(委員長) | 大聖 泰弘 | |
(委員) | 浅野 直人 | 泉 裕介 |
遠藤 啓二 | 太田 勝敏 | |
小原 昌 | 織 朱實 | |
宮本 千壽子 | 横田 久司 | |
吉田 美登利 | ||
(環境省) | 鷺坂水・大気環境局長 | |
山本自動車環境対策課長 | ||
出口自動車環境対策課長補佐 | ||
岡本自動車環境対策課長補佐 | ||
石飛総務課長 |
配付資料
資料 | 自動車排出ガス総合対策小委員会 委員名簿 |
資料1 | 自動車排出ガス総合対策小委員会(第2回)議事録(案)(委員限り) |
資料2 | これまでの自動車排出ガス総合対策小委員会における議論の経過について |
資料3 | 「今後の自動車排出ガス総合対策の在り方について(中間報告)」要旨 |
資料4 | 今後の検討の進め方について |
参考資料1 | 「今後の自動車排出ガス総合対策の在り方について(中間報告案)」 |
参考資料2 | 「今後の自動車排出ガス総合対策の在り方について(中間報告案)」参考資料 |
議事
【岡本自動車環境対策課長補佐】 それでは、定刻となりましたので、ただいまから第3回自動車排出ガス総合対策小委員会を開会いたします。
本日は委員総員11名のうち、現在、8名の方のご出席をいただいておりますので、定足数である過半数に達しております。
なお、太田委員からご連絡があり、30分ほど遅れるということと、織委員につきましては定刻でと聞いておりますので、こちらの方に向かっておりますが、定刻でございますので、始めさせていただきます。また、村木先生につきましては、本日、欠席とのご連絡をいただいております。
また、本日は前回と同様、自動車NOx・PM法の対策地域を抱える関係都府県の方にオブザーバーとしてお越しいただいております。
まず、初めに、お手元の配付資料のご確認をお願いいたします。
まず、議事次第、その下に委員の方にお配りしました委員名簿、そして、資料2として、これまでの自動車排出ガス総合対策小委員会における議論の経緯、資料3として、今後の自動車排出ガス総合対策の在り方について(中間報告案)の要旨をお配りしております。また、資料4として、今後の検討の進め方についてでございます。なお、委員の方には資料1として議事録(案)についてお配りしているところでございます。
また、参考資料としまして、参考資料1として、今後の自動車排出ガス総合対策の在り方について(中間報告案)、それと参考資料2としまして、中間報告案の参考資料をつけておりますが、資料のページが多いものですから、大変申し訳ございませんが、傍聴者の方々にはお配りしておりませんが、後ほど、環境省のホームページの方に、これまでの委員会と同様アップしますので、ぜひ、ご確認いただきたいと思います。
万一、資料の不足等がございましたら、事務局の方にお申し出ください。よろしいでしょうか。
それでは、冒頭のカメラ撮りにつきましては、ここまでとさせていただきたいと思います。
それでは、大聖委員長、以後の議事進行をよろしくお願いいたします。
【大聖委員長】 皆様、どうもお忙しいところ、ご参加いただきましてありがとうございます。
それでは、早速議事に入ります。初めに、資料の1のとおり、前回の小委員会についての会議録を事務局でまとめていただいております。委員の皆様にはあらかじめ案文をご確認いただいております。改めてこの場でご確認いただいて、公開のご了承をいただきたいと思っております。いかがでしょうか。よろしゅうございますか。
(はい)
【大聖委員長】 ありがとうございます。
それでは、本日の自動車NOx・PM法における総量削減基本方針の見直しに関する当小委員会の中間報告について、前回の小委員会で整理した取りまとめ方針に従いまして、パブリックコメントにかける案について議論してまいりたいと思います。
これに先立ちまして事務局の方から前回小委員会までの議論の経緯についてご説明をお願いしたいと思います。資料の2を使ってご説明ください。
【岡本自動車環境対策課長補佐】 それでは、資料の2に従ってご説明したいと思います。
資料の2、これまでの自動車排出ガス総合対策小委員会における議論の経緯ということで、第1回、第2回目の議事とその概要について記載しております。これまでの内容についてご存じかもしれませんが、本日、議論を進める上で、これまでの経緯について簡単に触れたいと思います。
まず、第1回目の委員会におきましては、まず最初に、この委員会の設置の趣旨、また運営方針等についてご確認していただいたところでございます。また、議論を進める上で、まず、自動車排出ガス総合対策の経緯と現状について事務局の方からご説明したところでございます。
これらにつきまして、その中の論点としましては、まず、目標達成の評価について、また、対策の継続の必要性、目標内容、目標期間、そして施策の方向性、このようなことについて議論をいただいたところでございます。
第2回目の委員会におきましては、論点の整理をした上で、現在、対策地域となっております8都府県の関係自治体より環境基準非達成の局所の状況の現状と課題、また、大気環境基準達成に向けた取り組みの実施状況、そして、基本方針の変更に関する要望についてヒアリングを行ったところでございます。その後、事業者における取り組みとしまして、イオングローバル株式会社につきまして泉委員の方から、また、社団法人東京都トラック協会の取り組みにつきまして遠藤委員の方から、それぞれご説明があったところでございます。
こういう状況を踏まえまして、第2回目では、中間報告の骨子ということでご説明をして、ご意見をいただいたところでございます。その中では中間報告の骨子としましては、まず、検討の背景、そして大気汚染の状況、NOx、NO2、SPMの環境基準の達成状況や将来予測、また、非達成局の個別の状況、線的・面的な汚染の状況、こういうところについて触れてきた、また、総量削減基本方針の見直しの在り方について、NOx・PM対策の継続の必要性や基本方針に定める目標の見直し、そして基本方針に定める施策等の見直し、こういうところを骨子にして検討するようにとのことでございます。
この第2回目の委員会の後、中間報告のたたき台を事務局で作成しまして、委員の方々にご意見を伺った上で、本日、第3回目のパブリック案の審議を行うことにしております。
なお、この間に中間報告のたたき台を事務局で作成しまして、各委員の方からご意見を伺ったり、また、ご訪問してお話を伺ったり、そして、都道府県からのヒアリングや意見等を伺ったりして、本日、このような形で出させていただきました。その中でも、これまでの答申の議論等を踏まえまして、事務局の方で補足をしながら、また、大聖委員長の指導を受けながら、中間報告案の案として、本日、事務局で取りまとめたところでございます。
以上でございます。
【大聖委員長】 ありがとうございました。
ただいまのご説明に関して何かご質問なりコメントがあればお伺いします。いかがでしょうか。よろしゅうございますか。
(はい)
【大聖委員長】 ありがとうございました。
それでは、引き続きまして、自動車NOx・PM法における総量削減基本方針の見直しに関する当小委員会の中間報告案について議論をしてまいりたいと思います。
前回の小委員会で確認いたしましたように、これまでの小委員会の検討結果を踏まえて、事務局にて中間報告のたたき台を作成していただいております。事前に各委員のご意見を拝聴しておりますけれども、その上で中間報告案を作成していただいておりますので、まず、事務局からそれについてご説明をお願いしたいと思います。
【岡本自動車環境対策課長補佐】 お手元の資料のまず、参考資料の1、これが今回、お諮りします中間報告案となっております。ただ、本日、ご説明するにはポイントをまとめた方がいいと思いまして、資料3の要旨というものを使いながらご説明をしたいと思いますので、お手元で参考資料1、そして、補助資料であります参考資料、大部なものでございますけれども、これについてご説明したいと思います。ただ、参考資料につきましては、これまでの委員会で既に出ているものもございますので、今回初めて出るものにつきましては、説明の中で触れながらご説明したいと思っております。
本日、説明時間を25分いただいておりますけれども、できるだけコンパクトに説明したいと思っておりますので、よろしくお願いします。
それでは、資料3、これに基づきまして逐次ご説明したいと思います。
まず、1の検討の背景についてでございますが、今回、(1)の自動車排出ガス総合対策の経緯というところに記載しております。これは第1回の委員会の中で事務局の方からご説明したところでございますが、特につけ加えるところはございませんが、簡単にかいつまんでご説明しますと、自動車NOx・PM法につきましては、平成5年12月に自動車NOx法が制定され、平成14年に自動車NOx・PM法として改正され施行しております。
この中で基本方針も変更され、目標が「NO2、浮遊粒子状物質(SPM)につきまして、平成22年度までに環境基準を概ね達成する」というふうに変更されております。このため、今年度、平成22年度までに再度検討しなければならないという形で、今回、このような委員会が設けられたところでございます。
また、平成17年12月の中間報告を受けまして改正をしているところでございますが、最後のポツのところになりますが、この中では、流入車に対しまして、法においても一定の対策を講じるべきとの審議会の意見具申を踏まえて改正がなされたところでございます。
次のページ、2ページをお願いいたします。
自動車排出ガス総合対策の現状というところでございますが、これにつきましては、第1回の委員会で、国や自治体の取り組みを紹介したように、これまで各種の対策が実施されているところでございます。
二つ目のポツでございますけれども、首都圏等では条例等をこれまでしておりましたが、最近では大阪府でも条例を制定しまして、流入車の規制、非適合車の発着を伴う運行を規制をするなどの対策がとられております。
また、3ポツ目になりますけれども、国におきましても、平成19年の改正法に対する附帯決議の中で、流入車対策としてステッカー制度の早期導入の検討が求められたことを受けまして、国におきましても平成20年1月から自動車NOx・PM法の適合車に関するステッカー制度を開始したところでございます。
この一方で、先ほどもご説明しましたが、平成19年の法改正において、局地汚染対策と流入対策として、重点対策地区を指定して、総合的な策定を通じまして、局地汚染対策の重点的、集中的な実施を図ることができる、このような制度を創設しましたが、平成22年12月現在、指定された地区はなく、制度が活用されていないという実情がございます。
続きまして、3ページの方をお願いしたいと思います。
一方で、大気の汚染の状況でございますが、(1)のNO2、SPMの環境基準達成の状況についてでございますが、NO2、SPMの環境基準達成率につきましては、全体として改善傾向にあり、ここ数年継続して90%を超えていることから、現行基本方針に定めている「環境基準の概ね達成」の目標は達成しているものと評価されるということで、委員会の方でも異論はなかったというところでございます。
また、NO2につきましては環境基準の非達成局がまだ引き続き存在していることや、年度によって達成状況に変動があると。また98%値の上限前後で推移するなど、環境基準が継続的、安定的に達成しているとは言いがたいような自排局も存在しているということがございます。また、NO2の濃度につきましては、出現時期の変化等も指摘されているところでございます。
一方、SPMにつきましては、環境基準達成率が平成16年以降継続して90%を超え、平成21年度は一般局、自排局とも100%となっているものの、その前の年度等を見ますと、変動が見られまして、環境基準が一定程度の期間にわたって継続的、安定的に達成しているかどうかについては、引き続き達成状況を監視した上で判断すべきと考えられるとしております。
なお、なお以下につきましては、太田委員の方からご意見をいただきましたが、自動車の走行量につきましては、景気の動向によっても変動することから、景気の影響についても留意が必要だという指摘がございます。
続きまして、(2)の大気環境状況の将来予測についてでございますが、これにつきましても、第1回の委員会で環境省によります調査の状況についてご報告したところでございますが、平成32年度におきましても、環境基準を超過する地点が数カ所残ると見込まれております。
また、ここでの将来予測につきましては、道路ネットワークの整備とか、また、空港・港湾の機能拡充、大規模な都市再開発等による交通流の変化や交通量の局地的な増加は見込んでおらないことから、そういう変化が想定される場合には、その影響についても考慮しておく必要があるということで、これにつきましては吉田委員の方からご意見を賜ったところでございます。
(3)の非達成局の状況でございますが、NO2の環境基準の非達成局等の状況に関しまして、各都府県から第2回の委員会でヒアリングを行ったところでございますけれども、交通量が多いとか、大型車の混入率が高いといった自動車からの排出量が絶対的に多いという要因のほかに、地形、道路構造、周囲の建物等により局地的に汚染物質が滞留しやすくなっている地域特性が環境基準の達成に大きく影響をしている場合もあると考えられるということで、例えば、千葉県の方から、松戸の上本郷とか、また兵庫県の宝塚、こういうところにつきましては、そういう地域特性に課題があるのではないかというような報告もなされたところでございます。
続きまして、(4)の自排局周辺等の汚染の状況でございます。これは以前は、線的・面的な汚染の状況というような記載をしておりましたが、委員の中から、また、都道府県の方から、ちょっとわかりづらいということで、自排局周辺等の汚染の状況というふうに変えさせていただいてございます。
まず、自排局につきましては、最初のポツのところに書いてございますが、設置条件がさまざまな条件を考慮して、道路・地域の類型化を行った上で、自動車からの排出がほかの地点よりも高くなる、そういう地点を選定しているということで、一定の地域代表性がありまして、まず、自排局における環境基準の達成が優先されるということでございます。
しかしながら、自排局における測定結果は、この「点」というものであり、代表性を有する自排局の周辺に、ある程度の広がりを持ったNO2の高濃度地域が生じている地域もあると見込まれることから、その汚染の広がりについても考慮して評価する必要があるというような指摘がされております。
各都道府県のヒアリングにおきましても、また、各種のシミュレーションにおきましても、交通量の多い交差点周辺といった限定された範囲が高濃度である局地とともに、その周辺から、測定局から道路沿いに広がっている局地があるというところも、例えば川崎市の資料の中でも示されたところでございます。
こういう中で、今後達成していくためには、地域住民の理解を得るためにも、対策地域での環境基準の達成だけではなく、単に自排局における達成状況をもって評価するのではなく、その周辺の地域の状況についても考慮することが重要だということでございます。
続きまして、次のページでございますが、3の総量削減基本方針の見直しの在り方についてご説明したいと思います。
まず、(1)のNOx・PM対策の継続の必要性でございます。これにつきましては、先ほど若干ご説明しましたので、重なるところでございますが、NO2につきましては、非達成局等が引き続き存在しており、また、シミュレーションでもまだ課題のあるところがあるということで、引き続き対策が必要だということでございます。
また、SPMにつきましても、年度ごとに変動があり、引き続き達成状況を監視することが必要な状況であることから、対策の継続が必要だということというふうにまとめさせていただきました。
そして、現在、すべて達成している県等ございますけれども、各都道府県の対策地域内を走行する車両につきましては、差はあるものの、ほかの都府県の対策地域内の登録車両がある程度の割合を占めておりまして、現行の対策地域における対策が各都府県の大気環境の改善に寄与している一方、また、対策地域外では、まだまだ非適合車が多く残されており、対策地域内における非達成局が残されている現状を踏まえますと、引き続き現行の各種対策を現在の対策地域全体で実施していく必要があるのではないかということでございます。
この部分につきましては、参考資料の方をご覧いただきたいと思います。資料2-10、参考資料の15ページをお開きいただきたいと思います。対策地域内への流入車状況ということで、環境省が平成21年度に実施しました調査の中からまとめたものでございます。これは21年10月、1カ月を使いまして、対策地域内の263地点において流入車の状況を調査したものです。これにつきましては、毎年、走行量の調査を実施しているものでございます。その調査結果をまとめたものを下の方に記載しておりますが、首都圏と中部圏、関西圏というふうにしておりますが、見ていただきたいのは、一番上にあります黒丸の線のところでございますが、これが対策地域内の適合車の比率でございます。ご覧になってわかるとおり、対策地域内の適合車が年々増えているところで、首都圏、中部圏、関西圏とも80%を超えているというところです。また、黒丸の点線の部分ですが、これは対策地域外の適合車でございますが、これも年々増えておりまして、これらを合わせますと、90%近いような適合車が現在対策地域内の中で入っているという状況でございます。
次のページの16ページをお開きいただきたいと思います。
これも環境省の調査をまとめたものでございますが、車種規制適合車の適合率の対策地域内外の比較というものでございます。これは毎年、対策地域内のナンバープレートの登録状況の調査をしておりますが、それを取りまとめたものでございますが、まず、上の方が車種規制の対策地域内の状況でございます。ご覧のとおり、概ね平成14年度から上がってきており、現在、対策地域内で登録されているものの概ね90%の適合率となっております。また、下の方が対策地域外のものでございますが、これにつきましては、30%程度ということで、まだまだ対策地域外につきましては、排出基準の非適合車が多いというような状況でございます。こういうことを踏まえまして、先ほどご説明したようなところの記載をしたところでございます。
また、要旨の方に戻っていただきたいと思います。
続きまして、(2)の総量削減基本方針に定める目標の見直しでございます。
まず、目標内容でございますが、これまでご説明してきたとおり、「NO2、SPMにつきましては、平成22年度までに環境基準を概ね達成」していることにつきましては、既に達成していると評価できることから、次期基本方針について目標の改正が必要となっております。また、測定局におきましては、継続的・安定的に基準を達成していることに加えまして、汚染の広がりも考慮して対策地域全体として環境基準が達成されることが必要でございます。
次期基本方針におきましては、このような観点から、「対策地域における大気の汚染に係る環境基準の確保」というふうに考えております。当初は「達成」というような用語を使っておりましたが、達成を継続するという意味で「確保」というような用語の方が適切ではないかという委員のご意見もございまして、このような形にさせていただきました。
また、対策地域全体としての環境基準の達成状況の評価方法についても整理が必要だということでございます。ただ、一方で、各都府県の方で、例えば東京都などはリアルタイムで大気汚染の地図状況、そういうものを出されておりますので、こういうものの評価方法もございますので、こういうものを踏まえながら整理が必要だというふうに考えております。
[2]の目標期間のところでございますけれども、現行の基本方針につきましては、平成22年度までの達成期間となっております。
そして、次期基本方針の達成期間につきましては、国民への健康影響をかんがみて、可能な限り早期の達成を目指す必要があるということでございます。こういうことを考えますと、極力早期の達成を目指すべきということで、原則5年以内の達成を目標とすることが考えられます。
一方で、今回見直しをします次期基本方針に基づいて各都府県で計画を策定して、その施策を実施した際の効果が発現するまでには一定期間を要することと、なかなか5年以内では十分な効果が得られない地域が生じる可能性があると考えられています。
また、一方で、都道府県のヒアリングの中のご意見等でございますが、例えば三重県などでは、通過交通がかなり多いということで、なかなか自県の対策だけでは十分にいかないということがありますので、そういう際には改善に相当な時間を要する地域もあると考えています。
こういうことを考えまして考慮しますと、基本方針に定める対策地域全体の環境基準の確保に向けての目標期間は平成32年度までの10年としますが、平成27年度の5年目までに測定局における環境基準の達成をできる限り図るものとしまして、当該年度における目標の達成状況につきましては、中間評価をすることによって、極力早期の達成を目指すものとするということでございます。
また、各県の方からご意見がございますけれども、各都府県により大気環境の改善状況は異なりまして、局地汚染の要因等も異なることから、必要に応じて各都府県において、より早期の達成を目指した目標期間を定めるものとするというふうにしております。
(3)の総量削減基本方針に定める施策等の見直しについてご説明したいと思います。
まず、[1]の基本的な考えでございますけれども、目標期間の考え方に照らしまして、測定局における5年以内の環境基準の達成に向けて、重点対策地区に係る制度の活用を含めまして、現行制度のもとで実施可能なものを、まず、できる限り充実させると。一方で、10年以内の対策地域全体における環境基準の確保に向けましては、短期的な改善が困難とされる非達成局もございますので、高濃度の出現状況とか、その他の要因の調査、また、より実効性の高い対策などを並行して検討することによりまして、中・長期的な対策を含めた総合的な施策の検討を進める。また、5年目の中間評価に基づきまして、対策の強化を含めた追加的な施策の必要を検討するというふうにまとめさせていただきました。
対策地域内を対象としました現行の各種対策が施策のベースでございますけれども、これに加えまして、局地汚染対策とか流入車対策を検討することが重要だということも、委員の方からご意見をいただいてございます。
[2]の局地汚染対策のところでございますが、まず、(1)の局地汚染対策の進め方につきましては、まず、最初のところに書いてございますが、汚染の広がりや原因を十分に考慮して、合理的な範囲の局地全体を網羅する対策をとることが重要ですと書いております。
次のページをお願いしたいと思います。
また、それぞれの局地におきましても、大気汚染物質が高濃度となる時期とか、気象条件に関する知見が得られてきておりますので、対策によっては、それらを踏まえた期間や時期を限った取り組みも有効だと考えております。
2)の重点地区の見直しにつきましてご説明したいと思います。重点対策につきましては、現行の基本方針で「例えば交差点近傍のような合理的な範囲とする」という形で、限定的な書きぶりとなっております。今回、都府県のヒアリングをしたところ、この制度では、現在の非達成局のある交差点近傍等で当該規制の対象となる者が見込まれないということで、現在まで重点対策地区の指定が行われていないというの実態がわかりました。
また、各県のさまざまシミュレーション等を見ますと、この非達成局のある「交差点近傍」に限らず、その沿線周辺に環境基準の上限前後の地域が広がっていると見込まれるような局所も存在しておりまして、このような場合には汚染状況や原因を確認した上で、「交差点近傍」よりも広い範囲を指定することが合理的ではないかと考えております。
こういうことを踏まえまして、重点対策地区の「交差点近傍」の例示を、各都府県が地域の状況や特性に応じ、必要と考える合理的な範囲を指定できるように見直す必要があるのではないかと思います。合理的な範囲につきましては、評価方法ともに今後整理が必要だということで考えてございます。
また、重点対策地区におきましては、既設の建物に対する努力義務は課せられておりますけれども、これらのものによる自主的な取り組みを支援するような対策が重要であり、検討が必要だと考えております。
3)の都市部局等との連携でございますが、これも委員の方々から、こういうところについても観点が必要というご意見をいただきまして記載したところでございます。ヒアリング等で地形や道路構造、周囲の建物等、こういうことによりまして、局地的に汚染物質が滞留しやすいような地域特性が環境基準の達成に大きな影響を与えている局地もあるということで、こういうところにつきましては、再開発等が行われる時点まで、その達成が困難である可能性があるということでございます。こういうところにつきましては、要因を分析し、地域特性が大きく影響していると考えられるような場合には、当該箇所の再開発等が行われる、こういうような際に適切な対策がとられるように環境部局とも十分に連携する必要があるとのことでございます。
また、新たに主要幹線などの再開発等に当たっては、これ以上大気環境の悪化が生じることがないように、必要に応じたさまざまな環境の観点からの対策を十分に行うことが必要だということでございます
4)の情報共有による関係者の協力促進につきましても、委員の中からご意見があり、取りまとめてございます。まず、二つ目のポツの例えば、神奈川県の方では、非達成局でNO2の高濃度となることが予測されるような場合には呼びかけをしていると。こういうことなど、これまでNOx・PMによる大気汚染の状況が改善傾向に向かう中で、規制ではなくて関係者の自発的な協力を求めるような手法が重要な役割を果たすことが期待されております。
また、三つ目のポツでございますけれども、ITSについて、吉田委員の方からご指摘がございまして、今回加えてございますが、ITSによる情報提供とか、また、運行管理のシステム、こういうものを活用すれば、より決め細やかな情報を出すことができ、誘導効果が期待できるのではないかということです。
また、太田委員の方から、次の例えばのところについてご示唆をいただいておりますけれども、こういうような柔軟な対策が比較的容易な自家用の乗用車につきまして、高濃度の汚染が予想されるような時期に回避してもらうことができれば、全体の交通流の円滑化につながりまして、営業用のトラックとか、そういうところについての排出抑制も合わせた効果が期待できるのではないかというご意見をいただいています。
このようなITSの技術を積極的に活用した情報共有による関係者の協力促進には、さまざまな可能性があるので、さらに検討が必要だと思っております。
なお、ITSにつきましては、これまでご説明しませんでしたが、資料の方についてご用意させていただいております。資料2-13でございます。22ページでございますが、ITSにつきまして簡単に資料をまとめさせていただきました。
参考資料のページでございます。これはITSジャパンという団体の方から資料等をいただいてまとめてございますが、ITSの概要について書かれております。冒頭に書いてありますとおり、高度道路交通システムというもので、最新の情報通信技術を用いた新しいシステムの総称でございます。
この中身につきましては、下のところに国土交通省のITSのホームページから打ち出したものでございますけれども、そのうち1、2でございますが、ナビゲーションシステムの高度化とか、また、いわゆるETCなどを活用した自動料金収受システム、こういうものもITSのシステムの一つとして位置づけられております。
次の23ページをご覧いただきたいと思いますが、ITSの中でも、環境とか法律の推進も行っているところでございます。ITSのイメージにつきまして、下の部分について図を載せておりますが、カーナビゲーションとかETC、また、交通の管制とか、さまざまなところに、現在ITSのシステムが活用されております。
また、次の24ページのところでございますが、これはITSを使った将来のイメージというところでございます。上のところがまちづくりと一体となった都市交通の革新ということで、電気自動車とか、パーソナル・モビリティ、こういうところを活用できるのではないか。また、下のところは、多様な郵送手段の連携ということで、右側の上の方にございますけれども、トラックの自動隊列走行とか、さまざまなこういうようなところにも、将来的にはITS技術が活用できるのではないかというふうに検討がなされているところでございます。
すみませんが、また要旨の方に戻っていただきたいと思います。
5)でございますが、ロードプライシングについて記載をさせていただいているところでございます。これまで委員会の中で議論はございませんでしたが、都道府県のヒアリング、また織委員を初めとする委員の中から意見がございましたので、こちらの方に事務局の方で取りまとめて記載をさせていただいたところでございます。
ロンドン、シンガポール等でロードプライシングが実際に行われておりますが、我が国でも検討がなされておりますが、なかなか十分に整理されていないところが実情でございます。このあたりの表現につきましては、これまでの審議会等での議論を踏まえたものの表現となっております。
また、一方で、環境ロードプライシングというものにつきましては、兵庫県のヒアリングでご紹介がございましたけれども、阪神高速の一部で実施しているということでございます。また、環境省におきましても、平成21年度にロードプライシングの制度の在り方についてという報告書を取りまとめてございます。
これにつきましては、たびたびすみませんが、資料の方の14、25ページをお開きいただきたいと思います。こちらの方に環境省で行いましたロードプライシング制度の在り方に関する報告書について簡単に取りまとめたものでございます。上の方が制度検討の背景とか、実現可能性とか、位置づけ等を書いております。検討会を設置して実施しておりまして、本日の委員のメンバーの方々にもご協力していただいた部分もございます。
下のところが報告書の概要と効果ということで、1のところに書いておりますけれども、自動車の排気ガスによる大気汚染を防止するためのロードプライシングの制度の概要につきまして取りまとめたというところでございます。
続きまして、また、要旨の方にお戻りいただきたいと思います。
このような環境省でのロードプライシングはございますけれども、短期的な改善が困難と想定される非達成局、こういうところにつきましても、局地汚染対策の一環として限定的なロードプライシングの可能性についても、十分に研究が必要であるのではないかと思います。また、その際には、交通流の迂回による、ほかの地区の大気環境への影響について留意が必要だというふうに書いております。
[3]の流入車対策につきまして、簡単にご説明したいと思います。
次のページをお願いしたいのですけれども、流入車対策につきましては、これまでさまざまなされており、荷主の協力を得て自主的な取り組みが促進されているところでございます。
また、一方で、本文の方でご紹介をさせていただいておりますけれども、川崎市などではエコ運搬制度、こういうものを平成22年4月から設けて、取り組みをお願いしていたり、また、愛知県などでは、非適合車の使用抑制に関する要綱を8月に制定して、実施しているところでございます。こういうようなものを通じました荷主の協力ということも、今後、重要なのではないかなと思います。
また、一方で、こういう関係する事業者の協力を得ながら、ステッカー制度も活用しながら、さらなる非適合車の不使用の徹底、ポスト新長期適合車の使用の奨励をさらに図ることが重要ではないかというふうに考えております。
続きまして、[4]の対策地域全般に係る対策について簡単にご説明したいと思います。
全般に係る対策としまして、まず、最初のポツに書いてございますけれども、ポスト新長期適合車への転換についてでございます。また、ハイブリッド自動車等の低公害車の普及につきましても有効であると考えられるというふうに、こういうものに対する早期の市場への投入とか、普及を支援する取り組みも重要だというふうな意見を賜っております。
また、一方で、二つ目のポツでございますが、さまざまな取り組みに関する一般の方々への情報発信が必要ではないかと。これは第2回の委員会の中で自治会の副会長でございます宮本委員の方から、なかなか取り組みについて地域の方々が理解していないので、こういうことについても、情報発信すべきではないかというご意見を踏まえて、このような形で書かせていただいてございます。こういうことなど、また情報共有を充実させることが効率的な実施を図る上で重要だというふうに考えております。
その下につきましては、運搬事業者に対する組織的な取り組みにつきまして、第2回の委員会で東京都のトラック協会の遠藤委員の方からこちらの方にご紹介いただいた部分を記載しております。
その次の荷主によるサプライチェーン全体としての取り組み、これにつきましては、イオングローバルの泉委員の方から事業者の取り組みとしてご紹介をいただいた部分について記載しているところでございます。
また、官公庁におきましても、低燃費・低公害車による納入や納入量に応じた適切な大きさの自動車の使用を求めることなど、こういうことを促進していくことが重要ではないかというように考えてございます。
最後のところに、「なお」で書いてございます、エコドライブにつきまして若干ご説明したいと思います。エコドライブコンテスト、こういうものが実施されておりまして、こういうところでもかなり効果ありますので、こういうことを実施・発展させるということも重要ではないかと考えております。大聖委員長の方からこういうご意見を受けました。
参考資料の2-21、ページで言いますと55ページをご覧いただきたいと思います。
エコドライブコンテストの実施状況について簡単に取りまとめております。環境省と独立行政法人環境再生保全機構で、平成16年度からエコドライブコンテストというものを実施しております。平成22年度では、記載のとおり、1万2,224事業所、車両数で言いますと、31万台を超える車両が参加しております。
これの効果、今回機構に試算をしてもらったところ、2の(1)のところに書いてございますが、燃費向上率が直近の1年間のデータと比べると、15.9%向上しており、また、CO2の削減量につきましても、参加車両で見ますと、38万トンを超える削減量が考えられると。そして、事故率の低減につきましても、32.7%の減というふうに認められたということでございます。このように、エコドライブコンテストについても効果があるということでございます。
すみませんが、また資料の方にお戻りいただきたいと思います。
最後、[5]のその他のところでございますが、全体のところをまとめまして、今後の対策につきましては、さまざまな条件の異なる局所における対策に、より重点を置くことになりますので、きめ細やかな対策が関係者の理解を求め、実効性の高い対策を講じていくために必要ではないかと。そういうことで、先ほどもちょっと資料の中でご説明しましたが、ナンバープレートのような実態の調査とか、また、局地汚染の状況の要因の解析、シミュレーションの調査の制度、こういうことを高める必要があるのではないかということを考えております。
そして、最後になりますけれども、各都府県の方からご意見がございましたが、各都府県の総量削減計画が策定されるまでの間は、改定された次期基本方針に従って、関係者による対策が継続されることが必要というふうになっています。
次の11ページをお願いします。
4のその他の留意事項というふうにまとめさせていただいております。基本方針の見直しには直接関連のないものでございますが、議論の中で重要だと思われるものを4点、事務局の方で取りまとめさせていただいてございます。
まず、これまでもご説明しましたが、関係者の連携の強化が重要だというふうな形で、こちらの方で書かせていただいたところであります。
また、二つ目でございますけれども、これは横田委員の方からシミュレーションの高度化等についてご意見がございましたが、汚染状況等の解析・予測の評価についてということで、引き続き、目的や局地の状況に応じた手法を検討して整理していくことが必要というふうになっております。
また、先ほどご説明したITSの活用につきましても、全体的にさまざまなITSの技術に係る研究や開発が推進されておりますので、これらは自動車の排出ガス総合対策への活用へも大きな可能性があると期待されており、将来的にはこういうことも積極的な活用を図ることは重要であろうと思います。
最後のその他の留意事項でございますけれども、第2回目の委員会でご議論ございましたが、微小粒子状物質(PM2.5)についてでございます。これにつきましては、これまで都府県からのヒアリングにおきましては、PM2.5対策も含めたPM削減について検討すべきという議論もございました。この中で委員の中からPM2.5につきましては、現状では発生源に自動車がどの程度寄与しているか不明確である上、各発生源の寄与割合を含む知見の充実が図られた後、必要な対策について具体的に検討を行うことが適当ではないかというようなご意見がございましたので、そのような取りまとめをしております。
当面でございますけれども、これまで実施してきたPM全体の削減対策を着実に進めるとともに、PM2.5の自動車からの排出実態等の知見の蓄積に努めることが必要というふうに取りまとめさせていただいております。
ちょっと早口で大変申し訳ございませんでしたが、以上で事務局からの説明を終わりますので、活発なご意見をお願いしたいと思います。
【大聖委員長】 ありがとうございました。事務局の方でまとめいただきましたし、その前にご意見をいただいたことを勘案して盛り込んでございますので、いかがでしょうか、ご意見、ご質問があれば、お伺いしたいと思います。よろしくお願いいたします。それでは、検討の背景、大気汚染の状況、この辺でいかがでしょうか。
【小原委員】 初めの4ページ目までということなので、その中で申しますと、資料3の4ページ目までということで、ちょうど4ページ目の一番最後の部分で「また」の部分なんですが、「地域住民の理解を得るためにも、対策地域での環境基準の達成については、単に自排局における達成状況をもってのみ評価するものではなく、その周辺の地域の状況についても」という「周辺の地域」について、どのように考えて「周辺」という言葉を使っているのかというのは、ここで話をしておいた方がいいのかなと思います。
と申しますのは、この間の議論の中で、たまたま測定局があるところで環境基準が達成しているということだけでは、なかなか納得が得られず、測定局を置く考え方の背景にある、今は測定局は置いていないけれども、置いた地点でのデータをもって推計している同様な地域特性を持った地域における汚染状況というものを測定しているデータというのが代表しておりますので、ここで言う「周辺」というのは、具体的に地理的な連担性を持った一定の広がりという周辺に限らず、同様の局地としての地域特性を持っている、物理的にはちょっと離れた別の地域も想定して「周辺の地域」と読んでいるという理解が、この「地域住民の理解を得るため」というところとかみ合う意味で重要になるかと思いますので、そこの部分を確認の意味でお話しさせていただきました。
【大聖委員長】 これは修文せよという意味なのでしょうか。ご意見ですね。
【浅野委員】 ちょっといいですか。
【大聖委員長】 どうぞ。
【浅野委員】 そういうニュアンスで行われているんだということ、もともと議論は、ちょっと整理をしてみる、若干自分自身が言っていることと矛盾に満ち満ちている面もあるということが、ちょっとあって、つまり今までの測定局、自排出局というのが、全く代表性がないといってしまうと、自分で自分の、天に向かってつばきするようなところがあるから、やっぱりそれはそれなりの代表性がありますよということは言わなければいけない。だけど、それだけじゃだめですいうことを、もう一つ言わなきゃいけないわけです。だから、なかなか表現が苦しいところではあるわけだけど、今、小原委員が言われたようなことがもともとこの話の発端で、測定局の周りの話をしているんじゃなくて、測定局がないんだけど、類似の条件を持ったところはどうかということが問題だったと。
つまり、もっと露骨な言い方すると、自排局は予算の都合これあり、すべての危ないところに置くわけにいきませんから、一番代表性がありそうなところに置いているだけで、そうじゃない場所は、じゃあ、すべて大丈夫だという保証はありませんよということを言いたかったわけね。
だから、これは最終的にパブコメ後の報告を書くときには、少し上手な表現に直した方がいいかもしれませんね。測定局周辺ということではない。そのことと前の方の自排局の置き方については、こういう基準でやっていますということと矛盾しないように上手に書かなきゃいけないので、ここはちょっと今すぐ直ちにどう修文するかと言われても、修文しづらいのですけれども、パブコメに際しては、今、委員から言われたような認識を我々も共通に持っているということは確認しましょう。
【大聖委員長】 ありがとうございました。
そのようなご説明という理解で進めさせていただきたいと思います。
なお、参考資料の1というのは、中間報告案ということで、これ自身が、今、要旨を文章化してまとめていただいたものなので、これがパブリックコメントとして出るわけですね。そういうことを想定した上でご意見をいただければと思っております。
ほかにいかがでしょうか。
そうしますと、また後で戻っていただいても結構ですので、総量削減基本方針の見直しのあり方ということで、3番になりますけれども。
【浅野委員】 書きぶりの問題なんですけれども、21年の結果についてはき聞き取りによるものであるというのは参考資料を見ればわかるんですけれども、本体の方に頭のところに書いてあって、以下同様と書いてありますけれども、これはいかにもわかりにくい表現なんで、少なくともパブコメの段階で、注書きは最後におろした方が全体をカバーできると思うのね。こういう書きぶりだと読み飛ばしてしまいますから。
【大聖委員長】 ちょっと、これ、前へ戻ってしまって恐縮ですけれども、これは要旨の方なんで、どうということはないんですけれども、2ページの目のところで、一番下から5行目ぐらいで、「しかしながら」とあるのは、これは改行しなくちゃいけないんですね。
【浅野委員】 そうですね。
【大聖委員長】 細かいところで。要旨ですので。
それでは、いかがでしょうか。ご意見ありますか。
【浅野委員】 もう次でいいんですか。
【大聖委員長】 よろしゅうございますか。
【浅野委員】 あと、ではちょっと、欲張った要求なんですけれども、季節的に濃度の出方が変わってきたという説明があるんですけれども、裏づけの材料があったら、やっぱり裏づけの材料を参考資料で載っけた方がいいような気がするんですけれども。これ、割合大事な話なんですけれども、何も裏づけのデータなしに、ぽこっと出てくるような感じがして。
【大聖委員長】 冬場が主だったんですが、春も出てくるという、そういう状況ですね。
ほかにいかがでしょうか。よろしゅうございますか。
そうすると、3の(1)、(2)に関してご意見なりご質問があれば。
【浅野委員】 3の(1)と、それから(2)ですが、書かれていることについては、今までの議論がよくまとまっていると思いますし、こんなふうに基本方針の見直しをしなければいけないという点については、全く問題はないと思います。
ただ、ちょっと非常にわかりにくいのが、法令用語をそのまま使っている面もあって、「環境基準の確保」という言葉を使っているわけですが、これについては、もうちょっとできることなら、最終の報告の段階では、どういう意味なのかということをきちっと書いた方がいいような気がします。これだけでは非常にわかりにくい。
といいますのは、後の方で各都道府県によって状況が違うので、早期の達成を目指した目標期間を設定できるというのがあるわけですが、これとの関係もあって、非常に大事だと思うんです。誤解をされると困るので、ちゃんと書けと言っているんですが、つまり、各都道府県によっては、より早期に達成ができてしまうというころがあって、そういう都道府県では、早いもっと短い期間で目標期間を設定することは構いませんよと。そうすると、それで目標が達成できたら、その地域については指定解除もできるんですよという誤解を与えちゃ困るわけです。そうじゃなくて、我々が言いたいのは、目標を達成するということと、それを維持するということと両方を含めて「環境基準の確保」と言っているわけです。
環境基本法は、環境基準というのは、維持達成と言っていますから、維持達成ということをつづめて言えば、確保という言葉になるんだと。それをはっきりしておかないと、達成できてしまったら、もうそれで指定解除ですと、あとはやりたい放題やってもよろしいということを言っているわけじゃないんです。そう読まれないようにしておかなければいけない。
だから、何なら念入れで、「各都道府県の達成目標期間を設定できるものとする」というところは「達成してその後はさらに維持に努めるものとする」というようなことまで書いておけば、多分、皆さんは誤解なさらないと思うんですけれども。下手をすると、そういう誤解を与えるおそれがあると思います。ここがちょっと最終段階では修文をきちっとした方がいいというふうに思います。
【大聖委員長】 それと、もう一つ、申し添えますと、車というのは移動体なので、やはり、その地域で移動するわけですから、一ところが改善されたからといって、それでオーケーという話ではないという、そういう面的な、広域的な様相があるということですよね。その辺も留意すべきだと思っております。
いかがでしょうか。どうぞ。
【小原委員】 いいなと思う部分がありますところをちょっと強調する意味で意見を述べさせていただきますと、6ページのちょうど真ん中あたりの(3)の少し上の部分なんですけれども、「これらを考慮して」というくだりの中で、目標期間は10年とするが、5年目までに、ここで「測定局における環境基準の達成をできる限り図るものとし」と書き加えてくださっているところが、やはり、ちゃんとしたメッセージとして伝わる部分ではないかなということで、私はいいと思いました。
つまり、先ほどの話にもありますように、たまたま測定しているところ以外のところも含めてちゃんと問題意識は持っておりまして、10年という目標期間は定めるけれども、5年目までに測定局においてはしっかりやっていこうということでございますので、ちゃんと伝わるメッセージになっているなと思っております。
【大聖委員長】 (3)の方へ自然にいってしまいましたけれども、よろしいですね。
【小原委員】 すみません。
【大聖委員長】 下にもあるものですから、すみません。真ん中のところです。
それでは、(3)のところの総量削減基本方針に定める施策等の見直しというところへ移りたいと思います。この辺、ご意見をいただければと思います。いかがでしょうか。
【小原委員】 専らマイクを握っているようで恥ずかしいところではあるんですが、ちゃっちゃと発言しようと思います。
まず、先ほどはちょっとほめておいて、今度はけなすのかになってしまうところで恐縮なんですが、やはり、基本的な考え方のところで残念だなと思うところが冒頭に出てまいります。と申しますのは、「現行制度の下で実施可能な施策をできる限り充実させる」というのが一番初めに出てきまして、今回の検討の中では法改正は行いませんよというものが前提として置かれてしまったというところが、いろいろ考えての上だとは思うんですけれども、その後の具体の施策を考えるときに、すごく影響の大きい部分がここでもう固まってしまったなという感を抱いております。
とは言え、そのちょっと下のところです、「5年目」のというところに出てくるんですけれども、今は法改正はしないけれども、5年目の中間評価のところで「追加的な施策の必要性を検討する」とありますから、中間評価の時点では始めから法改正の可能性というものを閉ざしてしまわないような枠組みで今後の議論が進むことを、ここで手形を切ったというように解釈すれば、現状ではやむを得ないのかなと思っておるところでございます。
そのすぐ下にあります「対策地域全体を対象とした現行の各種施策が」というくだりなんですけれども、この後ろの物の考え方をまさにここで規定しておりまして、ベースとなるのは、対策地域を全体とした対策がベース、加えて局地汚染と流入車対策という構えがここでありますので、この後の[2]、[3]、[4]の並びなんですけれども、ベースとなるのは、現時点では[4]で書いております対策地域全般に係る対策、これがベースだと、ここではっきりと明言しておりますので、[4]が[2]に来るのが構成としては正しい構成なのではないのかなと思います。
続けて、ここでいう言い方でいえば、局地汚染対策、流入車対策と流れていく流れが、この基本的な考え方のところで示している構成に合う構成になるんではないかなと思っております。
今のところでちょっとわかりにくかったんですけれども、大丈夫でしょうか。
【大聖委員長】 なるほど。いかがでしょうか。まず、全体のことを言って、それからということですね。
【小原委員】 そうです。頭のところで、基本的な考え方というところで、論理の構成を明確に打ち出しておりますので、その後ろの記述というのは、その構成に合わせて書かれることの方が適しているのではないかなと思います。
【浅野委員】 ちょっと違うんです。要するに、どっちかというと、全体をというのは、むしろ維持の方に効いてくるわけです。やっぱり喫緊の課題として局地が残っていて、そこは達成という課題がまだ残っていますよということがあるわけです。
だから、そういうことからいうと、優先順位は、達成のためになお必要なことはこの部分なんだから、これが先に出てきて、ずっと説明があって、全般にわたるというのは、要するにベースの話だから、しかも、これは「今までやってきたことを」とわざと断っているわけです。それをさらにきちっとやらなきゃいけませんというわけですから、それを最初に書いたら、今までやってきたことと同じことを書くことになってしまうので、この中間取りまとめで出す報告としては、ややパンチが弱いんですよ。
言われていることは、ロジックとしては、そのとおりですから、学術論文を書くなら、そういうふうに書かないと点数が悪くなると思うけれども、ここは学術論文を書いているんじゃなくて、政策的なメッセージを打ち出すということが役割ですから、やっぱり必要なことを先に書くという方がわかりがいいという意味で、この順番でしようがないのではないかなという気がしますが。
しかし、ロードプライシングのくだりになると、若干、ひっかかってくる面もあるんです。ここはどう書くかというのは、非常に書きづらい面があるんですが、実は環境省においてロードプライシングの制度のあり方を取りまとめていくときには、局地対策ということでロードプライシングを仕掛けることは、なかなか難しいので、むしろ局地対策に資するために、しかし、地域をあまり狭く限定してしまうのはよくないねという報告が書いているんです。ですから、それからいうと、ロードプライシングを局地に限定したという言い方をすると、前にやったことを取りまとめたことを否定してしまうことになるんです、実を言うと。そこがつらいところなんです。
ですから、別に限定したとわざわざ言う必要はないわけで、局地対策に効果が上がるような、しかるべくロードプライシングの可能性については、十分に検討しなければいけませんと書けば済むことで、そういうこともあるので、それは、今、小原さんが言うとおり、局地対策が先に出てくるので、その中にロードプライシングを入れるということの矛盾なので、そのとおりです。
だから、ここのロードプライシングというのをどこに入れるかという問題もあるのですけれども、とりあえず、これを一つの切り札として将来は使えるなら使いたいなということを書いてあるから、場所はここしかないんでしょうけれども。
【大聖委員長】 4ポツ目にありますから、ロードプライシングの4ポツ目にそのことが、局地対策としての有効性ということ、可能性ということを書いているわけですから。
【浅野委員】 限定したと書かれてしまうと、ちょっと、前に書いた報告書と矛盾するんです。
【山本課長】 そこは表現ぶりの。
【浅野委員】 表現の問題なんです。
【山本課長】 もちろん局地汚染対策に。
【浅野委員】 効果を上げることができるロードプライシングのあり方について、さらに今後検討しなきゃいけませんという書き方がないと、ちょっとまずいなということですね。
【大聖委員長】 いかがでしょうか。今、浅野委員が言われたようなことを加味しまして、このような順序でやらせていただければと思っておりますので、よろしくご理解ください。
【小原委員】 では、ほかのところで、全体の構成については、今、話があったとおりだと思います。
表現があいまいで、今後ポイントになるかなと思っておりますのが、7ページの重点対策地区の見直しの中の四つ目のポツ、「したがって」で始まる部分でございます。交差点近傍の例示というものを合理的な範囲を指定できるように見直すということで、その後のなお書きで、合理的な範囲については、今後整理が必要ということで、「合理的な範囲」という言葉は、今後、言ってみれば、広く考えるのか、狭く考えるのかという、もともと附帯決議では広く考えられるように積極的にやるべきだといったのが、基本方針では狭くなったというところから言えば、今度はその土俵が「合理的な範囲」というものをどう考えるかというところに移ってきまして、「合理的範囲」というのが極めて、今の議論の中での厳格な部分にひっかかってくるところだと思いますので、今回のパブコメの中では、そこを踏み込めないんだろうとは思うんですけれども、やはり、この重点対策地区というのを自治体の立場で指定できるか、できないかと考えたときに、この「合理的な範囲」がどうなるか次第だというところもあろうかと思いますので、ここはすごく重要視しておりますというところを申し上げます。
今後、パブコメを踏まえて、最終的なものになっていく段階では、もう少しここが深みのある表現になっていかないと、形にならないのかなと思っております。
続けて言うと、8ページ目のところで、踏み込んだなと思っておりますのが、ロードプライシングのくだりのちょっと上、二つポツ上で、「例えば」なんですけれども、NOx・PM法の対策の範囲の中で自家用乗用車に言及したなというところが、ここが一つポイントかなと思っております。これはすごく正しい方向性だと、私は思っております。
ちょうど昨年のロードプライシングの検討の中でも、自家用乗用車というのをロードプライシングの対象として考えるという議論をした際に、その走行量が多いことがNOx・PMの排出量の多い車両のエミッションファクターに対して影響してしまいますから、そうすると、影響があるということの範囲の中では、乗用車というのもNOx・PM対策として考えるときに対象にせざるを得ないだろうという議論があったと思っております。
そういった議論を踏まえて、NOx・PM法の次のステップに進んでいくときに、直接的な排出者でトラック、バスだけではなくて、乗用車の使われ方ということも視野に入れたというのが、今回、新しい部分ですし、すばらしい部分だと思っております。ここはすごく高く評価されてしかるべき部分だと思っております。
あと、ロードプライシングにつきましては、昨年の検討の中で、やるとしたときに法改正で根拠を設けることが絶対に必要だという分析を行っていたと、私は思っておりますし、先ほど、参考資料の中で言及いただいたところにも、「法改正で根拠を」というくだりがあります。
そうしますと、一番初めのところで、今回は法改正はやらないということを前提としたというところで言いますと、今回、ロードプライシングに触れる前提としては、5年先までの中でどうしていくという前提での書きぶりにならざるを得ないんだろうなと思っております。
そうしますと、三つ目のポツで、昨年度、実現可能性について相当研究というか、もう検討して取りまとめまで終わっておりまして、今さら、「十分に研究する必要がある」と、後退したような書きぶりになってしまうのはどうなのかなという疑問を持っております。
これから5年間の大気汚染の改善状況を見据えて、どの程度のロードプライシングを、どういうふうにやっていくのかという実施設計みたいなところで検討を行う余地はあるとは思っておるんですけれども、既に実現可能性について取りまとめの終わっている論点について、今さら「十分に研究」って後退されてしまっては、首尾一貫しないものになるんではないのかなという点、強く不満を持っておりますので、言及させていただきたいと思います。
以上でございます。
【大聖委員長】 いかがでしょうか。これは太田先生、参加されましたね。太田先生と私も委員で参加させていただきましたけれども、1年ということでもありますので、それを全部実現可能性、完全な形であれしたかというと、ちょっとまだまだ検討すべき余地がありますので。太田先生も、ちょっとその辺ご意見をお伺いできればと思います。
【浅野委員】 ロードプライシングに関しては、報告書を書いてはいるんですけれども、あの報告書は、あくまでも鷺坂局長の私的諮問機関で、内部的にお勉強をしましたという段階にとどまっているんです。ですから、もうそれで議論が出尽くしたとか、これで決め打ちのものができたということでは、必ずしもない。ただ、当面考えるとすれば、こういう方向が一番現実的ではないかという議論をやったことは、おっしゃるとおり事実なんです。ですから、もうこれは考えていることだから、さらにその次というステップにはなりません、残念ながら。
通常は、ああいう勉強会をやった後、次に正式にアジェンダにいくときは、中環審の専門委員会なりを開いて、そこでさらに詰めて、それから、今度は中環審の部会に上げていって、そこで実際に提言をするということですけれども、その場合でも、多くの場合は、まず大臣からこれをちゃんと審議会として考えてくれよという諮問をいただかなきゃいけない。
ただ、我々としては、ロードプライシングというものも可能性は十分あるわけだから、それはさらに勉強しよう、それはちゃんとやっておかなきゃいけないということを、この際、言っておこうということだろうと思います。
それで、いろいろと先ほどからのお話の中で、もう一回前に戻ってしまって申し訳ないんですけれども、基本的な考え方の部分です。6ページにある基本的な考え方の部分で、僕は正式バージョンの方を見ているんで6ページになっちゃうんだけれども、見直しの基本的な考え方として、「重点施策に係る制度の活用を含めて現行制度の下で実施可能な施策をできる限り充実させる」、そして「5年目に中間評価に基づいて追加的な対策の必要性を検討する」というふうに書いてあるんですけれども、ここは実を言うと、小委員会でこれまで議論してきて、アジェンダとしても考えられていたこととは若干違うような気がするんです。5年間何もしませんというようなことを前提にして議論したわけじゃなと思うんです。とりあえず、まず基本方針を見直さなきゃいけませんから、穴あきにならないように、これは急いでやらなきゃいけませんと。その上で、もうちょっと時間をかけて、1年ぐらい時間をかけて、法改正が必要かどうかということを含めて議論しましょうと言っているわけですから、委員が言われるように、5年後にしか一切法改正をしませんと言っているわけじゃないんです。そこはちょっと違うと思います。
ただ、現行法のいろんな重点対策地区について、例示的なことを書いてしまっているものだから、そこがやっぱりネックになってしまうことを恐れていて、それはもしネックになるようだったら、直さなくちゃいけないということもありますから、そこまでは、多分、中環審の小委員会の立場からいうと、最終報告の中には書く余地があるので、そこはもうちょっと時間をかけましょうということだと思いますが、全く根本的に新しい仕組みにするかどうかということは、それはどう考えても、5年の中間を見て、そのときに場合によっては、もうあとは維持だけだから、維持だけというときには、こういう仕組みでいいんじゃないかというような、かなり思い切った見直しがあるかもしれませんけれども。
ここで、今の枠組みの中で、もっと強化をする。そのために必要な法の手直しをするということは、現段階でも私はあり得ると思っています。そのような了解のもとで、これは読んでいかなければいけないというふうに思っていますけれどもね。
それからもう一つ、エコドライブについてコンテストいうのが入っているのも、これもぜひ強調しておきたいと思います。とかく環境面というのはソフト的な手法が大変効果的であるにもかかわらず、昨今は、みんなはソフト手法に対して物すごく冷淡な扱いをしか受けていない。
だけど環境施策の中ではソフトを抜きにして、ハードたけで何かできるなんいてというのはとんでもないことだと思っていますから、このエコドライブコンテストというのは、大変効果が出てきますので、こんなことを強く言っておくことは大事なことだと思います。
【大聖委員長】 ありがとうございました。
ほかにいかがでしょうか。先ほど、情報共有による関係者の協力促進、これもソフト的な取り組みなんです。こういうものの重要性というのは、やはり強調していただければと思っておりますし、太田先生、何かロードプライシングと、あるいはITS関係でご意見があれば伺いしたいと思いますけれども。
【太田委員】 ロードプライシングについては、先ほど、委員の言うとおりだと思います。あのときの研究というのは、やはり、かなり限定的な範囲内で、とにかく一応簡単な試算をしたという段階ですから、ロードプライシングが与えるいろんな影響を考えますと、特に環境、あるいは大気汚染対策ということでやる場合に、周辺との関係等はいろいろ慎重に考えなきゃいけないし、今、それに関連したさまざまな環境税を含めて、いろんな料金体系に関わる話が同時に出ていますから、そういうものと調整といいますか、どういうふうな関係をもってやるのが有効かというようなことを含めて、やはり検討する余地は大変多いかと思いますので、こういう形で残しておくということは、それはそれでいいと思います。
【大聖委員長】 ありがとうございます。
いかがでしょうか、ほかに、ご意見、ご質問があればお伺いしたいと思います。よろしゅうございますか。
【吉田委員】 今回、ITS絡みの交通流のコントロールといったような視点を入れていただいたことは、産業の中心にいる川崎市等にしてみれば、かなり未来が明るくなるんじゃないかという期待感が大きいのですが、今まで環境部局で実際にそういったことの取組事例が非常に少なくいものですから、今現在進められている経済産業省やら警察庁と連携できるパイプを切り開いていただくのは環境省さんに期待することかなというふうに思っています。
ただ、私も素人で、今後どういうふうな可能性が開けるのかというところが、よくわからないのですが、この辺、ご存じの先生方はいらっしゃいませんでしょうか。
【大聖委員長】 ITSは、警察庁、それから、総務省ですか、それと国交省と経済省で、環境省の方は直接は関与しておられないんですけれども、とはいえ、同じ行政の立場からいろいろと環境面からの活用というものを提言されたらいいと思います。環境ITSという言葉もありますし、エナジーITSとか、セーフティーITSとか、いろいろありますので、ぜひ、環境面。
ITSは、立ち上がったときから環境という言葉は入っていたんですけれども、それに注目した具体的な対策というものは、実はあまり強調されてきませんでしたので、この辺で、ぜひ、環境そのものですから、アピールして主張していただきたいなと思っております。
とりわけ一般の乗用車が渋滞を回避するということで、先ほど、小原委員の指摘もありましたように、我々も調査をしたことがあるんですけれども、結局、特殊な道路需要の場合は別ですけれども、渋滞が発生しているのは、やっぱり乗用車なんですよね。そこでトラックが来るものですから、要するに、平均車速が落ちて、そういったときにトラックやバスというのは特徴的に排ガスが悪くなるという、そういう効果があるんです。
ですから、車全体の流れをよくするということが非常に重要だということで、それがITSで解決できると、非常に有効な環境対策になると、そういうことであります。
どうぞ。
【織委員】 全体を通じてなんですけれども、さっき浅野先生がおっしゃったように、これからのソフト対策は本当に重要になってくると思うんです。そのときに、この分け方だと、局地汚染対策はこうで、地域全般に係る対策はこうでと、全体を通じて、事業者と行政との情報共有をやったり、行政と行政の情報共有すべてに効いてきているので、ちょっとここ、書きぶり、難しいところではあるんですけれども、こちらにこうというふうに読めてしまうのが気になるんです。
例えば11ページ目の方で、大きなポチの上から三つ目のポチのところで、「各地方公共団体の施策を」というのは、これは私、意見を言わせていただいたんです。これなんかを逆に言うと、8ページのところの情報共有による関係者の協力促進のところにも、当然つながっていくところなので、この書き方を、何かばらばらとしてしまうと、どうかなというのが、ちょっと気になっているところなんですけれども。
【大聖委員長】 ちょっと横串を入れられるようなあれがあって。
【浅野委員】 基本的な考え方の中で、次の基本方針の中に、委員長も言われるように、ソフトは大事なんだということを言っておられるわけだから、もうちょっと強調すると言う意味では、基本的な考え方のところに1回入れておいて、あと、また、各項目で再掲していくという、そういう形にしてもいいかもしれませんね。織さんの意見ももうちょっと評価して基本的考えに格上げする。
【織委員】 格上げしてください。
【大聖委員長】 書きぶりを工夫していただいてと思います。繰り返しになりますけれども、行政間での協力とか、他の部署との協力、それから、環境を管理しているところと事業体への協力、それから一般のドライバーとか、そういったようなものへの呼びかけですよね。
それから、一つ例を挙げますと、例の光化学注意報の警報なんかが出たりすると、不要不急の活動はやめてくださいというような呼びかけをやっているわけですね、既に。ですから、そういうものをもう少し、そういうやり方の有効性というものも、もう一回見直してやられたらいいと思うんですけれども。
いかがでしょうか。その他の方へいってしまいましたけれども、それでは、その他の留意事項というところで、ご意見なりご質問をお伺いしたいと思います。また、全体を通じても結構ですので、いかがでしょうか。いかがでしょうか、全体を通じてでも結構ですから、これをもとにして、私どもまとめて、修文するところは修文して、パブリックコメントいう段階に移りたいと思っております。いかがでしょうか。
【浅野委員】 特にご意見があまりないようでしたら。
【大聖委員長】 早目に終わっても結構ですので。
【浅野委員】 パブコメをするわけですが、今日は資料3で説明を受けたんですけれども、実際のパブコメは、参考資料の1に基づいての部分が行われます。あわせて、参考資料の2に掲げられた資料についても、それはパブコメのときに出されると、こういうことでありましたので、それはそれとして、そういうことが行われるということを、まず、小委員会としては了承するということになるんだろうと思います。
それから、今日出されたご意見で、パブコメに際しては、ぜひ直しておいた方がいいいうようなものについては、直しておいた方がいいだろうと。とりわけ、私が申し上げた維持達成ということを言っていんるんだというところは、これはしっかり書いておかないと、かなり誤解を与えるおそれがありそうなので、そこはぜひ加筆修文をしておいていただきたいと思いますし。
【大聖委員長】 達成かつ維持ですね。
【浅野委員】 要するに、基本法に書いてあるベースのところに戻って、そのことをちゃんと確認しておくということが必要だと思いますが。
それから、基本的な考え方のところで、さっき織委員が言われたこともちゃんと入れておいた方が多分いいだろうというのは、そのとおりだと思いますから、そのあたりを入れておいて、そのほか出されたご意見については、可能な限り取り入れるということでいいと思いますけれども、従来からパブコメの案は最終案ではありませんので、パブコメを受けた後、パブコメの中でこれと思うご意見を取り上げて、また最終案をまとめることになりますから、その他の今日出されたご意見は、パブコメを受けた後の最終案の取りまとめのときに織り込むということでいいんじゃないかという気もいたします。全部折り込んでおかなきゃいけないとも思いませんので。
私は、大聖委員長に全幅の信頼を置くので、この際、委員長に修文はお任せする、それでパブコメをやるということではいかがかなと思いますが。さよう提案させていただきます。
【大聖委員長】 どうぞ、泉委員。
【泉委員】 二つほど。一つは新エネルギーといいますか、エネルギー関係、電気自動車とか、天然ガス車とかは、非常に環境にいいのだろうと思うのですが、石油エネルギーと違う燃料使用については、何か表現しなくていいのかなと、今、電気自動車等、非常に国の方でも進めているように思えます、そういったところの表現は、何か必要があるのではないかと思います。
それから、その他の部分で、「各地方公共団体による独自の取り組みが成果を上げている」というところなのですけれども、各地方での独自の取組自体はいいのですけれども、取組のなかで、適合車のステッカーというものが各種各様、たくさんあると思います。もう少し整理整頓ができないのかなと思います。ちょっとはんらんし過ぎではないのかなという気がします。各地方団体、国の間で整理整頓をしていただけた方が、私どもも、配送に使用されている車輌のステッカーが、いいのか悪いのかというのをすぐ判断できるようになります。地方公共団体と国の皆さんがよい意見をまとめていただけたら助かるなという気がします。
以上でございます。
【大聖委員長】 低公害車の関係は、9ページの対策地域全般に係る対策というところの最初のポツのところで「また、ハイブリッド自動車等の低公害車の普及も有効であり」ということを言っておりまして、「これを促進する支援策も併せて必要」ということにしております。電気自動車ということに特定する必要はないんではないかなと思いますので。
ちょっとついでに言いますと、電気自動車というのは、比較的小さい車なんですけれども、それに対応するガソリン車というのは、ほとんどが実は今、4つ星マークがついていまして、超低公害車なんです。ですから、電気自動車が大気改善に有効だということは、それほど強調を、今、されていないわけです。むしろCO2とかエネルギー対策という点に移ってきておりますので。ちょっとこれは蛇足ですけれども。
【泉委員】 天然ガス車は有効かと思います。
【大聖委員長】 これは有効だと思っておりますけれども。「ハイブリッド自動車や天然ガス自動車等の」と入れさせていただきたいと思います。
それから、ステッカーはあれですか。これは地方自治体の方のあれですけれども。
【浅野委員】 それは最後のところでまとめるときに工夫をして、入れれば入れたいと思います。
【大聖委員長】 いかがでしょうか、ほかに。
(なし)
【大聖委員長】そうしましたら、先ほど、浅野委員が私にかわってまとめていただきましたけれども、皆さんからちょうだいしたご意見をもとにしまして、こちら方で修文させていただいて、お任せいただくということでいかがでしょうか。それをパブリックコメントにしたいというふうに思います。
その結果を踏まえて、最終的な中間報告をつくりますので、また、お諮りするチャンスがあると思いますし、そこでいろんなまたご意見を集約して、大気部会の方へ答申すると、そういうような形になると思います。そういう手続になりますが、いかがでしょうか。
(異議なし)
【大聖委員長】 それではお任せいただけるということで進めさせていただきます。
どうもありがとうございました。
それでは、事務局の方に戻します。
【岡本自動車環境対策課長補佐】 それでは、資料4に従いまして、今後の検討の進め方についてご説明したいと思います。
本日はご議論、どうもありがとうございました。また、委員会が始まるまでで、委員の方々、道府県の関係者の方々、いろいろとご議論していただきまして、そういう成果であらわれてございます。どうもこの場をかりて感謝いたします。
それでは、資料4に基づきまして簡単にご説明したいと思います。今後の検討の進め方についてですが、まず、中間報告の取りまとめについてでございます。先ほど浅野委員の方からご説明がございましたが、先ほど参考資料1となっている中間報告案、これが本体となりまして、その参考資料として、今日私どもがご説明に使いました要旨と、それと大変また恐縮なのですが、参考資料の方の1ページをご覧いただけないでしょうか。
資料の1ページでございますが、基本方針の見直しのポイントというような資料をつくらせていただきました。今回、パブリックコメントを行うに当たりまして、当然、その後、基本方針の見直しを行うわけですけれども、どういうところがポイントになるのかきちんとした方が、見る方もわかりやすいのではないかということで、今回、対策の継続、また目標内容、目標期間、そして基本方針に定める施策の見直しのポイントについてまとめたものをつけて、これをパブリックコメントとして実施する予定でございます。
なお、先ほど来、修正等ございましたので、そういうものを踏まえまして、また見直しのポイントにつきましても必要に応じた修正をしたものを12月上旬から1月上旬を予定しておりますけれども、パブリックコメントを実施するように考えております。
また、パブリックコメントの結果を踏まえまして、第4回の小委員会、来年の1月18日開催予定でございますが、そこにおきまして、中間報告の取りまとめを行う予定でございますので、よろしくお願いします。
それと、2の今後のスケジュールでございますけれども、本日のこの委員会を踏まえまして、パブリックコメントを1月上旬ごろまでやった後、1月18日に第4回の小委員会を実施させていただきます。ここで中間取りまとめを行った後、1月下旬ごろに中間報告をする予定としております。また、それを踏まえました基本方針の見直しにつきましては、関係省庁等と協議のもと、22年度末までが目標年度になっておりますので、3月の中旬ごろまでに閣議決定するような方向で進めていきたいと思います。
その後、23年度以降、また法改正の必要等に応じまして、見直しに係る審議を継続して、最終的には中環審の答申として取りまとめると、このような形で考えております。これにつきましては、第1回目の委員会の方でご説明したとおりでございます。
このような形で進めさせていただきますので、よろしくお願いしたいと思います。
【大聖委員長】 それでは、これで閉会させていただきたいと思います。よろしゅうございますか。
それでは、どうも長時間ご議論いただきまして、ありがとうございました。