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■議事録一覧■

中央環境審議会循環型社会計画部会(第71回)議事録


〈日時〉
平成24年6月28日(木)15:00~17:00
〈場所〉
全国都市会館 3階 第1会議室
〈議事次第〉
  1. 開会
  2. 議題
循環型社会形成に向けた取組に関するヒアリング
(1)
富山県
(2)
神奈川県横浜市
(3)
愛知県豊田市
(4)
福岡県三潴郡大木町
(配布資料)
資料1 ヒアリング出席者リスト
資料2 富山県「富山県の特性を活かした循環型社会づくりについて」
資料3 神奈川県横浜市「『G30』から『ヨコハマ3R夢』へ」
資料4 愛知県豊田市「豊田市における3Rの取組について」
資料5 福岡県三潴郡大木町「持続可能な循環社会を目指して」
(参考資料)
参考資料1 新たな循環型社会形成推進基本計画の策定のための具体的な指針について
(意見具申)
参考資料2 中央環境審議会循環型社会計画部会関係条文
参考資料3 中央環境審議会循環型社会計画部会委員名簿
※以下の参考資料は委員のみ配付、○がついているものは会議終了後回収
参考資料4 第70回循環型社会計画部会(平成24年5月25日)議事録
参考資料5 第四次環境基本計画 ○
参考資料6 第2次循環型社会形成推進基本計画 ○
参考資料7 第2次循環型社会形成推進基本計画の進捗状況の第4回点検結果について ○
参考資料8 平成24年版「環境白書」 ○

午後3時00分 開会

○循環型社会推進室長 それでは、定刻となりましたので、これから中央環境審議会循環型社会計画部会を開催いたします。
 循環型社会推進室長の永島でございます。よろしくお願いいたします。
 まず、事務局から本日の委員の出席状況を報告させていただきます。本日は、見山委員が遅れておりますけれども、14名の委員にご出席いただけることとなっておりまして、定足数の12名に達しております。
 本日、武内部会長は所用のためご欠席となっておりまして、浅野部会長代理に進行を務めていただきたいと考えております。
 本日の配付資料でございますけれども、議題の下に一覧がございます。配付漏れがございましたら、事務局にお申しつけください。
 それから、前回ご議論いただきました「新たな循環型社会形成推進基本計画の策定のための具体的な指針」につきましては、6月5日付けで中央環境審議会鈴木会長から細野環境大臣に対し意見具申を行いました。参考資料1としてお手元にお配りしておりますので、お目通しをいただければと思います。
 続きまして、本日、循環型社会形成に向けた取組状況について発表していただく方々をご紹介させていただきます。
 まず、富山県生活環境文化部環境政策課課長の布野浩久様です。
 神奈川県横浜市資源循環局資源政策課課長、河井一広様です。
 愛知県豊田市環境部ごみ減量推進課副主幹、近藤理史様です。
 福岡県三潴郡大木町環境課課長、境公雄様です。
 本日はこの4団体からヒアリングをさせていただきたいと思っております。
 以降の進行につきましては、浅野部会長代理、よろしくお願いいたします。

○浅野部会長代理 本日は私が司会でございます。定刻主義でありますので、よろしく。
 循環型社会形成推進基本計画の見直しにつきましては、前回の部会でその検討のための指針を当部会としてまとめて、大臣に意見具申をしたわけでありますが、法の規定に基づいて、今度はその指針に基づきどのように改定するかという作業をこれからやっていくことになるわけです。その前提として、本日は4団体からどういう取組をしておられるかという話をおうかがいいたします。
 先ほどご紹介がありました富山県、横浜市、豊田市、大木町の順番で、15分ずつご発表をいただき、その後、まとめて委員の皆様方からご質問、ご意見をいただきたいと考えております。ご発表いただく方々には、大変恐縮でございますが、ご質問につきましては先に委員からご質問を全部お出しいたしますので、それぞれご自分に関係がある質問と思われることはメモをとっておいていただきたいと存じます。一問一答の形ですと、時間をとってしまいますので、この部会ではそういう形をとっております。
 それでは、15分でご報告ということで大変恐縮でございますが、まず、富山県の布野課長からお願いいたします。

○布野課長 今ほどご紹介いただきました富山県の環境政策課長をしております布野でございます。本日はこのような場で説明する機会をいただきまして、誠にありがとうございます。それでは、早速、説明に移らせていただきたいと思います。
 まず、富山県の紹介をさせていただきます。ここにありますように、人口は108万人。市町村合併が進みまして、市町村の数は全国最小の15となっております。標高3,000メートルの立山連峰から水深1,000メートルの富山湾までのダイナミックな地形をしておりまして、チョウが羽を広げたような形になっております。
 県の中央に位置しております富山市から県内の各地まで半径約50キロ圏内ということで、概ね1時間以内で移動できるコンパクトな県であるということが特徴でございます。また、植生自然度が、本州一位で、名水百選に全国最多の8件が選定されるなど、豊かで美しい水と緑に恵まれているという状況でございます。
 しかしながら、四大公害病の一つと言われておりますイタイイタイ病というのがございました。さらには公害デパート県と言われた、高度成長期の産業公害もございましたが、現在の良好な環境は、それらの克服という歴史を経て実現できたものであります。今年4月には県立のイタイイタイ病資料館が開館したところでございまして、イタイイタイ病の恐ろしさ、それから、克服の歴史を学んで環境と健康を大切にしていこうというライフスタイルの確立に向けた未来志向型の資料館ということで取り組んでおります。環境省からもご協力をいただいてオープンしたところでございます。
 富山県では総合計画といたしまして、この4月に「新・元気とやま創造計画」を策定しております。政策の3つの柱といたしまして、「活力とやま」、「未来とやま」、「安心とやま」を掲げまして、「安心とやま」の中では20の基本政策に取り組んでいるところでございます。この中で循環型社会と低炭素社会づくりの推進を位置づけまして、重点的に取り組んでいるところでございます。
 また、県民の幸福度の向上ということで、特に重点的に取り組む「重点戦略」が5つございます。そのうちの④に、環日本海地域の「環境・エネルギー先端県」戦略といたしまして、循環型・低酸素社会づくりの推進を位置づけて、積極的に取り組んでいるという状況でございます。
 今ほどの政策を実現するための具体的な計画といたしまして、とやま廃棄物プランを定めております。このプランは平成15年に第1期計画ということで定めましたが、地球温暖化対策あるいは地域循環圏の構築という新たな課題への対応、そして、廃棄物の排出抑制、循環型利用、適正処理をより一層推進するということから、23年度に第2期の計画を策定しております。このプランの中では、目指すべき循環型社会の姿を「とやまビジョン」ということで、「全ての県民、事業者が連携・協力して、富山県の特性に応じた富山県らしい循環型社会づくりを目指す」ということをうたっております。
 このプランの中での目標でございますが、まず一般廃棄物につきましては、排出量は40万トンから38万トンへと年々減少の傾向にあるわけですけれども、最終処分場の残余年数が全国平均よりも少ないということが課題となっております。また、不燃ごみとして有用な金属類等が埋立て処分されている、あるいは、家庭系のごみの中にリサイクル可能な生ごみ、紙類が多く含まれていることも課題であると考えております。このようなことから、27年度には排出量を19年度比で5%削減するという目標を立てまして、再生利用をより一層推進し、最終処分量を可能な限り削減するということを目標にしております。
 次に産業廃棄物でございます。排出量や最終処分量はご覧のとおり減少する傾向でございますが、その減少量は近年鈍化しているという状況でございます。本件の特徴といたしましては、特に製紙業等から発生します汚泥の排出量、そして、鉄鋼業、非鉄金属製造業等から発生する鉱滓の埋立量が多いということがございます。27年度には排出量を19年度比で1%の増加に抑制するということを目標としておりまして、排出抑制・再生利用をより一層推進したいとと考えております。
 そういった中で、これらの目標を達成して、将来像であります富山ビジョンを実現するということで、①から④までの4つの大きな基本的な方向を掲げておりますけれども、今回はこれらの施策のうち、①の富山県の特性を活かした循環型社会づくりについて、取組の紹介をさせていただきたいと思います。
 1つ目はレジ袋の無料配布の取りやめでございます。廃棄物の発生抑制と低炭素社会の実現に係る取組ということで、県単位では全国初の取組でございますけれども、平成20年4月から取り組んでいるところでございます。これは、京都議定書など、1990年代後半の地球温暖化への取組における環境意識の高まりが県民の中にも広がっておりまして、10年以上前から消費者団体のほうからマイバックの持参を推進する動き、つまり、レジ袋を断ろうという動きがありました。
 これまで事業者、行政がそれぞれの立場でレジ袋の削減を推進していたわけですけれども、効果が低く、マイバックの持参率は10~20%程度でありました。このため、平成19年6月に食品スーパー、消費者団体、行政からなる協議会を設立いたしまして、レジ袋の更なる削減ということで話し合いを積み重ねてまいりました。
 事業者の中にはサービスの低下、顧客離れを危惧する話もございましたが、行政トップの積極的な姿勢を示すことによりまして、また、富山県の婦人会あるいは富山県消費者協会などの消費者団体からの強い後押し、そして、事業者の英断もありまして、平成19年11月、第4回の協議会におきまして、レジ袋削減の理念ということで県民へのメッセージが採択されました。それは「レジ袋を断ることはほかの人にも見える行動であり、環境にやさしい生活スタイルの実現に向け、まずはレジ袋の削減から始めましょう」というメッセージでございます。
 その後、平成20年3月に、この三者での協定書、これを結んだのは25社の116店舗だったのですけれども、協定書の締結が実現いたしまして、平成20年4月には、さらに少し参加が増えまして、28社208店舗で全国初の全県下でのレジ袋の無料配布の廃止が実現することになったものでございます。参加店舗数は平成20年3月の協定締結時から徐々に広がっておりまして、現在では食品スーパーだけではなく、ドラッグストア、ホームセンターなど47社432店舗にまで広がっております。
 マイバックの持参率は、94%ということで非常に高い数値を示しておりまして、レジ袋の廃止に賛成する割合も59%から、現在では82%まで増加しております。また、環境にやさしい行動に取り組もうという人が83%となるなど、一人ひとり環境意識の高まりが見られるところでございます。
 この間、平成21年には環境省と共同で「ノーレジ袋推進全国フォーラム」を富山県で開催するなど、全国にその取組を発信しております。資料には、全国に拡大、12県と記載してありますが、この4月から三重県も取り組まれているとお聞きしておりまして、13県に広がっております。
 また、本県では店舗における環境活動を推進するということで、平成14年度から一定基準を満たす環境に配慮した店舗をエコショップとして認定する制度を設けておりまして、パンフレットや県のホームページでこれらの店舗を紹介しております。
消費の入口である毎日の買い物、その一人ひとりの環境に配慮した行動に気づいて実践するということが、廃棄物の発生抑制、減量化・リサイクルにおける大きな効果を期待できるということから、レジ袋の削減とこのエコショップ制度を組み合わせて、環境を幅広くとらえたエコ・ストア(仮称)といった新たな制度への移行も検討していく予定にしております。
 次はエコ・クッキングの取組でございます。買い物のときのレジ袋無料配付削減をきっかけとしまして、料理におけるエコ・クッキングにも取り組んでおります。県では23年3月に可燃ごみについて市町村等とともに組成調査をしております。その結果、厨芥類、いわゆる生ごみですけれども、これが40%と非常に多いということがわかりました。
 当初は食べ残しが多いのかと思っておりましたら、料理の際に発生する調理のくず、それから、賞味期限を過ぎて、買い物をしてもそのまま手つかずに捨てられてしまったというものが比較的多いということが判明いたしました。そういうことから、生ごみを減らしていく、調理くず、手つかず食品を減らしていくということが必要であると考えまして、エコ・クッキングの普及・啓発をしております。
 具体的には、「買い物」、「料理」、「片付け」のそれぞれの工程において、環境に配慮した行動をしましょうということで、ここに幾つか行程ごとに並べてありますが、毎日の生活の中で廃棄物の排出量、水の使用量、エネルギー使用量の削減といった環境全体への良い効果が期待できるのではないかと考えております。
 エコ・クッキングの普及・拡大については、平成22年度から取り組んでおりますが、昨年度、講習会を実施いたしまして、講習を修了した51名にはエコクッキング・ナビゲーターということで普及活動をお願いいたしまして、県のイベント等において活躍していただくということをしております。
 また、一般家庭だけではなくて、事業所も効果があるのではないかということで、モデル的に取り組んでみたところ、その結果、例えば弁当製造業では調理、盛り付け工夫で7%の生ごみが削減できました。さらに飲食店、和風料理店ではお客さんの要望を聞いてからコース料理をお出しするとか、例えば富山ではブリ大根という料理がありまして、ブリのアラと大根を一緒に煮つけたものですが、そのアラを圧力鍋で煮ることによって、骨もやわらかくして、すべて食べられるようになります。そういうふうな工夫をなされまして、生ごみとなる食べ残しを59%、その店で減量したという効果が確認されたところであります。今年度は、それらを県民全体の取組として普及を目指していきたいと考えております。
 3つ目は事業系生ごみ対策としての、富山型生ごみ減量・活用への取組でございます。コンパクトな県ということを先ほど来申しておりますけれども、現状では、5つの広域圏や市においてもともと広域的な処理がなされているところですが、例えば、富山市のエコタウンの中には生ごみをエネルギー源に利用できる民間施設があることから、こういった既存の施設も活用しながら、更に堆肥やエネルギー源としての利用を進め、広域的で効果的な生ごみリサイクルシステムの構築を検討したいと考えております。

○浅野部会長代理 恐れ入りますが、あと1分です。

○布野課長 最後に使用済小型家電のリサイクルでございます。右側にありますように、市町村が設置する回収ステーションに県単の補助を出しております。これは全国初ということで、平成22年10月から取り組んでいるところでございます。このようなシステムにつきましては、富山型ループと言っておりまして、高度なリサイクルをする企業が富山にございますので、有価でそれを売却することにより、小型家電の金属等の抽出、リサイクルが図られるということでございます。当初、5市町村で始まった取組が、現在は15中12の市町村で実施しております。こういった意味では、民間と事業者、行政それぞれが、ここにありますようなメリットが活かされまして、まさに協働ということをメインにおいた富山県の特性を活かした取組がなされているのではないかと思っております。
 これまでご紹介しました先進的な取組を通じまして、県として一生懸命取り組んでいるところでございますけれども、国によるご支援があれば大変ありがたいと思っております。今後ともこの富山県の特性、県民性、それから、コンパクトな地形、そして、歴史性、環境に対する歴史というものを活かした環境エネルギー先端県を目指した取組を推進していきたいと思っております。
 どうもありがとうございました。

○浅野部会長代理 どうもありがとうございました。
 それでは、続きまして、横浜市の河井課長からお願いいたします。

○河井課長 横浜市の河井です。本日はこのような機会にお呼びいただきまして、誠にありがとうございます。早速、横浜市の取組をご紹介したいと思います。よろしくお願いします。
 横浜市の廃棄物処理ということで、お手元の資料にもありますが、まず横浜市の概略をご紹介いたします。人口が6月1日現在で約370万、世帯数が160万となっております。収集の形態は、基本的には燃やすごみ等は週2回という形になっておりまして、そのほかのびん・缶・ペットボトル、また小物金属、プラスチック製容器包装につきましては、週1回の収集、古紙とか古布につきましては月2回。これは年々、資源集団回収のほうに移行するように現在働きかけているところでございます。粗大ごみにつきましては、申込制という形で有料になっております。集積場所は市内全域で6万6,000か所ありまして、これを毎日のように収集しているという形です。
 家庭ごみと資源の流れがありまして、基本的には集積場所に置かれているものを、燃やすごみ、燃えないごみ、資源物等々という形で出していただき、決められた曜日に収集します。燃やすごみにつきましては、焼却工場に行きまして、焼却工場から埋立て、びん・缶・ペットボトルとか資源物につきましては、資源選別センターというところに持って行きまして、そこでびんと缶というふうに分けながら、それぞれ資源ごとに分けてリサイクルをしているというのが、横浜市の資源の流れです。
 これが横浜市全体の配置でございます。横浜市には18の行政区がありまして、その行政区1か所1か所にすべて収集を起点とする収集事務所というのを配置しております。また、焼却工場は市内には4か所それぞれ立地がされていまして、輸送事務所は中継の効率から現在3か所配置しております。埋立処分場は、現在、南本牧にあります海面処分場1か所で処理を行っております。
 焼却工場と埋立処分場の能力ということですが、左側の神明台処分地というのは平成22年度に埋立てを終了していまして、現在あるのは右側の南本牧処分場のみとなっております。
 お聞きになっている方もいらっしゃるかもしれませんが、横浜G30プランというのを掲げております。平成14年にプランを策定しまして、平成22年度までのごみを平成13年度比で30%以上減らそうという目標を掲げました。それまでの横浜市のごみ政策としましては、適正処理が第一でしたので、集めたものは焼却工場で燃やして、燃えないものは埋立処分にして適正処理をすると。そういうような考えを180度方向転換しまして、もともと資源であるものを資源として使いましょうということが始まりました。背景は、燃やすのにも経費がかかります、環境負荷も上がるので、何とかしていきたいというのが計画当初の考えでございました。
 横浜G30プランの基本理念ですが、市民と事業者と行政が一体となってやらなければ、ごみというものはなかなか減らないのではないかということで、それぞれの役割を定めて取り組むことにしました。その一つの大きな施策は家庭ごみの分別拡大でございました。5分別7品目の分別を当初していたのを、10分別15品目という形に変更しました。従来燃やしていたものを、資源を取り出して、市民の方に協力していただきながら分別をしていったというような状況でございます。
 それをどのようにやっていったのかというと、住民への周知が非常に大変でございまして、分別説明会を1万1,000回やりました。横浜市は多くの世帯がありますので、どのようにやっていったかと言いますと、先ほどお話しましたように、18区それぞれに実際に収集している事務所がありますので、その事務所の職員が地域へ出て行きまして、いついつから分別を変えますので、皆さんぜひご協力をお願いしますというような形で、朝に夜に昼に、また、土曜、日曜もかけまして、全部に周知をしていったということであります。
 そのほか、変わることが前提にありましたので、駅頭に立って、いついつから分別が変わりますので、皆さんご協力をお願いしますと声をかけるとか、早朝ごみ出しに来る方に対して、分別の品目はわかりませんかと声かけをしながら分別の徹底を図っていきました。
 また、分別されていないごみにつきましては、シールをつくっておりまして、「分別がされていません」とか「この日に出すものではありません」というシールを貼って、取り残しというのを現在も行っているところでございます。
 この写真は、当時やっていった取組でして、このような形で啓発を行いました。
 また、環境学習という形で、特にお子さんのうちからごみ問題に興味を持っていただくと、大人になってもやっていただけるのではないかという視点から、出前講座を行っておりまして、小学校、中学校に出向きまして、ごみの状況とか、分けるものはこうですよ、リサイクルはこういう状況になっていますよという説明をしております。
 また、市民サービスアップとしましては、ふれあい収集というのをやっております。これは少子高齢社会の中でごみを集積場所までに持って来れない方につきましては、登録をしていただきまして、自宅の前まで取りに行きまして、そのときに安否確認をするというような取組をやっております。また、粗大ごみの持ち出しにつきましても、同じような形で、家の中まで入って粗大ごみを持ち出してあげるサービスというのをやっております。
 事業系ごみにつきましては、業界団体に説明会をさせていただいたり、分別を一生懸命やっている事業者には優良制度を設けまして、三ッ星優良事業所として年に1回表彰して讃えています。
 また、焼却工場では搬入物検査を行っております。どういうことかと言いますと、事業系は分別がどうなっているのかいう状況がなかなかわからないところもありましたので、焼却工場に搬入されるごみをステージに開けて、資源化されているものが入っていないか、また、不適切なものが入っていないかというのをチェックすることを当初やっていました。
 これをもう少し効率化できないかということで、ベルトコンベアーみたいな搬入物検査装置を導入してそこに開けさせています。例えば古紙が入っていたりしますと、その袋を持ち帰ってもらうとか、資源物に対してはそのような対応もしております。そのようなことを進めていく中で、事業者さんも表彰制度をとりたいということで、一生懸命出る事業所が年々増えております。
 これはその一例ですが、自分たちのごみがどのぐらい出ているのか測ろうという動きとか、段ボールについても、ここは製造業者ですので、段ボールをリユースするための置き場所を設置するとか、社員食堂では割り箸ではなくリユース箸を使おうとか、ライスの量も4種類にして、ごみを出さないというような取組を行う事業者も出てきております。
 資料にはありませんが、平成19年から横浜市では分別していないものに対しては罰則の過料制度をつくっております。家庭系だけではなく、事業者の方も分別していただかなかったら過料をとる仕組みなのですが、勧告して、命令して、それでもだめだった場合は2,000円徴収するという制度でございます。
 その仕組みはどのようにしているのかと言いますと、例えば、先ほど家庭ごみで取り残しをしているという話をしましたが、シールを貼ったところはもともと分別がされてないということがありますので、それを事務所に持って帰りまして開封します。そして、住所が特定できるところは写真を撮って、そのお宅に伺って「これはお宅のごみですね。これは分別されていないので、次回以降は分別をお願いします」という直接指導をして、それを繰り返すようになった場合は勧告になりまして、命令になって、最後は過料の徴収という形になります。もともと過料を取るのが目的ではなく、皆さんに分別をやっていただくことが目的だったわけなのですが、今まで2,000円の過料を2名の方から2件いただいています。
 また、事業者側ではどのようにやっているのかと言いますと、先ほどお話しました搬入物検査をしまして、全然分別されていないごみが入っていましたら、運転手にどこから出たごみかを聞き取り調査しまして、場所を聞いて、そこの施設に立入りをしまして、分別の状況を確認します。また、立ち入り調査も定期的に実施していますので、分別がされていないようでしたら、指導や注意書の発行を行っています。
 そのような取組の中から、ごみと資源の推移は、グラフにありますようにこのようになっております。ごみは平成13年の目標に比べて平成22年は43.2%という形になったわけですが、結果としては、ごみが減ると資源も併せて減っているという形になります。これはごみを分けることから、ごみに対する環境意識が芽生えているのではないかなと考えております。
 そのようなことから、焼却工場を閉鎖したり、また、南本牧の最終処分場も、2007年度で埋立てが満杯になることが予想されていましたが、約10年ぐらい延ばすことができそうです。分別主体のG30の計画も平成22年で終わりまして、そもそもリサイクルにもエネルギーがかかっているわけですから、それを少しでも減らさなければいけないのではないかとか、南本牧の処分場も限りあるものなので、少し延命化が必要ではないかということ。それから、少子高齢化社会で多様化する市民ニーズにいかに応えていくのかということとか、地球規模の環境問題は、ごみに限らず温室効果ガスという視点でも取り組む必要があるのではないか。
 そのような背景から、平成22年度に横浜3R夢プランを策定しました。

○浅野部会長代理 恐れ入ります、あと1分でお願いします。

○河井課長 先ほど少しお話しましたように、G30でもごごみは減っていますので、そこから更に減らすというのはなかなか難しいところはありますけれども、再度チャレンジという形で、ごみを減らすだけではなく、資源の量も減らしましょうというのがこのプランでございます。3R夢とはという形で表現させていただきましたが、目標は平成25年度にごみと資源の総量を平成21年度に比べて3%以上、長期計画でありますので、平成37年では10%。また、温室効果ガスにつきましても、平成25年度までには10%、最終目標では50%まで減らしていきたいと考えております。
 これが3R夢プランの取組でして、市長がマリノスに広報大使となっていただいたり、隣は、hitomiさんに3R夢の歌をつくっていただいたりしております。
 これは店頭啓発の絵でございます。
 これはイベントをやっている絵でございます。
 そのような中で私どもが考えている課題というのは、一生懸命分別していただきますと、市民の方が環境に対して非常に意識が高くなる一方、法の体系で容器包装などは、同じプラスチックなのになぜリサイクルは一緒にできないのかと。やったほうがより環境によくなるのではないかという意見をいただきまして、容リ法の説明を詳細にしますが、それでもなぜしないのかという話になっていったりします。
 プラスチック製容器包装とプラスチック製品を看板につけながら説明するわけですけれども、なぜ製品が一緒にリサイクルできないのかと言われることが多くございまして、ここが非常に苦慮していますので、こういうところを、国の法制度などがもう少しフレキシブルにしていただき、多くのプラスチックのリサイクルができるといいかなと考えております。
 また、今回、発生抑制を掲げているのですが、これまで、リサイクルに対する動きはありましたが、発生抑制に対する国としての動きが形として……。

○浅野部会長代理 恐れ入りますが、時間を過ぎております。

○河井課長 すみません。というような形でなかなか見えないところがありますので、そういうのは課題と考えております。
 時間を超過しましてすみません。以上で説明を終わります。

○浅野部会長代理 どうもありがとうございました。
 それでは、続いて豊田市の近藤副主幹にお願いいたします。

○近藤副主幹 豊田市の近藤でございます。よろしくお願いいたします。本日は意見を言わせてもらう場をいただきまして、大変ありがたく思っております。
 豊田市における3Rの取組ということでご説明をさせていただきたいと思います。目次にありますように、3項目に分けてお話をさせていただきます。よろしくお願いいたします。
 まず、豊田市の概要ということで、豊田市の位置でございます。豊田市は日本のほぼ中心部にありまして、愛知県の真ん中から北の部分に位置しております。人口が42万人、面積が918平方キロメートルということで、愛知県の約18%を豊田市が占めているという、広域な町であるのかと思っております。なお、平成17年に合併してこの面積になりましたが、市域全体の7割ぐらいが森林ということで、工業、山間地ということでかなり複雑な町になっております。
 産業といたしましては、トヨタ自動車がございまして、7つの工場があり、基本的には自動車製品、それから、自動車製造業が中心でございますけれども、農産物も県内の有数な出荷高を持っている町でございます。
 豊田市の一般廃棄物の処理計画について説明させていただきます。基本理念としては、一人ひとりの行動とみんなの共働により循環型社会を目指すということで、「きょうどう」という文字が「共に働く」ということで、少し字が違いますけれども、前市長の「共に働きたい」という思いでこの字を使っております。これを基本理念にしております。
 計画については、平成20年から平成29年の10年間。現在、5年が経過するということで見直しの作業に入っているところでございます。
 4つの基本方針ですが、3Rを基調とした資源循環を進めて、「まずは、ごみをつくらない・出さない」というのが1点目でございます。それから、市民・事業者・市の共働により資源循環に取り組むということで、みんなで取り組むという項目でございます。それから、環境負荷を最小限に抑え、安全確実な処理に取り組むということで、正しく処理をする。4点目に、ごみの削減に向けた環境教育の充実を進めるということで、学び、そして実践する。この4つの基本方針に基づいて、計画、実務が進められている状況でございます。
 次にまいりまして、ごみの減量目標でございます。一般廃棄物の減量目標ですけれども、長期目標としては、将来におけるごみの埋立量を限りなくゼロに近づけたいということを目標にしております。3つほど目標がございます。「燃やすごみ」については20%削減、「埋めるごみ」については80%削減、「資源化率」を35%に引き上げるということです。この3つを目標にしてやっております。基本年度平成17年度に対しての目標になっております。
 これらの目標を総排出量で見るとこのようなグラフになります。目標の平成29年度には12.3%、ごみの総量として減らしていこうということで取り組んでおります。その他、「燃やすごみ」についての20%はこういう状況、「埋めるごみ」については、80%削減しましょうということでやっております。それから、「資源化率」についても、現状20%程度ですけれども、これを35%まで引き上げたいということで作業をしております。
 ごみの処理量の実績をここに掲げさせてもらいました。平成23年度は14万1,340トンということで、平成17年度に比べると8.6%削減されているのですけれども、この先、全体としては12.3%まで削減していくということです。平成17年からごみは減少傾向にあるのですけれども、この1~2年を見ると若干増えたり減ったりということがございます。景気の変動で増えていくこともございますので、この先、景気が回復してきた段階で計画どおり減っていくような流れをとっていきたいと思います。
 1人1日あたりのごみ量の推移でございます。原単位と言われるものでございますけれども、実態調査結果から見ると、平成19年、20年、21年と1,000グラムぐらいから、平成22年は909グラムということでございます。同程度の規模の都市と比べると、中核市というランクで比べるのが一番いいかなということで載せさせていただいておりますが、40位中の一桁半ばということで、原単位については同規模においてはかなり少ない状況で動いていると思っております。
 次の資源化率でございますが、資源化率につきましては、現状20%、なかなか引上げが難しいということで、ごみの総量を減らしながら資源を増やしていくという課題がここから読み取れるのかなと考えております。
 それでは、発生抑制・資源化のための行動指針でございます。市民・事業者・行政の役割ということで、削減に向けた行動を主体的に推進するという枠組みがございます。まず市民の役割ですけれども、ごみになるものはつくらない、食材は使い切る、堆肥化する、物は大切に使う、こういったエコライフを実践していただくという役割を持っております。
 それから、事業者の役割ですけれども、ごみの発生抑制・減量化のための環境管理を行っていただく、それから、物の製造・販売において廃棄・リサイクルを考慮した対策をそれぞれとっていただく。市のほうにつきましては、情報発信・啓発活動、それから、減量に取り組む市民団体を支援する、また、ごみを適正に処理する、こういったものを総合的・計画的に事業を推進するなど、それぞれの役割をもって取り組んでいるところでございます。
 次にここから5枚ほど、それぞれのものについて施策がうたわれていますけれども、若干重なるところもございますので、主要なところだけ説明させていただきます。黒い文字のところは既にやられているところ、赤い文字のところはやられているものを強化するところ、それからもう一つ、青字のところがこれからやっていくところということで、現在、ごみ袋の有料化についての検討をしつつ、分別排出ということで、ごみステーションに出されたごみについて、分別できていないごみにはシール等を貼るなどの啓発をして、残してくるということをしております。
 家庭系のごみの「再使用」については、粗大ごみのリユースを今年から始めたいということで準備をしているところでございます。それから、リサイクルという面では、埋めるごみの資源化ということで、ガラスの一部、化粧品びんについてはリサイクルする形をとっていますけれども、それ以外のガラス、陶磁器くずといったものを再生利用していくような方向を検討中でございます。
 事業系のごみについては、発生抑制・再使用・再生利用ということで全部挙げさせていただきましたが、現在、多量排出事業者の排出抑制、どのような形で協力し、減らしていくかということを検討している段階でございます。
 続いて、市に関しまして、収集運搬は、918平方キロメートルとかなり大きいところでございますので、収集体系の効率化、基地の分散といったことを検討している状況でございます。
 それから、中間処理につきまして、ここの中でリサイクルハウスというのがございますけれども、これが粗大ごみのリサイクルということで、今年からスタートすることになっております。それから、埋立処分第2期ということですけれども、第1期が33年ということですので、間もなくしたら第2期の準備に入っていくというような状況になっております。
 次に、主なリサイクルの取組について説明をさせていただきます。表にあるように、豊田市は7分別10種類という分別で、必ずしも多い分別ではございません。ただ、これは集まったものを市のほうで、びんについては色分け、飲料缶についてはアルミと缶に分けさせていただいています。市民の方が出しやすくということでこのような分別区分をとっております。平成23年度からは、危険ごみということでライター、スプレー缶も別に集めることを始めております。この中で金属ごみが赤字で振っていますけれども、この部分が他の自治体ではあまりないような区分になっていて、金属とプラスチックの複合製品がすべてここに集まってくるということになります。
 今の金属ごみから小型家電の抜き取りということで、一つ事業を行っております。平成21年に環境省、経済産業省さんのモデル事業に応募して、不採択だったのですけれども、せっかく考えたことなので市でできる範囲をやろうということで試行を行っております。平成22年10月から1年の試行をもって本格的にスタートし、毎月6トン程度をピックアップし、レアメタルの回収を行っております。
 どういった形で回収しているかというと、主にはステーション月1回の回収で、金属ごみとして回収したものを、処理方法で今までは金属ごみはそのまま破砕をかけていたのですけれども、そこから小型家電をピックアップし、それを業者に売却するという形をとっております。業者は買い取ったものを、小型家電は手解体し、その他は破砕をかけて、事業者の廃棄物として処理をするということでございます。
 金属ごみは破砕をかけて非鉄金属を事業として回収しておりましたが、その残さ物は全部焼却工場で燃やしておりました。後で説明させていただきますけれども、有害な金属が多いとキレート剤を使い、燃やすことで軽減になるということで、この事業をスタートしております。
 次に回収量とその割合でございます。平成21年からスタートして、22年、23年を見ていただくとわかりますように、ピックアップした量が月6トン程度ということで、そのうちの6割程度が手解体をする。事業全体で今まで10トンの基板を回収し、レアメタルのほうに回しているという形になります。
 先ほど言いましたキレート剤のことですけれども、破砕をかけて、破砕残さを焼却すると、その中に亜鉛、鉛、銅といったものが入ってまいります。この事業を開始する前と後で、鉛、銅は3割から5割程度削減されていることになります。ということは最終的に鉛の不要化をするキレート剤がかなり減るということになるかと思います。
 実際の費用対効果につきましては、平成22年の途中から行っておりますので前年度とすべて比較することはできませんが、平成22年と21年を比較すると約1,000万円の削減ができております。
 次に、試行を始めた理由でございますが、試行前、試行後で、4か月程度のキレート剤の使用量を比較すると、1,600万円ぐらい削減できるということ。これを年額換算すると4,800万円ぐらいは効果があるかと。それにピックアップにかかる費用を抜きますと、全体で約4,000万円の削減ができるのではないかということでこの事業を行っております。
 続いて資源の回収ですが、拠点回収についてご説明をさせていただきます。

○浅野部会長代理 恐れ入ります、あと1分でお願いします。

○近藤副主幹 市内で21か所のリサイクルステーションを準備し、回収をしております。その写真がこういう形で、ガレージ式のものを使って回収をしております。
 続いて、集団回収の支援をさせていただいております。平成23年度の実績で、回収量6,800トン、報奨金は4,200万円、570団体で1,600回実施されております。それから、ストックヤードの整備ということで3メートル×4メートルぐらいの物置を各自治区にお配りし、資源回収のヤード、拠点として使っていただくというものでございます。現在、212の自治区で使っていただいております。
 それから、家庭への啓発ということで、生ごみのリサイクルということでコンポスト、生ごみ処理機といったものを累計で4万5,000台の支援をしております。それから、平成19年からの取組ですが、生ごみはかなりの量の水分がございます。この水分をひとしぼりしていただければかなり減るということで、「水分ひとしぼり運動」というものを実施しております。

○浅野部会長代理 申し訳ないのですけれども、時間を大分過ぎています。

○近藤副主幹 わかりました。あと、買い物袋の持参。それからその他の取組で溶融スラグ、木くずのリサイクル、バイオディーゼルの活用、バイオマスの発電、環境学習施設の整備、リユース工房の開設といったことをやっております。それから、出前講座、リサイクルステーションでのエコポイントの発行。
 課題等につきましては、このようにやっております。どうもありがとうございました。

○浅野部会長代理 短い時間で申し訳ありませんでしたが、お許しください。
 では、最後になりましたが、大木町の境課長からお願いいたします。

○境課長 皆さん、こんにちは、大木町環境課の境といいます。今日はこのような報告の場をいただきまして、ありがとうございます。今日は、大木町の取組とその背景並びに考え方を少しご紹介させていただきたいと思っております。
 大木町の紹介ですが、福岡県の南部に位置する、平野のど真ん中の小さな町でございます。水路が縦横に走っている、人口が約1万4,500人、面積が18平方キロ程度の小さな町でして、非常に小回りのきく町だと思います。住民と行政の距離が非常に近いというのが特徴ではないか、ある意味非常に効率的な行政サービスができる状況ではないかなと私自身は思っております。
 合併はしていません。財政問題はどこも深刻だと思いますけれども、過大な箱物はつくらないとか、効率的な財政運営を目指すことで、県内においてはどちらかというといい状況にあります。経常収支比率は平成22年度で県内3位でしたし、その前の年は県内で一番よかったというような状況でございました。
 2000年に、循環型社会形成推進基本法という形で、これまでの大量消費社会から決別しようというような法律ができたことは、私ども大歓迎をいたしております。特にその中で3Rの優先順位をはっきり示していること、それから、EPRの考え方を示していることに注目いたしております。しかし、この法律ができて、実態としてそれまでの大量消費の社会が変わったかというと、残念ながら実感としてはまだまだだなと感じています。
 それは、大量消費は変わらないし、大量廃棄が大量リサイクルに変わっているというような状況でありますし、ごみの発生量の高止まりは変わらない状況であります。先ほどからのご報告もありましたけれども、リサイクルにかかる市町村の負担、住民の負担は非常に大きくなってきていると思います。さらに、使い捨て容器等が氾濫いたしまして、特に田舎のほうではポイ捨てが多くて、地域環境悪化の最大の要因になっているという状況がございます。
 それはなぜかということを考えますと、一つは焼却に過度に依存し過ぎたごみ処理と、その悪循環だと痛感いたしております。もう一つはリサイクルのみに変調した3R対策。それから、EPRが徹底していない。これらの問題が最大の問題だという認識を持っております。
 これは大木町の掘割です。大木町は全面積の14%が掘割でして、総延長が200キロを超えています。こういうふうに随所に水門がありますけれども、上流から流れ着いた使い捨て容器等がここでたまる。地元の人が一生懸命たまった使い捨て容器を揚げてもきりがない。もちろん、水路だけではなくて、あらゆるところにポイ捨てが氾濫いたしまして、住民の皆さんが一生懸命拾ってもきりがないというような状況がございます。これは誰が悪いのかということを問いかけたくなる。もちろん、捨てた人が悪いのでしょうけれども、捨てた人だけが悪いのでしょうか、つくった人が悪いのでしょうか。私は一番原因があるのは法律とか政策の不備だと考えております。
 これは遠賀川の河口堰近くの海岸に流れ着いたポイ捨てごみです。同じような悩みを持っておられる方が全国にいらっしゃいます。
 そういうような状況を踏まえて、大木町と大川市・筑後市で環境に関する全国大会を開催いたしました。このときにEPRとデポジット制度の実現に向けての特別決議が採択されました。特別決議の内容はここに書いてあるとおりでございます。この特別決議の内容をはじめとして、この大会で出てきた課題を実現するために、首長はじめ地域住民の皆さんと一緒に委員会を結成いたしまして、その課題を解決するための活動をいたしてまいりました。
 特にEPR・デポジット制度を何とかして導入したいという地域の強い要望がございまして、総人口10万ぐらいの地域ですけれども、EPR・デポジット制度の導入を求める住民署名を行いまして、3万5,000筆以上の署名を集めて国会請願をいたしました。さらに東北3県を除く全国の首長に賛同のお願い、さらに議会への意見書採択のお願いをいたしました。とても反響が大きくて私たちもびっくりしていますが、直接、全国の136の首長さんがこれに賛同を寄せられるという状況をつくり出しています。
 さらに、私どもに報告があった意見書採択の自治体だけでも116自治体を超えているというような状況がございました。このような状況を踏まえて、「ちっご委員会」では国に要望書を提出いたしております。この要望書につきましては、皆さん方のお手元に資料として添付いたしております。
 焼却に頼りすぎている、焼却一辺倒というのが、ごみ問題を解決するのに足かせになっているのではないかという印象を私自身は強く持っています。大木町も燃やすごみは隣の大川市の焼却炉で燃やしていますし、燃えないごみは八女西部の一部事務組合に加入しています。
 八女西部は平成12年に溶融炉をつくっていまして、立派なごみ焼却炉ができていますけれども、イニシャルコストも非常に高額な費用をかけている。さらに問題なのは維持費が非常に大きいのですね。これを負担し続けること、こういうように焼却炉に過大な負担をしている状況で、生ごみを分別しようとかプラスチックを分別しようということで、さらに費用をかけることはできないという状況に陥っています。
 そういうようなことで、焼却炉を一度建ててしまうと、焼却に頼りっ放しという状況から脱却できないということになってしまう。しかも、今の焼却炉は連続炉、八女西部の溶融炉も一回火をつけると3ヶ月ぐらい燃やしっ放しなのです。ということは、ごみを集めてこないといけない。一方ではごみ減量とかリサイクルということを言いながら、一方ではごみを集めてこなければならないという自己矛盾に陥るということもございます。そういうような状況で、担当者としては本気でごみを減らしたりリサイクルを推進したりということにはならない。
 住民の皆さんから「生ごみを分別してください」という声が上がります。そのときに担当者は、「ほとんどの住民の皆さんに理解をしてもらえない」と答えます。さらに、焼却炉で発電しているのだから、きちんと資源として使っていますというような言い方をします。そう言わざるを得ない。担当者もこの状況を何とか打開したいと思っても、そこから脱却できないという状況に陥っているのではないかと痛感いたしております。
 大木町は燃やすごみについてはお隣の大川市で焼却していますが、ここも建替えの時期に来ています。でも、大川市と話しまして、しばらく建替えを考えることはやめようと決めました。もちろん市長さんも入ってです。少なくとも15年間延命して、その間にごみを減らしていこうとしています。当面、3年間に1市1町で1,500トンのごみを減らすこと。今、年間の総焼却量が1万1,000トンで、3年以内に1,500トンを減らす。そうすることで焼却時間を減らせば、人員体制を減らすことができる。そして、さらに運営費を減らしていくことを目指しています。
 そういうような背景の中で、大木町では「大木町もったいない宣言(ゼロ・ウエイスト宣言)」を、2008年3月に議会が全会一致で可決いたしました。すべての議員が賛成しました。すべての議員が賛成して可決して公表すること、議会が決めてこれを公表するというのは非常に大きなことだと考えております。この議決に基づいて私どもはゴミゼロを目指した政策を進めております。
 ゼロウエイストの考え方につきましては、出てきたごみを「何でも燃やししまう」、「埋め立てる」、「リサイクル」ということではなくて、ごみをいかに発生させないようにするかということが考え方の基本だと聞いております。その進め方としては、地域で工夫をしてやっていく地域主義、できるだけ低コストでごみを資源化していく、環境に負荷をかけない、さらに最新技術に過度に頼らないということがこの考え方でございます。
 大木町のごみ処理の状況を少しご紹介いたします。現在、リサイクル率が56.5%になっております。今年度で何とか70%を達成したいということで、いろいろ苦労してやっているところでございます。その中で大木町のごみ処理の状況は、平成17年度を基準にして、燃やすごみが半分以下の48%に減りました。燃えないごみにつきましては96%減りました。その分資源ごみが増えている。すべてのごみ総排出量は高止まりの状況であり、まだ9割以上を維持しているという状況です。
 これは家庭から出るごみの量の推移のグラフです。
 さらに、私どもはごみを減らすだけではなくて、できるだけごみ処理費用も減らしていこうという取組を進めています。平成17年に比べてごみ処理費用を5,000万円減らすことを目指しています。これは不燃ごみ、可燃ごみ、生ごみ、し尿処理及びその収集運搬費用、もちろんリサイクル費用も含めたところで5,000万円減らそうとしています。ごみ処理費用というのは確かに必要ですが、これだけ財源が苦しい中で、住民の皆さんと協力してごみ処理費用を減らすことで、その分を有効に活用していく、そういう財政運営をしていこうという方針を持っております。
 そのごみを減らすために、現在、25分別しています。上の21が地区の分別、地域の人たちが地域で主に集めている分、小型家電もその中に入っております。そのほか、個別収集等で集めているのが生ごみ、草木、廃プラ、紙おむつでございます。
 これは地区分別収集の様子です。原則月1回、朝に実施しています。
 大木町のごみ処理の一番大きな特徴は生ごみを完全に分別して資源化していることだと思っています。生ごみの分別につきましては、平成18年11月から実施いたしまして、週2回、バケツコンテナ方式という方法で分別いたしております。この表を見ていただくとわかりますように、生ごみを分別することでごみの量が4割以上一気に減りました。生ごみの分別というのは、ごみを減らす上で非常に大きな効果があるということが言えます。
 さらに生ごみ分別は住民が嫌がると一般的に言われています。もちろん始める前は皆さん心配されていました。始めた後に何回か無記名のアンケートをとっていますが、いつも同じ結果が出ます。97%程度の人が生ごみ分別に「賛成」、もしくは、「どちらかと言えば賛成」と答えている。大木町の場合、生ごみ分別が思った以上にうまくいきましたが、それ以上に効果があったと思っているのは、住民の皆さんが生ごみ分別、生ごみを資源として活用するこの事業については、自分たちが支えているという、まちづくりに対する参加意識としてつながってきていると。住民共働が生ごみ分別をすることで前進したという結果をもたらしている。これは私たちも本当に驚いています。住民の皆さんとの協力関係が生ごみ分別で培われて、その後の行政運営がうまくいくようになっているということが言えるのではないかと考えております。
 集めた生ごみは、町の真ん中に設置しました「おおき循環センターくるるん」というところに集めてきます。この施設には年間3,000人から4,000人ぐらい、全国、あるいは海外を含めて見学者の受入れをいたしております。この「くるるん」のシステムは、町内から出る浄化槽汚泥、大木町は農村地帯ですので、公共下水道等はつくっておりません。合併処理浄化槽のみ整備しております。それとし尿と生ごみ、生ごみほとんど集まってきております。
 浄化槽汚泥は薄いので濃縮しまして、それをメタン発酵することでバイオガスを回収して、電気をつくり出す、もしくは熱を回収する。1日に700キロから800キロワット程度の発電をいたしておりますし、熱も回収いたしております。最近の発電機は非常に効率がよくて、80%ぐらいのエネルギー効率を維持することができます。さらに、その後、有機肥料を農家に使ってもらうというような取組を進めています。
 生ごみの分別を支えているのは、地域の人たちが参加した循環の仕組み、社会システムだと考えております。

○浅野部会長代理 恐れ入ります。あと1分でお願いします。

○境課長 すべての住民の皆さんが生ごみ分別に参加しています。この施設は町の真ん中にあります。
 それから、大木町の生ごみを取り除いた後のごみの組成が、容積比で言うと、プラが半分以上、あと、紙・布が含まれています。重量比で言うと、紙・布が半分、プラが20%程度、あと紙おむつが大きな割合を占めている。ということは、この4つのものを取り除いてしまえば、ほとんど燃やすごみがなくなるということになります。
 そういうような状況の中で、大木町としては、この4つのものをいかに減らすかという戦略の下にごみ削減の取組を行っています。紙については、どんな小さな紙でも出せるような方法を採用しております。地区に常設ボックスを置きまして、地域で紙・布を集めてもらって、それは地域で販売する。さらに、地域が販売したものに対して上乗せの補助をするという形で、地域で集めたものは地域の収入になるというような仕組みをとることで、紙の収集が大幅に増え始めてきています。
 さらに、プラスチックは、平成22年10月からすべてのプラスチックを集めまして、お隣の市の業者が油化して、それをまた大木町に持って帰ってきて重油代替燃料として使うという取組を進めています。住民の皆さんにとって、プラスチックの分別は大変ですけれども、自分が苦労して出したプラスチックが油となって帰ってくるという見える仕組みをつくることで、分別に対する意欲が高まるというような状況になっています。
 さらに、紙おむつにつきましては、平成23年10月から町内全域で集めまして、大牟田のトータルケアシステムというところで板紙をつくりまして、建材になっています。紙おむつの回収については思ったよりも好評です。始める前は紙おむつまで分別するのかという声もありましたけれども、子どもを持つお母さん方に非常に好評です。予想以上に集まってきています。
 発生抑制というのが大原則ですけれども、発生抑制を自治体だけでやるには限界があります。出てきたごみをいかに資源にするのか、できるだけ出さないようにすることと、いかに資源にするか。住民の皆さんの負担につきましては、資源として分けていただく部分については住民負担を低くする。ごみとして仕方なく出される分については、住民負担を大きくするというような経済的な仕組みもつくっております。
 以上で終わります。どうもありがとうございました。

○浅野部会長代理 どうもありがとうございました。
 4人の方には、限られた時間でございました。少しご発表を端折っていただいて申し訳ございませんでした。
 それでは、ただいまから、委員からそれぞれのご発表に対してご質問を差し上げることになります。初めにもお願いいたしましたが、一問一答の形は時間がありませんのでとることがかないません。まとめてご質問を差し上げますので、それぞれメモをしておいていただければと思います。質問される委員の方々はどなたに対するご質問であるかということを明示してお願いいたします。多くの方がご質問になろうかと思いますので、あまり一人で独占をしないように、先に多くのご質問がありますと後の人はご質問のタネがなくなりますから、適当にシェアをしてください。
 もう既に名札が立っています、よろしいですか。私が見たところはこの辺が一番先だったような気がするので、横山委員から順番にお願いします。

○横山委員 ありがとうございました。それぞれ特色ある循環型社会形成に努力しているのだと思いました。全体的に質問と、各自治体に一つぐらいずつお尋ねしたいと思います。
 まず全体の質問としては、循環型社会形成にあたっては、循環基本計画というものが基になっているわけですけれども、日ごろどれぐらいこの循環基本計画を意識なさっているか。その辺を答えていただきたいと思います。今日のヒアリングも新たな循環基本計画をつくるにあたっての参考のためのヒアリングなわけで、どのぐらい基本計画をお考えになっているかということですね。
 それから、現行の基本計画、新しい基本計画、ともに地域循環圏というのを一つの目玉にしているわけですけれども、地域循環圏の形成について、自治体としてこれまでお考えになったことがあるのかどうか。その辺をお尋ねしたいと思います。
 それから、個別では、富山県では4ページぐらいに一般廃棄物の目標とか産業廃棄物の目標がありますけれども、少し甘いところも。もう目標が達成されているというような印象もあるのですが、その辺どうなのかということをお答えいただきたいと思います。
 それから、横浜市は、巨大都市としての悩みみたいなものはどうなのか。その辺あまり出てこなかったと思いますので、横浜市らしい循環型社会づくりというのは何なのかということをお聞かせいただきたいと思います。
 それから、豊田市については、企業城下町としての性格を持っていると思うのですけれども、それが循環型社会をつくるにあたってどう影響しているのか。その辺が今日あまりお話はなかったと思いますので、お願いしたいと思います。
 それから、大木町には、EPRとかデポジット制度の実現にこれまでかなり努力をなされて、大変なことだと思うのですが、これが実現しない理由はなにか。賛同者は増えているけれども、なかなか実現しないのは国の責任なのか。

○浅野部会長代理 すみません、簡潔にお願いします。これだけ名札が上がっていますので。

○横山委員 あるいは、この循環基本計画の責任なのか、その辺を答えていただきたいと思います。
 以上です。

○浅野部会長代理 森口委員。

○森口委員 4件のご発表、大変興味深く聞かせていただきました。たくさんお尋ねしたいことがございますけれども、横浜市に1件、豊田市に2件ということに絞らせていただきたいと思います。
 横浜市にお尋ねしたいのは、一番最後のスライドになりますでしょうか、30枚目に製品プラスチックのお話がございました。容器包装リサイクル法の再商品化の話は私もかなり深く関わっているのですけれども、大木町が最後にお話されたEPRの観点から、費用負担という面では自治体がお譲りにならない部分があるわけですね。容器包装に関してEPRは既に導入されているわけですけれども、容器包装以外のもので一緒に集めることによって市民の負担も減る、あるいは、市のほうでわざわざ選別しなくていいという部分が出てくるかと思うのです。場合によっては再商品化の費用の一部は市が負担される形で、全プラスチックの再処理資源化を進めていくということはあり得ると思うのですけれども、そういうこともあり得るのか。あくまでそれはEPRとしてこだわって自治体さんとしては譲れないとか。その辺りはいろいろな役割分担をしていく中で、責任分担をしていく中でうまく進めるためには、少し自治体のほうから譲っていただかなければいけない部分もあるかもしれないと思っておりますので、その点、お考えがあれば聞かせていただきたいということです。
 それから、豊田市には2件ありまして、1点目は事実の確認です。埋立量を平成23年度、平成22年度辺りから大幅に減らされるということ、それから、資源化量が増えるということですが、これは焼却灰の溶融スラグ化で、それの資源化ということでよろしいかどうかということをお尋ねします。それに関する費用面での増減がどんな形になるのか。その辺りをお伺いできればというのが1点目です。
 2点目は、金属とプラスチックの複合製品を資源化されると。これはおもしろい試みかと思いますが、25ページのスライドで書かれているのですけれども、特にお尋ねしたいのは、金属とプラスチックの複合のもので金属が回収できれば、当然売却益で出てくると思うのですけれども、これは恐らくまとめて委託されているのではないかと。委託される段階で逆有償なのか、売却なのか、その辺りのところを教えていただければと思います。
 以上2点でございます。

○浅野部会長代理 すみません、質問は1分か2分ぐらいにしてください。
見山委員。

○見山委員 ありがとうございます。私は2点ほど。
 まず豊田市ですけれども、先ほど企業城下町という話があったと思いますが、企業城下町であることの特性を踏まえた、例えばここにある地域特性に合った啓蒙等の強化ということで考えると、共同体意識みたいなものをうまく活用してそういうことをやられているか、あるいは、先ほどもありました地域循環圏に対する取組の中で、トヨタとこれからどのような連携をとっていかれるつもりかということがまず一つ。
 それから、皆さんにお伺いしたいのは、今、処理に非常に困っているものがごみとしてどんなものがあるか。その中で、次善の策かもしれないのですけれども、こういう対応をしているというようなこと、具体的な事例で教えていただければと思います。
 私からは以上です。

○浅野部会長代理 古市委員、どうぞ。

○古市委員 富山県にお尋ねします。4ページの生ごみとか不燃物の埋立処分の分類が悪くて、かなり処分場が逼迫しているらしいのですけれども、生ごみについて全般的に地産地消ではなくてなぜ広域的に減量化しようとされているのかというところをお聞かせください。
 それから、横浜市ですけれども、2つほどありまして。自走式の装置、これはどのように判断されているのでしょうか、不適物と古紙の多量というのを。
 それから、20ページですが、2005年と6年に2つ大きな焼却炉を廃止されたのに、2007年で不足すると予測されていたというのはどういうことなのか。ちょっと矛盾するように感じました。
 すみません、豊田市は省略します。大木町は思想が非常にすばらしいなと思いました。なぜこのような輪をつなぐ地域循環システムをつくれたのか、どう努力されたのかということをお教えください。
 以上です。

○浅野部会長代理 藤井委員、どうぞ。

○藤井委員 先ほど大木町の境さんが、ガス化溶融炉をやることによって、資源分別とか、リユースするというところと減らすというところの自己矛盾がそこに内包されているのではないかというお話がありましたが、すべての町の焼却炉の炉型がどういう形かを教えてください。
 富山県に質問いたします。10ページの可燃ごみの組成を見ると、資源化されていない部分が随分多いのではないかと思われます。つまり、その他のところのプラスチックについても、紙類についても。それは炉型との関係があるのかどうかを聞かせてくださいということが一つ。海洋ごみのところが、文字では表されていましたが、海岸漂着物の環日本地域の中での海洋ごみをどういうふうに議論なさっているかを聞きたいと思います。
 それから、大木町の「ちっご会議」、私も出ましたけれども、あの宣言の後おむつまでいったというのは大変すばらしいなと思っています。「ちっご」の全部の地域の10万人の中に大木町効果が、ほかの町にはどういうふうにあの以降効果が現れているか、そこのところをお聞かせください。
 以上です。

○浅野部会長代理 最後の10万人というのは。

○藤井委員 ちっご全体というと。

○浅野部会長代理 という意味ですね。
 それでは、田中委員。

○田中委員 最初に富山県に。一般廃棄物は県の指導では限界があると思うのですけれども、県だからできるということで、市町村をまたがった、県内での広域的な資源循環という点でどのようなことができるのか、あるいは、検討しているのかということを伺いたいと思います。
 それから、横浜市、豊田市は物質回収型のリサイクルに重点が置かれているのですけれども、以前はエネルギー回収だったと思うんですね。そのエネルギー回収型と物質回収型の選別ですね、評価がだんだん変わってきているように思うのですけれども、今は発電が非常に価値があるということで。その辺で今の政策で変わらないのかどうか、その辺も伺いたいと思います。
 以上です。

○浅野部会長代理 それでは、佐々木委員、どうぞ。

○佐々木委員 私は1点だけです。富山県と豊田市ですが、小型家電の法律が国会に上程される準備がなされているわけですが、今計画されているものと、現在、富山県がやっているもの、あるいは、豊田市がやっているもの、制度的に大分差が出てくるのではないかなと思うのですが、今後どういうようなご見解でどういうふうに進めようか、その辺がわかればと思っております。

○浅野部会長代理 それでは、崎田委員。

○崎田委員 ありがとうございます。富山県から一つずつ伺いたいのですが、富山県は、小型家電の話が出たのですが、これは制度上は県の役割はあまり規定されてないのですけれども、県としてどういうふうに応援できるか、その辺をぜひ教えていただければと思います。
 次に横浜市ですけれども、低炭素都市、環境未来都市というような意欲の大変強い地域でいらっしゃるので、循環計画と低炭素都市をどうつながくかという辺りをどういうふうにしておられるのか、もう少し明確に教えていただければと思います。
 豊田市は、循環基本計画に沿ってつくっていらっしゃるので、計画に関してどう思われるか是非きちんと提案していただきたいと思いました。
 大木町のところで、EPRとデポジットのことをかなりご研究され、宣言されたということで、容リ法の見直しの時にこういうお考えはとても大事なのですが、実際に産業界の方と交渉するときに自治体側の数字が明確に出なかった、そこで交渉がうまくいかなかったということがあり、私は自治体側の数字、コスト負担とか、そういうことの数字をきちんと集めるというところにも力を注いでいただければ大変ありがたいと思います。
 最後は意見ということで、よろしくお願いします。

○浅野部会長代理 酒井委員、どうぞ。

○酒井委員 豊田市と大木町に聞かせていただきます。
 豊田市には、今回、小型家電の効果をキレート剤の費用対効果で見ておられるというのは極めてユニークで、今後参考にさせていただきたいと思います。その際、鉛の肥培中の削減量と基板のほうで回収した量が、銅ないし鉛で収支はとれているかどうか、そういう検討はされているか、そこをお話ください。
 もう一つは、豊田市は例のPCB処理に非常に苦労されている地域だと理解しておりますが、今日はなぜそのご紹介をされなかったのか、その理由を伺いたいと思います。
 大木町には、EPR・デポジットを主張されていること、よくわかりました。おやりになられた紙おむつというのはEPRの上でどう考えたらいいのでしょうか、お教えください。

○浅野部会長代理 ほかにいらっしゃいませんか。よろしいですか。
 私のほうから、富山県ですが、県がいろいろと中心になってやっておられるというのはよくわかりましたが、市町村との役割分担はどんなふうに考えて施策を進めておられるのかということをお伺いいたします。
 それから、豊田市から言われた不用品の無償回収についての規制をしてほしいというご要望ですが、自治体としては何か特に対策を考えられたことはありますか。あるいは、国として何か制度を導入しなければいけないということであれば、具体的になにかご提案があるのでしょうか。この二点を私からも追加してお尋ねしたいと思います。
 それでは、大変恐縮でございますが、随分たくさんのご質問を申し上げました。すべての自治体に対するご質問もございましたが、大学の試験ではありませんので、一つ二つ回答漏れがあったらといって別にうるさく言うことはないと思います。あるいは、今日直ちには回答できないという事項は後で書面をいただいても結構でございます。
 それから、このヒアリングの後に事務局から少し委員の皆様にご説明したいことがございますので、その余ののこり時間は25分ぐらいございますので、できれば1団体7分か8分ぐらいでお答えいただければと思います。よろしくお願いいたします。

○布野課長 たくさんご質問をいただきましたので、答えになってない部分もあるかと思いますが、お答えしたいと思います。
 まず、横山先生からは循環基本計画について日ごろどういう意識をしているかということですけれども、平成20年5月の循環型社会形成推進基本計画の中でも地域循環圏の構築というものをうたっております。それを受けて、富山県でも、先ほど申しましたように、5つの広域圏や市町村単位でエリアを組んでいるわけですけれども、それをさらに広域化する取組がございます。
 その効果や採算性についてはこれから検証していくことになりますが、レジュメの中にもありましたように、事業系生ごみについての広域化など、県の立場としては広域圏と広域圏をつなぎ、よりよいリサイクルシステムの構築を目指していきたいという視点を持っております。その背景といたしましては、レジ袋の削減が全県的に実現できたというところもございますので、あくまでも県民の協働という視点を踏まえて広域化というものを念頭に置いて日ごろ考えているところでございます。
 それからもう一点、4ページの一廃と産廃の目標がちょっと甘いのではないかということがございましたが、これにつきましては、平成21年度、平成22年度の検討状況の中で、経済情勢の落ち込みをどう見るかということがございます。それ以前には排出量の伸びが少しありましたので、そういうことを考えると、確かに現状では達成している部分があるかもしれませんが、一廃では排出を5%削減し、産廃では排出を+1%以内に抑えるということでしっかり取り組んでいこうということで、審議会等でも審議した上で定めているところでございます。
 それから、古市委員の生ごみをなぜ広域的に減量化しようとしているかということですけれども、きっかけといたしましては、富山市のエコタウンには、生ごみをバイオガスあるいは発電に利用しようということで取り組んでいる企業が既に立地しており、生ごみを5,000トンから7,000トン処理できる施設が既にございます。また、県内には、レジ袋削減の協力をしていただいたスーパーが140店舗ございますが、1店舗あたり年間70トン排出ということを考えますと、ここで1万トンの事業系生ごみが出るだろうと。これらを一体的に集約することによってより広域的にその施設に集中させる、あるいは、リサイクル企業がどんどん増えてくる、そういった中で資源化できれば、全体で2.5%、リサイクル率の向上が期待できるのではないかという思いがあって、より広域化を進めたいという検討を、平成24年度から行いたいと思っております。
 それから、藤井委員の海岸廃棄物の議論はどうかということですが、海岸漂着物については、県議会でも少し議論になりました。射水市に六渡寺海岸というところがあるのですけれども、そこは小矢部川と庄川という河川から流入したものが、海流の関係からそこの海岸に漂着しやすいのです。そういったこともありまして、上流の住民の皆さんと下流の住民の皆さんを一体的に、皆さんで協力してやりましょうと機運づくりをしております。今年、新たに新規事業といたしまして、親子バスツアーというものをつくりまして、上流の住民の親子をバスで下流の海岸まで行って、下流の住民の皆さんと一緒にごみ拾い等の交流をしてもらって、バーベキューなどをしながら、エコに配慮した取組を体験していただくということも予定しております。
 それから、田中委員の、県だからできる広域的な資源循環の視点ということで、少し重複している面もありますけれども、佐々木委員の小型家電の話もそうですが、市町村が一般廃棄物処理の主体なのですけれども、県としては、ハード的な整備について少しでも応援できないかと。そういった中で小型家電については、金属、貴金属等が含まれている、それを有効利用する手がないかという動きの中で、システム構築を考えていこうということで、先ほど少しお示したような回収ステーションの設置補助に取り組んでいるところでございます。
 佐々木委員からは、国会に小型家電の法案が上程されているところとお聞きしておりますが、その法案と本県の取組内容をすり合わせできるかどうかにつきましては、現在検討しているところでございまして、今、即答はできません、申し訳ございません。
 あと、浅野部会長代理のおっしゃられた市町村との役割分担ですけれども、今の話の中でもありましたように、基本は市町村になるだろうと。ただ、それを広域化という視点から見たときに、県はどんなお手伝いができるのだろうかというところをこれまでも考えておりますし、それが、基本計画の中にもあるような循環の環を徐々に広域化させていくという考え方にもつながるのかなと。当然、市町村の主体性は尊重しつつも県として何がお手伝いできるかというところを考えているのが現状でございます。

○浅野部会長代理 どうもありがとうございました。
 それでは、横浜市、河井課長。

○河井課長 まず初めに横山先生からいただきました循環型基本計画はどのように意識しているのか。状況はわかっているのですけれども、これをとらえて市民に説明することになるとまた大きな話になって、余計、市民が混乱すると思いますから、この計画はどうなっていますよという市民説明はしておりません。
 また、地域循環というふうに考えたときに横浜市としてどう考えているのか、当然、リサイクルするにあたっては、市内ではなかなか完結できないのは理解しているのですが、少なくとも日本国内ではリサイクルするべきだろうという考えから、資源にしているものはどういうふうなリサイクルをしているのかというものを出させながら、そこの現地調査をしながらきちっとやっているのかというのをやって、そういうことを市民に説明する。というのは、市民も分けるだけで、資源はどういうふうになっているのかということをより理解していただいたほうが、協力率は高まりますので、それを常に情報提供していくということをやっております。
 また、大都市としての課題は何か、問題は何かと言いますと、大きな都市でこれだけ減ったということもあるのですが、大都市でも協力はしていただけるわけですけれども、人の入れ替わりも多うございまして、人が入れ替わると、今まで定着していた分別も、それぞれの自治体によってルールが違いますので、また違うルールを一から説明するというのは大きくなるところに課題があるのかなと考えております。
 また、森口先生からいただきました容リとの役割分担等の考え方ということですが、現在も容リが集めるところまでは責任を負っているわけで、集めれば集めるだけ市町村のお金はかかります。ただ、市民がそういうふうな形で求めがあれば、一部、容器に近い製品はそれで集めてもいいのではないかという考えがあって、それは自治体としても集める考えはあるわけですけれども、法制度ができていない以上は、やるとそれがすべて自治体の負担になってしまいますから、そこまでは自治体として、現在、財政難でもありますので、踏み切れないのかなというふうに考えております。
 また、見山先生からいただきました市民が困っている例は何かと言いますと、先ほども少しご説明しましたけれども、分別が他の自治体と違うところがありまして。異動してきた方がすぐになじんでいただけないというのが最大の原因なのかなと。それによって取り残しをしていますので。説明すればすぐわかっていただけるのですけれども、大きい都市になりますと、全部が全部周知が行き届いているのかというと、そういうわけにもいかない状況があります。そこで市民が出し方に困るという事例はあるかと考えております。
 古市先生からいただきました搬入物検査の内容をどういうふうに見ているのかというご質問ですが、搬入物検査は、ベルトコンベアーに乗りますと袋が見えますので、そこでとって中身を見ればすぐわかります。そこで、プラスチックとか紙が入っていましたら、それを抜き出しまして、搬入してきた車に通知文書を出しながら、これを持って帰りなさいという指導をして、どこで処理したのかというのを後で報告しなさいよというような形をとっております。
 また、資料の19ページの焼却工場の休止のことですけれども、5ページを見ていただきますと、焼却工場は、以前7か所あったところを、グレーになっているのは年度で休止していまして、真ん中の保土ヶ谷工場は中継施設として使っていまして、それで休止。というのは、首都圏型になりますと、何かあったときに焼却工場を稼働させるのかとなると、全部廃止してしまいますと、次の建替えというスキームもいろいろな制約がかかりますので、本市としてはそのような政策を打っております。
 それから、田中先生からいただきました物質の回収型とエネルギー回収型、以前は燃やすことによってエネルギーを発電、現在も焼却工場では発電をしていますが、以前に比べて、先ほどご説明したように廃止した工場は古い工場でございまして、昔つくった工場というのは発電効率も非常に悪くなっておりまして、残っているのが20年以上もたっている工場が多いのです。それは高効率の発電をもっていまして、収支バランスとすればそれほど悪くなっていないのかなと。逆に、昨年の夏は電力が非常に逼迫したということで、昼間の電気を何とか稼ごうという形で、昼間を増量運転というか、定格運転に戻して運転しまして、夜間のごみ焼却を絞って、夜間をなるべく燃やさないで昼間を燃やして発電を稼いだという試みもいたしました。
 崎田先生からいただきました低酸素計画と廃棄物の処理計画の関係ということですが、横浜市もお陰様で環境未来都市に選定されています。環境未来都市がいろいろある中、廃棄物を少なくすることで低炭素の一翼を担っているという形で、低炭素という項目で今回つくりました3R夢プランの行動も入れて併せて進めているというのが現状でございます。
 簡単ですが、先生方からいただいた質問は以上でございます。

○浅野部会長代理 どうもありがとうございました。
 では、豊田市、近藤副主幹、お願いいたします。

○近藤副主幹 それでは答えさせていただきます。
 まず、横山委員からいただいております循環基本計画をどのような形で意識しているかということですけれども、毎年毎年重点目標という形で取り組む、ごみ減量についての取組を四半期ごとに状況を見て政策を打っておりますので、意識をしながら政策に反映しているというのが現状でございます。
 それから、地域都市圏みたいな考えについてということですけれども、これはなかなか取り組むのが難しいのですが、これについては食品リサイクルの面で言えば緑のリサイクルセンターというところで一部、食品もやっておりまして、そういう中で地域の農家がつくったものを地域でというような循環型のものを考えて進めてきているところでございます。
 それから、企業城下町としてどのようにとらえているのか。これは見山委員さんからも同じようにありましたが、トヨタ自動車とその関連事業所というのはかなりの数が豊田市にございます。当然のことながらそこから出てくる事業系の一般廃棄物はかなりたくさんございます。そういった面で、トヨタ自動車を含めてごみを減らすということに取り組んでいただいた方には、優良事業者の認定をするなどやっていけないかということで、規制と優良認定などを今考えつつありまして、昨年、今年のところで方針を決めていくという取組をしているところでございます。
 それから、堀内委員から埋立量が激減するのは溶融スラグのものかというご質問がございましたが、溶融スラグについては平成21年からほぼ全量売却できております。平成23年ぐらいから減る一つの要因としては、豊田市には2つの炉がございまして、90トン炉の焼却炉が残っておりますが、そこはストーカー炉でございますので、焼却灰はございます。それを溶融スラグ化しているのですけれども、肥培についてはすべて埋立をしています。肥培を少しでもリサイクルすることを現在検討している状況でございます。それによって量が減ると見込んでおります。
 それから、逆有償かどうかという話でございますが、正直言うと、トータルで言えば逆有償という形です。ただし、豊田市がお金を出して処理をしております。そこで破砕の代わりに選別作業を出して、1日あたり賃金程度、17~8万ぐらいを出して選別したものを売却するのですが、売却については何千円ぐらいのものですから、売却する形で効果のほうが高いということで、やらせていただいているところでございます。
 それから、見山委員からはもう一つ、城下町以外のことで困っているものはないかということがございました。これについては横浜市と同様に、豊田市もかなりの人の出入りがございまして、分別が不十分であるのになかなか徹底できないというのが現状です。1年間かけて調査をして、半分ぐらい残っているステーションが1,000ぐらいあったのを、1年間かけて400ぐらいまで減らしてまいりました。市民の方にご協力いただきながら分別の徹底を図っているところで、いろいろなところで啓発をするのですけれども、なかなか守っていただけない方が多いということが、きちんとやっている方にとっては非常に困っているのが現状かと思っております。
 それから、藤井委員からは施設についてということでございました。豊田市では2つ焼却炉がございまして、1つはストーカー炉の90トン炉、もう1つはガス化溶融炉の405トン炉というものでございます。
 田中委員から、先ほどの横浜市と同様に、エネルギー回収か物質回収かというお話がございました。豊田ではガス化溶融炉で発電をしております。発電については、定格約5,000キロワットアワーで発電をしているのですが、現状、2炉運転でその定格が出るような形で運用しておりますので、年間のメンテナンスに合わせてごみの入・出で2~3週間とまる期間があるのですが、ほぼ定格運転ができている状況で、物質のエネルギー回収は全然やっていないというわけではなくて、併せて物質の回収、資源化もやっていきたいということで取り組んでいるところでございます。
 それから、佐々木委員からは国で行っている制度と豊田市の制度をどのような形で考えるかということですが、富山市さんと同様に、正式な見解は出ていないのですが、豊田市については、先ほど物質の逆有償になっていないかという話がございましたが、売却益はほとんどございません。ということは、売却益をゼロにして制度に乗っても特に支障はないと思っています。ただ、この制度に乗るとある程度の地域で登録するような形になりますので、周辺の自治体がかなり高額で売却をしておりますので、タッグが組めれば枠組みに乗っていくのかなというように考えております。
 それから、崎田委員に厳しく提案ができていないということをご指摘されたのですけれども……。

○崎田委員 そういう意味ではなくて、是非言っていただければありがたいと(笑)。

○近藤副主幹 どういう形でということですけれども、豊田市としては、小型家電の回収を含め、埋めるごみをゼロにするような形で取組をしていきたいと取り組んでいるものですから、その中でご容赦願えればと思っております。
 それから、酒井委員からは鉛物質収支のことについてお尋ねがございました。物質収支でございますけれども、基板を精錬業者に渡しますと、金、銀、パラジウム、あと銅滓という形で出てまいります。それ以外のものは、細かなところはちょっとわかりかねるのですけれども、それについて私どもにデータがないのが実情でございます。ただ、一部で出ておりますが、銅滓系で18%、多い時で24%ぐらい入っておりますので、その過程でそれらの金属の中から銅等が抜かれていくと考えております。
 それから、豊田市のPCBの取組ということでございますが、PCBについては確かに国にもいろいろとご迷惑をかけながら処理をしているところでございます。産業廃棄物系、事業系のPCBがメインになってまいりますので、その取組と、今回、3Rの取組が一般廃棄物だったということで、切り離しをさせていただいて、施設についてはご紹介させていただきたい。
 申し訳ございません、以上でございます。

○浅野部会長代理 どうもありがとうございました。
 それでは、大木町、境課長、どうぞ。

○境課長 いろいろご質問をいただきましたので、ちょっと頭が混乱しております。EPR.デポジットの件のご質問が多かったように思いますので、先生のお名前は省略させていただいて、まとめて答えさせていただきたいと思っております。
 発生抑制をした上で、出てきたものをきちっと資源として活用していくという取組を進めていくことが大木町の目標になってきますけれども、資源化については息切れをしながら何とかやっています。ただ、発生抑制という点で地域でやれることは本当に限られている。そういう意味では、国の制度なりをもう少しきちんとしていただきたいというのが強い要望でございます。
 まさに循環型社会をつくっていくために、国の役割、法律の役割と、地域が抱えている状況の中で地域が独自にやっていく役割が、車の両輪として機能してはじめて、ごみをつくらず、資源としてきちんと回すという循環型社会ができていくんだろうと思っております。そのためにはEPRがもう少し充実した形で実現してほしいというのが実態でございます。EPRの私どものイメージといたしましては、特に容器包装リサイクル法について、基本的につくった人、使った人がすべてを負担するという大原則を徹底していただかないと、今のEPRの在り方はほとんど効果をなしていないと考えています。
 私どもが一番頭の痛いごみは、使い捨て容器とプラスチックでございます。プラスチックもつくりっ放しの状況で、きちんとマテリアルリサイクルしたいと思っていますけれども、複合素材が多くて非常に難しい、油化するにしても難しいという状況がある。しかも、使い捨てがどんどん出てくるし、ごみの散乱も多いというような状況です。
 それから、紙おむつのEPRの考え方と言われましたけれども、どうEPRをつくるのかというのは私もよくわかりません。紙おむつをリサイクルするにあたって、紙おむつ業者とも意見交換をして、紙おむつを収集するのは固定ボックスを配置していますけれども、固定ボックスについては全部、紙おむつのメーカーに負担していただいております。これは本当にささいなことですけれども、お話をする中で、紙おむつ業者も自分たちの責任というのを感じられていて、そういうこともあって容器を提供していただいている。実質三百数十万円ほどかかっていますけれども、その分をメーカーに負担していただいているという状況です。
 今までEPR・デポジットの議論というのはいろいろあって、まとまらなかったという状況になっていて、自治体側の責任もあると言われていますけれども、原則として、EPRという考え方は、すべての負担はつくった人、使った人が負担することとし、その原則に立っていただかないと成り立たないのではないかと思います。特に容器包装リサイクル法の今の在り方というのは、メーカー側の負担とか使った人の負担に反映していないというようなとらえ方を私どもはしています。
 要するにごみ問題を解決するときには、出口問題だけではもうどうしようもない、入口のところ、生産をするところから無駄なものはつくらない、使い捨てはできるだけ使わないようにするような仕組みをつくっていただかないと、地域住民は四苦八苦しています。自治体も四苦八苦しています。その辺のところをうまく制度として作っていただければ、循環型社会として目指している理想像に近づくのではないかなという気がしています。
 それから、地域循環圏の取組についてですけれども、地域循環圏については九州地方環境事務所が中心になって、九州としてはリユースびんを地域でモデル的に回していこうという取組、それから、生ごみを地域資源として活用していこうという取組の研究をやりました。生ごみについては、ごみ焼却施設を持っているところがさらに生ごみ処理施設をつくると大変なので、例えば民間でやるとか、一部でやるとか、そういうようなパタンーを研究してまいりました。
 さらに、リユースびんにつきましては、今、筑後地区で水俣のびん商とか、造り酒屋、さらに自治体、流通業者が参加して、筑後地区でつくった酒をリユースびんでつくってもらい、それを筑後地区で回していこうという取組を進めるよう準備をしているところです。基本的に地域で回していくというところからスタートするのは非常に有効なことだと思っております。
 それから、大木町の循環がなぜうまくできたのかということですけれども、1万5,000人ぐらいの町ですから、住民と行政の距離が近いこと。何をやるにも常に住民が参加しています。住民と一緒に計画をつくって、住民と一緒に進めてきています。行政だけではやれません。例えば生ごみ分別をやるにしても非常にリスクが高いし、大変です。その中に住民が入って一緒にやろうというような後押しがあってはじめて前に進んでいくと実感いたしております。
 ですから、今の仕組みはまさに住民を巻き込んだ形で循環の仕組みをつくっているということが最大の特徴、ごみ処理が一方通行であるのに対して、循環というのは地域を巻き込んで輪をつくること、それはその地域の人たちがその場面、場面に参加することにほかならないと考えております。ちっご会議を開催した効果は大きかったと思います。一番大きな効果は、筑後市、大川市は今までのようにごみを処理し続けるということに対して非常に大きな疑問を持ち出した。ごみを減らす、きちんと資源として活用すると、そういう基本的な共通認識を持つことができたのだと思います。
 その効果といたしましては、例えばすぐに大川市の焼却炉を建て替えるという話にはならないという結論を市長が出しましたし、筑後市もプラスチックの分別を始めましたし、地域でレジ袋の有料化の話も進んでおります。生ごみを何とかしたいという具体的な検討にも入っております。そういうような形で住民を巻き込んで議論をして、それが前進の一つの大きなステップになったのではなかろうかと考えております。
 ちょっと抜けている部分もあるかと思いますけれども、以上で終わります。

○浅野部会長代理 どうもありがとうございました。
 大変示唆に富む貴重なお話をいろいろと聞かせていただきまして、ありがとうございました。これで本日のヒアリングは終わりたいと思いますが、ご参加いただきました皆様方には本当にありがとうございました。
 今日の内容は事務局が取りまとめた上で、今後の計画の見直しにあたっても十分に反映させていきたいと思います。ありがとうございます。大木町の紙おむつの話は他地域へ結構広がっていまして、福岡県が今、福岡市と共同で取り組みたいと申し入れており、福岡市の環境局長も取り組むと言っておりましたから、そんな形で大木町がやっていることが県内に広がってきているという波及効果まで持っていることをつけ加えておきたいと思います。
 それでは、本日、議題として用意しましたことはこれまででございますが、今後の予定について事務局から説明いただきます。

○循環型社会推進室長 一点ご報告があります。前回の会議で、今年の循環基本計画の見直しのスケジュールをお示ししましたけれども、今年の秋から具体的な次期計画の内容の検討を進めていくことになります。これにあたりまして、この部会だけでは準備が間に合わない部分が出てこようかと思っております。そのために、基礎的な検討を行うための検討会を、この部会と直接関わるわけではございませんが、設けたいと思っております。
 2つございまして、1つが指標に関する検討会で、次期計画の視点といたしまして、循環の質に着目するということでございましたけれども、例えば、物質フローについて資源生産性や循環指標について、検討会の下に3つほど作業チームをつくって検討を進めてまいりたいと思います。1つは物質フローの作業チーム、それから、金属資源に関する作業チーム、さらに取組指標に関する作業チームというものを設けたいと思っております。座長には、以前から指標について検討をお願いしております、製品評価技術基盤機構の安井至先生に就任いただきまして、この部会からも何名か委員の方々に入っていただいて進めたいと思っております。
 もう一点が国際資源循環に関する調査検討会ということで、こちらは特に循環資源のアジアにおける輸出入に焦点をあてて、実態がどうなっているのか、日本へ循環資源を輸入するにあたって阻害している要因は何なのか、あるいは、日本で発生した循環資源を海外において処理するということについてのメリット、デメリットなどの分析を行っていきたいと考えております。
 この2つの検討会の成果については、この秋にこの部会に出していただきまして、皆様にご検討いただければと考えております。
 最後に、次回の循環型社会計画部会の予定ですけれども、8月9日、15時より、場所は都道府県会館で開催を予定しております。次回は事業者等からのヒアリングを予定しております。
 以上です。

○浅野部会長代理 それでは、ただいまご報告いただきました点につきましては、ご了承くださいますようにお願いいたします。
 では、次回8月9日の15時から更にヒアリングを続けていきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
 本日はこれにて終了いたします。ありがとうございました。

午後5時00分 閉会