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■議事録一覧■

中央環境審議会大気環境部会
石綿飛散防止専門委員会(第8回)
会議録



  1. 日時  平成24年12月5日(水)14:00~15:37
  2. 場所  環境省22階 第一会議室
  3. 出席者
    (委員長)浅野 直人
    (委 員)青島  等浅見 琢也
    内山 巌雄大塚  直
    神山 宣彦小林 悦夫
    島田 啓三谷口 靖彦
    外山 尚紀中橋 博治
    (環境省) 加藤総務課長
      大森大気環境課長
      倉谷大気環境課長補佐
      栗林大気環境課長補佐
      村井大気環境課係長
      磯崎大気環境課係員
      嶋田大気環境課係員
  4. 議  題
    (1)
    石綿飛散防止専門委員会中間報告(案)について
    (2)
    その他
  5. 配付資料
    委員名簿
    資料石綿飛散防止専門委員会中間報告(案)
    参考資料1解体工事等における石綿の飛散防止対策に関する関係者の取組の強化の方向(案)
    参考資料2中央環境審議会大気環境部会石綿飛散防止専門委員会(第7回)委員意見等
    参考資料3石綿飛散防止専門委員会中間報告(案)参考資料
    参考資料4用語解説(案)
  6. 議  事

    【栗林大気環境課長補佐】 それでは定刻になりましたので、ただいまから中央環境審議会大気環境部会石綿飛散防止専門委員会の第8回会合を開催いたします。
     委員の皆様には、お忙しい中をお集まりいただきまして、ありがとうございます。
     私、本日の司会を務めさせていただきます環境省水・大気環境局大気環境課の栗林でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
     本日は、稲垣委員、圓藤委員、大迫委員、近藤委員、武林委員、内藤委員、本橋委員、森永委員、山﨑委員からご欠席とのご連絡を受けております。したがいまして、本日の出席状況でありますけれども、委員20名中、11名の委員の方にご出席をいただいておりまして、定足数でございます過半数に達していることをご報告させていただきます。
     ここで、専門委員会の開催に当たりまして、環境省水・大気環境局総務課の加藤課長からご挨拶申し上げます。

    【加藤総務課長】 水・大気環境局総務課長の加藤でございます。本日はお忙しい中、ご出席を賜りまして、ありがとうございます。この委員会では、これまで7回にわたりまして、石綿の飛散防止に関しまして積極的な、活発な議論を進めてきていただいております。学識経験者の方や関連団体の方からのヒアリングなども行いまして、主な論点について取りまとめをしてきたところでございます。前回の委員会の議論を踏まえまして、浅野委員長ともご相談させていただきながら、主要な論点に関しましてご意見を整理しまして、この今回修正した中間報告(案)というものを、提出させていただいております。
     本日の第8回、大詰めと思っておりますけれども、石綿の飛散防止対策のさらなる徹底につきまして、本委員会としての取りまとめを行っていただければというふうに考えてございます。忌憚のないご意見、活発なご議論をお願い申し上げまして、挨拶に代えさせていただきます。よろしくお願いいたします。

    【栗林大気環境課長補佐】 引き続きまして、お手元の配付資料でございますけれども、議事次第に配付資料一覧を記載しております。その中で、資料、それから参考資料1を主に使いまして、ご説明させていただきたいと思います。
     また、参考資料2、それから参考資料3、4につきましても必要に応じまして、説明を加えさせていただきたいと思います。また、委員限りで机上配付とさせていただいております一番最後に配付しております経団連様からの提出資料がございます。
     また、マスコミの方におかれましては、カメラ撮りは、恐縮ですが、会議の冒頭のみとさせていただいておりますので、ご協力をお願いいたします。
     それでは、これ以降の議事進行は浅野委員長にお願いいたします。

    【浅野委員長】 それでは、どうぞよろしくお願いいたします。先ほど加藤課長のご挨拶にもありましたように、これまで7回にわたって大変精力的にご議論をいただきました。前回、特に中間報告の素案について、いろいろとご意見いただきましたので、いただきましたご意見を踏まえまして、事務局でさらにそれらを精査の上、中間報告(案)の取りまとめをしていただいたところでございます。
     どこの審議会のことか知りませんけど、役所任せにして、役所の文章をそのまま認めるような審議会も多いということを新聞記事に書いた人がいるんですが、私どもはそういうことは決してしておりませんので、記事は中央環境審議会のことではないだろうと思っております。文章については、やはり審議会の責任でつくるものということでございますので、私なりに十分に目を通して、本日の中間報告(案)をお示ししております。
     それでは、事務局から今日のご議論いただく中間報告(案)について、ご説明いただきたいと思います。なお、先ほどお話がありましたように、前回いただいたご意見についても整理をして、それをどう前回との関係で扱っているかということについても資料をつけておりますので、あわせてご覧いただければと思います。
     では事務局、よろしくお願いいたします。

    【倉谷大気環境課長補佐】 それでは、ご説明いたします。今回、修正をいたしました中間報告(案)につきまして、資料として配付をさせていただいております。先週、それから今週初め、各委員の皆様に修正案として送らせていただきましたものの最終反映版でございます。これにつきまして、修正箇所等が明記されてございませんので、あわせまして参考資料2を横目で眺めていただきながら、ご説明をお聞きいただければと思っています。私からは資料の各セクションの要点、特に対策等の結論の要点、それからご意見をいただきまして修正した主な箇所のご説明をあわせて、参考資料2で補いながら、順次セクションごとに説明させていただきたいと思います。
     

     まず、資料の2ページ目、3ページ目「Ⅰ検討の経緯」でございます。ここは用語の修正等をしているところがございますけれども、大きな修正はございません。これまでの法の制定経緯、改正経緯、それから今回の改正の経緯も含めまして記載をさせていただいております。最後のところには、「ヒアリングを含む8回の審議を経て、当面大防法の改正が必要な事項を含めた取り組むべき事項について」中間報告を取りまとめることを、記載させていただいてございます。
     検討の経緯につきましては、以上でございます。
     続きまして、4ページ目、「Ⅱ 総論」でございます。総論の「1.石綿のリスクに関する普及啓発」の箇所でございます。細かい修正でございますけれども、用語をまとめさせていただくため、「アスベスト」という言葉を「石綿」に統一させていただいたり、あるいは「施工業者」という言葉に統一するという修正をしてございます。
     また、1.普及啓発の最後でございますけれども、「このため、国及び都道府県等は業界団体等とも連携を図りつつ広く国民に対して、石綿の問題や健康リスクについて普及啓発する必要がある」とまとめさせていただいております。
    この後の部分につきましては、委員のご意見もいただきまして修文をしておりますが、「とりわけ、建築物等の所有者や関係する事業者等に対して、建築物等の解体・改造・改修工事等における石綿の飛散防止対策に関する法制度や対策の重要性、工事の実施主体等として対策を講ずべき責任等について、一層の周知徹底を図るとともに、関係する事業者の技能の向上を図っていく必要がある」と記載してございます。ここでは前回の意見の中で、主体としての責任の周知や自覚等について記載すべきであるというご意見をいただいたことですとか、また、後ほどの部分でも触れておりますけれども、関係する事業者の技能向上につきましても、あわせて追加をさせていただいてございます。
     続きまして、同じく総論の「2.発注者責任の明確化」でございます。
     セクションのタイトルにも出てきておりますけれども、文言を前回の案では「注文者」と記載しておりましたところを、今回は「発注者」で統一をしてございます。これも他法令との用語の統一等も検討してほしいということでご意見をいただきまして、まず2番のタイトル、それから1行目のところで、文言を「発注者」と書かせていただいています。
    また、4ページ目の一番下のところで、「発注者(現行の大防法の配慮規定では「注文者」)」として注をつけさせていただいてございます。これは、現行の大防法の中では全く同じ内容でございますけれども「注文者」という言葉を法令上、使っていることについての注をつけさせていただいたところでございます。具体的な記載は、5ページの中ほどにございます。
    その他、「発注者」の用語の変更に伴いまして、何カ所かの修正をしてございます。
    5ページ目に参りまして、「また」以下でございますけれども、「原因者負担の原則を踏まえ」のところにつきまして、これは後ほど2.届出主体の変更のところでまとめてご説明をさせていただきますけれども、そちらと整合をとりまして、若干表現を変えさせていただいてございます。
    ここのセクションにつきましては、この後、「こうした状況も踏まえると」以下のところが結論になろうかと思いますけれども、「適切な石綿飛散防止対策の実施を図るためには、発注者の石綿飛散防止に係る義務を強化し、責任を明確にすべきである。強化の方向性としては、発注者に事前調査の主体としての義務を負わせること、特定粉じん排出等作業の実施の届出の主体を発注者に変更すること等が考えられる」として、具体的には後ほどの部分で整理をすると記載をしてございます。
    注につきましては、先ほど申し上げたとおりでございます。
    続きまして、(2)発注者による適切な費用負担の重要性の箇所でございます。
    ここは、本文中は特に修正がございません。ポイントとしましては、2段落目で、「発注者が対策の重要性・必要性について理解するためには、1.の普及啓発が必要であり、これにより、石綿の有無等に関する事前調査の結果が特定工事等の契約等にも適切に反映されることが期待される」と記載をしてございます。
     続きまして、「Ⅲ 各論」の部分でございます。
     5ページ目から「1.事前調査の義務付け」でございますが、ここの部分は「発注者」の修正以外は修正はございません。
     6ページに参りまして、上から3行目、「事前調査の実施については、大防法上、明示的な義務としては規定されていない」のところで、これにつきましては、石綿則には事前調査の規定があるので、大防法に限った記述であることがわかるようにすべきではないかというご指摘がございましたので、「大防法上」と言葉を補って修正をしてございます。
     続きまして、(1)大気汚染防止法における事前調査の義務づけのセクションでございます。まず、ア 事前調査の実施主体の箇所でございます。ここにつきましては、先ほどご説明をしました「大防法において」と言葉を補ったところが何カ所かございます。
    それから、文章の中では2段落目の中ほどになりますでしょうか、「工事を請け負おうとする建設業者又は調査機関」ということで、この部分につきましては、ご指摘の中で、事前調査の段階では工事がまだ発注されていないので、必ずしも施工業者に実施主体が限定されないのではないかというご指摘もございまして、さまざまなケースがあり得るということで、ここでは「工事を請け負おうとする建設業者又は調査機関」として、いずれのケースも読める形で記載を修正させていただいてございます。
     それから、原因者のところの記載については、先ほどと同様に、後ほどのところでまとめてご説明をさせていただきたいと思っております。
     それから、この部分では何度か「建設業者」ないしは「施工業者」という言葉が出てまいりましたけれども、そこについては同様の修正をしてございます。
     それから、(1)事前調査の実施主体のポイントでございますけれども、先ほどⅡの2・で述べたところを受けまして、2段落目のところで、一つは、原因者負担の原則を踏まえて、石綿の飛散を伴う可能性がある工事を注文しようとする発注者に対して事前調査の実施の義務を負わせることが考えられる」これを一案として記載してございます。もう一案としまして、次の段落になりますが、「一方、発注者は必ずしも建築物や石綿に関する専門的知識がない場合もあり、事前調査実施の義務を負わせることは困難であるとの指摘もあることから、専門的知識を有する建設業者に義務を課すべきという考え方もある」としてございます。後者につきましては、このページの一番下のところで、「大防法での実施主体を工事を請け負おうとする建設業者とすれば、他の関連法に基づく実施主体と齟齬がない」と記載をさせていただいてございます。
     これらを踏まえますと、6ページから7ページにかけまして、一つ目の考え方によるものとして、①発注者に対し建設業者又は調査機関に事前調査を実施させることを義務付けること」、あるいは、としまして、「2つ目の考え方によるものとして、②事前調査の義務者は工事を請け負おうとする建設業者とした上で、必要に応じ調査機関に事前調査を委託できるようにすること等が考えられる」と記載をしてございます。「いずれにしましても、発注者が届出等の義務を確実に果たせるよう、建設業者に発注者への調査結果の説明を義務付けるなど、専門的知識を有する建設業者から発注者への支援が必要である」ことにつきましても、趣旨は前回と同様でございますけれども、若干文言の修正をして記載をしてございます。
     続きまして、イ 事前調査の対象となります建築物の範囲でございます。これにつきましては、前回の委員会の中で、事前調査を全てに義務づけた上で石綿の不使用を判断するということについて、事前調査の一環ということで整理してはどうかというご意見がございました。これにつきましては、イの1行目のところで、「大防法上の義務として事前調査を位置づける場合」以下の、法定の義務としての事前調査と、その後の対象建築物かどうかのあらかじめ確認を行うということにつきましては、報告の文章上、書き分けさせていただいてございます。これは、法定の義務とします事前調査の範囲につきましては、必ずしも、こういった建築時期の調査等を含めて、全てを法定の義務の範囲に含める必要はないのではないかと考えられまして、2段落目のところでは、18年9月以降に着工された建築物等については、建築時期をあらかじめ確認すれば特定建築材料の使用状況調査はしなくてもよいというような形で、ここでは「確認」という言葉で、幅を持たせた書き方にさせていただいてございます。
     ここではまた、「合理的な範囲で事前調査実施主体の負担を軽減する観点から、…可能性がある建築物を建築年代・構造等により判断するということも含めて、今後、具体的に検討する必要がある」と整理をさせていただいてございます。
     続きまして、(2)事前調査の信頼性の確保でございます。
     これにつきましては、前回の委員会の中では、一つは、登録制度等の検討について、一定期間を設けて実施するという方向で、進める方向での記載ができないかという意見をいただいておりまして、これを踏まえた修正をしてございます。また、事前調査の判断の基準の明確化が重要ではないかということにつきましては、最後の段落で触れさせていただいてございますが、また、利益相反につきましては、一つのご意見としては、登録を受けている一定の条件の者であれば誰でもよいのではないかというご意見と、一方で、発注者、それから施工者、いずれについても形は違うものの利益相反の問題というのは考えられるというご意見も頂戴したところでございます。これを踏まえまして、ここでは両方のご意見があったことを前提とした記載として文章を整理させていただいてございます。
     事前調査の信頼性につきましては、ポイントとしましては、7ページ(2)の2行目から、「一つの考え方として、建築物・建材等で使用されている石綿について、適正な調査を実施できる調査機関の登録制度を設け、登録調査機関に調査を委託するよう勧奨するような制度を設けることが考えられる」と記載してございます。
     また、この検討につきましては、その次の段落の最後のところで、「改正後の制度の運用状況も踏まえて、登録制度の具体化について検討する」という形で、課題もあわせて記載をしてございます。
     また、利益相反の点につきましては、次のページにまたがっておりますけれども、分離発注の必要があるという指摘、一方で自らが調査を行うことを認めてよいという指摘もあることを踏まえまして、最後の3行に、「適正な事前調査を行う知識・技能を有する人材の育成に加え、適正な調査の実施を確保する方法の必要性を検討することが考えられる」として、人材の育成、適正な調査の実施の方法といったキーワードをつけ加えさせていただいてございます。
     続きまして、「2.特定粉じん排出等作業の実施の届出の主体の変更」の箇所でございます。
     これにつきましては、前のセクションでも若干出てまいりましたけれども、第2段落のところで、原因者負担の原則について文章が出てまいります。前回の意見の中でも、原因者負担の原則と、最終的にここで整理をしている対策等の関係が必ずしもわかりやすくないというご指摘もいただいてございました。これらも踏まえまして文言の修正をさせていただいてございます。原因者負担の原則につきましては、ここでは直接記載はしてございませんが、特定工事の実施を決定します発意者、また費用負担者である発注者が、そのと固定工事を実施することに伴って特定粉じんの排出・飛散が生ずる可能性があることから、排出原因者と捉えられるわけでございますけれども、一方で、発注者のみが排出原因者ではございませんで、関係者が応分の負担をすることで責任を負うということが必要であるものと考えてございます。このため、関係する制度の例等も参考としながら、整理をさせていただいているところで、建リ法等についても文章中に若干記載をさせていただいているところでございます。
     この中間報告案におきましては、「原因者負担の原則を考慮すれば、発注者と施工業者の関係については、費用負担者である発注者が、石綿の飛散を伴う工事についてはその工事を注文する者として適切に役割を担い、施工業者は請け負った工事を専門的知識に基づき適正に実施する役割を担うことが適当と考えられる」として、先ほど申し上げましたそれぞれの立場での応分な責任分担ということを念頭に置いた記載とさせていただいてございます。
     その次の段落では、修正はございませんが、この段落の中心的なところは「すなわち」以下ですが、解体工事等が特定粉じん排出等作業を伴うものである場合については、その届出の義務者を施工業者から変更し、工事を請け負おうとする建設業者から届出事項に関しての説明を受けた発注者に、特定粉じん排出等作業の実施の届出義務を課すこととすることが適当と考えられる」としてございます。この場合、現行の建リ法の対象建設工事の届出とも届出の主体が整合することになります。
     それから、その次の段落では、「また」以下のところで、「発注者が個人や小規模事業者であっても届出義務を適切に履行できるようにするためには、工事を請け負おうとする建設業者から発注者への事前調査の結果や届出事項に関しての説明を法令上の義務として規定することが必要である」として、前章のところにも出てまいりましたけれども、専門的知識を有する建設業者から発注者への支援についての文言をあわせて記載をさせていただいてございます。
     その後、「なお」書きのところでございますけれども、前回の指摘の中で、石綿がない場合等につきましても届出をさせることが必要ではないかというご指摘がございました。この点については、検討させていただいた部分もございますけれども、ここでは、現行の大防法の届出につきましては、作業基準の遵守を担保することを念頭に義務を課しているもので、特定建築材料が使用されていないことが明らかになった場合については、特定工事に該当せず、こういった作業基準の遵守が必要ないため、届出義務を課すことは現行の制度では困難であることから、この文章をつけさせていただいてございます。
     また、この章につきましては、早期の届出が必要であるというご指摘もいただいてございます。こういった届出義務の件につきましては、最後の情報開示のところでも若干関連する記載がございますので、後ほど、ご紹介をしたいと思っております。
     続きまして、9ページ「3.立入権限の強化」でございます。
     (1)立入検査の対象につきましては、前回のご指摘の中では、立入りの対象につきましては、届出がない場合でも権限上は立入りができるのではないかと、確認ができた場合には立入りができるはずであるというご指摘もいただいてございます。このご指摘を踏まえまして、文章としましては「実態として」という言葉が入ってございますけれども、立入検査を実施しているのは「届出が提出されている等により特定工事に該当することが判明している」現場であること、第2段落につきましては、これも実態上ということでございますけれども、「特定工事に該当することが判明していない限り、大防法による立入検査の実施が困難であり、作業基準の遵守を求めることが難しいという問題がある」という形で修文をさせていただいております。
     このセクションのポイントとしましては、この後のところでございますけれども、「このため」として記載をしてございますが、「都道府県等の立入権限の対象を拡大すべきである」ということ、それから「立入検査の端緒となる情報の収集が重要である」として、建リ法の届出の共有等につきまして例示的に記載をさせていただいてございます。
     続きまして、(2)立入検査の実施方法等に関する技術的検討事項でございます。ここは、直接の修文等の意見がございませんでしたので、前回と文章は変わってございません。ポイントとしましては、いずれも今後の検討事項ということでございますけれども、今回の制度改正において、2行目からになりますが、「このため、今回の制度改正においては、立入検査対象を拡大する場合、検査に入る物件数が相当増えることも想定されるので、実務を担当する都道府県等が効率的に立入検査を実施するための環境も整備する必要がある」として、具体例としまして、その後に立入検査マニュアルの整備、また国、関係機関が連携した、立入現場で速やかに判断可能な技能を有する人材の育成方法の検討、それから石綿の飛散状況について、現場で速やかに判断可能な方法の検討、例としましては、浮遊粒子数ですとか総繊維数濃度等による迅速な測定方法の活用、こういったものを例示的に挙げさせていただいてございます。
     続きまして、10ページ目、(3)特定粉じん排出等作業の一時停止でございます。
     これにつきましては、1点、ご意見を頂戴したところでございます。総繊維本数と健康リスクの相関は、必ずしも明確でないので、総繊維本数のみで作業の一時停止を措置すると、厳しい場合が出てくるのではないかというご指摘をいただいてございます。このため、ここでの文章は、1段落目中ほどになりますけれども、一定数の総繊維数濃度を確認した場合、これは石綿の正確な分析結果が判明するまでとして、石綿の正確な分析が最終的には前提であることが一つ、それから、「このため」以下のところでございますけれども、「測定・分析の過程において総繊維数で一定以上の濃度が確認されるなど、高度の蓋然性を持って石綿が基準を超過しているおそれがあると判断される場合で、測定に時間を要する場合」についての対応であることを修文によって明示をさせていただいてございます。この場合、「最終的な結果が判明するまでの間、特定粉じん排出等作業の一時停止の措置を検討するということが考えられる」として記載をしてございます。
     続きまして、「4.大気濃度測定の義務付け」でございます。
     これにつきましては、ご意見を二つほど頂戴してございます。一つ目につきましては、負圧除じん装置、換気装置の機能性能確認や使用前点検を義務づけることに触れる必要があるのではないかというコメントをいただいてございます。これにつきましては、4番の4段落目、下から7行目ぐらいになりますが、「特定粉じん排出等作業における周辺環境への石綿飛散については、引き続き作業基準の遵守を義務づけることにより石綿飛散防止を図ることが必要と考えられる。」この後に追加してございますが、「また、集じん・排気装置等の性能を確保することについて、作業基準での規定や技術指針の作成を検討する必要がある」として言葉を追記させていただいてございます。
     それから、10ページ目から11ページ目にかけて、「このため」として、今の文章を受けての記載でございますけれども、「作業基準の一環として、意図しない石綿飛散が発生していないことを施工業者が確認するため、作業期間中に敷地境界等における大気濃度の測定を行わせる必要がある」とまとめさせていただいてございます。
     また、次の11ページ目の「なお」書きの段落の最後のところでございますけれども、「規模の小さい、あるいは工期の短い解体現場等についても、一律に大気濃度測定を義務付けるか否かについては、慎重に検討すべきである」と付言させていただいてございます。
     また、「さらに」としまして、「都道府県等が施工業者による大気濃度測定の履行状況を確認するとともに、必要に応じて監督を行うため、大気濃度測定結果の記録を行わせることが必要である」と記載をしてございます。これは前回と同様の記載でございますが、これに関連しまして、前回、その結果の保存ですとか報告についても必要ではないかというご指摘がございました。これにつきましては、「また」以降でございますけれども、「その保存や報告を求めることについても引き続き検討する必要がある」ということで、あわせて記載をさせていただいてございます。
    続きまして、「5.大気濃度測定に係る評価基準及び測定方法」でございます。
    ここにつきましては、(1)測定結果の評価方法でございますけれども、全般にわたりまして、健康リスクをベースにして基準を決めるということを基本的な考え方とするべき、また、その上で、リスクの観点も含めて整理した上で管理方法を検討していくという趣旨で整理したほうがよいのではないかというご意見もいただいてございます。今ほどありましたように、「健康リスクの観点も考慮し」ということにつきましては、文章としましては、前半は若干文章を要約しまして整理をさせていただいてございますが、1行目から2行目にかけまして、健康リスクの観点から評価基準を設定することが基本的な考え方になっておりという経過の部分、それから、大気中における石綿濃度の基準を設定するには、さらに検討が必要と考えられるということを2段落の最後に記載をさせていただいてございます。
    その上で、3段落目でございますけれども、「このため、敷地境界等の基準は、健康リスクの観点からの評価を考慮しつつ、解体作業等に伴う周辺環境への石綿の飛散を防止するための管理基準として設定することが適当である」と。これは健康リスクを基本として考えることに触れたものでございます。また、「敷地境界等において石綿の飛散の有無を確認することにより周辺環境への影響について確認することができる」として、敷地境界での測定についての意味合いをあわせて追記をさせていただいてございます。
     ここにつきましては、具体的な基準設定に当たっては「なお」書きがございますけれども、文章の修文はございませんが、従来、石綿濃度が10本という評価基準が引用されて使用されてきたことですとか、また、現場では緩いのではないかというような指摘もあることもあわせて記載しました上で、最後に、このことを踏まえると、一般の大気環境濃度の状況等も参考に引き続き検討することが必要であるとしてまとめさせていただいてございます。
     続きまして、12ページ、(2)大気濃度の測定方法、測定対象物質でございます。
     このセクション全体の結論としましては、4段落目中ほどでございますけれども、「このため」以下のところに記載をしてございますが、「大気濃度の測定には総繊維数や石綿繊維数について速やかに精度の高い結果が得られる方法が求められ、公定法を定めることについて関係各省とも連携して検討すべきである」とまとめさせていただいてございます。この点は、特に前回からの修正はございません。
     この後の部分につきまして、若干の修正をさせていただいてございますが、測定の地点につきまして、敷地境界の考え方をとるのか、それとも排出口や集じん機の出口といったものを考慮するのかにつきまして、ご意見を頂戴したところでございます。ここでは、周辺環境への影響を把握する観点から敷地境界での石綿の測定を実施するということにつきまして、「なお」書きのところでございますけれども、「測定場所は周辺環境への影響の確認の必要性を踏まえ、敷地境界とすることを基本とするが」、と記載をさせていただいてございます。また、一方で、ご指摘いただいた内容につきましては、この段落の最後のところでございますが、「また、集じん・排気装置の排気口やセキュリティールームの出入口での測定結果を活用することも検討する必要がある」として、あわせて記載をさせていただいてございます。
     また、敷地内の通行者ですとか、また高層の箇所での作業の場合、また近隣で解体工事が行われている場合、こういったケースもございますので、具体的に検討する必要があるして、あわせて記載をさせていただいてございます。
     (2)の最後の段落でございますけれども、これは、前の部分から移動した記載でございまして、セキュリティールームの出入口等での迅速法での測定・記録が有効であることについての段落を、文章は特に修正をしてございませんが、前の部分から、関連する記載のあるこちらに移動をさせていただいてございます。
     続きまして、(3)測定の信頼性の確保、でございます。ここは、修正箇所、それからポイントとも13ページの「このため」以下のところをご覧いただきますと、1.(2)で述べたようにとして記載をしてございますが、「精度の高い測定・分析技術を有する機関の登録制度を設け、登録機関に測定を委託するよう勧奨するような制度を設けることが考えられ、その必要性について、引き続き検討する必要がある。」これは1.(2)と同様の表現で記載をしてございます。
     利益相反の点につきましても、なお書きとして記載しておりますが、基本的には同じような整理をさせていただいているところでございます。
     続きまして、13ページ中ほど、「6.特定建築材料以外の石綿含有建材を除去するに当たっての石綿飛散防止対策」、いわゆるレベル3建材の取り扱いでございます。
     これにつきましては、実態の把握がとにかく必要であることのご指摘をいただいて、それを受けた修文をしてございます。
     6の第2段落目をご覧いただけますでしょうか。「レベル3建材を使用した建築物等の解体作業等で石綿が飛散する状況について、実態が明らかにされていないことから」、この後言葉を補っておりますが、「調査事例の収集等によりその実態を明らかにし、検証した上で必要な措置を検討することが適当」であると記載をしてございます。
     また、これと別にご意見をいただいている中では、こういったレベル3の飛散について、何らかの規制が必要ではないかというご意見も頂戴したところでございますけれども、現行の大気汚染防止法の枠組みの中では困難な部分があるということもございますので、ここでは「大防法の枠組みに入れて届出義務の対象とする場合には」と言葉を補って、現行の枠組みでの記載と、させていただいてございます。
     また、石綿則に基づく事前調査の結果の活用ということにつきましても、言葉を補わせていただいてございます。
     この後の段落、「また」以下のところですが、「将来の制度化の可能性も念頭に上記の検討を行うことと並行して」、間に例示が挟まっておりますけども、「石綿飛散防止対策マニュアル等により行われるよう、知識・技術のさらなる普及を図る必要がある」ととして、当面の対応といたしまして、このマニュアルのさらなる普及を記載させていただいてございます。
     また、関連してご指摘をいただいた廃棄物の取り扱い等も含めまして、このマニュアルの取組の事例として、例示的にその前に記載をさせていただいているところでございます。
     続きまして、「7.、その他」でございます。
     (1)罰則について記載をしてございます。これにつきましては、先回の委員会の中では、罰則の強化についてここまで踏み込むこととした場合、大防法以外の制度を含めた議論が必要になるのではないかというご意見を頂戴しております。また、一方で、諸外国との比較ですとか、そういった問題認識について記載すべきであるというご意見も頂戴しておりまして、若干表現を修正しておりますけども、概ね前回と同様の文章とさせていただいてございます。
     修正した箇所としましては、具体的な検討内容については、現時点ではまだ踏み込んで書けない部分もございますので、14ページの6行目、「今回の」以降の段落に要約をさせていただきまして、「今回の制度改正による取組を始め、その他の取組を含めた制度改正の施行状況を踏まえ、罰則を含む制度のあり方について検討をしていくことが適当である」としてで、検討課題としてまとめさせていただいてございます。
     また、最後のところですけども、行政機関の立入検査権限の対象拡大に伴う必要な罰則規定の見直し等についても検討する必要があるとして、これは前回と同様の記載でございます。
     続きまして、(2)各制度間の連携でございます。これにつきましては、大きな修文はございません。
     一つは、建リ法の届出を受理した場合、それは関係部局に通知する規定があるとよいのではないかというご意見も頂戴しておりますけども、これは情報共有の記載の中で読めるものと考え、報告上の記載としては現行どおりにさせていただいてございます。
     それから、ここにありますポイントとしましては、2段落目にございますような、「各制度の効率的な運営を図るためには、関係する各制度が連動して働く仕組みにすることが望まれる」として、具体的には以下でございますけども、関連部署等において「石綿に関連する法令に基づく情報の共有に努めるよう、関係各省と連携して都道府県等に要請することが有効と考えられる」としているところでございます。
     また、具体例としましては、具体的な取組の好事例を参考にして取り組むことも有効と記載をしてございます。
     これに関連しましては、現在関係する各省とも調整をいたしておりまして、近日、このような内容を踏まえた通知等を関係する機関にお出しをする方向で現在準備をしているところでございまして、状況のご報告をさせていただきたいと思います。
     (3)アスベスト除去後の完了検査でございます。これにつきましては、修正箇所は15ページになりますけども、前回の委員会の中では、作業終了後の撤去後のチェック等の報告・届出等についてのご意見、それから石綿の除去作業の品質管理が十分されていないことが問題であり、しっかりとチェックをすることが必要であるとご指摘をいただいているところでございます。
     「このような現状を踏まえると」のところにポイントとして記載をしてございますが、「現時点において、完了検査については、作業場内の石綿の飛散がなくなったことや特定建築材料の取り残しがないこと等の除去工事完了後の確認事項のチェックを行うことについて」、この後、言葉を補ってございますが、「作業基準に規定することや立入検査時の指導項目とし、報告を求める対象とすることも視野に、施工業者が適正に除去作業や飛散防止対策を実施する仕組みを検討することが適当である」として、今後の検討のポイントとして例示的に記載をさせていただいてございます。
     それから、(4)周辺住民への情報開示の点でございます。これにつきましては、ほかのセクションとの関連でも幾つかご意見を頂戴しておりますけれども、一つは、事前調査結果の公表は必要ではないかということ。それから、石綿がないことも含めた情報等の届出ですとか開示について。それから、住民への説明会等につきましては、規模の要件等を検討することについても必要ではないかということで、ご意見を頂戴しております。
     住民への説明会については一番最後の段落にございますが、ここは実行可能性も含めて検討という形で記載してございますので、当然のことながら、規模要件ですとか対象につきましても、今後の検討の中で整理をしていく必要があるということで、文言としては記載してございませんけども、ご指摘を踏まえた対応をしてまいりたいと考えてございます。
     ポイントとしましては、最後の二つの段落で、言葉を追加させていただいてございますが、「事前調査の結果等の更なる情報開示が必要ではないとの指摘もあり、今回検討している制度改正に伴い、現場での掲示を含む情報開示についても、追加すべきものがないか検討する必要がある。」また、住民等への説明会等の実施といったような、更なる情報開示の取組についても、実行可能性を含めて検討する必要があるとしてまとめさせていただいてございます。
     以上、中間報告(案)の要点、それから前回ご指摘をいただきましたポイント等の修正箇所をあわせてご説明をさせていただきました。それぞれ行ったり戻ったりしたところがございましたので、わかりにくいところがあったかもしれませんけども、資料と参考資料2による説明については以上でございます。

    【栗林大気環境課長補佐】 続きまして、参考資料1、A4横長の資料をご覧いただきたいと思います。
     ただいま説明しました中間報告(案)を踏まえまして、関係者の取組強化の方向(案)として取りまとめたものです。一番左側の欄に事項というのがありまして、事前調査、届出等々の項目に対しまして、その隣です、取組の主体、どういう主体のものがどういうふうな取組を行っているかというのが、一つ飛びまして強化される取組等のところです。一番右側に対応ということで、今後、我々事務局も作業を進めていくわけですが、法律改正が必要なもの等々を対応ということで書かせていただいております。
     今言いましたように、法律の改正が必要と思われるものについて主として説明させていただきます。まず一番上の事前調査ですと、今、発注者あるいは建設業者ということで両論併記になっておりますけれども、強化される取組等としましては、解体工事等の請負契約締結前に解体等工事が特定工事に該当するか否かの事前調査を実施すること。それから、いずれが主体になったとしても、建設業者から発注者へ事前調査結果を説明することということで、想定される対応としましては、法律に追加するということになると思います。
     それから、その下の届出につきましては、これまで施工業者が届出をしていましたけれども、こちらを発注者に変えるということ。それから、建設業者に対しましては、建設業者から発注者へ届出事項の説明を行う義務を負わせることということで、これについては、それぞれ法律の改正、それから法律への追加というのが必要になってくるのかなと思います。
     それから、その下、大気濃度調査につきましては、施工業者に大気濃度の測定を実施させること、それから測定結果を記録させることということで、これは法律ではなく規則に追加という形になるのかなと思っております。
     それから、一つ飛びまして、立入検査、報告徴収につきまして、これは都道府県等に対してですが、今でも立入検査、報告徴収の規定はありますけれども、建築物等を解体・改造・補修するという作業を伴う建設工事への立入検査等に拡大するということで、これは法律の改正につながるのかなということです。
     それから、また一つ飛びまして、罰則についてです。今も罰則は規定がありますけれども、立入検査権限の拡大に伴う罰則規定の拡大ということですと、これも法律の改正が必要なのかなということです。
     そのほか、一番右側の欄に検討と書かせていただいておりますけれども、これは今後の検討課題ということで、引き続き検討を続けていくものということでございます。
     以上でございます。

    【浅野委員長】 よろしゅうございましょうか。
     ただいま本日の中間報告(案)について説明をいただきました。これについてご質問なりご意見なりございましたら、どうぞお出しをいただきたいと思います。どこからでも結構でございます。
     それでは、神山委員、どうぞ。

    【神山委員】 細かい問題ではなくて、表現の問題なんですけれど、参考資料1の対応のところで、法律に追加するとか、あるいは規則に追加する、それに対して検討というのが明記されているんですが、これと本文の表現との関係性なんですけども、いろいろな表現がされているように感じますが、例えば「必要性を検討することが考えられる」とか「検討の必要がある」、「必要がある」と本文で言い切っているのが、大体検討ということに相当するのか、必要であるという中には二つあって、法律の追加等で対応しますよということと、今後、行政が、環境省が責任を持って検討していきますという、二つがあるのか、その辺の書き分けの規則をお聞きしたいと思います。

    【浅野委員長】 この参考資料1はあくまでも便宜的につくったものでありますので、あまりリジットにグループ分けをしているわけではなくて、要は検討をしていかなければならないことは「検討」と書いてあるわけですが、「検討」について、本文の中の書き方は、重みづけがあって、どういうふうに検討するか、検討の内容もいろいろありますので、することを前提にして技術的な検討をしなければならないと言っている部分もあるし、それから、そもそもの検討をしなければならないというのがありますから、なかなかきれいに表の中で類型分けして書くことは難しいのではないかと思います。いずれにせよ、法や規則で対応を直ちにするという提案になっていないものが検討と書いてあるとご理解ください。

    【神山委員】 参考資料1の「検討」と明記されているのが、これが一つ大事だと思うんですが、本文のほうが残るとすれば、本文で比較的軽い表現で「対応が考えられる」とか「検討していくことが適当である」とか、そういう表現というのは、むしろ「必要である」と言い切ったものよりは軽い表現というふうに一般的に理解してよろしいということですか。

    【浅野委員長】 どこの部分を指して言っておられるのかが、ちょっとはっきりしませんので、一律にお答えはできないと思いますが、全体に文脈の中で読み取ってもらう以外にないということだと思います。
     それから、ここはあくまでも中間報告でありますので、検討と書いてある中には、今後、もっと細かい政省令段階で具体的に考えなければいけないようなものも検討というグループの中に入っているわけですね。特にこれをやってくれと書いているのは、今回、法改正としてすぐ次の通常国会に出さなければなりません、というものについて明確に書いているので、将来の課題という部分と、次のこの専門委員会のステップでの検討という二通りがあることは事実ですね。

    【神山委員】 わかりました。要するに文言でそれほど、1対1対応の表現は、今の段階ではとっていないということはよく理解できましたけども、検討というのは、今後、予算措置等が必要で、来年度、検討委員会を設けるにしても必要だと思うんですが、この多くは予算措置を講じていくということでしょうか。あるいは、この中でまた取捨選択して当然だと思いますけども、そういう形をとるということなのか、今後の対応についてお聞きしたいんですけど。

    【浅野委員長】 おっしゃりたいことの意味を十分に把握しているかどうかわかりませんけども、調査しなければならない事項で、ここに書いているものについては、本日以降専門委員会の手を離れて、部会の答申というか報告になりますので、そこから出てきたものは、事務方としては当然尊重しなければなりません。おそらく、総務課長が頑張って予算をとって調査をされることになると思います。

    【加藤総務課長】 検討と書いてある中にも、ご指摘のようにいろいろなレベルがあると思いますけれども、この報告をいただいて、法律改正につながって、制度改正につながったものにつきましては、普及啓発とかも含めて直ちにやらなければいけないもの、これは当然必要な予算を使ってやっていくということになると思いますし、それから、さらに技術的に詰めていかなければいけないところにつきましては、そういった検討の場を設けまして、その結果に応じてまた必要な予算措置を考えていくと。それは段階的に順次やらせていただきたいというふうに思ってございます。

    【浅野委員長】 大塚委員、どうぞ。

    【大塚委員】 順番に、小さいところですけど、8ページの1行目から2行目にかけて、「登録機関であれば利益相反をすると登録を取り消されてしまうという抑止力が働くため」というのは、この文章は多少変かなと思います。利益相反になるかどうかというのは、客観的な状況として決まってくることなので、するとかしないという話ではないので、ここは少しご検討いただけるとありがたい。指摘もあるという話なので、本質的な話ではないと思いますが、読んだ人が何を言っているか、わかるように…。

    【浅野委員長】 わかりました。おっしゃりたいことはよくわかりました。

    【大塚委員】 では、次、よろしいですか。
     二つ目ですけど、8ページの2の第3パラグラフ、「すなわち」のところですが、第2パラグラフをご修正なさった結果、発注者と施工業者の関係がほとんど対等のようになってしまったので、「すなわち」というところの文がつながらなくなっているという気がいたします。前回のバージョンだったらよかったんですけども。
     私の案としては、例えば、「すなわち」の2行上のところの「施工業者は請け負った工事を注文者の指示のもとに」とか入れていただくと後ろにつながると思いますが、発注者に届出義務を課するように変えるという「すなわち」以下の部分と、その前のパラフラグとつながりが悪くなっているような気がしますので、これも内容についての変更の意見ではないので、文章の流れのことをご検討いただけると。

    【浅野委員長】 ここの文章は、ほとんど私がつくった文章なので、あまり大塚委員が言われるほど矛盾を感じてはいないんだけど、考えてみます。
     要するに前半は、特定粉じん排出等作業になっているかどうかはっきりしない段階での一般的な責務関係をまず押さえておいて、その後、実際に今回、制度的に明確にいじりたいと思っているのは、特定粉じん排出等作業になった場合には、これは今までのように作業者任せではだめですよ、それはちゃんと発注者が自らしなければならない。それは明確に前の段落で言われている責務ということが、こういう形で具体化するという書き方をしているわけです。ですから前のほうまでは、全面的に発注者が100%責任を負うという書き方のような読み方をされるのは、もともとの真意ではなかった。要は今まで全く責任ゼロのように見えたものがおかしいので、責任を負うようにしましょうと。そして、その負うべき責任の内容というものは、大塚委員が言われるように半々かもしれませんけども、しかし、具体的に、制度的に、今回どこをいじろうと思っているかというと、それは特定粉じん排出等作業であることが明確になった段階で、それから後はまさに大塚委員が言われるように、そのことが環境保護上自らそういうことを始めるようになるわけだから、それについての届出はあなたがやるのが当たり前でしょうというつもり書いているわけです。論理的には、大塚委員が言われたことを生かそうと思って書いたものです。

    【大塚委員】 そうですか。ありがとうございます。

    【浅野委員長】 それでよろしいですか。

    【大塚委員】 はい。

    【浅野委員長】 それでも、なおおかしいというなら、もう一度考えますけど。

    【大塚委員】 いえ、そこはもう納得をいたしました。

    【浅野委員長】 それだけのことを省略して、一言で「すなわち」と言っているので、ちょっと誤解をされるということであれば、もう一度よく考えましょう。趣旨は今言ったようなことです。

    【大塚委員】 半々かのように見えて、後ろのつながりがどうかと思ったので。

    【浅野委員長】 わかりました。

    【大塚委員】 それから、11ページのところ、ここは質問ですけれども、11ページの5の(1)のところで、前は平成8年の答申が載っていたのを削った理由は何だったか忘れたので、それを教えてくださいという話です。
     それから、14ページですけども、これはこだわっていて申し訳ないんですが、4行目の罰則とかの指摘もあるというのは、法律関係者から見ると意味不明なので、何とかしていただきたいと思っていますけど、そういう意見を私が言ったということだけは議事録に残していただければ結構ですが。
     というのは、届出をさせるために届出義務の罰則をつけているので、届出をしないときに罰則が適用されないから罰則の意味がないと言われると、そもそも罰則というのは何のために入れるか訳がわからなくなってしまうので、その議論は、法律家としては受け入れにくいので、そこは意見として申し上げておくということです。

    【浅野委員長】 前の答申を殊更、書くのをやめた理由は、3番目のところです。11ページについてのご質問ですね。これは有害大気汚染物質は、どっちかというと化学物質系のものについて議論をしていて、それで10-5のリスクレベルみたいな話をしているわけです。そのことと特定粉じんの議論とは、パラレルに議論できないだろうということです。ですから、そもそも10-5レベルの話も同じように議論できないし、ばく露の形態が大分違うので、それをここで強調してしまうと話が混乱するだろうと考えました。有害大気汚染物質というものと特定粉じんは違うと考えたほうがよかろうと思ったものだから、あえて無理に議論しなくてもいいだろうということを言っただけです。

    【大塚委員】 そこは、ばく露は短期的だというところですか。

    【浅野委員長】 ということもあるし、それから物質そのものの形状が違いますね。粉じんと気体状の物質というのは違いがありますので、気体状の物質を扱って議論していたドキュメントをここに持ち込んでも、かえって混乱を起こす可能性があるし、次の議論をやるとき、もうちょっとフリーハンドで議論をしたいという気もあったものだから、詳細の基準議論をするときに、あらゆる観点から議論できるようにしていなくてはいけない。あまりマニュアルみたいに、前の答申がひとり歩きをすることはよくないのではないかということです。
     それからもう一つは、ほかの関係する大気関係の部会の議論の中で、そもそもあのマニュアル的に扱われている答申も、それほど確たるものではないという専門家のご発言がありましたので、これも理由になるかな、と考えたということです。

    【大塚委員】 それから、あとは意見になってしまうので、取り扱いについてはお任せしますが、14ページの(3)のところにある、下から3行目の第三者によって完了検査を実施させるという話ですが、これは、できれば将来の検討課題としては第三者によるということをお書きいただきたいと思います。15ページのほうでは、これを将来の課題としても書いていないような感じなので、今回はすぐには難しいかもしれませんが、将来の課題としては書いていただいてもいいのかなという気がしますので、意見として申し上げておきたいと思います。
     それから、これも意見になるので、扱いはお任せしますけども、(4)の周辺住民への情報開示という15ページのところですけども、おそらく労災とかの関係で、職業的にばく露する方以上に、周辺住民というのは早目に情報開示してもらわないと、いろんな対応ができないということがあると思います。そういう意味で、職業ばく露以上に早目ということが多分大事ではないかという感じがいたしますので、これは意見として申し上げておきたいと思います。

    【浅野委員長】 ありがとうございました。
     どういうふうに扱ったらいいか、この情報開示に関しては、多分、外山委員からも意見が出そうな感じがしてます。
     例えばPRTRの法律をつくったときの議論を考えてみると、ある一面みたいなものはあるわけですから、その発想法で考えると、今、大塚委員が言われた、早目に情報をできるだけ流すことの合理性というのはあり得ると思うわけです。ただしかし、法的義務としてどこまで書けるかという問題があるものだから、マニュアル的に、自主的にちゃんとやってくださいよとか、それでトラブルを防止できるんですからね、といった具合の話と、それから法的に義務づけてガチガチとやらないと処罰もしますよ、といった具合の話とは違ってくるし、またそのことが労災絡みの話の場合と大防法のような一般環境汚染防止のような場合では、保護される対象や汚染濃度の形態が違うから、同じレベルで扱えるかどうかという気がちょっとあったものですから、ややトーンが弱いところがあることは認めざるをえません。
     内山委員、どうぞ。

    【内山委員】 まず、用語といいますか、字句の修正をお願いしたいんですが、4ページの1.の下から3行目のところが、「建築物等の解体・改造・改修工事」と書いてあって、そのほかは全部「補修工事」なんですが、これは多分「補修」でよろしいでしょうか。
     もう一つが、14ページの(3)、「アスベスト」がまだ残っているので、「石綿」にお願いしたいと思います。
     それと、全部読んでいて「解体工事等」というのと、それから「特定工事」、それから「特定粉じんを排出しない工事」と、いろんなところで使い分けられているんですが、おそらく「解体工事等」というのは、特定粉じんを含んでいない解体工事もあるし、いる工事もあると。そういう場合「解体工事等」だけど、その下に、解体工事のときは石綿の飛散防止を何々というふうに書いてあると、ちょっと曖昧になってしまっているところがあるような気がするんです。どこというふうにちょっとあれなんですけど。「特定工事」と言ってしまうんだったら「特定工事」と。最初に特定粉じんを排出するような解体工事・改造・補修は「特定工事」というと法律で決められているので、石綿の飛散防止について述べているところは、「特定工事」と言ってしまったほうがはっきりするかなという感じはします。両方あるのだからという事前調査のところを言っているものは「解体工事等」でいいと思うんです。これは両方どちらに行くかわからないというのが、ちょっと読んだ感想です。
     それから、浅野先生が先ほどガスと粉じんとは違うとおっしゃって、大気汚染物質はガスだからとおっしゃったのは、あまりそこを主張しますと、重金属類はほとんど有害大気汚染物質でも粉じんの形態で存在していて、粉じんを測っているものが多いですので、形態が粉じんとガスで違うから一律に扱えないというと、また突っ込まれるところが出ていると思いますので。

    【浅野委員長】 わかりました。その点は発言を撤回させていただきます。

    【内山委員】 不連続なものであるというのは、全然違うものですので、そのことだと思います。
     それからもう一つ、ちょっと確認したいんですが、先ほど大塚先生のおっしゃった情報開示ですね。これは主に大防法のことを書かれているので、これはこれでいいと思うんですが、石綿障害予防規則はないというのも記述しなければいけないという規則があったと思うんです。この解体工事・改修工事には石綿はないというのも、住民にわかるように表示しなさいという規則があったと思うので、大防法として書いてあるのはこれだと思うんですけれども、その後、全くこれ以外のことについてはこれから検討というとちょっと語弊があるかなと。
     それと、もう一回確認していただいて、たしかそういう規制があったと思いますので、それも大防法で取り入れていくのかどうかですね。これをちょっと確認していただければと思います。

    【浅野委員長】 ありがとうございました。ご注意いただいた点は、もう一度よく調べさせます。
     ほかにご意見がございますでしょうか。小林委員、どうぞ。

    【小林委員】 恐れ入ります。事前に読んだときに見落としてしまって申し訳ございません。14ページの初めのほうの行ですが、「これについては」云々で、「罰則強化が必要ではないかと指摘がある」、その後ですが、「一方、法令違反が発生したとしても」云々で、「期待できなくなるとの指摘がある」、ここの部分ですが、事実上はこのとおりなんですが、実際に監督しています地方自治体では、いわゆる罰則を適用して処分するということよりも、実際上は行政指導の中で、または、行政処分の中で改善をさせるとことに重点を置いていることもありまして、実際に罰則を適用するということはほとんどしていないことも事実です。
     ただ、ここにこういうふうに書かれてしまうと、ちょっとつらいなという感があります。そういう意味で、できましたら、「罰則強化が必要ではないかという指摘がある。」にしていただいて、それ以降の「一方」から最後の部分までは、できたら削除していただいたら助かるなという感じがするのですが、いかがでございましょうか。

    【浅野委員長】 ありがとうございました。言わずもがなの気もしますし、おっしゃるようなことがあって、それも書くとまたややこしくなりますから、削るというご提案に、私は同調したいなと思います。ありがとうございました。
     外山委員、どうぞ。

    【外山委員】 まず1点目ですけれども、5.(1)ですね。「大気濃度測定結果の評価方法」で、やはり平成8年の中環審の中間答申でもこの部分が抜けてしまっているのが私は少しひっかかっていて、この中で10-5リスクということで、健康リスク評価に基づいて基準値を決めていくということですが、健康リスクの観点からということで1段落目に書かれているので、それでもいいんですけれども、もう少し強調する意味で、この部分は必要なのかなというふうに私は思いました。
     それから2点目が、大塚委員と似ているんですが、14ページの(3)の完了検査ですけれども、今は難しいかもしれないですけれども、将来的に自治体がそういうことをやっていくという意味で、幾つかの自治体で、私が聞くところによると、こういう完了検査を自主的にやろうという志向性も出てきているので、モデル事業的なものも始まっているというふうに聞いていますので、そういう意味合いを少し持たせていただけたらというふうに思います。
     それから3番目が、情報開示ですけれども、これも、この書きぶりでもよろしいかとも思うのですけれども、一つは、14日前までに自治体にはこういう情報が、届出書類が届けられるということなので、その開示を、いまは情報開示請求をしなければ見られないわけですけれども、そういったものが迅速に開示できるような方法ですとか、あとは説明会、これも法的な義務づけというのは難しいかもしれませんけれども、やはり何らか説明会を開くような、そういう文言も入れていただきたいなというふうに思います。
     それから最後に、これは説明をしていただきたいんですけれども、前回と前々回で私のほうから、アスベスト除去の事業者の登録制度なりライセンス制度なりという提案をさせていただいているんですが、これはなかなか難しいというお話も聞いているので、その辺りのできない説明をぜひお願いしたいなというふうに思います。

    【浅野委員長】 それでは、最後の点については、事務局、お答えいただけますか。

    【加藤総務課長】 最後の点については、この報告書の中では、事前調査の部分と、それから測定の部分で、登録の話はさせていただきましたけども、除去業者そのものの登録というものについては、今その作業の中身については作業基準という形で定めておりますので、それはどの業者であろうと一律に守ってもらうということが前提になっているということだと思っております。
     ですから、その中で、その技術を持っている人、特に優秀な人というものをどうやって選んでいくのかということを、あるいは、それをどう制度化していくのかというのは、その作業基準との関係を整理する必要があると思っていまして、全体として、その作業に携わる事業者の方の技能といいますか、それが向上していくこと、それは十分大切なことだと思っておりまして、その辺はちょっと一部触れているところも本文中にあるんですけれども、さらにその中で、そういった前提の上で、登録業者的なところについては、もう少し議論が必要かなと思っておりますもので、ここの中にはまだ書かせていただいてないという状況です。

    【浅野委員長】 よろしいですか。
     大気汚染防止法の改正という議論の射程距離と、それから、全体にアスベストをどう扱うかという話と、そこの接点部分になるわけです。だから、入れるとしても、問題提起という形でしか当面は入れづらいなということがあるわけですね。それで、ここではあまり明示には書いてないということなんですが、よろしいでしょうか。
     ただ、優良な業者をきちっとラベリングをして、この人が優秀です、技術がちゃんとありますという人がわかるようにするということはいいかもしれませんし、それは経団連の意見書の中にも、そういうものをちゃんとわかるようにしてくれというご提言がありますから、それを入れたとしても、制度の運用上は幾らでも実施できると思うのですね。だからそういう提案を入れてもいいと皆さんがお認めくださるのであれば。私もそれを入れてもいいなと思います。ただ、誰が有優良と判定するかという問題もまた出てくるわけですね。だけど、法律を変えなくても制度運用上はできるだろう。それを検討してほしいということを入れましょうか。それでよろしいですか。

    【外山委員】 はい。

    【浅野委員長】 いかがですか、中橋委員。優良業者の推奨の仕組みが入れられた場合。

    【中橋委員】 経団連さんの、先生が今ご指摘の2番目ですね、優良事業者登録制度の創設と、非常に格好いい文章で、我々業界の、ある種夢の部分でございます。古くて新しい問題だと言ってもいいかと思います。これに取り組んだ経緯はいっぱいあるんですね。どういうふうにやろうかと。ところが、いつもぶち当たってしまうのは、誰が評価するんだよと、何を評価するんだよ、技術なのか、安全なのか、近隣とか、いろんな要素があって、それを誰が評価するかというと、やっぱり専門工事業者じゃないかと。専門工事業者が専門工事業者を評価するのかと。同業者が同業者を評価するのかと。ここの堂々めぐりでいつもポシャッているのが現実でございます。

    【浅野委員長】 しかし、少しオフィシャルにきちっと考えなきゃいけないと言うことによって、またもうちょっと違う課題があるかもしれませんね。それは、直ちにということは難しいにしても、ちゃんと考えなければいけない。そこから始めるほうが案外早いかもしれませんし。外山委員のご意見を踏まえまして、そこは検討をさせていただきます。
     ほかにございますか。島田委員、どうぞ。

    【島田委員】 少しお伺いしたいんですけど、立入検査の件なんですけれど、私は、最初に事前調査の義務づけをお話ししたときに、事前調査を義務づけることによって、その事前調査が作業基準になるのかわかりませんけれど、そういうことをやっているかどうかということを、立入検査の契機にできるのではないかなという話をさしあげたかと思うんですけれど、その点がどうなっているのかということですね。
     ここの立入検査の中で、結局、届出がされたことを契機に、それを対象に立入検査をするよというところの域を出ていないような気がするんですね。それを9ページの(1)の「立入検査の対象」のところで、それを拡大すべきであると言ってはいるものの、(2)のところでは、届出されたものからどれだけ飛び出すのかというか、届出されていない工事について、いかに立入権限を拡大していくのかという、そこら辺がポイントだと思うのですが、それは特定建築材料がありそうなものを、そういう基準を決めてという、そういうふうな表現になっていたと思うんですけど、それをもっとストレートに、事前調査を契機に立入検査というものができないものなのかなという、ただ単純な疑問ですけれど、それは法的にはそういうことにはならないのでしょうか。

    【浅野委員長】 法的には、立入調査権限を強化すると言っているときに、今回の法改正によって新たに加わった義務が事前調査義務で、罰則があるかどうかは別として、事前調査の義務がある。それからさらに、報告については報告者が変わるということがある。
     そうすると、まずはちゃんと届出をしていれば、それで一応はクリアできるということになるわけですから、それをもとに届出されたものが、あとは作業基準を守っているかどうかについての立入調査もあるでしょうし、もう一つは、届出義務を怠っているかどうかについての立入調査というのがあるでしょうね。立入調査をして届出をしてない者について、あわせて事前調査をしているかどうかというのを見ることになるわけでしょう。ただし正直言って悩ましいのは、事前調査はやりました。結果としては何もありませんでした。だから届出しませんでしたという場合です。ところが調べてみたら出てきましたというときに、それは事前調査義務違反ではないわけですね。十分調査をしなかったということだけであって、形式的には事前調査をしました。それが正しくはなかったんだけど、結果的にはないということでしたから届出しませんでしたという場合は、どうなるのかという問題が出てきてしまうことは事実ですね。
     だけど、それはしようがないのかな、そこで指導をかける以外にないかな、ということなのでしょうね。それ以上厳しく、間違った調査をやったものを罰則するというわけにいきませんし、どうなんでしょうかね。

    【谷口委員】 まさに、届出がなされてないところがどうなのかというのが我々の一番大きな問題で、周辺住民の方々の心配事項なんです。それで、ここにも記載いただいていますように、我々のほうとしたら建リ法の届出、これが80平米以上ということで、かなりある。大阪府が受ける建リ法の届出だけでも年間に二千件程あるんですね。そういう情報をもとに、石綿が使われている可能性のあるものをピックアップして、悉皆調査をやろうよということを今言っているんです。
     工場とか倉庫であれば、大阪の場合は、大阪市とかそういう政令市はちょっとのけて、年間に200ぐらいの解体の届出がありますので、そういったところを行くと。そのときに、大防法上の立入検査権限が与えられていますので、我々としたら、今まではお願いでしかお話しできなかったわけですけど、これからは権限を持っていけるということです。
     聞くことは、事前調査をきっちりしたかどうかということですね。調査をしてないと。だから届出がないというのは、一応オーケーと。だけど、あるということであれば、直ちに届出をさせる指導を行うことになるということです。行ったときに、既に解体が一部始まっていたときは、無届出の解体ということですから直罰がかかるはずですね。ということで、当面は環境影響があるかどうかのチェック。それから、一時工事を止めるかどうかという、その辺の指導をやるということですね。一番困るのは、解体が進んでいた場合、この場合は無届出かどうかということすら証拠がないので、はっきりできないんです。先ほど文章を削るということになりましたけども、罰則の適用ができないという問題になります。
     我々とすれば、かなりの部分は、この立入検査権限拡大でカバーできますので、非常に悪質なものはなかなか難しいですけど、ちょっと過失っぽいやつはかなりカバーできると思いますけども、それだけ作業が増えるということはありますが。ということで、こういう権限の拡大をしていただいて、助かるということです。

    【倉谷大気環境課長補佐】 今ご意見いただきました立入検査の対象につきましては、先ほど、最後にご説明をいたしました参考資料1の中で簡単に記載をさせていただいてございます。これは、現在検討中のものでございますので、文言等、詳細な部分は今後また整理する中で見直しの可能性がございますが、立ち入りの対象につきましては、表の中ほど、法改正に対応する事項ということで、建築物を解体、改造、もしくは補修する作業を伴う建設工事への立入検査等に拡大ということで、基本的には、先ほど島田委員からもございましたような、事前調査の対象になるものは全て含まれるような形での対象にしたいと。
     その上で、運用上のいろいろな課題について谷口委員からもご意見を頂戴いたしましたけれども、なかなか網羅的な対応というのは難しい部分もございますので、そういった点についての課題、それから環境整備については、先ほど(2)の技術的検討事項のところでマニュアルの整備等により、しっかりとその可能性が高いところを確認ができるようなツール、判断材料をしっかりと、まとめて提供していくことも必要になるものと考えているところでございます。
     具体的には、事前調査の対象について、どういったものが明確に必要ないものとして除外されるかという議論はございますが、事前調査の対象となり得るものについては立ち入りができるというような規定を設ける方向で検討をしているところでございます。

    【浅野委員長】 島田委員、よろしいですね。

    【島田委員】 はい。

    【浅野委員長】 大塚委員、どうぞ。

    【大塚委員】 コメントだけで申し訳ないですけど、さっき座長が気にされていらっしゃった、事前調査をしたけれども出てこなかったということで、届出をしなかったけども、後で本当は石綿があったというケースは、一つの方法としては、あまりにもずさんな調査であったということが後でわかったときに、調査した方を公表するぐらいのことが考えられます。この点は、何か対応をしておかないとまずいなと個人的には思いますけども、今から増やすのは難しいでしょうから、公表という方法はありますということだけ、申し上げておきます。

    【浅野委員長】 ちょっと考えてみましょう。いずれにせよ、法改正の本質的な部分になるかどうかというと、ちょっと距離もありそうですから、走りながら考えてもいい部分かもしれません。
     ほかにございますか。

    【神山委員】 参考資料4の用語解説というのも中間報告につくんだろうと思うんですが、そういう中で、「発注者」というふうに文言が変わったので、それに対する詳細な説明を、文中にも注が少し入っていますけれども、そういうものをまた改めて用語解説に記載していただきたいと思います。
     それとあと、できればですけれども、今、非常に重要な検討課題になっている事前調査とか立入権限というのも、できる限り用語のほうでも解説していただけると、読む人が楽になるということで、勉強になるということもありますので、お願いしたいと。

    【浅野委員長】 「発注者」は、オーダーをお受けしましたが、事前調査とか立入権限というのは、法令をつくることとの関係があるので、なかなか用語解説になじみがたい面があるので、ちょっとそれは勘弁していただけませんでしょうか。むしろ本文で、もっとよくわかるように書けというご指摘だと思いますから、そちらで読めばわかるような書きぶりをもう少し事務局に工夫をさせます。
     ほかにございますか。浅見委員、どうぞ。

    【浅見委員】 私も気がつかなくて申し訳なかったんですけど、改めて用語解説を見たところ、集じん・排気装置のHEPAフィルタ、これは0.15μmとなっていますけど、0.3μmですので、修正をお願いいたします。

    【浅野委員長】 集じん・排気装置ですね。

    【浅見委員】 はい。0.15μmの粒子は、0.3μmです。

    【浅野委員長】 わかりました。ありがとうございます。
     ほかにございますか。よろしゅうございますか。青島委員、何かご意見ございますか。無理にとは申しません。

    【青島委員】 事前調査についての話で、調査物件について、前回もお話ししたんですけど、7日前に建リ法のデータが上がってきて、それから特定工事か特定建設工事以外のものかというのは、1週間の間では大変期間が短いということなので、建築工事のお知らせが、近隣の看板が出ますよね。新築の場合は出ます。そのときに、約1カ月前から2カ月ぐらい前にはもう近隣との説明が終わっている状況なので、地方自治体によっては、1カ月前に説明をして、その説明結果を報告するということなので、その時点でそういった建物の年代、あるいは規模によって、吹付け石綿が使われているか、使われていないかというのが判断できれば、そこで調査命令を出すというような、ちょっと拡大、今後の運用規定にそのような範囲を含めたらいかがかなと思いました。そうすれば、早目の対策、先ほどの見切り発車みたいな形で、調査が曖昧な状態でのときに歯止めになるんじゃないかと思っております。

    【浅野委員長】 ご意見として伺っておきますが、建リ法と当然連動するという仕組みを大防法として考えているわけではなくて、建リ法の話はまた事実上それとつなぎましょうと言っているだけですから、ちょっと考えさせてください。
     ほかにございませんでしょうか。よろしゅうございましょうか。小林委員、どうぞ。

    【小林委員】 罰則なんですが、実は発注者と注文者ということで、どう違うんだということをちょっと調べさせていただきましたら、大変身近なところで安衛法の中で書いてあるんですね、発注者と注文者の区別というのが。あれをそのまま使われたら一番いいのかなという気がいたしましたが。

    【倉谷大気環境課長補佐】 その点につきましては、これまで大防法の中では、いわゆる配慮規定のみしか規定がなかったということで、ある意味、いわゆる元請であるか、その下であるかという厳密な解釈といいますか、区分は必ずしもほかの法律ほど必要でなかったということが背景としてあるのかなということでございますが、今後、用語の統一をする際には、そういった先例も参考に見直しをしていきたいと思っております。

    【浅野委員長】 ありがとうございました。法制化するときに他の法律と用語の統一を要求されるに決まっていますので、早目にこちらも、手を打っておいたほうが無難です。だけど、逆に大防法でこういう言葉を使ったのにといわれる可能性があるので、さて、それはどうするか困りますけれども、私が直接法制局に行くわけじゃないので。
     よろしゅうございますか。
    (なし)

    【浅野委員長】 それでは、大体ご意見も出尽くしたようでございますので、今日は、修正をしてほしい、あるいはこういう点について考えてほしいというご意見がありました。特に大きなご意見として出ましたのは、小林委員から、この部分削除というのがありました。ちょっとご異論もありましたけど、確かに言わずもがなのようなところがあるので、これは削除ということにさせていただきます。
     それから、外山委員のご指摘があった点のうち、優良業者に関しては、他からも要望が出ていますので、少し何かそういう部分については表現を入れるということで、事務局に検討をさせます。
     その上で、あと細かい点についてもいろいろご注意いただいた点はもう一度精査をいたしますが、今後の取り扱いでございますけれども、もしお許しいただけるようでしたら、次にパブコメにかけるということがございまして、また、部会にも報告をして中間報告ということにしていただく必要がございます。もう一度専門委員会を開くということが難しいので、大きく報告書案そのものの骨子を変えるということについてのご意見はなかったと思います。パブコメ案にむけての修正については、私にご一任いただけますでしょうか。よろしゅうございますか。
    (はい)

    【浅野委員長】 ありがとうございます。それでは、ご一任をいただきましたので、本日のご意見を踏まえて修正をした上で、パブコメを行うと共に、12月26日に行われる大気環境部会に報告をすることとさせていただきます。なお、部会報告の前には、委員の先生方には、このように直しましたというご報告を申し上げることにいたします。
     それでは次に、その他について、事務局から何かありましたら、どうぞお願いいたします。

    【栗林大気環境課長補佐】 ただいま委員長からもお話しいただきましたけれども、今後のスケジュールについての説明を、繰り返しになりますが、させていただきます。
     本日いただきましたご意見を踏まえまして、委員長と相談させていただきまして、中間報告案を修正させていただきます。その後パブリックコメントを開始しまして、次回の大気環境部会で中間報告をさせていただきます。その部会への中間報告前には、皆様方にも、こういう最終的な報告案ということでご提示させていただきます。
     したがいまして、中間報告の取りまとめに関する委員会は今回で終了ということにさせていただきたいと思います。
     なお、今後の検討課題となっている事項がございますけれども、こちらにつきましては、法律の改正という作業が入ってくると思いますので、この法律改正案の成立状況、こういうのを踏まえまして、引き続きまたご審議をお願いしたいと思っております。
     また、本日の議事録につきまして、各委員にご確認いただいた上で公開することとさせていただきたいと思います。
     以上でございます。

    【浅野委員長】 今後のスケジュールについて今ご説明申し上げましたが、何かご質問ございますでしょうか。

    【島田委員】 法律事項の中で、事前調査の実施主体がどちらになるのか。今回は両論併記なのですが、これが決定されるプロセスというのはどういう形になるんでしょうか。

    【加藤総務課長】 今回の報告では両論併記になっておりますので、それぞれの考え方を事務局でもう一度整理させていただきまして、どちらかの考え方を、これは他法律との整合性等もありますので、そういうのも踏まえまして整理をさせていただきます。その上で、政府原案という形で法制局へ持ち込んで、法制的なチェックを受けた上で、政府案として固めていく形になると思っております。

    【島田委員】 部会で決定されるということではないですね。

    【浅野委員長】 今のままですと、この中間取りまとめで、中間報告の案を部会にこのまま出して、これをこのまま部会としては認めてもらうというつもりでおりますので、あとは立法プロセスの中でいろいろございますので、そこでしかおそらく決着つけようがないだろうということです。つまり、専門委員会の大宗のご意見というものが、果たして立法記述のところでうまくいくかどうかということもあるものですから、そこで一応安全弁を入れてあるという面がありますので、専門委員会の意向はこっちのほうが、どっちかというと中心なんだということはよく事務方にはわかっていますが、しかし、それでうまくいかないということもないわけではないので、クッションをおいているわけでありまして、最終的にそこで頑張るだけ頑張ってくれと、こういうことでございます。
     ほかに何かございますか。よろしゅうございますか。
    (なし)

    【浅野委員長】 それでは、今後のスケジュールということで、先ほどご説明申し上げましたことについてはご了承いただいたと思います。
     選挙後、政府がどのような構成になっていくかわかりませんけども、従来のまともな時代には、大体国会に法律が出ると修正があっても比較的早く国会で法律が決まりましたので、決まったら、それを受けて政省令の検討ということをやっていたのですけども、この頃なかなか法律が決まらないことがあるものですから、そうすると、いつまでも何にも作業ができないのも困ります。場合によっては、法案が継続審議のようなことになった場合には、早く勉強を始めないと困ってしまうということがあるので、ここで「成立状況を踏まえまして」ということは、そういう含みがございますが、いずれにせよ通常国会が終わるころまではこの委員会はお休みでございます。その後、状況を見ながら、専門委員会の再開をまたお願いするということになろうかと思いますので、どうぞ引き続きよろしくお願い申し上げます。
     それでは、本日の専門委員会としては以上でございますが、最後に事務局からご挨拶がございます。

    【加藤総務課長】 本日も熱心なご議論をいただきまして誠にありがとうございました。本年6月の第1回から月1回以上のペースでご議論をいただいておりまして、貴重なご意見、ご指導をいただきました。お蔭様で、若干の修正をこれからさせてはいただきますけれども、中間報告の中身が大体取りまとまったというふうに考えてございます。月末に大気環境部会が開催されますので、そちらにもご報告をさせていただきたいと考えてございます。
     いただきました報告を受けまして、先ほども申し上げましたけれども、法律改正の作業に入ってまいります。しっかり法律にさせていただきまして、また法律ができた暁には、引き続き政省令、いろいろな基準の類いも決めていかなければいけませんので、またその際にはいろいろとご検討願えればというふうに思っております。
     いずれにいたしましても、これまで委員の皆様方からいただきましたご指導に感謝申し上げまして、私の閉会の挨拶とさせていただきたいと思います。どうもありがとうございました。

    【浅野委員長】 どうもありがとうございました。では今後もまたどうぞよろしくお願いいたします。

    【栗林大気環境課長補佐】 本日は長時間にわたってのご審議、ありがとうございました。本日の議題は終了しました。
     本日の会議はこれで閉会といたします。どうもありがとうございました。