資料1 | 3Rの国際的な推進のための取組(外務省資料) |
資料2 | 循環型社会形成に向けた主な取組(農林水産省資料) |
資料3 | 第二次循環型社会形成推進基本計画の進捗状況の第3回点検結果案 |
資料3-2 | 循環型社会形成のための数値目標に関する進捗状況(概要)(説明用資料) |
資料3-3 | 各主体、国の取組状況(概要)(説明用資料) |
資料3-4 | 地域の循環基本計画を策定している自治体の策定状況(説明用資料) ※ |
参考資料1 | 中央環境審議会循環型社会計画部会委員名簿 |
参考資料2 | 中央環境審議会循環型社会計画部会関係条文 |
参考資料3-1 | 「国」の取組に係る進捗状況 ※ |
3-2 | 個別法施行状況 ※ |
3-3 | 指標例に係る取組の進捗状況 ※ |
参考資料4 | 第58回循環型社会計画部会(平成22年10月22日)議事録 ※ |
参考資料5 | 地域ブロックヒアリング(佐賀県)(平成22年11月3日)議事概要 ※ |
参考資料6 | 地域ブロックヒアリング(佐賀県) |
参考資料7 | 第二次循環型社会形成推進基本計画 ※○ |
参考資料8 | 第二次循環型社会形成推進基本計画の進捗状況の第2回点検結果について ※○ |
参考資料9 | 平成22年版「環境白書」 ※○ |
午後3時00分 開会
○循環型社会推進室長 定刻となりましたので、ただいまから中央環境審議会循環型社会計画部会を開催いたします。
本日は年末のお忙しい中お集まりいただきまして、大変ありがとうございます。
事務局から委員の出席状況を報告させていただきます。
本日は、15名の委員の方にご出席いただいております。定足数の11名に達することをあらかじめご報告させていただきます。
また、本日は外務省と農林水産省に出席していただいております。出席者については、ヒアリング出席者名簿をご覧ください。
本日の配付資料でございますが、議題の下に配付資料一覧がございます。もし配付漏れがございましたら、恐れいりますが事務局にお申しつけください。
それでは、以下の進行につきましては武内部会長、どうぞよろしくお願いいたします。
○武内部会長 皆様、年末の大変忙しい中、お集まりいただきましてどうもありがとうございます。
今日は、この部会の後にまた別の会議も予定されているようで、できるだけ時間どおりに終わりたいと思いますので、ご協力、よろしくお願いしたいと思います。
そういうこともありまして、質問については、幾つかまとめて質問をお受けするといった形にさせていただければと思います。
本日の議題でございますけれども、循環基本計画のフォローアップに関連いたしまして、国の取組ということで、前回フォローできませんでした外務省及び農林水産省からのヒアリングを実施するということになっております。それぞれの報告は議事次第に載っている順に10分以内ということでお願いしたいと思います。
質疑応答については、先ほど申し上げましたように、2つの報告が終わってからまとめて質疑応答の時間を設けたいと思いますので、繰り返し質問については簡潔にお願いしたいと思います。
それでは最初に、外務省国際協力局地球環境課の青山利勝企画官にプレゼンをお願いしたいと思います。よろしくお願いいたします。
○外務省(地球環境課企画官) 外務省地球環境課企画官の青山でございます。先月、部会が行われたということでございましたが、地球環境課のほうでは、名古屋のCOP10で忙殺されておりまして、部会に出席できず、失礼いたしました。今回、ご説明を申し上げたいと思います。
3Rイニシアティブにつきましては、外務省としても外交的な重要課題という位置づけをもって進めております。具体的には、外交上2つのスキルということで、パワーポイントにございますように、1つ目としては主要国との二国間、多国間会談等の機会に気候変動問題、生物多様性保全を初めとする環境分野での協力等についてなるべくハイレベルでの意見交換を行う。その中に3Rイニシアティブも入れ込むという形で対応しております。
それから、2つ目としては、国際的なルール・枠組みづくりという国際社会の中で、例えばバーゼル条約のような廃棄物関連の条約がございますので、そういったものへの積極的な取組、それからODAを通じた開発途上国に対する支援、こういったものを通じまして、3Rイニシアティブというものの推進を行っています。
具体的に、どのような会談の中で3Rの取り組みを進めているかということですが、元来は、2004年のG8サミットであるシーアイランドサミットの場で3R行動計画というものが採択されまして、それをベースといたしまして、さまざまな3Rに関わる会合が開催されました。例えば3R高級事務レベル会合、それからG8環境大臣会合などが開催されまして、そういった会談の場において3Rが取り上げられているという状況がございます。
さらにもう少し小さな枠組みになりますが、最近の例を説明しますと、本年5月に第3回日中韓サミットが韓国で行われました。優先10分野というものが行動計画に盛り込まれたわけですが、その中の1つに3Rの推進がございます。環境にやさしい社会、3R、循環型社会ということで、目的、参加国は環境にやさしい社会、3R、循環型社会の形成に向けての政策形成及び技術協力を強化することが行動計画に盛り込まれています。実際の行動につきましては、参加国が循環型社会、循環経済、3Rにかかる参加国セミナーの開催、政策協議や日中韓、3R情報共有システムの構築を引き続き推進し、3Rのベストプラクティスや知見を共有する、ということになります。
また、今年8月でございますが、北京で第3回の日中ハイレベル経済対話が開催されまして、廃棄物などの現在進行中の環境汚染対策の協力について評価が行われ、一層の推進をお互いに確認するということが行われました。
さらに、10月にハノイで第2回日本・メコン地域諸国首脳会議が開催されまして、キャッチワードとして、「緑あふれるメコン(グリーン・メコン)に向けた10年」イニシアティブに関する行動計画が議論されました。そこで、ベトナムに対し、3Rの取組の強化にかかる支援を行うということが確認されました。
こうした国際的な対話を基本として、それを具体化するためにどのような取組をしていくかということでございますが、外務省といたしましては、(独)国際協力機構(JICA)を通じた経済技術協力を通じて3Rの推進を目指しております。
パワーポイントの中に、専門家派遣、国別研修の実施、機材供与の記述がございますが、これはJICAを通じた経済技術協力のパッケージとなっておりまして、この3つをパッケージにして行う協力をプロジェクト方式技術協力と申しております。3Rの推進関連のプロジェクトの協力の中身としては、ゴミの分別収集の実施、ゴミ収集システムの改善、住民意識向上、政府の行動計画策定への協力、それから廃棄物管理の改善といったものがあり、それぞれの当該国の循環型社会形成に寄与する協力の中身となっております。
平成21年度の主な協力対象国は、フィリピン、ベトナム、中国、フィジー、メキシコ、キューバ。それから、平成22年度については、これから実施予定のものを含みますが、マレーシア、ベトナム、インドネシア、大洋州(11カ国)、これは島嶼国でございますが、ある1カ所を中心にしてネットワーク方式で協力すると言うことで、ターゲット国は11カ国ということになっております。
それでは、どのような協力プロジェクトがあるのかということを具体例としてフィジーの「廃棄物減量化・資源化促進プロジェクト」をご紹介申し上げたいと思います。
このプロジェクトは、平成20年10月から平成24年3月まで、3年半にわたって実施されているものです。このプロジェクトには、先ほど申し上げたプロジェクト技術協力のパッケージである専門家の派遣、機材供与等を行うことにより、次の4つの協力を実施しております。
第1は、ラウトカ市、ナンディ町における廃棄物管理計画の作成。2点目は、3R促進とラウトカ処分場の一部改善を目的とするパイロット・プロジェクトの実施。3番目はラウトカ市・ナンディ町全域を対象とする3R推進活動の実施。第4点は、環境教区教材・プログラムを活用した住民等の意識向上というものでございます。
JICAでは、プロジェクト進行中にプロジェクトサイトに専門家を派遣しまして、運営委員会等を開いて、プロジェクト評価を行い、必要な場合には、プロジェクトの調整を行っております。このプロジェクト実施による成果として次の4点が挙げられます。
第1点目は、ラウトカ市及びナンディ町における廃棄物管理計画の完成。それから、2番目はパイロット・プロジェクトを通じた適切な廃棄物管理能力の獲得。3番目は、3Rの実施を通じた3R推進能力の獲得。4番目は、環境教育活動を通じた住民意識の向上、というものがございます。
以上が、プロジェクトの概要の説明でございますが、最後に、3Rに関連した国際的なルール、枠組みにどのように外務省が貢献しているかご説明をしたいと思います。
グローバルな循環型社会を構築するということでは、リサイクル目的の廃棄物が国境を越えて移動していく必要があります。リサイクル処理施設が開発途上国にある場合には、当該有害物質を含む製品を先進国から輸出することができます。逆に、先進国しかリサイクル処理技術がない有害物質については、開発途上国から輸出し、先進国においてリサイクル処理する必要があります。こうした有害物質を含む廃棄物を適切に管理するための国際的ルール、枠組みというものが当然必要になってきます。
この1つとして、最も古くて有名な国際的枠組みとしては、バーゼル条約がございます。これは「有害廃棄物の国境を越える移動及びその処分の規制に関するバーゼル条約」が正式な名前でございます。各国の廃棄物処理の現状、輸出入の現状といったものをレビューしたり、廃棄物処理のキャパシティのない途上国に対して、キャパシティビルディングのための協力を行っています。こういった協力を推進するため、締約国会議(COP)は2年に1回開催され、COPとCOPの間の年には専門家会合(OEWG)が開催されて、原則年に1回締約国が集まって会合を行っております。日本もプロジェクトへの予算拠出、廃棄物管理のための技術提供など、大きな貢献をしているというのが今の状況でございます。
以上で私のほうからの説明は終わらせていただきます。
○武内部会長 どうもありがとうございました。
それでは、引き続きまして、農林水産省環境バイオマス政策課バイオマス推進室の深水秀介室長にプレゼンをお願いします。
○農林水産省(バイオマス推進室) 深水バイオマス推進室長が多忙ですので、バイオマス推進室課長補佐の松尾が説明します。
また、先日のヒアリングでは、外務省同様にCOP10の対応で忙しく、対応できなかったことをご了解ください。
循環型社会の形成に向けた主な取組として、農林水産省としては、我が国のバイオマス資源のかなりの程度が農林水産業地域にあることから農林水産省が中心となり、環境バイオマス政策課に事務局を置き進めてきました。
具体的には、バイオマス利活用の加速化、生物多様性保全の推進、さらに近年では森林だけではなく、農地土壌の二酸化炭素の吸収源としての位置づけという面からも進めております。
また、バイオマスにつきましては、ご案内のように食料との競合問題等々がございますが、我が国としては世界的にも食料利用と両立するような利用を進めることが必要であることからも、進めております。
平成14年2月からバイオマス・ニッポン総合戦略において、地球温暖化の防止、循環型社会の形成、戦略的産業の育成、農山漁村の活性化を重要項目として、1府6省庁が連携して進めてきたところです。平成18年3月には、国産バイオ燃料利用促進とバイオマスタウンを300地区程度構築、またアジア等へ我が国のバイオマス利活用の知見を発信していくといった3本柱を立てて進めております。
我が国のバイオマスについて示しますが、下水汚泥を除くほとんどが農林水産業関連です。廃棄物系につきましては食品廃棄物を除き、既に収集処理体制が確立していることもありまして、リサイクル率も非常に高くなっております。食品廃棄物につきましては、特に家庭系残渣につきましては、収集保管体制の整備が難しいこともありまして、利用が進んでいませんでしたが、1昨年、食品リサイクル法を改正しまして、食品産業者にリサイクル率の向上を義務づけたところであり、利用率は少しずつ上がってきています。
また、稲わら、麦わら、森林地帯に残っております倒木林といった未利用バイオマスにつきましては、収集体制が整備されておらず、コスト的な問題もあり、なかなか利用が進んでない実態です。
未利用バイオマスにつきましても、倒木林等林地残材を林野庁により、市町村が中心となった収集体制整備に対する支援を一昨年来、重点的に進めています。
こういった状況を踏まえ、バイオマス利活用の加速化としましては、日本型バイオ燃料の生産拡大、バイオマスタウン構築の加速化という2つに重点を置いています。
そういった中で、昨年9月に議員立法で提案され、全会一致で可決されたバイオマス活用推進基本法が定められ、今までは閣議決定に基づく推進でしたが、今後は法律に基づくバイオマスの利活用推進という形になります。基本的理念につきましては、明確に国民、社会的な機運の醸成、環境保全の配慮等々が明示されています。この法律につきましてもバイオマス・ニッポン総合戦力と同様、1府6省庁が連携して進めることになります。
本法では、バイオマス活用推進基本計画を策定して進めることにしており、本日の委員の皆様の中にも何人かの方に専門会議の方に入っていただいていますが、バイオマス活用推進会議でバイオマス活用推進計画が了承され、年内に閣議決定されるように対応を進めています。
この中で、大きく3つの柱を掲げています。農村の活性化としまして、600市町村においてバイオマス活用推進計画を策定すること。産業創出といたしまして、バイオマスを活用する約5,000億円規模の新産業を創出すること。地球温暖化防止策として炭素利用換算で2,600万トンのバイオマスを活用すること。これに対しまして、必要な補助、金融面、税制面での支援について、関係省庁連携しながら進めていくこととしています。
これまでも進めてきましたが、法律においても、環境面の配慮が明記されており、LCA評価についてもしっかり行いながら進めてまいりたいと考えています。
現在進めておりますバイオ燃料の生産事例ですが、まずバイオエタノールの施設につきましては、北海道に2地区と新潟で大規模実証事業が昨年施設整備が完了いたしまして、本年度から本格稼働をしております。
3つを合わせまして、3万1,000キロリットル程度の規模になります。
現在、大体1万5,000キロリットル程度を生産する予定にしておりますが、今後、3万1,000キロリットル生産に拡大することにしております。
以上は、穀物、もしくは甜菜という糖質を原料にした取組ですが、やはり食料と両立を目指す観点から、稲わらとか、もみがら、といったソフトセルロースや間伐材の利用を今後進める必要があり、まずは使いやすい稲わら等のソフトセルロースの実証事業として、北海道、秋田、千葉、兵庫というところで一昨年から事業を実施しており来年度以降、実証成果が出てまいります。
本日もディーゼル協議会の方がいらっしゃいますが、バイオディーゼルの利用拡大も進めており、現在では、資料に示します実証事業も含めて、約1万キロリットル程度の生産が見込まれております。
また、バイオエタノール、バイオディーゼル等の旧来の発酵を主体とした生産だけではなく、木質やセルロース資源を中心とした高温高圧での気化によるバイオガスの抽出、藻類からのBDFの抽出、または木質からのバイオコークスの生産といった新技術が開発されてきており、昨年の補正予算でもこれらの技術について採択し、今年度から施設整備に取り組んでいます。
バイオ燃料以外のもう一つの大きな柱のバイオマスタウンですが、現在、今年度中に300地区の目標に達しまして、11月末現在は286地区となっており、現在、具体的な相談が来ている市町村を加えると何とか300地区は達成するのではないかと考えております。今後は、バイオマスタウン構想の着実な実践、具体化を進めたいと考え、先進事例等の情報の取りまとめを急いでいます。
資料には、各農政局ごとの先進事例を記載していますが、これ以外にも各地区で優良な事例も出てきております。
現在では、全47都道府県でバイオマスタウン構想が策定されています。
食品リサイクルの現状ですが、食品リサイクル法が施行されて、リサイクル率が増えており、特に一昨年の改正に基づきまして、食品関連事業者による個々の事業者単位、さらに業種別の再生利用率を細かく設定した利用目標を定めまして進めており、また、21年度分からその結果についての報告が義務づけられています。
最後に、再生可能エネルギーの導入拡大のための連携ということで、スマートビレッジという形で農林水産業地帯を中心に、効果的なエネルギー利用体制の構築というものについても取組を始め、またこの中で、地域における新たな雇用の創出ということにも取り組んでいます。
以上、簡単ですけれども、農林水産省の取組をご紹介させていただきました。
○武内部会長 どうもありがとうございました。
それでは、質疑応答に入りたいと思います。最初に委員のほうからまとめて質問をさせていただきまして、それが全部終わってからそれぞれ外務省、農水省という形で回答をお願いできればと思います。
それでは、浅野委員。
○浅野委員 農林水産省にお尋ねをしたいと思いますが、バイオマス活用推進基本法が施行されて、基本計画が推進されていくことになるので、多分、この問題は解決されるだろうと思いますけれども、やはりこれまでの施策は何となくハード中心という印象が非常に強いのです。もう少しソフト面との連動というものが考えられていいのではないかという気が前からしたわけですが、今度の基本法の中にも施策として、人材養成、国民理解の促進というものが入っています。
バイオマスに関することが、取組の報告を農水省からいただいているものの中で、一人一人のライフスタイルの変革、環境教育に関する分野の報告が挙がっているのは、グリーンツーリズムと森林の広域的機能に関連した学校での森林を活用した教育だけしか挙がっていないのです。バイオマス関係のものは丸っきりそういうつながりがないかのごとく報告されているのですけれども、どこが報告をしたかによっても違ってくるのかもしれませんが、これまでもバイオマスタウンの話を聞いていますと、いろいろな形で環境教育、あるいは地域づくりにもつながるような取組の効果が既にあると思います。
こういうことがきちんとこういう報告の中に載るようにしなければいけないと思うのですが、このあたりをどうお考えかというのが私の質問です。
○武内部会長 崎田委員、どうぞ。
○崎田委員 外務省さんと農林水産省さんに質問させてください。
外務省のほうは、国際的にアジアが発展してきて、資源そのものの制約が厳しくなる、あるいは廃棄物もどんどん世界的に増加するということで、温暖化と同様にに循環型社会づくりが世界的な課題になりつつあると思っているんですが、世界的な交渉の中で、そういう循環型社会の問題が、ここのところ温度が変化してきているかというあたりをぜひ教えていただければありがたいと思います。
農林水産省は、再生可能エネルギーの導入の最後のページなんですが、再生可能エネルギー全量買取り、そういう制度の検討が始まってますが、地域でバイオマスをしっかりつかって、エネルギーをつくろうとか、いろいろな思いは高まっていますけれども、そうすると安く手に入る外材が入ってくるのではないかとか、いろいろ期待と不安と両方が地域で強まっています。どんなふうにバイオマスのエネルギー活用と日本の循環型地域をつくることと連携していくか、考えていらっしゃるかを教えていただきたいと思います。
○佐和委員 外務省に1つお伺いしたいんですけれども、3ページで、国際協力の[1]というところですけれども、ここに書かれていることを拝見いたしますと、テクノロジーといってもどっちかと言えばローテクと言いますか、それほど難しい、ハイレベル、あるいはそれほど高価な値段の技術供与というわけではないです。むしろ意識改革とか制度の導入、社会的なソフトウェアというものの移転ということが、重きをなしていると思うんですが、そういう意味で、これだけのことをおやりになるのに、どの程度の資金を費やされているといいますか使っておられるのかということが質問です。
それから、次に農水省のほうですけれども、2点ありまして、1つは、セルロースといいますか、廃材とか干ばつ材からバイオエタノールをつくる。ポイントは、セルロースをいかにして糖にするかということだと思います。糖にまで持っていけば、お酒をつくるのと同じものだと理解しているんですけれども、7ページのパワーポイントのところで、注のところに、原料生産のエネルギーを必要とする云々、穀物類よりは木材などのセルロース系のほうが、CO2削減効果、エネルギー効果が高いと言われていると書かれていますけれども、ところが私が想像するに、とうもろこしを育てるには当然エネルギーを使っている。ところが、それとは別に例えば木材から糖を取るというときには、これは大量の木材を運んで、木材そのものが大量であるのに対して、そこからつくられる糖というのは、素人ですけれども僅少な量ではないかと思います。
そうしますと、結局廃材、間伐材を運搬するエネルギーが相当要るわけです。そのことも勘案すると必ずしもここに書かれているとおりではないのではないかと思います。
それから、バイオマス、普及が望まれるということについて、私も賛成なんですが、そのためにフィードインタリフというもので、今、太陽光発電に関しては、固定価格で買い取るという制度が既に発足しておりまして、それは現時点では太陽光のみに限られているわけですが、バイオマスなどもそういう形でそこで発電した電力を電力会社に買い取ってもらう、そういう制度が導入されれば、バイオマスの利用もいちだんと弾みがつくというものです。
その点についてのご意見をお願いします。以上です。
○武内部会長 それでは、藤井委員、お願いします。
○藤井委員 外務省にお願いいたします。
この循環型の部会の中では何回かこれから申し上げることを質問しているのですが、先ほど廃棄物の適切な管理の国際的な枠組みに触れられましたが、途上国に施設がある、先進国の施設、そこの中で各々のところで適切な廃棄物を資源化するという話がありましたが、その正式ルートというか、それを超えるものが国際的に動いているという、イレギュラーなところは外務省としては把握しているかどうか。
それから、廃棄物そのものではありませんが、例えば水銀についてもここの環境省の中では何回かお尋ねしているんですが、これが海外に水銀が輸出されるという受け皿の地域、それからそれがどこに最終的には動いているかという、そういう動きを外務省としてどう把握しているか。そのあたりのことをお教えいただきたいと思います。以上です。
○古市委員 両省にお伺いしたいと思います。
外務省のほうで循環型社会づくりで国際協力をいろいろやられているということですが、私は北海道なんですけれども、ロシアとの交流という観点からいきますと、やはりサハリンとかあの辺が近いんです。そうするといろいろな地域循環圏と結びつけるかという交流が可能ではないかと思います。あちらのほうで廃棄物問題が顕在化しているのですが、そういう廃棄物の問題にしてもリサイクルにしても非常に近いところとの交流をもう少し考えたらいかがかなというのがお願いです。それに関してコメントがございましたらお願いします。
それと農水省のほうなんですが、2点ほど、1点目は、当たり前のことなのですけれども、家畜の糞尿、これは産業廃棄物なんです。リサイクルして適正に処理するというのは当然なのですけれども、これはリサイクル率が90%、北海道ですと94から5%なんです。この利用率が90何%と利用されているという状態をどういうふうに判断されているのか。ちょっとお教えいただきたいというのが1点です。
2点目は、バイオマスタウンが今年11月末に286、年度内にも達成できるかとわからないということで、非常に数の上で達成できてよかったなと思います。ただ、その中身の問題ですが、そういう目標とどう達成できているかという中身をどう判断されるのか。そういうことを少しお考えをちょっと聞かせてくださいというのが2点です。以上です。
○武内部会長 横山委員、お願いします。
○横山委員 農水省に2件伺いたいと思います。1点目は、環境基本計画の重要項目として入ってきた地域循環圏とバイオマスタウンの連携をどういうふうに考えているかということです。環境省のほうはかなりバイオマスタウンとかあるいはバイオマス・ニッポン総合戦略とかを意識して書いているんですが、今日伺ったのを見ると、地域循環圏という言葉も一回も出てきていない。そういうことでどんなふうに連携をとっていこうと考えているかということを伺いたいと思います。
それから、2点目は、資料1ページ目にも生物多様性保全の推進という項目が出てくるんですけれども、それに関連して自然共生社会と循環型社会との統合ということに関して、何かお考えになっていることはあるのか。それを示してほしいと思います。
○仙洞田委員 外務省のほうにお伺いしたいと思います。先ほど佐和先生のほうから、費用はどれくらいかというお話が出たかと思いますが、それに合わせてその結果どれぐらい削減があったか。目標と進捗、こういったものをあわせてご報告いただきたいなというところが1点です。
もう1つは、プロジェクトと聞きますとどうしても3年とか4年とか限られた期間になるかと思うんですが、住民の意識向上で大変難しいテーマに取り組まれておられるということですので、その継続性というかそこら辺の観点について何かお考えがあれば教えていただきたいと思います。
○萩原委員 農林水産省にお聞きしたいと思います。一番最後の再生可能エネルギーを最大活用するスマートビレッジの実現のところで、地域住民が参画して新たな公共による管理というところですけれども、今、新しい公共支援事業に補正予算がつくなど非常に注目されているところでございますが、具体的にはどのような仕組みを想定されているのか。あるいは主体としてはどういうものが中心になっていくのか。それについて教えてください。
○鮫島委員 農林水産省の方にお伺いします。資料3ページ目の下のほうに主なバイオマスの発生量と現在の利用率という資料が出ていますが、未利用のバイオマスとしてはほとんど利用されていないと、一番下の林地残材というのがあります。木業の林というのはまさに切り口によっては資源という切り口にもなりますし、この残材というのは現在の状態での話ではあるんでしょうけれども、もっと積極的に林業、木材を資源と考えた場合のそれによってまた出てくる残材というのは随分出てくるはずだと思うんですが、そういったものをバイオマスタウンという構想の中で、どういうふうに解決していくという目論見をお持ちなのか、その辺をお伺いしたいと思います。
○中川委員 農林水産省にお伺いします。今、鮫島委員が指摘の場所なんですが、林地残材がほとんど未利用という状況なんですが、この理由として収集体制が未整備ということが挙げられておりました。これは林道の整備とかそういうことが全然進んでないからということなのか、それともまた別の要因があるのか。これを少しでも利用を拡大するために、どういう手立てがあるのか、お考えをお聞かせ願いたいと思います。
あと細かいところですが、この食品廃棄物が約1,900万トンとなっていますが、この次の、17ページのところと数字がちがうのですが、あわせてお伺いします。
○武内部会長 どうもありがとうございました。
それでは、お答えをお願いしたいと思います。
外務省のほうからよろしくお願いいたします。
○外務省(地球環境課企画官) まず、第1点目のご指摘の廃棄物の国境移動の増加という問題でございますが、これは委員がご指摘のとおり廃棄物移動が増加しているという認識を私どもも持っております。
従来、国際会議、国際的な枠組みの中で議論されてきた廃棄物の国境移動というのは先進国と途上国間、もう少し具体的に申しますとOECD諸国と非OECD諸国というような枠組みで考えられていたんですが、最近の顕著な傾向というのは、途上国間の廃棄物移動が増加しているということでございます。
こうしたものをどのように減らしていくのかということですが、私どもの中で考えられている概念というのはESMというものでございまして、これはEnvironmentally Sound Managementという、廃棄物の環境保全を考慮した適正な管理という考え方でございます。ESMの概念にはいろいろな要素が含まれていますが、例えば、リサイクル施設をつくろうとしている途上国に対する技術支援を与えるとか、現在あるリサイクル施設であってもそれが健全に稼働しているのかどうかをチェックするための先進国からの技術支援、ハイテク処理施設に対する支援について、ESMという概念を導入し、各国の意識を高めるということによって廃棄物処理能力を高め、越境移動を含めた廃棄物の減少を図るということをやっています。
廃棄物の越境移動につきましては、イレギュラーな移動と関係するので、後ほどちょっと説明いたしますが、移動自体を減少させるためには当該国間の通報制度というネットワークづくりも必要なので、そういった問題、とりあえずは地域ごと、例えばアジア地域、アフリカ地域、などの、廃棄物の輸出入について通報制度を確実なものにしていくという取組をすることによって、増加傾向にある廃棄物を何とか減らそうという考え方が国際的に議論されているというのが現状でございます。
第2点目のご指摘でございますが、確かに3R推進のためのプロジェクトというのは、おっしゃるとおり技術協力が中心になります。先ほどご説明したプロジェクト方式技術協力の目的は、当該国の人々の意識の向上、それを向上させるための国家の行動計画というものが中心になっています。そのためにどういうことが必要かというと、専門家の派遣、それからそういった問題にかかわっている研修生の日本への受入、それから必要な機材供与というものでございます。
資金規模についてのご指摘ですが、私は具体的な資料を持っておりませんが、一般的に申しますと、建物をつくって、そこに専門家を派遣して、技術移転を図るということではなくて、例えば中国ですと日中友好環境保全センターを活用しておりますし、これから協力を行おうとしている大洋州地域でしたら、大洋州地域環境計画事務局というものがございまして、ここがプロジェクトの実施機関となっております。従いまして、いわゆる我々が想像する建物などの施設の建設を含んだ経済協力に比べれば、資金規模は安いのではないかと考えております。
問題は、プロジェクトの受け皿となる実施機関の能力でして、その能力をどうスクリーニングするかということについては、JICAのほうで相当慎重な検討をして選択するという形をとっていると思います。
それから、第3点目の委員のご指摘のイレギュラー(不法)な国境を越えた廃棄物の移動について、どう考えているかということでございますが、これについての正確な資料というのは現時点でどこの国も持っていないのが現状です。たまたま問題が発生したときにそれがわかるということでございまして、これをどのように取り締まるかということについて、やはりそれぞれ各国間の外交ルートも含んだ、通報制度、つまり輸出通報、輸入通報を通じてコミュニケーションの向上を図っていく。こうしたコミュニケ-ションのネットワークを強化していきますと、業者のほうも例えばシンガポールに輸出したら輸入審査が厳しいことなどがわかってきますので、通報制度やネットワークづくりをしっかりするということが、イレギュラーな廃棄物の国境移動を取り締まる非常に大きな手段になると考えております。かかる観点より、我々としては廃棄物管理のためのネットワークづくりに積極的に取り組んでおります。
第4点目の地域との交流でございますが、ロシアと韓国と中国と日本の4カ国が集まって、お互いの海岸に漂着してくる廃棄物をどのように減らそうかという会議を毎年開いております。事務局は富山県にあります。そういう例がございますので、地域での廃棄物の問題が顕在化しているということにつきましては、我々も認識しております。例えば北九州の平戸あたりには韓国、中国からの医療廃棄物が海岸に漂着して、大変ひどい状況になっているということがあります。
そういったものをどうやったら減らせるのかということで、韓国、中国においても漂流物が出る場所についてはなるべく取締りを強化する、そういった取組がなされております。そういった取組みが将来的にもっと地域ごとになされるという可能性というものがあるのではないかと考えております。
最後のご質問のプロジェクトの継続性の問題でございますが、プロジェクト方式技術協力の実施期間は3年から5年でございますが、プロジェクト後半に入りますと、一番大きな課題というのは継続性の問題になってくるわけです。どのぐらいの目標を達成できたかを評価する専門家チームをつくって、JICAが現地に評価ミッションを派遣して、評価をいたします。その評価によって、プロジェクトを終了するか、延長するか、決定するわけです。プロジェクトが終了した後でも適宜短期専門家を派遣して、先方にガイダンスを与えるという形で継続性を保つことになっております。うまくいかないプロジェクトの話は未だ聞いておりませんが、もしあればプロジェクトを延長してフェーズ2ということもあり得ると思います。受け皿機関が非常にしっかりしたプロジェクト実施能力をもっているというのがプロジェクトを選定する前提となっていますので、多くの場合は短期専門家の派遣によって継続性を確保していくこととなっています。以上でございます。
○武内部会長 どうもありがとうございました。
それでは、農林水産省のほうからよろしくお願いいたします。
○農林水産省(バイオマス推進室) まず、今までソフト面での効果を出していなかったということでございます。実際にはバイオマスという言葉自体の認知度も非常に上がってきておりますし、最近では小学校の教科書にはバイオマス、もしくはバイオマスタウンという言葉も盛り込まれていると聞いておりますので、そういった向上はできていると考えております。今後、委員からも指摘されていますが、基本法では、バイオマスの利活用の取組の検証をしっかりやることとしています。特に、基本理念に書き込まれているようなものについて、実際にどういう効果が上がっているか、しっかり検証してまいりたいと考えております。その中で、ご指摘の地域社会の活性化、については具体的な数字が出せるような形で検討してまいりたいと考えております。
また、再生可能エネルギーについて、まず私どもの1つの大きな柱のバイオマスタウンの考え方をご紹介させていただきますと、バイオマスは原材料、利用の仕方、地域内での加工の仕方について、非常に地域性があるということで、国で画一的なやり方を示す、もしくは県単位で示すということもなかなか効果的な理由が図られないという観点から、しかしながら原材料がほとんど廃棄物であるため行政的な関わりが必要であるといった総合的なことを考えまして、市町村単位で進めるべきだろうという観点からバイオマスタウンを推進しています。
バイオマス活用推進基本法におきましても、国全体の活用推進基本計画を策定しますが、国の基本計画に基づき、都道府県市町村自らがのバイオマス活用推進計画を策定することとしておりまして、今までのバイオマスタウンの考え方は捨てずに、移行したいと考えております。そういった観点から再生可能エネルギーにつきましても、できるだけ地域で総合的な利用計画を書いていただく、その中で地域住民が参画した新たなエネルギーを管理するという考え方も、やはり住民がどうやって参画していただけるのか。バイオマスだけでなく太陽光エネルギー、風力、小水力をどれくらい生産するか。またその利用にあたっても、それが夜間に使用する、もしくは昼間に使用するかそういったことを市町村が主体と成ってちゃんとしたプランを描いて進めていくというが、適切だろうと考えております。
セルロースや木質の利用ですが、確かに現在の技術で言えば、LCA評価をしてもなかなかプラスの評価ができにくいものが多くあります。しかしながら今後の技術、特に、発酵技術、もしくはエタノール取り出しに熱量がかかります濃縮技術、このあたりにつきましては、今後、さらに開発の進展が期待されますし、実際にここ数年でも非常に進んできております。液体燃料のほかにもガスの利用も技術開発を推進しておりますけれども、最近、ガス会社が、天然ガスの代替として、利用を検討されており、一番ネックとなっておりますのは濃縮生成技術の技術開発が進むことを期待しております。
また、運搬に関して、特に固形物の多いバイオマス、液体物の多いバイオマスにつきましては、非常にコストがかかる、CO2発生もむしろ増加するとの指摘があります。これにつきましては国際的なGBEPという場で、バイオマスの利用に関しての評価はどうあるべきであるかということも進めておりますので、日本といたしましてもできるだけ環境に悪影響のない形の推進を求めております。しかし、EU、アメリカ、ブラジル等各国それぞれの言い分もあり、その中で私ども日本として不当に不利益にならないような形で取りまとめられるよう主張しておりますので、またそれについては今後ご紹介させていただきたいと思っております。
固定価格制度につきましては、当然私ども農水省といたしましても、また、バイオマス活用推進基本会議でも、バイオマスエネルギーについても対象とすべきだという意見がございます。それに対しては、バイオマス活用推進会議に、経済産業省が入っておりますので、一義的には買い取りする場のエネルギー事業者さんとの調整については、そちらのほうで進めております。全く棚上げになっているという実態ではないということをご理解いただきたいと思います。
家畜排せつ物につきましては、たい肥等に加工され、家畜排せつ物処理法に基づいて適切に処理されている数量です。ご指摘のように、それがそのまま倉庫の中に眠っているようなものも確かにあると思います今後、広域利用等検討していかなければいけないと考えていますが、まずは法律に基づいて、畜産業以外のところに迷惑をかけない形で、適正に処理されている数量が9割以上と理解いただければと思います。
バイオマスタウンの今後につきましては、検証システムを今後考えておりますので、その中で、具体的な優良事例、もしくは効果というものを数量的に住民の方にもわかりやすく示し、推進を図ってまいりたいと考えております。
生物多様性につきましては、COP10も終わったところですが、具体的な実施につきましては、国際的な取組、国内で言えば、実際に外来生物をどうするのか。もしくは遺伝子多様性の植物等々の購入問題についてどう責任をとるか等詰めていかなければいけないことも多く、さらに活発に協議をすすめているところです。その中で、我が国として生物資源の多様性の確保について、さらに具体的なところを検討、決定されればまたお示ししたいと考えております。
木質資源ですけれども、実際に、ここに示した林地残材、実は実際にしっかり使えば木材として使えると私どもは認識しております。林野庁としても実はこの林地残材としてカウントされる数量をできるだけ減らしたいという考え方であります。しかしながら、日本の林道がEU諸国に比べて少ないということがございます。日本は、山が多くて急峻な地形ですが、EUはメインの林道整備は行政が実施しますが、地形がなだらかで民間が自主的に林道整備等を図られる条件にあります。そういった中、例えば広島県北広島が取り組んでおりますが、1週間程度の研修で、45度というかなりの急峻な崖でも倒木林の取り出しができるような技術開発も進んでおります。ある程度の技術の普及というのが今後必要だと思っておりますので、できるだけ市民団体、もしくはボランタリーな団体でも使えるような技術の普及を検討したいと考えております。
また、市町村において、全体的なコスト負担の構想が必要ですので、昨年来、林野庁のほうでそういった森林資源の有効活用について市町村が計画を立てた場合には、一定の支援をしています。今後ともできるだけ森林資源が有効に活用され、バイオマスだけではなくて、本来の木材資源としても有効活用されるような方策を検討してまいりたいと考えております。
○武内部会長 どうもありがとうございました。
それでは、これでヒアリングを終了させていただきます。
外務省、農林水産省のお2人はどうもありがとうございました。
(各省 退席)
○武内部会長 それでは、引き続きまして議題2、今年度点検報告書案に移りたいと思います。本日は、特に物質フロー及び取組み指標の状況とそれらに関する評価と課題について重点的に審議するとともに各主体、国の取組状況について審議を行いたいと思います。
残りの全体評価については、次回ご審議いただき、全体としてパブリックコメントにかけるというスケジュールを考えております。
当初の案では、物質フロー、それから取組指標等、それと主体、国の取組状況について、別個にご審議いただくつもりでございましたが、そうすると多分時間内には終わりませんので、それをまとめさせていただいて、説明をできるだけ短い時間でしていただいて、皆さんにご意見を伺い、時間があれば回答をいただく、時間がなければまた別途次回に回答から始めるという形で、できるだけ次の会にご迷惑をかけないようにしたいと思いますので、どうぞご協力をよろしくお願いいたします。
それでは、説明をお願いいたします。
○循環型社会推進室長 では、資料3に基づきまして、第3回点検結果の報告(案)という形でまとめておりますので、ご説明いたします。
まず、1枚めくっていただきまして、目次のところですが、先ほども部会長からご説明いただきましたが、今回は物質フローの目標の進捗状況、それから取組指標に関する目標の進捗状況。それから、1枚めくっていただきまして、目次の2ページ、各主体の取組状況の実施というところになっております。目次3の一番下のところにありますが、全体的評価と課題のところについては次回の循環型社会計画部会で審議予定となっております。
国の取組状況のところは、農水省と外務省の取組状況はまた次のときに今日のヒアリングをまとめた形でお出ししたいと考えております。
まず、物質フローの目標に向けた進捗状況ということで3ページからご覧いただければと思います。
目標が多いので、資料3-2のほうに、目標の進捗状況で数字だけまとめたものも用意しておりますので、そちらと合わせながら見ていただければと思います。
では、まず3ページ、物質フロー指標、設定された指標の目標達成状況というところでございます。いつも見ていただいているところでございますけれども、資源生産性・循環利用率・最終処分量というところでございます。
ここは、平成20年の数字をお出ししております。
次の21年の数字の速報値は、次回、27日の会議のときに、速報値ということで試算というものでお出しする予定になっておりますが、今回は平成20年度の数字ということでございます。ここで見ていただきますと、資源生産性は36.3万円/トンということで、19年度よりは増えているということでございます。それから、循環利用率と最終処分量それぞれ14%と2,300万トンということで、ここは目標達成しているところになります。
これは、やはり5ページ目から傾向を書いているんですけれども、やはり平成20年度が世界金融危機の影響があった年で、金融危機が起こった年ということで、不況の影響がかなり出ているということでございます。特に、資源生産性につきましては、不況の影響でGDPが下がりましたけれども、天然資源投入量がそれ以上に下がったということもありまして、資源生産性が増加する方向に動いているということでございます。
7ページ、資源生産性の増について、分析をしておりまして、毎年度の変化についてしているとともに、長期的に、毎年度の変化を見るよりは長期的に見たほうがよいだろうということで、長期的に見て、表2の下のところで、平成15年~20年の変化というところでありますと、いろいろな省エネとかそういう原単位要因が6割、それから構造要因、物質投入量の大きな財・サービスのウエートがどのぐらいきいたかが4割ということで出ているところでございます。
それから、8ページ、循環利用率についてです。先ほど申しましたように、これも金融危機の影響で、循環利用率が上がったのではないかと言えるかと思います。目標の14~15%の達成の域に入っております。
それから、9ページの最終処分でも同じように、不況の影響で目標値を達成したというところでございます。
それから、10ページを見ていただきますと、目標を設定する補助指標ということで、資源生産性について、10ページの下のほうにグラフがございますけれども、重量の重い土石系の資源投入量を除いた資源生産性を毎年計算しております。
これは、やはりなかなか改善しておりませんで、特に、このGDPが下がったということもあって、この20年度はこの数字は下がっているということになります。
それから、12ページ、廃棄物部門由来の温室効果ガスの排出量は、これは不況の影響がきいたということもあって、発生量としては減少しているということがございます。
それから、13ページ目の廃棄物として発生されたものを原燃料に再資源化したり、廃棄物発電に使ったり、温室効果ガス対策としてやっていることについては、ほとんど前年度同量ということになっております。
それから、次に14ページ、資料3-2は2ページ目のほうを見ていただければと思います。これは目標は決まっていないけれども、その水位をモニターしようという指標の動向でございます。この14ページ目の下のほうに、化石系資源に関する資源生産性、これは温暖化対策に非常に関連するところでございますけれども、そういうところを見ると、これも減少しているということになっております。
それから、16ページ、先ほどもバイオマスの議論がありましたが、バイオマス系の資源の投入量といたしましては、ここはかなり増えておりまして、国内のバイオマス系の資源投入量が増えたということが要因となって、バイオマス系の資源投入率が上がっているということが言えるかと思います。
それから、17ページ、我が国の金属系の資源輸入量に関わるTMR、関与物質総量につきましては、これも大体前年度と同じぐらいで、1億トンの金属系の原輸入量に対して、資源生産国などで、大体22億トンのものが動かしている。資源を使って1億トンの金属資源を輸入しているという実際が出ているところでございます。
それから、18ページ、ここがかなり数字が動いているところでありまして、循環資源の輸出、輸入量と総物質消費量という数字を出しておりますけれども、循環資源の輸出量については、ここは暦年ベースで出しておりますので、平成20年と21年の数字が出ておりますが、20年の数字は金融危機の影響でちょっと減ったんですが、21年の数字は盛り返しておりまして、循環資源の輸出量がかなり増えていて、平成12年の基準年と比べると、大体3.5倍に増えている。鉱さい、鉄鋼くず、古紙といったものがたくさん外に出ているということが言えるかと思います。
輸入量は、増加傾向にありますけれども、全体としては輸出に比べると少ない量で推移しているということになります。
20ページ目を見ていただきますと、そういう輸出の量が増えているということと我が国全体の天然資源投入量が減っているということがありますので、我が国で物質を消費する、総消費量は年々下がっているということが見てとれるかと思います。
それから、21ページですが、産業分野別の資源生産性につきましては、15年以降ですと製造業や建設業、三次産業も資源生産性は増加していますが、19年度比、これは単年度で見るものでもないのですが、19年度比ですと、建設業や三次産業は増えていますが、製造業が減っているという傾向がございます。
22ページから、進捗状況、評価と課題をお示ししておりますが、先ほど申しましたように、資源生産性、それから循環利用率、最終処分量というのは、金融危機の結果もちょっとあって、循環利用率と最終処分量が目標達成しましたし、資源生産性も向上傾向にあるということがございます。
ただし、やはり資源生産性で見ますと、土石系の資源投入量を除いた資源生産性や化石資源に関する資源生産性が向上していないというところもありますので、こういうところの向上の方策を検討していくとともに、その循環利用率と最終処分量については、不況の影響がなくなっても、引き続き向上している形で、安定的な目標の達成ができるように取り組んでいくことが必要であるというというところが、22ページから23ページにかけて記載しております。
24ページの一番最後のところで、データにつきましても我が国の物質循環を詳細に把握するためのデータが何かと考えながらさらに情報収集について検討する必要があるということも課題として書いているところでございます。
それから、25ページ、取組指標の目標の進捗状況のご説明をいたします。
資料3-2のほうは、3ページ目のほうをご覧いただければと思います。
まず、26ページ目のほうを見ていただきますと、廃棄物の減量化ということで、1日当たりのごみ排出量については、これは基準年に比べて10%減という目標を達成した。12.8%減ということで、目標達成しております。また、家庭から排出するごみの量につきましても、かなり改善して、目標がまだ20%で削減率が13%でございますので、まだかい離はありますけれども、かなり進捗しているということがあります。
それから、27ページにつきまして、事業系ごみの総量についても、20%減という目標を達成して、22.2%ということでございますので、20%減という目標を達成しているという状況でございます。
ここら辺は、分別が進んだということに加えて、やはり先ほどから申しておりますが、金融危機においての不況の影響もあるのではないかと考えられております。
それから、28ページ、産業廃棄物の最終処分量、先ほど見ていただいたとおり、これも目標達成しているということでございます。
それから、29ページ目から、いつも見ていただいている意識行動変化というところをアンケート調査しております。昨年は、世論調査が幸いにもできましたので、インターネット調査と合わせて実施したところでございますが、今年はインターネット調査だけになっております。
毎年度同じように世論調査の属性に近くなるように、調査対象の年齢とか地域を工夫して、実施しているところでございます。
実際の動向について、30ページ、31ページに数字がございますが、ちょっとまとめたものを32ページにグラフにしておりますので、ご覧いただければと思います。
やはり全般的にこれまでと同じように、ごみ問題に関心があるとか、それからごみを少なくする配慮やリサイクルをやっているという意識面がかなり高い、意識面がグラフの実線でやっているところで、行動面が全般的に点線で表しているところでございますが、意識の面はかなり高いということが言えますが、行動面のところでレジ袋や詰め替え製品を使う。レジ袋を断るとか、詰め替え製品を使うという数字、それから分別しているというところは高いんですけれども、リユースのびんなど再生可能な容器を買っているとか、再生原料でつくられたリサイクル製品を購入しているというものについては、なかなかその数字が上がらないで下のほうにあります。
特に、再生原料でつくられたリサイクル製品の購入などはちょっと率が減っているという状況で、やはり意識と行動のかい離が見られるところでございます。
それから、33ページのほうでグリーン購入の推進のところでは、リサイクル先を増やすということでグリーン購入も推進しているところでございますけれども、地方自治体の取組状況としては、都道府県は高いのですが、やはり市町村については全体の取組率が全庁的に取り組んでいるところは市町村レベルだと46%、全庁的ではないけれども組織的に取り組んでいるところは14.5%ということで、なかなか取り組まれている率がまだ低いという状況でございます。
一方、35ページのほうを見ていただきますと、企業においての取組率は上場企業、非上場企業と両方とも7割を越えているということで高い取組状況にあります。
それから、下のほうで環境経営の推進についてもISOは横ばいでございますけれども、エコアクション21の事業者や環境報告書を作成、公表している企業の割合については、上昇している傾向にございます。
それから、36ページの下の表15で循環型社会ビジネス市場の規模の推移ということで、目標が2倍増ということでございますけれども、平成20年度で基準年の12年に比べて1.32倍ということになっております。
あと37ページ以降は、個別リサイクル法と着実な施行情報をそれぞれ数字で出しているものでございますので、全体的に着実に報告書に近づいているという評価となっております。
それから、46ページのほうで、推移をモニターする指標をご覧いただきますと、ここでもいろいろな数字を出しておりまして、参考資料のほうですけれども、最後の6ページ、これは参考資料をご覧いただければと思いますが、レンタルリース業の市場の規模というものについては、リース業が金融的な効果もあるので、不況の影響が出ていて、マイナスになっていますが、レンタル業は上がっているというところです。
それから、レジ袋の辞退率は上昇しているという状況があります。
それから、リターナブルびんの使用率はなかなか上昇していなくて減少傾向にありますが、リユース食器の取組などは全体としては広がっている傾向にあるといことが言えると思います。
それから、地域の循環基本計画の策定状況ということでございますが、これについては都道府県レベルではすべて策定されているんですが、市町村ではまだなかなか少ないところがあって、全体で57%というところになっています。
ここは、どのぐらい詳しいかということについて、資料3-4をご用意いたしまして、それぞれの個別計画を策定しているか、基本計画をつくっているか、廃棄物計画の中に書いているか、それとも言及なしかとか、詳しいのか簡略なのかということをこれはそれぞれ担当者の方にご記入いただいたんですけれども、それぞれ傾向を書いておりますので、後ほどご覧いただければと考えております。
資料3-2に戻らせていただきます。
ごみ有料化の実施率については、かなり上がっていて、12年度に比べて12%ポイント上昇しているという状況がございます。時間の関係で省略いたしますが、取組状況としては、全体的に上がっていますが、それぞれ行動とかそういった面でなかなかまだ取組が必要なところもあるというところでございます。
もとの資料3に戻っていただきまして、67ページ、取組指標に関する評価、課題を書いてございます。
減量化の目標が達成できたというところがございますけれども、やはり引き続き目標の安定的な達成に向けて、意識向上、分別回収、ごみ処理、有料化などは必要であるということを書いております。
やはり意識と行動のずれというところで、具体的な行動ではなかなか進んでないところについて、意識を行動につなげる取組が必要であるということを書いております。それから、グリーン購入といっても地方公共団体などを中心に、率先した実行が求められるということを書いております。
そういうところを68ページのところで記載しております。
まとめますと69ページの[11]のところで、一番最後はまとめになっておりますけれども、平成20年度は繰り返しになりますが、金融危機の影響もあって、目標達成した指標もありますが、ライフスタイル、変革に向けた行動については不十分なものもありますので、効果的な普及、啓発や経済的インセンティブづけなどを活用しながら、循環型の行動様式を持続的な取組として図っていくということが必要です。あと循環型ビジネスについての活性化の方策を検討していく必要があるということを評価と課題として書いております。以上、取組指標の状況でございます。
続きまして、各主体の取組状況、これはこれまでヒアリングをしていただいた結果などもまとめているところでございます。ちょっと時間の関係で報告書の記載は70ページからですが、これも資料3-3のほうに特に去年から変わったということでまとめたものをご用意していますので、本日はこっちを中心にご説明させていただければと思います。
各主体の取組状況として資料3-3の下のほうにありますけれども、国民の取組としては、関連する取組指標の状況ということで今まで見ていただいた状況、ごみ排出量などについては目標達成しているということを記載しております。
第2節では、71ページになりますけれども、NGO、NPO、それから大学等の取組ということで、夏以来、ヒアリングをしていただいた環境NGOのEZOROCK、それからNPO法人の伊万里はちがめプランの取組の状況について概略をまとめております。
次が事業者の取組ということで、本文72ページです。ここについても日本経団連、野村興産、鳥栖環境開発総合センターのヒアリングをした結果を書いております。
特に、日本経団連の取組状況としては、平成20年度の産業廃棄物の最終処分場が約644万トンということで、環境自主行動計画を2年前倒しで達成されたということ、それから、新たな環境自主行動計画を平成22年度に策定する予定ということを記載しております。
では、1枚おめくりいただきまして、第4節の地方公共団体の取組ということで、本文74ページ以降で書いているところでございます。ここもヒアリングをした結果ということで、北海道、佐賀県、札幌市士幌町、佐賀市という5段階のヒアリング結果をそれぞれ書いています。
例えば、有料化を始められた市があったり、それから一人一日当たりのごみの排出量が全国トップレベルの少ない量であって、そういうところのリサイクル取組状況、それからバイオマスのプラントを運用されている例ということがヒアリング結果としてまとめているところでございます。
それから、次が国の取組状況ということで、この1年間の状況について記載しているところでございます。実際には、77ページ以降で書いております。先ほど申しましたように、本日ヒアリングがあった省庁、取組については次回にここを追記したいと考えております。
循環型社会、低炭素社会、自然共生社会の統合ということでございますけれども、リデュースによる環境負荷の削減効果を定量的に把握して、国民のリデュース行動を促すための検討をしてきた。
それから、廃棄物の処理量の改正を行いまして、多量の産業廃棄物を排出する事業者に対する減量化計画、策定提出義務の担保措置をつくって排出抑制を徹底した。その熱回収促進のための制度を設けたというところがございます。
それから、エネルギー基本計画において、バイオ燃料の導入目標を決めたというところがございます。それから、自然共生社会との統合的な取組につきましては、生物多様性の国家戦略2009を閣議決定して、その中には多様性と循環型社会についての総合的な取組についても書いております。
それから、COP10において、里山イニシアティブとして提唱いたしまして、里山イニシアティブの国際パートナーシップを発足させた。ということを記載しおります。
次のページ、地域循環圏を踏まえた循環型社会づくりということで、今年の重点事項になっておりますが、これにつきましては、地方環境事務所を中心として今実施しております地域計画を策定するための検討について、北海道、東北ブロックと関東ブロックについて検討を開始したというところ。
それから、地域循環圏の望ましい姿、適切なあり方とその知恵の方法について検討を進めているというところを記載しております。
それから、ライフスタイルの変革ということで、これは80ページ以降で書いておりますが、全国の小中学生を主な対象として、こどもエコクラブの実施、環境教育、環境学習の指導などについての環境講習会を実施しています。
それから、佐賀におきまして、審議会の委員もご出席いただきましたが、3R全国大会を開催して、環境展も開催して、この機関中には5万1,000人の参加を得たということを記載しております。
循環型社会ビジネスの振興としては、平成22年3月に地方公共団体のためのグリーン購入取組ガイドラインを改訂した点、それからリユースの促進ということで、リユース推進に向けた課題や支援策の検討を行った。それから、経済的なインセンティブを与えるということで、3R行動にポイントを付与する制度を導入するためのガイドラインの策定に向けて検討した。というようなところを記載しているところでございます。
下のスライドに移りまして、82ページ以降、循環資源の適切な利用、処分に向けた仕組みの充実というところを記載しております。ここでは、廃棄物処理法の改正によりまして、廃棄物を輸入することができる範囲を広げて、国内に廃棄物を輸入して適切に処理するということを促進するための措置を講じているところでございます。
それから、容器包装リサイクル法、自動車リサイクル法、それぞれさらに法律を推進するための検討を行っているところでございます。
次の3Rの技術とシステムの高度化ということが85ページ以降に書かれております。ここにつきましては、使用済小型家電からのレアメタルの回収と適正処理について、研究会を開催しまして、効率的な回収方法の検討をするということ。それから、回収された使用済小型家電に係るレアメタルの含有実態の把握、それから使用済小型家電のリサイクルに係る有害性の評価、適正処理などについての検討を進めるということを記載しております。
それから、情報の的確な把握・提供と人材育成ということにつきましては、廃棄物から出た温室効果ガスの排出算定の基礎資料とするために、統計の速報化などを図っているところでございます。
それから、最後の国際展開、これは88ページ以降に記載しておりますけれども、我が国の制度、技術、経験の国際展開として、アジア各国において国家戦略の策定を支援しておりまして、特にベトナムについては、その成果として国家戦略ができたということ。それから、各自治体間の協力を支援しているというところがございます。
東アジア全体での資源循環の実現を念頭にアジア全体での循環型社会の構築ということで、アジア3R推進フォーラムの第2回会合開催いたしました。各国と協定を結んで、国際協力を進めていくというところがございます。
研究情報ネットワークの構築、国際的な資源生産性の向上に向けても貢献しているというところを書いているところでございます。
駆け足でございますが、説明としては以上でございます。
○武内部会長 どうもありがとうございました。
それでは、2つの大きな事柄についてまとめてご意見を伺いたいと思います。
細かいご意見があるかもしれませんが、その点については恐縮ですけれども、時間の関係もございますので、別途事務局のほうにご指摘いただければと思います。
それでは、浅野委員。
○浅野委員 2点ばかり、67ページの最後から3行目、取組指標の変遷の結果、意識と行動のかい離というのは何年繰り返してきたかわからない。毎年書いているわけです。ちょっと、芸がないのではないか。だから、もうちょっとここは考えなければいけないと思います。
例えば、全部が全部駄目なわけではない。いいものと悪いものはギャップが出てきた。だから、原因をもっときちんと分析する必要がある。あるいはやはりどういうシステムをつくることによって、意識と行動をつなぐことができるのか。システムの問題があるかもしれない。その辺の検討をしなければいけないということを入れておかないとこれだけの書きぶりを毎度繰り返すのはよくない。
それから、69ページの上から2行目、3行目のところに地域の計画で循環に係る詳細な記述が望まれます。と書いてありますけれども、これは結局何を書いていいかわからないから書いてもらえないということで、やはり「望まれます」ではなくて、それについては何らかのガイドラインをストレートに書くことはいらいかもしれないけれども、そろそろ考えて示していかなければいけないと思います。こういうことは書いてほしい。書いてほしい中身が伝わってないと思います。「望まれます」という言い方はちょっとまずいと思います。
以上です。
○武内部会長 佐和委員、お願いします。
○佐和委員 6ページの図、これは私は初めて見たんですけれども、これを見ると黒いところ、一番上のほうの黒いところは、窯業と土石類だと思うんですが、重さで言うとその割合が少なくとも近年は僕が思っていた以上に比率からいくと低いなという感じがいたしました。
それはさておき、化石燃料というのは、これはずっとほとんど重さは変わってないわけです。これは実は重さは変わっていなくても中身が変わっているわけです。石炭から天然ガスへと。そうしますと、キロカロリーで言うと、増えていることは間違いないです。天然ガスというのは非常に軽い。それに対して石炭は重い。石炭から天然ガスへの燃料転換が起きれば、キロカロリーは同じであっても重さは軽くなる。その結果として、重さのほうが変わってないということは、キロカロリーというベースで見ると増えているといことになります。そうすると問題は、その次に10ページのところに、土石資源投入量を除いた資源生産性の推移とございますが、これを見るとほとんど平成2年から22年にわたって20年間、ほとんど変化してないということは、このことの言いかえれば、キロカロリーあたりに見ると、むしろ下がっている。エネルギー投入量というのはキロカロリー、熱量ではかるとすれば、下がっているということです。分母が大きくなるわけですから。それはどういうふうに説明するのかということも少しお考えいただければと思います。以上です。
○武内部会長 どうもありがとうございました。
古市委員。
○古市委員 79ページの地域循環圏を踏まえた循環社会づくりというところで、ここでは地域循環圏のための地域計画というとらえ方をされているんですけれども、地域計画、高位計画ということで、廃棄物処理、適正処理とありましたが、ここで言っているのは地域循環圏、要するにリサイクルのための地域計画です。だから、地域計画の位置づけが少しはっきりしないのではないかと思います。
というのは、80ページの上のほうで、ごみ・し尿の安心・安全な処理、リサイクル、エネルギー利用に必要な施設整備を一括して行うことを、と書いてありますので、地域計画と地域循環の相互の関係がいまだに少しはっきりしないような気がします。
なぜそういうことを申し上げるかと言うと、本当に総合的に地域計画でやるならば、例えば地域循環圏ということで、離島とかそういうところの対応というか支援、そういうことはあるのかないのか、昔は離島対策、リサイクルも含めてやられていたんですけれども、最近そういう話があまりないので、やはり地域循環圏をつくるときに離島対策というものはやはりそれなりに支援してしかるべきではないかと思います。以上です。
○武内部会長 ありがとうございます。
横山委員。
○横山委員 2点述べたいと思います。1点目は、国の取組の中に循環型社会と自然共生社会の統合的な取組、それから地域循環圏を踏まえた循環型社会づくりというのがあるんですけれども、国の取組だけの中にこの2つが出てきていいのかなと思います。
例えば、自治体とか企業でもそういう視点から取り組んでいるところがあると思いますので、その辺の工夫をしていただきたいなと思います。
具体的には、経団連のヒアリングでも自然共生社会を意識して、循環型社会の形成に取り組んでいるという指摘がありましたので、それをどこかに盛り込むようなことをしていただければと思います。
それから、2点目は、意識と行動の変化、浅野委員も指摘していましたけれども、今回は、意識と行動の折れ線グラフを使ったり、工夫は見られるんですが、やはり私も毎年これだけ繰り返してもいいのかなと思いますので、例えば、環境教育、環境学習、80ページに出てきますけれども、これがやはり進んでいないのがこういう行動に結びついていないのではないかと思いますので、環境教育、環境学習のところに意識と行動の問題も盛り込むとか、少し関連性を持たせるといいのではないかと思います。以上です。
○武内部会長 ありがとうございます。
酒井委員、お願いします。
○酒井委員 1点だけ、今回のいろいろな指標のご説明に金融危機とか不況という言葉が盛んに出てきたのですけれども、もちろん短期的な分析、読みとしてその部分があるというのはこれはもちろんある話ですので結構だと思うのですが、やはり大きな構造変化の効果をどう見るかという視点が大事かと思いますので、そういった意味で若干フロー的な評価に足を突っ込む部分があってもいいのではないかという印象を受けます。
具体的には今日は個別リサイクル法の進捗の全て説明を省かれましたけれども、個別リサイクル法で最終のごみ減量までつながっている部分の可能性が相当あるはずですし、それともう1つは、ごみ処理の有料化、全自治体の半分以上導入になってきている中でいけば、やはり一般廃棄物に対しては、有料化の導入のときに、10%から数十%まで相当な減量効果を持つわけです。それが恐らくは指標に対しての達成感というところで効果をもたらしているというところがありましょうから、そこは当然ないわけですので、少しそういうフロー分析的な評価の部分を先ほどの短期的な経済影響とか金融危機云々ということと抱き合わせで表現されていくほうがいいのではないかと思いました。以上です。
○武内部会長 ありがとうございました。
崎田委員。
○崎田委員 今回の目標がクリアになっている原因を、やはりかなりきちんと書いておかないと、不況でごみが減ったという話だと、今度景気がよくなったら、またごみが増えるのかという話になりますので、もっと積極的に進めることが大事だという事を強調することが大事ではないかと思っています。
それで、68ページと69ページで、このいろいろな進捗状況に関してコメントがあるんですが、最初の67ページのところで、[3]のいろいろなアンケートの結果に関しての分析があるんですが、リデュースのレジ袋削減という全国的に普及啓発が集中しているものはかなり数字が高くなっているんですけれども、リターナブルびんの使用は下がっている。そして、もう1つ、再製品を積極的に買うというのが、年々どんどん下がって、今回、1割ぐらいなんです。リサイクルは進んでいるのに、再製品を買うという関心がどんどん下がっているというのは、かなりきちんと要因などを分析していかなければいけないと考えますので、68ページ、69ページというあたりがおだやかに状況を書いていらっしゃるような感じがしますので、もう少し危機感がある部分に関してはかなり危機感があるということを明確にしながら、どういう改善の方策が必要なのかというところまで、このページか今後出てくるページできちんと書いたほうがいいのではないかという感じがしています。
例えば、68ページの[8]のリターナブルびんの使用率が下がっているという話で、3R推進マイスターの研修が昨日にありまして、ガラスびんリサイクル促進協議会の方がびん商さんがほとんどもたなくなってきているので、びん商さんが廃業したらもうほぼ回復は難しいという話をされました。普及啓発を言っている段階ではありません。もうとにかく大量に使うところはきちんとリターナブルびんを入れていただく、そういうことを行政、大学、レストラン、ホテルも全部本気でやってほしいと、事業者に問いかける時代だとおっしゃったのが大変印象深かったです。そういう意味で、先ほどもお話がありましたシステムに関して何か提案をするとか、そういうところを入れなければいけないのではないかと思っております。
同じ視点で、次の[9]のリユース食器もかなり広がってきているんですけれども、衛生上の不安ということが書いてありますが、利用者の普及啓発だけを明示していますけれども、例えば保健所、あるいは保健所を管轄しているところときちんと連携して、どういうふうに衛生を管理すれば納得するかというガイドラインを一緒に決めていくとか、そういう解決策をつくっていかなければいけない時代に来ているのではないかと非常に強く感じます。
また、次のページの家庭ごみ有料化のところなども、今お話にもありましたけれども、例えば有料化を実施している自治体としてない自治体の家庭ごみの平均値はどのくらい違うのかを出すとかなり違います。そういうようなことを明確に分析しながら今後どういうシステム、視点が必要なのかというところを書き入れていくことが大事なのではないかと思っております。よろしくお願いいたします。
○武内部会長 それでは、佐々木委員、お願いします。
○佐々木委員 2点、67ページですけれども、[1]のところに減量化が着実に進展しているということと、3つの対策を進めていると書かれているんですが、当たり前のことなんですが、ぜひこの中に環境保全、適切処理、そういう観点を踏まえて、減量化だけが先行していくという話ではなくて、そこのところはぜひ踏まえておいたほうがいいかなと思います。
それから、[3]の一番最後のところなんですが、これも特に意識を行動につなげる取組については重点的に行う、そのとおりですが、もうちょっと前、具体的にいろいろなものの調査をしていますので、何かその辺があったほうがいいかなという気がします。これは意見でございます。以上です。
○武内部会長 森口委員。
○森口委員 物質フロー指標の部分につきまして、物質フローに関する専門的、技術的な検討会が別途ございまして、そちらのほうに携わっております関係から2点、これまでの委員のご指摘と絡めながら申し上げたいと思います。
1点は、佐和委員からご指摘のあったところ、もう退室されてしまいましたけれども、化石燃料の部分、ご指摘のとおり石炭、天然ガス、石油とそれぞれカロリーと重さの関係が違うので、そこを見ていったらどうかという議論をしておりましたので、次回までに資料を用意いただくことは可能ではないかと思いますので、ぜひ熱量ベースでの生産性の計算をしてはどうかと思っていて、現実では石炭火力が動いておりますので、燃料転換が進んでいない、天然ガス火力をキャパシティとしてあるんですけれども、燃料価格の問題がありまして、稼働率で見ますとかなり石炭が動いているというところもあろうかと思いますが、佐和委員がご指摘になった10ページの図10よりもさらに日本にとって深刻に受け止めなければいけないのは、14ページの図14でありまして、化石系資源をベースにした資源生産性はむしろ下がっている。したがって、CO2で見た生産性もなかなか厳しい状況にあるわけでありまして、そういったところをやはり詳細に見ていく必要があるのではないかなと思います。
これはまさに温暖化対策とこの循環型社会分野の非常に関わりの深いところでありますので、ここをぜひ分析を深めるべきかと思います。
2点目は、それとも関連するんですけれども、これは酒井委員からのご指摘、崎田委員からのご指摘とも少し関わるんですが、19ページの図22というのがございまして、循環資源の輸出量が近年増えているということがございます。酒井委員からの不況といったことがたびたび出てきたので、それ以外の部分を読み取っていかなければいけないということで、これは物質フローの検討会でまさに同じ議論がございました。不況の中でもこういった循環資源の輸出量が非常に増えていると、これは非常に重要なトレンドであろうということでございます。
ここに出ている鉱さい、金属くず、古紙、こういったものは日本国内で活用すれば、日本国内のCO2を下げるポテンシャルがあるわけなんですけれども、そういったものがなかなか日本国内で使われずに海外に輸出されている。その結果、日本国内で見た化石系資源の資源生産性はなかなか上がらない。グローバルに見れば、CO2削減に寄与しているわけですけれども、なかなかこういった指標で見ると、まさにそういうところから出てくるわけでございます。
それが崎田委員がおっしゃったリサイクル、回収は進んでいるんですけれども、なかなか日本で使われていない。この図の22の部分がせっかく回収したものが日本で付加価値を生むような形で使われれば、日本のGDPを押し上げるし、またいろいろな意味で指標が活かされてくるわけです。かつて日本が日本向けに東南アジア諸国が丸太を輸出していた。そうではなくてそこに付加価値をつけて、製品にして輸出するようになってきた。そのトレンドと共通性があると思っておりまして、でもせっかく回収したものですから、これはやはりちゃんと付加価値をつけて国内で使うなり、輸出をするのでも構わないと思うんですけれども、ここから付加価値を稼いでいきませんと、せっかく集めたものはかなり生に近い資源のまま輸出してしまうといことでは、なかなかせっかく循環社会という取組をしてきたところが活かされないのではないかと思います。
そういったところ、取組指標と物質フロー指標との関わりがだんだん見てきたような気がしておりまして、次回、もう少し詳しい分析結果の報告をいただけるのではないかと思いますので、そういったあたりを次回に少し踏み込んでいただければと思います。コメントでございます。
○武内部会長 どうもありがとうございました。
それでは、事務局のほうから、いただいたご意見に対して何かございますか。
○循環型社会推進室長 コメント、どうもありがとうございました。
意識と行動、確かに同じことを言っていないで、そこを政策につなげるというのは必要なので、そういうところについて、システム、何かもうちょっと書きたい。例えば、3Rポイント、経済的インセンティブが考えられる方式でございますので、それ以外にもあるかと思いますので、そういうところは書きたいと思います。
地域循環圏としていくつかご議論いただきまして、6月にやりましたとき、この部会でも地域循環圏のご報告をしたときに、地域循環圏でも2種類あるというご指摘をいただいていまして、地方自治体に何をどう求めていくのかということ、それから何を目指していくのか、全体的な評価、課題、今後ご用意するそちらのほうとうまく書いていきたいと考えております。
資源生産性、佐和先生、森口先生からご指摘いただいたところでございますけれども、確かにこの中の分析を次回にお示ししたいと思うんですけれども、天然ガスの伸びている量よりは石炭の伸びている量のほうが絶対的にかなり大きいというところがございますので、そういったことをお示ししてちょっと計算していきたいと考えております。
地域循環圏、地域性については先ほどもありましたが、もうちょっと全体的な評価のところで明確に書いていきたいと考えております。
それから、自然との共生の取組というところで、若干そこは簡単に省いてしまったところもありますので、経団連さんの取組を加えて充実させたいと考えております。
それから、酒井先生のご指摘の大きな構造変化、分別のところと金融危機のところの比重をもうちょっと考えて書きたいと考えています。
個別リサイクル法の進捗、時間の関係で説明を省いたところでございますけれども、先ほど森口先生からもご紹介いただきました物質フローのあり方の検討会でも個別リサイクル法の目標達成を物質フローの指標にどういうふうにきいていくのか、そういうところをぜひちゃんと分析すべきだというご指摘をいただいておりますので、そういったところについて、今後の課題も含めて書きたいと考えております。
それから、崎田委員からご指摘があったところですが、意識の分析、グリーン購入法が進んでいないというところの分析、ちょっと書けるかどうかというところがございますけれども、考えたいと考えております。
あと佐々木委員からのご指摘があった環境保全適正処理の観点は書き加えたいと思います。
あと森口先生が最後に輸出入のところのご指摘をいただいたんですが、もうちょっと詳しい表を出して、そこもご議論いただけるように準備したいと考えております。以上でございます。
どうもありがとうございました。
○武内部会長 どうもありがとうございました。
たしか私の記憶では、前回の際のこのレベルでは大変厳しい皆さんからのご意見をいただいたと思っておりまして、今日はそれに比べると大変皆さん好意的なコメントをいただいてありがたく思っております。
1つだけ私のほうで、ちょっと皆さんにこれから考えていただきたい点を申し上げますと、その大きなところの指標で言うと2つが達成できたという、これを喜んでいいのかどうかというところで、事務局としてはそれでこの動きが止まるのは困るので、それは不況もあるからそう単純に評価できないと言ったんですけれども、それは不況のせいにしたのはちょっとやり過ぎでしたね。ですから、もうちょっと高いレベルでこの位置づけを考えていくという。
○浅野委員 とりあえずは安定的にということを言っておかなければいけないんです。2、3年は様子を見ないと何とも言えない。その先さらにもっと削減できるかどうかという点についてはもう1、2年情報を集めて、そこで考えるというぐらいにしないと、達成できたら、もっと厳しくする、では収まらない。
○武内部会長 そういうことですね。それが1つと、それと今回補助指標が結構生きてきたという感じがするんですね。全体として土石も含めたやつではこうだけれども、しかしそれを外して見るとこうだとか、それから化石起源のものだとこうだとかと言えるようになったということはある意味では補助指標がかなり前面に議論が使えるようになってきたというこの2つが大きな特徴があると思いますので、そのあたりを少しハイライトすると、今回の点検報告書が非常にユニークなものになるのではないかと思いますので、次回、さらなる成長を楽しみにしております。
ということで、思いがけず、予定時間内に終わることができたという、大変今日は議事進行がうまくいってよかったと思います。
また、次回、よろしくお願いしたいと思います。
最後に、事務局より今後の予定について説明をお願いします。
○循環型社会推進室長 どうもありがとうございました。
次回の循環部会は先ほど申しましたように、ちょっと押し迫って大変恐縮なんですが、12月27日の月曜日、15時から三田共用会議所で開催することとしております。
本日のご意見を踏まえて、本報告書の完全版ということを出したいということで、これは将来的にパブリックコメントに出るようなものと考えておりますので、そのご審議を予定しておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。
○武内部会長 それでは、どうもありがとうございました。
これにて散開といたします。
午後4時56分 閉会