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中央環境審議会循環型社会計画部会
中国・四国地区 地域ヒアリング (松山会場)


○平成14年10月11日(金)13:00~16:12

○於:松山市総合コミュニティセンター 大会議室

<議事次第>

  1. 各界からのヒアリング
  2. その他

午後1時00分開会

○事務局 定刻になりましたので、ただいまから中央環境審議会の循環型社会計画部会、松山でのヒアリングを開催させていただきます。
 まず開催に際しまして環境省の廃棄物・リサイクル対策部部長の飯島よりごあいさつを申し上げます。

○廃棄物・リサイクル対策部長 環境省の廃棄物・リサイクル対策部長の飯島でございます。
 本日は加藤委員、篠木委員、藤井委員、そして、今回ご出席の皆様方、どうもありがとうございます。
 今回、循環型社会計画部会の地域ヒアリングということで中国・四国地区の地域ヒアリングを開催させていただくわけでございますが、循環基本計画と略して言いますけれども、そもそもは一昨年の通常国会で循環型社会形成推進基本法という新しい法律が成立しました。これによりまして、そのほか廃棄物処理法、資源有効利用促進法、食品リサイクル法、建設リサイクル法、あるいはグリーン購入法、一昨年の通常国会ではたくさんの廃棄物・リサイクル関係の法律ができたわけであります。一昨年を循環型社会元年としてこれからの日本の社会を循環型に変えていこうと、こういった枠組みができたわけでございますが、その枠組みの基本となります、この基本法に基づきまして基本計画を策定することになっています。法律上は来年の10月までにこの基本計画を策定すべきという条件になっているわけでございますが、スケジュールを前倒しいたしまして、我々今、中央環境審議会の委員の方々にお願いいたしまして、来年3月までに、今年度中に策定しようと。半年前倒しで策定しようという作業をしているところでございます。
 昨年来、審議会におきましていろいろご審議をいただきまして、計画の骨格となるような指針につきましてもご審議をいただき、そのときも地域ヒアリングあるいは広く国民の声を聞かせていただくパブリックコメントの場を設けさせていただきました。今年になりましてから、基本計画の中身の議論を中央環境審議会で始めていただいておるわけでございます。
 先月までにいろいろな議論をしていただきまして、今月はその成果を地方毎に、北海道から九州まで全国6地域でヒアリングをさせていただいております。松山は3回目でございます。このヒアリングの中身も十分に踏まえまして、再度部会を開いていただいてご審議の上、次は全国的な国民のご意見を頂戴しようと。そして来年の3月までに基本計画を作っていこうということであります。
 中身につきましては、これからのご議論の中で委員の先生方からもお話があると思いますけれども、そういう意味で大変重要な計画を策定するためにこの会議を開いていくことを申し上げたいと思います。どうぞ、活発なご意見をお聞かせいただきたいと思いますので、よろしくお願い申し上げます。ありがとうございました。

○事務局 それではお手元にお配りしておりました配付資料の確認をさせていただきたいと思いますが、配付させていただいております資料の方は座席表がございまして、地域ヒアリング次第が出ております。それと資料の1番としまして、循環型社会形成推進基本計画についてという「たたき台」と書いた資料がございます。今回のご意見をいただくのは、このたたき台に関してご意見をいただくということになります。次に、ヒアリングに際しての関心事項ということで、当方よりお尋ねをしたいような話のポイントをまとめさせていただいている資料でございます。それから参考としまして、用語解説の資料がついております。
 以上までが環境省より用意させていただいている資料でございます。
 この後、ヒアリングの方の今日の各団体の方々から資料をいただいております。
 帝松サービスさんより資料をパンフレット含めまして3点ほどいただいております。トクヤマ様の方からも紙の資料とパンフレット3点をいただいております。「愛媛リサイクル市民の会」様から関連資料が1点ございます。それから斐伊川くらぶの菜の花プロジェクトに関する資料と、それともう一つ小さいネットワークに関する資料の2点がございます。それから松山市さんからの資料で、紙の資料が2点ございます。最後に岡山県船穂町の資料でございますが、委員の方々には紙の資料で3点ございますが、傍聴の方には会議センターの資料だけが届いていると思いますが、これは現在追加でありますので、あとで休憩時間に傍聴者の方にもお渡しさせていただきたいと思います。
 資料は以上でございますが、会議の最中でも結構でございますので、もし不足などにお気づきありましたら事務局の方にお越しいただければご用意させていただきます。
 それではヒアリングに先立ちまして、本日ご出席いただいております中央環境審議会の委員の先生方をご紹介させていただきます。
 まず、環境文明研究所代表取締役所長の加藤三郎委員でございます。本日の議事進行をお願いいたします。
 次に、社団法人の全国都市清掃会議専務理事の篠木昭夫委員です。
 滋賀県環境生活協同組合理事長の藤井絢子委員です。
 次に、本日意見を発表していただきます6名の方々を紹介させていただきます。
 まず、有限会社帝松サービス取締役業務部長の辻井修さんでございます。
 株式会社トクヤマ資源環境事業グループ、グループリーダーの野嶋春紀さんでございます。
 特定非営利活動法人「愛媛リサイクル市民の会」理事長の吉田啓二さんでございます。
 特定非営利活動法人「斐伊川流域環境ネットワーク」事務局長の飯田幸一さんでございます。
 松山市環境部長の浮穴義夫さんでございます。
 船穂町参与の狩山恭三さんでございます。
 次に事務局でございますが、先ほどごあいさつをさせていただきました環境省廃棄物・リサイクル対策部長の飯島孝でございます。
 左側が適正処理推進室の室長の粕谷でございます。
 一番右、廃棄物対策課係長の山本でございます。
 また、後ろの方に環境省からも廃棄物・リサイクル対策の関係者がまいっております。
 それから本日、厚生労働省と経済産業省からも同席をいただいております。
 最後に、私は環境省廃棄物・リサイクル対策部の循環型社会推進室の補佐をしております染野と申します。よろしくお願いいたします。
 それでは加藤委員、よろしくお願いします。

○加藤委員 それでは早速6団体からの意見の陳述と、それに対する質疑というのを始めさせていただきたいと思います。
 もう既にご連絡がいっていると思いますが、各団体ともご発表は15分程度ということでお願いいたしまして、あと委員の方からそれぞれに対する質疑ということで、これも大体15分程度、全体で発表と質疑を入れて1団体30分ということでお願いいたしたいと思います。順番はあらかじめこのプログラムにありますとおり帝松サービスさんから始めさせていただきたいと思います。
 もう既に1時10分に若干時間を食い込んでおりますので、少しずつずれますけれども、先ほど言いましたようにおおむね30分ということで全体の終了を4時前後と予定しております。どうぞご協力お願いいたします。
 それでは早速、有限会社帝松サービスの方からご意見をお願いいたします。

○有限会社帝松サービス 帝松サービスの辻井です。どうぞよろしくお願いします。
 弊社の会社の事業概況といたしましては、レジメの中でポリエステルの製造工程におけます作業請負を主体でやっております。それ以外にポリエステルの製造工程でのくず糸類の回収・再生利用。それから、去年からやっておりますペットボトルのリサイクル事業。それと木材団地から出てまいります樹皮、バークと言います、これを土壌改良材として改良して製造販売をしておりまして、現在、結果的にはこのようなリサイクルに関する事業が主体となっております。
 今まではポリエステルのくず糸の回収、再生につきましては、帝人さんの工場の中でしか行っておりませんでした。大きな社会の仕組みの中でのリサイクル事業としましては、ペットボトルのリサイクルを始めてからでございまして、まだ1年半しか経っておりませんので偉そうなことは申せませんけれども、このペットボトルのリサイクルをやらせていただきまして、これを通じましての状況及びこの間にいろいろと感じたことなどを少し提言させていただきたいと思います。
 リサイクルにつきましては、ペットボトルの回収で愛媛県を中心に四国各県しか回っておりません。四国以外では回収はやっておりませんけれども、リサイクルについての認識度、関心度といったものを、この回収をしておりまして、それぞれでいろんな話し合いをした中、また環境展、リサイクル展なんかの出展要望がございまして、このようなものに出展させていただきました。それと弊社のペットボトルのリサイクル工場の工場見学という要望がございまして、そういうところでいろいろとプレゼンをやらさせていただいております。プレゼンをしたり、工場見学をしたり、意見の交換をしたりしているわけでございますけれども、平成13年度は約 2,000人の方に工場見学においでいただきました。
 このような点から判断いたしますと、環境展なんかの出展はまだまだ来場者が少なくて、興味がまだ低いといったような実状で、リサイクルにつきましては認識度が低いのではないかというように感じております。東京や大阪といったところでこういう環境展なんかの出展をしたことはございませんので判断できませんけれども、但しこの12月に東京ビッグサイトでエコプロダクツ2002というのがございます。それに帝人さんと協同出展させていただきますので、このときにも少し反応を確認させてもらいたいなというように思っております。
 このような状況を踏まえまして、リサイクルにつきまして私なりに、またこの会社なりにいろいろな問題点を感じておりまして、そういう中から2点だけ問題点として述べさせていただきたいと思います。
 2ページ目に問題点ということで書いておりますけれども、1つは環境教育に関してでございまして、工場見学、それから環境展なんかにおいでになられる方、小学生の方は4年生から学習しているわけでございますけれども、小学生の児童はいろいろと興味を持っておりまして、いろんな視点で意見を言ったり、また作文を書いて質問をしてきたりというようなこともございますけれども、学年が上がりまして、中学、高校、大学というように学歴が上がっていくに従いまして、あまり関心を持っておられません。もう本当に良く勉強している方ぐらいでございまして、受験勉強が忙しいのでそれどころではないということなのかもしれませんけれども、学歴が上がるに従って、こういう環境問題に関するもの、リサイクルに関するものについての興味があまり持っているようには感じられないというのが1つでございます。
 それから付き添いの先生方とか、先生方だけでも勉強においでになられるのですけれども、先生方の中でも生徒さんに教えたいので勉強しに来たという方々から、よく勉強して、いろんな質問をされる先生方まで、先生方の中でも非常に温度差がございます。
 それと年配の方々も結構いろいろなところから、各地方から、四国以外のところからも、一番遠いところは秋田県からもおいでになられました。年配の方々は生涯学習の一環ということで、いろいろと勉強をなされておられるようでございまして、リサイクルにつきましては、地域での普及とか指導とかという点では非常にいいことだと思っております。
 しかし、これがどの辺まで浸透していけるかということにつきましては、ちょっと私どもでは判断はつきませんけれども、たくさんの方が環境について勉強していただくことは非常に底を上げていくためには必要なことだと思っております。
 学生さん方、それから先生方と、いろいろとお話させていただきましても、この環境教育につきましてどういうことをどういう方向で進めていくのか、どのようなことを考えているのか等につきましては、残念なことに先がちょっと見えにくい状態でございまして、なかなか私どもは理解できないというようなところがございます。
 よく言われています環境先進国のドイツでも、環境教育を始めて35年と聞いておりますけれども、教育を受けた方々が今では親となって子供さん方の教育をやり始めたところだということで、ようやく浸透してきていると言われているぐらいでございまして、やっぱり環境教育というのは非常に息長く、粘り強くやっていかなければいけないもので、環境はつけ焼き刃的にできるというものではございませんので、非常にこういう教育が大事だなということをつくづく感じております。
 それから2番目には、こういう事業に携わっております事業者に関しての問題でございますけれども、リサイクル事業につきましては、いろいろなものの排出者、それから回収者、それを処理する業者、再商品化製品を作る生産者、またそれを流通して販売している者、それを買って消費している者へスムーズに商品が回っていかなければいけない。いつも回していかなければいけないと思っておりますが、ここでそれぞれのところで欲を出していきますと、どこかが行き詰まってしまって、これがスムーズに回らないというように思います。
 一番注意していかなければいけないのは、例えば処理事業をやっている、私どももそのうちの1つでございますけれども、事業をやっている者も当然事業をやっている以上、適正な利潤を得なければならないのですけれども、こういうリサイクルのものをやってみて感じているのですけれども、これは設備を入れたら設備償却ができて、必要な人たちを雇うことができて、赤字にならなければよしというような事業と思っておかなければ、こういうリサイクルをスムーズに回したり、それから長続きさせたりというのが難しいのではないかなと思っております。そういうスムーズに回すために、1つはやはり安いものを安く処理していく。それから安い商品を作って、消費者に気に入られるようなものをできるだけ多く作っていくという格好で物を消費していかなければ、これが回っていかないと感じております。
 一般的にはリサイクルしたら付加価値が付くと勘違いしている事業者もおられます。それからグリーン購入をしたら高くても当然だと思っておられる方々もおられますけれども、これはやっぱり私どもやってみて勘違いだと思います。やっぱりリレーリサイクルして、排出者の方は消費者でもありますので、その人たちに還元できるような格好で進めていかなければ回らないのではないかなと思っておりまして、そういう排出者、消費者の方々からそっぽを向かれるようなリサイクルであれば、これはスムーズに回らないのではないかなというのが、私どもがこの事業をやらせていただいておりまして強く感じた1つでございます。
 もう一つは、こういう一般的にエコ製品というのを作っているところがございますが、やはり安いということもありますけれども、消費者の方々に満足できるようなものがまだできてないということで、そういうものをまだまだ改善する余地もある。安いものを作る技術を改善する余地もある。それ以外に商品開発力とか、それから販売方法とか、こういうものを事業者、私どもそのうちの1つですけれども、事業者の方々が改善、工夫をしていく努力をやっていかなければ続いていかないのではないかなと反省もしております。
 リサイクルを長続きさせて、地域に密着させてスムーズに回すということにつきまして、どういう点に気を付けていかなければいけないかなということは、私どものペットボトルのリサイクルをやってしか思いついておりませんけれども、最後の3ページ目の6番のところに5つほどちょっと提言をさせていただいております。こういうような法律的なものから、教育、それから自治体との連携で、実際にこういうリサイクルに携わっている人にもやはり何か報われるような格好のシステムを考えていかなければ、何かやったけれども何にもなかったというような感じでは、続けていただけないのではないかなと思います。
 それ以外に、最後にリサイクルを継続させるためにということで、先ほども少し述べさせていただきましたけれども、地域住民の方々にそっぽを向かれないような制度というか、方法というか、これはここに書いておりますような点を踏まえて、処理事業者、それから行政の方々もあわせましてこういう点を努力していかなければいけないのではないかと私どもは考えているわけでございます。
 簡単でございますけれども、一応私どもがこのペットボトルのリサイクル事業を始めさせていただきまして感じた提言ではございますけれども、このような点を発表させていただきまして、終わらせてもらいます。
 以上です。

○加藤委員 どうも辻井さんありがとうございました。大変貴重なご意見の発表ありがとうございました。
 それでは早速質疑に入りたいと思いますが、藤井委員。

○藤井委員 どうもありがとうございました。
 赤字にならなければよしという随分悲壮な決意のご発表で、こういうワークグループで支えられているのかなというので、ちょっと身がひきしまる思いで拝聴しました。
 ちょっと数字的なことを伺いたいのですが、四国一円で回収なさっていらっしゃるということで、辻井さんところ以外にもあるのかと思われるのですが、四国圏内でペットボトルは年間にどれだけ利用量があって、そして原料として回収されているのはどのくらい。それからもし差し支えなければ、この四国管内から海外に輸出しているペットボトルがあるかどうかというのが、まず伺いたいことの1つです。
 それからもう一つ、安さをかなり強調なさっているのは、確かにリサイクル製品が市場に出ていく場合にはコストというのは非常に意識しなければいけないことではありますが、ただ先ほどの海外のことと関係ありまして、他の野菜にしても、工業製品にしても海外との関係がごらんのような状態が起きてますね。これもリサイクルの個々の商品の中でも安さを強調される中で非常に大きな地域内の循環が崩れて、海外とのルートが入ってきたときに、今なさっていることに支障はないか。
 もう一つですが……

○加藤委員 少し数を絞って。一つ一つの方がいいかなと。すみません、また後でどうぞ続けてご質疑を。

○有限会社帝松サービス それでは最初にご質問の年間の四国での収集量でございますけれども、四国4県で年間 4,900トンでございます。それで私どもが落札させていただきました数量が年間 2,600トンでございます。
今、収集量としましては今年度 2,600トン。初年度の去年は 1,500トンだったのですけれども、これは毎年入札制度でございますので、来年何トンになるかというのはちょっと分かりません。
それから海外の輸出の話でございますけれども、ペットボトルのフレーク、私どもはマテリアルリサイクルでございますので、フレークを作っておりますが、フレークは輸出禁止です。ですから輸出は私ども一切やっておりませんし、今私どもの出口でいえば繊維関係、これは帝人さんでございますけれども、それから成型品関係、これは 100円ショップのダイソーさんなんかに出してますので、 100円ショップで使われる場合の値段です。それからシート類、卵パックとか、そういうようなものですね。今の段階では、私どもの 2,600トンではまだ半分も供給できない状態でございますので、それだけの需要量がまだこの愛媛県ではございますので、輸出なんかするどころではございません。一番はやはり輸出が法律上禁止されておりますので、これは絶対に守らないといけないと思っております。
 それからコストの話でございますけれども、今、中国とかから入ってきたということでコスト競争力の話でございますが、出口の製品の種類によって製品の品質度合いが全然違います。一番難しいのは繊維でございまして、中国から入ってきたものを一度見たことがございますけれども、とても使えるようなものではございません。
ただし、設備とか、加工技術は年数が経てばそれぞれ技術が上がるかもしれませんけれども、今私どもがやっております値段では中国でもできないような値段だろうというのは思っておりますけれども、これが続けられるかどうかというのはちょっと分かりません。今の段階では品質的には絶対にこの分野ではこれでないというのが1点。それからコスト的には負けないような状態で。ただし、これはあくまで回収量が例えば今申しましたような数量、もしくはそれ以上であればという話が前提でございます。

○篠木委員 全都清の篠木でございます。
 現場の経験が生み出した貴重な提言ありがとうございました。
 特に出された資料の6番の今後の対応策というところで、特にお話としては環境教育の重要性。それとリサイクルを継続するための提言をいただいておりまして、これはあらかじめごらんいただいておりますたたき台の中でも、特に国の役割という中でかなり強く位置付けておりますので、これからやはり重要な課題だろうと思いますので、貴重なご提言いただきましたので、一応提言を採用させていただきながら拡充する方向で取り組ませていただければと思っています。
 特にご指摘いただいたとおり、小学校の4年生で廃棄物問題に取り組んで終わってしまっているのです。あとやる人は大学の衛生工学とか環境工学とか、そういった分野であって、その間に寝ているというところに大きな問題があるようにも思いますので、やはり学校教育の中での環境教育の重要性というのはもう一回再構築しなければいけないのかなということをつくづく感じました。
 それでリサイクルを継続する中で私自身も再生資源が天然資源よりも価格的に安くなければ普及しないだろうと思うのですね。やはりリサイクルもビジネスですから、市場経済に乗らなければいけないと思うのですけれども、なぜ再生資源が天然資源より高くなってしまうというふうに考えるのか。現場でもし感じるところがあったら教えていただきたいということが1つと。どうしてもダメならば、例えば天然資源に課徴金を掛けるということをやらなければいけないのかも分からないのですが、そういうのを実務をやっていらっしゃる現場としてはどういうことが考えられますか。
 実はたたき台の中にはデポジット制度とか、課徴金という言葉を入れてございまして、国が考えようとしておりまして、我々もそういった手段というのは必要なのかという感じが実はしているわけなのですが、お考えがあったらちょっとお聞かせいただきたいと思います。

○有限会社帝松サービス 2ページ目の事業所に関しての問題というところで2のところがございます。今おっしゃられたのは、現状だけではなくて製品という捉え方でもよろしいんでしょうかね。
 1番は私はもともとこれをやる1年半前までは帝人の本社で営業をやっておりました。その製品関係の販売につきまして、値段とか、流通の仕組みとかというのは結構いろいろと勉強させてもらったのですけれども、繊維は非常に歴史があって古い体質でございますので、流通機構が複雑でございます。そのために外していってはいるのですけれども、やはりなかなかそういう付き合い上の問題とか、古い慣習なんかが入っておりまして、ただ単に通すだけで値が上がっていくというような格好になっているのが非常に多くございます。
 私どもがいつも感じているのが、ただ通しているブローカーさんが外車を乗り回しているのに、一生懸命汗水垂らしている人が自転車に乗って頑張っているというような構図も感じられるわけでございます。この間に入っているというのが一番の問題でございまして、私らが今までいろいろとやってきてなかなか外せないところもあるのですけれども、どうやって外していくか。このリサイクルというものについては、もっとその辺のところドラスチックにブローカーを通さない、商人は要らないという格好で、処理した業者が、製品を作っているところに直接やりあって、安いものができないのか。先ほど藤井委員がおっしゃられました中国とか、ほかの国に負けますよというような格好で、プレッシャーをかけていかない限り、直接の商売のやり取りというのはなかなか難しいのですね。
天然資源とどうかという話も分からないのですけれども、とりあえず間を外していく。自分らが一貫して物を作っていく。できるところまでは自分らでやっていく。ここから先はどこかに頼まなければというところまで。一個一個今まで日本の場合は工程ごとにいろんなところへ回しておりますので、全部そういう利潤、保険がかかっていきますからどんどん上がっていきます。そういうものをできるだけ一貫して、短いルートで行うことをすれば、少しでも下がるのではないかなと思ってはおります。
 2はちょっとそれのことをにおわせた程度でございますけれども。

○加藤委員 どうぞ。

○篠木委員 関連して、今の再生品のリサイクルの難しさにも含めていただいたと思うのですが、私ども経済産業省とその勉強会をやってまして、再生品のリサイクルは回らないというのは痛いほど感じているのです。今日は自治体の方も来ていただいているので出てくると思うのですけれども、非常に素材が複雑でくぎを打ったりしていてなかなか回らないというのがあるのですね。
実は最近のことで拡大生産者責任という考え方がございまして、生産者に今まで利用があったとき最後まで責任持ってもらいたいということを実は自治体関係者には特にお願いしているわけなのですが、例えば帝人さんあたりで売った繊維が要らなくなったから返したときに、そこまできちんと責任を持つという体制を作りますでしょうか。

○有限会社帝松サービス 私は帝人ではございませんので、今は。そこらは申しきれませんけれども、今、帝人さんが繊維リサイクルというのをおやりになっておられまして、これは何社かと組んでそういう製品は全部自分のところで回収します。これを原料リサイクルという徳山工場でおやりになっておられる工程で処理する。
ただし、原料リサイクルするには非常に設備費がかかりますので、とても大きなところでないと設置できませんし、マテリアルリサイクルをやっているところではちょっと難しいのではないかと思います。

○加藤委員 それでは藤井委員。

○藤井委員 今日お触れにならなかったのですが、私は楽しみにしたもう一つのバークの方なのですが、ちょっとバイオマスに関心があるものですから。
こちらのバークの方が早くからなさっていらっしゃるわけですよね。この昭和62年ですから1987年からなさっていると思うのですが、この間の木質などの関心の高まりの中で、このバーク、これを使ったものに対する需要とか関心度というのがどのように変わっているというふうに肌で感じられますか。いや全然変わってないということなのか。
それから今まで使っていらした原料と、それからこの木質に対する関心度と、そういう地域の動きによって集まってくる原料にこういう差が出てきているとか、その辺りのことがお分かりでしたら教えてください。

○有限会社帝松サービス バークにつきましては62年からやっているのですけれども、これについては年々確かに上がってきているのです。一番は高速道路の法面の緑化地盤材でございますけれども、こちらは公共事業が縮小してきますので、今のお話ではどんどん下がってきているというのが事実でございます。もう一つは、それ以外に何が増えてきているかと申しますと、1つはやっぱりハウス農業でございまして、これは輪作対策という格好で量がかなり増えてきた。それとやっぱり園芸部門ですね。これはホームセンターさんもかなり増えてきております。私のところの名前ではございませんけれども、OEMという格好でやっております。今のところまだ四国でしか増えていません。
 実際には非常に軽いものでございますので、四国を離れて東京とか大阪とか、あの辺もあちこち売りに回りましたのですけれども、やっぱり運賃が高い。なかなかコスト競争がしんどいので、今の段階では四国一円でずっといろんな用途を広げてやっていきたい。緑化地盤材が落ちてきた分を他の用途で事業をやっていきたいというところでございます。
 それから材料につきましては、私どもは松しか使ってません。この一番の理由は、松の皮は分解するのですね。土に戻るのです。杉、ヒノキ、こういうものはなかなか木質部が多くございまして、これは分解しづらい。非常に年数がかかる。ですから、木質の家が長持ちしているということになっていると思うのですけれども。ですから、私どもはもうほとんど松しか使っておりませんので。それに肥料も10%の鶏ふんしか入れておりませんで、余分なものは一切入れないという格好で1年間の熟成をやっております。帝人さんの広い土地をお借りしており、野積みで1年間やっているので、品質的には全国32社ございますけれども、3本の指の中に入っている状態でございますので、あちらこちらから買いに来ていただいているのが実状でございます。

○藤井委員 もう時間の問題がございますから、また後で伺います。

○加藤委員 ちょうど予定の30分になりましたので、このくらいで。おそらくまだ質疑もあろうかと思いますが、大変ありがとうございました。非常に明快なご説明、それから非常に資料もたくさん出していただきまして、本当にありがとうございました。
 それでは次に移るのですが、なお各ご発表者ともそうなのですけれども、質疑が終わった段階でご退席いただく場合も結構でございます。もちろんそのままお残りになって、他のプレゼンテーションをお聞きになるのは一向構いませんが、お仕事の関係でご退席いただくのも一向構いませんので、どうぞご自由にしていただいて結構です。ほかのプレゼンテーターについても同じことでございます。
 それでは株式会社トクヤマの野嶋さん、お願いいたします。

○株式会社トクヤマ 株式会社トクヤマの野嶋と申します。
 本日はこのような機会をいただきましてありがとうございます。まず、前半で当社のリサイクルに対する取り組みについてご説明いたしまして、後半で循環型社会基本計画について多少ご意見を述べさせていただきます。
 私どもの会社、株式会社トクヤマは総合化学会社でございまして、その中でセメント事業も営んでおります。弊社のセメント工場では、カルシウム、シリカ、アルミナ、酸化鉄、こういうものを主要成分とします原料をセメントキルンの中で約 1,500度の温度で焼成反応しまして、セメントの中間製品でありますクリンカを製造いたします。その場合の燃料としましては微粉炭を使用しております。ところが廃棄物の中には、このセメントの原料となりますこのような成分が多く含まれておりますので、いろんな廃棄物を原料として使用できますし、可燃性廃棄物は燃料として使用することができます。セメント産業は非可燃性、それから可燃性を問わず、さまざまな廃棄物あるいは副産物を大量に受け入れて、セメント製造用の原料・燃料としてリサイクルしておりまして、循環型社会の構築に向けまして貢献できる産業であると考えております。
 このような背景の中で、当社も廃棄物のリサイクルに取り組んでおります。平成13年度の廃棄物・副産物のリサイクル量は 182万トンとなっております。原料として受け入れている廃棄物は石炭灰、各種汚泥、燃え殻等でございます。また、燃料として受け入れている廃棄物は塩化ビニル以外の廃プラスチック、廃タイヤ、木くず等でございます。
 これらの中から、本日はごみ焼却灰のリサイクル、廃プラスチックのリサイクル、廃塩化ビニルのリサイクル技術への取り組みについてご紹介させていただきます。
まず最初にごみ焼却灰のリサイクルへの取り組みについてご説明いたします。
本件は一般の都市ごみのごみ焼却施設で排出される焼却灰を前処理したときに、普通セメントの原料としてリサイクルするものであります。山口県主導で推進されました産官学からなる「山口ゼロエミッション推進協議会技術検討部会」の取り組みの1つとしまして、平成11年から12年にかけて実証試験が行われました。この結果を踏まえまして、焼却灰をセメント原料化する会社として「山口エコテック株式会社」を当社と宇部興産さんの出資によって平成13年4月に設立いたしました。この山口エコテックの焼却灰処理能力は年間5万トンで、本年4月から創業を開始しております。この事業は山口県全体の市町村のごみ焼却施設から排出される焼却灰をリサイクルするもので、やまぐちエコタウン事業の中核に位置付けられております。
 焼却灰には焼却炉の炉底から排出される主灰と、それから集じん機で補足される飛灰がございますが、どちらにもセメントの主要成分でありますカルシウム、シリカ、アルミナ、酸化鉄、これらの成分が多く含まれておりますので、セメントの原料として使用することが可能です。しかし、この主灰、飛灰とも塩素も含まれておりますし、飛灰にはダイオキシンが含まれているものもございます。
 したがいまして、セメント工場の受け入れ基準に適合させるために塩素を水洗除去するとか、ダイオキシンの無害化を行う等の前処理をしまして、セメントの原料として使用することにいたしました。各焼却施設から出ます焼却灰は、特殊な専用トラックによって山口エコテックに搬入されます。主灰は異物除去をしまして粉砕して水洗いすることによって塩素を取り除きます。また飛灰は脱ダイオキシン装置でダイオキシンを無害化しまして、その後主灰とともに塩素を水洗除去して、そして脱水したケーキを当社と宇部興産さんのセメント工場で原料として使用しております。
 これらが今やっておりますごみ焼却灰のリサイクルへの取り組みでございます。
 次に、廃プラスチックのリサイクルへの取り組みについてご説明いたします。
 当社は塩ビを除く廃プラスチックをセメント製造用の原燃料として大量に有効利用する技術を平成7年から10年にかけて確立いたしました。本技術はフィルムから成型品までの広範囲の形態の廃プラスチックを対象としまして、約30ミリに破砕するだけでセメント焼成用の窯でございますキルンの前の方から約 1,800度の高温領域に吹き込んで燃焼させるものでございます。廃プラスチックの燃焼によって発生する熱はセメント製造用の熱として、焼却炉残さはすべて原料として有効利用するものでございまして、これらをセメント原燃化と称しております。
本技術の特徴をご説明いたしますと、まず1つはLCAの面ですぐれた技術であるということです。
 その理由の第1は、このリサイクルをしますときの前処理は破砕のみでございますから、リサイクルに伴って新たに投下するエネルギーが少ないということです。
 2つ目の理由は、廃プラスチックの燃焼によって発生する熱は主燃料であります石炭を使用する場合と同等の効率で有効に活用されますし、それから焼却残さはすべてセメントの原料として活用されますので、資源の有効利用率が高いということでございます。
 それから2つ目の特徴でございますが、約 1,800度と高温雰囲気下で完全燃焼しますので、ダイオキシン等の有害物が排出される心配はないということ。
 3番目は大量の廃プラスチックのリサイクルが可能であるというようなことでございます。
 この技術につきまして、産業廃棄物系の廃プラスチックを対象として独自の収集システムを構築して、平成11年から廃プラスチックのリサイクル事業を行っております。当社の廃プラスチックリサイクル設備能力は現在、年間4万 5,000トンですけれども、平成15年、来年は8万 5,000トンに増強しまして、将来的には16万 5,000トンにまで能力増を図っていく予定にしております。
 3番目に塩化ビニルのリサイクル技術についてご説明いたします。
 平成10年から12年にかけまして、塩ビ工業、環境協会さん、塩化ビニル環境対策協議会さん、プラスチック処理促進協議会さんと共同で技術開発に取り組みました。
 技術の概要は次のとおりでございます。
 まず破砕した廃塩化ビニルを約 350度で蒸し焼きにしますと、塩化ビニルは脱塩素化されまして、塩化水素が発生いたします。また塩化水素が抜けた後には炭素を主体とする高発熱量の固形物が残ります。この塩化水素は精製して塩化ビニル製造用の原料としてリサイクルします。固形物はセメント製造用の原燃料としてリサイクルするというようなことでございます。
先に廃プラスチックのリサイクルということをご説明いたしましたけれども、その前には塩化ビニルを対象外としておりました。しかし、この技術を開発しましたことによって塩化ビニルのリサイクルも可能となりました。これらの一連の技術を基礎としまして、山口ゼロエミッション推進協議会技術検討部会の中で、家庭から排出される廃プラスチックのリサイクルの実証実験を行いまして、塩化ビニルも含めて問題なくリサイクルができることを確認しております。したがいまして、容器包装リサイクル法のその他プラスチックのリサイクルにも十分対応できると考えております。
ここからは基本計画に関連した意見を若干述べさせていただきます。
第1点目は容器包装リサイクル法でも、サーマルリサイクルに対して適正な評価をお願いしたいということでございます。持続的な社会を作っていくために環境負荷を低減させるための施策を講じていくことが求められておりますが、その視点から見ますと望ましいリサイクルの手法とは、一言でいいますとLCA的にすぐれている手法ではないかと考えております。そのことをもう少し具体的に申しますと、次の2つの条件を具備した手法であります。
 その1つはリサイクルに伴って、新たに投下するエネルギーが少ないことであります。
 2つ目は廃棄物の持つ資源としての有効利用率が高いことであると考えます。
 現在、容器包装リサイクル法のその他プラスチックの再商品化手法としましては、マテリアルリサイクルとケミカルリサイクルが認められておりまして、サーマルリサイクルは認められておりませんが、再商品化手法を決定するに当たりまして、LCA的な観点から、その数値的根拠が明確に示されておりませんので、なぜマテリアルリサイクルとケミカルリサイクルが他の手法に対してすぐれているというのか理解できません。サーマルリサイクルといいましても、さまざまな手法がございまして、そのすべてがマテリアルリサイクルやケミカルリサイクルに比較して劣っていると規定してしまうことは適切な判断であるとは思えません。したがいまして、環境負荷低減の観点からの一定の満足すべき数字的基準を設けまして、その基準を満足する手法であればサーマルリサイクルであっても容器包装リサイクル法の再商品化の手法として認めていただけるよう希望したいと思います。
 第2点目でございますが、公共岸壁での廃棄物の搬出搬入をやりやすく条件整備を進めていただきたいということでございます。
 地域内で循環させることが理想でございますが、そこの地域の需給バランスにおいて整合性がとれない場合が多くございます。そこに経済性が働きますので、必然的に広域的なリサイクルも必要となってまいります。そして、大量の廃棄物を低コストで輸送するという場合には海上輸送が適しているのですけれども、廃棄物の船の積み込み場所、荷揚げ場所の確保が困難なため、そういう取組が実現できないことがございます。このような場合、公共岸壁を活用できるよう諸条件を整備していただくことができましたら、静脈物流システムの構築にも大きく寄与すると考えます。幸い、循環型社会実現のための施策の1つに静脈物流システムの構築が挙げられておりますので、今後の展開を期待しております。
 以上です。

○加藤委員 野嶋さん、どうも明快な意見ありがとうございました。
 それでは早速、篠木委員。

○篠木委員 セメント原料化の話を聞かせていただきまして、ありがとうございました。
 最近非常にセメント分野で廃棄物の特に焼却残さが使われているということで大変私どももこのように発展すると期待しているわけでございます。ありがとうございました。
 それで幾つが伺いたいのですが、受け入れる際に、例えば一般廃棄物で言えば市町村から当然お金をいただいてやられていると思うのですが、それはやはりこの問題の重要性から、塩素を取り除いたり、ダイオキシンを取り除くという問題がございますので、その費用分ぐらいはという考え方の費用の負担になっているかどうかということをまず教えていただきたいと思うのですが、その辺のコストの関係が分かりましたら。

○株式会社トクヤマ ご存じのようにセメント工場では一般廃棄物、この焼却灰に限らず産業廃棄物系の廃棄物も受け入れるわけですね。その場合に例えば焼却灰でございますと、セメントの原料でございます粘土の代替として受け入れるということになります。その場合にセメント工場に入りましたときに、その他の産廃ございますね。いわゆるその目的を焼却灰と同じような目的で受け入れる産廃系の廃棄物がございますが、それは当然処理費をいただいている。そういう意味ではそこに経済原則が働きますので、焼却灰を受け入れていく場合には、やはり産廃系と利益の面である程度、事業に対してそれなりのメリットがないと成立しない話ですね。したがいまして、前処理をした後、セメント工場に入るときにそういう産廃系の廃棄物と競争できるような処理費を工場にいただくというような感じでございます。
 したがいまして、この山口エコテックに入りますときは、そこの前処理のコストと、それからセメント工場で受け入れる処理費といいますか、それらから構成されております。

○加藤委員 それでは藤井委員。

○藤井委員 このサーマルリサイクルについては、これだけで議論しても相当大きな問題になると思われます。それで私は循環型社会計画部会の委員の一人として、私は常日頃考えていることを申し上げたいと思うのですが、まず容器包装リサイクル法ができた前提で日本の国の法律の作り方が、私自身はぼたんのかけ違えがあったと思っておりまして、そのごみを回避するという大前提なしに、この容器包装リサイクル法ができているために、たくさん出てくるものを前提にリサイクルシステム化をしてしまう。でも、本当は私たちが目指す社会の中では、できるだけ出なくなる社会の仕組みに持っていくという、その前提がないといけないのではないか。
 ですから、私から言えば、極論サーマルリサイクルというのは、もう絶対に対極にあるものなのです。私たちの目指す社会をどこに置くかということの中で多分議論しなければいけない。ただ、今の流れで言えば、最も合理的に、効率的にやる。それはサーマルリサイクルでしょうという話は必ず議論に出てきます。今サーマルリサイクルをどうするかということをここではできないのですが、私自身の意見はそんなところです。皆さんは違うかもしれませんが。

○加藤委員 他に。事務局、染野さん。

○事務局 事務局からご説明をさせていただきますと、2つございます。
 1つは循環型社会形成推進基本法におけるサーマルの扱いでございますが、この循環基本法では順位としてリデュース、リユース、それでリサイクルのところはマテリアルが先に優先されましてサーマルと言われております。ただし、この点に関しましては、ご指摘のようなLCAを行っていただいて、サーマルの方が合理的な場合があれば順序が逆転するということもあり得ますというような法律の解釈の仕方になっております。これは一般的でございます。
 容リ法に関しましては、今、藤井先生からいただいた意見もございますし、サーマルとの位置付けの話もあるでしょうし、こういうのはご指摘がいろんな方面からあると思いますが、容器包装リサイクル法の完全施行をして、ちょうど2年を迎えまして、今後法律をどういうふうにまた考えていくかということに関しては数年先を見越して、今LCAについての研究だとか、そういうものを進めているところでございますので、またそういう成果を踏まえて考えていかれるものと思っております。
 一応、国の立場の状況説明だけさせていただきました。

○加藤委員 篠木委員。

○篠木委員 サーマルリサイクルの問題はまだまだ議論が続くところでございまして、先ほど藤井委員が言われたように、やはり廃棄物を出さない社会にするということが第一でしょうから、やはり廃棄物が絶えず出てくるということを前提にして、それをどう効率的に処理するだけでは解決しきれない問題があるのだろうと思うのですね。
 ただ、ここで言っていることも、それを使わなければ、他の天然資源を使って物を作ることがあるとすれば、それよりは資源リサイクルとして、ちょっと言葉は悪いかもしれないのですが、そうするといいのではないかという考え方があると思いますので、やはり現時点でどう評価するかということと、将来的にどうあるべきかというのはやっぱり違うなという感じがしておりますので、やはり私はただいまの提言を1つの形式として受けとめさせていただいたのですが、今後のリユースを優先するという立場の中で今後はどういうふうになっていくのか。
 例えばガラスで言えばリターナブルですね、ああいったものをこれからどういうふうにしていくのか。それの方が明らかにマイナスなのかどうなのかということも含めて突き詰めていく必要があるでしょうし、現状をどう評価するかというのは、やはり自治体から言うと増える一方ですので、このままでは非常に困るという意識を持っているのですけれども、これからの社会生活の中でどうなっていくかということが、これからよく考えていく必要があるのかなという感じがしておりますので、とりあえず貴重な意見としては大変興味深く聞かせていただきました。ありがとうございました。
 それで塩ビの関係で、いろいろ研究されて取り組んでいただいたのに大変敬意を表して、ここの説明ですと、産廃といった、あるいは塩ビとそうでないのと交えてやっても大丈夫だという、できるというか分からないのですが、塩ビを脱塩素化するときに、塩ビなら塩ビでまとめてやった方がコスト的というか、技術的にやさしいというものであるのでしょうか。

○株式会社トクヤマ これは脱塩素化の技術、各種ありますけれども、それによってもおおよそリユースの面でそういうオレフィン系が入っていても大丈夫なものと、やはりちょっと難点がある場合とございますが、オレフィン系があっても技術としては確立されております。
 あとはコストの面でございますので、そういう意味ではよりその塩ビの分別度を上げて、脱塩素にかける、これを少なくするには、そういうところもコスト的にはその方が有利かと思っております。

○加藤委員 他に委員の先生方よろしいですか。
 それでは私の方から。
 非常に今の篠木委員のご質問にも関連するのですが、飛灰のところで脱ダイオキシン装置というのが書いてあるし、おっしゃってもいらっしゃるわけですが、この脱ダイオキシン装置というのはどんなものなのですか。これはキルンでは無理なのですか。

○株式会社トクヤマ 十分ご存じかと思いますが、キルンの中でもダイオキシンの分解は可能なのですけれども、私どもこういう方法を採用したということでして、例えば塩素を抜く場合に水洗いしますが、その場合に水処理設備の方に万が一でもダイオキシンが流れ込む。それからそれを水洗いしましてセメント工場の方に持っていって、すぐにキルンに入れるわけではなくて、ある輸送工程とかを経て入れることになります。そういうところでダイオキシンが飛散するとか、そういうこともやっぱり、そういうリスクも抑えたいということで脱ダイオキシン装置を取り入れました。

○加藤委員 なるほどよく分かりました。大変丁寧なお答えありがとうございました。
 他に、よろしゅうございますか。
 それでは予定の時間よりもちょっと早いですが、ありがとうございました。
 それでは、3番目のNPO「愛媛リサイクル市民の会」の吉田さんお願いします。

○特定非営利活動法人「愛媛リサイクル市民の会」 愛媛リサイクル市民の会の吉田です。
 2、3カ月前に、この審議会の場に出て環境保金活動の実践を通した話をしてくれないかという四国事務所の方からお話があったのですが、私は、実は何々省とつくのは非常に不思議な得体の知れぬ存在だなと思っていました。実は7、8年前に、私、中小企業の経営者ですけれども、愛媛の事業所やオフィスから出てくる紙を地域で完結させるシステムを作っていこうと。それが当時の通産省の外郭団体の話でありまして、1年ほどの単年度事業でしたけれども、必死にこの松山の事業所を走り回って、やっと我々のネットワークができてスタートできるなという局面に立った後、そのまましり切れトンボになりそうになっていた。我々参加しているメンバー、役員は、これは継続して必ず続けていかなければいかんなということになりまして、高松の当時通産局の課長が非常に真摯に捉えていただいて、しかし財源は何もないし、月々 5,000円のチームなりリーグを維持していくお金を作って、事務局もない。では、吉田君、何とかこういった良いものは残したいなということで、霞ヶ関の本省に行きましたら30代後半の課長さんが出てきまして、踏ん反り返って、もう少し1億、2億の話を持ってきてくれと。私は実は 600万の年間の計画書を持って伺ったのですけれども、そのときに非常に私も愕然とするというのか不愉快になりまして、その課長さんにある程度説明して、その横に年配の方が二、三人ついていただいて、時々私の方と目が合いまして真剣に聞いていただいているな、そういう目でございました。
 とりあえず私は課長さんとけんか別れをした形で帰ってきまして、これはもうダメだなということで高松の課長補佐さんと2人で、もう少し時期を待とうなということで帰ってきた記憶があります。しかし、その後1カ月ぐらいしましたら、その横で聞いていらっしゃった年配の方から、あの人は本気でやりそうだということで、また調査のモデル事業という仕事をいただきまして、我々メンバーたちがあちこち走り回って調査をして、それを財源として、愛媛エコリーグというこの松山の事業所をつないで紙の古紙の再生をしている、そういったリーグが今残っております。
 申し遅れましたが、そういったお話がありまして、今日は我々の愛媛リサイクル市民の会の活動を通した話で構わないと。その中でいろいろと循環型社会に関しての課題だとか、自分が思っていることがあれば述べておいてくれないかというご要望でしたので、快くお引き受けして今日まいっている次第です。
 この愛媛リサイクル市民の会というのは、平成6年、皆さんのお手元の資料にありますけれども、活動記録というのがあります。これを私も昨日ちょっと夜遅かったもので寝る前に女房と晩酌しながら、この資料を見てみたのですが、ちょっと振り返ると本当に9年という長い期間の活動を通して自分が忘れてしまいそうな前半の時期があったりしているわけですが、当時はまだまだこの市民活動という、そういった意識が行政の方も希薄でありまして、我々は最初に申し上げましたような起業家ですが、男2、3人が、「ぜひ団塊世代の学生時代にふるさとを置き去りにしたり、このまま放り出しているようなものをもう一回自分たちの人生を命を懸けて取り組まないかんな」ということで、「環境保全活動をやっていこうよ」ということで活動をスタートしました。東京とか大阪は、平成5、6年の当時はもう市民グループと行政がタイアップして代々木とか新宿だとか、公的な公園を市民活動にお貸しして、彼らはその先鋒隊となって市民に啓発していくと、そういうような状況がありました。
 今日、松山市の方もたくさんいらっしゃってますけれども、当時、公園を貸していただきたいというところで何回か出向いたのですが、まだまだ市民活動、松山の本当の聖域である堀之内という、皆さん委員さんも後で見れば分かるのですけれども、お城がありまして、そのお城の下に公園があります。空き地が。そこをお借りしたいということで、非常に難題を持っていったわけですが、なかなか市民の公平性を重んじる行政の担当課としては、首を縦に触れないということがありました。そして平成6年当時の環境部の中の減量対策課に行きまして、こういった市民の草の根的な環境啓発の活動がそのうち市民の背骨になって残ってくる。思いつきだけではなくて、活動を生活リズムの中に取り入れていかなければという話を環境部の減量対策課の方に何度か頼んでみました。やはりその中で若手の方だとか、課長補佐さんまでがそのうち耳を傾けていただきまして、それではこういう方法があるよと。当時こういうごみの減量だとか、環境の保全だとかというのは婦人団体グループの方だけが頑張っていた時代です。我々、ネクタイ族は、この環境省の資料にありますけれども、大量生産する側、どんどん売る側に入っていまして、私もその企業家の一員として生活をしてもんもんとしておりましたけれども、その当時、今日のこういう状況を見据えて頑張っていたのは実は女性だったというのを私は実感をしております。
 「そういった小さな女性のグループの方々と愛媛リサイクル市民の会の今後の環境保全活動を、チームドッキングをして、ネットワークを組んで、そしてちゃんとした形でいくのであれば、何とか道は開けるかもわからんよ」という減量対策課のスタッフの方々のアドバイスで、それからこの松山でいろいろと活動されている女性の方々にご相談に行って、行政側としてもとりあえず堀之内公園を貸しましょうということで今日に至っているわけです。
 なかなかリサイクルフリーマーケットというものの継続は非常に人員的というか、スタッフの確保というのも難しいものです。それを年間に10回ぐらいは開催するわけですが、炎天下の35度や38度だというところで、前日は昼間から準備をして、当日は9時半開催ですが、7時から走り回ったり、歩き回ったりするわけです。ただ、その中で当時と現在とどう変わっていったかなということを振り返りますと、やはり若年層の方、高校生だとか、大学生だとか、20代のOLの人たちが、こういったリサイクルフリーマーケットというのは非常に自分の嗜好というか、楽しみを味わえるということで、活動にかなり活発に参加をしていただいたり、会場に来場して、まだまだ自分の使えるものを安くそこで手に入れてリユースしようといった動きが見えています。
 スタッフも相当でございまして、現在は大学生だとか、当時大学時代に一緒にいた仲間がその後社会人になって一緒にやっていっているという、そのような状況が見えております。これは実際に活動している私としましては、本当にうれしいかなと。この後もっと、どんどん若い人たちにも入っていただいて、我々がなぜこんなことをやるかというのは次世代の連中に今までの我々がつけを残したものをある程度整理してバトンタッチをしたいという強い思いがありますので、若い人たちが一緒になって取り組んでもらうということがうれしいと思っています。
 その中で、この活動記録の中にもありますが、当初は侃々諤々とやりあった行政と、こういう市民活動なのですが、2、3年しましたら行政の側から環境のイベントをしたい。それから環境の審議会的なものとか、研究会を作りたいというお呼びがかかるようになりまして、これはまず環境というもの自体に、こういう風が吹いているなと。やっと我々の側に寄ってこようとしているなという動きが平成12年ごろから本当によく見えてきまして、出番がかなり多くなりました。
 その中で2つ取り上げますと、環境市民会議という、これは松山市が昨年6月に立ち上げた40名の市民で各主体が事業者と市民と環境団体と行政。それから私は40名の会長を委嘱され、4つの分科会を作りまして、これはそろそろ1年半経つころですけれども、月に2回ぐらい環境総合計画の施策を作るとか、市民に任せていくぞという行政のスタンスなり構えが本当にありますから、我々も逃げられずに真摯に取り組もうということで最近もやってます。
 そんな中で後ほど当地の松山市の環境部長の方からお話があるかもしれませんが、松山のごみ減量リサイクルの啓発拠点になるものを作ろうという我々の趣旨がありまして、正式にはみんなの松山夢工房の中から提言をさせていただいて、先般7月7日に「まつやまRe・再来館」、通称「りっくる」というすてきな建物ができあがりまして、建物を建てているときから準備委員会なるものがありまして、どういった素材を使おうかとか、木造でいこう。それでは再生のレンガを使おうとか、役所も真剣に取り組んでいく。運営は市民でやってみようかということで行政から任せていただいてますので、昨日も夜9時ぐらいまで全体会で話し合ったり、部会をやったりしています。
 その中で一つやはりこの市民活動のNPOなり、この資料の中にも国民のあり方とか、捉え方とかありますけれども、やはりそういった我々市民が行政と協働していく場合に、かなり市民というのは心が熱いということが現実にあります。その熱さの労働を、我々管理者として経済活動していますと、その対価というものは金ということで出てきますが、やはりどうしてもボランタリーな精神ということが全面に出てきて、手弁当でお願いしたい。そういったことが往々にしてこの松山市以外でもあるようですし、現実としてこの松山の、まつやまRe・再来館の中でもそういった状況が初年度ありました。しかし、行政の担当の方はその辺は経済のことだという捉え方をしてくれていますが、やはり36名がその中で市民約48万人へ環境啓発活動をしていくわけですから、行政側はそれなりの対価、弁当と交通費ぐらいは少なくとも考えておいていただきたい。しかし、お金は市民側が最初に直面する問題ともなってきます。しかし継続してやる。これは1、2年で閉められるまつやまRe・再来館ではありません。我々は立ち上げのときに3年、5年一緒に苦労して、その後の次代、次の方々に引き継いでいくものですし、止められませんから、やはりその辺を例えばこれは環境省からどういった補助金が出るか分かりませんが、真摯に取り組む目標なり市民のふるいをかけて、その中でこういった活動に対してはやはり予算面でもある程度の考えを上から落としていただけたら、市としても町としてもいろいろやりやすくなるのではないかなと、そういった感じがしております。
 あと、そういったこれから行政と市民に対しての改革というか、橋渡し的な中間役はかなり重要な位置を占めてくると思いますので、そういった方々に対しての、例えば1つのテスト的なものがあって、その中でちゃんとした行政のお考えを市民とのパイプ役として活動をちゃんとしてくれる、リーダーシップをとって動いてくれる人を多く育てるべきだと私は思っています。
 今、約48万人の松山市ですけれども、必ず1つの環境の関連の研修会だとか、そういった組織を作るときには同じ人間がダブってどんどん来てますから、その人たちは本当にまじめに取り組む方ばかりです。そういう人たちに対して県なり市が、ちゃんとした仲介役としての認知をしていくという、そういうスタンスがあればものすごくやりがいを、皆さん明確にやっていくことが見えてくるのではないかな。環境カウンセラーだけでは全然意味をなさないと思っています。
 以上です。

○加藤委員 どうも吉田さんありがとうございました。
 長いこと民間の事業と今はNPOになってらっしゃいますけれども、フリーマーケットを中心にやってこられて大変ご苦労さまでした。
 委員の先生方、ご質問どうぞ。

○藤井委員 私も大分琵琶湖のほとりで長いことやってまいりまして、環境の専門生協を立ち上げたのは1989年で、それに遡る10年来の生協運動がありますから、そこからすると運動だけは先輩だなと思いながら伺っておりました。
 その中で、このイベント風のリサイクルのフリーマーケットもやってまいりましたが、今もう少し拠点の問題、最後にお話がありましたね。私たちはもっとポストの数ほどというか、もっときめ細かに置いていこうということで、そこの拠点を市民のイニシアチブで、例えばJCと組むとか、行政と組むとか、商店街の中に置くとかいろんな形があるのですが、イベントをするのは非常に楽しみですから、晴れの舞台ですから。晴れの舞台を大事にするには、やはり舞台をあちこちに作っていくという。また、それだけ動き手がたくさん必要ではありますけれども、そういうきめ細かな拠点への方向はどうかというのが1つの質問です。
 それからもう一つは、私たちの仲間にこのリユースの店舗を積極的に展開している仲間がいます。ここは当初は空き店舗だったのですが、そうではなくて駅前のいい店を選びとって、そしてこれは神奈川県の仲間なのですが、1日の売り上げが 100万になんていくすごいところもできていて、そのプロフィットをアジアの環境の保全のために使うとか、社会関係に進むという形をかなり出しながらやっていて、そういう中で見ると、最後に出された活動する主体に対するサポート、これはどこからでも出てくるのですね。それからもう手弁当でボランティアが続かない状態が常に出てくるのですが、基本的なそこの中でNPOが経済的にどのぐらい自立度を高めるかということがないとつぶれてしまうのではないかという思いがあって、大変ではあっても、ベースは自立が必要であると思います。
 ぜひそのリユース、それから環境学習、さまざまな拠点ということを意識化されて、もう既になさっていると思うのですが、これだけの歴史もおありですから、今の地平から、さらにその次の地平、どんなことを考えていらっしゃるか、そのあたり聞かせてください。

○特定非営利活動法人「愛媛リサイクル市民の会」 最初のきめ細かな拠点ということと、その後の今後の展開とかなり込み入ったご質問だと思うのですけれども。
 きめ細かな拠点の中でのNPOのあり方というのは、私はNPOの法人格を取るときに、別に私は取らなくてもいいと思っていました。というのは、我々は最初から組織の永続化なり、自分たちの趣旨は3年後にはすぐ終わるわけがないと思っていましたし、何でああいうものが法人格、法人格と騒ぎ出したのかなと。法人格をとることによって行政の安心が受けられるでしょうし、法人格を一つの隠れみのとして商売に持ち込む連中もいっぱいいますから、あれを見れば私のところは取らなくてもいいなということで。そして、本当の真の活動は行政なり、市民の方にちゃんと分かっていただければいい。
 ですから、その中でお金を活発に残していくというか、収入を得ていくということも実は念頭にそれほどありません。ただ、その活動としてはどんどん広げていこうとは思いますが、よって、私は会社の事業に関しての税金はどんどん儲けて払います。NPOに関して金は残そうと思いません。税金を払おうとは絶対に思っていません。これは年度末の2、3カ月前になったらみんなで相談して、大いに有効に、その1年汗を流してともに頑張った同士と視察の旅行に行くもよし、もっと有意義に我々の30数名のこういう状況の中で将来展望を見抜いた活動費に充てていこう、そういうことをやっています。
 それからあときめ細かな拠点ということも、今我々この松山の中でいろんな、愛媛リサイクル市民の会の活動だけではなくて、多面的に市民の会のメンバーが少しずつ入り込んでいますし、その松山全体、愛媛全体の中での我々市民の会メンバー一人一人の考え方なり活動のあり方がNPOを飛び越えていってもいいかな。ですから、NPOのあり方ということは、やはり経済活動は抜きにしていこうという考えを持っています。

○藤井委員 私は収益性を上げる方ですから。

○加藤委員 分かりました。
 篠木委員。

○篠木委員 これまでの大変貴重な経験をありがとうございました。
 今の藤井委員とやはり共通するのですけれども、やはり私は組織的な規模がしっかりしているということは、こういった仕事をするべき上で重要だろうと思うのですね。幾ら吉田さんが頑張られても一人の力というのは非常に弱いと思いますので、そういう意味で今日出していただいてますので、全体としては大体構成メンバーどのくらい出して、どんな組織で役割分担をやっていらっしゃるのか。
 それで例えば会費的なものをもらっているかどうか。行政からの支援はあるのかどうなのか。その辺の財源の部分。
 それからこの資料を拝見させていただきますと、フリーマーケットをベースにやってこられておりまして、もう一つエコリーグというのがあるわけですけれども、それから啓発活動ですか。この資料から見る限りではその3つが主要な事業になっているように思うのですが、それ以外にもっと広がっているのか。あるいは今後いろいろやっていこうとしているのかどうなのか、その辺をひとつ教えていただきたいのが1点です。
 それからもう一つ、作る過程でコーディネーター役という言葉が実はたたき台の中に出てきておりまして、直接的には地方公共団体の役割に各種団体のコーディネーター役ということを期待されている部分があるわけですけれども、これをやはり先ほどの話ではないのですけれども、担当する職員の資質なり、よくよく考えると影響してきますよね。ある意味ではNPO法人の方がコーディネート役を果たせるのではないかという気がしておりますけれども、こういった仕事を進めていく上ではコーディネーターというのは非常に大事だと思うのです。その辺についてどういうふうにお考えになっていらっしゃるか。経験を踏まえてお話いただきたいと思います。

○特定非営利活動法人「愛媛リサイクル市民の会」 いっぱい質問が出ました。
 構成委員のメンバーは、現在30数名です。これは大学生から50代、60代の老若男女交えております。主にリサイクルフリーマーケットの開催の時にパッと集まってくる。それとその中の主要メンバーの7、8名はしょっちゅう松山市から委嘱をされたり、環境の市民研修会に入っていますから、かなり情報交換なり勉強会みたいなものはできていると思います。
 あと会費はとっておりません。と申しますのは、リサイクルフリーマーケットを開催して、この会では何しろ無駄遣いをせずに金を貯めるだけ貯めて、この趣旨文に書いてますが、行政と一体となってハンディキャップを持っている高齢者の方だとか、身体障害者の方々の社会参加の場所になる、啓発拠点になる、そういったリサイクルセンターを作りたいということでスタートしています。
 ですから、当面は平成6年にスタートする前から、私の会社に電話を引きまして、私ないし社員の連中がそれの応対をしていくと。現在もNPO法人に変わってからも金が残りそうな気配があります。というのは、一度フリーマーケットをやりますと二十数万円の出展協力金をいただきます。その中で実際、私の会社で事務局をあずかってますので、毎月5万円ずつ私が社員の方に支払います。あと残りの15万円ぐらい残っていくわけですが、もろもろ当日の弁当代と年に1回ぐらいみんなで食事をする以外は、本当にお金は使えない。なぜならば、そういったものを作らないといけないという、そういう思いがありましたから、金を貯めていってます。ですから、会費も取らずに、とりあえずリサイクルフリーマーケットでお金が入ってくるのであれば、ここの会社の中で支障がない今の事務作業ですので、それをやっておりますが、多分これは事務局が近くどこか借りていくという方向になろうかと思っています。
 それと行政からの補助金はありません。というのは、これはもう一般のNPOに関しては単なる行政の補助金みたいなシステムはないですから、事業委託とか、そういった一つの事業をするときのこれだけの金の縛りがあるけれども、こういう事業をしてくれという、それは一切金は残さない事業ですから、そういったものもありません。
 あと、今後のこの愛媛リサイクル市民の会の広がりということに関しては、当面はこのリサイクルフリーマーケットを通じて市民の一人一人に肌で感じてもらう啓発活動は永続的にやる。あと、先ほどから申し上げていますように愛媛県内での行政側からのいろんな出番がいろんな連中にきてますから、それをちゃんと足をかためて、税金であずかるものですから、委嘱委員にしても、Re・再来館だとか、環境市民会議だとか、そういったものに関しても、これは一度2、3年本気で腰を据えて、充実した活動をしていこうという考えがあります。ですから、あえてあちこちこれから手を広げていこうという考えは今のところありません。
 あと最後はコーディネーターのことですね。これは実際行政の方に聞いたら一番はっきり分かると思うのですけれども、松山市の手法としては、この環境省の資料にもありますけれども、コーディネーター役を本当は行政がやっていく。我々はNPOなり、そういった活動をしている人間はその中のお助け役みたいな形だと捉えていらっしゃると思うのですけれども、松山市に関しては完全に放り込みます。ですから、最初コーディネートを行政がやる。やったらすぐにその中でこの人はリーダーシップがある人だったらそのままコーディネートも任せていこう。それで足りない分は行政も一緒に補ってミーティングして将来の方向性もその中で軌道修正もしていこう。そういうスタンスが松山市にはあるという実感を私は受けています。ですから、その辺は先駆的なやり方、手法ではないのかなと感心しております。

○加藤委員 どうもありがとうございます。
 藤井委員、篠木委員、何か追加はよろしいですか。
 私の方からごく簡単な、差し支えなかったらお答えください。
 先ほどから何回も会社の話が、吉田さんご自身のお仕事の話がちょっと出てきましたが、何をやっていらっしゃるんですか。

○特定非営利活動法人「愛媛リサイクル市民の会」 私53ですけれども、30で会社をつくりまして、当初は養殖の漁業に対してのえさを売る会社。これを男3人、大学時代の友人と弟でつくりまして、時代のいろんな趨勢があって、今はコンピューターのソフト関係のショップをあちこちに作りながら。最後にひとつ私は申し上げたいのですけれども、この社員のおかげでこういう活動をさせてもらっているということで、大いに会社の連中には感謝していますし、会社がどういった活動をするトップだということを認めてくれているという。これは10年、20年、「みんな誇りに思いながら経済活動もしていこうな」という、そういう一致した考えを持っていると自負しています。

○加藤委員 なるほどどうもありがとうございました。どうぞ両面でご活躍ください。
 それでは吉田さんのご発表はこれで終えたいと思います。
 あと3人残っておりますが、ちょうど1時間半経ちましたので、ここで一旦5分休憩ということで、5分ぐらいで短くて大変恐縮ですけれども、場合によっては10分ぐらいになってしまうかもしれませんが。それではこの時計で一応私としては2時40分ぐらいに再開ということでさせていただきたいと思います。後ろの3人の団体の皆様、大変お待たせして恐縮ですが、今暫くご協力をお願い申し上げます。
 それでは2時40分再開ということでお願いいたします。

午後2時32分休憩
午後2時40分再開

○加藤委員 それでは始めさせてよろしいでしょうか。
 それでは、休憩後1番手はNPO「斐伊川流域環境ネットワーク」の事務局長の飯田さんからお願いします。

○特定非営利活動法人「斐伊川流域環境ネットワーク」 よろしくお願いします。
 私どもご案内のようにNPOの法人でございます。まず設立は1998年4月。ここにフルネームであるのですけれども「斐伊川流域環境ネットワーク」。「斐伊川くらぶ」というのが愛称です。法人格を取得したのはパンフレットにもありますように99年7月。会員数 300人で活動しております。理事長は小谷武といいまして、県のOBでございます。私は事務局としては2代目でございます。
 私どもの活動の理念をかっこよくいうと、斐伊川にさまざまな資源があるわけですけれども、その資源を新しい価値観で再評価すると。その再評価を流域全体で共有しようということが理念になっています。特に基本資源である水、それから水を出す山、木ですね。それからこれを壊すのも直すのも猿や狸ではありませんので、人であるということで、水、森、人、これが活動の基本のキーワードになっております。それに基づいてプログラムを立てているわけです。
 それから斐伊川というのはどこにあるかということもご案内しておかないといけないのですけれども、島根県、日本海に面しています長細い県です。人口は74万人ぐらいと思いますけれども、ここにも県の方がいらっしゃいますので、きちっとした数値は県の方に聞いてください。そのうちの約6割が出雲郡というところに暮しています。74万人の県というと大変な過疎の県になっています。山に狸が寄り合いに多く集まるという。たまに運動会に猪が出るというようなところがいっぱいあります。東部の船通山という川から流れ出しています斐伊川、皆様ご存じかと思いますけれども、ずっと下流域に穴道湖という湖と、それから中海という、両方とも汽水湖です。実際は国土交通省の一級河川管理になっておりますので、河川でございます。そういうグラウンドで、先ほど言いました片や理念で活動しているのですが、そのプログラムは大きく4つございます。小さなものを入れると数が多すぎて時間がかかりますので。
 まず1番大きいのが1990年代末からスタートしました穴道湖の水環境保全をするための竹ポットによるヨシの植栽事業プロジェクトを立ち上げております。これは国土交通省、島根県沿岸の5つの自治体、それから各市民団体、そこに提唱しましてスタートしております。ご存じのようにヨシというのは水の浄化力、それから生態系の保全、稚魚、稚貝の保全をしますので、それを何とかつなげていって、 100年でも1000年でもとにかくやってみようということで今動いています。
 それからもう一つが本日の重要な議題ですけれども、菜の花プロジェクトというのを推進しております。これは中間型地域社会づくりということで行っております。ここにいらっしゃいます藤井委員が大先輩でございます。
 それからあと森の手入れのできない。地区はいいけれども、なかなか鎌持つと自分の足を切ったりする人間がいるものですから、森林ボランティア養成講座というものを広く皆さん方に、一緒に森へ入って間伐、除伐等々の技術、おもしろさというのを一緒に勉強していこうというのをやっております。
 それから先ほど申しましたように穴道湖、中海は大変水が多いのですが、琵琶湖と違いまして汽水湖、これ塩水を含んでおりまして、あれほど水があるのに実は大変飲む水に苦慮する都市でございます。斐伊川の上流に平成20年度を予定に尾原ダムというダムができます。かなり大きなダムです。これは治水と利水を目的にしております。このダムができることによって、実はそこのエリアの 111戸の方たちが移転をしなければいけない。それによって里をなくされていると。要は下流域の水の問題で上流が犠牲になられていると。それを上下流でやはりきちっとその流域の水というテーマで連結しようということで尾原ダムの建設予定地内でこういう活動をやっております。
大きなものがその4つであります。
 今日のテーマになってきます私どものプログラムで菜の花プロジェクト。これは菜の花を育て、油を摂り、油を食用利用し、その上で廃油を回収して、BDF(バイオ・ディーゼル・フューエル)を作って燃料化するということを動かしております。立ち上がったのが藤井さんの方から概況させていただきまして、平成11年。先ほど申しました斐伊川のダムの建設予定地でスタートしました。約 4.6ヘクタールということでスタートを切りまして、平成12年度は 4.4ヘクタール。平成13年度は6.52ヘクタール。年々少しずつですけれども、この試みに協力をしていただく方たちが増えてきております。本年は予定としてはちょっと減りまして 5.2ヘクタールぐらいと考えております。
収穫量につきましては、素人、市民とか子供さんたちとか地元の枝の移転者の方たちが協力していただいて菜の花を育てるのですが、何分とも素人細工なものですから、植え方並びに収穫の仕方が非常にクリミティブで、反収が平均して大体 140キロ。大体 1.8リッターの油を摂るのに約7キロ、プロがつくれば6キロで 1.8リッターの油が摂れるそうです。私どもには1件だけ菜種を絞っていただく私ども会員がおりまして、その方に半分ボランティアで絞ってもらっています。平成13年度は約1トン、70アールを収穫しました。 286リッター摂っています。これは学校給食なんかに利用していただいたり、地元の方にお配りしたり、いろんな形で本当の循環型、要するにバージンオイルを食利用していただくと。地産地消、それから食品の安全性も含めましてお渡しをしております。私どものイベントでも使っております。
 それから回収の方なのですが、栽培に関しましては尾原ダム周辺2町の自治体の協力を得ております。それから回収につきましては1市、松江市から協力を得ております。昨年末、いわゆるBDFの製造装置、これらを松江市が購入していただきました。2月から回収に入りまして、7月末現在、モデル地区を設定しまして 580世帯のモデル地区で約 5,511リッターを回収しております。精製した量が 4,630リッター。その差はどうしても油にならない状況のもの。いわゆる脂肪酸があまりにも劣化したものですね。プラント処理もできないものについては焼却をしております。現在は、松江市、ごみの収集車を50台も要しているのですが、うち3台 100%で稼働しております。
実際に 580世帯、2月から7月までの6カ月間、これで全世帯協力が得たかどうかということについては、今手持ちの中での調査では、 580世帯掛けて6カ月でいきますと、延べ世帯 9,200世帯。そのうちの 760世帯が協力していただいている。まずはここの課題になっていくのですが、ここの協力世帯数の率を上げていくということが課題になると思います。パーセンテージで26.2%なのです。それから地区につきましては松江市のちょうど西側にあります城西地区、穴道湖に面しているところでご協力をお願いしてモデル地区にしていますが、6カ月間で 519リッター。全量に対して約10パーセントぐらいだと思います。
今年度の計画については、これ以外のエリア、城東地区と言われているエリアでこの活動を広げていきたいというふうに考えております。城東地区につきましては、世帯が 3,529世帯ございます。人数としては 7,800人ぐらいお住まいになっておりますけれども、埋蔵量として1世帯平均 200ccと計算した場合、1カ月で大体70万 5,000リッターぐらいを想定しています。これはマキシマムの状態です。ですから、協力率が下がることによって、ちょっと下がってくるのですけれども。
 それからプラントにつきまして、実は大変高額なものを松江市長が約束してくれまして、補正予算を組んで購入していただいたのですが、用地とも建設費を見て約 2,800万円という金額がかかっております。そのうち大半がプラントでございます。これは京都府さんで開発されたロンポウの機械です。キャパシティーというのが4時間で 200リッター製造できます。フル稼働8時間やりますと倍の量が摂れます。
 損益分につきましては、これは市の資産でございますので、大体現在2リッター当たり 206円。普通私どもが協力関係にあります公共交通をやってますあるバス会社の社長からの話だと、もちろん年間の量もありますが、軽油購入額が63円から65円。松江市の場合は先ほども言いました50台のトラックで84円から85円。 206円というのはもう大変高額な状況であります。しかも、それは行政需要によってコスト算出した場合の金額です。民間事業になれば当然軽油並みの値段を出さないといけないのですが、日算でも約 410リッター、年間で9万 8,000リッターぐらいで損益分が出ると。もう時間がなくなってきましたので課題でお話したいのですけれども、そういう現状でございます。
 この菜の花プロジェクトの特に都市型のごみ減量の中での油の再利用に関しては、先ほど申しましたように、大変コストがかかる。行政需要で 203円という。これに軽油引取税というものが乗ってくるわけです。これをやはり一時的に国のレベルで何らかの指導をしていた。例えば減免措置なり、それから免除措置なのですね。この辺も検討していただきたいなと。最終的に私どもは行政需要から民間需要を受けるような方向まで自治搬出をしてみたいなと、これ希望的観測ですけれども、やってみたいと思っております。
それから、それとは別に廃棄物の運搬についての、いわゆる産業廃棄物指定がございます。この辺も私どもNPOが動かせるように緩和していただきたいなと。
 それからグラウンドの購入はどこが購入すべきかという問題があるのですが、あくまでも一行政単位では、とてもじゃないですが月算 8,000リッターのケアをするのは難しいです。ですから、かなり広域化が必要になってくると。
 それと今はごみ、生産コストをゼロにした上でごみを使うという考え方なのですが、もう一つドイツなんかでもやっています。実際に菜の花の栽培面積を広げると、バージンオイルを使うと。そうすると16%ぐらいのどうしようもない焼却ごみが出てくるのですけれども、それが出ないと。そのためには、農水省の方が今日来ていただけなかったということなので大変私は不満なのですけれども、田んぼと畑は食糧エネルギーの場所という概念は捨ててほしいと。田んぼと畑は油田だよと。エネルギーの創出場所は油田だけではありませんよというところをちょっと検討していただきたい。
 特に中山間地における減反の今の例えば連反3ヘクタールとか、そういうふうなまず枠がとてもかかりません。飛び地3ヘクタールをやるにしても、二山超えていかないとできない状態なのです。しかも、その中に相続補償の問題で栽培作物がある程度規定されているわけです。この辺は自治体が先か、それとも国が先かと。自治体もなかなかまとまりません。ですから、この辺の減反政策の緩和というのをぜひお願いをしたいと思っております。
 以上、菜の花プロジェクトについては、そういう課題を持っているかなと思います。

○加藤委員 どうもありがとうございました。
 大変ユニークなプロジェクトの、しかしご苦労もあるところをいろいろ聞かせていただいてありがとうございました。早速、委員によるご質疑ということで。この部門の先輩の藤井委員どうですか。

○藤井委員 私からですか。篠木委員どうぞ。

○篠木委員 ありがとうございました。非常にユニークな活動で、特に穴道湖の水質保全というのは大事な制度だと思うのですね。それを物資を栽培ということで位置付けてやられている菜の花プロジェクトというものを興味深く拝見させていただきました。
 それでこれは脱線する話なのですけれども、やはり岸にこだわるだけに水質保全、大変難しいところですね。この辺の流域下水道なり、合併浄化槽というか、そういう施設に対して相当行政も力を入れて水質保全に取り組んでいるのだろうと思うのですけれども、その辺どのくらい進んでいるのか。もし、数値的ではなくて、重要な施策に取り組んでいるということで結構なのですが、そういうのが伴って初めて努力できるのだろうという気がしますので、そういった関係が行政との関わりがどうなっているかなということでちょっと教えていただきたいなと思いました。
 それから菜種油、私なんかが子供のときは貴重な油として使わせてもらったのですが、最近はあまり使わないのかどうか分からないのですけれども、この菜種油は優れた自然食品と思います。要するにまじり気のない純粋な油で、天然の油という形で食用油に使ったらいいものではないかという気がしているのですけれども、それをトレードマークにして販売を広げる、要するに有価で販売をすることによって燃料の方の負担を軽減するというようなことを含めて、その他の中で物が回っていくような仕組みというのは、この仕組みの中ではどうしてもできないのだろうかということがちょっと疑問だったのですけれども、もしその辺何かお考えがありましたらお聞かせください。

○特定非営利活動法人「斐伊川流域環境ネットワーク」 下水処理のこととデータについては松江市にお尋ねください。
 ヨシだけではなくて水質浄化の問題で、まずはそういう処理をする以前、台所の下水の手前で油だけでもカットしてみようという試みです。もちろん 100%カットはできないと思いますけれども。私どもも基本的に must be、ねばならないという発想ではなくて、もう少しエモーショナルクオリティー、要するに一般の生活者ですので、例えば京都でなんかお話を伺うと、「油でバスが走っとんねん」と、そうすると「おばちゃんなんかは知らへんで」と。やっぱりオマールスティック 100円儲かるやないのと。だからこれが現場の声なのですよね。ですから、あまりさっき言いました must be、ねばならない、環境は守らなければいけないとか、これをやってBDFを出さなければいけないと。その「ねばならない」は継続性には反すると思うのですよ。
 ですから、いつもやっぱり魅力あるプログラムで、先ほど言われましたこちらのNPOさんにもお話があったように、私たちパシフィストデータと、いわゆる面倒見をして、世話やき人というのが、足しげくやっぱり人と人の笑ったコミュニケーションというか、おもしろい会話とか、そんな中で魅力づけしていかないと。私も含めてですが、一般のユーザー、生活者は得意な技2つ持っているのですよ。
 1つがわがままであるということ、もう一点は飽きるという。これはメーカーさんがいらっしゃいますのでよくお分かりだと思うのですが、もうマーケットの二大要素はそれだと思うのですよ。それをいかに行政は距離が遠ければ、また企業の距離が遠ければ、どうやってNPOが一般生活者の中から出てきて、この2つのわがままと飽きっぽさを魅力づけするかと。だからエモーショナルクオリティーのあるもので運営しないと成り立たないと私は考えているわけです。
 それから販売についてなのですが、現在、先ほど言いましたように、延べ面積からすると大変なロスをしているのですけれども、実はこれを生産するのに刈り取りコンバインをそばの汎用のコンバインを使っているのですけれども、140、150キロしか摂れないというのはメッシュが全然粗いのですよ。こういうことをして価格負担を消費者に求める、要するに私ども会員を含める市民に負担を求める場合、1本が 2,000円や 3,000円したら難しいかなと。ですから、本当に例えば……

○加藤委員 1本というのは何ですか。

○特定非営利活動法人「斐伊川流域環境ネットワーク」  920ミリリッターですね。今現在 900円で協力販売の形になって事業展開をするようにはしているのですが、もっと負担があると思います。アバウトで算出しているわけですよ。
 だから役場の長さんのようにきちっとした生産、苗床づくりから始まり、ちょっと私見てないのですけれども、その辺まで手植え、それからそういう形で管理された場合は、やっぱりその分だけの生産コストはかかってきますよね。今は平まきの、もう子供さんたちは豆まいているような状態でまいてます。刈り取りもコンバインです。この辺がちょっとコストの問題は難しいかなと思っています。

○藤井委員 菜の花プロジェクトについて認識が大分違う部分もあるのでちょっとフォローしたいと思います。
 私自身は経済性を語るときは、篠木委員がおっしゃるようにトータルで考えるということがベースです。このおもしろさは何しろ過疎化した地域を活性化するということがテーマ、それから農業の一次産業をどうするという未来プログラムということで、てんぷら油を燃料にして車を走らせるということが目的ではない。そこの中で多分ここは非常に大きなプラントを買いすぎたために油が集まらないのに4時間で 200リッターできると。毎日やると、8時間やると 400リッター。それを1カ月小さな町でそれだけやるということを、もしやっていくとすればこれは非常に高くなるのですが、行政需要の価格が 206円というのは私は全く分かりません。
 それから今の収穫量ですが、横浜町も直まきですが、反当たり大体 250キロぐらい採れているわけで、そこはもう少し農業者と連携するともうちょっと密度が高く、少なくとも 200キロから 250キロぐらいの収量は出てくると。そのベースの数字が全体的に低いものですから、採れる収量も違うということがいろいろ出てきているのだと思います。基本的には大体 200から 250キロ、それから搾油率が30%。横浜町のように 140も 200ヘクタールも、今年 200近く売れてますが、そういうところはきっちり地産地消の関係性ができていて、そこで高くても買うというネットワークができている。
 それからもう一つ横浜町の形でいうと、全国のトラストの中で付加価値が高くてもこういうシステムを応援するよというところとのトラストがあって、私たちの地域ではこの循環型のところまでいかないけれども応援するというグループがあちこちで生まれかけています。多分そういうネットワークの新しい形を作っていく中で、経済性の問題も多分やっていかないと、搾油したものだけで価格をやるとか、それからBDF化するという、そこの局面だけでするのは多分難しかろうなと思っています。

○加藤委員 ありがとうございました。飯田さん、あと5分ぐらい残ってますが、もしコメントがあったらどうぞ。

○特定非営利活動法人「斐伊川流域環境ネットワーク」 もういいお話をいただいたので。ただ、プラントによって実は松江市はプロポーザルを受けたわけですけれども、プロポーザルを私も相談ありまして、それでそういう仕事をとったのですが、今日お見えになっていないのですが、国土交通省、特に旧運輸省なのですが、要するに車検時の燃料を何使っているかと。車検更新はクオリティー、要するに炭化水素の軽油並みのレベルのものでないと車検更新無理よというお話があったようなのです。
 今、私どもの2市からでも話があるのですけれども、できるだけ健全にこういう菜種を含める植物系の油ですね、それの品質基準、どれならばいいの。どこのレベルまでいけというような指標をある程度目安をいただくといいかなと思っているのですよ。プラントはアバウトです。ですから、一番高いものだったのが、実はそれはメーカーが国に対してこれいいですねといったらオーケーという口頭で話があったようなニュアンスだったのですよ。だから、品質という問題のスタンスをBDFに欲しいなと思っているのですよ。

○藤井委員 かなり個別論になってしまっているので、それはまた後でお答えした方がいいと思うのですが、今までの日本社会の中でなかったもの。このバイオディーゼルにしてもそうですし、多分これからエタノールとか、さまざまなものが出てくると思われるのですね。そのための規制とか、税金とかというのは議論がなかったところで、少なくともバイオディーゼルについては、多分企画課の方からいくと思いますし、それは規格オーダーもとっていないようなものを使っているとすれば、それしか生み出せないプラントに問題があるわけで、それは多分論外だと思います。

○篠木委員 すみません、私、勉強不足で分からないのですが、この休耕を使った場合に、これは農地とか田んぼ扱い、要するに休耕扱いがまだ使えるかどうかというのを教えてください。
 それからもう一つ、森林ボランティアの育成をやっていらっしゃるというお話があったのですけれども、森林の伐採なんかの仕事は初めからずっと契約続けなければダメですし、多分伐採しないで放っておく場合は放っておかないといけないという、何か非常に厄介な代物らしいのですが、このボランティア育成講座をやりますと、これ継続性というのが極めて重要になってくると思うのですけれども、その辺は大丈夫なのでしょうか。それからどういうところで実際の活動を。国有林でやっていらっしゃるのか。その際に林野庁というようなところとはどういう関係になっているのかちょっと教えていただきたい。

○特定非営利活動法人「斐伊川流域環境ネットワーク」 最初の休耕内については、あくまでも地権者の方の、本当に地域に対してどうぞお使いくださいということです。ですから、本当そこで数字はじくわけにはいきませんので、そういうボランタリーな気持ちで、地域の子供さんに一緒に環境学習をするよということで出していただいております。
 それからもう一つ、森林ボランティアについて、場所はまずは公共性があるところでやるということで、私どもは学校林を使わせていただいたり、そういうところを使っています。それから松江市にフォーゲルパークという、ちょっとニュースになったのですけれども、鳥の住んでいる公園があるのですが、そういうところの実際に木を植えられたところは手が入っておりません。
 間違えないでほしいのですが、山の仕事ができる人間を作るつもりは全くありません。やっぱりプロにはなれません、アマチュアは。ですから、あくまでも木肌に触れて、間伐はどういうふうにやるのかなという程度です。本格的にやると本当に私たち全国回らないといけなくなります。それはちょっと無理です。

○加藤委員 ありがとうございました。
 非常に興味深い話で、菜種の話から林政、農政に及ぶお話までありがとうございました。ちょうど予定の時間もきましたので、それでは次に進みたいと思います。
 あとの2人、2団体は行政の方からということで、最初に松山市の環境部の部長さん、よろしくお願いいたします。

○松山市 松山市環境部長の浮穴でございます。皆さん遠いところありがとうございました。
 私から、それでは松山市の環境行政の実情を報告させていただくとともに、1つ、2つご要望を含めてお話させていただきます。
 現在、松山市は「日本一のまちづくり」を目指しており、松山らしさを特出してオンリーワンのまちづくりを市民と一緒に作っていくという「みんなでつくろう みんなのまつやま」をスローガンに掲げて進めておりますが、特に太陽光発電システム設置補助事業につきましては、現在補助申請が 600件を超え、全国でもトップクラスになっております。
 また今年度からは廃食油、先ほどもちょっと菜種油のお話がありましたが、廃食油から精製されたバイオ・ディーゼル燃料を市のごみ収集車34台に使用しているなど。それでまたさらに来年度からは太陽光発電以外の本市に適した導入を検討すべく松山市新エネルギービジョンの策定を行うことにしております。
 また、生活排水対策として合併処理浄化槽設置整備事業につきましては、既に今までで約 8,000基を設置し、全国でもトップクラスの設置基数の実績を上げております。
 また廃棄物の不法投棄の対策につきましても行政の監視だけではなく郵便局、タクシー協会、電力会社とも協定を結び、取り締まりを一層強化するなど市民との協力体制を進めております。現在、市の総合計画策定中でありますが、あわせて環境を特出しした環境総合計画を今年度末に向けて策定中でありますが、その中でも市民参画、自然との共生という考え方をベースに5年、10年、20年という、それぞれ短、中、長期の目標年次に向けた環境施策を総合的に進めてまいる現状でございます。
 ご存じのとおり、温暖化を初めとする環境問題、各自治体それぞれが取り組んでいかなければならない、その大きな対策の1つとしてエネルギー問題からごみ問題を総括的に含めた循環型社会の構築を推進していくことは大変重要であると認識しております。
 この循環型社会の構築は、市民の協力をなくして成功はあり得ないという私どもの考えから、40名からなる、先ほど他の発表者の方からもお話がありましたように環境市民会議、さらにNPOといった方々との協働作業で現在町づくりを進めております。
 ごみ問題の解決策として、よく3Rということが言われておりますが、本市では平成9年から資源化を視野に入れた7種10分別を開始し、回収後事業者により、最終的には18種類に分類され、資源化を促進しております。
 その結果、当市におきましては、資源化率14.3%、全国平均を上回っております。事業系ごみにつきましては、なかなかリサイクルルートの確立が難しく、今年度からようやく事業系紙ごみにつきましては、市内古紙問屋協力のもと何とかリサイクルルートが確保できましたので、月に約 1,000トンがリサイクルされ、現在順調にリサイクルに回っております。ただ一般家庭系の瓶、缶、さらにはプラスチックはリサイクルされているものの、事業系につきましては現在のところまだ手つかずという状況が実情であります。
 これからちょっとお願いでございますが、つきましては、ごみの処理量も能力的に逼迫しており、現在国が進めているごみ処理施設の広域化問題につきましても、松山ブロックの14市町村の集約が現在難航している問題も抱えております。14市町村のごみ搬入につきましては峠を超え、海を渡って運ぶといった距離的な問題や、松山ブロックと合併区域の違いなど、さらには他自治体のごみの受け入れという地元住民感情の問題がネックとなっており、できれば現在は焼却施設のダイオキシン対策の技術も進んでおりますことから、必ずしも24時間連続焼却という条件設定が必要ではないのではないか。つまり国が要件としている 100トンにはこだわらなくてもいいのではないかと思うのでありますが、ぜひ見直しをご検討いただきたいというのが第1点でございます。
 また、ごみ問題というのは発生抑制という最初の段階での対応が最有力と思っております。この問題につきましては市民生活の中で取り組むのは限界がありますことから、国におかれましては製造、流通段階での規制が第一と考えておりますので、何とか上流での法整備を含めた国の対策をお願いしたいと考えております。
 また、容器包装リサイクル法、家電リサイクル法が順次整備され、循環型社会の構築が進むことになりますが、例えばリサイクル製品は一般的な商品価格よりも高価と言われておりますことから、需要と供給のバランスがとれていないという問題もあり、資源を回収し、商品を製造することではなかなかビジネスとしては成立する社会状況には至っていないことから、商品の製造から販売、回収、利用、そしてまた販売するまでの循環型社会を構築するための経済的措置などの手法を盛り込んだ動脈から静脈まで一貫した循環型社会を計画していただきたいと思います。
 実は本市と姉妹都市でありますドイツのフライブルク市では、原発に反対する代わりに電気料金も選択肢があり、環境にやさしいエネルギーを使用する電気料金は高くても市民が利用するなど、市民意識も含めた社会的な背景が盛り上がっております。これには学校の授業の中で環境に関する授業がよく行われており、ドイツ最大のNGOであるBUND、いわゆるエコステーションの運営など継続的な取り組みによって、幼少のころから環境に対する認識を深めていくという歴史的な実績があります。
 当市松山といたしましても、出前環境教室、ごみ学習会等々という分野で子供に向けた施策を展開しているところでございます。先ほども言いましたように、このフライブルク市と松山市は姉妹都市関係にあり、情報もたくさん入手できますことから、いいところをぜひ見習いたいということで、市内の自然豊かな公園の頂に、ちょうどこの後方にありますが、都市環境学習センターを環境教育の拠点として12年度にスタートし、NPOに運営を委託し、樹木ウォッチングや野鳥観察会などの自然体験会や環境教育の指導者を対象とした環境教育指導者研修会などを行っております。
 さらに今年7月にはごみをメインといたしましたりっくる、Re・再来館でございます。先ほど、吉田さんの方からもご案内がありましたとおり、これにつきましても吉田さんの運営協議会の方にお願いをし、粗大ごみとして出された家具を松山刑務所、シルバー人材センターの協力を得て修繕をし、その上競売を行ったり、紙すき、廃油石けん作り等を体験できる楽々リサイクル講座を開催し、施設の一部をシルバーワークプラザとして高齢者も集える複合施設としたことで、幅広い市民が交流できる場となっています。
 また、市民の環境学習活動を応援するために市民の中から環境学習に関する助言、指導のできる方をエコリーダーに認定する事業や職員が直接学校へ出向く、先ほど申しましたように出前環境教室、ごみ学習会等々、いろいろ環境教育の推進に力を入れております。
 このようにいろいろな面で努力はしておりますが、環境行政というものはきっちり枠の中におさまるものではなく、いろいろな問題が出てまいります。
 1つ申し上げますと、これ4回目のお願いですが、松山市の西部は臨海工業地帯であります。その中に産業廃棄物の焼却施設の設置許可をしたことによって、現在地元住民約 6,000名弱の方が設置反対運動を起こし、現在、鋭意地元対策協議会と調整をしている状況であります。その中でも特に地元からいろいろ意見が寄せられます中で一番感じますことは、その施設の設置管理を業者任せではなく、何とか行政でチェックしてくれということでございます。これにつきましても地元の方の意見を聞き入れながら何とか測定局を設置するなど、いろいろな対策を講じてまいりたいと考えております。当然、国の補助をいただく時間的な余裕もございませんので、市の単独事業でこれは実施してまいりますが、こういうことも何とか国の方とも考えていただきたいと考えております。
 以上でございます。
 そしてこのレジメに沿いましてちょっとお話させていただきます。
 循環型社会形成推進基本計画に対する意見ということで、1番が私ども広域化ごみ処理計画につきまして、現在私ども14市町村で広域化を進めております。平成9年、10年ごろから取り組んでおりますが、山を超え、また海を渡って搬入という、非常に14市町村の枠組みが広うございます。四国山地の、それこそここから見ても山の上や中からいわゆる瀬戸内海の離島も一部入ってくるというようなこともございまして、今現在取り組んでおります。
また、去年の肉骨粉の焼却についていろいろ地元との合意形成の中で非常に他市からの肉骨粉の焼却で地元の強い住民感情等もございました。それからまた他の14市町村の中で、松山市を除きますその他の市町村におきましては、うちの焼却施設はまだ10年もつのだとか、15年もつのだとか言って、なかなか各市の実情があるのも現実でございます。
 そういうことから計画当初と比べてダイオキシン削減の技術が数段浸透していることから、何とか当初の 100トンにこだわることなく、何とか柔軟な対応をお願いしたいというのが、この一番の考えでございます。
それで2番目につきましては、生産者、流通者の責任の明確化。これにつきましては私ども先ほどからるるお話が出ておりますので、我々は市町村の仕事というのは下の方、いわゆる出口の方でどのように適正に処理していくかということが求められておりますけれども、それは上流の方の取り締まりもしっかりと対応をお願いしていきたいと考えております。
 それで3番目につきましては、先ほどの1番バッターの帝松さんの方から、いわゆるリサイクル製品がしっかりと流通できるような機構をお願いしたいということでございますので、3番目につきましては私どもの方は簡単に流させていただきます。
 4番目につきましては、私ども現在、一応産業廃棄物の焼却施設、いわゆるこれ12月1日に予定していますダイオキシン対策特別措置法の基準が厳しくなりますことから、建て替え施設とか出てまいります。私ども今年の3月に許可をいたしましたが、先ほど言いましたように大変な反対がございました。しかし、私どもは法的な要件、場所的にも工場の横の埋立地、いわゆる木材団地の海に飛び出た、地理的な要件、それは建て替えである等々を考えまして、この施設で私ども許可しなければ、今度いわゆる一廃産廃といえども焼却施設、あそこでダメなのになぜここでいいのというような問題等々も考えまして、私どもここではるる検討した結果、大学の先生、審議会の先生方のご意見もいただきながら問題ないということで許可いたしました。
 しかし、 5,936名という反対署名がございました。しかし、そこの中で私ども今、鋭意地元の協議会と話を進めておりますが、先ほど言いましたように、地区住民の環境対策はどうしてくれるのだと。それで一方的にダイオキシンは法律では焼却施設の設置者が測量して報告をしなさいということになっているが、それでいいのかという意見がございます。それでもし今までダイオキシン法でいう、また大気汚染防止法なんかでもいろいろ検討しましたけれども、「これおかしいな」と思った人がいつも思うのは、いわゆる報告をしなさいということになってて報告しないのに、うちの方は何らその対策、その事によって、焼却炉を止めることはできない。何とかそれは中止してくださいと。何とかやめなさいということは言えないというような、非常にジレンマの上に立っています。その焼却炉はその年度、ダイオキシンを測定しなくても次の年にもまだ動いている。協力してください。測ってくださいというようなお願いをしておりますけれども、なかなか厳しいもので、私ども今回も8施設においてその測定はいただけませんでした。それによって、いわゆる情報公開のこの時代に、テレビやインターネットなんかで情報公開しますと、非常に報道関係を初めとして、非常に地元として我々接点となる市町村が厳しい矢面に立たされたというか、厳しい現実となったのは事実でございます。
 何とかそういうことも踏まえまして、循環型社会から大分話はそれまして、ひとえに環境省の飯島部長さんが担当でないと思いますけれども、また何かありましたらお願いしたいと思っております。
 ちょっと長くなりましたかもしれませんけれども、私の方からお願いという形で述べさせていただきます。

○加藤委員 行政の第一線の部長さんとしてのご苦労の様子がよく分かりました。国に対する注文のほか要望とか、そういうものを含めてのお話だと思います。
 まずは国から何かコメントがあるかもしれません。先に飯島部長どうぞ。

○廃棄物・リサイクル対策部長 今の最後のご要望といいますか、ご意見に対して、事実関係を中心にお話しますが、初めにありました広域化計画に基づいていろいろご苦労されているというお話を承りました。
 こういった計画は今でも環境省の政策として、単にダイオキシン対策ということだけではなくて、公共事業の費用の縮減とか効率的なそういった観点から、各都道府県を通じて引き続きお願いしているところでございますけれども、誤解をされますのは、その 100トン未満のものについては、今から4年前に 100トン以上については当時の厚生省が補助をし、 100トン未満については当時の自治省が地方財政措置で面倒を見るという分担であったのですが、往々にして市町村長さんが補助金でないとお金が出ていないという認識が多くて、そういう噂が生まれました。11年度から広域化の動きは引き続きお願いしておりますが、現在は 100トンにこだわらずにダイオキシン対策が十分講じられていて、都道府県のこういった計画に位置付けられている分については補助の対象にしています。これは予算が非常に厳しかったときの措置だということです。
 ただ、広域化はぜひ努力を進めていただきたいと思いますし、あと10年もつところとか、いろいろと14の市町村を調整するのは大変だと思いますが、今後のこともございますし、それからいつまでも焼却炉を造っている時代ではなくなってきますので、10年後、20年後にまた同じような焼却炉を造るといったら、何が循環型社会かということになってしまいますので、そういうのも視野に置かれて、今回の14年12月の規制対応というのは意味があったと思います。
 今後、こういった広域化をしてごみを集めて焼却するだけの対応というのはますます批判を浴びるような話になるかもしれませんので、それはよく心がけはしたいと思いますが、今の努力は続けていただきたいと思います。
 基本的に14市町村で愛媛県が今考えていらっしゃるエコタウン事業、そのリサイクルも入れたような形で再編成されていくという考え方もあるかと思いますので、一つに集めて焼却だけが進んだ市はありませんので、そういう形でリサイクルとかお勧めしたいと思います。もちろん松山市だけの話ではなくて、県全体の話に及ぶのですけれども。
 それから生産者、流通事業者の責任でございますが、これはこの計画にもあると思いますけれども、別途、特に市町村が処理責任を持っている一般廃棄物の分野について拡大生産者責任の考え方がだんだん論議されています。容器包装リサイクル法、家電リサイクル法、それから前国会で成立した自動車リサイクル法。生産者あるいは流通業者に責任を分担していただくという話は進んでおりますけれども、これを普遍的な枠組みとして、単にリサイクルだけではなくて、現場異物の適正処理という観点からも生産者や流通業者の役割分担を考えるべきであるというのが現在の中央環境審議会の他部会で話し合われておりまして、これについては制度改正が必要な部分についてはそういった方向で事務局としても受けとめていきたいと思っております。
 リサイクルの経済、先ほどご議論がありましたから省略させていただきまして、リサイクルの産廃の焼却施設が松山にございまして、いろいろと住民の反対があって、その中で松山市が産廃の許可を出されてたというお話で、大変頑張ってやっていただいたことで敬意を表したいと思いますが、大体の場合なかなか県や市の当局は許可が出せなくてずるずるなってしまうことが多いのですが、今のお話をお聞きしますと、科学的ないろんな検討をしっかりした上で、科学的な判断のもとにその施設の設置を許可されたということで、これはまさに廃棄物処理法はそういうことをしていただくためにあると考えているわけです。実際に住民の方々には十分理解いただいていない部分について、市当局として努力をされていることはすごく理解できますけれども、基本的に補助金が交付されても、この分野について、補助金でなく許可するという話ではないのではないかと私は思っています。
 一般廃棄物の処理施設の場合にこういうトラブルもあります。そういったときには一般廃棄物の世界ですので請け負わないといけないのですけれども、民間の処理施設については、要するに民間の産業廃棄物の処理施設に対する不信感というのが全国的にも大きいものですから、おそらく松山でもそういった現象が現実に、実際に審査された上で科学的に大丈夫であるということであるならば、堂々とそれを科学的にお答えになっていくべきではないかと思います。
 監視、測定を市としてそれを証明するために行うということはよく分かりますけれども、それを国に対して支援を要請される。もちろん分かるのですが、これ私がはいと言ってもそうですねという議論ではなくて、財務省が納得しなければできないものですから、そういったご要望があったことは事実として受けとめます。

○加藤委員 なかなか私が横で聞いていても厳しいやりとりで、おそらく部長さんは部長さんの立場で第一線の市の行政を扱っている立場ではいろいろと苦労があるのだろうと思います。また、制度全般を担当していらっしゃる飯島部長さんも部長さんという立場でいろんな難しい問題があるのかなと思っています。
 おそらく浮穴さんいろいろとご意見があるかもしれませんが、篠木委員は多分同じような立場でありまして、多分篠木委員からもコメントがあると思います。それを聞いた上で。

○篠木委員 現場の責任者としての話を伺いまして、お話はこれ松山だけの問題ではございませんで、全国の私どもの会員になっていただいている市町村ほとんどが共通して抱えている問題で、行政の教科書では回答が出せないもので、ただハイテクに進んでいるというところはどこでもあるのだろうと思います。
 特に私が一言だけ感想で述べさせていただきたいのは、私は東京都の廃棄物行政の軽減策を具体化するのですけれども、実は私どもが作ったひとつの廃棄物行政に地区内処理の原則というのがあったわけです。これは当時はまだ技術が十分でなかったために、どうしても地元の人に嫌われる施設であった。それならば、迷惑の公平負担ということで、細かく地域に造っていこうということで、実は杉並清掃工場が住宅地のど真ん中に造られたわけです。あそこの第一線で10年ぐらいかかってやっとできあがった施設でございますが、やっぱり時代は変わってきました。
 技術が良くなって、今、廃棄物処理施設が汚くなっているのはどこもなくなってきますし、一方で循環型社会、これは広域サイドでなければできないわけですね。一方でどうしても不可欠な最終処分場は小規模ではできないと思うのです、大規模でないと。ですから、これは県レベルで問題にもっと取り組んでいただかなければいけないのだろうと思いますし、実は全都清の春の総会のときの要望でも最終処分場でやるけれども、やっぱり例えば愛媛県なら愛媛県で考えるときに松山市内のどこかということで考えるよりも、愛媛県全体を問題として愛媛県のどこにどう立地したらいいのかということを考えて、最終処分場の立地から、それから中間処理施設をもっと広域対応にするということも含めて、それからリサイクルのために循環施設をどこへ造るかということをやはりもっと、民意の問題も大事ですけれども、やはり広域的に考えて、住民が広い意味で公平にいろんな迷惑という言葉を使うべきではないかもしれないですけれども、そういう部分をそれぞれ受け持つということを考えてやってられるのだろうと私は思っております。
 ただ、行政の担当者、責任者としては、例えば都市計画で住居専用地域と工業地域を作っていくとしたらば、やはり住居専用地域よりも工業地域の方が清掃工場はふさわしいと思います。そういう意味での線引きの問題がいろいろとあると思いますので、そういう意味では行政のプロとしてのそういった計画上の問題、さまざまな問題を住民に投げ掛けることによって、広域の問題と民意の問題を何とかクリアしていい施設を造り、産廃許可施設についてもやはりだれが見てもこれは公平、公正だろうという政策をやっていくということは、これから一番求められてくるのかなという感じがしております。
 おそらくこれは松山市さんだけの教訓ではなく全部の問題だと思いますので、私ども一緒になって勉強させていただきながら、住民の理解と協力という部分をさせていただかなければいけないかなと思っている次第でございます。
 それで長くなって申しわけないですが、リサイクル製品の経済的措置を言われておりました。それから生産者、流通事業者の責任の問題も言っておられたのですが、松山市では廃棄物の手数料は有料化されているのでしょうか。どの範囲だったら。あるいは今後どういうふうにしようとしていくのか。生産者、流通業者の責任の問題と同時に、やはり消費者も何らかの負担を負わない限り、これから実は経済的指標としては課徴金とかデポジット制度という言葉がこのたたき台の中に入っているのですけれども、無料で回収すればどうしてもデポジットと課徴金というような形で、別の形のインセンティブを付与していかなければならないことが出てくるのですが、無料問題というのは裏を返すと負担の公平。多く出す人も少なく出す人も同じ税金で処理するという問題は解決できないということが出てきておりますので、行政にとっては排出者負担、有料化の問題というのはきわめて重要だろうと思うのですが、その辺のお考えがあったらばお聞かせいただきたいというのが1点ございます。
 それからいただいたごみの量の12年度と13年度の推移を出していただいて、7分別。おそらく標準的以上に進んでいると思われますので、非常によくやられている代表なのだろうと思うのですが、この中でプラスチックと紙。おそらく容リ法に基づいて分けて出してやられるのだろうと思うのですが、両方とも12年度からスタートしていますので、11年度と比べて、この部分がどうなったか。もし、お分かりになったらで結構なのですが、具体的に数字が細かくなくていいのですが、相当の量なのか。どのくらいの回収率なのか。そのことが可燃ごみの全体量にどういうふうに影響してあるのかということで、その容量負担の効果を松山市さんのレベルで、もしお分かりになりましたらばお教えいただきたいと思います。

○松山市 有料化の問題につきましては、現在いろいろ検討中なのでございますが、私ども検討の中でいわゆる他市の状況を見ますと、ごみ1袋50円とか 100円とかというような有料化でございます。私ども買い物袋をまだごみとして使えるというようなシステムもございますので、一応買い物袋をごみ袋として使っている関係もございますので、それも含めまして有料化について検討して、近々また結論を出していきたいと考えております。
 それで容器包装リサイクル法に係りますプラスチック、それでまたペットボトル、両方で私ども量的には約 5,000トンぐらいの量をリサイクル等に回しているという状況でございます。

○篠木委員 ありがとうございました。
 実は有料化の問題が普通に比べると自治体としてかなり大きな問題になってくると思うのですね。それで実は、来週ある私どもの評議委員会にお越しいただくのですけれども、そのときに市町村で有料化問題、現状どういうふうにしているか。これからどういうふうにしようと考えているのかということの、実は筆界調査をやらせていただいて一緒にこの問題を考えていくひとつのスタートをこれから始めようと思っておりますので、またいろいろ知恵をかしていただいて。ちょっと脱線して申しわけないのですが、考えておりますので、よろしくお願いします。

○加藤委員 時間がほとんどきてしまったのですが、何か藤井委員から一言コメントがあるということで。その後もう一度浮穴さん、もし何か。先ほどの飯島部長のお答えに対するコメントも含めてもしあったら数分間でお願いしたいと思います。もうなければ、それで結構です。
 では、まず藤井委員。

○藤井委員 特にコメントということはないのですが、行政マンが一手にごみ問題を抱えて、悲壮感漂う発表だったと思います。それについても松山市はドイツのフライブルク市と姉妹提携を結んでいると思うのですが、新しい時代に向けて市民と事業者と研究者、産官学のネットワークの中でこの問題をどう自分たちの問題と、それぞれが共有認識の中で次なる時代に向けて動いているか。そこのところ今日の発表ではほとんど見られませんでした。
 多分この新しい循環基本法の中では地域の中のそれぞれの人がどういう役割を持って、そしてそれぞれが他人事ではなくて当事者になって関わらないと、今のように部長が問題抱えて大変なんだという、その悲壮感では、この問題ちっとも前に進まないのだろうと思います。ですから、もう少し広やかにというか、今までと違う手法を入れながら、どうそれを切り開いていくかということをぜひお考えいただきたい。それはコメント特に結構です。そういうふうに思いながら拝聴しておりました。

○松山市 最後に一言。
 私どもしっかりと市民会議をもちまして、40名。吉田さんの方からも話がありましたように、非常に我々の仕事にもNPOを初めとして民間のご意見をいただく。それをまた新規事業として上げていくシステムをしっかり今捉えているところでございます。今後ともそれを一生懸命民間の声、また大学の先生方、専門家の意見も取り入れていきたい、このように考えております。
 これから市民ニーズは業者に向けるのではなくて我々行政の方に向かっています。それで自主的な側面ではなくして、もっと何とかダイオキシン測定にしても行政が主導力を持って、行政が計って市民に知らしてこいとか、そういう市民ニーズは業界でなくして、今のところ行政に向かってきているというような現象が見られます。我々もまた今後とも業界をリードできるような強い行政を模索していただいて何とか頑張っていきたい、このように考えております。
 今後ともよろしくお願いいたします。以上でございます。

○加藤委員 どうも浮穴部長さん、熱弁ありがとうございました。藤井委員がおっしゃったように大変ご苦労されていらっしゃるのが私にもひしひしと伝わってまいりましたけれども、同時に藤井委員もおっしゃったように、ぜひ市民全体でこの問題を考えていくと。何か行政が一手に引き受けて四苦八苦するというのではなくて。多分、篠木委員が有料化を要求されているのも、やはり排出者の一員が市民でもあるわけですから、市民もちゃんと自分が出しているごみの処理というものについてちゃんと考えてよと。そういうことの一つの経済的なものが有料化という問題ではないかと思っておりまして、今後のご検討を期待したいと思います。どうもありがとうございました。
 それでは、岡山県船穂町の狩山さん、長いことお待たせしまして大変失礼しました。どうぞ、ご発表をお願いします。

○船穂町 それでは失礼します。
 私は岡山県船穂町の役場の職員で、現在財団法人であります船穂町農業公社の事務局長をいたしております狩山といいます。よろしくお願いいたします。
 私ども財団法人船穂町農業公社が町の方から委託を受けております一般家庭から出る生ごみのたい肥化事業につきましてご紹介をさせていただきながら、私どもの意見を述べさせていただければと考えておりますので、よろしくお願いいたします。
 まず船穂町の位置並びに概要につきまして若干説明させていただきます。
 船穂町は岡山県の西南部で、白壁の町倉敷市に隣接をいたしております。一級河川の高梁川の左岸に位置いたしておりまして、人口が 7,800人、総面積が 10.84km2という小さな町でございます。
次にたい肥センターの建設の背景、概要等につきましてご報告をさせていただきます。
船穂町では平成6年、現在の土井町長就任以来、生きがいを創造するまちづくりを基本理念にリサイクル社会の構築ということを行政課題ということで位置付けて、いろんな事業を推進いたしております。
 平成6年当時、私も環境保健課にいたわけでございますが、農業の生産過程での農業の残さの放置、例えば大根、にんじん等の特産地でございますが、出荷できないもの。また、葉っぱものですとか、そういったものの放置や一般家庭から出される生ごみにつきましては、ゴミステーションは異臭がするし、水分は滴るなど、本当に厄介もので適正な処理が求められておりました。こうした折、産業課の方で環境に配慮した農業の推進を図ろうということで、平成6年度に船穂町環境保全型農業推進要綱というものを策定いたしております。この方針に基づきまして、こうした放置され適正に処理されていない農業の残さや一般家庭から焼却処理にということで、生ごみということで出されておりました有機資源をたい肥化して土作りに活用する運びとなりました。平成7年度に国の補助事業としてご認可をいただき、たい肥センターを建設いたしまして、平成8年6月1日から創業をいたしてございます。
 このたい肥センターの運営につきましては、私どもの公社で運営いたしているわけですが、私どもの公社につきましては、JA船穂町農協と船穂町役場で出捐いたしていたおります。できましたたい肥を土作りということで、そういう意味合いから私どもの農業公社で管理運営を行っていくということです。
 こういった生ごみ等のたい肥化の作業につきましては、本当に幅広い皆さんのご理解ご協力をいただく必要がございます。また、高齢者の方々の就労の場の確保を図るという意味合いから社団法人で設立をいたしております船穂町シルバー人材センターというものがございます。こういったシルバー人材センターの皆さん方にはそういった意味合いでこちらの方のたい肥センターでの就労は全てお任せをいたしてございます。いわゆる循環型社会の構築の中で、高齢者の皆様のローカルビジネスの育成というものでございますが、そういったものでございます。
 それでは生ごみのたい肥化の基本的な考え方につきましてご紹介をさせていただきます。
 まずは安全で安心な廃棄物の循環型利用ということが大前提でございます。たい肥センターの運営にあたりましては、製造できたたい肥が農家の方々の土作りの資材として安心して購入して使っていただけるということが最も大切であります。そういった製造するたい肥の品質の確保を図るということが最も大切でありますので、まず一般家庭の協力世帯の方々につきましては、生ごみに金物ですとか、ビニールものですとか、そういったたい肥にならないもの、こういったものは絶対入れない。混入しない。また、生ごみは必ず所定の処理バケツでご協力をいただく。ここに置いてあります処理バケツですが、こういった処理バケツで処理をしていただくと。また、必ず1週間に1度集めておりますので、必ず発酵促進材を生ごみにかけていただくということをお願いいたしております。
 また、私どもたい肥センターにおきましては、できたたい肥の肥料の成分の確保ということが大切でありますので、生ごみは非常に水分の多いものでございますので、そういった水分を科学的、人工的に作られているような物質をもって水分調整材としないということで、必ず天然自然のものを利用して、あわせて発酵してたい肥にするということで、小麦粉ですとか、種かすですとか、米ぬかを利用してたい肥の成分を上げながら品質の確保、向上を図っていくということをたい肥センターの方ではやってございます。
 それでは、次に生ごみのたい肥化の方法につきましてご紹介をさせていただきます。
 生ごみの回収は所定の生ごみの処理バケツ、こういった処理バケツを各家庭に2個購入していただきまして、1週間に1度決められた日に各家庭の玄関先まで1軒ずつ集めにいってございます。シルバー人材センターの方々が集めに行っております。回収する際に、1週間前に集めた処理バケツをお返しする。その処理バケツの上に1週間分の発酵促進材を置いておく。各家庭におきましては、返ってきました処理バケツをまず洗いまして、次の日から生ごみを入れて発酵促進材を入れるという繰り返しをしていただく。処理バケツにつきましては、ふたと本体にお名前、地域名を書いておきまして、必ず自分の処理バケツが返却できるということを行っております。処理バケツにつきましては2個必要なために、1個分につきましては町の方で購入費を助成いたしております。各家庭で1個分は個人負担ということでございます。
 家庭では生ごみをバケツに入れる際には、生ごみ以外の異物、金属、ビニール類を入れないように。また発酵促進材を先ほど申しましたように必ず振りかけていただくということをお願いいたしております。1週間に1度収集いたしますので、まずそういったものがなされていないということになりますと、まず発酵促進材がかけられていないということになりますと、必ず腐敗をしてすごい腐敗臭がいたします。まずもって腐敗したものを集めてまいりますと、たい肥化することもできませんし、そういったものをたい肥化すると、まず土壌改良材、たい肥ということで利用することもできませんので、必ずかけていただくということをお願いいたしております。発酵促進材をかけておりますと、1週間に1度集めていきまして蓋を開けて見ますと、非常に浅漬けのような好ましい香りがするものが現状になってございます。
 次に回収した生ごみのたい肥化につきましては、以後、機械的に、システム的に行われるわけでございますが、皆様方のお手元の方にシステムを開示いたしておりますが、ごらんいただければと思います。これらの収集いたしました生ごみには、金属、ビニール類の異物が含まれることもございます。また、異物は入れたつもりはないがどうしても入ってしまう場合がございます。こういったものは例えば果物のシールですとか、そういったものが入れるつもりはなくても入ってしまう場合もございます。
 生ごみに含まれていた異物につきましては、金属類につきましては必ず金属検知器で検知して必ず除去するようにいたしています。また、ビニール類等は目で見て必ず取り除くようにいたしております。生ごみの中に入っているビニール類は検知もいたしませんので、とれませんので、乾燥する際にすべて除去するようなシステムにいたしております。生ごみの中に混じっている異物を取り除く、この作業が一番大切な作業であります。大変厄介な作業でございますが、まずこういった作業の手を抜きますと、できた商品が安定化されない、品質が悪化するということで出口がなくなるということで、最も大切な作業になってございます。
 異物につきましては台所の周りのものが混入してくるわけでございますが、最も多いものにつきましては薬の空、次に果物のシール、次にスプーン、フォーク類、こういったものが入ってまいります。こういった異物が入っておりました方につきましては、バケツを1軒1軒回収しておりますので、どちら様から入ったものか分かりますので、お手元にお配りいたしておりますレジメの裏面に配付いたしておりますが、そこへ書いております書類へ丸印をつけて、こういったものが入っておりましたということでメッセージを入れて、以後、注意をしていただくようにいたしております。
 シルバー人材センターの方々、地域の高齢者の方々がご作業いただいておりますので、そういった意味合いもございまして、皆さんのご協力をいただいていると感じております。
 次に生ごみの発酵条件を整えるために生ごみなどを破砕機で米ぬか状態になるまで破砕いたしております。生ごみは水分を多量に含んでおります。これが原料に水分調整材の米ぬか、小麦粉、種かす、発酵促進材、こういったものをつけ加えた後に混合しまして、発酵条件を整えてやりまして、発酵槽におきまして一定期間発酵しまして、その後ペレット状に加工いたしております。できた商品につきましては、10キロの袋に入れまして、JA倉敷市、ニシノ農協を通じまして農家の皆さん方に販売をいたしております。できた商品につきましては、10キロ袋で年間1万 5,000袋程度の商品ができるようになってございます。
 この事業につきましては、冒頭申しましたが、できた商品を農家に安心して使用していただくことが大前提で、そのためには私ども製造者が努力することが一番でございますが、各家庭においても必ず一次処理をしていただく。異物を入れないということを十分ご協力いただくことが不可欠となっております。そういう意味合いで幅広い皆さん方のご協力をいただくということで、私どものこのたい肥化事業の啓発を幅広くする必要がございます。
 まず、啓発の事業といたしましては、学校給食センターの方から出てくる生ごみは全てたい肥化いたしておりますので、できた商品をもちまして学校給食米を私ども農業公社の方で作っています。農薬を一切使わずに有機無農薬ということで作って、学校給食米ということで出荷をいたしまして、子供たちには学校給食の残さがお米になって学校給食米ということで食べていることの循環を見ていただくということを心がけております。
 また船穂町では、1年間土作りから作付け、管理、収穫と子供と親が一緒になって農業が楽しめる農業体験塾というものをやってございます。そうした中でもできた商品なんかを使って有機栽培なんかのPRをいたしてございます。
 このような事業につきまして、生ごみが品質のよいたい肥になりまして、土に返り、作物が栽培でき、収穫できる循環の輪を体験できる。そういった中で循環型農業の意識の向上を図るということで、こういった事業を推進することによりまして町全体に循環型意識の輪が広がればと頑張っております。
 最後に生ごみなどの有機資源をごみとしてエネルギーをかけて焼却処分するという中での問題点。また分別に協力いただきまして、町民皆さんが参加し、生ごみをたい肥化して、本当に安全な肥料として土に返すことが循環型社会の構築に非常に参加されている方が貢献しているということが本当に理解されると、分別に気持ちよく皆さんが参画できると考えておりまして、そういう意味合いで毎日一生懸命こういった事業を推進しているというのが現状であります。
 以上で終わります。

○加藤委員 どうも狩山さんありがとうございました。
 先ほどの松山市とはまた違った意味のご苦労が非常にあるのだろうと思いますけれども、本当にご苦労さまです。
 委員からの質疑に入りたいと思いますが、その前に私の方から1点だけ。今現在参加しているのが全世帯 2,300ほどある中で 600世帯ということですが、これはとりあえず 600ぐらいからやろうということですか。それとも将来的にも大体 600ぐらいということなのでしょうか。

○船穂町 平成8年6月1日から運転を開始いたしております。平成8年当時は 200件程度でございましたが、順次増えてきているということと、それと船穂町は農業の町ということで 2,300世帯ございますが、土に返している方がおおむね 400ぐらいあると考えております。それからまた高齢化率が20%超えてございます。ひとり暮らし、二人暮らしの老人方、非常に生ごみの排出量が少ないということで、そういった方々についてはご協力いただいていない状況でございます。

○加藤委員 なるほどよく分かりました。
それでは篠木委員。

○篠木委員 貴重な経験をご説明いただきまして、ありがとうございました。
話を伺っていて私どものこのたい肥化事業の難しさというものを全国の自治体がそれぞれ感じていまして、やはり措置をしてて農村地域であるとか、一定の条件がどうしても必要なところになると指定地域化になるのですが、中でも感心いたしましたのは、その回収の工夫ですね。発酵促進材を入れてしまうことによってにおいの問題等をクリアしていると。個別回収して、どこから出たのか分かってシルバーさんでやるという、その工夫をいろいろされているということが品質の精度が高まるという意味でも、また消費者が参加しやすいということでも非常におもしろいというか、いい方法だなと思って感心をいたしました。
 それで実はもう一つの具体化の問題で申し上げますと、日本の場合は春夏秋冬あるものですから、どうしても春先とか何かには使うけれども、冬場なんかあまり使わないという実質事業的に隔たりがあると思うのですけれども、そういった問題についてはどうクリアされているのか。問題がないのかということについて教えていただきたいと思うのです。
 それから2つ目は、この地域は全部下水道地域でしょうか。し尿処理施設なんかは使ってないのだろうかということで、もし、し尿処理施設等も使っていらっしゃるんだとしたらば、汚泥再生処理センター方式というものはどういうふうに受けとめて、この事業を進めていらっしゃるのか。ちょっとその辺の関係を教えていただきたいと思います。

○船穂町 2点あったと思います。
 1点はできた商品の出口。使用する季節なのですが、もちろん使用する季節はございます。春秋が一番出ております。夏場につきましてはどうしても使用する土作りの資材としては出てまいりませんので、どうしてもその間はストックしておく必要があるということで、若干ストップいたしております。

○篠木委員 この規模でどのくらいまとまります、最大。

○船穂町 年間10キロの袋にして1万 5,000袋程度しかできませんので、ストックは 3,000袋程度ですか。

○篠木委員 最大で。

○船穂町 はい。
 それからもう一点目のし尿の汚泥なのですが、汚泥については船穂町では別利用での処理施設、たい肥化施設を建設するような運びになってございますので、こちらの方には全く入れてないとなってございます。

○篠木委員 そうしますと、し尿処理施設を造るときにも、これは土壌回復もやって、し尿処理施設としては生ごみを入れないで、回収をやらないでし尿処理をするという考えでいくという方向なのでしょうか。

○船穂町 船穂町の場合は公共下水道の区域ということと、それから農村部には農業集落排水をしております。農業集落排水の汚泥をたい肥化するような施設を建設計画いたしております。

○加藤委員 どうもありがとうございました。
 それでは藤井委員。

○藤井委員 このできあがった肥料が、テクノペレットが10キロで 750円ということですが、既存の化学肥料を使っていらっしゃる方たちにとって、この価格はどのぐらいの価格差があるかということが1つ。
 それから一番初めの注意事項のところに液肥を抜いてくださいとあるのですが、各家庭の 600世帯の参加している方たちが、この液の部分が非常にBOD値が高いということを自覚してなさっているか。それをその辺にぶちまけてないか。もしそうだとすれば、固形部分はたい肥という非常にいい形になっているけれども、水質汚濁ということは全く無視しているシステムだとすると、ちょっと非常に問題があるという印象が2つ目。
 それからここで作った野菜の関係なのですが、私たちは非常に小さな形で、これにとってもよく似た形をしておりまして、各家庭に、これ私たちの生協内なのですが、各家庭にバケツをこのような形で配って、ヤサイクルシステムといって、そしてそれを農家が使い野菜を作る。その野菜をごみを出した人が使うという。そこで動かすのは日本銀行券ではなくて地域通貨を使っているのです。ここでできるこの1万 5,000反にたい肥をまいたところの生産物というのは、参加するこの方たちに何らかの形で戻ってくるシステムになっているか。つまり参加意識がそこでとても見えるような形になっているかというのが2つ。
 まず、この2つお願いします。

○加藤委員 いかにも藤井先生、非常に厳しい質問ですが、いかがですか、狩山さん。

○船穂町 できた商品につきましては、私どもの場合は全て販売するという建前をとっていますが、一つ学校給食センターの残さが出ています。こちらの残さにつきましてもたい肥化を行っておりますので、学校給食センターで食べるお米は年間船穂町の場合 8,000キロ。その全量につきましては、このできたたい肥をもって学校給食米を有機無農薬ということで作って出荷をいたしております。そういったことで子供たちにはPRをする。見ていただくということをやっています。
 それからもう一点、単価のことなのですが、私どもの出荷先につきましては、まずもって有機無農薬で作っている方々が一番多うございます。それから家庭菜園の方。そういう意味合いでJAS法の法律の中で農地へぜひしてもいいというたい肥で認可をいただいております。そういうことで有機無農薬なんかのお米を作られている方、野菜を作られている方、また一般家庭の家庭菜園で使われる方が一番使っていただいていると思っています。
 液肥につきましては、特にこちらの方から出る液肥については発酵促進材をかけるということで、発酵促進材をかけて中身が漬け物状態になるわけですが、私どもの集めたたい肥センターでできた液肥は全てあわせてたい肥化しています。いい発酵促進材の液肥になっています。それから一般家庭の方につきましては、そういった下水へ使っていただくとか、発酵促進材で使っていただくというふうにやっております。

○加藤委員 つまり藤井委員がおっしゃったようにぶちまけるとか、そういうことにはなってないのか。

○船穂町 液肥を肥料として使っている方もあるし、下水を使っている方もあるし。

○藤井委員 下水へ流すということですね。
 もう一つだけシステムの問題で。シルバー人材センターの方が参加するというのはとてもいいスタイルだと思うのですが、ただ、回収システムのところでちょっと気になるところがあります。
 私は琵琶湖の周辺で大体 500カ所の回収ステーション及び数万世帯の回収システムを作ったのですが、そこにかなり高齢の方を回収システムに参加していただくというのはしていません。基本的に出す人たちが責任を持ってやるということが必要だと思っていて、つまりこの 600世帯の方たちの中間ステーションまでは自分たちが持っていって、そしてそれをたい肥化する方たちはシルバー人材センターの方でいいと思うのですが、バケツはシルバーの人が集めてくれるとなってしまうと、随分とそこのところは少し問題があるのではないかなと思われますが、いかがでしょうか。

○船穂町 一番最初に作ったときに、船穂町の圏内の地域なのですが、高齢化率が21%ぐらいきているのですが、高齢者の方の中で生きがいを感じて、60歳程度の方がおられますが、そういった方々が地域をお伺いすると。家庭訪問するというコミュニケーションを確保するという意味合いで各家庭に出していただくという、ステーション方式ではなくて、そうしようというようなことでやってきたと。

○加藤委員 篠木委員何かありますか。よろしゅうございますか。
それでは私の方から一問だけ、狩山さんが事務局でいらっしゃる財団法人の年間予算とか、それからこれは運営費、幾ら売ってもおそらくプラスになることは多分ないと思いますから、一般会計から運営費については補てんが多分あるのだろうと思うのですが、シルバーの方々に何がしか奉仕ではないですけれども、そういうことも含めて、全体的なごく粗い数字でいくと財政的にはどんな状況になっていますか。収支という点では。

○船穂町 財団法人の公社の中で一般会計と特別会計を設けてます。こういった製造して販売するものについては特別会計でやっております。このたい肥センターの特別会計につきましては、シルバーの方々の人件費、また資材の購入費、光熱水費と合わせて 1,500万円の経常経費がかかっております。
 そのうち収入につきましては、販売益が 1,000万円。それから町の方からこの施設の管理運営を受けています管理運営費を 200万円いただいております。それから今日、後ろに来ております町の環境保健課の方から生ごみを焼却していたものがたい肥化されるということで、焼却費が減額できるという意味合いもありまして、環境保健課の方から 300万円強いただいて、あわせて 1,500万円でやっています。

○加藤委員 そうですか。どうもありがとうございました。
それでは大体皆様方のご協力を得まして、ほぼ予定どおりの時間で、かつ非常に貴重な皆様方それぞれのすごいご体験、ご苦労の中からのご意見をちょうだいいたしました。また、たくさんの傍聴人の方も非常に整然とご協力いただきまして本当にありがとうございました。
 これで終えたいのですが、今日はおそらく時間の関係もあっただろうと思うのですが、中央環境審議会で今作りつつあるたたき台なるものに対する、お手元の皆さん方の資料としてあると思うのですが、9月24日付になっております循環型社会形成推進基本計画についてのたたき台と、ここにいろんなことが書かれているわけですが、これについて皆様方のご経験から、文章の問題、この内容がおかしいのではないかとか、こういう内容を付け加えてほしいとか、多分そういうのもあったと思うのですが、今日は時間の関係でどちらかというと皆様方各団体が一般社会に向けてご努力をしていらっしゃる、やっていることを15分くらいで話すということで精いっぱいだと思うのです。ですから、これについての直接的なコメントはほとんどなかったかと私は思うのですが、今日ご意見を出してくださったことを踏まえて、また、中央環境審議会の方でもう一度検討いたしますので、皆様方ご多忙中、大変恐縮ですけれども、10月25日金曜日までに事務局、事務局というのは環境省のご担当は染野さんかと思いますけれども、事務局にご意見をお寄せいただきたいと思っております。
 その皆様方からお寄せいただいたご意見と、それから今日、皆様方からるるご開陳いただきました、そういったご意見を全部踏まえて検討するわけですが、松山でこういうことがありましたというご報告は第14回審議会の部会会合におきましてご報告がなされると私どもは承知をいたしております。
 そういう意味で、もし何かこのたたき台について内容的に、あるいは文章上とか、そういう問題について何かご意見が特にありますれば、先ほど言いました10月25日までにお寄せいただきたいというふうに存じます。
 この点に関して何かご質問なり、何かありますか。
 特にございませんでしたら、繰り返しで恐縮ですが、皆様非常にお忙しい中、それから遠くの方もいらっしゃいますが、わざわざこの地までおいでになりまして、皆様方の貴重なご意見をお寄せくださいまして、ご開陳くださいましたことを、私も心から御礼申し上げたいと思います。
 それでは以上をもちまして、この会議を閉じたいと思います。
 どうも本日はありがとうございました。

午後4時12分閉会