本文へジャンプ

■議事録一覧■

中央環境審議会大気環境部会
微小粒子状物質測定法専門委員会(第5回)
会議録


1.日時

平成21年8月27日(木)14:00~16:06

2.場所

虎ノ門パストラル新館5F ローレル

3.出席者

(委員長)
坂本 和彦
(臨時委員)
岩崎 好陽、小林 悦夫
若松 伸司
(専門委員)
指宿 堯嗣、田邊  潔
内藤 季和、西川 雅高
三笠  元、溝畑  朗
森  淳子
(環境省)
山本大気環境課長
西村大気環境課長補佐
手塚大気環境課長補佐
松田総務課長補佐
        

4.議題

(1)
「微小粒子状物質に係る環境基準の設定について(答申案)」の別添2(微小粒子状物質測定法専門委員会報告(案))に対するパブリックコメントについて
(2)
その他

5.配付資料

資料1-1「微小粒子状物質に係る環境基準の設定について(答申案)」に対するパブリックコメントの結果概要について
資料1-2「微小粒子状物質に係る環境基準の設定について(答申案)」の別添2(微小粒子状物質測定法専門委員会報告(案)に対するパブリックコメントの結果について
資料2-1微小粒子状物質測定法専門委員会報告(変更案)
資料2-2微小粒子状物質測定法専門委員会報告(案)(平成21年7月)からの変更点

参考資料1「微小粒子状物質に係る環境基準の設定について(答申案)」に対する意見の募集(パブリックコメント)について(お知らせ)
参考資料2「微小粒子状物質に係る環境基準の設定について(答申案)等
参考資料3<パブリックコメントの意見の中で引用された文献>

6.議事

【手塚大気環境課長補佐】 定刻となりましたので、ただ今より第5回微小粒子状物質測定法専門委員会を開催いたします。
 委員の皆様方におかれましては、ご多忙中にもかかわらずご出席いただき、大変ありがとうございます。
 本日の出席状況でございますが、委員12名中、11名の委員の方にご出席をいただいておりまして、定足数でございます過半数に達していることを、ご報告させていただきます。
 ここで、本専門委員会の開催にあたり、水・大気環境局におきまして人事異動がございましたので、ご紹介いたします。
 7月14日に白石水・大気環境局長の後任として鷺坂局長が、7月15日に岡部総務課長の後任として木村課長が着任いたしました。本日は、別の公務により出席していないことをご了承ください。
 また、事務局の方でございますが、7月24日に着任いたしました山本新大気環境課長よりごあいさつ申し上げます。

【山本大気環境課長】 7月24日付で大気環境課長に就任いたしました、山本でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
 本日は、微小粒子状物質測定法専門委員会に、大変お忙しい中ご出席いただきまして、まことにありがとうございます。
 この測定法につきましては、今後、PM2.5対策を推進するにあたりまして、実際の大気汚染の状況の把握ということにおいて基本的かつ重要なものでございます。そのため、本年の2月から4回にわたり皆様のご審議をいただいて、報告(案)を取りまとめさせていただいた中で、7月2日には、専門委員会の上位の会議である水・大気環境部会で了承を得た上で、パブリックコメントを8月10日まで行ってきたところでございます。
 今般、26件ほどのコメントが参りまして、本日は、この専門委員会としてどのように回答をすべきかといった案と、そしてまた、コメントを踏まえて、一部取りまとめいただいた報告(案)について、修正の案を事務局として取りまとめております。本日は、それを事務局の方からご説明させていただく中で、このパブリックコメントに対する回答、そしてまた、そのコメントを踏まえた修正についてご審議をいただければと思っております。どうぞよろしくお願いいたします。

【手塚大気環境課長補佐】 次に、お手元の配付資料でございますけれども、議事次第に配付資料一覧を記載しておりますので、ごらんください。
(配布資料の確認)
  資料の不足等ございましたら、事務局にお申しつけいただくようお願いします。
 また、委員の皆様方のお席には、そのほかに微小粒子状物質測定法評価検討会報告書の白い冊子を置かせていただいておりますことをつけ加えます。
 
 それでは、これ以降の進行につきましては、坂本委員長にお願いしたいと思います。よろしくお願いします。

【坂本委員長】 それでは、議事に入らせていただきたいと思いますけれども、本日の議題でございますが、主に微小粒子状物質に係る環境基準の設定について(答申案)の別添2(微小粒子状物質測定法専門委員会報告(案)、これに対しますパブリックコメントについてです。また、その他といたしまして、報告案において、更なる検討が必要とされてございます標準測定法と自動測定機の等価性評価の判断基準、これを定める作業が現在進んでございますが、その進捗状況について、その他のところで事務局から紹介をしていただく予定としてございます。
 まず、最初の議題ですけれども、前回の6月16日に開催されました測定法専門委員会において了承いただきました本専門委員会の報告案は、7月2日に開催いたしました中央環境審議会大気環境部会に本報告案を提出し、了承いただいたところでございます。その答申案と環境基準専門委員会報告案とともに、7月10日から8月10日まで、パブリックコメントが実施されました。パブリックコメントでいただいた意見につきまして今日、答申案に関する意見、それから、環境基準専門委員会報告案に関する意見、測定法専門委員会報告案に関する意見という形で区別して整理をし、測定方法専門委員会報告案に関する意見と答申案に関する意見のうち、本専門委員会報告案に関するものとして、事務局で回答案を検討していただきました。そのものについてご議論をいただくわけでございます。
 今回、後ほど報告があると思いますけれども、パブリックコメントにおきましては、非常に多くのご意見をいただきました。まず、そのご意見をいただいた方々に対して感謝を申し上げたいと思います。
 それでは、事務局から、まず7月2日に大気環境部会において了承されました答申案を紹介していただき、その後でパブリックコメントに提出された意見及び回答案と、測定法専門委員会報告の変更案について説明をしていただきます。
 それでは、お願いいたします。

【西村大気環境課長補佐】 それでは、説明させていただきます。
 参考資料2をごらんください。微小粒子状物質に係る環境基準の設定について(答申案)ということですけれども、平成20年12月9日付諮問第251号により、中央環境審議会に対してなされた「微小粒子状物質に係る環境基準の設定について(諮問)」について、大気環境部会に微小粒子状物質環境基準専門委員会及び微小粒子状物質測定法専門委員会を設置し、検討を行った結果、下記のとおり結論を得たので答申するということになりました。
 内容としましては、微小粒子状物質に関するヒトの健康影響に係る判定基準と指針について、別添1の微小粒子状物質環境基準専門委員会報告及び別添2の微小粒子状物質測定法専門委員会報告を了承するということになっております。これに基づき、微小粒子状物質に係る環境基準の設定にあたっては別表のとおりとすると。別表は裏面に記載しておりますので、後ほど説明させていただきます。
 なお、本環境基準の設定に伴う課題は次のとおりということで、四つの項目について記載されております。まず、1番としまして、大気汚染の状況を的確に把握するために監視測定体制の整備を促進するとともに、粒子状物質が様々な成分で構成されていることを踏まえ、体系的に成分分析を行う必要があること。2番としまして、削減対策につきまして、固定発生源や移動発生源に対してこれまで実施してきた粒子状物質全体の削減対策を着実に進めることがまず重要である。3番としまして、微小粒子状物質は、一次生成粒子のみならず、光化学反応、中和反応等によって生じる二次生成物質で構成されており、また、我が国では、人為的発生由来の影響が少ないと考えられる地域においても硫酸塩や土壌粒子などの粒子が相当程度含まれており、海外からの移流分も影響していると推察されるなど、発生源は多岐にわたり、大気中の挙動も複雑であると。このため、微小粒子状物質やその原因物質の排出状況の把握及び排出インベントリの作成、大気中の挙動や二次生成機構の解明など、科学的知見の集積について、地方公共団体、研究機関と連携をとりながら、関係事業者の協力を得つつ実施する必要がある。その上で、大気汚染の状況を踏まえながら、より効果的な対策について検討する必要がある。次に裏面に行きまして、4番としまして、国内の施策に加えて、近隣諸国の間で大気汚染メカニズム等に係る共通理解の形成を進めつつ、汚染物質対策に係る技術協力を推進する必要がある。以上のようになっております。
 別表としまして、環境上の条件と測定方法が挙げられておりまして、測定方法につきましては、濾過捕集による質量濃度測定方法又はこの方法によって測定された質量濃度と等価な値が得られると認められる自動測定機による方法とされております。
 次に、資料1-1をごらんください。
 「微小粒子状物質に係る環境基準の設定について(答申案)」に対する意見の募集の結果概要についてということでございますけれども、Ⅰ番の概要につきましては、ここに記載されているとおりでございます。
 Ⅱ番のご意見の提出数と内訳につきましては、合計で1万1,693通の意見がございました。複数の意見を提出していただいた方がおりますので、事務局で整理した意見数としましては、1万1,765件となっております。
 Ⅲ番のご意見の内訳としましては、まず(1)の環境基準の設定についての答申案に対する意見が合計1万1,688件、裏面へ移りまして、別添1の微小粒子状物質環境基準専門委員会報告に対する意見が合計51件、(3)の測定法専門委員会報告に対する意見が26件ですけれども、その内訳としまして、測定の基本的考え方についてが2件、標準測定法についてが7件、自動測定機の満たすべき基本的条件についてが4件、自動測定機の等価性の評価についてが5件、今後の課題が8件と。合計26件のご意見をいただきました。
 次にパブリックコメントの意見の概要と主な理由、それとそれに対します考え方につきまして説明させていただきます。
 資料1-2をごらんください。A3の大きいものとなっております。傍聴の方はA4です。ご了承ください。
 まず、測定法の基本的な考え方と標準測定法に関するものですが、1番としまして、報告案の2ページですけれども、「FRMは、水分や半揮発性物質の影響によるデータの差異を極力取り除けるよう細微まで規格化されている測定法」という表現がありまして、19ページの方に「我が国は湿度が高いなど気象条件が異なり、水分や揮発性物質の影響を受けやすいPM2.5の測定には困難が伴う」という記述があると。このような記述から、我が国におけるPM2.5の測定において、FRMとほぼ同じとすることが、エアロゾルであるPM2.5の実態として日本の測定環境条件の中で正しく測定できているかどうか疑問であるといった意見が出されております。
 それに対しまして、回答案といたしましては、ご指摘のとおり、大気中に浮遊している状態のエアロゾルをそのまま測定することが理想ですけれども、フィルタ法であれ自動測定法であれ、厳密には何らかに捕集した時点でエアロゾルの状態は変化しています。こういった状況の中で最も精度の高い測定法として、国及び地方公共団体の調査研究において広く用いられているFRMに準じた方法を標準測定法として採用していますと回答案を考えております。
 次に2番ですけれども、いわゆる1時間値の扱いに関する意見ですけれども、3行目位からですが、[1]1時間値の取り扱い(参考値または有効値)、[2]テレメータシステムなど即時把握の必要性の有無の2点について明記すべきであると。また、テレメーターシステムとの接続を前提とするのであれば、製造会社に対して必要な機能を有する機器の開発を促す必要があると。こういうことでございます。回答案としまして、報告案には、「1時間値については、現段階ではフィルタ法との等価性の確認が困難であるため、参考値として取り扱うことが適当であるが、発生源や長距離輸送による移流の影響を検討するためには、今後とも1時間値の精度の確保について検討が進められることが望ましい」と記載しています。その1時間値につきまして、環境省の大気汚染物質広域監視システム、いわゆる、そらまめ君というものですが、それによる積極的な情報提供についても検討されるべきと考えています。なお現在、開発・販売されていますPM2.5の自動測定機は、標準タイプですべて1時間値の記録及び出力が可能となっています。1時間値の取り扱いにつきましては、今後改訂が予定されております「環境大気常時監視マニュアル」にも記載されるべきと考えていますということです。
 次に3番に移りますけれども、PM2.5の粒子のフィルタの捕集特性については、装置内での管壁への吸着や流量の違いなど、装置全体の動的校正として、別途、規定することが望ましいということで、下の括弧の中に表現されています例が挙げられております。
 それに対します回答案としまして、今回の報告案は、測定における基本的な考え方や基本的条件について取りまとめたものでございますので、自動測定機の動的校正方法の詳細につきましては、今後改訂が予定されています「環境大気常時監視マニュアル」で定められるべきと考えていますとしております。
 次に4番でございますけれども、標準測定法における分粒装置の役割は、粒径2.5μm以上の粗大粒子を分粒しカットすることにあると。これに対しまして、粒径2.5μm以下の微小粒子の吸引口からフィルタ捕集部までの透過特性については、サブミクロン粒子・ナノ粒子などの微小粒子の拡散運動に伴う管壁への吸着、いわゆるウォールロスなどが誤差の大きな要因であり、分類装置のみで透過特性を評価することは適正でないということが記載されておりまして、下の方に、分粒装置の特性を変更することが望ましいとされておりまして、括弧書きで「分粒装置での50%分粒径が2.5±2.2μm、50%分粒径に対する20%分粒径の比で規定する傾きが1.2以下を満たすこととする。」というふうに意見が示されております。
 これに対する回答案としましては、PM2.5の測定用サンプラの規定を定めましたJISZ8851に、分粒装置の性能につきまして、そこにありますように「50%分粒径が2.5±0.2μm、80%分粒径に対する20%分粒径の比で規定する傾きが1.5以下とする」と規定されていることから、現在の表現のままとすることが適切と考えています。また、意見の中にあります、ウォールロスを最小限に抑えるための措置につきましては、報告案の方の資料2-1にございますが、9ページ一番下の(2)の部分に試料大気導入管の取付条件ということで、ウォールロスを最小限に抑える規定を記載しております。
 次に5番に移りますけれども、SASS(Speciation Air Sampling System)は、FRMサンプラと同等の粒子採取性能を持つことが示されているため、SASSを標準測定法のサンプラとして明記して欲しい。こういうご意見でございます。それに対しまして、回答案としましては、報告案の3ページから4ページに記載されております標準測定法が満たすべき基本的条件をすべて満たしていれば、標準法となります。学会誌などでFRMサンプラとSASSサンプラの同時測定結果による一致性を示す報告がなされておりまして、評価が確立しつつありますが、今後、その一致性がさらに客観的に認められるようになりましたら、FRMサンプラに準拠する方法の一つとしてSASSを実務上扱うことが可能となると考えますとしております。
 次に2ページに移らせていただきますけれども、6番ですが、報告案4ページの「FRMの規定を踏まえ、温度21.5±1.5℃、総体湿度35±5%とし、コンディショニングの時間は24時間以上」、「特に水分の影響を受けやすいPM2.5の測定においては、影響の小さい35±5%の条件の方が50±5%よりも秤量値の再現性が高い。」の記述について、当方の研究所では、相対湿度50±5%のコンディショニングにおいても再現性の高い秤量値が得られていると。そのことから考えると、「測定データの信頼性を確保するためには35±5%とすることが望ましい」という記述については掲載根拠に疑問を感じる。こういったご意見が出ております。回答案としましては、50±5%でも再現性の高いデータが存在することは承知しておりますけれども、35±5%の方が、吸湿や潮解による水分を極力排除でき、より再現性が高くなるため、35±5%としていますとしております。
 次、7番ですけれども、ほぼ同様の意見ですけれども、フィルタの恒量化条件が相対湿度35±5%とあるが、相対湿度50±5%の方が妥当であると思われますと。理由としまして、地方公共団体での施設の35%の湿度がほとんどないということ、あと予算が難しいということで、実際はマニュアルどおりにできるところはかなり少ないと思われるということ。あと環境が整わないままに現在のまま測定せざるを得ないということを書かれておりまして、あと50%の測定値と35%の測定値が混在する形で国内のデータが出た場合に、単純にほかの地点での比較ができなくなると。こういった理由が書かれています。回答案としましては、50±5%で多くの研究データが存在することは承知していますが、35±5%の方が、繰り返しになりますが、吸湿や潮解による水分の影響を極力排除でき、より再現性が高くなるため、35±5%としております。コスト面につきましても議論となりましたが、より正確な測定が必要との観点から、35±5%としております。なお、50%の測定結果につきましては、35%の測定と条件が異なるため、結果を比較する際には留意が必要と考えますというふうにしております。
 次に8番ですけれども、1μg感量の天秤を用いることが望ましいとあるが、10μg感量の天秤でも測定可能であると思われるということで、理由としまして、名古屋市のモニタリング結果では、最低濃度が4μgとなっておりまして、定量下限が4μg/m であれば100μgの秤量となるため、10分の1が測定可能であることが必要であっても、10μgの天秤で測定可能ということが記載されております。それに対します回答としましては、天秤の感度につきましては、定量下限値、いわゆる2μg/m 程度の環境濃度での2.5の捕集質量、24時間吸引、およそ50μgの精度を保証するという観点から1μgとしています。しかしながら、比較的濃度が高い大都市部の測定におきましては、10μg感量の天秤でも秤量は可能なことから、段階的整備を図っていくことも可能と考えますとしております。
 次の9番でございますけれども、試料大気導入口と粒子捕集部は鉛直管で連結させることとなっており、従来の大気汚染常時監視測定局における採取管、または集合管のことだと思いますが、採取管での試料大気の導入という方法が認められていないということで、その部分につきまして、下の方に書いていますけれども、現在の自治体における大気汚染常時監視測定局舎では、採取管により試料大気を導入している場合が多く、新たに局外にサンプラを設置することが困難であったり、天井を貫通させることが不可能な測定局舎が多く存在するためということが理由でが挙げられております。回答案といたしましては、PM2.5の場合は、SPMと比べまして対象となる濃度範囲が低いことから、配管への吸着などの影響を大きく受けることを考慮し、この規定を設けていますので、したがいまして、記載内容を変更する必要はないと考えますとしております。
 次に3ページに移りますけれども、自動測定機の満たすべき基本的条件ということで、PM2.5の測定については、米国ではフィルタの上にとらえて、その重さを測定するフィルタ法が標準とされていると。ただし、フィルタ法では連続測定ができないことから、連続測定ができる自動測定機が求められていて、そういった要請にこたえるものとして、TEOMという方法による連続測定が行われていると。このほかに「SASS」という方法があり、日本における測定結果からも、SASSはTEOMよりも標準であるフィルタ法に近い結果が得られているということが書かれておりまして、その下の部分には、SASSは50℃に加温するので過剰評価するというようなことが書かれておりまして、よって、標準法に近いSASSの測定値の方が信頼性が高く、この方法を採用するべきであると。仮に、TEOMを採用する場合には、濃度の過小評価を回避する有効な手だてをとるべきであると。こういう意見が出されております。回答案といたしまして、まず、上の5行の部分でこの報告の構成について述べた上で、6行目からですけれども、この部分の記載につきましては、先程の5番の回答との整合を図るために、「SASSはフィルタ法の一種であり、標準測定法との一致性を示す報告がなされ、評価が確立しつつあります。」と表現を改めたいと思います。そして、一方、TEOMにつきましては、50℃加温タイプのほかに、揮発の影響を低減するために検出部の温度を30℃にした別のタイプもあり、標準測定法との一致性が向上したことが認められていますと記載しています。自動測定機につきましては、今後行います並行試験の結果を評価して、標準測定法と等価な値が得られると認められるものを選定していくこととされていますと回答えています。

 次、11番ですけれども、自動測定機につきましては、その原理上、分粒装置がないものなども含まれると。また、等価性評価の試験方法にて分粒装置の性能についても担保されると考えられるので、3の(2)、この部分は自動測定機が満たすべき基本的条件の中の「分粒装置の特性」という部分でございますけれども、それは削除することが望ましいと。こういう意見が出されております。回答案といたしましては、ご指摘のとおり、分粒装置が必要ないものも存在しており、今後、さらに開発がなされることも想定されますが、これらの装置はJISZ8851の規定にある分粒特性を担保しているという保証はなく、また、標準測定法との等価性評価の結果のみから分粒測定が担保されることにならないというふうに考えております。こういった状況を踏まえまして、当該部分を以下のように修正しました。修正部分をまとめた資料がございますので、資料2をごらんください。A4の横長のものです。専門委員会報告(案)(平成21年7月)からの変更点ということで、左側に変更前、右側に変更後という形でまとめたもので、今の部分は一番上の11のところですけれども、太い部分が変更部分ということで、「分粒装置を有する機種は」以降になっておりまして、「また」として、「分粒装置を有しないものについて、上述の分粒装置の性能と同等の性能を有することが必要となる」と、こういうふうに変更しております。
 次に12番でございますけれども、標準測定法であるフィルタ法においては、日平均値(24±1時間捕集)を得るとされているので、自動測定機も同様に考えて、平均化時間を24±1時間にすることが望ましいと。例えばフィルタ法で23時間の連続捕集されたものと比較するときには、その捕集時間に合わせた23時間の平均化を行う必要があるとのご意見です。この回答案につきましては、10ページの部分のこの記載につきましては、常時監視に用いられることを想定しておりまして24時間としておりますけれども、標準測定法との並行試験を行う場合は、当然、平均化時間を合わせる必要がございますので、報告案の14ページ、4-3(1)イ(c)の部分でございますけれども、並行試験での自動測定機の試料採取時間については、「サンプラと同時並行運転された結果の平均値とする」と記載をしております。
 次、4ページでございますけれども、報告案の11ページの下から3行目、「水可溶性が高く吸湿性、潮解性を有する粒子が多く存在する」の部分からずっと続きまして、12ページの3行目までの「成分によっては無機塩と比べ低い相対湿度でも水分を取り込むと考えられる」の記述について、捕集されるPM2.5中に存在する硝酸塩や硫酸塩は、その存在比率によって吸湿性の度合いが違うことから、測定条件などの違いを踏まえた存在比率について明らかにしておく必要があるというので、そのデータは十分とはいえないと。また、ここでの「二次有機エアロゾル」とはどのような物質であって、例えばカルボン酸塩なのかアルデヒド類などであるのか、もう少し示すものを記述すべきであるというご意見が出されております。回答案といたしましては、吸湿性成分の存在比率に関するデータが不十分とのご指摘と思われますけれども、報告案では、過去に実施しました成分分析調査の結果に基づいて記載をしております。また、答申案に課題として記載しておりますけれども、今後、体系的な成分分析を行うことによりまして、さらなる知見の蓄積が進むというふうに考えております。「二次有機エアロゾル」の表現につきましては、代表的なものにカルボン酸がございますので、「カルボン酸等に代表される二次有機エアロゾル」というふうに変更しました。試料2-2の2段目の13番の方に、右の方に「カルボン酸等に代表される」という言葉を追加してございます。あと、成分調査の結果でございますけれども、いろいろありますけれども、参考資料としまして、川崎市におけます成分調査の結果を参考資料の方に追加をしました。参考資料20ページに、それを追加してございます。
 次、14番でございますけれども、並行試験の実施主体の件でございますけれども、13ページにおきまして、「当初は、環境省が中心となって行う試験・評価に自動測定機の各製造メーカーが参画する体制で行うことが適当」との記述について、当初とは何年ぐらいを考えているのかもう少し具体的に明らかにすべきであるという、こういうご意見ですけれども、回答案としまして、具体的な期間について明記していませんが、標準測定法と等価と見なされる自動測定機の選定の進捗状況と、地方公共団体における常時監視の整備状況を踏まえて判断されるべきと考えますと、回答しております。
 次、15番でございますが、13ページの記載で「2.5の成分調査の結果によりますと、硫酸塩は夏に高く、硝酸塩は冬に多い傾向が見られる」の記述につきまして、温度湿度の測定条件に注目して測定を行っているが、当方の研究所の調査において、試料採取管の間に酸とアルカリを塗布したデニューダーを装着して、アルカリとか酸を分離除去して測定すると今までと異なった結果が明らかになったということで、下の方にグラフで示されていますけれども、◇と□と△、下の3本ですけれども、これが通常の測定結果、右の○と※がデニューダーを使いまして酸、アルカリガスを除去してからはかった結果ということで、値が大きくなっているというような図面が示されております。回答案としましては、デニューダーの有無によりまして、測定される質量濃度に差が生じることは多く報告されていると思います。貴重な意見というふうに認識をしておりますが、今後実施される標準測定法におきましてデニューダーを装着して行うことは不可能と考えられますので、今後の研究に活用されるべき知見であると考えていますというように回答しております。
 次、5ページに移りますけれども、16番、14ページの1行目「異なる成分及び気象条件における測定への対応を評価する観点から、夏季と冬季の2回とし、実施場所については、低濃度域から高濃度域までの」というような、そういった部分の記述についての意見で、エアロゾルの高濃度を考えた場合、季節的には光化学スモッグが起こる初夏又は5月、6月及び大気の安定化する晩秋から初秋または10月、11月と、もう少し具体的に記述すべきであると、こういったご意見でございますけれども、この回答案としましては、ご指摘の部分は、標準測定法と自動測定機の並行試験を行うべき時期について記載した部分で、PM2.5の測定に影響を及ぼす要因が特徴的な時期を選定するというふうにしております。ご指摘のとおり、5月、6月はエアロゾルが高濃度になる傾向がありますが、この報告案におきましては、気温による揮発の促進や抑制による影響の差に重点を置きまして、夏季及び冬季というふうにしていますと回答しております。
 次に17番になりますけれども、17ページの例示で示しておりますFEMの評価方法の部分でございますが、Federal Register 40 CFRでは、「傾き」「切片」「相関係数」について数式で定義されており、並行試験結果の評価方法が明確でわかりやすいと。実際に等価測定法を詳説されるときには、数式を含めて記載した方がよいということで、要はxが何かyが何かということを明示した方がいいというご意見でございますので、この部分は標準測定法がx、自動測定機がyというふうに考えておりましたけれども、誤解も招くといけませんので、はっきりと、また資料2-2に戻っていただきたいと思いますけれども、裏面の方ですが、標準測定法と並行測定試験の結果から求められる一次回帰式の次に、括弧として(x:標準測定法、y:自動測定機)という表現を追加させていただきました。
 次、18番、17ページでは、標準測定法による測定値の変動係数とあるが、この変動係数と、9ページ中段の変動率(%)、参考資料の15から16ページにある変動係数は同じものなのかと。もし概念が異なるものであれば、適切な用語の定義が必要だと思われるということでなっておりますけれども、回答案としまして、17ページの変動係数も9ページの変動率、参考資料の表中の変動係数も、どちらも標準偏差を平均で割りました値で、同じ指標でございますので、表現を統一しまして、すべて変動係数という形で指標の表現を統一するということにさせていただきました。それも資料2-2の一番最後に記載しております。
 次、19番、ここから今後の課題の方に移りますけれども、監視体制の整備を促進するため、地方自治体に対して、PM2.5の測定機の整備費及びその保守費に係る補助金制度を設けるべきであると。理由として、新規にPM2.5の測定を実施することになれば、投資的経費及び経常的経費が増大することになるということが書かれておりまして、あと、類似意見としまして、十二分な予算措置をとった上で、自治体と連携して測定体制整備を早急に進めるべきであると。また、PM2.5の調査地点を全国すべての一般局・自排局に拡大し、測定監視体制を強化すべきであると。また、沿道の高濃度と思われるところを測定地点にすることとあわせ、自治体職員みずから測定する体制を確立する人の配置、予算措置を講ずるように措置すべきと。こういったご意見がございました。回答案としましては、答申案の課題でもお示ししたとおり、微小粒子状物質の設定にあたっては、すいません。単語が抜けています。微小粒子状物質の基準の設定にあたっては、監視測定体制の整備を促進することが重要であると考えており、今後、地方公共団体における監視測定体制の充実が必要となりますが、そのためには、地方公共団体に対する何らかの財政措置が行われることが望ましいと考えます。としております。
 20番ですけれども、今後の課題のところですが、全国一律の基準設定を行った場合、「大気汚染防止法第22条の規定に基づく大気の汚染の状況の常時監視に関する事務の処理基準について」に定める「測定局の数及び配置」の測定局数を設置するとなると、地方自治体に多大な負担を強いることになると。全国一律の基準設定の見直し、事務処理基準の見直し、もしくは測定機設置に係る国の補助制度が必要と考えると。こういったご意見でございました。回答案としましては、ご指摘の点につきましては、今後予定しております、今挙げられました事務の処理基準の見直しの中で検討されるべきと考えております。また、上と同じですけれども、地方公共団体における監視体制の整備のためには、何らかの財政措置が行われることが望ましいと考えますとしております。
 次に6ページに移りますけれども、PM2.5は、その定義上現在のSPMの一部に位置づけられるため、PM2.5の環境基準を設定し常時監視を開始するにあたっては、SPMの測定の必要性について早急に検証すべきであると。また、PM2.5の事務処理基準の設定を行うにあたって、SPMにあわせて見直しを実施し、地方自治体の負担が単純増にならないように配慮すべきであると。こういったご意見でございました。回答案としましては、今後予定されています大気汚染防止法第22条の規定に基づく、いわゆる事務の処理基準の見直しの中で検討されるべきと考えていますとしております。
 次の22番でございますけれども、PM2.5の測定において、自動測定機の精度管理を実施し、測定値の信頼性を確保することは重要であると。しかし、運用に係る業務や費用が現在のSPM測定機に比べて明らかに増加することになれば、測定機の整備において大きな障害となると。今後、「環境大気常時監視マニュアル」の改訂に際しては、地方自治体の負担ができるだけ小さなものとなるように配慮されるとともに、仮に本文にあります「リファレンスセンター(仮称)」が整備されるのであれば、地方自治体が利用するための費用負担を軽減し、自治体が測定機の動的校正などの精度管理事務に利用しやすい環境を整備すべきであると。こういうご意見でございました。回答案としましては、今後予定されます「環境大気常時監視マニュアル」の改訂と「事務の処理基準」の見直しの際に検討されるべきと考えていますと。また、「リファレンスセンター(仮称)」の整備にあたりましては、地方公共団体の精度管理に資するものとなるよう検討が行われるべきと考えますとしております。
 23番以降は、答申案の中で測定法に関係する部分についてでございます。
 まず、23番でございますけれども、別表に定める1年平均値を標準測定法で測定する場合、年間平均する日平均値の最低測定日数はどのように定めるのか。また、答申案別表に定める日平均値を標準測定法で測定する場合、何時何分から何時何分までの測定でもって、その日の平均値とするのかと、こういったご意見でございますけれども、回答案といたしまして、従来より、大気汚染防止法の規定による特別の排出基準を定めるために必要な、大気環境の測定に必要な年間の有効測定日数や、常時監視における有効測定時間は250日間(=6,000時間)とされていますので、年間の最低測定日数は250日と考えております。また、自動測定機を用いる場合は、1時のデータから24時のデータの平均をその日の平均値としていますが、標準測定法の場合は、作業性等を考慮しまして、任意の24±1時間とすることが適当と考えますとしております。
 次、24番でございますけれども、答申案の課題について、いわゆる「体系的に成分分析を行う必要がある」との記述ですが、「体系的に」とは何をどのように成分分析を行うのかよくわからないという意見でございます。回答案としましては、微小粒子状物質の成分濃度の分析は、当該地域におけます発生源の推定、成分機構の解明、対策効果を見る上で重要と考えますと。具体的には、その下に記載しております項目につきまして、当該地域を代表し得る適切な測定局で測定することが望ましいと考えますと。この成分濃度の測定について、国が地方公共団体、研究機関などと連携をとりながら実施することを想定していますと。こういった回答案としております。
 25番ですけれども、これは発生源の方の測定の話でございますけれども、測定ということで意見が上がっております。微小粒子状物質やその原因物質(凝縮性ダストを含む)の排出状況の作成及び排出インベントリの作成にあたっては、発生源における測定方法についてJIS化するなど標準化していただきたいと。こういったご意見でございます。回答案としまして、発生源における測定方法につきましては、現在試験的に行われている方法に加えまして、近い将来標準化が予定されている測定技術等も勘案し、確立していく必要があると考えていますと。
 最後、7ページになりまして、26番、これも類似のご意見でございますが、排出状況の把握のためには、まずは正確な測定方法や凝縮性成分の評価についての検討を行い、排ガス中の微小粒子状物質の測定方法を公定法として明確にすべきであるということで、回答案としましては、上の4行は先ほどの25番の回答と同じにさせていただきまして、理由のところに、カスケードインパクター方式とか、バーチャルインパクター方式とか、そういった具体的な方式名を挙げられておりますので、ご指摘の各手法につきましては、それぞれの長所及び短所についての研究成果等を踏まえ評価していくべきと考えていますと。こういうふうにしております。
 以上でございます。

【坂本委員長】 ありがとうございました。
 それでは、ただいま説明いただきました意見及び回答案並びに測定法専門委員会報告の変更案について、順番にご審議をいただきたいというふうに思います。
 まず、基本的な考え方と標準測定法について、パブリックコメントの意見は1番から9番でございます。ここにつきまして、まずご意見をいただき、そしてその後、自動測定機の基本条件と等価性評価、これは10番から18番、そして残りの部分というふうに、3分割してご意見をいただこうというふうに思います。
 それでは、まず1番から9番までのところにつきまして、ご意見ございましたらお願いいたします。
 どうぞ、溝畑委員。

【溝畑委員】 何回か前にもちょっと質問させていただいたんですけれども、この中に出てくるSASSとか、要するに米国メーカーの製品の性能、もちろんそれはそれで結構ですけれども、それをそのまま日本の規格に合わせたときに、一緒だからそのまま認めるんですかということで、ちょっと前回か前々回に質問させていただいたんですけど、そのとき、非関税障壁のことがあるのと、具体的には、恐らく、私は日本で決めたやつは日本でちゃんとチェックするべきだと思うので、そのまま認めるということではないと思うんですけれど、その辺の考え方というのは、ちょっと整理してもらった方がいいと思うんですけど、その辺はどうでしょうか。

【坂本委員長】 じゃあ、事務局の方からお願いします。

【西村大気環境課長補佐】 前、ご指摘になりました非関税障壁のことにつきまして、現在調べておりますけれども、どうも日本は日本、米国は米国ということで、例えば同じ機種について何らかの認定あるいは選定ということをとった場合に、向こうで合格だったものがこちらでそのまま合格ということにはならなくても全然オーケーというような、まだ最終段階までの確認はできておりませんけれども、そういった、要は別の評価でしても全然問題ないというご回答を担当者の方から得ております。

【坂本委員長】 よろしいでしょうか。

【溝畑委員】 はい。

【坂本委員長】 こちらの方でデータを見て、判断をして考えるということになろうかと思います。
 どうぞ、そのほかご質問、ご意見ございましたら、お願いいたします。
 はい、どうぞ、森委員。

【森委員】 7番についてなんですけれども、意見を寄せられた方は、フィルタの恒量化条件は35%なんですか、50%なんですかと。理由としまして、地方の環境研究所では35%を管理できる施設を整備するのが無理です、実際的には難しいというふうな趣旨で、こういったご意見を書かれております。それに対します回答案なんですけれども、あくまでも35%だよということで、この委員会の結論としては、標準法の管理の方法としては35%ということのご回答なんですけれども、これだと、それじゃあ地方環境研究所に35%の設備を整えなきゃいけないのかなというふうに受けとめられる形になっていると思うんですね。それで、この7番の意見を寄せられた方は、標準と自動測定機の比較を地方環境研究所でやるというふうな前提で意見を寄せられております。ところが、そこが自治体の立場としては非常に一番心配なところ、財政負担もあって心配なところなんですけれども、この委員会の中での環境省からのご説明を聞いておりますと、報告書案の13ページにも書いてございますが、当面は環境省さんが中心となって、全国のある場所で標準法と自動測定機の各メーカーの同時並行試験をやって、等価だというふうなお墨付きのものを機種認定した形で、あとはメーカーさんの責任で、等価であるものを大量生産したものを自治体に導入するというふうなイメージというふうに聞いておりますが、その辺をご説明しないと、非常に、全般を通して、自治体の方で財政負担が生じるということでご心配の向きに、ちょっと答えている内容にはなっていないなと思うので、できる範囲で標準との等価の評価については直ちに地方自治体が、環境研究所が行うことは考えていないというふうな要素を加えるべきと考えますが、いかがでしょうか。

【坂本委員長】 これは別のところにそういった記載が十分あると思うんですが、事務局の方から、まず何かあれば。

【西村大気環境課長補佐】 今、森委員がおっしゃったように、この部分には多分二つの意味がございまして、一つには自動測定機と標準測定法の等価性評価の問題、それにつきましては、先ほど言いましたように、当分の間は環境省が選定していくと。あと別途、自治体さんの方で調査研究を目的としたフィルタ法での測定というのを行っていると思いますので、その部分のこともおっしゃっているのかなというように受けとめておりますので、等価性評価の部分につきましては、そういった表現をこの部分に追加することは可能かと考えておりますが、調査研究を目的としたフィルタ法の場合は、やはり書いていますように、35%の方が正確ということを書いておくというふうに、そこでとめざるを得ないというふうに考えております。

【坂本委員長】 どうぞ、指宿委員。

【指宿委員】 今のところなんですけれども、この意見の方も考え方の方もちょっとあいまいになっているんです。その中身は、再現性が高くなるという表現と、それから正確な測定という二つの表現があって、再現性が高いのは、値が絶対値として正しくなくても再現性が高いということがあるわけです。それに対して、正確といった場合には、その値自身がしかるべき値になっているかどうかという、そういうことを意味しているので、この答え方では少しあいまいになってしまって。例えば35±5%にやっておくと再現性があって、なおかつそのときに得られた質量が50%でやったときとは違う、そして35%のときの方が正しいんだという、そういう主張をしていることになるんですけれども、それが実際のFRMのときのデータとしてあるかどうかということを示さないといけないんじゃないかなと思うんですけれども。

【坂本委員長】 これは溝畑委員にも関連しておっしゃっていただいた方がいいかなというふうに思いますけど。

【溝畑委員】 基本的にPM2.5をアメリカで決めるときから、もうこれは非常に大きな問題で、もうちょうど決まった直後ぐらいに私がアメリカへ行ったときに当事者から聞いたんですけれども、何でそんなのが問題になるのかなというふうにその当時は思ったんですけれども。実際に今、指宿委員の方からご指摘があったように、再現性だけですと、50%をやっても、それはそこそこにいくんです。ただし、35%を比較したときにどこが違うかといったら、明らかに水分の影響をげたを履いた形で50%の場合は出てくるということがまず1点、非常に大きな点ですよね。
 それと、潮解性のある物質がありますと、どうしてもヒステリシスがあるので、そのサンプリングしたときの条件によって再現性のない結果になってしまうと。これは私の方がもう大分、4、5年、もっと前にチェンバーを使ってそれをやった結果でかなりの範囲の中に入ってくると。それは80%まで湿度を上げて戻してくると、明らかに下から湿度を上げていたときと差があって、だからそのヒステリシスのカーブの中のどこかにしか入ってこないということになってしまうわけですね。
 ですから、指宿委員がご指摘のように、まず絶対量の差があるのと、それからはかる条件によって値がばらつくという、その2点があるということなので。おっしゃるとおり、きちっと書こうとすれば、そういうことを説明せんといかんということだと思います。

【坂本委員長】 今のご意見、特に正確な測定というところと今の再現性とはあくまで意味が違うことがここの場合では書いてあってと、そういうこともあろうと思います。今、溝畑委員と、それから指宿委員がおっしゃられたような形で、少し文章はここは書き変えるような形で事務局とともに検討をさせていただければというふうに思います。
 非常にPM2.5の場合は難しいのは、別のところにも書いてございますが、大気中に浮いている状態のものを私たちが正確に質量をはかれる方法が今あるかといったら、私自身、あるかと聞かれたら、ないというふうに言わざるを得ないですね。それで、それは、ただしそうは言っても、どのくらいのレベルであって、そういったものが繰り返しはかった場合にどのくらいの値が得られるというようなもの、どうしてもフィルタの上に集めることによって存在状態を変えてしまうというようなことがあるところは、もうやむを得ない部分が一部あるのではないかということで。特にそこのところを厳密に言うと、正確という表現は非常に誤解を招きやすいところになるのかなというふうに思いますので、今、指宿委員、それから溝畑委員からいただいた意見を考慮いたしまして、事務局と相談をさせていただきたいというふうに思います。
 どうぞ、そのほかご意見ございましたら。
 どうぞ、まず岩崎委員、お願いします。

【岩崎委員】 今の意見にも関連するんですけれども、基本的にはやはり湿度35%か50%かというのが一番大きな課題で、この委員会、最初のときからそういう問題が出たと思うんですけれども、私自身は、現時点で35%のこの基準でまずスタートを切って押し通すということは賛成で、進めるべきだと思います。ただ、幾つか危惧しなくちゃならないことがあって、先ほどから出ていますように、7番の質問で、そういう地方自治体でそれだけの施設を持っているところがないと、少ないというのは、非常に考えさせられてしまいます。やはりアメリカで出されている全体的な大気の湿度と日本の湿度は違うという、湿度がやっぱり日本の方が高いということの問題があります。
 それから、あとあまり計測時の湿度濃度を変えていいのかというのは、疫学調査との関係で、疫学調査の測定どういうふうにやられたのかというのが一つ比較しなちくゃいけないだろうと。これから自動測定機の結果との関係も出てくるだろうと。そういうものを踏まえて、やはり今は35%でスタートすることは私も賛成ですけれども、報告書の19ページの下に「見直しを行うことが望ましい」という、この辺のところをどう考えるか。そして、19ページのまとめの今後の課題のところの一番最後は、これは自動測定機について見直しすることが望ましいと書いてあるのか、途中で「また」と、下から3行目、「また、PM2.5の測定については実績がないことから」というところで、フィルタ法に関しても多少そういうものが読み取れるのか、その辺がちょっとわからない。どちらにしても、回答に入れる入れないは別として、やはりとりあえず35%で、現時点では早急にやりたいということもありますのでスタートして、その後、いろんな事情をまた検討して、いつか見直しを入れていくというところにつなげてほしいと思います。

【坂本委員長】 ありがとうございました。
 先ほど小林委員が手が挙がっていたと思いますが、お願いします。

【小林委員】 ここで議論する話ではないと思うんですが、いわゆる地方自治体での費用負担がどうかという話で、そのときに、先ほどちょっとご説明の中で、実際に自動測定機の標準化というか、認定にあたっては国の方で全部やるということにはなっているんですが、実際にその自動測定機を各地方自体が入れて運転を始めた段階で、例えば市民の方から各地方自治体に対して、この自動測定機がきちっと運転し測定がなされているかどうかについて、標準法でクロスチェックをすべきではないかという指摘があった場合、どう答えるかという問題があるんですよね。
 このときに、例えば自動測定機がそれほど運転上測定変動が起こらないのであれば、別にクロスチェックの問題についてはそういうふうに説明すれば済むんですが、よく過去にあった例は、そういう指摘があったときに、こういう委員会では、国の方でいわゆる機種選定の段階できちっとチェックしますと言っておきながら、実際の質問が出たときに、「いや、それは地方自治体でクロスチェックが必要ですよ」と答えてしまわれる方がいるんですよね。このときに、地方自治体側ではバンザイするということが起こりますので、この辺だけはきちっと記録に残していただいて。いわゆる、自動測定機の標準化のところできちっと、標準化というか、クロスチェック認定のときにきちっとしましたので、地方自治体では、そういう標準法によるクロスチェックは義務づけてもいないし、必要性がありませんという言い方をしていただかないと困るということがあると思いますので、その辺だけはぜひお願いをしたいと思うんです。

【坂本委員長】 ありがとうございました。
 今のことにつきましては、まずリファレンスセンターのようなところで等価性を認める。そして、非常に等価性が高いという形で認められたものが機種として認められ、それが一般にモニタリングに使われていく。場合によっては、そういった今、小林委員がおっしゃられたような疑問ができたときには、例えばリファレンスセンターで認められている測定機とそれを並行運転するような形で、いわばチェックというような形でとか、そういったものができるような形になっていけば、非常にそういう今のようなところもうまくいくんだというふうに思います。そういう意味で、今後のリファレンスセンターをどういった形でつくっていくか、そして、その運用面をどうしていくかというのが、今後の環境監視をやっていく上で非常に重要なところになろうかと思いますが、今のご指摘は、そういうこととして受けとめさせていただきたいと思います。ありがとうございました。
 どうぞ、そのほかございましたら。
 はい、三笠委員、どうぞ。

【三笠委員】 今のリファレンスセンターの話のところは、例えばSPMなどはマニュアルにも、標準測定法とチェックしなさいということが書いてあります。それが多分、小林委員の疑問のところにつながっているんじゃないかなと思います。
 それで、ちょっと違うんですけれど、3番の標準測定法、ページ3からというところで、動的校正法を別途規定することが望ましいというふうに書いてあって、マニュアルの方で自動測定機の動的校正の詳細を定めるというふうに書いてあるんですけれども、原則的に、この動的校正というのをユーザーが実施するのかしないのか、その辺のところの議論というのはあまり今までもなかったかなと思います。SPM自動測定機については、今言ったような標準測定法とのチェックをしなさい。動的校正については、メーカーの方で自動測定機についての検量線を作成するというのはあるんですけど、その辺について、この書きぶりでは少し誤解が出るんじゃないかなと思います。

【坂本委員長】 ありがとうございます。

【西村大気環境課長補佐】 2回目ぐらいの委員会のときに、資料の中で、標準測定法のいわゆる動的校正のことを一緒に資料として提出したことがありまして、それについては常時監視マニュアルで決めていく事項だというようなことがあったかと思いますけれども、確かに動的校正という言葉と並行測定というのはちょっと違いますので、そのあたりを整理しなくちゃいけないということはまず一つあります。
 あと、今の委員がおっしゃいました、本当に現場での標準測定が必要なのかどうか。あるいは今、坂本委員長がおっしゃっていたように、最初に認めたものを現場まで持っていけば、ほぼそれでオーケーとするのか、その辺をですね。あと、途中での議論もあったと思いますが、等価性が高いとして認めたものを現場で使っておられて、そこに等価性が高いと思われている自動測定機を持っていって、その測定機同士で比較するといった、いろんなバリエーションがこれは考えられますので、そのあたりにつきまして、マニュアルの検討の中で整理していきたいというふうに考えております。

【坂本委員長】 ありがとうございました。
 どうぞ、溝畑委員。

【溝畑委員】 回答案の方の「自動測定機の動的校正法等の詳細については」ということは、私は多分無理だと思うんですよね。現場にしてもそうですし、動的校正自身が無理じゃないかと思うので、この辺のことはあまり書かない方がいいんじゃないかというふうに私自身は思いますね。

【坂本委員長】 ありがとうございました。
 今のことは、多分、標準粒子を発生させてやる方法と、それからもう一つ議論になっていたのは、同一の大気を使ってやるという、いわば並行測定というふうにむしろ言った方がいい部分とが混同された形で書いてあるんだというふうに思います。ここにつきましても、今いただきました意見を考慮して、回答につきましては考えさせていただきたいというふうに思います。
 そのほか、いかがでしょうか。
 よろしければ、あと9件ぐらいずつございますので、次のところへ移らせていただきたいというふうに思います。
 次は自動測定機の基本的条件と等価性評価についてということでございますが、10番から18番がこれに相当いたします。ご意見等、いただければと思います。
 先ほど10番のところで、説明のところで、ややこの意見に対する考え方、回答のところで、第2段落目「SASSは標準測定法の一つとして扱うことが可能と考えています」というのは、前の5番と同じような表現というふうに先ほど説明のところで修正があったかと思いますが、そういったことでごらんをいただければというふうに思います。
 どうぞ。

【溝畑委員】 10番のところでTEOMのことについて書いてあるんですけれども、6月のアメリカのEPAの官報で、TEOMにFDMSつきの標準、要するに自動測定機としての標準として認められたというのが出ていますので、どこかにも揮発性のどうのこうのと書いてありますけどそういう、だから、この形のもので認められたということじゃないということなので。その辺、書く必要があるのかどうか知りませんけれども、それもあるということ。ただし、これも先ほどの言い方ですと、日本できちっと標準法と比較してということなんだと思いますので、それはそれで結構なんですけれども。

【坂本委員長】 ありがとうございました。
 今のお話は、ここでは50℃に対してそういう問題を指摘されたのに対して、30℃ということだけが書いてあるけれども、もっと別の形で、湿度の問題についても対応できるような装置ができているので、それも書き込んでおいた方がいいのではないかと、そういうご意見かと思いますので、ここもまさにそのとおりというふうに思いますので、事務局と相談をさせて、そういった部分も書き込むような形で対応させていただきたいと思います。
 どうぞ、そのほかございましたら、お願いいたします。
 どうぞ、内藤委員、お願いします。

【内藤委員】 今の10番のSASSの話なんですけれども、私も何回目かの委員会でSASSは高目に出るんじゃないですかと質問して、そんなことはないですという回答があったかと思うんですけれども。ただ、平成20年12月の測定方法の32ページ、33ページですかね、これで散布図が出ているんですけれど、これを見る限りでは、SASSは7%から11%高くなっていますよね、FRMより。これでいくと、FRMが14のときに16ぐらいの値になって、アウトになっちゃうんですね、SASSだと。これを等価とみなせるのかどうかという話がちょっとあると思うんです。例の傾きからいくと合うんですね、これは。合って、オーケーなんです、確かに。合っているんですけど、微妙に高くて、すれすれの値では多分アウトになるんですね。

【坂本委員長】 これにつきましては、先ほどの5のところをごらんをいただきたいと思いますが、そういう「同時測定の結果による一致性を示す報告がなされ評価が確立しつつありますが、今後、その一致性がさらに客観的に認められるようになればFRMサンプラに準拠する方法の一つとしてSASSを実務上扱うことが考えられます。」という形で、これは今の状況でSASSがそのまま標準法として使えますよという断定をしているわけではございません。まさにおっしゃられるように、いろんな部分が、まだ少し考えなければいけない部分があって、その場合、FRMとの等価性がもっと積み重ねられた結果、そういったところへ至ればという現時点では表現になってございます。ご指摘、ありがとうございました。
 どうぞ、そのほかございますでしょうか。
 どうぞ、内藤委員。

【内藤委員】 ちょっと、それで話が少し戻っちゃうんですけれど、先ほどの35と50でも、多分、1割ぐらいの増える増えないという程度だったと思うんですが、そうすると、1割はオーケーという形でこれを書いていくのかということなんですけどね、回答の方。8番の方では、例えば10μgの天秤は必ずしも駄目でない書き方がしてあるんですね。段階的整備みたいな。でも、35についてはもう譲れない条件として回答しているんですね。でも、何か留意すればいいような文章も入っていて、最大何%ずれますよぐらいな書き方をしてもいいような気はしたんですね。何しろ平成12年に暫定マニュアルで50%というのを環境省が出しているわけですから。10年間、地方自治体はデータをとってきたわけですよね。それも全部何かパアになるような書き方もどうかなと思っているんですが。その場合に、じゃあ、許容範囲としてどれくらいまでオーケーなのか。ですから、さっきのSASSは書き方が変わるんですけど、実際は、あれは許容範囲に入るんですよね、新しいマニュアルでいくと。その辺の書きぶりというんですかね、許容範囲の書き方が何かもうちょっとあってもいいのかなという気はしているんですけれど。

【坂本委員長】 少し相対湿度のところと天秤のところは意味合いが違うかなという。

【内藤委員】 ええ、違います。

【坂本委員長】 天秤のところは、絶対値として濃度がどのくらいのとき、どのくらいになりますよと。それから、相対湿度の35と50%のときには、質量に関係なくそういう影響が出るということであって、例えば非常に質量が大きくなってくれば、多分、湿度の違いも大きくなってくるとか、そういうようなところの問題があって、今、一律に何%というような形で議論をするものとはやや違うかなというのは私の感覚なんですが。
 いかがでしょうか。ほかの委員の方々。
 どうぞ、指宿委員。

【指宿委員】 多分、その測定値の差が系統的な誤差なのか、ランダムな誤差なのかという、その違いですよね。系統的な誤差のときに、じゃあ、思い切って、常に10%高いから10引いて値にするんだとか、そういう議論をしようとしていると思うんですけれど、2種類の誤差なので、その二つを一緒にするのは難しいなと思いますが。

【坂本委員長】 ありがとうございます。
 あと、その一方では、内藤委員がおっしゃられた、今まで暫定マニュアルでそういった形で測定がされ続けてきているということは、まさに事実でございますので、そういったところをより過去のデータを活かせるようにするためには、何らかの形で、相対湿度が35%と50%での違いがどういう形で季節別にあるか、それから成分の結果も見て、そういうデータを補強することによって、過去のデータも活かせるような形にする調査が必要ではないかというようなご意見というふうにもとれますので、そういうところも、これはむしろ国として、今後のいろいろな調査研究をやっていく中でお考えいただければいいのではないかというふうに思います。
 どうぞ、そのほかございますか。
 もしよろしければ次のところへ移って、最後にまた全体に戻った形でご意見をいただく場を設けたいと思いますので。
 それでは、続きまして、最後の残った19番からでございますけれども、まとめと今後の課題、それから答申案についてというところにつきまして、ご質問、ご意見等いただければというふうに思います。
 はい、どうぞ、小林委員。

【小林委員】 少し技術的な話じゃなくなってしまうのであれなんですが。まず一つ目が、19から21のところで、地方自治体の財政負担の問題が書かれているんですが、これの意見に対する考え方の中で、「地方自治体に対する何らかの財政措置が行われることが望ましいと考えます」という言葉がすべてに書かれているんですが、要するに環境省からの補助金なり交付金なり、何らかの措置が必要だというのが意見の方の概要でして、そう考えたときに、実際に環境省として、そういう財政措置がとれるんでしょうかということなんですね。もしとれない、全く制度上とれないんだったら、この考え方というのはちょっとまずいと思うんですよね。これをどう考えるかなんですが。何か委員会として空手形を出してしまうというおそれがあるので、ちょっとどうするか。というのは、今の地方分権制度の中で、そんな補助金は要求できないと思うんですよね。この辺、どう考えるかというのが1点です。
 ちょっと、全部言ってしまいます。
 それから、あと24番のところで、質問が、体系的とは何かという質問があって、それに対する考え方が書いてあるんですが、この最後の3行が「体系的」というふうに読めるんですが、もしこの3行の説明、「国が地方公共団体、研究機関と連携をとりながら実施する」と、これを体系的というふうに解釈するとしたら、ちょっと体系的という言葉は合わないような気がするんですね。別の言葉ではないかと。私自身、ここで体系的と書いてあるのは、分析成分を体系的に分析するというふうに私は読んでいたんですが、ここの説明では違う説明になっているので、これはどうなのかなと。もしあれだったら、この下の3行は切ってしまうというのも一つの手かなという気もしますし、もし本当に国と地方自治体が連携してこの成分分析の調査研究をやっていくと言われるのであれば、ちょっと体系的という言葉は直した方がいいのかなという気がします。
 それから、最後の25から26の部分で、いわゆる排出源に関する測定法の標準化ということが質問にあって、それについては検討が必要だというふうにお答えをしようとしているんですが、だとしたら、これは必要だということを答申の今後の検討の中に書くべきではないかなという気がするんです。書くのならば、少し文章を追加して、答申案分に「今後、より排出源の測定法についても検討を進めるべきである」ということを書くべきだと思うし、もし、今回の環境の測定法の議論なので、それは別だと言われるのであれば、ここで「必要です」という言い方をしないで、これは別途、「今後、排出源に対する測定法が検討されると考えられるので、そこで検討をすべきである」というふうな表現にした方がいいのではないかなと思うんですが、いかがでしょうか。

【坂本委員長】 ありがとうございました。
 今のは3点あったと思いますけれども、事務局の方から、まず関連して言えることは、微妙な表現になるところもあろうと思いますけれども、お願いします。

【西村大気環境課長補佐】 まず、財政措置の話ですけれども、ご存じのとおり、地方分権で平成13年位からか補助金がなくなりまして、その後、交付税とか交付金という形になっております。普通に考えたら普通交付税の中に入り込んでくる部分ですので、その部分に盛り込んでいけることを今模索している段階でございます。支援につきましては。ですから、今の段階で環境省として確信を持ってマルともバツとも、今の段階ではちょっとはっきり、まだ、今進行中でございますので、言えない段階でございます。
 あと、二つ目の体系的なという部分ですけれども、これは何度か議論がありましたけれども、昔、国設局の方で成分分析を結構やってきて、何年か前にやめてというようなこともございましたので、そういったことも含めて、ここにこういう表現を、要するに、国と地方公共団体と研究機関がネットワーク的なものを組んで、その成果をまた一つの場所というか、それは会議でも何でも、ホームページでもいいんですけれども、上げていくような形のことを想定して、こういった回答案になったんですけれども。下3行につきましては、「体系的」という言葉が国設局イコールでもないので、ちょっとまた、どういうふうにするのか、もうちょっと考えさせていただきたいと思います。
 あと、発生源の分析方法につきましては、確かにこの段階では「別途検討していく必要がある」というような書き方に変えるのが望ましいのかなというふうに僕個人は思いますけれども、皆様、どんな感じでしょうか。

【坂本委員長】 ちょっと待ってください。今、最初の1点目につきまして、ちょっと課長の方から補足をしていただきます。

【山本大気環境課長】 財政措置に関しましては、ぜひ、この専門委員会として、措置が行われることが望ましいという意見を出していただいて、地方交付税の制度を所管している総務省に対して、私どもとしては、専門委員会の方からも、こういう意見をいただいているということを根拠に、強く要望していくということにしたいと思っています。ぜひ、これをこういう形でまとめていただいた上で、今後、地方交付税で措置できる方向で環境省としては努力していきたいと思っています。

【坂本委員長】 ありがとうございました。
 どうぞ、若松委員。関連するところですね。

【若松委員】ええ、はい。今の2点目と3点目に関してなんですけれども、この成分分析に関しては、私かなり意見を述べたので、ちょっと私のイメージをお話ししたいと思うんですけれども、体系的にやはり必要であって、それは測定項目とか測定方法だけではなくて、例えば空間的・時間的な比較可能なデータをとっていくという意味で、体系的という言葉かなというふうに私は理解していたんですね。だから、そういったモニタリングのネットワークをつくるという組織的な話ももちろんあるんですけれども、そこでどういった手法を使って、どういった場所で、どういった期間、データをとって比較するかということをトータルに決めていかないと、例えばシミュレーション結果との比較はできないということを私自身は考えています。
 それから、この発生源についてなんですけれども、若干、ここで書かれているのは、固定発生源についての記載が多いんですけれども、例えば車から出るこういったPM2.5に関しては、多分、今現在は、温度とか湿度の考慮条件というのは、これとかなり違うはずなんですね。そういったものを使って発生源のデータをとって、それを使って例えばモデルならモデルに入れて計算した結果を比較する場合に、若干、その間で差が出るわけですので、そういったものとすり合わせというか、その辺についての検討というのはぜひ必要かなという気がしますので、今後の重要な取組課題として記載しておくべきかなという気がします。
 以上です。

【坂本委員長】 ありがとうございました。
 先ほどの2点目、3点目について、私の方から少し申し上げさせていただきますと、まさに成分分析をする場合に、例えばどこでもできるような分析と、それからそうでないものがございます。それで今回、PM2.5につきましても、越境汚染の問題や、そういったものを考えた場合に、非常に、例えば同位体分析等々では、機械として高価なものとか、それから試料としてたくさんいるようなものとか、そういったような分析と。それから日常的に質量として何が占めているような形を考えるような分析と、それから今、若松先生がおっしゃられたような、シミュレーションをした場合に時系列変化がどういった形でとられてくるかとか、幾つかそういう形の成分分析が必要であろうということと、そういうものを継続的にとることが、果たしてそれぞれどこの研究機関等々でできるのかというようなことを考えた場合に、先ほどこちらの事務局の方から申し上げた、いわば国設の属性の違うような測定局ができて。例えば、これは酸性雨の測定局はそういった目的からつくられた経過がございますけれども、そういうようなことが先々必要になってきて、そういうことも考えるべきであろうということで、第2段落目が書いてあるという意味で、体系的というのは二つのところが入っているというふうにご理解をいただければというふうに思います。それにつきましては、もし誤解を招くようであれば、文言を少し検討させていただきたいというふうに思います。
 それから、第3点目の発生源のデータにつきましては、まさに今、若松委員が最後におっしゃられた形のシミュレーションをする場合に、環境中と、それから発生源のところで集める方法なり、それから温度条件等々が違っては、結局、あわせることができないエミッション・インベントリができてしまうというようなことで、こちらでも必要なんですが、そちらの方は対策の方に主として絡まってくるというようなこともございますので、先ほど事務局の方が申し上げたような形で、当然、大気中の濃度を考えた形で、対策を進める場合も発生源なり何かの測定方法というのは決められなければいけないわけですけれども、別途検討というような形で、少し文言を修正をさせていただくような方向で検討させていただければと思いますが、そういうことでよろしいでしょうか。
 それで、これは環境中のものに発生源のデータが必要でないということを言っているわけではございませんで、今まさに私が申し上げたこと、それから若松委員の方から話がございましたように、こちらの方にとって必要なデータを発生源の方でちゃんととってもらわないと困るというようなことで考えさせていただければというふうに思います。
 どうぞ、そのほかご質問、ご意見ございましたら。はい、どうぞ。

【三笠委員】 23番ですけれども、ここで標準測定法で日平均値をはかる場合、何日はかって、何時から何時のデータを日平均値とするかという質問があって、ここで回答では年間の最低測定日数は250日、そこで標準測定法で250日はかるか、はからないかは少し置いておいて、例えば時間の方が、急に作業性を考慮して、任意の24時間±1時間となっています。250日測定までやるのであれば、やっぱり日平均値として出すのは、現在設定されている1時から24時間、要は0時にスタートして24時に終わる、そういうような基本は基本で守っていただくような形にしておいて、例えば自動測定機と標準測定法の並行試験をするというような場合は任意の24時間±1時間でやってもいいよとか、そういうような表現にしておいた方がいいんじゃないかなと思います。

【坂本委員長】 ありがとうございます。
 どうぞ、事務局から。

【西村大気環境課長補佐】 標準測定法の方は、当然、フィルタの交換という作業が伴いますので、今、一部自動交換できるような、1日、2日でという単位で、機種もあるようですけれども、そういった機種でなければ夜中に行って交換ということが必要だということになりますので、そこのところを考慮しまして、ここは任意の24時間±1時間というふうにさせていただいたところなんですけれども。だから、標準測定法で250日常時監視をするということは想定はしていなくて、今、委員がおっしゃったように、並行測定の場合は、従来、昼から昼ということをよくやっていますので、こういう表現にしているところです。やはりおっしゃいますように、標準測定でも基本は1時から24時ということがいいということでしょうか。

【三笠委員】 そうですね。やはり250日のデータをとるんだったら、何日のデータ、何日の日平均値というようなデータの整理の仕方になってくると思うので、基本はやっぱりそうしておかないといけないのかなと思います。

【坂本委員長】 ここについては、標準測定法で250日やるとは想定をしていないところで今こういった書き方をしてございますけれども、もし必要とあらば、時間を何時から何時ということも可能ですけれども、そこまで書く必要があるだろうかなという気もいたしますけれども、いかがでしょうか。モニタリングとしては自動測定機のやることを想定をしている、その一方で、成分分析等いろんな変化なり、そういうトピックス的な調査をする場合に、1日のデータという場合には、任意の今の24±1時間という形の方が、いろいろやりやすい部分も当然あるだろうというようなことで、こういった表現がなされているということでございますけれども、いかがでしょうか。何か関連して。
 はい、どうぞ、溝畑委員。

【溝畑委員】 ここで要するに最低測定日数250と書いてありますけれども、これは365日にすれば3分の2ですよね。ですから、1月から9月までやったら、あとはなくてもよろしいということでしょうか。結局、実質的に年平均値とかそういうことをやる場合には、もう少しきちっと書かんといかんのではないかと。意地悪な質問ということになりますけど。
 アメリカなんかですと、3日ごとに飛ばしたり、そういう形で、大体、ある期間だけ集中してやるような形は余りやらないですよね。曜日にしても、重なってしまうことを避けて、3の倍数でずらしていくような形のものをしているので。全体をモニタリングするのだったら、そういうこともちょっと考慮したような形の方がいいと思いますけれども。

【坂本委員長】 事務局の方から。
 今のお話は、年間の代表値としてとるのに適切な分布を考えて250日間とか、そういった形を考えれば、週だったら、当然、週末も入るし、それから普通のウィークデイも入る、それからかつ毎月ある割合でそれがサンプリングされていなければいけないと。細かく書かなくても、そういう意は通ずるかなというふうには思いますけれども。
 少しここも表現方法は検討するということでどうでしょうか。

【西村大気環境課長補佐】 この250日の根拠にしていますのは、そこにも書いていますように、大気汚染防止法の特別の排出基準を定めるためには、測定をしまして、SOXとかばいじん濃度が一定値以上ということを判断してからというようなルールがございまして、その条件で250日以上というふうに書かれていまして、今おっしゃいました1月から9月がいいとか、そういった周期的なばらつきとかというところは記載されていないんですよ、今のところ。多分、昔の文書を持ち帰って見てみますけれども、多分、当時の通知文を見ても、ばらつきを持ったものが望ましいということが書かれているとは、ちょっと僕の記憶ではございませんので、今の段階では、ちょっと預からせていただきまして、持ち帰りまして、そういった表現を追加するかどうか検討させていただきたいと思います。

【坂本委員長】 検討する方向は、年間平均値という形で考えていいようなものになるような形でやるということでございます。
 小林委員、どうぞ。

【小林委員】 すみません、言葉じりだけなんですが、質問の方は、1年平均値を標準測定法で測定する場合何日必要かという質問をされていて、それに対して、大気汚染防止法の排出基準を決めるときは、有効測定日数が250日間いるというふうに書いてしまうと、今後、PM2.5の排出基準をつくるときに、標準測定法で250日測定しなきゃいけなくなってしまうんですね、これ。この質問に対する答えを書いてしまうと。ですから、これはちょっと質問と答えがすれ違ってしまっているので、ここで大気汚染防止法の排出基準を決める場合という、この表現を書いてしまうと、ちょっとまずいと思うんですよね。

【西村大気環境課長補佐】 この測定といいますのは、そこにも書いていますように、大気環境の測定ですが。

【小林委員】 だから、質問の方は、PM2.5の標準測定法という質問をしているのに対して、一般的なSOX、NOXのことをここに書いてしまうと違ってくるんですよね。そうすると、これ、PM2.5の排出基準を決めるときに、その問題が起こってしまうんですよね。実際に測定しなきゃいけなくなってしまうんですね、標準測定法で。

【坂本委員長】 今おっしゃるのは、今後の対策をやっていく場合に、こういった書き方をしておくと、例えば規制的な手法でどれだけの排出量をする発生源はどれだけ以下とか、そういうような数値を決めるときの年間平均値が幾つ以下というような数値が、これに縛られてしまう可能性があるから、そういったところを避けた形にした方がいいということでございますね。
 たまたま今、そちらの方から持ってきたために、必要なのは、年間250日以上というのと、それが適当な季節、月、それから終日と、それから週末とか、そういった分布をしているものであるということが必要な条件になると思いますので、そういった形にこの表現はさせていただきたいと思います。あえてこれは排出基準というようなところの言葉は使わない形にする形で改めるように、文言は検討させていただければと思います。
 はい、どうぞ。

【田邊委員】 ちょっと今のところに関連しているんですが、本当にこの質問に素朴に答えるのであれば、250日いらないかもしれないという議論が必ず出てくると思います。恐らく98%タイル値35という、短期基準の達成を判断するためには相当な数が必要だということが暗黙のうちにここに含まれていると思うんですが、丁寧にそこまでちゃんと答えた方がいいんじゃないかなと思います。ですから、年平均値だけを出すのであれば、もっと少なくてもいいかもしれないが、98%タイル値を出す場合には相当な数が必要だということです。その参考として、大気の常時監視において250日とされているのが一つの目安になるという、何かそういった話だと思います。
 ちょっと、蛇足かもしれませんが。

【坂本委員長】 今、おっしゃっていただいたのは、年間平均値を出す場合に、1カ月に1回、それから2カ月に2回、週1回はかると、そうするとどういった形で365日測定したものに近づくところか、そして、その漸近線が、どのくらいのところがそういう年間平均値という形で考えていいのかというようなことを考えれば、いろんな答えがあるというわけですけれども、98%値とか、そういったものに相当するようなところというものが、この言葉の中に入っているとすれば、相当数な日数をはからなければいけないことになりますので、ちょっと今、おっしゃっていただいたようなところも少し説明に書き加えた上でやった方が、より親切な回答ということになろうと思いますので、事務局の方で検討をさせていただきたいと思います。
 どうぞ、そのほかございますでしょうか。
 もしあれでしたら、全体、前の方までさかのぼって、1から最後までのところでご意見があればいただきたいと思います。いかがでしょうか。よろしいでしょうか。
 どうぞ、若松委員。

【若松委員】 今の最後の話、ちょっと気になるんですけれども、測定法のことなので、多分、それは別のところで議論されるんだと思うんですけれども、フォームの問題がありますよね。例えば評価期間をどうするかとか、今の98%値をどういう形で年平均値との関連性で把握するかとか、その辺のことというのは、どこで今後やられるようになるんでしょうか。当然必要ですよね。例えば1年間で評価するのか、例えばアメリカでやっているように3年間という期間が適切かとか。

【坂本委員長】 これにつきましては、環境基準専門委員会の方で議論をされてございます。
 どうぞ、内藤委員。

【内藤委員】 先ほどの三笠委員の話にあった話は、結局、どうなったんですかね。作業性を考慮した文章は全部削除されるんでしょうか。

【坂本委員長】 24時間のところ。

【内藤委員】 ええ、そうです、24時間の。これは大体、たくさんやっている人たちは、みんなタイマーでやっていますよね。タイマー使って。あまり手でこれだけの回数をやる人はほとんどいないと思うんですが、この辺はそれでも書いておいた方がいいということなんでしょうかね。実際、これ、混乱すると思うんですよね。10時スタートの日平均値と1時スタートの日平均値が混ざってきて、ある日はアウトだセーフだなんてやっていると。

【坂本委員長】 全体の比較をする場合に、時間が一致していれば、0時から24時までの平均値という形でやった方が、自動測定機とも比べられる。

【内藤委員】 並行測定はいいんですけれど、ここでの設問は評価ですよね。環境基準評価ですよね。だから、98%タイル値みたいなのが出てきちゃいますよね、10時でもしやっていくと。例えば10日目ぐらいにもうアウトが出てきちゃったりしますよね。1時スタートの日平均値と10時スタートの日平均値が混ざってくると、非常にややこしいことになると思うんですよね。

【坂本委員長】 そうしますと、今、この点につきましては、評価をする場合の話と、それから並行測定をして等価性とか何かをチェックする話と区別するような形で、どういった場合には任意のどういう時間でもというような表現にするような形で検討をさせていただければと思います。
 そのほか、いかがでございましょうか。
 はい、どうぞ。

【内藤委員】 またもう一回戻るんですけど、書き方として、暫定マニュアルのときは10μgの天秤は注意書きで救われていたんですね。注意書きにあったんです。重いときは10μgの天秤使ってもよいという。今回は何も入っていなくて、この文面では絶対に救われないと思ったら、ここの回答で何となく救われているんですね。段階的整備という言葉で。
 そこがちょっとあるのと、書き方なんでけど、温度は暫定マニュアルは20から23℃で50±5という条件だったんですけど、今回の書き方は35±5、温度の方も21.5±1.5という、非常に厳密な書き方になっていて、30から40と書いてあるときには、40%の設定でやることが何か認められている気がしちゃうんですよね。実際、40で設定しても、43ぐらいまでは動くと思うんですけれど。それはそれでオーケーかなと思う人も出てくるかと思いますから。

【坂本委員長】 今までのものよりは表現を厳格にしたと。それはPM2.5の質量を再現性よくはかれるようにしようということが、この中に入っているということですか。

【内藤委員】 ええ。厳密になったんですけれど、その結果、35というのは、高額な機械しかないんですよね。40の設定だと、安い機械もたくさん出てくるんですね。設定だけだってあるんですよ。そこが実はこの5%が物すごく明暗を分けていて、実際、40%だったら、国内で今まで幾らでもあるんです、チャンバーは。35とうたわれると、急に300万とか500万の機械になっちゃうんですよね。そこが実は、ここの厳格さが実はいろいろ厳しくて、地方自治体が困っているという話も出てくるのは、そういうところもあるんですよね。その辺が、本当はだから、もう少し救われる書き方がないのかなというのが、ちょっとさっきの意見としてあったんですが。

【坂本委員長】 事務局の方で、今の40%と35%については、何か情報を持っているものはございますか。

【西村大気環境課長補佐】 先ほど溝畑先生が言っていただきました、ヒステリシス効果の図面は、過去の実験結果のものがありますけれども、35と40でどれぐらいの差があるかというのは、ちょっと僕も今はっきりわかりませんけれども。

【坂本委員長】 いや、そうではなくて、湿度を調整する装置についての情報。

【西村大気環境課長補佐】 コストとかですか。

【坂本委員長】 はい。

【西村大気環境課長補佐】 35%で、もともとこの議論、最初の第1回目のときも議論があったと思いますけれども、30から40というのと35±5というのは、今言っていただいたように、より厳密にということで35%にしておりまして、確かにおっしゃるように35%にきれいに制御しようと思いますと、300万から、定価ベースですと、もう少し高い装置で、実際はもう少し、400万、500万という機械になってくると思うんですけれどもというような状況だということは、コスト面のことは把握しておりますけれど。

【坂本委員長】 あと今、この35±5%というのは、あくまで標準測定法でやったときのものであって、監視行政のところでは、自動測定機を主として使うという想定で書いてございます。そういう意味で、成分分析をするときには、今のような例えば少し小さいチャンバーでも測定できるものがあるのではないかというような話が、これまでの委員会の中ではあったかなというふうに思いますが。
 今議論がありましたけれども、もともとこの湿度の部分については、日本の湿度、それからそれまでSPMを、相対湿度を50%でやってきた経緯、それから暫定マニュアルで相対湿度を50%でやってきた経緯から、非常に長い時間をかけて議論をさせていただいた結果、今の35±5%という形にさせていただいたという経緯がございますので、今、ここのところについては、いかがでしょうか、内藤委員からそういう表現がございましたけれども、このままの表現でさせていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。よろしいでしょうか。
(異議なし)

【坂本委員長】 それでは、大分時間も押してまいりましたけれども、全体を通して特にご意見なければ、きょう、今、皆さんからいただいた意見に基づきまして、先ほどどういう方向で修正をするとか、私の方で申し上げた方向で事務局と検討をさせていただき、最終案をつくらせていただきたいと思います。大変恐縮ですが、修正内容については私の方に一任いただければありがたいと思いますが、そういうことでよろしいでしょうか。
(異議なし)

【坂本委員長】 ありがとうございます。
 それでは、その他というところでございますけれども、冒頭で申し上げました関連の少しご説明を、事務局からさせていただきたいと思います。お願いいたします。

【西村大気環境課長補佐】 それでは、説明をさせていただきます。
 検討事項となっております、標準測定法と自動測定機の等価性の判断基準についての作業の進捗状況について、簡単に説明させていただきます。
 統計学の専門家の先生に教えていただきました抜き取り検査の方式を用いました方法につきまして、川崎市で1年間行った並行試験の結果を実際にプロットしまして、再度検証を行った結果、自動測定機の方が、標準測定法に比べてプラス側に偏りを有する機種が多いことが判明しました。この状態を解決するために、各測定機メーカーさんにそういった状況を説明した上で、偏りが生じる状態を是正してもらう必要がございますので、早急に各メーカーさんに対する説明会を開催させていただきたいと考えております。まずこの点が1点。2点目としまして、以前から検討をしてきましたFEMの方法につきましては、切片が±2ということからもわかるんですけれども、低濃度域における許容範囲が、抜き取り検査の方式を用いた方法よりもかなり大きいことがわかりまして、こういったことから、判断基準につきましては、抜き取り検査の方式を用いた方法における改良の検討をということも必要かと考えておりまして、この点につきましては、10月中旬ぐらいを目途に結論を出していきたいと思いますので、またご協力をお願いしたいと考えております。
 以上でございます。

【坂本委員長】 ありがとうございました。
 標準法との等価性の判断について、二つの方法を挙げて、そういったものをどういうふうに使っていくかについては、今後検討を加えて、より適切な方法を選択することが適当であるという形にしてある部分について、現在作業をこういう形で進めているという形で進捗状況を報告をさせていただきました。
 今、前半の方につきましては、偏りということでございますので、何らかの形でそれは原因がわかって、合わせられる方向へ行くものではないだろうかというふうに推定をしているところでございます。今後また、状況によりまして、皆様方にご議論をいただく場があろうかと思いますが、その場合には、またよろしくお願いをしたいと思います。
 何かございますでしょうか。
 はい、どうぞ。

【森委員】 課長さんおっしゃっていただいた、地方自治体に対する財政支援の件も、ぜひぜひよろしくお願いをいたします。

【坂本委員長】 ありがとうございました。
 それでは、事務局の方から何かございますでしょうか。

【手塚大気環境課長補佐】 本日は、長時間にわたりまして、ご審議ありがとうございました。
 本日の議事要旨と議事録につきましては、各委員にご確認いただきまして、公開することとさせていきただきます。
 なお本日、委員の方々にお配りいたしました測定法検討会の報告書の冊子につきましては、ご不要の場合は残しておいていただいても結構でございます。
 また、今後のスケジュールでございますが、本日、ご議論いただきました、測定法専門委員会の報告案に対するパブリックコメントの実施結果と一部変更を行った測定法専門委員会報告案につきましては、9月3日木曜日に開催が予定されています中央環境審議会大気環境部会に報告させていただき、ご審議をいただきまして、最終的に微小粒子状物質に係る環境基準の設定についての答申をいただく予定としております。
 以上です。

【坂本委員長】 ありがとうございました。
 これで本日の議題を終了いたしますが、委員の皆様から特に何かございませんでしょうか。
 もしございませんようでしたら、この微小粒子状物質測定法専門委員会も、次回の大気環境部会にこれを提出して、この委員会も終わりということになりますので、改めて私の方から皆様方のご協力に対してお礼を申し上げたいと思います。
 非常に、このPM2.5につきましては、測定法につきまして非常に難しい問題が多くある中でも、しかし、その問題だけを指摘をするのではなくて、環境基準という形で、できるだけ早くそういったものが設定され、国民の健康がより守れる方向になることが望ましいであろうということ。そして、PM2.5が呼吸器系とか循環器系に影響を与えるものは、特に幼い子どもとか、それから私たちももうその予備軍でございますけれども、高齢者の方が、より影響を受ける。そういったことを考えますと、今後の日本を考えた場合には、まさに子供を大事にしないといけないでしょうし、それから、私たちもなるべく元気で長く働いていかないといけないというようなこともございますので、そういう意味で、こういった環境基準の専門委員会と並んで、今回の測定法の専門委員会が開催されたわけでございますが、難しいところを皆様方にはさまざまな専門的なご意見をもちましてご協力をいただきまして、何とか最終的な報告、それから、これからまだ少し作業は残ってございますけれども、パブリックコメントに対する回答も、事務局と相談をいたしまして作成させていただきたいと思いますので、きょうのところが最後の委員会となりますので、改めてお礼を申し上げます。
 引き続き、この環境基準、PM2.5につきましては、今後も様々な作業がこの後には出てくるかと思いますので、いろいろなところで、皆様方の専門的な知識をそういったところで活かし、ご協力をいただければと思います。
 きょうまでの委員会のご協力をいただきましたことにつきまして、感謝を申し上げて、きょうの会を閉じさせていただきたいと思います。どうもありがとうございました。