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■議事録一覧■

中央環境審議会大気環境部会
微小粒子状物質環境基準専門委員会(第2回)
会議録


1.日時

平成21年3月4日(水)9:30〜12:28

2.場所

環境省 22階 第1会議室

3.出席者

(委員長)
内山 巖雄
(委員)
加藤 順子、坂本 和彦、佐藤 洋
新田 裕史、安達 修一、上島 弘嗣
香川  順、川本 俊弘、工藤 翔二
佐藤 俊哉、関澤 純、祖父江友孝
高野 裕久、椿 広計、富永 祐民
内藤 季和、平木 隆年、丸山 浩一
溝畑 朗
(環境省)
白石水・大気環境局長
早水大気環境課長
岡部総務課長
松田総務課課長補佐
        

4.議題

(1)
微小粒子状物質の健康影響について
(2)
微小粒子状物質の大気・体内中の挙動について
(3)
微小粒子状物質の粒径について
(4)
その他

5.配付資料

資料1微小粒子状物質の健康影響について
 資料1−1最近の毒性学知見に関する文献レビュー結果について
 資料1−2最近の疫学知見に関する文献レビュー結果について
資料2微小粒子状物質の大気・体内中の挙動について
 資料2−1粒子状物質の特性
 資料2−2人への曝露の特徴
 資料2−3体内沈着及び動態
 資料2−4微小粒子状物質の大気中の挙動
資料3微小粒子状物質の粒径について

参考資料1健康影響評価検討会報告抜粋
参考資料2微小粒子状物質環境基準専門委員会の検討の進め方について

6.議事

【岡部課長】 皆様、おはようございます。定刻となりましたので、ただいまより、第2回微小粒子状物質環境基準専門委員会を開催させていただきます。
 委員の皆様方におかれましては、ご多忙中にもかかわらず、この場にお運びいただきまして、まことに恐縮に存じます。なお、環境省におきましては、本日よりセキュリティ対策のため、入門時のゲートの設置が開始されております。お手間をおかけしまして、まことに恐縮でございます。以後、協力をお願いいたします。
 本日の出席状況について申し上げます。現時点で20名の委員の先生方にご出席をいただいてございます。定足数であります過半数に達しているということを、ご報告させていただきます。
 次に、お手元の配付資料の確認をお願い申し上げます。
 お手元に議事次第の紙をお配りさせていただきましたが、その下半分に配付資料のリストを書いてございます。順番に読み上げます。資料の1、微小粒子状物質の健康影響についてということで、資料1-1、最近の毒性学知見に関する文献レビュー結果について。資料1-2、最近の疫学知見に関する文献レビュー結果について。資料の2として、微小粒子状物質の大気・体内中の挙動についてということで、資料2-1、粒子状物質の特性。資料2-2、人への曝露の特徴。資料2-3、体内沈着及び動態。資料2-4、微小粒子状物質の大気中の挙動。資料3、微小粒子状物質の粒径について。参考資料1ということで、健康影響評価検討会報告抜粋。参考資料2ということで、微小粒子状物質環境基準専門委員会の検討の進め方について、以上でございます。
 資料の不足等ございますれば、随時、事務局にお申しつけいただくようお願い申し上げます。
 報道関係者の方々がいらっしゃいましたら、お願い申し上げます。カメラ撮りにつきましては恐縮ですが、会議の冒頭のみとさせていただいてございますので、以後、ご協力をお願い申し上げます。
 それでは、これ以降の議事進行につきまして、内山委員長にお願いをいたします。よろしくお願いします。

【内山委員長】おはようございます。朝早くからありがとうございます。今日は、少々雪の影響が心配されましたが、その影響もなく、皆さんお揃いということでございますので、早速議事に入らせていただきます。
 今日は、主にこの検討事項のうちの健康影響に関しましては、新たな文献のレビューの結果、それから測定結果に関しましても、また新しい知見ということでございますので、それを中心に環境基準を作るのに当たっての評価を、従来の報告書を元に検討していくというのが、今日の主な議題でございます。
 まず、議題(1)微小粒子状物質の健康影響についてですが、昨年4月に取りまとめた検討会報告以後に、疫学、毒性学に関する知見がどんどん出てきておりますので、疫学の方は新田委員を中心といたしまして、佐藤俊哉委員、祖父江委員、武林委員にもご協力いただきまして、その後の新たな文献のレビューを行っていただきました。
 毒性学に関しましては、高野委員を中心といたしまして、安達委員、川本委員にもご協力いただき、追加的な文献レビューをしていただいたということでございますので、検討会以後に示されている評価に、新たな知見があるのか、あるいはこれまでの知見を支持するものなのかというような確認を行っていただいたところです。
 最初に事務局から、微小粒子状物質健康影響評価検討会報告において、まとめられていた評価内容についてご説明いただいて、その後、高野委員、それから新田委員に、最近の知見のレビュー結果、あるいは評価に関するコメントを紹介いただきたいというように思います。
 そして、それらの内容につきまして、これまでの評価内容に関して支持し得るものかどうか、あるいは新たな知見があるのかどうかというものを議論いただければというように思います。
 それでは、まず、事務局の方からご説明をお願いいたします。

【松田補佐】 それでは、毒性学と疫学の評価に関連しまして、参考資料1の、健康影響評価検討会報告の抜粋ということで、毒性学の評価と、あと有害性同定について、ご説明申し上げます。
 参考資料1のほうをご確認いただければと思いますが、まず、毒性学の健康影響に関する知見の整理ということですが、検討会報告におきまして、粒子状物質の影響メカニズムに関する検討に資するために、毒性の知見を整理して評価を行ってきています。具体的には、各器官、呼吸器系や循環器系などにおける粒子状物質の影響について、想定し得る障害の仮説を列挙して、その仮説について文献、レビューによって評価を行っているということでございます。
 それで、呼吸器系、循環器系、その他器官への影響について、ここで代表的なものを紹介したいと思います。
 まずは、呼吸器系への影響ということで、5-8-1に書かれている内容ですけれども、ここで検証する仮説として、肺障害及び炎症を誘導する仮説というものがございます。これについて、粒子状物質の曝露というのは、人の気道や肺に炎症反応を誘導すると、こういうことで評価をいただいております。
 また、気道反応性の亢進、及び喘息の悪化が見られる仮説に関して、動物実験においてはさまざまな種類の粒子状物質が、気道の抗原反応性を亢進する粘膜アジュバントとして働き、喘息やアレルギー性鼻炎を悪化させる作用のあることが認められている。また、呼吸器感染に対する感受性が亢進する仮説に関して、人においては証明されていないが、動物実験においては粒子状物質の曝露による呼吸器感染の感受性の亢進が認められている。
 後、この他疾患モデル動物や複合大気汚染物質についての評価を行っていただいているところでございます。
 その次に、5-8-2の循環器系への影響。これについては、様々な仮説がたてられて評価を行っていただきました。まず一つ目に、微小粒子状物質の曝露によって不整脈が誘発されやすくなる仮説ということですけれども、この仮説に関して影響が見られないとする知見もあるが、期外収縮や徐脈、心機能に明瞭な変化を示す根拠が多く存在する。この相違の原因は不明な点が多いものの、粒子状物質の吸入により実験動物に不整脈に関連する変化が生じやすくなることが示唆される、こういう結果になっております。
 また、次の二つ目につきまして、微小粒子状物質の曝露によって神血管系器官の構造や機能の変化をきたし、そのことが不整脈の発現性に影響を及ぼす仮設に関して、この仮説に関しては、CAPsやROFAの吸入曝露によって、主に血管系の形態的な変化を促進する傾向が存在し、特に潜在的に血管系に異常を持っている動物では、血管病変の悪化がより促進されると言えるという結論になっております。
 また、三つ目につきまして、自律神経機能に影響を及ぼす仮設に関しては、ヒトの研究で得られた自律神経機能の影響に関する傾向は、動物実験による傾向とは必ずしも一致しないが、ヒトにおいても動物においてもPM2.5やPM10の曝露が自律神経機能に影響を及ぼすことが示唆される、このような形で評価をされております。
 また、四つ目に、血液の凝固線溶系への影響が見られる仮説に関しては、粒子状物質やDEP曝露に関する動物実験の結果から、血液成分に影響が現れるとする報告は多い。多くの実験で血液凝固系が活性化し、血栓の形成を誘導することが示唆された。このような評価をいただいております。
 この他、心機能変化に呼吸器系の刺激が影響する部分、また微小粒子が心血管系に影響を及ぼす仮設についての評価を行っていただいております。
 その次に3ページ目にいきまして、5-8-3の免疫系その他への影響ということでございます。
 まず一つ目ですが、呼吸器における感染、抵抗性が低下する仮説に関して、CAPsやDEの曝露は肺胞マクロファージのもつ殺菌能を低下させ、インターフェロン産生を抑制するなどの可能性が示唆されたということになっております。
 次に、アレルギー性疾患が増発する仮説に関して、総体として見るとDEやDEPが、アレルギー感作の増悪に影響を生じさせていることが示唆されたということでございます。
 また、生殖器への影響、神経・行動への影響が生じる仮説に関しては、まだ科学的知見が十分ではなく、メカニズムの解明には至っていないのが現状であると、こういう結論になっております。
 その次のページにいきまして、変異原性・遺伝子傷害性及び発がん影響ということですが、都市及び工業地域の大気微小粒子が変異原性・遺伝子傷害性を有することについての仮説については、微生物やインビトロの実験などでも支持をされているということでございます。
 また、大気微小粒子を、実験動物で長期間曝露し、肺腫瘍発生などを検討した例はほとんどなく、大気微小粒子に関する発がん性の実験的根拠は不足している、こういう評価でございました。
 次に、粒子成分と健康影響の関係ですが、これに関しては、成分と毒性発現との関係の重要性を示唆する論文もあるが、結果は必ずしも一様ではなかった。CAPsの中に含まれる成分と毒性に関する研究は非常に限定的であり、微小粒子状物質の毒性は特定の成分により引き起こされるという明確な証拠はなかったということでございました。
 次のページにいきまして5ページ目、粒径と健康影響の関係ですが、小さい粒子の毒性が強いことを示す知見は多いが、大きい粒子にも毒性を認める知見は存在する。一概に粒径の大きさのみによって毒性が決定されるものではなく、こうした各種因子も考慮に入れて検討を行うことが妥当であるという評価でございました。
 この他、高感受性群、また共存汚染物質との相互作用に関して評価をいただいているところでございます。
 その次の7ページ目にいきまして、知見の統合による健康影響評価の中の有害性の同定ということでございます。これについては、総合的な評価に関連する部分ということでございまして、毒性学知見から想定されるメカニズムと、疫学研究の健康影響に関する知見の整理に基づく評価を統合した評価ということでございます。疫学の知見については、諸外国の知見、それと我が国の知見をあわせて評価をしている。
 また、短期曝露や長期曝露による様々なエンドポイントについての知見を含んでいるということでございます。
 こういった大気中、粒子状物質の曝露が人々の健康に対して有害性があるか否かの判断については、種々の曝露指標と健康影響指標の組み合わせによる結果を元に総合的に評価をした結果に基づいておるということです。この評価の中で、個々の知見の持つ不確実性が相互に補われることによって、個々の知見の単なる積み重ね以上の評価を可能にするものと考えるということとされております。
 それで、総合評価の基礎となる曝露指標と、それぞれの健康影響指標に関する個別の評価について紹介をしますと、PM2.5への短期曝露と死亡に関する幾つかの複数都市研究で、日単位の曝露と死亡との間に関連性が見られている。これらの研究には、我が国の研究も含まれて、他の都市の他の国の単一都市研究でも、多くの同様の報告が見られる。これについては、過剰リスク推定値はばらつきがあるということですが、関連の方向については頑健性があり、一貫性が認められている。
 また、循環器疾患の死亡リスクの増加に関する結果については、不整脈・急性心筋梗塞・冠動脈疾患・脳血管疾患などの病態を修飾し、重篤な場合は死亡に至る過程によって基本的に説明は可能である。しかし、呼吸器系の死亡リスクの増加に関する結果については、直接的な死因を推定することや、死亡に至るまでの生態反応の過程を説明することは困難であったということでした。
 また、PM2.5への長期曝露と死亡に関する、幾つかのコホート研究において、PM2.5と全死亡、呼吸器・循環器死亡、肺がん死亡との間に関連性が見られている。我が国におけるコホート研究においても、SPMについて肺がん死亡との関連性が見られている。これらの関連性は、大気汚染以外の主要なリスクファクターを調整した後に認められており、肺がん死亡の過剰リスク推定値は、我が国と欧米の結果が類似をしていた。この肺がん死亡との関連に関する結果について、DEPや燃料燃焼由来成分等、発がん性を有すると考えられる物質の関与は、否定ができないということでございました。
 その次に、PM2.5への短期曝露と、医療機関への呼吸器疾患や循環器疾患による入院・受診との関連性について、世界各国の多くの研究で見られている。死亡に至る過程を直接示すものではないが、これらの結果は短期曝露と日死亡との関連について整合性を示唆したものであるということでした。
 また、PM2.5への短期曝露と循環器系への機能変化との関連について、多くの知見がある。これらの結果は、呼吸器系の刺激や自律神経機能への影響などを介した作用、生理活性物質や過酸化物などの増加等を介した作用、血液凝固系の活性化や血栓形成の誘導等を介した作用等も想定されるメカニズムで説明することが可能である。また、長期曝露と循環器系疾患の発症ならびに死亡との関連性を示す米国の大規模なコホート研究による知見があるということでした。
 次に短期曝露のあと、呼吸器症状および肺機能の変化に関する疫学研究について、研究デザインや調査対象者が一様でないため血管にばらつきが存在するものの、関連性を示唆する多くの知見があり、呼吸器系疾患による入院・受診に関する知見と整合性も認められ、我が国の研究においても、PM2.5ないしSPMとの関連性が示唆されているということでした。
 また、長期曝露と呼吸器疾患の発症については、関連は明確ではなかったものの、肺機能低下や有症率の増加に影響し得ることが示されている。これらの知見は、炎症反応の誘導、感染抵抗性の低下などの想定されるメカニズムで基本的に説明することは可能であるということでございました。
 9ページにいきまして、様々な国内と海外の疾患構造の相違の問題とか、また、他の共存汚染物質の問題とか、様々な不確実性もあるということでございましたが、総合的に評価すると、微小粒子状物質が総体として人々の健康に一定の影響を与えていることは、疫学知見並びに毒性学知見から支持をされるということでございました。
 以上、簡潔にご説明をいたしました。

【内山委員長】 ありがとうございました。
 それでは、引き続き高野委員の方から、毒性学の知見に関しての文献レビューの結果をご報告お願いいたします。

【高野委員】 それでは、お手元の資料1-1をごらんいただきたいと思います。
 この資料は、昨年度にまとめました粒子状物質の健康影響に関する文献調査の取りまとめにご協力いただいた先生方のうち、毒性分野の先生方にまたご協力いただきまして、昨年秋から環境省の委託業務受託先内に、毒性の作業会合というものを組織いたしまして、2007年4月以降に出版された最近の毒性学的知見のレビューを行って、微小粒子状物質健康影響評価検討会報告書に示す評価内容の確認を行ったというものでございます。
 それでは、詳細について、資料1-1に沿ってご説明させていただきたいと思います。
 まず、この背景と目的でありますけれども、今お話しいたしましたように、平成20年4月に毒性学知見による評価を含めた微小粒子状物質健康影響評価検討会報告書を取りまとめております。これは、2007年3月末までに出版されたヒト志願者実験、あるいは動物知見の毒性学的知見のレビューに基づくものでありました。今回におきましては、2007年4月以降に出版された最近の知見についてレビューを行って、検討会報告書の評価内容の確認を行ったものでございます。
 実施体制でありますけれども、9ページに別添がございますが、毒性ワーキンググループに参画いただいた委員によって、評価内容を点検いたしました。9ページ、別添にございます。
 検索の方法でありますが、まずヒト志願者実験に関する文献調査でありますけれども、これは2007年4月1日から2008年8月31日までの期間に発表された毒性学研究論文につきまして、PubMedとJMedのデータベースを使いまして、まず検索を行っております。
 検索期間、検索実施日、検索式は括弧内に示すとおりでございます。
 また、次の2ページの四角の下をごらんいただきたいと思いますけれども、この検索で検索されてまいりました文献とともに、2007年以前に公表された文献で、過去の報告書に記載されていなかった文献でありましても、委員からの指摘を受けて関連性が認められると判断された文献については、追加、採録いたしました。
 それから、動物実験に関する文献調査、3-2でありますが、これも示すとおりでございまして、記載のある検索期間、検索実施日、検索式に基づいて文献の検索を行いました。
 こうして検索された文献につきましては、各文献のAbstractの内容等からその概要を把握いたしまして一覧表にまとめてあります。これが、先ほどお示しした9ページの次からの1ページから始まります一覧表となっております。
 4ページをごらんいただきたいと思いますけれども、これはその検索の結果でございます。まず、ヒト志願者実験に関する文献検索でありますけれども、先ほどの検索式・検索方法によってヒットしてきた文献数がPubMedで105件、JMedで182件ございました。このうち、原著論文、そして曝露経路が吸入曝露・気管内投与・経鼻投与といった曝露形式であるというものと考えられる文献を選択いたしました。
 実は、この計300件近い論文が検索されたわけですけれども、これらの大半は大気中の曝露評価、体内の沈着動態、治療方法や薬剤に関する文献等、いわゆるこの毒性学の知見としてレビューすべきというものではない内容が大半でございました。また、学会等の要旨録や短い記事等も含みましたので、こういったものは文献レビューの対象からは除外しております。
 結果といたしまして、表1に抽出結果をまとめてございますけれども、レビュー対象文献件数が4件、それから委員、担当者から追加すべきであろうというように申し出のあった論文が12件の、計16件であります。この16件の内訳は、CAPs1件、車由来の粒子状物質1件、DEP10件、ブラックスモーク等が2件、吸入曝露が15件、鼻内噴霧が1件という内訳でありまして、影響は重なりがありますので少し数は増えますけれども、示すとおりでございます。
 動物実験、5ページですが、これも原著論文、それから吸入曝露、気管内投与、経鼻投与といった曝露様式がとられていると考えられる論文を選択いたしました。この結果、レビュー対象となる文献件数は29件、このうちCAPsが6件、車1件、工場由来が3件、DEP6件、ブラックスモーク等の他の粒子が13件であります。吸入曝露が16件、気管内投与9件、その他4件でございまして、影響は表内に示すような影響の報告がございました。
 こうして論文を精査いたしまして、6ページをごらんいただきたいと思いますけれども、まず一覧表を先ほどお示しいたしましたように作成いたしました。また、それらの論文の中から、今回レビューを行った文献の中で、毒性学知見の健康影響評価の上で特記すべき知見があるのではないかということで、これを紹介しています。今回の文献レビューの結果を踏まえ、微小粒子状物質健康影響評価検討会報告書に示される毒性学知見による健康影響評価の内容を再確認しようということで、ここに示させていただいております。
 循環器系への影響を報告している論文を、ヒト志願者で2件、動物で1件を特記しております。それから、次の7ページには、神経行動系への影響の論文を2本特記させていただいております。
 まず、このヒトの志願者の循環器影響に関する論文でありますが、Peretzら、2008年の論文でございまして、これはヒトの志願者にDEを吸入曝露しております。粒子の濃度として100μg/m3、200μg/m3というものです。
 この論文では、上腕動脈の直径が測定されておりまして、その動脈の直径が粒子の曝露によって小さくなる、減少するということ、あるいは血管収縮物質でありますエンドセリンの血漿濃度が増加するというようなことが報告されておりまして、DEの短期曝露が急性の内皮反応、あるいは血管収縮に関連しているということを示唆するものでありました。
 Shahら、2008年でありますけれども、超微小粒子状物質、UFPをやはり健常人に曝露するという論文でございまして、50μg/m3でございます。この報告におきましても、血管、血流に関する結果が示されておりまして、前腕血流再開後のピーク血流というものが、粒子状物質曝露によって減少する。血管抵抗が増加する、あるいは血漿のナイトレートが減少するといったことで、粒子状物質の曝露による血管機能の変化、あるいはナイトリックオキサイド、一酸化窒素のbioavailabilityの減少というものを示しているものでございます。
 続きまして、動物実験におきましては、Itoらの論文、これはラットを用いて横浜市根岸でCAPsを曝露した実験でございます。これは、一日曝露、四日の曝露を行いまして、その後に心臓や肺からmRNAを取り出してまいりまして、その発現の程度を見たというものでございます。特記すべき内容といたしましては、酸化ストレスに対する細胞保護酵素でありますheme oxigenase-1、HO-1というもの、あるいは血管収縮因子であるエンドセリンAの受容体、これらに対するmRNA、それからp450ですね、化学物質曝露で誘導されるp450の遺伝子の発現が、累積曝露量に応じて有意に増加するといった結果でございます。
 このように、CAPsの曝露が酸化ストレス反応、血管収縮を誘導して、結果として心臓に影響をもたらす可能性があるのではないかということを示唆する論文でございます。
 以上、Peretzら、Shahら、Itoらの論文に関しましては、この成果は微小粒子状物質健康影響評価検討会報告書の5-8-2に示した微小粒子状物質の曝露によって、心血管系器官の構造や機能の変化をきたすという仮説を支持するものであるというように考えられたわけでございます。
 もちろん、この他にも種々の報告がございまして、その中の一部では影響が見られないというような知見も存在いたしましたが、微小粒子状物質康影響評価検討会報告書において、毒性学的知見に基づく障害の仮説の確からしさを行った評価というものの結果を、おおむね支持するというように考えられた内容でございました。
 続きまして、新しい方向性の知見として、神経・行動系への影響につきまして、二つだけ簡単に紹介させていただきたいと思います。
 Kleinmanら、2008年の論文は、これはApoEノックアウトマウスと、C57ブラックマウス。ApoEノックアウトマウスというのは、高脂血症のマウスでありますけれども、この動物にCAPsを曝露して、その後の脳の変化を見たというものでございます。その結果、脳の皮質の核内のNF-κB、AP-1という転写因子が、CAPsの濃度に依存して増えたということ。それから、GFAP、これはグリア細胞に含まれるたんぱく質でありますけれども、それとMAPカイネースの発現の指標というものが、4倍濃縮のCAPsで増えていた。ただし、15倍濃縮では増えていなかったということです。これらの分子は、炎症反応に比較的関与することが多い分子でございますので、CAPs曝露によって脳内でも炎症反応が引き起こされる可能性が示唆されているのではないかということで、紹介させていただきます。
 それからもう一つ、Zanchiら、2008年、これはラットにROFAを鼻腔内投与したものでありますけれども、線条体あるいは小脳の過酸化脂質が増加している。あるいは、外周部歩行回数と探索行動の減少、行動への変化がきたされているということで、報告を紹介させていただきたいと思います。
 このように、動物に対する粒子状物質の曝露が、中枢神経系に及ぼす影響というものも、報告が以前よりも増えてきております。ただ、そのメカニズムに関しては、まだ完全に明らかになっているというまでは至っていないのではないかという判断でございまして、今後も科学的知見の蓄積が必要であろうというように考えられました。
 以上でございます。

【内山委員長】 ありがとうございました
 ただ今ご説明のありました最近の、特に毒性学知見に関する文献で、先ほど事務局の方からは、以前の報告書の概要をお話しいただいて、それをもとに文献レビューをして、新たな知見あるいはそれを支持する知見だったかどうかということをご確認いただいたわけですけれども、結論としては、従来の報告書の内容のメカニズムなり、状況を支持する結果だということでよろしいでしょうか。
 何か、ご質問、ご意見ございませんでしょうか。

(なし)

【内山委員長】 よろしいでしょうか。
 一つだけ、6ページのヒトへの志願者実験のところの、ウルトラファインパーティクル、これはナノだろうと思うのですけれども、粒径はどのぐらいというようには、記載はありましたでしょうか。
 これは、表には少し載っていますか。

【高野委員】 7ページにございます。

【内山委員長】 7ページは動物実験。

【松田補佐】 ヒトボランティア試験の7ページですね。

【高野委員】 この一覧表にも粒径が載っていませんので、少し後で確認させていただきたいと思います

【内山委員長】 そうですね。わかりました。
 では、ちょっと確認をしておいてください。
 その他に、よろしいでしょうか。
 関澤先生、どうぞ。

【関澤委員】 細かいことで恐縮ですけれど、4ページの検索結果で、上の文章でJMedの件数が182件とあって、表の方では159件となっていますけれども、どちらが正しいか後で訂正していただければと思います。

【松田補佐】 事務局からですが、これは実は159件が正しくて、上の方の182件というのは誤りですので、159件に修正をさせていただければと思います。

【内山委員長】 表の方が正しくて、上は修正ミスだということですので、159件というのがJMedでの検索件数ということです。
 それでは、次に疫学の方にいきたいと思います。
 新田先生の方からよろしくお願いいたします。

【新田委員】 引き続きまして、資料1-2に基づきまして、最近の疫学知見に関する文献レビューの結果についてご報告をさせていただきます。
 先ほど、毒性学知見に関する文献レビューと同様ですけれども、平成19年度におきまして、疫学知見の文献レビューを行って、その結果に基づきまして健康影響評価検討会報告書にまとめられて、その概要は先ほど事務局の方からご報告いただいておりまが、それ以降に出版されました疫学知見に関して文献レビューを行い、評価内容に関する確認を行いました。
 まず、検索方法は、基本的には毒性学知見と同様ですけれども、2007年4月以降、2008年度12月いっぱいまでに発表された微小粒子状物質に関する、すみません、ここに毒性学研究論文となっておりますが、疫学研究論文とご訂正をお願いいたします。1ページの2の検索方法の2行目でございます。
 基本的にはPubMedで検索をいたしました。検索結果、2ページの表1にまとめておりますが、全部で285件がヒットいたしました。その中で、一般環境における曝露に関するものを選び出しました結果、レビュー対象候補としては140件でございました。この検索には、微小粒子以外の粒子の項目も入っておりますので、その中からPM2.5の扱っているものが54件ございました。その他、PM10その他の物質が含まれております。
 それから、全体として取り上げられているエンドポイントに関しましては、以前からございますように死亡に関するもの、入院・受診に関するもの、呼吸器症状機能に関するもの、循環機能に関するもの、肺がんに関するもの、その他の分野、エンドポイントがございますけれども、印象としては以前よりは循環器系の症状機能に関する文献が増加しているかなという印象を持っております。
 具体的にその中で重要だと思われる文献を、3ページ以降、ご紹介をさせていただきます。
 リスク評価手法専門委員会の報告書におきましては、疫学知見に関して、長期影響に関してはコホート研究による知見を優先する。それから短期影響に関しましては、複数都市研究に基づく知見を優先して評価するということでございましたので、ここではそれらの知見を中心にご紹介をさせていただきます。一部はリスク評価手法専門委員会において、既にご報告させていただいている文献も含まれております。
 まず、長期曝露影響に関する研究といたしましては、Schwartzらの研究がございます。これは、米国での6都市の拡張研究のデータを用いて、統計学的な解析を行っております。曝露と死亡との時間的な遅れに関する検討でございます。PM曝露に関連した全死亡のリスクが、死亡前2年以内の曝露で大きくなっており、肺がん死亡の場合には、それよりもやや長い期間の年数のところで増加する傾向が見られると報告をしております。
 これは、例えば5年、10年前の曝露濃度と死亡との関係よりも、より近い年度の曝露濃度の関係のほうが大きくなるということを、統計的なモデルを用いた検討でございます。
 それから、Eftimらの研究は、この長期曝露影響で重要だと考えられておりますACS研究、それから6都市研究と同じ都市、地域において、米国の高齢者の医療保険でございますメディケアのデータを用いて、PM2.5曝露と死亡との関係を見ております。
 その結果、ACSと同じ地域で行った研究では、ほぼ元のACS研究と同じようなリスク、それから6都市調査と同じ地域で行った研究では、元の6都市研究の結果よりもやや高い相対リスクが得られたという報告でございました。
 それから、Zegerらは、このメディケアのデータ、全米のデータを用いた報告を最近出版しております。この結果によりますと、解析は東部・中部・西部と全米を3地域に分けた報告がありますけれども、東部と中部ではPM2.5曝露と死亡との関連性が見られたが、西部地域では関連性が見られなかったという報告になっております。
 なお、メディケアデータは、そのデータベースの性格からして、このEftim、Zeger両者の解析とも、年齢は個人単位で解析の場合調整しておりますが、その他の要因に関しては、地区単位の調整となっておりました。
 その他、PM2.5への長期曝露と循環器系への影響を報告した研究がございます。いずれもMESAスタディと呼ばれている動脈硬化に関する疫学研究のデータを用いて検討をしております。一つの報告は、血管内膜の肥厚との関係、それからもう一つ、4ページの方の論文では、血圧との関係を報告しております。このグループも、一連の様々な循環器系の指標とPM2.5への曝露の長期的な関係を報告しております。それ以外では、肺機能と関連を報告した研究が、以前もございましたが、また最近でも報告がなされております。
 Gotschiらは、ヨーロッパでの成人の肺機能を9年間追跡した結果ですが、この報告ではPM2.5曝露との関連性は見られなかったとしております。
 それから、その他、子どもの肺機能に関しての報告もございます。
 もう一つ、Islamらは、カリフォルニアの子ども調査の報告、肺機能に関する報告が幾つかございますけれども、そのデータを用いて、喘息発症と肺機能との関連性が、PM2.5への長期曝露によって修飾されるかどうかを検討しております。その結果を見ますと、肺機能の高値群と低値群における喘息発症率を比較しますと、PM2.5高曝露群ではその差が大きくなっておりますが、PM2.5低曝露群では余り差がなかったという報告をしておりまして、PM2.5の長期的な曝露が喘息発症と肺機能との関連性に何らかの作用をもたらしているのではないかと、そういう推測をしております。
 その他、胎児・新生児の成長発達等々、出産を含めていわゆる周産期にかかわるようなエンドポイントと関連性を報告した研究がございます。例えば新生児死亡との関係、それから出生体重との関係の報告がございました。
 続きまして、短期曝露影響に関する疫学研究に関しましては、これまでも死亡との関係、入院・受診との関係、それから各種症状、機能との関係という報告、呼吸器系、循環器系に関してございましたけれども、Franklinらの研究では、かなり細かい死因別の死亡とPM2.5の濃度との関係性に関して、様々な修飾因子についての検討をしております。例えば季節によってその関係が変わらないか、地域によって変わらないかというようなことを、詳細に検討した報告でございます。
 それから、同じ著者がPM2.5の成分との関係を検討して、アルミニウム、硫酸塩、ニッケル成分が一番大きい関連性を示していたというようなことを報告しております。
 それから、長期の曝露影響のところでも出てまいりましたけれども、このPengら、それからBellらの報告では、メディケアのデータで、短期の曝露との影響を報告しております。この研究も、全米、かなり大規模な解析になっておりますが、入院とPM2.5との短期的な曝露との関係が、やはり季節、地域によって変わり得るというような報告でございました。
 それから、フランスにおいても複数都市での報告がございます。
 また、循環器系に関しまして様々な指標、先ほど毒性学知見のところでも出てきたようなエンドポイントと共通する部分がございますけれども、心拍変動、血管運動機能、血圧、全身性の炎症、血液凝固、それから酸化的ストレス等々の様々な指標とPM2.5への短期曝露に関する多くの報告が、最近さらに増加しているというように印象を持っております。
 それから、呼吸器系に関する影響に関しましても、従来どおり呼吸器症状、肺機能に加えて、炎症マーカーとの関係を短期的に見た報告がございます。
 まとめ、ここに資料には書いておりませんが、毒性学知見と同様に、健康影響評価検討委員会報告書での評価をした内容に関して、疫学知見の場合にもさらにその知見を支持するような研究が追加されているという認識をしております。もちろん、すべてが一致した結果ということではないというように思っておりますが、全体としては長期曝露影響、短期曝露影響ともに多くの知見が蓄積されているというように考えております。
 以上です。

【内山委員長】 ありがとうございました。
 疫学知見の方も概ね前回までの報告書の内容を支持するものが多かったというご結論だと思いますが、何かご意見、ご質問はございますでしょうか。
 これも一つ、訂正ですが、1ページのところの検索方法の括弧の中の、検索実施日が「2008年1月9日」になっていると思いますが、これは多分2009年1月9日。次の表1の方では2009年1月9日になっていますので、2008年12月31日までの結果を2009年1月9日に検索したということで、これは訂正です。単純ミスですので、よろしくお願いいたします。
 その他に、何かご意見、ご質問ありますでしょうか。

【関澤委員】 質問させていただきたいのですけれど、この論文数を見ると、結構ヒット数が多い感じがするのですね、疫学の論文は、毒性学の数と比べてみても、割合多いような気がするのですけれど、これの中身としては、今まであったACS研究とか6都市研究とかを解析し直した論文が多いのか、あるいは後でご紹介があったように、ヨーロッパでもコホートのデータが出てきているようなのですが、新しいコホートのデータが出てきているのか、少しその辺を教えていただければと思うのですけれど。

【新田委員】 文献検索としては、かなりヒットしておりますが、例えば表1でいきますと、長期の影響に関する検討が80件ありますが、その中から一般環境での普通の住民の曝露、しかも長期のコホートということになりますと、かなり限定されていて、今日、ご紹介したような内容にかなり限定されるというように思っております。それ以前に関しましては、既に健康影響評価検討会報告書に収録されている内容でございましたので、ここでの紹介は、今日は省かせていただいております。
 先ほどちょっと印象として申し上げましたけれども、やはり長期のコホート研究の数は相当に限られているということでございます。
 それから、新しい文献であっても、以前から続いている研究の流れ、例えばカリフォルニアの子ども調査の大きな研究の流れの中で、解析手法を少し変えたようなものの報告等々、やはり全く新しいところから長期のコホート研究ということに関しては、ほとんどなかったというように思っております。

【内山委員長】 わかりました。
 その他に、よろしいでしょうか。
 このメディケアを使ったものは、そうするとプロスペクティブなものではなくて、古いものを分析している。

【新田委員】 そうです。既にあるデータに関して、大気汚染、特にPM2.5の濃度を割り当てて、疫学の分類でいきますと後ろ向きのコホートに分類されるような解析内容になっております。

【内山委員長】 その他によろしいでしょうか。
 一つ、私のほうから。4ページのIslamらの、子どもの調査におけるもので、その結果というところが、ちょっとはっきりわからなかったのですが、肺機能の高値群と低値群というのは、高値というのは正常群ということですか、肺機能が正常群ということでしょうか。

【新田委員】 そうです。正常群ということです。

【内山委員長】 同じ肺機能の正常群、コントロールなり正常群と、それから低値というのは、ある程度肺機能が落ちている群だと思うのですが、その中で喘息発症率を比較すると、PM2.5高濃度曝露群では、その差が大きいというのは、正常群の中でPM2.5を曝露されると何人から何人出てきて、それは差が余りないけれども、低値群の方では、高濃度曝露群と低濃度曝露群では発症率に差があったと、そういう意味ですか。

【新田委員】 ちょっと全体がきちんと書いていないので、非常にわかりにくい資料になっておりますけれども、カリフォルニアの子ども調査においては、基本的に肺機能の成長にともなう伸びがPM2.5との濃度と関係する。高いところでは、肺機能の伸びが低くなるという報告が既にされております。その結果を踏まえて、喘息発症との関係をまず見たところ、その部分をちょっとここは省略しておりますが、基本的には肺機能の低下している群の方が、喘息発症率が高かったということです。
 ただ、それをさらにPM2.5の曝露の程度で分けると、PM2.5の曝露の程度が高いところでその差が大きくなっていて、PM2.5の曝露の程度が低いところでは、肺機能による喘息発症の差が余りなかったという報告になっております。
 どのように解釈していくかというところ、なかなか難しい問題があるかなと思いますけれども、カリフォルニアの子ども調査、一連の調査の中で、これまでの報告の肺機能を低下するということの意味づけの一つの次のステップとしての論文が出されたものというように見ております。

【内山委員長】 ありがとうございました。
 そのほかに、ご質問、ご意見ございますでしょうか。
 富永先生、どうぞ。

【富永委員】 3ページの、先ほど話題になりましたメディケアを用いたZegerらの論文で、死亡とPM2.5、この死亡というのはトータルモータリティで、多分これは死因までわからないのではないかと思うのですが、他の死因について触れていなかったかということと、それから3行目にZIPコード単位で4,568、これは4,560単位のPM2.5の濃度と、死亡のデータに基づいて、東部・中部・西部分けて解析したのか。
 それからもう一つ、西部地域では関連が見られなくて、東部・中部地域だけで関連が見られたとありますが、論文では何か解釈・コメントはありますでしょうか。

【新田委員】 まず、最初のご質問の点ですが、論文では全死亡のみの結果が示されております。メディケアのそのデータベースの中身に関して、十分ちょっと承知していないものですから、次のステップとして、死因別の解析が可能かどうか、ちょっとここで私の方でお答えする材料を持っておりません。
 それから、2番目は先生、ZIPコードに関してでしょうか。この解析に当たっては、おそらくデータベースについている対象者の居住地に関するZIPコードをもとに、大気汚染の濃度、PM2.5を含む濃度を割り当てているということだと思います。
 それから、3番目の、地域毎に差があったことに関して、論文の中でのディスカッションでは、特に西部でPM2.5の成分にやや違いがあるというような可能性を述べておりますが、私の個人的な見解ですが、その説明は十分できていないというように考えております。

【富永委員】 2番目の質問のZIPコードのところなのですけれど、これは居住地区が4,568単位になっておりまして、実際それだけのPM2.5のデータと、死亡データが揃っていたかというのが、私の質問の趣旨でした。

【新田委員】 ZIPコードにPM2.5の濃度をどういうように割り当てたかというところに関しては、それぞれの地域で一番近いモニタリングステーションを拾い出した。その条件が幾つか出ていたかと思いますけれども、ちょっと今、手元の資料ではその確認ができないので、また後ほどご報告させていただきたいというように思います。

【椿委員】 先ほどの関澤委員のご質問にもかかわるかと思うのですけれども、今回の文献検索の結果の中で、北米ヨーロッパに次いで、アジアが36件という文献の検索結果が出ておりますけれども、これは地域的に見ますと我が国において、あるいは中国、韓国等において、その種の疫学研究が、かなり始まっている、あるいはそういうようなことと考えてよろしいのでしょうか。

【新田委員】 このアジアの内容に関しましては、韓国、それから台湾の研究がほとんどということでございます。

【内山委員長】 特にブロスベクティブな大きなコホートで、アジアの地域の特徴が出ているようなというものはなかったということですか。

【新田委員】 コホート研究はございません。

【内山委員長】 ないということですか。

【新田委員】 はい。

【内山委員長】 その他にいかがでしょう。
 丸山先生。

【丸山委員】 毒性のほうで、お話しが高野先生からありましたけれども、最近のいわゆる文献で、循環器にかかわる文献が非常に増加している傾向がある。その根拠になる文献というか、その辺のところはある程度共有されているのかどうかというのが1点と、それからもう一つは、いわゆる循環器指標という形で、電気的な心電図変化だとかそういうようなものは、先ほど新田先生の指標の中には、ちょっと見えなかったのですけれども、そういうものも追加論文にはかなりある。電気的な変化によっての影響というものに対して。

【新田委員】 後半のことからお答えいたします。
 資料のほうで不整脈に関する検討のところ、項目が抜けておりましたが、基本的には疫学研究の短期影響に関しましては、除細動器を埋め込まれた患者さんに関して、不整脈の発生との関係という研究が以前からございますし、最近でも報告が出ております。
 ただ、この研究に関しては、結果としては必ずしも一貫した結果になっていないという評価でございます。
 それから、毒性学と疫学知見の情報の共有というご趣旨だったでしょうか。

【丸山委員】循環器系が最近は増えたというお二人の先生からのお話しだったのですが、その根拠となる論文なり、研究なり、何か共有しているものがあるかどうか。

【新田委員】 今のところ作業としては、個別に毒性学の知見と二分にされるもの、それから疫学知見に分類されるもの、個別に評価をしております。その両者とも、そういう傾向が見られているということで、基本的にはPM2.5の影響、疫学で示された影響が循環器に対する影響ということが以前から非常に注目されていて、メカニズムに関する研究、それからより疫学知見に関しましても、知見を充実させようという、そういう必要性がまだまだあるという認識を研究者等々が持っているという結果ではないかなと思っております。

【内山委員長】 よろしいでしょうか。
 溝畑先生、先に。それから工藤先生、どうぞ。

【溝畑委員】 新田先生のおっしゃっておられました短期曝露影響のところの、Franklinらの論文のコメント、4ページなのですけれども、PM2.5成分と死亡との関連性のところで、アルミニウム、硫酸塩、ニッケル成分が両者の関連性に影響していることを示唆しているということなのですが、これは成分単独ですか。それとも三つが一緒ということなのでしょうか。ちょっと質問です。

【新田委員】 数多くのその他の金属、それから成分と、個別に死亡との関係を検討した結果、その三つに関してはポジティブな関連性が見られていたということで。ただ、この具体的な成分と死亡に関しましては、他の報告、数は少ないのですがございます。
 ただ、結果、どの成分が影響しているということに関しての一貫性は、今のところ余り認められていない状況だというように思います。

【内山委員長】 よろしいでしょうか。
 それでは、工藤先生、どうぞ。

【工藤委員】 長期曝露と肺機能との関係なのですけれども、肺機能の指標を何に置くかについては、それぞれ違うかもしれませんけれども、一秒間に強制的に吐き出せる量を一秒量といいますが、肺機能の代表的な指標になっています。大体二十歳過ぎぐらいが、フレチャーの喫煙との関係の図表などを見ると、大体25歳をピークとして、大体年間で25から30ccぐらい落ちていくわけですね。これは加齢によって落ちていくわけです。それまでの年齢では増えていくわけで、まだ成長を続けているということです。それで、この成人の肺機能を9年間追跡したという、この点については、これは成人といっても20歳から25歳ぐらいまでをいっているのか、もっと高齢なのか、それによって大分ちがうのではないかなということが一つと、それからもう一つは、やはり小児の肺の発育との関係は非常に重要なので、これは先ほど新田先生がおっしゃったように、PM2.5と小児の肺機能の発育ということについては、相関があるというように結論してよろしいわけですね。
 先ほどの新田先生のご説明の重点は、喘息発症との関係だったと思いますけれども、むしろ肺機能に関する発育との関係はどうですか。

【新田委員】 まず、成人の肺機能に関しての論文ですが、これは20歳から44歳というように原著には書かれております。
 それから、カリフォルニアの子ども調査に関しましては、既にPM2.5の曝露と、確か12のカリフォルニアの地域をもとに、その地域のPM2.5濃度と、それぞれの地域における子どもの長期にわたる肺機能の発達の差を検討した報告がございます。
 これに関しましては、私自身、調査自身は非常にきちんとデザインされたものだというように評価しておりますが、他に比べるべきものがないというような状況で、そのPM2.5が子どもの肺機能の発達に影響があるということを結論づけられるものかどうかという判断は、少し議論が必要なのかなというように思っております。

【工藤委員】 ありがとうございました。
 それは、コントロールを置いた調査ではないという、そういうことですね。

【新田委員】 そうです。

【内山委員長】 その他にいかがでしょうか。

(なし)

【内山委員長】 そうしましたら、検討会報告書以後の文献をレビューした結果では、おおむね毒性学知見あるいは疫学知見も、その検討会報告書で示された評価内容を支持するもの、あるいはそのメカニズムを説明しているものという方向だったと思います。
 本委員会の報告書を検討する際には、この微小粒子状物質の健康影響に関しまして、今日の検討結果も含めて、あるいは今日ご指摘いただいたところを少し修正し、追加して記録、要約してお示しすることになると思いますので、よろしくどうぞお願いいたします。
 それでは次に進みたいと思いますが、よろしいでしょうか。
 議題(2)は、微小粒子状物質の大気・体内中の挙動についてということです。一つ目は、粒子状物質の特性、人への曝露の特徴、体内の挙動、それからもう一つが大気中の挙動ということがありますけれども、委員の先生方のうち早く退席される方もいらっしゃいますので、資料の順番を変えて説明、あるいはご質疑いただきたいと思いますので、よろしくどうぞお願いいたします。

【松田補佐】 それでは、資料につきましてですが、ちょっと順番を変えまして、最初に資料2-1について説明をして、その後に資料2-4の説明をしたいと思います。そのあと、資料2-2、2-3という順番にさせていただきたいと思いますので、よろしくお願いします。
 それでは、まず粒子状物質の特性についてということで、資料2-1についてご説明をしたいと思います。
 これについては、微小粒子状物質の健康影響評価検討会報告を踏まえまして、粒子状物質の特性、主に粒径分布、化学組成、生成機構、発生源について整理を行ったものです。粒子状物質は、他の大気汚染物質と異なり、硫酸塩、硝酸塩、有機化合物などから構成される混合物であるということで、これらの物質の物理化学的な特性について述べております。
 まず、一つ目に粒径分布ということですが、まず環境大気中に存在する粒子は、様々な生成過程を経たものの混合体であるため、広い範囲に粒径が分布して、0.001から100μmの範囲内に幾何学的粒径があるということでございます。
 また、大気粒子は、さまざまな密度や形状を有しまして、粒径に関しての統一的取り扱いを図るために、空気動力学径ということで表示をするということでございます。PM2.5につきましては、空気動力学径が2.5μm以下の粒子のことをいうということでございます。
 次に、粒径分布につきましては、モードと呼ばれる三つのピークが存在し、一般に破砕過程において物理的に生成され、粗大粒子領域である5〜30μmにピークを持つ粗大粒子モード、また凝縮や凝固によって形成され0.15〜0.5μmにピークを持つ蓄積モード、また燃焼過程で出る粒子で微小粒子領域である0.015〜0.04μmにピークを持つ核形成モードがあるということでございます。これについては、図の1-1-1、次の2ページ目に図をつけております。ここで一番小さいものについては、核形成モードです。その次に凝縮をして大きくなる、これは蓄積モード、それとは別に機械的な精製ということで、土壌粒子などで構成される粗大粒子モード、こういう三つのものがあるということでございます。
 それでは、さらに個数濃度分布、表面積濃度分布、あとは質量濃度分布ということで、個数と表面積と質量ごとの分布をお示ししたものは、図1-1-2になります。上から粒子数、真ん中は表面積濃度、それと一番下が体積濃度分布ということでございますが、個数濃度分布については、やはり小さい粒子のものが多いということで、0.01μm程度のところにピークを持つ単峰型の分布を示す。また、表面積濃度分布につきましては、これは0.1μm程度のところにピークを持つ、一つの峰の分布を示すということでございます。質量濃度分布につきましては、粒径が空気動力学系で1μm付近に谷を持つ二峰型構造ということでございます。
 ここで質量濃度分布において、二つの峰のうち粒径の大きい方が粗大粒子、小さい方が微小粒子に相当するということでございます。微小粒子の中には、さらに小さい粒子の定義として、研究隆起によっては異なるのですが、より小さい超微小粒子、ナノ粒子と、こういうものが存在をするということでございます。ここの定義については、それぞれの研究領域によって異なるということでございます。
 次に化学組成ですが、環境大気中に存在する粒子の化学組成は、無機成分、硫酸アンモニウム、また硝酸アンモニウム、塩化アンモニウムなどで存在する。炭素成分については、有機炭素、元素状炭素、炭酸塩炭素などで構成される。また、その他金属成分、土壌成分などに分類されるということでございます。
 あと、微小粒子と粗大粒子、それぞれの生成過程、成分発生源等の比較については、表1-2-1、次の4ページ目にいきまして、こちらの方で記述をしておりまして、これは、出典はWilsonらの引用を和訳したものですけれども、ここで超微小粒子、蓄積モード粒子、粗大粒子ごとの生成過程や生成方法、主な成分、あとは水への溶解度、発生源、大気中での半減期や除去について、さらに移動距離というものについて、それぞれ特徴をお示ししております。
 無機粒子の代表的なものとしては、硫酸塩粒子、硝酸塩粒子が挙げられる。これとともに、海塩粒子や炭酸塩粒子があるということです。硫酸塩粒子や硝酸塩粒子は微小粒子領域に、海塩粒子や炭酸塩粒子は粗大粒子領域に多く含まれるということです。硝酸塩粒子は温度や湿度に依存して、ガス状と粒子状との間に異なった平衡状態が成立するということでございます。
 硝酸アンモニウムと硫酸アンモニウムの生成については、次の5ページ目の最初のところに記述をしております。
 また、5ページの真ん中から下のところにありますが、炭素成分につきましては、化石燃料等の燃焼に伴って発生する、ほとんど炭素のみから構成される炭素粒子と、あとは未燃の燃料や潤滑油、不完全燃焼物質から構成される一次生成有機粒子。トルエンなどの人為起源や、テルペンなどの自然起源の揮発性有機化合物から、光化学反応などによって形成される二次生成有機粒子、このほか、土壌やアスファルトの破砕、磨耗成分に含まれている炭酸塩に分類されるということでございます。
 元素状炭素については微小粒子、有機体炭素については燃焼起源の粒子、それと光化学反応で生じた二次生成粒子は微小粒子、また、有機体炭素を含むタイヤの磨耗成分、花粉、こういったものは粗大粒子として存在するということでございます。
 また、粒子状物質については金属成分、これはアルミニウムとかナトリウムとか鉄とか、色々なものがあります。あとはバナジウムのような石油燃焼の指標元素や亜鉛のようなものもあるということなのですが、土壌粒子や海塩粒子に含まれている成分、これについては、その成因から粗大粒子に分布をする。ただ、バナジウムなどの燃料の燃焼起源の金属成分は、球形の微小粒子として存在をしているということでございます。
 次に、6ページ目にいきまして、生成機構ということですが、生成機構が最初のこのパラグラフに書いておりまして、粒子の生成機構につきましては、気体からの新たな粒子生成である核形成、また、そういった核形成による超微小粒子同士の凝集による粒子の成長、また粒子状の低揮発性物質の凝縮による粒子成長などがあるということでございます。
 そこで、粒子数が増加をして、さらにそれがくっついて減少して、表面積が増加をして、粒子の体積が増加をするということで、粒子の発生から成長過程への変化ということが考えられるということでございます。
 また、一次粒子、二次粒子ということで、直接発生するものと光化学反応で生じるものというのがそれぞれあって、一次粒子というのは直接、堆積物の破砕や研磨などの細粒化、物の燃焼によって排出されるもの。物理的に発生する研磨や破砕によって発生するものは、比較的粒径が6μmを中心とした粗大粒子領域に分布をする。物の燃焼にともなったものは、微小粒子領域に分布する。
 二次粒子につきましては、これはSOxやNOx、塩化水素などのガス状物質が、大気中での化学反応により蒸気圧の低い物質に変化して粒子化したもの。これらは、微小粒子領域に含まれるものが多いということでございます。
 次に発生源ということですが、発生源については、ここはおおまかなことしか書いておりません。自然起源と人為起源に大別される。人為起源については、固定発生源と移動発生源があるということでございます。これについては、図1-4-1に国立環境研究所から提供いただいた資料で、人為起源と自然起源というおおまかなものが書いていまして、その発生し、大気中での変動によってPM2.5になるというものが、ここで示されています。
 固定発生源としては、ボイラーや焼却炉などの、ばい煙を発生する施設、また、コークス炉、鉱物の堆積場などの粉じん発生施設などが挙げられるということでございます。移動発生源としては、自動車、船舶、航空機などが挙げられる。自然発生源としては、土壌粒子、海塩粒子、火山噴煙等があるということでございます。
 特に、我が国は海岸線に沿って都市が発達しているということなのですが、季節特有の風によって、海塩粒子の影響に留意する必要がある。また、国外より越境移流する代表的な粒子状物質として黄砂が挙げられるということで、黄砂についての紹介もしております。
 ここまでが資料2-1の説明でございます。

【内山委員長】 これは前回までの報告書にまとめられたものの概要ということですが、特に何か追加、ご質問、コメントございますでしょうか。

(なし)

【内山委員長】 これは、大体この間まとめたものを、今回の委員会の報告書にも要約するということになろうかと思います。
 よろしいですか。

(なし)

【内山委員長】それでは次に、資料2-4のご説明をお願いいたします。

【松田補佐】 それでは、引き続きまして資料2-4の微小粒子状物質の大気中の挙動についてご説明をいたします。
 この資料につきましては、健康影響評価検討会の報告を踏まえて、微小粒子状物質の大気中の挙動、これは時間的な変動に関する一般的な特徴、それと我が国の粒子状物質の大気中の濃度、これについて整理を行ったものです。
 まず、一般的な特徴について、1番目にお示しをした上で、2番目以降に我が国の微小粒子状物質の大気中の濃度の測定結果を示したいということでございます。
 まず一つ目に、時間的な変動に関する一般的特徴ということです。これについては、粒子濃度の経年変化、季節間変化、週内変化、日内変化などの時間的な変動に関する一般的特徴を示しております。
 経年変化に関しては、気象条件と発生源条件が影響を及ぼすということで、特に事例として、1999年にSPM濃度が大きく全国的に低減した事例についてお示ししています。これは、夏場において気圧の配置パターンが通常の年と異なっていくということで、それによってSPM濃度がかなり低減をしたという事例を紹介しています。また、1999年以降、SPM濃度は明瞭に低減の傾向にあるということですが、この背景としては、自動車の単体規制、首都圏を中心としたディーゼル車規制やNOx・PM法、ダイオキシン対策特別措置法による規制などの効果が考えられるということでございます。
 また、季節間変化に関して言うと、冬と夏場で大気微小粒子生成におよぼす気象条件の違いがあるため、微小粒子の構成物質が大きく異なるということです。冬季においては、接地逆転層の発生などによって、接地層付近に存在する炭素状成分を主体とした一次生成粒子が、主な構成要素であるのに対して、夏場は光化学反応と活発な空気の混合によって、二次生成の微小粒子が主な構成要素となるということでございます。
 最近の季節変化の特徴としては、冬季の高濃度の出現が少なくなってきていること、これは接地逆転層という部分というよりは、そもそもの直接発生する部分が減っているということなのかもしれませんが、また夏場における有機粒子の比率が相対的に増加をしているということが挙げられます。
 また、春季には、黄砂飛来による粒子状物質の濃度の上昇があり、これが特に西日本でのSPM環境基準未達成の大きな要因になっている。また、この黄砂が飛来したときには、微小粒子状物質などの上昇も認められるということです。
 また、週内変化に関して言うと、一般には生産活動や大型車の走行が多い平日の方が多く、祝祭日は濃度が低いということでした。日内変化については、多くの都市でラッシュアワー時間に、やはり粒子状物質の発生が多くなる。特に沿道領域では、さらに朝・夕にピークが発生するということでございました。
 また、次のページにいきまして、事例ということなのですが、日平均濃度の変動に関する統計的な特性ということで、年平均値と日平均値の関係を見たりするものということなのですが、SPMに関して、若松先生研究グループの結果によると、最近では高濃度の比較的日平均の、一日の測定値の高濃度の低下よりも、年平均値の低下の傾向、こちらの方の比率が小さいということで、だんだん高濃度分の部分が少なくなってきているということを示唆しているのかなというように思います。このことは、平均値と2%除外値の関係が経年的に変化をしていることを示しておるということでございます。
 その次に3ページ目にいきまして、我が国における微小粒子状物質の大気中濃度ということですが、最初に、一つ目のパラグラフに、これは健康影響評価検討会報告でもお示しをしてきた環境省が実施をしてきた微小粒子状物質曝露影響調査などで、一般局と自排局で測定をしているということを紹介しております。
 具体的には、50℃の加熱方式のTEOMによる連続自動測定と、SASSによる成分濃度調査、あとはALVの、アンダーセンエアサンプラの測定による粒径別の質量濃度や成分濃度測定を行っていることを紹介しております。
 また、この他、環境省が実施する酸性雨調査の一環として、平成15年度から利尻・隠岐の2地点、また18年度から落石岬の1地点を加えて3地点で、TEOMにより測定を行っています。
 あとは平成20年度から環境省が、PM2.5に人為発生源由来粒子の影響が少ないと考えられる地域について、内陸・離島・岬、こういった地理的特徴を有する計8地点を選定して、成分濃度を含めた測定を行うことを目的として、SASS法により測定を実施しています。
 このあと、現時点で判明している夏・秋の結果をお示ししています。この本資料においては、人為発生現由来の粒子の影響が少ないと考えられる地域において測定したものを、バックグラウンド濃度に近い数値として示しております。なお、バックグラウンド濃度という部分については、※印4に示しておりますが、人為起源以外の発生源に由来する濃度をいうということで、これはリスク評価手法専門委員会の報告に位置づけられた定義報告に、掲載をしております。
 また、その他、国だけではなくて一部の地方公共団体においても、TEOMやSASS、FRMなどの測定法により測定を実施しております。
 4ページ目にいきまして、表2-1-1に調査地点の分類をお示ししています。どちらの地域で測定をしたかという情報をこちらに出しております。便宜上、一般局については都市部と非都市部ということで分けていますが、これは必ずしも非都市部というのは都市の地域ではないということではなくて、PM2.5濃度の程度により便宜上分類をしたということでございます。
 こちらの測定局のところで曝露影響調査の調査を行っているということでございます。それの結果を、2-1に記述しておりまして、最初に質量濃度ということですが、経年変化については図2-1-1にお示ししております。ここで、都市部と非都市部と自排局のそれぞれのデータを、13年度から19年度にかけてお示ししているということなのですが、PM2.5の濃度については、自排局で顕著な濃度低下が見られる。当初は30μg/m3ぐらいあったものが、今は、20μg/m3くらいになったということですね。都市部の一般局では初期に減少してきたが、最近では横ばい傾向にあるということです。非都市部の一般局では全体にわたって横ばいであったということでございます。
 また、月平均値の変化、これについては図2-1-2にお示しをしていまして、全国的に春から夏にかけて、また晩秋から初冬にかけて濃度が高くなる傾向にあるということです。また、12月から2月ごろに低くなるという傾向でした。その傾向は、地域的な特徴が認められていまして、こちらには書いておりませんが、関東地方の一般局、自排局、東海地方の自排局では、11月の初冬も夏季と同程度の濃度で高くなる。一方、近畿や中国地方、九州地方では春から夏にかけて高くなったということでございます。
 これらの時期について、このようになる要因としては、先ほどもご説明をしましたが、春から夏にかけては光化学反応が活発に行われることによる二次粒子の精製、また、他の季節に比べて、黄砂が春季に比べて観測されるため、それらの影響を受けて濃度が高くなるということが考えられるということです。
 また、11月に濃度が高くなる現象というのは、先ほどもお話ししたとおり大気境界層が安定形成されて、大気汚染物質の拡散抑制作用が顕著になった結果と考えられるのではないかということでございます。
 次のページにいきまして、これは時間値の変化ということでございます。先ほど、朝と夕にピークがあるということでしたが、自排局について特に顕著な傾向を示すということでございます。
 その次の7ページ目にいきまして、次は曝露影響調査の中の成分濃度の紹介ということでございます。PM2.5の主な成分は元素状炭素、有機炭素、硝酸イオン、硫酸イオン、アンモニウムイオンということで、この結果を図2-1-4から2-1-6にまとめております。後ろの8ページを見ていただくと、最初の図2-1-4が平成16年から19年度の平均値、これを一般局と自排局でエレメンタルカーボン、オーガニックカーボン、硝酸イオン、硫酸イオンというものをお示ししています。
 下の図2-1-5というのは、最近のデータはどうかということで、平成19年度の平均値を出しているということでございます。図2-1-6は、PM2.5の炭素イオン成分等の積み上げ結果ということで、非都市部、都市部、自排局、一般局について分けて、ここ4年ぐらいの経年的な変化を見るものです。図2-1-7は、各測定局の平成19年度のデータをお示ししております。
 これらの結果に関して言うと、7ページに戻りますが、8ページ、9ページを見ていただきながらと思いますが、平成16年度から19年度に、イオン成分の割合に関しまして平均値の結果を見ると、一般局では硫酸イオンの占める割合が最も多く、自排局では硫酸イオンと元素状炭素の占める割合が最も多いということになっています。
 一般局のうち、都市部と非都市部を比較すると、都市部では非都市部より硝酸イオンの占める割合が多くなっており、非都市部では都市部より硫酸イオンの占める割合が多くなっている。また、有機炭素、アンモニウムイオン、塩化物イオンは、一般局や自排局などの違いによる大きな差は見られないということでした。
 また、炭素イオン成分の積み上げ値と、PM2.5のSASSの質量濃度の差を、土壌粒子や水分などで構成されるその他の物質、その他の成分として表示をする、非都市部、都市部、自排局の順に、その他の成分の割合が小さくなるということでした。
 また、次は、炭素とイオン成分などの積み上げに関して言いますと、この図2-1-6の成分濃度の経年変化の結果に関して見る、一番上のEC、元素状炭素、これについて濃度が減少しているというのがわかるかと思います。これに関して言うと、図2-1-4と図2-1-5の割合を比較しても、自排局は平成16年から19年度の比が20%で、19年度だけ取り出すと15%ということで、割合も減少しているということです。これらは、SPMの基準達成のための自動車排出ガス対策など、各種政策の実施により、燃焼由来粒子の排出削減が進んだことによって、元素状炭素などは顕著に減少したためといえる。
 一方、硫酸イオン濃度などは横ばいのため、これらの成分の占める割合が増加している傾向にあるということではないかと思われます。硫酸塩濃度については、この四つ目の部分です。EC、OC、NO3-、下のSO42-ということですが、この部分は余りそれぞれの局で顕著な変化がないということです。
 また、その下にはアンモニウムイオン、またその他のイオン、あとはそれ以外のその他の成分ということで示しております。
 また、各地点の成分濃度を見ると、硫酸イオン濃度につきましては、倉敷市や福岡市、日向市などの西日本地域で、比較的高くなっている傾向にあるということでございます。
 エレメンタルカーボンについては、一部の地域で自排局に関して、まだ濃度が高いところがあるのかなということですが、一般局については大分、どこの地域も濃度がかなり近い数値になってきている傾向にあるのかなというように考えます。
 こちらが2-1の曝露影響調査の結果でございまして、その次に2-2の国設酸性雨局などにおける調査結果ということです。2-2-1に質量濃度をお示ししています。
 冒頭でも説明したとおり、我が国の人為起源由来粒子の影響は少ないと考えられる地域の濃度測定として、TEOMにより、自動測定ですが、平成15年度より2地点、平成18年度から3地点で実施をしている。またSASSにより、平成20年度に四季観測を8地点で実施しているということでございます。
 TEOMによる結果を図2-2-1にお示しをすると、利尻と落石岬と隠岐という3地点が書いていまして、参考までに都市部と非都市部の一般局のデータを、これはそれぞれ年平均値ですがお示ししています。これを見ると、隠岐では13〜16μg/m3の範囲内で推移して、非都市部、一般局と概ね同程度の濃度となっている。利尻につきましては、非都市部の一般局よりも濃度は低く、8〜10μg/m3の範囲内で推移していると。落石岬は2年分のデータしかないのですが、11〜14μg/m3の範囲内で推移をしているということです。
 次に、SASSによる平成20年度の夏と秋の結果ですが、これを図2-2-2にお示しをしています。2季節による各地点の質量濃度については、範囲が3〜11μg/m3の中にあるということでした。夏と秋において、最も濃度が低い地点は、離島の東京都の小笠原、父島ですね。一方、夏で最も高い地点は、岐阜県の伊自良湖、和歌山県の潮岬。秋で最も高い地点は、対馬ということになっております。参考までに、標準偏差も含めて図の2-2の方に示しています。
 また、では成分はどうなのかという点ですが、これについては現時点では平成20年度の夏と秋の調査結果しかないということで、年間の測定結果の特徴を示すには現時点では不足しているということなのですが、その炭素イオン成分などの割合や濃度の積み上げ結果を、図2-2-3と2-2-4に示しております。
 開いていただきまして、12ページと13ページが図2-2-3ということで、8地点の成分の割合を示しております。12ページの方から順に釧路湿原、最後の13ページの後ろに長崎県の対馬ということで、そのデータが夏と秋でそれぞれ一段ごとに示していて比較ができるようになっております。それが、図2-2-3でして、また次の14ページに図2-2-4ということで8地点の夏と秋の積み上げ結果ということで、エレメンタルカーボン、オーガニックカーボン、硫酸塩などの成分の内訳というものが、これでわかるということでございます。
 それについての説明をしますと、成分の割合について各地点の結果を概観すると、二つの季節ともに硫酸イオンの占める割合が3〜5割ぐらいです。濃度的に言うと、1〜5μg/m3と最も多く、次に土壌粒子や水分などで構成されるその他の成分、有機炭素、アンモニウムイオンが多くなっている。また、人為発生源由来の粒子と考えられる元素状炭素、硝酸イオンの割合は少ないということになっております。
 夏と秋を比較しますと、これは12ページから14ページまでの資料を見ていただければと思うのですが、夏場のほうが硫酸イオンの割合が若干多く、硝酸イオン、塩化物イオンの割合は少ない。この点は、日射量が強く、光化学反応が活発に行われるため、硫酸塩が多く生成される。揮発性の高い硝酸アンモニウムや、塩化アンモニウムはガス化することに由来すると考えられる。一方、秋は有機炭素、元素状炭素が増加する傾向にあるということです。元素状炭素については、わずかな量ですが、その中でも増加するということで書いております。
 また、北日本の3地点では、秋に質量濃度が高くなり、小笠原、伊自良湖、潮岬、梼原では、秋に低くなっているということでございます。また、長崎県の対馬の秋は、夏のデータの約2倍の濃度ということで、硫酸イオン、アンモニウムイオン、有機炭素、硝酸イオンなどの成分濃度も増加している。小笠原の濃度は、他の地点よりも低いものの、海塩由来のナトリウムイオンが、他の地点と比較して割合が多くなっている特長を有しているということでございます。
 それで、最後のページ以降に、参考として国設酸性雨局などにおける測定状況ということで、どのような地点で測定したかという緒言をお示ししております。一応、海浜地域と離島と山地と森林原野地域ということで、便宜上こういう分類に分けております。これについてのデータをこちらの方にお示ししていまして、後ろの2ページ目以降に国設酸性雨局等の状況ということで、今回測定をした測定局の諸元、地点に対応する所在地と標高、調査地点の状況など、ここにお示ししています。
 イメージがわかないということもあるだろうということでして、2ページ目以降にカラー写真で、どういう場所に設置しているのか、それとあわせて地図を置いております。2ページ目、3ページ目、4ページ目と、ずっと後ろまでこちらの諸元が、大体イメージがわかるかとは思います。
 以上です。

【内山委員長】 ありがとうございました。
 ただ今のご説明は、その後の日本での、我が国でのPM2.5の測定に関してのご説明だったと思いますが、特に国設酸性雨局の濃度の測定調査については、坂本先生、あるいは溝畑先生、何かコメント追加ございますでしょうか。

【坂本委員】 追加というよりは、確認をさせていただきたいと思いますが、今、イオン成分の積み上げは、これは炭素についてはまさに炭素だけを書いてあるということでよろしいでしょうね。オーガニックカーボン。積み上げという形で。

【松田補佐】 はい。

【坂本委員】 そうすると、今、アザーズというところにオーガニックカーボンの場合で、例えばバックグラウンドとかもしくは非都市部とか、そういったところへ行くと、カーボンに対して水素だとか酸化された酸素だとか、そういうものが入っているから、この重さの1.8倍ぐらいになる可能性がある。
 それから、もう一つは、いろいろなイオン成分等々が書いてありますけれども、そういったものについても酸化物等々で存在するから、これもそこにアザーズのところへ入ってくると。
 そういった見方をすれば、アザーズがこのくらいあっても、不思議がないというように考えられるのではないかということを、大雑把に。ただし、少しやや大目のところもありますけれども、それは全体の質量濃度が小さいところでは質量の測定誤差とか、そういうものも入っているのかなということです。
 それから、一日の濃度変化を6ページにお示しいただいていましたけれども、この場合に、自排局都市部、非都市部という形で分けていますけれども、いずれのところについても、やはり朝のある程度の時間、それから夕方の時間に、まあ濃度が上がるところがあるということは、今後のコードの問題以外にやっぱりこの辺のところは人為起源のものがある程度入っていますよということになろうかと思います。
 それからもう一つ、最終的な最後の方のバックグラウンドのところについては、今、夏と秋のデータでありますけれども、影響汚染とかそういったものを考える場合に、やはり今後の冬季のデータも見て判断をする必要があろうかという気がいたしました。
 以上です。

【内山委員長】 ありがとうございました。
 溝畑先生、何かコメントございますか。

【溝畑委員】 今、坂本先生からコメントがあったとおりなのですけれども、あとやっぱりECについては、粒径を見たらうんと小さい、コンマ4ミクロンぐらいからのところの変化というのはものすごく大きくありまして、これはやっぱり単体の規制の効果が明らかに出ているのだと思います。
 それは、道路沿道だけではなしに、一般局についてもやっぱり経年的に下がっているということなので、バルクで見てみたら、なかなかその辺は出てこないのですけれども、粒径の中身というか、もう少し詳細に見れば、その辺はかなりはっきりしたことが出ているということだけ、少しつけ加えさせていただきたいと思います。

【内山委員長】 ありがとうございました。
 そうしましたら、ただ今のご説明について、何かご意見、ご質問ございますでしょうか。
 香川先生、どうぞ。

【香川委員】 教えていただきたいのですが、硫酸イオンの濃度が、空気のきれいなところ、壱岐とか対馬とか、それから山間部、山林地帯が、この都市部に比べて、まあ割合ですから一概に言えないのですが、かなりのパーセントを占めている、この硫酸の硫黄分はどこから来ているのですか。

【坂本委員】 特にバックグラウンドのところへいって硫酸の割合が高くなるのは、もともとSO2とNOxに比べた場合、SO2の反応速度が、酸化が毎分数%/hぐらい。それからNOxの反応速度が夏なんかの光化学スモッグ時ですと、20%/hぐらいの速度で反応します。
 そして、NOxの場合ですと、硝酸と粒子の平衡がありますから、ガスになると非常に沈着が早いからNOxの方は粒子で残るものが少なくなってくる。それからもう一つ、サルフェイトの場合には、もう硫酸になった場合のところで粒子であるという形で、大気中での滞留時間がかなり長いということがあろうと思います。
 それからもう一つは、全体的に寿命が長いのと反応性が、先ほど申し上げた非常に遅いというのが、後からも少し加わってくる部分も、サルフェイトの場合にはある。NOxの場合にはそういうことはないということが関係していると。
 それから、もう一つさらに言えば、オーガニックの方についても、反応性の非常に高いものと低いものがあって、また後で加わってくるものもあるのと、それから自然起源の炭化水素からの粒子になるようなものがあるということも、ややオーガニックの方が離島とか、そういったバックグラウンド的なところへ行くと増えているのではないかというように見ているところでございます。

【香川委員】 基本的なことでお恥ずかしいのですが、この硫黄分は、こういう離島とか、それから山間部で、どこから来ているのか。それを私、最初、質問したのですが。

【坂本委員】 どこから来ているというのは、人為起源と自然起源と両方であろうと思います。それで、先ほど申し上げたように、反応時間が非常に遅いということは、例えば測定精度が1ppb、もしくは0.何ppbまでぐらいのところで測れているかによって、SO2としては、ほぼゼロになっていても、まだ未反応のものが少しある可能性はございます。

【香川委員】 硫酸イオンは、これは、もちろん健康影響の面から非常に重視されている一つのイオンなのですが、こういう空気のきれいなところとされているところで、割合が多いのですが、硫酸イオンのこの粒子としての形態は、どういう形になっているのでしょうか。

【坂本委員】 それは、普通に考えればアンモニウム塩になっているのではないか。最初のロンドンスモッグの前後のとき、それから酸性雨が最初にできたときに発生源近くではSO2、それから少し飛んで行くと硫酸、それからさらに飛んで行くと硫酸水素アンモニウム、それからかなり遠くへ行くと硫酸アンモニウムになっているだろうというのが、あれは千七百何年だったか、その辺ぐらいのところのものに書いてございまして、それがまさにその、近傍でまだアンモニウム塩が十分でないところですと中和されていないのですが、ほとんど遠くへ行くと中和されているものになってくるということでございます。

【内山委員長】 上島先生、どうぞ。

【上島委員】 一つ教えてほしいのですけれども、5ページの図1-2の季節変動ですけれども、高くなる要因は、今説明してもらって書いてあるのですけれども、見ていると低い位置が12、特に1が一番低くて12、1、2という冬の間低いのですけれども、これはなぜですか。

【内山委員長】 溝畑先生ですか。はい。

【溝畑委員】 一つは、やっぱりローカルな影響ではなしに、もう少し広い地域というか、大気の流れが一番影響していまして、冬になったら季節風が吹いて、非常に硫黄拡散が大きくなるという、むしろそっちが、まず現象の大前提として、まずそういう大きな大気の流れがあって、その中で都市部の影響、ローカルな発生源の影響が現れているというように考える方が、私はいいと思います。
 先ほど香川先生が、硫酸塩はどうなっているというお話だったですけれど、実はback trajectoryと言いますか、コホートの解析などをしてやりますと、例えば北海道にしても九州にしても、みんな大陸向いて風は来ているわけですけれども、特に九州なんかで高濃度になる場合、みんな来ている方向は大陸なのですけれども、その拡散スピードがうんと遅くなっている。ですから、大きな流れとしては非常にゆっくりと滞留しながら、そういう汚染物が来ているということがわかるわけです。
 サルフェイトについて、つけ加えれば、夏になると非常に反応は進むのですけれども、一般的な大気の流れからすれば、太平洋のほうから来る場合が多くて、逆に火山の影響なんかで、あるところでものすごく高濃度になるとか、そういうことは当然あります。
 ですから、一般的な話としては、その大きな大気の流れの場の中で、いろいろな都市が影響を受けているというように。特にサルフェイトなんか寿命の長いものについて考えるほうがいいのだと思いますし、先生が質問の点については、やはりシベリアのほうからの風が卓越しますと非常にきれいなものですから、どうしても濃度が下がる。
 それと、拡散スピードが全然違います。風が強くなれば、一般的には濃度が下がるということを反映しているのだと思います。

【香川委員】 図2-1-2、これは私の記憶違いかもわかりませんが、昔、SPMは冬場高かったですね。なぜ、PM2.5はこういうことが起こるのか。SPMは、確か冬季は優位に高くなっているパターンを示して、そういう中で、PM2.5だけこういう動きを示すのは、どういうように説明するのでしょうか。

【溝畑委員】 うんと昔から測定していますけれども、関西などは割と、もう10年ぐらい前から春の方が濃度は高くなっているのです。SPMのレベルでもそうなのですけれど。
 ですから、やっぱりそういう意味からいったら、その地域の発生源が、やっぱりどんどん対策の効果で濃度が下がってきているのだと思いますけれどもね。

【香川委員】 今、SPMも冬場は高くならないのですか。

【溝畑委員】 よっぽど条件がそろわないと、なかなか高濃度になっていないと思いますね。

【内山委員長】 20年4月の報告書は、今日はお手元にありますか。

【香川委員】 ないです。

【内山委員長】 SPMの月別の変動も出ておりますけれども、大体、PM2.5と同じような傾向ですかね。
 11月ぐらいの、今でも大気汚染防止推進月間ですか。11月でしたか。

【白石局長】 12月です。

【内山委員長】 12月ですか。11月、12月は確かに気圧が安定すれば高くなるというようなことでよろしいのでしょうか。
 ですから、冬という四季に分けると、今でも冬は高いということだろうと思うのですが、月別にすればというようなことでよろしいですか。そういう解釈でよろしいですか。
 そのほかに。椿先生、どうぞ。

【椿委員】 先ほどの10ページの図2-2-2を見せていただきますと、もちろんかなり大気が正常と考えられる地域において平均値が下がっていると同時に、先ほどご説明がありましたように、標準偏差も記載していただいているわけですが、これを見ると、もうかなりこの平均と相当オーダーが同じくらいの標準偏差が観察できるわけで、したがって、最初に説明していただいたように、質量分布においてはかなりバイモーダルであって、粗大粒子が比較的出てくる場合と、かなりもっと小さいものが出てくる場合というような基礎的な考察と整合性があるのではないかというふうに理解するところですが、そういたしますと、今、かなり季節変動の成分、あるいは日内変動の成分ということがございましたけれども、相当ばらつきという面では、非常にやはり大きくなっている状況と、うんと小さくなっている状況が、かなり時間的に相当頻繁に起きているというような状況があるのかなというふうに想像するところですけれども、したがって、今現在はかなり平均値的な変動ということを最大の関心事として分析する必要はあると思うのですが、まさに先ほど図2-2-2で示していただいたようなばらつき自体の季節変動とか日内変動というようなこと自体も観察できるのかどうかというようなことに関しての分析等も必要なのかなというように感じた次第です。

【内山委員長】 ありがとうございます。
 坂本先生。

【坂本委員】 今の2-2-2の図は、これはSASSで測定をしていますので、一日単位のデータしかないのですが、今先生がおっしゃられたように、TEOMとか他の一日の中での時間変動が追えるものをやった方が、まさにバックグラウンド。それからもう一つは、先ほど溝端先生からお話し申し上げましたけれども、大気がどういうところから流れてきているかとかいうような形で組成の変化を見る。そうするとバックグラウンド、まさにバックグラウンドと、それから比較的特定のところの影響を受けて、たまたま濃度が高くなっているようなところの区別がつくのではないかというように思います。ですから、今後、代表的な地点、少し変動の大きなところについては、そういったことをやっておくことが有効だと思います。

【内山委員長】 貴重なご意見、ありがとうございました。
 その他に、いかがでしょうか。
 よろしいでしょうか。
 そうしますと、今日のご報告は、まだ特に、季節変動については夏と秋の分析しかないということで、これがもう少しすると冬、春も出てくるということですか。

【松田補佐】 そうです。今、まさに冬の調査も行っているところでして、また春にも調査を行う予定ですので、それらの結果を整理して委員会のほうにお出ししたいと思っております。

【内山委員長】 わかりました。それは、では分析が出次第、またご報告をいただくということにしたいと思いますが、その他について、よろしいでしょうか。

(なし)

【内山委員長】 それでは、前回のご報告まででは、なかなか日本の、いわゆるバックグラウンド濃度というのが余りはっきりしていなかったのですが、少しずつわかってきているということで、これも、この専門委員会の報告書のほうで、またまとめられると思いますので、今日のところはこれぐらいにしたいと思います。よろしいでしょうか。
 関澤先生、どうぞ。

【関澤委員】 日本のバックグラウンドを精密に調査されているのは非常によろしいことだと思うのですけれども、先程来、溝畑先生はじめ先生方のご報告を聞いていますと、大気の大きな移動の問題があるということで、ここでは詳しいご説明はなかったと思うのですが、例えばアジア、特に中国での汚染が、もっと高まっていくと、それの影響というのが、どの程度、今後懸念されるかということについて、何かコメントあるでしょうか。また、そういったことも考慮しないと、日本の中だけ、島国の中だけで考えていてもわからないことがあるのかなと思います。感想ですけれども、いかがでしょうか。

【坂本委員】 それについては、ちょうど黄砂が飛来した時期の前後、いわば大陸から風が吹いているときに、例えば炭素分析をした場合に、炭素13の同位対比を見ると、石炭由来のものが多いか少ないかとか、それから先ほどの硫黄についても同位体分析等々でわかるものもあります。ただし、それが今、どの位までの寄与になっているかというのは、例えば先ほどの対馬あたりですと、季節によってはそういうものの影響が大きかったり少なかったり。
 それから、先ほど溝畑先生のお話でありました関西のほうですと、春先にまさに黄砂が来ているときに土壌成分の一部、末端のほうがPM2.5に入ってまいりますので、この辺については全体の濃度が下がってきたので、より顕著になってきたということで、今後、PM2.5の対策を考えるときに、どれだけ人為起源を国内の発生源で下げ得るものなのかとか、そういったことを考えたときに整理していく必要があろうかと思いますが、現時点で、今、全部そこまで整理できる情報があるかというと、今、先ほど申し上げた同位体分析等々の結果が出つつあるところということですので、モデル計算とシミュレーションをするときには大陸起源のものとか、それから全地球的なものとか、そういったものを、量を加えて、そういったことを今後やっていくことになろうかと思います。

【内山委員長】 ありがとうございました。
 それでは、この件に関して、曝露評価のほうで、また適宜ご報告いただくということにしたいと思います。
 それでは、先ほど2-1、2-4と終わりましたので、2-2、2-3をもとに少しご説明をいただきます。

【松田補佐】 それでは、順番を変更しまして、飛ばしました資料2-2、2-3につきまして、あわせて説明をしたいと思います。
 人への曝露の特徴ということで、個人曝露に関連しての記述でございます。
 まず、これについては、健康影響評価検討会報告で、やはり人への曝露の特徴ということで、環境濃度、屋内濃度と個人曝露濃度との関係について整理を行っております。それに基づいて、この資料を作成しております。
 最初に、疫学研究で実際に曝露濃度の取り扱いが対象地域内の測定局の濃度を、そのまま曝露濃度に使って解析をしているということが書かれております。また、測定局における測定濃度を地域の平均濃度として使用するには、地域内に分布する住宅周辺の屋外濃度と、測定局における濃度の大きさがなく、測定局における濃度の日内変動も住宅周辺の屋外濃度と十分な相関を持っていることが確認できることが必要であるということを次に説明しております。そのためには、具体的には測定局で策定した広範囲の環境を代表する環境大気濃度と家屋近傍の屋外濃度、居住区間に近い大気濃度との関係を見る。居住区間に近い大気濃度と家屋内の濃度との関係を見る。また、家屋外の濃度と個人曝露との関係を観察する必要があるということでございます。
 国内外の測定事例について、これは地域内の大気測定局の測定濃度をもって対象家屋の屋外濃度代替とすることが可能である結果が示されております。微小粒子状物質曝露影響調査報告においても、個人曝露と屋外の濃度との関係を見る研究をやられていまして、PM2.5の屋外の平均濃度は、一般環境大気測定局における濃度とほとんど一致していることが確認をされております。
 また、居住空間に近い屋外濃度と家屋内濃度との関係、家屋内濃度と個人曝露濃度との関係について、全体として、屋内濃度と個人曝露量との間に強い相関があり、多くの場合、屋内濃度のほうが屋外濃度よりも低いか同じレベルであるということがわかっているということでございます。
 図[1]に、左から屋外のPM2.5濃度と屋内のPM2.5の濃度の関係、それと真ん中が屋内のPM2.5濃度と個人曝露のPM2.5の関係。また一番右が、屋外濃度と個人曝露の関係。これが、それぞれ書かれておるということでございます。
 また、この調査だけではなくて、欧米でも多くの調査で屋内濃度と個人曝露量に強い相関があるということで、ほぼ同じ濃度であるということが確認をされております。特に沿道、屋外濃度が高い場合には、屋内の方が屋外より低い傾向があったということでございます。よって、個人曝露濃度と環境濃度に関する相関関係の強さは、屋外濃度と屋内濃度に関する相関関係の強さを見ることで概ね推定ができることになるということでございます。
 また、個人の曝露については、屋外の曝露される粒子状物質の他、屋内で生成された粒子状物質による非環境大気成分、または個人活動に伴って曝露することによって、大気粒子状物質の濃度と相関がよくない成分も含まれるということです。それで、日本人が平日の生活時間の約90%を屋内で過ごすことを踏まえれば、個人曝露はほとんど屋内濃度によって決定されるのが現状だということです。屋内の人の行動は、屋内大気中への粒子状物質を発生させる原因でもあるが、屋内で靴を脱ぐなど欧米と異なる日本の週間が、欧米に比べ屋内濃度を増加させない原因として考えられるということが書かれております。
 また、米国における調査において、屋内への粒子状物質の侵入を見る研究がやられていまして、それについて「換気率に依存するが」ということですが、屋外環境の粒子は0.5μm以上では、粒径が大きくなるほど侵入率が低下をする。大きいほど侵入性が低下する。また、0.1μm以下では、小さくなるほど侵入率が低下をするということ。ということで、真ん中の0.1から0.5μmでは、ほぼ90から100%が屋外からの粒子であるという結果だったということです。これは、換気率が低い秋よりも、換気率が高い夏に高くなってきた。これは、アメリカの調査研究ということですが、そういう傾向があったということでございます。
 また、PM2.5に該当する微小粒子は、粗大粒子や超微小粒子に比べて地域内での濃度の差が小さい。これは滞留時間、先ほどの特性にもお示ししましたが、滞留時間等にも関連すると思われますが、こういうことが知られている。これに加えて、PM2.5は粗大粒子に比べて屋内に侵入しやすく屋外濃度との差が小さいことから、PM10以上に個人曝露濃度の相関が強く、PM2.5の環境濃度は個人曝露濃度の代替使用として適していることを示しておりますと。これが人への曝露の特徴でございます。
 次に、資料2-3ということで、これは粒子の体内の挙動についてお示しした資料です。これについても、健康影響評価検討会の報告を踏まえまして、体内中の挙動について整理を行っております。
 粒子状物質の沈着については、粒子の性状、気道の解剖学的要因、呼吸パターン、曝露濃度や期間などの多くの因子に依存しており、気道や肺胞腔内に沈着した粒子状物質は、粘膜繊毛上皮系を主体とするクリアランス機構によって多くが排除される。その沈着と、また、動態・クリアランスについて、1-2に記述しております。
 最初に生体内沈着の部分でございますが、最初の一つ目のパラグラフと図[1]に、呼吸器の構造について上気道、下気道、肺胞の三つの領域に分けられることを記述しております。
 その次のページに行きまして、粒子の呼吸器系への沈着部位や沈着量を決定する要素として、粒子の粒径、粒径分布、粒子の形、表面の性状、密度、吸湿性、水溶性などの物理・化学的性状や気道の構造、気道内での気流の状態や呼吸のパターンなどがあることを記述しております。
 また次のパラグラフですが、呼吸器に吸入された粒子というのは、大気中に浮遊していたときと同様の運動を続けようとするが、肺内の侵入進度や個人の呼吸状態にも依存するということが書かれております。安静呼吸で、呼気のガス中の総粒子数は、上下気道に沈着した粒子、あとは肺胞領域に滞留している粒子があるため、吸入した粒子数とは異なる。安静呼吸で気道の各部位の粘膜及び肺胞に沈着する粒子の割合については、解剖学的気道計測に基づいて推定した結果を示しております。
 図[2]が、Weibelのモデルを用いた気道への分布比率ということで、下のX軸が気道の分岐数ということで、これは気道の分岐数というのは、次の3ページ目に書いていますが、図[4]のところに、0次から23次までということで、奥に行けば行くほど分岐されて中に入っていくということですが、これが図[2]のX軸ということで、ずっと中に入っていったときのデポジションを示したということですが、これを見ると、粒径が大きいほうが分岐次数の小さい低次元のほうで沈着する部分が多いということがおわかりかと思います。小さいものほど、どんどん奥に入っていくということが、この結果で示されるということでございます。これについて、こういうことが言えるということでございます。
 また、沈着の機構としては、慣性衝突、沈降、遮り、粒子荷電、拡散の五つがあると。また、粒子の大きさや形状によって寄与が変わるということでございます。先ほどもご説明しましたが、Weibelの気道分岐次数による積算気道断面積を図[4]のほうに説明を書いております。
 この資料を元に、ここには書いておりませんが、気道分岐次数の気流速度を算定すると、気管などの中枢気道は乱流領域、小気道は層流領域、肺胞レベルでは、もはや気流としてではなくブラウン運動による拡散が主な経路になるということでございます。
 吸入された粒子が粒径に応じてどの部位に沈着するかについては、実験系に基づくものと、モデルを用いて推測されたものが示されております。これらの結果は、沈着率が粒径の大きさに応じて二峰性パターンを示しているのと同様の傾向を示しております。
 図[5]が実験系のパターンということでございます。肺空間と上気道ということで、肺空間というのが肺胞のほうに近い部分だと思いますが、粒径が小さいものについては小さいほうが沈着率の割合が高くなる。一方、上気道の部分については粒径が大きいもののほうが、沈着率が高いと、こういう結果が言えるということでございます。
 図[6]については、これはU.S.EPAのクライテリアドキュメントを参考にしてお示ししたものですが、モデルによって計算をしたもので、安静時や運動時に、鼻呼吸と口呼吸をしたときの粒子系の沈着率を示しており、一番上が上気道領域、中段が気管支領域、下段が肺胞領域ということでございます。それぞれの凡例について、鼻呼吸や口呼吸や安静時のものというものをお示ししています。
 これについて推計をしたところ、粒子の沈着率の傾向としては、上気道領域では0.01μmから1μm、これが鼻呼吸で、あと3μm、これは口呼吸までの粒子は沈着率が低く、下気道領域では0.05μmから2μmまで、これが口呼吸で、0.05μmより大きい粒子、これは鼻呼吸ですが、沈着率が低く、肺胞領域では0.1μmから1μm、また0.001μm当たりの超微小粒子、10μm以上の粗大粒子の沈着率が低くなっているということでございます。
 この点について、微小粒子に関して粒径の大きさや呼吸器系の部位によって沈着の挙動が異なるということが言えるということで、沈着率の観点からは粒子サイズ域を明確に区別するカットポイントを見つけるのは容易ではないということが、ここで整理されております。
 また、蓄積モード粒子については肺内に沈着しにくいということではあるのですが、一部の粒子では、肺の中で保持されることで沈着されるものもある。また、湿度の影響を受けて膨らむことで沈着するものもあるということが、ここで書いており、吸湿性が沈着パターンに影響を及ぼすことにも留意が必要であるということが書かれております。
 このほか、生物学的因子による沈着への影響、またオゾンや二酸化硫黄の共存汚染物質による影響、あとは人と動物実験の気道の構造などが異なることによる粒子の沈着パターンの種差について考慮を入れるべきことが、ここで書かれております。
 次に体内動態ですが、これは呼吸器系の粒子のクリアランス機序について、吸湿性のものと輸送性があるものということを示して、それについて鼻汁や線毛輸送、せきやくしゃみなどによる、くしゃみ、あとは肺胞マクロファージなどによる貪食と、その後の移動。あとはたん、上皮細胞による飲作用とか、あとは血流中への移行とか、そういったクリアランスに関する機構を示しております。また、肺胞に沈着した粒子というのは、貪食と輸送という二つの機構により除去されるが、肺胞領域に沈着した粒子は、一般に気道に沈着した粒子よりも保持時間が長いということを示しております。
 また、肺に堆積する粒子状物質の成分には、すぐ溶解するものと、または非常に溶けにくい成分もあるということがあり、生体内持続性には時間をかけて蓄積する不溶性の微小粒子にとって重要であるということが示されております。
 また、循環器系への影響を懸念される超微小粒子の動態について、他の粒子と異なった役割や作用を有することが示唆されているということですが、その動態クリアランスや循環血液中への移行経路は十分解明されておらず、今後の検討が必要であるということを書いております。
 また、生物学的因子への影響、また、さらに人と動物との違いに関する種差の問題、その点についても記述をしております。
 以上、健康影響評価検討会報告でまとめられたものを踏まえて整理を行った二つの資料についてご説明しました。

【内山委員長】 ありがとうございました。
 ただ今、2-2、2-3についてご説明ありましたが、関連して、ご協力いただきました工藤先生あるいは新田先生から、何かコメントなり追加がございますでしょうか。

【工藤委員】 体内沈着、動態のところについては、若干まだ誤字が残っているので、そこだけ申し上げますと、1ページ目の肺胞管、これは肺胞道とした方がいい。それから、肺胞嚢。この二つが肺胞を構成していますので、その後ろのところ、「・肺胞」は消していただいたほうがいいのかなと。
 それから2ページ目の真ん中辺に「軌道粘膜」の「軌」は、これはレールの「軌道」になっていますけれども、これは空気の「気」に直していただきたいと思います。
 今ご説明があったように、体内沈着については、まず吸入されるということと、吸入されたものが沈着する、基本的には微小粒子状物質は粗大粒子に比べて下気道あるいは、肺胞領域まで侵入しやすいということが明らかだということであります。それは、また呼吸パターン等によっても、影響されます。
 それから、吸入されたものがすべてそこに沈着して積もっていくというわけではなくて、除去する機構が体にはあります。これは、物質によって、その除去機構がどのように働くかは様々ですが、我々はバクテリアが肺胞腔内まで入るサイズですので、感染等の関係で大変関心があるわけですけれども、大体肺胞腔内に入ったものの50%は24時間以内に機械的に排除され、残りの50%はマクロファージ等の排除機構で貪食殺菌されて、24時間たちますと、大体0.1%ぐらいがバクテリアとしての機能を持って残されます。これは、アイソトープを使った動物実験で示されております。
 ただ、物質によってはマクロファージで排除できないものも、もちろんありますし、それから、あるいは引き続いて間質を通してリンパ系へ流れる。あるいは血流の中に入っていくと、そういう物質も当然あろうかと思います。そういったようなものが、この中に書かれているということだろうと思います。
 以上です。

【内山委員長】 ありがとうございました。
 最初のご修正、ちょっともう一回繰り返していただけますか。1ページ目のところ。

【工藤委員】 肺胞管は、肺胞道としていただいたほうがいいかと。
 それから、肺胞嚢の後ろですね、後ろにある点と肺胞は要りません。

【内山委員長】 わかりました。『移行部である呼吸細気管支及び肺胞道、肺胞嚢からなる「肺胞」』ということですね。
 そのほかに、何かご意見・ご質問がございますでしょうか。
 新田先生は、特によろしいですか。
 そうしましたら、ここは前回までの検討会報告書をもとにまとめて、この検討会の報告書にも加えるということになろうかと思いますが、よろしいでしょうか。
 どうぞ、関澤先生。

【関澤委員】 資料2-2ですが、それで、屋外と屋内の強い相関を示す図が掲載されています。ご説明では、屋内と屋外で成分が相当違うというお話があったように思います。少し以前の話ですけれども、窒素酸化物について、UNEPのGEMS(グローバル・エンバイロメント・モニタリング・システム)においてもう20年近く前になりますけれども、やはり屋内、屋外の調査をして、屋内では調理のときに発生する窒素酸化物の濃度はかなり高いということが、そのとき報告されていました。屋内について、どこの場所をとるかによって成分も違うし、また高いところとか低いところがあると思われますので、どういうところをご測定されたか、わかれば教えていただきたいと思います。

【内山委員長】 新田先生、よろしいですか。

【新田委員】 資料の2-2で示されている屋内は、基本的には居間です、リビングです。
 それから、成分が違うというようなこと、場合によってはということでご理解いただければと思います。ただ、屋内の場合にはPM2.5の成分別の詳細な検討というのは若干不十分なところがございますので、その点に関しましては少し留意して評価をしていただければというように思っております。

【内山委員長】 よろしいでしょうか。
 佐藤先生。

【佐藤(洋)委員】 今の屋内の話ですけれど、多分、喫煙でも、やはりパーティクルが発生すると思うのですけれども、このデータは、そういう影響はないデータですよね。

【新田委員】 基本的に、喫煙者がいるところを排除したデータというようにご理解ください。

【佐藤(洋)委員】 2-3の方で、ちょっと伺いたいのですけれども、一つは、これ、簡単な話ですが、3ページ目の分岐次数と、その積算断面積というのがあるのですけれども、これ見ると、0次から2次ぐらい、2次か3次ぐらいにかけて下がっているように見えるのですけれども、積算だったら、多分こういうことがないのだと思うのですが、ちょっとご確認いただきたいと思います。
 それからもう一つ、5ページ目のU.S.EPAから引用した、どういうところで沈着するかという話ですけれども、私の理解だと、小さいものというのは、上気道は通ってきてしまうように思っていたのですけれども、これは上気道でも、例えば一番上のETリージョンというところを見ると、上気道であっても0.1μm以下ぐらいのところは何かの形で沈着するという、そういうように理解していいのですか。

【内山委員長】 工藤先生、最初のご説明を。

【工藤委員】 気道の分岐次数ごとの積算断面積として書かれているのですが、0次というのは、気管のことです。おっしゃるように2次、3次気管支では積算断面積は気管の断面積より小さくなっています。
 この図の意味からわかることですが、一定の、例えば500ccの空気を吸ったときに、奥になればなるほど積算断面積が広がってきますので、いわゆる気流の線速度としては低下していくわけですね。大体、このWeibelのデータというか、解剖図の資料は世界的に確立しているものですけれども、細気管支あたりになると、毎秒2ミリメーターぐらいの気流速度になってしまいます。それも、さらに分岐しますから、いわゆるバルクフロー、固まりとしてのフローはもうなくなってしまう。もう一つ、乱流になるか層流になるかが、Reynolds数というもので規定されていますが、乱流になるReynolds数が1,000を超す気道の領域は、第4次気管支から7次気管支まで、あるいは第7次から9次気管支までといった見解がありますけれども、とにかく太い気道では乱流になっている。こういうところは、当然、沈着しやすいわけです。しかし、層流になりますと、これは静かな流れですから、沈着はしにくくなると。そういったような、流体力学的な話です。
 それから、図[6]のところのこれは、おっしゃっている意味は、上気道領域でも上の部分が沈着するということですね。

【佐藤(洋)委員】 はい、小さいところが、そういう解釈でよろしいのですかという。

【工藤委員】上気道領域でも沈着そのものはないわけではない。小さい粒子でも、もちろん沈着しますけれども、その、要するに比率の問題だということで、上気道と下気道と、どちらが上気道で捕捉されやすくて末梢まで行きにくいかという、そういうことを示しているものです。ご説明に的確に答えているかどうか、ちょっとわからないのですけれども。

【松田補佐】 シミュレーション、あくまでもシミュレーションの結果ですので、傾向として上気道領域のほうがより粒径の大きいものが沈着をしやすいと。ただ、小さい粒子についてもシミュレーションの結果では、口呼吸、鼻呼吸とも非常に小さい粒子は沈着しやすいというような結果になっている。それが上気道領域の話でして、そこの気管支領域において、粒径の小さいもののほうがより沈着、多く沈着しやすい。さらに肺胞領域でも、またその傾向が見られるということなのではないかなというように思っております。
 ですから、粒径が大きいもののほうが上気道領域のほうでより沈着しやすくて、小さいものは気管支領域や肺胞領域のほうで沈着しやすいということを示している傾向を示したものというように理解をしていますが、いかがですか。

【佐藤(洋)】 その前のページの図[5]は、多分そういう理解しやすいのだと思うのですが、これ、今お聞きしたらモデルによるシミュレーションだということです。私が見れば、これ、一番上の絵は、例えばネーザルのときなんかは、大きいほうも小さいほうも0.8とか0.9ぐらい沈着しているように見えるので、これをもって上気道では大きいもの、下気道のほうで、あるいは深部で小さいのが沈着するというようにはとても見えないのです。

【内山委員長】 わかりました。ただ、EPAのシミュレーションの人たちとしては一応どういう形態で……。

【佐藤(洋)】 どういうモデルなのかにも多分よるのだと思うので、こだわりませんけれども。

【内山委員長】 一般的には、この図[5]のほうが、我々としては、何となく理解していただけると思うのですが。

【佐藤(洋)】 こっちのほうが、昔から知っていることに近いので、小さいところも、かなり上気道で沈着してしまうのだとして、例えばこれが、デポジションフラクションというのが、その場におけるものなのか、例えば全体を通ったところなのかでよくわかりませんけれども、もしこうだとすると、かなり上気道で沈着してしまうから、健康影響を考える際には、ちょっと色々なことをもう少し考えてみないといけないのかなというようにふと思ったものですから。

【安達委員】 最初の3ページの図[4]なんですが、積算という意味が、その次数のところの気管の積算だと思います。ですから、気管、気管支と分かれていって、その次数のところの積算ですので、気管から二またに分かれた気管支のところでは断面積は下がるという意味かと思います。

【内山委員長】 よろしいですか、佐藤先生。先ほどご質問されていた積算がさがるのはどうしてかという点について、安達先生が、その意味をご説明いただきましたが。

【佐藤(洋)委員】 その次数のところの断面積の積算ということですか。

【坂本委員】 そうですね、足し算ではない。

【内山委員長】 これで間違いではないということでよろしいですか。そういうように解釈すれば、この積算がそこで下がっていても間違いではないということで。では、それわかりやすいように、ちょっと確認して、少し補足説明をしていけばいいと思います。
 ありがとうございました。
 それでは、この資料2、3につきましては、これぐらいにさせていただきます。
 今日は、ご議論にありましたとおり、人為起源由来の影響が少ないところ、いわゆるバックグラウンドと考えられる地域における濃度の調査結果が、これがまだ夏、秋でしたので、あと冬、春のデータをまとめていただいていく必要があるということですね。そして、今後の環境基準の指針となる数値を検討するに当たっての国内外の大気環境の相違を整理する必要があろうかと思います。あと、評価方法の検討に当たって、年平均と日平均、先ほどばらつき等も出ておりましたので、統計的関連性を整理する必要があろうかと思いますので、また事務局等で作業を行って委員会にご提示いただきたいと思います。また、その際に、また委員の必要なご協力をお願いすると思いますので、よろしくお願いいたします。
 それでは議題3に入りまして、微小粒子状物質の粒径についてということでございます。
 適切な微小粒子状のカットポイントということで、前回までの報告書でまとめておりますが、本委員会においても、改めて微小粒子状物質の適切な粒径についてご議論いただくということになろうと思いますので、事務局からご説明お願いいたします。

【松田補佐】 それでは、健康影響評価検討会報告を元に、粒子状物質の特性の検討、大気中挙動の検討、あとは体内中の挙動の検討、また科学的知見の蓄積などからの検討を踏まえた適切な微小粒子状物質の粒径の大きさについて整理を行いました。これについては、健康影響評価検討会の中においても適切なカットポイントということで議論されたものとほぼ同一なものでございますが、最初に粒子状物質についての性質の点が書かれて、また、気道や除去の部分についても書かれてあるということでございます。
 次のパラグラフにおいて、世界各国で設定されている粒子状物質の基準の設定、さらに多くの研究者による健康影響に関する研究において、様々な性質を有する粒子状物質を提示するに当たり、空気力学径によりカットポイントを設定して基準や検討の対象となる粒径範囲を特定してきたということでございます。これは、先ほどもお示ししたとおり、大気中の挙動や体内の挙動において、粒子の粒径が人への健康影響に関して重要な要素となるということだからです。
 我が国においてはSPMということで、粒径10μm以上の粒子を100%カットするものとして環境基準を設定しております。この理由は、以下の三つの医学的な知見に基づくものだということで、日本では、当時、より小さな、米国はTSPだったということを踏まえると、より小さな粒子に着目していたということでございます。
 米国においては、1997年に10μm以下の粒子状物質に加えて2.5μm以下の粒子状物質に関する基準も追加をしていると。これは、粒径が2.5μm以下の粒子に関する健康影響の知見の存在や微小粒子や素材粒子の発生源の相違、体内の挙動の相違によるものだということです。
 今回、粒子状物質の特性、沈着及び動態、あとは科学的知見の蓄積の内容を踏まえて、対象となる粒径の大きさについて検証したということです。
 まず一つ目に、粒子状物質の特性からの検討ということですが、先ほどもお示ししたとおり、質量濃度分布では、粒径分布について粒子系が1μm付近に谷を持つ二つの峰を持つ形を示してあり、この峰のうち、粒径の大きい方は粗大粒子、小さい方が微小粒子に相当する。
 ここで、先ほどもご説明をした三つのモードに関して、核形成モードが一番小さいモードの粒子については、凝集により速やかに蓄積モードの粒子に移行しますが、この蓄積モード粒子は、粗大粒子にはほとんど成長しない。その一方、相対湿度の高い状態では吸湿性の蓄積モード粒子は微小粒子と粗大粒子が重複するサイズ、1μmから3μm、場合によっては、それより大きい粒子に成長することもあるということです。
 粗大粒子については、先ほどもご説明しましたが、機械的な破砕や摩耗などにより微細化して発生しますが、微小粒子は燃焼に伴う元素状炭素や有機炭素、またガス状からの光化学反応による硫酸塩、硝酸塩などの粒子として存在していて、主な発生源は人為由来だということです。
 また、粒子状物質の大気中での滞留時間については、気象条件で粒径が大きく影響する。粗大粒子は、主として重力沈降、超微小粒子は拡散による沈着や凝集による微小粒子への成長により除かれていくが、拡散や重力沈降の影響を受けにくい微小粒子は大気中での滞留時間が最も長く、降水に伴う除去が主要機構となるため、数週間の寿命を持っている。このため、滞留時間というのが、他のものに比べて、この蓄積モード粒子は比較的長い。数日から数週間にわたって存在して、空間的に均一に存在して、微小粒子による環境や人への健康に大きく影響する。
 また、粗大粒子や超微小粒子に比べて地域内での濃度差が小さい。さらに、先ほどもご説明しましたが、屋内に侵入しやすいという部分もあり、PM10以上に個人曝露との相関がPM2.5は強いということもお示ししております。
 また、大気中の挙動ということですが、先ほどもご説明をしましたが、呼吸器領域によって沈着率に差異が見られる。一般に、0.1μmから1μmの蓄積モード粒子は肺内に沈着はしにくいということですが、一部の粒子は肺の中で保持されているときに次第に沈着されるものもあり、呼吸器の湿度の影響を受けて沈着するものもある。吸湿性が沈着のパターンに影響を及ぼすことも留意が必要であるということが、ここで書かれています。
 また三つ目に、科学的知見の蓄積からの検討ということですが、健康影響を調査するために膨大な研究が行われているわけですが、ここで微小粒子の影響を見る研究というのはカットポイントを2.5μmとする研究が大半だった。これは、米国における研究が先導的に実施をされているということで、ここで2.5μmのカットポイントが選択をされてきた。これが、発端になっているということです。
 実際に、さらに米国で基準の設定がされて、測定法も制定されて、測定データがさらに蓄積をされたことによってPM2.5を微小粒子のカットポイントとする考え方が一般化されてきた。これが、さらに他の研究にも影響を与えてきたということが推察されている。
 また、米国では、当初カットポイントを1μmとする案も検討されたということですが、相対湿度が高い条件において、微小粒子が粒径の状態が2.5μmを超えるものも発生し、微小粒子をより完全に捕集する必要があることから、カットポイントを2.5μmとすることを妥当としている。
 この点、1から3の内容を踏まえまして粒径の大きさについて検証すると、毒性に関与し得る微小粒子は人為発生源からの排出ガスに多く含まれ、制御がより容易であること。また、蓄積モード粒子は大気中に長期間滞留し、一定地域内では、より均一に存在し、屋内にも侵入しやすく、大気環境測定結果から人への曝露量と見ることができること。また、粒径による体内の沈着は複雑で、沈着率の割合から明確なカットポイントを示すことは困難であるが、微小粒子は肺胞領域にまで侵入しやすいこと。多くの健康影響に関する論文や測定データは、微小粒子をPM2.5と扱い、科学的知見が蓄積されていること。また、高湿度の条件でもPM2.5は微小粒子の大半を捕集することができることから、粒子状物質に関する微小粒子と粗大粒子のカットポイントとして、欧米と同様に2.5μmとすることが妥当である。
 また、我が国においては、粒子状物質の指標に関して粒径10μm以下の浮遊粒子状物質、これは、10μm以上の粒子も100%カットの環境基準を設定している。この粗大粒子については10μmを超える粒子は上気道領域で捕捉されるが、10μm以下の粒子は下気道領域や肺胞領域での沈着率も高く、粗大粒子を含めた粒子状物質のカットポイントの上端を10μmとする従前の知見とは変わりがないことを確認した。
 カット特性については先ほども話をしましたが、PM2.5については50%カットで、粗大粒子を含めた粒子状物質に関するカット特性は、10μmの粒子について50%のPM10とカットのSPMの二通りがある。ということで、SPMはPM10と同じ基準と示した場合はPM7程度になるということを、ここに、最後に示しております。
 以上でございます。

【内山委員長】 ありがとうございました。
 それでは、今のご説明いただきました微小粒子状物質の粒径について、ご質問なりご意見ございますでしょうか。
 ここでは、SPMとPM10の測定上の違いで、なぜ日本がSPMに注目したかということと、それから微小粒子のPM2.5になぜ米国等でカットされてきたかということが記載されておりますが、今後も微小粒子状物質といったときにはPM2.5以下ということでよろしいかどうかということになろうかと思いますが、よろしいでしょうか。
 佐藤先生、どうぞ。

【佐藤(洋)委員】 定義の問題だからいいかと思うのですが、このPM2.5のときに、今、述べられた理由というのは、要するに微小粒子側から見た話だけですけれども、このPM2.550%カットでやった場合に、例えば粗大粒子側から見たら、どれくらいまじり込むのかというのは、どうなのですか。そういう見方も必要なのではないかなという気がするのですけれども。

【松田補佐】 資料2-1ですね、そちらをご覧いただき、資料2-1の図1-1-2の最後に質量濃度分布ですが、基本的には微小粒子というのは、この山の左側のほうですね。粗大粒子というのは、この100μmから、1μmよりもう少し小さいところまでの分布としてあるところなのですが、2.5μmで切ると、粗大粒子側のものも若干含まれるということです。
 その一方、今回ここでお示ししたものというのは、この微小粒子側の領域のものを概ね捕集できるということで、粗大粒子側のものを少し含みますが、そこは割り切って微小粒子側を捕捉しているということです。粗大粒子の部分、若干含むのですが、この点をどの程度考えるのかという部分について難しいところでございますが、どうしても重なる部分があるということで、ここは割り切っているということです。

【内山委員長】 よろしいですか、佐藤先生。

【佐藤(洋)委員】 割り切るなら、それはもう、しょうがないと思うのですけれども、やはり、それが割り切るために、例えばどれくらいのものが入ってくるのか。それが、我々の健康影響を考えた場合にはどうなのかという議論もしておいたほうがいいのではないだろうかと、そういう意味です。

【内山委員長】 ありがとうございます。
 それですと、例えば、いわゆる2.5μmから10μmに入る粗大粒子側の健康影響がどうかということも議論しなければいけなくなってきますし、それから、PM2.5側をカットすることによるリスクの評価と、それから、いわゆる2.5μmから10μmの間が入ってくることによるリスクの評価がどうなるかと。どのくらい相殺されるか、あるいは落ちてしまうのかということにもなろうかと思いますからね。

【佐藤(洋)委員】 気道内の挙動を想定したり、何かするのは余り問題にならないのかなという気もするのですけれども、その辺ははっきりさせておいたほうがいいのではないですかということです。

【内山委員長】 わかりました。
 工藤先生。

【工藤委員】 粗大粒子は、気道の中には入るわけですよね。それで、気管支の粘膜に沈着した場合には、基本的には線毛上皮と粘液によって、大体1分間に2、3センチの速度で移動します。大体10分間で20、30センチ。それはのどの方向ですね、そちらのほうに上っていって、そして口咽頭のところから食道のほうに飲み込まれて排除されます。そういうことで、生体の中に侵入するという意味においては、もう圧倒的に、肺胞腔内に到達する微小粒子のほうが重要、そういうことだと思います。

【内山委員長】 そうですね、わかりました。なぜ微小粒子をPM2.5とするというところの説明に、少しそこら辺のところを書き込ませていただければというように思います。
 ありがとうございました。その他にいかがでしょうか。
 それでは、大体予定した時間にもなってまいりましたので、微小粒子状物質の定義に関しては、今、佐藤先生からご指摘あったようなところを少し書き加えた上で、一応、微小粒子状物質というのは、ここでもPM2.5以下のものということでカットポイントをするということでいきたいと思いますので、よろしいでしょうか。
 ありがとうございます。
 そうしましたらば、議題(4)その他です。
 その他は、本日、これまでの健康影響評価検討会報告ですとか、最近の知見を新たな測定結果に基づいてご審議いただきました。今後、定量的リスク評価手法の報告書に基づいて、国内外の知見を踏まえた定量的評価の検討を実際に環境基準の設定に当たっての数値に関する検討をこれから実際に行っていくということになります。それからまた、曝露情報等に基づきまして、環境基準の評価方法に関する検討ということの作業も同時に行うことになりますので、これらの作業については、専門的な見地から、また検討を、実務的な作業を伴うものになりますので、参考資料2にありますように、この本委員会の運営方針に基づいて、健康影響に関する作業会合と、曝露情報に関する作業会合を開催させていただいて、その実務的な検討の結果を、この本委員会にご報告して、またご検討いただくということにしたいというように考えております。
 健康影響に関する作業会合にご参画いただくのは、加藤委員、佐藤俊哉委員、祖父江委員、高野委員、竹林委員、新田委員にお願いしたいというように思っております。それから、曝露情報に関する作業会合に参加いただくメンバーは、坂本委員、それから田辺委員、椿委員、新田委員、内藤委員、平木委員、溝畑委員にお願いしたいと思っておりますので、先生方、どうぞまたタイトなスケジュールになると思いますけれども、よろしくお願いしたいと思いますが、先生方、よろしいでしょうか。
 それでは、次回に向けて、この作業会合を開催していただいて実務的な検討をお願いしたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
 では、その他、何か事務局よりございますでしょうか。

【新田委員】 資料1-2のご説明で、富永委員のほうからご指摘いただいた点、ちょっと、その場でお答えできなかった点、資料確認いたしましたので、お答えさせていただいてよろしいでしょうか。
 先ほどの資料2-1の3ページのZegerの論文の居住地、ZIPコードに関連することですけれども、米国のEPAの測定局、1,000の測定局があって、そのうちZIPコードの区の中心から6マイル以内のところの居住者に、その測定局のデータを割り当てたというように書かれております。ですから、一部の地区は同じ測定局のデータが割り当てられているものと思われます。
 以上です。

【内山委員長】 逆に言うと、対象者は、必ずどこかの測定局から6マイル以内に居住している人たちということで、このメディケアから得られた全部のデータを使用しているのではないということに解釈してよろしいでしょうか。わかりました。ありがとうございます。
 それでは、事務局のほう、よろしくお願いいたします。

【岡部課長】 それでは、事務局から事務連絡を申し上げます。
 本日、先生方、長時間にわたりましてご審議賜り、まことにありがとうございました。なお、本日の会合の議事要旨及び議事録につきましては、各委員の先生方にご確認をいただいた上で公開の手続をとらせていただきたいと存じます。
 また、次回専門委員会の日程でございますが、後日、事務局より調整をさせていただきたいと思っております。ご協力をよろしくお願いします。
 以上でございます。ありがとうございました。

【内山委員長】 どうもありがとうございました。