この3月25日、上から2段目で書いてある大阪湾の自然と再生と書いておりますが、こういうブックレット形式の出版物に、集まった、講演いただいた内容をまとめて、実はこれ3年間の活動のまとめにしようということです。先ほど言いましたように10年間まずは頑張ろうよということでしておりましたので、10年間の活動をまとめてほしい、総括したいということで、これも大阪府立大学の院生の方の研究テーマとして、私たちの活動をさかなに使ってくれというふうにもお願いして、今、大学院生の方を実行委員会にも参加していただくというようなスタイルにしております。今日はこの本を5冊持ってきたのですけど、いろいろ御縁のある方で欲しいという方にはお分けしますので、ぜひお声かけください。
 そのようにいろいろ絡めながら4回、5回、6回、7回、それで一番最後は、平成24年は今度の3月4日に8回目。今、見えております亀崎館長様の須磨海浜水族園で一緒にやらせていただくというような形になっております。その間、ちょっと色がついておりますが、大阪湾生き物一斉調査というのも絡んでおります。
 情報発信のほうです、こんなふうに物すごい情報のやりとりが色濃く行われております。後からまた内容もちょっとさせていただきますが。
 こういうふうに1回、2回、3回、4回、5回、6回、7回、8回と大阪湾を回っております。淡路島のほうには、実はフォーラムはしておりませんが、先ほど御紹介しましたように現地での研修会とかいうような形でここは持たせていただいております。
 これは前回の7回の関空でやったときの様子です。スナメリなども取り上げられております。こんな様子です。
 8回目です。8回目は、実はもう中学生、高校生を中心に主役になってもらおうと。大学生にもまとめ役になってもらおうというような形で、そういう意味で<須磨から未来に発信>というふうにつけて、中学生20人が発表とか、高校生が須磨の水族園の大水槽で泳いでいるとか、そんな形式にさせていただこうと思っております。
 発信の内容もすごいです。もうメーリングリストですから、青潮を見つけたよ、どこで、何でやねんとかいうのが飛び交って、もう一瞬にしてスパークするというような密度の濃さ、タイミングを持っております。それから書籍などもそうです。こんな本が出たよと言うと、もう皆さんからの反応がすごいです。というような点。それからフォーラム等による交流の促進とも書いてありますが、これは「ほっといたらあかんやん」、「何とかせなあかんな」というところから、「もうほっとかへんで」。具体的に色々な行動をしていこうというふうに、さすがに7年、8年たつと進化してきていると思っております。これはこの本にまとめていることをちょっと載せております。
 一言だけ。行政の方、一番下です。行政の方もお役所仕事じゃなく、楽しく参加していただけるように。やりがいのある仕事になるようにというようなスタンスで御参加いただければと思って、そういう工夫をしております。そのかわり抜けたらあかんで、国交省の人は抜けたらあかんでとか、そんなことを考えておりますが、一緒にやはり役所は役所として役割分担していただいたら、すばらしい結果が出るということがあると思います。
 アンケート結果が、ここにやはり出ていますね。<豊かな海>というところは、やはり色々な思いが寄せられております。
 それから、ここでも情報交換の中身とか、そんなところに非常に関心が集まっている、色々な意見も出ていると思います。
 それから、最後になるのですが、やはり<豊かな海>というのは、それを見る人間の思いが豊かでないとならないと思います。うちの泉南市の海岸には人工の砂浜ですけどアカウミガメがやってきます。たまにしか来ません。市民は、実は皆さん待ち遠しくて仕方がない。なぜかというと、一度カメが来たら、もう市民の皆さん、はまってはります。理由は簡単です、もう毎日散歩している方に、「ウミガメが来たよ」、「来るかもしれないよ」、「来たら教えて」と言いまくりました。そしたら、この前、おととしウミガメが実際に来ました。即です、私の携帯に電話が入りました。ウミガメ来たよ。市役所、0001番に電話が入りました。これがネットワークです。だから、もう皆さん、関心を持って、早く来てほしいなというような思いがあれば、もう毎日海を見ております。何かあったらすぐに市役所に連絡してくれる。そこからまたすぐに私のほうに電話が来る。それで、ウミガメ協議会さんにも相談に行く、大阪府の港湾局にもカメが来たら、すぐ市役所が対応して連絡をとるというふうに、別に強制していないのですが、先ほど言いましたけど、お役所の方は嫌々じゃないです。もう楽しくて仕方なくて、またカメが来たというので、一生懸命になって色々なウミガメの産卵場所の保全とか、無事に赤ちゃんが帰っていくような、色々な見守りの様子を、仕組みを考えていただいております。ですから、とりとめもないお話になりましたけども、やはりしっかり関心を持って、楽しく海を見られるように、そういう根を養うというか広げて海を見ていけば、きっと海は豊かに戻ってくると思います。もともと海は力強くて豊かなものだと私は信じております。ですから、今一番大事なのは、その海を見つめている、毎日見つめている地元住民の心、そこを私は学校の教師もしておりますが、子供たちだなとも思いますけども、やはり海っていいな、毎日見たいな、変なものを見つけたら、すぐみんなで考えようと動けるような仕組みがつくれたら、各地域でつくれたらと思っております。
 そういうことを考えてやっております。もちろん、さっき、ここに書いてありますように、大阪湾だけではなくて、やはり瀬戸内海に広げ、それから三河湾、東京湾との交流とかも必要だと思っておりますが、まだまだそこまではいきませんが、まずは大阪湾で<ほっとかへんで>というふうに頑張っていきたいと思っております。提言とかそういうことはうまくまとめられませんけども、今後とも活動を続けていきたいと思っておりますので、よろしくお願いしたいと思います。
 以上でございます。

○木幡座長  ありがとうございました。
 たくさん時間はないのですけども、先生方で御質問あるいは御意見のある方は。

○中瀬委員  ありがとうございました。設立のときにお手伝いして、一番早く逃げたのは私なのですけど。このときに來田さん、來田さんって皆さん御存知と思いますが、金曜日の朝日新聞の朝刊に釣り情報を関西で書かれている方で、結構いろいろと海で活躍されている方で、來田さんが釣り人をいっぱい連れてきておられたでしょう。釣り人の情報を何か共有できるとか、そんな議論をしていたというような記憶があるのですが。あるいは、今言われたようなウミガメの情報とか、そういう情報のデータベース化とか、そんなことはやっておられるのですか。

○大阪湾見守りネット田中代表  そうですね、一番きっかけになったのは青潮を、やはり釣りの人は見ているのですね。ここに出た、ここに出た、何でここやねんとかいう情報が、もうメーリングリストと携帯でピット流れたら、博物館の専門家の方、水産試験場の方、色々なメンバーがいてはりますので、専門的なアドバイスとか色々なのをいただいて、そういうのをきっかけに、釣りの人もやはり海見たら、こんなふうに見たら、こんなふうにおもしろいのだというきっかけをいただいて、今深まっております。

○中瀬委員  釣り人の話が書いてあったあのころ結構盛り上がったなと思っていましたので。やっておられることを聞いて。

○大阪湾見守りネット田中代表  もう、なかなかすごいですね、釣りの方も。毎日海を見てはるということですね。

○木幡座長  ほかに、どうですか。よろしいですか。
 それでは、田中様、どうもありがとうございました。

○大阪湾見守りネット田中代表  ありがとうございました。

○木幡座長  以上で本日予定されていました8名の方の御発表は終了いたしました。
 今日、全体の発表をお伺いしたところで、委員の先生方から追加の質問というのがもしあればお願いしたいと思います。

○中瀬委員  亀崎さんに一つ教えていただきたいのですが、私、2年間ほど淡路におりまして、成ヶ浜のところにカメが来ますね。ところがふ化した後、ごみで帰れない。一生懸命、みんな活動されているのですけども。ああいう漂着ごみ等の話なんかは、もしコメントがありましたら教えていただきたいのですが。

○神戸市立須磨海浜水族園亀崎園長  漂着ごみ等で子ガメが帰れなくなる現象というのは時々見受けられることなのですけども、基本的にはあまり重要視してないというか、ほとんどの場合、何とかして帰っていくのですよね。たまに深刻な状況というのは、8月の大雨で山からいろいろと流木が流れて、それが大量に打ち上がる。それがほとんどバリアをしてしまったような状態になったときには、ちょっと帰れないことが起こったりもするのですけども、それ以外はそう深刻なことを今は感じていません。子ガメはもっとたくましいものです。

○中瀬委員  ありがとうございます。

○西田委員  漁業関係者の方にちょっとお伺いしたいのですけども、今日は栄養塩の話、つまり水質の話がほとんどでした。栄養塩が大分少なくなってきて、それを増やしてほしいとの話。栄養塩の供給源となっている底質、泥のほうについてここ数年変わってきたとか、昔と大分性状が変わってきてしまったとか、そのように感じたことはありますか。先ほど、砂がなくなったというお話がありましたけれども、例えばヘドロが減ってきて砂地が現れたとか、そういう泥の関係とかで何かお気づきのことがあったら教えていただきたいのですが。

○明石浦漁業協同組合戎本代表理事組合長  泥が砂になったというのは、そんな感じはあまり聞いてないのですけど、泥場も減ってきたというのは聞いています。何か底が固まってきたようなイメージというのと、あと砂が減ってきたというのは聞いています。そやから、僕が思うに、ダムとかがせき止めたところを、上側の何か小さい粒、ちっちゃいのだけが流れてきて、それが落ちついて固めてしまうみたいな感じのイメージがあります。

○西田委員  径が小さい粒の砂がたまって堆積しているとか、特にヘドロが最近大分減ってきたなとか、軟質の柔らかい泥の厚さが大分小さくなってきたなとか、一部そういうのがなくなってきた場所があるとか、そういうことはあまりないですか。

○明石浦漁業協同組合戎本代表理事組合長  いや、それはあります。泥は減っています。ヘドロという地域も減ってきているのは減っています。

○西田委員  ああ、そうですか。

○松田委員長  先ほどの海ごみの話に戻るのですが、反田所長さんがごみの処理システムの確立を提案していただいてありがとうございます。発表の中でもスライドで、環境生態系保全活動の中で海ごみを集めているスライドがありましたけども、そのときには何か色々な実験、例えば集めたのをどうやって処理したとか、こうやったらいいと思ったとか、何かヒントが得られたとか、そういうようなことはあるのでしょうか。

○兵庫県立農林水産技術総合センター水産技術センター反田所長  写真でお見せしたのは高砂だったのですけれども、実を言いますと、海ごみを業者が回収した場合に、自分の責任で処分しなければならないという、自己負担になってしまうということが非常に問題なんです。もしそれが法的なところできちんと処分されるのであれば、それはすごくいいことだと思います。今回の場合は、高砂市の行政の方が、市であのごみを取ってもらうということで、事前に話をつけた上でやりました。

○松田委員長  ありがとうございました。

○浜野委員  松田先生と同じような質問だったのですが、漁師の方、海底のごみですね。打ち上がったものというのは市民活動のほうで何とかなる部分もあったりするのですけども、海底の部分というのはどうしても漁業権がある関係もありまして、漁業活動の場ですから、漁業者の方に負うところが大きいと思うのですが、ごみですね、最近どうですか、以前と比べて。何か変わったことがありますか、揚がってくるごみとか。

○大阪府漁業協同組合連合会札野副会長  多いです。

○浜野委員  減ってないですか。

○大阪府漁業協同組合連合会札野副会長  大阪湾の南部と、僕らは北部関係なのですけど、大和川からの、先ほど言いました栄養が豊富にあるようなところが、そこは貨物船とか色々な大型船とか輻輳しているので、自転車とか単車、そういうのが今いっぱい落ちているのです。

○浜野委員  船から投げた。

○大阪府漁業協同組合連合会札野副会長  多分、もうそれしかないと思うのですけどね。海には、最近は減りましたけれども、昔だったら高級な生活ができるなというぐらいでした。ピアノ、テレビ、冷蔵庫も取れました。特に大雨が降った明くる日、川の水が増えたとき、特に海はもうごみだらけです。それを知って近くの人が捨てるのか、特にまた金がかかりますよね、大型ごみというのは。だから、箪笥なんかも。そのような形で、それがもう見つけたら、ほとんどの漁師さんは持って帰るのですけどね。海底のものというのは、どうしても底びき関係の人がひっかかるので、それは持ち帰り運動というのを大阪ではやっているのですけどね。だから、各漁師によっては、刺し網は刺し網なりのひっかかったごみを持ち帰る、また船曳きは小型の、ほとんどビニール系統のものが多いのですけど、それを、かかったものは皆持って帰るという形をとっています。

○木幡座長  よろしいでしょうか。
 それでは、今度は今日発表いただいた方々で言い残したこと、これだけはどうしても言っておきたいとおっしゃる方、簡単に一言何か。

○明石浦漁業協同組合戎本代表理事組合長  先ほど松田先生から保護区という話が出たのですが、ノリ養殖というのは漁業権を持っていて海面にノリ網を張っているのですけど、それがシーズン中というのはすごく広大な禁漁区になっているのです。そこで漁業できない状況になっているので、だからやはりノリで飯が食えるというのが、ノリをとるだけじゃなくて、そこが広大な禁漁区になっとると、ノリの生産をやっているものが、例えばノリがだめになると全員がやはり漁に出なあかんというので、そういうバランスというのもすごく保たれているのです、今までも。だから、それでノリに従事して生活できるような形というのは、かなり重要なことやと思うのです。

○松田委員長  ありがとうございます。

○木幡座長  ほかの方はよろしいでしょうか。
 それでは、この後は時間の許す範囲で会場の方から御意見をいただく予定となっているのですが。実は瀬戸内海部会の部会長の岡田先生が、ほかに移られる時間の都合で、16時半ごろには退席したいということなので、ちょっと御挨拶をいただきたいと思います。

○岡田部会長  瀬戸内海部会長をさせていただいております岡田でございます。
 本日は、本当にお忙しいところ、たくさんの御意見をいただきましてありがとうございました。赤潮の是非の話は、大変私にとっても改めて新鮮に伺いました。赤潮から魚、それからスナメリとかウミガメの話。さらには藻場、干潟、それからさらにはその中にごみの埋め立て地というような形で、まさに瀬戸内海の多様性の話を伺って、瀬戸内海らしいということを感じた次第です。この豊かな海というところに書かれていますように、さらに景観の話で、その豊かな海をつくっていくためのみんなのネットワークというようなところまで伺うのは大変参考になりました。
 ただと申しますが、やはり申し訳ございませんが、こういう場ですので、極めて時間が短かかったと。それから色々なお話を伺って、それをこれから松田委員長を中心に整理していくかと思いますが、整理していただくと、ああ、あれを今日聞いておけばよかったというような反省が多分、出てくるだろうと思います。私自身でも、皆様方のお話を全部聞いてから、もう一度伺いたいなというようなこともあるのですが、それはまとめてまたお聞きしたいと考えています。何を言いたいかというと、これからだんだん整理していくと色々な疑問、疑問というか、もう少し詳しく聞きたいと思うことが出てくるかと思います。今の豊かな海を瀬戸内海を実現するための取り組みの基本的考え方、これは出ていますけれども、やはり具体性はこれからです。
 そういう意味におきまして、具体的にしていく段階で、もう一度、今日の皆様方、それから会場で御参画いただいた皆様方に御意見を伺い、それで修正しながらまとめていくというプロセスがあると思います。ぜひこれからも御協力をいただくこと、お教えいただくことをお願いいたしまして、私の挨拶にかえさせていただきます。本日は本当にありがとうございました。

○木幡座長  手順が前後してしまって申し訳ありません。それでは時間の許す範囲で会場の方々から御意見を伺いたいと思います。ただ、記録をとっております関係で、マイクがお手元に行きます。その後にお話しいただけたらと思います。ご意見がございます方は挙手をお願いして、まず初めに所属とお名前をお教えいただいた後で御発言ください。あと、できるだけ多くの方の御意見を伺いたいと思いますので、できましたら手短に、2、3分めどぐらいでお話しいただければと思います。お願いします。どなたかいらっしゃいませんか。いらっしゃらないでしょうか。どんなことでも結構です。今後どうなるのだろうとか。よろしいでしょうか。
 それでは、特にないということでしたら、最後にこの企画専門委員会の松田委員長からコメントをいただきたいと思います。

○松田委員長  本日は、本当に御発表いただいた方には時間的制約が大きくて、大変御迷惑をおかけしましたが、にもかかわらず非常に貴重な有意義な御意見をたくさん聞かせていただきましてありがとうございました。内容については、先ほど岡田部会長からあったところですが、私の感じでは、大きく言って三つぐらいのポイントがありました。一つは全体の見方とか考え方を広げるのに非常に役立った点です。瀬戸内海は、こういう議論の中では閉鎖性海域としてのとらえ方が強かったわけですが、例えば多島海としてとらえ、さらに景観も遠景、あるいはもっと中に入った景色、そういう形で見る見方の御提案です。それから二つ目には非常に具体的な政策的な御提言、あるいは実質的な御提言をいただきました。それから三つ目は、やはり一番迫力がある現場の非常に生々しい雰囲気といいますか、実感を伝えていただいたことを厚く御礼申し上げたいと思います。
 私どもは、これから、後で事務局からスケジュールのお話があると思いますが、多分この夏ぐらいまでに、議論をまとめるということで整理に入らなければなりません。従って、できる限り今日の御意見を、直接間接的に生かしてゆきたいと考えております。今、全然議事録をとってなかった会議というのが話題になっておりますが、今日はしっかりとプロの人が議事録をとっておりますので、皆さんの御了解をいただいた上で、なるべく有効に利用させていただきたいと思います。先ほど岡田部会長からもありましたように、今後ともいろいろ現場の情報をお伺いしたり、教えていただいたりすることになると思いますが、引き続きよろしくお願いいたします。
 本日はどうもありがとうございました。

○木幡座長  松田委員長、どうもありがとうございました。また、本日御発表いただいた皆様方、会場にお越しの方々、どうもありがとうございました。  それでは、進行を事務局のほうにお返ししたいと思います。

○富坂閉鎖性海域対策室長  本日、進行を務めていただきました木幡座長、また委員の皆様方、どうもありがとうございました。発表者の皆様におかれましても、大変短い発言時間で恐縮でございましたが、非常に参考となる御意見、御報告をいただきましてありがとうございました。  本日の議事録につきましては、冒頭申し上げましたとおり、皆様に御確認いただいたものを発表資料とともに環境省のウェブサイトにて公開をさせていただきます。
 また、本日、参考資料2ということでお配りしておりますけれども、中央環境審議会瀬戸内海部会企画専門委員会では、2月29日まで瀬戸内海の今後の目指すべき将来像や環境保全・再生の在り方についての御意見を募集しております。皆様からの多くの御意見をお待ちしております。どうぞよろしくお願いいたします。これまで3回行いました現地ヒアリングの結果、また意見募集の結果を踏まえまして、ちょっと取りまとめに一月ほどかかろうかと思いますけれども、それらの結果を踏まえまして、次回の企画専門委員会におきまして現地ヒアリング、意見募集の結果報告と今後の将来像と環境保全・再生の在り方についての審議を再開させていただきたいと思います。恐らく4月とか、もうちょっと先、それぐらいのスケジュールになろうかと思っております。  最後になりましたが、本日の現地ヒアリングの開催に当たりまして、関係府県の皆様に多くの御協力をいただきました。事務局からもお礼を申し上げます。
 それでは、以上をもちまして企画専門委員会のヒアリングを閉会させていただきます。本日はどうもありがとうございました。