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中央環境審議会大気環境部会
揮発性有機化合物排出抑制専門委員会(第17回)
会議録


1.日時

平成24年10月11日(木)10:02~11:15

2.場所

環境省第1会議室

3.出席者
(委員長)
岩崎 好陽
(委員)
井上 祥治 浦野 紘平
岡崎  誠 桐明 公男
小林 悦夫 千本 雅士
土井 潤一 中杉 修身
奈良 恒雄 二瓶  啓
早瀬 隆司 福山  二
森田 育男
(環境省)
小林水・大気環境局長
加藤総務課長
大森大気環境課長
倉谷大気環境課補佐
栗林大気環境課補佐
後藤大気環境課補佐
村井大気環境課係長
山口大気環境課係員
4.議題
(1)
揮発性有機化合物排出抑制専門委員会報告書(案)について
(2)
その他

5.配付資料
 中央環境審議会大気環境部会揮発性有機化合物排出抑制専門委員会名簿
資料1揮発性有機化合物排出抑制専門委員会等における委員意見等
資料2-1揮発性有機化合物排出抑制専門委員会報告書(案)(見え消し版)
資料2-2揮発性有機化合物排出抑制専門委員会報告書(案)(反映版)
参考資料1光化学オキシダント及び微小粒子状物質(PM2.5)等の総合的な対策の推進
参考資料2大気汚染防止法の一部を改正する法律の施行について(通知)
(平成17年6月17日付け環管大発第050617001号)
参考資料3揮発性有機化合物(VOC)の排出抑制のあり方について(意見具申)
(平成16年2月3日中央環境審議会)

6.議事


【村井大気環境課係長】 それでは、定刻になりましたので、ただいまから中央環境審議会大気環境部会揮発性有機化合物排出抑制専門委員会の第17回会合を開催いたします。
 委員の皆様におかれましては、本日はお忙しい中をお集まりいただきまして、誠にありがとうございます。私、本日の委員会の司会を務めさせていただきます、環境省大気環境課の村井です。どうぞよろしくお願いいたします。
 本日は、法政大学の後藤委員、日本自動車工業会の細目委員からご欠席とのご連絡を受けております。
 また、本日の出席の状況でございますが、委員17名中、寺田委員は、まだお見えになっておりませんので、現在、14名の方がご出席となっております。
 定足数であります過半数に達しておりますので、本委員会は成立していることをご報告させていただきます。
 それでは、委員会の開催について、小林水・大気環境局長よりご挨拶をお願いいたします。

【小林水・大気環境局長】 おはようございます。水・大気環境局長の小林でございます。本日も、大変ご多忙の中を諸先生方にはお集まりをいただきまして、誠にありがとうございます。
 この専門委員会でございますが、去る4月20日に今後の揮発性有機化合物の排出抑制対策のあり方についてということで諮問させていただきまして、以来、大変濃密な議論を重ねていただきましてありがとうございます。
 大気環境行政もいろんな課題に従来から対応してきておりますが、このVOCのように、さまざまな物質をひとまとめにした形で、しかも、その規制と、それから業界の皆様方の自主取組というものを組み合わせてやるという、大変新しい方式の規制抑制対策のあり方でありまして、環境行政全般から見ても、非常に注目されるべきものだということで関心を集めておりましたが、これまでのご検討の中で大変大きな成果を上げまして、目標を大きく上回った達成をいただいているということでございます。これも、制度創設以来ご尽力いただきました岩崎委員長を初め、この委員会の先生方のご尽力のお陰でもございますし、それからまた幅広くこれを支えていただいている自治体の皆様方、それから関係省庁、それから特に直接取組をいただいた関係の業界の皆様方のご尽力も大変大きかったものと、高く評価をさせていただいているところでございます。
 今日は、できましたら、これを集約をいただきまして報告書という形でおまとめをいただき、パブリックコメントというような形で、一般の方にも、ぜひ広く知っていただいて、またご意見もいただいて、これがまた引き続き対応策としては堅持されていけば望ましいと思っておりますし、それからまた大気汚染の問題も、VOC、それから微小粒子状物質の問題、光化学オキシダントの問題、ある意味で、大気環境行政に残された、なかなか難しい諸課題、これを全体的に視野に入れて取り組んでいこうというようなことも、前回もご議論をいただいたところでございまして、また新しいスタートにもつながっていく委員会かなと思っております。
 どうぞ、今日はまた、いつもどおり精力的な、また活発なご議論をいただければありがたいと思っておりますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。

【村井大気環境課係長】 ありがとうございました。
 引き続きまして、お手元の配付資料でございます。こちらにつきましては、表紙の議事次第の下のほうの配付資料の一覧に資料名を記載しております。資料の不足などございましたら、事務局にご連絡をお願いいたします。
 報道の方、カメラ撮影につきましては、ここまでとさせていただきます。
 それでは、これ以降の議事進行につきましては、岩崎委員長にお願いいたします。

【岩崎委員長】 それでは、皆さん、本日もよろしくお願いいたします。
 それでは、早速ですけども、議事に入りたいと思います。
 まず、最初の議題ですけども、揮発性有機化合物排出抑制専門委員会報告書(案)についてです。
 この前の8月29日の専門委員会で報告書骨子(案)について検討していただきました。また、9月19日の大気環境部会でもご報告いたしまして、そこでも意見をいろいろいただきまして、それを踏まえまして、事務局が報告書(案)を作成したところです。
 この報告書(案)につきましては、事前に本日の委員の先生方にメールでお送りしまして、さらに幾つかの意見をいただいたところです。
 それでは、報告書(案)について、事務局より説明をお願いいたします。

【栗林大気環境課補佐】 大気環境課の栗林です。私と、あと後藤のほうから、資料の1、それから資料の2-1を中心に説明させていただきたいと思います。
 まず、資料の1をご覧いただきたいと思います。資料1は、揮発性有機化合物排出抑制専門委員会等における委員意見等ということで、これまでいただきました意見等を抜粋して掲載したものです。
 まず、この資料1で新たにいただいた意見について説明させていただきまして、その後、資料2-1、こちらで追加・削除した部分、見え消し版になっております。こちらで詳細について説明をさせていただきたいと思っております。
 それでは、資料1をご覧いただきたいと思います。
 この中で太字で記載した部分が何カ所かありますけれども、これにつきましては、先ほど委員長からもお話しいただきました9月下旬に各委員に報告書の案として、メールで失礼させていただきましたけれども、送付させていただきまして、その際にご意見をいただいた部分です。
 そのほかのご意見等につきましては、これまでもご説明させていただき、所要の対応をとらせていただいておりますので、詳細な説明は省略させていただきたいと思います。
 資料1の1ページをご覧いただきたいと思います。
 一番下のところです。「上記の記述はわかりづらい。」ということで、修正のご意見をいただいております。これは、一つ上の丸をご覧いただきたいと思います。これまでに委員の皆様方からいただいた意見でございますけれども、「目標を全く設定しないというのが永久に続くのか。いずれまた目標を設定せざるを得なくなるかもしれないが、当面これでよいと考える。」という表記がわかりづらいということで、2ページ目、一番上にあります、「対策をとるのに、全く目標を設定しないということは問題であると考える。しかし、現段階では、設定に係る知見が得られていない。このことから、現段階では、研究が進み、知見が得られ、目標を設定されるまでは、当面はこのままでよいと考える。」というご意見をいただいております。
 報告書の本文に反映する事項ではありませんけれども、今後、委員意見をまた整理させていただく際に、この修文を参考にさせていただきたいと思っております。
 それから、4の他法令等による規制との整合性のところです。
 一番下のところ、今回のVOCの排出規制と、それからPRTR法の届け出システム、それから大気汚染防止法の指定物質について表記しているところですけれども、下線部が引いてあります、「それぞれ排出抑制基準が定められている。」という表記になっておりますけれども、そうすると、PRTR法でも指定物質という言葉があって、PRTR法でも排出抑制基準が定められているという、そういう誤解を招く可能性があるということで、一番最後に書いてありますけれども、「それぞれ」というところを削除願いたいというご意見です。
 3ページ目に移らせていただきますと、これに対しては、誤解を招くおそれがあるということであれば、意見を反映して、「それぞれ」を削除したいと思っております。
 それから、今申し上げました指定物質というのが、PRTR法、それから大気汚染防止法の指定物質ということで、両方指定物質という言葉が使われているので、こちらは大気汚染防止法の指定物質ということで明確化してもらいたいというご意見です。これにつきましても、ご意見を反映させていただきました。
 また、ご要望としていただきました。PRTRの物質と、VOC対象物質との重複部分について、「5.事業者の軽減負担」の観点で考慮していただきたいということで、PRTR法により行政に届け出ているVOCの対象物質は、二重の負担にならないよう、例えば、今年度も進めていますVOCのインベントリの推計の際に報告というか、情報提供をいただいているのですが、この対象外にしていただく等の配慮をお願いしたいということです。
 こちらは、ご要望としていただいてはいるのですが、5番の事業者の負担軽減、それから6番目にVOC排出状況等のフォローアップにつきましても、この旨、軽減化ということで言及しておりますので、対応させていただいていると認識しているところです。
 それから、4ページ、今申し上げました6番の揮発性有機化合物排出状況等のフォローアップ、一番下でございますけれども、「従前の調査より内容を軽減した形で実施可能か検討することが望ましい。」という文章を「軽減した形で実施することが望ましい。」ということで修正願いたいということです。
 これにつきましては、括弧にありますように、検討して、それから対応したいというふうに事務局では考えまして、「検討し、対応することが望ましい。」という表記に修正させていただいております。
 最後、6ページをご覧いただきたいと思います。
 これは8番の新たな専門委員会の立ち上げという項目ですけれども、一番下の丸です。「光化学オキシダントに関する現象解明を十分に取り組んだ上で」でという部分を「光化学オキシダントに関する現象解明を行い、十分に解明が進んだ上で」に修正願いたいということです。
 この理由としては、必要なことは、現象解明に十分に取り組んだという姿勢ではなくて、対策の検討等に必要な材料が整うということであるということで、これにつきましては、前回の部会でも十分な解明に達することは現実的に困難だという、一つ上の丸のところに書いてありますけれども、というご意見もいただいておりまして、ちょっと文章が二転三転しているようで大変申し訳ありませんでしたが、事務局としても、安易に対策を打ち出すという考えはありません。そういうことから、括弧にありますように、「現象解明を十分進めた上で」に修正させていただきたいと考えております。
 ざっと、メールを送って以降、いただいた意見を説明させていただきました。
 最後になりますが、このご意見を頂戴しまして、資料2-1に反映させていただいております。
 そのほか、改めて文章を見まして、もうちょっと肉づけしたほうがいいと思われた部分につきましては、事務局のほうで追記させていただいておりますので、それも含めて資料2-1を説明させていただきたいと思います。
 まず、5ページをご覧いただきたいと思います。
 4行目以降、1の検討の経緯です。こちらにつきましては、新たなご意見はいただいておりませんけれども、文章をより適切な表現に修正させていただきました。
 5行目以降ですが、「我が国においては、浮遊粒子状物質や光化学オキシダントによる大気汚染が問題となっており、SPMによる人の健康への影響が懸念され、光化学オキシダントによる健康被害が依然として数多く発生していることから、早急な対応が求められていた。」と修正しています。
 飛びまして、14行目です。「これを踏まえて、」というところですが、こちらは、これまで大気汚染防止法の改正等の表現になっていましたが、それを、それぞれ大気汚染防止法、政省令の改正につきまして、文章を適切な表現にさせていただいたというものです。
 それから、22行目につきましては、VOCの排出抑制対策について、誤解のないようにということで、「工場及び事業場に設置される施設で、」ということで、こちらが法規制、大気汚染防止法の規制になっているということで、追記させていただきました。
 それから、27行目、こちらも追記させていただいた文章ですけども、「したがって、VOCの排出抑制にあたっては、自主的取組みを評価し、促進することを基本として、法規制は限定的に適用するという、双方を適切に組み合わせて相乗的な効果を発揮させる(政策のベストミックス)こととした。」ということで、これは参考資料2の通知の文章を組み込ませていただいたものです。
 それから、32行目、「VOCの排出量を3割程度削減した場合、自動車NOx・PM法対策地域におけるSPMの環境基準の達成率が約93%に改善し、また、光化学オキシダントの汚染の改善効果についても、光化学オキシダント注意報発令レベルを超えない測定局数の割合は約9割まで上昇すると見込まれた。」ということで、こちらのほうも文章を入れさせていただきました。
 あと、3行目以降につきましては、「てにをは」等の修正です。
 それから、21行目以降、VOCの排出抑制が進んだ結果、いろいろな低減効果が示唆されているというものを12行目以降書かせてもらっていますが、21行目以降につきましては、上段に出ている文章と重複している部分ですので、こちらを削除させていただきまして、23行目の後半、「これは」という表記にさせていただいております。「これは関係業界におけるベストミックス及び関係行政機関の取組みの成果と考えられる。」ということで、ここ、感謝したいという表現をこれまで用いてきましたが、専門委員会の報告書、専門委員会のご意見、ご報告書の中で感謝したいという表現を用いるべきかどうかということで、ちょっと検討しまして、「取組みの成果と考えられる」ということでの表記にさせていただいております。
 また、29行目につきましても、重複を避けるべく削除させていただきました。
 また、31行目以降につきましても、これまで3回、今日も合わせて3回の専門委員会の経過を書いてありますけども、これを簡素化させて、「3回に亘る検討会の開催を経て」ということで、記載を修正させていただいております。
 次に、7ページ、2の次期VOC対策のあり方検討ワーキンググループ報告、これを抜粋したものですけれども、これにつきましての特に意見はありませんでしたので、大きな修正等はございません。
 続きまして、8ページ、3のVOC排出抑制制度の在り方ということで、6行目に「改正法」ということで修正させていただきました。これは、5ページの15行目に定義させていただいておりますので、その改正法という言葉を使わせていただいたというものです。
 3につきましては、以上です。
 続きまして、4.他法令による規制との整合性の部分でございます。これにつきましては、先ほど資料1で説明させていただきましたけれども、大気汚染防止法の指定物質につきまして、11行目のところで定義させていただきまして、17行目に「大気汚染防止法指定物質」ということで修正させていただいております。
 それから、PRTR法の指定物質について、抑制基準が定められているような表記に、誤解されるおそれがあるというご意見をいただいておりますので、19行目のところ、「それぞれ排出抑制基準が」というところの「それぞれ」という部分を削除させていただいております。
 あと、21行目以降につきましては、「てにをは」を直させていただきました。
 続きまして、10ページをご覧いただきたいと思います。
 5の事業者の負担軽減の部分です。これも3行目のところは、先ほどと同じように、「改正法」ということで修正させていただいております。
 (1)の法定検査回数の削減等については、特にご意見はいただいておりません。
 また、11ページの(2)揮発性有機化合物から除く物質の追加につきましてもご意見はいただいておりません。
 (3)の緊急時の措置、こちらについてもご意見はいただいておりません。
 13ページをご覧いただきたいと思います。
 6のVOC排出状況等のフォローアップのところです。10行目のところ、ここで「固定発生源からのVOC排出量の把握については、」という文章を追記させていただいております。こちらもVOCのインベントリにつきまして、明確化させていただいたということです。
 それから、11行目につきましては、委員の皆様方からご意見いただいた部分でして、「従前より内容を軽減した形で実施可能か検討し、対応することが望ましい。」という表記に修正させていただいております。
 それから、7につきましては、新たなご意見はいただいておりません。
 では、8については、続けてお願いします。

【後藤大気環境課補佐】 8の新たな専門委員会の設置についてでございますが、こちらにつきましては、9月の大気部会におきまして、それまでは9のほうに今後の課題という項目がございまして、その中の(1)で光化学オキシダント対策のさらなる推進ということを書かせていただいておりましたが、これが8の新たな専門委員会の設置と内容がかぶっているということがございましたので、8にまとめさせていただく形に、内容を修正させていただいております。
 具体的には、13ページの27行目の、「このように」以下のオキシダントに関する記述が、9のところから8のところに移したところでございます。
 そのほかには、先ほど資料1で栗林のほうから申し上げておりましたけれども、14ページの2行目「光化学オキシダントに関する現象解明を十分進めた上で、対策や環境改善効果を適切に示す指標の検討に繋げていく必要がある。」ということで、ここも修文をさせていただいているところでございます。
 それから、9のところは、先ほども申しましたが、前回までは今後の課題ということになっておりましたけれども、今回、9のところに、以前は、9の(2)に国際的な取組というのがございましたので、(1)がなくなった都合がありまして、9は国際的な取組という形で独立させて、9はこういう形にさせていただきました。内容は特に変わっておりません。
 それから、前回からの変更でいいますと、参考資料1について、たくさんのご指摘をいただいていたのかなと思っておりますけれども、参考資料1につきましては、参考資料1の右側の中段にあります「今後必要な取組/新たな専門委員会で議論」というところの箱の中身が、特にご議論をいただいていたところだと認識しております。一言で申しますと、大事な部分がよく見えないというご指摘だったのかなと考えております。これにつきましては、この今後必要な取組としては、まず目標の一つは、今後必要な対策等の検討評価をすることであるということと、二つ目は環境改善効果を適切に示す指標の検討であると、この二つの目標が大事であるということを明確に位置づけさせていただきまして、これを十分に見据えて、右側に書いてありますモニタリングの充実とか、データの多角的解析、排出インベントリ等の整備、シミュレーションモデルの高度化等に取り組んでいくという形で修正をさせていただきました。
 説明は以上です。

【岩崎委員長】 どうもありがとうございました。
 ただいま事務局から報告書(案)についてご説明ありましたけども、これから少し、この内容について議論していきたいと思いますけども、委員の先生方から何かご質問あるいはご意見等ございますでしょうか。
 浦野委員、お願いします。

【浦野委員】 全体としては、以前に比べて非常に整理がよくできてきていると思うんですが、ちょっと確認をしたい。14ページ目の3行目付近の改善ですが、その表現の整理が十分でないかなと思うところがあります。といいますのは、参考資料の1の絵がございます。これも従来より、随分改善されて、見やすくなっているのですが、この中で、今後の必要な取組、新たな専門委員会で議論というところのターゲット1と、ターゲット2がありまして、1が対策等の検討と評価、ターゲット2が指標の検討になっております。これに対して本文のほうの、14ページの2行目を見ると、対策や環境改善の効果を適切に示す指標の検討ということになっていますので、このターゲット2についての話というふうに見えます。しかし、ターゲット1では対策の効果の検証というのが入ってくるわけですね。効果の検証をするためには、適切な指標が必要であると、こういう論理になっているとすれば順序が混同されているわけですね。
 ですから、どちらかというと、文章を正直に読めば、まずは適切な指標を検討して、それをもとに対策の効果を検証するというような流れになっているかのように見えます。そうだとすると、むしろターゲット2がターゲット1であって、それを踏まえて、ターゲット、今の1が来ると、そういうストーリーに受け取れるわけです。もし、図を正しいとすれば、本文の14ページの表現をどうするかを考えなければならないと思います。また、先ほどのご意見も、指標の検討だけだったら、指標はつくって改善状況とかを見ていくわけですけれども、それをもとにして何らかの規制とか管理を決めるということになると、十分に検討が進まないで、規制管理を求められるのは嫌だというご意見だと思うんですね。
 ところが、本当に十分に解明できるかというと、非常に難しい問題があるので、あるところまで進めた段階、今よりかなりリーズナブルだと皆さんがお考えの時点で、何らかの新しい指標をつくって評価をしてみると。その上で、この参考資料1の最後の、専門委員会で議論の下に、政策への反映というのがあり、ここで初めて規制の強化、あるいは自主管理の強化なり、そういうところの議論がされるように最後の矢印があるわけですね。ですから、最後の矢印を恐れてというか、もう、指標の選定が直ちに政策にいくという考え方ではないと思います。ご心配の趣旨もわかりますが、少し整理をして、表現を検討したほうがいいかなというのが、私の意見です。
 それからもう1点、これは用語上の問題だけですけども、同じ14ページの12行目、「そのため」というのが出ていますが、「そのため」というのは、何を受けているのか、文章としてよくわからない。
 それから、「これらの問題を」とあるんですが、「これらの問題」とは一体何なのだと。その15行目には、「これらの課題」という言葉になっている。問題と課題は何が違うのか分からない。この報告書を見ると、1から3は、1は経緯ですから、解決する課題でも何でもないと。2も報告の内容ですから、関係ない。3は、制度のあり方というのですが、これはほぼ、こういうことで進める必要があるとか、こうであるということで決定されているわけですから、課題はないんです。すなわち、4からに、今後検討すべきであるとか、必要であるとかいうような言葉が出てくるわけですから、新たな委員会の設置で、「4から7で残された課題」について、解決に導くため、委員会が必要であるとか、その課題に対応することを明確に表現したほうがベターかなと思います。

【岩崎委員長】 ありがとうございました。では、もう少しご意見を聞いてから、事務局のほうから回答していただきたいと思います。
 ほかにいかがでしょうか。
 奈良委員、お願いします。

【奈良委員】 一つは、資料2-2、8ページの14行目のところの書きぶりのところの理解でございますけれども、VOC排出抑制制度のあり方というところで、最終的には、「改めて、自主的取組の概念を理解する必要がある。」ということで文章は結ばれています。現在、産業界におけるVOCの固定発生源での自主的取組のあり方、進め方は、我々産業界にとりましても、大きな関心事の一つです。ただ、8年前の意見具申の際に使われたときの自主的取組の概念と、今後の当面の間の自主的取組の持つ意味合い、性格は、概念はこのとおりであったとしても、おのずと異なってきていると考えます。したがって概念を理解するという表現だけでとどめておくことは誤解が生じないかと私どもは懸念しております。
 また6ページには、これは産業界の要望もあって、いわゆるVOCの4割削減という、目標以上の削減となった結果、ここでは11行目から20行目まで、三つの視点で、それなりに光化学オキシダントの抑制に対して効果があったということで、前向きな書きぶりにしていただいています。それはそれでありがたいのですが、少なくとも、4割削減したことによって、いずれもインパクトがあって、かつ確かな効果があったものではないという理解が正しいかと思います。これは産業界の要望もあって、せっかく一生懸命削減の取り組みをやったので、それなりに成果があったことを前向きに捉えて書けるところは書いていただきたいということで、文面に盛っていただいたわけですが、そうしたことを考えた場合に、少なくとも、当面の、これからの産業界の自主的取組といいますのは、すべからく自ら進んで、何でもかんでも積極的に削減策を講じるという意味合いではなくなります。例えば、そのVOCが人・健康に直接影響を及ぼすような有害性を有して、PRTR対象物質に該当しているようなものについては、引き続きリスクが高いということで、そうした場合には、一例として工場の敷地境界で自分たちが独自に定めた環境基準のようなものと比べて、当該VOCのモニタリング実測値が高ければ、自然と減らすような努力が行われるでしょうし、そういった取組は今後も継続をされることになるはずです。そこには確かな動機づけもあるわけです。しかし、PRTR対象物質に該当しないような物質については、そうした動機づけは、起こりにくいわけですから、慎重な対応にならざるを得ないわけです。
 言い方を変えますと、いわゆるPRTR対象物質に該当しないような物質につきましては、例えば、生産量が増加した場合には、その見合いで排出量増加ということも一部容認せざるを得ないと、そういったような状況も出てくることを踏まえて、繰り返しになりますが、概念を理解することは結構なことですが、8年前と今とでは、自主的取組に関する性格・意味合いが変わってきているということをちょっと触れていただければありがたいと思いました。
 それからもう1点ですが、9ページの22行目から25行目の「今後、より効率的、かつ効果的に」云々というところで、「光化学オキシダント又はSPMの生成能が高く、全体に占める排出量の割合が高い物質から選択的に、排出削減を進めることが望ましい。」と書かれています。言われたとおり、大気排出量が多いもののうち、オゾン生成能の指標の一つであるMIRの高い物質から今後優先的に削減を講じていくとした場合に、光化学オキシダントの改善に、実際どんな効果が出てくるのか、我々としても非常に興味深いところであり、このように言っていただけるのであれば、国におかれては今後進んで信頼できるMIRのデータを、海外の評価結果なども精査するなどしてホームページ等で、積極的にまとめて情報開示していただきたい。 さらには開示データの定期的な見直しをされるなどして、産業界が、例えばPRTR対象物質に該当をするもので、大気への排出量がそれなりに多くてかつMIRの高い物質から順に、自主的削減の取り組みを積極的にやれるような方向づけを、考えていただきたい。 そうしたことから単に望ましいという表現にとどめるのではなくて、国としてもこんなアプローチをするんだというような、ちょっとした書きぶりができれば、もっとよろしいのではないかと思いました。
 以上でございます。

【岩崎委員長】 ありがとうございました。今、奈良委員から2点ほどご意見等ございましたけど、ほかに何かございますでしょうか。
 では、福山委員。

【福山委員】 ちょっと表現について確認したいんですけども、13ページの23行目のところにも、「高濃度域の光化学オキシダントの改善」ということが、表現がありまして、もう一つは、一つ前の12ページの26行目にも、「高濃度域の光化学オキシダントが改善」とあるですが、この高濃度域という表現は高濃度のオキシダント濃度の範囲で、範囲という意味なのか、従来高濃度で検出された地域の、注意報等の出現率が低くなった、そのことを言っているのかというところが、少しちょっと曖昧かなと思ったものですから、その点、ちょっと確認のために、これはやはり注意報レベル以上の高濃度の光化学オキシダントというのが改善されたという意味と読んでいいのでしょうかということですけども。

【岩崎委員長】 わかりました。これ、後でまとめて事務局から説明していただきますので。
 中杉委員、お願いします。

【中杉委員】 先ほどの奈良委員からのご意見に対して、少しコメントをしておきたいと思います。
 前回も私申し上げましたけども、PRTRの有害物質とVOCの排出抑制というのは、目的が違うわけですね。人健康のリスクを下げるという意味では、確かにそのとおりなんですけれども、それぞれ別な意味合いを持ってリスクがあるというものを考えている。そういう意味では、実際には、PRTRでやっているからという話では、今度は環境省が、そっちはやっているからそれが優先してやりなさいというふうな形で言うのが適当かどうかというのは非常に疑問を感じます。
 これは事業者の方がVOC全体を抑える上で、PRTRのほうでもやられているから、そちらのほうから優先的に抑えて、全体としてVOCの量を抑えますよという考え方は当然あり得るんだろうと思うんですけども、そこを混同して、連動させてもらうと非常に困るだろうと思います。
 そういう意味で、もう一つは、先ほど奈良委員からご意見があった、8ページの「自主的取組の概念を理解する」という、この概念というのが変わってきているのか、変わってきていないのか、これはわからないんですが、実際には、今回は変えないということで、方式を変えないということでやっている意味というのは、多分、自主的取組の概念というのを変える必要があるだけの知見が得られていないと考えているんだろうと私は理解します。ただ、意見の誤解を受けるという意味であれば、この19行目から22行目までの、あえてここで、再度、改めてということを書き込んだ理由が、狙いがあるわけですよね。それを明確にしておいたほうがいいんではないだろうか。多分、これは、そこら辺のところは、もし特段のものがないのであれば、誤解を招く表現、ここの部分を削除しても構わないのではないかというふうな感じがいたします。

【岩崎委員長】 どうもありがとうございました。
 それでは、浦野委員、よろしくお願いします。最後に、浦野委員が終わってから、事務局のほうから、ただいまのご意見・ご質問に対して、回答をお願いいたします。

【浦野委員】 ただいまの、奈良委員と中杉委員のご意見についての、私のコメントです。自主管理の概念を理解するというのは、前回の中環審の大気部会の委員の方から、自主管理というのを単に自主的にやればいいんだということではなく、あくまでも情報の公開や検証の仕組みを内在したものであるという前提に立っていますよということを、再度確認したほうがいいというご意見があって、こう足されたんだと思うんです。それはそれで、私は必要なことだと、特に、大企業でしっかりやっているところは、わかってやっておられるけれども、自主管理全体というのは、非常に幅広いので、こういうことをもう一度確認しておいたほうがいいというご意見は、どう書くかは別として、残ったほうがいいのかなという気はしています。
 それからもう1点、VOCの削減が直にオキシダントに効果が、まだ非常に明確でないから、じゃあ、PRTR対象物はやるけど、ほかはあまり熱心にやらなくてもいいじゃないかというよに概念が変わったという考えは非常に誤解を招くというか、正しくないかなと思うんですね。
 オキシダントは、どちらかというと、増えている傾向にあって、それからPM2.5も、いろいろ問題がある。もし国民の健康のためにそれらを減らすとしたら、原因は幾つかあって、海外から来るとか、自然発生源とか、自動車とか、いろいろあるわけですね。その中で、自然発生源を減らすといっても、対策としては、非常に困難ですね。それから、海外からのものも、一応国際的な協力や働きかけはするけれども、それも当分は効果があまり見込めない。そうすると、対策をとれるところで、ある程度減らしていかざるを得ない。これは、環境アセスなんかのときもそういう考え方に立っているわけで、そうすると、対策のとれるところで、場合によってはもっと大幅な削減を求めないと、PM2.5とかオキシダントが改善されないという結論になるかもしれない。だから、そういうことも含めて、今後のいろいろな検討をしていくということが次期の専門委員会に任されているわけですので、今の時点で、もうVOCの自主削減は、以前ほど熱心にやらなくてもいいじゃないかと思われるというようなことを言うのは正しくないと思いますので、この辺は、改めてよくご理解いただく必要があるかなと思っております。

【岩崎委員長】 ありがとうございました。
 ただいまの浦野委員、奈良委員、福山委員、中杉委員からご質問あるいはご意見等ございましたけど、事務局のほうから何かございますか。

【栗林大気環境課補佐】 いろいろご意見いただきましてありがとうございます。この資料2-1のページの若い順から、事務局の考えを説明させていただきたいと思います。
 今、ご議論いただきました8ページ目のところ、自主的取組による対策というところ、24行目以降、抜粋したものを掲載しておりますけれども、これ、今ほど、浦野委員からもお話がありましたように、これまでに委員からのご意見として、自主的取組というものの概念が非常に曖昧になっているんじゃないかと、理解されている企業の方も当然いらっしゃいますけれども、そこが広く周知されていない部分があるんじゃないかということで、改めて今回の報告書にも、その自主的取組というものの考え方をもう一回明記すべきというご意見を踏まえまして、事務局としても、改めてやはり掲載する必要があるだろうということで、掲載させていただいたものです。
 それから次の、同じく奈良委員からご意見いただきましたMIRの情報等、こういうものをホームページに掲載するなど、情報開示をしてほしいというご要望につきましては、これは我々の環境省のほうで対応していきたいと思います。

【後藤大気環境課補佐】 それから、福山委員からお尋ねのありました高濃度域の話ですけれども、福山委員おっしゃられたとおりでございまして、注意報以上の濃度が減った、高い濃度が減りましたという意味でありまして、高濃度の地域が減ったという意味ではございません。ご認識のとおりでございます。
 それから、最初に、浦野委員からいただきましたご意見等につきましては、その文言の修正等も含めて、適切に反映をしていきたいというふうに考えています。
 以上でいいですかね。

【岩崎委員長】 では、局長のほうから。

【小林水・大気環境局長】 はい、浦野先生からいただいた最後の14ページのところ、大変重要な部分だと思いますが、これはちょっと、事務局内でも確認しなければいけないのですが、14ページの3行目にあります「対策や環境改善効果を」というところですね、ここは「指標」に全部かかっているわけではなくて、対策と改善効果の指標だと、そういう意味では、この参考資料にありますように、丁寧に書けば、必要な対策の検討とか評価ということと、改善効果を適切に示す指標の検討というのが要るということが、ちょっと、どこでこれ切れているかがわからないので、非常にわかりにくくなっておりますので、多分この図に書いてあることが正しい認識で、これで委員のご賛同が得られれば、これを反映するように書かせていただければというふうに思っております。

【岩崎委員長】 ほかに、何か、新たなことで結構ですので、ご意見あるいはご質問等ございますでしょうか。
 早瀬委員。

【早瀬委員】 少し見当外れかもわかりませんが、SPMという視点から、ちょっと報告書を読んでみると、6、7の辺りまで、SPMという言葉が出てくるんですが、8の新たな専門委員会の設置というところから、PM2.5に変わってしまうんですね。それでSPM、もともとこの委員会そのものもSPMと光化学オキシダントという二つを両にらみで始めたものだと理解しているのですけれども、SPMについて今後どうするのか、あるいはSPMの総括というようなことがあれば、このままでもよろしいのかと思うんですけれども、少し、そのあたりが見えづらいなという気がします。SPMとPM2.5の関係について、あるいは今後の対策としてSPMをどう考えるのかということについて、少し教えていただきたいなというのが趣旨です。
 それと、これはつまらないことですが、12ページの2行目、3行目に、「飛散させる者」と「認められるもの」というのがある、これは、二つとも同じ「者」という漢字で理解したほうがいいんですよね。すみません、12ページの、あまり大したことじゃないんです。12ページの2行目に、「飛散させる者であって」、3行目に「認められるもの」というのが、平仮名と漢字と両方使われている、「もの」というのは、平仮名がほかのところにもあるのですが、ここの「もの」は、やっぱり漢字かなと。

【岩崎委員長】 ありがとうございました。
 ほかに。浦野委員、お願いします。

【浦野委員】 先ほどの局長さんのご意見、それはそれで私はよろしいかと思いますが、そういう意味であれば、参考資料の順番変える必要ない。しかし、そうであれば、見え消し版じゃないほうの13ページの27行目を、「対策や」を切って、「環境改善効果を適切に示す指標の検討及び」というので、「必要な対策の検討評価につなげていく必要がある」というのが、表現としては妥当かと思います。現象解明を進めて、指標をつくりますと、それと同時に、別の視点でも含めて、対策の検討評価もやっていきますということであれば、そういう表現がいい。もう一度事務局でも確認して、並列的にあるんであれば、そういう表現にしたほうがいいかなというふうに思います。コメントですので、あとは事務局にお任せしますけど。

【岩崎委員長】 ありがとうございました。
 ほかにいかがでしょうか。では、二瓶委員のほうから。

【二瓶委員】 先ほどから話題になっております自主取組の件なのですけども、産業界は決して、これから自主取組を緩めようということを言っているわけではございませんで、少なくとも、表現として、今後も継続して、これまでの体制をとっていくべきである、あるいはそれ以上の努力が必要であるみたいな表現があってもいいんじゃないかと思います。
 加えて、今まで日本の産業界あるいは全体でVOCの取組が進んだ、4割減ったということが、実際にオキシダントとの関連はちょっと別にしまして、諸外国の何といいますかGDPあたり、あるいは何でもいいんですけども、排出レベルに比べて、もう遜色のないレベルまでいったのかどうなのか、要は一般市民から見て、これまで我々が一生懸命やってきた内容というのがどうなのか、よくやったのか、まだ足らないのか、この辺がよくわからないんですよね。これ、この報告書に書くべきかどうかは別の話なんですが、ご検討いただきたいと思います。

【岩崎委員長】 ありがとうございました。多分、諸外国に比べても、比較にならないぐらいの低減をなしたというふうに感覚的には持っていますけれども、そういうものを将来含めて、そういう見方を入れていくということも大事かなと。
 小林委員、お願いします。

【小林委員】 二、三点あるんですが、まず1点目は、先ほどから議論になっておりますPRTR法との重複問題なんですが、PRTR法は、いわゆるデータを報告する、報告制度であって、規制対策ではないということをまずベースにしてお考えいただきたい。ですから、PRTR法があるから、こちらは要らないという発想ではない。つまり、PRTR法というのは、単なる報告制度であって、それに基づいて対策とか抑制がされるものではないということをまずご理解いただいて、その上でもう1点、問題は、実はPRTR法で出されたデータなんですが、結構企業の方から出てきている数字にミスが多い。これは、基本的に都道府県を経由して国に出されるわけで、都道府県ではチェックをしないということにはなっているんですが、見せていただいていると、結構多いのが桁間違いです。ただ、単純にそれを積算したときに、結果が、前年度比でおかしいということに気がついてチェックをかけていったら桁間違いというのが結構多いんです。そういう意味で、もう少しPRTR法に基づく届け出について精度を上げる、ここの委員会の話ではないと思うんですが、ぜひ要請をお願いしたいと思います。
 それからもう1点、13ページの8の新たな専門委員会の設置のくだりなんですが、これ、前回と変わっていないのかどうか。変わっていないんですね。ちょっと変わっているんですか。
 ちょっと読ませていただいて、大変気になるのが、新たな専門委員会の提案になりますので、そういう意味からいきますと、新たな専門委員会で何を検討し、何を答えとして求めるのかということが、ある程度明確にしておく必要性があると思うんです。そういう意味からいきまして、ここに書いてある文章のくだり、よく読んでいると、「てにをは」の問題かもわからないのですが、くだり的に、つながりがよくわからないところがあったり、何を議論し、何をこの専門委員会で答えを求めているのかがよくわからないというところが結構ございます。
 そういう意味で、今ここで「てにをは」を全部直すわけにいきませんので、これは、事務局のほうでご検討いただいて、もう一度精査をしていただいて、委員長のほうでご検討いただいたらと思うんですが、できたらよろしくお願いしたいと思います。

【岩崎委員長】 では、中杉委員。

【中杉委員】 ちょっと今、小林委員の二つ目に対して、多分、新たな委員会というのは、この揮発性有機化合物の排出抑制のことだけを受けるのであれば、この委員会で細かく決められると思うのですけども、多分、ほかのものも全部入れるということになるので、この委員会としては、この委員会に絡む部分でどういうことをやってほしいかということをここに書き込むべきだろうと。それ以外のところまで書いてしまうと、少しおかしな話になりますので、そこら辺は注意をしていただければと思います。

【岩崎委員長】 ありがとうございました。それでは、今のところまでで、事務局のほうから何か回答あるいはご意見等ございますか。
 なかなか新しい専門委員会が検討する課題も随分含まれていますので、今の時点で回答しづらいことはあると思いますけども。
 それでは、局長のほうからお願いします。

【小林水・大気環境局長】 また、担当からもあると思いますが、少し、大局的なところでいただいたところについてお答えをさせていただきたいと思います。
 二瓶委員からお話がありました自主的取組についての、もう少し社会的にしっかり評価できるようなデータをそろえるお話は、非常に重要な課題だと思います。あえて、事務局が改めて定義を書かせていただいているのも、自主的といっても、本当にボランティアでただやっているというよりは、もう少し社会的に認知されるというような意味で情報公開とか、チェック制度もある中でやっていこう、それによって、その質を高めていくということが本質だと思いますので、その精神からも非常に重要なご指摘だと思いますので、ちょっと具体的にどうやればいいかというようなことを、少し、中で議論させていただければと思います。
 それから、新しい委員会に向けてのというところも非常に重要な課題でございます。両先生のご指摘は、いずれも大変ごもっともなことかなと思いまして、この専門委員会でぜひつなげていくべきというようなご指摘があった部分をしっかり提示をし、ただ、ここだけで、決めるのではなく、少し幅広い観点から設定できるようにということも、ちょっと抽象的でございますが、両方のご指摘を踏まえて整理をさせていただければと思っております。

【岩崎委員長】 ありがとうございました。

【後藤大気環境課補佐】 SPMにつきましては、資料2-1の6ページの18行目になりますけれども、「SPMは、自動車排出ガスの規制強化等により、当初見込んでいた環境基準達成率約93%を上回る状況である。」ということで、総括ということになるかわかりませんけども、ここで一応、SPMというのは所要の目標は達成したということを書かせていただいておりまして、そういうこともありますので、以降では特段触れておりません。そういうところで、新たな専門委員会と今後の話になったときには、14ページの5行目以降にありますけれども、PM2.5の問題が昨今、VOCとの関係もありつつ明らかになってきておりますので、これが課題になってきていますという話で、ここからはPM2.5が今からは課題ですよということで整理をさせていただいています。結局、6ページのところで、SPMについては、93%以上の環境基準達成率になっているということで総括させてもらっていて、新たな課題としては、SPMではなくてPM2.5がありますということで、こういうふうに書かせてもらっているところです。

【栗林大気環境課補佐】 あと、12ページの2行目、それから3行目の「者」という漢字、それから、3行目の「もの」という平仮名の表記につきましては、これは大気汚染防止法の第23条第1項を、一部省略して記載させていただいています。漢字あるいは平仮名については、法の条文のそのままですけれども、ただ、「VOCを排出し、」の前段にばい煙を排出する者で揮発性有機化合物を排出し、または飛散させる者、または自動車の使用者、もしくは運転者であってということが、一部省略させていただいているところなので、ちょっと、この文章だけでは、疑問に思われたのかなと思っております。

【岩崎委員長】 ほかにご意見は。
 浦野委員。

【浦野委員】 先ほどの、新しい専門委員会で何を検討していただくかというのは、中杉委員のおっしゃるのも、小林委員のおっしゃるのもごもっともなんですが、そういう意味では、先ほど私が申し上げたように、最後の14ページの2行目の、そのためこれらの問題をというところで、「上記4から7に記載の課題等を解決に導くため」と、そのぐらい書いておけば、4から7に具体的な課題が書いてあるわけなので、それと、それ以外も含めて検討いただくという表現にしておけば、一応具体的にもわかるし、あまり細かいことまで言い過ぎないで、ちょうどいいかなと、ご提案をします。
 それからもう一つ、二瓶委員から、国際的に比べて、企業の活動がどのぐらいのレベルにあるかというのを評価することは、私は非常に重要だし、逆に日本の企業は非常に努力をされたということも事実なので、これはこれでよいのですが、注意しなければいけないのは、あくまでも光化学オキシダントとか、SPMということを考えると、地域の気象条件であるとか、オキシダントの発生状況とか、あるいは工場の密集状況とか、そういうものを全体的に勘案して、削減をしなければいけないので、例えば化学工業だとか、製紙工業とか、どこどこの工業会として国際的にどうかというだけではなくて、日本の置かれた状況も配慮して、それでも相当厳しく努力したのかどうか、あるいはまだ足りないのかという評価をしないと、単純に同じ製造業同士で排出原単位などを比較しただけでは妥当ではないので、これらも考慮して、ぜひ情報は収集して、検討する機会があれば、それがいいなとは思っております。

【岩崎委員長】 世界の国々では、VOCの定義が違うんで、なかなか比べるのが難しいかもわかりませんけども、それでも何らかの情報発信にはなるわけです。これだけの成果をどう生かしていくかということにもつながると思いますので、次の専門委員会で検討するのかどうかわかりませんけども、一つの、頭の中に入れておきたいことだろうというふうに思います。
 ほかにいかがでしょうか。
 奈良委員。

【奈良委員】 幾つかPRTRのことで少し誤解を与えたようですので、少し言い訳をさせてもらいます。私が申し上げたのは、PRTR対象物質という言葉を使わさせてもらっただけで、要は人・健康に直接影響を与えて、現に大気とか水域に排出量が多いものはリスクがあるということでPRTR対象物質に指定されているわけで、そうした直接的に有害性が高くて、現に国内で排出が多いものと、一方で間接的なものでその影響が具体的に定量化できないものがあるとすれば、おのずと直接的な影響を有する物質についてより積極的に取り組むということが自然な結果だと思います。会社は収益の一部を環境対策にあてるわけですから、削減対策を講ずるには、まずは経営層の理解を得る必要があり、我々の立場ではそのために十分な説明責任を果たすことが求められるわけで、おのずとそういうことにならざるを得ないということを申し上げたわけです。
 それと、小林委員はPRTR法は報告制度だと申しましたけれども、我々は実際には、その上のレベルのことを行っていまして、これは報告制度ですけれども、各社は環境リスク等に基づき、削減が必要な物質を特定し、それぞれ数値目標を設定して、いつまでに一定量を削減することを決めています。例えば、日化協でありましたら、各社の削減目標を積み上げると協会としての数値目標が決まるわけです。ですから、報告制度には違いないが、それはPDCAサイクルを回した後の結果を、社会の皆様とで双方向のリスクコミュニケーションをしているのであり、PDCAサイクルのだめ押しの部分にそれを使っていると理解していますので、決して、報告制度ということだけではないということを改めてご理解いただきたいと思います。

【岩崎委員長】 ありがとうございました。
ほかに何かご意見ございますでしょうか。

【小林委員】 すみません。1点だけいいですか。

【岩崎委員長】 どうぞ、小林委員。

【小林委員】 最近、こういう専門委員会等の報告の中で国際的取組って、ほとんど書かれていないので、今回出てきたので、ちょっと気になったのですが、こういう環境に関する、海外に対する国際協力、これはたしか地球部会の中に国際環境協力専門委員会というのがあって、そこで検討されて出されているんです。それで、たしかもう五、六年前、6年か7年前に報告書が出て、それきりなのですが、その中では、各部局でこの問題について協力し、地方自治体とも協力しながら国際協力をやっていく、技術移転をやっていくということがそこの中に書かれているんですが、その後、ほとんど放置されているというような状況なのです。そういう意味で、ぜひ、ここに書かれたものですから、これをベースにして、もう一度、国際環境協力専門委員会のほうでも、地球部会のほうになるんですが、検討していただくように要請していただいたらと思うんですけど、よろしくお願いしたいと思います。

【岩崎委員長】 残された課題の中で、大陸からの移流問題だとか、いろんな問題が大きな課題として残っていますので、この辺の取組がどうしても欠かせないということになるだろうと思いますけど。
 ほかに、いかがでしょうか。
 よろしいでしょうか。

(はい)

【岩崎委員長】 それでは、ただいまいただいた意見を全部整理して、また一部の手直し等がまた入ると思いますけども、そういうことで、この報告書(案)に関しては、ご意見をいただいたものも含めて、一応、この委員会の最終的な報告書にしたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
 それでは次に、議題の2でございますけども、事務局から何かありますでしょうか。

【栗林大気環境課補佐】 大気環境部会の報告に向けての今後のスケジュールについてご提案申し上げたいと思います。
 本日いただきましたご意見等を踏まえまして、事務局で報告書(案)を再修正させていただきたいと思います。
 本委員会でいただいたご意見は、各項目の大きな方向性を変えるようなご意見はなかったと認識しておりますので、できましたら、取りまとめに当たりましては、委員長一任ということでお願いできたらなと思っています。
 その後、パブリックコメントを行うことにしておりまして、これも委員長と相談して、必要によりさらなる修正を行わせていただきたいと思います。
 また、大きな修正が必要だということになれば、委員長と相談しまして、委員の皆様にもメールで送付してご意見をいただきたいと考えておりますが、最終的な取りまとめに当たりましては、これも委員長一任ということでお願いできたらと思っております。
 あと、本日の議事要旨、それから会議録につきましても、各委員にご確認いただいた上で公開することとさせていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
 以上でございます。

【岩崎委員長】 そういうことで、よろしいでしょうか。

(はい)

【岩崎委員長】 ありがとうございます。
 それでは、本日の議題はそこまででございまして、大変短く終了の予定ですけども、ありがとうございました。
 それでは、ご意見がないようでしたら、事務局にお返ししたいと思います。

【村井大気環境課係長】 本日は、ご審議いただき誠にありがとうございました。これをもちまして、本日の議題は終了となります。それでは最後に岩崎委員長からご挨拶をいただきたいと思います。よろしくお願いいたします。

【岩崎委員長】 それでは、このVOC排出抑制専門委員会が本日で終了ということで、発展的に解消するということで、新たな専門委員会のほうにバトンタッチしていくわけでございますけども、一言ご挨拶させていただきます。
 当初、この専門委員会は、坂本先生から私は引き継いだのですけれども、あれが平成18年ぐらいでしたか、7年か、8年だったと思いますけども、その当時は、3割を減らすなんていうことは、到底難しいのではないかと思っていました。その前にNOxとか、いろんな問題で、私自身も苦労したことありますので、排出量が増えるということはあり得ても、3割減らすというのは、なかなか大変なことじゃないかと思っていました。それでも頑張って取り組んでいくということで、皆さん方も同じだと思いますけども、取り組んできて、本当にここへ来て、平成22年度の排出量が44.1%という、非常に大きな数字で削減できたということに、本当にびっくりしているところです。
 残念ながら、オキシダント濃度の平均濃度はどうしても上がってしまいまして、ただ、注意報レベルからいうと、やはり関西のほうでは、かなり低減が見られていますし、関東でも、今年のオキシダント濃度をちょっと調べてみたのですが、注意報を調べてみると、東京でも埼玉でも、かなり減っていると。これだけ猛暑だったにもかかわらず、東京は4回とか5回でしたが、ほかもそうで、この前大阪へ行きましたら、大阪の各市でも、今年はこんな猛暑なのに、注意報がすごい減っているということを聞いていまして、非常にそういう意味では芽が出たのかなと。ここらあたりから効果が出てきたのかなと。ただ、まだ平均濃度は上がっていますので、これからの課題は残されるだろうと。
 また、PM2.5だとか、大陸からの移流あるいは植物起源の問題、いろいろ課題はまだ残りますので、そういうことを総合的に検討して、またきちっとした、地に足のついた議論で対策まで結びつけていくということをしっかりやってもらいたい。新たな専門委員会で期待するところでございます。
 それにつきましても、この44.1%低減は、各産業界のご努力、私も各業界、いろいろ関係していますけれども、本当に一生懸命普及に努めていただいたこと、その意味からいえば、本日の各委員の先生方のご努力があったんじゃないかと思います。
 また、国あるいは地方自治体の行政の方のご努力もあったと思いますけども、本当にこうして目的をある意味で達成して、この専門委員会が発展的解消していくということは、実にうれしいことと思っているところです。
 それにも、本日お集まりの委員の先生方の多大なるご協力とご尽力だったと思いますので、改めてお礼を言わせていただきたいと思います。本当にありがとうございました。
 それで、発展的解消することを皆で本当に喜びたいと思います。どうもありがとうございました。

【村井大気環境課係長】 ありがとうございました。それでは、各委員から、ほかに何かありますでしょうか。

(なし)

【村井大気環境課係長】 ないようですので、本日の会議はこれで閉会といたします。どうもありがとうございました。