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中央環境審議会大気環境部会
自動車排出ガス専門委員会(第3回)議事録


  1. 日 時 : 平成13年9月6日(木)10:00〜12:13

  2. 場 所 : 経産省別館827会議室

  3. 出席者
    (委員長) 河野 通方 
    (委 員)指宿 堯嗣
    坂本 和彦
    長江 啓泰
    御園生 誠
     
      岩本 正和
      塩路 昌宏
      福間 康浩
      小高 松男
      大聖 泰弘
      松下 秀鶴
    (石油産業活性化センター)
    岡田 泰
    岡田 文雄
      冨山 俊雄
      小林 伸治
      林  章
      大木 恵一
    (JCAP研究委員会)
    松村 幾敏  杉山 義貴
    (大気モデルWG)
    山崎 哲  鈴木 和彦
    (ガソリン車WG)
    齋藤健一郎
     
      濱崎 實
    (ディーゼル車WG)
    尾山 宏次  掛川 俊明
    (JCAP推進調整会議)
    植田 文雄
     
     
  4.     
  5. 議 事
  6. 【酒井室長補佐】 それでは、定刻となりましたので、ただいまより中央環境審議会大気環境部会第3回自動車排出ガス専門委員会を開会いたします。
     まず初めに、事務局より委員の出欠の連絡をさせていただきます。本日は、齋藤委員がご欠席されます。
     次に、お手元の資料につきまして確認をさせていただきます。お手元の資料をごらんください。まず、最初に議事次第が1枚ございます。次に配席図。その次に、本日ヒアリングに参加をいただいております出席者の一覧。次に、資料3−1といたしまして、前回第2回の議事要旨(案)。次に、本日のヒアリング資料でございます資料3−2といたしまして、クリップでとめてあるものがございます。全部で、まず最初に資料3−2とついたもので表紙が1枚、その次に資料3−2−1といたしましてJCAP大気モデルWG報告、資料3−2−2といたしましてJCAPガソリン車WG報告、資料3−2−3といたしましてディーゼル車WG報告、次に大気モデルWG補足説明資料、次に、最後にディーゼル車WG補足説明資料というものがヒアリング資料としてございます。そのほかに、参考資料1といたしまして、「自動車排出ガスの量の許容限度」等の一部改正について、プレス資料がございます。次に、参考資料2といたしまして、改正NOx法に係るパブリックコメントのプレス資料がございます。最後に、参考資料3といたしまして、名古屋南部の和解についてのプレス発表資料がございます。お手元の資料につきまして、不足等がございましたら事務局までお申しつけください。
     よろしければ、まず開会に先立ちまして西尾環境管理局長よりごあいさつをお願いいたします。

    【西尾環境管理局長】 どうも、本日は、委員の先生方には大変御多用中ご出席いただきまして、また平素から大変御指導を賜っておりまして、厚く御礼を申し上げます。
     私は、7月から環境管理局長ということで拝命いたしました西尾でございます。これからひとつ御指導のほどよろしくお願いを申し上げる次第でございます。
     ここ1、2年、自動車によります大気汚染の関係が非常に大きく動いていると思っておりまして、国の方も一生懸命やっておるわけですけれども、一方では、尼崎なり名古屋なりの裁判という、厳しく迫られますし、あるいは東京を始め自治体の方でもいろいろ積極的な取り組みがなされていると。こういう中で、国としてもきちんとした施策をやっていかなければと、こういう趣旨でございました。
     私の前任者の、この半年の間に自動車NOx法の改正ということも進んだわけでございますし、特にそういう中で総理大臣から低公害車の強いイニシアチブも発揮されました。非常に大きなことでございまして、私どもも非常に総理大臣のイニシアチブ、5月8日の閣議で14年から13年の間に政府の公用車を低公害車に切り替えるということで強い指示が出されました。私どもも非常に身を引き締めてといいますか、気持ちを引き締めて取り組まなければいけないというふうに思っております。
     そういうことで、低公害車の方は、これを受けまして国土交通省・経産省とともに3省庁で低公害車イニシアチブもまとめましたし、また、この暮れに向けてそれぞれの省庁で低公害車の促進のための予算をそれぞれかなり増額をして要求をしていると、こういう状態だと思います。私ども自身も、新たに地方自治体への普及をプッシュしようということで、要求額としては5億円ほどの補助金をシーリングの中から捻出して要求していると。こういう状態でございます。
     それから、改正NOx法、NOx・PM法と言った方がいいと思いますが、これは14年度の初めの実施ということを目途にしまして、着実に準備をしていかなければいけないということでございまして、もうすぐ締め切りになりますけれども、現在、地域の指定でございますとか、車種規制でございますとかといったような、枠組みの案につきましてパブリックコメントをいたしておるところでございます。今後、基本方針の改定のような中身のあるところをもうちょっと詰めるという作業ももちろんありまして、年内か、その前後にはあらかたの実施の枠組みを決めて、来年の施行に向けて適切に進めていかなければいけないと思っております。
     そういう作業とともに、やはり何分にもこうした一連の自動車対策の作業のベースラインといいますか、骨格を支えるのは単体規制であることは疑いないわけでございまして、このベースラインがしっかりしておりませんと全体の施策は進みません。その意味で、先生方にはそのための慎重・適正な具体的な目標や試験方法についてご検討いただいておるわけでございますので、私ども、その作業を非常に頼りにもし、よろしくお願いをする次第でございます。
     そういう中で、今日は石油産業活性化センター、それから、その中のジャパン・クリーン・エア・プログラムということで、関係の皆様方にも御出席いただきましてお話を聞かせていただけるということで、御礼を申し上げる次第でございます。
     いずれにしましても、これからたくさん検討課題がある中で大変詰めた議論をいただかなければいけないということで、誠に恐縮でございますけれども、引き続きよろしくお願い申し上げましてあいさつにさせていただきます。どうぞよろしくお願い申し上げます。

    【酒井室長補佐】 それでは、河野委員長、引き続きよろしくお願いいたします。

    【河野委員長】 おはようございます。委員長を仰せつかっております河野でございます。

     本日は、JCAPさんにはお忙しいところをわざわざお越しいただきまして、ありがとうございました。今、局長さんもおっしゃられましたように、非常に短期のものから長期のものまでございますが、我々、特にディーゼルの新長期規制につきまして、それと、それ以降の方策につきまして、いろいろ幅広い見地から考えていかなければいけないということでございまして、本日も、そういう見地からJCAPさんの活動につきましてご紹介いただくと同時に、こちらも勉強させていただくということで、忌憚のない意見交換ができればと思っておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。
     それでは、進行の方は事務局の方にお任せしてよろしいですか。

    【酒井室長補佐】 それでは、まず最初に前回の議事要旨の確認をさせていただきます。
     資料3−1をごらんください。こちらに前回(第2回)の専門委員会の議事要旨をまとめたものを配付させていただいております。
     簡単にご紹介いたしますと、開催された日時は7月4日、場所は経産省別館の会議室。 議題といたしましては、試験走行モードの見直しについて(シャシーベース)と、あとはヒアリング、日本自動車工業会と国内自動車メーカーに対するヒアリングについて、最後にその他ということが議題としてございました。                  議事といたしましては、会議については非公開で行われております。まず、議題1につきましては、資料2−2に基づいて、資料2−2というものはシャシーベースの試験モードの見直しについてまとめた資料ですが、こちらについて事務局から説明をさせていただき、質疑応答を行いました。議題2といたしましては、自動車工業会、自動車メーカーに対するヒアリング項目の資料につきまして事務局から説明を行い、ヒアリング項目については原案のとおり了承されております。
     簡単ですが、以上のような議事要旨となっております。こちらにつきまして、何かご意見等ございますでしょうか。

                      (なし)

    【酒井室長補佐】 もしご意見がありませんでしたら、会議終了後、この議事要旨につきましては公開をさせていただきますが、いかがでしょうか。よろしいでしょうか。

                     (異議なし)

    【酒井室長補佐】 それでは、議事要旨の方につきましては、ここで案をとりまして公開をさせていただきます。
     それでは、次に本日の次の議題に移ります。
     まず、議題1ですが、本日はJCAPヒアリングとなっております。
     それでは、石油産業活性化センターの岡田常務理事、お願いいたします。

    【岡田】 石油産業活性化センター常務理事の岡田でございます。
     本日は、中央環境審議会自動車排出ガス専門委員会の河野委員長を初め、委員の先生方に、JCAPのプロジェクトの取り組みの状況につきまして報告をさせていただく機会を設けていただきましたこと、大変ありがたく感謝申し上げます。また、加えて環境省から西尾局長にもお話しいただくということで、忌憚のない意見交換がさせていただければ私どもにとりましても大変幸いだと考えております。
     この石油産業活性化センターの事業につきましては、既にご案内のとおりかと思いますけれども、一番基本的には石油関連製品の安定供給確保に貢献をするという側面が一つ大きくございます。同時に、それに関連する基本的な諸所の環境問題の関係というのは非常に多岐にわたっておりまして、とりわけ大気汚染に対する取り組みでありますとか、あるいは地球温暖化問題、こういったものに対する環境問題の改善方策という、かなりもろもろの環境関連の技術開発といったものを中心に、先端業務として取り組みをしてまいっているわけでございます。
     とりわけここ近年、先ほどやはりごあいさつの中にもございましたけれども、JCAPということで特に自動車に関係いたします排出ガスから発生いたします各種の環境因子、こういったものについて、科学的あるいは具体的なテストの結果、データをもとにして経常的に把握できるような方法がないだろうかという観点に立ちまして、特に自動車、それから燃料面からは石油という、非常にこの種の分野につきまして最も知見を有しておるという立場の方々に参加・協力をいただきまして、平成9年から取り組んでまいったわけでございます。
     これまで第一・第二のステップ、第一のステップは2年間、それから後半のステップは3年間ということでございまして、ことしが実は5年目、最終の年度に当たっているわけでございます。まだことしの年度末まで半年ほど残されておりますけれども、これまでの取り組みの状況につきまして、明らかになりました点を中心に今までの研究成果の報告をさせていただければと思っております。
     本日は、大気モデルの関係、それからガソリン車の関係、三つ目にディーゼル車の関係ということで、大きく三つのテーマに区分いたしまして、それぞれ担当の責任者の方から報告・説明をさせていただきたいと考えております。
     本日いただきましたご意見、あるいはご助言等を十分に参考にさせていただきながら、残されました半年間の最後の取りまとめに向けまして、大いに私ども最善の努力を尽くしたいと考えております。ぜひ忌憚のないご意見・ご助言を賜れば幸いだと考えております。どうぞよろしくお願いいたします。

    【山崎】 では、JCAPの大気モデルについてご報告させていただきます。
     私、JCAP大気モデルの主査を務めております豊田中央研究所の山崎と申します。
     きょうご報告する内容はかなり多岐にわたって、OHPも40枚という数になっていますので、時間内に終わらせるために少しはしょった部分もありますので、そこの部分については、最後のご質問等で疑問のところはお受けしたいと思います。
     では、とりあえず全体像をご報告させていただきます。
     JCAP大気モデルは、先ほどご報告のあった4年前からスタートしてきたものですが、本日ご報告させていただく内容は、特に新長期規制に関する部分を主体に、大気環境研究の目的と、今申し上げました新短期・新長期規制を導入することによって大気改善がどこまで可能になるかということに的を絞ってご報告したいと思います。
     あと、補足資料としてお手元に入っていますけれども、これは、こういう研究を行う上で必要となる種々の手法、大気シミュレーション等についてまとめたものを補足資料にしています。本日は、ここの部分は時間の関係で割愛させていただきます。
     今申し上げましたように、大気モデルは4年前からスタートしてきたのですが、そのスタートした時点からの目的というものは、自動車及び自動車以外の排出源からの総排出量を推計するとともに、大気モデルシミュレーションによって、排出ガス低減が大気環境に及ぼす影響を解析し、各種大気改善効果のための施策の一助とするということをねらいとして実施してきました。
     そういうねらいのもとで今回ご報告するのは、先ほど申しました新短期・新長期規制導入によって大気改善がどこまでなされるかというのを評価したものです。その評価する内容は、三つの側面から実行しています。
     第1番目は、規制を導入することによってどれだけ排出量が変化するか、改善されていくかということを評価するものです。ここの中で、今まで環境省さんも含めて国内でなされてきた部分に加え、さらに始動時の排出ガス(コールド・エミッション)、それから蒸発ガス等を考慮した排出量の予測と低減効果を評価するというところを特徴としています。
     二つ目は、この排出量をもとにして東京圏、特に関東圏、NOx規制地域を対象にしましたが、その大気がどの程度改善されていくかということを評価したものです。
     二つ目は広域の都市域に対してですが、三つ目は、特に沿道を対象として汚染物質等がどれだけ改善されてくるかということを評価したものです。
     実際に行ったケーススタディのうち、きょうご報告するのは5ケースあります。今後、すべてのデータについては、この5ケースについて棒グラフ等でお示しするものですから、ここで最初に5ケースについて少し説明しておきます。
     ここの年度は、何年度を対象にしてその結果を見ているかという対象年度です。ケース1というのは、99年より規制強化なしということで、新短期・新長期を入れない状態であった場合に、2000年、きょう現在はどうなっているか。2015年においてそういう状態を維持し続けた場合にはどうなるかが二つ目です。三つ目は、それに加えて新短期を導入した場合。4番目は、新短期と新長期を導入した場合、2015年においてどう変化するかというのを見たものです。5番目は、全車新長期車と書いていますが、これは車が市場に出てからターンオーバーして新しい規制車に変わっていくまでに時間がかかるものですから、2015年においてもすべての車両が新長期には置きかわっていない可能性があります。そういう意味で、すべての車両が新長期に置きかわった場合にその効果はどうなるかという、ある意味では新長期規制の究極の姿が5番目です。
     そういうケースに対して、具体的に対象とした評価領域ですけれども、まず広域については、この赤で示した関東圏におけるNOx法規制地域がどんなふうに改善されるかというのを評価しました。一方で、先ほど申しました沿道という問題に対しては、上馬の交差点を対象に評価してみました。上馬は、これを選んだ理由は、東京地区における汚染の厳しい状況の中で、上位から二つ目ぐらいに存在する交差点であるということで、これを対象といたしました。
     まず、そういう対象地域を頭に描いていただいて、車からの排出量をどんな形で推計していったかということなのですが、先ほども申し上げましたように、JCAPで自動車からの排出を推計した方法は、特徴としてコールド・エミッションを考慮したり、始動時の排出ガスを考慮していること、それから燃料の蒸発ガス(エバポ・エミッション)を考慮していること、さらに、もう一つは、排出量補正ということを考慮しています。これは燃料性状や環境温度、湿度等が変わったときに(大気条件によっての湿度ですが)、排出量にどういう影響をもたらすかということを補正するものです。もう一つは、触媒劣化と書いていますが、これは車が走行とともに触媒の劣化を起こすことによってエミッションレベルが少しずつ変化していく、その部分を補正するものです。したがって、できる限り実社会に近い状態で排出量を推計するということを試みました。
     大気質の予測モデルについては、後で詳しく説明しますが、対象地域をグリッドといいますか、正方形の面に切って計算するという方法をとっています。
     次の段階で具体的にどういう計算方式を用いたかを説明しますが、まずランニング・エグゾースト、走行時におけるエミッションですが、それは車種別・年式別の個々の車の排出係数に車種別・年式別の走行量を掛けることによって計算できます。排出係数をどう決定するかということなのですが、これは二つに分けています。平成元年規制以前の車については、環境省さんが提示されている排出原単位を用いています。それから、平成元年以降の車両については、まだ十分な排出係数が得られていないということもあって、まず、車種ベースの規制車両については劣化係数、これは自工会で各種調べてきた劣化係数というものを踏まえていますが、その劣化係数を考慮して、耐久要件距離後、規制値の0.8倍の排出係数になるように初期排出係数を決定するというやり方をやっています。エンジンベースの規制車両については、規制年度の排出係数と規制値の低減率ということで考慮しています。それから、今後考えるべき新長期規制車に対する低減をどのように考慮したかということですが、CO、トータル・ハイドロ・カーボン、NOxというガス状の物質については、新短期規制の50%を新長期規制車の低減率と仮定しました。PM、粒子状物質については、新短期規制の70%低減ということを仮定して計算しています。
     総排出量に重要な走行量については、このような手法を用いております。
     もう一つの特徴であるスタート・エミッションについてですけれども、排出量は、車種別・年式別の排出係数に何度1日当たりスタートしますかという、スタート回数を考慮した計算をしています。その上の計算式の中で、コールド・エミッション、スタート・エミッションの排出係数はどのように決めたかということですが、例えば小型車については11モードの排出係数から10・15モード、いわゆるコールドを含むエミッションからホットなエミッションを引いた最初の一山目の部分についてコールド・エミッションであるという仮定を置いて計算をいたしました。大型、二輪車等についても、考え方は同じです。コールド・エミッションに対する新長期の効果というものについては、ガソリンについては、コールド・エミッションに対してもやはり新長期を導入することによってガス状物質は50%低減できると、また、ディーゼルのPMについてはやはり70%低減できるということで、コールド・エミッションに対しても新長期規制の効果が適用できるというふうに考慮しています。
     もう一方、車が走行することによって生まれてくるエミッションとして、走行時に生まれるタイヤ磨耗とか巻き上げ粉塵というのが浮遊粒子状物質には寄与してきますので、この部分も考慮しています。ただ、その部分の考慮の仕方は、環境省さんのSPM汚染予測マニュアルをベースにした排出係数を利用しております。
     次に蒸発エミッションですが、これはDBLと言われるもの、ダイアーナル・ブリージング・ロスとホット・ソークとラン・ロス、この三つの側面で蒸発エミッションは考慮するとしています。ダイアーナル・ブリージング・ロスについては、GMが過去提案したキャニスタの容量とかを考慮したエミッションの予測式というものをベースにしています。ホット・ソークについては、車種別のエンジンの停止後、再起動まで、どれだけソーク時間があったかということを考慮したエミッションをやっています。あとラン・ロスについては、JCAPで過去測定されたデータをもとにして、0.76から0.01g/kmという形で設定しています。ラン・ロスにこれだけ幅を持つのは、RVP、及び年式等によって、そのエミッション値が変わってくるということを考慮しているために、これだけの幅を持っています。
     今から結果に移りますが、これからお示しするグラフは、すべて先ほど申しましたケーススタディに沿って左から右に移っていっています。
     例えば、このグラフは、自動車から排出されるトータル・ハイドロ・カーボンの排出量を夏期と冬期について調べたものです。例えばこのグラフで全体を説明しますと、99年より規制強化なしの場合を初期値と考えて、以下、規制強化のない状態で2015年に到達した場合という意味で、ここの差は車が53年規制車以降の新しい規制車にどんどん置きかわっていくことによって、ターンオーバーによる改善効果ということが見られます。それから、99年規制強化なしから、ガソリンディーゼル車新短期までの導入ということで考えると、この差は新短期規制の効果、この次の新短期・長期導入は、新短期規制を導入することによる効果、最後はすべてターンオーバーが進んだ状態での効果ということで表現できています。
     このグラフから、積み上げグラフですが、それぞれカラーコードで示したのが、この値そのものを示しております。これから見ると、2015年においては、ほぼ新短期・新長期を導入することによって、トータル・ハイドロ・カーボン、車からのエミッションは約5分の1近く低減できるということが予測されます。すべて新長期に変わった場合については、トータル・ハイドロ・カーボンを排出する各寄与はほとんど平均化されており、トータル・ハイドロ・カーボンについては、新長期を導入することによって可能な限りの低減がなされていくのではないかと推測しています。
     一方、NOxについてですけれども、これもグラフの意味は同じなのですが、新短期の効果、新短期・新長期を導入していく効果、最終的な姿ということで、NOxについてもやはり4分の1近く、2015年においては低減が可能ではないかと考えられます。
     それから、浮遊粒子状物質のPMなのですが、これは若干今までと様子が変わってくるのですが、新短期、新短期・長期を導入すると、規制がない状態よりも、例えばこの数値で見ると5、6t/dayぐらいの排出量の低減が見られるのですが、排出量の多くは、テールパイプ以外の排出量、すなわちタイヤ磨耗とか巻き上げ粉塵の部分が、将来にわたってかなり大きな割合を占めてくるということで、テールパイプからのエミッションがかなり浄化されて大きな低減を見ているにもかかわらず、タイヤ磨耗と巻き上げがその後は大きな寄与を示してくるということが見受けられます。
     今まで申し上げたことをまとめてみますと、ハイドロ・カーボン、NOx、PMについては、それぞれ2000年比でハイドロ・カーボンが5分の1程度、NOxについては約3分の1ぐらい、PMについては、テールパイプについては5分の1に低減できるということで、それぞれの成分は新短期・長期規制導入によって大幅な低減効果が見られるということが予測されます。ただし、タイヤ磨耗、巻き上げの効果が最後まで残ってきているように我々の予測では出ているのですが、このタイヤ磨耗、巻き上げの排出係数を若干高目に推測している可能性があります。例えば、JCAPでは単位走行距離当たり0.02グラム出ると言っているのですが、EPAがごく最近出した予測値では0.005グラムというような言い方をしていて、我々よりもかなり低目に予測しているということで、この部分の見直しは将来の課題かと考えています。
     話題が次の段階に移るのですが、車から出るエミッションの量は大体わかってきたのですが、それではそのエミッションが全排出量の中でどういう位置づけにあるかということを明らかにするということで、自動車以外の排出量も推計いたしました。推計手法はここに書いてあるので、時間の関係で詳細は割愛するとして、種々の移動・固定・ハイドロ・カーボン蒸発源等を考慮して計算しているということです。
     その結果、どんなことが言えるかということですが、まずトータル・ハイドロ・カーボン、炭化水素なのですが、これも積み上げグラフで、下から自然起源、工場、航空機、家庭が小さくあるのですが、そのほか、それから塗装、給油所、自動車排気ということになります。このグラフは、自動車以外のエミッション源は何も制御しないという仮定のもとで計算しております。したがって、先ほどの車の部分は、このトップに示している部分に変化があらわれてきているということです。これから見ると、トータル・ハイドロ・カーボンの大きな排出源は、今現在は塗装ではないかと推測されます。
     次はNOxなのですが、NOxについては、下から工場、家庭、航空機、自動車ということですが、自動車は先ほど言った規制を導入することによって3分の1から4分の1低減しますが、工場については、もし何もやらないとすれば、将来においてはかなりの部分を占めてくるということが類推できます。
     PMについてですけれども、これは先ほどの部分と同じで、この部分から上が車にかかわる部分でタイヤ磨耗、巻き上げ粉塵、自動車排気です。やはりPMについても、車の部分は規制の効果があらわれてきますけれども、工場等の部分が、やはり2015年においても、何も制御しない場合には大きな寄与を占めてくるという可能性があらわれてきています。
     そういうことを全部まとめてみますと、トータル・ハイドロ・カーボン、NOx、PMが、それぞれ2000年、2015年において、車からの寄与はどんなふうになるかということの変化をここで示しています。今申し上げたことですので、以後の説明はやめますけれど、大体2010年においては、車からの部分はかなりの軽減を見れるということが類推できます。
     以上が排出量ベースで議論をしたところですが、その排出量によって大気の組成がどう変わるかということをSPM、NO2 、オキシダントを対象にして予測してきました。JCAPのは、SPMを有機の二次粒子・無機の二次粒子を考慮した形で計算するということを特徴としています。モデル、計算条件等については、ここに記載したとおりです。
     その結果、どんなことがあらわれてきているかということですが、まず、NO2 濃度については、新長期規制を導入することによって、このレベルですけれども、約25%近く改善されてくる。それから、冬期については約30%近くのNO2 の改善が見られるということが類推できます。
     その部分を3次元の計算をしていますので、関東圏全体でどんなふうに変わるかという、各地域ごとでの変化を示したものがこれです。これはカラーコードですけれども、このカラーコードは2015年を2000年の濃度で割ったものですけれども、赤の部分は2015年においてもほとんど改善されてないということを意味します。このブルーの部分は、約20%ぐらいまで低減できるということを意味しています。これから見ると、NO2 については、広範囲で最大60%を含む低減が関東圏全体で見られるのではないかというふうに思います。
     次がSPMですけれども、SPMについては、車からの低減だけが考慮されているので、その部分が効果をあらわしてきて、約85%ぐらいまでSPMの改善が2015年においてはなされる。ただし、タイヤ磨耗とか巻き上げ粉塵が、先ほど申しました残った課題としてあらわれてきています。
     その部分もやはり今と同じようにカラーコードで示しますと、全体として、新長期規制を入れることによって、この赤から中心部が黄色に変わりグリーンの部分があらわれてくるということで、都心部でかなりの低減効果があらわれてきて、約30%程度低減することが可能かというふうに類推できます。
     先ほど、各種車からの排出量は、約3分の1から5分の1まで低減ができると申し上げたのですが、その効果がSPMにあらわれてこないということについて少し検討をしてみました。なぜ車の排気を低減してもSPMが十分低減できないかということを検討したものです。
     これは大気中に存在するSPMを組成別に見たものです。下から、ECと書いているエレメンタリー・カーボン、炭素状の物質、有機状の炭素、それからSO4 を含む物質、NO3 、硫黄を含む物質という形でつなげています。これから見ると、2015年においてSPMに大きな寄与を示すものはNO3 、硝酸イオンを含む物質であるということが類推されてきます。
     車からのNOx、それからSPMを多量に下げてきても、このNOxから生成する硝酸イオンが2000年に比べて低減できない理由というのをもう少し突っ込んで考えてみますと、若干、細かくなるのですが、ガス状のNOが粒子に変わっていくという、その大気中における光化学反応のプロセスを非常に簡単に書くと、NOが大気中のオゾンと反応してNO2 に変わり、そのNO2 が大気中の水やラジカル等と反応してHNO3 という物質に変わり、それが粒子化していくというプロセスが基本のルートです。このルートを考えていくと、NOがオゾン濃度よりも十分高い場合については、オゾンの濃度がこの流れを支配するものですから、NOがオゾン濃度よりも大量に存在している場合には、NOを幾ら下げていっても、この粒子の流れには変化があらわれてこない。ところが、NO濃度がオゾン濃度に比べて低くなってくると、NOから粒子に移っていくプロセスはNOに比例していくということが言えるかと思います。
     その部分が基本のプロセスで、それを大気シミュレーションの中に入れて実行してみたのがこの結果です。横軸にNOxの総排出量、縦軸に粒子中の硝酸イオンの濃度をとっています。これからわかりますように、2000年から2015年においてNOxの総排出量を250トンぐらい下げても、硝酸中のイオンは1マイクログラム程度しか変化しない。ところが、これ以降下げていく場合については、かなり急激に排出量の低減とともに硝酸イオンの低減が見られるということで、このあたりまで下げてこないと、NOxの低減が二次粒子の生成に感度高く効いてくる領域には入らないということが言えるかと思います。これが車からのエミッションを下げていっても二次粒子中のNOxが十分下げ切れていないという理由かと考えられます。
     今まではNO2 、それからSPMを申し上げたのですが、オキシダントについては、やはり夏期等について見てみますと、大体20%ぐらいの低減が見られてくるというふうに考えられます。
     以上、今まで申し上げたことをまとめたのがこの資料で、また後で詳細はごらんください。
     それから、最後ですけれども、沿道が、車の新長期を入れることによってどの程度改善されてくるかということですが、沿道の濃度というのは、対象とする沿道のそばにある道路から出る車からの直接の排出分と、その沿道を含む全体の都市域でのバックグラウンドの濃度、二つの部分において沿道濃度が構成されていますので、このバックグラウンド濃度を先ほどの都市域のシミュレーションから出します。この自動車排出については、細かくなるのですが、かなり流体力学的なシミュレーションを通して実行しているということです。対象とした地域は、先ほど言いました上馬。それから、評価は1時間値と日平均と両方をやっています。
     シミュレーションをやって、結果としてどれくらい計算値と観測値が合うかということですけれど、NOxについては、これは沿道から出る直接の排気分ですけれども、観測値とよい一致を示しています。この観測値というのは、自動車からの直接分をどうして求めたかということなのですが、対象とする沿道における自排局の濃度から、その周辺を取り囲む一般局の濃度を引いたものが直接排出の車の寄与であるというふうに仮定して観測値等を置いています。
     NOxについては、かなりよい一致を示すが、SPMについては若干の乖離があらわれてきています。この変化、乖離分は、SPM濃度は計算値で過大評価していますけれども、多分、この部分については、先ほども申しましたタイヤからの排出というものを過大評価しているであろうというふうに考えられます。その部分を補正して、観測値と合うようにタイヤ部分を減少させて一応将来予測を考えてみると、タイヤの方は将来にわたって変化しませんが、この自動車からのテールパイプの部分というのは5分の1以上低減できるということで、沿道については、大都市域に比べて、より新長期規制導入の効果があらわれてくるというふうに考えられます。
     それで、これを今まで1時間平均だったのですが、日平均ということで考えてみたときに、観測値とシミュレーション結果との比較なのですけれど、NOxは大体、ところがSPMについては、やはりバックグラウンドの部分、バックグラウンドというか、都市域全体の部分ですが、この部分とこの部分の乖離があるということで、それはちょっと今のところなぜそうなるのかという理由がはっきりしないものですから、未把握という部分で、そこの部分が何らかの原因で発生しているということを仮定して、その部分を上乗せして観測値と合わせた状態で将来予測をしています。ということで、これについてもやはり車からの寄与というのは、沿道がより顕著にあらわれてくるということが言えるかと思います。
     以上をまとめてみますと、今申し上げたように例えばNOxは70%と、非常に効果があらわれてくるということが言えます。
     それで、これが最後のグラフになるのですが、今まで申し上げてきたことは、すべて現在に対して将来どれくらいの割合で変化するかという絶対値の議論ではなくて、変化率の議論をしてきました。その変化率を議論をしたその理由は、大気モデルシミュレーションそのものが絶対値の数ppbというオーダーを議論するところまでは、現在のところ若干至っていないということで、大気シミュレーションはあくまで感度解析をやるための道具であるという認識を持ってやってきたものですから、変化幅だけを議論してきました。ところが、その変化幅が、じゃあ具体的に改善効果の絶対値に対してどう効くかという議論をやはりやっていかなければいけないということで、やった結果がこれです。
     この結果は、まず、ここで紫で示しているこの値が、これは1998年のデータですけれども、実際の観測データを、自排局・一般局の観測データをNO2 とSPMの関係でプロットしたものです。このグリーンの点が、環境基準値です。これから見ると、1998年においては環境基準値に対し約半分ぐらい、この領域ですが、オーバーしている。ところが、2015年においては、新長期を入れることによって、先ほど申し上げました変化幅を大気シミュレーションで計算できますので、この紫にその変化率だけを掛けてやると2015年を一応予測できます。その予測した結果がこの赤なのですが、これから見ると、NO2 の基準達成は大幅に改善されてくるだろうと。ところが、SPMについては、約半分ぐらいがまだ基準値をオーバーするのではないだろうかと考えられます。
     これは1998年をベースにしているのですが、2000年をベースにした場合も計算しています。それは次第に関東圏の空気が改善されてきており、原因は気象条件にもよるでしょうし、例えば固定発生源のごみ焼却炉の改善等がなされていると推測されるので、高濃度にあらわれた場合とかなりきれいな条件にあらわれた場合、2ケースを計算したわけです。そういう場合で、2000年の比較的きれいな条件になると、かなりの局におけるSPMが環境基準値を改善されてくるだろうということで、将来、大きく言えば、これとこれの幅の中で改善がなされるのではないかというふうに推測しています。
     大分長くなったのですが、以上全体をまとめてみますと、2015年に向けてどういうことがはっきりしてきたかということですが、新短期・新長期規制を導入することによって、自動車からの排出量は、ハイドロ・カーボン、NOx、PMともに、2000年の約3分の1から5分の1に削減される。その結果、自動車からの排出量が、都市域のハイドロ・カーボン、NOx、PMの全排出量に占める割合は、それぞれ5%、30%、10%になる。その結果、広域大気質の改善は、NO2 、オキシダント、SPM、それぞれ25%、20%、15%となります。NO2 、SPMの環境基準の達成率は気象条件に影響されますが、NO2 の達成率は大幅に改善する見込みです。ただし、SPMについては、一般局においてはほとんどの部分は達成されると思うのですが、自排局は数パーセントから90%というかなりの幅で改善されてくるということになります。一方、沿道大気は、NOx及びSPMに対して45%、30%の改善がある。ただし、沿道においても、バックグラウンドとしての都市域大気の影響が大きいということで、さらなる大気質改善は、先ほども二次粒子の話を詳しく申し上げましたが、光化学反応による二次粒子、オキシダントの生成を考慮したら、PMの低減については工場からの一次排出量の削減、ハイドロカーボンについては溶剤からの排出量削減、それからNOxについては、工場、事業所、ディーゼル車等からの排出量削減というのが将来に有効と推測されます。
     以上、大体JCAPで今までやってきた研究の結果をご報告したのですが、その結果についてはまだ幾つかの課題があるということで、例えば排出量の推計とか、二次粒子というものが、粒径分布がどう変わるかというような議論についてはまだ手が染められていません。その部分については、次年度から実施されるであろうJCAP2、仮称ですが、にて推進していく予定にしています。
     以上です。長くなって申しわけございませんでした。

    【河野委員長】 ありがとうございました。
     きょうの予定なのですが、あともう2件ほどガソリン車とディーゼル車をやっていただくということなので、あと残りが35分ずつぐらいでやるということだと、この件につきましては10分程度ご質問等いただくということでやらせていただきますが、よろしゅうございますか。

                     (異議なし)

    【河野委員長】 では、委員の皆様方、よろしくお願いいたします。

    【岩本委員】 資料で言いますと、24ページにNO2 の濃度の低減効果というのが出ているのですが、それで房総半島のところが冬と夏で随分違いますね。それはどう考えたらいいんですか。

    【山崎】 ちょっとここの部分については、まだ、例えばこれを計算する上でいろんな境界条件を入れて計算するのですが、その境界条件の精度とか、それから計算のグリッドに対する誤差みたいなものが積み重なってきて、我々は、一番大事なこの中心部、このNOx規制地域が計算と観測値とが合うようにすべてのチューニングをしたものですから、ここの部分については、ちょっと過大評価とか過小評価をしている可能性があります。

    【岩本委員】 ずれている感じがあると。

    【山崎】 あります。それで、全体は示しているのですが、あくまでやはりNOx規制地域を対象に計算を実行したということで、そこの判断はそこを主体に見ていただいた方が、この部分の理由というのは、そういう意味ではあいまいです。
    【大聖委員】 これは絶対値ではない、相対値ですから、基本的には濃度としては低いのではないですか、絶対値としては。

    【小林】 そういうことはございます。あそこの濃度が低いものですから、誤差が比率で書きますとこういう結果になってしまいまして。

    【岩本委員】 もともと……。

    【山崎】 冬場と夏場については、NOx濃度そのものの違いが相対評価でするとやはりあらわれてくるということで、精度議論は、最初に申し上げた非常に難しいという部分が、やはりここにも跳ね返ってきている可能性はあります。

    【坂本委員】 タイヤ磨耗、粉塵については、ほぼ予想どおりかもしれないのですが、あとタイヤはかなり種類が変わってきていますですよね。だから、相当これは大きい方へ行くのか小さい方へ行くのかわからないのと、それからあともう一つ、無機粒子・有機粒子の広域平衡モデルを、今度は、広域平衡モデルでは今ないということがわかってきて、別のモデルにやろうとしているわけですが、そちらになると今よりも多い方へ行くんじゃないですか。広域平衡モデルですと、全く蒸気圧なり温度なりで決まっちゃうけれども、粒子の方に溶け込むような形で行くものが今のでは入ってないことになりませんですか。その辺、どうなんですか。

    【山崎】 おっしゃるとおりですが、我々、まだそこがどちらに向かうかというのはよくわかりません。ただ、ここにも書きましたように、平衡モデルでやると今おっしゃったような問題があるので、あくまで動力学に移していかなければいけない。動力学に移していく理由は、今おっしゃったような部分もあるのですけれども、粒径分布ということ、しかも100nmとか50nmの小さい方の粒径に対する数が平衡モデルでは何もあらわせてないものですから。そうしたときに、今の結果がどちらへシフトするかは、逆に言えば粒径分布の小さい方に大きなウェートが入るとしたら、重量モードの大きい側については、わかりません、余り軽々しく言えないので、ひょっとしたら若干下がるかもしれません。

    【坂本委員】 下がる方へ行くと。

    【山崎】 余り軽々しく言えないので。わかりません。多分下がるのではないかなと思うのですが、今、少なくともJCAP2を立ち上げる前段階で、ゼロ次元ですけれども、ダイナミックモデルの構築をやっています。ゼロ次元でそれを構築したときに、平衡モデルとダイナミックモデルとの感度解析をやれば、坂本先生の今のお答えには、第一段階ではお答えできると思うのですが、まだ今は無理です。

    【大聖委員】 17ページなのですけれども、テールパイプからの対策がどんどん進んできますと、ハイドロ・カーボンとしては、逆に給油所、あるいは油槽所でのエミッションの方が大きくなるということで、これを額面どおり受け取りますと、その後の対策も必要ではないかなというふうに解釈できるのですが、そういう理解でよろしいでしょうか。

    【山崎】 一応、我々は、先ほど申しました車から出るエバポ・エミッションなんかは考慮していまして、しかもその部分を1DBLという形で持っていくとかなり低減できると。テールパイプも新長期で低減、その結果としては下がってくるので、相対的には給油所や油槽所が大きくなってくるのではないかと予想しています。それは大聖先生のおっしゃるとおりなのですが、それをどうしていくかという部分については、まだ具体的な施策というか、方針については……。どちらかというと我々は事実を述べるということであって、それをどう受けとめていくかは先生方のご判断と思っています。
     冨山室長、何かそれに対するコメントは。

    【冨山】 山崎さんのおっしゃるとおり、基本的に、私どもJCAPは自動車という視点で見てきましたものですから、固定発生源等については、情報を集めてそれを積算しても、今は大気モデルで評価しているという段階です。今後、そういうことが必要になるということであれば、それはそれでまた今後課題として考えなければいけないことではあると思いますけれど。

    【大聖委員】 境界のような気がするんですね。固定発生源的な感じもいたしますけれども、動くものに対して燃料を補給するという意味では、半分移動発生源的な。

    【山崎】 アメリカがやっていた経緯もありますし、それは我々大気という立場から見ると、どういう事実が将来出されるだろうかということだけはしっかりやると。それをさらに低減していく上でどういう施策があり得るかという議論については、先生方のご判断であると判断しています。

    【指宿委員】 最後の話ですが、これはこれでいいと思っているのですけれど、こちらのモデルで有機二次粒子をどういうふうに生成するかという中身がわからないのですが。例えば炭化水素の種類というのは、かなり入っていますか。

    【山崎】 はい。それはお手元の資料のですね、きょう、方法論については説明しなかったので、そこの部分については、お手元の資料の大気モデルWGの補足説明資料があります。その中の大気補、ページ数で17です。大気補の17です。今、指宿先生がおっしゃった部分は有機二次粒子についての考え方ですが、我々はスモッグチャンバというのをJCAPの中で開発しました。もちろんご存じで、スモッグチャンバの中に一応NOx、SOx、それとハイドロ・カーボンの種類を書いて、二次粒子の生成挙動を追っかけるということをやってきました。
     その結果、例えば炭化水素、α−ピネン、m−キシレン、トルエン、いろいろあるのですが、それに対して粒子収率は、もともとの粒子濃度、その場に存在する粒子の数に依存して変化していくと。しかも炭化水素の種類によって変化していくという事実を4年間集めて、それをベースにして粒子収率を炭化水素の関数としてあらわすということをつくり上げました。このモデルについては、先日EPA等と相当議論をして、彼らとのデータの互換性については大体保証できたと考えます。

    【指宿委員】 ここで気になるのは、自然発生源のα−ピネンがね、それは大きいわけですよね。それに対してこちらでどれだけの自然発生源があるかという見積りが、ちょっと余り詰めてないなという。これはちょっとどの値がいいというのはわからないですけれど。感度解析的な計算をされていました。例えばそこを倍にしたらどうなったかとか。

    【山崎】 植物の部分についてはさわっていません。というのは、我々のコントローラブルのパラメーターではないという前提で。ただ、発生源の精度を理解する上での感度解析は今後必要かもしれません。

    【指宿委員】 むしろ何かこういうモデルが公開されて、いろいろな研究会が検討するという方がいいのかもしれないのですが。

    【山崎】 公開については、基本的には実施する予定です。ただ現在は、我々研究者レベルでやったものですから、第三者の人が見ても、どのプログラムが何だというのがよくわからない、くしゃくしゃになっているものですから、もうちょっと整理をして、第三者の方が見ていただいてもアクセスできる状態にまですれば、もちろんJCAP1が終わるまでにはそれをやるつもりですが、そうしたら公開させていただこうと思います。ご批判いただければと思います。

    【河野委員長】 我々としては、このモデルについては非常に興味があるところでありまして、単体規制で頑張っても本当に効果があるのかというようなこともありまして、重要だと考えておりますが、いかんせんきょうは時間が押しておりますので、それで今後のことなのですが、きょうのご説明につきましては、各委員の方、いろんなご質問等がおありになると思いますが、また後からでもご意見、問題、質問等を出させていただいて対応していただくようなこともあり得ると思いますので、JCAPさんの方としては、それに対応していただければと思いますが、よろしゅうございますか。

    【御園生委員】 一言だけなのですけれど、今、河野委員長が言われたように非常に重要かと思います。わかりやすいかわりに影響力も大きいところもあったと思うんですね。この問題、JCAPとしては施策に参考にしてもらいたいところが非常にあるので、そういう意味では重要だと思うのですけれど、ベースになるデータとか、それからシミュレーション手法はなかなか難しくて意味もわからないのですけれど、またこれを議論し出すと切りがないのだろうと思うのですけれど、基礎となるデータと、それから、シミュレーションのいい悪いを評価するのは、やはり実測値で行うかということになるの、実測値のよいデータを出して合わせるのがいいというようなことを抜きにですね、こういうのがひとり歩きするとまずいんじゃないかというのが私のいつも思っていることなので、そのための努力はぜひですね、JCAPだけなくて、やはり国を挙げてやっていただきたいというようなことが1点。
     それからもう一つ、JCAPとしてはアンタッチャブルだと言われた固定発生源等の塗装の問題と、あるいはPMについても将来的にはもう少し小さい粒子が問題になるということが見えているわけですから、その辺の先を読んでシミュレーションを今から準備しておかないといけないんじゃないかなと思いますので。

    【山崎】 御園生先生にはいつも研究委員会でご指摘いただている点ですし、1点目については、できるだけひとり歩きしないという意味では、この持っているシュミレーションとか計算がどういう仮定のもとでなされたかということをちゃんとご理解いただいて使っていただきたいというのは、公開した後もお願いしたいと思っています。

    【御園生委員】 ある意味でなかなかわからなくて、実測値とどの程度のことが重要になって、質のいいものを集めるのが結構大事なのではないかなと。JCAPだけではできないんだと思うのですけれどね。

    【山崎】 実測値との比較については、きょうはご説明しませんでしたが、一応、観測との比較というのはある程度やってきています。ただ、十分かと言われるとそうではない部分があるので、今後も必要だと思います。

    【御園生委員】 余りはっきりとは言われなかったけれど、例えばハイドロ・カーボンだと、大聖先生が言われたガソリンスタンドがあるけれども、塗装が圧倒的に多いということで、これははっきり言われなかったけれど、かなり強いメッセージを持っていますよね。このデータの信頼性というのは、実は事実を問われるんじゃないかと思いますので、このあたりもう、やはりやられる必要があるんじゃないかなと思うのですけれど。

    【山崎】 ここで終わるわけでないので、今後、精度アップも含めてやっていきたいと。
     それから、二つ目の微粒子側の方については、先ほど坂本先生のご指摘もあって、次の段階では重量ではなくて微小粒子側ということについて的に絞って展開していく予定にしています。
    【坂本委員】 それを早目に言った方が、先ほどのタイヤ磨耗、粉塵というのは、そんな金をかけて減らす対策を、騒音のあるところは別ですけれども、減らす意味があるのかどうかということも関係してきますね。だから、それはむしろ早目にやった方がいい。
     それから、あともう一つは、今の炭化水素の場合は、PRTRでかなりのものがだんだん抑えられてくるということを考えたら、その部分を含めた形の考え方にしていくのが、非常に、早目に動いた方がよろしいのではないかなと思います。

    【河野委員長】 予算も関係している話で、いろいろと今後……。
     きょう、時間がなくて議論できなかったのですが、いろんな観点から問題がありそうだということで、きょうは切り上げさせていただきまして、次に移りたいと思います。どうもありがとうございました。
     では、次のガソリン車のワーキンググループの方を。

    【齋藤】 ガソリン車ワーキングの主査を務めております日石三菱の齋藤でございます。
     本日は、ガソリン車ワーキングで行いました実験のうち、直噴エンジン、それとガソリン中の硫黄分といったところに焦点を絞った検討結果についてご説明いたします。
     本検討で直噴エンジンをやりました背景といいますのは、将来のCO2 の排出量低減を考慮したということ。そして、さらに硫黄分ということにつきましては、直噴エンジンに必要なNOx低減触媒、これが硫黄分の影響が大きいであろうといったことが懸念されたために、こういった試験を行いました。
     試験につきましては、長距離走行時の硫黄分の影響を把握するという意味で、走行試験を実施しております。こちらが試験に使用しました燃料でございます。燃料は3種類使用いたしまして、硫黄分につきましては、それぞれ10ppm、30ppm、80ppmを目標といたしまして調整しております。80につきましては、市場のガソリンの最高値レベル相当と。30につきましては、市場のレギュラーガソリンの平均値レベル。そして、10ppm以下につきましては、モデル燃料といった位置づけではありますが、実質は市場のプレミアムガソリンと同等のレベルのものと考えます。あと、硫黄以外の性状につきましては、すべて同じものをそろえております。
     一方、車両でございますが、車両は4車種を選定いたしました。まず、排出ガスの目標につきましては、1978年規制の6分の1、すなわち平成12年規制の2分の1を目標といたしましたプロトタイプ車を特別に仕立てまして使用しております。そして、車両の中身は、GVA車がMPI車、ストイキ燃焼でございます。GVBからGVDがSIDI、すなわち直噴エンジン車、これはリーンバーン方式を採用していると。この3種類を選定しております。NOx触媒につきましては、3台とも異なる技術を使用したという位置づけになっております。なお、表中でN.Aとありますのは、これは摘要なしということ。あと、N.D.につきましては、今回、供出しました車両が開発中の最新技術を搭載しているということもございまして、一部これは開示ができませんといった内容をこれで表示しています。
     こちらは細かい車両仕様になっております。本日は、ちょっとこれは説明は省略させていただきます。
     試験手順でございますが、走行距離は3万キロで行いました。この図に示しましたように、前半と後半で走行期間をそれぞれ入れかえまして、さらに測定機関につきましても、0、1万5,000、3万で、それぞれ2カ所を逐次入れかえ、1万5,000では2カ所で測定しておりますが、そういった方法をとりまして、データの信頼性、ばらつき等を抑えるために、こういった方法をとったと。
     排出ガス測定の内容、また走行パターンにつきましては、この図に示したとおりでございます。
     こちらは、今ご説明申し上げましたマトリックスの一覧でございます。
     早速ですが、結果の方に入りたいと思います。
     こちらは3万キロ走行後に硫黄の影響を矢印でまとめたものでございます。ざっと見ておわかりになるかと思いますが、全体的に見れば、硫黄低減により排出ガスは改善の方向にあるといったことがあるかと思います。ただ、MPI車と直噴車と比べますと、この比較においては、やはりMPI車より直噴車の方が硫黄の影響が出ているかと、赤の矢印が大きく見えるということが言えるかと思います。なお、この矢印につきましては、95%信頼限界での有意差検定をした結果の矢印でございます。
     次に、目標値を平成12年規制の2分の1で出しましたので、3万キロ走行後それがどうであったかということの判定結果でございます。まずGVA車、MPI車でございますが、これにつきましてはすべてのレベルで全部○がついておりまして、目標値をクリアしております。ただ、GVBからGVDの直噴車につきましては、特にNOxの86ppm、ここが目標値をクリアできなかったということで、すべてというわけにはいっておりません。しかしながら、GVC車につきましては比較的成績がよくて、22ppm前のところであれば目標値をクリアしているという結果でございます。
     それでは、それぞれの結果にまいります。これから同じようなグラフがどんどん続きます。一応、資料的な意味も含めましてお示ししてございますが、説明はある程度省略して進めてまいりたいと思います。全グラフに共通しておりますのは、まず縦軸につきましては、これは昭和53年規制を縦軸ということでそろえてございます。
     まず、10・15モードのCOですが、0キロメートルではほとんど硫黄の影響、横軸が硫黄でございますが、硫黄の影響はございません。ただ、これが3万キロになりますと、車によって差が出てまいりまして、GVD車と申しますのは、硫黄によってかなり排出レベルに差が出ているわけです。また、1万5,000でもやはり同様でございますが、車両によっては20ppmが一番大きな排出量を示しているといったような結果も得られております。
     こちらは横軸を走行距離にとったものでございます。これはちょっと説明は省略させていただきます。
     これは10・15モードのトータル・ハイドロ・カーボンについて横軸を硫黄濃度にとったものでございますが、これを見ていただきますとわかりますように、全車が全硫黄レベルで目標値にあるということが言えます。これは縦軸の関係でほとんど並んで見えておりまして、若干、硫黄の影響が出ているのですが、先ほどのCOに比べると硫黄の影響は非常に小さいとTHCについては言えるかと思います。
     こちらは横軸を走行距離にしたものでございます。これについても説明は省略させていただきます。
     次にNOx濃度でございますが、横軸に硫黄濃度をとった場合、まず、0キロメートルでは硫黄の影響というのは出ておりません。一方、これが1万5,000、3万になりますと、車両によって影響が出てくるということが言えるかと思います。大体、二つのグループに分かれておりまして、GVBとGVDにつきましては、2から22ppmで硫黄の影響が大きく出ているということが言えます。それから、一方、緑のGVCにつきましては、これは2から22というのは余り影響は出てないのですが、22から86ppmのところで硫黄の影響があらわれるといった結果が得られております。一方、GVA車というのは、硫黄の影響はほとんど見られておりません。
     こちらは同じNOxで横軸を走行距離にとったものでございますが、まず、0キロメートルにつきましては、GVD車が、このように2ppmであっても3万キロでNOxのレベルが上がっているという結果が得られています。これにつきましては、後ほど考察いたします。これが22ppmになりますと、GVBとGVD車、この2車が距離によってNOxレベルが上がってくると。一方、GVCとGVAにつきましては、走行による増加というのはほとんど見られていません。これが86ppmになりますと、GVC車も走行によって上昇傾向と見られておるのですが、逆に今1万5,000から3万のところにつきましては、むしろ減少傾向もGVCについては見られているといった結果が得られております。これにつきましても、後ほど考察いたします。
     こちらの11モードでございます。11モードにつきましては、これは縦軸が
    昭和53年規制にいたしますと底に張りついてしまう関係上、縦軸のフルスケールにつきましては、これは平成12年規制でやってございます。横軸、これは硫黄分、縦軸はCOでございますが、これは全車が目標値以内ということで、硫黄の影響も10・15に比べれば小さいかなといった結果です。
     こちらは横軸、走行距離です。
     これはトータル・ハイドロ・カーボンですが、これにつきましては、ちょっと横軸を走行距離にしたもので簡単にご説明したいと思います。この86ppmの結果を見ていただけばわかりますように、大体二つのグループに分かれております。いずれも走行距離で余りふえているということではないのですが、GVBとGVCが比較的ターゲットに比べて余裕のない高いレベルにあって、GVDとGVAは低いレベルにあるということが言えます。GVD車は、先ほど10・15ではNOxでかなりレベルが高かったのですけれども、11のTHCでは逆に非常に排出量が低いということが言えるかと思います。
     これはNOxの方でございまして、横軸は硫黄濃度でございます。こちらは硫黄濃度による影響は出ておりますが、10・15に比べれば、その影響は小さいということが言えるかと思います。こちらは目標値に対しては全車が合格といった内容でございます。
     こちらは走行距離、横軸でございます。説明は省略いたします。
     以上の結果から、2点に絞りまして考察をさせていただきます。
     一つは、GVC車が、先ほど申し上げましたように1万5,000から3万のところでちょっと減ったようにみえるということについて考察してみました。これにつきましては、GVC車、これは先ほどの諸元にもございましたが、ある程度の空燃比とか排気温度の制御によりまして硫黄の被毒の回復技術を採用しているといったことが開示されております。したがいまして、1万5,000から3万キロで被毒の回復制御が何らかの形で入ったといった可能性が一つあるかなと考えております。しかしながら、この2ppmと22ppmの結果を見ますと、特にここで下がるといった傾向は見られていないということ。それから、これは86ppmでそれぞれの場所ではかった生のデータをプロットしたものでございますが、3万キロはデータがこのように固まっているのですが、1万5,000ではかなりいろんなレベルのデータが出てきているということで、これは単なるデータのばらつきではないかといったようなことも一方では考えられています。データがばらついた要因といたしましては、触媒にたまったSOxによってNOxの吸蔵能力が低下いたしまして、NOxが破過しやすくなり、その結果といたしまして、運転条件の変動に非常に敏感になったと。NOxのオーバーフロー量が大きく異なった結果として、データがばらついたのではないかといったことが考えられます。したがいまして、この挙動につきましては、回復制御とデータのばらつきと両方の可能性があるというのが考察の結果でございます。
     一方、GVD車、先ほど11のTHCは非常にレベルが低かったのですが、この直噴3台につきまして、横軸をNOx、縦軸をTHCで10・15モード、0キロメートルのデータをプロットしてみました。それによりますと、GVC車はNOxが非常に低いのだけれど、トータル・ハイドロ・カーボンは若干高目にあると。それから、GVD車につきましては、NOxは高いがトータル・ハイドロ・カーボンは低いと。こういった両極端の結果が出ております。さらに、GVD車といいますのは、硫黄分2ppmの走行によってNOxが増加したといった挙動が得られております。
     こういったことから、その要因を推定いたしまして、まずGVCにつきましては、空燃比を濃くしたことによるNOxの低減、あるいは硫黄脱離といったことを図っているのではないかと。その結果として、トータル・ハイドロ・カーボンが高くなったということがGVC車には推定できます。
     一方、GVD車につきましては、トータル・ハイドロ・カーボンを低減させるために保温強化をしたと。高排気温度をねらったために、これはちょっと行き過ぎて熱劣化が予想以上に進行してしまって、2ppmでもNOxのレベルが上がったのではないかということが推定できます。
     以上から、車両側の課題といたしましては、直噴車につきましては耐熱性とか硫黄被毒性を向上した触媒、NOx、硫黄脱離のための空燃比制御におけるトータル・ハイドロ・カーボンの低減と。そういったもの、それをさらにCO2 の排出量にも視点を置いた開発が必要ではないかと考えられます。
     一方、これは外れてしまいましたけれども、MPI車につきましても、これがリーンバーンということになりますと、結局は直噴車と同じということですので、リーンバーンが進んだ場合には、同じようにそのリーンの触媒にかかわる開発課題があると
    考えております。
     以上、結果・まとめを行います。まずは走行開始前につきましては目標値以内と。硫黄レベルの影響はほとんど見られなかったということです。3万キロも、走行後でございますが、まずMPI車、これは硫黄の影響が小さくて86ppmの目標値以内だと。それから、直噴車はやはりMPI車よりも硫黄分の影響が大きかったのですが、その程度は車両によって異なると。具体的には86ppmでは全車目標値を超えておりますが、2と22ppmではGVC車、3台中1台が目標値以内といった結果になりました。
     それから、11モードでございますが、11モードは、MPI車はまずこれは10・15と同様に硫黄分の影響が小さくて、86ppmでは目標値以内だったということです。それから、直噴車につきましては、MPI車よりも硫黄分の影響が大きいわけですけれども、その影響度は10・15よりも小さかったと。具体的にTHC、トータル・ハイドロ・カーボンが若干目標値を超えるものがございましたが、COとNOxは全車が目標値以内だったと。
     以上、考察の方をまとめてまいりましたが、まず、自動車技術といった面では、リーンNOx触媒の耐硫黄性向上のためには空燃比、それから温度制御による硫黄脱離促進も重要技術の一つと考えられると思います。ただ、こういった技術といいますのは、トータル・ハイドロ・カーボン、あるいは触媒の熱劣化、CO2 排出量といった点では不利、さらには直噴車のメリットを減ずるといったような方向にもなります。したがいまして、さらなる排出ガス低減のためには、耐熱性、耐硫黄被毒性を向上した触媒、NOx・硫黄脱離のための空燃比制御時におけるハイドロ・カーボンの低減技術、それから、高精度な空燃比及び排気温度制御技術の開発が必要であると考えます。
     一方、これに対応いたします燃料技術につきましては、まず、硫黄分の低減により排出ガスは低減の方向であるということが確認できました。ただ、これは先ほどの自動車の空燃比制御と、それに対応するようなことになるわけですけれども、硫黄分の低減というのは、やはりCO2 排出量といった点ではデメリットになるのではないかと考えます。
     したがいまして、自動車・燃料、両方含めまして、排出ガス低減システムの耐久性向上を目的といたしました硫黄分の低減には、燃料側も含みますライフサイクルでのCO2 排出量といったことにも視点を置いて検討していく必要があるのではないかというふうに考えられます。
     以上、大変急ぎましたけれども、報告を終わらせていただきます。

    【河野委員長】 ありがとうございました。では、ご自由にご質問ください。

    【小高委員】 10・15モードと11モードの結果というのが
    違うのはどういうふうに解釈されているのですか。

    【齋藤】 それは、やはり一つには、11モードではまず触媒が余り作用をしてない領域というのがございますので、硫黄の影響ということを考えた場合には、そこでの影響が小さくなってくるというのが一つあるかなと考えます。

    【小高委員】 これは車両諸元を見ますと、GVA車というのは、いずれも触媒を前にも持ってますよね。多分、これはコールドスタートのときの暖機促進のために一つ持っているんじゃないかと思うのですけれども、私は、むしろその影響の方が出てきて、細かい組成というのはわかりませんけれども、マニホールド直下に置かれているものというのは、大体、パラジウム・ロジウム系で、何かスペックを見るとみんな同じようなものなので、多分その影響が出ているんじゃないかなと思うのですけれどもね。個々の車の触媒でどういうものを使っているかというような細かいことはわかっているのでしょうか。

    【齋藤】 これは細かいところまでは開示されておりませんので。

    【河野委員長】 あと、11ページの結果で、今、小高委員がおっしゃっておられるようなことかなと思うのですけれど、硫黄の効果はさることながら、何か耐久性にも問題があるような感じも受けるのですが、そういうこともあり得るということなのでしょうか。

    【齋藤】 11ページ、こちらの方ですか。

    【河野委員長】 はい。

    【齋藤】 耐久性とおっしゃいますと。

    【河野委員長】 GVD車は、例えばCOとかNOxについて言えば、3万キロ走行後はクリアしてないということでしたね。

    【齋藤】 はい。

    【河野委員長】 だから、それは燃料中のサルファー以前の話というようなことなのですか。

    【齋藤】 今回は、プロトタイプ車ということで、ある程度考えられる技術をありったけ詰め込んだ車ですので、そういった意味で、先ほどもちょっと考察を申し上げましたけれども、ちょっとねらいと違ってしまった部分もあるかもわからないと思います。
     濱崎さん、何か。

    【濱崎】 今回は一応、排ガスに特化しまして耐久性とか、本来運転性とかあるのですけれども、そちらの方はまだ検討段階ではありまして、今回、ちょっと耐久性が劣ったのは確かだと思いますけれども、そこまでの検討はやっておりません。一応、排ガスの目標値を達成するために触媒を利用してやっています。ただ、耐久性まではちょっと保証はできていません。そういう意味では、プロトタイプ車だと思います。

    【河野委員長】 だから、その絵が出てくるから何かわけがわからないので、要するに横軸に距離をとって、それで幾らになりましたというようなことで、それを議論の対象にすればいいということなんですよね。そういうことですよね。

    【小高委員】 試験車両のエンジンの排気量ぐらいは知りたいなと思うのですけれど、教えていただけないですか。

    【濱崎】 エンジンの排気量は、直噴車両は3社しかないものですから、排気量を開示しますと、GVBとかCとかDとか来ますが、車が特定できるものですから、それは自工会の話なのですけれども、開示できませんということです。

    【大聖委員】 劣化したのを再生するようなデバイスの入っているものもあるわけですよね。それが作動しているかどうかというのは今回不明だというようなご説明だったと思いまして。

    【濱崎】 そこら辺は確認はしていませんけれども。そういったものは非開示な部分も入ってくると思いますけれども。

    【大聖委員】 こういう装置によって、多少Sが高くても割と耐久性が保証できるということになりますと、石油サイドだけではなくて、そういうハードウェアの方も改善すべきだという議論になりますので、この検査値は結構重要なデータではないかなという気がいたしますけれども。
     それからもう一つは、一応3万キロという走行ですけれども、一応、自動車ですと8万キロという耐久が要求されていますので、3万キロ走ったというデータから、8万キロぐらいの走行も何か劣化のようなものは推定できるというデータの有用性はあるのかどうかということ。

    【濱崎】 それは今回の車両についてはないと思います。先ほど説明ありましたように、それ以外の部分での耐久性というのは余り考慮されていなということがございますし。

    【大聖委員】 それからもう一つは、レギュラーとプレミアムでも現状S分が違いますし、例えばプレミアム指定の車でもレギュラーのガソリンが使えますという車は結構多いんですね。そうすると、ミックスして使うというようなことが現実に起こるわけですけれども、そうなったときに、S分の高いものを使っていて、S分の低いものを使ったりしたときに、ある程度、回復とか、劣化の抑制というものが起こるのかどうか。あるいは、逆にSの低いものを使っていて高いものを使うと劣化が進行するというのは結構あり得るわけですよね。すると、ここでのデータというのは、何かそういった推計にも使えるものでしょうか。あるいはそういうスタディも必要ではないかなという気がするのですけれどもね。

    【斎藤】 ここでのデータでは使えないかと思いますが、おっしゃるとおり、硫黄分のレベルがこうなった場合にどうなるかというのは、確かに重要なところではないかと思います。

    【河野委員長】 あと、結論で燃料側では硫黄分の低減により排出ガスは低減の方向であるとおっしゃっているのですが、これは低ければ低いほどいいということをおっしゃっていると理解してよろしいですね。

    【斎藤】 硫黄の低減によって排出ガスが低減する方向にあると言うことができるかと思います。あとは、低ければ低いほどいいんじゃないかという話は、それは触媒の機構から考えますとやる前からわかっている部分もございますので、むしろそこら辺が車によってどう変わってくるのか、それに対応する車の技術はどうなのか、そこは硫黄と車の技術の組み合わせで、最適なのはどこかという議論になるのかなというふうには考えています。MPI車なんかですと、余り硫黄の影響は見られてないということもございますし、一方、直噴車でも硫黄の影響が大きいものと小さいものとがあるということでございます。

    【河野委員長】 それでは、次に移りたいと思います。どうもありがとうございました。
     では、ディーゼル車のワーキンググループの報告をお願いしたいと思います。

    【尾山】 それでは、ディーゼル車ワーキングの報告をさせていただきます。
     私、ディーゼル車ワーキングの主査を務めさせていただきました日石三菱の尾山と申します。
     まず、ディーゼル車のステップIIの計画概要でございますが、目的は、将来の車両と燃料の組み合わせによる排ガス、信頼性評価を行い将来の方向性を探る新長期技術に対してどうか、さらに新長期技術以降についてどういう指針が得られるかを目的としています。
     試験は2種類で、一つはマトリックス試験、もう一つは走行試験です。マトリックス試験の目的は、今回評価した排出ガス低減技術を燃料技術と組合せて、両者がどうかかわりがあるかを評価します。使用する触媒はフレッシュで新しい状態のものを評価します。車両3種類、エンジン3種類と、燃料11種類の組み合わせで実施しております。
     走行試験はガソリン車と同様に長期走行時における硫黄分の影響を見ます。走行距離は基本的には3万キロを目標にしているのですが、一部1万キロで終了したケースもあります。連続再生式DPFにつきましては、耐久性よりも再生性能が重要で、排ガスだけではなくて、背圧変化も評価しております。マトリックス試験のうちの車両2種、エンジン2種を新たに走行用に仕立てて、燃料3種類を使ってやっております。
     具体的な供出されました車両/エンジンの諸元です。この中で、将来ディーゼルの新長期技術として有望なものとして、吸蔵型NOx触媒と連続再生式DPF、またインフラ等問題ありますが尿素SCRの三つの技術を単独或いは組み合わせています。いずれも触媒、後処理だけではなくて、これを制御するための燃焼ですとか制御技術というものを折り込んでシステム化された最先端技術です。ただ、やはり現段階ではまだプロトタイプということで、必ずしもすべて新長期レベルで予想されるレベルを達成しているというわけではございませんので、あくまで要素技術の評価という位置づけでやっております。
     こちらが供出された燃料です。燃料の方はできるだけわかりやすく、軽と書いてありますのは軽油ベースで数字がサルファーレベルを、この灯50といいますのは灯油ベースの50ppmということです。あとそのほか、サルファーと蒸留及びセタン価、及び含酸素を一部入れたものを使ってあります。今回、スウェーデンのクラス1軽油も評価しています。走行試験用燃料としては硫黄分10、50、100ppmのものを使っております。
     現在の進捗状況は、まだ途中経過ということなのですけれども、車両2台、エンジン2台については、ほぼ終了か解析中の状況です。残りの車両1台、エンジン1台は、まだ準備中のものもございまして、まとめに向けて最終段階に入っているという状況でございます。
     それでは、結果についてご報告させていただきます。なお、本日、時間の関係上、先ほど言いましたように車両2種/エンジン2種のうち、車両1種/エンジン1種、吸蔵DeNOx車と連続再生式DPF装着のエンジンについてご報告させていただきます。
     吸蔵DeNOx車は、ターボ、インタークーラ、コモンレール付きでして、吸蔵DeNOx触媒と、これを生かすためのスモークレスリッチ燃焼と呼ぶ特殊な煤の出ない燃焼方式を採用しリッチスパイクを入れながら触媒の温度を上げ、NOxの還元もしくは硫黄脱離を行います。マトリックス試験は10・15モード、走行試験は耐久走行モードである11ラップで3万キロ走行です。
     マトリックス試験にもちいた触媒はサルファー10ppmの燃料で200キロ走行したもので、硫黄や熱による機能低下はほとんど無いレベルでの評価です。まず吸蔵DeNOx車ということでNOxが特に注目されるのですが、どの燃料でもほぼゼロで、吸蔵DeNOx車の効果というのは非常に大きいといえます。PM中のサルフェートも全排出されないという結果です。いずれにせよ非常に高いポテンシャルを持っているということは事実ではないかと考えています。なおPMについては、蒸留の影響が出ており、ステップIでの傾向と類似しています。吸蔵DeNOx車の走行試験の結果で、3万キロ走行後のNOx排出を見ますと、やはり時間とサルファー濃度に応じて影響があるという結果が出ております。10ppmでも、かなり劣化が見られております。この車両は触媒の硫黄被毒回復制御を採用しておりますがまだまだ今後の技術課題が残っています。
     次に連続再生式DPF装着エンジンですが、連続再生式DPFとロウ・プレッシャー・ループEGRを採用したものです。通常はハイ・プレッシャー・ループEGRで、DPFの前から排気を還流させますが、ロウ・プレッシャーEGRではDPFの下流側からコンプレッサー前へ還流します。マトリックス試験としては、ディーゼル13モードとWHDCモード、走行試験としては3万キロ走行を、JARIエンジンテストサイクルで実施しました。このサイクルは平均車速27キロで、都市部走行を模擬した、非常にDPFにとっては厳しいモードということです。
     マトリックス試験の結果でディーゼル13モードの排ガス試験ですが、まず連続再生式DPFということでPMへの影響です。サルファーの影響が大きいということがわかります。また、NOxにつきましては、ほとんど燃料品質の影響が見られないという結果です。連続再生式DPFを低硫黄の燃料と組み合わせることでPM低減効果が大きいということがわかります。
     次に排ガス測定モードの影響です。燃料は50ppmS軽油のものを使っています。モードにより排ガスが若干変化しました。特にPMにつきましては、レベルは低いが、ディーゼル13モードとこのようにWHDCとMOT/JARIで差があり、これは排気温の違いによる影響と推定しております。
     次に走行試験結果です。縦軸が連続再生式DPFの前後の差圧で、再生能力の一つの目安です。10ppmのケースでは、3万キロ走行前後で差圧は大きく上がりません。50ppmでは、差圧が少しずつ上昇し続け、100では走行の初期から上昇し、あるところで差圧は高いまま安定するという結果です。触媒出口のNO2 を測定した結果、10ppmのケースでは、NO2 レベルは高いが、50、100ppmでは走行距離の増加とともに急激に下がってきております。特に100ですと、大幅に初期段階に下がっており、走行の初期段階でエンジンアウトのNO2排出レベルまで下がってしまう、つまり触媒が失活し機能していない状態と考えられます。その後上昇しているのですが、これは背圧が上がることで排気温が上がっていくために、NOx転換率が回復してきたというふうに推定しております。
     連続再生式DPFでは白金触媒によりテールパイプでのNO2排出の増加が懸念されました。初期段階ではやはりエンジンアウトよりも高いレベルなのですが、走行が進むにつれてNO2がDPF再生に消費され、エンジンアウトよりも低いレベルになるという結果が出ております。
     こちらは走行試験前後のPMの排気を見たものです。残念ながら、今回、組成につきましてはまだ分析中ということで詳しい結果はまだこれからなのですけれども、特にディーゼル13モードで非常に高いレベルが出ました。これは、おそらく低排気温度のJARIエンジンテストサイクルで触媒・DPF上に吸着されたサルフェートやSOFが、高排気温のディーゼル13モードで排出されたと考えています。
     最後にまとめです。吸蔵DeNOx、CR−DPFとも軽油硫黄分の影響が大きく、新長期での軽油硫黄分の50ppmへの低減は有効であるということが確認されました。具体的にはサルフェート生成やSOF分増加が抑止出来ることと、長期走行時の後処理システムの機能低下が低減をされているということです。
     将来つまり新長期以降の自動車技術・燃料技術の課題ですが、燃料技術から見た場合、硫黄分というのは重要な課題であろうと思います。特に長期走行時の硫黄による後処理部品の機能低下は今後の課題ですが、自動車側での被毒回復制御技術がどこまで改良が進むかということもあり、両方の技術を見ながら検討していくことが必要ではないかと考えております。
     特に吸蔵DeNOx触媒におきましては、硫黄脱離のために排気温度昇温制御をやっていますが、例えば制御の頻度を上げればCO2 排出が増加します。燃料の脱硫もCO2 排出が増加させるので、最適な組合せについて今後調査を継続する必要があるのではないかと考えています。
     最後に、他の試験についてのまとめです。尿素SCRとCR−DPFを組み合わせたシステムを搭載したエンジンの結果では非常に高い低減効果が確認されたのですが、システム上の完成度に問題があり、今後改良が必要です。以上でございます。

    【河野委員長】 ありがとうございました。
     最後に関係して、尿素システムの問題点はこちらの資料に記載されていますか。

    【尾山】 詳細には記載していません。尿素を噴射する含むシステム側に目詰まりが起きて噴射量がちょっと変化してきているとか、そういう問題が実験中に起きたということで、信頼性という意味では問題が若干あるということです。

    【河野委員長】 ありがとうござました。
     では、ご自由にご質問をお願いします。

    【御園生委員】 最後のところに、19ページですか、燃料品質の影響、とくに硫黄分と後処理の関係が書いてあるのですけれど、硫黄分のありようについて結論らしきものが言えるのでしょうか。今、技術がちょうど変わっている時期で、なかなか言いにくいことだとは思いますが。

    【尾山】 おっしゃるとおり非常に難しいご質問です。吸蔵DeNOx触媒車の走行試験結果と新長期規制のレベルから必要から硫黄分レベルの結論は言えるでしょうが、ここで言いましたように、一般にサルファーフリーと言われている10ppmでも、かなり劣化していく傾向がある。自動車側で技術改良が進んだ場合にこれがどの辺まで改良されるのか、またその技術で硫黄の影響が変わる可能性があるので、やはりその辺はある程度完成されたもので再評価していかなければならないのではないかと考えております。

    【塩路委員】 今のそのグラフでなのですけれども、10と50と100で排ガスの悪化量が全然比例していませんよね。これはどういうふうに思われているのですか。

    【尾山】 触媒機能回復のための硫黄除去制御については、基本的には同じ頻度で制御しているということだけしか聞いておりませんので、どの時期にどういうふうにやっているのかがわかりません。そういう意味では、比例しなかった理由がシステム側にあるのか、それとも別の理由なのかわからないということが現状です。

    【塩路委員】 要するに触媒回復制御が余り効いてないということではないかなと思うのですけれど、まだうまくいってないというような気がするのですが、これはいつごろとられたデータなのですか。

    【尾山】 これはことしの4月から8月ごろまでです。

    【塩路委員】 割と最近ということですね。

    【尾山】 はい、そうです。

    【掛川】 技術そのものについてはもう少し前にJCAPへ提供されているものなのです。

    【塩路委員】 それでやったということですね。

    【尾山】 被毒回復制御を全くしないとかなり早い段階からNOx低減効果を失います。今回のシステムでは硫黄被毒回復制御がきちんと機能した上で結果がこうなっているというふうに認識していただければと思いますが。

    【塩路委員】 では、今の段階でオプティマムな制御をしていると思っていいですか。

    【尾山】 オプティマムかどうかについては、ちょっと私の方からは何とも言えないので。

    【掛川】 技術そのものは、昨年9月段階のレベルのものが供試されています。恐らく、今年メーカーのヒアリングを実施される中で最新の技術での結果が報告されると思いますのでそちらでヒアリングしていただければとおもいます。

    【尾山】 補足ですが今回は走行試験用のみに被毒回復制御の機構を盛り込んでいて、マトリックスの評価の時には盛り込んでいません。

    【小高委員】 連続再生式DPFで500ppm軽油のときのレベルが増えるのは判っていますが、値が高過ぎるという感じがします。0.6g/kwh近いというのは、今のエンジンでそういうのがあり得るのかしら。

    【尾山】 これは、SOFが増加したためです。

    【小高委員】 それなら、SOFが何でそんなにふえるのかなというのが。

    【尾山】 SOFといっても多分硫黄化合物となったSOFがふえているのではないかと推定していますが、まだはっきりとしたことは言えません。

    【掛川】本件は石油基盤研究所で分析しております。今までわかった範囲ではSOFの成分に軽質のものが随分含まれているようです。つまり本来であればガス状のはずのものがSOFに混ざって、PMとしてカウントされている、ということです。今度の秋の自動車技術会で、途中経過ですが、石油基盤研さんの方から研究発表されると思います。

    【小高委員】 あともう一つ、図の17で聞き漏らしたかもしれないのですが、走行前/走行後という意味なのですが、説明あったかもしれないのですが。

    【尾山】 申しわけございません。走行前といいますのは、走行試験の前に排ガス試験をしまして、それのレベルということでございます。それで、3万キロ後にJARIモードとディーゼル13モードで排出ガス試験を実施し比較したということです。

    【小高委員】 そうすると、ほとんど走行距離ゼロと3万キロ後の違いというふうに理解してよろしいわけですね。

    【尾山】 はい。走行後のPM増加が大きいのでDPFが壊れていないか調べましたが異常はありませんでした。そこで、触媒上にSOFやサルフェートが吸着・蓄積し、それが排出されたのではないかと理解しております。

    【岩本委員】 先ほどの塩路先生の質問と関連するのですけれど、10ページの、この比例してないというのはどうしてかなと思ったのですが、基本的な数字として、3万キロを走ったときに触媒の上を通過している硫黄の量というのはどのくらいかは計算で出ますよね。どのぐらいあるのですか。そして、それが触媒に対してどのくらいなのかなとも思うんです。

    【尾山】 ちょっとそこまでのデータというのはございません。当然、計算すれば出ることですので出せるかと思いますが。OEMからは触媒上の吸臓材の量について具体的な数値をまだ聞いておりませんので、現時点ではわかりません。

    【河野委員長】 変な質問ですけれど、それをもし硫黄ゼロでやればどこまで来るのですか。そこら辺から始まるのではないかと思うけれど。

    【尾山】 おっしゃることは判りますが今回の試験では実施しておりませんのでわかりません。確かにNOxの増加が単純にサルファーによるものなのか、あるいはほかの要因があったのかというのは不明です。

    【河野委員長】 わかりましたよね。だから、それがどの程度かというのが興味があるので。ゼロをおやりになる計画はないのでしょう。

    【尾山】 ゼロはございませんし、あとゼロをやるためには、従来から言われてますように、潤滑油の方のサルファーの影が当然ございますので、そこをじゃあどうやってゼロにするんだという議論も当然あわせてやっていかないと、硫黄分ゼロでの評価というのは多分かなりハードルが高いと思います。

    【小高委員】 走行試験のときに同じ3台のエンジンを使っているのかということなのですけれども、その辺はどうなのでしょうか。

    【尾山】 いや、これは3種類の車両を別にした……。

    【小高委員】 排ガス測定時はそれぞれのS分の燃料ではかっているのだけれど、走行試験中は必ずしもそうではないということですか。例えば50ppmSの燃料というのは、そのデータでですね、例えばゼロから1万5,000の間、耐久走行している間もずっと50ppmを使っているのかどうかということなのですけれど。

    【尾山】 耐久走行の間は、ずっと同一の燃料で走行します。

    【小高委員】 ということは、その3本の線があるということは、3台のエンジンでやったということですね。

    【尾山】 ええ、同じ仕様で別なものということでございます。

    【掛川】 乗用車の場合には、やはり寿命が限られていますので、同じ車両を3台メーカーさんに用意していただいて、触媒も同じ条件のものを準備してスタートしています。

    【大聖委員】 逆にこういう吸蔵型のDeNOx触媒車を評価する場合に、どの程度のSが触媒にくっついているかとかですね、それから、テスト前にどの程度既にくっついているかということで、プリコンディショニングの状態によって性能が結構違う可能性があるというのが推定されますですよね。そちらでの経験から、逆にプリコンディショニングというのはこうあるべきだとか、あるいは劣化回復システムのテストに当たってのあり方というのでしょうか、それの確認の仕方というのでしょうか、そういうものというのが見えてくるのではないかなという気がするのですが、これはテスト方法に関連して重要なポイントではないかなと思いますので、何かお知恵というか、ご提案があればお聞かせいただきたいのですけれど。

    【尾山】 やはりその辺はOEMからの技術情報の開示が必要です。但しノウハウにかかわるということで、今の段階では詳細な情報の開示は難しいかなと思います。別な形でやるしかないかなと思っています。

    【河野委員長】 一応、この件につきましては終了させていただきます。どうもありがとうございました。
     それから、もし、きょう全般的に、前の方にも戻りまして、何かご質問等ございましたらお受けしたいと思いますが、いかがでしょうか。

    【大聖委員】 ちょっと、先ほど御園生先生がご指摘になったことの繰り返しで、関連して申し上げますと、やはりこういうJCAPの取り組みというのは、石油サイドと自動車サイドの技術をいろいろ組み合わせることで客観的な評価をやるとか、あるいは大気への影響に関していろいろシミュレーションをやってきておられますので、非常に今後とも重要な課題をになっているというふうに我々外から見ても認識しておりますけれども、そういう社会的なニーズもさることながら、そちらで実施しておられる方々からのですね、やはりこういう研究というのは続けた方がいいし課題もあるから、それをクリアして、より定量性のある予測技術が可能になるとか、そういったようなご提案があると思うんですよね。もしそういうものがありましたら、ぜひ、我々にお聞かせいただきたいと思いますけれども。

    【小林】 それは今、大気モデルに関するご質問でしょうか。
     私ども、特に一番大きな問題は、インベントリーの問題が一つございます。今回、JCAPでは、今まで評価されてなかった車については、かなり精いっぱいやったつもりでおります。まだ多少は残っていると思いますが、かなりのところまで行ったのではないかと。
     ただ、ほかの排出源との比較をしますと、ほかの排出源についてはまだ我々十分でないというふうに考えておりまして、特に昨年度はエネルギー消費量からちょっと検証してみようという調査をやらせましたところ、エネルギー消費量から出した値と、どうも2割から3割ぐらいまだ異なっている部分がありまして、もう少しエミッションの予測の精度を上げないといけないなというふうに思っております。
     それから、あとこういう工学反応を扱うモデルを扱いますと、ハイドロ・カーボンの組成によって大分変わりますので、今回、自動車の方はいろんな排ガス試験の中で組成を一応はかりまして、ガソリン/ディーゼル、それを今回のモデルに反映させております。これは今まで古いデータしかなかったものを新しいデータを使っております。ただ、ほかのやはり発生源については組成のデータなんかも十分ではございませんので、そういうデータを整備していきたいと思いますが、JCAPだけではできませんので、これはちょっと国としての取り組みが必要なのではないかというふうに思っています。特に、また粒子の問題ですね。粒子の問題については、インベントリーがまだまだ甚だ不正確なところがありますので、この辺については、もう少し全体的な取り組みが必要ではないかと思っております。

    【河野委員長】 今おっしゃったのは、JCAPではできないとおっしゃったのではなく、JCAPに何かすればできるということでなくて、もう別の組織とかでやらないと無理だというふうにおっしゃったのですか。

    【冨山】 いや、そういう意味ではありません。先ほど山崎主査の方からご説明しましたように、継続して、この大気モデルに関して、JCAPではあと来年以降も5年計画でやっていこうとしております。ただし、インベントリーの把握というのは相当ロードがかかります。我々が目指しているところというのは、モデルの精度を非常によく上げていこうということで、海外の、端的に言うとEPAとも協力して、いいモデルを作っていこうと考えています。そこはできるのですけれども、肝心かなめのインベントリーがしっかりしていませんと、なかなか本当の意味の推計ができませんね。インベントリーは、やろうとすると、JCAPだけではもうほとんど不可能に近いと言った方が正解なのだろうと思います。これまでも委託という形で、調査会社等でいろんなデータの中から推計はしてきており、そこそこいいのかなと思ってはいるのですけれども、やはりそれでもインベントリーというのはなかなか推計するのは難しいということがございます。これはやはり国全体で何かインベントリーを把握する施策を考えていかないと、やはり今後の大気環境がどういうふうに施策を打っていったらいい方向に行くのかということを推定することができないと思われます。そこは何か一緒になって国全体としてやるべきではないだろうかという思いです。

    【大聖委員】 それは固定発生源のインベントリーも含めた包括的なモデルが必要だという意味ですか。

    【冨山】 はい。移動発生源については、特に自動車に関しては、今度の計画では、例えばハイエミッターカーの問題とか、そういうことも含めてリアルワールドで何が起きているのかということをきちんと把握しようという計画にはしているのですけれども、ほかの固定発生源のインベントリーではやはり難しいかなという感じを受けているということです。

    【河野委員長】 我々にとりましても、技術的な面と、それからいろいろ環境の面と、非常に興味のあるところで、ぜひ進めていただきたいとは思いますけれども、お役所の方でどういうふうに考えられるかということもあるのではないかなと思いますので、この場で結論を出すというような話ではございませんので、十分、そこら辺はお伺いしたいということでさせていただきたいと思います。

    【御園生委員】 もう時間がないところを悪いのですけれど、先ほどの中で出たのでは、サルファーとか、コンディショニングの影響はどうかとか、あるいは車の触媒技術のよく仕様がわからないところでいろいろデータをとっているという、歯がゆいところがあるわけですね。そのためのデータはどこでとったらいいのかなという、JCAPの範囲でもなかなかできない……。実施が困難な問題のようですね。
     それともう一つは、今、幾つもの課題といいますか、ファクターが入り組んで、技術も非常に変化している最中なわけですね。この段階で、優先的な課題が何で、その優先的にすべき対策が何かというのがなかなか我々にはわからないので、そういうことを考える必要があるのではないかというふうには非常に感じます。もう非常に一生懸命データをとっているので、この場で結論を出すのは、ちょっと別のところかもしれないなという感じがしますね。

    【河野委員長】 おっしゃるとおりですけれど、ただ、技術的な興味・好奇心だけでこれをやりましょうというわけにもいかないような状況になっておりますので、いろんなことを考えなければいけないという状況になってきたということなのでしょうけれど。

    【坂本委員】 固定発生源のエミッション・インベントリーは、大気のPMの方でやっているのがいつごろどう出るか。それで、あと特に自動車絡みですと、やはり塗料も相当ウエートが高いので、むしろ自動車は自動車に関連するところを、先ほどの固定発生源であっても、そういったところのデータをあわせてとっていただくようにしていけば、ここ数年で整備されるのではないかなという感じはしますけれどね。

    【河野委員長】 ただ、今おっしゃったように、今のシュミレーションでは、例えば塗装から出ているものと自動車から出るものと分けて考えるというわけにはいかないのでしょう。足し算引き算の問題じゃない、全体のことでしょう。

    【坂本委員】 全体のことです。

    【河野委員長】 全体のことですよね。だから、車の影響だけ調べるということにはなかなかできないということですよね。

    【大聖委員】 CMBか何か使った発生源寄与率的に割合推計みたいなものは、大気中のデータからやっておりますよね。

    【小林】 計算ですから、例えば車のハイドロ・カーボンをゼロにしたケースとかですね、そういう固定したケースで感度解析をするということになります。

    【河野委員長】 もうご発言がないようでしたら事務局の方へお返ししますけれど、いかがでしょうか。

    【酒井室長補佐】 それでは、本日お配りいたしました参考資料1から3につきましては、説明の方は省略させていただきます。
     また、次回の専門委員会ですが、10月の下旬くらいを考えておりまして、別途、また具体的な日程は調整させていただきますので、よろしくお願いいたします。
     事務局からは以上でございます。

    【河野委員長】 では、最後になりますが、きょうヒアリングにわざわざお越しいただきまして、まことにありがとうございました。また、興味ある成果を聞かせていただきまして、またどうぞよろしくお願いいたします。どうもありがとうございました。
     では、委員会は終了させていただきます。どうもありがとうございました。