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中央環境審議会 瀬戸内海部会 企画専門委員会(第5回)議事録


平成24年6月25日(月)

開会
議題
(1)
前回指摘事項への対応について
(2)
委員会報告(案)について
(3)
今後の進め方について
閉会

午後2時00分 開会

○西田室長補佐 それでは、ただいまから中央環境審議会瀬戸内海部会第5回企画専門委員会を開会いたします。
 本日はお忙しい中お集まりいただきまして、誠にありがとうございます。
 まず、委員のご紹介ですが、本日の企画専門委員会は8名の委員にご出席いただいております。なお、白幡先生、白山先生、浜野先生、鷲尾先生は欠席とのご連絡をいただいております。お手元にお配りしております委員名簿をもって委員のご紹介にかえさせていただきます。
 続きまして、お手元の資料確認をさせていただきます。次第を1枚めくっていただきまして、資料1としまして、前回指摘事項と対応方針、資料2−1としまして、委員会報告(素案)、資料2−2、委員会報告の参考資料集、暫定版とさせていただいております。資料2−3、委員会報告の概要(案)です。資料3としまして、今後の企画専門委員会の進め方(案)。
 その後、参考資料1としまして、本委員会の委員名簿。参考資料2としまして、前回委員会の資料。参考資料3及び参考資料4につきましては、現地ヒアリングでいただいた意見等をまとめた資料でございます。前回委員会、前々回委員会でお配りしました資料でございまして、ご検討のために参照いただく場合もあろうかと思いまして、委員限りということでお配りしております。
 不足がございましたら、事務局にお申しつけください。よろしいでしょうか。
 本日の会議は、中央環境審議会の運営方針に基づき、公開とさせていただいております。なお、プレスの方はこれ以降の写真撮影等はお控えいただきますよう、よろしくお願いいたします。
 それでは、この後の議事の進行につきましては、松田委員長にお願いしたいと思います。
 松田委員長、よろしくお願いします。

○松田委員長 了解いたしました。
 本日はお忙しい中、委員の皆様、ご出席いただきまして大変ありがとうございます。このところこの委員会はほとんど月に1回という、非常に高い頻度で開かれておりますので、たびたびのご出席、厚く御礼申し上げます。それから、傍聴ということで今日ご出席いただいている皆様にも、この企画委員会に興味を持っていただきまして、大変ありがとうございます。
 それで、今日の委員会の位置づけといいますか、全体の流れの中での意味合いですけれども、後に今後の進め方については事務局から詳しく説明がありますけれども、今日の中心課題はこの委員会報告の素案の検討です。それが進めば、それを一般向けのパブリックコメントに7月ぐらいからかけたい。それから、同時にこの素案をこの委員会の中間報告として8月に予定されている中央環境審議会の瀬戸内海部会で中間報告という形で報告したい。それで、その両方、すなわちパブリックコメントに出てきたさまざまなご意見、それから瀬戸内海部会での意見等を反映して、できればこの9月ぐらいからこの素案にそのさまざまな意見を加えた形で最終取りまとめに入りたいということです。素案ではございますけれども、ほぼ素案の取りまとめという段階ですので、ぜひ皆様から活発なご意見を承りたいと思います。だんだん案が固まってきますと、なかなか大きな修正とか違う形にするのはある意味では難しくなりますので、もし、ぜひというご意見がある方は今日、できるだけご発言いただきたいと思います。
 そういうことでよろしくお願いしますが、本日は一応16時までの予定ということで議事を進行させていただきますので、ご協力よろしくお願いいたします。
 それでは、早速ですけれども、議題に入らせていただきます。
 まず、1番、前回指摘事項への対応方針についてですね。これについて、前回では諮問内容のうち、環境保全・再生の在り方の取りまとめ方針について皆様からさまざまなご意見、重要なご指摘をいただきましたので、それについての対応方針をまず事務局からご説明いただきたいと思います。よろしくお願いします。

○千野係長 前回指摘事項と対応方針につきまして、資料1に基づきまして説明いたします。
 前回委員会でお示ししました目指すべき将来像の指摘踏まえ版、環境保全・再生の在り方の案、また委員会報告の骨子案についてご指摘と対応方針について記載してございます。これらの対応方針は既に資料2−1、委員会報告の素案に反映させてございますため、適宜参照しながら説明したいと思います。また、前回委員会資料として参考資料2につけてございますので、そちらも適宜参照していただければと思います。
 それでは、1つ目でございます。全体として読みやすく、わかりやすく、どこが一番大事なポイントかというようなご指摘、また、全体をまとめた要旨であるとか1枚ぐらいの図化したものがあるといいということでございました。また、将来像や基本的な考え方、具体的な方策、これらの整合性というものが必要であるといったご指摘でございました。これらにつきましては、全体の構成ですとか記載を見直しさせていただきまして、後に資料2−1でご説明いたします。また、要旨、概要図もそれぞれ作成してございまして、今回の委員会では概要図のほうを資料2−3として作成してございます。要旨につきましては、今回はお示しさせていただけないんですけれども、二、三枚程度で目次の次につけるようなことを想定してございます。
 めくっていただきまして、これまでの対策というものは、従来のできるだけ影響を小さくしようとする規制型であったということでございますけれども、今後は地域ごとに目指すべき将来像を設定し、積極的に再生、創造を行っていくということで、その辺がわかるようにというご指摘、また目指すべき豊かな瀬戸内海に対して、これをやれば豊かな瀬戸内海の美しい海に貢献するといったように、時々参照した格好で書いていただいたほうがよいということでございます。これらにつきましては、全体に溶け込ましておりまして、全体の構成や記載に反映させてございます。
 続きまして、内容全般ということで、部分的に出典というのが入っているんですけれども、もう少し出典を明記すべきであるということでございました。特にこれにつきましては、第1章の現状と課題のところで出典を多く記載してございます。
 続きまして、瀬戸内海の環境保全に当たりまして、それを支えていくのはすべての国民であって、瀬戸内海の周りの人たちだけではないというご指摘、さらに、あるいは外国まで含めていろいろなサポートが得られるようにするという観点、また社会全体としてどう支えていくとかいう視点でございます。これらにつきましては、資料2−1の14ページの6行目に、「流域の都市や農村の住民等の幅広い参画・協働による」という記載にしてございまして、特に沿岸住民だけでなく流域住民等の参画・協働が重要であるとしてございます。また、21ページの32行目でございますけれども、「そうした幅広い主体の参画・協働による取組に際しては、各主体において、例えば」ということで書いてございまして、「共通に理解し、望ましい海の姿など地域における目標を広く共有することが重要である」といった内容にさせていただいてございます。
 続きまして、瀬戸内海の価値の全体像を概念的に言うと、3つの価値になるということでございますけれども、それらを総合した懐かしさや豊かさをどう表現していくのかと。また、全体のイメージとして総合的に表現できないかどうかということでございました。これについては、これら3つの価値が総合的に高められて豊かな海が実現されるものと考えてございます。なお、懐かしさに関しましては、「庭」の説明のほうに追記させていただいてございます。
 続きまして、「道」の機能を最大限に発揮ということで、特定の機能を最大限と言ってしまうと、折り合いができなくなってしまうと。また、調整機能を持たせた機能の発揮の仕方を意識化していくことが重要であるというご指摘でございました。これは既に前述の内容とも重複するのですが、幅広い主体が地域の状況に応じてあるべき姿を共有することが重要であると。また、各主体において共通に理解し、目標を広く共有することが重要であるとさせていただいてございます。
 また、豊かな瀬戸内海を実現するのか、再現するのか、創造するのか、再生するのかといった一言で立場がはっきり出るということで、これにつきましては、豊かな瀬戸内海はこれからさらに努力してよりよい形で実現していくものと考えてございます。
 続きまして、底質の状況で、大きな改善は見られていない場所も依然として残っておるというところですけれども、かなり改善してきた場所も出てきたということ、これについて評価しておく必要があるということでございます。これにつきましては、資料2−1の4ページ、25行目に、「このように、底質環境の悪化や海底の改変に一定の歯止めがかかったものの」という、改善ということではなく、「一定の歯止め」という表現でさせていただいてございます。
 続きまして、海砂利採取後の修復につきまして、例えば備讃瀬戸西部の海砂利採取そのものというものは、自然ではもとに戻らないと。大阪湾の深掘り跡の埋め戻しであれば、こういう書き方はしない方がよいということでございました。前回の説明の中で海砂利採取と埋め立てのための土砂採取が混在しておりましたので、例えば4ページの16行目にございますけれども、海砂利採取の記載の後に、加えて、埋立地造成などを目的とした土砂採取により、窪地の貧酸素化について記載をしてございます。
 続きまして、里海の創生と再生が混じっているということで、里海の定義からは、昔はなかったということ、しかしながら、普通の人の感覚からいうと、まだ何もない里海をどうやって実現していいのかわからないということ、里海のイメージというものはある種の古きよき時代であり、過去にあった里海のいい面を今後、どのようにして人間との関わりの中で実行していくことが重要であるというご指摘でございました。これにつきましては、表現を創生も再生も含まれるものとして「里海づくり」に統一してございます。
 続きまして、順応的管理のところにデータをどうするのかというものをもう少し書き込む必要があると。データを蓄積して、そのデータをうまくマネジメントしていくプロセスが重要であると。また、順応的管理のターゲットをもう少し明確にする必要があるということでございます。これにつきましては、14ページになるんですけれども、「科学的データの蓄積及び順応的管理のプロセス」という項目と内容に、指摘を反映させてございます。また、順応的管理のターゲットとしまして、栄養塩濃度と生物多様性・生物生産性を例示してございます。
 続きまして、栄養塩濃度は環境基準値に対して大きく下回らないように配慮すべきということにつきまして、目的の違うものが混在しているので、整合性を考え、再検討すべきということ。また、これにつきまして、「適切に維持する」という表現ではどうかということでございました。これにつきましては、環境基準値と栄養塩濃度の比較対照ではなく、環境基準達成海域については、「生物多様性・生物生産性を確保するための栄養塩について、その濃度レベルの設定と適切な維持及び円滑な物質循環を確保するための水質管理を図ることが必要である」としてございます。
 続きまして、季節的な対応を総量規制の中でどのように行っていくのか、これについてはかなり難しいのではないかと。もう少し詳しく書けないかということ。これについては、技術的な検討は全体としてはまだ余り進んでいないということで、実験的にはいろいろ試みられておるんですけれども、まだまだ課題があるということでございます。これにつきまして、今後の検討事項として重要であるというふうに考えてございまして、現時点では、課題が多いので、「年間における栄養塩レベルの推移等の季節ごとの状況を十分に把握して、制度面や技術面から実行可能性を十分に検討する必要がある」と記載してございます。
 続きまして、物質循環という言葉を干潟の機能としてきちっと入れていただきたいということでございまして、これについては記載のとおり反映してございます。
 また、塩性湿地やヨシ原などがいまだかつて触れられていないということで、豊かな塩性湿地をつくることも考慮していいのではないかというご指摘でございます。これにつきましては、例えば5ページになるんですけれども、藻場・干潟の後に塩性湿地ということで追加させていただいてございます。
 続きまして、ラムサールのことについて配慮していただきたいということでございまして、これにつきましては、広島県の宮島がラムサール条約の湿地に登録予定であることを記載してございます。登録予定ということですが、これについては委員会報告及び答申の時点を踏まえ適宜変更していくように考えてございます。
 また、錦海湾の例から現在利用されていない埋立地についての活用を言うのであれば、「その堤防を一部開放する」という言葉を入れてもらわないとわからないということでございますけれども、堤防という言葉のかわりに塩田跡地という言葉を17ページの15行目に記載してございます。
 また、景観は陸上も含めた生態系の保全なので、海だけにとらわれない生態系という概念があってもいいということでございますけれども、もともと干潟や塩性湿地など、陸上を含んだ景観としてとらえられていると考えてございます。また、海から見た景観も記載してございます。
 続きまして、地域の参画・協働の促進の部分で突然、企業という言葉が出てくるということでございます。これにつきまして、本委員会報告の冒頭、1ページに、瀬戸内海から恩恵を受けてきた者として企業を記載してございます。また、全体において幅広い主体の一員として企業を追加させていただいてございます。
 続きまして、計画だけでは無理な部分があり、現行の制度に言及が全然なされていないということでございました。これにつきましては、20ページの9行目に、「推進方策として、本報告で指摘した検討事項を踏まえ、必要応じて、現行の法制度の点検及び見直しを行うべきである」としてございます。
 続きまして、評価指標が全然議論されていないということでございますけれども、これにつきましては、本委員会においては評価指標を一つ一つ詳細に議論していくものではなく、豊かさの指標の例を幾つか提案するということが重要であると考えてございます。例としてふさわしくないものがあれば削除していきたいと考えてございます。
 瀬戸内海各地で実施されている調査・研究事例などを明確にすると、これらの議論がもっと活性化するということで、これにつきましては、本報告案の中に、23ページの7行目、調査・研究のところに「各地の取組事例を調査し、研究していくことが重要である」と記載をしてございます。
 以上になります。

○松田委員長 どうも大変ありがとうございました。既にこの資料2−1の委員会報告の素案への反映状況も含めてご説明いただきました。この委員会報告の素案の文面ですとか表現というのはむしろ次の議題2の課題でありますけれども、現時点でただいまのご説明についてご質問やご意見伺いたいと思います。いかがでしょうか。どうぞ。特に前回、ご意見やご提言なされた方で、自分の言ったのがこうではないとか、もしあれば。よろしいでしょうか。
 はいどうぞ。

○大塚委員 2点質問ですが、1つは、今の資料1の5ページの4つ目の丸の季節的な対応を総量規制の中でどのように行っていくかという問題ですが、これは確認だけで恐縮なんですけれども、資料2−1では12ページの1の最後ところと考えればよろしいですか。季節ごとの状況に応じてきめ細かい対応をすることが重要であると、かなり簡単に書いてあるんですけれども、これが対応しているということでよろしいですかね。

○千野係長 15ページの33行目今後の施策の展開に、今のご指摘である「現在の排水規制や総量規制等の制度面や」ということを書いてございます。

○大塚委員 わかりました。ありがとうございます。
 それから、もう一点ですけれども、資料1のほうに戻って、3ページの最後のところで、これはご意見にあったことですけれども、底質の状況で改善した場所が出てきたというのは、これは大阪湾以外はかなりそういう状況になっているんでしょうか。どういうふうにしてこういう改善が進んだかについてちょっとお伺いしておきたいんですけれども。

○千野係長 これにつきましては、資料2−2に参考資料集、暫定版ということで記載させていただいてございます。底質については明確な環境基準はないということですけれども、底質を説明するための項目として、COD、強熱減量、全リン、全窒素、また酸化還元電位と、掲載してございます。それらのトータルで判断してございますので、一個一個のデータでということではないんですが、概ね瀬戸内海西部の、特に周防灘のほうで強熱減量とか全窒素が改善しているというようなことが読み取れるのではないかということでございます。

○大塚委員 これは海自体が割ときれいになると、底質もそれなりに改善されていくと考えてよろしいんですか。

○千野係長 そうですね。瀬戸内海におきましては、陸域からの流入負荷がどんどん総量削減によって減少してございまして、底質に蓄積されたそれらの栄養塩が今後改善される方向に進んでいるということが、第7次水質総量削減の在り方(答申)の中に記載がございます。

○松田委員長 ありがとうございました。多分、今のところは非常にマクロ的にというか大ざっぱに言えば、水質と底質は相互作用があるので、お互いに全体としては水がきれいになっていけば底質がきれいになっていく、あるいは水が汚れていけば底質が汚れてくるということがありますが、ただ、変動のメカニズムが違いますので、例えば急に流入負荷を止めたとしても底質からまだ出てくるとか、かなり時間的なずれができたりするということは大いにあると思いますけれども。
 ありがとうございました。そのほかいかがでしょうか。よろしいですか。
 じゃ、今の点は次の議題でもこの文案に関わってきますので、そこでまたさらにありましたら、つけ加えていただくということにいたします。
 それでは、議題の2でございますけれども、本日の中心的な課題ということで、委員会報告(案)について、ぜひ活発なご意見、ご議論をいただければと思います。
 それでは、この素案について事務局からご説明いただけますでしょうか。

○富坂閉鎖性海域対策室長 それでは、瀬戸内海における今後の目指すべき将来像と環境保全・再生の在り方についてということで、資料2−1に委員会報告の素案を準備してございます。また、この参考資料という形でまだ暫定版というふうにつけてございますけれども、資料2−2につけてございます。また、資料2−3が、冒頭紹介いたしましたように、この委員会報告の概要ということで、現時点のもので準備しているものでございます。また、参考資料2ということで、前回の委員会資料、こちらのまず1枚目が骨子案ということで目次の部分を出しております。その後ろに、前々回ご議論いただきました豊かな瀬戸内海とは何かという部分の議論、それからさらにその後ろに基本的考え方、またその取組ということでつけてございます。今回の資料2−1につきましては、この参考資料に前回までご議論いただきました文案を適宜構成を変更しまして作成したものでございます。順次ご説明をさせていただきます。
 まず、資料2−1を1枚開いていただいて、目次というところでご確認ください。概ね前回お示ししました骨子案に沿った形で整理をさせていただいております。変更点についてご説明いたします。
 まず、現状と課題につきましては、環境の変遷と課題ということで、「底質」の部分を「底質・海底」にしたり、「沿岸生態系」と言っておったのを、これを直接的に「藻場・干潟・塩性湿地等」というような表現としております。また、新たな課題ということで、生物多様性、海水温上昇の影響というような形で整理しております。
 また、4節、環境政策をめぐる新たな流れということで、環境基本計画でございますとか生物多様性国家戦略、これはその時点時点で多少構成が異なってまいりますので、第四次環境基本計画、また生物多様性国家戦略2010といったような形で、時点がわかるように整理をしております。
 続きまして、瀬戸内海における目指すべき将来像については、前回とほぼ同様の構成としております。
 環境保全・再生の在り方の基本的な考え方でございますが、前回は7つの基本的な考え方ということで整理しておりましたけれども、今回は4つの基本的な考え方及び共通的事項としまして2つの項目というような形で構成をさせていただいております。あわせまして、第4章の重点的な取組につきましても、この3章の1から4までの基本的な考え方に対応しまして、1から4まで整理をしております。それ以外の項目につきましては、その他環境保全・再生のための重要な取組ということで、節を分けて整理をさせていただいております。
 3節、環境保全・再生の推進方策でございますけれども、前回8つございましたけれども、このうちの広域的な連携の強化あるいは情報発信、広報の充実といったようなところを、4のより幅広い主体の参画・協働の推進、国内外への情報発信の充実というような形で整理をさせていただいております。
 最後に、「豊かな瀬戸内海」のイメージと3つの価値との関係ということで、表を整理しております。後ほどご説明をさせていただきます。
 それでは、続きまして1ページをお開きください。第1章、現状と課題ということでございます。こちらにつきましては、前回までの資料、参考資料2に入れてございます中から、現状の認識、データの部分といったものを抜き出して整理をさせていただいております。
 第1節、瀬戸内海の特徴としまして、これまでの「庭」、「畑」、「道」に例えられる機能ということで整理をいたしております。例えば26行目辺り、年間単位面積当たりの海面漁業生産量ということで、図1ということで示してございますけれども、こちらの図表番号につきましては、資料2−2でまとめて整理をしてございます。必要に応じてご参照ください。
 続きまして、2ページでございます。これまでの環境保全施策の経緯ということでございまして、瀬戸内海環境保全特別措置法、また基本計画、これらに基づく施策が行われてきたというような形、それから過去の開発等に伴って蓄積された環境への負荷や新たな環境問題への対応など、取り組むべき課題というものを指摘しておるところでございます。
 3節、環境の変遷と課題ということでございます。こちらも基本的取組に合わせた形で構成しておりますが、1としまして水質の問題、水質総量削減が6次にわたり行われてきた結果、環境基準達成率が改善傾向にあること、一方、瀬戸内海の窒素濃度について既に外海に面する海岸と同程度に低い水準となっているようなこと、赤潮の発生状況、また湾・灘ごとの水質の状況ということを示しておりまして、総体の評価としまして、水質については一定の改善が見られた一方で、赤潮や貧酸素水塊の発生や栄養塩不足等によるノリ養殖への影響など、海域ごとや季節ごとの課題が残されているとしております。
 2としましては、底質・海底ということでございます。底質につきましては、先ほど少しご説明をさせていただきましたが、平成13年、17年等の調査結果とその10年前のデータを比較しまして、すべての湾・灘で一応改善の傾向が見られているということ、一方で、ダムや河口堰が流域に建設されてきており、河川改修や取水量の増加も相まって、土砂量、粒径の大きな懸濁物の供給量の減少といったものが見られているということ、また海砂利採取について、昭和50年度には全国採取量の82%が行われていたということから、近年では、コンクリート骨材等に使用する目的のための海砂利採取が減少傾向にあるということ、一方で、長年の海砂利採取により砂堆、砂洲が消失してきており、貧酸素化しやすく、生物が生息しにくい環境となっているということ、底質中のダイオキシンあるいは一部の重金属の濃度が、河口や沿岸部など人為的な影響を受けやすい場所で相対的に高濃度となっている等々、全体の評価としまして、底質環境の悪化や海底の改変に一定の歯止めがかかったものの、長年の陸域からの汚濁物質の流入により、湾奥など停滞性の海域の底泥に栄養塩が蓄積され、それが長期間にわたり溶出することによって、水質改善の阻害や貧酸素水塊の発生の一因となっているとしております。
 3は、藻場・干潟・塩性湿地等ということでございます。沿岸域、陸域と海域の中間に位置するということで、水質浄化と物質循環の機能を有しているということ、場としましては藻場・干潟、それから汽水域の河口にヨシ原が繁茂する塩性湿地が発達しているということでございます。干潟については、1970年代後半から80年代後半の間に約800ヘクタールが消失しているということ、一方で、藻場・干潟等の再生の取組が進んでいることにより、1990年代後半から約200ヘクタールが増加しているということ、また広島県宮島におきまして、ミヤジマトンボの生息地であることが評価され、ラムサール条約湿地への登録が現在予定されているという状況でございます。それから、埋立により改変されてきたという一方で、開発後、手つかずになり、未利用の土地が存在しているというような指摘もさせていただいております。
 4は、景観でございます。自然景観としまして、内海多島海景観でございますとか白砂青松の景観、また歴史的な文化財や町並み、コンビナートや養殖の景観といったようなものが一体となって形成されているという特徴があるということでございます。それから、自然景観についても、開発等に伴い減少している一方で、瀬戸内海の代表的景観である白砂青松については、海岸清掃がなされている箇所など、そこで活動している人や団体といったものがあったりなかったりということ、それから漂着ごみについてもこちらで指摘をさせていただいております。
 新たな課題としまして、2点を挙げてございます。
 1つ目は、生物多様性ということでございます。生物多様性につきまして、瀬戸内海で約800種類の植物と3,400種類の動物の生息が報告されているということ、しかしながら、数少ない長期的な観測がなされた呉市における経年変化ということで、昭和35年から平成2年にかけて種類数が減少したが、それ以降回復の傾向が見られているということ、海砂利等の採取に伴う砂堆の消失よりイカナゴ資源の減少を招いたこと、あるいはそれに加えて、冬鳥のなどの減少といったような種々の影響が生じているということを指摘しております。
 もう一点、海水温上昇の影響ということで、昭和56年と比較して、現在では年平均水温が約1度上昇しているといったことで、ここに挙げておりますような熱帯・亜熱帯性の魚類が頻繁に出現するようになったとか、秋季には死滅していたミズクラゲに越冬するものが存在するようになってきたと、こういったような指摘がございます。
 4節としまして、環境政策をめぐる新たな流れといったことで、前回もご紹介いたしましたが、第四次環境基本計画、それから生物多様性に関して国家戦略2010、海洋生物多様性戦略、海洋に関する総合的な取組としまして、海洋基本計画、それから海の再生に向けた総合的な取組ということで、都市再生プロジェクトでございますとか大阪湾再生推進会議、全国海の再生プロジェクト、こちらのほうにまとめて記載をさせていただいております。
 続きまして、10ページをお開きください。第2章、瀬戸内海における今後の目指すべき将来像というものでございます。前回までの議論では、現状と今後の将来像ということでまとめて記載しておりましたけれども、今回、将来像という形で端的にイメージができるように記述をさせていただいております。こちらについては全部読み上げさせていただきたいと思います。
 第1節、今後の目指すべき「豊かな瀬戸内海」。瀬戸内海が持つ「庭」・「畑」・「道」の多面的価値・機能が最大限に発揮され、人々やそこに生息する生物が、今後も豊かな生態系サービス(海の恵み)の恩恵を享受できるよう、「豊かな瀬戸内海」を実現していくことが今後の目指すべき将来像であると考えられる。
 2節、「豊かな瀬戸内海」のイメージ。ここで、「庭」・「畑」・「道」の3つの価値を高めて実現された「豊かな瀬戸内海」のイメージを、「美しい海」、「多様な生物が生息できる海」、「賑わいのある海」と整理し、次に示した。
 1、美しい海。瀬戸内海は保全されるべき公共用水域であり、人の健康を保護し生活環境(生物の生息環境を含む)を保全する上で維持されることが望ましい基準として設定された環境基準の達成・維持を目指し、その水質が良好に保全されている。また、多島海や白砂青松などの自然景観と人々の営みが形成する文化的景観が調和しており、瀬戸内海独自の景観が、人と自然とが共生した良好な関係を保ちつつ、その保全と利用が図られている。
 2、多様な生物が生息できる海。瀬戸内海における生態系サービス(海の恵み)が持続的に利用可能であるよう、その生態系の健全な構造と機能を支える生物多様性が保全されている。特に、貴重な漁業資源の宝庫として、水産業を通じた国民への食糧の安定供給の観点から、多様な魚介類が豊富にかつ持続して獲れるなど、生物生産性が高い状態に維持されている。
 また、これら多様な生物が生息するためには、その基盤として、藻場や干潟といった生物の生息の場が偏在することなく、健全に確保されている。
 3、賑わいの海。瀬戸内海では古くから沿岸の各地域を要衝とした海上交通が盛んで、地域間で活発な交流がなされ、水産・海運をはじめとした海洋関連産業が振興されてきたなど、独自の文化が築き上げられてきた。
 今後も、こうした特徴ある地域資源を活かして、海との関わりの中で、地域が活性化されている。
 また、3節としまして、海域に応じた「豊かな海」ということで、湾・灘ごとの規模、あるいは必要に応じて沿岸・沖合などのさらに小さい規模において、海域の特性に応じたきめ細やかな対応が必要であるということを指摘しております。
 大阪湾につきましては、第7次の水質総量削減制度において引き続き総量負荷削減の方向性が示されておりますが、湾奥では汚濁負荷が多く、貧酸素水塊の発生が問題となっている一方で、湾の南部や西部では冬に養殖ノリの色落ちが発生するなど、同一の湾内でも海域によって異なる問題が生じているといったようなことがございます。こういったことから、湾・灘よりもさらに細かいスケールでの地域特性や季節性を考慮した検討が必要であるとしております。
 最終ページ、24ページにこの海域に応じた「豊かな海」のイメージというものを示しております。
 今、基本的な考え方で3点示しました「美しい海」、「多様な生物が生息できる海」、「賑わいのある海」ということと、瀬戸内海の価値である「庭」・「畑」・「道」という形で、それぞれ整理をしております。それぞれ「美しい海」と「庭」の関係あるいは「畑」の関係ということで、水質、底質が良好であり、赤潮・青潮の発生が抑制されているということがございますし、さらに「道」の価値までも含めて、自然景観と文化的景観が良好に調和していると。このような整理をさせていただいております。
 戻っていただきまして12ページ、第3章の環境保全・再生の在り方ということでございます。こちらにつきましても、それぞれ記述を整理させていただきまして、今後行うべき事項、その基本的な考え方について整理をさせていただいております。
 まず、きめ細やかな水質管理ということでございまして、生物にとって良好な生息環境の保全・再生の観点からの水質管理の考え方を、従来の水質保全の考え方に加えることが必要であるということ。
 すなわち、下層DO等を含め、環境基準の達成・維持を図りつつ、環境基準を達成している海域については、生物多様性・生産性を確保するための栄養塩について、その濃度レベルの設定と適切な維持及び円滑な物質循環を確保するための水質管理を図ることが必要であると。
 また、こうした水質管理に当たっては、湾・灘ごと、季節ごとの状況に応じて対応することが重要であるとしております。
 2点目、底質環境の改善でございますが、湾奥等の海底に、これまでの汚濁物質が堆積、蓄積されているということが、水質の改善を阻み、貧酸素水塊の発生の一因となっていることから、負荷量削減の取組と組み合わせてこの底質環境の改善を図っていくことが必要であると。また、土砂の供給量につきまして、現存する土砂の堆積量を勘案しつつ、管理方策を検討するといったことにも着目すべきであるとしております。
 また、深掘りの土砂採取などにより窪地となっている箇所について、この対策が必要であるとしております。
 3点目、沿岸域における良好な環境の保全・再生・創出としまして、藻場、干潟、砂浜など、水質浄化、物質循環の機能が発揮されている。また、多様な生物が生息・生育する場という観点から、これらを保全、失われたものの再生、新たに創出する取組について、さらなる推進を図ることが必要であるとしております。
 特にとしまして、貧酸素水塊の発生抑制対策としまして、陸域からの負荷量削減の取組、また、埋立などにより失われた干潟・砂浜の浅海域の再生・創出が重要であるとしております。
 また、陸域と海域の中間に位置する汽水域・塩性湿地につきましては、その特殊な環境により固有な生物が生息することにも着目することが重要であること、河川からの土砂供給といったものについて、その供給量や粒径等にも着目すべきであるということを指摘しております。
 なお、こうした取組の際に、自然が自ら持つ回復力を発揮できるよう、かつてその海域に存在していた環境を念頭に置いて実施することといったことを指摘させていただいております。
 4番、自然景観及び文化的景観の保全としまして、景観評価の多様化、自然と人との関わりの景観の評価の高まりといったことから、瀬戸内海独自の自然と人の生活・生業や賑わいが調和した景観を保全するということについて、さらに推進する必要があるとしております。
 その際に、海から見た景観でございますとか、地域住民にとっての住みやすさ、訪問客による賑わいと、こういったものの両立に留意すべきだとしております。
 5番としまして、共通的事項ということで整理しております。2点ございます。
 1点目が、地域における里海づくりとしまして、里海づくりの手法を導入することが豊かな海として保全・再生することには非常に重要であること、また、取組に当たっては、漁村単位といった比較的小さい規模において幅広い主体が地域の状況に応じたあるべき姿を共有し、本来の生態系の持つ回復力や水質浄化機能に適切に対応しながら、積極的に手を加えず見守ることも含め、必要に応じて人の手を加えるなど、適切に管理することが重要であるとしております。
 その際としまして、森・里・川・海のつながりでございますとか、生態系ネットワークの形成を念頭に置いて、下流域から上流域における活動を含めた取組を推進することが重要としております。
 2点目が科学的データの蓄積及び順応的管理のプロセスの導入でございます。
 科学的な知見が十分に得られていない場合には、まず第一に、その裏付けのデータを蓄積することが重要であること、一方で、環境条件の変化に対する生態系の応答は時間がかかると、また不確実性を伴うということがございますので、ある程度の蓋然性が見えた段階で、データの蓄積と並行しながら、人為的に管理し得る範囲において対策を実施し、モニタリングによる検証と対策の変更を加えていくという順応的管理の考え方に基づく取組を推進することが必要であるとしております。
 15ページでございます。第4章、今後の環境保全・再生施策の展開としまして整理をしております。こちらについても項目の記述の見直しを行っております。
 まず、1番、きめ細やかな水質管理としまして、全体で3点を挙げてございます。
 1つ目が新たな環境基準項目への対応ということで、生物多様性・生物生産性の確保の観点から、現在、環境基準項目として追加が検討されている下層DO、透明度について、必要となる事項ですとか、水質改善対策について検討することが必要としております。
 2点目、栄養塩濃度レベルと生物多様性・生産性との関係に係る科学的知見の集積ということでございます。特に、植物による一次生産に不可欠な溶存態の無機窒素・無機リンと、こういったものと生物多様性・生産性との関係についての調査・研究と科学的知見の集積についてでございます。
 3点目、栄養塩濃度レベルの管理としまして、現在、環境基準を達成・維持している海域において、環境基準値の範囲内において栄養塩濃度レベルを管理するための新たな手法を開発しつつ、例えばとしまして、下水処理場における環境への負荷量管理などの事例を積み重ねていく必要があるとしております。
 その際、汚濁物質の濃度レベル、赤潮の被害件数、貧酸素水塊の発生状況など、湾・灘ごとの状況ですとか、年間の変動、貧酸素水塊の発生時期、これらのものを十分に把握し、検討することが必要であること、また、現在の排水規制ですとか総量規制などの制度面の課題、それから排水処理施設の運転調整や維持管理などの技術面の課題、こういったものからその実行可能性を十分検討する必要があるとしております。
 さらに、陸域からの汚濁負荷量に加え、大気や外海、底泥からの溶出を含む栄養塩の供給量の変化といったものがございますので、今後の人口減少や経済活動の動向を踏まえつつ、将来予測を行った上で検討していく必要があるとしております。
 2点目、底質環境の改善でございます。
 1番目の新たな環境基準項目への対応は、水質の改善と同様でございます。
 2点目、底質改善対策・窪地対策の推進としまして、夏季の貧酸素水塊の発生により、あるいは生物の生息・生育の場が大きく失われたということによって、生物多様性・生産性に大きな影響が見られているということがございます。こういったものの改善が必要な海域の底質について、浚渫、覆砂、敷砂などによる対策の推進でございますとか、ダム・河口堰からの放水・排砂の弾力的な運用といったものの検討を進めることが必要であるとしております。
 また、深掘りの土砂採取跡などの窪地に対する貧酸素水塊の発生抑制対策としまして、埋め戻しについて、その影響でございますとか、改善効果といったものを把握・評価した上で、優先的に対策が必要な場所において取組を進める必要があること、航路等の浚渫が行われた場合の発生した浚渫土などを有効活用する取組といったものの必要性を指摘しております。
 3点目、沿岸域における良好な環境の保全・再生・創出としまして、1つ目、藻場・干潟・砂浜・塩性湿地等の保全・再生・創出でございます。これらの藻場造成でございますとか、航路浚渫の土砂等を活用した干潟造成といったようなものについて、保全・再生・創出する取組をさらに推進すること、また、特に藻場・干潟について、国立・国定公園などの制度においてそのほとんどが規制の緩やかな普通地域となっているということがございますので、公園内で特に重要な海域を海域公園地区として指定して、保全措置を強化するといったことが必要であるとしております。
 2点目、海砂利採取や海面埋立の厳格な規制及び代償措置としまして、現行では、海砂利採取や海面埋立は原則禁止としております。この厳格な運用を実施するとともに、やむを得ず埋立が認められた場合の代償措置につきまして、検討を行っていくことを指摘しております。
 3点目、未利用地の活用ということで、現在利用されていない埋立地や塩田跡地などの未利用地につきまして、景観や生物多様性の保全に配慮しつつ、利用目的の見直しですとか一時的な利用、新たな埋立計画地の代替地としての活用などについて指摘をしております。
 4点目、自然景観及び文化的景観の保全でございます。
 瀬戸内海に特有な景観の保全としまして、瀬戸内海を特徴づける多島美、白砂青松、また藻場・干潟等の自然景観について、保護地域の指定などによって、現在残されている良好な場所を保全し維持管理することが重要であること、また、自然景観と人の生活・生業が調和した特有の景観については、この重要な場所をリストアップし、保全方策を検討していくこととしております。
 2点目、エコツーリズムの推進としまして、瀬戸内海に特有な景観を活用して、都市住民を含む市民が海や自然の保護に配慮しつつ、自然などとふれあっていくことと、こういったエコツーリズムを推進することが必要であるということ、また、独自の景観を残している島嶼部をはじめとしまして、地域が持つ特有の魅力を再評価する、また、地域の活性化にもつながるように工夫することとしております。
 3点目、海とのふれあいの創出としまして、人々が海に近づきにくくなった場所において、海水浴、潮干狩りの場としての造成ですとか、水際線へのアクセスが可能な親水性護岸の採用といったようなものをしていくことが必要であるとしております。
 2節としまして、その他瀬戸内海の環境保全・再生のための重要な取組ということで、別途整理をしております。
 1点目が気候変動への適用としまして、海水温の上昇等への長期的な視点での対応方策の検討。
 また、2点目としまして、海洋ごみ対策ということで、海洋ごみが生物の生息・生育を阻害していることについての対応。漂着ごみにつきましては、発生抑制対策ですとか回収・処理対策の強化、漂流ごみ、海底ごみにつきましては、自治体、漁業関係者等の協働により回収処理を進める体制の構築などを指摘しております。
 3点目、持続可能な水産資源管理の推進ということで、水産サイドで行われておりますが、生物多様性の保全の観点からも重要でございますので、科学的知見に基づき関係者が一体となって有効な措置を検討し、取組内容の見直しを行うための仕組みの構築が必要であると。また、遊漁による採捕量が漁業による漁獲量に匹敵する水準が一部でございますので、そういった遊漁者の理解を深めていくことも重要であるとしております。
 4点目、沿岸防災と環境保全の調和としまして、沿岸域につきましては、自然災害が発生する地域でもあるということから、流域一体での合意形成に基づき、環境保全と調和した防災・減災を進めていく必要があるとしております。例えばということで、防潮林の造成ですとか、護岸整備の際の緩傾斜護岸などの採用の検討といったことを指摘しております。
 3節としまして、環境保全・再生の推進方策としております。
 1番目、瀬戸内海環境保全基本計画等の見直しとしております。現在、瀬戸内法に基づく瀬戸内海の環境保全のマスタープランでございます瀬戸内海環境保全基本計画につきまして、本報告を受けて反映させるための見直しの検討を行うべきであるとしております。最後、さらにということで、本報告で指摘した検討事項の結果を踏まえ、必要に応じて現行の法制度の点検及び見直しを行うべきであるとしております。
 2点目、評価指標の設定ということで、こういった設定する目標につきまして、わかりやすい指標を用いるべきであるということでしております。下に例示として指標の例を挙げておりますが、こういったものを使っていくときに、知見が不十分な状況にあること、数値化しにくい要素も多いといったことがございますので、知見の集積に伴って、随時これらを見直すとともに、可能な限り定量化を図っていくべきと、このようにしております。こちらについてはご議論いただければと思います。
 続きまして、3番目、役割の明確化としておりまして、環境保全・再生の取組につきまして、市民、漁業者、企業、市民団体、行政などの幅広い主体によって実施されてきたということがございますので、今後もこれらの取組を推進すること、各主体の役割を明らかにすることが重要であるとしております。
 4点目、より幅広い主体の参画・協働の促進としまして、このより幅広い主体の参画・協働を得るために、国内外からより多くの人々が瀬戸内海に訪れ、体験できるよう、海岸へのアクセスを確保し、海と触れ合う機会を増やすことが重要であるとしております。また、例えばとしまして、生物多様性保全の取組が生産性の高い豊かな漁場の実現につながるものであるといったような共通理解を持つなどが重要であるとしております。地元で活動している漁業者などの取組の支援でございますとか、湾・灘ごとのきめ細やかな取組が推進されるような連携・調整といったものが重要であるとしております。
 5番目、国内外への情報発信としまして、現在持っている瀬戸内海の価値、現状、課題、調査・研究などの結果についての情報発信の充実、また、食、文化、レクリエーションを通じた普及啓発活動、市民の環境に対する認識の確認等々の正しい理解の共有を図ることが重要であるとしております。さらにとしまして、瀬戸内海における公害克服、環境保全の経験を活かした諸外国への情報発信といったものも指摘しております。
 6番目、環境教育・学習の推進としまして、干潟等を積極的に活用した体験型環境教育・学習といったもの、また、これらの担い手となる人材の育成ということについて指摘しております。
 最後に、調査・研究、技術開発の促進としまして、調査・研究の重要性、正確なモニタリングの必要性、また技術開発、取組の体制というような形で整理をしております。
 最後に、資料2−3としまして、今述べました資料2−1の内容につきまして、章立てで整理をさせていただいております。こちらにつきましては、また本日の議論等を踏まえまして、さらにブラッシュアップさせていただきたいと思います。
 説明は以上でございます。

○松田委員長 説明、どうもありがとうございました。
 ただいまの説明に対してこれから十分時間をとって議論を進めていきたいと思います。大体40分ぐらいは可能です。それから、どのような意見をいただいても結構なんですが、便宜的にまず初めに全体的といいますか、章立てとかあるいは構成といいますか論旨の展開などついてご意見のある人がいらっしゃいましたらご意見いただいて、それからあと、順番に第1章、第2章という形でいきたいと思いますが、よろしいでしょうか。
  もしなければ、章の順番に行って、また最後に全体を通して総括的な問題についてご議論いただきたいと思います。
 それでは、第1章が現状と課題ということで、現状と課題の認識についてお気づきの点ですとかご議論ございますでしょうか。
 どうぞ。

○柳委員 4ページの真ん中の表1ですが、資料2−2、15ページの表1を見たら、これは大分県だけ平成20、21年と海砂利がとられていて、それは航路浚渫と書いてあるんですが、実際は関門海峡も備讃瀬戸もとっていますよね。これ多分、大分県の事業でとっているのが入っているんだと思うんですけれども、備讃瀬戸とか関門が国交省の事業だと思うんですけれども、変なんじゃないですか、これ。これだけ見たら、大分県だけ航路浚渫しているって、ほかの県というか、瀬戸内海のほかのところで全然やっていないようなことになるでしょう。

○松田委員長 これは、この出典が第8回の瀬戸内部会資料となっていますが、何かそのことについて今の時点でわかることありますか。

○千野係長 今のご指摘については確認させていただきます。なお、このデータは環境省調べで、各自治体に調査をかけたところ上がってきたものでございます。

○松田委員長 ありがとうございました。

○柳委員 すみません。だから、言いたいのは、環境の面としては、とっている場所も書いておかないとおかしいんじゃないかということで、大分県だけということは絶対あり得ない。

○松田委員長 足利さん、何かご存じですか、大分県の事情とか。

○足利委員 恐らくこれは浚渫、土砂の話だけが数字として出てきていて、これは中津の港湾のデータだけという気がします。

○松田委員長 航路浚渫に伴う海砂利採取ってちょっと微妙ですね、表現も。

○足利委員 ええ。航路浚渫の中で当然、海砂利を出している分は数値としてはっきり出ているので、恐らく大分県で出してきているんだと思うんですけれども。航路浚渫のものまで海砂利採取とするとしたら、ほかの府県もあるのではないかと思われます。

○松田委員長 多分、いわゆる作業のカテゴリーとして、海砂利採取として申請してとるみたいな採取と、それから航路浚渫でとったものを一種の、粒径が大きいので、海砂利として利用するという話がもしかすると行政的に少し違うかもしれないですよね。

○千野係長 確認させていただきます。

○松田委員長 多分、瀬戸内海でも、認可を受けて行われている海砂利採取の統計と、それからそうではなくて、ヘドロみたいなところをとって埋め立てしているのは、多分別扱いになっているんだと思うんですけれどもね。報告案の中でも浚渫の話と海砂利採取のところが関係しているところがあるかと思いますので、確認するということにしたいと思います。ありがとうございました。
 そのほかいかがでしょうか。はいどうぞ。

○中瀬委員 6ページの生物多様性の記載なんですけれども、この記載に関してはこれでいいと思うんですが、今回の生物多様性の記載が種だけの記載になっているんですよ。後のほうで藻場とか干潟とか、これは群落の記載ですね。だから、遺伝子と種と群落の話をどこかで最初少し書いておかれて、今わかっている種の話を徹底的に展開するというふうなことに。何かちょうどこの5の新たな課題の(1)の生物多様性辺りの文章の最後ぐらいで、うまくそういうことを書くと良いと思うんです。
 先ほどの説明をお聞きしながら、陸域の植物の群落とか種とか遺伝子の話はよくお聞きして知っているんですけれども、海域の種も難しいんです。大阪湾の尼崎で海浜植生を植えようとしたときに、どこからとってきたら良いかが議論になるんですね。それぐらい陸域の遺伝資源の話があるのに、海域となるとどうもかなり難しいと思いましてね。だから、今、現実に即できないかもしれませんけれども、どこかで書いておいた方がいいと思います。うろうろする魚もいますし、じっとしているのもいますのでね。

○松田委員長 大変重要なサジェスションをありがとうございます。海のほうでも、例えばアマモの移植なんかのときに、いろんなところから勝手に持ってくると遺伝的なかく乱が起きるので、それは注意しましょうということにもなっておりますので。それから、生物多様性条約でも、生物多様性というのは、今、先生がおっしゃったとおり、遺伝子と種と生態系全体の多様性がありますので、今のご発言の趣旨を生かす形で反映していただくということで、いいですか。

○中瀬委員 16ページの下から3行目に、それが書いてあるんですが、ここら辺も今、先生が言われたとおりの何かうまい書き方を。

○松田委員長 ありがとうございました。
 そのほかいかがでしょうか。どうぞ。

○足利委員 1つは、3ページの22行目のところで、「赤潮や貧酸素水塊の発生が報告されるのは主に夏であり、栄養塩不足等の要因によりノリの色落ちが発生するのは秋から春であるなど、海域や季節によって水質を取り巻く環境や問題が異なっている」という表記のところで、恐らくノリは秋から春しか作業しないので、この時期だけが栄養塩不足なのかと言われると、ちょっと違う気がするんですね。こう書くと、夏は貧酸素水塊とか赤潮の問題があって、冬は栄養塩不足の問題があるみたいに受け取られがちなので、ちょっと違うのかなというのと。
 もう一つは、第3節で環境の変遷と課題というところで、水質とか底質で、資料集のほうを見ると、瀬戸内海というのは全体的に水質も底質もよくなってきていますよという資料が大変多いんですけれども、でも、現実には漁獲高はどんどん減っていて、漁師さんたちから見るともう死活問題なくらい、アサリもとれない、魚もとれないという状況があって、そういう資料というのは全くこの中にないんですね。昔の、例えば海域で、瀬戸内海は地中海の何倍も漁獲があるというデータが一番頭のところにあるんですけれども、これはかなり昔の1970年代と80年代の状況で、現在の漁獲量とか生産高というのはかなり落ちているはずで、環境がよくなっているのに漁業がよくならないというところが多分この一番の問題の根本のところで、それがこの資料だとちょっと不十分なのかなという感じがします。

○松田委員長 ありがとうございます。多分、最後におっしゃられた、環境がよくなっているのにというところは、もう少し正確に言うと、多分、水質がよくなっているのにということだと。そういう理解でいいですか。

○足利委員 はい。

○松田委員長 ありがとうございます。2つご指摘いただいたんですが、1つは、3ページ目の貧酸素水塊とノリの色落ちの話。要するに、これまでの議論や現地ヒアリングなんかで、ノリの色落ちに対する栄養塩不足というのが相当強く主張されたのに対して、少し一般的な夏場での基礎的な栄養塩のレベルの話はそれほど強くなくて、そこのところが十分ある意味書き込まれていないかもしれません。さっきの話で、栄養塩が低ければいいんじゃなくて、適切な濃度管理が必要ということですかね。
 ではそのようにつなげてください。

○柳委員 足利さんが言うのはわかるんだけれども、問題としてはこうなんですよね。夏に栄養塩が不足しても、問題は起こらない。環境問題として起こるのは、冬の栄養塩が減ることが問題で、それはもちろん夏の間に底層にどのぐらい蓄えられているかというのがきいているという。それが少ないから、播磨灘で冬に減るとかいうのがある。だから、1年中続いて起こっているんだけれども、栄養塩の問題というのは。社会問題としては冬にしか起こらない。赤潮も冬にリゾソレレニアとかそれからヘテロカプサって起こっているわけでしょう。ただ、赤潮で目立つのは夏のやつだから、冬の赤潮は別でしょう。これは社会問題になっています。

○森川委員 そういう趣旨で、ひっくり返されたらどうですかね、表現を。秋から春にはそういう問題が発生する、夏場にはこういった問題が発生するというふうに書かれたら、それで問題が解決するから。

○松田委員長 いや、それでは足利さんの議論は解けないですよね。足利さんは、今おっしゃっているのは、物すごく単純化しちゃうと、夏場にも基礎的栄養塩の不足で生産が落ちているんじゃないかということをおっしゃりたいんですか。

○足利委員 要するに、漁業とかの社会的・経済的な問題としての栄養塩とか貧酸素水塊の問題と、環境要素としての問題の2つの問題があって、両方が何となく混じっているなという、どっちつかずかなという感じがするんですね。

○松田委員長 これはちょっと置いておいていいですか。今日中に議論しますので。もう一つの指摘についてですが、1つは多分、統計的な経年変化の資料は、ルールで決められた基準点のデータだけに基づいているので、それよりも例えばごく局所的な問題とか、非常に岸寄りの湾の奥の問題とかは、その観測点のデータではカバーできない部分がありますから、そういうことは当然起きるんだと思うんですよね。だから、ここで経年的なデータとして見ているものには、これですべてわかっているわけじゃなくて、ある限界があるということを、やっぱりこれをまとめる人も多少認識しなくてはいけないということだとは思うんです。

○森川委員 漁獲量が減っているデータとか貝がとれなくなっている、漁獲量としてのデータはたくさん水産のほうであると思います。知事・市長会議からの発表資料でもトータル窒素の経年変化と漁獲生産量を出していますので、どこか入れていただければいいと。

○松田委員長 では、必ずしもメカニズムが十分にわかっていないので、現象としては栄養塩のレベルとそういった生産量のレベルが平行しているのはある。ただし、それが科学的にもすぐ1対1で対応しているかどうかは、今のところかなり疑問があるわけですけれども、そういうことが起きているというのをデータで示すのは、いいんじゃないかなという気がします。じゃ、そういうことで検討することでいいですか。

○足利委員 はい。お願いします。

○松田委員長 ありがとうございました。

○柳委員 ちょっとすみません。

○松田委員長 どうぞ。

○柳委員 念を押していいですか。足利さんが言っているのは、水産関係のデータは図1しかなくて、これは1980年のデータなんですよね。これは今半分になっているわけだから、それをちゃんと書いてくれないと、この背景として水産業がみんな困っているというのが環境省が認識していないんじゃないかって言いたいんでしょう。

○足利委員 結局、ヒアリングとかをしても、やっぱり現場の漁業者の方たちというのは、水はきれいになったけれども、ちっとも魚がとれないじゃないかというのをすごいおっしゃっていて。

○松田委員長 それはここもほぼ同じ認識なので。

○足利委員 そのメカニズムはわからないけれども、それを何とかみんなで解決しようよというのが恐らくここの一番メーンなのかなという気がするんです。

○松田委員長 はい。ありがとうございます。それで、だから、瀬戸内海のよく出てくるこの世界との比較は、この報告でも80年代と書いてあるので、うそじゃないんですけれども、今はそうじゃないということも踏まえてということですよね。それでいいですか。

○足利委員 はい。

○松田委員長 ありがとうございました。
 そのほかにいかがでしょう。西田先生、どうぞ。

○西田委員 今の貧酸素水塊の話のところですが、例えば3ページのところにも貧酸素水塊という言葉がありまして、4ページの下のほうにも貧酸素水塊の発生の一因という言葉があります。たしか以前は青潮という言葉も記述されていたと思いますが、今回これを見ると、指標のところに青潮の発生というのが一言入っているだけで、この本文の中には青潮という言葉が入っていないようですが。以前入っていたのを削ったのは、青潮は大阪湾の湾奥で発生している話で、瀬戸内海全体の話としてとらえないほうがいいという、そういう認識がおありになったのか。今回青潮という言葉が削除されたのは何か意味があるのでしょうか。

○松田委員長 このまとめ方の中で、全体としては第6次の総量規制あるいは第7次のときでも、大阪湾とそれ以外の瀬戸内海は大分違うという認識なので、瀬戸内海全体とそれから大阪湾とあるいは大阪湾以外とどういうふうに仕分けするかは、結構作業としては重要なテーマなんですが、今の点について何か事務局側からありますか。

○富坂閉鎖性海域対策室長 一応、目に見える現象としての青潮というものと観測結果なりで得られる貧酸素水塊というものと、両方のとらえ方があると思うんですけれども、まず、事務局側から提案させていただきたいのは、やはり酸素が低下していくというところをまず問題視すべきではないかということ。その酸素が低下したことで貧酸素状態であったり、あるいは硫化水素の発生という、目に見える形で出てきているのが青潮ということになりますので、やはりその前段階の貧酸素水塊で問題を直視すべきではないかという提案で、今回このような記述をさせていただいております。

○松田委員長 ありがとうございます。逆に、西田先生としては、もうちょっと青潮というのはある意味ではショッキングというか、一般にもわかりやすい現象なので、強調したほうがいいとか、そういうようなご意見ですか。

○西田委員 そうですね。閉鎖性海域については、赤潮と青潮という言葉で、青潮もやっぱり入ってきます。貧酸素水塊が発達しやすくなって青潮の発生原因ともなるという、貧酸素水塊が青潮を発生させてしまうということもどこかの文言で入れたほうがいいような気がします。

○松田委員長 ちょっとシンボリックに取り上げて、貧酸素水塊、放っておくと青潮につながりますよというような脈絡にした方がよいということですね。

○西田委員 以前はそのように書かれていたと思います。意識的に削除されたのかと。

○松田委員長 では、青潮の記述を復活させるかどうか事務局に再検討してもらいましょう。 そのほか第1章でございますか。はいどうぞ。

○木幡委員 先ほどのところで1ページの地中海云々というのは、これは文が書きかえられるという認識でよろしいですか。というのは、ここにあえて25倍と書く意味がそれほどないように思ったので。特に、地中海って貧栄養のところだし、そこと比較しても何の意味もないということだと思います。だから、何らかの記述の工夫をお願いしたい。
 それから、こんなことをやっぱり今さら言い出すと怒られるのかもしれないんですが、3つ目の「道」としての価値というのが出てくるんだけれども、この後の議論であんまり登場しないんですね。これは、例えば現状と課題、現状認識として「道」としての価値はどうなのかとか、今後それが環境とどう絡んで、どういうふうにしていくのかというのが後で全然出てこないんですが、それはどう考えればいいですかね。例えば、航路とか港湾とかいろいろあると思うんですよね。港湾はどう考えるかとかあると思うんですが、それは、例えばですよね、その後の話で24ページのところを見るとはっきりしていて、「道」の欄に何も書いてないですよね。この辺にも表れているのかなと思うんですが、少し何か整理されたほうがいいような気がするんですけれども。

○松田委員長 ありがとうございました。この「道」としての価値の話は、前回か前々回にも同じようなご意見をいただいたんですよね。それで、ある程度反映されているんだと思いますが、事務局からもう一回お願いします。

○富坂閉鎖性海域対策室長 今、指摘がありました24ページの3つの価値の部分については、例えば美しい海の部分の自然景観と文化的景観が良好に調和しているというのは、これは「庭」、「畑」、「道」すべてに共通する価値であるということで表記しているんですけれども、パッと見ると何も書いてないんじゃないかというご指摘はごもっともですね。ここは工夫をさせていただきたいと思います。
 それから、「道」としての価値の全体の話としては、資料2−3で3章ということで、豊かな海の望ましいイメージとその基本的な考え方、将来像としまして、美しい海、多様な生物が生息できる海、賑わいのある海という3つの観点で整理しているんですが、大体これが「庭」と「畑」と「道」に大体イメージとして重なってくるのかなという感じで整理をしております。そういう意味では、「道」の部分については、賑わいのある海としまして、自然景観、文化的景観の保全ですとか地域における里海づくりと。一部ではございますけれども、こういったところに対応すると考えております。

○松田委員長 ありがとうございました。じゃ、今のご意見に沿って、かなりある意味ではこの表がまだ改善できる。特に賑わいのある海は、何か人の交流や移動が盛んとかいうのも書いていましたよね。ですから、当然ここも「道」と関わってきますので、この辺りは入ってくると思います。
 それから、前段の80年代の中ごろの瀬戸内海の漁獲量の話なんですが、これは多分趣旨としては、今から25年ぐらい前には瀬戸内海の少なくとも漁獲量はほかの世界の閉鎖性海域に比べると非常に単位面積当たり高かったという、一応エビデンスを紹介しているんだと思うんですが、そのときに生物多様性がどうだったかとかいう、豊かさはたぶん量的と質的と両方あると思うんです。そのところは本当ははっきりはわからないわけですよね。

○柳委員 でも、書かなきゃいけないと思いますけれども。瀬戸内海の本来の機能であったやつを。

○松田委員長 生産力をね。

○柳委員 我々はなくしちゃったんだから。

○松田委員長 それはそうです。ですから、少なくとも漁獲量で見た豊かさとすると、漁獲量自身は資源量そのものではないですけれども、少なくとも80年代中ぐらいには世界的に見ても非常に高いレベルがあった。今でもその半分ぐらいですけれども、高いレベルなんですが、減っていると。そういうようなニュアンスで残しておくのはいいですか。

○木幡委員 だから、その25という数字に意味がない。

○松田委員長 わかりました。じゃあ、承りました。
 最後にまた戻ってもらいますので、次は2章はいかがですかね。2章は、瀬戸内海における今後の目指すべき将来像という、少し抽象論的なところですけれども。はいどうぞ。

○中瀬委員 細かい文言ですけれども、10ページの上から6行目の、そこに生息する生物が生態系サービスの恩恵を享受するって、変な日本語ですね。この生態系サービスいう言葉は人間がつくった言葉ですから、人間が享受するための話で、生き物が生態系サービスを受けているなんて思ってないでしょう。だから、そういう意味では、ここは削除されて、「生息する生物がうまく共生している」とかなんか、そういうふうにされたらいいかなと思いました。
 以上です。

○松田委員長 ちょっと文章を改善したほうがいいということですね。ありがとうございました。
 そのほかいかがでしょうか。はいどうぞ。

○木幡委員 全くおっしゃるとおりで、この部分ちょっと変なのと、それから生態系サービスがこの前のページ、8ページにも少し出てくるんですけれども、ひょっとするとそれぞれいろんな使われ方をしてしまうので、コメントで脚注か何かで引用なりここでの使い方なりをしっかり決めといたほうがいいような気がしますが。

○松田委員長 じゃ、これについては前も生態系サービスのうちの一部が強調されているというご意見がありましたよね。じゃ、ちょっとその注なり何かをつけるというふうにご検討いただければと思います。
 そのほかいかがでしょうか。

○西田委員 よろしいですか。

○松田委員長 どうぞ。

○西田委員 11ページの一番上、10ページの一番最後からです。文章として何か抜けているように思うんです。たしか以前は「重要だ」とか書かれていたと思いますが。これら多様な生物が生息するためには云々、健全に確保されていることが重要である。何かちょっと文言が違います。

○西田補佐 以前の資料では、ここのところは、豊かな瀬戸内海の3つの構成要素という表記で、美しい海、生物が生息できる海、賑わいのある海、と表現しておったんですけれども、今回のこの資料では、豊かな瀬戸内海のイメージということで、そういうふうに語尾を変えさせていただいたということでございます。

○松田委員長 でも、この10ページから11ページにかけてのところは、ちょっと日本語の文章としては。

○西田委員 違和感がありますね。

○松田委員長 もう一度事務局でご検討をお願いいたします。ありがとうございます。

○西田委員 続けてもう一つよろしいですか。

○松田委員長 どうぞ。

○西田委員 11ページの下のほう、29行目です。「過去の大規模な埋立により、海水の流動状況が大きく変化したことから」とありますが、やっぱり変化したことは確かなんですけれども、流れ自体は、大阪湾全体としてはそれほど大きく変わっていないんです。湾奥等については埋め立ての影響等でかなり影響を受けているということで、大阪湾の流動として大きく変化というのはちょっとひっかかります。「海水の流動状況が変化したことから、特に湾奥では」というほうが自然かと思います。
 それから、地形も支配的ですけれども、そのほかに流入負荷もいろんな影響があるものですから、ここは「地形的な要因が水質に対して支配的となっている」と断定するのはちょっとまずいような気がします。例えば、「要因が水質に大きな影響を及ぼしている」というのはいいと思いますが、支配的かどうかはちょっと微妙だと思います。

○松田委員長 ありがとうございました。そのほかいかがでしょうか。じゃ、3章へ入ります。どうぞ。

○西田委員 いいですか。12ページの21行目です。湾奥等の海底には、これまでに陸域由来の汚濁物質が堆積し、堆積した栄養塩が長期にわたり溶出。これは私のイメージですと、沿岸河口域については、陸域から入ってきた汚濁負荷なり有機物が堆積しますけれども、沖については内部生産によるプランクトンが堆積しているのがほとんどです。赤潮が発生するなりして、堆積したプランクトンが分解して溶出して、窒素、リンが供給されるというイメージです。ですから、陸域から入ってきたものがずっと堆積して、それが長年にわたってそこから溶出してということとはちょっと違うんですけれども、その辺はいかがでしょうか。

○松田委員長 何か具体的なご提案が。今の時点、すぐには難しいでしょうか。

○柳委員 これ、「流域由来」を取ればいい。

○西田委員 そう思います。

○松田委員長 内部生産のものを含めてということですね。

○西田委員 陸域由来もありますし、ほとんどが海域由来のものですから。

○松田委員長 陸域由来のものを含むというニュアンスになるということですね。

○西田委員 そうですね。

○松田委員長 ここでは真っ正直に読むと、陸域由来のものが中心ということになるこということですね。ありがとうございました。そのほかいかがでしょうか。

○柳委員 いいですか。

○松田委員長 どうぞ。

○柳委員 2点あって、まず今の12ページの一番下、沿岸域における藻場、干潟、砂浜しか書いてないんです。藻場、干潟、砂浜、塩性湿地がセットになっているんですけれども。書き方を統一したほうがいいと思うんです。説明も全部塩性湿地がとなっています。

○松田委員長 ありがとうございました。タイトルにも塩性湿地が入りましたので、今のご提案、よろしいでしょうか。ありがとうございます。

○柳委員 それから、もう一個、13ページの下のこの引用ですけれども、私の論文を引用してもらってうれしいんですが、ここには里海の定義は書いてないんですよね、この論文には。里海という言葉は初めて使ったんだけれども、里海がこういう定義にするというのは2006年の「里海論」までやってないので、もしこの文章で使うなら「里海論」のほうを引用してください。

○松田委員長 ありがとうございました。よろしいですね。これが里海という言葉のいわば、学会誌の世界での初めて出たという事例です。
 そのほかいかがでしょうか。はいどうぞ。

○中瀬委員 文言だけですけれども。13ページの15行目、「近年の景観評価の多様化」と、少し行って「景観への評価の高まりから」、この「評価」、「評価」がすごい苦労して書かれたと思うんですが、どうも聞いていて何か違和感があるんです。私ならば、「近年の人々の景観に対する価値観の多様化、自然と人間の関わりへの興味の高まり」ぐらいにされたほうがいいと思います。評価といったら、学者がよいか悪いかと評価しているような感じで聞こえますので、もう少しやわらかく意味を含めて書かれたらと思いました。

○松田委員長 今の、メモされましたか。いいですか。ありがとうございました。
 そのほかいかがでしょうか。

○西田委員 いいですか。

○松田委員長 はいどうぞ。

○西田委員 14ページの一番上ですが、前回どなたかがご指摘されたこととも関係しているのかもしれませんが。「積極的に手を加えず見守ることも含め」という、これは積極的という言葉は必要ですか。積極的な言葉を入れたらどうですかと、たしか前回議論があったかもしれませんけれども。

○柳委員 足利さんが言ったんでしょう。積極的に手を加えないというのもあり得るから、そう書いてほしいって。

○西田委員 文言としてどうでしょうか。

○松田委員長 これはどうですか。「積極的には」のほうがいい。

○足利委員 そうですね。あんまり一生懸命手を加えないで放置しましょうというイメージです。

○松田委員長 それで、「里海論」には、そういったオプションとしては何もしないことも一種の手の加え方であるということが入っているので、このことは入れたほうがいいという前回のご意見でしたね。

○西田委員 積極的に手を加えないという日本語がちょっと。

○足利委員 「積極的には」のほうがいいですね。

○松田委員長 「積極的には」のほうが今の論旨としていいような気がします。

○西田委員 それから、続けてですけれども、その2行下のところです。森・里・川・海はつながっており、ここでは栄養塩類と土砂の話ですけれども、淡水も実は重要な要素になっているので、淡水も入れていただきたいと思います。単に水でもいいですけれども。

○松田委員長 ありがとうございました。淡水は、汽水域も回遊魚の話も関わってくるので。よろしいですよね。ありがとうございます。
 そのほか第3章いかがでしょうか。どうぞ。

○足利委員 ちょっと私の認識不足かもしれないんですけれども、13ページの4行目のところで、特に、貧酸素水塊の発生抑制対策として、陸域からの負荷量削減の取組と干潟とか砂浜の再生・創出が重要であるということで、これは別に貧酸素水塊の発生抑制対策のためではないのかな、何かちょっと違うのかなという気がするんですけれども。

○松田委員長 ここは、この小さい見出しは沿岸域における良好な環境の保全・再生・創出というテーマで、その中でこのパラグラフは貧酸素水塊を取り上げたということですかね。

○柳委員 やるなら、「赤潮・貧酸素水塊など」でしょうね。だって、貧酸素水塊だけをターゲットにしているわけじゃないんだから。

○松田委員長 そうですね。わかりました。この負荷量削減対策、それから浅場の再生策は、別に貧酸素水塊だけに対応しているものではないということを含めてほしいということですね。ありがとうございました。よろしいですよね。
 そのほかいかがでしょうか。
 じゃあ、第4章へ進めさせていただきます。今後の環境保全・再生施策の展開ということで、第1節から。はいどうぞ。じゃ、大塚先生、どうぞ。

○大塚委員 2点ございますけれども、1点は、評価指標についてここに、20ページから21ページに挙げていただいていますけれども、これはかなり第四次環境基本計画にあげられたものと重なっているんじゃないかと思いますが、もしできたら、瀬戸内海特有のものというのも多分あると思うので、その辺の関係についても書いていただいたほうがいいのかなと思いました。

○松田委員長 簡単に言うと、もう既に決まっているものとこれからつけ加えたいものとを整理するということですね。

○大塚委員 はい。

○松田委員長 ありがとうございます。

○大塚委員 それから、やはり20ページの9行目のところですけれども、必要に応じて現行の法制度の点検、見直しという話ですが、現在、これは法制度との関係で改正が必要と考えられているところがどこなのかというのは、これから考えることかもしれませんが、ちょっと議論しておいたほうがいいか、あるいは事務局が何かお考えのものがあれば、ご指摘いただくとありがたいと思いますけれども。あまり法改正になりそうなものは少ないのかなと個人的には考えていますけれども、環境基準の追加とかっていうのはあるのかなと思いましたけれども。これはこれだけでおしまいにするんじゃなくて、多分ここで議論していただいたほうがいいのではないかと思ったところです。
 以上です。

○松田委員長 ありがとうございました。1点目は、少し具体的ないわば作業といいますか、それは可能ですよね。

○大塚委員 はい。

○松田委員長 それから、2番目の点は、この企画委員会としてはちょっと議論したほうがいいといいますか、かなり重要な点ですが、基本計画の見直しと、それから現行の法制度といいますか、現行ルールの見直しみたいなところをどのように扱うか、大体そういうことですか。これについては少し事務局からのまずお考えをご説明していただいて、ご意見いただきたいと思います。

○富坂閉鎖性海域対策室長 事務局として、今念頭に置いておりますのが、15ページ、33行目からでございますけれども、排水規制や総量規制等の制度面、あるいは排水処理施設の運転調整や維持管理等の技術面などから十分に検討することが必要であると言っておりますが、この部分については、場合によっては法制度のほうをどうにかしないとならない部分が出てくるやもしれないというようなことで、予定しております。環境基準については、新しい項目を追加するというようなことについては、現行の法制度の中の枠組みでございますので、とりあえずは予定していないという状況です。

○松田委員長 ただいまのこの説明については何かご意見、ご質問ありますか。はいどうぞ。

○森川委員 法制度でどんなことが想定されるのかというのは、一番最初のヒアリングのときに知事・市長会議のほうから幾つか瀬戸法の許可制度、昭和40年代の後半に組み立てられたものが今まで行われているとか、例えば、です。それをこの報告書に書くということじゃなくて、どういう想定があり得るかということで言えば、瀬戸法の富栄養化の被害の防止の条項がそのまま残っており、目的の中にもそう明確に書かれておりまして、法第12条の4の削減指導方針は平成8年に当時の環境庁から出されたままで、私の認識では瀬戸内海環境保全知事・市長会議の構成府県に確認しましたところ、これは、もう実効性ほとんどないんではないかというようなことがございます。だから、提案として知事・市長会議から出ていたのは、それを物質循環適正化というような形で総合的にいろいろと取組を進めていくべきだとか、そういったふうなことに生かせないかなという提案をしていただいております。
 それから、さらに言えば、森、川、海が連携していると言いながら、一番最初のヒアリングのときに国土交通省の河川局の方から説明の中に、河川区域内の環境についての話はあったけれども、河川が海に及ぼす影響についての施策についてはなかったと。環境基本法に変わったころに、そのころ言葉が適切かどうかわかりませんが、環境の内部化ということで、いろんな法律に環境の保全を取り組むということがなされて、非常にたくさん成果をおさめていただいておるんですけれども、やっぱり河川法は河川の中だけなのかなという、そういう議論もあったと思います。
 いろいろこれだけのことを新しくこういうふうな方向に、再生に持っていくという中で、そういったことを次に結びつけて、私としては、瀬戸内海環境基本計画等の見直しの後に、最後の2行につけ加えるのではなくて、もっとしっかりと法制度の点検、見直しを打ち出していただきたいなと思います。
 それから、環境基準のほうは15ページの、これ、当初の案と順番が逆になっているのかなと思うんですけれども、新たな環境基準項目への対応のDOと透明度は既に議論されている内容です。この委員会で新しく出てきた内容ではなくて、(2)で栄養塩の関係のことについて調査・研究を行い、となっているんですけれども、そういった問題についても環境基準としてはどうするのか。
 それからあと、指標もいっぱい出てくるんですけれども、素案の中ではわかりやすい指標ということで述べられていますけれども、そういったものも環境保全上の目標として取り入れられないかなと。ただ、環境基準そのものが公害対策基本法から環境基本法に変わったときに、環境のエリアは広くなったんですけれども、環境基準だけは大気の汚染、水質の汚濁防止等々の基準ということなので、生物生産性を考えた環境基準の設定に法律上なっていないので、もしそういうのを入れるのであれば、法律の見直しというのも要るのか要らないのか。今の窒素、リンはあくまでも水質汚濁防止の観点からのレベルですね。プランクトンが発生して水が汚くなるよという観点から入れられておるのですけれども、もしこういったものを入れるのであれば、そういった制度的な検討が必要ではないか。など、関係する法制度として想定されます。
 以上です。

○松田委員長 いろいろご提案いただいたんですが、確かに、これまでの現地ヒアリング等、あるいは知事・市長会議から、今、森川委員からあったようなプレゼンがなされたのはそのとおりだと思います。それで、現時点はかなり素案としての文面といいますか、この自身をどうすることかということですので、ここのところは結構重要な、どの程度まで新しいところに行けるかということなんですが。先ほどの大塚委員等の意見を含めて少し、今回これで仮に素案がまとまったとすると、今までと何がどういうふうに変わるのかというような一種の見取り図といいますか、整理表みたいのをつくってみて、それから現行のシステムがどうなっているかを、それはすぐにあるわけですから、それと比較したときにどういう対応が可能か。それがいわば基本計画レベルの見直しだけで必要なのか、それから瀬戸内法自身とかあるいは基準の仕組み自身を変えたほうがいいのかというところを、少し、できたら根拠を持って説明できるといいのかなと思うんですけれども。でも、この企画専門委員会がかなり時間かけて今検討しているところですが、それで、やっぱり最終的にはどこが今までと違う新しい考えなり対策なりが出てきたのかというところは、問われると思いますので、そこは少し詰めたほうがいいのかなと思うんですけれども。
 それで、森川さん、今、直接ここの文面をどう検討するというよりは、そういう作業をして、その踏み込み方といいますか、その表現を検討するということでいいですか。

○森川委員 先ほどはどういったことが想定され得るのですかというご意見があったので、発言させていただきました。この新しく環境保全・再生を瀬戸内で進めていくんだということを懇談会と昨年の諮問以降ずっと検討してきた中で、これだけいろんなことをこれからやっていこうという中で、じゃあ基本計画だけを考えますというアウトプットにするのか、いろんな法制度も含めて今後検討していきますとするのかというのは僕は大きいと思います。まず、関係する法律すべてを点検していく。全部見直すことになるかどうかは別にしてですね。法律があって、計画があるんだと思います。最初に基本計画について記述するのではなく、法の点検、見直しを記述したあと、基本計画を記述すべきと思います。

○松田委員長 わかりますが、この委員会の一番初めのときに、大体ターゲットは基本的には基本計画の見直しで、ただ、議論の進展とか内容によっては法律までもちろん関わる、そういうご説明でしたよね。それで、一応それはこの委員会として了解して進んでいるので、今の時点でちょっとそれを逆にするのはなかなか難しいと思うんですけれども。どうですか。

○森川委員 意見を言わせていただいたので。それがこの委員会の目的で、その枠の中でと言われれば、それ以上は仕方がないと思います。

○松田委員長 いや、僕が言ったのはそうじゃなくて、今日、足利さんも一番初めに言っているように、全体としては水質環境を中心にした仕組みから、もっと豊かな生態系とか生物生息環境とかっていうことで、大きな方向性は出ているんだけれども、じゃあそれを具体的にどういうレベルのというのは、計画とか法律とかですね。それでどれだけ実現できるかということは、今のところ必ずしもまだはっきりしていないんですよね。だから、それが最終取りまとめまでの課題となるので、その一つのアプローチとして、先ほども申しましたように、現行のシステムと今度これがある程度具体化した場合に変わるところを比較表にして、それが基本計画の見直しで可能か、あるいは法律なり基準のシステム自身を変えることが必要かというところを最終的にこの委員会で議論しましょうと。大体そういうことなので。
 どうぞ。

○富坂閉鎖性海域対策室長 事務局といいますか環境省としましては、報告を受けた後、まずすぐに取りかからなければならないという対応としましては、やはり基本計画の改定なりということで、すぐにできるところは実現化をしていかなければならないと考えております。法制度の話は、もうちょっとしっかり詰めるべきところは詰めてという、ちょっと中長期的な対応になるのかなと受け止めておりますので。そういった感じで、報告のほうでは段階を踏んだ表現にしております。

○松田委員長 多分、今までの議論の中でも、少し短期的なといいますか、当面できそうなことと中長期的なのを分けて考えたほうがいいという議論は今まであったと思います。それから、今日、次の議題で説明がありますが、まだこれが今日それなりにまとまったとしても、そのまま行くわけではなくて、パブリックコメントを受けて、それから瀬戸内海部会の意見も受けて、まだ十分変更される予定ですので。今の議論は、これから夏が過ぎて秋ぐらいに取りまとめますので、それまでに詰める一種の宿題というか。かなり大きなテーマですけれども。そういうことでいいですか。
 ですから、今の森川さんのご意見は、別に否定されたりそうしたわけではなくて、どこまで法律なりに踏み込むかはこれから最終的に決めましょうと。

○森川委員 最後にしますけれども、要は、これだけいろんなことを、再生していきましょうといういろんなアイデアというんですか、イメージをつくってどうのこうのして、そこから今後具体的に推進していくという中で、法律が変わったら全部が変わるなんてとても思っていませんけれども、我が国においては法律があって、さらにいろんな取組もあるわけですね。その法律に予算がついてきたり、施策がついたり、法律に目的があることによって、みんなそういうふうに思ったり見直ししたりするわけですよね。法制度の点検、見直しをこれから瀬戸内の保全、再生についてやっていくんだと。そのうえで、特に当面、例えば今のご説明でしたら、すぐに取りかかるべきは基本計画の見直しですよというのが本来の筋かな、流れかなと思っておる次第でございます。
 環境基準についても、目標を設定する、それは水質の汚濁に関する目標以外に、生物生産とかが大事だというのであれば、そういうものを対象とすべきです。もちろん人々にも、子どもたちもわかりやすい指標なども、知事・市長会議の中で、広島県さんのをベースに香川大学の先生にお願いして今検討進めていますが、そういうものだけではなくて、環境基準はすべての施策がそこを目標するのだと私達は習ったわけです、公害問題についてはですね。だから、それで水質の汚濁の基準があるんだと。だから生物生産などに関する指標も環境基準にできるようにするべきだと思います。

○松田委員長 もちろん、総論はわかります。今までの議論で出ているところでもありますが、今は一応この素案、どういう形で取りまとめるかという議論になるべく引きつけて考えたほうがいいので。じゃあ今のは今日は時間がありませんので、具体的にご提案ということで事務局なりに提案いただくということでいいですか。趣旨はよくわかります。ありがとうございました。
 はいどうぞ。

○大塚委員 私はそれで結構なんですけれども、事務局にちょっとさっきの点でお伺いしますけれども、15ページの下から2行目の排水規制の制度面というのが書いてあるのは、総量規制のほうはよくわかりやすいんですけれども、排水規制の制度面に関する点というのは例えばどういうことをお考えなのかというのをお伺いしてもよろしいですか。

○富坂閉鎖性海域対策室長 今時点で把握している点としまして、後段の「排水処理施設の運転調整や維持管理等の技術面」と言っておりますけれども、これが結局のところ、排水基準として決まっております上限値を絶対超えないような形で運転管理しているというような実態というのは聞いております。ここのところを、そもそも窒素、リンについては、日間平均値と最高値ということと両方で決まっていますけれども、こういったところはちょっと工夫できるんじゃないかというご指摘は受けておりますので、問題意識として挙げております。

○大塚委員 ありがとうございました。

○松田委員長 4章あるいは全体を通じて。

○柳委員 2つあって、19ページの18行目、さっきと一緒で、「干潟・藻場・砂浜」の後に「塩性湿地」を入れてくださいということと、24ページ、賑わいのある海の一番右の空欄、「道」の下ですね、さっき木幡さんからあったんですけれども、ここに「人と物の活発な交流」というのを入れてくださいということですね。それから一番下、人々が活発に交流し、地域産業ひいては地域が……「活性している」という日本語はないんじゃないですか。言いたいのはわかるんだけれども、何か日本語としておかしいと思います。

○松田委員長 わかりました。今の3点、よろしくお願いします。ありがとうございました。
 どうぞ。

○中瀬委員 17ページの28行目ぐらいからなんですが、自然景観の保全ということで、重点的な取組で保全だけでいいんですかね。それは先ほど指摘しました13ページのところで、近年の景観の多様化とか価値の興味の高まりとかいうご指摘をしたんですが、そこの文言と17ページのこの(1)の保全だけの話はどうも通じていないような気がするんです。実は、瀬戸内海で去年ですか、ネガティブな遺産を背負った豊島とか、いろんなネガティブに使われていたところを活性化するようなイベントとか、これ、勉強会で報告いただきましたね。あるいは、ガス工場のところを今、活性化しているとか、いわば、ある新しい動きの景観づくりも動いていると。今、この保全すると同時に、新たな景観づくりも動いているというふうな、何かそういう記述で前向いた記述も一言欲しいなと思いまして、申し上げました。

○松田委員長 ありがとうございます。
 どうぞ。じゃ、木幡先生、お願いします。

○木幡委員 文字どおり言葉尻で恐縮なんですけれども、今の4章で表現が「検討を行うことが必要である」というのと「重要である」、「すべきである」とあって、「必要である」が大体6割ぐらい、「重要である」が3割ぐらい、先ほどから問題になっている法律は「すべきである」と。これは何か違いがあるんですか。1つ気になったのは、今ちょうどご指摘になった17ページのところは、2つとも「重要である」だけなんですよね。「必要である」になっていない。これは何か意味があるのかなという疑問なんです。

○松田委員長 もし現時点で説明できれば、あるいは、もし最終的に本来的に使い分けるのであれば、そのことはある程度皆さんにもご理解いただくほうがいいと思う。
 じゃあ、先ほどの全体的な整合性も含めて、まだ文章レベルはちょっとこれから直さなきゃいけないと思いますので、今後のパブリックコメントのほうを含めて、宿題でいいですか。
 そのほか全体を通じてはいかがでしょうか。

○西田委員 ちょっといいですか。

○松田委員長 はいどうぞ。

○西田委員 藻場と干潟の件ですけれども、例えば5ページのところで、藻場・干潟などが失われてきて、その後に1990年代後半から200ヘクタール増加しました。つまり、干潟は少し増えていますという話とか、最後のほうには開発事業者による藻場・干潟の造成等の代償措置という言葉で、干潟・藻場の再生技術があたかも確立しているようにとらえてしまいます。まだ干潟の機能再生はなかなか難しい状況にあると思います。ですから、その辺を入れていただいたほうがよろしいんじゃないかと。これですと、干潟をつくれば機能が回復するようなイメージになりますけれども、実はなかなかその機能回復が難しい状況で、今その技術開発、研究開発が進められているところだと思います。

○松田委員長 そうですね。じゃ、それはさらなる技術開発みたいなところに入れていただけますか。それでいいですよね。
 だんだん時間がなくなってきたんですが、全体を通じてはほかありませんか。それから、足利さんから初めにいただいた宿題。栄養塩不足のところは少し、これからの宿題でいいですか、表現については。
 ありがとうございます。そうすると、時間がもう足りなくなりそうですが、最後の議題について、今後の進め方についてご説明お願いいたします。

○千野係長 資料3の今後の進め方(案)ということでご説明させていただきます。
 今日ご議論いただきました素案につきまして、多くご指摘、ご意見いただいたんですけれども、これらのご意見を踏まえた素案、新しい素案というものを事前に各委員に、本日欠席された委員も含めてご送付させていただきまして、一度ご確認いただきましたものをパブリックコメント、7月ごろを予定してございますけれども、同じものを8月に開催する予定でございます第11回瀬戸内海部会で中間報告にさせていただきまして、これらの結果を9月ごろ、日程は調整次第なんですけれども、9月ごろに第6回企画専門委員会を開催させていただきまして、そこで最終取りまとめということで予定してございます。その後にまた部会を開催して、答申案ということで。
 以上でございます。

○松田委員長 ありがとうございました。
 ただいまご説明いただきましたように、今日の議論を反映した本日の素案の一種の改訂版というものを委員の皆様にご確認いただいた上で、パブリックコメント、それから瀬戸内海部会での中間報告に進みたいと。大体そういうことでよろしいですか。
 これについて何かご意見やお気づきの点ありますか。

○西田委員 資料2−3についても同様に変えていただくことになるんでしょうか。

○千野係長 そうです。本日の資料2−1から2−3につきまして、指摘を反映させたものを予定してございます。

○松田委員長 それからあと、二、三枚の要旨をつくるとすると、それは大体作業的にはいつごろの予定になるんですか。それはここの今の話とは別につくるという感じになりますか。

○千野係長 内容が固まった段階で二、三枚にまとめてさせていただいて、その最後の第6回企画専門委員会のときに、内容の要旨ですので、基本的には省略版ということでさせていただきたいなと考えてございます。

○松田委員長 ありがとうございました。
 そのほか全体を通じて何かご意見、お気づきの点、いかがでしょうか。
 じゃあ、本日の議題については以上ですけれども、何か事務局のほうからご説明いただけますでしょうか。

○西田補佐 本日の議事録につきましてですけれども、速記がまとまり次第お送りさせていただきます。ご確認をお願いしたいと思います。全員のご確認をいただいたものを環境省のウェブサイトにて公開したいと思っております。

○松田委員長 ありがとうございました。
 本日は大変熱心なご議論、ご意見をいただきました。大変ありがとうございました。先ほどのようなスケジュールで、これからいよいよ取りまとめということでございますので、引き続きよろしくお願いいたします。
 どうもありがとうございます。

午後4時00分 閉会