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■議事録一覧■

中央環境審議会大気環境部会
自動車排出ガス専門委員会(第49回)会議録


1.日時

平成24年3月14日(水)10:00〜11:49

2.場所

環境省 第1会議室

3.出席者
(委員長) 河野 通方
(委員) 飯田 訓正 岩本 正和
後藤 新一 後藤 雄一
坂本 和彦 塩路 昌宏
大聖 泰弘 土屋 賢次
御園生 誠
(オブザーバー) 津江 光洋 東京大学大学院工学系研究科教授
(事務局) 西本環境省水・大気環境局総務課環境管理技術室長
高井環境省水・大気環境局総務課環境管理技術室長補佐
吉田環境省水・大気環境局総務課環境管理技術室排ガス係
濱田環境省水・大気環境局総務課環境管理技術室排ガス係
4.議題
(1)二輪自動車・原動機付自転車の次期排出ガス規制について
  (2)NOx後処理装置の耐久性・信頼性確保のための措置について
  (3)ディーゼル特殊自動車の排出ガス規制について
5.検討資料
資料45-1 自動車排出ガス専門委員会(第48回)議事要旨
参考資料49-1 自動車排出ガス専門委員会(第48回)議事録(案)(委員限り)
参考資料49-2 自動車排出ガス専門委員会(第48回)議事録(案)(委員限り)
参考資料49-3 二輪自動車等排出ガス低減対策について
参考資料49-4 NOX後処理装置の耐久性・信頼性確保のための措置
参考資料49-5 ディーゼル特殊自動車に係る追加検討事項
6.議事

【高井室長補佐】 定刻となりましたので、中央環境審議会大気環境部会第49回自動車排出ガス専門委員会を開会いたします。
 まず、開催に先立ちまして、河野委員長よりごあいさついただきたいと思います。よろしくお願いします。

【河野委員長】 おはようございます。本日は、お忙しい中お集まりいただきまして、どうもありがとうございました。
今までの復習をさせていただきたいと思います。昨年6月の前回の専門委員会から大分時間がたちましたので、内容をお忘れになった委員もいらっしゃるかもしれないということでございますが、前回の専門委員会では、二輪自動車の次期排出ガス低減対策及びNOx後処理装置の耐久性・信頼性確保のための措置について、ご議論をいただいたところでございます。
それを踏まえまして、作業委員会を12回開催いたしまして、自動車メーカーから次期排出ガス低減対策に関する貴重なご意見を伺うとともに、次期排出ガス低減対策に向けた検討を重ねてまいりました。
本日は、作業委員会での議論を踏まえまして、二輪車の次期排出ガス規制及びNOxの後処理装置の耐久性・信頼性確保のための措置について、審議を行っていただきたいと思います。
また、本日はディーゼル特殊自動車に係る追加の検討事項につきましても、あわせてご審議を行う予定となっております。
本日は内容が盛りだくさんとなっておりますので、時間的な制約はあるかとは思いますが、委員の先生方にはぜひ、ご闊達なご審議のほどをよろしくお願いしたいと思います。
以上です。どうもありがとうございました。

【高井室長補佐】 河野委員長、ありがとうございました。
 本日ですが、東京大学大学院工学系研究科教授であります津江教授に、オブザーバーとしてご参加いただいております。現在、津江教授には、専門委員就任の委嘱手続を行っておりますので、また次回改めて委員となった暁には、ご紹介させていただきます。
 本日の会議は公開とさせていただき、今回の議事要旨及び議事録については、委員の皆様のご了承を得た後、ホームページにて公開させていただきたいと思います。
 それでは、お手元の資料について確認させていただきます。まず、議事次第と委員の名簿がございまして、資料49−1が前回の専門委員会の議事要旨になります。資料49−2、こちらは委員限りでございますが、前回の専門委員会の議事録(案)となっております。資料49-3が、二輪車自動車等排出ガス低減対策についてと。資料49−4がNOx後処理装置の耐久性・信頼性確保のための措置、そして資料49-5、こちらがディーゼル特殊自動車に係る追加検討事項でございます。
不足等ございましたら、事務局までお申しつけください。
まず初めに、資料1の前回専門委員会の議事要旨及び資料2に委員限りの資料ですが、前回専門委員会議事録(案)を提出させていただいております。議事録(案)については、以前にちょうだいしましたご意見を反映したものとなっておりますが、さらに修正等がございましたら、3月19日、来週月曜までに事務局までお知らせください。
それでは、ここからの進行を河野委員長にお願いします。よろしくお願いします。

【河野委員長】 先ほどのごあいさつでは、マイクのスイッチ、電池が切れたか何かで入っていなかったんですが、もう1回繰り返すつもりはありませんので。かすかに聞かれた部分でもって、あいさつとさせていただきます。とにかくご闊達なご審議をお願いしたいと思います。
 それでは、本日の議題1であります、二輪自動車等排出ガス低減対策について、事務局からご説明をお願いしたいと思います。

【高井室長補佐】 それでは、資料49−3に基づき、二輪自動車・原動機付自転車の次期排出ガス規制について、説明してまいります。
前回、第48回専門委員会は昨年の6月でしたが、その際の決定事項はこちらにあるとおりです。このうち下線部を引いた部分について、今回作業委員会を中心に検討を進めてまいりました。一つ目が、二輪車のテールパイプ排出ガス次期許容限度目標値についての議論で、こちらは前回専門委員会でWMTCの導入を決定していますので、WMTCベースでの次期許容限度目標値を検討してまいりました。
二つ目が、二輪車の燃料蒸発ガス対策に係る規制値及び適用時期の検討。三つ目が、OBD1についての適用時期の検討、そして四つ目が第10次答申で定められたE10燃料規格に対応したE10ガソリン対応二輪車の排出ガス低減対策の検討であります。
昨年6月以降、作業委員会においてメーカーヒアリングを実施しまして、次期許容限度目標値を定めるに当たり、それに対応するための排出ガス低減技術の検討を行いました。
まず、二輪車に採用されている近年の排出ガス低減技術の主流は、インジェクターによる電子制御燃料噴射、そして酸素センサーを用いたフィードバック制御、それに三元触媒が中心となっており、四輪車と大きくは変わりません。一方で、現在の排出ガス低減技術における課題としまして、四輪車と異なりサイズの制限を制約を受けるとともに、バンク角や排熱による他部品への影響など、レイアウト上の制約あるいは振動強度に対する制約がございます。
また、エンジンの大きさの制約から、四輪車に比べて小排気量のエンジンを高回転領域まで使用することにより出力を確保しておりますので、広範なエンジン回転数に対し、排出ガス低減対策は必要となります。そして、カーブ走行時から直進する際に駆動力により傾きを立て直すことなどから、四輪車に比べると高いスロットルレスポンスが求められます。
さらに四輪車に比べ車体価格が安価でありまして、排出ガス低減技術にかかる費用が制限されるというか、そこまで費用はかけられないということで利用できる対策技術が限定されます。これらが二輪車での排出ガス低減技術における課題であります。
こちらのスライドでは、各部品の小型化、低コスト化に向けた現在の取組を示していますが、二輪車の排出ガス対策は四輪車同様にフィードバック制御が中心でありますが、サイズの制限等から部品の小型化、軽量化が求められます。こちらの図にあるとおり、例えばO2センサーやECUについて四輪車用に比べ小型化しており、さらには今回具体的な価格は載せておりませんが、こちら左の図のようにO2センサーを、一番左のようにヒータレスとして低コスト化を図っております。
また、部品共通化によるコスト低減も進めており、こちらのセンター類について四輪車部品を共通化し、さらには二輪車間ではポンプ、インジェクター等、最大80%の部品を共通化しております。
5ページに移りますが、触媒についても特に次期許容限度目標値を検討するに当たり、レイアウトの制約が課題となりました。冷機始動時の触媒早期活性化のために、こちらの図にあるとおり、四輪車ではエンジン直下に配置されております。その一方で、二輪車では前輪との干渉、バンク角や周辺部品への熱害等の問題から、エンジン下など少し距離が離れたところに配置されます。特にオフロードタイプなどの単気筒車の一部では、その特性から触媒はマフラーなどに配置されており、冷機始動時の活性化に時間を要します。
また、こちら右の触媒セル数の違いですが、四輪車ではセラミック担体が採用されていますが、二輪車では振動への対策強化が必要な一方で、担体保持マット分のスペース確保は困難なことなどから、セラミックに比べるとセル密度が低いメタル担体が採用されております。
続いて6ページですが、二輪車での特有な排出ガス低減システムとして、二次空気システムがあります。アイドリングを含む低回転・低負荷においては、理論空燃比での運転が適していないため、二次空気システムを使用しております。この場合、O2センサーによるフィードバック制御は停止します。
一方、現在ほとんど該当車種はないようですが、一部の小型車、スクーターに触媒プラス二次空気システムを採用しております。このシステムを採用しているものでは、O2センサーがそもそも不採用で、フィードバック制御は行っておりません。
続いて7ページですが、このような現状を踏まえました次期排出ガス規制の許容限度目標値に対する考え方であります。まず適用時期ですが、メーカーによる開発期間を考慮しますと、中期的な目標値、EURO5が2017年から適用でありますので、同時期での目標値を示すことが現実的ではないかと。
そして、この中期的な対応としては、メーカーヒアリングをもとに、こちらに掲げます技術を見込んでおります。例えばフィードバック制御領域の拡大で、リッチな領域を抑制するなどの燃料噴射制御の最適化、可変動弁機構の採用、こちらは高回転域まで使用するような大型スポーツバイクでの採用が見込まれます。
また触媒について、大型化、大容量化に加え、点火遅角による排気温度上昇と排気流量増加などによる触媒の早期活性化、そして排気管形状改良による触媒内のガス流れ均一化による高効率化などが見込まれます。このような技術を見込んだ上で、作業委員会において次期軽減の目標値の検討を行いましたが、検討に当たっては、国際基準調和の観点でも検討を行いました。
まず、小型二輪車についてですが、EURO5のClass3規制値は、技術開発と商品性確保の観点から、実現可能な中で最も挑戦的なレベルと考えられますので、特に輸出入が多い小型二輪車については、許容限度目標値に対してもEURO5への調和を考慮することとしました。
一方で、その他のClassのEURO5への調和も検討しましたが、原付1種は国内向け開発車両であること、また原付2種・軽二輪もEUへの輸出がほとんどないことから、メーカーの技術開発と商品性確保の観点より、適当なレベルを設定するべきであります。ただし、国内の二輪車産業の縮小などから、二輪メーカーは世界戦略車を開発しているような状況であります。将来的には我が国の排出ガス低減対策についても、国際基準調和を図ることが望ましいということも事実であります。
次期排出ガス規制に係るコスト増については、メーカーヒアリングに基づきまして、原付1種については1,000から数千円、原付2種・軽二輪については数千から1万円、小型二輪については1万から数万円と予想されます。なお、現行の許容限度目標値は、排気量に応じ、原付1種・2種と軽二輪・小型二輪で区分していますが、欧州の方ではWMTCのClass別で区分しております。特にWMTCのClass区分により走行するパートが変わりますので、次期排出ガス許容限度目標値としてはWMTCのClassベースでのカテゴリー区分とするべきであります。
8ページの審議事項の1番目でありますが、次期排出ガス低減対策について、メーカーの開発機関を確保するために適用時期を2016年末までとします。また、WMTCでは、Classに応じて走行するパートが変わることから、次期排出ガス規制ではWMTCのClassベースでカテゴリー区分します。
またメーカーヒアリングをもとに、二輪車の排出ガス低減技術の進展を見込み、許容限度目標値をこちらの表のとおりとします。この表の上から3行目が、次期軽減の目標値となりますが、いずれも単位はg/kmでありまして、Class1はTHCが0.30、COが1.14、NOxが0.07。Class2はTHCが0.20、COが1.14、NOxが0.07。そしてClass3はTHCが0.17、COが1.14、NOxが0.09であります。
EURO5との調和については、Class1及びClass2のTHC以外について調和しますが、THCについては現行等価規制値に対する削減率が低いことなどもありまして、EURO5より厳しい値としています。
先に次のページで将来推計を説明しますと、これらの次期目標値によりまして、9ページになりますが、平成32年度のテールパイプの排出総量削減推計はこちらの表のとおりとなります。平成22年に対し、各規制物質、各Classで整理した表になりますが、次期規制なしの場合でも、平成18及び19年規制により、車両代替による削減効果があります。これに加えて平成28年から次期規制を導入することで、THCについてはさらに20.4%、COは31.7%、NOxについてはさらに36.1%の削減となります。
また、さらに先になれば、さらなる代替が進みますので、次期規制による効果は大きくなります。
また8ページに戻りまして、国内の二輪車産業の縮小などから、二輪車メーカーは世界戦略車を開発している状況であります。このため我が国の次期排出ガス低減対策の見直しに当たりましては、欧州において2020年に開始されるEURO6を考慮して、UN-ECE/WP29において策定される国際基準への図るものとします。
以上、審議事項1についてご審議のほど、よろしくお願いします。

【河野委員長】 どうもご説明ありがとうございました。
 それでは、ご質問、ご意見をいただきたいと思います。どうぞ。
 特に作業委員会で、前から二輪車の文化というのがありまして、例えば同じガソリンエンジンを使っていても、4輪と同じような規制にならないのかというようなことが、一番我々としては心配なところでございますが、先ほどのご説明にもありましたが、3ページにそこら辺の文化の違い、二輪と四輪の文化の違いというのがまとめてございます。まだドライバービリティーとか何かほかにもいろいろあるんだろうと思うんですが、技術的に面から考えると、そこに述べられているとおりだということでございます。いかがでございましょうか。
 今日は議題がたくさんあるということなので、ご質問があまりないようでしたら次へ進みますが、そのかわり遡ってご質問をいただいてもお認めするということで進めさせていただきたいと思いますが、そういうことでよろしいでしょうか。全体を見てお考えになるということもあると思いますので、そこら辺をよろしくお願いしたいと思います。
 とりあえず、次期排出ガス規制の許容限度目標値については、事務局の説明のとおりとするということで示させていただきますが、よろしいでしょうか。
(はい)

【河野委員長】 それでは、続いて燃料蒸発ガス効果について、これも事務局からご説明をお願いしたいと思います。

【高井室長補佐】 続きまして、10ページの燃料蒸発ガス対策についてであります。二輪車用の燃料蒸発ガス対策の追加に関する検討ですが、まず燃料蒸発ガス試験法を定める必要があります。既にエバポ規制を導入している国の試験法を調べてみますと、基本的にはカリフォルニア州試験法を用いておりまして、欧州のEURO5から始まるエバポ規制でも、カリフォルニア試験法を導入する見込みとなっております。したがって、我が国でもカリフォルニア州試験法の導入を軸に検討するべきであります。
 こちらカリフォルニア州試験法については、プレコン走行等走行を行った後、DBLを実施します。このDBLが乗用車と異なりまして、タンクをヒーターにより加熱します。1時間で15.5度から35.5度まで上昇させて、シェド内でのエバポ発生量を計測するというやり方になっております。そしてモード走行した後にホットソークロスの試験を1時間実施します。
 11ページですが、カリフォルニア州試験法導入の検討課題について。まずDBL試験が乗用車エバポ試験法では24時間であるのに対して、カリフォルニア州試験はタンクの加熱により1時間としております。これが1日の駐車模擬した乗用車試験に対して、1時間で20度も気温が上がるということは、現実の世界としては考えられませんが、これまでの調査としまして、平成21年度PRTR届出外排出量の推計方法等の概要に示されている算出式、実際にはこちらはJCAPのシミュレーションで用いられている算出式でありますが、こちらの数式のようになっております。
 こちらの式を見ますと、初期燃料温度と最終燃料温度、それにガソリンのリード蒸気圧の関数となっておりまして、時間要素は含まれておりません。
 また、こちらの右の図ですが、6次報告の際に、エバポの導入について当時また検討を行っておりますが、その際の自工会へのヒアリング資料となります。二輪車燃料蒸発ガスについて、カリフォルニア州試験法と乗用車試験法で測定した結果、こちらの図に示されているとおり、相関が得られております。したがって、カリフォルニア州試験法は乗用車のエバポ試験法と同等とみなすことができるかと思います。
 続きまして12ページですが、カリフォルニア州試験法導入の検討課題として、1日分を目安としたDBLとしてよいかどうか。乗用車の24時間DBLは駐車によるエンジン停止日数1日を想定して定められておりますが、同じように二輪車についても検討を行いました。こちらの図は、2011年度の二輪車使用実態調査で週間使用日数は左のグラフのようになっておりまして、週5日以上の使用が56%、平均使用日数は4.3日であります。駐輪日数にかかるデータが最新のデータがございませんでしたので、こちらの週間使用日数をもとに、確立的に試算をしてみますと、右の二輪車放置日数のようになります。これは例えば週6日利用する人であれば、二輪を使った翌日に利用する確率は7分の6で、その翌日に利用せずに翌々日に利用するという確率は7分の1といったように、結構エイヤで推計したようなものですが、6割は放置日数が1日、2日以内で見ると8割となります。
 1日の放置だけではなく2日の放置であっても、通勤などに利用して夕方に帰ってきて、翌日は車を使わず、翌々日の朝に出勤というようなことであれば、日中の温度変化は1回分考慮でよいと考えられますので、この8割を考慮すれば1日分のDBL、すなわちカリフォルニア州試験法の1時間DBL1回のみとすることが適当であると考えられます。
 続いて13ページですが、環境省でも燃料蒸発ガス試験の調査を行いました。こちらは平成19年規制適合の国産車で、燃料蒸発ガス対策、すなわちキャニスタが装着されていない車両であります。試験条件はこちらにあるとおりでありまして、試練結果は約10g/testで内訳はDBLが9.6グラム、ホットソークロスが0.4グラム弱でありました。一方で、メーカーヒアリングにおいて燃料タンク容量と燃料蒸発ガス排出量の関係についてデータをご提示いただいたのですが、こちらも少し古いデータでありまして、2005年調べということでしたので、当時の車両ですとキャブ車が中心、中心というかキャブ車がすべてやったと考えられます。したがって、キャブ車で測定した結果が、こちらのプロットになっていると考えられますので、一方で平成18、19年規制への適合のためにインジェクタ方式が採用されるようになりました。したがいまして、ホットソークロスによる排出が大分低減しているという実態のようでございます。
 続きまして14ページですが、許容限度目標値について乗用車の許容限度は、1テストで2g/testとなっております。EURO5でも2グラムとする予定であります。そこで我が国でも次期テールパイプ規制適用時期の平成28年より二輪車の燃料蒸発ガス許容限度目標値を2g/testとした場合の平成32年度の排出ガス総量を推計したところ、こちらの以下の表のようになりました。Class2、Class3ではキャニスタ装着により実使用時のエバポが相当量削減されます。平成28年より適用開始とした場合に、平成32年時点での削減量ですので、さらに先の将来で次期規制適合車が普及することで、さらなる改善が図られます。
 一方でClass1では、こちらはDBLプラスホットソークロスで2グラムを超えないという試算から、キャニスタを未装着にという、いわばワーストケースの過程で推計をしておりますが、これらもキャニスタを装着するということであれば、さらなる改善が図られることとなります。
 なお、先ほどのDBLの算出式では、温度差が大きいほどDBLが大きくなることになりますが、日本での1日の最高と最低の気温差で見ると10度前後ぐらいですので、カリフォルニア州試験法の20度上昇というのは、日本の中でもかなり厳しい試験条件だと考えられます。したがって、実使用状態では1日以上分の燃料蒸発ガスをキャニスタで吸着できると見込まれます。
 15ページですが、適用時期について、既に次期テールパイプ許容限度目標値に合わせてという話をしておりますが、メーカーヒアリングの方で、キャニスタ等の燃料蒸発ガス対策技術は確立されておりまして、各車種に応じた使用開発のために二、三年を要するということでありますので、次期テールパイプ許容限度目標値の時期に合わせるべきであります。なおコスト増については、6,000円から1万2,000円と予想されます。
 以上から、審議事項の2ですが、燃料蒸発ガス対策については、カリフォルニア州試験法と同様のDBL及びホットソークロス試験を導入し、その許容限度目標値は2g/testとします。適用時期はテールパイプエミッションの適用時期と合わせて2016年末までとします。
 以上について、ご審議をお願いします。

【河野委員長】 ご説明ありがとうございました。
 ご質問、ご意見等ございますでしょうか。
 ございませんようでしたら次に進みたいと思いますが、審議事項2、15ページのようなことで、お認めいただいたということでよろしゅうございますか。
(はい)

【河野委員長】 ありがとうございました。
 それでは、お認めいただいたことですので、続きましてOBDシステムの導入について、これも事務局の方から説明をお願いいたします。

【高井室長補佐】 16ページになりますが、OBDシステム導入に関わる検討ですが、OBDTについては、こちらにある表のとおり、実質的には各社とも既にOBD1機能を有するシステムを確立しております。ただ、燃料噴射補正量監視による故障判定導入、外部通信コネクタ等のISO規格への対応、そして故障時の警報等の変更について2〜3年の開発期間が必要としておりますので、開発の効率化を考慮しまして、テールパイプエミッションとあわせて2016年末までの適用とすることが適切であります。なお、OBDT導入にかかるコスト増は、300〜2,000円と予想されます。
 一方でOBDUについてですが、乗用車と乗用車と同等な機能を求めようとしますと、例えば触媒劣化判定に関し、四輪ではO2センサー信号機能から劣化判定できますが、二輪車では触媒容量が小さいために、二輪独自の判定方法が必要であると。あるいは失火判定は四輪車のようにサイクルごとの回転変動から判定することが難しいと。エバポリークについては、車体の挙動変化あるいは燃料スロッシングの影響などを考慮する必要があり判定が難しいなど、単純に四輪車の技術を二輪車に適用できるというものでもないために、現時点では見通しが立たない状況であります。したがいまして、審議事項の3ですが、OBDTについては次期排出ガス規制の適用時期にあわせて導入する一方で、OBDUについて四輪車技術の二輪車への展開には、二輪車の特徴、特性による課題があるため、現段階で導入を検討するのは時期尚早であります。将来的に技術の見通しが立った段階で導入を検討することとします。
 以上についてご審議をお願いします。

【河野委員長】 ありがとうございました。何か事務局の方で説明していただくんですが、かなり早口でやられるので、皆様方もあまり質問するような余裕が生まれてこないんじゃないかなと思いますが、今日は本当に議題がたくさんありますので、ご勘弁いただきたいとは思います。
 ただいまの件につきまして、ご質問等ございますでしょうか。ご意見、ご質問ございましたらお受けしたいと思いますが、いかがでしょうか。OBDTについては、次期排出ガス規制の適用時期と同時期に導入する。それからOBDUについては時期尚早であり、将来的に技術の見通しが立った段階で導入を検討するという結論でございますが、いかがでしょうか。
(はい)

【河野委員長】 では、これはお認めいただくということにさせていただきます。
 続きまして、審議事項の4、E10対応ガソリン二輪車に関わる検討につきまして、事務局からご説明をお願いしたいと思います。

【高井室長補佐】 E10対応ガソリンというか、E10ガソリン対応の方が適切かもしれないですが、E10ガソリン対応二輪車にかかる検討であります。E10対応の二輪車の現状について、現行の二輪車の排出ガス低減対策というのが、先ほども説明しましたが電子制御燃料噴射と。三元触媒プラスO2センサーのフィードバック制御が中心となっておりまして、燃料の含酸素率の違いにより、排出ガス量が大きく変化するものではないと考えられます。
 メーカーヒアリングにおいてE10を使用した場合の排出ガス低減対策については、問題がないという回答でございました。したがいまして、二輪車において四輪車と同様にE0からE10のうちいずれかの燃料で排出ガス規制に適合していれば、E0からE10すべてで規制に適合するとして扱うことが適当であること。
 また、燃料蒸発ガスについても、四輪車と同様に試験燃料をE10レベルとすることで適合とするということが適当であること。以上について、試験により検証を行いました。
 まず、エバポ試験ですが、蒸気圧調整を行ったE10でありますので、E0及びE10との間でこちらのグラフにあるとおりですが、それほど大きな差異はございませんでした。
 19ページに行きまして、テールパイプ排出ガス試験でありますが、こちらの測定結果はこちらの表のとおりなんですが、ちょっと、文字が小さいために次のページにグラフを示しております。測定のその物質については、規制対象物質以外に四輪車でスタート時のアセトアルデヒドの排出量が大きかったということもありまして、アルデヒド類についても排出量を計測しております。結果が20ページのグラフでありまして、E0に対してE10及びETB22の結果です。CO、THCについては、E10、ETBで多くなるというようなことはありませんでした。
 一方で、NOxについては多少、多くはなるのですが、今後E10での規制を行うことでNOx対策もE10でもきくようにするということが適切であります。
 一方でアルデヒド類ですが、こちらはE0に比べましてアセトアルデヒドの排出量が増えております。こちらのとおりですが。乗用車のときにはスタート時だけ増えるという傾向にありましたが、今回は少し異なっておりまして、こちらWMTCのパートごとでやっているんですが、Part1がコールドスタート、Part2、Part13がPart1に続いたホットスタートなんですが、Part2、Part3でも排出量が増えております。
 こちらの原因なんですが、未燃ガスとして排出されるエタノール、こちらが二次空気により導入される酸素と結合してアセトアルデヒドが発生しているということが推測されます。
 続いて21ページ、このアセトアルデヒドの排出量について、有害大気汚染モニタリングによりますと、大気環境中のアセトアルデヒド濃度が経年的に緩やかな低下傾向にありまして、平成22年度の年平均値で2μg/㎥となっております。そして測定結果のコンバイド値の2.4ppm、こちらを単位換算しますと4,300μg/㎥となります。10次答申でも引用しましたこちらの下の参考ですが、簡易フードにおける排出ガスの拡散を考えますと、こちら小型ディーゼル貨物車での試験結果ですので、少しその車両の形状も異なりますから、多少の条件は変わるかもしれませんが、5メートル私道で拡散されて濃度が500分の1という結果ですので、仮にそのアセトアルデヒドが5メートル後で拡散した場合には、先ほどの4,300μgが8.6μg/㎥となりまして、大気環境の2μg/㎥を加算しても、参考としてシックハウス症候群の室内濃度指針値というのが48μg/㎥でありますので、こちらに対しては十分に小さい数値であります。したがいまして、E10対応ガソリン四輪車での考え方と同様に、現行のTHC規制の中で、アセトアルデヒドも低減させることとしまして、アセトアルデヒドに特化した規制は実施しないということにしたいと思います。
ただ、今後のE10対応車、E10燃料の普及状況を踏まえ、またアセトアルデヒド類の総合的な対策を検討することとなった場合には、必要に応じ見直していくべきであります。
22ページ、最後ですが、二輪車にかかる最後の審議事項ですが、E10対応ガソリン二輪車について、テールパイプエミッション及び燃料蒸発ガス対策ともに、通常のガソリン二輪車にかかる許容限度目標値に適合させることとすると。テールパイプエミッションについては、E0からE10のうち、いずれかの燃料で排出ガス規制に適合していれば、すべての燃料で規制に適合すると判断し、燃料蒸発ガス対策については、E10で燃料蒸発ガス規制に適合させることとすると。
以上について、ご審議をお願いします。

【河野委員長】 ご説明どうもありがとうございました。ご意見、ご質問等ございますでしょうか。

【岩本委員】 質問なんですが、20ページのところで、E10などの場合、アセトアルデヒドが多くなったということは、これは先ほどおっしゃったように酸化が進んで、エタノールからアセトアルデヒドになったとかんがえればいいので、それはよくわかります。しかしこのとき、NOxの方も少し増えていますね。何か理由を考えていらっしゃるんですか。

【高井室長補佐】 こちらはちょっと、理由は今のところ考えてはおりません。アセトアルデヒドは2倍以上大きくなっているので、そういう原因かなと。NOxは2倍とまではいかないので、計測のばらつきとかそういうふうな範囲でもあるのかもしれないのかなと。ただ2回はかった平均ですので、確かに差はあるといえばあるんですが、ちょっと、原因についてまでは究明できてはおりません。

【大聖委員】 推測ですけれども、空燃比が少しでしょうけれども、薄い方に寄っているために増加するのではないかと考えられます。その根拠は、ハイドロカーボンが少なくなっていて多少リーン側に寄っているという推測が成り立ちます。

【河野委員長】 これは事務局の方で何か今のご質問に対する質問がきちんとあれば、調べていただくということはできるんですか。

【高井室長補佐】 こちらは委託調査でやっていますので、その委託先と原因について分析をしたいと思います。

【坂本委員】 今、どのくらいの差なのかによっては、こういう差を議論できるデータなんですか、問題は。ここに出ているものは平均値として書いてあるけれども、個々のデータの変動が大きければ、もう差があるないなんていうような議論ができなくなるんだけど、そういう情報が実際。

【高井室長補佐】 はい、こちら20ページでNイコール2回でミニマムとマックスというか、結局二つしかないので、小さい方と大きい方なんですけど、それをここの場で出しているので、2回やってもそんなに差はなかったという。

【坂本委員】 ということは、それぞれは優位差ありという判定でいいということですね。あとは、そもそも実験の一番の運転条件が変わった場合に、どのくらいのばらつきがあるかということで。

【高井室長補佐】 はい、そうなると思います。

【河野委員長】 委員の皆様方も、そういう説明ですが、よろしいでしょうか。一応、皆さんうなずいておられるので、それでよろしいんじゃないかなと思いますが。うなずくというのは、議事録には入らないわけですよね。
 ほかに何かございますでしょうか。
(なし)

【河野委員長】 では、これにつきましても、22ページに審議事項4としてまとめてございますが、E0、E10のうちのいずれかの燃料で排出ガス規制に適合していればオーケーであるということを決めさせていただきたいと思います。
 以上が、議題の1でございますが、全般を通じて何かご質問等ございますでしょうか。
(なし)

【河野委員長】 ないようでしたら、議題の2に移りたいと思います。
 続きまして議題2、NOx後処理装置の耐久性・信頼性確保のための措置について。これも事務局の方からご説明をいただきたいと思います。

【高井室長補佐】 資料49-4に基づきまして、NOx後処理装置の耐久性・信頼性確保のための措置について説明します。
 2ページですが、こちらが事務局で検討しましたNOx後処理装置の耐久性・信頼性確保のための措置にかかる次期専門委員会の報告書での骨子でございます。
 新長期規制適合の尿素SCRシステム搭載使用過程車において、JE05モードで排出ガスについて測定をしましたところ、NOxの排出量が規制値を大幅に超過する事例が確認されたことが背景にございます。
 原因としては、触媒のHC被毒が考えられましたので、触媒の焼き出しのための定格出力運転を行った後に、再度JE05モードで排出ガスを測定をしました。しかし、NOx排出量はやや低減するものの、依然として規制値を評価すると。またN2Oの発生量が増大して、地球温暖化効果ガスとしてCO2換算をしますと、排出ガス中のCO2に対して50%程度までN2Oの発生量が増大するという事例も確認されております。なお尿素SCRシステムを新品のものに交換することで、NOx排出量は規制値レベルまで低減されておりますので、尿素SCRの使用過程での劣化、具体的には前段酸化触媒の永久劣化と触媒のHC被毒が問題として考えられます。したがいまして、今後のNOx後処理装置の使用過程での対策としまして、使用過程車の前段酸化触媒の永久劣化対策。使用過程車の触媒のHC被毒対策。そして認証時の耐久走行試験法の見直し。これらを対策として講じることが適当であります。
 詳細な説明に入っていきますが、背景としましては、まず環境省の方で地球温暖効果ガスインベントリを整備するために測定をしました車両データの中で、異常な値があったということが背景にありました。尿素SCRシステムを搭載した新長期規制適合車、こちらの下の図でいうと新長期規制のものは左になりますが、このようなイメージのシステムが登載されておりますが、使用過程時において新車時よりもNOx排出量が増加している可能性があるもの、また尿素SCRシステム未搭載車の乗用車と比較して、N2Oの発生量が増加しているものが確認されました。
 これは日本だけの問題ではなくて、欧州あるいはその他の国においても、実路走行においてはその認証時に比べて、NOx排出量が増加しているということが確認をされておりまして、問題となっております。
 続いて4ページですが、こちらは前回の専門委員会でも報告をしておりますが、昨年度に調査しました結果のまとめであります。実使用状態ではNOx排出量は極めて高く、排気系に添加される尿素水に由来して、多量のアンモニア、亜酸化窒素、N2Oが排出されております。
 この要因としましては、SCR触媒のHC被毒、さらには前段酸化触媒のHC及び硫黄、リン被毒が主な要因と考えられます。また被毒回復運転後30分以上の定格運転後には、NOx、アンモニアの排出量は低減をしておりますが、新品触媒レベルにまでは戻っておりません。さらには亜酸化窒素、N2Oの排出量が増加していることは確認をされました。これは前段酸化触媒での硫黄・リン被毒により、N2Oの精製能力の回復が限定的であったこと。こちらが主要因と考えられました。
 続いて5ページですが、昨年度1台だけでの調査により結論を導くには、データ数が不足しておりますので、今年度にN増しといいますか、ほかの車両でも実態を調査しております。今年度は4台分を調査しまして、いずれもNOxが規制値を大きく上回っておりまして、今年度の調査車両での排出ガス試験結果の傾向というのが、昨年度の調査車両の結果と類似している。したがって、同様に触媒がHC被毒あるいは劣化しているということが予想されます。
 また環境省以外の調査としても、交通安全環境研究所において、2台の新長期規制適合尿素SCR搭載の使用過程車の調査を行っており、NOxが規制値を大きく上回っておりまして、HC被毒及び触媒の劣化が確認されました。
 また授受報告書の参考資料として含んでおりますが、先ほどご紹介した環境省の地球温暖化ガスインベントリ調査、こちらも2台調査しておりますが、NOxが規制値を大きく上回っているものが確認されております。
 さらにメーカーヒアリングにおいても、使用過程車でNOxが規制値を大きく上回り、触媒について焼き出しして、もう性能回復に至らないといった事例も確認されました。このように多数の事例が確認されましたので、ほかの新長期規制適合尿素SCRシステム搭載の使用過程車でも、同様にHC被毒及び前段DOCが劣化しているというふうに考えられます。
 6ページですが、前段酸化触媒及びSCR触媒のHC被毒への対策ですが、ポスト新長期規制適合車ではDPFが登載されて、DPFにより定期的な消音が行われますので、触媒の被毒回復が、HC被毒回復が実施されると考えられます。ただ、新長期規制適合車ではDPFを登載していないものですので、このように排気ガス温度が高温とならない場合には、HC被毒によりNOx浄化率が低下する傾向と考えられます。
 このため使用過程車において、前段酸化触媒、SCR触媒を定期的に昇温するような措置が必要と考えられます。そこで専門委員会としては、停車状態での高回転アイドル運転による強制的な昇温措置、後づけのバーナーやDPF等による定期的な昇温措置、さらにはHC被毒体制向上触媒への交換といった対策の検討をメーカーに対し要請することとしたいと思います。
 また、まだ現時点では走行距離はそれほど伸びていないと考えられますが、ポスト新長期規制適合車でも、本当に同じような事例がないかどうかウォッチしていく必要があります。したがって、こちら審議事項の一つ目ですが、前段酸化触媒及びSCR触媒のHC被毒について、専門委員会としてメーカーに対しHC被毒対策の検討を要請します。
 また、引き続きポスト新長期規制適合車での実態把握を進め、HC被毒の事例の有無について検証を行うこととします。
 先にすべて資料を説明してしまいますので。
 続いて、前段酸化触媒の永久劣化への対策について。こちらは7ページになりますが、平成22年度調査車両に加えて平成23年度調査車両などでも、耐久走行距離以下の使用において、排出ガス量が規制値を大幅に超過し、焼き出し運転または前段酸化触媒の焼き出しを行っても性能回復しないような事例が存在しました。
さまざまな走行パターンの車両でも、同じような傾向にありますので、今のところは車両の走行実態に依存せずに劣化するということが考えられます。
メーカーヒアリングにおいて、ポスト新長期規制用の開発エンジンでの事例ではありますが、フルの連続耐久試験を行った事例で、前段酸化触媒が数パーセントの硫黄・リン被毒しているものの、排出ガス処理性能については問題がないというふうな事例もありました。したがいまして、前段酸化触媒への硫黄・リン被毒以外にも、性能劣化の原因も考えられますので、前段酸化触媒の性能劣化の原因、そして起因する走行パターンを引き続き追加的に調査する必要があります。このために、対策案というよりも、原時点では打てる対策がないというところですので、今後、こちらにあるとおり、産学官による勉強会により原因を究明することとし、専門委員会としてはメーカーに対して原因究明の協力を要請するべきでございます。したがいまして、審議事項2としては、前段酸化触媒の永久劣化に関し、引き続き性能劣化原因及び起因する走行パターンを追加的に調査することとし、専門委員会としてメーカーに対し原因究明の協力を要請することとしたいと思います。
そして8ページですが、最後に耐久性評価試験法の見直しであります。こちらは、現在の耐久試験はエンジン本体の耐久性を評価することに主眼が置かれております。また、開発にかかる試験機関の試験の時間の制約もありますので、高負荷高回転域で評価試験が行われております。
しかし、現行の耐久性評価試験法では、新長期規制適合車での不具合を予見することはできませんでした。したがって、エンジン本体の耐久性を評価する試験に加えて、後処理装置にとってワーストなケースで評価する耐久性評価試験法を検討するべきであります。
このために、耐久性評価試験法の見直しについて、次年度以降、検討会を設置して検討を行うこととしまして、前段酸化触媒の永久劣化対策にかかる原因究明で得られる知見を反映することとします、なお、この検討会は、別の検討会ですが、オフサイクル対策にかかる検討でも明らかになっておるんですが、後処理装置のレイアウトにかかるエンジンベンチ認証試験の見直し、こちらも必要があるというふうに考えられますので、そちらの検討もあわせて行うこととします。
審議事項の3ですが、後処理装置にとって厳しい試験条件となる耐久性評価試験法を策定すると。以上、NOx後処理装置の使用過程における劣化、耐久性・信頼性確保のための措置にかかる審議をよろしくお願いします。

【河野委員長】 ありがとうございました。審議をしていただいて、審議事項が3点ほど出ておりますが、これについて皆さん方のご意見をどうぞ。

【後藤(雄)委員】 交通研の後藤と申します。今回のこの問題というのは、非常に重要な深刻な問題だというふうに認識をしております。今回のこのご説明の中で、実際に問題となった車両の走行距離とか使用時間、それについて今のご説明の中にはなかったので、その辺を、実際にどのぐらいのものであるかというのをご紹介した方が実態がよくわかると思いますので、教えていただきたいと思います。

【高井室長補佐】 まず、平成22年度調査した車両ですが、2005年の8月に初度登録をされておりまして、試験時の走行距離は約32万キロであります。12速AMTの車両となっております。
 今年度調査した車両が4台ありまして、一つ目が2009年の11月初度登録で15万キロ程度走行している車両。こちらは割と新しい車ですが、NOxの排出量が3.9グラム程度と。規制値の2倍近く出ているという状況でした。
 もう1台が、主に高速道路での走行を中心としている車両で、2008年11月初度登録で走行距離は約60万キロであります。こちらについては、排ガスのNOxの値が6.2g/kWhということで、規制値の3倍ということ。
 路線バスですが、こちらは2005年11月初度登録で、約25万キロ走行しているものです。こちらについては、NOxの値が6.7グラムとか、6.5グラムと。こちらは被毒回復運転、30分定格出力運転をしまして、それで少し回復をして3.5グラムぐらいまで結果は下がっております。
 そして、最後にもう1台のものは、2008年の4月初度登録の31万キロ程度走行している車両、こちらについてもNOx排出量が6.3グラム、6.4グラムと。被毒回復運転30分の運転をしても5.7グラムということで、依然として規制値の3倍程度出ているという車両です。こちらの最後の紹介した車は、前2軸の車でありますので、エンジンからSCRまでの距離が少し離れているということで、触媒活性温度に達さずに、尿素水をあんまり吹かないというふうな要因もまた別途考えられますので、それらも含めて、今後さらなる対策の検討が必要というふうに考えております。

【御園生委員】 今のお話を聞いていて、何か三元触媒初期のことを思い出すんですけど、これは触媒を確認、触媒前段は白金系ですか。そうですか。そのSCRは鉄ですか。
それで私が知りたいのは、白金であれ、ゼオライトであれ、鉄の状態であれ、劣化に伴ってどのような変化が起こっているかということは、調べた結果はあるんでしょうかということと、それから実際に、例えば酸化反応の、酸化活性が落ちたというのは、単純な反応で調べることもできるので、そういう触媒科学的なことについて、どういう変化が起こっているかということについて、情報はあるのでしょうか。

【高井室長補佐】 昨年度調査した際に、メーカーの方にも協力をお願いをして、特に前段酸化触媒の劣化というところが深刻でありますので、表面の被毒の状況について分析をお願いをしております。その結果ですが、前段酸化触媒の被毒というか、触媒表面の含有成分分析を行ったところ、硫黄分が6%程度。ただ、これも30分の焼き出し運転を2回やっていますので、高温に少しさらした状態で、なお前段酸化触媒の硫黄分の被毒というのが6%程度残っていたと。リンについても1.数パーセント残っていると。
 なお、さらに高温での焼き出しをしても、まだ引き続き硫黄分が、例えば700度で6時間とかそういう焼き出しをしても、硫黄分が2%程度残っているといったことで、触媒の器材自体が硫黄やリンと化合を起こしている可能性というのも考えられました。

【御園生委員】 多分それはそうだと思うんですけれども、本当にそれは触媒の劣化にどの程度影響しているかというのは、多分白金の状態と調べるとか、白金のシンタリングがどのぐらい進行したとか、それから白金の表面に、今言われたやつとかリンがついているのか、担体の方についているかというのは全然違いますよね。
 それから最終的な触媒が、例えば簡単な酸化反応を調べて、その活性がどのぐらい落ちているかということをチェックすることが、必要最小限の知識だと、情報だと思うんですけどね。そのあたりをご検討されると、なぜ劣化が起こったということがわかると思うんですけれども。

【河野委員長】 どうもありがとうございました。そこら辺につきましては、今後検討していただくということでよろしいでしょうか。
 ほかに、どうぞ。

【坂本委員】 今の御園生先生の話にもありましたけれども、三元触媒、それから今、尿素SCR、その両方からアンモニアは現状では出ていると考えないといけないということになりますでしょうかね。数年前に美女木というところで、道路からの距離別にNOxとアンモニアをはかると、ちゃんとそういう関係がかなりきれいに出てくるというようなデータがあります。そういう場合に、今、自動車の方の話と、それからあとPM2.5の方の話と、先ほどのアルデヒドもそうなんですが、そういったことを考えた場合、同時にNOx系のものが出ているところであるアンモニアと、それからほかのところであるアンモニアとでは、実は反応に対しての効き方がかなり違ってくる。全体の排出量としては別のアンモニアの排出量が多いんだけれども、やっぱりこの辺もちゃんと考えないといけなくて、そういう意味では、ディーゼルから出るアンモニアが現状でどのくらいか、それからガソリン車から出るのがどのくらいかとか、そういった形で見積もっていただくと、別の方のところで意味があるデータになるかと思います。減らすことは当然今後必要なんだけれども、現状でどうかという形のデータも考えていただければありがたいと思います。

【高井室長補佐】 アンモニアについては昨年度の調査で、4ページになりますが、NOxに対してアンモニアも比較的出ているというか、結局、NOとNO2の適正な割合でないと、アンモニアが反応せずに結局スリップしてしまうと。恐らく後段の酸化触媒も少しHC被毒をしていることで、アンモニアがそのまま出てしまうということもあるとは考えているんですが、ただ被毒回復運転をすれば、アンモニアは排出量自体は今度減っております。ここが大分下がっておりますが、一方で今度はN2Oが排出量が出ると。アンモニアスリップは防いでいるものの、今度は逆にN2Oになってしまうと。
 メーカーヒアリング等で聞いていますと、まだフィードバック制御というふうなものではなくて、フィードフォワードという感じですので、エンジンのマップでそれに対して吹くアンモニアの量が決まるということで、NOとNO2が適正な割合にならなければ、そのままアンモニアスリップの量も増えてしまうということで関係があるというのが一つと、あと今度、逆にネガティブな面というか、触媒の温度が活性温度に達しないような場合には、今度はかえってアンモニアは吹かないので、そういうときにはアンモニアの出る量は減ると。出る量は減るというか、アンモニアは出ないというケースもあります。その二つのケースがあるということが、これまでの調査でわかっております。

【河野委員長】 いろいろご指摘いただいているところでありますが、今後の調査の検討課題として吟味していきたいと思いますが、ほかにご質問、ご意見ございますでしょうか。
 今回のこの件につきましては、触媒が絡んでいるということで、オブザーバーで参加していただいた先生、岩本先生がいらっしゃるんですが、何かご指摘、ご意見ございますでしょうか。

【岩本委員】 先ほども御園生先生からございましたけれども、白金の状態がどう変わったかとか、それから鉄あるいはゼオライト構造がどう変化したかというのは非常に大事なことだと思います。ただ現在のところでは、劣化が非常に大きいということがわかったというのが現状で、自動車メーカーさんに劣化の原因究明をやってくれといっても、なかなか難しいところがあると思います。勉強会をぜひ早目に立ち上げていただいて、何が悪くなっているか、まずそれを究明することが必要でしょう。原因がわかってもそれをすぐに、じゃあこんな対策がとれますよとはなかなかならないかもないのですが、頑張って対策を考えていく。そういう順番でやっていただくしかないんじゃないかなと思っております。そういうことでよろしいですか。

【河野委員長】 ありがとうございました。だけどそういう不具合がある触媒なんていうのを生かしておくというんですか、すぐ調査に使えるようにしておくというのは、非常に何か難しいような気がしましたよね。そこら辺もいろいろご意見いただけたらとは思いますが。そこら辺はどうですか、岩本先生。勉強会の内容になるとは思うんですけれども。

【岩本委員】 恐らくガソリン用の三元触媒が開発された時にも、実際に登載するといろんな問題が起こったと思うんです。今回、それと同じことが、やはりディーゼルでも起こっているというふうに認識して、常に見張りながらやっていくということしかできないじゃないですかね。すべてを全部予防的に考えて登載できればいいのかもしれませんけれども、それはなかなか難しくて、実際に社会に適用した場合に何が違っているかというのを見ながらというのが、最善じゃないでしょうか。劣化するから使用をやめるというわけには、もちろんいきませんし、すぐ改良しろというわけにはいかないですから、現状のものを何とかだましだまししながら使っていくということで、対策を一生懸命考えていく必要があると思います。

【河野委員長】 どうも貴重なご意見ありがとうございます。事務局の方も何か各個別のコメントはございますか、この件については。

【高井室長補佐】 なかなかこれから開発するものじゃなくて、今すぐに出回っているものなので、その対策というのは非常に難しい課題だなというふうに考えています。ただ、規制値2グラムに対して3倍も出ていると、そういうものをそのままずっと使っていいよというのも、これはまたせっかくNOxの環境基準達成に向けて皆様に頑張っていただいている中で、そのまま放置するというのもそれはそれでできないことだと思うんで、非常にどういう対応をするのか。技術的な話と、あるいはそれに加えて政治的な判断というか、どこまで対策をお願いするか、そこはちょっと難しいところではあるんですが、まずは先ほど岩本先生がおっしゃったように、まず勉強会でどのような原因があって、どのように解決をしていくのか、それを順番にやっていくしかないのかなというふうに考えております。

【西本室長】 補足をいたしますと、先ほど冒頭にご指摘をいただきましたように、まだまだ劣化の原因究明というのは十分でないというよりも、まだこれからの段階でございますけれども、お話のあったように、これは使用過程車でございまして、なかなか試験の車両の確保自体からして、苦労してお借りをしてはかってきたということで、台数も十分な台数とも言えない状況でございます。ただ放置できない状況ですので、これからまさに細かいところの原因究明をしていきたいと思っておりますし、今そのために、ここの審議事項の2もありますけれども、メーカーさんにもぜひご協力をいただきながら、その辺の究明をして、いろんな対策をとっていきたいという状況でございます。

【河野委員長】 ありがとうございました。皆さん方から貴重なご意見をいただいておりまして、そういう意見も踏まえて、それから室長の意見も入れて、審議事項が三つございますが、事務局としてはこの柱3本で対応できると今のところ考えてよろしいですか。どうですか。

【御園生委員】 審議事項1の、これはかなり触媒劣化の原因の何か思い込みで言及しているような感じがあるので、もう少し幅広い原因があり得るというふうにお考えになった方がいいんじゃないかなという気はしますので。HC被毒に非常にこだわっておられるけど、ほかにもいろいろ原因があり得るのかなと思いますので、ゼオライトですか、というので。岩本先生がおられるから大丈夫だと思うんですけど、少し予断があるような感じもしますので、フレキシブルに原因を考えるといいんじゃないかと思います。
 それから、サンプルを増やすのは、これは私が言うことでもないんだけれども、新しい触媒を差し上げて、古いのをいただいて分析したらいいのではないですか。

【河野委員長】 貴重なご意見ありがとうございました。参考にさせていただきたいと思います。

【西本室長】 ご指摘のとおり、この一つ目のHC被毒がすべてということではもちろんなくて、ほかにもいろんな原因があって劣化が起きているんだろうと思いますが、ただこれまでの実験、試験結果を見てみますと、焼き出しをすると多少、NOxが回復している例があるということは、何らかその焼き出しというのか、高温ガスで回復する部分はあるんだろうなと思いますので、その部分については、少なくとも何らか今受ける対策を打ってほしいという意味での要請でございます。
 その上で、当然それ以外にも原因があると困りますので、そちらは少しじっくりと、ご指摘のように古い触媒をいただいてということが可能かどうかも含めて、検討させていただきたいと思います。ありがとうございます。

【河野委員長】 結論は三つございますが、最終的には専門委員会として判断するという書きぶりになっておりますので、皆さん方も専門委員会の委員であるということを十分ご理解いただいて、前向きなご意見等をいただきたいと思いますが。
 ほかに、はい、どうぞ。

【御園生委員】 恐らく苦労はあるけれども解決できると思います。

【河野委員長】 簡単におっしゃったんですが、苦労がどのようなものかということもありますので、力強い前向きのご発言ととらえさせていただきたいと思いますが。そういうご発言も我々の支えになっていただけるということでございますが。
 ほかに何かご質問、ご意見等ございますでしょうか。

【飯田委員】 後藤委員も言われたように、3倍という値はやっぱり大きいものがありますので、ぜひ勉強会という形で立ち上げて検討いただきたいと。そのときに、これは御園生先生も今言われたように、被毒あるいは劣化だけの問題に特化するのではなくて、全体の予断のないといいますか、検討いただければというふうに思います。その一つとして、今回のテストはあくまで使用過程車をピックアップして、いわゆるシャシーダイナモ上で行われて、評価ですね。ですからこれはエンジンを取り外して、いわゆるエンジンのJE05で評価してはいませんので、だからエンジンのベースの認証のレベルでの数値と、それから実際に車両に登載したときの数値、その分も多分加味されたデータになっていて、それにプラス劣化の要因というふうな複合的なものがあろうかと思いますので、その辺についても勉強会の中でご検討いただければというふうに思います。

【河野委員長】 ありがとうございました。
ほかに。

【塩路委員】 恐らくここでの提案というのは、審議事項1の方はすぐに何らかの手を打ちたいというような思いがあって、審議事項の2はもう少しじっくりと、恒久的な対応策を検討したいというそういう思いがあるんだと思うんです。だから審議事項1のところは、少なくともここで悪いところが見つかったから、それに対する手当をしたいという、そういう意味ですよね。だから本来は犯人を限定しているというわけではないんですけれども、ここは少なくとも押さえてほしいというところが、審議事項1に書いてあるのかなというふうに私は解釈しています。
 それと、もちろん今回の状況は、後処理の方法によって、全くまた結果が変わってくるように思うんですよね。だから、例えばフィードバック制御したらどれぐらいの手当ができるのかとか、これも先ほど言われたシャシーダイナモというか、実車に登載した後のレイアウトなどの影響ということも当然考えるべきだし、これもオフサイクル検討会でいろいろ議論したこと等も非常にリンクしているわけですけれども、後処理システムのあり方というか、それを踏まえた形で、例えば審議事項3のようなものも考える必要があるということで、それらを総合的に今後やっていく必要があるなというふうに思いました。
 非常に難しい問題だと思いますし、御園生先生が言われるように、解決できるかどうかもよくわかりません。
 それともう一つ、環境行政的な観点から、このことがどれだけ環境の悪化に結びついているのかという定量的な見積もりというか推定というか、そういうようなこともあわせて把握しておいていただきたいなというふうに思います。今後悪くなるのかよくなるのか、ほうっておいたら直っていくものなのか、それもちょっと難しいですけれども、そういうことも踏まえてご検討いただければなと思っています。

【河野委員長】 どうもありがとうございました。今後の調査の対象にさせていただきたいというようなご意見をいただいたと思いますが。
 ほかにございますか。
(なし)

【河野委員長】 ないようでしたら、一応審議をやる以上は、審議事項をどうするかということでございますが、一応この三つは認めさせていただいて、その中にキーワードとして専門委員会、それからあと調査する、それから専門委員会、それからあと耐久性評価試験法というようなところが入っておりますので、こういうところできちんと審議していただくということを前提にして、この審議事項三つはひとまずお認めいただきたいと思いますが、よろしゅうございますか。
(はい)

【河野委員長】 ありがとうございました。
ということで、一応議題の3に移りたいと思います。議題の3は、ディーゼル特殊自動車に係る追加検討事項についてということでございまして、これも事務局の方からご説明をお願いしたいと思います。

【高井室長補佐】 ディーゼル特殊自動車に係る追加検討事項でありますが、こちらはこれまで専門委員会では説明してきておりませんでした。本日初めて説明する事項となります。
 ディーゼル特殊自動車は、9次答申に基づいて2011〜14年規制と予定されております。黒煙規制の見直しや国際基準調和に向けた課題といいますか、積み残し的なものについてご検討いただきたいという要望が、業界団体よりございました。したがいまして、11次報告は既に盛りだくさんな内容となっておりますが、ディーゼル特殊についてもあわせて検討して、できれば2014年規制開始にあわせるべく11次報告の中に盛り込みたいと考えております。
 内容については、大きく分けますとこちらにありますとおり、黒煙規制の見直し、それと国際基準調和に向けた追加検討事項の二つとなります。
 2ページですが、まず黒煙規制の見直しのうち、使用過程での黒煙汚染度からオパシメータ(光透過式スモークメータ)による測定への変更であります。現在、使用過程のディーゼル特殊自動車に対し、車検上ではPMの検査を黒煙汚染度により確認を行っておりますが、ディーゼル自動車の方では、使用過程車についてポスト新長期規制適合車からオパシメータによる測定に変更しております。したがいまして、ディーゼル特殊自動車についても、従来の黒煙汚染度からオパシメータへ変更することで、車検時の黒煙検査の高度化が進み、また検査での合理化が図られます。
 現在、ディーゼル特殊の使用過程車の許容限度は、光反射式黒煙濃度で25%となっておりますが、これはオパシティ濃度29%に相当しまして、光吸収係数としては0.8m-1となります。ディーゼル車も黒煙汚染度では25%となっておりましたが、ポスト新長期規制からDPFは完全に装着されると見込みまして、それらの使用過程車の許容限度を強化し、黒煙汚染度17%相当の光吸収係数0.5m-1としております。
 3ページですが、参考までに海外の動向を調べておりますが、アメリカでは新車使用過程車で黒煙規制を入れておりまして、オパシメータで計測をします。規制値はオパシティ濃度20%で、光吸収係数であれば0.50.8m-1相当となっています。
 interim Tier4以降のスモーク基準としては、PMの認証値が0.07g/kWh以下のエンジンについては、スモーク基準が除外されております。実質的にDPF装着によってinterim Tier4以降のエンジンは、使用過程を含めて黒煙規制の対象にはなっておりません。
 また使用過程車について車検はありませんが、メーカーに対しては使用での劣化を考慮して規制値内に入れることを保証させております。
 欧州の認証での排出ガス規制には、黒煙排出に係る要求事項はございません。ディーゼル車の認証規定の中では、オパシメータによる計測は規定されておりますが、使用過程車について車検ではないのですが、メーカーに対しては使用での劣化を考慮して規制値内に入ることを保証させております。したがいまして、今後の検討事項として次期規制適合車のオパシメータによる光吸収係数の目標値の検討。あとはオパシメータで計測することの導入の検討がございます。
 続いて4ページに移りますが、認証時のD8モード黒煙試験、こちらは認証時の試験でありますが、こちらについては業界団体から、廃止による規制合理化を要望されております。ディーゼル自動車については、ポスト新長期からはDPF装着が予想されます。また新長期でも既に4モード黒煙の値がほぼゼロと。規制をしても余裕でクリアするような状況でありました。それがこちらの図に書いてあるとおりで、もうほぼゼロの値で集中していると。したがって、ディーゼル特殊自動車でも2011年規制からDPFは装着され、2014年規制でも引き続きDPF装着により対応すると見込まれますので、ディーゼル自動車と同様に8モード黒煙試験を行っても、結果としてはほぼゼロになるのではないかというふうに見込まれます。したがいまして、日本でも今後DPF装着となって、黒煙がほぼゼロということであれば認証時の8モード黒煙試験を廃止して、規制の合理化を図るべきであります。したがいまして、2011年規制適合車でのディーゼル8モードでの黒煙排出量データをもとにした2014年規制適合車からのD8モード黒煙試験廃止について、今後検討を行います。
 続いて5ページですが、国際基準調和に向けた追加検討事項としまして、一つブローバイガス規制があります。自動車では、ブローバイガスはクローズされておりますが、急傾斜の作業現場で使用されるディーゼル特殊自動車、こちらの写真にありますホイルローダーあるいはショベル、スキットステアローダーといった建機では、ブローバイガスをクローズドとした場合に、急傾斜での作業時あるいは転倒をした際にエンジンオイルがブローバイガスルートを通って吸気側、燃焼室に混入して、オイルによる運転と。オイルハンマーと言われますが、それによる不具合の発生が想定されます。したがいまして、ディーゼル特殊には、原時点ではブローバイガス規制は導入されておりません。
 一方、欧州あるいはアメリカでは、原則としてブローバイガスの大気中への放出を禁止するとともに、前述の車種のような大気開放する必要があるものについては、排出ガス試験時にテールパイプに加えて、ブローバイガスも測定することを要件としておりまして、欧州でも、こちらはアメリカの方ではもう既に規制となっております。欧州でも同じような規制が今後導入される予定です。
 この件については、海外への輸出の際の相互承認の推進、あるいは試験の省略という点で業界団体からの要望を受けたものでありますが、我が国においても原則としてブローバイガスの大気中への放出を禁止するとともに、ブローバイガスを大気開放する必要がある車両については、テールパイプに加えまして、ブローバイガスとあわせて規制することで、排出ガスの低減に寄与すると考えられます。したがいまして、ブローバイガスの排出実態把握及びブローバイガス対策について、今後検討してまいりたいと考えております。
 6ページへ移りまして、最後にRMC(Ramped Modal Cycle)という定常サイクルの追加であります。こちらは、現在NRMMのgtr(世界統一基準)では、過渡サイクルのNRTCに加えて、定常サイクルとして現在日本で試験法となっておりますD8モード、またはRMCモードのいずれかの試験を行い、評価するということとなっております。日本では9次報告書検討の際に、国内の業界からはD8モードのみでよいという意見でありましたので、現在はD8モードのみを試験法として採用しております。
 しかし、業界として国際基準調和を図るために、RMCモードを認証モードとして追加し、8モードまたはRMCモードのいずれかを選択できるようにしてほしいという要望がございます。RMCは、こちらのグラフのとおりに示される定常サイクルでございまして、基本は定常状態で8ポイント、最初と最後にアイドルで重複しますが、ポイントとして8ポイントと、モード間の移行は20秒というふうになっています。
 その移行期間160秒を含めて計1,800秒の間、連続サンプリングをして計測をします。こちらは8モードとして比較すると、モード移行時間を除きますと計測する定常ポイントはほとんど変わりません。こちらの左がD8モードで、右がRMCモードとなっています。比率もほぼ同様になっておりまして、RMCではこれにモード移行時間8%が追加されます。したがいまして、RMCとD8モードでの実測データの比較を行って、RMCがD8と同等であるかどうかを確認し、同等であると認められるのであれば、RMCの追加を認めるということを検討してまいりたいと考えております。
 今後の進め方については、主に作業委員会で業界団体のヒアリングを実施するとともに、データを検証しまして、これらについての審議を行った上で、次回の専門委員会に、その作業委員会としての取りまとめの報告を行って、その結果についてご審議いただくという順で進めてまいりたいと考えております。
 説明は、以上です。

【河野委員長】 ありがとうございました。ただいまのご説明に対して質問、コメント等ございますでしょうか。

【後藤(雄)委員】 スライドの5から始まっている国際基準調和に向けた追加検討について、これは例えばブローバイガスの当面実態把握というところから始まるということですが、これはスケジュール的にはどのような展開を、今後考えておられるんでしょうか。

【高井室長補佐】 ブローバイガスの実態ということで、団体さん、あるいは団体さんから結局メーカーにお願いすることになりますが、建機で実際にテールパイプとブローバイガスがそれぞれどれぐらい出ているのか、そのデータをもらって、それを見た上でそれを足し合わせても2014年規制の、特にNMHCですか、NMHCがその許容限度をクリアできるかどうか、そういったことを判断した上で、あとは、もう一つは本当にクローズドとすることができないかどうか、そういった技術的な面も、特に団体ヒアリングにおいて確認をした上で、このブローバイガス対策として、原則としてはブローバイガスの大気中の放出を禁止しと。ただ、どうしても必要があるものは、テールパイプ・プラス・ブローバイガスで計測をして、許容限度目標値をクリアしていればいいよということでいいかどうかというご審議を行っていただきたいと考えております。

【後藤(雄)委員】 国際基準調和というので、その辺のスケジュールがある程度あると思いますので、それを踏まえた進め方をしないといけないかなと思いまして、質問しました。

【高井室長補佐】 そこは日本の今の規制がもう2011年規制が始まってしまったので、次の規制となると2014年規制になりますから、2014年規制に適合する車での認証では、このような運用にしておきたいという、運用にしていただきたいというふうな要望を受けていますので、そこに間に合わせるように、今回11次答申でもう既に内容は盛りだくさんなんですけど、そこにさらに詰め込むような形になってしまいますが、ご審議いただきたいと考えております。

【大聖委員】 ブローバイガスの中には、燃焼ガスもそうですけれども、潤滑油のミスト的なものが含まれていると思いますので、そういうものの分析もしっかりやることを実行していただきたいと思います。

【河野委員長】 これは、そうですよね。そういうものが入ってくる。だから、例えばあそこの右下にあるようなことを起こらないようにするということなんですか。

【高井室長補佐】 そうですね、右下にあるようなことを起こらないようにするというのが、それがブローバイガスを大気開放することでこれが起こらないようにするのか、あるいは何らか別の手段を追って、ブローバイガスは大気開放しないで、ほかの方策によって対策を打つのか、そこを含めてご審議いただきたいと考えていましたけど、主に作業委員会での検討が中心になると思います。

【河野委員長】 ほかに何かございますでしょうか。
 この審議事項につきましては、頑張ってやってくださいというようなことになっておりますので、この方向で検討させていただくということだろうと思います。
 ということで、この件については、そういうことで進めさせていただくということでよろしゅうございますか。
(はい)

【河野委員長】 ありがとうございました。今日、急ぐに急いだら、時間が余ってしまいまして、ひとえに私の責任なんですが、全体にわたりまして何かご質問、コメント等ございましたらお受けしたいと思いますが、いかがでございましょうか。

【大聖委員】 この専門委員会の守備範囲を超えるかもしれませんけれども、ちょっと、時間が余ったようですので、コメントをさせていただきたいと思います。
 経済産業省の資源エネ調の方で、今JATOPというのが進められておりまして、これのJATOPの1が終了したところなんですけれども、これはご存じのように石油産業と自動車企業が集まって、また中立の立場の委員も含めて燃料の性状が、排出ガスあるいは大気環境に及ぼす影響に関して研究をずっと進めてきておりまして、私どももその委員ですし、ここにおられる専門委員会の坂本先生、塩路先生、飯田先生、それから御園生先生もやっておられるわけです。そういう立場からしますと、この専門委員会が終わった後に、実はJATOPの報告会がある中で、PM2.5というのが非常に注目されており、今後ともインベントリの解析や発生要因の究明,その対策といった課題があります。それから、越境汚染の問題等、いろいろ課題がありまして、それらの調査を継続的に進めていく必要があると個人的には思っております。予算的な問題があって、この研究体制が維持できないような状況が発生しておりますので、これは経産省だけの課題ではなくて、もっと広い大気環境全体の問題、PM2.5の問題、さらにはグローバルな問題という視点もあると思いますので、ぜひそういう視点から、省庁を超えてこういった課題として継続的に取り組んでいく必要があります。特にデータの収集というのは、一度途切れてしまいますと今後の対策に支障を来すということもありますので、ぜひそういう取り組みを、継続するような仕組みをつくって、続けていただければと思っています。以上です。

【河野委員長】 ありがとうございました。今のお話でPM2.5というのはどういう動向なのか、ちょっと。

【大聖委員】 これは坂本先生が委員長でやっておられますので、先生からコメントをいただければと思いますが。

【坂本委員】 先ほど私、アルデヒドとかアンモニアとかいろいろ申し上げたのは、当然その光化学オキシダントで、かつPM2.5の二次精製に大きくきくということで関係するということで申し上げた訳ですが、今、やっと今年1年間の測定結果が出て、かなりの大部分のところは、当然と言っては悪いんですけど、環境基準を達成していないという状況。
 それから、米国ではPM2.5の環境基準をより厳しい方向へ持っていく方向に動きつつある。それから日本で環境基準を決めたときにも、結構疫学関係の先生方と、それからそうでない方々のところで議論があって、15μg/㎥みたいに落ちついたというような状況で、今後情報が出てくると、より厳しい方向へ行く。そしてそれを今後、低減対策をより社会コストを考えた上で意味のあるものにしていくためには、いわばその発生源寄与率という形で一次排出、それから二次精製のその両方についてわかる形にならないといけないんだけれども、そういうデータをとるためには、かなりシステマティックな時間分解脳の高い測定をしないと予測の方にはつながらなくて、そしてその予測をするためのそういった測定をやり、かつそれをモデルに入れる。要は、測定をしたものがモデルが意味、ちゃんと使えるかどうかという検証をするためには、フィードデータがないといけないという形、実はそういう形での系統的な形でやられているのは、実はJCAPという形でやられていた、先ほど大聖先生がおっしゃられた、その後がJATOPということですが、そのぐらいしかないんですね。多くの場合に昨年、数年前から、例えば東京都の調査、それから関東の一都何県何市の調査とか、それから今のJATOPの調査とか、一緒にやることによって広域のデータがとれ、かついろんな解析に使えるようにし、かつ発生源のインベントリ等も充実させるような形にやってはいるんですが、残念ながら、これはここの自動車よりは大気の方の話にもなってくるんですけれども、インベントリを経年的に更新していくようなシステムも、まだきちんとはできていない。やる形にはなっているんだけれども、予算規模の問題もあるとか、いろいろあるんですが。
 そういうような状況の中で、今、経産省の方の予算という形で動いていたわけですけれども、実はそれはオイルの話もあるし、自動車の話もあるし、まさにそういう意味では環境の方の意味だけではなくて両方に必要なんですけれども、残念ながら次年度の予算の中では、大気環境の方のやる部分がかなりなくなるというような方向で動いていて、せっかくいろんな情報が出て、今後の将来予測にも使えそうなものになっているという状況で、それを今、大聖先生の発言は、できれば省庁間にまたがるようなことも考えてやっていけないだろうかと、そういうお話です。

【河野委員長】 どうもありがとうございました。省庁間を乗り越えてやっていくというのは非常に重要だと思うんですが、その前にJATOPの成果発表会が先週か何か行われて、私も出たかったんですけど、急に会議が入りまして出られなかったので、資料だけ送ってほしいというふうにメールを出しましたら、資料はまだ出ていないと思うんですが、JATOPのホームページで公開されるので、それをご覧になってくださいということなので。印刷費は各自持ちということらしいんですが、ぜひそこら辺を参照していただいて、勉強していただきたいというふうに思います。
 ほかに、全体でも何でも結構ですが。
 岩本先生、どうぞ。

【岩本委員】 時間があるということなので。私自身が制度があるかどうかを知らないのでお伺いしたいというのが大きいんですけれども、こういう規制値を決められた後、それが適正に執行されているかどうかを監視する制度というのは、どうなっているんでしょうか。例えば環境省さんが規制値を決められて、例えばもう本当に任意で、かなりの強権が要りますけれども、抜き取り検査でぽんとやって、あるいはどこかの会社に行って、使用後何年の車を出してくださいといって検査をする権利をお持ちなのかどうかというのが質問の趣旨です。今日の2番目の議題のときに非常に強く思ったんですね。いかがですか。制度としてはいかがな。
 実は先ほど平成22年度に1台、23年度で4台試験をされたらこうだったというのがあるんですが、それはあくまでも好意的に車両を提供していただいて測定をしましたということだと思うので、強制的にできないものだろうかと。

【高井室長補佐】 少なくとも環境省としては、法的な権限を持って、実際にじゃあ排出量がどうなっているか強制的に検査をすると、そういう権限はございません。国交省の方で車検のときに使用過程での排ガスについてチェックをするというものはあります。でも、あとは今回特にオフサイクルの方の話でも、実際にアフターマーケットという、マーケットに出た後の車両もちゃんと見ていかなきゃいけないというふうな話がありまして、そこは飯田先生に座長をお願いしています、排ガスの原単位調査とかそういう中で、実際に市場に出ている車をピックアップというか、それもまた運送会社さんにお願いはするんですが、それをシャシ台で試験を行ってはかる。あるいは車載式の排ガス測定装置を使って検査すると、測定をすると。その結果を踏まえて、ちょっと怪しい、怪しいというか問題があるようなものであれば、何かその検討をしていくと、そういうふうな法的な枠組みではないですけど、そういうふうなスキームを今後、うまく活用していきたいというふうに考えています。

【岩本委員】 ぜひつくっていただいた方がいいんじゃないでしょうか。例えばディーゼルの特殊自動車なんかでも、新しい規制が始まったときに、やはりそれがちゃんと守られているかどうかというのは、チェックが必要でしょう。経産省とか国土交通省ではなくて、一番適切なのはやっぱり環境省にそのような組織をつくられるのがいいんじゃないかなと思います、制度的に検討していただければと思っています。

【河野委員長】 貴重なご意見ありがとうございました。
 ありますか、どうぞ。

【後藤(雄)委員】 今のお話については、国土交通省の方で抜き取り調査ということで、まだ制度として確立しているという形にはなっておりませんけれども、継続的にその調査業務というのはやっております。乗用車については、既に毎年、大体数台ぐらいレベルではかって、それを報告すると。問題があった場合はそれについての何か行政的な指導があると思うんですけれども、ただこれが法的根拠を持ってやっているのかというところについては、まだ今確立という形にはなっていません。準備はできていると。
 大型車については、先ほどの車両の調達の問題がなかなか大変という問題があって、そこをどうクリアするかというのが課題になっております。

【岩本委員】 会計検査院的にやってもらえればいいんじゃないでしょうか。

【塩路委員】 すみません。恐らく環境省の今の役割からすると、なかなか難しいのかなとは思いますけれども、皆さん、国交省のことはよくご存じですので、例えば新たな排出ガス試験法の検討の中で、車検時にNOxを測定するための負荷試験をするのは難しいんですけれども、何かいい方法がないかということを検討したりしていましたよね。車検時の場合は、強制的にというか法的な意味合いもございますし、検討会ではたしか、サーベランスのやり方、あるいはオンロードで調べるというような試みもやったと思いますけれども、少なくとも車検時を利用した何らかの方法で、今回のこういうふうなことも含めて何か手を打てれば、そこにうまいこと環境省から働きかけてもらえればいいのかなと。直接的に環境省という役割分担には、多分なっていないとは思うんですけれども、何かそういうようなことを少しお考えいただいたらなというふうに、今ちょっと、思いました。時間があるので。

【河野委員長】 時間があるというのを申し上げたら、何かとんでもない議論が始まりそうになってきて、私個人的にはもちろんいいんですけど、委員長としてはどうもあまり許してはいけない議論が始まりそうなのかなという感じがいたしますが。
 まだほかに、これだけは言っておきたいというようなことがないようでしたら、これでマイクは事務局の方にお返ししたいと思います。どうぞよろしくお願いします。今日はありがとうございました。

【高井室長補佐】 ありがとうございました。本日ご了承いただいた件について、特にディーゼル特殊については、今後、作業委員会を中心にメーカーヒアリング等を実施していきたいと考えており、その結果等を踏まえて、また次回の専門委員会で先生方にご審議いただきたいと思います。
 次回の専門委員会の日程調整等について、またご協力をお願いいたしたいと思います。
 本日は、長時間にわたりましてありがとうございました。これで本日の専門委員会を終了とさせていただきます。
 どうもありがとうございました。