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中央環境審議会循環型社会計画部会(第70回)議事録


〈日時〉
平成24年5月25日(金)10:00~12:00
〈場所〉
航空会館 501、502会議室
〈議事次第〉
  1. 開会
  2. 議題
本年度の循環型社会計画部会の進め方について
新たな循環型社会形成推進基本計画の策定のための具体的な指針(案)について
循環型社会形成をめぐる情勢について
フリーディスカッション
(配布資料)
資料1 平成24年度環境部会スケジュール(案)
資料2 新たな循環型社会形成推進基本計画の策定のための具体的な指針について(案)
資料3 循環型社会の形成をめぐる情勢
(参考資料)
参考資料1 中央環境審議会循環型社会計画部会委員名簿
参考資料2 中央環境審議会循環型社会計画部会関係条文
※以下の参考資料は委員のみ配付、○がついているものは会議終了後回収
参考資料3 第69回循環型社会計画部会(平成24年3月5日)議事録
参考資料4 第四次環境基本計画 ○
参考資料5 第2次循環型社会形成推進基本計画 ○
参考資料6 第2次循環型社会形成推進基本計画の進捗状況の第4回点検結果について ○
参考資料7 平成23年版「環境白書」 ○

午前10時01分 開会

○循環型社会推進室長 それでは、定刻となりましたので、まだいらっしゃっておらない先生方、いらっしゃいますけれども、ただいまから中央環境審議会循環型社会計画部会を開催いたします。
 本日は大変お忙しい中お集まりいただきまして、ありがとうございます。
 事務局から、委員の出席状況でございますけれども、現在、12名の委員に出席いただいておりまして、予定ですと14名の先生方にご出席をいただくことになっておりますので、定足数の12名を満たしております。本日、細田委員が急遽ご欠席ということでございます。
 それから、事務局のミスで大変申し訳ございませんが、酒井委員の座席を座席表に載せるのを忘れておりましたので、申し訳ございません。酒井委員にも出席いただいております。
 本日の配付資料でございますが、議題の下に配付資料一覧がございます。配付漏れ等ございましたら、恐縮ですが、事務局にお申しつけください。
 それでは、本年度の循環型社会計画部会の開催に当たりまして、廃棄物・リサイクル対策部長の伊藤より一言ごあいさつ申し上げます。

○廃棄物・リサイクル対策部長 廃棄物・リサイクル対策部長の伊藤でございます。
 皆様方におかれましては、大変お忙しいところ、お集まりいただき、厚くお礼を申し上げます。
 本年度は、概ね5年ごとに行うこととされている循環型社会形成推進基本計画の見直しについてご審議いただくことになるわけでございます。循環型社会の形成の進捗状況を見ますと、皆様方、ご承知のとおり、3Rの取組の推進などにより、我が国経済・社会における物の流れに関わる指標、具体的には資源生産性、循環利用率、最終処分量につきましては順調に推移しているところでございます。他方で、東日本大震災により発生した膨大な災害廃棄物の迅速な処理、放射性物質によって汚染された廃棄物の安全な処理、そして世界的な資源需給の逼迫などを受けた使用済み製品からの有用金属の回収など、新たな政策課題に直面しているわけでございます。
 去る4月27日に閣議決定されました第四次環境基本計画におきましては、環境行政の究極目標である持続可能な社会について、低炭素、循環、自然共生の各分野を統合的に達成することに加え、安全というものがその基盤として確保される社会であるというふうに位置づけていただきました。東日本大震災を契機として、廃棄物・リサイクル対策に関する国民の関心や政策的重要性がかつてないほど高まっている中で、新たな循環型社会形成推進基本計画では、第四次環境基本計画において示された基本的な方向性をもとに、国民の期待に応え得るよう施策の具体化、充実を図っていく必要があるというふうに考えている次第でございます。
 現在、私ども廃棄物・リサイクル対策部におきましては、最も大きな課題は、東日本大震災によって生じました膨大な量の災害廃棄物の処理、処分、これをぜひとも発災から3年以内に終えたいということで、全国的なバックアップのもとでこれをぜひやっていきたいということで取り組んでおるわけでございます。また、放射性物質によって汚染された廃棄物の処理、処分ということも非常に大きな課題。これも本当に関係する地方公共団体、あるいは住民の皆様方の協力を得ながら、ぜひとも前に進めていきたいと、こういうふうに考えておる次第でございます。
 一方で、今、国会に私ども環境省から、いわゆる閣法、環境省が提出した法案が2本ございます。その2本というのは、いわゆる産廃特措法の延長の法案、そして使用済み小型電気電子機器の新しいリサイクル制度を構築するための法案、この2本でございます。それから、環境省関連の法案といたしましては、これは内閣官房のほうで取りまとめて出していただいておりますけれども、いわゆる原子力規制庁の発足に関連する法案、この3つがございます。この3つとも、残念ながら、まだ国会での審議が行われていないと。産廃特措法につきましては、参議院先議ということで、委員会での趣旨説明は終わったんですけれども、まだ審議が始まっていないという状況でございますが、ぜひともそういった国会審議を早くやっていただくということを私どもも期待をしているわけでございます。
 そういったことで、私どもも、震災対応、それから新しい法案の制定等々、それからPCBの問題も15年間できちんと処理しようというような、ちょうど10年後の見直しを今やっていると、こういうことで、私ども事務局も例年以上に非常に多忙な毎日を送っているということは事実でございますが、委員の皆様方におかれましても、今年はこの循環型社会形成推進基本計画の見直しということで非常に極めて重要な課題に取り組んでいただくということで、例年以上に多大なご協力を仰ぐことになりますが、ぜひとも活発なご議論をいただいて、実り多い計画ができますようお願い申し上げまして、私の冒頭のあいさつとさせていただきたいと思います。どうかよろしくお願い申し上げます。

○循環型社会推進室長 それでは、以降の進行につきましては、武内部会長、よろしくお願いいたします。

○武内部会長 それでは、議事を始めさせていただきたいと思いますが、私のほうからも一言申し上げておきたいと思います。
 これまで2回の循環基本計画を策定して、今度、皆さんのご協力を得て、第3回目の循環基本計画の策定といういよいよ段取りになってきているわけでございますけれども、今、部長からの話もございましたように、この間、震災瓦礫の問題、それから放射能汚染された廃棄物の処理の問題等々、私どものこの循環型社会推進基本計画をめぐる状況というのはかなり大きく変わってきております。
 他方、私どもとしてこれまで進めてきた循環型社会形成に向けての取組というのを中座させるというわけにはまいりません。したがって、そうした問題の重要性を十分踏まえながら、しかし、その上で、さらによりよい循環型社会計画というものをどのようにして築き上げ、循環型社会を形成していくのかということが、私どもに与えられた非常に大きな課題であろうかと思います。法律の改正も伴う非常に大きな組織、あるいは制度の変革の中で、この問題を考えていくということで、皆さん方には一層のご議論をいただきまして、よりよい計画にしていくよう、ぜひともご協力をいただければと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
 それでは、早速、議題の1に入らせていただきたいと思います。本年度の循環型社会計画部会の進め方について、事務局より説明をお願いいたします。

○循環型社会推進室長 それでは、資料の1をご覧ください。平成24年度循環部会スケジュール(案)というペーパーでございます。
 先生方、非常にお忙しいということで、あらかじめ、部会長、それから部会長代理の日程を中心にいたしまして、今年内の部会のスケジュールを大体セットさせていただいたということでございます。全体で8回ほど部会を考えておりまして、そのうち次回から4回程度につきましてはヒアリングを行っていく。その後、9月ごろからは第3次基本計画の中身について議論をいただくと、こういったスケジュールで進めていくことができればというふうに考えております。
 次回のヒアリングにつきましては地方自治体からを考えておりますけれども、そのほか、どういったところからヒアリングをしていくのかを含めまして、先生方のご意見を踏まえながら進めていきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。

○武内部会長 よろしいですか。
 それでは、ただいまの循環型社会計画部会の進め方について、とりわけスケジュールについて何かございましたら、お願いしたいと思いますが。
 よろしいでしょうか。こういう非常にタイトなスケジュールで、皆さんにはご迷惑、ご苦労をおかけしますけれども、どうぞよろしくお願いしたいと思います。
 それでは、続きまして、新たな循環型社会形成推進基本計画の策定のための具体的な指針について、指針(案)についてご議論をいただきたいと思いますので、まず事務局のほうから説明をお願いしたいと思います。

○循環型社会推進室長 それでは、資料の2をご覧ください。新たな循環型社会形成推進基本計画の策定のための具体的な指針について(案)でございます。
 1ページめくっていただきまして、2ページ目でございますけれども、こちらに循環基本法の抜粋がございます。この15条の第3項、下線を引いてあるところでございますが、中央環境審議会は、循環型社会形成推進基本計画の策定のための具体的な指針について、環境大臣に意見を述べるものとすると。4項で、環境大臣は、前項の具体的な指針に関して、中央環境審議会の意見を聞いて基本計画の案を作成し、閣議の決定を求めなければならない。これが循環基本計画を最初につくったときの規定なんですが、これが7項において準用されておりまして、環境基本計画などとは少し違うんですけれども、まず基本計画をつくる前に、具体的な指針をまとめると。中央環境審議会の循環部会のほうでまとめていただいて、それを意見具申という形で環境大臣のほうにいただくと。それをもとに基本計画をつくるという構成になっております。本日は、その意見具申案についてまとめていただければというふうに考えておるところでございます。
 その下の16条を見ていただきますと、循環基本計画は環境基本計画を基本として策定すると定められております。この4月27日に第四次の環境基本計画がまとめられましたので、今回の意見具申案につきましては、1ページにお戻りいただければと思いますけれども、「記」の下の部分でございますが、第四次基本計画第2部第1章6節「物質循環の確保と循環型社会構築のための取組」の内容を基本とすること、ということで、この基本計画の循環部分をこの意見具申にかえさせていただければと考えておるところでございます。
 2.以下で、具体的に、循環基本計画の内容なども踏まえて「特に、」ということで入れておりまして、循環の質に着目した取組等として示された①資源確保の観点の強化、②低炭素社会、自然共生社会との統合的取組、③循環分野における環境産業の確立、④安全・安心の観点からの取組の強化、⑤地域循環圏の形成、⑥国際的取組の推進について検討を進めること。
 さらに、3、といたしまして、限りある天然資源の消費を抑制し、より効率的な資源利用を図る観点から、物質フロー指標の質的改善を図ること。
 さらに、4、として、先生方にご参画をいただきまして、毎年度、循環基本計画の点検を行っていただいておりますので、過去4回実施した点検結果を十分に踏まえること。
 5.でございますけれども、東日本大震災、これを避けて通るわけにはいかないということで、その経験を十分に踏まえること。また、国会における循環型社会形成推進基本法の改正の状況を見つつ、放射性物質によって汚染された廃棄物の取り扱いを検討すること、としております。
 この「循環基本法の改正の状況を見つつ」について少し補足いたしますと、部長からのあいさつでもございましたが、現在、国会に原子力規制組織制度改革法案が提出されておりまして、その中に循環基本法の改正案も含まれております。同改正案において、これまで抜けていた「放射性物質及びこれによって汚染されたもの」について、循環基本法の適用の対象にするとされており、この法改正が通れば、法的に、この循環基本法及び循環基本計画の中に放射性物質についても対象となるということで、その改正案の国会での審議の状況を見つつ検討するという形にしておるところでございます。
 3ページ以降に、具体的な環境基本計画の第6節の部分をつけております。
 4ページをおめくりいただきますと、下の部分でございますが、3.の施策の基本的方向として、基本的方向性の中に、①、A、B、C、Dと書いておりますが、ここの部分、それから②で地域循環圏の形成と入っておりますけれども、これを先ほどの2、の「特に」という部分で取り上げさせていただいております。
 さらに、6ページ以降で、この基本的な方向に即しまして、具体的にどういうふうに進めていったらいいのかということが具体的に書かれておりまして、重点的取組事項の①「質」にも着目した循環資源の利用促進・高度化という点では、例えば、Bの部分、有用金属の回収を推進するための新たなリサイクル・システムの構築、Cとして、水平リサイクルのような高度なリサイクルを定着させることを目指すこと、②の低炭素社会、自然共生型社会づくりとの統合的取組という点では、バイオマス系循環資源の原燃料への再資源化・廃棄物発電等への活用、Bといたしまして、持続可能な農林漁業の推進を行うとともに、農山村における稲わらなどの未利用資源についての利用を促進する。
 さらに、③といたしまして、2Rを重視したライフスタイルの変革ということで、2Rの取組を制度的に位置づけることを検討する。さらに、3R行動の見える化、こういうものも入っております。
 ④の地域循環圏の形成につきましては、地域循環圏の概念の高度化やさらなる発展のための戦略的な計画を策定することを検討すると入っておるところでございます。
 8ページでございますが、安全・安心の観点からの取組ということで、Aの部分、アスベスト、PCB、鉛等の有害物質について、最新の科学的知見に基づき、適正処理を図る。さらに、Bの部分、大規模災害時でも廃棄物の処理を行うことができるよう、平素から広域的な連携体制の確保等の措置を行うとされています。
 それから、⑥といたしまして、国際的な取組の推進でございますが、Bの部分で、国内で分別排出した資源が持ち去られて、それが海外に不適正に輸出されたり、国内で不法投棄されたり、こういう問題もございますので、資源の持ち去り策を強化するとか、あるいはCとして、途上国で処理が困難なものについては、我が国の対応能力の範囲内で受け入れて有効活用していく。Eといたしまして、アジア3R推進フォーラムにおいて、3R推進に関する合意形成を図るということが書かれております。
 4.の部分で、取組推進に向けた指標及び具体的な目標ということで、物質フロー目標につきまして、この循環基本計画の中で必要な見直しを行う。その際には、実現可能性や技術的及び経済的な可能性にも配慮すること。
 それから(2)といたしまして、限りある天然資源の消費を抑制して、より効率的な資源利用を図る観点から、物質フロー指標の質的な改善を図るというふうにされているところでございます。
 11ページ以降でございますけれども、こちらは第4回の点検結果の概要として、これまでまとめていただいた内容を再掲しているものでございます。
 それから、15ページに、参考4として、これまでの循環部会の先生方からのご発言の中で、第四次環境基本計画に明記されていないと思われるものを挙げてみたということでございまして、文責等につきましては事務局のほうにございます。
 説明は以上でございます。

○武内部会長 どうもありがとうございました。

○循環型社会推進室長 申し訳ございません。本日、吉川委員が欠席されておりまして、吉川委員から、この意見具申案について、意見が提出されておりますので、紹介させていただきます。
 1.として、第四次環境基本計画には、エネルギー資源、食料の持続可能な利用のもとで、環境、経済、社会を統合的に向上させるということが挙げられており、環境と経済の両立の視点が重要であるとされています。ここの部分については、先ほど挙げました第6節、循環部分についてではない部分に入っているので、その部分だけではなくて、環境基本計画全体を基本として作成するという表現にすべきではないかという意見でございます。
 それから、2.取組指標につきましては、技術などの目標を達成する手段やその実現性を十分踏まえるべき、事業者の努力が適正に反映されるような指標とすべき、ということでございます。
 3.といたしまして、産業廃棄物の削減余地は極めて小さいという事業者は多いので、さらなる循環型社会を目指すためには、事業者の主体的な取組に加えて、政府としての政策的支援、法制度のきめ細やかな見直し、運用改善などについても不可欠であると、こういう意見をいただいておるところでございます。
 説明は以上でございます。

○武内部会長 どうもありがとうございました。
 具体的な中身のことについてのご意見は、後ほど事務局のほうからの資料をもとにこの間の情勢について説明をいただいて、その後にということでございますので、今、この時点でのご意見については、この具体的な指針についてということに限って意見をいただければと思います。
 それでは、浅野委員、どうぞ。

○浅野委員 循環基本計画策定のための具体的指針について、意見具申を出す手順については、先ほど事務局の説明があったとおりで、前回も同様の手順でやってきたことです。また、循環基本計画は、環境基本計画を基本として策定するものとするということになっておりますが、たびたび申し上げている通り、当循環部会が第四次環境基本計画のこの循環部分については分担をして整理をし、循環基本計画をとりまとめてきたという経過がありますから、その内容がほぼそのままここで意見具申をすべき具体的な指針になると、このように考えればいいと思います。その意味では、今日提出されている事務局案をここでの意見具申の内容とすることでいいのではないかと思います。
 これまでに第二次循環基本計画についての毎年の各点検で指摘してきたことについて、キーワード風に拾っていきましても、ほとんどのキーワードは盛り込まれていると思います。もっとも指標とか情報とかというようなキーワードについては若干欠けている面がありますけれども、丹念に、これまでの点検で指摘してきたことを洗ってみますと、その内容はほぼ第四次環境基本計画に反映されていると考えます。
 ただ、吉川委員のご指摘については、事前に事務局案を読んだときには気がつかなかった。つまり、環境基本計画をつくるとき、特に循環部会で力を入れて書いたのは第6節であって、この部分が具体的指針の内容になるということが当然のことだと思っていましたから、これを基本とすることという記述の中に委員ご指南の内容も当然に入っていると思っておりましたが、もちろん第四次環境基本計画の総論部分に記述されている内容も当然この指針の内容として含まれることは間違いありませんし、循環基本法が要求している環境基本法に基づいて、それを基本としてというときに、何も6節だけを基本としてということを言っているわけではないわけですから、循環部分については中心的にはこの第6節の部分が主に内容となるけれども、全体にわたって第四次基本計画が基本となるということであるほうが正しいと思いますから、これは吉川委員のご指摘に沿って、指針案の文章は事務局で整理をされたらどうかと思います。
 それから、事務局案の2の例示は、これは見出しをそのまま並べているわけではなくて、ある程度の整理をして並べているということからいいますと、この書き方ではやや不親切かなと思う面があります。特に気になったのは⑤なんですけれども、地域循環圏の形成というのはずっと言い続けてきたことで、今度の第四次計画では、地域循環圏についてはむしろ高度化ということを強く打ち出しているわけです。ですから、むしろ、ここではそれを中心にということを強調したほうがいいのではないかという気がいたします。
 それから、さらに、国際的取組というところも何となくぼうっとしてはいるんですけれども、これはしようがないかなと思うんですが、次の3の物質フロー指標の質的改善を図ることという部分も、やっている者にとっては意味がよくわかっているわけですが、何か、では今のものは質的に欠点があるのかという妙な誤解を与えるおそれもあるような気がするわけですね。これで言いたいのは、要するに、政策効果がきちんと定量的に把握できるような指標をもっとちゃんと開発しなければいけない、こういったような議論がこれまでにあるので、そのことを踏まえて質的と言っているわけですから、ここは森口委員にご意見を伺ったらいいんですが、つまり作業をなさる人がちゃんとできる範囲のことしか書けませんので、どこまで書けるかよくわかりませんけれども、この質的改善という点には注をつけるような形で文章を整理したほうがわかりやすいのかなという気がいたします。

○武内部会長 どうもありがとうございました。
 ほかに。
 森口委員のほうで何かコメントございますか。

○森口委員 まだ事務局といいますか、環境省との、いわば非公式な意見交換の段階ではありますけれども、今、浅野委員がご指摘になったところについては、質的な改善というところの中に、吉川委員からご意見のあった、産業界の努力が見えるようにということとうまく組み合わせられないかということは、既に私のほうからも問題意識として発言しておりますので、そういったことの中でうまくご意見とかみ合うようなものをつくっていければ、ということは考えております。

○武内部会長 このもの自身が外に出るわけではないので、このことは我々が内部的に承知していればいいということで、今のようなことも含めて質的改善だという理解をするということがとりあえず議事録に残っていればいいというような感じでしょうかね。
 ほかに。
 よろしゅうございますか。
 5番は、これは法律改正を見ながらということで、審議をしていって、改正がされれば正規にこれは入るという、そういう理解でよろしいですね。

○循環型社会推進室長 はい、そのとおりでございます。

○武内部会長 ほかにないようでしたら、具体的に説明をさせていただく段階に移らせていただいてよろしいですか。
 それでは……

○浅野委員 部会長、ぜひともこれは議決をしておかなければいけないんですが、さっき少し文章を直したほうがいいという部分もあるので、それも含めて部会長に一任をして、もう今日、具体的な指針はまとまったということにしておかないと不安です。

○武内部会長 はい。ただいまの浅野委員のご意見も踏まえて、吉川委員の意見をサポートするという形で、吉川委員の特に全体を受けるという方向で修文をするということと、それから今の地域循環圏の形成を少し文章として次の段階であるということを示すような言葉にするということですね。それから、物質フロー指標の質的改善についてはこのままだけれども、もう少し中身については、今のようなことがきっちりと議事録の中に書き込まれているという状況でということを前提に、私に修文をご一任いただくということでよろしいでしょうか。
 どうぞ、森口委員。

○森口委員 1点だけ、すみません。そこの中で申し上げれば済むことなのかと思うんですけれども、1点だけ少し気になる表現がありましたので、発言をさせていただきます。
 5.の後半部の「放射性物質によって汚染された廃棄物の取り扱いを検討すること」と、趣旨としてこう書かれているのは全く問題ないんですが、「放射性物質によって汚染された」と明言すると、つまり、この定義をどう決めるかということに関わってきてしまう。したがって、「放射性物質によって汚染された」というのをどこで線引きをするかということの定義に関わってしまうので、「放射性物質によって汚染された」と定義しなければ、それはここに読めないというような法律解釈になってしまう可能性があるので、ここの文章だけはぜひ工夫をしていただきたいと思います。

○武内部会長 わかりました。今の点も十分注意して書き込むようにするということでよろしいでしょうか。皆さん、ご一任いただけますか。
(「異議なし」の声あり)

○武内部会長 どうもありがとうございました。
 それでは、皆さんのご意見を踏まえまして適正に修正を施した後、中央環境審議会内での所要の手続を進めさせていただくことにしたいと思います。
 どうもありがとうございました。
 続きまして、第3次循環基本計画策定に向けたフリーディスカッションに移らせていただきます。
 まずは、事務局より循環型社会の形成をめぐる最近の情勢について説明をいただきたいと思います。

○循環型社会推進室長 それでは、循環型社会の形成をめぐる情勢について、簡単に資料3に基づいて説明をさせていただきます。
 まず、東日本大震災により生じた災害廃棄物の処理の状況でございますが、3ページをご覧ください。今週の火曜日に災害廃棄物の推計量というものを見直しまして、3県合計でもともと2,250万トンであったものを、1,880万トンと下方に修正をしております。岩手については元より少し逆に増えまして525万トン、宮城が石巻を中心に減りまして1,154万トンというような形になっております。政府のほうでは、マスタープランということで平成26年3月末までに災害廃棄物の処理を終えることを方針としておりますけれども、見直した推計量においても、これを達成するためには非常に大変な努力が必要であるということで、引き続き力を入れて進めていくことに変わりはございません。
 4ページ目でございますが、災害廃棄物の処理に対する措置でございます。左上でございますけれども、災害廃棄物処理事業の特例ということで、災害廃棄物については2分の1補助というのが原則になっておりますけれども、今回は特例的に平均して95%を国費で見ると。さらに、その残りの5%につきましても交付税措置によって見るということで、実質的には、全額、国で見ることになっております。
 その下、災害廃棄物処理特措法でございますけれども、災害廃棄物については市町村が原則として処理をすることになっておりますが、こちらもその能力が震災後今は失われているところもあって、国が市町村にかわって処理をするための特例が設けられております。さらに、国から広域的な処理の協力要請を行うという根拠規定も設けられているところでございます。処理支援の体制としては、各被災県に関係者による処理協議会を設けるようなことを定めているところでございます。
 5ページでございます。災害廃棄物の広域処理についてですが、災害廃棄物につきましても現場で最大限の努力をしていくということで、仮設焼却炉を岩手、宮城で合計31基設置する。そのうち9基については既に稼働している状況でございますけれども、これだけでは処理を進めていくことができないということで、岩手県においては120万トン、宮城県においては127万トンを広域処理の対象としてほしいという希望が出ておるところでございます。この広域処理の対象でございますけれども、岩手、宮城の廃棄物のみということで、その中でも放射能濃度が不検出または微量のものに限定されるということでございます。右が空間線量を見たものでございますけれども、岩手、宮城の値と、それから東京都、あるいはその他の地域というものの値を見ていただいても、ほとんど同レベルであるということでございます。
 現在の動きですが、3月に、これは政府を挙げてということで、内閣総理大臣、環境大臣から、3回にわたりまして文書にて広域処理の受け入れを各自治体に要請しております。それも踏まえまして、現在、青森県、秋田県、山形県、東京都で本格的な災害廃棄物の受け入れが実施されているところでございます。
 8ページに移らせていただきます。こちらから事故由来放射性物質により汚染された廃棄物の処理ということで、「汚染された」という表現がまた問題かもしれませんけれども、まず、放射性物質対策特措法が定められておりまして、その目的としては、環境の汚染による人の健康または生活環境への影響を速やかに低減するということでございます。この中で、国、地方公共団体、関係原子力事業者、これが東京電力ということでございますが、その責務が定められるとともに、基本方針を閣議決定するということになっております。環境大臣はその汚染された廃棄物、土壌等の処理に関する基準を設定すること、それから国が統一的な監視、測定を行うことというふうに定められております。
 9ページでございますけれども、具体的な処理の内容でございますが、原子力事業所内、それからその周辺に飛散した廃棄物については東京電力が行う。それから、特定廃棄物ということで、この福島第一原発の周辺地域、具体的に、警戒区域及び計画的避難区域については、環境大臣が処理計画を策定して国が処理をする。さらに、それ以外の地域であっても、指定廃棄物ということで、下水道の汚泥、それから焼却施設の焼却灰などについて、具体的には、8,000ベクレル・パー・キログラムを超えるものについては、環境大臣が指定を行いまして、国が処理をするというふうになっております。特定廃棄物以外の廃棄物につきましては、基本的には廃棄物処理法の規定を適用するということでございますけれども、今回、特別な技術基準というものを定めまして、それを適用することになっております。
 駆け足で申し訳ございませんが、11ページ、廃棄物・リサイクル対策の概要に移らせていただきます。
 12ページ、13ページで、こちらは、皆様、既に何度もご審議いただいているところでございますけれども、物質フロー指標の進捗状況ということで、資源生産性、循環利用率、最終処分量という3つの基本的な指標につきましては目標に向かって順調に推移をしているということでございます。
 14ページ、最終処分場の逼迫の状況でございますが、赤い折れ線グラフを見ていただきますと、一般廃棄物、産業廃棄物ともに残余年数は延びていますが、一般廃棄物について、上の図を見ていただきますと、残余容量自体はずっと減少を続けている。さらに、産業廃棄物についても首都圏では残余年数4.4年ということで、依然として総体的に見た場合には厳しい状況が続いているという認識でございます。
 それから、15ページでございます。こちらも、皆さん、よくご承知でございますけれども、一般廃棄物については市町村の責務ということで、市町村の施設整備に対して国から原則3分の1、それから先進的なものについては2分の1の支援を行っています。災害廃棄物については、先ほど申し上げましたが、原則として補助率は2分の1になっているということでございます。
 16ページ、産業廃棄物についてでございますけれども、こちらは、産業廃棄物処理業者が安かろう悪かろうの原則に基づきましてどんどん値を下げていけば、それだけ不法投棄や不適正な処理が横行するということで、処理の責任を負います排出者が自己責任を持って、その中で経済原理が働くような形で処理していくための体制を整えるという観点から、累次の廃棄物処理法の改正がなされております。例えば、マニフェスト制度の強化ですとか、処理事業者施設の許可要件の強化、罰則の強化などの改正を進めてきているところでございます。
 17ページ、個別リサイクル法の状況でございますが、それぞれの法律におきましてリサイクルに関する目標を設定しておりまして、個別には申し上げませんけれども、概ね達成をしている状況でございます。
 18ページでございます。不法投棄等の不適正処分対策でございますが、まず、未然防止、拡大防止対策ということで、これから不法投棄が起こらないようにしていくというのが第一でございます。それから、既に起きてしまった不法投棄につきましては、2つのスキームによって処理を行っており、1つが平成10年6月16日以前に不適正処理が行われたものでございます。こちらは、先ほど部長からもございましたが、産業廃棄物特別措置法という法律の対象となったものについては補助を行いながら処理をしていくということで、その法律の処理の期限が24年度末ということになっておりますけれども、岩手県、青森県の県境の事案ですとか、香川県の豊島の事案、さらには滋賀県、三重県などで新しい事案が出てきているということで、24年度末までに処理をするというのは難しい状況でございまして、10年間、その期限を延長する法案を、今、国会に提出しているところでございます。
 2つ目のスキームとして、平成10年6月17日以降につきましては廃棄物処理法で基金を設けておりまして、この基金に基づいて処理を進めていくことになっております。
 19ページでございますが、不法投棄の件数及び量につきましては順次減ってきている状況でございます。
 20ページでございます。PCB廃棄物でございますが、こちらもPCB特措法という法律に基づいて処理を行うというスキームになっております。その対象としては、高圧トランスとか汚染物、それから微量PCB汚染廃棄物などの種類がございます。
 21ページでございます。このPCB廃棄物特別措置法に基づきまして処理を行うことになっておりますが、その期限が28年7月となっておりまして、この法律の施行から10年を経過した時点で、施行状況に検討を加え、必要な措置を講ずるということで、現在の見通しといたしましては、高圧トランス等、それから微量PCB廃棄物、両方につきましても期限内の処理が困難ではないかという見通しもございまして、現在、検討会を設けて、その特措法の見直し規定に基づく検討を進めているところでございます。その検討結果を24年夏までに取りまとめるというスケジュールを組んでいるところでございます。
 22ページ以降が循環の質に着目した取組でございます。23ページに第四次環境基本計画の全体の概要がございます。こちらでは、今回、低炭素、循環、自然共生を統合的に進める基盤として安全を確保するということを大きな特徴として入れたということでございます。それに基づきまして、9つの優先的に取り組む重点分野を挙げておりまして、そのうちの最初の3つが横断的な分野でございます。1つ目が経済・社会のグリーン化とグリーン・イノベーションの推進、2つ目が国際情勢に的確に対応した戦略的取組の推進、3つ目として持続可能な社会を実現するための地域づくり、人づくり、基盤整備の推進となっております。4分野目以降につきましては、地球温暖化を始めとする個別分野となっております。さらに、震災復興、放射性物質による環境汚染対策についても掲げております。
 25ページでございます。この環境基本計画の第6節の内容についてでございますけれども、左の図を見ていただきますと、先ほど物質フロー指標については順調に推移しているということでございましたが、土石系以外の資源生産性を見てみますと、平成27年度に77万円・パー・トンという目標値を定めておりますけれども、そこに向かって必ずしも順調に推移している状況にはないということでございます。
 それから、26ページでございますが、資源生産性指標の改良に向けた一つの例を挙げております。資源生産性については、天然資源等投入量1トン当たりのGDPを計算することによって、いかに物を有効に使っているかを見ておりますけれども、現在の資源生産性では、海外から輸入された製品については、製品の重量そのものをカウントしている形になっております。一方で、国内については、その製品をつくるための原料の重さというものをカウントしておりまして、ここにギャップが生じており、例えば、海外からどんどん製品を輸入してくれば、その分、日本の資源生産性は上がってしまうことになるんですけれども、それでいいのかということで、海外から輸入される製品についても原材料ベースで重量をカウントすべきではないかということを、RMIと言っておりますけれども、そういった方向性が一つ考えられるということでございます。
 27ページでございます。こちらは金属のリサイクル量でございますが、現在、金属の重量ベースのリサイクル量をはかりますと、鉄が占める割合が非常に大きくて、レアメタルなどについては、その影に隠れてしまう状況になっております。しかしながら、例えば金について見ますと、金を1グラム生産するためには鉱石が1トン以上必要であり、それだけ環境に与える負荷も大きいということになっております。そこで、金属のリサイクル率につきましても、その金属そのものではなくて、その金属を生産するために関与した物質の量という全体をカウントすることによってリサイクル率を求めてみたらどうなるかということで、右側の図でございますけれども、鉄の割合が半分ぐらいに減って、それ以外のレアメタルなどのリサイクルの効果も見えるようになってきます。こういうものも一つの方向性としてあり得るのではないかということで掲げさせていただいております。
 それから、その下、限りある金属資源ということで、左下の図を見ていただきますと、今、地上にある資源、既に掘り出した資源と、それからまだ地中に埋まっている資源の割合を見たものでございますけれども、例えば金や銀などについて見ていただきますと、既に7割近い金属がもう掘り出されて、地上にある。これを有効に使っていくことが重要であろうということでございます。
 30ページに飛びます。同じように、左下を見ていただきますと、世界の埋蔵量に対する我が国の都市鉱山の比率ということで、我が国に製品などとして蓄積されている、例えば金や銀の量というのは、世界の鉱山の埋蔵量に対してどれぐらいの割合を占めているかを見たもので、金、銀、それぞれ2割近い量が日本の国内に蓄積をされている。これを都市鉱山と呼んでおりまして、これを十分に活用していくべきではないか。真ん中の図を見ていただきますと、市町村における有用金属の回収状況ということで、鉄などの単一金属については66%と大きく回収が進んでおりますけれども、レアメタルについては2.6%ということで、ほとんど回収がなされていないということでございます。
 32ページに飛ばさせていただきます。こういう状況を踏まえまして、レアメタルなどを回収していくための措置として、小型電子機器等リサイクル法案を現在、国会に提出しているところでございます。この法案の制度の根幹でございますが、真ん中の認定事業者という部分を見ていただきますと、リサイクルをしようと思う者は、計画を策定して、主務大臣として環境大臣及び経産大臣の認定を受けることになっております。認定を受けた場合には、市町村長がそれぞれ廃棄物処理業の許可を出すというのが廃棄物処理法の原則でございますけれども、この市町村毎の許可を不要とすることによって、効率的にリサイクルができるようにしようということになっております。この法律では、厳しい義務づけをするというようなことではなくて、各主体が創意工夫をして、柔軟に仕組みを回していける形になっておりまして、その意味でも非常に先進的な法律でございます。
 33ページが、この法律の対象として考えられる小型電子機器のリストでございます。
 さらに、少し飛びまして、38ページでございます。低炭素社会と循環型社会の統合的取組ということで、ごみ発電の状況を見ますと、ごみ焼却施設の総数は減少しておりますけれども、発電施設を有する焼却施設は増加をしておりまして、発電の効率も上昇しているということです。発電量についてはごみが減っているので横ばいですけれども、発電効率は上昇している状況でございます。
 それから、40ページでございますが、3R行動見える化ツールということで、見える化を進めていくことが3Rの取組を進めていく上で重要ということで、昨年度、この見える化ツールを環境省において開発してまいりました。
 41ページを見ていただきますと、これが具体的なそのツールの内容でございますが、例えば、食品トレーなし販売という欄が真ん中にございますけれども、食品トレーをなくして、ポリ袋で販売することにしますと、それぞれ天然資源の投入量やCO2の排出量が一定量削減されます。この食品トレーをなくした販売を1,000回行った場合にはどれだけ減るか、すなわち、実施した活動量を事業者のほうでインプットすれば、それに応じた削減量が自動的に出てくるというツールでございます。これを、例えば店頭で、トレーをなくしたCO2削減効果を表示することによって、販売促進にもつなげていけるのではないかということで、今年度は引き続き、このツールの開発と、その活用方針について検討を進めていきたいと思っているところでございます。
 それから、42ページについては、リユースについても、使用済み製品のうち今まで廃棄されていたものをリユースして、それをビジネスにつなげていこうとか、あるいはガラス瓶のリユースを推進していくということを進めているところでございます。
 それから、43ページでございますが、地域循環圏ということで、こちらについては、前回のこの部会でもガイドラインの作成について報告していただきましたけれども、今年度については、そのガイドラインを活用して、いかに実際の地域で具体的な地域循環圏をつくっていくかということを実現していきたいと思っているところでございます。そういった状況も含めて、またこの部会でもご検討いただければと思っております。
 さらに、44ページでございますが、この地域循環圏を東北の復興と組み合わせようという事業も考えているところでございます。
 46ページ以降、国際的取組に移ります。
 46ページでは、世界全体の廃棄物発生量というものが、これから途上国の成長と人口増加に伴いまして、2050年には2010年の2倍以上になるのではないかという見通しも示されています。海外では、例えば、被覆ケーブルに入っている銅を取り出すために、被覆プラスチックを燃やして銅を取り出すことも行われ、そこから有害なガスが出て、健康被害を生じているような事例もあるということで、こういったものを改善していくことが日本の課題としても考えられるということでございます。
 47ページでございますが、こういった海外で不適正に処理をされている廃棄物の一部については日本からも出て行っているということで、それをいかに出さないかという観点から、水際対策として地方環境事務所と税関が協力した取組などを進めています。
 それから、48ページでございます。そういった不適正処理への対応などにとどまらず、アジア全体でこの3R、リサイクルを進めていくための枠組みをつくっていこうということで、2009年からアジア3R推進フォーラムを開催しておりまして、本年度につきましては、2013年3月にベトナムにおきまして第4回の会合を開催したいと考えておるところでございます。この会合に合わせまして、これまでも毎回そうであったんですけれども、市民レベルの3R推進市民フォーラムというものも同時に開催していただき、政府だけではない取組の広がりを持たせて進めていこうと考えているところでございます。
 49ページですが、日系静脈産業メジャーの育成ということで、日本の廃棄物リサイクル産業を海外に進出させていくことにより、海外の環境保全と、それから日本の産業の発展、この両方を目指していくこととしています。具体的な事業としては、環境省において、海外に進出する事業者によるフィージビリティー調査の支援を行っており、今年度につきましても、例えばミャンマーにおける廃棄物発電など10件を採択したところでございます。
 50ページでございますが、制度的枠組みということで、アジア各国における国家戦略策定ですとか法制度の整備等の支援を行っているところでございます。
 さらに、最後でございますが、51ページ、UNEPの「持続可能な資源管理に関する国際パネル」として、資源分野の国際的な有識者会合の開催支援を進めているところでございます。本部会の委員でもございます森口先生にも主要メンバーになっていただいており、今年11月に次回会合を東京で開催する予定にしているところでございます。
 雑駁でございますが、説明は以上でございます。

○武内部会長 どうもありがとうございました。
 循環型社会の形成をめぐる情勢ということで説明をいただきました。このことに関連してでも、あるいはこのことから外れてでも結構でございますので、第3次循環基本計画のあり方に関するご意見をいただければと思います。
 横山委員。

○横山委員 ありがとうございます。四、五点、述べたいと思います。
 1点目は、現行の循環基本計画、改めて読み直しました。何度も読んでいるんですけれども、改めて読み直した結果、やはりよくできているんですね。よくできていて、ああ、こんなことも既に書いてあったかというようなこともありまして、びっくりしたんですけれども、ただ、その一方で、ほとんどこの基本計画は一般の人には理解されていない。しかも、読まれてもいない。例えば、それはヒアリングに行ったときに、ストレートには聞けませんので、基本計画をどの程度理解しているんだろうという質問を向けると、ほとんど読んでくれていないんですね。つまり、せっかく読むのができているのに理解されていない。あるいはパブリック・コメントを求めても、ほとんどそれに対する回答が返ってこないということで、どうやってこの基本計画を一般の人に理解してもらうかということを今度の第3次で少し考えていかなければならないのではないかというような気がします。特に、今度の計画でヒアリングが予定されていますが、その中で、やはり一度、基本計画を読んだ上で、新たにつくる基本計画、どんなことを皆さんは考えますかとか、その辺をぜひやっていただきたいなというふうに思います。
 それから2番目は、浅野委員も先ほど話されていましたけれども、地域循環圏のことをもう少し前面に打ち出して、これこそ第3次の目玉ですよと。これを中心に循環型社会をつくっていくんだというようなことを打ち出すと、わかりやすくもなるのではないかというふうに感じます。現行の基本計画を読んでいると、いろいろなことが書いてあって、先ほど言ったとおり、全体的にはよく書けているんだけれども、では今重要なのは何なんだと、何をすべきなんだというのがやはり欠けているので、一般の人が読んでも、最後までなかなかたどり着けないような可能性もあるのではないかというふうに思います。
 1番目に戻りますけれども、1番目に関連して、同じ中環審の地球環境部会で小委員会が設けられて、その中でコミュニケーション・マーケティングワーキンググループが、いろいろこの低炭素社会をつくるために活動している人が、どういうふうに一般の人に伝えていくかというようなことで報告書をまとめているので、あれは低炭素社会形成だけれども、この循環型社会形成についてもあの報告を少し参考にしながらやっていくことが重要ではないかというふうに思います。
 それから3点目は、全然話にはなっていないんですが、現行計画で中長期的なイメージというのを描いているわけですが、第3次もぜひそれはやっていただきたいというふうに思います。特に、この第3次では、先ほども言いました地域循環圏のことなんかを強調しながら、10年後、15年後の社会がどんなふうになっているかというようなことを盛り込んでいければというふうに思います。
 それから4点目は、これも読んでいて気がついたんですが、災害廃棄物のくだりも少し出てくるんですね。現行計画の37ページですけれども、ただし、それは本当の1行ぐらいで、被災した地方公共団体に対する支援などを実施し、円滑な復興を図りますということになっているわけですけれども、5年前はこれでしようがなかったわけでしょうけれども、今回は、東日本大震災を経験して、かなり大変だということがわかったので、その辺は大胆に、充実した内容にすべきだというふうに思います。
 それから最後ですけれども、これは質問ですけれども、現行計画に、例えば─私が理解していないだけかもわかりませんけれども、2012年までに、つまり今年までに東アジア循環型社会ビジョンを策定するというふうになっているんですが、それが具体的にどうなったのか。もうやめたのか、その辺をお知らせいただければ。
 それから、同じページに新・ゴミゼロ国際化行動計画を策定しますとうたっていますが、それがどうなったかというのを説明していただければと思います。
 以上です。

○武内部会長 ありがとうございました。
 最後の2つの国際的な取組について、今答えられればお願いしたいと思います。

○循環型社会推進室長補佐 すみません。まず、東アジア循環型社会ビジョンにつきましては、そのとおりの名前のものというのは確かに今現在ございませんけれども、アジア3R推進フォーラムを毎年度開催していく中で、今後、アジア各国が合意できるような、そういう文書をまとめていきたいというふうに考えております。今、そういうことで、共同主催者である国連地域開発センターなどとも相談をしているところでございます。
 それから、新・ゴミゼロ国際化行動計画でございますが、2008年の、ですから平成20年の5月に開催されたG8の環境大臣会合のときに、日本の行動計画というような形で取りまとめを行っております。

○武内部会長 どうもありがとうございました。またいずれ、そういうことについての資料もお出しいただければと思います。
 浅野委員、お願いします。

○浅野委員 順番はよろしいですか…。

○武内部会長 札を上げた順番に、今、厳密にやっているんです。

○浅野委員 大変適切な部会長の議事運営でありまして、後出しがすぐわかるということですね。これは冗談です。
 まず、今までも言い続けてきたことですが、循環型社会形成推進基本計画は、少なくとも循環関係の政策、法制の言ってみれば基本計画であるということを忘れてはいけないわけで、例えば、廃掃法の世界、あるいは個別リサイクル法の世界、そういうものを常にちゃんとにらんで、それらが整合的に動くように図っていくことが、この計画の役割であると思うわけです。何となく、廃棄物・リサイクル部会があるものですから、そこでやっていることには当部会は立入禁止みたいな雰囲気があって、廃掃法の在り方などについて何も言ってこなかった面もあるのですが、それはもうそろそろ卒業すべきではないかと思います。
 リサイクルの個別法に関しても、循環法の10周年記念イベントということに関していろいろ勉強して、個別法のどこが問題かということがある程度わかってきたわけですね。ですから、やはり横断的に、そういうものについて整理をした結果が計画の中に反映できるようにしていかなければいけないだろう。従来は、ただ、個別法計画はこういう目標を掲げて、こうなっていますということを羅列しているだけであって、それらのでこぼこみたいなところは何も扱っていないんですが、これはやはりだめなのではないかなと思います。ですから、この点はぜひ今回、きちんと位置づけていかなければいけないし、それから廃掃法の世界についても、廃掃法そのものを変えろ、変えるまいとかいうような話ではないにしても、どういう形でどんなふうに機能すればいいのかということについては、循環部会の中でもたびたび産業界の委員から意見が出ているわけですけれども、それらについて十分に計画に反映させる必要があるだろうと思います。
 それから、放射性物質に関してですが、循環基本法が改正をされるということになった場合に、これを扱うということになるんですが、そのときにやはり気になりますのは、今の福島原発事故についての特措法というのは、ある種、特別な事態を考えての緊急避難法令みたいなところがあって、それが放射性物質に関する一般法ではないということを十分に認識しておかないといけない。その議論に引きずられてしまって循環計画の議論をやるというのでは、大変危ないと思っております。
 実際調べてみると、今までの法令の中で、放射性物質の環境中への放出について、かなり何も書いていない場合が既存の規正法の部分にあるということがわかってきたわけです。原子炉から外に出ないようにとか、あるいは放射性物質を扱うアイソトープ施設などから外に出ないようにということはかなり厳格に法令があるんだけれども、一旦そこから網の目を漏れて出てしまったもの、そういうものが、ごみではないという扱いの中で全く野放しになってしまっているということがどうもありそうです。
 そうなりますと、今度、循環法体系の中で考えていかなければいけないのは、そういう今の法制で網から落っこちてしまっている部分というのがあるわけですから、まず第一にそういう点をしっかり押さえて、どうしたらいいんだという議論をやらなければいけませんし、既存の放射性物質を扱う施設管理の法律の向こうを張って同じことを言ったって、そんなもの、絶対、我々の能力で太刀打ちできるはずがないわけですから、そんなところにああだこうだという議論をやるぐらいだったら、むしろ、どこが漏れているのかというのをしっかり見なければいけないだろう。
 そして、今現実にある、抱えている問題はもう大変深刻な問題ですから、そういう事態をもちろんきちんと考えなければいけないのだけれども、そのことに引きずられてしまって、もう少し違うレベルの話でほったらかしになっている問題がある。例えば、例を挙げれば、今回、どうも妙に放射線のレベルが高いから調べてみたら、全然、昔に捨てられていた妙な物質が出てきたみたいな話があるわけですけれども、これは本気になって調べたら、全国あちこちに出てくる可能性があるわけですね。そのときに、仮に、ではこれは廃棄物なんだから市町村でやってくださいといって、処理できるはずないわけです。そういう問題をちゃんと見ておかなければいけない。常に先を見て考えるということが計画の検討の中では大事で、後始末のために計画をつくるわけではないということを強く言いたいと思います。

○武内部会長 ありがとうございました。
 崎田委員、お願いします。

○崎田委員 ありがとうございます。幾つか申し上げたいんですが、第1に、今の浅野委員がおっしゃった点が、私も今日は大変重要なところだというふうに思っておりました。それで、特に放射性廃棄物というか、放射性物質に汚染された廃棄物というのが、本当に微量のレベルから大変高いレベルまで、いろいろな法律で管理されながら、今現在、たくさんあるという、そこをきちんと交通整理していくということを根本的に、ぜひやはりこういう循環基本計画の改正期に見据えるというのをきちんとやるというのが私も大事だというふうに思ってきました。それで、ぜひそのときに、それが後々実施しやすいように、国民にも伝わりやすいように、何かそういう気持ちできちんと、そしてもちろん安全に処理できるようにということですけれども、そういう仕組みになるということがとても大事なのではないかというふうに思っています。
 なお、今、いろいろ災害廃棄物の広域処理に関して、やはり理解を得るために大変苦労されている地域もあるというようなニースがここのところ出ていますけれども、そういう災害廃棄物と放射性物質に汚染された廃棄物をどこで区切っているのかとか、それのための情報をどうチェックをして発信しているのかという、やはりそういう安全管理の仕組みを明確にしたり、それの発信に対してわかりやすくするという、今までのPCBやダイオキシンよりもっともっと大きな社会的な不安を起こす可能性がありますので、そういうところを一緒に連携して考えながら、1回きちんと考えていくというのが今回大変重要なのではないかなというふうに感じています。
 また別の話なんですけれども、今回、環境基本計画の見直しに参加をしながら、あちらのほうでもエネルギーというのを非常に明確に位置づけてきたと。特に、事故後の地域で食料とか水とかエネルギーとか、そういうものを自立、自給というか、自立できるような、そういうような地域をつくっていくということに対して大変関心が高まっているということで、あちらのほうにもそういう文言がかなり出てきて、環境基本計画にもそういう文言がかなり出てきましたけれども、そういうところを今回のこちらのほうも少し総合的に地域循環圏のところにそういうことをもう少しきちんと書き込んでいくとか、やはりそういうところがすごく大事な視点かなというふうに感じています。
 なお、今ある、例えばバイオマス資源であったり廃棄物であったり、いろいろなものをエネルギーに活用するというのを入れていくと、大抵、そういうふうに方向がずらっと動いたときに、基本的に物に対するリデュース、リユースのところを徹底しないと、また全部エネルギーのほうに流れていくとか、いろいろなバランスがありますので、私は、エネルギー活用の徹底プラス、リデュース、リユースの徹底という、そういうバランス感覚を持ちながら今度の循環基本計画をきちんと考えていくというのが大変重要なのではないかというふうに思っています。よろしくお願いします。

○武内部会長 どうもありがとうございました。
 私も今のお話で思うんですけれども、3社会像の統合という話がありますよね。あれは全部で統合と抽象的に言っているんですけれども、地域を焦点に当てれば、その分散型の再生可能エネルギーと、それから例えば森林とか里山の利活用みたいなものと、それから地域で資源を循環的に利用していくという話が関連してきますよね。そういうふうなところ辺りを少し深堀するような話を今回出してみると、その大きな今まで言ってきたことがつながってくるような気がいたしますね。ぜひそのことを考えていきたいと思います。
 では、古市委員、お願いします。

○古市委員 ありがとうございます。幾つか気になる点がありますけれども、今日は2点ほど申し上げたいと思います。
 1点目なんですけれども、資料3の18ページのところ、これは記述漏れかもわかりませんが、「青森県の青森岩手県境事案」と書いてありますけれども、この事案は大規模で、100万トン以上の不法投棄現場なんですが、これは青森と岩手の県境のところで起こっておりまして、ですから、これはやはり岩手県というのを記述していただかないと、今後、協力してやっていくというスタンスなんですよね。ですから、ぜひそういう認識が抜けているのかなという気がしたりするんですけれども。これは、特措法が今、国会に提案され、議論されるかということなんですが、これは通らなければ大変なことになると思いますので、ぜひこれは通るよう願っておりますというのが1点目ですね。
 2点目なんですけれども、これはいつも申し上げていることなんですが、最終処分場、埋め立て処分場のお話なんですね。これは資料の2でも安全・安心の最終処分場の整備をとか、資料の3ですと最終処分場は残余年数が逼迫しているとか、そのようなお話ししかないんですよね。何を申し上げたいかというと、この部会をやるとき、循環部会なんですが、循環型社会における最終処分場の役割、機能自身が変わってきているんですよね。ですから、昔のように一方向で、要するに土壌に還元する、土壌になるんだというような社会ではもうないですから、ですから、循環型社会の中における最終処分場ではなくて、最終処分システムのあり方みたいな議論をしないとだめではないかな。だから、いつまでたっても住民の理解が得られない。永久にここは埋設している箇所であるというふうになってしまいますと、これは放射性廃棄物、放射性汚染しているような物質のときにも関与してくるんですが、要するに、住民の理解が得られない。一番大きな問題が理解されないということになります。
 欧米では、日本でも言われましたけれども、ゆりかごから墓場までということでしたけれども、今はもうゆりかごからゆりかごというお話なんですね。ですから、ゆりかごに戻すためには、最終処分場は永久的にそこにあって管理されるということではないと思うんですね。30年で安定化してやっていける時代ではもうないと思いますね、そういうような構造がもたないわけですから。そういう意味で、最近、地域循環と関係しましては、要するにストックヤード的な役割というようなことも記載されていますよね、処分場がね。ですから、処理するという役割と、保管というストックヤード的な機能、こういうところをもう少し見直して、循環型社会にふさわしいあり方をやはりこの計画の中で位置づけていく必要もあるのではないか。大きな─先ほど浅野委員がおっしゃったけれども、過去の尻ぬぐいではなしに、将来のあり方を検討するんだということであるならば、最終処分場というのは物すごく大事な機能なんですよね。
 ですから、皆さん、マンションで、トイレのないマンションがあり得ないように、同じような話なんですよ。何ぼ循環型社会の美しい社会を描いたとしても、そこのトイレ的な機能がないところ、そういうような社会というのはあり得ないと思うんですよ。もう一度、この辺のところを根本から考えるような役割を考えていただきたい。それについては、私、前、今日の資料の2の16ページのところに少し残していただいておりますので、下から2つ目の丸ですね。ですから、全く無視されているということではないというので安心しておりますので、よろしくお願いいたしたいと思います。

○武内部会長 どうもありがとうございました。
 それでは、やっと森口委員、どうぞ。

○森口委員 ありがとうございます。普段申し上げたいことが募って、早く札を上げてしまうんですけれども、あえて、ほかの委員の先生方の話を伺ってから今日は発言しようと思って、札を立てましたところ、座長からもそのとおりにご指名いただきまして、ありがとうございます。
 4点ほどにまとめてお話をしたいと思います。
 1点目は、資料3の順序とは多少前後いたしますけれども、まず、事故由来放射性物質により汚染された廃棄物の処理ということに関してコメントをさせていただきます。先ほどの議題で、この「放射性物質により汚染された」という表現に少しこだわりましたけれども、それは理由がございます。事故以前の、先ほどの浅野委員、あるいは崎田委員のご発言とも関係するかと思うんですけれども、例えば、キログラム100ベクレルというような原子力施設に関して適用されてきたような数字と、今回定められた8,000ベクレル/キログラムという数字の関係、あるいはこの8,000というのが福島対応ということで定められたのか、あるいはこの機に、日本全国、廃掃法の世界ではそれでやりましょうということなのか、この辺りに関する解釈が必ずしも明確ではないと思っております。
 この件につきましては先日の廃棄物・リサイクル部会でも発言をさせていただき、坂川企画課長のほうからお答えをいただいておるわけでございますけれども、21日付で新潟県知事から細野大臣あてに提出された質問状を拝見いたしましても、地方自治体におかれましてもこの辺りの決定経緯に関しての不透明感を持っておられるということは否めないのではないかなと思います。やはりここのところが解決をしませんと、この後、2点目、発言させていただく広域処理の問題も非常に進みづらいかと思いますので、そこにつきましては改めて慎重に対処いただきたい。これまで決めてきた基準がどういう考え方であったのかということについては明確に示していただきたいと思っております。
 あくまで私見でございますが、8,000という数字は、当初は福島の災害廃棄物対応ということでお決めになったものであり、また、特措法のもとでも、それは特措法の世界で主に扱う地域のことであったというふうに考えておりますので、これを事故による直接の影響を受けていない、影響が極めて軽微である西日本も含めてすべて適用することが適切かどうかということにつきまして、私は議論の余地があると思っておりますので、そこにつきましてはぜひ手続を踏んでいただきたい。これが1点目でございます。
 2点目は、広域処理に関わるところであります。ちょうど北九州の試験焼却をめぐってなかなか難しい状況がございます。私、ちょうど一昨日も石巻へ行ってまいりましたし、自ら放射性物質をはかってまいりましたので、そういう意味ではいろいろな事実誤認に基づく反対等もあるということはあると思います。しかしながら、恐らく放射性物質の濃度がどうかということを離れて、この問題については非常に議論が分かれているのではないかなと思います。これはまさに、先ほど申し上げた1点目のところの手続が踏まれていないがゆえの不信感、誤解というものが、さまざまな問題を生んでいるように感じております。もちろん、被災地の災害廃棄物の早急な撤去、処理、処分というのが重要であるということはもう間違いないわけでありますけれども、そのための手段として何が望ましいのかということについても、いま一度、ここで十分な見直しが必要ではないかなと思っています。
 ちょうど災害廃棄物の発生量の見直しが行われ、依然として広域処理も非常に多いというわけですが、例えば岩手県の120万トンの大半は不燃物、津波堆積物でありまして、これは木屑まじりの土砂といったものが多いわけであります。これは、もしそこから十分に木屑の類を分別、選別できれば、あるいは現在の法令上、法制度上は難しい埋め戻し材としての利用をお認めいただければ、この今日の資料でも出てまいりました、東北の復興のための地域循環圏というようなことが出てまいりますけれども、そういったところにその災害廃棄物を現地利用していくということの道も開きやすくなるのではないかなと思います。
 先ほど古市委員から、ゆりかごからゆりかごへというお話がございました。別の文脈でおっしゃったんだと思いますので、それを引用するのは失礼かもしれませんが、災害廃棄物、瓦礫ということで、どうも広域処理の中で、ほかの地域からは汚らわしいもののような言われ方をする場合があるかと思いますが、これは被災地にとって大変失礼なことではないかなと思っています。ですから、そういうような分断するような状況を生むのではなくて、本当にゆりかごからゆりかごという思いを大切にしていただくならば、被災地での現地処理なり現地の復興、資材利用といったことに関して、もう少し力を入れていただきたいなというふうに思います。
 3点目、話題が変わりまして、後半にありました資源の問題、レアメタル等の話題がございましたので、そこについても簡単に言及させていただきます。これはさきの議題で浅野部会長からの話題で、部会長からご指名いただいたときにも少し申し上げたことなんですけれども、これまで物質フロー指標、かなり量に着目してきたと。それを提案してきた張本人が今ごろこう言うのはどうかというところはあるかもしれませんが、まさに今回の計画では、次の計画では質を重視しましょうということも書かれているかなと思います。そういう面で、このレアメタルでありますとか、量は少ないんだけれども、資源としての価値の高いもの、こういったものに注目していくということは非常に重要だと思いますので、物質フロー指標ですとか、あるいはその辺の数値目標に当たっても、そこは特に重要視していきたいというふうに私自身も考えておりますし、そのための貢献をしていきたいと思います。
 それに関連して、吉川委員からご意見のあった3点目の中で、産業廃棄物の削減余地は極めて小さいというようなお話が書かれております。それから、これは産業界からのヒアリングの中でも再三、委員のほうから指摘があったかと思いますが、廃棄物の最終処分量の削減ということにばかり目を向けるのではなくて、もっと別のところで産業界、頑張っていただけるのではないかと、こういうお話があったと思います。このことと、産業界のほうから産業界の取組が目に見えるようにしてほしいというご指摘もいただいているので、そういったことの中で、例えば資源生産性の向上ということに対する産業界の努力であるとか、そういったところをより見えやすくしていくということが重要ではないかなと思います。事務局のほうからご紹介があった資源パネルの会合、ちょうど今年の秋に日本のほうで招致するということがありましたので、そういった機会をとらえて産業界の取組を国際的にアピールしていくという、これはまたとない機会ではないかと思いますので、そういったことをこの3次計画に向けて尽力していければなと思っております。
 4点目は、これは総論的なことなんですけれども、いずれにしましても、最初申し上げた、特に2点に関係するんですが、状況を正確に把握して、その必要に応じて見直していくというのは、この循環基本計画の中でフォローアップの中でずっとやってきたことだと思います。特に今回の災害への対応ということにおきましては、情報が不足する中で、いろいろ急いでものを決めなければいけなかったということがあろうかと思います。ただ、1年余りたって、いろいろな情報が出てまいりますと、当初の状況とかなり違ってきている部分もあるかなと思います。情報を正確に把握し、それに応じて必要な見直しを行っていくということについては、この循環基本計画の中で非常に実績があるところでありますし、そこでさまざまな利害関係者の意見を大切にして決めていくということがあったかと思います。ですから、このよい経験を今回の震災対応、あるいは放射性物質の対応においてもぜひ生かしていただきたいという、これが4点目でございます。
 大変長くなって恐縮ですけれども、以上です。

○武内部会長 どうもありがとうございました。
 それでは、藤井委員、お願いします。

○藤井委員 ただいま森口委員からも災害廃棄物の問題についてご指摘がありましたが、そこについて質問したいと思います。ここの、まず、この表紙の「みんなの力でがれき処理 災害廃棄物の広域処理をすすめよう」という、この文言が全国の今の市民の力、国民の意識と本当にこれは寄り添っているかというと、ここの意識は本当にギャップが大きい。この5ページの下のところの自治体の動きも、それにのっとるかのように、多くの地方自治体において災害廃棄物の受け入れを検討とありますが、多くの地方自治体においてではなくて、検討がなかなか難しいというふうに、その難しさを出すということが、現場とここのこのギャップが非常に大きいことを思います。例えば、今、滋賀県で、これは関西広域連合ですが、8,000ベクレルという物差し─森口委員からもありましたが、この立て方がどうだったのかということで、関西広域連合は2,000ベクレルという物差しを立てようと。さらに、滋賀県では、嘉田知事が、果てしなくゼロに近いというふうに置いたときに、どういうふうに合意をとっていくかということで、今、県内議論をしていますが、その国民、それから地域とのギャップをこのまま紙物で動くのは大変問題があるなというふうに私自身は思っております。
 それから、その同じページの─そういう意味では、私の意識では瓦礫は現地処理というふうに思っているんですが、そこの一番上にあります仮設焼却炉のところを伺いたいと思います。9基が既に稼働というふうにあります。この市民からの、それから疑問の中に、2011年7月の岩手のこの焼却炉の汚染灰から、3万ベクレルが灰から出たということがあって、しかも、滋賀県は近江八幡市が灰を受け入れる。琵琶湖から湖岸から1.5キロの地点の埋立地に持ってくるという話で、非常に大きな問題が起きているんですが、この9基の稼働している状況の岩手、宮城のここの焼却灰を含めて、実際はどんなことなのかという情報、データをフォローしているのであれば、それを伺いたいと思います。
 この31基を設置しても、なお岩手、宮城はこれだけは広域処理を希望ということでありますが、多分、なかなかここにあるような自治体においてどんどん動くというような現状にはない中で、本当に3年後に全部これが解決できるか。解決できないと置いたときに、どういうふうに対案を至急立てるかということを、切りかえのところも片側に置きながら議論しなければいけないのではないかというふうに感じております。
 以上です。

○武内部会長 どうもありがとうございました。
 またいずれ詳しいデータは出してもらうということで、今の時点での状況説明について、どなたか事務局のほうで回答をいただけますか。

○廃棄物対策課長補佐 今のご質問のあった点についてですけれども、まず、仮設焼却炉9基が稼働中ということで、岩手県が2基稼働、それから宮城県が7基稼働という状況でございます。岩手県につきましては、宮古と、それから釜石で稼働しているという状況ですけれども、今現在、こちら、今のご質問というのは、そこで出ている焼却灰の濃度ということでございましょうか。

○藤井委員 はい、そうです。

○廃棄物対策課長補佐 今、手元に詳細なものがないんですけれども、先ほど3万ベクレルとおっしゃったものについては、これは仮設焼却炉で出たものではございません。岩手県の場合は、より内陸の南部の辺り、一関市でありますとか、そういった地域で放射性物質の降下量が多く、かつ廃棄物の濃度も高いということで、8,000ベクレルを超えるような灰が出ている地域はこういった地域でございます。奥州市ですとか一関市のことでございますので、今回、災害廃棄物が主にたくさん発生しております岩手県沿岸部の話ではないということは確認できると思います。

○武内部会長 広域的な処理の話は、今ここでお答えというのは難しいと思いますので、また追い追い話をさせていただければと思います。
 萩原委員。

○萩原委員 2R重視したライフスタイルの変革というところは、先ほど崎田委員もおっしゃっていましたけれども、3R行動見える化ツールの開発とか普及、そういったところで、やはり消費者教育の推進というのが非常に重要になってくるかと思うんですが、平成23年度に文部科学省の生涯学習局のほうで消費者教育推進指針というのをつくっているんですが、それはご覧になっていただいていますでしょうか。

○循環型社会推進室長 私は見ておりません。

○萩原委員 ぜひ読んでいただきたいと思います。これまで消費者教育というのは、金銭教育とか、詐欺にあわないためにとか、そういったところが非常に強いようにイメージされていましたが、今回は持続可能な社会を形成していくための人材育成というところの視点から推進指針を─私もメンバーにおりましたけれども、作成されています。そういった意味で、いろいろなところとの連携をしていくという中に、やはり学校の現場ももちろんそうなんですけれども、社会教育の現場、生涯学習の現場、そういったところの連携というのがこれから非常に重要になってきますので、そこのところをどのようにここで書き込んでいくのか、あるいは進めていくのかについてお考えいただきたいと思います。
 消費者教育、環境教育をどう位置づけるのか。そこにESDというのも入ってくるんですけれども、やはり意識を変革していくための啓蒙、啓発というところでは、消費者教育は非常に重要です。それから、実は、この消費者教育フェスタというのを岐阜でやったんですけれども、そのときに、銀行の方が金銭教育をする中で、1円玉から500円玉、これをつくるのにどのくらい費用がかかるのか、どれだけの資源を、鉱物を使うのかということを子どもたちに教えていたときに、非常にわかりやすかったんですね。できるだけ資源を少なくしてお金をつくろうとしているということがよくわかって、私も勉強になったんです。確か500円玉が一番安く、1円玉が一番高いとか、やはりそういういろいろな分野でわかりやすく見える化させていく、そういう工夫がこれから必要になってくるのではないかなというふうに思いました。
 それから、災害廃棄物に関しては、私も元宮城県庁職員としては非常に注目をしているところなんですけれども、やはりいろいろな地域の中での社会的合意形成を図っていくのが非常に難しいという中で、やはりリスクコミュニケーションであるとか科学コミュニケーションというのをどのように進めていくのかというのも大きな課題ではないかというふうに思っています。フリーディスカッションということですので、意見を述べさせていただきました。

○武内部会長 ありがとうございました。
 佐々木委員、お願いします。

○佐々木委員 ありがとうございます。広域処理の件と、もう1点、交付金制度のことについて、意見、あるいは質問をしたいと思います。
 まず、広域処理について、環境省はじめ国の努力については敬意を表したいと思いますし、引き続き、特に安全・安心に関わること、あるいは地域の理解を得るためのそういった努力は引き続きお願いをしたいと思います。
 広域処理希望量というのが岩手県、宮城県で再計算をされてということなんですが、今、多くの自治体で検討しているのが、可燃物の受け入れというようなことで検討されているわけですが、先ほど森口先生のお話にもありましたけれども、不燃物であるというのが、今後、そういった不燃物対策というのをどうするかと。またふるってリサイクルに回せるようなものであればいいんですが、そうでないものもかなり現地では出ております。分別が進んでいく中で、どうしてもやはりこれは引き取ってもらえない云々と、そういった場合に、では具体的にどうするかというと、最終処分場に入れるしかないと。そういった場合に、管理型に入れるようなことになると、先ほど最終処分場の逼迫というのが出ておりますが、特に首都圏は、自分の域内でできずに、逆な意味で広域処理を最終処分場でお願いしているようなこともございますので、ぜひその辺の、いわゆるリサイクルができない不燃物、土砂。
 例えば、仙台市では、水をかぶった田んぼ、塩害があるということで、土砂を100万トン以上集めたわけですね。それを最終的に処分をするというと、管理型に入れるしかないということになるわけですが、何かそういった、いわゆる土砂、あるいはそういったものを何か使えないかどうかということで、たまたま今日の日経新聞に、「森の防波堤」ということで宮脇先生が取り組んでいる、瓦礫をあんこにして何か防波堤をつくったらどうだという提案をされておりますし、あるいは例えば道路をマウンドアップするようなところの下に入れるだとか、あるいは最終処分場の埋め戻し材にすると、そういったような少なくとも有効利用ができる、それを全部広域処理でさばければいいんですが、なかなかかなり厳しいのではないかなというふうに思っております。ぜひその辺を各、例えば国交省だとか農水省だとか、そういったところと連携をしていただいて進めていただけないかなということでございます。
 現地では、仮設の焼却炉もどんどん出てきておりますし、本格的に稼働してまいります。かなり可燃物の処理は逆に現地で可能になってくると、いわゆるふるった燃えないようなもの、あるいはリサイクルに回れないようなもの、そういったものをどうしていくかということが特に課題になってくると思いますので、ご検討いただきたいということが一つと、今現在、そういったものをどういうふうに広域処理の中でお考えいただいているのかということがあれば、お聞きしたいと思う。
 それから、交付金制度でございますが、一般廃棄物政策ということで、交付金による基盤整備。お陰様で随分基盤整備が進んでおりますし、要望を入れていただいて、基幹改修だとか高効率発電だとか、そういったものは措置していただいておるんですが、この交付金制度というのが、地方にとっては、新しい計画、例えば施設のリニューアル計画だとか、そういったときに、今はBTOとかいろいろな形で民間とタイアップしてやっていくと。そういった場合に、これがあるとないとでは全然考え方が変わってきますので、交付金制度がいつまでもつかみたいな話も時々話題になりますが、その辺のことをこの計画の中にどう織り込んでいくのか、そういうお考えがあるのかどうか、その辺があれば、また。ぜひ我々のほうは、こういう財政措置は基本的に維持していただきたいということではありますが、一括交付金だとか、そういうこともございますので、ご検討いただければと思います。
 以上でございます。

○武内部会長 ありがとうございました。
 災害瓦礫のリサイクル利用みたいなものがありますよね。その辺についてはどういう今状況ですか。

○廃棄物対策課長補佐 それでは、廃棄物対策課からお答えいたします。
 先ほど森口委員からも同様のご指摘をいただいておりますけれども、確かに、先日、この広域処理量の見直しというものを発表いたしまして、そこで特に岩手県については不燃物の広域処理希望量というものが相当増大しているわけでございます。これは、今現在、まだ行き先の決まっていないものということで、このような表記になっているわけなんですけれども、これも、実際問題、どこの地域でもやはり処分場というものは不足しているわけでして、これはかなり大変な部分もあろうかと考えております。このために、これは何が何でもこれをすべて広域処理というわけでもなくて、今後の検討によりまして、例えば、先ほどの公共事業への利用ですとか、県内処理、復興資材としての利用、こういったところに活路を見出しつつ、並行して、お願いできるところがあれば広域処理についてもお願いをしていきたいと、そういった趣旨でございます。
 先ほどご紹介もありましたとおり、防災林ですとか道路の嵩上げですとか、そういったところに、何でもかんでもというわけにはいかないんですけれども、性状によっては十分使えるものもあろうかと思いますので、これについては引き続き他省庁とも協力しながらやっていきたいというふうに考えております。

○武内部会長 それでは、見山委員、お願いします。

○見山委員 ありがとうございます。地域循環圏に関するところ、特に44ページの、「東北復興に向けた地域循環資源徹底利用促進事業」の部分ですが、これは去年の今頃の審議会でもお話しましたが、「最先端の環境ビジネス拠点としての東北の復興」という割には、出てくるテーマが、正直、代わり映えしないような印象を受けます。ここに並んでいるものが本当に最先端の環境ビジネスで、かつ東北の復興に本当に資するものなのか、ということが、見たところ実感出来ない、ということをまず申し上げます。
 実際に、地域循環圏の話は、地方の人たちにどれだけ内発的、能動的に取り組んでいただけるかということが、ポイントになると思います。その為にも、具体的な成功事例を、どれだけ示せるか、というところが重要です。それとあわせて、東北に限らず、今、地方というのはどこも働き場所がない。雇用の創出ですよね。ここで示した成功事例が、実際、雇用の創出にどうつながっていくかというところと結びつけて話をしていくと、内発的、能動的という面では、より効果的だと思います。
 あと、地方に関しては、ほかの省庁も目を向けておられて、総務省の「緑の分権改革」などもそうですが、どこも成功事例を探していると思います。しかし、そうした事例は、多分、なかなか見つからない、というのが、現状だと思います。地方の方々からすると、緑の分権改革と地域循環圏というのは、何が違うのかと思われるので、違いがあれば、そこを明確に示していく必要があると思います。
 それから、ビジネスの観点でいうと、フィードインタリフが今、産業界で話題になっていますが、バイオマス利活用等に関して、フィードインタリフとの関係性についての言及がなかったので、この部分については、今後どのように考えていかれるのか、見解をお聞かせいただければと思います。

○武内部会長 今の最後の点はいかがですか。

○循環型社会推進室長 詳細はあまり把握をしていないんですけれども、このバイオマス利活用の方向性としては、対象としていくということだと思いますけれども、制度として仕組んでいく上でどれだけ正確に把握できるかなどをかんがみながら対象としていくことになります。基本的な考え方としては、まさに循環型社会と、低炭素社会の統合ということの象徴だと思いますので、そういう方向で我々も進めていくことが基本になります。

○武内部会長 それでは、酒井委員、お願いします。

○酒井委員 これまでご発言のなかった点で、2点申し上げます。
 資料3の27ページで、金属のTMRベースのリサイクル量という、こういう図を示していただいて、ぜひこの方向で充実をしていただきたいんですが、これを指標化していく情報基盤は整っているのかということについて、どのように判断をされているか、お聞かせ願いたいと思います。今、欧州のほうも、こういうクリティカルメタルの今後の利用可能性について、相当力を入れた検討を始められているんですけれども、なかなか、いわゆるデータ利用可能性というところで行き詰まっているというふうに聞いております。個別の販売量、あるいは組成、正確な濃度等、そういういわゆる基礎、基盤が、情報基盤としてまだまだだと。まだ判断できないという、こういう見方がよく出てくるんですね。という意味で、この場合に出されるのはいいんですけれども、この後、続くかということに関して見通しを持っておられるかどうか、これはぜひお聞かせいただきたいと思います。
 その点が、実は地域循環圏との関係で重要になってくると思っております。私も、地域循環圏、第3次の目玉にせよというところは全く同感でございます。ただ、そのときに、スケールの見極めを個別個別の資源なり、あるいは廃棄物なりに対して立てていかないといけないわけで、そのときに、この循環の情報基盤の充実という点と、これは密接に関係してくる点でありまして、この見通しなしに地域、地域と言っていたら、またこれは逆の方向に走る危険性もあるという、こういうような意味で、いわゆる情報基盤に関しての見通しをお聞かせ願いたいということを申し上げます。
 それからもう一つは、萩原先生がおっしゃられた消費者教育という点、私も、すみません、文科省のそのレポートは読んでおりませんで、ぜひまた教えていただきたいと思いますが、若干、消費者教育という言葉に違和感を持っておりまして、もう少し消費行動の重要性といいますか、消費者の決定権ということの社会への認知を上げていく、こういう努力に結びつくような取組、これはかつてグリーンコンシューマーということで華々しく出ていったわけですが、まだまだそこの部分が社会に根づいていないという、こういう方向とぜひ抱き合わせで議論をさせていただきたいということで、あえて発言をしてみました。

○武内部会長 どうぞ、直接の質問に対する。

○循環型社会推進室長 今の情報基盤の質問でございますけれども、正直申し上げまして、それが整っているという確証がある状況ではございません。UNEPの資源パネル等などでもこれから議題にもなってくるんだとは思いますけれども、ただ、だからといって、それに全く手をつけないということになると、情報基盤ができるまでそういうものもできないということになってしまいますので、それは情報としてどこまで正確なものが得られるかということを見極めながら、一方で概念としてどこまで取り上げていくかと。その検討を、この部会の場も含めて、ぜひともやっていただきたいということでございます。

○武内部会長 ありがとうございました。
 それでは、田中委員、お願いします。

○田中委員 ありがとうございます。
 フリーディスカッションですので、思っていることを二、三点、述べさせていただきます。1つは、循環型社会におけるヒエラルキー、優先順位がありますけれども、リデュース、リユース、リサイクル、そして熱的な回収をしながら焼却と、それから最終処分と、こういうような順番で、熱的回収が4番目だとか言って、自治体では市民に説明するのがなかなか難しいということです。今ここで2Rの重要性が指摘されていますが、そのとおりだと思います。リデュース、リユース、それから廃棄物の利活用ですね。この利活用においては、エネルギーとして活用、あるいは物質、マテリアルとしての活用を同レベルで、少なくとも。それから最終処分というような形で順位を明確にし、物質回収、エネルギー回収を、同等レベルに上げる必要があるのではないかなと思っております。
 それから2点目ですけれども、今、資料の2で、一番下に、今国会において循環型社会形成推進基本法の法改正で、放射性物質による汚染された、あるいは汚染された疑いのある廃棄物の取り扱い、この件ですけれども、中身をもう少し教えていただければいいなと思います。1つは、炉規法、あるいは障防法で扱っている放射性廃棄物を除くのか、あるいはそれらも含めたトータルの放射性物質なのか、どういう位置づけになっているのかということで、少し気になるところです。
 それで、今では廃棄物処理法の第2条に廃棄物の定義が書かれておりまして、放射性物質、あるいは放射性物質によって汚染されたものを除くと書いていますけれども、それが「除く」がとれて、あらゆる廃棄物ではなくて、8,000ベクレル・パー・キログラム以下のものが扱われるというように今は理解しているのですけれども、その辺が今度どうなるのかということですね。
 それと、それから今国会での法改正の中に、この放射線以外の改正も何か含まれるのかというところが少し気になる点です。
 それから、3点目は、循環型社会というのが3Rの推進と環境負荷の低減という、環境負荷の低減が明確に入っているんですけれども、往々に一般の市町村にも伝わらなくて、物質回収、リサイクルが重点的で、資源の循環というのが非常に強調され過ぎているというので、環境負荷の低減、すなわち適正処理の確保が常に伴って、両輪として循環型社会をつくるんだということを強調したいと思います。
 それから、浅野委員からもご指摘いただいた点ですけれども、廃棄物・リサイクル部会と、ここの部会をきれいにすみ分けはしてはいないと思うんです。お互いに議論をしてはならないというところはないと思うんですけれども、どちらかといえば、廃棄物・リサイクル部会は、現場の廃棄物を、困っている廃棄物をどうするかということで、技術的な対応についての検討かなと。循環型社会計画部会はプランニング、それで廃棄物・リサイクル部会は、インプリメンテーションというんですか、実際にどうするかということで、処理基準だとか、あるいは技術の検討をしてきていると思います。そういうことで、大いにお互いに必要だと思うところを、どちらかといえば技術的な側面を廃棄物・リサイクル部会では議論したいと、このように認識しております。

○循環型社会推進室長 法改正についての質問の部分でございますけれども、今回、この原子力規制組織改革法案で対象としていますのは、環境基本法、それから循環基本法という2つの基本法について、これまで放射性物質に汚染されたものを対象から除いていたものを「入れる」ということです。それ以外の個別法、廃掃法を含めた個別法については、今後、この放射性物質特措法の附則の中で、3年後に見直すという規定がございまして、その中で検討していくということになっています。基本法という意味では、実体的に具体的な廃棄物をどうするという部分について定めているものではないので、炉規法などとの直接の接点というか、バッティングが生じるということは、今の法改正がなされたとしても生じないということでございます。ただ、対象としては、廃棄物という概念の中には入ってくるというふうに認識しております。
 循環型社会と廃リ部会の整理については、全く先生がおっしゃられるとおりだと思います。それぞれで議論をして、お互いいいように進めていければいいと考えております。

○武内部会長 どうもありがとうございました。
 それでは、森口委員、お願いします。

○森口委員 2巡目で申し訳ございません。2点だけ発言させていただきます。
 1点目は、酒井委員からご指摘のあったTMRベースのリサイクル率、全くおっしゃるとおりであり、また永島室長からお答えのあったとおりだと思うんですけれども、第1次の物質フロー指標のケースもそうなんですが、多少、手法なりデータに不完全な部分があっても、公式の政策目標として明確に取り入れる、あるいは取り入れようとするという日本の態度が、また欧州による活動をかなり刺激して、そこで欧州でデータが整備され、それがまた日本にもはね返ってくるという、こういうある種の好循環をできればなという思いがあります。資源パネルのほうでも関連する活動を働きかけていって、世界的にこういうものが進むように自身も尽力したいと思っております。
 もう1点のほうは、これは循環基本計画の見直しということには直接は関連しないかと思いますが、本日、災害廃棄物の広域処理についてかなり踏み込んだご意見、ほかの委員からもございましたし、佐々木委員からも言及がございましたので、私、先ほど言い漏らしたことがございましたので、1点だけ追加させていただきます。不燃物が今後問題だということが出たんですが、可燃物も決して問題解決しているわけではなく、特に緊急性を要するものは多々あると思います。あとは、緊急性を要するものと、ある程度時間をかけてよいものというのを少しきっちりと区別をしていく必要があるのではないかなと思います。その点におきまして、冒頭の伊藤部長のごあいさつの中で、発災後3年、それから全国的なバックアップということを改めて強調されたんですが、本当に3年で終えないと被災地にとってどうしても困るのかどうかということも含めて見直しをしていただきたい。特に、せっかくつくった施設を、仮設の施設を本当に今から2年弱後の後に解体して更地にするということが合理的なのかどうかといったところも含めて、これは現地からも、全く非公式ではございますが、そういう声を私は聞きます。
 ですから、そういったところも含めて、何が一番合理的な処理であるのかということ、それから復興事業、復興資材に使っていくということになれば、その計画が定まるまでのタイムラグというのもありますので、当初は確かに早くしてほしいということもありましたし、今でもまさに早く急がなければいけない部分もあるわけですけれども、すべてがそうではないということだと思います。ですから、その辺り、本当に現場の状況を細かく見ていただいて、丁寧に見ていただいて、本当に困っている部分は助ける。じっくり考えたほうがいい部分はそういうふうに考えるというところ、少し区別をしていっていただければなと思います。

○武内部会長 ありがとうございました。
 崎田委員。

○崎田委員 ありがとうございます。1つだけ、循環型社会をつくるときに、最近、いろいろな分野で、やはり連携、共同で相乗効果を上げるような仕組みをつくるというのがとてもすべてのところでキーワードになってくるというふうに感じています。先ほど消費者教育という話がありました。消費者が、単に消費者ではなくて、生活者として一緒に社会の中に関わっていくような意欲で一緒につくっていくという辺りが、この循環型社会、大事だということなわけなんですけれども、そこら辺の、例えば消費者と事業者さんの連携であったり、国と事業者さん、企業の連携であったり、やり方、いろいろなところに関係してくるわけですけれども、そういう連携、共同で相乗効果を上げるという辺りがこの計画の中からにじみ出てくるような感じでつくるという辺りは、今回、非常に重要なのではないかなと感じています。
 抽象的に聞こえてしまうかもしれないんですが、食品リサイクルとか食品ロスのところなどをやっていると、必ず最終的には、その循環の輪をどういうふうに最終的に消費者がきちんと受け止めて、社会に定着させるかとかいうことがかなり問題になりますし、アジアの循環のところでも、やはりこれからのアジアでのシステムとしての廃棄物政策とか循環政策がアジアに行くときには、消費者というか、市民が暮らしの中で、それをどういうふうに暮らしの3Rの意識変革に関わるかとかいうことにも全部つながってくるとか、どういうときにも必ず、今回の小型家電の話も、循環で仕組みをつくるとか、そういうようなところがすべて関わってきますので、何かそういう精神が色濃く伝わるような感じで今回まとめていけたらなというふうに思います。よろしくお願いします。

○武内部会長 どうもありがとうございます。
 また。はい、どうぞ。

○酒井委員 すみません。先ほどTMR指標について発言したものですから、もう一度、話させていただきます。
 室長が言われた方向、あるいは森口先生が言われた方向、特にEUとの好循環ですね、指標をめぐる。そういう方向に関しては全く異論はございませんし、おっしゃられるとおりだと思います。ぜひその方向でやっていっていただきたいと思いますし、また、既に小型家電の制度化に向けて、日本は相当先行してデータ蓄積されていました。その情報が今、欧州に伝わって、彼らもまたそれを見ながら本気で取り組んでおられるという、そういう橋渡しもしておりますので、そういった意味ではいい方向に行っているんだろうというふうに思っております。そういう意味での好循環、私も期待をしていきたいと思っています。
 その一方、逆に、日本側は、家電にしても自動車にしても、いわゆるROHS制度、いわゆる有害物質を使用削減に向けた、こういう制度をやはりこれまで本格的にはとらずに、一部、リストの中でおやりになってこられたことはありますけれども、その面に関しての本格的な取組という面では、やはり日本は少し腰が引けているのではないかという、そういう見立てをしております。ぜひその点は今後のこの計画の中の議論で取り上げていただければというふうに思っております。
 以上です。

○武内部会長 それでは、よろしいですか。
 今日は一応、これで終わりというふうにさせていただいて、いただいたご意見については、次回以降、そのいただいたご意見を踏まえた上でいろいろと資料を提出させていただくという形にさせていただきたいと思います。
 それでは、それでよろしいですか。
 それでは、これで終了にさせていただきたいと思いますが、次回以降の予定について、どうぞ。

○循環型社会推進室長 次回でございますが、6月28日、場所が全国都市会館になりますけれども、地方公共団体からのヒアリングを予定しております。
 詳細については、追って事務局からご連絡させていただきます。

○武内部会長 それでは、どうもありがとうございました。
 これにて散会とさせていただきます。どうもありがとうございました。

午後12時00分 閉会