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中央環境審議会大気環境部会
健康リスク総合専門委員会(第1回)議事録


  1. 日時  平成15年4月4日(金)13:30〜15:30

  2. 場所  経済産業省別館8階827号会議室

  3. 出席者
    (委員長)内山 巌雄
    (委員)  浅野 直人  鈴木 継美  浦野 紘平
       香川  順  小林 悦夫  櫻井 治彦
       常俊 義三  中杉 修身  永田 勝也
      佐藤  洋 中館 俊夫 松下 秀鶴
     村田 勝敬 横山 榮二
    (環境省)  環境管理局長
       総務課長
       大気環境課長
       総務課課長補佐(総括)
       総務課課長補佐(環境基準担当)
       大気環境課課長補佐(未規制物質担当)
      

  4. 議題

  5. (1) 今後の有害大気汚染物質による健康リスクの評価のあり方について
    (2) その他

  6. 配布資料
  7. 資料1  中央環境審議会大気環境部会健康リスク総合専門委員会委員名簿
    資料2  中央環境審議会大気環境部会の専門委員会の設置について
    資料3  中央環境審議会大気環境部会の専門委員会の運営方針について
    資料4  今後の有害大気汚染物質対策のあり方について(諮問)
    資料5  今後の有害大気汚染物質の健康リスク評価のあり方について(趣旨等)
    資料6  今後の有害大気汚染物質の健康リスク評価のあり方(論点)
    参考資料1−1  今後の有害大気汚染物質対策のあり方について(第6次答申)の概要
    参考資料1−2  今後の有害大気汚染物質対策のあり方について(第6次答申)
    参考資料2−1  WHO欧州大気汚染ガイドラインについて
    参考資料2−2  EUにおける環境大気質基準について
    参考資料2−3  米国における有害大気汚染物質対策について
    参考資料3  平成13年度地方公共団体等における有害大気汚染物質モニタリング調査結果について

       
       
  8. 議事

    【立川課長補佐】 それでは定刻となりましたので、中央環境審議会大気環境部会第1回健康リスク総合専門委員会を開催いたしたいと思います。
     第1回の会議に先立ちまして、西尾環境管理局長からごあいさつを申し上げます。

    【西尾局長】 環境管理局長の西尾でございます。委員の皆様には健康リスク総合専門委員会の委員をお引き受けいただきまして、また本日お忙しいところ、ご出席いただきまして、御礼をまず申し上げる次第でございます。
     有害大気汚染物質対策はもちろん私ども環境管理局の重要な政策の柱でございます。かねて平成8年からある程度系統的な対策の取り組みが始まったわけでございまして、その健康リスク総合専門委員会におきまして、234の有害大気汚染物質に該当する可能性がある物質を選ぶ、それからその中から22の優先取組物質を指定するというような作業がございました。その後、いろいろ作業を加えてまいりまして、有害大気汚染物質にかかる環境基準はこれまでにベンゼン、トリクロロエチレン、テトラクロロエチレン、及びジクロロメタンの4物質について設定することができました。それから22の優先取組物質の一部につきましては、現在これを継続的にモニタリングをしていくということ。それから事業者の自主管理によって排出抑制をしていくという対策の取り組みをしているところでございます。そのような状況の中で、平成12年度の第6次答申におきまして、今後、今モニタリング等やっております他の優先物質についても健康影響に関する科学的知見のさらなる充実を図るということの答申を受けておりまして、これが宿題になっていたわけでございます。
    その後環境省もスタートいたしました。より国民の安心、安全ということにこたえていくという政策をしていかなければいけないわけですけれども、考えますに、この有害大気汚染物質対策、一つにはとにかくそのときそのときの科学的知見を収集整理して、常にアップ・トゥー・デイトしていくということに、非常に大きな努力を払わなければいけないのがありますが、もう一つには知見の集積を待つばかりではなくて、最新時点で得られるデータをもとに、可能であれば一定の評価を加えていくということで、わかりやすく示していく、そういうこともどんどんやっていくということも必要ではないかと考えておりましたところでございます。12年の答申を受けた後、環境省におきましてもデータの収集整理、あるいは知見の収集整理ということもある程度進んでまいりましたので、今般、ぜひ今後の有害大気汚染物質による健康リスクの評価のあり方について、ご議論をいただきまして、さっきからの宿題になっております取り組むべき物質につきましての道筋を示していただくことができればなというふうに考えておる次第でございます。その議論につきまして、これから皆様方の専門的知見をぜひお願いいたしまして、格別のご指導、ご鞭撻をいただきたいということで、ご議論の成果を上げていただければありがたいなというふうに念願する次第でございます。冒頭に当たりまして、お願いをさせていただく次第でございます。よろしくお願いを申し上げます。

    【立川課長補佐】 それではお手元の配付資料のご確認をお願いいたします。
     議事次第という紙がまずあろうかと思いますが、そこの配付資料と書かれている欄に従ってご紹介させていただきます。もし資料の不足がございましたら、お申しつけください。
     まず資料1、右肩に書いておりますが、資料1として中央環境審議会大気環境部会健康リスク総合専門委員会の委員名簿がございます。それから右肩資料2と書いてありますが、中央環境審議会大気環境部会の専門委員会の設置についてという紙がございます。それから資料3、中央環境審議会大気環境部会の専門委員会の運営方針について。それから  資料4、今後の有害大気汚染物質対策のあり方について(諮問)。それから資料5、今後の有害大気汚染物質の健康リスク評価のあり方について(趣旨等)。それから資料6、今後の有害大気汚染物質の健康リスク評価のあり方(論点)。以上が資料で、いずれも1枚物であります。それから参考資料といたしまして、参考資料1−1、今後の有害大機汚染物質対策のあり方について(中央環境審議会答申案)の概要。それから参考資料1−2、これは冊子となっておりますが、今後の有害大気汚染物質対策のあり方について(第6次答申)。それから参考資料2−1、WHO欧州大気質ガイドラインについて、これは2枚で構成しております。それから参考資料2−2、EUにおける環境大気質基準について、これは合計3枚であります。それから参考資料2−3、米国における有害大気汚染物質対策について、合計資料4枚となっております。それから参考資料3として左肩をとじておりますが、平成13年度地方公共団体等における有害大気汚染物質モニタリング調査結果について(お知らせ)というものがございます。以上、資料及び参考資料につきまして、不足がございましたらお申しつけください。
     それでは、健康リスク総合専門委員会につきましては、平成13年3月19日に開催されました中央環境審議会大気環境部会におきまして、中央環境審議会議事運営規則第9条第1項の規定に基づき、その設置並びに調査事項が決定されています。なお、資料2に示しますように、本委員会におきましては、有害大気汚染物質による健康リスクの評価に関する専門の事項を調査いただくことになっています。
    本日は健康リスク総合専門委員会の第1回の会議でありますので、委員の方々と事務局の担当職員の紹介を行いたいと思います。
    まず委員長には中央環境審議会議事運営規則第9条第2項の規定に基づき、部会長から京都大学大学院工学研究科都市環境工学専攻教授の内山巌雄委員がご指名を受けております。先生よろしくお願いいたします。また健康リスク総合専門委員会に所属していただく委員の方々につきましては、中央環境審議会令第3条第2項及び第6条第2項の規定に基づき、お手元の資料1にありますとおり既にご就任いただいております。
    それでは本日ご出席の委員の方々をご紹介させていただきたいと思います。
    まず、福岡大学法学部の浅野委員です。
    続きまして、科学技術振興事業団戦略的基礎研究推進事業研究総括の鈴木先生です。
    それから先ほどご紹介させていただきました、委員長をお願いしております京都大学大学院工学研究科の内山先生です。
    それから東京女子医科大学名誉教授の香川先生です。
    それからひょうご環境創造協会の小林先生です。
    次に中央労働災害防止協会労働衛生調査分析センター所長の櫻井先生です。
    それから宮崎医科大学名誉教授の常俊先生です。
    次に国立環境研究所化学物質環境リスク研究センター長の中杉先生です。
    それから早稲田大学理工学部教授の永田先生です。
    それから東北大学大学院医学系研究科環境保健医学教授の佐藤先生です。
    次に昭和大学医学部衛生学教室教授の中館先生です。
    静岡県立大学名誉教授の松下先生です。
    それから秋田大学医学部公衆衛生学講座教授の村田先生です。
    それから元国立公衆衛生院長の横山先生です。
    それと横浜国立大学大学院環境情報研究院教授の浦野先生です。
    なお、本日はご欠席でございますけれども、慶應義塾大学医学部の大前先生にも委員をお願いしているところでございます。
    続きまして事務局であります環境管理局の職員をご紹介申し上げます。
    まず冒頭ごあいさつ申し上げました環境管理局長の西尾でございます。
    次に環境管理局総務課長の笹谷でございます。
    次に環境管理局大気環境課長の柏木でございます。
    次に環境管理局環境基準担当の総務課の課長補佐であります高橋でございます。
    次に環境管理局大気環境課で未規制物質の担当をしております課長補佐の金子でございます。
    それから申しおくれましたが、私、環境管理局総務課で総括補佐をしております立川と申します。よろしくお願いいたします。
    以上のメンバーでラウンドテーブルについております。なお、専門委員会の運営方針につきましても、資料3にお示ししますように中央環境審議会大気環境部会において、会議の原則公開及び公開した専門委員会の会議録は公開するものとすることとの決定がなされております。今回の第1回健康リスク総合専門委員会につきましては、事前に内山専門委員長にご相談し、公開で開催することといたしております。なお、会議録につきましては、各委員のご確認の後、公開することといたします。
    それではこれ以降の会議の進行は内山委員長にお願いいたします。

    【内山委員長】 それでは、ご指名でございますので大変諸先輩を差しおいて委員長を務めさせていただくのは心もとないのでございますけれども、よろしくお願いいたします。1カ月に1回程度の非常に厳しいスケジュールのようでございますけれども、ご協力のほど、よろしくどうぞお願いいたします。
     それでは早速議事に入りたいと思います。まず議題1は、今後の有害大気汚染物質の健康リスク評価のあり方についてということですが、まず有害大気汚染物質の健康リスクの評価の趣旨等につきまして、事務局からまず資料の説明をお願いいたします。

    【高橋課長補佐】 それでは、まず資料の4と5について説明させていただきます。
     まず、資料の4でございます。こちらは平成7年9月20日、環境庁時代に中央環境審議会の方に諮問された今後の有害大気汚染物質対策のあり方についての諮問文でございます。下の方に諮問理由と書いてございます。この中で今回の本専門委員会また環境基準専門委員会、排出抑制専門委員会等の有害大気汚染物質対策を専門分野から検討いたします専門委員会が設置されて、この諮問文に基づいて検討されているというところでございます。下から5行目あたりに書いてございますけれども、「国民への健康影響の未然防止の観点から、有害大気汚染物質全体を視野に入れ、その特徴を踏まえて、その健康影響の程度や多様な発生源、排出形態に応じた的確な対策を講ずる必要がある。このため、今後の有害大気汚染物質対策のあり方について、貴審議会の意見を求めるものである。」というふうなことで諮問されております。
     これは非常に全体を網羅した形で諮問されておりまして、資料5の方で、今回、当専門委員会においてどのようなものをご審議いただくかということを事務局の方でまとめさせていただいております。
     資料5の今後の有害大気汚染物質の健康リスク評価のあり方について(趣旨等)というものでございます。これについて読み上げさせていただきます。
     1、趣旨。中央環境審議会の「今後の有害大気汚染物質対策のあり方について(第6次答申)」(平成12年12月)において、優先取組物質のうち環境基準の設定されていない物質については、健康影響に関する科学的知見を得るための研究を推進し、定量的な評価結果に基づく環境目標値の設定を促進することとされたところである。
     当該答申を受け、環境省では、有害大気汚染物質について最新の科学的知見を得るため、その後、精力的に知見の収集・整理に努めてきた。
     今般、一部の有害大気汚染物質について、一定の知見の収集・整理が図られたことから、有害大気汚染物質による健康リスクの評価に関する専門の事項を調査することとされている本専門委員会において、審議を行うものである。 
     2、検討事項でございますが、今後の有害大気汚染物質による健康リスクの評価のあり方について審議を行い、必要に応じ、「リスク指針(仮称)」の設定を検討するということでございます。
     3番目の構成は先ほども説明がございましたように、資料1のとおり。また、委員長につきましては、大気環境部会長から内山巌雄委員が指名されているところでございます。
     4番目、今後のスケジュールでございます。概ね月1回程度の審議を行い、審議の状況に応じ、本年6月中を目途に中間的な整理を行うというふうなことにしております。
     それから直近の中間答申が、参考資料の方に載っております。参考資料の1−1が平成12年12月に出されました中央環境審議会の第6次答申の概要でございます。この中では3年間大気モニタリング等の状況を見まして、3年間自主管理等を行った結果をおおむね評価しているところでございますが、一部物質ベンゼン等につきましては、まだ達成率が低いということで、地域単位の自主管理というものを実施するということで、現在実施しているところでございます。
     その概要の一番下の方に書いてありますが、その他の2つ目の丸でございます。こちらの方が環境目標値に関する記述でございますけれども、環境基準が未設定の物質につき、科学的知見を得るための研究を推進し、基準設定を促進するというふうなことでございます。 
     参考資料1−2には、第6次答申の本文が載っておりますが、7ページの下の方の4、健康影響に関する科学的知見の充実、環境目標値の設定ということで、環境目標値に関する諮問文がそこに書いてございます。参考までにお目通しをいただければと思います。
    まことに簡単でございますけれども、以上でございます。

    【内山委員長】 高橋課長補佐の方からこの健康リスク評価のあり方について、この委員会の設置された趣旨、それから検討事項。それから先ほどは局長の方から有害大気汚染物質対策のこれまで経緯というもの、それから今後のことということでお話をいただきましたが、まず、今お示しいただきました趣旨等に関する説明に関して、ご質問等ございましたら、その後に具体的な論点等をお示ししたいと思います。
    まずこのあり方についての趣旨あるいは検討事項について、ご質問ございますでしょうか。
    それではまた後で趣旨に戻るかもしれませんが、とりあえずこれだけではということでしたので、私の方から事務局にリスク評価のあり方の論点ということと、たたき台をつくっていただきましたので、それの説明をいただきながらまた戻りたいというようなこともあるかもしれません。
    次、よろしく。

    【高橋課長補佐】 それでは表裏になっております資料6に沿って説明させていただきます。
     大きく私どもの方で今回のリスク評価のあり方について2つの論点を立ててございます。まず論点1でございます。こちらはリスク指針(仮称)の策定ということで、健康リスク評価に当たっては、科学的知見についてさらなる充実を要する物質についても、下記のような手順に従い、現時点で得られる定量的データに基づき、例えば、「リスク指針(仮称)」等という形で数値を示すことが適当ではないかという論点を立てさせていただいております。
     これにつきまして若干周辺の状況等を説明いたしますと、現在優先取組物質のうち、測定可能な19物質につきまして、全国的に大気モニタリングが実施されております。環境基準が未設定の物質につきましては、大気モニタリング結果の評価について、WHOの欧州地域事務局が出しております大気質ガイドラインなど、国際関係機関等の評価指標を参考にして行っているところでございまして、これらの大気モニタリングを実施している関係自治体などから何らかの評価指標の提示を求められているというふうな状況がございます。
     それでその下に具体的な手順ということで、健康リスク評価の手順の案が書かれてございます。一部論点2にかかる部分もございますので、その部分についてはちょっと抜いて説明をさせていただきます。
     まず1つ目は、曝露評価についてでございます。(1)、環境省が実施している大気環境基準等の設定調査で得られた知見に基づきまして、一般環境大気、それから発生源周辺大気におけます曝露評価を実施するというところでございます。
     それから(2)、一般環境大気にかかる曝露評価につきましては、自治体等で行っております大気モニタリングデータを使用するという案で書いております。それから発生源の周辺環境にかかる曝露評価につきましては、大気モニタリングデータ、それから信頼性の高い文献から得られた数値のうち、最も高い数値を使用するというふうなことでございます。
     それから2つ目の毒性評価でございます。こちらも環境省が委託して実施しております大気環境基準等設定調査がございます。そこで得られた知見に基づきまして、発がん影響、それから非発がん影響別に定性評価に資する文献を抽出、整理し、定性評価を行うという定性評価の段取りを説明してございます。
     それから(2)でございますが、最初の2行、これは論点2にかかるものでございますので、ちょっと飛ばしまして、3行目から、大気環境基準等設定調査で得られた知見の中で、最も信頼性が高いデータに基づいて、「リスク指針(仮称)」を算出する。その算出にあたりましては、発がん影響と非発がん影響ともに算出可能な場合は、ともにリスク指針を一応算出するということにしております。
     それから(3)の最初の2行、これも論点2にかかりますので、ちょっと飛ばしまして、「また、」以降を説明させていただきますが、その算出方法につきましては、発がん影響について閾値がないと判断される場合は、ベンゼンの例に倣い、平均相対リスクモデル等を用いるということにしております。それから閾値があると判断される場合は、非発がん影響についてNOAEL等に不確実係数を掛ける方法によるという、リスク評価においては非常に一般的な手順をそこに書かせていただいております。ただ環境基準と違いまして、リスク指針というのは非常に迅速性、簡便性というものを念頭においておりますので、算出に当たりましては諸外国において実施された信頼できる評価例があるときは、これを活用するということをつけ加えております。
     それから後ろのページにまいりまして(4)、以上の作業過程におきまして、環境基準の設定が可能と考えられる物質が出てくるということが想定されます。この場合は、算出された数値については、とりあえずリスク指針としてこの場では位置づけておいて、その後環境基準専門委員会においてさらなる専門的、多面的見地からの検討を行うという2段構えの方法を考えております。
     それから3つ目、総合評価でございます。総合評価の(1)、以上述べてきた曝露評価と毒性評価により得られた数値とを比較して、現時点におけるリスクを評価するということで、この場合、発がん影響と非発がん影響ともに、リスク指針が算出されるという物質もございますので、その場合はどちらか低い方の数値を採用して、総合評価を行いますというようなことでございます。
     それから(2)、これも論点2にかかるものでございますので、次に論点2にいかせていただきます。
     論点2でございますけれども、仮にリスク指針をつくるということになった場合に、毒性評価についてどのようなデータを採用するべきであるかというのが論点2でございます。とりあえず委員長の指示のもとで、事務局で科学的信頼レベルというのを大きく1と2に分けてございます。
     1は相当の確度を有する疫学研究または動物実験から得られたデータに基づいて算出された数値で、なおかつ以下のいずれかの点において、さらなる科学的知見の充実を要するということで、この点において環境基準にはいま一歩至らないというようなレベルのものということを、ここに想定しております。それでaとb、疫学研究と動物実験というふうに分けてございますが、疫学研究の場合には科学的知見の充実を要するものということで、内容的には曝露に関する情報それから交絡因子の調整等などが考えられます。
     それからbの動物実験の場合、さらなる科学的知見の充実を要する内容としましては、観察された有害影響の発現メカニズムの解明、それからヒトへの外挿手法というものが想定されます。
     便宜上、そこに表記方法と書いてございますけれども、それぞれ1a,1bというふうに表記をしようということでございます。
     それから2点目、有害影響の発現メカニズムについて確証が得られない動物実験のデータに基づいて、ヒトへの外挿により算出された数値というものを、科学的信頼レベルの2というふうにしております。
     これらのことを踏まえまして、前の手順の方に戻っていただきますと、健康リスク評価の具体的手順(案)の2、毒性評価の(2)でございます。定量的評価を行う際の文献を整理する過程で、これらの文献から定量評価に資する文献を抽出し、そこから得られる定量的データが論点2の信頼レベルのどれに対応するデータかをまず整理いたします。
     それから2の(3)でございます。そこの最初の2行目に書いてございますが、リスク指針の算出というのは原則として、論点2の科学的信頼レベルの1に相当するデータから算出するというふうな案を出しております。
    それから後ろの方にまいりまして、総合評価の(2)のところに書いてございますけれども、残りました定量的データが論点2の科学的信頼レベル2に相当するデータを、これを仮に参考情報というふうに呼ばせていただきますけれども、そのような情報しか得られない物質の評価方法についてはどうするかというふうなことでございます。これはなかなか難しい問題でございまして、今後の検討課題というふうに挙げさせていただいております。
    以上でございます。

    【内山委員長】 これで大体わかったと思うのですが、結局今まで有害大気汚染物質の優先取組の22物質については、原則としてその環境基準をつくるということを前提で、環境目標値ということをいろいろ検討してきたわけですが、その中でやっているうちに科学的知見が十分でない、現時点ではまだ環境基準を含めて十分でないというものも出てきたということで、その1段階前として仮称と書いてありますけれども、リスク指針値のようなものをまず出して、環境基準ではないけれども、リスク指針というようなもので今後いろいろ、PRTRですとか、自主管理のときに出てくる物質の目安としてというような位置づけで評価したらどうだろうかという趣旨だろうと思うのです。
     そしてそのときに、さらにリスク指針値の中に、またさらに評価方法でより科学的信頼レベルの高いものと、それから表記1と2というものが出てくるのではないかという論点だろうと思うのです。
     まず全般の健康リスク評価の具体的手順で、リスク指針(仮称)の策定というような形で数値を示すことが適当ではないだろうかというのが、まず第1の論点になってくると思います。特に分ける必要はないかもしれませんが、いろいろ自由にご討議願えればと思うのですが。

    【浅野委員】 今、委員長がコメントをされた中で、リスク指針値とおっしゃいました。このリスク指針(仮称)という表現が最初に出てきたときに、非常にわかりにくいなと思っていたのです。今の説明を聞いていると、ここで言おうとしているのはリスク指針値を考えているようである。指針という言い方だけですと、法令上も大気汚染防止法18条の20に施策等の実施の指針というところに指針という言葉が既に出ていて、もっと包括的な表現なのですね。ですからリスク指針という言い方ですと、数字を決めておいて何か目標値のようなものとか、評価のときの判断基準にしましょうというニュアンスよりも広がってしまう感じがするのです。だから仮称は仮称でいいのですが、最終的にはどういう用語を使うべきかということについては、もうちょっときちんと検討した方がいいのではないかと思います。
     環境基準があって、それから環境目標値というような言葉があって、いろいろな言葉が既に飛び交っていますから、何とか言葉を探してこういうことになったのかもしれないけれど、やはりリスク指針という表現は誤解を与えそうだと。
    これからこの専門委員会の先生方のご議論を聞きながらまた私も考えてみたいと思いますけれども、リスク評価というところに重きを置くのか、それともある種の目安を示しておくという意味で、値というところに重きを置くのか、それによってもこのネーミングが違ってくると思ます。恐らく最終的には内山委員長が自然におっしゃったリスク指針値というところが落ちつくところかなという気もするのですけれども、この辺のところはちょっと検討課題として最後まで残しておく必要があろうと思いますので、意見を申し上げました。

    【内山委員長】 私も予断が入って、口が滑ったかもしれません。

    【常俊委員】 素直に受け取れば、将来起こるべきリスクを回避する値、これ以上上げてはいけない値、リスクを回避するという考えは健康政策の中で浸透していくでしょうから、あくまでもリスクを回避するスタイルの指針値であるという解釈が成り立つのではないでしょうか。そこらあたりは表現をどうするかという問題ですけれども、まさにリスクを回避するための指針値だと考えればいいのではないかと思いますけれど。

    【浦野委員】 今の言葉もちょっとおかしいのですが、リスクというのは常にあって、それを回避できるものではないのです。リスクを減らすというための目標ならばわかるのですけれども、リスクを回避するということはあり得ないので、用語は気をつけないと。

    【常俊委員】 おっしゃるとおり、減らすという意味で使っておりますけれども。

    【横山委員】 この名前は確かに浅野先生がおっしゃるように、数値は後から考えた方がいいと思うのですけれども、ともかく環境目標値、今、委員長がおっしゃったように環境基準達成まではやらないけれども、その前。これは、私が申し上げるまでもないのですけれども、かつて要するにトリクロロエチレンとテトラクロロエチレンの環境目標値というものが出されました。松下先生が委員長をやっておられた検討会がお働きになったのですけれども、そのときに往々にして、あまり環境に寄与するというものを現場では重視していなかった、あれは環境基準ではないからということで重視されていなかったということを、私も直接的に聞きましたし、間接的にもかなり聞きました。
    まず名前は別として、環境目標値を、確かに22優先物質があって、環境基準はダイオキシン類を含めてまだ5つですから、何らかの対応は私もすべきだろうと思います。その対応としてこういう環境目標値をつくるということの、いわゆる排出抑制につながる実効性と申しますか、そういうことを環境省の方はどのようなお考えでいらっしゃるのか、そこら辺のところをまずお聞きしたいと思うのですけれど。いわゆるこのものの持つ排出抑制に関係した意味での実効性です。

    【高橋課長補佐】 今のリスク指針値という名前も絡みますけれども、かつて先生方ご案内のように、トリクロロエチレン、それからテトラクロロエチレンについて指針(暫定値)というふうな表現をしておりました。伝統的にどうも指針値という言葉を使わずに、環境基準を定めるときも環境基準設定のための指針ということでとめておりまして、そこら辺のところは内部でも少し議論があったところでございますが、今回、値というのを除いているということでございます。これについては先生方のご議論の中で何かもっとよい名称があれば、値をつけるというのもやぶさかではございません。
     それから今、横山先生からお話がございました実効性についてですが、かつてトリクロロエチレン、テトラクロロエチレンの暫定値が決められていた時代と、今の時代は若干状況が変わっているかと思います。大気汚染防止法の中で自主管理というものが位置づけられて、事業者の方々も非常に熱心に排出の抑制の努力をされているということが1点、それから先日の3月にPRTR制度が発足し、その排出実態の第1回目が公表されたところでございますけれども、そういった実態からも見て、かなり事業者側の排出抑制努力がなされているだろうということでございます。そういった中にあって、それから大気汚染防止法の中でも常時監視が位置づけられ、どんどんとデータは出てくるというふうな状況にございます。
    こういうことを考えてみますと、かつてのトリクロ、テトラの暫定値のときと違いまして、既に対策の方は進んでいる。でもそれを評価するための数値がないということで、今回私どもの方は、むしろ後追い的な形になっているだろうと。非常に現場で努力されている事業者の方々とか、常時監視を熱心にやっている自治体の方々に対して、この数値を出すことは、ある意味、一つの支援策というか、そんな考え方もできるのではないかなと。これは一つの見方でございますけれども、そんなふうに考えております。

    【永田委員】 よろしいでしょうか。お先に失礼させていただくもので、確認だけなのですけれども、このリスク指針、指針値でも結構なのですけれども、一般的な呼称で呼ばれたときの印象からすると、かなり総合性を持ったといいますか、大気だけではなくて、さまざまな媒体を通しての問題も含んでいるような印象を受けるので、こういうものをきちっと出して、先ほどのような評価につなげていく、あるいは情報収集、あるいは研究の促進につなげていただくというのは大いに結構だと思うのですけれども、この言葉が環境省の中でどういう形で議論されているのか、ほかの部署との間の関係も含めて。その辺のところをお聞かせ願えれば、この問題の取り扱い方も含めて、また少し考えようがあるのかなというふうに思っているので、何かありましたらお願いしたいと思います。

    【高橋課長補佐】 これにつきましては、これに相当するようなものというのは一つ水の方にございます。環境基準にする一歩手前に要監視項目というふうなことで、水部の方では置いております。排出抑制が必要な段階で、その要監視項目を環境基準に上げるというふうな方策をとっております。
    ただ、大気と水の方というのは若干スタンスが違っておりまして、大気の方は科学的知見が整えば環境基準に上げるというふうなことで従来やってきております。そういう意味では、今回は科学的知見がまだ不十分な段階で数値を出すということでございますので、水部の要監視項目とは若干違う。それで環境基準とか、それから要監視項目というようなものとも違う、若干不確実な部分ということで、リスクというふうな言葉をつけております。それから従来、指針値という言葉ではなくて、指針という言葉を使ってきたという経緯もありまして、そこら辺のところを合わせてリスク指針(仮称)につけているところでございます。

    【永田委員】 総合性みたいな話というのは…。

    【高橋課長補佐】 総合性。

    【永田委員】 水を通じて、大気を通じて……。

    【浅野委員】 かえって混乱を起こしてしまうかもしれないですね。

    【永田委員】 印象的にはそちらも全部含めてみたいなね。

    【高橋課長補佐】 水も含めてということですか。

    【永田委員】 ええ。

    【高橋課長補佐】 正確に申しますれば、有害大気汚染物質にかかるリスク指針ということで。

    【永田委員】 そうやって名前が、前書きがつくのでしょうけれども。

    【高橋課長補佐】 もう少し何かそれを表現するいいアイデアがございますれば。

    【中杉委員】 いろいろご説明いただいているのですが、そのリスク指針というものの名前や読み方はともかくとして、役割は何なんだろうか。つまり先ほど言われたのは、今自主管理をして削減していっているけど、その目標がよくわからないからそれをつくりましょうと。これは例えばこのリスク指針が達成されない場合はどうするのですか。それは自主管理の方でやっているから、それをただ待っているだけの話なのかどうか。その場合にこれはどう生きるのか。
    一つ、一番重要なのは、今の後ろの議論になると、純粋にリスクの方の側面からだけの議論で何か決めようというふうに今されているというふうに私は解釈したのですけれども。環境基準も本来はそうあるべきではあるけれども、実際には規制が入ってきますから、実行可能性みたいなものもかなり考えてやる。このリスク指針といった場合に、それはどこまでを考えているのかということが明確でないといけない。リスク指針があって、それを実際の値と比べて評価したときに、それを下回っていれば問題がないわけなのでしょうけれども、仮に上回ったとき、下がらないときというのはどういうふうに考えて対応していくのか。それとも全くそういうものは切り離した形としてリスク指針というものがポンとあるというふうに考えるのか。そこら辺のところはもう少し性格的にはっきりしておかないと、なかなか決めようにも決められないのではないかなという感じがいたしますけれど。

    【浅野委員】 今の点に関連して発言をさせてください。環境基準は政策目標ですから、サイエンスティックに考えてこれが望ましい、それを政策の目標としてどこまでやるのかというある種の政策判断の中で数字を決めるという話です。それを規制基準まで持っていくかどうかはまた別の話であることは事実です。しかし、それにしても気になることは、永田先生もおっしゃるように、こういう言葉は、ある意味では名称独占を先にしたものが勝ちみたいになってしまうのだけども、それをやると際限なく環境政策の現場で名称独占をしたものが勝ちということになっていき、結果として制度間での総合性が欠けてしまうという恐れがある。やはり慎重に言葉を使うべきだろうということと、それからおっしゃるように、確かに環境基準という結果的には法的な拘束力につながるようなもの以前のところで何か考えようというときに、一体これは努力を評価するときの目安として使うということが専らなのか、それとも最終的には現行、大気汚染防止法の付則にある排出抑制基準のような、法的強制力はないけれども、しっかりしたある意味では枠組み規制の枠を示すというところにまでこれを使うということになるのかということを考える必要がある。これが今の中杉先生のご発言だと思うのです。これは必ずしも今直ちに一つに答えを出してしまう必要もないわけだと思うのですけれども、その辺がごちゃごちゃになったままで議論をやっていくと、話がしづらいので、ここはあくまでもサイエンスティックにちょうど環境基準をつくるときと同じように、リスクの評価というのはどういうところでどのぐらいのところでやるのがいいのだということを論じるということに徹しておいて、その先の政策現場などの使い方はまた別だ。だからそれを前提にしてネーミングも少しまじめに考えておいたらどうかというぐらいのことだと言われれば、それが一番話はわかりやすいのですけれど、どうですか。

    【高橋課長補佐】 浅野先生、ご指摘のとおりでございます。

    【内山委員長】 評価手順の案を見ていますと、先生がまさにおっしゃるような環境基準をつくるのだけれども、ちょっとこの基準にするためにはまだ科学的知見が不十分だというように、私は解釈をしていたので、そのほかどなたか。

    【鈴木委員】 永田委員が言われたポイントというのはすごく大事だと思うのです。要するに、例えばある化学物質を取り上げたときに、それはかなり総合的に、単に大気だけではなくてという、水からも食べ物からも来るようなトータルとしての曝露がどうなるかを評価しないでリスクは評価できないから、この場合、ここでリスクという言葉を使うとすれば、リスクリダクションのための目標値であって、大気にかかわるものというふうになってしまうわけですね。それをはっきりさせるような用語にしておかないと混乱するぞという浅野委員の指摘はもっともで、このままだとリスク指針(仮称)というのは、何だかわからなくなってしまうという危険性があるのではないですか。そこで、これは正確に言えばこうなりますと事務局はおっしゃったけど、そのような言い方をして仮称を取ってしまうというやり方で、議論を少しさっぱりさせた方がいいと思うのですけど。

    【小林委員】 この基準値そのものを実際に運用する地方自治体側から見た場合に、いろいろな問題点がありまして、その辺を二、三申し上げたいのですけれど、1点は、先ほどから議論になっておりますが、言葉の使い方について官庁用語的に独特な言葉を使わないでいただきたい。逆に言いますと一般用語としての常識的な解釈に近い言葉を使っていただきたい。例えば先ほどもちょっと私が気になっていたのは、例えば発がん影響というのはいいのですが、非発がん影響というのは何のことかわからない。一般の方が見て、何を言っているのかわからない。逆に言うと発がんではない慢性影響とか、きちっとした言葉の使い方をしていただきたい。単に言葉を短縮されるというのは余りよくない。そういう意味で、例えば今言ったリスク指針という言葉も余り好きではない。何かもっとわかりやすい、一般の方がその言葉を見たときに理解できるような言葉の使い方をしていただければというのが1点あります。特にこういう言葉、前の厚生省に特に多いのです。一般の方が思われる解釈と実際に省庁が解釈する表現が違うというのが結構あるのです。そういうのをできるだけ避けていただきたいというのが1点ございます。
     それから2点目は、環境基準にしろ、今言ったリスク指針値にしろ、そういう基準値をつくりますと、目的以外の利用の仕方というのを結構されます。そのことを必ず頭に置いて、基準をつくっていただきたいということをぜひお願いをしたいというのが2点目です。
     それから3点目は、先ほどからいろいろ問題になっていますが、ヒトの影響という場合に、大気以外に水とか食物があります。一つは、そういう総合的な影響が出ていく場合、その数値のつくり方について、逆にどのもの、例えば水なら水、大気なら大気、どれを下げるのが一番効果的なのか、どれを下げるのが一番費用が安く上がるのかということも、これは環境基準そのものが政策目標である限り、政策的にどれが一番効果的なのかというのを考えた基準をつくっていただきたいと。特に大気は大気、水は水で勝手につくらないで、それをお互いに評価していく。よくあるのが、水の基準ができて、大気の基準がない場合に、水があってなぜ大気はないのという、この責めというのは結構厳しくきます。ですから、つくられるときは同時につくっていただくということが必要ではないかなというのがございます。
     ただ次の問題点は、曝露評価と毒性評価というように書かれておりますが、曝露評価が低くても毒性評価があれば基準はつくっておいていただく方がいいのではないか。基準はあるけれども測定はしないというのがあってもいいのではないかなという気がいたします。その毒性評価についても発がん性なのか、発がん以外の慢性毒性なのか、急性毒性なのかというのははっきり明示して、その基準の物質ごとの調査方法、それから評価方法もきちっと明示していただくということが必要ではないかなと。今までつくられた環境基準で、環境基準値だけが一人歩きしてしまって、なぜその環境基準がそういう数値になったかということもわからないで、基準評価をされることがよくあります。その辺を十分解説をつけた形での基準値をつくっていただくことが、重要ではないかなというように思います。
    その辺、ぜひお願いしたいのと、それからもう一つは基準をつくられたときに、その基準を超えた場合、これは目標値であろうと何であろうとそうなのですが、超えた場合、それに対してどういう対応をとるのかというのを明示しておいていただきたい。例えばこの数値を超えたときは測定頻度を上げて監視を強めますよというのか、何らかの対策をとりますよというのか、この辺をきちっとしていただく必要がある。超えた、超えたと騒がれて、その対策がとれないために地方自治体がそこで窮地に追い込まれるというのは今までよくあった例でございますので、そういう意味で対策もある程度明示した形で、超えたら何をするのだということがある程度明示した形の基準設定をぜひお願いをしたいなと思います。これは希望でございます。

    【内山委員長】 幾つか重要な面があると思うのですが。

    【浦野委員】 今、随分たくさんのご意見があって、なかなか難しいところもあって、特に対策の方はここでは余り議論がし切れないなのかなとは思うのですが、あくまでもこの場合の一番大前提として、科学的知見がまだ十分ではない物質について考えるという前提に立っているわけです。十分に科学的知見があれば本当の基準値ができるわけですから、不十分なところがあることを前提にしたときの名称をどうするか。以前からやっている方法は暫定というのをつけるというのも一つ。それはまた今後データが追加されれば変わりますよと、あるいは基準値に変わるものもあるでしょうから、そういう意味で暫定という多少あいまいな用語ですけれども、そういうニュアンスも必要なのかなという気がいたします。
     それに関連して、少し用語以外の論点にいきますと、定量的データの科学的信頼レベルのときに、1のbというのと2というのが、動物実験で発現メカニズムの解明のための科学的知見の充実を要するという形になっていて、2の方が発現メカニズムについて確証が得られないという表現になっているのですが、この1のbと2が一体どう違うのか。要するに科学的知見が充実を要するというのと確証が得られないというのは、どこでどう違うのか。この点については相当の確度を有する動物実験データがあるというところで違うのでしょうか。これをつくられたもとの方にご質問なのですが。要するに不十分さの程度というのを、どう表現するかという。

    【内山委員長】 論点2の方に入りましたが、そこの点は。

    【高橋課長補佐】 今、先生からご指摘あったとおりでございます。1番目につきましては相当の確度を有する動物実験ということでございます。その中で、有害影響の発現メカニズムの解明がさらなる充実が必要を要するもの、もしくはヒトへの外挿手法についてさらなる知見の充実が要するものというふうなことでございます。

    【浦野委員】 そうすると2の方は発現メカニズムについて確証が得られないというところがポイントではなくて、むしろ動物実験自身に多少の確度が低いというか、そういうニュアンスなのですか。いずれにしても発現メカニズムについては十分ではないという。

    【松下委員】 こういうことではないですかと推測するのですけれど。動物には人間と違って薬物代謝をやりますね。人間と違った薬物代謝をやって、がんが出たら人間に使えないから、だから人間と大体似たようなことをしているようなやつを使ったのが1のbで、2の方は、がんは出るのだけれども人間とどうも代謝が違っているというようなことはよく出ますから、そういったときは2を持ってくる。そういう意味で書かれたのではないかと思うのだけど、違いますか。

    【高橋課長補佐】 そうです。

    【松下委員】 だから、そういう格好で分けようということだと思うのですけれども。従来は動物実験でがんが出たら全部計算して入れていたけど、それをちょっと変えないといけないのではないかと、そういうあれではないかと思うのですけれども。

    【浦野委員】 実は私が申し上げたのは、いずれにしても科学的知見がやや不足しているものについて、ここではどう扱うかを議論すると。そのときにその知見の不足の程度というのについても、小林委員がおっしゃったように、わかりやすい表現をしておかないと、なぜこれはこう決めたか、これはこうなのだということを、多分こうではないか、こういう解釈ではないかという説明をしないとわからない表現は、好ましくない。こういう紙1枚の1行、2行で書いてあるものというのは、特に違いがはっきりわかるような表現をぜひお願いしたいと思います。

    【内山委員長】 これは論点メモとして多分1行で書いてあるのだと思うのですが、もう少し論文を読んでいるときに、確かにこれはある程度ヒトにも起こりそうだなというときと、まだ動物だけで本当に人間で起こるかどうかわからないというものもあると思うのですけれど、そこら辺はもう少し詳しく書いていただけるようにということで、よろしいのではないかと思いますけれども。

    【櫻井委員】 追加でよろしいですか。もう既に論点の2に入っていますけれども、相当の確度を有するという1のaとbで、ここに書いてあるのは理解できるのですが、疫学研究の場合にはどちらかというと曝露に関する情報に、まず多くの場合に問題があると。bの方は相対的には曝露の情報は正確である場合が多いから、ここにあえて書いていないけれども、大気の基準をつくるときには、吸入のデータが非常に望ましいけれども、それがないというようなこともありますので、むしろその場合が多いので、bの方でもここに書いてあるように発現メカニズムの解明及びヒトへの外挿手法だけではないなという気がします。

    【内山委員長】 投与経路の違いと。

    【櫻井委員】 そうですね。割合明確にそういうようなことも、できればできるだけはっきり書いておいた方がいいだろうと思います。

    【鈴木委員】 よろしいですか。前の論点のところで、手順の方の2の毒性評価のところに戻したいのですけれど、構いませんか。

    【内山委員長】 はい。

    【鈴木委員】 これは有害性評価ではなしに、毒性評価としたのはどういうことなのかなというのがまず第1点です。
     それから第2点は、さっき問題になった非発がん影響という言葉自身の問題が出ましたけれども、それは置いておいて、「環境ホルモン作用は除く」とあるのですが、除かれっぱなしにどうもなってしまいそうな感じで、このままの状況だと。非発がん影響別に定性評価に値する文献を抽出、整理して定性評価を行うという作業の中には、別にホルモン用の作用というのは入らないといけないのではないかと、むしろ。もしいわゆる環境ホルモンと呼ばれているものについて、物質を除きたいのか、作用を除きたいのかということになると、そこら辺が混乱してくる可能性があるなという、除きっぱなしは困るなというのが第2点です。
    ですから毒性評価という用語ではなくて、有害性評価という形にすると、もう少しいろいろと影響の幅が広がってはくるので、かえって混乱するかもしれない。ヒトの問題を主としてやっているのだからと言われれば、それがどこかに出てこなければいけないわけで、ヒトの健康にかかわってということに限定するのかどうなのかというのは、また別の問題としてあるかもしれません。そうだとしても、環境ホルモン作用は除くというような表現の仕方は少しきついなと思います。

    【内山委員長】 ずっと生体影響を除いてきて、今度やっと少し入ってきたのに環境ホルモンを除くというのがずっと続いてしまうと。そこら辺いかがでしょうか。

    【鈴木委員】 当面除いてというのはいいのですけど、除き方の問題だと思うのですけど。

    【内山委員長】 物質は除くということではなくて、作用を除くということ。

    【高橋課長補佐】 そうです。大気の環境基準は従来ヒトのデータ、それからヒトへの影響というものを重視してまいりましたので、なかなかヒトへの影響というものが現時点で実証されていない環境ホルモン作用について、ここでは非常に微量な段階でそういう影響が出るという、ちょっとほかの有害影響とは違うものですから、ここで除かせていただいております。

    【鈴木委員】 ここで除くのがいいのか、違う場所で除くというのを書いておいた方がいいのか、ちょっとそれは工夫が要るのではないかな。

    【常俊委員】 意味はよくわかりますけれど、調査の意味は。ただしあっても邪魔にはならない、抜いてもね。自主的に扱える物質によって、環境ホルモン作用があるかどうかというのは、ふたを開けてみなければわからない部分がありますけれども、入れておいても別に、非常に暫定値を、指針値を決めるときに邪魔になって、これほどの影響評価ができるかどうかという話になりますから、余り事務局もそこにこだわらないでいいのではないですか。と思いますけれど。

    【浅野委員】 今の議論でいうと、ヒトの健康というところにともかくウエイトをおいて考えてきているのだから、それは今まで大気の場合は特にそうですね。当面はそこで行かざるを得ないだろう。答申の中ではさらにもっといろいろ書いてありますけれども、そこまで一挙にいけませんから、とりあえず人の影響でいきましょう。そして環境基準を定めるというところまでは、知見が十分ではないけれども、ほっておくわけにはいかないというものがあるし、何らかの評価の目安がないと努力も評価できなくなってしまうので、これはまずいから何かやりましょうと、それはよくわかるわけですね。そこで、そうするとヒトの健康と言っておけば、生物には環境ホルモン作用が何らかの知見として存在したとしても、それだけではヒトの健康にはつながらないものは自動的に外れてくるわけでしょうから、鈴木先生がおっしゃるように、無理やりここで環境ホルモン作用をはずさなくてもいいかもしれない。もともと不確実なものを何とか扱いましょうと言っているわけだから、ヒト健康に対して環境ホルモン作用がどういう影響を及ぼすか、不確実であればその不確実の程度に応じて対応すればいいわけです。それが相当不確実でなくなれば、またそれなりに取り扱わなくてはいけないわけだから、鈴木先生がおっしゃることはそれだと思うのです。作用を除いたら、ヒト健康に対して環境ホルモン作用の面から、かなり危ないということがわかっても除かれっぱなしになってしまうよ、それはまずいのではないのというご意見でしょう。それはよく理解できます。

    【鈴木委員】 僕の日本語の足りないところを足してくれた。

    【内山委員長】 もう一つ、毒性評価というのを特に使った例というのはありますか。有害性評価にしたらどうかという点。それは特に意識されて毒性評価と。

    【高橋課長補佐】 それはディーゼルのリスク評価のときに毒性評価という、それから発がん影響、非発がん影響という言葉を使いましたので、その流れで使っておりますので、特に意図はございません。有害性評価という形にしてもいいですし、それから発がん影響は発がん性、非発がん影響については発がん性以外の毒性とか有害性とか、そんな言葉で置きかえて、今のご議論がございましたように環境ホルモン作用は除くというものは切って、書き直したり…。

    【内山委員長】 定性評価のときは有害性の評価と言っていませんでしたか。ハザーダイレクティクテーションというとき。定量評価になってから毒性評価という言葉を使っているの。

    【高橋課長補佐】 全体のくくりとして毒性評価という。

    【常俊委員】 言葉としては、かなりきつい印象を持ちますが、毒性というのはどこからどこまで毒性というか。環境基準がもともと日本の健康基準は健康ランクを語れと、標榜してきたわけですから、そうすると有害性の評価の方がいいのではないかという気がしますけど。

    【内山委員長】 この2のうち(1)のところの定性評価を行うというところの大きな項目は有害性の評価だと思うのですけれども。

    【櫻井委員】 私の感覚はどちらかといいますと、毒性評価というと定性的と。どういうタイプの毒性があるというようなのにはぴったり当てはまると思うけれども、定量的な評価の感じではないような気がするのです。毒性の強さの評価という意味なのでしょうけれども、有害性評価の方が一般的にどなたも余り誤解がないかなというふうに私は感じます。もちろん有害性評価というと毒性以外のものも入ってくるので、我々が問題にするのは毒性ではあるのですけれども、言葉としてはいわゆるハザードに対応する有害性というふうにしておいた方がいいかなという気が私はいたします。

    【松下委員】 1の(2)で、一般環境大気にかかる曝露評価は主に大気モニタリングデータを使用すると書いてあるのですが、経気道曝露に関するリスクとなってくると、室内もいろいろ問題になりますね、大気だけではなくて。ここでは「主に」を外して「大気モニタリングデータ等を使用する。」とした方が無難ではないかと思います。

    【中杉委員】 よろしいですか。私もそこは確認をしておきたいのですが、今まで既にやっている何物質かありまして、それは室内を入れているかというと、必ずしも入れて評価をしていないと思うのです。専ら100%屋外でやって評価をしていますので、そことの整合をどう取っていくかというのが一つの問題になると思うのです。ただ、室内の曝露が非常に高いものが多いというのが事実ですので、それをどういうふうに整理するのかというのは、初めに議論をしておかなければいけない話だろうと。この辺のところかなり明確にしておかないとえらい問題を起こしてしまう。逆に環境大気を一生懸命に押さえても室内は全然だめだよと。それともう一つは、室内の方でもいろいろ厚生労働省の方で一応リスク評価をされているわけです。そういうものとの整合と、全然また違ってしまうと、何だという話になりかねない。そこら辺をどういうふうに考えていかれるかというのは、非常に悩ましい。さっきほかの媒体との話もありましたけれども、同じ基準でも別なところで別な基準が動いている。別な基準というのは同じになるかもしれませんけれども、それをどういうふうに整合して、説明をしていくか。

    【松下委員】 だから、いずれにしてもリスクというと総合リスクになりますから、経気道だけではないわけです。経気道でも外部の大気だけではなくて、いろいろな日常生活環境全体が絡んできますから、一応大気をベースにするとしても、そういうところをにらんでいますよという格好にしておかないと、非常におかしなことが起こる。実際、今、公健協会絡みの仕事で曝露リスクの計算をやっていると、外だけで計算したときよりも、いろいろな場所のデータを入れてやった方がはるかにきれいなデータが出るのです。さらにどこがメインな発生源だとはっきりわかってくるから、対策もはっきりしてきます。
     それからもう一つは、余り1のaとかbにこだわりすぎて、確実性、確実性というと何も出てこない。非常に正確なデータというのは少ないのです。今まで環境基準で決められたものだって、本当に正しくて、本当に科学的根拠が100%あるかと言われると困ってしまうところがいっぱいあります。ですから、これはほどほどにというところがどこかあるのではないかなという気がしますけど。

    【櫻井委員】 今のと同じ議論で、例えば毒性評価の(2)のところです。最も信頼性が高いデータに基づいてというふうに書いてあるのですが、これは実際にやるときにはどうなるかというと、比較的濃度の高いところでは信頼性が高い曝露で何が起こるかというのは信頼性が高い。もうちょっと低いところになると、余り信頼性は高くないけれども重要な課題がそこに含まれているからどうするというときに、低い方で出ているのはちょっと信頼性に問題があるから全然それを取り扱わないというと、まるっきり役に立つ基準がつくれないということになってしまうと思いますので、最もというのもやめてしまって、信頼性が高い、それだけでいいと思いますけど。相対的に信頼性の高いと。

    【佐藤委員】 すみません、話を戻していいですか。先ほど松下先生がおっしゃった最初の部分の室内なのですけれども、さらにまたいろいろ考えられていて、水銀のクライテリアドキュメントを書いたときはアマルガムからの発生が問題になったわけです。それは一応勘定には入れたわけです。
    それともう一つは喫煙の問題があって、これはいろいろなもので多分出てくるだろうと思いますけれども、いろいろな曝露のソースになりますから。それは個人的な習慣だからということで一応切り捨てたのですけれども、その辺のところ整理しておく必要はあるように思います。多分アマルガムから発生するというのは水銀ぐらいだろうと思いますけれども、口腔内での発生で経気道的な曝露というのもあり得る話だろうというふうに思います。

    【中杉委員】 先ほどの話にちょっと戻ってしまうような話なのですが、総合評価という観点でいうと、一番今困っているのは、トリクロロエチレンとテトラクロロエチレンなのですね。あれは総合評価、経路ごとにというのではなくて、総曝露量で何か議論をしようとすると、土壌の基準を決めるときに少しいろいろな経路を足し合わせて計算をしたのですけれども、総合評価で総曝露量の評価をどうするかと。大気の基準から持ってくると全然問題ない。ところが水の基準から持ってきたのを見ると必ず100%を超えてしまう。そこら辺の話が多分、こういうのが出てくると、つくったときに、先ほどどういうふうに使われるかという話があったのですけれども、評価をしようとしたときに、必ずそこら辺で、これはどうなのだという話が出てくるのです。そこら辺は私は専門ではございませんのでわかりませんけれども、一つの問題になると。
     それからもう一つ、この曝露評価のところの部分で、発生源周辺と言われていますけれども、今、地方自治体によって有害大気汚染物質のモニタリングで、人口のどのぐらいをカバーできているというふうにお考えですか。多分、トリクロロエチレン、テトラクロロエチレン、今環境基準を全部クリアしているわけですね。恐らく中小のクリーニング屋さんの隣だとか、そういうところへ行くと確実に超えているわけですね。そういう意味でいくと、どれだけカバーできていて議論をしているのかという話がないと、いろいろ説明しにくいのではないか。今、環境基準全部クリアしていますよ、オッケーですよと。本当にそれでいいのだろうか。そこら辺をどういうふうに考えるのかというのは非常に重要な話で、これは2番目のところに発生源周辺については信頼性の高い文献等からというお話なのでしょうけれども、そこをどう考えるか。この辺のところについてはPRTRのデータが今度いろいろ出てきますから、そこら辺のところで少しモデルを使って予測するとか、推定してみるとか、そんなことが必要になってくるのではないかなと。そこら辺をしっかり押さえておかないと曝露評価といっても、表面が見えている曝露評価ということにしかならないのではないかなというふうに思いますけれど。

    【鈴木委員】 今の話とさっきからの議論の流れというのを全部束にして考えると、要するにバイロジカルモニタリングをどうやったって導入しないと、トータルの曝露の評価にはならないという局面がだんだん見えてきていると思うのです。それで媒体別に大気は大気、水は水という、媒体別に基準を設定していく手法はそのまま生かすとして、それはそれなりに意味を持ちますものね。だけどトータルとしてのものは、私もバイロジカルモニタリングを何らかの形で入れてこないと、おさまりがつかなくなるのではないかな。

    【高橋課長補佐】 私どもで少しリスク指針とリスクという言葉を使ってしまったものですから、少し混乱を招いているようでございますが、意図としてはあくまでも大気経路の曝露というふうなことで、確かに今の議論を聞いていますと、リスクという言葉を使うのは不適切だというふうに思います。
     そこでちょっと名前についてはいろいろ意見も伺いつつ、検討を……。

    【鈴木委員】 僕はリスクという言葉を使うのに反対しているわけではなくて、リスク減少のための大気にかかわるということまではっきりさせれば、それはそれで生きると思うのです。だから余りそう簡単にリスクを捨ててしまわないでもいいのではないですか。

    【高橋課長補佐】 それともう1点は、次第に環境基準をつくるときの議論に近くなってきているのですが、そもそもこれは非常に簡易な方法で迅速に出そうというふうなことでございます。そういうことも加味して大気環境基準等設定調査から得られた知見というものを基盤にして、そこから簡易に出そうというふうな発想でおりますので、ちょっとそこら辺のところも念頭に置きながら、ご議論を進めていただきたいと思います。

    【中杉委員】 簡易と言われるけど、実際問題としてそれで新しいことを出せればいいのですけれども、必ずしもそれは誤った、ミステイクした情報になりかねないということを、私は申し上げているわけで、すべて基準をクリアしてオッケーです。受ける方は全国民100%オッケーですという議論で受けとめたのです。それが本当に正しいのかどうかと把握をしておく必要があるだろうということを申し上げたのです。その上で、そういう情報提供をするのは一向に構いませんが、そこら辺は全く今我々は持っていないのではないか。そういう意味では今の有害大気汚染物質のモニタリングで人口のどのぐらいがカバーできていますかという検証が必要なのではないだろうかというふうに申し上げたのです。

    【浦野委員】 実はモニタリングの方は、私もいろいろ大気の方で環境省の委員会等をやっているのですが、これ自身はまたいろいろな問題点があって、今後自治体のモニタリングのあり方も変えていかなければいけないし、また自治体だけでカバーしきれない部分を事業者が自主的に測定をしてというようなやり方、特に敷地境界周辺で住宅のある地域とか、その辺をどう扱うかというのは、まだまだこれから社会的な課題であるわけです。ただ、そういうものがないと何もできないという議論になると、これ全部とまってしまうので、当面は曝露の方も、あくまでも現在ある信頼性のより高い数値で議論をするのだと、当面これでやるのだという、あくまでもすべて暫定的でもやらざるを得ないのだという立場にならないとまとまらない。学術的にこれが足りない、ここまでやらなければいけない、こうだというふうな議論になると、多分何も出てこないということになるので、その辺のスタンスを明確に表現しておくということがとても大事だと思います。いろいろな曝露についても情報は十分ではない。毒性というか有害性についても、まだ十分ではない。しかし、ある意味で予防的管理のために現時点では一応こういう数値を目安とするというふうな形にきちっとスタンスをしないと、収れんしないのではないかと思います。

    【鈴木委員】 それで、だからリスクという言葉を捨てるなら、そういうことになるわけで。

    【浦野委員】 そうですね。そのときに、特に曝露評価の場合に室内との関連が非常に重要なのですね、松下先生がおっしゃるように。しかし、今までの大気の環境基準その他も、室内曝露を必ずしも考えていないわけですし、24時間、一生涯外気を吸っているという計算をするということ自身あまり現実的ではないのだけれども、そういう考え方で行われてきている。今後、時間をかけて検討していかなければいけません。
    ただ、大変気になるのは、厚生労働省などが室内の指針値みたいなものを出してます。これもWHOその他でも、室内のガイドが出てくる。それとかなりかけ離れた数字が出てくる可能性というのが結構ある。現実、我々が既に計算すると、かけ離れた例があります。そのときに、室内の方は、現実の室内空気中の濃度に配慮して、極端に理想的なところまでとてもいかれないから、まさに暫定値として決めているというニュアンスがあります。ですから純粋に科学的にやると、まだとても足りないというか、緩すぎる指針値が出てくることもある。そういうものを既に国として目安として出ているときに、こちらがどういう数字を出すのかというのは、非常に重要なことになってくる。そういうほかの指針値等との整合性というのはしっかり考えておかなければいけない。そのためにも、ここで出す数値の性格づけというのをかなり明確にしておく必要があるのではないかなという気がします。

    【浅野委員】 要するに曝露の評価というのは、今の浦野さんのお話を理解すると、要するにプライオリティーづけのときに道具として使えるということなので、そうしておかないとまた逆に自治体の現場では困ってしまいますよね。だからこれだけやればもういいよとか、何かちょっと騒がれた有名物質だけがわっと一人歩きして、その対策をやったらもう終わったみたいなことにならないようにしておく必要がある。そのためにともかく、まずこれを優先的に取り上げなければいけないのでしょうねということが説明できる程度のデータがあればこれを使いましょうということなのでしょうね。

    【浦野委員】 再度確認しますけれども、曝露評価というのはかなり情報不足で、むしろこれから指針値をめどにしてPRTRデータも出てきて、いろいろな測定値をふやしていくと。曝露評価がより適切にできるようにするためのむしろ目安の値をつくっていくのだというような感じで、曝露評価がもうできてという考え方でなくて、一応プラオリティーをつけるためには今のデータを用いてかなり重点的に議論しなければいけない物質なのか、少し後でやってもいいような物質なのかという判断するという考えの方がよいと思う。ここで曝露評価ができるかのような議論になるのはかなり無理がある。

    【松下委員】 よろしいでしょうか。今までいろんな委員がおっしゃったこと、浦野先生が今言われたのも含めてなのですけれども、現在我々がいる環境は、エネルギー絡み、物質燃焼絡みの廃棄物のほかに、いろいろな種類の化学物質に曝露されています。今では、1年間に新しい化学物質が1,000万種類ぐらい、ケミカルアブストラクトに収録されてきています。1965年頃までにケミカルアブストラクトに収録された化学物質は全部で23万種ぐらいでしたから、現在は化学物質の種類がおどろくほどの速さでふえている時代です。だからいろいろな種類の曝露物質がある。そういうものは当然曝露評価もできていないわけですから、まず第1番目に有害性評価がWHOであれ、EUであれ、アメリカであり、いろいろな情報がありますね。日本にもあるでしょうから、それを整理しておいて、大体どれぐらいのユニットリスク、こういう物質はどれぐらいのユニットリスクがあるかというのをきれいに整理しておいて、その次に曝露評価がなされているもの、特に優先取組の22物質のうち18物質とおっしゃいましたか、そういうものはある程度曝露データがあるから、そういう中でこういうものはどうも今までの環境基準で決められたものと比較して、ちょっと問題がありそうだというものに関してもうちょっと詳しく調べていこうというような格好にしないと、これを全部このとおりやって、しかも正確なデータのものだけにあまりにもこだわると環境基準をつくるのがかえって難しくなってしまうような気がするのです。ですから、環境基準をつくる前段階としての大枠づくりの仕事がここにあるのではないかなあというふうな気がしているのですけど。ウォーニングを出すようなところぐらいまでで、あとは環境基準を決めるという方向へ仕事を渡すのが一番いいのではないかなと思います。
    そうしないと、一番最初に横山委員が言われましたように、かつて環境庁はトリクレンとパークレンに対して、大気暫定指針というのをつくったのです。この暫定指針にもとづいて地方自治体が一生懸命測定や対策をやってもらえると思ったのですけれども、全然やってもらえませんでした。どうしてだ聞くと、それは法律にもとづいて規制物質になっていないからというのです。予算を全然つけてくれないのです。ところが水の方は全部環境基準にしてしまったものだから、予算が全部つくし、人がつくのです。だから法律にのっているか、いないかが、大変大きな差をもたらしたのです。それで大気汚染防止法を一部改正して有害大気汚染物質対策をつくる論議のときに、法的規制根拠にもとづくものでないと意味がないという話をしたことがあります。
    ただ、先ほど高橋課長補佐が言われたように、その時代とちょっと事情が変わってきました。いろいろな企業が自主管理をやるようになってきたから、自主管理基準の目安になる役割が出てきたように思います。排出物のユニットリスクは大体これぐらいで、今排出に伴う環境濃度はこれぐらいだから、かつて環境基準は、これぐらいのリスクのときに決められたから、リスクの値がその値を超えたらちょっと危ない可能性があるという程度のもので、自主的に民間企業及び自治体なんかが環境管理するための道具(目安)になるのではないかと思います。このような役割でも法律で決めてくれたら、実効性が高まると思います。

    【浦野委員】 もう1点いいですか。曝露評価というのをモニタリングデータからやるというのはオーソドックスというか、本道だとは思うのですけれども、むしろこれは先ほども言いましたように、測定の数の問題あるいは測定物質と地点と頻度というので、いろいろな問題点がある。それよりもむしろPRTR対象物質ぐらいの範囲でむしろ議論をするのであれば、その排出量の多いものと毒性とを掛け算してみるという方がより現実的のような気がするのです。PRTR対象物質以外でももっと議論をするのだということであれば、生産量とかあるいは取扱状態、どういうものに使われる、あるいは物性値で揮発しやすいとか、そういうような曝露可能性のようなもので議論をした方が、よりすっきりするという気がするのです。そういう視点がここには出ていないのですけれども、PRTR対象物で予想外に排出量が多いような物質があるのです。ところが測定をあまりしていない物質もあるわけですから、これらをどう使うかという議論もありますけれども、PRTRで排出量データが出てきていれば、それは活用すべきだというふうに思いますけど。それを曝露の一つの指標にするという。

    【横山委員】 今までのご発言と特に変わったあれではないのですけれども、松下委員も触れたように、今でも自治体ではたしか10いくつ有害大気汚染物質のモニタリングをやっていますけれども、一体そこで得られたデータがどんな意味を住民に持っているのかということについて、判断できないということはよく耳にします。一方、例えば今これだけ問題が大きくなっていながら、ダイオキシン類の測定というのはほとんどの自治体は2週間測定、まだまだやっとこれからという状況で、年に3、4回はかって、年平均値というようなものを出しているような状況で、曝露評価という言葉あまりとらわれてはいけないので、そういう状況を考えますと、自治体等が特定しているものについて何らかのレファレンスを与えられるようなものという理由づけで、それからトータルリスクとしてはさすがに室内曝露、さらには職業曝露まで考えてしなければならないと思うのですけれども、それはそのとおりなのですけれども、とても時間的にそんなことをやっていたら間に合わない。差し当たりは僕はアウトドアの、いわゆるそういうところの判断でこれぐらいのレファレンスというぐらいのところが、6月ぐらいまでに仕上げるということも考えますと、精いっぱいではないかと思うのですけれども、そんなところを思いましたけれども。特別な新しい意見ではありませんけれども。

    【小林委員】 1つだけ、今松下先生が言われた、地方自治体において大気を余りやらないと。水はやっているという最大の理由が何にあったかというと、簡単に申し上げますと1点は、水については要監視項目というのが明らかに明示されたのですが、水については測定に対して補助金が出ているのです。これが1割であろうと2割であろうと、補助金が出れば地方自治体は予算がつくのです。ところが大気は補助金がついていません。ですからやる理由がないと言われるとそれっきりになるのです。これが1点なのです。
     それから2点目は、水の場合、要監視項目でもし局地汚染が発生した場合、それについて目指す企業に対して直接指導ができるのです。ところが大気の場合は、有害化学物質について、企業の自主管理という方式をとっておられまして、基本的に自治体にそれの指導権限が委ねられていないということもありまして、データを取っても、今ちょっとお話がありましたように、その数値について変な数字が出た場合に、それに対する対応策がないから、ないのだったらやらない方がましというのが本音なのですね。
    ですから、その辺で先ほどちょっと申し上げましたように、数字を出した場合、その数字の評価法とかそれに対する対策がある程度明示されないと、実際にはやれない。よく地方自治体で言われるのですが、国は数字だけを出しておいて、後始末を地方自治体にやらせると。その辺の対応をきちっとされないと動かないだろうなとは思います。

    【鈴木委員】 松下委員と横山委員の話を聞いているうちに、また今の話にもありましたように、この言葉でリスク基準ではなくて、事前警告水準みたいな、それぐらいの概念だったらいいですよね。そうすると法的な規制なり、経済的な補助金なりを伴わずに、そういうものが世の中に出てきたときに、どこまで人がそれに対応するかという問題で、これはこの議論の中から言えば少し異質かもしれないけれども、高橋課長補佐のさっきの判断では、世の中が変わってきたではないかと。PRTR法が動いているではないかと。そういう時代になったということを前提にして手を打ったときに、事前警告値水準みたいなものがどこまで意味を持ち得るか。どんなリスポンスを引き起こすかという、その辺の読みがどうなるかの問題ですね。それは非常に大きなテーマだと思うのです。

    【浅野委員】 大気汚染防止法改正をしたときに、それほど明確に意識はしていなかったけれども、3年ごとに見直しをしてうまくいかないときは改めて規制を考えると言ったことが大きな意味をもっていたと言えるわけですね。法改正の段階では枠組み規制という形をとることになって、しかしそれだけではどうにもなりませんから、ガイドラインを示すという方法で努力をできるものについては努力をしたわけです。現実には事業者側はガイドラインが必ずしも明瞭に国から出ていない物質まで削減努力しているわけですから、だからさっき高橋課長補佐が言われた意味は、追っかけでもともかくガイドラインの数字が、カチッとしたものでなくてもあれば、もっといいだろうということでしょう。現状で使えるデータをとりあえず6月までに、さっき横山先生がおっしゃったとおりなのですが、何とかやれるものについては何か数字をちゃんと出してくださいと言われれば、今まで調べられているデータを見て、PRTRの数字も幸い出てきたわけだから、両方をつき合わせてもいいわけですから、プライオリティを決めておいて、できるものについてはちゃんと示すべきでしょう。ただし、その数字の持っている意味をはっきりさせるということは絶対必要で、これは小林委員の言われるとおりだと思うのです。へたをしますと、そこだけに力を入れればいいということになりかねないし、ではほかのところ努力をしてきた事業者はばかみたいだということになったら、それは困るわけですから、そうはならないようにしておくという必要はあると思うのです。
     それから予防的なアプローチのために、鈴木先生がおっしゃるように警告をする、イエローカードのための基準のようなものをとりあえずここで考えられているのだということをはっきりしておかないと、この手のものはすぐ後で損害賠償の基準になったりするというおそれもあり、そういう事態は避ける努力をしておかなければいけないだろうと思うのです。

    【香川委員】 話がマネジメントの方になっていますが、話をもとに戻して、この論点の1と2にもう一つ加えてほしいのは、ご承知のように有害大気汚染物質というのは低い濃度で、実際はコンバインドされた影響で、したがって皆さんご承知のように欧米では、今、コンバインドされた有害大気汚染物質をどうリスク評価して、管理していくかという時代に入っています。個別に見ると非常に濃度が低くて、実際に測ってみたら大したことがないというのが片一方であって、もちろん、複合汚染の影響を見ていく上には、個別の方がきちんとなされないとだめなのですけれども、できましたらこの論点3のところに、この複合汚染の影響の問題を取り上げていただきたい、現実にどうやっていくかという問題が出てくると思うのですけれども、例えば環境基準が定められている大気汚染物質、これは今まで個別に見てきたけれども、SOxとかNOxとかある中でも粒子が非常に健康影響に影響を及ぼしているとなると、やはり粒子に対しての積極的な対策が必要であるとなってくる。こういう有害大気汚染物質も200幾つか物質が定められて、その中で優先順位があって、個別に行っていきますが、影響の種別、例えばこれは発がん系とか、これは循環器系とか、これは呼吸器系、そうするとそこにランクされる有害大気汚染物質が幾つが出てくるわけですね。そうするとその中で、個別に見たら大したことないけど、一緒にすると発がん性を高めるという状況が出てくると思うのです。そうすると、これに関しては個別に見ると大したことはないけれど、条でみると、例えばベンゼンにもっと対策を置いていきましょうとか、そういう視点と、もう一つは、こういう有害大気汚染物質というのは、一般環境大気ではほとんどが自動車の排気ガスから出てくるのが主になると思うのですけれども、それ以外に工場からとか、特定のところから出てきて、そういうのが問題になってくると、先ほどからディスカッションされていますように、いわゆる大気汚染のモニタリングのところで測定すると問題ないということになります。したがってこの物質を決めるときに、この物質は発生源としては何が一番重要かと。そうすると発生源のある周辺でのモニタリングをきちんとやって、そして評価をしていくという、そういう体制づくりをしていかないと、この有害大気汚染物質、従来とちょっと違った視点で評価及び対策をしていかないといけないのではないかなという気がしますけれども。

    【中杉委員】 私も責任があるんですけど、環境省が考えられているところから議論が広がっていると思うのです。それは全体として、これ自身があいまいで、どういう位置づけにあるかというのが、もうひとつ明確になっていないところが原因だと思うのです。有害大気汚染物質の対策を最初に考えたとき、フレームはまだ生きているかわかりませんけれども、有害大気汚染物質があって、優先取組物質があって、基準物質があってという3つの流れがあって、それぞれ下にこういうふうな形で自主管理をしてもらって、規制をするというようなフレームみたいなものがあったわけですね。だからあのフレームは今、そのまま生きているのかどうかという話が一つありますけれども、有害大気汚染物質対策の全体的なフレームの中で、今回の議論はここをやっているのですよという位置づけを明確にされないと、今みたいに議論がどんどん発散して、私も発散させているのですけれども、発散してしまって収拾がつかなくなる。多分、その中のごくごく一部の部分を取って議論をしたいというのが環境省のご意思だと思いますので、そこを少し整理をしていただけるとありがたいなというふうに思います。

    【内山委員長】 今、いろいろ重要な意見が出ているのですけれど、そういう特にこの位置づけという面で、大分解釈が違ってくると思うのです。

    【高橋課長補佐】 数字の意味については、事務局の方で内々で考えておりました考えが1点あります。当然、この今回の指針の意義というのは、十分内容を見きわめる必要がございますけれども、仮にこの指針を超過した場合、超過の度合、それから超過地点数とか、それと地域でまとまって出ているとか、そういう要因があるとは思いますけれども、それから発生源の状況なども十分踏まえて検討されることになるかというふうに思っております。
     当面、例えば次の2点のようなものが考えられると思っております。1つは、指針値の超過地点につきまして、PRTR法の排出量の情報等を活用して排出源を確認する、実態把握に努めるというふうなことが1点。それから2点目は、その確認された主な排出事業者に対しまして、大気汚染防止法に基づきます事業者が排出抑制のための必要な措置を講じているか否かというものを把握しまして、まずは自主的な取り組みを促すと。これは法的に基づいて行うものでございますので、そんなようなところが1つ考えられるのではないかと考えております。

    【内山委員長】 大体いろいろ意見も出てきたのですけれども、どうでしょうか。

    【浅野委員】 もう一回大気汚染防止法をつくったときの話を一遍きちっと整理して、会議の場でプレゼンテーションするまでもないと思うのだけど、でもどういう制度になっているのだということを、あれから大分時間が経ちましたので、当時の関係者にはよくわかっていますけれども、そうではない人にはわからない面があるから、それについての説明資料はつくっておいた方がいいと思います。
     それから、ここでの検討のために使えそうなデータがこれぐらいあるということを早めに少し委員に提供して、それを前提に議論をしていただきたいのだということをはっきりすべきです。このペーパーだけで議論をしているといかようにでも議論ができるわけですから。しかし、きょう出た議論は決してむだな議論ではないと思うし、今回の中間的な取りまとめので、直ちに答えを出さないものであっても、どうせこの平成7年諮問というのは、恐らく最終答申というのは永久に出ない性格というのもので、ずっと中間答申を続ける性格のものですから、次のステップで必ずやらなければいけないことが出てくると思います。だから決してむだな議論をやっているわけではないと思ます。

    【内山委員長】 委員長がまとめるべきところをまとめていただいて、きょうのところは大体そういうご意見だったろうと思います。ですから、この趣旨あるいは論点で明らかになったことの前提として、有害大気汚染物質対策、その最終プランがどうなってきていて、今どこが困っているか、あるいは今後どういうふうに発展させるべきところ等少しまとめていただいて、そしてもう一回リスク指針が出てきた、あるいはこの位置づけ、そういうところをもう一回ちょっとはっきり明らかにしていただいて、そしてきょうの議論の上でもう一回議論したらいいのではないかというふうに考えますが。

    【鈴木委員】 不確かなものに対してでも対策を立てようと、リスキーダクションをかけようという基本的な姿勢、それが取り込まれたのは新しいことだと思うのです。大気汚染防止法の時代になかったことだと思うのです。そこをはっきりさせておかないと、何のためにきょうの作業をやっているのかわからなくなるから。これは非常に前向きの構えだと思います。

    【横山委員】 ちょっと高橋課長補佐に質問、いいですか。今、これを超過した場合の対応を、一つの例でお話になりましたけれども、今ベンゼンなんかは環境基準が決まっている。ベンゼンだって多くの地点で環境基準をオーバーしていますよね。そういうときに、今そういう対応をとっていらっしゃいますか。その発生源の疑われるところに行って、云々というのは、あれは完全に今ほとんど自主管理ですよね。

    【浅野委員】 ちょっと高橋課長補佐ではなくて、担当の方で参考資料3をちょっとご説明されたらどうですか。今のご疑問に対して答えになるかもしれません。

    【柏木大気環境課長】 それでは参考資料3、地方公共団体等でモニタリングをしております有害大気汚染物質に関する調査結果についてまとめたものであります。これは平成13年度ということで、昨年10月に公表をさせていただいております。2ページから説明しています。概要でございますが、有害大気汚染物質、特に優先取組物質のうちの19物質、これは2の(2)にありますけれども、優先取組物質は22物質ですけれども、そのうちダイオキシンが別の法律でカバーされることになりましたのと、それからあと2物質ほど測定方法がまだ固まっていないということで、残る19物質については、常時監視ということで、地方公共団体に測定義務を課して、測定を行っているというものでございます。具体的な方法につきましては2の(1)で書いておりますけれども、常時監視の事務の処理基準だとか、あるいは有害大気汚染物質の測定法マニュアルというのを自治体に示した上で、調査を行っていただいているということです。それから具体的な場所については、2の(3)にありますように、処理基準に基本的な考え方が書いてありますけれども、一般環境、固定発生源周辺、それから沿道と、3種類に分けてそれぞれ物質ごとに必要な箇所について測定を行うということでございます。ただ測定値につきましては、原則として月1回以上の頻度で測定を行って、年平均濃度を求めるという形で測定値を確定させているということでございます。
    そういうような基本的な考え方で、3ページでございますけれども、平成13年度の調査結果のポイントでございます。まず環境基準が定められているベンゼン等の4物質でございますが、先ほどちょっとベンゼンの話が出てまいりました。まずベンゼンにつきましては、表2を見ていただけるとわかりやすいかと思いますが、右の方に全体と書いてありまして、超過割合が49%から18%へとおりてきておりますけれども、こういう形で超過する割合がだんだん減ってきているというような状況でございます。
     それから次の4ページの表3になりますけれども、継続的に測定している地点がベンゼンについてございますが、これについての濃度の推移を見たものであります。環境基準値は3マイクログラムでありますので、ごらんのように全般的には濃度が低くなってきているという傾向がうかがわれるということでございます。
     それから環境基準を同じく設定されているもので、トリクロロエチレン、テトラクロロエチレン、ジクロロメタンでございますが、それにつきましてはすべての地点で環境基準を下回っているというような状況でございます。ちなみに環境基準値がトリクロロエチレン、テトラクロロエチレンがそれぞれ200マイクログラム、ジクロロメタンが150マイクログラムですから、大体平均値でございますけれども、100分の1ぐらいの値にモニタリングの結果としてはなっているということでございます。
     それから5ページでございますが、以上につきましては環境基準のある有害大気汚染物質でございますが、その他15物質ございます。これについては表5、6に個別にその測定結果を掲載しておりまして、これにつきましても全般的に濃度の低下が見られるというような状況でございます。
     これは13年度の有害大気汚染物質のモニタリング調査結果でございます。

    【浅野委員】 ベンゼンは特別だということを。

    【柏木大気環境課長】 それで、ベンゼンでございますけれども、これにつきましてはそもそも優先取組物質のうちの12物質については、全国ベースでの自主的な取り組みを平成9年度からずっとやっておりましたけれども、その結果、全般的には、ベンゼンも含めてでございますけれども、排出抑制ということで取り組まれて、全般的に排出削減が進んできたという評価でございますが、個別に見ますと、ご指摘のベンゼンについては環境基準未達成のところが残っているということでございますので、個別の地域に焦点を当てた対策ということで、地域自主管理ということを13年度から始めておりまして、特別に環境基準達成に向けて取り組みをしているということでございます。

    【浅野委員】 要するに一つ一つの企業の自主的な取り組みでうまく行かなかった場所は地域で責任を持ってください、そして自治体にも入ってもらって、自治体も関与できるようにしましょうということになっていますので、前よりは自治体が中に入って言えるようにしている。ですからその成果を平成15年まで見まして、それでも全くだめなら次は法規制しかないということだと思いますが、多分大分下がってきているという評価をしてもいいと思ってはいるのですけど、15年はどういう評価になるかわからないけど。

    【西尾局長】 地域自主管理は、地域を決めて、いつもかなりきつい数字を出してありますから、これがいければ固定起源のものというのは多分計算上は下がってしまうはずだというので、ですから何か自主管理でうまくいかなかったから規制にいこうかという前に、自主管理の特別自主管理のようなものをやることになりました。固定については、一応それでいければいけるということだと思います。

    【浅野委員】 だから地域別に特別自主的な計画をつくっている場所のデータが出てくるともっとはっきりすると思いますけれども、かなり効果があるということは言えると思うのです。

    【横山委員】 ベンゼンの濃度が下がってきているということは、全国的に見られるのですけれども、恐らくベンゼンというのは有害大気汚染物質の中で、要するに発がん性が一番明らかで、ともかく早く全国でもって、僕は環境基準を満足するようになるべきだと。特に発がんということはかなり言っているわけですから。これはほかの物質とちょっと違った対応すべきだとは思いますけれど。きょうの議題とは離れますけれども。

    【内山委員長】 よろしいでしょうか。大体時間も近づいてきましたので、きょうのところの議論はこのぐらいにしたいと思いますけれども、そうしますとたたき台なり、論点を出していただきまして、これに基づいていろいろご議論をいただきましたけれども、必ずしも議論が収束するという見解ではありませんでした。特に、先ほど浅野委員の方から提案がありましたように、もう少しこの趣旨についての位置づけですとか、それまでの経緯ですとか、有害大気汚染物質対策全体のスキームですとか、その中にこのリスク指針というのがどういうふうに位置づけられるのかというのをもう少し事務局の方で用意していただいて、次回もう一回議論を詰めると。それからきょう議論に出たところに関しては、少したたき台の方を修正していただくということにしたいと思いますけれども、事務局、それでよろしいですか。

    【横山委員】 ちょっといいですか。さっき6月までとおっしゃいましたよね。さっきの説明だと6月までにできるのですか。

    【内山委員長】 6月までに、このリスクの評価のあり方の取りまとめをすればいいのです。それとも、もうリスク指針を6月までに各物質について出すのですか。何物質を予定しているのですか。

    【高橋課長補佐】 とりあえず5物質を予定しております。

    【内山委員長】 優先取組物質22のうちで、リスク評価がある程度できている、アセスメントはできているけれども、環境目標値を設定するに至っていない物質が大体5物質ありますので、それをとりあえず6月までに何とか、この物質を中心にガイドラインに対する、リスク指針に対する評価手順が決まれば、それに沿って6月までにまとめたいというのが、どうも事務局案のようです。ですからもう一回ぐらい、このあり方についての基準、あるいは評価についてまとめて、それと同時にやっていかないと間に合わないですか。ということで何とかということになるのですが。
     ですからそうしますと、今後議論を進める、それから6月までにはある程度の資料整理等を同時に進めていくとなりますと、ある程度ワーキンググループのような形を事務局では考えておられるようですので、有機化合物、無機化合物、それからあと曝露評価というような3つのワーキンググループを事務局の方で考えておられるようですので、私と事務局で相談いたしまして、大体の案を決めさせていただいたのですが、有機化合物については中館先生と本日ご欠席ですけれども大前先生にワーキングをお願いしたいと思います。それから無機化合物については佐藤先生と村田先生にお願いをしたいと。それから曝露評価については中杉先生にお願いをしたいというような案でございますけれども、いかがでございましょうか、よろしいでしょうか。
     同時進行ということもありますし、6月までということで非常にご苦労をおかけすると思うのですが、先生方よろしゅうございますでしょうか。
     そういう方法で、次回までに事務局の方でもう一回まとめていただくということと、各物質については同時進行で少し進めていただくということにしたいと思います。
     それではその他ですが、あと何かございますでしょうか。事務局何か、その他ございますか。

    【高橋課長補佐】 それでは本日のご議論を踏まえまして、この考え方の整理を次回出したいと思います。それと同時並行でデータの方をオープンにするということもございますので、今ご指名いただいた担当の先生方とご相談しながら、個別の物質の数値決めというのも同時並行でやっていきたいというふうに思っております。
    今後の予定でございますけれども、月1回程度、第2回目は5月ごろ、第3回目は6月ごろということを一つの目途としまして、おおむね3回の委員会今後開いていきたいと思っております。それでデータの整理をする物質につきましては、6月を目途に中間取りまとめまでいきたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。

    【内山委員長】 5物質とおっしゃったけれども、ご存じない先生方もいらっしゃると思いますので。

    【高橋課長補佐】 アクリロニトリル、塩化ビニルモノマー、ニッケル化合物、水銀、砒素の5物質でございます。

    【内山委員長】 そういうことでございますので、そのほか特にございませんでしょうか。それではちょうど時間も5分前ですので、どうも今日はいろいろ活発なご議論ありがとうございました。今日の会議はこれで終了いたしたいと思います。どうもありがとうございました。

    【立川課長補佐】 本日は長時間にわたりありがとうございました。冒頭申し上げましたとおり、本日の議事要旨及び議事録につきましては、先生方皆様にご確認いただいた上で、公開することといたしておりますので、よろしくお願いいたします。

    【笹谷課長】 今日はお忙しい中、ご議論いただきましてありがとうございました。評価のポイントにつきまして、2枚紙で論点ということで委員長のご指導を仰ぎながらつくりましたが、おかげさまでいろいろな角度からあのペーパーに対して、用語も含め意見が出たと思います。また用語を決めるに当たりましては、内容を確定するという部分も必要でございますので、今日の議論の論点を十分に我々事務局の方で少し精査、整理させていただきまして、次回までにそれらの流れがわかるような資料を工夫したいというように思います。
    また、浅野先生の方から大気汚染防止法の仕組みについては改めてプレビューをするという意味で、これまでの仕組みの概観図ということもご指導ありましたので、それについても対応してまいりたいと思います。一方、並行しましてそれぞれの物質について作業を進める上で、それらを見ながらまた今日の議論のすり合わせをしていくという局面もあろうかと思いますので、そういう意味で並行して作業を進めることになったと理解をいたしましたので、私どもといたしましては、今日お示ししました論点の紙をもう少しブラッシュアップし、肉づけをするという角度で作業を進めさせていただきたいと思います。
     なお、以上精力的に作業を進めてまいる所存でありますが、このほか、今日ご指名ありました先生には大変お忙しい中、恐縮ですが、別途、それぞれの物質ごとのご相談も進めさせていただく予定でございます。以上、次回以降の専門委員会につきましても、よろしくお願いいたしたいと思います。以上でございます。

    【内山委員長】 どうもありがとうございました。