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■議事録一覧■

中央環境審議会大気環境部会
 微小粒子状物質環境基準専門委員会(第9回)
 会議録


1.日時

平成21年6月26日(金)15:01〜16:47

2.場所

新霞が関ビル LB階 全社協・灘尾ホール

3.出席者

(委員長)
内山 巌雄
(委員)
安達 修一、香川  順、加藤 順子
坂本 和彦、佐藤  洋、関澤  純
祖父江友孝、高野 裕久、武林  亨
田邊  潔、内藤 季和、新田 裕史
椿  広計、平木 隆年、丸山 浩一
溝畑  朗
(環境省)
白石水・大気環境局長
早水大気環境課長
岡部総務課長
松田総務課課長補佐
        

4.議題

(1)
微小粒子状物質環境基準専門委員会報告案について
(2)
その他

5.配付資料

資料1微小粒子状物質環境基準専門委員会報告案

参考資料1微小粒子状物質環境基準専門委員会の検討の進め方について
参考資料2大気汚染に係る環境基準の設定に当たっての考え方

6.議事

 

【岡部総務課長】 皆様、お待たせいたしました。ただいまから、第9回の微小粒子状物質環境基準専門委員会を開催させていただきます。
 委員の皆様方におかれましては、ご多忙中にもかかわらずご出席をいただきまして、まことにありがとうございます。
 本日の先生方の出席状況につきまして申し上げます。現時点で16名の委員の先生方にご出席をちょうだいしてございます。定足数でございます過半数に既に達しているということをご報告させていただきたいと思います。なお、坂本委員につきましては、遅れてお見えになるという連絡をちょうだいしてございます。
 続きまして、お手元の配付資料の確認をお願い申し上げます。お手元の環境省の封筒の中に本日の会議資料が入っておりますので、ごらんいただきたいと思います。この一番上にあります議事次第の紙に、配付資料につきましても記載をさせていただいております。配付資料としまして、資料、微小粒子状物質環境基準専門委員会報告案、参考資料1としまして、微小粒子状物室環境基準専門委員会の検討の進め方について、参考資料2といたしまして、大気汚染に係る環境基準の設定に当たっての考え方でございます。もし資料の不足等ございましたら、随時事務局に申しつけいただければ幸いでございます。
 報道関係者の方にお願い申し上げます。カメラ撮りにつきましては、恐縮でございますが、会議の冒頭のみとさせていただいてございますので、ご協力方よろしくお願い申し上げます。
 それでは、これ以降の進行につきまして内山委員長にお願いいたします。よろしくお願いします。

   

【内山委員長】 それでは皆さん、お集まりいただきましてありがとうございます。第9回の議事に早速入りたいと思います。
 本日は、できましたらば、意見が収束するようであれば、今回でこの報告案を取りまとめたいと思っておりますので、よろしくご議論のほどお願いいたします。
 本日の議題は、微小粒子状物質環境基準専門委員会報告案についてということでございます。前回の専門委員会の議論を受けまして、一部の委員の方にもご協力いただきまして、定量的評価や指針値案に関する資料を修正させていただきました。さらに、本日欠席されている委員の先生方にも事前にご意見をいただいております。その結果、本日は専門委員会報告案の形で第1章から第6章までを取りまとめております。
 本日の議事の進め方でございますけれども、最初に前回の会合におきましていろいろご議論いただきました3章、4章、5章について、前回からの修正点についてご確認いただきまして、その後第1章、第2章、第6章ということのご確認をいただきたいと思います。そして、その後に私の方で作成いたしました本専門委員会の報告の「はじめに」の部分と、「まとめ及び今後の課題」ということについて審議いただければと考えておりますのでよろしくお願いいたします。
 環境基準の設定に当たっての指針値案に関しましては、前回の専門委員会におきましていろいろご議論いただいて、専門委員会の考え方ということで主要な観点をお示しいたしました。そして、科学的知見によって影響が観察される濃度と主要な観点、知見の不確定要因を踏まえて長期基準の指針値を示すとともに、短期基準の指針値と長期基準の指針値を提案するというような形に修正させていただいております。このほか脆弱性を有する者の定義ですとか共存の汚染物質の文章等も修正してございますので、ご確認いただければと思います。
 それではまず、技術的に修正いただいた点を、新田委員からご説明いただきたいと思います。「環境基準の設定に当たっての指針値案」において専門委員会の議論を踏まえたものについて、その後4章に関しましては指針値について事務局から読み上げていただきたいと思います。
 それでは、まず新田先生からよろしくお願いいたします。特に前回からの修正点についてご説明ください。

   

【新田委員】 それでは、前回私から説明させていただいた内容にかかわる修正点に関しまして、ご説明をさせていただきます。
 まず、本日の資料の3章の微小粒子状物質の健康影響に関する定性的評価というものに関しましては、用語の統一等ございますが、大きな修正点というものは基本的にはございません。ただ、3の27ページ、前回お示しした資料の中では、前回も少しご議論がありました高感受性群に関する記述が定性的評価のこの資料の中にも入っておりましたが、後でご説明いたします4章の定量的評価と記述がダブっておりましたので、そこの定性的評価の部分に記載していた高感受性群の記載は削除して、定量的評価の4章の方に統一をいたしております。その他は用語の統一等で、全体にかかわるような修正は3章に関してはございません。
 引き続きまして、4章の定量的評価の部分でございます。ただいま申し上げましたように、前回関澤委員からもご指摘いただきました脆弱性者、脆弱性群と、そういう記載に関しましてご意見をいただきましたので、基本的な記載の仕方としては4-2ページの下の段落でございますが、基本的な記述として、高感受性者や脆弱性を有する者というような並列的な記載にすべて修正をいたしております。
 それから、先ほども申し上げましたけれども、高感受性者、脆弱性を有する者に対する影響に関しましては、4−33ページの内容に、定性的な評価の記載も含めて、ここで記載をしております。定量的評価の部分に関しましても、用語の統一等の修正は行っておりますが、大きな言葉の修正といたしましては、今申し上げました高感受性者、脆弱性を有する者というような記載に修正したという点でございます。
 引き続きまして、5章の環境基準の設定に当たっての指針値に関する検討というところですが、主要な観点と示しております5の4の手前のところまで、私の方で説明をさせていただきます。まず1ページ目の5.1、長期基準及び短期基準の必要性に関しましては、第2段落のところの記載で、長期曝露による影響、短期曝露による影響、両者があるということを具体的に3章、4章でも細かく示しておりますので、ここではその要約ということで、両者が存在するということを簡潔に書くということで、少し記述を整理いたしました。それから、その後の長期平均濃度と短期平均濃度の高濃度出現頻度に関する関係に関しましては、趣旨は変わっておりませんが、より説明の内容がわかりやすくなるように、段落の中ほどでございますが、「しかしながら、発生源、地理的条件及び気象条件等の違いにより、同じ長期平均濃度でも、短期平均濃度の変動が少ない地域、大きい地域がある」ということでまず書いて、その後に次のページの図5.1の概念を説明するという形で、前は順番が逆になっておりまして、概念図から入っておりましたので、その意味が通りにくかったかなということで修正をいたしております。図5.1は、基本的には変わりませんが、筋がちょっと通りにくかったということもありますので、左側の図と右側の図の関係がよりわかるように、少しレイアウトを変えております。
 続きまして、5.2の長期基準の考え方と知見の評価というところに関しましては、まず長期基準として年平均値を採用するというところの記述の中に、5-3ページの上から2行目あたりですけれども、主要な観点のところにも出てまいりますが、長期の曝露によってどのような健康影響が生ずるのか、また「どの程度の期間の曝露と関連しているか、明確とはなっていない」という記述は、定量評価のところでもこの議論をしておりますし、主要な観点のところも出てまいりますが、ここでも同じように記載をしております。
 それから、この後、長期の基準に関連しまして疫学知見の対象地域の濃度範囲の、以前中点という言葉を使っておりましたが、中央値という言葉に整理して統一をしております。
 それから、前回ご議論がありました健康影響が「確からしい」水準というようなところを観察されるというような、修正するというようなこともありましたので、それに対応するような記載の部分は「観察される」という言葉に修正をしております。
 5-4ページ、5-5ページあたりは、前回お示しした内容と定量的評価の個別の疫学知見の整理というところは変更がございません。
 5-6ページでは、15μg/m3を下回る濃度領域で、そういう疫学調査に関しまして不確実性の議論をしておりますが、そのまとめの部分に関しましては、表現が明確になるように少し修文をいたしました。
 それから5-6の下の方の段落でございますが、各種のエンドポイントに関する議論の中で、前回も死亡の意というエンドポイントの意味に関しましてご議論がありましたので、前回お示しした内容では、死亡が一番重度で、重篤度が高いというような表現の記載が入っておりましたが、その記載を削除しております。
 5-7ページ、「短期基準の考え方と知見の評価」というところに関しましては、用語の整理以外に修正点はございません。
 以上です。

   

【松田課長補佐】 それでは、引き続きまして事務局から、5-9ページの、5.4の長期基準及び短期基準の指針値について、前回の専門委員会の議論を踏まえて修正したものについて読み上げます。
 5.4.1主要な観点。
 以下に、長期基準及び短期基準の指針値を導出するに当たっての主要な観点を示した。
 PM2.5の健康影響については閾値の有無を明らかにすることができない状況であり、そのため多くの疫学研究の対象地域における濃度範囲の下限付近やそれを下回る濃度領域における健康リスクの大きさは、一般人口集団及び高感受性者・脆弱性を有する者を含む集団においても不明確である。
 我が国の人為起源由来粒子の影響が少ないと考えられる地域のPM2.5濃度測定結果は、年平均6〜12μg/m3であり、この濃度領域においても閾値の有無は明らかではないことから、いくらかの健康リスクが存在する可能性は否定できないが、その健康リスクの存在を明確にすることはできない。この点に関して、現時点までの疫学知見において存在することが示唆される健康リスクを低減する観点から指針値を導くことが適切である。
 疫学研究における濃度範囲全域を見た場合に、PM2.5への長期曝露による死亡及び死亡以外のエンドポイントに関するリスク上昇は相対リスク(10μg/m3上昇当たり)としてほとんどが1.5以下であり、多くは1.1〜1.4程度であった。
 又、PM2.5への短期曝露による死亡及び死亡以外のエンドポイントに関するリスク上昇は超過リスク(10μg/m3上昇当たり)として、多くが数パーセントである。
 この相対リスクは他の曝露要因・リスク要因と比較して必ずしも大きくはなく、集団を構成する個人の個別的な因果関係を推測できるものではないが、公衆衛生の観点から低減すべき健康リスクを示すものである。大気汚染による曝露は、人の嗜好や生活パターンによらずすべての者に健康影響を及ぼしうるものであって、避けることが困難である。
 指針値の検討において、その根拠となる疫学研究で示されている微小粒子状物質の健康影響に関しては、想定されるメカニズムに関連する毒性学研究やその他の多くの疫学知見によって支持されるものであり、近年それらの知見は更に充実している。定量的評価の対象となりうる疫学知見は必ずしも多くはないが、それを支持する多くの毒性学知見と疫学知見が存在する。
 以下の文章についてですが、これはミスプリントでございまして、次の5-11の最初の3行までのところについては、ポツをつけていただければと思います。
 まず1つ目のポツですが、循環器疾患への影響に関しては、国内知見では関連が必ずしも明確ではない等日米の疫学研究の結果が異なる可能性も示されている。この相違については日本と米国のリスクファクターの分布や疾病構造の違いによって結果に差が生じているものと解釈できる。短期曝露と死亡に関する疫学知見では、国外知見と同じように急性心筋梗塞死亡リスク上昇が見られること、将来の日本の疾病構造やリスクファクターの分布が米国に近づく可能性もあることから、現時点で発現している健康リスクの大きさは異なるものの、国内外の疫学知見や種々の毒性学知見を踏まえ、国内でも同様の影響が生じる可能性がある。
 次の段落もポツをつけてください。大気汚染の人及び人口集団の健康への影響は各種の段階の健康影響として観察されうるが、大気汚染物質と健康影響は両者とも多様性があり、その関係は複雑である。微小粒子状物質と共存大気汚染物質の濃度は相関する場合があるために、疫学知見において両者の影響を明確に分離することが困難な場合が多い。一方で微小粒子状物質は共存大気汚染物質の影響と区別できる知見が存在する。これらの点について、微小粒子状物質濃度を低減することによって微小粒子状物質の健康リスクが低減するだけでなく、微小粒子状物質の原因物質である共存大気汚染物質の濃度の低減も期待できることから、これらの大気汚染物質の健康リスクを低減させる効果をもたらすことが期待される。
 次の段落もポツをつけてください。コホート研究における曝露評価においては、調査期間のうちのどの期間を曝露期間とするかによっても、濃度−反応関係にかかわる検討結果が変わりうる。しかしながら、現時点では、どの期間の曝露が最も健康影響と関連するかについて明らかとなっていない。また、長期曝露に関する国内外の疫学調査に関する多くの対象地域において、微小粒子状物質を含めた大気汚染濃度が低下傾向にある。このことが、長期曝露による健康影響が観察される濃度の評価を更に不確かにする。
 次のページに行きまして、ポツをこの段落にもつけてください。微小粒子状物質の濃度には測定誤差や推計誤差が含まれる。また、疫学研究の対象集団の曝露量には大気環境中濃度の空間分布や種々の曝露量を規定する要因に関わる変動が加わる。
 なお、長期基準及び短期基準の指針値における微小粒子状物質とは、第1章における検討を踏まえてPM2.5のことをいう。
 第1章については後ほどご説明をいたします。
 5.4.2 長期基準の指針値。
 長期基準の知見の評価に基づき、国内外の長期曝露研究から一定の信頼性を持って健康リスクの上昇を検出することが可能となる濃度を健康影響が観察される濃度水準として、以下のように整理した。
 国内の死亡に関するコホート研究からは、PM2.5濃度推計誤差も考慮して、20μg/m3を健康影響が観察される濃度水準とみなせる。
 国外、特に米国における死亡に関するコホート研究からは、15〜20μg/m3の濃度範囲を超える領域では健康影響が観察される。
 国内の死亡以外の疫学研究からは25μg/m3を健康影響が観察される濃度水準であると考えられる。
 国外の死亡以外の疫学研究からは15μg/m3を健康影響が観察される濃度水準であると考えられる。
 コホート研究においては調査観察期間のうちどの期間を曝露期間とするかによっても、濃度−反応関係にかかわる検討結果が変わりうる。各コホート研究で示されている濃度の経年変化の傾向などから推測すると、観察期間中の最も濃度が高い期間と最も濃度が低い期間の平均濃度を比較すると、曝露期間選択の違いによってPM2.5濃度としておおむね2〜3μg/m3の変動幅を考慮する必要がある。
 我が国における微小粒子状物質の健康影響は、20μg/m3よりも低い濃度では観察されず、現時点では循環器疾患に対する健康リスクの状況は米国とは異なっているものの、人種差や微小粒子状物質の成分の差によって健康影響が異なることは明らかではない。また、微小粒子状物質の健康影響は想定されるメカニズムに関連する多くの毒性学知見や疫学知見によって支持されるものであり、その知見の質や量から科学的信頼性は年々増している。したがって、国内知見を重視して考えると、指針値を検討するための出発点となる濃度は20μg/m3であるが、知見が充実している国外知見から見いだされる健康影響が観察される濃度水準は15μg/m3であり、この濃度水準にも考慮すべきである。
 そのうえで、主要な観点として前述した内容と健康影響が観察される濃度水準に加えて疫学知見に特有な不確実性が存在することにも考慮して総合的に評価した結果、長期基準として年平均値15μg/m3が最も妥当であると判断した。
 5.4.3 短期基準の指針値。
 短期曝露による健康影響が見られた国内外の複数都市研究から導かれた98パーセンタイル値は39μg/m3を超えると考えられた。
 日死亡、入院・受診、呼吸器症状や肺機能などに関して有意な関係を示す単一都市研究における98パーセンタイル値の下限は30〜35μg/m3の範囲と考えられた。
 健康影響がみられた疫学研究における98パーセンタイル値は、年平均値15μg/m3に対応する国内のPM2.5測定値に基づく98パーセンタイル値の推定範囲に含まれていた。
 以上のことから、長期基準の指針値である年平均値15μg/m3と併せて、日平均値35μg/m3を短期基準の指針値とすることが最も妥当であると判断した。
 5.4.4 指針の提案。
 本専門委員会は、現時点で収集可能な国内外の科学的知見から総合的に判断し、地域の人口集団の健康を適切に保護することを考慮して、微小粒子状物質に係る環境基準の設定に当たっての指針としての環境濃度を次のように提案する。
 長期基準の指針値、年平均値15μg/m3以下。
 短期基準の指針値、日平均値35μg/m3以下。
 長期基準及び短期基準の指針としての濃度はさまざまな重篤度の健康影響に関して、現時点では我が国における人口集団健康の保護のために維持されることが望ましい水準である。
 5.5は参考文献でございます。
 以上です。

   

【内山委員長】 ありがとうございました。
 ただいまの説明いただきました3章、4章、5章につきまして、ご議論いただければと思います。特に前回大きく議論となりました第5章の指針値に関する検討に当たりまして、大分意見を踏まえて修正いたしましたので、その点についてもまたご意見があれば伺いたいと思います。

   

【加藤委員】 つまらない小さな語句の点でもよろしいでしょうか。5章の5-3の上から4行目なんですけれども、2行目の最後のところが「どの程度の長さの曝露によってどのような性質の健康影響が生じるのか」とありますね。その次が、「また、そのような性質の健康影響がどの程度の期間の」とあるんですけれども、これは「程度の」を抜いて、どの期間のという意味とは違いますでしょうか。

   

【松田課長補佐】 そうですね。それでは、「どの期間の曝露と関連しているか」ということで修正させていただきます。

   

【新田委員】 ここでの趣旨は、期間の長さに関する記載かと思います。先ほど私の方で説明させていただいた点の、長期コホートの中での曝露期間をどのようにとるかという意味に、二つ意味がございまして、一つは、例えば10年、15年のうちのどの時期の曝露が一番影響と関係するか。それに加えて、その時期と期間の長さという両方の意味での不明確な点があるということですが、ここは長期基準において、年平均値を採用するという文脈ですので、長さということに関する記載があれば十分かなというふうに思います。

   

【内山委員長】 そうしますと、先ほどの修正でいいということですかね。よろしいでしょうか。
 マイクを使ってお願いできますか。

   

【香川委員】 この原文のままでよろしいんじゃないですか。要するに、この案のままで。

   

【加藤委員】 私はちょっと違うふうに考えまして、2行目のところは長さ、例えば1年間とか2年間とか10カ月とかという長さ。それから4行目の方は、影響が出てくる最初のころなのか、後ろの方なのか、そのどの期間という意味かなと思いまして、それで「程度の」という言葉が要らないのかなと思ったんですけれども、長さだけのことを言っていらっしゃるんでしたらば、このままでもいいと思います。

   

【岡部総務課長】 先生方のご理解に相違はないと思いますので、例えばどの程度の曝露期間と関連しているかとか、そのあたりの語句の調整の話だと思いますので、また委員長の方でご整理いただくということで了解の得られる事項かなと思います。

   

【内山委員長】 ここで決まれば決まってしまった方がいいんですが、「どの程度の長さの曝露によってどのような性質の健康…」これは両方含んでいるということですね。その後半の方は、「そのような性質の健康影響がどの程度の期間の曝露と関連しているか」、この「どの程度」の「程度」というのは、曝露期間という意味でいいんですか。

   

【新田委員】 先ほど申し上げましたように、ここの記述、その他でコホート研究の曝露と影響の関係のところの記載を踏襲した表現をここに入れておりましたものですから、二つの類似したような表現になっておりますが、先ほど申し上げましたように、ここは長さに関係することだけ、きちっと記載されていればいいのかなと思います。したがいまして、「また」以下のところ、「そのような性質の健康影響がどの程度の期間の曝露と関係しているか」というところは、ここではあえて書かなくてもいいのかなと。その上の「どの程度の長さの曝露によって、どのような性質の健康影響が生ずるのか明確とはなっていない」ということだけ明確にかかれていればいいのかなというふうに私は思いますが。

   

【内山委員長】 わかりました。よろしいでしょうか。
 はい、ありがとうございます。そうさせていただきます。
 そのほかにいかがでしょうか。

   

【関澤委員】 私もこれが最後なので、語句の訂正の部分も含めて幾つか申し上げます。
 まず4-2のところで、脆弱性と高感受性の定義を入れていただきまして、ありがとうございました。ここを読んでいきますと、4-2の下から5、6行目ですね。「高感受性集団とは別に、高曝露を受けやすいことや社会経済的状態等も含めて脆弱性という概念でとらえられる集団が存在すると考えられる」というふうに定義していただいているんですが、日本語の感覚では、脆弱性を有する者と、後でこれを置きかえられるわけですけども、社会経済的な状態などを含んだものを脆弱性を有する者という言葉で言われると、何か違うのじゃないかなと。あるいは高曝露を受ける方については脆弱性を有する者というふうに、ちょっと意味が違うのじゃないかなと思うのですね。私がこれを何回も申しますのは、今の新しい環境基準の提案において大事な観点の一つかなと思っているものですから、特に横山先生は、今日もおいででないと思いますが、環境基準でどういう人を守るのかということで、やはり影響を受けやすい方たちも含めてちゃんと配慮しているんだということを明確にしていかれればいいかなと思う立場から申し上げています。なので、高曝露を受けやすい方、それから感受性の高い方、それから社会経済的な状態も含めた方を、影響の受けやすい方という形で一くくりする方がよりわかりやすいんじゃないかなと思うんです。4-3の2行目では、それを受けまして、「これを出発点とすることによって、多くの高感受性者・脆弱性を有する者を保護する環境基準を検討することができると考えられる」とお書きになっていることから、ますますそういうことは、せっかく検討されたんですから明確にされた方がいいんではないかと思いました。
 ということで、ちょっと飛びますけれども、5.4.4の指針の提案というのが、5-12ページにございます。5.4.4の指針の提案の中で、「本専門委員会は、現時点で収集可能な国内外の科学的知見から総合的に判断し、地域の人口集団の健康を適切に保護することを考慮して」とお書きになっていらっしゃるんですが、ここに今4-3の上から2行目にあったような意味を踏まえて、国内外の科学的知見から影響を受けやすい人たちを含めて検討し、総合的に判断してというふうにされては言い過ぎかな、どうなんだろうと私は思いまして、私は実際には検討されてきたわけですから、そういうことを加えていただいた方がよいんではないかなというふうに思います。それは言葉とかつ観点の問題なので、ご議論いただきたいということです。
 それから言葉の問題なんですが、5-4の一番下の行、「平滑化された濃度−反応関係」という言葉が出てきます。これはまた後でご議論いただくと思いますが、7の方で同じようなことを意味する言葉として濃度量−効果関係という言葉が使われています。これは英語のdose responseとかdose effectの訳だと思うんですが、この場合には何かを与えて何かの効果が見られたというのは、効果というとプラスの面を通常指すと思いますが、ネガティブな影響が見られているわけですので、私は濃度−影響関係とか、そういった言葉で統一された方が、この報告書の趣旨から言ってよろしいんじゃないかなと思います。
 あと細かいことで、これはもう言葉の問題だけなのですが、5-2の概念図ですが、図5.1の場合、「長期基準のみの場合と長期基準と短期基準両者の場合」とあるんですが、これは実際のデータでなくて模式図だと思われますので、両者の場合の模式図というふうにされた方が明確ではないかなと思います。
 あともう一個だけ、ちょっと申しわけございません。あとは細かいことなので、後で事務局にお伝えさせていただきます。

   

【内山委員長】 わかりました。ありがとうございます。
 それでは、一番最初の前回脆弱者と書いてあるのを、それではちょっとまずいんではないかということで脆弱性を有する者という形に、高感受性は個人の感受性の問題、それから、そのほかの今おっしゃった影響を受けやすい人たちをいろいろ、vulnerabilityという形で表現されているものを脆弱性を有する者と表現させていただきましたが、それでもまだ脆弱性ということではなくて、影響を受けやすい人の方が一般的にはわかりやすいのではないかということなんですが、その点に関してどうでしょうか。新田先生、これは前回申し上げたように温暖化の方ではもうみんな脆弱性、脆弱性と言っているものですから、ここでもvulnerabilityを脆弱性と訳しているんですが、これは影響を受けやすい集団、あるいは状況といって、それは全体としてよろしいですか。新田先生、何かご意見ありますか。

   

【新田委員】 趣旨は関澤先生お話しされているとおりだと思います。ただ、私自身はvulnerabilityが脆弱性という日本語で定着しつつあるのかなと理解をしておりますけれども。

   

【内山委員長】 どうでしょうか。環境省の方はそれで構いませんか。
 影響を受けやすいのと、ちょっと温暖化で言っている脆弱性は違うんですよね。インフラの方も入っていますので。
 何かご意見ありますか。香川先生その点ですか。

   

【香川委員】 定義がちゃんとされているんだから…。

   

【内山委員長】 定義がされていれば別に構わない。

   

【香川委員】 ええ。脆弱性は使っていいと思います。

   

【内山委員長】 環境省の方でvulnerabilityは脆弱性と訳していらっしゃると思うので、ここでも多分脆弱性を有する者としたと思うんですが、特に、この報告書では影響を受けやすい人というふうに訳すと言ってしまえば、またそれはそれで、わかりやすいことはわかりやすいと思うんですが、もしそれでよければそういうふうにしたいと思いますが、いいですか。

   

【香川委員】 よろしいでしょうか。私は、影響を受けやすいという言葉で一括することは反対です。だって質が全然違ったことを定義しているわけですから。susceptibilityとvulnerabilityは、もともとの文章も区別しているわけですから。

   

【内山委員長】 そうすると脆弱性とそのまま、こういうふうなものを脆弱性を有する者と。

   

【香川委員】 脆弱性の定義をきちんと書いておけば。
 それと、それに関連してよろしいですか。私、この高感受性の「高」という字は要らないんじゃないかと思うんですね。これはかえって紛らわしくなって、susceptibility、感受性がある人はいろいろな定義があるわけですね。リスクファクターを持っている人とか、疾患を持っている人とか。疾患を持っている人でも感受性が高いはずなのに、いろいろ調べてみたら感受性が余り高くないというデータもあるので、でも一応感受性というものに関しての定義はあるわけですね。でも、それに対して高いというのをつけちゃうと、じゃあ高いというのはどういう人を高い、どこで定義するのかということになりますから、多分アメリカの文章もhighという言葉はつけていないと思うんです。これはいつの間に「高」がついたのか。

   

【内山委員長】 感受性者と言うとわかりますか。

   

【香川委員】 要するにここで言っているのは、大気汚染物質に対して感受性のある人。

   

【内山委員長】 感受性のある者。

   

【香川委員】 感受性があるわけですから、当然普通の人よりかは高いという意味を暗に含んでいるわけです。そこにわざわざまた「高」とやると、感受性のある人の中でまた高低があるということになりますから。

   

【内山委員長】 感受性は、あるなしではなくて低い高いというふうに言いませんか。感受性があるの反対は感受性なしになってしまうので、比較の問題ですので、感受性が高い、感受性が低いと言った方がわかるような気がするんですが。

   

【香川委員】 そうすると、感受性が高い人はどういう人かということになりますから、そうすると、少なくとも私の理解する点では、例えば感受性のある人の中に慢性疾患を有するグループが大きな定義になっているわけですね。その中にぜんそくとかCOPDとか心臓病患者とかあるんで、そうすると、その中でどれが高いとか、高低を区別するというのは非常に難しいと思うのです。

   

【松田課長補佐】 事務局からよろしいでしょうか。香川委員からご発言がございましたが、昨年11月に取りまとめられた微小粒子状物質の定量的リスク評価手法の報告書、本委員会で机の上に参考資料として置いていますが、そこの6ページ、2つ目のパラグラフに、「一般人口集団の中にはという」というくだりがございまして、ここで、先ほど脆弱性という概念でとらえられる集団が存在すると考えられると。そこで下に、公衆衛生の観点からは、大気汚染物質の影響に対してより敏感であり、またより大きな健康リスクを生じると考えられる高感受性者や脆弱性を有する者、この脆弱性を有する者というのは前回も議論がありましたが、脆弱者とこちらは定義をして、健康影響にも慎重に配慮することが必要であると書いていまして、以降この報告の中では高感受性者、脆弱者ということで定義をして、この報告ではまとめられてございます。その意味で、リスク評価手法の専門委員会の中では高感受性者という言い方で言っていると。あとは、この当時は脆弱者ということで定義をしているということを紹介させていただきました。

   

【内山委員長】 香川先生がおっしゃってくださったような定義が、前回までの報告書で詳しく定義してあるということで、関澤先生もおっしゃってくださったvulnerabilityもここで全部定義してある。susceptibilityに関しても感受性(susceptibility)ということで、その人たちの中で感受性の高い、平均的な集団に比べてより高い集団と平均的な集団があって、susceptibilityの中にはこの遺伝的要因、先天的要因、あるいは年齢、ある種の疾患等の後天的因子と。その中で疾患でさらに区別はしていませんけれども、こういうものを高感受性者とここでは言うというような定義がしてありますので、よろしければそのまま高感受性者、脆弱者というのはちょっと問題があったということですので、そのまま省略せずに脆弱性を有する者という形にしていただきたいと思いますけれども、よろしいでしょうか。

   

【香川委員】 今のお話の6ページのところですね。先生がお読みになった、一般人口集団の中には大気汚染物質への曝露によって影響を受ける可能性が平均的な集団に比べてより高い集団が存在する。そういうのをsusceptibilityというと、最初にちゃんと定義しているわけです。私、こういう文章はこの会議が始まる前にできているのを今ごろになって言うのはよくないのですが、その後、さらにそこに「高」というのをつけるのはおかしい。だって一番最初にsusceptibilityの定義をきちんとしてあるわけです。平均的な集団に比べてより高い集団、そういうのをsusceptibilityがある集団と…。

   

【内山委員長】 そこのところで、その以下のことを高感受性者という表現にして定義しちゃっていますので、ここの報告書で。

   

【香川委員】 しようがないですね。

   

【内山委員長】 また前の報告書に全部注をつけなければなりませんので、ここで言う高感受性者というのは、ここに戻っていただくとそういう意味だということでいきたいと思いますが。

   

【香川委員】 ただ、高感受性者となりますと、わざわざ「高」をつけているわけですから、どういうことですかと質問が出ると思うのです。そのときに、この委員会としてどういうふうに答えるのか。

   

【内山委員長】 どうでしょうか。何かご意見ありますか。新田先生どうでしょう。新田先生ばかりに言って申しわけないけど。

   

【新田委員】 定量的リスク評価手法についての文章を読み直しますと、最初の文章、平均的な集団よりも高い集団が存在すると考えられると。そういう前提で、次の感受性、私の理解は、曝露によって影響を受ける可能性という、そういう性質のことを感受性とここで言って、その中で高い人、低い人がいて、今回の環境基準では感受性の高い人も含めて保護するような環境基準、指針を考えるという趣旨なのかなと思っています。ちょっと言葉の問題として、感受性というのがいわゆる一般の方よりも曝露によって影響を受けやすいという意味での感受性なのか、そういう影響を受けるということの性質を呼んでいるのか、この文章でも定義がちょっとあいまいですし、でも、今回の報告書では明確に定義しているので、私は高感受性という言葉で誤解を招くことはないのかなと思っていますけれども。

   

【内山委員長】 そのようにさせていただきたいと思いますが。

   

【香川委員】 いや、意地悪い質問をしますと、じゃあ低い感受性がある人は平均的な集団に比べて感受性はないの。感受性は低いんですか。だって平均的な…。

   

【内山委員長】 平均的な方よりも感受性が低い方はいらっしゃるんじゃないかと思いますけど。でも、あるなしにしてしまうと、ない方というのは影響を受けないと逆に誤解をされるので、感受性があるなしというと、一般的にはある方に対してない方ということになってしまうので、低い高い普通という方がまだあれで、個人的なものと、それから、感受性はこういうものによって規定されるというのが先ほど言った定義ですので、このままいきたいと思いますが。よろしいでしょうか。

   

【香川委員】 はいはい。

   

【内山委員長】 それから、関澤先生が2番目におっしゃいましたものは何でしたっけ。
 dose responseの用語の統一ですね。それから平滑化したところの濃度−反応関係、あるいは濃度−効果関係と書いてあるのを、これはそのまま直訳しているんですね。そのときにeffectと書いてあるのは。

   

【新田委員】 訳の方では、基本的に今回示しているのは濃度−反応、つまりconcentration-response relationshipの訳として濃度−反応関係と。一部、曝露−反応関係、つまりexposure-responseという言葉も入っておりますが、その場合には、concentrationとexposureが比例すると、相関するという前提で、それの代替指標としてconcentrationを使うという概念で使い分けというような場合もありますが、基本的に今回の場合にはconcentration。どうしてかと言うと、環境基準は大気中の環境濃度で示すということが大前提ですので、その意味で濃度−反応関係という使い方をしているというふうに理解しています。

   

【香川委員】 responseとeffectはちゃんと定義がきちんとされています。ですから、ここは反応です。反応は、集団相手の中でどのぐらいの割合という率が入るわけですね。量−影響となると、影響には率が入らないで高低が入るわけです。

   

【関澤委員】 私が言ったのは、後で出てくるのですが、濃度−効果関係と書いていらっしゃるのですね。効果というのはeffectなのですけれども、effectの訳として使われ…。

   

【内山委員長】 それは何ページに出てきますか。

   

【関澤委員】 これは7の方になるので、ちょっと先走っているのですけれども。

   

【内山委員長】 それは7の方でしますので、またそこはどちらの意味があるか、後でさせていただきます。そこは濃度−反応関係で多分いいと思いますので。

   

【関澤委員】 私が非常に奇異に感じたのは、この影響は、悪い影響でありますので。

   

【内山委員長】 そうですね。どこにありましたでしょうか、7の。

   

【関澤委員】 7−2の下から6行目ぐらいですね。7行目です。

   

【内山委員長】 はい。「併せて、曝露量−効果関係を示す毒性学知見を示した」ですね。わかりました。

   

【関澤委員】 そういう意味では、とにかく統一していただいた方がいいのかなと思います。

   

【内山委員長】 わかりました。

   

【関澤委員】 あともう一つ、私が申し上げたそもそもの趣旨は、香川先生のおっしゃっておられる定義の問題という以上に、今日は横山先生がおられないので、私はある意味で横山先生と考え方が似ているところがあるのではないかと思いますが、この指針の提案において、日本の環境基準としてはどうか?アメリカの環境基準、すなわちプライマリースタンダードでは、子供とかお年寄り、それからぜんそく症状を有する者などを守るというふうに具体的に挙げておられるのですね。そういう人たちも守る基準として提案するということを書いておられます。日本の環境基準では、科学的な知見から総合的に判断し、と書かれ。これで間違いないのですけれども、環境基準そのものは行政の目標ですから、そうしますと科学的な判断のみに基づいているのではなくて、何かを達成したいという行政的な目標ないし観点があって、そのために指針値というものをつくっているとするならば、今後高齢化社会を迎えるとか子供を大事にしようとか、それからぜんそく症の患者さんの間でもいろいろ問題があるかもしれないということがわかっている中で、そういう方たちも含めて検討したのだということをはっきり示した方がいいのではないかという考え方です。これは5.4.4の文章につけ加えていただけないかということです。

   

【内山委員長】 わかりました。
 文章の途中ではどこかに書いてあったと思うんですが、関澤先生は5.4.4の最終的な指針の提案のところにも、もう一回ということですよね。

   

【関澤委員】 ええ、そこを含めて「検討し」というふうに。

   

【内山委員長】 そうすると、前回、長期基準のところのみにあったので一番最後に持ってきた、「現時点では我が国における人口集団の健康の保護のために維持されることが望ましい水準である」というところに、もう少し高感受性者、あるいは脆弱性を有する者も含めたとか、そこをもう一回繰り返せばいいと。

   

【関澤委員】 「検討し」みたいなことを入れられないかと思ったわけです。

   

【内山委員長】 一回上の方で、それを含む者も保護する者になるというのが、どこかに書いてありませんでしたか。

   

【関澤委員】 先ほどちょっと引用させていただいたところにあったことはあったのですが。4-3ページの2行目あたりで、そういったことを書いておられます。

   

【内山委員長】 わかりました。では、最後の長期、短期あわせてのところですので、指針の提案のところにもう一度、長期基準及び短期基準の指針としての濃度はさまざまな重篤度の健康影響に関してというところの後に「重篤度の健康影響、それから高感受性者及び脆弱性を有する者の人口集団を含む健康の保護のために維持されることが望ましい水準である」というふうに入れさせていただけばよろしいでしょうか。

   

【武林委員】 今の点、高感受性、感受性がある方たちをどう含むかという議論は、作業会合のときに多少した記憶がありますが、それだけを取り出して何らかの影響なり反応を見た研究はなかったと記憶しておりますし、それを含めた全体的な、総合的な、一部として含む知見は十分あったと思いますが、それを使って最終的に指針を出したということで、ここから先は個人の意見ですが、やはり総合的、あるいは地域の人口集団という方が妥当であって、そこまで強くこの指針の提案に書けるほどのものはなかったんではないかというふうに思います。私としては、これはこのままの方がいいんではないかという意見です。

   

【内山委員長】 ただ、4では確かに何回も高感受性者、脆弱性を有する集団がいると、それも考慮して決めるということを言っているので、5のところにどこかに入れたらどうかというのが関澤先生のご意見だと思うんです。

   

【武林委員】 もちろん、その中に含まれているということは間違いないと思います。

   

【内山委員長】 4までは何回か言っているんだけど、実際の指針値に対する検討のところでは、その文言が出てきていないということですので、それは特に5で特別に言うのではなくて、4のところまでずっと言ってきていることですので、確かにどこかに入れておけばいいなという気はいたしますので、いかがでしょうか。

   

【関澤委員】 先ほど申しましたように、今の文章で別に間違いではない。総合的に科学的に判断されているので、それでいいのですけれども、アメリカの大気環境基準NAAQSの中にそういう言葉があって、日本ではどう考えるのかという行政の意思を明示的に示すか示さないかという判断ですので、判断はこの委員会の検討にお任せ、あるいは委員長にお任せします。

   

【香川委員】 私は関澤先生のおっしゃっていることが、ちょっとよくわからない。5-12の指針の提案のところにそういう文章を入れろということなんですか。どこに。

   

【関澤委員】 そうです。5-12の、5.4.4の科学的知見から、私の言葉で書きますと、影響を受けやすい人たちも含めて検討し、総合的に判断し、というふうにしたらどうかという提案をしたわけです。

   

【香川委員】 私は、先ほどの意見にもありましたように、これで十分だと思うんですね。だって「地域の人口集団の健康を適切に保護することを考慮して」と、ここの段階ではそんなくちゃくちゃいろいろ書く必要はないと思う。だって、そういうことはもうその前にいろいろ書いてあるわけですから。

   

【関澤委員】 ですから明示的に出すか出さないかの判断なので、アメリカの大気環境基準みたいに書くのか書かないのかということだけをご検討くださいというふうに申し上げました。

   

【香川委員】 通常、一番最後の指針の提案は、WHOにしてもEPAにしても非常に簡単に書いてあると思います。その前に、武林先生のおっしゃったようにいろいろなことを考えて文章が入っていると思うので、最後はこれで私は十分だと思うんです。

   

【内山委員長】 どこかの途中で、そういうものも考慮して、主要な観点というところで適切なところにもう一つポツぐらい入れさせていただいて、最後はすっきりと2行で終えるということでよろしいでしょうか。最後は粒子の問題ですので、その間ぐらいに一つ、高感受性者、脆弱性を有する者にも考慮する必要があるということを入れさせていただければと思いますが、わかりました。
 そのほかにいかがでしょうか。

   

【松田課長補佐】 先ほど関澤委員からdose effect relationshipと、dose response relationshipの定義についてのお話がございました。先ほど私の方から紹介させていただいたリスク評価手法の専門委員会の報告では、dose effectによるものは量−効果関係ということでお示ししているのと、dose responseについては量−反応関係ということで、こちらの方では示しているということでございます。それはページ数で言うと、ちょっとすみません。

   

【内山委員長】 ちょっと探しておいていただいて、そのほかに何かご意見ございますでしょうか。よろしいでしょうか。
 (なし)

   

【内山委員長】 そうしましたら、今日のご議論では細かい修正と、最後に関澤先生から、5章の方でもう一度、高感受性者、脆弱性を有する者についても十分考慮する必要があるという点を一つ、主要な観点として追加させていただくということで、おおむねこの案でご承認いただいたと、ご理解いただいたということでよろしいでしょうか。
 (異議なし)

   

【内山委員長】 ありがとうございます。では、全体を通してご意見がまたありましたらお伺いすることにして、次に行きたいと思います。
 では、次に、第1章、第2章、第6章について、順番に修正点を中心に事務局からご説明いただいて、その後審議に入りたいと思います。
 第1章につきましては坂本委員、溝畑委員、田邊委員、内藤委員、平木委員にもご協力いただきまして、微小粒子状物質の定義ですとか粒径に関する文章をさらに前回から整理いただいておりますので、そこの点を中心に事務局からご説明いただきたいと思います。

   

【松田課長補佐】 それでは事務局から、1章、2章、6章につきまして、主な修正点について紹介をいたします。
 まず、1の微小粒子状物質の特性及び人の生体内での挙動ということで、1.1の粒子状物質の特性ですが、1.1.1の粒径分布につきまして、まず1ページにおいてSPM、下の「日本では粒子状物質に関して」という部分のパラグラフですが、これについて、前回の専門委員会で定義についてご議論がございました。過去の測定法にかかる通知をもとに文章について、「10μm以下の粒子状物質を対象として浮遊粒子状物質の環境基準が設定されており、その測定に当たっては、大気中に浮遊する粒子状物質から、あらかじめ粒径10μmを超える粒子を除去したうえで、粒径10μm以下の粒子を濾過捕集により採取する方法が採られている」という形に修正をいたしました。
 また、次の2ページ目に行きまして、図1.1.1.1ですが、前回も環境大気中の粒子状物質の粒径分布について、概念図ということでお出ししていたものがあったんですが、これについて微小粒子と粗大粒子に関する、特に蓄積領域の粒子と粗大粒子の領域の粒子について、谷間の部分について正確にあらわしていないんではないかというご意見がございました。これについて、この出典にある論文に示されている図をわかりやすく少し修正をいたしまして、それをこちらに概念図ということで修正をして掲載しております。
 また、上の文章も、個数濃度分布において粒径が0.01から0.02μm付近にピークを有する。また表面積濃度分布において0.1から0.2μm付近にピークを有する。また、質量体積濃度分布においては1から2μm付近に谷を有するということで、幅を持たせた書き方に修正しております。
 1-5ページに行きまして、1.1.2の生成機構に関しまして、1-5ページの最後の文章に、生成した粒子がさらに凝縮、凝集を繰り返してより大きな粒子に成長していくという機構についても、つけ加えさせていただいております。
 その他、用語の統一等も行っておるところですが、一番最後の1-15ページに行きまして、1.3微小粒子状物質の粒径と。これについても前回の専門委員会でお出ししていた文章について、また坂本委員や溝畑委員や田邊委員などとも相談をいたしまして、修正をいたしました。文章を読み上げます。
 微小粒子は、粗大粒子と比較して、大気中に長期間滞留し、一定地域内ではより均一に存在し、屋内にも侵入しやすく、生体内に吸入された粒子は肺胞領域にまで侵入しやすく、燃焼等に伴う人為発生源の寄与率が高い特徴を有し、粒径の大きさのみならず生成過程や組成が粗大粒子と異なる特徴を有する。
 粒子状物質の質量(体積)濃度分布では、微小粒子と粗大粒子の1〜2μm付近に谷を有する二峰型を示すが、この粒径の付近において、微小粒子と粗大粒子がともに存在する粒径の範囲が存在する。その一方、大気環境中の微小粒子状物質を測定するには、微小粒子と粗大粒子をある粒径の大きさにおいて区分する必要がある。この際、微小粒子の特性や生体内中の挙動の特徴を踏まえ、微小粒子の大半を包含することができる粒径の大きさで微小粒子と粗大粒子の粒径を区分することが適当である。
 粒子状物質に関する微小粒子と粗大粒子を区分する粒径の大きさは、以下の理由から2.5μmとして、粒径が2.5μmの粒子を50%の割合で捕集することができる分粒装置によって採取されるPM2.5を微小粒子状物質の指標とすることが適当である。
 @高湿度等の条件において、微小粒子が膨潤化した状況も含めてPM2.5は粒子状物質の粒径分布から微小粒子の大半を包含できること。
 APM2.5は米国等で多くの健康影響に関する研究論文や測定データが蓄積されていること。
 BPM2.5の大気環境濃度測定結果は、ヒトへの曝露量とみることができる知見が蓄積されていること。
 というように、前回の委員会で書かれてある事実、記述について整理をして、さらにこういう形で修正をいただいたということでございます。
 これが資料1でございます。
 また、2番と6番にも関連する部分ですが、これは報告書全体を通しての修正ということですが、用語の統一ということで、全体修正をしております。ということで、2と6の内容については、特に内容の変更を伴う修正は行っていないという状況でございます。
 以上です。

   

【内山委員長】 ありがとうございました。
 特に第1章が少し粒径、特に粒子状物質、微小粒子の定義の問題等でつけ加えたところがございますが、1章、2章、6章について何かご意見ございますでしょうか。
 これは、先ほど5章で出てきた、第1章で述べたというPM2.5に該当する、微小粒子はPM2.5のことを言うというところに当たるところだと思います。今までは微小粒子状物質とPM2.5の関係が余りはっきりどこにも述べられていなかったということで、カットポイントを2.5にするということは書いてありましたけれども、微小粒子状物質の粒径から、これをPM2.5とするということが、どこにも書いていないというご指摘があったので、ここを少し修正したということでした。何かご意見ございますでしょうか。

   

【新田委員】 1点確認ですが、PM2.5の50%のポイントが、粒径が2.5μmということを明確にここで定義されてわかりやすくなった思うんですが、実際の分粒装置の特性に関しましては、測定法専門委員会でご議論いただいていると、そういう理解でよろしいでしょうか。

   

【早水大気環境課長】 大気環境課からお答えいたします。
 今の点は、測定法の専門委員会の報告案の最終版が手元にございますけれども、分粒装置の特性のところで、標準測定法のところで、分粒装置の性能としてはJISZ8851で規定されているように50%分粒径が2.5±0.2μm、80%分粒径に対する20%分粒径の比で規定される傾きが1.5以下を満たすこととするという測定の条件を付しておりますので、一応その前に分粒装置の特性は50%カットオフ径が2.5μmであることとすると書いた上で、それをつけておりますので、測定法上は問題ないと、法で転用をしております。

   

【内山委員長】 そのほかにございますでしょうか。よろしいですか。

   

【香川委員】 全般的なことでよろしいでしょうか。さっきの高感受性の話なんですけども、指針値の前に、そういう人をも保護するというのを入れるとか、おっしゃっていましたよね。この指針値の提案の5-9の主要な観点の中に、関澤先生のおっしゃったことを追加するとおっしゃっていましたね。そのときに、私は高感受性の「高」は入れないでほしいですね。それはなぜかと言いますと、先ほども言いましたように、低感受性者とか中感受性者は考えないでいいのかということが当然起こってきますので、だから、やはりそのところには「高」という言葉は入れない方がいいと私は思います。

   

【内山委員長】 先ほどの微小粒子状物質の定量的リスク評価的手法に書いてあったところの表現をそのまま持ってこようかと思うんですが、いかがですか。

   

【香川委員】 ですから高感受性だけ考えるというような文章には…。

   

【内山委員長】 高感受性を考えるということではなくて一般、そういう集団を含む人口集団というふうに書こうと思っておりますが。当然、国民の一般人口集団が、その中に特に高感受性集団、脆弱性を有する者を含めた人口集団のことも考えると。

   

【香川委員】 「高」を入れるんですね。

   

【内山委員長】 「高」を入れないと、感受性ということだけでは何を言っているのかわからないと思うんですが。

   

【香川委員】 「高」を入れますと、中感受性者とか低感受性者は考慮しないでいいのかということになりませんか。

   

【内山委員長】 これは一般集団の中で、その中に中…。

   

【香川委員】 一般集団より敏感な人を感受性者と定義しているわけでしょう。その感受性者の中に高い人もいれば低い人もいる。低い人は考えないでいいのかとなりますよね。当然、この理屈から言って。

   

【内山委員長】 一般集団の中にその人たちはいると考えてはいけませんか。

   

【香川委員】 一般集団の中にいる…。

   

【内山委員長】 いろんな人がいる。

   

【香川委員】 私は、感受性者というのは、感受性者という以上は高低がありますけれども、低い人は一般集団になるのかというと、そうじゃないと思うんです。感受性者というのは、いろいろな検査の仕方とかいろいろ定義がありますね。それは一般集団といわゆる健康な人と違った反応を示す人を、センシティブと定義しているわけです。ですから、そのセンシティブに高・中・低があるわけで、早い話が、例えばぜんそくの患者さんで気道過敏性テストを行ったときに、物すごく反応する人と低い人がいる。でも低い人でも、ぜんそくはぜんそくなわけです。それは専門的になりますけども、センシティビティは高いけれどもリアクティビティの点においては…。

   

【内山委員長】 それじゃ、感受性が異なるということでよろしいですか。

   

【香川委員】 それだったらいいと思います。

   

【内山委員長】 それだったら高・中・低を含むと。感受性が異なる。今まで定義してきた高感受性・脆弱性を有する者というものではなくて、主要な観点のところだけ、感受性の異なる者・あるいは脆弱性を有する者というと、今までのものも全部何か変えないと違和感があるような感じですけど。

   

【香川委員】 ですからそんな詳しい書き方をしないで、一般集団よりも敏感な集団というふうにして、そこに高とか何か入れると、じゃあ、どういう人を高というのかと当然質問が出てくると思うのです。じゃあ中ぐらいな人とか、低ぐらいの人は考慮しないでいいのかと。

   

【内山委員長】 そうですか。でも高という者は、普通に考えているよりは少し考えてあげないといけないというような意味で書くわけですよね。そういう者も含めた基準だと。

   

【香川委員】 感受性のある人に対して保護する。

   

【内山委員長】 わかりました。感受性が異なるという表現にします。

   

【岡部総務課長】 先生方、釈迦に説法でございますけど、過去の大気環境基準の答申なりの書き方を参考までに申し上げますと、二酸化窒素の環境基準、53年に見直しをいたしました。このときに環境基準の専門委員会に付言という文章がついておるんですけれども、このところには、「また、当然のことであるが地域の人口集団は健康な人々ばかりではなく病人、老人、乳幼児、妊産婦、そして肉体的に弱い人などが多様な生活様式の中で生活しているのであるから、大気汚染に対し、このような感受性の高い集団が含まれていることへの留意は慎重に考慮すべきものと考える」と、このような書き方をしています。
 それから、少し時代はさかのぼりますけれども、二酸化硫黄の環境基準を、48年の専門委員会の動きの中では、「大気汚染に敏感に反応する集団または感受性の高い集団、例えば年少者、老人という年齢による人口集団、慢性の呼吸器または循環器疾患などの病人集団の影響は注目されなければならない」と。もちろんそこだけ見ているという意味ではありませんけれども、そういうことを含んだ地域の人口集団というような概念を議論しているということを参考までにご報告します。

   

【内山委員長】 要は、地域の人口集団の中にいろいろな感受性の異なる者が含まれている。その一番最も高い集団に関しても考慮した規準であるということが趣旨だろうと思うんですが、関澤先生もそういう趣旨のことが入っていればよろしいですよね。ですから長く書くと、今おっしゃったようなことを全部書けば、感受性の異なる者の中にいろいろな集団があって、そこに感受性が高い集団も含まれていると。そういう人たちにも考慮した基準をつくるということになろうかと思うんですが。
 高感受性と言うと、香川先生はちょっと抵抗があるということですので、感受性の異なる者が含まれている人口集団。ただ、感受性の中で、感受性が高いというのをまた定義しているわけですよね。こういう者たちは感受性の高い者だということを言っているので、どうしても、そこで感受性が高いという表現が入ってきているようなんですが、よろしいですか。

   

【香川委員】 私だけが違和感を感ずるのかもわかりませんけど、感受性が高いという言葉と、高感受性というのはちょっと受けとるニュアンスが違うと思うのです。

   

【内山委員長】 違うということですね。ですから、異なる中で感受性の高い集団とはこういう集団であると。

   

【香川委員】 ですから今課長がおっしゃった文章は「感受性が高い人も」、それは日本語として素直に受け入れられますけれども、高感受性となると、少なくとも私は「高」が先につくとちょっと違和感を感じるんです。私だけの問題かもしれないけど。

   

【松田課長補佐】 では、感受性が高いということで。

   

【内山委員長】 定量的リスク評価手法の報告書では、高感受性者ということでもう定義してしまっていますけれども、それにこだわらないとすれば、本報告書では感受性の高い者、それから脆弱性を有する者と、もしそれで少し意味が違うというご指摘であれば、そのような表現にすべてして、主要な論点のところでは、先ほど課長が読み上げてくださったような人口集団の中で感受性の異なる者、特に感受性の高い者にも十分留意した、あるいは脆弱性を有する者に十分留意した数値を考慮する必要があるということを入れさせていただくということで、よろしいでしょうか。
 (異議なし)

   

【内山委員長】 ありがとうございます。

   

【松田課長補佐】 もう一点、先ほど関澤委員からお話がありましたdose responseとdose effectのリスク評価手法の委員会報告についての記載場所ですが、リスク評価手法専門委員会報告を開きまして、7ページ目、7行目に、曝露量−効果関係があるということで、これは二酸化窒素の報告を受けているものなのですが、二酸化窒素の判定条件等について、専門委員会報告においては、量−効果関係と量−反応関係という用語の定義がなされていまして、量−効果関係はdose effect relationshipということですが、ここでは固体における曝露量と特定の生物学的な反応の強さとの間の関係を量−効果関係と呼び、暴露量と集団内における特定の生物学的反応を示す個体の割合との関係を量−反応関係と呼んで区別したと。二酸化窒素の専門委員会報告では、このような形で定義をされておりますので、その意味で、こちらのリスク評価手法もeffectについては効果という形で記述がされているということでございます。それによって曝露をする場合は曝露量、あとは用量、用量と曝露量という使い分けができるので、その記述の中で曝露量が適切なものは曝露量、また用量の方が適切なものは用量という形で、今の報告では整理させていただいているということでございます。

   

【内山委員長】 特に定量的リスク評価手法の報告書では、健康からの偏りということの二酸化窒素委員会の報告を引用するような形で書いたので、曝露量−効果関係と書いておりますが、確かに最近はeffectを影響と訳していることが多いので、単に独立して使うときは、以前の報告書の引用のような形では、曝露量−効果、反応ということで問題ないと思うんですけれども、今回の7のまとめのところは、むしろ今のような用語にして、曝露量−影響関係と言った方が、確かに効果というのはいい方の効果も考えられますので、dose effectを、そこを…。

   

【松田課長補佐】 リスク評価手法専門委員会報告の微小粒子状物質の定量的リスク評価手法につきまして、21ページ、4.1のところに、「これらのWHOや米国の動向も参考にすると」というパラグラフでございますが、一番最後に、さらにヒト志願者や動物実験に関する毒性学の知見による用量−効果関係も考慮する必要があるということで、これは二酸化窒素のところを引用するということではなくて、この報告自体は用量−効果関係も、ということであります。

   

【内山委員長】 そのときは気がつかなかったんですけど、武林先生。

   

【武林委員】 恐らく用量という言葉自身も、薬の評価のトキシコロジカルな評価から出てきた言葉だと思いますので、私もこのリスク評価のときにも言いましたが、今回使う場合はやはり曝露量という言葉、それから影響という言葉の方が、環境リスクの評価の中では妥当ではないかというふうに個人的には思います。

   

【内山委員長】 高野先生も影響でよろしいですか。普通は今、確かに毒性学では用量−影響評価と。影響でよろしいですか。

   

【高野委員】 はい。

   

【内山委員長】 そうしましたら、このときはだれも気がつかなかったということで…。新田先生。

   

【新田委員】 別に異議を申し立てるつもりはないんですけれども、用量−効果関係よりも、最近effectを影響、量−影響関係と訳す方が自然だということに関しては同意しますけれども、effectを健康影響と、一方でかなり一般的な用語として、至るところに今回の報告書でも出てくる。その健康影響の影響とdose-effectのときのeffectはまた別の意味があるということで、そこが混同しやすいという意味もあって、私は効果という別の用語を使っているんだと理解をしておりました。定義にすれば、最近はdose-effect、量−効果じゃなくて量−影響関係という場合も多くあるということは、私もそのとおりだと思います。

   

【内山委員長】 どうしますか。

   

【佐藤(洋)委員】 うろ覚えで申しわけないんですけれど、医学用語でも量−影響関係という定義でなされていると思うので、それに沿った方がいいと思いますけど。この辺の言葉の使い方は、分野分野によっても実際には違うけれども、概念としてははっきりしているので、恐らく分野ごとに違うとは言いながら、医学界でやっている用語集では統一しようというふうにしているので、その辺を参考にして決めていったらいいんじゃないでしょうか。

   

【内山委員長】 わかりました。

   

【香川委員】 また変なことばっかり言って申しわけない。私は量−反応関係、量−影響関係、量−効果関係というのは、それぞれ定義があると思うのです。量−反応は率であらわしています、反応の方は。影響は高低であらわしていて、効果は率とか高低じゃなくて、そういうものを投与したらどういう質の影響が見られるか、効果が出てくるかというときに使うんで、そういう効果のときは率とか反応ということは余り考えないわけです。量−反応関係、量−影響関係というのは、いわゆる調査とか実験とか、そういった結果のときに使う言葉で、それはきちんと定義されているわけです。
 量−効果というのは、そういうものを投与したら、どういう質のものが見られるかというときに、エフェクト効果と訳しているわけで。ですから、私は、それぞれ使う言葉の意味合いが違うと思う。意味合いが違うから…。

   

【内山委員長】 そうすると量−効果関係は、英語で言うとどういう表現になっていますか。

   

【香川委員】 エフェクトですよね。

   

【内山委員長】 同じエフェクトですか。

   

【香川委員】 ええ。

   

【内山委員長】 それを先生は、あるときは量−影響と訳し、あるときは量−効果と定義すると。

   

【香川委員】 ですから、主に実験で影響を見ているような、いわゆる率ではなくて、例えばある人にあるものを吸わせたら、肺機能が何%ふえたとか減ったとかというのは、concentration effect、あるいはdose effectですよね。それが100人吸わせて何割の人がどういう変化を見たかというのは、レスポンスです。それを行ったときに、例えば肺機能に影響が出たとか、あるいは全然違った影響が出たと。そういう影響の質とか何かをいうときに、どういう効果があったか。だから、エフェクト。
 ですから、英語ではdose effectだけれども、英語の文章を読むと、そういうニュアンスはちゃんとあるから、だから日本語で訳すとき、そういった三つの訳が出てきているのだと思うのです。

   

【佐藤(洋)委員】 私も、香川先生がおっしゃるように、dose responseとdose effectというのは明らかに違った概念だというのは認めていますし、普段からそう言っています。私が申し上げたかったのは、dose effect relationshipという概念に関するもので、何かいろいろな言葉がもしあったとしても、それは概念が一緒であるから言葉としては統一すべきであろうと。分野、分野で、例えば薬の分野と有害物を扱う分野で違うという言葉があっても、これは概念としては同じなのだから、やっぱり同じような言葉を使った方が誤解は少ないであろうと。そういう意味でも量−効果関係、それから量−影響関係、これは量−影響関係で統一した方がいいのではないか。特に、現在やっている議論している中では、量−影響関係であろうと申し上げたつもりです。
 もう一つは、ここで言葉の定義の細かいことも大事なのだとは思いますけれども、むしろこれは一般論としては、医学会なりあるいはこういう健康影響の評価するところで、もう少しきちんとした言葉の定義をしておくべきというか、するべきなのだろうと、そういう感じがいたします。

   

【内山委員長】 高野先生、いかがですか。今回は量−影響関係ということで統一してしまっても、毒性学的な知見のあれとしてはよろしいですか。特に毒性学の方に、今、新田先生がおっしゃったように、健康影響等があって使っているのではないかというような感覚でとらえていたというお話がありましたが。

   

【高野委員】 実はこのリスク評価手法の委員会に私は入っておりませんでしたので、そのときのご意見がどのようにかわされているのかわからないのですが、今、佐藤先生がおっしゃったとおりという認識でおります。

   

【内山委員長】 わかりました。そうしたら、今は量−影響関係ということで、統一するということはおかしいのですけれども、その使い方がむしろ一般的になっているということで、また、量−効果関係と量−影響関係のはっきりした定義というのは、また違うのかもしれないのですが、一応、ここでは今一般に使われている曝露量−影響関係というふうにしたいと思います。
 また、いろいろご意見あるかもしれませんが、確かに効果というと、いろいろ経緯があるかもしれないのですが、最近は量−影響関係、あるいは曝露量−影響関係、容量−影響関係ということが多くなっていると思いますので、また、どこかの学会ででも定義をはっきり使い分けるのだということであれば、またそれに従いますけれども、ここではとりあえず曝露量−影響関係ということでいきたいと思います。
 それでは、第7章に「まとめと今後の課題」、それから第1章の「はじめに」ということを書いてありますので、そこを少し読んでいただいて、ご議論いただきたいと思います。

   

【松田課長補佐】 それでは、事務局の方から、内山委員長に作成をいただいた「まとめと今後の課題」について、読み上げさせていただきます。
 7-1 まとめ。
 微小粒子物質に関して、米国ではPM2.5の大気環境基準が1997年に設定された後、2006年9月に基準の改定が行われた。WHOでは、微小粒子状物質の環境目標値に関するガイドライン2005年版が、2006年10月に公表された。またEUにおいても、2008年6月にPM2.5の限界値に関するEU指令が交付された。
 我が国においても、これらの動向を踏まえ、一般大気環境における微小粒子状物質の曝露と健康影響との関連性を明らかにすることを目的として、1999年度より「微小粒子状物質曝露影響調査研究」が開始され、2007年7月にその成果が取りまとめられ公表された。さらに、国内外の知見を基に微小粒子状物質に係る健康影響を評価する「微小粒子状物質健康影響評価検討会」が2007年5月から開催され、2008年4月に検討結果が、「微小粒子状物質健康影響評価検討会報告書」としてとりまとめられた。この報告書では、微小粒子状物質が総体として一定の影響を与えていることが示されたが、環境目標値設定のための定量的リスク評価に係る手法については十分に検討すべきとされた。
 これを受け、2008年6月、中央環境審議会大気環境部会に微小粒子状物質リスク評価手法専門委員会が設置され、2008年11月に検討結果がとりまとめられ、公表された。この報告書では、疫学データや解析手法の充実により現在の大気環境濃度でも検出可能になった健康リスクに関する定量的なリスク評価手法が示された。
 これらの報告書や国内外の疫学その他の分野の科学的知見などを踏まえ、微小粒子状物質に係る環境基準の設定について、2008年12月9日、環境大臣から中央環境審議会に微小粒子状物質に係る環境基準の設定について諮問がなされた。この諮問を受け、2008年12月19日、中央環境審議会大気環境部会に本専門委員会が設置された。
 本専門委員会は、微小粒子状物質の判定条件及び指針値の検討を行うため、2009年2月4日に第1回委員会を開催して以降、9回開催して精力的に調査・審議を進めてきた。
 本専門委員会は、微小粒子状物質の定量的リスク評価手法、微小粒子状物質などに係る国内外の疫学その他の分野の科学的知見などを踏まえ、微小粒子状物質に関する特性や人の生体内での挙動、環境大気中濃度、健康影響に関する定性的評価、健康影響に関する定量的評価、定量的評価の検討を踏まえた環境基準の設定に当たっての指針値に関する検討、評価方法に関する調査・審議を行った。
 特性及び人の生体内での挙動について、微小粒子状物質の特性及び人の生体内での挙動の事項を整理した。これらの情報を踏まえ、粒子状物質に関する微小粒子と粗大粒子を区分する粒径を検討した。
 環境大気中濃度について、我が国における微小粒子状物質の大気中濃度の現状について、質量濃度や成分濃度の測定結果をまとめるとともに、日本と米国の大気中濃度に関する成分濃度の相違についても整理を行った。
 微小粒子状物質の健康影響に関する定性的評価について、呼吸器系、循環器系、免疫系、発がん影響等の毒性学知見に基づく影響メカニズム、短期曝露影響及び長期曝露影響における死亡、入院・受診及び症状・機能変化に関する疫学知見の評価、疫学知見に基づく因果関係の評価、循環器疾患への影響に関する国内外の相違に関する考察、毒性学知見及び疫学知見によるエンドポイントごとの有害性評価の作業を行った。
 微小粒子状物質の健康影響に関する定量的評価について、定量的評価の考え方及び定量的評価に関する疫学知見の抽出の考え方を示し、この考え方に基づき定量的評価に資する長期曝露影響及び短期曝露影響に関する疫学知見の抽出や対象地域の平均値や濃度範囲、濃度−反応関係などに関する情報を整理するとともに、定量的評価において考慮する観点を示した。併せて、曝露量−効果関係を示す特性や知見を示した。
 これは、曝露量−影響関係ということで修正をいたします。
 環境基準の設定に当たっての指針値の検討について、これらの定量的評価の作業を踏まえ、長期基準及び短期基準の必要性、長期基準の考え方と知見の評価、短期基準の考え方と知見の評価の作業を踏まえつつ、指針値を導出するに当たっての主要な観点も含めて評価を行い、長期基準及び短期基準の指針値の検討を行った。
 評価方法について、長期基準及び短期基準に関する検討を行うとともに、黄砂時等の特異的現象に関する評価への考慮の検討も行った。
 本専門委員会は、現時点で収集可能な国内外の科学的知見から総合的に判断し、地域の人口集団の健康を適切に保護することを考慮して、微小粒子状物質に係る環境基準の設定に当たっての指針値として次の環境濃度を提案する。
 長期基準の指針値、年平均時15μg/m3以下
 短期基準の指針値、日平均時35μg/m3以下
 ここでいう、微小粒子状物質とは、大気中に浮遊する粒子状物質であって、その粒径が25μmの粒子を50%の割合で捕集することができる分粒装置によって採取されるもの(PM2.5)をいう。
 微小粒子状物質に係る環境基準の評価は、次の考え方を基本に行うことが適当である。
 @長期基準に関する評価は、測定結果の年平均値を長期基準年平均値と比較する。
 A短期基準に関する評価は、測定結果の一日平均値のうち98パーセンタイル値を代表値として選択して、これを短期基準日平均値と比較する。
 微小粒子状物質の健康影響に関しては、その閾値の有無を明らかにすることは困難であることから、今般提示した指針値等についても、研究の進歩による新しい知見をこれに反映させるべく、一定期間ごとに改めて評価、点検されることを希望しておきたい。
 なお、粒径が2.5μmから10μmの粗大粒子は、体内に吸入された後に気道で捕捉され沈着することが知られており、呼吸器系への影響を示唆する知見も少数ながら存在するが、現時点において定量的評価を行うための疫学知見が十分に得られていないものと考えられる。
 これらの粗大粒子の曝露から人の健康を保護するため、当面、既存の浮遊粒子状物質に係る環境基準を改定する必要はないものと考えるが、今後、さらに、粗大粒子の曝露による健康影響に関する科学的知見についても、その蓄積に務めることが適当である。
 7-2、調査研究に関する今後の課題。
 今回の指針値の提案に当たって、非常に数多くの信頼性の高い科学的知見を基に評価を行ってきたが、その一方で様々な不確実性が存在することも前提に評価を進めてきた。これらの不確実性を減ずるために今後取り組むべき調査研究に関する今後の課題を指摘したい。
 微小粒子状物質の健康影響に関する数多くの知見が収集されているが、我が国の微小粒子状物質の健康影響に関する知見は、米国を中心とした国外の知見と比較して少ない状況にある。
 今般の評価においては、微小粒子状物質の健康影響に関して人種差や微小粒子状物質の成分の差によって健康影響が異なることは明らかでないことから、国外知見の健康影響が観察される濃度水準にも留意して、主要な観点として示した内容や健康影響が観察される濃度水準に加えて疫学知見に特有な不確実性が存在することも考慮して総合的に評価した結果から長期基準の指針値を導出した。
 しかしながら、今般の評価において示された様々な不確実性の減少に努めるため、「死亡や死亡以外の様々なエンドポイントを対象に、」これも修正をする必要がありますが、「高感受性者・脆弱性を有する者も含めた地域集団を対象とした国内知見の充実を図り、我が国における微小粒子状物質の曝露による健康影響の現状を把握する必要がある。具体的には、以下に示される知見の蓄積が望まれる。
 ●微小粒子状物質の大気環境濃度が減少傾向にある近年の大気環境の状況も踏まえ、国外の疫学研究の対象地域の濃度範囲と同程度の地域も対象に加えた曝露濃度範囲の広い疫学研究。
 ●国内知見では関連が必ずしも明確ではない循環器疾患への影響に関して、「循環器疾患の」、これも直す必要がございますが、「高感受性者も対象とした疫学研究。
 ●微小粒子状物質の成分濃度の異なる様々な地域を対象とした成分組成の相違に着目した疫学研究。
 また、我が国の疫学研究の充実と併せて、微小粒子状物質への曝露濃度や人口分布の情報を整備してリスク削減予測に取り組む必要がある。
 さらに、毒性学研究においても、我が国の一般環境大気を用いた影響メカニズムに関する知見を充実するため、様々な健康影響指標を対象として高感受性群も含めたCAPs曝露による動物実験の研究に取り組む必要がある。
 これらの調査研究の課題の存在に関わらず、環境基準の設定に当たっての指針値を検討するだけの、信頼性の高い科学的知見が現在も十分に蓄積されていると本委員会は考えるが、ここに示される課題に関する調査研究が充実され、今後、微小粒子状物質についての判定条件に反映されることを期待する。
 以上です。
 申しわけございません。「はじめに」もございました。「はじめに」を読み上げます。
 本専門委員会では、「微小粒子状物質健康影響評価検討会報告書」「微小粒子状物質の定量的リスク評価手法について」に加え、現時点で利用可能な微小粒子状物質などに係る国内外の科学的知見を踏まえ、微小粒子状物質の特性及び人の体内中の挙動、環境大気中濃度、健康影響に関する定性的評価および定量的評価、環境基準設定に当たっての指針値、環境基準達成状況の評価などについて審議を行ってきたが、このほど、その成果を取りまとめたので、ここに報告する。
 以上です。

   

【内山委員長】 ありがとうございました。
 前回お話ししたように、まとめということだったのですが、今後の課題も書くということで7、まとめと今後の課題というタイトルにさせていただきました。そして、今後の課題につきましては、今までご議論いただいた中から、ここに書くべきものということで抽出して書かせていただいたということです。
 先ほどからのご議論でありましたところは、特に高感受性者は脆弱性を要するものというところを、感受性の高いもの、脆弱性を有するものも含めた地域集団というような形に修正させていただきたいと思います。
 それからもう一つ、循環器疾患の高感受性者というところも、例えば感受性の高い循環器疾患を持つものというふうにするか、そこら辺のところの修正の少し知恵をいただきたいというふうに思いますが、いかがでしょうか。

   

【香川委員】 この7-4、今おっしゃった「国内知見では関連が必ずしも明確ではない循環器疾患への影響に関して、循環器疾患の感受性の高いもの」、循環器疾患の感受性の高いものって、どういう人をいうのですか。

   

【内山委員長】 これは、今言いました「感受性が高いと考えられる循環器疾患の患者を対象とした疫学研究」というような形にしたいと思いますが。

   

【香川委員】 ちょっともう一回おっしゃってください。

   

【内山委員長】 「国内知見では関連が必ずしも明確ではない循環器疾患への影響に関して、感受性が高いと考えられる循環器疾患患者を対象とした疫学研究」。

   

【香川委員】 私は全然違ったことを考えていたので。

   

【内山委員長】 これは、ここでご議論いただいたことをまとめてみましたので、こうではないのじゃないかということでご指摘いただければ。

   

【香川委員】 もちろんその研究も必要ですけれども、いわゆる循環器疾患のハイリスクグループですよね、糖尿病患者とか肥満者とか、そういった人も対象にした。ですから、さっきから言っている「感受性が高い」といいますと、そういった糖尿病患者とか肥満者というのが入るのか入らないのか。そういうので、いろいろな分け方があって、それぞれのドキュメントによって違うわけですね。感受性の定義の中に、そういったものも含めて感受性が高いという場合と、そうではない場合、それぞれを分けている場合があるので。

   

【内山委員長】 そうしますと、心疾患に関するリスクが高い者という、ハイリスク群ということでよろしいですかね。
 わかりました。では、循環器系に関して、心疾患に関するリスクが高いものを対象とした疫学研究。心疾患というのは、循環器疾患ですか。

   

【香川委員】 もちろん、循環器疾患患者への調査も必要なわけですよね。ですから、ここ、二つのものが入ると思います。

   

【内山委員長】 循環器疾患とそれからハイリスク群と、両方が入ってくるということですか。

   

【香川委員】 もう既に、循環器疾患患者になっている人と。

   

【内山委員長】 それから、循環器疾患のリスクが高い…。

   

【香川委員】 将来、循環器疾患にかかるリスクが高い。

   

【内山委員長】 わかりました。では、そこはそういうふうに整理させていただきます。
 循環器疾患への影響に関して、循環器疾患を持つ者、循環器疾患へのリスクが高い者を対象とした疫学研究。「循環器疾患へのリスクが高い」、「循環器疾患に関するリスクが高い」ですかね。それは、もう既に循環器疾患にかかっている者、それから、循環器疾患に関するハイリスク群ということでリスクが高い者、そういう人たちを対象とした疫学研究が必要であるということで、修正したいと思います。
 そのほかにありますでしょうか。

   

【新田委員】 細かい点ですが、3ページの評価に関して、@長期基準に関する評価、A短期基準に関する評価がありますが、Aのところ、測定結果の一日平均値の98%タイル値とありますが、「年間98%タイル」と入れておいた方が誤解がないかなと思います。

   

【内山委員長】 これはよろしいですか。

   

【松田課長補佐】 実はこの報告書を通じて、第5章のところで、環境基準の設定に当たっての指針値に関する検討の…、ちょっとお待ちください。

   

【新田委員】 定義をして略しているかもしれませんが、ここでは略さずに、そのまま、また明確に書いた方がいいと思いますけれど。

   

【松田課長補佐】 わかりました。修正いたします。

   

【内山委員長】 そういうふうに修正いたします。
 そのほかに。関澤先生、どうぞ。

   

【関澤委員】 「はじめに」ですが、下から2行目です。ここで、環境基準設定に当たっての指針値、これはよろしいですね、次に、環境基準達成状況の評価等についてとあるのですが、これをそのまま読みますと、もう環境基準というものがあって達成状況を評価しているみたいに受け取られるので、「評価方法などについて」と方法を入れていただいたらいいかと思います。

   

【内山委員長】 わかりました。ありがとうございます。

   

【香川委員】 7-4、9行目のところ、「総合的に評価した結果から、長期基準の指針値」。短期基準はどこに書いてあるのですか。これは長期基準及び短期基準と。

   

【内山委員長】 すみません。短期基準は抜けていますかね。これは長期基準で、短期基準はちょっと抜けました。申しわけありません。ですから、ここは、長期基準の指針値及び、これは98%タイル値と書かなければいけないですね。重要なところをありがとうございました。ちょっと抜けましたので。ここは、事務局に追加する文章を考えておいていただいて。

   

【武林委員】 7-3ページの言葉の確認なのですが、このページは基本的に提案があって、あと基本的な考え方が確認されていると思うのですが、一定期間ごとの評価・点検の部分だけが「希望しておきたい」という表現になっていると思うのですが、ほかの部分が「適当である」という表現と、この「希望しておきたい」という表現の意味の違いを確認させていただきたいと思います。

   

【松田課長補佐】この文章につきましてですが、もちろん委員長とも相談をしておりますが、これまで環境基準専門委員会の報告におきましても、これらの過去の指針値等の検討におきましても、新たな知見を反映させるべく、一定期間ごとに改めて評価・点検することを、それぞれの専門委員会として希望するという文章が入っておりまして、そのような過去の報告も参考にして、このような形で提示をしているということでございます。

   

【武林委員】 新しい知見が出れば、改定するのは当たり前といいますか当然だとすると、「適当である」という表現でもいいのではないかと。わざわざ「希望する」というような、これは取り方かもしれませんが、個人的にはちょっと弱い表現ということの意味をどう考えるかということはあるかと思います。

   

【内山委員長】 わかりました。もう少しそこを強く、「点検されることが適当である」か、「点検されるべきである」というぐらい。

   

【武林委員】 個人的にはそのように思います。

   

【佐藤(洋)委員】 さっきの短期基準のところなのですけど、7-3の真ん中あたりのAで書いてあることを、私がちょっと理解していないのかもしれないのですけれど、これを素直に読むと、短期基準が評価されるというのは、要するに一年たって98%タイル値が出てこないと評価できないということなのですか。そういう理解でいいですか。

   

【松田課長補佐】 そのとおりでございます。これは、一年間のうちにデータが全部そろって、一日平均値が例えば365日そろって、その上で98%タイル値が出せるというときに評価ができるというものですので、一年後という意味合いのものです。
 これは評価方法のときの審議においても、そのような議論がございましたが、この長期基準と短期基準というのは、一年間の曝露濃度の分布について平均的に濃度を下げていこうというのが長期基準で、一年間のうちの高濃度領域においての濃度を低減していこうというのが短期基準という性格を持っていると。それに対応する形の評価ということでございますので、一年間、長期的な評価という意味合いで考えていると。
 ということで、測定結果が出た一年間を取りまとめた上での評価方法ということで考えております。

   

【佐藤(洋)委員】 それはそれでいいと思うのですけど、今さら何か申しわけないような気もするのだけれども、その短期基準の「短期」という名前が、本当にそれでいいのかなという気がちょっとしてきたのですけど。ほかの方々に何かご意見があれば、それでもいいですけど。

   

【平木委員】 今の短期基準のことですけれども、一年を通して評価されるということになっていますが、98%ということなので、日数にして通算7日間を超えてしまうと、その時点でその評価は下るわけですね。7日間、35μg/m3を超えると、もうこの年は環境基準未達成となります。

   

【加藤委員】 それからもう一つは、短期間曝露の影響に基づいて決めている基準ですよね。長期曝露が起こったときの影響に基づいた基準ではなくて、短期の曝露で起こる影響に基づいている基準ですね。ですから、そういう意味では、短期基準でよろしいんじゃないですか。

   

【内山委員長】 よろしいですか。

   

【平木委員】 7-4の下から7行目、この「まとめ」で唯一、粒子状物質の曝露濃度の整備を、もう少しデータをとるというふうに読める部分があります。その後ろに「曝露濃度や人口分布の」という「人口分布」という言葉がありますが、これはどういう意味なんでしょうか。

   

【内山委員長】 これはリスク評価を行っていく上で、どのぐらいの人口の分布が、どのぐらいの曝露を受けているかという意味で書いているのですね。ですから、ここのところの表現は、微小粒子状物質への曝露濃度やその人口分布とか、それを入れた方がわかりやすいかもしれません。

   

【平木委員】 ここの部分を読みまして、「疫学研究の充実と併せて」と書いてあるので、今おっしゃった内容は、疫学研究の中に入るのではないかと思います。曝露濃度の分布状況の把握がいまだに不足しておりますので、曝露濃度の情報を充実させるという意味で、後ろの人口分布という記述がない方が曝露濃度の情報を整備するというところに、かなり力が入るような気がするので、ちょっとその辺、ご検討いただきたいと思います。

   

【内山委員長】 具体的に、もし案があればおっしゃってください。

   

【平木委員】 「人口分布」という部分を取っていただくことで如何ですか。

   

【内山委員長】 これは、その後のリスク削減の評価をするときに、リスク削減予測が必要であるというところにかかっているんですね、これが。どのぐらいの人口がどのぐらいの曝露濃度を受けているかということがわからないと、リスク予測ができない。

   

【平木委員】 そうですね。そうしたら、曝露濃度の、後ろに「整備」と入れていただくか、その辺で一たん区切るという感じにすれば、両方が重要ですと読めます。このままの文章でしたら、曝露濃度と人口の関係のところが重要で、曝露濃度自身はそれほど重要ではないといいますかね。

   

【松田課長補佐】 事務局からですが、例えば、「しかしながら」の注書きの部分で、「国内知見の充実を図り」という部分があるのですが、国内知見や曝露濃度分布、曝露濃度の情報の充実を図りということで、疫学知見、もちろん疫学知見の充実を図るということは、つまり測定地域をふやすことと同じことになるかとは思うのですが、ここで国内知見の充実を図りという部分のところで、曝露濃度のデータも充実するということをあわせて、ここの中に記述するということでいかがでしょうか。

   

【平木委員】 上の段落に追加していただけるということであれば、それで結構だと思います。ただ、疫学情報のデータはかなり手間がかかりますので、ある一部の地域に限った調査になることが多いと思うんですね。それじゃなくて、やっぱり粒子状物質の曝露濃度というのは、もう少し広い範囲で充実してとるべきであるということなのですが、上に追加していただくのであれば、それで結構です。

   

【内山委員長】 よろしいですか。

   

【田邊委員】 今のところに関連して、リスク削減予測というのは環境基準を設定したことによる効果というふうに読むんですね。何でこんなことを言っているかというと、リスク削減予測が発生源だとか汚染予測をして、対策によるリスク削減予測をするというふうにも受け取れたので、もしそうだとすると人口分布の記述を省くだけではなくて、そういう予測の記述をここに入れた方がいいように思えます。別項目で発生源、それから汚染予測の研究を進めて、リスク削減予測に取り組むといった感じです。ちょっとそこの意図が理解し難いと思います。

   

【松田課長補佐】 こちらで記述をしている内容としては、4章の定量的評価、微小粒子状物質の健康影響に関する定量的評価において、4-1ページの下の部分で、「一方で」というところの中で、「閾値の存在の有無を明らかにすることは難しい」というその次に、「このため、微小粒子状物質の濃度が低い環境下においてもいくらかのリスクがある可能性は否定できないが、他方、不確実性のために明確なリスクの定量的評価ができない濃度領域が存在する。また、我が国の人口集団における微小粒子状物質の曝露人口分布を予測評価するため、基礎的なデータが不足していることも、リスクの定量的評価を困難にしている。そのため、閾値のない有害大気汚染物質において環境基準を検討する具体的な手法として採用されている」「リスク削減予測に基づく影響度評価手法を、本委員会では採用しなかった。」と。ここの記述に対応すべく、リスク削減予測に関する取り組みについて、まだデータとして不十分であると考えられる。必要なものとしては、もちろん疫学研究の充実も必要ですが、曝露濃度やこの曝露の人口分布の情報も不足しているということが、こちらの4章に書かれておりますので、これに対応する形で、こちらのリスク削減予測に取り組む必要があるということを、記述いただいているということでございます。
 そういう意味で申しますと、この基準設定に対しての手法という意味でもございますし、また、リスク削減予測ということで、実際に基準を設定したときの効果を見ると、こういう側面も持つかと思いますが、そのような面でこちらの記述を書いてあるということでございます。
 ということで、対策による効果というよりは、まさに健康影響としてどれだけの効果があるかという意味合いで、環境基準専門委員会での審議事項に照らした形で、こちらに表記させていただいているということでございます。

   

【内山委員長】 よろしいでしょうか。

   

【内藤委員】 今の部分の話なんですけれども、人口分布に関しては、わざわざやらなくても幾らでもデータは入手可能だと思いますので、あえてうたわないで、ここはむしろ曝露濃度や地域分布という言い方の方がいいのではないかと。平木委員の意見に近いんですけれども。要するに工業地域であったり、商業地域であったり、あるいは関東地域とか、いろいろな地域があると思うのですけれども、そういうレベルでの曝露濃度の分布の情報が必要なのではないかと、私は思うんですけれども。

   

【内山委員長】 曝露濃度の分布で、そこの場所にどのぐらいの人が住んでいて、どのぐらいの濃度、人口の分布があるかということも、今まだ余りデータがないのです。

   

【内藤委員】 人口の分布は幾らでもあるような気がするのですけれど、そうでもないのですか。人口の分布は、結局国勢調査でも市町村のデータでも幾らでもあるわけですよね。1キロメッシュでもデータが入手可能ですよね。ただ、微小粒子状物質の濃度分布については、まだそんなにわかっていないわけですから、むしろその曝露濃度や地域の分布が重要な情報なのではないでしょうか。と、私は思うんですけれども。

   

【新田委員】 今の点、曝露情報がなければ曝露人口分布も出せないのは事実ですので、優先順位としては、曝露濃度の分布が大前提にあります。ただ、リスク削減予測は、地域の濃度分布だけではリスク削減予測ができないという意味で、人口分布が必要なのですよと、そこで念を押しているというふうに私は理解していますので、ここはやっぱり、実際に人口に対しての曝露の分布がリスク削減予測には必要ですので、単に濃度だけではリスク削減予測はできないということの意味で、今のですと、別々に取ればいいというようなニュアンスにも受け取れますので、それを両方あわせた分布が必要だという趣旨に修正していただければと思いますけれども。

   

【内山委員長】 ここの意味がわかりにくくなっているのは、我が国の疫学研究の充実とあわせてというのは、その疫学研究の充実の上の三つのポツを言っているのでしてね。ここの疫学の関係は上の三つで言っているので、ここのその下は、また今度はリスク削減のことについての記述ですので。

   

【松田課長補佐】 ここは、もちろんデータとしてリスク削減予測を行うためには、その元になる疫学研究がなければリスク削減予測もできませんので、そういう意味では疫学研究の充実は上の文章で書いていまして、ここは疫学研究の結果が充実されると。それによってリスク削減予測ができるということで、あえてこの疫学研究の中でリスク削減予測というカテゴリーとは、そこはちょっと違うという整理をして、ここは段落を分けて書いているということでございます。

   

【内山委員長】 ですから、逆にこの上の三つで、上が充実してくればできるということで、「我が国の疫学研究の充実とあわせて」というのは取ってしまった方がいいかもしれないですね。「また、微小粒子状物質への曝露濃度やその人口分布・曝露人口分布の情報を整備してリスク削減予測をとる必要があると」。

   

【椿委員】 今の議論なのですけれども、人口分布で人口の空間分布は、おっしゃるとおり既にわかる状況かと思うんですけれども、いずれにせよ、何らかの形で曝露濃度に関する空間分布を推定したいということが本意なのではないかと思いますので、それによって全体のリスクの削減ということがあるかと思うので、こちらは人口の方は分布ときちんと書いてくださっているのですけれども、その種の情報を入れていただければ、その点に関しては明確になるのではないかと思いますけれども。

   

【内山委員長】 高野先生、どうぞ。

   

【高野委員】 今の皆さんの言っていらっしゃっているところなのですけれども、曝露濃度という書き方で、疫学を中心にした表現をとっているということで、逆にわかりにくくなっているところがあると思います。逆に、測定の体制、それから測定方法の充実を望むというような文章を別に入れていただく方がわかりやすいのではないかなと。

   

【内山委員長】 それでいいですかね。ただ、「測定の充実」というのとは、またちょっとリスク評価の目的が違うような気がするのですけれども。

   

【高野委員】 測定体制と測定法を充実させて、曝露濃度を提供するということが、リスク削減につながるということで、別の文章で書いていただいた方が、わかりやすいのではないかと。

   

【新田委員】 リスク削減予測に必要な要素は、健康リスクの大きさと曝露濃度と、曝露人口なのです。だから、その三つをセットでここでは書いてあるのですけれども、その三つが必須なのですね、それぞれが。それとは別に、今何が足りないかといえば、その上に書いてある我が国における健康リスクの大きさの話と、それから曝露濃度がまず先にくるという意味で、今、高野委員がおっしゃったように、曝露濃度をきちんと整備するということは別立てで書いていただいた方が、私もよろしいのではないかなと思います。

   

【内山委員長】 わかりました。

   

【松田課長補佐】 先ほど平木委員からもお話がございましたが、最初の「しかしながら」の注書きの中に、国内知見、これは疫学知見も当初は入れていましたが、ここのところで「曝露濃度の情報というものについても充実を図り」という言葉を入れていきたいというふうに思います。

   

【内山委員長】 では、そのように…。田邊先生、どうぞ。

   

【田邊委員】 このところで度々申しわけないのですが、「人口分布の情報を整備」というと、何か国勢調査をやり直すと、極端に言うとですね、そういうふうにまで聞こえてしまうので、「人口の情報をあわせて」というふうに書いていただければ、リスク評価に人口分布が必要だという趣旨を反映できると思います。
 それと、ここにちゃんと「影響度評価をする」ということを書き込まないと、ここだけ読むと、リスク削減予測を何のためにするのかがあいまいなので、先ほど言ったように対策をするのかというような受け取り方をされる方がふえるのではないかと思います。

   

【内山委員長】 わかりました。では、そこのところは少し修文をさせていただきたいと思います。
 そのほかにいかがでしょうか。高野先生、どうぞ。

   

【高野委員】 すみません。7-4の黒ポツのところの3番目で、組成の違いに着目した疫学研究というのを具体的に挙げておられるのですけど、これは疫学研究としてはかなり難しいのではないかという予想がありまして、我々がやっておりますような、どちらかというと毒性学研究のようなところでやった方が、実現性の高い課題かなと思いましたので一言。

   

【田邊委員】 同じように難しくて書かれなかったのかもしれないのですが、PM2.5からPM10の間の影響調査みたいなものも前のページに必要と書いてあって、ここに書かれていないので、もし難しくてもそういうのが必要だというのであれば、この黒ポツに一つ入れたらいかがかと思いますが。

   

【香川委員】 今のことを私、言おうと思っていたのですが、調査研究に関する今後の課題のところですが、微小粒子が中心になっておりますからいいのかもしれませんが、微小粒子状物質の健康影響をきちんと評価しようとすると、先ほどおっしゃったように粗大粒子と、それから超微小粒子の研究は避けて通れないと思うので、この7-3のところも、読むと粗大粒子の研究はしばらくやらないで、当面は浮遊粒子状、要するにSPMの調査だけでいいような印象を受けてしまうので、やはりこのPM2.5からPM10の粗大粒子の調査研究も早急に開始すると。これは測定及び健康影響も含めて。それと、超微小粒子のナノ粒子の研究も同時に。それがきちんとなされないと、微小粒子の健康影響もきちんと評価できないと思いますので。

   

【内山委員長】 最初は随分長く書いたのですが、だんだん簡潔にして、余り不確実性が多過ぎると書くと、まだ環境基準も決められないのではないかと言われると困るので、本当に必要なものだけを書いたというところで、少しずつ落ちていってしまったということもあるのですが。
 これは、そういうことの提案書ではなくて、今回の基準を決めた上で議論していった中でピックアップしたものを中心に書かせていただいたのですが、わかりました。今、二つ、PM2.5からPM10、いわゆる粗大粒子と同時に進めて、PM2.5だけではなくて同時に測れるわけですので。これを疫学調査をするとなると、なかなかまだ難しいということはあります。
 実現性も含めて考えるべきだというのと、それは考えなくていい、ただ課題を挙げていけばいいということで、両方ご意見があると思います。そういうことで絞っていったところがあるのですが。PM2.5とPM10に関しては、ここにもう一つつけ加えさせていただきたいと思います。超微小粒子までになりますと、またこれはさらに大きな問題になってくるということで、これも課題として載せるべきか、ちょっとまだ私としては逡巡があるのですが、いかがでしょうか。

   

【田邊委員】 ここ5年ぐらい、健康影響を調べていたわけではないのですが、超微小粒子の組成ですとか、環境中の濃度とかをある程度はかっていたのですが、いわゆる組成を見る限りでは、大気中とか沿道の超微小粒子は大気中粒子に含まれる有機成分ととても近い。もちろん、その中に非常に反応性の強いものがごく微量含まれているという可能性は否定できないのですが、それの組成を見る限りでは、ものすごく危険だと、例えばチタンオキサイドのナノ粒子を使った、非常に急性に肺の炎症を悪化させるといったような、そういう側面の毒性はどうもなさそうに見えるというのが今の状態です。ですから、観測をしていた立場から、必ずそれをここに書き込む必要が今あるかと言われると、まだ危ないという意味での知見は集積されてきていないというような状態にあります。
 あと、液体が実は結構かなりの部分を占めていて、個体の表面の反応活性点による毒性と、大気中のナノ粒子の毒性の出方は、明らかにメカニズムが違うのではないかというような知見もあわせて、余り危ない危ないと騒ぐことはできないかなと受けとめています。

   

【坂本委員】 粒子状物質については、今まさに粗大粒子、微小粒子、ナノ粒子、それぞれ重要な点があるのは確かなのですが、その一方で、そのすべてを書くと、よりその必要性の高い重要なものが見失われてしまう可能性も同時にあるということに、少し配慮しないといけないのかなと。そういう意味では、粒子状物質の特性に注目して、体系的な研究をやるとともに、より必要性の高い何々について何々するとか、ちょっとそういう文言を入れておかないと、あれもやるこれもやる必要なのはいいのですけれども、現在、微小粒子についてこれまでいろいろやってきたのは、より微小粒子の方が健康影響という形で問題があるから、今回こういう形のものを進めてきたと、そういう経緯も考慮した形での表現が望ましいかなというふうに思います。具体的な文章を書けと言われても、今すぐは出ないのですけれども。

   

【内山委員長】 挙げれば本当に幾つも挙がってきてしまうのですが、ここではこの評価書をまとめるに当たっての課題に、できれば限りたい。優先順位をつけたいなと思っておりますので、今いただいたご意見も含めて、少しここは修正させていただきたいと思いますが。
 そのほかに。

   

【加藤委員】 今の坂本先生のお話の続きみたいなことなのですけれども、やっぱり粗大粒子、PM10-2.5というふうになりますと、今日本ではPM10を測っておりませんのでSPMですよね。ですから、PM10-2.5の研究は、PM10を測るということもあわせてしなければいけないことになって、なかなか厄介な問題があるのかなという感じもしまして、余りそれは書かない方がいいのかなというふうに個人的には思いました。

   

【内山委員長】 わかりました。ありがとうございます。
 SPMが継続してそのまま維持するということは書いてあるのですが、おっしゃるようにPM10-2.5とすると、PM10もまた、すべてのところでは測れない。多くのところで測らなければいけないということになってくるので、この場合はまだSPMをPM10にするかどうかという議論は今回は全然していないので、とりあえずSPMはそれを維持するという合意だけのものですので、おっしゃるように、PM2.5からPM10のことも調査しろというと、PM10をまた測ることにも精力を注がなくてはいけなくなりますので、これは先ほど坂本先生がおっしゃったように、今現在、最も何が重要かということで、少し優先順位をつけたいと思います。
 そのほかに、よろしいでしょうか。どうぞ、丸山先生。

   

【丸山委員】 上島先生、富永先生、今日はいらっしゃらないのであれですけれども、ここに、呼吸器に比べてやはり循環器は非常にメカニズムが難しい。いわゆる血行の脳移行性の特定すらもまだなかなか難しいという中で、最終的にこういう折り込みをしていただいたので、どういうプログラムをするかという難しさはあるにしても、この方向でいいと思いますけどね、循環器の方に関しては。

   

【内山委員長】 ありがとうございます。

   

【田邊委員】 恐らく、今さらと言われるつもりで意見を言うわけではないのですが、この年平均値とか年間98%タイル値といったときに、ついつい2009年とかいう暦年を考えてしまうのですが、場合によっては、一年間の移動平均とか、今から365日さかのぼった間の98%タイル値というような考え方も、使おうと思えば使えます。
 つまり、行政的に何年は基準を超過したというような勘定の仕方はもちろんありますが、実際、その日でその短期基準を満たしたかというような、すぐにわかるような見方をするという意味では、いわゆる正規のルールではないと思いますけれども、そういう判定があってもいいのかなというふうに、前から思っています。ここに書くのかどうかというのは、微妙な話なのですが。

   

【内山委員長】 これはご意見として、また別のところで研究していただければと思います。それの実用性も含めて、少しまとめていただければと思いますが、そのほかにございますでしょうか。香川先生、どうぞ。

   

【香川委員】 先ほどの超微小粒子及びPM10を入れると測らないといけないと。私、そういうことを言うから、日本の研究は世界からおくれていくので、私はいい機会だから、これをやらないと、今度粗大粒子の環境基準を考えるといったときに、いや、ここの委員会であんなのを測ったらまた手間がかかるからといったら、ますますそういうデータが取りおくれていくわけですから、やはり微小粒子の健康影響をきちんと評価しようとすれば、当然粗大粒子、超微小粒子は避けて通れないので。
 今、世界的にも超微小粒子の方向に研究は動いていっておりますし、疫学及び毒性もですね。それから、粗大粒子も今かなりデータが蓄積してきて、いろいろな健康影響も少しずつわかってきています。それは、きちんとそういう測定網ができているから、疫学調査も。だから、ここでちゃんとそういうものを出しておけば、疫学調査で当然ドッキングできるわけです。だから、やると大変だからなんて消極的なことをおっしゃらないで、今後の課題なのですから、やっぱり一言きちんと入れていただきたいと思いますね。

   

【内山委員長】 それは書いていないつもりではなくて、7-3のSPMのところの課題として既に書いてあるので、まずSPMといいますか、そこら辺の知見を蓄積してからという。PM2.5からPM10までの粗大粒子のことは当然蓄積に努めて、それに関してSPMにする、大きく属するのか、あるいはPM10にいつかは変えるのか、そういうところも含めてものは、もう既に前に書いてあるという意味で。

   

【香川委員】 前ってどこですか。

   

【内山委員長】 7-3のところですね。

   

【香川委員】 ですから、私、この7-3を読むと。

   

【内山委員長】 7-3ではないです。7-3ページの「なお」以下ですね。それは、先ほどおっしゃったように、少し放っておけばいいというふうにとらえるのであれば、それは本意ではないので、そこら辺の蓄積を求めると。

   

【香川委員】 ここはもっと積極的に書いていただきたいですね。これを読むと、当面、SPMのことをやっていけばいいという、「今後、さらに」という書き方になっておりますから、何か一歩おくれを…。

   

【内山委員長】 当然というのは、今現在、このPM2.5を決めたときにSPMはなくてもいいのではないかという議論に対しては、当面、SPMの環境基準は改定せずに、そのまま維持するということで、だけど、今後は粗大粒子の曝露の影響を、科学的知見についても蓄積に努めるということを書いたつもりだったのですが。
 ですから、「当面」というのを「今回は」というようなことに改めれば、今のPM2.5を提案するときには、SPMは環境基準を改定しないでそのまま維持するということで、今後さらにPM2.5からPM10の粗大粒子についての知見を蓄積したいということで、どうでしょうか。

   

【田邊委員】 個人的には、私も実は香川先生と同じように、今後の課題の、もちろん優先順位はありますので、あれもこれもで書いてしまうとボケてしまうことは確かなのですが、今言ったPM2.5からPM10の間とか、先ほど、今の知見ではナノ粒子は当初思っていたほどのものではないかもしれないと申し上げましたけれども、それに対する研究は当然必要で、特に人工的につくられたナノ粒子は、毒性の試験はされているのですが、まだ環境中に大量にいるということはないのですが、出た場合の影響みたいなものは全くわかっていません。
 ですから、この黒い丸をつけてずらずら書くとわかりにくくなってしまいますが、そのほかにもこういうことこういうこと等も考えなければいけないものとしては、今後の課題であることは間違いないので、なるべくそういうものはどこかに書いておいていただけると、私はありがたいと思っています。

   

【内山委員長】 わかりました。では、その点は少し考慮して、もう一度考えさせていただきます。
 そのほかに、何かございますでしょうか。よろしいですか。
 そうしますと、今出た大きなご意見は、一つ、平木委員の方から出た、曝露濃度に関するものを「しかしながら」の中に一つつけ加える。それから、その後のリスク削減予測に関しては、ちょっと表現を改める。それから、さらに田邊委員から、あるいは香川委員から、粗大粒子あるいは超微小粒子に関しても、項目立てではなくてもいいから、こういう点も必要だ。ただし、坂本先生からおっしゃったように、この中で優先順位をつけて、今現在はPM2.5の知見を充実することが重要であるということを、その後の「さらに」以下のところ、毒性学研究も含めて、少しそこで追加して書かせていただくということで、そのほかに何かここは足りないというようなことはございますでしょうか。
 よろしいですか。平木先生、どうぞ。

   

【平木委員】 後でメールで送ろうと思っていたのですけれども、全体にあちこちに書いてあるのですが、例えば7-3ページの上から7行目に「2.5μmの粒子を50%の割合で捕集することができる分粒装置によって採取されるもの」と書いてありますが、分粒装置は除く方の装置ですよね。一般的に。分粒装置によって2.5μm以上の粒子を除いて捕集されたというふうに、SPMの何か環境基準の表現と同じような表現にされた方がよいと思います。このままですと分粒装置で捕集しているような印象を受けると思います。

   

【内山委員長】 わかりました。第1章でそれは定義されたと思うのですが、そことは同じ表現ですか。

   

【松田課長補佐】 そうですね。そのとおりです。

   

【内山委員長】 先ほど1章で、このPM2.5の定義をしていただいた、1-16の「粒径が2.5μmの粒子を50%の割合で捕集することができる分粒装置によって採取される」というところも変えなければいけませんか、そうすると。

   

【平木委員】 そうです。その上の10μmのSPMの表現と同じように。

   

【内山委員長】 SPMの表現はどこにありましたか。

   

【平木委員】 1-1の、「日本では、粒子状物質に関して10μm以下の粒子状物質を対象として」というあたりで、「あらかじめ10μmを超える粒子を除去した上で、10μm以下の粒子をろ過捕集により採取する方法」と、これと同じようなメカニズムになると思うのです。

   

【内山委員長】 そうすると、1-1のところ、米国では、10μmの粒子を50%の割合で捕集することができる分粒装置によって採取するものをPM10とする。そして、50%の割合で捕集することができる分粒装置によって採取されたものをPM2.5というふうに、向こうでは規定していると思うのですが、坂本先生、それは表現、どうですか。

   

【坂本委員】 分粒装置をつけて採取するものであって、分粒装置によって採取されるものではない。これは今、平木委員がおっしゃっているところです。

   

【内山委員長】 ここは訂正した方がいいのですか。

   

【坂本委員】 訂正した方がいいですね。

   

【内山委員長】 わかりました。

   

【松田課長補佐】 できましたら、ぜひこの場で。

   

【内山委員長】 では、坂本先生と溝畑先生もその方がよろしいですか。

   

【坂本委員】 「分粒装置によって採取されるもの」と書いてあると、結局サイクロンを使って、サイクロンにぶつかってそこに残ったものと、とられてしまう恐れが高い。分粒装置では、分けてその後、フィルターの上に吸引したものがPM2.5ということですので、この部分は「よって、採取されたもの」ではなくて、それをつけて採取されたものなのですね。それをつけて、大きなものを除いてフィルターに採取されたものと。

   

【内山委員長】 わかりました。できればここで修正してしまえば、事務局も楽だと思うので。

   

【松田課長補佐】 分粒装置によって分離され、それを捕集されたものと。

   

【内山委員長】 「50%の割合で捕集することができる分粒装置によって」ではなくて、「分粒装置を」。

   

【坂本委員】 「分粒装置を用いて」。

   

【内山委員長】 「用いて採取された粒子で」。

   

【坂本委員】 「分粒装置を用いて」、もっと言えば「分級をして、フィルターもしくはろ過捕集によって採取されたもの」ということです。

   

【内山委員長】 要するに、SPMの表現とまた同じになるわけですね。

   

【坂本委員】 まさに同じような表現です。

   

【内山委員長】 わかりました。では、そこは今のようなことで、そのPM2.5の定義は何カ所かあると思いますので修正してください。重要なところをありがとうございました。
 よろしいでしょうか。
 (な し)

   

【内山委員長】 ありがとうございました。
 そうしたら、議論は大体いただいたと思いますので、幾つか宿題が残りました。それで、大筋では今日の報告書案でお認めいただいたということで、最終的には私と、それから今出た意見を事務局とでもう一回修正させていただいて、後でまたメールででも各委員にお送りいただいて、最終的にご了承いただいて報告書にしたいと思いますが、よろしいでしょうか。
 事務局で、修正に当たって何か確認しておくこと、宿題の部分でありますか。特によろしいですか。
 そうしましたら、今、申し上げましたように、若干宿題が残りましたので、私と事務局で整理させていただいて、後日メール等でご確認、ご承諾をいただくということで、一応、環境基準の専門委員会としては、それで結論をまとめたということで、中央環境審議回の大気環境部会に報告をさせていただくということにしたいと思いますが、よろしいでしょうか、
 (了 承)

   

【内山委員長】 ありがとうございました。
 それでは、本当に長い間、ありがとうございました。とりあえず、少し宿題は残ってしまいましたけれども、そのようにさせて、環境基準の専門委員会としては、これで最後にしたいと思いますので、どうもありがとうございました。
 では、事務局、何かございますでしょうか。

   

【岡部総務課長】 事務局から申し上げます。
 本日、長時間にわたりましてご審議、どうもありがとうございました。本日の議事要旨、議事録につきましては、各委員の先生方にご確認をいただいた上で、公開の手続をとらせていただきます。
 また、報告案の今後の取り扱いスケジュールについて、簡単に申し上げます。
 本日、取りまとめいただきました環境基準専門委員会の報告案につきましては、次回の中央環境審議会の大気環境部会に、今、委員長からもお話ございましたが、報告をさせていただきます。この大気環境部会は、7月2日、15時から、フロラシオン青山というところで開催する予定になってございます。この部会では、測定法の専門委員会の報告とあわせて全体をまとめて、中央環境審議会の答申案が作成され、通常は約1カ月ぐらいのパブリックコメントに付す手続きをとられるということになると思われます。その結果をもちまして、再度、本専門委員会や大気環境部会においてご審議をいただき、最終的に微小粒子状物質にかかる環境基準の設定についての答申を、中央環境審議会の名前でいただくということを考えてございます。
 最後に、事務局である環境省を代表しまして、白石水・大気環境局長よりごあいさつを申し上げます。

   

【白石局長】 本日も、大変精力的にご議論いただきまして、本当にありがとうございます。このような形で報告案がおおむね取りまとめられたことにつきまして、本当に重ねて、事務局を代表して御礼を申し上げます。
 ずっと議論を聞かせていただいて、本当に従前の物質ではない、いろいろ難しい点があった現在の微小粒子状物質の環境影響の、いろいろな疫学知見、解析方法、こういったものを用いまして、いろいろ方法論を初めとして多くの議論があった中でおまとめいただいたということは、これからの時代におきます国民の健康の保護を図る上で、大変意義深い報告書になることであろうというふうに思っております。
 最後のまとめの「今後の課題」のところでもいろいろ議論がありました。もちろん、この報告をまとめるに十分値するだけのデータと、その分析手法をもとにしてご議論いただいたわけでございますけれども、くどいようでございますけれど、従前の物質ではないいろいろな難しい点があるので、今後、こういう点を詰めていくべき、見直しをするときにはこういうこともやらなければいけない。今後、PM2.5はこれで一応の形になるけれども、もっと小さい物質はどうするんだ、あるいはもっと大きい物質をどうするんだということも、これに加えて、また検討をしていかなければならないというご指摘も、重く受けとめさせていただこうと思います。もちろん、このことはこのこととして、さらにというご指摘というふうに受けとめさせていただきます。本当にありがとうございました。
 こういうことを申し上げては本当は失礼なのですけれども、ご指摘はいただいたけれど予算要求は大変だなとか、いろいろなことは頭の中をめぐりますけれども、それはそれで、委員会としてはこういう意見なのだぞということをおっしゃっていただくことは、とても私ども事務局としても励みにはなりますので、今日のような議論を活発にしていただいて、多くの国民の方々が、なるほどねというふうな形の報告書になったと、私はそのように感想を持ちました。
 今、課長からありましたように、いろいろな手続、ご議論がこれからもございますけれども、パブリックコメントの状況によりましては、この専門委員会にも、こういうふうな意見があったのでどうしましょうかということを、またお願いすることもあろうかとは思いますが、ひとつ引き続きよろしくお願いいたします。
 簡単ではございますが、お礼の言葉とさせていただきます。本日まで、本当にありがとうございます。

   

【内山委員長】 それでは、私の方から申し上げるべきなのでしょうか。また、パブリックコメントの様子によっては、もう一回ということもあるかもしれませんので、とりあえず今回はいろいろご議論いただきまして、何とか報告書案として来週の大気部会に報告させていただくところまでまとめていただきました。本当に、作業会合の先生方を初め、本当に土曜、日曜とも含めて、事務局も含めて議論させていただきまして、本当にどうもありがとうございました。
 まだ、最終ではございませんけれども、一応今回の会議で、報告書案を取りまとめさせていただいたということで、どうも本当にありがとうございました。
 それでは、終了したいと思いますので、どうもありがとうございました。