■議事録一覧■

中央環境審議会大気環境部会
自動車排出ガス専門委員会(第19回)会議録


  1. 日時 : 平成15年6月30日(月)9:00〜10:30

  2. 場所 : フロラシオン青山 はごろも

  3. 出席者

    (委員長) 河野 通方 
    (委員) 坂本 和彦
     岩本 正和
     塩路 昌宏
     松下 秀鶴
     大聖 泰弘
     小高 松男
     長江 啓泰
     指宿 堯嗣
     斎藤  威
     福間 康浩


  4. 議題  
  5.  
    (1) 自動車排出ガス専門委員会報告(案)について
    (2) その他


  6. 配付資料  
    資料19−1 中央環境審議会大気環境部会自動車排出ガス専門委員会(第18回)議事要旨(案)
    資料19−2 「今後の自動車排出ガス低減対策のあり方について(第七次報告)」(案)
    資料19−3 「今後の自動車排出ガス低減対策のあり方について(第七次報告)」参考資料(案)


  7. 議事

    【久保田室長補佐】 それでは、定刻となりましたので、ただいまから中央環境審議会大気環境部会第19回自動車排出ガス専門委員会を開会いたします。
     本日は御園生委員がご欠席でいらっしゃいます。
     なお、今回の委員会につきましては公開とさせていただきまして、議事及び配付資料につきましてはすべて公開とさせていただきたいと思います。また、議事録につきましては、会議終了後委員の方々にご確認をいただいた後に公開とさせていただきたいと思います。
     まず、お手元の資料について確認をさせていただきたいと思います。まず1枚目に中央環境審議会大気環境部会自動車排出ガス専門委員会第19回の議事次第がついておりまして、その下に前回の議事要旨(案)資料19−1がついております。その下に資料19−2「今後の排出ガス低減対策のあり方について(第7次報告)」(案)、それから資料19−3といたしまして、「今後の自動車排出ガス低減のあり方について(第七次報告)」参考資料(案)がついておりますが、漏れ等ございませんでしょうか。
     それでは、委員長よろしくお願いいたします。

    【河野委員長】 おはようございます。ただいまから本日の専門委員会を開催させていただきます。本日はお忙しいところ朝早くからお集まりいただきましてありがとうございました。本日は、自動車燃料品質の関係についての自動車排出ガス専門委員会第七次報告(案)をご審議いただきまして、最終的な取りまとめを行いたいと思います。
     この報告をもとに、この後この建物の中で10時30分から大気環境部会で答申案についてご審議いただき、パブリックコメントを経て、7月末をめどに答申の予定と聞いております。
     本日の審議は当委員会の検討の成果を取りまとめ、答申の基礎となる重要なものでございますので、活発なご審議をお願いいたします。
     それでは、議題に入る前に前回の専門委員会の議事要旨と議事録について事務局の方から説明をお願いいたします。

    【久保田室長補佐】 それでは、資料19ー1をごらんいただきたいと思いますが、前回第18回の議事要旨(案)をつけさせていただいております。簡単に読み上げさせていただきますと、平成15年6月13日、16時から18時。環境省第1会議室におきまして専門委員会報告(案)についてご審議いただきました。会議は非公開で行われました。
     まず、事務局より、自動車燃料品質について、資料18−2の第七次報告(案)及び18−3の第七次報告参考資料(案)に基づいて説明を行い、続けて質疑応答が行われました。本件に関します問い合わせ先と配付資料の一覧について説明させていただいてございます。
     この内容につきまして何かご意見等ございますでしょうか。
    (異議なし)

    【久保田室長補佐】 なければこの会議終了後、公開とさせていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
     以上でございます。

    【河野委員長】 ありがとうございました。では、これ公開ということにさせていただきますが、それからもう一つの議事録の委員限りのことについても説明していただけますか。

    【久保田室長補佐】 こちらの方は、前回非公開で行われました議事録委員の方々に配付させていただいておりますけれども、事務局まで1週間をめどにご意見等ございましたらご連絡いただけますようお願いいたします。

    【河野委員長】 1週間をめどにご意見をいただきたいということでございます。
     それでは、本日の議題に入ります。議事の1の自動車排出ガス専門委員会第七次報告(案)について事務局から資料の説明をお願いいたします。

    【川又室長補佐】 それでは、専門委員会第七次報告(案)について説明させていただきます。資料19−2、第七次報告の本文になっておりまして、資料の19−3が参考資料となっております。
     資料19−2を見ていただきますと、初めに目次といたしまして、この構成が示してありますが、四つの章からなっております。第1章がはじめにということで、第2章がディーゼル自動車の排出ガス低減対策、第3章が燃料品質に係る許容限度の見直しについて、第4章が今後の自動車排出ガス低減対策という四つの章立てになっておりますが、長くなりますのでまず第1章と第2章についてご説明させていただいた後、ご審議いただき、その後第3章以降についてご審議いただくという形で進めさせていただきたいと思います。
     最後に用語集という形でこの報告の中で使用している専門用語につきまして解説を載せております。
     それでは、1ページめくっていただきまして、第1章はじめに部分から、まず本体を読み上げさせていただきます。
     1.はじめに。
     1.1我が国の自動車排出ガス規制の経緯。
     我が国の自動車排出ガス規制は、昭和41年のガソリンを燃料とする普通自動車及び小型自動車の一酸化炭素濃度規制により開始された。その後、軽自動車、液化石油ガスを燃料とする自動車及び軽油を燃料とする自動車が規制対象に追加され、また、規制対象物質も逐次追加された結果、現在では、ガソリン又はLPGを燃料とする自動車についてはCO、炭化水素及び窒素酸化物が、ディーゼル自動車についてはこれら3物質に加えて粒子状物質及びPMのうちディーゼル黒煙が規制対象となっている。
     さらに、平成9年の総理府令等の改正により、ガソリンを燃料とする二輪車が規制対象に追加された。これを受けて、平成10年には第一種原動機付自転車及び軽二輪自動車について、平成11年には第二種原動機付自転車及び小型二輪自動車について規制が開始された。次いで、平成15年には、軽油を燃料とする大型特殊自動車及び小型特殊自動車であって、定格出力19kw以上560kw未満のエンジンを搭載するものについても規制が開始されることとなっている。
     また、平成7年には大気汚染防止法が一部改正され、自動車燃料品質に係る許容限度がガソリン及び軽油について設定された。これに基づき平成8年から自動車燃料品質規制が開始されている。
     1.2中央環境審議会における審議経緯。
     近年の自動車排出ガス低減対策は、平成元年12月の中央公害対策審議会答申「今後の自動車排出ガス低減対策のあり方について」で示された目標に沿って推進されてきた。これにより、ディーゼル自動車等から排出されるNOx及びPM等を短期及び長期の2段階の目標に沿って大幅に低減する。自動車燃料品質について、軽油中の硫黄分を短期及び長期の2段階のに分けて約10分の1レベルにまで低減する等の諸施策が平成11年までにすべて実施された。
     元年答申で示された目標について完全実施のめどが立ったことから、平成8年5月、環境庁長官より中央環境審議会に対して「今後の自動車排出ガス低減対策のあり方について」が諮問され、中央環境審議会大気部会及び同部会に新たに設置された本自動車排出ガス専門委員会において審議が開始された。
     この諮問を受けて、これまでに中間答申、第二次答申、第三次答申、第四次答申、第五次答申及び第六次答申がとりまとめられた。
     これらの答申により、ガソリン・LPG自動車及びディーゼル自動車について、新短期目標及び新長期目標という二段階の目標値がそれぞれ設定された。
     ガソリン新短期目標は車種により平成12年から14年にかけてNOx及びHCを長期目標と比べて約7割削減するものであり、ディーゼル新短期目標は車種により平成14年から16年にかけてPM及びNOxを長期目標と比べて約3割削減するものである。
     ガソリン新長期目標は、二酸化炭素低減対策に配慮しつつNOx等の規制を強化することを目的として、平成17年までに、ガソリン新短期目標と比べNOxで50%〜70%削減するものである。ディーゼル新長期目標は、NOx等を低減しつつPMに重点をおき、平成17年までに、ディーゼル新短期目標と比べPMで75%〜85%、NOxで41%〜50%削減するという世界で最も厳しいものである。また、新長期目標を達成する等のため、ガソリン及び軽油中の硫黄分許容限度設定目標値を平成16年末までに50ppm以下に低減することとされた。さらに、自動車の排出ガス性能を的確に評価するために、平成17年から23年にかけて試験モードを変更することとされた。これらについては、大気汚染防止法に基づく告示「自動車排出ガスの量の許容限度」の改正等、所要の措置が講じられているところであり、その一部については既に実施された。
     二輪車については、中間答申に基づいて、車種により平成10年から11年にかけて排出ガス規制が行われ、さらに第六次答申において、平成18年から19年にかけて現行の規制値と比較してHCで75〜85%、NOxで50%、COで85%削減する規制を実施することが提言されている。
     ディーゼル特殊自動車については、第二次答申及び第四次答申に基づいて、平成15年から規制を導入するため、許容限度の改正等所要の措置が講じられた。さらに、第六次答申においては、平成18年から20年にかけてディーゼル特殊自動車について前述の規制値と比較してNOx、PMを2割から5割削減する等の規制を実施するとともに、ガソリン又はLPGを燃料とする特殊自動車の規制を導入することが提言されている。
     (本報告の検討経緯及び概要)。
     本委員会は、第五次答申及び第六次答申で示された検討方針に沿って、業界団体ヒアリング及び本委員会内に設置した作業委員会による審議を含め7回にわたる審議を行ってきた結果、自動車排出ガス低減対策について結論を得たので報告する。
     以下、2.でディーゼル自動車の排出ガス低減対策、3.で燃料品質に係る許容限度の見直しについて、4.1.では今後の検討課題について、4.2.では関連の諸施策について本委員会の見解を示す。
     2.ディーゼル自動車の排出ガス低減対策。
     2.1対策強化の必要性。
     我が国においては、自動車排出ガス規制の強化等、種々の大気汚染防止対策が講じられてきたが、大都市地域を中心に、浮遊粒子状物質、二酸化窒素等による大気汚染は依然として厳しい状況にある。特に、沿道における大気環境中のSPM、NO2についてはディーゼル自動車から排出されるPM、NOxの寄与が高く、ディーゼル自動車からのPM、NOxの排出抑制が重要な課題となっている。
     前章で述べたとおり、ディーゼル自動車、ガソリン・LPG自動車、二輪車及び特殊自動車について、これまでの答申により将来の排出ガス低減目標が示された。また、使用過程車対策としては、「自動車から排出される窒素酸化物の特定地域における総量の削減等に関する特別措置法の一部を改正する法律」に基づき、平成14年10月から新たな車種規制が施行された。これらの諸施策により、平成22年度までに環境基準をおおむね達成することが目標とされている。
     なお、本委員会は、自動車排出ガス低減対策の推進に当たり、第六次報告で示したように、次のような基本的認識を持っている。
     自動車排出ガス低減に当たっては、大気汚染物質と自動車排出ガスとの関係を考慮した場合、まずはPM及びNOxの低減対策を一層強力に推進するとともに、HCについても低減を図る必要がある。
     (大気汚染物質と自動車排出ガスとの関係)。
     自動車からのPMの排出低減は、大気中のSPMの濃度低減、有害大気汚染物質の排出低減に効果があり、排出ガス対策の必要性は極めて大きい。自動車からのNOxの排出低減は、大気中のNO2、SPM及び光化学オキシダントの濃度低減に効果があり、酸性雨対策にも資する。これらの効果、特にNO2対策の観点から、排出ガス対策の必要性は極めて大きい。
     自動車からのHCの排出低減は、大気中のNO2、SPM及び光化学オキシダントの濃度低減、有害大気汚染物質の排出低減に効果があり、酸性雨対策にも資することから、排出ガス対策の必要性は大きい。
     平成17年からのディーゼル自動車の新長期規制については、NOxよりもPMの規制強化を優先したことから、平成22年には平成12年に比べディーゼル自動車からのPM排出量が約3分の2削減されるものの、NOx排出量は約3割の削減に止まると推定されるため、ディーゼル自動車からのNOxの排出寄与率は依然として高いと推定される。前述の平成22年度における環境基準をおおむね達成することを確実なものとするためには、こうした状況を踏まえ、新長期規制の導入、自動車NOx・PM法の車種規制の実施及び交通流対策による大気環境改善効果等を評価・検証しつつ、新長期規制以降の自動車排出ガス対策について検討を進めていくことが適切である。
     以上のことから本委員会ではディーゼル自動車の排出ガス低減対策の一層の強化推進を図っていく必要があるとの認識に立って、必要な排出ガス低減対策について検討を行った。
     2.2新長期規制とそれ以降の排出ガス低減対策。
     2.2.1検討の背景。
     ディーゼル自動車の新長期規制対応のための主な排出ガス低減技術としては、PM対策として燃料噴射の一層の高圧化、燃焼室形状の最適化及びディーゼル微粒子除去装置が、NOx対策として電子制御による燃料噴射率制御の一層の精緻化、排気ガス再循環装置におけるEGRガスの冷却及び増量等が挙げられる。
     ディーゼル自動車から排出されるNOxの大幅な低減のためには、エンジンにおける燃焼制御の改善のみでは限界があり、NOxを還元処理する後処理装置の導入が必要不可欠である。そのような後処理装置としては、吸蔵型NOx還元触媒や尿素添加型NOx選択還元触媒が有望と見込まれており、現在、自動車製作者等において開発が進められている。ただし、これらの技術は軽油中の硫黄分が50ppm程度では、触媒の被毒等によって十分に機能が発揮されないことが確認されているため、軽油中の硫黄分を更に低減する必要がある。
     吸蔵型NOx還元触媒は、ガソリン自動車用に実用化されている技術を利用したもので、硫黄に被毒されやすい性質を持ち、浄化性能の維持・耐久性の向上や、硫黄被毒回復のために燃料を後噴射することに伴う燃費悪化の抑制等が課題となっている。そのため、軽油中の硫黄分は可能な限り低減することが望ましい。軽油中の硫黄分を低減することにより、浄化性能がより長期に亘り維持され、また、硫黄被毒回復のための後噴射の回数を低減し、燃費悪化を抑制することが可能となる。
     SCRは、大型の燃焼装置や定置式のディーゼルエンジン用に実用化されている技術を利用したものであり、還元剤として尿素を添加する必要がある。一般的には、NOx還元触媒の反応性を高めたり、触媒で反応せずに排出されるアンモニアを除去する目的で前後に酸化触媒を配置することから、酸化触媒での反応性をより一層高めるとともに、サルフェートの発生を抑制するため、軽油中の硫黄分は低い方が望ましい。SCRの実用化に当たっては、尿素添加量の制御方法や耐久性の確保等の技術的課題に加え、尿素を補給するインフラの整備や尿素が供給されていることを担保する機能の付加等が必要となるが、燃費への影響が少ないという利点がある。
     本委員会では、軽油中の硫黄分を可能な限り早期に一層低減すること、排出ガス低減技術の開発を促進するとともに、新長期規制の導入、自動車NOx・PM法の車種規制の実施及び交通流対策による大気環境改善効果等を評価・検証しつつ、新長期規制以降の新たな目標値及び達成時期について可能な限り早期に結論を得るべく技術的な評価を踏まえ検討を進めることが適当であるとの結論を得た。
     以下、2.2.2で燃料品質対策について、2.2.3でディーゼル新長期目標以降の排出ガス低減対策について述べる。
     2.2.2燃料品質対策。
     ディーゼル自動車からの排出ガスの大幅な低減のためには、後処理装置の導入が不可欠である。その代表例としては、既に実用化されている酸化触媒やほぼ実用化に近づいている連続再生式のDPFに加え、将来的に実用化が期待される吸蔵型NOx還元触媒やSCRが挙げられる。前節で述べたように、これらの技術に使用されている触媒は硫黄化合物により被毒されやすいため、軽油中の硫黄分が高い場合は十分に機能しないことがわかっている。このため、軽油中の硫黄分を可能な限り低減する必要がある。平成12年11月の第四次答申においては、その時点における燃料の低硫黄化に係る技術的な限界から、軽油中の硫黄分の許容限度設定目標値を50ppmとし、これを前提に新長期目標値を設定した。
     ディーゼル自動車から排出されるNOxを新長期目標値よりも更に大幅に低減するためには、吸蔵型NOx還元触媒やSCRが必要であり、その前提条件として軽油中の硫黄分が更に低減されることが必要となる。また、硫黄分を更に低減した軽油が早期に導入されることで、NOx還元触媒の開発の進展や普及の促進が期待できる。
     また、軽油中の硫黄分の一層の低減により、酸化触媒の被毒が抑えられ耐久性が向上するほか、サルフェートの生成が減少し、PM排出量が低減される。そのため、酸化触媒を装着した新短期規制適合車、酸化触媒を付加した連続再生式DPFを装着した新長期規制適合車及びこれらの後処理装置を装着した使用過程車からの排出ガスが更に低減されるという効果が得られる。さらに、これらの後処理装置を装着していない新短期規制より前の使用過程車についても、サルフェートの生成が減少するため、PM低減効果がある。
     したがって、将来的にNOxを大幅に低減する後処理装置の開発の進展及び早期導入を図ることに加え、使用過程車の排出ガス低減の観点からも硫黄分を更に低減した軽油を可能な限り早期に導入することが望ましい。
     また、燃料の生産面からも、第四次答申以降に軽油の超深度脱硫技術の進展があり、その結果、硫黄分の多い中東原油に依存している我が国においても、軽油中の硫黄分を10ppm以下に低減できる見通しが立ったところである。
     なお、欧米においても、ディーゼル自動車の排出ガスを更に低減すべく、一層の低硫黄化が予定されており、欧州では平成21年までに10ppm以下に、米国では平成18年から15ppm以下に低減することとなっている。
     以上のことから、設備設計及び改造工事等を効率的に行うことにより、平成19年から軽油中の硫黄分の許容限度設定目標値を10ppmとすることが適当である。更に早期に供給することが可能な製油所も一部あることから、燃料生産者は平成17年の早い時期に自主的な部分供給を開始することが望まれる。
     なお、軽油中の硫黄分以外の燃料品質については、次章において述べる。
     2.2.3排出ガス低減対策。
     前節で述べたように、軽油中の硫黄分が10ppm以下になることで、連続再生式DPFの更なる性能向上に加え、NOx後処理装置を採用することが可能と見込まれる。そのため、これらの技術の採用を前提とした新長期規制以降の排出ガス目標値及びその達成時期について検討する必要がある。ただし、NOx還元触媒等の後処理装置については未だ開発途上であることから、現時点で具体的な見通しを得ることはできない。
     したがって、軽油中の硫黄分を10ppm以下に低減することにより自動車製作者の技術開発を促進するとともに、新長期規制の導入、自動車NOx・PM法の車種規制の実施及び交通流対策による大気環境改善効果等を評価・検証しつつ、新長期規制以降の新たな目標値及びその達成時期について可能な限り早期に結論を得るべく技術的な評価を踏まえ検討を進めることが適当である。また、硫黄分が10ppm以下の軽油が平成17年から自主的に部分供給される際には、自動車製作者は、技術開発を着実に進め、NOx還元触媒等の後処理装置を搭載した低排出ガス車を試験的な導入も含め先行して順次販売を開始することが望まれる。
     なお、硫黄分が15ppm以下の軽油の導入を前提に、米国では平成19年から22年にかけて、ディーゼル重量車の規制値を現行の米国規制よりNOxで95%、PMで90%削減する規制強化が予定されており、その達成可能性について技術レビューが進められているところである。そのため、上記の技術的な検討を進める際には、これらの動向にも留意する必要がある。
     以上が本文の第2章まででございますが、参考資料の資料の19ー3の関連部分について簡単にご説明させていただきます。
     表紙をめくっていただきますと目次になっておりまして、まず1の一般情勢ということで、自動車排出ガスに係る大気汚染状況についての環境基準の達成状況等について載せてございます。
     それから、19ページには自動車排出ガスの車種別排出総量の推計ということで、どの車種からどれぐらい出ているか、総量がどれぐらいかというところについて載ってございます。
     19ページをごらんいただきますと、まずPMについて2000年と2010年の将来の予測値というもののグラフの推移を載せておりまして、下に表で載っておりますが、本文中に記述がありましたディーゼル車がPMについては2010年に大体3分の1ぐらい排出量が減るという部分は、下の表のディーゼル車の2000年に6.5万トンというものが2010年には2.2万トン、大体3分の1になるというところから引用しております。
     それから、次の20ページにつきましては、同様のグラフがNOxについて書かれておりまして、こちらの下の表にディーゼル車の排出量が2000年に51万5,000トンであるものが、2010年には35万4,000トンということで、こちらについては3割程度の減少ということになっております。
     それから、全体の排出量につきましても、PMの場合は7万6,000トンから3万トンということになっておりますが、NOxについては95万4,000トンから56万8,000トンという推移になっているという形になってございます。
     それから、その21ページ、22ページには今お話しした数字のさらに細かい車種区分でどういう割合になっているかというところを記載したグラフでございます。
     それから、23ページからはディーゼル自動車関係ということで、排出ガス低減技術のディーゼルエンジンの低減技術についての詳細について説明した図がついておりまして、30ページには窒素酸化物還元触媒ということで、本文の中にありました軽油の10ppm化によって実用が期待されている技術ということの詳細について記載しております。
     それから、31ページには燃料品質対策等ということで、本文の燃料品質対策に関係する部分の参考資料を載せております。
     それで、31ページは軽油中の硫黄分がNOx還元触媒に与える影響ということで、これは吸蔵型のNOx還元触媒について違った濃度の硫黄分で耐久試験をしたところ、10ppmのものというのが耐久性が一番いい、被毒が少ないため性能が維持されるというところを示したグラフでございます。
     それから、次の32ページが、これは尿素添加型のNOx還元触媒SCRと言われているものですが、それの燃料中の硫黄分が前段の酸化触媒、SCR前段に排出される酸化触媒のNO2生成能。このNO2生成能が多ければ多いほどNOxの浄化率が高まるということなんですが、その影響ということで10ppm、50ppm、100ppmと比べてみますと、10ppmの方がNO2生成能が高く、その分浄化率がよくなるというような状況を示しております。
     それから、33ページが軽油の脱硫プロセスということで、10ppm化にするために、この灯油脱硫装置のところにちょっと書いてありますが、10ppm以下への脱硫及び色相の維持が必要ということで、10ppm化に対してどのように対応していくかというところの資料でございます。
     それから、34ページが日米欧の軽油中に含まれる硫黄分の現状と見通しということで、各国の推移が書かれておりますが、最終的に右の方にまいりますと各国とも10ppmないし15ppmという低硫黄化、超低硫黄化が予定されているという状況を示すグラフでございます。
     それから、35ページからは日米欧のディーゼル自動車の排出ガス規制値ということで、35ページがディーゼル乗用車の比較の表、それから、36ページ、37ページがディーゼルトラックの比較の表となっておりまして、36ページの一番左の下のところに米国連邦の2007年以降、2010年完全実施というところで、これが本文中に米国で予定されている2007年以降の具体的な数字がこの表に載ってございます。
     それから、38ページが軽油中の硫黄分が連続再生式DPFに与える影響ということで、こちらも10ppm、50ppm、100ppmと比較した場合に、やはり10ppmにおいて3万キロ耐久後のPM値というものが低いままで抑えられるという状況を示したグラフでございます。
     関連する参考資料、以上でございます。

    【河野委員長】 ありがとうございました。いかがでしょうか。ご意見いただきたいと思いますが。今のところへ関連して後の方に用語集もつけていただいておるわけですね。いかがでしょうか。

    【大聖委員】 4ページの下から半分ぐらいのところに、ちょっと小さく文字を縮小して記述している中で、・の3番目なんですけれども、自動車からのHCの排出低減は大気の云々と書いてありまして、「酸性雨対策にも資する」というのがちょっとおかしいんじゃないかなと思ったんですけれども、NOxとかSOxというのは酸性雨の原因なんですが、HCは直接は酸性雨対策というような視点にはならないのではないかなと思いますけれども。

    【川又室長補佐】 これにつきましては、第三次報告以降から同様の記述になっておるのですが、もともと第三次報告の際に、シミュレーションをやったときに、やはり間接的にはここにありますように、HCが大気中で光化学オキシダントに変わって、そこから酸性雨に通ずるというところが示されたことに基づいて、この記述が付加されていると理解しているんですが。

    【大聖委員】 これどうですかね。

    【河野委員長】 主語が直接酸性雨対策にも資するというと何か直接な因果関係がないわけですから、おかしいんですけれども、大聖先生はそこを言っておられると思うんです。ですが、その間にシミュレーションの話やそこにあるようなことがずっとあって、その総合的な結果、酸性雨の低減になっていると読み取れる、読み取ろうとしておられますよね。

    【大聖委員】 一般に言うと酸性雨というともう少し広域的な問題なので、あとHCというのはもっとローカルな話なものですから、そういう点でも一致しないのではないかなと。これを対策すれば酸性雨がなくなるというものでもないと思いますので、過去にさかのぼってしまうんですけれども。

    【川又室長補佐】 そうですね。第三次報告の際に恐らく議論をされてこういう記述になったと思います。その当時の詳しい議論の経緯までは今すぐには確認できないんですが。

    【大聖委員】 わかりました。

    【指宿委員】 ここで言っている多分酸性雨というのは、硝酸の方のですよね。ここは非常に早い反応なのでかなり地域性が出てくるということで、2番目の文書はいいのではないかなと思うんですけれども、三つ目になると若干先ほど事務局が言ったように間が入るんですが、炭化水素がふえるとNO2から硝酸への反応にかなり関与するということで、これも直接的ではないけれども、正しいかなというような気がしておりますけれども。そういう意味では直接資するという書き方が若干気になるところかなとは思いますけれども。

    【河野委員長】 気になるとおっしゃったのは。

    【指宿委員】 大聖先生が指摘されたように。

    【河野委員長】 そこへあるんじゃないかと。

    【指宿委員】 気にされているんだろうと。

    【坂本委員】 括弧の中をとってしまった場合にどうなるか。間の効果がありということを続けて読むとまあいいのではないかということですけれども。

    【河野委員長】 直接ではないけれども間接的にこう行けば、これがあってもいいんだろうという。
      それで、またこの後部会でもいろいろご意見いただくので、トータルでちょっと考えさせていただきたいというところもあるんですが。

    【大聖委員】 それでは気がついたところ、7ページのところなんですけれども、7ページの上から6行目、「以上のことから、設備設計及び改造工事」ってあるんですけれども、これは「燃料精製設備における」という言葉がいると思うんですよね。
     それから、もう一つは要するにポスト新長期の規制に関してできる限り早期に結論を出すべきだという根拠なんですけれども、新長期目標が達成されても、まだ例えばNOx、ディーゼルのNOxに関してはかなりまだ減らすべきという要請、背景がありますよね。そういうことを少しどこかで記述されていますでしょうか。

    【川又室長補佐】 その部分につきましては、4ページの一番下の段落の部分ですが、対策強化の必要性というところで。

    【大聖委員】 そうですね。はい、わかりました。

    【川又室長補佐】 PMの排出量は約3分の2削減されるものの、NOxについてはまだ3割にとどまるため、ディーゼル自動車からのNOxの排出寄与率は依然として高いという部分を記述していると。

    【大聖委員】 そうすると、PMに関しても一層のという論拠というのはどうでしょうか。

    【川又室長補佐】 具体的にどこをどれぐらいやるという話につきましては、今後技術的な評価を踏まえて検討するという部分で、ただし現状、新長期規制を行う結果、PMについてはかなり大幅に削減されると。ただ硫黄分10ppm化によってさらに低減される余地もあるのではないかというご議論もあったと思うんですが、そういうことも含めて、それについては今後技術的評価を踏まえて検討していくということになるのではないかと考えております。

    【塩路委員】 要するにこれからもっと削減する必要があるということの必要性の根拠というのは非常に大事だと思うんですけれども、それをさらなる低減をする必要があるかどうかも含めて早期に検討する必要があると読めば、これでもいいのではないかなという気はしたんですけれども。

    【河野委員長】 いかがでしょうか。最初の方の大聖先生の方は後がきているのかなという感じもしますが、これちょっとお任せいただいて。いかがでしょうか。
     では、また最後まで行って、あと後ほどでもご意見いただくということを前提に進めさせていただきます。ではよろしくお願いします。

    【久保田室長補佐】 それでは、第3章以降について説明させていただきます。
     3.燃料品質に係る許容限度の見直しについて。
     3.1検討の背景。
     前章でディーゼル自動車の排出ガスを新長期規制レベルから更に低減するためには、軽油中の硫黄分の一層の低減が重要であることを述べた。このように、自動車排出ガス規制の強化に伴い、自動車の排出ガス対策に占める燃料品質の役割がますます重要になってきている。他方、近年、アルコール然料等多様な燃料が市販されるとともに、A重油や灯油等を混和した不正な軽油を使用する事例が見られ、このような燃料の使用による排出ガスの悪化が懸念されている。
     このため、自動車排出ガスの悪化を防止する観点から、燃料品質規制について充実を図り、これまで許容限度として規定していない項目のうち、大気環境改善に係る項目を新たに許容限度に追加する必要がある。その際、使用過程車や現在開発中の自動車は、現時点で市販されているガソリン及び軽油の性状を前提に排出ガス規制に適合するよう開発・製造されていることから、許容限度に追加する項目及びその許容限度については、現状の燃料品質を勘案の上、設定することが適切である。
     なお、追加すべき項目の一つである含酸素化合物としては、近年、地球温暖化防止の観点から、ガソリン及び軽油の代替又はこれら燃料への添加物としての利用が期待されている生物由来のバイオマス燃料が存在する。バイオマス燃料のうち、ガソリンへの添加を目的としたバイオマスから精製したエタノール及び軽油への添加を目的としたバイオマスから精製した脂肪酸メチルエステルが特に注目を集めているため、これらの添加が使用過程車の排出ガスに及ぼす影響を確認した上で、含酸素化合物に係る許容限度を設定することが適当である。
     なお、今回の検討の対象としたバイオマス燃料以外に、ガストゥリキッド、ジメチルエーテル、エチルターシャルブチルエーテル等の燃料についても、ガソリンや軽油の代替燃料や添加用燃料として関心が集まっているところであり、市場での動向や燃料の多様化、排出ガス低減対策と二酸化炭素低減対策との両立に配慮しつつ、今後これら燃料の使用を前提とした燃料品質規制について検討していくこととする。
     3.2ガソリン。
     近年、ガソリンを燃料とする自動車、特に乗用車において、触媒の浄化性能及び耐久性の向上、コンピュータ制御技術の進展に伴う各種制御の高精度化等を中心に、排出ガス低減技術が国内外で大幅に向上している。このような技術を有効に機能させるためには、適正な燃料品質を確保することが重要である。
     本委員会では、以上のような観点からガソリンの燃料品質項目について検討した結果、新たにオクタン価、蒸留性状、蒸気圧及び含酸素化合物を追加し、別表1に示す許容限度設定目標値とすることが適当であるとの結論を得た。個々の項目の必要性について以下に示す。
     (オクタン価)。
     ノッキング等の異常燃焼が発生するとNOxの増大が起こり、大気環境悪化の原因となるおそれがあるため、アンチノック性の尺度として用いられているオクタン価について許容限度設定目標値を定める必要がある。
     (蒸留性状及び蒸気圧)。
     適正に燃焼させるためには、ガソリンが燃焼室内で円滑に気化することが望ましいが、気化しやすくなると、気温やエンジン等車両の温度の上昇により、燃料貯蔵・供給系統の蒸発量が増加し、これが車体や給油所から大気へ排出され、SPM、光化学オキシダント等の大気汚染の原因の一つとなる。
     このため、排出ガス抑制の観点から、ガソリンの気化に重要な役割を果たす蒸留性状と蒸気圧について許容限度設定目標値を設定する必要がある。
     蒸留性状は揮発性を示す指標であり、一般に10%、50%、90%留出温度、終点、残油量で表されるが、蒸留性状が適切な範囲にないと空燃比が変動し、三元触媒における排出ガスの浄化性能に影響を与える。
     また蒸気圧は、蒸発性の指標として用いられるものであり、一般にリード蒸気圧がその単位として用いられており、RVPが高いほど蒸発しやすいことを表している。冬期は気温が低く燃料蒸発ガスが発生しにくいことから、気化しやすくしてエンジンの始動性を確保するため、冬期に出荷されるガソリンは夏期よりもRVPが高くなっている。
     なお、一部のガソリンスタンドではタンク内のガソリン在庫の回転率が悪く、夏期用の燃料と冬期用の燃料の置き換えに長期間を要するため、夏期用と冬期用で異なる蒸気圧を規定する場合には、こうした事例に十分配慮することが必要である。
     (含酸素燃料)。
     含酸素燃料のうち、米国、ブラジル等で使用されているバイオエタノールについて、地球温暖化防止の観点から我が国でも導入が検討され始めている。ガソリンへのエタノール添加により、従来のエタノールを添加していないガソリンを前提に製造された使用過程車については、製造段階では想定していなかった燃料を供給することとなるため、排出ガスの悪化が懸念される。したがって、大気環境対策の観点からみた場合、排出ガス低減技術の特徴を踏まえつつ、ガソリンへのエタノール添加量が使用過程車の排出ガス特性に及ぼす影響を把握した上で、バイオエタノールに係る許容限度を設定する必要がある。なお、
    高濃度のエタノールを添加した場合については、使用過程車の安全性への懸念があることから、ここでは比較的少量のエタノール添加について、まず検討を行った。
     排出ガス試験の結果、三元触媒と酸素センサからのフィードバックに基づいた空燃比制御が行われているガソリン自動車では排出ガスへの影響はほとんど現れなかった。一方、酸素センサによる制御が行われていないガソリン自動車や二輪車ではCOは減少するものの、NOxが増加するという傾向にあった。これらの試験結果の要因は以下のように考察される。
     エタノールは含酸素化合物であるため、エタノールを添加すると燃料中の酸素分が増える等の影響により、通常の空燃比よりも酸素が過剰な状態にずれることとなる。酸素センサによる制御が行われているガソリン自動車では、この空燃比のずれを感知し、三元触媒が最も浄化性能を発揮できる空燃比に再調整することができる。そのため、排出ガスへの影響がほとんど現れなかったと考えられる。一方、酸素センサによる制御が行われていないガソリン自動車や二輪車では、空燃比の再調整機能がないため、酸素が過剰な状態のままとなり、その結果、COは減少し、NOxは増加したと考えられる。
     二輪車についてはNOxの増加に加えて、運転性能への悪影響も懸念される。二輪車では小排気量での運転性能を確保するため燃料を過剰に供給した燃焼を行っている車両が多く、そのような車両では少量のエタノール添加でもリッチ燃焼が確保されず、エンジン応答性や出力特性の悪化等、運転性能に悪影響を及ぼすおそれがある。
     以上のことから、エタノール添加による排出ガスへの影響はエタノール中の含酸素分が主な要因となっていると判断される。したがって、エタノールを含めた含酸素化合物に関する許容限度として含酸素率の許容限度を設定することが適切である。現行のガソリンの燃料品質項目には、含酸素化合物であるMTBEの許容限度が7体積%と定められているため、含酸素化合物全体で、MTBEの許容限度に相当する含酸素率約1.3質量%を許容限度設定目標値とすることが適当である。なお、含酸素率1.3質量%は、エタノールに換算すると約3.5体積%に相当する。したがって、含酸素率1.3質量%を上限として設定することは、エタノール添加で3.5体積%を上限として設定することに相当する。
     また、エタノールを添加すると、共沸現象が発生し蒸気圧が高くなるため、燃料蒸発ガスが増加する、したがって、エタノール添加後も蒸気圧が上昇しないよう今回設定したガソリンの蒸気圧の許容限度設定目標値を満たすことが必要である。
     なお、米国等ではガソリンに10体積%程度までバイオエタノールを添加した燃料の使用を前提にした自動車が販売・使用されているが、これらの車両は燃料系統部品等の耐久性を確保するための対策が施されているものの、追加的な排出ガス対策は行われていない。また、制度上も排出ガス試験は従来のガソリンのみで行われており、バイオエタノール添加燃料の排出ガスへの影響は評価されていない。
     一方、我が国において、E10等今回の許容限度設定目標値より多くのエタノールをガソリンに添加することの可能性については、これに対応した自動車の技術開発状況や供給体制を考慮し、改めて検討を行う必要があるが、これまでの自動車排出ガス低減対策の推進状況を踏まえると、エタノールを添加した場合でも従来のガソリンを前提とした排出ガス規制値を達成する必要があると考えられる。この場合には、諸外国におけるエタノール対応車より技術的に高度な対策が要求される可能性があるので、上記検討に際しては、この点に留意する必要がある。
     なお、ガソリン中の硫黄分は、二酸化炭素排出削減技術の一つである筒内直接噴射ガソリンエンジン等のリーンバーンエンジン搭載車に装着されているNOx還元触媒を被毒する。したがって、リーンバーンエンジン搭載車では、排出ガス性能を確保するために運転条件によっては希薄燃焼を一時止め、従来のエンジンと同様の理論空比燃焼運転をすることとなるが、その分二酸化炭素の排出削減効果が減じられてしまう。ガソリン中の硫黄分を低減することで、NOx還元触媒の硫黄被毒が抑えられ、希薄燃焼の運転範囲の拡大が可能になり、リーンバーンエンジン搭載車の燃費向上が期待できる。
     平成14年4月の第五次答申においては、その時点における燃料の低硫黄化に係る技術的な限界から、ガソリン中の硫黄分の許容限度設定目標値を50ppmとした。しかしながら、その後、ガソリンの脱硫技術に進展があり、ガソリン中の硫黄分を10ppm以下に低減できる見通しが立ったところである。そのため、現在、総合資源エネルギー調査会において、ガソリン中の硫黄分を10ppm以下とすることが検討されている。
     なお、硫黄分10ppm化により製油所からの二酸化炭素排出量が増加するため、製油所からの排出量と自動車からの排出量を合算した排出総量で見ると、短期的には二酸化炭素排出量が増加することも懸念されるが、その場合でもリーンバーンエンジン搭載車の普及が進むことにより、その排出削減効果が上回り、将来的には排出総量は低減すると考えられる。
     また、一般のガソリン自動車に採用されている三元触媒に対しても、ガソリン中の硫黄分10ppm化により硫黄被毒が軽減されるため、触媒の耐久性が向上して、使用過程での排出ガス低減に資するという効果もある。
     以上より、排出ガス低減技術の性能を維持しつつ、二酸化炭素を低減することが可能となるため、可能な限り早期にガソリン中の硫黄分を10ppm以下に低減することは望ましい。
     3.3軽油。
     2.2.1で述べたように、近年、自動車排出ガス低減技術の高度化に伴い、DPF等の新しい技術が採用されており、これら排出ガス低減装置の性能を維持し、排出ガス低減技術を有効に機能させるためには、適正な燃料品質を確保することが極めて重要である。
     本委員会では、以上のような観点から軽油の燃料品質項目について検討した結果、新たに密度及び残留炭素分を追加し、別表2に示す許容限度設定目標値とすることが適当であるとの結論を得た。個々の項目の必要性について以下に示す。
     (密度)。
     軽油中の重質分の割合が多くなると、燃料中の芳香族化合物等分子量の大きい化合物の割合が増加し、これにより分子内の炭素の占める割合が高くなる。このため、燃焼の際にPMが増加するおそれがある。
     以上のことから、PMの増加を抑えるために、軽油の密度について許容限度設定目標値を定める必要がある。
     (残留炭素分)。
     燃料中の残留炭素分が増加すると、燃焼室や噴射装置に炭素分が堆積し、適正な噴射や燃焼が確保されないおそれがある。
     また、残留炭素分は、軽油に比較して重油に多く含まれていることから、残留炭素分について規制することは、A重油等不正燃料の混和を防止することとなる。
     このため、適正な燃焼を確保するとともに、後処理装置をはじめとした排出ガス低減装置の機能を確保し、NOxやPMの増加を抑えるために、残留炭素分について許容限度設定目標値を定める必要がある。
     なお、含酸素燃料のうち、現在地球温暖化防止の観点から注目を集めているFAMEの軽油への添加に関しては、従来のFAMEを添加していない軽油を前提に、製造された使用過程車や現在開発されている新長期規制適合車の排出ガスへの影響を確認する必要があり、その際には、原料や製造プロセスの違いによりFAMEの化学的・物理的特性が多岐に亘ることを考慮しなければならない。
     現時点では、限られたデータしか得られていないものの、FAMEの添加によりNOxがわずかながら増加する傾向がみられたほか、条件によってはPM中のSOFが増加する場合もあった。このため、これら排出ガスに与える影響のメカニズム等について、今後より詳細な検証を行うべきである。
     また、排出ガス低減装置の異なる様々な使用過程車や新長期規制適合車等の評価、さらにはFAMEの性状が排出ガスに与える影響等についても併せて検証を行っていく必要がある。
     したがって、現段階でFAMEに係る許容限度を設定することは困難であり、今後、ディーゼル自動車の排出ガスに与える影響等について、より詳細に検討し、早急に結論を得ることが適当である。
     なお、欧州等では軽油にFAMEを5体積%まで添加した燃料等が広く利用されており、欧州連合ではFAMEの規格化も検討されていることから、諸外国における規制動向やFAME添加による排出ガス影響調査等についても注意を払う必要がある。
     引き続き4章を説明させていただきますが、ここまで説明いたしました燃料の規格については、18ページ、19ページに別表1及び別表2という形で載せさせていただいておりますので、こちらの方をご参照ください。
     引き続きまして、14ページ以降の第4章について説明させていただきます。
     4.今後の自動車排出ガス低減対策。
     4.1今後の検討課題。
     本委員会においては、2.及び3.で示した検討課題を含め、以下の事項について引き続き検討することとしている。
     [1]ディーゼル自動車については、排出ガス低減技術の開発を促進するとともに、新長期規制の導入、自動車NOx・PM法の車種規制の実施及び交通流対策による大気環境改善効果等を評価・検証しつつ、新長期規制以降の新たな目標値及びその達成時期について可能な限り早期に結論を得るべく技術的な評価を踏まえ検討を進める。ディーゼル自動車の潤滑油品質については、現在品質規制はないものの、潤滑油中の灰分や硫黄分等がDPF等の排気後処理装置の性能や耐久性に影響を与える懸念があることから、自動車製作者、燃料生産者等が協力し、早急に潤滑油に関する規格の見直しを行う等の対応が望まれる。
     [2]ガソリン・LPG自動車については、ガソリン新長期目標に基づく規制の対応状況、技術開発の進展の可能性及び各種対策の効果を見極め、必要に応じて新たな低減目標について検討する。その際、燃料・潤滑油品質については、国、自動車製作者、燃料生産者等がそれぞれ協力して自動車技術の改善と燃料品質の改善の種々の組合せによる排出ガス低減効果についての研究を推進し、その結果を踏まえて、燃料・潤滑油品質対策のあり方を検討する。
     [3]ディーゼル特殊自動車のうち定格出力が19kw以上560kw未満のものについては、一般のディーゼル自動車の新長期規制に適用される後処理装置の適用可能性を見極め、2010年頃の達成を目途とした新たな低減目標について検討する。その際には、新たな排出ガス試験法の導入についても検討する。
     [4]ガソリン・LPG特殊自動車のうち定格出力が19kw以上560kw未満のものについては、第六次答申に基づく規制の対応状況、技術開発の進展の可能性及び各種対策の効果を見極め、必要に応じて新たな低減目標について検討する。
     [5]特殊自動車のうち、現在排出ガス低減目標が設定されていない定格出力が19kw未満のもの及び560kw以上のもの並びに特殊自動車以外の汎用エンジンについては、大気汚染状況、排出寄与率、排出ガス低減技術の開発状況等を見極めつつ、必要に応じて排出ガス規制の導入について検討する。
     [6]二輪車については、第六次答申に示した低減目標に基づく規制の対応状況、技術開発の進展の可能性及び各種対策の効果を見極め、必要に応じて新たな低減目標について検討する。その際、燃料蒸発ガス規制の導入についても併せて検討する。
     [7]ディーゼル自動車からのPMに係る排出ガス規制は重量ベースで実施しているが、昨今、重量とともに粒子の質が健康影響に関連が深いのではないかとのいう懸念が国内外において高まっている。しかしながら、ディーゼル自動車から排出される粒子の質については、その測定方法が確立していないことから、排出実態は明らかにされていない。また、燃費向上の観点から普及が進みつつある直噴式ガソリンエンジン搭載車から極めて微小な粒子が排出されているという指摘もあるが、その実態は明らかにされていない。このため、これらPMの排出実態の把握や測定方法の確立に関する研究を推進し、今後、その結果を踏まえ、規制の導入の必要性について検討する。
     なお、以上の課題についての検討及び対策の実施に当たっては、自動車が国際的に流通する商品であって排出ガス低減対策にも内外で共通の要素が多いことに鑑み、我が国の環境保全上支障がない範囲において、可能な限り基準等の国際調和を図ることが肝要である。したがって、現在進められている大型車の排出ガス試験方法、車載診断システム、オフサイクル対策、二輪車の排出ガス試験方法及び特殊自動車を含む汎用エンジンの排出ガス試験方法等の国際基準調和活動に積極的に貢献し、可能な範囲で国際調和を図ることが望ましい。
     国際基準調和により、自動車製作者においては、研究・開発の効率化による技術開発の促進、部品の共用化による開発・生産コストの削減、自動車使用者においては購入価格の低減などのメリットが得られることとなる。
     4.2関連の諸施策。
     本報告で示した対策と相補う施策として自動車排出ガス総合対策の推進等、以下の関連諸施策が今後行われることが望まれる。
     (自動車排出ガス総合対策の推進)。
     自動車排出ガス総合対策については、平成13年6月27日に公布された自動車NOx・PM法に基づく車種規制を着実に実施するとともに、事業者に係る自動車排出ガス抑制対策の充実、低公害車等の普及促進等の総合的な施策を実施し、これらの効果を今後検証していく必要がある。また、自動車NOx・PM法に基づく諸施策を補完する観点から、交通量の抑制のための効果的な施策について検討する必要がある。
     (低公害車等の普及促進)。
     平成13月7月11日に策定された「低公害車開発普及アクションプラン」に沿って、関係省庁は協力して、低公害車の普及を更に促進することが望まれる。
     (アイドリング・ストップの普及促進)。
     自動車排出ガス対策の観点からも、アイドリング・ストップは効果的であり、アイドリング・ストップ機能付き自動車の普及を促進する等、アイドリング・ストップの普及施策の推進が望まれる。
     (使用過程車の排出ガス低減対策)。
     第六次答申等で示されたとおり、ガソリン・LPG自動車及びディーゼル自動車等の使用過程車全般について、今後とも、点検・整備の励行、道路運送車両法に基づく自動車の検査及び街頭での指導・取り締まり時における排出ガス低減装置の機能確認等により、使用過程において良好な排出ガス性能を維持させることが重要である。
     また、ディーゼル自動車の使用過程車対策として、DPF等の普及促進等の施策を推進する必要がある。
     さらに、通常の使用過程において排出ガス低減装置の性能維持を図るため、使用過程車に係る排出ガス水準の設定や抜取り検査の導入等の方策について、必要性も含め検討することが望ましい。
     (コスト負担等)。
     今回の報告に基づき排出ガス低減対策を推進していく過程では、車両価格、燃料価格、エンジン耐久性を確保するための費用、燃費及び維持費等への影響が考えられるが、これらの費用については自動車の利用に伴う環境費用を内部化するとの考え方の下に自動車製作者、使用者等によって負担される必要がある。
     なお、最新規制適合車への代替や燃料の品質改善を円滑に推進するためには、金融・税制面における配慮も必要である。
     (未規制排出源の排出実態調査及び対策)。
     第六次答申等で示されたとおり、各種未規制の排出源について排出実態の調査及び対策の必要性の検討を引き続き行うとともに、対策実施のための制度のあり方について検討する必要がある。中でも、船舶については、これまで国内において排出ガス対策がほとんど行われていなかったが、昨今の船舶の排出ガス規制に関する国際的な動向に鑑み、早急に制度的検討を行うことが必要である。
     (有害大気汚染物質対策)
     第六次答申等で示されたとおり、自動車から排出される有害大気汚染物質について、測定方法の開発及び測定精度の向上を図り、自動車からの排出量把握のための基盤を整備するとともに、得られた情報を基に必要な施策を講じることが望まれる。
     その際、エンジン燃焼技術、触媒等の排気後処理技術及び燃料・潤滑油品質等が自動車からの有害大気汚染物質の排出量に及ぼす影響についても併せて把握するよう努めることが必要である。
     (自動車排出ガス測定精度の向上)。
     第六次答申等で示されたとおり、今後、ガソリン・LPG自動車、ディーゼル自動車ともに大幅な規制強化が行われ、排出ガス値が低減されることに伴い、計測の信頼性、生産過程での品質管理の水準を精確に把握することが重要となることから、測定精度の向上を図るための研究を推進する必要がある。
     (効果予測・効果測定の充実)
     第六次答申等で示されたとおり、単体対策や総合的な自動車排出ガス対策の進展に伴い、これらの対策の効果を的確に予測し、また、精度の良いモニタリングによる効果の測定を行うことが、必要な施策を企画・実施していく上で、一層重要になる。その際には、自動車を含めた全ての移動発生源、工場・事業場等の固定発生源、各種自然発生源等から排出されるPM、HC等の排出量目録の整備やSPM、光化学オキシダント等の二次生成に及ぼす寄与の把握も必要となる。そのため、大気質改善に対する各対策の効果・予測手法の開発、沿道等での対策効果の把握体制の整備等が望まれる。
     以上でございます。

    【河野委員長】 ありがとうございました。いかがでしょうか。

    【久保田室長補佐】 それから、すみません。参考資料の方を簡単に説明させていただきますと、今回の報告案、3章以降は42ページ以降に記載させていただいておりますが、燃料品質の関係ということで、ガソリンや軽油の各国の規格の一覧、それからバイオエステル燃料の規格の一覧等を示させていただいております。
     それから、45ページ以降で低硫黄化の今後の見通し等つけさせていただきまして、それから特にちょっと説明をさせていただきたいのが51ページから、まず本文中にも出てまいりましたエタノールの添加の排出ガス試験の結果についてでございますが、まず51ページから54ページに環境省の方で実施しましたガソリン車へのエタノールを添加した場合の排出ガス影響について51、52、53、54ページに示させていただいておりまして、当該車は51ページの車両諸元にも書いてございますが、平成12年規制適合車という非常に新しい機種でございまして、これに基づきますと52ページの上から三つ目の試験、グラフにも書いてございますように、エタノールを添加してもそれほどNOxは悪化しておりません。
     ただ、55ページから資源エネルギー庁さんが総合資源エネルギー調査会の方で、これは6月20日の日にお示しになられた排出ガス試験結果に基づきますと、これが67ページまで資料としてつけさせていただいておりますが、この中で簡単に56ページの上の表で見ますと、例えば記号Cとなっております10年使用した車や、あるいはG、H、Iと書いてございます二輪車ですと、NOxが10・15モードで悪化していると。あるいは11モードでガソリン自動車で4車種ほどNOxが悪化しているという結果が出ておりまして、これの細かい資料はこの後ろに58ページから今申し上げました65ページまでで示させていただいております。
     例えば、64から65ページのところですと、非常に小さい図で見にくいんですが、各グラフの左下にNOxの排出量が出ておりますが、二輪車ですとエタノールを添加することで添加に比例してNOxが悪くなるというようなデータが出ております。
     それから、バイオFAMEの添加による排出ガスへの影響についても、77ページから資料をつけさせていただいておりまして、77ページ、これは当方でやらせていただきました排出ガスに与えるバイオディーゼル燃料を添加した場合の排出ガス影響試験というものの結果でございまして、今回非常にデータが少ないということを報告案にも記載させていただいておりますが、これは今回1車種のみで、最新規制車平成15年の新短期規制適合車についてやらせていただいた結果でございますが、燃料の種類を78ページに出ておりますが、このような燃料の性状のバージン油と廃食油3種類についてやらせていただいた結果、79ページの上から三つ目のところでございますようなNOxがわずかながら添加によって増加しているという結果や、あるいは80ページにございますように、触媒をつけた状態、これは酸化触媒ですが、酸化触媒をつけた状態だとバイオディーゼルを、FAMEを添加してPMは減少していきますが、触媒のない状態ですと、逆にPMが増加すると。成分で見ますと、そのうちのSoot分、すすの部分は減少するんですが、SOF分が増加するというのが各燃料とも読み取れたという結果が得られておりますので、このような試験結果に基づきまして、今回報告案の記載になっているということでございます。
     以上でございます。

    【河野委員長】 ありがとうございました。参考資料も含めていかがでございましょうか。

    【大聖委員】 私ばかり発言して恐縮ですけれども、9ページのところに今のバイオエタノールの話があるんですけれども、含酸素燃料ということで、9ページの下から3行目のところで、「なお」と書いてあるんですけれども、それでその10ページにつながるところで、「まず検討を行った」って何となくさりげなく書いてあるんですけれども、この辺は行をちゃんと改めて、についてこの本検討会の活動の一環として検討を行いましたということを明記された方がいいんじゃないかなと思うんです。まず検討を行ったという、すっと何となく入ってしまっているものですから、その辺を改行してきっちり書いていただいた方がいいと思います。
     それで10ページの排出ガス試験の結果というのはその行った結果のことですよね。その辺をはっきりより書きぶりをしていただきたいと思いますけれども、これはバイオディーゼルの方についても言えることではないかなと思いますが、12ページの方の下の方の段落ですよね。現時点では限られたデータしか得られていないものの、FAMEの添加によりNOxがわずかながら増加する傾向が見られたというのは、この実験で確認されたことですよね。ですから、それがわかるような表現にしておくべきではないかと思いますけれども。
     それから、参考資料の方でそれに関係してデータが載っているんですけれども、このデータの解釈に関してちょっとした簡単な説明がいるんじゃないかと思うんです。そうしませんとちょっとひとり歩きしてしまうような解釈によってはデータですので、資料の方にでも結構ですから、一番最後のところに簡単なまとめをちょっと書いておかれた方が、このデータの位置づけがはっきりすると思います。
     以上であります。

    【河野委員長】 おっしゃるとおりだと私は思うんですが、まだデータが新しいものもあるので解釈がね。

    【大聖委員】 それを含めて。

    【河野委員長】 そうなんですよね。まだこれで全てが言えるのかとかいうようなこともあるのかもしれないですね。

    【久保田室長補佐】 バイオディーゼルの方については、まず一つこういう傾向があるデータではあったということで、先生ご指摘のように限られたデータしか得られていないもののということで、こういう場合もあったということで整理をさせていただいて、もっと詳細に検討をする必要があるでしょうということになっておりますので、参考資料の方にこれ報告書から抜粋となっておりますので、その報告書のまとめを簡単につけさせていただきたいと思います。

    【河野委員長】 どちらかというと疑わしきは罰しなければいけないというのが環境にあるので、変なデータがあればすぐそれを、事を大きく取り上げるというのもあるのかもしれないんですけれども、やはり技術的な側面というのをベースにしていますので、そういうことも大事にしてもらうということなんですね。今おっしゃったような方法でやりましょう。

    【久保田室長補佐】 わかりました。

    【岩本委員】 よろしいですか。

    【河野委員長】 はい、どうぞ。

    【岩本委員】 もう余り時間がないということなんですが、こういう規制をされること自身は別に問題ないと思うんですけれども、幾つか指摘させていただきたいことがございます。
     まず、今、後段の方で読まれた部分ですと、例えば10ページ目のところで、含酸素化合物の許容限度はMTBEが今こうなっているからエタノールではこのくらいにしたらどうかという論述になっておりますが、MTBEとエタノールでは全然役目が違うので、同じ基準でいいかどうかというのはまだわからないというところが本当だと思うんです。ただ、現在このくらい許されているから、当面このぐらいにしましょうかということであって、適切かどうかは全然まだわからないのではないでしょうか。ですから、将来的にはやはりエタノールがどういう作用をするかと。それは排出ガスだけではなくて、例えばいろんなあちらこちらのパッキンとかゴムを溶かすとか、それからアルミニウムを侵すとかいろんなことがございますから、そういうものまで含めて検討された後、規制値は本格的に決めるということで、当面このくらいでまず始めたいという意味ではないかと思っているんですがいかがですか。

    【久保田室長補佐】 先生ご指摘のとおり、エタノールはこういった排出ガスに与える影響以外にもっと重要というか大きな話が安全性の話がございます。ここらあたりは今回の中央環境審議会への報告案といたしましては、もともと排出ガスの影響、つまり環境に与える影響という観点でご審議いただいているものですから、安全性の観点についてのそういう検討というのは省略をさせていただいている面がございます。
     では、安全性の方はいいのかというご議論ございますが、そのあたりはこの中央環境審議会を受けて排出ガスをやるというのと並行して、一方で例えば経済産業省さんの方で品確法の見直し等の中でご議論されているものと理解しておりますけれども。

    【岩本委員】 ありがとうございます。前半の方でもよろしいですか、先生。

    【河野委員長】 どうぞ。

    【岩本委員】 硫黄の量をどのようにするかということなんですけれども、最終的に石連さんの方で10ppmにできますとおっしゃるんだったらそれはもうそうしていただいた方がいいと。それはどうしてかと言いますと、最終的にサルフェートの排出量というのは、燃料の中に入っている硫黄が出てくるだけしかありません。窒素酸化物は燃焼で出てきますから、これは別の方法を考えないといけないんですが、サルフェートだけはそれは燃料からとれば必ず減りますからいいと思うんです。だから、それはやっていただいた方がありがたいと思うんですが、ただそれとほかの技術との関連はどうなっているかをもう少し詰めないといけないんじゃないかと思います。
     例えばですが、吸蔵還元法は触媒成分の中にバリウムとかカルシウムが入っていて、そこに硫黄がやってくると必ずだめになる。それは濃度が低くてもどんどんたまるものですから、どうにもならないところがあるわけです。そういうことをきちんと見ながらやると。
     それから、あと軽油用に燃焼活性がちょっと落ちるということがございますね。それはサルフェートがたまったために燃焼活性というか、すすがたまったりするということではなくて、サルフェートがたまって、それからカーボンのデポジットが起こって最終的に貴金属触媒がだめになる。ですから、たしか280度から300度ぐらいだったと思いますけれども、それ以上に1回温度があがりますと完全に活性戻ると。サルファーがたまっていても戻る。そういうことがありますから、そこら辺も見ながら少し検討をされた方がいいんじゃないかなと。ただし、10ppmにしていただくことそのものは全体としましてはありがたいことですからそれはいいと思いますが、ですから、後段に関してはコメントでございます。

    【河野委員長】 報告の方へちょっとどう入れるかは、少なくとも議事録には載せさせていただいて、今後の課題ということでぜひ対応させていただきたいと思います。
     今、岩本委員がおっしゃったんですが、この報告書の中では硫黄分のことなんですが、石油メーカーの方が自発的にと言ったらまた叱られるかもわからないですけれども、またいろいろ経費とか絡んでいるので、とにかく私が申し上げたいのは、10ppm以下にしますよと申し出ていただいたということには、この委員会を代表して素直な心で感謝を申し上げたいと思います。
     きょう公開ということで関係者の方いらしているようなんですが、そういう発言があったということをご記憶いただいて、また一段と環境に対して今後ますますご協力いただきたいなと思います。
     この件につきましては、後の大気環境部会の方でも申し上げたいなと思っております。
     この報告書では何か適当であるとか偉そうに書いてあるんですが、これはお役所の言葉なのでそれはしようがないんですが、委員会としては感謝申し上げたいと思います。

    【坂本委員】 8ページの燃料品質係る許容限度の見直しについてというところの書き出しなんですが、検討の背景の最初のところに不正軽油とかこういったことを書いてある。これは本質的にはこれとは別の話で対応することで、ここにあえて書く必要があるのかどうかということなんですけれども。そういう現実はあっても今ここで考えている燃料品質に係る許容限度の見直しについてということに、こういう一文が入る必要があるのかという論理構成上の問題です。

    【久保田室長補佐】 今回、含酸素化合物以外に、例えば軽油でありますと密度でありますとか、残留炭素に関する規定を入れておりますが、このあたり例えば本文中にも書いてありますが、A重油の混和でありますとか、そういうのを防ぐという意味もありますので、そういう意味でここは不正軽油防止という旨を書かせていただいたというものでございます。

    【河野委員長】 理論的にはおっしゃるとおりだと思うんですが、とにかく我々はこの件でいろいろ何かボディブローを受けてて、それでもうこういうように自然に書いてしまうというような背景もありますので、勘弁していただきたいと。

    【坂本委員】 重々承知しております。

    【河野委員長】 本当にそうなんです。部会の方が始まりますので、この場は重大なご発言、ご異議とかなければ、ご一任していただきまして進めさせていただきたいと思いますが、事務局の方で何かありますでしょうか。

    【久保田室長補佐】 この後のスケジュールについて簡単に説明させていただきますと、この後10時半から大気環境部会に本報告を説明させていただいて、答申案を取りまとめていただきまして、その後パブリックコメント等を経て、7月末に答申をいただくという方向で作業を進めていきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
     それから、最後でございますけれども、当方事務局の環境管理局長の西尾より簡単にごあいさつを申し上げたいと思います。

    【西尾環境管理局長】 すみません。時間がありませんので短く言います。前回はちょうど公害患者の会の方の団体との交渉などもございまして、出席できませんで大変申しわけなく存じております。そこでも言われましたけれども、大気の改善に向けて本当にこれから努力していかなければいけない、こういうことでございまして、そのときに二輪車と特殊自動車の規制強化につきまして報告を取りまとめていただきまして大変感謝をいたします。
     それから、本日の燃料の性状の問題のところにつきましては、本当にこれはこれからの自動車の排ガス対策の行方をひとつ左右していくような非常に重要な点につきましてお取りまとめいただいたということで、まことに感謝を申し上げる次第でございます。この後部会等々の手順もございますけれども、ここでご指導いただきましたそれに沿いまして、大気対策着実にかつ積極的に打ってまいりたいと思っておりますので、引き続きよろしくご指導いただけますようお願い申し上げます。御礼を申し上げさせていただきたいと思います。ありがとうございます。

    【河野委員長】 どうもありがとうございました。それでは、本日の委員会を終了させていただきます。どうもご協力ありがとうございます。