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中央環境審議会瀬戸内海部会(第2回)議事録


○日時 平成15年12月1日(月)  14:00〜16:00
○場所  環境省第1会議室 (中央合同庁舎第5号館22階)

  1. 開会  

  2. 議事
    (1) 瀬戸内海部会の運営について
    (2) 瀬戸内海の環境保全行政の現状
    (3) 瀬戸内海環境保全知事・市長会議の取組み
    (4) 今後の課題
    (5) 特定施設の変更許可に係る事前評価制度の簡素化
    (6)その他

  3. 閉会

    午後 2時00分開会

    ○勝野室長補佐 それでは、定刻となりましたので、ただいまから第2回中央環境審議会瀬戸内海部会を開催いたします。
     本日は、委員26名のうち、現在22名の委員にご出席をいただいておりますので、定足数に達しております。
     最初に、環境省水環境部長の吉田の方からごあいさつ申し上げます。

    ○吉田水環境部長 どうも、先生方、本日はご多用の中ご参集をいただきまして、まことにありがとうございました。瀬戸内海部会を開催するに当たりまして、一言ごあいさつを申し上げます。水環境部長の吉田でございます。
     言うまでもございません、瀬戸内海は古来より優れた自然景勝の地であるとともに、国民にとっての貴重な水産資源の宝庫ということで、世界的にもすばらしい自然環境を有しているところでございます。この美しい瀬戸内海の自然を取り戻して水質の汚濁を防止しようということで、今からちょうど30年前でございますが、瀬戸内海環境保全臨時措置法が議員立法で制定されました、昭和48年のことでございます。この法律はその後53年に恒久法であります特別措置法に改正をされまして、以来、法律に基づき、種々の環境保全対策が今日まで推進されてまいっております。そして、平成12年12月には法律に基づく基本計画の改訂がありまして、従来の規制を中心した施策に加えまして、失われた環境を回復するという新たな視点に立った施策の展開を図ってまいったところでございます。
     瀬戸内海の環境に関しましては、水質の改善のみならず、干潟、藻場の保全といったもの、あるいはそれらの回復、幅広い連携と参加、その一般の地域の協力のもとにさまざまな取り組みを進めてまいっておりますが、まだまだ残された課題は多々ございます。今後も瀬戸内海の環境を一層改善し、しかも以前にも増して生き生きと甦らせ次の世代に引き継いでいくということが私ども今日に生きる者たちの責務だというふうに考えておりますが、引き続き先生方のご意見、ご議論をいただきながら、また関係する皆様のご協力もいただきながら、瀬戸内海環境保全行政を推進してまいりたいというふうに考えております。
     なお、ご紹介方々お礼を申し上げておきたいと思いますが、前回の瀬戸内海部会まで部会長をお務めいただきました中西先生におかれましては、ことし1月をもってご退任をされました。中央環境審議会の規則・規定によりまして、森嶌中央環境審議会会長から新たな部会長として村岡先生を指名されております。本日初めて部会長として村岡先生にご就任をいただくことになります。よろしくお願いいたします。
     中西先生におかれましては、瀬戸内海環境保全審議会時代から一貫してこの審議会の運営を指導していただきました。新たな中央環境審議会の瀬戸内海部会になりましてからも部会長としてご尽力を賜ったわけでございます。今日までの中西先生の瀬戸内海環境保全に関するご尽力に改めて私どもの感謝を申し上げたいと思っております。
     新しい体制になりましたこの部会でございます。村岡先生を初めとするきょうお集まりの先生方には、引き続き瀬戸内行政の推進の観点から建設的な、積極的なご意見を賜りたいというふうに考えております。まことに簡単ではございますが、冒頭のごあいさつにさせていただきます。ありがとうございました。

    ○勝野室長補佐 続きまして、本日ご出席をいただいている委員の方の紹介をさせていただきます。資料1に名簿がございますので、これをご覧ください。私の左側から紹介をさせていただきます。
     まず、岡山県知事の石井委員。石井委員は本日はご欠席でございます。
     続きまして、大西委員でございます。
     岡田委員でございます。
     加治委員でございます。
     川嶋委員でございます。
     木村委員でございます。
     小森委員は少し遅れております。
    白木委員でございます。
     鈴木委員でございます。
     須藤委員でございます。
     谷野委員でございます。
     千葉委員でございます。
     村岡委員でございます。先ほど吉田部長の方から申し上げましたように、村岡委員には部会長をお願いしております。
     東委員でございます。
     平田委員でございます。
     藤原知明委員でございます。
     藤原正弘委員でございます。
     増田委員は、本日は欠席でございます。
     松井委員でございます。
     松本委員でございます。
     道浦委員でございます。
     森委員でございます。
     柳委員でございます。
     梁瀬委員でございます。
     山口委員でございます。
     山田委員でございます。
     それから、瀬戸内海環境保全知事・市長会議の事務局といたしまして、兵庫県水質課の英保課長にお出でいただいております。
     以上でございますが、お手元の配布資料の確認をさせていただきます。
    配布資料一覧をごらんください。資料1、これは先ほどの名簿でございます。
    資料2が、瀬戸内海環境保全行政の経緯でございます。
    資料3が、瀬戸内海環境保全対策の現状でございます。
    資料4が、瀬戸内海におけるT−N、T−Pの環境基準の暫定目標についての資料でございます。
    資料5が、知事・市長会議からの資料で、瀬戸内海環境保全に関する今後の課題でございます。
    資料6、横長の冊子でございますけれども、瀬戸内海環境保全行政に関する今後の課題です。
    資料7といたしまして、瀬戸内海環境保全特別措置法に基づく事前評価等の手続きの簡素化に関する資料でございます。
     参考資料といたしまして、参考資料1−1、1−2、1−3、これがセットになっております。これは、環境審議会関係法令、運用方針等の資料一式でございます。
    参考資料2が、瀬戸内海の水質の現状でございます。
    参考資料3、瀬戸内海の自然海浜・浅海域の現状でございます。
    それから、本日はこれとは別に資料番号がついていないものといたしまして、『瀬戸内海環境保全知事・市長会議 32年のあゆみ』というものを配布させていただいております。
    それから、委員の方々だけでございますけれども、紫色の冊子、『瀬戸内海の環境保全資料集』というものを配布させていただいております。
     過不足はございませんでしょうか。
     それでは、村岡部会長、よろしくお願いいたします。

    ○村岡部会長 中央環境審議会の会長よりご指名をいただきまして、瀬戸内海部会の部会長を務めさせていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。
     あわせまして、きょうは、お忙しい中、委員の先生方には多数ご参集いただきまして、ありがとうございます。余り長い時間ではないのですけれども約2時間本部会のお時間を取ってございますので、どうぞ有意義なご討議をお願いしたいと思います。
     この瀬戸内海部会は、中央環境審議会会議運営規則に基づきまして、瀬戸内海の環境の保全にかかわる重要な事項を討議することになっております。本日の瀬戸内海部会では、まず瀬戸内法が施行されてから今日に至る30年間の間に、国と関係府県とによりまして、どのように環境保全施策が展開されてきたかということにつきまして、振り返りながらその経過を事務局の方からご説明いただきます。その後の議論に必要な情報もございますので、委員の先生方とその情報を共有したいと考えております。
     次に、瀬戸内海における環境政策を巡る状況の変化を踏まえまして、今後どのような課題と対策が考えられるかにつきまして、事務局と瀬戸内海環境保全知事・市長会議からご説明をいただきます。その説明をお聞きいたしまして、本日お集まりいただいております委員の先生方からいろいろとご意見をいただきたいと考えております。
     その後、特定施設の変更許可に係る事前評価制度の簡素化について、事務局の方でご検討をいただいているということで、それについてご説明を受けます。
     本日の瀬戸内海部会は以上の内容に質疑応答を含めまして4時ごろまでを予定しておりますので、ひとつ円滑な議事進行のために委員の先生方のご理解とご協力をよろしくお願いいたします。
     それでは、早速、議題に入りたいと思います。
     最初の議題は、「瀬戸内海部会の運営について」でございます。中央環境審議会令第6条第5項によりまして、部会長はあらかじめ部会長代理を指名することとされております。前回の本部会におきまして森仁美委員にお願いしておるところでございますが、今回も引き続きまして森委員に部会長代理をしていただきたいと存じます。ひとつ、森委員、よろしくお願いいたします。
     そのほか、瀬戸内海部会の運営につきまして事務局からご説明があるということですから、よろしくお願いします。

    ○勝野室長補佐 それでは、瀬戸内海部会の運営ということでございますが、参考資料1−1、1−2、1−3、セットになった資料でございますが、これをご覧ください。
     本日、委員の方々に特にご承知おきいただきたい事項といたしまして、瀬戸内海部会の公開に関する事項、会議録に関する事項、資料の公開に関する事項、これら3点について簡単に説明をさせていただきます。
     1−1は中央環境審議会の関係ということで、ベースになっております環境基本法の中央環境審議会に関する規定の抜粋。それから、この環境基本法に基づきます中央環境審議会令、3ページの下側に、中央環境審議会運営規則がございます。
    次に、参考資料の1−2の方でございますけれども、これは中央環境審議会の運営方針についてということで、一昨年の1月の総会の決定でございます。
    それでは、その次の参考資料1−3、これを中心に説明をさせていただきます。「中央環境審議会瀬戸内海部会についての運営方針について」と書いているペーパーでございます。
    まず1の「会議の公開について」でございますが、これは先ほどの総会決定の1(1)[1]でございますけれども、これによりますと、部会は原則公開、特定の場合のみ非公開ということでございまして、当部会の運営方針といたしましては、非公開とするときはその理由を明らかにすることとしております。
    次に2の「会議録の公開」でございますけれども、会議録は出席された委員の方々の了承を得て公開をするものといたしております。また、公開に当たりましては、発言者の名前も記載するということにしております。
    次に3の「資料の公開について」でございますが、当瀬戸内海部会で配布いたしました資料は特段の場合を除きましてすべて公開することとしております。
    以上でございます。

    ○村岡部会長 どうもありがとうございました。
     ただいまご説明の「瀬戸内海部会の運営」につきまして、何かご質問はございますでしょうか。
     よろしいですか。
     それでは、運営方針をご了解いただいたということにさせていただきたいと思います。
     それでは、2番目の議事に入ります。これは「瀬戸内海の環境保全行政の現状について」ということで資料を準備していただいておりますので、事務局からご説明をしてください。

    ○坂川閉鎖性海域対策室長 私は、環境省水環境部閉鎖性海域対策室長の坂川でございます。よろしくお願いいたします。
     それでは、資料2からご説明をさせていただきます。
     資料2は今までの瀬戸内海環境保全行政の経緯を簡単にまとめたものでございまして、昭和48年に瀬戸内海環境保全臨時措置法が成立し、また施行されたところでございます。その後この法律は昭和53年に特別措置法として改正をされまして、特別措置法は昭和54年から施行されていると、そういう現状にあるわけでございます。
     また、この法律に基づきます「基本計画」と申しておりますが、最初の基本計画は昭和53年に決定されたところでございます。その後、平成12年に新しい「新基本計画」が決定されたところでございまして、また、この新しい基本計画に基づく関係府県の計画も平成14年に策定されたところでございます。また、この間、昭和54年から水質総量規制が実施されておりまして、概ね5年ごとに総量削減基本方針が策定され、現在は第5次の水質総量規制が実施されている、そういう状況にあるわけでございます。
     続きまして、資料3の方に移らせていただきます。資料3は、「瀬戸内海環境保全対策の現状」につきまして、その概要を整理したものでございます。
     まず大きな1番目が、先ほどもちょっと出てまいりました基本計画でございます。この基本計画は、瀬戸内海環境保全特別措置法に基づきまして、瀬戸内海の環境の保全に関し長期にわたる基本的な計画として策定をされているものでございます。昭和53年に最初の基本計画が策定されましたが、その後、当時の瀬戸内海環境保全審議会の答申を踏まえまして、平成12年に新しい基本計画が策定されたところでございます。新しい基本計画におきましては、従来型の規制などの保全型の施策を充実させるということに加えまして、今後は失われた良好な環境、例えば干潟でありますとか藻場でありますとか、そういった環境が失われてきてしまいましたので、そのようなものを回復させる施策をさらに展開していく必要があるというご指摘を受けました。また、幅広い連携と参加の推進ということで、地元の住民の方々を含む幅広い参加を求めていくということも必要になっているわけでございます。そのような考え方が新しい基本計画の中に盛り込まれているところでございます。
     この基本計画の全文につきましてはこちらの冊子の中にありますけれども、長くなりますので、こちらで内容をご説明させていただきます。
     (2)のところに「基本計画の目標」というところがございます。水質保全等に関する目標、それから、自然景観の保全に関する目標、この2つに分かれております。
    最初の水質保全等に関する目標のところでは、水質環境基準について、未達成の海域では達成に努める、達成された海域では維持するという目標でございます。また、赤潮について、発生の機構解明に努め、発生の人為的要因となるものを極力少なくするということ。底質については、有害な物質を含んだ底質を基準以上含まず、生活環境に影響を及ぼす底質に対して措置が講じられていること。また、藻場及び干潟については、水産資源上等で重要な藻場及び干潟が保全され、その他の藻場及び干潟もできるだけ減少しないように保全されていること。自然とのふれあいの場として親しまれている自然海浜等については、その利用に好適な状態で保全されていること。このような目標が書かれております。
    また、自然景観の保全に関する目標のところでは、自然景観の核心的な地域は国立公園等として指定され、優れた自然景観が失われないように適正に保全されていること。優れた景観を有する自然海岸については、できるだけ減少することのないよう適正に保全され、回復のための措置を講じることというような目標になっております。
    そして、このような目標を達成するための基本的な施策が基本計画の中に整理されております。これは非常にたくさんございまして、水質汚濁の防止、自然景観の保全、浅海域の保全、海砂利採取に当たっての配慮など、そこの(ア)〜(テ)までの項目が基本計画の中に掲げられているところでございます。現在、国と地方公共団体におきましては、この基本計画に基づいて各種の施策を講じているところでございます。
    続きまして、2番目の「特定施設の設置に係る規制について」を簡単にご説明したいと思います。全国を対象としております水質汚濁防止法におきましては、特定施設を設置する際に届出が必要であるとなっているわけでありますが、瀬戸内海に関しましては特別措置法に基づきまして、府県知事の許可を受けるという制度になっております。
    そして、3ページの(2)のところに「事前評価制度」というところがございますけれども、許可の申請をする際に、その施設が環境に及ぼす影響についての事前評価に関する事項を記載した書面を添付すると、このようになっております。そして、この事前評価の処理に関しましては、府県知事が遅滞なく告示をするということと、事前評価の書面を3週間公衆の縦覧に供しなければならないと、このような規定もあるわけでございまして、この事前評価制度というものが実施されてきているわけでございます。後ほどの議題の中でこの事前評価制度について若干修正をしたいというふうに考えておりますので、その点についてはまた後ほどご説明をさせていただきます。
    (3)にありますように、そのような特定施設を設置しております事業場、これを特定事業場と呼んでおりますが、その数は瀬戸内海の地域全体で最近は約4,000〜5,000の間で推移をしているところでございます。
    次に4ページでございますが、瀬戸内海環境保全特別措置法13条の規定によりまして、関係府県知事は公有水面埋立法に基づく埋立ての免許につきましては、瀬戸内海の特殊性について十分配慮しなければならないというふうに規定をされております。その運用については、昭和49年5月の審議会の答申に基づいて運用をしているところでございます。それによりますと、埋立ては抑制すべきであり、やむを得ず認める場合も一定の配慮事項というものが必要であるということになっております。そこに図がありますように、法律施行前と比較いたしますと、施行後は新たに埋立てが認められた面積が少なくなっているところでございます。
    次に、4番目が「水質総量規制制度」でございます。これは、瀬戸内海のみならず、東京湾、伊勢湾も含みますけれども、これらの閉鎖性の海域におきまして、そこに流れ込む汚濁の総量を削減するという制度であります。5ページの頭のところにありますように、対象項目としては、当初はCODでございましたけれども、現在の第5次総量規制からはT−NとT−Pも含めて総量の削減を図っているところでございます。
    その方法といたしましては、4番の(ア)にありますように、生活排水対策として下水道、合併処理浄化槽等の整備を促進するということ、また、排水量が1日当たり50?以上の工場、事業場を対象といたしまして、総量規制基準を適用し汚濁負荷量を削減しているということ。また、小規模な事業場でありますとか畜産・農業等につきましては、汚濁負荷の削減指導を行っているところでございます。
    このような対策を講じてまいりました結果、6ページにありますように、汚濁負荷量は着実に削減されてきているわけでございます。ここでは東京湾、伊勢湾とあわせまして図にあらわしておりますが、一番右側の瀬戸内海のところをごらんいただきますとCODがかなり削減されてきておりますし、また、T−N、T−Pは現在の第5次総量規制、平成11年に策定されました基本方針に基づくところの第5次からでございますのでCODよりは削減の程度が少し少ないわけでありますが、削減を図っているところでございます。
    また、7ページは、生活排水対策がどの程度進んでいるかということでございまして、汚水処理率というものの推移を5年刻みで示しております。汚水処理率の定義は、このページの一番下にございますが、下水道、合併浄化槽、農業集落排水施設、コミニティプラントという、生活排水を処理する施設で処理をしている人口を総人口で割ったものでございます。下の図にありますように、汚水処理率も上昇してきているところでございます。
    それから、参考資料2をごらんいただきたいと思います。「瀬戸内海の水質の現状」を示しているものでございまして、図の1が「CODに係る環境基準達成率の推移」でございます。この図の中で白い△のところが瀬戸内海でございます。CODの環境基準達成率につきましては、長らく瀬戸内海は70%台を保ってきたのでありますが、2002年、一番右側のところが少し低下しまして、平成14年におきましては69%ということで、70%を割ってしまったという結果になっております。私どもとしてもこれがどういう原因であるのか現在調査をしているところでございますが、気にかけているところでございまして、原因を究明していきたいと考えております。
    また、図の2は、「T−N」と書いてありますが、「T−Nの環境基準達成率の推移」でございまして、△のところが瀬戸内海でございますが、95%というかなり高い達成率になっております。
    また、次のページの上の図が「T−Pの環境基準達成率」でございますが、瀬戸内海は96.7%ということで、こちらも高い達成率になっております。
    図の4、5、6は、瀬戸内海の平均的な水質の経年変化を示したものでございまして、環境省が実施をしております広域総合水質調査という毎年実施している調査がございまして、瀬戸内海全体124地点の水質の平均値でございます。これをご覧いただきますと、COD、T−N、T−P、それぞれ最近はほぼ横ばい状態ではないかと見ております。
    4ページ、5ページ、6ページには、瀬戸内海全体ではなくて、湾灘別に示したものでございますが、ちょっとこれは省略させていただきます。
    7ページからは、瀬戸内海全体の濃度の分布がどのようになっているかというのを色をつけてわかりやすく示したものでございまして、図4が「COD濃度の分布図」でございます。右下にあります青いところがCODが2mg/L以下ですから、非常にCOD濃度が低いきれいなところということになりますし、緑、黄色、赤となるにつれて濃度が上がります。ご覧いただきますと、瀬戸内海の中でもやはり海域によってかなり違っておりまして、大阪湾の奥の方の濃度が高いというのがおわかりいただけるかと思います。図の5が「T−N濃度の分布図」です。また、図の6が「T−P濃度の分布図」ということになります。
    そして、図の7が「赤潮発生件数」でございます。赤潮は1975年あたり、このあたりが非常に赤潮の発生件数が多かったころでございまして、年間300件近い年もあったわけでございますが、その後かなり減ってきておりまして、最近は年間100件程度という発生件数になっております。
    それと参考資料の3、1枚紙がございますので、こちらをご覧いただきたいと思います。「瀬戸内海の自然海浜・浅海域の現状」でございます。図の1が「瀬戸内海における干潟面積の推移」でございまして、一番右側の棒グラフが1994年〜1995年にかけて当時の環境庁が行いました自然環境保全基礎調査の結果でございます。これを見ますと、干潟についてはそれ以前に比べて若干減少というところかと思います。
    また、図の2は「藻場面積の推移」でございますが、これはかなり大きな減少になっておりますけれども、ただ、先ほどの干潟も同じなのでありますが、94年〜95年にかけましては兵庫県と徳島県のデータが含まれていないということと、あと、面積の測定方法に若干の違いがあるということで、これがなぜこういう数字になったのかさらにもっと細かく見ていく必要があるかと思っております。
    それから、その裏に参りまして、図の3が「海岸線延長の推移」でありますが、自然海岸がどのように推移してきているかを示す図でございます。
    それから、2ページの下の図が「海砂利採取量の推移」でございます。瀬戸内海におきましては海砂利の採取がかなり多くなっておりまして、この推移を調べて見ているわけでございますが、一番右側のところにあります真っ黒いところが瀬戸内海での採取量、その上のちょっと斜線がついているところが、瀬戸内海の沿岸府県ではあるのですが、瀬戸内海以外、例えば日本海の方でありますとか、そういったところでの採取量ということになります。それから、真っ白いところは、そこの関係府県の中で瀬戸内海とそれ以外と必ずしもうまく分けることができないということから、一緒になった数字になっております。これをご覧いただきますと、最近は減少傾向にあるということでございます。
    かなり急いだ説明になりましたけれども、以上で終わらせていただきます。

    ○村岡部会長 どうもありがとうございました。
     瀬戸内法を制定されて、ざっと今日に至るまでの経緯をご説明いただいた後、特に平成12年に新基本計画が制定されましたので、それに関連して今日の状態を説明していただいたところです。行政の経過並びにその水質特性の経過、現状といったものをご説明いただきました。
     それでは、今のご説明で皆さん方からご意見があるものと思いますけれども、それをいただきたいと思います。いかがでしょうか。
     どうぞ。

    ○柳委員 質問なのですけれども、参考資料3の図の3ですが、自然海岸が数字としてはだんだん増えているのですけれども、これはどういうことでしょうか。ほかの海岸の数字も変化している理由が知りたいのですけれども。

    ○村岡部会長 参考資料の3ですね。どの図でいきますか。

    ○柳委員 図の3ですね。

    ○村岡部会長 図の3ですか。これは海岸線延長ということで見ておりますけれども、その辺はいかがでしょうか。

    ○坂川閉鎖性海域対策室長 そこのところは確かにちょっとわかりにくいところがあるのですが。まず、1969年〜78年のところは、ここはちょっと出典が違っておりまして、おそらく瀬戸内海の範囲が若干違っている可能性があります。ですから、1969年〜78年のところはそういうことかと思います。その後のところにつきましては、自然海岸がこのデータを見ると若干増えているということになりますけれども、そこのところはどういう原因なのかまではまだわかりませんので、もう少しどこが実は増えているか調べてみたいと思います。

    ○村岡部会長 柳委員、よろしいですか。
     ほかにございますか。ありませんか。
     藤原委員、どうぞ。

    ○藤原正弘委員 「瀬戸内海の水質の現状」というのを見せてもらっていて、一般論としてどういう把握をしたらいいのかというのが。つまり、図1だとこれはほとんど横ばいだし、よくなっているようにも見えるところもあるし、がたっと悪くなっているようなところもあるし。ということで、一般論として言って、昔よりもよくなっているのか、悪くなっているのか、悪くなっているとしたらどういう項目が悪くなって、どういう項目がよくなってというふうな分析はできないのでしょうか。どういう認識をすればいいのか、まあまあ横ばいだなというふうに認識しておけばいいのか、そういうところですけれども。

    ○村岡部会長 事務局としてはどのようにとらえておられますか。

    ○坂川閉鎖性海域対策室長 まず、最近と言いましょうか、ここ10年程度のところを見ますと、余り大きな変化はないのではないかなと、水質に関してはそういうふうに考えております。ただ、先ほど申し上げましたように、平成14年度、昨年度のCODの環境基準の達成率がちょっと下がったということで、そこのところはちょっと気になるところでございます。
     それから、瀬戸内海環境保全臨時措置法ができる前と比べるとどうなのかというところが本当は私どもも一番知りたいところなのですが、当時の状況を知る人からいろいろと話を聞きますと、一番ひどかったときに比べればかなりきれいになっているという話は聞くわけでありますが、ただ、残念ながら、その当時の水質のデータが今と同じような形では整理されていないものですから、ちょっとこういうグラフにはなかなかできないというそういうところがありまして、なかなかわかりにくいかと思います。その点は大変申しわけなく思います。

    ○村岡部会長 この問題につきましては、委員の先生方の中には瀬戸内海のことをよくお調べの先生もいらっしゃいますので、何か今の藤原委員のご指摘に関連してご意見あるいはコメントをいただけるようなことはございますか。
     ありませんか。
     この図で見る限り横ばいだろうというふうに言えますけれども、行政サイドとしておっしゃりたいのは、流入負荷が非常に減っているじゃないかということで、そこのところにかなりの努力をしたんだというふうな説明もできるかと思うのですけれども。現実には横ばい状態、あるいは先ほど坂川室長がご指摘になりましたように、最近1、2年のCOD、参考資料2の図1ですけれども、これが下がっておるということの原因がまだわかっていないと。何か関連したご意見はございますか。
     どうぞ。

    ○藤原知明委員 新しい基本計画で「瀬戸内海全体のデータベース化」ということをうたわれたと思うのですが、今見せていただいたデータはとにかく非常に雑駁だというふうに思うのですが。つまり、各省庁の寄せ集めであるとか、そういうレベルでのデータが集まっているのかなという気がするんです。新しいいわゆる瀬戸内海全体のデータを集める、あるいはデータベース化というそういうシステムは環境省としてはおつくりになるんですか。

    ○坂川閉鎖性海域対策室長 そこのところはまさしく後ほどの議題でもご説明しようと思っていたのですが、瀬戸内海の水質データに関しましては、私どもがやっております広域総合水質調査というものがありますし、また、各府県が公共用水域の常時監視の測定ということでそれぞれ実施をしているわけでございます。
    環境省はそういうデータを取りまとめておりまして、例えば「瀬戸内ネット」というホームページをつくりまして、そういうところでデータも公開しておりますし、また、そういう情報の提供というものもさらに促進していきたいというふうに考えております。また、お手元にもありますように、こういう資料集というものもつくりまして、皆さんにわかりやすいように整理をしているところでございます。

    ○村岡部会長 いろいろとご説明いただいた中での問題点につきまして、また後で「今後の課題」ということでご説明をいただくことになろうかと思います。その段階でまた皆さん方と一緒にご意見の交換をしたいと思います。
     それでは、次の議題に移らせていただきます。3番目、「瀬戸内海環境保全知事・市長会議の取組みについて」でございます。この知事・市長会議の事務局であります兵庫県環境局水質課の英保課長から、最近のこの会議の取組みにつきましてご説明をいただきたいと思います。
     英保課長には、お忙しいところご出席をいただきまして、どうもありがとうございます。どうぞよろしくお願いします。

    ○英保水質課長(兵庫県環境局) 瀬戸内海環境保全知事・市長会議の事務局を預かっております兵庫県水質課長の英保と申します。よろしくお願いします。
     それでは、資料5について説明させていただきますけれども、その説明の前に、知事・市長会議の概要というか、どういうことをやっているかというものを簡単に説明させていただきます。
     この知事・市長会議は、瀬戸内海の自然を破壊から守るために積極的に広域行政を進めようということで、昭和46年に設立されております。今、32歳です。この瀬戸内海の沿岸府県・市、13府県、5政令指定都市、11中核市で、29団体で現在は構成されております。
    その活動なのですけれども、この『32年のあゆみ』で詳しく書いておりますが、瀬戸内法の成立についてはかなり大きくかかわっております。この知事・市長会議がいろいろな団体も含めて引っ張っていって法律まで行ったと、こういうような形です。要望団体としての機能をその後も確保しつつ、環境省のいろいろな調査、種々の調査を各府県市と相互協力して共同実施してきたということでございます。
    それから、法律制定後についてはいろいろな組織をつくっております。1つは普及啓発ということで、瀬戸内海環境保全協会というところで、各種啓発の資料を作成したり、調査研究をするということで、昭和52年につくっています。それから、研究者の集まりということで、瀬戸内海を総合的に研究する団体ということで、瀬戸内研究会議というのを平成2年につくっています。ここの研究会議は毎年フォーラムなりワークショップなりの活動をしております。それから、瀬戸内のいろいろな成果というのですか、いろいろなデータを国際的に発信しようという中で、国際的なネットワークとして国際エメックスセンターというのを平成6年につくっています。これもエメックス会議という中で意見交換の場をつくっています。特に本年11月18日から第6回エメックス会議ということで、バンコクで23カ国、600名の参加を得て会議が開かれました。
    ということで前段の説明は終わりまして、この資料について説明させていただきます。
    まず初めに、「CODに係る汚濁負荷量と環境基準の達成」。先ほど藤原委員からもどうなんだという話がありましたけれども、そのことについて若干説明させていただきます。
    知事・市長会議は昭和47年から府県市連携して水質調査というのを年4回やっています。それから、毎年各府県市が環境基準を月1回測定しているという中で、この水質調査をずっと続けているということです。それが1つ。
    もう1つは、法律の設立のときに、当時法律ができるころというのは瀬戸内海は危機的な状況だと言われたときなんですね、そのときに、問題は、産業界からの有機汚濁だという認識のもとに、産業界からの有機汚濁としてCODつまり化学的酸素要求量を半分にカットしようということで行いました。これは事業者、行政など、関係者の協力を得て達成したということでございます。それから、産業界だけではなくて、先ほど生活排水処理率という話もありましたけれども、汚水処理ですね。下水道の普及とかそういうふうなことも目指していて、60%以上の普及ということでございます。そういう中で、CODの汚濁負荷量もかなり削減されているという現状があります。
    ところが、この資料の(1)にありますように、CODの環境基準というのは、C海域100%達成、B海域77%、A海域31%とありますけれども、C海域というのは奥まったところですね、非常に負荷の大きなところの海域がC海域、河川から出てきたところのようなイメージだと考えていただいてもいいと思いますが、それから、A海域というのは海の真ん中のきれいなところ、そういうイメージで、B海域はその真ん中なのですけれども、そういう形で負荷量をかなりカットしているのにA海域の改善が見られないというのが1つ現状としてあります。
    この原因として、富栄養化物質、窒素、燐によるものではないかというもとに、窒素、燐も規制をしております。そういう中で規制をやっているのですけれども、やはりなおCODのA海域の改善が見られないというのが現状としてあります。これについて、1つは、例えば、外洋から窒素、燐の負荷がかなり入ってきているとか、窒素、燐による有機物の再生産が本当にそういう割合なのかとか、もっとほかに原因があるのではないかなというような形の中で、瀬戸内海というのは非常に広いですから、水域ごとでそれぞれ汚濁機構が異なるのかもしれないというふうに思っています。水域ごとのメカニズムの解明なども必要なのではないかなというふうに思っています。
    それから、2つ目の「自然環境保全と沿岸管理」なのですけれども、瀬戸内海は昔から水域を多くの人が利用して、その中でいろいろな人の営みが行われていたということなんですね。そういうことを基本に置きつつ、国、県、市が環境創造、環境の回復ということの推進ということを目指しているのは一致しているところなのですけれども、そういう中でこういう沿岸の開発の仕方によっていろいろと分けなければいけないのではないかと、これは意見ですけれども。
    1つは、自然環境が今非常に残っているところ、それから、既に開発されているところの中で、もう今土地利用が非常に落ちてきて、土地利用が低調なところ、それから、それ以外に今でも活発にもっと土地利用をしたいというところが3つあるのではないかなと思っています。
    その利用が活発なところというのはそれぞれ高度な利用をしつつ、そういう意欲をそがないように新たな開発というのに向かうべきではないかなと思っております。
    それから、最初の点なのですけれども、自然環境が良好に残された地域というのは保全しなくてはいけないのですが、昭和49年5月の埋立ての基本方針があるのですけれども、それの中には3つの地域があって、非常に汚濁した海域の開発を止めようと、これが1つあります。それからもう1つ、環境保全上の指定地域というのがあります。ここも開発しないようにしようと。この2つがあって、それ以外は一般の地域として指定されているだけなんですね。だけど、実際には自然環境が今良好に残された地域というのは、それ以外のところにもいっぱいあるわけですね。それが一般的な地域として扱われている、これがちょっと問題点ではないかなというふうに思っております。
    それから、その2つ目の土地利用が低調な地域の環境の回復・創造なのですけれども、これは兵庫県のことなのですが、尼崎市の地先で、「尼崎21世紀の森」というのをつくろうとしています。ここは大きな工場地帯だったのですけれども、今は工場が出ていってしまって空洞化している地域なんですね。そこに29ヘクタールに中央緑地をつくろうというので今計画をしています。そこの地先に海面がありますので、今その海面の近くで先ほどの国際エメックスセンターが海域環境保全修復技術として、改善のための技術の研究をしているんですね。その成果をもってこの地先に藻場、干潟の魚などの生活空間をつくれたらなということで今やっております。
    それから、ここの尼崎の地先以外にも環境の回復とか創造というのが非常に一般的には求められているのですが、それは環境サイドだけではできないということで、そういう公共事業の範疇を持っていませんので、特に他省庁の協力とか参加というのが必要になります。そういうことに対しても知事・市長会議は積極的にそういう連携をするような形でいきたいなというふうに思っております。
    それから3つ目なのですけれども、「やむを得ない埋立ての代償措置」ということで、やむを得ない埋立てというのがあるならその代償措置をかなり多く取る必要があるのではないかということで、これの1つの例として、関西国際空港をつくっていますが、500ヘクタールの埋立てを第1期工事としてつくったんですね。護岸に傾斜護岸を使っているのですけれども、実際のところはたまたまつくって藻場を少し造成したら、すごい藻場が造成されたというのが結果的に出てきたわけですね。そういう中で、今、藻場が20ヘクタール造成されています。安定的に形成され、それで魚の宝庫になっているというのが現状としてあります。これは大阪湾全体の護岸の5%に当たるということで、非常に大きなものができております。こういう技術といいますか、そういう環境をつくってそういう場を提供すればそういうことが再生されるということですので、どうしてもやむを得ず埋立てをするならそれに代わるものを、現状の回復だけではなくて、それ以上の回復というのを目指すというのが瀬戸内法の精神ではないかなというふうに思っております。
    それから4点目に「生態系の保全」なのですけれども、瀬戸内法で、そういうCODのカットとか埋立ての抑制とか、そういう汚濁の進む海域を中心に緊急対策としてかなりやられてきたというふうに思っております。それで、実際には底生生物を初めとする生態系が、貧酸素水塊とか海砂利の採取などによって本来の多様性が損なわれているというのが現状としてありますが、実態はほとんどわかっていないというのが実態ではないかなと思います。それで、生態系のメカニズムの解明とか、そういうことで多様性を回復していくという調査とか評価診断とか、そういうようなことをやっていくべきではないかなと思っております。知事・市長会議では、来年から、先ほどご説明しました瀬戸内研究会議に委託をしまして、これは生態系の話だけではないですけれども、それも含めて毎年研究提言を来年度からやってもらおうかなというふうに今計画をしております。
    それから5番目の「普及啓発」なのですけれども、「普及啓発と環境学習」ですが、先ほどご説明しました「尼崎21世紀の森」なのですけれども、その森をつくるのに地元の人の意見をかなり取り入れてやっているのですけれども、実際には森の話ばかりで、せせらぎぐらいは出てくるのですけれども、海の話は全く住民の方から出てこないというのが現実としてあります。海と隔離されてそういう生活をずっと長いこと続けている住民にとって、海の郷愁みたいなそういうのが気持ちとしてはあると思うのですけれども、意見として出てこないというのが現実としてあります。これらのことから普及啓発の必要性を強く感じております。
    それで、知事・市長会議は、シンポジウムということで、年1回沿岸域の各団体、住民等に関する環境保全意識の啓発をやっております。それから、2つ目のこのCDRというのは、いろいろ自治体がそういうことを啓発しようとしましても、例えば赤潮の写真1つにしろ、印刷されたものはありますけれども、素材として使えるものが余りないんですよね。多分国の方でも余り持っておられないと思いますが、そういうのを自治体が普及啓発用に使う素材集というのを、過去30年間のデータなり、昔の悪かったとき、それから今の状態、これから考えるもの、そういうものの素材集というのを今つくっています。こういうのを利用して普及啓発に使っていきたいなと思っております。
    それから、兵庫県のことなのですけれども、今、「森・川・海」の取組みということで、森・川・海は一体のものだというので、産学と共同で地元の住民の方々に出てきてもらって取組んでいるところなのですけれども、16カ所モデル地域というのをつくっているのですが、そのモデル地域について今後は環境学習の場として利用できたらなというふうに思っております。
    資料は以上なのですけれども、最後に、瀬戸内海は閉鎖性海域のトップランナーとして自負を持ってやってきましたけれども、いろいろな各地の閉鎖性海域の対策が進んで、全国的にも海域再生の動きがいろいろ出ている中で、これからも瀬戸内海がトップランナーであることを目指していきたいというふうに知事・市長会議は思っておりますので、ご支援をよろしくお願いしまして最後とします。ありがとうございました。

    ○村岡部会長 英保課長、どうもありがとうございました。
     知事・市長会議の取組みで、かなり具体的な事項を挙げてご説明をいただきました。いろいろと興味のあるところで皆様方からもご意見があろうかと思います。ただ、今後の課題ということで、この後また事務局の方からも同じ題でご説明があるはずでございますので、そのことに関しましてはまたそれが終わってから総合的に意見をいただきたいと思いますけれども、せっかくでございますので、今ご説明いただいた英保課長に何か簡単な質問でもございましたら先に伺っておきたいと思うのですが、いかがでしょうか。
     道浦委員、どうぞ。

    ○道浦委員 今のご説明はよくわかったのですけれども、自分の不勉強を恥ずかしく思いまして、改めて瀬戸内海環境保全特別措置法の対象となる区域というものをもう一度この紫の資料で拝見いたしました。そうしますと、これは赤い線が引かれて瀬戸内海と漠然と申しますが、私たちそれぞれ個人によって非常にそのイメージが違うと思うんですね。赤い線が引かれているこの地域が瀬戸内海環境保全特別措置法による対象地域であるということをきょう改めて確認したわけですけれども、今お話にもありましたように、環境とか生態系というものは、この赤い線で引かれている山林とか山林から流れてくる川ですとか内海と外洋と、問題は地続きですから、決して切り離して考えることはできないものだと思うのですが。
    私たちは瀬戸内海部会という部会で、私は今まで瀬戸内海というものを漠然と考えて、その水のことにのみ目を向けていたのですが、改めてこの措置法の対象区域を見ますと、もちろん山林地域、河川、内海と接する外海も対象になるはずですので、そのあたりは瀬戸内海を大事ということ1カ所の問題ではないということを踏めておかないと今後大変大きな問題を抱えていかなければいけないと思うのですけれども、ほかの部会との関係で、外洋はほかの部会があるのか、そのあたりは私はわかりませんのでお教えください。

    ○村岡部会長 まず、英保課長に、今の話で、山と海との関係を知事・市長会議としてどういうふうにとらえておられるのか、その辺をちょっと先にご説明いただきたいと思います。

    ○英保水質課長(兵庫県環境局) 森・川・海は、兵庫県の取組みでもそうですけれども、他府県の取組みでも森・川・海を一体のものとして、もともと始まったのは宮城県かどこかだと思うのですけれども、漁師が山に登って木を植える、それが海の水質改善につながるということがありました。そういう取組みを瀬戸内海でもいろいろな地域でやっているということで、今、海を改善するにはもともと森から改善しないとだめだというふうに認識をしております。

    ○村岡部会長 事務局の方で、ほかの部会との関連ということではいかがでしょうか。

    ○坂川閉鎖性海域対策室長 ほかの部会との関係でございますが、まず日本全国の水環境、これは海域だけではなくて、河川とか湖沼も含めて、水環境に関する事項をご審議いただく場として「水環境部会」という部会がやはり中央環境審議会にございます。こちらの部会は瀬戸内海部会ということで、その中で特に瀬戸内海の環境保全につきましてご議論をいただくということになっているわけでございますが、これはもともと瀬戸内海環境保全特別措置法という法律がございまして、瀬戸内海が全国の閉鎖性海域の中でも特に、従来から自然があり、非常に豊かな、また、漁業資源の宝庫であったところであったにもかかわらず、一時それがかなり損なわれたということから臨時措置法、特別措置法ができまして、その法律の中で瀬戸内海環境保全審議会という独立した審議会が当時あったわけでございます。それが省庁再編を1つの契機といたしまして審議会もまた再編されまして、中央環境審議会の中に瀬戸内海部会として今存続しているということでございまして。
    ですから、全国の水環境を検討する場としては水環境部会があって、その中で特に瀬戸内海の特質性に配慮しながら瀬戸内海の環境保全をどうするかということについてはこちらの部会でご検討をいただくと、こういう関係になっているわけでございます。

    ○村岡部会長 道浦委員、おわかりになりましたでしょうか。

    ○道浦委員 了解させていただき……、まだ少し整理できないところもございますが、ありがとうございます。

    ○村岡部会長 少なくとも、行政ですから、その対象領域をどこかで線引きしないといけないと思うのですけれども、その場合、日本海に流れる川までは対象にしていないはずでして、雨が降れば瀬戸内海に流れてくるというふうないわゆる流域の区分で区切られているのではないかということでございます。したがって、当然、山と海とは無関係ではないということは領域の場から見てもそういうふうにとらえられるかと思います。
     どうぞ。

    ○木村委員 国土交通省の方に河川整備委員会というのがございますね。あれとの関係というのがすごく重要な感じだと思って今お聞きしたのですけれども、河川整備の方は国土交通省の方ですね、こちらは環境省ですね、そういうところの関係はどうなっているのでしょうか。水質に関係したそういう会議において調査されているのかなと思ってお聞きしたのですけれども、全然違うわけですね。実際に海に対する負荷というのはほとんど河川、先ほど言われた森ですよね。もともと漁民が森をつくるというお話がただいまございましたね。あれは、山繭なんていうのはもともと柞の森をという、海に出てくる、川から森に出てくる針葉樹ではなくて広葉樹の森ですね。それが海に対する恵を与えて、その周辺の漁民を育てているというところから柞の森という、「作」という字の人偏の部分は「木」ですよね。あれはそういうところから来て、漁民が山に対する感謝の気持ちがすごく強い、そういうものが現時点だと失われておりますよね。先ほど海の民が森をつくるという話が、多分昔はかなり普通のことであったという感じがしますね。
    したがって、森林の問題というのと河川の問題というのは完全にリンクしているお話なんですね、特に瀬戸内海の場合は。私、実は、大和川の流域というのかその辺におりまして、大和川というのは300以上の支川から成っておりまして、そして大阪湾に出ている。それで、しばしば全国のワースト1とかワースト2にランクされるようなかなり汚い、流域が、支川が多いということと住民が多いということなんですね。それも基本的には森の問題が関係していると。したがって、私はリンクというか連携ということが極めて重要ではないかと思っております。その大きな部分で環境省と国土交通省という重要な部分の関係がどうなっているのかなということふっと思いましたので。

    ○村岡部会長 その辺の関連は農水省も絡んでくるかと思うのですけれども。
     それでは、部長、お願いします。

    ○吉田水環境部長 今ご指摘をいただいたとおり、非常に私どもとしても重要な課題として位置づけております。ただ、冒頭におっしゃりました河川の管理に関する国土交通省サイドの流域近隣会・協議会といったものもございますが、それを1つの流域ごとに環境保全も視野に入れてどういうふうに流域全体を管理していくかという考え方が最近ようやく熟してまいりました。それは、実は、国土交通省サイドだけではなくて、平成10年からですが、私ども環境省も加わりまして、農水省、厚生労働省、経済産業省、それぞれの水に関係する5省庁が、健全な水環境を構築しようという観点から、特に陸水と申し上げてもいいのですが、陸水の統合的な管理を目指して連絡調整会議を行っております。これはまだ国全体としても緒に就いたばかりでございまして、10月に1つの指針を出しまして、それに基づいて河川管理と洪水調整といった意味での河川管理と環境保全とを一体的に進めていきましょうということで、今、関係省庁の連携が始まったところでございます。
     翻ってご指摘の瀬戸内海環境保全につきましては、昭和40年代から、赤潮の多発、石油流出事故、そういう直接当時直面いたしました問題を総合的に解決しようということで、瀬戸内海の海面と瀬戸内海と一帯をなす自然景観、島嶼部の自然保全といったことを中心に1つの法律が束ねられたわけで。要すれば、今申し上げたように、当初の昭和40年代の発想から、今先生がご指摘になられました、「山は海の恋人」でしたか「森は海の恋人」でしたか、そういう発想から、畠山先生の著作もございますが、最近非常に私どもも共感をいたしておりますが、そういう発想はゆるぎないものでございまして、行政の中にも浸透しておりますから、今後はそういうより統合的な管理をどういう形で運営するかというところが重要な課題だと思っております。
     ただ、もう1つその議論をしますときにはあわせて登場するのが、河川は流域ごとに管理を考えていかなければならないという問題がございます。例えば瀬戸内海全体をごらんになりますと、もう相当数の河川の流域に分割されるわけでございますけれども、それがすべからく瀬戸内海に流れ込むという意味では一体化されるのですが、河川の適切な管理ということになりますと、その流域の特性が違いますので、淀川水系と別の広島湾に流れ込む川とはまた別々に考えなければいけない。その地域、地域に最も適した生態系なり統合的管理というものを考えていかなければいけないと、こういうまた特性が浮上いたします。今申し上げましたような、海として一衣帯水的にものを考えるという考え方と、流域ごとに統合された管理を進めるという、この2つを今後よりよい形でマッチングさせていくというのが重要な課題であると思っておりますが、当面は、瀬戸内法の仕組みから申し上げると、瀬戸内海の水面及びそれと一帯を成す海岸地域の保全というところで法律ができているというふうにご理解をいただければと思います。

    ○村岡部会長 ありがとうございました。
     それでは、ちょっと時間の関係もありますので、次に進めさせていただきます。
     その前に、お手元に資料4というのが配られているはずですが、先ほどの事務局からの説明でこの資料についての説明がちょっと抜けていたということですので、かいつまんでひとつよろしくご説明願いたいと思います。

    ○熊谷課長補佐 瀬戸内海の環境保全の対策の現状の延長かと思いますけれども、資料4としまして、「瀬戸内海の全窒素及び全燐に係る環境基準の暫定目標の見直しについて」ということで、簡単にご紹介いたします。
     ページの2、3及び4で、各瀬戸内海の海域ごとの改正前の目標と改正後の目標を対比でお示ししております。窒素、燐に関して環境基準の達成率が9割なり95%ぐらいというご紹介を差し上げましたけれども、そのような状況を踏まえまして、平成7年の環境基準類型指定の際に、5年程度の年限ではなかなか環境基準が直接的に環境の目標になりにくいということで、暫定目標なるものを設定しております。これを再度見直しまして現在の環境基準の達成状況を見まして、直接的に環境基準を水域の環境目標とするということに改正をしております。
     1点、大阪湾の外側と申しましょうか、淡路島側の外側の部分、この資料の中ですと6ページ目に大阪湾の絵がありますが、この大阪湾(ハ)という部分にのみ窒素に関して暫定基準を残しておりますけれども、残りについては環境基準を直接環境目標にするということで改正が既に行われております。

    ○村岡部会長 ありがとうございました。
     暫定目標の見直しということで改正がなされておりますが、このことにつきまして特にご質問等はございますか。
     ないようでございますので、次に進ませていただきます。先ほど申しましたように、4番の議題になりますけれども、「瀬戸内海の環境保全に関する今後の課題」ということで、事務局の方でまとめていただいておりますので、それをご説明いただきたいと思います。

    ○坂川閉鎖性海域対策室長 それでは、こちらのスクリーンに映して説明をいたしますが、ちょっと小さな字も中にはありますので見にくいものもあると思います。それで、お手元に資料6というものがございまして、これは全く同じものでございますので、もしこちらのスクリーンの字が読みにくいようでありましたら資料6をご覧いただければと思います。
     そこで、「瀬戸内海環境保全行政に関する今後の課題」ということでございまして、今後の課題は非常にたくさんあるというふうに考えておりますが、その中で特に代表的なものを本日はご紹介するということにさせていただきたいと思います。
     大きく分けて2つございまして、1つが、先ほどご説明いたしました、新基本計画に沿った環境保全対策を進めていく、もう1つが、調査研究を推進していくということで、2つに分けております。
    そして、新基本計画に沿った環境保全対策の中では、発生負荷量の削減、失われた良好な環境の回復、瀬戸内海関連情報データの整備と普及啓発活動の推進、この3つが出ております。
    そこで、まず、「着実な発生負荷量の削減」でございますが、現在、第5次総量規制というものを実施しておりまして、平成16年度を目標に実施しているところでございます。CODに加えて窒素、燐も削減をしているところでございます。その結果といたしまして、それぞれ削減がなされてきているわけでございますが、来年度、平成16年度が現在の第5次総量規制の目標年度ということになりますので、その次、平成17年度以降をどうしていくかということが検討課題というふうになっております。私どもといたしましては、これまでの総量規制の効果がどの程度あったのかということを評価した上で、さらなる汚濁負荷削減対策のあり方について検討を開始する時期が来ているのではないかというふうに考えております。
    次が「失われた良好な環境の回復について」でございますけれども、瀬戸内海における干潟、藻場、または自然海岸というものを保全するだけではなくて再生なり回復をしていく必要があるということでございます。そこで、現在、関係省庁、関係府県によりましてその取組みが進められているところでございまして、現在実施されているもの、または計画されているものに関しまして、関係府県と関係省庁にご協力をいただきましてその情報の整理をしてみたものがこちらのページでございます。まずこれが干潟と藻場でございまして、その次のページ、5ページが自然海岸ということになります。これだけたくさんのものが実施または計画されているという状況でございますので、それをさらに推進していくことが必要だというふうに考えております。
    そして、その次が、大阪湾の再生推進会議というものが今年になってできましたので、ご紹介をさせていただきます。この目的は、大阪湾の良好な環境回復による水質浄化対策など、大阪湾の水環境の改善対策を講じることにより、「海と都市のかかわり」に重点を置く総合的な海の再生を目指すというものでございまして、関係省庁と、環境省も入っておりますが、関係府県、政令市、財団法人大阪湾ベイエリア開発推進機構、こういうメンバーで構成されております。スケジュールといたしましては、今年の7月にこの会議が設立されまして、現在検討を進めております。目標といたしまして、来年3月に行動計画をつくって、よりその対策を具体化していこうということを考えているところでございます。現在このような検討体制をつくっておりまして、ワーキンググループを4つつくってそれぞれ検討中という状況でございます。
    それから、次の課題が「情報データの整備と普及啓発活動の推進」でございます。まず指導者の育成でありますとか人材育成に関すること、これに関しましてはさまざまな実践事業として、体験事業でありますとか、人材育成事業、トレーニングプログラム研修などを実施しておりますし、また、情報の収集・発信に関しましては、印刷物を発行したり、また、「せとうちネット」というインターネット上のホームページを開設してデータの提供、情報の発信をしているというところでございます。
    このグラフが「せとうちネット」のアクセス件数を1ヵ月単位で推移を調べてみたものでありますが、最近少し増えてきているということがありまして、さらに内容を充実させていきたいというふうに思っております。
    これが現在の「せとうちネット」の主なコンテンツと当面の拡充計画であります。現在の主なコンテンツは「瀬戸内海とわたしたち」というページで、子供にもわかりやすい内容のページをつくったり、また、さまざまな環境情報を整理しておりまして、水質調査データもございますし、また、魚類のリストとか漁業関連情報なども含めております。また、さらに、「コミュニケーション広場」というところには、NGOのリストでありますとか、スナメリ発見情報、書籍の一覧など、その他、学術研究・調査のデータベースも含まれております。当面の拡充計画としては、瀬戸内海の魚類・生き物リストの充実、また、漂着ごみに関する情報の掲載、河川流量情報、降水量情報の掲載、リモートセンシング画像、人工衛星から見た画像ですが、こういうものを追加してみてはどうかと、それから、各地方での魚類方言リストの追加、文献リスト・報告書リストの追加ということで、さらに情報を充実させていきたいというふうに考えております。
    次に、大きな2番目といたしまして、「調査研究の推進」でありますが、まず最初が、「外洋からの窒素・燐の流入に関する研究」というものでございます。窒素、燐については富栄養化の原因物質ということで陸域からの流入負荷の削減を進めているところでありますが、一方で、外洋から窒素・燐濃度の高い深層水が流入をしてきているということもわかっております。この深層水の流入がどの程度瀬戸内海の富栄養化に寄与しているのかということを知るために、この深層水から流入する窒素・燐と陸域から流入する窒素・燐の流入負荷、この割合がどうなっているのかということの調査を今現在進めているところでございます。
    次が「累積する埋立てによる環境影響に関する調査」というものでございまして、この調査は特に大阪湾を対象にして調査しておりますが、大阪湾では非常に大規模な埋立地がたくさんできて、または工事中でございます。大阪湾においては慢性的な水質汚濁の状況であるわけでございますので、そういったものにこの埋立てというものがどの程度影響してきたのかというところを把握するために、水質シミュレーションモデルをつくりまして、埋立地がある場合、ない場合ではどのように変わってくるのか、また、今後どういう水質改善施策を講ずれば水質がよくなるのかというようなこともシミュレーションで明らかにしていこうというような調査でございます。
    次に、「浅海域の環境を定量的に評価する手法に関する調査」でございます。これは瀬戸内海全般的に藻場、干潟などの浅い海が減ってきているということでございますが、この浅い海、いわゆる浅海域は多様な生物の重要な生息、生育空間でありますし、生物再生産の場になっている、また、海水浴でありますとか潮干狩り等の自然とのふれあいの場にもなっております。さらに生物がたくさん生息しておりますので、水質浄化の場にもなっている。さまざまな役割を持っているわけでありますが、こういう浅海域が減少しているということがありますので、その重要性を再検討しようという、そのような取組みでございます。調査の概要としては、浅海域が有する特性を踏まえて、その環境を定量的に評価するための手法を考えたいということでございまして、この調査結果ができましたら各閉鎖性海域の環境を評価して新たな対策につなげていきたいというふうに考えております。
    次が「藻場・干潟の造成に関する実証事業」というものでございますが、これは先ほどの調査と問題意識は同じでございますが、藻場・干潟というものを人工的につくって、そこで生物、水質、底質などのモニタリング調査を実施いたしまして、藻場・干潟の再生事業において留意すべき事項を取りまとめるという目的で現在実施をしているものでございます。全国4カ所で実施をしておりまして、かなり小規模なものでありますが、そのうち2カ所が瀬戸内海ということであります。1つが香川県の海岸で藻場の再生に取組んで、もう1つは山口県の三田尻湾で人工干潟をつくっていると、そういう状況でございます。
    以上が調査研究の特に今実施をしているもののご紹介でございまして、さらにこれを進めていきたいと思っております。
    また、前回のこの瀬戸内海部会でもいろいろと話題になっているのですが、埋立ての基本方針というものがございまして、昭和49年に当時の瀬戸内海環境保全審議会で答申が出されているものでございます。今もこの答申を踏まえながら施行後ずっと見ているわけでありますが、この埋立ての基本方針を見直してはどうかという意見が前回までの部会でもあったわけでございます。私どもといたしましては、その見直しをするためには、先ほどの、埋立地がどういう影響を及ぼしているのかということですとか、また、浅海域がどのような水質浄化能力などを持っているのか、また、それがどういう意味を持っているのかというところをしっかり調査し、一定の整理をした上で、埋立て基本方針はいかにあるべきかというところをさらに検討してまいりたいと思っております。また、一方で、先ほどの知事・市長会議の方からもお話がございましたが、沿岸域の土地利用の状況というものも20年前、30年前に比べてかなり変わってきているというふうに考えておりますので、そういうところも状況として踏まえた上でさらに検討していきたいというふうに考えております。
    以上でございます。

    ○村岡部会長 どうもありがとうございました。
     今いろいろと調査研究の将来あるいは啓蒙・啓発といったような話題をお聞きいたしました。
     それでは、ただいまからお聞きした説明に対しまして皆様方のご意見等がありましたらお聞きしたいと思いますが、いかがでしょうか。
     白木委員、どうぞ。

    ○白木委員 関西空港の近く、大阪湾の埋立地の中にある小さな博物館で子供たちや大人と一緒に観察会や採集会をしている現場の者としての話をさせていただきたいと思うのですが。
     10年になるのですが、10年前と比べまして確かに水質はよくなってきたように思います。生き物も増えてきたように思います。私が子供のころに大阪湾で遊んでいたときに比べたらもう全然量が違い、少いのですが、観察会採集会のたびに生き物の種類が増えてくるというのも目の当たりにしていますので、そのことはすごくうれしいなと思っているんです。
     もう1つの問題は、私がいる埋立地にもたくさんの空き地があります。それから、堺の7・3区や兵庫県の尼崎にも埋立地に空き地がたくさんあると伺っています。やむを得ない埋立てなんていうのが本当にあるのでしょうか。以前瀬戸内海環境保全審議会のときにも聞いたのですが、やむを得ないと言って埋立てておいて、ずっとずっと何にも使っていない埋立地の責任はだれが取るんですかと。そのときの私は、そういうふうに誰かを責めたのですが、近頃はその責任は自分にもやはりあるんだというふうにちょっと謙虚に思うようになりました。
     ただ、そう思ったときに、そうやってつくってしまったすごくたくさんの埋立地に、「共生の森」だとか「21世紀の森」と呼んでどんぐりを植え、森をつくろうという流れがあります。海を埋立てて、そこにどんぐりを植えて森をつくったら、それで自然再生になるのかどうか。私はなんだか変な話のように思えてならないのです。そんなことを一緒に考えさせてもらっているのですが、私の中に、これだというようなもの、こうしたいというものがなくて悩んでいます。本当に森でいいのか、森をつくったらそれで自然再生になるのだろうかと。そういうことも含めて、今たくさん残っている埋立地の問題は大変大きいので、埋立地をどうするのかということを、環境省も含めてみんなで考えたいと思っています。
     それと、私の方は現場で、ブナ林が残っております和泉山葛城、近木川という二級河川(ワースト1になったことがあるのですが)、二色の浜という海辺、その3つを拠点として子供たちと一緒にいろいろな活動をしています。「山は海の恋人」とか「森は海の恋人」などは、理念があると思うのですが、きれいごとだと思えてならないんです。実際には、例えば海に行く、山に行く、川に行く、海川山に人をたくさん行かす工夫をして、そこに行く人が多くなったら理念を説かなくてもきっと海川山が好きになり、大勢の人が行くことだけできれいになっていくと思います。前に道浦委員がおっしゃっていたように、海には癒の効果の他にスポーツ性や狩猟の楽しみもあります。子供の頃にたくさん経験してもらうように、又そのためには危険を伴うことが多いので、指導する人に支払うお金を惜しんでほしくありません。

    ○村岡部会長 どうもご意見ありがとうございました。
     関連するご意見でしたら、どうぞ。
     小森委員、どうぞ。

    ○小森委員 小森でございます。一昨年まで尼崎市の総合計画委員会の会長をしておりましたので、その立場からちょっと感想だけを申し上げたいと思います。
     先ほど29ヘクタールの21世紀の森を兵庫県がおつくりになる、これはもうこの大阪湾の内奥部の一番水の汚いところでこういう企てがあること自体は非常に高く評価したいと思いますけれども、同時に、それによって失われたものということもこの際皆さんに申し上げたいと思います。
     尼崎市は人口50万人以上の都市の中で多分人口減少率の一番大きな都市で、最盛期には五十数万だったのが今は四十何万人かでございます。その原因の多くは南部の工業地帯の老朽化によるものであります。現にこの29ヘクタールの土地もある製鉄所の土地でありましたし、その近くで電力の2つの大きな発電所が相次いで閉鎖になるということで、この地域だけで恐らく数千人の雇用が失われました。同時に、いろいろな、例えば市の税収という観点から言っても、例えば固定資産税がゼロになるとか、これは公有地でございますので、こういう問題がございます。恐らくそういうコストを足していけば1,000億円かそれぐらいは軽く超えることになると思います。
    先ほどきれいごととおっしゃいましたけれども、実は地元から見ると決してきれいごとではなくて、相当のコストを実は払っています。先ほど県の方から、地元からのご意見がなかなか出てこないという背景には、実はそういう問題を抜きにして議論をするのは大変難しいという事情もあると思います。これは尼崎だけの問題ではなくて、恐らく数十年のサイクルでもってコンビナートなり大きな巨大装置産業の広大な用地がやがてまた別の用途に転換していくということは十分考えられることであります。こういった点のコストということも十分考えた上でやはり議論が進められていくことを期待したいと思います。

    ○村岡部会長 どうも貴重なご意見ありがとうございました。
     それでは、須藤委員は何か今の埋立てとかその関係ですか。

    ○須藤委員 違います。

    ○村岡部会長 それでは、鈴木委員、どうぞ。

    ○鈴木委員 今後の課題に関連して、先ほどの資料6と資料3について、お願いしたいことがあるのですけれども。私はこの30年、40年の間に、海ということで、なくなったのは、日本から、泳げる海、海岸というのが、すごく少なくなったと思うのですけれども。先ほど、知事・市長会議事務局の方からの説明に、これからも海浜とか浅海域を回復していくということがありました。私は今、別府に住んでおりますけれども、別府の方も、やはり人工的に海岸をつくっていくという計画があります。先ほどの参考資料3の中で、自然海浜とか浅海域とか自然海岸とか半自然海岸のデータがありますけれども、わたくしは、やはり回復していく中で、どれだけ泳げる海が回復できたのかという、別のデータも、一緒にしないで、出して頂くと、本当に海がきれいになって泳げるようになったのかということがわかると思います。泳げる海、海岸のデータの提示もお願いしたいし、今後の課題に、是非泳げる海を多くするということも考えて頂きたいと思います。

    ○村岡部会長 ありがとうございます。
     そういった意見はほかにたくさんおありかと思いますけれども、いずれにしましても、この問題、埋立てについて今後どういうふうな見直しをしていくべきか、そのために浅海域の価値をもう一回評価し直すとか、あるいは土地の利用のことについてどういうふうな考え方をするか、さらにはそういった環境教育面、あるいは泳げる海というふうな課題がいろいろあるようでございますが、これにつきまして今結論を出すということはちょっとできかねますので、また関連するご意見がありましたら後で伺うということでよろしゅうございますか。
     とりあえずそれ以外のことということで、須藤委員、何かおありでございますか。

    ○須藤委員 それでは。ただいまの坂川室長の課題の取り上げ方については特に異議はございません。しかしながら、この「着実な発生負荷量の削減」について1つだけつけ加えさせていただきたいと思います。
     この発生負荷というのはいろいろなところで出るわけでありまして、特定したところなんかは一番わかりやすいのだけれども、全然わからないところから出ていて、それに我々が気がつかないというのがあると思うんですね。その1つに水産で使う酸処理剤があるのではないかと思います。今、海でいろいろ問題になっているわけでありますが、その酸処理剤というのはただの有機酸であるだけではなくて、窒素と燐を大量に含んでいます。有機酸ですからCODも多量に含んでいます。全体の負荷量、例えば燐で言うと有明海全体の数%に及ぶというほど多量でございます。
    さらにそれにつけ加えて私もいろいろ調べさせていただいたのですが、防腐剤のようなものを一緒に合わせて使うと効果的だというので、昨年ぐらいまで、まだ明解ではないのですが、防腐剤のようなものが使われておりました。そのときにこういうものを海に使うのはよろしくないのではないかということを申し上げたら、そのほとんどは瀬戸内海で使っているが有明海では使われていないというお答えでございました。それで、それでしたら私はここでは有明海の議論をしているんだから、その問題は瀬戸内海で議論をするときに申し上げますと、こういうことできょうまで待っておりました。
    実は多分環境省の皆さんもあるいは気がついているのだろうと思うのですが、水産で使う薬剤というのは放置されたままになっています。酸処理剤もそうですし、農薬のような、あるいは防腐剤のようなもの。例えば八代海では昨年ぐらいまではトラフグにホルマリンが使われていたという形跡もあります。というようなこともあって、我々は負荷の削減を努力している、片方では総量規制をしながら、片方では添加をしているというのは大変よろしくないと私は思うわけでありまして、まして瀬戸内海で薬剤使用がどのぐらいの量かよくわかりません。有明海では大体公表されているのはわかりました。しかしながら瀬戸内海では不十分であるというので、この辺についてなるべく可及的速やかに調査をしていただいて対策をとっていただきたい。総量規制をやるよりもその方が先ではないかと私は思います。
    以上でございます。

    ○村岡部会長 これは事務局の方でちょっとお答えいただきたいと思いますが。現状はどの程度把握されておられますか。

    ○坂川閉鎖性海域対策室長 須藤先生からご指摘がありましたように、有明海の方ではこの問題が非常に問題になりまして、それで私の方も水産庁の方からいろいろと情報を入手しているところでございますが、瀬戸内海に関しましてはまだ余りよくわかっておりませんので、これから実態をまた何らかの形で調べさせていただきたいというふうに思います。

    ○吉田水環境部長 ちょっとつけ加えさせていただきますが、総量削減計画の中では、直接排出口に対して規制のかかる工場、事業所のほかに農林水産業起因の窒素、燐、CODも抑制をしようということで、計画としては各県の実態を踏まえて、負荷量算定高にはそれは入ってまいっておりますし、それをできるだけ抑制するための方策というものは司、司で進めておるということになっております。
     ただ、今ご指摘の件は有明のノリ不作問題を契機にして、酸処理剤という一つの新しい窒素、燐も含有している品物、それが養殖業場の利便として使われているということでございまして、そのものについては私どもは明確な意識を今まで余り用いなかったということはたしかでございますので、今後の総量削減の計画策定、その実施にあたっては今ご指摘の点も十分配慮していきたいと思っております。

    ○須藤委員 それでよろしいのですけれども、有明をやっているときも私どもが環境基準をつくるために各県にヒアリングに行ったら、薬剤は使っておりません、生産もしておりませんという回答なんですね。ですから、有明の環境基準を決めるときにも入っていないんですね。ですから、これはただ表向きにいかがでございますかと言うと、やっとこういう問題が出てきて初めてこんなにたくさん使っているというのがわかったんです。ですから、その辺のところをしっかりとらえていただかないと、表向きだけの話になると、やはり、依然として使っていません、もしこれを生産しているなら今度は逆に有明で使っていますという返事になるのかもしれませんので、その辺は十分よろしくお願いしたいと思います。

    ○村岡部会長 それでは、環境省のこれからの調査といいますか、整理の方をよろしくお願いしたいと思います。
     ほかに今後の課題ということに関連いたしましてご意見はございますか。
     どうぞ。

    ○谷野委員 先ほどの藤原委員からのご質問は、基礎的な調査をきちんとやるべきではないかというご質問だったのではないかと思うのですけれども、どうも先ほどのお答えと今画面に出ていることをご説明になったときのご説明のそういういわば情報型のお話と総合しますと、藤原委員のおっしゃっていることと少し食い違っているのではないかと、少なくとも私の頭の中では食い違っている。情報をみんなによく知ってもらう、公開をする、それによっていろいろな効果を期待するという方法は環境省の白書にも載っておりましたけれども、情報的方法ということで規制と並ぶ非常に重要な手段であるということは十分理解しておりますからそのことを否定するわけではないのですけれども、しかし、どうもそれ以外のベースになる基礎的な情報をきちんと一度環境省全体として見直していただく必要が現段階ではあるのではないかというふうに私は考えるわけです。
     この間機会がありまして、これは政治学、行政学のグループのプロジェクトに参加をしまして、環境庁が発足するときの前後の話をいろいろ調べまして短いものを書いたのですけれども、あのころは目の前に処理をしなければいけない問題がいっぱいある、基礎的な調査をゆっくりやっている暇がないと、つまり、その辺にある使えるものは、相手にぶつけるのなら石でもいいと、ミサイルだとか大砲だとかを用意する暇はないと、手元にある日露戦争のときに使った鉄砲でもいいから持って出て行けという時代だったのではないかと思うんですね。そのためにはほかの省庁の資料でも使えるものは何でもいいからとにかくかき集めて使って目的に向かって突っ込んでいくということで、私はそれは非常に合理的だったと思うんですね。しかし、それからもう30年たって環境庁という野戦部隊から環境省という1つのお城を構えられたわけですから、当然基礎的なデータの整理ということについてのレベルも変わっていかなければいけない時期に来ているのではないかと思います。
    先ほどの海岸線の話なんかは、聞いていて非常に印象が強かったですね。自然海岸が増えるのはおかしいじゃないかということに気がつかない方がおかしい。しかし、これは、恐らく調べてみると、日本の海岸線がそもそも何キロメートルあるかというのをどうやって測ったんだということだってわからないんですね。私は山登りをしますから5万分の1の地図、2万5千分の1の地図を見ますけれども、30年前の、あるいは40年前の上高地の地図を見ますと、今の上高地の地図と等高線は全く違いますよ。私は記念のために昔の地図をとってありますけれども、恐らく海岸線の長さ自体もどうやって調べたかというのはよくわからないのかもしれません。ですから、それは実際にだれがどうやって調べたのかというところまで下りていかないといけない。それをもとにして議論をするときにどのぐらい使える資料であるかということをやはり吟味しなければいけないと思うんですね。ですから、そういうところに力を入れるべき部分がかなりあると。それが先ほどの具体的には海岸線のデータについてのご質問だったし、藤原委員のご質問もそういう趣旨が含まれているのではないかというふうに私は思うわけです。
    ただ、一言誤解がないように申し上げておきますが、環境庁発足前後のことを調べたときにも出てきたわけですが、データが十分ではないから対策を講じないというのは、これは環境行政の伝統に反すると私は思っています。橋本(当時)厚生省公害課長が新聞に語られた言葉が載っています。もし必要なら私は持っていますからご覧にいれますけれども、あることをやるときに科学的にどこまで証明されたかということを検証責任の置き方を引っくり返して考えると、環境行政というのは何もできなくなると言うとちょっと言いすぎですけれども、本当に手足を縛られたような形になるんですね。ですから、先ほどの埋立ての基本方針の話を聞いていてちらっと危惧の面が走ったのは、いつまでもお調べになっているのではないかという感じがちょっとしたんですね。それは私がこの間いろいろなものを読みすぎたせいではないかと思うのですけれども、そういうことはまた別の判断基準でやらなければいけない。
    しかし、一方、もう少し長い目で見てきちんとした資料を調べる。調べると言ったって、今言ったように、海岸線の長さなんていうのは本当は調べられないんだと思うんですよ、あんなものは。岩のところをぐるぐるぐるぐる巻尺を持って測って歩くわけにはいかないわけですから。だから、それはやはりルールを決めて、かつ、そのルールを決めてやったものが常識と矛盾がないような整理にするにはどういう方法があるかという方法論を考えなければいけない、そういうふうなことをお考えいただきたいというふうに思います。非常にああいう数字でちょっと何かを言われると、何かそれまでやっていたことが全体的にいいかげんなことをやっていたというふうな印象を与えるわけですから、これは行政にとってはものすごく大きなマイナスだと思いますので、そのことについて特に今お願いをしておきたいというふうに思います。

    ○村岡部会長 どうも貴重なご意見をありがとうございました。
     特に基礎資料の整備といいますか、これを収集するということに関しては、環境行政あるいは環境科学に関連する基礎的な行為でございますので、その辺は重要なご意見として承りました。
     海岸線の測定の方法ですけれども、これは何かあるのではないかと思うのですが、これは、柳先生、ご存じありませんか。

    ○柳委員 多分、縮尺された地図だと思いますけれども。

    ○村岡部会長 地図は地図なんでしょうけれどもね。これはかつての建設省の陸地測量か何かで。現在の海岸行政の中でも日本の海岸線というのはきちんと与えられておりますよね。それはその測定法に則って測られたもので、本当にギザギザしているところをいちいち測ってそれを海岸線と言うのとはわけが違いますけれども、何らかの定義があると思うんです。ただ、その測り方によって今回の瀬戸内海沿岸の自然海岸の長さも同じようなあれで測っておるかどうか、その辺はちょっとよくわかりませんので、事務局の方でぜひそれははっきりさせてほしいと思います。
     時間が迫っておりますが、後で「その他」というところで、久しぶりの部会でございますので、できたら今の続きとしてのお話を聞きたいと思っております。その前に、5番目の議題は先に済ませてしまいたいと思います。
     これは、先ほど事務局からもちょっと触れられましたけれども、特定施設の変更許可に係る事前評価制度の簡素化の問題が起こっておりまして、これにつきまして事務局の方でその改正を検討しておられるということでございます。その改正の内容につきましてまずご説明をいただきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いします。

    ○繁本主査 水環境部閉鎖性海域対策室の繁本でございます。どうぞよろしくお願いいたします。私の方から、「瀬戸内海環境保全特別措置法に基づく特定施設の構造等の変更に係る事前評価等の簡素化について」の説明を申し上げます。
     まず、簡単に、現行の事前評価制度についてご説明させていただきたいと思います。その次に、この事前評価制度をどういう背景でもってどのような内容に改正していくのかということについて説明します。最後に、この事前評価の簡素化によって、どういった場合にこれまでは事前評価が義務づけられていたのが今後必要なくなるかといった具体例を説明していきたいと思います。
     まず「事前評価制度の概要」でございますが、ここにつきましては資料3でもう既に説明を一旦しておりますので、簡単にいきたいと思います。瀬戸内海において事業者が特定施設を設置する場合は、関係府県知事の許可が必要になっております。事業者が一旦設置をした特定施設を変更する場合、例えば特定施設の構造、特定施設の使用方法、特定施設から出てくる汚水または廃液の処理方法、または排出水の量を変更しようとする場合は、特定施設を新たに設置する場合と同様に、変更についても都道府県知事から許可を受けなければならないと、こういったルールになってございます。変更許可についても、設置の場合と同様に、瀬戸内海の環境にどういった影響が及ぼされるのかといったことについて事前評価を実施するルールがございます。
     1ページ目の(2)でございますが、今申し上げた変更許可における事前評価の免除というのが実はございまして、ある一定の条件を満たせば変更許可に限って事前評価は免除されるといったルールがございます。では、一体どういった要件を満たせばこの事前評価が免除されるかといったことについて、[1]〜[3]、あと図1でご説明したいと思います。
     まずは、特定施設が汚水等の処理施設とつながっていなくて、特定施設からの汚水等が直接公共用水域に出る場合、この図で言う上のラインでございます。こういった場合は、特定施設から排出される汚水等の汚染状態及び量が増大しない、これがまず1つの条件になります。濃度と量につきましては特定施設の直後のポイントで見ることになっております。
     もう1つの条件は、汚水等の処理施設があって、特定施設からの汚水等が処理された後に公共用水域に出る場合、こういった場合でございます。こういった場合には、汚水等の処理施設の前後のポイントにおきまして汚染状態が増大しないこと、かつ、処理施設の後のポイントで量が増大しない、この2つを満たすということが2つ目の事前評価を免除するポイントになっております。
     3つ目の事前評価を免除する要件といたしましては、これは、特定施設から排出される汚水等が処理施設で処理されようがされまいが関係なく、排水口のポイントで見る条件でございます。排出水の排出の方法に変更がない場合、これが事前評価を免除する要件になっております。具体的な排出の方法というのは、排出口の位置ですとか、数ですとか、排出先、こういったものでございます。
     ページをめくっていただきまして、2ページに行きたいと思います。では、この事前評価制度をどのように簡素化していこうかということでございますが、まずはその背景といたしまして、先ほど一定の条件を満たせば事前評価が不要となることをご説明申し上げたのですが、今既に申し上げた条件を満たさない場合であっても瀬戸内海の環境に対する影響が明らかに増大しないような場合がございます。こういった、今までの条件は満たさないのですけれども、瀬戸内海への影響は明らかに増えませんよといった場合には、事前評価を免除する枠を拡大することを今検討いたしております。こういった事前評価制度を免除する枠を拡大するといった見直しにつきましては、瀬戸内海の関係府県及び関係政令市から構成されております瀬戸内海環境保全知事・市長会議においても検討されておりまして、環境省に対して要望をしているところでございます。
     (2)の改正案の内容でございますが、まず、今ある条件にプラスアルファして事前評価を免除する項目をつけ加えようというのが基本的な考え方でございます。まず排出水の汚染状態及び量についてでございますが、1ページ目の(2)の[1]及び[2]につけ加えまして、各排水口において排出水の汚染状態というのが増大しないこと、これを加えるということでございます。(イ)、排出方法につきましては、今までは全く対象について変更してはいけませんと、こういったことが事前評価を免除する要件になっていましたが、これに加えまして、一部または全部の排水口が廃止され、かつ、引き続き使用する既存の各排水口において排出水の汚染状態と量が増大しない場合、こういった場合を加えることにしております。
     以上が改正の内容でございます。
     ページをめくっていただきまして3ページでございますが、ではこういった事前評価制度の簡素化を行うことによって、今までは事前評価が必要であったのですが、これからは事前評価は要らないですよといったケースを4つご紹介させていただきたいと思います。
     まず例1でございますが、処理後の汚水等を循環再利用する場合ということでございます。図が2つ上下に並んでいるかと思いますが、上の図が変更がなされる前の図、下の図が何らかの特定施設の変更がなされた場合の図でございます。
    まずこの例1は、変更前、特定施設がございまして、ここから発生する汚水等を処理する処理施設がございます。用水量として100を特定施設に引っ張って、ここで何らかの生産活動を行った結果汚水が100出ます、その100出た汚水が処理施設で処理されて公共用水域へそのまま100出てくるといった、極めて簡単な例を示しております。
     この生産ラインに下のような変更が加わった場合、その内容というのは、ここでは特定施設で使用する用水の量がまず増えております。変更前は100ですが、変更後は150になっています。先ほどと同じ条件なので、特定施設から出てくる150の汚水等は処理された水として150ほど出てくることになります。ここからが違うところなのですが、下の段では150出てくる処理した排出水のうち、70を循環再利用に回しまして、また特定施設に回していきまして、残された80を公共用水域に出すというふうなことになります。結果として、本来ならば150の用水が必要だったところ、70の水を再利用いたしますので、用水量は80といったことになります。
    この図で申し上げたいのは、特定事業場の中を見る限りでは、汚水等の処理施設の後のポイントで処理された水の量が増えるのですが、周辺公共用水域への影響は軽減されると、即ち100から80になりますといったことでございます。このような場合は、確かに現行のルールでは一定事業場内の負荷は増えているということなのですが、では出口の外の公共用水域について見てみますと実際に環境負荷は減っているということでございますので、事前評価を免除する事例として加えていきたいと考えております。
    次は例2でございますが、まず変更前の事業場の形態というのは、特定施設があって、そこから出てくる汚水等は処理施設で処理されます。処理施設の後のポイントで、非特定施設とありますが、例えばこれは事務所から排出される雑排水ですとか冷却水なんかがこれに当たりますが、こういった特定施設以外の非特定施設から水が処理施設の後に入る事業場をまず想定します。
    この変更後の図を見ていただきたいのですが、今まで汚水等の処理施設で処理されなかった非特定施設からの排水を汚水等の処理施設に回した場合、結果としては処理後の汚水等の量は増大することになります。となりますと、現行の制度に照らし合わせますとここで事前評価が必要だということになるのですが、今まで処理施設で処理していなかった水を汚水等の処理施設に回すわけですから、結果として排水口から公共用水域へ出ていく水はよりきれいになって濃度の量は下がっているはずだということで、周辺公共用水域への影響は軽減されているはずなんですね。にもかかわらず現行制度では事前評価が要るということになっておりますので、今回の改正によってこういった場合につきましても事前評価は要らないですよといったことにしたいと思っております。
    もう1枚めくっていただきまして、これが最後のページになりますが、例3です。これは非常にシンプルなケースでございまして、変更前と変更後では特定施設の一部が廃止されております。廃止された結果、汚水等の処理施設もあわせて廃止されまして、結果として排水口も一部廃止されたといったことでございます。現行制度では排水口の廃止といったものを排出方法の変更と見ておりますので、この時点でもう事前評価は必要ですよということになっております。ただ、公共用水域への影響という点で見てみますと、特定施設がなくなって、それを処理する処理施設もなくなって排水口も減ったわけですから、当然、公共用水域の環境に対する影響も小さくなっているはずです。こういった場合も、前の2つの例と同じように、事前評価を免除していきたいと考えております。
    最後の例4でございますが、これもシンプルな例でございまして、特定施設から排出される汚水等を処理施設で処理しまして、それを従前は直接公共用水域へ流していたものを下水道に接続しますよといったケースを考えております。この例も例3と同じように、下水道へつなぐことが排水口の廃止につながりまして、排水口の廃止というのは排出方法の変更になるでしょうと、こういった考えで今までは事前評価を義務づけていたということでございますが、これも明らかに周辺公共用水域への影響は軽減されますので、今後は事前評価を免除していきたいと考えております。
    説明は以上で終わらせていただきます。

    ○村岡部会長 ありがとうございました。
     簡単に言いますと、現実に海域に対する環境負荷がないような変更とか廃止とかというものは事前評価を免除しようということになって、現実に瀬戸内海沿岸の各府県からそういう要望が出てきてご検討になっておられるということだと思います。
     特に問題ないと思うのですが、何かご質問等はございますか。

    ○谷野委員 これはだれが認定するんですか。

    ○繁本主査 今回の事前評価の簡素化につきましては、この部会におきましてこういった方向で我々の方で検討してもよいという了承をいただいた後に広く一般国民から意見を募集するパブリックコメントを実施いたしまして、その後、告示、施行ということになります。

    ○谷野委員 そうではなくて、これに当たるかどうかという判断はだれがするんですか。

    ○繁本主査 失礼いたしました。具体的な判断は、瀬戸内法のこの規制を運用しております関係府県になります。

    ○村岡部会長 それでは、ただいまご説明の案をこの部会で一応承認するということでよろしゅうございますか。
    (「異議なし」の声あり)

    ○村岡部会長 ありがとうございました。
     それでは、今ちょっと言われましたような手続きを踏んで、具体的な作業に入っていただきたいと思います。
     以上で予定されました議題は終わったと思いますが、先ほどちょっと申し上げましたように、「その他」で事務局から特別の議題はないというふうに聞いておりますので、先ほど来いろいろな瀬戸内の環境問題にかかわってご要望のご意見が2、3ありましたけれども、せっかく遠いところから来ていらっしゃる方も多いと思いますので、特に今までご発言のなかった委員の先生方から一言言っておきたいというふうなことがございましたらお聞きしたいと思うのですが、いかがでしょうか。1、2件どうぞ、ご遠慮なく。これを言ったからといってすぐに環境省が聞いてくれるかどうかはわかりませんが、単なる要望かもわかりませんが、うまくいったら来年度の予算の一部に反映させてもらえるかもわかりませんので。ございませんか。
     それでは、この辺につきましては貴重な意見をたくさんいただいて、これは議事録に残ると思いますので、そういう形でご意見を承ったということにしたいと思います。
     それでは、以上ですべての議題が終わりましたので、事務局で事務的な問題は特にございませんか。

    ○坂川閉鎖性海域対策室長 どうもありがとうございました。
     先ほどの事前評価制度の改正に関しましては、私どももこれから改正のための条文を詰めまして、その上でパブリックコメントに付することを考えております。そこで、そのパブリックコメントの結果を見まして、その後の取扱いについては部会長とご相談をさせていただきたいと思いますが、よろしいでしょうか。

    ○村岡部会長 差し支えはございませんか。
     ありがとうございます。

    ○坂川閉鎖性海域対策室長 どうもありがとうございました。
    それでは、本日用意いたしました議題は以上のとおりでございます。きょうはいろいろなご指摘、ご意見がございましたので、そういったことも踏まえましてまた瀬戸内海環境行政に取組んでまいりたいと思いますので、引き続きよろしくお願いいたします。
    どうもありがとうございました。

    ○村岡部会長 どうもありがとうございました。

    午後 4時08分閉会