■議事録一覧■

中央環境審議会第10回大気環境部会議事録


   
 
  1. 日時   平成15年12月16日(火) 9:35〜11:40
     
     
  2. 場所   ホテルフロラシオン青山 芙蓉の間
     
     
  3. 出席者 
     
    (部会長) 池上 詢    
    (委員) 鈴木 継美    
    (臨時委員) 天野 明弘   岩崎 好陽
    内山 巌雄   浦野 紘平
    香川 順   河野 通方
    小林 悦夫   坂本 和彦
    櫻井 治彦   鈴木 道雄
    関沢 秀哲   只木 可弘
    常俊 義三   中杉 修身
    新美 春之   松波 正壽
      満岡 三佶   横山 長之
         
       (五十音順)    
    (環境省) 環境管理局長   官房審議官
    総務課長   大気環境課長
    調査官   自動車環境対策課長
    環境管理技術室長 大気生活環境室長
    ダイオキシン対策室長  

     
  4. 議題
     
     (1) 揮発性有機化合物の排出抑制について
    (2) その他
      
     
  5. 配付資料
     
    中央環境審議会大気環境部会委員名簿
    資料1   中央環境審議会第9回大気環境部会議事要旨
    資料2   中央環境審議会第9回大気環境部会議事録(委員限り)
    資料3-1   揮発性有機化合物(VOC)排出抑制検討会検討結果概要
    資料3-2   揮発性有機化合物(VOC)排出抑制検討会検討結果
    参考1   平成14年度地方公共団体等における有害大気汚染物質モニタリング調査結果について
    参考2-1   平成14年度ダイオキシン類対策特別措置法施行状況について
    参考2-2   ダイオキシン類の排出量の目録(排出インベントリー)について
    参考2-3   平成14年度ダイオキシン類に係る環境調査結果について
    参考2-4   平成14年度臭素系ダイオキシン類排出実態等調査結果について

     
  6. 議事

    【総務課長】おはようございます。朝早くから恐縮でございますが、定刻になりましたので、ただいまから中央環境審議会第10回大気環境部会を開会したいと思います。
      本日、委員総数33名のうち、現在18名の委員がご出席をいただいております。まだ、今日出席予定で、まだ若干来られてない方もございますけれども、定足数であります過半数には達しておりますので、委員会を開催させていただきたいと思います。
      それでは、初めに、お手元の配付資料のご確認をお願いしたいと思います。まず、資料1といたしまして、中央環境審議会第9回大気環境部会の議事要旨でございます。それから、資料2といたしまして、これは本日は委員限りでございますけれども、中央環境審議会第9回大気環境部会会議録、それから、資料3−1といたしまして、揮発性有機化合物排出抑制検討会検討結果概要と、それから資料3−2としまして、分厚い本になっておりますけれども、揮発性有機化合物排出抑制検討会検討結果、それからその後に参考1といたしまして、平成14年度地方公共団体等における有害大気汚染物質モニタリング調査結果、それから参考2−1といたしまして、平成14年度ダイオキシン類対策特別措置法施行状況について、それから参考2−2といたしまして、ダイオキシン類の排出量の目録(排出インベントリー)について、それから、参考2−3といたしまして、平成14年度ダイオキシン類に係る環境調査結果について、それから、参考2−4といたしまして、平成14年度臭素系ダイオキシン類排出実態等調査結果についてでございます。そのほか本日、本委員会の委員の新美委員、それから伊藤委員から意見書が提出されておりますので、そういったものもつけさせていただいております。
      万一資料等に不足がございましたら、事務局までお申しつけいただけますと幸いでございます。
      それでは、議事に先立ちまして、初めに西尾環境管理局長よりごあいさつ申し上げたいと思います。

    【環境管理局長】おはようございます。環境管理局長の西尾でございます。本年度になりまして6回目の大気環境部会を開かせていただけたということでございまして、委員の皆様方には大変ご多忙中のご出席を賜りまして、また平素格別のご指導をいただいておりまして、厚く御礼を申し上げます。
      さて、現下の大気汚染の状況が容易ならざる事態でありますということにつきましては、前回もるるご説明申し上げたところでございまして、そのような事情を受けまして、前回9月17日の大気環境部会におきましては、そういうことを背景に浮遊粒子状物質や光化学オキシダントの原因物質の一つであります揮発性有機化合物、VOCについて、固定発生源からの削減について有識者の意見を聞きつつ、深めた検討をするようにというご指摘もいただいたところでございます。これらを受けまして本部会委員でいらっしゃいます坂本委員にも座長をお願いいたしまして、VOC排出抑制検討会というのを設けまして、VOC削減策につきまして精力的な議論をいただいてきたとこういうことでございました。本日はその検討結果がございますので、これを当部会にご報告をさせていただく運びといたしまして、ご議論をいただきたいというふうに思っております。
      当部会におきましては、もとより多面的な観点から各般の点につきましてご議論がいただけるものというように期待しておるところでございますけれども、本問題の重要性にかんがみ、当部会の議論を通じまして十分な成果が得られるよう、心から願っているところでございます。
      もとより、このVOCの固定発生源から発生場面というものは大変複雑であるというふうに理解しておりまして、そのようなことからその抑制策の具体論を煮詰めていくという過程では、いろいろな実行可能性もよくよく検討していく必要がある。そういうようなことではないかと思っております。本日はどうか忌憚のご意見をいただければ幸いというふうに思っておりまして、本日、ご議論、ご指導をいただくこと、さらにはまた今後の指導、ご鞭撻をいただくということをお願いいたしまして、あいさつにさせていただきたいと思います。よろしくお願いを申し上げます。

    【総務課長】それでは、これ以降の会議の進行につきましては、池上部会長にお願いしたいと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。

    【部会長】おはようございます。部会長の池上でございます。早速審議に入らせていただきます。その前に資料1及び資料2といたしまして、第9回の大気環境部会の議事要旨並びに議事録が提出されております。内容をご確認の上、何かご意見等がございましたら、12月24日までに事務局の方までお申し出ください。修正の後、速やかにホームページで公表させていただきます。よろしくお願いします。
      それでは、議事1に入ります。議事1は揮発性有機化合物の排出抑制についてという議題でございます。前回の当部会、9月17日でございましたが、そこで出ました議論を取りまとめますと二つございます。
      1番は固定発生源からの揮発性有機化合物、いわゆるVOCの排出削減について、さらに検討を深める必要があるということでございます。2番目は行政におきまして、固定発生源からのVOCの排出削減について、有識者の意見を伺いつつ、早急に検討していただき、当部会にその成果をご報告いただくことです。
      本日はこの検討結果を説明していただきまして、委員の皆様方からの忌憚のないご意見を伺いたいというふうに思います。
      それでは、最初に揮発性有機化合物排出抑制検討会の検討結果につきまして、説明をお願いしたいと思います。委員長の坂本委員にお願いいたします。よろしくお願いします。

    【坂本委員】それでは、私の方から揮発性有機化合物排出抑制検討会の検討結果について、概要を報告させていただきます。まず、資料3−1をごらんいただきたいと思います。
      まず、今、池上部会長からお話ございましたように、VOCの排出削減、そしてこの排出削減の方法等についてという形で検討するということでお話ございましたけれども、それが9月17日でございます。そして、その後、直ちに委員のメンバーの日程調整をし、9月29日に第1回の検討会。ここではVOCそのもの、それからVOCの排出によって、どんなことが起こるかという全般的な議論をしてございます。そして、10月21日の第2回検討会では、VOCを排出、もしくは使用する業界が非常にたくさんございますが、そういった関係業界からのヒアリングを行いました。そして、11月7日、第3回の検討会では、排出抑制制度としてどのようなものが考えられるかというような方向性の議論、それからVOCの、この場合、浮遊粒子状物質の問題、それから光化学オキシダントのその両方にかかわる問題としてVOCをとらえてございますので、VOCの定義と測定方法について議論をいたしました。そして、11月18日の第4回検討会では、それまでの議論の全体的な整理と第1次取りまとめ(案)をこのときに、ほぼそれに近いものを作成し、議論をいたしました。そして、12月9日の第5回検討会、1週間ほど前でございますが、検討結果を取りまとめまして、今日報告をさせていただくということでございます。
      まず、全体の検討結果報告書がどういう形でできているかの構成でございますけれども、「はじめに」という形で第1章には中環審答申における各種発生源から排出される浮遊粒子状物質、それから光化学オキシダント等の2次生成に及ぼすVOCの寄与、こういった点に関する指摘など、それから検討会設置以前のこれまでの経緯について整理をしてございます。
      それから、2番目として「背景」といたしまして、最近の浮遊粒子状物質、光化学オキシダントの環境基準の問題等々大気汚染状況を加え、そしてこれまで国としてどういう取り組みをしてきたかという点がまとめてございます。
      そして、第3章として、「VOCの排出抑制の在り方について」ということで整理をしてございますが、タイトルとしてまずこの中は幾つかの部分に分かれてございますけれども、まず浮遊粒子状物質、光化学オキシダントがどのような機構を経て生成するかということをここに整理をしてございます。光化学オキシダントは大気中の揮発性有機化合物と窒素酸化物の混合系に太陽光、特に紫外線でございますけれども、これが照射をされて、光化学反応を通じて光化学オキシダントが生成をするという機構について。そして、浮遊粒子状物質に関しましては、大気中のVOCが直接粒子化、もしくはまた光化学反応生成物に変化した後に既存の微小粒子に凝縮をする。または吸着、吸収されること等により、粒子を形成をするということで、複雑な機構ではございますが、こういった幾つかの粒子を生成する過程があるということを説明をしてございます。さらに、ここで浮遊粒子状物質と、それから光化学オキシダントということでとらえておるわけでございますけれども、VOCは光化学オキシダントができた後、これらの過程において、硫黄酸化物や窒素酸化物などの無機化合物が酸化されて、硫酸塩、硝酸塩等の浮遊粒子状物質の生成にもかかわっているということを記述してございます。
      そして、2番目といたしまして、VOCの排出実態ということで、気候変動枠組条約に基づく日本制度の報告がございますが、ここでは我が国の年間のVOC排出量が平成12年度で約185万トン。これ以外に環境省でまとめたものもございますけれども、これもほぼ同程度の量を排出をしているというものがございます。そして、全体で我が国では溶剤を中心とした固定発生源からの排出が多いのが特徴として特記されるということが記述をしてございます。
      今のVOCの排出実態を受け、VOCの排出抑制の必要性ということで、幾つかの項目に分けて整理をしてございますけれども、固定発生源から排出されるVOCが、SPM、浮遊粒子状物質ですね、これの生成において、おおよそ1割の寄与をして、固定発生源から排出される原因物質の中では、そういう意味で最大の寄与割合になっているということ。それから、VOCは光化学オキシダントの生成を通じて、これは先ほど申し上げましたVOCから粒子化するもの、それから硫黄酸化物、窒素酸化物からも粒子化するというような形で、光化学オキシダントの生成を通じて、浮遊粒子状物質の生成にもかかわるということで、光化学オキシダントと浮遊粒子状物質はいずれも非常に密接な関係にあるということでございます。
      それから、VOCが窒素酸化物と並んで光化学オキシダントの原因物質であることは、これまでの知識から明らかになっている。VOCだけ、もしくは窒素酸化物だけということではございませんで、この両方ともが光化学オキシダントの原因物質であるということでございます。
      それから、その次は我が国では自動車から排出される炭化水素の排出規制及び一部の自治体における固定発生源に係る排出規制、これは東京都を含むようなところでございますけれども、排出規制以外にVOCの排出抑制は実施されてはございませんで、全体的なVOCの排出抑制はまだ実施されていないということでございます。こういった幾つかの項目から先ほどこの前のところで申し上げましたような、SPMの生成、それから光化学オキシダントの生成、そういったところにVOCが密接にかかわっており、かつVOCの排出量がかなり多いというようなことから、この3番のVOCの排出抑制の必要性がそういったものと関係して、この四つの項目に大別したような形で指摘できるということでございます。
      それから、4番目といたしまして、VOCの排出抑制のための法制度の必要性。これについて項目は五つここに特記してございますが、大気環境の状況、環境基準の達成率、それから自動車NOx・PM法の基本方針の中に、平成22年度までに浮遊粒子状物質の環境基準をおおむね達成という目標が掲げられてございますので、そういった目標を踏まえますと、VOCの排出削減は一定の期間に着実に行われ、平成22年までにこの目標を達成できるような形にもっていく必要があるだろうと。
      それから、排出抑制をする場合に、排出者の間での公平性を確保することが必要である。今、我が国では一律のVOCの排出抑制はございませんけれども、欧米各国で行われており、さらに韓国及び台湾でも法律に基づく規制が実施されているということを記述してございます。こういった状況を考えた場合、我が国においても法律に基づいて固定発生源からのVOCの排出を規制することが必要であるということ。
      そして、PRTR制度という形でこれまで自主管理が行われてございますけれども、これは排出抑制の契機となることは期待されるものの、今回のVOCのようなものを考えた場合、排出抑制を直接の目的としたものではないため、今回のVOCの排出抑制制度としては不十分であろうということでございます。
      こういったことから、それではどのような排出抑制の枠組みが考えられるか、また排出の抑制を考えるとき考慮しなければならないものとしてどんなものがあろうかというのが5番目のVOCの排出抑制の枠組みというところでございますけれども、まず一番最初に、事業者における対策の自由度や行政面での実効性を考えると、VOCの排出規制の枠組みとしては、大防法同様排出口における濃度規制が適当であろうということ。それから、排出口以外の開口部からの飛散・漏出、屋外作業に伴う飛散等の場合についても、VOCの排出抑制対策が必要である。こういったものを実際に考えた場合に、事業者が取り組みをしやすくするために、情報提供など事業者の取り組みを促すための施策、それから低VOC製品の開発、使用を促す施策を講ずるべきであろうということ。それから、事業者の側でも今度は製品の低VOC化などの取り組みを推進するという形で、一律の規制以外にいろいろなこういう情報提供、それから事業者の取り組みを促す施策等々考える必要があるということを指摘してございます。
      そして、6番目でございますが、排出抑制の対象とするVOCの範囲でございますけれども、先ほど来、申し上げてございますように、今回のVOCの排出抑制は浮遊粒子状物質対策、それから光化学オキシダント対策、こういった両面から考えているわけでございます。そういう意味で二次粒子及び光化学オキシダントの生成メカニズム、それからあるVOCだけを規制をした場合、別のVOCへ代替される可能性、そういったものがあり得る。そして、二次粒子の生成、要するに浮遊粒子状物質をVOCからどのように生成するか、光化学オキシダントの生成にVOCがどうかかわるか、この両方を考えた場合に、生成能を一律に決めることに困難な問題があり、事業者や行政が測定を行う際の負担、社会コスト等を考えますと、排出規制の対象となるVOCは包括的に捉え、排出口からガス状で排出される有機化合物と定義するのが適当であるということでございます。
      その一方、全く光化学オキシダント生成、それから浮遊粒子状物質、この両方の生成にかかわらないようなもの、例えば、メタンなどでございますが、こういったものについては、VOCではあっても個別に対象から除外をする必要があるというふうな考え方でございます。
      7番目でございますけれども、排出濃度基準を定めるに当たっての基本的な考え方、これが整理されてございますけれども、これはこのVOCを排出もしくは使用する業種が非常にたくさんあるということを申し上げましたけれども、業種ごとの排出抑制技術の開発状況について、十分に調査、検討を行い、現実的に排出抑制が可能なレベルで定めるというようなことでございます。
      それから、8番目といたしまして、VOCの排出抑制の対象施設を選定するに当たっての基本的な考え方。これは先ほど業種がたくさんあるという形で申し上げましたけれども、こういった排出規制をする場合に、公平性及び実効性の観点からVOCの排出が多く、排出抑制技術が開発されている施設を規制の対象とする。そして、事業規模がいろいろございますので、VOCの排出抑制として効果が上がって、中小の圧迫にならないようなことも考えると、対象施設ごとに一定以上の規模を持つ施設を規制の対象とするという考え方を指摘してございます。
      9番目として、VOCの排出規制を行う地域ということでございますが、環境基準達成状況が全国的に低い水準で推移していること、それからVOCの移流、未然防止、こういったことを考えた場合に、全国を対象に規制を行う必要がある。
      具体的な例で申し上げますと、NMHCとNOx比が変わることによって、都心からさらに郊外の方へオキシダントの環境基準の達成率の悪い範囲が移動しているというようなことも考えますと、ここでは今VOCの移流、それから未然防止、こういったことを考えた場合に、全国を対象に規制を行うというような考え方が9番目に記載してございます。
      そして、10番目でございますけれども、そういった規制を行う場合、何で測って規制を満たしているかどうかとか、超えているか、そういった判断をするためにはVOCの定義、これが必要でございますが、定義は先ほどお話をしたとおりでございますが、その定義、それから測定コスト、これを考えた場合には、VOCを全体として包括的に測定できる測定方法を採用するのが適当ではないか。これにつきましては、何度も申し上げて恐縮でございますけれども、今回のVOCの排出抑制は浮遊粒子状物質の対策、それから、光化学オキシダントの対策、その2点から考えたVOCの排出抑制ということでございますので、VOCの種類が非常に多うございますので、それらを包括的に測定できる測定方法を採用することが適当であろうということでございます。そして、具体的には、現時点ではFID、水素炎イオン化検出器、これを用いた炭素換算で全VOCを測定するのを基本とするのが適当だというふうに考えられます。さらに、今後は正確で、かつ実行可能な測定方法、こういったものも今後の技術開発という意味では調査・検討を進めるべきであろうという形を指摘をしてございます。
      そして、第4章として今後の課題として整理をしてございますところは、浮遊粒子状物質等の生成メカニズムをさらに解明をする。それから、低VOC塗料等の開発、技術情報の提供、新しい測定法への配慮、モニタリング等に関する今後の課題について言及をしてございます。これは浮遊粒子状物質ができるVOCの種類が非常に多いということ。それから、使っている、例えば、業者別にVOCの種類が違う等によって、場合によっては新たな測定方法等も考えて考慮した方がいいだろうということで、今後の課題について最後に4章という形でまとめさせていただいたというのが今回の検討結果の概要でございます。
      以上でございますけれども、その詳しい部分については、また説明を引き続きお願いします。

    【部会長】事務局の方、何か補足ございますか。

    【大気環境課長】それでは、事務局の方から幾つかの図表に基づきまして、若干の補足をさせていただきたいと思います。お手元の資料の資料の3−2、印刷物でございますけれども、これに沿って幾つかご説明を追加させていただきます。
      資料3−2の印刷物の最初の2枚が、2ページが目次でございますけれども、その後にVOCの排出抑制検討会の委員名簿というのがございまして、まず委員の構成を簡単にご紹介させていただきます。
      この委員名簿にございますように、11名の専門家の方にお願いいたしまして、ご検討いただいております。委員長は現在、ご報告いただきました坂本委員でございますけれども、坂本委員も含めまして、この大気環境部会から5名の専門家の方に検討会の委員としてご審議をお願いしたところでありまして、岩崎委員、内山委員、浦野委員、中杉委員と坂本委員長を含めまして5名の方でございます。それ以外の6名につきましては、大気科学のご専門家、環境法の専門家、あと自治体で実際にそのVOCの排出を条例の基づいてやっておりますので、その代表ということで、東京都と大阪府の方にご参画いただきまして、延べ5回にわたりまして17時間余りの大変熱心なご議論をいただいて、この報告書を取りまとめていただいたところでございます。
      それから、報告書の内容に当たります関連する図表を幾つかご紹介させていただきます。14ページをお開きいただきたいと思います。14ページの下に棒グラフがございますけれども、これは浮流粒子状物質の環境基準の達成率の経年的な変化を示したものでございまして、前回9月の大気環境部会にもご提出させていただいておりますけれども、残念ながら平成11年以降14年に至るまで、年々環境基準の達成率というのは全国ベースで悪化しているという状況にございます。これは9月でもご議論になりましたけれども、変動の大きな要因といたしまして、一つは春先の黄砂による環境基準の悪化というのが日本海側の地域を中心に見られております。それと、もう1点は6月から10月の夏場にかけまして、大都市及びその周辺地域で、高濃度の二次粒子が出現することによりまして、高濃度の浮流粒子状物質の濃度が出現するとこういう日がございまして、そういうものが環境基準の悪化に拍車をかけているとこういうふうな状況にございまして、いずれにいたしましても大変厳しい状況が続いているところでございます。
      それから、20ページをごらんいただきたいと思いますけれども、20ページの下に円グラフがございますが、先ほど坂本委員長が報告書のご説明をいただきました中で、固定発生源のVOC起因のSPMが環境濃度で10%程度であるというもののグラフでございまして、例えば、二つのグラフの左、これ関東地方の沿道以外の地域の百数十点のシミュレーション結果の平均値でございまして、それぞれの地点の大気中のSPMの年平均濃度がどういう原因によって生成しているかというものを見たものでございまして、黒いものが二次粒子、白いものが一次粒子で、既に現在のSPMは50%、半分程度が二次粒子で構成されておりまして、その二次粒子の中でも固定発生源のVOCに起因するものが10%程度あると、こういうことを示したものでございます。
      それから、次にオキシダントの方にまいりまして、16ページをお開きいただきたいと思います。
      もう一方のVOC関連の大気汚染でございます光化学オキシダントの状況について16ページのグラフは示しておりまして、上の棒グラフは光化学スモッグによります注意報の発令及び警報の発令の昭和51年以来の推移を示したものでございまして、注意報というのは環境基準の2倍を超えた場合に、大気汚染防止法に基づきまして住民の方に外に出ないように等々の緊急的な注意喚起を行うレベルでございます。
      また、あわせて主な発生源に対しまして、排出量の削減の協力を求める、こういうレベルでもございますけれども、この注意報の発令というのが、例えば直近の平成14年度では184日、これ23都府県にわたりまして、延べ184日間発生したというものでありまして、ここ数年は200日前後の発生になっております。
      また、これにあわせまして、大変残念なことでありますけれども、平成14年度は約1,400人弱の方が光化学スモッグによる被害の訴えを出しておられるということで、現在、我が国の大気汚染で、大気汚染防止法に基づいて緊急時の措置をとる必要があるものというのは、光化学オキシダントのみでございまして、大変、憂慮しているところでございます。
      なお、この200日前後というのは、残念ながらこのグラフでごらんいただきまして、昭和50年の初めとあまり変わらないようなレベルになってきておりまして、こういうことでさまざまな対応にもかかわらず、最近、光化学オキシダントの汚染というのが悪化しているということを裏づけているものでございます。
      それから、続きましてVOCの排出状況について若干ご説明させていただきます。14ページをごらんいただきたいと思います。14ページの上の棒グラフが気候変動枠組条約につきまして、日本政府が通報しておりますVOCの年間排出量の推移でございまして、1990年から2000年までにかけまして、おおむね大きな変化がなく、ほぼ横ばいの状況になっていると。若干減少しておりまして、減少しているのは主に移動発生源、自動車排ガス起因のVOCが減っているという結果になっております。
      同じく19ページをごらんいただきたいと思いますけれども、我が国のVOCの排出を国際的に比較いたしますと、19ページの下の図でございますけれども、我が国は溶剤起因の排出というのが全体の7割程度を占めておりまして、その他も加えますと固定発生源と思われるものが約9割、移動発生源が1割とこういう構成になっています。これに比較いたしまして、アメリカEUにおきましては、移動発生源の割合が高く、固定発生源の割合がその分低くなっていると、こういうのが排出の国際比較をした場合の特徴でございまして、この理由といたしまして、自動車排ガスに対する法的な炭化水素の規制というのは、いずれの日・米・EUともに実施されておりますけれども、その厳しさの程度が日本が最も厳しいという状況にございまして、続きましてEU、最後がアメリカという、こういう結果も反映されているのではないかなというふうに考えております。
      また、もう一方、固定発生源につきましては、アメリカ、EU、それぞれかなり厳しいVOCの排出抑制が法的にとられておりますけれども、我が国は現在ございませんので、その両者相まって構成比の差になっているのではないかなと考えているところでございます。
      それと、18ページの下の棒グラフでございますけれども、日・米・EUのVOCの排出量を比較いたしまして、比較いたしますときにはVOCの地域の濃度、オキシダントや粒子状物質の生成というのは大気中の濃度との関係でございますので、そういう観点から比較するために、国土の単位面積当たりの排出量という指標で比べておりますけれども、これで見ましても日本はアメリカやEUよりも残念ながら多い状況になっていると。
      特に、溶剤起因に関しましては、19ページの上のグラフでございますけれども、固定発生源からの溶剤起因の排出量で比較いたしますと、さらにその差は大きくなっているというものでございます。
      それから、諸外国がどうなっているかという制度的なものでございますけれども、21ページをごらんいただきたいと思います。21ページの下の表にVOCをめぐる諸外国の制度的な対応がどうなっているのかというのを簡単にまとめたものでございまして、詳細はこの資料の後ろの方に入っておりますけれども、アメリカは1990年に大気清浄法を改正しまして、固定発生源に対する厳しいVOC規制というのを導入いたしております。EUの方はEU15カ国共通の規制ということで、94年に貯蔵施設の指令、99年に使用施設の指令というのが発行しておりまして、それぞれ15カ国へその国内法でこの内容が担保されているところであります。また、近隣の韓国におきましても、95年に大気環境保護法を改正いたしまして、VOCの規制を導入しておりますし、台湾におきましても同様に94年に法に基づきまして固定発生源のVOCの排出規制というのが実施されているところでございます。
      次に、検討会におきましては排出規制の内容について、さまざまな角度からご検討をいただいたところでありますけれども、この報告書の127ページをごらんいただきたいと思います。
      この表は検討会の場で、検討の材料として取りまとめたものでございますけれども、法的な排出抑制な仕組みとしてどういうものが望ましいかという検討に際しまして、ご提案いただいております濃度規制のほか、量の規制、設備、構造での規制、製品規制、それぞれのメリット、デメリットというのを比較検討いたしまして、我が国のこれまでの経験、実情を踏まえて比較いたしますと、濃度規制が最も適しているのではないかという結論をいただいたところでございます。
      それから、VOCを削減したときに粒子状物質及び光化学オキシダントの改善にどの程度効果があると期待できるのかについてもご検討いただいておりまして、95ページをお開きいただきたいと思います。すみません、122ページをお開きいただきたいと思います。失礼いたしました。
      現在の粒子状物質及び光化学オキシダントの生成とVOCの関係を見ますと、特に極めて高濃度、ピークのような濃度を生成するときに強く関与しておりますので、そのピークの濃度がVOCの排出量を制御することによってどう変わるかということを、コンピューターのシミュレーションモデルを用いて解析した結果でございます。
      用いましたモデルというのは、アメリカ、ヨーロッパでも使われております、現在この分野では最も信頼性が高いと言われておりますモデルを用いて、コンピューターによる数値解析を行ったものでございまして、東京、大阪の十数地点において、平成13年度に実際に起こった高濃度日の状況を再現いたしまして、そういうものがVOC及びもう一つの原因物質であります窒素酸化物を制御することによって、その濃度がどうかわるかということを解析したものでございまして、124ページに結果を表で取りまとめございますけれども、この解析結果から、例えばその結果を読みとりまして、そのVOCの排出を30%削減したとすると、この場合、NO2、NOxの方は変化がないという前提でございますけれども、30%削減したとしますと、粒子状物質の環境濃度は平均してこの表の一番下にございますけれども、地点によってばらつきがございますけれども、7%程度改善する。
      一方、光化学オキシダントの方につきましても、地点によってばらつきはございますけれども、平均しますと24%程度ピークの濃度が下がると、こういうふうな予測結果になっております。
      以上、こういう必要性、方法、効果等を専門家の方々に総合的にご検討いただきまして、この報告書を取りまとめていただいたものであります。事務局からは以上でございます。

    【部会長】ありがとうございました。検討会の委員長坂本先生並びに委員の方々、それから事務局の方、いろいろご尽力いただきましてありがとうございました。厚く御礼申し上げます。
      それでは、ただいまのご説明につきまして、ご意見、ご質問等がありましたらお願いいたします。
      なお、今日議題はこれがメーンでございますので、比較的たっぷり時間があると思いますので、よろしくお願いします。

    【満岡委員】質問と意見も含め確認させていただきたいのですが、先ず長期傾向で理解できない部分があります。例えば報告書2ページに「光化学オキシダント(注意報)は昭和50年代と同レベルにあると書かれていますが、一方で非メタン炭化水素濃度は昭和50年代初期よりH14年まで相当に低下、改善されております。31ページのグラフでは、一般環境大気測定局で2分の1、自動車排ガス測定局で3分の1へと着実に減少しているにも拘わらず、光化学オキシダントは低下していないと言う事は、濃度規制でVOC排出を削減しても、本当にどういう効果があるのかマクロな観点でなかなか理解できないと言うのが第1点であります。90年から2000年までのVOC排出量のグラフがありますが、2001年、2年、3年と排出量は更に減少していると思います。しかしながらH14年に例えば千葉県で光化学オキシダントの警報が発せられているわけでありまして、VOCとオキシダント濃度の関係が単純には理解できないと言う事です。
      次に欧米とのVOC排出量比較をやって頂いているのですが、例えば米国は2000年度で1800万トン、日本は180万トンで、確かに国土単位面積当りのVOC排出量で比較すれば18ページのグラフのようになるのでしょうが、VOCは産業活動、人間の行動の結果として出てくると思いますので、人口当りで考えると日本の排出量は米国の5分の1、溶剤起因のVOCでも1.5分の1であり、米国に比して決して多いわけではなく、産業界も排出量削減には昭和50年代から相当の努力をしてきております。
      特に近年、H9年からは有害大気排出自主管理を取り進めており、2000年以降その排出量は有意な減少となって効果をあげていると理解しております。またPRTR制度が出来、産業界としては単に数値を提出すると言う事ではなく、その数値をどう管理して行くかが非常に重要だと考えています。産業界としてはVOCを削減して行く事は関係者の総意でありまして、従って自主管理に取り組んできているところであります。また削減の方策もそれぞれ効果的、効率的に実施していけると思っています。そうした自主管理が始まっている最中に、いきなり排出規制と言うのはちょっと如何なものかという感じを強くしているところです。
      自動車のNOx、PM規制の際には相当な事前検討を行った上で実施されていますので、私自身は高く評価しているのですが、今回のケースは原因がVOCだけでない状況もあるので、真の原因系がどうなのか、また規制をするからには削減の量的目標をどうすべきなのか、削減の手段、方法論はどうとるのか、そういう事をもう少し論議して行く必要があるのではと強く思いますので、以上、始めに意見として言わせて頂きました。

    【部会長】ありがとうございました。今の最後の方はご意見に近いわけですが、最初のご質問の形のところについて、事務局の方からお答えいただけますか。一つはノンメタンハイドロカーボンが経年的に減っているのに、オキシダントの方ですか、これは余り減らないという点と、それから国土の広いアメリカに比べて、決して日本はVOCの発生は大きいと言えないと。3番目はPRTRが今動き出したばっかりなのに、それにさらにかぶせるのは今努力を邪魔するのではないかという意味のご質問。最終的には自動車の規制には長い時間をかけてやってきたのに、これは余りにも唐突でないか、こういう四つのご質問と最後ご意見ということだったと思います。ひとつよろしくお答えください。

    【大気環境課長】まず、第1点の非メタン炭化水素の状況でございますけれども、この報告書の31ページに濃度の経年変化が載っております。委員ご指摘のように自排局で特に濃度の減少が大きくて、一般局でもかなり減少していると。昭和51年以降で見ますと、これは全国で地方公共団体が大気中の濃度を観測した結果でありまして、こういう事実がございます。これとなぜこういうふうな現象が起きているかということは、過去のはっきりした排出量というのは把握されておりませんけれども、大まかな私どもが調べました観点では、まず自動車の炭化水素規制というのが、逐次強化されてきておりまして、昭和50年代の初めごろの状況でありますと、当時の荒っぽい推計では100万トン以上炭化水素が排出されていたであろうというふうな情報も残っておりますので、特に低煙源の自動車排ガスの量が多かったという、当時は濃度が高かったんであろうと。片や、固定発生源の方はこれもはっきりした数値はございませんけれども、昭和50年代当時の光化学オキシダントの検討の中で残されております数字は、おおむね百数十万トン排出されていたというふうな記録も残っておりますので、推計方法が同じではありませんからそのまま比べるのもやや問題はあるかもしれませんけれども、仮にそういう状況だといたしますと、固定発生源につきましては、昭和50年度以降現在に至るまで百数十万程度の排出であると。移動発生源につきましては、100万トンを超えているような排出量が現在は20万トン弱になっているということで、大気中の濃度の変化というのはそういうことにも起因しているのではないかなと。
      ただ、これともう一方のオキシダントの原因物質でございますNOxにつきましても、現在我が国は世界でも最も厳しい固定発生源の、自動車も含めましてNOxの規制が行われておりまして、長期的なトレンドでは排出量というのは着実に減っておりますし、環境濃度も徐々に低下しているということで、オキシダントに対する原因物質の双方につきまして減少にあるというのは観測される結果からは事実だと考えておりますけれども、残念ながらオキシダント濃度自体は昭和57年度あたりを底としまして、だんだん上昇してきていると。
      ページは28ページをごらんいただきたいと思います。28ページに同様のオキシダントの全国の観測結果を取りまとめたものでございまして、昭和57年程度ぐらいまでは濃度というのは低下してきておりますけれども、それ以降徐々に濃度が上昇してきていると、こういうふうな結果がございまして、もう一方の注意報の発令等はさらに地域の気象等の状況によって変動はさらに大きくなりますので、そういう観点の評価も必要かと思いますけれども、それでなぜそういうことが起こっているのかということで、ご専門の方の科学的な推測では、その原因物質というのは増加していないけれども、光化学オキシダントの反応が進みやすいような状況が形成されているのではないかというふうに伺っておりまして、具体的には大都市部及びその周辺地域で平均気温というのが年々着実に上昇しておりますし、風が弱くなってきているというのも観測結果からわかっておりますし、紫外線の地上への到達量というのもふえていると。こういう3要件というのはいずれも光化学反応の促進材料でございますので、そういうことが総合的に作用しまして、残念ながら光化学オキシダントにつきましては改善が進まずむしろ悪化になっていると、こういうふうに私どもは理解しております。
      それから、第2点目のVOCの排出量の国際比較でございますけれども、地域の濃度を見るということでありますので、国土面積で比較させていただきましたけれども、人口やパーキャピタのGDP等でやりますと、当然アメリカ等よりも委員ご指摘のとおり小さな数字になっておりまして、これはVOCに限らず他の環境汚染物質すべてにつきまして、人口や経済負担で見ますと、日本というのは極めてすぐれていると。これ0ECのレビューなんかでもそういうふうに評価されているところでございます。
      ただ、そういう意味で排出事業者の方の取り組みが欧米よりも劣っているというわけではなくて、むしろすぐれているというのは、私ども全くそのとおりだと考えておりますけれども、地域の環境中の濃度が問題で、そこに住んでいる方の空気をどうするかという問題でありますので、そういう観点で比べさせていただきますと、そういう際には濃度との関連で、国土面積当たりの指標が適当であると考えているところでありまして、これは他の環境汚染物質におきましても、これだけ狭い国土に密集して居住し、産業活動が行われる我が国におきましては、アメリカ、ヨーロッパ以上の対応をしないと、同程度の環境を維持することができないということの裏返しかとも思っております。
      それから、第3点目でございますけれども、2001年以降VOCの排出量というのは恐らく減少しているはずであるというご指摘でございますけれども、これは私ども現在、情報を持っておりませんので何ともわかりませんけれども、それとオキシダントの注意報の増加との関係がありまして、長期的に見ましても排出量がふえたから悪化したというわけではありませんので、恐らくこれもそういうふうな生成が促進されやすいような状況が残念ながら整ってきている結果ではないかなとこういうふうに考えております。
      以上でございます。

    【部会長】ありがとうございました。最後におっしゃった自動車の規制は長い時間かけやっているのに、これは唐突じゃないかというご意見があったんですけれども、委員長の坂本先生に聞きますかね。

    【坂本委員】じゃあ、今、少し捕捉しながら申し上げますと、第1点の話はNMHC、NOx比の関係でだんだんエリアが外へ広がっているということが一つあるかと思います。
      それから、今回の検討が唐突ではないかというお話でございますけれども、これはSPMについても、光化学オキシダントについても、ずっとその環境基準の達成率が低い状況に推移していて、そしてこれまである意味ではSPM対策として自動車の規制が非常に行われてきたことによっていわば固定発生源のものが浮き彫りになってきたというのが現状でございます。
      そして、もう一つもっとさらに言えば、有害大気汚染物質、酸性雨とそういったものがあって、どちらかというと、これが遅れていたというのがむしろ認識としてSPMについてはございます。
      それで、先ほど申し上げましたように、いわばSPMの発生源、それがどういうものかというものが、自動車の規制をする際に、どのような固定発生源、移動発生源、そういったものを全部見て考えたことによって、自動車の対策が進んだ場合にも、まだSPMの環境基準を達成しない可能性があるという指摘が一部においてはされている部分がございます。そういう意味で固定発生源の対策が必要だという形に至っているということで、それほど私自身は唐突な経緯ではないというふうに理解をしてございます。

    【部会長】ありがとうございました。ほかに質問ございますか。

    【満岡委員】要するに私はVOCを、固定発生源を削減して行こうという事に関して何の異論もあるわけではありません。要はどういうことかというと、削減して行くときに、どういう目標を持って、どういう手法でやって行くのかという点で、今回のレポートを見せていただくと、規制で行きましょう、排出口での規制としましょうと言う検討会の結論だけに、もう少し論議をする必要があるのではないでしょうか、そういう意味で唐突過ぎませんかと言う事を申し上げているわけで御座います。

    【部会長】それじゃあ、そのほかの方からのご意見ございますか。どっちが先でしたか。向こうの方。

    【只木委員】自工会で環境で環境委員会の副委員長を務めております只木です。自工会としても、これまで移動発生源について種々の対策でVOCを削減してきたと思っておりまして、基本的にはVOCの低減は必要と考えております。
      しかし、ここで20ページにありますように、移動発生源が現在でも34.7%を占めておりまして、VOCの発生についてですね、それに固定の部分が10%だというところで、現在さらに新短期、あるいは新長期規制をこれから施行して、NOxをさらに削減しようとしておりますけれども、そういう状況がまだ判断できない中で、固定発生源の数値を規制していくということが、まだ時期尚早じゃないかなと考えております。
      ただし、自工会としても、1997年からPRTR法による当局への報告義務で排出量の削減を取り組んでおりまして、ここの固定発生源についても、我々の算出の仕方では約40%、2002年までに40%削減しております。したがって、ここの部分も実質的には削減を取り組んでいかなければいけないと思いますが、まだ移動発生源、その他の影響度が今回の固定の部分にどう影響するかというところがよくわかっていないと思っております。
      PRTR制度が今年開始されたばかりで、ここについてはPRTR制度はこれらの規制を立案することにも用いられているわけで、そうであるならば、PRTR制度のある結果を、効果を見た上で、排出インベントリーを整備して、効果的にVOCを削減する対策を打つべきじゃないかと。その意味では我々としては各産業界が自主取り組みで当面やって、その結果、移動発生源とのいろいろな関係を見た上で、排出インベントリーを見た上で、将来の対応方法を決めるべきじゃないかと考えております。
      それと、抑制方法についてなんですが、VOC排出抑制検討会の結果では、排出口における濃度規制が適当であるということで、今日もそういう説明がありましたが、自工会としては、現在は自動車の塗装単位面積当たりのVOC排出量による自主取り組みをしておるということで、塗料中のVOCの含有量掛ける塗料使用量マイナス回収、VOCの回収処理量を自動車の塗装面積の合計で割ったものを指標にしております。こういうところを排出口における濃度規制ということで、法規制をいたしますと、我々も自主取り組みでやっている、公定による適正な管理方法と異なってしまうということと、新たな測定機器の導入や測定口数等、測定にかかる費用がかなり増加してしまうんじゃないかということがありまして、濃度規制だけにこだわる理由はないんじゃないかという意味で、この辺のところも見据える上で、当面は各産業界の自主取り組みにしていただいて、この内容は当然もう少し突っ込んで調べていくんでしょうけれども、その後でPRTRの効果、VOCのインベントリーがどうなるか、どこをどうしたら効果的な対策が打てるかということを考えて取り組んでいっていただきたいと考えております。

    【部会長】ありがとうございます。先ほどの満岡委員と大体同じようなご意見で、規制は時期尚早であると。それで、今、取り組んでいるPRTR法、それの実効をよく眺めた上でやるのがいいんじゃないかと。
      それから、排出口の濃度の測定についても、いささか、今現行やっていらっしゃることと違うんだと。そこら辺のやり方についてもちょっと問題があるというふうなご意見でした。そのお二方のご意見はよくわかりましたんで、別の観点からの……。

    【鈴木(継)委員】今の話に……。

    【部会長】今の話に関連して。鈴木委員。

    【鈴木(継)委員】PRTR法が実際に動き始めてという、そういう段階で、始まったばっかりなのに何で規制をかけるのかというそういう考えだと理解したんですが、私も何で今やるのかという、そこのところに関しては十分説明ができているとは思っていません。
      ただ、もしPRTR法の趣旨を大事にしてというんだったら、それぞれのところが自主的などんな対策を打つのかをもっと具体的に出してきて、それで今これからやろうとしている規制と比較検討できるような具体的なものにしなければ始まらないんじゃないかと。例えば、費用効果分析がそれぞれについてちゃんとできているのかというふうな問題は、今回のご説明の中からまだ十分にはでき上がっていないのではないかなと、これは坂本委員長におしかりを受けるかもしれませんけれども、まだまだ議論すべき点があるという点では全く賛成でありますけれども、産業界の自主的な規制に任せてしばらくは様子を見ろというふうにはならないと私は思うんです。そこのところ、もっと具体的な検討をすべきだと思います。

    【部会長】ありがとうございました。天野委員。

    【天野委員】2点ほど意見を申したいと思いますが、一つは先ほどもご意見がございましたけれども、環境目標を設定する際に絶対量で目標をつくるか、総体量で目標をつくるかというのはいろんなところで議論がありまして、私は両方のやり方があっていいと思いますけれども、それぞれねらっているところが違うような気がするんです。
      つまり、例えば事業者なんかの場合ですと、自分たちでコントロールできる部分をきちっと達成できるような形で基準をつくるという場合には、確かに生産量とか塗装面積とか、そういうもののあたりで効率性を高めるという考え方があると思うんですね。他方で環境負荷とか、あるいは健康とか安全とか、そちらの方の基準から言いますと、やはり絶対量が大変重要になってくるわけで、濃度とか、排出総量とか、使用総量とか、そういう目標が必要なわけですから、私はそれぞれ目標の根拠がちゃんとあって、それに合ったような対応をすることができるんじゃないかというふうに思いますので、どちらかでなければいけないという議論はちょっと理解しにくいのが一つです。
      それから、別の点で、いろんな制度の例として、例えば排出口における濃度とか、あるいは施設での排出量とかいろんな点をご検討されて、最初のやり方が適切であるという結論を出されたんですが、同時にこのご説明を聞いておりますと、この資料の3ページ、低VOC製品の開発、使用を促す施策を講じるべきであるということも書いてあるんですね。ただ、これが排出口での濃度規制で、どうやってこれができるのかというのがよくわかりませんので、これはこれで別途何か施策をしなければ足りないのではなかろうかという気がいたします。これは今後の課題のところで、低VOC塗料等の開発というのが出ておりまして、私、排出者の責任というのを今回は大変重視をされておると思いますけれども、やはり製品をつくっているメーカーの側のその拡大生産責任のようなものもあるわけで、この低VOC塗料の開発とか、あるいは溶剤そのものの開発というのは使っている側ではなくて、それをつくっている側の話だと思いますので、その辺を促進するような政策措置というのを一緒に考えていただくのがいいんじゃないかと。
      印刷物の方の60ページを見ますと、EUでは例えば溶剤の年間使用量なんかに対しても制約を課しているという、これは溶剤に含まれているいろんな要素によって決まると思うんですが、そうなりますと、同じ塗料であってもそういうものを含まない塗料をつくるという圧力がメーカー側にかかりますので、そちらの方の開発が進むという効果も期待できるわけです。
      ですから、そういった点の検討は、これは将来の課題というんじゃなくて、一緒におやりいただくのが、私は効果を高めるためにはぜひ必要じゃないかというふうに考えております。
      以上です。

    【部会長】ありがとうございました。今のご発言に対してに関してでしょうか。では、どうぞ。

    【只木委員】先ほど、自工会からの方は原単位のVOC排出量をベースにしたいということ、この理由は総量規制の場合はケースによって生産量の調整というようなことになってしまうので、本来の趣旨とは違った話になってしまう可能性があるので、そういうことを提案しているつもりで、ここは皆さんと検討していく話かなと思いますが。

    【部会長】松波委員。

    【松波委員】ちょっと一般的なことで3点ほどご質問したいんですが、要約で、ペーパー2ページに排出抑制のための法制度の必要性というところをお書きになっておられますが、先ほど来、PRTRのこれは自主規制みたいなもんだろうと思うんですが、この部分で見ますと、排出抑制を直接の目的としたものでないため、排出抑制制度としては不十分と、こういうこと言われると多分業界の方が一生懸命やっておられる評価がないわけですから、多分規制に入る前段階として自主規制はそれなりに意義のあることだと思うんですが、その辺の評価がちょっとどうなんでしょうか。僕、素人でわかりませんが、もう少し評価があってもいいんじゃないかな。
      それから、途中に欧米とか、台湾、韓国ということで法規制がある。今回、この6番目にVOCの範囲で定義がありまして、排出効果云々という規制の方式が書いてありますが、これは外国の規制とどうなっているのか、似たものなのか、全く違う視点から対象にされようとしているのか、それが2番目でございます。
      それから、3番目には途中文書を見てまいりますと、今、先ほど来、唐突に規制という話があるように言われておりますが、この基本的な考え方を見ましても、今後、業種ごとの排出抑制技術の開発状況を十分調査・検討を行うとか、あるいはVOCの測定法においても、測定方法のされるに当たっては、まだ今後も調査・検討を進めるとかという下りがございますところを見ますと、それなりにまだまだ準備をしないといけないスケジュールなのかな、こんなことを思いますが、その点はいかがでしょうか。
      以上、3点でございます。

    【部会長】これは事務局の方、お答えいただけますか。

    【大気環境課長】PRTR法はまだ1年度分、平成13年度分の結果しか出ておりませんので、その14年度分というのは来年の3月あたりというふうに予定をされておりますので、何ともその数値的な評価はできないんですけれども、自主的な取り組みということで関連いたしますと、有害大気汚染物質12物質について業界単位で自主的な取り組みというのがなされておりまして、現在、第2期の最終年が今年度でございますので、それにつきましては、一言で申し上げますと、ベンゼン等の大気中濃度というのは年々改善が進んでおりまして、今日の参考資料の中で平成14年度の結果というのが入っておりまして、その中に過去のものも載っておりますけれども、有害大気汚染物質の自主的な取り組みと今回のVOCがどうであるかということにつきましては、いずれ次回にでも資料を出させていただいて、両者の物質の関係等々について、改めてご議論いただければなと考えております。
      それから、第2点目の外国の規制との関係でありますけれども、この報告書の134ページをごらんいただきたいと思いますけれども、すみません、132ページからでございますが、これ我が国の関連規制条例、それから外国の状況をざっと要約的に表にしたものでございまして、例えば、今、検討会でご提案いただきましたVOCの排出施設からの濃度規制というのは、135ページのEUの溶剤の使用施設に対する規制というのがございまして、これはその量規制と濃度規制の選択制ではございますけれども、135ページの下の表の一番右の欄に放出限界値、日本風に言いますと排出基準値でございまして、濃度でさまざまなVOC溶剤の排出出口での濃度規制値というのを設定しておりまして、VOCの濃度規制をやるというのは、極めて我が国特異的な提案というわけではなくて、既にEUではこういうものについて、こういう事例もあるということでございます。
      それから、さらに準備することが多々あるのではないかということでございまして、検討会でもそういうふうなご議論をいただきまして今後の課題ということで、特に、一般消費者向けの製品、あるいは中小企業の方の対策技術等々については、今後さらにやっていくべきことが多々あるということは当然のことでございますけれども、ただ概して申し上げますと、幸か不幸か、欧米の他の先進国は10年ほど前にVOCの問題に手をつけまして、VOCの使用というのは国によって特に大きな違いがあるわけでございませんので、そういう経験について大変参考になるようなことがたくさんあるので、むしろそういう既に行ってきているのも学べばよいのではないかなと考えております。
      それから、諸外国のVOC規制の概要については、この報告書の60ページ以降に具体的にかなり詳細にまとめさせていただいておりまして、それぞれの制度の全文というのはこの中に入っておりませんけれども、検討会では配付させていただいております。

    【部会長】よろしゅうございますか。

    【松波委員】よろしいでしょうか。一般的には理解しましたが、今、外国が進んでいて日本がというお話がありましたが、この原因はやっぱりあれでございましょうか、生成その他科学的知見の蓄積とか、収集といいましょうか、そういう研究部門における取り組み方にいろんな勉強がたくさんあって、この問題について遅れたというふうに理解してよろしいんでしょうか。

    【部会長】いかがですか。

    【大気環境課長】なかなか難しいご質問であります。これ私が理解しておりますところでは、我が国は特にオキシダント、外国では既にやっておりますオゾン対策、オキシダント対策でVOCの規制を行っておりまして、我が国はVOC、オキシダントの原因物質の一つでありますNOxについて、オキシダントの生成よりもさらに厳しいレベルの削減というのを世界、他の国と比較してやってまいりまして、そういうことでオキシダント問題全般の改善が見込めるというふうに代々環境庁の職員は暗黙にそういうふうな理解をしておったということでありまして、特に、出おくれたというわけではありませんけれども、結果的にNOxの削減のみではうまくない事実が明らかになってまいりましたので、その差が欧米との現在でのVOCに対する差ではないかと考えております。

    【部会長】さっき、横山委員が手を挙げられた。

    【横山委員】ちょっと違う観点からのご質問なんですけれども、光化学オキシダントとか、SPM、二次粒子の生成に関してシミュレーションをやる場合に、黄砂の例でもわかるように、中国の海岸のあたりに、非常に大きな工業地帯ができておりますけれども、そこがちょうど日本の風上に当たるわけなんですね。時間的にも二、三日という光化学反応の非常に達成されるような時間帯にやってくるということで考えますと、非常に大きな濃度が出る可能性が十分ありますので、シミュレーションをおやりになるときには中国大陸の汚染源に関する影響も含めて、トータルな格好でシミュレーションをおやりになっていただきたいと思います。
      以上です。

    【部会長】ありがとうございました。今のご発言に何か。委員長。

    【坂本委員】おっしゃられる事情は承知してございまして、いわばルーラルのエリア、もしくは離島だとか、そういったところで高濃度が出る場合と、それから都心近傍で高濃度が出る場合、それからあともう一つは、今のおっしゃられた風の方向によってそういったものを考えて、それを考えても、いわば環境基準の達成率が悪いところがそういうもの以外に相変わらず継続的にあるということで、今回のような判断に至ってございます。それで、平均濃度をある程度そういう特に離島とか、ルーラルなところで上げるということは承知してございます。それで、おっしゃられたように、その部分は十分考慮してシミュレーションをするときにはやる必要があるということはごもっともと思います。ありがとうございます。

    【大気環境課長】部会長、一言よろしいでしょうか。

    【部会長】はい。

    【大気環境課長】地球的なオゾン、オキシダントの移流、大陸から大陸への移流というのが、当然日本にも来ているというご議論がございまして、12月5日付のサイエンスに秋本肇先生ほかが、地球的なオゾンの移流について論文を英文でありますけれども載せておりまして読ませていただきました。東アジア地域での移流については、直接の言及はございませんけれども、この中で、北米で発生したオゾンがヨーロッパにどの程度移流しているかということをモデルを使って計算した例がございまして、それによりますと、夏の期間において2から4ppb程度北米起因のオゾンがヨーロッパに、西の方に流れますので、移流しているのではないかというふうなご指摘がございまして、アジアについては具体的なご指摘はございませんけれども、この論文ではその程度のものかなと。
      ちなみに、我が国のオゾンの濃度というのは、注意報レベルというのは120ppbあたりでありまして、平均濃度で見ましても40から50ppbぐらいでございます。

    【部会長】関沢委員が手を挙げていらっしゃった。

    【関沢委員】先ほども出たので余り申し上げませんが、有害大気汚染物質につきましては、過去に自主管理か、直接規制かというような、いろいろ議論が行われて、その結果、自主管理の取り組みが最も有効だということが、この大気部会の結論でも出まして、それに基づいていろいろ自主管理が行われてきておるというのが実態でございました。
      ベンゼンは先ほどもお話出ましたが、14年度、11年度に対しまして、65%削減できております。まだ、指定物質の候補もたくさん残っておりますし、先日もニッケル化合物など4物質が指針値に加えられたばかりでございますし、今回これをもっって排出口における濃度規制に逆戻りするということになりますと、この自主管理でやってきたということはどういうことなのかと、こういうことになるんだと思います。したがいまして、やはりこの自主管理の総括ということをきちっとやることが不可欠ではないかということを一つ申し上げたい。
      もう1点は、53ページにこのインベントリーのあれが出ておりますが、塗料だとか、溶剤、クリーニング、こういったもので70%ぐらい占めるようになっておりますが、VOCを管理するにはダイオキシンなどと同じようにインベントリーの大きいものからやっぱり対処していくのが常識ではないかと。
      開放形は非常に難しい、あるいはできないということで、建て屋の中できっちりと補修しているところだけが規制になるというのは、非常に偏っているのではないかと、こういう感じがいたします。この辺は今後よく議論させていただきたいと思います。

    【部会長】ありがとうございました。先ほどのご意見と同じようでして、自主管理、PRTR法の成果をよく見てからやった方がいいよということだと思うんですが、もう一つ、別の観点から、例えば、さっき天野委員がおっしゃったように、住民を含めた環境の管理。これはもうオキシダントが警報とかが出ているぐらいですから、達成できていないことは明らかなんですね。ですから、それができるという、逆に産業界の方々にお伺いしたいんですけど、できますか。つまり、今、基準達成率というのは非常に低いわけですね、オキシダント。

    【只木委員】自動車工業会といたしましては、当然、先ほども言いましたように、VOCの低減は非常に重要だと考えておりまして、移動発生源の方のNOxとか、そちらの方のところは環境省さんの方針に従ってかなり削減してきたわけですね。
      固定発生源のところについても削減しないということじゃなくて、今、PRTR法等に基づいてやっていますので、それを見させていただきたいということです。
      それと、先ほどの20ページの分析は、多分2000年ぐらいの分析だと思うんです。それから、さらに移動発生源のVOCの発生は大分減っていると思うんですよ。それと、固定の部分をある部分やっていけば、環境省さんの意向に添うんじゃないかということなんです。
      ただし、規制にしちゃいますと、いろいろまだ調査していない、例えばこちらにも書いてありましたけど、小規模事業者をどうするかとか、いろいろな問題が出てきてしまうので、もう少しその辺を自主取り組みでやった上で結論を出していったらどうかという発言なんです。
      これは満岡委員と同じような観点だと思いますが、満岡さんの方も2000年のデータまでだと十分じゃないんじゃないかという発言があったと思いますが。

    【部会長】わかりました。つまり、古いデータに基づいて言っているわけだから、着実に進んでいるということも可能性はあるんだというご指摘ですね。

    【只木委員】我々はそういうつもりでおります。

    【部会長】そうすると、別の観点から中杉委員、お願いします。

    【中杉委員】委員会で検討させていただいた1人のメンバーでございますので、今まで出ましたご質問に対して若干のお答えをさせていただこうと思います。
      多くの意見としてPRTRについてどうかという議論が冒頭にございました。これは委員会の中で若干検討させていただきました。PRTRの場合、一つの問題点がございます。これはPRTRではVOCの一部が対象になっているということでございます。そうすれば、対象物質をふやしていけばいいではないかという話になりますが、そうすると、有害大気汚染物質の管理の例も見られますように、ほかの物質へ移っていくと。そうすると、際限なくPRTRの対象物質をふやしていかなければいけないことになるのではないかということが一つでございます。
      それから、私、ここの排出抑制専門委員会もメンバーでありますけれども、そこでは有害大気汚染物質の排出抑制自主管理の結果で得られたものを見させていただいています。そこで感想としてあれなんですが、自主管理、業界団体ごとにやっておられますので、それ全体としてはうまく行っているんですが、どうも中を見てみますと、個々の事業所ごとに物すごい大きな格差がある。業界全体で見てみると、全体としては減ってきているんですが、どうも一部で新たな業種が加わったとか、そんな形でフリーライダーといいますか、ちょっと言葉は悪いですけれども、努力をしておられる、努力をしておられないところの格差が物すごく大きいという私は印象を持っております。そういう意味では確かに自主管理でやられていくんでしょうけれども、ある程度は削減できるんだろうと思いますけれども、必ずしも全部がうまく行っているわけじゃない。
      それから、有害大気汚染物質の排出抑制のところでかなり削減されているんですが、自主管理の削減率と大気の濃度の減少率を並べて見ますと、減少率、固定発生源というか、自主管理に参加しているところが非常に多いところは、それなりに削減率に応じた形で減っているんですが、そうでない場合には、どうも当然のことながら濃度の低下率が低い。
      ただ、それと例外がございまして、環境基準があって排出規制が行われている、排出抑制基準があるもの、ベンゼンもそうですけれども、それについては比較的よく排出削減量に応じた大気濃度の低下があるということがございます。そういうことを全般考え合わせてみると、やはり何らかの規制が必要ではないかというふうなことを私は考えました。
      それから、もう一つ、基準の話でございますけれども、これはこの報告書の中にも書いてございますように、少し今度の場合には多分排出規制のやり方が少し変わってくるんだろう。単純に環境の濃度からすぐにこの濃度がこうだからこのぐらいの排出基準だという、数字が出てくる形ではなかなか難しくて、ここに書いてありますように、諸外国で行われていますベスト・アベイラブル・テクノロジーだとか、MACTだとか、そういう考え方を導入してくるんだろうというふうに思います。
      そうなりますと、先ほどからお話ありました、個々の方法を指定すればいいではないかという議論もあります。それも委員会の中で議論いたしましたけれども、個々の方法を指定してしまうと、そこにある方法以外のものは排除してしまうことになります。そういう意味では排出抑制の方法の選択の幅を狭めてしまう。それは不適切ではないかということで、それを担保するものとして濃度で排出規制をした方がいいのではないかという結論にさせていただいたというふうに私は記憶しております。

    【部会長】ありがとうございました。今の中杉委員のご発言は、PRTRで扱っている物質は、これは個々の化学物質であって、VOCという一くくりのものじゃないというところが大きい点ですね。PRTRでやっていくと、際限なく物質がふえてしまうと、これちょっと私よくわかっていないんですが、そこのところ、あとちょっと説明してください。どういう違いがあるのかということと。
      それからもう一つは、ベンゼンなんかの規制で見るように、規制があってもそれと自主取り組みとは矛盾しないというご発言に聞こえたんですが、それなら両立ということもあり得るかなと私は感じました。ですから、そういうふうなことに対してちょっとどなたか、事務局かな。

    【中杉委員】PRTRで354物質対象にしております。ですけど、354物質で今VOCを考えているものは全部かというと、例えば、単純な炭素水素類はほとんど入っておりません。人の健康に対して毒性があるものという感じでPRTR法は対象物質決めておりますので、環境で反応してから影響あるというものは今、考えておりません。そういう意味では、それをPRTRの対象物質の選定の枠に入れるとしましても、これは物質ごとに指定しますので、有害大気汚染物質の自主管理の取り組みの中でもよく出てくるんですけれどもほかの物質に転換していく。それがまたVOCであると、その物質をまた指定しなければいけないということになって、どんどん数がふえていく可能性があるんではないかということが一つです。
      それから、二つ目は自主管理と、それから規制の話が両立するのではないか。当然、両方あるんだろうと思いますけれども、実際、有害大気汚染物質の排出抑制の自主管理の取り組みをしていただいている物質は確かに減っています。それに応じた形で本来やれば、大気の濃度が減るはずなんですけれども、自主管理でしていただいているものはほとんど100%といいますか、ほとんどそういう自主管理をしていただいているところから出ているものだけであれば、そういう傾向があるんですが、そうでない場合に、やはり排出削減、自主管理を削減されているほどは大気濃度が下がらない。
      ただ、それに例外がございまして、大気の環境基準をつくって、排出抑制をしているものについては、比較的それが合ってくると。やはりその意味では自主管理だけでは完全に大気の濃度を下げることはできなくて、やはり何らかの規制をしていく必要があるだろうというふうな趣旨で申し上げました。

    【部会長】事務局の方からちょっと。

    【大気環境課長】まず、第1点のPRTR法との関係でございますけれども、PRTR法で現在特定されております三百数十物質のうち、いわゆるVOCと思われるものは80から90、数え方でちょっと違うんですけれど、ございまして、全体の、普通インベントリーをつくるときには200から300ぐらいの物質が通常使われておりますので、数的には200から300に対して80から90程度で、量の捕捉率で見ますと、40%程度がPRTR法でとらえられているとこういう関係にございます。
      もう一つ、次回の審議会で詳しい資料を出させていただきますけれども、現在の有害大気汚染物質で自主管理をやっております12物質のうち、ニッケル化合物を除きます11物質につきましては、いわゆるVOCに該当する物質でございまして、これの発生量は平成11年度の基準年で見ますと、全国で3万8,000トン程度でございまして、そのときの全国のVOCの発生量というのは150万トンでありますので、有害大気汚染物質の自主管理でとらえております量というのは150万トンの2.5%程度のものでございまして、大量に使われております一般溶剤のトルエン、キシレン等は当然入っておりませんので、そういうふうな関係になっているところでございます。
      以上です。

    【部会長】トルエン等などはPRTRには入っているんですか。

    【大気環境課長】トルエン等はPRTRには入っておりますけれども、有害大気汚染物質の自主管理というのは発がん性物質等ということで、特に優先的なということでございますので入っておりません。

    【部会長】はい。

    【満岡委員】今、出ています有害大気12物質の自主取り組みは我々が一生懸命やって来た一つの例でして、これをやっているからVOCは何もしなくて良いと思っているわけではありません。PRTR制度も始まって、現状レベルでそのままほっておくというのは許されない環境になってくると思います。であるが故に、有害大気だけでなく、またPRTR物質だけに限定せず、産業界としても今後自主的にどう取り組んで行くのかを決め、より積極的に促進して行くという事になるでしょう。自主においても、量的目標や方法論が重要ですが、今回の案は規制ですから、更に相当にしっかりした根拠をもって規制に入るべきで、こういう点でまだ検討を要するのではと申し上げている次第です。

    【部会長】どうもありがとうございました。ほかにご発言多々あると思います。じゃあ、新美委員さん。

    【新美委員】私、石油連盟で環境保安委員長やっております新美と申します。よろしくお願いいたします。
      私どもの考え方は、意見書の形でお出ししておりますので、また後ほどご検討を賜りたいと思います。
      いろんな形で各委員の皆さんからのご発言がございましたけれども、問題は冒頭に坂本委員からお話ありましたように、他方面に配慮と検討を加えて、この結論をお出しになるという基本スタンスは産業界とも全く一致するものだと思うんですね。それから、VOCについての削減が急務であることも全く一致しておると思うんです。ややいささか違うなと感じていますのは、自主管理、あるいは自主的行動に対する評価の問題が一つ。もう一つは、その実効性に関する評価の問題、納得性の問題があるように感じます。その意味で、今こうなりますと、この国としましても、いろんな問題、課題を抱えているときですので、あることだけが突出してしまうとバランスを欠くということもありまして、やっぱりマクロなアプローチというのは非常に求められている時期だろうと、こういうふうに思うわけでございます。その意味で私どもとしては、方向性についての何ら依存はないんでありますが、ただいま申し上げたように、自主管理の効果性の問題、あるいは法規制に入る前に十分なる検討と意見交換をすべきであるという点でございまして、どなたもこの拙速を求めておられる方はないと思いますが、念には念を入れまして、十分なる検討の機会が必要であろうということが私ども申し上げたい主要なポイントでございますので、よろしくお願いいたします。

    【部会長】今のご発言ありがとうございました。ただ、緊急課題であることは確かなんですよね。VOCで今は光化学スモッグが出て、さらに委員会からも報告がありましたように、浮遊微粒子にも寄与している。それから、オゾンが環境基準に達していないというふうなこと、これは緊急課題なんです。ですから、その点についてまだ時間があるとかという形で推移するわけにもいかない面があると部会長としては思いますが、それに関連して何か。

    【坂本委員】一番最初に申し上げましたけれども、今回のVOCの排出抑制対策はSPMと光化学オキシダントであるというような形で、そこで対象とするべき炭化水素、もしくは有機化合物が非常に数が多くなるということで、従来の有害化学物質的な対策はなじまない。もしそういうことをやった場合には、非常に測定だとか、その方向、進行管理、そういったものに非常にコストを伴う。その一方では、現実においてSPMにVOCがどうかかわっているか、それから、VOCが光化学オキシダントにどうかかわっているかというようなことを考えた場合には、先ほど申し上げた観点から排出口におけるものを基本としても、それ以外のものについてもさまざまなものを考えてやっていくような形の必要性は私どもは指摘をしているということでございます。

    【部会長】今ありましたように緊急だから出してこられたので、時間はゆっくりはできないんですが、したがってもう少し議論を重ねて、今後どうしていくかを早急に検討する方向でいくかでしょうかね。

    【常俊委員】おっしゃるように、オキシダントの警報が発令され、回数が減らない、被害者は依然として存在していると。粉塵の環境濃度の達成率は極めて悪い。ただ単にそれだけではないだろうと。オキシダントも急性被害で、軽い被害でしょうけども、PMの環境基準達成率が非常に悪いという背景の中には、生体影響を考えなきゃいけないと。生体影響が表面化したときに、恐らく発がん性物質も含むと考えますと、その段階で手を打ったら間に合わないだろうということを考えますと、自主規制でなるべく早く達成できるならそれにこしたことがない。ただし、自主規制でどれだけの効果を期待できるかと、年限がいつまでに達成できるのかということが明確にならない限りは、生体影響を未然に防止することから考えますと、なるべく早く対策を立てるべきだろうというふうに思います。

    【部会長】ありがとうございました。今、そちらの小林委員から手が挙がっています。

    【小林委員】地域の環境行政を行った立場から二、三意見を申し上げたいんですが、ベンゼン等の自主抑制についてトータルで削減をされているということについては、私ども評価はしているわけでございますが、これについて地域からは大変大きな不満があります。と申し上げますのは、全国トータルで削減がなされたというふうに考えたとしても、ベンゼンも含めてそうなんですが、VOCもそうですが、温室効果ガスのような地球規模的な対策というか、問題ではなくて、こういう問題というのは地域の問題ではないかと。地域における人の健康に被害を与えている。こういう問題から考えた場合、地域で具体的な削減対策が進まなければ、いかにトータルで削減がなされたとしても、それは余り意味がないのではないかというふうに思うわけです。
      実際には、各事業所ごとにその対策に差がありますし、地域において差もございます。そういう意味から業界としては、これについて評価をされているわけですが、各事業所ごとに考えた場合、そこの地域の市民の皆様方に評価をいただいているかというとそうではないというふうに考えますし、またその事業所の皆さん方も地域の皆さんに具体的に説明ができないということから、大変不満を持っているということも事実であると思うわけです。こういう問題を解決していこうとすれば、自主抑制、自主行動の中で、各事業所ごとにその対策の目標、また対策の内容について具体的に公表していくということが必要ではないか。それであってこそ初めて地域汚染の原因であるVOC対策の答えになるというふうに思うわけです。
      では、各事業所ごとにそこまでの情報公開ができるのかということになるわけですが、そうなった場合、企業秘密等で大変難しいのではないかと考えたときに、むしろ法による規制という方が有利ではないかと、企業にとってそっちの方が有利ではないかというふうに思うわけです。
      規制というふうにされれば、具体的な地域対策が明らかになりますし、また企業においても具体的な数値を公開することが市民の評価を受けるという意味で、企業の皆さん方からの評価もいいのではないかというふうに思うわけです。
      今、お話の中でPRTRの実施の効果を見てというふうに言われるわけですが、一つはPRTR法とは規制法ではない。それからもう1点は、業界ではPRTR法の施行について、業界反対をずっとされてきたわけですよね。その反対の中でPRTR法が施行されたからといって、それを次の手法に持ち上げてくるというのは、どうも何か筋論としておかしいんではないかなという感じがするわけです。
      現実にPRTRのときもそうでしたし、フロン回収破壊法のときにもそうだったんですが、業界としても反対をされておられたわけですが、個別の事業所の担当者としては、これを是認する、また規制される方がいいという、望む意見も多かったということも事実だと思うんです。そういう意味で、もう一度今、自主抑制にこだわらないで、規制手法ということも視野に入れて、その対策について検討すべきではないかなというふうに私は思っておるわけです。
      蛇足になりますが、業界の方々が言われる自主抑制ということを言われるのであれば、具体的にどのような形で住民に説明、説得、評価をしていただけるような、そういう自主抑制のやり方について、具体的に示していただく必要があるのではないか。今の自主抑制の方法では、住民の方は納得されないのではないか。私ども地方行政をやった人間にとっても、地方でそれがうまく回っていないということも事実だと思うんです。そういう意味で、ぜひ今回の場合、具体的な施策について、もう一度議論していただくと同時に、規制というものも業界にとっても有利な手法であるということを再認識して、ご検討いただいてはどうかなというふうに考えるわけでございます。

    【部会長】どうもありがとうございました。じゃあ、順番にいきましょう。こちらの方から先に。

    【浦野委員】先ほど来のお話で、論点は規制か自主管理か、あるいは濃度規制でいくか、あるいは量的なものでいくか、あるいは時期が尚早か、すぐにやるべきかという3点が大きな論点だと思います。これは私も専門委員会の方でそういう議論をかなり回数してきたわけですが、自主管理、大変効果を上げる部分もございますが、それは大手の企業の業界としての効果はあるんですが、やはり先ほど来、指摘がございますように、事業者間でも相当な格差がある。地域間でも相当の格差がある。それから、もう一つは、先ほど自動車工業会から原単位的な発想がございましたが、それも業界内ではよろしいかと思うんですが、今度は業界間の非常に大きな格差がある。そういう点を考えると、公平性という点では地域間、事業者間、業界間の公平性を保つという意味では、ある程度規制的な措置がやむを得ないではないかというのが専門委員会の結論であったというふうに私は理解しております。
      それからもう一つ、濃度と量の関係ですが、これも本質的にはVOCが量でいくべきですけれども、やはり実際の管理上のコスト等を、行政的なコストその他を考えて濃度でいくと。ただし、規模別に考える、あるいは設備の特性を十分配慮して、現実的な対策技術があるかどうかということも配慮した上で、規模別の濃度でいくと。規模別ということはある程度量的なものに反映されるというふうに理解をしておりまして、そういう結論に至っているというふうに理解しております。
      それから、時期についてですが、22年に達成しなきゃいけないということと、現実に現時点でかなりよくない状態にある、委員長おっしゃったように。そのことを考える、あるいは国際的な動きで、特に国際的な企業は海外ではそれに対応しておられる企業もあるわけで、そういうことを考えると、日本でこのまま何もしないで検討を続けているという状況ではないというふうに思います。
      ただし、ここの文書にも書いてございますように、既存の設備については段階的に検討すると書いてございまして、その辺の方法論とか、具体的な濃度等については、今後、早急に検討を十分にして、業界の方のご意見も十分伺って、あるいは業界の方も委員に入っていただいて、検討すべきことだというふうに思います。
      以上のようなことを考えると、基本的には専門委員会で検討した議論というのがほとんど皆さんのご意見も伺った上で議論をしてここへ至っているというふうに私は理解しております。

    【部会長】どうもありがとうございました。それでは、お答えなしで悪いんですが、河野委員お願いします。

    【河野委員】今日は固定発生源からというのが主になっていると思いますが、私、このところというか、移動発生源の方の担当をしてまいったんですが、全般的に申し上げますと、移動発生源の方は対象が明らかだということで、規制等も割と合理的というか、科学的というか、技術的にも筋が通せるようなことを今までやってきたと思うんですが、今日の固定発生源につきましては、先ほどからいろんな問題があるということはわかったんですが、何かやはりちょっと移動発生源に比べればちょっと乱暴ではないかなと。乱暴というのは、先ほどから拙速は問題があるというふうにおっしゃっていることと関係があるのかもしれませんが、例えば、今日非メタンの濃度は下がっているけれども、オキシダントはふえていると。そういう話があったときに、我々として例えばどういうことを考えるかといいますと、そのまずはここの38ページにありますように、VOCが減ることによってオゾンがどんどん出てくるとか、何かそういうこともあるし、それからあと、30ページにありますように、これ排出されたところとそのオキシダントがふえているところというのは、場所が違うというようなこともあったりして、そこら辺をきちっと何か合理的に説明がつくようにしておかないと、結局、最後は移動発生源と固定発生源のお互いに罪をなすり合うというようなことになってしまう可能性がありますので、そこはぜひやって、きちっとしていただきたいというふうに思います。
      それから、例えば、30ページの件にしましても、固定発生源というのは、移動発生源と違いまして、もう場所が決まっているわけですから、ある特定の事業所がある特定の地域に何かいたずらをしているということも十分考えられるのではないかなというようなこともありますので、そこら辺等も含めて、大体シミュレーションか何かそういうことの精度を上げていくということが大事になるとは思いますけれども、そういうことを通じて費用対効果というものがよくわかるような形で進めていただければというふうに思います。
      以上です。

    【部会長】ありがとうございました。ほかにご意見ございません。ご意見とか、ご質問。

    【櫻井委員】ちょっと観点が違うんですが、もちろん大変緊急な課題として改善すべきであると私も思っておりますが、労働者に対する不利な問題点がちょっと出得るかなという気がしております。それは、排出口における濃度規制だけであった場合、現在、47種類が有機溶剤について、作業環境管理ということで濃度がチェックされているわけですが、47種類というのは150種類ぐらいリストアップされているもののうちの一部であるということ。それで、基本的にもしかして、排出経路をきちっと集めて排出口から出すというのはではなくて、もうちょっと別の経路、全体換気であるとか、自然換気であるとか、そういうような部分に依存させるという部分も出てくる可能性があるのではないかと、事業所によってはですね。そうすると、すぐに労働者の濃度負担という形で出てくるのではないかという懸念を感じております。それはもしかしたらご議論もあったかなとも思いますが、したがって、当然全体としては量の規制で、量を減らすというふうにいく手段として、ほかにも検討しないと、濃度規制だけではどうかとか。規制でいくべきか、あるいは自主管理でいくべきかということについては、ちょっとどちらがいいという、今の段階で申し上げることは私にはできません。意見としては特段ございませんが、今の部分をぜひ検討していただきたいというふうに思います。

    【部会長】労働者の健康について、それがおろそかになるようでは困るとそういう意味のことを検討の中に入れていただきたいと、こういうご要望だったと思います。ありがとうございました。
      ほかにございませんか。鈴木委員はいいですか。

    【鈴木(継)委員】さっきちょっと申し上げかけたんですけど、拙速を望む人はいないだろうと新美委員がおっしゃったわけでありますけれども、実は今の時代の環境化学物質の管理の方向性として、拙速をやりたくないんだけど、やらざるを得ないという状況がいろんな局面で出てくる場合あるんじゃないかと。全部が細かくきちんと科学的に、あるいは技術的に詰め切れていないけれども、何かしなきゃならないというふうな、そういう出来事に対してどうするのかという、そういう問題になるんだろうと思うんです。
      これは今回の、今議論しているVOCの規制の問題とはちょっと離れてしまうかもしれませんけれども、実は化学物質対策総体としては、もっと柔らかくて、何て言うのかな、新しい知見が出たらどんどん変えていけるような、そのくせ実際に役に立つようなというような、いわばそういう中に拙速はいかんよと言われて引っ込んでしまうようなわけにはいかないという状況があるのではないかなとそう思ったわけです。

    【部会長】ありがとうございました。新美委員、何かありますか。

    【新美委員】まさに鈴木委員がおっしゃったように、経営の場合も同じなんですよね。全部全部確かめてから意思決定していったら間に合いませんので。ですから、私が申し上げたいのは、マクロ全体的な視野の中での判断をお互いにすべきじゃないかなということで、私どもちなみに環境助成財団という小さい財団を持っておりまして、そこの理事長をやっているんですけれども、環境という問題の定義は何だろうかと、よく会議の後で出まして、いろんな意味の定義ができると思いまして、その中で人間の生活の上での環境というふうに考えようじゃないかなということを話し合っておりますので、蛇足でございますけれども、もし何かの機会にまたいろいろご教授願えればありがたいと思います。ありがとうございます。 

    【部会長】それでは、大体意見も出尽くしたように思いますので、私なりのまとめをさせていただきたいと思います。
      何項目かございますが、順不同で言わせていただきますと、2010年度、平成22年度ですが、までにSPMの環境基準をおおむね達成するという目標とか、オキシダントによる大気汚染の状況を踏まえますと、その一つの原因物質でありますところのVOCの抑制が、これは大切だというご意見が大勢を占めたと思います。しかしながら、VOCの排出源はいろいろな多種多様にまたがりますので、その実態をよく踏まえた上で対策について検討すべきであるということも指摘されました。それから、そのためにも具体的な現場でどうするかというふうについても、検討する必要があるかなというふうに思いました。
      そして、一番、今日の論点でありましたのは、VOCの排出抑制の枠組みについては、検討会におきましては法規制が必要ということでございましたが、それに賛成する意見が多々あります一方で、自主管理などで排出抑制を図るべきというご意見もあったわけです。
      また、自主管理と言いましても、VOCを総括的にとらえて、検証できる形で確実に削減しないと実効がないというふうなたぐいの印象を受けました。
      ちょっと議論と少し違っているかもしれませんが、私の受けた印象を申しますとそういう感じなりました。
      この点を念頭に置きまして、次回の部会におきましては、VOCの排出抑制について、各委員からいただいた自主管理とか、それから施策、両面について、実態を踏まえてもう少し具体的な議論をさせていただきたいと思います。
      今日の議論を踏まえて、事務局では次回の部会資料として、次のことをしていただければいいかと思います。
      具体的にどのような施設がVOCの排出抑制の代表として、これはインベントリーという言葉に代表されましたが、そういった中身をもう少し整備していく。それから、2番目に海外と違うんだよということがございますが、その効果については余り語られなかった。それについてもちょっとお調べいただくと。それから、有害大気汚染物質の自主管理についてどういう実績が上がったか、これも調査していただくといったことをまとめていただきまして、議論がさらに深まるような資料を用意していただけたらと思います。
      このまとめでよろしゅうございましょうか。何かご意見ございませんか。

    (なし)

    【部会長】じゃあ、そういうことで、拙速を避けるということもありますが、もう少し議論を深めてやらせていただくということをご了解いただいたということでよろしゅうございますね。

    (異議なし)

    【部会長】ありがとうございました。
      それで、ここでちょっと提案がありますが、これは委員の皆様方とご相談させていただきたいのですけども、VOCの排出実態を十分に踏まえて、今後の方向を探るという意見もございましたので、今後、当部会では実態に踏まえて議論を深めていくために、委員ご自身が出席できない場合に、それにかわる措置を検討することが望ましいと思います。
      そこで、この中央環境審議会の総会というのがございますが、総会におきまして欠席する委員の代理出席を認めることができるとされています。そういったことをうまく使いまして、どうしても出られないような場合に、その代理を認めるという方向を考えております。
      すみませんが、事務局の方からそれについて説明をお願いします。

    【大気環境課長】平成13年1月の中央環境審議会の総会決定におきましては、代理出席は原則として認められないということになっておりますけれども、会議、部会等でございますけれども、会議が必要と認めた場合には欠席する委員と、または専門委員の代理の者を説明委員として出席させることができると、こういうふうにされております。
      なお、この場合、説明委員としてご出席いただきました方につきましては、議決権はございませんけれども、議論に加わることはできると、こういうふうになっております。

    【部会長】こういうことになっておりまして、欠席等があった場合、それによって審議が妨げられるということもいかがなもんかと思いますので、これを適用させていただいてよろしゅうございますでしょうか。

    (異議なし)

    【部会長】それでは、ただいまありましたように、この制度を利用いたしまして、委員ご自身が出席できない場合には代理の方にご出席いただき、議論に参加していただくということでお認めいただきたいと思います。
      これは別に中立機関とか、それから産業界から出た、その区別はないんですね。これはないですね。

    【環境管理局長】委員がご指定される方であればと思います。

    【部会長】はい。なるべくご本人が出ていただくようにお願いいたします。ありがとうございました。それでは、次回から今のルールを適用させていただきまして、代理出席を認めることにさせていただきます。
      それでは、議事1は終わりまして、その他の報告事項について、議事の2に移ります。
      幾つかの参考資料がお手元に配付されておりますが、事務局の方から紹介すべき事項がありましたら、ご説明をお願いいたします。

    【総務課長】恐縮でございます。本日、参考として1から先ほどご紹介しました2−4まで資料が配付されておりますけれども、内容等につきましては、今日は具体的な説明は省略させていただきたいと思います。もし、この参考資料等につきまして、何かご質問等がございましたら、個別に事務局の方に参っていただければとこのように考えております。
      それでは、なお次回以降の大気環境部会ということで、既に各委員のご予定を今お伺いしているところでございますけれども、また後日、追ってご案内は送らさせていただきたいと思いますが、現在のところ例えばでございますけれども、1月13日火曜日でありますとか、1月26日の月曜日でございますとか、2月3日の火曜日あたりはかなりご出席の数も多いと、都合がよろしいというような状況でございますので、この範囲でまた大気環境部会を開催していきたいと考えておりますので、よろしくお願いしたいと思います。正式な通知につきましては、また追ってご案内させていただきたいと思います。
      以上でございます。

    【部会長】どうもありがとうございました。それでは、若干時間、余裕ができてしまいましたが、本日はこれで終了させていただきます。どうもありがとうございました。