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■議事録一覧■

中央環境審議会 大気環境部会
健康リスク総合専門委員会(第13回)
議事録


1.日時

平成24年10月15日(月)14:30〜16:30

2.場所

環境省第2・第3会議室

3.出席者
(委員長) 内山 巌雄
(委員) 相澤 好治 青木 康展
浦野 紘平 圓藤 吟史
圓藤 陽子 片谷 教孝
川本 俊弘 小林 悦夫
島  正之 武林  亨
田邊  潔 寺本 昭二
中杉 修身 永田 勝也
村田 勝敬
(環境省) 加藤水・大気環境局総務課長
山本越境大気汚染情報分析官
川端総務課係長
横山総務課係長
(国立環境研究所) 松本主任研究員
4.議題
(1)
「今後の有害待機汚染物質の健康リスク評価のあり方について」の改定について
(2)
マンガン及びその化合物に係る健康リスク評価について
(3)
その他
5.配付資料
資料1 環境審議会大気環境部会健康リスク総合専門委員会委員名簿
資料2−1 「今後の有害大気汚染物質の健康リスク評価のあり方について」の改定について(案)
資料2−2 「今後の有害大気汚染物質の健康リスク評価のあり方について」改定案
資料3−1 マンガン及びその化合物に係る健康リスク評価について(案)
【概要版】
資料3−2 マンガン及びその化合物に係る健康リスク評価について(案)
【評価書本体】
参考資料1 有害大気汚染物質対策について(これまでの経緯)
参考資料2 優先取組物質の指針値等の設定状況について
参考資料3−1 今後の有害大気汚染物質の健康リスク評価のあり方について
(第7次答申及び第8次答申)
参考資料3−2 「今後の有害大気汚染物質の健康リスク評価のあり方について」に係る検討・経緯について
参考資料3−3 「今後の有害大気汚染物質の健康リスク評価のあり方について」に係るフロー図(案)
参考資料3−4 「今後の有害大気汚染物質の健康リスク評価のあり方について」用語集(案)
参考資料4−1 今後の有害大気汚染物質対策のあり方について(第9次答申)
(別添2抜粋)
参考資料4−2 諸機関によるマンガン等の健康リスク評価の概要
参考資料4−3 平成22年度大気汚染状況について(有害大気汚染物質モニタリング調査結果)
参考資料4−4 健康リスク総合専門委員会ワーキンググループの検討経緯について
6.議事

【横山総務課係長】 それでは、定刻よりも少し早い時間ではございますけれども、ただ今より、第13回健康リスク総合専門委員会を開催いたします。
 委員の皆様方におかれましては、御多忙中にも関わらず御出席いただき大変ありがとうございます。
 本日の出席状況でありますけれども、委員19名中、現時点で16名の委員の方に御出席をいただいておりまして、定足数でございます過半数に達していることを御報告させていただきます。
 それでは、開催に当たり、加藤水・大気環境局総務課長から御挨拶申し上げます。

【加藤水・大気環境局総務課長】 水・大気局の総務課長をしてございます加藤でございます。
 本日は、委員の皆様方には、大変お忙しい中をお集まりいただきましてありがとうございます。また、日頃より大気行政に関しましていろいろと御理解、御指導、御鞭撻をいただきまして、この場を借りて御礼を申し上げます。
 有害大気汚染物質につきましては、御案内のとおり、平成8年の大気汚染防止法の改正によって導入をされておりますが、平成22年10月に有害大気汚染物質に該当する可能性がある物質リスト、それから優先取組物質の見直しというものが行われまして、有害大気汚染物質に該当する可能性がある物質として248物質、優先取組物質として23物質、これが選定されております。このうち、優先取組物質につきましては、環境基準や指針値の設定を行ってきたというところでございます。
 こうした有害大気汚染物質の指針値等の設定に関しましては、基本的な考え方として平成15年、そして18年、中央環境審議会の答申において示されてきたところでございますけれども、この指針値の設定の際に、人に関する疫学研究がない場合などに動物実験の知見を活用してリスクを評価すると、こういった対応が必要になってきているというふうになってございます。
 本日、この度、このような動物実験の知見に基づく有害性に係る評価を行う場合の具体的な手順につきまして、今後の有害大気汚染物質の健康リスク評価のあり方というものについての改定案という形で御提案をさせていただいております。これにつきまして、本日御議論をいただければと考えてございます。
 また、優先取組物質に関しましては、これまでも8物質の指針値を設定し、残る物質についても順次、本委員会のワーキンググループ、こちらの方で検討を進めてきていただいております。今回のこの専門委員会におきましては、マンガン及びその化合物質の健康リスク評価書案について御議論をいただきたいというふうに考えてございます。
 本日の皆様の活発な御議論につきましてお願いを申し上げまして、簡単ではございますけれども、私の挨拶とさせていただきます。よろしくお願い申し上げます。

【横山総務課係長】 また、この度、新たに委員に任命された方が2名いらっしゃいますので、御紹介させていただきます。
 学校法人北里研究所常任理事でいらっしゃいます、相澤好治委員でございます。
 国立環境研究所環境リスク研究センター副センター長でいらっしゃいます、青木康展委員でございます。
 次に、お手元の配付資料でございますけれども、議事次第に配付資料一覧を記載してございます。それでは、御確認をお願いしたいと思います。
まず、資料1といたしまして、中央環境審議会大気環境部会健康リスク総合専門委員会委員名簿でございます。続きまして、資料2-1といたしまして、「今後の有害大気汚染物質の健康リスク評価のあり方について」の改定について(案)でございます。続きまして、資料2-2といたしまして、「今後の有害大気汚染物質の健康リスク評価のあり方について」改定案でございます。続きまして、資料3-1といたしまして、マンガン及びその化合物に係る健康リスク評価について(案)【概要版】でございます。続きまして、資料3-2といたしまして、マンガン及びその化合物に係る健康リスク評価について(案)の【評価書本体】でございます。
さらに参考資料といたしまして、参考資料1、有害大気汚染物質対策について(これまでの経緯)でございます。参考資料2といたしまして、優先取組物質の指針値等の設定状況についてでございます。参考資料3-1といたしまして、今後の有害大気汚染物質の健康リスク評価のあり方について(第7次答申及び第8次答申)でございます。続きまして、参考資料3-2、「今後の有害大気汚染物質の健康リスク評価のあり方について」に係る検討・経緯についてでございます。それから、参考資料3-3、「今後の有害大気汚染物質の健康リスク評価のあり方について」に係るフロー図(案)でございます。そして、参考資料3-4、「今後の有害大気汚染物質の健康リスク評価のあり方について」用語集(案)でございます。続きまして、参考資料4-1といたしまして、今後の有害大気汚染物質対策のあり方について(第9次答申)(別添2抜粋)でございます。それから、参考資料4-2といたしまして、諸機関によるマンガン等の健康リスク評価の概要でございます。参考資料4-3といたしまして、平成22年度大気汚染状況について(有害大気汚染物質モニタリング調査結果)でございます。参考資料4-4といたしまして、健康リスク総合専門委員会ワーキンググループの検討経緯についてでございます。
 あと委員限りでございますが、机上資料といたしましてA3の1枚紙の資料を配付してございます。
 資料の不足等がございましたら事務局にお申しつけいただきますようお願いいたします。
 それでは、これ以降の進行につきましては内山委員長にお願いいたします。

【内山委員長】 それでは、委員の皆様、お忙しいところ、お集まりいただきましてありがとうございます。今日は、御説明のように大きく2つの議題がありますので、大体1時間ぐらいずつに割り振りまして、活発な御議論をいただければというふうに考えています。
それでは、まず、議題1、「今後の有害大気汚染物質の健康リスク評価のあり方について」の改定についてということで、これは先ほど御説明がありましたように、数年前から研究班をつくられて皆さんも御参加されたか、学会でも議論されたことがあると思いますけれども、いろいろ議論を経て、今日、大体まとまったということで皆さんの御議論をいただきたいということでございますので、まず、事務局から御説明をお願いして、その後、議論に移りたいと思います。よろしくお願いします。

【横山総務課係長】 それでは、「今後の有害大気汚染物質の健康リスク評価のあり方について」の改定について、資料2-1及び2-2に取りまとめましたので、こちらに基づきまして御説明申し上げます。
まず、資料2-1の方を御覧いただきたいと思います。
まず最初に、「今後の有害大気汚染物質の健康リスク評価のあり方について」の策定の経緯としてまとめさせていただいております。こちらにつきましては、平成8年に大気汚染防止法が改正されまして、低濃度ではあるが長期曝露によって人の健康を損なうおそれのある有害大気汚染物質に関する規定が置かれたところでございます。
平成8年10月に取りまとめられました中央環境審議会第2次答申を踏まえまして、平成9年2月の改正大気汚染防止法の施行通知の中に「有害大気汚染物質に該当する可能性がある物質」が選定されまして、その中でも特に事業者の自主的な排出等の抑制努力を促進すべき優先取組物質が掲げられたところでございます。
このような「有害大気汚染物質に該当する可能性がある物質」及び「優先取組物質」につきましては、平成22年10月の中央環境審議会答申(第9次答申)におきまして、PRTR対象物質との整合や最新の科学的知見等を考慮いたしまして見直しが行われたところでございます。
 これまで、以下の中央環境審議会答申におきまして、優先取組物質に関する環境目標値の設定や、環境目標値の一つでございます環境中の有害大気汚染物質による健康リスクの低減を図るための指針となる数値、こちらは以下、指針値と申し上げます、こちらの設定に関する考え方というものが示されてきたところでございます。
まず(1)といたしまして、第6次答申でございます。こちらの第6次答申につきましては、平成12年12月に取りまとめられておりまして、この中で環境基準が設定されていない優先取組物質についても定量的な評価結果に基づいて環境目標値を定めることが適当とされたところでございます。
続きまして(2)第7答申でございますが、こちらは、平成15年7月に取りまとめられまして、この中で「今後の有害大気汚染物質の健康リスク評価のあり方について」が取りまとめられたところでございます。
具体的な内容といたしましては、まず①といたしまして「今後の有害大気汚染物質の健康リスク評価のあり方について」でございますが、こちらにつきましては、健康リスク評価を行う上での基礎となる考え方を明示したものでございまして、環境目標値の設定に当たって、数値の算定に必要となる有害性評価に係る定量的データの科学的信頼性でございますとか、指針値の設定の手順・性格・機能、こういった指針値に係る諸事項について定められたところでございます。また、この別紙といたしまして、「②指針値算出の具体的手順」が定められまして、この中で有害性評価、曝露評価及び総合評価のそれぞれにつきまして、評価方法に関する基本的な考え方が示されてきているところでございます。
(3)第8次答申でございますが、こちらは、平成18年11月に取りまとめられておりまして、実際に指針値を設定する際に生じた課題等を踏まえまして、「指針値算出の具体的手順」の規定内容について一部改正を行ったところでございます。
具体的な内容といたしましては、「指針値」と「有害性に係る評価値」の区別を明確化すること。それから、発がん性について閾値がないと判断される場合の「有害性に係る評価値」の具体的算出方法につきまして、明確に記述を行いました。また、発がん性及び発がん性以外の有害性に係る評価値がともに算出可能な場合の具体的な算出方法に関する記述について明確化いたしました。
また、この答申の中では、今後の指針値の設定を検討する過程等において、引き続きその見直しの必要性について検討を行い、必要に応じて随時改定をしていくこととされたところでございます。
 なお、この第7次答申及び第8次答申の内容につきましては、参考資料3-1として添付させていただいております。
 続きまして、2.「今後の有害大気汚染物質の健康リスク評価のあり方について」等の全面改定でございます。現時点で環境目標値が設定されていない優先取組物質等につきまして、環境目標値を設定するためには、人に関する疫学研究の知見だけでなく、動物実験の知見を用いてリスク評価を行うことが必要となると考えられております。
 一方、動物実験に基づく評価につきましては、人への外挿方法や不確実係数の設定につきまして、これまで物質ごとに個別に検討してきたというところでございまして、具体的な手順が明確ではなかったというのが現状でございます。
 このため、「今後の有害大気汚染物質の健康リスク評価のあり方について」及びその別紙である「指針値算出の具体的手順」の規定内容につきまして全面的な改定を行うこととしたところでございます。
なお、この見直しのために参考資料3-2に添付しておりますけれども、検討会を別途設置いたしまして、いろいろと議論をしてまいったところでございます。なお、改正の主要ポイントにつきましては、資料2-1にまとめさせていただいておりますが、資料2-2の本体と照らし合わせながら御説明をさせていただきたいと思います。
まず、資料2-3の1ページ目をめくっていただきまして、改定案の本文についてでございます。
「今後の有害大気汚染物質の健康リスク評価のあり方について」でございますけれども、全面的な記述につきまして、以前、重複していた部分もございましたので、こういったものを整理いたしまして、現状に合わせた内容について記述を行ったところでございます。
例えば、1.背景の部分でございますと、2段落目以降につきましては、第7次答申以降の指針値の設定の状況等について整理をさせていただいているところでございますし、2ポツの有害大気汚染物質の健康リスク評価に関する課題の部分につきましては、これまでの課題の整理ということで、現状、課題となっている内容に整理をさせていただきまして、環境目標値の設定の手順、特に動物実験に基づく評価値算出の具体的手順について科学的見地から整理を行うものとするというふうに課題の整理をさせていただいているところでございます。
続きまして、主な改正ポイントといたしましては、資料2-2の3ページ目、3ポツの(1)の部分でございます。こちら「環境目標値設定に必要な科学的知見」というところでございまして、3ページ目の下の方にI、II、III、こちらの3区分に分類されるというふうに整理をさせていただいておりますけれども、こちらにつきまして、以前、この分類の対象がデータ自体なのか、知見なのか、それとも算出された値なのか、こういったことについて不明確な部分がございましたので、科学的知見の観点から整理をさせていただきまして、環境目標値の設定のための健康リスク評価に当たり用いられる定量的な知見の科学的根拠の確実性というふうな観点から、I.確実性の高いもの、IIa.相当の確実な根拠を有する疫学研究の知見であるが、さらなる科学的知見の充実を要するもの、IIb.相当の確実な根拠を有する動物実験の知見であるが、こちらについてもさらなる科学的知見の充実を要するもの、それからIIIaといたしまして、疫学研究の知見のうちIIaの水準に達していないもの、IIIbといたしまして、動物実験の知見のうちIIbの水準に達しないものというふうに整理をさせていただいたところでございます。
続きまして、大きな改定ポイントといたしまして、資料2-2の5ページ目でございますが、5.今後の展望の部分でございます。こちらについては、今後の課題ということで以前まで記載がございましたが、今後の展望ということで、今後、どういうふうな基本的な方向性でいくかということも含めて記述を修正させていただいたところでございます。
具体的には、2段落目の後半、「今回」以降の部分が追加したところでございまして、「今回、別紙の付属資料として、動物実験の知見に基づく評価値算出の具体的手順が詳細に示されたことから、当専門委員会における指針値設定に係る迅速なリスク評価作業と円滑な審議をより一層推進していくこととする。」というふうな記載を追加させていただいたところでございます。
また、次の段落も新たに追加した部分でございますけれども、現在定量評価に用いられていないアレルギー反応等の新規のエンドポイントでございますとか、複合影響及び曝露評価のあり方についても、必要に応じて、検討を行うこととする、というふうに取りまとめさせていただいているところでございます。
 続きまして、別紙の方に移らせていただきます。資料2-2の7ページ目を御覧ください。別紙につきまして、まず全体的に、健康リスク評価のあり方についての改定と合わせまして、用語の改定でございますとか整理というものを行っているところでございます。
 まず、タイトルについてなんですけれども、「指針値設定のための評価値算出の具体的な手順」ということで、より何に関しての具体的手順かということを明確化したところでございます。
また、主な改正ポイントといたしましては、7ページ目の中ほどの(3)の①の部分でございますけれども、「適切な知見の抽出」というところを新たに追加しておりまして、前項(2)で整理された知見、すなわち「定量評価に資する知見」の中から、また後ほど説明させていただきます付属資料1及び付属資料2を参照しながら有害性に係る評価値を算出するための鍵となる知見、いわゆるキースタディを抽出することとしております。
続きまして、7ページ目、下の方の③疫学知見の優先性の部分でございます。こちらについては、以前の具体的手順の中にも記載はされておりましたが、重複を削除いたしまして、疫学知見の優先性、それから長期曝露影響の疫学知見を優先すること等について、内容を整理させていただいたところでございます。
 続きまして、資料2-2の8ページ目でございます。こちらにつきまして、下の方に⑦とございますが、こちらで「発がん性の閾値の有無の判断」というところを新たに追加させていただいております。こちらについて、発がん性の閾値の有無の判断に関する検討につきましては、発がん性を有する化学物質を遺伝子障害の有無と、その発がん性への関与の程度により、付属資料3を参照いたしまして、3区分に類型化し、ユニットリスク、あるいは無毒性量等を求め、評価値を算出することとしております。
 それから⑧でございますが、こちらは「有害性の評価値の算出方法」でございます。こちらにつきましても、以前、記載をされていた内容にさらに、一番最後の行でございますが「動物実験の知見からの評価値の算出手順については、付属資料4に詳述する」というふうに整理をさせていただいているところでございます。
それでは、こちらの付属資料につきまして、御説明させていただきたいと思います。ちょっとページをめくっていただきまして、10ページ目に付属資料1、環境目標値設定に資する疫学知見の抽出の考え方でございます。
こちらにつきましては、環境目標値の設定に資する疫学知見の抽出については、長期曝露影響が評価できるコホート研究による疫学知見が存在する場合には、これを優先することが適当であるとしているところでございます。具体的な選定に当たって考慮すべき点といたしまして、1)から4)まで整理させていただいております。こういった点を考慮しながら広範囲なエンドポイントに関するより質の高い疫学知見を評価対象といたしまして、曝露評価上の誤差や誤りについても考慮することが望ましいとしておりますが、考慮すべき点としては、十分な対象者数と適切な対象集団を選定すること、それから2)といたしまして、大気汚染物質の適切な測定でございますとか、時間・空間的な変動を考慮した曝露評価を実施していること、3)といたしまして、信頼できるエンドポイントの測定及び評価と因果関係の同定がなされていること、それから4)といたしまして、交絡因子の調整等適切な解析手法を用いていることを挙げさせていただいております。
しかし、有害大気汚染物質に関する疫学知見の多くは、労働衛生それから産業疫学領域から得られていることから、限界があることを考慮する必要があるといたしまして、対象者数、対象集団ともに限られていること、曝露は高濃度領域に偏っていること、それから、生涯にわたる広範なエンドポイントを得にくいことを整理させていただいております。
また、こういった労働衛生・産業疫学データにつきましては、小児、女性、健康状態のよくない集団は含まれないということから、確実な知見ではなくても、より広い曝露濃度範囲が観察され、感受性が高いもの・脆弱性を有するものを含む一般集団を対象として実施された研究を参考として用いることが望ましいとしているところでございます。
また、曝露評価について考慮すべき点といたしまして、1)から3)について整理をさせていただいております。
その後に環境目標値の設定の定量的な評価を行うために確認すべき情報といたしまして、1)から4)を整理させていただいているところでございます。
それから、11ページの方に参考といたしまして、疫学知見における因果関係の評価について、これまでの情報を整理させていただいているところでございます。
 続きまして、資料2-2の12ページの方に参りまして、付属資料2「環境目標値設定に用いることのできる動物実験の規準」でございます。
 有害大気汚染物質の有害性評価及びリスク評価につきましては、データの信頼性、妥当性、それから適切性を評価する必要がございます。有害性評価では、利用可能なデータの信頼性を評価するというふうなことが必要になっておりまして、こちらにつきまして、クリミッシュのコードを参考にいたしまして、コード1からコード4に分類することとしたところでございます。このうち定量リスク評価に用いるデータといたしましては、原則としてコード1または2に相当するデータとしたところでございます。
 13ページの方に参りまして、「なお」ということで、動物実験データを人に外挿して評価を行う場合につきましては、こういった信頼性の高いデータがなるべく複数存在し、その間に一貫性が観察されることが望ましいというふうに整理をさせていただいております。
また、人に外挿して評価を行うことが適切かどうかということについて、確認すべき事項として、(1)から(3)を整理させていただいておりまして、すなわち、人と動物における有害性が同じか類似していること、標的組織が同じか類似していること、そして、その化学物質の体内動態や生体との反応性が同じであると推定されることが重要な指標となるということを明記させていただいておりまして、人と動物との毒性発現機構が明らかに異なる場合には、外挿して適用することは妥当ではないということを書かせていただいております。
さらに、動物における有害性の作用様式におきましては、評価値の算出においても考慮する必要があるということを記載させていただいているところでございます。
 続きまして、資料2-2の16ページ、付属資料3の部分でございますが、こちらについては、発がん性の閾値の有無の判断に関する考え方というところで整理をさせていただいております。この閾値の有無の判断につきましては、化学物質の遺伝子障害性の有無とその発がん性への関与の程度を基準とすることとしておりまして、遺伝子障害性の有無を判断するに当たっては、この16ページの真ん中辺りに書かれております(a)・(b)のin vitro遺伝毒性試験、それから(c)のin vivo遺伝毒性試験によりまして、突然変異の誘発が確認されることが重要な判断基準であるというふうに書かせていただいているところでございまして、試験の信頼性を考慮しながら、こういったデータ等から総合的に評価することとしているところでございます。
 この発がん性を有する化学物質につきましては、遺伝子障害性の有無と、その発がん性への関与の程度に基づきまして、i)からiii)の3区分に類型化し、ユニットリスクあるいはNOAEL等を求めることとし、評価値を算出することとしております。
 i)といたしまして、化学物質の発がん性に遺伝子障害性が関与する、あるいは関与の可能性が高い場合につきましては、閾値のない発がん物質であると判断いたしまして、ユニットリスクを求めて評価値を算出すること。それから化学物質の発がん性への遺伝子障害性の関与が不確実な場合につきましては、ユニットリスクによる評価値の算出とNOAEL等からの算出の両方を実施して、科学的妥当性を考慮した上で、原則として低い方の値を採用すること。それから化学物質が遺伝子障害性を持たない場合、あるいは化学物質の発がん性に遺伝子障害性の関与がないと推定される場合につきましては、閾値のある発がん物質であると判断いたしまして、NOAEL等を用いて評価値を算出することとしております。
続きまして、付属資料4の部分でございますが、こちらで「動物実験の知見に基づく評価値算出の具体的手順」についてまとめさせていただいております。
まず、動物知見に基づいて評価値を算出する際には、人同等濃度を求めるための換算や補正を行うこととしておりまして、その後、ユニットリスクの算出や閾値のある有害性については、NOAEL等を不確実係数等の積で除する方法により、評価値を算出することとしております。
「4-1 実験曝露濃度の換算及び補正」の中で、まず、用量でございますとか濃度、こういったものの単位の換算、それから曝露時間の補正ということで、動物を用いた慢性曝露の吸入試験では、一日一定時間、化学物質に曝露する断続曝露の方法が用いられることが多うございますので、この場合、連続曝露の濃度に補正する必要があるというときには、補正係数を設定するということを明記させていただいております。
ただ、こういった物質につきまして、体内での蓄積、それから体内からの消失速度等によりまして、曝露時間に応じて用量を平均化することが適切でない場合につきましては、この補正を行わないこととしております。
 それから、曝露経路の換算といたしまして、やむを得ず経口曝露実験結果を用いて評価を行う場合につきましては、適切な曝露量の換算方法について個別に検討することとしております。
それから、人同等濃度への変換につきまして、こちらについては、詳細について、次の4-2で記述することとしておりまして、4-2を御覧いただきたいと思います。
こちらの方に「閾値のない発がん性に係る評価値の動物実験の知見に基づく算出」ということで、ユニットリスクの算出、それから評価値の算出というところについて記載させていただいております。
まず、ユニットリスクの算出につきましては、観察された用量反応関係に適切な数理モデルを当てはめまして、ベンチマーク濃度を推定し、単位濃度当たりのユニットリスクを算出することにより行うこととしておりまして、原則として10%の過剰腫瘍発生推定濃度をベンチマーク濃度といたしまして、その95%信頼下限値をユニットリスク算出の出発点の濃度とすることとしております。
この濃度を確認した後、人同等濃度の方に外挿して変換をしまして、人の単位濃度当たりの生涯過剰発がん率の95%信頼上限値(ユニットリスク)を算出することとしております。
評価値の算出につきまして、リスクレベルにつきましては、当面、第2次答申に基づくものとしてございます。
それから21ページに参りまして、「4−3 発がん性以外の有害性及び閾値のある発がん性に係る評価値の動物実験の知見に基づく算出」でございます。
こちらの評価値の算出につきましては、閾値がある場合につきましてはNOAEL又はLOAEL、こちらを不確実係数で除する方法によることとしております。複数の不確実係数を考慮する場合につきましては、こういったものの積を不確実係数として評価値を算出することとなりますが、その積は3,000を超えないものといたしまして、3,000を超える場合には、環境目標値の設定には原則として用いないということを整理させていただいております。
この不確実係数等につきましては、(a)から(f)に整理をさせていただいておりまして、(a)が、まず種内差ということで、人間集団における個体差でございまして、デフォルトを10と考えているところでございます。
 続きまして(b)種間差でございますが、これは、動物実験の結果を人に外挿する場合の係数でございまして、人間は実験動物より感受性が高いという仮定のもとにデフォルトを10として設定することとしておりますが、こちらの値につきましては、トキシコキネテイクス及びトキシコダイナミクスに分ける考え方もございますので、こういったことを考慮して検討していく必要があるかというところでございます。
続きまして(c)LOAELからNOAELへの外挿でございますが、LOAELのみ得られているデータ評価につきましては、NOAELへの外挿に対応する不確実係数として最大10を採用することとしております。
 ページめくりまして22ページでございますが、(d)データの不完全性といたしまして、付属資料2にございました信頼性コード2のデータのうち、データセットが不十分であるというふうな場合等につきましては、その不完全さに応じて10以下の不確実係数を採用する場合があり得るとしております。
 また、曝露期間の差といたしまして、やむを得ず短期間の曝露実験のデータを用いて評価を行う場合には、最大10の不確実係数を考慮する必要があるとさせていただいております。
 最後に(f)といたしまして、曝露経路差といたしまして、原則として吸入曝露実験から得られたデータを重視することとしますが、やむを得ず経口曝露実験結果を用いて評価を行う場合には、先に申し上げましたとおり、適切な外挿方法について個別に検討、換算を行うこととしておりますが、さらに必要であると考えられる場合につきましては、係数の設定を行う場合があるというふうな整理にさせていただいております。
 また、NOAEL等の設定に用いたエンドポイント以外に、発がんでございますとか神経影響、こういった不可逆かつ重大な影響が観察されているものの、定量的な評価が可能なデータが得られていない物質の評価につきましては、以上の不確実係数とは別に、影響の重大性を考慮する10以下の係数を設定することとする場合があり得るというふうにしております。
 なお、こういった不確実係数でございますとか、影響の重大性に関する係数は、できる限り小さい方が望ましいとされておりまして、実験の追加等により将来的に小さくしていくことが望まれるというところでございます。
 なお、こういった手順につきまして、特に動物実験の知見に基づく評価値の算出については、フローで示しましたものを参考資料3-3といたしましてつけさせていただいております。また、今回用いた用語については、用語集(案)という形で参考資料3-4の中に取りまとめさせていただいております。こういうことでございます。

【内山委員長】 ありがとうございます。今お示しいただきました改定案を取りまとめていただいたときに、青木委員を中心としまして、先ほど申しましたように検討会があったということでございますので、青木委員から何か補足説明がありましたらお願いします。

【青木委員】 特に内容的にはございませんが、審議経過です。参考資料3-2にございますが、足かけ4年間にわたって検討させていただいてまいりました。この検討に当たりましては、ただいまの事務局、環境省から御説明がありましたように、本文と、それから別紙、ここまでは従来あったんですけれども、さらにそこに付属資料という形で、動物実験の知見に基づいてリスク評価を行うということでございますので、国内外知見をできるだけ最新のものを取り入れて具体的手順を示すということが、私どものミッションでございました。それぞれの検討会の中でそれぞれの御専門、今日御出席の先生方にも参加していただいてございますけれども、それぞれの御専門の先生に十分検討していただき、特に付属資料の具体的な課題については、かなり時間をかけて議論してきたいという次第でございます。
 以上でございます。

【内山委員長】 ありがとうございました。平成21年から3年余りにわたって、いろいろなところで議論していただいて、今日、お示しした案になっているということです。
何か御質問、御意見ございますでしょうか。はい、どうぞ。

【浦野委員】 ちょっと質問ですが、この資料2-2の4ページ目の3までは、いわゆるリスク評価のまさにあり方そのものが書いてあるので、これは、基準値を設定する場合も指針値を設定する場合も共通の考え方ですね。
 ところが、4のところで、いきなり指針値だけが出てくるんです。だから、指針値のことを書くのであれば、基準値というのはこういうことだけれど、指針値というのは、多少、性格や機能が曖昧だから、それについて詳しく書くとでもしないと、ちょっと違和感がある。基準値の考えもこういう考え方でやるというようなこと、その中で指針値のことについて、以下に示すというような、何かしら文章が要るんじゃないかという気がします。
 それからもう一つ、付属資料1、2、3、4、4は具体的な手順ですが、1と3は「考え方」というタイトルになっていて、付属資料2だけが「規準」という格好になっています。中身を見ると、特に考え方と規準で違う表記になっていない。これは、考え方なら考え方ということでよろしいんじゃないかと思うんですが、何か特に規準と書く意味があって、2番目だけが規準と書いているのかどうかの質問です。

【横山総務課係長】 まず、1点目の御質問でございますが、環境基準とはということでございますけれども、一応、指針値の冒頭のところに「環境基本法16条に基づき定められた環境基準とは」ということは、1文を入れさせていただいているところではございます。
 それから付属資料……。

【浦野委員】 4として指針値だけが、こう書いてあります。なぜ指針値だけについて詳しく書いているのかを、文章にした方がよろしいんじゃないかということです。背景、経緯はとにかくとして、3は基本的に基準値、指針値、共通ですよね。2も共通ですよね。だから、そこから4に来る間に何か説明が要るんではないですか。基準値の前書きしかないので、そういうコメントです。そちらで最終的にどうされるか、皆さんの御意見も伺って。

【横山総務課係長】 検討させていただきます。

【内山委員長】 3ポツの4ページの上からIIIbの後に指針値の設定ということで、基準値と、それから……。

【浦野委員】 ですから、全体が指針値だけのためにあるように、この資料はできているんですよね、だけど、今では多分、基準値をつくるときも同じ考え方でいくということを多分決めたいんじゃないかと思うんですけどね。だとすれば、そういう書き方が必要なんじゃないかという。

【内山委員長】 前の第8次答申と大きな構成を一致させてしまったので、こういうことになっているのですね。

【青木委員】 先生の御指摘の点、検討会のときに議論がございました。ただ、もちろん文章でどういうふうに説明するかという、まさに先生の御指摘は重要だと思うんですが、ただ、一応、今回、従来ありました第7次答申及び第8次答申にあります「今後の有害大気汚染物質の健康リスク評価のあり方について」の改定という形となっておりまして、そのとき、これ、いろいろ経緯があったと伺っておりますが、やはり指針値の設定をどういうふうに進めていくかという基本となるペーパーとなっておって、それを受けて改定される形になっております。
 確かに、まさしく先生の御指摘のとおり、前半は全体的な議論をし、後半は指針値の性格と機能という内容となっており、全体を改定という形で取りまとめさせていただいたのは確かでございます。
 確かに、ただ少し文章を考える必要はあるかもしれないです。

【浦野委員】 ちょっと確認なんですけど、せっかく付属資料1から4までかなり具体的に決められましたよね。いろんな中身の判断の仕方を変えていますよね、相当改良されて。これは、今後の基準値設定のときにも適用するという考え方ですか。そうしないと、基準値は基準値でまた別に何か議論するというわけにはいかないと思うんですけれども。

【小林委員】 すみません。今の件ですが、いいでしょうか。

【内山委員長】 はい、どうぞ。

【小林委員】 以前に議論していたときにあったのは、環境基準を設定するまでのデータがそろっていないにもかかわらず、少し問題があるような物質がある、それについてどうするかという議論の中で、このいわゆる指針値を作ろうという話になったと思うんです。
そのときの話では、基本的にレベルを決めていって、データの集積とか、そういうものの中から環境基準を設定するにふさわしいデータがそろっている場合は、環境基準を作ります。そこまで行かないものについては、ある程度、指針値という形で決めておいて、ある程度、情報が集まってきた時点で、それをグレードアップする形で環境基準にしましょうというお話だったと思うんですが。
その辺のくだりが、この背景と、この前の辺に少し書いていただいたらわかると思うんですが、今言われるとおり、環境基準を決めると同じようなことだと言いながら、途中で指針値にごろっと変わってしまっているので。ここの部分、前置きを少しそういう前提をきちっと整理して書いていただくとわかると思うんです。
それともう一つは、後の方にもあるんですが、以前ちょっと議論しましたように、指針値についてのある程度データがそろってきた、集積がそろってきた段階で環境基準にグレードアップをするという手続についても、どこかに記述されたらいいのではないかなと思いますが。

【内山委員長】 ありがとうございます。
 よろしいですか。そこら辺のところは、ちょっと背景に入れるか……。はい。

【中杉委員】 この考え方を整理するのに参加したときの議論を思い出しているんですけれども、あくまでも、これは指針値をつくるために考えて議論をしているものであって、基準値をつくるときを前提として議論をしていない。結果として使えるかどうかはともかくとして、今回出したのは、指針値を設定するための手順として出している。
 だから、これは、このまま基準値で使えるかどうかという議論は、あまりしていないんです。ですから、浦野委員が言われるように、これは使えるというふうに判断は、一般的にはできるかもしれません。ここであくまでも言っているのは、指針値をつくるための手順を整理したというところで、小林委員の話で、より精度が高くなるというのは、評価値だけの精度が高くなっても、基準にするかどうかというのはまた別の要素が、曝露の方の要素やリスク全体的に見なきゃいけないですから、そこの辺はまた別の問題です。
 これはあくまでも、今の段階では指針値をつくるための手順であると。だから、それを一般に考えれば、浦野委員が言われるように、基準値をつくるときもこういう考え方でやっていくんだねということは、そうなのかもしれませんけど、そこまで踏み込んで議論をしているわけでは必ずしもない。何となく頭の中にそういうことが入っているかとは思いますけど、イメージ的にそれを前提に議論しているわけではございません。

【内山委員長】 そのつながりを、もう少しわかるようにということでよろしいですね。

【永田委員】 ちょっといいですか。今の話で、前の資料というか、前回のときの資料が3-1に載っていて、ここは、2ページ目にはちゃんと指針値の設定という書き方、断り書きの中に、あり方というのは出てくるんですよね。今回、それが記載されていない。
 ですから、浦野委員のおっしゃられるとおり、特に今度の資料の3ページ目のI、IIと書いてあるちょっと上辺りに「環境目標値」と。この環境目標値という中には基準値と、それからこの指針値、両方が入っているということになるわけで、もし今のような話だとすれば、ちゃんとここは指針値と書いておいた方が間違いないなという気がするし、断り書きも入れた方がいいのかもしれませんよ。

【浦野委員】 この2と3は、かなり一般的な表現になっていて、例えば3のところ「確実性の高い科学的根拠がある疫学研究」とかと書いてあるわけで。そうすると、それをもとにできれば、あと曝露の問題は当然ありますけれども、基準値も多分同じような考え方になる。
 あるいは、一生懸命いろんなグループ分けしたり、価値評価をずっとフローをつくったというのは、基本的に環境基準の考え方もそういうふうに直す、いずれも直す、改めて直すということをどこかで言わなきゃいけないのかどうかなんですけど。それが暗に入っているような気もするので。
 今、永田委員がおっしゃったように、ここは、一般的な考え方はこう書いてあるけれども、中心はあくまでは指針値のことであるということがわかるような書き方をして、逆に言うと、今度は基準値を決めるときには、指針値の考え方をもとにして、若干何か修正とか用語を変えるかもしれませんが、もとにして行うというようなことをどこかでまた別に決めるということですね。それならそれでも結構です。

【内山委員長】 後半は、あくまでも動物実験の手順しか考えていないんです。人の疫学調査から評価値を出すという手順は、全く逆に言うと書いていない。
 ただ、基準値は、今まで原則として、人の確実性の高い疫学調査がある物質については基準値にして、動物実験からは基準値は策定していないのですが、ダイオキシン類だけは、動物実験から基準がつくられています。そのためIは確実性の高い科学的疫学研究または動物実験の知見としてあります。少なくともIに分類されないと、環境基準はできない。
 今まではダイオキシン類を除いては疫学調査があるもののみ基準値を作ってきました。今回、有害大気汚染物質で、疫学調査がしっかりしたものがあるもの以外からも、指針値を作っていかなければならないだろうということで、詳しくガイドラインを作っていただいたので……。

【浦野委員】 ですから、3から4に行くあたりのもうちょっと位置づけを明確に書いていただければよろしいと思います。

【内山委員長】 はい。

【中杉委員】 1番目の2ページの1.のところの背景の一番最後のところ、ここでは指針値の改定をやると、指針値の作り方の改定をやりますよということをここで言っているんですね。指針値の設定の手順をやる、今まで基準値の設定の手順というのは、実はないんです。明示的に指針値設定の手順というふうなことで書いてあるので、これは、あくまでも、そういう意味では、指針値の設定の話をやりますよということを1の背景のところで明示的ではないですけど、一応最後のところで言っているんですね。
 それを受けて、一般論のところですけれど、2のところが入ってきているということですので、それを読んでいただければ、もう少し明示的に書けということであれば、事務局の方で書いていただければと思いますけど。

【青木委員】 今の御指摘は、いろいろ検討させていただきます。ただ、ちょっと実は、3ポツの章立ての中で、3ページの(1)は環境目標値設定に必要な科学的知見でございますが、(2)の方は、指針値の設定の手順あるいは考え方を整理させていただくということで、特にそこを活かすという意味で言えば必要だと。
 真ん中の①、②の下でございますが、「指針値設定の根拠となる評価値の算出は、別紙のとおりの手順で行う。」その次です。「このうち(1)のIに該当する知見が得られる物質については、必要に応じ、環境基準の設定について検討される対象となる。」ということを書かせていただいてございますけど、このあたりの少し文章を、正直申しまして、議論になって随分、悩んだ点ではございますけれども、もう少しわかりやすい形でまとめさせていただきたいというふうに理解しておりますけど、それでよろしいでしょうか。

【永田委員】 ちょっと何を言っているかよくわからない。もう一遍ちょっと説明してみて。

【青木委員】 私の説明がわかりにくかった。

【永田委員】 わかりにくかった。ちょっと声が。

【青木委員】 聞こえにくかった、すみません。ちょっと早口で申し訳ない。3ポツです。3ページのところに有害大気汚染物質の健康リスク評価のあり方という章立てをしてございます。その中身というのが、(1)にございます「環境目標値設定に必要な科学的知見」という項目と、それから4ページに参りまして、「指針値の設定」という二つの項立てがございます。
 ですから、(1)の方では、どのような科学的な知見が環境目標値、つまり環境基準値と、それから指針値の設定に用いるかということを整理させていただいて、4ページの(2)におきまして、そういうものを使って、じゃあどのように指針値を設定していくかという考え方をまとめさせていただいております。
ただ、その中で、繰り返しになりますが、4ページの真ん中辺りです。「指針値設定の根拠となる評価値の算出は、別紙のとおりの手順で行う。」とし、「このうち(1)」これは前のページにございますが、(1)のIに当たります、つまり「確実性の高い科学的根拠を有する疫学研究または動物実験の知見に該当する知見が得られた物質については、必要に応じ、環境基準の設定について検討される対象とする。」というふうに書かせていただいてございます。
ですから、この辺の部分を少し整理させていただいて、わかりやすい形でまとめさせていただけたらと思う次第でございます。すみません、ちょっと早口で申し訳ございませんでした。

【内山委員長】 島先生、どうぞ。

【島委員】 今、御説明をいただいたところですけれども、4ページの(2)の中で「必要に応じ、環境基準の設定について検討」ということですが、ここの見出しが「指針値の設定」となっておりまして、その中で環境基準の設定についての検討というのは、ちょっとわかりにくいので御検討いただきたいと思います。
それと、そのもとになっております、3ページの下の科学的知見の確実性について、I、II、IIIの3つに分類されたところがございますが、この中でIIとIIIは疫学と動物実験についてそれぞれa・bというふうに整理されているのですが、Iについては、「確実性の高い科学的根拠を有する疫学研究又は動物実験」ということで、疫学と動物、ここは区別しないでIとして、しかも、そこでまた括弧して「必要に応じ環境基準の設定の検討対象」という記載があります。
ここで環境基準の設定の検討対象というのが、Iになれば環境基準を設定するのか、そのあたりの考え方がちょっと(1)と(2)で繰り返して出てくるようでいながら、少しわかりにくいところがあるのではないかなという印象を持ちました。
このIで疫学と動物実験を区別されないというのは、何か理由があるんでしょうか。

【青木委員】 そこは、確かにI、IIa、IIbと、Iにおきましては動物実験と疫学研究を同じところで、しかしII以下のところで分けているというところは、確かにちょっと不自然な感じもするとは思うんですが、分けた理由というのは、IIa、IIbの、冒頭は疫学と動物実験の知見を並べてございますが、「不確実性の要因を除くために」というところの以降が、動物実験と、それから疫学ではやはり内容が違うので、ちょっとそこを分けたという次第でございます。そのために、読み上げるまでもないと思うんですけれども、それぞれ中身が違いますので、そこで分けて書きました。
 それで、IIIにつきましても、それに従いまして、同様に「水準に達しない」という中身が何かというところが、当然、疫学と動物実験では違いますので、そこをちょっと具体的に書くためにわざわざ分けたと、そういう次第でございます。

【島委員】 今の趣旨は理解いたしますが、この文章が環境基準の設定ではなくて、主に指針値の設定について記載されたもののためだとは思いますけれども、環境基準の設定ということまで踏み込んで書くのであれば、やはり確実性の高い科学的根拠について、疫学と動物実験は分けて示す必要があるのではないかなと私は思いました。

【中杉委員】 今、島委員が御指摘の部分ですけれども、4ページのところの「このうち」に「環境基準の設定について検討される対象となる」というのは、ある意味では余分な記述だと私は思います。指針の設定のことについて書いているので、そういうふうになるだろうという予測のもとで書き過ぎている部分じゃないだろうか。これを書くのであれば、ほかのものについてもIIa、IIbとIIIa、IIIbについてどうするということまで書いて、全体として。先生が言われるように、基準値の設定と指針値の設定と両方書き込んでいかなければいけない。これが書いてあることで問題が、誤解を招くようであれば、そこは削除するのが適切だろうというふうに私は思います。

【浦野委員】 2ページ目の下の先ほど中杉委員が言いました、2のちょっと上のところの「今後の有害大気汚染物質の健康リスクの評価のあり方について改定をすることとした。」と、ここで切れているんですね。「さらに」となっていて、指針値のことを書くとなっているので。
 さらになっているので、その前の方は、ここにも3ページの3の(1)と同じように、ここは環境目標値ということで基準値も入っているという考え方を入れているんだとすれば、そこの部分はそこの部分で、さっきお話があった疫学研究と動物実験を分けた方がいいし。いや、もうここも、3の(1)も指針値だとしてしまえば、それはそれでもすっきりするんですけど。
 環境基準の話と指針値の話がごちゃごちゃに入っているのを少し整理して表現をきちっとされたらどうですかというのが私の提案でしたので、その辺、どういう趣旨でどう書かれたか。

【中杉委員】 前の「今後の有害大気汚染物質の健康リスク評価のあり方について」というもの自体が、そこで基準値の話は、多分、していなかったと思います。

【内山委員長】 このあたりは難しいのですが、最初は環境目標値をこの物質について決めましょうということで出発するのです。それで、データを集めてくると、このI、II、IIIのどこにあてはまるかによって、じゃあ、これは基準値は無理ですから指針値にとどめておきましょうというような形になるので、I、II、IIIを指針値の基準とするのは、ちょっと難しくなってきてしまうと思います。
 有害大気汚染物質について環境目標値をまず決められそうだから決めましょうと、それが、指針値にすべきか、基準値にできるかというところは、当然、環境基準はIでなければいけないわけですが、Iに入ったものの中で、これを基準値にするか指針値にするかというところは、またそこで個々の場合で考えるので。最初から指針値に必要な科学的知見としてしまうと、かえって難しくなってしまう気がします。

【浦野委員】 そういう意味で、それぞれのところのちょっと表現を整理していただければいいと思うんですけど、受け取る側が混乱するので。

【内山委員長】 そうですね。整理をもう少ししてわかりやすいように。今、大体御議論をいただきましたので、そこら辺のところを少し事務局それから私それから青木委員も含めて整理させていただいてよろしいでしょうか。

【浦野委員】 すみません。私、質問をもう1点だけ、回答があるはず。付属資料中の「規準」と「考え方」はどうかという質問ですけど、何か御意見、事務局の御返事があれば。

【青木委員】 検討の経緯、なぜ逆に2番だけが規準になっているかというのは、単純に申しましてクライテリアの訳の言葉を使ったわけです。考え方とクライテリアのどこが違うかというとなかなか難しいところなんですが、基本的には、環境目標値設定に用いることができる動物実験というのは、こういう規準がというときにそれを用いられるという考え方がございますので、より「考え方」という獏とした言葉よりも、「規準」という明確な言葉を使った方がいいんじゃないかという考え方から、これは規準という言葉を使いました。

【浦野委員】 付属資料、例えばほかのところも、こういうものを採用するとか、これをもとに算出するとか、分けて表現しているわけなんですが、中身的にはあまり変わらないと思うんですけどね。

【青木委員】 なるほど。検討を……。

【浦野委員】 考えてください。

【内山委員長】 よろしいですか。では、そこも含めてもう一回議論させていただきます。
 村田先生。

【村田委員】 3ページの3.の下のI、IIa、IIbのところなんですが、Iで「疫学研究又は動物実験の知見」と書いてあるんですけれども、これは対等なんですか。もしそうだとすると、ニッケルの場合は、疫学結果で指針値ができたんですが、動物実験では、がんができないという結果でした。対等だというふうにおっしゃられると、より確実性の高い科学的根拠として動物実験でニッケルには発がん影響がないというふうに出ていた場合、当てはまらなくなるように思われます。疫学研究と動物実験の知見の結果がある場合に、疫学研究を優先することをきちんと明記しておかないと、合わないんじゃないかなという気がいたすんですが、いかがでしょうか。

【青木委員】 先生の御指摘は、確かに横並びということは、このIにございますが、実際に、今度、指針値を決めていくときには、中身のところでございますけれども、今の御質問に限定してのお答えになってしまうと思うんですけれども、疫学的な知見を優先させるという原則はつくってございますので、今の問題に関しては、一応、はっきりはしているんじゃないかと思います。

【内山委員長】 実際には、別紙の7ページのところの1ポツの(3)の③のところに「疫学知見の優先性」という記載があります。指針値設定のための評価値算出の具体的な手順のところで、疫学知見をまず優先させるということがここに書いてあって、同じ値に属するものが両方あった物質については、疫学知見を優先させるということで、具体的に手順の方に書いたということです。よろしいでしょうか。

【浦野委員】 今の点で確認ですけれども、それは、Iの動物実験よりIIaの方が優先するという考え方ですね。そういうことだという理解でよろしいんですか。
 IIaは疫学的だけど科学的知見が多少足りないと。IIIは使わないと書いてあるので、疫学的な情報があってもIIIは使わないんだと書いてありますので。そうすると、IとIIだけが使われるとすると、Iの動物実験は、かなりしっかりしたものがあっても、IIaの方を優先するという考え方でよろしいんですか。その辺をはっきりしておいた方がいいと。

【青木委員】 ケース・バイ・ケースという前提を置かせていただきますが、疫学の知見をより優先させるという原則で考えております。

【永田委員】 よろしいでしょうか。ちょっと別のお話で。
 この文章、公開されて一般の人たちも見るという前提の中で、リスクコミュニケーションの中で、まず3ページ目のところで、いろいろ今話題になっている話なんですが、確実性という言葉の使い方で、ここで使っている確実性というのは、用語解説の中にも入っているような、指針値なり、あるいは環境基準を算出するのに十分な確実性を持っているかどうかという話で出てくる、上の表現がそれになっているんだと思うんですけど。
 7ページ目の今話題になったところで、「知見の科学的根拠の確実性」と、ここでまた確実性と使われるんですけれど、その中身を見るとちょっと、文章の中でもまた「科学的に確実な根拠」とかという言い方をしていて、一般的な我々が使う「確実」という言葉が、確実性という表現になったり確実と使ったときに、何かやっぱり内容が違ってきているなという印象を非常に強く受けるので。
 確実性とはどういう定義なのというのは、用語集に入っているので、そのままこっちに引っ張ってきて、解説か何かを下の方につけていただく、そういう形で処理する、それから、今の「知見の科学的根拠の確実性」という表現は、ちょっとその確実性のことを言っているのかどうかとちょっと曖昧なんですよね。それで、もうちょっと、その下の文章も含めて考えていただいた方がいいのかなという気がします。
 それから、11ページ目に「疫学知見における因果関係の評価」というのが参考と、一番上に出てきます。その中で一貫性それから整合性という言葉があるんですが、この一貫性、整合性というのも何か解説をつけていただかないと、ちょっと具体的にはどういうことを言っているのかなというのがわかりづらい。一貫性も整合性も似たような言葉になっちゃうし、英語の方を日本語に訳すと、時制の一貫性という言葉も出てくる。
それで13ページの、今度は頭から2行目のところに、また「一貫性が観察されることが望ましい」という形で出てくるんですけれど、この一貫性の使い方と前の一貫性というのは、本当に同じなのかどうか、その辺も含めて、少し注書きの解説を入れていただけるとありがたいなというふうに思います。

【内山委員長】 わかりました。これも用語集に適切に入れるか、また、注をしていただくということでお願いします。
 あと、武林委員、何か。

【武林委員】 2点ありまして、一つ目は、今のことに関連するかと思いますけど、10ページのところの真ん中辺のところに「労働衛生・産業疫学データには小児、女性、健康状態のよくない集団は含まれないため」とありますが、その後に「確実な知見ではなくとも」というふうに書いてありますが、これは、あまりここにあるのはふさわしい表現ではないのではないかと思いますので、もう少し表現を工夫されるか取り除くか。参考にするということはいいかと思いますが、今まで確実性の議論をしてきて、ここで確実な知見でなくともというのはどうかなと思います。
それからもう一つは、21ページのところでございますが、これ、実際に作業を今実施している物質がありまして、出てくるところでもあるんですが、その21ページの真ん中下の方の(b)の種間差というところでありますが、種差の10を4と2.5に分けるという考え方があるという紹介にとどまっているものなのか、それとも、この文書が外に出ていったときに、それなりに、これを採用するというような根拠のあるものなのかということをもう少し明確に。
例えば、ここに4と2.5に分けるということは、どこかの評価機関が使っているのであれば、それを明示していただくとか、もう少し明確にしておかないと、作業をする側は4と2.5と書いてあると、これに従えということになると、ほとんど、特にTDについては、4以外の数字をとる根拠はなかなか、代謝の差の論文は、最近、結構出ているかと思いますが、TDのところの論文は出ていませんので、ほぼデフォルトで4といったようなことにもなります。それでいいという考え方ももちろんあるかと思いますが、もう少しここのところは、単なる参考情報、考え方の提示なのか、ある程度、これに従うのかということの確からしさみたいなところを明確にしておいていただけたらというふうに思います。

【内山委員長】 ありがとうございました。ではもう一つ、島委員。

【島委員】 今、武林委員が御指摘のところと関係するんですが、10ページの付属資料1の中ほどのところです。有害大気汚染物質に関する疫学的な知見が、労働衛生・産業衛生の領域で多いというのは、確かにそのとおりでありますが、そこで確実な知見でなくとも、「一般集団を対象として実施された研究を参考として用いる」というふうに書かれていますが、これは一般集団の研究があったとしても、それは参考であり、労働集団の方を重視するということなんでしょうか。

【青木委員】 確かに文言として、そうですね。ちょっと誤解のないような表現に改めさせていただきます。

【島委員】 よろしくお願いします。

【内山委員長】 それでは、先ほど申しましたように、今日は2つの大きな議題があるので……、圓藤委員、どうぞ。

【圓藤(吟)委員】 確認ですが、22ページの最後、「また」以下の5行です。これは、発がん、神経影響、催奇形性等不可逆かつ重大な影響が観察されていると、それなりの重みを考えるのは妥当だと思いますが、4―3の中に入っているということは、動物実験の知見に基づいての議論と考えてよろしいですね、という確認が1点。
 もう一つは、このエンドポイントというのは、これらの重大な影響をもたらすものをエンドポイントと考えているのですか。すなわち、下に書いていますNOAELの中のAdverse Effectというのは、発がんがここに入るのはおかしいと思いますが、発がん性以外と書いていますから、神経影響、催奇形性等不可逆な重大な影響をエンドポイントした場合のNOAELを考えて、それに係数を掛けると、こういう考え方ですか、という確認でございます。

【青木委員】 まず、後の御質問について、同じエンドポイントに対して、それが重大だからといって、特にさらに重大性の係数を掛けるということは考えておりません。つまり、発がんはともかくとして、神経影響、催奇形性等であるがゆえに、最後にあります影響の重大性に関する係数を掛けるということは考えておりません。
 それで、あともう一つ、これは、あくまでも動物実験に関するものでございますので、そういうふうに御理解いただければと思います。
ただ、疫学の方を基準とした場合、それぞれの議論というのはございますので、そこは、それぞれの議論はあると思いますが、それは、やはり疫学の方の知見からどのように考えていくかという議論は、また別にしていただければよろしいんじゃないかというふうに考えます。

【圓藤(吟)委員】 私の言った理解でよかったということですね。動物実験であるということと、Adverse Effectというのは、神経影響とか重大な影響のことを指しているということですね。

【青木委員】 そうです、指していると。

【内山委員長】 動物実験から評価値を出したときに、定量的ではないけれども、ある程度の信頼性のある疫学で、こういう状況があったらどうしますかということですね。動物実験だけに限っているのですかという御質問ですね。

【圓藤(吟)委員】 いろんなケースで、疫学の知見と動物実験の知見と合わせわざで考えていくという場合、どうするのかというのは、最初に付属資料1では疫学を考えて、2で動物実験と、これを分けているので、今度は合わせわざについてどう考えるかが、今後の検討課題であるというふうに理解していいですか。

【川端総務課係長】 すみません。2つ御質問をいただきまして、動物か人かというのでは、先生の御質問のとおり、これは動物のものという理解です。
 もう一つの方の、最後から2つ目の段落でNOAELが2回言葉として出てきておりますが、おそらく先生の御質問としては、1つ目のNOAEL等という意味は、これは実際に用いたエンドポイントのこと、文の最後の行のNOAELというところで、実際に用いたエンドポイントではない、別なNOAELで計算するのかという御質問かと思うのですけれども、そうではなくて、これは実際にエンドポイントとして用いたNOAEL、要するに、発がんですとか神経影響、催奇形性ではない毒性に、影響の重大性に関する係数、要するに、神経影響ですとか催奇形性から考えられる10以下の数字を掛け算するという意味でございます。

【圓藤(吟)委員】 逆じゃないですか。いわゆる非常に細かいエフェクトを見ているのから算出したLOAEL、そこから求めたNOAELと、重大なものから得たNOAEL、LOAEL、違いますよね。

【川端総務課係長】 はい、違います。

【圓藤(吟)委員】 ですから、重大な影響を見る場合は、重大なものをAdverse Effectとして見ているのではないのですか。そうではないというふうな発言だったように思うんですが。

【川端総務課係長】 はい、私はそうではないというつもりで申し上げました。

【圓藤(吟)委員】 そうなると、非常に細かいところを見るのと、重大なものを見ているとの混同が起こってくるだろうというふうに思いますので、確認をさせてもらいました。

【青木委員】 確認なんですが、私のさっきの言い方がちょっとわかりにくかったみたいで申し訳ないんですが、ポイントは、つまり、あるNOAELを用いたエンドポイント以外に重大な影響が観察されているものの、定量的な評価が可能なデータが得られていない物質については、その物質の影響というのは、NOAELの設定に用いたエンドポイント以外に、そういう重大な影響があるわけですから、より安全性というのでしょうか、マージンを担保しようと、そういう考え方に立ったものでございます。
ですから、ここではあくまでも、ここで言ったNOAELを設定したものをエンドポイントでまず決めて、それを基準にして安全性を考えていくときに、そこに発がんなり神経影響なりが見られたとき、より安全側に振ろうという、そういう考え方に基づいた技術でございます。

【中杉委員】 私の解釈。多分、それで間違いないと思うんですけど、NOAELをこの3種の重大な影響でないものから設定をした。だけど、知見としてNOAELを設定できないけれども、あるいは、高いところにあるけれども、発がん性とか神経毒性、催奇形性のような知見があった場合には、その重大性に関する係数を掛けて、それで、もともとつくられた不確実係数と、その両方を掛け合わせた形でNOAELを修正していくと、そういうことが書いてあるというふうに私は解釈しています。

【圓藤(吟)委員】 催奇形性がきっちり証明されており、量もはっきりしていると、そこで求めてきたというような値ってありますよね。それに対して、催奇形性はあるんだけれども、量が不確かであるとか、あるいは、量はあるんだけれども、その催奇形性そのものが不確実であるというふうなものに、より厳しい値を掛けるというのは、不合理ですよね。ですから、ここの記載というのは、おかしな記載になっているというふうに思います。

【内山委員長】 今までは、何らかのエンドポイントでNOAELを出しますよね。そのほかに、特に神経影響だとか催奇形性、あるいは発がん性のデータがあった場合には、これは、やはり全くそのデータを無視して、今求めたNOAELをそのまま評価値にするのではなくて、あとそれプラスにもう少し安全係数を掛けておきましょうというのが、今までのリスク評価の考え方だったと思います。
 ですから、例えば発がん以外の影響でエンドポイントは出たと。だけれども、そのほかに発がんを示唆するようなデータがある。ただし、それは定量的なものには不十分であるといったときには、さらに求めたNOAELに修飾係数として幾つかを掛けてきたというのがこれまでの方法です。

【圓藤(吟)委員】 その方法をしますと、不確実なデータほど、より厳しい、低い値にしていこうという発想で現実に合わないと思います。より確実なデータであれば……。

【内山委員長】 ですから全ての影響ではなくて、神経毒性とか催奇形性、発がんあるいは生殖毒性、それぐらいのものに限っていたと思いますけれども。不確実ではあるけれども、もしあったとしたら影響が重大だろうということで。

【圓藤(吟)委員】 で、その次の段階で、確実な証拠が見つかった場合、今度は甘くなっちゃうんですね。ですから、それを規制するのは、過剰規制という形になると思っていますけれども。

【内山委員長】 データがだんだん出てきて、神経影響、催奇形性で定量的な評価ができるようになれば、そこで基準を見直すということになります。その結果、甘くなるか、厳しくなるかは、それはわかりません。
 しかし普通はそれ以外のAdverseな影響があって、その方の値が低ければ、そちらを採用することになります。例えば、発がん性とそれ以外の影響で両方を出して、低い方を採用するという場合もあります。その場合閾値のある発がん性の場合は、発がん性から求めた値の方が高いという場合が往々にしてありましたので、発がん以外のエンドポイントで求めた値で基準を決めたり、指針値を決めるということはあったと思います。。ちょっとそこら辺また整理して、お考えいただければ。

【永田委員】 ちょっと確認させていただいていいですか。今の議論の延長線上で、今回、次の議題になっているマンガンの話が出てきますけど、マンガンのときにも、この影響の重大性というのが6ページ目で使われていますよね。これ、動物実験を判断しての話なんですか。

【内山委員長】 マンガンの場合は人の影響です。

【永田委員】 そうすると、さっき、これは動物実験だけですかという話があったけど、どこか、これを人のときのところにも記載があると。

【内山委員長】 人の場合は、今までそういうふうにやってきたということです。

【永田委員】 いや、だからどこかに記載はあるんですか。これは、共通なんですよね、基本的には。

【内山委員長】 考え方としては共通です。

【永田委員】 それをはっきりさせておいた方がいいんじゃないかな。

【内山委員長】 人の場合は、今まではそういう形で指針値を決めてきたと。

【永田委員】 それをどこかに記載はないの。

【内山委員長】 今まで残念ながら、そこまで記載したものはないです。アメリカEPAのガイドライン等で、いわゆるモディファイング・ファクターという形で書かれたものです。

【永田委員】 それはわかりました。それで、どこかに入れるところはないんですか、せっかく全体をまとめてあるんで。そういう意味ではどこかに今の、もしそういう対応をしているんですよということがはっきりしていれば。

【青木委員】 この付属資料をつくる段階においては、動物実験のことだけを議論するということにしてございましたので、ちょっとその点は、付属資料には入れておりません。もちろん考え方は共通かもしれないけど、そこのところの記述を入れますと、かえって混乱するかなと思って入れていないところで、むしろ議論しなかったというのが、経緯でございます。

【内山委員長】 ただ、ここは動物実験のデータから求めるものなんですけれども、今おっしゃったように、人のデータと合わせわざにするような場合の記載が抜けていたかもしれません。

【浦野委員】 それにも関連するんですけど、先ほどの私の発言にも関連する、付属資料2は、環境目標値設定に用いる動物実験ということになっているんですね。だから、基準値に用いる動物実験もこれで考えるということを意味しているんですよね。
そうすると、そことの関係で、動物実験と疫学データと両方をどういうふうに使う、基準値のときはどういうように使って、指針値はどう使うというのは、少なくとも指針値についてだけでも、合わせわざが必要なわけですよね。ですから、その辺は明確に、付属資料2の書き方も含めて、整理が必要かなと。

【内山委員長】 わかりました。ありがとうございます。
 そうしましたら、マンガンの方にも行きたいので、あとお気づきの点がありましたらば、また事務局の方にメールでも、あるいはファクスでも何でも結構ですので、今日御議論いただいたことに関して、あるいは、それ以外のことについても御指摘がありましたら、事務局の方にお知らせいただいて、次回までに少しリバイスしたものをまたお示しできればというふうに思いますので。今日大体のところを伺ったということでよろしいでしょうか。
 あと、議題2に移りたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

【川端総務課係長】 それでは、議題2、マンガン及びその化合物に係る健康リスク評価についてということで御説明させていただきます。資料本体といたしましては3-1と3-2です。それから関連する参考資料といたしまして、参考資料1、それから参考資料4のシリーズ、4-1から4-4でございます。
 時間がないので、少し端折りながら御説明させていただきますが、まず、参考資料1を御覧ください。こちらで、これまでの有害大気汚染物質の経緯を示させていただいております。
参考資料1の5ページを御覧ください。5ページ、別図ということで、まず、一番外側の枠で、有害大気汚染物質に該当する可能性がある物質(248物質)、それから二重線、その内側の四角で、優先取組物質(23物質)ということで、これは2年前の9次答申でこの見直しをいただいたものでございます。
これら23物質について、環境目標値の設定を進めているところでございますが、まず、環境基準が4物質設定されておりまして、指針値については8物質が設定されているところでございます。
その下に11物質、ダイオキシンを含めて11物質を掲載しておりますが、ダイオキシンにつきましては、ダイオキシン類対策特別措置法におきまして、別途、措置がなされておりますので、それを除きました残り10物質について、現在、リスク評価を進めているというところでございます。
この度、その10物質のうちマンガン及びその化合物につきまして、取りまとめが済みましたので、ここで御報告いたしまして、御検討をお願いしたいというところでございます。
それでは、次に参考資料4-4を御覧ください。参考資料4-4、ワーキングということで書かせていただいております。マンガンにつきまして、こちらは専門委員会の下にワーキンググループを設置いたしまして、こちらにおいて平成22年度から今年度まで延べ8回にわたりまして先生方に御議論をいただいたものでございます。
裏面を御覧いただきますと、委員名簿を記載しておりまして、座長には、本日、委員長をお願いしております内山先生、それからマンガンにつきましては、圓藤陽子先生に中心となっていただきまして評価書案を取りまとめいただきました。
そういった経緯でございます。
では、資料本体3-1と3-2を御覧ください。まず、順番が逆になりますが、資料3-2を御覧ください。資料3-2が、いわゆるマンガンの評価書本体そのものでございます。構成について簡単に御説明いたします。
まず1ページ目からマンガンの基本的事項ということでございまして、塩化マンガンですとか酸化マンガン等、マンガンの形態に始まりまして、2ページ目で使用の用途ですとか使用実態、それから、3ページ目で代謝と体内動態といった形で順次書かせていただいております。
少しページが飛びまして、12ページから有害性評価ということでまとめさせていただいております。12ページ、まず、発がん性及び遺伝子障害性ということでまとめておりまして、発がん性につきましては、19ページまで書かせていただいております。19ページ、最後のところに、発がん性については、定量評価はできないということでまとめております。18ページです、申し訳ありません。発がん性の定量評価は、18ページの一番下です。
19ページからが発がん性以外の有害性ということで、発がん性と同様に発がん性以外の有害性の部分をまとめております。まず19ページ、定性評価から始まりまして、定性評価につきまして少し御説明いたします。まず、有害大気汚染物質、そもそも慢性毒性が対象ではございますが、急性毒性についても知見をまとめております。
 20ページに行きまして、20ページ、b.慢性毒性というところでございます。慢性毒性、マンガンにつきましては、神経毒性と呼吸器毒性に関するものの知見が多く得られているという状況でございます。一つ目、①神経毒性を20ページからまとめさせていただいております。
それから、次、呼吸器毒性につきましては、少し飛びまして38ページからまとめさせていただいております。
そのほか40ページに生殖発生毒性、それから、46ページに免疫毒性ということでまとめております。
47ページから定量評価、これは、諸機関、国際機関等によって行われました定量評価をここからまとめております。
さらに50ページから曝露評価を行っておりまして、現在、日本国内におけます大気モニタリングですとか、それによる検出状況等をまとめたというページでございます。
その後、56ページから、前のページまでの文献レビュー等を踏まえまして、ではどういった評価を行うのかというところで、56ページから総合評価ということでまとめさせていただいております。
最後に61ページの真ん中辺、5.から指針値の提案についてということで、その総合評価を受けて、では指針値は幾つぐらいに設定すべきなのか、提案させていただいているといった構成になっております。
こちらにまとめさせていただいているものではありますが、少しこれは長いですので、資料3-1に概要版ということでおまとめしておりますので、概要版を使いまして、もう少し具体的な評価値の算出につきまして御説明させていただきます。
まず、概要版1ページを御覧ください。概要版1ページ、1.で検討経緯ということでまとめさせていただいております。これは、マンガンに限らず、これまでの有害大気汚染物質に係る指針値等の設定状況等の経緯をまとめているところでございます。説明については省略させていただきます。
1ページ目の一番下に行きまして、2.健康リスク評価手法についてでございます。まず、こちら、一番最初の行に、「今後の有害大気汚染物質の健康リスク評価のあり方について」(平成24年○月○日改定)とございますが、これは、先ほど議題1で御議論いただきました、確実性について、I、II、IIIといった分類があったかと思うんですが、そのあたりを2ページ目に書かせていただいておりまして、先ほど、動物実験の知見のところを今回見直しをいただいたというところでございますが、このあり方に基づいて、それに準じて行えるところはそれに準じてということで、そのあり方に基づいて設定するということを書かせていただいております。
2ページの一番下、3.で環境中のマンガン及びその化合物による指針値の概要についてということで、ここから具体的なリスク評価を行っているというものになっております。まず2ページ一番下「なお」以下ですが、「なお、一部には農薬の散布などに伴う有機マンガン化合物の」というところがございまして、国内でもマンガンを含んだ農薬の使用というのが実際にございますが、そのほとんどは土壌に吸着されると考えられますので、人為由来のマンガンの多くは、無機化合物である酸化マンガンの形で大気中に放出されるだろうと考えられますことから、ここでは、マンガン及び無機マンガン化合物ということでリスク評価を行っております。
3ページの一番上(1)でございますが、発がん性についてですが、マンガン及び無機マンガン化合物の曝露について、国際がん研究機関IARCでは、発がんについて評価されておらず、また、U.S.EPAでは、人の発がん性について分類できないとされておりますので、発がん性の明らかな証拠は得られていないという状況でございます。
したがいまして、②閾値の有無についての検討を行うための十分な情報も得られておらず、③発がん性に基づくリスク評価は行われていないという状況でございます。
 (2)に行きまして、発がん性以外の有害性でございます。急性毒性は少し飛ばしまして、4ページをお願いいたします。4ページ、2行目、慢性毒性でございますが、慢性毒性につきましては、神経毒性と呼吸器毒性に関する知見が多く得られているというところでございます。
まず、神経毒性でございますが、神経毒性は大気中の曝露濃度と健康影響との関連性が主に職業曝露の知見から得られておりまして、総マンガン濃度といたしまして、97μg/m3〜1,590μg/m3の曝露において、神経行動学的機能への影響、これは無症状ではありますが、神経系への影響といたしまして、神経行動学的検査等で検出されるものといった影響が見られているというところでございます。後ほど御説明いたしますが、最も低い濃度の97μg/m3を用いて、リスク評価を行いまして評価値の算出を行っております。
なお、神経行動学的機能の低下は年齢に依存し、高齢者の方がマンガン曝露に対して高感受性であることを示す知見も得られております。
また、呼吸器毒性につきましては、マンガン曝露による肺機能の低下や呼吸器の自覚症状、喘息・肺炎等々の増加が見られるとする報告がございます。
それから、生殖発生毒性につきまして、人では男性の生殖能に関するものの知見が多くございまして、妊孕力の低下や性的機能の不全等の可能性が示唆されております。その一方で、出生率に影響が見られなかったとの報告もございます。また、胎児期の子宮内曝露が、小児の神経行動の発達に影響を及ぼす可能性も報告されております。
それから、少し飛ばしまして、免疫毒性につきましても幾つかの報告がございますが、こちらは、他の金属への曝露があることや、免疫に関連するバイオマーカーのレベルに変化がないこと等も示されております。
②発がん性以外の有害性に係る定量評価でございます。こちらは、諸外国、国際機関等で実際に行われている定量評価をまとめたものでございます。いずれの機関におきましても、神経毒性の神経行動学的機能への影響をエンドポイントとした評価が行われておりまして、キースタディといたしましては、Roelsら(1992)、またはLucchiniら(1999)のいずれかが用いられているという状況でございます。
まずRoelsら(1992)の知見を用いました定量評価といたしましては、WHOの欧州事務局ですとか、U.S.EPA等で行われておりまして、実際の値といたしましては、0.04μg/m3から、高いもので0.15μg/m3というところで値が設定されております。
それから、一番最後の行ですが、カナダ保健省はLucchiniら(1999)のデータを用いた定量評価を行っておりまして、こちらは、吸入性のマンガンといたしまして0.05μg/m3といった値が示されております。
それから(3)知見の科学的根拠の確実性でございますが、これは、先ほどの(1)の議題でも議論いただきましたが、キーとなる知見が確実性の高い根拠を有していれば、環境基準の検討対象、一定の制約があるという、IIaまたはIIb、こちらは、該当するとすればIIaの方になりますが、IIaであれば、指針値をといったことを判断したといった文章になっております。
先ほど、神経行動学的機能への影響のところで、Roelsら(1992)とLucchiniら(1999)の知見が、十分に定量的なデータがある知見といったことで諸外国でも取り上げられておりますが、この2つのうち、労働者の曝露期間がより長く、多岐にわたる神経行動学的検査項目が実施され、より低濃度で影響の見られたLucchiniら(1999)の報告を相当の確実な根拠を有する疫学研究の知見として判断いたしました。
しかしながら、職業性曝露集団であること、それから、過去の高濃度曝露による影響が関与している可能性を排除できないことなどについて不確実性が存在します。そういったことから、IIaというふうに判断いたしまして指針値を提案させていただきたいということで、以下、記載をさせていただいております。
(4)指針値の提案についてというところでございます。御存じのとおり、マンガンは人の必須微量元素でございますので、吸入と比べまして経口から多量に曝露されているという状況でございますが、労働者等における疫学知見におきましては、吸入曝露によりまして神経系への影響など、明らかな健康影響が認められておりますので、この神経行動学的機能への影響の発生をエンドポイントといたしまして、指針値を検討することは妥当であると判断いたしました。
5ページの一番下の①ですが、発がん性に係るリスク評価につきましては、先ほど申しましたとおり、明らかな証拠は得られておりませんので、評価値は算出しないことといたしました。
最後6ページに参りまして、発がん性以外の有害性に係るリスク評価でございます。こちらは、Lucchiniら(1999)の知見をもとにいたしまして、労働者において神経行動学的検査成績の有意な低下を引き起こす平均濃度であります96.7μg/m3をLOAELといたしました。先ほどのリスク評価のあり方における考え方と同様に、曝露時間の補正を行っております。職業曝露から一般環境への曝露の補正ということでございまして、8時間/24時間、それから240日/365日を掛けております。それによりまして96.7μg/m3から21μg/m3という値を算出しております。そこにLOAELからNOAELを推定するための不確実係数として5、それから個体差を考慮した不確実係数といたしまして10を考慮しております。
LOAELからNOAELを5といたしましたのは、Lucchini氏御本人からの私信で、不確実係数が10では過大であるという御意見をいただいていることと、それから、今回のエンドポイントが軽微な神経行動学的影響を見ているということから、最大の10ではなくて5を採用いたしました。そういうことでございまして、不確実係数につきましては、5×10で50を採用しております。
それから、もう一つ、子どもの脳の発達への影響ですとか、生殖発生毒性の知見などが報告されておりますので、影響の重大性に関する係数といたしまして3を考慮しております。
したがいまして、不確実係数の50と影響の重大性に関する係数の3から総合的な係数といたしまして150を用いまして、先ほどの21μg/m3を150で除しまして、0.14μg/m3を算出しております。
最後、指針値の提案でございますが、これは、ただいま申し上げました0.14μg/m3をそのまま指針値として提案をさせていただいております。これは、発がん性と発がん性以外、両方あった場合には比較してというふうにあるんですが、今回、発がん性は出しておりませんので、この0.14μg/m3をそのまま指針値という形で提案させていただいたものでございます。
現在のモニタリング状況と比較いたしますと、直近では2010年の測定結果がございまして、指針値0.14μg/m3と書かせていただいているんですが、少し現在のモニタリングと比べるために140ng/m3と読みかえさせていただきまして、140ng/m3との比較ということで申し上げます。140ng/m3と比較いたしますと、「全マンガンの大気環境濃度は、過去13年間で明確な変化は見られていない」と記載がありますが、過去13年間、概ね30ng/m3を超えている値でございました。「最近は低下傾向」というところで、ここ2年と4年前については、20台、30を切っている値でございます。それで、直近の2010年は25ng/m3ということでございました。これは全国の平均値でございます。
それから、この指針値案140ng/m3というものを超過する地点でございますが、2010年度の結果では、発生源周辺で2地点の超過が見られまして、それから沿道の測定局でも1地点ですが指針値を超過する地点がございました。ちなみに最大であった地点といたしましては、発生源周辺で280ng/m3、指針値案の2倍という値がございました。
なお、この指針値案につきましては、現時点で収集可能な知見を総合的に判断した結果でございまして、今後の研究の進歩による新しい知見の集積に伴いまして、必要な見直しが行われなければならないということも書かせていただいております。
 御説明は以上でございます。

【内山委員長】 ありがとうございます。資料3-2は非常に厚いものですので、事前に御覧いただいていると思いますので、今日は概要の方で、3-1で御説明いただきましたが、これにつきまして、何か御質問、御意見ございますでしょうか。
 まず、取りまとめいただいた圓藤委員の方から追加で。

【圓藤(陽)委員】 一部修正をさせていただきます。呼吸器毒性がマンガン濃度で0.11〜60mg/m3と書いてありますけど、平均濃度、4ページの上から7行目ですか、8行目です。

【内山委員長】 資料3-1の4ページ目の上から8行目。

【圓藤(陽)委員】 これは、0.21〜60mg/m3ということでありまして、一番低いところにおいては、非喫煙者では呼吸器の軽度な影響が見られていますが、喫煙者では影響は見られていないということです。

【内山委員長】 そのほか圓藤委員、よろしいですか。
 それでは、御質問、御意見、浦野委員からどうぞ。

【浦野委員】 金属及びその化合物というものについては、実際のリスク評価は無機化合物についてやっていて、測定は、全マンガンをマンガン及び無機化合物とみなしてよろしいと、そういう表現になっています。この指針値自身は、マンガン及びその無機化合物として作るということでよろしいんですね。それなら、それで結構です。

【川端総務課係長】 はい。

【内山委員長】 よろしいでしょうか。そのほか。

【圓藤(吟)委員】 先ほどの、62ページのところで「影響の重大性(子どもの脳の発達への影響、生殖発達毒性の知見などが報告されている)を考慮した係数として3を考慮し」というふうになっているのですが、子どもの脳への影響というのが、21ページの下から4行目から書かれていますね。
そこでは、「しかしながら、多くの研究で重要な交絡因子の調整がなされていないなどの問題が指摘されており、さらなる研究が必要と考えられる」というまとめ方をしておいて、ここで係数として3を考慮するのは矛盾しているのではないかと思いますので、御検討いただきたいと思います。
 もう一つは、生殖発生毒性、これは、論文としてどれを指しているのかよくわからない。もし40ページの途中のところにあります、「胎児期の子宮内曝露が早期の神経行動の発達に影響を及ぼす可能性が示唆されている」として2つ論文を挙げておられます。Ericsonとtakserですか。
それを見ますと、42ページ、パリの1産科医院で247組の健常な妊婦及び新生児を対象とした。もう一つの方も1,364名の正常な新生児を対象としたと。いわゆる正常な子どもたちで影響が見られたと、これを採用するとするならば、大変な問題であります。これは、単なる、たまたまこうなったというのであれば、そういう扱いをされるべきだし、もしこれを採用となれば、この程度の基準じゃなくて徹底的に対応しないと、パリでの人たちと日本での人たちとは同じような影響と考えることがあり得ますので、そうしたら、環境基準、このような基準レベルで、ただ単に3倍を掛ける程度で済まないような問題になりますので、もっともっと精査すべきだと思います。
 ただ、これらの論文は、クロスセクショナルなものです。先ほどの評価の中で、疫学論文に関しては、コホート研究を重視するというのから見れば、これはコホートではありませんので、この論文をどう読むかという作業をきっちりこの委員会で評価してもらわないと、禍根を残すだろうと思っております。
 以上です。

【内山委員長】 生殖発生毒性の対象論文は、今のでよろしいですか。

【圓藤(陽)委員】 はい。40ページに生殖発生毒性の概要をまとめておりまして、人においては、男性の生殖能に関する報告が多うございまして、妊孕力の低下、性的機能の不全、精巣機能障害の可能性等が、0.71から0.145というふうなところで報告されています。動物実験の吸入曝露実験では、サルでは見られておりませんが、ラット、マウス等でさまざまな生殖発生影響が見られておりますので、そのような、一応、生殖発生毒性がありとみなしてもいいのではないかと思いました。
以上です。

【内山委員長】 そうすると、子どもの脳への発達はどうですか。20ページの方は。

【圓藤(陽)委員】 それは、先ほど言われたバングラデシュの件ですけれども、幾つかありまして、交絡因子があるものと、要するにマンガンとヒ素の曝露でして、両方、関係を見たところ、ヒ素では関係が見られず、マンガンで見られたということから、一応、マンガンによる影響だろうと考えています。

【内山委員長】 いかがでしょうか、そのほか。圓藤委員、いかがですか。

【圓藤(吟)委員】 それと、先ほど言いました、私、前の評価では動物実験について重大な影響というふうになっていながら、ここでは人のデータを使っている。それは、前の評価基準にはない決め方ですね。それをあえて採用するという根拠について、もっと丁寧な説明がこの中にないと、ただ単に、3を掛ける程度では済まないと思いますので、よくお考えいただきたいと思います。

【内山委員長】 先ほどの議題は、動物実験から指針値を提案するということで決めていただいたので、今回は、疫学調査のみを使ってやっているということで、これが、従来からの方法にのっとってやっているという解釈で私どもは考えていたんですが。

【圓藤(吟)委員】 従来からかもしれないけれども、ここに明文化されたものにはないということと、疫学に関しては、コホートを重視するとある一方、そのことについては一切記載がないと。そういうような状況の中で、クロスセクショナルなデータでもって3を掛けるということは、あってはならないことだと思います。

【永田委員】 ちょっとよろしいですか。今の関連で。さっきのリスクコミュニケーションに近いんですが、今のところの概要書の書き方が、基本的に、さっきちょっと説明があった、このLOAELからNOAELへの換算のところも、この参照した文献の書き主からの指針値の話がありましたね。それ、本文の方には書いてあるんだけど、ここには何も書いていなくて、何で5と決めたかという根拠は、それがかなり重要な話になって出てくるんだったら、ちゃんと入れておいてもらった方がいいと思うんですよね。
 それから、今おっしゃられた3の話が、一切説明なしでぽこっと出てくるんですよね。やっぱり、ここも必要なんじゃないかと思うんです。なぜ3をとるのかという話をもう少し本体の方でも触れていただけるとありがたいなというふうに思います。
 と同時に、内山委員長、これまでやってきた話だということなんですが、参考資料3−3で、今回、フローが出てきますけど、今回の部分はきちっと表示されて、こんな手順でやっていきますよ。ところが、これで、右の方が動物実験の知見かどうかという話で、かなり詳しく書かれているんだけど、それから下におりてきちゃって、発がん性以外の有害性の知見に関してですね。そうすると、一気にそこから下はNOAELと不確実性係数積等と書いてあるところに飛んでいっちゃうんですよね。やっぱりここは何かきちっとした検討が必要で。
 ちょっと申し訳ないんだけど、ワーキンググループとかでいろいろ苦労した先生がおられる、そういう先生方、もう一遍ちょっとこの辺のところをきちっと検討していく。特に、不確実性係数というのは、専門家の知見とかノウハウとか、いろんなことが入っちゃっているのかもしれませんけど、ある程度整理した形で、一般人たちにもお知らせする必要があるんじゃないかと思うんですよね。その辺の整理もきちっとやっていただいて、何かレポートとしてまとめてもらうという必要はありそうだなと。
 それから、もう一つは、似たような話ですけれども4ページ目のところの②で「発がん性以外の有害性に係る定量評価」ということで、各国だとか世界的なところの組織での基準値的な文言が書いてあるんですけれど、この同じデータを使いながら違った数値が出てくる、その基準値の意味だとかいろんな点も含めて、これも本文中に書けというと大変なのかもしれませんが、注釈でもいいですから、脚注でもいいですから何か入れていただかないと、これを見た人は、0.05とか0.04とか、上の方では0.15とかという値が出てくる。
 どうしてこういう値が出てくるのかというのは、なかなか理解できないし、また、日本の決められた値が、どういう意味を持つのかということも、こういうやつとの比較の中で考えていただくということになるんだと思いますが。それについても不明のままでいってしまうということがありますので、ちょっと配慮していただきたいなというふうに思います。

【内山委員長】 ありがとうございます。事務局からか。

【横山総務課係長】 御指摘いただきましてありがとうございました。今、御指摘いただいた部分につきましては、どういうふうな書き方ができるかということにつきまして、こちらの方で、もう一度検討させていただきたいと思いますので、よろしくお願いします。

【内山委員長】 疫学データを用いてリスク評価をどのようにやってきたかというのは、残念ながら日本の環境省は明文化したガイドラインを持っていないんです。今度、動物実験が初めて、今回お示ししたのが初めて文章化されたものです。
 このときに、平成21年当時、人の、疫学からの指針値なり基準の決め方も日本として明文化したいというのは、私は前から、10年前から環境省の方にお願いしているのですが、今回も、今後、動物実験からのが増えてくるだろうということで、とりあえず動物実験のことを細かく検討していただいて、疫学調査から求めるものは、今までやってきたものに準じましょうというような形で進んできてしまったのは事実なんです。
 ですから、今までも不確実係数に関しては、今までの決め方を見ていただくとわかるように、最初はもうトータルの数値しか出していない。不確実係数は、この場合でしたら150とすると。中身は明確に分けていないというのが事実だったんですが、それはまずいだろうということで、だんだん細かく、どこに割り振ったかというのをだんだん書くようにはしているんです。
 では、これが3が何か、5が何かと言われると、横山栄二先生は「プロフェッショナル・ジャッジメントだ」とよく言われていて、それで通ってしまうと思うんですけれど、じゃあどのくらいが適切かというのが、まだ本当に言えない。最大10とするというのがあるだけで、実際にじゃあ、どのくらいにしたらいい、なぜそれを3にしたのか、5にしたのかというところまで、とくにこの重大性に関する係数の場合は、はっきりお示しできないのは事実なんですけれども。
 言われたように、コホートでちゃんとしていれば、もっと5なり10に近いような重大性の係数にする、あるいは、こちらからエンドポイントを求めるということにもなってきたでしょうけれども、今回はそうでない。少なくともクロスセクショナルなものしかない、あるいは、反対のものもあるということで、5にはできないかなということで、3というくらいのことしか御説明できないんです。

【永田委員】 いや、それを記載してもらえばいいんじゃないですか、今回は基準として示そうというような、というかそういうことを。
 不確実係数として、どういうつけ方をしますかという一般論の話だと、なかなか難しいですよという話はわかります。ただ、いろいろ原則論はこうなんですというような話は、ある程度できるような状況にはなってきたんじゃないかと思いますので。
 ただ、ここの話は、3にとった理由をちゃんと記載していただければ、それは。まあ、それがどういう、いろんなことを勘案した話なのかということがわかるようにしていただければいいんだと思います。

【内山委員長】 それから、諸機関によるマンガンの健康リスク評価の概要は、2つは、WHOとEPAは、今回のLucchiniではなくて、Roelsの論文をもとにしたもの。それから、カナダの方は、同じ今回のLucchiniのものなんですけれども、カナダの基準というのは、respirable particle、吸入粒子という形でPM3.5、これは測定の関係で2.5でなく3.5らしいんですけれども、3.5の値で、トータルにすれは、今回の提案値とほぼ同じかなというふうな感じです。
 そこら辺のところをもう少しわかるように、どの論文をもとにしたのか。あるいは、粒子の大きさ、全粒子でやっているのか、吸入性粒子でやっているのか、もう少し詳しく書いたものを次回お示しできて、このぐらい違いますという形をお示しはできると思います。

【浦野委員】 永田委員がおっしゃるのと同じようなことなんですけれども、この細かい学術的なことというのは、普通の人はほとんどわからないわけで、一番見るのは、国際的な比較ですよね。それに比べて、日本が0.14μg/m3とかを出したときに、ほかのもっと厳しいところはいっぱいあるじゃないか、何で日本は緩いんですかと。それは専門家判断でみんなで合議して決めたことに、あなたたち、全部責任をとれるのですかという話になるわけです。
 ですから、やはりそこは少し丁寧に説明しておくべきで、しかも指針値だから、当然データ増えたら、見直すとか、あるいは、いろんな発生状況とか環境状況を見て見直すということが前提で考えられている値なのですが、その辺少し丁寧に説明しないと、直感的に、何か緩いんじゃないのというイメージになってしまう。
 それは、結局、不確実係数を幾つにとるかに全てかかっているわけなので、その辺が……、どの場合もそうですけど、何となく専門家判断と言ってしまえばそうなんですけど、行政判断になってしまう、最後は。それが果たして妥当かどうか。
 例えば、今、260だか270の測定値のうち、3カ所だけがオーバーするような、そういう指針値を決める意味があるんですかということも含めて、もう少しちゃんと説明できないといけないんじゃないかなというのが私の印象です。

【圓藤(陽)委員】 ただいまのお答えをいたします。我が国は、総粉じんでやりましたけれど、ほかの国はrespirableです。
 ちなみに、環境省が以前、分粒測定をした結果を見ますと、大体respirableが50〜60%でした。ですから、日本の数値を半分にしたら、ほかの国と大体合う。かつまた、私どもが使いましたLucchiniのデータというのは、ちょうどrespirableが40〜60%ぐらいという曝露でした。もう一つほかの国が使っているのは、なぜみんなrespirableを使っているかというと、Roelsのrespirableは全体のうちの2割がrespirableでした。ですから、総粉じんにすると5倍の濃度になってしまうということもありまして、日本の現状と、あとはRoelsの場合は、非常に年齢が若い、あと曝露年限が短いということもありまして、私どもはLucchiniのデータを使いました。ですから、日本の数値がそれほど緩いということではございません。

【浦野委員】 ですから、そういうことをわかりやすく説明しておいていただかないと、何か適当に判断したみたいに見えてしまうわけです。できるだけ丁寧な、重要なところについては丁寧な説明が必要です。

【内山委員長】 はい、ありがとうございます。重要な御指摘ですので、読んで皆さんが納得できるような説明が十分できるように、少し修文させていただきたいと思います。
 はい、どうぞ。

【中杉委員】 浦野委員から、3カ所だけが超えているところで設定してどういう意味があるのかという御発言があったんで、少し申し上げておきます。
 これは、最近、マンガン濃度はずっと横ばいで推移して、最近、減ってきたというのはどういう理由かと言いますと、ニッケルの指針値が設定されたことによって、事業者の方が自主的に排出削減していただいた。ニッケルを減らすというのは、粉じんを減らすことですので、同時にマンガンが減ってきている。そういう意味では、こういうものを提示することによって事業者が自主的に努力をしていただく、それによってよくなっていくということを期待するものですから、3カ所でも超えているところがあれば、超えているところについては努力をしていただく。
 このうち一つは自動車の沿道局でありますけれども、沿道局と言いながら、周りにPRTRで発生を届け出ている事業所がないわけではないというところもあります。ほかの2カ所は、かなり大量に発生をしているところですので、その減らす努力をしていただいているけれども、その努力がこれで十分なのかどうかというところを見ていただく上でも、こういうものを示すということは重要ではないかというふうに考えています。

【浦野委員】 御説明はよく理解できるのですが。というのは、環境測定というのは、必ずしも発生源近くを全部網羅できているわけじゃないので、可能性としてもう超えるところもあり得るし、発生源としては、マンガンを十分注意してくださいというために示すのも理解できるんですけれども。
 少し皆さんで検討いただきたいのは、例えば、今たまたま3カ所が超えていますと。これ、0カ所だったらどうするんですかということ。あるいは、何割も超えてどうするんですかと。ですから、毒性学的にいろんなデータというのはあり得るわけで、どれを優先して指針値をつくっていくのか、どういうものの指針値をつくっていくかというのは、重要なことです。私どもがいろんな毒性データ、こんなに詳細ではないけど概略で見てみると、マンガンよりももっと重要なものがあるんじゃないかと思っているんですね。
そうすると、ほとんど超えていないものを優先して一生懸命やっていて、超えているものを放置していないですかというような疑問も出てくるわけなので。その辺の考え方、3カ所だけ超えているのがどうゆう意味か、じゃあ越えているところがゼロになったらどうするのか、ほかの疑わしいものはどうするのという話をもう少しきちっと議論して説明しないと、業界とかあるいは市民、国民があまり納得できないんじゃないかなというのが私の意見です。指針値を決めること自身は、悪いことではないんですが。

【内山委員長】 ありがとうございます。この優先取組物質の中でも、あるいは、それに入っていないものも含めて、非常に重要な御示唆をいただきましたので、ここでやるか、別のところでやるかは別として、環境省の方にもお考えいただきたいと思います。
 それでは、ちょうど、4時半を過ぎました。先ほど有害大気汚染物質の健康リスクのあり方について、もう一回議論いただくということになりましたので、マンガンも今日御指摘いただいたことも含めて、もう少し修文して、またもう一回、この委員会を開かせていただいて議論して結論を出したいと思いますので、よろしいでしょうか。

(異議なし)

【内山委員長】 ありがとうございました。
 そのほかに、では事務局。

【横山総務課係長】 本日はどうもありがとうございました。それでは、次回の専門委員会につきましては、事務局の方から改めて御連絡をさせていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
 なお、本日の議事要旨及び議事録につきましては、各委員の皆様に御確認いただいた上で公開することとさせていただきますので、よろしくお願いいたします。

【内山委員長】 どうもありがとうございました。