本文へジャンプ

■議事録一覧■

中央環境審議会大気環境部会
自動車排出ガス専門委員会(第36回)会議録


1.日時

平成19年9月18日(火)10:00〜11:43

2.場所

虎ノ門パストラル しらかば(本館8階)

3.出席者
(委員長) 河野 通方
(委員) 飯田 訓正 石川 博敏 後藤 新一
坂本 和彦 塩路 昌宏 大聖 泰弘
野田  明 堀  政彦
(環境省) 竹本 水・大気環境局長
矢作 環境管理技術室長
金丸 自動車環境対策課長
4.議題
(1)専門委員会報告(案)について
(2)その他
5.配付資料
資料36−1 中央環境審議会大気環境部会自動車排出ガス専門委員会(第35回)議事要旨(案)
資料36−2 「今後の自動車排出ガス低減対策のあり方について(第九次報告)」(案)
資料36−3 「今後の自動車排出ガス低減対策のあり方について(第九次報告)」参考資料(案)
資料36−4 今後の審議スケジュール等
6.議事

【鈴木室長補佐】 それでは、定刻となりましたので、中央環境審議会大気環境部会第36回の自動車排出ガス専門委員会を開会いたします。
 本日は、岩本委員、御園委員、松下委員よりご欠席の連絡をいただいております。
 本日の会議は、公開とさせていただきまして、今回の議事要旨及び議事録につきましては、委員の皆様のご了承を得た後に、ホームページにて公開させていただきたいと思います。
 なお、報道関係の方で、カメラ撮りをご希望の方は、少し時間をとりたいと思います。1分ぐらいを考えておりますので、よろしくお願いいたします。
 それでは、お手元の資料につきまして、確認させていただきます。
 お手元の方に、一番上に座席配置図が置いてあるかと思いますが、1枚おめくりいただきますと、本日の議事次第がついているかと思います。この議事次第に従いまして説明させていただきます。
 まず、資料36−1といたしまして、中央環境審議会大気環境部会自動車排出ガス専門委員会第35回議事要旨(案)。これは前回の議事要旨の案になります。
 資料36−2としまして、「今後の自動車排出ガス低減対策のあり方について(第九次報告)」(案)。
 資料36−3としまして、「今後の自動車排出ガス低減対策のあり方について(第九次報告)」参考資料(案)。
 資料36−4としまして、今後の審議スケジュール等になります。
 これとは別に、委員の先生方の方には、席上配付資料といたしまして、前回の議事録案がついております。資料の不足等がありましたら、事務局まで言っていただければと思います。
 よろしいでしょうか。
 それでは、河野委員長、お願いいたします。

【河野委員長】 河野でございます。
 本日は、お忙しいところ、委員の方々にはご参集いただきまして、ありがとうございます。
 本日は早速、議事に入っていきたいと思いますが、自動車排出ガス専門委員会第九次報告(案)についてご審議をいただきまして、最終的な取りまとめを行いたいと思います。取りまとめいただいた報告は、後ほどご説明があると思いますが、パブリックコメントを経て、大気環境部会へ報告する予定であります。
 前回も専門委員の皆様方にはご審議いただいたところではありますが、本日の審議は、当委員会の検討結果を取りまとめ、答申の基礎となる重要なものと位置づけております。これまでに言い忘れたようなことを中心に、ご指摘いただければと思っております。
 それでは、議題に入る前に、前回の議事要旨について事務局の方からご説明いただきたいと思います。

【鈴木室長補佐】 それでは、資料36−1を用いまして、前回の議事要旨案について説明させていただきます。こちらにつきましては、本日ご意見をいただきまして、その後、環境省のホームページにおいて公開をしたいと考えております。
 議事要旨の案につきましては、日時、平成19年8月23日、10時から12時。場所、虎ノ門パストラル新館4階ミント。議題(1)専門委員会報告(案)について。(2)その他。議事、会議は非公開で行われた。議事1について、専門委員会報告(案)について資料35−2、35−3及び35−4を用いて事務局より説明を行い、質疑応答が行われた。本件に対する問い合わせ先、環境省水・大気環境局総務課環境管理技術室となっておりまして、配付資料につきましては、前回の配付資料として、資料35−1から資料35−5と参考資料について記載をさせていただいております。この議事要旨案につきまして、何かご意見がありますでしょうか。

(なし)

【鈴木室長補佐】 よろしいでしょうか。どうもありがとうございます。
 それでしたら、本日のこの資料36−1の(案)を取った形で、環境省のホームページ上等で公開させていただきたいと思っておりますので、よろしくお願いいたします。
 また、前回の議事録につきましては、後ほどご確認をいただきまして、9月26日までにご意見等がありましたら、事務局までご一報いただければと思っております。
 資料36−1につきましては、以上です。

【河野委員長】 ありがとうございました。
 会議終了後、公開ということにさせていただくというお話でございました。
 それでは、議題に入りたいと思いますが、本日の時間はどういう予定ですか。
 そういうことでございますので、よろしくお願いしたいと思います。
 まず、議事の1ですが、専門委員会報告(案)についてとなっております。前回の専門委員会でいろいろご指摘いただいたのですが、その資料からは、余り大きい修正点がありません。したがいまして、本日は報告案をもう一回読み上げていただいて、それで説明とさせていただきたいというふうに思います。
 それでは、早速、事務局より読み上げをお願いしたいと思います。
 よろしくお願いします。

【大塚係員】 それでは、資料36−2に従いまして、読み上げさせていただきます。
 資料36−2、「今後の自動車排出ガス低減対策のあり方について(第九次報告)」(案)
1.はじめに
1.1 我が国の自動車排出ガス規制の経緯
我が国の自動車排出ガス規制は、昭和41年(1966年)のガソリンを燃料とする普通自動車及び小型自動車の一酸化炭素(CO)濃度規制により開始された。その後、軽自動車、液化石油ガス(以下「LPG」という。)を燃料とする自動車及び軽油を燃料とする自動車(以下「ディーゼル自動車」という。)が規制対象に追加され、また、規制対象物質も逐次追加された結果、現在では、ガソリン又はLPGを燃料とする自動車(以下「ガソリン・LPG自動車」という。)についてはCO、炭化水素(HC)及び窒素酸化物(NOx)が、ディーゼル自動車については、これら3物質に加えて粒子状物質(PM)及びPMのうちディーゼル黒煙が規制対象となっている。
 さらに、平成9年(1997年)の総理府令等の改正により、ガソリンを燃料とする二輪車(二輪自動車及び原動機付自転車をいう。以下同じ)が規制対象に追加された。これを受けて、平成10年(1998年)には第一種原動機付自転車及び軽二輪自動車について、平成11年(1999年)には、第二種原動機付自転車及び小型二輪自動車について規制が開始された。次いで、平成15年(2003年)には、軽油を燃料とする大型特殊自動車及び小型特殊自動車であって、定格出力が19kW以上560kW未満のエンジンを搭載するものについても規制が開始され、平成18年(2006年)には、特定特殊自動車排出ガスの規制等に関する法律により、公道を走行しない特殊自動車について規制が開始された。
 また、平成7年(1995年)には大気汚染防止法が一部改正され、自動車燃料品質に係る許容限度がガソリン及び軽油について設定された。これに基づき平成8年(1996年)から自動車燃料品質規制が開始されている。特に、軽油の硫黄分については、逐次規制を強化した結果、平成19年(2007年)より10ppmへと低減されている。
 我が国では以上のように、自動車排出ガス規制が拡充・強化されてきた結果、現在では、平成17年(2005年)から、世界で最も厳しいレベルの排出ガス規制(新長期規制)を実施している。さらに、平成22年度(2010年度)における環境基準をおおむね達成することを確実なものとし、その後においても維持していくため、09年目標として、ディーゼル自動車及び一部のガソリン自動車について、さらなる規制強化を行う予定である。
 1.2 中央環境審議会における審議経緯
近年の自動車排出ガス低減対策は、平成元年(1989年)12月の中央公害対策審議会答申「今後の自動車排出ガス低減対策のあり方について」(平成元年12月22日中公審第266号。以下「元年答申」という。)で示された目標に沿って推進されてきた。これにより、ディーゼル自動車等から排出されるNOx及びPM等を短期及び長期の2段階の目標に沿って大幅に低減する。
 自動車燃料品質について、軽油中の硫黄分を短期及び長期の2段階に分けて約10分の1レベル(0.5質量%→0.2質量%→0.05質量%)にまで低減する等の諸施策が平成11年(1999年)までに全て実施された。
 元年答申で示された目標について完全実施のめどが立ったことから、平成8年(1996年)5月、環境庁長官より中央環境審議会に対して「今後の自動車排出ガス低減対策のあり方について」(平成8年5月21日諮問第31号)が諮問され、中央環境審議会大気環境部会及び同部会に新たに設置された本自動車排出ガス専門委員会(以下「本委員会」という。)において審議が開始された。
 この諮問を受けて、中央環境審議会では、これまでに中間答申(平成8年10月18日)、第二次答申(平成9年11月21日)、第三次答申(平成10年12月14日)、第四次答申(平成12年11月1日)、第五次答申(平成14年4月16日)、第六次答申(平成15年6月30日)、第七次答申(平成15年7月29日)及び第八次答申(平成17年4月8日)をとりまとめている。
 これらのうち、第二次答申から第五次答申において、ガソリン・LPG自動車及びディーゼル自動車について、新短期目標及び新長期目標という二段階の排出ガス許容限度目標をそれぞれ設定した。
 ガソリン・LPG自動車の新短期目標は、車種により平成12年(2000年)から14年(2002年)にかけて、NOx及びHCをガソリン・LPG自動車の長期目標と比べて約70%(軽貨物車は約50%)削減するものであり、ディーゼル自動車の新短期目標は車種により平成14年(2002年)から16年(2004年)にかけてPM及びNOxをディーゼル自動車の長期目標と比べて約30%削減するものである。
 ガソリンLPG自動車の新長期目標は、CO低減対策に配慮しつつ、NOx、HCの規制を強化することを目的として、平成17年(2005年)(軽貨物車については平成19年(2007年))までに、ガソリン新短期目標と比べNOxを50%〜70%、HCを63%〜77%削減するものである。
 ディーゼル自動車の新長期目標は、PMの低減に重点をおき、平成17年(2005年)までに、ディーゼル自動車の新短期目標と比べPMを75%〜85%、NOxを41%〜50%削減するというものであり、平成17年(2005年)の時点では世界で最も厳しいものである。
 また、これらの新長期目標を達成するなどのため、ガソリン及び軽油中の硫黄分を平成16年(2004年)末までに0.005質量%以下に低減すること、さらに、新長期目標以降の排出ガス低減対策に係る技術開発を促進することなどを目的に、平成19年(2007年)から軽油中の硫黄分を0.001質量%以下に低減することを第四次答申及び第七次答申にそれぞれ記載したところである。
 これらに加え、自動車の排出ガス性能をより一層的確に評価するために、平成17年(2005年)から23年(2011年)にかけて、試験モードを段階的に変更することについても第五次答申で設定した。
 さらに、第八次答申において、ディーゼル自動車及び一部のガソリン自動車について、許容限度目標値を設定した。この目標値は、ディーゼル自動車について、ガソリン自動車と同レベルの値に低減され、PMについては、当時の測定法では定量限界以下のレベルまで低減され、一部ガソリン自動車についても、同レベルの目標値が設定された。
 これらについては、排出ガス許容限度の改正等により、大半の事項について所要の措置が政府によって講じられているところであり、その一部は既に実施されている。二輪車については、中間答申に基づいて、車種に応じて平成10年(1998年)から11年(1999年)にかけて排出ガス規制が行われた。さらに第六次答申において、平成18年(2006年)から19年(2007年)にかけて現行の規制値と比較してHCを75%〜85%、NOxを50%、COを85%削減することを求めた。
 このほか、ディーゼル特殊自動車について、第二次答申及び第四次答申に基づいて、平成15年(2003年)から排出ガス規制が行われ、さらに、第六次答申において、平成18年(2006年)から20年(2008年)にかけて、当時の規制値と比較してPM及びNOxを20%から50%削減すること等を求め、加えて、平成19年(2007年)からは、ガソリン・LPG特殊自動車の規制を導入することを求めている。
 2.自動車排出ガス低減対策の必要性
我が国においては、自動車排出ガス規制の強化等、種々の大気汚染防止対策が講じられ、全体として改善傾向が見られるものの、大都市地域を中心に、浮遊粒子状物質(SPM)、二酸化窒素(NO)等について、環境基準を達成しない測定局が依然として残っている状況にあり、平成22年(2010年)にSPM及びNOの環境基準をおおむね達成し、その後更に改善を図ることが必要であるとされている。
 1.で述べたとおり、ディーゼル自動車及びガソリン・LPG自動車については、これまでの答申により将来の排出ガス低減目標が示された。また、使用過程車対策としては、「自動車から排出される窒素酸化物の特定地域における総量の削減等に関する特別措置法の一部を改正する法律」(以下「自動車NOx・PM法」という。)に基づき、平成14年(2002年)10月から車種規制が施行されているところである。
 特殊自動車については平成15年(2003年)10月から排出ガス規制が実施されており、今後の代替により、かなりの排出量削減が見込まれる。しかしながら、特殊自動車の排出寄与率は、1.で述べたディーゼル自動車及びガソリン・LPG自動車等の大幅な規制強化に伴い、相対的に高まっていくものと推定される。平成17年度(2005年度)には、自動車排出ガス総量のうち、特殊自動車の占める割合はPMで約18%、NOxで約31%を占めるが、上述の規制以降、特殊自動車の排出ガス規制が強化されないとした場合、環境基準おおむね達成の目標年次の平成22年から10年後の平成32年度(2020年度)には、特殊自動車の排出ガス寄与率はPMで約80%、NOxで約51%に高まると予想される。このように、特殊自動車からの排出寄与率は一層高まることから、将来の環境基準達成を確実なものとするためには、特殊自動車の排出ガス低減対策を強化することが必要と考えられる。なお、特殊自動車は作業現場とその周辺への環境に影響を与えるという特徴がある。
 近年、自動車排出ガス規制の強化に伴い、ガソリンエンジン、ディーゼルエンジンの排出ガス低減技術は飛躍的に進歩している。特殊自動車には一般の自動車に比べ使用実態や車体形状等の面から種々の制約はあるものの、これまで自動車に採用されてきた技術を、特殊自動車の特殊性を考慮した上で、応用して適用することにより、排出ガスをより一層低減することが可能であると考えられる。
 また、第六次答申において「ディーゼル特殊自動車のうち定格出力が19kW以上560kW未満のものについては、一般のディーゼル自動車の新長期規制に適用される後処理装置の適用可能性を見極め、2010年頃の達成を目途とした新たな低減目標について検討する。その際には、新たな排出ガス試験法の導入についても検討する。」旨指摘されているところである。また、欧米においても同様に特殊自動車の排出ガス規制強化が予定されている。
 また、ディーゼル自動車については、09年目標値等の排出ガスの規制強化による新車時の排出ガス性能の向上に伴い、使用過程時において性能が維持されていることを確認することの必要性が増加していることから、ディーゼル自動車のPM排出性能の試験方法について、より効率的な方法を検討することが必要である。
 本委員会は、以上の事項を踏まえ、内外における排出ガス低減技術の開発状況及び今後の発展の可能性を見極め、また、対策実施に必要な費用も把握しつつ検討を行い、3.4.のとおり自動車排出ガス低減対策を推進する必要があるとの結論を得た。
 3.特殊自動車の排出ガス低減対策
3.1 特殊自動車の排出ガス低減対策のあり方について
特殊自動車に関する排出ガス規制については、平成15年(2003年)から公道を走行する特殊自動車のうちディーゼル特殊自動車に対して規制を大気汚染防止法と道路運送車両法等の枠組みにおいて実施している。その後、第六次答申に基づいて平成18年(2006年)から公道を走行しない特殊自動車及びガソリン・LPG特殊自動車に対して、大気汚染防止法、道路運送車両法、特定特殊自動車排出ガスの規制等に関する法律等の枠組みにおいて、規制強化を行ってきたところである。
 このように、第六次答申に基づいて関係法令の整備等が行われたところであるが、第六次答申においては、ディーゼル特殊自動車のうち定格出力が19kW以上560kW未満のものについては、新長期規制に適用される後処理装置の適用可能性を見極め、2010年ごろの達成を目途とした新たな低減目標について検討すること、その際には、新たな排出ガス試験法の導入についても検討する旨も答申されているところであり、本専門委員会においてはこれに基づいてディーゼル特殊自動車の新試験モード、低減目標値について検討を行った。
 3.2 特殊自動車の規制対象
現在の特殊自動車の排出ガス規制は、エンジンの出力が19kW以上、560kW未満のものに対して規制を行っているところである。規制対象については、第六次答申において、出力が19kW未満、560kW以上のエンジンについて「大気汚染状況、排出寄与率の推移、排出ガス低減技術の開発状況等を見極めつつ、必要に応じて排出ガス規制の導入について検討する」旨指摘されているところである。このため、19kW未満、560kW以上のエンジンの排出寄与割合について調査を行ったところ以下のことがわかった。
 19kW未満のディーゼル特殊自動車については、1台あたりの排出量が非常に小さく、特殊自動車の中の排出寄与割合も比較的小さい(平成17年においてPM、NOxともに特殊自動車全体の約7%)。現在、社団法人日本陸用内燃機関協会において、米国規制と同等の基準を設け、ディーゼル汎用エンジンについて、自主規制が実施されており、19kW未満の汎用ディーゼルエンジンのほぼ全てが同協会の会員エンジンメーカーにより販売されている。
 560kW以上のものについては我が国の販売台数が年間50台程度と推定され、平成17年度における排出寄与割合が1%未満と極めて小さい。このことから、当面は出力が19kW未満、560kW以上のエンジンについて規制対象とする優先度は低く、今後、排出実態、寄与割合等を考慮しながら、規制対象について検討を進めることが適当である。なお、規制対象外の出力範囲のものについては、今後とも、欧米の規制に準拠した自主規制が行われることが望まれる。
 また、このような自主的な取組が着実に行われているかどうか確認する必要がある。
 3.3 特殊自動車の排出ガス低減技術
ディーゼル特殊自動車については、現在、一般のディーゼル自動車に採用され、または、開発が進められている技術を特殊自動車の特殊性を考慮した上で適用していくことにより、排出ガスの一層の低減を図ることが可能となると考える。
 ディーゼル特殊自動車には一般のディーゼル自動車と比較して、以下のような多くの課題がある。
 [1]ほこりや泥水の中で使用されたり、屋外に長期間放置される等、使用環境が劣悪である。
 [2]エンジンが高負荷・高回転域で連続使用される頻度が高い。
 [3][1]及び[2]により、エンジン各部の耐久性・信頼性が厳しく要求される。
 [4]車速が遅く、また作業時は走行風が得られないこと等から、放熱性能が劣る。
 [5]作業時の安全性確保、移動する際にトラック等に積載された状態で移動されることがある等のため、排出ガス低減装置や冷却ファンの搭載に空間的な制約が大きい。特に小型の車両で顕著である。
 [6]オフロード車では、重油や灯油等が使用される場合があるため、軽油の適切な使用が行われるようにする必要がある。
 [7]エンジンの出力範囲が広く、一般の自動車にはない出力においては、一般の自動車に適用されている技術をそのまま転用できないため、対策技術を新規に開発することが必要となる。
 [8]多品種少量生産であるため、新たな規制に対応したエンジン及び車両の開発に期間を要し、費用の負担が大きくなる。
 [9]エンジン製作者と車両製作者が異なる場合が多く、その際には、エンジン製作者単独で対策に関わる吸排気系や後処理装置の設計ができない。また、エンジン製作者がエンジンを開発した後、車両製作者が車両の開発を行うため、開発期間が長くなる。特に、小型エンジンは本体価格が安いため、排出ガス低減対策にかけられる費用が制限され、利用できる対策技術が限定される。
 このため、ディーゼル特殊自動車については、ディーゼル乗用車.トラックと同時期の規制強化を実施するのは困難であり、ディーゼルトラックの技術を特殊自動車に転用するための開発期間が必要である。特殊自動車の排出ガス規制を大きく強化するためにはディーゼル微粒子除去装置(以下「DPF」という。)、尿素を添加してNOxを還元する触媒システム(以下「尿素SCR」という。)、NOxを触媒に吸蔵又は吸着して還元する触媒システム(以下「吸蔵型NOx還元触媒」という。)のようなPM、NOxの後処理装置の採用が必要となる。
 今後の特殊自動車の技術開発の進捗動向等について調査の結果、全ての出力範囲において、燃焼室の改善、燃料噴射系の改良、燃焼制御の最適化が引き続き行われるとともに、出力の小さいエンジンにおいても排気ガス再循環(以下「EGR」という。)装置等が採用される。また、56kW以上のエンジン出力帯については2011年頃からPM後処理装置が、2014年ごろからNOx後処理装置の採用が可能となると考えられる。一方で、56kW未満のエンジン出力帯においては、ディーゼルトラック用のエンジンが開発されていないことと、相対的にコストがかかることから、エンジン開発を急いでもPM後処理装置の採用が可能となるのは2013年頃であり、NOx後処理装置については現時点では採用の目処が立っていないと考えられる。
 3.4 排出ガス試験法
ディーゼル特殊自動車のさらなる大幅な排出ガスの低減を行うためには、DPF、NOx後処理装置といった排気後処理装置が採用されることが想定される。後処理装置の排出ガス浄化率はエンジンの排ガス温度に依存して変化するが、現行の試験モード(Clモード(8モード))は、定常モードであるため、実際の排ガス温度変化を再現できず、排気後処理装置を適切に評価できなくなる可能性がある。このため、ディーゼル特殊自動車の次期規制の試験モードとしては、過渡モードを採用することが適当である。
 欧米の次期規制においては、ディーゼル特殊自動車用の新試験モードとしてNRTC(Non Road Transient Cycle)モードが採用されることとなっている。環境省においては、このNRTCモードを日本においても採用することが適当か否かについて、調査を行った。
 この調査においては、我が国におけるディーゼル特殊自動車の使用実態を把握した上で使用実態に基づいた試験モードを作成し、その試験モードとNRTCモードで排出ガスの比較試験を行った。その試験の結果、PM、NOx等の排出量について両試験モードの間には高い相関が得られた。また、NRTCモードの方が日本の使用実態に基づいた試験モードよりも排出量(g/kWh)がやや大きいものになった。
 本委員会では、これらを吟味した結果、NRTCモードを我が国の排出ガス試験モードとした場合に、高い大気環境改善効果が期待でき、あわせて、国際的な排出ガス試験モードの調和を図ることができることから、次期特殊自動車の排出ガス規制における試験法の過渡モードとしては、NRTCモードを採用することが適当であると判断する。
 また、NRTCモードは排気温度が高くなるサイクルであることから、エンジンの始動時等の排出ガス性能(後処理装置の性能)を正しく評価するため、暖機状態における試験に加え、冷機状態における試験を実施し排出ガス性能を評価する必要があると考え、暖機・冷機における両方の原動機の状態における排出ガス試験を実施することが適当である。
 特殊自動車の使用時間等は機種、使用場所により大きく異なるが、一般的な使用実態から見て、次期の特殊自動車の排出ガス規制における冷機状態の排出ガス排出量の重みは1割として、NRTCモードにおける排出ガス排出量(g/kWh)は、特殊自動車の排出ガス排出量=冷機状態の排出ガス量(g/kWh)×0.1+暖機状態の排出ガス量(g/kWh)×0.9とすることにより、冷機状態の排出ガス性能を加味した評価をすることが適当である。
 現在の排出ガス試験モードであるClモードについては、PMの排出量について、NRTCモードとの相関がやや低いことから、当面の間は存置し、ディーゼル特殊自動車の次期の排出ガス規制としてはNRTCモードとClモードの二つの試験法による規制を行うことが適当である。今後の排出実態の状況、排出ガス規制の国際的な動向を踏まえ、その必要性について改めて検討する。
 なお、Clモードの低減目標値については欧米と同様にNRTCと同一値とする。
 3.5 排出ガス低減目標値
本委員会では、2.で述べた自動車排出ガス低減対策の必要性を念頭に置きつつ、3.3で述べた排出ガス低減対策について、今後の発展の可能性も踏まえ、出力範囲ごとに技術的な検討を行った。その結果、2011年からPM後処理装置(DPF、酸化触媒)の導入や燃焼の改善を前提とした排出ガス規制を導入し、2014年からNOx後処理装置(尿素SCR、吸蔵型NOx還元触媒)の導入を前提とした排出ガス規制を56kW以上の特殊自動車に対して導入することとし、PM、NOx、NMHC(非メタン炭化水素)及びCOについて、別表1、2に示す許容限度設定目標値に沿って低減を図ることが適当であるとの結論を得た。別表1、2につきましては、17ページと18ページに記載してあります。読み上げの方は省略させていただきます。
 このうちNMHCについては、測定機器の更新に配慮し、平成30年(2018年)末まではTHC(全炭化水素)に0.98を乗じた値をNMHCの測定値とすることも可能であることとし、その後は、NMHCを測定しない場合には、THCの値をNMHCの値とみなすことが適当である。
 別表1、2に示す二段階の許容限度設定目標値は、設計、開発、生産準備等を効率的に行うことにより、2011年目標値については、定格出力が130kW以上560kW未満のエンジンを搭載する特殊自動車については、平成23年(2011年)末までに、56kW以上75kW未満のもの及び75kW以上130kW未満のものについては平成24年(2012年)末までに、19kW以上37kW未満のもの及び37kW以上56kW未満のものについては平成25年(2013年)末まで、2014年目標値については、定格出力が130kW以上560kW未満のエンジンを搭載する特殊自動車については、平成26年(2014年)末までに、56kW以上75kW未満のもの及び75kW以上130kW未満のものについては、平成27年(2015年)末までに達成を図ることが適当である。
 特殊自動車は多品種少量生産であるため、対象となる車種・型式が多岐にわたるのみならず、エンジン製作者と車両製作者が異なる場合が多く、その場合、車両製作者はエンジン製作者からエンジンの提供を受けた後に車両の設計開発を行うことから、規制への対応のための開発期間が必要となる。特に、19kW以上37kW未満のものについては、一般のディーゼル自動車のエンジンと比較して出力が小さい範囲であり、排出ガス対策の技術開発に時間が必要であることから、それらのエンジンを搭載する排出ガス規制の実施に当たっては規制への対応が円滑に進められるよう配慮する必要がある。なお、今後の規制においては後処理装置が必要になり、同装置を装着するためのスペースが車両側に必要となること等から、エンジン製作者と車両製作者がこれまで以上に連携を図っていくことが必要である。
 欧米においても次期の規制の強化が予定されているが、我が国の次期(2011年目標値)、次次期(2014年目標値)の目標値と欧米において同時期に開始される規制の規制値を比較すると我が国の方がやや厳しいか同等のレベルとなっている。

【菅井係員】 ここで、読み上げの方を交代させていただきます。
 3.6 特殊自動車の使用時における適正な燃料の使用について
本報告の排出ガス低減目標値を達成するためには、コモンレールシステムの導入やPM・NOx後処理装置の装着が必要と考えられるが、燃料中の硫黄分や粘度等が適切にコントロールされていない場合には、後処理装置やコモンレールシステムに対して、装置の劣化や故障などの悪影響を及ぼす恐れがある。
 このため、特殊自動車の排出ガス性能を担保するためには、燃料について一定の品質を確保していることが必要である。次期の特殊自動車の低減目標については、ディーゼル重量車の新長期規制レベルと同等の対策技術が必要となると考えられることから、排出ガス対策の実効性のためには、ディーゼル特殊自動車に使用する燃料についてはディーゼル重量車と同様に10ppm軽油を使用する必要があると考えられる。
 一方、オフロード特殊自動車に対しては、メーカー指定の燃料である軽油以外の燃料が使用される場合があるといわれていることから、これらの燃料の使用状況に関する詳細な実態調査や適切な燃料の使用に関する普及啓発等の対策を実施することが重要である。
 こうした実態調査の結果、特定特殊自動車排出ガスの規制等に関する法律等に基づく適正燃料の使用に向けた取り組みの効果を評価した上で、これらの取り組みでは十分な排出ガス低減効果が得られないと判断される場合には、必要な規制の導入についても検討する必要がある。
 また、各メーカーにおいては、現在も取扱説明書において軽油を使用する旨を記載したり、給油口へのラベルの貼り付け等の対策がとられているところである。
 今後、特殊自動車へ適切な燃料が使用されるような積極的なPR、研修の実施や燃料の性状を検出する装置の開発など、さらに積極的に関係者の協力のもと特殊自動車の適切な燃料使用についての取り組みを行うことが望ましい。
 3.7 使用過程における性能維持方策
本報告で示した排出ガス低減目標の達成には、3.4で述べたように、触媒等の排出ガス低減装置が必要と考えられるが、これらが十分な耐久性を有していない場合、使用過程で、その性能が劣化し、排出ガス量が増大することが懸念され、排出ガス低減装置について一定の耐久時間を設定することが必要である。このため、これまでと同様にディーゼル特殊自動車のうち定格出力が19kW以上37kW未満のものについては5,000時間、37kW以上560kW未満については8,000時間とすることが適当である。自動車製作者にあっては、生産段階において、これら耐久時間後においても良好な排出ガス性能の確保を図ることが必要である。
 また、特殊自動車の使用過程における排出ガス低減装置の適正な機能を確保するためには、使用者が点検・整備の励行による適切な管理を行うことも重要である。それとともに、排出ガス低減装置に係る整備不良や不正改造の排除、適正燃料の使用を図るため、道路運送車両法に基づく自動車の検査(車検)、街頭での指導・取締り(街頭検査)や特定特殊自動車排出ガスの規制等に関する法律における立入検査等により、排出ガス低減装置に係る整備不良や不正改造の排除を図り、適正燃料の使用を進めることが必要である。
 3.8 排出ガス低減効果
環境省の試算によると、平成17年度(2005年度)の全国の自動車(特殊自動車を含む)からの大気汚染物質の総排出量は、PMが約5.5万トン、NOxが約80万トンと推定される。このうち特殊自動車は前述のとおり、PMが約1.0万トンで約18%、NOxが約25万トンで約31%である。これに対して、今回の報告に基づく規制が行われた場合、ディーゼル重量車における09年目標値等を含めると、我が国の自動車からの大気汚染物質の総量は、平成32年においてPMが0.5万トン、NOxが19万トン(うち特殊自動車はPMが約0.4万トン、NOxが9.4万トン)に低減され、全ての自動車がこれまでの答申に基づく最新の目標値に適合している自動車に代替した場合には、PMが0.16万トン、NOxが13万トン(うち特殊自動車はPMが約0.07万トン、NOxが5万トン)に低減されるものと推定される。
 本報告で示した特殊自動車の新たな排出ガス低減目標値に基づく対策により、特殊自動車からの大気汚染物質の総排出量がどの程度削減されるかについて、種々の仮定のもとに以下のように試算した。
 (特殊自動車からの総排出量の削減効果)
[1]特殊自動車の使用実態及び台数の変化並びに将来の規制の適合車の普及率を推計した場合。平成32年度(2020年度)の特殊自動車からの総排出量は平成17年度(2005年度)と比較し、それぞれの物質について、PM約63%(約1.0万トンから約0.4万トン)、NOx約62%(約25万トンから約9.4万トン)が削減される。
 [2]特殊自動車の使用実態及び台数の変化を推計し、全ての特殊自動車が本報告に基づく規制の適合車に代替した場合。特殊自動車からの総排出量は、平成17年度と比較し、それぞれの物質について、PM約93%(約1.0万トンから約0.07万トン)・NOx約80%(約25万トンから約5万トン)が削減される。
 4.黒煙規制の見直しについて
4.1 オパシメータ(光透過式スモークメータ)による測定への変更
ディーゼル自動車から排出されるPMについては逐次の規制強化により、例えば重量車において規制開始時の100分の1程度にまで低減されている一方、DPFの不具合などが起こると、その排出量が大幅に増加する恐れがあることから、使用過程時において排出ガス性能が劣化していないことを確認することが一層重要になっている。
 使用過程時における自動車から排出されるPMについては、これまで黒煙汚染度により確認を行ってきたところであるが、オパシメータを使用することにより車検時等の黒煙検査の効率化を図ることができることから、便用過程時における確認方法を従来の黒煙汚染度からオパシメータによるものに変更することが適当である。なお、オパシメータによる測定方法により、黒煙汚染度では、測定が困難な可溶有機成分(SOF)についても測定が可能となる。
 4.2 使用過程時における排出ガス目標値
オパシメータによる低減目標値については、新長期規制車以前の自動車については既に販売されている自動車もあることから、第八次答申に示されたディーゼル09年目標値(ポスト新長期規制)の車両からオパシメータによる目標値を設定することが適当である。
 本委員会において調査を行った結果、09年目標値を達成した車両は光吸収係数が低くなることが考えられるが、エンジンが冷機状態で測定する場合に水蒸気の影響を受ける可能性があること、測定原理上NOの干渉を受けること等から、排出ガス対策の効果、車検時の工数等を勘案すると、目標値としては0.5m−1とすることが適当である。
 オパシティ濃度と黒煙汚染度の相関については、SAE(米国自動車技術会)において調査が行われているが、これからさらに変換した光吸収係数0.5m−1は黒煙汚染度では17%に相当する。なお、使用過程時におけるオパシメータを使用したPM規制としては欧米においても実施されているところである。具体的な規制としては、欧州においては、「認証試験時の測定値+0.5m−1」または「1.5m−1」となっており、米国においては州が規制を行う際のEPA(米国環境保護庁)のガイドラインとして4.4m−1となっているところである。
 4.3 4モード黒煙試験の廃止について
新長期排出ガス規制に適合したディーゼル自動車の4モード黒煙のデータを調査したところ、DPFを装着したものでは4モード黒煙の値はほぼゼロとなっている。09年目標値においては、ほとんどの車両にDPFが装着されると考えられ、規制の合理化の観点から4モード黒煙試験を廃止することが適当である。
 5.今後の自動車排出ガス低減対策と課題
5.1 今後の検討課題
第八次答申において指摘されているディーゼル重量車の「挑戦目標値」については、平成20年(2008年)頃に、その時点での技術開発の状況や挑戦目標値の達成可能性について検証を行い、大都市地域を中心とした大気環境改善状況、局地汚染対策などによる環境改善の可能性、二酸化炭素(CO)低減対策との関係を考慮しつつ、燃料や潤滑油品質の改善状況等を見極めながら、必要に応じて目標値及び達成時期を定めることとする。この際に、粒子の大きさや質に関する排出ガス許容限度目標値の設定についてもその必要性を含め、併せて検討を行うこととする。
 昨今、粒子の重量だけでなく、その大きさや質(粒子経が2.5μm以下の粒子(以下「微小粒子」という。)及び、粒子径がナノメートルサイズの粒子(以下「超微小粒子」という。)の数、粒子の組成等)が健康影響に関連が深いのではないかという懸念が国内外において高まっている。しかしながら、ディーゼル自動車から排出される粒子の大きさや質については、その測定方法が未だ確立されておらず、また、その排出実態や粒子の大きさや質の違いに応じた健康影響の違いなどについても、国内外において知見が十分ではない状況にある。
 このことから、現段階で粒子の大きさや質に関し、排出ガス許容限度目標値を設定することは困難である。しかし、予防原則の観点からも、当面、最大限のPM削減に努めるとともに、微小粒子、超微小粒子など粒子の大きさや質を反映する健康影響と排出実態の把握や測定方法の確立に関する研究を産官学挙げて推進し、その結果を踏まえ、排出ガス許容限度目標値の設定の必要性について検討する必要がある。
 ガソリン・LPG特殊自動車のうち定格出力が19kW以上560kW未満のものについては、技術開発の進展の可能性及び各種対策の効果を見極め、必要に応じて新たな低減目標について検討する。
 特殊自動車のうち、現在排出ガス許容限度目標が設定されていない定格出力が19kW未満のもの及び560kW以上のものついては、大気汚染状況、排出寄与率、国土交通省の排出ガス対策型建設機械指定制度の効果、社団法人日本陸用内燃機関協会が実施予定の19kW未満の汎用ディーゼルエンジン排出ガスに関する自主的な取り組みの実施状況、排出ガス低減技術の開発状況等を見極めつつ、必要に応じて排出ガス規制の導入について検討する。
 ディーゼル特殊自動車のうち定格出力が19kW以上560kW未満のものについては、PM対策技術の動向、PMの排出実態の状況の見極めを行い、必要に応じ、使用過程時におけるPMの確認方法をオパシメータによる規制の導入について検討する。
 ガソリン・LPG自動車については、ガソリン09年目標に基づく規制への対応状況、これら規制よりも排出ガス値が大幅に下回る低公害車の普及状況、技術の進展の可能性、大気環境の改善状況、自動車以外の排出源における排出実態の把握及び自動車交通流対策等さまざまな対策の総合的な効果を見極めつつ、低燃費技術と排出ガス低減技術との両立に最大限配慮した上で、必要に応じて新たな排出ガス許容限度目標の設定について検討する。
 また、車両への給油時の燃料蒸発ガス対策については、HCの排出量全体に占める寄与度及び他の排出源に対するHC対策の進捗状況を踏まえ、必要に応じて規制の導入について検討する。
 二輪自動車については、第六次答申に示した排出ガス許容限度目標への対応状況、技術の進展の可能性及び各種対策の効果を見極め、必要に応じて新たな排出ガス許容限度目標の設定について検討する。
 近年、地球温暖化防止の観点から利用が期待されているバイオマス燃料のうち、E10(ガソリンに10体積%程度までバイオエタノールを添加した燃料)の利用可能性については、これまでの調査において、E10対応自動車技術(従来のガソリンエンジンを前提とした排出ガス規制を満足する技術的に高度な対策を含む)を持ったものであれば排出ガス上の大きな問題は認められていないが、E10を自動車用燃料として使用した場合の排出ガスの試験を引き続き行い、E10対応自動車技術の開発状況、E10の供給体制を考慮し、今後必要に応じて検討する。
 また、バイオディーゼル燃料、ガストゥリキッド(GTL)、ジメチルエーテル(DME)、エチルターシャリーブチルエーテル(ETBE)等の新燃料についても、市場での動向等を踏まえ、必要に応じて検討する。
 基準認証制度が国際貿易に不必要な障害をもたらさないようにすることを目的とした「貿易の技術的障害に関する協定」(平成7年(1995年)1月1日発効)の趣旨を踏まえ、我が国の環境保全上支障がない範囲内において、可能な限り基準等の国際調和を図ることが望まれている。
 したがって、現在、国連欧州経済委員会自動車基準調和世界フォーラム(UN−ECE/WP29)において進められている排出ガス試験方法等の自動車の排出ガス規制の国際基準調和活動に積極的に貢献し、可能な範囲で、国際的な基準調和を図るべきである。
 5.2 09年目標値の達成について
自動車メーカーにおいては規制が開始されている新長期規制や重量車燃費基準への対応と並行して09年目標値の達成に向けた技術開発を行っている。本委員会においてヒアリング等を通じた調査の結果、自動車製作者等において個別要素技術の研究開発の目処がほぼつき、個々の車両開発が行われている段階である。
 09年目標値を達成するための技術は、第八次報告に示した技術とほぼ同じであり、コモンレールの一層の高圧噴射化、クールドEGR等による燃焼改善によりエンジン出口の排出量を低減する。エンジン出口の排出ガスを後処理装置(DPF、NOx触媒)において浄化し、規制値まで低減する。NOx触媒としては、尿素SCRや吸蔵型NOx還元触媒が検討されている。後処理装置の浄化率を向上させるため、触媒性能の向上の他、排気温度や酸素濃度などの排気条件を最適に保つため、エンジン制御の高度化等が中心であり、09年目標値達成に向けた取り組みが行われているところである。
 このように研究開発が精力的に進められているところであるが、大気環境の改善のため09年目標値達成車の早期開発・早期導入がなされることを期待する。
 5.3 関連の諸施策に係る今後の課題
本報告で示した対策を相補う施策として、以下に述べる関連諸施策が、今後ますます推進されることが望まれる。
 (l)自動車NOx・PM法に基づく施策等総合的な自動車排出ガス対策の推進
[1]環境基準を達成していない状況が局地的になるに従い、全国一律の新車に対する排出ガス規制は、対費用の面からもその効果は小さくなる。したがって、ディーゼル09年目標値及びガソリン09年目標値に基づく規制が実施されることを前提にすると、大気汚染の比較的激しい地域での特別の対策を実施することの意義がますます高くなるものと考えられる。そのため、今後は、自動車NOx・PM法に基づく車種規制、低公害車等の普及促進等を着実に実施するとともに、本年の同法の改正により新たに追加された事業者に係る自動車排出ガス抑制対策の充実を着実に実施し、自動車排出ガスについて総合的な施策を実施し、これらの効果を今後検証していく。自動車NOx・PM法に基づく諸施策を補完する観点から、交通流の円滑化、交通量の抑制、道路構造や都市構造の改善等の排出ガスを抑制するために効果的な施策についても積極的に検討し、実施していくことが望まれる。
 [2]使用過程車全般(使用過程にあるガソリン・LPG自動車及びディーゼル自動車等)について、今後とも、点検・整備の励行、道路運送車両法(昭和26年、法律第185号)に基づく自動車の検査(車検)及び街頭での指導・取り締まり(街頭検査)時における排出ガス低減装置の機能確認等により、使用過程において良好な排出ガス性能を維持させることが重要である。特に、ディーゼル自動車については、排出ガス規制の強化に伴い、DPFやNOx還元触媒等の排気後処理装置が普及するため、これらの排気後処理装置の性能を使用過程においても維持させる必要がある。このことから、使用過程車の排出ガス性能の維持対策が一層重要となる。このため、使用過程車に係る排出ガス水準の設定、抜取り検査(サーベイランス)の導入方策等の使用過程車に係る総合的な対策について、その必要性も含め早急に検討することが望まれる。
 [3]燃費対策に加え、自動車の排出ガス低減対策の観点からも、アイドリング・ストップ等のエコドライブ(環境負荷の軽減に配慮した自動車の使用)は効果的であり、アイドリング・ストップ機能付き自動車の普及を促進するなど、エコドライブの普及施策を推進することが望まれる。
 (2)低公害車の普及促進
大気環境の一層の改善・地球温暖化対策のためには低公害車の普及を促進していくことが重要である。このため、低公害車開発普及アクションプランの充実化や、税制優遇、補助、融資制度等低公害車の普及施策を推進していくことが望まれる。
 (3)大気環境の状況把握、測定精度向上
自動車排出ガス規制や総合的な自動車排出ガス低減対策の進展に伴い、これらの対策の効果を的確に予測し、また、精度の良いモニタリングによって効果の測定を的確に行うことが、新たな施策を企画・実施していく上で、一層重要になる。
 その際には、自動車を含めた全ての移動発生源、工場・事業場等の固定発生源、各種自然発生源等から排出されるPM・NOx等の排出量目録(インベントリー)の整備やSPM、光化学オキシダント等の二次生成への寄与の把握も必要となる。そのため、排出源における各種対策や、沿道等での対策が大気汚染改善に対して及ぼす効果の把握体制の整備等に努めることが望まれる。
 (4)未規制物質対策
[1]自動車から排出される未規制の有害大気汚染物質について、測定方法の開発及び測定精度の向上を図り、自動車からの排出量把握のための基盤を整備するとともに、得られた情報を基に必要な施策を講じるよう努めることが望まれる。その際、エンジン燃焼技術、触媒等の排気後処理装置及び燃料・潤滑油品質等が自動車からの有害大気汚染物質の排出量に及ぼす影響についても併せて把握するよう努めることが望まれる。
 [2]自動車以外の未規制の排出源について、排出実態の調査及び対策の必要性の検討を引き続き行うとともに、対策実施のための制度のあり方について検討することが望まれる。
 (5)金融・税制面での配慮
今回の答申に基づき排出ガス低減対策を推進していく過程では、車両価格、エンジン等の耐久性を確保するための費用、燃費及び維持費等への影響が考えられるが、これらの費用については自動車の利用に伴う環境費用を内部化するとの考え方のもとに自動車製作者、使用者等によって負担される必要がある。
 なお、最新規制適合車への代替や燃料の品質改善を円滑に推進するためには、金融・税制面における配慮も必要である。
 あとは、20ページに本専門委員会と作業委員会の名簿、あと21ページから23ページまでに、用語の解説をしてあります。こちらの方は読み上げの方は省略させていただきます。
 以上でございます。

【河野委員長】 ご苦労さまでした。
 それでは、皆さん方からご自由にご発言をいただきたいと思います。
 最初に、私からですが、各所に色々な数値的なデータが出ておりますが、これは参考資料の方にみんな、その根拠は載っておるというふうに考えてよろしいんでしょうか。

【鈴木室長補佐】 はい。参考資料の方についております。例えば、特殊自動車の排出ガスの寄与割合につきましては、例えば参考資料の20ページの方に、平成17年度の総排出量というのがついておりまして、22ページの方に特殊自動車のさらなる抑制強化が行われない場合の平成32年度の排出総量というのがついておりまして、本文の方で提示しておりましたデータにつきましては、基本的に参考資料にほとんど網羅されていると考えていただいていいかと思います。

【河野委員長】 要するに何か質問があったときに、それはこういう根拠ですと参考資料を出すわけなんですが、そのときに、やはりどちらかというと、すぐ対応がわかるようにしておいた方がいいのかもしれないですね。

【鈴木室長補佐】 そうですね。そこにつきましては、大気環境部会等で実際に事務局から報告させていただきますときには、適宜、参考資料等を使いながら、わかりやすく説明をさせていただきたいと考えております。

【河野委員長】 そういう線でお願いします。
 それから、もう一つは、昨年度、塩路先生を委員長にして、走行実態の検討していただきましたよね。あれは、この委員会のもとにあったものですか。

【鈴木室長補佐】 塩路先生を座長としまして、NRTC、排ガス試験モードが、日本の試験法として妥当かどうかという検討会を設置しておりましたが、こちらについては環境省の方の検討会ということになっていまして、中央環境審議会の方の付属の検討会という位置づけにはなっておりません。ただし、塩路先生を中心として検討していただきました、そのデータを中心に、中央環境審議会の際の検討材料になろうかと思います。

【河野委員長】 だから、この部会とは、直接関係がないと。

【鈴木室長補佐】 組織的には全然違う組織になります。

【河野委員長】 では、報告に出ていなくてもいいわけですね。
 では、どうぞご自由にご発言ください。

【大聖委員】 よろしいでしょうか。前にも申し上げたと思いますが、特殊自動車にオフロードとオンロードとありますが、そちらの定義を前の方でしっかり述べておいた方がいいと思います。それから、特定特殊自動車というのは、何を意味するのかというのもわかるように、本文の方で定義しておいていただけるとありがたいと思います。

【鈴木室長補佐】 先生ご指摘のことにつきましては、事務局の方でも本文に入らないかと、ちょっと考えてみたのですが、ちょっと難しいところがありまして、用語解説の方には入っております。

【大聖委員】 ただ、用語解説というよりも、やはりそれは重要なことですので、本文に入らないかと思うのですが。どこか入らないですか。そうですね。用語解説には入っていますが、特定特殊自動車という言葉は使用されているのですね。

【鈴木室長補佐】 こちら特殊自動車で、公道を走行するものがあるというのと、公道を走行しないものというのは、公道を走行しないものはオフロード特殊自動車か、あるいは特定特殊自動車と言われていますという文言は入れております。

【大聖委員】 ただ、重要なことなので、用語解説を見なければわからないというよりは、本文に書いておいた方が親切ではないかと思いました。

【鈴木室長補佐】 そうしましたら、例えば4ページのところの3.1の特殊自動車の排出ガスのところで、上から5行目で、公道を走行しない特殊自動車という文言があります。その後に、では括弧でオフロード自動車またはや、ポツなどで、特定特殊自動車など、そういう形でよろしいでしょうか。

【大聖委員】 はい。

【塩路委員】 オフロード自動車という言い方は、この中でしていますか。

【大聖委員】 しています。6ページの[6]のところにあります。

【塩路委員】 なるほど。特定特殊自動車に関しては、1ページの真ん中ぐらいに特定特殊自動車の排出ガスの規制等に関する法律により、公道を走行しないと書いてありますから、ここで一応は定義されていると思いますが。

【大聖委員】 そうですね、はい。そうしたら、そこに括弧してオフロードと書いておけばいいのではないでしょうか。

【塩路委員】 ここに書きますと、何かすごい大きい話になるから、それは後ろの方でいいと思いますが。

【大聖委員】 今、塩路先生が言われた公道を走行しないというのは、この1ページのその上の方にあります。細かいところで恐縮なんですが、「エンジンを搭載するものについても規制が開始されて」、ここでちょっとコンマがあった方がいいですね。

【塩路委員】 ここにコンマがついて、その次の「には」の後のコンマがいらないと。

【鈴木室長補佐】 わかりました。修正させていただきます。

【大聖委員】 細かいこと言ってすみません。それから10ppmのところが、たまたま1ページのところにありますよね。それから、あと読んでいくと0.001質量%というのも出てきます。これ同じことですから統一された方がいいのではないでしょうか。

【鈴木室長補佐】 法令上、質量%という言い方をしておりますので、質量%で統一させていただきたいと思っております。

【大聖委員】 それから、こういう定量化がなぜ必要かというのも、ちょっと書き添えていただくといいのではないでしょうか。それは、もうSO2対策ではなくて、排ガス対策上必要だから、そうしているということを。そういう言い方が文脈上あると、わかりやすいかもしれません。燃料品質のところです。

【鈴木室長補佐】 わかりました。今ご指摘のところは、一応、2ページの下のところにある程度、書いてはありますが、これをもう少し細かく書いた方がいいということですか。

【大聖委員】 そうですね。

【鈴木室長補佐】 わかりました。

【大聖委員】 それから、09年目標値というのが、それとなく出てきますが、09年目標値というのを最初にどこかで、2009年から2010にかけて行われる次期規制のことだということを、定義づけしておく必要ないですか。そういうところはありましたか。1ページのところで、1.2の2行目のところに、「09年目標として」と書いてありますが、もう少し詳しく書いておいた方がいいのではないかと思います。「2009年次期目標」というのかな、ポスト新長期というわけですけど。

【飯田委員】 3ページの最初の段落が、それになっています。

【鈴木室長補佐】 今、大聖先生からご指摘がありましたことにつきましては、「第八次答申に示された09年目標値について」というような表現にしたいと思います。

【大聖委員】 2009と書いた方がいいのではないでしょうか。09と最初に出てきたときに、「2009年目標」という表現など。

【矢作室長】 八次答申では、「09目標」という固有名詞になっています。ですから、「八次答申で示された09目標値」では、どうでしょうか。。

【大聖委員】 いや、でもそれは読む人にはわかりにくいのではないでしょうか。前書きの一番のところですから。2009年から開始される次期……。

【矢作室長】 途中で括弧書きか何かで入れるような感じでよろしいでしょうか。

【大聖委員】 それで「(以下、09年目標という。)」とかそういうふうにしておいた方が、用語的には、我々専門家はなれているのかもしれませんけど、ちょっとわかりにくいなというふう思いました。

【飯田委員】 よろしいでしょうか。ただいまの件については、この3ページの最初の段落ですね。同レベルの目標値が設定されたというところに、「2009年の目標値(09目標値)」と書いていただけると、何を指しているのかがわかるのではないかと思います。知らない人にとっては、初めて第5章で「09目標値の達成について」と書かれていますが、「09目標値」そのものが、この文章の中に出てこないというのが、大聖先生のご指摘だと思います。
 あと二、三細かいことで気がついた点を申し上げたいと思います。その同じ3ページの「目標値が設定された」の次の「これらについては」という文章が始まりますが、これの内容がどこを指すのかが、よく理解できなかったのですが、「さらに、第八次答申において」という段落を指しているんでしょうか。それとも、その前の段落も含んでいるのでしょうか。

【鈴木室長補佐】 今ご質問のありました、「これらについては」といいますのは、中央環境審議会で、逐次、規制強化をしてきておりまして、その規制内容についてはという趣旨で、第八次答申のみならず、ある意味、中央公害審議会のときの答申から全部の答申内容を含めて、「これらについては」という言い方をしております。

【飯田委員】 わかりました。
 それから、6ページですが、真ん中からちょっと下のところの段落に、今後の特殊自動車の技術開発の進捗動向について調査の結果とございます。それで、すべての出力範囲においてという修飾語がありますが、これがその後の燃焼室の改善、それから燃料噴射系の改良、それから燃料制御の最適化、それぞれにかかるのかどうかというのが、よくわかりませんでした。もしも、すべての出力範囲において、燃焼室の改善というと、何かちょっと気持ち悪いなと思いました。だから、燃焼の改善ならまだわかるのですが、燃焼室は多分固定されてしまうというニュアンスだとすると。それとも、すべての出力範囲において、燃焼制御の最適化にかかっているのでしょうか。

【鈴木室長補佐】 これにつきましては、メーカーさんからのヒアリング等におきましても、今後の排ガス対策としまして、燃焼室の改善と一つの項目にも入っておりましたので、燃焼室の掲示は若干モディフィケーションするとか、そういうものを含めまして、そういう開発動向になっておりましたので、ここでは、すべての出力範囲においてというのは、その燃焼室の改善もそうですし、燃料噴射系の改善もそうですし、燃焼制御の最適化という、その三つともすべての出力範囲においてというふうな気持ちで記載をしております。

【飯田委員】 わかりました。
 それから、9ページです。これは、先ほど大聖先生からご指摘のあった点で、3.6の「特殊自動車使用時における適正な燃料の使用について」という項目の第2番目の段落の最後ですけれども、ディーゼル重量車と同様に10ppm軽油を使用する必要があると考えられるということで、この記述は、我々はわかるのですが、多分これを英訳するとわからない人がいっぱい出てくるのではないかと思います。要するに、この段落で硫黄ということが、何も触れられていないものですから、これは頭に硫黄成分等のことをちょっと書いていただけるといいのではないかと思います。
 それから、これはもう一つ、最後になりますが、同じページで、燃料に対してはメーカー指定の燃料であるとか、各メーカーにおいて取扱説明書等に軽油を使用する旨を記載してほしいという文章があります。それから、3.7のいわゆる使用過程における性能維持方策のところでは、下から4行目で、自動車製作者という言い方になっているのですが。それで、前段でこの特殊自動車がエンジンをつくる人、それから、それを車両として仕上げる人、必ずしも単一、あるいは同系列でない形で自動車ができ上がっていくということを指摘しているわけなので、メーカーや、自動車製造者、あるいは車両製作者、それから、エンジン製作者、四つの言葉が実は使い分けられているのだけれども、どうもその使い方がよくわからないところがありまして、問題はないのですが、少しご検討いただければというふうに思いました。
 以上、細かいことで恐縮ですが、ちょっと気がついたことを。

【鈴木室長補佐】 今ご指摘いただきました件につきましては、事務局の方で少し整理をさせていただきたいと思います。

【大聖委員】 今のところですが、10ページの上から5行目で適正燃料の使用を進めることが必要であるとありますが、使用を進めるというのは、リコメンドではないのですか。推奨ですね。かなりこれは強い推奨ですよね。エンジンの耐久性、排ガス性能にかかわることなので。

【鈴木室長補佐】 ここの適正燃料の使用を進めるというのは、リコメンデーションの「薦める」ではなくて、「図る」の意味に近い「進める」です。使用を行っていくことを進めるという、いわゆるリコメンドではなくて。

【大聖委員】 リコメンドよりもっと強いですよね。

【鈴木室長補佐】 強いです。ですから、これは適正燃料の使用を図ることが必要であるとか。

【大聖委員】 そうですね。

【河野委員長】 あと、今の指摘に関係して、参考資料の33ページにオフロード法の概要という説明資料があって、これはどういう位置づけなのでしょうか。これをこの必要性大とか、そういう立ち入り検査等というのは、これも既に、こういう法律があるという説明資料なのですか。

【鈴木室長補佐】 参考資料の34ページ、35ページにつきましては、今回の報告の中では、その35ページの方が実はメインになっておりまして、35ページの方では、特定特殊自動車排出ガスの規制等に関する法律という中の第28条の方に、排ガス抑制指針というものがありまして、主務大臣は、その特定特殊自動車排出ガスの排出の抑制を図るためには、特定特殊自動車の燃料の種類等について必要な指針を定めることができるということになっております。主務大臣は、この指針に基づきまして、特定特殊自動車排ガスの抑制を図ることを使用者に対して指導・助言できるという責を担っておるのですが、参考資料にここのページだけ急に出てきてもわからないのではと思いまして、そもそも特定特殊自動車の排ガスの規制等に関する法律というのは、こういうものですというものを34ページの方につけさせていただいているというものになっております。

【河野委員長】 そうすると、これはもう発効しているわけですか。

【鈴木室長補佐】 法律は施行しておりまして、平成18年10月から実際に使用規制が開始されているところであります。

【河野委員長】 ありがとうございました。

【堀委員】 黒煙規制の方の見直しについてのところですが、11ページ、二つ目の段落の一番下に、黒煙汚染濃度で測定困難な、SOFについても測定が可能となると書いてありますが、測定が可能というと、定量的に測定できると判断されますので、評価が可能になると言った方がいいのではないかと思います。

【鈴木室長補佐】 わかりました。

【大聖委員】 可溶有機成分だけが測定できると、誤解されてしまうような感じがしますね。要するにブラックSootと可溶有機成分(SOF)が一体になったものがチェックできるということですね。そんなニュアンスなのですが。

【鈴木室長補佐】 わかりました。そうしますと、11ページの4.1、第2段落の下を繰り返しますと、オパシメータによる測定方法により、黒煙汚染度では測定が困難なSOFも含めた評価が可能となる、と修正を行いたいと思います。

【塩路委員】 すみません。物すごく細かいことで申しわけないのですが、13ページの一番上のポツの文章が、もう一つよくわからないので、13ページの一番上の最後の、必要に応じ、使用過程時におけるPMの確認方法をオパシメータによる規制の導入について検討するというのは、何か文章になっていないような気がしますので、「確認方法を含め、」を追加するぐらいがいいのではというふうに思いますが。

【鈴木室長補佐】 ここの趣旨といたしましては、今回の黒煙規制のオパシメータ化につきましては、現にそのデータがあります通常のディーゼル自動車につきましては、オパシメータ化をしておりまして、ディーゼル特殊自動車につきましては、まだ現在DPFが装着された車両がないこと等から、今回は黒煙汚染度のままの許容限度にすることにしております。今後、ディーゼル特殊自動車のPMの技術の動向ですとか、排出実態を把握した上で、必要に応じディーゼル特殊自動車についても、通常のディーゼル自動車同様にPMの確認方法をオパシメータ化していくという検討をしていくという文章になっているのですが、塩路先生ご指摘のように若干わかりにくくなっておりますので……。

【塩路委員】 確認方法としてなど。

【鈴木室長補佐】 そうですね。確認方法としてを追加させていただこうと思います。

【大聖委員】 使用時のPMの規制に当たって、それを確認するためにオパシメータを導入することを検討するということで、ですから、PMの使用過程時の規制ということですよね。それをオパシメータで確認するということですよね。

【河野委員長】 そうですが、全体的に使用時の規制について、導入するかどうか、何か、すごく微妙な書き方が随所に出てきています。そこをどう考えていくかというのがないので、なかなか書きにくいのではないでしょうか。変に書くと導入しますよという話になってしまうことだってあり得るわけです。

【鈴木室長補佐】 はい。

【河野委員長】 だから、それが使用過程車については、この後も随分いろんなところで出てきているのですが。15ページ、それから前の方にも出ていましたよね。だから使用過程車のPMについては、オパシメータで確認しないとちょっと無理なんじゃないかということですか。11ページもそのような感じですよね、11ページの下の方ですが。それで、使用過程車を欧米では行っているということで、日本でもやるべきではないかというようにも読み取れるような文章にもなっている。

【鈴木室長補佐】 オパシメータにつきましては、欧米では現在、オパシメータで規制が行われておりまして、通常のディーゼル自動車につきましては、今回九次報告で09年目標値に達成した車から、逐次オパシメータによる測定といいますか、規制手法を変更するということを考えております。という意味で、そのディーゼル自動車につきましては、日本においても、今後オパシメータによってその規制をしていくということにしておりまして、一方でディーゼル特殊自動車につきましては、現在、データがはっきりそろっておりませんので、必要に応じまして、規制の導入について検討するという言い方になっております。
 ただし、そのデータがそろいまして、やはりオパシメータが妥当であるという結論になりましたら、オパシメータによって規制をすることになろうかと思っております。

【河野委員長】 今のおっしゃったような説明があれば、わかりやすいのではと思いますが。それは、書きづらいといえば書きづらいかもしれないですね。

【矢作室長】 今、鈴木の方から言ったとおりでありまして、特殊自動車については、ある意味この4行ではっきり理解できるのではないかなと私は理解しているのですが、読みづらい文章でありますが、間違いのない文章にはなっていると思っております。文言はちょっと工夫させていただきます。

【河野委員長】 そうですね。

【坂本委員】 15ページの(3)ですけれども、(3)の5行目に各種発生源等から排出されるPM・NOx等のと、これ「等の」で当然入っていますが、今後のその重要性を考えた場合には、HCをやはり特記した方がいいのではないかという気がいたします。

【鈴木室長補佐】 わかりました。ご指摘のあったところは修正させていただきます。

【坂本委員】 この答申の案の中では、HCと書いてあるので、HCと書くか、VOCと書くか、その辺がちょっと難しいのですが。

【河野委員長】 これ、どういうふうに使い分けているのですか。

【坂本委員】 ですからハイドロカーボンとしてしまうと、アルデヒドだとか、そういうものが入らないから、VOCとして書いてもらった方がいいと思いますし、それから今後のバイオマス燃料が使われることを考えれば、VOCの方がいいのではないかと。ただ、本文中ではほとんどHCという形で書いてあります。

【河野委員長】 では、ここはHCでいいわけですか。

【坂本委員】 VOCの方が望ましいですけどね。

【大聖委員】 含酸素ですからね。

【坂本委員】 ただ、ほかのところのいろんな測定されているものが、HCとしてやられているから、そことの兼ね合いをどうするかですが。ただ、今後のデータ整備というか、モニタリングということで考えたら、VOCの方がより適切だと思います。

【大聖委員】 VOCということの説明が、また必要になってしまいますが。用語解説で説明しますか。

【飯田委員】 発言するか、しないか、迷っていたのですが、今の坂本先生のお話で、3ページでもっと大枠のことを記述しているのですが、ここには実はSPMとNO等についてということで、やはりオキシダントという言葉は出てきていません。だからそれを今回のNOxとPMを提言するところが、何につながるのかという大枠の体系としては、オキシダントの記述もほしいかなと思います。そうすれば、後のHCないしはVOCの記載というのが、整合性、全体としてとれてくるのではないかなと、そのように感じてはおります。

【河野委員長】 だから、車で言う場合にはHCで、一般論として何がオキシダントのもとになりますかというようなお話になるとVOCということでしょうか。それで一部車も入ると。

【坂本委員】 いや、車でもやはりVOCですね。

【河野委員長】 車でもVOCですか。

【坂本委員】 ええ、もうそうしておかないと。

【大聖委員】 バイオマスなど入ってきますからね、将来。

【河野委員長】 だから、それは今まで使ってこなかったということがあるわけだから、何か格段の説明がちょっと要りますね。

【矢作室長】 もともとの用語解説の中には、VOCという項目が入っていたのですが、今回どちらかというと、特殊自動車の規制に限定したような答申になっていますので、やはり規制の手法としては、自動車とか特殊は昔からHCで規制しているということで、VOCの記述は今回は省かせていただいたような形に出来上がっています。VOCの議論をまた始めると、結構それだけで複雑になってしまいますので。次の機会にということで、ご容赦いただければと思います。

【河野委員長】 VOCに対しては、現在、我々は余り関連が少ないという立場で、今のところはいいのではないかという感じはしています。

【矢作室長】 VOC対策の一環として、自動車ではHCをやるということだと思うのですが、表現が不適当ということであれば、また何か考えたいとは思います。

【河野委員長】 そこら辺は、ちょっと委員長に一任していただくということでよろしいでしょうか。
 ほかに、何かございますでしょうか。

【飯田委員】 すみません。議論に細かく加わっていないままの指摘になってしまって申しわけないのですが、いわゆるノンメタンハイドロカーボンを、設備が整うまでは、98%、掛け算でいいとしており、その後は測定できない場合には、そのままの値を使ってほしいということですが、この2%のマージンというのは意味があるのでしょうか。そこの背景をちょっと教えてください。

【鈴木室長補佐】 今のご質問にありました、そのノンメタンHCの関係につきましては、第五次答申のときは、トラックの新長期の排ガス規制等を決めるときにも、THCからノンメタンHCに変更をしておりまして、その際にいろんなデータを、大体ディーゼル自動車においては、ノンメタンHCにすれば、そのTHCの98%ぐらいになるということで、換算値を認めているものになります。その後、実際上、メタン計は大変高いものですので、一定の猶予期間を設けまして、メーカーさんが機器を購入するまで、0.98掛けるというのも認めようという考え方でございます。
 ただし、一方で正確に測定する必要性というのもありますので、ある一定の猶予期間を過ぎても、なおメタン計を購入出来ない場合につきましては、安全サイドといいますか、THCをノンメタンHCと見なしている分には、一番の安全サイドでありますので、そういった方法で規制の方を進めていきたいというふうに考えております。
 先生がおっしゃった2%について、どの程度有意さがあるかというお話はあろうかと思いますが、その規制の安全サイドという観点から、メタン計を導入しない場合についての安全サイドでTHC=NMHにするという考え方で、規制を組み立てております。

【河野委員長】 数値的なのを問題にしているのですか。

【飯田委員】 ええ、数値的なものです。2%というのが、もう誤差の範囲内に入ってしまうのではというのは問題じゃないかなというようなニュアンスでした。ただ、五次答申でそういうものをうたっているというのであれば結構です。

【河野委員長】 よろしいですか。

【飯田委員】 はい。

【河野委員長】 本当にないですかと念を押すのも何ですが。
 それでは、一応、この報告案を、一部意見いただきましたが、私に任せていただいて、もっと大きい問題になりそうでしたら、もう一回考えなければいけないということですが、今のところ、その必要はないかなというふうに思っておりますので、取り入れさせていただきまして、私と事務局で処理させていただきたいと思います。
 この修正後のものはどうしますか。もう一回配りますか。もし大きい修正があれば配りますか。

【鈴木室長補佐】 スケジュールが先に決まっておりまして、大変恐縮なのですが、あさってパブリックコメントをする予定になっておりまして、そういう状況ですので本日いただきましたご意見につきましては、規制の大幅な内容の変更はないかと思っておりますので、この辺少し事務局の方で相談させていただき、内容修正後、パブリックコメントを行いたいと思っております。

【河野委員長】 時間的な問題があるということと、それからパブリックコメントをいただいた後も、ひょっとすると、またお集まりいただく可能性があるということですね。

【鈴木室長補佐】 そうですね。事務局としましては、パブリックコメントをいただいた結果、変更する場合と変更しない場合があろうかと思っておりますが、変更しない場合や、またはごく小さい内容の変更につきましては、河野委員長と事務局の方で相談して決定させていただこうかと思っておりますが、パブリックコメントの結果、大幅変更が必要ではないかと考えられる場合につきましては、再度、専門委員会を開催させていただきまして、先生方のご意見を伺いたいと思っております。

【河野委員長】 では、そのように進めさせていただきたいと思いますが、よろしゅうございますか。

(はい)

【河野委員長】 ありがとうございました。
 それでは、そのように処理させていただきます。
 今まで、こういうことをやったかどうかはわからないのですが、やはりすべきではないかということで、報告が一応まとまった段階で、委員長があいさつするということらしいのですが、委員の方々には長期間にわたりまして、特に作業委員会の方には、随分長いこと報告書作成につきましてご尽力いただきまして、ありがとうございました。

【鈴木室長補佐】 本日は、貴重なご意見をいただきまして、どうもありがとうございました。今後のスケジュールにつきまして、事務局より簡単に説明をさせていただきます。
 スケジュールにつきましては、資料36−4にも簡単に記載はしてありますが、本日、各委員からいただきましたご意見を踏まえまして、委員長と事務局の方で相談の上、専門委員会報告書案といたしまして、あさっての20日から約1カ月程度、パブリックコメントを行いたいと思っております。このパブリックコメントの結果を踏まえまして、専門委員会の報告書の最終版としまして、これを中央環境審議会の大気環境部会に報告いたしまして、答申の審議をしていただく予定としております。事務局としましては、答申は年内に出せればと思っております。
 先ほどもお話しさせていただきましたが、パブリックコメントの内容によりましては、再度、専門委員会を行う場合もありますので、どうぞよろしくお願いいたします。
 最後になりましたが、当省の水・大気環境局長の竹本よりごあいさつをさせていただきたいと思います。

【竹本局長】 本日は、第九次の専門委員会報告取りまとめをいただきまして、まことにありがとうございます。
 この委員会、作業委員会、平成17年から、河野委員長のもとに検討開始をいただきまして、累次にわたりますヒアリング、また審議をしていただきまして、本日このような形で取りまとめをいただいたところでございます。
 今回の取りまとめの中身につきましては、大変画期的な、現行の規制値よりも9割削減をするというもの、また、ディーゼル特殊自動車についてもDPF等の排ガス後処理の装置を前提とした規制を導入するという画期的な内容でございます。今回の専門委員会の報告につきましては、今後パブコメを経まして、中央環境審議会の答申の骨格となるものでございます。私どもとしましては、今回の報告書を中心的な内容とする答申に基づきまして、今後とも自動車単体規制を初めといたします大気環境行政に、しっかりと取り組んでまいりたいと思っております。
 今後とも委員の先生方のご指導を改めましてお願いを申し上げまして、私の方からの御礼のごあいさつとさせていただきます。どうもありがとうございました。

【鈴木室長補佐】 本日の議題につきましては、これで終了といたします。
 長時間のご審議、どうもありがとうございました。