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中央環境審議会循環型社会計画部会(第60回)議事録


〈日時〉
平成22年12月27日(月)15:00~17:02
〈場所〉
三田共用会議所 3階大会議室(C~E)
〈議事次第〉
  1. 開会
  2. 議題
(社)日本経済団体連合会の新たな環境自主行動計画〔循環型社会形成編〕について
第二次循環型社会形成推進基本計画の進捗状況の第3回点検結果案(パブリックコメント案)について
その他
(配付資料) ※委員のみ配付
資料1 2011年度以降の環境自主行動計画〔循環型社会形成編〕((社)日本経済団体連合会資料)
資料2 第二次循環型社会形成推進基本計画の進捗状況の第3回点検結果案(パブリックコメント案)について
資料2-2 熱量ベースの化石系資源に関する資源生産性
資料2-3 物質フロー指標の進捗状況(平成21年度速報値) ※
(参考資料) ※委員のみ配付 ○会議終了後回収
参考資料1 中央環境審議会循環型社会計画部会委員名簿
参考資料2 中央環境審議会循環型社会計画部会関係条文
参考資料3 循環型社会形成推進基本法制定10周年記念シンポジウムについて
参考資料4 第59回循環型社会計画部会(平成22年12月9日)議事録 ※
参考資料5 第二次循環型社会形成推進基本計画 ※○
参考資料6 第二次循環型社会形成推進基本計画の進捗状況の第2回点検結果について ※○
参考資料7 平成22年版「環境白書」 ※○
参考資料 平成23年度廃棄物・リサイクル対策関係予算(案)の概要

午後3時00分 開会

○循環型社会推進室長 それでは、定刻となりましたので、ただいまから中央環境審議会循環型社会計画部会を開催いたします。
 本日は、年末の押し迫ってお忙しい中お集まりいただきまして誠にありがとうございます。
 事務局から委員の出席の状況を報告させていただきます。
 本日は18名の委員の方にご出席というご連絡をいただいております。まだちょっとお見えになっていらっしゃらない方もいらっしゃいますが、18名ということですので、定足数の11名に達することになるということをあらかじめご報告させていただきます。
 本日の配付資料でございますが、議題の下に配付資料一覧がございます。もし配付漏れなどがございましたら、恐縮ですが、事務局のほうまでお申しつけください。
 では、以降の進行につきましては、武内部会長、どうぞよろしくお願いいたします。

○武内部会長 年末の大変忙しい中、お集まりいただきましてどうもありがとうございます。
 出席率が悪いんじゃないかと危惧をしておったんですか、逆にこの時期にこういう会議をするのはあまりないようで、今日はいつになく出席率の高い会議になっておりますので、発言等については時間短縮でお願いしたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。
 それでは、議事に入らせていただきたいと思います。
 本日は、議題1として、日本経済団体連合会の新たな環境自主行動計画についてご報告をいただきます。次に、議題2として、循環基本計画の進捗状況の点検報告書に関し、パブリックコメントに付す案についてご審議をいただきまして、本日その案を決定したいというふうに考えております。
 それでは、最初に議題1、日本経済団体連合会の新たな環境自主行動計画〔循環型社会形成編〕について、吉川委員及び日本経団連よりご報告をお願いしたいと思います。よろしくお願いします。

○吉川委員 それでは、まず経団連からご報告させていただきます。
 まず、これまでの経緯と基本的な考え方について、簡単に整理させていただきますが、我々は1997年に環境自主行動計画の「廃棄物対策編」を策定しております。以降、毎年、毎年度フォローアップを実施しまして、数値目標の着実な達成を目指し、またそれを発表してまいりました。さらに、10年後の2007年に、この計画を「環境自主行動計画〔循環型社会形成編〕」ということに拡充しまして、この中身は、産業界全体の目標と業種別独自目標ということで、2つに整理して組み立てております。
 そういうことでやってきたわけですが、これは2010年度を目標年度としております。内容を申し上げますと、2008年度には目標を2年前倒しで達成しております。以下、2011年度以降の我々の取組を決定いたしましたので、それについてご報告をさせていただきます。
 お手元の資料、概略を説明させていただきますが、まず基本的な考え方でございまして、これを読みながら申し上げます。「2011年度以降も「産業界全体の目標(産業廃棄物の最終処分量削減)」と「業種別独自目標」によって積極的に3Rを推進する」というのが我々の環境、基本的な考え方でございます。
 その中身は、第1に「産業界全体の産業廃棄物の最終処分量削減に関する新たな目標」をまず設定しております。この(1)(2)とございますが、(1)は、産業廃棄物最終処分量削減について、2015年度に2000年度実績の65%減を産業界全体の目標としております。これは、政府の目標数値で申し上げると、政府の計画の目標数値は60%ということになっておりますので、我々は意欲的にそれを超える削減等を計画しております。
 次に(2)のところですが、「目標の達成に向け、経団連として、廃棄物処理法の見直しや運用改善を政府に対して引き続き求める」ということで、既に申し上げましたように86%という目標を既に達成しておりまして、これ以上の達成というのは大変難しい、できないと言っているわけじゃないですが、大変難しいということ、難しい状況になっております。したがいまして、我々の努力だけじゃなくて、国の法律あるいは運用についてもご協力を賜りたいということで、9月にお願いをしております。
 以下、棒グラフを見ていただきますと、今申し上げたことの繰り返しですが、2000年度の左の赤の基準に対しまして、一番右側が65%減と、こういうことを我々は考えたということでございます。
 なお、2015年度の65%減というのは、2008年度と比較するとあまり変わっていないじゃないか。実際ほとんど変わらないわけですが、ということで努力が足りないとおっしゃらないでいただきたい。2008年度というのは、リーマンショックの後の不況の中での異常値と、特別な事情のある数値というふうに考えております。したがいまして、これは比較にはなりませんので、通常の経済状態が続いた場合にこの一番右の赤を達成したいということでございます。
 次に、第2の点でございますが、2の「業種別独自目標の設定・改善」についてです。(1)ですが、産業廃棄物の最終処分量の削減目標以外に、各業種の特性や事情を踏まえた適切な目標がある場合には独自目標、例えば再資源化率であるとか事業系一般廃棄物最終処分量として設定して、3R促進に取り組む。産業界といいましても非常に多種多様でございますので、こういう柔軟なやり方がよかろうということでございます。
 次に、(2)各業種の独自目標の設定に当たっては、定義をわかりやすく説明することに努めると。特殊な業界については、あいまいとしたものではなくて、きちんと定義を明らかにしてわかりやすくすると同時に、フォローアップもしやすいようにするということでございます。
 以上が、我々が決定しました来年度以降の計画でございます。
 最後に、余分なことですが、つけ加えたいと思いますが、まだ社会全体、あるいは社会の一部には大企業悪者論みたいなのがあります。その原因をつくった我々には歴史的に反省する点があるにしても、今の産業界我々は本当に真摯に取り組んでおると、かつ今後も取り組んでいく覚悟だということをご理解いただきたい、ご報告したいと思います。
 以上でございます。

○武内部会長 どうもありがとうございました。
 それでは、ただいまの経団連からのご報告について、ご質問等ございましたらお願いしたいと思います。繰り返しますが、簡潔にお願いしたいと思います。
 佐和委員、どうぞ。
 なお、細かい質問にもお答えできるように事務局が控えておりますが、どんな問題でも結構です。

○佐和委員 ある意味では細かい質問なんですけれども、ここの「2.業種別独自目標の設定・改善」というところですけれども、これは「各業種の特性や事情等を踏まえた適切な目標がある場合には独自目標として設定し」云々というふうにございますけれども、これはこういう独自目標を設定する業種は、全体が幾つで、ですからどの程度のところが実際にその独自目標を設定するのかということですね。パーセンテージでもいいですし、何業種中何業種ぐらいということでも結構です。
 それから、そういう意味で仮に独自目標を設定することを認めるとすれば、そのことと全体として2000年度比65%程度減ということとの、これのコンシステンシーというんでしょうかね、それはいかにしてそのコンシステンシーを図るのかという、意味はおわかりでしょうか。

○吉川委員 はい。

○佐和委員 つまり、独自にやって全体として……

○吉川委員 理解していると思いますが、していなかったらごめんなさい。もう一回ですね。

○佐和委員 だから、そのコンシステンシーをどのようにして保つかということですね。

○武内部会長 ちょっとまとめてお答えいただくとありがたいんですが、時間の関係で。
 藤井委員。

○藤井委員 先ほどのご発表の中で、2008年度の数値についてはリーマンショックの影響で特別な年であったというふうにお話がありましたが、これまでの経緯と基本的な考え方の(2)のところに「2008年度には目標を二年前倒しで達成した」とあります。ここはやはり言い回しを少しお変えになったほうがよろしいのではないかと、そこの1点だけです。

○武内部会長 崎田委員。

○崎田委員 ありがとうございます。
 かなりこの最終処分量の目標をしっかりとクリアされているという状況は拝見しましたが、1つ伺いたいのは、先ほどの独自目標のことと少し似ている側面もあるんですが、この循環基本計画の部会の中で、今、循環資源が国内でもう一度製品に回らずに、外に出ていく量が非常に増えているというようなことが課題になっておりまして、そういうところをしっかりと国内のほうにもう一度回すとか、そういうことに関しては独自目標の中に取り入れられているのかどうか、そういうことを伺いたいと思いました。よろしくお願いします。

○武内部会長 森口委員。

○森口委員 私も、この独自目標というところに若干関係することで、1点コメントをさせていただきたいと思います。
 以前より、特にリサイクル率という指標に関しては、業種ごとの、あるいはその材料ごとの特性も踏まえつつ、なるべくその共通の定義に持っていけないものなのかということのお願いをしてまいりました。事業の特性上、それぞれ独自の定義なり目標をお使いになるということもあるかと思いますけれども、ここに書かれておりますとおり、特に定義等をわかりやすく説明していただきたいということをぜひお願いしたい。日本の取組が国際的に非常に注目を浴びている、欧州等も日本の産業界の取組に非常に着目しているということもあると思いますので、国民にわかりやすく説明するということともに、日本の産業の国際競争力という観点から、対外的にもぜひわかりやすく説明していっていただきたい。この点ぜひよろしくお願いしたいと思います。

○武内部会長 それでは、中川委員、お願いします。

○中川委員 政府の第二次計画での目標が60%減、今回65%ということで日本経団連としてさらなる踏み込みをされているわけですが、この65%程度減が実現できると、政府の60%減というのは達成できるのかどうか、そして、仮に65%程度減しますと、そのほかのこの産業界全体と産業廃棄物最終処分量とはどういう関係にあるのか、ちょっとよく理解できていないんですが、どういう分野でその60%より低い減の率でいいのか、つまりどこかが助かるのかどうか、これも含めて教えていただきたい。

○武内部会長 よろしいですか。
 それじゃ、お答えをお願いいたします。

○吉川委員 私が答えられるのは割合少ないので、全部、事務局のほうで答えてもらいます。

○平田氏(日本経済団体連合会事務局) それでは、経団連事務局でございますが、順を追ってお答えしたいと思います。
 まず、佐和先生からのご指摘で、独自目標の実現とその65%実現の関係ということですが……

○佐和委員 それが1つと、それから独自目標を掲げるというんですか、そういうものを自ら設定する業種は何業種ぐらいか。

○平田氏(日本経済団体連合会事務局) どれぐらいかというのは、今まで40業種が独自目標を掲げております。最終処分量の削減の目標を掲げている業種につきましては、すべての業種が独自目標を掲げております。今後、各業界からそれぞれ計画を立てていただいて集めますけれども、適切な目標がないという、つまり、今まで取り組んできた目標は高いレベルまで実現してしまって、新たな目標が見つからないというところも、率直な意見として業界からは伺っております。どれぐらいの業種が独自目標を掲げるのかというのは、今すぐには申し上げられないことですけれども、多くの業種は取り組んでいただけると思っております。
 それから、独自目標の実現が65%程度減にどうつながるかということについては、お答えにならないかもしれませんけれども、そういう議論はしたことがありません。どの業種のどの独自目標がどれぐらい実現すれば、どうその最終処分量の削減に反映するのかということは、きちんと詰めて議論はしておりませんので、そこはきちんとお答えできません。それぞれの業種で独自目標の実現に取り組み、結果として最終処分量が65%程度減になればそれは目標を達成すると、そういうつながりだと理解しております。

○佐和委員 ならない場合はどうされるんですか。

○吉川委員 やると申し上げておりますので、ならない場合を今考えても切りがないので。

○佐和委員 それぞれの業種が、うちはこれだけ削減します、うちはこれだけというふうに……

○吉川委員 わかりました。

○佐和委員 申告するというか申し出ると。それに対して、それが全体として見たときに65%までいかなかった場合、可能性というのは十分あり得るわけですね。

○吉川委員 はい、わかりました。それは、独自目標を設定するときに、経団連の事務局が各業界と相当詳しく何度も何度も協議をいたしますので、そういうものを含めて、我々としては65%に全体がおさまるような、そういう指導というか、協力を要請していくということでございます。

○平田氏(日本経済団体連合会事務局) それから、続きまして藤井先生からのご指摘につきまして、2008年度が異常値ということであれば、2年前倒しで実現したというのは言い過ぎなのではないかということですけれども、既にここまで相当程度削減してきていることをご理解いただくとともに、事実として2年前倒しで目標自体は達成していることをご理解いただければと思っております。
 それから、次に崎田先生からのご指摘で、国内で回すという独自目標、国内で回るようにという、そういう目標になっているのかどうかということは、そこまでブレークダウンして調べておらず、経団連事務局として把握をしておりません。国内で回す部分と外で有効利用する部分の両面があると思っておりますが、それがどこまで目標に含まれているのかについては把握しておりません。ご理解いただければというふうに思っております。
 それから、森口先生からは定義をわかりやすくということでしたので、業界とも相談しながら、日本の取組は注目されているようですので、そこは粘り強く少しずつ改善してまいりたいと思っております。
 それから、中川先生からのご指摘で、この65%減が実現すれば、政府の60%減が実現するのかどうかというのは、計算したことがなくお答えできませんので、ご了承いただければと思います。
 以上でございます。

○吉川委員 崎田先生の海外の分というのは、なかなか把握できない、国としても把握できない部分でございますので、我々が最終処分量として把握しているものをということは、当然、国内ということになりますね。それをこういう目標で管理しますと。国外へ出るのは、環境省の皆さんと一緒に、いろんなことを、いろんなまた別な施策を考えなくちゃいけないことだというふうに理解している。よろしいですか。

○崎田委員 はい。

○武内部会長 以上でよろしいでしょうか。
 はい、どうぞ。

○浅野委員 前に第二次の計画をつくったときに、産業界からはさらに目標を厳しくするのかと大分厳しく言われましたが、いや、これは経団連だけにやってくださいと言っているわけではなく、政府が経団連の自主行動計画の対象外の事業者についてもきちっと対策をとることによって、このような目標を立てるわけなので、何とかご理解いただきたいと言うようなやりとりの上で目標を決めたという経過があるわけですが、それから言いますと、政府が決めている、つまりこの循環の計画で考えている目標よりもさらに厳しい最終処分量の目標を自主行動計画に掲げていただけたということは大変ありがたいことだと思いますし、それからこれまでにもすでにほとんどできることはしておられるのだろうという前提で考えておりまして、むしろ今後はこれまで達成できてきたレベルをどう維持するかということが大変だろうと思っていたわけですが、その意味でもレベルを維持するということがきちっと守られているというのはいいことだろうと思います。
 独自目標は、全体の積み上げのためにそれらの独自目標が効果をあげるというより、各業種ごとに、自分が何を目標として努力すればいいかということをより具体的に考えるための努力目標を決めているのであって、トータルの数字を合わせるために、各業種ごとに目標をそれぞれ立てていて、その中で勝手にやっていればいいという話ではないと理解したのですが、そういう理解でいいのでしょうか。つまり、65%下げるということは、経団連全体でお決めになっているわけだから、それは達成できる。しかし、それをやっていくと、ひょっとするともう何にもしなくてもいいという業種が出てくるので、それでは甚だよろしくない。もう十分にこの目標は達成できているような業種はもっと別な目標とか、あるいはより自分のところが何をターゲットにしてやることが、より現実的かということを考えて目標を立てるというのがここで言う独自目標であって、温暖化対策の場面で議論している話とはかなりニュアンスが違うと私は思ったのですが、そのような理解でよろしいのでしょうか。

○吉川委員 では、関連して答えますが、65%をもし達成できたら、これでもういいやと言ってあぐらをかくわけじゃありませんので、もう65を達成したら、さらに余地があれば、我々としては当然努力をするということでございます。

○武内部会長 酒井委員、お願いします。

○酒井委員 目標がこの最終処分量のみにちょっと収斂し過ぎではないかというちょっと心配をしております。先ほど平田さんのほうから、業種によっては新たな目標がないという、そういうふうに宣言される業種もあるというご説明がございましたけれども、そういうところがあるんでしたらぜひこの場でご説明いただいて、皆さん、また議論をさせていただけるんではないかと思いますし、相当、知恵も出てくるんではないかというふうにも思います。
 そういったところを含めて、先ほど森口委員が言われたリサイクル率なり、あるいは資源性産性あるいは今焦点になりつつある化石系資源に関する資源生産性等々、やはりそれぞれの業種に特徴的な一つの物の見方というのは当然あろうかと思いますので、少し幅広の指標の取り扱いというものをぜひお願いしていきたいと思いますし、それはそれぞれの業種のほうから独自に今後ご紹介いただけるということでございますので、そのあたりまた前向きに議論させていただきたいと思いますので、よろしくお願いをしたいというふうに思います。

○吉川委員 一言だけお願いします。
 経団連全体では今のお考えについてはまとめてはいないんですか、企業ごとには、こういう最終処分量だけじゃなくて、企業独自にいろんな目標を持っておりまして、そういうことでできる企業から細かく管理していると、そういうことが企業の中で進んでいるということだけ報告します。

○酒井委員 それは、また国全体といいますか、みんなに見える形でお示しいただければありがたいと思います。

○武内部会長 森口さん、どうぞ。

○森口委員 普段から発言数が多いものですから、今日は多くの委員がご出席ということで控えようと思っておったのですが、すみません、2巡目で申し訳ございません。
 今の一連の議論の中で、私が先ほどわかりやすくと申し上げたことはちょっとわかりにくかったかもしれないのですが、佐和先生がご指摘になりましたように、全体としての目標があって、一方で個別の目標がある。そこの関係がどうなっているのかというのが実はわかりにくいんだと思うんですね。これは欧州等でもたびたび聞かれるところでございまして、国全体の目標は立てているんだけれども、そのことと業界ごととの取組との関係というのはどうなっているのかということをよく聞かれます。
 これは、実は国全体の目標としても、物質フロー指標と取組指標との関係というのは、必ずしもこれまで関係づけられていなかったところがございまして、これは私のほうが参加させていただいた物質フローの検討会の中で、そこのところも国のほうの指標についても関係づけをより明確にしていこうというふうなことをやり始めております。そういったこととの関係も踏まえながら、今のところはやっておりませんというお話だったわけですけれども、期待といたしましては、そういったところの関係づけですとか、酒井委員からご指摘のありましたほかの断面に注目をした指標の設定あるいは目標設定というところについても、非常にやっぱり国際的に日本の産業界の取組は注目を浴びているということを繰り返し申し上げさせていただいて、これは期待とともにということでございますけれども、あえて発言をさせていただきました。

○武内部会長 よろしいでしょうか。じゃ、そういうことでこの議論を閉じさせていただきますが、今のような点について、これは今の段階でということではなくて、少しまたお考えいただいた上で、我々にそのお考えをお示しいただくようなまた機会もお願いできればと思います。また、先々で、今日はどうもありがとうございました。

○吉川委員 少しお時間を。

○武内部会長 はい、よろしくお願いいたします。
 それでは、引き続きまして議題の2、第二次循環型社会形成推進基本計画の進捗状況の第3回点検結果案(パブリックコメント案)の議論に入りたいと思います。
 まず、点検報告書案のうち、前回審議した部分についての修正点や平成21年度速報値について、事務局よりご説明をお願いしたいと思います。

○循環型社会推進室長 では、資料の2に基づきましてご説明をいたします。
 まず、前回からまずはデータの修正ということで、3ページのほうをご覧ください。
 前回、平成20年度の資源生産性を36.3万円という値でご報告したところなんですが、12月9日に内閣府のほうから、国民経済計算のカク確報値が出まして、前のときはGDPの成長率をマイナス3.8%という速報値を使っていましたが、12月9日に出た数字がマイナス4.1%、それにつきましては5ページのほうにも書いておりますけれども、マイナス4.1%というカク確報値ということで出ておりまして、それに伴って、5ページのほうを見ていただきますと、資源生産性の数字が、前回の36.3万円からちょっと減って36.1万円になったということでございます。ここがまずデータで変わった点でございます。
 それから、同じようにそのGDPを使った数字で10ページ目をご覧いただきますと、土石系の資源投入量の数字も若干変わって、新しいのが61.4万円ということになっております。
 同じように14ページ、化石系の資源生産性も、GDPの値が変わったに伴いまして、20年度の数字が変わっております。すみません、ちょっとアンダーバーの引くところが間違っていますけれども、20年度は106万円ということでございます。ここが数字のご報告でございます。
 それで、化石系の資源生産性について前回ご質問をいただきまして、その値について資料の2-2のほうにちょっとご説明をしておりますで、まずそちらのほうをご覧いただければと思います。
 現在、熱量ベースで見て、化石系の資源生産性がどうなっているのかというご質問をいただきまして、それについて数字を出しております。資料2-2のほうでございます。上が熱量ベース、下が重量ベースの化石系資源に関する資源生産性でございます。ここで見ると、熱量ベースで見ても、18年度以降、やはり化石系の資源生産性が下がっているという状況にあります。これは、裏面を見ていただきますと、天然ガスの熱量ベースでの投入量が増えてはいるんですが、石炭の分も使用量が増えているということがありまして、熱量ベースで見ても石炭の投入量が増えていることから、全体が、熱量ベースでもその化石系の資源生産性がやはり落ちているということがデータとして示されております。
 物質フローのほうは以上でございます。
 続きまして、23ページのほうで、物質フローについての評価と課題というところで、前回ご指摘をいただきまして、そこについては、変更点については下線を引いておりますけれども、[7]のところで、先ほどもご意見いただきましたが、循環資源をそのまま輸出するのではなくて、付加価値をつけて輸出をするという必要があるんじゃないかというご指摘をいただきまして、そこについて[7]の下線部のほうで、循環資源をできるだけ国内で利用することを旨としつつ、特に、資源生産性の向上の観点からは、循環資源の輸出に当たっては、その循環資源をそのまま輸出するのではなく、例えば何らかの付加価値をつけて輸出するなどにより、資源生産性の向上に寄与することに留意する必要があるということを書いております。
 それから、[8]のところでございますが、補助指標、先ほども申しましたが、化石系の資源に関する資源生産性と、それから土石系の資源投入量を除いた資源生産性といったものについては、引き続きそこを見ていく必要があるというところで、方向性を書き加えております。
 24ページのほうに移っていただきますと、補助指標によって、多角的な評価が可能となったというご指摘を加えております。
 あと、ここでちょっとこの資料からは外れるんですが、資料2-3のほうをご覧いただけますでしょうか。前回、速報値のほうをお出しするということを申し上げておりましたけれども、2-3のほうで物質フロー指標の平成21年度の速報値をとりあえず計算したものをお出ししております。これは速報値ですので、今後、算定する確定値とは誤差が生じるということで、また来年、確定値については正確なデータをもとに計算させてお示しする予定でございますが、とりあえず傾向として今の状況をご報告いたします。
 資料2-3のほうで、物質フローの模式図がございますけれども、平成20年度と比べていただきますと、21年度が、かなりまた天然資源の投入量が下がっている。これは、輸入、それと国内資源と、両方ともその投入量が下がっているというのが見ていただけるかと思います。
 その結果を踏まえて、次のところでございますけれども、資料2-3の2ページ目のほうでございますが、資源生産性についてもいろんな方面で上向きという方向が出ているという状況でございます。ただ、やはりここについてはいろんな要因がまた考えられるということで、1つは、速報値を使っていて、その粗さ、速報でありますのでデータの粗さというのが原因ということ、それから当然その経済情勢というのが1つあります。それから、タイムラグですね。在庫などのタイムラグも考えられるのではないか。ここら辺は今後精査していく必要があるということでございます。ということで、現在の速報値でございますと、平成21年の資源生産性がトン当たり大体40.1万円ということになっておりますが、ここについては、次年度以降、さらに経年の推移を見て、状況を判断する必要があるかということが言えるかと思います。
 次に、4ページ目のほうで、循環利用率のほうも速報値ということで計算をしております。ここも、タイムラグなどもありまして、やはり経年で変化を見ていく必要がありますけれども、4ページ目の図の7のグラフをご覧いただきますと、ちょっと循環利用率のほうが下がっておりまして、13.9%ということでデータとしては出てきているところでございます。
 それから、最終処分量につきましては、5ページ目でございますが、これは、引き続き下がっておりまして、2,250万トンということで減少傾向にあるということで見ていただけるかと思っています。こういうふうに、物質フローについては速報という形で、傾向については、資源生産性が上向いていて、循環利用率は下がっていて、最終処分量は下がっているという、傾向としては今の状況ではこういうことであるということでご報告させていただきます。
 では、すみません、資料がばらばらして恐縮ですが、資料の2の報告書の本体のほうに戻っていただけますでしょうか。では、次は25ページからの取組指標のところで、前回からの変更点についてご説明をいたします。
 具体的には、58ページのところで、ごみの有料化の実施自治体率とリデュースの取組の上位市町村についてご説明したところで、ごみの有料化についての効果についてご質問をいただいていたところでございます。これについては、ちょっとまた資料が別になって恐縮ですが、資料の2-4のほうで、1人1日当たりで家庭から排出するごみの量、有料化実施の有無別に計算した数字をお出ししております。これは、データについてまだちょっと精査中でございまして、粗々なものでございますけれども、資料の2-4のほうをご覧いただきますと、表の一番右のほうの全国平均で見たところですと、有料化している自治体が1人1日当たりで558グラム、それから有料化していない自治体が577グラムということで、差が出ているということでございます。ただ、ここについてもいろいろデータが粗いところがございますので、ごみの有料化の効果につきまして、また来年度それを把握するための調査を予定しておりまして、またその調査の結果が出ましたらこの場でもご報告できるかと考えております。
 では、またばらばらしてすみません、本体のほうにお戻りいただけますでしょうか。では、67ページのほうになります。取組指標の評価と課題のほうでご指摘いただいたところといたしまして67ページの[1]のところでございますけれども、前回、平成20年度が世界金融危機の影響というのをちょっと言い過ぎましたものですから、そこについてご指摘をいただきましたので、ここで[1]のところで、個別リサイクル法やそのごみ処理有料化など、着実な3Rの推進というのを加えております。また、一般廃棄物の減量化については、環境保全を図るというところを加えているところでございます。
 それから、[3]のところでございますけれども、アンケートの結果で、リターナブル瓶の製品を買うとか、あと再生原料でつくられたリサイクル製品を積極的に購入しているというのについては、回答率が減少しているということを明示しております。それから、[3]の一番下のところでございますけれども、意識と行動の乖離というところについて、対策として消費者の行動パターンを考慮した仕組みの構築などを行う必要があるということを、方向性として対策の方向性を明示しているところでございます。
 続きまして、68ページのほうでございますが、[8]のところで、リターナブル瓶の使用率向上の対策として、下線の引いてあります「国民1人1人に対する取組だけでなく、飲食店におけるリターナブルびんの使用率向上のための仕組みの検討」というようなことを書いております。
 それから、68ページの一番の下、[9]のところでございますけれども、リユース食器の普及のためにも「保健所等との協力を得つつ、衛生面に十分配慮したリユース食器の普及啓発資料の作成」、これはまさに今取り組んでいるところでございますけれども、そういうことを書いているところでございます。
 それから、69ページのほうに移りまして[10]のところでございますけれども、地域の循環基本計画、それからいろんな環境基本計画などにおいての循環に関する内容の記載というところでございますが、10ページの中ほどの下線を引いているところで、地域の循環資源の賦存量を把握して、それからその活用策を記載することや、国が検討している地方公共団体等の地域循環圏を形成する主体向けの地域循環圏づくりのガイドラインの考え方などを入れて、地方公共団体などの地域が自らの循環計画に何を書けばいいのかというようなことの内容をここで記載しているところでございます。
 それから、[11]のところでまとめのところでございますが、ここについても、やはりこれまでのいろんな取組、意識の向上とか個別リサイクル法の取組、それからごみ処理有料化などの取組が、一応、功を奏したのと、それから金融危機の影響とがあって、目標を達成した指標があるというような評価を書いているところでございます。
 続きまして、変更点として各主体の取組のところでございますけれども、72ページのほうをご覧いただけますでしょうか。72ページの「事業者の取組」のところで、先ほどご説明いただきました新しい自主行動計画についての記述を加えております。また、事業者についても、自然共生と循環型社会の組み合わせというのを行われている例を書くべきだというご指摘をいただきましたので、そこについても記載しているところでございます。
 それから、次に76ページのほうになりますが、「国の取組状況」につきましては、前回ご報告いただきました外務省さんと、それから農水省さんの取組の部分も新たに加えております。
 それから、そういった意味で、77ページのほうになりますけれども、[3]のところで、バイオマスの活用推進基本法に基づきますバイオマス活用推進基本計画が閣議決定されたという事実についてを入れております。
 それから、次、78ページに移りまして、「自然界で再生可能な資源の持続可能な利用推進」と[4]のところで取組について記入するとともに、繰り返しになりますが、バイオマス活用推進基本計画についても閣議決定という事実を入れております。
 それから、[5]についても、生物多様性保全を重視した農林水産業の推進によって、田園地域や里地里山の保全を図っているという取組を記載しております。
 それから、79ページのところで、イのバイオマス系の循環資源で、バイオマスタウン構想についての取組状況を書いてあります。それからまた、ウのところで家畜排せつ物の有効利用の状況についても書き加えているところでございます。
 それから、続きましてちょっと飛びますが、87ページのほうになりまして、87ページの一番下で、JICAによる3Rの取組の促進についてを書いております。
 それから、次、88ページで、[6]で「研修生の受け入れ」、外国から国際的な取組の一環としての研修生の受け入れということについても加えております。
 変更点としては、以上の点を前回から報告書としては修正をしております。
 とりあえず以上でございます。

○武内部会長 どうもありがとうございました。
 それでは、この修正案についてご意見、ご質問等がございましたらよろしくお願いします。
 佐和さん、お願いします。

○佐和委員 たまたま先ほど経団連からご報告があったので、この28ページをご覧いただきたいんですね。だから、たまたまこれを見たら、大きなミステークが見つかったんです、文章に。平成20年度のこれこれは、平成12年度では80.3%じゃなくて、これが平成2年度でしょう。次が12年度でしょう。逆になっている。それはケアレスミスという。
 それから、1つこれは経団連の方にもお伺いしたいんですけれども、要するに経団連のこのあれを見ると、産業界全体からの最終処分量実績と新たな目標というふうに書いていますね。これに対して、ここを環境省のほうは知っているんですよ。産業廃棄物の排出及び処理状況等で産業廃棄物の最終処分量、これ、絶対的な数字も環境省の数字のほうが大きくなっているわけですね。カバレッジがそれだけ広いということですね。その辺について、むしろ経団連の方にお伺いしたいんですけど、ここでおっしゃっている産業界全体からのと書いていますけれども、これはカバレッジでいってどの程度なんでしょうか。

○武内部会長 ほかにご質問ございませんか。
 崎田委員、お願いします。

○崎田委員 すみません。前回かなり細かいご指摘をさせていただいたことに関しては、かなりしっかり入れ込んでいただきましてありがとうございます。
 それと、今回、家庭ごみ有料化の効果についても記載したらどうかということで、資料の2-4ですか、まだ精査前ということで別添資料で出ていますけれども、来年度きちんとアンケートをとるというお話がありましたので、ぜひ詳細に項目を練って、いろいろ実際の状況を把握していただければありがたいなというふうに思っております。
 それで、実は東京都は、23区がどこもまだ有料化していなくて、多摩地域はほとんど有料化に向けて動いているという非常に大きな差があるんですが、先日、東京都の環境局の方にちょっと試しの試算をしていただいて、それは、多摩地域の中で重量制有料化しているところとまだ有料化していないというところの平均値を試して出してみていただいたんですが、そうすると有料化を実施しているところが1人1日575グラムで、未実施のところが601グラムということで、やはりここの差が26グラム出ているんですね。微妙に数字は全国の数字よりも量は大きいんですが、大体そのくらいの差というのが、今回、環境省が出してくださった数字と同じような傾向が出ていますので、このくらいの効果というのはやはり認められるんじゃないかなというふうに思いますので、来年度もう少しアンケートをきちんとやって、その辺の数字を、ぜひ全国に発信していただけるような数字を出していただければ、より一層この施策が進むんではないかなというふうに思っております。
 なお、別にもう一つ質問なんですが、46ページのリース・レンタルのところで、前回はちょっと私も気がつかなかったんですが、リースが非常に減少しているということで、リース・レンタルの合計が非常に下がっているんですけれども、この辺の原因とか、そういうのがおわかりだったら教えていただければありがたいというふうに思います。

○武内部会長 中川委員、お願いします。

○中川委員 基本計画そのものに関わる話なんで、この今回の報告で修正できるというわけではないんですが、実は各主体の役割あるいは取組状況ということの中に地方公共団体か入っており、その後に国の取組というのが出てくるわけです。これは、計画そのものがそういう構成になっているわけだから、それを踏まえてのことであるというのはわかるわけですので、今後、計画をつくる際にもう一度ご検討いただければ思います。
 つまり、申し上げたいのは、地方公共団体も、国と一体となって、あるいは国と協力しながら、ここの国の取組に書かれているようなさまざまな取組を行っているわけなんです。これがすべて国の取組の中に包含されるというのは、やはり書き方としても、あるいは受け止めるほうとしても必ずしも正確ではないと思います。したがって、計画そのものの構成として、将来的には行政としての取組というような書き方にして、その中で、国あるいは地方公共団体、それもさらに分けられれば、都道府県と市町村、あるいは都道府県を越えるような広域的な取組なども分けて記述することは十分考えられるのではないか。
 特に、今回、地域循環圏の問題が書かれておりますが、地域循環圏の形成に当たっての主体はやはり地方公共団体であるべきだと考えられます。そういう旨の記述も一部があるわけですが、それらがすべて国の取組の中に入っているというのは、違和感があるということを申し上げたいと思います。

○武内部会長 森口委員。

○森口委員 2点ございます。
 1点目は、これは、特に新しい点ではなくて、前回に少し気づかなかった点でございますけれども、この点検報告書、恐らくまた循環白書の材料等になっていくのではないかと思いますので、その点からもしできればある機会に追加いただきたい数字がございまして、63ページに容器包装リサイクル法関係の市町村の実施率が出ております。プラスチック製容器包装、これの分別の有無というのは、市民の方々は関心の高いところでございますが、ちょっと私もうっかりしていたんですが、ここに出ている数字は、恐らく白色トレイのみを集めている自治体と、それから全体を分別してところがミックスされた数字かと思います。白色トレイのみを除いたプラスチック製容器包装を集めている自治体の割合というのは、もう少しこれは少ない数字になっていたと思いますので、今、容リ法関係の集計ですと、最近そちらの数字も併記されるようになっていたかと思います。すべての年次、過去に遡っての時系列を追えないのかとは思いますけれども、最近はそのような集計も容リ法関係ではお出しになっていたかと思いますので、この基本計画の点検の中でもそちらについても併記いただけるとよろしいのではないかなと思います。
 それから、もう一点は、佐和委員が先ほどご指摘のありました28ページの産業廃棄物の最終処分量の数字について、国全体の推計と、それから経団連さんから出てくるものとの間に差があるということについては数年前から何度か出ているところかと思います。経団連さんのほうでカバーしておられるところから漏れている部分も当然あるかと思うんですけれども、なかなかなぜ合わないかというところがすっきりしないところがあるかと思います。そのことが、先ほど経団連さんの取組のところでの議論にあった、全体はわかっているんだけれども、その内訳はどうなっているのかというのが、もう少しわかるようにできないかというようなご指摘があったかと思います。産業界のほうで、ボトムアップで計算される部分、それから国全体として全体を押さえる部分、双方から内訳がよりわかりやすくなり、かつ双方の数字がなるべく齟齬のないところに近づいていくことが望ましいと思いますので、今すぐにこれはどのようにしてくださいということではないんですが、これはもう何度も佐和委員からご指摘いただいている点かと思いますので、この点、やはり何らかの形で改善をしていかねばならないのではないかなと思います。
 以上の2点でございます。

○武内部会長 浅野委員、お願いします。

○浅野委員 産業廃棄物については、実際の数字は、今のところ把握のしようがなく、常に推計、推計でしか物が言えないという世界になっているわけです。しかし、どう考えてもこれに関する数字を完全に把握することが、ほとんど不可能に近いことは率直に認めざるを得ないのですが、やはりどうも気持ちが悪いですね。いつまでたってもよくわからない。どうやってより正確な数字を把握できるようになるかということは、循環基本計画の領域の問題というよりも、廃棄物行政全体の中で本気になって考えていかないといけない問題だろうと思います。しかも、発生量と排出量というわけですが、発生量に至ってはなおさらよくわかっていない。そうすると実際には発生したものを内部できちんと減量しているのか、していないのかそれもよくわからないことになるわけです。つまり、すべてが推計でしか物が言えないという困った世界です。ですから、そのような前提のもとで数字を扱っていくというところにもともと無理があるわけです。今まさに森口委員が言われたとおりで、これが何とかならないものかと前から気になっているので発言をしました。
 それから、地域循環圏に関しては、これを最初にうち出したときとその後の地域循環圏の取扱いの動向に若干ずれが生まれてきたという印象があり、今回の点検報告では少し修正をしてもらったわけで、それがここに出てきたことはいいことだと思うのですが、最初に地域循環圏といって言ったときは、物によってどういう地域的範囲でそれを循環させるのがいいのかということを地域循環圏と言ったつもりだったわけですが、その後、地域活性化の話と結びつけてしまったものですから、いつの間にかバイオマスタウンの話や何かと一緒になってしまって、それが地域循環圏であるかのように認識されているとすると、これはちょっと困ったという気がします。
 そこで、必ずしもその自治体単位で考えることを地域循環圏と思っているわけでもない。ただ、自治体単位で考えられるものは考えてほしいし、広域で考えていけるものは広域で考えてほしいし、いろんな要素があるということをもう一遍確認しておかなければいけないわけです。先ほどちょっと地域循環圏に関連してご発言がありましたけれども、必ずしも全部、自治体を策定主体としてというふうにならない。その意味では国が考えなければいけない部分がありそうだし、あるいは将来、道州制ができると策定主体としては一番理想的だと思っていますけれども、今のところまだそうなっていないので、こういう問題をどうするのかという課題が残るだろうと思います。

○武内部会長 酒井委員、お願いします。

○酒井委員 循環利用率についてなんですが、今回の点検報告に書き込んでいただく必要までではないと思っているんですが、気になる数字がございます。
 韓国が、このリサイクル率あるいは循環利用率、高らかに50%以上、非常に高い数字を主張されております。しかも、これがOCEDのレビューによってOCED諸国の中では最高の数字だというような、こういうコメントとしてよく紹介されることがあります。多分ここは、循環利用率あるいはリサイクル率のこの定義の違いということが如実に反映されているんだろうと思いますが、この辺のところの情報を正確にやはり伝えていく必要があるんではないかというふうに思っております。
 もちろん、定義の差だけの問題でないところも、ここには問題が内在している可能性がございますので、有機性廃棄物の埋め立ての禁止を全国的に展開し、それで飼料化あるいは肥料化等々を非常に積極的に取り組んでこられたお隣の国の成果という、そういう側面もございますから、そういう事実をはっきりつかんでいくためにも、やはりここの循環利用率のところはぜひ次年度に向けて、あるいは次の計画に向けて、さまざまな場面で把握していくという方向を少し考え始めたほうがいいんではないかなというふうに思います。それは、先ほどの経団連さんからの業種別云々という話とも符牒していく話になると思いますので、このあたり、ちょっと忘れられないためにあえて発言させていただきます。

○武内部会長 ありがとうございました。
 古市委員、お願いします。

○古市委員 3点ほど気づいた点をコメントします。
 79ページのバイオマス系循環資源、これにつきましては、バイオマスタウンが286達成したということなんですが、これは正確に言いますと市町村だけではなしに地域も含んでいますので、市町村等だろうと思います。
 それと、先ほど浅野委員がおっしゃったですけど、地域循環圏を形成するということとバイオマスタウンができるということは必ずしも同一ではないので、だからこれがどうしたという全体との関係が不明確なんですね。
 次は、その下の家畜排せつ物の件なんですが、家畜排せつ物取締法ができたから、堆肥等の循環的利用が進んでいますよということは、この間も農水省の方がお答えになりましたけれども、適正管理には寄与しているけれども、循環的利用ができているとはおっしゃっていなかったんです。だから、循環的利用とは何かという、リサイクルとは何かというところが非常に不明確な状況であります。その辺は明確にされたほうがいいんじゃないかというふうに思います。
 それから、3点目は、ちょっとこれ、表現だけで前なんですが、67ページの上から4分の1のところで、下線で修正された部分なんですが、「環境保全を図るため」となっていますけれども、環境保全と資源保全という観点がちょっと抜けているんじゃないかと思いますので、よろしくお願いします。
 以上です

○武内部会長 ありがとうございました。
 それでは、佐々木委員、お願いします。

○佐々木委員 ありがとうございます。
 まず、23ページのところの[7]番のところなんですが、「付加価値をつけて輸出する」と、当然その方向が正しいんだろうと思うんですが、お隣の中国とか、そういうところが、逆の動きを、資源を、できるだけ手をかけないものを輸入するというような動きがありますし、ペットボトルやプラスチックなんかもそういったことでなっているんですが、その辺についてどういうふうに今後、ここに「留意する」ということで書いてあるんですが、私も大事なことだと思うんですが、その辺のことをしっかり今後も見届けていかなければならないのかなというふうに思っております。
 その次に、68ページの[8]のところなんですが、リユースが大事なんで「リターナブルびん」云々ということで「国民1人1人の取組だけでなく」というのは当然なことなんですか、いわゆる事業者さんのほうにいろいろ聞いてみると、もう瓶をやる仕組みというのは、ビール瓶以外はほとんど無理じゃないんですかというようなことをよくおっしゃられるんですが、その辺について、この仕組みの検討というところで、しっかりそういったことが可能なのかどうか、その辺のことも含めて、これは質問になろうかと思います。
 それから、[9]番のところのリユース食器のところで、普及啓発資料を作成していただく、これは非常に大事でして、実際に大きなイベントなんかでリユース食器をやろうということで、主催者なんかと自治体がいろいろごみにならないようにとやるんですが、最終的に衛生的な観点からと言われて、ここではだめですみたいなことを言われちゃうとどうするかというと、リユース食器をたくさん借りるんですね。要するに、例えば1回転して全部が終わるようにということになると、とてもそうするとイベントでは使いこなせないみたいなことになりますので、特にこのリユース食器はいいことだからやってほしいということとその保健所等との協力を得てと言ったときに、その辺のガイドラインみたいなものを少し協議していただければ、リユース食器も結構進むんじゃないかと思いますので、その辺はよろしくお願いしたいと。
 以上であります。

○武内部会長 細田委員、お願いします。

○細田委員 3点あって、1点、質問で、2点、コメントです。
 1点目は、質問の部分はこのことです。
 静脈物流システムの構築は77ページに書いてあります。そのほかに、いろんなところにサプライチェーンの話が書いてあるんですが、サプライチェーンと適正な静脈物流システムはどうつながっているかということが読んでもよくわからない。チェーンがある限りつなぐのは物流システムで、動脈の場合は例えばJANコードとかあって、ロケーションが常にアイデンティティーを同定されるようになっているわけですね。ところが、静脈物流の場合はそうなっていない。だから、サプライチェーンという言葉をきれいな言葉で使ったとしても、それは同定できないんですよね。適正な静脈物流システムとサプライチェーンがどうつながってくるのかということ、ここをどうお考えになっているのかというのが質問、あるいはコメントすればもっとちゃんとそこを考えてほしい。
 第2点目です。
 サプライチェーンという言葉がよく出てくるんですけれども、サプライというのは、当然、物の流れが上流側から見て下に流していくことなんですけれども、これはディマンドという言葉が出てこないんですよね。先ほど国内で資源循環をすべきだというご意見があったんですけど、すべてのものを、例えばHSスクラップを国内で全部回せなんて不可能な話で、それはできないんですけれども、できるものとできないものが、じゃできるものはどうやって国内で資源をとってくるかというと、ディマンドから見なければいけない。その発想がこの中にないんですよね。そうすると、永遠にサプライだけ考えていくと、日本で集めたのはいいけれども、全部、国外へ出て行ってしまう。でも、サプライチェーンはできているということになってしまう。ここはやっぱりディマンドの観点を取り入れてみないと、国内でどうやってディマンドとつなげるかということを考えなければいけない。2点目、コメントです。
 3点目は、経団連の先ほどのプレゼンテーションで量的な面しかおっしゃっていないのがありましたけれども、そろそろ経団連だけじゃなくて質の問題を取り込んでいかなければ、例えば酒井委員のご専門である有害物質の観点から見るとどうコントロールすべきなのか。それから、静脈物流で見ると、どうしていまだにこんなに物の流れがわからないような、先ほどデータもとれないようなシステムになっているのか。業界がしっかりできていれば、例えば鉄リサイクル工業会があれば、鉄のスクラップの量は把握されているわけですね。鉄原協会があれば、そこは静脈でもちゃんと押さえられている。
 ところが、産業廃棄物に関してはそのデータさえはっきりしていない。ということは、この取引の質が非常に悪いということにもつながっているんですよね。その質の部分というものをどうやって高めるか。例えばGPSでどうやって物流が管理されるか、さっきのJANコードでもないですけれども、そういうパラレルのものがこの静脈の中に入ってくるということをもっと我々は考えないと、取引の質という面が高められない。今回はいいと思うんですけれども、次回には、その量だけではなく、質は、指標が難しいですけど、何らかの形でやっぱり今後取り入れていく必要があるんじゃないかと思います。1点、質問、2点、コメントでした。
 以上です。

○武内部会長 どうもありがとうございました。
 それじゃ、事務局のほうからお答えをお願いします。

○循環型社会推進室長 質問とコメントをどうもありがとうございました。
 コメントについては、また順次、報告書のほうに、検討しまして反映のほうを考えていきたいと思います。
 それと、ご質問いただいた点については、崎田先生からご質問いただきました46ページのリースが減っているということについては、リースは、実際にレンタルと異なりまして、物を貸しているというよりは、投資というか、金融的な新規投資のときにリースを使って設備投資するというようなことで、金融的な側面がありますので、20年、21年は、やはり不況の影響があって、そこの設備投資系が落ちているので、リースが落ちているんじゃないかということが言えるかと思います。
 それから、中川委員からご指摘いただきました構成につきましては、また次回、計画の見直しをするときにも、どういう主体が、これは主体別がいいのかどうかというのもありますけれども、どういうふうに書けば一番いいのかというのをまた考えていきたいと思います。
 あと、森口委員からいただきました容リ法の実施率については、修正をいたします。
 あと、浅野委員からもいただきました産廃のデータについては、常に課題でございまして、いろんなデータを使って推計値をさらにその実績で、実際の実態の把握に近づけていきたいということで、さらにその正確性というのを期していきたい。これは後ほどのほうにも書いておりますけれども、それは大きな課題ということで考えております。
 それから、地域循環圏については、またこれも次の全体的な評価と課題のほうにも書いておりますが、2種類あるということを明確にして、方向性を両方について書いているというところでございます。
 あと、酒井委員のほうからご指摘いただきました韓国については、また実態も定義の差などもさらに調査して、日本との違い、それから日本の取組を世界に発信していくということも、さらにしていきたいと考えております。
 それから、古市委員からのご指摘で、バイオマスタウンのところは、確かに「等」を加えさせていただきます。それから、地域循環圏のところのバイオマスタウンを書いている意味というのをもうちょっと書き加えるというところについては検討したいと思います。あと、また家畜廃棄物についても、循環的利用について記述が若干粗っぽかったので、もっとちょっと正確に書きたいと思います。それから、資源保全についてもちょっと検討いたします。
 それから、佐々木委員からご指摘いただきました。なかなか書き方が難しくて、ここはとりあえず「留意する」というふうに書いておりましたが、またちょっと書き方をご相談させていただければと思います。それから、「リターナブルびん」につきましては、後ほど、今、環境省のほうでもモデル事業をやっていることについてご説明させていただきます。また、リユース食器につきましては、保健所等にも今ヒアリングをいろいろしながら、ガイドラインまでいくかどうかという問題はありますけれども、衛生面での普及啓発をどうすればいいのかというのを検討しているところでございます。
 それから、細田委員からご指摘をいただきました静脈物流システムとそのサプライチェーンのところで、なかなかそこは難しいところでございますが、物がどういうふうに流れていくのか、特に静脈のほうで物がどういうふうに一番流れていくのかの把握を今後どうしていったらいいのかというのはさらに課題というのと、それが、うまく上流とくっつくという、上流に戻していくというような方法についてさらに検討をしていきたいと思いますので、ご指摘いただいたようなところ、それからディマンドをちゃんと掘り起こしてつなげていくというところについては、将来的な課題とさせていただければと思います。
 じゃ、ちょっとリユースのほうを。

○リサイクル推進室長 「リターナブルびん」につきましての佐々木委員から、もう仕組みとして可能なのかどうかという質問がありましたけれども、これは、私ども、これまで幾つかの事業者の方々とモデル事業を実施させていただいております。例えば、九州で行ったモデル事業で、これはお酒をリターナブル瓶で、R瓶でぐるぐる回していくという、そういう事業でございましたけれども、このモデル事業終了後もこれは継続をされておりまして、うまく仕組みが組めれば回るということもわかっております。また、ほかに例えばワタミさんと協力させていただきまして、実際にワタミさんブランドの日本酒にこのR瓶、これを導入して、これもぐるぐる回してみるということをやったこともございますが、ここも成功しておりまして、その後、ワタミさんは、モデル事業終了後も継続されておられますし、さらにそれを拡大していくというような意図を持っておられるというお話も聞いてございます。

○武内部会長 それでは、今のいただいたご意見を踏まえて、可能な限り報告書の中に盛り込むということでお願いしたいと思います。
 はい、どうぞ。

○佐和委員 1点よろしいですか。
 抽象的な質問で申し訳ないんですが、この資料2-2というのがございますね。これ、私が前回質問したことに対してご用意いただいたものだと思うんですが、これを見ると、少なくとも上と下の図の関係ということはさておくことにして、上の図で見る限り、よくエネルギーのGDP原単位というような言い方をしますよね。この逆数がその原単位にみたいになるわけですね。重量ではかったエネルギーが分母に来て、分子にGDPが来ると、それが20年間全く変化していないと、本当なんですか、これ。

○循環型社会推進室長 普通、温暖化のほうでいきますと、原子力発電とか、あと再生可能エネルギーが入っていますので向上していると思うんですけれども、これは化石資源のみで見ているので、そういう意味ではこういう結果になっているということなんですね。だから、先ほど先生がおっしゃった、多分、温暖化の観点から見た分だと、その原発の導入量がかなり上がっているということでかなり原単位という意味では改善していると思うんですが、これは、燃料の投入量で見て、GDPで割っているのでそういうことになります。

○佐和委員 しかし、その裏面で、化石燃料別の投入量というのは上ですね、このエネルギーではかった、GDP当たりの、これはだから要するに化石燃料を種類別に分けて書いてあるわけですね。そうすると、少なくとも下が物量単位で見たときと、上と下と比較してみると、平成2年というと西暦で言うと……

○循環型社会推進室長 90年ですね。

○佐和委員 90年ですね。90年から2010年までの20年間に、少なくとも最初の4年間に比べて5年目からどんと上がっているわけですけど、エネルギー投入量というのは、この表からすると、要するにカロリー換算した、熱量換算したエネルギーの投入総量というのが、94年から最近に至るまで、全体の傾向としては微増の傾向にあるわけですね。それに対してこれは、GDPは名目か実質かどっちをとられたんですか。

○循環型社会推進室長 1990年の、すみません、ちょっと今GDPが今手元にないんですが……

○佐和委員 実質ですか。

○循環型社会推進室長 実質です。はい。

○佐和委員 というのは、たまたま2005年の名目GDPと、ここで、平成で言うところの20年、つまり2008年度の、これは歴年ですけれども、年度で言うと僕の記憶が正しければ95年度と2008年度の名目GDPというのは四百九十数兆円で、数兆円のところで、1けた目でしか差がないんですね。だから、ほとんど名目は成長していない。ところが、実質は、物価が下がっているものですから、GDPは増えているんですよね。大体、年率0.8%ぐらい増えているはずです。ということは、この間のエネルギー投入量というのは、これ、仮に2004年と5年というのは全く同じですから、このころから2008年にかけて、年率どのぐらい増えているかといったら、ちょっとにわかには計算できませんけれども、いずれにせよ実質でとったんだったら、この効率、その原単位は上がっている、したがってこれは右下がりになると。実質でとれば原単位が上がっている。ということは、これはギガジュール当たりの万円ですか、円ですから、その逆ですから、下がっていない、下がっている。上がるか。

○循環型社会推進室長 だから、2005年から2008年ぐらいにかけては、多分、上の資源生産性も右上がりになっていまして、GDPの上昇を反映して上がっているのかな。

○佐和委員 最近はまた下がっている。

○循環型社会推進室長 そうですね。最近はだからGDPが下がってきた、実質GDPのその減少で同じように……

○佐和委員 要するに、一言で言えば、化石燃料の投入量というのを特に熱量で見たときには、この20年間ぐらいの間に、最初の4年間は別にして、5年目からは、全くといって、ほとんど増えていないということですね。

○循環型社会推進室長 そうですね。割と横ばい、微増ということになります。

○佐和委員 ええ、むしろ微増と。

○武内部会長 もうよろしいですか。

○佐和委員 ええ、いいです。

○武内部会長 森口さん、何かありますか。

○森口委員 今、佐和先生のご指摘のところについて、名目なのか実質なのかとか、精査した上で両方の数字を示して、間違いない数字を示していただきたいと思います。私は、これは実質でよろしいと思います。
 事実としては、一般的な印象に反して、ここ20年間、化石燃料で見た資源生産性(は横ばい)、言い換えるとGDPとCO2の相関というのは極めて高い。つまり、オイルショック以降、GDPの成長とエネルギー消費量の伸びを切り離してきたというふうな、日本ではそのようなことが行われてきたという思いが非常に強いわけですが、それは実は1990年以前の話でありまして、1990年以降は、かなりこのような傾向になっているということは認めざるを得ないのではないのかなと思います。
 これは循環基本計画のフォローアップでありますので、むしろ地球環境部会なり、そういったところでそういう長期的なデータをしっかりと分析されなければいけないと思うんですが、よくGDP、経済成長しながらCO2を減らすなんていうことはできないではないかという、そういう批判的なご意見が聞かれることがございますが、過去20年の数字を見る限りにおいては、やはりそういう傾向が実は見えてしまっている。それがなぜなのかということについては、ここで議論すべきところではないかと思うんですけれども、産業側から出ているものよりも、むしろ消費側、家庭なり業務部門なりで使っているエネルギー消費とか、そういったことの関係の中でこういう傾向になっているかと思うんですが、ここの部会での主たる議論の対象なのかどうかわかりませんけれども、やはり環境行政全体としては、このデータは基本的な認識として非常に重要なところでございます。日本でこうなっているはずだという思いと実際のデータとがやはりかなり食い違っているという部分もあろうかと思いますので、これは、間違いのないかどうか、もう一度、事務局に精査いただいた上で、場合によってはちょっと別の場でもこのようなデータをぜひご議論いただきたいなと思います。

○武内部会長 それでは、西村委員。

○西村委員 コメントというかお願いになりますけれども、97ページ、ここに「景気変動に影響されない、強い循環ビジネス」「景気変動に影響」、先ほどから2008年は、経済が縮小した結果、廃棄物も減った特異な年であったのではないかというようなことを言われておりますけれども、これは、例えば経済活動の規模が落ちている、循環資源の発生が減ったという側面と、また一方で、その循環資源を活用される産業界の経済活動のレベルが落ちて、循環が滞ったというような2つの側面があると思うんですよね。ですから、景気変動に左右されない、こう一言で簡単に書いてありますけれども、これは具体的に何をすべきなのかというのをもう少し掘り下げて考えていただきたいということと、あとその下に「循環型社会の構築に向けた制度等の検証を行っていくことも必要」という具合に書かれておりますけれども、今、例えばこの中間審の最初のところでも産業界から依頼がありましたけれども、制度の面で、いろいろな不具合といいますか、もう少し見直しが図られたほうがいいというようなことは多々あると思いますけれども、そういった面を含めて制度の検証を行う重要性というのが今非常に高いんじゃないかと思うんですよね。したがって、もう少しここも、強調した表現等、具体的な実行をお願いしたいというのが私の願いです。

○武内部会長 ありがとうございました。
 萩原委員、お願いします。

○萩原委員 各主体の取組状況の中で、大学についての記述がほとんどないんですね。ずっと今、一生懸命見ていたんですけれども、残念なから71ページの「佐賀大学とも連携して」というところしか出てこないんです。ですので、やはり大学というのは地域においては非常に大きな排出業種でもありますし、既にISO14000はもちろんですが、エコアクション21とかに取り組んでいる大学等もございますので、もしそういうデータがあれば、今現在どういうふうな形で大学が取り組んでいるのかについて、もう少し触れていただきたいというふうに思います。環境教育のところでも大学も取り組んでおりますので、もう少しその各主体として大学の果たしている役割あるいは今後もっと果たしてほしいというようなことも書き込んでいただいてもいいと思います。そう言われると、立教大学はどうしているんだというふうなことを言われますけれども、そのあたりをちょっと要望としてお願いしたいと思います。

○浅野委員 それはこれまで合意してきた報告の構成からみても無理です。ヒアリングした結果を書こうと言っているのであって、大学についてほかに何も調べていないわけです。ここに佐賀が出てきているのは、たまたま佐賀に行ってヒアリングをしたので出てくるだけです。報告の全体を見ていただくと、具体にヒアリングをした結果を取りまとめて整理していることがわかると思います。

○萩原委員 ああ、そうなんですけれども……

○浅野委員 だから、突然言われてもそうなると、もう一回ヒアリングをやり直さないといけなくなります。例えば早稲田大学でヒアリングをすればいいかもしれませんけれども、それは若干無理です。もっと抽象的、一般的な表現の中に何か書くことは可能かもしれませんけれども、この部分に書き足すことは無理だと思います。

○萩原委員 そうですね、それをお願いしたいと思います。現在持っているデータであるとか要望、今後さらに取組が必要であるとか、そういった一言がやはり必要ではないかなというふうに思います。

○武内部会長 もう大分時間も過ぎておりますので、議論はこのぐらいにさせていただきたいと思います。
 続きまして、評価と課題、今後の展開の方向について、事務局より説明をお願いしたいと思います。
 時間の関係もあって、手短にお願いできればと思います。

○循環型社会推進室長 では、92ページ目からで、これは今回新たにお出ししている部分でございますが、<5>の「全体的評価と課題」、それから次の「おわりに」というところまでご説明をいたします。
 では、92ページのほうをご覧ください。全体的評価の課題としては、まず1で各主体の取組状況の評価と課題ということで「国民の取組状況の評価と課題」というのをまず最初に書いてあります。ここは、ちょっと繰り返しになりますが、国民の意識の向上による発生抑制、それから個別リサイクル法、ごみ処理有料化など着実な3R施策の推進のほか、平成20年度については、特に事業系については世界金融危機による影響も考えられるということで、目標を達成しているという事実を書いております。今後、景気変動の影響に関わらず国民一人一人のライフスタイルの変革により、目標達成を維持することが重要であるということを述べております。
 それから、[3]のところで、ちょっとここも繰り返しになりますが、意識と行動の乖離をつなぐために、消費者の行動パターンを考慮した仕組みの構築などを行うことが重要ですということを強調しております。
 それから、[4]のところでは、国民一人一人が地域の環境に関心を持って、さまざまな取組をやることによって参加・協力するということが重要だということを書いております。
 それから、2のほうで、「NPO/NGO、大学等の取組状況の評価と課題」というところで、今の状況と、[2]のところで、今後の課題ということで、特にNPO、NGO、それから大学の取組が、異なる主体間の連携、地域を越えた広がりなどに発展していく特徴を有しているということで、関係者の連携が重要だというところを書いています。
 先ほど萩原委員にご指摘いただきましたように、ちょっと大学での記述が不十分かもしれませんので、ここについてはさらにデータなども含めて、今後の大学に期待することをもうちょっと書き加えたいと思います。
 あと、92ページの下のところで、アジアを中心とした国際的な連携の取組が進められていて、今後の進展に向けて関係者のパートナーシップ強化が重要であるということを書いております。
 それから、93ページのほうに移りまして、地域のコミュニティ・ビジネスなどについて、まだ取組例も少ないのと、継続性と発展性が課題ということで、取組の効果の評価が重要だということを強調しております。
 それから、次、3に移りまして「事業者の取組状況の評価と課題」というところでございます。先ほどの一番最初のヒアリングでもございましたけれども、経団連は環境自主行動計画における産業廃棄物最終処分量の削減目標を2年前倒しで達成しているという事実に基づきまして、取組が高く評価できますというふうに書かせていただいております。ただ、先ほど議論にもありましたけれども、各業種の独自指標については、その定義を明確にし、さらに共通の視点に立った目標を検討するなど、国民にわかりやすいものとすることが重要であるというような指摘をしております。
 それから、[2]のほうの下のほうにいきますけれども、入り口側の資源生産性について、前回の部会から議論になっておりますが、土石系の資源投入量を除いた資源生産性が減少しているなど、さらなる取り組みが必要であるというようなことを書いております。
 それから、[3]のところで、先ほど細田委員にもサプライチェーンのご指摘をいただきましたが、これは、[3]のところでは、取引先の選択を含むサプライチェーンの各段階での環境配慮の徹底や、川上-川中-川下の連携が重要であるというようなこと、それから再生利用に当たっては、循環資源を再生利用するだけでなくて、再生利用により製造された製品の質の確保を図り、利用促進の仕組みづくりを進めると、また上に戻すということが重要であるということを強調しております。
 それから、[4]のほうで、動脈産業と静脈産業の連携については、循環資源の受け入れ先を拡大するなど、多様な形で連携・融合を進めることが重要という指摘をしております。
 それから、[5]のところで、取組の状況については、CSRや付加価値につなげていくなど、消費者への正確な情報提供と情報の透明化が重要であるという記述をしております。
 それから、[6]のところで、循環型社会と低炭素、自然共生の3つの社会の統合については、国と事業者で議論を進めることが重要という指摘をしております。
 それから、1個飛びまして[8]のところで、循環資源の中ではその利用先が限定的でありまして、減量化、リサイクル等も限界に達しつつあるということ、それから経済のグローバル化に伴って、高品位な循環資源が海外へ流出しているという問題もありますので、官民一体となって発生抑制等を進めつつ、国内における安定的な循環利用先の確保、循環利用製品の利用拡大と技術開発を進めることが重要ですということを書いております。
 それから、4で「地方公共団体の取組状況の評価と課題」のほうでございますけれども、[1]のところで、地方公共団体による循環型社会づくりの意識や取組は広がっているということ、あと先ほどその地域循環圏のご議論をいただきましたけれども、やはり地方公共団体が地域循環圏を構築しつつ、地域活性化を図り、地域循環型社会を地域から形成する上で、コーディネーターとしての役割、それからさらに事業実施者としての役割が重要であるというようなことを書いております。さらに、地域の関係者の連携の場の提供、優良事例についての情報の提供、効果発信など積極的に行うことが必要という指摘をしております。
 それから、[2]のほうで、地域づくりにおきましては、下のほうでございますけれども、再生利用指定制度の活用など地方公共団体において利用できる手法を積極的に活用いただくということが重要であるという指摘も書いております。
 それから、[3]のところで、地域の特性を生かし、循環資源の性質に応じた最適な地域循環圏の構築を考慮しつつ、地域においての循環型社会形成推進のための基本計画の策定と評価と必要な見直しが必要というような指摘をしております。
 それから、[4]のところで、グリーン購入のさらなる推進というのを指摘しておるというところでございます。
 それから、次に第2節で「国の取組状況の評価と課題」というところでございます。
 [1]の低酸素社会、それから自然共生社会の統合というところでは、アのところで「低炭素社会との統合的取組」というところでございますが、下から3行目のほうにありますが、循環基本法の優先順位を基本として、循環的な利用を行う必要があるということで、その際には、効率的、効果的に3Rを推進するためにLCAの観点の強化が重要と。
 それから、LCAの結果についてわかりやすい形で情報提供を行い、循環資源の利用が温室効果ガスの削減に役立つことについて、さらに周知を図る必要があるということを書いております。
 また、廃棄物発電の導入については、熱回収の一つの手段として進める必要があるということで、できる限りそこの効率的な発電や、中小廃棄物業者などに対する熱回収促進のための措置など、持続的な廃棄物発電のあり方を考えていくということを指摘しております。
 また、その次の丸でございますけれども、国内で生産されたバイオマスについては、循環基本計画と、それからバイオマス活用推進基本計画に基づいて利活用を進めるということを指摘しております。
 それから、イの「自然共生社会の統合的取組」というところでございますけれども、COP10で発足しましたSATOYAMAイニシアティブ国際パートナーシップを通じて、国際的にも情報交換を進めるということ、それから国内でも全国の里地里山の保全と活用を推進していく必要があるというようなことを書いております。
 また、3Rが天然資源の採取を抑制して、廃棄物の最終処分場を減らすということで、多様性保全にも寄与するということをここで再度明示しております。循環基本計画の指標でありますTMRはこうした観点からも重要な指標であるという旨を書いております。
 それから、次のところで、繰り返しになりますが、バイオマスの利活用の必要性、それから小型家電からのレアメタルの回収の重要性というようなことを指摘しているところでございます。
 次、[2]のほうに移りまして「地域循環圏を踏まえた循環型社会づくり」ということでございますけれども、先ほど浅野先生のほうにもご指摘いただきましたが、行政地域循環圏の形成については、行政区域レベルでの基盤整備というところと循環資源の性質に応じた適切な規模の地域循環圏の構築という2つの側面がありますので、その2側面に留意しつつ、地域循環圏の高度化とか、さらなる発展のための方針について検討する必要があるということを指摘しております。
 また、離島など地域循環に際して配慮が必要な地域の状況も踏まえた検討が重要ですということを書いております。
 次に、アでございますが、地域循環圏の基盤整理のほうの地域循環圏の計画については、次のページ、96ページのほうに移っていただきまして、現在、地方環境事務所を中心として、各ブロックで地域循環圏計画をつくっておりますけれども、そういうことを進めるということ、それから下のほうにいきますが、エコタウンやバイオマスタウン構想、それから市町村のバイオマス活用推進計画などと連携を図りつつ、施策の実施をつなげるという必要性を書いております。
 それから、イのほうで「循環資源の性質に応じた地域循環圏の構築について」というところでございますが、これは、バイオマス系と、それから製品系、枯渇性資源系に分けて記述をしております。
 バイオマス系につきましては、比較的、小規模な地域における循環が重要ということでございますので、都道府県や市町村が中心となって、計画に基づいて関係者の連携のもとで取組を進めるべきでありまして、地産地消の取組が重要ということを書いております。それから、家畜排せつ物については、堆肥等の循環利用を進めるということ、それから利用者のニーズに応じた堆肥生産や活用先の確保というのが必要だということを指摘しております。それから、下水汚泥の循環利用についても、エネルギー利用等の有効利用を進める必要があるという記述をしております。
 それから、製品系、枯渇性資源系につきましては、引き続き個別リサイクル法の着実な執行と、それからレアメタルの回収を進めるためにシステムの高度化というようなことを指摘しているところでございます。
 それから、[3]のほうへいきまして「一人一人のライフスタイルの変革」につきましては、学校における環境教育に加えまして、地域が一体となって環境学習を行うことの必要性、それから次の丸でございますけれども、経済的手法の活用や効果の見える化を進めて、仕組みをつくっていく必要性というのを書いております。
 それから、97ページのほうに移りまして、循環資源を活用した製品の購入行動や、リターナブル瓶の使用率を向上させるためのインセンティブづけなどの検討も必要だということを書いております。
 それから、[4]、先ほどご指摘もいただきましたが、ここはさらにもうちょっと詳しく書くことを検討したいと思いますが、景気変動に影響されない循環ビジネスのあり方と、それから先ほど来議論になっておりますが、環境負荷と経済成長のデカップリィングを本来的に達成することの重要性ということを記述しております。
 それから、そういう意味では、従来型の循環ビジネスの振興と、所有からそのサービサイジングなど所有から利用に向けた新たな分野でのビジネス市場の振興についても進めるということを指摘しております。
 それから、次の丸でございますが、循環型社会ビジネス拡大のための対策として、製品やサービスの環境負荷の削減効果などわかりやすい情報提供を図って、循環利用製品の需要の発掘というようなこと、それから関係者が3Rに取り組むことを促すような市場メカニズムなどを活用した手法の活用が重要だということも書いております。
 それから、優良な廃棄物業者、リサイクル業者の育成、それから最後の丸になりますが、ヒアリングでもご説明いたしましたが、世界に通用する静脈産業の育成を進める必要があるという記述をしております。
 それから、[5]にいきますが、「循環資源の適正な利用・処分に向けた仕組みの充実」というところでは、有用な資源を有効に活用する循環の取組を進めるための仕組みということで、循環型社会の構築に向けた制度の検証を行っていくことも必要であるという記述をしております。
 それから、個別リサイクル法の成果については、成果に引き続き着目して、目標については、適宜評価を行うことが必要という記述をしております。
 それから、繰り返しになりますが、レアメタルのリサイクルシステムについての検討の必要性、それから循環資源の利用先の品質の確保にも取り組む必要があるというところを記述しております。
 次、98ページのほうへ移っていただきまして、有害性や処理の困難性に照らしまして、特別の対応が必要な物質につきましては、法令遵守の徹底と適正処理の仕組みの充実というようなことの検討の重要性を記述しております。
 それから、電子マニフェストの普及拡大といったことも指摘をしております。
 それから、「[6]3Rの技術とシステムの高度化」につきましては、DfEなど上流の取組強化、それからサプライチェーン企業間での連携強化などに資する技術やシステムの高度化、それから水平リサイクルの強化といったことを指摘しております。
 それから、[7]にいきまして「循環型社会形成に関連した情報の的確な把握・提供と人材育成」ということで、先ほどもご指摘いただいたところでございますが、早期化をかなりやったというところで、今後は精度を高めていくというようなことの重要性、それから質に着目した指標などの検討の必要性を指摘しております。
 それから、取組の効果について、関係主体の取組がより進展するように、国民や消費者の目線に立った取組の効果の情報提供が重要ということを書いております。また、人材育成ということの必要性についても指摘しているところでございます。
 続きまして、「国際的な循環型社会の構築に向けた取組状況の効果と課題」というところでございますけれども、[1]のところでは、「我が国の制度・技術・経験の国際展開」というところで、2国間で3R国家戦略の策定支援を行っておりますが、今後もアジアにおいて3R国家戦略の策定支援を引き続き継続していくことの重要性ということ、そのためには、各国の状況に応じた循環型社会形成支援のためのプロジェクトや能力開発の重要性ということも指摘しております。
 それから、一番下の丸になりますが、我が国の先進的な静脈産業のノウハウを生かしまして、先進的な静脈産業の海外展開を支援する。これは来年度の予算案にも盛り込まれたところでございますけれども、そういうことで、海外での環境保全、資源循環に貢献するとともに、我が国の静脈産業の発展や我が国の経済成長に貢献するというような期待を記述しているところでございます。
 それから、[2]で東アジア全体での資源循環の実現というところにいきますと、アジア3R推進フォーラムにつきましては、21年度に設立されて、22年度ではマレーシアで開催しているところでございますが、継続して開催していく必要があるというふうなところ、それからその他、各国のマルチの枠組みといたしましては、日中韓の3カ国の環境大臣会合や南東・東アジア環境と保健に関する地域フォーラムなどのいろんな枠組みがございますが、そういったところで3R・廃棄物管理についての取組の重要性というのを進めていく必要性があるということを書いております。
 それから、ちょっと飛びますが、5つ目の丸のところで、アジア地域における有害廃棄物の不法輸出の防止ということで、アジアネットワーク事業というので各国間の協力する事業を行っておりますが、そういうのを引き続き実施することで、各国との連携の強化の必要性ということを書いています。
 それから、次の丸でいきますが、途上国では適正処理が困難なもので、我が国では処理可能な廃棄物の国内への受け入れということを、重要性を指摘しているところでございます。さらに、廃棄物の輸出入の議論については、適正な取引が行われることが前提でありまして、不適正な輸出入の防止に向けた情報の共有、それから実際に中古利用に適さないものが中古利用の目的で輸出されることのないように、判断基準を明確化するというようなことで、水際での対策の実施の必要性ということを書いております。
 それから、99ページの一番下のほうで「アジア3R研究・情報ネットワークと共通ルールの構築」ということでございますが、環境省は、アジアでつくっております3Rナレッジハブ、3Rに関する技術・政策状況を普及するための知識・情報基盤であります3Rナレッジハブに貢献しておりますが、その貢献を引き続き行っていくという重要性を書いております。
 次、100ページ目のほうへ移りまして、[4]のところで「3Rイニシアティブのさらなる展開」というところで、アジアだけでなくて、国際的な枠組みでございますCSDに向けまして、国連持続可能な廃棄物管理会議というのを来年の2月に東京で開催することとしております。そういう成果を踏まえて、CSDにおきましても3Rの重要性を訴えて、3Rイニシアティブをさらなる展開していくということの必要性をここでも指摘しているところでございます。
 その他、UNEPの持続可能な資源管理に関する国際パネルやOECDに対する貢献の必要性というのも指摘しております。
 それから、次、第3節にいきまして「今後の展開の方向」というところでございます。
 ここにつきましては、全体的な評価としては、我が国全体としては目標達成に向かっていると考えられますが、3Rの取組の浸透や国民の意識の向上によるところも大きいんですが、20年度の数値だけで見ますと、金融危機の影響ということもありますので、さらに循環型地域社会の構築に向けてという大きな目で見たところについてはまだ途上にあるという認識を書いております。そういう意味では、循環型社会の構築について、さらに必要なところをこれ以下のところで指摘しております。
 次の丸でございますけれども、循環型社会の構築というところでは、質の面にも着目して検討を行うというようなところを書いております。また、輸出の部分につきましては、先ほどの繰り返しになりますが、国内で利用することをまず旨としながら、輸出する場合は付加価値をつけるというようなことを書いております。
 それから、次、101ページのほうに移っていただきまして、3つの社会の統合につきましては引き続き重要だというところで、3Rの効果の見える化を国民にわかりやすく提供することの必要性、それからバイオマスの利用とバイオマス以外の取り組みについても強化を図るというようなことを記述しております。
 それから、次の丸でございますが、循環型社会のグランドデザインの検討をしているところでございますが、長期的な視野に立って新しい循環型社会の姿についての検討を進める必要性があるということ、それからそれを評価するための指標の検討を進めることというのを今後の課題として書いております。
 それから、3Rの中でも、2R、発生抑制と再使用について取組が進んでいないというところでございますので、そこにこれまで以上に取組を行いまして、効果の見える化や国民が取り組みやすい仕組みの構築を進めるという必要性を書いております。
 それから次に、地域循環圏の構築については、関係者のパートナーシップの構築を図りつつ、地域循環圏の高度化や、さらなる発展のための戦略的な方針の検討のことを書いております。特に、循環資源の性質に応じた複層的な地域循環圏を構築するという重要性を書いております。このためには、各地域における地域循環圏の計画の策定を進めるということと、モデル事業など、具体的な取組に発展させる重要性も指摘をしております。
 それから、次の丸でございますが、循環型社会づくりを通じて、環境と成長の両立、それからグリーン・イノベーションによる「元気な日本」の復活、これは今の政権の課題でもございますが、それにつなげるということで、日系静脈産業の育成と海外展開支援というようなことを課題として書いております。
 それから、最後の丸でございますが、アジア、さらには世界の循環型社会の構築に向けて、アジア3R推進フォーラムやCSD、二国間協力の枠組みを生かして、3Rについての理解を含めて各国の3R・廃棄物処理制度の構築支援など、具体的なプロジェクト、それから知識・情報共有、人材育成を進めるというようなことが課題として書いてあります。
 説明としては以上でございます。

○武内部会長 どうもありがとうございました。
 それでは、質問をお受けしたいと思いますが、できるだけ個々の細かな文字の修正等は、ちょっと時間の関係もございますので後ほど文書でお出しいただくことにして、今日この場で議論しておくべきことにかなり限定してお話しいただければありがたいと思います。
 浅野委員。

○浅野委員 先に結論だけですが、今回、パブコメに出す案ということでありますので、今日の部分については、実はまとめの部分ということになりますから、再度、パブコメ後の検討のときにもう一度精査をするということが必要だと思いますが、先ほどのここの部分も含めて議論するというおつもりで、皆さんが、議論しておられる面もありますから、先ほどまでの議論の中でかなりここにはめ込めるものもあると思います。特に私は、細田委員のご指摘は非常に大事なご指摘があったと思います。例えば101ページの丸の幾つかのところ、ちょっと書き足すというようなことで直ると思います。これは、ぜひ細田委員に直接具体的な修文案を伺って、パブコメ前でも直しておくということが必要かもしれません。
 それから、さらに森口委員や酒井委員が強調された指標の考え方について、もう少し丁寧に、今後、特に次の循環計画を目指して、基本計画の中にどんなことを入れなければいけないかとわかるような形で示す必要があるので、100ページの下から2番目の丸も、もうちょっと丁寧に直していくということが必要かもしれません。
 ということで、私は、きょうは時間がほとんど残っていないので、これらをともかく事務局にお任せする、正確には部会長に一任をし、今日はこれで終わりにして、パブコメをやった後で、さらにまたいろいろ直していけばいいだろうということを申し上げたい。

○武内部会長 どうも非常に協力的なご意見をありがとうございました。
 吉川委員、お願いします。

○吉川委員 武内先生のご指示に従わないようなことになるんですが、全体的な問題でいつも感じているんですが、循環型社会を形成するということは誠に正しいし、ここで検討されている、指摘されていることも全く異論はないんですが、この裏に必ずコストがあるわけですね。このコストは、一体、誰が負担するのかという議論が、これはここで検討することなのかどうかよくわからないんですが、その議論なしでこれを進めることはできないわけですよね、現実に。例えば、企業にすれば収益の問題があるし、あるいは行政にすれば税金の問題があるし、あるいは個人にすれば個人の負担の問題があるわけです。こういうものが議論されないでこうあるべきだということを、これは反対しているわけじゃないですよ、そうやりたいんですが、そういうことの議論なしでこれを進めていくことの不安をいつも感じているんですね。ですから、循環正義的議論みたいな、ちょっと悪口を言っているわけじゃないんですよ、それだけでどんどん進んでいくことの実行上の不安をよく感ずるわけです。
 といいますのは、私の会社、DOWAでございますが、バイオマスを地域循環ということでやっておりますけれども、実際こんなの大赤字です。これはもう地域社会への貢献ということでやっているわけですけれども、こういうのを限りなくやるというのは不可能なわけですよね。ですから、限定的にやっているんで、ですからここで書かれていることを本当にやろうとすると必ずそういう問題にぶつかってくるんで、そういうことの疑念を持っている人間が一人いるということだけ申し上げておきます。これは、議論することじゃ、お返事をいただきたいことじゃございません。

○武内部会長 どうもありがとうございました。
 横山委員。

○横山委員 2点だけ述べたいと思います。
 1つは、地域循環圏の記述がかなり充実してきたんですが、やっぱり整合性がとれているのかなという疑問がちょっとありますんで指摘しておきたいと思います。
 69ページの上から8行目のところに「地域循環圏づくりのガイドラインの考え方も」という表現があるわけですね。その後、95ページの下から7行目ぐらいのところに「地域循環圏のための地域計画」というのがあって、次のページの、96ページの2行目のところには「引き続き地域循環圏計画の策定を進める」ということで、これの関係がどうなっているのか、ガイドラインと計画というのは同じような意味づけなのか、それがちょっとわからないんで、この辺を少し考えてほしいと思います。
 それから、2点目はコメントなんですけれども、3つの社会の統合ということで、ここでもかなりいろんな表現を使っているわけですが、地球環境部会の中長期ロードマップ小委員会というのを見ると、2050年にいろんな社会になる可能性があるけれども、その中で重要なのは5つあるということを書いてあって、それが何と資源生産性の向上だというふうに地球部会でもかなりこの3つの社会の統合というのを意識して書いてあって、いろんなところでそういうふうに3つの社会の統合というのを言うのはいいことではないかということで、コメントをしたいと思います。
 以上です。

○武内部会長 どうもありがとうございました。
 細田委員。

○細田委員 簡単なんです。
 99ページの「[2]東アジア全体などの資源循環の実現」、これは大事なところだと思うんですが、この中を読んでみるとアジア全体に広がっている部分があると思うんですね。アジアと東アジアという関係がどこでなっているのかというのがちょっとわかりにくいので、ここは整理していただきたい。お願いいたします。

○武内部会長 どうもありがとうございました。
 はい、どうぞ、藤井委員。

○藤井委員 もう浅野委員から、全部、パブコメの後でというふうにおっしゃいましたが、1カ所だけ、96ページの「バイオマス系」の下水汚泥のところです。バイオマス・ニッポンでもバイオマス専門家会議の中でも、国交省のほうから枯渇している燐にかなり着目して、燐の回収というのがありますので、さらに燐の回収、エネルギー利用等というふうに、燐をぜひ入れていただきたい。

○武内部会長 短いコメントをどうもありがとうございました。
 どうぞ、佐和委員。

○佐和委員 今の報告の終わりのほうに出ていましたけれども、またちょっとしつこくこの表にあれなんですけれども、これ、おかしいんじゃないかと思うのは、原油があって、石油製品があるでしょう。二重計算になっていませんか。

○循環型社会推進室長 投入分は、輸入したところは輸入ベースで見ていますので……

○佐和委員 ガソリンの輸入とかいうことですか。

○武内部会長 原油で輸入した分と製品で輸入した部分と……

○佐和委員 製品で輸入したものという、そういう意味ですね。

○武内部会長 はい。だから、重複にはなっていないということになります。

○佐和委員 それだったらわかります。

○武内部会長 崎田委員、手短にお願いします。

○崎田委員 はい、簡単に。
 97ページの上のところに、「一人一人のライフスタイルの変革」のところで、経済的なインセンティブの検討という言葉がありますが、ここは「循環資源を活用した製品の購入行動やリターナブルびん」と、割に限定してここは書いてあるので、もう少し広がって書くようなこと、そしてインセンティブがどういうことを意味しているのか、3R、エコポイントとか有料化の話とか、あときっとデポジットとか、幾つかを想定していらっしゃると思うんですが、もう少し後でわかりやすい表現で検討していただければありがたいというふうに思います。よろしくお願いします。

○武内部会長 それでは、事務局のほうでよろしいですか。

○循環型社会推進室長 コメントをありがとうございました。また、いただいたコメントを反映して、浅野先生のご指摘のほうにありましたが、本日、前半部分でいただいたコメントも踏まえてちょっと書き方を考えたいと思います。ありがとうございます。

○武内部会長 それでは、先ほど私、申し上げましたように、個別の今日の文章の中でいろいろ気になる点もあるかと思いますので、その点についてはぜひ事務局のほうにご提案をいただければと思いますが、締め切りはいつぐらい。

○循環型社会推進室長 年明けにまた事務的にご連絡をさせていただきますが、年明けで1月7日ぐらいまでにいただけるとありがたいです。

○武内部会長 それでは、1月7日までにコメントをいただきたいというふうに思いますので、どうぞ事務局までご意見いただければと思います。
 今日もいろんなご意見をいただきましたけれども、パブリックコメントに付す案ということで、まだコメント後の議論もできますので、誠に恐縮ですが、本日の議論を踏まえて修正させていただくということで、後の取り扱いについては私のほうにご一任いただければと思いますが、よろしいでしょうか。

(「異議なし」の声あり)

○武内部会長 ありがとうございます。
 それでは、皆さんのご意見を反映したものをパブリックコメントに付したいと思います。
 最後に、今後の予定について事務局よりお願いをいたします。

○循環型社会推進室長 どうもありがとうございました。
 今後の予定は、今、武内部会長のほうから言っていただきましたように、各また追加的な意見もいただいて、その結果を集約いたしまして、1月半ばを目処に、パブリックコメントを実施して、その結果を取りまとめて、次回が3月9日水曜日の13時からこの三田共用会議所で開催するということで予定しております。
 ここで報告所の最終案をご審議・決定いただくことなどを考えております。
 また、中央環境審議会の委員の改選時期を迎えておりまして、来年の1月初めには、また総会が開催されまして、必要な手続がなされる予定となっております。詳細は、後日、事務局のほうからご連絡いたします。
 また、参考資料の3のほうで今日お配りしておりますけれども、循環基本法の10周年ということでございまして、それを記念しまして、環境省と環境法政策学会の共催で、1月23日の日曜日になりますが、13時半から明治大学で「循環型社会形成推進基本法の成果と展望」というシンポジウムを行います。どうぞよろしくお願いいたします。
 さらに、平成23年度の廃棄物・リサイクル対策関係予算が24日にまとまりましたので、参考資料で委員の皆様のほうにお配りしております。お目通しいただければ幸いでございます。
 最後に、廃棄物・リサイクル対策部長のほうからごあいさつをさせていただきます。

○廃棄物・リサイクル対策部長 委員の皆様方におかれましては、年末のお忙しいところ、ご出席いただきまして誠にありがとうございます。本日いただいた意見、それから7日までにいただく意見は、きちっと私ども、検討し部会長ともご相談し、ご指示を得ながら反映させていただきたいと、その案をもってパブリックコメントに付したいと思っております。
 本日の議論の中でもいろいろ本質的な議論もたくさんちょうだいいたしました。いろいろ計画に書くのはいいけれども、その裏にコストがあるんだというお話、これも全くもっともなことであります。もちろん、人の健康や生命に関わることは、どんなにコストがかかってもやっていただかなければならないこともありますし、またこの計画でいろいろ述べられていることの中では、国がいろんな支援をすること、あるいは事業者の皆さん、国民の皆さんの自主的・積極的な活動で達成していかなければならない部分、いろんなリメンジョウがあるわけですけれども、そういったこともきちっと私ども、認識しながら計画をつくり、また政策展開もしていく必要があるのかなと、こういうふうに考えた次第であります。
 本年度は、先ほども大森のほうから話をいたしましたけれども、循環法が制定されて10周年ということであります。この循環法ができ、循環基本計画ができて、全体としては循環型社会づくりというのは、やっぱり着実に進んできていることは事実だろうなというふうに考えます。また一方では、いろんな社会情勢の変化もありますし、常に課題はいろいろあるということで、そういった課題をしっかり把握して、着実な政策の展開を図っていかなければならないということをひしひしと感じている次第でございます。
 来年の1月に、早々にこの中央環境審議会の委員の改選がございます。そういった意味では、現メンバーでは今回この部会が最終回ともなるわけでありますが、この間、いろんなご指導、ご鞭撻を賜りましたことを深く感謝申し上げたいと思います。また、今後もいろんな側面でご支援を賜りたいということをお願い申し上げまして、私からのあいさつとさせていただきます。
 どうもありがとうございました。

○武内部会長 それでは、繰り返し申し上げますが、年末の大変お忙しい中、大変たくさんの方にご参加いただきましてどうもありがとうございました。
 これにて閉会させていただきます。

午後5時02分 閉会