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■議事録一覧■

中央環境審議会大気環境部会
微小粒子状物質環境基準専門委員会(第1回)
会議録


1.日時

平成21年2月4日(水)14:00〜15:55

2.場所

虎ノ門パストラル 新館4F プリムローズ

3.出席者

(委員長)
内山 巖雄
(委員)
安達 修一、香川 順、加藤 順子
川本 俊弘、坂本 和彦、武林 亨
田邊 潔、椿 広計、富永 祐民
内藤 季和、新田 裕史、平木 隆年
丸山 浩一、溝畑 朗、横山 榮二
(環境省)
白石水・大気環境局長
早水大気環境課長
岡部総務課長
松田総務課課長補佐
        

4.議題

(1)
微小粒子状物質環境基準専門委員会の設置について
(2)
微小粒子状物質に係る取組みについて
(3)
大気汚染に係る環境基準の現状について
(4)
検討の進め方等について
(5)
その他

5.配付資料

資料1微小粒子状物質環境基準専門委員会の設置について
 資料1−1微小粒子状物質環境基準専門委員会委員名簿
 資料1−2微小粒子状物質に係る環境基準設定について(諮問)
 資料1−3中央環境審議会大気環境部会の専門委員会の設置について
資料2微小粒子状物質に係る取組みについて
 資料2−1微小粒子状物質健康影響評価検討会報告書(抜粋)
 資料2−2微小粒子状物質リスク評価手法専門委員会報告書
資料3大気汚染に係る環境基準の現状について
 資料3−1大気汚染に係る環境基準の現状
 資料3−2大気汚染状況に関する環境基準の評価方法
資料4微小粒子状物質環境基準専門委員会の検討の進め方について

6.議事

【岡部課長】 皆様、お待たせいたしました。定刻となりましたので、ただいまから中央環境審議会大気環境部会の第1回微小粒子状物質環境基準専門委員会を開催させていただきます。
 委員の皆様方におかれましては、ご多忙中にもかかわらず、本会にご出席いただきまして、まことにありがとうございます。
 本日の出席状況につきまして申し上げます。現時点で16名の先生方にご出席を賜っております。定足数でございます過半数に達しているということをあらかじめご報告させていただきます。
 ここで本専門委員会の開催に当たりまして、事務局であります環境省を代表しまして、白石水・大気環境局長よりごあいさつを申し上げさせていただきます。

【白石水・大気環境局長】 ただ今ご紹介いただきました水・大気環境局長の白石でございます。本日は委員の皆様方、大変お忙しい中、ご出席賜り厚く御礼を申し上げます。
 大気中の微小粒子状物質に曝露にすることによりまして、一定の健康影響が生じることを示す国内外の疫学的知見が蓄積されておりまして、米国、EU、あるいはWHOでは、これらの知見に基づきまして、微小粒子状物質に係る環境目標値が設定されております。
 我が国におきましても、このような知見の集積を踏まえまして、微小粒子状物質に係る環境基準を新たに設定する必要があると判断いたしまして、昨年の12月9日、中央環境審議会に微小粒子状物質に係る環境基準の設定について諮問を行いました。
 これを受けまして、12月19日にこの審議会の中の大気環境部会におきまして、環境基準の専門事項について調査するために、内山委員長のもとにこの専門委員会の設置が了承されたところでございます。
 ご案内のように、環境基本法に基づき設定されます環境基準は、人の健康を保護する上で維持されることが望ましい基準ということになっておりまして、適切な科学的判断をベースに定められるものであります。皆様方の専門的見地からのご議論、ご審議を通じまして、格別のご指導、ご鞭撻いただくようお願いを申し上げます。
 本日は、どうもありがとうございます。

【岡部課長】 さて、この専門委員会は、今回が第1回目、初会合でございます。議事に先立ちまして、委員の先生方のご紹介をさせていただきます。基本的にあいうえお順によりまして私の左側からお座りいただいておりますので、安達先生からご紹介をさせていただきます。
 それでは、相模女子大学栄養科学部管理栄養学科公衆衛生学教授でいらっしゃる安達修一委員でいらっしゃいます。
 滋賀医科大学の上島先生、本日はご欠席の連絡でございます。
 京都大学大学院工学研究科教授でいらっしゃる内山巖雄委員でいらっしゃいます。
 東京女子医科大学名誉教授でいらっしゃる香川順委員でいらっしゃいます。
 三菱化学安全科学研究所技師長でいらっしゃる加藤順子委員でいらっしゃいます。
 産業医科大学医学部衛生学講座教授でいらっしゃる川本委員でいらっしゃいます。
 結核予防会複十字病院院長、工藤翔二委員、本日ご欠席のご連絡です。
 埼玉大学大学院理工学研究科教授でいらっしゃる坂本和彦委員でございます。
 京都大学大学院医学研究科の教授でいらっしゃいます佐藤俊哉委員、本日ご欠席です。
 東北大学大学院医学系研究科教授、佐藤洋委員、ご欠席です。
 徳島大学総合科学部教授、関澤純委員、ご欠席です。
 国立がんセンターがん情報・統計部部長、祖父江委員、本日ご欠席です。
 国立環境研究所環境健康研究領域の領域長でいらっしゃる高野委員、ご欠席です。
 慶應義塾大学医学部の公衆衛生学教授、武林委員でいらっしゃいます。
 国立環境研究所科学環境領域の上席主席研究員、田邊委員でいらっしゃいます。
 情報・システム研究機構統計数理研究所リスク解析戦略研究センター長でいらっしゃる椿広計委員でいらっしゃいます。
 愛知県がんセンター名誉総長でいらっしゃる富永祐民委員でいらっしゃいます。
 千葉県環境研究センター主席研究員でいらっしゃる内藤季和委員でいらっしゃいます。
 国立環境研究所環境疫学研究室室長でいらっしゃる新田裕史委員でいらっしゃいます。
 兵庫県立健康環境科学研究センターの大気環境部長でいらっしゃる平木隆年委員でいらっしゃいます。
 東京都児童相談センター長でいらっしゃる丸山浩一委員でいらっしゃいます。
 大阪府立大学の先端科学イノベーションセンター長でいらっしゃる溝畑朗委員でいらっしゃいます。
 最後になりましたが、元国立公衆衛生院の院長でいらっしゃる横山榮二委員でいらっしゃいます。
 委員の先生方につきましては、以上でございます。
 続きまして、事務局につきましてご紹介申し上げます。
 申しおくれましたが、私は環境省水・大気局の総務課の課長をしております岡部と申します。
 先ほど、白石局長があいさつをさせていただきました。
 その他、同じ局の大気環境課の課長をしております早水です。
 私と同じ水・大気局の総務課で基準担当の補佐をしている松田です。
 以上でございます。どうぞよろしくお願いします。
 続きまして、お手元の配付資料についてご確認いただきたいと思います。議事次第の紙の下の方の半分のスペースを使いまして、配付資料の一覧を載せております。資料1としまして、微小粒子状物質環境基準専門委員会の設置についてということで、資料1-1、微小粒子状物質環境基準専門委員会の委員名簿、資料1-2、微小粒子状物質に係る環境基準設定について(諮問文)、資料1-3、中央環境審議会大気環境部会の専門委員会の設置について、資料2、微小粒子状物質に係る取組みについてということで、資料2-1、微小粒子状物質健康影響評価検討会報告書(抜粋)、資料2-2、微小粒子状物質リスク評価手法専門委員会報告書、資料3、大気汚染に係る環境基準の現状についてということで、資料3-1、大気汚染に係る環境基準の現状、資料3-2、大気汚染状況に関する環境基準の評価方法、資料4、微小粒子状物質環境基準専門委員会の検討の進め方について。
 以上でございます。
 もし、万一、資料の不足等ございましたら、事務局に随時お申しつけいただければ幸いでございます。
 それでは、ここで本委員会の委員長にごあいさつをいただきたいと思います。
 この本委員会の委員長につきましては、中央環境審議会議事運営規則に則りまして、大気環境部会の坂本部会長より内山委員が委員長としてご指名をいただいております。
 それでは、内山委員長、よろしくお願いします。

【内山委員長】
 ただ今ご紹介ありましたように、坂本部会長からご指名ということでございますので、本委員会の委員長を務めさせていただきます内山でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
 本専門委員会は、先ほど、白石局長のほうからご説明ありましたように、12月9日に微小粒子状物質の環境基準の設定に関する諮問を受けまして設置されたものでございます。微小粒子状物質の環境基準に関する専門的な検討を進めるということが、本専門委員会の目的であろうと思います。
 皆さん、ご存じのように、微小粒子状物質に関しまして我が国の取り組みといたしましては、平成11年から開始されまして、平成19年に取りまとめられました「微小粒子状物質曝露影響調査研究」、それから、それをもとに平成19年5月から取り組みまして、昨年の4月に取りまとめられました「微小粒子状物質の健康影響評価検討会報告書」、そこに宿題になりましたリスク評価に手法につきまして、昨年11月に取りまとめました微小粒子状物質リスク評価手法専門委員会報告について、これまで非常に長い間、ここにご参加の委員と皆様とともに、事務局も含めまして取り組んできたところでございます。
 本専門委員会は、新たに加わっていただいた先生方も含めまして、改めて微小粒子状物質に関する情報を整理いたしまして、微小粒子状物質の環境基準に関する定量的な評価を最終的には実施し、環境基準の設定に当たっての指針となる値に関しまして検討すること、それから、平均化手法やその評価手法等の検討を実施することになると思います。非常に難しいテーマを含んでおりますけれども、これまでの取り組みの最終段階と、集大成ということになろうかと思います。私としましても、微力ではございますけれども、最善を尽くしていきたいと思いますので、ご協力のほど、よろしくどうぞお願いいたしたいと思います。
 ありがとうございます。

【岡部課長】 委員長、どうもありがとうございました。
 報道関係者の方々にお願い申し上げます。カメラ撮りにつきましては、恐縮でございますが、会議の冒頭のみとさせていただいておりますので、ご協力方、よろしくお願い申し上げます。
 それでは、これ以降の進行につきまして、内山委員長にお願いをいたします。よろしくお願いします。

【内山委員長】 それでは、早速、議事に入りたいと思います。今日は第1回ということでございますので、主にこれまでの経緯ですとか、この委員会の設置、経緯、あるいは取り組みの方針等についてのご議論になるかと思います。
 まず、議題1の微小粒子状物質環境基準専門委員会の設置についてということで、本専門委員会の位置づけですとか、設置の経緯等について事務局の方からご説明お願いしたいと思います。よろしくお願いいたします。

【松田補佐】 それでは、事務局のほうから微小粒子状物質環境基準専門委員会について、資料1-2、1-3を用いて説明申し上げます。
 まず、資料1-2でございますが、これは環境大臣から中央環境審議会への諮問文書でございます。諮問文書につきまして、タイトルとして、微小粒子状物質に係る環境基準の設定について、中央環境審議会の意見を求めるという内容のものでございます。
 諮問理由につきまして読み上げさせていただきます。我が国では、大気中に浮遊する粒子状物質のうち、呼吸器に吸入されて、人の健康に影響を及ぼす粒径10μm以下のものについて、昭和48年に浮遊粒子状物質と定義して環境基準を定めている。今日に至るまで、その削減に係る各種対策が進められ、近年では、大気環境測定局のうち、9割前後の測定局において、浮遊粒子状物質の環境基準の達成がみられるところである。
 一方、近年において、浮遊粒子状物質の中でも粒径2.5μm以下の微小な粒子状物質(PM2.5)曝露が一定の健康影響を及ぼしていることを示す国内外の疫学その他の分野の科学的知見が蓄積されており、国外では、これらの知見により、微小粒子状物質について独立の項目として環境目標値を設定する動きがみられる。
 我が国においても、こうした科学的知見などを踏まえ、微小粒子状物質に係る環境基準を新たに設定する必要がある。
 以上のことから、微小粒子状物質に係る環境基準の設定について、中央環境審議会の意見を求めるものである、こういった諮問理由で諮問をしております。
 これを受けて中央環境審議会の議事運営規則第5条の規定に基づきまして、中央環境審議会の大気環境部会に、この微小粒子状物質に係る環境基準の設定に関して附議がなされた、こういうことでございます。
 その後、12月19日の中央環境審議会大気環境部会におきまして、資料1-3のとおり、大気環境部会の下に専門委員会の設置に関する部会決定の文書がありますが、その中に、微小粒子状物質環境基準専門委員会、それと微小粒子状物質測定法専門委員会、この二つの委員会を新たに置くことを了承いただいたところです。
 微小粒子状物質環境基準専門委員会におきましては、微小粒子状物質に係る環境基準に関する専門の事項を調査する、こういうことになっております。
 また、専門委員会に属すべき委員、臨時委員、専門委員は、部会長が指名するということになっておりまして、それで坂本大気環境部会長から指名がなされた、こういうことでございます。
 以上です。

【内山委員長】 ありがとうございました。
 何か、この件についてご質問はございますでしょうか。よろしければ、次に進みたいと思いますが、よろしいでしょうか。

(なし)

【内山委員長】 
 それでは、議題2の微小粒子状物質健康影響評価検討会報告につきまして、これまで微小粒子状物質の健康影響評価の検討や定量的なリスクの評価手法の検討を進めてきたところでございますが、微小粒子状物質に関して、これらの取り組みについて、初めての委員もいらっしゃいますし、それから、従来からの委員の方も復習という意味で、事務局から説明をしていただきたいというように思いますので、よろしくお願いいたします。

【松田補佐】 それでは、資料2-1と2-2に基づきまして、微小粒子状物質健康影響評価検討会の報告の内容と微小粒子状物質リスク評価手法の専門委員会報告の内容につきまして報告させていただきたいと思います。
 資料2-1でございますが、これは微小粒子状物質健康影響評価検討会報告に関する概要をまとめたものでございます。実際の本体は机の上に分厚い白表紙の報告書がございまして、こちらのほうも随時必要に応じてご参照していただきければとは思いますが、まず、この概要の紙に沿ってご説明をしたいと思います。
 まず、検討の経緯ということですが、この検討会は、浮遊粒子状物質の中でも、特に粒径の小さい微小粒子状物質について、国内外の知見を踏まえ、微小粒子状物質の呼吸器系や循環器系などへの健康影響に関する評価について専門的な検討を進めることを目的として、平成19年5月29日に第1回を開催した後、11回に及ぶ調査・審議を行いまして、平成20年4月4日に報告書がまとめられております。
 実際には曝露や毒性、疫学のワーキンググループを設置して、それぞれの知見を整理しました。かつ、それらの知見を統合した上での定性的な評価、こういった作業に取り組んでいただいたところでございます。
 報告書の概要について、最初に簡単にご紹介しますが、(1)の健康影響という部分ですが、ここで検討会報告では、微小粒子状物質の健康影響について、様々な疫学知見から、粒子状物質において従前から認められている呼吸器系の健康影響が微小粒子状物質においても見られるとともに、新たに微小粒子状物質による循環器系や肺がんの健康影響が見られたということです。
 これらの評価につきましては、欧米と我が国における生活習慣等の違いによる疾病構造の相違、微小粒子と粗大粒子の影響の判別、他の共存汚染物質の影響などの不確実性のもとに評価されたことに留意する必要があるものの、総合的に評価すると、微小粒子状物質が総体として人々の健康に一定の影響を与えることが、疫学知見並びに毒性知見から支持されているということが示されています。
 大気中粒子状物質の曝露に関して観察される相対リスクは、他の曝露要因と比較して、必ずしも大きくはないものの、公衆衛生の観点から微小粒子による健康影響を軽視することはできないことから、さらに定量的な評価に関する考察を進める必要があるとされたところです。
 今後の課題としては、定量的な評価についての手法について、十分に検討を行うべきというように示されておりまして、それが後ほど説明をするリスク評価手法の検討につながっていくということです。資料2-1の1枚紙の次の資料に、微小粒子状物質健康影響評価検討会報告書の抜粋という資料がございます。これについても省略しながらご説明をします。この抜粋の資料は、お手元に分厚い報告書がありますが、この中の第1章、7章、8章を抜粋したものです。
 この資料の2ページ目を開いていただきまして、評価文書の構成ということで、第1章については目的や背景です。第2章については、大気中の粒子状物質の物理的な特性などについての情報を紹介して、第3章では、大気中の粒子状物質の濃度や、あとは排出、インベントリーの情報、さらに個人曝露量の推計などの情報の紹介をしております。第4章では、粒子の体内中の挙動についての情報を紹介しております。第5章については、これは粒子状物質の影響メカニズムの検討を行うための毒性学の研究による健康影響についての知見についての整理を行っております。第6章については、疫学研究の健康影響に関する知見についての評価を行っていただいています。そこで、第7章では、この2章から6章までの知見を統合した大気・体内中の挙動、適切なカットポイント、影響メカニズムの検証、有害性の同定についての総合的な評価を行っていただいています。第8章は、まとめと今後の課題が示されております。
 第7章が主に第2章から第6章までの評価も含めた内容を説明できるものだということで、ここの資料の中で紹介をさせていただいております。
 次のページを開いていただきまして、7-1を見ていただければと思いますが、ここで7.1.1において、粒子状物質の特性の整理というものを示しております。
 環境大気中の存在する粒子には、堆積物の破砕や研磨などの細粒化、物の燃焼に伴って排出される一次発生粒子と、また、硫黄酸化物や窒素酸化物などのガス状の物質が大気中での反応により粒子化をした二次粒子があるということが最初に示されております。
 ここでは様々な化学組成が示されており、無機成分、金属成分、土壌成分、炭素成分、こういったものが色々示されていまして、二次粒子の前駆物質としては、硫黄酸化物、窒素酸化物、塩素化合物、VOC等が挙げられております。
 環境中に存在する粒子というのは、広い粒径範囲に分布をしているということですが、質量濃度分布については、粒径が空気動力学径で約1μmに谷を持つ二峰性の形を示していまして、粒径の大きい方を粗大粒子、小さい方を微小粒子というように呼んでおります。また、さらに微小粒子は分類されて、約0.1μm以下の小さいものを超微小粒子というように呼ぶことがあるということでございます。
 この辺の資料の特徴として、図の7.1.1に、粒子数と表面積濃度と質量濃度分布ということがここで示されております。ここで質量濃度分布は一番下の絵ということになります。
 また、粒子状物質の発生源としては、人為起源と自然起源に大別されて、人為起源には固定発生源と移動発生源が存在すること。また、自然発生源としては、土壌粒子、海塩粒子、火山噴煙などがある。特に四方を海に囲まれている我が国の特徴についても、こちらの方に記載がされているということでございます。
 また、粒子状物質の大気中の滞留時間につきましては、7-3ページの真ん中ぐらいに出ておりまして、特に微小粒子につきましては、拡散や重力沈降の影響を受けにくいという特徴があり、粗大粒子や超微小粒子と比較して滞留時間が長く、数週間寿命を持っているなど、大気中の動態について、時間的・空間的な変化の特徴についても、こちらの方に示しているということでございます。
 7-4ページにいきますと、粒子状物質の測定方法について紹介がされております。
 また、7-5ページにいきますと、曝露評価の整理ということで、実際に今の大気環境中の測定結果に基づきまとめた内容が書かれております。
 大気環境の現状としては、平成13年から18年にかけて、微小粒子の連続測定を実施しています。いずれも自排局で顕著な濃度低下が見られ、都市部の一般局では、初期に減少はしておりますが、最近は横ばい傾向になっています。非都市部の一般局では全体にわたって横ばいと、こういう結果だということが示されております。
 その後、発生源影響とかモデルによる推計なども示されておりますが、7-7ページにいきますと、ヒトへの曝露様態ということで、粒子状物質の個人への曝露についての特徴が示されております。
 ここで大気中の粒子状物質濃度と個人への粒子状物質の曝露の環境を明らかにするためには、環境大気濃度と家屋内濃度、それと個人曝露量との関係を観察する必要があるということが示されております。
 微小粒子状物質の曝露影響調査、環境省が行った調査ですが、ここでは環境濃度と屋内濃度、屋内濃度と個人曝露濃度について相関があるということが示されております。
 また、次のページにいきまして、これは米国の調査では、PM2.5は粗大粒子に比べて、こちらの図7.1.2の資料ですが、粗大粒子に比べて屋内に侵入しやすく、屋外濃度との差も小さいということが示されていて、PM10以上に個人曝露濃度との相関が強いこと。PM2.5の環境濃度は個人曝露濃度の代替指標として適しているということが示されていると、こういったことが紹介されております。
 次に、7-8の7.1.3の生体内沈着及び体内動態の整理ですが、ここでは体内に粒子が入った後の挙動について示しております。
 粒子が気道への沈着をする機構として、慣性衝突、沈降、遮断、粒子荷電及び拡散、こういったものが紹介されて、粒子の大きさや形状などによって沈着への寄与は変わるということが述べられています。
 また、上気道領域、気管支領域、肺胞領域における粒子の沈着につきまして詳細に分析しているモデルによって推計しているものも紹介をして、微小粒子に関して、粒径の大きさや呼吸器系の部位によって沈着の挙動は異なるという点についても、ここで紹介をしております。
 その次のページにいきまして、7-10ページの適切なカットポイントということで、微小粒子状物質の健康影響評価の作業を行うに当たって、粒子の物理的・化学的要素、曝露データの情報、吸入粒子の体内の挙動、あとは科学的知見の蓄積など、そういった検討材料を提供した上で、微小粒子や粗大粒子に関する粒径の適切なカットポイントについて検証いただいております。
 総合的な検討としては、7.5に、ページでいきますと7-14ページ、こちらの方に書かれておりますが、毒性に関与しうる微小粒子というのは、人為発生源からの排出ガスに多く含まれ、制御はより容易であること。また、微小粒子状のうち、蓄積モード粒子は、大気中に長期間滞留し、一定地域内ではより均一に存在し、屋内にも侵入しやすく、微小粒子の大気環境測定結果は、ヒトへの曝露量と見ることができること。体内の沈着につきましては、複雑で、明確なカットポイントを示すことは困難ではあるが、微小粒子は肺胞領域にまで侵入しやすいこと。多くの健康影響に関する研究論文、測定データは微小粒子をPM2.5と扱い、科学的知見が蓄積されていること。高湿度などの条件でもPM2.5は微小粒子に大半を捕集することはできること。このようなことから、微小粒子と粗大粒子の間のカットポイントを欧米と同様に2.5μmとすることが妥当ではないかということが示されております。
 また、粗大粒子に関しましては、10μmを超える粒子は上気道領域で捕捉されますが、10μm以下の粒子は、下気道領域や肺胞領域への沈着率が高く、粗大粒子を含めた粒子状物質のカットポイントの上端を10μmとする従前の知見とは変わりがないということも、ここで示されております。
 次の7.3、影響メカニズムですが、ここは毒性学の影響メカニズムに関する知見を気管などの分類ごとによって、それぞれの障害の仮説の確からしさの評価を行っております。
 粒子状物質の曝露による健康影響メカニズムを理解するために、粒子状物質の沈着やクリアランスに関する知見の整理も考慮をしているということでございます。主に呼吸器系への影響、循環器系への影響、免疫系への影響、発がん影響等について、それぞれ仮説を立てて、それぞれの仮説が知見によって支持がされるかどうかということが示されております。
 ここでレビューを行った内容については、2007年3月末までの知見によって評価をされたものということでございます。
 それで、7-15ページに呼吸器系への影響ということで、曝露した粒子による呼吸器系への影響をきたすと想定されるメカニズムは、気道や肺に炎症反応を誘導し、より高濃度な曝露の場合、肺障害が生じること。気道の抗原反応性を増強し、喘息やアレルギー性鼻炎を悪化させうること、また、呼吸器感染の感受性を増加することが挙げられています。
 循環器系への影響のメカニズムにつきましては、呼吸器系への刺激や自立神経機能への影響を介し、不整脈など心機能に変化が生じやすくなる。生理活性物質や過酸化物の増加などを起こし、血管系の構造変化を促進し、血小板や血液凝固系の活性化、血栓形成の誘導などを介して血管狭窄性病変を起こしやすくし、心臓に直接的、間接的な悪影響を及ぼす、こういうことが挙げられています。
 また、免疫系へのメカニズムとしては、こちらの二つの肺胞マクロファージの持つ殺菌能を低下させ、インターフェロンの産生を抑制し、感染感受性を高めることやアジュバンドのように作用する、こういったことが示されております。
 また、発がん影響につきましては、毒性学知見による都市大気微小粒子の発がん性の検証に関して、この微小粒子自体の発がん性の実験的根拠は不足しているものの、曝露情報から都市大気微小粒子を構成する成分として、DEPや燃料燃焼由来粒子を含むことから、部分的に発がんに関与することが示唆されていることが示されております。
 この他粒子成分、粒径、高感受性、共存汚染物質のメカニズムを挙げております。
 7-18ページにいきまして、有害性の同定ということですが、有害性の同定につきましては、二つの内容が書かれていまして、毒性学研究による健康影響と疫学研究の健康影響の二つの評価から、呼吸器系への影響、循環器系への影響、肺がん等々について、生物学的妥当性や整合性についての評価を行うという作業と、また、疫学の評価が6章に書かれておりますが、ここの6章による評価と、今、申しました生物学的妥当性、整合性に関する評価、これを組み合わせた有害性の同定に関する評価、この二つの作業というのをこちらのほうで取り組んでおります。
 それで、7.4.1につきましては、生物学的妥当性や整合性に関する評価に関してここで書かれております。
 呼吸器系への影響につきましては、疫学研究で得られた入院及び受診、肺機能の低下、呼吸器症状の増加等の影響は、毒性学研究から想定される気道や肺への炎症反応の誘導、気道の抗原反応性の増強、呼吸器感染の感受性の動態によって基本的に説明が可能であること。
 なお、疫学研究で示された呼吸器系疾患に関する死亡増加は、種々の病態の増悪に伴うものと解釈できるが、直接的な死因を推定することや、死亡に至るまでの生体反応の過程を説明することは、現時点で困難というようにしております。
 また、疫学研究で見られた呼吸器系への影響はPM2.5のみならずPM10においても同様の結果が見られ、また、数は少ないものの10-2.5μmの粒子も影響を示唆する知見が存在しており、疫学調査で観察された指標との関連性は、微小粒子領域に存在する粒子のみの影響を示すものであると明確に結論づけることは困難というようにしております。
 また、循環器系への影響ですが、これは一般大気環境で行われている疫学研究で得られた心拍数の増加、血圧値の上昇、血中フィブリノゲン濃度の上昇、心電図に関する変化など、種々の結果については、毒性学研究から想定されるメカニズムによって基本的に説明が可能であること。
 また、疫学研究で得られた心血管系疾患による死亡増加の結果については、不整脈、心筋梗塞、冠動脈疾患などにより、重篤な場合は死亡に至る過程は、基本的に説明が可能であること。
 ただし、粒子状物質の循環器系への影響を検討する場合には、欧米と我が国の循環器系疾患の疾病構造の相違に留意する必要があることは、調査結果とともに示されております。
 また、疫学知見で見られた循環器系への影響は、PM2.5のみならずPM10においても同様の結果が見られているが、10-2.5μmの粒子に関する知見は少ない。そのため、粗大粒子の循環器系への影響を現時点で判断することは困難ということが示されております。
 肺がんにつきましては、7.4.1.3、7-20ページですが、微小粒子状物質を構成する個々の成分について、発がん性が不明な部分も多いが、主に都市地域における微小粒子状物質には、DEPや燃料燃焼由来成分が主要成分として含まれている。このことを踏まえれば、疫学調査で得られた微小粒子の長期曝露による肺がん死亡リスクの増加の結果について、DEPや燃料燃焼由来成分による発がん性を有すると考えられる物質の関与は否定できないという結果になっております。
 このあと、7.4.1.4に、粒径及び成分について示されていまして、後は共存汚染物質、高感受性集団についての記述が書かれています。
 それで、7.4.2に有害性の同定ということで、7-22ページに書かれております。下から二つ目のパラグラフですが、ここで大気中粒子状物質の曝露は、人々の健康に対して有害性があるか否かの判断を種々の曝露指標と健康影響指標による組み合わせの結果をもとに総合的に評価した結果に基づいている。これらの総合的な評価の過程で個々の知見の不確実性が相互に補われることによって、個々の知見の単なる積み重ね以上の評価を可能にするものと考えるというように書かれていまして、それで、総合評価の基礎となる曝露指標とそれぞれの健康影響指標に関する個別の評価を7-22ページの1ポツ目から、次の7-23ページ、7-24ページまで、個別の評価というのを、それぞれ短期曝露と長期曝露に関しまして、また、死亡や呼吸器症状、入院受診などの個々の評価をここで記述いただいているということでございます。
 これらの評価をしていただいた上で、微小粒子状物質が、様々な不確実性は含むものの、総体として一定の影響を与えている。これが疫学知見並びに毒性学知見から支持されるという旨、評価をいただいているところでございます。
 これが7章でして、この内容を受けて8章に、まとめと今後の課題という形で整理がされているということでございます。
 以上が資料2-1の健康影響評価検討会の報告でございまして、次に、資料2-2の微小粒子状物質リスク評価手法専門委員会報告のものでございます。
 こちらに背景及び経緯がございますが、これは検討会、先ほど健康影響評価検討会の中でも定量的な評価に関する考察を進める必要があるというようにされまして、それで平成20年6月に専門委員会を設置しまして、6回にわたり審議を行いまして、途中、このリスク評価手法専門委員会に参画いただいていた新田先生、加藤先生、武林先生に海外にも出張していただいて、実際に米国の評価手法などを参考にしながら評価手法についてまとめていただいたということでございます。
 報告書の概要として、主に三つのリスク評価手法の基礎的な考え方、それと信頼できる疫学知見の抽出の考え方、また、定量的な解析手法について、この三つの分野に分けて、それぞれについて審議をしていただいたということでございます。
 ページでいきますと、資料2-2では、基礎的な考え方は3ページ目以降ということになりますが、ここで基礎的な考え方のうちの2.3に関して、微小粒子状物質の環境目標値設定の考え方をちょっと見ていただければと思います。冒頭に、環境目標値の目安となる数値は、この当該物質の濃度がその水準以下であれば、その曝露により好ましからざる健康影響が起こらないことを目安として設定されるものである。具体的には、健康影響の重篤度の観点から、好ましからざる健康影響の種類を定め、さらにその健康影響と曝露濃度との関係を明らかにすることによって、健康影響が起こらない濃度水準を見出すことができる。この一般論が書かれていますが、その次のページにいきまして、5ページ目の中段に、微小粒子状物質については様々な成分で構成されて、地域によって大気環境中の粒子成分が変動することもあり、疫学知見に基づく評価において、集団における微小粒子状物質への短期曝露、長期的影響に対する影響に閾値の存在を明らかにすることはさらに難しいとされています。このため、微小粒子状物質の濃度が低い環境下においてもいくらかの残存リスクがある可能性は否定できない。
 微小粒子状物質の健康影響のあらわれ方は、現下の大気環境において、個人の健康への作用として、日常的な臨床の場で観察されるものではなく、比較的小さな相対リスクが幅広い地域において疫学的に観察されるものと言えること。
 そこで、WHOのガイドラインの考え方や米国EPAの考え方を参照しつつ、我々としてどのように取り組んでいけばいいのかということで、6ページ目になりますが、我が国においては、大気汚染がヒトの健康に好ましからざる影響を与えることのないように、微小粒子状物質の健康リスクに関する現状を踏まえた手法を採用することが考えられる。当面、現下の大気環境において見られる一般地域集団における健康影響を低減していくという公衆衛生の観点を考慮し、疫学知見に基づく曝露量−反応関係から健康影響が生じることが確からしいとされる濃度水準を見出し、それを微小粒子状物質の環境目標値の目安となる数値を検討する際の出発点にするのが適当であると考えられる。また、検討にあたっては、毒性学の知見も踏まえた健康影響メカニズムも含めた統合的な評価が必要であるというようにされております。
 公衆衛生の観点から、大気汚染物質の影響に対してより敏感であり、また、より大きな健康リスクを生じうると考えられる高感受性者や脆弱性を有する者の健康影響にも慎重に配慮することが必要であるという点もここの2.3のところに書かれております。
 また、次の2.4の考慮すべきエンドポイントということでございます。
 考慮すべきエンドポイントにつきまして、WHOガイドラインでも、表の1に示すとおり、かなり幅広いエンドポイントを取り上げているということは、こちらにも書かれております。こういった幅広いエンドポイントをどのように取り扱い、その知見についても、どのよう取り扱っていくかということが書かれていまして、8ページの一番下の微小粒子状物質の環境目標値の検討過程においても、微小粒子状物質への曝露と種々のエンドポイントとの関連性に関する疫学知見や毒性学の知見も踏まえた健康影響メカニズムも含めた総合的かつ包括的な評価に基づき、様々な重篤度の健康影響の中から、考慮するエンドポイントを選択するべきであるということが書かれております。
 また、考慮すべきエンドポイントが複数存在する場合は、それぞれ曝露量−反応関係を推定して、影響が確からしい濃度範囲を示し、目標値の目安になる数値を見出すことが適当である。特定のエンドポイントを重視する場合においても、他のエンドポイントに関する影響が確からしい濃度水準を参考情報として活用することも考えられるという点についても、ここで示されております。
 2.5にいきますと、短期曝露影響と長期曝露影響ということで、一般に、大気汚染の曝露による健康影響は、比較的濃度の高い大気汚染物質への短期曝露による影響と低濃度の長期曝露による影響に分けられる。長期曝露ではより低濃度で慢性影響が起こり、短期曝露ではより高濃度で急性影響が起こると考えられる場合には、それぞれの健康影響について目標値の目安となる数値を選択することが妥当であると考えられる。従って、このような曝露期間による健康影響の発生に質的な差があるかどうかを科学的知見に基づき評価することが重要である。このような形で短期曝露影響、長期曝露影響、それぞれの影響を見ていくという点について、こちらの報告でも示されているということでございます。
 次に、12ページからは、実際に、解析に用いる信頼できる疫学知見の抽出の考え方が示されております。
 こちらは最初、3.1に、疫学手法として様々なものが示されておりまして、最終的には14ページの最後に書かれていますが、微小粒子状物質の曝露による健康影響を定量的に評価する上で重要なことは、微小粒子状物質とともに他の共存汚染物質への曝露評価が適切に実施できること。また、種々の交絡因子の調整を的確に行うことができること。従って、長期曝露による影響を見る方法としては、適切に計画された場合には、交絡因子の調整や複数のエンドポイントに関する検討もでき、曝露との関連も継続して見ることのできるコホート研究がすぐれていると考えられる。一方で短期曝露による影響を見る方法としては、時系列研究やケースクロスオーバー法を用いた研究が適切であると考えられるということが示されております。
 3.2に、疫学研究の不確実性が示されておりまして、3.3に定量評価の対象とすべき疫学研究ということで示されております。
 ここで、長期影響については、前のコホート研究を優先していくことが適当ではないかということ。特に、より広い曝露濃度範囲が観察され、高感受性を含む一般集団を対象として実施された研究を重視することが考えられること。短期曝露影響については、時系列研究やケースクロスオーバー法など、同一の研究デザインで行われた複数都市研究に基づく知見を優先することが考えられるということも示されております。
 具体的な疫学知見の選定について、十分な対象数なのか、適切な対象地域の選定なのか、また、大気汚染物質の測定が適切、十分かとか、信頼できるエンドポイントの測定、評価が行われているか、交絡因子の調整がされているかなど、あとは曝露評価の実施の内容について、適切なものを選定するということが、こちらに書かれております。
 また、3.4ですが、国内の疫学知見と国外の疫学知見の取り扱いが示されております。
 これについては、WHOの大気質ガイドラインにおいて、各国の基準を設定するときには自国の地域環境を慎重に考慮すべきという点、あとは米国の事例なども紹介をしつつ、定量評価に際しては、原則として国内知見と国外知見を総合的、包括的に評価をすることが考えられる。その際には、国内知見と国外知見で微小粒子状物質への曝露との関連性が認められるエンドポイントごとの一致性やそれぞれの知見の特徴に留意して検討する必要があるということが示されております。
 具体的には微小粒子状物質の関連性が疫学的因果関係を示している可能性が高いと判断されているエンドポイントごとに、前節で示した事項に合致する国内知見を選択して、国内知見と国外知見の共通性、相違点を整理して検討することが必要であるということが示されております。
 次に、4の定量的解析手法ということで、米国やWHOの考え方では、「疫学知見に基づく影響度評価手法」と「リスク削減予測に基づく手法」の二つが紹介されている、この点が記述されておりまして、当面、21ページの最後にも書かれていますが、まずは疫学知見に基づく曝露量―反応関係から健康影響が生じることが確からしいとされる濃度水準を見出す作業を出発点とすることが適当であると考えられるということが示されております。さらにはヒト志願者や動物実験に関する毒性学の知見による容量―効果関係も考慮する必要があると示しております。
 一方、リスク削減予測に基づく影響度評価手法については、国内知見と国外知見の一致性に留意して実行可能な手法を検討するということがここで示されております。
 31ページですが、実施可能な定量的解析手法の考察ということで、2章、3章、4章で示した内容につきまして、長期曝露影響と短期曝露影響の両者についての定量的な解析手法の手順が示されております。長期曝露影響が4.4.1に六つの事項として示されており、短期曝露影響については、4.4.2に示される五つの事項が示されておりまして、それぞれの手順で作業をしていくということですが、最後になお書きとして、低濃度領域における曝露量―反応関係については、考慮すべきとされたエンドポイントに関する疫学知見の基盤となる疾病構造や微小粒子状物質のバックグラウンド濃度などの大気汚染物質の国内外の差異などの不確実性が大きいことを十分に考慮するべきであるという点も、ここのところで書かれております。
 最後はまとめということで、これらの内容をエッセンスとしてまとめてみた内容が書かれていまして、現在の科学的知見の評価からまとめられた成果であるという点が書かれております。以上が定量的リスク評価手法ということでございます。
 説明が長くなりましたが、以上でございます。

【内山委員長】 ありがとうございました。
 ただ今、微小粒子状物質に係る二つの検討会報告書について、特にご説明がありましたが、何かご質問なりご意見はございますでしょうか。新しく参加された先生方では、武林先生は何か、3時過ぎにご退席ですので、何か補足するとかご意見、よろしいですか。

【武林委員】 ございません。

【内山委員長】 よろしいでしょうか。
 先ほど、少しお話がありました、このレビューは2007年の3月までということに、後で進め方等でもご議論になるかもしれませんが、ここの委員会では、またその後のデータも収集するということも含めて考えてよろしいでしょうか。

【松田補佐】 やはり、最近の知見、疫学、毒性学両方とも、数はそれほど多くはないと思いますが、できましたらフォローアップをして、また、この委員会の中で評価の中に反映をできればいいのではないかと考えております。

【内山委員長】 その他に何かご質問なりご意見ございますか。よろしいですか。
 そうしましたら、また最後にでも、もし何かございましたらご意見をいただくことにして、次に移りたいと思います。
 議題3は、大気汚染に係る環境基準の現状についてということで、これは現在の環境基準がどのようになっているかということで、事務局からご説明をいたします。

【松田補佐】 それでは、資料3、3-1と3-2に基づきまして、大気汚染に係る環境基準の現状についてご説明申し上げます。
 まず、資料3-1でございます。環境基準につきましては、環境基本法第16条第1項において、人の健康を保護し、及び生活環境を保全する上で維持されることが望ましい基準であることが定められております。条文は後ろのほうに、3枚目に参考条文ということで示しております。
 これまで大気汚染についての環境基準が何項目定められているかと言いますと、まず一つ目に、いわゆる伝統5物質と言われている古くから環境基準が定められてある5物質、二酸化硫黄、一酸化炭素、浮遊粒子状物質、二酸化窒素、光化学オキシダント、この五つの物質があるわけですが、この5つの物質毎に環境上の条件ということで、例えば、二酸化硫黄であれば、1時間値の1日平均値が0.04ppm以下であり、かつ1時間値が0.1ppm以下であることという平均化時間と平均化時間に対応した数値目標が決められています。また、その物質毎の測定方法についても定められている、こういうことでございます。
 これが一酸化炭素、浮遊粒子状物質、二酸化窒素、それぞれ定められていまして、物質によって、1日平均値で定められている場合もあれば、1時間値の8時間平均値で示す場合もあれば、1時間値で示すようなものもあるということで、それはその物質毎によって環境の条件というのが異なるということで、それぞれの健康影響のエビデンスによってこの数値基準が決められているということでございます。
 また、SPMにつきましては、ここの下の米印にもございますが、空気動力学径が10μm以上の粒子が100%カットされる粒径の粒子ということで定義がなされております。
 評価方法ということで、実際に環境基準があって、実際の大気環境中の測定結果が環境基準と比較して、その測定局ごとに達成をしているのか、非達成なのかという点の評価方法というものがありますが、これが長期的評価と短期的評価があるということで、長期的評価につきましては、NO2について1日平均値の低いほうから98%目に当たる値を環境基準と比較して評価をしています。SPM、SO2、CO、これについては1年間の1日平均値の高いほうから2%の範囲にあるものを除外した値で評価をすると、こういうことになっております。さらに、また2日連続して環境基準を超過した場合は、それにもかかわらず非達成とする要件が書かれております。この点については、詳しく資料3-2のほうで説明をしたいと思います。
 2枚目にいきまして、短期的評価としては、1時間もしくは1日当たりの時間間隔で大気汚染の短期的評価を行うという内容でして、SPM、SO2、CO、Ox、こういったものが短期的評価の対象ということになっております。
 また、適用範囲ですが、この適用範囲としては、工業専用地域、車道その他一般公衆の方が通常生活していない地域または場所については適用しないことになっております。
 二つ目の有害大気汚染物質に関する環境基準ということですが、これは、今、4物質、環境基準が定められていまして、1年平均値としての基準値がそれぞれ定められております。また、測定法についても同様に基準の一つの要素として定められております。
 評価方法としては、1年平均値を環境基準値と比較するということでございます。
 適用範囲についても、これについては、先ほどの伝統5物質と同様の取り扱いをしているということでございます。
 また、3番目にダイオキシン類に係る環境基準ということで、これはダイオキシン類対策特別措置法に基づく環境基準ということですが、これについても年平均値で数値目標が決められております。これも測定法もあわせて定められております。
 適用範囲も他の物質と同様の取り扱いをしているということでございます。
 これが大気汚染に関する環境基準の現状ということですが、評価方法につきまして、さらに詳しい資料を資料3-2として用意をしております。これについて、重なる部分もございますが、ご説明をいたします。
 環境基準の評価としては、1時間または1日を通した測定結果に係る短期的評価と年間を通した測定結果に係る長期的評価の方法がそれぞれあります。
 短期的評価としては、先ほどもお話をしたとおり、SPMや二酸化窒素、一酸化炭素、光化学オキシダントの環境基準を見る上で1時間値、または1日平均値と比較をして評価をしています。
 長期的評価につきましては、これは年間の測定結果について、長い1年間のスパンで評価をするということでございまして、やり方としては、年平均値と基準値を比較するやり方と、1年間の測定結果のうちの代表的な数値と、それを環境基準と比較する年間98%値、2%除外値のこの三つの選択肢がございます。年平均値については、アに書いていますが、1年間に測定された欠測を除くすべての1時間値を合計した数値を、その年度での測定時間数で割り算をして四捨五入して得られる算術平均値です。これは、有害大気汚染物質の基準の評価を行う際に使用しております。年間98%値につきましては、1年間に測定された全ての日平均値を1年間での最低値を第1番目として、値の低い方から高い方に順に並べて、低い方から数えて98%目に該当する日平均値のこととしています。この数値を用いて、その数値が環境基準と比較して評価をするということです。
 ここに「例えば」ということで書いていますが、365個の日平均値がある場合は、358番目の日平均値ということでございます。これは二酸化窒素の環境基準への評価ということで使用しております。
 2%除外値については、これは1年間の測定されたすべての日平均値のうち、年間での最高値を第1番目として、値の高い方から低い方に並べて、高い方から数えて2%分の日数に1を加えた番号に該当するのが日平均値だということでございます。
 その意味で98%値と2%除外値というのは、ある意味、数値としてはほぼ同じ数値ということですが、考え方として、高いところを除くというやり方と低いところから積み上げていったところでの数値ということで、それぞれ考え方が違うということでございます。2%除外値につきましては、SPMや二酸化硫黄、一酸化炭素、これらが使用をしているということでございます。
 参考1は、98%値を用いた理由ということですが、NO2につきましては、長期指針と短期指針ということで、審議会の答申におきまして、長期的な指針と短期的な指針が出されたわけですけれども、その長期的指針を1日平均値と年間の平均値を大気汚染のデータから見て、統計学的特性から年平均値0.02から0.03に該当するのが1日平均値でいう0.04から0.06ということで、その統計的な特性から数値を決められたということがございます。こういうことで98%値というのが年平均値と非常に高い関連性があるということがあって、98%値ということで数値を定めたということでございます。
 参考2の2%除外値の考え方ということですが、当時の大気汚染の状況、あとは測定体制の測定精度の限界など、その点も踏まえて2%除外値にしたということでございます。
 当時の通知では、WHOの考え方も参考にして、二酸化硫黄に係る年間にわたる1日平均値である測定値につき、測定値の高いほうから2%の範囲内にあるものを除外して評価を行うものとすること。ただし、人の健康の保護を徹底する趣旨から、1日平均値につき環境基準を超える日が2日以上連続した場合には、このような取り扱いを行わないこととして、その評価を行うということになっていまして、ここで2日間連続条項ということで、高濃度の日が2日連続した場合は2%除外値によらず非達成という取り扱いがここで決められているということでございます。
 後ろには、それぞれ物質毎の平均化時間と数値目標、それとあわせて評価方法についてそれぞれ示しております。
 以上です。

【内山委員長】 ありがとうございました。
 ただ今事務局の方から、大気汚染に係る環境基準の現状についてということでご説明いただきましたけれども、何かご質問等ございますでしょうか。この委員会では評価方法をどうするかというところまで審議すると思いますので、何かご質問。
 加藤委員、どうぞ。

【加藤委員】 資料から外れた質問で恐縮ですけれども、今、伺っておかないと後で恥ずかしくて聞けなくなると思いまして伺うのですけれども、日本の場合、評価にはモデルというのは全く使っていなくて、実際に測定した値で見ているということでよろしいのかどうかということと、それから、もう一つは、適用範囲に書かれている「工業用専用地域、車道その他一般公衆が通常生活していない地域または場所については、適用しない。」というようにありますけれども、こういうところには測定局がないということですか。自排局という言葉がよく出てきますけれども、自排局というのは、この中には入るのか、入らないのか、非常に素人質問ですけれども、よろしくお願いします。

【松田補佐】 まず、二つご質問がございましたが、最初の一つ目の質問については、基本的には実測の結果を用いて評価を行うということですので、特に評価を行うに当たって何らかの推計を実施するということはしていないこと。基本的には測定結果を、実測の結果を用いて、それを実際に並べたりして、環境基準の評価方法と照らしてみて検証しているということでございます。
  あと、二つ目の部分につきましては、適用範囲に確かに車道という部分は書いていますが、これは本当に車が実際に通る道のことであり、自排局は道路の沿道側に設置をするということで、比較的道路には近いところではあるのですけれども、実際に日本の場合は住民の方が道路沿道にお住まいがある場合も結構ありますので、ここの車道というのは、あくまでも道路のまさに上に自動車が通っているところということでございます。

【内山委員長】 よろしいですか。
 その他にございますでしょうか。
 少し私のほうから。2%除外値と98%値は、そのとり方によって違ってくることというのはありますか。基準の評価日数なり、数値が。

【松田補佐】 基本的には同じ値になります。ただ考え方として、非常に高濃度の測定データを除くという2%除外値と、それと年間平均と日平均の統計的な関連から、関係がよいと思われる98%値で決めたという部分、その98%値と2%除外値、その数値自体はほぼ変わりませんが、2%除外値の考え方と98%値の考え方が、その点は異なっているということでございます。数値自体は基本的には変わらないということでございます。

【早水課長】 モニタリングを担当しています大気環境課の早水でございますが、厳密に言うと、2%除外と98%、下から98%、上から2%をとる場合は、母体のこの個数、日数と言いますか、検体の数によって微妙に何番目かというところが一つ、ずれることがありますが、非常に例外的でございます。厳密に言うと、全く同じ値である場合がほとんどですが、何番目かというところが違うケースがありますので、違う場合がごく稀にあります。測定日数の関係で、母数の関係で、そういうことが統計的にはありうるということだけでございます。一番大きいのは、思想の差というのが大きいということでございます。

【内山委員長】 他に何かよろしいでしょうか。
 それでは、この件に関しても、また後で議論になったときに、また改めてということもあるかと思いますが、今日のところはご紹介いただいたということで、これぐらいにしたいと思います。
 次は議題4ですが、検討の進め方についてということで、事務局の方から、これが今日の一番の議論になるかと思いますので、よろしくお願いします。

【松田補佐】 それでは、資料4の本専門委員会の検討の進め方について、資料をご説明いたします。
 この環境基準専門委員会におきましては、先ほど、私の方からご説明をした定量的リスク評価手法、また微小粒子状物質などに係る国内外の科学的知見及び大気環境測定結果などの情報を踏まえて、微小粒子状物質に係る環境基準に関する専門の事項を調査いただきたいと思います。
 検討事項としては、六つの事項がここでは挙げられています。まず、一つ目としては、微小粒子状物質の大気・体内中の挙動ということで、健康影響評価検討会の報告書や大気中の挙動に関する調査結果などに基づきまして、粒子状物質の特性、大気中の挙動、人への曝露の特徴、体内中の挙動ということで、これらの事項を整理いただきたいと思っております。また、大気中の挙動につきましては、測定データの時間的変化や成分組成、統計的な特性や地域毎の特徴、この点についても整理いただければと思っております。
 次の(2)微小粒子状物質の粒径ですが、健康影響評価検討会の報告書においても適切なカットポイントということでの検証がなされているわけですが、粒子状物質の特性、大気中の挙動、体内中の挙動、また科学的知見の蓄積等からの検討、これらの内容を踏まえて、適切な微小粒子状物質の粒径を改めてお示しいただければというように考えております。
 微小粒子状物質の健康影響ということで、三つ目ですが、こちらの方も健康影響評価検討会の報告に示されている評価内容に基づきまして、定量的リスク評価手法に書かれている報告書や、後は最近の国内外の疫学知見や毒性学の知見、この内容も踏まえまして、疫学知見による評価、毒性学知見による評価、それぞれの評価に基づく総合的な健康影響と、この点についての内容を整理いただければと考えております。
 この1から3までの内容については、基本的にはこれまでも検討会報告で整理をされた内容ですが、最近の情報も踏まえた形での点検というのをお願いしたいということでございます。
 (4)でございますが、疫学知見や毒性学知見に基づく定量的評価に関する検討ということで、定量的リスク評価手法の報告書に示される評価手法に基づいて、国内外の疫学知見や毒性学知見による検討をお願いしたいと思っています。
 内容としては、定量評価の対象とする疫学知見の抽出、抽出された疫学知見による曝露量―反応関係の信頼区間に関する検討、また、重視すべきエンドポイントに関する検討、後は曝露期間、短期曝露と長期曝露に応じた検討、こういった課題について疫学知見に基づいて検討をお願いしたいことと、毒性学知見による低濃度曝露により用量―効果関係に関する検討もあわせてお願いをしたいと思っています。
 この様な4の個別の検討を踏まえまして、環境基準の設定に当たっての指針値を見出すための複数の知見による総合的かつ包括的な評価をお願いしたいと思っています。
 その中には、疾病構造や大気汚染状況などの国内外の相違点の整理、また、不確実性の考察、エンドポイントの重篤度や高感受性者へ影響の考察、また、疫学知見の評価と毒性学知見による評価の整合性、こういった点も踏まえた形での評価をお願いしたいと思っております。
 また、環境基準の設定に当たっての指針値についての検討とあわせて、大気中の挙動に関する調査結果などを踏まえて、濃度測定データから平均値を算出する時間間隔・期間である平均化時間や環境濃度が環境基準を達成したかを評価するための評価方法、これらについての検討をお願いしたいと思っております。
 それから2番目の運営方針ということですが、この本専門委員会の運営方針につきましては、中央環境審議会の大気環境部会の小委員会及び専門委員会の運営方針によるものだということで、別紙に定められている運営方針のとおり、会議は公開にするなど、取り扱いでお願いをしたいということですが、この運営方針に基づいて専門委員会の運営に関し必要な事項として以下のとおり定めてはどうかということでございます。
 本専門委員会においては、専門委員会での円滑な議論に資するため、委員長の指示により議題に応じた作業会合を適宜開催し、実務的な検討作業を行うこととします。
 作業会合については、各分野における実務的な検討作業を進める過程において、当該分野に係る知見及び文献等に対する科学的知見からの有識者の自由な議論を妨げるおそれがあること、意思決定の中立性が損なわれるおそれがあることから、議事及び配付資料は非公開とします。
 このような形で別紙の運営方針の3番のその他、専門委員長が定めるということができるものとするということで、運営方針としてどうかということで、こちらに載せております。
 また、スケジュールとしては、本日第1回ということですけれども、(1)から(6)までの検討事項があるということで、これについて数回にわたって審議・検討を行った後、微小粒子状物質に係る環境基準に関する検討結果を取りまとめいただきたいというように考えております。
 以上です。

【内山委員長】 ありがとうございました。
 ただ今事務局から検討の進め方について、あるいは運営の方法、方針、ご説明ありましたが、何かご意見、ご質問ございますでしょうか。
 香川先生、どうぞ。

【香川委員】 基本的なことですが、まず資料1-2で中央環境審議会に対して、微小粒子状物質に係る環境基準を新たに設定する必要があるということで、この委員会が開かれているわけですが、回答は、作業会合で検討をして、次回、私の質問に答えていただければありがたいと思います。
 一つは、我が国にはSPMの基準があり、SPMは100%カットです。欧米はPM10とPM2.5は50%カットで、PM2.5は50%カットですから、かなり上の粒子も含まれるわけです。それで、SPMは先ほどのお話ですと、大体7μmぐらいに相当するということです。今回、この健康影響評価で分厚い報告書が出ていますが、ほとんど全部欧米の疫学データに基づいて評価しています。PM10とPM2.5のデータは、我が国で測っているSPMとは違った測り方です。もちろん、これはアメリカのEPAもWHOもPM2.5の基準を決めるに当たって、PM10とPM2.5の健康影響の違いとか、そういったことを評価しているわけですが、まず、測定班の方にSPMの物理化学的特性と欧米で測っているPM10、PM2.5との相違、そこをはっきりさせていただきたい。
 それから、健康影響班の方にお願いしたいのは、これは資料2-1の健康評価検討会の報告の有害性の同定、7-18からの呼吸器系への影響、循環器系への影響についてです。例えば呼吸器系影響の最後のところを見ると、PM2.5のみならずPM10においても同様の結果が見られる。微小粒子領域に存在する粒子のみの影響を示すものであると明確に結論づけることは困難であると書いてあるわけですね。それから、循環器系もほぼ同じことが書かれている。
 ですから、健康影響班の方にお願いしたいのは、我が国のSPMと異なった健康影響がPM2.5に何か特異的にみられるのか、これをはっきり示していただきたいと思います。
 もしあるとすれば、我が国のSPMの基準で保護することができないのか。できるのであれば、PM2.5の基準もちょっと考え直さないといけないので、我が国のSPMの基準で保護することができないのか。できないからPM2.5の基準を決めるのだということを健康影響班の方に明確に示していただきたいですね。SPMの基準を見直すことでPM2.5の基準を作る必要がないのかもしれないし、そこのところを、私ははっきりさせていただきたいと思います。
 この委員会は環境基準の専門委員会ということでPM2.5の、PM2.5になるかどうかわかりませんけれども、微小粒子状物質の環境基準を決めるということで審議に入るわけですが、私は審議に入る前に、そこのところを明確にしてから作業をしていただきたいと思います。今のところが明確でなければ、この委員会の進行にもかかわると思いますので。
 以上です。

【内山委員長】 ただ今のご意見は、今、お答えするのではなくて、少し作業会合を作って議論したいということで、今、ご提案がありましたが、そちらの方も含めて次回までにという宿題でよろしいでしょうか。

【岡部課長】 先生、ご指摘ありがとうございます。
 私ども事務局からまず一言だけ申し上げますと、もちろん整理した上で、次回、ご解答できるようにしたいと思うのですが、微小粒子状物質の健康影響評価検討会でまとめていただいた結果などを踏まえて、PM2.5をベンチマークとするところの健康影響に非常に重点が移ってきているというような諸外国の動きがあり、その中でPM2.5、微小粒子状物質に係る環境基準を新たに設定する必要があるというように判断をいたしたわけですが、そこの判断の道筋を少しおさらいさせていただいて、また、関係の先生方とご指導いただきながら、改めてこのような経緯であったということでご説明をさせていただくことになるのかなというように思っております。

【香川委員】 先ほど言いましたように、欧米はPM10とPM2.5というのを測って、それぞれ50%カットで、先ほどの分布の図を見ても違った分布をしているということはわかるわけですが、我が国のSPMは100%カットで、そして、しかも7μmぐらいのところというものを測っていると。
 そうすると、欧米のPM2.5の50%カットというのは、もうちょっとかなり上のところまで、例えば5μm当たりのところまで含めているとか、そういう中でPM2.5を、先ほど、粒径をどうするかという検討もこれからするらしいですが、PM2.5というところで基準を置いたときに、我が国のSPMとどういう関係にあるのか、これは明確にしていただきたいと思います。
 先ほど言いましたように、ここに分厚い報告書があって、微小粒子が何らかの健康影響を及ぼしているということは、それはよくわかります。でも、欧米の研究はPM10とPM2.5、あるいはTSPのデータが蓄積されていて、そこに微小粒子のデータがあるというので、測定法が違うわけです。我が国のデータはSPMという独特の測り方をしています。
 従って、例えば、このあいだの3府県調査ですか、あれで我が国のSPMと肺がんとの関係が強く出てきているというのも、そんなことにも絡んでいるのかもわかりませんし、そういうところをきちんと整理していただいて、この作業を始めていただけたらというのが、私の希望です。

【内山委員長】 はい、ありがとうございます。
 何か、ご意見ございますか、そのことに関して。

【平木委員】 自治体のほうから少しご意見ですけれども、環境基準を定められるということは、地方公共団体の長にしてみれば、それを達成すべく努力をしないといけないという義務が生じると思うのですが、このPM2.5に対して何らかの規制というのは、今後、考えられていくのでしょうか。
 といいますのは、今現在、PM2.5を測定して、例えば、米国の環境基準を超過しているとした場合に、どこに原因を求めるのかということで、既に住民の方からかなりの要望が上がってきているとしたときに、対策が今のところ、自治体としては見えない部分がある。そういう状況で、この環境基準を定められるということですと、先の対策というのをある程度見せていただかないと、自治体としては非常に対応に困るという面が一つあります。
 それと、もう1点、香川先生もおっしゃいましたけれども、今、SPMの一応基準があるということで、それの達成に向けて努力をしているわけですけれども、SPMの測定法と、それから、今後決められていくであろうPM2.5の測定法、かなり相違が生じる可能性がある。例えば、中央環境審議会の資料を見てみますと、今のFRMの測定法が一つの基準になろうかと思うのですけれども、それ以外にかなり複雑な方法でトータルの粒子状物質を捕集するようなSASSと言うのですかね、何かそういうような測定法もある。そうなると、今まで測定してきたSPMとのかかわりによっては、すごく複雑な評価手法が生じてくるのではないかというように考えております。
 ですから、SPMの今の評価方法と、それからPM2.5の評価方法、どこかで整合性をとるような道筋になるのかどうかというあたりもちょっと知りたいところがあります。
 以上です。

【内山委員長】 これは事務局のほうでお願いします。

【早水課長】 規制と、それから測定法のほうを担当しております大気環境のほうからお答えいたします。
 対策につきまして、でございますが、これは部会の中でも少しお話があったかもしれませんけれども、粒子状物質の対策としては、既に粗大粒子と言いますか、粒子状物質全体のものを含めた対策、粒子状物質全体を減らす対策として固定発生源あるいは移動発生源に対する対策が進んでおりまして、それは当然PM2.5の部分も含んだ形で進んでおります。
 現に、例えばですけれども、部会のときにお示した資料がございますが、これまで試行的に測ってきたデータを見ますと、特に自動車沿道のPM2.5の値も下がってきている状況でございますので、現在進めている粒子状物質全体に対する対策というのは、このPM2.5に対する対策にも資するものというように考えております。
 さらに、その上で、PM2.5について別途対策が必要かどうかということについては、これは様々なシミュレーション等も行いながら検討していくべき事項だと言う風に考えております。これは環境基準を決めた場合には、政府はそれを達成するように努めるということになりますので、従来の粒子状物質全体の対策、あるいは環境の状況を踏まえながら、シミュレーション等もしながら、将来的にどのようにしていくかということは考えていきたいと考えております。
 それから、測定法の問題ですけれども、現在も自治体の測定は、SPMについても基本的には自動測定をされておりますので、標準的な手法として、例えば、フィルター法を使った場合でも、実際にはそれと同等な自動測定ができるような形を取る必要があると、事務局としては考えておりますが、いずれにしても、この点につきましては、測定法の専門委員会が別途設置をされまして、今後、測定法について審議をいただくことになっておりますので、その中で様々な面を考慮して検討・審議をお願いしたいと考えております。
 以上です。

【内山委員長】 よろしいでしょうか。

【平木委員】 測定法ですけれども、測定法によって値がかなり違うように思うのですが、とりあえず、環境基準として影響のほうで考えていただく値というのは、海外で標準としているFRMを基準に考えていくということになるのですか。

【内山委員長】 今の段階でお答えできますか。

【松田補佐】 今の時点では、測定法の議論につきましては、別途測定法の専門委員会を作って、そちらの中で、今後検討していくことになろうかと思います。ただ、両委員会の検討がうまく情報をお互いに共有化できるように事務局としても工夫はしていきたいというようには考えております。

【内山委員長】 これは測定法の専門委員会のほうも同時に行っているということで、こちらの一つの検討項目にもバックグラウンド濃度との関係というのもありましたので、そちらの方のデータもいただきながら、あるいは測定法の精度の問題等のこともいただきながら審議していくことになろうかと思いますので、十分、それは審議の途中で色々情報をいただきながら審議していきたいと思います。
  その他にございますでしょうか。
  新田先生、どうぞ。

【新田委員】 ただ今のご意見に関連してですが、特に疫学知見に基づいて健康影響評価の資料を示す場合には、PM2.5の測定法も附記した形で、今のご議論に耐えられるような形の資料を用意すべきだろうというように考えております。

【内山委員長】 ありがとうございました。
 富永先生。

【富永委員】 簡単なお願いですけれども、次回の委員会に参考資料としてSPMの環境基準が設定されたときの簡単な根拠、委員会報告書の抜粋でも結構ですから、どういう健康データに基づいていたかということを知りたいのです。と言いますのは、PM2.5の長期影響評価をしようと思いますと、10年、20年前の測定値とその後の例えば肺がんとか、健康との関係を見ないといけませんけれども、そんな以前にはPM2.5は測定されておりませんから、後で説明されると思いますが、SPMとPM2.5の相関から過去のPM2.5を推計しております。もちろん、SPMとPM2.5ではエンドポイントも全然違いますから、測定方法も変わっておりますし、直接に比較できませんけれども、ちょっと参考データとして見せていただきたいと思いますので、お願いします。

【内山委員長】 これはよろしいですね。

【松田補佐】 次回の委員会で用意をするようにいたします。

【内山委員長】 新田先生、どうぞ。

【新田委員】 先ほどの香川先生のご意見とも関連いたしますけれども、我が国における知見の多くは、今、富永先生お話しのように、SPMによるものが粒子状物質の健康影響に関する知見としては多いわけです。先ほど事務局のほうからご紹介いただいた資料2-1の7-14ページの適切なカットポイントというところの議論、結論にも含まれておりますが、諸外国のデータのほとんどはPM2.5で測られているということで、粒子状物質に関する微小粒子と粗大粒子の間のカットポイントは欧米と同様に2.5μmにすることが妥当であるというように、この報告書では結論されております。
 私は、SPMとPM2.5の変換、関係を明確に示すということは非常に国の内外の知見を包括的、総合的に評価する上で非常に重要ですので、香川先生ご指摘の点の資料は、この専門委員会に提出して議論していただくべきだというように思っておりますが、スタート地点として、PM2.5とSPMの健康影響の関係を検討しながら、というご指摘がありましたけれども、同じ報告書に繰り返し書いてありますように、現状では粗大粒子部分、欧米ではPM10-2.5というようなところの健康影響に関しては、十分まだ評価が定まっていない部分がございます。つまり、その部分の影響がどの程度のものかという点ですね。
 ですから、それを考えますと、数少ない国内の知見でSPMとPM2.5の健康影響に差がある、もしくは同等だというようなことを明確に議論した上で本専門委員会の議論をスタートすることは困難ではないかというように思います。
 したがいまして、PM2.5、微小粒子状物質の環境基準という諮問をいただいておりますので、当面はPM2.5という国の、特に国外での知見の蓄積があるものに関して議論をした上で、その指針値、もしくは評価、それから別途行われる測定の専門委員会の議論を見て、その上でSPMの取り扱いを次の段階というようにするのが、この専門委員会の議論のプロセスとしては適当ではないかというように私自身は考えております。
 ですから、その議論を次回に先送りということではなくて、この第1回の場でどのようなプロセスで議論を進めるのかということを議論していただきたいというように思っております。

【内山委員長】 今、新田委員から、特にSPMとPM2.5との関連、どちらをどういうことではなくて、この委員会の目的としては微小粒子状物質を設定するということの諮問を受けての委員会ですので、まずそちらを、PM2.5の基準を作るとしたらどういうものになるのかということを議論して、その後でSPMとの関連ですとか、対応を議論したらどうかということのご提案をいただきましたけれども、いかがでしょうか。
 坂本先生、どうぞ。

【坂本委員】 今、色々議論ございましたけれども、SPMとPM2.5は、そもそも測定方法、測定のときの考え方が違っている。そうすると、SPMとPM2.5の差をとって、例えば、PM10とPM2.5のような形での比較は、相対湿度50%という形でやっているものと、それから、今回の影響を判断するために、色々曝露影響を調査したところでは、相対湿度35%でしたか、そういった形でやっていて、そして、かつ、微小粒子のほうが圧倒的に全体として湿度影響を受ける部分が多い状況にあるというようなことを考えた場合に、今、先ほどあったようなところまで戻って、私たちはやることがいいのか、今回の議論ではそこのところは既にある程度の割り切りをして、私たちはPM2.5のほうが、健康影響のリスクに対してはっきりしたデータがより多いということで、今、こういったところまで至っているのではないかというように思います。
 ですから、PM2.5とSPMの関係というのは、どこかで整理する必要はございますけれども、今回、議論をするための必ずしも前提にしなくても、私は良いのではないかというように思います。

【内山委員長】 ありがとうございます。
 その他の方で何かご意見ございますでしょうか。
 測定の方から、溝畑先生、何かご意見ございますか。

【溝畑委員】 測定の方から言いますと、いわゆる微小粒子と粗大粒子というのは全く違うわけです。日本でいわゆる規制の対象になっているSPMというのは、非常にあいまいなところに実態があるわけで、10μm以下という記述から、どこがそうしたら中央径だということがきちんと示されているわけではないので、その辺は非常にあいまいな形になってしまっているというのが、まず1点と、基本的に坂本先生がおっしゃったように、測定方法が違うということ。
 私はずっと色々な測定にかかわってきて、最終的にやっぱり健康影響ということになれば、そのメカニズムのどこが一番ポイントなのかという、PM2.5の場合、日本の場合は、どうしても黄砂とか、外から来る部分とか、土壌成分の影響というのは、確実に受けるわけですね。それも非常に大きな濃度の影響があるので、その辺もひっくるめて議論をしていただいたらと思いますし、それは測定法の方もそうですが、一番やっぱりポイントになるのは、どういうメカニズムで、どういう粒径のものが健康影響に関係しているのだということをきちっと押さえて、もう一度その辺を整理し直していただきたいと思います。

【内山委員長】 今の溝畑先生からもご意見いただきましたけれども、その他の先生で何かご意見、よろしいでしょうか。
  加藤先生、どうぞ。

【加藤委員】 私も基本的に新田先生のお考えと同じですが、SPMの中にもPM2.5が含まれているので、確かにSPMを抑えればPM2.5も低くなるだろうということは確かだとは思うのですが、実際に健康影響と密接な関係が示されているものはPM2.5なわけで、その部分を押さえる上で、今度はPM2.5とSPMの関係を考えて、SPMの例えば基準をこうした場合に抑えられるかどうかという議論になっていくわけです。
 そういうことを考えますと、やっぱり、PM2.5の議論を先にして、そして、その後、それを踏まえた上でSPMとの関係を考えると。確かに、香川先生がおっしゃられたような、SPMでPM2.5も抑えられるのではないかと、それはそういう考え方はあるわけですけれども、その関係がはっきりしない段階でいきなりSPMでという議論は、やっぱり難しいのかなというように思います。

【内山委員長】 ありがとうございます。
 その他にご意見ございますか。
 確かにPM2.5を議論すればSPMがどうだということにも当然なってくるとは思います。ただ、この委員会の最終的な目的というのが、一応、微小粒子状物質のということになっておりますので、まず、そちらをということで、今、ご意見が幾つか出てまいりました。
 香川先生のご意見も、そういう議論も含めて、最初にそういう議論をするべきだということで、今少し議論もできましたので、とりあえず、作業会合開催のときには、やはり、PM2.5、いわゆる微小粒子状物質に焦点を当てた影響評価ということをまず、させていただきたいというように思いますが、いかがでしょうか。最終的には、SPMとの関連というものはどうすべきか、というものは、議論しなければいけないというように思いますが。そういう進め方をさせていただいてよろしいでしょうか。

(異議なし)

【内山委員長】 それでは、とりあえずと言いますか、当面の目標としてはPM2.5(微小粒子状物質)の健康影響、そしてそれの環境基準に対する設定値をするための環境目標値、あるいは指針値ということをまず目標に進めていきたいというように思います。それで、そこの段階で、またSPMとの関連をどうするかというようなことが出てまいりましたらば、そこで、この委員会でやるか、また、次の委員会を、SPMならSPMの基準をどうするかという点についてのまた委員会を、そこはそれで提言していただくということで進めたいと思いますが、よろしいでしょうか。
 特に全体を通してご意見はございますでしょうか。

(なし)

【内山委員長】 その他に、今ご説明いただいた進め方でよろしいでしょうか。
 今、ご提案いただいたように、前回と同様に、また、作業会合を作らせていただいて、少しそこで議論したものをまたこの委員会に諮ってご議論いただくということが、効率的な面も含めて重要だと思いますので、そのようにさせていただきたいと思います。
 実際に作業会合に参加していただく先生方に関しましては、私と事務局でまた相談させていただいてご指名させていただきたいと思います。
 それでは、ちょうど4時に近くなってまいりましたので、その他、何か事務局の方からありますでしょうか。

【岡部課長】 皆様、本日はご審議、どうもありがとうございました。本日の委員会での議事要旨、それから、議事録につきましては、各委員の先生方にご確認をいただいた上で公開の扱いにさせていただきたいと存じます。
  また、次回の専門委員会の日程でございますが、後日、事務局より調整をさせていただきたいと思います。よろしくご協力をお願いいたします。
 以上でございます。
 あと、お手元に分厚い白表紙と検討会の報告書を置いております。お持ちいただいても結構でございますし、そのまま置いておいていただいても結構でございます。ご随意にと思っております。よろしくお願いします。

【内山委員長】 それでは、本日の会議は、これで終了したいと思います。どうもありがとうございました。