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中央環境審議会大気環境部会
自動車排出ガス専門委員会(第43回)会議録


1.日時

平成22年5月28日(金)17:00~18:55

2.場所

スタジアムプレイス青山 801会議室

3.出席者
(委員長) 河野 通方
(委員) 大聖 泰弘 飯田 訓正 岩本 正和
杉山 元 西田 泰 野田 明
松下 秀鶴 御園生 誠
(事務局) 鷺坂 長美 水・大気環境局長
木村 祐二 総務課長
岩田 剛和 環境管理技術室長
多田 善隆 環境管理技術室長補佐
江連 正人 環境管理技術室排ガス係
吉田 和史 環境管理技術室排ガス係
山本 昌宏 自動車環境対策課長
牧野 充浩 自動車環境対策課長補佐
4.議題
(1)第十次専門委員会報告(案)について
(2)その他
5.配付資料
委員限り資料 自動車排出ガス専門委員会第42回議事要旨(案)及び議事録(案)
資料43-1 第十次専門委員会報告(案)
資料43-2 「今後の自動車排出ガス低減対策のあり方について」第十次報告参考資料(案)
資料43-3 今後のスケジュールについて
6.議事

【多田室長補佐】 それでは、定刻となりましたので、中央環境審議会大気環境部会第43回自動車排出ガス専門委員会を開会いたします。
 まず初めに、本日は坂本委員及び塩路委員よりご欠席の連絡をいただいているところでございます。
 また、河野委員長におかれましては、ちょっとぎりぎりになってしまいますが、18時半の到着というご連絡をいただいております。委員長不在の18時半ごろまでの進行につきましては、河野委員長とご相談の上、大聖委員にお願いしたいと思っております。先生方、よろしゅうございますでしょうか。

(はい)

 ありがとうございます。
 本日の会議につきましては公開とさせていただき、今回の議事要旨及び議事録につきましては、委員の皆様のご了承を得た後、ホームページにて公開させていただきたいと思います。
 それではまず、お手元の資料について、確認させていただきます。順番に確認させていただきます。議事次第、名簿。委員限りでございますが、前回専門委員会の議事録及び議事概要についてはメールでご確認いただいているところではありますが、もし何かございましたら、6月11日までにご連絡ください。そして、資料43-1ということで報告書の案、資料43-2ということで参考資料、43-3、スケジュールでございます。不足等ございませんでしょうか。

(なし)

 それでは、以降の進行を大聖委員にお願いしたいと思います。よろしくお願いいたします。

【大聖委員】 皆様、こんにちはといいますか、こんばんはに近くなってきていますけども、お忙しいところ、お集まりいただきましてありがとうございました。前回の専門委員会では、ディーゼルトラック・バスの挑戦目標、E10対応ガソリン車の排出ガス基準の方向性について、ご審議をいただいたところです。本日は、そのほかの項目も含めまして、報告書の形となっておりますものをご審議いただきたいと思います。この報告書は後々まで残りますので、先生方には、本日は活発なご審議のほどをよろしくお願いしたいと思います。
 それでは早速、報告書の審議に入ります。事務局からご説明よろしくお願いします。

【多田室長補佐】 それでは、資料43-1について、ご説明させていただきます。たまに資料43-2も使わせていただきます。
 本日は、資料43-1の報告書について、どのようなことを記述しているかを順を追ってご説明いたします。そして、本日、先生方からいただいた意見を踏まえて修正したものを再度、6月中旬ぐらいにご審議いただければと考えております。
 また、時間に限りがございますので、細かい表現、参考資料等につきましては、後日でも結構でございますので、6月11日めどに事務局までいただければと思います。
 それでは、説明に入らせていただきます。カメラ撮りについてはここまでとさせていただければと考えております。ご協力のほど、よろしくお願いいたします。
 それでは、資料43-1、十次報告の報告書をご説明させていただきます。まず、目次をざっと流させていただければと考えております。1番目に「はじめに」ということで、ディーゼル重量車の排出ガス規制、E10対応ガソリン車の基準というものを、なぜ検討するに至ったかという背景をご説明したいと思っています。2番目でディーゼル重量車の排出ガス規制について、3番目、E10、次のページ、4番目で今後の検討課題ということで、何かを決めるというものではなく、今後の検討課題の頭出しという整理でございます。5番目に、これまでもずっと報告には載ってございますが、関連の諸施策、そして、「おわりに」という構成になっております。
 それではまず、1の「はじめに」から3のE10までまとめてご説明させていただきまして、先生方からご意見、賜りたいと思います。
 それでは、1ページ目の「はじめに」からご説明させていただきます。
 1.1、ディーゼル重量車の今後の排出ガス低減対策について。1段落目でございますが、こちらの方は排出ガス規制のこれまでの経緯というところで、自動車排出ガス規制については、昭和41年にガソリンに対するCOの規制を導入して以降、順次強化してきました。現在におきましては、燃料の種別だとか、自動車の種別ごとに規制を実施しています。最近の状況といたしましては、平成21年10月からは、ディーゼル車及びガソリン車に対しまして、第八次答申に基づきまして09年規制、いわゆるポスト新長期規制でございます。こちらを開始したところでございます。平成23年10月からは、ディーゼル特殊自動車に対して、第九次答申に基づきまして、順次規制を強化することとしているところでございます。全部、排出ガス規制の経緯を書くと多分だれも読んでくれなくなると思いますので、詳しい経緯につきましては参考資料1でまとめております。
 2段落目でございます。第八次答申につきましては、ポスト新長期規制に加えまして、技術開発の進展を期待いたしました挑戦目標というものを提示いたしております。そして、第八次答申が出た後、ディーゼル重量車に対して平成27年度、重量車の燃費基準が策定されたところでございます。挑戦目標と燃費基準、この二つが研究機関を中心とした自動車の環境技術開発プロジェクトだとかについて、一つの目標として研究開発が進められてきました。そういう意味では、八次答申にお示しいただいた挑戦目標値につきましては、一定の役割を果たしたのではないかと考えているところでございます。
 3段落目は海外の動向ということで、欧米についても着々と次期排ガス規制の準備をしているということを記述しております。
 4段落目でございます。挑戦目標値につきましては、挑戦的な目標という趣旨で掲げたところでございますけど、その達成の可能性だとか大気環境の状況、次のページでございます。あと、CO2との低減対策などの関係を考慮して、必要に応じて、それを具体化することということも書かれております。今回の専門委員会の検討においては、それを踏まえて、また、海外の動向も踏まえて検討を開始することとしたというところでございます。
 1.2、E10でございます。1段落目、排出ガス低減対策と燃料品質は密接な関連がございまして、これまでの答申においても燃料規格が定められてきたところでございます。
 2段落目でございます。七次答申でございます。こちらに、ガソリンの含酸素率として1.3%、エタノールとして3%を混合することを可能とする燃料規格が定められております。そして、現在、地球温暖化対策の一環といたしまして、直接混合あるいはETBEでの混合で、E3レベルの普及促進が図られているというところでございます。今後、地球温暖化対策は、ますます重要になってきます。より一層、バイオエタノールの利用拡大をするためには、E10の普及が望まれています。
 3段落目でございます。しかしながら、E10対応ガソリン車及びE10につきましては、技術基準が整備されておらず、一般販売されていないという状況でございます。
 4段落目でございます。規制というものは大体嫌われるものでございますけど、一方で、技術開発の方向を明確にし、結果として技術の開発・普及を促進させるという一面もあるかと考えております。専門委員会におきましては、地球温暖化対策として有効であるE10及びE10対応ガソリン車の普及を促進する契機とするために、規格を検討することとしております。
 以上が、ディーゼルトラックの排出ガスとE10の検討の背景ということでご説明させていただきました。
 続きまして、2番目のディーゼル重量車の今後の排出ガス低減対策でございます。まず、必要性というところで大気汚染の状況、2.1.1でございます。1段落目、我が国の大気汚染の状況は改善傾向にあります。将来的にも、最新規制適合車普及によって、一定の削減のポテンシャルは見込めます。
 2段落目でございます。一方で、NOx・PM法の対策地域などの一部においては、現時点、環境基準を達成できていない測定局がございます。また、JATOPのシミュレーションにおきましては、平成32年においても、一部の測定局で環境基準値を超える懸念があるとされております。これはもちろん自動車のみを原因とするものではございませんが、自動車も一因であることは事実でございます。
 3段落目でございます。PM2.5の環境基準が定められました。まだ、実態等、明らかになっていない部分がありますが、少なからずNOxの影響があることが指摘されているという状況でございます。
 2.1.2の海外の動向でございます。日本におきましては、ディーゼル重量車につきまして、欧米と並びまして世界最高水準のポスト新長期規制を実施しております。そして、世界で唯一、重量車の燃費基準が導入されているところでございます。
 2段落目でございます。ただ、欧米においては、次期の排出ガス規制の整備が着々と行われているところでございます。そして、EURO<6>、2012年末とされているところでございます。こちらは前回の専門委員会から少し動きがありまして、EURO<6>におきましては、NOxにつきましてヨーロッパの独自のETCモードで0.4グラム、そして、WHTCベースの規制値については現在検討中とご説明させていただきましたけど、WHTCベースで0.46という数字が今出てきているところでございます。まだ決まりではないですけど、恐らくその方向で決まるのではないかと考えられております。これが一つの情報です。そこら辺の情報につきましては、参考資料43-2の31ページに、簡単でございますが、掲載させていただいております。
 また、本文に戻らせていただきまして、3段落目でございます。NOx排出量の低減と燃費性能の改善というのは、一般的にはトレードオフの関係にございます。両立させることは、技術的な困難性が高い状況にございます。現時点において、その両立を求められているのは我が国のみでございます。ただ、欧米においても、今後、燃費基準というものが導入されて、導入が求められると。高度な技術開発が必要とされる状況になってくるのではないかと考えております。
 次のページ、お願いします。2.1.3で、低減対策の検討に当たっての視点というところでございます。1段落目でございます。第八次答申で挑戦目標のことについて、次期規制として、必要に応じ検討する旨を提言したところというところを記述しております。
 2段落目につきましては、大気汚染状況については、2.1.1で述べたとおり、大都市地域の一部においてはまだ改善の余地がある。さらに、現時点で環境基準を達成している地域においても、その状況を確実に維持していくため、さらに排出ガス低減対策を実施する必要があるというところでございます。
 3段落目でございます。自動車の中でディーゼル重量車と並んで排出ガスの寄与度が大きいのはディーゼル特殊自動車でございますが、こちらにつきましては大幅に排出ガス規制の強化が実施されることとなっておりまして、ほかの車種についても対策は実施されているところでございます。
 4段落目でございます。欧米においても着々と整備がされつつあります。さらに新興国に目を向ければ、排出ガス規制が急速に強化されつつあります。また、燃費基準の導入も予測されます。そのような中、日本の自動車メーカーが世界最高水準の環境技術を維持していくことは国際競争力を確保する上で有効ではないかと考えております。
 5段落目、以上のようなことを踏まえて、ディーゼル重量車の排出ガス規制を強化することが適当であるという結論を書かせていただいております。
 6段落目、一方で、自動車メーカーにおかれては、技術開発のコスト・工数がかかります。また、重量車の燃費基準がございます。開発スケジュールが過密な状況になっております。このようなことも考慮しながら検討を実施することとしたと、そういう事実を書かせていただいております。
 2.2、排出ガスの試験方法でございます。まず、WHTCの導入ということで、(1)でWHTCの策定でございます。1段落目、日本のディーゼル重量車の排出ガス規制につきましては、日本独自のこれまでJE05モードに基づいて実施してきておりました。自動車の排出ガス量というものはエンジンの回転数とか負荷、あるいは排出ガス温度が影響因子になります。特に最近においては、後処理装置が低減技術の中で大きな役割を担うこととなっておりますので、特に排出ガス温度が重要な影響因子となっております。このような状況においても、JE05モードにおいて排出ガス規制を実施することにより、有効に排出ガス低減に寄与してきたのではないかと考えております。
 一方で、国連に目を向けると、2段落目でございます、日本も参画のもとにWP29において、世界統一の試験サイクル、WHTCが完成いたしました。
 3段落目でございます。2.1.3で述べたとおり、開発コストをいかに軽減していくかという観点、重要だと考えております。国際調和、すなわちWHTCの導入は、その軽減する方策の一つではないかと考えているところでございます。
 4段落目でございます。とはいっても、国際調和した結果、その試験サイクルが日本の走行実態と全く乖離したものであれば、せっかくの排ガス規制が有効なものとはならないおそれがございます。このため、実測データをもとに、WHTCを導入しても問題ないかということを検証いたしました。
 (2)でございます。1段落目、結論を先に述べております。ディーゼル重量車の排出ガス試験サイクルをJE05モードからWHTCに変更しても差し支えないものと判断できると。その理由として、1ポツ目、JE05とWHTCの運転領域につきましては、大きく相違するものではない。もう一つ、相関関係、残念ながら統計的に分析できるほど十分なデータはございませんが、WHTCベースの排出ガスを低減すればJE05ベースの排出ガスも低減できるというふうなデータが得られております。そして、コールドスタートの排出ガス要件等が導入されてくれば、ますますその傾向が顕著になると言えるというところでございます。
 次のページ、お願いします。WHTCの導入による効果、(3)でございます。1番目の効果といたしまして、今後、新興国においてもWHTCが導入することが予測されます。我が国にWHTCを導入すれば、我が国の排出ガス規制に対応した環境技術をベースにした自動車を、そのまま新興国向けに異なった試験・開発をすることなく持っていくことができます。そういう意味で、我が国の自動車メーカーの国際競争力の確保につながると。もう一つが、我が国の自動車メーカーの環境技術の展開促進が図られることで、新興国で深刻化している大気汚染の改善に資することも期待できる。2ポツ目でございます。世界各国の排ガス試験方法が統一されれば、全世界でそういう環境技術の比較が可能となり、技術開発競争が促進されるというところでございます。3ポツ目でございます。各国それぞれ排出ガス規制に対応するためにかけていた技術開発コスト・工数を次世代自動車等の開発のために振り向けることができ、将来に向け、より先進的な自動車環境技術の開発が促進される、そういうメリットがあろうかと思っております。
 2.2.2、コールドスタート排出ガス試験の導入のところでございます。ディーゼル重量車の排出ガス規制強化した場合、その低減技術としては、後処理装置が重要なものとなってきます。コールドスタート時は、後処理装置の触媒の温度、一定以上となるまで排出ガスの浄化率は低い。また、エンジンを含む排出ガス低減技術全体の状況によって、その浄化率は大きく変わります。一方で、これまでの排出ガス規制の強化により、ホットスタート時の排出ガス量は、既に非常に低いレベルとなっております。今後、コールドスタート時の排出ガス量が相対的に大きくなってくると考えられます。
 2段落目でございます。そういうことを勘案いたしまして、コールドスタートの排出ガス試験を導入することが適当であるという結論を書いております。
 3段落目でございます。では、具体的にどうかというところでございます。ホットスタート時の排出ガスの測定値、コールドスタート時の排出ガス測定値、それを日本の走行実態を踏まえて算定した比率で重みづけして出したものを排出ガスの測定値とすることが適当であると。では、コールドスタートの比率は幾らかというところで実際に計算してみたところ、14.8%でございました。
 4段落目でございます。一方で、WP29で決まっているWHTCにおけるコールドスタート比率、14%となっております。今回、WHTCを導入することといたしましたが、14.8%と14%、ほとんど差がないという状況でございます。また、せっかくWHTCモードも統一したんですから、比率も調和した方が2.1.1の(3)で述べた効果がより一層期待できるものと考えられます。このため、コールドスタート比率は14%とすることが適当であるというふうにまとめております。
 2.3で排出ガスの許容限度の目標値でございます。まず、適用時期、1段落目でございます。次期排出ガス規制においては、欧州のEURO<6>とモードが一緒になりました。欧州のEURO<6>については2012年末から適用されます。したがいまして、2013年前後において、WHTCを前提とした排出ガス低減技術は十分蓄積されるものと考えております。
 2段落目、しかしながら、日本には燃費基準というものがありまして、EURO<6>向けの技術をそのまま単純に適用できるものではないというところでございます。
 3段落目でございます。したがいまして、重量車の燃費基準の達成に向けた技術開発の期間を確保するという観点から、適用時期については2016年末までとすることが適当であると。ただ、ディーゼル重量車の中でトラック、小型車につきましては、後処理装置の搭載のための制約が大きいという問題がございます。そして、寄与度を見た場合、10%以下でございます。このため、トラクタ及び小型車については、トラクタについては2017年末まで、小型車については多様な後処理装置の開発が進められることを期待して、さらに一年猶予を設けまして2018年末までとすることが適当であると書かせていただいております。小型車につきましては、それをベースとして、架装により普通自動車となるものもございます。そこら辺も考慮いたしまして、車両総重量7.5トン以下というものが2018年から適用されるものとすることが適当であるとさせていただいております。
 4段落目でございます。この報告から2016年の次の規制まで6年以上、期間が確保されております。十分な時間的余裕を持って適用時期を示しておりますので、開発コスト軽減にもなると思っておりますし、検討時には想定していなかった技術開発を促進するという効果もあるのではないかと考えているところでございます。
 ページをめくっていただいて、8ページでございます。2.3.2で、許容限度目標値でございます。1段落目でございます。許容限度目標値を検討するに当たっては、2点留意いたしました。今後の燃費の伸びしろを確保するというものが1点、もう一点目、後処理装置の過度な期待は避けるということでございます。
 そういうことに留意しつつ、2段落目でございますが、いろいろ検討した結果、下の表にあるような排出ガス規制値とすることが適当であるという結論を得たというふうにまとめております。
 3段落目につきましては、欧米との比較においても、将来にわたって世界最高水準の自動車環境技術の開発を促すものではあるというふうに書いております。
 表の下の4段落目でございます。それぞれの規制物質の考え方でございます。ノンメタンハイドロカーボンにつきましては、日米欧とも既に世界最高水準の規制が実施されております。また、排出量は、その規制値よりも十分低いレベルでございます。COにつきましては、全測定局で環境基準を達成しております。そういうことを踏まえまして、規制値については据え置くことといたしました。ただ、実質はコールドスタート時の試験が入っておりますので強化となっていると。PMについては、既に日米欧とも世界最高水準の規制となっていることから据え置くことといたしました。
 5段落目でございます。NOxの考え方、0.7グラムから0.4グラムに強化したところでございます。エンジン出口のNOx排出量、おおむね1.5グラム、後処理装置の浄化率75%を見込んで、結果として.4としたところでございます。その見込んだ技術等につきましては、次のページ、括弧書きでエンジン技術についてと後処理装置についてということでまとめさせていただいているところでございます。
 そして、2.4の実使用環境下において排出ガスの低減を確保するための追加的対策というところでございます。まず、なぜ追加的対策は必要かということを2.4.1で書いております。次期排ガス規制においては、目標値が非常に低いレベルとなります。せっかくここまで低くしたものを、使用過程においてもちゃんと確保できるように追加的な対策を検討したところでございます。
 その1番目の追加的対策、2.4.2、オフサイクル対策の導入でございます。1段落目でございます。次期排ガス規制に対応するためには、非常に緻密な技術の積み上げが必要となってきます。緻密になればなるほど、試験サイクルで定められた試験条件以外の条件で排出ガス量が大きく増加する場合も考えられます。次期目標値、非常に低いレベルであるため、頻度が低くても、次のページ、排出ガスが大きく増加することがあれば、規制による排出ガスの低減効果は減ってしまいます。2段落目、このため、オフサイクル対策を導入することが適当であるとさせていただいております。どのようなものかといいますと、WP29におきまして、日本も参画のもと、WWH-OCEというオフサイクル対策が決まったところでございます。これについては、低回転低負荷部分が残念ながら対象領域となっていない。将来的に検討課題となる可能性はございます。ただ、各国の知見を集めて既に策定されている唯一のオフサイクル対策を踏まえれば、まずはWWH-OCEを導入することが適当である。
 3段落目でございます。ただし、今回これで終わりではなく、必要に応じて、また見直しを検討することとする。
 4段落目でございます。定常サイクルであるWHSCにつきまして、世界的な流れ、あるいは九次答申に基づく特殊自動車の流れを踏まえまして、WHTCを補完する、そういう観点から、定常サイクルであるWHSCによる規制も導入すると。これについては、規制時期及び目標値についてもWHTCと同じものとするというのが4段落目でございます。
 追加的対策の2番目でございます。2.4.3のOBDシステムの導入でございます。1段落目、ディーゼル重量車につきましては、既にOBD、断線等による機能不良を監視するものは、既に義務づけられております。
 2段落目、ただ、次期目標値については、非常に高度な技術が導入されることになります。このため、使用過程においても、個々の自動車の排出ガス低減性能を確保するため、断線だけではなく、性能劣化をも検出する、より高度なOBDシステムを導入することが適当です。
 3段落目でございます。ただ、高度なOBDシステムを導入するには、検出項目、検出の閾値等々を定める必要があり、その内容によっては導入時期は変わっていきます。ということで、ガソリン車の事例を参考にいたしまして、ディーゼル重量車への高度なOBDの導入時期につきましては、次期排出ガス規制開始から、おおむね3年以内の可能な限り早期に導入することが適当であるというふうにまとめたところでございます。
 2.5、次期排出ガス低減対策の評価というところでございます。まず、低減効果でございます。低減効果につきましては、こちらの表に書いてあるとおりにまとめております。次期排ガス規制につきましては、コールドスタートだとかオフサイクル対策を導入することとしておりますが、これらの効果については、実使用環境において非常に効果は大きいと考えられます。しかしながら、その効果、定量的に把握することは現時点では困難であるため、試算には盛り込んでいないと、そういう注意書きをしております。
 2.5.2で、八次答申における挑戦目標値との比較というところでございます。八次答申においては、0.7の3分の1程度というふうに挑戦目標が提示されたところでございます。ただ、これはJE05モードに基づくホットスタートの排出量を前提にしたものでございます。ということで結論から言えば、今回との比較は単純にはできないというのが結論でございます。
 2段落目、とはいってもどうなんだという問いかけに対しては、いろいろデータをかき集めて換算してみたところ、0.26という値になりました。0.7の3分の1が0.23でございますので、おおむね規制値的にはその挑戦目標のレベルに達していると。さらに、オフサイクルだとかOBDシステム、八次答申当時には想定されていなかった燃費基準などにも対応することを考慮すれば、次期目標値については、十分、八次答申における挑戦目標のレベルに達していると考えられるのではないかと考えております。
 続きまして、E10でございます。3.1.1で現状をまとめております。1段落目、バイオ燃料の普及は地球温暖化対策に有効ですと。バイオエタノールにつきましては、直接混合方式、ETBE方式、二つで自動車用燃料として使用されております。
 2段落目でございます。酸素分を含むエタノール、ETBEをガソリンに混合いたしますと、排出ガスが悪化する可能性がございます。このため、七次答申を踏まえまして、今、ガソリンへの含酸素率の上限は1.3%、あわせて安全確保の観点も含めて、エタノールの混合条件3%という燃料規格が定められております。この燃料規格に適合した、いわゆるE3レベルの燃料は既に市場を走行しているガソリン車に使用可能という状況でございます。
 3段落目でございます。ただ近年、E10が地球温暖化対策の観点から求められつつあります。一方で、E10の含酸素率は、現在、ガソリンの燃料規格で定められている1.3%よりも多い3.7%となります。ということで、既存のガソリン車に使用した場合、排出ガスが悪化するおそれがございます。さらに、燃料配管の腐食等が発生する可能性がございます。ということで、E10を使用するためにはE10対応ガソリン車が必要となります。しかしながら、現在、E10及びE10対応ガソリン車につきましては基準が整備されておらず、一般販売がなされていない。では、どうやってE10とかE10対応車が走っているかというと、国交省さん、経産省さんの個別の認定で走行していると、そういう状況でございます。
 3.1.2、海外の状況ということで、欧米においては、ガソリンのエタノール混合上限は既に10%となっております。ガソリンにエタノールを混合した場合、蒸気圧が上昇し、VOCの発生量が増加することにはなるものの、米国においてはE10の場合6.9キロパスカル、欧州においてはバイオエタノールの混合濃度に応じまして、3.65から7.76の蒸気圧緩和を導入しているという状況でございます。さらに、E10対応ガソリン車においては、ガソリンと同じ排出ガス規制が適用されていると、そういう状況でございます。
 3.1.3、規格の検討に当たっての視点というところで、今後、E10の普及を図っていくために、バイオエタノールの供給の安定性とか経済性の確保という課題はあります。そこに取り組みつつも、まずはE10対応ガソリン車が市場に導入できる環境を整えることを目的といたしまして、規格を検討することといたしました。
 2段落目でございます。検討に当たっては、大気環境への影響も抑えつつ、可能な限りE10対応ガソリン車及びE10の普及促進、両立できるように考慮したというところでございます。
 では、具体の規格というところでございます。3.2でございます。3.2.1で、まず燃料蒸発ガス対策でございます。1段落目、ガソリンにエタノールを混合した場合、VOCの発生量が増加します。光化学オキシダントあるいはPM2.5などを考慮すれば、VOCなど、それらの原因となる発生量、E10を普及させていく中でも、そういうものが増加することは避けるべきではないかと考えております。E3におきましては、基材となるガソリンの蒸気圧を調整することなどにより、ガソリンと同じ蒸気圧規格に対応させることとしております。ガソリンにエタノールを混合した場合、蒸気圧の上昇度合いは、混合率3から10の範囲では同程度ということで、E10においてもE3と同様の対応とすることが適当ではないかと考えております。
 2段落目でございます。とはいっても、地球温暖化対策の観点から、バイオエタノールを普及させていくために、地域限定で蒸気圧の緩和を、今後そういう仕組みを検討していくことが望ましいという提言でございます。
 3段落目でございます。次は、蒸気圧の話ではなくて、エタノールを混合した場合、燃料配管などからもエタノールの透過でございます。これについては、E10対応ガソリン車において、燃料配管の材質をエタノールが透過しにくいものにすることなどによって、エタノールが10%混合された状態においても、ガソリン車の現行の燃料蒸発ガス規制に適合させることが適当であるというところでございます。
 次のページでございます。次は、排気管からの排出ガスの低減対策ということでございます。1段落目でございます。こちらも同様に、大気汚染の物質が増えるものは避けるべきという考え方がございます。E10の含酸素率3.7%でございます。ということで、E10対応ガソリン車につきましては、含酸素率ゼロ%から3.7%の違いに対応した排出ガス低減対策が必要となってきます。ただ一方で、最新のガソリン車、技術的に見た場合、エタノール10%レベルの混合による含酸素率の違いで排出ガス量が大きく異なるものではございません。実際に排出ガス試験を実施したところ、NOx、CO、HCの排出量、E0、E10の排出量についてはほとんど差はございませんでした。したがって、E10対応ガソリン車につきまして、E0からE10、どの燃料が使用されても現行の排出ガス規制に適合させることは技術的に大きな障害はないと考えられます。このため、E10対応ガソリン車にはE0からE10、どの燃料が使用されてもガソリン車の現行の排出ガス規制に適合させることは適当である。具体的にはE10、燃料側でございますけど、その含酸素率の規格は含酸素率で3.7%といたしまして、E10対応ガソリン車につきましては、含酸素率ゼロから3.7%の範囲で、どの燃料が使用されてもガソリン車の排出ガス規制に適合させることが適当であるというふうにしております。ただ、E0とE10でNOx、CO、HCの排出量にほとんど差がなく、規制値よりも低いレベルになっている状況、及び技術を考慮すれば、E0からE10のうち、1種類の燃料で現行の排出ガス規制に適合すれば、E0からE10すべてで規制に適合しているといって差し支えないと、そういう考え方を記載しております。
 3段落目でございます。アセトアルデヒドの記述をしております。E10になると、触媒が冷えている状態のときに一時的に増加いたします。ただ、触媒が機能し始めれば、ガソリンと同様になります。排出量のレベルにつきましても、ディーゼル車と比較して同等、低いレベルであるという状況でございます。拡散だとかを考慮すれば、十分低い濃度と言えるのではないかと考えます。したがいまして、現行のノンメタンハイドロカーボン全体に対する規制の中で、アセトアルデヒドについても低減させていくこととして、今回、アセトアルデヒドに特化した規制は実施しないこととします。ただ、前回の専門委員会でもご指摘があったとおり、アセトアルデヒド、ホルムアルデヒドの排出実態は注視する必要があるのではないかというご指摘もいただいたところでございますので、ただし書きということで、こういうことを書かせていただいているところでございます。
 15ページでございます。3.2.3、今後の検討等ということで、今後、関係省庁とも連携いたしまして、安全性・耐久性あるいは誤給油の防止・対策も含めた総合的な検討の結果、E10対応ガソリン車、E10の規格が整備されれば、E10対応ガソリン車を市場に導入することが可能となるというところでございます。そういうところで、今回の専門委員会報告を契機といたしまして、E10対応ガソリン車が早期に市場に投入されることを期待と1段落目で書いております。
 2段落目については、E10については、これで検討は終わりというわけではなくて、今後もいろいろ実態等を踏まえて、さらに検討していくと、そういうところで締めくくらせていただいているところでございます。
 すみません、参考資料の60ページをご説明させていただければと思います。手短にご説明いたします。失礼いたしました。環境省において、ずっとE10燃料の排ガスの影響を調査した結果を、60ページに参考資料としてまとめさせていただいております。61ページに、平成17年から平成21年までやっております。A車からO車というところでございます。ただ、網かけをしていますG・K・L車については、ホットスタートとコールドスタートの排出ガス値が逆転するだとか、ちょっとおかしいデータがございますので、今回の評価においては考慮いたしませんでした。恐らく、ここら辺の車は10・15モード対応の車でございますけど、これを今後、JC08になること、あるいはE0、E10の差異をよく見るということでJC08モードではかったと、そういうようないろいろな原因があって、そういうデータが出たのだとは思われます。ということで、今回の評価については考慮しませんでした。ただ、グラフだとか、あと、生データについては参考資料にすべてつけているところでございます。
 61ページでございますけど、E0、E10のほかに、同じく含酸素分が大体3.7%であるETBE22も試験をしております。その結果を入れさせていただいています。通常のガソリン、E10、ETBE22、どれであっても排出ガス量に大きな差異はないと考えられるのではないかと考えております。それを統計的に検定したものが67ページにございます。二つの集団E0とE10、あるいはE0とETBE22、そこら辺に差があるのかないかということを検定するために、t検定というものを実施しました。差異を検定する際には一般的な方法でございます。ただ、t検定につきましては、分散が等しい、等分散でないと使えないということで、事前にF検定を実施いたしまして、等分散か不等分散かということを検証したところでございます。図1にその検討手順が書かれているところでございます。
 次のページ、お願いします。図2-1の(1)、これがそれぞれの規制物質に対して、E10とE0の違い、NOx、CO、HC、アルデヒド、ホルムアルデヒドとございます。69ページに図2-1の(2)ということで、これがE0とETBE22というものでございます。こちらの値は、とったデータすべての平均をしております。そういうものでございます。それを検定した結果が70ページにございます。70ページの表の2.2でございます。結論から言えば、NOx、CO、HCにつきましては、COのE0、ETBE22、ホットスタート以外は「平均に差はない」という結論が出ております。ただ、このCOにつきまして、E0とETBE22で平均に差がありとなってございますが、戻っていただいて、69ページ、COはグラフがございまして、右上のグラフでございますが、E0のほうが多い状況ということで、ETBE22になると減る方向ということで、いい側に差があるということで特に問題はないのではと考えているところでございます。アセトアルデヒドだとかについては明らかに「平均に差があり」ということになっているという、そういう状況でございます。
 以上、長くなりましたが、報告書の説明、切らせていただきます。

【大聖委員】 ありがとうございました。それでは、皆様からいろいろとご意見やご質問があればお受けしたいと思います。ご自由に挙手をしていただいて、ご意見いただければと思います。いかがでしょうか。

【御園生委員】 8ページに書いてある規制、許容限度目標値を、7ページに書いてある適用時期に適用していくというのがポイントになっていると理解してよろしいんですか。

【多田室長補佐】 はい、そうです。

【御園生委員】 そうすると、EURO<6>から少し遅れるわけで、その間は日本とヨーロッパとは違う車を出すということでしょうか。

【多田室長補佐】 そうです。

【御園生委員】 わかりました。

【大聖委員】 その時期的な差は、日本では2015年度燃費基準というのがありますので、そこを考慮して。

【御園生委員】 それがここに書いてありますね。

【大聖委員】 全体を通してということで、ばらばらになるといけませんので、1ページから9ページぐらいまででいかがでしょうか。
 8ページ目の上から3行目のところ、「2.1.3で述べたとおり、許容限度目標値の検討にあたっては」の下で、「後処理への過度な期待は避ける」というのは、期待ではなくて依存ではないかなと思うんですけれど、いかがでしょうか。言葉遣いの問題です。

【多田室長補佐】 ご指摘どおり修正いたします。

【大聖委員】 それから、さらに5行下ぐらいのところに、「現時点においては、触媒の昇温等のため燃費性能が悪化するおそれがあること」、この「触媒の昇温」というのは、もちろん硫黄酸化物が吸着、急増しているものを取り除くために昇温するという意味なんですけどね。そういう説明があった方がいいかもしれませんね。

【多田室長補佐】 わかりました。

【御園生委員】 言葉遣いで言いますと、8ページの下から5行目、「日米欧とも世界最高水準の規制」というのは、どこと比べて最高なのか。変な感じがします。日本と欧米とどちらが高いのでしょうか。

【多田室長補佐】 そうですね。日本においても世界最高水準の規制となっているからと、そういうことで。

【大聖委員】 そうですね。日米欧が最先端を行っていまして、それと並ぶというようなことでもあるんですけど、実際的には0.01グラムという値ですかね。そうですね。細かい言葉遣いでも結構ですから、どうぞご指摘いただければと思います。沈黙が続いておりますけれども、それ以降でも結構ですので、お気づきの点ありましたら、ご指摘ください。
 12ページの下から8行ぐらいのところで、燃料配管の腐食等が発生するおそれもあると指摘していまして、その後のところで、エタノールの透過ということを言っていますので、この辺は両方だと思うんですけどね。燃料系統の腐食と浸透と両方あるんじゃないかなと思いますので、厳密には両方書いておいた方がいいのではないかなと思いますけど、いかがでしょうか。杉山さん、アルコール、お詳しいと思いますが、そういう文言の方がよろしいですかね。

【杉山委員】 事実として燃料配管の腐食の問題は、ここに書いていただいているとおり安全の問題だと思うんですね。浸透の話は別の場所ではきちんと書いていただいているんですが、12ページのところで、そのこともやはりきちんと書いた方がよろしいですかね。

【大聖委員】 そうですよね。

【杉山委員】 一緒に並べて書いちゃうと、ちょっと違う話なので、あくまで安全の話と、それから、大気環境への影響の話と。

【大聖委員】 わかるように。

【杉山委員】 どちらかといえば、ここで扱っているのは大気環境への影響なんで、そこがわかるように。後ろのほうではVOCの透過ということで書いていますね。同じ言葉を使って、12ページにも書いていただければ、大聖先生ご指摘に沿えるんじゃないかと思います。
 それと、別のページで、いわゆるE3レベルというところ、ちょっと難しいのかなと。一般的にこれは意味が通るんでしょうか。ETBEのことをおっしゃっているんですよね。要するに1.3%の含酸素率の上限まで入れたETBEの混合燃料及びエタノール3%混合ガソリンと、そういう…。

【多田室長補佐】 はい、まとめてE3レベルと言ってしまっているのが適切ではないと。

【杉山委員】 一般に誤解されなければ構わない。私は何となくわかるんですけど。

【大聖委員】 ちょっと誤解を受けると思いますね。要するに、ETBEというのは7%ぐらい入っているんですけど、それがE3相当なんですよね、含酸素濃度的に言うと。だから、それをもう少し誤解のないような表現にした方がいいと思います。おっしゃるとおりだと思います。

【多田室長補佐】 わかりました。

【野田委員】 よろしいでしょうか。ちょっと戻ります、9ページ目の真ん中あたりに、(後処理技術について)という段落がございまして、その2行目、「還元剤として尿素水を噴射することによるN2O排出量の増加」と。この書き方は誤解を招く、尿素水を噴けば必ず増加するというような書き方じゃなくて、もう少し技術的に正確な書き方をお願いしたいと思います。むしろ、後ろの「追従しきれない場合のNOxやアンモニア排出量の増加」と関係しているんですよね。順序を入れかえるなり、工夫していただければと思います。

【大聖委員】 「追従しきれない場合」というのも何となく表現があいまいですね。「噴射制御が不適切」と言った方がいいかもしれませんね、「不適切な場合」。

【御園生委員】 先ほど大聖先生が言われたことで、腐食の問題と透過の問題なんですけど、別のところにも書いてあるというのは項目、内容が違うから別でいいのですけど、その書きぶりが、腐食のほうに関しては、まだE10対応ガソリン車が販売されていないので云々で、国土交通省と経済産業省が個別に認定するように書いてあるんですね。他方、透過のほうについては、材質を変えることで適合させることが可能であるという書き方になっています。この書きぶりが、一方は個別に認定することにしてあって、一方は材料を変えれば適合可能であると書いてあることは、これでいいんですか。

【杉山委員】 今、御園生先生おっしゃったお話、やはり何か見ているところが違うような、はっきりさせるためには、ある意味、市場の既販車の安全性を確保しなきゃいけないという話と、将来において、エタノール10%が混ざったガソリンを、我々が今後将来に向けて取り組んでいくという話がわかるように、言葉をちょっと補っていただければ多分大丈夫なのかなと思うんですね。

【大聖委員】 そうですね、おっしゃるとおりだと思います。ちょっとその辺、誤解されるかもしれません。既に市場に出回っているもので、E10対応のものもあるんですよね。そちらのほうが多いかもしれません。ただ、ないものもありますので、E10対応の場合は表示とか誤給油ですか、そういったことのないように、ちゃんと管理をした上で、しかもメーカーがはっきりE10対応として製造したものということで世の中に出していただくということになります。

【飯田委員】 英語でパミエーションに相当することを透過という日本語で表現していますが、。用語としてはこれでよろしいでしょうか。初めて使う用語かなと思います。

【大聖委員】 透過というのはいろいろな言葉がありまして、透過とか浸透という言葉がありますね。パミエーションの略。浸透がよろしいですかね。

【飯田委員】 ここで問題にしているのは、実際には小型の作業機械等で一部の機種で、軽量化のために合成樹脂製の燃料タンクが使われていた場合に、燃料成分が樹脂タンクを透過することが発見されました。コーティング等の対策なしでは、無視できないオーダーとなり得ることです。ただし、国内の市販車、いわゆる乗用車等については、これは対策済みと認識しております。その辺を絡めての書きぶりにすべきと思うんですが。

【大聖委員】 この調査を始めて何年もたつんですけど、最初はアメリカがE10対応を求めていますので、それと共通の部品を使っている国内で使われる車は、ほとんど材料的には対応しているんですけれども、バイクですとか軽自動車のように国内だけで使われているものは、そういう対策が講じられていませんでした。ですから、そこに問題があったわけです。

【飯田委員】 わかりました。

【大聖委員】 パミエーションの日本語は、技術用語として対応する言葉としてはどっちがいいか、浸透と透過と両方あると思いますけどね。同じようなことなんですけど。

【多田室長補佐】 自動車技術会の辞典を調べて。

【大聖委員】 載っていないかもしれませんね、そういう特殊な用語はね。

【飯田委員】 自動車ないしはエンジン用語辞典には、未だ掲載されていないようです。

【大聖委員】 はい。
 14ページの下から10行目ぐらいのところ、「1種類の燃料で現行の排出ガス規制に適合していれば、E0~E10すべてで規制に適合していると考えても差し支えないと判断される」ぐらいの言葉を入れたほうがいいんじゃないかと思いますけど、どうでしょう。「差し支えない」で言い切らないで、「と判断される」。

【多田室長補佐】 わかりました。

【大聖委員】 それからもう一つは、15ページの上から6行目ぐらい、「E10の蒸気圧を現行ガソリン並みに調整する場合」、さっきのことが話題になっているわけですけど、「燃料配管等の変更が必要なものを除き、比較的容易にE10対応ガソリン車となりうる車種が多く存在すると考えられる」というのは、「現在」という言葉をどこかで入れた方がいいんじゃないかなと思うんですよね。「ガソリン車となりうる車種が現在多く存在すると考えられる」。どうでしょう。既に市場には出てきているんですよね。そういう意味です。細かくてすみません。
 全体を通じて、どうぞ。

【野田委員】 14ページの2番目の段落、「一方で」と、「O2センサーによるフィードバック制御により」とあるんですけど、最近の車はいろいろなことをやっていると思いますが、学習制御的な部分も多分機能しているんじゃないかなと思うんですよね。個々の車によっていろいろ違うとは思いますけども、燃料に応じて最適値をフィードバックの結果、割り出していると。だから極端にずれなくなるという要素もあるんじゃないかなと。
 それから、つまらないことですけど、24ページの注の16の「空燃費」の「費」という字が間違っていますので、お願いします。

【杉山委員】 制御だけじゃなくて、学習機能なんかもあるんじゃないかと。

【大聖委員】 そうですね、本当は学習機能があるんですよね、大幅にずれたときはね。
 河野委員長がお見えになりました。その前に終わらなくてよかったです。どうぞ。

【河野委員長】 遅れてまいりまして申しわけありません。切りがいいところで、大聖先生にやっていただければと思います。

【大聖委員】 それでは、細かくて恐縮ですけど、10ページの下から6行目ぐらいのところで、「このため」とありまして、「使用過程時においても」云々、「確保するため」と「ため」が続くので、「確保するには」とかね。すみません。だんだん細かくなってきた。

【杉山委員】 私も細かいことで申しわけないんですけど、16ページ、上から6行目、字が1個抜けているんだろうと思いますが、(光透過式スモークメータ)「によるもに」は「の」が抜けているんです。1行上はとじ括弧が多いですね。

【大聖委員】 そうですね。

【野田委員】 細かい点で、またすみません。17ページ、先ほどご指摘申し上げた点と同じなんですけど、上から4行目ですね。「尿素水を噴射することによる」と書いてありますので、正確に書いてあげた方がいいかなと思いますので、お願いいたします。

【河野委員長】 あと、ここをあけて見たら気がついたんですけど、もうどなたかご指摘になったかもしれませんが、16ページの4.1.3の2行目から3行目へかけて、この文章をだれが読むかということなんですよね。日本人が読むとすればわかるのかもしれないですけど、「Worldwide harmonized light vehicles」と書いてあるんですけど、「l」と「ight」というのは、ここで分けるのがどうか。これは多いんですよね。こういうところはどうされるのか、統一した方がいいんじゃないかなと思うんですけど。

【大聖委員】 「l」で改行した方がいいですね。

【河野委員長】 だけど、それやると書くときに変なことが起きたりするので、本当は「l」を送って、「light」にしておいた方がいいんでしょうけどね。ちょっとご注意ください。ほかにもあるかもしれませんね。

【西田委員】 今のに関連して、用語と本文中の英語のところで、単語の頭が大文字と小文字だとか、ばらばらなので、統一された方が…。

【河野委員長】 そうですね。大文字にするかどうかというのは、略語のところには、前の略字に使ったやつを大文字で書いているという書き方なんですかね。

【多田室長補佐】 そのとおりでございます。

【河野委員長】 そうですよね。それだったらそれで統一しませんか。

【多田室長補佐】 念のため国連の文書をもう一回よく見直しまして、それと合わせておきます。失礼しました。

【河野委員長】 こういうのを言われていると、だんだん不愉快になってきますよね。我慢してください、しようがない。

【飯田委員】 先ほどの燃料透過に対する対応の件で確認をさせてください。E10にしたときの燃料分子が燃料タンクあるいは燃料装置から大気側に抜け出てる危惧に対する対応は、ガソリン車については言及していますが、この答申では、二輪の自動車あるいは特殊自動車も入っています。E10透過の対応は、あくまでガソリン車というカテゴリーを、これは軽自動車も含めて対象としているということでよろしいでしょうか。

【多田室長補佐】 飯田先生のご指摘どおりで結構でございます。

【岩田室長】 すみません、補足ですが、文章の流れで、ガソリン車は二輪を除いて普通自動車と小型自動車から軽自動車というふうに定義をさせていただいております。

【飯田委員】 ありがとうございました。

【御園生委員】 前回かなり詳しいご説明をいただいて議論したから大筋はもうよろしいと思っています。E10の方で、先ほど大聖先生から説明があったのですけれど、、このスタンスはE10もE10対応車もまだ出ていないという立場で書いてあるわけですね。そうなると、先ほど私がご質問したこととも関係あるんですけども、E10の対応ガソリン車は国土交通省がこれから認定されたものが走る。他方、E10自身は経済産業省がしかるべき方法で認定して、これから世に出るということですね。その場合、先ほどの燃料配管等はどこが見るんですか。これも国土交通省で、腐食と同様に各自動車について見るということが暗黙のうちに言われているんでしょうか。

【多田室長補佐】 車両の安全性については…。

【御園生委員】 ということで見るということですね。

【多田室長補佐】 はい、そうです。

【御園生委員】 わかりました。

【多田室長補佐】 確かにE10対応車の技術はあって、実際、試験自動車として公道で走っているんですけど、ただ、一般販売がされていないと、そういう前提で。

【御園生委員】 書かれていることの意味は、わかりました。
 E10あるいはE10レベルについて、ここで新たに決めたことは、今言った材料の問題以外には、例えばE0からE10までは、どれかその間の一つのEXで調べればいいとか、ETBEとエタノールは区別しないでいいとか、そのあたりがここで確認されたということになるんでしょうか。

【多田室長補佐】 おっしゃるとおりでございます。前回の話を出して恐縮なんですけど、そこで概要をまとめておりましたので、参考資料にも、何が決まったかとわかるようにちゃんと整理しておきたいと思います。さっき先生がおっしゃった排ガスの適用時期だとか、そこら辺もちゃんと整理しておきたいと思います。

【河野委員長】 今おっしゃったのは、0から3とか10とかというのは燃料として経産省で決めたやつで出してくるわけですよね。私が言いたいのは、10以下だったら幾らでも、何でもいいんだというんじゃないような気がして聞いてたんですけど、それはどうでしたかね。

【多田室長補佐】 E10対応車はE0からE10、その間についても、そこは排出ガス規制の観点からは、今回は排出ガス規制の検討でございますので、そこからは問題ないと。排出ガスで問題があるのは、恐らく含酸素分の幅、燃料性状が、入れられる燃料が変わるというのが一番大きなところかと思っております。つまりE0とE10で試験をしていれば、一番厳しい条件でのところになると思いますので、E0とE5であれば、もう少しその違いが薄まってくるということで、一番厳しい条件で試験をした結果と考えております。

【河野委員長】 だから、0から10まで変えていくと、やっぱり10が結構厳しいんだというデータを広範に集めてこないと、そういうことにはならないかもしれないので、E5が一番環境にはよくないんだとかというようなデータが出てくるとまずいわけですよね。だから、さっきまとめて書くっておっしゃったから、そこの辺、十分注意して書いていただかないとあれかもしれないですね。

【多田室長補佐】 わかりました。過去、一つの車両でE0、E3、E10ぐらいまでやったデータもあろうかと思いますので、そこら辺は調べておきたいと思います。ただ、E0からE10でも、そんなに差がなかったような状況なので、実はばらつきの範囲で、例えばE7が上にちょっと上がっているだとか、そういう可能性ももしかしたらあるかもしれません。ですから、先生方に、技術的に本当に含酸素分ゼロから3.7で本当に変わるものなのかどうかとか、そこら辺、もしおわかりであれば教えていただければと思います。

【河野委員長】 御園生先生がおっしゃったのは、何かそういうことをしっかり決めてあるのかどうかということ、そうじゃないんですか。

【御園生委員】 おおむね大きな問題はなさそうだと前回も理解しているので、この内容について言っているのではなくて、今回、この答申で決めたことが何なのか、めり張りをつけてはっきりさせた方がいいんじゃないかと、そんな趣旨で申し上げました。

【岩田室長】 今の点でございますが、しっかり強調させて書く必要があるというご指摘ではあるかと思いますが、13ページの3.2.1の燃料蒸発ガス対策として、第1パラグラフの最後、「E10においてもE3と同様の対応とすることが適当」と、この部分が結論で、第2パラグラフの最後、「地域限定で蒸気圧の緩和を認める仕組みを検討することが望ましい」というのが結論。それから、第3パラグラフの最後、「エタノールが10%混合された状態においても、現行燃料蒸発ガス規制に適合させることが適当」というのが結論でございます。
 テールパイプガスについては、14ページの3.2.2の第2パラグラフの真ん中になりますが、7行目の「このため」から、「このため、E10対応ガソリン車については、E0~E10のどの燃料が使用されてもガソリン車の現行の排出ガス規制に適合させることが適当である」ということで、具体的には含酸素率規格、含酸素率上限に関する規格は含酸素率3.7%ということで、ゼロから3.7まですべてに現行排出ガス規制に適合させることが適当ということで、ただ、実際の試験に当たっては、どこか1種類、例えばE0でも、ないしは今のE3でも、実際の試験において規制に適合していれば差し支えないと判断されると。この部分がテールパイプ排出ガスについては、その下にアセトアルデヒドの話が書いてありますが、そこが結論ということで、どのパラグラフもこういう状況だったので、こういうふうに判断、こういうふうにすることが適当というような言い方になっているものですから、延々と文字が並んでいるけど、要するにどれが結論かということが先生のご指摘であったかと思いますので、そこは見てわかるように、例えばフォントをちょっと太くするとか、行をかえるとか、非常にせこくて申しわけありません。何らかがわかるようにしたいと思っております。

【御園生委員】 たまたま気がついたことを言っただけです。ほかにもいろいろ重要な結論が出ていることはわかりました。

【大聖委員】 ですから、実際には燃料供給事業者が、例えばE5とかE7を出すことだってあるし、ユーザーとして見たら、ガソリンタンクに残っているガソリンはE0で、その上にE10を足すから混ざってE5になるとか、そういうことだってあるわけですよね、実際には。ケースとしては。それでも大丈夫ですと、そういうことですね。

【西田委員】 10ページのオフサイクル対策に関する記述の部分なんですけれども、6行目ぐらいですか、「WWH-OCEについては、低回転低負荷領域が対象となっておらず」ということなんですけれども、WHTCの方で、参考資料の40ページを見ますと、このグラフを見ると、低負荷のところにかなり丸印があって、こっちで見ているからいいんじゃないかという感じはするんですけど、違うんですか。

【多田室長補佐】 オフサイクルの方が参考資料47ページにございます。一言で言えば任意性があるかないか、そこに尽きるかと思います。現時点では何とも言えない状況ではございますけど、恐らく先生のおっしゃるとおり、WHTCをちゃんとやっておけば、そんな変なことにはならないのではないのかなと考えていますが、それは車が出てみないとわからないということで、念のため頭出しをさせていただいていると、そういうふうに考えていただければと思います。

【西田委員】 ありがとうございました。

【河野委員長】 あと、細かいことを言い始めたついでで申し上げますと、例えば、エタノールアルコール10%といった場合に、僕が昔、修論か何かを書いたときに、これは重量なのか体積なのかとか言われて、そこだけを書き直さされた覚えがあるんです。そこらじゅうに出ているので。E10というのはもう規格として決まっているので、例えば3.7%なんていうと、これは重量パーセントか体積パーセントかということをきちんと書いておかないというようなことを言われた覚えがあります。それで、上の委員会は、そういうことを言う人が結構いるんじゃないかなという気がしているんですけどね。

【多田室長補佐】 修正すると、ちなみに1.3%が体積パーセントなので、同じく3.7も体積という形に、はい。

【河野委員長】 だから、1.3というと重量か体積か、必ず。

【大聖委員】 いや、そうじゃないですよ、質量ですよ。酸素の含酸素量だから。

【杉山委員】 分子の中の話だから。

【大聖委員】 そう。体積じゃ表現できないですよ。質量割合です。E3とかE10は体積割合ですね。だから、10リッターと90リッターを混ぜるとE10になるということです、混ぜる前に。

【飯田委員】 大変差し出がましいんですが、今日は、4章以下の今後の課題についても説明とご検討いただく予定ですよね。残りの時間を考慮して、後半をご説明いただいてはと思うんです。いかがでしょう。

【多田室長補佐】 それでは、4章についても既にいろいろご指摘はいただいてはおりますけど、時間もございませんので、駆け足でご説明させていただきます。もしご指摘等あれば、また後日でもいただければと思います。
 それでは、15ページの今後の検討課題というところからご説明させていただきます。まず、ディーゼル重量車以外の排出ガス規制をどうするかというところでございます。4.1.1でオートバイ、二輪自動車でございます。こちらは1段落目で書いてあるとおり、今後、トランジェントの導入が一つ課題になってくるのではないかと考えております。今後、トランジェントについて、中環審の先生方にもご検討いただきたいと思っておりますが、WP29においては、既にWMTCというものが既に策定されております。これは日本の走行実態も踏まえたトランジェントサイクルというふうになっております。自動車メーカーの技術開発コストを軽減する観点から、現行の試験サイクルの見直しに関する結論が出るまでの間ということでございますが、現行の排出ガス規制と同等とみなすことができるWMTCベースの規制の導入についても検討することが適当であると書かせていただいております。
 特殊自動車でございます。定格出力が19キロワット以上560キロワット未満の特殊自動車、これは規制対象に既になっているものでございます。ガソリンの特殊自動車についてはまだトランジェント入ってございませんので、そちらについて今後、検討課題ということになろうかと思っております。
 2段落目でございますけど、ディーゼル特殊自動車について、オパシメータの導入が一つ、検討課題になろうかと思います。
 最後に、ブローバイガスの規制も検討対象になってくるのではないかと考えております。
 (2)で規制対象外となっている特殊自動車については、自主的な取り組みの状況も踏まえ、必要に応じ検討を進めていくということでございます。
 4.1.3の乗用車等というところでございます。乗用車については、また、WP29において、WLTPという世界統一モードの検討が本格化しつつあります。ということで、その活動に積極的に貢献するとともに、今後、これらの導入についても検討していくと。その際は、大気汚染だとか、燃費の影響だとか、そういうのも最大限配慮した上で規制値の見直しについても検討するということでまとめさせていただいております。
 ガソリン重量車でございます。こちらについても今後、必要に応じ検討を進めていくというところで、OBD等も含め、検討を進めていくというふうにさせていただいております。
 4.2につきましては、NOx後処理装置導入に伴う課題というところでございます。NOxの排ガス規制の強化に伴い、ディーゼル重量車につきましては、尿素SCR等のNOx後処理装置が採用されつつあります。これらの技術、NOxを大幅に低減する技術として有効な技術ではあります。ただ、本格的に導入されるのがポスト新長期規制よりというところでございますので、いろいろ未規制物質だとか、劣化状況だとか、そういうのを注視する必要があるのではないかと考えているところでございます。
 参考資料の83ページをごらんください。きれいにまとまっていなくて恐縮でございますけど、環境省がとった試験データでございます。それぞれ新長期規制に対応するトラックあるいはトラクタでございます。すべて尿素SCRを装着しているものでございます。走行距離が試験車両の諸元のところに、下から2番目に書いております22万キロだとか17万キロ、10万キロ、そういう形になっているところでございます。その試験結果、A車・B車・C車ということで、それぞれの物質ごとにまとめさせていただいているところでございます。そして、NOxを見ていただければと思うんですが、走行距離はA車・B車・C車と20万キロ・17万キロ・10万キロとなってございますが、NOxの値について、非常にばらつきがあるという状況、すなわち、もしかしたら使用過程の段階において何らかの劣化だとかが生じているのではないかと、そういうところが見てとれるという状況でございます。
 85ページをごらんください。先ほどのA車・B車・C車のほかに、SA・SB・SC・SD、これは交通安全環境研究所さんの論文から引かせていただいたデータでございますが、N2Oの排出量でございます。一番右のSDというのが尿素SCR、装着していないものでございます。N2Oの排出量、約0.02となってございますが、尿素SCRがついているものについては、例えば右から0.56、0.63というふうに排出量が大きくなっていると、そういうところが見てとれるという状況でございます。
 報告書の本文に戻っていただきます。4.2の2段落目のところで、環境省が測定したデータの中にも、使用過程時において新車時よりもNOx排出量が増加している可能性があるもの、NOx後処理装置未装着の自動車と比較してN2O排出量が増加しているものがあったというところでございます。
 3段落目でございます。自動車メーカーにおいては、これらについて抑制すべく技術開発に努める必要があるというアラートを出しております。環境省においても引き続き、こういう調査をして実態を把握していくとともに、何らかの変化がある場合については原因の解明を図り、必要に応じ検討していきたいと考えているところでございます。
 4.3の4.3.1、微小粒子状物質等に関する課題ということで、1段落目、こちらの方はPM2.5の環境基準が出されましたということでございます。
 2番目の段落につきましては、ディーゼル自動車から排出されるPMは、そのほとんどがPM2.5ということで、これまでの対策、着実に実施することがPM2.5の削減対策として機能することになるというふうに書いております。
 3段落目、一方で、欧州においては、これまでPMの規制につきましては重量ベースでやっていたところでございますけど、欧州におきましては、ディーゼル乗用車につきましては2011月9月、ディーゼル重量車についてはEURO<6>から粒子の個数について着目した規制が導入される予定になっているところでございます。これは一つのPMの計測手法としては有効な手法であると考えているところでございます。ただ、一方でPMに係る規制、日米欧ともそれぞれ同等の重量ベースの規制を実施しているところでございます。より浄化率の高いDPFが装着されることとなり、粒子数の個数の低減にも効果があると考えているところでございます。
 また参考資料に飛んでいただいて、87ページでございます。先ほど欧州、乗用車については2011年から粒子数の規制を導入することになっているとご説明申し上げました。その規制値については、6掛ける10の11乗個というところでございます。線を引いている欧州規制値というのがその値でございます。今、日本で発売されておりますポスト新長期規制に対応するディーゼル乗用車について、欧州と同じモードで粒子数の個数を測定したところ、こちらのグラフのようになっております。COLD_1と書いてあるのはコールドスタートの試験の1回目ということでございます。ということで、すべての測定において、欧州の規制値については満たしていると、そういうようなデータがございます。
 ということで、18ページの最後の段落でございます。まずは、これまでのPM低減対策を着実に実施していくというところでございます。今後、PM2.5やその原因物質のインベントリの作成、大気中の挙動や二次生成機構の解明等の科学的知見の集積を踏まえたPM2.5に対する総合的な対策を検討する中で、自動車についても必要な対策について検討することとしたいというふうにまとめさせていただいているところでございます。
 4.3.2については、その他の未規制物質ということで、環境省においても、自動車から排出される未規制物質についてずっと調査をしております。それを引き続き、実施することが必要であるということを書かせていただいております。
 4.4、燃料蒸発ガスに関する課題ということで、こちらについては、燃料蒸発ガスについて、今後、VOC等について総合的な低減対策を検討する場合、自動車についても検討していくということを書かせていただいております。
 4.5でございます。こちら、今回、E10、ご検討いただきましたが、ディーゼルに使う燃料、バイオディーゼル燃料についても、今後一つの検討課題と考えているところでございます。今は不具合防止の観点から、B5という規定が決まっているところでございますが、環境の排気ガスの観点からは特に限度は決めておりません。とはいっても、今後、新長期規制、ポスト新長期規制、非常に高度化された排出ガス低減技術を持った自動車にBDFが入った場合、やはり排出ガス低減装置にも何らかの不具合が生じる可能性も否定できません。ということで、そういうような状況を調査いたしまして、必要な検討をしていくというところでございます。
 4.6が国際調和の推進ということで、これまでの報告にも書かせていただいているとおり、同じようなことを書かせていただいております。
 4.7で自動車の特性に応じた環境性能評価法の開発ということで、今、例えば重量車におきましては、JE05モードで排出ガスを規制しているところでございます。ただ、重量車においても、例えば主に都市内を走行する路線バス、都市間を運行する大型トラックなど、実際、特定の走行条件をかなりの頻度で使用する車種もございます。例えば路線バス、JE05モードにおいては高速道路の走行も入ってございますが、路線バスにおいては、高速道路とかを走ることはなくて、むしろ加減速が多いモードになろうかと思っております。そういうような中、自動車メーカーにおいては、JE05モードを前提とした排出ガス規制に適合することは当然のこととして、さらに特定の走行条件において、すぐれた環境性能が発揮できるよう技術開発に努められているところでございます。しかしながら現在、特定の走行条件を主に使用する車種の環境性能に関する統一的な評価手法、一言で言えば路線バスモードとか、そういうモードがございません。今後、そういうようなモードをつくって、環境性能をアピールできる環境を整えていきたいと、そういうところを記述させていただいております。
 関連の諸施策、こちらについては基本的に九次報告に書いていただいたところの時点修正でございますので、見ていただいて、後日、ご指摘等があれば修正等をさせていただきたいと思っております。
 以上、簡単ですが、4章、5章のご説明です。6章の「おわりに」についても、もし何かご指摘があれば、今後、いただければと考えております。
 以上でございます。

【河野委員長】 さっきの粒子数のところで、86ページで、日本のやつは検討中と書いてありましたけど、これはどういうことでしたっけ。

【多田室長補佐】 今はまだ0.4で完全に決まったわけではなく、パブリックコメントとか残っていますので、そういう意味で検討中と。

【河野委員長】 そうですか。それはちょっと何か書き方が違うんじゃないですかね、どうなんですかね。まだ決まっていないということですよね。

【多田室長補佐】 そうです。

【河野委員長】 そういうふうに書いた方が…。どんな感じがあるのかな。

【多田室長補佐】 ちゃんと注意書きを書きます。今、専門委員会において0.4の方向で検討中だとか、そういうことをちゃんと書きたいと思います。

【河野委員長】 何かほかにございますでしょうか。

【大聖委員】 文字どおり言葉じりをつかまえて恐縮なんですけれど、4章というのが今後の検討課題となっていまして、いろいろな段落のところで、何々を「検討する」ということで統一されていますよね。ところが、ちょっと進んでいくと「望まれる」とか、そういうような表現もあるんですけどね。

【多田室長補佐】 使い分けをしておりまして、「検討する」というのは、またここの専門委員会で検討するという意思表示をしていただいていると。「望ましい」というのは、だれかやってよという、そういう感じです。

【大聖委員】 なるほど。そうすると、「検討することとする」というのはどうなりますか。

【多田室長補佐】 それは「検討する」方がいいかと思います。すみません。

【大聖委員】 そういうように検討してください。
 それから、PM2.5のところ、17ページなんですけれど、これもまた細かいあれで恐縮です。2段落目の「ディーゼル自動車から排出されるPMは」と書いてありまして、「PM2.5削減対策として機能することとなる」というのはちょっとおかしいなと。「有効である」とか、そんな方がいいんじゃないかなと。

【多田室長補佐】 わかりました。

【飯田委員】 検討を積み上げてきたまとめなので大枠結構ですが、また細かいことで恐縮です。ガソリン重量車という言葉の定義がなされていないようなので、どこかで触れていただくといいんじゃないかと思います。これは3.5トン以上という理解でよろしいんですね。以上じゃなくて、超ね。

【岩本委員】 排出ガスの検討対策の委員会ではちょっとそぐわないことは承知の上でのお尋ねなんですけれども、燃費の方は日本も結構先行していろいろ規制をかけていますね。それに関して国際調和とかに貢献するというようなことは何かお考えなんですか。つまり日本のような厳しいのを欧米でもやってくださいよみたいなのがあってもいい気がするんですが、先行して決められれば。ここの委員会には入らないかもしれませんけど。

【多田室長補佐】 ちょっと検討させてください。恐らく燃費の話になれば、私どもの検討の対象外になるので、関連の諸施策のところで、燃費の改善とかも重要であるだとか、そういうような表現を考えていきたいと思います。

【飯田委員】 今の岩本先生のご指摘に関連して、燃費規制という表現と、それから、温暖化効果ガス削減という書き方について確認をさせてください。今回、燃費規制、あるいはCO2排出量の削減のことを考慮して、排出ガスを検討しましたというようなくくりになっています。環境省では、自動車から排出される温暖化効果ガスをインベントリー解析するときは、CO2、メタン、N2Oの3種のガスを対象として算出し、国内外に報告をしています。その中でN2Oは、温暖化係数が大きいので、実は燃費規制にはちゃんとクリアできるけど、イコールCO2の排出ガスは少ないけれど、CO2当量ベースの温暖化効果ガス排出量は、例えば10%増しとなることが考えられます。温暖化効果ガス規制と表現するのか、CO2排出量規制と表現するのか、書き分けが必要ではいか。一切そこは触れずに、N2Oも減らしましょうという書き方になっているように思います。そこはどの程度、踏み込んでおくべきか、ご意見をいただきたいと思います。

【岩田室長】 この報告書案の中では、全体のくくりとして地球温暖化対策の観点という言葉を使っております。その中に、排出ガス規制を考える上で考慮すべき点として、八次答申でも指摘をされたCO2削減、CO2低減対策という言葉を八次答申で使っておりますので、それを使っています。それを実際に実現する方策として、結局、燃費基準でそれを今、日本の体系ではやろうとしているので、燃費性能の向上、改善という言葉を使っています。N2Oの枕言葉として温室効果ガスであるという言葉、これは環境省全体としての、地球温暖化対策全体の中で自動車から出る温室効果ガスの位置づけをどう考えるのかという、本来は全体の問題でありますが、この大気環境部会の自動車排出ガス専門委員会の中では、あくまでも大気汚染物質の排出削減を第一としつつ、そうはいっても昨今の大きな問題があるので、そちらにも配慮しながら汚染物質の低減を図っていくと。今後、排出ガス対策技術の導入に伴って、これまでの自動車に係る地球温暖化対策の主ターゲットであるCO2以外の温室効果ガスであるN2Oが出てくるということで、これは今後、特出しして規制すべきかどうかということも含めて、実態を監視していきましょうと、そういうことになるんですが、申しわけございません、そこの全体の議論を、この中ですることは、繰り返しになりますが、この専門委員会でそこまで話を広げることはちょっと困難かと思いますので、従来の延長線というか、その中でN2Oに着目をしているのは、排出ガス低減対策の技術に伴って、今度は一方のNOx対策を強化する中で温室効果ガスとして出てくるN2Oに今後は着目していく必要があるのではないかということで述べているということで、全体として、燃費とかCO2とかさらに今回はN2Oについても、排出ガス対策がそれと両立し得るようにしようという考え方で原案を書かせていただいているところでございます。

【河野委員長】 そういうことは、今後の課題として挙げておいた方がいいんじゃないんでしょうか。

【大聖委員】 書いてありますよ。

【河野委員長】 それはそういう意味だということですね。
 よろしいでしょうか。何かおくれてきて、こんなことを言うのもおこがましいんですが。皆さん方のご意見をいつまでという話がありましたですね。

【多田室長補佐】 6月11日までに、事務局まで細かい表現も含めていただければと考えています。

【河野委員長】 それでもう一回、今後、6月にやるんですよね。

【多田室長補佐】 資料43-3に今後のスケジュールがございます。今回、5月28日で43回でございますが、6月中旬に44回でまたこの報告書についてご審議いただきたいと考えています。

【河野委員長】 その後、パブリックコメントで、部会には7月ということですね。ということで進めさせていただきたいと思いますが。今日はもうお疲れになったので余り質問は出てこないと思いますが、また、お帰りになって、ぜひ回復したところでしっかり読んでいただきたいと思います。それで事務局にお寄せください。それを今度は次の専門委員会で議論するということにさせていただきたいと思います。
 もう締めくくってよろしいですか。今日はおくれてまいりまして本当に申しわけありません。大聖先生、ありがとうございました。
 それから、岩本先生は何か賞をもらわれたんですか。おめでとうございます。ほかにもいらっしゃるかもしれませんが、
 では、これで今日の委員会は終わりたいと思います。どうもありがとうございました。