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中央環境審議会瀬戸内海部会(第11回)議事録


平成24年8月13日(月)
環境省 水・大気環境局 水環境課 閉鎖性海域対策室

開会
議題
  • (1)諮問に関する企画専門委員会からの中間報告について
  • (2)今後の進め方について
閉会

午後1時58分 開会

○西田閉鎖性海域対策室長補佐 ただいまから中央環境審議会第11回瀬戸内海部会を開会いたします。
 開催に先立ちまして、本日の出席委員のご報告をいたします。
 所属委員27名のうち19名の委員にご出席いただいておりますので、中央環境審議会令第7条第3項により準用する同条第1項の規定に基づき、定足数を満たしており、本部会は成立しておりますことをご報告いたします。
 また、本日の会議は、中央環境審議会の運営方針に基づき公開とさせていただきます。
 なお、本日、プレスの方が取材に見えていらっしゃいますけれども、写真撮影等につきましては議事に入るまでとさせていただいておりますので、よろしくお願いいたします。
 開会に当たり、小林水・大気環境局長からご挨拶を申し上げます。

○小林水・大気環境局長 水・大気環境局長の小林でございます。
 実は先週金曜日、8月10日に鷺坂の後を受けまして局長に就任いたしました。これから先生方のご指導を得てしっかりやっていきたいと思っておりますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。
 こうやって拝見いたしますと、かねてからご指導いただいている先生もいらっしゃいますし、これから新たにいろいろご指導いただく方もいらっしゃるわけでございますが、この瀬戸内海の問題、日本の環境問題を代表する大変重要な課題と考えておりますので、どうかよろしくお願い申し上げます。
 さて、かねてから瀬戸内海の問題につきましていろいろご審議をいただき、ご提言もいただいてきているところでございますが、今日は大変猛暑の中、またお盆の真っ最中というときに開催させていただきまして大変恐縮ではございますが、課題が急を要するということで、お集まりいただいたところでございます。
 ご承知のように、昨年の震災以来、環境省は大変幅広い課題に対応してきておりまして、がれきの処理でありましたし除染でありましたし、それから放射性物質のモニタリングでありましたし、そういった新たな課題にも対応しつつ、ただ、従来からの重要な環境問題、これは手を抜かずにしっかり対応していこう、こういうことでやってきているところでございます。
 そういった中で、瀬戸内海におきましては従来から水質保全の課題に取り組んできておりまして、それなりに効果を上げてきた部分もあるわけでございますが、依然として赤潮や貧酸素水塊などの問題は存在しておりまして、より望ましい環境、豊かな海に向けて環境保全に取り組む必要があるだろうと認識しているところでございます。
 こうした背景から、昨年7月に環境大臣から瀬戸内海における今後の目指すべき将来像と環境保全・再生の在り方についてということで諮問させていただいたところでございます。早速企画専門委員会を設けていただきまして、諮問についての具体的な検討を進めていただいたところでございます。この委員会の取りまとめに委員長としてご尽力いただきました松田治先生にも今日はご出席をいただき、これまでの5回の委員会の内容、また現地関係者からのヒアリングの模様、こういったものを含めてのこれまでの取りまとめについてご披露いただき、そのご審議を賜る、こういうことでございます。
 瀬戸内海が有する多様な価値観、また今後、取り組むべきさまざまな取組について、いただきましたご意見を踏まえて、豊かな瀬戸内海を実現するための方向性を取りまとめていければと、大いに期待しているところでございます。そうしたことを通じて、これまで環境行政が目指してきた目標を一層進化もさせ、また、幅広いものになっていけば大変ありがたいと感じているところでございます。
 本日は、企画専門委員会の中間報告についてご審議をいただき、この部会の立場から、また、さらに広い観点からのご指摘、ご意見を十分いただきまして、今日の会議が充実したものになればありがたいと感じておるところでございます。
 以上、簡単でございますが、私からの挨拶とさせていただきます。
 本日はよろしくお願い申し上げます。

○西田閉鎖性海域対策室長補佐 それでは、お手元の資料を確認させていただきます。
 次第を1枚めくっていただきまして、資料1「これまでの諮問に関する検討の経緯」でございます。資料2−1としまして「諮問に関する企画専門委員会中間報告」、資料2−2としましてその参考資料集、資料2−3としまして「中間報告の概要」、資料3として「今後の進め方(案)」でございます。
 その後は参考資料でございまして、参考資料1「中央環境審議会瀬戸内海部会委員名簿」、参考資料2「中央環境審議会関係法令等」、参考資料3「瀬戸内海における今後の目指すべき将来像と環境保全・再生の在り方について(諮問・付議)」、参考資料4としまして「中央環境審議会瀬戸内海部会企画専門委員会委員名簿」でございます。参考資料5「諮問に関する意見の要点整理」こちらの資料につきましては、委員限りとさせていただいております。
 不足等がございましたら、事務局にお申しつけください。
 続きまして、前回、第10回以降に委員になられました方をご紹介させていただきます。
 国際日本文化研究センター教授の白幡洋三郎委員でございます。
 独立行政法人海洋研究開発機構研究担当理事の白山義久委員でございます。
 早稲田大学大学院法務研究科教授の大塚直委員でございます。
 また、本日は、大塚直委員、鷲谷いづみ委員、門川大作委員、白幡洋三郎委員、武岡英隆委員、豊田寛三委員、道浦母都子委員、湯ア英彦委員につきましては欠席のご連絡をいただいております。
 続きまして、事務局側に異動がございましたので、ご紹介させていただきます。
 先ほどご挨拶させていただきました水・大気環境局長の小林でございます。
 水環境担当審議官の奥主でございます。
 水環境課長の北村でございます。
 私、閉鎖性海域対策室長補佐の西田でございます。どうぞよろしくお願いします。
 プレスの方におかれましては、これ以降の写真撮影等はお控えいただきますよう、よろしくお願いいたします。
 それでは、これ以降の議事進行につきましては岡田部会長にお願いいたします。

○岡田部会長 委員の皆様方におかれましては、お盆の時期で大変ご多用の折、ご出席いただきまして誠にありがとうございます。
 本日は17時までとご案内を差し上げておりますが、16時くらいを一つの目途として終了できたらということで議事を進めさせていただきますので、ご協力をお願いいたします。
 早速でございますが、議事に入ります。
 本日の議題でございますが、(1)諮問に関する企画専門委員会からの中間報告についてとなっております。
 昨年7月20日付で環境大臣から中央環境審議会会長に対して諮問がなされ、中環審会長から本部会に付議されました。そこで、先ほど局長のご挨拶にもございましたように、本部会に企画専門委員会を設置し、これまで議論を重ねていただいたところでございますが、この度中間報告が取りまとまったということで、1度本部会で議論していただきたいというのが本日の趣旨でございます。
 この中間報告の概要について、まずは企画専門委員会の委員長をお願いいたしました松田先生よりご説明いただきたいと思います。

○松田委員 企画専門委員会の委員長を務めさせていただいております松田と申します。よろしくお願いします。
 この中間報告も、なかなか内容が多岐にわたりますので、資料2−3として概要を1枚にまとめさせていただきました。ただいまから、この資料に沿って概要のご説明をさせていただきたいと思います。
 諮問のテーマは「瀬戸内海における今後の目指すべき将来像と環境保全・再生の在り方について」ということで、この具体的な調査・検討を私どもの企画専門委員会で実施してまいりました。
 昨年10月から委員会を5回開催し、さらに現地ヒアリングと称する公聴会のようなものを瀬戸内海の西部、中部、東部、実際には北九州市、高松市、大阪市と3回実施させていただきました。
 本委員会に与えられた課題は、大きく2点でございます。1つは、目指すべき将来像は一体どういうものであるかという点、もう一つは、それを実現するためにはどうしたらいいかをできるだけ具体化することでございます。
 これまでの施策の経緯を簡単に紹介させていただきますと、ご承知のように、瀬戸内法が制定されたのが1973年でございますので、来年で40年を迎えることになります。また、最後に基本計画が改定されたのが2000年でございますので、これからもかなり年月がたっております。
 また、第1章のところに「新たな流れ」という項目がございますけれども、最近の新たな流れとして、2008年には生物多様性基本法、それに基づく国家戦略によって生物多様性の重要性の増大、あるいは森・里・川・海のつながりの確保などが提示されました。また、エネルギー確保や物質循環といった海洋の役割の増大などの背景から、2007年には海洋基本法、また、海洋基本法に基づく海洋基本計画が2008年に制定されております。この中で海洋の利用と環境の保全との調和、あるいは瀬戸内海にとって非常に重要な課題でございます沿岸域の総合的管理といったテーマが提示されております。
 また、平成22年度には、今後の瀬戸内海の水環境のあり方懇談会、通称「あり方懇」というものが開催されまして、平成22年度末には論点整理として取りまとめられました。
 こういったことで、ここ数年、瀬戸内海の将来に対するさまざまな総論的な議論が行われてきました。
 このような流れの中で、単に水質がきれいであればよいといった水質管理中心的な考え方、見方から、例えばもっといろいろな生物が棲んでいて多くの水産物、魚介類も利用できるとか、あるいは海と人の関係が密接で気楽に海に親しめるといった「豊かな瀬戸内海」を目指すという方向性が出てまいりました。しかし、その方向性が具体的にどういうことかとなりますと、それぞれの海域によって違い、必ずしも共通認識が得られていたわけではございませんでした。
 そこで、本企画専門委員会といたしましては、概要版にもありますが、「庭」「畑」「道」の3つに例えられる瀬戸内海の3つの価値、機能について、それぞれがバランスよく最大限に発揮された状態を「豊かな瀬戸内海」として、これを目指すべき将来像と設定いたしました。
 この「豊かな瀬戸内海」の望ましいイメージとして、「美しい海」「多様な生物が生息できる海」「賑わいのある海」と整理させていただきました。
 また、それぞれの湾や灘、さらに細かい規模での海域の実情や特性に応じた豊かな海への、いわばきめ細かいアプローチが必要であるということを提示させていただいております。
 次に、この環境保全・再生の在り方につきましては、「豊かな瀬戸内海」を具体化する考え方として、4つの基本的な考え方と2つの共通的事項に整理させていただきました。
 4つの基本的な考え方とは、1、湾・灘ごと、季節ごとの状況に応じたきめ細やかな水質管理を行うこと、2、土砂供給にも着目し、負荷量削減と組み合わせた底質環境の改善を行うこと、3として、沿岸域における良好な環境の保全・再生、さらには創出を目指すというようなこと、それから4番目として、自然と暮らしや賑わいとの調和を図る自然景観及び文化的景観の保全を図るということでございます。
 また、2つの共通的事項といたしましては、1、森・里・川・海のつながりを考慮した地域における里海づくりを進めること、2番目として、科学的データの蓄積及び人為的に管理し得る範囲での対策の実施と、モニタリングによる検証、対策の変更による順応的管理、いわゆるアダプティブマネジメントでございますが、この順応的管理のプロセスを導入すること、この2つが共通的事項でございます。
 今後の施策の展開といたしましては、1つ、基本的な考え方に基づく重点的取組、2、その他重要な取組、3、推進方策の3つに整理いたしました。例えば、基本的な考え方に基づく重点的施策として、栄養塩と生物多様性・生産性との関係に関わる知見の集積や目標の設定、あるいは栄養塩濃度レベルの管理、底質改善対策、窪地対策の推進など。窪地というのは、深掘り跡地などのことでございます。こういったことを推進する。
 それから、さらに推進方策として、瀬戸内海に係る計画や法制度の点検・見直し、評価指標の設定などを提示いたしました。
 内容の詳細に部分につきましては事務局から説明していただきますが、今回は中間報告でございますので、本日は、ぜひ皆様からご意見をいただきまして、それを今後の企画専門委員会で最後の取りまとめに反映させていただきたいと思います。
 また、8月9日からこの中間報告についてパブリックコメントを募集しておりますので、そのパブリックコメントとしてお示しいただきました意見につきましても、最終取りまとめに反映していきたいと考えております。

○岡田部会長 松田先生、本当にお疲れさまでした。
 それでは、これまでの経緯と中間報告の詳細について、事務局よりご説明いただきたいと思います。
 ご覧になればおわかりいただけますように、中間報告は1章から4章までと比較的長くなっております。したがいまして、まず第1章までの部分をご説明いただき、ご意見等をいただきたいと思います。
 それでは事務局、よろしくお願いいたします。

○富坂閉鎖性海域対策室長 それでは、ご説明いたします。
 まず、資料1をご覧ください。これまでの諮問に関する検討の経緯でございます。
 ただいま松田委員からご説明がございましたように、これまで5回の専門委員会、また現地ヒアリングを3回実施しております。現地ヒアリングと並行してパブリックコメントを実施し、去る6月25日の第5回専門委員会において、この中間報告の取りまとめを行ったところでございます。
 現在、この部会と並行しましてパブリックコメント、一般の方からさらにご意見を伺うという手続を行っているところでございます。
 それでは、資料2−1をご覧ください。企画専門委員会の中間報告でございます。
 目次としまして、ご説明がありましたように、全体で4章立てとしてございます。
 3枚はねていただきまして、第1章、現状と課題でございます。
 第1節として、瀬戸内海の特徴を取りまとめてございます。
 これまでこの瀬戸内海部会のフォローアップの検討でございますとか、あるいは今後の瀬戸内海の水環境の在り方の論点整理といったところで、瀬戸内海にはどのような特徴があるのか、どのような価値があるのかという議論が重ねられてまいりました。ここで3つの価値ということで整理してございます。
 1つは、「庭」としての価値でございます。
 こちらは景観でございますとか観光、憩いや安らぎの場、人々にとっての価値、また、多様な生物にとっての生息の場としての機能といったようなことがございます。こういった人々の暮らしに対して美しい自然でございますとか文化度の高い暮らし、こういった魅力を「庭」としての価値として整理してございます。
 2点目が、「畑」としての価値でございます。
 これは直接的に、海面漁業生産力が高い漁業生産の場としての価値ということでございます。瀬戸内海の特徴としまして、陸域からの栄養分の流入でございますとか、瀬戸あるいは灘といった海流の豊かさ等が、こういった畑としての価値を生み出しているという整理でございます。
 3点目が、「道」としての価値でございます。
 海上航路でございますとか、あるいは栄養塩の物質循環の道筋といった機能を有しているという整理でございます。
 第2節は、これまでの環境保全施策の経緯でございます。
 瀬戸内海環境保全臨時措置法、また特別措置法に基づいて各種対策が行われてきております。こういった施策の結果、人間活動に起因する環境負荷の軽減は一定の成果が見られてきたと整理しておりますが、一方で、過去の開発等に伴って蓄積された環境への負荷、あるいは新たな環境問題、温暖化対策でございますとか生物多様性国家戦略といった課題への対応を挙げてございます。
 第3節としまして、環境の変遷と課題を大きく4つに整理してございます。
 1つ目は、水質でございます。
 水質総量削減制度に基づきまして、従来からの規制項目でございますCOD、窒素、りん、これらの汚濁負荷量については大幅に削減されてきております。全体としての環境基準の達成状況については、資料2−2の2ページ、図3から5で総量削減の状況について整理しております。また、3ページに環境基準の達成率を整理しておりまして、概ね良好な水質に至っているというところでございます。
 1点、大阪湾につきましては、まだ達成状況が足りないといった整理でございます。
 一方、植物プランクトンなどによる赤潮の発生が長期的には減少傾向である一方で、栄養塩をめぐり、ノリの養殖に対して色落ち被害などの影響が出てきているという整理をしております。赤潮、貧酸素水塊の発生、あるいは栄養塩不足等によるノリ養殖への影響といった課題については、これから解決すべき課題であるというのが全体の整理でございます。
 2点目が、底質・海底の課題でございます。
 資料2−2の9ページ以降、底質の分布図ということで、過去10年のものと最近のデータを整理しております。瀬戸内海の底質につきましては、すべての湾、灘で改善の傾向が見られている状況でございます。また、陸域からの砂の流入という点から、ダムや砂防ダムの建設などによってこういった供給量が減少してきているという指摘、あるいは海砂利採取による影響といったことを整理してございます。
 また、ダイオキシンですとか一部の重金属につきまして、河口や沿岸部など人為的な影響を受けやすい場所での相対的な高濃度、また、海に流れ込んだごみの海底への堆積、こういう課題がまだ残されているという整理でございます。
 3点目は、藻場・干潟・塩性湿地等について整理してございます。
 これらの藻場などにつきましては、陸域と海域の中間に位置するということで、水質浄化あるいは物質循環の機能について大きな役割を果たしているということで、これらの現状について整理してございます。
 藻場、干潟につきましては、1970年代後半から相当数が消失しているという事実と、これらの失われた藻場、干潟の再生といった取組が各地で行われているという点でございます。ただ、干潟が持つ本来の機能の回復につきましては、まだ課題が残されているという整理でございます。
 汽水域の湿地についてですが、瀬戸内海の海域につきましては、環境省でまとめております「日本の重要湿地500」でも多くがリストアップされている状況でございますし、今年7月に広島県の宮島南部の海岸域がラムサール条約湿地に登録されたといった整理もしております。
 埋立につきましては、瀬戸内法あるいは埋立免許の原則抑制といったことで埋立量は減少しておりますけれども、沿岸部に工場等が立地していて海に近づきにくい構造となっている、あるいは開発も手つかずになり、未利用の土地が存在しているという状況を整理してございます。
 4点目、景観の課題でございます。
 瀬戸内海の特色としまして、内海多島海景観、あるいは瀬戸の景観といった自然景観が一つの特徴でございます。もう一つの特徴としまして、人為的につくり出された漁港景観ですとか農業景観等々ございまして、こういう人工的なものと自然的な景観、こういった多様な景観要素が調和し、一体となって形成されていることが特徴であろうということでございます。
 そういった景観でございますけれども、島しょ部などの急速な過疎化、高齢化によって文化の継承の観点からの問題、また、島の活気が失われているといった課題があるということでございます。
 自然海岸につきましては、相当量が失われてきているということがございますし、瀬戸内海の代表的な景観である白砂青松につきまして、こういった維持活動が行われている地域とそのような活動をする団体、人が存在しない地域が見られているということで、こういう景観を保全、創出するための取組にまだ課題が残っているという整理でございます。
 5番目としまして、新たな課題を整理してございます。
 1つ目が、生物多様性・生物生産性についてでございます。
 瀬戸内海は非常に豊かな生物多様性・生物生産性を有しておりますけれども、以前に見られた魚が近年には見られなくなってきたといった声もございます。種類数、生息数といったようなところが大分下がってきているというデータと、それが回復しているというデータがございます。資料2−2の20ページをご覧いただきますと、生産量が減っていること、あるいは瀬戸内海においては世界に比べても生物生産量が相当量あるといった情報もございます。
 一方で、生物生息場としての海底の砂等が消失しているといったことで、例えばイカナゴ資源の減少が見られている、それに付随して各種の生物が減少しているといった指摘もある、そのような課題が挙げられてございます。
 資料に戻っていただきまして、2番目、海水温上昇の影響でございます。
 瀬戸内海につきましても長期的に海水温が上昇しているということ、それに伴って、これまで瀬戸内海で越冬できなかった魚類が出現するようになってきている、あるいはそれに伴って食害が報告されてございます。
 8ページをご覧ください。
 第4節としまして、環境政策をめぐる新たな流れということで整理してございます。
 松田委員からもご報告がございましたように、近年の動きということで幾つか環境政策のレビューをしてございます。
 まず、第四次環境基本計画でございますけれども、本年4月に環境施策の大綱として閣議決定されております。持続可能な社会を「低炭素」、「循環」、「自然共生」の各分野を統合的に達成することという整理をし、その基盤としまして安全が確保される社会であると位置づけられております。水質保全を含む部分につきましては「安全」という分野で整理されておりますし、生物多様性などにつきましては「自然共生」というキーワードで整理されております。
 2番目、生物多様性に係る戦略でございますけれども、生物多様性国家戦略が平成22年3月に策定されております。基本戦略としまして「地域における人と自然との関係の再構築」でございますとか「森・里・川・海のつながりの確保」といったものが示されております。また、生物多様性条約の第10回締約国会議が一昨年10月に名古屋で行われております。ここで「生物多様性の状況の改善」でございますとか「生態系サービスから得られる恩恵の強化」といった愛知目標が定められております。
 こういった動きを踏まえまして、現在、国におきまして生物多様性国家戦略の改定作業が進行中ということでございます。
 また、海洋生物多様性保全戦略が昨年3月に策定されておりまして、海洋生物多様性の重要性の認識でございますとか、我が国周辺の海域の特性に応じた対策などが示されております。
 3番目、海洋に関する総合的な取組としましては、平成19年4月に成立しました海洋基本法に基づきまして、海洋基本計画が定められております。全体の取りまとめ役は総合海洋政策本部でございまして、こちらで海洋の全体的な政策が進められております。当部会に関係する部分としましては「海洋保護区の在り方の明確化と設定」でございますとか「沿岸域の総合的管理」などが位置づけられてございます。
 海の再生に向けた総合的な取組としましては、現在、大阪湾再生推進会議、あるいは広島湾再生推進会議といったものが都市再生本部で進行中でございます。
 第1章につきましては、以上でございます。

○岡田部会長 ただいまのご説明、経緯はよろしいかと思いますけれども、現状と課題に関して、ご意見、ご質問等がございましたらお願いします。

○長屋委員 全漁連の長屋でございます。
 まずは短い時間で非常に幅広い方々の意見を聞かれて、また実態を踏まえて報告をまとめられました松田委員長をはじめ企画専門委員の皆様に深甚なる敬意を表する次第でございます。
 本報告書に示されました基本的な考え方に基づく施策を推進して、かつて存在していた豊かな瀬戸内海が一日も早く実現することを期待するものでございます。
 第1章、現状と課題についてでございますが、この中では、特に水質については一定の改善が見られる一方で、やはり栄養塩不足等によるノリ養殖への影響など、海域ごとや季節ごとの課題が残されているということ、また、底質についても、ダムであるとか河口堰の建設によって土砂量なり、特に粒径の大きな懸濁物の減少、こういうものが干潟等の底質の悪化に結びついていること、そして海底のごみが底生生物の生息や漁業操業の障害になっている、また、直立護岸の建設で生物が生息しにくい状況になっている、こういうことをしっかりと明記していただいた上で、新たな課題として生物多様性なり生物生産性の問題、特に平成元年以降は漁業生産量の推移と栄養塩濃度の推移が似た傾向を示している、このようなことをこの報告書の中で示していただいたところでございます。
 このような現状、そして課題についてしっかり明記していただいたことに感謝を申し上げ、また、この実現によってこれまでの「水清ければ魚棲まず」の海ではなくて、やはり清く、そして豊かな水で魚が健康的に育つ海、これを早く実現していただくための、この後に示された施策等について皆さん方のお力添えをお願いしたいということで、意見として申し上げさせていただきます。

○須藤委員 今の部分、特に水質の部分でございますが、水質改善が最近かなり大きくなってきて、赤潮の発生件数も100件程度になっている、こういう部分の記載は、それはそのとおりだろうと思うんですが、それと養殖漁業なり漁業生産との関連を見たときに、水質がよくなったこととそれが本当に密接に関係しているのかどうかは、グラフを見ても明快ではないですよね。特にこの数年というか、最近何年間かのものは、水質が極端に下がったからというほど密接な関係がないので、ここは非常に、今後の政策が特に重要なので、グラフを描くだけではなくて、統計学的にも検定をやるとか、きちっと科学的根拠に基づいて水質と漁業生産が、あるいは養殖業が関係するのか、あるいは赤潮の発生件数が密接に関係しているのか、今後の政策を立てていく上でここを誤ってしまうと、今まで総量規制をやってきたり、窒素やりんの除去をやってきたこととが非常に矛盾することになるので、結果として本当にそうであったら、それは改めるべきだと思うんだけれども、このデータを見る限りにおいては、そこまではっきり言うことは不可能だろうと思うので、特に事務局あるいは松田先生にお願いしたいのは、その辺のデータをしっかり確認していただいた上で、科学的根拠に基づいて、特に統計学的に有意な差があるか、目分量で見るだけではなくて、そこを明らかにしていただきたいと思います。
 水質が改善されているということは大いに結構だ、それは私も認めたいと思いますが、それと漁業生産とが極めて密接だという部分に関係するわけですので、これは今後の施策に非常に大きな問題を生じますので、ぜひそこは再度検討していただきたいと思います。

○松田委員 どうもありがとうございます。
 ただいまの点は、恐らく資料2−2の図30が関係するかと思いますが、これはあくまでエビデンスとして示しているだけで、この報告書では特に因果関係は述べておりません。
 それから、資料2−3の第4章、今後の施策の展開の1番目に簡単にまとめてありますが、栄養塩と生物多様性・生物生産性との関係については、まだなかなかわからない点が多いので、これに関わる知見を集積して解析を進めよう、としてございますので、現時点の中間報告では、先ほど須藤委員がおっしゃったようなことを言っているわけではございません。

○岡田部会長 ただいまの議論の場所は、資料2−1の7ページ、17行目から20行目だと思います。特に19行目、20行目が今の議論のポイントかと思いますが、事務局から何か補足はございますか。

○富坂閉鎖性海域対策室長 ただいまの須藤委員、また松田委員からのご指摘もございましたとおり、今後の課題といいますか、整理すべき情報はまだ多いであろうと思います。
 そういう意味で、7ページの19行目から20行目の記載につきましては、そういった事実関係をもとに再整理させていただければと思います。

○岡田部会長 では、今日の時点ではこの表現はペンディングということで、もう一度、例えば須藤委員がご指摘になった統計的解析、多分簡単には終わらないので、とりあえずペンディングにして今後解析を進めるということで、松田先生のご判断もよろしいですね。

○柳委員 今の相関、実はうちでとったみたんですね。ダウンロードしたデータをもとに。このままだと全りん、全窒素ともに漁獲量との相関はありませんでした。ただ、10年ずらすと、栄養塩のほうを前にずらすのですが、10年ずらすと、全窒素はあまり相関がないんですが、全リンは0.5ぐらい相関がありますが、有意ではない。統計的には。

○岡田部会長 今の柳委員のご指摘、解析も今後の検討に生かしてください。柳先生、それはよろしくお願いいたします。

○長屋委員 栄養塩の問題と生物生産性なりについての解析は、私は須藤先生が言われるように、ここはしっかりと、科学的な分析のもとに展開していっていただきたいと思います。
 ただ、その際に、過去に打ってきた政策があるからといってしがらみにとらわれることのないように、ぜひその辺はお願いしたいと思います。

○岡田部会長 本件に関しまして、他に何かご意見ございますか。
 それでは、別の件に関してでも。

○岩崎委員 5ページでミヤジマトンボの生息地がラムサール条約湿地に登録されたと。私の地元のことを入れていただいて大変感謝するんですけれども、実は、ここには書いていませんけれども、瀬戸内海各地には環境省でラムサール条約の候補地にしていただいているところが結構ありまして、干潟もそうですし、藻場等も入っているようです。ここでは宮島が登録されたと言うにとどまっているんですけれども、ラムサール条約の趣旨を瀬戸内海保全に今後どう生かしていくか、そういう状況認識をもう少し突っ込んだ表現で入れてもいいのではないかと私は思います。ご検討をよろしくお願いします。

○岡田部会長 ただいまのご意見は、5ページに宮島の話が出ていますが、それ以外の所も精査して入れてほしいということですが、これはよろしいですね。
 では、これは今後に向けてご指摘の点を検討してください。
 他にございますでしょうか。

○松尾委員 さっきの話題に戻らせてもらいたいんですけれども、要するに、海が清くなることはみんなが望んでいる。それから、海が豊かになって生物生産が増えることもみんなが望んでいる。多分両方皆さんが望んでいることだと思うんですよね。それがうまくいくような考え方がないのかどうか。瀬戸内海の水質の変化の歴史を知らないでの話ですが、昭和20年代の瀬戸内海、昭和30年代の海はどうだったのか、もっとも汚れていた頃はどうであったかなど、それぞれの時代の海の生物生産性はどうだったのかとか、その辺まで戻って見ないと、今の議論は短兵急に結論は出ないように思います。水質と生産量に相関があったらいいのかという話になって、では本当に今、もう水質をきれいにする努力はしなくていいんですかという話になるのは、ちょっと危険だと私は思うんですよね。
 それからデータの問題だけれども、漁場の問題とか魚種の問題とか、いろいろな社会的な影響があってこの生産高になっていると思うので、何か統計的という、言葉はいいけれども、よくよくデータの中身を吟味してもらわないと非常に危険な印象を受けますよね。
 それから、瀬戸内海全部を対象にしてこれをとるのか、これもまた非常に誤解を招くことになりかねないと私は思うので、その辺は、ですから「清くかつ豊かに」という、その辺のうまいすみ分けというのか、そこも考えていただかないと、一律に瀬戸内海全部を見ることは非常に無理があるのではないか。
 その辺で、ぜひ企画専門委員会では、地域性とか、どういう活動があってやってきたのかという歴史的な背景はずっとあるはずだと思うんですね。魚種が変わったり、生物種が変われば当然違うし、消費者の魚に対する価値も変わってきていますからね。そういう意味で、一律のデータに基づいてというのではなくて、もうちょっときめ細かに、地域とか時代背景とか、やはり「清く豊かに」というのを両立するような考え方をぜひ考えていただくのがいいのではないかと思います。
 その点、お願いしたいと思います。

○松田委員 全く松尾委員のおっしゃるとおりで、私どもの企画専門委員会でも、ほぼそのように考えております。先ほどの漁獲量と栄養塩の統計的処理といったことは、相関関係を見ることは、別にそれが因果関係を示しているわけではありませんので、現象論的にそうだということと、それがメカニズムであるということは全然違うことですので、そこは企画専門委員会としても十分承知して議論してきたところです。
 もう一つ、豊かと水のきれいさが両立するような条件ということですけれども、今まで大分、特に現地ヒアリング等でも、それぞれの地域に即したさまざまなご意見や要望も聞かせていただいてきて、大体大ざっぱなイメージとしてわかっているのは、恐らく栄養塩濃度や基礎生産が同じでも、食物連鎖といいますか、生態系ピラミッドの構造が違うと、同じ植物性プランクトンが生産されても、それがどんどん動物性プランクトンになり小魚になり大きな魚になっていけば、植物プランクトン自身はどんどん食べられて減っていきますので、赤潮にならないわけですね。
 そういうところが、やはり時代に応じて、それから干潟が減ってきたというようなことも関係して、そういう生態系のピラミッドといいますか、食物連鎖の構造が大分変わってきているんだろうという、ほぼ目安はついているんですけれども、昔のデータがなかなかなかったりして、まだ十分データ的な解析はできておりませんけれども、恐らくそういう辺りに気をつけてこれから瀬戸内海の再生をしていかないと、多分、水質だけとか魚だけということではうまくいかないだろう、そのように考えております。

○岡田部会長 他に、よろしいですか。
 今後のまとめに向けて、今、松尾委員、松田委員長のやりとりございましたように、非常に重要な議論をいただきまして、ありがとうございました。今のご指摘、お答えを次の整理に生かしていただければと思います。

○松田委員 すみません、もう一つ松尾委員から「きめ細かな」という、空間的、時間的な部分があると思いますが、それについては私どももテーマにしているところですので、これから事務局から詳しい説明があります。

○岡田部会長 それでは、まだあるかもしれませんが、今、松田委員長からもご発言がございましたように、1度全体を通してからご議論いただいたほうがよろしい面もあるかと思いますので、一旦前に進めさせていただきまして、もう一度ご議論いただければと思います。
 それでは、中間報告の残り、第2章から第4章まで、事務局からご説明をお願いします。

○富坂閉鎖性海域対策室長 資料2−1、11ページでございます。
 第2章、瀬戸内海における今後の目指すべき将来像ということで整理してございます。
 まず第1節としまして、今後の目指すべき『豊かな瀬戸内海』について記述してございます。こちらは読み上げさせていただきます。
 瀬戸内海がもたらす豊かな生態系サービス(海の恵み)を、国民全体が将来にわたって継続して享受し、かつ、生物が健全に生息している状態に保っていくため、「庭」・「畑」・「道」に例えられる瀬戸内海の多面的価値・機能が最大限に発揮された『豊かな瀬戸内海』を実現していくことが今後の目指すべき将来像であると考えられる。
 このようにしております。
 こちらは第1章で整理しました「庭」「畑」「道」こういった価値と対比しておるものでございます。
 第2節としまして、『豊かな瀬戸内海』のイメージについて整理してございます。
 大きく3つ、美しい海、多様な生物が生息できる海、賑わいのある海という形で整理してございます。
 1点目の美しい海でございますけれども、端的には、環境基準の達成・維持ということでございますし、もう一方で自然景観と人々の営みが形成する文化的景観が調和し、瀬戸内海独自の景観といったものが良好な関係を保っているのが美しい海であるといった定義でございます。
 2点目としまして、多様な生物が生息できる海でございますが、漁業資源としましてこういったものが豊富に、かつ持続してとれること、それから多様な生物の生息に必要な基盤として藻場、干潟、塩性湿地などが偏在することなく健全に確保されていること等が多様な生物が生息できる海であると整理してございます。
 3点目、賑わいのある海としまして、活発な海上交通、地域間での交流といったことから瀬戸内海で独自の文化が築き上げられてきた。今後もこういった地域資源を生かした地域の活性化といったものが重要であろうと整理してございます。
 第3節、海域に応じた『豊かな海』でございます。
 先ほど松尾委員からご指摘もございましたように、湾、灘ごとに環境の状況でございますとか住んでいる人々、また特性といったものが大きく異なってまいりますので、規模でございますとか海域ごとの特徴に応じて、そういった対応を考えていく必要があるだろうということでございます。
 また、各海域における3つの価値、「庭」の価値、「畑」の価値、「道」の価値について、基本的にはそれぞれ高めていく、最大化していくことが重要でございますけれども、海域によってこのウエートが異なることにも留意しながら、海域によってはこういったものを区分けし、活動ごとに重点的に高めていくといった考え方も重要であるとしております。
 大阪湾につきましては、第7次水質総量削減制度において引き続き総量負荷削減の方向性が示されております。こちらについては尊重する必要がございますけれども、ただ、大阪湾の中でも南部ですとか西部に養殖ノリの色落ちが発生するなど、海域により問題が異なるといった指摘がございます。大阪湾につきましても、こういった湾、灘よりもさらに細かいスケールでの考慮が必要であると指摘してございます。
 14ページの第3章、環境保全・再生の在り方でございます。
 第1節、基本的な考え方ということで、4点整理してございます。
 
 1点目、きめ細やかな水質管理ということで、生物にとって良好な生息環境の保全・再生の観点からの水質管理の考え方といったものを、新たに水質保全の考え方に含めていくべきであろう。特に下層DO、生物生産の基礎となる酸素の溶存量などを含めて、環境基準の維持・達成を図ること、生物多様性・生産性を確保するための栄養塩についての水質管理を図ることといった指摘でございます。この水質管理に当たっては、湾、灘ごと、あるいは季節ごとの状況に応じてきめ細かに対応するといった考え方が必要であるとしております。
 2点目、底質環境の改善でございます。
 先ほどの下層DOの点もございますけれども、海底に汚濁物質が堆積し、また栄養塩が蓄積されているという状況が貧酸素水塊の発生の一因となっておりますので、負荷量削減の取組と組み合わせて底質環境改善の推進が必要であること、また、土砂の供給量の管理方策を検討するなど、土砂供給量にも着目することが重要であるとしております。
 土砂採取などにより窪地となっている箇所につきましては、貧酸素水塊の発生の原因となっていることから、この対策が必要であるとしております。
 3点目、沿岸域における良好な環境の保全・再生・創出。
 沿岸域の藻場、干潟、砂浜、塩性湿地といった所が水質保全の観点から、また生物の生息場の観点から重要であることから、これらの保全・再生・創出の取組が必要であるとしてございます。特に、埋立などにより失われた干潟や砂浜等の浅海域の再生・創出、また、汽水域や塩性湿地につきましては、特殊な環境によって固有の生物が生息しているといった点について着目することが重要であること、さらに、河川からの土砂供給によって干潟、砂浜などが形成されていることから、こういったものにも着目することが重要であるとしております。
 なお、こうした取組の際に、自然が自ら持つ回復力の発揮、あるいはかつてその海域に存在していた環境、こういったものに留意しながら、遺伝的な攪乱が起きないよう留意することが重要であるとしております。
 4点目、自然景観及び文化的景観の保全でございます。
 自然景観、また瀬戸内海独自の生活、生業、賑わいといったものが調和した景観を保全し、将来に継承するための取組が必要であること、この際に、海から見た景観の視点でございますとか、地域住民にとっての住みやすさと訪問客による賑わいとの両立に留意することが指摘されております。
 5番目、共通的事項として2点整理してございます。
 1つ目は、地域における里海づくりでございます。
 里海につきましては、15ページの最下段にございますが、「人手が加わることにより生物生産性と生物多様性が高くなった沿岸海域」と定義してございます。柳委員の論文から引用させていただいてございます。
 こういった里海づくりにつきまして、例えば漁村単位といった比較的小さい規模において各種のステークホルダー、関係者が地域の状況に応じた海のあるべき姿を共有し、本来の生態系の持つ回復力ですとか水質浄化機能に配慮しながら適切に管理することが重要であるとしております。
 また、森・里・川・海のつながりということから、海にとどまらず栄養塩類や土砂、淡水の供給といった関係を重視することが重要であるとしてございます。
 2点目、科学的データの蓄積及び順応的管理のプロセスの導入でございます。
 こういった環境に対する取組につきましては、まず、科学的な知見が十分に得られていない場合に、科学的に裏づけられるデータの蓄積が1点、非常に重要であろうと指摘されてございます。例えば生物多様性、生物生産性を確保するための栄養塩濃度レベルの維持・管理に係る取組につきまして、こういった関係性についてのデータの蓄積ですとか効果の把握、あるいはこういったものと赤潮の発生や貧酸素水塊の発生状況、漁業への影響、こういった点の評価が重要であろうとしております。
 しかしながら、こういった科学的知見が十分に得られるまでの間、何もしなくていいということではございませんで、環境条件の変化に対する生態系の応答には時間がかかる、あるいは不確実性がどうしても入ってきますので、こういったデータを揃える間に、環境条件がどんどん変化していくということがございます。
 こういったことに対して、各種取組についてある程度の蓋然性が見えた段階で、科学的な知見の集積、データの蓄積、こういったものと並行しながら、人為的に管理し得る範囲において対策を実施していくこと、また、その対策の効果について検証あるいは対策の変更といった順応的管理の考え方に基づく取組が必要であると指摘されてございます。
 第4章としまして、今後の環境保全・再生施策の展開としております。
 第1節につきましては、第3章で4点整理した事項に基づいて整理しております。
 1点目、きめ細やかな水質管理でございますが、下層DO、透明度などにつきましては現在、環境基準項目として新たな追加が検討されております。こういったことについて、必要となる事項ですとか水質改善対策についての検討が必要でございます。
 2点目、栄養塩濃度レベルと生物多様性などの関係性に係る科学的知見の集積でございます。
 全窒素、全りん、こちらは従来の環境基準項目でございますけれども、植物による一次生産につきましては溶存態の無機窒素、あるいは溶存態の無機りん、こういったものが関係しているのではないかということが指摘されております。これらと生物多様性・生物生産性との関係についての調査・研究でございますとか、科学的知見の集積とこれに基づく目標の設定の検討といったことを挙げてございます。
 3点目、栄養塩濃度レベルの管理としまして、こういった栄養塩濃度レベルをコントロールしていくための手法の開発、検討が必要であろうと。下水処理場における環境への負荷量管理などの事例は既にございますけれども、こういったものの積み重ねが必要であろうとしております。
 その際に必要な情報としまして、汚濁物質の濃度レベルですとか赤潮の被害件数等々、こういったものを把握する必要があろうとしております。
 また、現在の水質汚濁防止法に基づく排水規制ですとか総量規制制度といった制度面ですとか、あるいは排水処理施設の運転調整、維持管理といった技術面の課題といったものがございます。こういったものも含めた実行可能性について検討することの重要性がうたわれてございます。
 また、汚濁負荷量に加えて、大気ですとか外海由来、あるいは底泥からの溶出を含む栄養塩の供給量の変化を把握し、今後の人口減少や経済活動の動向を踏まえながら将来予測を行い、検討していく必要があるとしております。
 2番目、底質環境の改善でございます。
 環境基準項目については再掲でございますので、割愛します。
 底質改善対策・窪地対策でございますが、瀬戸内海でも夏季に貧酸素水塊が多く発生しておりますし、こういったもので生物の生息・生育の場が失われているという状況がございます。改善の必要な海域につきましては、その底質について浚渫、覆砂、敷砂などの対策や、ダム、河口堰からの放水、排砂の弾力的な運用といった底質改善対策の検討が必要であることがうたわれてございます。
 深掘りの土砂採取後等の埋戻しにつきましては、周辺海域の水環境への影響や改善効果などを把握、評価し、優先的に対策が必要な場所において取組を進めていく必要があるとしております。
 航路等の浚渫は瀬戸内海で頻繁に行われておりますけれども、こういった事業で発生する浚渫土の有効活用についても取組が必要であるとしております。
 3点目、沿岸域における良好な環境の保全・再生・創出でございます。
 (1)藻場造成、干潟造成といったことにつきまして、これまでも取組が行われてきております。さらに推進することが必要であるとしております。特に藻場、干潟につきましては、現在、国立国定公園等の制度がございますけれども、そのほとんどが規制の緩やかな普通地域となっております。これらについて適切な管理を進める保全措置を強化することが必要であろうとしております。
 (2)海砂利採取や海面埋立の厳格な規制及び代償措置としまして、海砂利採取や海面埋立につきましては、現在、原則禁止となっております。引き続き厳格な運用を実施するとともに、やむを得ず埋立が認められた場合においても藻場、干潟の造成等の代償措置について広く検討を行っていくことが必要であるとしております。
 (3)未利用地の活用としまして、瀬戸内海で現在、利用されていない埋立地ですとか塩田跡地につきましては、多様な生物の生息の場になっているという指摘もございます。自然の再生に向けて、こういった土地の利用目的の見直しや一時的な利用、新たな埋立計画地の代替地としての活用、こういったものが必要であろうとしております。
 4点目、自然景観及び文化的景観の保全でございます。
 (1)瀬戸内海に特有な景観の保全でございますが、瀬戸内海の特徴としまして多島美、白砂青松、藻場、干潟等の自然景観といったものがございます。これらについて、保護地域の指定などにより、現在残されている良好な場所の保全、維持管理が必要である。また、人の生活、生業や賑わいが調和した特有の景観について、保全方策の検討が必要であるとしております。
 (2)エコツーリズムでございますが、こういった瀬戸内海に特有な景観につきまして、都市住民を含む市民が自然等と触れ合い知識や理解が深まるよう、エコツーリズムを推進することが必要であると指摘しております。
 (3)海とのふれあいの創出でございます。
 暮らしの変化、また埋立等々によって人々が海に近づきにくくなった場所がございます。こういった場所につきまして、水際線へのアクセスの向上ですとか干潟の造成、親水性護岸の採用といった形で、海と人とが触れ合える場を創出する必要性を指摘してございます。
 第2節、その他瀬戸内海の環境保全・再生のための重要な取組として4点挙げてございます。
 1点目が、気候変動への適応でございます。
 海水温の上昇等が生じておりますので、こういったものについての環境影響調査、適応策等についての検討の指摘でございます。
 2点目は、海洋ごみ対策でございます。
 漁業操船ですとか景観上の問題がございます。発生抑制対策あるいは回収・処理対策といったこと、あるいは一人一人のマナー向上等の重要性を指摘してございます。
 3点目、持続可能な水産資源管理の推進でございます。
 水産資源の管理については、別途水産庁のほうで行われておりますけれども、生物多様性の保全の観点からもこういったことは非常に重要でございますので、関係者が一体となった有効な措置の検討が必要である。あるいは遊漁による採捕量に影響があることから、遊漁者の理解の深化ですとか、資源管理に一定の役割を果たしてもらえるような取組の必要性が指摘されてございます。
 4点目、沿岸防災と環境保全の調和でございます。
 昨今、防災についてもやはり重要であるという認識が高まっております。こういったものにつきまして、環境保全と調和した防災・減災の進め方に考慮すべきとしてございます。
 第3節、環境保全・再生の推進方策でございます。
 1点目、瀬戸内海に係る計画及び法制度の点検・見直し。
 (1)瀬戸内海環境保全基本計画につきましては、瀬戸内法に基づきまして、直近では平成12年に改定しております。今回、この報告を受けて、こういった基本計画の点検、見直しを行う必要があるとしております。
 また、この基本計画に基づきまして、関係する府県では府県計画を定めることになっております。こちらの府県計画につきましても、目標の設定でございますとか目標を達成するための施策の検討の必要性を指摘しております。
 これらの見直しに当たりまして、現状の自然環境ですとか海域利用、土地利用といったものの情報を共有しつつ、関係者、市民、漁業者、企業、市民団体、こういった方々の意見を取り入れて、各主体の参画と協働による豊かな海を目指した取組を推進することが重要であると指摘しております。
 (2)瀬戸内海環境保全特別措置法等の点検・見直しでございます。
 今回の「豊かな瀬戸内海」を実現する方法につきまして、既存の法制度について、環境政策をめぐる新たな流れへの対応でございますとか現状に即しての点検を行い、必要に応じて見直しを行う必要があるとしております。
 2点目、評価指標の設定でございます。
 こういった瀬戸内海の基本計画あるいは府県計画において設定する目標につきましては、わかりやすい指標を用いることが重要であろうと考えております。
 その際に、生物や生態系等に関する知見が不十分な状況、あるいは数値化しにくい要素も多いので、知見の集積を進めつつこういったことについて見直し、定量化を図っていくことが重要であるとしております。
 23ページに指標の例として幾つか挙げております。こういったものにつきましては、今回、例示という形で挙げさせていただいているものでございまして、今後、定義が必要な指標でございますとか、もっと定量化への検討が必要なものも多く含まれてございます。こういったものについては今後、検討が必要な部分ということでございます。
 23ページの29行目、3点目、役割の明確化でございます。
 各主体、市民ですとか漁業者、企業、市民団体、行政、こういった方々の取組につきましては今後とも推進するとともに、各主体の役割を明らかにすることが必要であるとしております。
 4点目、より幅広い主体の参画・協働の推進でございます。
 瀬戸内海には、国内外から多くの人々が訪れてきます。こういった方々が瀬戸内海を体験できるように、海と触れ合う機会を増やすといったことが必要であるとしてございます。
 5点目、国内外への情報発信の充実でございます。
 瀬戸内海は現状、これまでご説明してきましたように、非常に豊かな価値を持っております。また、調査・研究なども多く進められております。こういったものについての情報発信でございますとか、あるいは食、文化、レクリエーション、あるいは市民の環境に対する認識、わかりやすい生物指標の開発、こういったものによって市民の関心を高めていくことが重要であるとしております。
 また、瀬戸内海における公害克服ですとか環境保全の経験を生かして、水環境保全の取組について国際的な情報発信が必要であるとしております。
 6点目、環境教育・学習の推進でございます。
 干潟を積極的に活用した体験型環境教育・学習の推進、あるいはそういったものの担い手となる人材の育成について示してございます。
 7点目、調査・研究、技術開発の推進でございます。
 科学的な知見、裏づけデータの蓄積、モニタリングの実施といったものの重要性ですとか、干潟、藻場の造成技術、赤潮や貧酸素水塊の発生抑制技術、栄養塩を高次生物まで循環させる技術等々の開発の必要性、また、こういった調査・研究や技術開発を行うための体制整備として、国や地方公共団体の試験研究機関、あるいは大学、博物館、企業等が総合的に取り組むための体制づくりが重要であるとしております。
 説明は以上でございます。

○岡田部会長 先ほどご議論いただきました第1章、現状と課題に基づきまして、第2章、今後の目指すべき将来像、第3章、環境保全・再生の在り方、第4章、今後の環境保全・再生施策の展開について、一通りご説明をいただきました。
 当然のことながら、先ほどの現状と課題とも関係することでございますので、以降は全体を通じてご自由にご意見、ご要望を賜れればありがたいと思います。
 それでは、ご自由にご発言ください。

○久野委員 資料1によりますと、これはこの秋ぐらいに報告として完成させて、そして22ページ辺りの記述によりますと、これを踏まえてさらに瀬戸内海環境保全基本計画の見直しに進む、こういう理解でよろしゅうございますか。

○富坂閉鎖性海域対策室長 そのように進めていければと事務局としては考えております。

○久野委員 ぜひお願いしたいと思いますが、そのときにぜひ、生物多様性のほうでも、愛知ターゲットなどを見てみますと定量的な目標をかなり入れておりますので、可能な限り定量的な目標を、ここにも書いてございますけれども、ぜひお願いしたいと思います。期待しております。

○岡田(真)委員 兵庫県立大学の岡田でございます。
 本当に行き届いた報告が出まして、感心しております。特に、15ページにありますように、埋立などにより失われた地域の再生、創出のことをしっかり書いていただけたことを私は非常にうれしく思います。
 この再生、創出を考えるときにぜひ、第4章3節にありますような未利用地も考慮の対象にしていただけたらと思います。もうできている土地で、既得権というなかなか難しい問題がございますが、ローカルコモンズとしての渚というものをもう一度考え直していくというところで、これは非常に重要かと思われます。
 そういう点も踏まえまして、この評価指標のところでございますが、賑わい、ふれあいのところ、私も非常に重要だと思いますと同時に、安らぎ、あるいは和み、そういう指標をどこかで抽出できたらと思います。この震災を経て、こちらのほうにもきちんと防災のことを書き込んでくださって、第4章2節の4でございますか、ここは非常に重要だと思います。例えば、この賑わい、ふれあいの中に水環境、自然環境の住民の満足度というのがございますが、このときに、ぜひ和みとか安らぎのような要素が入ると、より深みのある評価指標になるのかなと感じました。
 先ほど松尾委員が昭和30年代ぐらいと比較してみてはどうかとおっしゃいました。瀬戸内の浜には、宗教上の清らかな水をとるお汐井とりの浜であった所がたくさんございます。そういうものが次々に失われていったという歴史がございますので、ぜひ高度成長期である1960年代以前の浜がどうであったかというところを比較していただけたらと感じました。
 どうもありがとうございます。よろしくお願いいたします。

○岡田部会長 ただいまのご指摘は、よろしいですね。
 それでは、ご指摘に従ってもう少し調査を進めていただければと思います。
 他にございますでしょうか。

○沖委員 岡山大学の沖でございます。
 本当に松田先生には大変な課題をきれいにおまとめいただきました。じっくりと拝見させていただきました。
 今、お話にも出ました沿岸域における良好な環境の保全・再生・創出、これからの姿ですが、ここの未利用地の活用というところで、今ある所を保全するのは当然ですが、意外と、我々岡山でも塩田跡地、500ヘクタールのところがありまして、これからどうするかという現場での問題が生じております。
 もちろん自然環境を守りたいという地元の方の気持ちがあり、行政の方もそう考えています。大学も調査に入っております。チュウヒが営巣活動をしているとか、あるいはアツケシソウの群落がかなりあるとか、いろいろなデータがありますけれども、結局それを維持管理していくための経費をどこで生み出すかというときに、かなり現場では問題が生じてきます。今、一番安易な形で受け入れられているのが、自然エネルギーの活用ということで、メガソーラー云々というふうな話につながってきております。
 現場でこういうことが起きたときに、ここには「検討することが必要である」と書いてくださっていて非常に心強いですが、これだけで進められるかどうか、もう一歩踏み込んだところのお話があれば非常にありがたいと私は思っております。それが1点。
 もう一つは、今、我々は生態系の中で、貝類に関する調査を少し始めておりますけれども、その中で、ここにも少し載っておりましたけれども、二枚貝、アサリ等々ですね、これらの復活といいますか、養殖が非常に難しい状況になっている。これはすなわち砂浜が少なくなったということですが、もう少しきめ細かに、そういったこともどこかに、保全するという形で入れていただければありがたい。
 この2点の要求でございます。よろしくお願いいたします。

○岡田部会長 今の点も、よろしいですね。
 他にございませんか。

○常盤委員 四経連の常盤です。
 14ページの16行目から17行目にかけて、このとおりだと思うんですけれども、「水質管理にあたっては、湾・灘ごと、季節ごとの状況に応じてきめ細やかに対応することが重要である」こう書いていただいておりますが、具体的なイメージがわかない。例えば「季節ごとに対応」というのはどんなことを考えているんですかね。その辺を含めて、もしご説明いただければと思いますが。

○松田委員 これまで出ている議論としては、例えば季節ごとというのは、今、瀬戸内海の場合、負荷量は年間を通じて全体の量が規制されているわけですね。ですが、例えば同じ量でも夏に出すと赤潮になるけれども冬には赤潮の心配がほとんどありませんし、一方、ノリの養殖などは栄養がさらに欲しいと言っているわけで、年間負荷量は同じでも、季節的に少し変えることが技術的にもし可能であれば、海の環境保全にとってはよりよい方向に行けるのではないか、例えばそういうことです。

○常盤委員 それはわかりますけれども、具体的に出す量を変えられますかというのが私の単純な疑問なんです。

○松田委員 それは現在でも、今回の企画専門委員会でもいろいろ調べさせていただいたんですが、例えば岡山県の高梁川とか吉井川では、ダム湖の緊急放流といった形で従来に比べれば人為的に栄養塩に海に放出するとか、兵庫県のため池の放水、それから、下水処理場の運転の仕様を変える、そういうことが実験的に行われていますので、来年からすぐとはいかないと思いますけれども、こういうことと先ほどもありました技術開発等をあわせて進めていくことによって、将来的には可能性が十分あると思っています。

○常盤委員 わかりました。きめ細かい対応ができればいいと思っていますので、よろしくお願いします。

○松尾委員 二つの視点について話したいと思います。最初は海にかかわる場の話についてです。「庭」「畑」「道」ですか、これプラス、さっき塩田をメガソーラーにするという話もあったんだけれども、風力とか潮力とか、海をエネルギーの場所として使うようなことは、私は瀬戸内海の気象、海洋をよくわかっていないのでわからないんですが、風力等の可能性はどうなんですか。
 そういう意味で、この場の設定の仕方ですけれども、確かに「庭」に風車を建ててもいいんだけれども、何か今、そういう自然エネルギーみたいなものに関心が持たされていますから、エネルギーの場として海を見ることがあってもいいのかなと、ちょっと思いつき的ですが、場の概念のもう一つとして、塩田をメガソーラーにするのも1つかもしれませんけれども、その中にあってもいいのかなということで考えてみました。 もう一つは、今のきめ細かい水質管理なんですが、確かに下水処理場の運転モードを夏と冬で少し変えるということはあり得るとは思いますが、本当にそれがそううまくコントロールできるものなのかは、よくよく見てもらわないと困る。
 それから、実際の水質規制の立場から言うと、各自治体が湾、灘ごとに「この湾に入る流域はこの水質でいいですよ」とか「こちらに入る排水はこの水質にしなければいけませんよ」そのように地域を変えてコントロールできるのかも非常に課題だと思うんですね。ですから、言葉として書くのはいいけれども、現実に見たときに本当にそういうふうにできるのか。もしかしたら、緩くした水質基準のほうには立地が進むかもしれませんね。そういうものをどうやってコントロールするのかという問題も出てくる。
 ですから、今、一律にやっているからある程度市町村もそれに協力して、自治体もコントロールできているけれども、湾ごとに変えますなどと言った途端に混乱が起きないとも限らない。ですから、言葉としてはいいし概念としてはあり得ると思うんですが、現実にどうやって規制をかけていくのか。そういう意味では、今までは漁業者が海を守るということでやってこられたわけですよね。大体漁業者が反対して水質基準が厳しくなってきた。今は山まで含めて海のほうがコントロールしようといった話になってきていると思うんですけれども、その中で、水産漁獲量という指標と直結させて湾、灘ごとにコントロールしようというところが、どういう仕掛けをつくってどういうように住民が納得すればそれができるのかという辺りまで思いを至らせていただかないと、言葉だけになってしまって、現実には、自治体にとっては非常に複雑な水質管理行政をさせられるという話にもなりかねないし、結果として本当にきれいな海と豊かな自然が残るのか、そういう意味では非常に問題が出てくる。
 ですからその辺、概念と現実の規制の問題と、それから先ほどの技術的な問題もあるけれども、きめ細かな水質管理という言葉の中身は結構複雑だし、検討が必要なのではないかという感じを持ちます。

○松田委員 大変重要なご指摘、ありがとうございました。
 私どももその点は非常に検討中といいますか、今日はこの場で中間報告のご検討をいただいて、これを実際に制度や法制等にどう反映できるかを今、事務局として検討しているんですね。大ざっぱに言うと、瀬戸内基本計画の改定でカバーできる部分と、場合によっては法律自体を変えなければいけない部分があって、それから、先ほど新たな流れとありましたが、瀬戸内法ができて随分たちましたし。特に最近では生態系とか環境に関わるようなさまざまな法律ができておりますので、瀬戸内法ではなくて、むしろ違う法律でカバーしている部分については、それをさらに進めるようにする、例えば、この中間報告の中にエコツーリズムの推進というのがありますけれども、これは、例えばエコツーリズム推進法というのがあるわけですよね。そういうものをむしろしっかり守っていただくようにすればいいのかもしれない。
 そのようなことで、実際の制度等にどのように反映するかについては、今日のご意見を伺った上で検討させていただきたいと思っております。
 先生がおっしゃることは誠にそのとおりだと思っております。ありがとうございます。

○富坂閉鎖性海域対策室長 松田委員の補足になるかもしれませんけれども、技術的な対応につきましては、私どもでも今、モデル地域を設定しまして、文中にもございますように、下水処理場の負荷量をどこまで変動できるのかとか、変動させたことによってどれぐらい栄養塩濃度のレベルが変化したのかといった情報は幾つか集めている状況でございます。
 これらの技術的な動向については、やはりもうちょっと積み重ねをしていく部分が多くあると思いますので、こういったところを踏まえた上での検討となるのかなと、現時点では考えているところでございます。
 また、法制度につきましても、例えば湖沼法の指定地域についてはそこだけ特別な規制を行う等のバリエーションは、現在でも存在しております。ただ、実際に今回、瀬戸内海につきまして、こういった報告、答申をいただいた上で何をすべきなのかについては、またさらに議論を深めていかなければいけないのかなと考えております。
 それから、1点目にございました風力、潮力の点でございますけれども、専門委員会としまして、特に風力について適応できるのではないかというご指摘がございました。これにつきまして事務局でちょっと調べたんですけれども、環境省で再生可能エネルギーの導入ポテンシャルについて調査したことがございます。風力につきましては、やはりある程度の風力がないと効率的ではないということで、どういった所が風が強いのかを調べているんですが、瀬戸内海につきましては、どちらかというとポテンシャルが少ないという報告でございまして、今回、瀬戸内海の特徴を考える上で、そういったところは外してよかろうという整理になっております。

○須藤委員 再生可能エネルギーの部分は、風力はわかったんですけれども、太陽光発電は、逆に瀬戸内海は照度が高いので、もしかしたらあの辺は可能性がね。どういうやり方をするかは別だけれども、太陽光発電は可能性があるのではないか。それは今、発言しようと思ったことではなくて、室長が今、そういう説明をしたのでということです。
 本来発言しようと思ったのは、水・大気環境局では魚介類を中心に議論することもあるんですけれども、よく「餌生物」という言葉を使っていますよね。それで私、この中を見ると何となく、悪いのが赤潮プランクトンで、ありがたいのは魚介類で、その間が抜けているんですよね。もう少し生態系全体として豊かであるということ、餌生物が豊かであるということを述べたほうがいいような気がして、何となく、魚と、悪いプランクトンという二面性しか読み取れないんですね。それが1点。
 それから、いろいろ新しい施策もあるんだけれども、先ほどおっしゃったように未利用地のこととか災害の問題があるんだけれども、何となく、私もずっと以前から、瀬戸内海は環境研に入所して以来お付き合いをさせていただいているんですが、どこに何の新しさがあるのか。繰り返し繰り返しのことが多くて、幾つかはあるんだけれども、もうちょっと、今までやられていないから、また繰り返し繰り返しおっしゃっていただいているんだと思うけれども、もう少し、ここは重要で、ここは特に重要で、ここは従来から言ってきたことが達成されていないとか、何となく、初めて聞けばみんな新しく見えるんだけれども、古くからやっているとどこに新規性があるのかなという部分がありますので、その辺は重い軽いがわかるように、あるいは継続性があるというのであればそれがわかるような表現方法がいいのではないでしょうか。

○富坂閉鎖性海域対策室長 1点目の生態系全体としてどうかということにつきまして、今回の検討の中では、特に今までに得られた指標といいますか、データ、赤潮の発生状況でございますとか魚介類の漁獲量、そういったところから整理しまして、途中の経路がどうなっているのかという点につきましては、なかなか分析し切れていないのが現状ではないかと思います。全体の記述につきましては、事務局のほうで再整理させていただければと思います。
 2点目のご指摘でございます。今回の報告のポイントとか、継続性といったところにつきましては、今、資料2−3として1枚紙で整理させていただいておりますけれども、こういった中でさらにポイントとなる点がどこなのか等、そういったところを工夫させていただければと思います。

○長屋委員 私は須藤先生と違って、今回の報告書は非常に新規性のあるものだと評価したいと思います。
 それは、第3章1節1のきめ細やかな水質管理のところにありますように、従来の水質保全の考え方、いわば規制の考え方に加えて、新しく生物の生息環境の保全・再生の観点から水質の管理の考え方を持ち込んだ、これは私は非常に斬新なご提案だと思っております。
 ただ、ここは先生方が言われるように、相当いろいろな知見を積み上げていかなければならないことは確かでございますから、そこに至るまでには相当先生方のお力をお願いしなければいけないと思っているところでございますが、これにつきましても共通的事項のところで、生物生産といいますか、漁業の関係から瀬戸内海を見ていただいた場合には、本当に待ったなしの状態にあると私どもは感じているところでございますので、そういうところで、実際の科学的データの蓄積と並行して事を進めていくという、順応的管理のプロセスを導入していくんだと書き込んでいただいているところは、私どもとしては非常に力強く思っているところでございます。
 それで、幾つかご質問申し上げたいと思うんですが、1つ、第4章の2で、藻場、干潟等の保全・再生・創出について非常に具体的な提案をいただいている中に、海洋ごみの対策の問題が出てまいります。私ども、この問題についてはさらに深刻さを増していると思っております。これは漂着ごみではなくて、家庭から出て川から海に流れ着いてくるレジ袋やプラスチック製のごみが、瀬戸内海辺りでは本当に海底を覆っているような場所もございます。そこが、いかに砂があっても上をふさいでしまうことによって生物自体が生息できないということがございます。漁業者もこれを底曳き等で揚げてくるわけですけれども、揚げて、それを処理するときには全部漁業者の負担になるというのが実態でございます。こういう問題について、やはりこの中でも提起していただいたところの対策について、具体的に環境省さんとしてご提言があればお伺いしたいと思います。
 それから、環境指標のところで透明度を入れるということが出てまいります。私ども、清くて豊かな海を望んでいるということは最初に申し上げたところでございますが、ここで透明度というものを指標に入れる理由、またはそれをどのように「豊かでかつ清らかな」というところについて展開していくのか、お考えをお伺いできればと思います。

○富坂閉鎖性海域対策室長 まず1点目でございます。特に海底ごみについてどのようにということでございますけれども、現在、国としまして漂着ごみについての法律がございます。特に海洋ごみの問題につきましては、だれが処理をするべきなのか、その費用負担をどうするのかといったところが非常に大きな課題でございまして、そういったところの調整、現場ではいろいろご苦労されているという理解でございます。
 こちらの法律の中で、今後、そういった海底ごみについてもどのようにするのか検討するようにと附帯決議がなされてございまして、そういう意味で、瀬戸内に限らず全国的な課題ではございます。今回、まだいろいろ調査なり調整なりが必要であろうということで、今回の報告としてはそれ以上に深いところまで記述できなかったという状況でございます。
 透明度につきましては、現在、環境基準化に向けた検討が行われている状況でございます。この透明度を上げるということについて、1つは、市民、国民にとって水がきれいであるのかどうかがわかりやすい指標であるということと、もう一つ、科学的な観点からは、藻の生息に必要な光量の確保がどの程度のレベルなのかという観点から検討が進められていると聞いております。
 ただ、実際にどのような形で基準を適用するのか、あるいはどういった基準値がよいのかといった検討、まだまだ検討中であるとも聞いておりますので、こういったところを踏まえながら、瀬戸内海についてどのようにあるべきなのかという議論がまた行われるものではないかと考えております。

○長屋委員 今、透明度のお話がありましたが、私ども、どういう検討がされるのか非常に心配しております。
 繰り返しになりますが、清らかで豊かな海をつくっていくということですから、先ほどの景観上どうかという指標はあるかもしれませんし、また、浅場の海で海草に光が届くかどうか、これは影響があると思います。ただ、瀬戸内海にはいろいろな水深の所がありますし、灘、瀬ごとにみんな違います。そういう所を一律にこの基準で、透明度だけでやっていくことについては、しっかりと根拠なり、それから基準なりについてご検討いただきたいと思っています。
 それから、今ございました、ここで展開していただいていることについては、私どもとしてはぜひ実現していただきたい。その施策も含めて。ただ、今お話もありましたけれども、これは環境省だけでできる問題ではなくて、やはり国を挙げてやっていただく課題が非常に多いと思っております。そういった意味で、後ほど関係者の連携等も出てくるわけでありまして、豊かな、そして清らかな瀬戸内海をつくるためにどういう省庁がどういうことをやっていかなければならないのか、ここについての整理をぜひしていただきたい。
 そのためにお伺いしたいのは、基本計画としてこれをどう展開していくかということになっていくと思いますが、この基本計画を進めていくスケジュールといいますか、そういうものがもしお示しいただければお願いしたいと思います。

○岡田部会長 最後の質問は次の議題に関わりますので、後にさせてください。

○須藤委員 1つ言い忘れたことがあるので。
 瀬戸内海にはたくさんの川が入っていて、結局、海の水質管理というのは川の水質管理によって決まるんですよね。例えば「里海の再生」だったら里川の再生があって里海の再生につながるわけなので、川の水質管理との連携をきちっとやっていかないと、海だけの問題ではないので、それはぜひお願いしておきたいところです。

○岩崎委員 19ページの(2)海砂利採取や海面埋立の厳格な規制及び代償措置、これは非常にすばらしいことで、私どもも前から言ってきたことですから、これが入ったことは大変評価させてもらいたいと思います。
 その上で、ちょっと確認がてら教えてほしいんですけれども、埋立のほうは置いておきまして海砂利採取のことで言いますと、今は原則禁止されている、それを引き続き厳格な運用をしたいというご説明だと思いますけれども、海砂利採取が今、原則禁止になっている根拠は何になるんですか。

○千野係長 資料2−2の15ページ、16ページになりますが、海砂利採取の規制状況ということで、砂利採取法に基づく採取の認可ですとか、そういったことを規制している根拠につきましては各府県でばらばらなんですけれども、表1にありますように、例えば兵庫県でしたら漁業調整規則に基づいて規制していたり、条例を定めて規制していたり、あるいは大分県のように瀬戸内海の環境の保全に関する大分県計画、いわゆる基本計画に基づく府県計画に基づいて原則禁止の立場をとっている、そのような状況でございます。

○岩崎委員 知っていて揚げ足をとった側面があるんですけれども、実は国家として、環境省として、全体方針というのはいまだにないんですね。実はまだ生きている平成12年の環境保全基本計画によると、海砂利については、要するに気をつけてやってくれ、環境への影響を最小限にして取ってくれ、ざっくり言うとそういう表現になっているわけですね。つまり、これは今、国としてはまだ全体的に網をかけるような規制がないので、これを受けて基本計画の見直し等々になれば、それが国として初めて具体的な形で海砂利採取禁止ということになるような気もしますので、その辺、今時点で禁じられているのは、実は各府県ばらばらな規制が結果的にとられていないという受け止めもできますので、その辺は、文言の上でもうちょっと精査していただければと思います。

○岡田部会長 ありがとうございました。よろしいですね。
 それでは、他に。

○右田委員 これは、例えば第4章2節の1の気候変動への適応とも関係がございますし、第1節の1の(1)新たな環境基準項目への対応とも関係がございます。それは溶存酸素量の問題です。
 指摘されていますのは、下層DOについて何カ所か記載がございましたけれども、実は資料2−2の一番最後のグラフを見て私が「やはり」と感じたのは、確実に海水温が上がっています。海産の生き物のほとんどすべては好気性、酸素がないと生きていけないような生き物です。ですから、実はもろもろの問題よりも一番切実なのは、海水中の酸素量の問題ではないかと思います。低酸素水、低酸素海域ができて、下層のDOの問題はもちろん重要ですけれども、もっと中層とか、表層以外の中層の溶存酸素量の問題を環境基準項目へ入れたほうがいいのではないかということでございます。
 溶存酸素の問題は、今まで議論が出てきた、要するにCODですね、有機物による溶存酸素の消費の問題とも直接に関係があります。ですから、例えば下水道の排水量を増やしたときに、実際にその海域の溶存酸素量にどの程度影響を与えるかといったことも考えていただきたいと思います。このまとめをされた方がそういう考え方を十分わかっていらっしゃるということは読み取れますけれども、あらわには書いていない。海水中の酸素の濃度が著しく低くなったら、好気性のすべての生き物はあっという間に死んでしまいます。その辺の観点がかなり重要だと思いますので、ぜひその辺もわかるように、環境基準項目への追加を考えていただけないかと思います。

○柳委員 今のコメントと、先ほどの全漁連からの透明度の話ですけれども、図30を見てもらったらわかるんですけれども、瀬戸内海の漁獲量は1985年をピークに今、半分まで減っているってすね。この主な原因は何かというと、今日の議論では栄養塩との関係を言われていますけれども、これを見てもらったらわかるように、この1年、ここには大阪湾が入っていますから栄養塩が減っていますけれども、図10、11を見てもらったらはっきりするんですが、TN、TPとも20年以上横ばいなんですよね。だから栄養塩の量が減ったから漁獲量が減ったわけではなくて、漁獲量が減った理由はいろいろ言われていますけれども、私が今、考えていますのは、これは論文にしますけれども、一番大きいのは貧酸素水塊なんです。あとは、さっき松田委員長が言われましたけれども、転送効率。植物プランクトンから小魚へという物質循環が成り立っていないんですね。その理由で一番大きいのは、貧酸素水塊で動物性プランクトンの卵が死ぬからですよね。あとは稚魚が藻場、干潟で育たなくなっている。
 この貧酸素水塊がどういう状況かというと、やはりこれは昭和60年ぐらいから今までずっと横ばいなんです。瀬戸内海平均ではですよ。貧酸素水塊ができる海域は大阪湾東、播磨灘の中央部、燧灘の東部、広島湾の奥、それから周防灘西部ですけれども、各海域でこの20年間の変化を調べてみたら、周防灘以外は全部横ばいで、赤潮と一緒で貧酸素水塊は存在しっ放しなんですよね。それがボディブローのように瀬戸内海の物質循環をどんどん貧困化して、劣化させて、その結果が漁獲量に表れているわけです。
 ですから、これを変えようと思ったら貧酸素水塊をなくすことと、藻場、干潟を整備すること、この基本方針は正しいんですけれども、では貧酸素水塊がなぜ周防灘で改善したかといったら、周防灘では1985年からDIN、DIPが突然減ったんですよね。その結果、クロロフィルが落ちて透明度が上がったんですね。透明度が上がると、先ほど藻場の話をされたけれども、周防灘の場合には付着珪藻、あそこは20メートルしかありませんから、泥の表面の付着珪藻が増えて、それが酸素をつくって底層の貧酸素水塊が解消したわけです。
 ついでに言うと、中層、表層の溶存酸素は高温下で溶解度が落ちたことはあまり効いていなくて、ほとんど基礎生産によっているんですね。基礎生産は、実は瀬戸内海の日射量というのは最近増えているんですね。黒点が増えていますから。その結果、栄養塩、DIN、DIPを調べると基礎生産が増えて溶存酸素の飽和度が上がってくるわけです。その分だけ中層まで溶けていくけれども、夏季、成層がきつくなると下に下がらなくて大阪湾、播磨灘、さっきいった周防灘以外は依然として貧酸素水塊をつくっていて、物質循環に悪影響を与える。
 だから言いたいのは、透明度は実際には重要な役割を果たしているので非常に大事だということと、酸素の濃度の件に関しては、実際の中の有機物そのものはそんなに大きな変化を与えていない。むしろさっき言われた水温に関しては、データ的にはあるんですけれども実際には影響はほとんどないという結果です。

○岡田部会長 ありがとうございました。
 大分時間が押してきましたが、他にございますでしょうか。

○井上委員 2点ほど、加筆についてご検討いただければと思います。
 1つは、21ページに海洋ごみの記述に関しまして、「漂流ごみ、海底ごみについては、自治体、漁業関係者等の協働により」という文言がありますが、できれば国も参画できるように文章化していただいたほうがいいのではないかと思います。
 現に漂流ごみや流出油の回収については、国が油回収船、環境整備船を保有してごみの回収等もやっておりますし、関係の自治体、漁組と一緒になって回収作業も行っていると聞いております。そういう意味では一体となった体制の構築がとり得るのではないかと思っておりますので、ご検討いただければと思います。
 もう一点は、18ページの底質改善対策のところです。
 今回のこの方針については、底質の改善についての重要性について随所で指摘しており、大変高く評価しています。浚渫や覆砂、敷砂による対策を推進するというのは全くそのとおりだと思いますが、いろいろ検討している中で、有機性の汚泥を浚渫した場合、その浚渫した土砂の処分が非常に悩ましいのです。そこで、浚渫した土砂を改質してリユースする対策を同時に進めていくことが底質改善には、物理的には大きな効果になってきます。
 後段に、技術開発課題として挙げられていますが、やはり浚渫した有機汚泥をまた海に上手に戻すという、改質・再利用について対策の中でも触れておいた方がいいと思います。
 その2点についてご検討いただければと思います。

○岡田部会長 今の点は、よろしいですね。
 他によろしいでしょうか。
 よろしければ、今、たくさんのご意見をいただきまして、ありがとうございました。今のご意見を踏まえて、次の報告のさらなる発展につなげていただければと思います。
 それでは次の議題、先ほど少しご意見が出ましたが、今後の進め方について事務局からご説明をお願いいたします。

○西田閉鎖性海域対策室長補佐 資料3でご説明させていただきます。
 今後の瀬戸内海部会の進め方(案)でございますが、本日の部会につきましては、上から2段目、二重線で囲っております8月13日の第11回でございまして、本日いろいろいただきました貴重なご意見を踏まえまして、それと並行して9月7日までパブリックコメントをやっているわけですけれども、その意見を踏まえまして、今度、9月20日に予定してございます第6回企画専門委員会で報告書の最終取りまとめの予定でございます。その後、10月ごろに第12回瀬戸内海部会を開催させていただきまして、答申案の報告をさせていただこうと考えてございます。
 その後、基本計画の見直しといいますか、改定の作業に入ることになろうかと考えてございます。秋以降ということで我々事務局としては考えているところでございます。

○岡田部会長 ただいまのご説明に関しまして、ご質問、ご意見をお願いします。

○長屋委員 要望でございます。秋以降、基本計画の見直しに向けた検討に入られるということですが、私どもとしては本当に一日も早くこの答申案をまとめられて、基本計画の見直しに反映させていっていただく、なるべく早く進めていただきたいというご要望を申し上げておきます。

○岡田部会長 他にございますでしょうか。よろしいですか。
 それでは、先ほど申し上げましたように、本日いただきましたご意見等につきましては次の企画専門委員会で再度ご議論いただくことにさせていただきます。
 あわせまして、先ほどご報告ございましたように、パブリックコメントが行われております。その結果も踏まえて、次の部会で報告されるという形で審議を進めさせていただきたいと思います。よろしいでしょうか。

(異議なし)

○岡田部会長 ありがとうございます。
 それでは、特にご異議がございませんようですので、今、ご紹介いただいた案のとおり決定させていただきたいと思います。
 ただいまの報告以外に、その他として事務局から何かございましたらお願いいたします。

○西田閉鎖性海域対策室長補佐 本日の議事録については、速記がまとまり次第、皆様にお送りさせていただきます。ご確認をお願いしたいと思います。全員のご確認をいただいたものを環境省のウェブサイトにて公開したいと考えてございます。

○岡田部会長 ありがとうございました。
 他に特になければ、以上をもちまして本日の議題を終了とさせていただきます。
 全体を通じて何かご意見、ご要望等がありましたら承りたいと思いますが、よろしいですか。
 特になければ、マイクを事務局にお返ししたいと思います。
 議事進行に関わる皆様方のご協力に感謝申し上げます。

○西田閉鎖性海域対策室長補佐 それでは、以上をもちまして中央環境審議会第11回瀬戸内海部会を閉会いたします。
 本日は貴重なご意見を賜り、誠にありがとうございました。

午後4時03分 閉会