本文へジャンプ

■議事録一覧■

中央環境審議会循環型社会計画部会(第65回)
地域ブロックヒアリング(京都市)議事録


〈日時〉
平成23年10月28日(金)14:00~16:00
〈場所〉
京都市勧業館みやこめっせ 大会議室
〈議事次第〉
  1. 開会
  2. 議題
循環型社会形成に向けた取組に関するヒアリング
(1)3R検定について
○京都大学環境科学センター 浅利美鈴助教
(2)地方自治体の取組について
○京都市
(3)NPOの取組について
○Ladies Eco Circle“プラムロード”
(4)事業者の取組について
○月桂冠株式会社
会場との質疑応答
(資料)
資料1 3R・低炭素社会検定について
資料2 京都市提出資料
資料3 Ladies Eco Circle“プラムロード”提出資料
資料4 月桂冠株式会社提出資料
(参考資料)
参考資料1 中央環境審議会循環型社会計画部会委員名簿
参考資料2 中央環境審議会循環型社会計画部会関係条文

午後1時59分 開会

○循環型社会推進室長 それでは、定刻より若干早いのですけれども、委員の先生方はお集まりでございますので、ただいまから「中央環境審議会循環型社会計画部会 京都府地域ブロックヒアリング」を開催いたします。
 本日は大変お忙しい中、お集まりいただきまして、ありがとうございます。
 私、環境省廃棄物リサイクル対策企画課循環型社会推進室長の中尾でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
 事務局から委員の出席の状況を御報告させていただきます。本日の地域ヒアリングには、13名の委員に御出席いただいております。また、遅れて森口委員の方も御出席いただけるというふうに連絡をいただいております。多数の委員に御出席いただきまして、定足数に達することになりますことをあらかじめ御報告させていただきます。
 続きまして、本日、循環型社会形成に向けた取り組み状況について、発表していただく方々を御紹介いたします。
 まず、一番皆様方から向かいまして右奥、京都大学助教、浅利美鈴様でございます。

○京都大学(浅利美鈴氏) よろしくお願いします。

○循環型社会推進室長 続きまして、京都市環境政策局循環型社会推進部企画課担当課長、堀寛明様でございます。

○京都市環境政策局(堀 寬明氏) 堀でございます。どうぞ、よろしくお願いします。

○循環型社会推進室長 お隣でございますけれども、Ladies’EcoCircle“プロムナード”代表、中村吉江様です。

○プラムロード(中村吉江氏) どうぞ、よろしくお願いします。

○循環型社会推進室長 続きまして、月桂冠株式会社技術部品質保証課長、浪瀬政宏様です。

○月桂冠株式会社(浪瀬政宏氏) 浪瀬です。どうぞよろしくお願いします。

○循環型社会推進室長 それでは、以降の進行につきましては、武内部会長にお願いします。どうぞよろしくお願いいたします。

○武内部会長 武内でございます。委員の皆様並びに発表者の皆様には、御多用のところを御出席いただきまして、大変ありがとうございます。また、本日、傍聴にお越しいただいた皆様方におかれましても、感謝申し上げたいと思います。
 循環型社会計画部会では、環境基本計画の循環型社会についての記述部分、あるいは循環型社会形成推進基本計画――循環基本計画というふうに省略して呼んでおりますが、その見直しに向けて、循環型社会の形成に向けて取り組んでいらっしゃる、さまざまな方々の御意見を伺い、審議の参考とさせていただいております。
 本日は、地域での取り組みについて、さまざまな御意見をお聞きするため、ここ京都において3R推進全国大会とあわせて、地域ヒアリングを実施することといたしました。
 先ほど来、3R推進全国大会では、委員の酒井先生から基調講演をいただいたところでございます。
 本日の進め方についてでございますが、循環型社会の形成に向けた取り組みについて御発表いただくため、京都大学の浅利先生、京都市プラムロード、月桂冠株式会社の皆様にお越しいただいております。
 まず、浅利先生から京都発の3R検定の取り組みについて、御報告いただき、御質問、御意見をいただきたいと考えております。その後、残りのお三方からそれぞれ15分程度御発表いただき、まとめて委員の皆様から御質問、御意見をいただきたいと考えております。
 また、せっかくの機会でございますので、会場の皆様との意見交換の機会も設けたいというふうに考えております。
 また、きょうのヒアリングとは別途、委員の皆様にはこの場にお残りいただきまして、前回1週間前の部会で事務局から説明のありました循環型社会の構築に向けた検討課題について、御意見をいただきたいと考えております。
 それでは、よろしくお願いしたいと思います。まずは浅利先生、御報告をお願いしたいと思います。よろしくお願いいたします。

○京都大学(浅利美鈴氏) ありがとうございます。15分話させていただいてよろしいでしょうか。

○武内部会長 台本では10分となっておりますけれども、結構かと思います。

○京都大学(浅利美鈴氏) はい、10分ぐらいで、ありがとうございます。
 済みません、京都大学の浅利と申します。どうぞよろしくお願いいたします。
 きょうは研究といいますより、京都から発信している活動をメーンとした紹介をさせていただきたいと思います。
 私にいただいた御題は、3R検定というふうに御紹介いただいておりますが、去年より3Rに省エネ部分ですね、低炭素社会というのを加えまして、ちょっと長いんですけれども、「3R・低炭素社会検定」という名前になっております。なぜ、こういうものを私がここで紹介するのかというところを含めて、きょうは御紹介・御報告をさせていただきたいと思っております。
 これは、配付資料の中にも入れさせていただいておりますが、次の1月8日で第4回を迎えます。今まで3回やってきました。大体四、五年ぐらい取り組んできております。その成果も含めて御紹介をしたいと思っております。
 この検定は、実行委員会をつくってやっているんですけれども、大体80人ぐらい名前は入れさせていただいております。実際、皆さんいろんな形で実行委員として活動していただいているんですが、多分、非常に特徴的だと思われるのが、研究者がその中の多くを占めております。イコール、検定という意味では、はっきりいって全くの素人集団がやっております。なぜそうなったかというところの原因でもあるんですが、代表は、このイラストを見たらわかられる方も多いかと思いますけど、言い出しっぺの方がおられまして、そのきっかけが今につながっているんですけれども、そういう意味では少し特殊な検定ではないかなと思います。
 なぜ、研究者たちが検定を始めたのかというところで、少しスライドのほうもお配りさせていただいておりますが、四、五年前、ちょっとこの角に書いてますけれども、「何とかしてはいけない」というようなアンチエコで、メディアを随分にぎわすようなことがありました。そういうときに、私たちと接している地域で活動されている方々、ここでは「地域のごみ減量リーダー」というふうに呼んでおりますけれども、私たち一生懸命やってるんだけれど、一方でこういういろんな報道とかがあって、何を信じて活動したらいいんだろうというような声もたくさんいただきました。
 ごみの活動、分別の普及なんかをしてるんだけど、いろんな意見があって、市民の方にもどう受け答えしたらいいか迷うことがあるというようなことをよく言われました。また、一方では、企業で流通とかCSRに携わる方々からも、消費者とか市民の方にグリーン購入といいますが、ごみを減らす買い方を進めたい、生活のアドバイスをしたいんだけども何をもって勉強していったらいいかわからないというような御意見、それから行政とか企業の、特にごみの担当者の方々が、結構大変なことをしてるんだけども、どうしても、どうせごみやってるんだろうというふうに見られるので、もっとこの専門性をPRできないかというような声もありました。そんなことを総合しまして、何か取ったら胸を張れる、ごみに関して少し体系化された知識というか、これを持っていたらごみのことをちゃんと胸を張って話せると、そういうような何かプログラムがあってもいいんじゃないかなということで、3R検定というのを始めたというところがございます。
 ただ、そのとき、やはり研究者集団でありますけれども、単に検定をやって試験をするだけではなく、それをきっかけに多くの人に地域でのリーダー活動を自信を持ってしていただける、合格後が勝負となるような検定をしようということで始めております。
 実際、まず一番初めに着手したのが、知見の体系化というふうに書いておりますが、テキストをまとめるという作業でした。いろんな本も出ているんですけれども、かなり網羅的に、私たち自身の頭の整理ということも含めて、読みごたえがあるというか、一冊手元に置いておくと役に立つようなテキストができたのではないかなというふうに思ってますが、3Rの基本的なこと、歴史的なことも含めたこと、それから、それを家庭・地域で実践するための知恵、そして、3Rの法律ですとか、実際の処理・処分とか技術的なことも含めた3Rの基盤、それから3Rと環境問題との関係、そういったものを比較的、網羅的にまとめたテキストができて、これも一つの大きな成果ではないかなと思っております。これも低炭素分野を加えまして、現在は3R・低炭素社会検定の公式テキストということで出させていただいております。
 実際の検定ですが、1回、2回、3回というふうにやってまいりました。分野としては、当初は3Rだったんですけれども、それに前回より低炭素社会分野というのも加えております。すべて1月にやっております。
 初めは、京都の研究者が一番メーンで始めたものですから、京都、大阪、関西中心で東京もという設定だったんですけれども、その後、兵庫、福岡と加わり、昨年からは東北、中部、北陸ということで、かなり全国的に広がってきてるかなと思います。また、会場の設定自体が、各地域で、ぜひうちで検定をやりたいと言ってくださったところに設定をしていくという、ある意味、手を挙げていただいて、仲間に入っていただいて一緒にやっていただくというような形をとっております。
 受験者のほうは、やはり一番初めに熱心な方がどっと集まられて、その後、500人前後という形になってはおりますけれども、今の検定の評価が徐々に定着してきておりますので、頑張って続けていきたいなと思っております。
 ちなみに、きょうこの後ヒアリングを受けられます京都市さんが、ごみの有料化財源を使いまして、「京(みやこ)の環境みらい創生事業」という事業を立ち上げられております。その第1回の支援対象という事業に位置づけていただきまして、冒頭の事業の立ち上げをさせていただいたという経緯もございます。
 ちなみに、どういう方々がこの検定を受けて、教育プログラムに参加していただいているかというところのグラフも載せていただいておりますが、かなり会社員・公務員の方々の受験が多く、このあたりまでがそうです。数的にはまだまだなんですけれども、学生が徐々に増加してきております。それは、ほかにもエコ検定とかもあるんですけれども、より専門性というか、実務性が高いものを受けようということで、少し学生の方がふえてきているという、そこも一つ特徴と言えるかなと思います。
 これはお手元にお配りしていないんですけど、よくどんな問題を出しているのか聞かれますので、ちょっと時間がないのであれなんですが、例えばということで、3R部門では、こんな問題を出させていただいております。「容器包装リサイクル法で生産者に再商品化義務が課せられていないものはどれか」これは定番問題なんですけれども、なかなか正答率が伸びない。やはり、単に暗記ではなくて、できればその背景にあることも知っていただきたいという思いで出してまして、合格後、皆さんに集まっていただいて、解説会も開くんですけれども、そのときに、皆さん改めて「あっ、納得した」と必ず言われる問題の一つなんですが、こういう問題ですね。なぜ、容器包装リサイクル法の対象品目が選ばれているのかとか、そういうところまで、できれば議論したいと。今後のあり方も含めて議論していくようなネットワークをつくっていきたいという思いで出題者も頑張っております。
 もっと生活の知恵といいますか、そういうような問題なんかも出してます。重曹に関するような問題ですね、掃除の知恵に関する問題であったり、あとは低炭素部門なんかでは、これ、一番最後の問題にしてたんですけれども、大体、正答率60%ぐらいの問題なんですが、少し計算問題的なもの、環境家計簿なんかに取り組まれる方も多いと思いますので、こういうような問題も出させていただいております。
 検定問題というものの限界はあるんですけれども、できるだけその背景にある情報にまで思考をめぐらせて回答を考えていただくように、出題者側も頑張って考えるという部分、それから日常生活や活動に生かせるというような視点を念頭に置きまして、特に若手の研究者・実務者の方々に毎年知恵を絞っていただいているというものですので、もし御関心あればぜひのぞいてみていただければと思っております。
 また、教育プログラムとして、きちんと機能していくようにということで、いろんな調査も並行して実施させていただいております。検定が大体2部門とも受けますと、本当に3時間、4時間という拘束時間になるんですけれども、それが終わった後に、検定問題よりも分厚いんではないかというぐらいのアンケート調査をお配りしまして、それに回答していただいており、皆さん非常に丁寧に答えていただいております。
 例えば、受験者の方へのアンケート調査の結果をお示ししております。並行して、一般の市民の方へのアンケート調査なんかもしています。こちら3Rのリーダー活動、他者に対して3Rに関する教えを広めたりとか、啓発活動をするということを3Rリーダー活動というふうに呼んでおりますが、この活動について、実施状況を聞いた結果なんですけれども、やはり検定受験者の方は、多くの方がリーダー活動ありというふうに答えておられます。一方で、検定受験者の方にも今はないけれどもこれから活動したいと思って受けるという方がかなりおられるということがあります。
 同時に驚くのが、一般市民の中にも、自分としてはリーダー活動していると思っている人が2割程度おられる。加えて、リーダー活動してみたいと思っている人が実は35%もおられると、これは非常に大きなポテンシャルではないかなと、こういう人たちに届くように我々も努力していきたいなと、その策を考えていきたいと思っているところです。
 次のスライドは飛ばします。
 そして、もう一つの課題としまして、見えてきた部分としては、弱点といいますか、こういうところ、課題だなと思っている部分です。「3Rについて知っていますか」というアンケート調査を行いました。これ受験者、それから受験者ではないんですけれども学生さんとか市民の方々にアンケートしたんですが、やはり検定の受験者の方は8割ぐらいの方が知っておられます。学生の方もかなり高いです。やはり幼いころから3Rなんかも聞きながら育ってきておられるんだと思いますが、7割ぐらいおられます。一方、平均的には大体4割ぐらい、環境省のやっておられるアンケートともそう大きく変わらない結果だと思うんですが、一方で、ごみ問題に関する意識・行動を調べていきますと、学生さんのごみ問題に対する意識・行動レベルというのが、ほかの層に比べて非常に低いと、顕著に低いという結果が見られております。特に学部生よりも院生ということで、大学に長くいればいるほど、どんどん環境意識が悪くなっていくという傾向が見られております。まあ個人差もあると思いますけど、想像しますと何となくわかるような気もするんですが、そういう意味では、大学における環境教育といいますか、どういうことをすべきかということを改めてみずから課題だなというふうに感じるような調査も出てきております。
 ちなみに、じゃあ環境問題について関心を持ったり、何か接する接点はなかったのかといいますと、逆でして、こちら一般市民の方、こちら学生の方に、「いつから環境問題に関心を持ったか」というふうに尋ねた結果です。一般市民の方に関しては、7割ぐらいが学生時代に関心はなかったけれども、その後に関心を持ちましたという答えでした。ただ、現在の学生さんに関しては、小学校からとか中学校から高校ということで、ほとんどが大学に入る前から関心は持っているんです。ただ、意識・行動に結びついていないという実態がありまして、その空白期間を何とか大学の環境教育という形でも展開したいと思っております。そういう意味では、3R・低炭素社会検定を受ける学生さんが少しふえてきているというのは、ある意味ターゲットの一つかなと思っているところです。
 それから検定を、研究の傍らやっておりましてなかなか大変なんですが、やめられない理由の一つが、合格者の方々です。やっぱりこの方々と接していたり、フィードバックをもらっていると本当に続けないといけないなと思うことが非常に多いです。皆さんに今申し上げているのが、とにかく検定が受かったからといって、我々は合格された方をリーダーというふうに呼んでるんですけれども、決してそれで終わりではないと、そこからですよということで、ニュースレターを発行したり、こういう合格者ミーティングを行ったりもしております。
 それをきっかけにいろんな活動をされる方もたくさんおられますが、特におもしろいなと思ったのが、やっぱり社会に対しても、また自分自身の生活に対しても、非常に調査意識というか、深く見る方が非常に多いという傾向がありまして、それを生かして、例えば去年は、調査提案プログラムというのをいたしました。家庭ごみ、まだ幾つか減らせる対象があるんですが、その一つとして、ダイレクトメールとか広告媒体があるということで、その広告媒体が家庭にどういうふうに流入してきているかというのを1カ月間モニタリングしていただくという調査を合格者の方に投げかけましたところ、大体二、三十人の方が1カ月間きっちり取り組んでいただきました。
 その中でいろんな気づきであったり、全然見ていないのがあるねとかいうような割合を出したりというような形で、社会提案も含めてやっていただくというようなこともありました。そういう意味では、社会提案までできるこういうリーダー、特殊なリーダー、その人材をうまく活用して我々研究とも連動してできるんではないかなという少し手ごたえを感じた結果になっておりますので、御紹介をさせていただきたいと思います。
 そういうことも含めまして、地域リーダーとして活躍される方、それから京都では、初年度から、いわゆる現場の方ですね、ごみ収集に当たる方とか、現場の方もたくさん受けていただいております。その中には、各区役所に設置されました「エコまちステーション」という環境窓口のスタッフを務められる方も大勢おられます。そういう自治体での現場スタッフの人材育成というかスキルアップ、それに活用していただいているというのは、ほかの自治体も非常に参考にしていただいている例かと思います。
 そのほか、各地域の環境関連の委員会の市民委員等として活躍して、レポートしていただいている方も非常に多いです。そういう部分、根づきつつあるのかなというふうに考えております。
 2012年の1月8日が次の検定でして、今このリーフレットがちょうどできてきたところですので、もし、この学生に受けさせようとか、そういうようなお考えがある方がおられましたら、ぜひお声かけいただければリーフレットをお届けさせていただこうと思います。来月から募集を開始いたします。
 ちょっと雑駁な説明となりましたが、以上で紹介を終わらせていただきます。ありがとうございます。

○武内部会長 どうもありがとうございました。
 それでは、質疑応答に入りたいと思いますが、お答えに関しては後でまとめてお答えいただきたいと思いますので、恐縮ですけれども、質問についてメモをとっておいていただければと思います。
 それじゃあ質問のある方、どうぞ。
 浅野委員。

○浅野委員 浅利さん、ありがとうございました。大変興味深く伺いました。
 各地でとあるのですが、合格者の活用という、この展開が大変おもしろいんですが、そうしても京都を中心とするお話であるような気がいたします。大分受験の場所がふえて、会場がふえているということも伺ったのですが、京都以外の地域での、このリーダーたちの活用方法については、どんなことが実際に行なわれているのでしょうか。特に自治体の行政担当者との連携はどうなっているのか、その辺をお聞かせください。

○武内部会長 崎田委員。

○崎田委員 ありがとうございます。非常に輪を広げるやり方としてすばらしいアイデアを実現させていらっしゃると思います。
 それで伺いたいのは、前回から低炭素社会というのも入れたというお話がありました。3R検定と低炭素社会検定と両方入れたことで何か変わったこととか、今後の循環型社会づくりに対して、御提案いただけるようなことが見えてきたかどうか、その辺をぜひ伺いたいというふうに思います。よろしくお願いします。

○武内部会長 藤井委員。

○藤井委員 ありがとうございました。琵琶湖でもびわ湖検定というのがあって、ことし3年目なんですね。1年目2,500人、2年目1,050人、3年目というふうに減ってしまっている中で、会場をふやして何とか受験生をふやしたいという、しているんですが、その後のさらに実践行動がこの受かった後の大事なことというお話の中で、先ほど浅野委員のほうからほかの地域での質問は出ましたので、京都内でも広がりの、いわゆる市民という形の地域のNPOとか住民グループがこの検定の中で、地域の活動がどんなふうに新しい動きが出てきたか、そのあたりのことを京都内のことで聞かせていただけたらと思います。

○武内部会長 古市委員。

○古市委員 自信を持ってごみ問題にアタックするという、そういう動機づけとして非常にすばらしい活動だと思いました。
 3点ほどちょっと質問させてください。
 1点目は、3R・低炭素なんですけれども、どちらかというと最近のうちの学生もそうなんですけれども、ごみっていうのはリサイクルするもんやというような意識であって、適正処理という概念が非常に抜けるんですよね。教科書見ますと、適正処理のお話もされているようですけれども、そのような意識をどう植えていくかというのが非常に重要やないかなというふうに思いますけど、それがどういう工夫をされているか。
 それと2点目は、合格率が8割なんですけれども、これ8割が妥当かどうかいう、この試験の成果づけみたいなもんね。場合によったら、何とか検定というのは何級っていうのありますよね。漢字検定とか、そろばんでも何でもね、張り合いでレベルアップするための級の検討とか、そういうのはされているかどうか。
 最後に、ちょっと不思議に思ったんですけど、9枚目のスライドで、現在行っているが、今後は行いたくないというのが少しあるというのね、この理由はなんでしょうかというのを教えてください。
 以上です。

○武内部会長 横山委員お願いします。

○横山委員 大変私も興味深く伺いました。伺いたいのは、この検定の将来像というか、例えば5年後どういうふうになってるのか、検定者がどれぐらいふえて合格者がどんな活躍をしてるのかとか、その辺をどう描いているのかということです。
 それからもう1点は、これをやっていて何か気がかりなこととか、心配なこととかないのか、行け行けどんどんで進んでるだけではないような気がするんですが、その辺をお願いします。

○武内部会長 よろしいですか。それではお答えをいただければと思います。

○京都大学(浅利美鈴氏) たくさんの御意見と御質問ありがとうございます。
 まず、京都以外の地域でのリーダーの活用というか、活躍ができているのかということですね。ほかの自治体さんとの連携ということなんですが、皆さんにお配りしたリーフレットをコピーしたページがあると思うんですけれども、その表の下のほうに、「主催」というふうに書いて実行委員会の名前を書いておりまして、その次、「協力」ということで、「地域パートナーシップ団体」というのを書かせていただいております。それが各地域を支えていただいている団体さんで、各地域の、特に3Rですね、最近ですと低炭素もそうですが、を市民側から行政とも連携してされている団体に入っていただいているというふうに思っております。
 そちらのほうには、合格者の方々の情報も共有しまして、いろんな教育ですとかイベントですとか募集があったらそういう情報を流せていただいたり、もしくは、そちらのほうで何かをされるときには、合格者の方にも声をかけて交流していただくというようなことで、交流のほうが進んでおりますし、あと、関東であったり、東北等でも、リーダーの方々が各地域の審議会に立候補して委員として活躍したりとか、それを自治体の人たちと一緒に共同でシンポジウム開いたりとか、そういうようなことも伺っております。
 すべての情報が入ってきてるわけではないんですけれども、そういう意味では各地域のパートナーシップ団体の方に助けられてやらせていただいているという状況です。まだまだ京都のようになっていくには少し時間かかるのかなというふうには考えております。
 次、低炭素を加えたことによる影響といいますか、いいことがあったかという話なんですが、
 実際、私自身本当に3Rというか、ごみの研究のみをしてきたということもありまして、まず、ごみ研究者が低炭素を一生懸命勉強したというところが協調の第一歩になったと。人脈そのものも、やはりごみの世界にいてごみだけだったんですけども、その中からこういうことにつき合っていただける心あるといいますか、心と気持ちと体力のある研究者、若手の方々とのネットワークをつくっていくというのが去年の精いっぱいだったというのが、こちら側の成果です。
 ただ、受ける側にしてみますと、やはりそもそも合格者の方の声で、同じように低炭素を学びたいと、こういうレベルで低炭素を学びたいという声があって低炭素社会部門を設置したという部分もありますので、そういう意味では、やはりほとんどの方が3Rと低炭素、両方受けられました。ですので、皆さんが活動する場面では、3RやCO2やということを区別されていないんだなということを改めて感じました。
 やはり今後は、そういう両方の知識を持った方と一緒に、たくさんリンクする部分があると思いますので、こなしていくというか、3Rと低炭素をミックスしてこなしていくという作業を一緒にしていかないといけないなと思っているところですので、むしろ今後の課題が多いと思っております。ありがとうございます。
 それから市民の方の変化ということで、特に京都では、今回の3Rの推進フォーラムのほうも活躍していただいてます「京都市ごみ減量推進会議」という仕組みがございまして、京都の場合は、「元学区」という、もともと寺子屋から始まった学区単位というのがコミュニティーの単位なんですけれども、そのコミュニティーごとに「地域ごみ減量推進会議」というご近所の集まりという感じなんですが、それが立ち上がっております。そこにも検定の講習会を無料で開催したりですとか、検定助成を行っております。その中で、どちらかというと、そういう地域の活動というのは高齢者の方が多かったんですけれども、結構若い女性の方とか、もしくはお勤めがあるような方も入って、この受験をきっかけに逆に地域活動に参加するというようなことも見られまして、そういう意味ではちょっと新たな層がこういう地域活動にも加わっていただくというところにもなりましたし、そういう方が各種、市の募集事業とか、そういうのに積極的に自信を持って出されるというようなことも見られてきましたので、これはぜひ生かしていきたい部分だなというふうに思っているところです。
 次に、まず3Rといいますと、リデュース、リユースがないがしろにされてリサイクルという部分もあります。そこは検定としても2RというのをPRしてます。それとあわせて、やはり適正処理という部分は相当、ほかの検定であったり、ほかのごみとかに関するテキストですとか、一般的な啓発活動に比べますと力を入れているつもりでおります。特に、出題の中でも最終処分ですね、埋め立て処分場であったり、焼却処分、それから、そういうところでの有害物質に対する対応とか、そういうところも比較的丁寧に扱っていると思いますし、あと、検定の講習会もやっているんですけれども、その講師そのものも研究者みずからが行っておりますが、かなりテクニカルな話までして、講習会の後もいろんな質問を受けながらやっております。
 どうしても出てくるものに対して、やはり最終的にはそういうことはずっとし続けないといけないという認識は皆さんにお伝えできてるんではないかなと思いますし、その部分が大切だということも改めて伝えていかないといけないということを、きょうの質問も含めて心にしておきたいと思います。
 あと、合格点の妥当性ということで、今回はちょっと簡単な資料で8割の方ぐらいが合格されているというふうに申し上げましたが、実は、一応ランクをつけております。この名前が妥当かどうかはともかく、高得点で合格された方を「3Rリーダー」もしくは「低炭素社会リーダー」、そして、低得点といいますか、まあ8割ぐらいの人数以上となる点数ですね、大体60点とか65点以上の方を「リーダーのたまご」という名前にさせていただいておりまして、一応そういう形の少しランク分けをさせていただいております。
 高得点のほうは、今まで90点ぐらいですので、100問ある中で90問以上ということですので、かなりレベルが高い方々ですね。それにやっぱりチャレンジしようという方が結構おられまして、毎年受けてスキルアップしていこうというような方も見られています。やっぱりそれが一つのこの検定のクオリティーを支えている部分になっているなというふうには思っております。ちなみにうちの学生もなかなか受けてもリーダーになれなかったりして、ちょっとショックも受けているんですけれども、そういうようなものだと思っていただければ結構かと思います。
 その次が、現在リーダー活動を行っているけれども、今後行いたくないという方もおられたという部分なんですが、ちょっとそこの理由までは突きとめておりません。そういう方も若干おられましたので、ちょっといかなる理由があるのか、推測としては、こういう検定を受けてまたこき使われるのがかなわんと思わはったのかわかりませんけれども、そういう、やりたくない人に対しての調査というのも確かに重要だと思いますので、気をつけて聞いておくようにします。
 将来像という部分ですけれども、京都では一定、人数も含めて定着してきて、活用事例も出てきておりますが、やはりほかの各地域でもそれをモチベーションに回っていくということを、それぞれ地域の何か実行委員会のようなものが立ち上がって回っていくといいなということが、まず漠然として思うところですけれども、あとは、具体的にはやはり地域ごとにこれからごみ行政であったり、いろんなものが選択されていっていいんではないかと思います。そういうときに、より建設的かつオリジナリティーのある発言ができるような地域リーダーが、この検定から一人でも多く出ていっていただけたら非常にありがたいなと。そういう意味では、合格者の方々とのやりがいのあるやりとりをこれからしていけるように、続けていけるようにしたいなと思っているところです。
 最後に、気がかりなことという部分は、検定の中身そのものはブラッシュアップしないといけない部分があると、先ほどの低炭素と3Rの融合という部分もそうなんですけれども、一番は、やっぱり素人集団がやっておりますので、この検定事業そのものの維持といいますか、その部分に関してはかなりまだまだうまく効率化していかないといけないなと思っているところです。私たち自身が実行委員会を開いて、私たち自身が代表を含め、検定の会場で監督をしてという状況ですので、そういう手づくりから少し市民の方の参加も得て、うまく運営していくようにできたらなと思っているのが一番の課題です。
 ありがとうございます。

○武内部会長 どうもありがとうございました。
 それでは、引き続きまして、京都市、プラムロード、月桂冠株式会社の順に、それぞれ15分程度の御報告をお願いしたいと思います。
 それでは、京都市さんのほうからよろしくお願いいたします。

○京都市環境政策局(堀 寬明氏) それでは、京都市の循環型社会構築に向けた取り組みということで、御報告させていただきます。
 これは、過去100年の京都市のごみ量を示したものということで、ちょうど1960年ぐらいからごみがふえ始めて、ちょうど2000年に82万トンというピークを迎えました。それ以降ごみは減少してきておりまして、2010年度現在では49万7,000トンということで、5万トンを切ったということで、1970年レベルぐらいまでごみ量が減っているという状況でございます。
 これ2010年度のごみ量の内訳ですが、家庭ごみ24万1,000トン、事業ごみ25万6,000トン、ちょうど5割5割程度の発生状況というふうになっています。
 それから、これは京都市の1960年、ちょうどごみがふえ始めたときのごみ質と、それから2000年のごみ質を見たものでございます。1960年当時、土砂・陶磁器・灰というのが約4割を占めていたと。それから生ごみ・紙が2割と、それからクッション材等で木竹・わら等が8%ほど出ていたという状況でございました。それが2000年になりますと、非常にぜいたくな生活をしてきたということで、生ごみ・紙というのは非常にふえまして、プラスチックも80倍にふえたという状況でございます。この間、人口はさほどふえていませんが、世帯数は倍になったということで核家族化が進行してきた。その他、年間ごみ量1人当たりのごみ量についても5倍、4倍にふえてきています。
 こういった背景を受けて、ちょうど2000年に国の循環基本法が制定されたということを受けて、京都市循環型社会推進基本計画、2003年12月に策定しております。この計画では、法の趣旨に沿って、天然資源の消費抑制、環境負荷の低減を図る循環型社会を目指すということにしております。
 そのころ相前後して、これはISO14001の京都版会員版ということで、費用も安くて市民・事業者が取り組みやすい環境マネジメントシステムとして、KESというのを創設して、現在、全国の3,700事業者余りに普及していると。これは2002年に竣工した京エコロジーセンターということで、これは環境教育情報発信の拠点として、市民、NPOに利用されているというところでございます。
 それから2006年10月に家庭ごみの有料指定袋制を導入しました。その効果としまして、環境意識の向上、それからごみ減量、リサイクルの促進、費用負担の公平化、手数料収入、これ約10億円ほどあるわけですが、それを市民のごみ減量リサイクル活動の支援に充てているということで相乗効果が得られています。それから袋の統一化による効果ということで、収集時の安全性確保、事業ごみの混入防止、都市の美観の向上が図られたというふうに評価しています。
 これは有料化前後のごみ量ですが、まず燃やすごみについては、有料化の前1年と比べますと、有料化後2年目には23%減少しています。さらに燃やすごみと資源ごみを足したもので見てみますと約2割減ったということで、有料化は非常に2Rの効果があったということがわかります。
 これは有料化前後でアンケートをとった結果ですが、ごみ問題、リサイクルの問題に関心があるかということで、非常に関心のある方、有料化前と比べると3倍ぐらいふえている。また、買い物袋を持参しレジ袋はもらわない、いつも実行しているという方がやはり3倍ほどふえたということで、有料化は2Rの仕組みに非常に効果があったというふうに評価しています。
 先ほども話が出ましたが、京都市では京都市ごみ減量推進会議というのを1996年11月に設立して、この団体は高月先生を会長として、会員数、今418ということで、市民・事業者・行政がパートナーシップで自主的にごみ減量に取り組んでいこうという団体です。
 その一つの取り組みですが、リペア・リメイク情報の発信ということで、京のお直し屋さん紹介サイト「もっぺん」というサイトを立ち上げまして、洋服や着物等の修理やリメイクに取り組む店を紹介するサイト、これは月間約1万ページほどアクセスのほうがありまして、やはり載せたお店への問い合わせとか、あるいは修理とかリメイクされる方もふえてきているということで、非常に効果があったと評価しています。
 それからエコ商店街事業ということで、スタンプを集めてレジ袋を辞退すると、商店街というのはなかなか最近、衰退ぎみなんですが、裸売りとか、はかり売りとか、そういう商店街だからできる、そういう取り組みを生かして商店街の活性化も図っていくと、そういう取り組みも進めています。
 これは1997年、ちょうどCOP3が開催された年から開催されたというバイオディーゼル燃料化事業ですが、家庭から出た油を回収してバイオディーゼル燃料にして車で利用するということで、1997年当時、7学区13拠点しかなかったものが、2010年には全学区1,577拠点までふえていっております。この回収した油を京都市の廃食用油燃料化施設でバイオディーゼル燃料にするということで、これが廃食油で、これができたバイオディーゼル燃料ということでございます。
 このバイオディーゼル燃料で市バス93台、B20で走行しています。それからごみ収集車150台については、100%のバイオディーゼル燃料で走行していると。年間この取り組みによって約4,000トンのCO2の削減が図られているということでございます。
 この取り組みについては、地域の地産地消の取り組みということと、やはり低炭素・循環型社会の構築に効果があると。そのことに加えて、やはりコミュニティーの活性化ということで、市民の方が油を持ち寄ることによって、地域で会話が弾むということで、コミュニティーを活性化させることにも非常につながっていると、そういうところで非常に大きい意義があるというふうに評価しています。
 これは、今2007年度に測定した家庭からの生ごみの細組成ということで、これを見てみますと、調理くずが56%、食べ残しが非常にもったいないことに4割あると。そのうちの手つかずで排出された食品についても2割あるということで、非常にまだまだぜいたくな暮らしをしているということがわかります。
 これが、手つかずの食品を並べたものですが、1989年と2006年を比較しています。ちょうどこの1989年というのはバブルの崩壊直前ということで、非常にお米とかステーキ肉とか卵パックが丸ごと出てると、こういう状況がありました。2006年になりますと少し質素になったかもわかりませんが、こういうラップとかトレーとかで包まれた食品類、こういったものが非常にたくさん出てくるということが目につくようになっています。
 手つかずでしたけれども、賞味期限と排出日のずれというのを見てみますと、まだ賞味期限前が2割もあると。それと賞味期限というのは、食べられる期限ということではありませんので、例えば切れて1週間以内で見ますと、30%近くある。合わせると、まだ5割は食べられるのに捨てていると、そういう実態が浮かび上がってきています。
 京都市ではこういう生ごみの対策として、将来的にクリーンセンターにはバイオガスプラントをつくっていくということと並行しながら、近郊部では、生ごみをきちっと分けて堆肥化してそれを農地に利用して食材として利用すると、そういう地域の循環と。それから資源を徹底して分ける資源デポ、これ併用することによって燃やすごみをゼロにしていこうと、そういう取り組みを今拡大しつつあります。
 それから都市部では、取り組みやすい落ち葉の堆肥化、こういったところにも支援していまして、昨年度39カ所でその取り組みがスタートしています。
 2010年3月に京都市循環型社会推進基本計画の2次計画を策定いたしました。これ昨年3月です。ここでは、ごみ半減を目指していこうということで、2000年、これがピークのときのごみ量であったわけですが、それを2020年には半分以下にしていこうと、実際にはもう450、477グラムというところまできていますので、ただ、これからは非常に2Rを進めない限りなかなか現実的には難しいんではないかなと評価しています。
 その中では、基本方針3つと、それから9つの基本施策41の推進項目を掲げています。また、5つの重点施策ということで、包装材の削減、それから事業ごみの減量、それからイベント等のエコ化、多様な資源ごみの回収の仕組みづくり、それからバイオマスの利活用というのを挙げています。
 先ほども話ありましたエコまちステーション、これは2010年4月に開設しています。これは各区役所に四、五人のメンバーで、ごみの相談窓口を設置しているということで、現在14カ所、エコまちステーションというのがございます。その中で相談、それから資源ごみの拠点拡大、それから地域ごみ燃料推進会議の支援、それから環境施設を回るエコバスツアーの実施とかイベント等での普及・啓発、こういうのを行っていると。また、まち美化の住民協定とか、温暖化対策についても一定の窓口を務めているというところでございます。
 あわせて、資源の回収も実施しているというところですが、相談件数、平成22年度で5万3,604件ということで、非常に多くの市民の方がごみを減らすということに関心を持たれているということがわかります。今年度もこれを上回る勢いで伸びてきているということで、市民の方にはこのエコまちステーションというのは、非常に評価が高いというふうに解釈しています。
 事業ごみの減量対策ですが、2010年の6月に事業ごみの透明袋制の導入を行いました。今までは黒い袋でも青い袋でもよかった。それを透明の袋で出すと。それからマンションについても分別の義務化がなかったので、分別の義務化と透明袋制の導入を図りました。
 また、減量計画書の提出の対象範囲の拡大ということで、大規模事業所、これは出店前でも減量計画書を出していただく。それから特定食品関連事業者、チェーン店で大量に出すところにとっては、それを一つとして減量計画書を提出していただくと。それから、受け入れる部分では、告示産廃ということで、これまでは中小企業対策として建設木くずとか、それから石こうボードの受け入れをしていたんですが、2009年10月からは受け入れを禁止、それからクリーンセンター搬入チェックの強化ということで、透明袋制がきちっと守られているかどうかというチェックも行っています。
 それから、これはイベントのグリーン化ということで、昨年10月にエコイベント要綱というのを策定しました。京都では、地蔵盆から祇園祭りまで約1万件以上のイベントが行われるということで、5つのポイントということで、ごみの発生抑制、リサイクルの推進、省エネ省資源の推進、グリーン購入の推進、交通手段における環境への配慮、参加者の環境意識の醸成ということで、ここに書かれているような支援を通じて、イベントのエコ化を図っていこうという取り組みです。
 それから、ことしの8月からは京都エコマネーの取り組みということで、マイボトルを持ってコーヒーショップ等にコーヒーを買いにいくと、そうするとスタンプ1個押してもらえると。10個たまると500円分の京野菜、あるいは市バスとか地下鉄に乗れるカードと交換できるということで、現在、市内の87店舗でこういう取り組みをスタートしたということです。
 それから、これは小型家電のレアメタルリサイクル事業ということで、2009年11月から環境省、経産省のモデル事業ということで、回収から収集、それから解体、選別、整理に至るまで、これは少し広域のリサイクルということになりますが、取り組みをスタートしたということでございます。現在15品目を対象にしているわけですが、7,600個ほど、上位機種としては携帯電話、音楽プレーヤー、ゲーム機カセット、こういった順になっています。
 こういった小型家電のリサイクルを含めて、京都市ではさまざまな形で分別収集、コミュニティー回収、それから拠点回収というような形で、こういった品目を回収していると。ことしの6月から小型二次電池、ボタン電池、使い捨てライター、それから水銀、それからインクカートリッジとか、それから記憶媒体もですね、今までの資源性という観点からやはり有害危険性という視点も入れながら、やはり資源の回収を実施していく必要があるであろうと、そういう視点も入れつつ、多様な市民のリサイクル機会を拡大していくということとしております。
 最後に、バイオマス基本法、バイオマスの基本計画、昨年の12月に策定されましたが、それを受けてことしの3月に京都市バイオマス活用推進計画、つまり地域計画を策定しています。その中では、目指す未来像として、環境負荷が少ない持続的社会、農林業の振興を初めとする地域の活性化、バイオマス活用を軸にした新しいライフスタイルの定着ということで、こういう3つの未来像、それから数値目標としては現行の利用率39%を55%まで持っていこう。それから重点バイオマスとして、やはり「木の文化を大切にするまち・京都」として、木を徹底的に活用する。それから生ごみ、それから廃食用油、紙ごみ、それを重点バイオマスとして取り組んでいこうということで、将来的には太陽光とか水力とかも含めて、中長期的には再生可能エネルギーを基盤としたそういう社会というのを目指していきたいということで、多様な地域循環への取り組みをしていると。
 ちょっと走りましたが、以上で報告を終らせていただきます。

○武内部会長 どうもありがとうございました。
 それでは、引き続きまして、プラムロードさんのほうに御報告をお願いしたいと思います。

○プラムロード(中村吉江氏) こんにちは。3Rエコおばちゃんプロジェクトということで、私たちは本当に先ほどお話しされた京都大学の先生、京都市の方、それから月桂冠の方という、そんな大それたものではないのですが、本当に町で実行しているサークルです。
 京都市内で小さな小さな学区、梅逕学区といいます。梅逕学区は、梅小路公園の横のほうにあるのですけど、世帯数が220ぐらいだと思うのです。人口も400から500の非常に小さい地域です。ちょうど梅小路小学校校下にあります。
 この安心・安全ネットワークごみ減量推進会議というのが母体になって、防犯推進、消防分団、少年補導という団体でつくりました安心・安全ネットワークが基本になってます。その中で3年前から女性だけでプラムロードというサークルをつくっています。
 安心・安全ネットワークをつくったのは、2007年に、奈良で女児が誘拐されて殺害された事件から、見守り活動をしようというので始まりました。家庭の台所から湧き出たおばちゃんパワーをおばちゃんの知恵袋でということで、私たちも3Rって何ということを勉強し始めて、地域の子供たちや若いお父さん・お母さんにも教えることができるように、少しなりました。
 「リサイクル」初めは100人のおばちゃん村では、初め95人が知っていた言葉でした。コミュニティー回収を始め、新聞・紙製品などを集めるようになり、月1回実行しております。最近徐々にそのカーブが上がってきて、回収率は高くなってきています。おばちゃんパワーのネットワークということで、口コミ情報が一番かということで、井戸端会議の議題にのるようにしております。雑紙の回収についても口コミ情報で、あとは「こんにちは。お元気ですか?訪問」ということで、消防分団を軸として回収するのに回っております。それで、梅逕畑でできた収穫をお届けすることもあります。こんなふうに活動しています。ここ3年がたちまして、今地域の全員が「リサイクル」という言葉はきちんとわかったようです。あと、雑紙回収とかでは、子供たちが各家庭でお手伝いできるようになりました。京都学生祭典地域連携部の若い力にも手伝っていただいております。
 「リユース」、100人のおばちゃん村では、初めは45人が知っていた言葉です。リユース食器、ゆるいカーブを描きながら確実に上昇しておりますが、なぜリユース食器なのか、おばちゃんパワーネットワークはこんな言葉に負けません。「洗うのが面倒」、「使い捨てのほうが便利」、なかなか使うというところまでいかない団体が多いので、何とか洗うのが面倒というところを消したいなと思うんですが、リユースということで、100人のおばちゃん村では3年がたった今、75人が知っている言葉です。
 エコサマーフェスタの模擬店、夏まつりです。小学校の梅小路祭り、伝承遊び、あと国際交流会館のオープンデーの日本語カフェ、もちつき大会、学区消防総合訓練炊き出しなどで使っていただいていますが、リユース食器はまだまだ賛否両論です。先日も2011年10月23日、梅小路小学校で梅小路まつりがあり、皆さんにカレーの食器を使っていただきました。導入に当たっても賛否両論で始まったので、どうなるかなと思っていたのですが、結果、たくさん使ってはいただいたのですけど、洗浄するのに大変やという声がちょっと聞かれたので、今後、対策していかなあかんなと思っています。でも、へらを使って、さきにカレーをとって、それから洗浄するということで、洗剤使ってやったのですが、ここまでは何とかいけたのですが、人手もちょっと不足している点と、それとお湯が出なかったというので、あと熱湯消毒のほうでは当スタッフのほうでやることにしました。なかなかいいのだけれども紙皿のほうがいいという意見も半分ぐらいあったそうなので、来年もぜひ使ってもらうように、ただ、ごみ減量が進んだのと、子供たちにエコ意識が高まったということは聞いております。
 このリユース食器については、京都市ごみ減量推進会議の市民公募型パートナーシップのほうから助成金をいただいて、購入させてもらっています。
 では、リデュースについてです。100人のおばちゃん村では、最近55人が知っている言葉です。ごみ減量最前線は台所にありとおばちゃんたちは思っています。下京区のエコまちステーションとも連携して活動しております。ごみ減量のキーポイントは、子供たちの「なぜ?」を考えようということで、子供たちと環境体験学習を開始することにしました。名前は「エコ・シューレ」昨年から実施しております。そして、2011年春には、「みみずのカーロ」という本をみんなで購入して読みました。これはシェーファー先生の自然学校からたくさんのことを学んで、生活で不要な物がごみなのではなく、土に返らない物がごみであるということを、読んだ子供たちは学びました。
 小学校の教室のごみ箱を考えるというプロジェクトがあって、小学校で定着したいなと思っているのですけれども、授業中の環境教育で学んだ分別が、中間休みにクラスに帰ってみると、ごみ箱は1種類しかなくて、そこにはまだ使える紙やプラスチックが混在しているという状況です。何とかしたいなと思うので、小学校と連携を図りたいと思っていますが、少しやりやすい点では、近くの私立の幼稚園に声かけましたところ協力すると言っていただいたので、幼稚園向けの環境教育をつくらないといけないなと思っています。
 学校と地域のつながりということで、地域との絆の中で環境教育をということで、子供たちが学ぶもの、子供から大人へ、小学校から家庭へ、地域へ、という形で、子供たちから学んでいける、子供たちが大人に教えるという形ができたらいいなと思っています。
 エコ・シューレでともに学ぶ、私たちは今、私たちにできることをしようと思っています。6月ジャガイモ収穫、7月畑の観察ということで、きゅうり、トマト、トウガラシなど、8月は夏休み工作と地域清掃活動をします。9月冬野菜の準備、10月冬野菜のたくましさの秘密について勉強します。11月サツマイモ収穫、焼きイモ体験、サツマイモの茎クッキング、それと12月地域清掃、落ち葉の力、干しガキの甘さの秘密、1月エコスタディーで環境問題の取り組みを見てみよう、2月プラムロードのみみずの1年について、そして3月エコバスツアー、最近、京都大学大学院地球環境学を修了した人達が引っ越してきたので助かっています。
 これはちょうど、元梅逕中学の体育館の裏に、今サツマイモがいっぱいです。去年の第1回エコ・シューレで、梅逕畑のサツマイモの収穫です。ことしは11月を予定しています。下京中学の子供たちがグラウンドを使っていて、その子供たちとも焼きイモを一緒に食べました。茎については、お母さんたちが持って帰って、茎をクッキングして食べたそうです。子供たちも大喜びで、ことしもたくさんの収穫が予想されております。来月の23日の予定です。
 これは去年の第2回で、つるしガキをつくりました。今まででしたら、本当にごみになっていた渋ガキが、宝物のような変身を遂げて、年末にはもちろん子供たちも食べますが、コミュニティー回収に協力いただいているお年寄りのお宅にも配らせていただきます。今年は、明日つくる予定です。
 これは運動場の北側にあります、野球の練習の邪魔にならないように隅のほうで畑をさせていただいています。手前にあるのがコンポストです。まだこれは、これから植えようというところで、こんな様子のところが次の写真では、これはジャガイモ掘りの様子です。子供たちはもちろんのこと、若いお母さんたちも子供のようにはしゃいで一生懸命ジャガイモをとってられました。
 これは12月の第3回のエコ・シューレで、清掃活動を始める前に大根をみんなで収穫して、その大根をなべにしている間に、地域の清掃活動をして、その後はクラブ活動をしていた野球部の子供たちとも一緒に大きななべを囲みました。野球部の子供たちのおかげで空っぽになりました。
 エコまちステーションの出張レッスンがありました。2人いらっしゃるのが、下京エコまちステーションのスタッフの方です。子供たちも一生懸命聞いてくれたし、京都学生祭典の学生たちも参加しています。
 下のほうは、夏休みの工作教室の様子で、地域の83歳のおじいちゃんがミニチュアをつくるのが上手で、それを教えてもらっています。廃材を使ってする工作等もやっています。
 これは第4回のエコ・シューレの様子で、「みみずのカーロ」について語り合い、あとは断熱グッズについて勉強会をしました。このときに子供たちの中からも、ごみ箱が1つで、そこには混在していると、家は分けているのに学校は分けてないという事実がぽつぽつと出てきたので何とかしようということになっています。
 これは使っている教材なのですが、手づくりでみんなで考えてつくりました。子供たちに『旬』を教えるための教材です。なかなか学生たちも答えられなかったです。
 第5回エコ・シューレは、「地球の食卓から」という本を題材に、これも京都大学の地球環境学修士の大学院生がアドバイザーになって教えてくれています。少しこの中の様子を写真で紹介したいと思いますが、子供たちはこの写真を見ていろいろな意見を言います。まず最初、これはアフリカです。ちょっと見ていただいといたら次のところに変わるとだんだん。これは南アメリカです。パック等は全然使ってないし、卵も卵パックには入ってないです。それを子供たちは気がつきます。これはドイツです。ドイツは非常に瓶が多いのを子供たちは気がつきました。これはアメリカです。いろんな、すごくごみになるものがたくさんあるというのがわかって、その次は日本です。「反省する点がたくさんあるな」と言う子供たちもいました。
 こんなふうにいろんな写真を使って勉強会を開いています。
 第6回の3月のエコ・シューレは、梅逕畑の春に向かって、ジャガイモの種イモを植えて、ネギの収穫をして、菜の花を楽しみました。
 これは伏見区のたけのこ山にたけのこのNPOがいらっしゃって、呼んでいただいて、行かせていただいたのですが、あいにくの雨でしたが、タケノコがこうやってできるというのを子供たちも学んだし、若いお母さんたちも知らない人もいたし、次はこんなことがしたいなというのも出てきました。
 これは夏休みに収穫した野菜を、朝ごはん会をしようと言ったら、40人ぐらいの子供と大人が集まって、みんなでゴーヤやキュウリや、本当にささいなものだったんですけど、みんなで楽しく朝御飯を食べました。その中ではエコの話、それで使っているのはリユース食器です。持っている種類全部を出していると思います。ちょうどさっきのミニチュアをつくるおじいさんが話をしていましたが・・・。
 持続可能なコミュニティーの構築ということで、100人のおばちゃん村では、75人が気にしている、100人のおばちゃん村では二本柱で、ただいま上昇中の関心事があります。これは防災と減災、環境とごみ減、それで3Rエコおばちゃんプロジェクトでは、もう済みましたが、6月30日にネットワークの会議でいろいろまた勉強しました。消防署の方の協力を得たり、エコまちステーションの方々の協力、そして最後は防犯ということで、警察署の方に来ていただいてお話も聴きましたが、警察の方もエコについて興味を示してくださいました。
 エコサマーフェスタ2011ということで、今年も夏まつりをしましたが、一番私たちの自慢は、『45リットルの一番大きな黄色のごみ袋2袋』だけがごみなので、あとは全部回収等できたし、生ごみは畑のほうに埋めました。これも地域連携テーマの京都学生祭典のすごいおかげで(夏まつり)やっています。
 こんなふうにしている私たちの活動です。ありがとうございました。

○武内部会長 どうもありがとうございました。
 それでは、引き続きまして、月桂冠株式会社に御報告をお願いしたいと思います。

○月桂冠株式会社(浪瀬政宏氏) 月桂冠の浪瀬でございます。
 それでは、弊社の環境への取り組みについて紹介させていただきます。よろしくお願いします。
 まず簡単に私どもの会社の紹介からさせていただきます。私どもは、1637年寛永14年の創業で、本年で創業374年になります。事業のメインは清酒の製造・販売ですが、ほかにもプラムワイン、本格焼酎、奈良漬の製造・販売、ビール、ワインの輸入販売、基礎化粧品の販売を行っています。
 2007年にKES環境マネジメントシステムステップ2の認証を取得し、翌年2008年、ISO14001の認証を取得しました。弊社の本社、製造工場、物流センターの所在地は、少し場所は離れていますが、京都市伏見区に集中しています。製造工場としては、大手蔵と昭和蔵の2カ所がございます。社長を最高責任者として、計4つのサイトでISO14001の活動に取り組んでいます。
 弊社の主要製品である清酒の製造工程について、簡単に説明します。お酒づくりは、原料の米を精米する工程から始まります。通常私たちが食用にしているお米の精米歩合は92%なんですけども、清酒で使用するお米は75%から、吟醸酒で35%にまで磨いたお米を使用します。副産物として年間およそ1,400トンの米ぬか、米粉が発生します。この米ぬか、米粉は、米油や菓子類の原材料として再利用されています。
 こうじ菌という微生物の働きで蒸したお米を糖化し、それを酵母によってアルコールに変えていきます。発酵が完了したもろみは、圧搾という工程で酒かすと原酒に分けられます。酒かすはおよそ年間で1,800トン発生しています。酒づくりには大量の水も使用します。白米1トン当たり20から40トンの水を使用します。そのうち、精米したお米の洗米水や、設備の洗浄水が排水となるわけですが、工場全体の年間の排水量は、およそ40万キロリットルになります。BODやSSの排水基準を満たさない水は、活性汚泥による処理設備に送って排水します。排水処理設備からは余剰の汚泥が廃棄物として、年間およそ300トン発生します。ほかにもガラス、プラスチックなど廃資材が製品化するまでに工場で廃棄物として排出されます。製品出荷後、製品に使用している梱包材、容器包装が卸・流通・消費者に渡ってから廃棄物となることになります。
 私どもは廃棄物量の削減と再資源化を行動指針の一つに掲げています。副産物及び廃棄物の総排出量は2010年度で年間およそ4,700トン、年々減少し、2010年度は2007年度比で80%にまで減少しています。製品生産数量当たりの原単位で見ても、75.3%まで減少してますので、順調にリディースは進んでいます。
 一方、非再資源化廃棄物の総量ですが、2007年度以降、頭打ちになっている状況です。副産物、廃棄物の内訳ですが、酒かす、米ぬかを含む動植物性残渣が圧倒的に多く、ガラス、紙くず、排水汚泥と続いています。非再資源化ごみの内訳は、一般廃棄物がほとんどを占め、塩ビ系の廃プラ、そして硬質ガラス類です。データは示していませんが、事業系の一般廃棄物を除く値で見ると、総排出量は2000年度比で、およそ44%削減、非再資源化廃棄物の排出量については、2000年度は450トンあったのですけが、2010年度では15トンと、97%削減できています。昭和蔵、大手蔵の産業廃棄物の再資源化率は99%以上を達成しており、エコ京都21の循環型社会形成部門でアドバンス事業所の認定を2008年度にいただいています。
 製造工程で発生する排水は、有機物を多く含み、そのままでは放流できないため、排水処理設備に集め、微生物によって有機物を減らす活性汚泥処理法で浄化して排出しています。ここで出る汚泥状の残渣、有機物の消化でふえた微生物の塊が年間およそ300トンになります。以前はごみ処理場で焼却して埋め立てられていましたが、1998年からJA京都中央に搬入し、堆肥として全量再資源化されるようになりました。排水汚泥は脱水処理をし、JA京都中央へ搬入、ほかの食品工場から出る残渣や、街路樹の剪定枝とともに、約1カ月ほど発酵させ、さらに2から4カ月養生し、製品化されます。「JA活緑」として野菜栽培や樹木の育成肥料として販売されています。
 次に、私どもとJA東びわこ様との取り組みについて紹介します。こだわりの米づくり、酒づくりをしたいというお互いの思いが重なり、「米から酒へ、酒から米へ」をコンセプトに、循環型の農業と酒づくりに1996年から取り組んでいます。
 酒かすには、米由来のでん粉のほかに、こうじや酵母由来のたんぱく質や繊維質などの有機物を多く含み、特にたんぱく質の窒素成分が栄養素として稲の生育に有効です。取り組みの当初は、均一にまくことができなかったり、このように風で飛び散ったり失敗を重ねましたが、粒状化することで克服しました。酒かす肥料で収穫したお米の一等米比率は高く、すぐれた品質のお米が収穫できることが実証されました。
 1999年から酒かす肥料で栽培されたお米を100%使用した純米酒を商品化し、2004年からは「厳選素材純米酒」の商品名で販売いたしています。この酒かす肥料を使った米づくりに取り組むJA東びわこ稲枝酒粕米部会は、食品産業関係者農業団体等が一体となって取り組んでいる環境保全型農業の将来モデルとして評価され、全国環境保全型農業推進コンクールで大賞に当たる農林水産大臣賞を2008年に受賞されました。
 次に、容器包装の使用状況についてですが、段ボールとリサイクル識別マークで分類できない資材を除いた値になりますが、2007年度からの経過を見ると、総重量は84.3%にまで減少しています。製品生産数量当たりの原単位でも容器包装の総重量は87.8%になっていますので、製品の軽量化が進んでいます。この容器包装のリデュースの理由は、一升瓶の使用比率が年々減少しているためで、リターナル瓶は2007年度比で72.3%まで減少しています。したがって、リユース率として見ると悪いわけで、私どもとしては、このリターナル瓶の減少傾向に歯どめをかけたいところですが、一升瓶の重さはおよそ950グラム、一方、同じ容量で1.8リットルの紙容器になるとおよそ70グラムと10倍以上の重量差があって、なかなかこの一升瓶の減少をとめることは容易ではないのが現状です。
 リターナル瓶構成比の減少とは別の形で何とか容器包装の軽量化を図りたいところです。お客様の環境への関心の高まりも受け、環境配慮型瓶の必要性を痛感していたことから、軽量化瓶であるエコカップの開発を2007年に着手しました。ガラス瓶には強度に弱いポイントがあります。その部分を従来瓶よりも強化することで強度を維持し、ほかの部分のガラス肉厚を極限までカットすることで軽量化を実現しました。落下試験などやいろいろな試験で強度試験を徹底的に行って、約2年間の期間を経て2010年9月に製品化しました。このエコカップは、従来容器重量に比べて、1本当たり26グラム、約17%軽量化しています。資材削減部分の一部は、中身のお酒を10ミリリットル増量して、お客様に還元し、「エコロジー」(環境への配慮)と、「エコノミー」(経済性)の、ダブルエコをコンセプトにした商品です。
 この軽量化によって、年間およそ520トンのガラス資材の削減が見込まれ、容器生産時におけるCO2排出量としては、年間約260トンの削減が見込まれています。これは2,000CCの自動車で地球28周分を走行したCO2量に相当するとのことです。エコカップは、「第50回ジャパン・パッケージング・コンペティション」で、最高賞である「経済産業大臣賞」を受賞いたしました。
 次に、バイオエタノールの開発について紹介します。トウモロコシやサトウキビといった食料穀物からのバイオエタノール生産は、食料の価格の高騰といった新たな社会問題を引き起こしています。弊社、総合研究所では、酒づくりの技術と微生物の働きを応用して、もみ殻や稲わらなどの食用とはならないバイオマスからのエタノール燃料を生産する技術開発を進めています。酵母は、糖をアルコールに変えることができますが、糖が重合したセルロースをアルコールには変えることはできません。セルロース系バイオマスからアルコールをつくり出すには、まず糖に変えなければなりません。この糖化に大量のエネルギーを消費しては本末転倒です。いかに効率よくできるかが技術的な大きな課題です。弊社では清酒醸造に用いる清酒酵母の細胞表層にセルロースを分解する酵素を定着させたスーパー酵母を開発しました。さらに新たな試みとしては、清酒醸造に用いるもう一つの微生物であるこうじ菌にセルロース系バイオマスを分解する酵素を大量につくらせるスーパーこうじ菌の育種についても検討を行っているところです。全工程を微生物に担わせることができれば、大量のエネルギーを要しないクリーンでコンパクトな装置が製造できるため、地域分散型の燃料生産が可能になると考えられます。実用化にはさまざまな技術の統合が必要になりますので、神戸大学を初めとして、さまざまな機関との共同で取り組んでいます。日本の酒づくりの中で培われた微生物や技術が、地球環境問題解決の一助になればと考えています。
 次に、地域と連携した環境活動ということで、各事業所周辺の清掃活動や、京都市まちの美化推進事業団清掃活動に参加しています。また、京都商工会議所の「小学校への環境学習事業」の一環として、地元の小学校への出前授業も行っています。当社の特徴を生かし、「食べ物をおいしくする発酵が地球を救う」というテーマで授業を進めています。小学生にとっては、なじみのない発酵についての学習から、日ごろよく耳にして関心の高い環境へとつなげていく内容で、身近な食品が発酵によってつくられること、発酵が微生物の働きであること、エネルギーを発酵でつくるバイオエタノールの紹介をしています。卒業クイズの正解者には、このような発酵博士認定バッジというのを差し上げています。昨年度は2校で実施、2007年から始めて延べ8校、484名の生徒さんが授業を受けています。
 月桂冠の環境方針としましては、持続可能な社会の実現に貢献すべく、あらゆる事業活動において環境保全への取り組みを継続的に推進することを基本理念として、省エネ、省資源化、酒づくりに大切な水の使用量削減と汚濁防止、CO2排出量削減、資源の有効利用、廃棄物削減と再資源化、環境配慮型商品開発、環境保全のための社会貢献活動を重点活動項目として、目標設定と定期的な見直しを行い、環境マネジメントシステムを推進しています。
 最後になりますが、酒づくりは、米文化との関係で考えることが大切です。水田面積が減少し里山の風景が変われば、そこに住む生物の生態系も変化します。私どもの本業である日本酒という伝統産業を維持し、振興させることは、間接的ですけども、美しい日本の自然を守っていくための一翼を担っているとも言えます。産業活動が与える環境影響に常に着目しながら、今後も環境保全のための取り組みを続けていきたいと考えています。
 以上で発表を終わります。御清聴ありがとうございました

○武内部会長 どうもありがとうございました。
 それでは、ただいまのお三方の御報告に対しまして、質問をお受けしたいと思います。浅野委員お願いします。

○浅野委員 京都市の堀さんに1つお尋ねをしたい。それから月桂冠の浪瀬さんにも御質問を申し上げたいと思います。
 まず、京都市へです。京都はいつ来ても観光客があふれかえっているように感じますが、京都市の3Rの施策を進める上で、観光客が多いということについて、何か特に考えておられることがあるのでしょうか。先ほどのようないろんなメニューが京都市にあるということが知られるということは、全国に対しての3R推進の発信という意味でも、大きな貢献ができると思うんですが、どうでしょうかというのが御質問です。
 それから浪瀬さんに対しては、我々、リターナル瓶が使われてないということについて、かなり危機感を感じていて、これをもっと使わなきゃいけないということを今まで言ってきたわけです。そのために場合によっては、チャージのようなことも考えることが将来的に必要ではないかぐらいの議論まで始めてるんですけども、先ほどのお話を伺っていますと、どうもやっぱりなかなか現実には重量の問題が大変で、むしろワンウエイ壜の軽量化によって問題を解決しようと考えておられるようにも感じました。我々の考えているリターナブル瓶をもっと使うという政策方針について、どうお考えか、率直な御意見をお聞かせください。

○武内部会長 上野委員、お願いします。

○上野委員 京都の堀さんにお尋ねをしたいと思います。いろいろな取り組み本当にありがとうございました。小型家電の回収に取り組まれているということでありますけれども、この回収方法ですけども、先ほど拠点回収とコミュニティー回収を行っているということでありますけれども、この方法はボックス回収でされておられるのか、その方法はどのようにされているのかというのが1つであります。
 それから、先ほど恐らく出たと思うんですけれども、年間の回収の量はどのぐらいあるのかなというのが2点目であります。
 それから3点目は、この小型家電を回収したときの処理、恐らく業者さんに売られてるんではないかなと思いますけれども、その売却をしているとしたら、その収入額はどのぐらいあって、この小型家電の回収にかかわる収支のバランスというのがもしわかっておられましたら、教えていただきたいということと、最後は、今後の課題、恐らく他の自治体も取り組むことになると思いますけれども、今後の課題はどのようなものがあるのかなということを教えていただければというふうに思っております。
 以上です。

○武内部会長 酒井委員。

○酒井委員 プラムロードの御紹介に関してお聞きします。小学校、幼稚園のごみ分別が全然できてないということなんですけれども、これはその地域、小学校以外でも同じ状況なのかどうかというのをちょっと御紹介いただけませんか。
 堀さんのほうも、京都市全体の学校の分別、あるいはごみ対策という意味で、どのように把握されているか、ちょっと御紹介ください。
 それと、最後のほうで、世界の食卓からの写真を見てということを、いい議論されてると思うんですけども、そこから出てきてる意見で、何か次の一手というような活動のヒントが生まれかけてるかどうか、もしあれば御紹介ください。

○武内部会長 崎田委員。

○崎田委員 ありがとうございます。それぞれに1つずつ伺いたいんですけれども、まず京都市さん、京都市は本当に熱心な市民と、意欲の高い市の職員の皆さんで、ごみ減量に熱心に取り組んでらっしゃると常々思っておりますけれども、私はそろそろこういうこのくらいの都市でも、ゼロミッションというか、ごみゼロの地域づくりというのを考えなければいけないときがきてると思うんですけれども、今2020年にまだ320グラムとか、430グラムとかですね、目標値ですが、ごみゼロに向けて、例えば2030年、2040年、どういうような、今将来展望をお持ちかというのを語っていただくと大変うれしいなというふうに思っております。
 その次に、3Rエコおばちゃんの活動、私は熱心な市民だけが集まってやるというよりは、皆さんのように学区とか子供たちの学校とか、地域のつながりで活動されるというのは、行動に定着するすばらしいきっかけだと思って、こういう動きが全国に広がっていくといいなと心から思っています。それで伺いたいんですけれども、どういう人たちが出会えばこういう活動に広がるんだろうかということを全国に伝えていただきたいんですが、そのために例えばキーマン5人がいればどのくらいのどういうタイプの人が集まっているのか、キーマンがもし10人いらっしゃるんだったらその方たちがどういう人なのかというのを、余り多いと大変ですので、行政の方、地域の方、いろんな方がいらっしゃると思います。それを教えていただければと思います。
 それと月桂冠さん、本当にみずからの取り組み、広げてらっしゃって、最初の浅野先生の質問と似てるんですが、リターナル瓶の減少に関して、例えばいろいろなこういう業者さんが多い地域では、会社が連携をして、リターナル瓶を使って、箱と一緒に外に出すとか、いろんなチャレンジもありますけれども、皆さんにとってやっぱりそういうような仕掛けとか、そんなことでの打開策は考えておられないのかどうか、その辺を伺えればと思います。

○武内部会長 佐々木委員お願いします。

○佐々木委員 ありがとうございます。まず、京都市さんに2つちょっとお聞きしたいんですが、まず、家庭から出るものについては随分対策がとられてると思うんですが、事業系廃棄物の減量といいますか、3Rの推進について報告を求めたりいろいろされてるようですが、その辺の、要するにこういうことをやれば効果があるよというものがあれば教えてもらいたいと思う。
 それからもう1点、全体を通じて発生抑制策というのをどのように考えておられるのか、それをお聞きしたいと思います。
 それからプラムロードさんには、本当にすごいなと思うんですが、本当に一番聞きたいところは、なぜそんなにエネルギーがあるのかなということなんですが、学校、家庭、地域の連携というのが防犯やいろんな意味で、どこの自治体でも苦労してるとこなんですね。そういう、学校、家庭、地域の連携をどういうふうにつくられているのか、どういうことをやれば進むのか、その辺の何かヒントがあれば教えていただきたいと思います。
 それから月桂冠さんのほうには、やはり前から出ていますリターナル瓶、いわゆる一升瓶といいますか、そのワンウェイじゃない瓶を何とか残せないかというのがあれで、最近、ビール業界の方に聞きましたら、ビール瓶も風前のともしびですよと。クローズドであればあるけれど、というようなお話もちょっと聞いてまして、ビール瓶がだめで一升瓶がだめだったら、ほとんどああいう小型化をして、実際には省資源になるんだろうとは思うんですが、何かこうやれば、こういうものが条件として満たされれば、そのリユース瓶というのが生き残れますよというような、何かそんなようなお考えがあれば聞かせていただければと思います。
 以上でございます。

○武内部会長 武田委員お願いします。

○武田委員 京都市へ2つ質問します。1つは、告示産廃を受け入れ停止されたということなのですが、これの理由といってもまあ産廃だからと言ったらおしまいなのですが、環境保全の考えから、どういう意図でそういうことに取り組まれたかということと、その結果、その物はどこへ行ったのかということです。
 それから、もう1点は、小型家電について取り組んでおられるということなのですが、多分モデル事業でやっておられるのではないかと思うのですが、モデル事業だとか、あるいはイベントというところだと何とかうまくいくかもしれないけども、実際に日常的にやるということになると、どういう困難が予想されるかというようなことを教えていただければありがたいです。
 それからプラムロードさんは、非常に成功されていると思うのですが、私の思うところ、一つは規模が適性といいますか、400人ですかね、400世帯でしたか、それから食とごみを結びつけられているということが非常に近づきやすいということがあります。それから、もう一つは学校との連携ということになるのですが、京都市は大体、小学区というのでしょうか、そもそもが学校の設立から非常に町民というか市民の力が大きかったということが、いまだに効いてるのかなというふうに私は感想として持つのですが、ともすれば、全国的に見ると、学校というのは時間外は使わないとか、いろんな制約をむしろ言われる中で、ここではどうも協力されてるみたいなのですが、その辺のことをもう少し教えていただければありがたいと思います。以上です。

○武内部会長 藤井委員お願いします。

○藤井委員 聞き落としているかもしれませんが、京都市さんの2006年からの有料化の中で、年間10億円が手元にというか、基金として出るというふうに私伺いましたが、それが例えばプラムロードさんのリユース食器のそういうことに使われたり、先ほど発表の3Rの検定の中でもこのごみ有料化の資金を活用してるというお話ありましたが、そのごみ有料化のそれが、どういうふうに市民とか地域の中で3Rのインセンティブになっているか、ほかの事例があったらば聞かせていただきたいと思います。
 エコおばちゃんのすばらしいプロジェクトですね、都会でもこんなでっかいことができるだと、私滋賀県ですので、滋賀県の学校の中では、大変似たようなこういう流れがあるんですが、都会の2畝、3畝の中でも物すごい大きな畑をやっているような、そのミニ版の中に世界が見えるようなすばらしい取り組みだというふうに拝聴いたしました。
 それから月桂冠さんなんですが、東びわこ、稲枝ですから彦根ですよね、滋賀県にも大変たくさんの小さな酒造メーカーがあるんですが、月桂冠さんはそのスーパー酵母とかスーパーこうじ菌を使いながら、エタノールにも挑戦してらっしゃると。エタノールは日本の中でも、バイオマスの中でもなかなかうまくいってなくて、そんな中で、飲んでよし、飲んでよしというかな、それから、その後もまた使えるのであれば、これはエタノールで非常に大きな形ができていくのではないか、滋賀県の中で、この酒造メーカーがここまでまだ挑戦していないですから、小さいところは手を組んでいけば、その月桂冠さんの言うことができるのかどうか、その辺のところを逆に学びたいなというように思いました。大変新しい動きを聞かせていただけて感銘を受けました。ありがとうございました。

○武内部会長 古市委員。

○古市委員 3名の方、非常におもしろいお話していただいて、せっかくですので3者の方に質問させていただきます。
 まず、京都市3点ほどあるんですが、ちょっと手元に資料がないので、うろ覚えで質問になっちゃいますけれども、生ごみが12万トンで10倍にふえたということなんですけれども、89年から2006年で何か食糧事情が質素になったけれどもふえたということなんですね。それなぜなんでしょうね。今10倍になった理由も含めて。
 2点目が、事業系が51%ということなんですが、生ごみに占める事業系の比率はどのぐらいでしょうかということで、家庭系と事業系での、そのバイオマスの利活用の仕方が少し異なっているのかどうかということも含めてお願いします。
 3点目が、「京都市バイオマスGO!GO!プラン」とかいう、何かおもしろいことをやられておりますけれども、バイオマスの利活用率39%、この定義ですね、2020年に55%にするという、55%の根拠ね。これ、どういうところが決めておられるかということを教えてください。
 それからプロムナードのNPOの活動、これすばらしいなと思って圧倒されていたんですけれども、キャッチフレーズとして、おばちゃんパワーということなんですけれども、これ、大阪もそうなんですけど、おばちゃんパワーや言うとすごくこうインパクトがあってね、おおっと押されちゃうんですけれども、いろいろな精力的な活動をされているのを紹介していただいてよくわかるんですけど、おばちゃんパワーとしての一番の特徴というのはどういうことでしょうかというのをちょっと教えていただけますか。
 月桂冠のほう、これもいろいろ努力されているのはすばらしいなと思いました。これで米ぬかから酒かす入りのスーパー有機だとか、汚泥からのJA緑肥ですかね、何か忘れましたけど、そういうものの引き合いがどの程度あるのか、もう飛ぶように売れるのか、価格はどういうふうになってるかというのを。
 それと、非再資源化ごみというのは、これもう100トン前後で頭打ちなんですけど、これは結局、最終処分場かどっか、所管課に行くということでしょうかということ。
 3点目、これバイオ技術なんですけれども、要するにすばらしい酵母とかこうじ菌をお持ちなもんですから、多分これには歴史がある技術をお持ちだと思うんですね。これをバイオエタノールのように燃料化のほうに重点を置かれているのか、それともバイオリファイナリー的な、いろんな利用の仕方を目指しておられるのか、その辺のところを教えてください。
 以上です。

○武内部会長 見山委員。

○見山委員 ありがとうございました。月桂冠さんに質問です。
 先ほど来、リターナブル瓶を使うということに関してのお話が各委員から出ていると思いますが、正直、流通構造の変化とか、消費者嗜好の変化みたいなものも、これが減ってきている原因かなというふうに思うんですね。かねがね興味があったことですが、製造メーカーとしてリターナブル瓶にするのと、ワンウェイにするのでは、業績上、要するにコスト構造的なものとか、収益上とか、そういうところ考えて、リターナブル瓶の方が負担になるものかどうか、一度伺ってみたいなと思います。業績への影響みたいなものですね、ワンウェイのほうがもしかして収益上ではいいのかどうか、だからワンウェイ化が進んでるのか、その辺のお話をお聞かせいただければなと思います。

○武内部会長 横山委員、お願いします。

○横山委員 お三方に1問ずつ簡単にお伺いしたいと思います。
 京都市さんには、いろいろ努力をなさってて、他の自治体に訴えたいこと、二、三挙げていただけますか。
 それからプラムロードさんは、もう少し広げるおつもりはないのか、おばちゃん100人が適正規模で、これでもうやっていくんだというのか。もうちょっと1年、2年後には広げられるのか、その辺をお願いします。
 それから月桂冠さんは、成功の裏には、酒造メーカーとして非常に大きくて、それから名もよく知られているということもあると思うんですけれども、何か弱点は抱えていないんでしょうか。製造メーカーの中でこれはちょっとほかにはかなわないとか、というようなのがあったら教えてください。

○武内部会長 せっかくの機会でございますので、傍聴の方からも御質問お受けしたいと思いますが、もし御意見、あるいは御質問ございましたら、挙手をお願いしたいと思いますがいかがでしょうか。遠慮なさらずにどうぞ。
 もちろん3人の方だけじゃなくて、環境省にこの際、物申したいということでも結構ですし、あるいはこの部会の委員に対してでも結構でございますが。
 よろしいですか、皆さん。
 それでは、お三方に順次、大変たくさんの質問になりましたけれども、お答えいただきたいと思います。
 まず、京都市さんのほうからお願いします。

○京都市環境政策局(堀 寬明氏) 非常にたくさんの御質問をいただきまして、ありがとうございます。すべてお答えできるかどうかわかりませんが、順次ちょっとお答えしたいと思います。
 まず、観光地として、それへの施策何かを考えているのかということでございますが、もともと5,000万人構想ということで、観光客をふやしていこうということで、ふえてきたわけですが、1つはホテルのエコ化ということで、旅館とかホテルにKESの認証取得を推進しているといったこととか、できるだけ観光地にもごみ箱をできるだけ少なくしているわけですが、どうしても出す場合には、分別を徹底してもらおうということで、観光地のごみ箱にピクトグラムを設置して、分けやすいようにというような工夫をしていると。それと、先ほどのイベントのグリーン化いうことでお話ししましたけども、イベントを見るために京都を訪れられるという方も非常に多いということで、そういったイベント自身がグリーン化を図ることによって、そこから発生するごみを減らしていこうと、そういった取り組みを考えているということでございます。
 それから次に、小型家電の回収方法について、御質問いただきましたけども、京都市では、2009年から環境省と経済省のモデル事業ということでスタートしております。ことしも6月からモデル事業ということで、12月まで実施するわけですが、小型家電については、基本は拠点のボックス回収ということで進めています。
 今年度については、そういうことなんですが、来年度、環境省さんのほうで法制化が行われるということで、それを受けて具体的に分別収集に移行するのかどうかという検討をしたいなというふうに考えています。いずれにせよレアメタルだけでは、その回収のメリットというのはほとんどありませんので、今、関係資料3の方向性にもあるように、金・銀・銅とか、貴金属、汎用金属合わせて回収を進めようということで、当初レアメタルが多く含まれたものを集めるということで15品目集めていたわけですが、現在34品目に拡大して、やはり金・銀・銅とか、そういうベースメタル系もやはり対象として考えていきたいというふうに考えています。
 それから年間の回収量はということですが、個数で今手元しかないので、7,600個程度、15品目についてはそれぐらい集まっているということで、ちょっと御理解いただきたいと。まだまだレアメタルを回収するには、それだけでメリットというか、成果があるということではございません。今のところ経済性には乗っていないという状況です。ですから、収支のバランスということもありましたけども、なかなか今その収支のバランスをとるという状況にはなっていないというところです。一つだけ言えるのは、少量の小型金属だけ集めてたんではメリットはないだろうと。金・銀含めて、汎用金属も含めて回収することでメリットが出てくるんではないかなと、そういうふうに考えています。
 それから酒井先生のほうから、学校の分別リサイクルというお話が少しありましたけども、京都市の学校では、特段分別という特別なことをやってるわけでは今のところないんですが、給食の生ごみの残渣については、やはり出す過程で分別していただいて、全部ではないんですがリサイクルをしている。そういう状況にございます。今後、そのリサイクルを促進するための手を打っていきたいなというふうに考えています。
 それから将来的に、2020年320グラム、430グラムと言わずにごみゼロを目指すべきではないかというふうな御質問でございました。正直なところ、京都市、今460グラムというのは、実は資源ごみを含めた数値でございます。だから、生ごみだけの数値ではありませんので、資源ごみを含めて減らしていこうという数値ですので、これをまずゼロにするというのは、非常に難しいかなということかと思います。資源ごみを除いてどこまで下がるかということもあるんだろうと思いますが、もうそろそろ限界に近づいているのかなと。京都市の家庭系のごみについていうと、1人1日当たりの排出量は、政令市でも一番少ない状況になってきていますので、320ぐらいというところが、例えば、京都市では細組成調査の一環として、市民の方に徹底して分別したらどれぐらい下がるんやというところをやったことがあるんですが、それでいくと、大体250ぐらい、どんな頑張った方でも250ぐらいがやっぱり最低かなというふうに考えています。
 それから事業系廃棄物の3Rの取り組みということで御質問いただきましたけども、特に事業系についていうと、減量計画書ということで、それを提出いただいて、事業所に対してアドバイスすることによってごみを減らそうと。基本的にはそういうことで考えているわけですが、やはり事業系ごみを減らすために一番効果的な役割というのは、そもそも処理料金をふやすというのが一番やはり効果的な仕組みかなと。関東圏では比較的1トン当たり2万円程度の処理料金取られてるというところが多いんですが、残念ながら関西のほうでは昔の中小企業対策いうこともあって、せいぜいトン当たり1万円までいかないと。そういう状況になっています。
 そういう意味では実際には、徹底したリサイクル誘導を図っていくのが一番いいわけですが、その点、なかなか少し進んでいないと。そういう意味では、昨年6月実施した透明袋制の導入というのは、やはりそれなりに効果があって、事業ごみについては6%ほど減少しているという現状にございます。
 それから発生抑制策をどのように考えているのかということなんですが、ある意味では効果的な発生抑制策というのは、もう既に実施してきた感がありまして、家庭ごみの有料指定袋制、それから事業ごみも有料指定袋制にするいうのも、一つの方策なんですが、なかなか一足飛びにはいかないので、徐々にそういう発生抑制策を進めていきたいなというふうには思っています。
 それから告示産廃を停止した理由は何かということでございますが、告示産廃というのは中小企業対策として過去から建設系の木くず、これ産廃に相当します。それから石こうボードも産廃ということで、中小企業対策として受け入れをしてきたわけですが、やはり埋め立て処分場が非常に限界というか、そういうものが非常にたくさん入ってきて、限界に近づいてきているということと、石こうボードにしても、木くずにしても、リサイクル施設がかなり民間で出てきたと、そういうことを踏まえて、告示産廃の搬入を停止したということでございます。
 それから、どこへ行ったんかいうお話もございましたが、それについて今ちょっと調査をしてますが、産業廃棄物ですので、京都市内にいるわけではありませんので、なかなか全体的な把握は難しいんかなというふうに考えています。
 それから、生ごみがなぜ増えたかということなんですが、1960年、非常に少なかったわけですけども、それ以上、ちょうど高度経済成長期に入って、それから食生活そのものが非常に豊かになったということで、1960年1.2万トンしか出ていなかったものが、2000年には12万トンにふえてしまったと。先ほどもスライド見ていただきましたように、まだまだ食べ残しが4割を占めているという実態があります。昔はやはり徹底して食べ残しなんかしなかったはずですので、そういったやはり豊かな生活というか、飽食がこういう結果を生んでるんではないかなというふうに考えています。
 それから、「バイオマスGO!GO!プラン」について、御質問いただきましたが、現状の39%がなぜ55%かということでございますが、基本的には、定期的にそういった量を把握している部分もございまして、そのリサイクル量がどれぐらいになってきているかというのを経年的に把握しているといったこととか、バイオマスについては、例えばごみの中のやはり8割方は生ごみと紙くずということですので、そういう部分については、循環の計画の中で目標を設定している部分もございます。そういったものを参考にしながら55%という数値を出したということでございます。
 それから藤井さんのほうから、家庭ごみ有料指定袋制の収入は10億円というような、この使い道は何かと。実はその有料袋制の収入自身は20億円ほどあるんですが、10億円ほどは袋の製造とか、それから中間の販売経費とか、そういう形で使われています。その使い道なんですが、先ほどのイベントのエコ化とか、ごみ減量対策の普及啓発、施設の見学会エコバスツアーとか、こういう中でのリサイクル事業にも充てられています。
 それから、先ほど出ました区の環境パートナーシップ事業とか、コミュニティー回収制度、それからリユース瓶の拠点回収、それからまちの美化活動への支援として、ボランティア袋とか、カラスよけのネットですね、それから地球温暖化対策としては、太陽光の発電、普及促進事業、それから子供エコライフチャレンジ推進事業とか、使用済みてんぷら油の回収、そのほか地域産材ですね、普及供給体制の整備事業とか、都市緑化事業とか、要はごみ減量、リサイクル、それから地球温暖化、それからまちの美化とそういう形で利用のほうしているというところでございます。
 それから、あと、他の自治体に訴えかけたいことは何かということで御質問いただきましたけども、私も30年近く環境行政携わってきたということで、この間、非常に大きい変化があったなというふうに思っています。
 当初はやはり、ごみというのは適正に処理するということで、衛生的に処理するということできたわけですが、その原点は見失うというわけにはいかないわけですが、やはり2Rというのを進めていくためには、やはり市民とか事業者の方と距離感をやはり縮めていくということが非常に重要だというふうに考えております。
 そういう意味で、先ほどのごみ減量推進会議というのもありましたが、やはり温度差があると、取り組みというのは進まないということが重要なのかなと。自治体として、今御発表いただきましたけど、そこまでやっておられるということを知らなかったというようなところもありますので、いかにその市民の取り組みとか事業者の取り組みというのをよく知って、それに対する支援がどれだけできるか、そういうことがやはり2Rにつながっていくんじゃないかなと。京都市としてはそういうところに力を入れて、普及・啓発、2Rの促進を図っていきたいというふうに考えています。
 全部しゃべれたかどうかわかりませんが、以上でございます。

○武内部会長 どうもありがとうございました。
 それでは、中村さんのほうにお願いいたします。

○プラムロード(中村吉江氏) 済みません、質問されたことが全部答えられるかどうかわかりませんし、まだでしたら「まだ」と言ってください。
 まず、一番ちょっと気になったのは、おばちゃんパワーとしての特徴なんですけど、正直なところ男の人に任せとけないかなというのがあったりして、台所からの疑問です。でも、やっぱり男性がいなかったら力仕事、土地を耕すというのもできひんし、その辺は仲よくやっています。
 それと、女性のほうが決めるのが早いんです。男の人は議論が好きな人が多くて、ちょっとその辺で済みません、おばちゃんパワーがすごいかなというところで、ただ、若いおばちゃんたちもパワフルになってほしいかなと思うのですけど、なかなか今、主に水やり等に行ってるメンバーはみんな孫がいるメンバーで、もう子育ては終わって、一歩下がって見てられるというところに隠れたパワーがあったかと思います。
 まず1つは、先ほど学校のごみの話ですが、一応、学校としては、基本は「教室では紙しか出ない」という考えやということが、これは何校かの先生に聞いたらやっぱりそのように答えられました。でも、せっかく下京まち美化の方が2時間授業をしていただいて、分別を教えていただいて、教室に戻ったら、そのごみ箱の中にはというのはすごい疑問なので、やっぱりこれは解消したいなということで、私とこの校区の校長先生にはちょっとお話しして、1週間お試しでやらせてもらったらやっぱりかなり再生可能なごみが出ます。それをうちのコミュニティー回収のほうで出させていただいたんですけど、その先生の夢というのは、それが例えば資金になって、その資金を児童会が何か国際的に大変な国に寄附するとか、そういうことにつながったら、紙1枚がすごい勉強になるなというのをおっしゃったので、何とかそういうところへつなげたいなというのがささやかなおばちゃんたちの夢です。
 食卓の例のアフリカや南アメリカの食卓の、それを見てというのは、子供たちがちょっと興味を示しているのは、ドイツのことでした。やっぱりそこに行くかなというのが、瓶がすごく多かって、先ほど月桂冠さんのお話にもあったように、たまたまメンバーの京大の一人が、ドイツに留学していたので、一回それ話してみようかといって言っているので、色もみんな緑と茶色と透明と、全部分かれるというのと、収集されるシステムが非常におもしろいのと、それから、その子が西宮のほうのLEAF(NPO法人こども環境活動支援協会)というところにインターンシップ行っていて、その中の子供のエコに対する何か取り組みがすごいよということなので、ちょっとその辺を参考に広げていきたいかなというところです。
 それと、「ごみが、昔は、よかった」という83歳のおじいちゃんも言われるのですけど、「そんなごみはなかった」と。「回収するのも」、「やっぱし便利さのあれかな」ということを子供たちはそれも耳にしています。
 それと、どんな人が集まればいいかということなんですけど、本当に普通のおじさん、おばさんが集まったのですけれども、まず、私のところの梅逕のごみ減量推進会議の代表である、少年補導の支部長は、エコに関しては、初めは、否定的だったと思うのですけど、今、エコセンターと科学センターでボランティアされていて、今下京のごみ減量推進会議の会長になってられるんで、やっぱし活動を続けていくと、みんな勉強していく、もうすぐ3Rも受けられるんちゃうかなという状況です。まあ集まったのは好奇心がある人、それから少年補導のメンバーが多かったので、子供に近い人が多かったです。でも普通のおばさんです。
 専門家がたまたま初め京大生1人、あと2人が卒業と同時に環境の関係に就職した彼とともに、うちの学区に住んでくれて、その方たちがやっぱしエコについてのプロフェッショナルということで、今後、私たちの地域で活動してもらいたいなと思うのと、たまたまその男性は、少ない消防分団に入ってくれました。そう持ちつ持たれつで行きたいかなと思っています。
 それと、どんな人が集まればというような話の1つで、この水曜日の日に、下京町衆倶楽部というのが発足されて、たまたまフェイスブックにあったので、応募したら、本当はそういうとこに行くと、自治体の役員さんや女性会の方が多いのですが、100人ほど集まったのですけど、知っている方は10人にも満たなかったので、あれ、こんな人が隠れてるんやと思ったので、もちろん役職のついている方だけでなくて、(下京区の町づくりに)興味のある方が多いかなというふうに思いました。どんな人が集まっても、好奇心とやる気があったらできるかなと思います。
 それとエネルギーの源です。これはこんな席で言っていいかどうかわからないのですが、うちスタッフ2人来ているのですが、まず、私は小さい地域なのですけれども、連合会と若い世代が、ちょっと意見が合わなくなって、その3つの団体のうちの2つ、少年補導と消防団がちょっと連合会から離れて活動する時期があったのです。今は震災を機に戻りましたが、そのときに、動機は不順なんですけど、『資金』でした。活動するにも資金が全くなかったので、それで、京都市さんのコミュニティー回収、それと油の回収、そしたらパートナーシップというこんなんがあるよということで、みんな勉強してちょっとトライしてみようというので、私たちの母体の梅逕ごみ減量推進会議が2年間行かせてもらって、次は私たちも「負けてられへん」というので、女性たちで企画して、これ3年目になります。3分間のプレゼンテーションをして認められて、ごみ袋の恩恵をこうむっています。まあそんなんで。
 それと、学校との連携なのですが、私たちの今、活動している学校は廃校です。京都市の下京区の中に、今中学校は2つしかないのですが、5校統合の中の1校なのです。たまたま私たちの学区は大きくできた下京中学校の第2グラウンドということで、整備されるはずやったんですけど、まだちょっとそのままになっているのですけど、そこを初代の校長先生が非常に環境についても御理解あったので、こんなことしたいと言うたら、いや、そういうことをして、またうちの育成学級の子たちにもいろいろと参加できたらいいなというようなことを言っていただいたので、何か取り込もうということで3年来たのですけど、やっぱし学校の上層部が変わると、ちょっとなかなか難しくなって、そんな簡単にはいってません。この間、多分許可が出たと思うのですけど、京都市のほうは1年半ぐらいにわたって、すったもんだはありました。それで実際、ほぼ従来どおり使えるようにはなったのですけれど、あした予定の「つるし柿」の柿は、「見苦しい」ということで、見えへんとこにしてくれと言われて、今晩もう一回相談せなあかんのですが、その設置場所が従来のところに何とかいくように、京都市さんにお願いしたいかなと思うぐらいなんですけど、「何が見苦しいのかな」というの、「すごい、(晩秋の)風物詩でいいですね」と言われる声のほうが多かったのですけれども、やっぱしちょっと違う意見の人もあったのかなと思って、まあそんな簡単にはいってません。今下京中学校の第2施設ということで、掃除するときも子供たち協力してくれるので、それで私たちも先ほど述べたように、「お鍋(収穫鍋)」などのときは一緒に食べてもらう、一緒に活動するということで、廃校して子供の声がなくなったら、すごく寂しかったので、それも喜んでます。
 それと拡大についてですけれども、私らの学区は小さいですが、梅小路小学校の校区は、ほか安寧学区、大内学区という学区がありまして、うちよりずっと大きい学区なので、そちらのほうと一緒に少年補導が活動しているので、少年補導の行事についてのリユース食器の利用は拡大されています。
 それと下京(下京中学校校下)19学区を相手にできるのと、それから、たまたまメンバーの一人がが関わっているのですが、国際交流会館の日本語カフェというの、今度11月3日に大きなイベントがあるんですが、本体のほうは大きなリユース食器のほうを借りはると思うんですが、その日本語カフェのほうは費用も余りないというので、私たちの食器を使ってもらうということで、これで3年目になります。それでできるだけ拡大したいなということと、それから小さい学区なのでモデルになれるような気がするので、私たちみたいな小さなところでもこんなことができているので、ぜひ全国に発信したいなとは思っています。小さいからできるというのもあるし、小さいから欠点も早く出てくるし、長所も顕著に出るというので、私たちの活動はどこででも多分できますよ、私たちのところみたいにややこしい学区と違って、市教委とすったもんだもしてないところはもっとスムーズにいくのじゃないかなと思うのと・・・。廃校の学校が今後ふえていくと思います。何かの、こういうエコの、環境問題考えたことに利用されるようなことがあったらいいかなと思っています。
 それともう一つ、食卓のヒントからなのですが、私たちのところ、今芽キャベツを育てています。子供たちの創造性というのはすばらしいなと思ったのは、芽キャベツはどうやってできるかというのはほとんどの子が知らなかったので、「どうやってできると思う?」と、このあいだ、絵を描かせたんです。そしたら1人の男の子がリーダーになって、この辺かなというのが大体当たっているので、12月ごろには芽キャベツができるのを今ちょっと楽しみにしてます。子供たちの創造性を大事にして、次の世代のリーダーになる子供たちが何か発信してくれるようなことになったらいいかなということで、私たちは今土壌づくりという形で努力しています。
 以上です。

○武内部会長 どうもありがとうございました。
 それでは、浪瀬さん、よろしくお願いいたします。

○月桂冠株式会社(浪瀬政宏氏) リターナブル瓶について、たくさんの質問がありましたので、まとめて順不同ですけども、回答させていただきます。
 まず、一升瓶を残すためによいアイデアということなんですけど、よいアイデアがなかなかないですね。あったら教えていただきたいと思います。以前は、酒屋さんが家庭までお酒を届けてくれて、それで、同時に空になった一升瓶を引き取ってくれる売り方だったと思いますけども、今は、販売免許が規制緩和されて、そういう酒屋さんが少なくなっています。そんな中で、重たい瓶をお客様がどこかに持っていって回収してもらうというのは、なかなか難しいんじゃないかというふうに感じています。
 業界全体の取り組みとしては、やはり一升瓶は大きくて、重たいので、小容量のリターナル瓶を統一規格でつくっておりますが、これもなかなか普及していないのが現状でして、メーカーとしても商品開発に力を入れないといけないと感じています。それと、お客様への周知にも、もっと力を入れていかないといけません。
 そして、リユースで食品で問題となるのは、どうしても安全性というのが第一に優先されます。今まで特に何か大きな問題があったというわけではないんですけども、そこを確実に保証しないといけません。そういう意味でリユースというのは限界もあるのではないかと。
 次に、ワンウェイとリターナル瓶のコスト構造の違いということで、単価的なとこの詳しいことまでは私は把握できてないんですけども、やはり回収した瓶は、不良率が高くなるので、そういった意味では製造コストにはね上がってくるというのはあります。
 リターナル瓶については、大体以上でしょうか。
 排水汚泥を再資源化した肥料は、JA中央京都さんで、15キログラム530円で販売されています。どの程度売れているのかというところまでは、私どもは把握していません。
 非再資源化ごみの最終処分は、埋め立てです。
 バイオリファイナリーとして、バイオエタノール以外に何か取り組んでいるかということでしたが、今はバイオエタノールの取り組みのみです。
 それと最後にもう一つ、リユースというところでもう一つ言い忘れたんですけども、リターナル瓶は減ってはいるんですけども、きょう紹介しましたエコカップはリターナル瓶ではなく、ワンウェイなんですけども、お客様が空になった容器をリユースされています。瓶に目盛りがついてまして、計量カップに使えるとか、一輪ざしに重宝してるとか、そういった御意見をいただいています。このように、家庭でリユースしていただけるようなワンウェイ瓶を提供するという方向性もあるのではないかとは思います。ちょっと話が外れましたけども。
 最後に、弱点はないかという御質問でしたけども、弱点はないとはとても言えないと思いますが、業界全体としては、酒類の顔ぶれが増え、競争が大変激しい状況になってまして、さらに、少子高齢化による人口の減少でだんだん飲酒人口が下がってきている状況で、月桂冠の弱点というか、清酒業界全体としてこの問題をどう打破していくかというところが課題と考えています。
 以上です。

○武内部会長 どうもありがとうございました。
 ただいま御報告いただいた堀様、中村様、浪瀬様に改めまして御礼を申し上げたいと思います。どうもありがとうございました。
 これにてヒアリングを終了というふうにさせていただきたいと思います。
 今回、先ほど御報告いただいた浅利先生の御報告、その後の質疑も含め、御報告、御討論いただいた内容につきましては、事務局でその内容を取りまとめまして、今後の計画見直しに当たり、十分に考慮させていただきたいというふうに考えております。
 それでは、これで終了ですが、事務局のほうで何かございましたらお願いします。

○循環型社会推進室長 どうもありがとうございました。
 地域ブロックヒアリングのほうは、これで終了いたしたいと思います。発表者の皆様におかれましては、御出席いただきまして、まことにどうもありがとうございました。
 あと、先ほど冒頭、部会長からお話しいただきましたように、委員の皆様には少しお残りいただきまして、ちょっと時間が押してはいるんですけれども、30分ほどいただきまして、循環型社会の構築に向け、検討課題について、御意見いただければと考えております。
 傍聴者の皆様におかれましても、もしお時間がございましたら、傍聴していただいて結構出ございます。
 長時間の議事となりましたので、5分ほど休憩を挟みたいと思っております。現在が16時13分ですので、20分からということでよろしいでしょうか。委員の皆様におかれましては、20分までにお戻りいただくようにお願いいたします。少し予定の時間、超過して恐縮ですが、お時間ある方、おつき合いいただければ幸いです。

(休憩)

○循環型社会推進室長 それでは、再開したいと思います。以降の進行につきましては、再び武内部会長にお願いいたします。

○武内部会長 それでは、前回の議事の積み残しについて、御審議いただきたいと思います。前回、事務局から循環型社会の構築に向けた検討課題についての説明がございました。既に何人かの委員の方からはメールにて御意見をいただいているということを事務局のほうから承っておりますが、改めて委員の皆様の御意見を伺いたいと思います。
 事務局から説明のあった課題、あるいは課題解決に向けて講じていくべき取り組み、方向性について、御意見があればよろしくお願いしたいと思います。
 メールにて御意見をいただいたものについてのまとめは今は用意してない。

○循環型社会推進室室長補佐 まだ、取りまとめ中でございまして、また次回の部会までにお配りさせていただきます。

○武内部会長 この場でまた重ねてその御意見を伺っても構わないということですよね。それじゃあ、よろしくお願いします。札を立てていただければと思いますが。
 仙洞田委員。

○仙洞田委員 ありがとうございます。メールでも展開させていただいたんですけれども、今循環型ということで、大分進んできたと思うんですが、どっかの段階で頭打ちという、リサイクル率にしても、そういうものが来るときがくるかと思います。それに備えてということで、我々として実施自体である企業、あるいは自治体がリサイクルをより行いやすいような規制緩和ですね、こういったものについて取り組んでいくというのが、我々のタスクとしてあるんじゃないかなというふうに思うんですが、ぜひ御検討いただければというふうに思います。

○武内部会長 それでは、福島委員お願いします。

○福島委員 私もメールにて事務局には送ってはいるわけですが、ちょっと細かいことになりますけども、具体的に物質フロー指標というのがありまして、この資源生産性については、私は産業界を代表して言ってるわけですけども、付加価値がさまざまなように、経済情勢当によって変化するんで、例えば個々の産業、あるいは企業の3Rの取り組みを反映できないケースが想定されるし、時系列に改善の度合いを見ていくときに、ほかの要因が入るんじゃないかということを若干心配しておりまして、よって、企業がみずからの努力というか、技術でコントロールできる目標にこの資源生産性をブレイクダウンして、適切な指標が設定できるものかどうか検証していっていただきたいなというふうに考えております。
 2点目、循環資源のところでございまして、高度なリサイクルを推進していくことには異論はございません。多くのエネルギーとかコストが必要となる高度なリサイクル技術というのも考えられますので、低炭素社会に向けた取り組みなど、他の目標との整合性を図るなど、多面的検討をする必要があるというふうに考えております。
 以上でございます。

○武内部会長 ありがとうございます。
 古市委員。

○古市委員 メールでお送りしたんですけど、何分にもきょうお送りしたもんですから、ちょっと補足させていただきます。
 幾つかのキーワードを挙げておられますので、そのキーワードに沿って5点ほど出しました。ちょっと5分程度いただきまして、1つ目の最終処分場、既存の処分場の再生というのが必要じゃないでしょうかねと。要するに最終処分場の逼迫というのは、いずれも続いているということでございますので、特に昔の1,000平米以下のミニ処分場だとか、生ごみをじか埋めしていた有機物リッチな処分場ですね、こういうものに対しての対応、特にミニ処分場は、前同じような質問させていただいたんですけど、これはアンタッチャブルやと。そこまでのまだ勇気がないというのをお答えいただいたんですけど、もうそろそろよろしいんじゃないでしょうかというような話です。
 それと、これに関連して、数値指標として最終処分量を最小化するといいますか、この最小化するという指標はもう十分役割を担ってきたので、サチュレートしてきたと思うんですよね。ですから、いつまでもこれが最終でゼロになるはずないんですから、処分場は必要なんだという論点がゼロへ持っていくということで消えちゃうんでね、その辺のところの兼ね合いをうまくとっていただけないでしょうかということです。また、新たな最終処分場の機能ですね、そういうものが出てくるというふうに思います。資源の保管という、これは地域循環とも関係しますけど、そういうような使い方も環境省がおっしゃってますので、もう少し多様な処分場の考え方を出していけたらどうかなというふうに思います。
 2点目は、循環資源なんですけれども、これは廃棄物と循環資源も含めまして、物質フローを明確にできるようにして、マニフェストというのがあるんですけれども、これ電子化の普及率が非常に低いと。やはり紙との競合というのも過渡期というのも昔から言われていまして、これをうまく共存させて、やはり物質フローの趣旨がとれるような形で、そういうものを取っていかないといけないんじゃないでしょうかと。そうすることによって、フローにおける役割と責任というものが明確になってくるので、不法投棄というフローが防止されるんではないかというように思います。
 3番目、3つの社会の環境立国戦略なんですけれども、の統合的取り組みという、これいつまでたっても何かこの3つはいいんですけれども、これに環境保全みたいなものが入るんですけれども、何かね、循環型社会とその低炭素だけとかね、3つをやるんだったら3つがつながるようなお話をやっぱりしていただきたいなというように思うんですね。そのために、やはりその統合的な使い方、3つのベン図書いてある3つが重なる部分とか、それぞれが重なる部分としては、バイオマスの利活用を考えられたら、これ非常に全部つながるんですよ。余り細かいこと言いませんけど、バイオマスの利活用をベースとして考えていただけないかなというのが御提案です。
 4つ目、廃棄物処理。これ前から言われてるんですけども、そろそろ一廃と産廃合わせたリサイクルの支援のシステムを構築するというね、もともと廃棄物処理法が産廃のPPTから来てますけれども、やはり効率性とかいうふうに考えたときに、一廃と産廃といつまでも言うんじゃなしに、リサイクル処理、公益的にできる部分をやっていってもいいんじゃないかなというように私は思います。
 5番目、地域循環。地域循環圏の形成ということで、バイオマス等いろいろやられてますけども、これは3.11のパラダイムシフトにもかかわって全般にもかかわるんですが、どう言うんでしょうかね、災害時の緊急エネルギー供給システムという形、例えば、災害廃棄物がれきとかいろいろ出てきましたけれども、その中で物質系のものがあるんであれば、そういうものが地域で分離されて、そこで何らかの熱エネルギーになり、地域の発電なり、そういうのに使えるような形があればいいんじゃないかなと、そういう可能性も検討してみてはどうかなというのが、私の提案でございます。
 以上でございます。

○武内部会長 ありがとうございました。
 森口委員。

○森口委員 事前にメールにお知らせしたことと、それから今の各委員の御発言聞きながら、少し補足したほうがいいかなと思ったことについて、発言をさせていただきます。
 メールで申し上げたかったことの趣旨は、一言で言いますと、次期計画では、ぜひ循環の質、クオリティーを重視していただきたいことでございます。これ、決してクオンティティー(量)をもう考えなくていいということではなくて、むしろ、量だけではなくて、もっと質に目を向けていくべきだろうということであります。量から見ると、循環利用率に関してもやや頭打ちになってきてるかなというところがありますし、最終処分量に関しても、下げどまりになってきているというところがあろうかと思いますけども、そういったことで言えば、量ではなくて、より質に目を向けていくべきだろうということです。
 質と申し上げたのは、さらに大きく分けて2つに分かれます。1つ目はより付加価値の高い循環利用をしていくべきであろう。ここにレアメタル等の話も書かれておりますので、量は少なくてもより価値の高いもののリサイクルに力を入れる、あるいは資源の有効利用に力を入れるということが大切であると思います。これは先ほど福島委員のほうから御発言がありましたことにもかかわってくるのではないかなと思います。物質フロー指標は産業を全体として見ていますし、その産業構造も転換していきますので、各業種の御努力が反映されにくいということは、まさにおっしゃるとおりかと思います。現行計画においても、まだとりあえず勉強しましょう、あるいはそれにプラスして、推移をモニターしましょうという程度かと思いますが、業種別の資源生産性というような考え方として盛り込まれていますので、特に全体のマクロの資源生産性だけではなくて、業種ごと、あるいは各企業がより付加価値の高い3Rを進められたときに、そういったものが的確に反映されるような、質の高い3Rが実現されるような、そういったものを支援するような指標の導入といったことも考えられるのではないかなと思います。
 質のもう一つの側面は、安全性のところであります。先ほど低炭素社会、自然共生社会との統合的取り組みについての御発言もございましたし、それに関しては私もバイオマス利用ということ、非常にわかりやすいと思いますので、それは引き続き推進していただきたいんですが、次の計画では、低炭素社会、自然共生社会よりはとは言いませんが、だけではなく、やはり安全・安心社会と循環型社会との接点ということをより重視すべきであろうと考えております。
 これはちょっとこの部会で議論するのになじむかどうかわかりませんが、やはりこの部会が循環ということを強力に推進している以上、これ、ぜひ世の中に対してしっかりと発言をしておいたほうがいいのではないかなと思うのであえて申し上げるんですけれども、3月11日によるパラダイムシフトが一つあると思いますが、それとともに、やっぱり原発事故による放射性物質の環境中への放出というのは、非常に大きな影響を循環に対しても与えていると言わざるを得ないと思います。一部には明らかに風評被害的なものもあるかと思いますが、逆に循環においてもっと気をつけなければいけないにもかかわらず、そういったところがややおろそかになっている分があるというふうに、私は認識しております。循環はいいことである、捨てずに有効利用することはいいことであるということが、やや妄信的に普及してしまったがゆえに、今そういったところがしっかりとチェックをかけておかないと、循環といい、よかれと思ってやったものが、放射性物質の広域拡散につながる恐れもあるのではないかなと思っております。ですから、あえて申し上げれば、循環の率が下がってでも、そこの部分はしっかりと食いとめるというようなことをやりませんと、循環というもの自身がこれまで築いてきた信頼を損なう懸念があるのではないかなと思っております。ですからここのところはぜひ慎重に進めていただきたいなと思っております。
 さらに言えば、これはちょっときょうのこの議題から外れるかもしれませんけども、10月末には放射能を含んだ廃棄物の貯蔵に関するロードマップも出るというように伺っておりまして、10月あと二、三日しかございませんので、もう間もなくそれが出てくるのではないかなと思います。それで、循環型社会の構築については、いろいろ市民も含め、さまざまなセクターの合意のもとで議論をしてきたいわけですが、一方的に示されて、それに関して国民が受けざるを得ないというような、そういう進め方になっているのではないかという、そういう懸念については、前回の部会でも申し上げました。あと3日しかございませんけども、そういったことの中で、本当に我々がやってきた社会づくりの進め方がよろしいのかどうかということについても、次期計画でもぜひ振り返りながら議論をしていただければいいと思いますし、振り返りながらというのは、やや後の話になってしまいますので、今からでもまだ間に合うものであれば10月中に出されるものについても、これまで我々が循環型社会の進め方でやってきたように、ぜひ環境省としても進めていただきたいなと思います。

○武内部会長 どうもありがとうございました。ほかに。
 放射能被害を受けた廃棄物の処理というのは、直接的には多分この部会というよりもほかの部会でもしかしたら将来かなり本格的に扱うということになるのかもしれませんけれども、今現時点での扱い方についても、まだ基本方針もできていないという段階ですから、それともそれなりに。

○森口委員 今、パブコメにはかかっていると思うんですけれども、基本方針にすぎませんし、それから再生利用するときはこういうふうにしてくださいということの考え方は示されてるわけですが、その考え方なりを示したからといって、現場にそれが行き届くわけではないんですね。この部会ではなくて廃リ部会だということもそうかもしれませんが、廃リ部会でも今のところまだそういう議論が十分に行われているようには感じませんし、また、別途除染については別の検討体制もあったりしますので、そういったところにおいて、現場の話は別は別なんですけど、循環というその概念の中で行われていること、先ほど規制緩和の話もございましたけども、土壌なんかでいえば、例えば廃棄物、法の外にあるようなものもありますよね。だからそういったものも含めて、どこの所管かわからないからということの中で、確かに半年余り来たところもあるわけですけれども、結果的に何か起きてしまいますと、循環というものの信用を失ってしまう可能性があるということについては、これやはり早急に問題意識を持って対応いただきたいと思います。

○浅野委員 今の点についてよろしいでしょうか。

○武内部会長 はい、どうぞ。

○浅野委員 確かに循環計画の点検、あるいは環境基本計画の見直しという、その議論の中でやってることと、現実に国としての方針が出てくるタイムラグが余りにも大き過ぎるという気がするんですね。だけどちょっと何ともはや、どうにもならないですけども、方針が決まったとしても、その後実際に仕事が行われていくのはこれから2年、3年かかるわけですから、我々としては今回の点検の中でやっぱりきちっとものを言わないといけないと思いますし、今後にちゃんとやらなきゃいけないことはやらなきゃいけないというようなことは示すべきだろうと思いますから、事務局としても次回の部会のときに、もし基本方針がはっきり出てるようでしたら、それも資料としてはぜひ配っていただきたいと思います。

○武内部会長 基本方針が出ていなくても、幾つかのオプションを出していただくということでも議論の対象にはなると思うんですね。今の時点ではある方向性というのはなかなか難しいですね。どうぞ。

○循環型社会推進室室長補佐 8月末に議員立法で成立した法律に基づく基本方針については、10月の上旬にごく短期間で森口先生からもお叱りを受けているところですけれども、パブリックコメントを先週まで時期未確認ですけれども、していたところでございます。
 11月の上旬に向けて現在、閣議決定を目指しているということでございます。期間が短いという御指摘について、廃棄物リサイクル部会でも先日、森口先生からも御指摘いただきまして、ただ、来年1月1日施行というタイムスケジュールの中で、非常に短い期間の中で、その後も基準などを定めていかなければならないという制約の中でやらせていただいているということで、役所のほうとしても非常に短くて申しわけないという気持ちは強いわけですけれども、全体の8月末に立法化されて1月1日施行という中でやっているということで御理解いただければと思っております。
 あと、森口先生がおっしゃられたのは、今月末にも出すというのは中間貯蔵施設のロードマップを作成するという話がございまして、そちらのほうのお話かと思いますけれども、いずれにしても次回の部会でそのあたりの状況について、御説明させていただければと思います。

○武内部会長 ちょっとほかの部会での検討で、きょう、今森口さんが指摘された議論と似ている議論がちょっとあるので御紹介を申し上げますと、自然部会で自然共生社会とこう言ってきたんですけれども、これはどっちかというと平時の自然共生社会という考え方で、いかに人間が自然とつき合って豊かな暮らしを築き上げていくかと。生物多様性と人間活動が調和した社会をつくろうというのは、そういうニュアンスにやや偏り過ぎていて、実は自然というのは一方で脅威でもあるんだと、その自然とつき合うというところが自然共生社会の中でもう一つ非常に大事な側面で、それを日常的な恵みと非日常的な脅威というものをやはり考えて、深いところで自然共生社会をつくるという考え方にならないといけないんではないかという、ややそういうふうな議論があるわけですけれども、今の森口さんの話はややそれに似てると思うんですね。循環型って何でもとにかく循環すればいいという考え方から、しかし、その循環をするということが、必ずしもいわゆるこういう非常時の放射能災害というような問題のときには、そういう日常的な考え方では済まない場合もあると、そこのところも視野に入れながら循環型社会というのは幅広に考えていくということが、今我々が3.11以降に問われている課題なんだというふうなとらえ方をしていくというふうな感じでしょうかね。
 私としては、三者ガイドに安全・安心な社会をつけ加えると、そういう話じゃないと思うんですね。やはりこの今までの考えてきた持続可能な社会というものそのものを根本的に考え直すというところから始めないと、プラス1で済ますという話ではないという、そんなことを私自身も思っておりまして、そういうふうに今お話を伺ってたわけですけれども、やや、もし皆さんの御賛同がいただければ、そういう方向で少しスコープを広げるということは今回ぜひやるべきじゃないかと私は思いますけれど。

○浅野委員 総合制作部会の議論も大体、今部会長が言われたような方向でありますので、今までの4つプラス1というのが新しいブレンドだというような考え方ではなくて、もっとそれはベースだと。安心・安全というのが持続可能ということの一番の基本なんだという認識でいこうということになっていますから、それは全部について共通なので、循環の話もやっぱりそれをベースにということは当然あっていいと思います。

○武内部会長 ほかに御発言ございますか。もしないようでしたら、かなり時間も大幅に超過しておりますので、きょうこれでいただいた意見を踏まえて、次回、事務局のほうからまた提案をさせていただくということにさせていただきたいと思いますので、これで前回の失地は回復したというふうに私としては理解をさせていただきたいと思います。

○循環型社会推進室室長補佐 次回の部会でございますけれども、11月11日金曜日15時より環境省の第1会議室におきまして、こちらのほうで新たな環境基本計画の循環型社会部分の素案を作成させていただきまして、その検討と、あと外務省からのヒアリングが前回できませんでしたので、それを予定しております。詳細については追って事務局より御連絡させていただきます。

○武内部会長 それじゃあどうもありがとうございました。

午後4時45分 閉会