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■議事録一覧■

中央環境審議会大気環境部会
有害大気汚染物質排出抑制専門委員会第13回
会議録


<日時>

平成21年4月21日(火)15:58〜17:42

<場所>

環境省22階第1会議室

<出席者>
(委員長) 永田 勝也
(委員) 内山 巌雄 浦野 紘平
中杉 修身 田邊 潔
森川 陽
(環境省) 白石水・大気環境局長
早水大気環境課長
伊藤課長補佐
<議題>
(1)
有害大気汚染物質の大気環境濃度及び大気中への排出量の推移について
(2)
環境基準等を超過した地域における対策の現状について
(3)
PRTRデータに基づくモニタリング地点の見直しについて
(4)
今後の優先物質に係る取組の進め方について
(5)
その他
<配付資料>
資料1 中央環境審議会大気環境部会有害大気汚染物質排出抑制専門委員会委員名簿
資料2 有害大気汚染物質の大気環境濃度及び大気中への排出量の推移について
資料3 環境基準等を超過した地域における対策の現状について
資料4 PRTRデータに基づくモニタリング地点の見直しについて
資料5 今後の優先取組物質に係る取組の進め方について(案)
参考資料1 自主管理計画に基づく有害大気汚染物質対策の評価等について
参考資料2 中央環境審議会大気環境部会有害大気汚染物質排出抑制専門委員会(第12回)会議録(委員限り)
参考資料3  平成19年度地方公共団体等における有害大気汚染物質モニタリング調査結果について(委員限り)
参考資料4  有害大気汚染物質に係るリストの見直しについて(中央環境審議会大気環境部会第9回健康リスク総合専門委員会資料)
参考資料5  大気汚染防止法(抄)、特定化学物質の環境への排出量の把握等及び管理の改善の促進に関する法律(抄)
<議事>

【伊藤大気環境課長補佐】 ただいまより、第13回有害大気汚染物質排出抑制専門委員会を開催いたします。
 委員の皆様におかれましては、ご多忙中にもかかわらずご出席をいただきありがとうございます。本日の出席状況ですが、委員7名中現時点で5名の委員にご出席をいただいておりまして、定足数の過半数に達していることをご報告させていただきます。中杉委員は少し遅れて到着をされると連絡をいただいております。開催に当たりまして、白石水・大気環境局長よりごあいさつ申し上げます。

【白石水・大気環境局長】 水・大気環境局長の白石でございます。今お話しさせていただきましたように、皆様方には大変お忙しい中ご出席賜り、ありがとうございます。
 有害大気汚染物質対策、これは平成8年の大気汚染防止法の改正により制度化がなされたわけでございます。翌9年度から過去2期にわたりまして、事業者団体の自主管理計画による排出抑制の取組ということでやってまいりました。平成15年度に自主管理計画の取組が終了したわけでございますけれども、その後も、この専門委員会におきまして、有害大気汚染物質の排出抑制について検証、評価ということを継続していただいてきたという経緯がございます。おかげさまでモニタリングの結果、あるいは排出量の推移を見ますと、以前に比べ相当程度の改善が行われてきておるところでございます。
 一方、この有害大気汚染物質全体の234物質と優先取組物質として22の物質がリストに載っておるわけでございますけれども、第6次答申におきまして、化学物質の環境への排出量を把握するいわゆるPRTRの対象物質との整合性を図ることなどによりまして、これらのリストを見直すようにという指摘が行われておったという経緯がございます。これを受けまして、昨年、PRTR対象物質の見直し等も踏まえてきたわけでございますけれども、先日の健康リスク総合専門委員会におきまして、この見直しの基本的考え方についてご審議をいただきました。化学物質の関連施策との整合性を図りながら、この有害大気汚染物質対策についても対応方針を整理してまいりたいと考えております。
 本日はこういう経緯を踏まえまして、有害大気汚染物質の直近の排出抑制の取組状況についてご報告をするということが一つ、それから、今後の優先取組物質に係る取組の進め方についてご審議をいただければという点が2つ目でございます。活発なご議論をよろしくお願いをいたします。以上でございます。

【伊藤大気環境課長補佐】 次に、お手元の配付資料でございますが、議事次第に配付資料一覧を記載しております。資料1が委員名簿でございます。資料2が有害大気汚染物質の大気環境濃度及び大気中への排出量の推移について、資料3が環境基準等を超過した地域における対策の現状について、資料4がPRTRデータに基づくモニタリング地点の見直しについて、資料5が今後の優先取組物質に係る取組の進め方についての案でございます。それから、参考資料1でございますが、自主管理計画に基づく有害大気汚染物質対策の評価等について、参考資料2が、前回の会議録でございます。こちらは委員の皆様方にはご確認をいただきまして、既にホームページに掲載しておりますので、配付は委員限りとさせていただいております。資料3が平成19年度地方公共団体等における有害大気汚染物質モニタリングの調査結果についてでございます。こちらも昨年の12月に公表しておりますので、配付は委員限りとさせていただいております。資料4が、第9回健康リスク総合専門委員会の資料であります有害大気汚染物質に係るリストの見直しについて、参考資料5が大気汚染防止法と特定化学物質の環境への排出量の把握等及び管理の改善の促進に関する法律の概要となっております。資料の不足等ございましたら事務局にお申しつけいただければと思います。よろしくお願いいたします。
 それでは、これ以降の進行につきましては、永田委員長にお願いいたします。

【永田委員長】 どうも、お忙しい中お集まりいただきましてありがとうございます。
 それでは、早速ですが議事に入らせていただきます。議題、その他を含めまして5つございますが、最初に1番目の議題であります有害大気汚染物質の大気環境濃度及び大気中への排出量の推移についてということで、まず事務局から資料について説明させていただきます。どうぞ。

【伊藤大気環境課長補佐】 それでは、有害大気汚染物質の大気環境濃度及び大気中への排出量の推移について、資料2をもとにご説明申し上げます。
 大気汚染防止法に基づいて、国と地方公共団体では有害大気汚染物質のモニタリングを実施しているわけですけれども、その結果を資料2に整理しております。モニタリングの対象物質でありますが、優先取組物質、22物質あるうちの19物質の結果を整理しております。残る3物質でありますが、2物質についてはモニタリングの方法が確立されていないタルクとクロロメチルメチルエーテル、もう1物質はダイオキシン類でありまして、こちらはダイオキシン法に基づいてモニタリングがなされておりますので除いております。
 まず(1)番といたしまして、継続測定地点における大気環境濃度の推移でありますけれども、表1に、平成10年度から平成19年度にかけて継続してモニタリングがなされている地点の結果について整理をしております。
 こちらの表1に整理してございますのは、物質によって若干、継続測定地点数は異なりますが、一番多いところではベンゼンで164地点と、一番少ないところでは水銀で50地点になっておりますけれども、平成10年度以降、継続的に行われた地点の結果でございます。全体的には改善傾向、また一部の物質では横ばいの傾向にあろうかという傾向であります。
 表1をグラフにしたものが次のページの図1になっておりますが、こちらにつきましては、線が4本書いてございます。有害大気汚染物質のモニタリングは、測定地点が3つに区分されて実施されております。一般環境、発生源周辺、沿道という3つの区分です。もう一本がそれらをすべてまとめた全体の線になっております。こうして全体的に見てみますと、おおむね濃度が低下している傾向か、一部の物質については横ばいの傾向にあろうかというところであります。
 もう一枚めくっていただきますと、4ページになりますが、図1の継続測定地点の区分について、各区分ごとの地点数を整理しております。継続測定地点の中でも一般環境で実施されているところが半分以上で、残りは発生源周辺と沿道とあるわけですが、発生源周辺の方が若干多いかなというところです。酸化エチレンは、平成12年から19年度に継続して行われていた地点数となっております。
 注2として注書きを書いておりますが、図1を見てみますと、(6)の塩化ビニルモノマーと(10)の1,2−ジクロロエタン、(18)のクロム及びその化合物の3物質で、平成18年度と比べて平成19年度に濃度の上昇が比較的顕著に見られております。これらの3物質は、最大濃度地点の測定結果が他の地点よりも顕著に高くなっておりまして、全体の平均値の上昇に寄与しております。さらに細かく月別の測定結果を確認してみたところ、ある月の測定値が顕著に高くなっておりました。この原因ですが、1つはプラントの定期修理で施設を開放したところ、施設内に滞留していたガスが放出されたということでありまして、そのため、定期修理時のプロセスの改善について検討がなされているといった事例でございました。またもう一つは、原因はまだ特定できていないということでありますが、事業者が定期的な測定を行いまして、発生源となっている施設の特定のための調査を行っているということであります。
 5ページ以降になりますが、継続測定地点の濃度分布の推移をヒストグラムで整理しております。環境基準や指針値があるものについては、横軸の一番右の階級が環境基準や指針値になるように整理しておりまして、環境基準や指針値がないものにつきましては、最大濃度が右側の階級になるように整理しております。また縦軸は、地点数の割合で整理しております。上から平成10年度、新しくなるほど下に整理をしておりますが、経年的に見て、低濃度側にシフトしている傾向が非常によくあらわれているのはベンゼンでして、同様に図の2−2のトリクロロエチレン以降になりますが、ベンゼンほど顕著な傾向というわけではございませんが、徐々に高濃度側に検出されていたものが減り、低濃度側に推移をしていくといった傾向が読み取れるかと思います。その他ところどころ高濃度側にぽつぽつと検出されているところがある、というような傾向です。個別の図の説明については割愛をさせていただきます。
 24ページに参ります。24ページの(2)では、環境基準等の超過率の推移について整理をしております。(1)では、平成10年度から継続して平成19年度までモニタリングが行われている地点についてのみ整理していたわけですが、(2)につきましては、継続測定地点以外のすべての地点を含めて整理をしております。優先取組物質のモニタリングですが、毎年300地点から400地点程度行われておりまして、それらすべての結果を平成10年度から整理をしているものが表2になります。表2は、優先取組物質のうち環境基準又は指針値が定められている11物質、ダイオキシン類を除いた11物質について超過率の推移を整理しております。平成19年度の結果について見てみますと、ベンゼンなど3物質7地点において環境基準又は指針値の超過が見られておりますが、18年度の4物質21地点に比べ、超過地点数は減少したという結果になっております。
 表2でありますが、経年的に環境基準又は指針値の超過が見られる物質は(1)のベンゼン、(8)のニッケル化合物、(10)の1,2−ジクロロエタンといったところでございます。また、平成10年度以降環境基準又は指針値の超過が見られない物質は、(2)のトリクロロエチレン、(3)のテトラクロロエチレン、(7)の水銀及びその化合物であります。その他の物質につきましては、年度によってはしばしば超過が見られるといった傾向でございます。
 表3から表5でありますが、先ほど申し上げましたように、有害大気汚染物質のモニタリングは一般環境と発生源周辺、沿道の3つに区分して行われておりますので、それぞれの区分における超過率の推移を整理しております。表3が一般環境で、表4が発生源周辺、表5が沿道になっております。
 表4の発生源周辺の注のところに書いておりますが、発生源周辺の測定は固定発生源の周辺での測定結果でありますけれども、物質ごとにそれぞれの発生源周辺での測定がなされているものではございませんで、工業地域の周辺地域といったところでの測定結果であります。また、沿道のところにも注書きをつけておりますが、こちらは周辺に固定発生源のある測定地点が含まれている場合がございまして、例えば、有害大気のモニタリングが開始される以前から自動車排ガス局でのモニタリングが行われていたわけですけれども、沿道の測定は自排局で行われている例が結構ございます。そういったところでは、周辺に固定発生源がある場合でも、測定地点の区分上は自排局を使用しているので、沿道とされているものもありまして、固定発生源の影響があるところが沿道に含まれているケースがあるということでございます。
 以上がモニタリング結果の整理でございまして、それから、駆け足になって申しわけありませんが、26ページに参ります。2.に、有害大気汚染物質の大気中への排出量の推移を整理しております。優先取組物質のうちPRTR制度の対象物質になっていない物質が3物質ございます。ベンゾピレン、タルク、クロロメチルメチルエーテルの3物質でありまして、もう一つはPRTR制度の対象物質にはなっておりますが、ダイオキシン類特別措置法に基づいて、常時監視や排出規制がなされているダイオキシン類の計4物質を除く18物質について、大気への届出排出量の推移を表6と図3に整理しております。
 表6ですが、こちらは平成15年度の届出排出量を100%とした場合に、各年度の排出量が何%になっているかという割合を整理しております。平成19年度について見てみますと、18物質全体での届出排出量は、平成15年度と比較して約27%減少しております。また、物質ごとに届出排出量の推移を見てみますと、年度によって増減はあるわけですが、平成15年度と比較して、平成19年度の届出排出量が減少したのは16物質ありまして、増加したのは水銀及びその化合物、それからマンガン及びその化合物の2物質となっております。この表6を図3にグラフで整理をしております。18物質の届出排出量の推移と、それぞれのページの下の方になりますが、大気への排出があった届出事業所数を整理しております。それから、それぞれのグラフの中で、下のところに白抜きをしておりますが、これは届出排出量が上位10事業所の合計排出量を表しておりまして、少数のところから比較的排出量が多く出ているのか、あるいは排出源が分散的であるかといった傾向のおよその目安になるのではないかということで、このような整理をしております。
 全体的に見てみますと、年度によって若干の増減はあるわけですが、経年的に見てみますと、ほとんどの物質で減少の傾向が見られると。一部の物質については、15年度から19年度の間に増減はありますが、排出量も横ばいの傾向にあるといった物質もあるかという傾向になっております。
 手短にご説明いたしましたが、資料2につきましては以上であります。

【永田委員長】 はい、どうもありがとうございました。
 それでは、ただいまの資料2に関しましてご質問とかご意見がありましたら、お願いしたいと思います。

【浦野委員】 全体として濃度が下がっているものが多いので、大変好ましいことだとは思っておりますが、27ページから29ページにかけて、PRTRの届出排出量の推移が書いてございまして、この棒グラフの白い部分は、届出排出量上位10事業所の合計排出量になっているわけです。これを見ますと、自動車由来でない物質で、なおかつ白抜きのところが非常に割合が高いということは、10事業所でほとんど出ているというような物質ですね。ですから、こういうものについて全国各地で測って、要するに排出事業所が全然ないような、10事業所しかなくて、ほかはもう余りないようなところで測って、平均濃度が低いという議論をしてもあまり意味がない。逆に言うと、事業者が一生懸命削減努力をしても、測定値にあまり反映されない。それはやっぱり具合が悪いことなので、こういうデータが出てきたら、特に有害大気というのは特定の排出源から出るものも多いので、そういうものについては測定地点の見直しをぜひ考えていただきたい。そうでないと、10事業所で出しているのに、全然そこは測っていなくて、全然違うところで測って低いですという議論になってしまうおそれもある。ぜひその辺、今後検討課題というか、比較的早い時期に対応を考えていただきたい。地方自治体がやっていることも多いので、地方自治体の理解を得て考えていただきたいと思います。

【永田委員長】 わかりました。

【中杉委員】 今の浦野先生のお話について、私も昔調べたことがあるんですが、排出量が多い事業所の周りにモニタリングがどのぐらいされているか、それから、濃度が高いところの事業所の周りにPRTRの排出量の多い事業所があるか、マッチングをしたんですが、ほとんど悪いですね。一応PRTRを踏まえてモニタリング地点を見直しなさいということを大体は考えられているんだけれど、実際にはなかなか動いていないところがあるので、そこら辺のところは議論の余地のあるところだろうなと思います。
 それからもう一つ、PRTRの水銀については、排出届を出している事業所はまちまちなんですね。届出が義務づけられていないところ、届出外の廃棄物処理業から出る量が多いわけです。この届け出ている事業所の中でも、廃棄物処理は必ずしも水銀を届け出る義務がないので、ばらばらになって、届けている事業所の数も年度によって変わってきたり、全体に変わってきたりするので、水銀については地球規模での管理の話がありますし、あれと絡めた議論をしていく必要があるのかなと思いますけど。

【永田委員長】 わかりました。前半の測定地点とPRTRの関係、これは全体論の話じゃございませんけれども、後ほどまた議論をしていただくところが出てきますので、おっしゃっている点に十分配慮しながら、測定地点を考えていく。測定地点の問題というのは、前からいろいろな形で議論をさせていたのですが、こういうふうにデータがそろってくれば、それに対応した対応をとっていくということは非常に重要だろうと思っています。
 いいですか、どうぞ。

【森川委員】 表の2、3、4、5のところですけれども、超過している地点の割合が書いてあるわけですね。24、25ページのところですね。ここで、例えば表2を見てみますと、ニッケルのところを例にしてみますと、317点のうちの2点が超過しているというデータになっているわけですが、年の推移で、この地点はばらばらなのか、同じなのかというのはわかりますでしょうか。

【伊藤大気環境課長補佐】 資料3の方に整理をしておりまして、今、ご指摘があった2地点は、平成19年度のものでありますが、超過した年度ということで資料3で整理しております。また後ほど詳細は少しご説明させていただければと思いますが、継続して超過している地点もあり、また継続していたけれども19年度は超過していないような地点もありますが、この2地点に限って言いますと・・・。資料3の3ページをごらんいただければと思いますが。1地点は18年度も超えていました。

【永田委員長】 先生、今の質問は、後でまた出てきますけど、どういうご趣旨でしょうか。

【森川委員】 例えば、同じところがずっといつも超過しているのであれば、集中的に注目していかなきゃいけないし、そうでなければないで、また対策の打ち方が違ってくるかなというふうに思ったわけで。

【永田委員長】 基本的には、それに類するような基準を決めながら、地方自治体で継続して超えているようなところは、きちっと対応をとっていってもらおうという話でやってきましたので、中には、もうその対策が済んでどんどん減ってきているところもあるわけで、今見た表でも変わっているところが多いかなというふうに思いますけど。
 よろしいでしょうか。

【浦野委員】 1点質問なんですけれども、クロム及びその化合物の排出量の件ですけれども、PRTRは確か六価クロム化合物と、その他の三価クロムと分けてあったと思うんです。大気の方を測定するときは、それを区別されないで測定されると思うので、ここで書いてあるのはこれでよろしいんでしょうか。六価クロムの排出量とその他のクロムの排出量を合計したものかどうか。

【伊藤大気環境課長補佐】 合計です。

【浦野委員】 合計値なんですね。それならそれで結構です。質問ですので。

【永田委員長】 あとはよろしいでしょうか。
 ご指摘いただいた点、測定地点の問題、あるいは水銀等についてはその把握の方法ということになりますでしょうか。特に排出量としての話ですね。この辺のところをまた、いろいろ議論する場面が出てくるかと思いますので、そういう形で、おっしゃられた点は我々の方でも事務局と一緒に、今後の対応の中で考えさせていただくと。

【早水大気環境課長】 大気環境課長の早水でございますが、今、幾つかご指摘の点で、若干こちらから補足の説明をさせていただきます。
 まずモニタリング地点と排出している事業所との関係につきましては、ご指摘のように、今日の後ろのほう議題でも、なるべく高い濃度の地域は抑えるようにという工夫はしてきましたが、全体的にまだ十分できているかどうか、という点はございます。排出特性としては、ある特定の事業所から出るものと、それから幅広く出るものと、いろいろ物質によっても違いがありますので、これも後ろのほうの議題でもご説明いたしますが、全体的な取組の方針の見直しの中で、そういった排出特性なんかも気をつけながら、自治体が取り組むもの、それから国で取り組むもの、その際にどういう点を重点的にやっていくかというようなことについても見直しをしていきたいと思います。特にPRTRでは、個別の事業所のデータが、今までは開示請求方式でしたが、この間のデータからは、個別の事業所もオープンになっていくということですので、そのあたりも踏まえて今後の対応を検討していきたいと思います。
 それから、水銀につきましては今ご指摘のあったとおり、国際的に、これから排出削減といいますか、世界的に減らしていこうという動きがございますので、その中で確かに、このPRTRの仕組みでは、意図的に発生するもの以外は、焼却場なり下水処理場みたいなところは実測データがあるものを出してくださいというのが基本になっておりますので、そういった非意図的に出るようなものについては、ダイオキシンのような測定の義務づけがあるもの、あるいは排出基準が設定されているようなものは測られているので出されておりますけれども、そうでないものは測定値が確かにないので、水銀を出している事業所がこれだけしかないかというと、そうではないと思います。そういった国際的な取組を進めていく中で、排出状況についても把握していくことになると思いますので、ご指摘の点を踏まえて今後検討していきたいと思っております。
 以上でございます。

【永田委員長】 どうもありがとうございました。よろしいでしょうか。
 それでは、資料2の関係につきましてはこれで終わりにさせていただきまして、2つ目の議題で、環境基準等を超過した地域における対策の現状についてということで、資料3を使って事務局から説明をします。どうぞ。

【伊藤大気環境課長補佐】 それでは、環境基準等を超過した地域における対策の現状について、資料3をもとにご説明をさせていただきます。
 資料3ですが、2つ整理をしております。1つは、平成19年度に環境基準等を超過した地域における対策の現状を整理をしております。こちらは関係自治体に対策の現状に関する聞き取りをして、その概要を表1に整理しております。もう1つ整理をしておりますが、2番目として、平成18年度に環境基準等を超過していたが、平成19年度に下回った地域における対策の現状についてもあわせて整理しております。こちらは表2に関係自治体及び事業者による排出抑制対策の概要について整理をしております。
 まず、2ページの表1から概要についてご説明いたします。先ほど、超過地点の概要のところでご説明申し上げましたが、平成19年度につきましては、ベンゼン、ニッケル化合物、1,2−ジクロロエタンの3物質について、計7地点での超過がございました。測定地点でありますが、1番目としては川崎市でありまして、平成19年度の測定結果は、年平均値で環境基準の3に対して3.2でありました。対策の現状でありますが、臨海工業地帯における濃度分布調査、気象解析等の各種解析から、移動発生源の影響に加えて臨海工業地帯からの排出の影響を受けたことが超過原因と考えられるということであります。また、臨海部の工業地帯の各所にベンゼンの発生源が点在しておりますため、発生源を特定するには至っていないということですが、排出事業者に削減対策等についてヒアリング実施をし、臨海部全体のベンゼンの排出量を削減できるよう助言、指導を実施しているということであります。
 2番目の地点が岡山県の倉敷市でありますが、平成19年度の年平均値で3.1でありました。対策の現状でありますが、岡山県では県条例に基づいて、指定事業所に排出量の削減計画の届出、排出量及び敷地境界における大気中の濃度の測定結果の報告、排出抑制対策の実施状況の報告等が義務づけられております。また、事業者で構成される情報交流会と、自治体との間でモニタリングデータ、削減対策等について情報交換を実施しているということであります。また市では、新たな発生源の発見、及び排出量が微小であったためこれまで対策が実施されてこなかった部位の対策を行うよう指導をしているということであります。
 それからもう1地点、東京都の大田区でありますが、平成19年度の年平均値で3.9でありました。対策の現状ですが、こちらは移動発生源の影響を大きく受ける地点でありますので、NOx・SPM対策として、国交省、都の建設局、大田区等で評価委員会を設置して、土壌を用いた大気浄化施設による低減を実施しているということであります。また、新東京地域公害防止計画に則り、平成22年度を目標に重点事業としてベンゼンを含むVOC削減対策を実施しています。
 ベンゼンにつきましては以上でありまして、続きましてニッケル化合物が2地点であります。1地点は岡山県の倉敷市でありまして、平成19年度の年平均値で33であったということであります。対策の現状ですが、事業者が削減対策計画を作成し、排ガス中の微粒子をバグフィルターや水洗ブースにおいて補集するなどの対策を実施しているということであります。また、市では、発生源における排出口の調査、周辺環境における降下ばいじんの分析を行って、監視を行っているということであります。排出口でのニッケル化合物の排出量は削減されてきているということであります。もう1地点、福岡県の北九州市でありまして、平成19年度年平均値で38でありました。対策の現状でありますが、事業者が一部集塵機の更新、集塵機の定期的なろ布交換、自主測定による集塵効率の確認を実施しているということであります。また、市では、事業者の排出抑制対策の進捗状況を確認しているということであります。
 それから、1,2−ジクロロエタンでありまして、1地点目が岡山県の倉敷市であります。平成19年度の年平均値で7.1でありました。対策の現状でありますが、事業者がベントガスの吸着施設の設置、老朽化した施設の設備更新を実施しているということであります。また、市では、PRTRデータにおいて大気への排出がある事業所で発生源調査を行うとともに、排出抑制対策を実施するよう指導しているということであります。もう1地点が山口県の周南市でありますが、平成19年度の年平均値で1.7でありました。対策の現状としては、事業者が排ガス焼却炉、局所排気設備。焼却炉への送り設備、定期修理中のタンクベントガスの吸着設備の設置を実施しているということであります。県では、事業者に排出量の把握、及び一層の排出抑制対策の実施並びに今後の計画の報告を求めるとともに、立入検査により排出抑制対策の進捗状況を確認しているということであります。以上が、平成19年度に環境基準等を超過した地点における対策の現状であります。
 続きまして表2に参りますが、こちらは平成18年度に環境基準等を超過しておりましたが、平成19年度に下回った地域における対策の現状であります。
 ベンゼンは2地点でありまして、千葉県の千葉市ですが、平成19年度の年平均値は、2.4であったということです。対策の現状ですが、事業者が自主管理計画を作成し、排出抑制対策を実施し、市では、当該計画に基づく排出抑制の指導、監視を実施したということであります。もう1地点が、香川県の坂出市でありまして、平成19年度の年平均値で2.8でありました。対策の現状ですが、事業者が排出抑制のための改修工事、自主的な環境測定による改善効果の把握を行ったということであります。また、県では立入検査、事業所へのモニタリング結果(速報値)の提供、排出口及び周辺環境調査を実施したということであります。また、これら2地点のほかに、注のところになりますが、周辺にベンゼンの固定発生源がないため移動発生源が原因と考えられる超過地点が、平成18年度は8地点ございましたが、これらの地点におきましては、平成19年度に環境基準の超過はございませんでした。
 次がジクロロメタンでありますが、福島県の西白河郡でありまして、平成19年度の結果が130でありました。対策の現状でありますが、事業者が排出抑制の計画書を作成し、排気装置の改修、代替物質への切替えの検討を実施したということであります。また、県では、フィルターの交換頻度を上げる等の排出抑制対策を行うよう指導したということであります。
 それから、ニッケル化合物が3地点ございまして、1地点目が新潟県の上越市であります。平成19年度の年平均値で9.3でありまして、対策の現状でありますが、事業者が炉の稼働状況、敷地境界濃度の自主検査を実施したということであります。ただ、その後、炉は休止されたということであります。県では、事業者の自主検査データをもとに、超過原因の調査、排出抑制対策の検討を実施したということであります。2番目が神奈川県の川崎市でありまして、平成19年度は年平均値で17でありました。対策の現状ですが、事業者が排出実態や敷地境界の濃度等を調査した結果、それまで把握されていた施設以外からの排出があったため、排出源となる施設の調査を行うとともに、粉じんの飛散防止対策等を実施したということであります。市では、排出源となる施設を調査するよう指導するとともに、その他の事業者からの発生源についても確認のための調査を実施したということであります。3地点目が大分県大分市でありまして、平成19年度の年平均値で17でありました。対策の現状ですが、事業者が工場敷地内での発生源調査や粉じんの飛散防止対策等の排出抑制対策を実施したということであります。市では、事業者から提出された報告書に基づき指導、監視を実施したということになっております。
 資料3の環境基準等を超過した地域における対策の現状につきましては以上です。

【永田委員長】 いかがでしょう。何か質問、ご意見ございましたらお願いしたいと思います。どうぞ。

【中杉委員】 2点あります。1点は、大気環境濃度は気象条件によって非常に違います。毎年、それぞれ変わってしまって、超えたり超えなかったりするので、そこら辺も見ながら評価をしていく必要があるだろうということが1点。
 それから、金属系のものについては、粉じんを取るような対策になるので、そうするとほかのものが一緒に取れる。例えば、2地点データが一緒だとか、ベリリウムだとかマンガンだとか、ベリリウムはちょっと別かもしれません、類似のものが一緒に取れるようになるので、そこら辺の動きも一緒に見ていくとよろしいのかなというふうに思います。

【浦野委員】 ここで超過した年度というのがあって、19年度が出ているんですけれども、以前からのトレンドみたいなものが見えるともう少しいいなと思うんです。というのは、対策をいろいろ事業者が実施したり、自治体が指導しているんですが、このとおりやっていれば、かなり下がるだろうと思うような指導も結構あるんですね。にもかかわらず、まだ基準値を超えているとか、基準値近い場合には、納得できない部分もあるし、逆にもとはもっとすごく高かったものが基準値ぎりぎりになってきたとか、対策と濃度の変化との関係がこの資料だとよく見えないので、今回は出さなくてもいいですけれど、環境省のほうでよく見て、本当に指導なり対策をした効果が出ているのか、出ていないのかを検証していただきたいと思います。

【永田委員長】 わかりました。これはそれぞれの地方自治体からの情報収集をどういうふうに今やられているかという話も含めて、その辺の言われたような内容が把握できるのかできないのか。地方自治体では、対策の効果は見ておられるのだろうと思いますので、その辺の情報を続けて収集するような形を環境省でもとってほしいという要望でもあろうかと思いますので、ちょっと答えていただけますか。

【伊藤大気環境課長補佐】 特にベンゼンですが、第2期の自主管理計画をしたときに、地域自主管理計画で取り組んでいただいた地域もあります。過去の年度からグラフを整理したものをおつけすればよかったかと思いますが、濃度は平成10年度くらいから比べると大分下がってきているという傾向にございます。これは、自治体に調査票をお配りして回答いただいたものを整理しておりますけれども、その辺の情報収集、具体的にどのような対策をしたかというのも含めて、もう少しちょっと聞き取りをしてみたいと思います。

【中杉委員】 そのときに、例えば倉敷市ですと測定地点が、県が単独でやられているものも含めて、市がやられているものと、かなりの数があるんですね。そういう意味では、面的にどういうふうに変わってきているか、今回は1地点だけなんですけれども、過去には、最初の頃はかなりの地点が超えていた。それが減ってきて1地点になっているのだとすると、測っていないと出てこないんですけれども、全体としてそれがどう変わってくるかという形で見せていただくと、よろしいかなというふうに思います。

【浦野委員】 例えばの話でよろしいでしょうか。例えば、ジクロロメタンの福島県の場合ですけれども、この書き方からすると、排気装置の改修、代替物質への切替えの検討を実施した。検討を実施したというのがよくわからないですけれども、代替物質に替えてしまえば出てこなくなるわけですけど、検討したけどやっていないということですよね、きっと。こういう書き方はどうかなと。検討してやらなかったというのは対策にならないなという感じがするし、フィルターというのは、この場合は活性炭吸着フィルターというか吸着装置だと思うのですが。フィルターという表現がいいかどうかわからないんですけれども、もしそれがちゃんと機能しているとすると、この環境基準、19年が130で18年が150を超えていたということなんで、余り改善されていないかなという気もします。本当に排ガス処理装置が機能していればもうちょっと下がってもいいかなとかいう気がするんです。だから一つ一つ精査をして、本当に対策の効果があるように、あまり業者に負担をかけてもいけないですけれども、せっかくやるなら効果のある形でできているということを、県と国が協力してやっていけばいいなというふうに思いますので、ぜひ、その点よろしくお願いします。

【永田委員長】 わかりました。今の状況だと、基本的にこの取組自体はそれぞれの地域が責任を持って対応していくというやり方になっていて、環境省に何かレポートが上がってくるとか、前に地方自治体の方がお越しいただいて、ここでも話を聞かせてもらったりしましたが、そういう意味では、こちらのコメントを地方自治体の方に伝えていただいて、もう少しフォローアップも含めて、きちっとやっていただくことをお願いしておいた方がいいかなという気がします。

【内山委員】 ベンゼンの移動発生源によるものが、19年度は特になかったということですが、19年度はまだそんなに景気が悪くなっていないので、交通量はまだ上がっているときで、昨年度ぐらいの後半からは下がったかなという気はするんですが、これはベンゼンのガソリン中の含有量はそれほど最近は変わっていないと思いますので、何か原因というか、こうすれば改善したんだと、これはまた結局、走行量が上がってくればまた超えてしまうのか、そこら辺の何か情報があったら教えていただきたいのですが。

【永田委員長】 何かありますか。

【伊藤大気環境課長補佐】 なかなか定量的にどうなっているのかをつかむのは難しいですが、1つには先生がおっしゃったガソリン中のベンゼンの含有量が、平成12年から5%が1%に強化をされたという点と、もう1つは、自動車では炭化水素として排ガス規制がなされているわけですけれども、新しい車種への代替に伴って改善しているという効果もあるのではないかと推測されるところであります。資料2の25ページ、表5にありますように、沿道のベンゼンの超過地点は、年々継続して低下しているような傾向にはありまして、定量的にこれだけ効果が上がってというのは難しいですが、これまでの傾向を見ると、経年的に下がってきているという傾向にはあるようです。

【早水大気環境課長】 若干補足しますと、2004年に、例えばディーゼル車に対して新短期規制ということで、これはハイドロカーボンも含めた規制強化がなされていますし、2005年に、ガソリン乗用車、ディーゼルの乗用車に対して新長期規制ということで、これもハイドロカーボンを含めた規制が強化されていますので、こういったものが効いて、代替が進んでこういう形で減ってきているのかなという感じでございます。

【田邊委員】 どこまで精度が出ているかわかりませんが、今のような排出推計は、PRTRである程度されているので、今回のような環境濃度との比較のお話をされるときには、推計されている排出量も一緒に見ないとどうして環境濃度が変化したかわからないのではないかというコメントが1つ。
 もう一つ、ちょっとわからないので教えていただきたいのですが、最近になって超過したという施設は、ずっとそこにその施設があって測定もしていたのに、最近、超過したのか、あるいは施設を増設したとか、最近、測定地点が変わったとか、そういう理由があったのかといったことによっては、超過率が下がってきたと単純に喜んでいていいのかどうか心配ですので、ちょっとそこを教えていただけないでしょうか。

【伊藤大気環境課長補佐】 そこまでフォローできておりませんで、すぱっとお答えするのは難しいんですが、継続測定地点でやっているのが100地点ということで、全体の4分の1から3分の1程度でありますので、新しくモニタリングが始まったような地点の中で発見されてくるようなところもあり、また、これまでやられていたところでやれなくなるというところもありますので、その辺りはPRTRデータなりモニタリングデータをもう少し過去までさかのぼって少し確認するようにしたいと思います。

【永田委員長】 よろしいでしょうかね。そういう意味で、今日ここで要因まで含めていろいろ分析してもらうには、ちょっと資料が足らないのかなという気もしておりますし、またその要因自体は、どちらかというと各地方自治体で分析、解析していくような流れになってくるだろうと思っていますので、こちらの要望として、今のような話も含めて向こうにお伝えするという形で、対応はそれぞれ責任あるところでやっていただくと。
 ほかにいかがでしょうかね。

【早水大気環境課長】 推計のデータについては、こちらでちょっと確認してみます。

【永田委員長】 ベンゼンの方ね。

【早水大気環境課長】 はい。

【永田委員長】 よろしいでしょうか。そういう意味で、全体的には改善の兆候といいますか、傾向が十分見えるわけですが、それぞれの地点で見ていくと、まだまだ少し問題があるのかもしれません。そうした点、ここでも議論があったということを伝えていきたいと思います。
 それでは、引き続きまして資料の4、次に移らせていただきます。議題の3になります。PRTRデータに基づくモニタリング地点の見直しについてということで、どうぞ。

【伊藤大気環境課長補佐】 PRTRデータに基づくモニタリング地点の見直しについて、資料4をもとにご説明いたします。これまでの経緯でありますが、PRTRデータによって有害大気汚染物質の大気への排出量や、排出地点の情報を把握することが可能となっているわけですが、排出量が多い地域において必ずしもモニタリングが行われていないという場合がございます。このため、PRTRデータに基づく大気濃度の予測結果を参考として、排出量が多い地域の周辺にモニタリング地点がない場合には、環境省が年2回のモニタリング調査を順次行いまして、その結果等を踏まえて、地方公共団体におけるモニタリング地点の見直しを検討しております。
 2番目に参りまして、モニタリング地点見直しの検討対象地域であります。平成19年度の結果でありますが、別表に整理しております。4物質8地域においてモニタリング地点の見直しの検討を行っております。対象地域の選定に当たりましては、環境保健部のPRTRデータ活用環境リスク評価支援システムによりまして、平成16年度(2004年度)のPRTRデータをもとにした大気濃度の予測結果を参考にしております。この予測結果におきまして、環境基準等を超える可能性があると推計された1キロメッシュの周辺地域であって、かつ、モニタリングが行われていない地域を対象にしております。
 なお、大気濃度の予測には、平成16年度のPRTRデータが用いられておりますが、環境省がモニタリングを実施した平成19年度までの間に、排出量が変化していることが予想されますので、モニタリングの結果とあわせて、排出抑制対策の状況及び平成19年度における排出量についても確認を行っております。
 3番目が、モニタリング地点の見直しの状況でありますが、結果については別表に整理しております。大半の地域において環境基準又は指針値を下回る濃度が測定されました。また、事業者による排出抑制対策が行われていることが確認されました。一方で、モニタリングが年2回の結果でありますので、指針値等と比較することはできないものの、一部の地域では測定値が指針値を超えていますことから、これらの地域におきましては、発生源周辺において、地方自治体がモニタリング調査を行う等の対応を行うこととしております。
 別表に参りまして、検討対象の4物質8地域における状況を整理しております。(1)ベンゼンでありまして、こちらは愛媛県で年2回の調査を行いました。発生源から2キロ以内の4地点でありまして、最小、最大、平均値の測定結果を整理しております。届出排出量の増減率といいますのは、地点の選定に用いた予測結果は、平成16年度のPRTRデータをもとにしているわけでありますけれども、平成19年度までの間に排出量の増減があると予想されましたことから、平成19年度の結果についても確認を行いまして、平成16年度からの増減率を整理したものであります。排出量の増減率がマイナス86%となっておりまして、主な排出抑制対策の状況でありますが、排ガス中ベンゼンの焼却施設を導入したということであります。モニタリング地点の見直しの状況につきましては、排出量が大幅に減少をしていること、それから測定結果からも環境基準を超える結果が得られませんでしたので、こちらではモニタリング地点の見直しを行わないということになっております。
 (2)ニッケル化合物でありますが、山口県で実施をしております。こちらの測定結果ですが、最大値で170という値がございました。届出排出量の増減率は16年度と比較するとマイナス6%となっております、排出抑制対策の状況ですが、メンテナンスの実施による集塵機の能力管理、事業所内での測定やシミュレーションによる原因究明の実施ということであります。モニタリング地点の見直しの状況でありますが、同じ工業地域内にニッケル化合物の主な排出源がほかに1事業場ありまして、2つの事業場の間にある現在の測定地点が、地域の代表地点としては適切と考えられるわけでありますが、左記のモニタリングの結果、最大値が高濃度でありましたことから、平成21年度に同地点でモニタリングを行い、濃度の推移を確認することとしております。もう1地点、愛媛県でありますが、こちらも2キロ以内の4地点において実施をしております。届出排出量の増減率を見ますと、マイナス66%となっておりまして、こちらでは排ガスの洗浄設備、洗浄塔へのデミスター(除滴フィルター)の設置等を行っているということであります。こちらは平成21年度に地方自治体が発生源周辺においてモニタリングを実施することとしております。
 次のページに参りまして、(3)クロロホルムが3地点ございますが、山口県が2.5キロ以内の4地点で実施をしております。届出排出量の増減率で見ますとマイナス46%になっておりまして、主な対策の状況でありますが、活性炭吸着による回収装置の導入となっております。モニタリング地点の見直しの状況につきましては、平成20年度末に事業場が廃止されたことから、モニタリング地点の見直しは行わないということになっております。もう1地点、岐阜県でありまして、こちらは1キロ以内の4地点で行っております。届出排出量の増減率で見ますとマイナス97%となっておりまして、主な排出抑制対策の状況としては、クロロホルムの生成量の少ない漂白剤への変更を行ったということであります。モニタリング地点の見直しの状況ですが、排出量が大幅に減少していることから、モニタリング地点の見直しは行わず、排出量の推移を注視するということであります。もう1地点、山梨県であります。1キロ以内の4地点で実施しておりまして、最大で見ますと20という値になっております。届出排出量の増減率につきましてはマイナス63%でありまして、主な排出抑制対策の状況は、クロロホルムから代替物質への切り替え、平成22年度末までにはクロロホルムを全廃する予定であるということであります。モニタリング地点の見直しにつきましては、平成20年度に自動車排ガス局を新設しておりまして、その自排局が発生源により近いということでありますので、同局でのモニタリングを実施しているということであります。
 次に、(4)1,2−ジクロロエタンが2地点ございます。大分県でありますが、1キロ以内の4地点で実施をしまして、最大の値で36という値になっております。届出排出量の増減率で見ますとプラス6%になっておりまして、主な対策の状況としては、1,2−ジクロロエタンをフェノール系接着剤の希釈剤として用いているということですが、代替希釈剤の検討、ポリウレタン系接着剤を用いた製品の開発、また、接着剤を使用しない、組工程のない製品の開発等を実施されているということでありまして、モニタリング地点の見直しの状況につきましては、平成21年度から地方自治体が発生源周辺でのモニタリングを実施するということであります。次に、富山県でありますが、1キロ以内の4地点で行っております。最大では4.6という値になっております。排出量の増減率でありますが、マイナス72%になっております。主な排出抑制対策の状況でありますが、生産工程の見直しによる使用量の削減、回収設備における活性炭交換頻度の増加と、回収装置の温度管理の徹底ということになっております。モニタリング地点につきましては、左記の対策に加え、原料転換の検討や製造設備の更新による排出抑制対策を予定していることから、モニタリング地点の見直しを行わず、排出量の推移を注視するということになっております。PRTRデータに基づくモニタリング地点の見直しについては、以上であります。

【永田委員長】 どうもありがとうございました。いかがでしょう。何かありましたらお願いします。

【浦野委員】 こういう対策をとるのは大変望ましいことなんですが、ちょっと質問なんですが、19年度は、表1の4物質8地域を対象としたと書いてあるですが、今までやったものとどういう関係にあるのか。あるいは、1キロメッシュのものを、物質はどのぐらいの数について予測をして、その結果、超える可能性があると推計されたのが4物質で8地域だったということなのか、その辺、物質や地域の選定の仕方はどうしたのか、あるいは19年度以前との関係はどうなのか、追加のご説明をいただければ。

【伊藤大気環境課長補佐】 これは、PRTRの支援システムで予測をされた結果を使っておりまして、排出量が多い上のほうから順次やってきているような状況でありまして、今まで実施をしたものについては、これまでの委員会でもご報告をしてきたのですが…。

【浦野委員】 今、幾つぐらい終わったことになるんですか、累積して。ちょっとその辺、全部覚えていないので、大分進んでいるのか、まだかなり残っているのか。

【伊藤大気環境課長補佐】 排出量が多くて、かつ、モニタリング地点がないところ、おおむね数キロ単位ぐらいで、モニタリング地点がないところを対象にしておりまして、まだ全部は終わっておりませんけれども、ちょっと正確な数字を記憶しておりませんが、8割、9割方だったでしょうか。平成19年度までの調査で。

【浦野委員】 一応確認はしてきている。

【伊藤大気環境課長補佐】 はい。

【浦野委員】 そうですか。全体がどういうふうに進んでいるというのをわかるようにしていただきたい。
 それからもう一つ、今のように、PRTRは国の報告でも、排出量がだんだん減っている、合計量が減っているとかいう話が多いんです。あるいは、こういう予測計算も排出量の多いものというのをやりがちなんですけれども、実は排出量も大事なんですけれども、毒性値というのは何桁も違うので、やはり排出量が多いのと同時に毒性値というか、環境目標値が低い物質、毒性が高い物質は優先的にやっていただきたいという気がするんですね。例えば塩ビモノマーなんて量的に少ない、じゃあそれはやらなくていいかというと、やっぱり毒性が圧倒的に高いというものもあるわけです。圧倒的かどうかわからないけれど、例えばアクリロニトリルも基準値は非常に低い。例えば、トリクロロエチレンとかに比べれば100倍ぐらい違うんですね。そうすると排出量が100分の1でも問題になる可能性があるわけなので、排出量から順番にやると毒性の高いものが見落とされるおそれがあるので、その辺を配慮してやると周辺住民が安心するんじゃないかと思いますので、ぜひその辺も考えていただきたい。

【永田委員長】 わかりました。塩ビモノマーなんかは終わっていたかなという気がしますけれど、わかりました。
 ただ、具体的に見ていくと、排出源の中でも比較的多いところをとっているはずなんだけれど、対策がとられていないところも結構あるんですね。排出の届出ベースで見ていって、逆に増えているところもあるし、減っても数パーセントのところもあり、一方では、かなり大幅に削減されているところもありということで、これまでの話のあったところも個別個別のデータが当たれていないので、そういう意味では、全体的に下がってきたとは言われますが、それぞれ当たってみると、かなり大規模な発生源であっても、それほど対策がまだ導入されていないところも多いんだというふうに見ていってもいいのかもしれないので、もう少しきちっとやっていってほしいなという気がします。

【浦野委員】 もう1点ですけれども、測定地点、環境省が1キロ、2キロ以内ぐらいで4地点、東西南北を考えてやっておられる。測定地点を選ぶのはなかなか大変なわけですけれども、1キロ以内と2キロ以内だと2倍違う、そうすると希釈倍率が全然違ってくるんですね。ですから測定された数値をそのまま比較するのはちょっと問題がある。予測は1キロと2キロでもできるわけですから、その辺の補正を考えていただいた方がいいかなという気がするんですね。やっぱり1キロと2キロのところで測った数字で、同じ比較をして基準値を超えている、超えていないとかいう議論は、こういう特定の場所については問題があるかなという気がします。およそ希釈倍率は1キロと2キロでは何倍になるから、それを配慮して比較した方がいいかなという気がしますけど。

【永田委員長】 実測データから発生源の重要度を算定するときに、やっぱり敷地境界とか、そういうところに割り戻すということが必要になってくるんでしょうね。今の話はそれに絡んでくる格好で、これをどう整理していくんだというところにつながってくるのかもしれません。その辺は少し、シミュレーションと抱き合わせで見ていっていただくと。
 あとはよろしいでしょうか。もしよろしければ、最後にまたここに戻っていただいても結構ですので、ちょっと先へ行かせていただきまして、次は4つ目の議題、今後の優先取組物質に係る取組の進め方についてということで、全体的な話を少しご議論いただければと思います。どうぞ。

【早水大気環境課長】 それでは、私から資料5に沿いまして、今後の優先取組物質に係る取組の進め方について、事務局で考えているところをご説明をしたいと思います。座って説明させていただきます。
 優先取組物質に関するフォローアップにつきまして、今日もご議論いただきましたが、冒頭局長からもお話し申し上げましたように、平成8年にこの22物質が選ばれまして、15年度までは、事業者ごとの、業界ごとの自主管理計画に基づく排出抑制の取組でした。そこで排出量の削減、大気環境濃度の改善が図られたということで、その後は個別事業者の責任のもとで、自主的な排出抑制、自治体と事業者との連携による地域主体の自主的な取組へと移行したということで、その後は毎年この専門委員会におきまして、排出量、環境濃度などをもとに、優先取組物質に関する排出抑制の取組状況についてのフォローアップを行ってきていただいたところでございます。
 今日の参考資料の1が、17年当時のまとめです。これは自主管理計画が終わったところでございますが、そのまとめに基づきまして、あとは毎年度この委員会でということでやっていただきまして、17年6月にまとめた後、17年度以降、18年、19年、20年と、年度末、ことしは年度が明けてしまいましたけれども、4回にわたりまして、この委員会で毎年フォローアップをしていただいたということでございます。
 それにつきまして、概要を以下に整理しておりますけれども、まずモニタリング調査につきましては、環境基準、指針値が設定されております11物質のうち、ダイオキシンを除くのですけれども、そのうち19年度につきましては、今ご説明したようにベンゼン等3物質において環境基準等の超過が見られましたけれども、18年度に超過があったジクロロメタンを含む8物質については、すべての地点で環境基準等を満たしていたということでございます。また19年度に超過した物質につきましても、18年度に比べて、2物質については地点数が減っているという状況で、全体的には改善が見られておりますし、また第2期自主管理計画終了の翌年度であります16年度から19年度までの推移を見ますと、地点数がかなり減少している状況ということでございます。
 それから、(2)でございますが、PRTRデータのフォローアップということで、今日のグラフがすべてかと思いますけれども、対象となっております18物質につきまして、5年間の届出排出量の推移を見ますと、18物質全体では27%減少ということであります。また、物質ごとに見ましても、年度によって増減はありますけれども、最初の年度、最後の年度で、減少しているのは16物質、この中にはかなり大幅に減っているものもあります。増加したものは、若干増加したものが2物質あるということでございました。
 それから、環境基準等の超過地点における対策の状況でございますが、これも毎年度この委員会でフォローアップをしていただきまして、今年度につきましては昨年度よりも減少しておりまして、それぞれの地域において、概ね関係自治体におきます発生源の調査、それから排出抑制の指導、事業者における自主的な取組が進められているというふうに見られます。
 それから、今日の最後の議題でしたけれども、PRTRデータに基づくモニタリング地点の見直しにつきましても、排出量が多く、かつ、周辺地域において自治体でモニタリングが行われていない地域について、環境省で調査をしまして、その結果、最新のPRTRの排出量データをもとに確認をいたしますと。必要に応じモニタリング地点の見直しをした上で、自治体における監視がなされているという状況かと思います。これが優先取組物質につきましてのこれまでのフォローアップの概括ということでございます。
 2番でございますが、有害大気汚染物質に係るリストの見直しについてということでございますけれども、このリストにつきまして、申すまでもございませんが、平成8年に有害大気汚染物質の取組の仕組みを大防法に導入した際に、中央環境審議会におきまして、234物質の有害大気汚染物質に該当する可能性がある物質と、それから22物質の優先取組物質がリスト化をされました。その後、平成11年に、いわゆるPRTR法といいますか、化学物質管理促進法といいますか、それが制定されまして、排出量、移動量を届け出るPRTRの制度が始まりました。これを踏まえまして、平成12年の中環審の第6次答申におきまして、まず234物質のリストについては、PRTR対象物質の整合性を考慮した見直しを行うことが適当。優先取組物質につきましても、PRTRで把握されます排出量などの情報、あるいは有害性などの最新の科学的知見をもとに見直すことが必要であるという指摘がなされたところでございます。
 PRTRにつきましては、昨年見直しが行われまして、化管法の施行令が改正されまして、当初対象物質が354だったのですが、現在は462物質になったということもございました。もう一方で、化学物質審査規制法の中でリスク評価を進めていくことになり、優先評価化学物質を選定して進めるようにしていこうということで、現在改正法が国会に提出をされております。こういった動きも踏まえまして、これらとの整合も念頭に置きつつ、有害大気汚染物質に係るリストの見直しの検討が必要な最近の状況になっているということでございます。
 このことを踏まえまして、今日ご出席の内山先生を委員長としております大気環境部会の健康リスク総合専門委員会におきまして、今年の4月、第9回が開催されたところでございますけれども、そこで有害大気汚染物質に係るリストの見直しに関する基本的考え方というものについて審議をいただきました。今日お配りしている資料の中で、参考資料4というものをつけております。その委員会で資料を幾つか事務局で用意してご説明をしたわけですが、これはその一番もとになります概要でございますけれども、これまでの経緯と、有害大気汚染物質に係るリストの見直しに係る基本的考え方についてということで、全体234物質のリストの見直しに関する基本的考え方と、それから優先取組物質の見直しを含む有害大気汚染物質に係る対応方針の再整理という、この2点について概括をご説明した後、個々のリストの見直しの考え方について、ご審議をいただきました。その結果ですけれども、ポイントだけ、資料5の2ページ真ん中あたりに4点ほど整理をしておりますけれども、こんな方針でということが了承されております。第1点は、有害大気汚染物質に該当する可能性がある物質234物質につきましては、これはPRTRの対象物質と選ぶ考え方、それから対策の考え方が類似しているということで、それぞれの特徴も踏まえながら、整合性を図る方向で見直していこうと。PRTR対象物質と、この234物質の整合性を図る方向で見直すということでございます。
 それから、優先取組物質につきましては、有害性の情報、排出量、あるいはさっきちょっと申し上げましたが、排出特性といいますか、全国的に出ているのか、あるいは地域的に出ているのかと、そういったものがPRTRデータからわかりますので、有害性の情報に加えて、排出量や排出状況に関する情報も踏まえまして、そういったPRTRデータ等も活用して見直しをしたらどうかということ。
 3点目でございますが、その見直しをする際には、優先22物質を選んで、それ以外とこういうふうに分けて、優先だけに注目して、いろいろな対策なりモニタリングをしていくということではなくて、今度234物質が増えるのか減るのかわかりませんけれども、そういったリスト全体を見直して、その中で優先取組物質を選んでいくという作業の中では、やはりいろいろな物質について排出の状況なり有害性の状況が変わっている、違っているということもございますので、それらも踏まえて、有害大気汚染物質のリスクの程度に応じて、大防法あるいはPRTR法に基づいて行政がどういうことをすべきか、事業者がどういうことをすべきかということを、幾つかの物質群、グループに分けるような形で、リスクの高いものは優先取組にする、その次のグループは例えば自治体で検討するとか、あるいは事業者にこういうことをしていただくとか、そういった幾つかのグループに分けて、どういうことを事業者なり行政がすべきか、行政でも国と自治体の分担があると思いますけれども、そういった対応すべき内容を再整理したらどうかという点が第3点。
 それらの再整理を行う中で、今日もご審議をいただきましたが、優先取組物質の中でも、既に環境目標値が設定されて、排出抑制の取組もかなり進んできた物質も入っておりますので、これにつきまして、この委員会なり、あるいはもう一つの健康リスク総合専門委員会でもご指摘がありましたけれども、どうしていくのかと。例えば「卒業」みたいな形をとった方がいいのか、あるいは、やはり対策をとる必要がある物質ということでは変わらないので、何らかの形で取組を注意していくという、そういう物質として残しておくべきじゃないかと、この両方のご意見が今までもあったと思いますけれども、そういった点も踏まえまして、ほかの物質との横並びも考えて、どういうふうに取り扱っていくかということを検討していく。大まかにこの4点ですけれども、これらの方針について了承をいただきました。
 ただ、具体的な進め方につきましてはいろいろご指摘がございましたので、それらの委員会で出された意見に留意をいたしまして、この234物質のリストの見直し、優先取組物質の見直しを含め、有害大気汚染物質に関する対応の再整理を進める。具体的には事務局、行政で作業を進め、専門家のご意見をお聞きしながら作業を進めた上で、改めて専門委員会でご審議をいただくというような形で進めていこうということになったわけでございます。これが2番でございます。
 このような動きを踏まえまして、3番で、今後の優先取組物質に係る取組の進め方についてということで、考え方をまとめております。まず、現在の優先取組物質22物質の関係でございますけれども、1番、この資料の最初のところでも申し上げましたけれども、モニタリング結果に基づくフォローアップの結果から、環境基準等の超過地点は、第2期の自主管理計画が終了した以降も減少傾向にあります。平成19年度では、3物質7地点と限定的になっております。また、超過地域におきましては、自治体と事業者の連携による排出抑制の取組が進められているという現状でございました。
 また、PRTRデータに基づくフォローアップの結果からは、年度によって、物質によって若干変動はありますけれども、経年的に見れば、大まかに見れば多くの物質、大半の物質において、排出量は減少傾向にある。それからPRTRで、届出排出量が上位であって、モニタリングがそこでは行われていないものについては、環境省の調査結果、最新の排出量の状況などを踏まえまして、必要に応じてモニタリング地点の見直しをした上で、自治体で監視がなされていると、こういう状況かと考えられます。
 このような状況を踏まえて考えますと、現在の優先取組物質に係る今後の取組としては、まず事業者において、それぞれの責任のもとで自主的な排出抑制の取組を継続していただくということ、それから各自治体におきまして、地域の実情に応じた取組を引き続き推進していただくことが適当ではないかと考えられるということでございます。その上で、国におきましては、これまではこの専門委員会で毎年レビューをしていただいておりますけれども、今後は基本的に行政サイドで排出量や環境濃度などの検証・評価を継続して行うということを進めていってはどうかと。自治体からの報告につきましては、今後も必要に応じて地方公共団体等からの報告を求めつつ、地域単位での取組が適切になされるように助言をしていくということとしてはどうかということでございます。
 その一方で、この資料2でご説明しましたように、今後、優先取組物質を含む有害大気汚染物質に係るリストの見直しを行いまして、あわせてリスクの程度に応じて、大防法などに基づいて行政や事業者が対応すべき内容を再整理していくということでございます。優先取組物質につきまして、まだ指針値が定まっていないものについて新たに設定するという検討も進められておりますので、こういった動向を踏まえまして、有害大気汚染物質の排出抑制に関する国における取組の進め方につきましては、改めて専門委員会でご審議をいただきたいということでございます。
 現在の優先取組物質に関する今後の取組の考え方と、それから、全体的な動きの中での排出抑制に関する取組の進め方についての検討の進め方、この2点につきましてまとめましたので、こんな形でよろしいかご意見を伺いたいということでございます。

【永田委員長】 いかがでしょうか。どうぞ。

【浦野委員】 私は、健康リスク総合専門委員会にも入っていて、大体状況はわかっているんですけれども、内容的に一言確認しておきたいんですけれども、PRTRとの整合性をとるというのは大変結構なことだと思うんですが、PRTRの場合に、いわゆる届出排出量中心というか、ある程度の規模の固定発生源と、自動車由来のようなもの、移動体というんですか、これと、その他すそ切り以下の、要するに中小企業などから出てくる、これも推計値ですけれど、そういうものがあって、それぞれで出てくるものが、大気に与える影響はかなり違っている。大規模な固定発生源は敷地もかなり広くて、拡散して周辺に出るんですが、中小のところですと、すぐそばに人が住んでいるとか、あるいは自動車の排気ガスもそうですね。それぞれについて、ある程度対応がとれないと、本当の大気環境はよくならないということになる。この有害大気というのは、どちらかというと固定発生源中心だった。あと自動車が一部寄与していますよという話なんですが、それをちゃんと分けて評価をして、今後大気保全の観点からどうするんだと。要するに有害大気というのは、もう固定発生源中心だけですよというイメージにとられるような気もするんですけど、実はベンゼンとか何かは自動車からの排出もかなりあると。あるいは、例えばジクロロメタンとかトリクロロエチレンとか、塩素系溶剤なんかは中小でもかなり出てくると。そうすると、PRTRのデータの活用の仕方がかなり違ってくるだろうと思うんです。予測モデルでやるのは届出事業所ですから、自動車とか何かも走行台数で本当はとれるわけですけれども、あとすそ切り以下のようなところも含めて、どう対応するのか。一度にできなくても順次やれるようなことを考えていかないといけないんじゃないかなと思うので。これはコメントです。

【永田委員長】 どうもありがとうございます。

【森川委員】 今のお話に絡んで、資料2のグラフなんかを見ておりますと、種別で4種類の発生源のところが分かれて、全体も含めて4つですか、グラフが書いてありますけれど、沿道であるとか、あるいは発生源周辺というグラフを見ていくと、特に突出しているような物質が見られますね。こういうものが、やはり対策の一つのポイントになっていくんだろうと思いますので、こういうものと、それから、先ほど議論になりましたそれぞれの地点のトレンドをうまく組み合わせて、効果的なモニタリングを考えていただければいいのではないかと思いました。せっかくこのデータが出ているので、これをもうちょっときめ細かくご利用になることがいいのかなという気がいたしました。

【永田委員長】 はい、いかがでしょう。

【浦野委員】 同じ趣旨なんですが、先ほどご説明がありましたけど、1キロメッシュで数えるというのは、大きい事業所のケースですね。ですから、すそ切り以下の小さいところは1キロ先じゃなくて、すぐそばで影響を受けているわけです。そういうところをいろいろ、すそ切り以下も推計されているわけですけれども、一体どのぐらいの数で、どのぐらいのところから出ているのか。あるいは自動車もそうですけれども、面的にどんな分布をするのかというのを見ていって、この地域はどうもトリクロロエチレンとか、ジクロロメタンでもいいけれど、使っている事業所が非常に多いと。すそ切り以下でですね。そういうところは、それなりに考えていかなければいけなくて、モデル計算というのが、いわゆる拡散計算で計算する大規模固定発生源以外のものを、何かしらもうちょっときめ細かく見ていく必要があると思いますので、ぜひその辺、今後検討していただきたい。

【永田委員長】 わかりました。
 あとはよろしいでしょうか。全体を通してでも結構でございますので、何かありましたら。どうぞ。

【田邊委員】 今の浦野先生の話は、PRTRのモデル推計のほうに面源もやって欲しいという話なのかなと聞こえたのですが、PRTRに関してそれ以外にも従前からここで、例えば現場で削減対策をやったときに、例えば排出係数に関係して予想外の排出があったというようなときに、そういう経験がPRTRにフィードバックできないだろうかという話をしていた記憶が微かにあります。何でそんなことを言いだしたかというと、先ほどの資料2の岡山県で、新たな発生源の発見とか、排出量が微小であったために対策が実施されてこなかったというような話は、もし可能であれば、PRTRにフィードバックすることも考えた方がいいと思います。ちょっと細かい話ですが、大筋はこの用意された資料で構いませんが、そういった連携に関する部分がちょっと気になりました。
 それともう2つほどあるのですが、先ほど永田先生が、余り対策をしていない事業者もあるんですねとおっしゃっていたんですが、ぽつぽつとこういうふうに新たに超過が見られたりするということは、総枠はここにある今後の流れでよろしいんですが、やはり現場に近いきめの細かい体制を維持しなきゃいけないのではないかと思います。そのためにこれまでのようにPRTRを活用するとか、いろいろなことが考えられますが、やはり自治体のノウハウを持った人たちが、直接PRTRを使うとか、現場のきめの細かい体制の維持を奨励できると良いと思いました。
 そのほかに、こういう超過地域でいろいろご苦労されている方とか、現場に立ち入られている方々は、自治体サイドでも排出抑制に関するノウハウをいろいろお持ちだと思います。環境省も含めてそういう情報をシェアできるような仕組みがちゃんとあった方がいいと思います。要するに、大きな枠組みを支える細かい仕組みが大事なような気がしています。

【永田委員長】 どうもありがとうございました。
 内山先生よろしいでしょうか。

【内山委員】 はい。

【早水大気環境課長】 それでは、私から若干のコメントをさせていただきます。
 最初のご指摘の、排出源がどういうところから来るかということでございますけれども、確かに今日のグラフを見ましても、上位10事業所からの排出が大半のものと、そうでないものが、点源についても分かれておりますし、今日はお示ししておりませんが、点源と非点源の排出量の割合につきましては、PRTRの方では届出ベースと推定ベースなので、正確な比較はしにくいかもしれませんけれども、物質によって非点源が非常に多いものとかいろいろありますので、それも先ほどちょっと申し上げました排出特性ということになってくると思いますので、これによりまして、まさしくその対策のとり方、あるいはモニタリングの仕方などが変わってくると思います。PRTRのデータなどをもとに、そういった物質の特性を見て、その上で行政が、それぞれの物質についてどういう対応をしていったらいいかということをなるべく整理していきたいというのが、今日最後の資料でご説明した対応方針の再整理というところのポイントでございます。
 あとは、一番最後に田邊先生からご指摘のあった点ですけれども、自治体との関係でございます。私どもが今日お示しした資料での考え方は、全国的には大分改善されてきて、あとは個別の地点をそれぞれ見ていくことになるので、これからは自治体が中心となって、非常に限られたものであれば、自治体がきちっとやっていただくというのがベースだろうと考えまして、国としては行政サイドでのフォローアップと助言が中心になるのではないかと言っておりましたけれども、自治体によっても非常に先進的なところはPRTRの法律ができた後に条例をつくって、事業者に排出量なり、あるいは取扱量なり、あるいは排出削減計画を提出させて指導するというところもありますが、一方で、さまざまな環境問題を抱えている中で、こういった有害大気汚染物質のような規制対象物質じゃない物質について、どこまで取り組めるかというのは、自治体によってもなかなかここまで手が回らないといったところも出てくるんじゃないかなと予想をしております。ですから、田邊先生からご指摘があったように、ノウハウをシェアするとか、そういったところもこれから大事になってくると思いますので、自治体が対応するのは基本とは思いますけれども、やはり国として、いろいろな自治体できちんと対応していただけるようにするにはどうしたらいいかということについてはよく考えて、今後の対応方針を決めていきたいと考えております。
 それから、ちょっと補足ですが、PRTRの、先ほど田邊先生からご質問のあった自動車からのベンゼンの排出量について公表資料を手元に持ってきましたので申し上げますと、平成19年度のベンゼンの届出排出量は988トン、届出外が1万1,821トンで、そのうち移動体は、これは車以外に飛行機とか建設機械なども入っていますが、移動体としては1万832トンでした。推計量は毎年やり方が若干変わってくることもあるので、余り年度の比較をしていないようなのですけれども、一応前の年の数値を見ますと、移動体についてだけ今申し上げますと、その前の年は1万2,596トン、それが1万832トンということですので、1割ぐらい下がっている数字になっています。ちなみに点源、届出排出量も、さっきちょっと申し上げましたが、1,006トンから988トンに下がっているということです。移動体についても、計算上は減少しているということです。私も担当していたのでわかりますが、推計の方法は年々アップデートしていますので、余り年度の比較を積極的にはしない方がいいかと思いますけれども、今、手元にある2カ年の数字では、18年度から19年度にかけての推計排出量は少し下がっているということでございます。とりあえず補足をさせていただきます。

【永田委員長】 よろしいでしょうか。最後の進め方についても、いろいろご意見をちょうだいいたしました。
 追加で申し上げて恐縮なんですけど、1つは、ここでもいろいろやってきたような環境の濃度の測定が、かなりデータ蓄積としてはいっぱいあるということ。一方で、さっきの話のように、発生源のデータもPRTRでどんどん蓄積されておりますし、この辺の間の関係ですね。もう少しきちっと解析をしていただいて、特にいろいろ対応策を打ってきたわけで、民間でそれなりに努力されてきて、ここまで来たのかなという気もしておりますので、そういう意味では、その辺の解析を少し進めてもらえると、また次につながるような話として利用できるのかなという気もしておりまして、対策とその効果を総合的にこれまでを振り返って少し分析してみると。この間もちょっと話したんですけれど、最近はどんどんデータも公開されるので、その気さえあればやれますよという話だったんですけれど、そういうことを環境省の中で、委員会なり研究会になるのかもしれませんが、組織していただいて、有害大気汚染についてはそれをやっていただけると、世界に誇れる話にもなってくるのかなという気もしますので、ぜひお願いしたいと。
 あるいは、先ほどの内山先生の委員会でも4つぐらい挙がっていましたが、一気に健康リスクとか排出量に直接結びつけるのではなくて、間にワンクッション、環境濃度というのが存在しているわけですから、その辺のところがデータとしてもう少しきちっと解析されてくると、もう少しまた実際の取組の方法論としても違った言い回しができたり、あるいは対応が出てくるといいますか、類型化の中でも違った考え方が出てくるかなという気がしますので、その辺は少しお願いしておきたい点でございます。
 あとは、確かに全体的に相当程度対応策が進んできて、そういう意味では立派な成果が上げられてきたなという気がしておりますし、今後やっていくとすると、先ほど来、議論になっておりますような、地方でどうされるのかという話になってくるわけですが、ただ、今日もいろいろお話を聞いている限りにおいては、なかなか力の入れ方が地方でも違っているし、情報がそういう意味では完全には共有化されていないといいますか、ほかでやっているような対策をこちらでも使えるはずなのに、なかなかその情報が流れていっていないという実情もあるだろうと思っています。そういう意味では、もう少し地方間での話し合いも含め、環境省で情報共有が図れるような、あるいは対策が有効に進展するような方策は講じていただきたいと思いますので、その辺を中心に、行政サイドで今後の対応はお願いしておきたいと。
 それから、内山先生のほうでこれから検討が進んでいく過程の中で、何かまたこの専門委員会で対応しなくちゃいかんというような問題が浮かび上がったときには、またこれは新しい体制のもとでということになろうかと思いますが、改めて排出抑制に関する専門委員会等も組織して進めていただければというふうに思っていまして、そういう意味では、その辺の内容が最後の3ページ目あたりでしょうか、まとめて書いてあるというふうにご理解いただければ、それでご了承賜れるのかなと思っています。
 ということで、本日いろいろご意見をちょうだいしました。先ほど来申し上げているように、どちらかというと、それを実施していただけるところに環境省を通じて伝えていただく。それが、先ほど出てまいりました地方自治体とこれから一緒に、これからさらに高度化を進めていくに当たって、情報共有だとか検証だとか評価だとかというものを環境省で指導というとちょっとあれですが、一緒になってやっていただける内容なのかなと、今日の話もですね。そういうふうに理解しておりますので、ぜひよろしく対応のほどお願い申し上げておきます。
 それでは、資料5はこれでご了承いただいたということで進めさせていただきます。 以上で、本日の審議は終わりでございまして、その他として事務局で何かあれば。

【早水大気環境課長】 今日は長時間にわたりまして、ご審議どうもありがとうございました。ご指摘がありました点は、こちらで取りまとめまして、関係の自治体にも伝達しながら、きちんと排出抑制の取組が進められているかどうかの確認をしていきたいと思っております。なお、本日の議事要旨、議事録につきましては、各委員にご確認をいただいた上で、公開をすることにさせていただきますので、後ほど送らせていただきます。
 以上でございます。

【永田委員長】 それでは、今日は遅くから始まりましたが、ちょっと予定の時間よりは早目かもしれませんけれども、これでこの委員会は終わりにさせていただきます。どうも貴重なご意見を多数いただきまして、ありがとうございました。