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中央環境審議会大気環境部会
健康リスク総合専門委員会(第11回)
議事録


1.日時

 平成22年7月2日(金)15:30〜17:30

2.場所

経済産業省別館825号会議室

3.出席者
(委員長) 内山 巌雄
(委員) 浅野 直人 浦野 紘平
圓藤 陽子 小林 悦夫
中杉 修身 永田 勝也
圓藤 吟史 片谷 教孝
川本 俊弘 田邊  潔
寺本 昭二 村田 勝敬
(環境省) 鷺坂水・大気環境局長
山本大気環境課長
中野大気生活環境室長補佐
苔口大気環境課長補佐
木村総務課長
上田総務課長補佐
4.議題
(1)
第10回専門委員会における指摘事項について
(2)
有害大気汚染物質の今後の排出抑制のための対策のあり方について
(3)
その他
5.配付資料
資料1 中央環境審議会大気環境部会健康リスク総合専門委員会委員名簿
資料2 中央環境審議会大気環境部会健康リスク総合専門委員会(第10回)議事録
資料3 健康リスク総合専門委員会(第10回)における指摘事項及び対応
資料4−1 有害大気汚染物質に該当する可能性のある物質リストの見直しについて(修正後)
資料4−2 優先取組物質の見直しについて(修正後)
資料5−1 ヒ素及びその化合物に係る健康リスク評価について(案)【概要版】(修正後)
資料5−2 ヒ素及びその化合物に係る健康リスク評価について(案)【評価書本体】(修正後)
資料6 有害大気汚染物質のリスクの程度に応じた対応方針(案)
参考資料1 室内濃度指針値が策定されている物質について
参考資料2 大気中で容易に化学反応する可能性がある物質について
参考資料3 各分類物質に係るこれまでの措置と今後の対応方針(案)の比較
参考資料4 有害大気汚染物質に該当する可能性がある物質に係る優先順位付けの検討例
参考資料5 指針値の有効数字について
6.議事

【山本大気環境課長】 それでは、委員の方1人遅れていらっしゃいますが、定刻となりましたので、ただいまより第11回健康リスク総合専門委員会を開催いたします。
 委員の皆様におかれましては、ご多忙中にもかかわりませずご出席いただき、まことにありがとうございます。
 本日の出席状況でありますけれども、委員19名中、現時点で12名の委員の方にご出席をいただいておりまして、定足数でございます過半数に達していることをご報告させていただきます。
 次に、お手元の配付資料でございますけれども、議事次第に配付資料の一覧を記載してございます。
 まず、資料1でございますが、中央環境審議会大気環境部会健康リスク総合専門委員会委員名簿、資料2、中央環境審議会大気環境部会健康リスク総合専門委員会(第10回)議事録、資料3、健康リスク総合専門委員会(第10回)における指摘事項及び対応、資料4−1、有害大気汚染物質に該当する可能性のある物質リストの見直しについて(修正後)、資料4−2、優先取組物質の見直しについて(修正後)、資料5−1、ヒ素及びその化合物に係る健康リスク評価について(案)【概要版】(修正後)、資料5−2、ヒ素及びその化合物に係る健康リスク評価について(案)【評価書本体】(修正後)、資料6、有害大気汚染物質のリスクの程度に応じた対応方針(案)。あと、裏面になりますが、参考資料が1から5ございます。
 資料の不足等がございましたら事務局にお申しつけいただくようお願いいたします。
 それでは、これ以降の進行につきましては内山委員長にお願いいたします。

【内山委員長】 では、お暑い中、お集まりいただきましてありがとうございました。今日は大きく二つ議題がございます。一つは前回の指摘事項についての修正、それから、2番目として有害大気汚染物質の今後の排出抑制のための対策のあり方についてという二つの議題を用意してございますので、時間の中でご議論、よろしくお願いしたいと思います。
 それでは早速、議題1の第10回、前回の専門委員会における指摘事項について、事務局の方からご説明をお願いしたいと思います。よろしくお願いします。

【中野大気生活環境室長補佐】 環境省の中野と申します。私の方から資料3について、ご説明をさせていただきたいと思います。説明は座ってさせていただきたいと思います。
 早速ですが、資料3につきましては、前回、第10回健康リスク総合専門委員会における委員の皆様からご指摘をいただいた事項と、その対応の概要をまとめさせていただいた資料でございます。順に内容について、ご説明させていただきます。
 まずは、前回の議題のうちの一つ目でございます、1.有害大気汚染物質に該当する可能性がある物質リストの見直しでございますが、全部で2ページ目にわたって5点、ご指摘をいただいてございます。まず、1点目は、選定基準(4)、これは有害性は一定のクラスよりは低いんですけれども、曝露状況、製造・輸入量が非常に多い物質で、大気を経由して人への健康へのおそれがあるというものを選定基準としておりましたが、そちらの選定基準条件をより詳細に記述すべきというようなご指摘をいただいたところでございまして、こちらにつきましてはその対応として、選定基準といたしましては、製造・輸入量のほかに、PRTR制度に基づく大気への届出排出量というものも条件に加えさせていただくような修正をさせていただきました。
 それから、2点目でございますけども、厚生労働省が定めてございます室内濃度指針値のある物質と今回の有害大気汚染物質の物質リストとの包含関係についてご指摘をいただいたところでございまして、これの詳細な資料を参考資料の1に示しております。よろしければ、参考資料の1をご覧いただきたいのですが、参考資料の1には、厚生労働省の方で定めてございます室内濃度指針値がある物質をリストに載せてございます。全部で14個枠がございますが、最後の14番目がトータルVOCの暫定目標値でございますので、これを除いた13物質が室内濃度指針値が定められている物質でございまして、そのうち網かけをしております7番と9番の物質が、今般、有害大気汚染物質に該当する可能性がある物質リストには入っていない物質となってございます。それぞれの理由としては、まず、7番のクロルピリホスでございますが、こちらは専ら農薬として使用される物質であるということでございましたので、基本的に前回、こういったものにつきましては、有害大気汚染物質に該当する可能性がある物質リストの選定条件からは漏れる、すなわちこちらでは面倒を見なくてもいいのかなと考えておりますので、こちらを除かせていただいてございます。それから、9番のテトラデカンでございますが、こちらについても基本的に見直し前の有害大気汚染物質に該当する可能性がある物質リストには載ってございません。また、化管法の対象物質にも含まれていない物質でございまして、かつ物の燃焼により非意図的に生成する物質でもないことでございますことから、今回、物質リストの対象からは除かせていただいたところでございます。
 続きまして、資料3に戻っていただきまして、3点目、エチレングリコール系のものにつきましては、別名についても物質リストの方に載せてもいいのではないかと。例えば、俗称として「酢酸セロソルブ」ですとか、「セロソルブ」といったようなものがあると。あるいはメチルエステルについても、そのような別名があるということでご指摘をいただいたところでございますが、対応のところに記載してございますとおり、今回の見直しの中におきましては、ネーミングのルールとして、原則として化管法指定化学物質における物質名称というものを用いることとしてございました。さらに、現行の旧234物質でございますリストの中に化管法対象物質と同じ物質について別の名称で入っていたような場合については、その名称をとりあえずは別名として併記することとさせていただきまして、それ以外の、いわゆる俗称的なものについては掲載させていただかないようなルールとさせてございました。基本的に、この審議会の中で検討するに当たっては、物質リストについてはこの原則に従ってお示しをさせていただきたいのですが、一方で、これを最終的に取りまとめた結果、事業者ですとか地方公共団体の皆様にこれを普及していくという段階に当たりましては、やはりわかりやすさの観点からまいりますと、そういった俗称というものも明らかとするような形で配慮することで普及させていただきたいと考えている次第でございます。
 それから、4点目でございますが、無水フタル酸、それから無水マレイン酸が大気中で容易に化学反応する物質ということで除外をさせていただいたところでございますが、ほかにも、例えばトルエンジイソシアネートなどのように、大気中で容易に化学反応する物質があるのではないかというご指摘でございます。こちらについても、より詳細な資料を、今度は参考資料の2にご用意させていただきましたので、そちらをご覧いただきたいと存じます。
 参考資料の2でございますが、大気中において容易に化学反応する可能性がある物質の取扱いについてという題材でございまして、1.の経緯・調査内容に記載してございますとおり、大気中でほかに容易に化学反応をする物質がないかどうか、前回、物質リストとして選ばせていただいた247物質を確認させていただいた次第でございます。具体的には、例えばOECDのSIARですとか、その他もろもろの国際的にレビューされた評価書ですとか、あるいは当省の環境リスク初期評価など国内の評価書、その他、個別に委員からご提供いただいた文献などの文献値を参照させていただきまして、特に水との反応速度に関する情報を整理いたしまして、その半減期が無水フタル酸とほぼ同様、無水フタル酸が後ほどご説明いたしますが、1.5分ほどでございまして、これとほぼ同様で、大気中で容易に化学反応する可能性がありそうな物質ということで、再度確認させていただいた次第でございます。
 2.の確認結果でございますが、特にその結果、無水フタル酸と同様に大気中において水蒸気共存下で速やかに化学反応する可能性があると考えられた物質が全部で12物質ございまして、こちらについて基本的に水中での水との反応による半減期が短いということ、それから、大気中で速やかに水と反応すること、あるいは反応生成物について有害性がないと考えられるかどうか、この3点の該当性について文献による確認をさせていただきました。その12物質が、次のページ以降の別表1の方に詳しく記載させていただいた物質でございます。特に直接ご指摘のございましたトルエンジイソシアネート、こちらが真ん中の方、イソシアネート類の最初の物質でございますが、こちらをご覧いただきますと、水中での水との反応速度に関する情報につきましては、その半減期が1.7時間〜0.5秒と多少幅がありますけれども、そういったデータがあった上で、大気中での水との反応速度については、半減期が相対湿度80%で8秒未満という極めて短い時間で分解する、反応するといったような文献があった一方で、下線部を引いてございますとおり、大気中での分解性・反応性が低いといったような文献も別途見つかるような状況となってございました。このように大気中での、特に反応に関するところがはっきりしないようなものについては、そもそも有害大気汚染物質に該当する可能性がある物質リストを未然防止の観点で選んでございますので、基本的にリストからは除外することのないような措置とさせていただきました。その下のヘキサメチレン=ジイソシアネート以下については、例えば大気中での反応速度も速いような文献もあるんですが、一方で反応生成物の方は特にヘキサメチレンジアミンですとか、そういったジアミン系の物質、こちら有害大気汚染物質に該当する可能性がある物質リストに別途該当するような有害性があるような物質としてリストアップされておりますので、こういったところも基本的には未然防止の観点から除外することは適当ではないと考えてございます。そのほか、水との反応速度に関する情報、特に大気中での水蒸気との反応速度に関する情報がないような物質がやはりございまして、結局、基本的に水中での水との反応速度に関する情報がきちんとございまして、かつ大気中での水との反応速度に関する情報もきちんとあって、かつ反応生成物も基本的に安全なものというものを、それはリストから除外してもよかろうと考えさせていただきまして、これに該当するものが、この表の一番上の無水フタル酸だけが該当すると判断いたしました。実は無水マレイン酸も前回の試験では大気中でも容易に分解する、反応するという形でリストから除外させていただいておったんですが、この無水マレイン酸の欄をご覧いただきますと、下線を引いておりますとおり、この再調査の過程で相対湿度50%の大気中では反応しないといった報告もございましたので、これは未然防止の観点から無水マレイン酸は除くのではなくて、リストに掲載するという形で対応をさせていただきたいと考えているところでございます。
 このような形で、基本的に今回、大気中で容易に化学反応する可能性がある物質について改めて確認をさせていただいたんですが、無水フタル酸だけが、該当性がそういった形でリストには含めないとするのに相当する物質であるということで、残りの物質についてはそのままリストに載せさせていただこうというような形で対応させていただこうと考えております。結果、前回、物質リストの数が247物質と申し上げておったんですが、無水マレイン酸が入りますので248物質というふうにさせていただきたいと考えているところでございます。そちらが資料3の4点目となってございます。
 続きまして、資料3に戻りまして、5点目でございますけども、有害大気汚染物質に該当する可能性がある物質リストに選定されなかった物質についても、曝露情報をフォローしていくべきというようなご指摘をいただきました。こちらにつきましては、本日もう一つの議題で議論させていただきます、今後の各主体の取組の方向性の中で、国の役割といたしまして有害大気汚染物質に該当する物質リストにつきましては、定期的に見直しを行うということについて言及させていただこうと思っておりまして、この定期的な見直しの中できちんと248物質リスト以外の物質についてもフォローさせていただきたいと考えているところでございます。
 それから、続きまして2点目、優先取組物質の見直しについては6番と7番、二つのご意見をいただいているところでございます。6点目が、日本の環境基準値と、それから指針値というものは十分にリスクのマージンをとって設定されており、その値を下回っている濃度で検出されるものも、実際には10分の1以上の濃度で検出される場合が優先取組物質とさせていただいておるんですが、こういったものがリスクが高い物質だというふうに表記するのは、これは表現として矛盾があるのではないかというご指摘でございました。こちらにつきましては、第2次答申の中では、優先取組物質の定義は有害大気汚染物質に該当する可能性がある物質のうち、「健康リスクがある程度高い」というものを選定するといったようなことが言及されておったんですが、さらにその大元でございます中間答申の中では、優先取組物質相当、つまりはB分類物質の定義といたしまして、「大気環境保全上注意を要する」もの、それから「物質の性状として人に対する発がん性が確認されている」、つまり重篤な有害性のあるものとしていることでございますことから、こちらの中間答申の考え方を踏まえて、資料の表現の適正化を行わせていただいた次第でございます。
 それから最後、7点目でございますが、優先取組候補のうち、ベンゾトリクロライドと2−ブロモプロパンにつきましては、前回ではPRTRによる大気中への届出量というものがかなり少ない物質であったということで、優先取組物質とすべきかどうか議論をしていたところでございますが、その議論に関係したほかのデータ、特に製造・輸入量ですとか、そういったものの詳細なデータはないかというようなご指摘をいただいたところでございます。こちらは残念ながら製造・輸入量に関する細かいデータはなかったんですが、PRTRデータに基づきまして大気中への届出排出量以外のデータ、例えば水ですとか土壌ですとか、あるいは届出移動量などを含めたデータというものを新たに記載してございます。後ほど資料の方でさらに詳細なデータをご説明させていただきます。
 それでは、ここまでの関係資料として、資料4−1をご覧ください。資料4−1は、有害大気汚染物質に該当する可能性のある物質リストの見直しということで、前回の専門委員会の中でお示しした資料を先ほどの修正点に従って修正したものでございます。具体的な修正箇所は、まず2ページでございます。見え消しをさせていただいてございますが、2ページの2.2の選定基準の最初の文章の第2段落、「ただし」以降の一番下ですが、前回、無水フタル酸の除外に当たっては大気中で容易に「分解」する物質と記載させていただいておったんですが、そもそも無水フタル酸が反応するのは水和反応ですから「分解」は適切ではないということで、こちらを「化学反応」という表現に改めさせていただきました。
 それから、3ページ目の(4)、こちらが選定基準として、より詳細にといったご指摘を受けたところでございまして、下線を引かせていただいておりますとおり、製造・輸入量に加えて、大気への届出排出量というものが非常に多いというところを条件の一つとさせていただいたところでございます。
 それから、下の2.3のところ、しばらく数字がすべて1増えているのは、無水マレイン酸を追加させていただいたということで数字が一つ増えている関係となってございます。
 それから、4ページ目の最後の段落でございますが、2.の(4)の、先ほど修正した条件に該当する物質としてキシレンが選ばれておりまして、そのバックデータとしては、製造・輸入量が年間100トンを超える、あるいはさらに大気中への届出排出量が1万トンを超えるような物質であるというようなところを修正しているところでございます。
 そのほか、10ページ、物質リストが並んでおりますけれども、226番の物質に無水マレイン酸が新しく追加されております。こちら、あいうえお順で書いておりますので、こちらの位置に追加されてございます。
 それから、最後のページの12ページでございますけれども、こちらのポンチ絵も最終的に248物質となるような修正と、「大気中で容易に分解」と書いていたところを「化学反応」というふうに修正させていただいたところでございます。
 それから、引き続きまして、資料4−2をご覧ください。4−2は、前回お示しした優先取組物質の見直しに係るテキストでございますが、こちらの修正点は4ページをご覧ください。4ページでは、新しく優先取組物質に追加される候補となってございます5物質のデータを記載してございますが、前回、大気への届出排出量のみを掲載していたところ、そのほかのPRTRデータをすべて掲載させていただいた上に、届出事業所数についても括弧書きで記載するような措置を講じさせていただきました。特にベンゾトリクロライドと2−ブロモプロパンにつきましては、事業所数、2事業所、3事業所、1事業所、4事業所と書いてございますけれども、大気中への届出排出量をベンゾトリクロライドは、2事業所が届出をされておりまして、そのほかに別の1事業所が届出移動量を55トンと提出しているような関係となってございます。一方、2−ブロモプロパンは届出移動量を出している9.4トン、これは4事業所から出てございますが、このうちの3事業所が大気への届出排出量、合計0.21トンを届け出ているというような関係となってございます。
 それから、5ページ目でございますけれども、優先取組物質の見直しについての選定基準について表現を適正化させていただいてございまして、まず、これは左右、修正後と修正前とございますが、左の修正後をご覧いただきたいんですけれども、2.1の基本的な考え方につきましては、先ほどご説明しましたとおり冒頭で、中間答申で示されております考え方として、「国内外に人の健康への有害性についての参考となる基準値がある物質でこれらの値に照らし大気環境保全上注意を要する物質群、又は物質の性状として人に対する発がん性が確認されている物質群」に該当するものだということをつけ足させていただきました。
 それから、2.2の選定基準におきましては、これまでは(1)(2)(3)、三つの条件を書いておったんですけれども、これを二つのカテゴリーに統合させていただきました。(1)の一つ目のカテゴリーは、先ほどの基本的な考え方とリンクして、大気環境保全上注意を要する物質群というカテゴリーで環境基準ですとか、指針値の10分の1を超えるような濃度で検出されているようなもの、あるいは諸外国の目標値の10分の1以上で検出されているようなもの、さらには、次の6ページにまいりまして、6ページの上の方でございますけども、イというところで、こちらアに該当する物質以外で、大防法附則第9項の規定による指定物質に指定されている物質と、これ前回は6ページ右側の一番下、(3)に記載しておったんですけども、この指定物質を引き続き監視させていただくのは大気環境保全上注意を要するものだというようなカテゴリーに入るのが適当ということで、こちらに統合させていただきました。
 それから、(2)人に対する発がん性等の重篤な有害性が確認されており、一定の曝露性を有する物質ということで、こちらもカテゴリーを改めて明記をさせていただいたところでございます。
 最後に、優先取組物質の候補でございます、先ほどでいきますと4ページのところで、ベンゾトリクロライドと2−ブロモプロパンに関します、ほかの参考となるような情報がないかというところを調べさせていただいたんですけれども、その関係で若干追記する情報といたしましては、2−ブロモプロパンですけども、例えばほかの法律でどういった規制があるかというところを若干調べまして、2−ブロモプロパンにつきましては、まず、化学物質管理法、化管法の特定第一種指定化学物質となってございまして、こちら0.5トン以上の取扱業者が届出義務を有するというような仕組みとなってございます。さらに、化審法の第二種監視化学物質にも指定されておる物質でございまして、こちら製造・輸入実績数量の届け出の義務があるといったような物質となってございます。そのほか、労働安全衛生法に基づきまして、MSDSの通知義務があるような物質となっているのが2−ブロモプロパンでございます。それから、ベンゾトリクロライドにつきましては、同じく化管法の特定第一種指定化学物質となってございますほか、労働安全衛生法で、製造の許可を有すべき物質であるとか名称を表示すべき物質、あるいはMSDSの数値を有する物質というふうな規制を受けているといった物質となってございます。
 私の方からの説明は以上でございます。

【上田総務課長補佐】 水・大気環境局総務課の上田でございます。よろしくお願いいたします。私の方から、資料3の最後の3ページ目に当たる部分、ヒ素の評価の関係につきましてご説明をさせていただきます。資料は、今申しました資料の3、それから、資料5−1と5−2でございます。両方見比べながらで大変恐縮でございます。
 まず、資料3の方からでございますが、ヒ素の評価につきましては二つ、ご指摘をいただいていたところでございます。まず、8番目でございますが、これは前回の委員会で浦野委員からご発言のあったところでございますけれども、ヒ素の化合物に関しましては、人体の摂取のうち、水や食品を経由した経口曝露が大部分を占めると。そうであれば、本来は各経路からの摂取量を考慮して、各媒体での指針値、基準値を設けるといったような考え方の整理が必要ではないかというご指摘でございました。これにつきまして、ただいま食品での評価がまさに進行中ということもございますので、将来的な課題として追記をさせていただくというのが事務局の案でございます。ここに書いてございます、理由といたしましては、今回の評価におきましては、曝露経路により発がんの様相が異なることに着目して、吸入曝露については肺がんの過剰死亡というのをエンドポイントとして評価を行うこととしております。しかしながら、ご指摘の課題が残されていることを明確にするため、「ヒ素化合物の曝露形態に鑑みれば、今後、これらの評価を踏まえた総合的な曝露経路の検討も考慮すべきであろう。」という一文を追加する案とさせていただいております。具体的には、資料5−1ですと5ページでございます。5ページの上から3分の1ぐらいのところでしょうか。「なお」という2段落目がございますが、この「なお」というのから、飲料水等で基準ができていた食品では別途評価中であるということを述べておりました一文でございますけれども、その後ろに今申し上げた一文を追加するという案とさせていただいております。
 それから、資料5−2の方では、全く対応する箇所でございますけれども、55ページになります。資料5−2、評価書本体の55ページでございますけれども、上の5.の3パラグラフ目、「なお」というところで、全く同じ文章を一文つけ加えさせていただくという案でございます。
 それから、前後して申し訳ございません、資料3にちょっと戻っていただきまして、ヒ素のもう一つのご指摘、これは委員会終了後に松下委員からいただいた意見でございましたが、指針値の有効数字についてのご指摘でございます。指針値案の数値につきまして、有効数字を2けたとするには不確定要因が多いのではないかと。ベンゼンの評価の際にも、同様の理由から1けたとした。ベンゼンの指針値は3µg/m3でございますけれども。3.0ではなくて3という1けたとしているということでございます。ですので、今回も6.0ではなくて、6ng/m3とした方がよいのではないかというご指摘でございました。事務局の意見といたしましては、ご指摘を踏まえまして、6という「.0」をとりまして1けたとするという事務局案とさせていただいております。理由といたしましては、これは、一番後ろに参考資料の5というのをつけさせていただいておりますけれども、これまでの有害大気汚染物質の環境基準ないし指針値の有効数字の取り扱いをちょっとまとめて表にしてみました。そういたしますと、実はこれまでの環境基準あるいは指針値につきまして、有効数字の明確なルールというのは示されてございませんでした。やはり個々の評価内容に基づいて判断をされているということでございました。ベンゼンの評価につきましては、実は参考資料5の表の一番上をご覧いただきますと、これがベンゼンでございますけれども、ユニットリスクの値そのものが幅を持った値ということでご提案をいただいておりまして、ですから、これに基づく環境基準値も有効数字は2けたないだろうということで、1けたというふうに設定をされているということだと理解しております。今回のヒ素の評価につきましては、三つの銅製錬所のコホートのユニットリスク値を幾何平均して統合ユニットリスク値を求めてございますが、もととした三つのコホートのユニットリスク値には幅があるということでございますので、ベンゼンの場合と非常に近い扱いなのかなというふうに事務局としては考えたところでございます。ですので、ベンゼンの場合と同等の扱いということで1けたというのではいかがでしょうかというのが事務局の案でございます。具体的な修正といたしまして、資料5−1の概要版の方ですと、また5ページになりますけれども、一番下の[3]指針値の提案についてという1行目のところでございます。6.0というのを「.0」をとって6という意見とさせていただいております。
 なお、その少し上の[1]で、発がん性に係るリスク評価というところの一番最後では6.0というのが残ってございますが、有害大気汚染物質の指針値は発がん性、それから発がん性以外の両方でそれぞれ評価値を定めて、それから指針値を求めるというやり方をしてございますけれども、それぞれの評価値はそれぞれで、あくまで計算として求めてございますので、[1]のところまでは6.0でよろしいのではないかなというのが事務局の意見でございます。最後の指針値のところで1けたにするということではいかがでしょうかというふうに考えてございます。
 資料5−2も全く同じでございまして、56ページになりますけれども、資料5−2、評価書の本体の56ページでございます。(3)指針値の提案についてのところで、1行目でございます。6.0を「.0」をとって6という事務局案でございます。こちらも同じように発がん性、発がん性以外それぞれの評価値を求めるときはそのままのやり方で、有効数字は2けたのまま持ってきて、最後に1けたにするという事務局案とさせていただいております。
 それから、もう一点、すみません、追加でご説明させていただきたいんですけれども、その資料5−2の2ページをご覧いただきたいんですが、中ほどより下に(2)代謝及び体内動態というところがございまして、そこに少し修正部分がございます。これは、実はワーキンググループで議論をしていただいておりましたときに、ここの肺組織中でのクリアランスの半減期、ヒ素の半減期といいますか、ヒ素が肺組織中からどういうふうに排せつをされていくかという、そこのところにつきまして、もとの文章ですとかなり試験方法もはっきりしておりませんでしたし、このところをもう少し見返した方がいいですねというご指摘がワーキンググループで宿題として出てございまして、もとの文献を探すのにかなり時間がかかっておりましたので今まで宿題として残ってございました。それもあわせて修正させていただきましたので、簡単にご説明させていただきます。もとの文章ですと、肺組織クリアランスにおける二相性モデルで、ヒ素のうちの75%が4日の半減期、25%が10日の半減期というふうに書いてございました。しかし、これはもとの文献を確認いたしますと、総説的に書いておりまして、孫引きの論文ではまた別の値を書いてございます。総説的にレビューをした著者の意見として多分このぐらいじゃないかということが書かれていたということでございまして、やはりそれは原著にしっかり当たるべきだろうという圓藤先生のご意見もございまして、原著でしっかり確認ができたものに書きかえるというやり方をさせていただいております。その結果、ヒ素の放射性同位体でありますヒ素74を添加したタバコを喫煙したボランティアの肺、現在ではなかなかできないボランティア試験でございますが、において、75%が2日、それから、残りの25%が10日という半減期だったということが確認もできましたので、そのような記載とさせていただいております。
 それと、これと対となる対応する部分として、50ページをご覧いただきたいんですが、すみません、傍聴の方は50ページが後で差し込みで入っておりますので、ちょっとその差し込んだ方をご覧いただきたいんですけれども、50ページの中ほどに同じ文章がございます。これは先ほどの2ページと全く対応する文章でございまして、同じ文章というふうになっております。
 以上でございます。

【内山委員長】 ありがとうございました。それでは、ご意見・ご質問をいただきたいと思うんですけれども、今、事務局の方から前回の専門委員会における指摘事項のご説明をいただきましたが、資料4−2に記載されております優先取組物質候補のうちの大気への排出量が少ないと考えられる2−ブロモプロパン、それからベンゾトリクロライドの取り扱いにつきましては、優先取組物質とする場合と、それからしない場合とにおいて、国ですとか地方自治体及び事業者の取組の方向性にどのような違いがあるかを確認しながら、またご審議いただくということで、議題2にその議題が上がっておりますので、この件に関しましては議題2の方でご意見をいただきたいと思います。ここでは、その他の部分についてご質問・ご意見をお願いできればと思います。それで、大きく有害大気汚染物質とヒ素と二つありますので、まず、全般の有害大気汚染物質に関しての何かご意見・ご質問ございますでしょうか。

【中杉委員】 今、2−ブロモプロパンとベンゾトリクロライドは扱いの違いのところで議論をするというお話でしたけれども、優先取組物質としてリストアップするのかしないのかというのと、扱いで変えるというのとはちょっと意味合いが違うので、この段階で少し議論をしておいた方が私はよろしいように思うんですが。

【内山委員長】 優先取組物質にリストアップするかというのは、ここで議論していただいてもよろしい。それをまた、リストアップしたものをこの委員会で採用するかどうか、どうするかということは、また次のところでということでもよろしいかと思うんですが。

【中杉委員】 そういう意味で、私の個人的な考え方ですけれども、この2物質について、排出事業所が今のところ排出源が非常に少ないということがあるので、やっぱり対応としては個別の指導でもできるかなということが一つあります。
 それともう一つ、測定例がないので、そうは言いながら一般環境で出てくれば、当然問題になるので、優先取組物質として管理をしていく必要があるだろうというふうに思います。そこら辺を考えると、ベンゾトリクロライド、2−ブロモプロパンを、優先取組というのは一般環境ということで出てくるか出てこないかということになるんですけれども、PRTRで排出をしておられる事業所の周辺のモニタリングポイント、これは発生源周辺でも一般環境とほぼ同等だというふうに考えますので、そういうモニタリングポイントで確認をしていただいて、そこで出なければ、あえて優先取組物質としなくてよろしいのではないか、リストに挙げなくてよろしいのではないかというふうな私の個人的な考え方です。

【内山委員長】 それでは、今の件も含めて、それは、じゃあ議題2の方でもう少し詳しくさせていただきたいと思いますので、そのほかについて、いかがでしょうか。

【永田委員】 ちょっと簡単な話で、4−1の資料の2ページ目で、先ほど分解のところを化学反応と置きかえたんですけど、これ化学反応でとめておくと、無害化の話が見えてこないので、分解の方だと想像的な言葉なんですけど、何かちょっとここで化学反応する物質でとめちゃうと、ちょっと意図がおかしいことになっちゃうんじゃないかなと。先ほどの資料の方でも、反応した反応生成物に対して有害性がないことというのは入っていましたから、その文章をちょっと入れておかないといけないなと、そんな話です。

【内山委員長】 これにつきましてはどうでしょうか、元に戻すのか、また、別のもっと適切な言葉があるか。

【中野大気生活環境室長補佐】 それではまた、いただいたご指摘を踏まえて、ここは表現をより適切にさせていただこうと思います。

【内山委員長】 ご意見はいいですか、ここで伺わなくて。

【中野大気生活環境室長補佐】 もしよろしければ、今、最も適当な単語等があれば教えていただければと思いますし、これが終わってから別途でも結構でございますので、適切な表現があれば、ご示唆いただければと思います。

【内山委員長】 何かございますか。はい、どうぞ。

【浦野委員】 分解というより反応と言った方がいいということは、分解以外の反応もあるからということで私も指摘したところですが、当然、分解生成物がより毒性の高いものになれば困るわけなので、生成物について毒性を全部把握できるかという問題もあるんですけれども、一応、もし言葉として言うのであれば、短時間に化学反応を起こして、毒性の低いものに変化する物質についてはとか、そういうような表現しかできない。

【永田委員】 有害性がないと考えられることと書いてあるので、無害化と言い切っちゃうと、ちょっと問題があるかなと。

【浦野委員】 ない・あるという判断はイエスかノーかと二分する用語じゃない方がいいことは、有害性の低いものに係るとか何か、うまく工夫していただければ。

【内山委員長】 では、事務局の方でよろしいでしょうか。ありがとうございます。そのほかにいかがでしょうか。よろしいでしょうか。
 そうしましたら、資料3のところに前回の指摘事項及び対応が書いてございますけれども、今の分解を化学反応にかえるというところはもう少し工夫をいただくということで、あとの修正点はよろしゅうございますでしょうか。
 それでは次に、ヒ素の関連に行きたいと思います。ヒ素の場合は、前回ご意見いただいたのは、後でいただいた部分も含めて2点でございまして、ここでそれぞれの対応が書いてありますが、いかがでしょうか。はい、中杉先生。

【中杉委員】 確認ですけれども、6.0を6にしたということは、細かいことを言うと6.4はセーフになってくるということになりますね。

【上田総務課長補佐】 6.0が6になるとどうかというところでございますが、実は有害大気汚染物質につきましては、従来から全部2けたで測定をしてございます。2けたで超過を判断してきてございまして、実は今までのその例に倣いますと、これが6でも6.0でも扱いは同じということで一緒なんですけれども、すみません、実は有害大気汚染物質は指針値とか基準値ができる前からずっと測定をしてございますので、なるべくそこは継続をしていきたいなというのが環境省としての考え方でございます。ちなみに、有害大気汚染物質でないほかの環境基準を設定されている物質、5物質ございますが、それにつきましては有効数字が1けたの物質につきましては2けたで超過判断をしておりまして、環境基準のけた数が2けたのものは3けたで超過判断をしております。例えばSPMが有効数字2けたなんですけれども、0.20という基準値に対して0.201がアウトという扱い方をしてございますので、そういう意味では有害大気汚染物質は6だと6.0ではオーケーで6.1がアウトというやり方になって、それはかつての環境基準、古い環境基準等のやり方とは整合しているということになりますが。細かいお答えになりましたけれども。

【内山委員長】 そのほかにいかがでしょうか。よろしいですか。
 そうしましたら、前回ご指摘いただいた点は事務局で直していただいたように直すということで、それ以外に資料3にはありませんが、その文献をもとに当たってもう少し詳しく修正したということですが、そこの論点を主に修正して、この委員会としての報告にしたいと思いますが、よろしゅうございますでしょうか。ありがとうございました。
 それでは、この有害大気汚染物質及びヒ素に関しての前回のときに出ました、ご指摘いただいた事項に関しての修正は、ここで4を除きましてお認めいただいたということでございますので、議題2の方の有害大気汚染物質の今後の排出抑制のための対策のあり方についてということに移りたいと思います。では、事務局の方からご説明をお願いいたします。

【中野大気生活環境室長補佐】 それでは、私の方から資料6を用いましてご説明をさせていただきたいと思います。資料6につきましては、有害大気汚染物質のリスクの程度に応じた対応方針(案)とさせていただいてございますが、こちらは今回、物質リスト及び優先取組物質を見直すことに伴いまして、これまでの中央環境審議会の答申でございますとか、同審議会の今のこの専門委員会あるいは有害大気汚染物質排出抑制専門委員会などにおける取りまとめですとか、議論をもとに他の化学物質関連施策との整合も図りつつ、有害大気汚染物質の分類に応じて、国、それから地方公共団体あるいは事業者の各主体の取組が明確となるような対応方針(案)を整理するといった資料でございます。
 その基本的な考え方を1ページの<1>.で整理してございますが、基本的にこれまでの有害大気汚染物質対策がどうであったのかというところを中心に、課題点はないかというような観点でこちらは記載をさせていただいてございます。具体的には<1>ポツ、本文の2段落目、「その結果」以降の段落でこれまでのレビューをさせていただいてございまして、こちらの中では特に優先取組物質でございますとか、その中でさらに定まっています指定物質につきまして、これまで平成9年から11年度を1期、それから、平成13年から15年度を2期といたしまして、過去2期にわたりまして事業者団体の自主管理計画による排出抑制が12物質についてなされている。あるいは、第2期におきましては、特にベンゼンに係わる地域自主管理計画という取組が5地域でなされているところでございます。さらにその後、平成17年6月、有害大気汚染物質排出抑制専門委員会におきまして、これまでの2期の事業者団体の取組を評価していただいた結果、個別の事業者のそれぞれの責任のもとで自主的な排出抑制や地方自治体と事業者との連携による地域主体の自主的取組というものに対策は移行してございまして、その結果、地方公共団体あるいは国の方で大気環境モニタリング調査をしている結果におきましては、こちら、この資料の10ページ以降にデータを記載させていただいてございます。ご覧いただければと思いますが、10ページでは、地方公共団体で常時監視いただいてございます物質につきまして、その年平均値の、これは継続測定地点での推移というものを白い四角のプロットで、それから、全測定値点の平均値の変遷を黒丸のプロットでお示しさせていただいたグラフでございまして、こちらをご覧いただければ、大きなトレンドとしては、やはり大気中の有害大気汚染物質の濃度というのは減少あるいは少なくとも増加はしないような形で推移してきたというのがこれまでの状況ではないかと考えているところでございます。
 さらに、12ページ、一番最後のページでございますが、こちらは表1という形でお示しさせていただいてございますけれども、環境基準値あるいは指針値等が定まった物質につきまして、その値を超過した地点が全国でどれぐらいあるかといったものの推移をまとめた資料でございますが、ご覧いただければおわかりになりますとおり、例えば(1)のベンゼンにつきましては、平成10年度には135地点、全国でも超過地点がございましたが、平成20年度におきましては1地点まで下がってきたというようなところでございますし、それ以外の物質につきましても、直近においては多少上下はいたしますけれども、基準値を超過するか否かというところにつきましては、ほとんどの部分ではもう基準値を満たしているような全国の状況となってきているところでございます。
 こういったところを一つ踏まえる必要があるのかなと考えているところでございまして、1ページ目にお戻りいただきたいと思います。1ページ目、一つ目のレビューとしては、今申し上げたところでございまして、もう一方ということで、下から二つ目の段落、「一方」というところでございますが、特に優先取組物質以外の物質につきましては、これまで基礎的な情報の収集・整理というものが行われてはいるところでございますけれども、特に外からご覧いただきますと、体系的な取組というものが必ずしも十分にはなされていないといったようなご指摘をこれまで幾度かいただいているところでございます。こういったところを踏まえまして、この対応方針案の基本的な考え方を一番下の段落、下線部で特に強調させていただいてございますが、まず、これまで、やはり排出抑制効果が数字としても認められる指定物質、優先取組物質の考え方というものをこのまま継続させていただくような取組の方向性とさせていただくことが一つございますし、一方で、優先取組物質以外の物質につきましては、そのリスクの程度に応じて、より効果的あるいは体系的な有害大気汚染物質対策というものを実施することが適当であるということを、基本コンセプトとさせていただきました。このコンセプトに従いまして、2ページ以降に、リスクの程度に応じてそれぞれの物質分類ごとに、国、それから地方公共団体、それから事業者の取組の方向性というものを記載させていただきました。ここで便宜上、リスクの程度に応じて物質分類をA分類物質、B分類物質、C分類物質と分類させていただいてございます。これは、これまでの中央環境審議会の審議の結果、基本的にこのような分類とさせていただいているところでございまして、それを踏襲した形で各主体ごとに対応方針を記載させていただいているところでございます。
 まず、1.A分類物質は、一番大まかなカテゴリーでございます有害大気汚染物質に該当する可能性がある物質相当の分類となってございまして、こちらの基本的な性質といたしましては、四角囲いにございますとおり、大気環境を経由して人の健康に有害な影響を及ぼす疑いのある物質であって、我が国で現に検出されているか、又は検出される可能性がある物質群を指すというふうな考え方でございます。(1)の全体的な対応方針といたしましては、基本的にこういったものは健康影響に係る知見や大気環境濃度あるいは発生源条件等について、現時点においては必ずしも十分な情報やデータが整っているわけではなく、一層の情報収集、知見の集積が必要な物質であると整理されるということでございまして、これを踏まえて(2)主体ごとの取組内容でございますが、まず、国におきましては2点の取組をする必要があるというふうに整理をさせていただいてございまして、一つは(ア)基礎的な情報の収集というものは、これは国の責務であろうと整理させていただいてございます。具体的には、発生源ですとか大気環境濃度、有害性の基礎的な情報の収集ですとか、データベースの整備に努めるということを整理させていただいてございます。これは従前の取組においても整理させていただいておったところですが、今般は特に体系的ではないというようなご指摘も踏まえますと、やはりこの基礎的な情報というものに一定のスパンというものを記載させていただいた方がよかろうと思ってございまして、そうは言っても対象物質が200数十物質ございますので、対象となる物質数が多いことを踏まえますと、物質数、物性等にも注目して対象物質をグルーピング、類型化させていただきまして、そのグループあるいは類型単位で基礎的な情報というものを収集する作業を、例えば5年程度をめどに全体の作業が一回りするように国の方は情報の収集に努めるべしということを記載させていただいてございます。
 また特に、最近、有害大気汚染物質のほか、類似する化学物質対策といたしまして、化学物質管理法でありますとか、あるいは大防法の中でも揮発性有機化合物(VOC)につきましては、いろいろと対策を体系的に講じるような状況となってございますので、こちらから把握できるものというものは効果的に活用していけば、より基礎的な情報というものを効果的に収集できるのではないかというようなことを記載させていただいてございますし、もう一つの役割としては、国は、やはりこのリストというものをきちんと作成・公表をするような普及啓発をしていくことが必要であるというふうに整理をさせていただいているところでございます。
 それから、(イ)の地方公共団体におきましては、二つの取組を記載させてございます。一つは、国と同様に、特に地方の中で、地域の中でニーズがあるようなものにつきましては、必要に応じて基礎的な情報にまずは努める必要があるというようなことを記載してございますし、イといたしましては、そういった形で地域のニーズによって得られた情報というものは、必要に応じて地域住民ですとか事業者に情報提供を行うということをまとめさせていただいてございます。
 それから、ウでございますが、事業者における取組といたしましては、二つほど示させていただいてございまして、(ア)自主的な排出抑制といたしましては、まずは他法令でございます化管法対象物質につきましては、同法に基づく排出量の把握ですとか、あるいは管理というものがなされるところでございますので、それは実施していただくことが必要であろう。あるいはVOCについても大気汚染防止法に基づいた措置というものは、まず、その法に基づいて講じるということが必要であろうということを記載してございますし、これら以外の物質につきましても、基本的にそういったVOC、化管法の取組をしていくところに準じた取組というものをすることを、A分類物質でございますので、期待するようなことを従前どおり書かせていただいているところでございます。
 それから、(イ)周辺住民とのリスクコミュニケーションということでございまして、やはり今後は、例えば化管法の中でも化学物質管理指針の中で事業所周辺の住民への情報提供をするといったようなところが記載されているところでございまして、そういったものを活用しながら事業所における周辺住民との間でのリスクコミュニケーションなどに取り組んでいただくことが望ましいというふうにさせていただいてございます。ここで、通常、リスクコミュニケーションということであれば、下の注意書きにございますとおり、二者の双方向のやりとりがリスクコミュニケーションであろうと思いますが、この取りまとめの中では広義の意味として、少なくとも事業者の方から周辺住民に一方向ではございますけれども、情報提供することもコミュニケーションの一つというふうに整理をさせていただいて、そういった取組をすることが望ましいのではないかとまとめさせていただいたところでございます。
 それから、2.B分類物質、こちらが優先取組物質に相当する物質ということになってございますが、こちらは基本的に国内外に人の健康への有害性についての参考となる基準値がある物質でございまして、これらの値に照らし大気環境保全上注意を要する物質群であるか、あるいは物質の性状として人に対する重篤な有害性が確認されている物質が入るような中身となってございまして、(1)の基本的な対応方針といたしましては、やはりこういった物質につきましては、行政において物質の有害性でありますとか、その他もろもろの体系的な情報を詳細に調査を行うほか、事業者に対しまして排出抑制技術の情報などの提供に努め、事業者における自主的な排出抑制努力というものを促進する必要があるような物質であると。あるいは、事業者におきましては、特にこれまでいろいろ取組を業界単位等でされているところでございますので、そういった取組を通じて確立された排出削減の枠組みというものを活用して、個別の事業者それぞれの責任のもとで、特に地域との連携をしながら自主的な取組を実施していくことが重要な物質であろうというふうにまとめさせていただいてございます。あるいは、大気環境モニタリングにつきましては、こちらは地方公共団体を中心に全国においてモニタリング調査を行い、大気汚染の状況というものを把握することが適当だというものが基本コンセプトとしてまとめさせているところでございまして、これを踏まえて各主体ごとの取組でございますが、4ページ目の(2)、ア、国といたしましては、大きく六つの取組を記載させていただいてございます。一つ目が、(ア)でございますが、国はこういった物質につきましては、環境目標値として環境基準値あるいは指針値というものを順次設定していくということでございます。それから、(イ)大気環境モニタリングといたしまして、まず、物質ごとのモニタリング手法を順次開発するのは国の取組でございますとさせていただいております。これに加えて国は、地方公共団体が実施されます大気環境モニタリングを補完するようなモニタリングをするというような役割を担うということでございます。それから、(ウ)排出実態の把握といたしまして、まず、化管法の対象物質につきましては、PRTRデータが今は活用できる時代でございますので、それを活用した大気濃度シミュレーションなどを実施して、例えば大気環境モニタリングデータとシミュレーション結果を比較しながら、国内での排出実態の把握等に効率的に努めるといったところですとか、あるいは化管法の対象ではない物質につきましては、PRTRデータを活用できませんので、特にこういったところ、非意図的な生成物質についてが対象となってございますが、こういった物質につきましては文献調査ですとか、あるいは排出実態調査などによって国内の排出インベントリを作成することによりまして、排出実態を把握していくことが必要であるということを書いてございます。あるいは、そういった排出実態の調査が可能となるように、大気環境モニタリング以外に排ガス中の物質の濃度測定手法というものも順次開発するということが国の役割としてまとめさせていただいているところでございます。それから、(エ)につきましては、排出抑制というものを最終的には進めていく必要がございますから、どうすれば排出抑制ができるのかといった技術情報というものは国の方で率先して収集・整理する必要がございますし、(オ)といたしまして、そういった環境モニタリング結果ですとか、あるいは排出抑制に係る情報を収集した結果を踏まえて普及啓発を行っていったり、あるいは排出抑制のノウハウというものは、指針という形で必要に応じてまとめて、そういった情報の普及に努めることがいいのではないかというふうに記載させていただいてございます。それから、(カ)といたしましては、やはり排出抑制効果というものは、特に基準値・指針値という形で具体的な数値で評価できるものについては、こちらから検証・評価するというのが国の役割であろうというふうにまとめさせていただいてございます。
 それから、イの地方公共団体による取組といたしましては、全部で三つ記載してございますが、(ア)としては、基本的に地域における大気環境モニタリング調査を実施することが地方公共団体の役割とさせていただいてございますし、その結果を踏まえて、(イ)でございますけれども、必要に応じて地域への情報提供というものを行っていく必要があろうと。それから、三つ目でございますけれども、地域の事業者に対する指導・助言というものは地方公共団体が担うということをまとめさせていただいてございます。
 それから、ウ、事業者における取組といたしましては、三つ、これも書かせていただいてございますが、まずは(ア)といたしまして自主的な排出抑制、具体的には、やはり他法令で具体的な措置を講ずるものにつきましては、基本的にその措置を講じていただければ、それはすなわち有害大気汚染物質の削減にもつながる取組であるとさせていただいてございまして、その趣旨から化管法対象物質あるいはVOC対象物質についての排出状況の把握ですとか、あるいはその排出抑制措置というものは、まずはそちらの方で行うべき対象の物質はそうしてくださいということを記載してございますとともに、そのような物質以外のものについては、VOCあるいは化管法の取組に準じた取組で自主的な排出抑制をしてくださいということを記載してございます。あるいは、これまでの取りまとめの中では、効果的な取組の事例として、例えば排出状況の把握といたしましては、敷地境界での測定というものをやるということも有効なものではないかと、これまでどおり書かせていただいたところでございますし、あるいはそのほか、排出抑制の取組といたしましては、例えば事業者単位で自主的な管理計画というものを作成していくということが有効であろう、あるいはこれまで事業者団体において自主的な取組をしてきた中で構築された、特に事業者団体間あるいは企業間での情報共有体制というものを継続していくことも、これは排出抑制の取組としては有効な措置ではないかということを例示させていただいているところでございます。それから、2点目は、周辺住民とのリスクコミュニケーションというものは、これはA分類物質同様にしていくことが望ましいでしょうし、特に優先取組物質に関しては、有害大気汚染物質の現況は、大気拡散予測ですとかリスク評価に係るいろいろな支援ツールというものも作られているような現状でございますので、これらを用いて評価した結果をリスクコミュニケーションにおいて活用することも、これは有効ではないかということをまとめさせていただいたところでございます。それから、ウとしては、国ですとか地方公共団体が行います各種の調査に情報提供という形などで協力していただくことも、事業者における取組の中身として記載をさせていただいたところでございます。
 それから、6ページ目はC分類物質、これはいわゆる指定物質相当の物質でございますが、こちらは基本的に環境目標値、環境基準ですとか指針値を設定した場合に、現にそれを超えている、あるいは超えるおそれがあるなど、健康リスクが高くて、その低減をまずは着実に図っていかなければならないような物質群がC分類物質に該当するようなものでございまして、こちらの基本的なコンセプトは(1)にございますとおり、基本的に排出ですとか飛散を早急に抑制しなければならない物質が該当するということになってございまして、例えば6ページ目、(1)の[1]から[4]にあるような基準値などが設定されていて、それを上回るデータというものが比較的充実したデータでとれるような物質などの条件を総合的に勘案して選定される物質ということは、これまでの考え方のとおりでございます。こういった指定物質につきましては、基本的に現行大気汚染防止法の附則で一定の規定を置かせていただいているところでございますが、これはこれまでどおり効果がありましたので、引き続き活用することが適当であるということでございますし、これに該当してきたベンゼン、トリクロロエチレン及びテトラクロロエチレンにつきましては、化学物質の製造・輸入・使用の実態が常に変動することからいたしますと、当面は引き続き、そのカテゴリーの中で環境基準の達成状況というものを引き続き監視しておくことが、これまでどおり有効ではないかと考えているところでございます。これを踏まえて、各主体ごとの取組でございますが、基本的に優先取組物質の中から選ばれるようなものが指定物質でございますので、先ほど申し上げました2.の(2)で掲げました優先取組物質に係る主体ごとの取組をまずしていただいた上で、加えて何点かの取組をすることが適当であるということで、6ページの下から記載をしているところでございます。まず、国は1点だけなんですけども、排出抑制対策の評価というものは国の役目であるというふうにさせていただいてございますし、7ページ目でございますけども、地方公共団体におきましては、(ア)でございますけれども、大気汚染防止法の附則で勧告といった措置をとれることになってございまして、これに基づいた措置というものを地方公共団体はとることになろうということでございますし、それに当たるバックボーンといたしましては、やはり地域における事業者の取組の評価というものをしていくことですとか、それを踏まえ、事業者は事業者でリスクコミュニケーションを行っていくんでしょうけれども、指定物質につきましては、そういった評価を踏まえた周辺住民への情報提供あるいはコミュニケーションというものを地方公共団体としても行っていくことが望ましいのではないかということをまとめさせていただいてございます。それから、ウといたしまして事業者でございますが、これも法令の中で指定物質抑制基準というものが定まってございますので、これを踏まえた自主的な排出抑制というものをしていただくということがよろしいかということで記載をしてございますし、そういった中で、ベンゼンについては地域自主管理というもので、地方公共団体との協力体制というものができてございますので、それを活用していただくことがより有効だというようなまとめをさせていただいてございます。
 基本的に、三つのリスクに応じた分類というもので、これまでどおりの形に加えていろいろと新しい要素を加えながら整理させていただいたのが今までの部分でございますが、これに加えて、さらにこれまでの課題を踏まえた取組というものを、<3>で有害大気汚染物質対策の見直しというところでアディショナルに書かせていただいてございまして、こちらでは特にこれまでの取組あるいは課題を踏まえた、国のさらなる役割というものを新たにつけ加えをさせていただいているところでございます。簡単に申しますと、1.と2.の二つの宿題を国には継続的にやることが適当ではないかということでございます。一つ目は、いわゆる優先取組物質以外の物質をより体系的にどうやるかということを具体的に記載してございまして、基本的にこちらの物質は、優先取組物質以外の物質でございますから、今後の知見の集積ですとか曝露性の変動、いわゆる基礎的な情報を収集していくと、健康リスクが変わってきたりする物質になってくる可能性があるということでございますので、特に優先取組物質以外の物質でも、やはりそのうち比較的健康リスクが高いと考えられるような物質から優先的に情報の更新状況、基礎的な情報の収集というものは努めるべきでしょうし、基礎的な情報の中でもより深掘りした情報というものを集めて、さらなる対策の必要性について検討していくことが適当ではないかというふうなまとめをさせていただいてございます。
 具体的にどういったことを優先順位を決めた物質から集めていくことが適当であるかということを書いているのが(1)から(3)でございまして、まず、(1)は大気環境モニタリングの実施といたしまして、特に優先順位の高い物質から順番に、国が物質ごとの大気環境中のモニタリング手法を順次開発して、大気中での存在量の確認ですとか、あるいは大気中で検出された場合には、その存在量の経年的な変化を把握するためのモニタリングを実施していくべきではないかと。具体的に国がやるということになりますと、全国的な視点ではない形になりますので、先ほど中杉委員からもご指摘があったような、例えばある程度、検出の蓋然性が高いところを選んで、そちらのモニタリングというものをしていくのは国がやっていくべきではないかというようなところを記載させていただいてございます。それから、(2)は大気環境保全政策に係る情報及び重篤な有害性に係る情報の収集、このキーワードは基本的に優先取組物質、すなわちB分類物質相当の物質のクライテリアになっているところでございますが、やはり優先取組物質に該当するか否かの情報については、これは率先して集めることが必要であろうということを書いているところでございます。それから、(3)は、(1)は大気環境のモニタリングでございますが、これに加えて発生源の排出実態というものもある程度深掘りをして調査すべきであろうと。具体的には、発生源周辺の大気濃度の把握のほかに、化管法対象物質については、そういったデータを活用して、排出実態というものを把握できはしないかというところを記載させていただいているところでございます。この三つの取組は、基本的に国が優先取組物質以外の物質で健康リスクの高いと考えられるものから順にやっていくことが適当であるとまとめさせていただいてございますが、8ページ目の上になお書きで書いてございますとおり、やはり地方公共団体においても地域のニーズというものがあろうかと思います。優先取組物質以外の物質でも、やはり地域としては考えなければいけない物質というものはあると思われますので、そういった物質につきましては地方公共団体の方で必要に応じて対象物質を考えて、地域の事業者と協力しながら大気中でのモニタリングなどを実施していくことが望ましいのではないかと記載させていただいたところでございます。
 それから最後、2.でございますけれども、有害大気汚染物質全体としまして、先ほどは優先取組物質以外のお話をさせていただきましたが、国としては全体についても、特にA・B・C分類物質、物質リストにつきましては、今後集積される科学的知見を踏まえて、やはり定期的に見直しをしていくことが必要ではないかとまとめさせていただいているところでございます。さらに、この際なんですけれども、やはり今後、排出抑制の取組が進んでいきますと、健康リスクが一定以上、事業者ですとか地方公共団体の取組によって低減していくという物質が増えていくのではないかと見込まれるわけでございまして、こちらの、いわゆる卒業と申しますか、対応していくことが本当に今後も必要なのかどうかというものは、やはり今後、宿題とさせていただきたいと考えているところでございますし、そのように卒業ということがあれば、一方で新規入学といいますか転校といいますか、今後の知見の集積に伴い、特にポンと健康リスクが高い物質というものが新たに認められるですとか、あるいは曝露可能性についても知見が集積されて、そういった物質の曝露状況というものもかなり国内では悪いといったようなことが、ある突然の時期に起こるということが、これは十分想定されることもございますので、こういった化学物質の今後の変動を見きわめながら、そういったことがあるということを踏まえて、国としては効果的な有害大気汚染物質対策のあり方についても、やはりこれは引き続き検討していくことが必要ではないかということを、今回改めてまとめさせていただいた次第でございます。
 9ページにつきましては、そういった今申し上げたところをポンチ絵で概略を示させていただいた資料でございますので、後ほどご参照いただければと思います。
 それから、参考資料の3でございますが、こちらにつきましては、今申し上げました資料6の書き下し分をポイント、ポイントで箇条書きさせていただいて、さらにこれまでの第8次答申までの答申ですとか、あるいは排出抑制専門委員会あるいは健康リスク総合専門委員会で評価されたテキスト、ここから同じくポイントを箇条書きさせていただきまして、これまではどういうことが必要かと言われてきたかと、それから今後、今回取りまとめたものではどう違うのかというものが一目でわかるように比較対照表とさせていただきました。特に○と△を表示させていただいてございますけれども、いわゆる努力規定ですとか望ましいですとか期待するですとか、そういった言葉で表現させていただいているようなものが△、取り組むことが必要ですとか取り組むべきというような形で書いておるものが○の取組でございまして、さらに、フォントがゴシック体で下線部を引いているような部分が、これまでには言及されていなかったようなポイントとなってございますので、これも後ほどご参照いただければと存じます。
 それから最後に、参考資料の4をご覧ください。参考資料の4は、先ほど最後の方のポイント、国の継続的な宿題の二つのうちの一つ、優先取組物質以外の物質を優先順位をつけて作業すべきだというような取りまとめをさせていただいているところでございますが、その優先順位のつけ方というものは国の宿題として今後定めることが必要と考えてございますが、どのような考え方があり得るかと現時点でわかるものを一例とさせていただいて、お示しをさせていただいてございます。一例でございますので詳しくはご説明いたしませんが、ポイントだけ申し上げますと、やはりこれは優先取組物質を選定したときの人への健康への有害性についての参考となる基準値と曝露データの比較における評価ですとか、あるいは発がん性などの重篤な有害性に基づく評価というものを拡張させていただいて、A分類物質で使っていくということがよろしいのではないかと。具体的には、やはりデータが豊富にあるような物質ではございませんので、例えば優先取組物質のときにクライテリアとして利用した目標値では全然足りないようなところになってございますから、例えばそれ以外、いわゆる大気環境保全施策の中で利用されている目標値以外の目標値ですとか基準値といったもの、具体的には、前回ご説明しました、例えばアメリカの目標値ですとか、あるいは国内の評価としては健康リスク初期評価の中で目安となっている値といったものを、そういったものを幅広く目標値等としては使わせていただくとともに、曝露データも有害大気モニタリング調査結果ですとか化学物質環境実態調査以外の国内の曝露データというものを幅広く使って評価することが必要ではないかと考えてございます。あるいは曝露データにつきましては、モニタリングデータだけでは多分足りないということも考えられますので、PRTRデータに基づいた大気環境予測濃度というものも使ったりして、強引に評価をすることが必要ではないかと思っておりますし、定量的な評価というのは極めて難しいと考えますので、例えば2ページにありますとおり、目標となる、参考となる基準値と曝露データの比をとりまして、それをある程度のオーダーで順位づけのスコアリングをするというようなこと、あるいは曝露データがないものとか、基準値などがないものもございますので、そういったものは、そういったカテゴリーに分けて評価をするということが必要かなと。あるいは3ページ以降は、重篤な有害性についてもそのあるなしというものの多寡を便宜上スコアリングをさせていただいて、このスコアを単純に合計するという形で、リスク評価というよりは、むしろ今後、国が優先的に取り組んでいくべき物質の作業順というものをつけていくようなことをきちんとした形で考えを持ってやっていって、体系的に対応していくことが必要であると考えているところでございまして、こちらでは今後検討する上で一例を示させていただいたところでございます。
 長くなりましたが、私からの説明は以上でございます。

【内山委員長】 ありがとうございました。今、事務局から有害大気汚染物質に該当する可能性がある物質のリストの見直しについてということでご説明がありましたので、ご質問・ご意見、伺いたいと思いますが、先ほど議題1のときに申し上げましたように、大気への排出量が少ないと考えられる2−ブロモプロパン及びベンゾトリクロライドについては、説明のありました優先取組物質とかの取組内容、資料6の取組内容を踏まえた上で優先取組物質に指定するべきか否か、ご意見を伺いたいというふうに思います。
 まず、資料6の方で記載されました事項でご意見はございますでしょうか。特に中杉委員の言われたのは、7ページの<3>というところに関係している。

【中杉委員】 資料6で優先取組物質、こういうことをやるんだよという話が書かれています。この中で一つ大きな、事業者の方にどうやっていただくかという話がもう一つ重要なポイントなんですけれども、地方公共団体でモニタリングをやるという話が一つ大きなポイントになると思うんですね。これは優先取組物質によると、1をどこでもやっていただくような形で、今、動いています。そうなると多分、場所が限られて、排出源が限られているときに全国的にやる必要があるのかどうかという、それが必要だというためにはもう一つ、今の排出データから見ると、そうも必ずしも言い切れないということであれば、環境のデータはまさにAのところで順番に検討していくんだよと、その最上位のところへ持っていって、環境の測定データをあえて考えればいいのではないかというのが私の先ほど申し上げた趣旨でございます。

【内山委員長】 そのほかのご意見をどうぞ。浅野委員。

【浅野委員】 前の答申をつくったときのことを改めて思い出してみたのですが、事の発端は大防法の中で有害大気汚染物質として化学物質を対象に取り上げる必要があるけれどもどうしようかなという話になり、在来からの手法を言えば、まず基準がないとどうにもなりませんね。つまり、環境基準をつくらないと、あとは規制は何もできませんねというのが話の発端だったわけです。しかしそうは言ってもすべての化学物質に基準をつくるのは、環境基準にするのか指針値するのかはともかく大変なことだから、それでは一体どのぐらいを化学物質について是非とも急いで基準をつくらなくてはいけないのかと数え出してみたら240だったかの数字が出てきたので、これを全部片付けるには200年かかるんじゃないかという話になった。これではいけない。じゃあもっと絞ろうということで絞って22にしたんですね。だから、22に絞ったときの意図は、それについては少なくともちゃんと定量的に何か物差しをつくってきちんと規制もできるようにしましょう。特に急ぐものをやりましょうというので幾つかやったわけですけれども、物差しができるまでは何もしませんというわけにいきませんから、とりあえず事業者には自主的に頑張ってやってくださいというようなシナリオでスタートしたわけでした。それがしかし当初に考えたとおりにちゃんと定量的な指標ができてきたかどうかということはちょっと問題のような気もするのしますが、今回はとにかくPRTR法のほうも変わったから全体を見直さなきゃいけないというので見直しをされたんでしょう。しかし、最初につくったときの意図というものをもう一遍よく考えて見直しをしたかどうかは若干疑問ですね。ですから、積み残しになっているもので要らないものがあったら削ればよかったのかもしれないのですが、優先順位の高いものを増やせば増やすほど身動きがとれなくなるので、22が25になったというのは後を考えると大変なことだろうと思います。その点は事務局はどうお考えなのでしょうか。
 今回の対応方針として示された案は、どう見ても今のところ書けることはこれしかないので、これで仕方がありませんねという評価しかしようがないと思います。抽象的には、これ以上の書きようはない。ただ実際に、本当に25を並べておいて、全く定量的には物差しもないようなものがあるのか、あるいは少なくともちゃんと調べればある程度のことが言えるのかが課題ですね。最初、平成8年のときには、およそ240以上ではどうにも手のつけようがないというお話だったので、それじゃあしようがありませんねといって絞ったんだけど、いろいろとやっていくうちに外国にはもうデータもあるし、ある程度、何か言えそうなものがあるというものと、それから全く何もないというのと、もうちょっと何か丁寧な色分けをしていかなきゃいけないんじゃないかという心配もでてきます。
 A・B・Cというのは、これは格好よく示すためにA・B・Cとされているのであって、あのとき私は松・竹・梅の区分でいいと言ったんです。だから、要するに松がAで、竹がBで、梅がCと、こういうぐらいの大まかな分け方しかないといって大まかに分けたわけですが、実を言うと、大まかに分けるということは、とりあえず政策をあらあら整理するために大まかに分けましょうと言ったのであって、大まかに分けた中のもうちょっと細かい分け方というのが次のステップであってもいいんじゃないかということははじめから考えてはいた。つまりある程度、数字でアプローチできそうな資料が、外国にはあるんだが、日本ではまだまだ合意ができていないというたぐいのもの、さらに、日本でも排出量についてもある程度わかっているもの。それから、今、中杉さんが言われたように、地域的に偏在しているもの、全国的に結構あちこちで出ているもの、そういうような形でいろいろと表をつくって、マトリックス的に埋めていけば、もうちょっと何か効率的に作業ができるのではないかなという気がいたします。そういう意味ではちょっとこの並べ方はべたっと一様に書かれていて、これで、じゃあ次どれからやりますかというときに、まさか、さいころを振って、これからにしましょうといってとりかかるわけにいかないでしょうけれども、その見通しをどうやって立てるのかという手がかりを示すという意味では、そこがちょっと欠けているような気がいたします。

【中杉委員】 そこがこの前、私が取りまとめさせていただいた委員会でも議論をしていて、ただ、時間的にはそんなになかったので、参考資料4みたいな形で出てきています。ただ、これは私はまだ検討段階であって、今、浅野先生が言われているような話は、もう少し考え方として整理をしなきゃいけないだろうと。これは何かといいますと、情報があるものについてはきれいに、優先取組ぐらいになるともう流れで行けるわけですよ。作業が遅れているだけで、一応、指標はつくらなきゃいけないだろう、基準みたいなのをつくらなきゃいけないだろう。ただ、そこに持っていくときにどうするかといったとき、情報がないものでいきますと、全部、情報がそろっている形ではいかないので、全部の物質を優先順位1番からつけるわけにいかないんですね。多分、幾つかのカテゴリーに分けて、順番つけて見ながらやらなきゃしようがないだろう。そこら辺の考え方の整理を少ししなきゃいけないんだろうと思っています。資料4でスコアというのは一つ格好いい方法なんですけれども、多分、こんなきれいな形で行ける話ではないんだろうというふうに思っていますけれども、考え方は、じゃあどういう考え方をやるのかというのを早急に整理をしなきゃいけないという課題だろうというふうに考えていますね。それが多分、この資料6の見直しというところに少し絡んできているのかなというふうに思っていますけど。

【浦野委員】 行政的に何らかの優先取組の中の順位づけしないと、一気に全部対応をとれないからクラス分けするというのは、それはそれでいいと思うんですけれども、いわゆる優先取組のB物質の取組の仕方で、先ほどのお話ですと、全国的にモニタリングするというのが原則ですという話になっているので、この2物質はひっかかるということなんです。発生源が限られていれば、当然、地元の自治体にも協力してもらって、国が主体でモニタリングするというのはいいと思うんですけれども、全国的にモニタリングする必要はやっぱりないんだろうと思うんですね。これをB物質に入れないということになると、先ほどのスコアリングの方は、重篤な毒性がある物質は3点、点数が入ることになっているけど、3はないんだという説明になっていて、2と1ですとなるので、その辺のスコアリングも、3点の物質を残すとすると、スコアが4点になるから2番目のランクになるんですよね。そうすると、そこら辺のスコアリングのやり方とこの優先取組の決め方がかなりクロスしてきてややこしいんです。B物質のモニタリングを原則全物質についてやれということなんだろうと思うんだけれども、それを例えば域内ないし周辺に全く発生源がないと思われる場合は省略することができるとかね。国は全体をやるけれども、自治体はやらなくていいものを選べるというふうになれば、それはそれでもいいと思いますが、それはやっぱりまずいんだと、何とか全部やりたいんだということであれば、やっぱり優先から外すしかないと。だから、その辺をどういうふうにしていくか。
 例えば塩ビモノマーも指針値があって、測定してはいるんですけれども、最初のころは結構、発生源あったんですけれども、今は発生源がすごく減っているんですね。ですから、もう特定場所しか発生源ないので、特定の地域でちゃんと測定してもらえば済むんですね。逆に言うと、その発生源があるのに、その周辺で測定していないという事例もあるわけなんですね。それはすごくおかしなことで、全国レベルではかって、平均とるとすごく低くなるんですけど、周辺ではかっていなくて、全然違うところではかっているという状況もある。有害大気汚染物質の中で、先ほど浅野先生がおっしゃったように、かなりあちこちから出てくるものと、本当に数カ所からしか出てこないようなものを、区別しないといけないのではないかなという感じです。原則はB物質になったら全部、全国的にはかるけど、ただし、塩ビモノマーとか、今の2物質のようなものは特定の発生源しかないですから、そういうところは国が主体ではかって、必要以上にモニタリングの負荷を自治体に与えるというのはちょっと酷かなと。必要ならばやればいいけど、あまり必要がなさそうだとわかっているものは省略するということも大事なんじゃないかなという気がしております。それをB物質から外すのか、あるいはB物質の中でも、そういう特定の物質については全国的なモニタリングはしなくて特定の地域ないしは国だけが何かモニタリングとか情報収集するというようにするか、あるいは地域の特性に応じて測定するというのでいいという取り扱いにするか、どっちかじゃないかなと思うんですけど。

【小林委員】 今のご発言、大変いいと、私も賛成したいと思うんです。要するに、化学物質ごとに実際に発生する量は、相当、地域で違うわけで、それを全国各地でやれというのはすごく負担がある。もう一つは、現在、地方自治体で、いわゆる研究所と言われるところ、環境の研究所、だんだん今、弱体化してきて、全国の各研究所にすべての物質の分析能力を持てというのは大変な負担になると思うんですね。そういう意味から、やはりPRTR等のデータから見て、例えば各物質ごとに違うと思うんですが、一定量以上の排出実態があるところについて、その周辺でのモニタリングをやれというような指示を出される方が一番いいのではないかなというふうに思うんですね。言葉だけですけど、免除するというのは大変つらい言葉で、免除じゃなくて、ここの地域はやれという方がはっきりしていると思うんですね。免除するというのは、やらないかんのに何か免除されているというのは、逆に一般の市民の方々からいくと雰囲気が悪いので、できたらPRTRのデータで一定の排出量以上の地域については一定量調査をしろ、それから排出実態については国の方である程度指定されるというのが一番いいのではないかなという感がいたしますが。

【中杉委員】 今、お二人のご意見はごもっともだと思いますけれども、今でも具体的には全部をはからなきゃいけないということになっていないんだと思うんですよ。要は、有害大気汚染物質のモニタリングをどうするか、モニタリング地点をどう選定するかというのは、発生源の周辺と沿道と一般環境ではかりなさいよというぐらいしか言っていないんですね。要するに、そこはきめ細かにつくってあげる必要があるんだと思うんです。そこら辺のところが一つのポイントになると。ただ、もう一つ注意しなきゃいけないのは、PRTRというか排気環境、人為的な環境に合わせただけでいいかというと、必ずしもそうは言えない要素があるので、これは人為的な環境に合わせただけではない物質もありますから、それは単純には言えないんだと思うんですよ。だから、そういう意味では、そこら辺のところも有害大気汚染物質のモニタリングについて、地点を選定するというところについても、指針みたいなものを示して、見直して、ちゃんとつくっているということが必要だろう。今までは、多分、そこら辺のところが非常にあいまいになっていて、はっきりしないので、地方自治体の方はどうしたらいいかよくわからないので、はかりましょうという形になっているんだろうというふうに思います。

【小林委員】 今のご発言、そのとおりなので、私はもう少し追加してお願いしたいのは、最近、地方分権が進んだという中で、この物質について調査をするんですか、しないのですか、例えばどこどこのAという県について何でしていないんですかという地元の方からの問い合わせがあるわけですね。これが実は環境省内に、国の方に問い合わせをしますと、必ずご返事が、こういう理由でやらないんですというお答えをされないで、大抵の場合、「地方分権が進んでおりますので、そのご判断は地方自治体の方でされますので、そちらにお聞きください」というご返事が一番多いんですよね。ところが、現実にこういう化学物質に関して、それだけの知見を全都道府県が持っているとは言えないと思うんですね。そういう意味で、やはりそういう少しレベルの高い判断というのは、ぜひ国側でしていただきたい。そうしないと、結局、今、中杉先生が言われたように、市民からの問い合わせがあった場合、やらざるを得ないという答えになってしまいますので、この辺について、不必要な経費を浪費するということを避けるという意味から、ぜひ、国の方である程度の指針を出していただく、モニタリングに対する指針を出していただいた方がいいのではないかなというふうに思いますが。

【中野大気生活環境室長補佐】 ちょっとその関係で1点だけご説明させていただきますと、基本的に有害大気汚染物質の中で優先取組物質については、基本的に大防法の常時監視の規定の対象とさせていただいて、この常時監視は基本的に地方自治法で申しますと、法定受託事務という位置づけになってございますので、私どもの方から、いわゆる事務処理に関する指針というものを出してございまして、その中ではっきり常時監視の対象の物質としては優先取組物質のうち測定が可能となっている19物質という形で、明言させていただいておりますので、そういった形でそこはきちんとできておりますから、基本的に全国で測るべきかどうかということさえ決まれば、そこは指針として必ずお示しするような形にはなろうと思います。

【浅野委員】 全部はからなきゃならないという必然性がなくても、はっきりわかっているのであれば、浦野さんは外すかどっちかだろうと言われたけど、外さなくたって、こんなものは行政措置なのだから、優先取組物質ではあるけれども、それについてまた松と梅と2通りある場合、だから、第一種優先取組、第二種とかというふうにして、第二種については地域限定にするというふうにやれば済むのではないでしょうか。別にそんな悩むことはないだろうと思います。あえて外してしまうということが、もう重要でないというメッセージになってしまうことが危険であるならば、外すよりも第一種、第二種で分けるという工夫もあろうと思います。

【中杉委員】 すみません、多分、浅野先生が言われる話は一つの方法としてあると思うんですけれども、第一種、第二種にあえて分ける必要はないと思うんですね。これは、やっぱり地方自治体のそこの事情がありますから、こういう判断でやってくださいということをちゃんと示せばいいので、その中で、それが連続的な方が私はいいと思うんですよ。これまた分けると、その判断のところで非常に難しい議論が出てきますし、当然のことながら、どこかで連続したところですぱっと切るような話ではない。これはA・Bというのも、そこでA・B・Cというのをすぱっと切っていますけれども、これもある意味の割り切りをしています。またさらに、そこで細かく分ける必要はないので、何らかの判断、考え方というものを示してあげることが必要ではないだろうかと。あとは、地方自治体の状況がありますから、自分のところの状況を見ながら判断をしていただく。そういう判断をしていただくときの、あるいは住民の方から問い合わせが来たときに答えられるだけの根拠を国の方で示す、それが必要ではないかというふうに考えます。

【浅野委員】 法定受託事務であります、これは計ることになっておりますという前提を置いてしまえば、やっぱり自治体はいろいろ市民から言われたときに、言ってきた人に対して強く反論できなくなってしまうのではないでしょうか。下手するとマスコミに法定受託事務なのにさぼっているというようなことを書かれたらアウトですから。残念ながらリスクコミュニケーションとか化学物質についてのきちんとした理解をできるほどの成熟した社会になっていれば、そんなことは起こらないのだけれど、何かというと、行政に対しては批判をすることをもって正義であると考える人が結構多数であるというような社会では、どうしても行政担当者は自己防衛に走らざるを得ないという現実がある。だから、甚だおもしろくないわけです。こういう化学物質だとか医療の世界というのが何でもかんでもマニュアル化されていくというのは最悪の事態だと思うけれども、でも、やっぱりそれが現実である以上は、中杉さんの言われることは極めて正論で、本質的には私はその意見に賛成ですが、現場を考えると、それではもたないということでしょう。だったら法定受託事務ではあるけれども、こういう趣旨であるからということをしっかり通達を出しておいて、それで例えば全く発生源が考えられない、自然由来についても一度調べたけれども全くないというような場合には、それを明示して外すとか。それから、法定受託事務だから、そのときに一番いいやり方を考えてみる。地方主権の考え方からいうと、よくないとは思いますが、法定受託事務のだから、環境省と協議の結果決めたというのにしておけば、自治体の方はかなり気が楽になるんでしょう。ちょっとそのぐらいの知恵を出してあげて、サービスをすることも必要ではないかと思います。

【内山委員長】 この2物質なんですけれども、リストに載せるか載せないかというほかに、もし載せた場合にも、すべての物質をすべての場所ではかるのではなくて、物質ごとに、あるいは物質群で測定する場所を、もう一つはかるべきところ、はからないべきところをもう少し分けられるようなシステムにしてもいいのではないかと、そういう新たな考え方だろうと思うんですね。先ほどのご説明では、今の大防法の中ではB分類に入れば常時監視をお願いしている。それは原則はからなければいけないということになっているんですね。それをどういうふうに、大防法の改正はどの程度のエネルギーが要るかわかりませんが、例えばこの中でこういうことということで通知一本で済むものなのか、あるいはまた、中環審等で議論して決めなければいけないものなのか、この辺はどうですか。かなり運用レベルで設けていないですね。

【中野大気生活環境室長補佐】 はい。おっしゃるとおり、例えば今の事務処理基準でございますけれども、これは実は以前、大気環境部会の方でPM2.5に係る事務処理基準を決めたときにも若干お話があったんですが、基本的に地域ごとに測定する地点とかの数から何から、それは地域の実情に応じて、特に発生源周辺でありますと、発生源に即した場所を選んでと記載してございますので、この中で、要は地域での発生源を踏まえた測り方というものを改めて提案することで、そこは効率的にきちんと今お話しされた部分を踏まえてできると思っておる次第でございまして、少なくともそうすることで対応は可能かと思います。

【浦野委員】 先ほど中杉委員からありましたけど、いわゆる固定発生源から出るものと、自動車等の移動発生源からも出るもの、両方から出るもの。あるいは自然由来というのもありますが、優先取組物質では無視できる、また、固定発生源の中でも非常に分散型のところは出る、トリクロロエチレンとか、その他、ニッケルなんかもそうかもしれませんが、非常に限られた大手の、あるいは特殊な企業から出るというのがあるんですね。ですから、3、4分類すると考えやすい。例えば塩ビモノマーと今回問題になった2物質ぐらいが、非常に特定の業種の特定のところから出るものは選択できるようにして、自動車由来とか、あるいはダイオキシンなどのように、固定発生源だけど非常にあちこちから出るというもの、それを分類して指針で示してやれば、運用で済むんじゃないかなという気はします。そうなれば、一応、論理としては2物質も入れておいて論理上はすっきりするということにはなるんですね。ただ、これをやっぱり義務づけるとなれば、全国の自治体に義務づける必要はないという気はするので、その辺をどうするか。

【中杉委員】 今の2物質を入れるか入れないかの話なんですけれども、これは多分、ほかと比べてもはるかに少ないと思うんですよ、場所が。だったら入れなくてもいいんじゃないかというのが私の考えです。もし、これでA物質にして、はかってみて、あまり一般環境、幾つかのところではかってぼこぼこ出るようだったら、これは出しているところが少なくてもちゃんとはからなきゃいけないですよという話に当然なるわけですから、一たんはおりて戻して、無理やりAに戻して、Aの最優先にして、環境省の方で確認をしてもらってから入れるのがいいのではないかという趣旨で私はさっきから申し上げているんですけれども。

【内山委員長】 ただ、先ほど中杉先生がおっしゃったのは、まだ曝露データはあまりないということで、ある程度はかってからという。

【中杉委員】 これは先ほどの資料の中にありますけれども、環境の測定例がないので、測定をしても。一応、A分類物質については測定を環境省の方でしてやっていきますよという形の対応をされますから、そういう提案ですから、それをまず最初に、この優先度を一番高いものにしてはかってもらうというのでいいのではないかなというふうに思っています。

【内山委員長】 逆に言うと、少し入れておいて、数年はかって、ほとんどなければはからなくてもいい場所をつくるというようなことも考えられるわけですか。

【中杉委員】 かなりのところではからなきゃいけないということであれば、入れておいてやる必要があると思うんですけれども、恐らく今の状況から考えると、全国で数点ぐらいの話になってしまったら、今の発生源のことを考えてですね。だったら、あえて入れる必要がないんじゃないか。はかってみて、ただ、はかってみるのはそこだけじゃなくて、ほかのところもはかってみて、やはりあれば、そこでPRTRで把握できない発生源があるので、これは全体にはかってくれと。そうしたら、優先取組物質に入れるというふうな方がよろしいのではないかというふうに思いますけれども。

【浦野委員】 これは大変、実は難しくて、私も最初は中杉委員と同じ意見で、前回の議事録にも書いてありますけれども、非常に少数で、しかも量も少ないというので外しちゃった方がというふうにお話ししたんですけれども、製造量とか取扱量はそこそこあるんですね、大気にはあまり出ていないけれども。そうすると、それをやはり優先的に管理してもらおうという趣旨では必要なことだという気もしているんです。その辺、非常に微妙で、それから、じゃあどのぐらい出ていたら一応対象に、先ほど小林委員からありましたけど、PRTRでどのぐらい以上でしたら何かしなさい、あるいはそれ以下ならしなくていいという、そういうガイドがつくれるのであれば、それはそれで今回の2物質はPRTRでの排出量は非常に少ないからカットしましょうと。もう一つ、モニタリングあるいは管理を進めるということであれば、事業所の数が少ないというのも除けるんですね。そうすると、塩ビは今、たしか5カ所ぐらいしか発生源がないんです。そうすると何カ所からは入れて、何カ所から入れないのかとか、どのぐらいの量から入れて、どのぐらいの量から入れないのかというのを、目安をつくらないと切れないんですね。ですから、どういう考え方で優先取組物質を決めるかって、そのルール自身をもう一度つくりかえないと困るという形になってしまうので一たん入れておいて、その取り扱い方を工夫するという方が現実的かなというふうにも最近は思っているんですが、皆さんのご意見でどうするか。

【片谷委員】 桜美林大の片谷と申します。前回欠席しまして、初めて来まして申し訳ございません。今の議論ですけれども、私、大気拡散をやっている立場からしますと、やはり基本的には、まずは一通りはかってみる方が安全であろうと。やはり大気は動きますので、従来からPRTRと有害大気モニタリングのデータをつき合わせるのを少し自主的にやっているんですけれども、やはり合わないケースというのが結構あります。ですから、PRTRのデータが小さいからはからなくていいというのは、ちょっと危ないと。はかった上で低ければ、もうはからなくていいというのは可能だと思うんですけど、はかる前にはかる必要がないというのは少し危険性があるということを考えております。ですから、むしろ新しい物質は、とりあえず内山先生がおっしゃったように、しばらくははかってみるという方が安全で、従来からずっともう10年以上はかってきている物質で、もう低いことがはっきりしてきたというところを減らすということの方が、そのモニタリングの効率性という点では有効だろうというふうに私は考えております。

【小林委員】 ちょっと誤解があるので。今、私も同じことを思ったんですが、いわゆる測定のデータのないものを測定するということと、そこに問題があるかどうかのための監視調査をするというのは全然違う意味で、今、議論しているのは、要するにB物質にして監視をする必要があるかどうかという議論になっているわけですね。ですから、今、言われたことについては、これは私はA物質の中で国がやるという調査は必要だと、モニタリングするというのは必要だと思うんですが、ただ、今、中杉先生が言われるように、ただ、Bに入れるか入れないかの話については、Bに入れたことによって全都道府県がそのモニタリングをやらなきゃいけないとなると、これは相当の負担になるので、そうだとしたら、だからAに置いておこうというのも一つの方法なんですが、Bにしておいて、モニタリングの方法についての指針を変えるというのも一つの手法だと思うんですよね。これはモニタリング手法で、今言われた法定だと言われるんですが、例えば今、水質汚濁防止法では水質規制項目すべてについてモニタリングしているわけではないんですよね。これは地点と回数と項目については、水質汚濁防止法の場合には水質測定計画というのを地方の審議会にかけて、そこの承認を得てやっているわけで、同じ地点ですべての項目をやっているわけではないということから考えた場合、大気もそういう発想があっていいんではないかなという気がしますが、特にこういう化学物質についてはそういう発想が出てきてもいいんではないかなと思いますが。

【浅野委員】 優先取組物質というのを、何もモニタリングのために決めているわけではない。事業者がちゃんときちんとやってくださいということについてのメッセージも含めているわけで、だから、やっぱりそれだけの管理をしてもらわなきゃいけない。下がったのは管理がちゃんとできたから下がったのだと考えれば、外すということはもう管理をしなくていいですよということになりかねない。むろんちゃんとした業者さん、大手の事業者さんはわかっていらっしゃるけれども、そうでない人にはわからないという可能性がありますから、それをモニタリングのことだけで議論するのはよくない。

【片谷委員】 すみません、ちょっと私の申し上げ方が不十分だったようでございますので、私が申し上げたいのは、やはり今まであまりはかっていない物質というのは、例えば全国的なバックグラウンド的な値さえ十分把握できていないわけですので、今、B物質に入れようか入れまいかという話を議論しているというのは承知しておりますけれども、先ほど浦野先生がちょこっとおっしゃりかけたように、やはり、まずはかってみてからという姿勢の方が必要ではないかという意味で申し上げたのでありまして、B物質に、ですから私は基本的には入れる方を支持していると、そういう意味でございます。

【中野大気生活環境室長補佐】 すみません、その関係で、ちょっとまた追加のデータを説明させていただきますと、ベンゾトリクロライドも、それから2−ブロモプロパンもなんですけれども、いわゆる黒本調査、エコ調査と呼ばれております化学物質環境実態調査というものは過去に実は行われております。ベンゾトリクロライドにつきましては、平成18年に全国5地点で行ったんですけども、検出下限値4ng/m3だったんですが、検出事例はございませんでした。それから、2−ブロモプロパンにつきましては、平成9年に全国19地点、それから平成10年に全国13地点で測定がされたんですけれども、こちら検出下限値200ng/m3だったんですが、こちらも検出事例はございませんでした。そういったところは、一応、事実としてはございました。

【浦野委員】 片谷先生がおっしゃったように、発生源があれば、当然、測定してみることは必要なんですけれども、先ほどのように発生源が非常に数が少ない、しかも量も少ないということが、ある程度わかっていれば、それは個別に指導して、当然、優先に該当するぐらいの有害性があるわけですから、取り扱いはしっかりやってもらうということはあるけれども、それを全国的に優先物質として管理なりモニタリングするかというと、そこまでは要らないんじゃないかというのが中杉先生の意見なんです。だから、発生源周辺もはからなくていいなんて話は全くなくて、全国レベルの優先取組にするかという議論なんですね。だから、それを思い切って外すなら外しても私は全然反対しませんが、この辺、全体のバランスで。

【永田委員】 ちょっといいですか。何か議論も大分煮詰まってきたのかなと思っているんですけど、基本的に今の話で測定はやるんですよね。国がやるという形で、A物質に置いておけば、そのまま国がやっていきますという話になっているわけで、そういう意味では、やらなくていいところをはからない、全国の地方自治体でもし必要がなければやらないという格好にした方がすっきりはするんだろうと。それで、その様子を見ながらという話になるわけで。それから、浦野さんが言っておられるように、そういう発生源が非常に少なくなった、発生源も少なくなったような、そういう優先取組物質もありますよ。それに対してどういう対応をしていくんですかという話もあるわけで、これも次の課題になってくるんじゃないかなという気がしますので、8ページあたりに追加でそういうことも入れておいてもらうと。それから、測定の問題も出てきましたので、これは前から測定の話というのはいろいろな形で指摘を受けているので、モニタリングについても何か少し書いていただくような部分があってもいいかなと。
 それで、ちょっと私、全体的には、これは基礎情報の収集とか、いろいろなことで書かれているんですけど、どちらかというと事業者が自主的にやる取組に対してサポートしていきましょうという発想が日本の化学物質管理の中では中心かなと思っているんですけど、国がもうこれだけ進んできましたので、やっぱりきちんとやっていかなくちゃいけないこともあるんじゃないですかという気がしていまして、それは書いてないわけじゃないんですが、基礎情報の中では、それこそさっきも2物質の中でなかなか製造・輸入だとか取扱量だとかというのがわかりませんという話もありましたけど、その情報ぐらいはきちんと国が持つべきだろうという話になるわけで、そういう情報の管理、国全体としてのそうした化学物質管理の話って、もうちょっと何かここに出てこないかなと。この基礎情報という話になってくると、もう途端にそのサイトに落ちちゃうような話とか、そういう格好になっていますので、ちょっとその辺は気になるなという気がしています。
 それから、ちょっと先ほどもお話があったんですけど、モニタリングって結構継続してやるのは大変ですよね、費用の問題と、いろいろ人の問題も含めて。その中で、もう少し数値シミュレーションの役割ってあってもいいんじゃないかと。あまりここの中ではそうした意図で書かれている部分がそうはないんですが、これだけ歴史を積み重ね、いろいろな物質についてもやってきた知見を生かしながら、もう少し費用のかからないような方法で住民の方とのリスクコミュニケーションに使えるような手段にアップグレードしていくような、そういうことももう少し、対応方針という格好だったらちょっと書いておいてほしいなという意識があります。
 以上です。

【中杉委員】 永田先生の最初に言われた話は、この6の一番最後のところがそうなんだろうと。モニタリング、卒業をどうさせるかという話になってきて、卒業をどうさせるかという話のところでは、それこそいろいろな情報を集めてこないといけない。だから、モニタリングもそれをやっていくというのは一つなんです。
 それから、化学物質情報、必ずしも情報を集めるというのは、大防法自身で集める必要はないと思っているんです。だから、そういう国全体という意味では、今度は化審法が改正をされて、そちらの方で製造・使用が一定量以上の全部届け出になりますから、そちらの情報を使うとか、そういうものを踏まえながらやっていく必要があるだろう。何もスタンドアローンで、有害大気独自でやる必要はなくて、今回の見直しは化管法との連携をとるという形にしましたが、さらに化審法との連携をとるというのを少し書き込んであるというふうに、ところどころ明示的に見えていなくて、大気の方でやりたいというのはあるのであまり書いていないんだけど、多分、そういうところも踏まえてやっていかないと、それこそ無駄で、仕分けられてしまう可能性があるので注意してやる。

【永田委員】 そうすると、利用するという前提だったら、今のお話のような情報をちゃんとこっちで活用していただくような格好で書いておいてもらったらいいなと思うんですけれども。

【内山委員長】 そうしますと、大体、時間が来てしまったんですが、今日のご議論のところでは、この2物質をB分類に入れるかどうかという一つだけの選択肢ではなくて、もし入れた場合には、そのほかの測定、モニタリングの方法ですとか、あるいは測定場所等についての、やはり一つのシステムとしての考え方も必要となってくるのではないか。あるいは、その2物質だけではなくて、従来の優先取組物質の中にもそういうものも出てきているので、少しそこら辺のことも一緒に考えて入れるとすれば、入れた方がいいんではないか。あるいはそれがなければ入れないで、国としてもう少し基礎データを集めるような分類の方にしたのがいいのではないかと、こういうご意見がほぼ同じぐらいの方々から出ておりますので、今日のところの議論はここまでにしていただいて、もう一回、次回予定されておりますので、それまでに今日出たご議論で、もし採用するとすれば、モニタリングの方、手法としてはこういうシステムも考えられますというようなこと、あるいは外すのであれば、それを補完するような国としてどういう、もう少し具体的なものをまとめていただいて、それをまたもとに、もう一回ご議論したいと思いますが、そういうことでよろしいでしょうか。事務局もそれでよろしいですか。それでは、今日のところはそういうふうにさせていただきたいと思います。
 そうしますと、今日は一つの大きな議題でありましたヒ素及びその化合物に関する健康リスク評価については、前回ご指摘いただいたものを今回修正して、ご了解いただいたということで専門委員会の意見として次のステップに進ませていただきます。
 それから、有害大気汚染物質に関しましては、もう一度、今日出たご議論、宿題をもとに少し事務局の方で整理していただいて、次回、もう一回ご議論いただいて結論を出したいというふうに思います。
 それでは、事務局の方、何かあとございますでしょうか。

【山本大気環境課長】 本日は長時間にわたりまして、ご審議、どうもありがとうございました。本日の議事要旨及び議事録につきましては、各委員にまたご確認いただいた上で公開することとさせていただきます。
 次回の委員会、7月30日、金曜日、3時半から5時半という予定でございます。会場は決定次第、改めてまたご連絡させていただきますので、よろしくお願いいたします。

【内山委員長】 それでは、どうも遅くまでありがとうございました。