(委員長) | 大聖 泰弘 | ||
(委 員) | 浅野 直人 | 石田 東生 | 鹿島 茂 |
坂本 和彦 | 猿田 勝美 | 杉山 雅洋 | |
中田 信哉 | 横山 長之 | ||
(環境省) | 竹本水・大気環境局長 | ||
森谷総務課長 | |||
徳永環境管理技術室長 | |||
佐藤大気環境課課長補佐 | |||
岡部自動車環境対策課長 | |||
望月自動車環境対策課課長補佐 |
自動車排出ガス総合対策小委員会の運営について
平成16年度大気汚染状況の報告
自動車NOx・PM対策の実施状況等について
今後の自動車排出ガス総合対策のあり方に係る検討項目について
検討スケジュールについて
ヒアリングの実施について
その他
自動車排出ガス総合対策小委員会委員名簿
資料1 | 自動車排出ガス総合対策小委員会の概要 |
資料2 | 中央環境審議会大気環境部会の小委員会及び専門委員会の運営方針について |
資料3 | 平成16年度大気汚染状況について |
資料4 | 総量削減対策環境改善効果検討会報告書について(概要) |
資料5 | 中央環境審議会答申において指摘された事項の取組対応状況 |
資料6 | 今後の自動車排出ガス総合対策のあり方に係る主な検討項目案 |
資料7 | 検討項目案参考資料集 |
資料8 | 自動車排出ガス総合対策小委員会スケジュール案について |
資料9 | 自動車排出ガス総合対策小委員会ヒアリングの実施について(案) |
参考資料 | 中央環境審議会関係法令等 |
自動車NOx・PM法体系図 | |
自動車NOx・PM法の車種規制について(パンフレット) | |
自動車NOx・PM総量削減対策環境改善効果に関する検討結果【平成17年度中間点検】 | |
中央環境審議会第19回大気環境部会(平成17年10月7日)における委員指摘事項(暫定版;事務局文責) |
【岡部自動車環境対策課長】 皆様、長らくお待たせいたしました。定刻となりましたので、ただいまから自動車排出ガス総合対策小委員会の第1回を開会いたします。
私、環境省水・大気環境局の自動車環境対策課長をしております岡部と申します。どうぞよろしくお願いいたします。
まず初めに、お手元にお配りしております配付資料のご確認をお願いしたいと存じます。
議事次第の紙、そして小委員会の先生方の名簿の紙のほかに、資料ナンバーを付しているものが全部で9点ございます。資料1、自動車排出ガス総合対策小委員会の概要、資料2、中央環境審議会大気環境部会の小委員会及び専門委員会の運営方針について、資料3、平成16年度大気汚染状況について、資料4、総量削減対策環境改善効果検討会報告書について(概要)、資料5、中央環境審議会答申において指摘された事項の取組対応状況、資料6、今後の自動車排出ガス総合対策のあり方に係る主な検討項目案、資料7、検討項目案参考資料集、資料8、自動車排出ガス総合対策小委員会スケジュール案について、資料9、自動車排出ガス総合対策小委員会ヒアリングの実施について(案)。
あと、そのほか参考資料といたしまして、中央環境審議会関係法令等、それから自動車NOx・PM法の体系図1枚もの、自動車NOx・PM法の車種規制について(パンフレット)、あと、中央環境審議会第19回大気環境部会における委員指摘事項(暫定版;事務局文責)があります。あと、厚いものですけど、自動車NOx・PM総量削減対策環境改善効果に関する検討結果ということで、本日お見えいただいています猿田先生におまとめいただいております、委員会の検討結果のレポートでございます。
あと、すみません、若干落丁があって、1枚差しかえ版のこういう紙を用意しています。後ほど私の方からご説明を申し上げさせていただきたいと思います。
以上でございます。万一資料の不足等ございましたら、事務局にお申しつけいただければありがたいと存じます。
それでは会議に先立ちまして、事務局である環境省を代表しまして、竹本水・大気環境局長よりごあいさつを申し上げます。
【竹本水・大気環境局長】 環境省の担当の局長をしております竹本でございます。
先生方におかれましては、平素より大気保全行政の推進に当たりまして、多大なご指導をいただいております。厚く御礼申し上げます。また、本日は大変ご多用のところお集まりをいただきまして、まことにありがとうございます。
私ども実際に行政を進めております、自動車の大都市におきます自動車環境対策でございますが、先生方ご案内のとおり、平成22年度までにおおむね環境基準を達成をするということで、平成14年の閣議決定で自動車NOx・PM法に基づきます基本方針というのを定めておりまして、この達成に向けまして、3つの柱と言っておりますが、単体の規制、また自動車NOx・PM法に基づく総合施策、さらには低公害車の普及の推進を総合的に進めているということでございます。
おかげさまをもちまして、直近でございます、後でご説明申し上げますが、平成16年度の大気環境状況は改善の傾向になってきております。しかしながら、大都市を中心といたしまして、まだ改善を要する部分が多々あるというのも事実でございます。
そういう意味におきましても、今年度は自動車NOx・PM法の中間点検の年に当たります。大気汚染の防止に向けて、私ども今年度、中間評価を行うということで、先週、中央環境審議会大気環境部会におきましてもご審議いただきまして、この小委員会の設立につきまして決定をしていただいたところでございます。今回はその小委員会の第1回目の会合ということで、年内かけまして大変タイトなスケジュールをお願いすることになろうかと思いますが、この問題、大変各方面からも関心の高い分野でございまして、私ども事務局として一生懸命務めさせていただきたいと思いますので、どうぞ先生方、よろしくご指導のほどお願いを申し上げまして、私の方からのごあいさつにさせていただきます。
ありがとうございました。
【岡部自動車環境対策課長】 事務局より、プレス関係の皆様方にお願いいたします。冒頭のカメラ撮りにつきましては、ここまでとさせていただきますよう、お願いを申し上げます。
それでは、本日は第1回目の会合でございますので、委員の皆様方のご紹介をさせていただきたいと思います。
大気環境部会の池上部会長より、本小委員会の所属委員をご指名いただいてございます。お手元に名簿、それから座席表を用意させていただいてございますので、ご参照いただきたいと思います。
それでは、左手より50音順にお座りいただいておりますので、ご紹介を申し上げます。
福岡大学法学部の浅野委員、少し遅れるというご連絡をちょうだいしてございます。 筑波大学大学院システム情報工学研究科の石田委員でいらっしゃいます。
中央大学理工学部の鹿島委員でいらっしゃいます。
埼玉大学大学院理工学研究科の坂本委員でいらっしゃいます。
本日、委員長をお務めいただくということで部会長にご指名いただいております早稲田大学理工学部の大聖委員でいらっしゃいます。
神奈川大学名誉教授の猿田委員でいらっしゃいます。
早稲田大学商学部の杉山委員でいらっしゃいます。
神奈川大学経済学部の中田委員でいらっしゃいます。
早稲田大学理工学部の永田委員につきましては、遅れておられるようでございます。
元資源環境技術総合研究所の横山委員でいらっしゃいます。
以上でございます。
それでは、先ほど申し上げましたとおり、部会長のご指名によりまして、大聖委員が委員長にご指名いただいてございます。それでは大聖委員長、よろしくお願い申し上げます。
【大聖委員長】 どうも皆様こんにちは。部会長のご指名によりまして座長を務めさせていただきます、早稲田大学の大聖でございます。
先ほど竹本局長からのごあいさつにもありましたけれども、本年度は自動車NOx・PM法の中間点検の年に当たっております。大気汚染の状況、中間目標の達成の状況、現行の施策の進捗の状況を踏まえまして、追加的な対策の必要性やそのあり方を含めまして、対策全体のレビューをするということがこの小委員会の課題となっております。
最初に、万一出席できない場合もあるかと思いますので、念のため、私の代理を指名させていただきたいと思いますが、委員長代理としまして、坂本先生にお願いしたいと思っております。先生、よろしくどうぞお引き受けいただきたいと思います。
それでは、時間も限られておりますので、早速議事進行に入りたいと思います。
小委員会の運営についてまずお話申し上げたいと思いますが、本日は初回でもございますので、小委員会の運営について審議をしてまいりたいと思います。その後、8月29日に公表されました平成16年度大気汚染状況について、事務局の方からご説明をお願いします。その後、自動車NOx・PM対策の実施状況等について、さらに総量削減対策環境改善効果検討会検討結果について、また中央環境審議会答申において指摘されております事項の取組対応状況、これらにつきまして、同じく事務局の方からご説明をお願いしたいと思います。さらには今後の自動車排出ガス総合対策のあり方に係る検討項目、検討スケジュール並びにヒアリングの実施について審議させていただきたいと思っております。
それでは、第一番目の議題であります小委員会の運営について、事務局の方からご説明をお願いしたいと思います。
【岡部自動車環境対策課長】 それでは、本会、初回ということでございますので、この小委員会の運営につきまして、ご説明とご相談をさせていただきたいと存じます。
本小委員会の設置につきましては、去る10月7日に開催されました中央環境審議会の大気環境部会におきましてご承認をいただいたところでございます。
まず、お手元に配っております資料の中の資料1を用いまして、小委員会の設置の趣旨等につきましてご説明を申し上げさせていただきたいと思います。
自動車排出ガス総合対策小委員会の概要と書きまして、1番に設置の趣旨と書いてございます。13年6月に成立しました、いわゆる自動車NOx・PM法に基づきまして、平成14年4月に自動車排出窒素酸化物及び自動車排出粒子状物質の総量の削減に関する基本方針が閣議決定をしております。この基本方針の中におきまして、平成22年度までに二酸化窒素及び浮遊粒子状物質に係る大気環境基準をおおむね達成することを目標とし、総量削減計画において、平成17年度までに達成すべき中間目標量を定めるものとしております。
これを受けまして、大気汚染の状況、中間目標の達成状況、現行の施策の進捗状況を踏まえ、今後の自動車排出ガス総合対策のあり方について検討を行うというものでございます。
メンバーにつきまして、大聖委員長を初め、ごらんの方々で構成されるものでございます。
スケジュールにつきまして、今後の小委員会の審議の状況にもよるかと存じますが、本年10月以降、数回程度小委員会を開催し、本年12月をめどに議論の取りまとめをお願いするというのを一応の方針として立てているものでございます。
それから、その次のページに、大気環境部会に今回小委員会を置くということで、先日の10月7日の大気環境部会におきまして、小委員会を置くための所要の改正を行った上でのその設置の定めをご参考までにつけているものでございます。
この小委員会の運営につきまして、一つ申し上げます。小委員会は中央環境審議会に属するものでございます。その審議に係る基本的なルールは環境基本法、それに基づきます政令の中央環境審議会令、それに基づく議事運営規則という規定がございます。その基本的なルールが参考資料の5ページの第8条というところに記載されておりますが、要はその小委員会に属します委員、臨時委員、専門委員は部会長にご指名をいただくことになってございます。委員長につきましては先ほど申し上げましたとおり、部会長のご指名により定めることとなっております。
また、小委員会の決議につきましては、部会の定めるところに部会長の同意を得て部会の決議とすることができるという規定はございますけれども、現在のところ、大気環境部会におきましてはこの定めをしておりません。したがいまして、中央環境審議会としての意思決定をする際には、改めて大気環境部会本体でご議決をいただくことになります。具体的には、小委員会でもし報告というような形でおまとめいただきますと、その報告案を大気環境部会に上げまして、そこで取り扱いについてご審議をしていただくという手続が必要ということでございます。
1点、お諮りしたいことがございます。この小委員会の公開、非公開の扱いについてでございます。資料2のところに、小委員会の運営方針につきまして、いかなる場合に非公開とすることができるかということを1の(1)の[1]の段落のところに定めを置いてございます。本小委員会につきましては、例えば中央環境審議会の中には貴重な野生生物の生息地について議論するとか、そのような審議の内容を秘匿する必要性の高いものにつきましては非公開の扱いをしてございますが、この小委員会についてはそのような特段の事情は認められないと考えておりますので、公開での扱いということにさせていただいてはどうかと思いますが、よろしくご検討をお願いしたいと思います。
以上でございます。
【大聖委員長】 はい、ありがとうございました。
それでは、ただいまのご説明に対しまして、何かご意見あるいはご質問がありましたらよろしくお願いいたします。
それから、浅野委員が到着されましたので。先生、ご紹介申し上げます。
いかがでしょうか。
(なし)
【大聖委員長】 それでは、また後で戻っていただいても結構ですので、先に進ませていただきたいと思います。
今のご説明にもありましたように、小委員会では特段非公開とする理由はありませんので、公開とさせていただきたいと思っております。
それでは、平成16年度の大気汚染状況について、これも事務局の方からお願いしたいと思います。よろしくどうぞ。
【岡部自動車環境対策課長】 ご説明申し上げます。
お手元に配付しております資料3をお開きいただきたいと存じます。タイトルに平成16年度大気汚染状況についてと書いてあります公表資料でございまして、環境省では毎年、年に1回、大気汚染状況について、ここのフェースシートの下にあります5種類の物質を中心に公表しております。16年度につきましては、17年の8月29日に公表させていただいてございます。本小委員会はNOx・PM対策ということでございますので、それに関係の深いところを中心にかいつまんでご説明申し上げさせていただきます。
資料をお開きいただきますと、左側のページに大気汚染防止法に基づく環境基準について、二酸化窒素、浮遊粒子状物質、光化学オキシダント、二酸化硫黄、一酸化炭素と、この5物質につきまして、環境基準の定めをこちらの方に書かせていただいております。具体的にこれが人の健康や環境にどのような影響があるかということを2.に書いてございます。評価方法については3.のところに記載しているとおりでございます。具体的にNO2、それからSPM、浮遊粒子状物質を中心に、その結果につきましてご報告をいたします。
1ページにNO2の全国の状況が記載してございます。一般環境大気測定局と、それから沿道を中心に設置されております自動車排出ガス測定局と、測定局には大きく二つのカテゴリーがございますが、まず、一般局につきましては、16年度初めて100%達成という結果が出てございます。自動車排出ガス測定局はそれに比べますと若干その達成率が、89.2%ということで、まだ達成していない局が見られる状況でございます。
続きまして、2ページ目にグラフがございますが、こちらの方で年平均値の推移ということでございます。私ども長年横ばい傾向ということを言ってきているわけなのですが、16年度の数値を見る限り、少し低減の傾向というようなことが出てきているのかなというふうに思っているところでございます。
4ページに自動車NOx・PM法の対策地域における状況に限定して見てはどうかということを書いてございます。棒グラフが一般局、自排局、それぞれございまして、一般局については先ほど申し上げましたが、100%達成、自排局につきましては達成率81.1%という状況でございます。これをさらに都道府県別で見た状況がどうかということにつきまして、これはお手元の資料編の方に入ってまいりますが、19ページをご参照いただきたいと思います。例えば19ページの自動車排出ガス測定局のところを見ますと、都道府県別に達成率等の数字が出ておりますが、例えば16年度で東京都の場合ですと38分の20で52.6%というような形で、都道府県によってはまだ達成率が十分上がっていないところもあるという評価も言えるかと思っております。
次に、SPMの状況につきまして申し上げます。5ページに戻っていただきたいと思います。全国の状況につきまして、一般局、自排局、それぞれございますが、16年のデータは達成率98.5%、自排局に関しては16年度96.1%、こういう数字でございます。近年の状況、推移を見たらどうかということを下の棒グラフで記載していますが、若干年によって少し変動するような要素もあろうかと思いますので、今後も状況を注視していく必要があるかと思っております。
次の6ページにSPMの濃度の年平均値の測定の状況というものが出ております。緩やかな改善傾向が見られるという評価を私どもとしてはしております。今回のSPMの環境基準の達成率の改善につきましては、環境基準を超える日が2日以上連続した場合は非達成になるのですけれども、そのような2日以上連続することにより非達成とした測定局の数が減少したことによるものと考えております。そのようなことを、5ページの全国の状況のところに記載させていただいているところでございます。
8ページに自動車NOx・PM法の対策地域におきますSPMの状況についてまとめております。ここも棒グラフのところで一般局と自排局を見ていただきたいと思います。一般局につきましては達成率99.1%、それから自排局につきましては96.1%という数字でございます。
NOx・PMにつきましては以上なんですが、9ページに光化学オキシダントにつきまして言及しているところがございます。光化学オキシダントにつきましては、環境基準達成局数が非常に低い水準でございまして、一般局と自排局で2局だけというような状況がございます。
それから、その他にあと2物質、14ページに二酸化硫黄、SO2、15ページにCOということがございます。この2物質に関しましてはご覧のとおりでございまして、直接NOx・PMというような話ではないので、後ほど必要に応じてご参照いただければと思っております。
以上の結果が資料3のフェースシートに、5物質ごとにどのような形でまとめられるかということを書いているところでございます。環境省としましては、本調査結果を踏まえまして、環境基準の達成・維持に向けた施策の推進ということ、それから18年度は特に揮発性有機化合物の排出規制を開始するということが既定の方針でございますので、こうした施策によりまして、大気環境の一層の改善を図っていくということとしてございます。
説明につきまして、以上でございます。
【大聖委員長】 はい、ご説明ありがとうございました。いかがでしょうか。またご意見なりご質問があれば、お伺いしたいと思います。どうぞ。杉山委員、よろしくお願いします。
【杉山委員】 すみません。
基本的な事実関係だけをちょっと教えていただきたいのですが、今、ご説明いただいた資料3ですね。公表資料ということで、私、あるところでちょっとこれを活用させていただいたら、こんな疑問が出たものですから教えていただきたいのですが。二酸化窒素とそれからSPM、浮遊粒子状物質ですね。これの改善の傾向は大変好ましい。しかしながら、観測局数が年によって違っているので、これを正確に改善というようにとらえるのであれば、同じ観測局数でなければおかしいのではないかと。私は、それは誤差の範囲内であって、ほとんど影響ないのじゃないかというように推測で答えましたけれども、それでいいのかどうなのかということを教えていただきたいのと。
それからもう一点は、SPMが平成15、16と大幅に改善されていますね、5ページですが。この説明として、その上の第3パラグラフですか、環境基準を超える日が2日以上連続することによって非達成となった測定局が減少したことによるものと考えられると。これはなぜこうなのだというクエスチョンを受けまして、これは私、ちょっと答えられませんというように逃げちゃったものですから、もしお教えいただければ大変ありがたいというように思います。
【岡部自動車環境対策課長】 お答え申し上げます。
先生から2点お話ございまして、1点目は要するに定点観測というか、測定局が変わるということで、それでその傾向としての経年の状況を評価できるのかというお話と承っております。2点目につきましては、SPMの変動につきまして、6ページの上にある図2-2にあるような2日連続非達成ということを要因として書いてあるけど、じゃあ、そもそもそうなっているのはなぜかということについてのご質問でございました。
最初の話に関しましては、少し事務局として関係課を含めて確認いたしますけれども、私が聞く限り、先生からご説明いただいたような話、誤差の範囲内というようなことで理解できるのではないかと思います。少しきちんとした確認作業をさせていただきたいと思います。
後者の2日連続によって非達成となった理由がそもそも何かということにつきまして、ちょっと私の知見で今ご説明できないのですが、担当であります大気環境課の方から一定のお話ができるかどうか、少しお話をいただけますでしょうか。
【佐藤大気環境課課長補佐】 大気環境課の佐藤と申します。
私どもの方では、この2日連続で非達成となったものにつきましては、資料の31ページございますけれども、ここに黄砂の延べ観測日数というものがございます。これで見ますと、平成12年度、13年度、14年度と黄砂の日数が非常に大きくなっておりますけれども、15年度、16年度は黄砂が非常に少なくなってきております。この影響があるのではないかなと、今は考えているところでございます。
【浅野委員】 今の測定局はですね、毎年毎年場所がごろごろ変わるというのじゃないんで、地域によっては閉鎖をしちゃうというようなことがあったり、あるいは有効なデータが得られなかったのでその年はパスということになりますから、だから、先生おっしゃるとおり、誤差の範囲内ということで十分説明ができます。
騒音の場合ですと、昔はポイントを変えてましたので、必ずしも継続性がないデータが出てくるというようなことがありました。大気はそれはありません。
【大聖委員長】 はい、ありがとうございました。
黄砂というのは自然に出てくるものでありますが、10ミクロン以内に入ってしまいますので、それがカウントの対象になるということになります。
いかがでしょうか。はい、どうぞ。
【猿田委員】 今の黄砂に関連してですが、私ちょっと検討会の方をずっと続けて、以前から毎年検討会でやっているわけですが、14年、15年などでも思わぬところで2日連続で環境基準非達成というのはあるのですね。工業地帯でもない、大都市でもないような測定局で。気象庁の発表を見ますと、先ほど大気環境課の方でご説明ありましたけども、黄砂の影響が、黄砂が飛んできているということで、それで思わぬところで非達成というような、そういう経験はございます。
【大聖委員長】 はい。他にいかがでしょうか。
(なし)
【大聖委員長】 それでは、次に移らせていただきたいと思います。
自動車NOx・PM対策の実施状況等についてということで2件ございまして、総量削減対策環境改善効果検討会の検討結果、それから中央環境審議会答申において指摘された事項の取組対応状況についてということで、この2件、ご説明を事務局の方からお願いしたいと思います。
【岡部自動車環境対策課長】 それでは、ご説明を申し上げます。
お手元に配付させていただいております資料4、資料5、まずは資料4の方をお開きいただきたいと存じます。資料4は、総量削減対策環境改善効果検討会報告書についてということでございます。この検討会につきまして、本日お見えいただいております猿田先生、鹿島先生、坂本先生、大聖先生、この資料の実は一番最後のページに検討会の委員としてご参画をいただきました先生方、それからご協力いただきました行政機関、関係都府県の方々の名簿をつけさせていただいております。この検討会の設置の目的につきましては、17年度にNOx・PM法の本日の小委員会のテーマであるところのレビュー、中間点検を行うに当たりまして、それに必要な基礎的な調査を行うということで環境省が委託調査の形で進めてきたものでございます。この委員会が4回検討会を開きまして、先日の大気環境部会の直前にようやくその報告書という形でまとめていただいたものでございますので、先日の大気環境部会にも同一の内容をご報告させていただいてございます。
それでは、内容につきまして申し上げます。1番に大気汚染の現状と付してございます。
(1)の環境基準達成状況につきましては、ただいまの16年度大気汚染状況でご報告いたしました話と同じでございますので、省略いたします。
(2)で濃度ランク別にみた測定局数の分布状況というタイトルで述べていることがございます。ここで述べておりますのは、対策地域におきます自排局の圏域別の値のランク別の測定局数の分布を書いております。これにつきまして申し上げれば、その分布が全体的に低濃度側にスライドする傾向が示されています。
その次に、(3)としてモデル局の解析というふうなことを述べておりますが、これは自排局とそれに近い一般局の間での汚染状況の傾向等を書いておりますが、いずれも16年度の大気汚染状況に述べましたような、全体としての低減傾向をうかがわせるような結果が出ているのかなと思っておるところでございます。
続きまして、資料9ページにお進みいただきたいと思います。9ページは総量削減対策の環境改善効果の評価につきまして述べている部分でございます。おさらいで少し申し上げますと、お手元の参考資料の中で、パンフレットの前に自動車NOx・PM法の体系図という一枚紙をお配りしてございます。少しおさらいになりますけれども、その総量削減対策の位置づけにつきまして、一言申し上げさせていただきたいと思います。NOx・PM法の体系につきましては、ご覧の体系図で申し上げますと、左の上の方に窒素酸化物対策地域、粒子状物質対策地域ということで、自動車交通が集中しておって、大気汚染防止法の対策では十分環境基準の確保が困難なときに特別の規制を行うと、こういう体系でございます。
総量削減のための枠組みとしまして、左側の下の大きな四角になりますが、国がNOx、PMに対して総量削減の基本方針を閣議決定の形で決めます。この中で総量削減に関する目標なり総量削減計画の策定、事業者の判断の基準となるべき事項の策定などの基本的事項、その他の位置づけをここで大枠を書かせていただいております。これに基づきまして、関係都府県におきまして窒素酸化物の総量削減計画、粒子状物質の総量削減計画というものを決めます。この中で、削減目標量、計画の達成時期の期間、方途ということで決めているわけです。これについて最終年度は22年度なわけですが、17年度におきまして先ほどご説明しました、17年度におけるその目標値というものもこの計画の中に盛り込まれていると、こういう状況でございますので、その都府県のいわゆる総量削減計画の排出目標についてはどのような形で評価していたかということをここの2.の中で書いております。
9ページの目標達成の見込みの(1)の自動車走行量の推移というのは、その基礎的なデータとしまして走行量の推移を述べているものでございます。
(2)につきまして申し上げます。10ページをお開きいただきたいと存じます。ここに推計排出量が書いてございます。表2の推計排出量の目標達成状況の表の中で、左側に対策地域におきます都府県の名前と、これについて都府県ごとにNOx、それからPMのそれぞれにつきまして、17年度の推計値、22年度の推計値はどのようになるかということを書いてございます。17年度の目標値に比べまして、注の1にありますように、推計値が計画値に届く場合の右側の数値は、計画値と比較して推計値が下回る割合を示しております。また、計画値に対して推計値が上回る場合は、何パーセント上回るかということを記載をいたしているものでございます。結論から申しますと、NOxについては17年度、埼玉県、三重県が計画値に届かない、その他については届くという結果が出ております。22年度につきましては、三重県を除きます各都府県で計画値に届くという結果が出てございます。それからPMにつきましては17年度、神奈川県、愛知県のみが計画値に届く。その他の都府県については届かないという結果が出てございます。22年度につきましては、三重県が届かないという結果で、その他の都府県については届くという結果が出ております。ここの推計をする際に、基本的には交通量の見込みと、車種ごとの排出係数を乗じるという形で算定をするわけでございますが、その排出係数、それから走行量の見込みを立てるに当たりまして、ここの四角の囲みの中で書いてございますが、将来的な走行量の伸びの見込みでございますとか、それから排出係数に関しましては、排出ガス規制の効果、それから低公害車の普及の見積もりなど、一定の前提条件をもとに推計されたものであるということを踏まえる必要があるかという認識を書いていただいておるものでございます。
それから、車種ごとの状況をグラフとして、11ページから棒グラフが14ページまで続きますが、このような形で車種別に分割するとこうであるというデータを出させていただいてございます。
続きまして、15ページにお進みいただきたいと思います。ここでは各種施策の進捗状況と課題というタイトルで、単体規制、車種規制、低公害車の普及促進など、それぞれ各項目ごとに記載をしております。施策そのものの定量的な効果というところまで十分分析が至りませんで、簡潔にファクトを中心にまとめさせていただいております。
まず、自動車単体対策の強化につきましては、今、新長期目標として平成17年規制が施行されていると。それから、ポスト新長期目標として、ディーゼル車については17年規制に比べてNOxを43~65%削減、それからPMを53~63%削減することを平成21年、22年規制として施行する予定であるということを書いております。
それから、イの車種規制の実施について申し上げます。車種規制につきまして、ここには記載しておりませんが、16年度末におきまして約55%の排出基準適合率になっております。目標年度におきましては、今ある台数が円滑に車種規制を適用することができれば99.5%になるという予測が示されております。一方、対策地域内におきまして、対策地域の外からの非適合車の交通量割合を、環境省がナンバープレート調査によって見ております。例えば17年度の普通貨物車につきましては、首都圏において12%、愛知・三重圏につきましては21%、大阪・兵庫圏につきましては17%をこういった車が占めているという結果が出ております。これにつきまして、必要な排出量寄与率の分析等を行った上で必要な検討を行う必要があるという認識をいただいております。
ウとしまして、低公害車の普及促進につきまして申し上げます。これにつきまして、表3に8都府県における低排出ガス車普及状況というものを掲げてございますが、これで13年3月末には約54万台であったものが、17年3月末には600万台まで伸びているという状況でございます。
それから、16ページにお進みいただきたいと思います。ここではエとまして、交通需要の調整・低減というようなタイトルを書かせていただいております。表4に貨物輸送トンキロの推移ということでございます。東京都が減少しているほか、それ以外の地域においては横ばいで推移をしているという結果が出ております。
それから旅客につきましては、下の表5のところに旅客輸送トンキロの推移がございます。これについて申し上げれば、東京都、それから大阪府で減少しておりますが、それら以外は横ばいで推移をしているというものでございます。
オとしまして、交通流対策の推進に関連しまして、表6に8都府県地域での平均旅行速度の推移ということを書いてございます。押しなべて言うと、横ばいの傾向というようなことがあるかと思いますが、これは大気環境部会で都府県別等、もう少し詳細に見れば必ずしも横ばいというふうには片づけられないのではないかというご指摘もある委員の方からご発言いただいておりますので、少しそういう面で事務局として今後ともフォローしていきたいと思っております。
カとしまして、局地汚染対策の推進について書いております。ここにあるデータの話については、先ほど申し上げました16年度の大気汚染状況のとおりでございますが、次のページに表7として、環境基準非達成局についてご参考までに一覧としてつけさせていただいてございます。
そのほか、普及啓発活動の推進につきまして、条例による運行規制やアイドリングストップについての記載をさせていただいてございます。
(2)としまして、事業者の排出抑制対策について申し上げます。先ほどごらんいただきましたNOx・PM法の体系図というものがございますが、先ほど総量削減のための枠組みの設定を受けて、具体的な対策の実施をこの紙の右側に書いています。具体的な対策として二つございまして、一つはいわゆる対策地域内におきます車種規制の実施、あとその下に事業者に対する措置の実施というコーナーがございます。これは具体的には、30台以上の車を使用する事業者に対しまして、自動車の使用管理計画、排出抑制に向けた計画を策定・提出していただくと。それに基づいて、都道府県が指導・助言をするということを骨子としております。これにつきまして、大型貨物車とNOx・PM排出量の多い車種に対する排出量抑制が肝要であるということ。これを有効に活用する必要があるというような認識をいただいているところでございます。
そのほかとしまして、政策の評価を適切に実施するため、大気汚染物質のモニタリングの手法等について検討する必要があるという内容でございます。
以上が概要でございますが、もともとの本編につきまして、先ほど資料確認のところで申し上げました、こういう冊子におきましてデータとともにまとめさせていただいておりますので、必要に応じご参照いただければと思っております。
続きまして、配付しております資料5の説明に進ませていただきたいと思います。
資料5は、中央環境審議会答申において指摘された事項の取組対応状況と記載しております。中央環境審議会の中で、平成12年12月に今後の自動車排出ガス総合対策のあり方についてという答申をいただいてございます。この答申をいただく時点におきましては、まだ自動車NOx・PM法ではなくて、PMの規制はまだこの法律の体系に盛り込まれていなかったと。自動車NOx法というような形で一般的には言われておりました。その中でいわゆるSPM対策を講じること、それからこの旧法におきましては首都圏と大阪・兵庫だけが対策地域だったのですが、これに愛知・三重という中部圏の関係地域を追加するということ。目標の達成期間については、平成12年の目標であったものを22年という形で10年間を目標とし、その目標については対策地域における環境基準のおおむね達成を引き続き目指すという構成をとるというような内容を骨子とする答申を12年12月にいただきまして、これを受けてその次の年の通常国会にNOx法をNOx・PM法に改める法律改正を行ったと、こういう経緯でございました。よって、中央環境審議会の中でNOx・PM法の施策につきまして、包括的に答申をいただいているという意味では、これが最も最近の包括的なものでございます。
これについて、まず左側に答申において指摘された事項、右側にその取組状況ということを述べております。1ページ目に書いております今後の自動車排出ガス総合対策のあり方として、対象物質にPMを加えると。特定地域に名古屋市、その周辺を追加すると。目標については、環境基準のおおむね達成を引き続き目標とするということ。目標の達成期間の設定については、10年程度の目標期間とせざるを得ないが、中間でその達成状況を点検することも必要であると、こういうことが書いてございまして、法律事項につきましては既に措置済みの話で、今、達成状況の点検をまさにこの小委員会でお願いしているという構図でございます。
次の2ページに(4)としまして、ここで基本的な枠組みというようなことを書いております。左側にある記載を中心に、当時からある問題意識はどうであったのかということをご想起いただくために、ご説明を申し上げていきたいと思います。
この最初の・におきましては、いわゆる施策の点検につきまして、可能な施策については毎年、それ以外の施策についても中間時点で施策の進捗状況の点検・評価を行っていく必要があるということ。それから、次の・には、いわゆる各都府県ごとに総量削減の取組の調査・審議を行う協議会ということを置かれる規定が法律上あるわけですが、この運営に当たっても、都府県の指導として、また住民等の参加を可能とするというような運営についてのご意見をいただいているところでございます。その次に、その中間点検の結果を含め、積極的に情報公開を進める必要があるという点。それから、各種施策の進捗状況等について、できる限り定量的に評価していく必要があるという点。最後の・としまして、流通形態の多様化や新たなビジネスの拡大の将来的な動向を注視していく必要があるという点のご指摘をいただいております。
3ページにまいりまして、地方公共団体と国の役割分担、それから地方公共団体の取組として、地域の実情に応じた柔軟な仕組みができるような仕組みとすることが重要であるということを記載してございます。
具体的な施策の考え方を(5)として書いておりますが、この中では個々の自動車に着目した対策と、交通システム全体の対策を総合的に講じていく必要があるということ。それから、将来予測には不確実性が多いことを勘案しつつ、各種対策を立案することが必要であること。計画期間の中間で施策の進捗状況等を評価する必要があるということ。地域の実情に応じた施策の立案が必要だと、このようなことをご指摘いただいてございます。
4ページに各施策の、個別の施策の充実強化の方向につきまして、答申をいただいてございます。規制対象車種を、いわゆるトラック・バスに加えてディーゼル乗用車に拡大するということ。これは法律・政令で実現されております。それから、粒子状物質についての排出基準の設定の話。それから、単体規制の強化に伴う車種規制基準値の段階的評価については中間点検の際に再度分析・評価し、その後の対策の進め方に反映させることが必要ということをご提言いただいてございます。あと、その規制基準の強化等に当たり、助成措置等について可能な限り充実していくことが必要であるということ。いわゆる車種規制の猶予期間につきましては、現行規制と同等のものとすることを原則として決定することが必要であると、こういう方針を書かれております。
5ページに(2)として、低公害車の普及促進について述べられてございます。ここでは、まず従来の低公害車4車種に限定せず、低排出ガス車を含めてその一層の普及を図っていくことが必要であるということです。その後、低公害車については右側に少し書いていますが、アクションプランに基づく施策によりまして、答申どおりの方向に行っているのではないかと思っております。重量車クラスにつきましては、天然ガス自動車、LPガス自動車の普及に向けて積極的に取り組むことが必要であるということ。低公害車の普及施策の抜本的強化、燃料供給事業者、自治体による取組が求められるということ。国や自治体による低公害車の率先的な導入が必要であるということ。低排出ガス車認定制度の活用、スマートプレートの活用、こういったことがご指摘の事項として上がっております。
6ページには(3)としまして、事業者による自動車排出ガス抑制対策の強化ということがございます。このときに、自動車利用管理計画の策定を義務付けることが適当であるということで、これが13年6月のNOx・PM法の一つの規制の内容として盛り込まれておるわけでございます。地方自治体の役割、それから国の役割がこの事業者による対策についてどういうスタンスであるべきかということを書いていただいてございます。さらに荷主事業者の取組についてどのような形で取り組んでいくか。計画策定を義務づけない場合であっても、一定の報告徴収を可能とする仕組みの導入の検討を含めて指導等を強化していく必要があるということを書いていただいております。
7ページ、(4)としまして、自動車メーカーにおける低排出ガス車の製造、それから販売を通じた自動車排出ガス抑制対策について書かれてございます。市場を通じた取組の促進によって、低排出ガス車の製造販売のシェアを増やしていくために、メーカーの役割として、いわゆるフリート平均値のような情報提供の取組、それからその次の・で日本自動車工業会が12年3月時点に公表した自主行動計画の話、それから最後の・で販売事業者の貢献について記載をいただいております。
8ページに(5)として、交通需要マネジメント等ということで、いわゆるTDM施策の推進体制を確立することが不可欠であるということ。そこにおきまして地方自治体の果たすべき役割、国において果たすべき役割について言及いただいております。さらに中・長期的視点に立ちまして、都市内の交通の円滑化、交通事故の低減など等も連携しつつ、都市計画を組み込んだ対策、それから環境保全の観点から施策の進捗を評価する仕組みを盛り込む必要等を記載いただいております。
(6)としまして、経済的措置と題してございます。これは単体規制による環境改善効果を高める措置として、自動車関係諸税の重軽課について。それから次の・として、ロードプライシングの有効性、社会的受容性等について検討を進めることが必要であるということをいただいてございます。
(7)で局地汚染対策についてご提言をいただいてございます。大気汚染の著しい交差点周辺部のように、特定地域の大気環境を改善するための全般的な対策のみでは大気環境の改善を図っていくことが困難な地区につきまして、積極的な局地汚染対策の推進が必要であるということ。それをどのような進め方をするべきかということを書いていただいております。
10ページにつきましては、都道府県公安委員会に対する要請限度の制度についてどう考えるべきかと、それから局地汚染対策の根本的な解決についての道路構造、都市構造の見直しが必要であるという点、こういったところをご指摘いただいてございます。そのほかとしまして、自動車単体対策、燃料品質対策の強化、DPFの装着インセンティブの付与、それから技術開発の促進につきましてご提言をいただいてございます。あと、長期的には自動車対策と固定発生源対策を合わせた総合的な浮遊粒子状物質対策が必要であるということを述べていただいております。
12ページにまいります。浮遊粒子状物質につきまして、その生成、健康影響等の科学的な解明が必要であるというようなことで、濃度予測シミュレーションモデルの確立でございますとか、各地域における発生源寄与分析、ディーゼル排気粒子のリスクの定量評価、PM2.5等による大気汚染レベルの評価方法の確立等について、さらなる本格的な調査・研究が必要である等のご指摘をいただいてございます。それから、その下の・で特定地域以外の地域につきまして、全国的に排出ガス抑制対策を強化するために、代替促進のための施策の推進を検討する必要があるということが書かれてございます。次の・として、使用過程車について点検・整備の推進、整備不良車に対する指導・取り締まりの強化、あと公共交通機関の利用促進、エコドライブなどの普及啓発の推進ということが書かれてございます。
以上が、NOx・PMについて12年答申に書かれた事項につきまして、どのような問題意識でその答申が書かれたかということをご説明いたしました。対応につきまして個別の話を書いておりますが、時間の関係上、また必要に応じてご参照いただければと思ってございます。
それから、大きな2.としまして、今後の自動車排出ガス低減対策のあり方についてと。こちらにつきましては、いわゆるNOx・PM対策とは別に、単体規制、それから燃料規制につきまして、許容限度値等の検討を中環審で専門委員会において別途やっております。関係事項につきましてある程度書きましたのですが、NOx・PM法に基づく施策と直接結びつくものでないものも相当含まれておりますので、説明につきましては省略をさせていただきたいと思っております。
この中で、23ページに、より低公害な車両の普及促進でございますとか、あるいは25ページに局地汚染対策につきまして、先ほどの12年答申の話とも若干重なってしまいますけれども、このような点について、最近の17年4月の8次答申等でご指摘いただいているような事項もあるということを付言させていただきたいと思います。
すみません。駆け足になりましたが、資料4の検討会報告書、それから資料5の中環審の答申において指摘された事項の取組対応状況についてご報告申し上げました。また、資料4につきましては、本日お見えの先生方の中で、猿田先生初め、この検討会の取りまとめにおきましてお力をいただいた先生、数多く出ていただいておりますので、事務局の説明に至らない点が多々あると思いますので、適宜ご補足をいただければありがたいと思っております
【大聖委員長】 はい、どうもありがとうございました。
ただいまの資料4、資料5に基づくご説明に関して、ご質問なりご意見をいただきたいと思います。いかがでしょうか。粛々と進んでおりますけれども、後でまとめていただいても結構でありますが、どうでしょうか。
猿田先生。
【猿田委員】 意見ということではございません。資料4ですね。我々検討会、きょう先生方ご出席いただいておりますので、また補足していただいてもいいと思いますが。先ほども課長さんの方からご説明ございましたけども、我々ずっとこれをやってきまして、11年度に非常に変化があったわけですね、平成11年。それ以来、こうずっとやってきて、またその効果がどうかということで毎年検討してきたわけですが、その2ページの先ほどご説明のありましたグラフなどを見ていただきますと、資料4でございます。はっきりと低濃度の方に移行していると。左に移行していると。いわゆる高濃度の出現が減少しているということでそれなりに、全体で見てみますと、やはりNOxの規制、PMの規制、その効果がこれで把握できるのではないかということで、NOx・PM法の一応、まあ決してこれで満足できるというものではございませんけれども、今の時点でそれなりの成果があらわれているのではないかという評価を、検討会としてはですね。そういうことを行ってきたわけでございます。
【大聖委員長】 どうもありがとうございました。ご質問、ご意見ございませんでしょうか。
(なし)
【大聖委員長】 それでは、後でまた戻っていただいても結構ですので、次に、今後の自動車排出ガス総合対策のあり方に係る検討項目について、審議を進めてまいりたいと思います。事務局の方から、資料6と7に沿ってご説明をお願いしたいと思います。それでは、どうぞ。よろしくお願いします。
【岡部自動車環境対策課長】 それでは、ご説明を申し上げます。
お手元に一枚ものとしてその資料を配っております。資料6をご参照いただきたいと思います。
資料6のタイトルは、今後の自動車排出ガス総合対策のあり方に係る主な検討項目案ということで、事務局としてたたき台というか、その検討を今後小委員会で進めていただくに当たりまして、少しイメージを持っていただくことを主な目的として、仮のものとして仕立てたものでございます。
項目の構成につきましては、先ほど申し上げました、中環審の12年答申の構成なり論点、それから国が総量削減のための枠組みの設定として行っております、閣議決定を行った基本方針の構成なり論点と、こういったものを一応参考にはしております。
大気汚染の状況としまして、まず法律の目標にもかかわりますNO2、SPMの環境基準達成についてどのように考えるかという話、大気環境状況の中で少し問題があるとも思われる光化学オキシダントの状況など、今、大気汚染状況としてとっている指標について、そのほかの物質の関係などをどう評価するかという問題がございます。
2番目としまして、自動車排出ガス対策の実施状況と評価ということを書いてございます。まず、8都府県が策定された総量削減計画での削減目標達成状況、見通しについてどうかということでございます。それから、各種個別の施策、括弧の中にある単体対策の強化初め種々の対策があるわけですが、それぞれの個別の施策の実施状況をいかに評価するか。3番目としまして、事業者における自動車排出ガス抑制対策の実施状況をいかに評価するかと。施策効果の評価手法の整備状況はどうかと、このような形で仮に書かせていただいております。
3番目としまして、今後の自動車排出ガス総合対策のあり方というようなことを書かせていただいています。まず、今後の重点的な課題をどのように考えるか。総量削減に関する目標(達成水準、達成期間)をどうするか。対象物質、対策地域の範囲をどうするか。車種規制の対象(自動車、排出基準、猶予期間等)をどうするか。低公害車の普及促進をどのように進めるか。交通流の円滑化、交通量の抑制、道路構造や都市構造の改善等の対策をどうするか。使用過程車に係る排出ガス水準の設定等の使用過程車に係る総合的な対策についてどのように考えるか。エコドライブの普及をどのように進めるか。沿道等での対策効果の把握体制の整備をどのように進めるかと。
とりあえず以上書いておりますが、もちろんこの小委員会の中で今後の審議をする際に、この論点に限定するという趣旨ではなくて、例示としてこんなことがあり得るかなということを、事務局として仮に考えたものとしてご覧いただければいいと思います。このほかに落ちている点とか、より重点を置くべき点とか、これはもう終わっているではないか等々、自由にご議論いただく材料として使っていただければ幸いと思っております。
資料7につきましては、今申し上げました検討項目案に関係する参考資料をとりあえず、これまた少し大部になってしまいましたが、まとめております。個別に説明するのはちょっと時間的関係で難しいので、ざっと駆け足で申し上げます。
1ページにありますのは、自動車NOx・PM法の中間点検に関する参照条文等ということで、平成12年答申の話を先ほど申し上げましたが、計画期間の中間で達成状況を点検することが必要であるということ。
2ページ、3ページには、法令、基本方針、それから関連する国会の議事の抜き刷りを書かせていただいています。3ページの下のブロックなどを見ると、17年度を政策評価の年としたいという、環境省としての答弁をさせていただいている内容なども書かせていただいております。
4ページ、5ページ、これは窒素酸化物、浮遊粒子状物質の中で、いわゆる自動車発生のものがどの程度あるかと。関東地域、関西地域で若干数字は異なりますが、大まかに言うと、NO2を例にとれば一般的な自動車で4割前後、それから特殊自動車を加えますと過半数が自動車寄与というような状況かと思います。5ページ、浮遊粒子状物質の発生源別寄与濃度割合で言うと、これは一次粒子、二次粒子ございますが、一般局で見ますと3割弱が自動車、自排局の平均で見ると5割前後が自動車と、こういうことかと思います。
6ページ、7ページ、8ページは、これは単体規制として逐次規制強化が図られてきているということを年表的に、あるいは経年的な事実関係をまとめております。少し見にくいかもわかりません。例えば6ページの平成17年度を見ますと、17年度にガソリン、ディーゼルともに新長期規制が始まるということ。さらに、平成21年に09年規制を予定しているということなどが、最近の状況としてはこの年表の下の方に書かれております。具体的な許容限度値の経緯というのを7ページ、8ページに、これはガソリン・LPGとディーゼルというエンジンの別、それから乗用車、トラック、バスなど車種別に記載しております。昭和48年から平成19年に至るまで、矢印が書いてあるのは左側の規制値に同じであるという意味でございます。
自動車NOx・PM法の概要が9ページにあります。先ほど来の説明と重なりますが、1、2、3、4が法律の仕組みとして書かれている話。あと、使用可能期限としての自動車の分布状況。あと、その削減目標の状況等をまとめて書いております。
10ページ、11ページはその対策地域の範囲についてでございます。
12ページ、車種規制の対象、それから車種規制の規制値であります。12ページの下の型式の識別番号による排出基準の割合、非適合の割合ということで、例えば3.5トン超のディーゼルトラックで言うと、平成10年規制適合車はオーケーで、それ以後はオーケーで、平成6年規制適合車等は車種規制の基準を満たしていないというような形でございます。猶予期間を設けております。それについて、初度登録の年月日に応じた使用可能の最終日が設定されている仕組みでございます。
14ページは、排出基準の適合率の推移でございます。
15ページ、NOx・PM対策の低減装置の性能評価制度についての資料でございます。
16ページは、国の自動車NOx・PM法と都府県の条例の比較でございます。
17ページから、低公害車開発普及アクションプラン、平成13年7月に3省庁で取りまとめたもので、以後、低公害車に関する普及助成措置はこれを基本として取組を進めています。
23ページに低公害車の普及状況について、16年度末で968万台まで来ているというデータを載せております。その後、少し25ページ、26ページ、27ページなどに低排出ガス区分別の低排出車の保有台数等のデータをつけさせていただいております。
28ページ、29ページ、低排出ガス車認定制度について、それから自動車燃費の性能評価・公表制度について、今、行われている仕組みについての資料でございます。
30ページ、自動車関係税制の特別措置。31ページは同じく補助金の支援措置でございます。
32ページは財政投融資でございます。
33ページ以降、貨物輸送量の関連指標について、若干の統計データを出させていただいております。38ページに地域間貨物輸送量の割合でございますとか、車種別、車両重量区分別の保有台数割合の推移などのデータをつけてございます。
46ページに乗用車走行量の推移(8都府県、対策地域)。47ページ、地域間旅客輸送量の推移でございます。48ページも同じです。
49ページ、交通量等の取組に関連しまして、今、環境省が国土交通省と進めています、地域におけるESTモデル事業についての説明資料。
50ページ、51ページは、いわゆるロンドンでのロードプライシングについての現状説明の資料でございます。
52ページ、53ページは、欧米、我が国におけるトランジットモールの取組について。54ページ、先進諸国における自動車利用の推移でございます。
55ページ、重なりますが、平均旅行速度の推移。56ページ、57ページ、これは警視庁のデータによります交通渋滞状況。58ページ、プロファイル信号制御についての説明。59ページは本当にさわりだけになりますが、JCAP沿道モデルの構成についての説明でございます。
あとエコドライブについて、現在も啓発活動に取り組んでおります。60ページ、61ページはそのパンフレットのコピー。62ページにエコドライブ管理システムについての説明、その普及施策についての説明と。63ページ、同じく普及啓発としての低公害車フェアの、これは17年5月に行われましたときのプレス発表の資料でございます。
66ページ、全ト協さんのホームページからつくった省エネ運転マニュアルの内容。67ページ、「ノーカーデー」の取組状況。68ページ、アイドリング・ストップの条例化の状況。69ページ、局地汚染に関連した光触媒による大気浄化の技術実用化試験について。70ページ、同じく局地の問題であるところの松原橋、それから71ページは大和町における取組の状況。72ページ、環境省とは別に国土交通省道路局サイドにおいて常時観測局が置かれておりますが、それによります環境基準の達成状況。73ページは民間の関連する取組として、ISOにおける自動車排出ガス対策の位置づけについて。74、75も同様。76ページは、国土交通省で推進されておりますグリーン経営認証制度について。
あとは個別の企業の先進的な取組の事例として、松下電器、ヤマト運輸、佐川急便、伊藤園の取組について、これまた参考までに、とりあえずイメージを持っていただくような材料も含めて、取り急ぎ取りまとめたものを参考資料としてつけております。
以上でございます。
【大聖委員長】 はい、ありがとうございました。ただいまのご説明に対してご意見。どうぞ。
【浅野委員】 今後のというか主な検討項目案という、これが今の議題だろうと思うのですが、資料の6の構成がちょっと気になるんですね。まず、法律はどういうことを言っているのかということから、もう一回よく事務局は整理をしてくれなければ困るんじゃないですか。つまり法律は自動車排出、これについての環境基準が達成できるかどうかと様子をちゃんと見て、それでどうするかと。「必要な措置を講ずる」ということが書かれているわけです。それから、さらに附帯決議では、施策の進行管理についてしっかりやって、必要な場合には法改正を含めた対策の見直しを行えと。これは法律の法文には書いていないけれども、国会決議ではそこまで出ているわけですね。だから、これについてどうするかということを整理をするのがまず第一ですね。その上で、さらにその答えの結果によってはどういうふうにしなければいけないとか、あるいは法律を変えないでこれを運用面でこういう点を改善しなければいけないならこういうものがあると。
とりあえず、まずNOx・PM法に則してどうするかということをちゃんと整理をして、それからさらに今後それを越えてやるべきことはこういうことだということがあるわけですよ。親委員会の方でというか、部会で決めていることについてが、書き方がそもそもあいまいではあるわけですけども、確かに今後の自動車排出ガス総合対策のあり方についての検討というふうになっていますから、これは法律や国会決議が要求していることを越えて、さらに追加的にこういうことを提言できるというのでそれもやりましょうと、こういうことですね。二つのミッションがあるのにそれがごちゃごちゃになっちゃって、何かこう、いきなり総合対策のあり方についてという、部会で決めたことの後半部分だけが出ている。これでは議論が散漫になってしまうんじゃないですか。
だから、検討項目案をつくるときのつくり方が間違っていると思います。もっとちゃんときちっとやらなければいけないこと。我々は17年に何をやれと言われているかと、はっきり決まっているわけですから、それをやらなきゃいけないんですね。そうすると、例えば大気汚染の状況、それから実施状況と評価というところがあるわけですが、この次の今後の自動車排出ガス総合対策のあり方というところが、これがその二つのことがごちゃごちゃになって出ているわけですよ。そこが問題ではないかと思います。
2のところで評価をして、その評価が3のところできちっと全部対応関係が出ていないですね。これがまず整理がものすごく悪いと思います。特に事業者における実施状況をいかに評価するかというのがあって、じゃあそれで評価の結果がどうなるんだということが総合対策のあり方のところに出てこなければいけないですね。法律は、実施状況報告を出さないものには20万円以下の罰金ということまで決めているのに、この報告を見ると48%しか出していないところがあるわけですね。ということは、要するにこれを法定受託事務としてやっている自治体はさぼっているということになります。つまり罰金を払ってでもちゃんと報告を出さなきゃいけないのに、やっていないわけですよ。52%は全く知らん振りをしても、それでおとがめなしということです。法改正以前に法の確実な実施ということが必要ではないかというようなことぐらいは、もうごちゃごちゃ言わなくても30秒でお答えが出るわけですね。きょうの報告を聞けば、もう大体僕はアウトプットのかなりの部分はできちゃったという気がするのですよ。そのことをやっぱりまずきちっと押さえておかなければいけない。しかし、自治体のアンケートなどを見ると、今のポイントについて言うと、こういう点がいろいろ制度上問題があるとか難しいとか、というようなのがいろいろ出ていますから、そこをどう改めるか。運用面で改められるなら運用で改める、法改正まで思い切ってやらなければいけないなら法改正もしましょうと、そういう具体の討議をした上で、それで、さてそれ以上にじゃあどうしましょうと、こういうお話になるのではないですかね。ですから、ちょっとこれはもう一回検討項目を整理し直していただかないと、このままで議論していったら、最後の報告書もわけのわからん報告書になるのではないかと心配いたします。
それからもう一点は、そもそも論の話をするとすれば、将来の話をするとすれば、これまでの自動車排出ガス対策は、基本的に原単位対策をやってきているわけですよ。つまり1台の車から出る量はこれでいきましょう。このNOx・PM法についても、基本的には車種規制という形で原単位規制をやっているわけですね。東京都や何かがやっている条例も基本的にはそれに近いわけで、要するに何かの装置をつけて減らしてくださいねとか言っているわけですけども、それで十分だという結論が出ればそれでいいし、今、環境基準が達成できていないが、22年には達成できるだろうとか、あるいは22年には目標達成できるだろうというんで、これでいいならこれでいいわけですが、しかし、将来どういう状態が起こるかわかりませんから、ひょっとするともう一つの考え方として、活動量ということについても目をとめなければいけないのではないか。我々は今までそれを人流・物流の合理化という形でしか議論してきていないのですけども、もっと一歩進めて活動量ということをどうとらえるんだというような議論がもう一つこの先にあるかもしれない。そこはいろいろ抵抗もあるだろうけども、議論をする必要があるなら議論をするというようなことになるのではないかと。ステップが2ステップだと思うのですが、その辺のところをもう一度よく事務局で整理していただいた方がいいと思います。
【大聖委員長】 はい。ご指摘のとおりだと思いますけれども、我々、自動車NOx・PM法とか総合対策の背景にある共通認識というのは皆さん持っているという前提で議論していますので、それは先生のご指摘というのはごもっともなのですが、今のご指摘に対して何かご意見があればと思います。我々、そういうつもりで参加しております。
その中で、こういった項目が今、挙げられておりますけれども、その法律の目標を達成するのに必要な項目、これが全部満たされているかどうかということについても、ちょっとこの際議論していただきたいと思います。いかがでしょうか。
【浅野委員】 重ねて発言して申しわけないのですが、部会でも申し上げましたけども、要するに原単位対策というところを突き抜けることができるシーズはどこにあるかというと、事業者の計画提出と実施状況報告というところなのですね。そこで何をするかは何も書いていないのは、これがみそなのですよ。つまりそこでかなり自由度を持って、それぞれの環境管理主体がやれることをやれるようにしておきましょうと。それで、どこまで迫れるかということをはっきりさせて、限界があるなら次は制度を変えると、こういう話になるわけで。そのシーズをまいているのにそれが利用されていないか、あるいは実際利用しているところもあるだろうと思いますから、その辺の実態を既に検討会では調べておられて、効果が上がっているというところと上がっていないというところがあるわけですから、そのでこぼこをどうするかというようなところは、かなり重点的に議論する必要があるのではないか。
それから、もう一つの視点として、これはこの先の話として考えておかなければいけない。実は資料7に出ている資料はよくできている資料だと思うのですよ。これだけの資料を集めて出しておられるのに、それの意味づけが全然この資料6に反映されていないという気もするんですが。つまり、今の我が国の環境政策の中で非常に重要な問題は、NOx・PMという観点から自動車排出ガスをとらえるということは、同時にまた温室効果ガス対策にもつながっていくのだということですよね。それは非常に大きな環境省としても、あるいは国全体としても関心を持たなきゃいけない課題であるわけで、それに対する答えがここで出せるというきっかけがあるわけです。
そうすると、やっぱり一つの施策が複数の効果を持つという、そのことが十分実現できるわけですから、それも含めて考えるということができやしないかなと。つまり、その自動車排出ガス総合対策がそのまま温室効果ガス対策にもつながっていくんだという認識が資料7には見えるんですが、資料6では見えてこない。ちょっとこれは問題だという気がしますね。でも、これは今、大聖委員長がおっしゃったこととはちょっと外れますので、とりあえず委員長がおっしゃったことのご意見とかご質問との関連で言うなら、私は事業者がどれだけのことをやってくれているか、どういう対策を講じているかというところを明らかにする、これが大事な仕事ではないかと思っています。
【大聖委員長】 そうですね。私どもレビューしておりますけれども、結局その点が一番やはり事務的にも非常に取り扱いにくい。法律の目指す実現可能性としては、非常に弱い点ではないかなというふうに我々認識しております。これは、昔は50台だったのが今は30台ぐらいの保有ということですが、まだ裾野は広いわけですね。そういったことも含めた議論が今後行われるというふうに理解しております。
いかがでしょうか。非常に有益なご意見をいただいておりますが、特に私ども思いますのは、やはり今、先生がおっしゃったような車一台一台の対策ですね。それから、それの車種を転換することによる効果、これと同時に、やはり車の利用のあり方に対してどの程度我々踏み込めるかというのが、このNOx・PM法の一つの大きなポイントではないかなというふうに思いますので、そういう物流ですとか交通対策、あるいは都市の交通のあり方のようなことに関しても、いろいろとお詳しい先生方もおられますので、ぜひこの際、そういった点についても何かご意見をいただければ大変ありがたいと思っております。
鹿島先生、いかがですか。あるいは石田先生。
【鹿島委員】 せっかくの機会ですから、先ほど議論がありました事業者の管理についてなのですが、これは問題を挙げれば切りがないのでしょうけども、私、一つは努力を適切に反映するようなその仕組みがない、不十分だということがあると思うんですね。第一は、例えば先ほどの浅野先生のにちょっと乗せていただくと、優しい運転あるいは安全な運転をすると、実はそれはNOxとかPMは、走行量とかあるいは台キロとか、輸送量は同じでも実は多分、排出量は落ちてきているわけですけども、そういうことが実は計画の中にはなかなか書けないという、これは要するに低公害車を入れたとかですね、あるいはさっきおっしゃったように、総量を減らしたとかと、こういうのは削減になるのですけど、なかなかそういう何ていうのでしょうかね、人間の特に属するようなところについてはなかなか評価のしようがないというところがあります。
それからもう一点は、先ほど、これも浅野先生がご指摘になっていたことと近いのですけども、先ほどご紹介があったように、グリーン経営とかあるいはその他の幾つかの施策があるわけですけども、これがやっぱりみんなそれぞれいろんな計画を求める、こういう面があって、求められる事業者としては多分大変なのだろうなという、その辺の調整というのかあるいは工夫というのか、そういうところがやっぱり、とりあえずこういう検討会に参加させていただいて、資料を見せていただいた範囲で私の感じたところでございます。
また、交通量対策については石田さんの方が詳しいので、そちらにお任せしたいと思いますけど。以上でございます。
【石田委員】 せっかくでございますので、ちょっと発言させていただきたいと思います。
資料6の実施状況と評価という2番目の大きな項目がございまして、各種施策の実施状況をいかに評価するか、あるいは排出ガス抑制対策の実施状況をいかに評価するかと。これ大変大事なことだとは思うのですけれども、何ていうのでしょう。これどちらかというとインプットの評価でございますよね。ところが、浅野先生がご指摘されましたように、法自体は非常に明確にアウトカムの指標を持っているわけですね。それとの関係をどのように考えていくか。それぞれのコントリビューションをどう計測するかというところが、この2の一番最後の施策効果の評価手法の整備状況はどうかと。そういう問題意識があられるので、多分持っておられるので整備状況という言葉を使われていると思うのですけれども、これ、なかなか厳しい状況だと思うのですね。インプットからアウトカムまでにいろんな複雑なメカニズムがあって、そこのところを今できる範囲で論理的、かつ合理的な最善の知識でもって道路軸を構築していくかというのは極めて重要で、そのことが重要かなというふうに思いました。私自身、こうしたらいいというアイデアを持ち合わせているわけではありませんけれども、ディスカッションに参加をできればなというふうに思っております。
それと、あと交通量とかの対策で、今ご説明いただいた中でちょっと入っておらないことを2点ばかり申し上げたいと思いますけれども、今、交通政策の分野でモビリティーマネジメントということが非常に注目されておりまして、今までは交差点の改良とかバイパスの整備とかという、そういうハード対策が主だったのですけれとも、ちょっとどこまでやっても余り問題が本質的に改善できないと。長期的に見た場合に特に。短期的、かつ局所的には改善されるのですけれども、なかなか混雑だってなくならないし、環境は徐々にではありますけれども、改善しているようではありますけども、なかなかドラスチックな改善ができない。こういう世の中でありますので、もっと市民の直接的な心に訴えようという政策で、例えば、あなたの今日の交通行動を詳細に調査しまして、CO2をどれだけ出していますよとか、あるいはここを歩いているとケーキ1個分ぐらいのカロリー消費が助かりました、それはあなたの健康にもいいですよとかですね、そういう手を変え品を変えやった例が日本国内でもあります。
残念ながら、日本国内では大規模にやった例はないのですけども、オーストラリアでは非常に大規模にやっている例もごさいまして、それで自動車の使用量が10%ぐらい減った。しかもそれが相当長期にわたって継続をしているという、そういうこともありますので、それは汚染物質もCO2もともに減らすという、アクティビティーを減らすという、非常に賢い自動車の使い方を追求しようという、そういう試みでありますので、その辺が一つキーポイントかなということと。
もう一つ、あと、これは鹿島先生の発言とも関連するのですが、同一車種でありましても、整備状況とかちょっとしたアクセルワークで随分違ってきておりますよね。これ、濃度の計測結果が国立環境研究所とかJCAPの方であって、それを見ただけなんですけれども、どうもその辺を考えますと、ターゲットをどう絞るかというところがちょっと違ってくる可能性もあるんじゃないかなというふうに個人的には思っております。だから、車種規制によるマクロな効果と、もうちょっとピンポイントなターゲットを選定するということも今後必要なのかなというふうに感じておりますので、ご検討いただければなと思います。
以上です。
【大聖委員長】 はい、ありがとうございます。杉山先生、いかがですか。よろしくお願いいたします。
【杉山委員】 私はまだ状況を十分理解していないんですけれども、総合対策ということであれば、その対策に要した費用をどう負担するのかというのが、私どもの研究の中では当然出てくるわけです。こと物流の世界ですと、この間、国土交通大臣が日本経団連に費用負担に協力してくれという申し入れがされたと。これはまさにその市場が完全でないということを物語っているわけです。市場が完全であれば、これは個々の利用者に対策にかかった費用の負担というのは行き渡るのですけれども、現実そうなっていない。この現実をどう考えたらいいのか。例えばその対策に要するコストが100%利用者に負担された場合、それから、極端なケースとして半分しか負担されなかった、またさらに極端なケースとして全く負担されなかったと。そうした場合に効果がどうなるのかというようなことをやっておかないと、何かこう現実的な分析とはほど遠いものになってしまうのではないのかなというのが私は気にかかるんですけれども。ただ、この限られた期間の中でそれをやれるかどうかというのは、また別の話になるかと思います。
ですから、シミュレーションをやるときに、ごく単純なケースですね。ゼロ、50、100ぐらいの、そんなシミュレーションがやれれば、また議論の幅がふえてくるのではないかと、そんな感じがしております。
【大聖委員長】 なかなか難しい論点が展開されていると思います。今、先生のご指摘の点は、やはり汚染者負担の原則というものは一方でありますね。それから、やっぱりエクスタナリティーといいますか、外部費用としての社会的な費用が外へ出ていって、内部負担されていない、内部化されていないという面ですね。それをどこで調整するのかというような、そういう課題に到着するのではないかというふうに思いますね。
【杉山委員】 私の理解が一方的なのかもしれませんけれども、例えば自動車税なんかは税収中立ということをやっていますよね。あれは本来であれば汚染車の出した費用を、これは市場で負担しなければいけない。今、大聖先生が言われた社会的費用を内部化するというのが本来であろうと私は理解しているのです。ところが、実際にその社会的費用とは何ぞやという定義も複数ありますし、また、それを計測するためのデータがない。ならば費用ではなくして税でやろうと。税も抵抗の少ない、やりやすいという点から税収中立と、このような方策をとられたのではないだろうかなと。ですから、例えばその税収中立などといのは一つの便法であって、本来の外部性に対する対応策じゃないのではないかと、そんな感じがしております。これは私の一方的な理解かもしれませんけれども。
【大聖委員長】 ありがとうございます。ほかにいかがでしょうか。はい、どうぞ、横山委員。
【横山委員】 光化学オキシダントについてですけども、これについては排出されたハイドロカーボンとかですね、そういうものの光化学反応による合成もありますけども、もっと広い範囲から流れてくるという影響が報告されているわけなので、それについて、少なくともどれぐらいの割合で大陸間でやりとりがされているのかというようなことを、目安をつくっていただければ評価ができると思うのですけれども、そういうことにもちょっと目をつけられた方がいいなと思っています。
【大聖委員長】 ご指摘のとおりだと思います。私どもJCAPというものが今第2ステージとして進んでおりますけれども、あの中でトランスバンダリーな汚染の調査というのも進んでおります。中国大陸あるいはそちらの方からのエミッションが、特に日本海側あたりに影響しているというような報告事例があります。そういったものもやはり注目していくべきではないかなと思っております。ただ、それがこういった大都市の大気汚染にどの程度影響しているかというのは、ちょっとまだもう少し検討が必要ではないかなと思っております。
それから、もう一つは先ほど石田先生が言われた、やはり使用過程車の中でかなり対策の装置の不具合で、1台でそれこそ100台分ぐらい出してしまう車が実はありまして、これはハイエミッターと我々言っておりますけども、調査によるとそういうものがぽつぽつございますね。ですから、そういうものを対策していくということが一つは効果があるということも指摘されております。これもJCAPなどでの調査から指摘されているところであります。そういったものもやはり私ども、対策の中に織り込んでいく必要があるのではないかなと思っております。それに対しては、今後出てくる車ですね。そういう不具合などもちゃんと自分で診断しながら、ちゃんとそれを明示するようなシステムが出てきておりますのでそれは大丈夫なのですが、特に古い車ですね。そういったものがそういった問題を生じているということがわかってきております。そういったことも私どもの論点にしたいと思っております。
【浅野委員】 今の光化学オキシダントの問題で、事務局にお伺いしたい。VOCの規制をするときに、自動車の方はまあうまくいっているのだけど、それでもだめなのはVOCですよといってVOC規制をやったわけね。だから、そのときのお話をそのままもしここに持ち込むとすると、また改めて光化学オキシダント、自動車犯人説みたいな話をすると、何となく審議会と矛盾することを言っているということになってしまうのだけれども。どちらにしろ状況がどうであるかとか、光化学オキシダントをどうとらえるのかということは、もう一回きちっと今まで言ってきたこととの関連もつけながら整理をする必要はあると思うのですけれども。検討会も光化学オキシダントの検討は特にしておられないから。やったの。
【猿田委員】 一応達成率だけ見ただけであって、その因果関係とかそういうところまではみていない。
【浅野委員】 確かに、この問題は指定地域外のところの問題に対する原因ということがありそうなのでね。だから、VOCはともかく動き始めたので、もう一回全部VOCができて、それで自動車の方もやって、総合的にどうなるんでしょうねという整理はやるべき時期には来ているでしょうからね。だから、それはそういう意味でやる必要がありますけど、向こうで言ったこととこっちで言うことが違うというのはまずいので、同じ部会なのですからつじつまを合わせておいてもらわないとまずい。
【大聖委員長】 はい、坂本先生、ご意見がおありになるようですから、どうぞ。
【坂本委員】 今、VOCについてお話したいと思うのですが。まず、先ほど出た資料の中で、環境省の環境基準達成率と国交省ですか、それぞれ違う。ある意味では全体として評価軸が一つにきちっとなっていないといけないので、かつ施策をやった場合に、これが実行されていった場合にはこういう変化が出るはずだというような形での施策効果を判断し得るモニタリングなり測定なり、そういったものがきちんと今後いろんな施策を打った場合にやっていかないと、最終的にはまた新たな施策を打ったとしても、どの部分がどれだけ効いて濃度が下がったかという判断ができないわけです。
先ほど来、いろいろお話があった単体規制というかそういうものと、それから今後の交通量をどうするかというような話になった場合には、ましてやそういう仕組みがきちんと入っていないと今後の施策効果というものが判断できなくて、そういう仕組みを非常に真剣に考える必要があるのではないかなという気が、この2番の自動車排出ガス対策の実施状況と評価、施策効果の評価手法の整備状況はどうかというところで考えていく必要があるのかなという気がいたします。
光化学オキシダントについて少し申し上げますと、おっしゃられるように、光化学オキシダントの場合にはどこから出たVOCであろうが、NOxであろうが構わないわけですから、そういった可能性はあるわけですけども、全体として都市部の汚染に対してどう効いているかとか、寄与率的な考え方で、いわば外国の影響がどれだけあるとかですね、成層圏の影響がどれだけあるというようなことを考えて判断すべきだというふうに思います。
その場合には、当然それを判断するためのデータが必要である。きょう光化学オキシダントではなくてSPMの基準達成率が数年前に比べて著しくよくなって、そして黄砂の関係のご指摘がございましたけれども、それではじゃあ黄砂と土壌とは組成がほとんど同じであって、そのためにはいわばトラジェクトリー解析をしたり、もしくは効果に特異なものがある程度そういったことがあった場合に振り返って分析をするなりして、そういう評価ができるような仕組みをその中に入れていくとか、そういったことをやっていかないと、相変わらず黄砂だろうとは言えるんですけども、まさにそれが黄砂ですよというためにはトラジェクトリーをやる。それから、その組成の中にある成分が非常に顕著にあるとかですね、そういったものを同時に見ていくような仕組みを何か考えていく必要があるというふうに思います。
【大聖委員長】 はい、ありがとうございました。ただいま、資料の6の中の主な検討項目ということで議論させていただいておりますけれども、これに関してさらに追加的なものがもしあればご提案を、ぜひこの際ですからやっていただきたいと思います。いかがでしょうか。どうぞ。
【鹿島委員】 提案の前に、こういうのをどういうふうに考えたらいいんでしょうかということなのですけども、すみません、私も参加させていただいた検討会の資料4の10ページ、これは現状の各都道府県ごとの達成率を書いているわけですが、ご覧になっていただくと、三重県というのはほん少しの地域ですから、いいと言えばいい、いいというのは言いにくいですけども、考えるのが難しいところなのですけど、ただ、典型的にあらわれていまして、県の計画でいくと非達成なのですが、既にもう環境基準は達成していると。
それから、先ほどありました資料、坂本先生は整合性がないというふうにおっしゃいましたけど、まあないというふうなことなのかもしれませんが、資料7の72ページに今度は国土交通省がおやりになられているのがあって、ここでもやっぱり三重県は100%という、そういう状況にあると。こういうことを、結果がよければいいじゃないかと、こういうふうに考えていくのか、それとも県の計画と、それからやっぱりその実際というのは実は少し問題があるのかもしれないという、こういうことで考えていくのか、いろいろというか、複数あるのかなと。というのは、私の承知している限りですと、それぞれの県がそれぞれの方式でおやりになられている。それはそれで、こういうものは自然科学というか、それに近いものと考えていけばそういうことなのかもしれませんが、これを一般の、なかなか整合的に説明するというのは、私自身は非常に難しいような気が一つしますというのが一つの点でございます。
それからついでに、余り発言するといけないかもしれませんので。いろんな施策の中に、少しこれから先のことというのも議論の材料になるんでしょうかと。個別の施策などはもう本当に事業なのかもしれませんけども、そういうものまで入るのか。例えばエコドライブなどいうのはまず入っているのですが、広い意味で考えればそういうところに入るのかもしれませんが、例えば私なんかが関係している中で言うと、カーシェアリングとか、あるいは貨物でいうと共同輸送ということなのかもしれませんけども、そういうようなことというのはどういうふうに考えていくのでしょうかと。一方は乗用車を対象にした新しいものだし、一方は貨物車を対象にしたすごく古い、かつてからずっとあるようなものという、こういうものも何かそういうところまで議論をしていくのでしょうかという。
それとも、まあ余り全体として達成、比較的いいので、先ほど議論にありましたようなハイエミッター車ですとか、あるいはもう一つ議論の中でちょっと細かい話かもしれませんが、規制地域外から流入してくる車の問題、これは必ず、多分規制にタイムラグがあると思うのですけど、そういうものについてどういうふうに考えていくかなんていうところぐらいまでなのか。そのあたりの議論の幅としては、どういうところがあるのでしょうかというところを教えていただけると、何か提案としてできるかなというふうに考えておりますけども。よろしくお願いいたします。
【浅野委員】 この目標達成状況のところは、部会でもちょっと議論になったところではあるわけですが、ちょっとやっぱり整理はしておいた方がいいのでしょうね。そもそも三重県に関して言うと鹿島先生おっしゃるとおりで、審議会では愛知県もターゲットにしたのですが、愛知県だけだとすぐ隣が三重県で、三重県からじゃんじゃん来られたらかなわんから、三重県も入れたらどうですかと言ったら、入れましょうということになったのですが、でも現実には三重県といったって四日市ぐらいまでなのですね。
ですから、そういう限界があるわけですから、それをまず踏まえておかなきゃいけないんだけど、本来、制度的には環境基準を達成することが目的で、固定と移動の分の割りつけをしておいて、固定はこのぐらいになるでしょうから移動でこれだけ下げたらうまくいきますといってこういう計算をして、それで移動の推計をやって、こんなものですといって目標値を決めているわけでしょう。そうすると、それが狂っているということは、その推計そのものが違っているということになるわけですから、であるならばもう一回推計をやり直す以外にないと。これに合わせて無理やりに環境基準が達成できているのに、この目標を達成させなければいけないものでもなかろうという気もするわけですね。
ただ問題は、平成17年は特別、22年にじゃあ本当に環境基準が100%いけるかどうかということは、固定分もよく見てやらなくちゃいけないのですが、その辺はきちっと見た上で、それで環境基準を達成するということが究極の目的であるならば、誤解のないように推計値についてはもう一回ちょっと見直してくださいというようなことを言っておけばいいのかもしれないと思いますね。
それから、達成するために立てたものについては、具体的にどこまで考えるかというのはまさに委員会の自由ですから、鹿島先生おっしゃるように、細かいことまで言って効果があるならそれをちゃんと提言すればいいわけだろうし、例示をしておいて、後は各指定地域の県がどうするかと選んでくれればいいんだといえば、それでもいいわけですよね。
【猿田委員】 今の浅野先生のにも関係してくる、今、三重県という話をしていましたよね。愛知・三重を確かにPM法の段階で入れましたよね、NOx・PMの段階で。ただ、三重県の範囲、対象地域というのは非常に狭いんですね。ですから、先ほど車種規制の実施と報告、検討会で報告した中でも先生方でも議論になったのですけども、これではいわゆる適合車が非適合車、もうすぐ一歩出ればその車両の方が多いわけですね。
ですから、それが中京圏にみんな流れ込んでしまう、その辺の問題。いわゆる地域特性といえば、その言葉でくくれるのかもしれませんけど、そういうあれが首都圏ですとかなり広い範囲ですから、車庫飛ばしもなかなか難しいわけですけども、三重県で車庫飛ばしをやっているという意味じゃなくて、範囲が狭いですから非適合車が非常に流入しやすい状況にあるわけですね。そういうものを今後どうしていくのかという問題も一つ、そういう対策ですね。車種規制の中でのそういう特定地域と、いわゆる非対象地域に対してのそういう指導をどうするかという問題。
それから、先ほど事業者のお話がございましたが、各自治体の方のご意見等を検討会の中でも聞いたのですが、やはりそれはまあ温度差がありますよね。その事業者に対する指導の問題とかいろいろあるわけで、罰金20万云々の問題じゃなくて、やはりそういうところもあるわけですから、今後そういうことに対しての、いわゆる一つの計画が、出すべきものを出さない、あるいは出した中での出してはいるけれども不十分だというような、後のフォローをしていないということで一度出したらそれっきりというような、いろんな課題がこう浮き彫りにはなってきたのですがね。ですから、そういうところで。
それと、この2の最後のところで施策効果の評価手法の整備と、こうございますよね。これなども、じゃあSPM減りました。どの辺で減ったのか。例えばディーゼル対策をやったためにかなり効果が上がっているだろうという推定を我々評価の中でしているわけですけども、じゃあ重量法でいけば、粒径の大きいものが下がるまで少し取れれば減っちゃうわけですね。じゃあナノ粒子はどうなっているのかとかですね。そういう問題も検討する中では話題になったのですが、今そういうモニタリングはされていないわけで、実験的な段階ですから、それは評価の対象になり得ないわけであって今後長い、今後の年月の中ではその辺の問題どうするかというのもまたあるのかなという感じはいたしますね。
【大聖委員長】 どうぞ、ご発言ください。
【中田委員】 何も言わないと何しに来たのかと思われるので、何か一言言わなければいけないのですが。実は今まで私、物流をやっていましたので、いろいろうるさいことを言われるからどのようにそれに対応するかという委員会は出たことがあるのですが、こういう委員会は初めてなものですから、ちょっとどういうふうなことを考えていいのかわからないところがあるのですが。
例えば、一つが低公害車の導入という個別の対応があって、もう一つがやはりTDMに代表されるような物の流れ、人の流れをどういうふうに調整するかという二つの方向があると思うのです。多分、今後の自動車排出ガス総合対策のあり方の中には、車の問題と流れの問題と両方をやっていくべきだろうと思うのです。
一つ非常に不思議に思うのは、昔から流れの方で物流屋さんがよく問題にしていた、例えばサンフランシスコのマーケットストリートの荷受けのシステムであるとかロンドンのオックスフォードストリートの納入自動車、商品搬入自動車の規制であるとか、それからダラスの地下の物を扱うケースであるとか。それから、パリはランジスを中心としました環状線がありますね。ああいう話というのは、余りこの環境問題のときには取り上げられないんですよね。物流の効率化の中では出てくるんです。
これはこの間の物流学会でシンポジウムをやったときに、パネリストになっている企業の方が言われていたのですが、環境対応というのは効率化であると。効率化をやらない環境対応というのはあり得ないだろうと。つまり個別の企業で言えば、例えばロスを少なくすれば当然省資源になって、自分のところもコストが安くなる。それから、エコドライブをすれば当然車の運行費は安くなるから、自分のところのメリットは大きいと。そういうふうな形に持っていかなきゃいけないという話をして、私も全くそのとおりだと思ったのです。
これなんか見ていきますと、やはりそういうケースを幾つか考えてみたいなというふうに思いますよね。これは交通をやる人というのはいつも、国土交通省であるとか前の経済企画庁なんかで議論になったのですが、交通改善をやろうというと、必ず人の、何ていうのですか、動きを他の公共輸送機関に変える。つまり流れを、モードを変えるというのが基本になるのですが、物流ではモードを変えるということは不可能ですから、100%自動車で動いているわけで、しかも大きい自動車にするということができない以上、何らかの形でモードを変えるんではなくて、流れの形態を変えるのか、やり方を変えるのかという方策が出てこなければ最終的な解決にはならないような気がします。それをやはり取り上げていきたい。
そうすると、今度はその上にある目的にかかわるものも少しずつまた変わるかなというふうにも思っているのですが、トランジットモールでもロンドンの混雑課徴金制度もおもしろいのですけども、これと同じような物の流れ、もっとも物の流れが少し緩くなると、必ず人の流れの交通が出てきますから同じことだとは思いますけども、それはそれぞれの個別の車の問題ということでもいいだろうという気はいたしますが、そういうような部分を少し考えてみたいなと思います。
【大聖委員長】 はい、ありがとうございます。
ただいまいろいろご意見いただきましたけれども、かなり資料6の中に含まれる課題が多いというふうに我々理解しております。そういうことで今、挙げていただいたご指摘を踏まえながらそれに取り組んでいきたいというふうに思っておりますので、そういう共通認識で進めさせていただければと思います。
ただ、私の実感としては、いろんな施策がありますけれども、やはりモデル化しにくい、あるいは定量化しにくい、あるいはパラメーターが多過ぎてそれを抽出してこうだという定量的な議論ができない施策というのが本当にたくさんございます。ですから、それに一々かかずらっておりますと先へ進まないという面がありますので、現在得られる知見を我々集約しながら結論に導くような、そういうスタイルでいきたいと思っております。一つのことに余り拘泥しても、この5年ぐらいが勝負ですのでなかなか先に進まないだろうと思いますので、そういった現実的な考えもぜひ基礎に置いていただきたいというふうに実感しております。
それでは、その次に資料8、9に沿いまして事務局の方からご説明いただいて、終わりの方へまいりたいと思っております。どうぞよろしくお願いいたします。
【岡部自動車環境対策課長】 それでは、ご説明をさせていただきます。
資料8をお開きいただきたいと思います。資料8は、当小委員会の今後のスケジュール案について、第7回までの予定を置かさせていただいてございます。本日、ただいま種々先生方からご示唆いただきました検討項目をめぐる議論をいただいたところでございます。
次回、10月25日、それから第3回の10月27日、実際にNOx・PM施策を進める上で、総量削減計画の策定権者であるところの都府県、それからその関係者としての環境NGO、それから産業界、具体的に日本経団連さんにするか、今調整中ですが、産業界。あとはトラック・バスの規制、ディーゼル関係を中心に影響が大分出ているということがございますので、その事業者団体からのヒアリングを予定してございます。時間の関係上、このほかの団体からも聞くべきであるということがあれば、なかなか小委員会の日程に盛り込むことは難しいかもわかりませんが、事務局として必要なヒアリングをするために出向くなりすることは全く労をいとわぬ考えでございますので、そういう点からもしご指摘がございましたら、本日または後日いただきたいと思っております。
その後、その関係者のヒアリングを踏まえて、第5回に今回の小委員会の報告書の方向性についてと、第6回、第7回、このあり方についてでございますが、内容としては小委員会報告をまとめる審議になるのかなという形での想定をしてございます。これを踏まえまして、予定どおり第7回でまとまれば、それを直近の大気環境部会にご報告を申し上げまして、そこでどのような取り扱いにしていただくかということを大気環境部会としてご審議いただくような運びを考えてございます。
続きまして、資料9につきましてご説明を申し上げます。資料9は、今申し上げたスケジュールの中でも説明を若干いたしましたが、ヒアリングの実施についてということでございます。今、対象者として考えてございますのが、関係8都府県、それから、運送事業者団体として社団法人全日本トラック協会、社団法人日本バス協会、それから今、実際にヒアリング先をどうするか、経済産業省さんに少し推薦をお願いしておりますが、産業界からのお話、あと最後に環境NGOとしまして財団法人公害地域再生センター、全国公害患者の会連合会ということで、環境省が種々の政策について、環境NGOとしてご意見を聞くときによくご協力をいただく2団体をピックアップしてございます。
総体として、かなり広い施策の実施状況なり今後の課題についてというようなことを中心にヒアリング項目に挙げておりますが、対象者の問題意識なりご関心に応じて、そこは当然内容についてどういうところが重点になる、ならないということはヒアリングの対象団体の方々に基本的におゆだねをしながら、この小委員会の審議となるようなお話をいただきたいと思っております。
以上でございます。
【大聖委員長】 ありがとうございました。これで、本日の審議終了というふうにさせていただきたいと思います。どうぞ。何か。
【浅野委員】 日程を先に決められているので、ほとんど出られないんですよね、実は。しようがないと思いますけど、せめて7回の開始時間を30分遅らせてもらえれば7回目も可能なのですが。
【大聖委員長】 それが、忠ならんとすれば孝ならずでございまして、いろいろほかの委員の方々との時間の調整もありまして、なるべくそれは今後、もう少し委員間で調整させていただきますけれども、基本的にはこの予定でと思っておりますが。
【浅野委員】 それだと1時間ぐらいしか顔出せないんですよね。まあいいです。しようがありません。ただ、最後のまとめのあたりはあれですから、ちょっと少し考えて。
【大聖委員長】 事務局の方でそういう調整をもう少し詰めていただければと思います。
それで、私、最初にあいさつで皆さんのご協力をいただきたいというお願いをなすべきところでありましたが、最後にもう一度重ねて、委員の皆様方のご協力を今後ともよろしくお願いしたいと思っております。
それでは、どうもありがとうございました。本日は、これで終了とさせていただきます。
【岡部自動車環境対策課長】 すみません。事務局から若干連絡事項だけ、よろしいでしょうか。
次回の小委員会は、今も申し上げました10月25日の火曜日、14時から16時まで、場所は経済産業省別館の会議室で行う予定でございます。詳細については改めてご案内を申し上げますが、ご出席をいただきますよう、よろしくお願いいたします。
また、本日いただいた意見以外の追加のご意見、ご質問を、随時メール、電話等でご連絡いただきたいと思います。
また、次回以降、なかなか出席が毎回難しい先生方も多いと思いますので、事務局からお伺いするなりして、いろいろとご知見をいただく機会を設けてまいりたいと思いますので、よろしくお願い申し上げます。
以上でございます。