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中央環境審議会瀬戸内海部会(第10回)議事録


平成23年7月22日(金)
環境省 水・大気環境局 水環境課 閉鎖性海域対策室

開会
議題
  • (1)瀬戸内海における今後の目指すべき将来像と環境保全・再生の在り方について(諮問)
  • (2)企画専門委員会の設置について
  • (3)その他
閉会

午後2時00分 開会

○富坂閉鎖性海域対策室長 ただいまから中央環境審議会第10回瀬戸内海部会を開会いたします。
 開催に先立ちまして、本日の出席委員のご報告をいたします。
 所属委員24名のうち、過半数の19名の委員にご出席いただいておりますので、中央環境審議会令第7条第3項により準用する同条第1項の規定に基づき、定足数を満たしており、本部会は成立しておりますことをご報告いたします。
 また、本日の会議は、中央環境審議会の運営方針に基づき、公開とさせていただきます。
 なお、本日、プレスの方が取材に見えていらっしゃいますけれども、写真撮影等については、議事に入るまでとさせていただいておりますので、よろしくお願いいたします。
 開会に当たり、江田環境大臣からごあいさつを申し上げます。

○江田環境大臣 皆さん、こんにちは。急遽、環境大臣ということになって、まだ1カ月になっておりません。ほやほやの環境大臣の江田五月でございます。第10回中央環境審議会瀬戸内海部会の開会に当たりまして、一言ごあいさつを申し上げます。
 委員の皆様には、平素より環境施策の推進にご理解とご協力を賜り、誠にありがとうございます。また、本日は猛暑の中、また、ご多忙の中、ご出席を賜り、誠にありがとうございます。
 さて、瀬戸内海の環境については、高度経済成長期に水質が悪化し、赤潮によって巨額の漁業被害が生じるなど、瀕死の海とまで言われるようなことになりました。こうした中、昭和48年に瀬戸内海環境保全臨時措置法が議員立法により全会一致で成立し、さらに昭和53年に特別措置法として恒久化され、富栄養化対策を中心に瀬戸内海の環境保全のための施策を進めてきたところです。
 これまでの取組によって、大阪湾ではまだ努力が必要だということですが、その他の瀬戸内海の海域では、水質は大幅に改善されてきたと思っています。しかし、一方で、瀬戸内海の豊かさを感じるまでにはまだ至っておらず、瀬戸内海を豊かな里海として再生するには、水質のみならず、生態系の保全、あるいは海とのふれあい、藻場・干潟・砂浜の回復、森・川・海を通じた循環の回復などの視点を強化し、なお一層の環境保全のための取組が必要であると認識をしております。
 このため、今般、瀬戸内海における今後の目指すべき将来像と環境保全・再生の在り方について、中央環境審議会会長に諮問させていただきました。
 実は、私は岡山県の出身でございまして、瀬戸内海、私が大きくなったところはすぐ前が海というわけじゃありませんが、それでも瀬戸内海のすぐそばで育ってまいりました。
 お歳の方は存じていただいているかと思いますが、私の父は江田三郎といいまして、旧岡山2区ですから、瀬戸内海はまさに選挙区で、昭和48年が赤潮で法律ができる、そして昭和49年に水島のコンビナートで大変な石油が流れ出る、そんなときに父がいろいろと奔走していたのを覚えております。その父と一緒に、まだ本当に小さな小学校、中学のころでしょうか、釣りに行ったら、もう釣り竿を入れたら、まさに入れ食い状態で、ギザミとか、そういうのが揚がってきて、僕は料理をやれと言われて、もう大変困ったようなことも覚えておりますが、しかし、その後、瀕死の海になって、なかなか魚がとれない状況というのは今も続いております。
 私の家のすぐ近くに児島湾があるんですが、あそこは四ツ手を入れたら、昔は幾らでも、ベカとか、いろんな小魚が揚がっていたのが、今はもう四ツ手を入れても、なかなかクラゲぐらいしか揚がってこないみたいな感じになっていまして、こうした瀬戸内海の豊かさの一端を肌で感じてきた私としては、これまでこの地域で培われてきた海と人との関わりを大切にしながら、この瀬戸内海の世界に比類なき美しさ、また、豊かな生態系をもたらす海の恵みを、ぜひもう一度、我々の努力で後代に継承していかなければならないと考えております。
 瀬戸内海部会の委員の皆様方におかれましては、ご専門の立場から活発にご審議をいただきますよう、ひとつよろしくお願いいたします。ちょっと、個人的な思いも入ってしまいましたが、以上、私からのごあいさつとさせていただきます。どうぞよろしくお願いします。

○富坂閉鎖性海域対策室長 ありがとうございました。大臣はこの後の公務がありますので、このまま退席させていただきます。どうもありがとうございました。

○江田環境大臣 すみません。どうぞよろしくお願いします。それでは、失礼します。

○富坂閉鎖性海域対策室長 それでは、続きまして、お手元の資料確認をさせていただきます。
 最初に議事次第がございます。次に、配席図です。資料1、委員名簿でございます。資料2、瀬戸内海における今後の目指すべき将来像と環境保全・再生の在り方についての諮問文等でございます。資料3が諮問の背景、審議事項について。資料4、今後の瀬戸内海部会の進め方について。資料5、企画専門委員会の設置について。資料6−1と6−2がございます、総量削減基本方針に関する資料。それから、参考資料として1から4までございます。以上でございます。
 なお、傍聴者資料につきましては、資料量が膨大なことから、参考資料1は添付しておりませんので、後日、環境省ホームページからダウンロードにて入手をお願いいたします。
 不足がございましたら、事務局までお申しつけください。
 よろしいでしょうか。
 続きまして、1月に委員改選がございましたが、前回、3月の部会でご紹介できませんでした委員のご紹介をさせていただきます。
 財団法人下水道新技術推進機構理事長の石川忠男委員でございます。

○石川委員 石川でございます。よろしくお願いします。

○富坂閉鎖性海域対策室長 兵庫県立大学環境人間学部教授の岡田真美子委員でございます。

○岡田(真)委員 岡田でございます。よろしくお願いいたします。

○富坂閉鎖性海域対策室長 国立大学法人岡山大学環境管理センター長の沖陽子委員です。

○沖委員 沖でございます。よろしくお願いいたします。

○富坂閉鎖性海域対策室長 四国経済連合会会長の常盤百樹委員でございます。

○常盤委員 常盤です。

○富坂閉鎖性海域対策室長 国立大学法人山口大学農学部生物機能科学科教授の右田たい子委員です。

○右田委員 右田でございます。よろしくお願いいたします。

○富坂閉鎖性海域対策室長 なお、山田真知子委員におかれましては、所属が福岡女子大学国際文理学部教授に変更となりましたことをご報告いたします。
 また、本日、鷲谷いづみ委員、門川大作委員、武岡英隆委員、道浦母都子委員、湯崎英彦委員につきましては、欠席のご連絡をいただいております。
 続きまして、事務局側も4月1日付で移動がございましたので、紹介をさせていただきます。
 私、閉鎖性海域対策室長の富坂でございます。よろしくお願いします。
 主査の千野でございます。

○千野主査 よろしくお願いします。

○富坂閉鎖性海域対策室長 それでは、プレスの方は、これ以降の写真撮影等はお控えいただきますよう、よろしくお願いいたします。
 これ以降の議事進行につきまして、岡田部会長にお願いしたいと思います。よろしくお願いします。

○岡田部会長 かしこまりました。委員の皆様におかれましては、大変ご多用の折、ご出席いただきまして、誠にありがとうございます。
 本日は16時の終了を目処に議事を進めさせていただきたいというふうに思います。ご協力のほどをお願いいたします。
 早速ですが、議事に入らせていただきたいと思います。
 最初に議題の(1)瀬戸内海における今後の目指すべき将来像と環境保全・再生の在り方についての諮問です。
 この諮問でございますが、7月20日付で環境大臣から中央環境審議会会長に対してなされました。そして、会長から当瀬戸内海部会に付議がされております。
 この諮問の内容とその背景、並びに審議事項につきまして、事務局よりご説明をお願いいたします。

○富坂閉鎖性海域対策室長 それでは、まず、資料2に基づきまして、諮問文についてご説明させていただきます。
 こちらを読み上げさせていただきます。
 諮問第309号、中央環境審議会会長殿。瀬戸内海における今後の目指すべき将来像と環境保全・再生の在り方について(諮問)。
 環境基本法第41条第2項第2号の規定に基づき、瀬戸内海における今後の目指すべき将来像と環境保全・再生の在り方について、貴審議会の意見を求める。
 裏でございます。
 諮問理由。瀬戸内海においては、環境保全を推進するため、瀬戸内海環境保全特別措置法や同法に基づく基本計画等に沿って、各種施策を実施しているところである。その結果、近年、水質については一定の改善が見られ、大規模な埋立等は減少傾向にある。しかしながら、古来より多島美や白砂青松と呼ばれている世界に誇るべき景観や、生物の生息・水質浄化・親水などの多様な機能を有する藻場・干潟等が、過疎化・高齢化といった社会構造の変化や人と海との関係性の希薄化等の要因もあって改善がはかばかしくないことに加え、生物多様性の低下、漁獲量の低下等の観点から水質改善中心の環境保全の在り方が問われている。
 また、瀬戸内海環境保全特別措置法に基づく瀬戸内海環境保全基本計画の前回策定から10年以上が過ぎ、この間に、海洋基本法において海洋の開発及び利用と海洋環境の保全との調和、海洋の総合的管理などの基本理念が、生物多様性基本法において生物の多様性の保全及び持続可能な利用に関する基本原則等が、それぞれ示された。瀬戸内海においても、海洋環境の保全に関する新たな理念や体制の整備に加え、生物多様性と生物生産性の向上等の新たな課題への対応も必要となってきている。
 今回の諮問は、このような背景、課題を踏まえ、瀬戸内海における今後の目指すべき将来像と環境保全・再生の在り方について、貴審議会の意見を求めるものである。
 次のページが当瀬戸内海部会に付議された文書でございます。
 引き続きまして、資料3をご覧ください。また、参考資料としまして、参考資料1に諮問関係資料集というものもございます。こちらのほうも適宜参照していただければと思います。資料3に基づきまして、説明をさせていただきます。
 諮問の背景、審議事項についてということで、まず、瀬戸内海環境保全基本計画推進の中での課題の指摘ということがございます。
 当瀬戸内海部会におきまして、環境基本計画、平成12年12月に変更しておりますけれども、この基本計画のフォローアップについて実施をしてまいっております。
 また、前回の部会におきまして、今後の瀬戸内海の水環境の在り方懇談会、こちらは昨年度に議論をしていただいております。こちらの論点整理について紹介をさせていただいているところでございます。
 これらの内容でございますが、まず、1番目、瀬戸内海環境保全基本計画フォローアップにおける指摘ということでございます。
 基本計画の内容は、水質保全等に関する目標、それから自然景観の保全に関する目標と、2つ大きな柱がございますが、そのうちのまず水質保全でございます。
 国と地方とが適切に役割分担しつつ各海域において中長期的に目指すべき将来像を明らかにしていく。また、海洋基本計画に位置づけられた「沿岸域の総合的管理」の概念を十分に踏まえる必要があるということでございます。
 また、大阪湾については、瀬戸内海においても特異な海域であり、別個の対応が必要であるということ。
 それから、底層DO等の新たな指標の導入に当たっての検討が必要であること。目指すべき海域環境の将来像と整合性を持った見直しが必要であるということでございます。
 大阪湾以外の瀬戸内海におきましては栄養塩類の不足による海苔の色落ちが発生しているとの指摘があるということですけれども、赤潮発生メカニズムでございますとか、その解明に向けた調査・研究の必要性を指摘されております。
 また、窒素、りんの環境基準が達成されている海域についての、栄養塩類の管理についての指摘でございます。
 2ページでございます。
 埋め立てについては、より厳しい規制が必要との指摘もございます。
 また、藻場・干潟の再生につきましては、まだ十分な再生がなされているとは言いがたいという状況でございますし、それらの浅海域に棲む生物について、まだまだ十分な把握、施策の効果の評価といったものが必要と指摘されております。
 また、こうした各々の地域の特性に応じた多様な魚介類等が生息し、人々がその恵沢を将来にわたり享受できる「里海」の創生を図る必要があるという指摘でございます。
 また、自然とのふれあいの機会といったことが指摘されております。
 続きまして、自然景観の保全に関する目標ということでございます。
 人口減少に起因する島の荒廃といったものが、瀬戸内海全体の景観を含めた悪化につながっているという指摘から、「里海」の創生に向けた取組も活用しつつ、景観の保全を図る必要があること。
 また、保全すべき地域というものを明確にして、これを積極的に保全することが重要であるということ。
 また、埋め立てにつきましては、その抑制というのが図られておりますけれども、未利用のまま荒れた埋立地というものが存在しているということなどが指摘されております。
 2番目、今後の瀬戸内海の水環境の在り方の論点整理でございます。
 前回、部会でも紹介させていただきましたが、この中で、瀬戸内海の3つの価値としまして、「庭」としての価値、瀬戸内海の景観でございますとか、観光の場としての瀬戸内海というもの。それから、「畑」としての価値、漁業資源の宝庫としての瀬戸内海。それから、「道」としての価値、交通ルートとしての瀬戸内海と、こういうものが例示としてございまして、その上で、瀬戸内海が抱える課題としまして、これらのようなことが挙げられているところでございます。
 特に、瀬戸内海と人との関わり方の希薄化でございますとか、水環境上の課題についてはいまだあるということ、それから、生物多様性の低下、あるいは漁獲量の減少といったようなものでございます。新たな課題としまして、地球温暖化による影響でございますとか、海洋ごみといったようなものも指摘がございます。
 これを踏まえまして、3ページでございます。
 5つの今後の水環境保全の基本的な考え方としまして、水質管理を基本としつつ、物質循環、生態系管理への転換を図るということ。それから、沿岸環境と底質環境の回復。それから、瀬戸内海の自然景観、文化的景観の保全。4点目としまして、地域における里海の創生。5点目としまして、総合的な資源管理ということが挙げられてございます。
 これを踏まえて、13の今後の水環境の方向性ということで、こちらは項目だけ挙げてございます。詳しいものにつきましては、論点整理の本文をご覧いただければと思います。
 また、この方向性に加えまして、水環境保全の取組としまして、情報提供、広報の充実といったようなことを指摘されております。
 特に、ここを概観させていただきますと、水質の改善は見られているということがございますけれども、埋め立て等による藻場・干潟の減少、赤潮や貧酸素水塊等の発生、漁業生産量の低迷などの多くの課題が存在しているということがございます。今後の瀬戸内海につきまして、「豊かな海」へ向けて、瀬戸内海の多面的機能を踏まえて、在り方を熟慮していくことが重要であるという結論でございます。
 続きまして、瀬戸内海の環境を取り巻く動きということで、一般的に、環境行政全体の動きということでございます。
 参考資料1の1ページ目でございますけれども、前回、平成12年に瀬戸内海環境保全基本計画を変更しております。それ以降の年表として掲げさせていただいております。
 平成14年に自然再生推進法、それから平成19年4月に海洋基本法の制定ということがなされております。同年11月に、第三次の生物多様性国家戦略の閣議決定ということが行われております。
 そのほか、ちょっといろいろございますが、資料3のほうに戻っていただきまして、それぞれについてご紹介をさせていただきたいと思います。
 まず、第三次環境基本計画の策定でございます。
 環境基本法に基づきまして、平成6年に第一次の環境基本計画を策定しておりますが、第三次の環境基本計画につきまして、平成18年4月に閣議決定をされております。
 この中で、今後の環境政策の展開の方向性としまして、環境と経済の好循環、それから社会的な側面も含めて一体的な向上を目指すとしております。また、「市場において環境の価値が積極的に評価される仕組みづくり」でございますとか、「環境保全の人づくり・地域づくりの推進」といったようなものが挙げられております。
 なお、現在、中央環境審議会総合政策部会におきまして、この第三次計画の改定といいますか、第四次の環境基本計画策定に向けた検討が行われているという状況でございます。
 続きまして、21世紀環境立国戦略でございます。
 地球環境問題に対して、日本政府としてどのように取り組んでいくかと、持続可能な社会を目指すということを目的としまして、個別の戦略としまして、藻場、干潟、サンゴ礁等の保全・再生・創出、閉鎖性海域等の水質汚濁対策、持続的な資源管理等の施策というものが、今後、一、二年で重点的に着手すべき戦略として挙げられているところでございます。また、「里海」の創生といったものについても位置づけられております。
 3点目、水質総量削減の在り方でございます。
 こちらは第6次答申が平成17年5月、第7次答申が平成22年3月で、いずれも中環審の水環境部会のほうから出されているものでございますけれども、これらの答申を受けまして、特に第6次答申を受けまして、平成18年に環境大臣が策定しました第6次総量削減基本方針では、大阪湾と大阪湾を除く瀬戸内海について、これを扱いを異にすると。特に大阪湾を除く瀬戸内海につきましては環境基準の達成率は良好であり、現在の水質を悪化させないという観点からの取組を実施するということになってございます。
 平成23年6月、先月でございますけれども、第7次答申を受けまして策定しました総量削減基本方針におきましても、この第6次の方針を継続しているということでございます。
 4点目でございます。今後の水環境保全の在り方についてということでございます。
 今年の3月に、将来を見据えた水環境行政の展開を図っていくための、今後の水環境保全の在り方に関する検討会というものを開催させていただきました。本日ご出席いただいています須藤委員に委員長をお願いしてまとめたものでございまして、資料として、このような冊子で本日お配りをさせていただいております。
 水環境保全全般にわたっての今後の方向性を示していただいているということでございまして、これまでの公害防止対策の側面のみならず、健全な水循環系の確保でございますとか、より望ましい形での水環境の改善を進めていくといった取組が求められております。特に、水環境としまして、「地域の観点」、あるいは「生物多様性の観点」といったようなものが重要であるということで指摘をされております。
 本報告書におきまして、閉鎖性海域の水質改善につきましては速やかに解決されるべき課題であるということで整理をされております。
 5番と6番につきましては、海洋の観点からの近年の取組ということでございまして、5番、海の再生に向けた総合的な取組としまして、都市再生本部による都市再生プロジェクトの第三次決定、平成13年でございますけれども、海の再生といったものが位置づけられております。
 これに基づきまして、大阪湾再生推進会議、あるいは広島湾再生推進会議といったものが設置されまして、それぞれ行動計画が策定されているという状況でございます。
 また、海洋基本法が平成19年4月に制定されております。これは沿岸域だけではなく、広く海洋一般の施策の総合的かつ計画的な推進を図るための法律ということでございますが、同法に基づきます海洋基本計画におきまして、海洋の開発及び利用と海洋環境の保全との調和といったものが掲げられております。また、その中の、今後5年間で講ずべき施策としまして、生物多様性の確保等のための取組、環境負荷の低減のための取組、海洋環境保全のための継続的な調査・研究の推進といったようなものが位置づけられております。
 7番でございますが、生物多様性の関係でございます。生物多様性基本法につきましては、平成20年5月に策定をされておりまして、同法に基づきます生物多様性国家戦略というものが平成22年3月に策定をされております。本戦略は2050年を目標年としておりますが、その中で「生物多様性の状態を現状以上に豊かなものにする」、それから2020年を目標年としました「生物多様性の状況の分析・把握、保全活動の拡大、維持・回復」といったようなものが挙げられているところでございます。
 また、昨年度に生物多様性条約締約国会議が愛知県で行われたわけでございますけれども、その中で、生物多様性の戦略目標としまして愛知ターゲットというものが設定されております。この中で、生物多様性の状況の改善でございますとか、生態系サービスから得られる恩恵の強化、あるいは保護水面といいますか、そういったものの拡大といったようなものが掲げられているところでございます。
 続きまして、本部会において審議いただきたい事項ということで整理させていただいております。
 まず、1つ目の課題としまして、瀬戸内海の目指すべき将来像というものがございます。
 この将来というのも、数年先というよりも、もっと長いスパンで見たときに、瀬戸内海のあるべき姿といったようなものはどのようなものなのかと。過去の基本計画フォローアップなどで指摘されております「豊かな海」といったものはどのようなものなのか。あるいは、その「豊かな海」というものを表現するための目標でございますとか、指標といったものはどのようなものなのか。あるいは、瀬戸内海の保全といったときに、どこまでの範囲を対象とするかといったようなことが1点目でございます。
 それから、2点目としまして、この目指すべき将来像を実現するための今後の環境保全・再生の在り方の基本的な考え方というものでございます。
 こちらにつきましては、先ほどご紹介、あるいはまた前回部会でご説明をさせていただきました今後の瀬戸内海の水環境の在り方の論点整理で5つの基本的な考え方が示されております。この考え方に沿って、どのようなことを行っていくべきかというものを整理させていただいております。
 まず1点目でございます。水質管理を基本としつつ、物質循環管理、生態系管理への転換といったものが方向性として示されておりますが、これに関する審議事項ということで、汚濁負荷の削減を目的とした水質総量削減制度といったものを今後どのような形で続けていくべきなのか。あるいは、汚濁負荷を物質循環ととらえた新たな管理方策への転換をも視野に入れた検討というものを考えていくべきではないのか。また、「豊かな海」の実現のための目標といったものについて検討すべきではないかという論点でございます。
 また、底層DOなど、水質環境基準の新たな指標といったものが別途検討されておりますけれども、このようなものを踏まえつつ、湾・灘ごとの水環境の目標や指標の検討といったものを行うべきではないのかという論点でございます。
 2番目の考え方でございます。瀬戸内海の自然景観と文化的景観の保全というものでございます。
 瀬戸内海の自然景観の保全といったものは、既に基本計画の中に含まれておりますけれども、景観修復でございますとか、海から見た景観、あるいは文化的景観といったようなものが瀬戸内海の景観というものを語る上で非常に重要であると。この保全と再生につきまして、目標の形成合意を図るための取組といったものがどこまでできるのかを含めて検討すべきではないのかという論点でございます。
 3点目でございます。藻場、干潟、砂浜等の失われた沿岸環境と悪化した底質環境の再生。
 こちらにつきまして、海砂利採取でございますとか、海面埋立の原則禁止といったようなもの。海面埋立の原則禁止につきましては、現行の基本計画の中にも盛り込まれております。海砂利採取につきましては、実質的に、現在、全面的に禁止がされているという状況でございます。これらについて、引き続き厳格に運用すべきではないかという論点でございます。
 また、藻場、干潟、砂浜の保全・再生につきまして、より積極的な対策を検討すべきではないかという論点でございます。
 4点目、地域で培われてきた知識、技術、体制を活かした里海の創生でございます。
 これまでの瀬戸内海の水環境の評価というものにつきましては、瀬戸内海全体で評価を行ってきているというところがございましたけれども、湾・灘ごとに非常に特性といいますか、水質の状況でございますとか、水質汚濁のメカニズムというものも微妙に異なってきている。こういった特性の評価、あるいは里海という形で、実際に人手がかけられて水質改善などが行われている、そういった具体的な取組と効果、これらについて、瀬戸内海全体というよりも、特徴的な湾・灘、個別のものについて把握を進めるべきではないかという論点でございます。また、里海に関わる市民、漁業者、企業、行政、そういったステークホルダー、これらの連携と、その取組を実行しやすくするための仕掛けといったものを検討すべきではないかということでございます。
 2番目の点につきましては、先ほどの目標のところと同じでございますけれども、湾・灘ごとの水環境の目標・指標の検討といったものでございます。
 5番目でございます。生態系構造に見合った持続可能な総合的資源管理の推進。
 生物生息状況に関する指標というものがなかなかいいものがないというような状況ではございますけれども、これらにつきまして、特に瀬戸内海についての生物多様性でございますとか、生物生産性に関する調査、それから評価といったものを行っていくべきではないか。また、海域利用の基準につきまして、良好な環境の保全というものを優先するというのは当然でございますけれども、これらの利用といった観点からの基準というものを考えていく必要があるのではないかと、このような論点でございます。
 以上、審議をよろしくお願いしたいと思います。

○岡田部会長 ありがとうございました。
 それでは、ただいまのご説明に関するご意見、ご質問等がございましたらお願いいたします。

○長屋委員 全漁連の長屋でございます。今回の諮問理由を読ませていただいて、やっとここまでご理解を進めていただいたのかということで、非常に感激をしたところでございます。水質改善中心の環境保全の在り方というものが問われている中で、ぜひ、ここに書かれておりますような、生物多様性であるとか、生物生産性の向上という、こういう新しい課題への対応を踏まえて、今回の在り方についてのご議論が十分に行われることを期待したいと思っております。
 今月の12日に、瀬戸内海の漁連の会長クラスの会議が開催されまして、私も出席をしてまいりました。会議においては、貧栄養の中でも増殖をしていく大型の珪藻プランクトン、これが非常に多く増殖をすることによって、海苔が吸収する栄養塩がそちらのほうにすべていってしまうであるとか、またはその大型の珪藻プランクトンが普通の魚の餌等にはなりにくいものであることから、水産資源へも影響が出てるのではないかという意見が相当強く出されたところでございまして、私もこの委員をさせていただいていることから、しっかり発言をしていってもらいたいと言われてきたところであります。
 この問題につきましては、在り方懇談会の中で、水産庁からも提起をしていただいているところでございます。これまでの水産庁の調査からも、海苔の色落ちは、栄養塩の不足が主因であるということ、それから生態系における主要な海苔の生産地での色落ちというのは頻繁に発生をして、海苔の養殖業者だけでなくて、地域経済に大きな影響を与えているということであります。今後も安定的な海苔の生産を進めていくためには、特にこの海苔の養殖の時期であります冬に、必要量の栄養塩の確保というものを図っていく必要があるのではないかということを提起をしていただいたところでございます。
 瀬戸内海の明石の海域において、平成2年からずっと無機態窒素の濃度についてのデータが押さえられてきております。平成2年から6年までの5年間の無機態窒素は、平均として11µmol/Lぐらいの濃度であったものが、平成17年から21年はこれが3.8µmol/Lまで、いわば3分の1程度に減ってしまっている。海苔の養殖は秋口から始めて、明石海域においては大体3月の終わりから4月ぐらいまで、養殖が可能であったわけなんでございますが、さっき申し上げた数字から言いますと、3µmol/Lを下回ると色落ちが始まるという限界点でございます。これが既に1月の下旬の平均的な数字になっているということで、これが大きく海苔の生産に影響を与えている。海苔の生産地は有明海と瀬戸内海が日本の中で二大生産地でございます。有明のほうは、今、何とか生産を維持しているわけでございますが、一方、この瀬戸内海における海苔の生産量の減少というのは甚だしいものがございまして、過去の約半分以下になっているというところでございますし、経営体もそれだけ減ってきているということでございます。
 7次規制における排出総量削減の目標量の瀬戸内海の数字は、表向きは非常に高い数字になっているのですが、これを容積対比で換算すると、例えば東京湾であれば、窒素の含有量は、0.291µmol/Lということですが、瀬戸内海について計算すると、容積が東京湾の約10倍以上ですから、これでいきますと、0.050µmol/Lということで、東京湾の約5分の1以下という数字になっております。要するに、これほどまで痩せた海に瀬戸内海は規制をされているということでございます。
 今回の議論の中心になってまいります豊かな海を、今後、環境行政の中でいかに実現し生物の多様性なり、水生生物の棲める海をつくっていくため、こういう実態というものをしっかりと踏まえていただいて、ご議論をいただければと思っております。
 瀬戸内海の会長会議はこれまで7年ほど続けているわけでございますが、その議論が瀬戸内海に関係する13の知事会、それから市長会にも影響といいますか、そういう考え方が伝わってまいりまして、平成19年には140万人の署名というものを集めさせていただきまして、新しく瀬戸内海を再生する法律というものをつくっていただきたい、こういう運動も行っているところでございます。この辺については議論の中でもご紹介をさせていただきながら、漁業のサイドからのいろんな意見を出させていただければと思っておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。

○岡田部会長 ありがとうございました。これはこれからの議論に生かさせていただければと思います。
 ほかにございますでしょうか。

○須藤委員 ありがとうございます。
 瀬戸内海の総量規制なり、水質基準適合率なり、そういう問題について、概ね目的を達成しているのかどうかということについて、きちっと評価をまずはされるべきだし、その上で、もちろん水産にとっても、あるいは景観にとっても、それからレクリエーションにとっても、さまざまな立場で、今後の瀬戸内海の目標がどういう場であるのかということについての議論が、私はまずは必要なんではないかなという気がいたしております。
 有明も携わっているんですが、有明にしても、瀬戸内海にしても、やはりすべてが公共用水域でございますので、公共用水域というのは、すべての主体というか、すべての目的に、そこそこ叶っていないといけないわけでございますが、確かに、今、ご指摘がありましたように、今までの沿岸海域の規制は水質一辺倒に近かった。それはなぜかというと、やりやすかったという点もあったかと思いますし、それからやはり有明にしても瀬戸内海にしても、赤潮という、富栄養化の指標となる最も障害となる現象が際立っていたし、今でもそれが、かなり減ってはいますけども、すべてが消失したわけではございませんし、有明も同じなんですが、有明も瀬戸内海も、冬に栄養分が特に海苔にとって不足しているということは私自身も承知はいたしております。しかしながら、なかなか難しいことは、冬栄養塩類を多くて夏少なくしてというような、先ほど申し上げた公共用水域の水質管理というのは今まであまり経験したことがないわけでございますので、そういうものもあわせて、将来の姿が豊穣の里海ということについて私は異議はございませんが、それをどう実現していくのかということと、もう少し、その目標について議論をしていただくことが必要ではないかと、こういうふうに感じます。

○岡田部会長 ありがとうございました。
 ほかにございますでしょうか。

○松田委員 冒頭の大臣のごあいさつの中にも、森・川・海を通じた一体的管理という話がありました。それから、先ほどの資料3の中でも、幾つかのところで、例えば5ページ目の6)海洋基本法の制定のところでも、海洋基本法の中で、沿岸域に関しては沿岸域の総合的管理という、いわゆる海は海だけでは管理できないので、陸域からも含めて、あるいはなかなか単独の省庁ではできないので、一種の従来の縦割り的な管理からの総合化というようなことが挙げられているわけですし、それから、この資料の中では、7)生物多様性絡みのところでも、6ページの上から4行目のあたりに「森・里・川・海のつながりの確保」などというテーマが入っているわけです。その観点からすると、6ページの2の審議事項の中で、第1点から第5点まで、先ほどご説明がありましたが、この中に、やや陸域とあわせて管理をするという視点、ダムや堰などの影響を含めて、川を通じて森や陸、土地利用が非常に瀬戸内海の場合は関係が深い、特に四方を陸で囲まれておりますから、そういう特性からすると、先ほどのような陸域との一体管理のようなテーマがやはり今後は必要な重要な観点のひとつになってくると思うんですが、そういう意味でいうと、この審議事項の、今、原案として出ている1から5までの中では、ちょっと少ないかなという感じがいたします。

○岡田部会長 この件については、事務局のほうから何か。

○富坂閉鎖性海域対策室長 ご指摘を踏まえまして、さらに幅広な形で整理をさせていただきたいと思います。

○岡田部会長 よろしいですね。
 ほかにございませんでしょうか。

○岩崎委員 広島の新聞社におります岩崎と申します。私から2点、簡単にちょっと気づきを申させていただきます。
 1つは、先ほど、この審議事項の中にあった、海砂利採取等々の話、実は弊社のほうで、今、瀬戸内海の生物多様性について考えるキャンペーンをやっておりまして、その中で、海中撮影、水中撮影を中心に、ずっと写真で漁場を考えるシリーズをやっておるわけですけれども、その一環として、先般、4月に、広島県沖のかつて海砂利を採取したところの跡は今どうなっているかという調査を私どもがやったんですけれども、そうすると、広島では全面禁止から13年になるんですけれども、砂というか、水深、掘り下げられた水深がもうほとんど回復していないということが浮き彫りになりました。この資料はまた事務局に差し上げます。そういうこともございますんで、先ほど実質的には瀬戸内海では海砂利採取はやられていないということですけども、念を押す意味で、禁止というのをより明確な形でうたっていく必要があるのではないかということを考えております。
 それともう一つは、その前にあります文化的景観の保全のことです。これはみんな大切なことで、この線でぜひ議論をお願いできると思うんですけども、海から見た景観、例で申しますと、私ども広島県には厳島神社、世界遺産の厳島神社というのがございまして、それはヨーロッパのガイドブックにも必ず載るぐらいの日本を代表する景観ではあるんですが、厳島神社の平舞台から沖に見ると、大きな赤い鳥居がある、その向こうにあまりよろしくない風景が続いておりまして、乱開発された住宅団地、もしくはある法人の非常によく目立つ白い建物、そういうものがあって、なかなか観光客からすると、何やそれはというふうにいつもおっしゃる方が多くて。あまりいいことではないんですけれども、厳島神社で結婚式をした場合、鳥居を背にした記念写真の場合は、人工的な修正をして、その鳥居の向こうの景色を消すということが現に行われているようです。そういうこともあって、これは民有地、民間の利益も絡んで難しいとは思いますが、それも事例として、ぜひちょっと海から見た景観をどう守るかというのが、今回の議論の中で一定の方向性が出せれば、頭を悩ましている地方公共団体の力にもなると存じます。ぜひこの線でご議論をいただければと思います。以上です。

○岡田部会長 ありがとうございました。

○久野委員 瀬戸内海環境保全基本計画の新たな見直しということで、ご説明があって、基本的な方向に関しては大賛成なんですけれども、ただ、幾つか、もし可能であればということで注文をさせていただきたいと思います。
 実は、この基本計画はいわば閣議決定して、それが他省庁がさまざまな施策を展開する上での推進力になる、あるいは抑止力になる、そういう効果がなければ困るわけですね。ただ、正直言って、僕の経験から言っても、あんまりないような気がします。それをするために何が必要なんだろうかと、そうすると、やっぱり将来といったときに、2050年なのか、2100年なのか、目標年次も定めていない。それから、達成されたのか、達成されていないのか、達成率は何%だろうかというようなことも、今までの基本計画では残念ながら明確にできないでしょうね。
 他省庁の施策にあんまり我々は口を挟めないのは現実としてあるわけですけど、少なくとも、この基本計画の中である程度の定量的なものが明示されてやらないと、なかなか抑止力にも推進力にもならないのではないかと。これは難しいことと思いますけれども、できるだけ可能な限りチャレンジしてもらえればなという要望を申しておきたいと思います。以上です。

○岡田部会長 ありがとうございました。

○豊田委員 別府大学の豊田です。ちょっと的外れかもわからないのですが、この審議事項の2について意見を申します。自然景観、文化景観、沿岸環境、そして知識、技術、体制とありますが、考慮に入れていただきたいことを1点申し上げます。瀬戸内海沿岸というのは石切り場という側面が非常に強いわけです。ご承知のように、大阪城の石切り場問題も御影とか、小豆島、周防大島、ほかに現在の豊前市には、大阪城の石切りのために岩盤を削った跡がそのまま残っています。ほかに段々畑も重要な景観です。これについても私が調べた限りでは、伊予西条の黒島の人々が、段々畑の築造のために豊後南部に来ています。もちろん白砂青松の砂浜も大事です。こういう花崗岩を中心にした、この地域の地形、地質との関連で、かつて地域の人々がどういうふうに石や砂と関わってきたのかを明らかにしておく必要があると思います。当時の水準からいえば、大坂城の普請は、世界的な工事だろうと思います。の工事のほとんどすべてが瀬戸内海沿岸の資源に依存しているわけです。それは幸いにも、花崗岩という、非常にいい石があったからと思います。そのあたりについても、少し議論を入れていただくと非常にありがたいかなと思っています。以上です。

○岡田部会長 ありがとうございました。

○常盤委員 四国経済連合会の常盤です。先ほど松田委員がおっしゃっていたことはそのとおりで、海苔というお話については、これは海の環境ということについては我々企業の工業排水から始まって、市民の生活用水、もう一つはやっぱり川、山ですね。山の問題があって、今、山が荒廃しているということでして、やっぱり山を保全しなければならない。例えば、針葉樹から広葉樹への切りかえとか、そういうものについては、ぜひこの中で検討して、縦割りではなしに、横割りの行政で強力に推進してほしいなと、そういうふうに思います。やっぱり川、山が改善されなければ、豊かな海にならないだろうと思います。
 それと、もう一つ、冒頭、大臣がおっしゃいました、若いときに、小さいときに、これだけ魚がとれたと言われましたけども、冒頭に豊かな海と書いていますけれども、本当に豊かな海って何だろうかなと思うわけなんですね。その辺は私も、豊かな海とは何だろうか、今聞かれても、よく返答し得ないんですけれども。我々は企業の立場から言うと、水質改善に対してものすごく努力してきた。その結果が、水質がよくなったけれども、何か漁場には悪さしとるようなことも言われたら、これは困ったなと思うわけですね。だから、そういう意味で、豊かな海とは何だろうかなというのも、ぜひ真剣に検討して出してほしいなと、そういうふうに思います。きれいな海、当然ながら、水質がきれいなものは豊かな海の条件だと思いますけれども、それ以上の、豊かな海、冒頭に書いておりますけれども、その辺を大いに期待はしております。よろしくお願いします。

○岡田部会長 ありがとうございました。

○長屋委員 今、常盤委員の言われた、川や山が改善されなければ豊かな海にならないということ、例えば、被災にあった宮城の唐桑でもカキの養殖をやっております。ここの漁業者は山に運動で木を植えております。川からの水が海を潤していく、それがおいしいカキをつくることにつながっているわけでございますが、なかなかそれが、例えば瀬戸内海等であれば、河口堰の問題があって直接海に河川水が入っていかないだとか、下水処理の問題、こういう現実を踏まえながら、ご議論をいただかなければならないんだと思っておりますが、基本的には川から栄養塩を含んだ水が流れ込んでいくという、こういう姿を私どもとしては豊かな海というふうに言いたいと思っておるところでございます。
 話が変わりますが、審議事項(2)のところで、水質総量削減制度を今後も続けていくべきかというふうに、非常に大胆な提起がされているところでございます。先ほど申し上げました漁連会長会議においても、漁業者の感覚からすると、この総量規制の中で窒素とりんの規制が入ってから、これと並行して、非常に大きな、海苔の色落ちの問題であったり、大型の珪藻の発生、という現象が起こっているという意見が出されました。窒素、りんの規制については、ここはもう1回見直してもらうといいますか、廃止をしてもらいたいという意見まで出ているところでございます。
 ただ、この問題につきましては、まず、海苔の色落ちであるとか、水産生物とか、プランクトンに現れている実態を見ていただきながら、窒素とりんを規制することによって何が起こっているのかということをしっかりと、ここは検証をしていただく必要があるのではないかと思います。確かに、有毒なプランクトンによる赤潮は抑えられたかもしれませんが、片側で貧栄養の中で増殖ができる大型の珪藻プランクトンが大きな影響を与えているということを、しっかりと検証した上で、規制の在り方についてご議論をいただければというふうに思うところでございます。
 今度の7次規制の中で窒素とりんの規制がそのままであったということについて、大きなショックを受けているところであります。同じような規制で5年間を過ごし、さらに瀬戸内海の海が痩せていくことになれば、漁業はさらに衰退をしていくということになるので、この5年間を待てないという強い意見でございます。このため、例えば海苔の生産にとって重要な冬場だけでも栄養塩を確保することについて、今の規制の運用の中で、年間の総量管理を行いつつ、季節的な対応を行うことについて、ぜひご検討をお願いできればと思っております。
 もう1点、藻場、干潟がしっかりとして、干潟の中で、貝類が元気に育っている、健全に育っていれば、水質の改善に大きく貢献していることだけは間違いございません。人為的なものだけではなくて、そういう自然の浄化能力をいかに今後評価をしていくか、そのようなご議論をいただければと思っております。以上でございます。

○岡田部会長 ありがとうございました。
 ほかに。

○松田委員 さまざまな議論を積み上げて、今日はかなり大きな方向性の提示があったと、総論的に非常に賛成なんで、少し細かい点になりますが、今後の基本的な在り方の考え方の最後の、資料3の7ページの最後のブロック、5点目ですね。生態系構造に見合った持続可能な総合的資源管理の推進は非常に重要な点だと思いまして、その1つ目の矢印、生物生息状況に関する指標など、生物多様性・生物生産性に関する調査と評価を推進すべきである。非常に推進すべきだと思います。
 それで、その次の矢印なんですけど、良好な環境の保全を最優先にしつつ、海域利用の基準を定めるべきではないか。これは恐らく少し新しい議論になるかと思うんですけれども、例えばどんな構造の基準のようなものが今イメージされているのか。まだこれからの話だと思いますが、もし今日、この配付されている大量の資料の中で、これに関する、例えば議論とか、例示とかがあるところがありましたら、教えていただきたいと思います。あるいは、どんな感じの話が出ているかということでも結構です。

○岡田部会長 では、この件は事務局から。

○富坂閉鎖性海域対策室長 ここで海域利用の基準ということで、ちょっとまずイメージしておりますのは、今でも漁業権といいますか、区画で利用しているというようなところはあるんですけれども、それの生態系版といいますか、漁業だけではなくて、もっと環境の面から見たときに、もっと利用する、あるいは環境保全のための利用をするというような形の区分というものは考えられるのではないかという意味で、今回、これを提案させていただいております。

○松田委員 ありがとうございます。
 今度の大きなテーマの中で、保全と利用をかなり調和するということですので、具体論はこれからになるのかなと思いますけど、里海なんかもそういう可能性があると思いますので、大いに議論を期待しております。

○岡田部会長 ありがとうございました。
 ほかにございますか。

○岡田(真)委員 資料3の7ページ3行目に「目標の形成合意」と書かれているんですが、「形成合意」という四文字の熟語がございますんでしょうか。私はあまり目にしたことがなかったものですから、教えていただければと思います。

○富坂閉鎖性海域対策室長 すみません。そうですね、ここは「合意形成」というふうにさせていただきます。

○岡田部会長 ありがとうございました。直してください。

○岡田(真)委員 もう1点いいですか。地域ネットワーク論を専門にしておりますので、その辺のところが大変興味があって、読ませていただきました。地域のいろいろな人々の連携を図っていくということが十分にうたわれていて、大変結構であると思いました。
 具体的に、これを本当にやるということになると、かなり難しい作業でございまして、例えば「豊かな海とは何か?」と各団体に聞きますと、恐らく様々に異なる答えが出てくると思います。諸方面の活動の連携を図りつつ、このような点に関しても、多様な意見を吸い上げてい
 って、そこでも皆さんの合意というものを図っていけたらいいなというふうに考えております。よろしくお願いいたします。

○岡田部会長 ありがとうございました。

○弓削委員 私自身も、実は愛媛県の新居浜生まれですから、瀬戸内に対しては思い入れが強いのですけど、こういったことについて、非常にいい方針というか、目標ができると非常にありがたいわけですけれども、1つ、物理的な目標だけでなく、やはりこういった環境保全というのは心の問題というのが非常に重要な部分ではないかと。瀬戸内というのが、私は瀬戸内生まれだから思いますけど、日本人の心のふるさとというふうにしたいなと思っております。そういった心の問題をどういうふうに中心に据えてやっていくか。
 それとともに、将来にわたって瀬戸内を生かしていくということになれば、次代を背負う子どもたちに対してどういったことを伝えていくかと。この中で、教育とか何かについては、多分、個別に見ると入っているのだろうと思いますけれども、そういった次代を背負う子どもたちに瀬戸内というものをどういうふうに伝えて、その保全はどうすることが期待されているかというようなことを、そういう中に盛り込めたらいいなという希望でございます。

○岡田部会長 ありがとうございました。

○沖委員 失礼します。岡山大学の沖でございます。今、皆様のご意見を伺っておりまして、私も頭の中を整理しつつありますが、7ページに書いております「生態系構造に見合った持続可能な総合的資源管理の推進」、これ1つだけでも非常に大きな目標になるかと思いますが、どうでしょうか。生態系ということを考えた場合に、陸上生態系と水界生態系があります。陸上と沿岸帯や海洋生態系をつなぐものが河川生態系というふうに私は考えています。その陸域のほうからの影響が栄養塩類にしても、今までと少し違った形になってきている。そうしますと、水界生態系だけでどうなのという、ここも非常に大きな問題があるところで、先ほど須藤委員がおっしゃったように、実質的にどんなデータがあって、そして我々は何に向かって、どう持っていきたいのかという、その辺のところがまだクリアでないという気がするんですね。これがちょっと、私が伺っていて気になるところです。
 豊かな海というのが、魚類だけの評価ではないですよね。生態系の中の生物要素ですか、これが食物連鎖によりつながりながら豊かになることであって、そこのところを考えての政策がないとやはりおかしいんではないかと思います。私は岡山在住ですけれども、児島湾流域で、昔の魚類の分布状況を探してみると、あんまりないのですね。何があるかというと、漁獲量だけなんです。今も漁獲量でずっと話が続いていて、昔はどんな魚がいて、今はどういうふうに変遷しているのか、把握するのはかなり大変なんですね。経済的な要素も非常に重要ですが、何か大事な部分がすぽっと抜けているような気がしております。
 それから、これは松田委員がおっしゃいましたが、海域利用の基準を定めるべきと思います。漁業関係ではなくて、私が今ちょっと気になっているのは、エネルギーという観点からです。恐らく洋上というものがかなり使われ始めるのではないかと。風力発電にしてもそうですし、潮流発電もそうですし、その辺をやはり先取りして、いろいろ考えておかないとまずいと思います。海をエネルギーの資源として使うことは賛成です。やはり海というものは豊かな資源を持っているわけですから、何に使われてもいいと思います。ただ、それが自然環境をつぶす形で使われるのはまずいと。その辺の基本ラインが必要ではないかと思っております。以上でございます。

○岡田部会長 ありがとうございました。

○須藤委員 もう一ついいですか。ありがとうございます。瀬戸内海の持続可能な環境保全と活用を目指して、いろいろ行政も推進し、住民活動も推進するのは大いに結構だと思うのですが、この審議事項の中に、ぜひそういう推進方策というか、特に環境教育のようなものをここに強く入れていただかないといけないんじゃないかなとかねがね思っていました。
 というのは、私も時々、瀬戸内海の沿岸に小学校の環境の授業を二、三年前までよくやっていたんですけれども、そのときに、瀬戸内海沿岸でも、環境教育をするのはごみであったり、それから川の水質だったりするのが多いんですね。あんまり海の話を、もちろん私にしろと言われると困るんだけれども、海の話を子どもたちにもあんまりしていないような、あるいは、どちらかというと、水環境の話というのは河川中心になっちゃっている気がするんです。そういう意味では、この審議事項の中に、幼稚園から始まって、小・中・高ぐらいまで、これから論議したことについて伝えていただき、そして自らが知識としても、それから活動としてもできるような方策をとっていただきたいなというふうに思っております。

○岡田部会長 ありがとうございました。

○白木委員 生まれてから今まで、ずっと大阪湾で恩恵を受けて育ってきました。生き物の話がこの審議会でいっぱい出るようになったことは、10年前の審議会と比べて、とてもうれしいです。
 それで、先ほどの須藤先生や沖委員のお話とも関連するのですが、生態系の話の中に、もう少し海浜植物を、植物の話題というのがいつも少ないような気がするので、海浜植物の残っている海岸だとか、海浜植物自体を増やすとかに目を向けていただきたいと思います。

○岡田部会長 ありがとうございました。
 ほかによろしいですか。

○右田委員 初めて出てまいりまして、大変新鮮に皆様の議論を聞かせていただいていますけれども、私はもともとベースはケミストですので、いろいろな規制を解除するにしろ、つくるにするにしろ、やはりサイエンティフィックなデータをしっかりもとにして考えるということが重要だと思います。
 過去の海の水のことはわからないわけですけれども、多分いろいろな、文科省とか、水産庁とか、可能な限り過去に遡って、過去の研究者たちが蓄積したデータを環境省なら環境省にまとめて、そこから過去は、皆さんの感覚としては過去は魚はたくさんとれて、今はとれていないけれども、では、海の環境のいろいろなデータとしてはどうなのかという、そういうやはり科学的なデータ、特に過去に調べられたデータを利用していく必要があるのではないかというふうに考えました。

○岡田部会長 ありがとうございました。

○山田委員 ここで瀬戸内海の目指すべき将来像というところで、どこまでの範囲を対象とするかという問題があるんですけれど、先ほど、ずっといろいろな案が出てきて、エネルギーという問題が出てきました。海面利用というところでですね。そのほか、防災という観点もあると思うんですね、海沿いのところの。それをどういうふうに、この審議で取り上げていくのかというものも、その範囲という中に入ってくると思います。
 あともう一つは、私は毎回言っているのですけれど、このような新しい法律ができるわけですけれど、それを実際に政策として推進していく制度的枠組について意見を申し上げます。海洋基本法の場合には、総合海洋政策本部の本部長として内閣総理大臣がつかれております。実際に、この新しい、私たちがこれから取り組んでいく法律の枠組を考えますと、灘であるとか、湾であるとか、そういった海域ごとに県ではない新しい行政区分が設定されていて、大変これはいいことだと思います。そういうときに、新しくでき上がる行政の仕組みはどのように作成され進展していくのかということを考えたときに、やっぱり政策本部のような、推進体制を作るのがよいと思います。
 なぜかというと、例えば、先ほど窒素とかりんが「最近、海水中で不足している。」という話が出てきましたけれど、窒素、りんの排出源として、恐らく考えておられるのは下水処理場だと思うんですね。下水処理場を管轄しているのは下水道局、建設局ですね。それをまた広い範囲で、灘とか湾とかという範囲で考えますと、それは1つの局、1つの自治体と、いろいろまたがっての政策が必要になってきますので、そのような政策本部をどのように考えていくのかというのが必要になってくると思います。

○岡田部会長 ありがとうございました。

○富坂閉鎖性海域対策室長 今の山田委員のご指摘につきましては、どのような体制で実行していくかということと、どのような目標を立てていくのかということと、セットで考えていく必要があるのかなということは事務局としては考えております。具体的にどのような形で進めていくかというのは、また今後の議論をお願いしたいところではございますけれども、そういう意味で、どちらかというと、国で何か一括して推進体制をつくるというよりも、里海という概念に代表されるように、やはり地域、そこの海と関わりのある方々というのを中心とした取組体制というものが基本になるのかなということを現時点では考えております。

○岡田部会長 ありがとうございました。
 ほかによろしいですか。では、最後に。

○松田委員 先ほどの沖委員のご発言になられた、7ページの最後のところの海域利用の関係なんですけれども、今、日本でも、先ほどのお話にありましたが、だんだん再生可能エネルギーとか、洋上発電、潮流発電なんていう話が出てくると、別な利用目的との利害調整のことが必要になってくる可能性があるわけですが、私も詳しいわけではないんですが、今、国際的には、この問題に対して、海洋空間計画という、マリーンスペーシャルプランニングという、MSPという手法がかなりいろいろ開発されてきていて、これはそもそもイギリスで洋上発電所をつくる際の利害調整から発展したと聞いていますけど、実際に、アメリカ合衆国とか、EUとか、それからユネスコなどではかなり基準とか、ガイドライン的なものができていると伺っていますので、そのあたりもちょっと勉強してみる必要があるのかなというふうに思います。

○岡田部会長 ありがとうございました。
 今日は諮問後の第1回ということで、各委員の先生からたくさんのご意見、それからご注意をいただきまして、ありがとうございました。
 今、いただいたご意見を十分に踏まえて、今後、審議を進めていくということになるかと思います。
 今後の進め方につきまして、では、事務局からご説明をお願いいたします。

○橋本室長補佐 事務局の橋本でございます。よろしくお願いいたします。
 それでは、今後の瀬戸内海部会の進め方につきまして、ご説明申し上げます。
 資料4をご覧いただきたいと思います。
 先ほど、諮問の背景、それから審議事項の説明に対しまして、多くのご意見をいただきまして、ありがとうございます。この意見、多くの意見を踏まえての今後の審議でございますけれども、そこに書いてございますように、企画専門委員会というものを設置することを提案させていただきたいと考えてございます。
 企画専門委員会は大体5回程度を考えてございまして、前回の部会の際に、1つの問題意識として、瀬戸内海環境保全基本計画というのは前回の変更から10年以上経過をしているということで、その後の動き、本日、諮問の背景として説明をさせていただきました動きについて、対応ができる内容になっていないと、若干古くなっておるというようなことから、いろいろなご指摘を盛り込んだものが必要であると、基本計画の見直しが必要であるという認識を持っておるということを、ご説明を差し上げました。
 そうしたことから、この企画専門委員会におきましては、これまでの基本計画のフォローアップ、あるいは今後の瀬戸内海の水環境保全の在り方懇談会においていただきましたご意見、それから前回と本日いただきましたご意見等を踏まえまして、基本計画に盛り込むべき事項、それから基本計画にとらわれず、今後、こういった課題への対応が必要であるという検討すべき事項の整理というのを行っていきたいと考えてございます。パブリックコメントの実施ですとか、あるいはヒアリングの実施などにより、関係者の皆様方の意見を聞いて、委員会報告を取りまとめてまいりたいと。
 その結果につきまして、大体、今の想定でございますけども、1年弱ぐらい検討いたしまして、来年度の早々でございますけれども、次回の部会等での報告をさせていただければと考えてございます。
 ご報告をご了解いただければ、まずは目指すべき将来像と環境保全・再生の在り方についての答申をいただければと考えておるところでございます。
 それを受けまして、基本計画に盛り込むべき事項、それから、今後検討すべき課題と、それぞれの対応をしてまいりたいと。そこに里海の概念ですとか、栄養塩の適正管理というようなものを挙げておりますけれども、もちろん現時点では例示ということで、これからのご審議の中で審議事項を整理していくと思いますが、基本計画の変更については、また基本計画の変更についての諮問を考えておりまして、専門委員会でご議論の後に、来年度ぐらいで環境保全基本計画の変更ができればと考えております。
 一方、今後検討すべき課題につきましては、その指摘事項につきまして、内容に応じて、今後の瀬戸内海部会、あるいは水環境部会になるかもしれませんし、両部会の合同部会というような形になるかもしれません。また、有識者による検討会での検討というようなことになるかもしれませんが、それぞれ内容に応じて、必要な対応をとってまいりたいと考えておるところでございます。
 それから、資料5のほうでございますけれども、本日の部会を受けての専門委員会の設置についてのご提案でございます。
 こちらのほうは瀬戸内海部会決定(案)ということでございますけども、中央環境審議会議事運営規則第9条第1項で、部会は必要に応じて、その定めるところにより、専門事項を調査するため、専門委員会を置くことができるとなってございます。この規定に基づきまして、専門委員会の設置を行うといった内容になってございます。
 2番のところは、企画専門委員会の設置をして、瀬戸内海における今後の目指すべき将来像と環境保全・再生の在り方に係る事項を調査すると。
 それから、3番といたしまして、その専門委員会に属すべき委員、臨時委員又は専門委員については、部会長が指名するということを定める内容となってございます。
 なお、専門委員会の委員長につきましては、中央環境審議会の議事運営規則第9条第2項によりまして、部会長のほうが指名すると定められてございます。
 資料の説明は以上でございます。

○岡田部会長 ありがとうございました。
 それでは、ただいまのご説明に関するご意見、ご質問等がございましたら、お願いいたします。

○長屋委員 専門部会におけるご議論を期待するわけでございます。これはお願いということでございますけども、この専門委員の選定で、可能であれば、私どもといたしましては、瀬戸内海で実際に海の現場で携わっている、そういう漁業関係の委員の方を加えていただくことについてご検討いただきたい。また、それが難しいのであれば、そういう方の意見を聞く場面を設けていただくことについて、ご検討いただければと思っております。
 また、先ほどの検討事項とも絡むわけでございますが、私どもといたしましては、この中で、総量削減制度の見直しについても、テーマになっているということでございますから、今は総量規制の中で上限は決まっているわけですが、例えば栄養塩の維持すべき量、いわば下限値を設けるということについても、1つの提案としてご検討いただければというふうに思います。

○岡田部会長 ありがとうございました。これは私が申し上げていいんですか、どうぞ。

○富坂閉鎖性海域対策室長 また部会長ともご相談させていただきますけれども、配慮させていただきたいと思います。

○石川委員 専門委員会ができて、そちらで議論されるということですので、本日のこの部会でも全員が同じ方向を向いているわけではないと思いますので、そういう意味では、委員会にかかる負荷は多いのかなというふうに思います。
 その際に、ぜひお願いをしたいのは、この瀬戸内海をどういうふうに持っていくか、持っていくべき目的といいますか、目標は、水産がうまくいくように、あるいはレクリエーションだとか、景観とか、いろいろな物差しがあるわけですね。その物差しがみんな同じベクトルであれば、何も問題はないのですけれども、先ほどからお話に出ていますように、栄養塩類がもうちょっとあったほうがいいんだという説もあれば、今までは極力少ないほうにという方向で進んできたわけですから、その辺をどう調整していくかというのは大変重要になるかなというふうに思います。そういう意味で、専門委員会のほうで、そういうベクトルが違うものをどううまく整理するかというのを期待したいと思います。

○岡田部会長 ありがとうございました。
 今、ご指摘のように、専門委員会の中でもいろいろな意見が出ると思いますので、このペースで専門委員会で最後までいけるかどうか、実は私は個人的に、ご指摘のように不安を持っています。そういう意味において、必要に応じて、やはりこの瀬戸内海部会で確認していただきながら進めるというやり方にすべきだと思いますが、現時点ではそれを書き込むわけにはいかないと思いますので、ご注意は十分理解させていただいているつもりです。
 ほかにございますでしょうか。
 それでは、今回の諮問につきましては、提案のとおり、本部会に企画専門委員会を設置して、審議を進めるということにさせていただきたいと思いますが、よろしいでしょうか。

(異議なし)

 ありがとうございました。それでは、案のとおり決定させていただきたいと思います。
 なお、新たに設置することとなる企画専門委員会の委員長につきましては、中央環境審議会議事運営規則第9条第2項に基づいて、部会長が指名することとなっております。また、専門委員会に属すべき委員、臨時委員及び専門委員につきましては、先ほどご説明がございましたように、資料5、中央環境審議会瀬戸内海部会の専門委員会の設置についての3に基づいて、部会長が指名させていただくということになっておりますので、後ほど私のほうから指名させていただきたいというふうに思います。そのときには、ぜひよろしくご協力のほどをお願いしたいというふうに思います。ということでよろしいでしょうか。
 ありがとうございました。
 それでは、議題のその他が残っております。資料6−1、6−2、総量削減の基本方針について、事務局からご説明をお願いいたします。

○橋本室長補佐 それでは、総量削減基本方針についてのご説明をさせていただきます。
 前回の本部会におきまして、第7次水質総量削減の進捗状況について、ご説明を差し上げました。水環境部会におきます第7次水質総量削減の在り方について、それから、総量規制基準の設定方法についての答申の内容等をご説明させていただいたところでございますが、その後の動きといたしまして、この6月15日に第7次の総量削減基本方針というのを策定いたしております。
 1枚めくっていただきまして、前回もご説明いたしましたが、水質総量削減制度についてのまずご説明を簡単にさせていただきたいと思います。
 人口・産業が集中する広域的な閉鎖性海域の水質汚濁を防止するための制度ということで、排水基準、濃度規制において環境基準の達成が難しい地域において、そこに流入する負荷量を減らしていこうと、削減を図ろうと、そういう制度でございます。
 東京湾、伊勢湾、それから瀬戸内海が対象になっておりまして、CODのほか、先ほども意見の中でも出ておりました窒素、りんが対象になっておるというものでございます。
 下の半分には制度の概要というものが載っておりますが、総量削減に関する考え方といたしまして、目標年度、削減目標量、それから削減に関する基本的事項というのを総量削減基本方針として環境大臣が定めるということになっております。
 これを受けまして、都府県知事のほうで、それぞれの都府県単位での目標量というもの、それから、その目標を達成するための施策についてまとめた総量削減計画というものをつくって、施策を推進していくという流れになってございます。
 1枚目に戻っていただきまして、第7次、今回の総量削減基本方針の概要についてでございますが、目標年度といたしましては平成26年度となってございます。
 削減の方途につきましては、前回、第6次から引き続きということになりますけども、東京湾、伊勢湾、大阪湾については水環境をさらに改善する、大阪湾を除く瀬戸内海については現在の水質からの悪化を防止するという考え方を取っており、瀬戸内海の中でも、大阪湾と大阪湾以外というふうに分けて、これからの取組を進めていきましょうという考え方になってございます。
 (2)削減の方途として、そこの下に○で5つ挙げてございますが、1つ目が生活排水に関する削減の取組、それから、2番目が産業排水に関する取組、3番目がその他の発生源からの汚濁に関しての取組ということで、それぞれの発生負荷量に対する対策に加えまして、5つ目のところに挙げておりますような干潟・藻場の保全・再生、それから、自然にある栄養塩や餌を利用して行う藻類養殖等の推進、底質改善対策の推進といった取組もあわせて方針の中に、削減の方途として挙げてございます。
 削減目標量でございますけれども、一番下の欄のところが瀬戸内海となっておりまして、先ほど、大阪湾と大阪湾を除く瀬戸内海と考え方を分けているということで、削減の目標につきましても、瀬戸内海全体の目標量と、それから、その中で大阪湾の部分についての目標量というのを数値としても別に掲げて設定をいたしておるところでございます。
 一番右の列が平成21年度における量で、1日当たり、それぞれについてこれだけの量が出ておる状況というものを、目標年の平成26年度において、削減目標量の欄に掲げておりますところまで1日に排出される量を減らしていくというような目標値ということになってございます。
 今後のスケジュールといたしまして、先ほども申しましたように、この方針に基づいて、関係都府県において計画の策定、総量規制基準の設定等が行われていくということになっております。
 それから、資料6−2のほうは、今回の瀬戸内海に関します総量削減基本方針ということになってございます。
 1枚おめくりをいただきまして、最初のところに削減の目標というのがございます。COD、窒素、りん、それぞれにつきまして、生活排水、産業排水、その他の発生源、それぞれについての目標量、それからあわせて、それぞれ関係する府県としてのトータルの量として、このような目標値等を掲げているというところを表で示してございます。
 それから、4ページ、ここに目標年度として平成26年度というような記載をしております。
 それから、3番の削減の方途のところで、先ほど申しましたような取組というのを、3番、それから、5ページの4番のところであわせて記載をいたしております。
 大阪湾の数値というのは、5ページの下のところ、参考2というところで、COD、窒素、りん、それぞれの欄に掲げておりますような数値というのを基本方針で定めさせていただいているところでございます。
 資料の説明は以上でございます。

○岡田部会長 ありがとうございました。
 それでは、ただいまのご説明に関しまして、ご質問、ご意見等がございましたら。

○柳委員 これは資料6−2ですけど、瀬戸内海のCODと窒素は増えていますよね。削減になってないですよね。それで、中身を見たら、特定の県というか、福岡県とか山口県、これはいずれも、CODも窒素も削減量は削減になっていなくて、増えているんですけれども、これはどういう理由なんですか。

○橋本室長補佐 基本的に、第6次から、大阪湾と瀬戸内海については現在の水質を維持していくということで、まずどんどん削減をしていくというふうな考え方はとらないと今なっておるところでございます。
 その中での取組として、今回、平成21年度をベースとして、平成26年度の目標量を設定しておるわけでございますが、すみません、資料6−1のところを1枚めくっていただきまして、2枚目のほうになりますけれども、生活排水、産業排水、その他の内訳がございまして、かなり産業排水のところが減っておるということで、直近の平成20年、21年で、産業系の活動がかなり落ち込みが見られておるというところがございます。その辺を考慮いたしまして、通常の状況でどれだけの削減が今後なされていくのかというふうなところを考えまして、26年度の目標値は設定しておるということで、21年度がちょっと落ち込んでいるということで、長い目で見ると、ほぼ現状維持というようなことで目標設定はしておると考えております。

○柳委員 言われていることはわかるのですけれども、これで増やして水質が維持できるという保証はあるのですか。全窒素濃度、あるいはCODは、最近、環境基準を満たさないところが増えているんですけど、これを増やしたら、多分、もっと満たさないですよね。それはさっきの石川委員からもありましたけど、各地でやっぱりバランスというか、産業のバランスと、水産、栄養塩が欲しいと言ったり、減らしたバランスと増やしたバランスが、各地域、地域で一定ではないので、こんなことはあり得ると思うんですけど。これは実際に、ただ私は福岡県だけど、こんな専門委員会をつくって、増やしても水質は変わらないという保証をどこかが出したというのは聞いてないんですけど、各地でやられているんですかね。

○橋本室長補佐 増やして影響がないかという、そういうご指摘ではございますけども、長い目で見ますと、長期的なトレンドの中で見ますと、第6次の目標に対して、平成21年度が目標年度になっておったんですけれども、その実績がかなり下回っているということで、そういうトレンドの中で見ますと、そのラインには乗って目標設定はさせていただいているのかなというふうには考えております。

○柳委員 しつこいですけど、21年度の結果を見たら余裕があるんで、逆に、少々大丈夫だろうという、そういう考えがあるんですか。

○橋本室長補佐 余裕ということではなくて…。

○柳委員 言いたいことは、今後、大阪湾以外の各地で、皆さんうまくやりなさいという言い方ですよね、現状維持という言い方は。実際には、今度の専門委員会でやることも、各地でどういうやり方が適正、栄養塩とかの目標を決められるかで、要はやっぱり濃度だけではだめだというのが根底にもあって。フラックスなんですね、どういう流れ方をしているかで生産性、あるいは多様性が上がるか下がるかとか。海が豊かで健康かという話になるんですけど、それはやっぱり結構必死になって、真面目に各地でその委員会をつくって適正に地域特性に合った研究というのをレビューしないと、根拠を与えられないと思うんですね。
 今回、さっきもびっくりしたんだけど、いきなりぼんと前より、前はずっと下がってきていたけど、上がっていて、それはまさに第6次の答申というのが生きてて第7次がこうなったんだというのはわかるんですけど、ちょっと安易じゃないかなというのがどこかにあるんですが。

○常盤委員 これはね、3ページ目のこのグラフを見ていただいたらわかるように、21年度はものすごく少なくなっとるんですよね。だから、21年度と比較するのがおかしいんです。だから、結果としては増えているけれども、それは産業活動で産業排水が少ない結果としてこうなっとるんで、普通の産業活動なり企業活動になれば、もう増えていきますと。それをこのレベルに抑えますというのが今の推移でしょう。

○橋本室長補佐 考え方といたしまして、今よりレベルを落として増やすというふうなことではなくて、取組のレベルとしては維持をしているということで、緩めるということではないということです。

○柳委員 もしそうならですよ、21年は何で目標を下げたかって言えばいいじゃないですか。それが間違っていたんですか。

○常盤委員 それは産業活動ですと、ここにあるじゃないですか、内訳で。

○岡田部会長 21年度の目標値はこの値じゃないですよね。

○橋本室長補佐 そうですね。

○岡田部会長 要するに、通常の産業活動が行われている前提で少しずつ下げていくということで。では、松尾先生。

○松尾委員 松尾ですけども、そういう話からいくと、実は私はこの前の期の部会長をやっていて水環境部会の総量規制も決めた立場にあったので、よく説明してもらったほうがいいと思うんですけども。問題の数字が21年度の実績なのか、そのときの削減目標が何だったのかというのを示していかないと、説明不足になります。ここに示される21年度の数字が、6次のときの削減目標だとすると、7次はそれよりも削減量が小さくなったんですといったら、おかしく聞こえます。確かにこの数値を見ると、私も今、柳先生と同じように反応していて、何でこれは上がるんだろうかというふうに思って、同じような質問を実はしたくなっちゃってたんですけども。その辺の説明をもうちょっとされないと、21年度は実績であると、それで、21年度の計画よりも負荷量を大きく削減できたということなのだと思うのです。そのような形で確認して説明してもらえると理解がしやすいと言えます。
 それから、ちょっとあわせて感想的に言うと、瀬戸内海というけども、魚種も場所、場所によって全部違うというのは前回の懇談会等でも明らかになっていて、やっぱりそこに一律に総量規制をかけて、なおかつ排水のレベルまでどうするかって話になると、かなり難しい要素が出てくるんじゃないかなと思うのです。ですから、地域、地域ごとに規制をやるんだということになれば、瀬戸内海をもう一つブレークダウンして、灘とか湾とか、もう少し小さなスケールで議論しないと、上手くないのではないか。全般的にやるとなったら、それこそさっき発言のあった水産関係者のように、上も決めるんだったら下も決めていくような形になると、これは陸側が海に対してある栄養塩を流すことを保障しなきゃいけないような、そういう感じにもなってくることがあると思うんで大変複雑な構造になる。地域の事情というのをもっとよく反映したような議論がされるようなことを、次の機会にはご議論いただくのがいいんじゃないかなと。そういうので2点、ちょっと追加的にお話しさせていただきました。

○岡田部会長 では、簡単にご説明ください。

○橋本室長補佐 すみません、ちょっと説明が不足しておりまして、申し訳ございません。
 こちらの資料6−1のほうに挙げております、参考に掲げておる平成21年度における量というのは、平成21年度の実績値を記載いたしております。第6次、前回の総量削減基本方針の中で、同じ平成21年度における目標量というのを設定してございまして、瀬戸内海のトータルの量が、CODにつきましては総量として、第6次の目標値は537t/日ということになっております。それに対して、実績が468t/日というふうに、目標値に対してはかなり削減をしたという形になっておるということでございます。窒素につきましても同様に、平成21年度の第6次での目標値は465トン/日となってございます。それから、りんにつきましては日量で29.5トンというのが第6次で掲げておった目標ということで、今回の第7次の目標はそれより高くなるというふうな設定にはしておらないということでございます。
 そういった意味で、ずっと連続的に見ますと、汚濁負荷を増やしていくというふうな流れにはなっていないという認識であるということでございます。

○岡田部会長 ありがとうございました。
 本来は、多分、結果論ですけれども、平成21年度の目標値も出しておくと、誤解は少なかったかと思いますね。
 ということでございますので、よろしいでしょうか。
 それから、今、松尾先生がご指摘になった湾・灘別の話は、これからの議論ですね。

○橋本室長補佐 まさにその点につきまして、総量削減の検討の中でもいろいろご指摘があったところというふうに認識しておりまして、当瀬戸内海部会において、そういった湾・灘ごと、地域ごとの目標の考え方といったものについて、ぜひご議論いただきたいと思います。

○岡田部会長 ありがとうございました。
 ほかにございますでしょうか。
 それでは、その他になります。
 ただいまの報告以外に、その他として事務局から何かございましたら、お願いいたします。

○富坂閉鎖性海域対策室長 本日の議事録でございますけれども、速記がまとまり次第、委員の皆様にお送りさせていただきたいと思いますので、ご確認をお願いいたします。
 全員にご確認をいただいたものを環境省で再度見て、公開する手続といたします。

○岡田部会長 ありがとうございました。
 ほかに、特になければ、これで本日の議題はすべて終了となります。
 ただ、若干時間がございますので、全体を通じてでも結構ですが、何かご意見、ご質問等がございましたら、お受けしたいと思います。いかがでしょうか。

○井上委員 今回の東日本大震災で東北地域は大変な被害を受けたわけでありますが、これに関連して、各地域で、このような大震災、または大津波に対して、今までの方針でいいかどうかということについての見直しが進められてきているところでありまして、そういう中でいうと、大震災、また、大津波に対して、瀬戸内海地域は比較的、他の地域よりも影響度が低いという見方があります。今回の大震災に合わせて、一極集中からできるだけ分散を図ろうということで、西日本にも経済の拠点をつくっていかないといけないいう意見も出てきています。
 論点整理の中でも、瀬戸内海の産業構造は、今、停滞ぎみだとうたわれておりますし、この排水問題でも、瀬戸内海に立地している企業の排水に対する企業努力もあるでしょうけれども、一方では、経済の停滞の中で、削減目標も下回る排水だった可能性もあります。震災後の新しい日本の中で、瀬戸内海地域をどのような地域にしていくか、産業、生活の新しい地域目標も、地域で期待されています。一方では、多島美にすぐれた、世界的な景観の地域である瀬戸内海をこれからどう維持していくか、漁獲生産高をどう維持していくか、そして新しい日本の中で瀬戸内海がどう役割を担っていくか、その調和点を見つけるというのは大変難しいテーマになってきていると感じています。新しく設置される企画専門委員会でぜひ多面的な議論ができるように期待をしていきたいと思います。

○岡田部会長 ありがとうございました。
 ほかにございますか。

○岩崎委員 今のお話にちょっと関係しなくもないんですけども、これは私の個人的な要望ですけど、ざっとメンバーを見ると、多くがやはり瀬戸内海の地元にお暮らしの皆さんが多いと思いますので、環境省の事務局の皆さんのご苦労はわかりますが、一遍、瀬戸内海のどこかでこういう会合を開くような機会はないでしょうか。現地視察も兼ねてですね。当然、その答申に向けて重要な節目になりますので、たまにはそういうのもあれば、参集しやすいしというふうな印象を今受けましたので、個人的な要望として申し上げておきます。

○岡田部会長 ありがとうございます。
 これは事務局でご検討ください。
 ほかにございますか。
 特になければ、以上をもちまして、マイクを事務局にお返ししたいと思います。議事進行に関わる皆様方のご協力に御礼申し上げます。ありがとうございました。

○富坂閉鎖性海域対策室長 それでは、以上をもちまして、中央環境審議会第10回瀬戸内海部会を閉会いたします。
 本日は貴重なご意見を賜り、誠にありがとうございました。

午後3時52分 閉会