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中央環境審議会大気環境部会(第8回)議事録



 
  1. 日時   平成15年7月29日(火) 15:00〜17:00
     
     
  2. 場所   メルパルク東京 瑞雲
     
     
  3. 出席者 
     
    (部会長) 池上  詢    
    (委員) 浅野 直人   鈴木 継美
    (臨時委員) 天野 明弘   石川 義紀
    伊藤 賛治   岩崎 好陽
    内山 巌雄   太田 勝敏
    香川  順   加藤 勝敏
    河野 通方   小林 悦夫
    佐和 隆光   鈴木 道雄
    関沢 秀哲   大聖 泰弘
    只木 可弘   常俊 義三
    中杉 修身   中野 璋代
    新美 春之   松波 正壽
      満岡 三佶   横山 長之
         
       (五十音順)    
    (環境省) 環境管理局長   審議官
    総務課長   総務課長補佐
    環境管理技術室長   環境管理技術室長補佐
    大気環境課長 自動車環境対策課長
    調査官 大気生活環境室長
    ダイオキシン対策室長  

      
  4. 議題
     
     (1) 中央環境審議会「今後の自動車排出ガス低減対策のあり方について(第七次答申)」(案)について
    (2) 中央環境審議会「今後の有害大気汚染物質対策のあり方について(第七次答申)」(案)について
    (3) その他
      
     
  5. 配付資料
     
    中央環境審議会大気環境部会委員名簿
    資料1   中央環境審議会第7回大気環境部会議事要旨
    資料2   中央環境審議会第7回大気環境部会議事録(委員限り)
    資料3   中央環境審議会「今後の自動車排出ガス低減対策のあり方について(第七次答申)」(案)に対するパブリックコメントの実施結果について
    資料4   中央環境審議会「今後の自動車排出ガス低減対策のあり方について(第七次答申)」(案)
    資料5   中央環境審議会「今後の有害大気汚染物質対策のあり方について(第七次答申)」(案)

      
  6. 議事

    【総務課長】まだ来られていない方がおりますけれども、ただいまから中央環境審議会第8回大気環境部会を開催したいと思います。
      本日、委員総数33名のうち、現時点では24名のご出席をいただいておりますので、過半数に達しております。
      なお、大聖委員につきましては、少々おくれるとの連絡を受けております。
      初めに、前回の部会より環境管理局の職員に異動がありましたので、ご報告させていただきたいと思います。
      平成15年7月1日付、大臣官房審議官に就任いたしました櫻井でございます。

    【大臣官房審議官】櫻井でございます。よろしくお願いいたします。

    【総務課長】同じく、大気環境課長に就任いたしました関でございます。

    【大気環境課長】関でございます。よろしくお願いいたします。

    【総務課長】同じく、ダイオキシン対策室長に就任いたしました須藤でございます。

    【ダイオキシン対策室長】須藤でございます。どうぞよろしくお願いいたします。

    【総務課長】申しおくれましたが、私、同じく7月1日付で総務課長に就任しました鷺坂と申します。どうぞよろしくお願いいたします。
      それでは、続きましてお手元の配付資料のご確認をお願いしたいと思います。
      座席表の後に中央環境審議会第8回大気環境部会の議事次第がございまして、その裏に配付資料の一覧が載っております。次に1枚紙で、中央環境審議会大気環境部会の委員名簿がございます。それから、資料1といたしまして、中央環境審議会第7回の議事要旨(案)というものがついております。それから、資料2といたしまして、中央環境審議会第7回大気環境部会議事録でございます。それから、資料3といたしまして、中央環境審議会「今後の自動車排出ガス低減対策のあり方について(第七次答申)」(案)に対するパブリックコメントの実施結果についてというものがつけてあります。それから、資料4といたしまして、「今後の自動車排出ガス低減対策のあり方について(第七次答申)」(案)というものがつけてあります。それから、資料5といたしまして、「今後の有害大気汚染物質対策のあり方について(第七次答申)」(案)。この資料5につきましては、その後クリップどめで別添の資料等いろいろつけておりますので、ご確認をいただければと思います。万一資料の不足等がございましたら、事務局にお申しつけいただければと思います。
      それでは、議事に先立ちまして、西尾環境管理局長よりごあいさつ申し上げたいと思います。

    【環境管理局長】環境管理局長の西尾でございます。高いところから失礼でございますが、本日委員の皆様方には大変ご多用中ご出席を賜りまして、まずもって御礼申し上げます。この部会ここ3カ月の間で4回目の部会となりまして、大変詰めた回数を開いていただいておりまして、その間に重要な課題につきまして貴重なご議論をいただいているということにつきまして大変感謝を申し上げておりまして、御礼申し上げる次第でございます。
      本日は、先月末に取りまとめていただきました自動車燃料品質等に関する第七次答申(案)につきまして、パブリックコメントの結果をご報告させていただきまして、それに基づくご審議をいただきたいということが1点でございます。
      それから、もう一つは、健康リスク総合専門委員会報告(案)につきまして、ご報告をいただきまして、今後の有害大気汚染物質のあり方についての第七次答申(案)につきまして、ご審議をいただきたいという2点を主としてお願いをしております。
      いずれも、大気対策上、極めて重要な課題でございます。どうかご忌憚のないご意見を賜り、これを受けまして今後、積極的に対策の推進に取り組んでまいりたいと考えておりますので、よろしくお願いを申し上げます。
      いずれにいたしましても、本日のご審議につきまして、よろしくお願いいたしますとともに、今後とも格別のご指導、ご鞭撻をいただきたいということをお願いいたしましてあいさつにさせていただきます。よろしくお願いを申し上げます。

    【総務課長】それでは、これ以降の会議の進行につきましては、池上部会長にお願いしたいと思います。どうぞよろしくお願いします。

    【部会長】池上でございます。それでは、今日の審議を始めさせていただきます。一番最初、まず資料1及び資料2として、第7回大気環境部会の議事要旨及び議事録が提出されております。ご確認いただきまして、何かご意見等がございましたら、8月5日までに事務局までお申し出ください。修正した後、速やかにホームページにて公表させていただきたいと思います。
      本日は、前回のご審議に続きまして、「今後の自動車排出ガス低減対策のあり方について(第七次答申)」(案)に対するパブリックコメントの結果を事務局から報告いただきまして、最終的な取りまとめを行いたいと思います。
      また、前回経過報告がありましたところの健康リスク総合専門委員会報告(案)につきましても、専門委員長からご報告を賜りまして、「今後の有害大気汚染物質対策のあり方について(第七次答申)」としての取りまとめを行いたいと思います。どうぞよろしくご審議のほどお願いいたします。
      それでは、まず最初、「今後の自動車排出ガス低減対策のあり方について(第七次答申)」(案)に対するパブリックコメントにつきまして、事務局にまとめていただきましたので、その説明をお伺いしたいと思います。よろしくお願いします。

    【環境管理技術室長】 それでは、資料に基づきましてご説明いたします。資料3をごらんください。中央環境審議会「今後の自動車排出ガス低減対策のあり方について(第七次答申)」(案)に対するパブリックコメントの実施結果についてというものでございます。
      先日、締め切られましたパブリックコメントは全部で四つございます。その内訳は自治体、企業、NGO、個人、各1通でございます。その内容とそれに対する意見に対する考え方をまとめたのがその裏側に出ておりますので、次の裏側をごらんいただいてそれに基づいてご説明いたします。
      まず、答申案の1のディーゼル自動車の排出ガス低減対策に関する意見ということで、この部分に関しては意見が二つ出ております。概要として[1]NOxを約3割低減する軽油への添加剤を開発したので、同添加剤を軽油に混合することを提案しますと。それから、[2]として、ベンチャー企業の排出ガス低減技術に対しても税の優遇等後押しをして欲しいということです。これに対する意見に対する考え方としては、今回の答申はディーゼル自動車の排出ガス規制についてとりまとめたものです。左記御意見につきましては、関係省庁に参考送付させていただきますということでございます。
      それから、答申の2.燃料品質に係る許容限度の見直しについてに関する意見でございますけれども、意見の概要、これについては1件出ております。その意見の概要としては、二酸化炭素排出削減の観点から、ガソリン中の硫黄分10ppm化の早期供給を実施するよう政策的に事業者を後押しする推進策を講じるべきであるということです。これに対する考え方として、答申の中でも触れているわけですけれども、ガソリン中の硫黄分の低減により、筒内直接噴射ガソリンエンジン等のリーンバーンエンジン搭載車のNOx還元触媒の硫黄被毒が抑えられ、希薄燃焼の運転範囲の拡大が可能となる等、排出ガス低減技術の性能を維持しつつ、二酸化炭素を低減することが可能となるため、可能な限り早期にガソリン中の硫黄分を10ppm以下に低減することは望ましいと考えます。左記御意見につきましては、関係省庁に参考送付させていただきますということでございます。
      それから、3番目の今後の自動車俳出ガス低減対策に関する意見に関連しまして、関連の諸施策についてということで、未規制排出源の排出実態調査及び対策、これに関しまして、ベンゼンの排出量が多い2サイクル水上バイクは、使用禁止にすべきであるとこういった意見が出てきております。これに対する考え方としては、今回の答申はディーゼル自動車の排出ガス低減対策及び燃料品質に係る許容限度の見直しについてとりまとめたものです。左記ご意見につきましては、関係省庁に参考送付させていただきますということで、以上四つについて、今ご説明したような考え方で対応したいと考えております。
      以上です。

    【部会長】ありがとうございました。それでは、ただいまのご説明に対しまして、ご意見またはご質問等がございましたら、お願いいたします。ございませんでしょうか。
                 (「なし」と呼ぶ者あり)

    【部会長】ご質問もご意見もございませんので、ただいまのパブリックコメントに対しましてはそのようは方針でいいとお考えだと認識させていただきます。
      それでは、ほかにご意見、ご質問等がなければ、この答申案を最終的な答申とさせていただくということで進めさせていただきます。
      それでは、事務局の方からこの第七次答申(案)を朗読していただきたいと思います。よろしくお願いします。

    【環境管理技術室長補佐】それでは、資料4をごらんください。今回の第七次答申をまとめてある資料でございますが、この中で内容に非常に関係の深い1章と2章、ページでいいますと、2ページから4ページについて朗読させていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
      それでは、朗読させていただきます。
      今後の自動車排出ガス低減対策のあり方について(第七次答申)。
      1.ディーゼル自動車の排出ガス低減対策。
      1.1 燃料品質対策。
      ディーゼル自動車からの排出ガスの大幅な低減のために必要な後処理装置の開発の進展及び早期導入を図ることに加え、使用過程車の排出ガス低減の観点からも硫黄分を更に低減した軽油を可能な限り早期に導入することが望ましい。
      そのため、燃料精製設備における設備設計及び改造工事等を効率的に行うことにより、平成19年から軽油中の硫黄分の許容限度設定目標値を10ppmとすることが適当である。更に早期に供給することが可能な製油所も一部あることから、燃料生産者は平成17年の早い時期に自主的な部分供給を開始することが望まれる。
      1.2 新長期規制以降の排出ガス低減対策。
      ディーゼル自動車の新長期規制以降の新たな目標値及びその達成時期については、軽油中の硫黄分を10ppm以下に低減することにより自動車製作者の技術開発を促進するとともに、新長期規制の導入、自動車NOx・PM法の車種規制の実施及び交通流対策による大気環境改善効果等を評価・検証しつつ、可能な限り早期に結論を得るべく技術的な評価を踏まえ検討を進めることが適当である。
      また、硫黄分が10ppm以下の軽油が平成17年から自主的に部分供給される際には、自動車製作者は、技術開発を着実に進め、NOx還元触媒等の後処理装置を搭載した低排出ガス車を試験的な導入も含め先行して順次販売を開始することが望まれる。
      なお、硫黄分が15ppm以下の軽油の導入を前提に、米国では平成19年から22年にかけて、ディーゼル重量車の規制値を現行の米国規制よりNOxで95%、PMで90%削減する規制強化が予定されており、その達成可能性について技術レビューが進められているところである。そのため、上記の技術的な検討を進める際には、これらの動向にも留意することとする。
      2.燃料品質に係る許容限度の見直しについて。
      2.1 検討の背景。
      自動車排出ガスの悪化を防止する観点から、燃料品質規制について充実を図り、これまで許容限度として規定していない項目のうち、大気環境改善に係る項目を新たに許容限度に追加する必要がある。その際、使用過程車や現在開発中の自動車は、現時点で市販されているガソリン及び軽油の性状を前提に排出ガス規制に適合するよう開発・製造されていることから、許容限度に追加する項目及びその許容限度については、現状の燃料品質を勘案の上、設定することが適切である。
      なお、追加すべき項目の一つである含酸素化合物としては、近年、地球温暖化防止の観点から、ガソリン及び軽油の代替又はこれら燃料への添加物としての利用が期待されている生物由来のバイオマス燃料が存在する。バイオマス燃料のうち、ガソリンへの添加を目的としたバイオマスから精製したエタノール及び軽油への添加を目的としたバイオマスから精製した脂肪酸メチルエステルが特に注目を集めているため、これらの添加が使用過程車の排出ガスに及ぼす影響を確認した上で、含酸素化合物に係る許容限度を設定することが適当である。
      なお、今回の検討の対象としたバイオマス燃料以外に、ガストゥリキッド、ジメチルエーテル、エチルターシャルブチルエーテル等の燃料についても、ガソリンや軽油の代替燃料や添加用燃料として関心が集まっているところであり、市場での動向や燃料の多様化、排出ガス低減対策と二酸化炭素低減対策との両立に配慮しつつ、今後これら燃料の使用を前提とした燃料品質規制について検討していくこととする。
      2.2 ガソリン。
      当審議会では、自動車排出ガスの悪化を防止する観点から、現状の市販ガソリンの燃料品質を勘案の上、ガソリンの燃料品質項目について検討した結果、新たにオクタン価、蒸留性状、蒸気圧及び含酸素化合物を追加し、別表1に示す許容限度設定目標値とすることが適当であるとの結論を得た。
      また、いわゆるE10等今回の含酸素化合物に関する許容限度設定目標値より多くのエタノールをガソリンに添加することの可能性については、これに対応した自動車の技術開発状況や供給体制を考慮し、改めて検討を行うこととする。
      なお、ガソリン中の硫黄分の低減により、筒内直接噴射ガソリンエンジン等のリーンバーンエンジン搭載車のNOx還元触媒の硫黄被毒が抑えられ、希薄燃焼の運転範囲の拡大が可能となる等、排出ガス低減技術の性能を維持しつつ、二酸化炭素を低減することが可能となるため、可能な限り早期にガソリン中の硫黄分を10ppm以下に低減することは望ましい。
      2.3 軽油。
      当審議会では、自動車排出ガスの悪化を防止する観点から、現状の市販軽油の燃料品質を勘案の上、軽油の燃料品質項目について検討した結果、新たに密度及び残留炭素分を追加し、別表2に示す許容限度設定目標値とすることが適当であるとの結論を得た。
      なお、含酸素燃料のうち、現在地球温暖化防止の観点から注目を集めているFAMEの軽油への添加に関しては、現段階で許容限度を設定することは困難であり、今後、ディーゼル自動車の排出ガスに与える影響等について、より詳細に検討し、早急に結論を得ることが適当である。
      以上でございます。

    【部会長】ありがとうございました。それでは、ただいまのご説明に対しまして、ご意見、ご質問等がありましたらお願いいたしますが、この文書は前回のを少し一部訂正をしたはずですね。

    【環境管理技術室長補佐】はい。今、部会長からご指摘いただきましたところは、3ページの2.2のガソリンの中で、前回、NOx還元触媒の硫黄被毒が抑えられ、希薄燃焼の運転範囲の拡大が可能となる等というところの説明の非常にわかりにくいということで、もう少し説明を加えてほしいということがございましたので、この一番最後の段落、「なお」以下のところで、「ガソリン中の硫黄分の低減により」の後、「筒内直接噴射ガソリンエンジン等のリーンバーンエンジン搭載車のNOx還元触媒の硫黄被毒が抑えられ、希薄燃焼の運転範囲の拡大が可能となる等」ということで、ここを説明を加えさせていただいております。
      以上でございます。

    【部会長】それでは、ご質問、ご意見等お願いいたします。ございませんでしょうか。
      松浪委員。 

    【松波委員】答申としては、これまでプロセスを踏んで来ておられますからよろしいかと思うんですが、かねがねよく質問をいたしておりますが、燃料対策においては供給体制と同時に、市場におけるいい品質のものが出て、ユーザーがそれを正しく選択して使うということが大事だと思いますが、これは環境省の答申だものですから、お尋ねをしたいのは、関係省庁との関係において、この答申が出ますとどういうご連絡体制等をもって、使用過程における、流通過程における問題について、ご審議あるいは進められる予定か伺えればと思ってご質問させていただきます。

    【部会長】はい、それではお答えいただけますか。

    【環境管理技術室長補佐】それでは、燃料についてですが、今回軽油の10ppm化を初めとしまして、燃料の規制を強化してございますが、これにつきましては、実際に販売規制を行います経済産業省さんの方とも連絡をとっておりまして、我々はこれを大気汚染防止法の中の許容限度の告示で規定いたします。それと、相まって経済産業省さんの方で品確法、揮発油等の燃料の品質の確保等に関する法律という中で実際に販売の規制を行うという形になろうかと思います。
      その中で、規制をして行く中で、今ご指摘ございましたような、例えば10ppm化に変わるというのは段階的に変わっていくものでございますので、例えば、ガソリンスタンドの中で、このタンクは今もう10ppmになっていますと。これはまだなっていませんといったようなことをわかりやすく表示するとか、あるいは燃料の細かい蒸気圧の規制等につきましても、実際の立入検査等規制をやっていく中で取り締まりが可能になったものから順番に規制に入れていくというように、実際の環境省の規制と、実際の取り締まりやわかりやすい表示といったものを連携していきながら進めていきたいと考えてございます。

    【部会長】ありがとうございました。よろしゅうございますか。

    【松波委員】結構だと思います。いずれにしましても、連携を密にしながらやっぱり正しい製品が、正しく使われる環境づくりに一つご配慮を賜りたいと思います。

    【部会長】ご指摘ありがとうございました。
      それでは、ほかに。

    【佐和委員】ちょっと意味がよくわからないといいますか、国語的な問題なんですけどね、ふとさっき聞いていて意味がよくわからないところがあったんですけど、3ページの下から二つ目のパラグラフなんですけれども、「これに対応した自動車の技術開発状況や供給体制を考慮し、改めて検討を行うこととする」と書いていますよね。この文書だけからすると二つの意味に解釈、違った意味に解釈できるんですね。一つは、要するに今のところ自動車の技術開発状況や供給体制がまだ未成熟といいますか、不十分だから改めて検討を行うことにしますと。つまり先送りしますという意味なのか、あるいはこれに対応した自動車の技術開発状況や供給体制というものがいまだ現在調査が行き届いていないから、これをきちんと考慮に入れた上で、改めて検討するという意味なのか、「考慮し」ではどっちかよくわからないんです。おわかりいただけたでしょうか。どっちなんでしょうか。

    【部会長】お答えいただけますか。

    【環境管理技術室長補佐】答えは質問の前者の意味です。

    【佐和委員】前者の意味です。つまり、今のところ、まだまだ供給体制が間に合っていないからという意味ですね。

    【環境管理技術室長補佐】そうです。

    【佐和委員】そういう意味ですよね。

    【環境管理技術室長補佐】はい。

    【佐和委員】だから、今この段階で規制値を決めるのは、その可能性について云々するのはまだ時期尚早ということですね。

    【環境管理技術室長補佐】はい、そうです。

    【佐和委員】わかりました。そういう意味がきちんと伝わるように、若干の、てにをは的な修正を加えられた方がいいかもしれませんね。

    【環境管理技術室長補佐】はい、わかりました。

    【部会長】どうしましょう。何か案がありますか。「考慮した段階で」とか、あるいは「考慮して」とかではだめですか。慎重に考慮し。今、ご提案がありましたように、「供給体制を慎重に考慮し」と。しかし、これでは意味が違いますね。

    【浅野委員】進展。

    【部会長】進展を考慮しですか。ちょっと意味が変わりますね。

    【浅野委員】ちょっと変わりますね。これむしろ考慮した上で検討をするということでしょう。だから、「考慮して」と書けば、たった一言入れればいいんじゃないですか。そういう意味ではありませんか。

    【佐和委員】そういう意味ではなくて、さっきお伺いした限りでは、あるいは僕が理解した限りでは、現状は供給体制も不十分だし、技術開発もまだまだそこまで至っていないと。そこで今回、検討結果を云々するのは時期尚早であると。したがって、検討を先送りといいますか、改めて検討を行おうという意味なんですね。だから、簡単に「考慮して」というだけでは、やっぱりそういう意味は出てこないと思うんです。出てきにくいと思うんです。そういうふうにとれないこともないんですけれども。

    【部会長】供給体制は実はこちらが主体になってこうしましょうよという話ですから、それを「考慮して」というのはちょっと足らないんです。つまり、よその省庁等が結束して、さっきご指摘のあったようなことで、つくっていかなきゃいけないということですね。だから、その供給体制をむしろ予想してという感じになるんじゃないでしょうか。

    【佐和委員】一番簡単な修正だと「考慮」という言葉も非常に、何ていうんでしょうか、わけのわからない言葉なんです。

    【部会長】「想定して」とかですね。

    【佐和委員】例えば、「配慮しつつ、改めて」はどうですか。

    【環境管理技術室長】どうですか、「供給体制を見極めつつ」でいかがでしょうか。

    【佐和委員】見極めつつがよろしいですね。ええ、そうですね。それだとおっしゃるような意味には完璧に受け取れますね。

    【環境管理技術室長】では、そちらの方で。

    【部会長】今のもう1回申しますと、3ページの下から5行目のところで、「技術開発状況や供給体制を見極めつつ、改めて検討を行うこととする」でよろしゅうございますか。

    【佐和委員】それでいいと思います。

    【部会長】ありがとうございました。それでは、ほかにございませんでしょうか。
                 (「なし」と呼ぶ者あり)

    【部会長】それでは、ただいまの修正ご提案を採用させていただきまして、それで可否を承認いただけますでしょうか。
                (「異議なし」と呼ぶ者あり)

    【部会長】それでは、承認いただけたものと解釈させていただきます。どうもありがとうございました。
      続きまして、「今後の有害大気汚染物質対策のあり方について(第七次答申)」(案)について、説明をお伺いしたいと思います。
      健康リスク総合専門委員長の内山委員にお願いいたします。

    【内山委員】健康リスク総合専門委員長の内山でございます。「今後の有害大気汚染物質対策のあり方について(第七次答申)」(案)の概要につきましてご説明させていただきます。
      有害大気汚染物質につきましては、優先取組物質に関しまして順次、今、環境目標値の設定作業を行っているところでございますが、今回4物質につきましてデータが整いました。
      このため、これまで4回の健康リスク総合専門委員会を開催いたしまして、精力的にご議論をいただきました。この間、パブリックコメント等も行いまして、資料5の別添1、今後の有害大気汚染物質の健康リスク評価のあり方について、及び別添2、アクリロニトリル、塩化ビニルモノマー、水銀、ニッケル化合物に係る健康リスク評価についての二つの専門委員会報告を取りまとめたところでございます。
      別添1の今後の有害大気汚染物質の健康リスク評価のあり方についてに関しましては、一定のデータが整った物質を対象として、環境目標値の一つとして環境中の有害大気汚染物質による健康リスクの低減を図るための指針となる数値。以下、これを指針値と申しますが、これを設定すること等の内容となっております。
      また、別添2のアクリロニトリル、塩化ビニルモノマー、水銀及びニッケル化合物に係る健康リスク評価については、データの整ったこの4物質につきまして指針値を設定いたしたものでございます。
      具体的な値を申しますと、いずれも年平均値でアクリロニトリルが2μg/m3以下、塩化ビニルモノマーが10μg/m3以下、水銀が0.04μg Hg/m3以下、ニッケル化合物が0.025μg Ni/m3以下ということになってございます。
      以上が主な内容でございますけれども、事務局の方から補足の説明をお願いしたいと存じます。

    【部会長】では、お願いします。

    【総務課長補佐】それでは、事務局の方から補足説明をさせていただきます。今回の健康リスク総合専門委員会の報告につきましては、前回の部会におきまして、検討状況等報告させていただいたところでございますが、その後、同専門委員会において実施されたパブリックコメントの結果も反映された形で取りまとめられたものとなっております。
      それで、資料5とは別に1枚紙で正誤表をお配りしてございます。資料5、「今後の有害大気汚染物質対策のあり方について(第七次答申)」(案)の正誤表というものでございますけれども、この大気環境部会に先立って健康リスク総合専門委員会が本日開かれまして、その中で若干資料5が訂正になっております。
      資料5の中で水銀、それからニッケル化合物の濃度単位μg/m3もしくはng/m3がございますが、そこにつきましてはおのおのμgHg/m3、μg Ni/m3という単位に修正をいたします。
      それから、別添3となってございますが、これは別添2−3の間違いです。別添2−3の水銀の健康リスク評価についての報告書の部分でございますが、14ページの(4)の5行目に「幼弱動物」とございますけれども、これを「新生仔期の動物」と修正をいたします。
      それから、次に別添4となっていますが、これも別添2−4の間違いでございます。別添2−4のニッケルの健康リスク評価についての報告書の部分の23ページの(3)の4行目のところに「ニッケル等を行う」となってございますが、こちらは 「ニッケルを扱う」と修正をいたします。
      専門委員会における本日の修正が加わりましたので、最初に正誤表の方を説明させていただきました。
      それでは、資料5について説明いたします。資料5「今後の有害大気汚染物質対策のあり方について(第七次答申)」(案)となってございます。
      こちらにつきましては、別添1、それから別添2の健康リスク総合専門委員会報告を了承するという形で答申案をつくらさせていただいております。
      また、1.今後の有害大気汚染物質の健康リスク評価のあり方についての最後に、「今回指針値が示されなかった物質についても、今後、迅速な指針値の設定を目指し、検討を行っていくことが適当である」ということをつけ加えております。
      それから、2.の個別の物質、アクリロニトリル、塩化ビニルモノマー、水銀、ニッケル化合物に係る健康リスク評価についてでございますが、こちらの方は4つの物質につきまして、別添2の報告を了承するということで書いてございます。
      それから、その下の別表でございますが、正誤表のにあったように、水銀の年平均値0.04μgというのを0.04μgHg/m3以下、それからニッケル化合物の年平均値は0.025μgNi/m3以下と修正をしたいと思います。
      それでは、まず別添1、「今後の有害大気汚染物質の健康リスク評価のあり方について」という報告書について簡単に説明をいたします。
      まず、別添1の1ページ目の1.背景でございます。ここでは、今後の有害大気汚染物質対策のあり方を示しました第六次答申、平成12年12月において示された答申でございますが、その中で定量的な評価に基づいて、優先取組物質について環境目標値を定めることが適当であるということが示されていたということで、その環境目標値を設定するに当たっては、環境基本法の環境基準とすることも含め、その設定がより促進されるべきであるというような答申をいただいておりました。
      これにつきまして、環境省におきましては、優先取組物質について、精力的に科学的知見の収集・整理を進めてまいりまして、今般、一定の期間が経過し、データが整理されたということで、健康リスク専門委員会において審議をいただき、その結果を取りまとめたということが1番目に書いてございます。
      それから、2番目の有害大気汚染物質に関する課題のところでございます。取りまとめられた現時点でのデータを整理いたしますと、その科学的信頼度というものが物質によってはかなりの確度の信頼性があるものの、科学的知見の充実をさらに要するレベルにとどまっているという従来の環境基準を設定するには、まだ科学的知見が不十分であるというような物質が見られるということが書いてございます。
     一方では、大気モニタリング等が実施されていて、それに対する的確な評価を行うことが環境基準が設定されていないために困難であるということが、2番目の1ページ目から2ページ目のはじめについて書かれてございます。
      それから、3.有害大気汚染物質の健康リスク評価のあり方−指針値の設定−でございます。まず、(1)定量的データの科学的信頼性ということで、前段の方で、従来の環境基準、環境目標値の設定に当たっては、原則として疫学研究などのヒトのデータに基づいて設定されてきたということ。それから、動物実験のデータを用いる場合には、ヒトへの外挿という点で不確実性が大きい場合が多いため、ヒトへの外挿に当たっては慎重に行うべきであるというような一般的なことが書いてございます。
      それで、2ページ目の後段の方でございますけれども、集められた科学的データを分類いたしますと、下の方に書かれていますように、I、II、それから、3ページ目の方にまいりましてIIIという、全部で3段階ぐらいのデータに分けられるということでまとめてございます。
      Iというのは、環境基準の設定に必要な科学的信頼性が高い疫学研究又は動物実験データに基づいて算出された数値ということでございます。
      それから、IIの分類としては、科学的信頼性がIに至らないものの、相当の確度を有する疫学研究または動物実験から得られたデータに基づいて算出された数値であって、以下のいずれかの点においてさらなる科学的知見の充実を要するものということで、まず一つは疫学研究の場合は、曝露に関する情報や交絡因子の調整等について、さらに充実を要する必要があるというデータ。それから、動物実験の場合には、観察された有害影響の発現メカニズムの解明、ヒトへの外挿手法という点で、さらに充実を要するデータということでございます。
      それから、3ページ目にまいりまして、III、これはI、IIにも満たない動物実験のうちIIbの水準に達しない動物実験から得られたデータで、これは豊富にございますけれども、ヒトのメカニズムとの共通性という点で、なかなかこれをヒトに外挿することは難しいというようなデータをIIIというふうに分類しております。
      次に、(2)、指針値の設定でございますけれども、この指針値の設定を進めていく上で、まず基本的な方針として、[1]に掲げてございます科学的知見を収集、整理し、常にアップデートするよう引き続き努めていくということ。それから2点目としまして、科学的知見についてさらなる充実を要する状況にある物質についても、最新時点で得られている一定の条件を充足するデータをもとに、一定の評価を与えていく手法を導入するという基本的考え方に立脚すべきであるということでございます。
      その次のところに書いてございますが、この基本的考え方の下で、(1)のI又はIIa・IIbに該当するデータが得られる物質については、環境目標値の一つとして、環境中の有害大気汚染物質による健康リスクの低減を図るための指針となる数値(以下単に「指針値」という。)を設定することとするということで、ここで従来の環境基準にかわる新たな数値として指針値というものを提案し、その科学的レベルについては、2ページ目から3ページ目に書いてございます、IもしくはII以上のその科学的信頼性を持ったデータから指針値というものを定めていきましょうということが書かれてございます。
      それから、次に(3)指針値の設定手順でございますが、これについては具体的には、6ページの別紙というところで書かせていただいております。これは従来のリスク評価を行うに当たって、一般的なことを書いてございます。
      1番目に有害性の評価、それから2番目曝露評価、そして3番目に総合評価でございます。
      この中で主に使うデータとしましては、環境省が委託して行っております文献調査等のような調査がございますので、そういうものを最大限活用して、レビューをしていきましょうということが書かれてございます。
      また戻っていただきまして、3ページ目の一番下の(3)のところでございますけれども、また、化学物質の生産量とか種類というのは年々増加している。それから、諸外国において実施された信頼できる評価例というのがある場合には、これを積極的に活用しましょうというようなことを書いてございます。
      それから、4ページ目にまいりまして、そこからデータが新たに得られた場合には、順次、迅速に指針値を設定・改訂していくということ。それから、優先取組物質以外の物質が問題となる場合、PRTR制度によって大気への排出量が有意に大きいような物質というものも今後出てくる可能性がございますので、このようなものについても指針値を算出する必要が生じる場合、これに迅速に対応できるような配慮が必要であるということを書いてございます。
      それから、次の(4)は指針値の性格でございます。指針値については、基本的には長期的曝露による有害性を未然に防止する観点から設定されるものであることから、指針となる数値を短期的に上回る状況があっても、直ちに人の健康に悪影響が現れるようなものと解するべきではないと考えられるということ。それから2点目としましては、指針値は有害性評価に係るデータの制約のもとに定められた値であると判断すべきであり、新しいデータや知見の集積に伴い、随時、見直していく必要があるということを書いてございます。
      それから、3点目は指針値はこのような性格を有するものの、リスク低減の観点から、このレベルが達成できるように排出抑制に努めるべきものとして理解することが妥当である。
      ただし、大気モニタリング結果が指針値を下回ったとしても、引き続き排出抑制の努力が望まれることに注意すべきであるという性格づけを行っております。
      それから、4点目、指針値の機能等についてでございます。まず、(1)の指針値の機能でございますが、指針値は、環境基本法第16条に基づき定められる環境基準とは性格及び位置付けは異なるものでございますけれども、現在行われています大気モニタリングの評価に当たっての指標、それから事業者による排出抑制努力の一つの指標としての機能を果たすということが期待されるということを書いてございます。
      これらの機能というのが、既に大気モニタリングが全国自治体において約300地点で実施されている。それから、自主管理計画に基づく事業者による排出抑制努力が行われており、またPRTR制度の導入などに伴って、事業者の化学物質に対する意識も大きく変化しているということから勘案して、このような機能が十分発揮されることが期待できるというようなことがそこに書いてございます。
      それから、5ページ目の(2)具体的対策の検討でございますけれども、基本的に上述のような指針値の機能というものをこの報告書で示しているところでございますけれども、具体的対策につきましては、排出抑制専門委員会において具体的検討がなされる必要があるということをそこでつけ加えてございます。
      それから、以後に今後の課題でございます。今般は指針値を出したのは、科学的信頼レベルがII以上というものについて出しておりますけれども、新しいデータの知見の集積に伴って随時それらは見直していくということ、これは環境基準と同じ方針でございます。
      それから、今回指針値が示されなかった物質については、早期に取りまとめることが望まれるという点。それから、最後に科学的信頼レベルがIIIに該当するデータ、これしか得られない物質というのが今後出てくる可能性がございますので、そういうものについて参考情報として具体的な示し方等について、今後引き続き検討する必要があるということで、その点については今後の課題ということで書かさせていただいております。
      次に、別添の2でございます。3枚ほどめくっていただきますと、別添2、アクリロニトリル、塩化ビニルモノマー、水銀、ニッケル化合物に係る健康リスク評価についてというものことがございます。こちらは今回データが取りまとめられました4つの個別の物質について記述したものでございます。
      まず、別添2の1ページ目でございますが、1ページ目の1番目には検討経緯が書いてございます。従来、個別の物質の評価については、環境省が委託調査により、文献レビュー、評価作業というのを計画的に進めてきているところでございまして、今般それらのものがまとまった4つの物質、アクリロニトリル、塩化ビニルモノマー、水銀、ニッケル化合物の4物質を対象として、指針値の評価を行ったということが1番に書いてございます。
      それから、(2)につきましては、それぞれアクリロニトリル、塩化ビニルモノマー、水銀の3つの物質については、平成7年度から平成12年度にかけて、環境基準専門委員会等において、環境基準の設定を前提として議論が行われてきたという経緯がございます。これらの経緯も踏まえた上で、新たな知見を加えるという形で今回検討をされております。また、ニッケル化合物につきましては、平成11年度の環境庁からの委託調査によりまして取りまとめられた報告がございます。その報告に基づいて今回ニッケルについての評価を行ったといったことでございます。
      2ページ目の上の方に担当委員ということで、それぞれ曝露評価、無機化合物、有機化合物について取りまとめていただいた先生方のお名前を挙げさせていただいております。
      3ページ目からは個別の物質について書かれているわけでございますけれども、3ページ目、アクリロニトリル、ここはまず(1)としまして、主な知見ということで、O'berg(1980)などについて、アクリロニトリルがヒトに対して発がん性を有する可能性を示唆する限定的な疫学データがある。その一方でそれを否定するという疫学的証拠及びレビューが多数報告されているということでございます。
      それから(1)の一番下でございますが、Muto et al(1992)ということで、ここで全く影響を見出さないという濃度が1.15mg/m3と示されているというような知見がございます。
      (2)、それからの知見を踏まえて、指針値の算出の考え方としまして、アクリロニトリルにつきましては、恐らくヒトに悪影響が見られないと期待できるレベルが1mg/m3であろうということが書かれております。
      それから、4ページ目にまいりまして、不確実係数としては500を用いることが適当ということで、最終的に(3)指針値として、アクリロニトリルの指針値は年平均値2μg/m3以下とするという結論になっております。
      次に、5ページ目の塩化ビニルモノマーでございますが、塩化ビニルモノマーでは主な知見としましては、肝臓がん、それから特殊な腫瘍として肝血管肉腫というようなものの影響が報告されております。それらの数、幾つかの文献を見ますと、6ページ目の(2)に書いてございますが、指針値算出の基本的な考え方ということで、ユニットリスクがおおむね3.6×10−7〜1.1×10−6で、おおむねオーダーが一致しているという結論でございます。肝血管肉腫を中心とする肝・胆道系がんに着目してリスクを総合的に判断すると、最終的に1.0×10−6程度というユニットリスクが得られるということでございます。
      そして、(3)最終的に指針値としましては、そのユニッリスクから生涯リスクレベル10−5に相当する値としまして年平均値10μg/m3以下という数値を結論づけております。
      次に7ページ目の水銀でございますが、水銀につきましては、主な知見としまして、Fawerら(1983)、こちらは手の振戦を加速度計で測定したというような知見がございます。
     それから、2つ目にはNgimら(1992)、これは、歯科医と対照者を対象とした神経行動学的検査を行った知見でございます。このような主に神経行動学的な知見から得られたデータがございます。
      (2)、指針値算出の考え方でございますけれども、一般大気環境中の水銀につきましては、その大部分が水銀蒸気であるということで、水銀蒸気について指針値は設定するという基本的な考え方を示しております。
      また、主な知見のところで見られるような職業曝露におけるLOAELに相当する気中濃度というのが、恐らく14〜26μg/m3の範囲にあるだろうということが書かれております。
      それから、8ページ目にいきまして、恐らくLOAELに相当する気中濃度というのが20μgと考えることが妥当だということで、いろいろと勘案した不確実係数を500と考えますと、(3)の指針値としましては、年平均値0.04μgHg/m3以下とするという結論になっております。
      それから、最後にニッケル化合物でございます。ニッケル化合物については(1)の主な知見のところで、それぞれ1・2・3・と三つの精錬所のデータがございます。これらの精錬所のデータからWHOが導き出しましたユニットリスク値      3.8×10−4μg/m3という数値がございます。これを採用することが適当であるというような指針値の考え方になっております。
      最終的に(3)の指針値のところで、ユニットリスクに相当する10−5リスクレベルに相当する値としまして、年平均値0.025μgNi/m3以下ということが掲載されております。
      ニッケル化合物につきましては、特に測定法の問題、それからニッケル化合物の中でも、その化合物の種類による毒性の違いというようなものも議論になっておりましたので、指針値の最後のところ、ただし書き以下のところで、念のため、今後ニッケル化合物の有害性に関する新たな知見の集積が図れた場合、それに即した指針値の見直しを行うべきであるということを、あえてつけ加えさせていただいております。
      以上、簡単でございますが報告書の説明でございます。
      それから、ほかに別添として2−1、2−2、2−3、2−4というように、それぞれ物質ごとに細かに専門的な報告書がございますが、こちらの方は説明を割愛させていただきます。
      以上でございます。

    【部会長】どうもありがとうございました。リスク総合専門委員会の委員長並びに各委員の方にご審議いただいたこと、ありがとうございます。それから、事務局もいろいろお手数かけましてありがとうございます。
      それでは、ただいまのご報告に対しまして、ご意見あるいはご質問等ございましたらお願いいたします。

    【関沢委員】これに関してペーパーを出させていただいておるんですが、ご説明よろしゅうございましょうか。

    【部会長】はい、お願いいたします。

    【関沢委員】鉄鋼連盟の関沢でございます。お手元に2枚ちょっと意見書としてお配りしておりますので、まず上の方からご説明させていただきます。4人の連名で出させていただいております。
      この当部会では、今後の有害大気汚染物質対策のあり方を示しました、第六次答申に指摘されております検討課題への対策、及び現行の大気モニタリング評価の有効性向上等を受けまして、客観的基準設定の検討を進めてまいりました。
      4行目ですが、一方、有害大気物質の製造・使用事業者は、その排出抑制の必要性を認識し、その排出規模、状況、形態に応じた多種多様な抑制対策を自主的かつ継続的に実施してきており、その成果も実現されているところであります。
      しかしながら、若干まだ議論が足りない部分があるのではないかというのが意見の趣旨でございます。特に今回はそこに書いてございますように、「リスク低減指針値」ということで、新しい概念を設定することに置かれていたわけでございまして、部会として十分な審議を行うべきであると考えるものでございます。
      3点ほど具体的に申し上げますと、まず第1には指針値の性格・位置づけの明確化が必要だということでございます。
      従来とは異なる概念を持ち込むわけですから、その性格とか、位置づけなどをきちんと明確化する必要がございますし、また今回のいわゆる「指針値」と、これまでの環境基本法に基づいて設定され、往々にして規制値という形になりやすい環境基準とは大きく差があるわけでありまして、排出事業者には排出抑制のための法的義務が課せられないということを報告書に書き込んでいただいたらいかがかと、かように思うわけでございます。
      それから、2点目は当面は監視継続が適切だということでございます。今回の4物質につきましては、有害大気汚染物質モニタリング調査を見る限り、いずれも横ばいないし漸減傾向にございまして、これは手前みそかもしれませんが、事業者自身の自主的取り組み、これが少なからず寄与しているものと考える次第でございます。ということであれば、当面は事業者による自発的努力に期待しつつ、推移を見守っていただくということではないかと思うわけでございます。
      それから、3点目、最後に今後の制度運用についてでございますが、本指針値の運用のあり方につきましては、別途、検討会のようなものをつくっていただいて、そこで産業界の意見をぜひ入れていただいて、より有効な運用に向けて議論を続けたいと、こう考える次第でございます。
      それから、次に2枚目、これは単独でちょっと出させていただいておりますが、ニッケル化合物についての説明、補足をさせていただきます。
      3点ございまして、まず最初に疫学的データの拡張適用範囲が過大ではないかということでございます。今回いろいろ制約があったこととは思いますが、かなり古いニッケル精錬所のデータをもとにつくっていただいているわけですが、相当特殊なこのデータをもって一般の環境へと拡張適用することはそのままでは行き過ぎではないでしょうか。そういった意味でも暫定値だということをこの数字を扱う人たちがよく理解された上、条件をつけて運用できるように明示していただきたいと思うわけでございます。
      それから、次に化合物形態と毒性値の対応、これがまだついていないのではないかということでございます。ニッケルという金属はいろんな化合物をつくるわけでございまして、形態ごとに毒性値も異なってくるということでございます。本来はこうした化合物ごとの毒性を調べて基準にしていくのでしょうが、今回いろいろ制約もありますし、そういう差はとりあえずわきへ置いておいて、指針値だということでそういうことでもいいのかもしれませんが、指針値ということで、今回は全ニッケル化合物によって指針値を設定することになっておりますが、さらに実際には分析の都合もあって、全ニッケルの数値、これはモニタリングで検出されるということですから、言ってみれば非常に小さな比率しかない、悪いニッケル化合物というものに対しまして、ニッケル化合物全部で指針値でつくると。非常に大きな輪で指針値をつくるということでございまして、更に、実際に検出されるのはもっと大きなところでモニタリングされると、こういうことになるわけでございます。暫定値ということで、まあ、しかしこれもしようがないかなとは思いますが、できるだけ早く分析方法を確立していただきたいとお願いしておきたいと。
      同時に形態別の毒性を明らかににしていただいて、万全なる指針値として通用できるものを、できるだけ早くそういったものに改定していただくということが必要ではないかと思う次第でございます。
      それで、最後に指針値の実地運用に対する一定の歯止めを希望するということでございます。いろんな意味での課題感を残しながら、指針値として設定するわけですから、自治体の方々とか、一般市民の方々が無用な心配をしたり、動揺したりしないように、その辺の防止策について環境省として取り組んでいただきたいと思う次第です。
      例えば、多分これは通達を各自治体に出されるんでしょうが、そのときは単に数字だけを出されるのではなく、ニッケル化合物の指針値が実はこういうものであると。化合物形態とかいろいろあるんだということをわかりやすく解説をつけて通達していただきたいと思います。
      それから、この後は手続としては、排出抑制専門委員会になるんだと思いますが、この場でも従来の環境基準とは性格も目的も異なる指針値なんだということ、その指針値の中でも限界のある数値なんだということを十分に考慮した議論になるように、ぜひお願いしたいということをこの場をお借りしてお願いしておきたいと思います。
      以上でございます。

    【部会長】ありがとうございました。個々の委員、最初の資料1番の方はほかの委員も……。それでは、発言ください。

    【新美委員】私、石油連盟から来ております新美と申しますけれども、ほぼ関沢委員の方からカバーしていただきましたけれども、私一つつけ加えさせていただきたいと思いますのは、指針値の設定を受けましたその後で排出抑制の検討を行うというようなことでなくて、指針の運用のあり方について、先ほどもお話が出ましたけれども、これについてきちんとした議論、検討の場合が必要ではないかというふうに考えます。その際には当事者でありますところの産業界、つくる方、それから使う側の考え方、実態についても十分現状を吸収し、反映させていただくようなこの運用を強くお願いしたいというふうに考えております。

    【部会長】ほかの委員。はい、どうぞ。

    【満岡委員】私、化学工業協会の満岡でございます。4名連名で出させていただきましたが、補足もさせていただきたいと思います。
      今回は「環境指針値」ということであり、試験データ等の有害性情報が「環境基準値」を設定する際に整備・分析される程にはまだ充実していない、従って指針値であり、「環境基準」における環境基本法のような法的根拠はないといった点で環境基準値とは異なるもの、そのように理解、確認いたします。今後指針値を達成していないケースが出てくるでしょうが、そういう状況をどのように評価すべきか、そうした状況に関してどう改善の取り組みを進めるべきなのか、そういうことを今後、指針値と基準値が異なるということを踏まえて、是非適切に検討される必要があると思います。産業界も何らかの協力ができればと考える次第であります。
      次に質問があるのですが、資料5別添1の4ページ中程に、「ただし、大気モニタリング結果が指針値を下回ったとしても、引き続き排出抑制の努力が望まれることに注意すべきである」との但し書きが「指針値の性格」の項にありますが、文脈からしてこの2行は本当に必要なのでしょうか。指針値の性格として排出抑制努力の指標としての機能を果たすとありますので、それで十分ではないかと。この2行があると却って指針値の性格がボケ、指針値の基準値化的誤解を招くのではないかと、そんな危惧を感じます。
      今後排出抑制専門委員会において具体的な排出削減対策の検討を行うに際しましても、指針値、基準値という性格、機能を明確にしながら、本部会の意義、趣旨を削減対策委員会にも適確に要請していただきたいと思います。
      それから、もう一つお願いですが、現場を見ているのは地方公共団体でございますので、地方公共団体においても的確に理解されますよう、環境省としても十分留意して対応していただきたいとお願いいたします。
     

    【部会長】ありがとうございました。伊藤委員、ございますか。

    【伊藤(賛)委員】電気事業連合会の伊藤でございます。指針値の性格等につきましては、前の3人の委員から十分意見が出ましたので、あえてダブっては申し上げるつもりはございませんが、今、お話のあった(4)ただし書きの大気モニタリング結果が指針値を下回ったとしても、引き続き排出抑制の努力が望まれると。ここが非常に指針値の性格を強くしているというふうに理解されますので、あえて申し上げたいと思います。
      それから、個別の話でございますけれども、水銀蒸気、蒸気水銀と申し上げてもいいのかもしれませんが、水銀蒸気の方につきましては、別添の2−3の11ページ、12ページの方に大気モニタリングの結果が整理されていただいておりまして、この結果を見ていただきますと、経年的に悪くなっているとそういうような傾向は見られない。さらに数値的に見ていきますと、バックグラウンドとそう大した差がない。ほとんど2割高というふうに見た方がいいんじゃないかと。
      それから、今回ご提案いただいております指針値として比較しても、これは30地点平均が年平均とは考えられないわけでございますけれども、はるかに小さな値になっているということから見て、こういう形で指針値として取り上げていくのがいかがなものかという意見を持っておりますので、ぜひとも今後の検討には、産業界の意見も一緒に入れて、よりいいものに検討をさせていただきたいと、このように考えております。

    【部会長】ただいま4委員からご意見賜りましたけども、これに対して事務局の方から何か。

    【総務課長】それでは、今のご意見に対しまして、お答えさせていただきたいと思います。まず提出された意見書ということでございますけれども、今回検討いただきました指針値につきましては、専門委員会の報告でもおまとめいただいていますように、環境目標値の一つではあるものの、有害性評価に係るデータの科学的信頼性において制約がある場合も含めて検討された環境中の有害大気汚染物質による健康リスクの低減を図るための指針となる数値ということでございまして、現に行われている大気モニタリングの評価に当たっての指標、あるいは事業者による排出抑制努力の指標としての機能を果たすことが期待されるものということでございます。
      一方、環境基準と申しますのは、環境基本法に基づき設定される人の健康を保護し、及び生活環境を保全する上で維持されることが望ましい基準ということであり、政府としては公害の防止に関する施策を総合的かつ有効、適切に講ずることにより、環境基準が確保されるよう努めなければならないもの。環境基準につきましては、このようなものとされているところでございまして、両者の性格、位置づけは異なるものとこのように整理いただいていると、このように理解をしております。
      次に今回の4物質につきましては、意見書にもありますように、事業者の自主管理により、排出量の削減が進められているということはそのとおりでございまして、環境監視、モニタリングの継続ということは重要であると、このように考えております。こういったことを踏まえまして、今後、有害大気汚染物質の排出の抑制に関する専門の事項を排出抑制専門委員会においてご検討をいただくという際には、事務局側といたしましても今般のご意見を十分留意して対応したいと、このように考えております。
      それから、ちょっと細かいニッケルについての意見ということでございますけれども、ニッケル化合物に関する事項ということで、IARC、国際がん研究機関では、最終的に金属ニッケル以外のすべてのニッケル化合物を一つのグループとして扱い、最も重篤な影響が出た化学形態の場合の結果に従って評価すべき、このようになっております。
      ただ、これは専門委員会においてパブリックコメントをしているわけでございますが、そこで同様の意見が提出されたことを踏まえまして、今回の専門委員会報告につきましては、他の物質と異なり、ニッケル化合物に関する指針値につきましては、ただし書きを加えております。重複になりますけれども、今回の設定はニッケル精錬作業所の発がんに関する疫学的研究に対して、化学的反証がこれまでなされていなかったことを前提としており、今後、ニッケル化合物の有害性に関する新たな知見の集積が図られた場合、それに即した指針値の見直しが行われるべきである。こういうただし書きが加えられております。
      なお、ニッケル化合物につきましては、事務局といたしましても、いろいろのご意見を踏まえまして、今後その化学形態別の情報収集、こういったことに努めてまいりたいとこう考えております。 
      また、先ほどの指針値と同様に、排出抑制に関する専門の事項を排出抑制専門委員会においてご検討いただく際には、事務局側といたしましても今般の意見、十分留意したいと考えております。
      こういったようなことにつきまして、環境省としては自治体等、こういったことを踏まえて十分な説明を行っていきたいとこう考えているところです。
      それから、報告書の中で、排出抑制といいますか、指針値を下回っても排出抑制努力を求めるというのはどうかということでございますけれども、有害大気汚染物質には、これはパブリックコメントにも出ているんですけれども、閾値がない物質も含まれることや、一般論として指針値が有害性に係るデータの制約のもとに定められた値であることにかんがみまして、全般的にこういった記述を一般論としてしているとこういうことでございます。
      私の方からは以上でございます。

    【部会長】一つ抜けてますのは、抜けているといったら大変失礼なんですけど、モニタリングを現場でやっていらっしゃる地方公共団体の方に対して、どのような説明を加えられるか。

    【総務課長】先ほどちょっと地方団体には、十分な説明を行っていきたいと申しましたけれども、具体的には先ほどご意見もございましたように、ただ単にこうなりましたよということだけではなくて、例えば部会でのご議論、こういった議事録、こういったものを添えて、きちんと通知等で伝えていきたいとこのように考えております。

    【部会長】ただいまのご意見、委員長、何かありますか。内山委員長、何か追加、よろしいですか。
      では、今の事務局のご発言に対して。

    【浅野委員】私も専門委員の1人ではありますが、少し個人的な感想を述べることをお許しください。
      専門委員会報告にもありますように、第六次答申で何らかの環境目標値を決めるべきではないかと提言したわけですが、それは必ずしも環境基準にはこだわらないで、何らかの目標値を設定すべきであるということを、既にこの審議会の意向として示しているわけですね。
      ですから、こういう前提があるのですから何もこれが唐突に出てきたという話でない。既に答申でこういうことでやるべきと言っていたことを今検討しているということを忘れてはいけないと思います。
      それから、有害大気汚染物質については、はっきり覚えているんですけれども、大気汚染防止法改正のときに、この中に座っておられる委員もいらっしゃったわけですが、いろいろ議論したあげく、従来型の直接規制方式を取り入れるのは必ずしも効率性が高くないので、それはやめようということにしたわけです。私はこれを枠組み規制の方式が導入されたという理論的な整理をしてみたわけですが、法律の中では責務規定をおき、努力を義務づける。附則のところにすべてのことを書き込んで、その中で政府が要するにある数値、目標値のようなものを示して、それに向かって事業者が努力しよう。5年たって完全にうまく行っていない場合には、改めて規制も含めた見直しをするということを附則で定めたわけです。そのと結果は5年たってみたら全国レベルではかなり成果が上がっていて、ごく局地的に幾つかの地域では十分成果が上がっていないということがわかりましたから、今度はその地域についてまたさらに対策を講じるということにいたしまして、法律そのものを規制型に変えるということにしなかったという経緯があります。
      私があのときに、直接規制型は余り効率性が高くないというふうに考えましたのは、閾値のないような物質に関して言いますと、結局、環境基準をつくってこれ以下にしなさいというやり方は、それよりもっと下げることが可能な事業者も削減努力をしなくても済んでしまうということになります。特に今でも思い出しますのは、現地の視察に行ったわけです。コークス炉のベンゼンの排出実態をつぶさに見まして、排出削減ができる事業者は徹底的に努力して下げておられることがわかった。しかし、古い施設を持っておられるところではなかなか難しいということもわかりました。だから、こんなのは在来型のやり方で、こういうふうにやりなさいという決め方で規制をかけることはほとんど不可能に近いだろう。だったら、それぞれの事業者が、それぞれの施設に応じて創意工夫をしながら削減する努力をしていただくことが合理的である。このぐらい下げてほしいという努力目標は示すけれども、それ以上にもちろん下げても一向に構いませんと。全体として地域の環境リスクのレベルが下がるならそれにこしたことはないだろうということであったと思うわけです。ですから、今回の指針値についても、そのときの考え方を引き続き持ち続けていくべきだろうと思います。
      そこで、さっき環境基準は規制基準だとのご意見があったのですが、確かにある分野では環境基準は効率上あくまでも行政の努力目標であると書かれているにもかかわらず、それをつくったら直ちに全部がちがちの規制の中でやらなきゃいけないというような、そういうような発想が非常に強いという分野もあるわけですけれども、これは分野によりけりであって、必ずしも環境基準ができたら全部それを直結で規制に持っていかなきゃいけないということはない。大防法では既にそれを実際にやったわけです。ですから、ベンゼンなどについて環境基準がありますけれども、それは決して個別の排出規制にはつないでいないわけです、これが大気の現行法の枠組みです。ですから、さらに今回、科学的な確実性が十分であるとは言えないものにあっても、この程度までわかっているものについては、指針値を決めようということであるわけですから、おのずからその指針値を使ってそのあとどうするかということについては、さまざまな弾力性があっていいはずだと思います。全体の手順の中で、排出抑制専門委員会の検討と書いてあると、いかにもそこで直ちに何か排出規制基準をつくるというふうにも読めるのですが、もしそれをやろうと思ったら大防法改正からやらなきゃいけないわけです、この分野に関しては。恐らくそんなところまでは、今直ちに事務局が考えていると思えませんので、排出抑制専門委員会をお考えになるにしても、そこはやはりガイドラインのようなものを考えるというようなことに多分なるんだろうと思うので、その辺のところは今までの流れをもうちょっと前までさかのぼって振り返ってみますと、委員の方々から出ているご意見の中には本当にそうだなと思って納得できる部分もありますものの、やや深読みをしておられるような面もあるんではないかという印象はぬぐえません。
      関係者に誤解など無用の混乱が生じることがないようにという、関沢委員のご指摘は、私はかねてからこういう化学物質、有害物質については大事なことだと思っております。コメントなしに数字だけがひとり歩きするというのは決してよくないわけです。この指針値を超えているから、直ちに危ないとか、指針値を超えていないから絶対大丈夫であるというようなことは、例えば、10−5の生涯曝露でがんにはなりません。しかし、それは少なくとも10万人に何人かはがんになりますと言っているわけですから、ありていに言えばある意味ではおかしいわけです。絶対安全だと言っているわけではないのであって、社会的な許容の範囲はこれですと言っているだけです。その辺のところの知識ももう少しきちんと伝えられる必要があると思います。さらに、現在の環境基準は私の持論なんですけれども、環境基準という一つの言葉の中に余りに多くのスタンダードのものがあり過ぎます。環境基準というとみんな同じに思っていますけれども、随分違うものがごちゃごちゃになってしまっていまして、これは人も、たびたび申し上げていますが環境基準については体系的にきちっと整理をし直すという作業をどこかでやらないと、ますます誤解と混乱がひどくなるという心配をしております。再度強調しておきたいと思います。

    【部会長】ありがとうございました。今の浅野委員と、それから先ほどの事務局の回答といいますか、ご意見、見解等を踏まえまして、先ほどご発言された4委員の方、何かご意見ございますでしょうか。

    【満岡委員】私も今、浅野委員がおっしゃたことは基本的には理解しているつもりです。化学業界としては化学物質の削減自主管理をこれまで何年かずっと続けてきまして、それなりの成果も上がってきていると思います。ですから、浅野委員がおっしゃるような理解のもとにいろいろなことが取り締まればそれでよろしいんではないかと思うのですが、ともするとやはり指針値を基準というふうに捉えて対応を求められることがあると、自主でいろいろやっていく中でやや懸念することになります。ですから、先ほどの但し書きについての心配を申し上げました。

    【部会長】ありがとうございました。ほかの委員の方は。

    【松波委員】これまでの経緯のことを余り知らない者が発言して恐縮ですが、今、指針値の定義みたいな、いわゆる設定とか、性格とか取り扱いについてご議論があったように思うんですが、それは報告書の中には書いてあるんですけれど、この答申文の本文にただ環境目標値の一つとして指針値を設定するのが適当であると書いてあるんですが、今の誤解というか、正しい理解を得るために、扱い方を正確にするために、答申本文になぜお書きにならないのか。もちろん報告書を了承するとは書いてありますけれども、それを受けてこの委員会がどうあるべきか、その対応策をやっぱり適当であるとか、妥当であるとかという評価がつくんだろうと思うんですが、そのくだりの部分が余り書いていないんではないのかなという気がいたしますが、いかがでしょうか。

    【部会長】今のご指摘大変重要だと思うんですが、資料5の第七次答申(案)と書いてありますが、先ほど委員からご発言のあったことについて、そういう旨が読みとれないというのがご主旨の発言ですね。ですから、それをどうするか何かお考えがあったら。さっき議事録をつけて地方公共団体に出すとおっしゃいましたけど、今の趣旨から考えますと、もう少し書き加えたらいいんじゃないかなと思うんですが、どうでしょうか。

    【浅野委員】部会長に修文をお任せすることをここで承認してはいかがでしょうか。

    【部会長】この第七次答申はここで決めて、案をとるという作業になります。ですから、今の松波委員のご発言を踏まえまして、それから先ほど4委員の発言を踏まえまして、もう少しそこのところがわかりやすくなるようなあり方についての答申にした方がいいんじゃないかと私は感じますので、そこのところを内山委員と、それから私、部会長と、それから事務局とにご一任いただきまして、そのような手直しでこれを修正したらいいんじゃないですか。それをお認めいただいた上で、この答申をお認めいただけますでしょうか。よろしゅうございますか。
                (「異議なし」と呼ぶ者あり)

    【部会長】どうもありがとうございました。これは少し手直しの量が多いわけですので、後刻、委員の方に送付していただくような手続できますか。

    【環境管理局長】はい。

    【部会長】それから、もう1回言いますと、私と内山委員長とそれから事務局の方とにご一任いただきますが、それは各委員に一応見ていただくということでご承認願います。よろしゅうございますでしょうか。
                (「異議なし」と呼ぶ者あり)

    【部会長】どうもありがとうございました。それでは、これでこの件は終わってよろしいですね。
      今、局長からご意見がありまして、今後進める際には、先ほどありました排出抑制専門委員会等、それの検討に当たって、先ほどのようなご意見も十分尊重して進めていくということを議事録に残させていただきます。
      では、この議案よろしゅうございますか。
    (「異議なし」と呼ぶ者あり)

    【部会長】ありがとうございました。
     それでは、最後に事務局から連絡事項等ございましたらお願いいたします。
      ございませんか。それでは、本日の会議はこれで終了いたします。どうもありがとうございました。