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■議事録一覧■

中央環境審議会大気環境部会
微小粒子状物質リスク評価手法専門委員会(第1回)
議事録


1.日時

平成20年6月30日(月) 13:59〜15:50

2.場所

虎ノ門パストラル 新館6F アジュール

3.出席者

(委員)
加藤 順子、坂本 和彦
(臨時委員)
内山 巌雄、香川 順
(専門委員)
上島 弘嗣、佐藤 俊哉、武林 亨 
田邊 潔、椿 広計、富永 祐民
新田 裕史、溝畑 朗、横山 榮二
(環境省)
竹本水・大気環境局長
岡部総務課長
岩田大気環境課長
松田総務課課長補佐
        

4.議題

(1)
微小粒子状物質リスク評価手法専門委員会について
(2)
微小粒子状物質健康影響評価検討会報告について
(3)
欧米における粒子状物質に関する環境目標値設定の動向について
(4)
検討の進め方等について
(5)
その他

5.配付資料

資料1微小粒子状物質リスク評価手法専門委員会について
資料1-1微小粒子状物質リスク評価手法専門委員会委員名簿
資料1-2中央環境審議会大気環境部会の専門委員会の設置について
資料1-3微小粒子状物質リスク評価手法専門委員会の設置について
資料2微小粒子状物質健康影響評価検討会報告について
資料2-1微小粒子状物質健康影響評価検討会報告書(抜粋)
資料2-2検討会報告における今後の課題
資料3欧米における粒子状物質に関する環境目標値設定の動向について
資料4微小粒子状物質リスク評価手法検討の進め方(案)

参考資料大気汚染に係る環境目標値設定状況

6.議事

【岡部課長】 皆様、お待たせいたしました。定刻となりましたので、ただいまから第1回微小粒子状物質リスク評価手法専門委員会を開催いたします。
 委員の皆様方におかれましては、ご多忙中にもかかわらずご出席をいただき、大変ありがとうございます。本日の皆様方の出席状況でございますけれども、現時点で12名の委員の方々にご出席をいただいております。定足数であります過半数に達していることをご報告させていただきます。
 ここで、本専門委員会の開催に当たりまして、竹本水・大気環境局長よりごあいさつを申し上げます。

【竹本局長】 ただいまご紹介いただきました水・大気環境局長の竹本でございます。委員の先生方におかれましては、大変ご多用のところお集まりをいただき、まことにありがとうございます。また、平素より環境行政につきましてご指導を賜っておりますことを感謝を申し上げたいと思います。この微小粒子状物質環境影響につきましては、皆さんご案内のとおり、昨年より検討会を開催してまいりまして、この4月に報告書の取りまとめをいたしまして、4月11日に中央環境審議会大気環境部会の方に、この検討会の座長をしていただきました内山先生、また新田先生にもご参画をいただきまして、大気環境部会にこの報告書の内容について、私ども事務局もあわせてご報告を申し上げたところでございます。
 その中で、定量的リスク評価手法、測定精度の改良、曝露情報の整理など、これらの課題について今後さらに充実した検討を進めるべきと、こういうことでご指導いただいたところでございます。とりわけ定量的なリスク評価に係る手法の課題検討の進め方につきましては、専門的な知見が必要ということで中央環境審議会大気環境部会の坂本部会長ともご相談をさせていただきまして、この部会の先生方のご了解を得まして、本日の微小粒子状物質リスク評価手法専門委員会の設置を決定していただいたところでございます。本日その第1回の開催ということに相なったわけでございます。
 環境省におきましては、国内外の動向、とりわけ海外では米国が基準を改定しておりますし、WHOがガイドラインを策定、さらには本年の6月、EUにおきましても指令が告示されたということでございまして、我が国におきましてはこれらの取り組みと国際的な協調を図るという意味でも、この評価手法の検討、大変重要なプロセスであると認識をしておるところでございます。この委員会におきましては、欧米におきます大気中の微小粒子状物質の定量的なリスク評価の情報を活用しながら、疫学知見、曝露情報などを踏まえてリスク評価に係る基礎的考え方であるとか、評価手法をご検討いただくことをお願いしたいと思っております。
 いずれにしましても、皆様方のご指導・ご鞭撻を今後ともいただきますようお願いを申し上げまして、私の方からのごあいさつとさせていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。

【岡部課長】 委員の皆さん、どうぞよろしくお願いいたします。
 さて、この専門委員会、今回が第1回目の会合でございます。議事に先立ちまして委員の皆様方、事務局をご紹介申し上げたいと思います。
 それではまず委員の方を、お手元に名簿を配らせていただいておりますが、「あいうえお順」ということで、ご紹介をさせていただきます。
 まず滋賀医科大学の上島委員でいらっしゃいます。

【上島委員】 上島です。よろしくお願いします。

【岡部課長】 京都大学大学院工学研究科、内山委員でいらっしゃいます。

【内山委員】 内山です。よろしくお願いします。

【岡部課長】 東京女子医科大学名誉教授、香川委員でいらっしゃいます。

【香川委員】 香川です。よろしくお願いします。

【岡部課長】 株式会社三菱化学安全科学研究所、加藤委員でいらっしゃいます。

【加藤委員】 加藤でございます。

【岡部課長】 埼玉大学大学院理工学研究科、坂本委員でいらっしゃいます。

【坂本委員】 坂本です。よろしくお願いします。

【岡部課長】 京都大学大学院医学研究科、佐藤俊哉委員でいらっしゃいます。

【佐藤委員】 佐藤です。よろしくお願いします。

【岡部課長】 慶應義塾大学医学部、武林委員でいらっしゃいます。

【武林委員】 武林です。よろしくお願いします。

【岡部課長】 独立行政法人国立環境研究所、田邊委員でいらっしゃいます。

【田邊委員】 田邊です。よろしくお願いします。

【岡部課長】 大学共同利用機関法人情報・システム研究機構、椿委員でいらっしゃいます。

【椿委員】 椿です。よろしくお願いいたします。

【岡部課長】 愛知県がんセンター名誉総長でいらっしゃる、富永委員でいらっしゃいます。

【富永委員】 よろしくお願いいたします。

【岡部課長】 独立行政法人国立環境研究所、新田委員でいらっしゃいます。

【新田委員】 新田です。

【岡部課長】 大阪府立大学産学官連携機構、溝畑委員でいらっしゃいます。

【溝畑委員】 溝畑です。よろしくお願いします。

【岡部課長】 横山委員につきまして、元国立公衆衛生院院長でいらっしゃいます。ただいま遅れていらっしゃるようでございます。
 そのほか、ご欠席としまして、財団法人結核予防会複十字病院、工藤委員。東北大学大学院、佐藤洋委員。徳島大学関澤委員。国立がんセンターの祖父江委員、4名からご欠席という連絡をちょうだいしてございます。
 次に事務局につきまして、紹介を申し上げます。
 先ほどあいさつをさせていただきました水・大気局長の竹本でございます。
 大気環境課長の岩田です。

【岩田課長】 岩田でございます。

【岡部課長】 水・大気環境局総務課の松田補佐です。

【松田補佐】 よろしくお願いします。

【岡部課長】 申しおくれました。私総務課の課長をしています岡部です。よろしくお願いします。
 失礼しました。次にお手元の配付資料をご紹介申し上げます。議事次第の紙に配付資料の一覧を記載させていただいております。
 まず資料1、微小粒子状物質のリスク評価手法専門委員会について。資料1-1、微小粒子状物質リスク評価手法専門委員会委員名簿。資料1-2、中央環境審議会大気環境部会の専門委員会の設置について。資料1-3、微小粒子状物質リスク評価手法専門委員会の設置について。資料2、微小粒子状物質健康影響評価検討会報告について。資料2-1、微小粒子状物質健康影響評価検討会報告書(抜粋)。資料2-2、検討会報告における今後の課題。資料3、欧米における粒子状物質に関する環境目標値設定の動向について。資料4、微小粒子状物質リスク評価手法検討の進め方(案)。参考資料としまして、大気汚染に係る環境目標値設定状況。
 以上でございます。お手元の資料の不足などございましたら、事務局にお申しつけをいただくよう、お願いをいたします。
 それでは次に、本専門委員会の委員長をご紹介させていただきます。
 中央環境審議会議事運営規則にのっとりまして、大気環境部会長の坂本部会長から、本専門委員会の委員長として内山委員が指名されております。
 それでは内山委員長、よろしくお願いいたします。

【内山委員長】 ただいまご紹介いただきましたように、坂本部会長からのご指名ということでございますので、委員長を務めさせていただきますので、よろしくどうぞお願いいたします。
 本専門委員会は局長からもご紹介ありましたように、ことしの4月にまとめられました微小粒子状物質健康影響評価検討会の検討結果を受けまして、課題となって指摘されております微小粒子状物質の定量的なリスク評価手法について、専門的な検討を進めるということを第1の目的としております。この健康影響評価検討会の報告書は、この委員会にもご参加いただいております先生方をはじめといたしまして、多くの委員の方々のご参画をいただきまして、約1年かかって取りまとめたものでございますけれども、ここの中で初めて我が国の長期の疫学調査等が、この健康影響評価の手法として採用されたということでございました。その中で微小粒子状物質が総体として人の健康に一定の影響を与えるということで、公衆衛生の観点からも、微小粒子による健康影響は軽視できないということで、主に有害性の同定ということまでで、この報告書はとどまっていたものでございます。さらに定量的な評価に関する考察を進める必要があるということで、今回のこの専門委員会の設置になったというように理解しております。
 この定量的な評価に関しましては、粒子状物質が様々な成分で構成されているということ、それから閾値の存在の有無が、明らかにすることが難しいという意味で、いろいろなリスク評価に係る手法について検討が必要であるということでございました。これまで行ってまいりました定量的な評価手法とは異なる手法も必要とされるということで、それの検討を行うものでありますので、非常に難しいテーマとは思いますけれども、限られた時間の中で、ぜひ次のステップに進むための一つの重要なプロセスと思っておりますので、ご協力のほど、よろしくどうぞお願いしたいと思います。どうもありがとうございました。
 それでは、早速議事に入りたいと思います。今日の議題は1といたしまして、微小粒子状物質のリスク評価手法の専門委員会の設置についてということでございますので、まず本専門委員会の委員会の設置の趣旨につきまして、事務局から説明をお願いしたいと思います。よろしく。

【松田補佐】 それでは微小粒子状物質リスク評価手法専門委員会につきまして、資料1についてご説明をいたします。
 まず、お手元の資料の中で、資料1-1は委員名簿でございます。資料1-2が大気環境部会の専門委員会の設置についてという資料でございまして、中央環境審議会の議事運営規則に基づいて、中央環境審議会大気環境部会の専門委員会について決定をしている文章ですけれども、この中に微小粒子状物質のリスク評価書専門委員会が設置をされることが決定をいただいております。この7番のところは、微小粒子状物質リスク評価手法専門委員会ということで、微小粒子状物質に係る定量的リスク評価手法に関する専門事項を調査することが決定をいただいております。
 次の資料に行きまして、資料1-3でございますが、これは設置の趣旨や検討事項、スケジュール、運営方針をまとめている資料でございます。まずは設置の趣旨でございますけれども、先ほど内山委員長からもお話がありましたとおり、微小粒子状物質健康影響評価検討会報告におきまして、微小粒子状物質は総体として人々の健康に一定の影響を与えると、これが疫学、毒性の知見から支持されるとされ、微小粒子に関する様々な影響について定量的な評価に関する考察を進める必要があるとされております。
 その一方、微小粒子状物質は従前から見られていた呼吸器系のみならず循環器系肺がんなど、様々な影響が見られるとともに、粒子状物質自体の影響に関する閾値の存在を明らかにすることは難しいと当面結論するに至り、既存の手法による定量的な評価の実施が困難なことから、微小粒子状物質の定量的なリスク評価に係る新たな手法について十分に検討を行うべきとされたところです。
 このため、微小粒子状物質のリスク評価手法を検討することを目的として、このリスク評価手法専門委員会を中央環境審議会の大気環境部会に設置をするというものでございます。
 検討事項でございますが、微小粒子状物質のリスク評価手法のこれらの情報をもとに、健康影響に関する科学的知見を踏まえまして、以下の事項について検討します。事項としては欧米の微小粒子状物質の定量的リスク評価手法の分析、定量的リスク評価手法の検討でございます。
 次にスケジュールでございますが、「上記3.の検討事項」と書いていますが、「上記2.」の誤りです。上記2.の検討事項について数回にわたって審議検討を行った後、微小粒子状物質のリスク評価手法に関する検討結果を取りまとめていただくと、このようなスケジュールでございます。
 次に運営方針でございますが、基本的には別紙の「中央環境審議会大気環境部会の小委員会及び専門委員会の運営方針について」によるものとするということでございます。また、内山委員長からのご指示により、この運営方針に基づいて専門委員会の運営に関して必要な事項について以下のとおり定めるということで、この専門委員会においては専門委員会での円滑な議論に資するため、委員長の指示により、議題に応じた作業会合を適宜開催し、実務的な検討作業を行うこととする。作業会合については、各分野における実務的な検討作業を進める過程において、当該分野に係る知見及び文献などに対する科学的知見からの有識者の自由な議論を妨げるおそれがあること、意思決定の中立性が損なわれるおそれがあることから、議事及び配付資料は非公開とすると。こういった形で運営方針については定めております。
 以上でございます。

【内山委員長】 ありがとうございました。ただ今の専門委員会の趣旨、それから運営方針についてご説明いただきました。このうち、運営方針につきましては先ほどもご紹介ありましたように、本専門委員会のもとに議題に応じて作業会合を適宜開催したいということでございます。それから実務的な検討作業をここで行いますので、作業会合につきましては議事及び配付資料も含めて非公開とするということにしておりますが、これで特によろしゅうございますか。このような形で運営していきたいと思いますが。特にございませんでしょうか。
(了解)

【内山委員長】 そのほかに、この設置目的、運営方針、検討事項につきましてご質問、ご意見ございますか。よろしいでしょうか。
 それではちょっと私の方から確認として、スケジュールとして実際に取りまとめの時期としては大体どのぐらいをめどにお考えになっているか、もしありましたら。

【岡部課長】 それでは、事務局の方でお答えをさせていただきます。
 4月11日に開催されました中央環境審議会の大気環境部会におきまして、リスク評価手法の検討結果等につきましては、年内を目途に大気環境部会に報告をするというようなこととされております。このこと等を踏まえまして、本専門委員会の検討結果につきましても、11月を目途にできるだけ早く取りまとめをお願いしたいと、事務局としては思っております。
 以上でございます。

【内山委員長】 はいわかりました。遅くとも11月までということでよろしいですね。11月を目途にできるだけ早くということですので、大体11月を目途に取りまとめを進めたいと思いますが、よろしいでしょうか。非常にタイトなスケジュールになるかとは思いますが、よろしくお願いしたいと思います。
 その他、特になければ、また後にもし進める上で戻ることがありましたら、そのところでご意見なりをいだたければと思いますので、次に行きたいと思います。
 議題2といたしましては、微小粒子状物質健康影響評価検討会報告についてということで、今回が第1回目の専門委員会でございますので、検討会の報告の取りまとめにご参加いただいていらっしゃらない委員もいらっしゃいますので、まずこの検討会報告について、事務局から概要を説明していただきたいというように思います。ではよろしくお願いします。

【松田補佐】 それでは微小粒子状物質健康評価検討会の報告につきまして、資料2とその資料の内訳として報告書のパーツに、資料2の2-1とそれと今後の課題についての資料が資料2-2ということで、これらについてまとめてご説明をしたいと思います。
 まず資料2に大まかな内容が書かれておりまして、最初の一番上は検討の経緯ということでございますが、微小粒子状物質についての健康影響についての評価を専門的な検討を進めていただくことを目的としまして、平成19年の5月29日に第1回会議を開催した後、その後11回に及ぶ調査・審議を行いまして、平成20年4月4日に報告書が取りまとめいただきました。
 この健康影響評価の作業を行うに当たりまして、運営委員会のみならず暴露、毒性、疫学のワーキンググループを設置して、これらのワーキンググループの知見を統合して、疫学知見から示された結果が毒性学知見から想定されるメカニズムによって支持できるかなどの定性的な評価を行っていただきました。
 報告書の概要ですが、(1)番に健康影響についてということですけれども、検討会報告において微小粒子状物質の健康影響について、様々な疫学知見から、粒子状物質において従前から認められている呼吸器系の健康影響が微小粒子状物質において見られると。また、新たに循環器系や肺がんの健康影響についても見られたと。これらの評価につきましては、欧米と我が国における生活習慣等の違いによる疾病構造の相違、微小粒子と粗大粒子の影響の判別、ほかの共存汚染物質の影響などの不確実性のもとに評価されたことに留意する必要があるものの、総合的に評価をすると、微小粒子状物質が総体として人々の健康に一定の影響を与えることが、疫学知見並びに毒性知見から支持されているということでまとめていただきました。
 また、先ほど内山委員長からもお話がありましたが、大気中粒子状物質の曝露に関して観察される相対リスクはほかの曝露要因として必ずしも大きくはないものの、公衆衛生の観点から微小粒子による健康影響を軽視することはできないことから、さらに定量的な評価に関する考察を進める必要があるとされております。
 今後の課題としまして、これも先ほど内山委員長からお話がございましたが、微小粒子状物質は様々な成分で構成され、地域によってはその成分が変動すると。疫学知見に基づいて閾値の存在を明らかにすることは難しいと当面結論するに至っております。この結論は、これまで採用されてきた定量的評価手法を採用することはできないということですので、この環境目標値の設定などを行うためには、リスク評価に係る手法について十分に検討を行うべきと示されております。また曝露分野についても測定方法や生成機構などの課題は示されております。
 それでは、その次のページに行きまして、中央環境審議会大気環境部会への報告等についてということですが、この検討会報告につきまして4月11日に大気環境部会に報告されまして、それで検討会報告書に示された今後の課題に関する取り組み方針の審議がなされております。その資料については資料2-2に示しておりますが。その結果、定量的リスク評価手法測定精度の改良、曝露情報の整理等の課題について十分に検討を進めるべきとされているところです。
 それでは資料2-1に従いまして、検討会報告についての内容についてかいつまんでご説明をしたいと思います。この資料2-1というのは、検討会報告書について机上に分厚い報告書がございますが、その中の報告書のうちの第1章と7章、8章を抜粋したものでございます。
 まず1ページ目は目的及び背景でございますが、その次のページに行きまして、2ページ目に検討体制、1.2.の検討体制ということでございます。ここに委員の名簿を表の1.2.1とワーキンググループの名簿が表の1.2.2に示しております。非常に多くの先生方の協力をいただいておりまして、また11人の本委員会の先生方にも参画をいただいたところでございます。
 次に評価文書の構成でございますが、1章は目的及び背景、2章は粒子状物質の特性、3章は曝露評価、4章は粒子の生体内沈着及び体内動態、5章は毒性に関する評価で、6章は疫学の評価と。7章は2章から6章に知見の統合による健康影響評価と、それで8章のまとめと課題が示されております。
 主にこの資料について、7章の知見の統合による評価と、この中に主に粒子状物質特性から毒性、疫学などのエッセンスが書かれておりますので、この部分につきましてご説明をしたいと思います。ページ数は開きまして7の1ページということで、さらにもう1枚めくっていただきまして、ワーキング委員の名簿の次のページからご説明をしたいと思います。
 この7章におきましては、粒子状物質の特性、曝露評価、生体内沈着及び体内動態の三つの分野から、粒子状物質の体内沈着・挙動に関する整理を行うとともに、ここにある整理された知見に科学的知見の蓄積などからの検討を加え、適切なカットポイントについて整理しております。
 また、毒性学研究の健康影響から影響メカニズムを検出するとともに、有害性同定におきまして、疫学知見から示された結果は毒性知見から想定されるメカニズムとの生物学的妥当性や整合性に関する評価を行うとともに、これらの評価と疫学研究の評価、これを問われまして、最終的には有害性の同定についての評価を整理いただいております。
 まず7.1の粒子状物質の大気・体内中の挙動でございますが、これは粒子の特性ということで、物理・化学的性質や測定方法の主要なポイントについて整理をしております。かいつまんで、ここに書かれてある事項についてご説明しますが、粒子の種類につきましては物の燃焼等に伴って排出される一次発生粒子、それと硫黄酸化物、窒素酸化物、塩化水素などのガス状物質が変化して粒子化した二次性粒子がある旨など述べております。
 質量濃度につきましては、約6μm付近と約0.3μm付近にピークを持つ二峰性分布を示しておりますが、表面積濃度分布では約0.2μmのところにピークを持つ単峰性分布を示しており、個数濃度分布では約0.01μmのところにピークを持つ一山分布を示しております。主として粗大粒子につきましては機械的な破砕や磨耗から微細化して発生し、非球形のさまざまな形態で存在しますが、微小粒子は燃焼に伴う蒸気からの形成、気体からの二次生成によるもので、球形の粒子として存在をしているということが書かれております。今の説明、図7.1.1に書かれております。
 また、粒子状物質の発生源につきましては、人為起源と自然起源に大別され、人為起源には工場等の固定発生源と自動車などの移動発生源があること。自然発生源としては、土壌粒子、海塩粒子等があること。また、国外より越境移流する代表的な粒子状物質として、黄砂が挙げられることなどを述べております。また、大気中の滞留時間につきましては、7.3ページの方に四つ目のパラグラフに書かれておりますが、特に蓄積濃度、0.1〜1μm粒子に関して、拡散や重量沈降の影響を受けにくいので、粗大粒子や超微小粒子と比較して滞留時間は最も長く、数週間の寿命を持っているなど、大気中の動態について時間的・空間的な変化の特徴を述べております。
 測定法につきましては7-4ページに書かれておりまして、諸外国において標準測定法として定められている方法は、米国EPAのFRMの規程に代表されるフィルタ法、標準測定法による質量濃度測定のみであること。また、PM2.5の測定法は、標準測定法のほか、自動測定法にはTEOM、β線吸収法、光散乱法があり、測定機の開発が活発に行われていることが述べられています。課題として、まだこういった測定機は機械的な構造改良の途上にあると。特に低濃度域の測定精度の確認が必要であること、またフィルタが吸湿することから、高温多湿である我が国の夏季において測定値に正の誤差が生じやすいこと、また、気温や水分の濃度が試料採取時の半揮発性物質の揮散により負の誤差を生じることから、正確な濃度を測定するためのデータの蓄積、測定機器の改良、こういったことが今後の課題として整理されております。
 次に曝露評価の整理ですが、これは7-5ページ目ですが、これは大気環境の現状、発生源の種類、モデルによる大気濃度推定法、ヒトへの曝露様態の主要なポイントについて整理しております。大気環境の現状としては、環境省は平成13年〜18年にかけて、TEOMによる連続測定を実施しております。いずれも自排局で顕著な濃度低下が見られ、都市一般局では初期に減少したけれども、最近は横ばい傾向、非都市部一般局では全体にわたって横ばいと、こういう結果が示されております。
 発生源影響につきましては、大気中微小粒子の評価を行うためには、各種発生源から排出される一次粒子の排出量を把握すること。また二次生成粒子の原因となる前駆物質に関する排出量を把握する必要があることが述べられております。
 また次のページに行きまして、ヒトへの曝露様態ということで、7-7ページですね。大気中の粒子状物質濃度と個人への粒子状物質の曝露の関係を明らかにするために、環境大気濃度、家屋内濃度、個人曝露濃度との関係を観察する必要があるということが示されております。ここで微小粒子状物質、曝露影響調査などの結果を踏まえれば、コアの環境濃度と屋内濃度、屋内濃度と個人曝露濃度については相関があるということが示されております。また、米国の調査につきましては、調査におきましてPM2.5は粗大粒子に比べ屋内に侵入しやすく、屋内濃度との差が小さいことも示されており、PM10以上に個人曝露濃度との相関が強く、PM2.5の環境濃度は個人曝露濃度の代替指標として適していることが示されております。
 次に7.1.3の7-8ページですね。体内沈着、動態の整理でございます。これは粒子が体内に入った後の挙動について示されております。粒子が気道への沈着をする機構として、慣性衝突、沈降、遮断、粒子荷電及び拡散があり、粒子の大きさは形状などにより、その寄与が変わることが述べられております。また、上気道領域、気管支領域、肺胞領域における粒子沈着を詳細に分析しているモデルによって推計しているものを紹介して、微小粒子に関して粒径の大きさは呼吸器系の部位によって沈着の挙動が異なることから、沈着率の観点から粒子サイズ域を明確に区別するカットポイントを見つけることは容易ではないと。また、吸湿性によって気道内粒子沈着パターンに影響を及ぼすことなどが留意すべき事項として整理されております。
 次に7-10ページに行きまして、適切なカットポイントということですが、これまで説明してきた粒子の特性、曝露データ、あとは体内の挙動、また疫学の中の科学的知見の蓄積などから、検討材料を踏まえ、微小粒子や粗大粒子に関する粒径の適切なカットポイントを検証していただいております。ひとまず統合的に検証をすると、これはページ数で行きますと7-14ページに書かれておりますが、毒性に関与し得る微小粒子は人為発生源から排出ガスに多く含まれ、制御がより容易であること。微小粒子のうち蓄積モード粒子は大気中に長期間滞留し、一定地域内ではより均一に存在し、屋内にも侵入しやすく、微小粒子の大気環境測定結果はヒトへの曝露量と見ることができること、粒径の大きさによる体内への沈着は複雑で明確なカットポイントを示すことは困難であるが、微小粒子は肺胞領域にまで侵入しやすいこと、多くの健康影響に関する研究論文、測定データでは微小粒子をPM2.5と扱い、科学的知見が蓄積されていること、高湿度等の条件でもPM2.5は微小粒子の大半を捕集することができるということが書かれております。こういったようなことから、微小粒子と粗大粒子の間のカットポイント、これについては欧米と同様に2.5μmとすることが妥当であるということが示されております。
 また、粗大粒子につきましては、これは10μm以下の粒子では、下気道領域や肺胞領域での沈着率が高いということで、粗大粒子を含めた粒子状物質のカットポイントの上端を10μmとする従前の知見とは変わりがないことも確認をされております。
 次に7-15ページに行きまして、影響メカニズムでございます。これにつきましては毒性学的な影響メカニズムに関する知見を整理して、呼吸器系や循環器系、あとは発がん性などの分類ごとにそれぞれの障害の仮説の確からしさの評価を行っていただいております。また、粒子状物質の暴露による健康影響メカニズムを理解するために、沈着やクリアランスに関する知見についても必要に応じてこの中に加えております。こういった分類ごとに影響メカニズムについて考察をしております。この内容については後ほど疫学の評価とあわせて、有害性の同定の評価において総合的な評価をいただいておりますので、割愛をいたします。
 次に7.4にまいりまして、有害性の同定ということですが、これは7-18ページです。有害性の同定につきましては、毒性学研究の健康影響、疫学研究の健康影響の二つの分野の研究から、呼吸器系への影響、循環器系への影響、肺がん、粒径及び成分、共存汚染物質の影響、高感度成分といった観点から、生物学的妥当性が整合性に関して評価をいただいております。これが7.4.1でございまして、あわせてそれらの評価と疫学に関する知見とを重ね合わせまして、総合的に評価ということで7.4.2に有害性の同定ということが評価をいただいております。生物学的妥当性や整合性に関する評価につきましては、7-18ページの7.4.1において検討しておりますが、後ほど7.4.2のところ、有害性の同定のところで総合的に評価をしておりますので、ここの説明は割愛をいたします。
 それで、7.4.2の有害性同定につきましてですが、これは7-22ページからでございます。これが生物学的妥当性の整合性、あとは疫学試験を含めた総合的な評価ということでございますが、この評価につきまして総合評価の基礎となる曝露手法と、それらの健康影響手法に関する法律の評価について、7-22ページの下段部分から示されております。
 これについて読み上げますが、「PM2.5ないしPM10への短期暴露と死亡に関するいくつかの複数都市研究において、日単位の曝露と死亡との間に関連性がみられている。これらの研究には、我が国におけるPM2.5と死亡に関する複数都市研究が含まれ、その他世界各国の単一都市研究においても多くの同様の報告がある。これらの知見では、過剰リスク推定値には解析対象地域間でばらつきがみられるものの、関連の方向性については頑健性があり、一貫性が認められた。循環器系疾患の死亡リスクの増加に関する結果は、不整脈、急性心筋梗塞、冠動脈疾患、脳血管疾患等の病態を修飾し、重篤な場合は死亡に至る過程によって基本的に説明が可能である。しかし、呼吸器系疾患の死亡リスクの増加に関する結果については、直接的な死因を推定することや死亡に至るまでの生体反応の過程を説明することは困難であった。
 PM2.5への長期曝露と死亡に関するいくつかのコホート研究において、PM2.5と全死亡、呼吸器・循環器死亡、肺がん死亡との間に関連性がみられている。我が国におけるコホート研究においてもSPMについて肺がん死亡との関連性がみられている。これらの関連性は大気汚染以外の主要なリスクファクターを調整した後でも認められており、肺がん死亡の過剰リスク推定値は我が国と欧米の結果が類似していた。この肺がん死亡との関連に関する結果について、DEPや燃料燃焼由来成分等、発がん性を有すると考えられている物質の関与を否定できない。
 PM2.5ないしPM10への短期曝露と医療機関への呼吸器系疾患や循環器系疾患による入院・受診との関連性が世界各国の多くの研究においてみられている。これらの関連性は死亡に至る過程を直接示すものではないが、PM2.5ないしPM10への短期曝露と日死亡との関連性に対して整合性を示唆するものである。また、米国ユタバレーでの事例は、疫学研究で観察された入院数の増加と大気中粒子状物質曝露との関連性が気道及び肺の炎症によって説明しうることをヒト志願者及び動物実験の両者によって裏付けたものである。
 PM2.5ないしPM10への短期曝露と循環器系の機能変化との関連について多くの知見がある。これらの結果は、呼吸器系の刺激や自律神経機能への影響等を介した作用、生理活性物質や過酸化物の増加等を介した作用、血液凝固系の活性化や血栓形成の誘導等を介した作用などの想定されるメカニズムで説明することが可能である。さらに、PM2.5の長期曝露と循環器系疾患の発症ならびに死亡との関連性を示す米国における大規模なコホート研究の知見がある。
 PM2.5ないしPM10の短期曝露と呼吸器症状及び肺機能変化に関する疫学研究では、研究デザインや調査対象者が一様でないために結果にばらつきが存在するものの、関連性を示唆する多くの知見があり、呼吸器系疾患による入院・受診に関する知見と整合性も認められ、我が国の研究においてもPM2.5ないしSPMとの関連性が示唆されている。PM2.5ないしPM10への長期曝露と呼吸器症状及び肺機能変化については、呼吸器系疾患の発症との関連は明確に示されないものの、肺機能の低下や呼吸器症状有症率の増加に影響しうることが示されている。これらの疫学知見は炎症反応の誘導、感染抵抗性の低下、アレルギー反応の亢進等の想定されるメカニズムで基本的に説明することは可能である。」
 こういった個別の評価がされておりまして、その7-24ページから下の部分につきまして、さまざまな不確実性に関する記述が書かれていまして、まず閾値の判定に関する記述で、集団における閾値設定の問題から、閾値の存在を明らかにすることが難しいこと。また、我が国と欧米の間の循環器疾患の疾病構造の相違やライススタイル等のリスクファクターの違いもあるので、欧米の疫学研究の結果を我が国の粒子状物質の健康影響の評価に直接使用するものには留意が必要であること。
 また、種々の健康影響については、微小粒子だけではなく粗大粒子の影響も否定ができないということで、微小粒子のみの影響であると結論づけることは困難なこと。あとは共存汚染物質の影響が微小粒子単独ということはなくて、分離することがなかなか難しいというような不確実性に関する記述が書かれております。その一方、これらの個別に評価を総合的に評価すると、総体として人々の健康に一定の影響を与えると、これが疫学知見並びに毒性学知見から支持されると結論されるということは7章に書かれております。
 8章のまとめと今後の課題につきましては、先ほど1枚目の資料2の紙におおむね書かれておりますので、8-2ページから8-3ページにかけて、主にどのような結論に至ったかという内容がここで書かれておりますが、1枚目の資料で説明をいたしましたので、割愛をいたします。
 また、その次の資料で、資料2-2です、今後の課題ということで、この8章に書かれている部分につきまして、「定量的リスク評価に係る手法に係る充分な検討」、「測定精度の改良」、「曝露評価に関する情報の整理」、あとは「その他」として主に健康影響に関するさまざまな解明の検討と、この四つが書かれていまして、特にこの委員会との関連で行きますと、1番目の「定量的リスク評価に係る手法の充分な検討」ということがここで特出しをして、ここが書かれております。この資料を部会に提示をしているというところでございます。
 以上でございます。

【内山委員長】 ありがとうございました。ただいまの微小粒子状物質の健康影響評価検討会報告につきまして、復習の意味も込めまして主なところをご説明いただきました。それから課題として取り上げて部会に報告したことについてもご報告いただきました。何かご質問、あるいは追加にコメントすることはございますでしょうか。特にこの評価の検討会報告に携わっていただきました先生方から、何かご追加ございましたらご意見いただきたいと思いますが。新田先生、特によろしいですか。上島先生、香川先生あたり、よろしいですか。特に今回からご参画いただいている先生方で、何かご質問ございますでしょうか。よろしいでしょうか。
(なし)

【内山委員長】 それでは、こういうことでこれまで検討会報告が出たということを共通認識といたしまして、これからの検討を進めていきたいというように思います。
 それでは議題3に移ってよろしいでしょうか。
 議題3は欧米における粒子状物質に関する環境目標値設定の動向についてということで、これは諸外国での動向ということですので、まず事務局からご説明していただいて、また質疑応答したいと思いますので、引き続いてよろしくお願いいたします。

【松田補佐】 それでは資料3に基づきまして、欧米における粒子状物質に関する環境目標値設定の動向についてご説明をいたします。
 まず1.米国ということでございますが、まず大気環境基準の位置づけということが(1)に示されております。米国では、大気清浄法に基づきまして、連邦政府が大気環境基準設定することとされております。この基準は全国一律に適用される基準で、汚染物質の濃度がこの基準を超える場合には、基準達成のための排出物質を削減する努力が要求されます。なお、大気汚染防止や発生源対策の主たる責任は州や地方政府にある、こういうことでございます。また、この米国の基準というのは、健康影響のみに基づいて適切な安全幅を持って国民の健康を保護するのに必要とされるレベルに設定するということとされております。
 その次に2番目に、粒子状物質に係る大気環境基準の設定・改定の経緯ということでございます。まず米国の基準につきましては、粒子状物質に関する基準につきましては1971年に最初に設定されました。当時はTotalの全浮遊粒子状物質ということで、全部の浮遊粒子状物質を対象にしていましたが、その後1987年にPM10を指標として、続いて1997年第2次改定でPM2.5を指標とした基準が加わり、それで2006年9月に第3次改定でPM2.5の24時間平均基準の強化、PM10の年平均基準の廃止が行われています。
 1997年の改定でPM2.5の基準が新しく導入されたということですが、この基準設定の妥当性については、EPAは産業界から提訴を受けるようになるわけですね。一旦敗訴をしたと。その後2001年の最高裁判所判決でEPAが勝訴して、新しく基準を設定することが認められたと。ただこういった様々な議論があったということも踏まえて、当時の大統領がEPA長官に対して粒子状物質の健康影響に関するレビューを行う等の指示をしたと、こういう経緯もあって、EPAの方で健康影響に関する科学的知見のレビューを行いまして、クライテリアドキュメントの作成をしたと。これに基づいて2005年にEPAの基準作成担当部局がクライテリアドキュメントに示された知見を要約して、基準作成上の考え方を示した文書であるスタッフペーパー、これを作成するに至りました。EPAはこれらの文書に基づいて、環境基準の第3次改定提案を官報公示して、公衆の意見受付を行ったということが一つございます。
 その次に表として2ページに行きまして、環境基準の第3次改定がなされたということですけども、表としてここの基準値が書かれております。PM2.5は1997年にできたということですが、24時間平均、当時は65μg/m3で、年平均値が15μg/m3。第3次改定になりまして、24時間平均値だけが65μg/m3から35μg/m3に見直しがなされたと、このような状況でございます。なお、この評価につきましては、PM2.5に関連した部分につきましては、*印の下の注意書きの2と*印の5に書かれておりますが、基本的には3年間平均値が基準値を超えないことというようなことで示されておると、こういうことでございます。
 その次の(4)におきまして、その基準値改定の評価の考え方が示されております。この第3次改定を含めまして、基準をつくったわけで、公文書というのはいわゆるフェデラルレジスターというのですが、この基準値の改定になった評価の考え方は、先ほどもご説明したとおり、スタッフペーパーにおいて大部分が示されているということでございます。このスタッフペーパーの内容について要約をしたものが、こちらの(4)でございます。こちらの資料にも書かれておる訳でございますけれども、基本的には長期曝露、短期曝露に関連する健康影響の知見、疫学知見に基づいて考察を行っている訳ですけれども、主に疫学知見の中で影響の確からしさや大きさに関する影響度を推計するような考察と、疫学知見に基づいて濃度現象によって、例えば死亡する数がどのように削減するかというリスク削減予測、こういったような考察を行っているということでございます。微小粒子の影響につきましては、その影響の確からしさ、大きさについて不確実性が増す低濃度でも生じる可能性があるという認識で、作成されているということでございます。
 そういうことを、主には二つの考察を行っているということですが、そこの具体的内容は3ページ目に示されております。まず一つ目に知見に基づく考察ということですが、これは疫学知見を用いて評価をしているということですが、影響の程度について個別の疫学知見から見て評価をしているということですが、そのスタッフは米国の微小粒子の長期暴露研究について、研究デザイン、研究の長所、あとは結果の一貫性、頑健性を考慮に評価をして、6都市研究とACS研究の再分析、及び拡大ACS研究の結果を最も重視するのが適当であるという結論をしていると。これらの研究の長期平均濃度を確認するとともに、拡大ACS研究における相対リスク関数の信頼区間が、ACS研究同様に約12〜13μg/m3以下で広くなることを確認しているということが書かれております。
 次に短期曝露影響につきまして、入手可能な知見を不確実性や限界も含めて評価をしていると。スタッフは微小粒子に関する米国・カナダの短期曝露研究に焦点を合わせて、統計的有意性、相対リスクの精確性、関連性の共存汚染物質による交絡、あとは代替の統計学的手法での再解析による頑健性、こういう使用している大気質データの信頼性も考慮して検討を行ったということでございます。
 既に第3次改定において、米国では第2次改定のときの基準が設定されておりましたが、この基準についての基準を確認するという意味で評価をしていると。短期曝露の証拠を用いて評価をしているということですが、特にスタッフは24時間PM2.5濃度の98%タイル値について、Phoenix及びカナダの8都市では約32〜39μg/m3、Santa Clara Countyでは59μg/m3まで及んでいることを確認したと、こういうようなことが書かれております。
 次にリスク推計に基づく考察でございますが、まず、最初に長期曝露影響ということですが、スタッフは、疫学的証拠の直接的な検討に加えて、PM2.5濃度を減少させることによって、PM2.5の長期曝露による推定リスクをどの程度低減させるか、不確実性も含めて検討したと。スタッフはこの評価を、拡大ACS研究における最低実測濃度である7.5μg/m3まで報告された濃度反応関数、及び潜在的集団閾値の代用として仮定の「Cut Point」を組み込んだ修正濃度反応関数を用いて、長期曝露死亡の推定結果に基づいて実施した。具体的には現行の年平均基準を満たさない五つの実例都市について、仮定の「Cut Point」7.5、10、12として代替の年間及び24時間PM2.5基準まで下げたときの長期曝露に起因する死亡の推定減少率を算出したと、こういうことでございます。
 次に短期曝露影響ということですが、PM2.5濃度は長期曝露影響と同じように、PM2.5濃度を減少させることによって、短期曝露による推定リスクをどの程度低減させるか、不確実性も含めて考慮して検討したと。この評価については都市固有の濃度反応関数、及び潜在的集団閾値の代用として仮定の「Cut Point」を組み込んだ修正濃度反応関数を用いて、短期曝露死亡リスクの推定結果に基づいて実施したと。
 具体的には年平均基準を満たさない5つの実例都市で、仮定の「Cut Point」につきまして、バックグラウンドレベル推定値(東部の都市では3.5μg/m3、西部の都市では2.5μg/m3)、10、15及び20として、代替の年間及び24時間PM2.5基準まで下げたときの死亡の推定減少率、これを算出したということが書かれております。これはスタッフペーパーが出典になっております。
 次に2番目にEUでございます。EUにつきましてPM2.5の取り組みですが、冒頭に竹本局長からもお話がありましたが、PM2.5につきまして2005年に欧州委員会の案が提示されたところがあった訳ですが、欧州理事会や欧州議会で長らく討議されて、修正が幾らか加えられて、ことしの4月に承認をされた。さらに6月に官報に掲載された、こういった新しい動きがあるというものでございます。
 最初に大気の基準の位置づけということでございますが、EUの大気環境ビジョンはEUの指令のもとに定められていると。指令に達するための実施形態や方式は、加盟国の選択に任されていると、こういう状況でございます。またEUの条約に基づきまして、コストベネフィット、便益についても考慮するということになっておりまして、健康影響の評価とあわせて、これらの要素も考慮に入れるということになっております。
 それで、次にこれまでの検討状況ということですが、1980年に浮遊粒子の大気の基準が定められたと。その後、1999年にPM10の基準の策定をしたと。その後EUでは、今回の2.5の指令のもとになった「欧州大気清浄計画」これはCAFE programmeという名称ですが、これを発表して、粒子状物質による大気汚染問題を優先的に取り組もうと。2004年までに戦略を策定して、必要に応じて規制の提案を行うべきという決定をしております。これで2004年12月にこういったポジションペーパーの作成を行い、最終決定し、この時点で、PM2.5基準を設定することを勧告しております。それで欧州委員会は、2005年9月に「欧州の環境大気質とより清浄な大気に関する欧州議会及び理事会指令(案)」を発表して、理事会及び欧州議会に提出をしております。欧州委員会指令案の中で、濃度上限と曝露削減目標が提案をされております。
 この後、欧州議会や理事会において協議を進めてきたところですが、目標達成期限や濃度上限値のかわりに限界値とすること、曝露削減目標が適用される都市をバックグラウンド地域の曝露濃度を定めるなどの修正を経て、欧州議会や理事会で採択をされたと、こういうことでございます。
 それではその次のページに行きまして、6ページ目と7ページ目をちょっと比較してご説明をしたいと思います。EUについてはちょっとかなりPM2.5に関しては複雑な体系になっていまして、まずは(3)に書かれていますが、まず限界値と許容限界ということですが、このPM2.5について年平均値が25μg/m3と、それと20μg/m3というのが二つ書かれておる訳ですが、これは下の*印を見てもらうとわかりますが、ステージ1とステージ2というようになっていまして、ステージ1が、達成時期が2015年1月1日と、ステージ2というのが2020年1月1日ということになっております。この*印9のところにも書いていますが、2020年1月1日というようにしていますが、またこの限界値、ただし書きが書いていまして、2013年にまたその当時の状況も踏まえて、欧州審議会によって見直しをするといった記述が書かれております。
 また許容限界というものがここに書かれていまして、これはPM10とPM2.5でそれぞれ50%、20%ということで書かれてありますが、例えばこの説明をすると、PM10につきまして24時間平均が50μg/m3というのが限界値ですが、これの許容限界が50%というのは、これについての許容限界値というのは50×100分の50=75ということで、75を超過した場合は計画をつくるということになっています。こういった場合は具体的に計画をつくって、具体的な削減計画を講じるという趣旨だと思いますが、このように限界値と許容限界というものがそれぞれあると。PM2.5についても20%というものがあるということでございます。*を見てもわかるとおり、3のところは段階的に徐々に減らしていくということが書かれてあるということです。
 それで7ページ目にPM2.5の曝露削減目標が書かれています。これは曝露削減目標と、次の曝露濃度義務という二つの組み合わせによるものですけれども、いわゆる都市のバックグラウンド濃度、都市のバックグラウンド地域における目標ということで、先ほどの限界値及び許容限界というのはEU地域全域、こちらはバックグラウンド地域における目標ということで、これは曝露削減目標のところの一番左に、このバックグラウンド地域の濃度に応じたバックグラウンド目標というのが掲げていまして、8.5μg/m3よりも濃度が低い、非常にきれいな環境では削減目標は0%だと。これが8.5〜13、13〜18、18〜22と、こういった濃度に応じて、その削減目標が段階的に変わると。その削減目標の達成時期というのが2020年と、こういう形で決めております。
 またその次のページに行きまして、曝露濃度義務というのは、これらのバックグラウンド地域において、20という数値を2015年までに達成をすると、こういうことでバックグラウンド地域における目標ということで曝露削減目標と、曝露濃度義務というのがそれぞれ定められておると、こういう状況です。ということで、大分米国とは体系が異なっているということで、限界値によるものとこういった削減目標、これは濃度義務も含めた形の取り組みがなされていると、このような措置が書かれております。
 次に9ページに、WHOの内容が書かれております。大気質指針の位置づけということでございますが、これは、世界各国はさまざまな状況で公衆衛生の保護に必要な大気質を確保するための対策を取ることを支援することを目的として作成をされております。一方でこのガイドラインの中にも書かれておりますが、各国はそれぞれの国民の公衆衛生を保護するため、環境保全政策上の重要な要素として環境基準を定めていて、その数値自体は健康リスクや技術的実現可能性、経済的問題、政治的社会的要因などによって異なり得るものだと、これらの要因は大気質管理の進展レベルなどに左右されるということも書かれております。WHOが推奨する指針は、こういった多様性を認識して各国政府が政策目標を立てる際に、この大気質指針を法定基準としてそのまま採用する前に、国内独自の状況を考慮すべきだということを認識している上でのものだということでございます。
 次に粒子状物質に関する指針の設定の経緯でございますが、WHOの欧州地域事務局は、1987年に欧州地域を対象として、最初の指針の作成をしております。これはTSPと浮遊粒子であるTPと、及びこれらの二酸化硫黄との共存暴露に対しての大気指針を定めております。さらにその後改定作業を進めて、1997年に改訂版の作成をしておると。ただこの時点ではPM10、PM2.5について特に指針にはその時点では定めていないということですが、その後2000年から2004年にかけて、先ほどのEUとのかかわりで、欧州委員会の要請に基づいて、その大気汚染と健康影響についてのレビューをWHOでも行って、それでこういった大気質指針の改定が必要だということで、この2006年の10月に、その後のガイドライン作成に至ったということでございます。さらにその後2007年の3月に、アップデートした内容の文章を公表しております。その中でPM10とPM2.5の大気質指針、これが新たに設定をされております。
 内容につきましては10ページ目に示しておりますが、PM2.5とPM10について、大気質指針が一番右側にそれぞれ24時間平均と年平均が、24時間平均は25μg/m3で、年平均は10μg/m3と。さらに暫定目標が1と2と3ということを、それぞれ数値が定められておると、段階的に定められているということでございます。
 それで、この数値がどういった考え方で設定されているかと、これはAir Quality Guidelineの中にも書かれている内容を持ってきたものですが、この10という年間平均の数値ということですが、これはACS研究において有意な影響が観察された、濃度範囲の一番低い端の値だと。WHOはACS研究、ハーバード6都市研究のデータを用いた長期暴露研究に大きな重点を置いていると。コアな研究ではPM2.5と長期暴露と死亡との間に頑健な関連が報告されていると。
 ACS研究では、リスク推定値の統計学的な不確かさが、約13μg/m3で明らかとなって、これ以下の濃度では、信頼区間が広がったと。ハーバード6都市研究においては、都市の中で11及び12.5μg/m3と長期的なPM2.5濃度が低い二つの都市のリスクは同程度で、その次に低濃度の都市においてリスクの増加が明らかだった。したがって11〜15μg/m3の範囲で影響が生じると考えられたと。これらのことから、10μg/m3という年間平均濃度は、これらの文献の示されている影響が生じ得る濃度範囲よりも低い値であるということが考えられるということが示されております。
 指針には、暫定目標が整理されていますが、これについては持続的削減手段によって達成可能であることが示されています。これらの中間目標は、PMに対する国民の曝露を着実に減少させる上で役立つものだということが書かれております。暫定目標1につきましては、長期間の健康影響の研究で、観察された最高濃度と関連をしていると。また死亡率とは顕著に関連している。暫定目標2は暫定目標1に比べて、長期曝露の死亡リスクを約6%減少させる水準であると。また暫定目標3は暫定目標2に比べて長期曝露の死亡リスクを約6%減少させる水準であるということが書かれております。
 また24時間平均値は、これは25という数値ですが、これは24時間平均濃度と年間平均濃度との関係に基づいて年間平均指針値をもとに導かれたものであると、日平均濃度の度数分布の99%タイルを参照するものだと。なお、目標値を評価する場合は、年間平均指針値を24時間平均値よりも優先することを提案している。これは低濃度では偶発的な高い数値の懸念が少ないことということで、こういった趣旨の記述がAir Quality Guidelineに書かれております。
こういうことで、米国、EU、WHOとそれぞれの基準値と目標値と、それぞれの考え方についてご説明をいたしました。

【内山委員長】 ありがとうございました。ただいま事務局の方から欧米における微小粒子状物質に関する環境目標値設定の動向についてということでご説明いただきましたが、何かご質問、ご意見ございますでしょうか。加藤先生どうぞ。

【加藤委員】 今ご説明いただいたのは目標値ですね。ここでこれから検討しようとしているのはリスク評価手法ということで、ちょっと若干間があるのかなという感じで伺ってはいましたのですけれども、目標値の方を考えますと、やっぱり機関によって同じデータを使いましても、そのアプローチが違う。例えばWHOはかなり理想的なやり方というのを選んでいますが、それはWHOという機関の性格というのがあると思いますし、アメリカの場合にはここには書かれていませんでしたけれども、基準値というのが適切な安全率を含む、というようにはなっていますけれども、裁判に負けたときに過分に安全幅を取ってはいけないということが裁判で言われておりますので、やはりそういう意味で行政的な縛りがあると。それからEUの場合には、もともと費用も勘案して決めることということが書かれておりまして、やっぱりそういう意味でいいますと、その数値だけでなくて、それの性格がどういうものかということを考えることが一つ非常に大事かなということを思いました。
 それからもう一つは達成というときにも、達成しなかった場合にどういうことが起こってくるかというのがその機関によって違う。WHOの場合には具体的に何もないわけですけれども、EUの場合にはEUの加盟国の中での縛りがあり、それからアメリカでも州がそれに従ってやらなければいけないことがある。それからそのときに今度は達成をどうやって判断するかというところも、その測定の方法ですとか、測定のサイトをどう取るかとか、それから実測値で行くのかモデルで行くのかとか、いろいろなファクターがあるのかなということを思いまして、やっぱりその辺もしっかり踏まえた上で考えていかないといけないのかなと思います。ここではリスク評価手法ではありますけれども、その手法の先にはちょっとそういうものもほの見えるかもしれませんので、そういうことも考えていかなきゃいけないのかなということを感じながら伺っておりました。コメントです。

【内山委員長】 ありがとうございました。一つ、私の方からも加藤先生にお聞きしようと思っていたのですが、アメリカが一旦提訴されて負けますよね。それで最高裁では最後勝訴する訳ですが、これはどういう基準というか判断で1回は敗訴するけれども、最高裁では勝訴するという、そこら辺のところはご存じでしたら、ちょっと教えていただきたいのですが。

【加藤委員】 資料がないので、ちょっとあやふやなところがありますけれども、一番最初に裁判で訴えられましたときには、EPAの基準の決め方が憲法違反であるということで訴えられています。その決め方が憲法違反であるということの中身には、どこがちょうど適切な安全率と見積もったものであるかということについての記述が、EPAの出した文書の中に明確に見つからなかったというようなことが、言われていることの一つです。最終的にオーケーになったのは、EPA長官がそれを決める権限は持っているということで大丈夫になったんだと思います。ただちょっと今の説明だと不十分ですので、次回までに宿題にさせてください。

【内山委員長】 わかる範囲で教えていただければと思いますので、ありがとうございます。そのほかに何かございますでしょうか。坂本先生どうぞ。

【坂本委員】 今の加藤先生のコメントと同様のことですけれども、いずれにしろ目標値なり基準値なり指針値なりを決めた場合には、結果的には健康リスクをどういった形でその後下げていくかということが課題になる。そうした場合には幾つかEUそれからWHO等で違い方がありますけども、コストベネフィットを考えた上でどういうように対策は立てていけるのかどうか、そういったところを考えた場合、従来のSPMの場合ですと比較的単純に基準値を超えた、超えないというような判断があったものと、今回はかなりこれらの例も参考にして、同時に考えていかないと、単純にリスク評価手法だけということではなくて、その先にあるものをまさに加藤さんがおっしゃられたように見据えた形で考えていく必要があるのではないかなというような気も理解いたします。

【内山委員長】 はい、ありがとうございます。そのほかにございますでしょうか。今日は初めてですので、自由にご意見なりコメントをいただければと思いますけれども。どうぞ香川先生。

【香川委員】 私はリスク評価指標専門委員会の役目は、あくまでも科学的なジャッジメントで、その先をコストベネフィットとか、そんなことは、それは後のことで、私はあくまでも科学的なジャッジメントをどうするかという専門委員会じゃないかなと理解していたのですが、どうなのでしょうか。

【岡部課長】 事務局として、今の段階での考え方を述べさせていただきますと、今の香川先生がおっしゃいましたように、要はリスク評価手法について、科学的な形でどういう手法があるかということを十分勉強していきたいということは基本としてございます。それで、これ実際に米国やWHO、それからEUでそれぞれの機関なり国ごとに行ってきている取り組みがあって、それに基づいて評価手法があると。それは我々にとりましてまず参考にすべき情報ですが、その参考とすべき情報の解釈に当たりましては、先ほど加藤先生がおっしゃられたこと、それから坂本先生がおっしゃられたこと、要はそれぞれの設定している国なり機関の目的、位置づけの中で専門手法が採用されてきているということをそれぞれよく見ながら、基本としては科学的な手法としてのリスク評価手法について検討を進めていきたいというような考え方になるのかなというように思います。少し浅い考え方かもしれませんので、また諸先生からご助言とかいただければと思っております。

【内山委員長】 加藤先生の方から。

【加藤委員】 私もちょっと舌足らずだったのかなという気はしますけれども、ドキュメントには科学以外の部分も含まれて書かれている、基準値の記述というのはそういうところも入っていますので、そこもきちんと見なければいけないのではないかなということで、コメントしました。それを見ないで基準の数値だけを見てしまうと間違うところがあるなという、その背景の物の考え方というのも大事だなということで、ちょっとお話をしました。

【内山委員長】 よろしいでしょうか。今おっしゃったのは、今代表的なEU、EPAそれからWHOの目標値なり指針値を示してご説明いただいた中に、それぞれの機関で値が違うということは、その根底に何か少し考え方なり手法の考え方が違うのがあるので、手法もそれを含んだものとなっている場合があるので、そこを十分に理解しながら手法の研究をしていくと、そういう解釈でよろしいでしょうか。あくまでもここの委員会は4月に出ました健康影響評価検討会の報告に出てきたようなものを評価するときにどのような手法をとれれば、一番、最適かというものを検討していただくというのがこの検討会の目的だろうと私は感じております。
 ちょっと蛇足かもしれないですが、従来リスクアセスメントとリスクマネジメントは全く別個のものというように考えられていた時代から、少しずつマネジメントも考えながらリスクアセスメントを行うという方向にもなってきておりますので、それが先ほど加藤先生もおっしゃったように、最初からそういうことを考えて少し手法が選ばれてきているということも頭に入れておいた方がいいかなというように思います。
 これは確認しますと、アメリカEPAというか、アメリカは、コストは考えてはいけないということで言ってきている訳ですよね。それでEUはもう最初からコストベネフィットなりマネジメントを考えて手法を評価しなさいということはもう明らかに言っていて、日本は原則的には健康影響を考えて、まずコストがどうのということは考えないでやりなさいという立場で、そういう理解でよろしいでしょうか。

【加藤委員】 私の知る限りではそうです。

【内山委員長】 そのほかにございますでしょうか。横山先生どうぞ。

【横山委員】 確かにアメリカのクリーンエアアクトではそんな感じですけれども、1980年代、レーガン政権の時代からレギュラトリ・インパクト・アナリシスというものを国が決めたレギュレーションに対してやっているわけです。ですから表面は確かに考えちゃいけないということになっているのですけれども、結局このレギュラトリ・インパクト・アナリシスというものは、結構大きな影響を持っていると僕は理解しております。ですから余りきれい事は言っているけど本当かいなというのが僕のあれです。

【内山委員長】 それが最初のころ、出たころはアセスメントとマネジメントはもう全く分離すべきものだという形で出てきたのが、少し重なるところもあってしかるべきだというような図が出てきているところはそこだろうというように私は考えております。どうもありがとうございました。
 そのほかにございますでしょうか。

(なし)

【内山委員長】 それではきょうはこの各欧米の動向についてご理解をいただいたということでよろしいかと思いますので、きょうのところは今の議題はそのぐらいにして、次に行きたいと思います。
 そうしますと議題4は、検討の進め方についてということですので、事務局から最初に説明をお願いして、また質疑応答したいと思いますので、よろしくお願いいたします。

【松田補佐】 それでは資料4に基づきまして、微小粒子状物質リスク評価手法の検討の進め方(案)について、ご説明いたします。
 微小粒子状物質は様々な成分を含んだ混合物であり、まだ混合物に関する評価手法が確立されていないことから、米国やWHO等において微小粒子状物質の環境目標値設定の根拠となった微小粒子状物質の定量的なリスク評価手法について、文献調査や現地調査を通じて、整理をしていくということでどうかと。その整理をするべき事項としては、ここの資料に書かれている主には三つに分類されますが、三つの事項について整理してはどうかということが書かれています。
 まず一つ目に、基礎的な考え方として、目標値の位置づけ、先ほど加藤委員の方からもお話がございましたが、それぞれ米国、WHO、EU等についての目標値の位置づけがどうなっているのか。また、目標とすべき濃度水準設定の考え方をどう考えるべきか。あとは健康影響指標の選定の考え方ということで、健康影響の程度、これが死亡・症状など、先ほど健康影響評価検討会報告でも様々な指標に関する知見を踏まえた評価をいただいていますが、その程度をどこに重要視しているのか。あとは疾患分類につきまして、呼吸器・循環器・肺がんとありますが、どういった分類を重要視しているのか。はたまた全死亡など、すべてというような形で見ているのか。
 あとは曝露期間について短期や長期の知見がありますが、この知見について短期の知見、長期の知見、それぞれどのように見ているのかと、この点も指標の選定の考え方として押さえておかなければいけない事項として、ここで(案)として示されております。また、目標とすべき濃度水準に関する影響や確からしさの程度ということで、先ほど資料3で米国やWHOの数値についての考え方を示した資料の中に、ACS研究やハーバード6都市研究など、低濃度に行くとだんだん不確実性が増していくと、信頼区間が広がっていくといったような趣旨の記述もあったと思いますが、そういった確からしさの程度というのがどの水準をもって検討すべきか、この点についても整理をするべき事項かということで、ここで書かれております。
 また二つ目に、解析に用いる信頼できる疫学知見の抽出の考え方ということですが、優先をすべき疫学調査手法はどういった内容のものか。コホート研究や時系列調査など、さまざまな手法があるわけですが、どういった手法が優先すべきものなのか、またその理由は一体何かとか、こういった部分について整理する必要があるかということはここで考えております。また、対象とすべき疫学調査地域ということですが、これは複数都市調査、単独都市調査、あとはメタ解析ということで、さまざまな論文で書かれている事項を統合して解析をすると、メタアナリシスによるものということですが、こういった部分の地域をどのように見ていくのか。
 また自国調査と他国調査の取り扱いの差異というのは、例えばWHOはワールドを対象としていることですので、これは余りこういう点を気にする必要はないのかもしれませんが、例えばEUでは先ほどの資料にもありますが、WHOのレビューを参考にして数値を決めていくと。WHOのレビューはACS研究やハーバード6都市研究を重要視していくと、これは米国の調査を中心に、ほかの地域の知見を用いて、その地域の数値ということで対象とするとしております。一方、米国はもちろんのことながら、米国の知見を検討すると共にカナダの知見を用いて評価をしているということですが、この点の自国調査と他国調査、こういった部分も取り扱いの差異が何かあるのかどうか、この点についても整理が必要かということでここに書いております。
 あとは曝露評価ということで、この点についても個々の疫学知見の中で曝露情報というのはどのような形のものが優先すべき信頼できるものなのかと、この点についても確認をしなければいけない事項かということで、ここで記述されております。
 あとは定量的解析手法ということで、これはかなりテクニカルな部分ではないかと思いますが、先ほど米国の手法では影響度予測に関する手法と、リスク削減予測に関する手法ということで、二つの考察があるということで資料に書かせていただいたのですが、実際に疫学知見を用いて統計学的に解析をして、影響の確からしさを見ると、これが影響度予測ということでここに書かせていただいています。それは疫学知見で示される影響について濃度反応関数を用いてフィッティングして、濃度に応じた影響を見ていこうという検証がなされているということだと思うのですが、濃度反応関数の内容と選定の考え方、この部分について見ていかなければいけないということです。
 その内容としては線形または非線形ということで、線形の中から本当の線形のモデル、あとは対数の線形モデル、あとはホッケースティックモデルですか、これはどちらかというと非線形なのかもしれませんが、あとはシグモイドの関数など、いろいろな検証がなされているということですが、その点についての内容をよく見ていかなければいけないと。また、単一汚染物質、複数汚染物質モデルということで、これは健康影響評価検討会の中では曝露影響調査報告の中でも単一汚染物質モデルと複数汚染物質モデルで比較をしてという部分の調査がありましたが、他の共存汚染物質との影響というのはどのように考慮しているのか、その辺のモデルについての内容を見ていかなければいけないと。
 曝露と健康影響の時間構造の取り扱い、これは特に短期影響の知見で曝露した日に比べて実際に起きる死亡のイベントが1日ずれたり2日ずれたりするラグの問題とか、この点についてどのように考えているかという部分も見ていかなければいけない事項かと。また、様々な不確実性、仮定の取り扱いがあろうかと思うのですが、その点について押さえるべき事項がどうか。
 あとは、実際の現象にあわせて、そのモデルが適合しているかという、感度解析の実施方法をどうするか、この点について影響度予測に関する検証において、濃度反応関数の内容選定の考え方の中で整理をすべき事項かということで、ここで示されております。またリスク削減予測についても、これも用いる濃度反応関数の内容が影響度予測に近いものがあるのではないかと思われますが、そこの関数の考え方がどのようになっているのかということです。リスク削減予測のためには、必要な統計データが、死亡数などの統計データや大気濃度データがあるかと思うのですが、そういったデータはどういうものか。これも当然のことながら不確実性や仮定の取り扱いがどのようになっているのか、死亡リスク変動と平均余命の関係がどうなっているかとか、こういった事項についての整理をしなければいけない事項としてここで書かれております。
 こういった二つの影響度予測による手法とリスク削減予測による手法というのが、米国やWHOで組み合わせをして検証しているということのようですが、その組み合わせの考え方をどのようにとっているのか。両方とも見て決めているのか、それとも主従関係があって、主には影響度予測手法で見ているのか、こういった部分の考え方も見ていく必要があるのではないかということで、ここで書いています。今手元にある文献などをもとに、こういった評価手法に関連するものについて、ここに示される事項ごとに整理をして、それぞれの部分について確認が必要な事項、不明な点があれば現地調査などを行って、文献調査と併せて整理をすべきか、ということでございます。このような欧米のリスク評価の手法に関する情報を活用して、短期や長期曝露に関する国内外の疫学知見、曝露情報、あとはその他の情報も踏まえて、リスク評価に係る基礎的な考え方や評価手法を検討することを案の資料としてまとめております。
 以上です。

【内山委員長】 ありがとうございます。この資料4では微小粒子状物質のリスク評価手法の今後の検討のすすめ方ということで、主に基本的なこと、それから解析に用いる疫学的知見の抽出の考え方、それから実際の定量的解析手法と、主に三つの項目に分けてご説明いただきましたが、この他にこういうことも必要ではないでしょうかということも含めて、何かご意見、コメントいただけますでしょうか。椿先生、どうぞ。

【椿委員】 まずこのお話が、この資料4に書いてありますように、いわゆるもともとあります混合物であって、一度閾値というのは非常に難しいという話があったということにやはり注目すべきだと思うわけですが、基本的にその地域差というようなものが必然的に出てくる。例えば、もともとこの微小粒子状物質というものが、化学的な毒性によるリスクと、それからそもそも物理的にこの粒子が非常に小さいということに関するリスクの混合状態、しかも物質も混合状態になっているという状況において、当然地域によって粒子の構成の差があるということはもう既に先般の報告書の中にもあるわけですし、地域によりましてそもそもその種の化学物質等々に対して人種差等で、あるいは年齢層等の差によっていろんなリスクの影響が違っているというような状況があるかと存じます。基本的にそもそもなぜその地域によって粒子の構成の差というようなものがあるか、それ自身がどういうことで起きているかということも、本来は非常に重要な検証のポイントかと思うわけです。
 一方、今のような混合状態になっているというものをあえて単純な濃度によるリスク評価というような形にしてしまえば、その不確実性というのは非常に大きなものにならざるを得ないだろうと思うので、これは一つの課題かと思うのですけれども、先ほどのような地域差がどういう状況で起きているかということに関するシナリオですね、これは恐らくデータだけではなかなか難しい部分があるんだろうと思いますけど、一連のシナリオができることによって、この定量的なリスク解析の先ほど事務局の方で感度分析、あるいは感度解析的な部分というのはかなり充実してくるのではないかと思います。
 私自身としては、この種の定量物質リスク評価手法ということに関しましては、恐らく海外かなり先端的な方法論は使っているかとは思いますけれども、さっき言いましたようなこの事務局がまとめていただいたような、混合物の評価ということはやはり非常に新しい観点で、統計的にも非常にモデル論的にも関心のあるところでございますので、もしよろしければ、まさにこの原点に戻ったような部分に関しても、ある程度方法論的な収集評価ということもやっていただければというように考える次第です。私、本日16時に別件の会議がありますので、今私のコメントという形でまとめさせていただければと思います。どうもありがとうございます。

【内山委員長】 わかりました。今、椿先生の方から混合物に対してのリスク評価手法というものに関する基本的な考え方ですとか、そういうことも資料を収集してほしいということだったんですが、その他にありますでしょうか。香川先生。

【香川委員】 ここに書かれていることは私、科学的な評価のことしか書いていないわけですね。先ほどからマネジメントのことも考えに入れていろんなことをするようになってきているって何人かの方がおっしゃっていたので、それぞれの代表的な米国、WHO、EUも含めて、ここに書かれているものと基準との間でそういったマネジメントのことがどういうように働いて、そういう基準が導かれたかという調査はされた方がいいと思うのですけど。

【内山委員長】 それは是非追加することと、あと実際にヒアリングをしたりする機会もあるというように伺っていますが、ちょっとそこら辺のところを。

【松田補佐】 欧米への実際に現地調査を通じて、今香川委員からお話があった、実際になかなかドキュメント上に出ていないような情報というのは、ヒアリングを通じて例えばマネジメントと科学的な部分の間にどの様な検討を行ってあって、目標値になったかとか、その点についての情報も収集をしていきたいと思っております。
 また先ほど坂本委員や加藤委員からもお話のありましたマネジメントに関連する部分なのかもしれませんが、実際に目標値ができた後の達成に関する評価とか、実際にどのような形で見ているのか、実際資料を見ている限りでも3年間の平均値で見るとか、またはどちらかというと点と言えば、あるモニターのところだけで評価するのではなくて、隣のモニターとの平均で見るとか、比較的面的な要素で見たりする部分というのもありますので、そういったマネジメントの部分に関する部分でもリスク評価にも参考になる部分があるかもしれませんので、その点もあわせていろいろ調べていきたいと思っております。

【内山委員長】 そのほかにございますでしょうか。新田先生どうぞ。

【新田委員】 もう既に議論をされていることですけれども、検討の進め方の冒頭に目標値の位置づけということで、先ほど来米国の考え方、それからEU、WHOの目標値の位置づけの議論があったかと思います。それで、この目標値の位置づけによって、その後のリスク評価の手法がどのように選択されて、その結果として環境基準なり指針値がどう決まってきたかというようなこと、少なくとも欧米の状況に関しましては、これから今事務局から説明がありましたように、現地調査等を含めて、調べていくということだと思います。
 一方、日本において環境基準というものは、環境基本法でこうあるべきということは書かれているというように理解しておりますが、それにしてもその解釈とかいろいろ過去の経緯とか、日本における環境目標値の位置づけをこのようにした場合には、こういうリスク評価手法に従って考えるのが適当であろうというような議論も含めて本検討会で議論していくのか、それともそこが従来の考え方の環境基準なり、きょうの参考資料にも環境基準も三つの枠組みですね、それからそのほかにも指針値という別の枠組みも環境目標値として示されておりますので、その中でこの微小粒子状物質がどういう位置づけのものであってというような議論も含めて、本検討会の検討対象なのかどうか、その点について、ちょっと確認をさせていただければと思います。

【岡部課長】 ただいまの新田先生のご質問、なかなか難しいご質問ですが、まずこの検討会の目的趣旨につきましては、リスク評価手法につきまして、先般の微小粒子状物質健康影響評価検討会を受けて、環境目標値の設定に当たって、必要とされるようなリスク評価手法について検討いただくと、こういうようなことでございます。
それで議論していくに当たりまして、今、本日材料を申し上げましたようなアメリカ、EU、WHOなどの国や機関において、どのようなことがされているかと、こういったことをまずは勉強を始めて、その上で科学的なリスク評価手法を議論していく際に、いろんな議論の展開なり整理ということを今後していかなきゃいけないかと思います。リスク評価手法がどのような形であるかということをまずは、解明していただくことが必要であって、それから先の位置づけということについては、なかなか政策的にこうする、ああするということを即座には言いにくい面があるのかと思いますが、自ずと情報を整理していく中で、色々な議論の展開なり整理の過程でのお話をそこは自由にいただきながら、それはそういったものの取り扱いということを議論の進捗とともに考えてまいりたいと、答えになるかどうかわかりませんが、そのように思っております。

【内山委員長】 よろしいですか。その他にございますでしょうか。

(なし)

【内山委員長】 そうしましたら、幾つかご意見いただきましたけれども、この評価手法の検討の進め方につきましては、文献調査とともに現地での確認も含めてということで進めていくということでいきたいと、こういうように思います。そうしまして、この確認をする事項につきましては、これは事務局とご協力いただける委員の方も一緒に行っていただけるということでしょうか。そういうことで調査を行って、その結果も含めて次回にでも報告いただければというように思いますが、何か事務局からございますか。

【岡部課長】 恐れ入ります。本日委員の皆様方、長時間にわたりましてご審議いただきまして、どうもありがとうございました。本日の専門委員会の議事要旨、それから議事録につきましては、各委員の方々にご確認をいただいた上で公開をするという取り扱いをさせていただきたいと思っております。また、次回の専門委員会でございますが、欧米への現地調査の進捗を踏まえまして、9月ごろに開催したいと考えております。具体的な日程につきましては、後日事務局より調整をさせていただきたいと思いますので、その際にご協力をよろしくお願いいたします。
 以上でございます。

【内山委員長】 ありがとうございました。それでは今日はこれまでの経緯と、それからこの委員会の目的、それからやるべきことですね、それから検討の進め方等について共通の認識を持っていただいたということで、次回は今ご説明ありましたように、現地調査の結果を含めて、開催したいと思いますので、今日はこのぐらいにしたいと思います。どうもありがとうございました。