■議事録一覧■

中央環境審議会第9回大気環境部会議事録



 
  1. 日時   平成15年9月17日(水) 13:05〜15:00
     
     
  2. 場所   ホテルフロラシオン青山 芙蓉の間
     
     
  3. 出席者 
     
    (部会長) 池上 詢    
    (委員) 浅野 直人   鈴木 継美
    (臨時委員) 天野 明弘   石川 義紀
    伊藤 桂子   岩崎 好陽
    浦野 紘平   香川 順
    加藤 勝敏   北野 大
    小林 悦夫   坂本 和彦
    佐和 隆光   関沢 秀哲
    只木 可弘   常俊 義三
    中杉 修身   永田 勝也
    中野 璋代   松尾 友矩
      松波 正壽   松原 純子
    満岡 三佶
         
       (五十音順)    
    (環境省) 環境管理局長   総務課長
    大気環境課長   総務課長補佐
    大気環境課長補佐   環境管理技術室長
    自動車環境対策課長 調査官
    大気生活環境室長 ダイオキシン対策室長

      
  4. 議題
     
     (1) 平成14年度大気汚染状況について
    (2) 自動車排出窒素酸化物及び自動車排出粒子状物質総量削減計画について
    (3) 中央環境審議会答申等において指摘された事項の取組対応状況
    (4) その他
      
     
  5. 配付資料
     
    中央環境審議会大気環境部会委員名簿
    資料1   中央環境審議会第8回大気環境部会議事要旨
    資料2   中央環境審議会第8回大気環境部会議事録(委員限り)
    資料3   平成14年度大気汚染状況について
    資料3-2   全国の二酸化窒素及び浮遊粒子状物質による大気汚染の平成14年度の状況及び最近の動向について
    資料3-3   最近の大気汚染の状況について(環境大臣談話)
    資料4   自動車排出窒素酸化物及び自動車排出粒子状物質総量削減計画
    資料5-1   中央環境審議会答申等において指摘された事項の取組対応状況
    資料5-2   VOC(揮発性有機化合物)について
    参考資料   中央環境審議会答申及び排出ガス規制強化のスケジュール
    自動車排出窒素酸化物及び自動車排出粒子状物質総量削減計画
    (埼玉県、千葉県、神奈川県、愛知県、三重県、大阪府、兵庫県)

      
  6. 議事

    【総務課長】定刻になりましたので、まだ委員の方で来られていない方もおられますけれども、ただいまから中央環境審議会第9回大気環境部会を開会したいと思います。
     本日、現在委員総数33名のうち、21名の方にご出席をいただいておりますので、定足数である過半数に達しております。
     それでは、初めに、お手元の配付資料のご確認をお願いしたいと思います。まず、第9回大気環境部会の議事次第がありまして、そのあと委員名簿と座席表があると思いますが、資料1といたしまして、中央環境審議会大気環境部会(第8回)の議事要旨(案)。それから資料2といたしまして、中央環境審議会第8回大気環境部会議事録。それから資料3といたしまして、平成14年度大気汚染状況について。その資料3−2といたしまして、全国の二酸化窒素及び浮遊粒子状物質による大気汚染の平成14年度の状況及び最近の動向について。それから資料3−3として、「最近の大気汚染の状況について」という環境大臣の談話。資料4といたしまして、自動車排出窒素酸化物及び自動車排出粒子状物質総量削減計画の概要ということで、そのあとに、資料ナンバーは振ってありませんけれども、それぞれ各県の総量削減計画、埼玉県、千葉県、それから神奈川県、愛知県、三重県、それから大阪府に兵庫県というような形で冊子があると思います。その後ろに、ちょっと薄くなりますけれども、資料5−1といたしまして、中央環境審議会答申等において指摘された事項の取組対応状況。それからその後ろに参考といたしまして、中央環境審議会答申及び排出ガス規制強化のスケジュール。それからその次、資料5−2ということで、VOC(揮発性有機化合物)についてという資料がお手元にあるかと思いますけれども、ご確認をお願いしたいと思います。万一資料の不足等がございましたら、事務局にお申し出いただけると幸いでございます。
     それでは、議事に先立ちまして、西尾環境管理局長よりごあいさつを申し上げたいと思います。

    【環境管理局長】環境管理局長の西尾でございます。本日は委員の皆様方には大変ご多忙中、またお暑い中ご出席をいただきまして、御礼を申し上げます。平素から大変ご指導いただいておりますが、特に当部会におきましては、ことしに入ってから、二輪車の排ガス規制の強化、特殊自動車の排ガス規制の強化、あるいは有害物質につきましての指針、それから自動車の燃料につきましての硫黄分の低減などの規格の問題などにつきまして、矢継ぎ早にご審議、ご答申をいただきました。それぞれ大変重要な事項でございまして、大変ありがたく感謝申し上げているところでございます。
     本日につきましては、主として14年の大気汚染状況の報告、それとそれに関連する事項につきまして、いろいろご議論いただくわけでございます。すなわち、その問題意識といいますか、今の私ども管理局の一番大きな課題でございます、大都市の大気汚染対策でございますけれども、これは二酸化窒素あるいはSPMの環境基準について、2010年までにおおむね達成するということなどを目指しまして、大体いつも三本柱と、こういうこと言っておりました自動車単体の排ガス規制の強化、自動車NOx・PM法に基づく施策の推進、あるいは低公害車の普及の推進ということをやってきておるわけでございますけれども、後ほどご説明させていただきますように、大気汚染状況につきましては、一部改善傾向は見られるものの、依然として環境基準の達成率は厳しい状況にあります。大臣談話にも、後ほどご説明いたしますけれども、必要な追加的対策の検討を進めて、今後の対策の一層の推進を図ってまいりたいという旨の談話を発表されているところであるわけでございます。これからのその大都市の対策につきまして、中でも非常に大きなものは、やはり自動車単体の排ガスを低減していくと。そして、そういう排ガスの低減されたクリーンな車に乗りかわっていくということは非常に大きな対策で基本となるわけでございますけれども、それにつきましては、7月の大気部会で取りまとめていただきました第七次の答申におきまして、平成19年には軽油中の硫黄分を10ppm以下とするというご提言をいただいて、そのことを前提に、平成17年の新長期規制以降の自動車排出ガス規制の一層の強化について、検討を進めるということにされておるわけでございます。
     また、そういうものに車が切りかわってくるというためには、自動車NOx・PM法に対応いたしまして、事業者の方々が自動車の買いかえを行っていただかなきゃいけないわけでございます。そのためには現下の経済情勢の中でかなり支援を厚くしていく必要があると。従来から税制あるいは低利融資ということを行っておりますけれども、なかなか担保というような問題も非常に難しいということがございましたので、来年度の予算要求におきましては、関係省庁と連携しまして、国土それから経済産業省と環境省と連合いたしまして、中小企業金融公庫に出資を行うという要求をしておりました。それによりまして、担保条件の緩和を図るということで、切りかえていく、新しく買う車両をいわばその担保にする、不動産だけじゃなくて、そういう車両というものも担保にしていく。あるいはそれによって担保が足りないところにつきまして担保条件を免除していくと、そういったような新しい要求を、各省そろっての少し新しいスタイルとしての要求も取りまとめて努力をしているところであります。
     しかしながら、こういった申し上げましたような政策、対策だけで足りるのかねと、本当にそれで十分なのかねということが非常に大きい問題、検討課題でございまして、これまでの答申におきましても、いろいろ関連いたしまして幾つかの課題、宿題をいただいておるところでございます。そういうものを検討いたしまして、必要なものがあれば、積極的に追加的に対策を行っていかなきゃいけないんじゃないかというふうに思っております。
     そういった問題意識の中で、本日は14年度の大気汚染状況、それからこれまでの答申の検討課題に関する取り組み状況などをご報告させていただきまして、大気環境に係る追加的対策につきまして、委員の皆様方のご意見をちょうだいいたしたいというふうに存じておるところでございます。どうか忌憚のないご意見を賜りまして、これを受けまして、私どもがさらなる大気環境対策に取り組んでいくというふうにいたしていきたいと思っておりますので、よろしくお願いを申し上げる次第でございます。
     本日、どうぞよろしくご審議賜りたく、あいさつとさせていただきます。ありがとうございます。

    【総務課長】それでは、これ以降の会議の進行につきましては、池上部会長にお願いしたいと思いますので、よろしくお願いします。

    【部会長】池上でございます。それでは審議に入らせていただきます。よろしくお願いいたします。
     まず資料1それから資料2としてあります、第8回大気環境部会議事要旨及び議事録がここに提出されております。内容をご確認いただきまして、何かご意見等がございましたら、9月24日までに事務局までお申し出ください。修正いたしました後に、速やかにホームページに公表させていただきます。
     本日は、9月10日に公表されました、平成14年度大気汚染状況につきまして、事務局から報告をいただきまして、その後、自動車NOx・PM法に基づく各府県の自動車排出窒素酸化物及び自動車排出粒子状物質の総量削減計画の概要、及び当部会の答申において検討課題として指摘されました事項の取り組み状況を説明していただきます。これらについて、委員の皆様方のご意見をお伺いしたいと思います。よろしくお願いします。
     それでは、平成14年度大気汚染状況につきまして、事務局から説明をお伺いしたいと思います。よろしくお願いします。

    【大気環境課長補佐】大気環境課の課長補佐の中野と申します。よろしくお願いいたします。
     平成14年度の全国の大気汚染状況がまとまりましたので、ご報告をさせていただきます。資料は2種類ございまして、資料3、環境省の公表資料でございますが、それと資料3−2、専門家の皆様にご検討いただきました報告書でございます。
     それでは、資料3に沿ってご説明をさせていただきます。資料3の表紙は、平成14年度大気汚染状況を総括したものでございます。平成14年度は全国で2,134の測定局、一般環境大気測定局で1,700局、それから自動車排ガス測定局で430局において観測が行われております。その項目別の評価は1から5のとおりでございます。
     まず1に示します、二酸化窒素につきましては、一般環境大気測定局及び自動車排ガス測定局ともにやや達成率が改善してきております。その反面、浮遊粒子状物質(SPM)につきましては、一般環境大気測定局、自動車排ガス測定局ともに前年度13年度に比べまして、10%程度、環境基準の達成率が低下してきております。
     3に示します、光化学オキシダントにつきましては、引き続き1%以下の環境基準の達成率で環境基準の達成は極めて厳しい状況が継続しております。
     4、5に示します、二酸化硫黄、一酸化炭素につきましては、全国的に13年度と同様ほぼ環境基準を達成しておりまして、問題のない状況が続いております。
     以上、概要でございますが、次に内容につきまして、若干詳細にご説明をさせていただきます。
     ページをめくっていただきまして、裏の資料でございますが、環境基準の内容、評価方法について、記載してございます。1は環境基準のそれぞれの数値を示したものでございます。2は環境基準の評価方法を示したものでございますが、環境基準の評価は短期的な評価、それから長期的な評価という2つの評価の方法がございますが、基本的には年間を通じた評価は長期的な評価により行うものでございます。二酸化窒素につきましては、1日平均値が低い方から数えまして98%目に当たる値、いわゆる98%値と、環境基準を比較して行います。浮遊粒子状物質あるいは二酸化硫黄、一酸化炭素につきましては、得られました1日平均値を高い方から数えて2%の範囲にある測定値を除外して、いわゆる2%除外値を環境基準と比較して評価を行うものでございます。また、浮遊粒子状物質と二酸化硫黄、一酸化炭素につきましては、この方法にかかわらず、環境基準を超える日が2日以上連続した場合には非達成とするという2日連続規定というのがございまして、この規程で環境基準の評価をやってございます。
     1ページをお開きいただきたいと思います。1ページは二酸化窒素の状況でございます。1ページの表1−1、図1−1は二酸化窒素の環境基準の達成率の推移を示したものでございますが、下の図1−1をごらんいただきますと、若干ずつでございますが、平成11年度、12年度、13年度、14年度と環境基準の達成状況がやや改善してきている状況にございます。  2ページをお開きいただきたいと思います。2ページのグラフは、一般環境大気測定局の年平均値の推移を示したものでございます。上のグラフが一般環境大気測定局の年平均値の推移を示したものでございます。一般環境大気測定局につきましては、ごらんのとおり若干濃度が改善してきております。2ページ下のグラフは、自動車排ガス測定局の年平均値の推移を示したものでございまして、自動車排ガス測定局におきましても、その濃度は若干の改善が見られるところでございます。
     3ページをお開きいただきたいと思います。3ページの日本地図でございますが、この地図は環境基準を達成していない測定局がどういった地域にあるかということを示したものでございます。一応濃く塗りつぶしたところが、一般大気測定局及び自動車排ガス測定局の両方で環境基準の非達成局があることを示しております。薄い黒抜きの部分が、自動車排ガス局のみが環境基準値非達成であることを示しておりまして、白抜きは、すべての局で環境基準達成であることを示しております。ごらんいただきますように、環境基準の非達成の地域というのは、関東、中部、関西、それから福岡、九州の一部に発生しております。
     続きまして、3ページの下、ここからは自動車NOx・PM法の対象地域における環境基準の達成状況をまとめてございます。
     4ページをお開きいただきたいと思います。4ページのグラフは、自動車NOx・PM法の対象地域の全体、一番上が全体、それから首都圏、愛知・三重、それから大阪・兵庫、それぞれの対策地域の環境基準の達成状況を示したものでございまして、左側が一般環境大気測定局、右側が自動車排ガス測定局をあらわしてございます。一番上の一般大気測定局を見ていただきますと、平成14年度の対象地域全体の一般大気測定局の環境基準達成率は、97.1%ということで、ほぼ全国の状況と一般環境大気測定局については似通った状況にございます。しかしながら、自動車排ガス測定局につきましては、14年度は若干13年度よりも全体的には改善しておりますが、それでも69.3%という状況にございます。以下、各地域ごとの状況も示したとおりでございますが、首都圏の自動車排ガス測定局で改善が見られ、愛知・三重県の自動車排ガス測定局では悪化しているという状況が見られます。
     続きまして、5ページをお開きいただきたいと思います。5ページは、自動車NOx・PM法の対象地域におきまして年平均値の推移がどのようになっているかということを示したものでございまして、地域全体と首都圏等の各対象地域ごとに分けてございますが、平成14年度は濃度で見ますと横ばい、もしくはやや改善の傾向にあるということかと思われます。
     以上、二酸化窒素の概要でございます。
     続きまして、6ページをお開きいただきたいと思います。6ページからは浮遊粒子状物質の状況でございます。6ページにお示ししました表2−1、図2−1は、浮遊粒子状物質の環境基準の達成状況の経年的な推移を示したものでございます。14年度一般環境大気測定局は、グラフでは白抜きになっておりますが、52.6%。前年度は66.6%でございましたので、14%ほど達成率が低下しております。また、自動車排ガス測定局におきましては、前年度47%であったものが、13%ほど低下いたしまして34.3%ということで、環境基準の達成率で見ますとやや10%台の悪化となっております。
     7ページをお開きいただきたいと思います。7ページ上の図は、2日連続して環境基準を達成しないことにより、非達成となった局の割合を示したものでございます。冒頭に申し上げましたように、2%除外値に当たる日平均値の環境基準以内でありましても、除外した2%に当たる7日間で2日以上日平均値が連続して環境基準を超えたという場合には、その測定局の環境基準は達成しないということになりますが、平成12年度、13年度、14年度は2日連続で達成できない局の割合が上昇したということでございまして、これが環境基準の達成率の悪化の原因ということで確認をしてございます。一方、7ページ下の図2−3をごらんいただきますと、浮遊粒子状物質の年平均値を示しておりますが、年平均で見ますと13年度に比べて濃度的には改善の傾向にありまして、濃度的に改善の傾向にはございますが、達成状況の悪化が見られるというのが浮遊粒子状物質の状況でございます。
     8ページをお開きいただきたいと思います。8ページ図2−4は、全国的に見た場合にどの地域で浮遊粒子状物質の環境基準の達成率が低いかということを示したものでございまして、上が一般環境大気測定局、下が自動車排ガス測定局を示したものでございます。日本海側の濃い黒で抜いた部分が、達成率が0〜30%未満ということで、以降段階的に濃度に応じてその達成率のランクをあらわしております。ごらんいただきますように日本海側で環境基準の達成率が極めて低い地域が出てきたということでございます。
     これにつきまして若干の解析を加えました資料が、もう一つの資料3−2でございます。資料3−2は、大気汚染に関する専門家に評価をいただいて取りまとめた結果でございます。
     1ページをお開きいただきたいと思います。1ページの2(3)、中段より若干下でございますが、こちらに浮遊粒子状物質の環境基準の超過の理由について専門家に評価いただいた結果を記載してございます。[1]から[3]、主に2つの理由で環境基準の超過があったと考えられます。
     まず[1]でございますが、昨年度4月に北海道から九州にかけまして広範囲に中国大陸からの黄砂の飛来がありました。この時期に浮遊粒子状物質の高い濃度が生じております。具体的には、この報告書の18ページをお開きいただきたいと思いますが、18ページのグラフは黄砂の飛来した、飛来の観測結果を示したものでございまして、気象庁の資料でございますが、真ん中あたりの4月、14年度4月に延べ日数で全国で644日の黄砂が観測されているということでございます。
     19ページをごらんいただきますと、これは自治体からのヒアリングに基づいてやったものでございますが、平成14年度はこの黄砂によりましてSPMに特に影響を与えたというのが、4月9日、10日、11日の3日間が出ているということでございまして、この強い黄砂が全国的に来たということで、1つは環境基準の超過が見られたということでございます。このことが昨年度の浮遊粒子状物質の環境基準を超過したことの1つの理由でございます。
     続きまして、もう一度資料3−2の1ページに戻っていただきたいと思います。次に[3]でございますが、夏場、7月、8月に光化学オキシダントの濃度が上昇した際に、浮遊粒子状物質の濃度も関東地方などで広域的に高くなるということが確認されてございます。これはオキシダントが高くなりましたときに大気中に排出された大気汚染物質、VOCといわれる揮発性有機化合物とか、あるいは硫黄酸化物などが大気中で反応しまして二次粒子を生成することによって、浮遊粒子状物質の濃度が高くなるということでありまして、こういうことがまた浮遊粒子状物質の環境基準悪化のもう一つの要因ということでございます。残念ながら平成14年度につきましては、こういった自然由来の黄砂の現象と、それから大気汚染の二次粒子の生成等の影響で、浮遊粒子状物質の環境基準が超過するという状況が生じていることはわかっております。
     続きまして、公表資料3−1にお戻りいただきたいと思います。9ページをお開きいただきたいと思います。9ページの図2−5は、自動車NOx・PM法の対象地域ごとの浮遊粒子状物質の環境基準の達成状況を記載したものでございます。自動車NOx・PM法の対象地域に限って見ますと、13年度から14年度全体で全国的に悪化したほどは悪化していないということでございまして、従来からこれらの地域では浮遊粒子状物質の環境基準がもともと低いということに起因するものと思われます。
     以上、浮遊粒子状物質の状況でございます。
     続きまして、光化学オキシダントの状況について、ご説明をしたいと思います。10ページをお開きいただきたいと思います。光化学オキシダントにつきましては、以前から環境基準の達成率は極めて低い状況が続いてございます。平成14年度におきましても環境基準の達成率は0.5%。測定を行った全国の測定局1,195局のうち、環境基準を達成したのは、6局のみでございます。10ページ下の3−2をごらんください。これは光化学オキシダントが発生した際の注意報の発令日数の経年的な推移を示したものでございます。環境基準とは別に、オキシダントにつきましては、2倍の濃度で注意報を発令して住民に注意を呼びかけるということになってございますが、昨年度につきましては、この13年度と同じくらい、12年度以降その注意報の発令日数がかなり多くなっておりまして、14年度につきましては、延べ日の184件の注意報の発令が見られております。また、環境基準の4倍の値、0.24ppmという高濃度が発生した場合には警報を発令することになっておりますけれども、昨年度は千葉で4回、7月4日と8月1日の、失礼しました2回、警報が18年ぶりに発令されたということになっております。
     11ページをごらんいただきたいと思います。図3−3は光化学オキシダントの濃度の推移を示したものでございますが、ごらんいただきますように光化学オキシダントの濃度年平均値は若干ずつではありますが、経年的に上昇の傾向があるということが認められます。
     次に12ページをごらんいただきたいと思います。12ページの図3−5は関東地域と関西地域で注意報相当レベルの光化学オキシダント濃度の出現状況を示したものでございまして、黒い丸印は10日以上、白い丸印は1日から9日注意報レベル相当の濃度が観測されたことを示しております。ごらんいただきますように、関東地方、関西地方ともに広域的にこういう注意報相当レベルが発生する状況になっております。
     13ページは参考でございますが、非メタン炭化水素の濃度の推移を示してございます。
     続きまして14ページでございますが、二酸化硫黄でございますが、二酸化硫黄につきましては、近年ほぼ100%に近い環境基準の達成率となっております。一部桜島の噴火の影響と思われますが、鹿児島で環境基準を達成しない測定局が3局ございまして、環境基準の達成率が100%にならなかったということでございます。
     次に15ページでございますが、15ページは一酸化炭素につきましては、引き続き100%すべての測定局で環境基準を達成している状況にございます。
     以上、各項目の状況でございますが、16ページをお開きいただきますと、16ページ以降は参考資料ということで、NOx・PM法の対象地域、あるいは測定局の設置状況、都道府県別の環境基準の達成状況等を示してございます。特にこの中で2点ご説明をしたいと思います。
     22ページをお開きいただきますと、資料4−3でございますが、二酸化窒素の1日平均値の年間98%値の濃度の割合がどういうふうになっているかということを示したものでございます。バッテンの薄い白線が10年度、太い黒線が14年度でございまして、上のグラフが一般測定局、下のグラフが自動車排ガス測定局でございますけれども、10年に比べまして、高濃度の部分が減少してまいりまして、低濃度部分にその割合が移行していると。自排局におきましても同様の状況が認められるかと思います。
     続きまして、同じようにSPMについても示してございまして、26ページでございますが、資料6−3、同様に浮遊粒子状物質につきましても、2%除外値の濃度分布がどういうふうに推移してきているかということを示してございます。この表では平成10年度は三角の薄い白い線であらわしております。丸の黒い線が14年度でございますが、ごらんいただきますようにやはり濃度的には高濃度部分が減って、低濃度部分に移行してきているという状況にあるかと思います。
     以上、資料についての説明でございます。
     平成14年度の大気汚染の状況は以上のとおりでございますけれども、二酸化窒素については、若干改善の傾向にあると。しかしながら、大気中での二次生成が関与する浮遊粒子状物質とか、あるいは光化学オキシダントにつきましては、依然として環境基準の達成の状況が厳しい状況にあるということが総括かと思います。
     ありがとうございました。

    【調査官】調査官の笠井でございます。私の方からは資料3−3、環境大臣談話を朗読させていただきます。
    最近の大気汚染の状況について
    平成15年9月10日、環境大臣談話。
    1. 平成14年度における全国の大気汚染状況は、一部には改善傾向が見られるものの、依然として二酸化窒素、浮遊粒子状物質等の環境基準の達成率は厳しい状況にあります。
    2. 環境省は、2010年度(平成22年度)の環境基準の概ね達成を目指して、自動車単体の排出ガス規制を強化するとともに、自動車NOx・PM法に基づく施策の総合的な推進、低公害車の普及の推進を図るなどの努力をしております。
    3. さらに、平成19年には軽油中の硫黄分を10ppm以下にすることとしており、このことを前提に新長期規制以降の自動車排出ガス規制の一層の強化について、検討を進めることとしております。
    4. また、今回の大気汚染の状況を中央環境審議会に報告して、御議論いただき、必要な追加的対策の検討を進め、今後の対策の一層の推進を図ってまいります。
     

    【部会長】どうもありがとうございました。
     ただいまのご説明につきまして、ご意見あるいはご質問等がございましたらお願いいたします。
     はい、香川委員。

    【香川委員】浮遊粒子状物質の環境基準の達成率が悪いというご説明ですけれども、この黄砂は、これ、資料を見ますと、限定されたときに来ているわけですから、これを除いた場合でもやはり達成状況が悪いんでしょうか。

    【大気環境課長補佐】黄砂の影響を除いて評価をいたしますと、環境基準の達成状況は上昇いたします。しかしながら、浮遊粒子状物質としては自然影響のものも同様にとらえて考えますので、浮遊粒子状物質、いわゆる黄砂による影響も、浮遊粒子状物質の濃度の上昇ということでとらえて評価することになると思います。

    【部会長】よろしゅうございますか。
     ご意見も言っていただいて構いませんから。

    【香川委員】こういう大気汚染の対策を考えるときに、自然由来のものはやはり除去して改善状況を評価するのが妥当ではないかと思うんですけれども。

    【部会長】何かありますか。

    【大気環境課長】三宅島のSOx等については、火山性のものについては少し別の扱いをしているときもありますけれども、ただ、黄砂につきましては、黄砂が来たときにその日の日平均値が環境基準を確かに超えておりますけれども、黄砂のみによってではなくて、当然人為的な発生源によるSPMの上に黄砂の濃度が乗っかっているような状況で環境基準が、結果として環境基準以上の濃度になっているということでありまして、何割が黄砂かということを判別することは困難でありますので、黄砂も含めて環境基準が達成できるような人為的な排出の抑制というのが必要ではないかと私どもは考えております。
     特にもう一言申し上げさせていただきますと、資料の日本地図、資料3の8ページの日本地図がございまして、平成14年度の浮遊粒子状物質の環境基準の達成局の分布という図で、実は大まかに申し上げますと、日本海側の県において平成14年度SPMが極めて達成率が悪くなっておって、大都市地域におきましては黄砂の有無にかかわらず大体同程度の環境基準の達成率になっていると。全国で見ますと、激しい黄砂がなければ、日本海の新潟県や富山県等においては100%に近いような、従来、環境基準の達成率になっているところが、極めて低い達成率になったということでありまして、大まかにはこの辺を除いて見ると、黄砂の影響を、極めて乱暴ではありますけれども、除いたような状況になるというふうに考えております。

    【部会長】はい、浅野委員。

    【浅野委員】香川先生の今のご指摘は、対策の効果を評価するという観点で議論をするときには自然由来のものについては除外しておかないと対策がどうなのかということについてはわからないよというご指摘で、それはそのとおりだろうと思いますね。環境基準を考えるときは、水の場合も同じような議論が常にありますから、自然由来のものをどう見るのかという議論があるわけですね。しかし、例えば健康項目に関して言えば、それとともかく健康に影響があるという実態がそこに存在する以上、自然由来分だけで健康被害が現に生ずるようなレベルならば、これはまあある意味ではどうにもなりませんが、それにしてもそれにプラス人為起源のものがあれば、なお増悪要因になるという可能性がありますから、であってもやっぱり人為起源のものは削減しなきゃいけないということになるわけですし、それから自然由来のものにプラス人為起源のもので影響が出てくるのであれば、当然人為起源のものに全部その負担を負わせて、対策をそこに集中しなきゃいけないことになるんだろうと思いますから、環境基準の議論と、それから対策の効果をどう見るかということとは確かに区別する必要があるんだろうと思います。
     それで、黄砂をちょっと強調されているんですが、私は福岡に住んでおりますので、福岡の生活感覚から言いますと、昔は黄砂が飛んでくるときというのは空が黄色くなっていたんですが、最近は黄砂のひどい日は空が白いんですね。私の大学は山の中腹にありますから市内全部が見えますけども、全部ベールをかぶったような状態になってしまうんです。ということは、これは九州大学の研究グループが、どこに出したかよく知らないんですけれども、言っているところによりますと、昔とかなり違うんではないかと。つまり黄砂と言っているけれども、実は内容的には酸性降下物がかなり多いんではないかというようなことも言われておりますから、その辺も少しまじめに考えておかなきゃいけませんし、そうなりますと、これはまさに越境汚染の問題が我が国にも現実に出てきたということになりますから、厄介な話ではあるわけですが、黄砂だからこれは単に自然由来のものだといって済ませることができない状況が、既に九州の日本海沿岸で起こりつつあることは、事実だと思います。
     それからもう一つは、黄砂がひどかったとき以外の夏場にも、結構浮遊粒子状物質の検出日があるんではないのかな。その辺のところが、年間を通じて時期的にどうなのかというデータがこれに出てないんですけども、例えば光化学オキシダントの濃度のピークと、それから浮遊粒子状物質のピークというのが、関連があるかどうかですね。さっきご説明があったのかもしれません。ちょっと私、ほかのことやってたもんですから聞いてなかったんですが、もし、そういう関連があるとすれば、それも考えなきゃいけないのではないかと思われます。
     きょう、VOCについて、資料3−2の中でご指摘があって、光化学オキシダントについてはVOCが確かに効いてきているというような検討会のご報告があるようでありますから、これについて、今後まじめに考えなきゃいけないということも、あわせてあるのではないか。これは光化学オキシダントの問題だけじゃなくて、浮遊粒子状物質にも効いてくるんではないかという気がします。
     事務局にお尋ねしたいんですが、親切に資料5−2というのがついていて、これ、ぱっと見ているとここにVOCの素人にもわかる解説書がちゃんと用意されているようですが、これは全く別の話でこの資料がついているのか、それとも資料3−2を読むために、どうせお前らわからんだろうから親切に教えてやるっていうんでつけてくださったのか、それはどっちなのかな。

    【部会長】今のところはこれからまだ説明のあるところでございますので。

    【浅野委員】ああ、そうですか。わかりました。それじゃ、そこはまたそこで楽しみに。

    【部会長】はい、また、そうしてください。
     それで、今の浅野委員のことに関して何かお答えありますか。

    【大気環境課長補佐】ことし14年度のデータにつきましては、それぞれ関東地域の大気汚染の状況について、日々1日ごとに環境基準の超過率はどうかということを確認しておりますが、やはり特定の日に、広域的に環境基準濃度を超える日が出るということを確認しております。例えば黄砂の来る時期にも関東地方で広域的に出ておりますが、そのほかにオキシダントの濃度が高くなる7月、8月にオキシダント濃度の上昇に伴ってSPMの濃度も高くなっている時期が確認されてございます。
     以上でございます。

    【部会長】ありがとうございました。
     じゃあ、ちょっといろいろご質問がありますので、よろしゅうございますか。一番先に手を挙げられました佐和委員、お願いします。

    【佐和委員】大変素朴な質問なんですが、資料3の2ページ目に、評価方法というのがございますね。これに関連してですけれども、(2)のアとイで、低い方から98%目に当たる云々と。そして、イの方は上の方を2%除外してって、結局同じことですよね。なぜこういう書き方の違いになっているのかということと、それから98%なり2%なりという数字というのは、何か根拠のある数字なのか。約1週間ということですよね、1年間の2%。何かそういう根拠のある数字なのかどうか。普通、確かに統計学的にいって異常値を除去するということはよくやることなんですけれどもね、だけど、何をもって異常とするかというのは、上は2%なんだというようなのが、その根拠のようなものがあったら、教えていただきたい。それから、その下の「ただし」云々というところがございますね。「2日以上連続した場合には非達成とする」とかなっていますが、こういうものは、えてしてというか普通、要するに系列的な相関が非常に高いわけですね。つまりきょう高ければ、まさに毎日毎日さいころを振るようにして決まってんじゃなくて、前日どうだったかというところが、当然高ければきょうも非常に高いというような可能性が非常に高い。高い、高いでややこしいですけれど、可能性が高いわけですから、その辺で、こういう「2日続けて」云々ということの根拠というのも、ちょっと私には統計学の常識に照らして、ちょっとうなずけないということと。
     それからもう1点は、これは恐らく何かこのことがおありだと思うんですが、平成11年、つまり99年ですか。99年を画して、いろんなものが非常によくなってるんですね、達成率が上がってるわけですね。特にここのSPMなんかに関しましては、平成11年にぐーんと達成率が上がるし、逆に図2−2ではぐーんと今度はいい意味で下がっていると。この辺で、何かこれは特別な理由があるんだろうと思うんですけども、その理由がおわかりならば、教えていただきたい。
     以上です。

    【部会長】はい。簡潔にお答えいただきたいと思います。

    【大気環境課長】第1点目の98%値、2%除外値につきましては、同じものでございまして、従来NO2も53年の環境基準の改正以前は「2%除外値」という表現を使っておりましたけれども、国際的にはその98%タイルという表現が多かったもので、中央環境審議会、当時の審議会の答申を踏まえまして、これについては環境基準の変更のときに「98%値」とさせていただいたというものであります。
     2点目の根拠につきましては、世界的に大気の評価を……。

    【佐和委員】下の方も98%と書き直した方がよろしいんじゃないですか。下の方って、その2%と書いてるとこ。

    【大気環境課長】ええ。意味するところは同じでありますけれども、告示を変更することをしていないということでございます。

    【部会長】ご指摘は将来検討することにさせていただきまして。

    【大気環境課長】2点目の根拠につきましては、国際的に大気の評価は2%を取った98というのでやるということに準じて、審議会で決めていただいたというものであります。
     それから2日連続につきましては、従来はNO2につきましても同じ規定がございまして、突発的な近傍の、例えば卑近な例でありますけれども、測定局のすぐそばで異常なことが起こった、たき火をやったというふうなことまで評価してくのはいかがなものかということで一定の異常値を排除するということでありましたけれども、2日続けてそういう現象が起こっているのは、異常値ではなくて、それが大気汚染の状況であると、こういう考え方で入っているものでございます。
     11年度に大気汚染状況がよかった理由でありますけれども、公式的な説明としては気象の状況が大気汚染にとってよろしい状況にあったということで説明させていただいております。
     以上でございます。

    【部会長】よろしゅうございますか。
     それじゃあ、鈴木委員、お願いします。

    【鈴木(継)委員】後で説明があるのかもしれませんけれども。
     さっきの黄砂の話と自然起源、人為起源云々の話とも絡むんですけれども、浮遊粒子状物質の流動別の分布というものを観測する体制がこれからどうなっていくのか。それによって、話の中身が随分変わってくると思いますが。

    【大気環境課長補佐】今、全国的にはPM10ミクロンカットしたSPMの測定を行っておりますけれども、PM2.5につきましては、国設の測定局は今8局で、その濃度の把握と機材の性能比較というようなことをやっているところでございます。

    【部会長】よろしゅうございますか。
     じゃあ、松波委員。

    【松波委員】今ご説明の6ページのところで浮遊粒子状物質の評価ですね、今ご議論いただきましたが、表2−1の自動車排出ガス規制測定局を例えば見てまいりますと、測定局数が年度ごとに大変増加傾向に、平成11年、12年、13年、14年と、14年なんか40もふえているんですが、果たして達成率を、定期的に場所は変わっているんだろうと思うんですが、そうなると厳密な達成率の比較になるんでしょうかと。ちょっとふえたところが入っているもんですから、定点観測というような考え方には立ちにくいんじゃないかと。例えばNOxについては定点的なあれで、継続測定局というような概念でデータが出ておりますが、測定局数がどんどんふえてるときに達成率というものをどう考えるかということが少し疑問ではないかと思いますが、いかがでしょうか。

    【部会長】お答えください。増加に対して。自排局の局数がふえていくのは、それはちゃんとノーマライズされているのかどうかという話ですね。

    【大気環境課長補佐】私どもこの報告書の公表の後に、これは全国的なデータでございますので、その年度の測定局でやっておりますけれども、この後に全国的なデータを集計して報告書を出す段階では、10年以上継続した局の環境基準の達成率と状況というのも同時に取りまとめて公表してございます。

    【松波委員】したがって、今の段階でどういう評価をされているか。例えば40もふえてて、前の場所ではかったデータを別添で比較するなら、評価、比較ができるんですね。場所が異なっておれば、必ずしもある場所が変わった時点で前の年度からの継続性で評価するのはおかしいんではないかなと思ってご意見申し上げた。意見ですから、どうぞ。

    【環境管理局長】すみません、ご指摘の継続的に比較できるやつということになると、特定の局になっちゃうんで、それも一緒に出せということができればよかったんですが、それはまだできてません。ただ、全体の達成率を見ていく必要はあるんだろうと。特に実は一番気にしておりますのは、三大都市県のNOx・PM地域のやつを書いておりますけど、そこの比較で見ていましても、測定局数、確かにふえてるんですけれど、あのふえてるうちの幾つかは、実は裁判などがあって、測定局数が余り適切なところに置いていないんではないかというようなご指摘もあってふえているところが母数にふえておりますので、逆に言えば、私どもからすれば若干条件は厳しくなっておるんですけれども、それはやはり大気汚染を訴える方々の訴えなども聞いて、自治体が少し適切なところに配置して局数をふやしておりますので、やっぱりそれも母数に入れた上で達成率がある程度上がっていくということでなければならんのではないかというふうに思っております。ですから、それは達成評価ですね。
     あとは、またしかし一方では、達成に向けての施策の効果などを見るときは、実はそれをデータにしながら一方で排出の量だとかシミュレーションだとかをやりますので、そういう局数の変化というようなことは、逆に言えばシミュレーションとか、そういうことをやるときにはまたその中に解消されてるはずだというふうに思っております。限定された資料幾つかを、その前提の中で読みこなしていくしかないのではないかなというふうに思っております。

    【部会長】よろしゅうございますか。
     天野委員。

    【天野委員】ありがとうございます。
     資料3の1ページは全国の話が書いてあるんですけれども、自動車NOx・PM法が改正されて対策地域というのがあるわけで、それについてもやはり表に書いていただければということなんですが、中の方に、3ページにはそういうことが書いてありまして、それを見ておりますと、自排局では約5ポイント改善したというふうにあります。確かに裏の図を見ますと、全国の自排局では、ご説明ありましたけれども、改善しておるんですが、下に書いてある首都圏は改善しているんですけれども、愛知・三重、それから大阪・兵庫はどちらも達成率が下がっているんですね。ですからこういう対策地域というのは大変地域性がありますので、全般的に改善しているというふうに言われると、私、兵庫県ですけれども、ちょっと奇異な感じがいたしまして、政策の効果を国民に示すときにこれでいいのかなという気がいたしました。ちょっとこれは意見です。

    【部会長】ご指摘ありがとうございました。
     まだまだご質問、ご意見等おありかと思いますが、あとの方のご報告もありますので、もしも今まだあるようでしたら、それが済んでからにさせていただきたいと思います。どうもありがとうございました。
     続きまして、事務局の方から自動車排出窒素酸化物、及び自動車排出粒子状物質総量削減計画、及び中央環境審議会答申等において指摘される事項の取り組み・対応状況について、説明をお伺いしたいと思います。よろしくお願いします。

    【自動車環境対策課長】自動車環境対策課長でございます。
     資料4に沿ってご説明申し上げたいと思います。資料4は、それ以下にございます、各県から出されておりました窒素酸化物及び粒子状物質の総量削減計画を環境省の方でまとめた概要でございます。
     1ページ目開いていただきますと、この総量削減計画は、NOx・PM法第7条及び第9条に基づきまして、関係いたします都府県の知事が総量削減基本方針に基づいて策定するものでございます。この総量削減基本方針は、既に昨年の4月に閣議決定されております。対策地域の範囲ですが、これはNOx・PM法に基づいて対策地域として指定されている地域でございますが、対象となりますのは、全部で276市区町村、8つの都府県にまたがっております。今回処理されましたのは、このうち東京都の51市区町を除きます225市町村、7府県の計画でございます。
     ページ飛ばしまして4ページをお開きいただきたいんですけれども、この計画の中で基本的に目標としておりますのは、下線を引いておりますところでございます。二酸化窒素につきましては、平成22年までに二酸化窒素に係る大気環境基準をおおむね達成すること。また、浮遊粒子状物質につきましては、同じく平成22年までに自動車の排出粒子状物質の総量を相当程度削減するということによりまして、大気環境基準をおおむね達成することを目標とした計画でございます。
     具体的な計画の中に盛り込まれております対策でございますが、それは6ページ目、7ページ目をごらんいただきますと、6ページ目が各府県において共通する施策として、自動車個別の単体対策の強化、それからNOx・PM法に基づく車種規制の実施、低公害車の導入・普及、交通需要の調整、交通流対策等々の施策が盛り込まれております。また、7ページ目にはさらにそれに加えて各項目の中で各府県が独自に具体的な対策を盛り込まれているものについても可能な限り低硫黄化してこの計画の中に盛り込まれておるということでございます。
     それで戻っていただきまして、5ページ目、見ていただきます。それをすべて数値に落として計算したのがこの一覧表でございまして、平成9年が出発年度でございますけれども、平成9年現在、7府県のNOxの総排出量は約41万トン強、PMにつきましても16万4,000トン強でございます。そのうち自動車から排出されておりますのが、NOxにつきましては14万9,000トン強でございますが、目標年度でございます平成22年度におきましては、[4]の括弧の中でございますけれども、NOxにつきましては7府県合計で54%の削減、PMにつきましても84%の削減を行うということによりまして、[3]の欄でございますが、NOxについては29万6,000トン強、全体で28%削減、PMにつきましても27%の削減を図ると、こういう内容になっております。こうすることによりまして、関係府県におけます環境基準をおおむね達成すると、こういう内容になっております。
     また、あわせまして、その表の中の欄外に平成17年度(中間目標)と書いてございますけれども、最終年度22年に至るまでの間に、中間年度として17年度における削減量についてもあわせて計算してございまして、先ほどご紹介申し上げました、それぞれの削減に向けての施策の進捗状況を毎年フォローしながら、具体的な削減がどこまで進んでいるかということを平成17年度に中間評価をするということにしてございます。
     なお、今回処理いたしませんでした東京都につきましては、現在鋭意作成中というふうに聞いておりまして、国の方に届けられ次第処理したいと思います。本計画につきましては、7月25日公害対策会議の議を経まして、環境大臣の方から同意をしてございます。
     以上でございます。

    【部会長】ありがとうございました。続いて。

    【調査官】引き続き、資料5−1の説明に移らせていただきます。
     最近の中央環境審議会の答申等において指摘された事項を整理したものでございます。左側に要旨、右側に対応状況。単体対策から順番に関連の政策までというまとめ方をしております。
     単体対策につきましては、技術評価に基づき順次規制を強化しておりまして、それは参考の「中環審答申及び自動車排出ガス規制の強化のスケジュール」というもので経緯をまとめてございます。それで現段階では五次答申、平成14年4月に出されましたもので新長期規制というのを提示しておりまして、これは3月に環境省告示を改正し、平成17年10月から規制を実施するということになっております。残された方につきましては、本年7月の第七次答申で新長期規制以降の排出ガス低減対策として、ディーゼル自動車の新長期規制以降の新たな目標値及びその達成時期については、軽油中の硫黄分の10ppm化が図られることを前提に、新長期規制以降の排出ガス低減目標値及びその達成時期について、可能な限り早期に結論を得るべく技術的な評価を踏まえ検討を進める。ガソリン・LPG自動車の新長期規制以降の新たな目標値及びその達成時期については、ガソリン新長期目標に基づく規制への対応状況、技術開発進展の可能性及び各種対策の効果等を見極め、必要に応じて新たな低減目標について検討するとなっておりまして、自動車排出ガス専門委員会で今後検討を進めていくということになっております。
     1ページめくっていただきまして、次に燃料の対策でございますが、経緯でございますが、4次答申(12年11月)に軽油中の硫黄分の50ppm化というのが出されまして、これは本年8月に環境省告示を改正し、さらに業界の自主的取り組みによって既に本年3月から供給が始まっております。7次答申でさらに超低硫黄化するということで、平成19年から軽油中の硫黄分の許容限度値を10ppmとすると。これは今年度中を目途に環境省告示の改正を予定しております。燃料生産者に対しましては、平成17年の早い時期に自主的な部分供給を開始することが望まれるとなっております。さらに、ガソリン中の硫黄分等の燃料・潤滑油品質対策のあり方について、新長期規制以降のガソリン排ガス対策とあわせて今後検討するということになっております。
     ガソリン車の関係でございますが、燃料蒸発ガス対策というのがあります。蒸発したガソリンはVOCの一種である炭化水素として大気中に排出されますので、前々から指摘がされているんですが、古くは第2次答申において、駐車時の燃料蒸発ガス対策を充実しろということが言われておりまして、これは規制を実施しております。新長期規制とあわせて第5次答申にあわせて、駐車時及び走行時に排出される燃料蒸発ガス対策を行うということで、これにつきましてはガソリンのリード蒸気圧を下げていくということで、第7次答申に基づいて平成17年夏から65kPa以下に低減していくということになっておりまして、今後許容限度の告示の改正を予定しております。
     さらに、給油所における燃料蒸発ガス対策ということで、車両に給油するときの燃料蒸発ガス対策のあり方については、対策を実施した場合の実行可能性、蒸発ガスの回収効率の確保に必要なリード蒸気圧等の条件といった技術的課題、対策による効果等について検討を進め、また炭化水素排出量全体に占める寄与度や他の発生源に対する炭化水素対策に関する検討状況及び欧米での状況も踏まえ、早急に結論を出すことが適当であるとされております。あわせてタンクローリーから地下タンク、給油所の地下タンクの方に燃料供給する場合の燃料蒸発ガス対策についても、今後推進していくことが強く望まれるとなっておりまして、同じ第5次答申の中で、浮遊粒子状物質総合対策ということで、燃料蒸発ガスというのは、浮遊粒子状物質や光化学オキシダント等の原因の物質であって、浮遊粒子状物質に係る大気環境基準の達成に向けて、自動車対策と固定発生源対策を合わせた総合的対策の策定・実施に向けて検討を進めていく中で、その低減について議論を深めていくことが必要であると言われております。現在調査中でありますし、その総合対策についてはまた関連対策のところで後ほど述べさせていただきます。
     4つ目に、使用過程車の排ガス対策ということで、5次答申におきましては、使用過程における性能維持方策ということで、車載診断システムというのをつけるべきではないかということが言われておりまして、この答申をもとに現在関係省庁と緊密に連絡をとりながら検討をしておりまして、平成20年(2008年)からは規制を実施する予定であります。
     また1ページめくっていただきまして、7次答申におきましては、これは5次、6次、同じことが書いてあるんですが、使用過程車の排ガス低減対策として3つぐらいのことが指摘されております。使用過程車全般については点検・整備の励行、車検、街頭検査における機能確認等により、良好な排出ガス性能を維持させることが重要であるということで、国土交通省が中心になってこれは実施しております。次にディーゼル自動車の使用過程車対策として、DPF等の普及促進等の施策を推進する必要があると。業界に技術開発を働きかけていると。さらに、使用過程車に係る排出ガス水準の設定や、抜取り検査の導入等の方策について、必要性も含めて検討することが望ましいと言われておりまして、関係省庁とも連携して15年度から検討を開始しております。
     5つ目に、二輪車の規制の強化でございます。これは6次答申、7次答申にそれぞれ触れられておりまして、6次答申の方で排ガス低減目標値を平成18年から19年にかけて現行規制に比べて炭化水素については車種により75から85%低減。NOxについては50%。COについては85%低減するようにと言われております。これは自動車全体の炭化水素排出量の中で20%を二輪車が占めておりますので、炭化水素に重点を置いて規制の強化を図ったというものでございます。その後アイドリング規制ですとか、試験モード以外の走行条件や試験条件におけるオフサイクル対策などについて課題が出されておりまして、これについては現在検討しておると。7次答申ではさらに新たな提言目標値を導入するということをやりまして、これも今検討を進めておるところでございます。
     次に、特殊自動車、建設機械ですとか農業機械、産業機械のたぐいでございますが、これは2次答申でディーゼル特殊自動車への規制を導入するということを言われまして、4次答申でそれを平成15年、本年に前倒しするようにということが言われて、本年10月から規制が開始されることになっております。さらに、本年6月の6次答申において、平成18年から20年にかけてPM、NOxについての世界最高水準の規制を導入するようにという方向が打ち出されておりますので、本年度中に告示の改正を予定しております。今後の課題といたしましては、さらにDPF等の後処理装置をつけた規制強化を行うというようなことで、2010年ごろを目指して可能な限り早急に結論を出すようにというようなことや、ガソリン・LPG自動車も規制対象に加えるべきだということで、これは6次答申のディーゼル特殊自動車のものと合わせて15年度中に許容限度の告示を改定することを予定しております。
     また1ページめくっていただきまして、特殊自動車の中にはナンバーがついている、公道を走行するオンロードと呼ばれるもの以外にも、建設工事現場ですとか、農地とか、市場や工場なんかで使われるもののように公道を走行しないものがございまして、これをオフロード車と呼んでおります。特殊自動車全体の排出量の8割をオフロード車が占めるということが言われておりますので、現行の規制は車検の際に排ガスをチェックするということになっておりますので、オフロード車には手がつけられていないという状態でございます。それについて、オフロード車について、規制の導入を検討する必要があるということで、その際にはオフロード車が多品種少量生産であることを踏まえ、その枠組みを検討すべきであると。特殊自動車以外の汎用エンジン、発動機なんかに使われるもんですが、についても、排出ガス規制の対象に加えることについてもあわせて検討する必要があるという宿題が出されておりまして、これは平成18年に次の新しい規制が始まりますので、それまでに規制を導入すべく関係省庁と連絡を密にとりながら検討を進めています。さらに、燃料の使用状態等について検討すべきということが言われておりますので、燃料の使用実態について調査を実施する予定であります。
     単体対策から離れまして、関連施策として幾つかを挙げてございます。これにつきましては、環境庁の時代の中央環境審議会の大気交通部会で出されました、今後の自動車排出ガス総合対策のあり方について、「総合対策あり方答申」と略しておりますが、それからもかなりいろんなことが言われておりますので、引いてあります。
     まず最初は、NOx法からNOx・PM法への改正ということで、要約いたしまして、NOx法の対象に粒子状物質を追加すべき、特定地域に名古屋市及びその周辺地域を追加すべき、車種規制について対象にディーゼル乗用車を追加すべき、また、排出基準を強化すべきと。事業者に対して自動車利用管理計画の策定を義務付けるべきというようなことが言われておりまして、これは順次法改正、関係省令、政省令の指定、総量削減基本方針の告示等をやってきております。本年7月に7府県の総量削減計画が策定されております。
     2つ目に、より低公害な車両の普及ということで、低公害車の普及、5次、6次、7次、全部同じ趣旨ですが、「低公害車開発普及アクションプラン」に従って、関係省庁は協力して、低公害車の普及をさらに促進することが望まれるとなっておりまして、環境省、経済産業省、国土交通省が連携して、補助金や税制上の特別措置により普及を促進しております。現在国内登録台数は440万台、新規登録数に占める割合は64.5%ということになっております。
     次に、新規制適合車への代替の促進ということで、金融・税制面における配慮も必要であるということで、融資や税制上の特別措置により、代替を支援しております。さらに16年度は、局長からも先ほどご説明しましたような、担保条件の緩和等の要求をしております。
     3つ目に、アイドリング・ストップの普及促進ということが言われておりますが、これは関係省庁で「エコドライブ普及連絡会」というのをつくって、一層の普及促進策について、本年の5月から検討を始めております。
     それで3つ目に、固定発生源からのVOC排出削減ということなんですが、これも五次答申から七次答申にかけて同じことが言われているんですけれど、自動車を含めたすべての移動発生源、工場・事業場等の固定発生源、各種自然発生源等から排出される粒子状物質、炭化水素等の排出量目録(インベントリー)の整備や、SPMや光化学オキシダント等の二次生成に及ぼす寄与の把握も必要であると。また、各種未規制の発生源について排出実態の調査及び対策の必要性の検討を引き続き行うとともに、対策の実施のための制度のあり方について検討というような宿題がございまして、ここで出されていましたインベントリーの整備、二次生成に及ぼす寄与の把握について、調査を実施した結果を資料5−2ということでまとめさせていただいております。これは引き続いて説明をいたしますが。
     総合対策あり方答申におきましても、浮遊粒子状物質に係る環境基準の達成に向けて、自動車対策と固定発生源対策を合わせた総合的対策の策定・実施に向けて、検討を進めていくことも必要であるということが言われております。
     8ページ目にまいりますが、局地汚染対策ということで、交通流・交通量対策も含めて幾つかの点が総合対策あり方答申などで指摘されております。「局地」というのは、「大気汚染の著しい交差点周辺部のように、特定地域の大気汚染を改善するための全般的な対策のみでは、大気環境の改善を図っていくことが困難な地区」ということでございますが、そこでは局地に限定した局地汚染対策の積極的推進が必要であると。なお、局地汚染対策についても、その根本的な解決のためには、道路構造ですとか、さらにより広域的な都市構造の見直しなども不可欠であるということが言われております。交通量そのものを抑制する対策ですとか、都市計画などについての指摘もございまして、さらに汚染者負担の原則を基本としつつ、多様な局面での経済的措置の活用を検討していくべきと言われておりまして、ロードプライシングはTDM、トランスポート・ディマンド・マネジメント、交通管理政策の一つということで、さらに検討を進める必要があるということが言われております。また、特定地域の外から、特定地域内に流入する自動車が、特定地域内での窒素酸化物等による大気汚染に寄与していることも考えられるので、こうした状況も考慮していかなければいけないというような指摘もございます。本年7月の7次答申では、NOx・PM法に基づく諸施策を補完する観点から、交通量の抑制のための効果的な施策について検討をする必要があるということが言われておりまして、16年度の予算要求の中で、局地における大気汚染改善事業と、都市と交通と環境の統括に向けた政策の高度化研究というのを始めようということで予算要求をしております。
     さらに7次答申で船舶対策ということが指摘されておりまして、これにつきましては、船舶からの大気汚染等の排出規制などに係る国際条約というMARPOL条約というのがございまして、それの附属書VIというのが締結が近づいてきておりますので、関係省庁と連携して対応を図っております。
     最後の9ページですが、これは本年2月7日の道路交通環境対策関係省庁局長会議、警察庁、国土交通省、経済産業省、環境省ですが、でまとめられた事項でございます。
     新長期規制の着実な実施、ディーゼルの使用過程車からの排出ガス量の低減、低公害車の開発・普及、使用過程車の排気ガス低減性能の維持、SPM総合対策の検討、局地対策の取組強化といった、中環審答申で指摘されているのと同じような課題が、関係省庁の間でも課題として認識されております。

    【大気環境課長】それでは最後に、大気環境課長でございますが、資料5−2、VOCについて、簡単にご説明させていただきます。
     まず1ページ目をごらんいただきたいと思いますけど、VOCというのは、ここに書いてありますように、揮発性の有機化合物の略称でNOxと言っているのと同じようなものの、VとOとC、Volatile Organic Compoundsの略でありまして、揮発性が高くて大気中に揮発してしまうような物質、特に溶剤や接着剤あるいは洗浄剤等で使われております、トルエンとかキシレンというものが代表的なものでありまして、大気中で光化学反応を起こす物質だと、NOxと並びましてVOCは光化学反応を起こす物質だというふうに考えられております。その下の丸でありますけれども、SPMとVOCの関係につきましては、先ほどの大気汚染状況の解析のところでも触れさせていただきましたように、VOCそのものが大気中の、下の絵にございますけれども、光化学反応、紫外線を浴びましてみずからが、ガスであるVOCが粒子になるというのが第1点でございまして、第2点といたしまして、この図にございますように、VOCが光化学オキシダント、主にオゾンでありますけれども、オゾンの生成を促進することによって、促進されたオゾンが大気中の他のガス、NOxやSOxの粒子化を促進するということで、2つの意味でVOCが大気中でSPMを生産するのに大きく関係しているというものであります。
     次のページをごらんいただきたいと思いますが、それでは我が国の現状におきまして、VOCがどの程度SPMの生成に寄与しているかということを環境省の方で試算したものであります。左の2つが関東地域、平成12年度の現状の解析、右の2つが同じく関西地域でありまして、左の方2ページをごらんいただきたいと思いますけれども、やり方といたしましては、SPMの発生源の把握をいたしまして、これは一次粒子として出るSPMと、関係したガス、VOCも含めました関連ガスを把握いたしまして、それがその大気中で拡散する一般の拡散モデルを使って再現したものであります。その際に、当然VOCが粒子化するその反応モデルというのを組み込んで計算したものでありまして、2ページの上の丸を例えばごらんいただきますと、平成12年度の関東地方の百数十カ所の一般測定局が置かれている地点の年間の濃度を再現したものを平均してこの円グラフであらわしておりまして、例えばその平均的な、すべての平均濃度は37.8μg/m3でありますけれども、そのSPMの環境濃度のよって来たるところは、固定発生源が右の上にあります34.4%であると。それをさらに内訳で見ますと、一次粒子というのはもうほとんどありませんで、5.9%しかなくて、全体の、一番大きいのがVOCの揮発性ガスが粒子化したものが10%であると。その下の隣の18.5%というのは、それ以外のガスが光化学反応によって粒子化したもの、硫酸塩だとか硝酸塩だとか塩化物になったものでありまして、18.5%であります。同じように下の移動発生源につきましても一次粒子と二次粒子というのがありまして、さらに自然由来におきましても同じようにありまして、すべての二次粒子というのを合計いたしますと、このグラフでは57.3%ということで、平成12年度現在におきまして、既に大気中にある粒子というのは、粒子として排出されたものは半分以下でありまして、ガスとして排出されたものが大気中で粒子化するというのが6割近くを占めていると、こういうふうな試算結果になっております。下の自動車排ガス測定局の地域における状況につきましても、当然のことながら、移動発生源の占める割合というのが全体として大きくなっておりますけれども、一次粒子、二次粒子の比率等におきましては、おおむね同様の傾向にありまして、半分程度のSPMというのは、ガスとして出たものが大気中で粒子化していると。その主なものはVOCであるということが、この試算結果から明らかになっております。
     それでは3ページ目は省略させていただきまして、4ページの表をごらんいただきたいと思いますけれども、これは日本とアメリカ、EUにおきまして、VOCの排出抑制についてどのような取り組みがなされているかということを簡単にまとめたものでありまして、それぞれ国としての排出量の削減の目標があるのか、排出量の動向はどうなのか、排出抑制の法的措置はどうなのかということを書いたものでありまして、我が国は残念ながら排出量の削減目標というのはVOCに関してはございませんで、排出量につきましては、ここに真ん中にございますように、2000年時点でおおむね185万トンであろうということで、過去10年間ほぼ横ばいであるというふうに推定されております。排出抑制の法的措置につきましても、国レベルでの抑制のルールというのはございませんで、一部の自治体で炭化水素の規制を条例で行っているという状況です。これに比べましてアメリカ、EUにおきましては、1990年代を通じましてVOCを法律で排出抑制をしようという措置が次々と導入されておりまして、例えばアメリカにおきましては、1990年の大気清浄法の改正のときにVOCの規制というのがかなり相当程度盛り込まれまして、個別の施設ごとにさまざまな構造基準、排出基準というのが適用されて、VOCを排出削減するというふうな仕組みになっております。同様にEUにおきましては、2010年のEU全体の排出量目標というのを指令で定めておりまして、その達成のために順次排出を抑制するための指令を導入しているということで、例えばここに書きましたように、94年にはVOC貯蔵施設に対して構造基準等を設ける指令、99年には使用施設に対して排出抑制、主に出口の濃度基準でありますけれども、これを課す指令が現在もう施行されておりまして、現在塗料等のVOC使用製品についての規制が現在欧州議会で議論されているというふうに聞いております。
     それから最後に5ページをごらんいただきたいと思いますけれども、各国と我が国のVOCの排出量の状況がどうなっているかということを棒グラフであらわしたものでありまして、ここに出ております数値は、先ほどの表も同様でありますけれども、気候変動枠組み条約に基づきまして、各締約国は温室効果ガスに加えまして、温室効果に関係のあるガスの排出量を通報することが義務づけられておりまして、VOCにつきましてもそのガスの一つになっておりますので、それぞれ日本政府、EU、米国が通報しております。その数値をもとに作成したものであります。これは単位面積当たり、その地域の濃度がVOCの場合は問題になりますので、国土の面積で排出量を割ったものを、1990年と2000年について書いたものでありまして、5ページの上のグラフは、VOCの全排出量を国土面積で割ったものであります。我が国は、90年と2000年でほとんど量は変わっておりませんで、一方、米国やEUにおきましては、法的な排出抑制というのが導入されておりますので、それに応じて排出量は年々減少しているというものであります。
     それから下のグラフをごらんいただきますと、これはVOCのうち、溶剤の使用、塗料や印刷等の溶剤としてVOCを使用しているものについてのみ書いたものでありまして、これで見ますと、他の米国やEUと我が国との差がより大きくなると。その理由といたしまして、移動発生源からの排出というものが我が国は比較的少なくて10%程度でありますけれども、米国は40%ぐらい、EUは27%程度ということでありまして、移動発生源のVOC、これは自動車の排気ガスから出てくるようなものが主なものでありますけれども、につきましては他の先進国に比べて、我が国は相対的に排出が少ないわけでありますけれども、逆に固定発生源で溶剤を使うようなものについては量が多くなっているという結果を示しております。
     次のページは、同様の排出量の統計を、SOxやNOxについても報告されておりますので、同じようにグラフにしたものでありまして、概して我が国のVOCの排出量というのは、ある尺度で見ると、多くなっているというふうに言えるのではないかなというふうに考えております。
     以上でございます。

    【部会長】ありがとうございました。
     非常にたくさんの資料を次々とご説明いただきましたんですが、一番最初はいわゆるNOx・PM法の経過ですね。それから、中環審の答申でいろいろ出てきました指摘事項の現在の取り組み状況、それについてご説明いただきまして、一番最後、今のVOCですね、これについての実情、それから問題点等を報告していただきました。
     以上の3つの資料に関連しまして、何かご質問等ございませんでしょうか。

    【浅野委員】NOxの総量削減計画ですが、1号総量、2号総量はよくわかるんですが、この3号総量、4号総量の積算の根拠になるときに、自動車である以上は目標年度の段階での自動車の台数なり走行量なりというものについて、どの数字を基準にしてこの3号総量、4号総量を考えるのか、ちょっと気になるんですが。つまり参考資料を見ても、保有台数・平成9年というのは出てくるんですが、それがどう加工されてこれになるのかという、そのプロセスがちょっとよくわからないんですが。9年でそのまんまそれを何%削減したらこうなるという数字だと理解をするんですか。それとも、やっぱりある程度の社会経済的な要因を考えて、そこは計算をした上でさらに削減をって考えているのか、どっちなんですか。

    【部会長】今資料4の、何ページですか。5ページの話ですね。

    【自動車環境対策課長】ええ。5ページだと思うんですけれども。

    【部会長】はい。じゃあ、お答えください。

    【自動車環境対策課長】これは各県におきまして、地域の協議会の議を経て作成されているわけですが、その協議会の場で関係省庁の出先機関も入って、その地域における将来の自動車の保有量の予測、それから走行距離の予測というのを出されておりまして、それに基づいて計算されております。各県ごとにその前提となる伸び率みたいなものは個々に実際違いがございます。

    【部会長】ほかに。
     はい、加藤委員。

    【加藤委員】今ご説明あったVOCの発生源で、固定の発生源の量が多いということなんですが、それのかなりの部分をペンキとかあるいはインクとか、そういったものが占めてると思うんですけれども、油性から水性に今かなり変わってきていますけどね、そういうことでこれを減らせるもんなのか、あるいは別に何か手だてがあるのかどうか、教えてもらいたいと思いますが。

    【大気環境課長】対策は、1つはVOCを使わない、ペイントで水系塗装というのが自動車メーカー等においてもかなり導入されておりますので、それで確実に減ると思います。もう一つは、使用しましても、環境中に出さないように回収するという努力もかなり現在行われております。

    【部会長】今のに関連して、日本では自動車からのVOCは少ないんだという意味のことをおっしゃったように思うんですけど、それはそうなんですか。結構日本のガソリンのリード蒸気圧は高いわけですし、それからいろんな回収ということ、ディフェンディングシステムでいろんな防止策をやっていないんですよね。ですから、先ほど日本は自動車の寄与は少ない、VOCに対する自動車の寄与は少ないと言われましたけど、それ、どういう根拠でおっしゃったのか、教えてください。

    【大気環境課長】この資料5−2の5ページの排出量のもととなっておりますのは、各国が用途ごとにVOCの排出量というのを通報しておりまして、例えば交通起因が幾ら、溶剤起因が幾ら、農業起因が幾らと。その内訳で見ますと、我が国は自動車起因、移動発生源起因というのは、全体の10%であると。それに対して、アメリカ政府が通報していますのは、アメリカの1,788万トンのうち、おおむね40%は自動車、移動発生源起因。EUの方は27%起因ということで、それぞれの政府の報告の中で、総体的に日本は自動車の割合が小さいということでございます。

    【部会長】ということは、ガソリンなんか、ガソリンとか軽油もそうでしょうが、そういったものは、これは固定源と見なしてるんですか。それとも、自動車関連と見なしてるんですか。

    【大気環境課長】スタンドとか。

    【部会長】スタンドは。

    【大気環境課長】ガソリンスタンドからというのは、ほかの国は詳細見ていないんですけど、主に排気ガスとともに出てくるようなものを移動発生源としておりますので、恐らく給油地というのは固定発生源、ガソリンスタンドのようなものは固定発生源と含まれていると考えております。

    【部会長】わかりました。
     要するにテールパイプから出てくるものを言うんですか。テールパイプと、それからランニングロスとか、そういったところから出てくる……。

    【大気環境課長】そういう集計のくくりになっているというふうに理解しております。

    【部会長】ほかにご質問はございませんか。
     はい、浦野先生。

    【浦野委員】VOCについてでございますけれども、自動車について従来から非常にハイドロカーボン規制、熱心にいろいろ取り組まれておるわけですけれども、それからまた、ちょっと視点は違いますけど、室内環境汚染でも現在トータルVOCというのが目標値を定めて管理をしようということに動いております。そういった中で、固定発生源だけが何となく置いていかれているということで、ぜひともこれについて真剣に検討する必要があるのではないかなと思っております。今ご紹介がありました、年間185万トンというのは、例えば私どもがよく使っているデータなんですけれども、化学製品の、莫大な化学製品が今世の中に出回っているわけですが、それの中の基礎原料としてエチレンであるとか、例えばベンゼンであるとかというものが出ているわけですけれども、そういったものの年間生産量というのは、大体400万トンとか800万トンとかそのぐらいなんですね。ですからそれの数十%が大気中に出ているということは、いわゆる循環型社会を形成するという意味でも資源のむだ遣いにもなっているということにもなりますので、ぜひとも、室内もありますし、それから自動車もあります、固定発生源も、バランスのとれた施策をとるという意味でも、固定発生源のVOCのさらなる検討・対応が必要ではないかというのが1点、私の意見でございます。
     それからもう一つ、資料5−1の8ページに、局地汚染対策というのがございまして、これを見ますと、従来からどうもこの大気汚染対策というのは自動車が非常に問題になるということで、自動車について、例えば交差点であるとか道路構造とか都市構造という書き方になっているわけですけれども、実は前回も議論がありましたけれども、有害大気汚染物質について、今PRTR情報も出てまいりましたけれども、特定の工場から特定の有害物がかなり出ている地域がございます。そういった、いわゆる自動車以外の固定発生源等からの有害物質の出ている地域局地汚染についても、今後十分検討していかなきゃいけないのではないかというふうに思います。
     2点、意見を申し上げさせていただきました。

    【部会長】ちょっと待ってください。
     そちらの先生。

    【岩崎委員】今のVOCに関してなんですけども、今までVOCに関しては、優先取り組み物質も含めて、単一の物質で我々どうも見てきた感じがあって、特に工場を指導するときにも、あるいは規制に絡んでいるものはほかのいわゆるVOCで置きかえてくるという形での解決が一番多かったんじゃないかと思うんですね。そういう意味で、もっと広くVOCという見地から見ていくというのは、非常に今大事になっているのかなと。特に先ほど、環境基準との照らし合わせでSPMと光化学スモッグが出ていましたけれども、光化学オキシダントですね、これ、やっぱりかなりVOCが寄与する部分もあるわけで、特に環境基準、今ぎりぎりのところで際どいところで勝負しているところがございまして、ある意味で1割減るというのはかなり大きな寄与を持ってくるんじゃないかという感じがいたします。そういう意味で、VOCをトータルに見る意味で、やはり今後削減を、要するに全体で削減していくんだという見地が必要じゃないかなというふうに思っておりますけど。

    【部会長】ありがとうございました。
     ほかに。
     はい、中杉委員。

    【中杉委員】今のご意見に絡んでなんですけれども、今までの有害大気汚染物質にしろ、PRTRにしろ、対象物質の選び方がその物質の毒性で選んでるわけですね。今回の議論のようなSPMの原因物質というのは、環境・人体で反応して云々という観点からの今までの考え方というのは全くとられていない。そういう意味では、そこら辺のところを少し改めて、そういう見方からももう少し考えてみる必要があるのではないかというふうに思います。

    【部会長】委員の多数の方から、やはりこれまでちょっと見落としとったんじゃないかと、今までは毒性、ある特殊なガスだけを取り出して、これが人体にどのくらい悪いかという議論をしておったんですが、考えてみますと、そういったハイドロカーボンが空中高く舞い上がりまして、NOxと反応して、二次生成微粒子をつくると。こういったことについては、我々あんまりここの大気部会でも議論したことがございませんでしたね。で、幸いなことに今こちらの事務局の方ではそういう観点に立っていろいろ調査をされて、その結果がここに出てきてるんじゃないかと思います。
     ここで、ご反対はないと思うんですけれども、こういったVOCという新しい観点に立って、これから環境対策の一環として、従来の自動車の単体規制もさることながら、それともう一つ新しい観点に立ってやるのが適当じゃないかというのが皆さんのご意見のようですが、ご異存ございませんでしょうか。
     はい、天野委員。

    【天野委員】私、全然別の観点から、アメリカの化学物質の管理の手法の研究をしておりましたが、きょうのお話聞いておりますと、先ほど資源のむだ遣いというご意見がございましたけれども、塗料というのは非常に蒸発するわけですね。ですから、塗料を売って例えば自動車会社が買って塗装すると、非常にたくさんのものが空中へ出ちゃうんですね。それを塗料会社と自動車会社が提携をして、塗料会社が密閉をした部屋の中で塗装すると。そうすると塗料はほとんど要らないんですね。そういうやり方をすると、塗料は売れませんから、塗料会社はもうからないんですけれども、しかし、両社が提携をして利益を折半するような形で塗料を減らすということをやっているわけです。そういうことが、別にこれは環境政策でも何でもないんですけれども、VOCを非常に減らす、固定排出源をですね、減らす手法にもなっているわけですから、環境省としてもそういうふうな米国で普及しているようなものは、日本でも普及するような、何かそういう方策を考える必要があるのかなと思って聞いておりました。

    【浅野委員】大気汚染防止法の規制の枠組みは伝統的に物を燃やして出てくるもの、ばい煙という枠組みと、それからそうじゃないものを粉じんという枠組みをつくっていたわけですね。で、有害大気汚染物質に関しては、全くそういうような枠組みで処理し切れないということで別枠をつくったわけですけれども、今回のVOCも、もし、本気になって取り上げていくとすれば、従来のばい煙、粉じんという、伝統的な大防法のフレームとは別の新しいフレームをつくらなきゃいけないだろうと思いますし、使われ方について、今の天野先生のおっしゃったようなご提案も、規制的にやるというよりも、そうじゃない方法でそれが実現できるという世界にかなり近いと思いますし、開放系で使わざるを得ないものも当然あるわけでしょうから、そういうものについてどうするかというときには、在来型の規制手法ではうまくいかないですね。だから、大変だと思いますけれども、ともかく大防法、水濁法の世界というのは、やっぱり時代が変われば、新しい手法を次々中に入れていかなきゃいけないし、大防法は真っ先に有害大気汚染物質の新しい手法を導入したわけですから、今回のこのVOCを検討するのであれば、その辺の法的な取り扱い枠組みについても、思い切って新しい枠組みを導入するぐらいの気概でやっていかなきゃいけないと思いますが。ぜひこれは検討していく価値があると思います。

    【部会長】ありがとうございました。
     やり方自身についても、いろいろ誘導方法があるんじゃないかと。どこかの企業がだめになるということでなくて、それを乗り越えるような方策もあり得るんだというご指摘、お二方からあったんだと思います。  それからもう一つ、今の点はそれなりにここの意見として大事なんですが、先ほど軽油中の硫黄分を10%以下にすることによって、一層の新長期規制以降の排ガスの強化に当たるということについて、何かご意見ございませんでしょうか。
     これもご異存ございませんか。
     これはちょっと専門になりまして恐縮なんですが、今排ガスの対策をやろうと思いますと、どうしても後処理が要ると。後処理、DPFとか、それから酸化触媒等、いろいろありますが、それを完全に働かせるためには、硫黄分があるとどうしても被毒して困るというふうなことなので、それで10ppm以下に軽油ができると、軽油中の硫黄を10ppm以下にできるということになりますと、これはさらにディーゼルの有害物質を減らすのに役に立つだろうということで、こういった方向で進行するのがいいんじゃないかと思いますけど、よろしゅうございますでしょうか。
     じゃあ、それもご了解いただきたいと思います。
     先ほどから出ました件に関して、ほかに何か。
     では、ちょっとすみません、そちらの方。

    【石川委員】一つお尋ねしたいと思うんですけど、光化学スモッグ、光化学オキシダントに関してなんですが、実は私が聞いたところによりますと、今まで光化学オキシダントとは全く関係がないと思われてたような非常にきれいな地域で光化学スモッグの注意報が発令されるというようなことがあるように聞いております。私のおります滋賀県でも、琵琶湖北部の非常にきれいなところなんですが、光化学スモッグの注意報が発令されると。ことし聞いた話ですが、福井県の嶺南地方にでも、「え、こんなところで」と思われるようなところで光化学スモッグの注意報が発令されるというようなことを聞きました。全国的にそういうふうなことが広がっているのかどうか、その点について、ちょっとお教えをいただきたいということと、もしそうであるとするなら、これ、当然のことながら窒素酸化物の、二酸化窒素の環境基準を達成しているところでありますし、あるいはまたVOCの濃度もそんなに多くないと思われるところなので、全国的な対策のあり方というのをまた考えなきゃならんのじゃないかという気がいたしますが、全国的な光化学スモッグの拡大という点について、どんな状況なのか、お教えいただけますでしょうか。

    【部会長】これはさっきも資料が少しあったと思うんですが、ご説明いただけますか。

    【大気環境課長補佐】資料の3の方の、オキシダントについては、10ページから記載してあるわけでございます。オキシダントの濃度が上昇してきているとか、あるいは注意報が、発令がふえてきているということにつきましては、専門家の間でもこれらについてかなり問題になってきておりまして、議論が幾つかあるんですが、その原因について、これだというところまでまだ至っておりません。幾つかの、仮説は6つくらいありまして、1つはVOC、私どもはノンメタンハイドロカーボンという形で、13ページにありますけれども、測定しているんですが、濃度が下がってきているのに、オキシダントは上がっていくと。これはやはりノンメタンハイドロカーボンの組成だとかそういった問題が変わってきてるのではないかとか、あるいは汚染の地域構造が変わってきてるのではないか、あるいは紫外線の量がふえてきてるのではないかとか、あるいは場所、九州等、ちょっと中国に近いところ、東南アジアに近いところによっては、経済発展した東南アジア地域の大気汚染の影響を受けているんではないか等々、幾つかの議論があるところでございます。少なくとも関東地方についてみる限りでは、関西もそうですが、12ページごらんいただくように、オキシダントの汚染というのはかなり広域的でございまして、オキシダントの、何というんでしょうか、汚染地域だけでの発生ではなく、それがまた広域的に移流することによって群馬の奥とかいうところまで汚染が広がっていくという、非常に広域的になる現象も起きております。京都から福井というようなお話も今ございましたけれども、移流等々の影響もあるのかと思われます。

    【部会長】よろしゅうございますでしょうか。  今の……。

    【石川委員】ありがとうございます。ただ、移流だけでなるとはちょっと思えないようなところもありまして、地方自治体の担当者は非常に頭を悩ませているんですけれども、聞かれても説明に困るということで非常に困っているんですが、どうもその移流だけじゃなくて、もっとほかの何か原因があるんじゃないかという気がしてしようがないんですが、この辺のところは、まあまたこれからいろいろ調査されるというふうに思います。ただ、大都市圏に偏りがちなこの手の話が、やはりもっと、少し大都市圏でないところについても調査していく必要があるんじゃないかなという気がいたします。

    【部会長】ありがとうございました。これについても、だんだんこのオキシダントも、全国的に広範囲に広がりつつあるというのが印象ですね。単にエミッションが起こったところだけではなくて、今の気象だとか、それからトランスファー、そういったものも全部絡んで出てくるんだということのようです。
     ちょっとここで事務局に確認したいんですけど、「非メタン炭化水素」というのはこれは自動車用用語で、それからさっきの「VOC」というのは自動車用用語じゃなくて、内容はおんなじですね。非メタン炭化水素というのは、これはメタンが排ガスから出てくるから、メタンは除いたもの、これは活性が少ないという理由で、それを除いて、いわゆるハイドロカーボンの仲間にしたと。それに対して、VOCというのは、「揮発性」というのがつくわけですね。中身は同じですか、違うんですか。

    【大気環境課長】VOCの方が概念が広うございまして、以前20年ほど前に審議会で議論してた当時は、メタンを除いた活性化が強い炭化水素というのがオキシダントの主な原因であるということであったんですけれども、最近の議論では、炭素と水素だけの物質ではなくて、例えば酸素が入ってるアルデヒド類なんかは、そういうものについてもオゾンの発生原因であるということで、含酸素類、あるいは窒素が入ったもの等も含めて、もう少し広い概念でVOCということでとらえるというのが、世界的な傾向に、現状になっております。

    【部会長】じゃあ、VOCの中に。

    【大気環境課長】に炭化水素が入っておりまして。

    【部会長】ノンメタン。

    【大気環境課長】ノンメタン炭化水素が含まれていると。

    【部会長】はい、わかりました。
     はい、すみません。

    【鈴木(継)委員】さっきちょっと言いかけてやめてしまったんですけれども、この辺で思い切って大気のモニタリングの中身を組み直さないといけないんじゃないかなと、そういう時代に入ってきたと思うんですね。いろんな方の意見も伺ってても、そういう感じがするわけですけれども。例えばPRTR法の施行に伴って、我々が思ってもいないほどの量のトルエンが大気中に逃げているよと、キシレンも逃げているよと、そういうのがやっとわかったというと変ですけれども、本当にびっくりするほど大量のものが逃げているわけですね。それは大気環境のモニタリングのネットワークのときは全然かかっていないたぐいのものがいっぱいあるわけですよ。ですから、さっきの別の小さな、それこそナノ粒子までいくようなところの細かいところの粒子の問題もありますけれども、新しく問題が見えてきたわけですから、実験的にでもいいから、予備的にでもいいから、新しいモニタリングの試みを今から着手しておかないともういけないんじゃないかなと、そんな感じがします。

    【部会長】今のご指摘に何かありますか。この際ちょっと見直すぐらいのつもりで。

    【大気環境課長】私どももPRTR法の排出量でさまざまなことがわかってまいりましたので、そういうことを踏まえて、より適切なモニタリングを考えていきたいと準備しているところでございます。

    【部会長】ありがとうございました。
     はい、浦野委員。

    【浦野委員】先ほど委員長さんからお話がございましたけれども、VOCと非メタン炭化水素の定義というか、これから検討するときの範囲なんですけれども、これ、これから先々測定法との絡み、あるいはモニタリングとの絡みもあると思うんですけれども、VOCというのは、まさにVolatileという表現ですから、通常常温液体のものなんですね。それが揮発するという表現で、沸点で幾つから幾つというのがWHOなんかで一応ガイドが出ておるわけですけれども、非メタン炭化水素というのは、先ほどお話があった炭化水素に限られるという部分もございますけど、一方で、常温ガス状のものも入っているわけなんですよね。メタンじゃなくてエタンとかですね。その辺の仕分けを少し定義も、あるいはどういう範囲を今後検討するのかも、ちょっと事務局の方で整理しておいていただけるといいなというのを一言コメントで。

    【部会長】ありがとうございました。
     ほかに何かご指摘があれば。

    【松波委員】違う件でもよろしいですか。

    【部会長】はい。

    【松波委員】先ほどご説明ありました資料5−1の中の取りまとめで、ページ数では3ページから4ページにかけてなんですが、これはユーザーに正しく理解していただくというためにおいての用語の使い方についての配慮をお願いしたいと思うんですが、と申しますのは、4番に「使用過程車の排出ガス対策」と書いてございます。通常は単体規制は2種類あって、新車規制と使用過程車規制があって、町に出たものは使用過程車と定義されるんですが、この前段に書いてあるのは、性能維持方策で生産段階から規制をするという説明になっておりますと、僕はここに入れるのは必ずしも適切ではない。ただ、後段の4ページの上段に書いてあるのは、まさに使用過程車対策だと思いますが、ユーザーに正しく理解されるという意味においては、正しい使い方をもしできればお願いしたいなと、こんな感想を申し上げておきます。

    【部会長】そうですね。ここのところは確かにそうでして、使用過程車というのは、もう走っている、ユーザーが使ってらっしゃる車の対策ですから、これは個々にOBDシステムを使うというのは、これは新車に対してですね。だからそこのところは区別よくしていただきたいと思います。ありがとうございました。
     ほかにございませんか。
     なければ、それじゃ私の方から、きょうの議論、取りまとめて整理させていただきます。
     まず一番最初に、環境省といたしましては、2010年に向けて環境基準をおおむね達成というふうにとらえておられまして、それを施行されると。で、自動車単体の排ガス規制の強化、それから自動車NOx・PM法に基づくいろいろな政策の総合的な推進、それから低公害車の普及の促進、そういった努力をしておいでになりました。
     それから2番目に、2007年には軽油中の硫黄分を10ppm以下にすることになっておりまして、これを前提に新長期規制以降の自動車排出ガスの規制の一層の強化について検討を進めていきたいというふうにおっしゃいました。
     それから自動車につきましては、さらにオフロード車対策など、この審議会が指摘している事項について、着実な実施を行っていかれているということでございました。
     それから次は4番目でございますが、2010年までに環境基準をおおむね達成するという基準を実現するために、追加的な対策をすべきであるという観点がありまして、特に諸外国と比べて対策がおくれております、固定発生源からのVOCの排出削減が必要ではないかというご指摘がございました。
     これが以上の総括でございますが、固定発生源からのVOCの排出削減について、さらに検討を深める必要があるというふうに思います。このような議論を踏まえまして、行政におかれましては、固定発生源からのVOCの排出削減について、有識者の意見を聞きつつ、早急にご検討いただきまして、次の部会までにその成果を準備いただきまして、報告していただきたいと存じます。
     最後ですが、既に答申されていますがまだ実施されてない事項につきましては、取り組みの進展がありましたら、その都度ご報告いただくようにしたいと思います。
     以上が私、部会長としてのまとめでございますが、よろしゅうございますでしょうか。

    (異議なし)

    【部会長】ありがとうございました。  それでは、最後に事務局から連絡事項等ございましたら、よろしくお願いします。

    【総務課長】それでは次回の日程ということになりますけれども、今部会長に取りまとめていただきましたように、固定発生源からのVOC排出削減につきまして、検討会を設けて検討していきたいと思いますので、それの進捗状況を踏まえまして、またこの大気部会を開催したいと考えておりますけれども、時期的には、ちょっとその検討状況にもよりますけれども、11月の終わりから12月の初めにかけて開催したいと考えておりますので、よろしくお願いしたいと思います。

    【部会長】ありがとうございました。
     それでは、予定の時刻に近くなってまいりましたので、本日の会議をこれで終了させていただきます。どうも本日はありがとうございました。