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中央環境審議会 瀬戸内海部会 企画専門委員会(第4回)議事録


平成24年5月31日(木)

開会
議題
(1)
前回指摘事項への対応について
(2)
環境保全・再生の在り方のとりまとめ方針について
(3)
委員会報告骨子(案)について
閉会

午前10時00分 開会

○西田室長補佐 定刻となりましたので、ただいまから中央環境審議会瀬戸内海部会第4回企画専門委員会を開会いたします。
 本日は、お忙しい中お集まりいただきまして、誠にありがとうございます。
 それでは、まず議事に先立ちまして、奥主水環境担当審議官からご挨拶を申し上げます。

○奥主水環境担当審議官 ただいまご紹介にあずかりました水環境担当審議官の奥主でございます。本年4月から前任の関の後を引き継ぎまして、水環境担当審議官をさせていただいております。今回の瀬戸内海部会の企画専門委員会の開催に当たりまして、一言ご挨拶を申し上げたいと思います。
 改めまして、委員の皆様方には平素より環境省の環境施策、瀬戸内の水質保全等を初めといたしまして、いろいろな面でご理解とご協力を賜りまして、誠にありがとうございます。本日はご多忙な中、ご出席をいただきまして、改めましてお礼を申し上げたいと思います。
 さて、本企画専門委員会におきましては、瀬戸内海における今後の目指すべき将来像と環境保全・再生の在り方をご審議いただくために、これまで本委員会を3回と、現地での地元関係者からの意見聴取を3回、開催されていると聞いております。そういった会議の中で、瀬戸内海が有します多様な価値観や、今後取り組むべき課題につきまして、いろいろな意見をいただいたとも聞いております。
 私はちょうど今年で環境省に入りましてから30年ということになります。私が環境省に入りました頃は、まさに瀬戸内海の環境といいますと、とにかく水質が悪化して、そのための水質改善を図らなければならないということで、N、Pの規制強化ということが、当時は私は不勉強かもしれませんが、それが主要課題だと認識していたところではございますけれども、この度いろいろ意見を聞きまして、それを越えまして新たな考え方といいますか、課題等が出ていると聞いております。
 本委員会におきまして、委員会報告の取りまとめをしていただいているわけでございますけれども、そういった従来の伝統的な環境行政の枠を越えまして、さまざまな課題を踏まえました対応方針につきまして、ご審議をお願いできればと考えております。
 どうか忌憚のないご意見を賜りますようよろしくお願いいたします。
 以上、簡単ではございますが、私からの挨拶とさせていただきます。

○西田室長補佐 本日の企画専門委員会は10名の委員にご出席いただいております。また、中央環境審議会瀬戸内海部会より、岡田光正部会長にもご出席いただいております。なお、足利委員、浜野委員は欠席とのご連絡をいただいております。お手元にお配りしております委員名簿をもって委員のご紹介にかえさせていただきたいと思います。
 続きまして、お手元の資料を確認させていただきたいと思います。一番上が次第でございまして、1枚めくっていただきますと、資料1−1ということで、前回指摘事項と対応方針をまとめております。資料1−2です。今後の目指すべき将来像の取りまとめ方針につきまして、前回のご指摘を踏まえたものとしております。資料2は環境保全・再生の在り方の取りまとめ方針(案)ということで、今回の議論の中心になろうかと思います。資料3、委員会報告骨子(案)をおつけしております。
 その後、参考資料1としまして、本委員会の委員名簿、参考資料2としまして、第1回企画専門委員会資料の概要、参考資料3、諮問に関する意見の要点整理、参考資料4としまして、瀬戸内海における今後の目指すべき将来像と環境保全・再生の在り方に関する意見の一覧、資料は以上となってございます。不足がございましたら、事務局にお申し付けください。よろしいでしょうか。
 本日の会議は、中央環境審議会の運営方針に基づき、公開とさせていただいております。なお、プレスの方はこれ以降の写真撮影等はお控えいただきますよう、よろしくお願いいたします。
 それでは、この後の議事の進行につきましては、松田委員長にお願いしたいと思います。
 松田委員長、よろしくお願いいたします。

○松田委員長 了解いたしました。松田でございます。
 本日は朝からご出席いただきまして、大変ありがとうございます。本日第4回でございますけれども、ご承知のように、第2回と3回の間に現地ヒアリングが3回入りましたので、現地ヒアリングでさまざまな分野からご意見いただいた後の2回目ということになります。お手元にこの議事次第がございますが、議題が3つございますけれども、本日の最も中心的な検討課題は2番目の議題、環境保全・再生の在り方の取りまとめ方針について、これについてできるだけ熱心にご意見、あるいはご検討いただければと思います。それから時間的には12時を目処に終了したいと思っておりますので、ご協力をよろしくお願いいたします。
 それでは、早速でございますが、議題1の前回指摘事項への対応方針について、議論を進めたいと思います。このようなタイトルになっておりますが、前回の本企画専門委員会では、諮問内容のうち、まずは今後の目指すべき将来像の取りまとめ方針について、各委員よりさまざまなご指摘をいただきましたので、それについての対応方針を事務局よりご説明いただきたいと思います。よろしくお願いいたします。

○千野係長 議題1のご説明をさせていただく前に、まず初めに本日の議題は全部で3つございますけれども、すべての議題に資料3の委員会報告の骨子(案)に関係する部分がところどころ出てまいりますので、適宜、資料3を参照しながら進めさせていただきたいと思います。
 それでは、資料1−1と1−2に基づきまして説明いたします。
 資料1−1は、前回指摘事項とその対応方針案をお示ししておりまして、一方、資料1−2につきましては、指摘を受けまして修正した箇所が色つきの文字になっております。赤文字が再度事務局で精査をして、修正が必要だと考えた箇所でございまして、青文字が委員会のご指摘を踏まえて反映させた箇所になります。青文字よりも赤文字のほうがちょっと多いように見えますけれども、ご了承いただければと存じます。
 それでは、資料1−1と1−2を往復するような形で説明いたします。指摘事項の1つ目でございます。水質という言葉にやや傾き過ぎではないか。また水質にしても重金属やPCBといった化学物質なども配慮した構成にする必要があると、そういうご指摘でございます。資料1−2のほうに行きまして、2ページの20行目にその指摘を踏まえまして、一方で、底質については、過去30年間の間では、強熱減量や窒素・りんなどわずかな減少が見られるものの、大きな改善は見られておらず、長期にわたり蓄積してきた重金属や有害な化学物質なども存在していると。このような記載を追加させていただきました。
 2つ目の指摘でございます。「生態系サービス(海の恵み)」という表現を使っておりますけれども、供給サービスだけを生態系サービスとして取り上げられているのではないかというご指摘でございました。もともとこの生態系サービス(海の恵み)という表現でございますけれども、これは海洋生物多様性保全戦略において使用されている表現でございまして、生態系サービスである「供給」や「調整」「文化」「基盤」の4つのサービスすべてを含んだものとして使用しておるということでございます。
 3つ目でございますけれども、生物多様性と漁業の生産性がイコールである。つまり、生き物を守り、生き物がたくさんいる場所を守っていくことが、漁業の保全につながっていくんだという認識が必要であるというご指摘でございました。これにつきましては3ページの29行目、多様な生物を守り、稚魚や稚貝を育てゆく生物の生息場を守るといった生物多様性の保全を中心とした取組が、生物生産性の高い豊かな漁場の実現に寄与するという認識が重要であると、このような記載を追加しております。
 続きまして、論点を漏れなく盛り込むとわかりにくくなるということでございまして、目指すべき将来像をわかりやすくするということが重要であるというご指摘でございました。これにつきましては、また全体を通しまして、最終的に委員会報告の段階でわかりやすいものに工夫していきたいと思っております。また、最終的に委員会報告の概要というものを作成する予定にしております。
 続きまして、現状だと瀬戸内海にこだわり過ぎているということで、海洋基本計画であるとか、環境基本計画であるとか、もう少し広い視点から見ることが重要であるというご指摘でございます。これにつきましては、後の議題でもございます資料3の委員会報告骨子に最初の現状と課題の中に、このような海洋基本計画ですとか、環境基本計画の記載を追加させていただくようなことで対応していきたいと考えております。
 1枚めくりまして次の指摘でございますけれども、前書きや前文などで、里海などの海外展開をされているようなこと、また世界的に見て瀬戸内海がどれだけ価値があるのかというような視点があっていいということでございましたので、これにつきましては資料3の第1部、現状と課題に、前文のような形でグローバルな観点での内容を追記させていただきたいと思っております。
 続きまして、今後の目指すべき将来像ということで、陸の場合には「庭」と「畑」と「道」というものは同時に使えないということでございますけれども、海の場合については同時に3つ使えるということが重要であるというご指摘を踏まえましたので、1ページ目の20行目、景観鑑賞、漁業、レクリエーション、船舶航行など、同じ空間で同時に多様な要請に応えられる場を与えており、というような記載にさせていただいております。
 次にこれまでの「庭」や「道」「畑」というような価値観を、かつてのどれくらいの状態に戻していくのかですとか、あるいはかつての状態を探して、そこに近づけていくのかとか、どんな状態に持っていくのかというのがわかりやすいのではないかというご指摘でございました。これにつきましては、湾・灘ごとの「庭」や「道」「畑」の観点から見た現状の評価ですとか、それぞれの価値をどんな状況に目指していくのかという考え方・イメージを例示させていただいております。これにつきましては7ページの5行目から少々長くなるんですけれども、地域に応じた豊かな海のイメージとして、例えば備讃瀬戸につきましては、その全域が瀬戸内海国立公園として指定されており、島しょや白砂青松、海水浴場、重要文化財を有することから、これらの景観を生かしたエコツーリズムや人と自然との触れ合いの促進により、観光や安らぎの場として、「庭」の機能をさらに発揮させていくことが考えられるということでございまして、他方で国際バルク戦略港湾に選定されている水島港・福山港といった重要な「道」としての機能も有することから、これらの景観や環境保全に配慮しながら、さらに発揮させていくことが考えられるということでございます。
 これらの「庭」や「道」の機能を複合的に発揮させていく際には、にぎわいの観点からは相反する問題ではございませんけれども、環境保全の観点からはトレードオフの関係になる場合があるため、豊かな海の目標設定等に当たっては、地域における関係者間での合意形成が図られるべきであるということでございます。また、各海域において、「畑」の機能を強化していく取組が求められておりますけれども、例えば漁船漁業が盛んな海域におきましては、多くの魚介類の産卵・育成の場である藻場の造成が重要であり、魚類養殖が盛んな地域においては、赤潮対策として海域に過度な負荷を与えない水質管理の取組が重要であり、ノリ養殖が盛んな海域におきましては、冬に漁場に必要な栄養塩を確保していく取組が重要であるといったように、「畑」の機能を強化するポイントも漁業形態に応じて検討する必要があるといったことがございます。
 また、このように瀬戸内海は、同じ空間で同時に多様な要請に応えられる場として利用されており、基本的に「庭」「畑」「道」の機能を地域に求められる要請に合わせて、それぞれ発揮させていくことが重要であると。一方で、地域によっては瀬戸内海全体の価値を高めていくために、「畑」や「庭」としての景観や生態系を保全すべき場所と、環境に配慮しつつ「道」として港湾や海上交通の機能を強化すべき場所に分け、それぞれの機能を重点的に強化するといったゾーニングの考え方も重要であるということで、イメージを例示させていただいております。
 戻りまして、「道」はほとんど書かれていないということで、「道」の概念を入れるんであれば、それが十分機能していて、今のままでいいのであれば、それを目標として合意しておけばよいと、そういうご指摘でございました。これにつきましては「道」についての活用方法や、「道」についての現状評価を記載し、どのような現状に目指していくのかという考え方を例示ということで、先ほどご説明させていただいた箇所に加えて、5ページの33行目でございます、青文字のところなんですけれども、各地域が連携して陸・海・島のネットワーク化を図り、「道」の機能を最大限に発揮・活用していくことにより、人々と海の関わり合いの機会を増やし、にぎわいのある豊かな瀬戸内海を実現していくことが重要であるということを記載させていただきました。
 1枚めくりまして、次へ行きます。それぞれの指標が確実に手に入るもので、信頼できる指標として手に入るものかどうかという評価がどこにもないということでございました。これにつきましては、資料に提示させていただいたものは、確立された指標から概念的な指標まで、さまざま提示させていただきましたけれども、今回の豊かな海というものを、評価・議論するために、有益と考えられる項目というものを列挙させていただきました。今後、定義が必要な指標につきましては、その旨明示したいと考えてございます。
 続きまして、流れや場という表現、そういう組み合わせが果たして適当かどうかといった点や、その流れの視点や場の視点というのが逆になっているようなところがあるというご指摘でございました。これにつきましては、事務局としてわかりやすく説明するために、わかりやすく整理して議論するための表現でございましたので、最終的にはこの流れと場という表現を委員会報告の段階では削除したいと考えてございます。
 続きまして、美しい海についてでございます。「国民の実感に合った」という記載があったわけでございますけれども、国民の実感に指標を合わせていくというようなことも必要でございますけれども、本当に生態系にとって大事なものというものも、国民に対して啓発していくことが重要ではないかというご指摘でございました。これにつきましては、2ページの26行目、水質や底質、生物生息場にとって本来必要とされることの正しい理解について、国民に啓発することも進めながら、と記載させております。
 続きまして、白砂青松につきまして、今ある白砂青松の保全は重要で、維持管理はあり得るということでございますけれども、昔の白砂青松を取り戻していくことがメカニズムからして難しいということでございました。これにつきましては、3ページの6行目、瀬戸内海の自然景観を保全・継承・創造していくという記載から、創造を削除させていただきました。
 次に多様な生物が生息できる海ということでございます。川の生き物を育てるという視点、また川と海を往復するような生物、魚種について、どこかで記載すべきだということでございました。これにつきましては4ページの12行目、森・里・川・海のつながりが確保され、上流から供給される栄養塩類が、川や海の魚を初めとする生き物を育み、土砂の移動により干潟・砂浜の形成や海底の泥質化の抑制などが図られ、魚類等の川と海との回遊に支障がないこととさせていただいてございます。
 1枚めくりまして、「降雨や海流・潮流といった気候システム」また、「気候システムによる栄養塩類の輸送」について、適切な表現に直すべきであるということでございましたので、3ページの35行目でございます。その循環に関係する降雨や海流、潮流を把握していくことが重要であるということにさせていただきました。
 また、「単一の種が卓越するような状態ではない」という表現でございますけれども、これにつきましては、単一、あるいは単三でもなくて、非常に限られた種類が全体を卓越するような多様性の低い状態がよくないということを述べるべきであるということでございましたので、4ページの2行目に、少数のごく限られた種が卓越するような種の多様性の低い状態ではないとさせていただいてございます。
 続きまして、「在来動植物や希少種が今後も生息していけること」につきまして、例えばムラサキガイにつきましては、高水温の場所とか、生息できない場所についてはできないということがございますので、そういう生物についても今後生息できる環境を確保するのかというご指摘でございました。ですので、4ページの4行目なんですけれども、我が国に生息・生育する種に絶滅のおそれが新たに生じないようにすると同時に、現に絶滅の危機に瀕した種の個体数や生息・生育環境の維持回復を図ることというような表現にさせていただきました。
 続きまして、環境基準にしても何にしても、管理の仕方が通年同じようなことではなくて、めりはりをつける、具体的には季節性も考慮されたらどうかということでございました。これにつきましては、4ページの16行目、18行目に、それぞれ環境基準の類型当てはめや季節に応じた環境基準値の設定の検討がなされること。また、季節性を踏まえ、栄養塩のフローが浮き魚類や底生生物をへい死させるような赤潮や貧酸素水塊の発生の原因とならない程度に確保されていることということで修正させていただきました。
 また、温暖化の問題につきましても、適応だけではなく、緩和と適応といったことも考慮してはどうかということでございましたので、5ページの1行目に緩和という言葉を入れさせていただいております。
 1枚めくりまして、考慮すべき観点ということで、湾・灘規模での地域ごとの特性の把握という項目でございまして、湾・灘ごとということだけではなく、例えば大阪湾は湾奥と淡路寄りでは全然違うということでございました。また、沿岸や沖合、湾口や湾奥といった区分でも、もうちょっと小さなスケールでの場の特性を考慮したことが必要であるということでございます。これにつきましては、6ページの31行目、湾・灘ごとに地域を取り巻く環境の状況は異なり、また湾口と湾奥でも環境の状況が異なっていることからという表記と、今後の目指すべき将来像と環境保全・再生のアプローチは、湾・灘といった規模で、あるいは必要に応じ、湾口と湾奥といったさらに小さい規模でという表現にさせていただいてございます。
 続きまして、環境容量や生態系の適切さのようなものを書くべきではないかというご指摘でございました。これにつきましては、8ページの2行目、必要に応じて生態系の持つ回復力や、水質浄化機能が損なわない範囲で管理することや、特定の海域について、目的を明らかにした上で行為を制限するなど、人の手を適切に加えることによってという表現にさせていただいてございます。
 続きまして、里海の手法につきまして、人の手を入れ過ぎて壊れている現状も各地であるというご指摘、また里海はその地域本来の人と海との在り方をきちんと検討した結果をもって、地域の目指す里海というものをつくり上げ、それを目指して再生や現状の保全をしていくべきであるというご指摘でございました。これにつきましては、8ページの10行目になります。地域ごとの状況に応じて、あるべき里海の姿を検討し、地域の合意に基づいた里海の目標に向かって、住民や行政、漁業者等の参画・協働によるという表現にさせていただいてございます。
 最後のご指摘でございます。「島における過疎化や高齢化や暮らしの変化等が相まって、人と自然との関係が希薄化してきた」という一方で、漁業者が中心となって、ボトムアップの取組を行うべきだと言っているのは矛盾があるということでございます。ここで言うべきは、漁業者等が中心となった参画・協働であり、限界集落の人たちだけに任すのではなく、交流の概念といったことも入れるべきであるというご指摘でございました。これにつきましては先ほど申した9行目の住民や行政、漁業者の参画・協働による取組が重要であるという表現に変更させていただき、また18行目から都市や農村との交流を図っていくことも重要であるという表現にさせていただいてございます。
 以上で説明を終わります。

○松田委員長 ありがとうございました。
 前回の委員会では、委員の皆様たくさんのご意見、あるいはご指摘いただきましてありがとうございました。その対応ということで、この文書への対応、改変だけではなくて、全体の報告案の骨子の案への対応なども含めてご説明いただきました。
 かなり赤字と青字の部分が多いんですけれども、本当は委員会の前にこれをお送りして見ていただけるといいわけですが、委員会がハイピッチで進んでおりますので、そうもできません。この場で進めたいと思いますが、全部すぐこれを読みこなすというのは難しいかもしれませんので、今日の委員会の最後にも、少し補充の時間をとりたいと思います。とりあえずと言いますか、今のご説明に対してご意見や何かご質問等ありましたらお願いいたします。
 どうぞ。

○鷲尾委員 随分わかりやすく、また状況を反映するようになったかとは思います。ただ、2ページの20行目のところで、底質の状況をとらえたところで、30年間の変化ではわずかな減少は見られるものの、大きな改善は見られておらず、というところなんですが、やはりこういう場所もまた依然として残っているんですけれども、かなり大幅に改善した場所も出てきておりますので、手の打ちようが全くないというような状況ではなくなっている。ですから、大阪湾の奥とか広島湾、それから別府湾など、特定のところについてはこの記載でいいかと思いますが、大幅に変わったところというのは、一文評価しておく必要もあるのではないか。あるいはこれからの期待を持たせる部分があってもいいのではないかと思います。

○松田委員長 ありがとうございました。
 では、底質の改善された部分についても、できれば加えるということでお願いしたいと思います。
 そのほかいかがでしょうか。どうぞ。

○柳委員 細かいところなんですけれども、7ページの18から24まで、これ1つの文章なんですよね。少なくとも二、三行で1個丸が入るように、文章を直してもらえませんか。これちょっと読んでいる方、かなわんと思いますよ、多分。趣旨はいいんですけれども。

○松田委員長 どうもありがとうございます。
 全体として、読みやすく、わかりやすくという大きなテーマはありますので、あまり文章が長くなると、確かに文脈がとりにくくなりますので、ではその点も含めて、今後改善したいと思います。
 そのほかいかがでしょうか。どうぞ。

○柳委員 里海の創生と再生が混じっているんですけれども、例えば8ページの9行目は、里 海の再生を目指した取組となっていますけれども、里海というのは私、昔はなかったと思っているので。定義から。やるとしたらこれは創生だと思うんですよね。再生というのは昔あってそれを取り戻すという感じですけれども。もしそうなら、議論したほうがいいと思うんですけれども。

○松田委員長 ではここのところは少し議論があるかと思いますが、環境とか生態系の再生という話と、それから里海を今後どういうふうにつくっていくかというのは、もう少し整理していきたいと思います。ありがとうございました。
 そのほか、いかがでしょうか。

○千野係長 委員長、説明が先ほどちょっと漏れた箇所がございましたので、1点だけ説明を補足させていただきます。
 資料1−1の2ページ目でございまして、下から2番目なんですけれども、潤いといった「庭」「畑」「道」にない生活の観点がないということで、ちょっと全体の考察とおさまりがわかりにくいということでございましたので、今の「道」「畑」「庭」の分類というものを後でどういうふうにつけ足していくのかということが、また考え直す必要があるということでございましたけれども、居間や座敷などが生活のくつろぎの空間、そういうような意見というのがさまざまございましたけれども、事務局としては「庭」の中に含まれていると考えてございます。
 以上です。

○松田委員長 ありがとうございます。補足をいただきました。
 

○白幡委員 この瀬戸内海の価値の全体像を大きく分けて、概念的に言うと、柳先生も言われた「道」「畑」「庭」になると思うんです。私もいいまして何人かおっしゃられたと思うんですけれども、それも総合した何か懐かしさとか、豊かさとかいうのをどう実現するかということだと思うんですね。「庭」に例えばレクリエーションだとか観光だとかというのは特化しているのではなくて、生活の場である「道」も、それから「畑」も、実はそれを見て心休まるという、一種の観光的な、あるいは実際そこで暮らしていない人たちにとっては、大きな豊かさを実感できる価値だと思うんです。それを表現したいということで、何かそういうところをうまく出せないかという感じがあるんですね。
 それで、私は総合的にはそういうのを柳さんは里海と言われていたのではないかと思うので、過去にもあったのではないかと。だから今から創造するものだけが里海というのは、学問的にはわかるけれども、普通の人の感覚から言うと、まだ何もない里海をどうやって実現したらいいのかわからないので、おっしゃることとイメージは大体わかるんですが、やはりかつてもあったという観点で里海を見ないと、ちょっとわかりにくいのではないかなと私は思うんですが。

○松田委員長 ありがとうございます。2点といいますか、今ここで3つの価値で表現しているのは、もう少し全体のイメージとして総合的に表現できないかと。豊穣の瀬戸内海というんですかね。そういうようなところをこれから工夫する余地があるのではないか。
 それからもう一つは先ほどの里海の議論ですが、柳先生が論文で定義されている里海は、もちろんそれで認められているわけですが、今のところ話がもう少し広がっている面もあります。それについてはこの委員会としてどういうスタンスで書くかということになるかと思いますので、もう少し議論したいと思います。それでよろしいですか、柳先生。

○柳委員 はい。

○松田委員長 ありがとうございました。
 多分、里海はイメージとしてはある種の「古きよき時代」を基準にしているんだけれども、ただ、そこに真っすぐ戻れるわけではないから、今後、そういうもののいい面をどのようにこれから人間との関わりの中で実行していくかという、「懐かしき未来」というんですかね、過去と未来のやりとりの話になるんだと思うんですけれども。
 どうぞ。

○鷲尾委員 7ページの15、16行目のところで、トレードオフの関係になるということで、関係者間で合意形成が図られるべきであるというくだりがあるんですけれども、7ページの真ん中辺ですね。このあたりがこれからの瀬戸内海をどうしていく、折り合いのつけ方のヒントになるかと思うんですけれども、その前の5ページの35行目、「道」の機能を最大限に発揮という、特定の機能を最大限と言ってしまうと、折り合いのつけどころがなくなってしまうんですよね。
 だから、こういうところにやはりほかとのバランス、調整機能を持たせた機能の発揮の仕方というところを意識化していくことが、今後大切なのではないかと思いますので、トレードオフをみんなでどうにかしましょうというよりも、例の三方よしの関係で、当事者同士、そして周りもよしという、そういう落としどころのつけ方ということがいるのではないかと思います。

○松田委員長 ありがとうございます。
 全体としては今後さまざまな分野間の、利害関係の調整、合意形成、あるいは総合的管理というような考え方が重要だということは皆さん合意いただけると思います。それから5ページのところの「道」の機能を最大限に発揮し、というのは、事務局としてはこういった3つの役割分担の中で最大限という趣旨で書いたんだと思いますが、間違って読まれることがないように、今後調整いたします。室長どうぞ。

○富坂閉鎖性海域対策室長 ただいまのご指摘、もっともだと考えておりまして、ただちょっと「道」のところの、最大限機能を発揮しというところは、ある意味、3つの機能を重ね合わせて活用していくほうが、より効果があるというところと、逆にそういう機能を特化させたほうがほかの地域に対する影響を少なくするとか、そういった面でのメリットがあるというような考え方もあるんであろうということで記載させていただいております。ちょっと全体の表現については、また調整させていただきたいと思います。

○松田委員長 ありがとうございました。
 3つの機能については、前回から少し議論が進んだと思いますので、ありがとうございます。
 そのほか、よろしいでしょうか。どうぞ。

○木幡委員 全体的に非常にわかりやすくなっているし、委員がみんな勝手なことを言っているのを全部酌んでいただいて、大変感謝しております。
 1点はお願いで、1点は単純な質問なんですけれども、まず1点のお願いというのは、これで言うと8ページ目の18行目に書いてあるところなんですが、今までの議論はどちらかというと、瀬戸内海の周りに住んでいる人たちにとって、瀬戸内海はどうあるべきかというような感じだったと思うんですが、実際に考えると、国民がそれをどう考えるか、どうとらえるか。誰がこれを守るのかといったときに、やはりそこにいる人たちだけではないような気がするので、ここで書いてあるような都市や農村との交流という考え方も、どこかで見えてくるというような気がするんですね。支えるのはもうすべての国民であって、瀬戸内海の周りの人たちだけではないという視点が何かいるような気がします。それはお願いです。
 それから一つは単純な質問なんですが、5ページ目の今ちょっと話題になった「道」のところで、青字の35行目のところ、ネットワーク化を図りというところの具体的なイメージがちょっとつかめなかったんですが、どういったものをどういうふうにネットワーク化するということをイメージされているのか、もしできたら説明いただけますか。

○千野係長 このネットワーク化につきましては、地域資源を生かしたということで、ツーリズムといった観光のようなイメージをしております。

○木幡委員 情報、物、人という感じになるんですか。

○千野係長 人の移動のつながりとしまして、そこの地域に行くだけではなくて、瀬戸内海として周遊というんでしょうか、島と島、また島から陸に行って、長期間滞在するような観光といいますか、そのようなものも必要ではないかということを、ネットワーク化ということを使わせていただいています。

○松田委員長 それ以外にも少しここで提示されているんですが、具体的にはまだ議論が足りないところがありますので、それは今後の骨子の作成とか、あるいは瀬戸内海環境保全基本計画にどういうふうにつながるようにするかというような議論もこれから起きてくると思いますので、そういったあたりで詰めたいと思います。
 それから、初めのご指摘はかなり重要なご指摘だと思いまして、瀬戸内海をその瀬戸内海周辺に住んでいる人だけの問題としてではなくて、もう少しそこにさまざまな形で関与している国民全体、国土全体、あるいはさらには外国まで含めていろいろなサポートを得られるようにする観点が、余りこの全体として文章に入っていないのではないか。大体、そういうことですよね。

○木幡委員 そうですね。どこかにそういう考え方が見えてくるように。

○松田委員長 それはぜひ何らかの形で反映していきたいと思います。

○中瀬委員 8ページの順応的管理のプロセスというところなんですが、これやはりこの文章を読ませていただきますと、なんかあるデータを持ってきてやっていこうという文章に見えるんですね。そうすると、順応的管理のターゲットは何なのかというのが、もう少し明確に、里海をしっかりつくるためにアダプティブマネジメントをやるんだと。例えばということで、この文章を生かされたら、結構、アダプティブマネジメントのターゲットが見えてくると思うんです。
 私、この日本語で順応的管理と書いてしまうと、そのアダプティブマネジメントのマネジメントの概念が飛んでしまうんですね。なんかそこら辺に要は管理ではなくて、運営、マネジメントするんですよという、そういうニュアンスが出てきたらすごい、なんか今までの日本語、全部マネジメントを管理と訳してしまうので、管理になるんですよ。そんなところら辺もちょっと気になりました。

○松田委員長 大変ありがとうございます。
 この順応的管理のところは、これまでオフィシャルな形であまり取り入れていないところが新しく入る予定の、一つのポイントといいますか、そういう課題になると思いますので、ぜひただいまのご意見も生かして、今後もう少し改善したいということでよろしいですか。
 ありがとうございます。ちょっと時間が過ぎておりますので、先ほど申し上げましたように、今日の会議の最後にまたちょっと振り返る時間をとりたいと思いますので、議題2のほうに進ませていただきます。
 議題2は、環境保全・再生の在り方の取りまとめ方針についてです。これについて、事務局からご説明いただきたいと思います。これが本日の中心的な検討課題になりますので、ひとつ十分なご審議をお願いしたいと思います。

○富坂閉鎖性海域対策室長 それでは、資料2に基づきまして、環境保全・再生の在り方の取りまとめということで、ご説明をさせていただきます。資料2、最初からV、環境保全・再生の在り方としております。こちらは資料3のほうで、専門委員会報告の骨子(案)ということで出しておりますV、環境保全・再生の在り方、こちらのほうに対応させるというイメージで記載をさせております。
 まず、豊かな瀬戸内海を実現するための基本的な考え方ということで、「庭」「畑」「道」に例えられる重要な機能を発揮していると。また、人々の暮らしを支えてきているということから、これらの多面的機能をさらに向上させ、最大限に発揮させながら、豊かな瀬戸内海を目指した取組ということで、以下、7つ挙げてございます。
 1つ目が良好な生物生息環境の確保に向けたきめ細やかな水質管理ということでございます。これまでの取組としまして、水質総量削減等を行ってきていまして、水質自体は改善されてきているということがございますが、一方で、貧栄養の条件下で増殖する大型珪藻がノリ養殖に与える影響でございますとか、赤潮・プランクトンの種や発生時期に変化が見られるということ、ノリ養殖やアサリなどの二枚貝類の生産量が減少傾向にある一因として、栄養塩の不足が指摘されるようになってきていること、また、大阪湾において、湾奥部で局所的に高いものの、沖合では低いといったような遍在の問題、また、夏に貧酸素水塊が発生する一方で、栄養塩不足の指摘がされております季節というのが冬ということで、季節によって水質を取り巻く状況や問題が異なる。このような課題があるということでございます。
 このような状況を踏まえて、瀬戸内海を多様な生物が生息できる豊かな海として再生させるためと、従来の水質管理の手法を基本としつつ、海洋生物の良好な生物生息環境の保全・再生、また、円滑な物質循環の視点も考慮した管理方策の検討が必要であるということでございます。
 現在、下層DOについて環境基準化が検討されておりますが、引き続き環境基準の達成に向けた水質管理からのアプローチを継続しつつ、環境基準がほぼ達成されつつある窒素、りんにつきまして、地域ごとの状況ですとか、季節変動、そういったものを見て、きめ細やかに管理する取組を進めることが必要であるということでございます。
 2点目でございます。藻場、干潟、砂浜等の失われた沿岸環境と、悪化した底質環境の回復ということでございます。現在残されている自然環境については、極力保全、また失われた良好な環境を再生、新たに創出していく取組というものは積極的に推進すべきであると考えております。特に、陸域と海域の中間に位置する汽水域でございますとか、多様な生物が生息・生育するとともに、水質浄化機能を有している藻場・干潟等の浅海域については、生態系にとっても極めて重要であるということで、これらの保全・再生について、さらなる取組を講じていくこと、またそこに生息する生物について十分把握し、施策の効果を評価することといったことが重要であろうと考えております。
 また、湾奥などの陸域からの影響を受けやすい水域で、底質が悪化し、夏季における栄養塩の溶出でございますとか、貧酸素水塊の発生といったような問題がございます。底生生物の生息環境を確保するために、悪化した底質環境の改善の必要、また土砂の供給量の減少が、砂地の減少の一因と言われておりますので、土砂供給の変化の把握、また底質改善に向けた土砂管理方策の検討といったようなものを行っていく必要があると考えております。
 また、過去に瀬戸内海の広範囲にわたり、海砂利採取が行われていたということがございまして、その跡地について、やはり魚類に対する生息に与える影響が指摘されております。また、貧酸素化の原因となっているということもございますので、この跡地について修復する意義でございますとか、優先的に修復すべき場所といったものを明確にして、新たな環境破壊にならないように留意しながら、海砂利採取跡地の修復に向けて取り組むべきであるとしております。
 3つ目でございます。白砂青松、多島美と評される瀬戸内海の自然景観及び文化的景観の保全ということでございます。瀬戸内海につきまして、内海多島海景観、また瀬戸の景観、白砂青松の景観といった自然景観、それから農村漁村や暮らしの風景、文化財や町並み、コンビナートや養殖の風景といった多様な景観要素といったようなものが調和し、一体となって景観を形成していると。この調和ある固有の景観を保全し、将来の世代に良好な状態で継承していくことが重要である。また、藻場や干潟についても、自然景観としての評価が高まっているということ、里地里山・里海といった人と自然との関わりの風景が評価されるようになってきているということがございますので、瀬戸内海を特徴づけるこうした風景を含め、保全と再生のための目標の合意形成を図ること、また、これらの瀬戸内海の価値や魅力を国内外に広く情報発信していく必要があるとしております。
 4つ目、地域で培われてきた海と人との関わりに関する知識、技術、体制を生かして、地域における里海の創生の推進でございます。こちらにつきましては、先ほどご議論いただきました里海の部分、こちらのほうを移して記載していただいております。3ページ目、それから4ページ目の2段落目まで、そちらの記述と現在同一としております。最後の一段落でございますが、環境保全活動では、自らが直接環境に関わる体験が重要である。多くの人に瀬戸内海に来てもらい、瀬戸内海を体験してもらうことが重要であると。そのための観光振興、あるいはツーリズムの取組といったことが重要であるという指摘でございます。
 5つ目でございます。生態系構造に見合った持続可能な水産資源管理の推進ということでございます。瀬戸内海を取り巻く環境の変化、気候変動に伴う海洋生態系の変遷でございますとか、栄養塩濃度の低下といったようなことも含めて、従来の漁業形態での継続的な活動が困難な場合が生じている。また、外的要因に対する生態系の影響について、大きな不確実性というものが存在しますので、この瀬戸内海の生態系の健全性を把握するために、生物多様性・生物生産性に関する調査と評価というものを推進していくことが必要であろうということでございます。
 また、生物多様性の保全の観点から見ても、水産資源の管理というものが非常に重要でございます。こちら水産基本計画のほうで述べられておりますけれども、資源状態に応じた適切な資源管理が実施されるよう、関係者が一体となって有効な資源管理措置を検討し、取組内容の見直しを行っていく仕組みの構築ということがうたわれております。さらには遊漁による採捕量が、魚種や地域によっては漁業による漁獲量に匹敵する水準にあるといったことも踏まえて、こういった資源管理措置に対する遊漁者の理解を深めるとともに、遊漁者にも資源管理において一定の役割を果たしてもらえるような環境づくりといったものを指摘しております。
 6点目でございます。沿岸防災と環境保全の調和ということでございまして、生物多様性の保全の上で、干潟、藻場、砂浜などについて非常に重要な場であるという一方で、津波や高潮といった自然災害が発生する地域でもございます。こういった海と陸とのつながりを考慮しながら、環境保全と調和した形で防災・減災を進めていく必要があるとしております。
 7点目、順応的管理のプロセスの導入でございます。こちらにつきましても、先ほど資料1−2でご説明させていただきました内容をこちらのほうで記載するという形で整理をさせていただいております。
 続きまして、今後の環境保全・再生施策の展開ということでございます。重点的取組ということで、資料3のほうで掲げております内容でございます。まず1点目、良好な生物生息環境の確保に向けたきめ細やかな水質管理手法の開発としまして、環境基準達成の考え方の整理と新たな水質目標の検討としております。水質総量削減の取組、6次にわたって瀬戸内海で行われてきておりまして、窒素、りんの環境基準については、ほぼ達成されるに至っているという状況でございます。この環境基準の達成については、今後とも維持していくことが必要であるという状況の一方で、既に窒素、りんの濃度が外海並みに低水準であるということ、また溶存態無機窒素の低下によって、植物プランクトン等の一次生産速度が低下していると、こういったような指摘もございます。こういった一次生産に不可欠な溶存態無機窒素や、溶存態無機りんの濃度レベルの科学的な知見の集積を行う必要があるのであろうということでございます。
 また、なお書きということで示してございますけれども、こういった窒素、りんなどが生物生産性と密接な関係にございますので、栄養塩濃度と一次生産に関する科学的な知見が十分に得られるまでは、栄養塩濃度は環境基準値に対して大きく下回らないよう配慮すべきであるということも記載をさせていただいております。
 また、新たな環境基準項目としまして、下層DOでございますとか、透明度、こういったようなものについて、環境基準として設定する上で必要となる事項について、引き続き検討を行うことが重要であるとしております。
 2点目でございます。きめ細やかな水質管理手法の開発ということでございまして、湾・灘ごと、また季節ごとに瀬戸内海というのを見てみますと、赤潮によって養殖漁業への被害が生じる地域、またCODが上昇傾向にある海域、貧酸素水塊が発生する海域、あるいは貧栄養でも増殖できる大型珪藻が発生する海域といったような、湾・灘ごと、あるいは季節ごとに問題が異なるということがございますので、それぞれに応じたきめ細やかな対応といったものを検討していくことが必要であろうとしております。
 また、これらの実施検討に当たっては、順応的管理の考え方に基づく施策管理が不可欠であるとしておりまして、例えばという例示でございますけれども、現在の排水規制や総量規制の運用の中で、制度的、技術的、社会的制約などを含めて、実行可能性を検討すること、そういったものを言っております。
 また、モデル地域ということで、栄養塩不足が問題となっているような海域などで、海水中の栄養塩濃度の増減でございますとか、赤潮、大型珪藻の発生状況といったようなもの等々の関係性、情報というものを詳細に把握し、実際の施策の効果といったものを適切に評価していくことが必要であろうとしております。
 水質総量削減制度でございますけれども、これまで下層DOの改善に向けて蓄積した汚濁負荷のストックを減らすという観点から、これまでの富栄養化対策は行いつつも、環境基準が概ね達成された海域については、汚濁負荷の総量管理のような物質循環の確保の観点を取り入れた新たな管理手法の開発に向けた調査・検討を実施する必要があるとしております。特にこの管理手法の検討に当たって、大型珪藻によるノリ養殖への影響といったようなものが冬期に発生していることなどにも留意しつつ、植物プランクトンの種類に影響するようなタイミングでの負荷量管理でございますとか、維持すべき栄養塩の量の設定についての検討というものが必要であろうとしております。
 さらに、陸域からの汚濁負荷量に加えて、大気や外海、底泥からの溶出、こういったものを含む栄養塩の供給量の変化といったものを把握し、今後の人口減少や経済活動の動向を踏まえつつ、将来予測を行っていく必要があるとしております。
 大阪湾につきましては、第7次の水質総量削減においても、引き続き総量負荷削減の方向性が示されておりますけれども、湾奥部での汚濁負荷が多い状況ということと、大阪湾南部や西部では、ノリ養殖の色落ちが発生するといったような貧栄養の状態というものが指摘されております。こういった地域の変化というものにも留意が必要であろうということ。加えて、過去の大規模な埋め立てによって、海水の流動状況が大きく変化しているといったようなことから、湾・灘よりもさらに細かいスケールでの地域特性や季節性を考慮した検討が必要であろうとしております。これらの新たな水質目標の設定や、栄養塩管理などの施策の見直しに当たって、地域住民や国民の理解を得ながら、取組を進める必要があるとしております。
 2番目でございますが、生態系の健全性の回復ということでございます。このうち、藻場・干潟等の貴重な自然環境については、現在残っているものについては保全するとともに、既に失われた環境についても、積極的に整備する必要があろうと。特に貧酸素水塊の発生抑制対策として、陸域からの負荷量削減の取組に加えて、埋め立てなどにより失われた干潟や砂浜などの浅海域の復元が必要であるということにしております。そのための海藻・海草の移植などによる藻場造成でございますとか、浚渫土砂等を活用した干潟造成の取組といったものを実施する必要があるとしております。
 また、海砂利採取や、海面埋め立ての原則禁止といったものについては、今後とも厳格な運用を実施するとともに、特に重要な生態系については、自然公園法に基づく海域公園地区に指定して保護を図っていくといったことを進める必要があろうということでございます。また、やむを得ず、埋め立てが認められる場合であっても、藻場・干潟の造成等の代償措置を広く検討をしていく必要があり、その際にはそれらを取り巻く環境のモニタリング調査と、藻場・干潟等の再生や創出の効果を、環境価値評価手法などを用いて定量的に把握し、施策に反映していくことが重要であろうということでございます。
 さらに、現在利用されていない埋立地、これらがさまざまな生物の生息の場となっているという指摘もございます。こういった土地の利用目的の見直しでございますとか、一時的な利用も含めて、景観への影響や、生物多様性の保全に配慮しつつ、活用を検討していくことが必要であるとしております。
 続きまして、底質環境の改善ということでございます。海底は有機汚濁物質が沈降・堆積して、そういった栄養塩類でございますとか、あるいは重金属、PCBなど有害物質が蓄積し、環境に長期間影響を及ぼすということがございます。良好な水生生物の生息環境の確保のために、下層DOを環境基準として設置する上で必要となる事項についての検討を進め、また堆積物等への対策を検討する必要があるとしております。
 また、夏季に貧酸素状態が続く場所では、底質からの大量の栄養塩の溶出を引き起こすために、陸域からの汚濁負荷削減の効果が相殺されているということが考えられますので、まずはこういった改善が必要な底質の分布状況について現状把握した上で、優先的に対策が必要と考えられる場所について、底質改善対策を推進する必要があるとしております。
 さらに海砂採取後などの大規模な窪地におきましては、今後も引き続き浚渫土などを活用した埋め戻しについて、周辺海域の水環境への影響や、改善効果を把握・評価しつつ、取組を行っていくこと。加えて大規模な航路浚渫が行われる場合には、この発生した土砂を適切に分級し、底質環境の改善に活用する取組といったものを積極的に推進すべきとしております。
 森・里・川・海のつながりの確保という観点からは、土砂等の物質輸送システムとしての森・里・川・海のつながりといったようなものを回復させる必要があるという観点から、上流における森林の整備でございますとか、汽水域、藻場・干潟等の保全・再生・創出、またダム河口堰からの放水・排砂の弾力的な運用に向けた検討、下水処理場における窒素・りんの適正な管理手法の検討、こういったものが必要であろうとしております。
 また、生物生息環境の基盤となっている場所のつながりという観点から、将来にわたり保全すべき自然環境を有している地域を核として、それらを有機的につなぐ生態系ネットワークの形成を目指した空間の保全・再生を進める必要があるとしております。
 3点目、景観の保全でございますが、白砂青松は瀬戸内海の景観を特徴づける一つでございますが、現在残されている良好な場所を維持管理していくこと、また人々が海や自然を楽しめるようにするための工夫というものを行いつつ、エコツーリズムを推進していくということで、地域産業の活性化の取組を推進することが必要であると。特に独自の景観を残している島しょ部において、体験型ツーリズムの導入など、島の活性化を推進することということが必要であるとしています。
 一方ということで、都市の海岸線の多くは現在産業や物流の場となっているということから、人と海とが触れ合える場の創出というものが必要であろうとしております。
 干潟・藻場と国立公園、国定公園、また国指定鳥獣保護区、こういったものの重複状況について見てみますと、そのほとんどが現在、規制の緩やかな普通地域ということになっております。今後、瀬戸内海の海域について、自然環境や社会状況、風景評価などの多様化を踏まえて、国立・国定公園区域の拡大を図るとともに、公園内で特に重要な生態系を有する海域公園地区として積極的に指定し、適切な管理を進めるといったことが必要であるとしております。
 地域の参画・協働の促進ということでございますが、多くの人々に瀬戸内海に来てもらい、体験してもらうために、市民の海岸へのアクセスを確保していくことということが重要であるということ、また手軽に環境モニタリングに参加できるような生物指標づくりといったものが必要であろうとしております。また、望ましい海の姿などの地域ごとの目標というものを広く共有していくこと、また地元で活動している漁業者や市民団体の取組が大切であり、これを積極的に支援していくとともに、人々や企業に関心を持たせ、参加させる仕組みが必要であるとしております。
 こうした活動を推進・継続していくためには、これら環境保全活動や調査活動などを通じて把握した問題が、社会の課題として広く認識され、施策に反映されていくことが重要であるとしております。
 海洋ごみ対策ということでございますが、瀬戸内海全域の環境を考えていく上で、上流域も含めた流域圏という考え方で、海洋ごみ問題に取り組むことが重要である。漂着ごみにつきましては、発生抑制対策や回収・処理対策、また、漂流ごみ、海底ごみといったものについては、その処理責任の明確化でございますとか、陸上でのごみの適正処理、一人一人のマナー向上などの発生抑制対策の取組が重要であるとしております。
 6番目でございます。総合的な資源管理として、海域への栄養塩負荷をできるだけ効率的に漁業生産に結びつける観点から、投棄や混獲を減少させ、経済価値の低い小型漁の漁獲を避けるなどの方策を講じていくといったことによって、資源管理を適切に実施していくこと、また水産生物の生活史に対応した良好な生物の生息環境空間を創出することといったことで、生態系全体の生産力を底上げしていくといった観点から、藻場・干潟といった場の造成といったものを、資源管理と合わせて一体的に推進していくことが重要であるとしております。
 7点目、気候変動の対応としまして、地球規模の気候変動によって、瀬戸内海においても海水温の上昇等の影響が見られているということがございます。これらについて生物多様性等への影響調査、適応策などの長期的な視点での対応方策の検討が必要であるとしております。
 8点目でございます。環境配慮型構造物の導入の推進ということでございまして、沿岸域の防災機能を高めるための取組の重要性が増していることがございます。新たな護岸等の整備や、既存の護岸等の補修・更新時に緩傾斜護岸や生物共生型護岸など、可能な範囲で環境配慮型の構造物の採用を考えていく必要があるとしております。
 続きまして、環境保全・再生の推進方策ということでございます。1点目、瀬戸内海環境保全基本計画の見直しということで、現在、瀬戸内海の環境保全のマスタープランとしまして、、瀬戸内海環境保全基本計画がございます。環境や時代の変化に適応させ、今後の目指すべき将来像の実現に向けて、今回の報告・答申を踏まえて、豊かな瀬戸内海を実現するための施策の導入でございますとか、目標項目の再構成、具体的な数値目標の設定、これらの見直しに向けた検討を行うことが必要であるとさせていただいております。
 また、湾・灘、あるいはさらに細かいスケールでの特性を踏まえた、地域における豊かな海の具体像を反映させていくため、同法に基づく府県計画についても、この目標の設定でございますとか、目標を達成するための施策について、見直しに向けた検討を行う必要があるとしております。この見直しに当たりまして、当該地域の過去の環境の状況でございますとか、現存する自然環境、海域利用状況等と、目標設定に必要な情報を共有しつつ、市民、漁業者を初めとした利害関係者の協議により、目標を設定することが重要であること、またその際には地域間の計画の整合性を確保し、円滑な事業の実施を図るために、広域的な連携が必要であるとしております。
 続きまして、評価指標の例ということで挙げてございます。こちらにつきましては、前回委員会で議論していただきました評価指標ということで、例示をさせていただいております。特に、場の視点、流れの視点的なところは、現在省いた形で整理をさせていただいております。説明は省略いたします。
 13ページ、3番の役割の明確化ということでございまして、これらの瀬戸内海の環境保全・再生の取組は、多様な主体によって実施されてきていた。今後もこういった各主体の役割を明らかにしていくということが重要であるとしております。
 4点目、広域的な連携の強化ということでございますが、現在、管理体制の一つとしまして、関係13府県と政令都市、中核市の首長による瀬戸内海環境保全知事・市長会議が組織されているところでございます。一方で、瀬戸内海は12の海域に区分され、それぞれに対応する自治体等が取組を行っているということでございますが、海域ごとに従来の行政区分を超えた新しい地域区分での対応でございますとか、隣接する府県、あるいは国の機関との調整が必要であるということでございますので、今後ともそれらの間で綿密な連携や調整を図っていくことが望ましいとしております。
 5番目でございます。環境教育・学習の充実ということで、まず子供たちに海に接してもらうことということから、体験型環境教育・学習の場として、干潟等を積極的に活用していくこと、また、森・里・川・海のつながりを重視して、市民、海の仕事に従事する人、行政などの連携のもと、沿岸域における環境教育・学習を推進していくという必要があるとしております。
 また、環境保全に参画していける人材を育てていくという観点から、学校や地域における環境教育・学習の取組の推進でございますとか、人材の育成といったもの、さらに環境教育・学習と防災教育・学習を一体で推進するといった観点などを指摘しております。
 6番目でございます。調査研究、技術開発の推進ということでございます。瀬戸内海の環境保全を推進していくために、生態系を初めとした現状の的確な把握、精度のよい将来の予測、物質循環・生態系管理に係る構造解析等々のさまざまな分野で研究、知見の蓄積といったものを進めていく必要があるということがございます。そのために、実験事業等によって、モニタリングと課題に対する科学的・技術的な解決策の研究が必要であるとしております。
 また、技術開発という観点から、悪化した底質環境の改善、あるいは赤潮や貧酸素水塊の発生を抑制する技術、環境負荷をかけずに、効率的に栄養塩を高次生物まで循環させる技術等々の必要性をうたっております。また、浚渫土砂とリサイクル材等を用いた土質改良材について、環境改善効果の実証だけではなく、生態系への環境影響を十分に検証した上で活用を進めていくといったようなことを指摘しております。
 取組の体制ということにつきましては、国、地方公共団体の試験研究機関、あるいは大学、博物館、企業、そういった主体がございますので、総合的に取り組むための仕組みといったものを構築していく必要があるとしております。
 情報発信、広報の充実ということで、水質等の環境、それから生態系に関する調査・研究の結果といったものを広く公表して、瀬戸内海の価値、現状、課題などを正確に情報発信していくことが重要であるとしております。また、教育、食、文化、遊びを通じた普及啓発活動、市民の環境に対する認識の確認、それらの取組によって、市民の関心を高め、身近な瀬戸内海に対する意識共有を図ることが重要であるとしております。
 最後でございます。世界の閉鎖性海域との連携ということで、こういった公害克服、環境保全の経験を生かして、瀬戸内海における水環境保全の取組をパッケージ化し、諸国、国際的に情報発信をしていくこと、そうした国における環境対策に協力していくこと、こういったものをうたっております。
 説明は以上でございます。

○松田委員長 大変ありがとうございました。
 この15ページにわたる相当広範な内容を含むこの環境保全・再生の在り方の取りまとめ(案)について、ご説明いただきました。既にご理解いただいているかと思いますが、先ほど議題1で検討した将来像、これをあわせて検討が必要な部分もあるかと思いますので、そのあたりについてもご意見いただければと思います。例えば、先ほど議題1でご指摘いただいた順応的管理などについても、こちらの在り方のほうでも数カ所出ておりますので、あわせてご検討いただければと思います。
 それでは、ご意見、ご質問、あわせて承りたいと思います。いかがでしょうか。
 どうぞ、柳先生。

○柳委員 2点あるんですけれども、まず2ページの下です。海砂利採取後の修復とか書いてありますけれども、具体的にどうやって修復するとお考えなんですか。

○千野係長 瀬戸内海におきましては、一円で広範囲に海砂利採取が行われておりますけれども、大阪湾のように、窪地、スポット的に深いようなところにつきましては、例えば航路浚渫で発生した土砂を、そのような深くなっているところに埋めていくようなことはできるのかなと。ただ、全体的に掘り下がっているようなところにつきましては、そもそもそこが本当に重要であるかどうか、また戻していけるのかどうかも含めて、まずはどこを修復すべきかを明確にした上で、スポット的なようなところを修復すべきではないかと考えてございます。

○柳委員 いや、大阪湾の深掘りならわかるんですけれども、これイカナゴなんて書いてあったら、備讃瀬戸西部ですよね。そこは海砂利そのものは海峡から供給されていたので、自然ではもとに戻らないと思いますし、やるとしたら代替材だけれども、そう簡単にはいかないのではないかという気がするので、大阪湾の深掘りならこういう書き方をしないほうがわかりやすいと思うんですけれども。こう書くと、実際には無理だと思っているので検討してください。

○松田委員長 ありがとうございます。
 ここにも一応、優先的に修正すべき場所を明確にして、どこでもということではなくて、新たな環境破壊にならないように留意しながらとは一応書いてあるんですけれども、それも含めて少し表現を検討したいと思います。
 それから大阪湾の中なんかでは、実際にもうこういうのが実験的にといいますか、事業として始められている部分もあるんですよね。ありがとうございました。

○柳委員 もう一点、すみません。
 8ページの(2)の上ですけれども、現在、利用されていない埋立地云々というのは、これは海と関係あるんですか。この文章だけなら、埋立地の陸の生態系だと思うんだけれども。

○松田委員長 埋立地は干潟や藻場を埋立てた場合もありますので……。

○柳委員 これは埋立地を崩すという話。そうは読めないですよね。この活用を検討するというのは、生物多様性の保全に配慮しつつ、これらの活用を検討するというのは、今、松田さんが言われたように、埋め立て地の岸壁を壊して水入れるという話ですか?

○松田委員長 そういうことも含めて、見直しや一時的利用も含めて、検討することが必要であるということかなと思いますが、いかがですか。事務局。

○千野係長 意見募集をした中でご意見として、錦海湾の塩田跡地の再利用に向けた検討ということで、閉め切った堤防を一部開放して、それをまた浅海域として修復していくような、そのようなご意見があったと。それを踏まえての記載でございます。

○柳委員 ではちょっとその堤防を壊すという一語を入れてもらわないと、これだけではわからないと思うんですけれども。

○松田委員長 実際にいわゆる未利用地というような形で言われている部分が、かなりの面積があることはたしかですので、それについての検討課題ですので。表現については、まだ今回だけではありませんので、少し時間かけて検討したいと思います。
 そのほかいかがでしょうか。

○中瀬委員 今の話題に関連するんですけれども、調査研究で瀬戸内海でどれくらいの事業が本当に動いているのかということを拾い出したほうがいいと思うんです。例えば私が知っているだけでも、陸域で戻そうとしているのが、尼崎21世紀の森なんかは干潟までつくろうとしますね。自然再生の森をつくって、干潟までつくってやろうとしている。神戸空港も西側のところを大きいラグーンをつくってやっていますよね。あるいは加古川なんかでしたら、干潟をちゃんと残した河川計画をやろうというのが出ていますね。なんかそういったもの、いろいろなことが今、瀬戸内各地で起こっている、そういう事例なんかを調査研究で明確にすると、今のような議論がもっと活性化してきて、より具体にわかりやすくなると思いますので。
 あと気づいたところで、この3ページの景観のところは景観と風景、きっちりと使い分けられているんですね。と思って読んでおりましたので、景観と風景もしっかりと用語使い分けられていると思いますので、よろしくお願いします。
 それから、10ページのところに地域の参画・協働の促進ということで、突然ここに「企業」という文字が2つ出てくるんです。今まで企業という言葉が出なかったのに、ここだけ2カ所、企業、企業と出てきますので、ここら辺、うまく全体との整合をとっていただけたらと思いました。
 以上です。

○松田委員長 ありがとうございました。
 3つご意見をいただきました。初めの調査研究に関するご意見では、実際にどういうことがどこで行われているかの全貌がわかるようなことができないかということです。この中にそういう趣旨を入れるのは結構だと思いますし、全事業リストというんですかね、そういうわかりやすいデータベースが今のところないようにも思いますので、今後のヒントとして非常にありがたいと思います。
 そのほか、2番、3番目のご意見について、事務局は何かありますか、現時点で。景観と風景、それから企業をどのような形で関与させていくかというあたりです。
 多分、今までには何カ所か、多様なステークホルダーといいますか、関係者の間での協議とか合意形成とか、いろいろなところ出てきていて、その中には当然、企業ですとか、それは入っていると思いますけれども、どこでどういうふうに表現するかということでしょうかね。

○中瀬委員 企業がいけないと言っているんではなくて、いいんですよ。上手に企業さんも当然、企業市民、企業国民としてどう対応するのかということをしっかりと出していただけたらうれしいと思いますので、批判的に申し上げたのではなくて、肯定的に今申し上げた意見です。

○松田委員長 どうぞ。

○白山委員 非常に力作だとは思うんですけれども、力作過ぎて、どこが一番大事なポイントかがちょっとはっきりしない。つまり、全体が非常に平板で、淡々と並んでしまっていて、企画専門委員会からの報告にしては、ありきたりのことが並べ立ててあるだけに終わってしまっているところがあると思うんです。ただ、例えば先ほどの企業に関するコメントとか、今までと違ってここは新たな展開をというようなところがもう少しわかるように書いていただくと、報告らしいというか、我々としてこれだけの時間をかけて議論した結果としての中身が、もう少し充実するのではないかと思います。
 例えば、今までよりも順応的管理に関することに少し力を入れていらっしゃるとか、それから底質環境ということに少し視点が移ってきているとか、そういうあたりがもう少しよくわかるような書き方にしていただけるといいのかなと。それとあと、今まではUに書いてあるところの目指すべき豊かな瀬戸内海に対して、これをやれば豊かな瀬戸内海の美しい海に貢献できるといった、そういうUとの関係もときどき参照した格好で書いていただいたほうがよろしいのではないかという、全体的にトーンをお考えいただけるとありがたいということ。
 もう一つ、出典というんですか、例えば1ページで言えば、「瀬戸内海の広い範囲で透明度は改善してきていると言われており」と書いてあるんですけれども、やはり出典がどこかにないといけないのではないかなと思うんですよね。全般に恐らく感覚的にはそう考えられているのは正しいんだろうとは思うんですけれども、やはりきちんと出典をどこかに入れていただきたい。部分的には出典が入っているんですけれども、もう少し出典が入っているほうがよろしいのではないか。つまりそれは我々は諮問に対して報告を差し上げるわけでございますから、報告を受け取ったほうから言うと、そういう出典の情報がきちんと書いてあるもののほうが、報告書としての価値が大分高まるだろうと思います。
 もう一つ、全体をまとめた要旨みたいなものがどこかにほしいなと。それは先ほど申し上げた、ここがポイントというのがわかるようなものをまとめたところがあると、先ほどの私の最初のコメントにつながるんですけれども、めりはりが少しきいたものになるのではないかとコメントさせていただきたいと思います。よろしくお願いします。

○松田委員長 ありがとうございます。
 大変重要な有効なご提言を3ついただきました。1つは全体的な書き方、トーン、表現というようなことですが、非常に力作だけれども平板だというのは、多分、ほかの委員の先生も感じているところかと思いますが、この中には内容的には従来の施策になかった新しい部分、何点か入っていると思うんですが、そこがなかなか読み取りにくいというようなことかとも思います。これは3番目のご提案の要旨といいますか、私もA4、1枚ぐらいの図化したようなものが必要ではないかと、事務局には申し上げております。そういったところでこれが新しい目玉商品であるとか、これは従来の施策になかった部分であるというようなことがわかるような、全体としての仕掛けにしていただけるとありがたいと思います。
 それから2番目のご指摘は、前回の委員会でも白山先生からご指摘いただいたと思いますが、エビデンスとか根拠がよくわかるように、それは多少作業としては大変ですが、本文の中にあまり詳しく書くと大変ですから、ここはこれを参照してほしいとか、引用文献とか、そういうのがわかるようにできるといいと思いますので、ただいまのご意見を、できるだけ反映したいと思います。
 ありがとうございました。そのほかいかがでしょうか。

○木幡委員 今の白山委員のご意見、1番目のところなんですけれども、私なりに一つだけ、いろいろあると思うんですが、一つだけ今回新しいかなと思うのは、今までの瀬戸内の対策ですと、どちらかというと、従来型の保全というんですか、できるだけ影響を小さくしよう、小さくしようという規制型だったと思うんですが、ここで多分この委員会で考えているのは、地域ごとに目指すべき将来像を設定して、積極的に創造とか再生をやるんだと。そのための技術とか科学技術みたいなもののバックアップもしていくんだというような、もうちょっと積極的な姿勢があるような気がするんですけれども、もしそういう理解でよければ、その辺もう少しなんかわかるような形で書いていただければなと思います。
 それから先ほども申し上げたんですが、ではそれを一体誰がやるのか。手を動かすのは誰で、それを支えるのは誰でというようなところがもうちょっとわかったほうがいいかなと思うのと、あとちょっと懸念材料としてはどこかに書いてありましたけれども、地域の過疎化や高齢化があって、あるいはここでは海だけなんですけれども、陸上のほうでは農作放棄地があったり、そういったものも多分海洋への影響は考えられるし、それから漁業も決してバラ色の将来だけではないみたいなところもありますよね。そういったところをどう考えていくのかという視点があってもいいような気がします。だからそれを社会全体としてどう支えていくんだという考え方ですかね。
 それからあと、もうちょっと細かいところの指摘になるんですが、景観というところ、9ページ、景観の保全と書いてあるんですが、ここのところの書き方というのは、最後のところに重要な生態系についてはこうだという書き方もしてあるんですけれども、景観って結局陸上も含めた生態系の保全だと思うので、海だけにとらわれない生態系という概念があってもいいのかなという気がちょっとしたんですけれども、それはどうでしょう。

○松田委員長 ありがとうございます。
 初め点はかなり全体に関わる問題、先ほどの白山委員のご意見に対する補足といいますか、そういったコメントかと思います。それから景観や生態系のところを含めてご意見いただきました。検討させていただきます。現時点で何か事務局からありますか。よろしいですか。
 ありがとうございました。そのほかいかがでしょうか。
 森川委員どうぞ。

○森川委員 少し関連するのですが、全体的な目指すべき将来像は非常に高尚なものがあって、今後の在り方の一番最後の環境保全・再生の推進方策が11ページからになるのですけれども、先ほどご意見があったように、重要であるとか、いろいろな内容と、今後どういうふうに推進していくのかというところを一度並べてみると、この困難さも含めて見えてくるのではないかなと思います。
 例えば10ページに、海洋ごみの対策はその処理責任を明確にすることが重要でありと掲げていますが、再生推進方策の中のどこでそれを読むのかと、計画論で読むのかとか、それから例えば6ページのほうで、栄養塩の関係では現在の排水規制や総量規制の運用の中で検討することが必要であると、こう書かれているのですけれども、ここはこれで終わるということになるのか、少し全体を整理してみるといいのかなと思いますので、よろしくお願いいたします。

○松田委員長 ありがとうございます。
 これも大変重要なご指摘だと思いますが、要するに将来像、それから取りまとめの在り方、それから具体的な推進方策。これらの整合性が必要で、これは先ほど木幡委員からいただいた、実際にでは誰がやるのか、どこへこの話を持っていくのかというところにつながると思います。この委員会当初からの流れによりますと、11ページの推進方策の(1)のところにある瀬戸内海環境保全基本計画の見直しというあたりが、かなり具体的なターゲットになるかと思います。そのあたりになるべく具体的にスムーズにつなげるにはどうしたらいいかという観点からも、これから検討していくという、そういう形になるかと思いますが。大体、事務局としてもそういう感じでしょうか。
 はい、ありがとうございました。すみません、森川委員、追加でお願いします。

○森川委員 計画だけでは無理な部分があって、いろいろな法制度、総量規制制度をどうするのかというようなこととか、現行の制度との関係とか、そういったことに言及が全然なされていない。どのように変えるのか結論までは書けない委員会ではないかなとは思っているのですけれども、計画と普及・啓発、調査研究以外にアウトプットがあるという思いがありますので、ご検討をお願いします。

○松田委員長 ありがとうございました。
 森川委員はご承知のように、瀬戸内海環境保全の知事・市長会議の事務局のほうも一種の責任者でおられますので、では少しそこのところも調整していただいてよろしいですか。
 では、西田委員、どうもお待たせいたしました。

○西田委員 一点、意見ですけれども、初めのほうの環境保全・再生の在り方のところで、水質管理と底質管理に分かれていて、1ページの下から4行目のところに、「従来の水質管理の手法を基本としつつ」という文言がありますけれども、以前、在り方の議論のときには、今までの水質管理ではちょっとまずく、やはり物質循環の管理から考えていきましょうということで、そちらが中心の考え方という指摘があったと思います。ここの文章ではその下のところに、「物質管理の視点も考慮した」とありますが、この物質循環という言葉がこのVのところにはほとんど入っていません。例えば次のページの2ページ目の藻場のところの6行目には、「多様な生物が生息・生育するとともに、水質浄化機能を有し」と。水質浄化機能もあるんですけれども、実は「健全な物質循環」も干潟は担っています。物質循環という言葉をもうちょっとこの辺にきちっと入れていただきたいと思います。
 後ろのほうには例えば6ページのあたり、やっとここで「適正な物質循環の確保の観点」が記されています。今までどおりやっぱり「水質と底質の管理」ということが前面に出ています。この辺でももうちょっと物質管理、物質循環の管理とか、適正な物質循環、健全な物質循環という文言をもうちょっと入れていただきたいと思います。

○松田委員長 ありがとうございます。
 従来は非常に単純化すると規制型の水質管理を中心にしていました。そこから今回のいろいろな議論の中で、物質循環とか生態系を重んじる方向性が重視されている点は皆さん認めるところですが、そのウエートというんですか、それをどのあたりにバランスをとるかというあたりのご議論かと思います。ありがとうございました。
 これもではこれからの検討の中でどういうふうに表現するかということでいいですか。
 ありがとうございました。そのほかいかがでしょうか。
 少し議題1のところでありました順応的管理のほうについて何かございますか、よろしいですか。

○中瀬委員 順応的管理と取組の体制のところなんですけれども、やはりデータをどうするかということをもう少し書き込めないですかね。ここでは大学とか博物館とかが一緒にやりなさいと、それだけで終わっているんですけれども。やはりデータを蓄積して、それをうまくマネジメントして、そして順応的管理に持っていくというプロセスを踏んでいく、今ほとんどのところできていないんですけれども。やはりやっぱりデータ蓄積をやって、そのデータのマネジメントをどうするのかというのをしっかりと、どう書いたらいいかわからないんですけれども、それをすることによって順応的管理ができるわけですよね。だからデータなしのモデリングというのもちょっとしんどいと思いますので、トータルな順応的管理をどう進めるのかということは、書き方難しいですが、一回研究していただけたらと思います。

○松田委員長 ありがとうございます。
 簡単に言うと、順応的管理にもいわゆるPDCAサイクルのようなプロセスを取り入れ、モニタリングも生かすというところを書き込めないかということですよね。ありがとうございました。
 どうぞ。

○大塚委員 順応的管理と関連しますけれども、さっきの6ページのところでのご意見と類似の話ですけれども、例えば汚濁負荷量を夏季に少なくして冬季に多くするような、季節的な対応を総量規制の中でどうやってやっていくかというのは、かなり難しいのではないかと思うんですが、ここはもう少し詳しく書けたらありがたいと思いますけれども、いかがでしょうかというのが第1点でございます。
 それからあと地域の参画とか協働、あるいは市民の参画、協働については10ページに書いていただいてありがたかったと思っております。それから今までの議論の中で、有害物質とか重金属の話も出てはいたと思うんですけれども、さっき平板になるという話もあったので、あまり書かなくてもいいというお考えかもしれませんが、ちょっと出てきていなかったような気がするので多少気になりました。
 以上です。

○松田委員長 ありがとうございました。
 特に今回のこの提言の中では、ある意味で従来よりも空間的にかなり細かい単位、もう一つ、年間の総負荷量ではなくて、季節的に少し細かいケアをしようと。そこはある意味で重要なポイントですけれども、この季節的な対応というのは話としては岡田部会長おられますが、第6次の総量規制の在り方の検討ぐらいのときから、話としては出ているわけですよね。それがかなり今回のさまざまなヒアリングですとか、特にノリの色落ちなんかの関係で、随分多くの人から議論が出てきて、少し具体的に盛り込むというところです。これを実際どうするかという技術的な検討は、全体としてはまだあまり進んでいませんが、実験的にはいろいろ試みられていると思います。そういうところだと思いますので、これは課題のような気がするんです。難しいかもしれませんけれども、やる価値があるというような気がするんですが、いかがでしょうか。

○大塚委員 下水道のところから量を変えるとかということが、主なものではないかとも思うんですけれども、その辺がちょっと必ずしもよくわかっていないものですから、お伺いしたいんですが。

○松田委員長 そうですね。あとは実際に実験的にやられているのは、冬場のダム湖の放水とか、あるいはため池からの放水、そういうことは試みられてはいるということですね。
 何かありますか。室長。

○富坂閉鎖性海域対策室長 今、環境省で試験的にそういった現行の法規制の中でどれぐらい負荷量について増やすということができるかということを検討しておるんですけれども、下水処理場のほうには大分ご協力いただきながら、ちょっとできるところをやってもらうと。事業所のほうも、ちょっとトライをしてみたんですけれども、なかなか排水管理で機動的に動くということが今のところ難しいかなというようなお話をいただいておりまして、そういったところも含めて、まだちょっと課題としてはいろいろあるんだろうと。ただ、松田委員長おっしゃれたように、こういったことを今後トライしていく価値は非常にあるのではないかと考えております。

○松田委員長 ありがとうございます。
 環境省の別のプロジェクトも進めているというお話しでしたが、その辺も含めて最終的な書きぶりを決めていきたいと思います。
 そのほかいかがでしょうか。細かいことで、木幡委員、先ほど議題1のほうで、少し瀬戸内海に住んでいる人以外の話が出ましたよね。それでこの3ページの真ん中に(4)という、その上の3行ぐらいに、これらの瀬戸内海の価値や魅力を国内外に広く情報発信していく必要があるというような書き方があるんですが、このあたりも少しは役に立ちますか。

○木幡委員 そうですね。あとは一番最後のほうに、国際的なところもあったので。

○松田委員長 そうですね。国際的なのがありますね。

○木幡委員 そういったところも大事ではないかと思いますね。

○松田委員長 では、先ほどのご意見は先ほどの将来像とこちらをあわせて、どういうふうに役割分担するかはこれから少し変わるかもしれませんけれども、対応したいと思います。
 どうぞ。

○岡田部会長 細かいことで若干気になるのは、6ページの上から4行目のところに、栄養塩濃度は環境基準値に対して大きく下回らないように配慮すべきであると、ここまで書き込んでいいかどうか。やはり目的の違うものが混在していますので。趣旨はわかるんですけれども、下回らないようにすべきとここで書いてしまうのは、若干、ほかとの整合性で気になります。これは私がというより、むしろ行政的に再検討していただければと思います。
 それからこれは私、よくわからないんで、委員の先生に伺いたいんですが、藻場・干潟はいつも出てくるんですが、それより陸地側の、例えば塩性湿地とかヨシ原とか、そういうところがいまだかつて全く触れられていない。瀬戸内海は歴史的にそういうものはないからいらないんだということだったらもちろん結構ですけれども、そんなことは多分ないのではないかと思うので、さっき柳先生が埋立地をつぶすつぶさないとなると、干潟のことになりますが無味乾燥な干潟と外国人はそう言うわけですが、もう少し豊かな塩性湿地みたいなものをつくることによって、別の形の例えば野生生物保全とかできるようなことも、これは将来の話ですから入れてもいいのではないか。間違っていなければと思います。これはご検討いただければ。むしろほかの先生、私より専門の人にご意見を。

○柳委員 今でもありますよ。塩性湿地は。

○岡田部会長 あるよね。だからそれが少ないでしょう。

○柳委員 少ないです。

○松田委員長 ありがとうございました。
 今2つご意見いただきましたが、順番を逆にして、2番目のいわゆる藻場・干潟でない、例えば浜ですとか、塩性湿地とか、少し陸上に近いほうを含めた部分の重要性を表記するということは、多分、この森・里・川・海のつながりの確保ですとか、それから先ほどもちょっと埋立地が遊休化しているというのはありましたが、あの辺とも非常に関係してきますので、ぜひこれを取り入れるといいのではないかと思います。
 それから初めのほうの、もう少し具体的な部分ですが、この6ページの5行目、これは実はこういうふうに書くとすれば、かなり一歩踏み込むことになるという、結構これから議論すべきポイントになる文章です。これについては、現地ヒアリングとかではこういった意見が出てきたんですけれども、ちょっと、突然すみません、森川委員何かありますか。これについてご意見は。

○森川委員 いえ。特にはありませんが。

○松田委員長 いいですか。
 ではどうぞ。

○鷲尾委員 下げ過ぎないようにという意図がありまして、これまでは目標があるんだったら、それ以上行くことはいいことだということがあったので、限度問題があるんだよという話の指摘の意図だと思いますので。

○森川委員 大きく下回らないという、表現の問題だと思うのです。適切に維持するようにという意味でいいのかなと。

○松田委員長 全体としては、この企画専門委員会での検討は、ある意味、瀬戸内海で大阪湾を除く部分については、N、Pについては環境基準がほぼ達成されて、その後どうするかという、多分、国際的に見ても非常に新しい視点での議論をしていると思いますので、ここのところは今日でファイナルというわけではありませんので、この文言の表現については、さらに検討したいということでいいですか。

○岡田部会長 例えば一次生産を守るために、環境基準値という議論をするのは、やはり少し違うものが一緒に入っている気がするんですね。環境基準値はあくまでも今の水利用目的に対して、これ以下にすれば水利用目的が保全されると言っているんであって、ここで言いたいことは、生産を維持するためにという話ですから、全く違うものですから、これらをいっしょにして環境基準の目標値で大きい小さいと比較するのは、あまり妥当でないと僕は思うんですけれども。そういう意味で申し上げました。

○松田委員長 ありがとうございました。
 そのほかの課題についてはいかがでしょうか。どうぞ。

○白山委員 個別具体的で小さいことかもしれませんけれども、この中にラムサールのことがないように思うんですけれども、やっぱりそこは配慮していただいたほうがいいと思います。

○松田委員長 これは、次の議題で骨子の説明がありますが、環境政策をめぐる新たな流れみたいなものが資料3の真ん中辺にありますよね。このあたりに入れることが可能ですか。ラムサール条約では、ご承知のように藻場・干潟は完全な湿地ですので、そういうようなことでよろしいですかね。事務局いかがでしょうか。

○富坂閉鎖性海域対策室長 ご指摘のありました点については、どこかで反映させるようにしたいと思います。

○松田委員長 ありがとうございました。
 そのほかいかがですか。
 それでは、最後に少し時間をとるということで申し上げましたので、次に議題の3番目でございますが、委員会報告骨子(案)について、これについて説明をお願いいたしたいと思います。

○千野係長 それでは、資料3に基づきまして説明いたします。
 諮問に関する委員会報告の骨子(案)ということでございますけれども、構成は大きく分けて、4つに分けようと思っておりまして、Tが現状と課題、Uが今後の目指すべき将来像、Vが環境保全や再生の在り方、Wが今後の環境保全・再生施策の展開と考えてございます。
 Tの現状と課題につきましては、これから作成予定ということでございますけれども、これまでの委員会資料をベースに、各ご意見を反映させながら作成したいと考えてございます。小項目につきましては、一つ目が瀬戸内海の特徴ということで、「庭」「畑」「道」としての価値、2つ目がこれまでの環境保全施策の経緯、前回の基本計画の改定ですとか、フォローアップ、論点整理などを触れたいと考えてございます。
 3つ目に環境の変遷と課題。水質や底質、沿岸生態系や景観、また地球温暖化や生物多様性といった新たな課題、湾・灘ごとの課題といったものを触れたいと考えてございます。
 また、先ほどご意見でもあったように、環境基本計画ですとか、湾再生、また海洋基本法、生物多様性に係る取組として、ここで触れたいと考えてございます。
 2つ目の目指すべき将来像につきましては、先ほども室長から説明があったとおり、今回資料でいう資料1−2がこの2部に該当するわけでございますけれども、一点だけ、少しちょっと表現を変えさせてもらったところがございまして、資料1−2でいきますと、考慮すべき観点ということで、3つ当初挙げさせていただいたわけでございますけれども、その1つ目の湾・灘規模での地域ごとの特性の把握というものを、ここで言う地域に応じた豊かな海という表現に少し変えさせていただいて、内容は概ね同じように考えてございます。そのほかの2つの里海づくりの手法と、順応的管理のプロセスは、また別のところで反映させていただいているということでございます。
 3つ目の環境保全・再生の在り方と、4つ目の今後の環境保全・再生施策の展開は、本日、室長から説明のあったとおりの構成となってございます。
 以上で説明を終わります。

○松田委員長 ありがとうございました。
 この企画専門委員会も、これから取りまとめのステージに入りますので、本日はこの骨子(案)ということで、資料3のご説明をいただきました。
 本日の議題1−2の議論とも関わるところですけれども、これについて何かご質問、ご意見いただけますでしょうか。
 どうぞ、白幡先生。

○白幡委員 先ほど環境保全・再生の在り方の取りまとめ(案)の説明がありまして、それで委員からも意見がありましたように、とにかく網羅性というか、漏れなくというか、それは大変よくできているという感じで、もう何も言うことないと思うんですけれども、あまりたくさんあってよくわからない。何が最も大事で、何がその次にというような、それをどう表現するか。全体によくできているんですが、まとめのときは絞った形で、できるだけこの専門委員会から上に上げるものとしては、何を言われても反論できるような、完璧であるよりは、重心がここにあるというのがわかるようにしていただきたいなと思うんです。それをお願いしたいと思います。
 例えば、その取りまとめ(案)のところの冒頭、豊かな瀬戸内海を実現するための基本的考え方で大変印象深かったのは、「瀬戸内海はいまだに豊かで美しい自然を有しており」というところで、なかなか立場がはっきりしている。「いまだに」なので、あまりいらんことしなくても意外に守られてきたのではないかと。いいところもあるよというところなんですよね。ずっと従来言われてきたのは文明の攻撃に大分もろくも崩れ去ったという感じだったんですが、ここはやっぱり「いまだに」と書くと、やっぱりいいところがたくさん残ってきました、それをどうやって守っていくのかなという、そういうニュアンスが専門委員会の立場だというふうになるかもしれないですね。
 だから、私は「いまだに」で悪くはないと思っているんですけれども、それで全部かというとそうではないので、その辺、たくさんどれにも対処するというのも大事なんですけれども、この特に、いまだに豊かで美しい自然を持っているという点をどう表現するかでちょっと考えたんですが、今、豊かな瀬戸内海を実現するのか、再現するのか、創造するのか、再生するのかという、これはその一言で立場が物すごくはっきり出てくると思うんですね。それで、トータルにはこの報告は大体将来像と再生という、保全と再生と言っているんですね。その辺は最終的にははっきりさせておいたほうがいいのではないかなと思います。
 以上です。

○松田委員長 大変ありがとうございました。
 大きな意味での全体のこの企画専門委員会としてのスタンスがなるべくわかるように、今日の柳委員からのご意見、それから先ほどの白山委員からの意見にも関係すると思いますが、それで前提としては、網羅性が高いけれども少し優先順位や目玉の部分がわかりにくいという、先ほどのご意見とも関わるところです。あと環境省でこういうのがまとまると、政策発表とかウェブに公表したりで、簡単にまとめる資料をいずれつくらなければいけないですよね。そういう意味では次回に、まだパーフェクトなものという意味ではなくて、これをまとめて、例えばA4、1枚とか2枚の図にするとどういうものになるかという、ごくたたき台的なものを、少し時間をかけて検討したほうがいいかと思いますので、つくっていただきたいと思います。宿題になりますけれども、そういうプロセスでよろしいでしょうか。
 ありがとうございます。
 それから、「いまだに」というところをきっかけにして、この再生、創造、保全というあたりを、概念とこの実態をどういうふうに整理するかというところも大きな課題ですので、今後検討していきたいと思います。
 そのほかいかがですか。どうぞ。

○木幡委員 最終的に報告書案が上がるときは、これのほかに別冊みたいな形で資料編がつくんでしょうか。ちょっと指標のところが気になったんですけれども、評価指標が全然議論されていないんですが、この辺、もし資料として用意するんだと、少しは議論を皆さんでしたほうがいいかなと。

○松田委員長 全体の報告書のスタイルといいますか、先ほどから主文みたいなものはなるべくわかりやすく簡単にして、しかしちゃんと根拠やエビデンスがわかるようにということになると、今、ご意見があったように、なんか付属資料をつけるという形もあるかと思います。今でもいいですし、今後検討というようなことでも結構ですが、課題にしましょう。

○富坂閉鎖性海域対策室長 前回の議論でもそうでございましたけれども、いろいろ趣旨といいますか、主張については簡素にわかりやすくということがございますので、それ以外の部分で重要な資料でございますとか、そういったものについては参考資料とか、別冊という形でなるべく反映させたいと考えております。

○松田委員長 ありがとうございます。
 それがいいかもしれないですね。ありがとうございます。
 そのほかいかがですか。どうぞ。

○柳委員 さっきの岡田さんの件にも関係するんですけれども、このTの3、環境の課題の(3)のさらにその括弧の中で、藻場・干潟・海岸等と書いてある、その干潟の後に、「ヨシ原」と入れてもらえませんかね。塩性湿地という言葉は多分そんなになじみないので、むしろヨシ原のほうが、さっきの遊休地を壊すという言い方はいいか悪いかわかりませんけれども、そういうところまで考えるのなら、ヨシ原の位置づけ、物質循環は非常に重要なんですけれども、書いてもらったほうがわかりやすいと思うので、検討してください。

○富坂閉鎖性海域対策室長 本日の資料2の中では、一応汽水域というものは表現は入れているんですけれども、ヨシ原とか、ちょっと表現、どのような言葉を使うのが一番伝えやすいかということを検討させていただきたいと思います。

○松田委員長 海浜植生みたいなものもありますしね。わかりました。では、ここは検討させていただくことにします。
 ちょっと時間がなくなってきましたので、初めに申し上げました議題1、2まで含めて、全体を通じてのご意見もいただければと。
 どうぞ。

○岡田部会長 資料3の今のやつを見させていただいて、若干感じたことなんですが、T、Uはよくて、Vがここに豊かな瀬戸内海を実現するための基本的考え方というのが出てきますね。つらつらっと(7)まで来ると。これが基本的考え方で、Wのところに基本的な考え方に基づく重点的取組と、こういうふうに出ているんですが、例えばぴったり合わせる必要があるかどうかわかりませんが、基本的考え方に基づいて、重点的取組が出ているはずなんですが、海洋ごみの話とか、気候変動の話とか、そういうところが基本的考え方に全く入っていないんですね。ですから、問題認識がどうなっていて、それを解決するために何をするのか、なぜこれが重点なのかというのがぱっと読んでわかりにくくなっている。そこは整理していただいたほうがいいかと。
 それから例えば、(2)のところの生態系の健全性の回復というところの3)に、森・里・川・海のつながりを確保、書いてある内容はいいんですけれども、森・里・川の話は、基本的考え方のところでは(4)に入っているのかな、(5)に入っているのかな。なんかその辺の整合性を整理していただいたほうが、この報告書を読んだときによくわかる。そもそも、基本的考え方と重点的取組というか施策の展開は、どういう関係にあるのか、これももう一回整理していただいたほうがいいかなと。2つ本当にいるのかよくわかりませんが、やはり目標を定めて、それに向かって何をするかということが明解になるように整理していただければと思います。

○松田委員長 基本的に非常に重要なご提言をいただきました。この全体の構造の整合性を整えるということで、それによってよりわかりやすくなると思いますので、今、岡田部会長からあった通りだと思いますので、よろしくお願いします。
 そのほかいかがでしょうか。全体を通じて、あるいは議題1、2を通じてですね。
 それでは、この構成をもとにして本日いただいた議論に沿って修正しながら、諮問に関して委員会報告を取りまとめていきたいと思いますので、引き続きよろしくお願いいたします。
 本日、議題については以上でございますが、さらに事務局から何かございますか。

○西田室長補佐 連絡事項としまして、本日の議事録につきましては、速記がまとまり次第、お送りさせていただきますので、ご確認をお願いしたいと思います。全員のご確認をいただいたものを、環境省のウェブサイトにて公開いたします。
 それでもう日程調整させていただいているところなんですけれども、次回の第5回企画専門委員会につきましては、6月25日の14時から、東京霞が関周辺の開催を予定しておりますので、詳細な場所が決まりましたら、追ってご連絡いたします。
 次回の委員会には、第1章の現状と課題に加えて、これまでにご確認いただきましたもの、本日のご指摘を踏まえたものを含めまして、委員会報告(案)の全体版についてご提示させていただきます予定にしておりますので、よろしくお願いいたします。
 以上です。

○松田委員長 ありがとうございます。
 次回の予定、日時と内容についてご連絡いただきました。よろしいでしょうか。
 それでは、本日、非常に熱心なご議論いただきまして、大変ありがとうございます。それから議事の進行にご協力いただきまして、大変ありがとうございます。
 これで閉会にさせていただきます。ありがとうございました。

午前11時59分 閉会