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■議事録一覧■

中央環境審議会循環型社会計画部会(懇談会)議事録


  1. 開会
  2. 議題
    1. 第2次循環基本計画策定後の動きについて(報告)
    2. 第2次循環型社会形成推進基本計画の推進状況の点検の進め方について
    3. 事業者の循環型社会形成に向けた取組のヒアリング
      [1]
      (社)日本ロジスティクスシステム協会
      [2]
      (社)日本物流団体連合会
      [3]
      日本チェーンストア協会
(配付資料)
資料1-1 国内関係の動き
資料1-2 国際関係の動き
資料1-3 神戸3R行動計画
資料1-4 新・ゴミゼロ国際化行動計画
資料2 第2次循環型社会形成推進基本計画の推進状況の点検の進め方について(案)
資料3-1 (社)日本ロジスティクスシステム協会発表資料
資料3-2 (社)日本物流団体連合会発表資料
資料3-3 日本チェーンストア協会発表資料
(参考資料) ※委員のみ配付 ○会議終了後回収
参考資料1 中央環境審議会循環型社会計画部会委員名簿
参考資料2 平成21年度 廃棄物・リサイクル対策関係歳出予算概算要求の概要
参考資料3 循環型社会への新たな挑戦
~第2次循環型社会形成基本計画がはじまりました~
参考資料4 循環型社会形成推進基本計画 ※
参考資料5 循環型社会形成推進基本計画の進捗状況の第3回点検結果について ※○
参考資料6 平成20年度「環境・循環型社会白書」 ※○

午後 2時01分 開会

○循環型社会推進室長 それでは、定刻となりましたので、まだお見えになられていない委員の方もいらっしゃいますけれども、ただいまから中央環境審議会循環型社会計画部会を開催いたします。
 本日は、大変お忙しい中、お集まりいただきまして、まことにありがとうございます。
 議事に入ります前に、環境省で7月、8月にかけまして人事異動がございましたので、ご紹介させていただきます。
 まず、谷津部長でございます。引き続きまして金丸企画課長でございます。あと、橋詰廃棄物対策課長でございます。あと、荒木適正処理・不法投棄対策室長でございます。あと最後に、私、循環室長の大森でございます。
 それではまず最初に、廃棄物リサイクル対策部長の谷津よりご挨拶をいたします。

○廃棄物・リサイクル対策部長 7月22日付で由田部長の後を受けまして、廃棄部長を拝命いたしました谷津でございます。よろしくお願いいたします。
 今日の計画部会でございますけれども、昨年度基本計画の見直しにつきましてご答申いただきまして、それに基づいて今年の3月に第2次の循環基本計画が策定されたわけでございます。その後、ご案内のG8北海道洞爺湖サミットにおいて、神戸でのG8環境大臣会議の結果の3R行動計画が首脳レベルでもエンドースされたと。また、ほかの情勢を見てみますと、一頃より一服はしたわけですけれども、資源、エネルギーの価格の高騰、また高止まりというようなことが、さまざまな形で循環型社会づくりへの影響を及ぼしているわけでございます。
 そうした中で、温暖化、共生、それと循環というのをどう一体的に展開していくかというのが我々の課題ではないかと考えているわけでございます。今年になりまして、第1回の点検ということで、今日から作業をお願いするわけでございますけれども、一つよろしくご指導、ご審議のほどお願いいたします。

○循環型社会推進室長 ありがとうございました。
 では、事務局から本日の委員の出席状況を報告させていただきます。ちょっと残念ながら本日は10名の委員のご出席ということでございますので、部会ということではなく、懇談会ということで開催させていただきたいと考えております。あと、本日の配付資料でございますけれども、議題の下に配付資料の一覧をつけております。もし配付漏れなどがございましたら、大変申しわけありませんが、事務局のほうにお申しつけいただければ幸いでございます。
 それでは、以降の進行につきまして、部会長よろしくお願いいたします。

○武内部会長 それでは、議事に入らせていただきたいと思います。
 谷津部長以下、事務局のほうは新しい体制になられたということで、また皆さん、引き続きよろしくお願いしたいと思います。谷津さんは企画課長だったよね。以前は。

○廃棄物リサイクル対策部長 そうです。

○武内部会長 ということで、プロフェッショナルでございますから、ぜひまたこの新しい体制の中で、我々一生懸命議論していきたいと思います。
 大変恐縮なのですけれども、私、ちょっとブッキングの関係で少しミスをしてしまいまして、3時前にちょっと退席をせざるを得ませんので、あらかじめ皆さんにおわび申し上げたいと思います。浅野部会長代理にその後の審議については議事進行をお願いしておりますので、申しわけございませんが、ご理解のほどよろしくお願いしたいと思います。
 それでは、議事に入らせていただきたいと思います。
 昨年度は、先ほどお話の中にありましたように、循環基本計画の見直しということで、大変皆さんには精力的にご審議いただきまして大変ありがとうございました。第2次循環基本計画が3月に閣議決定されたということで、その後もサミット等でこの3Rの国際的な推進についての議論がされたところでございます。
 これからは、皆さんに既に見直しにご参加いただいた第2次循環基本計画の進捗状況の点検ということで、作業を進めることになります。今年度末に報告をするということで、それに向けた施策の進捗状況、今後の施策の方向等について、引き続き皆さんにご審議をいただくということになりますので、どうぞよろしくお願いしたいと思います。
 今回は、こうした議論の最初ということでございますので、まず最初に第2次循環基本計画策定以降のさまざまな動きについて、事務局からご報告をお願いいたします。続いて、第2次循環基本計画の進捗状況の点検の進め方について議論いただきます。
 引き続いて、さらに事業者の循環型社会形成に向けた取組のヒアリングということで、物流に携わっておられる立場から、日本ロジスティクスシステム協会と、日本物流団体連合会、いずれも社団法人でございますが、また小売に携わっておられる立場から、日本チェーンストア協会にそれぞれご説明をいただくということになっております。
 それでは、議事を始めさせていただきます。まずは第2次循環基本計画策定後の動きについて、ご説明をお願いいたします。

○循環型社会推進室長 では、私、大森のほうから昨年3月以降の国内外の動きをご紹介させていただきます。
 まず、資料1-1をごらんください。国内関係の動きでございます。国内関係につきましては、直接循環について、循環のみを対象としたものではありませんけれども、関連する閣議決定が2つございましたので、それについてご紹介させていただきます。
 まず1つ目が、1枚めくっていただきまして2ページ目でございますけれども、低炭素社会づくり行動計画が平成20年7月に閣議決定をされております。低炭素社会と循環型社会の統合ということで、3Rの推進についてもここにありますように、リデュース、リユースを重視した3Rの仕組みづくりを推進するというようなこと、それから資源生産性の向上を図るというようなことが盛り込まれているところでございます。
 それからもう一つ、閣議決定といたしましては、4ページ目を見ていただければと思いますけれども、つい先日、新経済成長戦略のフォローアップと改訂ということで閣議決定が行われております。これは以前に作られた経済成長戦略について改訂が行われたということで、キャッチフレーズとしては、ピンチをチャンスに変えて資源生産性競争に勝つとか、世界市場に打って出るというようなことを内容としたものになっております。その中で、下の[2]、5ページのところを見ていただければと思うんですけれども、同じように3Rについても盛り込まれておりまして、第2次循環型社会形成推進基本計画における、高効率な廃棄物発電の導入等による熱回収の徹底、それから地域の特性と循環資源の性質に応じた地域循環圏の形成による地域活性化を図るため、この循環計画に基づく取組を着実に実行するというような国内の取組が書かれております。
 もう1ページめくっていただきまして、6ページ目でございますけれども、ちょっと下から、こっちは国際のことで、アジアにおける3Rを通じた循環型社会の構築ということでございますけれども、特に下から5行目のところを見ていただきますと、また以下のところで、この後ご説明いたしますが、G8環境大臣会合で合意された「神戸3R行動計画」と、それから「新・ゴミゼロ国際化行動計画」等に基づいて、我が国がアジア各国での3Rの推進、循環型社会の構築に貢献していくという旨が閣議決定されております。
 では次に、国際の方をご覧いただければと思います。資料1-2になります。若干前後いたしましたけれども、本年5月のG8環境大臣会合と、7月の洞爺湖サミットの成果について、もうご承知かとは思いますけれども、簡単にご報告をさせていただきます。
 まず、飛ばして4ページ目をごらんいただけますでしょうか。よくご存じのことかと思いますが、3Rイニシアチブが2004年のシーアイランドサミットのときの小泉総理から提案されて、各国首脳が3Rの行動計画に合意されたわけでございますけれども、その後で何度か閣僚会合、それから事務レベルの会合を繰り返してまいりまして、その成果といたしまして今年の5月のG8環境大臣会合、それからさらには北海道洞爺湖サミットへのインプットというような流れになっております。
 下の5ページ目のところは、今年に入ってからの動きの1回目ということで、3月に第2回のアジア3R推進会議というのが行われております。結果といたしましては、アジアの19カ国、それから7国際機関が参加して議論が行われまして、3Rを効果的に進めていくために、明確な計画とビジョンを持った法的枠組みの必要性、それからアジアにおいて健全な資源循環と資源効率性の向上の重要性が共有されたということがポイントでございます。
 こういった準備を踏まえまして、次のページをめくっていただきますと、5月にG8の環境大臣会合がございましたけれども、そこで神戸3R行動計画というのがまとまっております。本体のほうは資料1-3のほうにつけておりますので、後ほどごらんいただければと思います。ここで、ポイントといたしましては、3つの目標を決めて、その実現に向けてG8各国がとるべき行動を網羅したものとなっております。
 1つ目の目標が、3R関連政策の優先的実行と資源生産性の向上ということで、「もったいない」精神を共有して、3R関連施策を優先実行する。特にリデュースの優先をするということと、他国にも同調を呼びかけるということ。それから各国が資源生産性を考慮した目標を設定する。それから特に温暖化対策、低炭素社会とのコベネフィットを追求するというところが目標の1つ目でございます。
 2つ目が国際的な循環型社会の構築というところでございまして、途上国を含めて各国内での循環資源の適正管理、不法な越境移動の防止というのがもちろん大前提でございます。さらに、循環資源の地球規模で実施できるような基礎づくりを考えていくというようなことでございます。特にG8や他の先進国が有害廃棄物を途上国から輸入して、適正に処理するということに取り組むということが目標として定められております。
 それから3つ目でございますが、先ほどの関係にもありますけれども、途上国の能力開発、キャパシティービルディングに向けた連携をしていくということで、各支援プロジェクトに3Rを盛り込んでいくという点、それから関係者とのパートナーシップの促進といったことが目標の3つ目として盛り込まれております。この目標に向けて各国が行動をいたしまして、3年後をめどに、2011年をめどにフォローアップをするということが計画に位置づけられております。
 この行動計画については7ページ目をごらんいただきますと、北海道洞爺湖サミット、G8サミットのほうでの首脳宣言にもその趣旨が盛り込まれております。具体的には行動計画の主要事項の目標設定、それから3Rの観点を事業や投資に盛り込むこと、あとバーゼル条約と整合した国際的循環資源の支持は、いずれもサミットの首脳宣言に盛り込まれたということで、十分な成果を得ております。今後はこれの実施ということになります。
 なお、ちょっと話がずれますけれども、すみません、部数がなくて委員の方だけなんですけれども、お手元にこのようなパンフレットをお配りしておりまして、これは今年の日本の環境、循環を示した白書ですね、循環型白書の絵解き版みたいなものでございまして、これを各国語に訳してサミットの場でも配らせていただいております。
 それからもう1ページおめくりいただきまして、日本のさらに取組ということで、ちょっと時間が前後するんですけれども、今年の5月、G8環境大臣会合にあわせまして、日本のとるべき行動として新・ゴミゼロ国際化行動計画についても公表をしております。ここでは各国のニーズに応じた廃棄物の適正処理と3Rの統合的推進、それから廃棄物の適正処理、3Rを通じた温暖化対策への貢献、それから有害廃棄物の不法な越境移動の防止といったことを目標にしながら、さまざまな取組を行っていくということを明らかにしており、さらにはアジア全体、さらには世界的な循環型社会の構築に向けて取り組んでいくとともに、連携を図っていくというようなことを日本として宣言して、各国にも約束したということでございます。
 あと、9ページ目、10ページ目は、ちょっと関連する事項として今取り組みが進められております国際的なものを2つご紹介したいと思います。1つ目がOECDにおける物質フロー分析、資源生産性に関する取組ということで、2004年に物質フローと資源生産性に関するOECD理事会勧告がございまして、それを受けて日本、特に森口委員がワーキンググループの議長として取り組まれていらっしゃいますけれども、そういう国際共同研究を進めてきたということでございます。それでその結果、今年の春に、2008年には資源生産性についてOECDの理事会勧告がさらになされまして、その勧告については神戸のOECDの環境大臣会合において承認されております。内容については、物質フローとか、環境影響の分析をしていくこと、それから資源生産性の向上に対する政策をとっていくことというようなことが内容として盛り込まれております。
 それから最後のページでございますけれども、国連環境計画、UNEPのほうにもまた別途天然資源の持続可能な利用の確保という課題に向けて、科学者をメンバーとする国際パネルができております。ここでは、天然資源の利用と環境影響に関する最新の情報収集、それから知識基盤の構築というようなことが内容となっておりまして、金属資源の地球規模でのフローなどを、具体的に中身として研究を進めていくということを今取組として進められております。これについても森口委員がメンバーの一人に入っておられまして、環境省もここに資金拠出をして、こういう研究的なネットワークによる取組を支援しているところでございます。
 以上が、今年の3月以降の国内外の動きを、ごく簡単でございますがご紹介いたしました。

○武内部会長 どうもありがとうございました。
 それでは、今のご説明に関して何か。どうぞ、浅野委員。

○浅野委員 総論的には大変よく国際的な取組の面でも進んできていると思いますし、いいんではないかと、大変評価すべきことだろうと思っていますが、前から産構審でも同じような議論をしているんですけれども、特にアジアということに絞ってもいいんですが、3Rをアジアで進めていくというときに、一番のネックはトレーサビリティー、物がどう動いていくのかよくわからない。それを何とかシステム化していかなければいけないんではないかという議論はさんざんやってきているわけなんですが、一連のドキュメントや動きの中では、余りそれは正面から取り上げられている形跡がないんですけれども、この点についてむしろ金丸課長に聞くべきなのか、谷津部長に聞くべきなのかよくわかりませんけれども、どんなふうに我が国は今後考えていくのか。何か内部的にでも議論しておられることがあったら、教えてください。

○廃棄物・リサイクル対策部長 まさに基礎中の基礎でございまして、我々も3Rのイニシアチブを展開する際に、まずファクツをアジアで共有しない限り、有効な政策が議論できないというふうに強く感じて、例えがいいかどうかわかりませんけれども、温暖化を例にとればIPCC的なサイエンスとかエンジニアリングという、そういう世界と政策の議論を両輪のような形で、この3Rについても進める必要があるんではないかというふうに基本的に考えているわけです。そうした中で、一部プラスチックについては国立環境研究所でかなり詳細な研究の蓄積もしていただいておりますし、それ以外のものについても、順次成果が上がってくるものと期待しておりますが、改めましてご指摘を賜りましたので、関係の研究者、研究機関とよく相談をして、促進に努めてまいりたいと思います。

○武内部会長 森口委員。

○森口委員 発言しようと思ったのは、この9ページ、10ページの国際的な展開の点でございます。それと今のトレーサビリティーのことについても簡単に発言させていただきます。
 まず、9ページのOECDのところでございますが、さっき事務局からの説明で、4月、神戸とございましたが、4月のOECD環境大臣会合はパリでございまして、5月の神戸のG8と混同があったかもしれません。その4月のOECD環境大臣会合とバック・トゥー・バックで、10ページにはUNEPの名前がございますが、OECD-UNEPの共催で資源効率に関する大規模な国際会議がございました。私も参りましたけれども、環境省から並木前政務官が共同議長をお務めになった、そういう会合がございました。そこに武内部会長もご参加されまして、新循環基本計画のPRなどもしていただきました。僭越ですが、私の方からそのことをご紹介をさせていただきたいと思います。
 あと、トレーサビリティーの件でプラスチックの話なんかが出ましたが、ちょうど一昨日も家電のリサイクルの制度見直しの後の初めての合同審議会がございまして、そこでも少しトレーサビリティーを確保しなければいけないという議論をしていた割に、やや行政側の取組が甘いのではないかと思われるところがございましたので、かなり強くそこのところをお願いしておきました。それも余計なことかもしれませが、つけ足しさせていただきます。

○武内部会長 どうもありがとうございました。桝井委員お願いします。

○桝井委員 今、ご説明いただきましたこの国際関係の動きのこれが興味深いといいますか、大事なことだと思うんですが、8ページの左上の各国のニーズに応じた廃棄物の適正処理と3Rの統合的推進というのがありますけれども、ここの2番目にJICA技術協力、要するにJICAを中心としてどうやるのかということなんですが、これはかなり重要なこれからどんな戦略的といいますか、やるのかと。特にJICAというものを組み越えて、このODAのあり方がこれから変わっていく中で、やはりここは一つの理念というか、いかに使うかという、環境省としてもこれにどう取り組んでいくのかということが必要なんだろうと思うんですけれども、この辺をちょっとお伺いしたいと思います。

○廃棄物・リサイクル対策部長 ODA、JICA関係でございますけれども、まずは私ども環境省職員でこの3Rに携わった経験の長い人間をアジアの主要国に送り込んで、まずそういう専門家の目から見てどういうニーズがあるのか、何が日本との協力をするときの核になるのかといったあたりのまず作業を進めておりまして、最初にこの分野で専門家を派遣しましたのは中国でございます。今、2代目に交代をしようとしているところでございますけれども、中国、ご案内のように、循環経済―ちょっと概念は広いんですが―に力を入れておりまして、日本に対する期待は極めて大きいものがございます。幾つかのモデル都市でこの循環経済、あるいは日本のエコタウンのような、ああいう発想の新たな地域開発にも力を入れようとしておりまして、そういうものに日本として何が協力できるのかと、今整理をしながら具体化を図っているところです。
 2つ目の重点国はベトナムでございまして、これは廃棄物をずっと長くやっていたシニアな補佐、管理職成り立てぐらいの人間をベトナムに送りました。まだ数カ月なんですけれども、彼の目から見て、今申し上げましたようなことを今盛んにやっているところであります。また、私も行っていましたけれども、インドネシア、これ今は8代目が行っていまして、この人間も廃棄物は非常に経験が豊富なものですから、そういった幾つかの拠点国でまずどういったことができるのか。廃棄物処理ということに限定をいたしますと、かなり円借款なり、その技術協力の経験は長うございまして、トレーニングセンターを幾つかの国で作ったりしてやっております。これを新しい3Rという目で、もう一度再整理をして、外務省、JICAとも協力してしっかりやっていきたいと思います。

○武内部会長 それでは江口委員。

○江口委員 私が申し上げたかったことは全部説明があったもんですから、重複はしたくないんですけれども、重ねて申し上げたいことが、やっぱり環境外交というそういうマクロ的な視点からやらないと、部分は成功するんですけれども、全体のムーブメントが出てこないんではないだろうかという点では、僕は外務省とそれから環境省のリンケージ、それから新JICAですね。今度JICAが新しくなりますね。だから、今度、国際協力事業団ですか、それの政策整合性みたいなものを相当考えないといけないんだろうと。
 僕はベトナムに関しては大賛成でして、これは前回のここでやった会議でも非常に親日的ですね。メンバーが親日的でして、若干中国はバーゼルの事務局があるということでもって、ちょっと周辺がかたいんですけれども、周辺から攻めていってベトナムとか、それからインドネシアあたりを攻めていく、あとタイですね。この3つぐらいを攻めていって、そして日本の環境外交のベースをつくったらいいと思うんですけれども、会議はいっぱいやっても実績が上がらないんではしようがないので、なるたけこの実績を、できればマスコミに流して国民の関心を高めておくということが必要だと思います。
 以上です。

○武内部会長 それでは、崎田委員。

○崎田委員 重複する部分がありますので、短く。
 アジアを中心とした世界との交流の中で、3Rの分野だと、特に消費者とか市民のライフスタイルとの関係というのも大事になってくるというふうに思っておりますので、今後、アジア各国と政策形成の上で、あと産業界の上で交流を活発化させるというときに、もう一点、いわゆる消費者市民、あるいは地域、環境教育とかNGO、そういうような視点でのソフトの部分での連携というのも、しっかり位置づけていただけると大変ありがたいというふうに思っております。どうぞよろしくお願いいたします。

○武内部会長 よろしいですか。一通り皆さんに質問してお答えいただきましたので、議事を先に進めさせていただきたいと思います。
 それでは、引き続きまして第2次循環基本計画の進捗状況の点検の進め方についてご議論いただきたいと思います。
 事務局のほうから説明をお願いいたします。

○循環型社会推進室長 引き続き私のほうから、資料2に基づきましてご説明をさせていただきたいと思います。
 第2次循環型社会形成推進基本計画の進捗状況ということで、計画のには、1.点検の背景、資料2の枠囲いの1の点検の背景のほうに書いてございますけれども、循環基本計画の着実な実行を確保するため、毎年中央環境審議会は、国民各界各層の意見を聞きながら、関係府省の自主的な点検結果を踏まえて、環境基本計画の点検との連携を図りつつ、循環基本計画に基づく施策の進捗状況などの点検とともに、毎年度重点的点検事項を設定し、中央環境審議会において集中的な審議を行い、必要に応じ、その後の政策の方向につき政府に報告するということが定められております。
 この点検の内容につきましては、当然ながら計画を進めていくために、次年度の例えば関係省庁の政策の企画・立案、それから予算要求、組織定員要求などにどんどん反映をさせていきたいということで、こういう点検というスキームを設けさせていただいております。点検についてのちょっと長目の中期的な方針のほうを、1ページ目の下のところに書かせていただいております。ごくごく簡単で恐縮なんですけれども、ことし9月からこのように点検を開始していただきまして、今年度はまた後ほどご説明いたしますけれども、来年3月を目指して点検の報告を行うということを考えております。
 それから21年度の点検、これが2回目の点検になりますけれども、ここでは第2次循環計画で拡充強化いたしましたその物質フロー指標のところについて、例えば隠れたフロー、TMRとか産業別資源生産性などについて検討を進めた結果を、事務局のほうからご提示させていただきまして、そこで審議をいただくというのを大きな目玉と考えております。それから地方公共団体などの取組についても、地域循環圏というのが大きな目玉になっておりますが、そういう調査結果を踏まえてご審議いただくというのが第2回目の目玉かなということを考えております。
 1枚おめくりいただきまして、平成22年度、これが進捗状況の中間評価ということで、第3回の点検になりまして、ここはかなり大きいというか、全体的な点検と評価ができればということを考えております。それからその中間評価の結果も踏まえて、平成23年度ぐらいから循環基本計画の見直しのための議論を開始しまして、その後必要に応じて計画の見直しをする。この下のほうに循環基本計画の抜粋がございますけれども、内外の社会経済の変化に柔軟かつ適切に対応して見直しをする。見直しの時期は5年後程度をめどとするとなっておりますので、23年以降、見直しの議論をしていただければということで、すごく粗いですが、今後の5年間ぐらいのめどをつけさせていただきました。
 それとあと、2に移っていただきまして、では今年度何をするかということでございますが、今年度まだその計画ができて日も浅いということでございますけれども、4つポイントを出してそれについて重点的にご検討いただければということを考えております。
 1つ目は、特に基本計画の中で強調されました点といたしまして、3つの社会、循環型社会、低炭素社会、自然共生社会という3つの社会の統合的取組というところの状況について、やはり検討していったほうがいいのだろうというふうに事務局では考えております。点検全般において、この循環型と低炭素、または循環型と自然共生というような統合的取組の実施状況に留意するというところが一つ。それから初年度でございますので、まずはその廃棄物部門由来の温室効果ガスの排出量と、廃棄物として排出されたものの原燃料への再資源化、それから廃棄物発電により代替される化石燃料由来の温室効果ガスの排出量など、データ面について試算をしたいということを考えております。
 それから2つ目の重点分野といたしまして、日は浅いんですけれども、地域循環圏の形成に向けた先進的な取組、それからリデュース・リユースの推進に向けた先進的な取組について注目をいたしたいと考えております。特に、地域循環圏ということでは、家畜ふん尿の地域における有効活用、それからリデュース・リユースということでございますと、製造業、小売業に関連する物流・流通関係、特に今日ヒアリングで来ていただいておりますけれども、そういう物流・流通関係における梱包・包装に関するリデュース・リユース、そういったものにスポットを当てていきたいと考えております。
 それから3つ目が、国際的なところ、今もいろいろご意見をいただいたところでございますけれども、国際的な循環型社会の構築に向けた取組状況について、3Rの国際協力のあり方、途上国協力のあり方について、取り上げたいということで考えております。
 3ページ目に移っていただきまして、4つ目として基礎的なところでございますけれども、第2次循環基本計画において盛り込まれました指標について計算するということ、それから先ほどもありましたが、低炭素社会の取組との連携に関する指標について、最新の成果を反映させた試算を示したいということでございます。
 こういった検討について、有識者の方、それから関係各省、関係業界からのヒアリングを行いまして、多様な意見をくみ上げるということと、実態把握を進めるということで、点検作業を進めていただければということで考えております。
 下のほうにヒアリングの候補が書かれておりまして、1つが国の取組、これは毎年お願いしているんですけれども、関係各省からのヒアリングということで、政策の進捗状況をヒアリングするというのを考えております。
 それから事業者の取組ということで、経団連さんからのヒアリング、それから業界団体さんからのヒアリング、幾つかここに挙がっておりますけれども、今日既に幾つかお願いしておりますけれども、そういうヒアリングを考えております。それから地域循環圏の関係として、地域における先進的な取組、それから先ほど申しましたような畜産ふん尿のバイオガス利用についての有識者ヒアリングも考えております。それから国際的な循環社会の構築としては、JICA、恐らく新生JICAになるかと思いますけれども、途上国支援の取組についてお話を伺うということを考えております。2回目以降で、NPO、NGOの先進的な取組、それから地方公共団体さんの取組などはちょっと次の回に回して重点的に聴取したいということを考えております。
 それで4ページ目のほうに移っていただきまして、今年度の点検のスケジュールを事務局としてとりあえず案として作っております。日程については何回も事務局から確認のお問い合わせをして真に申しわけありませんでした。日程でございますけれども、一応12月までの日程を、ご協力をいただきまして、仮ではございますけれども、決めさせていただいております。
 1回目が本日でございます。2回目のところは、ちょっと場所が遠いんですけれども、山形で3Rの推進全国大会が行われますのとあわせて、地域ヒアリングを開催したいということを考えておりまして、ここではトレイのリサイクルをされているヨコタ東北さん、それからレインボープランをされている長井市さん、それから幼稚園と一緒に新エネを取り組まれているかねやま新エネルギー実践研究会さんといったところからお話を聞きたいと考えております。さらには、地域循環圏を考えるシンポジウムをあわせて開こうと思っておりまして、経済協力開発機構の環境局の国内対策課長のトム・ジョーンズ氏の講演も予定しているところでございます。ちょっと場所が遠いんですけれども、ぜひご出席をいただければ幸いでございます。
 あと、3回目以降でございますけれども、ここにありますように、産業界の取組のヒアリングを第3回にやって、あとその地域循環圏の有識者ヒアリング、それから国際的なJICAさんのヒアリングなんかはここで考えております。それから11月の末、11月28日になりますけれども、ここは第4回ということで、関係省庁さんに来ていただいて、ヒアリングをすることを考えております。第5回目が12月に入りまして、ここで3つの社会の取組の状況ということで、先ほど申しましたような廃棄物発電の状況とか、廃棄物部門からの温室効果ガスの排出量の状況なんかをご報告させていただきたいと考えております。点検の報告書自身はここで構成案をお示しさせていただきまして、ちょっと日程が大変タイトになって変なときで恐縮なんですけれども、12月22日、第6回のときに報告書素案をお出しできればということで考えております。その後、5ページ目に移っていただきまして、ここは従来の手続きと同じなんですけれども、1月にパブリックコメントをいたしまして、2月にそのパブリックコメントを踏まえた修正を入れた形で報告書の案をつくりまして、ここでご審議いただいて決定に持ち込めればと。さらには、3月をめどに閣議報告まで持っていければということを考えております。
 ちょっとロジ的なご報告が多くて大変恐縮なんですけれども、点検の進め方については以上でございます。

○武内部会長 どうもありがとうございました。
 それでは、ただいまの進捗状況の点検の進め方についてということで、何かご意見をいただくことはございますでしょうか。特にございませんようでしたら、この方針でやらせていただきたいと思いますが、それでよろしいでしょうか。
 それでは、そういうことでやらせていただきたいと思います。どうもご協力ありがとうございました。
 それでは、私、もうちょっとおりますけれども、今ちょうど切りのいいところでございますので、先ほど申し上げましたように今後の議事進行について、浅野部会長代理にお願いしたいと思います。よろしくお願いします。

○浅野部会長代理 それでは、以下は私のほうで進行させていただきます。
 本日はこの後、ヒアリングをお願いすることになっております。お三方に今日おいでいただきまして、先ほど部会長からのご案内もありましたように、今日は主に流通あるいは物流という観点からのお話を伺うことになっております。よろしくお願いいたします。
 大変恐縮でございます。もう我々ももっと時間をとって議論しなければいけないんですが、みんな時間に追われているもんですから、大変短い時間で恐縮でございます。お一方10分程度でご発表をお願いいたしまして、その後、私どものほうからご質問を申し上げるということにしたいと思います。
 最初はロジスティクスと関連がありそうなので、まずご発表いただいてからと思ったんですが、ちょっと内容を拝見しますと、やっぱりそれぞればらばらにお聞きしたほうがよさそうな内容でもありましたので、まず日本ロジスティクスシステム協会、北條様からお話を伺いたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。

○日本ロジスティクスシステム協会 日本ロジスティクスシステム協会の北條です。10分ということで、大変忙しいプレゼンになると思いますが、これから説明してまいりたいと思います。
 まず、私たちの団体名称のところにあるロジスティクスなんですが、これどうも舌をかみそうな話でありまして、人によっていろいろ定義があるんですけれども、私たちがよく使うのは必要なときに必要な物を必要なだけ届ける。そのためにするすべての行為というふうに考えております。基本的には資料を見ながら見ていただければわかるようにしてあります。
 私たちの協会の概略ということでいろいろ書いていますけれども、目的は今申し上げたロジスティクスを高度化するために、主に民間企業の人たちのサポートをしておこうということなんですけれども、下のほうにありますように、外部不経済が起きるということがよくあります。そういうものについては、やっぱり社会的な調和を図っていこうということも私たちの団体のミッションになっています。業界団体というふうによく言われるんですけれども、実は私たちは業界団体ではありませんで、業種横断的にいろいろな方々が、ロジスティクスですとか物流にご関心のある皆さんがお集まりになっているというそういう横断的な組織であります。
 所管ということで、経済産業省、それから国土交通省、この2省の所管になっております。余談ですけれども、天下りの方は一人もいらっしゃいません。法人会員は全部で1,032社です。会長は今、新日鐵の会長でありますところの三村明夫さんに会長になっていただいております。その前はトヨタ自動車の張さんでありました。
 環境にかかわる最近の主な取組ということで、ロジスティクス環境会議というのがありまして、これはグリーン物流パートナーシップ会議という役所主体でやっているのがありますけれども、それに先んじて私たちの社団のほうでつくり出したものです。環境に関心のある方が、特に95社集まって、非常に濃い議論をしています。それから教育研修事業というのも私たちの主な事業になっていまして、グリーンロジスティクスエキスパート講座ですとか、あとグリーン物流基礎コースなどという講座なども開いております。
 以上が私たちの会社の簡単なプロフィールでありまして、これからお話しするこれが今申し上げたロジスティクス環境会議を始めるときに、グランドデザインということで、よりどころとしようということでつくった絵です。当時は循環型社会ということで、今、持続可能社会とかいろいろ言われていますけれども、当時は循環型社会を実現するためにどうあるべきかということを議論してきたわけです。主にロジスティクスというのは、先ほど申し上げたように、必要なときに必要な物を消費者に向けて届けるという、このサプライチェーンと呼ばれる側がメーンだったわけですけれども、循環型にしてくるとここで使われた物が、従来はごみになってこうやって外に行っていたわけですけれども、また必要な物になってくるわけです。こうやって返さなければいけないねということで、我々はそのサプライに対してリバースチェーンというふうに呼んでいますけれども、それも非常に重要ですよねという認識のもとに活動を行ってまいりました。
 なぜ食糧なのということなんですけれども、もうこれ皆さんよくご存じだと思いますけれども、我が国の食糧自給率というのは非常に低い。カロリーベースで見て39%なんですね。これは当然国内で見た場合なので、では残りはどうしているのかといいますと、今ごらんいただいているように、海外から持ってきていると。農水省の試算ですと9,002億トンキロ。トンキロというのは、1トンの質量の物を1キロメートル運ぶとトンキロという単位になりますけれども、9,002億トンキロも私たちは食糧を輸入している。それをCOに換算すると、仮に船で全部運ばれたといたしますと、年間3,500万トンぐらいになります。実はこれは国内の運輸部門の14%にも相当するすごい量だと。最近、バーチャルウォーターの話がよく言われますけれども、実はバーチャルエネルギー、翻ってはバーチャルCO、バーチャルカーボンというものも食糧には非常に深く関係しているということがわかります。
 これが世界のエネルギー資源可採年数ということで、石油、天然ガス、石炭、ウランとありますが、私たちが主に使っている化石燃料の代表的な石油というのは、あと40年ぐらいでなくなるというふうに言われているわけですね。ですから、食糧を輸入するということは、この残された石油をどんどん減らしていくんだということです。したがって、食糧というものは、そもそも海外依存率が高いというだけではなくて、今出てまいりましたけれども、赤いところですね、その返品・返送物流があったりですとか、リサイクル物流があったりですとかするわけです。そもそも返品・返送物流についてはないことが理想なんですけれども、実際起きているねと。それからさらに言うと、廃棄物流というのも大量に出ていますし、あとリサイクル物流ということはこの後申し上げますけれども、やや効率が悪いんではないかなと。この販売物流と言われるこちらの側の物流に比べて、このリサイクル物流というのはどうも物流効率が低いんではないかなというようなことがわかります。
 食品廃棄物の定義ということなんですけれども、今ごらんいただいているとおりでありまして、1番、2番ということなんです。その次のスライドは、食品産業から排出される食品廃棄物の量がどれくらいあるかという図なんですが、これ縦軸が万トン単位ですね。見ていただきますと、製造業で最も多く、それから外食産業、それから小売業、食品卸、大体こんなような感じになっています。
 何で返品が起こるのかなということなんですが、実は売れ残りだとか返品ですね。そのようなもので捨てられてしまう食品廃棄物の量というのは、実は結構多いぞということがわかります。業種平均ですと、重量ベースで食品廃棄物の11%ぐらいが売れ残りや返品が原因で捨てられているということで、これはかなりの量ですねということがわかります。
 その返品の量がどれくらいなのかということなんですが、これお菓子の業界を例にとったものなんですけれども、ここにあるように、返品率というのは出荷額に対して大体1.1%ぐらいあるというふうに言われています。その戻ってきた物がどうなるかといいますと、ほぼすべてが廃棄されているんですね。再利用されることはなく、このように99%廃棄されてしまいますねというようなことです。
 業種別に見ていただきますとどんなことかなということなんですけれども、ここにあるように、発注に問題がある。要するに多く発注し過ぎていると、こんなふうになっていますよということです。
 以上が大体廃棄物のところの返品とか、理由についてのところだったんですけれども、では次、リサイクルにかかわるということで、廃棄物がどのように再生されているかということについてごらんいただきたいと思います。
 これが食品廃棄物、廃棄されたものが再生されるというとちょっと変な感じがしますけれども、の再利用率です。見ていただきますとわかるように、製造業、卸売業、小売業、外食産業ということで、いわゆるサプライチェーンの上から下に行くに従って、再生量というのがどんどん減ってくる、再生率も減ってくるねということです。大体こんな状況になっているということです。
 では、その再生されている物はどんな物に使われているのかということなんですが、ほぼ飼料と肥料ですね。9割弱ぐらいが肥料と飼料になっているというところです。メタンというのが最近出てきていまして、平成16年以上ふえているということなんですが、ここのところ、1%台ぐらいですねということです。次にごらんいただくスライドは、大田区の城南島というところにあるメタンガスを利用した発電施設なんですが、都市内で出されたような食品廃棄物は肥料とか飼料にして田舎に運ぶよりも、こうやって都市型のリサイクルというものが物流的には、輸送距離が短くなったりするので有効ではないかということで、今注目しているところであります。
 これはちょっと古いんですけれども、平成15年の国会で環境委員会というのがあるんですが、その中で出てきた農水省の方がお話しされているんですけれども、業種別に見るとこんなふうになっていますねと。製造業から発生する物というのはリサイクルしやすいですねと。組成が一定しているからということなんですが、一方、食品の流通業だとか、外食産業から出る物、レストランなんかの食品残渣、食べ残しをごらんいただければすぐわかるかと思いますが、非常にたくさんの場所から少しずつ、少量ずつ出てくる。組成も多様になるわけですね。油が入っていたりとか、いろいろ含まれていますので、このような食品製造業と比べて再生利用率が低いんですよということをお話になっている。
 こういうことを、ロジスティクスの視点から見るとどうなるのかというのが次のスライドでありまして、食品製造業というのは比較的やりやすいだろう。物流上はやりやすいんではないかなと。ただ、返品による食品廃棄物、ほとんど焼却処分されているようですねということ。エネルギーを使って回収してきた物をエネルギーを使って燃やしているわけですね。それから先ほどの外食とか流通なんですが、これはどうも物流的に見ると仕分けなければいけないだとか、量が少ないとか発生場所が多いということで、トラック1台で回ろうとすると、なかなか効率が悪いんではないか。積載率というのは、例えば10トンのトラックに5トンの物を積むと50%。積載率が高ければ高いほど効率的な輸送になるわけです。
 これがその積載率と二酸化炭素排出量の関係を見たものなんですが、同じ前提条件であっても、この積載率がこちらのほうは100%でこちらが0%ですが、下がれば下がるほど同じ輸送条件であってもCOの量がどんどんふえてくるわけですね。ですから、工場から満載でどかんと物流センターに届けるような物流と比べて、食品廃棄物みたいな物を回収しながら走るというのは、積載率がどうしても低くなってしまうので、効率がかなり悪いんではないかなということが推定できるわけであります。
 では、実際どうやっているのかということなんですが、これがセブン&アイ・ホールディングスですね。いずれにしても1社でやっている。これもよく見る事例で、中部にあるユニーさんなんですけれども、これも何種類かやっているんですが、1社でやっているということで、物流は企業単位で行われているのが、どうも食品リサイクルの現状であるということがわかるわけです。
 これを地域的に見るとどうなるかというと、次の絵のようになりまして、同じ地域なんだけれども、あるコンビニチェーンがこのようなルートをとる。あるハンバーガーチェーンがこのようなルートをとるということで、同じ地域の中でトラックが輻輳して走っているということであります。では、その輻輳して走っているトラックに、どれくらいの荷物が積まれているのかということなんですが、左側がセブンイレブン、右側がモスフードでありまして、見るとやっぱり食品残渣の量はそんなに多くないんですね。セブンさんで14.3キロ、モスさんで合わせて15.4キロということで、たかだか10キロぐらいしか出てこない。セブンイレブンさん、23区内に約1,000店舗あるんですけれども、大体10キロぐらい出てくるとすると、1日で全部合わせて10トントラック1台分です。1,000社でですよ。23区回ってかき集められるぐらいということで、非常にやっぱり物流的に見ると効率が悪いのではないかなということがわかります。
 これはコンビニエンスストア各社の生ごみと廃棄物全体を見たものなんですが、生ごみはこれぐらいなんですけれども、廃棄物全体で見ると70キロとか50キロとか出ているわけですね。このように、生ごみ以外の物というのがばかにできないぐらい出ていますねということです。
 そこで、次のようなことをやればいいのになということなんですけれども、共同処理、共同回収というのが考えられないでしょうかということです。先ほどのセブンさんとモスさんが同じ処理施設を使って、同じトラックで回収してくればいいんではないかと。このようなモデル以外にも、同業他社ですね、セブンさんと、例えばam/pmさんでやったりとか、あるいは先ほどコンビニの例でありましたけれども、食品残渣以外の物というのがかなり出ているので、食品残渣と包装材なんかを一緒に共同で運んだらいいのになということがわかるわけです。
 これが、千葉県内のある都市を前提に想定してやった、一般廃棄物の焼却施設を共同化したとき、どれくらい効果があるのかという試算なんですが、自治体Aと自治体Bで別々にやったものを、自治体Bのほうでは焼却せずにまとめて隣の自治体Aで処理したらどうなりますかという試算をすると次のようになります。ここにELP、統合指標が出ていますが、これはCO以外にもNOxですとかいろいろな環境指標を合わせたものになっています。見ていただきますと、コストもELPも下がりますねということで、共同化の効果が出ていますねという試算例になっています。
 では実際、その回収で静脈物流で共同化されている例はないのかということで、これコピーマシンの例なんですけれども、中国地方でやっている例があります。これはどういうことかというと、新しいコピー機を入れにいったときに、例えばコニカミノルタのコピーが売れて取りかえに行ったときに、リコーさんのコピーがあったとするとそれを回収しなければいけないわけなんですが、従来はそれぞれ別々の便でやっていたわけです。それを共同の便でやるようにして、ここに1回デポに集めた後に、各会社に戻すようにした。この分が共同化できるわけです。ただ、これ当然障害がありまして、自分たちの売り上げ情報がばれてしまうわけですね、ほかの会社に。それで何をしたかというと、ここは日通さんが実はやっているんですが、このセンターというものの情報は、日通さんが一元して管理するようにしたということによって、他社の情報はコピーマシーンメーカー同士ではわからなくなったと。このような工夫をしてやった成功事例です。
 それから次のスライドですけれども、食品で共同回収がないのかというと、そんなことなくて、どうも私もまだちゃんとしたヒアリングをしていないんですけれども、茨城県の下妻市、ここにあるように外食店舗とスーパーマーケットの食べ残しと売れ残りをまとめて堆肥化しているというような例があるようです。このような例が進めば、先ほどの積載率の低いトラックの積載を上げることですとか、中間処理施設の重複、別々のところでやるというのをなくすことによって、物流面の効率化が図れるんではないかなということです。
 最後のスライドになりますけれども、食品のリバースロジスティクスを効率化する視点としては、どういうことがあるのかということで、まずキーワード1は共同化ですよね。先ほどリサイクルのところでお話ししましたけれども、共同回収ということを話しましたけれども、共同回収するために、例えばトラックを同じものを使う場合に、残渣とダンボールを同じトラックで運ぼうとする場合、容器を考えなければいけないし、共同の処理施設の話もあります。流通加工はちょっと今日説明している時間がないんですけれども、共同でやろうと思うと、分別方法みたいなものも標準化しておかないといけないねという話。それからこれ重要だと思うんですけれども、どこにどういう食品残渣とかごみがあるかという所在情報ですね。量とか質の情報、そういうものもやらなければいけないし、さらに言うと、情報を広くとれば食育の問題があるねと。食べ残しをしないような教育ですね。あと、技術としてはリサイクルは分別が面倒くさいものなんですけれども、例えば遠心分離をしたり、加熱したり加圧することによって化学的に分解するという研究も進んでいるようなので、そのようなところも今後注目していく必要があるんではないかということです。
 それからキーワード2、源流対策ということで、先ほど返品などの話をいたしましたけれども、これは情報システムを高精度化することによって、必要な物を必要なだけ必要なときに届けるようにしようという話、それからもうここのところ毎日のようにニュースになっていますが、ここのあたりですね。賞味期限とか返品の話、これちょっと過剰に来過ぎている部分もあるんではないかということでは、消費者教育、啓発の部分も必要だろうということです。
 それから最後に法制度なんですが、これ一回廃棄物としてしまうと、非常にハンドリングがしにくい。積み合わせて運べなかったりとか、別々のトラック出したりしなければいけないとかいろいろ面倒な問題があります。そういう意味からすると、現状は廃棄物であるものを廃棄物にしないように運べる物流ができるような仕組みというのは、法制度上、バックアップしていく必要があるんではないかなということであります。
 ちょっと時間過ぎましたけれども、私からのプレゼンテーションは以上です。

○浅野部会長代理 ありがとうございました。大変興味深いお話し伺いました。
 それでは、ご質問おありの方はちょっと名札をお立ていただけますでしょうか。いかがでしょうか。今、崎田委員からだけですか。森口委員。ほかにいらっしゃいますか。私は追いかけは認めませんので、これで終わりです。
 それでは森口委員からどうぞ。

○森口委員 ちょっとテクニカルな確認と。

○浅野部会長代理 質問については、まとめてお答えください。

○森口委員 まず20ページのこの積載率の話、これは非常に重要かと思うんですけれども、100キロの貨物を100キロ輸送と書いてあって、積載率が書いてあるんですが、ちょっと手計算してみたんですが、これは例えば100%の場合、100キロの荷物を100個積んで10トン積んであるという、そういう意味でよろしいでしょうか。100キロと書いてあるんですが、簡単なことなんですけれども。

○日本ロジスティクスシステム協会 すみません、間違いでありまして、10トンの荷物です。失礼しました。

○森口委員 10トンですね、わかりました。
 それから、もう一点は、例えば26ページのあたりに書かれている共同処理とか共同回収、これは積載効率を上げる上で重要な取組かと思います。制度面の問題がひょっとするとあるのかもしれませんけれども、それでこれは直接お尋ねしていいのかどうかわからないんですが、ここで言われている食品残渣と包装材と書かれているのは、残渣と例えば容器包装廃棄物みたいなものを積んで帰るようなイメージなんでしょうか。つまり、容器包装廃棄物の場合、今、容リ法は消費者のほうから出てくる物だけで、この事業系から出てくる物というのはまた別になっていますけれども、恐らくこれも集めてくるということ自身は非常に意味があると思いますので、現実に例えば食品関係の小売店なんかからこういった物をかなり持って帰っておられる実態があるのかどうかということを教えていただきたい。
 それからもう一点、追加で申しわけないんですが、これはやはり積載効率を上げると言っても、基本的に動脈を流れている物と静脈を流れている物、なかなか同時に積むということは難しいと思うんですけれども、それができることによって、随分輸送の効率が上がる部分があると思うんですが、車両の工夫によってそういうことの余地というのがあり得るのかどうかですね。つまり納品と帰りの物流というものを一緒にやることが可能か、現にやっておられる事例があるかどうか、教えていただければと思います。
 すみません、長くなりまして。

○浅野部会長代理 古市委員どうぞ。

○古市委員 ロジスティクスの部分は非常によくわかるんですけれども、このような動脈系は非常に競争原理が働いて、要するに世界各地から安い物は距離をかけてもペイするということで回りますよね、これはね。静脈系になりますと、リバースロジスティクスというようにおっしゃっているんですけれども、このときにマーケティングみたいな、そのニーズの把握、それをどう回していったらいいかが重要です。例えばバイオマスをガス化したらいいのか、コンポスト化したらいいのかとか、肥料化したらいいとか、そういう需要の把握といいますか、それをどのように転送したらよいか、長距離輸送したら合いませんよね。できたら地域でリサイクルできると一番いいですよね。だからそういう需要と輸送方法の把握をどう工夫されるか。
 もう一つは事業主体ですよね。これ共同化とおっしゃるけれども、同業他社、競合しているようなところはなかなか難しいですよね。それでも産廃ということで、民間でやる場合だったらある程度回る可能性もあるんでしょうけれども、先ほど焼却とか自治体の一般廃棄物の例のお話もされましたので、例えば北海道では歌志内のほうで可燃ごみばかり広域で集めて、残りの一廃の生ゴミを分別し有料化してバイオガス化している滝川市等の例があり・・・。

○浅野部会長代理 時間がありませんので、短目に。

○古市委員 ごめんなさい。そうでない生ごみは単独でやるという、そういう組み合わせがいろいろ考えられるんです。ですから、その事業スタイルをどうとるかによって、事業主体がペイするかペイしないか、事業化が動くか動かないかが決まるんですね。ですから、2つ質問、ニーズをどう把握するか、事業スタイルをどうとるか、この2点教えてください。

○浅野部会長代理 わかりました。崎田さんどうぞ。

○崎田委員 ありがとうございます。
 今、食品廃棄物の増える理由とか、いろいろ分析していただいて、非常に私も食品のリサイクル法の改正に出ていましたので、非常に明確にやっていらっしゃるので、その辺を今後ぜひいろいろ業界の中で発信をしていただいて、いろいろ進めて、3Rの推進に役立てていただければありがたいと、まず一点思いました。
 もう一つ、質問させていただきたいのは、30ページの食品の共同回収システム、やはりこういうことをうまく提案していただいて、現実に移していくという作業をしていただくのが大変うれしいなと思って伺っていたんですが、実は今地方自治体の市町村の審議会の重要な課題の一つがここなんですね。先ほどおっしゃったときには、大きなスーパーのお話が非効率だというふうにおっしゃったんですが、もっともっと地域の商店街とか、そういうところの生ごみをきちんとした、生かすようなシステムをつくるというのが、今、大都市部の市町村の委員会では一番課題なので、ぜひそういうところとつながって積極的にモデル事業を展開していただくと、私は大変うれしいというふうに思って伺いました。
 よろしくお願いいたします。

○浅野部会長代理 今のはコメントということにしておきましょう。
 それでは江口委員。

○江口委員 私も同じ質問なんですけれども、一つは下妻市のようなサンプルが全国にいっぱいあるんではないかと思うんですよ。それからもう一つは、食育の問題ですね。これは文科省の問題とも関連してくると思うんですけれども。それから消費者教育というんですかね。これは総論的で申しわけないんですけれども、それは積極的にやっていただくという方向だと思うんですけれども。
 以上です。

○浅野部会長代理 ありがとうございました。
 それでは、コメントのところはもう無視していただいて結構ですので、質問部分だけお答えください。

○日本ロジスティクスシステム協会 1番最初の質問をちょっと忘れてしまったんですが。

○浅野部会長代理 それでは森口さん、もう一回ちょっと質問。

○森口委員 すみません、幾つかお話ししたんです。ポイントとしてお伺いしたかったのは、静脈といいますか、いわゆる廃棄物、リサイクルのための回収だけの共同化ということを考えておられるのか、あるいは配送便との間での混載というのは、技術的に可能性があるのかどうかということをお伺いしました。

○日本ロジスティクスシステム協会 ありがとうございます。
 私がきょうプレゼンテーションしたのは、回収便だけの積み合わせというものを考えておりました。ただし、動脈と静脈が一緒にないかというと、これを事例として紹介するのは適切かどうかわからないんですけれども、ベンダーですね。ドリンクの自動販売機。あれって補充のときに上に空き缶をどんどん回収して走っているんですね、同じトラックで。ああいうような仕組みというのも理想ですね。ただし、やっぱり食品メーカーの方の話を聞いていると、ごみと製品を一緒に運ぶのは心理的に嫌だという問題があります。その辺はやっぱり先ほどお話ししたような容器の改良の話だとか、トラックの改良ですね。そのようなところで分離が完全にできるようなものができないかということから考えていったらいいんではないかと思います。
 それから次の方の需要把握はどうするのかということなんですが、これはやっぱり商品になるかならないかによって全然関心の度合いが違ってくると思います。そういう意味からすると、これはやっぱり一大産業になっていけば、廃棄物処理ですとか、食品残渣の回収ですとか、目の色が変わってくるはずだと思います。そうすると事業主体の話もおのずから明らかになってきて、民間でできるところがふえてくるんではないかなというのが、私の楽観的な予測になっております。

○浅野部会長代理 ありがとうございました。そんなところで結構かと思います。
 どうもありがとうございました。
 それでは、時間がありましたらまた後でご質問差し上げますので、どうもありがとうございます。
 では、続きまして社団法人日本物流団体連合会物流センター長の福本様にお話をお願いいたします。
 大変恐縮でございます。また10分程度ということでお願い申し上げます。

○日本物流団体連合会 物流連の福本でございます。よろしくお願いいたします。
 それでは、資料から入っていきます。私のほうは物流業界におけるリデュース・リユースという今の事情についてということでテーマを受けております。
 最初の当日本物流団体連合会の概要といたしましては次のとおりです。設立は平成3年7月8日、会員数は正会員が84社、それから団体会員が14団体、合計で98社になっております。正会員さんというのは、物流事業者ということで、陸・海・空の大手の事業者さんに入っていただいております。これは基本的には売り上げ100億以上の事業者ということで線引きしてございます。そういうことで日本における陸・海・空の大手の物流事業者さんには、大体入っていただいています。役員が会長が1名、現在は日本通運の会長でございます岡部さんに会長をしていただいております。副会長が7名、理事長1名、理事が19名、監事が2名です。この中で副会長、なぜ7名が多いかといいますと、私ども日本の物流業界の団体、倉庫協会さんだとか、全ト協さんとかあるんですが、その方たちを取りまとめて、いろいろな横断的課題をやるということで、各団体の会長さんに副会長として入っていただいております。
 次が私どもの事業活動でございます。私どもは委員会活動と情報提供活動と、それから私どもが入っているようなセンター業務の三本柱として事業を推進しています。1つが委員会の活動の推進ということで、政策・広報委員会というのがございます。これは今現在、最も力を入れているのは、小学生等が社会教育でいろいろな物流施設を見るというのが、結構今注目されています。そういうことで、当方の会員さんに物流施設の開放を呼びかけて、去年岡山県なんですが、小学生が100名ほど日本通運さんの水島営業所を訪問してございます。またもう一つが、今またちょっと注目されておりますけれども、中学校の職場体験ということで、東京都教育委員会から受けまして、職場体験できる事業所を今一生懸命お願いして、窓口を広げてございます。これも昨年1人、日本通運さんの営業所に小学生が職場体験ということで入っております。これは今教育委員会のほうで、中学生の職場体験をすごく力入れておりまして、私どももそれに協力していこうということで、今積極的に進めております。
 それからあと物流効率化委員会、これは一貫パレチゼーションの推進を図るということでやっておる委員会でございまして、去年はこの委員会の中から得られた結果を、国土交通大臣に要望書として、モーダルシフトの推進を含めて支援してほしいという要望書を出しております。
 それからあと3番がモーダルシフト・拠点委員会、これはモーダルシフトの推進ということを私どもずっとやっておりまして、年1回のフォーラムを含めて、どうやれば進めるか、この辺も積極的にやっている委員会でございます。今回、テーマがあったのは、この環境問題委員会です。これは環境問題委員会ということで、物流事業者の側から環境問題に取り組む姿勢を調査いたしまして、広く世の中に発信しています。あとが経営問題委員会、ここでは今問題になっている労働力問題を初め、料金・賃金・安全、広く委員会でやっておりまして、その中で得られた結果、それから課題を国土交通省、経済産業省等に要望書なり陳情等として出しております。
 環境問題への取組といたしまして、私どもやっておりますのは、先ほど北條さんからもお話ししましたグリーン物流パートナーシップ会議の開催ということで、JILSさんと私どもで共催で協力しております。それからもう一つが先ほど言いましたモーダルシフトフォーラムの開催です。これはもう広くやるということで、年1回、今までの計でいきますと15回開催しております。それからあとモーダルシフト取組優良事業者の公表ということで、モーダルシフトの促進に関して、物流事業者の自主的な取組の奨励や、取組意識の高揚を図るということで、今5回目で、この数字から割り出すんですが、優良事業者があれば年に1回のうちの総会のときに表彰をしております。それからあと物流環境大賞の公表、これも物流部門において、環境保全活動や環境啓発活動の面で優れた功績を残された団体・企業・個人の方々を表彰しております。これは平成12年に立ち上げまして、いろいろな企業からの応募がございます。それからもう一つが、物流環境管理士養成講座の開催、これは物流がこれから環境に留意しなければいかんということで、環境担当者を環境の技術を教育しようということでつくり上げた講座でございます。それから次がグリーンロジスティクス推進フォーラム、これはことし初めて開催したんですが、経済産業省、それから国土交通省の支援のもとで、改正省エネ法に際する特定荷主さんがどんな形でのCOを削減しているかという事例を、各テーマ分野ごとに発表したフォーラムでございます。
 以上が今まで物流連の簡単な概要です。私、この後は物流業界におけるリユース・リデュースの事情ということでかいつまんで解説いたします。
 物流業界におけるリユースというと、代表的な例はもうパレットがメーンです。パレットを積載した貨物、これを行うのはユニットロードというのがあるんですが、右側の図にございますように、リユース、それからリデュースの場合、よく出てくるのがそこにある生産部門から出る段ボールケース、通い箱、それから包装材料、この辺がリユースの対象と考えております。
 パレットなんですが、これもう皆さんご存じかと思いますが、簡単な復習ということでいきますが、パレットは材質別に分類かけますと、平パレット、それから上部構造物つきのパレット及びその他のパレットということで大別されます。それでパレットの素材は、木材、金属、プラスチック、紙の4種類。パレットの種類はそこにある11種類がございます。
 パレットの用途別分類ということで、これは国際規格のJISの中でうたわれておるんですが、全部で5種類ございます。1つはディスポーザブルパレットということで、主として1回限りの使用目的としたパレット、俗に言う使い捨てパレットと呼ばれております。この使い捨てパレットというのは、ワンウエーで行って二度と戻らない物、ですから輸出用だとか、それからあと一方通行で商流の権限がいかないところ、そういうところに持っていくパレットがワンウエーパレットです。ですから素材も若干粗っぽい、捨てても構わない程度の能力しか持たないパレットと言われております。それからもう一つが、リューザブルパレットということで、繰り返し使用できるパレット、これがこれからお話ししますけれども、パレットプルとかパレットレンダーさん等で使われているパレットでありますし、また業界の中で繰り返し使用するということで使われたパレットです。それからあともう一つが、キャプティブパレットです。限られた運用範囲内で使用するパレットです。それから4番がエクスチェンジパレットということで、使用者相互間の協定によって定められた同一仕様のパレット。なぜこれが出てくるかといいますと、パレットは1,100掛ける1,100が基準規格になっています。エクスチェンジパレットですと、これは業界の中で使う物でありますから、規格に合わない特有のパレットを使っているという意味です。それからプールパレットです。
 次がこれ一応、今物流業界の中でパレットが一番使われておるんですが、これ材質別パレットの生産動向ということで出した資料です。一つは木製パレットですね。このパレットの生産統計、ちょっと数字が見えなくて大変恐縮なんですが、2000年度の生産枚数を比較しますと、2008年度というのは約45%増、そのぐらいふえております。木製パレットというのはパレットの中では約8割の生産量を占めているという、パレットと言えば木製パレットという認識がされているものです。このパレットの使用木材ですが、従来は南洋材が主流でしたけれども、最近は針葉樹が使われていると言われています。
 それからもう一つが金属製パレット、先ほども言いました平パレットの木材に代わって金属でつくられているパレットですけれども、これ金属製パレットというのは最初は高価で重いということで、なかなか使用ができなかったんですが、今軽量化されていまして、また最近の動向としては輸出用として主に使用されて、今伸びております。この中でも金属性パレットというのは、ワンウエー用の平パレットの生産がメーンです。
 それからあともう一つが、金属製パレットでさっきの前の図なんですが、ボックスパレットというのがございまして、パレットの上に枠を組んだものなんですけれども、これも今最近はふえています。これもあとでちょっと触れますけれども、なぜボックスパレットがふえているかといいますと、積載貨物の包装費の削減が可能であるということで、部品などの裸輸送ができるという利点です。それからあとばらもの及び荷づくりの異なるパレットがユニット化して積めると。それからもう一つが荷崩れ防止としての機能を果たすということの利点があって、今、最近の動向ではボックスパレットの需要がふえております。
 次に、プラスチックパレットというのがあるんですが、これは皆様もご存じかと思いますけれども、木製より耐久力があって、鉄よりも安いということで、当初はなかなかプラスチックパレットというのは利用できなかったんですけれども、最近はこのプラスチックパレットの増が急激にふえています。また、規格パレットというのがあるんですが、1,100掛ける1,100の物がプラスチックパレットの中では生産は全部で85%ほど、1,100の規格パレットが今ふえている状況でございます。それからあともう一つは、諸外国の輸出梱包規制もあって、木材では運べないものはプラスチック製のワンウエーパレットで輸出等が行われるということで伸びている状況です。
 それからあともう一つが紙製平パレット。紙製平パレットというのは輸出用ですね。これはワンウエーパレットとして活用される場合が多くて、87%のパレットが輸出用に使用されていると言っております。ですからこの表から見ていきますと、パレットは木材がもう8割を占めているということですね。それからあと輸出用として、また業界用として、耐久性、それから繰り返し使えるということでのプラスチックパレットの増、それから輸出が伸びているということで、紙製パレットが伸びているというような状況です。
 このような中でいきますと、このパレットというのが値段というのもあるんですが、木製パレットですと平均で1枚が2,300円程度ですね。標準パレットで。金属製平パレットですと大体約1万4,000円ぐらい。プラスチックですと4,300円、紙製パレットですと1.300円程度ということでありますので、ワンウエーで使う場合はやっぱり価格の安い物が使われているのが実情です。
 パレットをこれはもう昔から言われている製品なんですけれども、一番使われているのが木製パレットで、これをいかに有効に使おうかということで、運行しているのが一つの例としてはパレットレンタルというシステムがございます。このパレットレンタルというのは昭和46年、日本パレット協会さんが推進母体となりまして、パレットを循環して使おうといって立ち上げたのが、日本パレットレンタル株式会社、これが東日本のエリアを対象にしているものですね。それから西日本を活動拠点としているのが、日本パレットプール株式会社という二本柱でパレットの運用を図っています。これは当初パレットは木製パレットが中心だったんですが、現在ではプラスチック平パレットが多く使われているような形になっているそうです。
 このパレットの保有枚数なんですが、先ほどの地図もありましたけれども、平成10年ではパレットレンタルで使われているパレット保有枚数は、約110万枚、これが平成18年度で620万枚ということで、約6倍伸びております。これ6倍伸びたということは、今問題になっているパレットもこの費用の一部の大きなウエートを占めていますので、いかに必要なときだけ必要なだけ使おうということでの需要が増えているということで、枚数が増えているし、今後この問題も議論になると思います。
 パレットレンタルのシステムのメリットは、もうこれは皆さんご存じかと思いますけれども、空パレットの回収が不要でありますということと、無駄なパレットのストックが必要ありません、それから遊休パレット保管が不要です、パレットのメンテが不要ですといういろいろな理由があって、あるメーカーさん初め、いろいろな形のパレットプールが積極的に進められております。
 皆さん一番ご存じ、この図は普通のどこの事業所でも使っているようなパレットプールのシステムなんですけれども、大きな業界の中で一環で動いているのが、ビール業界のパレット共同運用管理システムでございます。ビール業界というのはパレットが900掛ける1,100という、これ規格外のパレットなんですけれども、プラスチックパレットで運用しています。これはビールの瓶を回収しなければいかんということで、最初ビール業界は動いておりまして、その回収に行ったときについでにパレットも引き取ってくれということで、これうまく回収が動いております。
 今現在、2003年ですか、パレットの保有量はこれはプラスチック製で830万枚ほど保有しております。木製が150万枚ということで、木の使用度はどんどん減っていますということと、ビール業界でのパレットは木製のパレットは使用限度は3年以内ということで区切っています。これはなぜ区切っているかといいますと、パレットメーカーさん大ロットで動きますので、各自動倉庫等初め、物流機器の自動化、各業界ではナンバーワンに進んでおります。そういうことで、木製パレットで自動倉庫等を運びますと、木製パレットの木片だとか壊れたものが入ってきますと、自動倉庫がストップします。そういうことで基本的には今現在、ビールメーカーさんは木製パレットはどんどん少な目にして、プラスチックパレットを伸ばしております。これも後でちょっと触れますけれども、こんな流れで物流業界におけるメーンであるパレットというのは運用されています。
 これはフレキシブルコンテナといいまして、粉物だとか、化学製品なんかの業界の中で使われているコンテナです。これも規格パレットの1,110掛ける1,100に合うように袋のサイズはされておりまして、これも物によってはリユースされている代表的な特殊なコンテナです。
 次に、容器のリユースの事例ということで、若干説明いたします。今まではパレットで来たんですが、パレットの前に包装資材をもっと有効にしよう、それからあと環境に優しくということで、各メーカーさんが自主的に開発してつくっているものです。この一つが郵便事業さんがつくった環境配慮型輸送梱包箱です。これサミットでも使われたらしいんですが、ここの中にお客さんが荷物を入れればこれで運びまして、お客さんのところでこの箱から荷物を取り出すという循環式の段ボール箱ということで開発されたものです。段ボール箱99個分の原料や製造コストなどが削減されるということで、約100回程度の繰り返しの使用が可能ということで、これからゆうパック、郵便事業さんはこのパックを用いまして、包装材の削減を図るということで、この前ニュースに載っておりました。
 次がこれも同じような形なんですが、佐川急便さんが開発した、佐川パソコン便です。これはパソコンというのはこのごろ各事業者さん、メーカーさん、消費者、みんな多々持っていると思うんですけれども、この修理を出すときに電話をすると今まで自分で梱包するなり、段ボール箱を買ってきて持ってきたものを、佐川さんはパソコンを持っている人に、この箱を佐川さんのドライバーが各家庭にお持ちして、また事業者に持っていきまして、そこでパソコンを投入して、専用のオリジナル梱包資材に入れて、それでメーカーに持っていく。メーカーに行きましたらそれを取り外して、また次のものに使うということで、ワンタッチ式のベルト内、3R対応のパソコン便ということで今注目を集めています。
 これに準ずるものが日本通運さんですと、パソコン便ということで、パソコン専用の段ボールがあります。これは消費者が自分で使いまして、自分で送っているということで、痛めばそこでおしまいなんですが、これは有料です。このパソコン梱包のほうが有料ではないということで、こういう消費者に対応した荷物がどちらかであれば、こういうような段ボール箱なり専用のオリジナル梱包材を使えば、その辺のリユースが図れるんではないかという事例です。
 もう一つ、これ引越し貨物においては、いろいろなところで梱包資材の削減を図るということで、いろいろな形での箱なりボックスを用意しております。日本通運さんであれば「えころじこんぽ」ということで、梱包資材、運ぶ物ですね、その中に全部おさめて、また引越し終わったらまたその包装資材をまた次の回に使うという、これが各引越しメーカーさんではいろいろな形でこれは積極的に導入されています。
 これはちょっとメーカーさんの例で大変恐縮なんですが、メーカーさんのほうもやっぱり通い箱、それから包装資材の削減を図るということで、いろいろな事例がございます。一つは住友化学さんの通い箱ということで、段ボールから新しい箱をつくって、積載効率を上げて、またトラックの積載効率を上げたという、新しい通い箱を開発したという例です。
 それからイオンさん、これはスーパーどこでもあるリターナブルコンテナで、段ボール箱を削減するがために、いろいろな段ボールをつくって、繰り返し使っているという例で、本来物流事業者ではないですが、こういう例もあります。
 もう一つがこれは物流事業者側から見た場合、荷崩れ防止資材というのは大変なウエートを占めています。これはパレタイズド貨物で、パレットに載った荷物をトラックなりコンテナ等に載せた場合、荷崩れというのが発生します。この荷崩れを防ぐために、いろいろな方式がございます。バンド掛け、それからのり付け方式、それからストレッチ包装、ネット掛け等があるんですが、一番多く使われているのがストレッチ包装です。これは手巻きのほうですね。これは出てきたいろいろな段ボール箱を荷崩れしないようにストレッチフィルムでぐるぐる巻きにして運ぶという方法です。これですとまず荷崩れすることはありません。ただこの中で出てくるこのストレッチフィルムが使い捨てなり、また廃棄物になりますので、その辺を考えたらどうかということでの紹介です。
 そのために、ストレッチフィルムをやめた場合にかわりにされているのが、パレット荷崩れ防止ということで、手巻きバンド方式というのがございます。これは積まれた段ボールをバンド式なものなんですが、これでくくってしまいますと荷崩れしません。これまた手巻きバンドも何回も利用できますので、包装資材、優しいということです。隣がバンド形式です。これを使えば、まずストレッチフィルムは必要ございませんし、使うパレット、あれも何回も利用できますので、その辺のリユースの面で効果があるんではないかと思っております。
 それからあとコンテナにおけるパレタイズド貨物を固定する方法ということで、荷崩れするためにエアバックという方式がこのごろ使われつつあります。前はこのパレットの間はすき間ができるのはしようがないんですが、そのすき間にいろいろなパレットを突っ込んだり、また紙のエアを突っ込んだり、いろいろやっていたんですが、それが今度は着地に着きますとごみとして出まして、この処理が大変問題になっています。そういうことでエアバックを使いますと、これも反復使用が可能ですので、こういうバックを使えば物流コストも削減できますし、着地に着いてからのごみの焼却等の面からも、えらい効果があるんではないかなと思っております。
 それで今まで雑駁な話で大変恐縮なんですが、日本で物流業界の中で一つの効率化をやるための最低ベースはパレットです。でもパレットの一貫パレチゼーションというのはもう昭和45年からとなえられてなかなかうまく進まないというのは、一つは紛失という問題があります。紛失というのは、これは着地の荷主さんなり、店に行ったとき、そこの担当者がパレットという価値を余りよく認識していないということで、パレットが皆さんの共有する物だということを余り重視していないために、なくなったりほかに転用されたりいたします。
 それからあとあるのが不法投棄です。これはレンタルパレットさんだとか、いろいろなメーカー、それなりのコストをかけてやるんですけれども、センターによってはそれが担当者等の認識不足で、冬になるとそれを壊してまきにして暖房に使ってみたり、そんな動きが多々あります。また各センターへ行きますと、皆さんももしよろしければ中で見ているとわかると思うんですが、不要なパレットが山積みされています。これみんな各所有者のあるパレットなんですね。それがそういうところに返さなければいけないという、その回収管理機構が不備なために、そういう問題が多く発生しています。
 それからあともう一つは、包装の容器のほうなんですけれども、このほうも各トラック事業者さん、皆さんもう効率化、積載効率を上げようということで必死なんですけれども、荷崩れ防止を図るいろいろな器具なり、そういうものがあるということ自体が、よく知られていないという例があります。ですからその辺をもっと啓蒙普及すればリユースのストレッチだとか無駄な包装資材が出なくて済むというのが考えられます。
 以上です。

○浅野部会長代理 どうもありがとうございました。
 初めて聞いたんですが、やっぱりこの分野には分野のいろいろな苦労があるというのがよくわかったわけです。余り時間がなくて、大変詳しくご説明いただきましたので、質問の時間が余りないんですが、ご質問おありの方、1問ぐらいにしてください。1人1問。もう崎田さんいいでしょう。では森口さんどうぞ。関澤さんも。

○森口委員 すみません、1問と言われたらどっちを聞こうかと思っていたんですが、すみません、2問聞いてしまうかもしれません。
 パレットですね。これは容器包装リサイクル法のマテリアルリサイクルの用途として、パレットは非常に大きいものですから、たくさん使われていると思うんですが、そういったことを使われる側として意識しておられるかどうか。
 本来お聞きしたかったのは、さっき薪にして(燃やす)という話もありましたけれども、プラスチックパレットなんか終わった後でも相当まだ価値があるものですので、そういったもののリサイクルといいますか、有効利用に関して何かまとまった取り組みをしておられるかどうか、それをお尋ねしたいと思いました。

○関澤委員 すみません、続いて質問。さっきちょっと海外に国際的に使うときには、外国の規制があって、プラスチックでないと困るというようなことを言われたんですが、日本が受け入れる物についてのパレットというのも、何かそういう規制とか基準とか設けているんですか。

○日本物流団体連合会 日本に入るものは、余り規制になっておりません。すみません、では最初に関澤さんのほうを話しますけれども、日本からの輸出パレットですね。各国の環境規制がありまして、これで規制を受けます。ですから、ドイツへ送りますとそういう使えないパレットは、運んだ者が持ち帰れということになっています。
 それからあと中国の場合、ちょっと問題になったんですが、パレットで送った中に松くい虫が入っていて大変だということで、燻蒸しなければいけない。ですから中国に行く輸出パレットは燻蒸したパレットを持っていかなければいけない。またそれは費用がかかりますので、今日本で行われているのは金属製パレットでワンウエーで送ってしまおうという動きがあります。
 それから先ほどのプラスチックパレットなんですが、これはビール業界さんでは、壊れたピー箱を粉砕してプラスチックパレットをつくります。今度はプラスチックパレットが壊れた場合、破損された場合は、中に鉄芯等が入っておりまして、これリサイクルは大変難しいです。ただ最近、プラスチックパレットをリサイクルしようという会社が出てきています。それを引き受けて、鉄を抜いて、また新しいパレットにつくるというそういう会社が今立ち上がって、活動しております。

○崎田委員 とりあえず、パレットとか通い箱のこういうリユースのシステムをやっていらっしゃると伺ったので、とにかくできるだけ広めていただきたいというふうに思いました。
 質問は、このシステムを広めるというだけではなくて、例えば容器のリユースや何かは、逆流通とかそういうシステムがないからできないとよく言われるんですが、こういう皆さんのシステムと連携をすれば、いろいろなことの可能性が広がるんではないかという感じがいたしまして、そういうご研究とか広めていただければありがたいと思いました。

○浅野部会長代理 どうもありがとうございました。
 では、大変お待たせいたしまして最後になりましたが、日本チェーンストア協会環境担当総括マネージャーの高田様にお願いをいたします。よろしくお願いいたします。

○日本チェーンストア協会 日本チェーンストア協会でございます。本日は貴重なお時間をいただきましてありがとうございます。
 チェーンストアの環境への取組というタイトルでご報告をさせていただきたいと思います。1ページめくっていただけますでしょうか。私どもの概要でございますが、設立は昭和42年の8月でございます。ご加盟をいただいている会員企業の皆様は、基本的に小売業で、チェーンストアと呼ばれる運営形態でご商売をされている皆様です。よくご存じのスーパーマーケット、それからGMS、それから専門店、ホームセンターであったりとか、そういったところがご加盟をいただいております。現在、会員数は72社で、会員の売上高が約13兆円ということになっております。
 私どもの環境への取組は大きく二本柱になっておりまして、まずは基本的に温暖化防止への取組、それから省資源への取組ということで、前半の温暖化防止に関しましては、いわゆる省エネルギー、省電力といったところがメーンになりますので、この辺は今日は少し急ぎながらで行きたいと思います。
 まず我々、CO排出の動向ですけれども、これは約年間658万トンの排出になっておりまして、これを効率化していこうということで、原単位ベースの目標を設定をして改善を目指しているところでございます。
 具体的にどんな取組をしているかといいますと、店頭での機器の入れかえであるとか、あとは夜間電力の効率的な活用なんかがございまして、実際にお店なんかでも新たな取組、いろいろ導入をさせていただいております。ソーラーパネルであったり、風力発電、それから店舗の緑化などを進めているところでございます。
 このあたりから今日の廃棄物関係に関連するところでございますけれども、商品供給部門でできるだけ効率的、あるいは環境に優しいというところで取り組みを進めています。ご存じのところでは、詰めかえ商品を積極的に展開をするとか、商品自体もリサイクル商品の販売を進める、あるいは青果のばら売りの推進をするというようなところがございます。この辺に関しましては、詰めかえ商品についてはここにちょっと写真ありますが、日用品、いわゆるシャンプーであったりとか、そういった物が多ございますけれども、それ以外に食料品に関しても詰めかえ商品、従来よりも随分とアイテム数が増えてきております。
 それから右側に写真がございます。これはプラスチックトレイの写真でございますけれども、これらに関してもリサイクルしやすい素材への変更であったりとか、トレイ自体の軽量化を進めるとか、あるいは新しい素材への切りかえ、試験的な導入なども積極的に進めているところでございます。この商品供給につきましては、実際にお店からお客様へ手渡しをされる場合以外にも、お店に届くまでの先ほどの物流部門についても工夫を進めておりまして、先ほどもちょっとお話しありましたけれども、通い箱であったりとか、コンテナの積極的な利用によりまして、段ボールの使用を納品時に減らしましょうという動きであったりとか、あとは衣料品なんかでは、もう直接ハンガーにかけた状態でお店に運び込むということで、その際に出る段ボールを減らしましょうというような取り組みも進めているところでございます。
 あとこの商品を包装するということに関しての適正化でございますけれども、私どもチェーンストア協会では、包装適正化要綱という業界内のルールを設けておりまして、これにのっとって、過度な包装は避けましょうというような取組をかねてから進めているところです。この適正化要綱は、細かく分かれておりまして、青果物について、例えば野菜についてはこんな物はトレイが必要ある、ないというようなところまで、かなり細かく指定をしております。同様に塩干物、いわゆる干物ですけれども、この辺についても独自にルールを定めていまして、なるべく必要のないものについては、むき出しで売りましょうというような取組を進めております。これに関しましては、最近、食の安全・安心というようなところも、お客様も非常に気にされているところでございますので、そういった安全面での法律の遵守も踏まえて、そのバランスを考えた上での取り組みを進めているところでございます。
 あとは、私どもチェーンストアでは非常に象徴的というか、皆様方の目にもつきやすいところでございますが、レジ袋についても現在積極的な削減取組を進めております。チェーンストア協会では、「マイバッグでお買い物~レジ袋一緒に減らしましょう~」キャンペーンというのを進めておりまして、右下にあるのは、店頭での告知のポスター、それから少し小さ目なものは店頭でごらんいただいたことがあるかもしれませんが、レジ袋いらないよというお客様はあのカードをかごに入れて、チェッカーのご担当の方にお渡しをいただくことで、レジ袋はお渡ししないという意思表示のための、ご不要カードと呼ばれるものです。チェーンストア協会としては、2010年度末までにレジ袋の辞退率を30%まで上げましょうという取り組みを今進めております。本年の7月現在で17.33%ということで、まだまだ30%までは少し開きがあるんですけれども、各社、お客様、皆様のご協力をいただきながら、徐々に辞退率は向上しているところでございます。
 これがそのレジ袋辞退率の推移をあらわしているものですけれども、一時期、かなり横ばいな期間があったんですけれども、ここ最近、特に今年に入ってから随分と上昇傾向にあります。おかげさまをもちまして、18%近くになってきているところで、これは引き続き皆様方とご協力をいただきながら、進めてまいりたいというふうに思っています。
 このレジ袋削減に関しましては、いろいろなサービス、それからルールづくりなんかを行っているところでございますけれども、各社でオリジナルのマイバッグであったり、マイバスケットをお客様にご提供したりとか、レジ袋をご辞退いただいたお客様には、ポイントであったり、スタンプであったりという付加価値を加えることで、辞退率のアップを目指すという問題もあります。
 それから、レジ袋有料化もご存じのとおり、地域によっては導入が進んでおりまして、私どもの協会のお店で現在で約200店舗ちょっとが、既にレジ袋の有料化を導入しているところでございます。このレジ袋の有料化につきましては、やはりその地域でお店をご利用いただくお客様の協力が不可欠でございます。店頭での事前の告知はもちろんです。それからその地域の自治体とも綿密に協力体制をとって、その地域の皆様にそのお店がいついつから有料化が始まるというご案内をしていただくというあたりが、非常に大事な取り組みになってきております。ですので、お店とその地域の住民の皆様、それからその地域の自治体、この3者がうまく協力し合っていくことによって、その地域でのレジ袋の削減、有料化というものが進んでいくのかなというふうに思っております。
 こちらは、リサイクルでございますけれども、我々も容器包装リサイクル法の特定事業者として、義務を履行しているところでございますけれども、それ以外にも積極的に店頭で容器の回収を行っております。これにつきましては、主なところではプラスチックトレイ、それからペットボトル、あとは紙パック、こういったところをご協力いただきながら積極的に店頭回収をしております。これにつきましては、自治体がそれを回収していただける場合、それからその地域の廃棄物処理の事業者の皆様に回収をお願いするような場合、地域によっていろいろでございますけれども、19年度の回収実績はここにあるように、ペットボトルで2億本超、それから紙パックでいうと約4億枚、プラスチックトレイでは約27億枚の回収を年間行っているところでございます。
 最後は先ほどもちょっとプレゼンテーションの中でお話がありましたけれども、食品についても我々のお店からは食品残渣が出てまいります。これにつきましても、食品リサイクル法の定めに基づきまして、再資源化を行っております。私どもで平均すると、この実施率というのは、その減量であったり再商品化であったりいろいろなものをトータルしての数字ですけれども、チェーンストア協会の会員の皆様平均で、約33%の再生利用実施率ということになっております。これも食品リサイクル法の改正というか見直しがありまして、これも毎年、今後も上昇していかなければならんよということになっておりますので、引き続き、私どもの会員企業はより一層のこの数値のアップに取り組んでまいりたいというふうに思っております。
 駆け足でございましたが、以上でございます。ありがとうございます。

○浅野部会長代理 どうもありがとうございました。
 チェーンストア協会からのお話を伺ったわけです。コンビニの協会とは別に、やや大規模なスーパーマーケット、こういう理解をしてお話を伺わなければならないわけでございますが、それではご質問、ご意見ございましたらどうぞ、札をお立てください。ほかにいらっしゃいませんか。
 それでは、崎田委員どうぞお願いいたします。

○崎田委員 ありがとうございます。
 具体的な取組のお話を伺ったんですが、ちょっと質問させていただきたいのは、先ほど流通のお話などがありましたけれども、消費者との対応だけではなくて、製品を卸してきたり、流通とか、その辺のところの循環型社会の取組というのはあると思うので、もう少しお話しいただければありがたいと思っています。
 あと、消費者との関連のところで、先ほど商品の安全性とかばら売りにすると無包装になって、消費者とのいろいろコミュニケーションギャップも起こるという話がありまして、もうちょっとその辺の実情とか、消費者としても伺いたいというふうに思っています。
 あと最後に、業界としてのその課題とかあると思うので、何かそういう部分での提言とか、何かあれば教えていただきたいと思いました。よろしくお願いいたします。

○浅野部会長代理 では佐々木委員どうぞ。

○佐々木委員 3点ほどお聞きしたいと思います。
 まず店頭回収の件ですが、企業によって大分取組が違うと思います。例えば扱う物についても、うちではこれは集めていませんみたいな、わざわざ書いてあるような。その辺はぜひ業界としてできるだけ。それでそろえばかなりやはり有効な資源になるわけですので、その辺はどういうふうにお考えになっているのか、お聞きしたいと思います。
 それからもう一つ、レジ袋の有料化でございますが、環境省や何かと自治体で取り組んでいるところが増えてまいりますが、一番困るのはやはり受けてくれる、レジ袋を発行するお店のほうがやはり横にらみというんですか。その辺はぜひ協会のほうでも旗を振って、勇気を持って取り組んでもらえればなというふうに思っております。その辺のお考えもあれば聞かせていただきたい。
 それからもう一つ、これはちょっと検討していればということで聞きたいんですが、リユースとかデポジットについて、チェーンストア協会はどういう見解をお持ちなのか、その辺をお聞かせいただければと思います。
 以上です。

○浅野部会長代理 横山委員お願いします。

○横山委員 2点お願いします。1点目は、青果のばら売り推進なんですけれども、これ具体的に各社にどういう言い方で、指導といったらおかしいですけれども、どういうふうにやってほしいというようなことを要請していて、例えば5年後、どんな目標、どのぐらいのばら売りを推進とか、そういうことを決められているのかということが1点目です。
 それから2点目は、温暖化防止に絡んで、店舗の24時間営業自粛はコンビニになんか焦点が移っているというか、コンビニ中心に言われていますけれども、スーパーのほうも24時間営業になっているところがあると思うんですね。その辺の調査をしているのかどうかということと、コンビニだけではなくて、スーパーでも深夜営業を自粛というような声は上がっていると思いますけれども、その辺、どう考えているのかということをお尋ねしたいと思います。

○浅野部会長代理 森口委員お願いします。

○森口委員 容器包装のところについてお尋ねしたいと思います。今回はどちらかというと、リデュース・リユースのあたりが中心かと思いますが、リサイクルも重要な一部でございまして、(質問が)2つあります。1つはペットボトルなんですが、この回収量は恐らく全販売量に対して1.5%から2%ぐらいでして、回収量に対しても2、3%ぐらい、かなり日本の中で大きなシェアを占めているかなと思うんですが、回収された物の行き先を追いかけておられるかどうか。消費者の方はリサイクルされているんだろうなと思って、入れられるわけですが、自治体回収とこういう店頭回収ですと、行き先が相当違うというふうに我々は把握しておりまして、そういったことに関して、消費者の期待を裏切っていないかどうかということを含めて、何かお調べになっていたら教えていただきたい。これが1点目です。
 2点目は、ペットボトル以外のその他プラスチックで、これは特定事業者さんはいろいろ再商品化に関してご議論あるところかと思いますが、さっき物流のほうからもお話しありましたように、例えば輸送用のパレットなんかはその他プラスチックのこの用途になっているわけですね。再商品化義務というのは、恐らくその費用負担の義務のことをおっしゃっていると思うんですが、せっかくそうやってつくられた物を業界の中で積極的に使っていくというようなことが、循環の輪を閉じる意味ではあってもいいのかなと思うんですが、なかなかそれを食品の包装に使うというわけにはいきませんけれども、どこかで使える物がないのか、そういったことに関して、使う側の取組として何かお考えのことがあるかどうか、それを教えていただけないでしょうか。

○浅野部会長代理 いろいろとご質問が出ました。今日は循環計画の点検の作業をしていて、その一環としておいでいただいたということがございますので、この際、さらに私のほうからも。もし、環境省に対してのご要望事項などございましたら伺っておきたいと思います。

○日本チェーンストア協会 幾つかご質問、ご意見いただきましたので、順にご回答させていただきたいと思いますが、物流時の取組に関しましては、私どもも先ほどのパレットメーカーさんであったりとか、そういうところと協力をしながら今後も一層進めていかなければいけないなというふうに思っています。物流に関しては、どちらかと言うと我々が気にしているのは、ルートの効率化、あるいは積載率の向上、こういったところを主に工夫をしているところでして、なるべくセンターに集約をするですとか、一括して発送をするというようなことに重点を置いて、今は取組を進めさせていただいているところでございます。
 それから今後の課題というお話もありましたけれども、これについてはやはりレジ袋全般については、容器包装全体に言えることですけれども、レジ袋については大分お客様のご認識なんかも増えてまいりまして、辞退率は上がってきております。今後は我々がもっと努力をしなければいけないのは、店側でできる工夫という意味では、プラスチックトレイなんかについても、今後のあり方はもう少し検討していく必要があるのかなというふうに思っているところでございます。
 それから店頭回収のお話がありましたけれども、幅広く扱いをしていただきたいというご意見はまさにごもっともでございまして、我々もなるべく客様がせっかく店頭にお持ちいただける物については、きちんとお預かりをしてリサイクルに役立てたいというふうに思っております。これはその地域地域によっても、自治体の回収の状況によってもいろいろ異なるようなケースもありますので、そのあたりはその地域とも相談をしながら、なるべく幅広く取組を進めていきたいというふうに思っております。
 それからレジ袋有料化の事業者が横にらみではないかというお話がありました。これにつきましても、私どもとしてはなるべく幅広く多くの事業者の皆様がその地域内でレジ袋の有料化を一斉にスタートするというのが、我々の希望であるというところもあります。ですので、それについては、やはり地域の自治体、それから住民の皆様、それから事業者同士も従来以上にもっと深い話し合いをしながら、話を煮詰めてスタートできればいいのかなというふうに思っております。
 それからリユースとデポジットのお話ですけれども、これに関してはリサイクル、リデュースほどはなかなか進んでいないのかなという気もいたしますが、従来の例えば空き瓶の回収であったりとか、そういうものに関しては、私どもの店頭でもなるべくご要望をお受けするという形でお預かりをさせていただくような取り組みを進めております。
 それから青果のばら売りに関しましては、特段その年次を決めた目標という具体的なところまではございませんけれども、特に野菜に関しては痛みやすい物は別ですけれども、例えば芋であったりとか、割と丈夫なかた目の野菜という物については、なるべくばら売りで進めるというのが我々の方針でございますので、店頭をごらんいただきますとおわかりいただけるかもしれませんが、従来よりも随分と野菜がむき出しで販売をされているというものがふえてきているのかなというふうに思っております。
 それから温暖化に関連して、24時間営業のお話についてご意見いただきましたけれども、これも我々、まだ、すみません、実際細かな調査が進んでいない状況でございまして、今後24時間営業を行う上で、売り上げ的にどうなのかとか、消費電力に関してどうなのかというところは、引き続き調査を進めてまいりたいというふうに思っております。
 ペットボトルの行き先でございますけれども、これも地域によっていろいろなようでして、自治体が直接回収をしていただけるようなケースもあれば、リサイクル業者さんにお預けをするようなケースもあろうかと思っています。ですので、それぞれのペットボトルが最終的にどこまで行っているのかというのが、すみません、協会ではそこまで詳細に把握ができていないんですけれども、適切に処理をしていただいているものというふうに理解をさせていただいております。
 最後にリサイクル品の活用についてですけれども、リサイクル品については例えばプラスチックトレイがそのままトレイにもう一度戻るというような技術が、今後も従来以上に進んで、価格もある程度落ちついてくる。そんなようなことがあれば、どんどんそちらにシフトしていくのかなと。あとはそれ以外にもマテリアルリサイクルなんかで、例えば車どめであったりとか、杭であったりとか、そんなようなものを新しくつくられるショッピングセンターのパーキングエリアなんかにも活用している事例もあるというふうに聞いておりますので、このあたりもより積極的に導入をしてまいりたいというふうに思っております。
 以上でございます。

○浅野部会長代理 崎田さんからもう一つありましたが、消費者とのコミュニケーションギャップのようなものはどうでしょうかというご質問です。

○日本チェーンストア協会 コミュニケーションギャップということなのかどうかはわかりませんけれども、私ども逆に、例えばレジ袋を有料化するというような際に、お客様のクレームであったり、ご意見であったりというのがすごく起こるんではないかということで、二の足を踏んでいた部分も実は従来あったんですが、レジ袋の有料化を進めていくに際して、事前のご案内、アナウンスなんかもあるんですが、思ったほどではないなというのが認識でございます。意外とお客様の意識のほうが進んでいるのかなと。我々のほうがおっかなびっくりやり過ぎていたのかなというところも実はございます。ですので、やはりその地域との積極的な対話であったりとか、その趣旨をきちんとご理解いただくということを地道に進めていけば、それほど大きなギャップは起きずに、取組は進められるのかなというのも、我々の率直な感想でございます。

○浅野部会長代理 ありがとうございました。
 今のお話し聞いていて、やはり各自治体の物の取り扱い、ポリシーのあり方というのが結構大きく響いているということもありましたし、この問題、別に国で統一というわけにもいきませんけれども、やはりそこの整理を少しちゃんとしておかないとなかなか難しいということもよくわかりました。
 さて、先ほど少し急ぎ過ぎたというか、時間がないと思いましたので、せっかくの物流のパレットの話をお聞きしながら、余り質問をちゃんとしなかったと思いますので、森口さんまだ何かもう一つあったんでしょう。パレット。

○森口委員 ちょっと私、早口でお聞きしたものですから、十分伝わらなかったかもしれないんですが、確かにビールの通い箱等の、それ自身のマテリアルリサイクルをやられていると思うんですが、今、チェーンストア協会さんへの質問でも申し上げたんですけれども、いわゆる容器包装、ポリエチレンですとか、ポリプロピレン等の例えば菓子の袋とか、ああいったものを自治体から回収されて、これのマテリアルリサイクルの使途として、かなり物流用のプラスチックパレットに今使われているんですね。これはかなりワンウエーパレットが多いと聞いているんですが、恐らくリターナブルのパレットでも品質的には使えるのではないのかというようなことを議論しています。そういったことに関して物流業界さんのほうで、例えばそういう物が来ると品質的に使えないとか、そういうことの議論があったかとか、そもそもそういう物が回っているということ自身を意識しておられるかどうか、そのあたりをちょっと教えていただきたいなと、それをお尋ねしようと思っておりました。

○日本物流団体連合会 今のお答えですが、余り事業者側からいきますと、意識していません。

○浅野部会長代理 先ほどのお話の中で、どうもせっかくまた使えるパレットを現場では薪にしてしまうのは論外としても、その辺の情報が末端まで伝わっていないということはよくわかるんですが、これはどういう方策があるとお考えでしょうか。

○日本物流団体連合会 これは一つの例ですが、日本パレット協会さんでは、パレットは皆さんの物ですということで、チラシの大きな絵図のポスターをつくって周知はしています。ですから、パレットは皆さんの物で、これは不用意に使ってはいけませんという告知広告なんですが、ただそういうふうにやっても、やっぱり末端というか現場のサイドまでいきますと、そこまでの教育がなされていないというのがあります。ですから、もし防ぐ方法であれば、やっぱり現場の作業者の方々に何かその辺の必要性というのをどこかできちっと教育なり、何かしないとやっぱりそういう問題は発生するということだと思います。

○浅野部会長代理 今の点については、いかがでございましょうか。ロジスティクスシステム協会としては、何かアイデアは。

○日本ロジスティクスシステム協会 私たちもパレットの問題を一時期研究していて、調べたところやっぱり物流連さんおっしゃるとおりなんですね。どうしてかということをいろいろ聞いたんですけれども、基本的にパレットを購入する荷主の方々、あれは消耗材、消耗品なんですね。ですから、例えば1年間どれぐらい流失して、その額がこれぐらいになったという数字が会社の上層部に伝わらない限り、割とずさんに管理されているというところがあります。それがまず一つですね。そういう意味から言うと、やっぱり先ほど日本パレットレンタルさんの例がありましたけれども、ああやって公共物として世の中全体で回していくというやり方というのは優れているなというふうに思っていまして、一つのアイデアだったんですけれども、イフコという会社が―たしかドイツだったと思うんですが―ありまして、それが三菱商事さんかな、合弁会社をつくって、通い箱のレンタルを始めたんですね。そのときに、ビール瓶なんかのように、デポジット制度、リレーチャージみたいなものをやったところ、途端に流失率が減ったみたいなことがありますので、やっぱり何らかの形で、流通システムの中、経済的な意味を付与していくという、そういうことをしない限り、ある会社が持っていて、現場の長の権限でどうにでももみ消せるという話をやっているうちは、いつまでたってもだめだなという感じがいたします。
 以上です。

○浅野部会長代理 会社のトップとしてはいかがでしょうか。

○関澤委員 いやいや、もう特段のご意見ございません。今言われたとおりだと思います。よく注意してその辺は経営をしていくということが大事だと思います。

○浅野部会長代理 ありがとうございました。
 それでは、きょうお三方、とてもお忙しい中、短い時間でございましたけれども、大変有益なお話を聞かせていただきましてありがとうございました。私どもきょうのお話の内容については、点検報告の作成に当たりまして十分に反映をさせていきたいと思います。
 どうもありがとうございました。
 それでは、最後になりましたが、事務局から今後の予定についての説明をいただきます。

○循環型社会推進室長 次回でございますけれども、先ほどご説明しましたとおり、10月23日木曜日の午後、ちょっと場所が遠いんですが、山形県山形市におきまして、第3回3R推進全国大会の一環として、地域ヒアリングを開催することを予定しております。詳細については、また後ほど事務局よりご連絡をいたします。

○浅野部会長代理 それでは、ほかに何か特にご意見ございませんでしょうか。よろしゅうございましょうか。
 それでは、本日の部会、懇談会でございますが、これで終了いたします。
 どうもありがとうございました。

午後 3時57分 散会